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【艦これ】提督「安価とコンマで学校生活」熊野「その11ですわ!」【安価・コンマ】

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734 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/10/25(月) 22:57:01.98 ID:wTJTy4qh0
石垣「………」

石垣(生前はもちろん、こうして幽霊になった後も……提督と過ごした時間を忘れたことなんて、一度もない)

石垣(どんな些細なことでも、鮮明に思い出せる……でも、一番記憶に強く残ってるのは……)

石垣(初春様の力を借りて、提督と再会した……"あの日"のこと……)


――10年以上前・12周目提督実家(新)


提督「………」

提督(お願いします、初春様……お姉ちゃんを、成仏させてあげて下さい……)

提督(出来ることなら、僕がお姉ちゃんに会って……話をしたいけど……それは叶わない)

提督(僕には、お姉ちゃんの冥福を祈ることしか……初春様に、お願いすることしか出来ない……)

提督「……っ」ギリッ…

提督(自分の無力さが、嫌になる……でも、こればかりは……どうすることも……)

提督(だけど、せめて……祈らせて下さい。お姉ちゃんが、これ以上苦しまないように……)

提督(こんなことを頼めるのは、初春様しかいないんです……どうか、お姉ちゃんを……)

提督「………」

初春『……良い弟を持ったな、石垣』チラッ

石垣『………』コクリ…

初春『幾多の人間を見守って……いや、石垣を救えなかったわらわが、見守る等と言える資格はないが……』

初春『これほどまでに、家族の幸せを願った者は……どの世代にもいなかった。貴様と、提督だけじゃ』

石垣『………』

初春『幽霊になった今なら、分かるはずじゃ。提督の、貴様を想う気持ちが……』

石垣『………』ギュッ…

提督「……初春様。お姉ちゃんを……どうか……」

石垣『………』

石垣(提督は、私が死んじゃったことを……凄く、悲しんで……)

石垣(それなのに、私の幸せを……祈ってくれていたなんて……)

石垣(本当に、私にはもったいないと思うほど……優しくて、良い子で……)

石垣『………』
735 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/10/25(月) 22:57:39.42 ID:wTJTy4qh0
初春『……石垣』

石垣『……?』

初春『今から、貴様とわらわの姿を……提督に見せようと思う』

石垣『……!』

初春『貴様とて、提督に気づかれぬまま……ただ静かに、影から見守り続けるより……』

初春『生きていた頃のように、提督と言葉を交わせることを……望むじゃろう?』

石垣『……はい。でも、それって……大丈夫、なんですか……?』

初春『もちろん、騒ぎにならぬよう……提督以外の人間には、わらわと貴様の存在を悟られぬようにはする』

初春『じゃが、わらわとしても……これ以上、貴様と提督が傷付く様を……見たくない。わらわのせいで、貴様と提督は……』

石垣『それは、初春様のせいでは……』

初春『分かっておる。心優しい貴様なら、わらわを心の底から許して……否、最初からわらわを元凶だと思っていないことは』

石垣『………』

初春『それでも、わらわとしては……せめてもの責任を果たすべきだと考えておる』

初春『貴様と提督が、この不幸をものともしないほどの……より良い幸せを掴む為に……』グッ…!

石垣『初春様……ありがとう、ございます……私と提督の為に、そこまで……』

石垣(もう、提督と話せないと思ってたのに……また、一緒に話せるようになるんだ……!)

初春『……覚悟は良いか?』

石垣『………』チラッ

提督(お姉ちゃん……)

石垣『……はい、お願いします』

初春『よし。では……!』カッ…!

パァァ…ッ

提督「……え?」

初春「………」キラキラ…

石垣「………」キラキラ…

提督「お、お姉……ちゃん……?いや、えっ……?何、で……?」

提督(それ、に……隣の人は、一体……どうして、目の前に……)
736 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/10/25(月) 22:58:21.71 ID:wTJTy4qh0
初春「……初めまして、じゃな。もっとも、わらわはずっと、貴様のことを眺めておったがの」フワフワ…

提督(ずっと、眺めて……?ま、まさか……)

提督「貴女が……初春、様……?」

初春「………」コクリ

提督「………」

初春「……驚いて言葉も出ぬか」

提督「………」

石垣「……無理もないと思います。私も、初めて初春様とお会いした時は……」

石垣(自分が死んじゃったことと、初春様を初めて目にしたこと……とんでもない状況が、一気に2つも降りかかってきて……)

石垣(……一瞬、夢や幻覚なのかと思いそうになったほどだから)

初春「いや、予想通りの反応で納得していたところじゃ」

提督「……っ!」フルフル

提督(い、いけない、驚いてる場合じゃ……もっと、大事なことが……!)

提督「……どうして」

初春「……!」

石垣「………」

提督「お姉ちゃんは……死んじゃった、はずじゃ……初春様も、今まで……会ったこと、なかったのに……」

提督「それなのに、僕の目の前に……ひょっとして、僕……いつの間にか、死んで……」

初春「違う。貴様は正真正銘、生きている人間じゃ」

提督「え、ぁ……じゃ、じゃあ……何で……」

初春「……本来なら、わらわはもちろん石垣も貴様に姿を見せることはなかった」

提督「………」

初春「じゃが、石垣は貴様と言葉を交わすことを望んだ。そして、わらわも……」

提督「………」チラッ

石垣「……うん。初春様に、姿を見えるようにしてもらったの。こんな状態でも、提督とお話出来るように……」

提督「………」

提督(……お姉ちゃんや初春様が言っていることを、信じていない訳じゃない)

提督(でも、何もかもがいきなり過ぎて……頭が、パンクしちゃいそうになって……)

提督「………」グッ…

提督(いや、理由とか、そんなのは……どうでも良い。それ以上に、僕は――)
737 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/10/25(月) 22:59:01.41 ID:wTJTy4qh0
提督「……っ」ジワッ…

初春「……!」

石垣「……!」

提督「ぐすっ……ひっく……!」ポロポロ

石垣「て、提督……?」

初春「………」

提督「まさか、会えると……思ってなかった……!死んじゃった、お姉ちゃんや……初春様に……!」ポロポロ

提督(――嬉しかった。もう二度と会えないと思っていたお姉ちゃんや、きっと見守ってくれていると信じていた初春様と会えたことが)

初春「………」

提督「寂しかったけど……えぐっ……ずっと、祈ってた……」ポロポロ

提督「お姉ちゃんが……成仏して、天国に行けるように……」ポロポロ

石垣「………」

石垣(あぁ、やっぱり……提督は、凄く良い子で……)

提督「でも、それでも……やっぱり、寂しさは、誤魔化せなくて……」ポロポロ

提督「もう、お姉ちゃんと会えない……一緒に、いられない……」ポロポロ

提督「そう考えると、辛くて……ひっく……ぐしゅ……でもっ、ずっと、悲しみ続けるのも……ダメだと、思って……」ポロポロ

石垣「……っ」ジワッ…

石垣(悲しいはずなのに、それを我慢してまで……私の成仏を、せめてもの幸せを、考えてくれて……)ウルウル

初春「……すまぬ。わらわが、何も出来なかったばかりに……」

提督「……え?」

初春「事故が起こった日、わらわは提督達の傍にいた。だが、目の前で石垣が命を落とす様を……見ていることしか……」

初春「それだけではない。石垣は、あの場で地縛霊となっておった。そのせいで、成仏させることさえ……」

提督「もしかして、それで僕の所へ……?」

初春「……わらわのことを信じてくれておる、提督と石垣の為に……せめてもう一度、互いを会わせてやりたいと思ったのじゃ」

提督「………」

初春「……本当に、すまなかった。わらわのせいで……」

提督「………」
738 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/10/25(月) 23:00:11.39 ID:wTJTy4qh0
提督「……そんなこと、ありません」グシグシ

初春「………」

提督「むしろ、僕の為に……そして、お姉ちゃんの為に……ここまでしてくれて、ありがとうございます」

提督「あの事故は、初春様のせいじゃありません。だから、その……初春様が、気にすることじゃ……」

石垣「……さっきも言いましたが、私も提督と同感です」

石垣(事故自体は、本当にただ不運だっただけ……こうして、提督と話せるようにしてくれただけでも……)

石垣(……初春様には、感謝してもしきれないほどだから)

初春「……提督、石垣」

提督「……僕とお姉ちゃんを会わせてくれて、そして……ずっと、見守ってくれて……本当に、ありがとうございます」ニコ…

初春「………」ギュッ…

提督「わっ……!」

石垣「……!」

初春「……貴様のことは、わらわが守る。もう、何があろうと……貴様に悲しい思いはさせぬ」

初春「これからは、ただ眺めるだけではない……目に見える形で、触れられる形で……貴様を守ってみせる」

提督「は、初春様……」

石垣「………」スッ…

提督「……!」

石垣「……提督、ごめんなさい。貴方を残して、死んじゃって……でも、もう大丈夫」

石垣「これからは、守護霊として……ずっと、提督の傍にいる。絶対に、1人ぼっちにしないからね……?」

提督「お姉ちゃん……」

提督(……伝わる。抱き締めてくれている初春様はもちろん、隣で寄り添ってくれる……お姉ちゃんの、温もりが……)

提督「……お姉ちゃん」

石垣「……?」

提督「もう、離れて行かないでね……?また、いなくなっちゃったら……僕、僕っ……」

石垣「……うん、約束する」ニコ…

提督「……初春様も、こんな泣き虫の僕ですけど……改めて、よろしくお願いします……」ペコッ…

初春「自分を卑下するでない。貴様が、わらわや石垣を強く想う気持ちは全て知っておるからの」

初春「こちらこそ、よろしく頼む。今度こそ、あんな悲劇は……防いでみせる」ギュッ…

提督「んっ……」

石垣(……こうして守護霊になったからには、必ず提督を守らないと)

石垣(もう、提督に寂しい想いは……悲しい想いは、絶対にさせない……!)グッ…!
739 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/10/25(月) 23:01:19.98 ID:wTJTy4qh0
――


石垣「………」

石垣(死んでしまったことは、確かに悲しかったけど……初春様がいてくれたお陰で、また提督と過ごせるようになった)

石垣(そして、提督は私と死別した後も……私が無事に成仏出来ることを願ってくれていた)

石垣(それが本当に、嬉しくて……その時から、私は心に固く誓った)

石垣(これ以上、大事な弟を辛い目に遭わせたりはしない……この子の幸せを、人生を、守ってみせると)

石垣「………」

石垣(そんなことを考えていた矢先に、またもう1人……家族が増えることになったんだっけ……)


――翌日・自室


提督「……おはよう、お姉ちゃん。初春様も、おはようございます」

石垣『おはよう、提督……』フワフワ

初春『……よく眠れたようじゃな』

提督「はい。久々に、しっかり眠れた気がします……」

石垣『………』

石垣(今の言葉で、すぐに分かった……提督は私が死んじゃった後、まともに眠れない日が続いていたことに……)

石垣『本当に、ちゃんと眠れた……?』

提督「………」コクリ

石垣『……良かった』

提督「……お姉ちゃんと初春様が傍にいてくれるお陰だよ」

提督(2人が僕のことを見守ってくれていると思うと、安心するから……今まで寝られなかったのが、嘘みたいに……)

大鳳「あぁもう!こうなったらヤケよ!」カッ…!

提督「……え?」

初春『なっ……!?』

石垣『……!』

石垣(頭に輪をつけて、背中に羽根を生やした女の人が、急に現れて……)
740 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/10/25(月) 23:02:04.15 ID:wTJTy4qh0
大鳳「えっと……初めまして!私、大鳳と言って……その、天界からやって来た天使と言いますか……」

提督「………」

石垣『……初春様のお知り合い、ですか?』チラッ

初春『い、いや、知らぬ!このような奴、わらわも初めて見たぞ!?』

石垣『じゃあ、この人は一体……まさか、本物の天使……?いや、初春様や、幽霊の私が存在するなら、天使がいてもおかしくはないけど……』

大鳳「………」

提督「……天使?」

大鳳「は、はい……あの、引かないで下さい!本当のことなんです!ほら、今だって翼で空を飛んで……」

提督「………」

大鳳「………」汗ダラダラ

石垣『……焦ってるみたいです』

初春『う、うむ……』

大鳳「いや、あの、怪しまないで!いきなりこんなこと言われても信じられないかもしれないけど、その……」

提督「……落ち着いて」

大鳳「……え?」

提督「貴女のこと、疑ってないから……」

大鳳「嘘でしょう!?自分で言うのも何だけど、貴方からすれば私ってかなり得体の知れない存在だと思うんだけど……」

提督「だって、幽霊と狐様がいるから……」

大鳳「はい?」

提督「信じて貰えないかもしれないけど、僕の隣には……幽霊のお姉ちゃんと、僕達を見守ってくれる狐様がいてくれるから……」

大鳳「……幽霊?狐様?」

提督「……えっと、どうしますか?」

石垣『………』チラッ

初春『……こやつから悪意は感じられぬから、少なくとも提督の敵という訳ではなさそうじゃ。一先ず、わらわと石垣の姿をこやつにも見えるようにする』

提督「……分かりました」

パァァ…ッ!

