狸吉「華城先輩が人質に」アンナ「正義に仇なす巨悪が…?」【下セカ】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

351 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/26(土) 17:21:39.58 ID:1ADphy2e0
皆さんがいいなら>>350でいいですか?
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/26(土) 17:27:27.26 ID:yujQg04dO
いっそ、【逆姦獣(ぎゃかんじゅう)アンアン】ってのはどうよ。
アンナ先輩ならどんな名前でも名前負けしないから困る
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/26(土) 17:32:08.35 ID:yujQg04dO
>>351
ごめん、来てたの気づいてなかった。
作者さんがその名前でしっくりくるなら、こちらからは何も言わない。>>350本人が別の名前を望んでいるなら違うかもだけど、今のところ何の反応もないしね。
自分が考えた名前採用されなくて残念って気持ちはあるけど、そんなの安価ものじゃ良くあることだし。
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/26(土) 18:16:57.83 ID:Dy3byLkG0
移動中だからID違うかもだけど、>>350GETした者です
自分は使ってくれたらそりゃ嬉しいな、作者がいいならさ、あんま安価取ったことないしw
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 15:51:43.26 ID:rL5XD5y+O
乱交パーティー会場って…

わざわざ隠れてやるくらいなら、海外でヤリまくれば良いのに
356 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/28(月) 22:48:57.36 ID:TwDEMAj70


 僕はサングラスと帽子を持っていき、アンナ先輩は僕のトランクスを持ってタクシーに乗った。それでいいのか。

 降りた場所で地下に案内され(なんかエレベーターの操作盤をややこしい起動方法を使って表示のない階に降りてた)そこで顔を隠すように言われ、帽子とサングラスにトランクスと訳の分からない組み合わせでVIPルームに入る。

「やあ、ようこそ」

「こんばんはですわ。今日はどのようなイベントなのでしょう? わたくし、とても楽しみですの」

 本心と表情が乖離した駆け引きは、僕も苦手だ。どちらかと言えば情に訴えるタイプだしね。アンナ先輩はトランクスで見えないけど、声音は涼やかに笑っている。

「今日は特に……えーっと、偽名なんだっけ?」

「獣欲の銀愛《じゅうよくのシルバーラブ》ですわ」

 ちなみに華城先輩が一秒で名付けた。アンナ先輩がいいならいいけど、いいのだろうか。

「今日はね、趣向が特別なんだよ」

 カーテンが開かれる。カーテン? 地下でカーテン?

 開かれた窓には、上から見渡せるようになっていた。



 そこにはボンテージ服の男女がいろんな方法で痛めつける、いわゆるSMプレイをしていた。



「わざわざ日本でやらなくてもいいのにねえ。ま、今は日本を離れるのが難しい情勢なのはあるけど」

「こんなものを見せてどうしたいんですか?」

 音が聞こえないため、動いている姿だけだったけど、それでも50人ほどはいるだろうか、それらが一斉に、しかも倒錯したプレイをしている姿は、正直なところおっきしていた。

「《センチメンタル・ボマー》?」

 咎める声が聞こえるけど、仕方ないじゃない、だって絵ですらこんなに厳しく取り締まられているこの世界で身近に! こんなに! 発情している人間がいる!

「なんで性はダメなんだろうね。人間は気持ちよさを追求する生き物なのにさ。あ、君たち、ここ、入ってみる?」

「……なぜそうなりますの?」

「君たちの世界を広げる必要があると思ってね」

 君たち、と言っているが、これは僕じゃない。アンナ先輩に向かって言っている。

 でも正直に言うと、これに似たことは結構してるんだよなあ、僕たち。

 なんだかんだでアンナ先輩も発情した人間を見て、うずうずしているのがわかる。

「大人は卑怯だよ」

 慶介の自嘲に満ちたような、不思議な声だけが、非現実的なこの空間に響く。

「あとで動画取られていても困りますわね」

「それはない。それをするとこのパーティーの信用がガタ落ちだからね。僕の場合はたまたま近くに来ていた君たちへの、純粋な好意さ」

「…………」

 淫獣モードのアンナ先輩が吟味しているのがわかる。あと慶介、アンナ先輩のビーストモードを直接は見たことはなかったのか、だらだらと汗をかいている。アンナ先輩から、くちゅ、くちゅと鼠径部から音がしている。

「乗り気、みたいだね?」

「……《センチメンタルボマー》、わたくしは今ここで帰っても何の収穫もないと考えますわ」

「見学だけでもOKだよ」

 つまり参加したいんですね、わかりました。

 ちょっと僕もこの空気にあてられて、おかしくなっていたんだと思う。でもしょうがないじゃない、狂うよこれは。


357 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/28(月) 22:49:51.40 ID:TwDEMAj70

 さすがにその姿じゃ空気が壊れるとのことで、着替えることになった。僕は革のパンツに仮面、アンナ先輩は、ボンテージ服に仮面とウィッグだ。アンナ先輩の銀髪は目立つからウィッグは必要不可欠とのこと。

 ぴっちりとした素材に、チャックが上からついていて、局部を露出させられるつくりになっている。昔の人は良く考えたよなあ。

「お待たせしましたわ」

「…………」

「やっぱり、似合いませんか……?」

 ウィッグがあるので印象が違うが、妖精のように整った顔立ちも完璧なプロポーションも、仮面やボンテージでは隠し切れなかった。上品さもあって、不思議な存在感がある。

「綺麗、です。とても」

「……もう」

 そこでウェイターらしき人間が、ドア前で説明を始めた。

「ではご案内いたします。当パーティーの参加は初めてでしょうか?」

「はい」

「パートナーを変えるには合意が必要となります。あまりありませんが、断ってもしつこいようでしたら当スタッフをお呼びください。こちらも見張っておりますので何かあったら駆け付けます」
 
 警備員がいるのはわかっていた。明らかに雰囲気の違うガチムチな野郎がいたからね。
 
「道具を使いたい場合はあそこのバーに貸し出しを申し出てください。無料で貸し出しております。使い方がわからない場合は、バーテンダーにお聞きください。ドリンクはお二人の場合はソフトドリンクのみと伺っていますが、よろしいでしょうか?」

 はい、と頷く。そこだけ法律順守かよ。慶介の価値観もわからねえな。

「以上となります。ご不明点はございますか?」

「いえ、わからない時はまた伺いたいと思いますわ」

「かしこまりました。では、ごゆっくりお楽しみください」

 そして、扉が開く。


   *


 むせかえるほどの艶香が、まず鼻を直撃した。なんというのか、下半身に直接響く匂いだ。

 初めての客は珍しいらしく、特にアンナ先輩は雰囲気を変えても何か格のようなものが違うのが皆わかるらしく、注目が集まる。

「あれ、使いたいですわね」

 ……天吊りの鎖だった。そりゃそうですよねー。

「先、バーいきませんか?」

「いらっしゃいませ」

「スポーツドリンクを二つ。それと、あの鎖は使えますの?」

「はい、只今ご使用いただけます」

「じゃあ、これと、……これは何に使いますの? あとこれは?」

 質問攻めにあっても表向きはバーテンダーの職務をこなし、いくつかを借りてくる。それらをまとめて袋に入れて、

「じゃあいきますわよ」

358 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/28(月) 22:51:09.12 ID:TwDEMAj70


 アンナ先輩、なんだかんだでいつもより昂っているらしい。僕は手枷を付けられ、天井に吊るされる。まだ両足がつくぐらいの高さだ。

「ふふふ……」
 
 袋から取り出したのは、……家でもおなじみの羽箒だった。

「ひっ」

 羽箒で僕の乳首を撫でる。思わず変な声が出た。

 撫でながら僕の革のパンツのジッパーを下すと、ぼよんと僕の愚息が飛び出す。

「美味しそう……」

 家ではもう少し焦らすのだけど、今はアンナ先輩も興奮していて、あっという間に僕の愚息はアンナ先輩の口の中に吸い込まれた。



 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ!!



「はあ、ああ、出……!」

「まだですわ」

「痛い!?」

 見ると、根元をアンナ先輩が握りしめていた。

 アンナ先輩が視線だけで、鎖の操作する人に指示する。


 きり、きり、きり


 鎖三つ分上がって、つま先立ちになる。ゆらゆらと揺れる感覚が不安で、怖くて、それがスリルとなる。

「そこでいいですわ」

 鎖が止まった。

 アンナ先輩のクロッチの部分は開いていて、愛の蜜が駄々洩れだ。

 アンナ先輩の局部が、僕の愚息に押し付けられる。豊かな胸部も、革越しに伝わるとまた違った感触になる。

「はあ、はあ、はあ、はあ」

 アンナ先輩が僕の唇を奪うと同時に、僕の愚息がアンナ先輩の中に入る。




 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ!!



「ふ、ふうん、あ、ん、んんんん!!」

「はふ、あ、あ、れ、れます!!」

 アンナ先輩が、視線で笑った。

 ゾクゾクとその視線に快感が来て、同時に発射する。

 抜くと二つの愛の蜜が交じり合ったものがこぼれ、そのこぼれたものを指ですくうと、アンナ先輩は舐めた。

 そしてもう一回、今度は口で僕の愚息を舐めると、今度は位置を調整しながら挿入れなおす。

 揺れる鎖は不安定で、それが感覚としてアンナ先輩は好きらしく、ゆらゆらと揺れる。

 右足を上げ、僕に巻き付ける。

 アンナ先輩の笑みが笑いから嗤いに変わった。

「さあ、存分にイッてくださいまし……!!」

「う、う、あ、あ、あ!!」

 ――連続で二回、放つ。でもまだ足りない。アンナ先輩を味わいたい。僕からアンナ先輩をイカせたい――

359 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/28(月) 22:51:58.63 ID:TwDEMAj70


「……ベッドはありますの?」

 鎖を操作してる人に聞く。空いてるベッドを指示されたので、そちらに向かう。

 アンナ先輩から抜いても、まだ息子は勃ち上がったままだった。

 ベッドに座ると、アンナ先輩が上から乗っかる。対面座位の姿勢は一番のお気に入りだ。当たり前のように僕の息子はアンナ先輩を刺した。

「ううん……!」

 刺激が足りなくなってきたのがわかったので、「何か袋にありますか?」訊いてみると、

「排泄孔に、入れるためのものが入ってますわ……」

 袋を探ると、長さ25センチはあるアナルパールだった。横幅も三センチはある。

「え、これ入れるんですか?」

「ダメですの?」

「……いえ、せっかくだから試しましょうか……痛かったら、言ってくださいね」

 どうせ指で弄るつもりだったし、アンナ先輩なら大丈夫だろう。多分。

 ローションなんて贅沢品がついてきたので、アナルパールにかけ、少しずつ挿入れていく。

「い、ひ、やん、あ、あ、い、やああああん……!」

 全部入りきったころには、アンナ先輩の顔は法悦しかなかった。

 アンナ先輩の腰を持ち、上げて、落とす。それを繰り返す。

 アンナ先輩が体重が一点にかかるようにしてくれているので、衝撃が凄い。自分も下から突き上げる。革の隙間から舌を入れ、胸部の先端を啜る。

「はああああああああんんん……!」

 がくがくがく! と腰が揺れ、「ぐ、搾り、取られる……!」びくびくびく!と中の壁が収縮し、僕の息子を搾り取ろうとする。けど三回はイッた僕の息子は満足しなかった。

 下からの突き上げを止めない。

「あ、ひい!?」

 アンナ先輩が連続でイく。こうなるとアンナ先輩は止まらない。ふと、何かのスイッチを見つけた。

「こ、これなんですか?」

「あ、それは……あ、あ、い、ま、うしろ、の、スイッチ、ですわ……!」

 アナルパールのスイッチか。

 とりあえず、押してみた。



 ウィンウィンウィン



「はうう!!」

 アンナ先輩の締め付けが強まり、後ろ側の壁から何か異物感がある。どうやらぐにゃぐにゃと蛇のように蠢いているようだ。

「あ、あ、あ、あ、気持ちい、気持ちいいんですの!!」

 左手はたわわに実った胸部を揉みしだき、右手はクリトリスをつまんだ。

「ひ、いや!?」

 パシャン、と熱い水。潮を吹いたアンナ先輩はビクンビクンと痙攣しているのにまだまだ足りなさそうで、周りからの視線もアクセントにさらに嗤いながら腰を蠢かす。

 僕もそれに付き合っていいと思えるぐらいには、この空間に酔っていた。

360 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/28(月) 22:52:31.91 ID:TwDEMAj70


 慶介への挨拶もそこそこに、僕らはタクシーで清門荘に戻る。

 八回はイッた。全部アンナ先輩に搾り取られた。腰が痛い。

「その、よかったんですけど……、何か意味ありました?」

「行く前に言ったとおり、何人かの名前と顔は一致しましたわ……」

 まじかよ、そんな余裕なかったよ。

「利用できますわね」

 冷徹に笑う。変化する前は見たことのない顔で、僕は苦手な顔だった。

「アンナ先輩、」

「帰ったらどう話しましょう?」

「……あー、」

 単にSMプレイやりまくりましたじゃなあ。

「まあいいですわ……明日説明しましょう。今日は奥間君も疲れましたでしょう?」

「あ、はい、ものすごく」

「不破さんの状態は気になりますけど、明日は帰らなくては。……ふふふ、奥間君」

「は、はい」

「やっぱり、わたくし、“悪いこと”が好きなんですわ……とても、よかったんですの」

「…………」

「……清門荘についたら、起こしてくださいまし」

「はい」

 眠ってしまったアンナ先輩を見て、僕は気付いた。

 そういえばアナルパール入れっぱなしじゃなかったっけ?

