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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【1頁目】

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802 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/20(金) 22:34:32.73 ID:QyGYdGcEO
今日もお休みだろうか…
急に休載率が高くなってきて少し心配だな
803 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/20(金) 23:33:26.45 ID:G0MRFEzTo

遅くなりましたが、少しだけ
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/20(金) 23:36:09.21 ID:xWokTVZgO
かもーん
805 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/20(金) 23:43:37.49 ID:G0MRFEzTo

陽乃「貴女はどこまでもついてきてくれるのよね?」

『そういう契りであろう』

陽乃「……貴女が言うと、ちょっと怪しい」

陽乃はそう言って笑うと

ゆっくりと瞼が上がっていく杏へと目を向けて、軽く手を振る

寝ぼけているであろう杏の目は陽乃へと向かわず

少し時間が経ってからようやく

杏の目が閉じるかどうかの迷いから解放されて、陽乃を見つける

陽乃「……おはよう。体は大丈夫?」

杏「久遠さん……?」

陽乃「ええ、状況……分かってるかしら?」

杏「ぁ……はい……」

まだ覚醒しきっていなかった杏は、ようやく頭が働き始めたのだろう

陽乃から目を背けると

すぐ隣でまだ眠っている球子を見る

杏「おはようございます、久遠さん」

陽乃「ええ、おはよう」
806 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/20(金) 23:57:23.32 ID:G0MRFEzTo

杏「久遠さんは、朝早いんですね……」

陽乃「早くはないわ……昔に比べたら全然遅い」

杏「そうなんですか?」

陽乃「昔はあと2、3時間前に起きてた」

陽乃は神社の娘として、

ある程度の手伝いもやっていたため、

早ければ4時ごろには起きていた

今は6時頃が基本なので

陽乃個人としては、ずいぶん怠惰になったものだと……

少しだけ思うところがある。

杏「……出ていかなかったんですね」

陽乃「あら、どうして?」

杏「昨日、あんな話をした後だったので、もしかしたら……なんて」

陽乃が長野に向かってこっそりとここを出ていくのではないか。と

杏は少しだけ考えていたのだ

杏やその周囲の人が優しかろうと、

それ以外の人々がそうではないのなら、やはり……陽乃が出ていく理由になるからだ
807 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/21(土) 00:09:38.11 ID:I3EJprACo

陽乃「そんなことして……メリットがないわ」

まだ杏たちに見つかっていない状態ならばいざ知らず

今はもう、杏たちに発見され、

杏の願いを聞いて、伊予島家にまで来てしまっている

若葉達にも交渉を持ちかけているし、

この状況で逃げ出したとなれば、

今はまだ悪くない関係ですら、悪化させることになってしまう

運良く長野の人々を助けられたとしても、

陽乃には戻ってくる場所なんてなくなってしまうことだろう

陽乃「行くとしても、話がついてからになると思うわ」

杏「やっぱり……行かれるんですか?」

陽乃「どうかしらね……」

杏「あの……もし、行かれるのなら……」

杏はそう言って

少し躊躇いがちに……続きを口にする

杏「私も一緒に連れて行ってもらえませんか?」


1、駄目よ。遊びじゃないの
2、貴女……戦えないでしょう?
3、あら……命を張って私の味方だって証明でもしたいの?
4、まだ行くか決めたわけでもないんだから、早計だわ


↓1
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/21(土) 00:13:33.33 ID:ohJqSh/gO
3
809 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/21(土) 00:17:14.07 ID:I3EJprACo

では短いですがここまでとさせていただきます。
明日は可能であれば通常時間から
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/21(土) 00:27:39.30 ID:ohJqSh/gO

なんという杏の押しの強さよ
この杏なら陽乃さんの心の支えになってくれるかも
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/21(土) 01:15:25.06 ID:XZm1iBHHo

杏が2週目の樹ちゃんっぽくなってきてる感
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/21(土) 04:44:47.04 ID:JcxiC6i+0

ついて来てくれるならこの上なく心強いなあ
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2020/11/21(土) 19:33:40.33 ID:n/4yFK0x0
2人とも理想のために自己犠牲しちゃう気がするので、ストッパーが1人欲しい
814 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/21(土) 22:58:50.70 ID:I3EJprACo
遅くなりましたが、少しだけ
815 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/21(土) 23:02:14.77 ID:I3EJprACo

陽乃「あら……命を張って私の味方だって証明でもしたいの?」

杏「いえっ、そんな……そんなつもりは……」

陽乃「……そうだろうと、そうでなかろうと……私は、貴女を護ってあげることなんて出来ないわ」

一緒に連れて行って欲しいと言う気持ちは嬉しい

ありがたいって思う

もちろん、陽乃は守らないと言いながらも守るだろう

守れないと言いながら、可能な限り守ろうとするだろう

けれど、陽乃は杏を絶対に守ってあげられるなんて自負はない

陽乃「最初の襲来とは、わけが違うのよ」

杏「それは分かっています……でも、だったら、久遠さんだって同じはずです」

陽乃の実力はまだまだ未知数で

杏は、自分が想像しているよりもずっと強い力だと考えている

けれど、だとしても

敵が無数にいるであろう外の世界は、陽乃であっても決して楽ではないはずで。

杏は、そんな場所に一人で行かせたくないのだ
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/21(土) 23:02:15.05 ID:A8xUmzA7O
おk
817 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/21(土) 23:13:31.99 ID:I3EJprACo

