少女「おじさんはどこに向かってるの?」刺青ハゲ「……」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/29(土) 01:49:27.84 ID:gRG7DoFI0

< ザッザッザッ――


少女「おぅい、おーいってば」

刺青禿「……」ザッザッ

少女「その服見た事あるよ、教会の神父様たちが着るようなヤツ」

少女「おじさん、教会の人?」

刺青禿「……」ザッザッ

少女「あたし、お金を恵んで欲しいわけじゃないんだ。ただちょっとそっちで祈って欲しいだけなんだよう」

刺青禿「……」ピタ

刺青禿「祈り」

少女「うん」

少女「この村、煤っぽくなってるでしょ。何日か前に盗賊に焼かれちゃったんだ」

少女「でね。その時に村の人みんな殺されちゃったんだよ」

刺青禿「……死者の魂の行く末を祈れと」

少女「だめかな。父さんたち以外の女の人たちは連れてかれちゃったから、お金は無いんだけど……」

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/29(土) 02:10:19.55 ID:gRG7DoFI0

<「……愛しき兄弟。今は遠き親達よ」

<「魂に記されしその旅路が途絶えようと、汝らを私は見守り。果てまで見送り続けよう」

<「穏やかなあの日に還るまで待たせる私をどうか、許して欲しい」


刺青禿「……『私はあなた達をいつまでも愛している』」



少女「……」

刺青禿「終わった」スック

少女「そっか。これでお父さんたち次に進めたのかな」

刺青禿「……」

少女「ありがとう神父のおじさん」

刺青禿「……」ザッザッ…

少女(あ、もう行くんだ)


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/29(土) 02:26:59.99 ID:gRG7DoFI0

< ザッザッザッ――

< ぺたぺた……


少女「ねえねえ、おじさんって結局どこに向かってるの?」

刺青禿「……」

少女「あたしの村に用がある訳じゃないみたいだし」

少女「その腰に提げてるおっきな剣からして旅の修道士でもないんでしょ」

少女「商いをして回る教会所属のサポーターでもなさそう」

刺青禿「……」

少女「気になるなあ、って思うの。思わない?」

刺青禿「……」

少女「ねえってば」


少女(全然立ち止まらないし、全然口も利いてくんない。へんな人だなあ)

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