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【鯖鱒wiki】どうやら坂松市で聖杯戦争が行われるようです【AA不使用】

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873 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/03(金) 19:09:35.14 ID:+q06PHziO

【今日はちょっと早めに更新する予定】

【そのついでに、幾つか安価を投げときます】


【同学年のアーディーとアキラの仲は?】
123:あんまり良くない
456:顔見知り程度
789:良好
↓1

【アキラは貴方の事をどう思っているか】
1ほど普通、9にいくほど好感度が高い
↓2

874 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 19:10:42.75 ID:L1oVxzLHo
了解です
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 19:26:27.39 ID:huq6lV6kO
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 19:30:39.11 ID:L1oVxzLHo
最高値は草
主人公の性格上ひねくれもの以外は好かれそうだよね
877 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/03(金) 19:32:26.65 ID:+q06PHziO

5:顔見知り

9:かなり強い好意


【なんか聖杯戦争中に一人だけギャルゲーやってる奴がいるぞ()】

【とりあえず方向性は決まりました。それではまた後程……】



878 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 19:42:17.49 ID:L1oVxzLHo
そもそも身近で聖杯戦争に関わってそうな人物が女子ばかりだからどうしてもギャルゲー感ある
好感度高いのは協力とかの判定簡単になりそうだし単純に嬉しいけど
879 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/03(金) 20:22:10.37 ID:+q06PHziO

【はーいそれじゃゆるゆる更新します】

【人はいますか?】


880 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 20:24:16.39 ID:rVjnGk23O
ファイト✊
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 20:27:55.11 ID:O5ydOi3gO
882 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/03(金) 20:28:04.47 ID:+q06PHziO




「アキラ!待たせてごめん」
「……あ、せ、先輩。な、何か用、デス?」


一年生の空き教室に入る貴方。そこには言った通りにアキラが待っていた
貴方が入ってきた事を確認すると、弄っていたスマホをポケットにしまう
別にいいのに。と笑うが、結局また出す事はしなかった

「あの、話したい事、って……」
「そうだ。千呼の事なんだけど、大丈夫か?」
「普段から凄く元気だからさ、何かあったのか心配になってさ」
「え……あ、そう、デスか。お姉ちゃんの事は、大丈夫……デス」

自分の姉の名前を出された途端、どこかしょげた様に顔を反らす
その反応を見逃せる程、貴方はぼうっとしてはいない。すぐにアキラへ話しかけた

「えっと……アキラ、もしかして千呼と何かあったのか?なんか暗いぞ」
「別に、そんな事……暗いの、いつもデスから」
「でも普段はそんな風じゃないぞ。何かあったなら相談くらいには乗るけど」
「本当に、大丈夫なんで……いいんで」

そっけなく返される。どこか不貞腐れた様に見えたのは気のせいか

「……わかった。何かあったら相談してくれよ」
「俺にもさ、何かやれる事はあるかもしれないから」
「……了解、デス。それじゃ、また」




「……お姉ちゃん、ばっかり。いいなあ」「…………?」



883 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/03(金) 20:28:43.12 ID:+q06PHziO


【早速他陣営行動】

【今回もまたドンパチしてもらいますが例によって例外あり】


1:ライダー
2:ランサー
3:セイバー
4:アサシン
5:バーサーカー(どちらかは再度安価)
6:キャスター
789:アーチャー
↓1、2
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 20:29:13.00 ID:cv6dB+iV0
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 20:29:41.24 ID:uxpbCrsSo
そろそろアーチャーがみたい
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 20:30:26.74 ID:O5ydOi3gO
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 20:30:27.14 ID:cv6dB+iV0
ふり直し
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 20:30:54.34 ID:O5ydOi3gO
4.4.4
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 20:31:03.69 ID:cv6dB+iV0
怒涛のアサシン推し
890 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/03(金) 21:51:51.06 ID:+q06PHziO




「では、今日の定例会議を始める……」
「……が、千呼。お前は今日学校もいかずに何をしていた?」

……ここは禍門邸。坂松の御三家でも有数の土地を所有する管理者
ここまでの地脈を押さえているのは、ひとえに現当主の腕。そして、みとりの経済戦略の賜物だろう
そんな中、禍門憂午は青筋を立てて娘を睨む。睨まれた方の娘……千呼は、けろっと答えた

「ごめーんパパ!機材の調整とか今度の企画何しよっかなって考えてたら忘れちゃった!」
「忘れちゃったで済むか!このバカモンが!」
「うえーごめんなさい!」


「そこまでにしときなさい憂午。あんただって締め切り誤魔化してんじゃない」
「な、姉貴、なんでその事を……」
「ここら辺の企業で私の力の及ばない所は無いわ。娘を叱る前に、自分の身を正しなさい」
「そーだそーだ!パパは私の事怒れないよ!」
「調子に乗るんじゃない!姉貴も、千呼を甘やかさないでくれ!」
「甘やかしてないわよ。単にあんたを苛めているだけだもの」「なお悪い!」

みとりと千呼の茶々に、苦い顔を浮かべる憂午
会議とは名ばかり。実のところ、家族の交流の為にと現当主が考案したものなのだから
この場にいる人間は、大小差はあれど笑顔を浮かべていた。二人を除いて


「……あの、アーチャーが、何か言いたいそう、デス」

「あーじゃあ言わせてもらうわ」
「お前らさぁ〜本気で戦争勝ちたいワケ!?」


891 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/03(金) 21:59:19.02 ID:+q06PHziO