大鳳「……!?」

初春「……やれやれ、まさかわらわをここまで驚愕させるとはのう。貴様、中々侮れぬな?」

石垣「……私にとっては、初春様がここまで驚いたのが意外です」

大鳳(この子の両脇から、声が……それに、光り出して……!)
741 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/10/25(月) 23:02:50.32 ID:wTJTy4qh0
初春「………」キラキラ…

石垣「………」キラキラ…

大鳳「……貴女達が、この子が言う……幽霊と、狐様……?」

初春「左様。わらわは初春。この地に古くから住む妖狐じゃ」

石垣「……石垣です」

大鳳「………」

初春「……あまり驚いていないようじゃな」

大鳳「え?まぁ、その……さっきまでは目視出来なかったけど、貴女達の存在自体は知っていたから」

石垣「……存在を知ってた?」

提督「どういうこと……?」

大鳳「それにはまず、天使である私がどうしてこの世界に来たかを……そう言えば、どこまで話して良いのかしら……?」

石垣「………」マジマジ

石垣(羽根の力なのかは分からないけど、宙に浮かんでるから……やっぱり、本物……?)

大鳳「……じゃあ、まず――」


――15分後


大鳳「――という訳なの」

初春「……まさか、そんなことがあったとは」

石垣「………」

提督「………」

提督(……そう、だったんだ。僕は、あの日の事故で……本当は、亡くなっていたはずで……)

提督(それを、この人が……天使様が、救ってくれて……そのお陰で、僕はこうして……)

提督(だけど、感謝の気持ちと同じくらい……お姉ちゃんのことも、助けて欲しかったという気持ちも……)

提督「……っ!」フルフル

提督(ダメだよ、僕……そんな風に考えちゃ……!天使様が助けてくれなかったら、どうなっていたか分からないのに……!)

提督(でも、どうしても頭に思い浮かんじゃう……いっそのこと、僕よりもお姉ちゃんを……だから、そんな考え方はっ……!)

石垣「………」チラッ

初春「………」チラッ

提督「……っ」グッ…!

石垣(提督……)
742 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/10/25(月) 23:03:53.56 ID:wTJTy4qh0
大鳳「……ごめんなさい。私があの時、提督君以外の子に目を配っていなかったせいで……」

提督「っ!?い、いえ、そんな……助けてくれて、ありがとうございます……」ペコッ

石垣「……弟のことを助けてくれて、ありがとうございます」ペコッ

大鳳「………」

石垣「……そんな、悲しそうな顔をしないで下さい。私は、貴女のことを……恨んでいませんから」

大鳳「……!」

石垣「本来なら、私も提督も死んでしまっていたところを……提督だけでも、助けてくれたんです」

石垣「それだけでも、本当に感謝しています。ですから、私のことは……気にしないで下さい」

石垣(これは、紛れもなく本心……あの事故は、初春様でも、この人のせいでもない……)

石垣(むしろ、この人のお陰で提督が助かった。そう考えれば、恨むどころか……感謝の気持ちしか湧いてこないから……)

初春「わらわからも礼を言わせて欲しい。提督を救ってくれて、本当にかたじけない……!」

大鳳「………」

提督「………」

提督(……やっぱり、お姉ちゃんには敵わないよ。僕なんかより、よっぽど立派で……強くて……)


――


石垣「………」

石垣(大鳳様が現れた時は、初春様と顔を合わせた時ほどではなかったけど……やっぱり、驚いて……)

石垣(でも、大鳳様は……提督の命の恩人だった。大鳳様がいてくれなければ、今頃は……)

石垣「………」

石垣(だから私は、大鳳様も家族として歓迎した。大事な弟を救ってくれた方だから、当たり前だけど)

石垣「……でも」

石垣(どうしても気がかりなことが、1つだけあった。私や提督と、生き別れになってしまった……あの子のことが……)
743 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/10/25(月) 23:08:33.24 ID:wTJTy4qh0
今回はここまでです。
大部分が初春・大鳳の回想パートのコピペになってしまい申し訳ございません。
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 10:06:22.34 ID:SyIi+Z2bo
乙
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 12:38:38.83 ID:jWKk4EgvO
乙
746 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/03(水) 21:22:59.59 ID:5ikgDwMu0
――数日後


石垣「………」

提督「……お姉ちゃん?」

初春「………」

石垣「……山風とお父さん、ここにはいないのよね」

提督「……っ」

初春「………」

大鳳「………」

初春「……すまなかった。わらわがもっとしっかりしていれば」

石垣「……何度でも言いますが、初春様のせいではありません」

石垣(もちろん、大鳳様のせいでもない。むしろ……)

石垣「……私のせい」

提督「……!?」

初春「なっ……!?」

大鳳「えっ……!?」

石垣「私が事故で死んじゃったせいで、提督と山風が離れ離れになって……」

提督「そんなことないよ!お姉ちゃんは何も悪くない!」

石垣「……!」

初春「信号を無視した輩が一番の愚か者じゃ!石垣のせいではない!」

大鳳「そうですよ!石垣ちゃんが責任を感じることはありません!」

石垣「………」

石垣(提督、初春様、大鳳様……)

石垣「……山風は」

提督達「……?」

石垣「山風は、生きてはいるんですよね……?」

提督「……うん。今でも、前の家でお父さんと一緒にいると思う。引っ越してなければ、だけど……」

石垣「……それなら、私は信じる。山風と、また一緒に暮らせるようになる日が来ることを」

石垣(生きてさえいるなら、いつか再会出来る……今の私には、それを願って待ち続けることしか出来ないけど……)

石垣「………」グッ…

提督(お姉ちゃん……)

初春(石垣……)

大鳳(石垣ちゃん……)
747 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/03(水) 21:24:14.33 ID:5ikgDwMu0
――


石垣(山風のことは気になったけど、当時の私にはどうすることも出来なくて……)

石垣(結局、しばらくの間は4人で暮らすことになった。大事な家族が1人抜けた状態で……)

石垣(でも、いつまでも落ち込んでいる訳にはいかなかった。今の私に出来ることは、提督を見守ることだから)

石垣(私は現実を受け入れて、山風と再会出来ることを信じて……提督を見守ることに、集中しようと思った)

石垣(今の私に出来ることを、精一杯……やり遂げようと思った)


――約数年後・12周目提督実家までの道


提督(小学校高学年)「………」スタスタ…

クラスメイトA「……提督君、乗り越えたのかな」

クラスメイトB「分からないけど、きっと……そうだと思う」

クラスメイトA「石垣ちゃんが亡くなった時は、本当に辛そうだったけど……」

クラスメイトB「ある日を境に、少しずつ元気になっていったもんね」

提督「ふふっ……」

クラスメイトA「でも、お父さんとお母さんが離婚までするなんて……」

クラスメイトB「僕だったら絶対にグレてる。提督、強いなぁ……」

提督「……♪」


――12周目提督実家


提督「ただいま……」ガチャ バタン…

初春『……12周目母はいないようじゃな』フワフワ…

石垣『仕事、忙しいのかな……』フワフワ…

大鳳『昨日も一昨日も、いえ、平日は毎日帰りが遅いですもんね……』フワフワ…

提督「………」

提督(お母さんは、僕の為に……いつも、お仕事を頑張ってくれて……)

提督「……よし、まずはお掃除をしないと」

初春『それなら、わらわ達も……』

提督「いえ、初春様と大鳳様にそんなことをさせる訳にはいきません」

大鳳『でも……』

提督「いつも僕の傍にいてくれて、こうしてお喋りしてくれるだけでも……凄くありがたいんです」

提督「お姉ちゃん達のお陰で、全然寂しくなくなりました。これ以上を望むのは、贅沢を言うのはダメですから」ニコ…

提督(初春様や大鳳様はもちろん、お姉ちゃんが隣にいてくれるだけでも……凄く、心強い……!)

石垣『提督……』

石垣(私はただ、見ていることしか出来ないのに……提督は、それだけでも『ありがたい』と言ってくれて……)

石垣(それが、凄く嬉しくて……本当に、良い子に育ってくれて……)
748 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/03(水) 21:24:58.84 ID:5ikgDwMu0
今回はここまでです。
安定した更新が中々出来ず申し訳ございません。
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/03(水) 22:00:26.08 ID:UmOX43Euo
おつおつー
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/04(木) 00:15:13.04 ID:OfXzBM4R0
乙でしたー
751 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/08(月) 22:06:00.96 ID:H8ozXyfy0
――


石垣「………」

石垣(提督は、夜遅くまで働いているお母さんの負担を減らそうと家事を全部1人でこなした)

石垣(そのお陰で、小学校を卒業する頃には一通りの家事が完璧に出来るようになって……)

石垣「……心配したっけ」

石垣(家事をやりつつ、勉強もしっかりやっていたから……それこそ、普通の子なら娯楽に費やすような時間も使って)

石垣(でも、提督はそれを苦痛と思っていないみたいだった。私達が何度『少しは遊んだ方が』と言っても……)

石垣(その度に、提督は『お姉ちゃん達がいてくれるだけで幸せだから』と言ってくれて……)

石垣「………」ギュッ…

石垣(だから私はせめて、守護霊としての役割を果たせるよう努力した)

石垣(歩く先に犬の糞が落ちていたら教えてあげたり、雨が降りそうだと思えば洗濯物を取り込むよう伝えたり……)

石垣(そんな日々を過ごしている内に、提督も中学生になって……)


――約数年後・12周目提督実家(新)


提督(中学生)「第一志望はここ。第二志望と第三志望は、ここで……」カキカキ

初春「……迷いがないの」

提督「はい。姉さん達と一緒にいる内に、日本はもちろん世界の伝説や神話のことが気になったんです」

石垣「ここは歴史に力を入れている高校だし、きっと提督の知識も深まると思う」

提督「………」

大鳳「……提督君?」

提督「……高校の学費はお母さんが出してくれることになりましたけど、流石に大学までは迷惑をかけられません」

石垣「……!」

提督「高校を卒業したら、僕は1人暮らししようと思います。学費は奨学金で、生活費はアルバイトで稼ぐつもりです」

大鳳「流石に気が早いんじゃ……」

提督「そんなことありません。お母さんは、今も僕の為に働いてくれていますから……せめて、大人になったら自立しないといけません」

石垣(提督……)

初春「……立派な考えじゃが、あまり思い詰めるでないぞ?」

提督「はい、心得ています。無理をして学業に支障が出れば本末転倒ですし……姉さん達に心配をかける訳にはいきませんから」

石垣「………」

石垣(……やっぱり、同い年の子達より大人びてる。これって、良いことなのかな……それとも……)

石垣「………」フルフル

石垣(ううん、提督が真剣に考えた上での結論なら……姉として、守護霊として、応援してあげないと……!)
752 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/08(月) 22:07:27.17 ID:H8ozXyfy0
――


石垣「………」

石垣(提督は、幼い頃から苦労していたからか……良くも悪くも、同年代の子より達観するようになった)

石垣(皆が騒いでいる中でも、提督だけは1歩引いた立場にいるような感じで……)

石垣(本当は『年齢相応に振舞っても良い』と言うべきだったのかもしれないけど……それは出来なかった)

石垣(私は幽霊だから、提督と同じ時間を生きられない。一緒に成長することが出来ない)

石垣(だから、もし提督が普通の子のように少しずつ成長していく様子を見ていたら……嬉しさと同時に、辛さも感じていたと思う)

石垣(でも、提督は既に心だけ成長していたみたいで……成長し切って、止まったみたいで……)

石垣(時間が止まった私にとっても、凄く接しやすかった。もちろん、今の弱音は提督に言ったことはないけど)

石垣(私はお姉ちゃんだから、弟に弱いところは見せられない。提督の心の支えとして、しっかりしなきゃいけないから)

