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【あんこ】あなたは淫魔に襲われました【ファンタジー】
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236 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:17:16.82 ID:qfhfGPw4O
すみません失踪してましたごめんなさい
ワルイユメを見ていたようで……
ゆるゆる続けていきます
237 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:17:43.09 ID:qfhfGPw4O
【下一桁:9……味方がいるんだよなぁ……】
淫魔「ふふ……大体いつ見ても完全に勃起してるなんてどうかしてるのじゃなくて? 」
「うるせぇ。俺の所為じゃねぇのそれは」
暖かい夏夜とはいえ、身体を守る衣服から開放されて外気に触れると涼しげな微風が性器を不安にさせた。
身を守る防具を失い、徒手空拳で戦わなければならないような、そんな不安。
淫魔「あぁら、褒めているのよこれでも。
そこいらの下らない人間の娘なら変態と謗るのかもしれないけれど、ね」
舌舐めずりをして猛る逸物の根元を愛おしそうに緩く握る淫魔。
その、片手では一周できない程太い幹に余計興奮させられているようでさえある。
238 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:19:54.79 ID:qfhfGPw4O
「っ、……ん、…………? 」
淫魔「あんまり汚してしまったら大変だとか思っているのでしょう?
安心しなさい? 私もあの子も、清浄な水を泳げるくらい生み出せるわ」
ーーだから、好きなだけ射精しなさいな。
言って、臭いや汚れなど全く意に介さず喉奥の限界まで規格外の逸物を頬張り飲み込んだ。
這い寄った猫のような姿勢で、喉奥を自ら犯させる特異なイラマチオ。
或いは、犯されている自分にさえ興奮して股座を濡らしているのかもしれない。
男を犯しながらも奉仕し、使役されていながらも主人は己。
まさにそれは神話や御伽噺に出てくるような、魔性の化け物の姿だった。
彼のそれをしゃぶり喘ぐ表情を上目遣いで確認して、
苦しいだろうにそれは、嗤っていた。
239 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:20:38.90 ID:qfhfGPw4O
「…………っ……あっ……」
淫魔「ゅる……んぶっ……ぢゅムる……っ」
遂には頭を前後に動かして彼のそれを根元まで食いしゃぶろうとし始めた。
そんなことをすればきっと、あまりの長さに喉は閉められ呼気が届かなくなってしまう。
「んっ、ん……ん? 」
目配せには目配せを。
悪巧みには悪巧みを。
そして、思い上がった淫魔には怒張での鉄槌を。
しゃぶられているだけなのも面白いだろうが、
やはり男としてはただされるだけではつまらないとも思うわけで。
特に意図したわけでもないが、起き出してきた味方と目が合った。
使い魔「マスタぁ……やっぱ変なもの飲ませたんですねー? 」
240 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:21:17.57 ID:qfhfGPw4O
淫魔「! はふぁ? っえ? 嘘っ」
咄嗟に、思いもよらぬ声に彼女は口を開けて、口内に亀頭がくるくらい顔を上げた。
それはそれで息があたってこそばゆいながらも気持ち良い。
使い魔「これでもわたしって優秀個体であるところのマスターが元ですから。
解毒なんてしようと思えば無意識下でも意識できますのでー」
「言葉はまともに使え。意味が分からない」
使い魔「まぁ、いいじゃありませんかその辺は。
……こうしてわたしはマスターのお尻を拘束して」
淫魔「ふぃえっ……ひょ、ひゃめなひぶっ」
「俺がこいつの首を拘束すればいいんだな? 」
淫魔「?! んぶっ、うぅ……っぶへっ」
241 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/11(火) 12:23:34.41 ID:qfhfGPw4O
口内を長大な怒張で犯される淫魔に不意打ち気味の攻撃。
投げ出していた足を無理矢理伸ばし、淫魔の首ごと緩く締めて拘束する。
これで彼女はふるふると振っていた臀部を悪戯っぽい面持ちの使い魔に鷲掴まれて、
手だけでは絶対に逃げられないよう首から上を逸物で抉られたまま捕まえられてしまった。
使い魔「マスターってSにもMにもなれちゃうみたいですし?
ほら、今日は被虐の日ですよー」
能天気で加虐とは程遠い口調で、しかし容赦無く尻を掴み下着を押し込んで湿りを確かめて。
本来は自分が従者で相手が主人である筈なのに、彼女は見下すように、嗤っていた。
淫魔「っぶ、んんっ、ぉぼっ……〜〜〜〜っ」
242 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:24:12.16 ID:qfhfGPw4O
さすがに、まともな人間相手にならこんなことはできない。
先日のように極上の肉体を前に欲望が暴走してしまうことはあれど、
彼に度を越した暴力的衝動など無いし苦しむ姿に上る愉悦も持ち合わせが無い。
だから、こんな風に女の喉の更に奥、食道まで犯しながら足を組むなんてことは未経験で。
そういった結果生まれる快楽も初めての境地だった。
彼女やその同族がそのようにできているのか、
それとも使い魔が言うように被虐と嗜虐の両極に通じる彼女の業がそうさせるのだろうか。
異物でしか無い筈の肉槍はしかし、
寧ろ更に突き込めとばかりに飲み込み体奥へ歓迎されているようですらあった。
243 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:25:28.02 ID:qfhfGPw4O
使い魔「まったく……そこまで咥え込むなんて変態の好事家に飼われる婢女未満の売女が持つ特技でしょーに」
淫魔「んぶっ……んぇぇ…………っおぼっ」
揺れる尻を掴み相変わらず下着とも呼べない淫らな紐を殊更ゆっくりと下ろしながら、
使い魔が被虐を煽る言葉を吐きつける。
本当に、それしか能が無い不幸な女へ向けるように。
勿論それが本音というわけではないだろうがそこには多分に呆れと本心も含まれていて。
喉を抉られ食道を犯される苦しみ故か淫魔の切れ長で涼やかな目元から涙が溢れる。
生理現象であるといっても、彼の心に陰が生まれて、拡散する。
じんわりと滲むように、身を毒の湯に浸してそれを物にするかのように。
行動そのものは、彼女も分かっていて手管としてノってさえいるだろう。
けれど、その苦しむ姿が不覚にも、彼の嗜虐心に薄汚れた火を灯す。
244 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:26:24.63 ID:qfhfGPw4O
だって、彼女は喉を突かれて涙を零す程苦しい筈なのに、嗤っていたから。
その瞳は涙など関係無く紛れも無く輝いて、
情欲に溺れたメスの涙に彩られていたから。
飲み込み迎え肉竿の根本から中腹辺りまでには長い舌が巻き付いていたから。
最早しゃぶるというよりもそれは、
唇から喉を通り食道まで貫く規格外の肉槍を刮げ落としながら飲み込もうとするような、
そんな、鬼気迫る悦楽の奉仕作業に他ならない。
行き過ぎた奉仕による背徳が、背中に嫌な冷や汗と壊れた快楽の電流を流す。
245 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:27:04.64 ID:qfhfGPw4O
「っ……イ、きそうだ」
使い魔「射精しちゃってくださーい。さすがにここまで開き直られると怖いですしー」
使い魔の口調はどこまでも呑気で、やはり快楽とは程遠いところにある。
淫魔「んっんんっ……ぶぁっ…………んぐぅっ……! 」
突然、というにはあまりにも長い快楽の時間だったけれど。
その悦楽と堕落の奉仕時間にも遂に終わりがきた。
迫り上がる欲望はされど色だけは白い汚濁流。
淫魔の首に回し拘束した両の脚に更なる力が篭る。
使い魔「あっはっ……こんなマゾ豚がマスターなんて、なんてーー
ーー幸せなことなんだろう。
246 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:31:57.10 ID:qfhfGPw4O
それは、ここまでやった自分としてもちょっと許容はできない。
というか、聞きたくないような逆の逆にその先に足を踏み入れてみたいような。
「っ……イっ、クぅぅ……! 」
行き過ぎた加虐による背徳の故か、
