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【鯖鱒wiki】どうやら坂松市で聖杯戦争が行われるようです【AA不使用】

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/03/01(日) 13:35:50.24 ID:h9VKBU5m0
wikiに登録ってのは未出よ
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:37:48.20 ID:w0U+uyCXo
攻略系のスレじゃないなら、なおさら扱いやすいのより癖の有りそうなの出したいよな
104 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 13:39:31.84 ID:Kb2G53pIO

>>100
【未出枠に登録されているそうです。どれか言うと投票で差が出そうなので伏せておきます】


【安価の際には、点呼を取って一つしかレスの無いものは安価外として扱う……というのはどうでしょう】
【これならID替えを防止できるはず】
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:40:24.07 ID:HpXqAr2I0
どれも楽しそうで悩む
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:41:29.34 ID:8de8GjAB0
良いと思う
点呼はいつからいつまでかな?
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:44:30.80 ID:pk9KXPPaO
この投票前の牽制感好き
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:46:06.28 ID:NXhxGnHi0
まぁ、候補の特徴に心当たりある人には気が気でないだろうしなぁ
主人公鯖なんてド主役だし
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:47:00.40 ID:ljsFBT0yo
逆に落選を確信して気楽マン
110 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 13:47:04.13 ID:Kb2G53pIO

【では、そろそろ点呼を始めておきましょう】

【今から十分間、点呼に反応していないIDは投票出来ませんので気を付けてください……】

【それでは、参加してくださる方はいますか?】

111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:47:48.68 ID:ljsFBT0yo
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:48:06.26 ID:h1AkRYorO
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/03/01(日) 13:48:08.10 ID:h9VKBU5m0
イエーイ
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:48:09.67 ID:NXhxGnHi0
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:48:19.38 ID:6FRD8Ib7O
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:48:31.01 ID:hxSHrtvGo
イェイ
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:48:40.61 ID:jTJFUvIAo
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:49:12.27 ID:8de8GjAB0
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:49:34.01 ID:cDJ9Q+odO
うす
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:49:35.53 ID:HpXqAr2I0
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:50:14.93 ID:w0U+uyCXo
そういえば時間ギリギリに送ったのが届いたかどうか不安なので、また余裕があればAA一覧出して頂けるとありがたい
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:50:22.36 ID:pk9KXPPaO
はい
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:51:50.39 ID:o6Nj/8TD0
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:53:44.11 ID:x+Fs5Tcj0
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 13:56:07.85 ID:nG4fUqmH0
はい
126 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 14:00:16.53 ID:Kb2G53pIO


【ここまで、では投票に移りたいと思います】

【この人数なら五票先取で良さそうですね。選ばれたサーヴァントが貴方と契約します】

【1、2、3、4の何れか一つを選び、投票してください】
 ↓1から決まるまで


127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/03/01(日) 14:00:31.85 ID:h9VKBU5m0
1
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:00:39.33 ID:nG4fUqmH0
4
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:00:43.37 ID:ljsFBT0yo
1
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:00:45.09 ID:h1AkRYorO
2
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:00:49.55 ID:8de8GjAB0
3
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:00:58.21 ID:pk9KXPPaO
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:01:11.93 ID:HpXqAr2I0
3
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:01:30.22 ID:o6Nj/8TD0
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:01:36.87 ID:x+Fs5Tcj0
3
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:01:44.60 ID:8de8GjAB0
やはり女が人気か?
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:01:50.81 ID:6FRD8Ib7O
1
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:02:24.20 ID:hxSHrtvGo
3
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:02:53.49 ID:NXhxGnHi0
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:03:37.57 ID:w0U+uyCXo
先取か、3で決まったっぽい?
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:04:01.36 ID:o6Nj/8TD0
やっぱヒロイン候補はつよいな
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:04:02.09 ID:h9VKBU5m0
3かな?
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:04:11.70 ID:hxSHrtvGo
よし次からは性別も伏せよう(提案)
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:04:55.58 ID:NXhxGnHi0
タッチの差で3かー
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:06:02.58 ID:8de8GjAB0
これ1と3で再投票するのも面白そうだな
先取系って決まりそうになった奴に入れる人いるし、票ぶれそう
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:07:13.05 ID:pk9KXPPaO
決まったっぽいけどAA公開とかされるのかな?
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:10:30.03 ID:x+Fs5Tcj0
2行の情報からサーヴァント選ぶのに決戦投票とかで時間掛けすぎる必要性は感じない
不正な投票があったなら兎も角
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:11:54.34 ID:hxSHrtvGo
1は3決定後に来たのを含めても4票では?
149 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 14:14:25.82 ID:Kb2G53pIO
undefined
150 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 14:16:40.61 ID:Kb2G53pIO