石垣「……そして、10年くらい経った頃だったっけ」


――約10年以上後・12周目提督家


提督(20代半ば)「………」つPC カタカタ

初春「……ぜみとやらの資料作りか?」

提督「はい。ありがたいことにゼミを持つことになったたので、絶対に手を抜けませんから」カタカタ

大鳳「ふふっ……提督君、ずっと頑張ってたものね」ニコッ

石垣「………」

石垣(提督は高校、大学、そして大学院で熱心に勉強を続けて……論文が認められて、若くして准教授の立場になることが出来た)

石垣(その努力を間近で見てきた身としては、凄く嬉しくて……皆に自慢したいくらい、誇れる弟だと思う)

提督「……まだまだ見習いの立場ですけど、この職に就けて良かったと思っています」

石垣「……提督の話、ほとんどの学生が真剣に聞いてくれるもんね」

提督「うん。本当に、僕は周りの人々に恵まれたよ。学生の皆や先輩方はもちろん……」

提督「姉さん、初春様、大鳳様がいてくれたからこそ、僕はここまで来ることが出来たから」

初春「提督……」

大鳳「……面と向かって言われると、何だか照れますね///」

提督「何度でも言います。僕の傍にいて下さって、応援し続けて下さって、ありがとうございます」

石垣「……♪」ニコ…

石垣(その言葉を聞いただけで、私は提督のお姉ちゃんで良かったと……いつも思う)

石垣(きっと、私はブラコンを拗らせてる……でも、それは仕方ない)

石垣(こんなに可愛くて、良い子で、努力家で、素晴らしい弟がいたら……好感を抱かないはず、ないよね……?)
753 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/08(月) 22:08:51.54 ID:H8ozXyfy0
今回はここまでです。
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 22:12:21.52 ID:tr93vZcVo
おつおつー
おねぇちゃん……!
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/09(火) 08:07:51.40 ID:qwMQOaWvO
乙でしたー
756 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/12(金) 22:30:00.72 ID:VAguP76Q0
――


提督「………」

提督(今日は、母さんが僕を連れて家を出た日……つまり、山風と離れてしまった日)

提督(もう、何年になるのかな……今までは距離が遠かったり、忙しくて会えなかったけど……)

提督「………」

石垣「……提督?」

提督「……明日、父さんと山風に会いに行こうと思う」

石垣「……!」

初春「……そうか。確かにこの家からなら、それほど時間もかからないの」

大鳳「それに、提督君はもう1人暮らしですから……12周目母さんに止められることもありませんね」

石垣「……良いと思う。私も、山風に会いたかったから」

石垣(お父さんのことも気になるけど、それ以上に……山風のことを、一目でも……)

提督「ありがとう、姉さん。初春様と大鳳様は……」

初春「提督が会いに行くというなら、わらわ達も同行する」

大鳳「私達には、提督君を見守るという使命がありますから!」

提督「……いつも僕の為に、ありがとうございます」ペコッ

石垣「………」

石垣(山風……ようやく、会える日が来たんだ……!)

提督「ただ、父さんの家……僕と姉さんが住んでいた家に行く前に、寄りたい所があるんです」

石垣「……寄りたい所?」


――翌日・初春神社


提督「………」

初春『……なるほど、ここじゃったか』フワフワ

大鳳『ここは……?』フワフワ

石垣『かつて、初春様が奉られていた神社です』フワフワ

大鳳『その割には、随分と寂れてるみたいだけど……』

初春『管理が行き届いてないからのう。綺麗だったのは、もはや随分前のことじゃ』

提督「……今までお参り出来ず、申し訳ございませんでした』

石垣『……私も、申し訳ありませんでした』

初春『気にするでない。こうしてわらわが傍にいるのだから、形だけに拘ることもないじゃろう』

初春『それに、提督と石垣は一度たりともわらわの存在を疑うことはなかった。それだけで、十分過ぎるほどじゃ』

提督「初春様……」

石垣『……ありがとうございます』
757 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/12(金) 22:31:42.73 ID:VAguP76Q0
提督「……雰囲気は、あの頃から変わっていませんね」スタスタ

石垣『私と提督がお参りしていた時と、ほとんど同じ……』

初春『あの時点で既に古ぼけていたからのう』

大鳳『となると、かなりの歴史がありそうね……』

初春『女神にとって長いかは知らぬが、少なくとも1000年以上前から……』

提督「……ん?」

石垣『……どうしたの?』

提督「神社の扉から、何かが……」

石垣『あれって……本?』

初春『……!』

大鳳『所々破れかけていて、かなり古いみたいですが……』

提督「………」スッ…

提督(日記帳……名前が書かれていないけど、もしかして父さんの……?)

石垣『………』

石垣(本当は、人の日記を読むのはダメだけど……)

石垣『……読んでみて』

提督「……!」

石垣『お父さんや山風が、どんな暮らしをしていたのか……分かるかもしれないから……』

大鳳『それなら家を訪ねてから、本人に聞けば……』

石垣『……教えてくれるとは、限りませんから』

石垣(今まで、お父さんもお母さんもお互いに会っていないみたいだったから……)

石垣(お父さんが提督に愛想を尽かしている可能性も、否定出来ない……)

石垣『提督、お願い……』

提督「……分かった。もし怒られた時は、僕が責任を取るから」

初春『………』
758 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/12(金) 22:32:38.91 ID:VAguP76Q0
提督「………」ペラッ…ペラッ…

石垣『………』

大鳳『……文体から見るに、12周目父さんではなく女の子が書いた日記みたいだけど』

初春『………』

提督「これって……」ペラッ…ペラッ…

石垣『もしかして、山風の日記……?』

初春『………』

提督「……!」

石垣『……えっ』

大鳳『これは……』

初春『………』

石垣『………』チラッ

提督「……事実だと思う。わざわざ日記に嘘を書く理由がないし、姉さん達の存在を考えれば――」

「はぁはぁ……」

提督「……!」クルッ

石垣大鳳『……!?』クルッ

初春『………』チラッ

山風「そ、それ……私の……」

提督「……山風?」

山風「っ、な、なんで、その名前を……」

石垣『本当に、頭から耳が生えて……』

大鳳『この子が、山風ちゃん……?』

初春『……そういうことか』ボソッ
759 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/12(金) 22:34:00.12 ID:VAguP76Q0
提督「……久しぶり。僕のこと、分かる?」

山風「……まさか、義兄さん?」

提督「うん。今まで、会いに行けなくて……そして、日記を勝手に読んじゃって……本当に、ごめんね」

山風「………」

石垣『……あの頃と、見た目が全然変わってない』

大鳳『日記に書かれていた通りなら、確かに納得ではあるけど……』

初春『………』

山風「……全部、読んだの?」

提督「流し読みだけど、半分以上は。山風、君は……化け猫、ううん、猫の妖怪だったんだね」

山風「………」

提督「それに、お父さんのことでずっと……苦労して……」

山風「……疑わないの?」

提督「……!」

山風「だって、普通は……そんなことが書かれても、嘘や妄想って思うでしょ……?」

提督「………」チラッ

初春『……構わん』

大鳳『まぁ、相手も人間じゃないみたいだから……存在を告げるくらいなら、大丈夫だと思う』

石垣『………』コクリ

山風「……?」

提督「……僕の傍には、幽霊、妖怪、天使がいる。だから、山風が妖怪だったとしても、それほど驚くようなことじゃない」

山風「ゆ、幽霊……それに、妖怪や天使って……」

提督「いや、ちょっと違うか。山風が妖怪だったことは驚いたけど、妖怪が存在することには驚いていない……そう言った方が良いかな」

提督「だけど、それ以上に……ここで山風と再会出来たことの方が、凄く驚いてる」

山風「……!」

石垣『あの、初春様……』

初春『分かっておる』カッ…!

石垣『んっ……!』
760 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/12(金) 22:35:15.34 ID:VAguP76Q0
山風「………」キョロキョロ

提督「………」

石垣『………』パァァ…ッ!

山風「うっ……ま、眩し……!」

石垣『……久しぶり、山風』

山風「えっ……ね、義姉さん……」

石垣『初春様の力で、山風にも見えるようにしてもらったの……』

山風「………」

石垣『私も提督も、また山風と会えて……凄く、嬉しい……』

山風「……うん。あの、私も、義兄さん達に会えて……嬉しい……嬉しい、けど……」

提督「……ここに寄った後、父さんの家へ顔を出すところだったんだ」

山風「……っ!」

石垣『積もる話もあるし、一緒に……』

山風「………」

提督「……山風?」

大鳳『様子がおかしいわね……』

初春『………』

山風「……その」

石垣『うん……』

山風「お父さん、は……」

提督「……!」

提督(日記に書かれていたこと、あの日のことを考えれば……まさか……)

山風「……さっき、自殺した」

石垣『……!?』

大鳳『えっ!?』

初春『………』

提督「………」
761 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/12(金) 22:36:20.02 ID:VAguP76Q0
石垣『お父さんが、自殺……そんなことって……』

初春『……道理で思い詰めた表情をしておった訳じゃな』

大鳳『……見抜いていたの?』

初春『おおよそは、な』

提督「………」

提督(父さん……)

石垣『………』

提督「……姉さん、大丈夫?」

石垣『………』

石垣(頭が真っ白になって……死んじゃったのは、私だけだと思ってたのに……)

石垣(病死や事故死ならまだしも、自殺だなんて……どうして、そんな……!)

提督「………」スッ…

石垣『……え?提督、今……』

提督「……やっぱり、ダメだ。姉さんを慰めたいのに……抱き締めたいのに、やっぱり触れることすら出来ない」

提督(こうして近くにいる家族のことを、落ち着かせることも出来ないなんて……何もしてあげられない自分が、情けない……!)

初春『……すまぬ。わらわでも、こればかりは……』

提督「い、いえ!初春様のせいでは……」

石垣『………』

山風「義姉さん……」

石垣『……大丈夫』スッ…

提督「……!」

提督(姉さんが、僕を抱き締めるような動きを……)

石垣『例え触れることが出来なくても、提督の気持ちは……しっかり、伝わったから……』

石垣『ありがとう……混乱する私のことを、落ち着かせようとしてくれて……』

提督「姉さん……」

提督(やっぱり、姉さんは強いよ……自分の死や父さんの死を、すぐに乗り越えて……)

提督(僕は姉さん達がいなければ、きっと引きずっていたかもしれないのに……)
762 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/12(金) 22:37:11.74 ID:VAguP76Q0
――現在・12周目提督家


石垣「………」

石垣(あの後、提督は山風を家に連れて帰ることにして……)

ドォーン…!

石垣「……!」

提督「見て、姉さん……!」スッ…

石垣「あ……」

初春「最後の最後で大きな花火を打ち上げるのも毎年恒例じゃな」

山風「綺麗……」

大鳳「………」

提督「幼い頃の僕達だったら、きっとひっくり返ってたかもしれないね」

石垣「……うん」

石垣(提督と見る花火は、昔も今も……変わらず、綺麗で……)

石垣(その1つ1つが、私にとって……大切な思い出として、心に刻まれて……)

初春「……どうやら終わったらしい」

提督「名残惜しいですよね……」

山風「……もう少し、見ていたかったかも」

大鳳「………」

石垣「……提督」

提督「……?」

石垣「来年も、再来年も……一緒に花火、見ようね……?」

提督「もちろんだよ。僕達がここを引っ越さない限り、毎年見られるはずだから」

石垣「……♪」

初春(ふふ、相変わらず仲睦まじい姉弟じゃ)ニコニコ
763 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/12(金) 22:38:50.13 ID:VAguP76Q0
〜 8月3週 〜

――12周目提督家までの道


大鳳『………』フワフワ…

初春『……いつものこととはいえ、学生が休んでいるさなかに働くのは大変そうじゃ』フワフワ…

提督「あはは……でも、僕はこの仕事を天職だと思っているので、特に辛いと感じたことはありません」スタスタ…

石垣『准教授になれた時、凄く喜んでたもんね……あっ』フワフワ…

初春『む?石垣、何か珍しいものでも……なるほどのう』

提督「………」

石垣『あの人、今年も帰って来たみたいですね……』

初春『あやつは一昨年振りか。去年は見かけなかったが……』

提督「……そうか、今はお盆だったっけ」

提督(初春様も姉さんも、この時期に戻って来た死者の魂が見えてるはず……)

大鳳『……!』

大鳳(初春ちゃんが幽霊に気を取られてるってことは、提督君と2人で話せるチャンス……?)

