西住みほ「ただいま……」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

102 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:47:22.44 ID:JJgxYz/PO
麻子「さぁ、物は試しだ。西住さん、一度私と一緒に布団へ入ってみてくれ」バサッ

みほ「う、うん……」

『アンチョビ「麻子選手が開く布団は蠱惑の罠か、はたまた安眠への入り口か、みほさんは少し躊躇しています!」』

『エリカ「麻子選手は先にベッドに入っていますから、これにみほさんが応じれば完全に寝技体制からのスタートになります。流石にみほさんでも躊躇するのはやむを得ないと思われます。小梅主審も指を口に含んだまま動きません、何かあれば指笛で直ぐにストップをかける姿勢です」』

みほ「えっと、じゃあ……」スッ

麻子「…………貰った!」バクーッ

みほ「えっ!? あ、きゃーっ!」ズルッ

『アンチョビ「た、食べたーーーっ! 麻子選手、みほさんの信頼を裏切り布団へ引きずり込んだぁ! 更に麻子選手が自分もろとも布団の中へと潜り込ませましたぁ!」』

みほ「むーっ! むーっ!」モゾモゾ

小梅「…………ぴゅ!」

麻子「鳴らすのか?」ピョコ

『アンチョビ「麻子選手が布団から顔を出して小梅主審を牽制しています! ただしその間も布団が艶かしくもぞもぞと動いております! 一体あの中はどうなっているのかぁ!?」』

小梅「…………っ!?」

麻子「それは困ったな。笛を鳴らされたら大会の規定上、この布団の中身を白日の下へ晒さなければならない」ニヤリ

麻子「私は勿論構わないが、西住さんはどうだろうなぁ?」ニヤニヤ

みほ「むっ? んぐっ! ちょ、ちょっとそこはぁ!」モゾモゾ

小梅「…………くっ!!」サッ
103 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:48:09.70 ID:JJgxYz/PO
『アンチョビ「麻子選手がダーティーなプレイで試合を運んでいます! 小梅主審も指を咥えたまま止まってしまったぞぉっ!」』

『エリカ「これは小梅主審のミスですよ! みほさんが引きずり込まれる瞬間に鳴らしていればこのプレイは未然に防げた筈です!」』

麻子「私は西住さんとなら十分と言わず一晩でも良いからな、赤星さんはそこでそのまま指を咥えて見ているといい」ニタニタ

麻子「……ではな」スポンッ

みほ「麻子さん!? な、なんでそこちょちょっと駄目ぇ!!」モゾモゾ

麻子「西住さん、安心してくれ。私はこの小柄な体型による抱き心地だけではなく、少々弱いが振動機能も完備している。さぁ存分に楽しんでくれ」モゾモゾ

みほ「えぇっそれの何処に安心すればいいの!? こ、小梅さん助けてぇ!」モゾモゾ

小梅「…………!? !?」オロオロ

『アンチョビ「小梅主審は動けない! これは危険な状況だぁ! 笛を鳴らせばカメラに映せないみほさんの姿が明らかになってしまうのか!? しかし鳴らさなければ麻子選手の毒牙がみほさんに襲いかかるのは確実です!」』

『エリカ「みほさんを守る為に笛を鳴らすべきか……それともみほさんがやられるのを待つべきか……」』

『エリカ「みほさんをやってから笛を鳴らす……いえ、笛を鳴らしてからみほさんをやってしまいましょう!」』

『アンチョビ「エリカさん! その言葉は残らず家元に報告しますからね! 後でじっくり反省してください!」』

『エリカ「勿論冗談です! 勘弁してください!」』
104 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:48:39.31 ID:JJgxYz/PO
麻子「西住さん、あまり暴れると危ない」モゾモゾ

みほ「暴れさせてるのは麻子さんだよ!」モゾモゾ

麻子「大丈夫だ、少し痛くて、少し気持ちよくなるだけだから」モゾモゾ

みほ「も、求めてないよぉ! え、もうまたそんなとこ、あっあ、もう、麻子さん!」モゾモゾ

『アンチョビ「一体そこはどこなんだぁ! 笛を鳴らして教えて欲しい! あわよくば私も混ざりたーーいっ!」』

『アンチョビ「さぁ小梅主審は未だ指を咥えたまま動けません! これは本当にみほさんがピンチです! この場面をどうにかしてくれる救世主はどこかにいないのかぁ!?」トントン スミマセーン』
105 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:49:12.54 ID:JJgxYz/PO
ーーー大洗学園某室ーーー