大声に怯えたアキラはきゅうっと縮こまる
声の主は、天井に付かんとする身体を体育座りでなんとか納めている、極めて大きな巨人
サーヴァント・アーチャー。禍門の召喚した英霊にして、最強の防衛システム
彼は今、怒れる態度をギリギリ押し込めつつ最大限の疑問を叩きつける。やる気あんのか?と

「失礼な事を言わないで頂戴。我々は今大切な話をしているの」
「ドコガ!?俺にはふざけてる様にしか見えませんでしたケドぉ!?」
「その面でその態度の方がふざけてるわよ」

みとりのにべもない態度。それに若干イラつきながらも、アーチャーは反論を投げつける

「じゃあ言わせてもらいますぅー!さっきからピーチクパーチクお喋りして何の役になるんですかねぇー?」
「もー!役に立つ立たないじゃないの!やりたいからやるの!アーチャー!」
「ウワァー!抱きつくなァー!アイツを思い出すゥー!そしてそこから離れろウワァー!」


千呼はアーチャーの足元に抱きつく、それを振り払う事は物理的に不可能なので甘んじている
頭を抱える憂午に、にやにやと笑うみとり。更に活気の増す会議を、アキラはどこか寂しげに見ていた

アーチャーのマスターである自分は、ここにいてもいいのか。と

892 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/03(金) 22:07:20.48 ID:+q06PHziO




厳格な父。聡明な伯母。……明るく人気者の姉
アキラは家族の中では浮いた存在だった。地味で、根暗で、陰気な自分を自覚しているから
アキラを邪険にする者はいない。けれど、自分の居場所が無いと感じる事はいつもの事だった

今日だってそうだった。同じ委員会に入ってる先輩にすら、姉の方を優先したと感じていた
姉は、先輩のクラスメイトだから。彼女も理由は頭で理解できていたのだが……それでも

ずっと追いかけていた男性は、そもそも自分を見ていなかったという事が、より惨めな気分を引き立てていた



「……待て、敵だ。あれは……」
「アサシン!?どうしよう。マリアさん達まだ帰ってきていないよ!」
「そういう時こそ俺の出番じゃあーん?吹っ飛ばして来てやるから見とけよオラァ!」

霊体化し、敷地内へと移動するアーチャー。通路は通れないので窓から直接飛び降りた
アキラもその後を追い、外へ出ようとして…… 


「アキラ、どこに行くつもりだ!?奴等は危険だ。ここにいなさい!」
「けど、私は、マスター……」
「アサシン相手に身を晒すのは自殺行為だと前に言っただろう!マリアさんが来るまで待つんだ。いいな!」
「…………はい」

「わあわあ!戦闘だね!?見に行こうよ、みとりさん!」
「そうね。この映像を他の陣営に叩きつければ今後に有利になるかもしれないもの」


「………………」


893 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 22:16:01.84 ID:cv6dB+iV0
あれ?
これやっぱ生徒会に学校の全マスターいるのでは
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 22:23:32.23 ID:L1oVxzLHo
好感度予想外に高いせいで話の主軸がそこになりつつある
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 22:39:12.20 ID:cv6dB+iV0
ヒロインレースに一気に躍り出たな
アーディー、新重、アキラ、一体誰がゴールできるかな
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 23:03:41.71 ID:8WEJ9Bna0
戦略的にはめちゃくちゃ正しいのが辛いところ(マスター直で出るな)
897 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/03(金) 23:04:25.06 ID:+q06PHziO





「グゥウ……アァアァァ……!」
「もう。お腹が空いたからって吠えないの」
「あーあ、宝具を使えれば楽なのだけれど。それは嫌なのよね」

アサシンに連れられながら、心臓喰らいは禍門邸へと足を進める
最早、彼にあるのは生存本能と食欲。そして他の語れない何かしら
兎に角全てを満たす為。アサシン陣営は禍門を強襲しようとしていた


「……待ちな!そこのキモい肉塊とステキなお嬢さん!」
「そこから先は……このアーーチャーーが行かせない……ぜッ!!!」


言うが早いか、アサシン達の目の前に投石がブチ込まれ、着弾した箇所からは炎が燃える
炎の明かりに巨体が映える。そこに立つのは、鋼鉄の巨人


「まあ、あれは何?見ればわかるわ。あの血はさぞかしマズいって」
「そんなモン食ってから判断しろヤぁーー!」

鉄の腕を振り回し、アサシンを迎撃せんと殴りかかる。それを軽々と避け、鎌を突き立てんとして……



「……止めましょう。こいつは好みじゃないわ」
「さようなら。ロボットさん、出来れば二度と会いたくはないけれど」
「ふざけるなァー!オァアーーッ!!」

逃げようとするアサシンに向けてもう一度岩を放り投げる
それを縫うように避けると、心臓喰らいを連れて闇の中へと消えていった……



898 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/03(金) 23:08:36.77 ID:+q06PHziO

【本日はここまで。ありがとうございました……】

899 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 23:09:06.18 ID:48PNmUhU0
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 23:13:54.62 ID:lv0319Y8O
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 23:15:02.85 ID:am1Q3Aamo
乙です
アサシンのマスターは何があっても先は長くなさそうだなあ…
本編終了後に色々設定開示でわかるタイプっぽい
902 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 19:01:19.23 ID:tGsVRfb3O
undefined
903 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 19:03:30.35 ID:tGsVRfb3O

【どうやらAA貼ると強制的にアウトなもよう】

【更新します。人はいますか?】


904 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 19:12:31.19 ID:h1CFSaNbO
おる
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 19:13:39.05 ID:cFhNf9cdo
おっと出遅れた
906 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 19:14:42.15 ID:tGsVRfb3O