それとも行き過ぎた被虐による奉仕の故か。
吐き出された白濁液は濁流となって彼女の食道を焼き焦がしてしまうような勢いで。
それだけで、並の女ならば胃の中を逆流させて気絶でもしようがーー
使い魔「んふ……さぁ、ご主人様? 調子に乗った飼い犬を躾けるのも甲斐性の内ですよー」
「んなわけ……んんっ?! 」
ーー期待と情欲に溺れた瞳に射られてしまえば、そこは最早引き返せない黎明の泥沼。
ーーさぁ、もっと寄越しなさい、そう誘惑されているようで。
「…………どうなっても、知らねぇからな」
今夜も、きっと長い夜に、なると思った。
【あと幾日で目的の……】
1.次の村を越えて少し
2.次の村を越えて少し
3.次の村を越えて少し
4.次の村を越えて少し
5.次の村を越えて少し
6.次の村を越えて少し
7.次の村を越えて少し
8.次の村を越えて少し
9.次の村を越えて少し
0.襲撃
ゾロ目.実は一年くらい
247 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:48:08.30 ID:qfhfGPw4O
【下一桁:0……襲撃】
淫魔「んっんん……っごほっ……」
使い魔「んー……お辛そうですねマスター。わたしが舐め取って差し上げますよー」
淫魔「結、っ構よ……んぐっ……んく……」
使い魔「んもー……別に盗るつもりなんて無いですしー」
淫魔「つもりじゃなくて何なの、よ。…………」
使い魔「…………」
「…………」
淫魔「…………殺す」
「待て待て待て。いや、気配的に穏やかな相手では無いだろうけども」
248 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:48:45.14 ID:qfhfGPw4O
淫魔「睦事の最中に襲ってくる空気の読めないやつらなんて消炭にしても足りないわ」
使い魔「やー、まったくもってそうですねー。
喉奥に突っ込まれるのを男女の語らいと表現して良いかは知りませんけど」
恐らくしてはいけないと思う。言わないけれど。
「っと……ズボン下ろしてるだけでよかった。全裸で野外戦闘とか洒落にならない」
淫魔「あなたくらい絶倫なら賢者タイムも来ないしね」
「け、ん者タイム……? 」
使い魔「まぁまぁ。……どこのどなたでしょー?」
相変わらず、その姿に警戒心は無く、純心な美少女が何の気無しに言葉を発したようにしか見えない。
けれどそこには下等な存在に傷付けられるどころか、触れることさえ許さない実力という自信がある。
249 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 12:50:12.30 ID:qfhfGPw4O
「……………………」
剣はまだ、抜かない。
刀身の反射で動きを気取られるなんてつまらない、とかいうのはもっともらしい嘘で。
正直、彼女たちどちらかで大概は事足りる気がしてならなかったから。
【何名様かごあんなーい】
1.王太子派
2.王太子派
3.旧王弟派
4.王太子派
5.妹公爵派
6.妹公爵派
7.旧王弟派
8.妹公爵派
9.旧王弟派
0.師
ゾロ目.王太子
二桁目偶数で睦事()が暴露てる
250 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:23:09.75 ID:qfhfGPw4O
【下一桁:0……師】
「…………伯爵」
伯爵「麗しい女性二人と旅とは……随分と羨ましいものだな」
「…………」
ふらりと、本当に何らの衒いも気配も無く現れたのは当世無双の一代貴族。
血統と格式のみを拠り所とする貴族群の中にあって実力だけでそれに比肩し得る化け物人類。
苦味走った細面に、元が平民であるとは到底信じられない優雅な所作。
言葉を聞くだけで、否、一瞬だけでも見ただけで理解してしまう、強者だけが醸すことのできる覇気。
纏ったそれは、人間どころか最早生物の域を超えてさえいるかもしれない。
251 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:23:52.63 ID:qfhfGPw4O
「何の用です。今更私を殺す理由でも思い出しましたか」
伯爵「そこまで呆けてはおらんよ。今殺すのならあのとき既に殺している」
「でしょうね。……では、チェスでも指しに? 」
伯爵「それこそまさか、だな。あらゆる勝負事で私が唯一お前に勝てなかった舞台には二度と上がらん」
「謙遜なさらなくても。宮廷で私に勝てる者などおりませんでしたから」
伯爵「ふん……」
淫魔「え、なに、この下半身で物考えてそうなのが宮廷一だったの? 」
使い魔「ほら、こんなでも王族だから皆さん遠慮してくれてたんですよたぶん」
淫魔「なるほど……哀れね」
使い魔「そういうのに気付いてしまって女に当たっていたんですよきっと」
淫魔「嗚呼……本当に哀れね」
252 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:24:24.73 ID:qfhfGPw4O
伯爵「…………」
「…………」
伯爵「…………不敬罪、にはもう当たらんのだったな」
「ええ。……存在を忘れていてください、今だけは」
伯爵「そうしよう」
後ろでコソコソ、というには小声でさえない失礼な話し声は無視。
落ち着きはしたけれど、さすがにこれ以上は逆に乱されてしまう。
253 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:27:07.23 ID:qfhfGPw4O
「……何の御用で? これでも私はそれなりに人生生き急いでいますので先を急ぐのですが」
伯爵「何、ちょっとした忠告に来たのだ。
戦の帰り道がてら懐かしい気配を感じたものでな」
その余裕たっぷりな表情に嘘は見受けられない。
勿論、本音が見え隠れするような愚も犯してはいなかったけれど。
それに、筋自体は通っているようにも思えた。
魔術的な能力も人類では最上級の伯爵である。
剣術のみで宮廷魔術師をあしらえる男は、こと魔術においても規格外で。
宮廷にいる他の剣客は片手間の魔術で圧倒することができた。
そんな人物の戦帰り、というのなら昂り放出される気も常人とは比べ物にならない。
それならば、その鋭敏な感覚を更に鋭くした網を越えて絹のような感覚野に自分が引っ掛かってもおかしくはないだろう。
254 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:27:44.36 ID:qfhfGPw4O
「……ほう、忠告」
伯爵「誓って私はあのときお前とは二度と会わない心算であった」
「……」
伯爵「しかしだな、最近風向きが変わってきた」
「……」
伯爵「三者三様、皆お前を探しておる。しかも、三様に生かしたままで捕まえたいときた」
「…………」
伯爵「どういうことか、分かるだろう。お前は、また政争の道具にされる」
255 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:28:25.20 ID:qfhfGPw4O
「…………」
伯爵「私としてはまたお前を迎えるのも吝かではないが……
「私は、望みません。私には最早宮廷へと舞い戻る意味も、義理も無い」
一度裏切られたのならば、何故また仕えてやろうと思わねばならないのか。
それに、思い出は思い出として、仕舞ったまま、美しいままにしておかなければならない。
そうでなければ、割り切る為に払った代償が無と化してしまう。
256 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:29:41.45 ID:qfhfGPw4O
伯爵「で、あろうな」
「ええ」
伯爵「…………」
「…………」
伯爵「…………」
「…………」
睨み合う、とは違う。
親愛の情だって無いわけではない、どころか余りある程だ。
けれど、その視線の絡み合いには、きっともう戻れない過去への哀惜が陰を落とす。
時間にして、数秒程だったろう。
それが、とても長く、殊更苦しいものに感じた、感じてしまっていた。
もう、あの尊き時代へ戻ることは、できない。
戻るには歳を取り過ぎたし、お互い背負ったものが、違い過ぎる。
257 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:31:10.20 ID:qfhfGPw4O
伯爵「…………ではな」
背を向けた彼の背中に、一瞬だけ過去の師を見て、目を背ける。
その背中に、人類では決して抗えない年波と衰えを見てしまった気がして、怖かったのだ。
「……はい。もう、今度こそ会わないよう祈っております」
伯爵「そう、だな」
「ま、伯爵閣下が身分を捨ててこちら側に来るのであれば拒みなどしませんが」
伯爵「そうあれれば良かった、本当に」