杏「命を張って味方だって証明したいだなんて思ってはいません」

けれど、戦いは命懸けなのは間違いではないし、

そう考えれば、命懸けで味方だと証明したいと言うのも間違いではないのかもしれないと思う

しかし、杏にはそんな思惑はない

杏「久遠さんの力になりたいんです」

陽乃「伊予島さん……」

杏「それが結果的に弾除けでしかないというのなら……久遠さんの言ってることが正しいかもしれません」

でも。と、杏は首を振る

杏「私は久遠さんに、味方だと思って貰うためにこの命を捨てる気はありません」

それは、悪手だ

間違っても取ってはならない手段の一つ

禁忌だと言っても良い

そうなれば、球子は激怒するだろう

そうなれば、千景は「やっぱり」と口にする。

自分の死が、陽乃の孤立を加速させると分かり切っている以上

杏は、絶対にそうならないようにしなければならない

杏「私は……久遠さんにいなくなってほしくないんです」
818 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/21(土) 23:21:43.82 ID:I3EJprACo

杏「久遠さんが長野にたどり着く可能性を高めたい。そして、こっちに戻ってこられる可能性を高めたいんです」

陽乃「本気?」

杏「……はい」

陽乃が単独で長野にたどり着けたとしても、

勇者と巫女以外は置き去りにしてくるなんて非道な真似はまず不可能だと杏は見ている

どれだけ悪い噂が流れていようと、

口では厳しいことを言ったりしているとしても

陽乃は、目の前にある命から目を背けられる人間ではないと思っているからだ

であれば、陽乃は無理してでも全員を連れ帰ろうとするだろう

死ぬ気はない

生きていたいと言いつつも、

誰かを護るために命を投げ出せてしまうであろう陽乃を、

杏は、たった一人で行かせたくはないと思っているし、

今は非力な勇者でしかないとしても、

陽乃が生還する可能性をわずかにでも高められるのであれば

杏は同行したいと思っている

杏「一人でなんて……無茶はしないでください」
819 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/21(土) 23:30:05.25 ID:I3EJprACo

杏「今まではともかく……今は、力になってくれる勇者がいるって、少しだけでも思ってください」

信じて欲しいとは言わない

頼りにしてくれとも……言いたいけれど言えない

しかし、それでも

陽乃と同じような志を持っている勇者がいる

陽乃とは違うとしても、

命を救いたいと思っている人はいるのだと……思って欲しい

陽乃から見れば

それらは頼りなく、足手纏いでしかないのかもしれないが

だとしても……少なからず力になれるはずなのだ

杏「交渉、してみませんか?」

陽乃「交渉って……大社に? 無理よ。許可されるはずがないわ」

杏「全員は不可能でも、半分……久遠さんを含めて3人程度なら、許可が出るかもしれません」

陽乃「私は大社にとっての忌み子のようなものなのよ? あり得ないわ」

大社のみんなとは言わずとも、

一部は【陽乃が勇者を殺して帰ってくる】と思うかもしれない

そう思わずとも、一人でも死なせたりすれば……そうだったのだと思われてしまう

陽乃「……無理よ。危険すぎる。私一人で行く方がマシだわ」
820 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/21(土) 23:31:11.10 ID:I3EJprACo

では短いですがここまでとさせていただきます
明日は可能であれば少し早い時間から
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/21(土) 23:37:09.37 ID:A8xUmzA7O

これ杏たちと合流前に長野に行ってたら陽乃さんが大変なことになってたんだろうなぁ…
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/21(土) 23:39:13.81 ID:l+wEeJVpO

二人も抜けて四国が大丈夫なんだろうか
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2020/11/22(日) 17:39:24.78 ID:zkM+ifLn0
大社視点だと、長野を切捨てて天乃も巻き添えにするべきで
同行を許可するとは思えんよな
824 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/22(日) 21:13:32.20 ID:s8BTUBtSo

遅くなりましたが、少しだけ
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/22(日) 21:13:55.61 ID:qf6xsdLxO
よしきた
826 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/22(日) 21:20:17.22 ID:s8BTUBtSo

杏「ですが……」

陽乃「そもそも、言った通り私は忌み子みたいなものなのよ? 他の勇者を同行させるとは思えないわ」

杏「監視目的という可能性は?」

陽乃「街中への捜索とかならともかく、四国外へ出ていく私を監視させるメリットがないでしょう?」

外に敵がおらず、

安全かつ確実に陽乃を追跡出るならばいざ知らず、

貴重な人員が消耗するかもしれない監視任務になど、つかせるとは思えない

陽乃「私が行くと言うのなら、勝手に行けと言われるかもしれないけれど……伊予島さん達は止められるはずよ」

杏「……やっぱり、そうなってしまうのでしょうか」

陽乃「十中八九」

杏「あの……」

陽乃「言っておくけれど……こっそりついて行くのは無しよ」

杏「ですよね……すみません」
827 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/22(日) 22:17:21.04 ID:s8BTUBtSo