アンチョビ「この正念場に審査員室へとまた乱入者かぁ!? さぁどなたですか!?」クルッ

沙織「いま、麻子の名前呼んでませんでした?」スッ

アンチョビ「あーっと、あんこうチームの乙女道担当の武部沙織さん、本日二度目の乱入だぁ!」

エリカ「でも残念ながら、お探しの猫はこの部屋にはまだ来ていませんよ」

沙織「…………あっ!」タタッ

沙織「……麻子、見つけたっ!」クワッ

沙織「この映像の部屋、みぽりんの部屋だよね! 麻子ったらこんな所に……あ、お邪魔しました!」ズダダダダ

アンチョビ「……探してたペット、猫、ネコ? 見付かったのは麻子さん…………あっ」

エリカ「…………あっ」

ダージリン『あっ(察し)』スッ

絹代『あっ(察し)』スッ

ミカ(探してた猫は見付かったのかな?)ウーン
106 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:49:50.70 ID:JJgxYz/PO
ーーーみほの部屋ーーー

『アンチョビ「あの、小梅主審……麻子選手に飼い主さんがダッシュでそちらに向かったとお伝えください」』

小梅「ぴゅっぴゅいー!」

麻子「……なんだ、トラブルか?」ピョコ

小梅「あの、麻子さんの飼い主さんが猛ダッシュでこちらに向かっているそうです」

麻子「うわぁっ! もう見付かったのか!」スポンッ

麻子「……ともかくよく教えてくれた! じゃあ私はここで棄権するから、後は頼んだ!」クルッ スタタタ

『アンチョビ「此方も素早い展開! 麻子選手は衣類を着直して、直ぐ様みほさんの部屋から脱出しました!」』

小梅「えーと、みほさん? 大丈夫ですか?」サッ

みほ「お布団はまだ捲らないで、ちょっと待って!」モゾモゾ

みほ「よし。ふぅ……麻子さん凄く力が強いんだもん、ビックリしちゃった」ガバッ

小梅「いつもの麻子さんと思えない程素早かったですしね。みほさん、助けるのが遅れてごめんなさい」ペコリ

みほ「あはは、大丈夫だよ。でもちょっとお手洗い行ってくるね……」ソソクサ

『アンチョビ「どうやらみほさん自身のダメージは然程無さそうです! しかしここでお手洗いですか……エリカさん、これはどういう意図があるのでしょうか?」』

『エリカ「身嗜みのチェック……一人で休憩する事による精神の安定……色々な理由が考えられますが……布団の中で不意に濡れてしまった何かを拭き取りに行ったいうのが私は一番興奮します!」』

『アンチョビ「力強い返答ありがとうございます! さぁそろそろ沙織さんがみほさんの部屋に到着する頃ですが、既に麻子さんは脱出済みですがこれに対してどういう反応をするのでしょうか!」バンバン』
107 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:50:27.81 ID:JJgxYz/PO
ーーー大洗学園某室ーーー

アンチョビ「あーーっと激しく扉を叩く音が聞こえたぞぉっ! またこの部屋に乱入者です! 今度は一体誰ですか!?」クルッ

麻子「はぁ……はぁ……。久し振りに本気で走ったぞ……」ゼーハーゼーハー

アンチョビ「なんとここで先程の選手、冷泉麻子さんが登場だぁ! みほさんの部屋には未だ沙織さんは訪れていません! どうやら完全に行き違ったようです!」

エリカ「これは沙織さんが裏をかかれた状況です」

麻子「……沙織はこのカメラで私を見付けたんだろ? それならこの部屋には当分来ないだろ。暫く身を隠させて貰うぞ」スッ

???「と、思うじゃん?」ガバッ

麻子「……えっ!?」クルッ

沙織「……麻子、つっかまえたぁ……」ニコッ

麻子「う、うわぁぁぁぁーーっっ!!」

アンチョビ「さ、沙織さんがいつの間にか麻子さんを羽交い締めしているぅーーー! 裏をかかれたのは麻子さんだったぁ!」

沙織「麻子ったらまた逃げ出して……私……随分探したんだからね……」

麻子「止めろぉ! 離せぇ! くっこの、ふんっふんっ!」ジタバタ

沙織「あ、そうやってまた我儘言う! そういう子にはまた魔法の棒を当てちゃうんだからね!」

麻子「ひっ! そ、そうやって何度もやられてたまるか! この、はぁなぁせぇ……!!」グググ
108 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:51:10.59 ID:JJgxYz/PO
沙織「やだもー、麻子は皆の前だと元気なんだから……でも今日は私も怒ってるんだからね! 麻子がちゃんと素直な良い子になるまでイボイボさんも使っちゃうんだから!」