候補:3

【試しにAA貼ろうとしたら字数制限に引っ掛かった。スマホしか無いからチクショウ!】

【性格だけなら、この中では一番正統派なサーヴァント。性能はうん……】

【では、これよりプロローグの書き溜めしてきます。本日中には終わる予定】

【皆様ご協力ありがとうございました。それでは後程……】
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:16:52.27 ID:NXhxGnHi0
あれ、1四つだった?見間違えてたか
3で決定か。おめでとうー
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:18:08.02 ID:8de8GjAB0
乙、楽しみにしてる
AA名だけでも良かったのでは?
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:19:02.61 ID:HpXqAr2I0
乙です
さてさて、マスターにもヒロイン候補は現れるのか
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:19:20.41 ID:x+Fs5Tcj0
一旦乙
ここは1レス4000byte程度が上限? 大きなAAは分割しないとダメかもね
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:21:31.02 ID:hxSHrtvGo
AAメインじゃないなら、イメージ的な感じで時々雑談所に貼る程度でもいいかと
なんにせよ乙です
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:21:58.27 ID:h1AkRYorO
一旦乙
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:22:47.75 ID:ljsFBT0yo

エタらないよう頑張ってほしい
158 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:24:22.37 ID:Kb2G53pIO

【それではプロローグを始めます】

【プロローグにら安価はありませんのでごゆっくりどうぞ】


159 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:25:12.88 ID:Kb2G53pIO

『プロローグ』


「……ようこそ、お出でくださりました」


薄暗く重苦しい空間の中。低く、されどもよく通る声が響く。それは、神父服に身を包んだ男によるものだった
発言者は神妙な面持ちで頭を垂れる。祈るかの様に、跪く様に、微動だにせず
……暫しの沈黙。発言した男は肯定と受け取ったのか、面を上げ流暢に語り出した

「お初にお目にかかる方もいるでしょう。私は今回、この戦争の監督役を務めさせていただくロベルト・L……」
「エーデルワイス」

鋭い声が入り込む。それ以上は聞く必要無しと言わんばかりのスピードで
対する男……ロベルト・L・エーデルワイスは、意外。という面持ちで青年を見やる
派手で仕立ての良いスーツにサングラス。いかにもやり手といった青年が男性に食いかかった

「……ご存知、でしたか」
「知らない訳が無いだろう?貴様ら狂人一族がやって来た事、忘れたとは言わせない……」
「それは、誤解です。我々はただ……」


「『愛する人に会いたいだけさ』……だろ!」


「……化け物が」
「水臭いなあ!こーゆー大事な場面で、オレを呼ばないとか悲しいぜ?ロベルトぉ」
「当主。今は退くのです。今は……」
「やーだねー!エーデルワイス当代当主、シュヴァルツ・エーデルワイス!外様にとやかく言われたら黙っていられないね!」

ケタケタと嗤う少年。その口から放たれる当主という単語に眉を潜める青年
その表情を知ってか、それともわざとか。睨み付ける青年に、シュヴァルツは言葉を紡ぐ

「そんな顔すんなよドミトリイ。色男が台無しだぜ?」
「……ッ」「貴様!」

ドミトリイ。そう呼ばれた青年が睨む
が、その背後から突如として乱入してきた少女がシュヴァルツに向けて斧を突き付けた

「えーっと、どちら様?いきなり凶器ブン回すとか、お里が知れるよ?」
「黙れ!このおぞましい吸血鬼が!」

吼える少女、嗤う少年。一触即発。どちらかが動けばどちらも殺しにかかるであろう状況
ロベルトは逡巡する。この危機的空間を打破するにはどうすべきか───


……その答えは、第三者の口から発せられた


160 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:27:18.21 ID:Kb2G53pIO


『降ろせ』

「……っ」「おやおや……サンキュー、禍門」


放たれた言葉に、双方従うかの様に腕を下げる
その表情は憎々しげに燃え盛る。本意ではないと言外に伝えるように

「出会い頭に凶器を突きつけるとは……成る程、誇りも恥も無い。ガイスロギヴァテス」
「黙れ!黙れ黙れ黙れ!!こいつらは悪魔だ。天使だの何だのと狂った言い訳を」
『黙れ』

再度、男が言葉を告げる。少女の口がむっ。と一文字に硬直した
もごもごと口を動かしながら倒れる少女。男は意に介さず、ロベルトに説明を促した

「申し訳ありませんな。エーデルワイス」
「此方こそ。憂午様の評判は、我々の耳にもよく届いております」


男、憂午の謝罪に、恭しく礼を取る。……その姿を憎々しげに睨むドミトリイを余所にして


「……で、わざわざ我等御三家をかき集めて何の用だ?まさかこの茶番を見せたかったのか?」
「どの口が。ガイスロギヴァテスの家等、この町の異物……癌でしかない」
「おー怖い怖い」