陽乃「私のことを考えてくれているのは良いのだけど……命を捨てる真似は許容できないわね」

許可を得ていない、強引な手法ということは

陽乃と杏の二人きりになる可能性もあると言うことだ

なぜなら、球子は確実に止めるからだ

であれば、命を捨てるに等しい

陽乃「……大社は長野を切り捨てるつもりなのかもしれないわ」

杏「久遠さんっ!」

陽乃「あら……貴女は言わないでくれるでしょう?」

杏「それはそうですが……あまり言わない方が良いと思います」

その可能性は十分に考えられることだけれど

しかし、だからといってそれを口にしてしまうのは問題がある

大社からの不評を買うのは

陽乃にとってはもはや些細なことかもしれないが、

より面倒なことにならないためにも、避けるべきだと杏は思う

杏「……それが、事実だとしてもです」

陽乃「……そうね」
828 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/22(日) 22:37:58.71 ID:s8BTUBtSo

√ 2018年 8月3日目 昼:伊予島家

03〜12 球子
37〜46 若葉
51〜60 友奈
89〜97 杏

↓1のコンマ

※それ以外は通常
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/22(日) 22:41:56.58 ID:/w/dVnGyO
830 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/22(日) 23:14:20.61 ID:s8BTUBtSo
√ 2018年 8月3日目 昼:伊予島家


陽乃は、一先ず伊予島家に泊めて貰うと言うことになっているが、

一泊だけになるとは……限らない

というのも、

陽乃が出した要求である、寄宿舎に戻れるなら。という条件を飲むかどうかの答えが出るまでは下手に移動は出来ないからだ

球子は街に出るくらいなら良いんじゃないかと言うけれど、そんなわけもなく

暇を持て余していたところに、一本の電話がかかってきた

伊予島家のものではなく、杏のスマホへの着信

送信元は、高嶋さん。と表示されていた

杏「……友奈さん?」

杏は相手が友奈であるかを確認すると、

スピーカーにしても問題ないかを確認してから、陽乃達にも聞こえるように切り替える

友奈『みんな、まだアンちゃんのおうちにいるの?』

球子「いるぞ〜」

友奈『そっか、良かった……久遠さんは大丈夫ですか?』

陽乃「九尾が返事しているとは、考えないわけ?」

友奈『あははっ……電話じゃ確かめることはできませんし』

なにより。と、友奈は笑いながら言う

友奈『信じたいって……思っていたらいけませんか?』
831 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/22(日) 23:17:09.22 ID:s8BTUBtSo

では短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早い時間から
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/22(日) 23:36:45.89 ID:qf6xsdLxO

杏と同じく陽乃さんの味方してくれる高嶋さん
それを殴り飛ばした九尾は一度ごめんなさいしないとだな
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/23(月) 00:52:42.12 ID:ukMSKmnQO

長野行き誰がついてくるのかもドキドキするな
834 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/23(月) 20:39:31.86 ID:ltr8F7yDo

遅くなりましたが、少しだけ
835 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/23(月) 21:01:26.03 ID:ltr8F7yDo

陽乃「あら……優しい心構えね」

友奈『その方が良いと思いませんか?』

陽乃「私は、思わないわ」

杏「久遠さん……」

信じるか疑うか

相手の真偽がどちらにも考えられるならば

陽乃は友奈とは正反対に信じないと即答する

信じたところで……

あるいは、一度は信じあえたとしても

結局裏切られて培った分の傷を負わされるのであれば、

そもそも信じないのが一番だと陽乃は苦笑する

その経験があるからこそ、

陽乃はそもそも信じたくないと言う
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/23(月) 21:07:28.61 ID:QTUdcHCuO
陽乃さん…
837 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/23(月) 22:02:52.61 ID:ltr8F7yDo

友奈『……そうですか』

残念そうに零した友奈は、

少しばかり沈黙して……ふと、ため息をついたのがスマホから聞こえてくる

いつも明るく気遣いの出来る友奈でも、

陽乃の拒絶にはため息も零れてしまうのだろう

球子「友奈ー疲れてるのか?」

友奈『ううん、大丈夫だよタマちゃん……私より、若葉ちゃんかな』

杏「若葉さん……やっぱり、説得は……」

友奈『うん……上手くいっていないみたいなんだよね』

陽乃の条件は、今までのように寄宿舎で暮らさせて貰うと言うものだ

一言で言えるものだし、

以前と変わらないという点ではとても簡単な話に聞こえるが、

大社からしてみれば、

貴重な戦力を殺しかけた危険人物を

再度、貴重な戦力である勇者達のそばに置くと言うことになる

それは、

とても簡単だがとても許容できることではない

しかしながら、拒めば陽乃は消えていなくなるかもしれない

それを悩みに悩んでいる

そして悩み続ける間、ひなたは大社の下にいなければならない
838 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/23(月) 22:45:16.82 ID:ltr8F7yDo