麻子「い、いぼいぼ……」サーッ

麻子「や、やだぁ! いぼいぼさんやだぁ!」ジタバタ

沙織「だーめ! さ、麻子……いこ?」グイッ

麻子「誰かたすもがっ!」モガモガ

沙織「それじゃ皆さん、ありがとうございましたぁ!」

アンチョビ「あ、あのっ!」

沙織「……あ?」ギンッ

アンチョビ「何でもないです! お出口はあちらでぇーす!」サッ

沙織「はーいっ! お邪魔しました!」グイッ

麻子「もがもがーっ!」ジタバタ

アンチョビ「…………エリカさん、素直とは一体……?」チラッ

エリカ「アンチョビさん、何も考えちゃ駄目です」

アンチョビ「……ですね! はい、それでは麻子選手の審査結果をお願いしまーす!」

ダージリン『ペコはいつもトゲトゲさん』スッ

絹代『福田はいつでも素直!』スッ

ミカ『探していたのは猫? 麻子?』スッ

アンチョビ「……ミカさん、きっと沙織さんはその両方を見付けたんでしょう! ネコも麻子さんも見つかりました! さぁみほさんも部屋に戻ったようです! カメラを戻しまーす!」
109 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:51:49.84 ID:JJgxYz/PO
ーーーみほの部屋ーーー

みほ「それにしても麻子さんは何処行ったんだろ? 何か困ってたみたいだけど……」

小梅「きっと大丈夫ですよ。……イボイボを刺されたくらいで死にはしないと思いますし」ボソッ

『アンチョビ「えっと、小梅主審は少し怒っていませんか?」』

『エリカ「そうですね、目の前で麻子選手に自分を虚仮にされたようなものですから怒っても仕方ありません。事の顛末は聞こえているでしょうから、小梅主審としては溜飲が下がる思いでしょう」』

みほ「まぁいっか! じゃあ小梅さん……そろそろ寝よっか!」

みほ「寝転びながら沢山お喋りしよっ?」チンローン

みほ「……こんな時間に誰だろう。はーい」トテテテ

まほ「みほ、邪魔するぞ!」バンッ

みほ「お、お姉ちゃん!」

まほ「黒森峰の学園艦が大洗の近くに来たからな、私も顔を見せに来たんだ。入っていいか?」

みほ「う、うん。いいけど、その袋……何?」チラッ

まほ「これか? 最近私はこれに凝っていてな……コーヒーミルだ!」ドヤァ

みほ「コーヒーミル!? 態々ここまでコーヒーミル持ってきたの!?」ビクッ

まほ「こうでもしないとみほにコーヒー淹れてあげられないだろ……みほは黒森峰に来てくれないし……」ズーン

みほ「そ、そうだね。黒森峰って少し行き辛くって……ごめんねお姉ちゃん……さ、どうぞ入って」スッ
110 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:52:33.15 ID:JJgxYz/PO
まほ「あぁ、邪魔するぞ!」トテトテ

小梅「…………」チラッ

まほ「…………」コクッ

小梅「ピーーーーーーッ!」

『アンチョビ「出たぁーーっ! 満を持しての登場です! 次期西住流後継者にして黒森峰戦車道の代表! 更に更に……みほさんの実姉! リアルお姉ちゃん! 西住ぃぃまほ選手! 堂々入場っ!」』