吐き捨てる禍門 憂午
睨むドミトリイ・ガイスロギヴァテス
それを眺めるシュヴァルツ・エーデルワイス


斯くして、この場に三つの家が集結した。ロベルトは意を決して言葉を紡ぐ




「───“聖杯戦争”をご存知でしょうか」



161 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:28:00.88 ID:Kb2G53pIO




「……うんしょっと!」
「悪い悪い!お前以外に暇なヤツいなくてさ」
「大丈夫!俺も時間あったし」
「マキちゃん。あんまり人頼みはダメだよ?」
「ユキの言う通りだぞマキの字。だらけていると牛になると聞いた事は無いかね?」
「うっせー!こちとら坂松新聞部の筆頭エースだぞ!部長だぞ!暇じゃねーんだぞ!」


手荷物を降ろして椅子に座る。少しだけ休憩しても許されるだろう
事の発端は、放課後にクラスメイトの一人……この新聞部部長が突如言い出したある事が原因だ

『今度の学級新聞には付録つけようぜ!』

当然、そんな予定は無いしそもそもの材料すらどこにもない。即却下されるはずだったけど……

『なー頼むよー何とかしてガラクタ集めてきてくんね?生徒会なんて暇だろ?どうせ』
『まあいいけど……』『いいの!?断っちゃってもいいんだからね!?』

まあ、そんなこんなで学校中のありとあらゆる場所で使えそうな物をこの部室に運んでいた。という訳だ


「庶務。アレの無茶振りを引き受けてくれた事には感謝する……が、いいのか?」
「いいって。俺、誰かの役に立ちたいから」
「いや、そうではなく……後ろだ。後ろ」
「後ろ……?」



「……我が崇高なる生徒会役員が、学校内でゴミ漁りをしていると聞き、まさかとは思っていたが、いやはや本当に」
「……生徒会長!?」


162 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:28:53.86 ID:Kb2G53pIO


部室前で腕を組み、仁王立ちする人……生徒会長
こんな事を言うのはなんだけど、黙っていれば綺麗な人だと思う。黙っていれば
その顔は笑顔を浮かべている。けど、明らかに怒っている……!

「す、すみません!少し頼まれた事が」
「頼まれた事ぉ?お前は頼まれたらハイエナの様に地べたを這いつくばりハゲタカの様にゴミを喰らうのかこのハダカデバネズミが!」

「す、すみま」


「謝れば済む問題だと思っているのか?それとも頭を下げれば許されるとでも思ったのか!?甘ったれるなよこの猿が!」
「そ も そ も?崇高かつ生徒の見本になるべき我等が生徒会役員ともあろう人間があろうことか無様にゴミをえっちらおっちらと運ぶ姿を他の生徒に見せつける等の恥知らずな行動を取る等本来はあり得ないよなぁ?」
「お前には恥の概念が無いのか?無いんだろうなこの恥晒し!生き恥晒す前に腹でもかっ捌く事をオススメするぞ?ゴミクズが!」


……言いたい放題言われて、正直メンタルがヤバい。泣きたい
生徒会長……潮 ニケーさん。何でも将来はいい大学に進学したいとかで、自分の内申が非常に気になっているそうで
部下……要するに俺、生徒会庶務をこき使って何とか評判を上げたい心積もりなんだろう

「フン。まあいい、コレは返して貰うぞ」
「お、おう……。大変だな、頑張れよ」
「ありがとな、部ちょ……」
「誰が無駄口叩いていいって言った!?貴様は本当に馬鹿だな!そんなので生きていて楽しいのか?ええ!?」



「いや〜相変わらずおっかねえな潮会長!庶務もよくやってられんな」
「あの二人は校内でも有名人だからな。一部では二人は恋人同士だの言われているが」
「そうは見えないよねえ……なんだか可哀想」
「いいんだよ!ああいうヤツは、使い潰すだけ使ってやった方が本望だろ」
「まるで会長の犬だな。奴隷と言っても差し支えないか」
「おっ!いいねえ、今度の一面はそれに決まりだ!『鬼の生徒会長、その家来に迫る!』次号の完成が楽しみだぜ!」



「……ところでマキちゃん。肝心の付録って、何をつけるの?」
「……考えてなかった…………」


163 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:29:55.46 ID:Kb2G53pIO



「……しょ、書類の整理終わりました…………」
「三分遅れか。まあいい、帰っていいぞ」
「あの、言いにくいんですけど書記と会計の人はどうしたんです?」
「知るか!どうせいつものサボりだろう。何の為にわざわざ声をかけたと思っている!?」


……だと思った。二人ともいい奴なんだけど、どうにもサボり癖があるのが難点だ
いや、でも書記は今日学校来ていたっけ……?