大鳳『あ、あの、提督く……』

初春『提督、向こうに先祖の霊がおるぞ!』

提督「えっ、本当ですか!?挨拶しないと……!」

大鳳『あぅ……』


初春:01〜25  親愛度:100/100 <END開放>
山風:26〜50  親愛度:65/100
大鳳:51〜75  親愛度:99/100 <リーチ>
石垣:76〜00  親愛度:82/100

直下の反転コンマの範囲内のヒロインと交流します
ただし初春が範囲内の場合はその場で終了です
また、大鳳が最大値の場合はすぐに妨害判定を行います
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/12(金) 22:42:01.37 ID:QV75ARwGO
コンマ神に祈りを
765 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/12(金) 22:46:16.57 ID:VAguP76Q0
37→73:大鳳(51〜75)
大鳳の妨害判定を行います。

直下のコンマ一の位が『1』もしくは『2』だった場合、好感度が99で打ち止めとなります。
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/12(金) 22:50:23.09 ID:iNXtqX6p0
あ
767 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/12(金) 22:55:31.78 ID:VAguP76Q0
大鳳「や、やった……なんとか滑り込めた……!危なかったぁ……!」

初春「ほう、間に合ったか。中々やるのう」

石垣(失恋覚悟で追い上げるか、ここで踏み止まるか……どうしよう……)

山風「………」


今回はここまでです。
石垣の回想パートはこれで全て終了しました。
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/12(金) 22:58:09.65 ID:QV75ARwGO
おつ。ありがとうコンマ神。
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/13(土) 00:09:32.71 ID:araGMG9io
おお〜遅くなったが大鳳様やるなぁ!この週の失恋、無し!よし!
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/13(土) 06:40:27.17 ID:Ez36HE7S0
失恋無し!
乙でしたー
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/13(土) 07:59:00.53 ID:xbCDCHz60
乙
こうなるとむしろ山風が
過去の霞みたいに突然コンマ荒ぶった挙げ句
失恋とかありそうな懸念も生じるんだよねえ
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/13(土) 13:42:29.18 ID:0h2BiNWfO
これは運39ですわ
773 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:14:30.03 ID:0LfV0KkI0
――12周目提督家・自室


提督「………」

初春「……それで、大事な話とは何じゃ?」

大鳳「………」

初春「わざわざ山風が出かけている時を見計らって、石垣も大広間(※リビング)に待機させるほどじゃからな」

初春「事前に人祓いをせねばならんほど、深刻な話なのじゃろう?」

大鳳「………」

提督「大鳳様……僕に出来ることであれば、どんなことでも……」

大鳳「……っ」ズキッ

大鳳(提督君の、その優しさが辛い……でも、私はこの子のそんなところを好きになって……)

大鳳「……その」

提督「……はい」

初春「うむ」

大鳳「これ以上、耐えられないの……」

提督「……え?」

初春「耐えられない、とな?」

大鳳「今までは、家族の絆を壊したくない……そう考えて、ずっと我慢してきたけど……」

大鳳「もう、無理なの……このまま胸の内に秘めているだけじゃ、頭がおかしくなりそうで……!」

提督「た、大鳳様……?」

初春「………」

初春(……かなり思い詰めているようじゃな)

初春「……それで、わらわと提督は何をすれば良い?」

大鳳「………」

初春「余程突拍子のないことでなければ……」

大鳳「……好き、なんです」

提督「……?」

初春「……?」
774 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:15:29.61 ID:0LfV0KkI0






























「私も、提督君のことが……1人の男の人として、好きになっちゃったんです……!」





























775 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:16:32.17 ID:0LfV0KkI0
提督「っ!?」

初春「………」

大鳳「こんなことを言っても、2人を困らせるだけ……それは、私だって分かってるけど……」

大鳳「提督君が初春ちゃんと仲良さげに会話している様子を見ているだけで、胸が苦しくなって……!」

大鳳「『どうして提督君の隣にいるのが私じゃないの?』だとか『初春ちゃんばかり独占して酷い』だとか……」

大鳳「家族に対して、酷いことばっかり考えるようになって……心の中が、グチャグチャになって……!」

提督「………」

初春「………」

大鳳「だから……」

初春「……提督を譲れ、と?」

大鳳「………」

初春「………」

提督「……ごめんなさい、大鳳様」

初春「……!」

大鳳「……っ」ズキッ

提督「大鳳様が僕の家族ですし、命の恩人であることは重々承知しています」

提督「ですが、僕は初春様を……初春様だけを、1人の女性として愛すると決めました」

提督「初春様を……最愛の人を裏切るようなことだけは、僕には出来ません……」

初春「提督……」

大鳳「……うん、そうよね。提督君なら、そう言うと思ってた……」

提督「………」

大鳳「でも、私は初春ちゃんから提督君を奪うようなことはしないわ」

大鳳「もちろん、本音を言えば提督君には私だけを女性として見てほしいけど……」

大鳳「そんな自分勝手な望みが叶わないことくらい、最初から分かってるもの……」

提督「………」

初春「………」
776 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:18:30.81 ID:0LfV0KkI0
大鳳「私が2人に打ち明けたのは……自分の未練を断ち切る為」

提督「……!」

初春「……!」

大鳳「これ以上、惨めな思いをするくらいなら……いっそ2人に本音を話して、スッパリ振られようと思ったの」

大鳳「2人からはっきり拒否されれば、諦めもつくかなって……」

提督(大鳳様……)

初春「……それで、未練はなくなったのか?」

大鳳「………」

初春「玉砕を覚悟の上で、想いを告げて……心は晴れたのか?」

提督「は、初春様……」

大鳳「………」

初春「………」

大鳳「……無理」

提督「……!」

初春「………」

大鳳「やっぱり、無理みたい……これで諦められると思ったけど、私……思った以上に、提督君のことが好きみたいで……」

大鳳「スッキリするどころか、余計に胸が痛くなって……今にも倒れそうなほど、苦しくなって……」

初春「………」

大鳳「どうして……どうして、私を選んでくれなかったんですか……?」ジワッ…

大鳳「私では、ダメだったんですか……?初春ちゃんより、魅力がないですか……?」ウルウル…

提督「………」

大鳳「見苦しいことは承知で言います……どうして、私じゃなくて初春ちゃんなんですか……?」ポロポロ…

大鳳「私だって、提督君のことを……こんなにも、愛してるのに……」ポロポロ…

提督「……っ」

初春「……ようやく本当の気持ちを話したか」

大鳳「えぇ、これが私の本音……天使の癖に、身勝手なことを考えて……提督君を苦しめるようなことを言って……」ポロポロ…

大鳳「それだけじゃない。初春ちゃんにも、失礼なことを……家族に対して、最低なことを……!」ポロポロ…

初春「……はぁ」
777 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:19:09.66 ID:0LfV0KkI0
初春「仕方ないのう。だったら貴様も提督と付き合うか?」

提督「……!?」

大鳳「……え?」ポロポロ…

初春「聞こえなかったか?貴様も提督の恋人に……いや、この場合は側近かの。とにかく、わらわと共に提督を愛し……」

大鳳「ちょ、ちょっと待って!?一体何を言ってるの!?」

提督「そ、そうですよ初春様!側近だなんて……」

初春「言葉通りの意味じゃが?」

大鳳「それって、提督君が愛人を……浮気相手を作ることを、認めているようなものじゃない……!」

初春「この時代の価値観ならそうなるかもしれんが、わらわは何千年も前から人間達の生活を眺めて来た」

初春「1000年ほど前は、1人の男が数人の女と交際することなど、珍しい話でもなかったのじゃぞ?」

提督「いえ、ですが……」

大鳳「それは昔の話で……」

初春「それに、大鳳も今となってはわらわの家族。だとすれば、提督と愛を深める時間を分けてやっても良いと考えただけじゃ」

初春「どうせ認めなかったところで、大鳳が提督と同じ家で過ごす以上……わらわと提督の時間を多少なりとも奪われるのは変わらぬからな」

大鳳「………」

提督(初春様……)

初春「無論、提督が嫌だと言うならこの話はなしじゃが」

大鳳「………」チラッ

提督「………」

大鳳「……提督君」

提督「……はい」

大鳳「その、初春ちゃんもこう言ってることですし……もし、嫌じゃなければ、その……」

提督「………」

大鳳「私のことも、受け入れてくれると嬉しいかな……なんて……」

提督「………」
778 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:20:55.05 ID:0LfV0KkI0
提督(……大鳳様は僕の命の恩人であり、大切な家族の1人)

提督(今まで、一度も異性として意識したことがないと言えば……嘘になる)

提督(でも、あくまで家族だから極力そういう目で見たことはなかった)

提督(当たり前だ。人間の僕が、天使である大鳳様に対してそんなことを考えるなんて……)

提督(……でも、その考えは初春様から告白された時、打ち砕かれた)

提督(妖狐である初春様が、僕を愛してくれて……僕はその想いを受け入れた)

提督(つまり僕は、既に人間ではない存在と心を通わせている)

提督(それなのに、天使と心を通わせることはダメなどという理屈は通らない)

提督(しかも、初春様は僕と大鳳様が交際することを認めると仰った)

提督(初春様は初春様で、大鳳様との家族の絆を大事にしている……)

提督「………」グッ…!

提督(だったら、僕に出来ることは……僕が選ぶべき選択は……!)

提督「……大鳳様」

大鳳「う、うん……」

提督「ありがとうございます。こんな僕のことを、好きになって下さって……」

大鳳「………」

提督「先程、僕は大鳳様の申し出を断りましたが……前言撤回させて下さい」

大鳳「……!」

初春「……!」

提督「初春様が認めて下さったのなら、僕が大鳳様の告白を拒否する理由はありません」

大鳳「そ、それじゃあ……!」
779 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:21:43.79 ID:0LfV0KkI0






























「これからは、初春様だけでなく……大鳳様のことも、愛します。いえ、愛させて下さい……!」





























780 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:23:08.01 ID:0LfV0KkI0
大鳳「……っ!」ダキッ

提督「わっ……!?」

大鳳「提督君……ありがとう、本当にありがとうっ……!」ギュウッ

提督「大鳳様……僕の方こそ……」ギュッ

大鳳「側近……愛人に近い存在とはいえ、こうして提督君と付き合えるなんて……!」

初春「わらわと提督に感謝するのじゃぞ?」

大鳳「初春ちゃんも、ありがとう……!」

初春「気にすることはない。提督の命を救ってくれた礼としては、安すぎるくらいじゃ」

大鳳「……もしかして、それが本当の理由?」

初春「さて、どうじゃろうなぁ……ふふっ」

提督「………」

提督(僕は、本当に幸せ者だ……こんなにも素晴らしい方々と、愛し合うことが出来るのだから……)

提督(まして、妖狐と天使が人間である僕のことを愛して下さった……これ以上の幸福は、きっとないだろう)

提督(だからこそ、僕に出来ることは……お2人のことを、心の底から愛すること)

提督(お2人の愛に、全身全霊で応えなければならない……!)

初春「じゃが、提督よ」

提督「……はい」

初春「大鳳はあくまで側近じゃ。本妻はわらわである以上、優先すべきはわらわじゃぞ?」

提督「もちろんです。僕はあくまでも、初春様に認めて頂いた立場ですから」

大鳳(……まぁ、こればかりは仕方ないわよね。私も初春ちゃんに許してもらった立場だから)

提督「……初春様、大鳳様」

初春「うむ」

大鳳「……はい」
781 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:23:55.05 ID:0LfV0KkI0






























「貴女に救って頂いた命を、初春様と貴女の為に使わせて下さい。お2人のことを、人生をかけて愛し続けることを誓います」


「……私こそ、これからは貴方の人生の伴侶として、傍にいさせて下さいね?」


「さっきも言ったが貴様は側近じゃからな?提督の人生の伴侶は、あくまでもわらわじゃ!」





























――大鳳END・開放

――現在の到達予定ENDが『初春・大鳳END』となりました。
782 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:25:16.39 ID:0LfV0KkI0
〜 8月4週 〜

――12周目提督家・リビング


提督「………」つPC カタカタ

初春「……♪」スリスリ

大鳳「えへへ……♪」スリスリ

山風「まさか、大鳳まで……」

石垣「提督とお付き合いすることになるなんて……」

大鳳「初春ちゃんが認めてくれたからね♪」スリスリ

初春「何度でも言うが、貴様はあくまでも側近じゃ。本妻はわらわだけじゃぞ?」スリスリ

大鳳「分かってますよ。ふふっ♪」スリスリ

提督「……///」カタカタ

提督(両脇から、初春様と大鳳様の温もりがダイレクトに伝わって……///)

山風「……まぁ、下手にギスギスするよりは良いかも」

石垣「………」

石垣(何だか、弟が凄く遠い所へ行っちゃったような気がする……)

初春「提督、愛しておるぞ♪」スリスリ

大鳳「私の愛も負けませんよ?何せ天使ですから♪」スリスリ

提督「……僕の方こそ、愛しています///」カタカタ

山風「………」

石垣「………」

山風(今日の晩ご飯の味付けは、いつもより塩辛くしようかな……)

石垣(もう何年も食べ物を食べてないけど、久々に口の中が甘くなったかも……)


初春:01〜25  親愛度:100/100 <END開放>
山風:26〜50  親愛度:65/100
大鳳:51〜75  親愛度:100/100 <END開放>
石垣:76〜00  親愛度:82/100

直下の反転コンマの範囲内のヒロインと交流します
ただし初春か大鳳が範囲内の場合はその場で終了です
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/14(日) 21:28:59.05 ID:Hy87u7Ui0
さてどうなる
784 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/14(日) 21:32:50.48 ID:0LfV0KkI0
05→50:山風(26〜50)

山風は何をしている?もしくは提督と山風は何をしている?

