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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【3頁目】

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513 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 00:11:31.74 ID:BT4AYxH9o

陽乃「同情しないでって、言ったはずだけど」

歌野「……ごめんなさい」

出来ないといいつつ、してしまう。

陽乃の味わった苦しみを共有することなんて出来ないから、してはいけないと思うのに。

うまく制御できないのは、まだ歌野が子供だからだろうか。

歌野「でも、だから、不思議だわ」

そんな場所に戻りたいだなんて、

歌野は自分ならできないと、首を振る。

水都がいるなら、それもあり得るかもしれないが。

歌野「もしかして、向こうに誰かいるの? 大切な人とか」

陽乃「聞いてどうするのよ。それで、何かできるわけ?」

歌野「ここからでは、どうしようもないけれど……」

歌野は気まずそうに、目を伏せる


1、母がいるだけよ
2、そうね……恋人がいるわ
3、何もできないなら聞かないで
4、なんなの? そんなに、戻ることが不満なの?


↓2
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 00:16:56.40 ID:HTYTsc8sO
1
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 00:17:16.84 ID:I/XOEX5Q0
4
516 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 00:37:11.52 ID:BT4AYxH9o

↓1コンマ判定 一桁

1,5,9 歌野「不満じゃないけど……」
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 00:39:38.93 ID:HTYTsc8sO
518 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 00:52:18.74 ID:BT4AYxH9o

では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 00:57:33.17 ID:HTYTsc8sO

お互いそれぞれの事情で孤立無援だったけど陽乃さんとうたのんの三年間の差がエグいなぁ…
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 07:31:14.57 ID:sHIDevd/O

お母さんの他にも心の支えになる人が欲しいな
521 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 18:26:05.36 ID:BT4AYxH9o
では、少しずつ
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 18:27:57.59 ID:KT5dJVd5O
おk
523 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 18:33:40.58 ID:BT4AYxH9o

陽乃「なんなの? そんなに、戻ることが不満なの?」

歌野「そういうわけじゃないの……」

陽乃「でも、貴女達にとってはここが故郷でしょう?」

生まれ育った場所

3年間、死に物狂いで守り抜いた故郷

そこを守る要に成り代わった陽乃が離れることを不満に思うのが普通だ。

陽乃だってそう考えていたし、

歌野達がそう考えていて、不満に思われ、腹立たしさを見せられても仕方がないと思っている。

むしろ、そうされないと、気味が悪い

陽乃「本来なら、私が離れようが離れまいがどうでもよかったじゃない
    なのに、こんな……余計なことされて私が結界の要になりました。でも離れます。って言われたら誰だって待ったをかけるわ」

歌野「……それは」

それは、そうだろう。

歌野は反論できなくて歯を食いしばる。

歌野も水都も、そんなことはこれっぽっちも思ってはいない

だが、

諏訪の人々を説得するための手札の一つとして、陽乃が要であり、

彼女が離れれば、すぐにでもここはバーテックスに蹂躙されるということを離したとき、

はたして、人々がそれを受け入れてくれるだろうか?

今までは何も問題なかったのに、お前が来なければ。と、ならないだろうか。
524 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 19:06:38.48 ID:BT4AYxH9o

陽乃「曖昧なのが一番嫌なのよ。不満なら不満だって言えばいいじゃない」

察してくれ。みたいな態度は、嫌いだ。

察することもできる。けれど、絶対じゃない

そもそも、察してあげる気なんてない。

歌野「落ち着いて、ね?」

陽乃「……私は落ち着いてるわよ」

歌野「……」

怒っている自覚がないのか

本当に、怒っているわけではないのか

もし後者なら、陽乃はかなり誤解されやすいのではと、歌野は顔を顰める。

歌野「はっきり言うわ。私とみーちゃんには、まったく不満はない」

陽乃「なら、私に大切な人がどうとか聞く必要なんてないと思わない?」

歌野「それは……」

歌野は少し躊躇って

歌野「そう、ね。ごめんなさい」

言葉を飲み込む。

それでも歌野は少し、気まずそうで、

陽乃はまた少し、苛立ってしまう。
525 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 19:33:57.23 ID:BT4AYxH9o

歌野「……久遠さんって、人が嫌いなの?」

陽乃「私のことを少しでも知ってるなら、そんなこと聞くまでもないってわかると思うけど」

歌野「それでも、聞きたいわ」

陽乃「……」

陽乃の睨むような視線にも、歌野は耐える。

冗談とか

からかうために聞いているわけではないというのは、歌野の目から伝わってくる

陽乃は面倒くさそうに、平たいテーブルに突っ伏すように顔を伏せる

お茶菓子の一つでも置いてありそうなのに、今はお茶すらない。

人が嫌いか、嫌いじゃないか。

それがそんなに重要なことかと、陽乃は目を細める

陽乃「嫌いって言ったら、態度を改めてくれるのかしら」

歌野「そうね。改める必要は、あると思うわ」

陽乃「含みのある答えね……」


1、嫌いよ
2、好きではないわ
3、答えない

↓2
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 19:37:04.68 ID:KT5dJVd5O
3
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 19:41:46.62 ID:I/XOEX5Q0
3
528 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 20:25:17.57 ID:BT4AYxH9o