361 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/28(月) 22:53:53.69 ID:TwDEMAj70

書いてみたかっただけパート。なんかアンナ先輩のマンションとあんまり変わんないな。しいて言うなら、ボンテージ服のアンナ先輩は絶対最高です。
362 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:19:44.54 ID:Y9iAHKDp0


「何人か知っている人を見かけましたわ」

 帰った後、アンナ先輩はそう報告した。

 ちなみにアナルパールはやっぱり抜いてなくて、これは後で買取するらしい。

 不破さんと月見草は結局治らなくて清門荘専用の送迎者に乗せて帰ってもらってる。僕たちは今、電車の中だ。

「でも、そのこと誰にも言えねえんだぜ?」

「今は、ですわね」

「…………」

「綾女さんの心情的には反対のようですわね」

「秘密を握ってとか、そういうのはね。効果的なのはわかるんだけど」

「綾女さんらしいですわ」

「結局あのクソ親父の思惑がわからないままっていうのが悔しいっスね」

「わたくしを引き入れたいのでしょう」

「それと、乱交パーティーを見せられることに何の因果があるのかしら?」

「陥れたいのかもしれませんわね。わたくしを、とことんまで」

 若干鼓修理がばつの悪そうにつぶやく。

「うちのクソ親父がすみませんっス」

「鼓修理ちゃんは悪くないんですのよ。わたくし共の事情ですわ」

 妹に対するように、アンナ先輩は優しく笑った。

「闇堕ちしたアンナか、それはそれで絵になりそうじゃの」

 この人は、本当に何でも絵のモチーフにするな……。

「さあ、明日から学校よ。どちらも両立していきましょうね、奥間君」

「はい」

 ……これでいいんだよな?


363 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:20:37.02 ID:Y9iAHKDp0
ここから三月まで時間が飛ぶのですが、

せっかくなので掌編を一つか二つ。どちらも不破さん視点が入ります。
364 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:23:27.77 ID:Y9iAHKDp0

*アンナ先輩はゆとりからもらったアフターピルと、低用量ピルを現在は使用しています。


  1/16


 不破氷菓は科学者である。自分ではそう自負している。

 だが時に発明者と思われる節も多々ある。

 今回の依頼は――



「不破さん? ちょっと、ご相談がありますの」

 アンナ・錦ノ宮会長だった。化学部の部室にまで来るとは珍しい。

「どうしました? なにかありましたか?」

「ええ。ここ、人は来ないですわよね?」

「滅多に来ませんね。それで、どうしましたか?」

 なかなか用件を言い出さないのは珍しい。促すと、一枚の雑誌のコピーと思われる紙を取り出した。

「朱門温泉にあった、不健全雑誌のコピーの一部なのですけど……」

「ほう。拝見してよろしいのですか?」

「今はわたくしも《SOX》ですから」

 どういうわけか、この会長も《SOX》になってたらしい。その話はおいおい聞いていくとして、

「珍しいタイプの不健全雑誌ですね。グッズのカタログとは」

「そこに、トレーニングの話があるでしょう? それについて、相談したいんですの」

「ふむ」



『これで彼もあなたも快楽絶頂! レッツ膣トレ!!』



「《赤ちゃん穴》も排泄孔も、筋肉でできているので、トレーニングができるらしいですの。鍛えれば、わたくしも奥間君もさらに気持ちよくなれるらしいのですが……、鍛え方がわからないんですの……」

「会長は十分筋肉はあると思いますが」

 とはいえ興味深い話だった。この手の方向の知識は氷菓にはなかったからだ。

「まずはアンナ会長のク、おっといけない、CスポットやGのスポットの位置を測らせてくれますか?」

 カタログにある形を模倣することは難しくはない。ただこれは万人向けのものだ。せっかくだからアンナ会長にあった形にした方がいいだろう。

「え……、えっと、不破さんが、わたくしの局部に触るんですの?」

「いけませんか?」

「いえ……お願いしますわ」

 アンナ会長がスカートを下す。そしてショーツを脱ぐと、銀の陰毛に隠された性器が見えた。

 あくまでも無表情に、しかし興味津々に見つめる。以前は余裕がなくて見れなかったが、陰毛は銀なのか。手入れらしい手入れはしていないようだが、絡まったりせず纏まっている。

「そ、そんなに見つめないでくださいまし……恥ずかしいですわ……」

「失礼しました。触りますね」

 一気に大陰唇を広げる。「きゃ!?」クリトリスと膣口が見えた。ついでに愛の蜜がドバドバと落ちていくのも見えたが、これはいつものことだろう。

「あまりひくひくしないでくださいね」

「そ、そんなこと、言われたって……! ひん!」

 クリトリス、8mm、膣口までの長さ、約3.2cm

「測れましたよ」

 さすがに形状が特殊なためか、PMにも引っかからなかった。このまま3Dプリンターで型を作ってしまおう。

365 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:23:57.49 ID:Y9iAHKDp0


 作っている間に、もう一つ。

「排泄孔は、そうですね」

 カタログを見る。

「そもそも排泄孔は使ったことはありますか? 使ったならどの程度まで使いましたか?」

「……奥間君の突起物を……奥まで……」

「充分です、ありがとうございます。ならこの細いものを、せっかくなので20cmほどの長さと、1.5cmの連なりにして作ってみましょう」



 ガタンゴトンガタンゴトン



「できました。まず排泄孔から説明しましょう」

 排泄孔は傷つきやすいので、氷菓手作りのローションをかけ、「中に挿入れますね」「自、自分で入れますわ」アンナ会長が自分で、「んっ……」艶めかしい声を出しながら挿入れた。

 最後の部分は少しだけ大きく、2cmにして、さらにリングを付けている。

「どうですか?」

「……刺激は、あまり……」

「トレーニングですから刺激は念頭に置いていません。筋肉を絞っている意識はありますか?」

「ん、こうでしょうか? んん……!」

 ぎゅうと絞られるのが見えた。リングを引っ張る。

「きゃ!?」

 ずる、と抜けた。

「このように、抜けることがないようにするのが排泄孔のトレーニングです」

 そのまま挿入れなおす。抜き差しの感覚を得たようで、「ああ……!」愛の蜜がさらにドバドバとこぼれる。

「こちらも」

 クリトリスを覆う形状にトゲトゲをつけ、氷菓が指で確かめたGスポットの位置まで伸びる特殊な形状にしている。下の部分には排泄孔用のと同じ、リングがある。

「これは、Cの部分を広げて……このように装着します」

「ん、なんか、当たってないように思うのですけど……」

「締めれば当たるようにできています。締めてみてもらっていですか」

「あ、これ、中も、外も、両方、当たって、……!」

 ビクンビクン!とアンナ会長の腰が蠢いて、膣用と排泄孔用、両方のトレーニング器具が落ちた。

「まずは筋肉を締めるところを意識してみてください。会長ならすぐできるでしょう。明日、また来てください」

 まあそれ以上に、愛の蜜の処理の方が大変そうだが。

「これは……今までで一番辛いトレーニングになりそうですわ……」

366 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:24:48.37 ID:Y9iAHKDp0


「そんなものを作らせたんですか」

 アンナ先輩の家で、呆れて僕はそう言った。ちなみにいつもの天吊り状態で、僕はパンツ一枚の状態だ。

 そしてアンナ先輩は、そのトレーニング器具とやらを二つ着けているだけ状態で、

「それで、奥間君も頑張ってほしいことがありますの」

「……なんです…………っ――!?」

「これ。身に覚えがありますでしょう?」

 《鋼鉄の童貞》朱門温泉でもらってきた貞操帯だ。

 アンナ先輩が僕のパンツを剥ぐ。

「ちょ、ちょっと待ってください、先輩、それ……」

「10日、頑張りましょう? できますわよね?」

 アンナ先輩が優しい声で励ましながら、ビルドアップした僕の息子に1cm幅の革のベルトを付け、それだけでも射精できないのに《鋼鉄の童貞》を無理やりに付けた。

 これでもう、射精はおろか、勃起もできない状態になっている。

「ひ、ひ……う、あう」

 思わず漏れた苦しみの声も、アンナ先輩は恍惚のまなざしで聞いていた。

「ああ、愛に悶える声は、やはり素敵ですわね……! わたくしも耐えなければ……!」

 アンナ先輩はコツをつかんだのか、イッても落とさないようにはなっていた。ただ何度もイッているため、乳首が服にこすれるだけでイケてしまうようになっている。

 天吊り状態を解除された僕は、しかし不安しかなかった。

 鍵を見せびらかすようにひらひらと振りながら、しかしお互い10日間の地獄を我慢しなければならないのだ。



   *


「ふ、不破さん……いますの?」

 ぽたぽたと愛の蜜を垂らしながら、それでも内またで歩いてくるアンナ会長は、明らかに淫獣の目をしていた。

「一日で慣れましたか?」

「こ、コツは掴んだと思いますわ」

 そして奥間も射精管理されていることを知った。かわいそうに。

「エビ○スと亜鉛と整腸剤の組み合わせがいいらしいですよ。ドラッグストアで買えます」

「いいことを、聞きましたわ……うふふひっ」

「さて、診せていただけますか」

 前と後ろのリングを同時に引っ張る。「はあん!!」ビクンビクンと鼠径部を大きく振動させ、へなへなと倒れこんだ。

「……《赤ちゃん穴》に、指を入れてもいいですか?」

「え?」

「締りがいいか悪いかを判断するので。嫌ならば結構です」

「…………」


367 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:25:23.41 ID:Y9iAHKDp0

 浮気でないかどうかを判断しているのだろう。結果、浮気ではないと判断したらしい。

 氷菓はアンナ会長の《赤ちゃん穴》に指を一本、挿入れる。

「んん……」

「締めてください」

 ぎゅうと締まる。氷菓も自分で触ったことがあるが、それよりも格段に締りが良かった。

「充分じゃないでしょうか」

 快楽を与えるのが目的ではないので、すぐに抜く。

「奥間さんも幸せだと思いますよ」

「……限界まで挑戦したいんですの」

「……ふむ」

 床に落ちてしまったので、いったん、器具を水で洗ってから、もう一度挿入れなおす。「はふん……!」

「このリングに重りを付けます。少し、リングを引っ張りますね」

 くい、くい、

「ああん!」

「結構です。まずは、アンナ会長なら……」

 250gと350gの重りを、取り出し、250gの方を前に、350gの方を後ろに着ける。

「負荷は、確かに、大きい方が、筋力トレーニングには、なりますが……!」

 一気に重くなったので、辛そうだ。

「これを一週間、頑張ってみてください」

「い、一週間!? い、一週間もなんて、あああん!」

 ビクンビクンと痙攣した途端、ゴトンと落ちた。

「やり直しですね」

「はふ……!」


   *


 アンナ先輩に三つの瓶を渡された。これを毎日決まった量飲まないといけないらしい。

 おそらく精液を作るための材料だろう。これを飲み続けるだけでも理論上は5日で満杯にはなるのに、

「あん、ああん……!!」

 ビクンビクンとし続けるアンナ先輩を見続けても、勃起すら許されない。アンナ先輩は外でも学校でも(!)つけているらしく、その時は気を付けてはいるそうだが、やはりもじもじしてるらしい。そりゃそうだ。

「奥間君、これ、食べてくださいまし……!」

「…………」

 うん、これが美味しいことは知ってる。アンナ先輩の作る料理は僕とつながるようになってからは異物混入しなくなったし。

 だけど、明らかに滋養強壮を目的としているというか、これ朱門温泉秘伝のレシピじゃなかったのかよ。

 もうやけになってがつがつと食べる。お腹の底の方が熱い気がする。薬も飲む。

 アンナ先輩と一緒のベッドで、それぞれ器具以外は外して、裸で就寝、できるか!!とツッコミたい。

 もう僕のムラムラは、2日目で限界に来ていた。


368 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:26:26.08 ID:Y9iAHKDp0

 8日が経った。どうなっているだろう。

「あ、ああああんん!!」

 指への締まりが明らかに良くなっていた。奥も排泄孔もそうだろう。

「……400gと500g、一気に増やしてみますか?」

「あ、う、おねがいしますわ……ああ、これ、重いんですの!! お、お、あ、し、締めなくては……!!」

 さすがにきついらしく、イケばすぐにでも抜け落ちそうだ。

「奥間さんの様子はどうですか?」

「あ、ああああんん!!」

 ビクンビクン! ゴトンゴトン!