22:30以降から先着3つまでで反転コンマが最大の安価を採用
ただし23:00までに3つまで埋まらなかった場合、それまでで反転コンマが最大の安価を採用させていただきます

※山風は自分が化け猫であること(人間と猫の姿を使い分ける能力・猫耳と尻尾)を、提督・他のヒロイン以外の人物には隠していることを前提として頂けると幸いです。

※その他、プロットに矛盾が出てしまいかねない場合は内容をアレンジさせて頂く場合があります。申し訳ありません。


今回はここまでです。
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/14(日) 22:50:12.55 ID:qVA8H0t/o
ブラッシングされている
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/14(日) 22:52:47.69 ID:FBiM+R32O
たまたま2人きりの時に大鳳初春との関係性について問い詰める
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/16(火) 21:15:18.46 ID:EevJNQuU0
山
風は失恋圏入らないから安心?
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 12:49:47.39 ID:9ElesJ2lO
乙
789 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/17(水) 22:04:03.94 ID:IxD5X64E0
――12周目提督家・リビング


テレビ『今日は那珂ちゃんオススメのお店、教えちゃうよ〜!』

初春「あいどるとやらは、いつも笑顔を見せ続けなければいかんのだから大変じゃのう」

石垣「同感です。プライベートが辛い時でも、それを隠さないといけない訳ですから……」フワフワ…

提督「きゅうりはこれでよし、と。次はハムを……」トントン…

山風「………」ジュージュー…

山風(初春と義姉さんはテレビに集中してて、大鳳はトレーニングに出かけてる……)

山風(つまり、実質義兄さんと2人きりの状況……今なら、普段は聞きづらいことでも……)

山風「……ねぇ、義兄さん」

提督「何かな?」トントン…

山風「どうして、大鳳とも付き合うことにしたの……?」

提督「………」ピタッ…

山風「あ、その、別に責めてる訳じゃなくて……義兄さんなら、断るものだと思ったから……」アセアセ

提督「……いいんだ、気を遣わなくても。山風が疑問に思うのは、当然のことだから」

山風「………」

提督「最初は山風の予想通り、大鳳様から告白された時は断ったんだ。大鳳様が恩人とはいえ、初春様を裏切ることは出来ないと思ったから」

山風「だったら……」

提督「でも、その後ね?初春様が、大鳳様を側近……いや、愛人として付き合っても良いと仰って……」

山風「……!」

提督「そして大鳳様も、それを受け入れた。愛人でも良いから付き合って欲しいと、僕に仰った」

提督「初春様が認めて下さり、大鳳様もそれを承諾なさったとなれば……僕に出来ることは、1つしかないと思ったんだ」

山風「そう、だったんだ……いや、それもそうだよね……提督から『二股させてほしい』なんて、言うはずないもん……」

提督「……ううん、山風の考えは正しいよ。過程はどうであれ、僕が二股をかけている不誠実な人間という事実は変わらない」

山風「……!」

提督「僕としては、初春様と大鳳様のお2人を心から愛すると決めているけど……」

提督「傍から見れば、平然と二股をかけた人間の戯言に過ぎないと思われて当然だよ」

山風「………」

提督「だけど、お2人はそんな僕のことを受け入れて下さった。それなら、僕に出来ることは……たとえ不誠実でも、平等に愛し続けることだけ」

提督「僕は結局、昔から今まで初春様や大鳳様、そして姉さんや山風に支えてもらわないと前に進めない……弱い人間なんだ」

山風「………」


親愛度上昇率判定:この後どうなる?

01〜49:提督「……こんな情けない義兄で、本当にごめんね」
親愛度上昇:小 ×1.0
50〜98:山風「……そんなこと」大鳳「ただいま〜!」
親愛度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:山風「……そんなこと、ない」
親愛度上昇:大 ×2.0

直下

親愛度上昇数値判定 コンマ一の位×上昇率分上昇

↓2
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 22:05:16.00 ID:kcEwp9xJo
落ち着け
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 22:13:47.01 ID:zDTpdviJ0
あ
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 22:28:38.35 ID:cbKVBfK3O
回想にすら届かずか……
793 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/17(水) 22:29:21.91 ID:IxD5X64E0
00:それは違うよ 1×2.0=2 2+65=67/100


山風「……そんなこと、ない」

提督「……!」

山風「義兄さんが、そんな人じゃないことは……分かってるから……」

提督「………」

山風「元々は、初春が言い出したことだし……大鳳も、自分でその条件を呑んだ訳でしょ……?」

山風「だったら、義兄さんが自分を責めることは……ないと思う」

提督「……でも、僕は」

山風「それに、義兄さんだって……悩んだでしょ……?」

提督「……!」

山風「いくら初春と大鳳が認めてくれたからといえ、そんなことをして良いのかって……」

山風「まして、1度は大鳳の告白を断ったくらいだから……義兄さんなら、悩まないはずがない……」

提督「………」

山風「……ごめんね。私が変な質問をしちゃったせいで、義兄さんを苦しめるようなことに……」

提督「……違う。山風は、悪くないよ……さっきも言ったけど、誰だって疑問に思うことだから……」

山風「義兄さん……」

提督「………」

山風「……私は、義兄さんの味方だから」

提督「……!」

山風「義兄さんが真剣に考えた上での結論なら、それを応援する……」

山風「私には、それくらいのことしか……出来ないから……」

提督「山風……」

提督(本当に、僕は周りの人々に恵まれている……そのことを、決して当たり前だと思わないようにしないと……)

山風「………」

山風(……孤独だった私を支えてくれた義兄さんを、否定することなんて出来ないから)
794 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/17(水) 22:38:01.68 ID:IxD5X64E0
〜 9月1週 〜

――12周目提督家・リビング


初春「なぁ、大鳳よ」

大鳳「ふんっ!ふんっ!え?何?」つダンベル

初春「今更な問いなのじゃが……」

大鳳「何やら言いづらそうね。気にしなくて良いわよ?私と初春ちゃんの仲じゃない」

初春「天使ともあろう者が、人間である提督と結ばれて大丈夫なのか?」

大鳳「………」つダンベル ドサッ

初春「大鳳?」

大鳳「……ど」

初春「ど?」

大鳳「どうしよう……提督君と初春ちゃんの関係に嫉妬するあまり、そんなこと考える余裕すらなかった……!」ダラダラ

初春「……わらわから今の関係を持ち掛けたとはいえ、流石に抜け過ぎではないかのう?」

大鳳「こ、これって規則的にセーフ?いやアウト……でも、私には提督君の幸せを守る責任が……」ブツブツ

初春「………」

大鳳「………」

初春「……おい、本当に大丈夫か?」

大鳳「……た、多分」ダラダラ

初春(心配じゃな……)

石垣「………」フワフワ…

石垣(大鳳様……もしダメだと通達されたら、どうするつもりなのかな……)

山風「………」ジャージャー…

山風(大鳳って、昔からこうだったのかな……私はまだ、出会ってそんなに経ってないから分からないけど……)つ皿 ゴシゴシ


初春:01〜25  親愛度:100/100 <END開放>
山風:26〜50  親愛度:65/100
大鳳:51〜75  親愛度:100/100 <END開放>
石垣:76〜00  親愛度:82/100

直下の反転コンマの範囲内のヒロインと交流します
ただし初春か大鳳が範囲内の場合はその場で終了です
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 22:38:23.90 ID:cbKVBfK3O
わあい
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 22:39:05.25 ID:GB68UcqU0
はい
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 22:40:00.94 ID:/YRUcfk9O
ハッピーエンドだ
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 22:43:35.67 ID:vVhH2AdqO
次の週やるんかな?忙しそうだし一度畳んでも良さそうだが
799 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/17(水) 22:45:33.42 ID:IxD5X64E0
初春「ごーるいん、じゃな!」

大鳳「一時はどうなることかと思ったわ……」

石垣「……次に期待、かな」

山風「………」

山風(結局、私だけ回想パートすら入れなかった……)シュン…


ということで、教師編とは思えないほど平和に終わった12周目が終了です。
13周目に登場するヒロイン及び設定安価については、今回の更新が事前予告無しだった為、明日に繰り下げたいと思います。
今回はここまでです。明日、改めて安価募集時刻の連絡を行います。
安定した更新が出来ず申し訳ございませんが、少しずつでも進めていきますので、それまでお待ち頂けると幸いです。
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 22:48:06.03 ID:kcEwp9xJo
おつおつ
平和!
山風はコンマ目がね……失恋しなかったから良かったんだよ…
募集時刻明日告知了解
リアルも頑張って下さい
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 22:52:38.24 ID:cqgIhW00O
おつ。
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 23:10:11.62 ID:AyxHxlyMO
乙
これで12週目も聖域になったな
提督も二股エンドになった以外は普通にいい奴だし
次週はどうなることやら
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/18(木) 16:56:10.94 ID:b/M9849PO
参加人数にもよるだろうけどヒロイン安価してる途中で>>1000までいきそう
804 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/18(木) 20:42:24.15 ID:PZGJxTDY0
ヒロイン及び設定安価につきましては、現時点では22:00〜22:30頃に開始予定です。
ただ、予定時刻に間に合わない可能性もあるので、その際は改めて連絡致します。
22:30までに開始出来なかった場合、日付をまたぐことでIDが変わることを防ぐ為、0:00頃に開始時刻を繰り下げます。
いずれにせよ予定時刻になった瞬間に開始する訳ではなく、先に注意事項の投下と単発回避を行います。

>>803
ご指摘ありがとうございます。
確かに次スレにまたぐと単発回避範囲内に含まれるIDの確認が若干ややこしくなってしまいますね。
それでは次スレで安価を募集し、こちらのスレをエピローグ&プロット&埋めネタ投下用として残しておくという形を取ることにします。
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/18(木) 20:43:36.17 ID:C0dZsLAEo
了解です
806 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/18(木) 20:51:29.15 ID:PZGJxTDY0
度々申し訳ございません。先に注意事項だけ投下しておくことにします。
予定時刻になった際は改めて告知し、次スレにて単発回避を行った後、そのまま安価を募集したいと思います。
807 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/18(木) 20:54:22.20 ID:PZGJxTDY0
注意事項です。


※今回ENDを迎えたヒロイン(初春、大鳳)はNGです。

※今回登場したヒロイン(石垣、山風)はNGです。

※今までの周で既にENDを迎えたヒロインはNGです。>>3-4をご参照下さい。

※浦風・日進・深海棲艦は安価下にします。申し訳ございません。

※名前が違う同一艦は、同じ周に2人登場させることは出来ません(例:大鯨と龍鳳)。ただし周を変えれば登場可能です(例:2周目でU-511、4周目で呂500)。
 また、連続で登場させることも出来ません(例:響が出た次の周でヴェールヌイを登場させる)。

※反転コンマで判定します。



※基本的にはどんな設定でもOKですが、あまりにもぶっ飛んだ設定や飛躍し過ぎた設定、無理があり過ぎる設定等は、申し訳ありませんが多数決or安価下にする場合があります。
※多数決の結果やこちらの判断で安価下となった場合、直前に募集した範囲内で2番目に数値が大きいヒロイン安価を採用させていただきます。

★今までに登場したヒロインを、過去の周と同一人物として登場させることは出来ません(例:阿武隈が2周目と同一人物であり、失恋を引きずった教師として登場させる等)。
★それだけでなく、過去の周のヒロインの姉妹として登場させることも出来ません(例:5周目の熊野の姉妹という設定で、鈴谷を教師として登場させる等)。