友奈『若葉ちゃんがお願いしてるんだけど……勇者が殺される可能性があるっていう話でね』

杏「若葉さんは殺すはずがないって言っているんですか?」

陽乃「そんなこと言って、誰が信じてくれるのよ」

球子「だな。タマ達がどう言ったって大社が信じるわけがない」

友奈『タマちゃんの言ってる通りみたいなんだよね……』

杏「大社は逆に要求してきているんじゃないですか?」

友奈『………』

杏の言葉に、友奈は黙り込む。

事実だ。

大社は陽乃の要求を呑むことなく、

別の案を提示している

もちろん、若葉がそれを呑まないからこそ、

大社もどうにもできていない

友奈『大社からは、久遠さんを病院に戻さなければひなちゃんを戻せないって言われているみたいなんだよね』

杏「えっ……」

友奈『久遠さん……かなり、難しいです』

陽乃「それはそうでしょう。当然だわ」


1、乃木さんに代わって貰えない?
2、いいわ。戻ってあげる
3、じゃぁ、長野に行かせて貰えるか聞いてくれない?
4、嫌よ。私は寄宿舎に戻れないならお断りよ
5、上里さんには九尾の加護があるって伝えてあげて。私は……止めないわ


↓2
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/23(月) 22:46:48.26 ID:QTUdcHCuO
1
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/23(月) 22:47:29.36 ID:LgjLkupL0
1
841 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/23(月) 22:48:45.69 ID:ltr8F7yDo

では短いですがここまでとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/23(月) 22:49:47.24 ID:D6qKv/K2O
3
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/23(月) 23:05:10.27 ID:QTUdcHCuO

ひなたを人質に取るとか大社とことん悪手だなぁ
板挟みの若葉のことも心配だ…
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/24(火) 08:03:24.72 ID:bNf8ZgLVO

九尾がキレそう
845 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/25(水) 22:08:45.42 ID:10g8lOd2o

遅くなりましたが、少しだけ
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 22:18:34.74 ID:3Fl3Y+iLO
やったぜ
847 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/25(水) 23:08:22.44 ID:10g8lOd2o

陽乃「ねぇ、高嶋さん」

友奈『はい?』

陽乃「そこに、乃木さんはいる? 変わって貰いたいんだけど」

友奈『若葉ちゃんは……あ、ちょっと待っててください』

ベッドが軋む音が聞こえて、

強引に足を突っ込まれた靴の底が擦れる音と共に、扉が開く音が響き、

軽い足音が続いて……扉が叩かれるのが聞こえた

友奈『若葉ちゃーん!』

球子「……寝て……は、ないか?」

陽「同じ部屋にいないなら別にいいのだけど……」

友奈『久遠さんがお話したいって』

若葉『何!?』

電話の奥で誰かが倒れる音がして

一目散に駆け込み、扉が開いて……

若葉『今、繋がっているのか?』

陽乃「乃木さん、お疲れ様」

若葉『久遠さん……』

陽乃「話は聞いているわ」
848 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/25(水) 23:40:49.64 ID:10g8lOd2o

若葉『友奈……』

友奈『ごめんね……でも、言うべきだと思って』

若葉『……久遠さん、話を聞いているならそういうことだ』

陽乃「上里さんを大社預かりにしておくのは、聊か問題が大きいわね……」

ひなたは巫女としての能力が非常に高い

陽乃を戻そうとしない若葉への当てつけなどではなく、

単純に、

危険人物の隣に、力のない重要人物を置いておくわけにはいかないというものだろう

ただ、それは九尾が気に入らない。

上里ひなたは、若葉の幼馴染であるのと同時に

九尾の寵愛を受ける人物でもある

ゆえに、問題がある

陽乃「ただ、それをどうにかするためには私は寄宿舎に戻して貰えない」

若葉『そのようだ……』
849 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/25(水) 23:48:59.02 ID:10g8lOd2o

陽乃「乃木さん、別案は出しているの?」

若葉『私や友奈が必ず傍にいて目を光らせておく……とは言ったが、無駄だった』

陽乃「病院に連れ戻す以外は認められないと」

若葉『大社は久遠さんの力を完全に畏怖している……あぁ、友奈。あとで電話は返す。部屋に戻ってくれ』

友奈『え、でも……』

若葉『二人で話したいんだ』

友奈『……うん。分かった』

友奈の返事が返ると、足音が聞こえてドアの締まる音が二回

1つは友奈で1つは若葉だろう

若葉『そっちの二人も頼む』

球子「何言ってるんだ若葉! そん――」

杏「良いから行くよ。タマっち先輩」

球子「こらあんず! 放っ……」

杏に引き摺られるようにして球子がいなくなり、

部屋の中に残された陽乃はスマホのスピーカーを解除すると、

耳元にまでもっていく

陽乃「内緒話なんて……物騒ね」
850 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/26(木) 00:09:32.01 ID:E9Erd7oRo