「──正気ですか、王女よ!」
「何故、今になって戦争を止めるのです。この戦争がどれほど国にとって利益をもたらすか、考え及ばなかった訳ではあるまい!」

「臆病風にでも吹かれたのか!彼の王ならば、必ずや征服するまで戦ったであろうに!」
「我々は、貴女の父親に顔向け出来ない……!」


(……また、か)


大声を挙げて、誰かを批難する老人達。程近い位置にいる貴方には目もくれない
誰かの記憶を覗いている。貴方はただの観客、エキストラにすら及ばない部外者だ
故に、貴方が何をしても気づかれる事はない。それが例え、紛糾の場だとしても……

数多くの老人に囲まれ、批難される女性。その姿は、昨晩見た時よりも遥かに成長していた
そして、その目に湛える光りも、また強く

「何をどう言われようと、私は意思をねじ曲げるつもりは無い。直ちに戦争は終わらせろ」
「そして、彼等にこう伝えろ。“我々は寛大なる処置によって、譲歩しよう”と」

「ふざけるな!それは奴等の信仰を受け入れろと言っているに等しい!」
「そもそも、その様な事をすれば我が国の戦果が減ってしまう!国が衰退するぞ!」
「何故、我が国があの様な異端宗教なんぞに屈せねばならない……!」



「…………下らない。その様な事で無駄にして」
「古臭く、カビの生えた信仰等、さっさと捨てておけばいいものを」

見下す様に吐き捨てる。そこで、一度視界が途切れた



907 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 19:17:06.29 ID:tGsVRfb3O



……どこかの港でバーサーカーが話している風がとても寒い。その中で彼女は事も無げな顔を浮かべていた
隣にいるのは誰だろうか?わかるのは、その男性と彼女はとても親しいという事だけ
先程とはうって変わって、楽しげに話す二人。その表情はとてと嬉しそうで


「■■■!聞いたよ。条約を締結すると」
「ええ、こうする他はありませんわ。カール、何か言いたい事があって?」
「まさか。君に文句なんて言わないさ。僕も君の事は理解しているつもりだからね」


「もう、カールったら……」
「あはは……」


(……なんか、面白くないぞ)

仲睦まじく笑顔で話す、カールという名の青年とバーサーカー
貴方には見せない表情にモヤモヤした感情を覚えながら、彼等の話を見守る事にした



「……君に初めて会った時、僕が言った事を覚えているかい」
「覚えてますとも。『君の父の仇は必ずとる』子供心に、感動しました」
「はは、恥ずかしいな……けど、僕はそれを果たせそうなんだ」

バーサーカーの手を取る。青年の顔は興奮気味に紅潮し、決意を秘めていた

「僕は必ず、使命を果たす!それが終えた時には、僕と……!」
「それ以上はいけませんわ。カール」


908 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 19:18:30.89 ID:tGsVRfb3O




「……どうして」

「私は……貴方の希望は奪いません。しかし、与える事も無いでしょう」
「ですが、もし私が結ばれるならば貴方以外の何者とも結ばれない事を誓います」
「そして、誰とも結ばれないならば……貴方に、この国を託します。国の安寧の為に」
「これ以上の約束は出来ません。それが例え、貴方が相手だとしても」


「……僕は、君と共に歩みたい。君のいないこの国にいたくはない!」
「それは違いますわ!私と結ばれる事。それは貴方の最も崇高な使命ではありません」
「………………」


どうやら、青年の告白はバーサーカーにフラれてしまった様だ。唇を噛み、泣き出しそうな顔を浮かべている
しかし、どうもバーサーカーも彼に好意が無いようには見えなかった。寧ろバーサーカーの方が彼に……


「……わかった。それじゃあ」
「ええ。ご武運を」


立ち去る青年。それを目で追うバーサーカー
その顔は、やはり青年に対しての情をありありと映していて……





909 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 19:18:56.75 ID:tGsVRfb3O




「……また、か」


覗き見た記憶。それは明らかにバーサーカーのもので
彼女と決別したあの日以来、一度も姿を表さない。今、何をしているかも不透明
聖杯戦争に勝ち抜くと言っていた。令呪もまだ腕にある。しかし、これで呼び出そうとは思えなかった


とにもかくにも、今日も学校に向かわねばならない。貴方は準備を……

「……?誰だ?」

する前に、チャイムが鳴る。朝も早くから、来訪者が来るとは。貴方は仕度を一時止め、玄関へと向かっていった



123:生徒会長
456:アキラ
789:???
↓1
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 19:20:34.52 ID:h1CFSaNbO
911 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 19:31:09.24 ID:tGsVRfb3O

2:生徒会長




「……貴様、私を無視とはいい了見だな?」
「あ、おはよっす」


玄関を開けるとビキビキと青筋を立てた会長が
その顔は笑顔を取り繕っているが、どう見てもキレている。正直怖い


「あの、なんすか?こんな朝っぱらから」
「なんすかだと?このマヌケ!そんなのもわからないのか!?貴様の脳には何が入っているんだ。腐った豆か!?脳味噌すら出来損ないとは本当に哀れな奴だな!死ね!」
「本当になんなんすか……」


朝からこの罵倒は頭に響く。流石の貴方もげんなりとした表情に

「あの、俺に何か用っすか?こんな早くから」
「なんだこの役立たずが。そんなもの……」



123:特にはない
456:最近だらしねぇなお前!
789:野良犬騒動について
↓1
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 19:32:13.84 ID:h1CFSaNbO
うーん、古臭い宗教なのか
真名わかったと思ったがその表現が引っ掛かるな
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 19:36:42.81 ID:s4pa00st0
カール…カール大帝?……や、まさかな
914 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 19:54:47.33 ID:tGsVRfb3O

【貴方のバーサーカーの真名はこの人かな?と思ったら言っても大丈夫】
【真名解析も募集スレの醍醐味だと思ってますので。楽しんでくれるのが一番です】

4:たるんでるぞ!シャッキリしろ!