「ええ、本当に」
伯爵「陛下の御恩も、王太子殿下への想いも無ければ、な」
「…………」
258 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:31:51.27 ID:qfhfGPw4O
伯爵「ま、こんな街道沿い、多少離れたところで能のある術者ならばお前の気配など造作も無く見つけるだろう。
そちらのご婦人方の迷惑になることだけは避けろよ、愚かな弟子よ」
「私が一方的に迷惑を被っているのですがね。……それでは忠告だけ感謝して受け取っておきます」
伯爵「あぁ。……行くぞ、王都までまだ随分ある」
「…………」
淫魔「…………」
使い魔「…………ふぁ」
襲撃、というには余りにも穏便で。
当該伯爵は言うに及ばず、配下の腹心たちも誰一人剣を抜かず。
それどころか鞘を揺らして音を出すことすらせずに。
謎めいた、暗号めいた、けれど残された禍根に連なった現在の大禍の話をして。
無双の英傑は、森奥の野営を去っていった。
259 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:34:34.80 ID:qfhfGPw4O
淫魔「…………」
使い魔「…………」
「…………」
淫魔「…………ぁ」
使い魔「? 」
「? 」
淫魔「
>>232
」
使い魔「あ……」
「あ……」
【ちなみにお兄さん今のお気持ちは】
1.妹嫌い
2.皆嫌い
3.皆嫌い
4.王弟派嫌い
5.王弟派は嫌いになれない
6.妹は嫌いになれない
7.皆嫌い
8.王太子嫌い
9.王太子は嫌いになれない
0.興味が無い
ゾロ目.全員死ね
260 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 13:35:24.44 ID:qfhfGPw4O
改めまして失踪していて申し訳ありませんでした
取り敢えず再開します。ちょっと休憩
261 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 14:00:12.55 ID:qfhfGPw4O
【下一桁:0……興味が無い】
淫魔「あ、そう……」
使い魔「そうなんですねぇ〜」
「あぁ」
淫魔「…………」
使い魔「…………」
「…………? 」
淫魔「…………ちょっとこれ物凄い蛇というか突いちゃいけない部分よね」
使い魔「悲劇に酔った顔でもしてたら馬鹿にしてやってもよかったんですけど無表情ですもんね」
262 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 14:00:45.19 ID:qfhfGPw4O
「や、ふっつーにマジの本音で……えーと、あのー」
勿論、王太子殿下の行く末に全く興味が無いというわけではない。
けれど、その取り巻きが旧王弟派、つまり彼の父親を信奉する者たちであっても喜べない。
今や家督を継ぎ公爵となっている妹が新王の配下として辣腕を振ろうと嫌ではない。
結局のところ、自分がおらずとも彼らはそれなりに順調であろうし、
何か一筋縄ではいかない危機に陥ったとして彼の力ではどうすることもできないだろう。
それならば、彼が思い煩う意味も義理も存在し得ない。
興味が無い、というのは多少語弊があったとして、誤りでは決して無いのだ。
263 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 14:01:59.91 ID:qfhfGPw4O
「…………寝るか」
淫魔「え、ええ」
使い魔「マスターに毒盛られた所為でお目々パッチリなんですけど……」
「知るか」
今は、彼女たち二人が生きる意味だ、なんて。
きっと、彼は誰かに依存しなくては生きていけない人間なのだ。
頼られて、共にあって、時に戦い、或いは挫折に泣くこともあるだろう。
けれど、その依存先に裏切られて、彼は一度生きる意味を失ってしまった。
その所為で、彼はもうこれ以上抱え込みたくても抱えることができなくなってしまっている。
今得ているものを少しでも危険になんて晒せないから。
二兎を追うつもりなんて更々無くて、一兎に執着するように作り変えられてしまったから。
264 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 14:05:20.23 ID:qfhfGPw4O
だから、彼は他のことに、興味が無い。持ち得ない。
淫魔「私の力さえあれば、大概のことは
「ーー興味が無いって、言ってんだろうが」
淫魔「ん……そういうことに、しておくわ」
使い魔「んー……寝ててもいいんで棒だけわたしに貸してくだいたっ!
淫魔と使い魔の戯れが心地良い。
その姦しさに救われる。
勿論、言葉になんて、してやらないけれど。
心の中でだけ、感謝を積み上げていく。
【仕切り直し】
1.次の村を越えて少し
2.次の村を越えて少し
3.次の村を越えて少し
4.次の村を越えて少し
5.次の村を越えて少し
6.次の村を越えて少し
7.次の村を越えて少し
8.次の村を越えて少し
9.次の村を越えて少し
0.本来ならあと一年は……
ゾロ目.お客様(はぁと)
265 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 14:06:13.65 ID:qfhfGPw4O
………
……………
…………………
266 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 14:36:27.62 ID:qfhfGPw4O
【下一桁:3……次の村を越えて少し】
伯爵の予期せぬ寄り道と、望まぬ邂逅から三日後。
何事も無く、そこそこに野外という状況を楽しんで。
到着したるは予定通りの村だった。
淫魔「何も、無い、村」
「何も無い村だな」
使い魔「宿屋しかありませんね」
「街道から近いしな。宿を取る人間だけはそれなりにいる」
使い魔「てーかこの村亜人ばっかですけど」
淫魔「隠れ里みたいなものかと思ったら特にあなた敵意向けられたりはしなかったわね」
「珍しくもないだろう。仮に祖先が人間嫌いで移り住んだとしてもその子孫まで嫌っているとは限らないわけだし」
267 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 14:39:16.47 ID:qfhfGPw4O
季節は初夏を回りいよいよ夏真っ盛り。
桁外れに馬鹿げた力を持っているとしても、その力を無駄にはしないし無闇には使わない。
自分の上にだけ雨雲を発生させる麗しい姉妹とおまけの鬼畜男、なんて噂話を立てられた日には外に出れなくなってしまう。
それに、暑さに参るのもまた、彼女たちにとっては愉快なことらしかった。
淫魔「汗だくでヤるのも楽しみね」
「……そっすね」
使い魔「そろそろわたしとも寝ましょーよー。ねー? 」
淫魔「だからあなたはその辺の男で我慢なさい。
ほら、ここに泊まっている獅子男なんて筋肉達磨な上に中々に濃そうだったわよ」
使い魔「や、このクソ暑い中あのモフモフはちょっとぉ……あぁいうのに限って短小だったりしそうだし」
淫魔「分からなくもないわねそれ」
「お前らは気楽でいいな、本当」
268 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 14:39:44.49 ID:qfhfGPw4O
淫魔「まぁ、今更鬼畜な従者から逃げられるわけでもないし」
使い魔「マスターとご主人様しかわたしにはありませんしねー」
「……そうかい」
取り敢えず、まだ日が落ちぬうちに宿屋は確保した。
これから寝苦しい夜を迎えるが、昨日までの野宿よりは余程マシな筈。
あとは、使った魔術触媒や砥石、食料なんかを買い足して、寝るだけだ。
彼女たちが殊更強調したようにこの村に成人が楽しめるような娯楽は、無い。
それならば明日の朝には準備を全て終え、すぐに出発できるようにしなければならない。
仮に彼女たちが山奥で虫捕りに興じたいとでも気違えば、連泊も吝かではないけれど。
269 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/11(火) 14:41:06.34 ID:qfhfGPw4O
「装備は俺が整えておくから二人は水浴びでも酒でも適当に楽しんでこい。……夕食までには戻ってくるんだぞ」
淫魔「はいはーい」
使い魔「いぇっさー」
揺れる金糸の川が二つに、既に見慣れたバレッタが一つ。
細過ぎる程に細い、華奢な背中の所為で豊かな膨らみは後ろ姿からも僅かながら存在感を示している。
盛夏間近のこの時期、臀部を覆う生地もまた薄く。
率直に簡潔にあけすけに言ってしまえば唆る昂る勃つヤりたい。
準備が早く終われば水浴びに混ざってみてもいいだろう、なんて。
