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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【4頁目】
- 508 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/10(土) 22:23:47.00 ID:KFT8/L/6o
- 遅くなりましたが、少しだけ
- 509 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/10(土) 22:27:51.30 ID:KFT8/L/6o
-
陽乃「九尾。手伝って」
陽乃が声をかけると、どこからともなく妖狐の姿で九尾が姿を現す。
九尾「捨て置けばよかろうに」
陽乃「できるわけないでしょ」
歌野達は陽乃と違って命を狙われるような子ではない
この場に置いていっても何かされる心配はないと思う。
だが、二人の代理として陽乃が通信に出れば、
向こうからまた変な言いがかりをつけられるかもしれない。
陽乃「連れ帰るわ」
九尾「ふむ……よかろう」
九尾は呆れたもの言いながら、姿を人の姿に変える。
ひなたではなく、その相方とも言える人、若葉
歌野「……誰?」
若葉「定期連絡があるんだろう? 時間もないし早めに戻ろう」
陽乃「また、変なことするんだから」
- 510 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/10(土) 22:58:24.50 ID:KFT8/L/6o
-
若葉「彼女は私が抱えて行こう」
困惑する歌野に触れた九尾は、
まるで物でも扱うように……とはせず、優しく抱き上げる。
歌野「ちょ、ちょっと!」
若葉「名も知らない人間に、あの娘は委ねたくないだろう?」
歌野「そ、そうじゃなくてっ」
陽乃「方法の問題でしょ」
若葉は、何の躊躇もなく歌野をお姫様抱っこしている。
恐らく、背負ったりするよりはその方がやりやすかっただけなのだろうが、
歌野はそれが気恥ずかしいようだ。
陽乃「少しだけだから我慢しなさい」
歌野「少しって……」
陽乃「藤森さんも、同じようにしてあげるから」
まだ意識のない水都に触れ、少しだけゆする
それでも起きない水都の体を、陽乃は抱き上げて。
陽乃「通信まで時間がないから、さっさと行くわよ」
- 511 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/10(土) 23:17:52.66 ID:KFT8/L/6o
-
おとなしい水都と、やや不満そうな歌野
二人を無理矢理に参集殿にまで連れ帰り、水都は部屋に寝かせて
歌野だけを通信用の部屋へと連れ込む。
向こうからの連絡が入っている点滅が、機械には出ていた。
陽乃「どうぞ」
歌野「もう……酷いわ」
道中に、何人もの人に見られたからか
すっかり疲弊した様子の歌野は、通信機を手に取って応答する。
歌野「すみません。遅れました」
『何か問題が?』
歌野「少々、遠くに出かけておりまして」
歌野は一応、嘘をつかずに答えて。
歌野「諏訪には襲撃等はありませんでした」
歌野はそこで、陽乃を見る。
神託の件はどうするかだろうか。
1、伝える
2、伝えない
3、先に四国の状況を聞く
↓2
- 512 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/10(土) 23:20:16.44 ID:3JfAIJyl0
- 3
- 513 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/10(土) 23:21:08.77 ID:5diqULBnO
- 3
- 514 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/10(土) 23:49:27.95 ID:KFT8/L/6o
-
陽乃は少し考える。
すぐにでも神託のことを言うべきかどうか。
だが、それを水都ではない人物が言ったとして向こうは取り合ってくれるだろうか。
いや、そこは歌野なら問題はないだろう。
水都に対し詳細確認をするだろうから、そこが問題になるかもしれない。
陽乃は首を振ると、通信機をつつくようなそぶりを見せる。
向こうはどうなのかという合図だ。
歌野は思案顔で頷いて。
歌野「そちらの状況は? 伊予島さん達は到着しましたか?」
一番気になる情報を訪ねる
杏達が到着していれば、
神託の新しい敵はともかく、二人の安否についてはある程度安心ができる
そして……襲撃を受けているか否か。
- 515 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/10(土) 23:52:44.34 ID:KFT8/L/6o
-
↓1コンマ判定 一桁
0,3 到着
1,4 襲撃
7,9 両方
※被害判定追加
- 516 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/07/10(土) 23:53:55.74 ID:5diqULBnO
- あ
- 517 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 00:07:59.91 ID:SMoMu87Lo
- 01〜65 被害なし
66〜80 被害小
81〜95 被害中
96〜00 被害大
↓1のコンマ