「おい、何をボーッと突っ立っている!?早く帰れと言ったんだ。とっとと帰れ!」
「あ、すみません!けど、別にまだいたって」
「何だそれは私に対する口答えか!?私の視界に映るなと言ったんだこのノータリン。さっさと荷物をまとめて何処へなりと消え失せろ!」
「わかりました……」

……滅茶苦茶言われた。悲しい。けど、それでも従ってしまうから、もう諦めよう

「それじゃ、お疲れ様でしたー」
「フン!」

なんか、今日はやけに殺気立ってるな……ま、触らぬ神になんとやら。さっさと帰ろうか
幸い、まだ日は落ちたばかり。今から帰ってもゆっくりとする時間くらいは残るだろう
足早に荷物をまとめて、生徒会室を出る。夕暮れの名残が、空を紫に染めていた





「はい、わかっています。手筈通りに」
「………………聖杯戦争…………」


164 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:30:39.45 ID:Kb2G53pIO


「ふー……そろそろ終業式か」


肌寒さが色濃く残る道路。自販機で買った味噌汁を飲みながら思いを馳せる
生徒会に入った事、生徒会長に怒鳴られた事、生徒会長に踏まれた事、生徒会長に……

「……ろくな思い出が無いな。うん」

苦笑する。俺はどうにも、あの生徒会長に嫌われているみたいだ
それでも、俺が庶務になったのは誰も候補がいなかったから。クラスメイトが書記に立候補して、推薦されたんだっけ


『ねえ、一緒に生徒会やらない?庶務が空いてるし、どうかな……?』


……別に、その子が気になっているから引き受けた訳じゃない。その子がやろうって言ったから受けたんだ

あの子が俺の手を引いてくれたから、今の俺がある訳で
だとしたら、俺はそれに答えないといけないだろう。嫌だと言って傷つける方が嫌だから
……まあ、あの生徒会長を怒らせるのは別の意味で嫌なんだけどな
なんて考えてたら、スマホに着信の文字が。その主は……潮会長!?!?


「……うわっ!?っとと、生徒会長!?」
『貴様何で直ぐに出なかった!?この私の連絡よりも遥かに重要な事があるなら先に言え。許すつもりは全然無いがな!!』
「すみませんちょっと今道路なんで静かに……何の用ですか?」
『はあ!?つまり何か、貴様生徒会の任を終えた後バカスカと買い食いして無意味に時間を浪費したという事か!?貴様という奴は本当に』
「あ、充電切れそうなんで切りまーす」
『待て貴様!まだ話は』


「……ふう、何だったんだいったい」
ツーッ、ツーッという音が虚しく響く。リダイヤルされても困るから、家に着くまではスマホの電源を落としておくか
にしても、何の用事でかけてきたんだ?やり残しなんて無かったはずなんだけどな……


……思えば、この時の俺は少し好奇心が高まっていた。だから、あんな事をしたんだと思う


165 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:31:51.07 ID:Kb2G53pIO



「……聞きに行くか」


……ああなった会長は、目的が達成されるまであのままだ
つまり、明日俺は朝イチで生徒会室に拉致され説教コースになるだろう
どうせなら、こっちから出向いておこう。仮に今電話をかけたとしても、烈火の如く怒られるのは目に見えてる

「まだいるよな?走れば間に合うか……」「おい小僧」
「…………ん?」

「学校に行くのかぁ?止めとけ止めとけ……ま、命が惜しくなきゃ見物してもいいかもなぁ」 

いつの間にか、背後に女の子が立っていた
けど、何かおかしい。いや夜になりかけている今の時間にいる事そのものがおかしいんだけど
何だか……この世の住人じゃないみたいだ

「君、もしかして迷子?俺が交番まで連れていこうか?」
「いっひひ、迷子はお前さんだろぉ。何をすべきかまだ悩んでいる」
「ま、それもアリだ。禍福は糾える縄の如し。迷いも答えもおんなじ事」
「そんじゃあな。好きに生きろよ。若い小僧」

「……変な子どもだな」


ああいう子って本当にいるんだな……いや、悪い意味では言ってないけど
……そうだ、もうこんな時間だ!早くしないと生徒会長に夜通し説教されるぞ!?