暑さに侵された頭で、肉への欲望が煮え始めるのを、感じた。
270 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 14:45:25.95 ID:qfhfGPw4O
「ま、取り敢えず昼寝でもするか」
淫魔と二人、男女の遊びに興じるのは本当に楽しい。
それに、淫靡な愉悦だけではなく、欲されているという実感が彼に生の充足を与えてくれる。
けれど、さすがにいつまでも気を張っているのは、疲れる。
たまには、淫魔の誘いも、使い魔の物欲しそうな戯れも無く、眠りたい。
「ふぁ……まだ昼過ぎ、昼過ぎだしなぁ……」
装備を整えて、彼女たちと合流する時間は、ある。
【陽はまた落ちる】
1.酒場
2.水浴び
3.使い魔
4.水浴び
5.酒場
6.水浴び
7.水浴び
8.淫魔
9.酒場
0.淫らな主従、或いは姉妹、それとも母娘
ゾロ目.お客様(はぁと)
271 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/11(火) 14:46:13.50 ID:qfhfGPw4O
今度こそ休憩
今夜か明日にまたゆっくり再開します
またよろしくお願いします
ありがとうございました
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/11(火) 15:39:45.57 ID:+XAmXij3o
乙
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2020/08/12(水) 00:07:14.64 ID:bf2px/8NO
おつおつ
やっぱおもろいわ
274 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/12(水) 15:57:37.25 ID:KnuNrIba0
………
……………
…………………
275 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/12(水) 15:58:20.50 ID:KnuNrIba0
【下一桁:5……酒場】
使い魔「や、まっさかわたしね、やんごとなき血統に生まれ落ちるとは思いませんでした」
淫魔「厳密にいうと別にあいつの娘ってわけではないけれどね。
少なくとも外見は殆ど私の情報なわけだし」
使い魔「そこはそれ、臨機応変に」
淫魔「うん? 」
使い魔「将来凌辱されそうになったらさり気無く明かして、
“ 高貴な者なのに下賤なクズに犯されちゃう ”プレイができるでしょー? 」
淫魔「なるほど。あなた天才ね」
使い魔「それほどでもー」
276 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/12(水) 15:59:04.12 ID:KnuNrIba0
街道から少しだけ外れた幾つかの宿屋がある村。
そこではたった一軒だけの酒場が唯一の娯楽といっていいだろう。
だから、まだ陽の高い時間とはいえ酒場には狐耳の主人と同じく狐耳の女給仕、
狭い店内では多少の圧迫感がある大柄な獣人と人間のグループ六人がいた。
もっとも、六人の客は数本の酒瓶を卓に持ってこさせた後はカードで賭け事を始めてしまったし、
彼女たち二人も何をするでもなくゆっくりと飲みながら他愛の無い話に興じているだけで。
主人と給仕も暇そうな顔を隠しもせず欠伸を噛み殺していたが。
277 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/12(水) 15:59:44.48 ID:KnuNrIba0
淫魔「ふぅ……暑いわね」
使い魔「夏ですからねぇ……」
薄い生地のノースリーブと下品にならない程度に透ける上着は宿屋で着替えたものだ。
そこからこの酒場に直行して、冷たい火酒をロックで流し込んでいる。
それでも暑さは決して離れてくれず、彼女の首筋からは珠の汗が流れて胸元を湿らせる。
酒場の主人やカードに興じる客には見えない向きで服をパタパタと仰いでみるも、効果は薄かった。
こんなことなら彼の言っていたもう一つの選択肢、水浴びコースの方が良かったか。
どうせなら水浴びコースの後に酒場で食事兼火酒、
とした方が健全でしかも涼を求められた気もする。
けれど、今更水浴びに向かうのも億劫だった。
278 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/12(水) 16:00:13.87 ID:KnuNrIba0
使い魔「ん……つめたぁい」
淫魔「やめなさいよはしたない。……変な声出すから見られてるじゃない」
彼女の使い魔も暑さには耐えかねているらしい。
火酒を冷やしていた氷を一欠片取り出して、露出した肩や背中、胸元へ滑らせて遊んでいた。
そしてその声と行動には当然の如く男の視線を引き寄せるある種の魔術染みた色気が備わっていて。
淫魔「まぁ、あなたが野蛮そうなの六人相手に処女散らせて吸精してくるっていうのなら止めないけれど」
279 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/12(水) 16:00:55.02 ID:KnuNrIba0
見たところ程良く酔ってカードに興じる客は獣人が三人に人間が三人の合計六人。
そういうパーティーなのか、偶然意気投合でもしたのか、それともどこかのパーティーの一部か。
彼女たちが入店したときに感じたなんとはないいやらしい視線が少しだけ強くなった気がする。
下品ではないつもりでも肌着に近い薄さのノースリーブで出歩くのはさすがに不味かっただろうか。
恐らく準備などそっちのけで眠りこけているであろう彼を慮って少しでも早く部屋を出た。
しかしここで問題を起こせば折角気を遣って気兼ねなく眠らせた彼に余計な迷惑を掛けてしまう。
280 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/12(水) 16:01:24.48 ID:KnuNrIba0
使い魔「や、ケッコーケッコー。筋肉質なのも乱暴気味なのも好きですけど心に決めたご主人様がいるんで」
淫魔「ばーか、あれは私のよ」
と、この短い間に何度繰り返したかも分からない冗談と返答を投げ合う。
本音で言えば、別に彼と使い魔が寝ようが彼女としては構わない。
欲を極限まで煮詰めて最後に残ったモノを見れば、それは当然完全なる独占ではあるけれど。
しかし、淫らなことだけが取り柄のサキュバスや身体を売ることしか取り柄の無い娼婦ではないにしろ、
彼女とてまともで純粋な意味での人間ではない。
彼女を一番に見てくれるのなら、多少の火遊びは見逃すつもりでいる。
それに、その相手が彼女の使い魔だというのなら、
もうそれは殆ど彼女を欲しているのと同じこと。
281 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/12(水) 16:02:02.49 ID:KnuNrIba0
使い魔「…………」
淫魔「…………」
使い魔「…………」
淫魔「…………」
使い魔「…………聞こえてました? 」
淫魔「心に決めたご主人様に謝っておきなさい」
こんな狭い村とも呼べない集落の、一軒しか無い酒場。
下手をすればこのまま村人に追い出されるか白眼視されてしまうだろう。
けれどまぁ、貞操の危機だとか柔肌への危険だとかは避けなければ。
282 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/12(水) 16:04:28.25 ID:KnuNrIba0
席を立って近寄ってきたるは亜人の二人。
ペールオレンジ、と呼ぶには正直汚らしく思える色の黒ずんだ豚男。
たぶん素直に言うと怒るので豚鬼の古語であるオルクスと呼ばないといけない。
アホの使い魔がその辺りを考えてくれていれば嬉しいところである。
淫魔「はぁ……」
横目で見遣れば他の亜人と人間三人は後ろで眺めているだけのようだった。
最悪、与えた能力の重要さに反比例して頭と口の軽い使い魔はどうでも良い、とも残念ながらならない。
さすがに少し前の自分とほぼ同じ姿の身内が豚に犯されて興奮する程極まってはいないのだ、彼女は。
【シニョリーナお二人へ】
1.性
2.暴
3.暴
4.性
5.金
6.性
7.金
8.暴
9.金
0.お客様(はぁと)
ゾロ目.ヒーローは遅れてやってくる云々
283 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/12(水) 16:04:59.60 ID:KnuNrIba0
なるほど……
夜また来ます
ありがとうございました