歌野「私にはまだ、話せない?」

陽乃が答えずに黙っていると、歌野は諦めたのか、残念そうにつぶやく。

独り言ではないだろう。

陽乃「貴女だろうと、藤森さんだろうと話す気はないわ」

歌野「……嫌いだから?」

陽乃「探ろうとしたって、無駄だわ」

陽乃の答えは、素っ気ない。

態度だけ見ていれば、

返ってくる言葉だけ聞いていれば、

陽乃が人を好きなわけがないと思わざるを得ない。

けれど、嫌いなら。

神社に来た時にちゃんと教えてくれたりしたのは何だったのか。

気まぐれと言われればそれまでだ。

でも、そうではないと、歌野は思いたかった。
529 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 20:42:30.79 ID:BT4AYxH9o

↓1コンマ判定 一桁


5,8,0 歌野「なら、私は久遠さんを信じてるわ」

ぞろ目 特殊

他、終了
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 20:43:41.97 ID:U35FdsVNO
531 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 21:39:09.51 ID:BT4AYxH9o

陽乃「なに?」

歌野「ううん、なんでもないわ」

歌野は首を振って、笑う。

歌野が何か言いたそうなことくらい、陽乃でも察しが付く。

けれど、だからどうしたのか。

陽乃は、それを追求する気はなくて。

陽乃「そう。ならいいわ」

歌野を視界から外して、陽乃はゆっくり目を閉じる

陽乃「私の予定は話した通り諏訪を出て行く。お荷物を持って帰るかどうかは任せるわ」

歌野「お荷物……?」

何のことかと逡巡した歌野だが、すぐに理解して頷く

言い方は厳しいというか、間違っている。

だが、持ってくるなとは言わないのが、優しさだろう。

歌野「ええ、話はしてみるわ……残ったって、すぐに死んでしまうことになるって考えれば、もう少し、連れ帰れると思うから」
532 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 21:57:58.93 ID:BT4AYxH9o
√ 2018年 8月15日目 夕:諏訪

01〜10 杏
11〜20 球子
31〜40 水都

↓1のコンマ

※ぞろ目 襲撃
※それ以外は通常
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 21:59:25.41 ID:3wzP6Uh50
534 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 22:26:10.91 ID:BT4AYxH9o
√ 2018年 8月15日目 夕:諏訪


陽乃「……」

歌野が、戻ると言った後も陽乃は独りになるために、部屋に残っていた。

力は有り余っていて、調子も十分

けれど、その力をふるうには、相手がいなければ危険極まりない

なにより、勝手に力を使って、

杏たちにいろいろと言われるのも面倒だった。

諏訪の神々の恩恵で調子はいいし、今後も問題ないと言ったって

杏たちが納得してくれるとは思えない。

陽乃は、明かりを失っていく窓の外を眺めながら、ため息をつく。

体調がいいのは、嬉しい

けれど、だからってこんな厄介なことになるのは、ごめんだ

選べたのなら、間違いなく拒否していただろう。


1、交流 ※再安価
2、歌野について
3、歌野に力を与えてみる
4、イベント判定


↓2
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 22:26:27.22 ID:42CozPMhO
3
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 22:27:23.48 ID:h0zge7Y2O
2
537 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 22:50:35.26 ID:BT4AYxH9o

歌野は大切な人はいるのか。なんて無駄なことも聞いてきたし、

何かを言いかけた。

不満があるのかと思えば、そうでもなかった。

なら、何を考えていたのだろう。

不満はないとあそこまで力強く断言したなら、

嘘ではないと仮定しても問題はないはずだ。

陽乃「……」

歌野も水都のような人ならどうだろうか。

ここにいたのが水都だったなら、

あそこで言い躊躇うことなんてなかったかもしれないが、

考えることは似ているような気がする。

陽乃「……藤森さん。ね」

昨日、突き放したにもかかわらず、陽乃をかばったのが水都だった

しかも、歌野に反してまでだ。

巫女として、ちゃんとした理由あってのことだから

本人にそんなつもりはないかもしれないが。

陽乃「……ん」

その水都が考えること――


1、陽乃が途中で倒れると思ってる
2、陽乃にはここにいてほしいと思っている
3、諏訪を失いたくない
4、陽乃を信頼していない

↓2
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 22:56:55.78 ID:h0zge7Y2O
1
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/03(月) 22:57:08.77 ID:I/XOEX5Q0
1
540 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/03(月) 23:33:56.65 ID:BT4AYxH9o

陽乃「……どうせ、私の心配よね」

悪化したことも含めて、

あんなにも苦しむ姿を見られてしまった。

杏と球子もそうだろうし、

歌野と水都だって、心配になったことだろう。

何せ、付きっ切りを申し出るほどだったのだから。

歌野が水都ほどではないにしても、

気にかけているとすれば……そう、

陽乃の体調面を考えての発言だったと考えられる。

大切な人がいないのなら、

そこまで無理しなくてもいいのではないか。と。

陽乃「余計なお世話よ……」
541 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/04(火) 00:01:27.91 ID:sqTsQTioo