「貴様……最近の態度はどういう事だ?」
「普段にも増して腑抜けている。そんなクラゲの様な表情を浮かべられると迷惑だと理解が出来ないのか?」
「……そうっすか?俺、そんな顔してました?」
「当たり前だゴミめ。自分のマヌケ面を見たくないという気持ちは痛い程わかるが、洗顔の時くらいには鏡を見ろ。無能」

呆然とした様に顔を撫でる。自分がそんな顔をしていたとは思わなかったかの様に
潮は呆れた様にため息をつくと腕時計を確認する。その手に包帯は巻かれていない

「……そういや、会長腕の怪我治ったんすね」
「当たり前だ馬鹿者が。何日経ったと思っている?当然治るだろうがボンクラ」
「そもそも、貴様が電話を……!」「ああもう遅刻する!急ぎますよ!」


また説教が始まってしまっては敵わない。貴方は荷物を手早くまとめると、すぐに外へと走っていった

915 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 19:55:24.23 ID:tGsVRfb3O




「ふー間に合った間に合った」
「全員いるみたいだな。よかった……」


周りを確認すると、クラスメイトに欠員は見当たらなかった
その事実に安堵する。自分でも自覚の無いままに



20:05から自由安価
選択メンバーは以下の通り
クラスメイト(新重、新聞部トリオ、千呼)
生徒会(潮、林道、アキラ)
↓1〜3
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:11:12.40 ID:h1CFSaNbO
んじゃ多分クリスティーナ(スウェーデン女王)
北方の獅子王グスタフ・アドルフの娘でデカルトを国に呼んで死なせちゃったから、多分その縁で召喚されたとかかなあと
あと母親のマリア・エレオノーラに昔監禁されてるし

で、安価どうしよう
禍門組に警戒するよう伝える?
安価下
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:14:25.24 ID:cFhNf9cdo
アキラ
巻き込みたくないという感情ありそうだし、聖杯のことには触れずに野良犬の件という体で相談しよう、一応生徒会同士だし
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:15:05.87 ID:dvEtw7vh0
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:15:58.27 ID:h1CFSaNbO
新聞部トリオ
情報くれ
920 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 20:16:23.75 ID:tGsVRfb3O

【んー、自由安価は難しいですかね……】

【では今回は安価で決めましょう。どう反応するかも安価でやりましょう】


選択メンバーは>>915から
↓1、2
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:17:06.74 ID:dvEtw7vh0
千呼
922 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 20:18:00.85 ID:tGsVRfb3O

【ありゃ、来てた……】

【安価ここまで。描いてきます】
923 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 20:25:04.30 ID:tGsVRfb3O




「ようマキ。いつもので」
「あいよ庶務、採れたてのがあるぜ」

馴染みのバーの常連が如く、貴方は新聞部に情報を頼む
マキもマキでノリノリだ。いそいそと手帳を取り出し、パラパラと捲っていく


「……ああは言っているが、本当にあるのか?」
「わからないよぉ……」



12:無いゾ
345:坂松市の噂話(弱い)
678:坂松市の噂話(しっかり)
9:どんどん真相に迫っていく
↓1
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:27:12.29 ID:h1CFSaNbO
おれよ
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:39:08.39 ID:dvEtw7vh0
やっと物語に深く入り込むルートが見えたな
926 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 20:50:29.20 ID:tGsVRfb3O

9:有能新聞部




「おーそうそう、野良犬の写真撮ってきたぜ」
「「「721!?!?!?」」」


朝っぱらから絶叫するユキ、カナ、貴方。その叫び声はクラスを震わせて視線を集める
誤魔化しつつ、なんとか撒くと、マキは手元のメモから一枚の写真を取り出した


「ほいよ。キモい見た目だろ?」
「む、これは……なんとも奇特な」
「これ本当に犬なの……?なんか怖い」

そこに映っていたのは複数の怪物。まるで肉が獣の姿を取り繕っている様な不気味な姿
こんなものが街中にうろついているとは考えたく無い。貴方の体に怖気が走る


「ところでマキの字よ。肝心の汝は何故襲われなかったのか?」
「んあ?そんなモンダッシュで逃げたに決まってんだろ!B!B!B!」
「ああ……マキちゃん、陸上選手だったもんね」

「そんでよー、聞き込みとかしてみたんだけどやっぱウチの学校の生徒をよく見かけんだと」
「でだ!今度目撃者のクレープ屋のねーちゃんに生徒名簿を持っていこうと思うんだよ!」
「そっか!その人に聞けば、誰が近くにいたのかわかるよ!」
「だが危険ではないか?自然的なものにせよ、人為的なものにせよ、怪物紛いの獣と相対する可能性があるぞ?」


「そーなんだよなー……なあ庶務、ボディーガードやってくんね?」
「え、俺?」

「なんだよーいいだろいいだろー!どうせ暇だろ?犬好きそうな顔してるからいいだろ!」
「無茶苦茶な……」

マキの無秩序な要望に、苦い顔をする貴方
しかしこの三人を放置するのも心苦しい。万一何かあれば、それこそ心が折れるだろう



【ボディーガード、受けますか?】
↓1〜3まで多数決

927 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:52:26.30 ID:h1CFSaNbO
ええやん
受けちゃる
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:53:27.96 ID:Rhm8Ss91o
受ける
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 20:53:51.32 ID:dvEtw7vh0
受ける
930 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 21:05:29.75 ID:tGsVRfb3O