「あ、接吻しかしていませんの!! ああ奥間君の臭い、濃くなって、ああ、あと12日、わたくしの方が持つかどうか……!!」

 最初は10日と言っていたような気もするが、まあいいだろう。

「ふ、ふひひひひ!」

「…………」

369 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:26:54.69 ID:Y9iAHKDp0


 約束の、10日。

 滋養強壮にいいものばかり食べさせられて、帰ってきたら発情しっぱなしのアンナ先輩の隣にいて、僕はとうに限界だった。

「は、外してください! お願いします!」

「んー……、ふふ、やっぱりやめましたわ」

「え……?」

「ああ、いいですわね、その絶望の顔……!! ふふふふひ!!」

 気づいた。アンナ先輩は最初から10日で解放する気なんてさらさらなかったのだ。

「お、お願いします! は、外して、何でもする、します! だから、お願いします!!」

「……そうですわね、じゃあ」

 アンナ先輩が愛の蜜だらだら状態でM字開脚をする。器具だけが入った状態で、あとは裸の、最近の夜の状態だ。

「まずは、わたくしの器具を、両方抜いてくださいまし……口だけで」

「は、はい……!」

 リングがついているからそこを噛む。「!?」重た!? え、こんなの付けて毎日平然とした顔で学校行ってたの?

「ん……!」

 ずる、と前の器具が抜ける。後ろも同じくリング部分を歯で噛んで引っ張る。

「あああああん……!」

 びくん! と痙攣した。最近のアンナ先輩はイキっぱなしなのでこれがイッたのかはわからないけど。

「じゃあ、その指で、手で、口で、私の胸部や局部をこねくり回してくださいまし……!」

 口で愛の蜜を直接啜る。排泄孔に指を入れ、かぎ状に動かす。胸部を揉みしだく。

「はああああああああんんん!!! あ、あ、あ、指、入れてくださいまし……!!!」

 声も何もかもが全部が僕の五感全てを刺激する。もう僕は限界のところを綱渡りさせられている。

 痛い。勃起できない! いや、嫌だ、辛い!! 助けて、

「助けて、アンナ先輩、これはずしてぇぇえぇ!!」



「だーめ、ですわ」



 アンナ先輩が僕の貞操帯からはみ出た睾丸を揉む。より強く精子と精漿が掻き混ざり、精液が作られていく。

 思わずアンナ先輩の手首を握って外そうとするけど、力比べでアンナ先輩に勝てるわけがなかった。

 逆の僕の手を自分の《赤ちゃん穴》に誘導する。自然と中指と薬指を入れてしまう。

「!?」

 締まりが凄い。凄まじい。でも硬いわけじゃなく、ざらざらとした部分がちょうどいい弾力で跳ね返ってきて心地いい。

 ああ、いれたい、いれたい、いれたい!!

「あ、あ、あ、あああああん!!」

 潮を吹き、アンナ先輩は何回目か数えるのを忘れるほど、イッた。

 ――結局、鍵を開けてくれないまま。

370 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:28:07.17 ID:Y9iAHKDp0

「今日が、最終日ですか」

「ありがとうございます。いい経験になりましたわ」

 20日目。アンナ会長は今日は器具を嵌めてなかった。

 筋肉には休む時間も必要だという。柔道の経験もあるアンナ会長がそういうのならそちらの知識の方が正確だろう。

「わたしも今回はいいデータが取れました」

「ふふふ、今日は特に楽しみですわ……!」

「まあ、愛を育んでください。奥間さんが壊れない程度に」



   *



 僕はアンナ先輩が帰ってくるのをひたすら待っていた。

 かちゃ……

「!!」

「ただいまですわ。……ふふ。もうすでに裸だなんて……」

「あ、アンナ先輩、僕、本当に、もうだめで……!!」

「20日間。よく頑張りましたわ……奥間君」

 《鋼鉄の童貞》を外してくれた!

 ボン、と爆発するように、息子が天にそびえ立つ。

「ふわあ、いい匂い……!!」

「せ、先輩、最後まで、お願いします!!」

 最後の根元のベルトが、外してくれない。これがなければ射精できるのに!!

「さあ、仰向けになって……奥間君」

「あ、あ、」

 逆らうこともできず、ほんの少し押されただけで僕はベッドに仰向けになる。

「我慢のお汁が凄いですわね……! パンパンですわ。これが、わたくしの中に入るかと思うと……!」

「ひっ! お願い、止めて、先輩の、先輩の中、気持ちいいこと僕知ってるから!!」

「ああ、嬉しいですわ!! でも、まずはこっちから……!」

 SMパーティーから持って帰ったアナルパールを挿入れるように要求された。

 ズチュ、ツルン、ズルズルルル!

「ああ……、後ろが、いい感じに……!! さあ、本番といきましょうね……」

「アンナ先輩、お願い、ベルト外して!!」



 ズ、ズチュ、チュ、ズ、ズ……



「アンナ先輩、い、一気に入れて、このベルト外して!! ああ、締まりが! 前と全然違います!!」

371 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:29:00.23 ID:Y9iAHKDp0


「ああ、その表情、狂いかけのその表情、素敵ですわ……! くす、動きますわよ」

 ズ、ズ、ズ、ズ、ズチュ……

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、」

 アンナ先輩はわざとゆっくり動いている。その代わり締め付けがぎゅうぎゅうと本当にすごかった。ちんこもげそうになるぐらい凄い。

 だからこそ、この膣内に出したい!!

「ああ、この20日間、奥間君がどうなるか、ずっとずっと楽しみでしたのよ……! その表情、本当に素敵ですわ……!」



 このまま狂わせたいぐらい可愛い――



「ああ、でも狂ってしまったら、色々これからが困りますものね。わたくしもどれくらい溜まったかが楽しみですし、外しますわ……その前に」

 ま、まだ……何かあるのか?

「奥間君が愛しているのは誰ですの?」

「あ、あ、あ、アンナ先輩、です」

「聞こえませんわ。もっと大きな声で」

「アンナ先輩です!!」

「いいですわ、いきますわよ!!」

 根元が、ぶつん、と外れる音がした。


 ズンズンズンズン!!


「う、」

 ズ、

「うわあああああ……………!!!!!」



 ズチュウウウウウウウ、ズチュウウウウウウ、ブチュウウウウウ



 まるで尿道口が裂けるような、射精感の時間と感覚を引き延ばしたような、押し出す感じ。

 身体中全ての血液が精液になったのかと勘違いするほど、僕の息子に力が集まる。

 それでも一回力を込めただけではイキきれずに、二回、三回と力を込めて、ゼリーを通り越して半分固体状になった精液を押し出した。

 この世の射精感をすべて集めたような、凄まじい快感だった。

「あん、どろどろですわ、ん」

 膣内に入りきらなかった分を、指ですくってアンナ先輩が舐める。

「ふわあああん……!!」

 ぎゅうううううと半固体の精液が搾られる。
 
「また、また、またイキます!!」

「いいですわよ、何度でも、何度でも……!! 今夜は愛の蜜を搾りつくしますわよ!!」

 一回目ほどではないけど濃い射精感の予兆に、僕とアンナ先輩は震えた。

 僕は動けない。アンナ先輩が搾り取る快感をただ享受するだけの存在になり下がった。

 ただアンナ先輩だけがそれを悦ぶように、舌が僕の耳を舐めた。

 僕の排泄孔にアンナ先輩の指が入っても、もう抵抗する気力は残っていなかった。



 あ、あ、あ、おおおおおお、ふわあん、ひゃん、いぎやああああ、おおおおおお!!!

372 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/09/29(火) 21:33:28.32 ID:Y9iAHKDp0

射精管理はアンナ先輩の判断により特別な月にのみ行われるようになったとさ。誕生月とか。どっとはらい。

バレンタインデーも書きたいなあ。

次回予告っぽいもの


    *


三月に入り、アンナ先輩に迫る「転校」の文字。

錦ノ宮夫婦に迫る、「離婚」の文字。

そしていまだに捨てきれない、狸吉の華城先輩への思い――

そして《SOX》としてのアンナの活躍はいかに!?


 こうご期待!
373 : ◆86inwKqtElvs [sage]:2020/09/30(水) 01:01:51.76 ID:KEfK2ub40
…………

おっきした人いたら挙手!ノ
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/01(木) 05:43:24.32 ID:5oj7niIKO
これは拙者も思わず前かがみでござるよ ノ

不和さんとのエッチなやりとりが最高すぎて
女の子同士でこういうのいいぞ〜

男の子同士だとこういうのできないからね
やっても狸吉の腐った薄い本みたいになっちゃうからね
375 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 12:38:19.86 ID:DfToxJPx0
えへへ、ありがとうございます。
番外編、行きます!
376 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 12:39:20.98 ID:DfToxJPx0

 2/13


 明日はバレンタインデーである。

 濡衣ゆとりはもちろん本命なんて渡せなかった。

「奥間君は苦いのと甘いの、どちらが好きですの?」

 人前では清楚で可憐にしか見えないアンナは、袖口を掴んで小首をかしげて聞いてくる。ここ《SOX》のアジトなんだけど。

「ビター……どっちかっていうとホワイトの方が好きですかね」

「え、精液? 精液好きなのって珍しい男ね! やっぱりBL……」

「違っげえよ、どう考えても明日のことだろうよ!!」

「こういうことには目ざといんじゃの」

「最近はイベントがないっスからね」

 第三次ベビーブームが来て、特別やることがなくなった。今はまだ『安心確実妊娠セット!』を配れていない都市に配布する段階だ。

「…………」

「…………」

 綾女とゆとりの様子を見て、はあ、と困ったように微笑するアンナは、しょうがない、とでもいうように。

「奥間君、これから女性同士のナイショの話があるんですの。すみませんが、席を外してくださる?」

「あ、はい。じゃあ晩御飯何がいいですか?」

「材料は大体あると思うので、お任せしますわ」

 今、アンナと狸吉は同居している。

 ゆとりはそれに、イライラしていない、とは言えなかった。

 今、すごく中途半端な位置にあるのに、二人はそれについて何も考えていないように思えて。

 そんなアンナは、ゆとりを見る。優しい笑みだったが条件反射的に体が強張る。

「ゆとりさんは優しいんですのね」

「え? えっと、そうなのか? だぜ?」

「以前の、変わる前のわたくしなら気付かなかったでしょうが。綾女さん、ゆとりさん」

 にこっと、聖女の笑みで。



「二人とも、奥間君のこと、好きですわね?」



 ブォフ!と飲んでたコーヒーを二人同時に吹いた。同時に鼓修理はさっと地階の方に逃げ、デバガメ画家は面白そうにカウンターから見ている。

「えっと、私達はその、えっと、好きと言ってもそれは」

「男女の仲としての好きでしょう? できるならば、わたくしの位置を望みたいでしょう?」

 いやそれはない。もう少し普通がいい、とは言い出せなかった。

 血に飢えた獣の目になってきている。

377 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 12:40:36.87 ID:DfToxJPx0