★ただし過去の周との関連付けが全てNGという訳では無く、過去の周のヒロインや他のヒロインの設定に大きな矛盾が生じない範囲であればOKです(例:10周目の不知火)。
 また、設定によってはこちらで過去の周で登場したヒロインと関連付けることはあります(例:6周目の霞と8周目の大和等)。

★『>>1がこれまでのヒロイン安価の中で好きなものを採用』等の内容につきましては、採用するのは1周につき1人までとさせていただきます。

※一度でもヒロイン安価を取っていただいた場合、申し訳ございませんが、以後の連取(ヒロイン2人分以上の安価取得)は安価下とさせていただきます。



※TS等、ヒロインの性別が『(元)男性』及び『性別不明』になってしまいかねない設定はNGです。

★ヒロインは基本的に一人っ子設定となります(提督の妹、友人の妹等、設定次第ではその場限りではありませんが)。
★R-18ヒロインにおける姉妹艦等の存在を設定に組み込むことは、R-18描写が大変になってしまうことと、該当ヒロインの活躍が少なくなってしまうことを防ぐ為、申し訳ありませんがNGとさせていただきます。
★非R-18ヒロインについてはOKですが(3周目の伊13、9周目のウォースパイト等)、やはり該当ヒロインの活躍が少なくなってしまうことを防ぐ為、姉妹艦等の人数にかかわらず出来れば避けていただけると幸いです。

★他のヒロインの設定や舞台設定に影響が出てしまう設定も避けていただけると幸いです(例:昏睡状態の提督の夢を分析する主治医、提督と共に無人島へ漂着した友人等)。

★提督の行動やその後の展開等を細部まで指定する等、イベント内容の記述は申し訳ありませんがやめていただけると幸いです。

★他作品のキャラクターや世界観を元にした設定については、出来る限り避けて頂くか、設定の内容を詳細かつ具体的に記述して頂けると幸いです。

★過去に複数端末による安価取得が発覚した際の艦娘・設定内容と同一の艦娘・内容が最大値だった場合、全て安価下とさせて頂きます。現在、安価下の対象になっている艦娘・設定内容は以下の通りです。
『叢雲:提督の幼馴染で同僚。ツンデレでよく罵ってくるが基本的に世話焼きで提督の事をいつも気にかけている』
『曙:提督の同期でお隣さん。提督とは学生時代からの付き合いでよく提督の家に遊びに来ている。糞提督!などと照れ隠しで罵ってきながらも提督とは非常に仲が良く料理に洗濯はてには下のお世話などなんでもこなしてくれるツンデレ。頼んでもないのになんでもやってくれるため提督も曙に頼りっぱなしで依存している節がある』
『鳳翔:提督兄の妻で提督の初恋の相手。提督兄は不慮の事故で死亡し、現場に居合せた鳳翔はそのショックから逃避する為に自分の記憶を改竄した。事故で死んだのは提督で、今生きて同棲している"提督"は提督兄だと思い込んでおり、提督の妻として振る舞い夫婦の営みもしている』
『武蔵:提督を若い燕として飼っている資産家の人妻。武蔵が結婚する前かつ提督が精通する前から提督を若い燕として飼っており、危険日だろうと事前事後の避妊なしで生ハメ中出しSEXをしている』
『武蔵:提督を幼い頃から若い燕として飼っている人妻で資産家。避妊なしで生ハメ中出しSEXをしているため、子供は全員提督の托卵。提督は托卵したことを一切知らない』
『龍田:本当になんでもいうことを聞いてくれて実行してくれる幼なじみ。毎日起こして弁当を作るのも即尺も青姦も危険日生ハメSEXもなんでもしてくれる』
ただし、上記の設定に該当する艦娘がNGという訳ではなく、設定を変えて頂ければOKです。

★提督は高校生設定です。


注意事項はここまでです。
808 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/18(木) 22:22:41.28 ID:PZGJxTDY0
開始予定時刻になりましたので、次スレを立ててきます。
単発回避&13周目ヒロイン及び設定安価は次スレにて行います。
809 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/18(木) 22:30:16.68 ID:PZGJxTDY0
立ててきました!

【艦これ】提督「安価とコンマで学校生活」漣「その12です」【安価・コンマ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1637241869/
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/18(木) 22:31:24.84 ID:hdCJKt0V0
おつです
811 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 22:58:31.45 ID:JBueoytc0
お待たせしてすみませんでした!エピローグ、投下します。
812 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 22:59:25.49 ID:JBueoytc0
――エピローグ

――12周目大学・ゼミ室


提督「……よし、今日はここまでにしようか」

学生達「はーい!」

初春『ふふっ、相変わらず様になってるのう』フワフワ

石垣『同感です』フワフワ

モブ学生1「あの、教授」

提督「ん?どうしたの?」

モブ学生2「最近、何か良いことでもありましたか?」

提督「……!」

初春『………』

石垣『……!』

提督「……どうしてそう思ったの?」

モブ学生1「いえ、1ヶ月くらい前から、いつも以上に笑顔でいることが増えたので……」

提督「え?そうだったかな……自分では気づいていなかったけど」

モブ学生2「多分、教授の講義やゼミを履修している人の多くがそう思っているかと」

提督「………」

提督(完全に無意識だった……)

初春『ほほう……提督、わらわや大鳳への愛を隠し切れていないのじゃな?』ニヤニヤ

提督「うぅ……///」

石垣『提督、隠し事が出来ないタイプだと思う……』クス…

提督(ね、姉さんまで……///)

モブ学生1(今度は顔が赤くなった)

モブ学生2(これは図星だったみたい)

提督「……まぁ、その、ちょっとね///」

初春『そこは恋人が出来たと公言するところじゃろう?』ニヤニヤ

提督(公私混同は出来ませんよ……!///)

モブ学生1「あ、もしかして恋人が出来たとか?」

提督「っ!?///」ドキッ

モブ学生2「その反応……えっ、マジですか?教授に春が来たんですか!?」

提督「いや、その……///」

モブ学生1「おめでとうございます!」

モブ学生2「お幸せに!」

提督「も、もうやめて……///」

初春『照れている提督も可愛いのう♪』ニヤニヤ

石垣『同感です……♪』ニコ…

提督(は、恥ずかしい……今すぐここから逃げ出したい……!///)
813 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:01:01.97 ID:JBueoytc0
――数十分後・12周目提督家までの道


提督「はぁ……」

初春『あれからしばらく弄られ続けておったな』ニヤニヤ

石垣『ふふっ……提督、ご愁傷様……』クス…

提督「は、初春様、これ以上蒸し返さないで下さい……姉さんもやめて……///」つスマホ

初春『すまんすまん。提督の恥じらう姿が見たくての』

石垣『ごめんね……?』

提督「うぅ……と、ところで、大鳳様はまだ帰って来ていないみたいですね!」

初春(強引に話題を変えおったな……)

石垣(よっぽど恥ずかしかったのかな……)

初春『……まぁ、そうじゃな。天界とやらに、そなたと交際出来るかどうかを確認しに行ったみたいじゃが』

石垣『私達が大学に向かったと同時に帰ったみたいですが、未だにここへ現れていないとなると……』

提督「……やっぱり、僕のようなただの人間が天使である大鳳様と交際する等、おこがましいことだったのでしょうか」

初春『こればかりはわらわにも分からぬが……そんなことはないと思うぞ?』

提督「……!」

石垣『私も、初春様と同意見……提督は既に大鳳様と深い関係にあるのだから、付き合っちゃいけないことはないはず……』

提督「初春様、姉さん……」

提督(……そう、だよね。大鳳様は、僕が幼い頃からずっと傍にいてくれたんだ)

提督(それなら、交際することになったとしても……今までの関係性が、少し変化するだけだから……)

大鳳『ただいま戻りました〜!』フワッ…

提督「……!た、大鳳様……!」

初春『おぉ、意外と遅かったのう』

石垣『お帰りなさい、大鳳様……』

大鳳『連絡出来なくてごめんね?女神様に、色々と確認してたものだから……』
814 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:02:03.80 ID:JBueoytc0
提督「……その」

大鳳『……うん』

提督「結果は、どうでしたか……?」

大鳳『………』

提督「………」ドキドキ

初春『………』

石垣『………』

大鳳「……無事に許可を貰えました!」

提督「あっ……!」パァッ

初春『やはりな。そうなると思っていたぞ』

石垣『安心しました……』

大鳳『本当は褒められたことじゃないんだけど、私の場合は特殊な事情があるから』

大鳳『私とお付き合いすることが、提督君の幸せに繋がるのなら……認める以外の選択肢はないと仰ってくれたの』

提督「あ、ありがとうございます……!僕のような、ただの人間の為にそこまで……!」ペコッ

大鳳『まぁ、愛人になると説明した時は、すっごく複雑そうな顔されちゃったけど……』

提督「う……」

初春『……提督が気にすることはない。元々、わらわが言い出したことじゃ』

大鳳『その通り。むしろ提督君はどっしりと構えていれば良いんだから!』

提督「いえ、流石にそういう訳には……」

初春『相変わらず真面目じゃのう……』

大鳳『まぁ、そこが提督君の良いところだもの』クスッ

石垣『だからこそ、初春様と大鳳様も……提督に惹かれたんですよね?』

初春『うむ!』

大鳳『えぇ!』

提督「………」

提督(初春様達に、そう言ってもらえるのはありがたいことだけど……僕は、真面目な人間じゃない)

提督(いくら初春様が認めて下さったとはいえ、大鳳様を愛人に迎え入れている時点で……)
815 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:03:15.47 ID:JBueoytc0
――数分後・12周目提督家


山風「……そっか。大鳳、義兄さんとの交際を認めて貰えたんだ」

大鳳「うん。許可自体は割とあっさり取れたの。確認事項が多くて、そっちで手間取っちゃってね……」

山風「何にせよ、良かった……義兄さんや、初春達が悲しむ顔は……見たくないから……」

大鳳「……ありがとう、山風ちゃん」

初春「気苦労をかけてすまなかったな、山風」

山風「そんな、気苦労なんて……」

提督「………」ポフッ

山風「あ……」

提督「ありがとう、山風……僕達のことを、気にかけてくれて」ナデナデ

山風「んっ……」

山風(義兄さんの手、やっぱり温かい……)

石垣(ふふっ……微笑ましい光景……)クス…

山風「……じゃあ、今日の夜ご飯は豪勢にしないとね」

提督「え?でも、食材が……」

山風「大丈夫。こうなることを信じて、お昼に沢山買って来たから。もちろん、出来るだけ安いものを選んでね」

初春「おぉ、気が利くのう!」

大鳳「そうこなくっちゃ!」

提督「それなら僕も……」

山風「ううん、義兄さんは座ってて」

提督「え?でも……」

山風「義兄さん達は、今日のパーティの主役なんだから……ね?」

提督「……分かった、山風に任せるよ」

山風「ん、期待してて……頑張るから……!」グッ…!
816 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:04:09.58 ID:JBueoytc0
――数時間後・ベランダ


初春「……相変わらず、山風が作るご飯は最高じゃった」

大鳳「いくらでも箸が進んじゃうものね」

提督「同感です。お陰で少し食べ過ぎてしまいました……」

提督(僕達の好物が、沢山用意されて……どれも、凄く美味しくて……)

初春「………」

大鳳「………」

提督「……あの、初春様?大鳳様?」

提督(急に真剣な顔つきになったけど、どうしたんだろう……?)