若葉『何も物騒な話じゃないんだ……ただ、聞かれると困る』

陽乃「……というと?」

若葉『久遠さん、九尾の力の一端を私たちに見せてくれただろう?』

陽乃「ええ」

若葉『その情報……私達は大社に伝えないようにしておこうと思ったんだが……』

陽乃「郡さんが伝えたんでしょう? 隠しておく義理がないもの」

若葉『……っ』

陽乃「想定の範囲内というか……仕方がないことだわ」

若葉達に力を見せた時点で、

陽乃は九尾の持っているその力が大社に伝わることも覚悟していたし

九尾だって、

大社にその情報が向かうことも分かっていて、応じたのだ

陽乃「……そのせいで、大社がより警戒を強めたってわけね」

若葉『ああ、十中八九それが歯止めになった』

陽乃「郡さんを責める必要はないわよ? 勇者としての義務を果たしただけだわ」

若葉『そうか……すまない』

陽乃「貴女が謝る必要はないのだけど……」

若葉『それで……これはひなたからなんだが』

若葉はそう言うと、

気を引き締めるように……ため息をつく

若葉『私には構わず、久遠さんを寄宿舎に戻して欲しい。だそうだ』
851 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/26(木) 00:14:51.51 ID:E9Erd7oRo

では短いですがここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 00:21:35.66 ID:2bInUH4hO

勇者部の時と違って千景に嫌われすぎてみんなで一致団結ができないのは辛いな…
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 00:24:40.09 ID:ECNRIAQ4O

まあ嫌われるのもしょうがないよなあんなことあった後だし……
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 00:44:32.85 ID:k+IJy6Kp0
まあ原作からして大団円ってわけでもないからなぁ
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 01:59:06.43 ID:Dd/GDsME0
こうなってくるといよいよ長野向かうよりほかないのかなあ
不安だし杏だけでも付いてきてほしい
856 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/27(金) 22:54:03.64 ID:J6Dnwb/ro

遅くなりましたが、少しだけ
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 22:59:20.41 ID:V7OSEtgHo
はいよー
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 22:59:26.29 ID:+SeUFUbiO
かもーん
859 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/28(土) 00:14:30.88 ID:3qCvChvqo

陽乃「上里さん……」

若葉『ひなたはそういうやつなんだ』

自己犠牲すればいいと考えているわけではないが、

しかし、それで陽乃のことを救い、

それが若葉の為になるのであれば……ひなたは大社預かりになることを受け入れる

たとえその結果みんなに会えなくなるのだとしてもだ

陽乃「悪いけれど、それは駄目だわ」

若葉『……いいのか?』

陽乃「ええ、それでいいわ」

若葉も、酷く疲れが感じられる

陽乃のこと、ひなたのこと、千景のこと、大社のこと

考えるべきことが多くて、手いっぱいなのだろう

ひなたを若葉から奪うのは得策ではない

もちろん、九尾からしてもダメだ
860 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/28(土) 02:13:15.79 ID:3qCvChvqo

若葉『しかし……ならどうする』

陽乃「そうねぇ……」

若葉は、陽乃に敬語を使うことも忘れるほど、悩んでいる

陽乃としては別にそれでもいいので、

それについてとやかく言うつもりはないが

それほどに追い詰められているというのは……無視できない

陽乃「結論、私と上里さんを一緒には出来ないということね」

若葉『端的に言ってしまえばそうなる』

陽乃「………」

陽乃が寄宿舎に戻るのなら、ひなたは解放されない

陽乃の行方がつかめない状態でも、ひなたは解放されない

陽乃が大社預かりでなければ、ひなたは解放されない

若葉を従える目的と、優秀な巫女を守る目的

大社は、ひなたを護るという名目で行動しているが……結局

両方満たせる良い判断だ。と、言うべきだろうか
861 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/28(土) 02:55:42.28 ID:3qCvChvqo

もちろん、それは褒めているのではなく皮肉だ

大社が実際に若葉を押さえるのは二の次と考えて

本当にひなたの保護だけが目的であったのだとしても……皮肉だ。

さて……どうしたらいいのだろうか

陽乃が大社預かりに戻るのが、大社にとってのベスト

だが、陽乃にとってはそれは最悪の一手

あんな息苦しい生活はお断りだ

だから……ひなたを諦めるか

ひなたを返さなければ、神樹様を枯らせるとでも脅すか

それとも……

考えれば、手はある

しかし、

ひなたを返して貰った上で陽乃が望んだ生活をするための手は

大社を今まで以上に脅す必要がある

それは、あまりいい方法とは言えない
862 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/28(土) 02:58:00.00 ID:3qCvChvqo

では短いですがここまでとさせていただきます
明日は可能であれば少し早い時間から
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 06:09:10.08 ID:tzt6cJ6RO

そのまま長野に行ってもひなたは捕らわれの身のままなのか…
これは困ったな
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 11:36:52.51 ID:EPm+s89Z0

所在不明だと困るってことだから大社に長野行きますって伝えれば大丈夫なんじゃね
865 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/28(土) 23:40:41.58 ID:3qCvChvqo
すみませんが本日はお休みとさせていただきます。
明日は、出来る限りお昼ごろから
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 23:48:29.16 ID:vFJU+aB2O
連絡乙です
多忙なのかここのところ急に投稿ペースが落ちてきて心配だけど楽しみに待ってます
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 01:52:44.75 ID:CTtl/PXdO