「ああクソッ……何だったんだあの子!」



「おうおう、運命が動き出したか。……いや、いつ見てもこの瞬間はたまんないねぇ!死ぬにせよ、生きるにせよ!」



166 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:32:23.09 ID:Kb2G53pIO



「はぁ、はぁ……間に合ったか?」


何とか十分以内に学校についた……
聞いた話だと、生徒会長は普段から夜遅くまで校内にいるらしい。ならまだ……

「……ん?何か、音がする?」

校庭の方で、何かがぶつかり合う様な音が聞こえてきた。ここまでって事は相当デカイぞ
まさか、不良が校内で遊んでいるとか?けど、あの生徒会長が放っておくとは思えないし……

「ああ、会長帰っちゃったか……」

会長が不良如きに負ける訳がない。つまり、今はこの場にいないんだろう
仕方無い、帰ろう……。かといってあのまま放置して後で怒られるのは俺なんだよなあ

「はあ、注意しに行くか」

ここで帰ると本当に俺が来た意味が無くなってしまう。ならせめて、少しくらい役立ちたい
ほら、俺って生徒会の庶務だしな。このくらいはお安いご用さ
それじゃあとっとと注意しよう。もし殴られそうになったら全速力で逃げればいいし



「さて、暴れてるどんな奴、か、な……!?」

校庭を覗き込む。……いや、校庭『だった』ものを覗き込む
そこは、既に……俺の知っている、坂松高校校庭では無くなっていた



167 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:33:29.92 ID:Kb2G53pIO




「うおおぉおっ!渾身のぉ右ストレェートっ!」
「……何?外してる?マスター、俺の事より自分の心配をしろ。危ないだろ?」

「……ああもう!硬いったらありゃしない!」
「気を抜くなランサー。奴の動きは大振りだ。付け入る隙はある」
「じゃあアンタがやって!」「無茶を言うな」



「な、何なんだ?アイツら……」

広い地面の上、二つの影が舞い踊る。一つは赤毛の少女。もう一つは鋼鉄の男
先程の音は、二人の槍が、拳が打ち合う事で起きていたなんて、見れば誰でもわかる事だ
彼方に此方に華麗に舞う少女。対する男は堂々と構え、的確に拳を打ち込み対応している
それは明らかに人の為せる動きではなくて……俺は、つい逃げる事も、連絡する事も忘れていた



「…………ランサー。もういい」
「ハァ?アンタが言ったんじゃない。ここで目障りな奴を潰すって!」
「逃げんのか?逃げんのかこのトカゲ女!」
「トカゲちゃうわ!」

「アタシはアイツとの相性がいい!話にも聞いてるし、なんなら弱点だって!」
「ネズミが入った。始末しろ」
「ネズミ?…………はぁーい」

ぐるり。少女ともう一人の男が振り向く
そしてゆっくり、確実に俺の方へと歩みを進めていく……マズい、バレた!

「う……うぁあああ!!」
「あははっ!逃げなさい。足の動く限り、手の動く限りにね!」
「遊ぶな。速やかに捕まえ、焼き尽くせ」




「何だ?もう止めんのか?……まあいいか、マスター。……マスター?」
「……何ィ!?あのランサーを追え!?無茶を言うな!いや出来ないという意味ではなくて」


168 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:34:13.96 ID:Kb2G53pIO



「はぁ、はぁ……何だよアレ……何だよアレ!」


走った。走った。走って走った。辿り着いた先は校舎裏。誰も来ない様な隠れた場所
あの不審者は明らかにバケモノだ。早く警察に連絡しないと……って、そうだ、スマホの電源を切ってたんだった!?

「クソ、早くしないとアイツらに……」
「残念だが、タイムリミットだ」

闇の中に閃光が迸る。暗闇に慣れた目にとってその光は凶器にも等しい
思わず、目を瞑る。ざく、ざくと歩く音から、あの二人が此方に向かっている事は明白だった

「ねえ、どうするの?頭から潰す?それとも足をバラバラにしちゃおうか」
「事故に見せかけ始末する。退いていろ」
「はーい。ドミトリイ」


男が、懐から火を放つ。それは、意思を持つ様に絡み付いて……!

「あ……!あ゛あぁあ゛ぁ゛あ゛あっ!!」
「うーわ痛そ……ま、アタシも似たようなものだけどさ」
「静かにしていろ。息の根が止まるまで終わらせはしない」

熱い痛い熱い熱い!身体中の神経が焼けていく感覚。脳内でアラートが響き渡る
もう引きちぎる感覚すらわからない。いや、既に腕は焼けているのかもしれない


それでも、俺は足掻き続けた。理由はわからないけれど、でも


「うっ……!あぁあああーっ!!」
「……何だと?」



169 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:35:03.54 ID:Kb2G53pIO



「うっ……ぐ……!」

「ちょっとー、やられてんじゃない」
「魔力を通して弾いたか。油断したな、俺も」


痛い。熱い。身体を焼かれて立っているなんて生まれて始めての体験だ
けどよく見たら大した怪我はしていなさそうなのが幸いだ。男は憎々しげに俺を睨んでいる


「これ以上の失態は避ける……ランサー、確実に殺せ」
「全く!結局アタシが殺るんじゃない。ま、簡単には死なないでよね!」


ブンブンと赤熱を帯びた槍。恐ろしい武器を振り回しながら近づいてくる少女
その歩きは遅い。けど、逃がさないという意思を感じる程、逃げ道を的確に塞いでくる
ドクドクと心臓がうるさい、吐きそうだ。対称的に、少女の口元には嗜虐の笑みが