『エリカ「遂に出ましたね……。審査員席に姿を見せなかったので、必ず現れると思っていました! まほ選手の西住流の流れを汲む動きに注目です!」』

まほ「ん……布団を敷いてあるということは、もう寝るところだったのか? 少し来るのが遅かったな、すまない」ペコリ

みほ「あはは、今日は色んな人が来たからちょっと疲れちゃって……。でも大丈夫、まだまだ小梅さんとお喋りするつもりだったから!」

まほ「もう少し早く来たかったんだがな……そうそう、土産を持ってきたんだ」サッ

みほ「うわぁ、ボコストラップだぁ! しかも黒森峰の帽子被ってる! 凄い凄い、ありがとうお姉ちゃん!」キャッキャッ

まほ「黒森峰では最近ボコとのコラボが始まってな、余り宣伝はされていないんだがそのストラップもコラボ商品の一部だ。こういうのもあるぞ」サッ

みほ「ボコが戦車乗ってるぬいぐるみだぁ! こっちは黒森峰学園艦ストラップのボコ仕様デザインだぁ!」

まほ「ふふ、勿論全部みほの為に持ってきたんだ。貰ってくれるか?」

みほ「ほ、本当!? お姉ちゃん……大好きっ!」ダキッ

『アンチョビ「なんとみほさんが感極まってまほ選手に抱き付いております! 余りの出来事にまほ選手の顔は締まりが緩く蕩けきっているぞぉ! これは羨ましい!」』

『エリカ「先ずは物でみほさんを釣ると、オーソドックスな攻め手ですがボコグッズともあって効果は抜群でしょう。まほ選手はこの日の為にボココラボを無理矢理黒森峰に引っ張ってきたのは明白です!」』
111 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:53:12.79 ID:JJgxYz/PO
まほ「さて、そろそろみほに私のコーヒーをご馳走してあげたいのだが、寝る前なんだしミルクたっぷりのカフェオレでも淹れてあげるよ」チラッ

みほ「あ、うん! ありがとう! えーと、私はお湯を沸かせばいいのかな?」

まほ「そうだな、では水はこれを沸かしてくれ。ミルクはこれで頼む」スッ

みほ「水とミルクまで持ってきてるんだ……本格的だね!」

まほ「最近では戦車の事よりコーヒー豆の事を考えている方が多いぐらいだ」

みほ「お姉ちゃんたらハマりすぎだよっ」

『アンチョビ「まほ選手が水とミルクまで持ち込みという拘りを見せております! んー、おそらく軟水でしょうか……まほ選手はコーヒーにも定石と安定を感じさせますね」』

『エリカ「好みにもよりますがコーヒーや紅茶には軟水がベターですから、まほ選手、ここは置きにいったという所ですかね」』

まほ「さて、みほが沸かしてくれている間に私はこの西住ブレンドをっと……」ガリガリガリガリ

『アンチョビ「まほ選手が手慣れた様子でコーヒーミルを動かしていくぅ! 良いですねぇ、ここまでコーヒーの香りが漂ってきそうな音がします!」』

みほ「お姉ちゃん、お水とミルク暖めたよ!」

まほ「みほ、ありがとう。こっちも挽き終わったよ。やっぱり挽き立ては良い香りがするだろう?」チラッ

みほ「本当に良い香りだねお姉ちゃん! コーヒーってこうやって一杯毎に挽くんだね……」

まほ「ふふ……豆の選別、焙煎……この下準備だけでも時間がかかるからな……今回は焙煎まで黒森峰で終わらしてきたが、次にコーヒーを淹れるときには是非煎りたてからのコーヒーをみほに飲ませてあげたいな」ニコリ

みほ「うん、楽しみにしてるね!」
112 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:53:56.38 ID:JJgxYz/PO
『アンチョビ「いやーまほ選手は相当コーヒーに入れ込んでいますねぇ。私も当然コーヒーは手淹れですが、焙煎までは専らお店でしてもらいますからね」』

『エリカ「しかしまほ選手のプレイングは余り動いていませんね。コーヒーに対する姿勢のせいか、みほさんへのアピールがこれでは足りませんよ。このままでは審査は相当厳しいものになります」』

『アンチョビ「たしかにこのままではまほ選手は若干厳しそうです! ん……? まほ選手が何やら持ってきた袋を探っているぞ?」』

まほ「しまった……やってしまった……」ガクリ

みほ「お姉ちゃん、どうしたの? 何かあったの?」

まほ「ペーパーフィルターを……忘れてしまった……」ズーン

『アンチョビ「これは大失態です! 挽いた豆、暖めた軟水とミルクを前にまほ選手は立ち往生! 肝心のペーパーフィルターを忘れてしまいましたぁ!」』

まほ「いつも手の届くところにあったから……入れるのを忘れてしまった……すまない、みほ……」ガクリ

みほ「えーと、大丈夫だよお姉ちゃん! 近くのコンビニに買いに行けばきっとあるよ!」

まほ「みほ……そうだな……ありがとう」ニコリ

まほ「だが……豆は挽いた瞬間から酸化が進んで行くんだ! 今こうして話している間にも……コーヒー豆の劣化は進んでいく、そんなときにコンビニまでなど行けない! コンビニに行く時間が惜しい!」カッ