いま話が動き始めて面白いところになって来たので毎回楽しみに待ってます
868 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 20:55:47.68 ID:EvNFADcEo

遅くなってしまいましたが、少しずつ
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 20:58:17.11 ID:i+mjZ4k5O
おっしゃ
870 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 21:15:40.23 ID:EvNFADcEo

若葉『私は……可能なら避けたいが、ひなたを大社預かりにして久遠さんを呼び戻そうと考えていた』

ひなたもそれを望んでいるし、

最善の策ではないにしても、妥協案の一つとして絶対に選べないものでもないと考えていたからだ

しかし、それを強行するのは陽乃の望むところではない可能性も考慮して躊躇っていた若葉は

それを完全に却下された今、打つ手はないと言っても良い

もちろん、反旗を翻してやろうか。という脅しも使えなくはないが

若葉達に使えるものではない。

若葉『だから……久遠さん、寄宿舎かひなた。どちらかを諦めて貰うことは出来ないだろうか……』

たとえ寄宿舎でなくとも、

最低限の自由は保障して貰うつもりだと、若葉は苦しそうに言う。

若葉だって、みんなでまた寄宿舎に……と、考えていただろうから。


1、そうねぇ……なら、寄宿舎を諦めるわ
2、上里さんが、望んでるなら
3、ねぇ……私、長野に行っても良いかしら?


↓2
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 21:23:15.59 ID:i+mjZ4k5O
2
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 21:25:10.44 ID:WbJSUYW60
3
873 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 22:09:38.56 ID:EvNFADcEo

陽乃は少し考えてから……口を開く

陽乃「ねぇ……私、長野に行っても良いかしら?」

若葉『なにっ!?』

陽乃「っ……長野よ。長野……白鳥さんのいるところ」

若葉『そ、それは分かっているっ!』

急激に近く、大きくなった若葉の声から逃れるように、陽乃はスマホを離す。

突拍子もないことを言ったつもりはないけれど、

若葉にとっては想定外だったのかもしれないと……息をつく

陽乃「だめ?」

若葉『それは、単独で……という話か?』

陽乃「人員を他にも出して貰えるのならそれが一番だとは思うけれど、難しいんじゃない?」

若葉『正直、それに関しては久遠さんを寄宿舎に戻す以上に難色を示すと思う』

若葉はそう言って、ただし。と付け加えた

若葉『久遠さん単独でという話でなら……大社は要求を呑んでくれる可能性がある』
874 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 23:08:32.78 ID:EvNFADcEo

陽乃「そうなの?」

若葉『これは邪推というか……内密の話でお願いしたいのだが……』

若葉はそう前置きして

若葉『大社は、久遠さんを長野に派遣することで体のいい厄介払いが出来ると考えるかもしれない』

陽乃「それはまた……」

状況から察するに、

悪く言えば長野は捨て駒であり、

ここ、四国本陣の準備が整うまでの必要な犠牲と考えられていると考えられる。

もしそうであるならば、

そこに陽乃が向かうことで時間稼ぎが延長できるし

道中で終わり辿り着けなかったとしても、敵の数を大幅に減らし

今後の負担を軽くしてくれる上に……勇者や神樹様の脅威の一つが消えることになるからだ。

若葉『反対に、同行者が容認されない理由は言わずもがなだろう』

陽乃「まぁねぇ……最悪、私が殺す可能性もあるものね」

若葉『私達はそんなことしないと確信しているが、大社は信じないだろうからな……』
875 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 23:13:15.63 ID:EvNFADcEo

若葉の残念そうな声が尻すぼみ気味に消えていき、

溜息が零れたのが電話口から聞こえてくる

やはり、若葉もつかれているのだろう

若葉『長野への遠征、本気か?』

陽乃「ええ」

若葉『………』

電話は繋がっているものの、

向こうからの音が聞こえなくなる

考えに考えているであろう若葉は、しばらくしてから「久遠さん」と呼びかけてきた

陽乃「なに?」

若葉『大社に長野遠征を要望として出すのは構わない』

陽乃「何か条件があるの?」

若葉『単独でしか許可が出なかった場合……行くのは諦めて貰えないだろうか?』
876 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 23:20:54.23 ID:EvNFADcEo

今でも十分に陽乃の状況が詰んでいるのは若葉も知っているだろう

その苦肉の策として長野に行きたいと言っていることも

若葉は理解しているだろう。

けれど、それでも若葉は単独で長野に行くことは認めたくなかった。

若葉『久遠さんの力は信頼している……だが、それでも絶対ではない』

若葉や、友奈

他の勇者メンバーが単独で行くのに比べたら、その生存率ははるかに高いはずだ

しかし、だとしても確実という保証がない。

遠征中に連絡が取れるとは限らないし、もしものことがあったら目も当てられない。

若葉『私は、久遠さんにいなくなってほしくないんだ』

陽乃「そんな――」

若葉『畏怖すべき力であるとしても、貴女の力は起死回生の一手だ。誰かが死ぬ戦いも、貴女がいれば死なずに終えられるかもしれないんだ』

陽乃「過大評価だわ」

若葉『いいや……貴女は誰かが死ぬなんて見過ごせない。だから絶対に、助けるはずだ』

なんという信頼なのかと、陽乃は眉をひそめた


1、良いわ。じゃぁ、単独許可だったら諦める
2、ごめんなさい。単独でも行かせて貰うわ。貴女の評価を信じるのなら。分かるでしょう?