「アハハッ、ねえ、アンタは今から死ぬ。けどどう殺されたい?」
「心臓を一撃?それともバラバラ?いっその事口に突っ込んで窒息させてあげよっか!」


殺し方をリクエストしてきた。冗談じゃない。俺はこんな所で死にたくなんて無い
……どうする?逃げる事なんて出来ない。許してくれる訳がない。なら、俺は…………



「……戦うしか、無いのか?」
「やれ、ランサー!ガイスロギヴァテスの名の元に!ネズミを屠殺しろ!」
「はいはい。それ、じゃ……、死んじゃえ!」


目の前に穂先が迫り来る。恐怖でその場にへたり込む
駄目だ、戦いにすらならない。このまま俺は、あの槍で喉を潰されるだろう



……嫌だ!力さえあれば、力さえあれば!
こんな奴らを振り払って、逃げ出せるのに!
誰でもいい!俺に!俺に───!!

「俺に……力をおぉおおおおおおッッッ!!!」

170 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:36:22.06 ID:Kb2G53pIO




「……その言葉、確かに聞き入れました」




「……は?」「何?今の……」「……まさかッ!」

虚空の中に声が響く。力強い意思を感じ、慈愛に満ちた、優しい声が



「ドミトリイ!どういう……ドミトリイ!」
「そんな馬鹿な……!こんな、こんな誰とも知れぬ馬の骨から……!」

……どうやら、向こうに取っても計算外の出来事の様だ。迫る槍は止まり、主である男の指示を待機している


「力が欲しい。ならば、私が貴方の剣となりましょう。貴方の意思が砕けぬ限り、私は貴方を守りましょう」
光の中から声がする。……恐らく、俺に向けて
自然と、俺は頭を下げていた。光が弱く、その姿が漠然と見えてくる


「ランサーッ!早く奴を殺……いや、一度退き、状況を把握する」
「な、何でよ?ここでアイツを殺せば……」
「それどころではない……!マズい事になった。戻らねば……!」
「……わかったわよ!」


「……では、一つだけ聞かせて貰いますわ」
声が遠ざかる。目の前の声は高らかに宣言する

……そこにいたのは、白銀の少女だった。美しく、凛とした佇まいに目と心を奪われる

彼女は俺に、こう言った



「──問いましょう。貴方が、私のマスターか」



……マスター?その単語に耳を疑う
どういう意味だ。そう聞こうと前に出た瞬間、地面に倒れ伏す
そうだ、俺……全力疾走してるし、全身火傷してるんだった……

気を失っていく俺。視界の端では、表れた少女が目を見開き、わたわたと慌てている姿が───




「マスター?……マスター!しっかりなさい!ここで倒れてどうするんですのーーー!?」



171 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 18:42:18.63 ID:Kb2G53pIO

『謎の少女……貴方のサーヴァントのステータスを開示します』


┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:バーサーカー
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┓
  【真名】:???              【属性】:混沌・善
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  【筋力】:D     【耐久】:D      【敏捷】:D      【魔力】:C      【幸運】:B      【宝具】:B
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫


【余裕があれば少しやりますが、無理ならば連絡します】

172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 18:43:16.49 ID:h1AkRYorO
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 18:43:52.37 ID:6FRD8Ib7O
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 18:46:36.53 ID:h9VKBU5m0
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 18:47:26.38 ID:veo6KzkL0
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 19:11:17.10 ID:1kPPjsHWO
乙ー
バーサーカー…つまり狂化EX勢か(早とちり
何が地雷か判らないのが怖いなぁ
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 19:15:22.17 ID:8de8GjAB0

今のところランサーのイメージエリちゃんである
いや違うのはわかるけど
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 19:17:40.54 ID:45TlZJqq0
理性的なバーサーカーだとぅ!?
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 19:41:43.61 ID:zBoxq7UcO

今確認出来てるサーヴァント
ランサー
赤毛の少女、トカゲ女
マスターはガイスロギヴァテス
クラス不明
鋼鉄の男、武器は素手、動きは大振り?
マスターは所属不明
バーサーカー
自サーヴァント
ステータス低め
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 20:15:54.23 ID:8de8GjAB0
まとめありがたい
鱒もまとめとこう

◆禍門家
・憂午 マスターオブバベルっぽい

◆エーデルワイス家
・ロベルト 監督役
・シュバルツ 当主

◆ガイスロギヴァテス家
・ドミトリィ ランサーのマスター、色男?
・斧持ち少女 エーデルワイス家を嫌っている?