「あーもうわかった。受けるよ」

……自身の労力と彼女達の危険を天秤にかける
勝ったのは、三人の身を守る方だった

「よっしゃ!それでこそ生徒会役員!」
「無理はするなよ庶務。汝の身に何かあれば、それこそ我々の活動に支障が出る」
「大丈夫だよ。もし、三人に何かあったら俺が不安だからさ」
「ごめんね……庶務君、ありがとう」

礼を言われる事はしてない。と頭を下げるユキへ笑顔を向ける
それでも、まだ不安げな表情を浮かべるユキに優しく話しかける


「いいって……俺が、やりたいだけだから」


その言葉に嘘はない。純然たる自分の為の行動だと慰めた
……自分でも不思議だが、どうしてなのかは理解出来なかったが


「んじゃ決行は今日の夜な!待ち合わせは駅前で!遅れんなよオメーら!」
「そういう汝が遅れるフラグだぞそれは……」




【ちなみにこの騒動、どれだけ広まってる?】
123:ちっとも
456:教室全部
789:校内全部
↓1
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 21:05:57.45 ID:dvEtw7vh0
ほい
932 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 21:27:59.97 ID:tGsVRfb3O





「お姉、ちゃん」
「ん?どーしたの?アキラちゃん」

「私、もう……マスター、辞めたい……デス」
「……どうして?アキラちゃん、アーチャーと何かあった?」
「私でいいなら相談に乗るよ?何でもいいから言って言って!」

放課後、千呼とアキラは二人きりで話し合う
姉妹なのだから家で話そうよ。と言った千呼を制止してここで話したいと持ちかけたアキラ
その態度に何か察したのか……千呼はその提案を受け、話す事にしたのだった

明るい千呼に対して、アキラの表情は暗い
私でよければ相談に乗る。……先輩と姉。二人の言う言葉が重なって見えて
被害妄想である。と断ずる事が出来るからこそ自分の性格が更に嫌いになっていった

「……あ、ここにいたのか。アキラ」
「庶務君!やっほー!」
「っと、千呼も一緒か?昨日は心配したぞ、大丈夫か?」

その先輩……貴方が二人を見つけたのか、教室に入ってきた
最初は自分の名前を挙げた事に内心喜ぶが、姉と親しげに話す姿を見て、更に自己嫌悪に拍車がかかる
そんな空気を察したのかそうでないのか。そうそうと貴方が話を変える


「今夜、新聞部の連中と一緒に野良犬の捜査する事になったんだ」
「何事も無いとは思うけど……もし、何も見つからなかったら気を付けてくれよな」
「うん!ね、アキラちゃん」「あ、は、ハイ」

「せ、先輩、その、いいんデスか?無理、してないデス、よね……?」
「ん?大丈夫だって。平気平気」

「あ、あの!……頑張って、ください」
「応援……して、ますから」
「了解!もし何かあったら……その時は、アキラが生徒会を守ってくれよ」
「ひっ!は、ハイ!頑張ります、デス!」
「それだと庶務君死んじゃうよー」


少しだけの会話を交わし、貴方は帰路につく
それはどこかざわついていて、今夜は何かあるかもしれない。そんな期待に胸を踊らせていた


933 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/04(土) 21:29:08.48 ID:tGsVRfb3O









【全てのフラグが満たされた為、夜行動が確定しました】

【という訳で書き貯めたいので本日はここまで、お疲れさまでした】


934 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 21:30:20.20 ID:h1CFSaNbO

あれ、不味いか?
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 21:40:27.49 ID:Rhm8Ss91o
乙おつ
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 21:44:37.79 ID:yUAYvr5XO
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 21:44:59.59 ID:cjK1D2c20
938 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/05(日) 21:36:19.55 ID:ovh0Fb+4O

【本日はお休み。申し訳ありません……】


939 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/05(日) 22:05:25.40 ID:5eddTysw0
了解ー
940 : ◆6QF2c0WenUEY [sage]:2020/04/06(月) 22:27:00.68 ID:N0FhkIeEO

【本日お休み。しばらくは書き留めやデータ作成にあてちゃうかも……すみません】


941 : ◆6QF2c0WenUEY [sage]:2020/04/07(火) 22:42:50.02 ID:Ca2XknJWO

【本日もお休み……なるべく土日には戻ってきます……】

942 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/08(水) 01:03:01.24 ID:kIwlB3o1O
ウィ
943 : ◆6QF2c0WenUEY [sage]:2020/04/08(水) 22:21:54.08 ID:0nFcSlPEO

【本日もお休み。書き貯めはしてるのでお許しください……】

944 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/09(木) 00:00:20.23 ID:8gSdO2w20
了解。多分週末かな、と見てる
945 : ◆6QF2c0WenUEY [sage]:2020/04/09(木) 22:51:03.61 ID:n24xVXUMO

【本日も……お休み……】

946 : ◆6QF2c0WenUEY [sage]:2020/04/10(金) 23:32:10.09 ID:j79L2LkNO

【本日はお休み】

【ですが鯖は終わったので明日からは更新したいと思います】

947 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/11(土) 10:10:02.01 ID:CfBnFwGZo
仮面ライダーのAAのやつですよね(わかる)

私は使いたいキャラのAAがないのでAA作成勉強中です
間に合わなかったとき用の候補もいるけれど
948 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/11(土) 22:44:24.13 ID:Hrbc0bIHO