みほ「で、でも私の部屋にペーパーフィルターの代わりになるものなんて無いよ?」

『アンチョビ「そうですね……これは難しいですよ! 普段手淹れでコーヒーを飲まない人の部屋にはペーパーフィルターはおろかその代わりも見つからないと思いますが……」』

『エリカ「実はキッチンペーパー等でも代用ができるのですが、コーヒーに並々ならぬ拘りを持っているまほ選手ですから、果たして代用で妥協するのか……!」』
113 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:54:36.63 ID:JJgxYz/PO
まほ「みほ……すまないがみほの部屋から何か代用品を借りてもいいだろうか?」チラッ

みほ「それはいいけど……何かあったかなぁ……?」クビカシゲー

まほ「大丈夫、良いのがあるんだ!」ニコリ

『アンチョビ「さぁまほ選手、まるで何かに導かれるように歩いていきます! あぁっと、キッチンには目もくれませんよ! まさかキッチンペーパーは使わないのかぁっ!?」』

『エリカ「あの、これお風呂場に向かってませんか?」』

『アンチョビ「向かっています! お風呂場、いえ、これはお風呂場の手前で止まりました! まほ選手が脱衣所でごそごそと何かを探っているぞぉ! 一体ここから何が出てくるのか!」』

まほ「あったあった! これだ、この脱ぎたてのみほパンがペーパーフィルターの代わりになるんだ!」ニコニコ

『エリカ「絹100%ですかね、可愛らしい下着が出てきました! ちょっとこの逸見エリカ……テンションが上がってきましたよ!」』

みほ「………………」

『アンチョビ「エリカさんの上がったテンションとは逆に自らの下着を手にしているまほ選手にみほさんのテンションは下がりっぱなしです! 呆然とした様子でまほ選手を見ていますが、みほさんのコンディションが心配ですね!」』

まほ「この取れたてのみほパンをドリッパーにセットして……」スッ

みほ「………………」

まほ「豆を敷いて、と……更にお湯を……」トプトプ

まほ「このお湯で蒸らしている時の香りも堪らないんだ!」ニコニコ

みほ「………………」

まほ「更にお湯を足す、と……うんうん、良い色だな!」ニコニコ

みほ「………………」

まほ「そして出来たこの西住スペシャルブレンドみほパン一番絞りを……飲むぅっ!」グイッ

まほ「やはり……コクが……違うな!」ウン

みほ「………………きゅう」フラリ バタン

小梅「…………はぁっ!」サッ
114 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:55:11.28 ID:JJgxYz/PO
『アンチョビ「ここでみほさんダウーーーーン! 実の姉がみほパンフィルターから溢れた一番絞りを頂くという異様な光景に耐えられなかったのか、なんと卒倒してしまいましたぁ!」』

『エリカ「みほさんが倒れる瞬間に小梅主審が布団でフォローに回りました。ここは小梅主審に感謝です!」』

まほ「どうしたみほ!? おい、しっかりしろ! い、一体何が……!?」オロオロ

小梅「ピピピーーーーッ!」

『アンチョビ「レッドカーーードッッ! ここは当然レッドカードです!」』

『エリカ「当たり前ですよ! みほさんは気絶してしまっているわけですから、これはペナルティが重くなければ誰も納得できません! それにこのプレイ状況ではペーパーフィルターを忘れたのもわざとだと思われます! 小梅主審には厳しい判定をお願いしたいです!」』

まほ「え、レッドカード!? 私はコーヒー飲んだだけだぞ!」バンッ

小梅「これはレッドカードで当然です! 何で隊長はみほさんの事になるといつもトップギアなんですか! もうちょっと抑えてくださいよ! 実の妹の下着でドリップしたコーヒー飲んでコクが違うな……なんてどういう生き方してたら辿り着くんですかぁっ!」