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/12(水) 22:18:39.32 ID:awgb0g6po
おつおつ
285 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 22:44:45.20 ID:blenGS0LO
【下一桁:5……金】
豚鬼A「なぁネーチャン」
淫魔「なにかしら」
スツールに腰掛ける若い女二人とその背後に立つ大柄な豚男が二人。
どう考えてもその先に待っている展開は一つだと思う。
それに自分で言うのもおかしな話ではあるが、きっと映えるというか似合うというか、そんな感じもする。
醜い豚男二人に犯され無理矢理孕まされるのは絵になると思う男が多い筈。
しかも今なら寝取られも付いてお得である。
286 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 22:45:36.08 ID:8WYlGWuq0
豚鬼A「金、貸してくれねぇか」
淫魔「……は? 」
使い魔「えぇ……」
何を言っているか分からない、というか頭が理解を拒んだ気がした。
淫魔「……今、なんて? 」
豚鬼B「悪いんだけど金を少々ね? 」
豚鬼A「貸してくれね? あそこで笑ってる馬鹿どもの財布から返すから」
最初に話しかけてきた方の豚男が指差す先には残りの四人が品の無さそうな顔で笑っている。
その図を見ればどう考えても場違いな若い女を揶揄いに行った仲間を遠巻きに眺める無法者である。
287 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 22:46:10.32 ID:8WYlGWuq0
淫魔「えーと……え? 」
使い魔「身構えてどうできる女っぽく返そうか考えてたのにこれは無いですよねー? 」
淫魔「うるさいっ」
豚鬼A「えー……うん? 貸してくれるの? 」
豚鬼B「それとも貸してくれないの? 」
淫魔「…………」
使い魔「プ-クスクス」
金はそれなりに持ち合わせがある。
彼の持ち物ではあるが、別に子供ではないのだし失えばそれまでのものだ。
理由が賭け事であれ善意の融通であれ彼は何も言わないし怒らないだろう。
それに仲間内の賭け金に莫大な出費を強いられることもない筈だ。
288 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 22:46:48.89 ID:8WYlGWuq0
淫魔「…………一気に冷めたわね」
使い魔「あったまってたのはマスターだけなんですけどねぇ〜」
さて、どうしてやろうか。
【一番穏当なやつでした】
1.お客様(はぁと)
2.寧ろ混ぜなさい
3.少しくらいなら
4.寧ろ混ぜなさい
5.いや、そういうのいいんで
6.少しくらいなら
7.いや、そういうのいいんで
8.寧ろ混ぜなさい
9.いや、そういうのいいんで
0.少しくらいなら
ゾロ目.夕食にするぞー
289 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 22:51:32.28 ID:8WYlGWuq0
【下一桁:9……いや、そういうのいいんで】
淫魔「悪いけど他を……他の客はいないからここのご主人にでも借りて」
使い魔「まぁ、ご主人様のお金ですしね。わたしが稼いだ分もありますしー? 」
使い魔の戯言は努めて、無視。
別に感情としては貸してやっても悪くないとは思う。
混ぜろと言えばなんだかんだと仲間に入れてくれるような気安さも感じる。
けれど、
淫魔「生憎と飼い主のお金しか持ってないの、私たち」
やっぱり、その辺りはしっかりと線を引いておくべきだと感じたのだ。
あれで金銭感覚の狂った男である。
いつ何時意味の分からない理由で散財してくるか知れたものではない。
ましてやここは山奥の集落。日銭稼ぎに手頃な依頼を投げて寄越す便利なギルドなどというものも無い。
290 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 22:54:43.02 ID:8WYlGWuq0
豚鬼A「えー、ちょっとくらいよくない? ちょっとだけちょっとだけ、先っぽだけだから」
豚鬼B「そうそう。勝ったら酒も奢るからさー」
淫魔「いや、そういうのいいから」
台詞だけ見れば本当にどう考えても何を穿っても下卑た笑みで、
膨らんだ自分の下半身を慰めさせたい悪漢である。
淫魔「ま、どうしても寄越せっていうのなら」
豚鬼A「いうのなら? 」
豚鬼B「裸踊りでもしようか? 」
そんな悍ましいものを見た日には目が腐る。
291 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 22:59:52.78 ID:8WYlGWuq0
淫魔「取り敢えずこの子に腕っ節で勝ってから頼みなさい」
使い魔「ほえ? 」
豚鬼A「うん? 」
豚鬼B「はい? 」
思わず顔を見合わせる似たような顔の二体、ではなく二人。
それから見遣った先には女としてはそれなりに背だけは高めの少女が一人。
例えば彼らの肩など彼女の太腿よりも太ましい。
その太い腕に捕らえられたが最後少女は様々な意味で泣かされるだろう。
使い魔「いやー、マスターそういう話の振り方は良くないと思うなー」
淫魔「別にあなたのお金なら幾らでも貸していいのよ? 」
使い魔「や、ケッコーケッコーこれで財布の紐と身持ちと意志は硬いんで。……胸は柔らかいけど」
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/12(水) 23:00:23.32 ID:hGAZ7AWOO
明らかに竿要員なのに妙に人間臭くて嫌いじゃない
293 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:06:08.95 ID:8WYlGWuq0
豚鬼A「……どーする? 」
豚鬼B「どーするって言われてもな」
「「へーい、女の子にも振られてどうするんだよ」」
「「それこそ裸踊りでもしてみるかい? 」」
「「ブーブー鳴いて椅子になってくれればチャラでいいぜ? 」」
「「俺ァその子たちと遊ぶんでも一向に構わないが? 」」
淫魔「……こんな感じよね、普通」
使い魔「人は……豚は見かけによらないというかなんというか」
豚鬼B「あぁん? 誰が豚だって? 」
使い魔「きゃーこわーい」
凄んだ拍子に豚男の顔に青筋が走る。
踏み込んだ足と拳を握り込んだ腕にもギチギチと音を立てる勢いの筋肉が浮かんだ。
294 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:10:28.71 ID:8WYlGWuq0
淫魔「遊ぶんじゃないの。……まぁ、穏当にこの子と戦ってもいいし、犯すつもりで戦ってもいいわよ」
どう足掻いても勝つのは彼女の使い魔で、本気の一割でも出させれば頑張った方であろうが。
豚鬼A「実際俺はまだ金あるし……」
豚鬼B「いやお前巫山戯んなよなんなんだよありえねーよどうなってんの頭腐ってんのおかしいの君」
豚鬼A「女を買う気分でも無いし」
豚鬼B「いつでもどこでもその気になるもんだろうが相棒! 」
豚鬼A「そういうこと言うから俺たちの種族は評判がさ」
淫魔「……早く起きてこないかしら」
使い魔「ですねー」
彼女たち二人そっちのけで何やら言い争い始めたお豚……お二人。
やいのやいのと外側から投げられる仲間の野次もそれを加速させているようだった。
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/12(水) 23:12:21.60 ID:awgb0g6po
豚さんすこだ……
296 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:18:01.17 ID:8WYlGWuq0
淫魔「…………マスターお代わり」
使い魔「あ、わたしもわたしも」
「へい。……店内で変なことされちゃあ困りますよお客さん」
淫魔「安心して。私たち、尋常じゃないくらい強いから」
「はぁ」
結論は未だ出ず、彼女の待ち人も未だ来ず。
それでも暑さだけは相変わらずの酷さで。
うんざりする豚二体の争いも、特に気分を紛らわせる面白さではない。
使い魔「はぁ。こういうのに限って実は短小とかそういうパター
豚鬼B「あぁん? 」
豚鬼A「いや、君あのさ……」
面倒なことを口走るなと顔に書いてある方は幾らか頭が回るようだった。
どちらの顔もさして違いが無く、単に肌の色と冷静っぽい口調で辛うじて分かる程度だったが。
【奇跡は起こせるか】
1.お客様(はぁと)
2.女にする
3.金は諦める
4.腕相撲でいい?
5.金は諦める
6.腕相撲でいい?
7.女にする
8.金は諦める
9.女にする
0.腕相撲でいい?