【今日は描写だけ】



949 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/11(土) 22:45:01.75 ID:Hrbc0bIHO




「よっ、ユキ、カナ」
「庶務君!こんばんは!」
「やはり最後はマキか……嫌な予感がする……」


「おーっす!お待たせー!」
「「うわぁ何だその物騒なモノは!?!?」」

夜の駅前、新聞部の二人と貴方は時間ぴったりに落ち合う。最後のメンバーを待ちながら
結局、約束の十分後に到着したマキ。その手に握っている長物に三人とも驚愕する

「何って……木刀だよ木刀!野良犬退治用の!」
「野犬とはいえ、動物を殴るのは動物虐待法に引っ掛からないか……?」
「他にも色々あるぜ!踏むとシビレる罠とか、麻酔玉とか!」
「罠は先に仕掛けないと意味がないし麻酔を動物に使うのも虐待だろうが!」「うわぁあ!」

マキの持ってきたものをポイポイとゴミ箱に放り込んでいく
結局、手元に残ったのは木刀だけだった

「せっかくだし木刀は持っていこうよ!護身用にはなるし!」
「そうだな……いざって時には使わせて貰うよ」
「おーし、電車はそろそろだな?遅くなる前にケリつけて帰ろうぜ!」
「お前が言うなァアア!」


950 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/11(土) 23:03:42.73 ID:Hrbc0bIHO




夜をそぞろ歩く四人衆。ぽつぽつと談義をしながら、目的地へと進んでいく

「ところで、そのクレープ屋ってどうやって見つけたんだ?」
「えっと、まずは野良犬の目撃情報や被害情報を集めてまとめて……」
「それで集中していた付近に聞き込みしてみたんだよー」

まるで警察だな、とユキに笑いかける。それと同時に下手な事はしないと心に誓う貴方だった
そんな心配も露知らず、夜の坂松市をゆっくり歩いていく一行。……望んでいたモノは、唐突に現れた

「しっかし暇だなー、こんな事なら明日にでもしときゃ良かったぜ」
「そうだマキの字。汝が件の野良犬を見たのはどの辺りかね?」
「ああ、だいたいこの辺りかな?もしかしたら探せばいたりしてな!」

「どんな特徴があるのカナ?」
「なんか変な唸り声あげてたから、それを目安にするか!」
「■■■■…………」
「そうそう、例えばこんな感じ……」


三人の顔がひきつるのと、獣が飛び掛かってくるのは同時だった
牙を向けて、貴方に噛みつかんとする。直ぐ様マキから木刀をひったくり、応戦する
幸いにも獣は貴方を狙っている様で。三人に襲う気配は感じられなかった


「「「うわああああ出たああああ!!」」」
「皆逃げろ!ここは俺が!」
「それ死んじゃうフラグだヨ!?」
「言ってる場合か!?」


三人を庇い、前に出る貴方。ちゃんと逃げ出した事を確認すると、獣を前に木刀を向ける
敵対を察して牙を向く獣。貴方は剣を構え、獣に立ち向かっていった


 
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/11(土) 23:05:31.90 ID:hQHjMnsPO
まさか人が犬に勝つつもりか…?
952 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/11(土) 23:21:16.26 ID:Hrbc0bIHO




「はあっ!」

貴方が上段から木刀を振り落とす。獣はひょいと避けると、貴方に噛みつきかかってくる
からがら避けて距離をとる。獣は逃さぬかの様に、此方を睨み付けていた

「■■■■……!」
「くそ、しつこい……!」

人気が無い事が幸いしてか、貴方と獣の方へは誰も来ない
とはいえ、相手は獣。筋力はおろか、持久力も向こうに分がある
このままでは嬲り殺されるだけ。貴方にそれを打開できる地力は無かった


(……バーサーカーがいれば)


なら、バーサーカーは?英霊である彼女なら、この様な獣は容易い相手だ

ふと、手元に残る令呪を見やる。未だに貴方の元にある、バーサーカーとの契約の証を
令呪があるという事は、彼女は、まだ自分との契約を完全に断ち切ってはいない
サーヴァントに対して行使出来る絶対命令権。これを使えば、例え離れている、決別したバーサーカーにも届く……






───“その絶対命令権で、私の自由を奪わないでください”

「…………っ!」


953 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/11(土) 23:24:39.33 ID:Hrbc0bIHO




すんでの所で、頭を振る
バーサーカーと交わした約束を、まさに破ろうとした弱さを振り払う様に
確かに令呪を切ればバーサーカーに伝わるのは間違いないだろう
けど、彼女を縛る事はしたくない。それに、一度命じたが最後、本当にこの契約は断ち切られるだろう


「……呼ばないのか、バーサーカーを」
「それとも捨てられたか?……笑わせる。飼い犬の手綱くらい、しっかりと握っておけ」

貴方と獣の間を声が遮る。嘲りとも、哀れみともとれる色を含ませる
声の主は闇夜を背に歩み寄る。獣もその姿に感じ入るものがあったのか、唸りつつも後退して
発言の主……ライダーは、夜の帳を切り裂く様に前に出た


「ライダー……!?お前がこの獣を街中に放ってたのか!?」
「そうだとしたら?」


悪びれる様子もなく返される。自分だとしたらどうだ。と試すかの様に
貴方は叫ぶ。怒りをライダーに叩きつけるかの様に、声高く


「決まってるだろ……お前を倒す!」
「……ふ」











「残念だが、ハズレだ」




954 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/11(土) 23:25:06.35 ID:j6qpdgXK0
バーサーカーはどうやって魔翌力補給してるんだろう
魂食いかな
955 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/11(土) 23:32:37.21 ID:Hrbc0bIHO