陽乃にとって、向こうに残っている人の中で大切な人は母親くらいだ

少し前までは、

暫く音信不通になってしまった友人がいる……なんてバカみたいなことも考えてはいたけれど、

今はもう、それさえも考えてはいない。

母は、陽乃がどんな目に合っているかなんてほとんど知らないだろう。

陽乃の抑止力として大社預かりになっているが、

会うことだって、全然できていない。

陽乃「そういえば……」

同じく、大社預かりになったひなたはどうだろうか。

個別に管理していたら駄目だが、

そうではないなら、接点は今頃増えているかもしれない。

陽乃「……」

自分のことで、

何か、余計に居心地が悪くなっていないか。

陽乃はそれを不安に思って、顔を伏せた
542 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/04(火) 00:06:36.21 ID:sqTsQTioo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/04(火) 00:20:12.33 ID:beK2U7QXO

こうなってくると四国に戻った後にお母さんと再会しないとメンタルがどのみち持たなさそうだな…
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/04(火) 00:27:13.46 ID:VqDAZE9aO

杏とみーちゃんが支えになってくれ……
545 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/04(火) 22:09:57.25 ID:sqTsQTioo
遅くなりましたが、少しだけ
546 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/04(火) 22:11:16.65 ID:sqTsQTioo

杏たちといった諸問題はあるが、

それ以外の人々による敵意が感じられない分、

環境的……あるいは、人間関係的に諏訪は陽乃にとって居心地のいい場所になりえるだろう。

だが、向こうには母がいるのだ。

面倒な柵しかない向こうに戻る理由はそれだけで、

けれど、それだけで十分だった。

陽乃にとっては、唯一の人だから。

陽乃「……っ」

母を守れていなかったら、陽乃は3年前のあの時すでに、向こうを出ていたかもしれない。

常日頃からそばにいて貰えて、諏訪に連れてこられていたら……きっと。

もう、向こうには戻らなくていいのでは? なんて、思わないこともない。
547 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/04(火) 22:34:53.97 ID:sqTsQTioo

向こうで、陽乃は化け物と呼ばれることもある。

実際にそう呼ばれてもおかしくない力を持っているし、

そんな存在がそばに控えている。

けれど、だからと言って陽乃が辛くないわけではない。

無関心そうに見えたって、

何でもないようなそぶりを見せていたって、

人がそういうものだって、陽乃が諦めていたって

ずっとそればかりで陽乃が傷つかないわけではない

もちろん、そんなところなんて表に出す気はないし、

誰かにそれを気遣って欲しいと思わない。

その誰かがまた、同じようにならないとは限らないからだ

陽乃は憂鬱そうに、ため息をつく。

部屋が静かだと、別室にいる球子たちの声が聞こえてくる。

通信担当が結局、ひなたではないこと

その新任から陽乃のことについて大まかに話を聞いたことを歌野が話しているようだ。


1、少し外出する
2、みんなのところに行く
3、九尾を呼ぶ
4、イベント判定


↓2
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/04(火) 22:36:54.77 ID:M5BuWlZ40
1
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/04(火) 22:37:07.25 ID:kZ0Rz3PnO
2
550 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/04(火) 23:18:06.31 ID:sqTsQTioo

陽乃「……」

歌野の話に、球子と杏が少し声を荒げている。

陽乃達がいないと判断しているはずなのに、

陽乃のことは信用するなというのは、意味が解らない。と。

冷静に考えるまでもなく、それはおかしい。

陽乃は指摘しなかったが。

『主様の前でだけ。というわけではないのじゃろう』

陽乃「なに……? 肩を持つの?」

『妾はそんな愚かなことはせぬ。が、主様がそれを望むならしてやらぬこともないぞ?』

伸びて広がる狐の形をしている自分の影を睨んだ陽乃は、

頭の中に響くような声に眉を顰めると、ふっと息を吐いて立ち上がる

『主様?』

陽乃「行くわ」

『行ってどうなるものでもあるまい』

陽乃「話すべきこともあるから」

これからの予定とか。

歌野に話して水都達には話さない理由もない。

意図的に結界を壊さなくてよくなった分、比較的穏便に済みそうなのはありがたい話だ。

無論、迷惑なことに変わりはないが。
551 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/04(火) 23:54:05.19 ID:sqTsQTioo

みんなで寝るときにも使っている大広間

その近くまでくると、声がよりはっきりと聞こえる。

歌野「だから、私も正直……大社には不信感があるわ」

杏「わたし達がいることを信じてくれないのに、久遠さんを疑えって言うのは明らかにおかしいですから」

球子「なんでそんな変なことになったんだ?」

水都「……そう言えって言われたから。じゃないかな?」

引っかかった点について、話し合っているようだ。

水都は自分も、言えと言われてたら言っちゃうかも。と、

新任の通信担当の発言は仕方がないと思っているらしい。

杏は「もしかしたら」と、神妙な声で言う。

杏「新しい人は、私達がここにいるかもしれないって話を聞いていないのかも……」

球子「若葉がわざと引き継がなかったってことか?」

歌野「そんなことするかしら?」

杏「ひなたさんに、久遠さん。意趣返しを目論んでも不思議じゃないです」

このままだと、諏訪の二人が大社への不信感を高めるだけだ。

陽乃としては、好都合……だろうか?