ゾロ目.飯食うぞー
297 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:24:15.16 ID:8WYlGWuq0
【下一桁:7……女にする】
淫魔「少しは冷静だと思った自分を殴りたい」
使い魔「今日はマスターの感覚何の役にも立ちませんねー」
呑気な、それも頭上を飛ぶ雲を眺めて形を述べるような下らない調子で。
話がどう転んだのか冷静に見えた方の豚男と遠巻きに野次を飛ばしていた四人も、
こちらを気色悪い目で舐め回すように見てくる。
忠告を無視しやがって、という顔で狐耳の店主は露骨に迷惑そうな顔。
若い女狐の方は相変わらず暇そうにつまらなさそうに頬杖を突いてカウンターからこちらを見ていた。
298 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:29:43.76 ID:8WYlGWuq0
豚鬼B「ぐへへっ、俺は姉の方を最初に貰う」
豚鬼A「げひひっ、俺は妹の泣き顔を見たい」
淫魔「……物凄い安易な創作物感があるんだけど」
使い魔「ぐへへとかげひひって本当に言うんですねー」
彼女たち二人はカウンターに背を向けてスツールに座っている。
つまり逃げ場は既に鼻息の荒い阿呆な皆さんに囲まれてしまった。
ご丁寧なことに人間の一人が出入り口を塞ぎにも行っているようだ。
「「そーいや飼い主がどうとか言ってなかったか? 」」
「「つまりこれ寝取り? 寝取り? 」」
「「マジモンのご主人様だったらそれはそれですげーテクしてそうだな」」
豚鬼A「主人、二階は空いてるか? 」
「空いてる。……店内で殺すなよ」
299 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:34:17.18 ID:8WYlGWuq0
面倒ごとには絶対に関わらないという強い意志を感じさせる主人が二階へと続く階段を顎でしゃくる。
それは鷹揚に頷いて返した豚さんたちはこれでもう全て終わったとばかりに再度こちらを向いた。
彼女たちとの距離は既に数十センチ程度でしかない。
獣臭いような、単純に汗臭いような、どちらにせよ不快な臭いが鼻を刺す。
淫魔「はぁ……」
使い魔「給仕さーん、お代わり! 」
「あ? 誰に何のお代わりだって? 」
つまらなさそうな顔で頬杖を突いていた狐耳は漸く表情を動かすに足る出来事に出会えたようだった。
調子に乗った馬鹿な小娘、それも自分と同い年くらいの華奢な女が酒のお代わりを望む。
そんなことは天地がひっくり返っても有り得ないと信じ切った顔。
300 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:38:40.89 ID:8WYlGWuq0
使い魔「いいからいいからー。この人たちのお金で給仕さんも飲みましょーよー」
「はぁ……馬鹿には付き合ってらんないよ」
使い魔「馬鹿でいいですからー。ね? 」
淫魔「ね? じゃないわよ馬鹿」
使い魔「馬鹿っていいました? ねぇ今馬鹿って言いました? 今日全く役に立ってない馬鹿がわたしに? 」
淫魔「……あ? 」
豚鬼A「おいおいおい……お二人さん一体全体なーにを夢の世界へ逃避してるんだ? 」
豚鬼B「お代わりしたいってんならクソ穴からならさせてやるよ。
たっぷりぶち込んで裂けた後でな! 」
「「ひひひひっ」」
「「女の子壊す趣味は無いんだけどなー」」
いい加減、相手をしてやらなければいけないようだった。
淫魔「ぁ、これが私の初収入? 」
どうにも、下らないことばかり頭に上るのはきっと暑さの所為。
頭が回らず思考がずれるのもたぶんきっと大体そうに違いない。
301 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:45:38.84 ID:8WYlGWuq0
淫魔「ヒーローは遅れてやってくる、ね」
使い魔「あれで寝起きの機嫌悪い方なんで大人しく起きるまで飲んでましょーよー」
豚鬼A「……マジで泣いて叫んでも許さねぇからな」
豚鬼B「関節外して孕むまで連れていくか」
「「お、いいじゃんそれ」」
「「いいねいいねー」」
淫魔「…………任せたわよ」
使い魔「はいはーい」
【どうしましょうか】
1.竿役というご都合主義
2.塵
3.塵
4.豚肉のシャルキュティエールソース
5.お財布で許す
6.豚肉のシャルキュティエールソース
7.お財布で許す
8.豚肉のシャルキュティエールソース
9.塵
0.お財布で許す
ゾロ目.起きたぞー
302 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:46:10.51 ID:8WYlGWuq0
………
……………
…………………
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/12(水) 23:48:48.05 ID:awgb0g6po
ひゃー
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/12(水) 23:50:29.42 ID:mBQ//6mMo
儚い命だった
真摯な態度は生存率を高める
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/12(水) 23:51:47.56 ID:fJGWa7xgo
あわれ
306 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:52:44.84 ID:8WYlGWuq0
【下一桁:4……豚肉のシャルキュティエールソース】
狐耳「申し訳ありませんお客様。そのシャルキュ……シャルキュなんとかいう調理法が分かりかねます」
何ということも無い。
結末は本当に極々一瞬、瞬きをしたかどうかも分からないままに訪れた。
所詮はただ身体が多少大きくて頑丈なだけの豚さんとお猿さんである。
彼女と使い魔に手を伸ばした瞬間彼らは一瞬棒立ちになって、
それから瞬時に煙も出さず黒焦げのゴミへと早変わり。
さすがに野蛮な男たちに輪姦される同性は見たくなかったのか、
億劫そうに立ち上がった給仕は最初それに気付かなかった。
だから、ちょっと目を離した隙に黒焦げの何かが五つ転がっている状況も理解できなかった。
307 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/12(水) 23:58:30.82 ID:8WYlGWuq0
淫魔「いいのよ冗談だから。……あなたも飲みましょうよ、私たちのツレもそのうち来るけれど」
使い魔「あんな汚いもの食べたくありませんしねー。
あ、ちゃんと谷底にぶん投げて来ましたからご安心を? 」
狐耳「あ、ありがとう、ございます。ただあの、光栄なのですが調理を担当しておりみゃ、ますもので」
淫魔「それは残念。……残りは? 」
狐耳「の、残り? 」
哀れ、怯えきりどうこの場を凌ごうか考えているのだろう。
ガクガクと震える足元に小水が滴っていないのが不思議な程である。
使い魔「わたしのこと便利な使いっ走りだと思ってません? 」
淫魔「使い魔じゃないあなた」
使い魔「そうですけどねぇ。……あの見張り役やってた人間さんはーー
【もう一回リザルト】
1.逃げた
2.皆仲良く
3.皆仲良く
4.皆仲良く
5.皆仲良く
6.皆仲良く
7.皆仲良く
8.皆仲良く
9.皆仲良く
0.逃げた
ゾロ目.生け捕り
308 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/13(木) 00:06:26.92 ID:owJOGIe80
【下一桁:2……皆仲良く】
使い魔「仲間って苦楽を分かち合うものですよね」
狐耳「ひ、ひぃぃ……あ! ひぃぃごめんなさいごめんなさい焼かないで焼かないで殺さないでっ」
パチパチと掌に微弱な雷を湧き上がらせて、俯き気味に微笑む。
たったそれだけで哀れな給仕は今度こそ腰を抜かして後ろに倒れ、
カウンター上にあったボトルを薙ぎ倒してしまった。
ついでにとうとう弱っていた最後の尊厳も決壊してしまったようだった。
淫魔「馬鹿。……ごめんなさいね給仕さん、見てて分かってたと思うけどこの子馬鹿なの」
狐耳「え、いや、あの、え、そう、はい、は、え、え、え」
309 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/13(木) 00:10:56.75 ID:owJOGIe80
「ふぅ、よく寝たよく寝……あん? 」
淫魔「あらおはよう。よく眠れた? 」
「まぁ、そこそこ。装備も完璧だし明日はすぐ発てる。……いじめ? 」
狐耳「ひぃぃぃぃっ、増えたぁぁぁぁ! 」
「増えた? 増えたって何が? 」
使い魔「狐さんを取って食う残虐な化け物? 」
「何だそれ」
淫魔「話はこれからゆっくりするから取り敢えず座って。……ねぇ」
狐耳「は、はい! 」
淫魔「何の根拠も出せないけれど私たちは美味しい料理とお酒を楽しみたいだけなの。