「不戦勝でいいんですの? わたくしと奥間君は確かに愛し合っていますけど、今は外的要因で引き離される可能性も高いんですのよ? その隙を狙わないんですの?」

「…………」

「…………」

「だから、言ったんですの。優しいんですのね、ゆとりさんも、綾女さんも」

 言葉とは裏腹に、女王のような、不遜な目で。

「勿論、わたくしは引き離されるつもりはありませんわ。そのつもりで準備もしていますもの」

「準備って?」

「貯金を投資で増やしています。今で1000万円ほどでしょうか。あと二倍か三倍にはして、マンションが一括で買えるぐらいがいいですわね」

 コイツ本気で何ができないんだよ……。

「ですが、わたくしもわかりますの。愛が受け入れられていない時、わたくしは熱暴走を起こしそうでしたわ」

 聞いたことがある。起こしそうではなくほとんど起こしていたらしいと綾女から聞いていた。

「告白の機会ぐらいは、与えてもいいかもしれない。そんな気分になっているんですの。そしてそのうえで奥間君がわたくしを選んだら」

 ゾクゾクゾク!と寒気がする。暴雪と獣の気配が混在して、背筋を這いまわる。

「それは愛の証明ですの。違うんですの?」

「……アンナにしては優しいじゃない」

「あら、自分が選んだ男性がモテること自体は、嬉しいことだと思いませんの? それに、奥間君が他の女性を選ぶなんてこと、万に一つもあり得ませんわ」

 つまりこれは。

 アンナにとっては、ゲームの一つに過ぎないのだ。

「〜〜〜〜! やってやらあ!」

「ちょ、ゆとり!」

「ホワイトチョコが好きらしいですわよ」

「聞いてらぁ!!」

「ちょ、ゆとり、口調がおかしいわよ!?」

 挑戦を受けるように、あるいは逃げるように、喫茶店を後にした。

 その後ろを、綾女が追いかけてくる気配を感じたまま。

378 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 12:41:05.05 ID:DfToxJPx0


(あわわわわわ……)

 場合によってはゆとりもしくは綾女が殺される。ゆとりはともかく綾女様が殺されるのは何としてでも避けたい。

 それが鼓修理の本音だった。

「お、お姉ちゃん?」

「なんですの、鼓修理ちゃんもお義兄ちゃんにチョコレート作りますの?」

「いや、作らないっス。もしお姉ちゃんが選ばれなくて、他の人が選ばれたらどうするの?」

「……何も」

「え?」

「嫉妬に任せて殺すのも面白そうではありますわ。ですがそれじゃ、――足りないんですの、きっと」

(あわわわわわ……!!)

「わたくしは我慢を覚えなくてはならなくて……ん、あ、」

 くちゅくちゅとスカートの中から音がしてきた……。

「ですから、奥間君の選択に従いますわ」

「…………」

「……ごめんなさい、変な話を聞かせましたわね」

「いや、その、鼓修理は大丈夫っスけど……お義兄ちゃんがアンナお義姉ちゃんを選ばなかったら?」

「わたくしは一度ならず、何度も間違えています」

「?」

 話が飛んでよくわからない。

「ですが、その間違いをすべて受け入れてくれると言ってくれたのが、奥間君なのですわ」

「……そう……」

「ですから、大丈夫。それに、本気で殺したりはしない、多分、きっと、おそらくは……んん……!!」

 ビクンビクンと腰が跳ねた。カップの取っ手がこするように握り潰された。

「……すみません、今日は18時まで警察署で特別講習があるので、そろそろ行かなくては。それでは」

 特別講習って確か、12月に行ったのと同じアンナを模擬犯人にした実践訓練だったか。



『知識さえあれば間違えなかった』



 アンナはそう信じている。それはある程度は正しいとは思う。

 けど、鼓修理が見る限り、アンナにはそういう素質があったとしか、どうしても思えない。性と破壊に悦びを見出す獣と、周囲に服従を強いる暴雪の女王の二つの素質は、どこに行き着くのだろうか。

 それをどう、あのクソ親父が見ているのかも、不安で仕方なかった。


379 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 12:41:38.32 ID:DfToxJPx0

「ふう」

 やはりお義母様との対戦は楽しい。もっとルール無用だったらいいのだけど、それでは遊びとしても面白くない。

 そう、今のアンナにとって、奥間の言葉以外はすべてが遊びだった。もっと言うならどうでもいいことだった。

 法律も倫理も親の言葉も、すべてがどうでもいい。愛さえあれば、奥間君さえいれば、他はどうでもいい。

 でもそれだと奥間君の負担もかかる。だから適度に息抜きを入れるよう、できる限り努力していた。この警察の特別講習もその一つだ。

「バレンタインデー×2月!!」

「? ああ、《羅武マシーン》さん」

 正直こういう二重スパイも、嫌いじゃない。比重は今でこそ《SOX》に傾いてはいる。けど条件次第では自分は裏切るだろうとも思っている。

 それが奥間君のためになるなら、自分の欲望をかなえるためなら。

「何か御用でしょうか?」

 《羅武マシーン》はスーツを着て、一見そこらのキャリアウーマンといった感じだ。

 並ぶと《羅武マシーン》が録音機器の類を持っていることもあって、マスコミ関係者とインタビューされる側にしか見えない。

「定期報告はしているはずですけど」

 《雪原の青》がチェックした内容を送っているので《SOX》には害にもならない程度のものだが。

「慶介さんは足りないと仰っています。……離婚×結婚」

「今は《SOX》も活動を抑えていますから、これ以上を言われても……」

「何故抑えているのでしょうか? アイスボーン×溶岩」

「わたくしの存在でしょうね。大胆な行動に出るには、わたくしが信用されていないのですわ。それと単純な、情報不足……。!」

「何か思いついたようですね? アンナ×狸吉」

「ええ、思いつきましたわ。それが実現可能かはわかりませんので今は言えませんが」

「ぜひそれを――」

 暗がりに《羅武マシーン》を引きずり込み、喉を舐め上げる。胸部を握りしめ、腿と腿で《羅武マシーン》の腿を挟み、相手の動きを封じる。

「ひっ……!」

「《羅武マシーン》さん。わたくし、決してあなたのこと、慶介さんのことが嫌いなわけではありませんわ。

 だからこそ、申し上げますの。わたくしを、《SOX》を、《育成法》に潰れそうな子供たちを、甘く見てはいけない、と」

 もう一度喉を舐め上げる。今度は少し噛んでみた。薄く化粧が塗られているため、味が美味しくない。やっぱり奥間君がいい。

「あ、あ、化、け物……!」

「最近では聞き慣れましたわ……《育成法》はわたくしのような“化け物”を量産する法律ですのよ」

 暴雪の気配を吹雪かせる。

「壊しますわ。何もかも。まずは父母を、そして《育成法》を。わたくしの目的はあくまでそれだと、慶介さんによろしくお伝えくださいまし」

 暴雪の気配を消し、無垢な子供の笑みで《羅武マシーン》を離す。咳き込んでいるため背中をさする。

「両親はきっと離婚するでしょうね。まあ書類の関係があるので別居かもしれませんが。父が母のデモを許していませんから。母も折れることはないでしょうし。わたくしは一応母についていくつもりですわ。まあ両親次第ですが」

 これは《SOX》の連中にも言っていない、いわば錦ノ宮家の秘密だった。それを《羅武マシーン》は言外に理解したようで、

「わかり、ました。B×P」

「ごめんなさいね、少しはしゃぎすぎましたわ。ではまた」

 アンナは去って行った。《羅武マシーン》がポツリと漏らす。

「あの子は《育成法》の正負両方の象徴……その象徴が《育成法》を壊したら、いったいどうなるのでしょうか……?」

 初めて独り言で掛け算を使わずに一息に話すと、立ち上がって慶介に報告を試みた。

380 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 12:42:12.79 ID:DfToxJPx0

「鼓修理助けてくれ、お前料理あたしよりできるだろ!?」

『いやっス! 修羅場に飛び込んだゆとりがバカっスよ、なんでいちいち相手の挑発に乗るんスか!?』

「乗らざるを得ないだろ! あれは!」

『勝っても負けても地獄じゃないっスか!』

「いや、そうだけどさ……」

 途端にゆとりのトーンが落ちた。

「あの化け物女と思ってたアンナが、気付いてたとは思わなくてさ……綾女やあたしのことに」

 もじもじと、言葉を何とか紡ぎだす。

「ああでも言われないと勝負に乗らないだろうし、負けたら負けたで……気持ちに見限り付けれるかなって気もする……んだぜ」

『はあ、本当にバカっス。綾女様もたいがいですけど』

「え」

『喫茶店にいるっスよ。材料持ってくるならマスターが教えてくれるって』

 PMを切るのも忘れて、材料を片手に家を飛び出した。


   *


「何よ、まな板」

「言うに事欠いてそれはないんだぜ!?」

「まあ平等性ということでいいんじゃないのかの。アンナの料理の腕は皆認めるところじゃろ?」

「異物混入がなければね……」

「あの、マスター、その」

「はい」

「……教えてほしい、んだぜ、です」

「メニューは決まっていますか?」

 ぶんぶんと頭を横に振る。料理自体はともかく、そういったことが全然できないのがゆとりだった。

 綾女は既に決まって湯銭でチョコを溶かしている。白くどろどろとした、ダメだ思考を犯されている。

「初心者でもできるものをお願いだぜ……」

「じゃあとりあえず、湯煎しましょうか」

381 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 12:43:47.88 ID:DfToxJPx0

 2/14


 学校帰りに華城先輩とアンナ先輩から大事なようがあると言われ、喫茶店に来てみれば。

「「「…………」」」

 余裕の表情のアンナ先輩に、断崖絶壁状態の華城先輩とゆとりだった。

「今日はチョコレート対決ですの。匿名で三つ、一番おいしいものを選ばれた人が勝ちですわ」

 アンナ先輩を選ばないと全員が死ぬ奴じゃないですかーやだー。

「ではまずこれから」

 ちょ、マスター待って、心の準備が、

「……おお……」

 なんだろう、紗々っていうお菓子をハイヒール状にしたっていえばわかる? 白と黒の斜めの線でできたハイヒールだ。正直、食べるのがもったいない。

「次です」

 シフォンケーキだった。普通においしそうだ。

「最後です」

「…………」

 チロルチョコだった。

「最後なんだよこれ!」

「いいから全部食べなさい。あ、ザーメンっぽくて無理なわけ?」

「昨日と同じネタは通用しませんよ、いただきます!」

 ハイヒールチョコを食べる。うん、普通にチョコだ。パリパリした触感も行ける。

 シフォンケーキを食べる。甘い。でも作り手の温もりが伝わる気がする。

 チロルチョコは一口で放り込んだ。

「うーん」

 答えは二択なんだろうな。





下3レスで

ハイヒールチョコなら1
シフォンケーキなら2

多い方でちょっとだけルートが変わります。
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 13:11:00.06 ID:+A9/Lgkv0
1
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 15:30:05.69 ID:8ArxqhumO
1
384 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 16:01:26.65 ID:DfToxJPx0
あ、決まりましたね!
書いていきたいと思います。
385 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 16:16:36.05 ID:DfToxJPx0

「このハイヒールのチョコが、見た目も綺麗でかわいいなって思います」

 悩んでもどうにもならないので、素直に直感で答える。――誰だ、これは?

「私よ」

「え、華城、先輩……」

 それじゃ、この、シフォンケーキが……

「……あたしだぜ……」

 おおい!?

「昨日は忙しくて作る時間がありませんでしたの」

 いやアンナ先輩なら規制品でももっといいやつ買うんじゃないの? どういうこと!?

「お二人、奥間君のことが本当に好きみたいですから、チャンスをあげようと思いまして」

 え? え?