1、入る
2、盗み聞きしておく

↓2
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/04(火) 23:58:17.68 ID:M5BuWlZ40
1
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/04(火) 23:58:38.86 ID:mB1mJQDW0
1
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/04(火) 23:59:34.52 ID:qYRd3/aBO
1
555 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/05(水) 00:26:29.25 ID:CvkAQbIfo

このまま、陽乃がいない時の話を聞いておくのも悪くはないが、

ここに来たのは話をするためだ。

いつ、総攻撃があるともわからないのだから、

話すべきことはさっさと話しておいた方がいい。

陽乃「大社に聞かれたら、面倒なことになるわよ」

水都「久遠さん……」

襖をあけて、言葉を投げ入れる。

みんなの視線が陽乃へと向かう中で、水都だけは少し気まずそうな顔をする。

球子「そう言ったって、いないじゃんか」

陽乃「それに慣れたら、向こうでぼろを出すじゃない」

杏「そう、ですけど……でも、まったく話題に出さないのは無理ですよ」

歌野「それを言いに来たの?」

陽乃「そんなわけないでしょ」

歌野の、本気の言葉に陽乃はややあきれ気味に首を振る。

歌野のそれは冗談や皮肉じゃないから、困る
556 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/05(水) 00:27:10.32 ID:CvkAQbIfo
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日も可能であれば早い時間から
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/05(水) 00:36:35.53 ID:MCQpvpoQO

とりあえず総攻撃に備えて一緒に作戦会議だな
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/05(水) 00:38:01.03 ID:xGY35lREO

四国に帰るプランも考えなきゃ
559 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/05(水) 21:07:29.17 ID:CvkAQbIfo

杏「久遠さん、一つ確認したいことがあるんですけど……」

陽乃「なに?」

杏「通信のことです」

杏はわずかに渋い顔をして、切り出す。

結局、通信担当はひなたにはならなかった。

陽乃が行おうとしていた通信の修復も、それで頓挫してしまったのではないかと、気にしているようだ。

杏「久遠さんが、諏訪の神様に見初められたことで、ひなたさんがいなくてもどうにかなるとか……」

陽乃「なるほど」

陽乃は頷いて、少し考える。

確かに、それはどうなのだろうか。

もともとは、陽乃は自分の力のみでどうにかしようとしていた。

だが、今は杏の言ったように諏訪の神々に与えられた力がある。

それがあれば、通信もどうにかできる可能性はある……だろうか?

陽乃「それは、考えてなかったわね」

球子「それもそうだし、これからどうするかも考えなきゃだろ」

歌野「……」

水都「うたのん?」
560 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/05(水) 22:00:46.82 ID:CvkAQbIfo

歌野の表情にそこまで変化はなかったように見えたが、

水都は黙り込んだ歌野から何かを察したのか、不安そうに呼ぶ。

陽乃が、ついさっき歌野だけを呼び出したことを知っているからだろうか。

杏「少なくとも、総攻撃をしのいでからでないと出るのは難しいと思いますが……」

総攻撃があった後でも、厳しいことは厳しい。

みんな消耗しているだろうし、最悪療養が必要な状態な子だってその時はいるかもしれない。

だが、総攻撃を行う準備がされている外

そこに、一般人を連れて出て行くなんて餌を投げ込むようなものでしかない。

陽乃「そうね……」

心配なのは、総攻撃を凌いだあとの、杏と球子だ

力を使い果たしていたら、帰り道で戦えない。

歌野は、どうにかなるかもしれないが。


1、少なくとも、帰る予定ではあるわ
2、白鳥さんは、帰ることに不満があるらしいのだけど、どう思う?
3、貴女達の力が持つかが問題だわ
4、今のうちに、私が単身で突っ込んでみる?


↓2
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/05(水) 22:03:00.66 ID:gaTqBjCqO
4
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/05(水) 22:03:12.63 ID:9U2YXzjQ0
4
563 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/05(水) 22:32:49.23 ID:CvkAQbIfo

陽乃「今のうちに、私が単身で突っ込んでみる?」

球子「はぁ!?」

杏「なに言ってるんですか!」

水都「駄目に決まってるじゃないですか!」

歌野「久遠さんは要なのよ!?」

思ってもいなかったのだろう。

みんな驚いて、そして、叫ぶように拒絶する

結界の要であることは、もう、自覚しているはず。

それなのに、バーテックスの大群の中に単身で突っ込むなんてあまりにも酷い話だ。

冗談でも笑える話じゃない。

陽乃「えっと――」

杏「久遠さんは、結界の要なんですよ? それでなくても、切り札として扱うべきなのに」

歌野「わざと、言ってるの?」

陽乃「その方が手っ取り早いでしょう?」

水都「本気で言ってますか?」

陽乃「なによ」

みんな、不満があるようだ。
564 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/05(水) 22:39:26.47 ID:CvkAQbIfo