◆その他
・ユキ・マキ・? 穂群原学園の某三人組っぽい雰囲気
・潮 ニケー 生徒会長、罵詈雑言
・生徒会書記 扱い的に多分なんかある
・この世の住人じゃないみたいな女の子 ロリババみある
181 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 21:01:35.20 ID:UmmzsvalO

>>179 >>180 
【わーいまとめありがとうございます!マスターはあんまり簡単にはばらさないつもりですので結構ポンポン出てきます】

【こう見てみるとランサーこれエリちゃんじゃん!】

【多分一人称が被ってたのが悪い。すまない……】


【少しだけ進めます。点呼しますが大丈夫ですか?】

182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:03:41.96 ID:E2YKWIon0
こういうの見ちゃうと昔の血がたぎるやばいやばい
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:04:12.30 ID:h9VKBU5m0
OKよ
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:09:33.17 ID:8de8GjAB0
おおきたきたきた
ばっちこい
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:11:16.75 ID:1kPPjsHWO
素早い更新有難いー
186 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 21:12:14.75 ID:UmmzsvalO



「……痛っ」

鋭い痛みで目が覚める。気付くと、俺は部屋のリビングで大の字で転がっていた
ふと、腕を見ると赤々とした怪我の跡。それは昨日の出来事が夢でないという事で……

「目覚めましたか。マスター」
「君は」

あの時、光の中から救いに来た少女。白の清廉な衣装を纏い、腰には綺麗な剣を下げ
その瞳には───強い意思が燃えていた

「安静にしてなさい。あれだけの火傷を負い、その上で英霊の召喚を行ったのですから」
「マスター。貴方は自分が思っているよりも、遥かに重体なのです」
「頭を働かせるには、まずは身体です。自分の健康に注意しないと駄目ですわよ?」

「……ごめん、ごめんな」
「な、泣かずとも良いでしょう!?」

怒られた。いや、怒られる事そのものは慣れているんだけど
なんか、こう……本当に俺の事を思っての怒りは久しぶりだ。泣く


「こ、こほん!それはそうと、マスター、私を召喚したという事は、聖杯戦争に参加する。という事でいいですわね?」
「……それだ。その、さっきから言っているマスターって俺の事だよな?」
「ええ、そうですわ」
「えっと、俺、聖杯戦争?とか、よくわかんないんだけど。それに、マスターってどういう事なんだ?」


さっきから……というか、昨晩からずっと頭の中にあった疑問をぶつける
少女はやっぱり。と顔を伏せ、少しずつ語りを切り出し始め出した



「……これから話す事は、信じがたい事実かもしれません。ですが、紛れもない真実」
「わかった。聞かせてほしい」
「ふふっ、まるで講師ですわね。こういうの、結構好きなんですの」

嬉しそうに話し出す少女。その話は俺の想像を越えた壮大な話だった……


187 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 21:13:26.23 ID:UmmzsvalO



「……どういう事だ!?中途でサーヴァントが召喚される等、聞いた事が無い!」
「それは、私にもわかりません。ですが、それもまた運命」
「神はその少年に、慈悲を示したのでしょう」
「ふざけるな!」


薄暗い協会。その中で怒号が爆発する
それを静かな態度で受け流しているのが今回の監督役、ロベルト
胸倉を掴みかかり叫ぶ女性。遠巻きに眺める男はドミトリイだ

「……もういい。止めろ、ルシフェル」
「ドミトリイ様!何を、この様な事はあり得ない!この男はエーデルワイスの」
「私は、エーデルワイスとは関係を断っています。故に、彼等の手助けをする事は」
「嘘をつくな!この腐った背信者が!」
「ルシフェル!」

女性……ルシフェルは、乱暴に腕を離す
解放されたロベルトは意にも返さず、丁寧に襟を整える

「……私に言える事はただ一つ。聖杯に選ばれたのならば、その少年にもまた資格があるという事のみ」
「それを、どうしても呑み込めぬというのなら仕方はありませぬ」
「……いいだろう」「………………」
「この事は、追って他の家にも知らせます。無論、他の参加者にも」
「……何れ、その血を持って贖う時が来る。覚悟しておけ狂人一族……!」


二人が荒い音を立てて去る。残されたロベルトは聖堂に跪き、目の前の神像に祈りを捧ぐ


「おお、神よ……。貴女のお考えになさる事、未だ理解するに及びません」
「しかし、これだけはわかります。“神の祝福に光あれ”」


ふふ、と満足げに笑うロベルト。先程までの緊迫した空気を清める様に、聖壇を磨き始めた



188 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 21:14:58.89 ID:UmmzsvalO