「ほら、綾女さん」

「う、うー、ち、ちんぽ! ま○こ!」

「もう、脇をくすぐりますわよ。えい、えい」

「きゃ、だからそこは第五の性感帯だって!! わ、わかったわよ、言うわよ」




「すすすす、す、好きよ。言わされてるとかじゃなくて、本当に……好きで……」




「でも」、と悲しそうに。

「アンナに勝てるわけ、ないもの」

 それが本心かはわからなかった。

 ただ、僕は。僕は、いったい、何を、どうすれば、

「…………華城先輩、僕は……ゆとりも、ありがとう。だけど……」




「アンナ先輩を変えたのは僕だから。だからアンナ先輩からじゃない限り、僕からは離れないつもりで……いる……」




 勝手に言葉を紡いでいた。

 いたたまれなくなってきた。二人とも、本当に泣きそうだったから。

 それをアンナ先輩が、嫉妬でも殺意でもなく、真剣に見ていたから。

「奥間君は、……まあいいですわ」

 何かを言いたそうにしているアンナ先輩は、別のことを話し始めた。


386 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 16:17:09.05 ID:DfToxJPx0


「綾女さんは『恋愛は自由』と言いますが、さすがにこの状態はわたくしの心が持たないので」

 くるんくるん、とケーキを切り分けるナイフを回す。あわわわわわわ、嫉妬心が持たなかったか。二人もぞーっとした顔をしている。

「わたくしが無理矢理この場を作りましたの。もしわたくしが振られていたら……どうしていたでしょうね」

 確実に監禁からの拷問コースですね、わかります。

「でも、奥間君は……わたくしのことを……」

 少しだけ、アンナ先輩は寂しそうだった。

 理由がわからず、「アンナ先輩……?」思わず呼びかけると、

「お二人とも、納得を今すぐしろというのは難しいでしょうが、今はこれでよろしいでしょうか?」

「アンナにしては強引ね」

 常に強引だった記憶しかないけど、華城先輩は変わる前のアンナ先輩を一番よく知っているから、きっとそうなのだろう。

「実はわたくし、4月を以って転校するかもしれませんの」

「え?」

「なんだよそれ?」

「首都に戻って来いと、両親がうるさくて」

 面倒そうだった。今のアンナ先輩にとって僕だけでいい世界ならば、両親の心配も偽善も保身もすべてが煩わしいものでしかないんだろう。

「それで、昨日奥間君のお義母様には了承を得たのですけど」

 やっと、アンナ先輩を視線が合った。ある種の決意めいたものがある、そんな感じの。

「来月、私とお義母様と一緒に、首都に行ってくれません? 両親も交えて、5人で話したいんですの」




「――――」




「狸吉!? 狸吉、しっかりしなさい!!」

「これは、その、きついぜ……?」

「結婚には反対していますが、必ずしも両親の許可は必要ないんですのよ?」

「大変! 狸吉が泡を吹き始めているわ!!」

「ちょ、アンナは黙ってろ、それ世間一般ではきついから、めっちゃきついから!!」

 ――三月まであと半月。

 しっちゃかめっちゃかな三月になりそうだった。


387 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 16:36:27.70 ID:DfToxJPx0


  3/14



 僕は三人に平等にお返しすると(アンナ先輩は余裕の表情だったのでいいのだろう、多分)二人とも一応は感謝してくれた。よかった。

 今日は卒業式。アンナ先輩が送辞を述べる。

 生徒会は今まで大忙しだった。轟力先輩の代わりの人材となると、あの人ああ見えて頭よく事務能力が高いので、代わりの人材となると全く持って困る。

 轟力先輩は号泣しながらアンナ先輩から花束を受け取ると、その日は旧三年生は解散となった。午後からは新しい三年生であるアンナ先輩と華城先輩が引き続き役職を担当する――と思いきや。

「わたしに生徒会長のオファーが来るとは、世も末ですね」

「ごめん、不破さんぐらいしかいないんだ」

「メリットがありません、お断りします」

 アンナ先輩みたいにずば抜けた能力を持った人なら、一年からでも生徒会長というのは務められるのだけど、基本は二年生から選ぶものであって、今年もそれに倣った形だ。

 本来ならアンナ先輩は推薦で一番いい大学を受けるため、受験には余裕があるはずなのだが、

「わたくし、首都に戻って転校するかもしれませんの」

 アンナ先輩が僕の言葉を引き継いだ。

「実務能力と生徒の人気、両方を持っているのは不破さんぐらいとみています」

「それはどうも」

「はあ。アンナ、やっぱり言っちゃう? ってかアンナは言ってるんだっけ?」

「ええ、わたくしが《SOX》の一員であることは話しましたわ」

「生徒会長を引き受ければ《SOX》に入れてもらえるとでも?」

 アンナ先輩と、そして華城先輩がにっこり笑った。

「その通りよ《蟲毒試験管》(ちゅうかんのおんな)!」

 《雪原の青》モードの華城先輩に、僕もパンツを被る。アンナ先輩も僕のトランクスを被り、華城先輩も三つ編みをほどきパンツを被った。

「……やっと話してくれましたか」

 まあ気付いているだろうな。陰毛一本からでも不破さんなら気付きそうだ。

「それで、その名前は何ですか?」

「え? 虫大好きっ娘でしょ? いい名前だと思うんだけど」

「サンプルに虫しか取れなかっただけで、別にハエちゃんたちが特別好きというわけでは」

「ちゃんを付けている時点で語るに落ちてるよ、不破さん」

「まあいいでしょう。そういうことならば引き受けます。ところで気になっているのですが、アンナ会長が転校、ですか?」

「まだ決まっていませんけども。明日、奥間君と奥間君のお義母様と一緒に、首都にあるわたくしの実家に話し合いに行く予定ですわ」

「…………」

 胃の痛い問題を思い出してしまった。でも避けては通れないことなのだ。排泄孔が裂けてはいけないけどね!

「その結果次第では、わたくしは首都に戻らなければなりませんの」


388 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 16:36:59.11 ID:DfToxJPx0


「ずいぶん急ですね。というよりは、アンナ会長がごねてると言った方が早いのでしょうか?」

「当たり前ですわ。……奥間君と引き離そうなんて、絶対に許されませんの」

 目には両親への殺意があった。この人、両親でも殺す気でいるよう。

「僕の母さんは、まあ仲介役というか。僕がまだ未成年だしね」

 ソフィアもアンナ先輩並みに体力お化けらしいし、母娘が喧嘩(物理)を始めたら止められるのが母さんしかいない。

「…………大変ですね」

 それしか言えないよねー。

「ところで不破さんはサイバー端末に詳しいですの?」

 唐突な切り替えに、「まあ普通の人よりは」と言葉を濁した。



「この機会に、父と母のサイバー端末から情報を盗もうと思っていますの」



「……なるほど、それは……」

 アンナ先輩の考えは華城先輩にも知らされてなかったらしく、深く頷いていた。

 今は家にあるのは昔のPCと違ったサイバー端末が主流となっている。企業だとそうでもないのが日本らしい。

「パスワードはわからないのですね?」

 アンナ先輩は頷いた。

「確かサイバー端末に詳しい友人が、ハッキング用のメモリ端末を開発していたように思います。出発はいつですか?」

「ぎりぎりまで延ばして、14時ごろでしょうか」

「今、連絡を取りました。今日の深夜、何時になっても構いませんか?」

「ええ、大丈夫ですわ」

「わかりました。できる限り急ぎますが、都市が遠いので時間がかかる可能性が高いです。設定も必要なはずですし、あとを残さないようにするプログラムも書いてもらわないと……」

「これはあくまでお願いですが、この機を逃したらわたくしも第一精麗都市と首都の行き来ができなくなるかもしれないので」

「善処します。連絡は取りましたので、今からその人物のところに行ってきます。《SOX》の件についても理解ある人ですから、ご心配なく」

「私も行くわ。場合によっては《SOX》の依頼という名目が必要になるかもしれないから」

「……わかりました。早速大忙しですね」

「じゃあ今日はこれで私と《蟲毒試験管》とは早退するわ。アンナと狸吉、お願いね」

 ……この書類の量、全部やるのか……。

 華城先輩とアンナ先輩、僕はパンツを脱ぐと、急いでそれぞれの仕事にとりかかった。

389 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 16:38:42.79 ID:DfToxJPx0

こ、これで国会図書館とかセクシャリティー・ノーとかに触れられる! ようになりました!

《蟲毒試験管》の二つ名、自分は一発で思いついたのですが、つまり私は好きです。
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 16:51:03.04 ID:8ArxqhumO
不和さんってそんなに生徒に人気あるの?なんで?

顔が良いから?
391 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/03(土) 16:58:11.44 ID:DfToxJPx0
9巻の初めに「不破さん自身、支持率が高い」と公式に設定されているのです。なので私の設定ではないのですが、デモとかいろいろ指揮していたのでカリスマ性はあると思います。
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 17:05:30.70 ID:w334XzvG0
たぬきちは意地でも『愛してる』と言わんな

奴ヶ森の指揮もしてたし、アンナ先輩とは違うカリスマ性はあるんじゃないか?
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 01:49:47.10 ID:2iC/ctDH0
アンナ先輩のラスボス感がすごいのは自分だけか…?
394 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/04(日) 14:12:57.83 ID:E76adJb10
ところで皆さん、狸吉の態度についてはどう思います?
アンナ先輩にかまけて華城先輩たちを無視しているように見えるか、それとも別の見方をしているのか、よければ教えてください
395 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/04(日) 14:55:43.93 ID:E76adJb10


「間に合いますかね」

「何を気にしている、狸吉」

「いや、友達がさ、見送りに来てくれるってさ」

 今13:32。チケットは14:01。

 首都に入ると前歴(未成年者の前科のようなもの。不破さんには条例違反がある)を調べられることもあるため、首都に直接送ってもらうのは微妙だ。

 今ここで受け取れるのがベストなんだけど。男と女がイくのが同時であるのがベストであるように。

「あ、来ましたわ」

 不破さんが珍しく(なんとなく運動しているイメージがない)走ってくる。

「説明書というほどではありませんが、使い方はこの中に」

 紙袋を渡すと、さっさと帰って行った。

「……淡白だな」

「まあ不破さんはそういう人だよ」

 行動自体はアクティブな人なんだけどな。隈がいつもより3割増しだったし、徹夜したに違いない。感謝しないと。

「まあいい。用事が済んだならホームへ行くぞ」

 そして新幹線を待つ。

 僕にとっては久しぶりの首都だった。

396 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/04(日) 14:56:21.06 ID:E76adJb10


 奥間善十郎、僕の父はテロリストとしての悪名が名高いが、その前は何と国会議員をやっていたのである。今でも信じられない。

 まあそうじゃなきゃテロリストとなってからじゃ善導課主任の母さんと結婚するには遅いわな。

 そんなわけで首都に生まれてから10年ほど、滞在していたことがある。母さんが首都浄化作戦に参加したり、僕とアンナ先輩が出会ったのもその時だ。

 まあ、そっからは風紀優良校最底辺の地域に、母さんいわく『左遷』させられたんだけどね。

 母さんだけ通路を挟んだ離れた席に座っている。アンナ先輩は窓側だ。

 母さんは眠っている。夜のことを考えると、今は休ませておこう。

「それで、なんて書いてありましたの?」

 不破さんの袋が気になるらしい。僕も気になるので開けてみてみる。

 見ると、メモリ式カードが二枚、入っていた。

『これをサイバー端末に刺せば、あとは自動で全てやってくれます』

 ひどくお手軽だな、おい。追伸、なんだ?

『メモリ式カード×サイバー端末で早乙女先輩がBLを考えてくれるそうです』

「…………」

「……わたくし、この概念がよくわからないんですの」

「アンナ先輩が腐ったらこの世の終わりです……!」

 僕の排泄孔が犯されるのはアンナ先輩の指だけでいいんです。よくはないけどそういうことにしておかないと仕方ないことって結構ある。

「奥間君にとって、首都はどんなイメージですの?」

「んー、あんまり覚えてないというか。父さんと一緒に卑猥なことしかやってなかった記憶しかないですね」

「好きだったんですね、お義父様のこと」

「そうですね。ヒーローでした。逮捕された時は荒れた、ってこの話前もしましたよね」

 横目で眠っている母さんを見る。

「母さんも、今は厳しいイメージしかないですけど。中学に上がってアンナ先輩みたいになりたいって言いだすまでは、もう少し優しかったですよ」

 そのあと軍隊並に厳しくなったんだけどね。

「……わたくしは……悪人の素性を、考えたことがありませんでしたわ。悪は悪、正義は正義だと、社会の規範に則った形での基準でしか考えられない人間でしたの」

 奥間君も知っての通り、とどこか自嘲的に話す。

「でもきっと、わたくしが捕まえてきた“悪”には、いろんなものが詰め込まれていたのでしょうね」

 奥間君、ともう一度、囁くように。

「“悪いこと”は“楽しいこと”でもありますわ。卑猥は、楽しいし、気持ちいいこと……。だからこそ守らなければならない女性や子供などの弱者もいるでしょう。でも」

 全てを切り離す《育成法》は、間違っていますの。

「奥間君は、《育成法》の撤廃を、手伝ってくれますか?」

「……はい」

 自信を持って言える。きっと華城先輩も頷くはずだ。

 アンナ先輩が《SOX》にやっと入ったような、気がした。


397 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/04(日) 14:59:31.09 ID:E76adJb10
今日はここまでー
アンナ先輩が逆レに成功していたらのIFから始まった物語なので、ある意味アンナ先輩はラスボスですね。
アンナ先輩がどういう変遷を遂げるかという感じ。まあ趣味がかなり入ってるんで、何故か狸吉とはSMの関係になってる感がありますけど、そこはほら、二次創作なので気にしすぎないでください。
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 15:42:44.87 ID:Aag/64K/0
たぬきちはアンナ先輩の二面性に気づいているのだろうか
そこらへん、僕のせいって考えてるっぽいけど、ゆとりやこすりは元から持ってたって思ってるし
華城先輩は描写少ないからわからんが、たぬきちよりかな
個人的には優しさを犠牲に羽化してしまってると思うな、つまり手遅れ
399 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/04(日) 17:55:43.36 ID:E76adJb10


 アンナ先輩の実家はタワマンの一層を買い切ったものだった。すげえ。

 ソフィアは最後に会った時とは比べ物にならないほど憔悴していた。

「どうも、お邪魔します……」

「入ってください。何もないところですが」

 もちろん謙遜で、シンプルながら調度品は品よく並んでいた。アンナ先輩のマンションと、このあたり似ているなと思う。

「貴様の夫はまだなのか?」

「まーくんは少し遅れるそうです」

 本当に祠影をまーくん呼びしてるよソフィア!!