↓1コンマ判定 一桁

1,3,5,7 水都「冗談でもやめてください」

ぞろ目 特殊
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/05(水) 22:39:51.35 ID:xGY35lREO
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/05(水) 22:43:29.48 ID:TsW+Iyk/O
みーちゃんどんだけコンマの神様に愛されてるのか…
567 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/05(水) 23:27:20.45 ID:CvkAQbIfo

水都「冗談でもやめてください」

陽乃「藤森さ――」

水都「久遠さんはもう、わたし達にとってはいなくてはならない人なんです」

水都が、詰め寄ってくる。

つい数分前、気まずさを携えていた表情には怒りがあって

それは間違いなく陽乃に向けられている。

水都「みんな言っている通り、結界の要ですし……」

水都は、そこで言葉を切る。

何か言いたげで、でも、言ってはいけないというような表情を浮かべて首を横に振った。

水都「体を大事にして下さい。四国から諏訪まで……その移動であんなことにまでなったんですから」

陽乃「それはそうだけど」

今はもう、諏訪の神々の恩恵で簡単にそんなことになったりしない。

だが、なんとなく、水都はそれを言いたかったわけではないように見える。

陽乃に強く突き放されたから、飲み込んだのかもしれない。
568 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/06(木) 00:17:11.61 ID:68a4IImxo

陽乃「私の体のことなら、心配はいらないわよ? 諏訪の神々の恩恵で影響が出にくくなったわ」

球子「だからって無理したら変わんないんじゃないか?」

少なからず影響が出てしまっていたが、

今までは、力の副作用が心配で控えめだった。

その心配がいらなくなったからって、

無理をしたら結局、

影響が出てしまうようになってしまうのではないかと、球子は顔を顰める

杏「そうですよ」

陽乃「そうならないように、ある程度抑えるわよ」

歌野「そもそも、どうして久遠さんが無理をする必要があるの?」

陽乃「無理ってほどじゃ――」

水都「無理ですよ」

歌野「無茶でもあるわ」

杏「さすがに、無謀でもあるかもしれません」
569 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/06(木) 00:17:37.42 ID:68a4IImxo
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は可能であれば少し早い時間から
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/06(木) 00:23:10.99 ID:DT4P6R3UO

みーちゃんしか勝たん
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/06(木) 00:28:05.56 ID:NP+SeWy2O

さすがにこれはみんな心配してくれてるな
反動ダメージをどこまで軽減できるかは気になるけど
572 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/07(金) 21:14:13.49 ID:A17Jm63to
遅くなりましたが、少しだけ
573 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/07(金) 21:15:57.61 ID:A17Jm63to

進化体が出てきた場合は普通のバーテックスと戦うより力を必要とするかもしれない。

だが、無理ではないし無謀ではないと陽乃は思う。

今の体の状態なら、例の……伊邪那美命だって、呼び出しても耐えられそうな感じがする。

もちろん、無駄に使う気はないが。

水都「絶対にダメです」

陽乃「それが一番被害が少なく済むのだけど……」

杏「それは確かにそうかもしれません。けど、それはダメです。絶対に」

水都も杏も、猛反対のようだ

球子と歌野も同意見のようで、頷いている。

歌野「諏訪の神様の力があるから、一番、力があるのは間違いなく久遠さん
    でも、だからって全部を久遠さんに押し付けるなんてしたくないわ」

歌野は陽乃をまっすぐ見つめている。

牽制するかのような鋭い目つき。

それは絶対に許さないと、言っているようだ。

陽乃「貴女達に被害が出ると、私がまた面倒なことになるのよ」

球子「あー……」

球子が察して声を漏らす。

球子「四国戻ったときに、大変なことになるな……」
574 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/07(金) 21:49:11.38 ID:A17Jm63to

戻れたらの話ではあるけれど、

どうにか戻れても、勇者側に被害があったら、糾弾されるのは陽乃だ。

ただでさえ、今の陽乃は立場が悪い。

今も杏と球子が陽乃に害されているのではないかなんてうわさが流れているのだから

実際に被害があったら終わりだ

球子「けど……だめだろ」

陽乃「けがの一つもしない自信があるの?」

球子「……ないな」

あると断じたい

だが、数回戦って、思った。

守る力なんて大したものじゃない。

そんな自負なんて楯とともに投げてしまった方がいいと。

球子「でも、それは駄目だ」

陽乃「……」

球子「そんな顔したって、駄目なものは駄目だ」
575 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/07(金) 22:57:16.09 ID:A17Jm63to