初春「……なぁ、提督よ」

提督「はい……」

大鳳「本当に、私達を選んで……良かったと思ってますか?」

提督「えっ……突然、何を……?」

初春「わらわと大鳳は、共に人間の常識から外れた者。故に、戸籍が存在しない」

提督「……!」

大鳳「それでいて、普段は他の人々に自分の存在を悟られないようにしている……」

初春「これがどういう意味を指すかは、そなたにも分かるじゃろう?」

提督「………」

大鳳「もちろん籍を入れて結婚することや、子供を持つことだけが幸せと言うつもりはないけれど……」

初春「少なくとも、わらわ達はその幸せを……望みたい。望みたいが……恐らくそれは叶わぬ」

提督「………」

大鳳「特に子供については、流石に女神様からも良い顔されなくて……」

初春「わらわの場合、今まで子供を持ちたいと思うほどに愛する者がいなかったこともあるが……」

初春「妖狐と人間の血を継ぐ子であれば、まず間違いなく普通の人生を歩ませることは出来ぬからな……」

提督「………」
817 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:04:58.77 ID:JBueoytc0
提督「……ありがとうございます」

初春「……え?」

提督「僕との関係を、僕達の今後のことを……真剣に考えて下さって……」

大鳳「提督君……?」

提督「ですが、ご心配には及びません。初春様と大鳳様が仰ったことは、僕も既に覚悟が出来ています」

初春「……!」

大鳳「……!」

提督「子供については、本当に申し訳ございません。情けない話ですが、僕にはどうすることも出来ない問題です……」

初春「………」

大鳳「そんな、情けないだなんて……」

提督「ただ、僕が一見孤独……いえ、義妹と静かに過ごす、独り身の男性に見えることについては……全く気になりません」

提督「例え、他の人からどう思われようと……僕としては初春様と大鳳様が傍にいて下さるだけでも、この上なく幸せなんです」

提督「それ以上を望むのは、贅沢にもほどがありますから」ニコッ

初春「提督……」

大鳳「提督君……」





石垣「………」ジー

山風「………」ジー

石垣(提督、やっぱり強い子に育ってくれた……)

山風(うん……私も、義兄さんは強いと思う……)
818 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:05:49.26 ID:JBueoytc0
初春「………」スッ…

大鳳「………」スッ…

提督「……!」

提督(初春様と大鳳様が、僕の両肩に首を置いて……)

初春「そなたのような、心の広い者と結ばれて……わらわは幸せ者じゃ」

大鳳「私も……提督君のような、優しい子を好きになって……良かったと思う」

提督「初春様、大鳳様……」

初春「……恐らく、そなたよりわらわの方が長く生きる。というより、寿命があるかどうかさえ怪しい」

大鳳「私のような天使も、人間と比べれば非常に長生きなので……」

提督「………」

提督(必然的に、僕がお2人を置いて先に亡くなることになってしまうのか……)

初春「………」

大鳳「………」

提督「……確かに、人間の寿命は微々たるものだと思います。ですが……」ギュッ

初春「……!」

大鳳「……!」

提督「この寿命が続く限り、僕はお2人の傍から離れないことを誓います」

提督「どうか、この先の人生を……僕に残された時間を、お2人の為に使わせて下さい……!」

初春「……提督、そなたは、本当に……」ギュッ

大鳳「……ありがとう。提督君の気持ち、確かに伝わったわ」ギュッ





石垣「………」

山風「………」

石垣(もちろん、私達も……)

山風(義兄さんが生きている限り……ううん、例え死んじゃったとしても……)





提督「……初春様、大鳳様」

初春「……うむ」

大鳳「……はい」
819 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:07:20.32 ID:JBueoytc0






























「この命が尽きた後も、僕はきっと……幽霊になってでも、お2人の傍にいると思います。それほどまでに、お2人を……愛してしますから……!」


「……わらわこそ。そなたの幸せは、必ず守ってみせる」


「……今後もずっと、貴方のことを見守りますからね?」





























――初春・大鳳 GOOD END
820 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:08:09.84 ID:JBueoytc0
ここからはプロットを投下していきます。まずは世界観についてです。

・大鳳の故郷『天界』

創造神、男神・女神、天使等が暮らす、人間界の上層に存在する世界。実験として幾多の世界を創造し、それらを観察・管理している。人間界でいう科学者、研究者のような職業。
神が住む世界といってもそこまで神秘的なものではなく、上下関係や普段の暮らし等は人間界とそれほど変わらない。
複数人の創造神が存在しており、それぞれが定期的に新しい世界を生み出し、法則やどのような歴史を刻むかを事前にある程度『設定』し、その世界の行く末を観察する。
魔界や悪魔界とは異なる世界ではあるが、彼女らは本編世界の亜種、埋めネタ等で分岐する際に発生するパラレルワールド等も観察出来る為、その存在を知っている。

ただし分岐世界(パラレルワールド)は基本的に観察対象ではなく、創造神が自ら生み出した世界に多大な悪影響を及ぼさない限り、静観もしくは無視することになっている。
例え天界の者と言えども、無限に分岐する世界を全て管理するのは不可能に近い為である。ただし上記の通り、分岐世界を観察すること自体は可能。
また、誰でも創造神になれる訳ではなく、人間界と同様に知識を学ぶことが必要になる。神が集う世界と言えども、やはり勉強からは逃れられない。
まずは天使になる為、すなわち天地創造に関する基本的な知識を身に付けた後、女神、創造神と精進する度に新しい知識を改めて伝授される。

生み出した世界がどのような物理法則、あるいはそれ以外の法則を持つかも彼女らが全て決定している。これにより、同じ事象を起こした場合も結果が異なる。
例えばタイムマシンを使用して過去改変を試みた場合、人間界(本編世界)では過去が上書きされる法則に『設定』しているが、他の世界ではその場限りではない。
ある世界ではパラレルワールドが発生したり、またある世界では歴史の修正力で元の状態に戻る等、これらは彼女らが天地創造した際に『設定』した法則によるものである。
ただし下記の『不具合』のせいで、過去改変を試みた場合の『設定』が僅かに変動する場合もある。
時津風や初春、山風等の精霊や妖怪が存在するのも、創造神達が彼女らを存在するよう『設定』した為である。

だが、天地創造は彼女らが起こせる事象で最も難しく、生み出した世界は必ずと言って良いほど『不具合』が生じ、完璧な世界の創造は神の力を持ってしても不可能。
不具合の一例として、大きなものなら銀河や天体の位置がズレてしまったことで全生命が滅んでしまう等。
小さなものなら魔法等といった物理法則に縛られない世界を作った際に魔法で天界の存在を特定される等。
創造神達はそのような不具合を察知した場合は可能な限り手早く『修正』し、彼女らが本来想定していた歴史の流れに沿うようにしている。

しかし上記の通り、彼女らが生み出した世界に存在する生命が自ら歴史を改竄することもある為、必ずしも創造神達が『設定』した通りの歴史を辿るとは限らない。
とはいえ彼女らにとって人類が過去を改竄出来る方法を確立するのは想定内であり、そこから人類がどのように歴史を弄るかも観察対象になっている。
また、彼女らが定めた法則によっては『パラレルワールド発生』『過去での行動が既に歴史に織り込み済み』等、歴史改変の試みが意味を成さない世界もある。
これらも創造神達が『人類が時間の概念を解明し、それらを操る技術を得た場合どのような行動を取るか』を観察する為である。
基本的には人類が過去を改竄しても創造神達は特に干渉しないが、例外として過去を変えたせいで天界の存在が発覚する未来に繋がった場合のみ『修正』することもある。
(次のレスに続きます)
821 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:09:17.38 ID:JBueoytc0
創造神は天界で最も立場が上の存在だが、独裁者のように何でも命令を出せる立場ではなく、迂闊な行動は女神や天使から制止されることもある。
自分の担当以外の世界に干渉することは出来ない。仮に他の創造神が生み出した世界で己の力を行使しようとしても、強制的に無効化されてしまう。
しかし自分が創造した世界の中では、あらゆる事象を引き起こし、創造神の思い通りに世界を操ることが出来る。
だが、一度世界を生み出した後は無暗に神力を行使することは推奨されておらず、静観するのが原則となっている。
それだけでなく、創造神を含む天界の者が世界に無暗に干渉した場合、最初に『設定』した均衡が崩れる為、天界に戻り世界を『修正』する必要が生じてしまう。

女神は創造神の1つ下で、主に創造神のサポートを行ったり、天使に指示を出す立場として活動している。
創造神とは異なり、女神達はあらゆる世界で神力を行使することが出来る。その代わり、創造神ほど何でも出来る訳ではなく、起こせる事象は制限される。
とはいえ人間から見ればやはり人知を超えた力であり、目安としては明石を含む悪魔よりも実現出来る事象が多い(やろうと思えば死者蘇生、過去改変等も可能)。
創造神が生み出した世界を観察し、創造神が出向くほどではない程度の問題が発生した場合、彼女らがその世界へ向かい、神力を行使して問題を解決する。
だが、基本的にはやはり静観することが原則。無暗に力を行使しようとすれば、創造神や天使から制止される場合がある。

大鳳を含む天使は、天地創造に携わる者の中では一番下の立場と言える。だが、決して奴隷のような扱いを受けている訳ではない。
主に女神のサポートを務めており、女神が何らかのミスをしてしまった場合、天使が問題解決に臨む。
また、創造神や女神と比べて神力も弱い為、彼女らが生み出した世界へ出向き、直接観察する役目も担っている。

天使が与えられる能力は存在消去と因果律操作で、前者は人間界で行動する際、自分の存在を他者に知覚されないようにする為に必要とされる能力である。
後者は創造神や女神ほどの超常現象は起こせないものの、現実的にあり得る範囲なら大抵のことは実現可能。人間の運命を操作することは容易い。
とはいえ、やはり静観することが原則で、神力を乱用すれば創造神や女神から制止される。天使が神力を行使するのは、基本的に女神によるミスを修正する場合のみ。

それ以外の者は天界でごく普通に暮らす一般人だが、全員が生まれた時から意思疎通能力と浮遊能力を持っている。
前者は意志や自我を持つ者であれば誰とでも意思疎通を図ることが可能で、後者は自由に速度を変えながら飛行することが出来る。ただし速度や距離に応じて体力を使う。
その中で天地創造に携わりたいと考えた者が『天使教育施設』で勉強し、卒業したものはまず天使からスタートする。
天使になった後、ランダムでどの女神の元で働くかが決定され、そこで女神から一定の評価を得られれば女神に昇進し、行使出来る能力も強化して貰える。
女神になった者は世界を天界から観察する。そこで問題が発生した場合にスムーズに解決する等、創造神から一定の評価を得られれば、今度は創造神に昇進する。

当然だが罰則等も存在する。例えば創造神や女神が誤った干渉をしてしまい、想定していた歴史からズレが生じた場合、それより下の立場へ降格させられることがある。
天使の場合、新人の場合はある程度多めに見てもらえるが、それでも全て許される訳ではなく、一定のペナルティは存在する。
ペナルティの程度は干渉の度合いによるが、人間1人の人生を劇的に変えてしまった場合、原則としてその人物の人生を責任を持って最後まで観察しなければならない。
特に生死を変化させた場合、そこからのバタフライエフェクトは決して無視出来ないものであり、『修正』も一定の時間と労力を要してしまう。
その為、天使は自身が干渉してしまった人物の傍につき、可能な限り元の歴史から逸脱しないよう調整するペナルティが科せられる。
822 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:10:27.77 ID:JBueoytc0
続いて山風のプロットです。

・山風

(20到達時)
およそ100年前、かつては提督の曾祖父母と幼少期の祖母に飼われていた飼い猫だったが、戦争で曾祖父母(飼い主)を失い、祖母とも生き別れてしまう(※この時点で1940年代前半)。
曾祖父の死別と祖父母と離れ離れになってしまったことを悲しむ山風だったが、油断すると焼夷弾が降って来る状況であり、油断すれば今度は自分が死亡してしまう。
山風は悲しみに暮れる暇もなく、急いで安全な場所を探して走り去る。そして祖母との再会を胸に、何としてでも生き抜くことを決意する。
時には水たまりでのどを潤し、時には必死に狩りを行って食料を確保し、老体に鞭を撃ちながら辛く苦しい日々を送りながらも、死に物狂いで終戦まで生き延びる。

しかし祖母と再会することは叶わず、山風は途方に暮れることになる。だが、生きていればいつか再会出来ると信じ、そのまま祖母を探し続ける。
(※その頃、祖母は田舎に疎開していた為、山風が探し回っている場所とは全く異なる場所で過ごしていた)
そのまま10年の月日が流れ、山風はこの長い時間(山風にとっては30年)を生き抜いたことに自分でも驚きつつ、意識が朦朧とし始め、ついに寿命を迎えたのだと悟る。
せめて生きている間に祖母と再会したかったが、このまま死亡すれば曾祖父母の元へ向かえるかもしれないと考え、己の死を受け入れる(※この時点で1950年代前半)。

だが、山風は死ぬことはななかった。それどころか30年という月日を生き続けたことで不死身の『化け猫』へと変異し、更には人の身体に変化していたのだ。
自分の変貌に驚く山風だったが、人の体は驚くほど身軽で、それでいて若々しい。更には飲食等をせずとも問題なく活動出来る。
山風はこの身体さえあれば祖母と再会出来るかもしれないと希望を抱き、その後は猫の身体と人間体を使い分け、戦後の波乱の状況を掻い潜りつつ祖母を探す。
また、人間体になっている間は頭に猫耳が生えている状態になるが、他者から怪しまれると厄介なので、普段は霊力で人間の目に見えなくしている。
(※その頃、祖母は戦争孤児として路上で食べ物や仕事を求める日々を送っていたところで祖父と出会い、そのまま祖父が住む初春神社に拾われ10年を過ごし、彼と結婚に至っていた)