どこかへ逃げたご主人を連れてきてお店を再開していただける? 」
狐耳「たっ、直ちに支度をさせます! 」
310 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/13(木) 00:16:13.34 ID:owJOGIe80
「あ、ちょっと、この漏らしたや……行っちまった」
使い魔「それはご主人様がそこのモップで何とかしてくださーい」
淫魔「そうね。申し訳無いけれどお料理を食べられる臭いじゃないわ」
「起きて早々赤の他人の小便掃除ってお前ら……分かった分かった、ちゃんと説明はしろよな」
不承不承ながらも漸く起き出してきた彼が木床を綺麗に拭き取って。
それから懐疑的な顔を隠そうともせずに店主が泣きそうな給仕に手を引かれてやって来て。
あとはまぁ、年若い少女ならばまだマシなことを大の大人、それも老年に差し掛かろうかという男がしてしまって。
結局料理が来るまで三人で注ぎ合いながらの酒盛りとなったのだった。
311 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/13(木) 00:16:41.86 ID:owJOGIe80
………
……………
…………………
312 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/13(木) 00:20:40.23 ID:owJOGIe80
「ちゃんと仲間は始末したのか? 」
使い魔「ええ。この有能使い魔さんがしっかり燃やし尽くして谷底に廃棄しておきましたとも」
「あ、そう……」
使い魔「あ、褒めていいですよ? どうですこれから」
二階を指差しながら舌舐めずりをする使い魔を見ていると、
呆れを通り越して何かえも言われぬ気分にさせられる。
事の顛末を聞き取って、それからどうしようも無く感情の矛先を探して、
まず第一に彼はグラスを手に取るしか無かった。
確かにそれは正当防衛と言えなくも無いようだったし、
荒くれ者と付き合ってきた以上は今更過剰反応と言う気も無い。
313 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/13(木) 00:27:19.44 ID:owJOGIe80
けれど、さすがにあんまりではないか。
女を襲おうとして死んだ、と文章にしてみればそれは当然の報いかもしれない。
それでも、どこか遣る瀬無い思いを顔も知らぬ豚さんたちに向けざるを得ない。
淫魔「で? どうするの? 」
「うん? 」
程良く酔って、それなりに美味い料理を食べて、
最後まで彼らしか訪れなかった酒場の中心。
主人は料理を出し終えると一目散に去り、
使い魔は手洗いに立って、ただ狐耳の給仕だけが死んだ目で突っ立っている。
開け放した窓からは未だ熱を持った風しか吹き込んでは来ない。
蝋燭の火が揺れ、月明かりに温かな彩りを与えていた、そんな夜。
酒で程良く赤みを増した頬が思いの外あどけない淫魔が彼に問うた。
314 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/13(木) 00:32:41.67 ID:owJOGIe80
淫魔「酔ってるからあんまり深くは考えられないし言葉も選べないけれど」
「……あぁ」
淫魔「今夜も、楽しみましょう? 」
「…………」
使い魔はどこで何をしているのか未だ帰らない。
それに、彼女の誘いを断る理由などどこにも無い。
宿屋の女将にももしかすると帰らないとは伝えてある、が。
「…………明日も早いしな」
ーー夜は、まだ始まったばかり。
【何夜目かは知らない】
1.お客様(はぁと)
2.使い魔
3.淫魔
4.使い魔
5.淫魔
6.使い魔
7.使い魔
8.淫魔
9.淫魔
0.淫魔
ゾロ目偶数.淫らな姉妹と終わらぬ宴を
ゾロ目奇数.狐耳っていうのは性感帯だと聞いたことが……
315 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/08/13(木) 00:33:09.02 ID:owJOGIe80
………
……………
…………………
316 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/13(木) 00:34:45.16 ID:owJOGIe80
おかしいな……豚さんと遊んだだけで終わるとはどういうことなのか
今夜は分かりませんが明日は来られる、筈ですたぶん
よければまたよろしくお願いします
ありがとうございました
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/13(木) 00:41:09.85 ID:fyZrHslHo
おつおつ
豚さんは犠牲になったのだ…
318 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 13:35:01.36 ID:ldhpPA+6O
【下一桁:7……使い魔】
使い魔「とか思ってる筈ですよー夢の中で」
「…………」
酔い潰れた淫魔を背負ってケラケラと笑う使い魔と宿屋まで戻ってきた。
穏やかな寝息を立てる淫魔は男でも引くような下ネタを披露することも無く、
また艶かしい貌で彼を揶揄うことも無い。
ただ、普段よりも大分幼くともすれば気高い家の生娘に見える程幸せそうな表情に見える。
月明かりと蝋燭の光だけでもそれなりに風流さと言えるものは味わえるようで。
それとも死んだ目の給仕しかいないとはいえ他人がいる場所だと無意識に緊張していたからなのか。
宿屋の一室で二人、会話を続けているだけでも落ち着いて、幾らか暑さからも解放された気がする。
319 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 13:36:28.86 ID:ldhpPA+6O
「……何故、そんなことを? 」
使い魔「分かり切ったことをわざわざ言わせるのは悪いクセですねー」
「言わせたいものなんだよ男って」
使い魔「そ。……人外の化け物もハジメテくらい二人きりで特別な瞬間にしたいと思うのは罪ですか? 」
「…………」
罪では、無い。
少なくとも、その想いは、黎明の、原始の、本能的欲求、恋願う何かからすれば。
けれどこんなにもストレートなのは、罪だ。
一回りは歳下に見える美少女にこうまで言われて心が騒つかない男などいないだろう。
しかも、道端の物乞いや場末の娼婦が纏う媚態も無しに、
いっそ真摯とすら思える真っ直ぐさで。
320 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 13:36:56.35 ID:ldhpPA+6O
「……こんなクズでもいいと? 」
使い魔「わたしはそれしか知りません。染めるなら今のうちですよー? 」
「…………お前たちは知らないだろうけどな、生きるためにだけじゃない、
ヤりたいときに卑怯な手を使ってコマしたこともある」
使い魔「女の責任ですよそれは。わたしがその子ならあなたをぶん殴りますが」
「……………………はぁ」
使い魔「溜息吐いて様になる男ならそれでもいいじゃないですか。
都合の良いクソ野郎を甘受して謳歌しましょーよ」
「……………………」
321 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 13:37:58.07 ID:ldhpPA+6O
使い魔「それとも、今更一人しか愛せない身体になったと? 」
「そういうわけじゃ、ねぇさ」
そんな存在を否定はしないけれど、どうにも自分はそうはあれない。
誰かに依存して執着して生きるしか道が無いのに、その相手が一人とは限らない。
生まれ故なのか、そこから弾き出された苦渋故なのか、それとも生き方がそうさせたのか。
自分は女を貪って渇きを満たす欲求が他人とは比べ物にならないくらいには、巨大らしい。
元々認識はしていたけれど、淫魔と出会ってからそれを強く認識させられていた。
あんなにも極上の麗しさを持ち、誰しもが肉欲をぶつけたくなる肢体を持ちながら、
その実多少の加虐で壊れることも無く、寧ろ被虐を望んですらいる淫靡さ。
彼のような男にとってそれは、理性最後のタガを溶かすに十分な暴力だった。
322 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 13:41:07.21 ID:ldhpPA+6O
「自慢じゃあねぇけどさ」
使い魔「ええ」
「女に困ったこと、無いんだよ俺」
使い魔「ははぁ……」
より正確に言えば、どうにかしてまで手に入れたいと思ったことが、無い。
きっと、本気で深く女を愛したことが無いのだ、彼は。
「だからさ、女の子に依存したことって無いんだ。
沼に嵌るっていうか、絡め取られるっていうか」
使い魔「だから、怖いと? 」
手に入れたものが失われるのは、辛い。
だから、無くなってしまう可能性が人を臆病にしてしまう。