陽乃「そんな顔……?」

陽乃は静かに、噛みしめるようにつぶやく。

陽乃「私がどんな顔してるって?」

球子「めちゃくちゃ不満そうな顔してるぞ」

杏「でも、私達も嫌ですから」

球子は困り果てた表情

杏と歌野は不安そうな表情

水都に至っては、まだ、ためらいを感じる表情を浮かべている。

陽乃はそれらを一瞥すると、息を吐く

陽乃「私一人で、可能限りの力を使って戦う方が、合理的じゃない?」

水都「合理的だから、何なんですか?」

歌野「みーちゃんっ」

水都「合理的だから、久遠さんが全部、引き受けるんですか?」



1、そうよ
2、何で怒ってるのよ
3、必要のない犠牲なんて、馬鹿みたいじゃない
4、だったら何なの?
5、何も言わない


↓2
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 22:58:28.74 ID:0IVtyv/WO
3
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 22:59:05.99 ID:bQd0d42/0
1
578 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/08(土) 00:22:45.40 ID:CgVllCxNo

陽乃「そうよ」

球子「そうって……」

球子は不快そうに呟く。

表情も、気持ちがあらわになって渋い感じだ。

空気がひんやりとして……部屋が静まり返る。

唖然とする水都は見開いた瞳の中に、陽乃を映して

そうして、くっっと、唇をかむ。

杏「確かに、久遠さんがわたし達を考えずに力を使うのが一番合理的かもしれません……」

陽乃の力はそれだけ特殊で、強い。

余計なことに気を取られず、

ただその力をふるうことができるのが、一番なのは間違いなかった。

球子「あんずっ」

杏「解るけど、でも、その通りだと思う」

球子の声に、杏は悲しそうに首を振った
579 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/08(土) 00:29:33.32 ID:CgVllCxNo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:31:14.58 ID:vy0CCAjCO

杏ちゃんなんとかしてくれ
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:35:43.62 ID:N07nBIYYO

もし陽乃さんが一人で大暴れしたら後で諏訪の神様の力がどれだけフォローしてくれるかが鍵になりそうだな…
582 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/08(土) 22:43:38.08 ID:CgVllCxNo
遅くなりましたが、少しだけ
583 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/08(土) 22:44:50.64 ID:CgVllCxNo

杏「久遠さんの力は、私たちも巻き込んじゃう可能性がある……たまっち先輩も知ってるよね?」

球子「そりゃ……だけど」

球子たちは陽乃自身から、陽乃の力による影響は聞いている。

本気を出せるが、出せなかった今までと違って、

以前の本気くらいなら、簡単に出せてしまいそうな状態であることに偽りがなければ、

戦闘中に、周囲の勇者にまで影響が出る可能性はゼロとは言えない。

それを気にすることなく力を使い、バーテックスと戦えるのなら、

周りが手を貸さなくても、総攻撃をしのげるかもしれない。

その結果、陽乃だけが著しく消耗することになるかもしれないが、

被害は……きっと、それだけで収まるはずだ。

歌野「久遠さんって、そんなに危険なの?」

球子「ヤバいな。本気を出されたら、バーテックスの総攻撃なんて比じゃないくらいに被害が出るだろ」

球子はわざと誇張しているかのような表情で言うが、

陽乃は否定できなかった。

陽乃「前はともかく、今の私なら結界については問題はないはずよ」

歌野「前のまま総攻撃で力使ってたら、久遠さんの力で結界が壊れる可能性があった……?」

陽乃「そうね。否定はできないわ」

力加減にもよるが、最悪の場合には壊れていた可能性がある
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 22:45:56.47 ID:Q68hhj2YO
よしきた
585 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/08(土) 23:00:41.14 ID:CgVllCxNo

歌野「神様が力を与えたのはそれも理由の一つだったりするのかしら」

陽乃「そんな優しさなんて、ないと思うけど」

有無を言わせずに無理矢理に与えてきたものだし、

少なくとも九尾はそんなこと言っていなかった。

もちろん、そんな理由があったとして、九尾が言うとも限らないけれど。

水都「じゃぁ、伊予島さんは久遠さんに戦ってもらうつもりですか?」

杏「あくまで、合理的ってことの否定はできないなってだけ……です」

水都の視線に、杏は肩をすくめて答える。

杏「私も、久遠さんに一人で戦うなんてして欲しくないです」

球子「もちろん、タマもだぞ」

歌野「私もよ」

陽乃「……なによ」

全員の目が向けられる。

みんな、陽乃がたった一人で戦うことなんて受け入れるつもりはないという感じだ。
586 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/08(土) 23:01:50.42 ID:CgVllCxNo

↓1コンマ判定 一桁

0,3 歌野
5,8 水都

ぞろ目 特殊
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 23:03:14.19 ID:miLYvMfIO
588 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/08(土) 23:21:26.08 ID:CgVllCxNo