- 518 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 00:09:26.18 ID:wINirsPqO
- あ
- 519 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 00:11:11.09 ID:SMoMu87Lo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
- 520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 00:17:09.13 ID:wINirsPqO
- 乙
被害が出なかったのは良かったもののますます杏たちが心配になるな…
お姫様抱っこされるうたのんは新鮮で可愛いかったけど
- 521 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 00:30:31.95 ID:w5KyB8yMO
- 乙
修行した甲斐があったな
- 522 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 17:13:54.16 ID:SMoMu87Lo
- では少しずつ
- 523 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 17:18:50.88 ID:SMoMu87Lo
-
『いいえ、お二方は未だ確認できておりません。ですが、襲撃が行われました』
歌野「被害は?」
『幸いにも乃木様、高嶋様、郡様によって被害なく撃退することが出来ました。問題はありません』
歌野「久遠さん……」
四国に被害がなかったのは、幸いだ。
だが、問題は四国に襲撃が行われたこと
四国と諏訪の間に杏達がいることで襲撃が行われていないのではないかと陽乃達は考えていた。
それに加えて連絡を取ることが出来なかった二人の安否を、
襲撃が行われない=まだ二人は生きている。というものにしていたからだ。
もし、それが確かな話なら、
四国に襲撃を行われたということは、二人はすでに、殺されたことになる。
けれどそれは、あくまで推測
2人が隠れ、やり過ごした可能性もある
歌野「その際に、近くに何か反応があったりは?」
『いいえ、そのような話は伺っておりません』
歌野「……何か変わったことは?」
『そのような話も、聞かされておりません』
- 524 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 17:52:08.42 ID:SMoMu87Lo
-
二人はまだ、四国の周辺地域にすらたどり着いていないのか。
それとも気づかなかっただけなのか
いくつかの可能性を考えていると、向こうの通信手が口を開く
『本当に、お二人をこちらに送ったのですか?』
歌野「ええ」
『では、お二人は……』
歌野「どちらかにたどり着くまで、確認はできません。誰かが見つけるまで、確認はできません」
生きているとも死んでいるとも言える
可能性としては、圧倒的に後者に傾いてしまった
だが、それでも。
歌野「私は二人が生きていると信じてます」
『お二人がそちらを発たれてから何日目ですか?』
陽乃「約4日ね」
陽乃は横から口を挟んで
陽乃「勇者なら、普通は到着しているような時間だわ」
多少の襲撃はあっても……
いいや、襲撃に遭っていればそれこそ不眠不休で移動し、
それ以上に早く到着していてもおかしくはない
- 525 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 18:28:03.83 ID:SMoMu87Lo
-
陽乃の半日での到着は異常だが、
球子と杏でも2、3日での到着は可能だったはず。
なのに、4日目の今でも影も形もない
歌野が無事を信じたいのは分かる
しかしながら、陽乃は信じていない。
陽乃「最悪、死んだわね」
歌野「……でも」
陽乃「言いたいことは分かる。けど、向こうが襲撃されたならそれを前提としておいた方が良いわ」
希望は、無駄に傷つくだけだ
信頼は、余計に苦しめられるだけだ
『つまり、貴女がこちらに送ったことでお二人が亡くなったと』
陽乃「ええ、そうなるわね」
否定はできない。
行かせたのも事実だ。そう思いたいなら思って貰って構わない
歌野「久遠さん!」
- 526 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 19:10:15.12 ID:SMoMu87Lo
-
通信の機械を横に、歌野は陽乃を見る。
怒りか、失望か、悲しさか
複雑そうな表情を見せ、その目を逸らすことなく唇を一瞬だけ噛む。
歌野「諦める人は、嫌いなんでしょう?」
陽乃「結果をありのままに受け止めるのは、諦めとは違うわ」
歌野「久遠さん、二人はまだ生きているはずよ」
『襲撃が二人に際限なく行われていた場合、その可能性は限りなく低い話です』
二人に口を挟んできた通信手。
陽乃の力のおかげで乱れのない言葉は、まだ続く
『そして、勇者様曰く、諏訪から四国までは三日と経たずに到達できるという話でした。1日の猶予を持っても、まだたどり着かない現状、殺されてしまった可能性が非常に高いです』
歌野「でも、誰も確認できていません」
『バーテックスに殺められた人が、確認できると?』
歌野「……」
陽乃「そうよ。確認することなんて出来ないわ」
歌野「少しは否定してっ」
立場が悪くなる一方の向こうからの言葉を肯定する陽乃に、歌野はやや怒った様子で口をとがらせる。
1、そんなことより、神託があったでしょ?
2、二人を捜索に出る気は?