まほ「普通に生きてきたよ! 可愛い可愛い妹を見守りながら戦車道を進んできただけだ!」

小梅「見守るを超えて手を出してるでしょ! 大体この下着ドリップも初犯じゃないですよね!? セットの仕方が常習犯のそれなんですよ!」

まほ「手はまだ出していない! みほパンは……まぁ実家にあるのを何枚か拝借したが……セーフだろ?」チラッ

小梅「ピピピピピーーーーッッ!! はい、ブラックカード! それアウトで犯罪ですから!」バッ

まほ「なんでだぁぁーーっ!」バンッ
115 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:55:58.24 ID:JJgxYz/PO
『アンチョビ「アウトォォーーーッッ! 遂に出ましたブラックカード! これは相当重いペナルティが課せられます!」』

『エリカ「擁護のしようがありませんね。これはあれでしょうか、みほパンは全部フィルター代わりにしたということでしょうか。それとも別の使い方を……」』

『アンチョビ「これは怖くて聞けませんね、特にみほさんには絶対に聞かせられないでしょう!」』

小梅「ピッピッピーーーッッ!」バッ

『アンチョビ「これは……ペナルティが出ました! 『おかあさまといっしょ』と書いてあります! エリカさん、これはどういう……?」』

『エリカ「そのままですね、所謂しぽりんルーム行きといったところです」』

『アンチョビ「はい、ではペパロニさん! まほ選手を回収してくださーい!」』

ペパロニ「はいはーい! お邪魔するッスよー!」トテトテ

まほ「い、嫌だぁぁーーっ! せめて別のペナルティにしてくれぇ!」ジタバタ

ペパロニ「まほさん、まーたしぽりん行きッスか? いい加減更生してほしいッス!」ズルズル

まほ「しぽりんは嫌だ! みぽりんが良い! みぽりんが良いんだ! み、みぽぉぉーー…………」ズルズル

『アンチョビ「さぁまほ選手が退場していきます! レッドカードは通算三枚目、今大会も波乱の展開となっております! ここで一旦カメラを戻します!」』
116 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:56:38.80 ID:JJgxYz/PO
ーーー大洗学園某室ーーー

アンチョビ「いやーまほ選手のコーヒーは一度味わってみたいですね! それにしてもエリカさん……エリカさん?」チラッ

エリカ「…………」グッ

ダージリン「…………」グッ

絹代「…………」グッ

アンチョビ「気付けば三人がクラウチングスタートの体勢で部屋のドアに身体を向けております! 皆さん、これは一体どういう事ですか!?」

ダージリン「知れたことですわ……みほさんが倒れた今……もっとも早くみほさんの元へ駆け付けた者が……勝者となります!!」クワッ

アンチョビ「よく分かりませんが……皆さんのみほさんの元へと駆け付けたい気持ちは十分に伝わりました! では三人の意気込みを聞いていきましょう! 絹代さん、自信はありますか!?」

絹代「私のような若輩者では心許ないかもしれませんが……みほさんを思うこの気持ちに嘘はありません! 西絹代、全力でみほさんの元へ走ります!」グッ

アンチョビ「まるで青春のような清々しい意気込みです! これは期待できそうです! さぁ次はエリカさん! 自信の方はどうですか!?」

エリカ「隊長がみほパンでドリップしたなら……私はみほパンでトリップしてみせる!」グッ

アンチョビ「既にみほさんへの気持ちでトリップしている事には突っ込めません! 直接舐めるのは禁止ですからね、気を付けてくださいよ! さぁ最後はダージリンさん! 体育会系なこの二人に対しては若干不利な気がしますが、お気持ちをお願いします!」

ダージリン「私、いつも考えておりましたが……みほさんとならキビヤックプレイもイケますわ!」グッ

アンチョビ「キビヤック!? キビヤックというとイヌイットの発酵料理ですが……これは吸う方か吸われる方なのか……議論を呼びそうですねミカさん!」チラッ

ミカ「えぇっ!? わ、私はそのキビヤックがよくわかりませぇん!!」ビクビク

アンチョビ「はい、さぁそれでは皆さん準備はよろしいですか!? いちについて……」スッ
117 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:57:09.39 ID:JJgxYz/PO
エリカ「よドンッッ!」ズダダダダダ