球子「というわけで、合理的とかそういうやつはなしだ」

陽乃「死にたがりなのね」

球子「……言われたくないな」

陽乃には言われたくないと、眉を顰める球子。

杏たちも同意だと頷いて

水都「正直、一番死にたがってるのは久遠さんだと思います」

陽乃「はぁ?」

歌野「だって、あんな代償のある力を平気で使うし……バーテックスと単身で戦うのが合理的だって言うし」

球子「な?」

同意を求めてくる球子に、陽乃は不快な表情を浮かべる。

陽乃は死にたいわけじゃない。

むしろ、生きていくために必死だ

その過程で、力が必要なら使うというだけのこと。

単身で戦うことについてだって、

珠子達を生存させるのが今後につながるのは間違いないから、

犠牲が出ない方を選びたいというだけである。


1、分かったわ
2、どうしてもというなら、私と戦ってでも止めてみる?
3、言っておくけれど、私は誰も守る気なんてないからね
4、何も言わない


↓2
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 23:24:51.82 ID:9jFZBGuNO
1
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 23:25:10.68 ID:sB0ANJcy0
2
591 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 00:04:07.54 ID:Zm1Daanno

陽乃「どうしてもというなら、私と戦ってでも止めてみる?」

歌野「戦ってでもって……本気?」

呆れてるかのような表情を浮かべる歌野の傍ら、

また変なこと言ってるよ。なんて呟く珠子に、歌野は唖然と振り返って

歌野「また?」

杏「……本末転倒では?」

陽乃「私なら、殺さないようにすることはできるわ」

バーテックスが相手なら、殺されることがある。

腕や足を食いちぎられることだってある。

けれど、陽乃ならそこまでいかないようにできる。

陽乃「多少、入院してもらうようになるかもしれないけど」

珠子とやったように

一撃決着なんて形式にしてしまえば、より安全に終わらせられると思うが。
592 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 00:10:05.07 ID:Zm1Daanno

↓1コンマ判定 一桁

2,5,9 水都「……ふざけないでください」

0 歌野「さすがに、ありえないわ」

ぞろ目 特殊
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/09(日) 00:11:21.99 ID:yb6RwIag0
594 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 00:16:28.81 ID:Zm1Daanno

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であればお昼ごろから
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/09(日) 00:17:53.80 ID:yb6RwIag0
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/09(日) 00:18:02.83 ID:VXtW94XzO

サンキューコンマ
597 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2021/05/09(日) 03:01:52.67 ID:rWVvZqyf0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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598 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/09(日) 05:28:18.03 ID:GUtuS8XgO

ここでまさかのゾロ目…
一体何が起こるのだろうか
599 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 19:40:21.81 ID:Zm1Daanno
遅くなりましたが、少しだけ
600 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 19:41:16.90 ID:Zm1Daanno

水都「いい加減にしてください!」

部屋に怒号が響く。

声を張ることに慣れていない、無理をしている大声。

迫力も足りなくて、まったく怖いだなんて思えない。

けれど、その場にいたみんなが言葉を失って、静まり返る。

水都「……分かってよ……」

歌野「みーちゃん?」

水都「分かってよッ!」

陽乃「……っ」

ぐっと、水都が陽乃へと詰め寄る。

水都「あんなお願いなんて嫌です、あんなのお願いなんかじゃないです……」

陽乃は昨日、放っておいてと水都に言った。

だからだろう、水都は怒っていてもばつが悪そうで。

今までずっと水都と一緒にいた歌野は今まで見たこともない水都の様子に呆然としていて、

杏と球子も、口をはさむべきではないと思っているのか、黙り込んでしまっている。

水都「放っておくなんて、できるわけがないじゃないですか!」

陽乃「私――」

水都「久遠さんなら傷ついてもいいなんて思ってる人は、ここにはいないんだよっ!」
601 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 20:08:02.11 ID:Zm1Daanno

水都「久遠さんが向こうでどんな扱いされてるとか、どんなこと言われてるとか、何があったのかとか、知らないよ……」

少しは聞いている。

けれど、知らない。

はっきり言ってしまえば、知ったことではない。

陽乃は人付き合いを好まない人で、

けれど、内容によっては親切に答えてくれるくらいには優しい人

自分の力に副作用があるにもかかわらず、

四国から諏訪まで力を使い続けてしまうような人

そして――諏訪の神々が力を授けてくれるような人

水都「私達は、久遠さんを傷つけたいなんて思わないし、傷ついていいとも思わないし、いなくなってもいいとも思いません」

陽乃「……そんなこと言われたって」

杏「久遠さん、ここは大丈夫です。ここなら、大丈夫なんですよ」

陽乃の事情を、きっと、この中では一番よく知っている杏

その杏が、大丈夫だと言う。

あの九尾でさえ、こ個なら問題ないというようなことを言っていた。

だから、本当に、諏訪は大丈夫なのだろう。

陽乃にとって、温かい場所なのだろう。

歌野「ここなら、そんな気を張らなくていいの。だから、結界さえ保つことができるなら、私はここにいて欲しいって思ってるわ」
602 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 20:25:14.08 ID:Zm1Daanno