↓2
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 23:23:38.05 ID:WbJSUYW60
1
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 23:23:43.23 ID:CTtl/PXdO
1
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 23:24:59.01 ID:i+mjZ4k5O
1
880 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 23:28:22.20 ID:EvNFADcEo

ではここまでとさせていただきます。
明日もできれば通常時間から
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 23:40:30.41 ID:i+mjZ4k5O

流石に単独で遠征は多分ゲームオーバーフラグだろうしなぁ
でも残るなら少しでも待遇改善してほしいけど…
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 00:43:25.90 ID:7aAg6JtUO

とりあえず単独での長野行きは無しか
話がどう転がるかドキドキするなあ
883 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/30(月) 22:13:40.55 ID:ASGCEm9Io

では少しだけ
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 22:14:27.32 ID:Kxdc7uNlO
いえす
885 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/30(月) 22:39:22.27 ID:ASGCEm9Io

陽乃「良いわ。じゃぁ、単独許可だったら諦める」

若葉『すまない』

陽乃「仕方がないわ。私だって無謀だと思うし」

陽乃だって、自分の力を過信したいとは思わない。

今の自分の状況を変えたいとは思うけれど、

わざわざ死にに行くつもりはない。

もちろん、それ以外に道がないというのなら、行くしかないけれど。

陽乃「でも、だからと言って上里さんを向こうに置いておくわけにはいかないわ」

若葉『なら、大社の下に戻るのか?』

若葉は自分自身に問いかけるような小さい声で呟くと、

陽乃が何かを言うよりも前に、口を開く

若葉『それもダメだ。何されるか分かったものじゃない』

陽乃「あれもダメこれもダメ……私達、ダメな事しかないわね」

若葉『せめて大社からの扱いが私たちと同等ならよかったんだが……』
886 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/30(月) 23:21:01.97 ID:ASGCEm9Io

陽乃「もしもそうだったなら……郡さんのことを除けばすべて解決かしら」

若葉『……そう、だな……』

若葉は、無理矢理に暫定的なリーダーという役目を押し付けられて、

問題を抱えている陽乃と、陽乃を敵視している千景やほかの勇者達とを取り持たなければならない。

そしてそれは、さらに大社や民衆に対してもだ。

今は陽乃を連れ戻せという大社に対し、

陽乃の要求通りに、寄宿舎に戻す程度で収めて貰えないかを交渉している。

その結果、若葉の大切な人が奪われた状態にある

若葉は軽はずみなことを言ってしまったのではないかと申し訳なさそうに零したが、

そう言いたくなるのも無理はないだろうと陽乃は笑う。

陽乃「ほんと、私が勇者じゃなかったら良かったのにね」

若葉『いや、それは困る……問題は多いかもしれないが、それを補って余りある力を持っている』

若葉は陽乃の力を、九死に一生を得るための切り札のようなものだと考えている。

さっきも言った、起死回生の一手。

陽乃に気にするなとは言えないけれど、

民衆や大社の声に惑わされて欲しくないと、若葉は思っていた。

若葉「それに、たとえ九尾の力がなかったとしても……貴女は勇者になっていたはずだ」
887 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/30(月) 23:54:49.07 ID:ASGCEm9Io

陽乃が正式な勇者であったなら、

大社から疎まれることも、民衆から恨まれることもなく、

普通に、若葉達と同じ勇者として敬われる立場にあったことだろう。

そうだったなら……と、若葉と陽乃は互いに考えて、

しかし、そうではないのだからと首を振る

陽乃「私の価値は、この力だけではないって言いたいんだって思っておいてあげる」

若葉『ああ……それで頼む』

少なくとも、見分けがつかないほど完璧に見た目を変えることができ、

勇者やバーテックスに対しての決定打を持っている

陽乃のそんな力は魅力的なものだ。

しかし、陽乃が本当に勇者足る理由とされるのは……これだけ恨まれ憎まれていても命を救ってしまうところにある。

それは、もしかしたらいいことではないのかもしれないが……勇者としては重要な芯の部分。

若葉『伊予島達は……大丈夫だったか?』

陽乃「ええ、伊予島さん達も、ご両親もとてもよくしてくれたわ」

若葉『それは良かった』

安心したように言う若葉は、もう分かっているかもしれないが。と、続けて

若葉『申し訳ないが……今はまだ寄宿舎に戻ることは出来ないから、伊予島に伝えて貰えるだろうか?』

宿泊は延長できるか

延長できないならば、どこか宿に泊めて貰うことは出来るか。

その話が両親へと伝わると――二つ返事で宿泊延長が決まった。
888 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/30(月) 23:55:55.24 ID:ASGCEm9Io