ダージリン「よドン!? くっ卑怯ですわ!」ズダダダダダ

絹代「こ、こんなの無効です! やり直しを要求します!」ズダダダダダ

アンチョビ「と言いつつ一人疾走するエリカさんの後を二人が慌てて追うっ!」クルッ

アンチョビ「三人を追うぞ、スタッフは全員私に着いてこい! カメラとマイクは絶対に引き離されるなよ! タンケッテにも火を入れとけ! アーヴァンティッッ!!」ビシッ

アンツィオ生徒「ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!」ワァァ

アンチョビ「走れ走れ走れぇーーーっ!」ズダダダダダ

アンツィオ生徒「ドゥーチェ! みぽりん! ドゥーチェ!」ズダダダダダ

ミカ「…………」ポツーン

ミカ「あ! カンテレ、見つけたぁ……!!」ギュウウ

ミカ「アキとミッコ、迎えに来てくれなかったなぁ……」ハァ

ミカ「…………帰ろ」スタスタ
118 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:57:50.01 ID:JJgxYz/PO
ーーー大洗学園外ーーー

エリカ「ワニワニワニィーー! 貰った、この勝負貰ったわぁ! 待っててね、みほぉーーっ!」ダダダダダダ

絹代「エリカさん、流石にこれは卑怯です! 速やかにやり直しを要求します!」ダダダダダダ

ダージリン「お待ちなさーいっ! こんなやり方で勝負を付けられても、私達は絶対に納得いたしませんわよ!」ダダダダダダ

アンチョビ「フライングで走り出したエリカさんを絹代さんとダージリンさんが追う、追う、追うぅーーーっ! エリカさんも速いが二人も速い! 徐々に差が縮まってきたかぁ!?」ダダダダダダ

ダージリン「例えこれで負けても必ずドアをぶち破ってでも邪魔致しますわよ! エリカさん、聞いていますの!?」ダダダダダダ

エリカ「どうぞどうぞ、邪魔でも何でも好きにすればいいわっ!」クルッ

エリカ「あの部屋はねぇ、みほが賃貸契約をした時から家元と相談して改装に改装を重ねてあるのよ! ドアの鍵にはロイヤルガーディアン、ドアも壁も全て特殊カーボンで補強、ガラスは全て超硬度ガラスで作ってあるのよっ! 即ち、あの部屋の中から鍵を掛ければ誰にも邪魔されない完全密室部屋となるのよ!」ワニワニ

アンチョビ「みほさんの部屋だけそんな魔改造が! この口振りだと当のみほさんはご存知無いでしょう! 家元の過保護さがよく出ています!」ダダダダダダ
119 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:58:24.45 ID:JJgxYz/PO
ダージリン「それでも小梅主審がいますわ! 例え密室でもエリカさんの思い通りにはならなくってよ!」ダダダダダダ

エリカ「墓穴なりダージリン! つまり小梅を落とせばそこはパラダイスって事でしょうが!! 勿論小梅対策もしっかり用意してあるわに!」ダダダダダダ

絹代「くっ、先程のバーストアピールでご飯を何杯も食べたせいで上手く走れない……こ、ここまでなのか……?」ダダダダダダ

エリカ「ま、みほ仲間のよしみでカメラはそのまま写させてあげるから、あんたたちはあの部屋で紅茶でもご飯でも好きなだけ飲み食いすればいいわ! 私とみほの仲睦まじい様を見ながらね!」ワニワニ

アンチョビ「エリカさん、一人独走ぉ! 何と差が縮まるどころか徐々に拡がって行くぅ! これもみほさんへの愛が為せる技なのか! 私もどんどん離されていくぞぉ! ちょ、ちょっと待ってぇ!」ダダダダダダ

エリカ「みほ……みほ……みほぉ! 今行くわぷぎゃっっ!」ドンッ

エリカ「いったぁ……この、どこ見て突っ立ってんのよ唐変木! …………あれ、い、いえもぎゃんっ!」ゴンッ パタリ

ダージリン「あ、あらこれはこれはご機嫌うるわぎゃんっ!」ゴンッ パタリ

絹代「け、けいれぎゃんっ!」ゴンッ パタリ

???「全く、あの子ってば変な奴を惹き付けるフェロモンでも出てるのかしら……。やはり独り暮らしなど認めるべきではなかったわ……。でも、家は家でまほがいるから心配だし……」フゥ