戦後復興を果たそうとする激動の時代の中、山風はついに祖母と祖父が暮らす初春神社まで辿り着く(※この時点で1950年代後半)。
山風は匂いですぐ祖母だと分かり、猫の姿に変身して祖母と対面する。しかし祖母は既に山風は死んでいると思い込んでおり、自分の元へ現れた猫が山風と気づくことはなかった。
山風は自分のことをかつて過ごした飼い猫だと分かって貰えなかったことにショックを受けるも、経過した年月を考えれば無理もないと考える。
だが、今更祖母とまた離れ離れになることは避けたかった為、山風は猫の姿で初春神社に居付き、祖母と祖父を見守ることにする。

その後は初春神社に居付く猫として、お参りに来る人からも覚えて貰えるようになる。祖母からも可愛がられ、時には家の中に入れて貰えることもあった。
最初は祖母と一緒に過ごすことだけで満足していた山風だったが、自分が過ごす日々を何かに残したいと考え、時々人間の姿でペンを握り、秘密の日記を付けることにした。
山風は化け猫になったことで知能も上がっており、猫語や人語だけでなく文字の読み書きもすぐに習得し、祖母にも内緒で日記を書き続けた(※この時点で1960年代前半)。

やがて祖母と祖父の間に息子が生まれる。その息子こそが提督の父親だったのだが、祖母は父親を出産したと同時に命を落としてしまう。
祖父は当然、最愛の妻を失ったことに涙を流す。そして山風も、飼い猫時代から共に過ごした人が全員亡くなったことを悲しみ、人間の姿で涙を流しながら日記に綴る。
その後、祖父は男手1つで息子を育てるのだが、愛する妻を失ったことで祖父は息子に執着してしまい、そのせいで父親は強烈な反抗期を迎え、祖父に反発するようになる。
山風が猫の姿で宥めようにも、父親は抑圧されて育てられたことや思春期特有のストレスにより、山風にも八つ当たりしてしまう(※この時点で1970年代半ば)。

山風にはどうすることも出来ず、祖父と父親を見守ることしか出来なかった。すると父親はついに家出してしまい、残された祖父は1人で神社勤めを続けることになる。
だが、祖父は愛する妻と息子を失ったことで絶望し、そのまま心身共に弱り果て、神社で奉っていた神の存在にも触れなくなり、最終的には自殺してしまう。
山風は度重なる親しい人物の死別に心が折れてしまい、家出した父親を捜す気力も既に無くなってしまっていた。
人がいなくなったことでさびれ、廃墟と化した神社に1人で過ごし続け、その間も悲しみの気持ちを日記に綴り続ける(※この時点で1980年代前半)。
823 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:14:55.98 ID:JBueoytc0
(30到達時)
そのまま15年の月日が流れ、かつては初春神社の神や、神社に居付いていた猫のことも忘れ去られた頃、山風はやはりボロボロの神社でただ1人過ごし続けていた。
すると、双子の少年と少女がお参りにやって来る。山風は最初『物好きな子もいるものね』と考えたが、2人が漂わせる香りで驚愕する。
そう、この双子は父親の子供であり、その子供こそが提督と石垣だったのだ。山風は父親が生きていたこと、子供を授かっていたことを嬉しく思う(※この時点で1990年代半ば)。
だが、流石に人間の姿で応対する訳にもいかない為、猫の姿で提督達の元へ出向き、2人から撫でて貰う。その際、山風は『この撫で方は祖母と同じ……』と考えながら懐かしむ。
(※この辺りは初春・石垣のプロットも参照)

その後も提督達は毎日のように初春神社を訪れ、その度にお参りをした。山風も2人の前に現れ、積極的に交流した。
一度は提督達について行って父親の顔を見ようとも思ったが、万が一また亡くなっていたらと思うと恐怖が勝り、行動を起こせずにいた。
だが、そこから更に数年が経過すると、山風も死別を覚悟した上で父親ともう一度会いたいと考えるようになる(※この時点で2000年代前半)。
その気持ちを日記に綴り、人間の姿で夜空を眺めていると……懐かしい香りを漂わせる、1人の男性が神社にやって来た。

山風はその香りで、彼がかつて家出をした父親だとすぐに見抜く。しかし、既に人間の姿を見られている為、猫の姿に戻ろうにも戻れなかった。
父親はかつて家出したこと、そして祖父を神社に1人残してしまい自殺させてしまったことを後悔しており、今までここに来ることが出来なかったのだ。
だが、妻(※提督の母親)や提督達に説得され、久々に立ち寄る決意をしたところ、あまりに初春神社が廃墟になっていて唖然とする。
そして、父親は山風に『こんな時間にどうしてこんな場所に?』と尋ね、言い訳に困った山風は咄嗟に『親を失って、行く当てもない』と告げてしまう。

すると、父親はかつての自分や話だけ聞いていた祖母と重なり、この子に自分と同じ過ちを繰り返させまいと考え、養子として家族に迎え入れることを提案する。
山風は予想外の提案に驚愕するも、再び父親と……祖母や祖父の忘れ形見とも言える父親と暮らせることを嬉しく思い、彼と共に向かうことに決める。
父親は山風を見て『そういえば、昔はこの神社に猫がいたが、この子がその生まれ変わりだったりしてな』と思うも、そんな訳ないと考え直す。
そして山風は提督と石垣の義理の妹として12周目家の家族となり、人間の姿のままで提督達と暮らすことになる。

これまで人間の姿でいるのは日記を書く時だった為、あまり人と話すことに慣れていない山風だったが、提督や石垣が穏やかな性格だった為、すぐに打ち解け合う。
父親と母親の夫婦仲も良好で、提督達に祖母や祖父の面影を感じつつ、山風はこのまま幸せな時間が続くと思っていた。
だが、その考えは甘かった。数年ほどの月日が経った頃、提督や石垣と行った小学校の遠足で事故に巻き込まれてしまう。
幸い提督は軽傷で済み、山風は既に妖怪化して不死身なので無傷だったのだが、石垣が亡くなってしまったのだ(※この時点で2000年代半ば)。

父親は祖母、祖父に続いて血の繋がった愛娘まで失ったことで鬱病になり、母親は『私だって悲しいのに、貴方まで塞ぎ込んだらどうやって生活するの!?』と怒り出す。
だが、父親はその言葉で更に追い詰められてしまい、精神科へ通う日々になってしまう。そんな父親に見かねた母親は離婚を決意し、提督と山風を連れて行こうとする。
山風は母親を説得しようとするが、決意は固く『そんなに言うなら貴女は父親と一緒に過ごしなさい』と言い出し、そのまま提督を連れて出て行ってしまう。
残された山風は父親を支えようとするが、離婚でとどめを刺された父親はまともに口を聞けなくなり、病状もどんどん悪化していく。
824 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:15:38.47 ID:JBueoytc0
(リーチ到達時)
その状態で10年以上が経過し、山風は傍で父親の世話を焼いたが、彼はやつれ果ててしまい山風ともまともに口を聞かないほど心神喪失状態になっていた。
(※家事は全て山風がやっていた為、父親が塞ぎ込んでいたことが原因で山風の家事能力が著しく向上することになる。また、神社で日記を綴る暇さえなかった)
それでも山風は父親を励ましたのだが、ある日彼女が買い物から帰ると、父親はかつての祖父と同様に首を吊って自殺していた(※この時点で12周目本編開始直前)。
山風は再び身内との死別という絶望を叩きつけられ、そのまま『どうして……どうして皆、こうなっちゃうの……?』と泣き崩れる。
それでも何とか医師に『鍵は開けておくので、勝手に入って来て下さい』と連絡した後、山風はかつての思い出へ引き寄せられるように初春神社へ歩み出す。

この悲しい気持ちを、神社に置いて来た日記に綴らなければならない。せめて日記を書くことで、一時的にも現実から逃れたい。
その一心で神社へやって来ると、既に神社には誰かがいた。それどころか、自分が書き綴った日記を読んでいたのだ。
山風は慌てて日記を取り返そうと走り出すと、そこにいたのは……既に成長して立派になった提督だった。
それどころか、山風が人と猫の姿を使い分けていること、かつて祖母父や曾祖父母と過ごしていたことを日記を通して提督に知られてしまう。

提督と再会出来た嬉しさと、父親を失った悲しみと、自分の正体を知られたことへの焦りで冷静さを失った山風は、猫耳を見えなくするのも忘れて提督の前へ現れてしまう。
提督はかつて共に過ごした山風と再会出来たことを嬉しく思うが、同時に山風の頭に猫耳が生えていることに気付き、日記の内容が真実だったことをすぐさま理解する。
慌てる山風を落ち着かせ、提督は彼女との再会を喜びつつ会いに行けなかったことを謝罪し、『安心して。このことを僕は全て信じているし、誰にも言わない』と告げる。
山風は『どうしてそんなに冷静なの!?』と言うが、提督は『……化け猫が存在するくらいでは驚かない。周りに同じくらい凄い存在がいるから』と告げる。

その後、提督は父親の自殺にショックを受けるも、同時に覚悟もしていた為、比較的冷静に事実を受け入れる。
提督は山風に『僕と一緒に暮らそう』と尋ね、行く当てもなかった山風は再び提督と共に過ごすことになる。
それだけでなく10年以上前に亡くなったはずの石垣とも再会し、初春や大鳳とも対面したことで、山風は唖然としつつ『確かに化け猫程度じゃ驚かないかも』と納得する。
父親の死はまだ乗り越えられていないものの、祖母・祖父・父親の面影を持つ提督や石垣と一緒にいられることで、山風は『……今度こそ、一緒にいられるよね?』と考える。
(※この後、山風は12周目提督家へ向かう時、提督が『もう山風をここに置いて行くことはしない』と言った為、これまでの日記を持って行く)
825 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/11/24(水) 23:16:33.73 ID:JBueoytc0
プロットはここまでです(山風以外の3人のプロットについては、全て回想パートとして描写することが出来ました)。ここからは本編の補足になります。

エピローグ&失恋時の展開については、誰がどのような結果になったとしても基本的に『提督の家で祝福or影で静かに涙を流す』展開にすることに決めていました。
その為、あえて詳細までプロットを決めず、失恋や複数ENDになった場合は状況に合わせてヒロインの心情描写を変える形で対応する予定でした。

また、今回は各ヒロインの回想パートの内容が重複する部分がありました(プロット投下時に補足すると連絡した部分についてです)。
実は視点となるヒロインの心情を描くことで『この場面では、このヒロインはこう考えていた』ということを強調するのが目的でした。
その為、同じ場面でも視点になっていないヒロインの心情は極力描かず、他のヒロインの回想パートを見れば、そのヒロインが同じ場面で何を考えていたかが分かるようになっています。
ややこしい描写の仕方になってしまい申し訳ございません。

オープニングについては、ガンビア・ベイ以外の3人は大まかな方針が決まったかな?といった感じです。
ただ、唯一の良心であるガンビア・ベイをどのような形で物語に関わらせるかがまだ決まっていません。
お待たせして申し訳ございませんが、もうしばらくお時間を頂けると幸いです。
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 00:11:40.72 ID:HekLb2u3O
報告おつ。次周も楽しみ。
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 06:43:25.23 ID:tBoeoLPO0
乙
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 12:33:18.80 ID:R9gUcmu/o
おつでした
ここを聖域とする!
いやぁ、本当に本気で失恋者でなくて良かったよ12周目
プロット今回もゴチです。人外や時間旅行者周りの設定が充実してきたので関連したヒロイン取りてえなぁ
次周ベイちゃんは果たして無事にエンディングを迎えられるのでしょうか…
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 23:58:47.28 ID:xnVRqIZ3O
乙
安定の超濃密プロットしゅごい
歴代提督まとも勢トップ3は1週目、4週目、12週目でいいとして13週目は畜生勢トップ3に入るか?
俺的に畜生勢は3週目、11週目が確定で8と10週目のどっち含めるか迷ってる
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 00:53:40.27 ID:sF1s9DkH0
雷が未知数すぎてどうなるやら……
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/03(金) 12:15:47.49 ID:62JmAaB60
まだかかりそうかな
832 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/12/05(日) 21:14:03.31 ID:Z00OwI9Q0
お待たせして申し訳ございませんでした!オープニング、投下します。
当初は次スレに投下する予定でしたが、予想していたよりもスレが残っている為、こちらに投下することにします。
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/05(日) 21:15:34.45 ID:2vaYXcsF0
きたー!
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