陽乃「貴女が言いたかったのは、それなのね」

昼間、歌野が言おうとして言わなかったこと。

陽乃は体調を気にしているのかと思っていたが、

そんなことではなかったらしい。

歌野「久遠さんは出て行くって言うし……正直、あまり楽しめるような環境ではないから言うのはどうかと思ってたけど」

歌野はそう言って、陽乃ではなく水都を一瞥する。

困ったような、でも、喜んでいるかのような

ちょっぴり複雑な表情

歌野「せっかくだから、検討してくれないかしら?」

珠子「まぁ、四国には若葉たちを残してきてるからな……」

ただでさえ少ない勇者を分断した状態。

人数的には、諏訪の方が多いくらいだ

水都「残る気は、ないんですか?」



1、ないわ
2、あると思ってるの?
3、何も言わない


↓2
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/09(日) 20:31:59.20 ID:gSMbYstk0
2
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/09(日) 20:33:04.70 ID:yb6RwIag0
3
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/09(日) 20:33:39.02 ID:+B+CzsihO
3
606 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 20:58:07.11 ID:Zm1Daanno

珠子「おっ?」

陽乃が何も言わないでいると、珠子がにやりと笑う。

言うまでもなく不快そうな表情をい浮かべた陽乃だが、

珠子はそれでも「はははっ」と、むしろ声を出して

珠子「ないって言わないんだな」

陽乃「……いちいち、言う必要ある?」

珠子「あるだろ。タマでもそんなことくらいわかる」

珠子の陽気な反応が返ってくる。

水都の迫力のない勢い

それに便乗してきた歌野の本音

それに対して、すぐには答えなかった言い訳に「言う必要があるか」なんていうのは物足りない。

杏「勇者を各個撃破されないように、一つの場所でまとまるというのは大事なんじゃないかなって私は思う」

ここから出て行かなくてもいいのではと思う、諏訪の二人

それに対して、杏は静かに切り出す

杏「四国なら、神樹様の恩恵もあるし、勇者が7人にもなれば絶対に守り抜くことができるはずだから……」

進化体がいたって、総攻撃があったって、協力し合っていけばどうにか乗り越えられるはずだろう。

けれど。

杏「でも、久遠さんさえよければ、ここにいる方が良いと思います」

杏も、結局はそう思っているようだ
607 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 21:23:36.28 ID:Zm1Daanno

虐げられるってわかりきっている場所に戻るよりは、

多少の不自由さなどはあっても、

温かく迎え入れてくれる諏訪にいる方が良い。それは、精神的には間違いない。

杏と球子が消息不明になってしまっているという問題もあるけれど、

通信担当が若葉から、大社から派遣されてきた人になったのだから、

杏たちに参加させればどうにかなるかもしれない。

だが、それでいいのだろうか?

四国は本当に守り切れるのだろうか

諏訪は本当に不滅なのだろうか

それらがなかったとしても……向こうには母がいる。

陽乃を唯一、四国に縛り付ける存在

『下手に救ったのが仇になったのかや?』

陽乃「……やめて」

母がいなければそもそも、あの日から生きている理由さえなかったかも知れないのだから。


1、向こうには母がいるのよ
2、残りたければ残ればいいわ。私は戻る
3、……考えておくわ
4、何も言わない


↓2
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/09(日) 21:24:43.28 ID:CWIKqnpiO
1
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/09(日) 21:25:04.03 ID:gSMbYstk0
1
610 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 21:43:16.50 ID:Zm1Daanno

陽乃「向こうには母がいるのよ」

珠子「タマ達だって――」

陽乃「母しかいないのよ」

両親がいる。ではない。

母しかいないのだ。

バーテックスに襲撃されて亡くなったのではなく、

人々の手によって、父を失って母親だけが残った。

陽乃に母しかいないように、

母には陽乃しか残されていない。

陽乃「大社は私がいるから、母をどうにもできない。預かることを容認しているの」

陽乃が身勝手なことをしても、

母を人質にとって行動しようとしてこないのは

それが逆に、逆鱗に触れることになるとわかっているからだ。

けれど、すぐには手をだせないこの遠距離

母に何もないなんて保証はない

陽乃「母まで失うわけにはいかないのよ。わかるでしょう?」
611 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/09(日) 21:55:39.12 ID:Zm1Daanno

歌野「……なるほど、だったら止められないわね」

黙ってしまったみんなの中で、言いだした歌野自身が首を振る。

可能なら諏訪に残ることを選んで欲しいと思っていても、

陽乃がそうしたくないのなら、仕方がないと歌野は考えているようだ。

歌野「みーちゃんも、無理強いは駄目よ?」

水都「私は……私は別に、諏訪に残ることが重要だとは思ってない」

歌野と同じように、そうして貰えたら嬉しいとは思う。

だが、それが絶対だなんて思っていないし、

一番重要に考えているのは、諏訪か四国かという問題ではない。

珠子「そういうことなら、残れないな……悪い」

杏「もともと、諏訪の人たちを連れ帰るって予定だったわけだし……」

陽乃の事情も事情で、だから、みんなトーンダウンする

これ以上、ここに残った方が良いだなんて言えなかった。

陽乃「そういうわけだから、私は向こうに帰る予定。総攻撃については――」

正直、陽乃が単独で力を使うのが手っ取り早くて合理的

だが、みんなはそれを望んでいないようだ


1、いいわ。貴女達も勝手にして
2、やっぱり、私が一人で担当するわ

↓2
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/09(日) 21:58:53.97 ID:gSMbYstk0
1
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