「……は?」
「おーい、庶務君。こんばんはー」


ライダーからの返答は貴方の思考を完全に停止させる
“自分じゃない”。そう告げたライダーは、どこか同情するかの様な視線を向ける
しかし、貴方はそれを直視していない。その目はライダーの隣、後ろから表れた人物へと向けられていた


「……新重?どうしてここに」
「え?だって、ここ私の帰り道だし」


きょとんとした顔で返される。ヘンな事を聞くんだね。と笑いながら
そうだ。貴方は一度、ここを通った事がある。誰でもない、彼女と一緒に
そもそも、貴方は既に目的地のクレープ屋にも足を運んでいたのだ。……目の前の彼女、新重と共に


「ヘンなのー。庶務君、大丈夫?」
「あ、ああ……って新重!早く離れるんだ!そいつは……」
「あ、庶務君には言ってなかったね」



「これね、ライダーって言うんだって。えい、れい?だっけ……なんだってさ」
「…………新、重?」
「凄いでしょ!私、こんなに強いのを持ってるんだよ!庶務君!」



熱に浮かされた様に自らのサーヴァントを自慢する新重
それは、最新のオモチャを見せびらかすみたいに明るく楽しげに
しかし、それとは対称的に……貴方の顔は、どんどん凍りついていった

956 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/11(土) 23:33:40.66 ID:Hrbc0bIHO

【本日はここまで。途切れ途切れですみません……】

>>954
【一応、単に呼び掛けに応じなくなっているだけで契約そのものは切っていません。なのでパスもそのまんま】

957 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/12(日) 11:30:47.14 ID:4lCYsp6mO
コンマとか色んな神あわせが悪かったからわからなかったけどお前……マスターだったのか……
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/12(日) 11:32:18.88 ID:F4+D8mxjO
959 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/12(日) 22:37:35.74 ID:81Lc/sO5O

【これより更新。描写だけですが……】

960 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/12(日) 22:39:01.05 ID:81Lc/sO5O




目の前の少女は、何を言っている?
頭が理解を拒んでいる。目の前の事実と言葉を
ライダーが、自分のサーヴァント?なら、新重は……


「待ってくれ……それ、どういう……」
「ねえねえ庶務君も持ってるんでしょ?」
「何、を……」

「英霊!あの前に会った銀髪の女の人、庶務君のものだよね?」
「遊ぼうよー。私のライダーと庶務君の英霊、どっちが強いか戦わせててみない?」


ケラケラと無邪気に笑う新重。戦わせてみようと口にする態度からは戦争の危険さ等、微塵も感じられない
ゲームで対戦を申し込むかの様にあっさりと。サーヴァント同士を戦わせようと言ったのだ


「待て……待ってくれ!どうして、新重が……」
「ライダー!お前、新重に何をした!?」

「何も。俺がどうこうする事等する以前より、この女の在り方は変わらない」
「わからないのか?貴様の見ていたこの女は、最初から“こうだった”んだよ」


突き放す様に告げるライダー。その言葉は貴方の心に楔を打ち込む
ずっと近くにいたつもりなのに、何もわかっていなかった。その事実が痛い程に染み入った

しかし、知ってしまった以上は見過ごせない。聞かねばならない事は沢山ある




「……新重、どうして、どうして英霊を」
「面白そうだったから!」



961 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/12(日) 22:40:28.37 ID:81Lc/sO5O




あっけらかんと笑いながら新重は答える
理由も何もない。単なる好奇心だけで聖杯戦争へと参加したのだ。と

「それだけで……!英霊がどれだけ危険な存在かわかるだろ!?」
「えー、だってつまらないんだもん。毎日毎日優等生やってるとさ」
「だったら、ちょっとくらいハメを外してもいいじゃん。タバコやお酒と同じだよ」

それくらいいいでしょ?と不貞腐れる様に頬を膨らませる
何で自分が怒られているのか。さっぱりわからないという風に

「それに……令呪は!令呪はどうした!?」
「ああ。それは不必要なものだからな。“適当に使って貰った”」

次に答えたのはライダー。その返答は、貴方を動揺させるに充分過ぎるもので

「て……適当に?」
「うん。だって、アレってずっと残しておくとダメだってライダーが言ってたよ?」
「ああ、そうだとも。令呪という存在は我々にとって百害はあれど一利も無い」
「早々に捨てて貰う他はない。そうだろう?」


……なんて事だ。このライダーは自らのマスターを騙し、自らの鎖を放棄させている
いや……もしも、新重にちゃんとした聖杯戦争の知識があればそんな事はしないはずだ
わざわざ自らの首を絞める、自殺行為等……



「私、庶務君が英霊持ってるって知って、嬉しかったんだ」
「君は私と同じだよ。ずーっとつまらなさそうな顔をしてた」
「だから、君ともっと遊びたい!わざわざバケモノを放ったりしたりしたんだもん!」

「…………今、何て言った?」

今日で、何度目かもわからない程言った言葉。相手の意思を確認する問い掛け
それに対して呆れたのか、新重は何言ってるのと言いたげに、口を開く


「うん。そのバケモノは私が造ったんだよ」




962 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/12(日) 22:41:55.22 ID:81Lc/sO5O




ちょいちょいと手を招くジェスチャーをする
それに呼応するかの様に、貴方から視線を外し新重の元へと走っていく
足元へ、お座り。のポーズをして待つ獣。それはご主人に対してご褒美をねだる犬と重なった