「お茶を飲みますか?」

「いただこう」

「わたくしも」

「……僕も」

 ソフィアが憔悴ぶりとは裏腹に手際よく紅茶を淹れていく。

(アンナ先輩は手伝わないんですか?)

(今回はお客とホストの関係ですから)

(?)

(招いた者が、お客をもてなすのは当然ですわ)

 金持ちの感覚ってなんか違うなって思った。

「どうぞ」

 音もなくソーサーに置いたカップを三人の前に置いていく。このあたり、アンナ先輩に受け継がれた躾が垣間見えた。

 アンナ先輩が……お誕生日席とでもいうのか、2:2:1の1のところに座っている。話の主役だから自然とそうなったのだろうか。

 僕と母さんが隣同士で、ソフィアが隣に一人分空けている。祠影の席なんだろう。

 本当は一列に四人ぐらい座れそうなソファなんだけど、自然とそういう並びになってしまった。

 かちゃ、という扉の開く音がした。

「すまない、遅れて」

「まーくん、遅いですよ」

「こちらは構わない。まずはお招きいただき、礼を言わせていただこう」

 母さんに合わせて頭を下げる。アンナ先輩は緊張はしていないが、どことなくつまらなさそうだった。

「アンナに秘密で手切れ金を用意したのは悪かった。だが被害者側から言わないとお前は別れないだろう?」

 うお、いきなり核心を付いてくるな。祠影は冷静に見えるが、逆に言えば僕に対する感情はわからない。

「わたくしと奥間君は愛し合っていますわ」

 にこりと笑う。牽制の笑みだった。

「愛は最も尊いもの。そう教えたのはお父様とお母様じゃありませんの」

「アンナ、これは愛じゃないんです。一方的な、ただの感情です」

 ソフィアが電話で何度も話したのだろう、言葉は選んでいるが余裕はなかった。

「狸吉はどう思う」

「ぼ、僕?」

 母さんにいきなり振られて、焦る。だけど言うべきことは言わないといけない。


400 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/04(日) 17:56:48.40 ID:E76adJb10


「愛や恋は、正直僕には違いは分かりません」

 アンナ先輩がこちらを見る。情欲の獣の目。

「ですが、誰かが誰かの感情を一方的に否定することは、誰にもできないと思います。親子であってもです」

「君には被害者意識はないのか?」

 …………、

「正直、ショックでした」

 ああ、くそ、語彙力のなさが情けない。

「ただ早く知識を教えておけば、あんなことを先輩はしなかったと思っています」

「お父様とお母様は」

 アンナ先輩が、お茶を一口、音もなく啜った。

「正しいことだけを教えたら、間違いのない子供ができると、本気で思っていたんですの?」

「…………」

「間違いを起こしたわたくしを、許せませんか?」

「……それは、」

「奥間君は受け止めてくださいましたわ」

 優しい、愛おしい。そんな言葉がぴったりの視線を、僕に注ぐ。

「ですからわたくしは奥間君を信じますわ。お父様よりも、お母様よりも」

 アンナ先輩は微笑み、

「奥間君の間違いは、わたくしの間違いですわ。ただ、それだけですの」

「……アンナ先輩が間違えたのは、僕の責任でもあります。もっと早く知識を教えておけば……」

 言葉に詰まる。

「僕のとれる形で、責任は取りたいと思います。でも、あのリーダーにしたこととかは、また別の罪です。ただ傷つけたいがために傷つけた」

 アンナ先輩が、僕から視線を逸らす。

「自己保身のために更生する機会を、奪わないでください。お願いします」

「自己保身?」

 ソフィアが初めて、感情らしき感情をあらわにした。

「誰だって、身を穢されそうになったら、女性ならば怯えるか激昂するでしょう!! そんなことを指示したあの女を、許せません、親として許せません!!」

「ソフィア、落ち着け。話がずれている」

 母さんが訂正するが、

「なぜみんな、私がアンナの、子供のためにやっていることがわからないのですか!!? デモまで起こして、……」

「その件だが」

 祠影が口を挟んだ。正直もうお腹いっぱいなんだけど、多分ここからが正念場だ。

「私とソフィアは別居しようと思う。見解の不一致でね」

「私は許してません!!」

 祠影はソフィアを無視した。すげえ。

「離婚だと、今からだとアンナの進路に関わるからね。別居という形を取ろうと思っている。幸いというべきか、第一精麗都市にもマンションを借りているし、ソフィアとアンナが二人暮らしするには問題ないだろう」

「その話は聞いてませんわ、お父様」

 アンナ先輩が初めて困惑した。両親の離婚はアンナ先輩にとってあくまでどうでもいい事象だったのだろう。


401 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/04(日) 17:57:52.80 ID:E76adJb10


「アンナには保護者が必要だ。それは奥間狸吉君には無理なんだ。わかるね?」

 言い聞かせるような言葉に若干の苛立たしさを覚えたけど、

「……はい……」

「保護者が必要だという意見には同意する。アンナはまだ未成年、子供だ」

 母さんが口を挟んだ。

「祠影さん、で大丈夫ですか?」

「好きに呼んでくれて構わないよ」

 意外にフレンドリーな人なのか、冷静さと爽やかさを両立させた笑顔だった。

「祠影さん、今のソフィアさんとアンナ先輩だと、衝突しか見えないのですけど……」

「僕はどうしても首都を離れられないんだよ。かといって、アンナは首都に戻りたくないだろう? 奥間狸吉君と離れたくはないからね」

「もちろんですわ、お父様」

「だから精いっぱいの譲歩なんだよ。アンナには保護者が“必ず”必要で、僕は“絶対”に首都を離れられなくて、アンナは転校は“あり得ない”。その三つを成立させるには、ソフィアを第一精麗都市のマンションに引っ越しさせるしかない。部屋数は足りているし、爛子さんというご友人もいる。それほど悪くはない環境だと僕は思う」

「…………」

「アンナ、どうだ?」

 母さんが聞く。一見、すべてが成立しているように思えるけど……、

「お母様と住むのは反対です」

「……何故?」

「奥間君と愛し合うことを、お母様は許してくださらないでしょう?」

 うわあ止めてくれ、そんな直球投げたら僕が死ぬ!

「あ、あ、当たり前です! そんな、卑猥な!」

「何故? 愛し合うこと、子供を作る行為は崇高な行為だと思いますわ。家の中ですし、卑猥でも何でもないと思うのですが」

 ふう、とアンナ先輩が溜息をつく。

「どうしてもここで、見解の相違が出るんですわ」

 ソフィアの第一精麗都市への引っ越し以外は大体話し合ってたわけか。


402 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/04(日) 17:58:20.67 ID:E76adJb10


「わたくしは今、奥間君と同居していますわ」

「…っ! ……!」

 ジェスチャーで何とか方向性を変えられないかやってみたけど無理だった。

「奥間君とつながっているときのあの幸福感……!」

 欲情の目で、淫獣の目でこちらを見てくる。発情ギリギリ、この状況で発情できるってアンナ先輩すごいです。

「それが奪われるのは、愛し合っていることの証明をできないのは、嫌ですわ」

「いい加減にしなさい!!」

 バン、と机をたたき割った。……たたき割ったんだよ。

「あな、あなたは、自分の立場が分かってない! そんなわがままを言える立場にないのですよ!?」

「わがまま?」

 暴雪のダイヤモンドダストが見えた気がした。暴雪の、無理矢理に隷属させる女王の纏うオーラ。以前はなかった気配の変化に、僕以外全員驚く。

「わたくしは愛を貫き通したい、ただそれだけですわ。……それを邪魔するのなら、お母様も誰も彼も、要らないのですわ」

「あなたは、アンナは」

 ソフィアは泣きそうだった。

「何故そんなふうに変わってしまったのですか? そんな道理のわからない子じゃなかったはずです……」

「道理はわかっていますわ、お母様。ええ、そう。“悪いことは楽しい”という道理を」

 暴雪の気配のまま、アンナ先輩は微笑みを深くする。

「“卑猥は楽しい”ですわね、お母様」

「っく、この!」

 ソフィアがとうとう我慢ならずに実力行使に出た。だけど今のアンナ先輩も、両親を殺すつもりで反撃に出る。

 止めるのは母さんしかいなかった。



「止めろ貴様ら!!」



 よく通る声に、しかし場の混乱は収まらない。祠影と一緒に物陰に隠れる。

「アンナもソフィアに似てしまったな」

 祠影の疲れたような言葉だけが耳に残って、その場は解散となった。



403 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/04(日) 17:59:20.03 ID:E76adJb10
>>398
華城先輩の描写が少ないのは、華城先輩の下ネタ思考がトレースできないからです、すみません
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 20:30:24.16 ID:R5F+yXsF0
ソフィアがアンナ先輩のとこに来ればいいのか、確かに

アンナ先輩は、いいラストが見えないなぁ、このSSでは
絶対別れる未来しか見えない

というか、アンナ先輩がたぬきちに求めているのって本来はソフィアがやるべきことだよね。なんでも受け入れてくれる母性ってやつ。たぬきちには無理だよ
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 02:42:50.07 ID:igkmu0ajO
奥間くんはわたくしの母親になってくれるかもしれなかった男性ですわ!

うん、絶対に破綻する(断言)

あと狸吉の態度についてだけど、華城先輩達を無視しているなんて事は無いと思うよ
狸吉は狸吉のできる範囲でやれる事はやってるし、むしろこんな化け物と一緒にいてよく壊れないなと称賛されるレベル
もちろん、狸吉が華城先輩達と男女の契りや結婚の約束をしていてコレなら話は別よ?
だけど、違うじゃん
406 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 13:33:27.42 ID:OB+0Ky3Z0


「うーん」

 ふかふかした布団はアンナ先輩のマンションと同じなんだけど、枕が慣れてないのかどうも寝付けない。

 母さんと僕、一部屋ずつ客間を貸し与えられていた。ベッドがないけど、僕としてはそちらの方が何となく落ち着く。鎖で繋がれる心配がないからかな。

「ソフィアも殴り掛からなくてもいいのに」

 ただソフィアの対応も問題だったけど、アンナ先輩の挑発するような言動も大いに問題があると思う。

「今のソフィアとアンナ先輩が同居して大丈夫かな」

 祠影の言葉は正しいのだけれど、正しいだけのような気もする。なんというか、気持ちを考えていないというか、そんな感じ。

「奥間君」

「はいぃ!?」

 なんで、え、いつの間に!? 気配がなかった。

 薄いワンピース姿で、上気した頬。荒い呼吸。湿った水音がにちゃ、にちゃと聞こえてくる。

 結論:完全に発情しています。

「褒めてほしいんですの。わたくし、お父様とお母様のサイバー端末のデータを入手しましたわ」

「え、本当ですか!?」

「そう、それに……、その、お母様のこともあって、その、」

 ストレス発散したいんですね、わかります。

「でも、ここじゃちょっと……母さん達もいますし……」

「……そのスリルがいいんじゃありませんの? 不健全雑誌にはスリルも大事だと」

「あ、あれは誇張もあるので」

「……キス、したいですわ」

 したら完全に最後までイきますね、わかります。

 ぐるる、とお腹が鳴った。子宮の方の内臓の音。アンナ先輩の子宮は完全に僕を求めていた。

「……薬、ちゃんと飲んでますよね?」

「ええ、そういうのはわたくし、嘘を吐かないって知っているでしょう?」

 いやアンナ先輩だったらどんな嘘でも付きそうだからさ、僕と子作りするためだったら。

 仕方ない、とアンナ先輩の背中に手を回す。アンナ先輩は上にのしかかってきた。いつも思うけど全然重くなかったり逆に一点だけ異様に重くなったり、どういう重心移動してるんだろう。今は重さを全く感じなかった。



 ん、ちゅぱ、は、じゅる、ぴちゃ、あ、ん


 尖った胸の先端を摘まむ。「ん〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」ビクンビクン!と腰のあたりが揺れた。

「あは、やっぱり環境が変わると、敏感になりますわね……!」


407 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 13:33:57.35 ID:OB+0Ky3Z0

 薄いワンピースを脱ぎ、夜用の下着を全部脱ぐと、相変わらず完璧なプロポーションを発揮なされる。僕の愚息も完全に勃ち上がっていた。

 アンナ先輩は身体を起こすと、騎乗位の体勢で僕の愚息の上から一気に



 ズン! 「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」



「ぐっ!!」

 グネグネと締め付けが凄まじい。もう発射してしまった。

「あはあ、もう愛の蜜を……!」

 アンナ先輩いわく、膣トレ以降感じやすくもなったそうで、前はもっと時間がかかったのに僕に与える快感も強くなって、挿入れただけでも射精するようになっていた。決して僕が早漏ってわけじゃないよ、アンナ先輩の膣内が凄まじすぎるんだよ!!