3、私達も、近日中にここを発つわ
4、否定したって無駄だもの
↓2
- 527 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 19:17:56.49 ID:DI1UM5H40
- 1
- 528 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 19:18:31.32 ID:KSBK2fz3O
- 3
- 529 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 19:43:34.21 ID:SMoMu87Lo
-
陽乃「私達も、近日中にここを発つわ」
『どういう、ことです?』
陽乃「諏訪だって長くはないもの。いつかはそっちに行かなければならなかった」
『安全が確保できてもいないのに、人々を連れ出すつもりですか?』
暗に、また人を殺すのか。
そう問われているかのようで、陽乃は小さく笑う。
陽乃「逆に聞くわ。貴女達が確保してくれるの?」
『……』
陽乃「無理でしょう? 少なくとも、もうしばらくは」
いずれは出来るかもしれない。
だが、陽乃はそれを信じて待つような勇者ではない。
なにより、出なければならない理由がある。
陽乃「そもそも、大社はここに救援を出す気なんてなかったじゃない」
『そのようなことは……』
陽乃「馬鹿にしてるの?」
否定をするなとは言わないが、
否定をされるのは、気に喰わなかった。
陽乃「呪い殺すわよ」
- 530 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 19:54:09.21 ID:SMoMu87Lo
-
陽乃「高嶋さんは頑張るかもしれないし、乃木さんは快く活路を開いてくれるでしょうね。けれど、大社が阻むでしょう?」
若葉は今どうなっているのか。
ひなたは大社の本部に連れていかれたままだろうし、
リーダーの任は完全に解かれ
そして、最悪の場合には軟禁されている可能性もある。
なにせ、捕らえるべき陽乃を捕えなかったどころか、
味方していたのだから。
陽乃「良いわよ。別に。私は期待なんてしていなかったから。信じてもいなかった。だからこうして、今ここにきているんだもの」
阻むものを突っ撥ね、あるいは引き連れ
陽乃は強行突破で諏訪へとやってきた。
力のある勇者を救い、バーテックスとの戦いにおける生存率を高めるために。
なんて……それは建前なのか本音なのか。
陽乃は苦笑して。
陽乃「だからこそ……貴女達には何も言われたくないわ」
『……』
陽乃「道中で何人死んで何人生還しようが。元々、0のつもりだった貴方達にそれを非難する権利はないものね」
- 531 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 20:01:52.63 ID:SMoMu87Lo
-
歌野「みんなの意見を聞いて、志願者だけを連れていくつもりです。でも、だけど、可能な限り全員を生存させるつもりです」
歌野は、陽乃の言葉を訂正するように言う。
陽乃は偽りなく、希望さえなく、
ただ、ありうる結果だけを述べた
しかし、それではあまりにも心象が悪すぎる
歌野「……私達は限界が近かった。久遠さん達が来てくれなければ今月まで耐えられていたのか、今もこうして通信できていたのかもわかりません」
安全が確保されていないから、危ない。
それは当たり前だ。
自分たちのことを優先して、救助に来ることが出来ない
それは仕方がない。悔しいけれど、理解はできる。
けれど。
歌野「私達の決定を咎められるだけのことを……」
貴方達はしてくれなかった。
そう、歌野は言いかけて首を振る。
その批判は、理不尽だ。
歌野「とにかく、そういうことになります。明日の定期連絡で改めて詳細をお伝えします」
陽乃「あら。明日のお昼にもここにいるつもりなの?」
歌野「……一応、通常より3時間早くを予定して頂ければ」
『……承知いたしました』
- 532 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 20:05:12.73 ID:SMoMu87Lo
-
√ 2018年 9月6日目 夕:諏訪
34〜43 歌野
78〜87 水都
89〜98 九尾
↓1のコンマ
※それ以外は通常
- 533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 20:09:05.01 ID:Pusrzcv3O
- あ
- 534 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 20:42:21.85 ID:SMoMu87Lo
-
√ 2018年 9月6日目 夕:諏訪
陽乃「……」
若葉「良いのか? 藤森さんを放っておいて」
いつものように、部屋で一人物思いにふける陽乃のそばに姿を見せた若葉――九尾は、
その顔を覗くように体を揺らして、息をつく
若葉「どうした」
陽乃「どうもしてないわよ……何にも変わってない」
向こうに襲撃があった。
けれど、それだけ。
杏達は到着していなかった。
歌野が諦めたくない気持ちも陽乃は理解できないわけではないが
さすがに、4日目ともなると生存は絶望的である。
杏と球子は、連携すれば陽のも圧倒できる力はあるかもしれない。
だが、やはりそれでも限界はある。
それこそ、陽乃のように広範囲をせん滅することが出来るような力がない限りは。
- 535 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 20:54:06.71 ID:SMoMu87Lo
-
陽乃「九尾から見て、二人の生存確率は?」
若葉「限りなく低いな。ここまでくると」
若葉の声で、不安そうに答える。
その声も、表情も、感情も
きっと、若葉がそうするだろうというものでしかなく
九尾自身にその心はないだろう。
若葉「四国が襲撃されたこともそうだが、さすがに時間がな。今はまだ生きているとしても、負傷している可能性がある」
陽乃「動けないほど?」
若葉「ああ」
どれほどの怪我か。
片腕でも吹っ飛ばされたか
片足でも食いちぎられたか
それとも、腹に穴でもあけられたか。
陽乃「そう……不味いわね」
1、歌野達のところへ
2、近付けば、貴女でも居場所を察知できる?