それを見て、微笑みながら……足を振り落とし、頭を踏み砕いた
血飛沫すら、呻き声すら出さず倒れる獣。その姿はたちまち地面へと消えていく


「な……」
「ごめんねー。本当はあの三人を襲う様に躾をしたはずなんだけどさ」
「なんか知らないけど、庶務君の方行っちゃった。……このバカ犬!えいっ!」

怒りながら、先程までそこにいた地面を蹴る。どこか子供染みた、愛らしさすら感じる動作
しかし、貴方は違う。まるでその目は、怪物を見たあの時と同じ様な眼で……


『新重 茜のスキルを開示します』
 ◆怪獣母胎   
 神話に語られる反英雄の紛い物である怪物を使い魔として世に生み出す魔術。   
 怪物を模している為に使い魔しては非常に攻撃的であり、餌となる魔力を保有する生物を無差別に襲撃する。   
 ある程度は操ることが出来るが、正式な魔術師でないため指向性を持たせるのにも一苦労。


「ねえねえ!早く、早くっ!私とバトらせようよ!庶務君っ!」

興奮を隠しきれなくなったのか、ワクワクと体を動かして催促する
……貴方は、前を見据えて、毅然と言葉を



「……ごめん。バーサーカーは呼べない」




963 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/12(日) 22:46:25.17 ID:81Lc/sO5O




「……どうして?」

ピタリ。と新重の動きが止まる
確認するその目からは感情が消え失せ、どろりとした淀みすら感じさせる
少女の豹変に、貴方は怯まない。強い態度で、言葉を叩きつける

「俺は……バーサーカーを呼ぶつもりはない」

ハッキリと新重に突きつける。“お前と遊ぶつもりは無い”。という、明確な拒絶を


「わからんな。二つ、貴様は間違えている」
「呼ばない。ではなく……呼べない。だろう?」
「……ああ」
「そして、二つ。貴様には令呪を残しているはずだ。どうして使わない?」

冷静な指摘に、少しだけたじろぐ。
それと共に、貴方に令呪はあれどそれを使わないのは不自然だと、確かめる様に


「もしかして、別の英霊にやられちゃってもういないとか……?」
「……似たようなものだよ」


怪訝そうに聞き返され、含みを持たせて答える
貴方の答えを確認するや否や、新重はむっとした顔を浮かべて、地団駄を踏んだ


「えーーー!?つまんないつまんないつまんない!つーまーんーなーいーーー!!」










「……ライダー。庶務君、殺しちゃっていいよ」


964 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/12(日) 22:49:14.20 ID:81Lc/sO5O




「……っ!」
「私と遊んでくれないなら、庶務君なんていらなーい」
「ちゃっちゃと死んじゃってよ。庶務君」


クラスメイトからの死の宣告。処刑人は笑みを浮かべ、貴方へと歩いていく
その姿はどこか勇壮に。まるで勇者の如く堂々とした歩みで

「……理解出来んな。この状況で、まだあの女を呼ぼうとしないとは」
「本当に消されたか?……いや、その手の令呪は真なるもの。ならばこそ、ここで呼ばぬ理由等無いだろうよ」


ライダーは語る。貴方の不合理さを
貴方は語る。ライダーへ、自分の意思を


「俺は……あいつの事をよくわからない。正直、俺がマスターで良かったのか、今でも思う」

「けど、俺はバーサーカーをただの兵器として使いたくない。誰かを傷つける為に動かしたくないんだ!」

叫ぶ。叫ぶ。喉が痛む。それでも、強く!





「これは……俺の意思だ!誰でもない、俺の願いなんだ!」

「俺は戦いたい。……いや!戦う!誰かが笑ってくれていると、俺は前を向けるから!」



965 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/12(日) 22:51:17.74 ID:81Lc/sO5O




「……なんだ、それは」


「それは……ただの独善。偽善だ……そんなものの為に、戦うというのか……!」



「……ああ。それが俺の願い。俺の意思」

「俺は戦う!戦えない、他の人の代わりとしてこの聖杯戦争を勝ち抜いてみせる!」

「それで……!」





「……もういい、語るな。本当に理解出来ない。他人を自分の欲にする等と」

「理解不能、解析不可、こんなもの、到底納得出来るものか……!」

怒りを滲ませ、剣を執る。その顔には、理解の範疇を越えた感情が



「ラーイーダーー!はーやーくぅーーー!!」

「疾く消えろ。貴様に生きる価値は無い……!」


剣が迫り来る。貴方は想う。故に、目は剣から反らさずに




“……俺は、ずっと他人の顔を見てきた。けど、それは間違っていたんだ”

“本当は俺の為だった。ずっと目を逸らしてた。だから、もう止める”

“俺は、俺の為に……皆の為に戦いたいんだ”

“だから───!”



966 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/12(日) 22:51:48.67 ID:R50yrdeo0
龍之介以上のサイコパスだな
967 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/12(日) 22:52:43.67 ID:81Lc/sO5O








「“令呪を使う。力を貸してくれ、バーサーカー”」







968 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/04/12(日) 22:53:14.66 ID:81Lc/sO5O

【本日はここまで。描写オンリー回ばかりで申し訳ががが】

969 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/12(日) 22:54:03.02 ID:Ty21P6lbO
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/12(日) 23:42:21.30 ID:85I1jNgmO
読者ー!はやくきてくれー!
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/12(日) 23:51:07.77 ID:OaB+/fMco
乙ー
令呪使うが、さて、どうなるか
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/13(月) 09:01:49.84 ID:lDy2jVZ70

サイコパスとライダーの前で言いたいこと言い切ったのは偉い
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