 アンナ先輩はピストン運動を行う。僕はされるがままだ。

「ああ、愛の蜜が混ざったら、先端で引っかかるのに滑りはよくなって、より一体感が増して気持ちいいですわ……!! ほら、奥間君も動かしてくださいまし!!」

 ズンズンズン、とペースが上がる。僕はそのペースに合わせて、アンナ先輩を突く。僕の息子全部が入り切り、さらにタマタマまで挿入りそうな予感。アンナ先輩の子宮口も開いている気がする。クリトリスを触ると、

「ひっ!?」

 ぷっしゃあああああ、と潮を吹いた。

「あ、あ、あ、あ、あ!!」

 潮を吹きながらも腰を動かすのを止めない。止まることなく、ピストンではなく前後のグラインドに移行する。

 アンナ先輩の背中がのけぞる。その繋がっている部分も、お腹も、胸も、反り返った喉も、全部が見える。何度見ても、いい光景だった。

「い、きます!!」

 僕が発射したと同時、がくがくがく!!と強烈な痙攣をおこして、アンナ先輩はぎりぎりのところで前の方に倒れる。イきながらキスをする。耳に舌を入れ、喉元を軽く噛む。

「……今日はここまでにしておきましょう。明日が、ありますから……」

 色々残しておかないと、僕の方がヤバい。

「……物足りませんが、わかりましたわ……体力は残しておかないと……、ん、でも、まだ硬いのに……」

 名残惜しそうに抜くけど、これ以上やって中折れしたらなんかまたヤバいことになる気がしてならない。ってか経験上、なる。

「……奥間君が、メモリー端末、預かってくれません? わたくしだと、まだ首都に残される可能性もあるので。不破さんにお渡しくださいまし」

「わかりました」

「……ねえ、奥間君。キスを、接吻を、わたくしに」

 唇を重ね合わせる。唾液が糸を引いた後に残ったのは、聖女の微笑。

「何かが進展するといいですわね」

「そうですね」

 まだ、アンナ先輩が何を考えているのか、わからない時も多い。

 だけどこの言葉だけは真実に思えて、僕は眠りについた。

408 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 13:34:32.97 ID:OB+0Ky3Z0


「ねえ、あそびませんの?」

 ああ、この特徴ある銀髪はすぐに分かった。

 アンナ先輩と僕が出会ったころの、子供時代のときだ。

 まだ何も知らず、無垢だった時の。

「あそびたいんですの。おくまくんと」

 僕も知らなかったし、両親ですら気付かなかったのだから、何もどうすることもできなかったんだと思う。

 この無垢な子供の中に、獣がいるなんてこと。

「おくまくん」

 笑う。無垢な微笑のままで。



「おくまくんをたべさせてくださいまし」



 そして開かれる、小さな口。

 そこには、喉元を引きちぎるには十分な力が込められていて――




「うわあ!?」

 ……寝汗が凄い。隣にアンナ先輩もいない。珍しい日だった。ここ数か月はセックスをしなくても、大抵は一緒に寝ているから。

 何か夢を見た気がするけど、思い出せない。

「あ」

 そうだ、メモリー端末。

「あった、よかった」

 コンコン、とノックの音。

「奥間殿、祠影様たちが朝食を一緒に、と」

 一緒に連れてこられた月見草の声が、扉越しに低く響く。

 忘れないうちにメモリー端末をカバンに入れて、気の重い朝食を食べに行く。

409 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 13:35:36.63 ID:OB+0Ky3Z0

 アンナ先輩が時々僕と母さんに話を振るだけの、沈黙の多い朝食が終わると、「ジムに行きません?」とアンナ先輩が母さんを誘っていた。

「あ、僕も」

「貴様はここに残っていろ」

 にべもなかった。え、祠影とソフィアの二大ボスを目の前にして一人で残されるの?

「…………」

「狸吉君」

「は、はい!」

「アンナの前では言えませんでしたが」

 ソフィアが祠影の言葉を引き継ぐ。

「別れてくれませんか」

「……言葉でなんとかなるアンナ先輩じゃないのは、そちらのほうが知っていると思っていました」

 思わず厭味ったらしい方になってしまう。

「僕も、考えます。僕と一緒になることは、アンナ先輩のためにならないんじゃないかって」

 できるだけ、正直になることにした。

「それでもアンナ先輩が選んだことです。アンナ先輩が、自分自身で負うべきことだと思います。もちろん、それは、僕自身も、そう思っています」

「今のアンナに、現実が見えているとは思えないんだよ。それは僕たちの責任だ、申し訳ないと思っている」

「…………」

「《こうのとりインフルエンザ》を知っているかい?」

「あなた、まだそんな世迷言を!」

「これについてはいろいろ意見があるが、大事なのはこれから生まれてくる子供は、《こうのとりインフルエンザ》による差別を受けるということだ」

「《こうのとりインフルエンザ》を発症した人から生まれた子供は、《こうのとりインフルエンザ》を潜在的に持っている、でしたか?」

 知識がある僕からすれば、くだらないとしか言いようがない。ソフィアもアンナ先輩も同様だろう。

「君は《ラブホスピタル》に反対のようだね。まあ今は政治的主張は止めておこう。世論として、そういう流れが起きるのが、今大事なんだ」

 祠影は苦笑する。

「《ラブホスピタル》以外での妊娠した子は、差別を受けるというのが重要なんだ」

「何が言いたいんでしょうか?」

 回りくどい言い方にイライラしているのは、自分だけじゃないようだった。

「これから先は、結婚も差別される世の中になるだろう。しばらくの間だが、そのしばらくの間の世代にアンナたちはいる」

「アンナ先輩を、僕達の世代を犠牲にして、祠影さんは何をしたいんですか?」

「この国のためだよ」

 ……わけがわからない。このわけのわからなさは、アンナ先輩の何を考えているかわからない時と似ている。

 どうしようもなく深く、冷酷に、自分の子供までも切り捨てる親と、

 どうしようもなく狭く、残酷に、自分の両親までも切り捨てる子供。

「アンナ先輩がどうなるにしろ、その責任はアンナ先輩にあります。でも、忘れないでください。

 『アンナ先輩を化け物にしたのは、あなた達だ』」

「……ソフィア、ジムにまで案内して差し上げなさい」

「いえ、月見草に案内してもらいますので。ソフィアさんは休んでいてください、失礼します」

 早口に、リビングを出た。

「月見草、ジムまで案内してくれ」

 なんかもう、ドッと、疲れた。

410 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 13:37:41.30 ID:OB+0Ky3Z0

……祠影の性格というか口調がわからない!

悪巧みしている時のアンナ先輩の不可解さは、祠影から受け継いでいると勝手に想像しています。
411 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 14:34:01.77 ID:OB+0Ky3Z0


 シュシュシュ、バババ!

「相変わらずアンナ先輩と母さんは異次元だなあ」

 母さんは真剣な表情で、アンナ先輩は心なしか笑いながら実戦形式の訓練を行っていた。

「小休止しよう」

 母さんの言葉でアンナ先輩の動きが止まる。

「物足りなさそうだな、狸吉を好きに使っていいぞ」

 母さんの苦笑交じりの言葉に、え、僕玩具にされること決定したの? 秘技・乳吸いで勝つわけにはいかないしな。

「いえ、もう少し自主トレを致しますわ。すみませんが、スポーツドリンクを三杯持ってきてくださいまし」

 月見草に頼むと、「かしこまりました」と一礼し、ジムを去って行く。

「すごいですね、家の中にこんなスポーツジム」

「母の趣味でもありますから」

「あいつは昔から体力バカだった」

 母さんが言えることかよ。

 アンナ先輩は年季の入ったサンドバッグに蹴りや拳を入れる。バン、バン!と素人の僕でも鋭いとわかる音がする。

「母さんは、」

「お前が決めろ、狸吉」

 月見草が持ってきたスポーツドリンクを一口飲むと、

「決めたことが間違ってなければ、最後まで付き合ってやる。間違ってたら殴る、それだけだ」

「シンプルだね、母さんは」

 バン、バン!と鋭い音がジムに木霊する。

「正直、アンナ先輩のことを思うと、別れた方がいいんじゃないかとか、思う時もあるけど」

「…………」

「それは逃げなんじゃないかって、思うから、だから」

「まだ考える時間はある。焦るな」

「……うん」

 なぜか、寂しそうな、でも嬉しそうな、朱門温泉での混浴風呂で見たあの華城先輩の顔が思い浮かんで。

 ――アンナ先輩も人間なんだよって、言ってくれる人はいるのかな。

 きっと、誰もいないんじゃないか。

 一人でサンドバッグを殴り続けるアンナ先輩を見て、ふと、そう思った。

412 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 14:45:22.76 ID:OB+0Ky3Z0


 新幹線のホームで僕らはしばしの別れを惜しんでいた。

「忘れ物はございませんか?」

 アンナ先輩は一週間先に休学を申し込んでいたらしく、春休みいっぱいまで首都にいるらしい。約三週間のお別れになる。

 ……その間、僕は射精管理のために《鋼鉄の童貞》を嵌めさせられた。やっぱり昨日抜いてもらっとけばよかった。

 カバンの中身をチェックして、メモリ端末があるかをちゃんと確認する。あとはこれを不破さんに渡せれば、ミッションコンプリートだ。

「大丈夫です。アンナ先輩、それじゃ、また」

 アンナ先輩が僕の袖口を掴んで、もじもじする。くっ、か、可愛いな。

「……う、浮気しちゃ、ダメですのよ?」

「はっはっは、できるわけないじゃないですか」

 言ってることは全然かわいくなかったけど。《鋼鉄の童貞》嵌めてる状態でどう浮気しろと、ってアンナ先輩の浮気認定はちょっとおかしいんだった。ゆとりなんか下の名前読んだだけで浮気相手認定されたもんなあ。

「じゃあ、また」

「ええ、また。毎日通話するんですのよ?」

「勿論」

 しないと周囲の女性陣がヤバいことになるからね。

「行くぞ、貴様ら」

「じゃあアンナ先輩、気を付けて」

 こうして、約三週間(射精管理されたままで)アンナ先輩とはしばらく遠距離恋愛となった。

413 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 14:47:36.68 ID:OB+0Ky3Z0
アンナ先輩にもね、優しさというか純粋というか、うーん。

純粋無垢という化け物なのかもしれないけどさあ。
アンナ先輩は優しさも残ってるんだけどさあ。やったことがやったことだから仕方ないね。インパクトってそういうモノさ。
414 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 18:29:28.12 ID:OB+0Ky3Z0


「それでは、綾女さん。奥間君を、くれぐれもよろしくお願いいたしますわ……」

(どうしてるでしょうか、奥間君は)

 離れて一日目でもう不安と昂揚で仕方がない。射精管理しているとはいえ、浮気ができないわけではないのだから。

 その時は、オシオキが待っているだけだけど。

「アンナ、今誰と、」 

「綾女さんと、少し。お母様、ちゃんと約束は守りますわ」

 『節度のある交際』

 《ラブホスピタル》で見たような、児戯に等しい愛の真似事のことだろう。

 愛はそんな、幼稚園児がするようなものではない。誰にでも説明できるものではないのは、他ならぬ自分たちがよく知っているくせに。

 それよりも、母をどうするか、少し悩んでいた。“母を壊すことは決定している”が、“どうやって壊すか”。このままだと勝手に自壊しそうだ。

 それだと面白くない。そう。“面白くない”。

 あの夜、《雪原の青》に抱いた憎悪のような、あるいは《更生プログラム》を思いついたような、アイデアが湯水のようにあふれ、力が湧いてくるような、“あの感覚”が足りない。

 今ならわかる。理解できる。

 あれは、破壊の衝動が飽和した時特有の、万能感なのだと。

 性の衝動とはまた違う、シナプスが弾けるような万能感。

「アンナ……?」

 今の、自分の子供を持て余している母親を見ても、疼きはする。しかし、足りない。

 何か、もう一歩が、それさえあれば、自分はあの感覚を存分に味わい、アイデアも浮かび、たっぷりと時間をかけて壊すことができるのに。

「お母様は、離婚の意思はないのですか?」

「あるわけありません! 私は、間違ったことはしていません!!」

「…………」

 疼きが大きくなった。ふ、と浮かんだ。

 ああ、簡単な話だ。

 わたくしがもっと悪い子だと知ったら、母はどうなるだろう?