アンチョビ「あ、あなたは……」ガクブル

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーー

120 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:59:33.23 ID:JJgxYz/PO
ーーーみほの部屋ーーー

みほ「………………」ナデナデ

みほ「…………ん、んぅ……」ナデナデ

みほ「……みゅ? あれ、私……寝ちゃってた……」ナデナデ

???「おはよう、みほ……」ナデナデ

みほ「え、お母さん……?」ナデナデ

みほ「あ、ずっと膝枕して……くれてたの……?」

しほ「えぇ。随分疲れていたのね……良く眠れたかしら?」ポンポン

みほ「うん……。でも、は、恥ずかしいよ……」テレテレ

しほ「親子ですもの、たまにはこれくらいしても良いでしょう?」

しほ「さぁ、起きて朝食にしましょう? それとも、まだ暫くこのままの方が良いかしら?」

みほ「ううん、起きるね。お母さん、ありがとう……」グイッ

みほ「…………ところで」クルッ

みほ「何で私の制服を着てるの?」

小梅「…………ピーーーーーーッッ!」

みほ「それはもういいよっ!」
121 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 02:59:59.87 ID:JJgxYz/PO
この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りしました。

ーーー戦車道ならーーー

ーー 西 住 流 ーー

ーーーーーーーーーーー
122 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 03:00:34.09 ID:JJgxYz/PO
ーーー継続高校ーーー

アキ「もう、ミカったら! いい加減ご飯食べなよぉ!」プンプン

ミッコ「何々、まだミカいじけてんの?」ニヤニヤ

ミカ「いじけてない! こうなるのも当然だよ!」

アキ「ミカったら、テントの隅でうずくまっちゃってさ、大洗から帰ってきてからずっとこうなんだよ!」

ミッコ「一体何があったのさ、教えてくれないとあたしたちには分かんないよ」チラッ

ミカ「アキもミッコも迎えに来てくれなかった! ずっと待ってたのに、ずっと怖かったのにぃ!」

アキ「迎えにって……ミカが何か誘われたから行ってくるって言ったんじゃん! むしろ置いてかれたの私達なんだけど!」

ミッコ「そうそう、美味しい物が食べれるかもなんて言いながら大洗に向かったのミカじゃん! あたし達の方が迎えに来て欲しかったってーの!」

ミカ「でもダージリンから電話があったろう!? あれからいつ二人が助けに来てくれるかってずっと待ってたのに! 信じてたのにぃ!」

アキ「あの電話は……ねぇ?」チラッ

ミッコ「なぁ……?」チラッ
123 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 03:01:00.59 ID:JJgxYz/PO
ミカ「知ってる顔ばかりだったけど、皆なんかおかしかったんだ……言ってる事も良くわからなかったし……」グスン

アキ「って言うか私達もミカのせいで恥ずかしかったんですけど!」プンプン

ミカ「……え、どうして?」

アキ「ダージリンさんから電話があって、ミカが何も知らなさすぎるって言われて!」プンプン

ミッコ「あぁ、そうそう。ミカ、それであの時ダージリン達から何か貰ったんだろ?」

ミカ「……これ?」カチッ ウインウイン

アキ「…………ミカ、これが何に使うか分かる?」

ミカ「…………全然分からないな」ウインウイン

アキ「ほらぁ! ダージリンさんが心配するわけだよ!」

ミッコ「まぁまぁ、教えてあげればいいじゃん。逃げ場は……無いんだし」ジー

ミカ「えっ? えぇっちょちょっと待ってくれないか!?」アタフタ

アキ「大丈夫だよ、大丈夫。私とミッコみたいに、ミカも少し大人になる日が来たんだよ……?」ウインウイン

ミカ「いや、ちょ怖い! ミッコたすけ……」

ミッコ「あたしはネコなんだけどなぁ……まぁミカ相手ならたまにはいっか……」ニコニコ

ミカ「だ、だれ……もがもがーーーっっ!」ジタバタ

ーーーーーー

ーーー

124 : ◆DLwRpsYLYI :2019/04/09(火) 03:11:39.20 ID:JJgxYz/PO
ありがとうございました
まとめてくださるサイトさんがおりましたら
>>31からまとめてくださると嬉しいです
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/10(水) 11:54:02.10 ID:d/QyW+Tso
136.44 KB Speed:0   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)