「……聖杯、戦争…………」
「ええ。それこそがこの町で行われている儀式の名前ですわ」

……過去の英雄を呼び出し、願いを叶える聖杯を巡って殺し合う
英雄は七つのクラスに当て嵌められ、それに応じた特徴を与えられる

……何て話だ。漫画やアニメの世界じゃないか
けど、こうして目の前にいる少女やあの赤毛の槍使い……ランサーを見た後なら信じるしかない

「……で、君は何のクラスなの?」
「バーサーカーですわ。マスターは特別に、そのままクラス名でお呼びなさいな」
「そっか、バーサーカー……バーサーカー?」

あれ、おかしいな。聞き間違えたかな?うん、きっとそうだ
この少女の教え方は本当に聞き取りやすかったしわかりやすかった。俺が間違えたんだ。うん

「……ねえ、バーサーカーって何て字で書くんだっけ」「狂う戦士と書きます」
「バーサーカーのクラス特性って」「理性を奪われ思考能力が低下する代わりにステータスが上昇しますわ」



「……ごめん。俺、からかわれてる?」
「からかってませんっ!貴方、私の話を聞いていたんですの!?」


ぷくっ。と頬を膨らませる少女……バーサーカー
正直、今の話と目の前の彼女は全くと言っていいくらいに結び付かないんだけど……?

うーん、少し話を聞いてみようか。彼女も教えてくれるかもしれないし


「ねえ、バーサーカー、質問してもいいかな」
「構いませんわ。私の事、何でも……とは言いませんが、話して差し上げます。……けど」
「けど?」
「全ては言いません。貴方はマスターとしては非力。簡単に全てを教えては」
「足手まといになる?」

こくんと頷くバーサーカー。……最初から全部は教えてくれないか
けど、全部を隠す様な事はしないはずだ。何を聞いてみようかな……



ファーストコンタクト。何を話しますか?
↓1〜3

189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:16:26.69 ID:h9VKBU5m0
大まかにどんなことが出来るのか
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:18:58.01 ID:8de8GjAB0
安価はNG行動は何か、何故戦うのか

できれば少し考える時間欲しいな
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:23:33.16 ID:pk9KXPPaO
これからどうすればいい?
192 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 21:23:54.30 ID:UmmzsvalO

【あー、考える時間は確かに必要でしたね。すみません……】

【至らぬ>>1で申し訳無い。9:30から↓3まででお願いします】

193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:24:39.80 ID:JWK/pMoR0
取りあえず君のマスターとして、俺のできることって何かな?
194 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 21:25:23.92 ID:UmmzsvalO

【先に挙げてくださった方も、やっぱり変えるという場合は大丈夫。不慣れですみません】

195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:29:06.82 ID:8de8GjAB0
始めはそんなもん大丈夫大丈夫

うーん、状況的に生徒会長のこと気にしそうだな
あと他に何かあるか
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:30:42.83 ID:rzX+3c8Ao
おっぱい揉んでいいですか?

って安価投げたらどうなるだろう
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:30:50.56 ID:8de8GjAB0
いや、ランサー達の方が気になるか

何故戦うのか、NG行動は何か、ランサー達はどうした?
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:32:15.26 ID:t4ZzBJqmO
(キャラ名)「(会話内容)」
みたいな形式にした方が状況把握はやりやすいかも
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:33:29.67 ID:h9VKBU5m0
大まかにどんなことが出来るのか
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 21:34:40.49 ID:pk9KXPPaO
おっぱいもんでいいですか先生
駄目ならこれからどうすれば?
201 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/03/01(日) 21:45:23.82 ID:UmmzsvalO


「……そう言えば、ランサー達は?俺を付け狙っていた、あの二人」


脳裏に過るのは、校庭で出会った赤毛の少女。ランサーのサーヴァント
……思い出すだけで怖気が走る。もし、バーサーカーが来なければ、今こうして話すことすら出来なかっただろう

「恐らくは、何かイレギュラーな事があったのでしょう。あの後からは見ていませんわ」
「後から再度奇襲をかけてくる可能性はありますが……今の所は安心と見て良いと思います」

そっか……。いや、安心は出来ない。あの二人は平気で人を殺せる奴等だ
危険な相手には変わらない……

「じゃあさ、バーサーカーは何が出来る?俺もそれを知っていれば、何か動けるかも知れないしさ」
「普通、マスターは戦わなくても良いのですが……そうですわね」


12345:上のスキル見せてくれる
67890:下のスキル見せてくれる
↓1
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