 ――今は正当防衛だの理不尽に穢された怒りだの、無理矢理に理由を付けて納得している。だけど、手塩にかけて育てた我が子が、言い訳すらも許されないほどの『悪』だった場合は?

 ぞくぞくぞく!とあの叫び出したい感覚が走る。シナプスが弾け、電流が脳内にめぐり、アイデアと力が湯水のように湧く。 


415 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 18:29:58.73 ID:OB+0Ky3Z0


(もっともっと依存させて、突き放したらどうなるだろう?)

(もっともっといい子のふりをして、実は『悪』だったと知ったなら)

(その時に、もう自分一人しか、頼れるもの、支えるものがいなかったら――?)

 カチカチカチ、と歯が鳴った。

「アンナ……?」

「いえ、何も」

 平然を装った。それでも笑い出したくて止まらなくて、歯をカチカチと抑えるのに精いっぱいで、なのに異変に気付かない母は、なんて滑稽で、なんて――

(壊し甲斐があるんでしょう)

「お母様」

 だからアンナは、平然と嘘を吐く。

 父母を壊すという目的と、快楽を得るためだけの、『悪』い嘘を。

「わたくし、わからなくて、怖かったんですの。何も、知らないんですの。……だから、教えてくださいまし。どうか、わたくしに、『正しいこと』を」

「アンナ……、ええ、ええ、わかっていますとも。私だけは味方でいますから」

 その実は逆で、そのうちソフィアにはアンナしか味方がいなくなる。

 その時、自分の正体を教えよう。

 そして囁くのだ。


 
 ――《育成法》を壊したときに、耳元で、誰も味方のいない状態で、孤独に突き落として差し上げましょうね、お母様。



 もしこの時に、腰のあたりから出る湿った水音にソフィアが気付いていれば、歯のカチカチした音に気付いていれば、

 最悪は防げたはずだった。



416 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/09(金) 18:33:39.44 ID:OB+0Ky3Z0
今更私個人の考えですが、

衝動って絡まっていて、多分壊したときにアンナ先輩は性的な快感も得ているはずです。っていうかそもそもが快感って性的なものですよね、うん
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/09(金) 18:54:31.08 ID:FOERipDV0
アンナ先輩は目的の為に手段を選ばないのか、手段の為に目的設定してるのか、どうなんだろうな
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 12:03:22.99 ID:gzDRdjqvO
快感は性的なものって……

それは人にもよるのでは?

プチプチシートで楽しくなることはあれど、別にエロい気分になったりしないし

美味いラーメン食っても同じ。そういう気分になれない
ソーマの世界観ならエロい気分になるかもしれないけど、ここは現実だし……
419 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/10(土) 15:01:08.39 ID:Gkb2hePb0
あー、そういえばそうですよね。
アンナ先輩の場合は、性衝動より破壊衝動の方が厄介になってきました。性衝動は、狸吉がガス抜きする羽目になったんで。
420 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/10(土) 20:14:02.12 ID:Gkb2hePb0


「たっだいまー」

「おかえりちんこ! まあ座って」

 幼稚園児レベルの下ネタに反応する元気もなく、僕はいつもの喫茶店に戻った。

 一週間ぐらいはアンナ先輩に襲われる恐怖に怯えなくて済むけど、それぐらいからアンナ先輩がいない恐怖が始まるんだよなあ。

「なになに? 射精管理の話?」

「しゃ……管理、ですか?」

 無表情に興味を示したのが不破さんだった。不破さん以外は《鋼鉄の童貞》を全員知ってるからね。

 不破さんの痴的好奇心は置いといて、アンナ先輩の家で起こった話をする。おおむね想定通りではあったけど、ソフィアがアンナ先輩と同居するかもという話にはみんな驚いていた。

「厄介だぜ……母娘そろってまあ」

「父親の方も侮れなさそうっスけどね。クソ親父と手を組むぐらいの奴っスからね」

「そうだ、これ、メモリー端末渡しとくよ。解析ってどれくらいかかるの?」

 持ち歩き用のサイバー端末にメモリーを差し込む。不破さんの顔が曇った。

「他にもパスワードとかあると思われるので、アンナ会長……元会長が戻ってくるまでには」

「そんなにかかるんかの?」

「情報量が多すぎるのと、専門外というのがあるので。あと他にやることも多いので」

 早乙女先輩の疑問に、不破さんが端的に答える。

「誰か手伝えそうな人っていないよね」

「こういう情報処理ができるのは《蟲毒試験管》ぐらいしかいないわね。あとはまあ、アンナぐらいだけど」

「なあ、あの化け物女、何ができないんだぜ?」

「鼓修理は割と得意そうだけど、こういうの」

「サイバー端末は苦手っスね」

 うーん、向き不向きがあるか。同じ情報でも処理の仕方が違うんじゃ仕方ない。

「どちらの情報を優先しますか?」

「祠影でお願い。ソフィアは味方でもないけど今は敵でもなく、行動原理がわかりやすいけど、祠影は完全に敵だもの」

 ふむ。と無表情に理解を示すと、今度は不破さんは僕の方に顔を向けて、

「それではわたしの頭脳を刺激するために、是非管理の話についてお願いします」

 あー、言わないとだめか、やっぱり。

「うーん、えっとね、男の愛の蜜って貯めれば貯めるほど濃くなるんだよ。で、はち切れそうになるんだけど、アンナ先輩はそれ以上に我慢して美味しくしろって言ってんの、わかる?」

「貞操帯ってのがあってね」

 貞操帯についてはPM無効化をして華城先輩が補足する。

「きっついんだよ、ほんっとにこれが、きついんだよ……」

「これは是非サンプルを採取したいですね」

「アンナ先輩に頼んでみたら? まず許可下りないだろうけど」

「ではこのメモリー端末は私のサイバー端末にも移しましたので」

 アンナ先輩の話になるとみんな揃って話をそらしやがる。



421 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/10(土) 20:14:35.85 ID:Gkb2hePb0


「あ、アンナ先輩に電話しないと」


 ピピピピピピピピ


『奥間君? わたくしですわ』

 バン、バン!と聞いたことのある音が聞こえてくる。

「アンナ先輩、今何を」

『ジムでストレス発散を。はあ、奥間君と一日でも会えないと思うと、自分を律しようとしても難しく……これから自分を慰めようかと』

 いいですねオナニーができて!!

「アンナの下ネタは生々しいのよね」

 親友の華城先輩が頭を抱えていた。ネタじゃなく真実を言ってるだけだと思うけど、そこには突っ込まないでおいた。

『父が明日、お見合いをすると言っていて、ちょっと揉めてますの。安心してくださいまし、わたくしは奥間君一筋ですので』

「……え……大丈夫ですか?」

『大丈夫ですわよ? ちょっと会食して、気が合わないでお断りするだけですから』

「よくある話っスよ。化け、お義姉ちゃんなら大丈夫っス。何度もお見合いはしたことあるんスよね?」

 鼓修理は上流階級の娘だから経験はあるのか、気楽そうだった。

『ええ、まあ。すべて母が断っていたのですが、今回は母の立場が弱く、わたくしがかなり強く出ないといけないみたいですけども。なんとかなりますわ』

「ちなみに、名前は?」

『……奥間君は覚えてます? あの、パーティーの中にいた方ですわ』

「え゛」

 あのSMパーティーにいたやつかよ。まあ趣味や性的志向で人柄を判断するべきじゃないんだろうけど、あそこに入れるという時点でろくでもない気がしてならない。

『まあそれはわたくしたちもですが』

 そりゃそうか。

『それじゃあ奥間君、お気をつけて』

「アンナ先輩も。おやすみなさい」

 通話が切れる。相手の素性を大体説明する。

「クソ親父の関係者っスか……、一応調べておくっスよ」

「ありがとう鼓修理。今のアンナに不確定要素が入るのは避けたいもの」

「それは……、お見合い相手が慶介の刺客だと?」

「そこまでは言わないけど、考えすぎるに越したことはないわ。オナニーと射精管理はしすぎると大変だけど」

「ああもうぶり返すな!!」 

 アンナ先輩、大丈夫かな……。データも気になるし、まだいろいろひと悶着ありそうだ。

422 : ◆86inwKqtElvs [saga]:2020/10/10(土) 20:22:15.39 ID:Gkb2hePb0
狸吉→華城先輩に思いが無意識にあるが、アンナ先輩の責任を取らないといけないと思い込んでいる

綾女→狸吉とアンナ先輩がくっつくことで、自分は親友の隣にいたい、嫌われるよりかと考えている

ゆとり→狸吉とアンナの関係を恋愛だと認めていないが奪う勇気もないヘタレである

鼓修理→なんだかんだで今は綾女の補佐をしているのは鼓修理。一番ラッキーかもしれない。

不破さん→苦労人。好奇心は猫を殺すのだ。

早乙女先輩→割と原作のまんま

アンナ先輩→性衝動と破壊衝動の解放で狸吉以外との世界を望んでいない状態。
      他人を痛めつけることに快楽を得始めている。以前持っていた優しさはもうないのか……?


現状の説明みたいな感じです。心理状態はこんな感じ。
何かご不明な点はありますか? あれば答えられるなら答えたいと思います。
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 11:50:08.25 ID:jVu/fsmnO
じゃあ、質問。


月見草の他にアンナ先輩の監視役がいないのは何故ですか?

アンナ先輩の暴走は、月見草自身の判断能力が著しく欠如しているから判明が遅れたわけで。

(別に月見草を責めるつもりはないです。月見草に判断能力が欠如しているのは本人の責任じゃないし)

だったら、殺処分まではいかないにしろ、別の人間(大人のボディーガードとか)にもアンナ先輩の監視役を任せるのでは。


それと、アンナ先輩やソフィアが使っているジム用具は何製なんですか?

あの二人の実用に耐えるなんて、どっかの宇宙から持ってきた特殊鉱石か何かでしょうか。
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/18(日) 01:48:46.86 ID:0L1ziWGsO
またエタった?
425 : ◆86inwKqtElvs :2020/10/18(日) 15:57:14.99 ID:CFAhMFVI0
すまない、いるよ
ちょっと仕事が忙しかったのと、次どうしようかアイデアまとめてた。
質問に答えてないのは更新と一緒にまとめてしようと思ってた。
どこをゴールにするか迷ってる感じかな、すみません。
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/16(月) 16:33:49.95 ID:H7E4PygUO
完結する気があるなら、1か月ごとに生存報告はしといた方が良いですよ。
でないと、また前みたいにスレに書き込みできなくなる可能性がある。
427 : ◆86inwKqtElvs [sage]:2020/11/18(水) 18:21:03.13 ID:SO4twf6Q0
すみません、生きています。
今仕事が、うぎゃーっとなっていて、もうちょっとSS書けそうにないんですが、頑張って時間作るのでよろしくお願いします。
エロい妄想する時、アンナ先輩に侵食されるよぅ
428 : ◆86inwKqtElvs [sage]:2020/12/08(火) 06:10:58.27 ID:6E6TG+GR0
すみません、年末年始は忙しくなって頭が割れました。(ただの交通事故です)
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/14(月) 15:59:58.48 ID:9hMIyCtoO
こういうとき華城先輩なら、割れるのはケツとおっぱいと股間の前部分だけにしなさいって言うんでしょうね。
私は華城先輩ではないので言いません。お大事に。
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/01/08(金) 15:13:48.47 ID:wYtA7vuD0
イナイレSSを見ろっ
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/18(月) 12:12:59.61 ID:OF/AXdd0O
最強女師匠2巻明日発売
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/17(水) 12:12:51.55 ID:xMb9JmlXO
絶頂除霊8巻明日発売
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 20:05:23.41 ID:jaKsrzlU0
続き一生松茸ぺろぺろ
667.67 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)