√ 2018年 8月3日目 夕:伊予島家

03〜12 杏
37〜46 球子
51〜60 両親
89〜97 九尾

↓1のコンマ

※それ以外は通常
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 23:57:47.81 ID:Kxdc7uNlO
890 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/01(火) 00:02:27.66 ID:lrILdukio

では短いですがここまでとさせていただきます。
明日もできれば通常時間から
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/01(火) 00:05:59.16 ID:iRf81friO

とりあえず今は杏の家に居候しながら大社の返事待ちでいいのかな
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/01(火) 00:12:17.98 ID:56jD/K2dO

伊予島家でもう一泊か、杏とご両親には頭上がらないな
あと今回の若葉は色々な案件抱えてて原作以上にストレス溜めてそう
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/01(火) 01:58:43.30 ID:B/rvIHZ30

九尾の変身能力でなんとかごまかしつつ誰か長野に連れて行けないかな?
894 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 22:03:44.20 ID:37blT9qio

昨日は出来なかったので、今日は少しだけ
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/02(水) 22:08:28.68 ID:wMtY3ADWO
やったぜ
896 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 22:11:02.55 ID:37blT9qio
√ 2018年 8月3日目 夕:伊予島家


陽乃「すみません、昨日だけでなく今日も……」

「あらあら、良いのよ……いつもは夫と二人だけだから、にぎやかで楽しいわ」

陽乃「賑やかなのは、土居さんのおかげですよ」

陽乃、杏、球子

陽乃は本来、アウトドア派でもあるのだが、

今ではすっかりインドアな人間となっており、

どちらかと言えば静かな方だ

それは元からインドア派になるしかなかった杏も同じで、

その二人を引っ張るようにして明るいのが、球子だった。

「それにしても、陽乃ちゃんって、お料理が上手なのねぇ」

陽乃「小学校の頃は手伝いで良く作っていたので……和食、ばっかりですけど」

こんな世界になってからは、食堂を利用するのも気まずく、

自炊が基本の生活になっているため、洋食や中華もそれなりに作れるようにはなっている。

「でも、無理せず休んでいて良いのよ?」

陽乃「こんなに良くして頂いているのに、何もしないのは……なんだか、居心地が悪いので」
897 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 22:28:27.01 ID:37blT9qio

「ふふっ……本当、立派なのねぇ」

陽乃「私の友人は、損な性格だって言いますけど……」

友人以上の繋がりである九尾のことだが、

精霊だというわけにもいかないので、友人として扱う

陽乃にしか聞こえない九尾の声は『誰が友人なのかや?』と、

嘲笑するように笑っているが、無視する

陽乃「あ、これ……揚げますか?」

「待って待って、揚げ物は私がやるから大丈夫よ。万が一のこともあるから、ね」

陽乃「そうですね……なら、洗い物やっておきます」

「ありがとう」

陽乃「……いえ、こちらこそ。ありがとうございます」

こんな関係を、彼女にも期待していたのだろうか。

期待してしまっていたから……拒絶されたのがあんなにも辛かったのだろうか。
898 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 23:01:43.53 ID:37blT9qio

料理で手伝えることが減って来た陽乃は、

一旦、キッチンから離れてリビングの方へと向かう

平日の今日、杏の父は仕事でいないので

今の家にいるのは杏の母親と、陽乃と杏と球子の4人だけだ

九尾も含めれば、5人だろうか。

杏「久遠さん、お料理も好きだったんですか?」

陽乃「ん〜ん。出来たってだけ」

球子「ほらっ、だから言ったろ〜? タマの方が絶対に好きだって」

杏「タマっち先輩が好きなのはキャンプ料理でしょ。普通の料理じゃないよね」

球子「キャンプで作るのも普通の料理だぞ〜……」

ムッとする球子と、楽しげに笑っている杏

二人を一瞥して、陽乃は二人から少し離れた場所で、溜息をつく

これからどうなるのか……まだ、先のことは分からない
899 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 23:29:25.06 ID:37blT9qio

陽乃は、若葉と話した内容のほとんどを二人に伝えている

千景が大社に陽乃のことを話した件については避けたが、

それ以外のことは二人にも共有したのだ。

特に、陽乃が長野に行くことを打診したうえで、

許可が単独だったら諦めるが、単独でなければ長野に行くということも。

話を聞いていた杏が、

単独ならば諦めてくれることに安堵していたが、

球子は、単独だろうとそうでなかろうと、

無謀だと……乗り気ではない様子だった。

もちろん、長野にいる勇者を救出するということに関しては、球子もすべきだと思ってはいるけれど

しかし、だとしても危険が過ぎる

陽乃「………」

若葉や杏たちの考えている通り、

やはり、ほかの勇者を引き連れての許可は難しいだろう。



1、九尾と話す
2、土居さん、伊予島さん……鍛練、する?
3、もしダメだったら……どうしようかしらね
4、ねぇ、スマホ借りられる?
5、イベント判定


↓2
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/02(水) 23:32:17.01 ID:wMtY3ADWO
5
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/02(水) 23:34:54.72 ID:y60T4eJy0
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