それならば最初から深くはのめり込まないと、下らない予防線を張り巡らして。
「……ん」
顧みれば、兄弟同然に育った王太子殿下や剣術の師であった伯爵、
そして王弟の長子であるという環境そのものに、深く依存していたのは確かなのだ、彼は。
323 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 13:41:35.04 ID:ldhpPA+6O
それでも個人の女性に溺れたことは無くて。
だからその未知が、途轍も無く恐ろしい。
冒険者などという生き方をしてきた以上、女の所為で身を持ち崩す男は大勢見てきた。
ある者はただ金の為に使い捨てられ、搾りカス同然に打ち捨てられた。
ある者は恋い焦がれるあまりに年老いた両親や幼い妹さえ端金で売り飛ばした。
ある者は男のいる女に恋慕を募らせ、金だけでなく身分も立場も友人も全てを失った。
絶望で自死を選ぶのならまだ自ら終わらせるという救いがある。
だがその選択権すら奪い取られて、良いように扱われる木偶にされる者も多い。
生の主導権を失ってしまってはその者はもう人間などではない。
欲に支配されて破滅した、誰かにとって都合の良い肉人形に成り下がるのだ。
324 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 13:42:50.43 ID:ldhpPA+6O
使い魔「やれやれ……アホの極みですねぇ」
ーーただあなたは、わたしを貪ればいいのに。
ーーそれがわたしの、幸せなんだから。
「…………ッ」
二人は背の低い寝台に密着して腰掛けている。
彼女の片手は彼の太腿をサワサワと撫で滑り、
身を乗り出してしなだれかかる所為で瑞々しい双丘は彼の肩で潰れていた。
酒を飲んだためだけではない、湿り気の強い熱っぽい吐息が耳朶に吹き掛けられて、背筋を熱く凍らせる。
使い魔「もし、マスターに捨てられたら」
「あ、あぁ……」
使い魔「……わたしが飼ってあげます、永遠に、いつまでも、魂が磨り減ったとしても」
ーーあなたこそわたしにとって、最高に都合が良い男なんだから。
325 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 13:43:17.31 ID:ldhpPA+6O
「ッ…………ぅ」
言葉は簡単で陳腐なものかもしれない。
それなのに、無意識にか思い始めていたただの執着ではない愛情が何かに上書きされたような、
いや、書き足されてしまったような感覚に襲われた。
これは浮気ではない、しかしただの遊びでもない。
彼にとって失うものは無くて、享楽に耽っても誰もそれを咎めない。
見た目だけならば彼の妹よりも幼い少女に、愛情にカタチを作り変えられてしまった。
千々に乱れた意識はけれど、ただ一点だけが鋭敏にこの後の展開を望んで爆発しそうで。
326 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 13:45:24.40 ID:ldhpPA+6O
使い魔「あぁ……いいんですよ、それで。あなたは罪深い種族に囚われてしまっただけ。
そして、その罪深さを共に生きることで贖わなければならなくされただけ」
「…………? 」
何を言っているのかは分からない。
ただ、いつもは飄々として能天気な仮面を被っていても、
その下にある顔は随分と大人で、それに、とても悲しそうで。
そんな顔はさせていられないと、思った。
癒したいのか、壊したいのか、それとも別の何かなのか。
「…………悪かった」
失うことに恐怖して、信じてもいない倫理観を理由に消極的なフリをして。
本当は彼女を芯まで貪って、自分だけのモノにして、無くならない印を刻み付けたいのに。
使い魔「構いませんよ。この、肉の欲をわたしにぶつけてくれるのなら」
「ッ……」
327 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 13:46:23.01 ID:ldhpPA+6O
それまで太腿をゆっくりと滑っていた嫋やかな指が突然その急所に伸びて。
彼女に触れられて、吐息を感じているだけで鎌首をもたげ始めていたそれが、震える。
使い魔「さ、難しい話はやめて、始めましょーか」
ーー特別な夜にしてくださいね、わたしのご主人様?
【The first night】
1.S
2.M
3.攻
4.受
5.M
6.二桁目の数字二つ
7.受
8.攻
9.S
0.お客様ごあんなーい
ゾロ目.主より優秀な使い魔なんて云々
一桁目二桁目両方使用
328 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 14:03:18.85 ID:ldhpPA+6O
………
……………
…………………
329 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 14:03:48.82 ID:ldhpPA+6O
ちょっと休憩
330 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/14(金) 14:13:00.10 ID:ez7INl+To
たんおつ
331 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 16:13:01.57 ID:ldhpPA+6O
【01……S/お客様ごあんなーい】
使い魔「ふふ……まぁ、あぁは言いましたけどー」
「んっ……」
使い魔「悪いおちんちんですよねぇ。こんなに腫らして、わたしに突っ込みたいんですよね? 」
「……っふぅ」
薄い生地の根巻きは、殆どダイレクトに彼自身を触られているのと同義だった。
だから、脱がされた瞬間ガチガチに硬化したそれは音を立てて彼の腹筋を叩いた。
彼女が悪戯気に笑うように、狭く熱く絡み付いてくるであろう女の穴に突き込み、
快楽を味わい尽くして欲望を吐き出したいと怒張して。
332 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 16:13:34.41 ID:ldhpPA+6O
使い魔「わぁ……何度か見てはいましたけど凄いですねー」
「な、にを……」
使い魔「よくこんなおっきいの女の子に突き刺していいと思ってますねー。
普通の人間なら根本まで受け入れられないでしょ? 」
「…………」
使い魔「カリの高さもエグいしー、血管もビッキビキじゃないですかー」
「…………」
使い魔「タマタマも重くてすっごい濃ゆーいの溜まってそうだし? 」
「……その方が、嬉しいんだろう? 」
使い魔「まぁねー。……自分で言ってて恥ずかしくないんですか? 」
「うっ……」
333 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 16:14:04.28 ID:ldhpPA+6O
使い魔「そんな調子に乗ってる女の子泣かせの悪いご主人様にはー……えいっ」
「ッ……アアッ……! 」
本当に、何の前触れも無く、許しを得ることも何も無く。
亀頭への気安いキスなんてものも一切無く。
唐突に肉槍が未知の感覚に襲われて、酒精が弾け飛ぶように視覚が明滅する。
使い魔「んふ……どうですか? 舌先で尿道犯されるのは」
シンプルにただ咥えられたのだと、思った。
しかし実際に与えられた刺激は見知った生易しいものではなくて。
334 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 16:15:28.39 ID:ldhpPA+6O
「どうっ、なって……ッ」
軽い痛みを伴う得体の知れない感覚が下肢を支配して、
そればかりか彼女が口を動かしたように見える度に背中が反って冷や汗が流れる。
使い魔「ま、秘密ですよ秘密。わたしの舌って普段は普通ですからねー? 」
まだ尿道口付近を責められるのなら、理解できる。
けれど、どう考えてもこの感覚は肉槍の中程か、もしかするとそれより奥まで到達していて。
使い魔「んんっ……ゅるっ…………ゅるじゅふぅっ」
「! っ……くっ……ァァっ…………! 」
細くなり枝分かれでもしているのか、まるで粘膜を持った蔦のような、触手か何かに襲われた気分だった。
335 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/08/14(金) 16:15:55.43 ID:ldhpPA+6O
隣に密着して座っていた彼女がそのまま頭だけを下げているため、
下肢の状況は彼女の頭に遮られて殆ど分からない。
しかし彼女の表情が見えなくとも意図は分かる気がした。
“ 奥まで犯される女の子はこういう気分なんですよー ”、と。
たぶん、そんなようなテーマで、彼女に犯されているのだ、彼は。
「やめっ、それ以、上さきぃっ……はッ」
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