3、遅れたら、死ぬわね
4、何も言わない
↓2
- 536 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 20:55:32.52 ID:Pusrzcv3O
- 2
- 537 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 20:57:10.45 ID:DI1UM5H40
- 2
- 538 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 21:36:02.39 ID:SMoMu87Lo
-
陽乃「近付けば、貴女でも居場所を察知できる?」
若葉「そうだな……できないとは言わないが、久遠さんや白鳥さん、ひなたのように正確に把握することは出来ない」
陽乃はもちろんのこと、
歌野やひなたについては、何らかのつながりがあってこそ正確に察知することが出来ている。
九尾からの干渉や、
陽乃から通じているものがない以上、
その存在を確実に捉えることはいくら九尾とは言え、できないらしい。
陽乃「なら、二人を見つけるにはしらみつぶしにする必要があるってこと?」
力を使い、騒ぎを起こせば向こうからも何か返答があるかもしれない
だが、その場所はごく限られる。
若葉「とりあえず、目的は四国として、伊予島さん達が話し合っていたルートを通るしかないな」
陽乃「そうね……」
- 539 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 22:01:50.97 ID:SMoMu87Lo
-
若葉「救いたいのか?」
陽乃「それを目的とするつもりはないわ」
若葉「だが、そうするのだろう?」
若葉はもの知り顔で言う。
それが若葉ではなく九尾だと分かっているせいか、
陽乃は少し、眉を顰める
陽乃「……」
若葉「私も、可能ならそうしたいしそうするべきだと思っているが、諏訪の人々を連れて行くなら無理だ」
陽乃「そうね」
若葉「二人を諦めるか、諏訪の人々を諦めるかだ」
陽乃「言われなくても分かってる」
二人を救うなら、足の速さが重要だ
勇者の行動の自由さが重要だ
だが、それを優先しては諏訪の人々を連れていけない。
彼らを置いていくしかない。
陽乃「言われなくても、分かってるのよ……」
- 540 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 22:30:00.50 ID:SMoMu87Lo
-
どちらも諦めないのは、不可能だ。
九尾に言われなくても分かっている。
どちらも救うのはついでだ。
向こうに帰るついでに連れて帰る
その道中にいるかもしれないから、見つける。
それだけ。
若葉「久遠さんは、どちらを諦める?」
陽乃「私に諦めろって言うの?」
若葉「それ以外のなんといえばいい?」
切り捨てるも、見捨てるも
どちらも同じ
勇者を諦めるか、人々を諦めるか。
今後を考えるなら、勇者を優先するべきだが
1、私が決めることじゃないわ
2、なるようになるわよ
3、目の前にあるもの以外、どうにもならないわ
4、私は、諦めるのは嫌いよ
↓2
- 541 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 22:31:27.31 ID:DI1UM5H40
- 4
- 542 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 22:32:02.17 ID:Pusrzcv3O
- 4
- 543 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 22:50:56.02 ID:SMoMu87Lo
-
陽乃「私は、諦めるのは嫌いよ」
若葉「久遠さん!」
陽乃「分かってるってば!」
若葉の感情で声を張り上げた九尾に、陽乃は怒鳴り返す。
煩わしかった
騒々しかった。
言われなくたって、わかりきっていることだから。
どこかにいる勇者二人
勇者に比べれば体力も力もない人々
その両方をどうにかしようなんて無茶ですらなく、無理な話だ。
そんなことは分かっている。
けれど。
陽乃「私は、諦めたくないの!」
若葉「……」
陽乃「あの日、貴女は何にも感じなかっただろうけど、私は……」
- 544 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 23:11:27.16 ID:SMoMu87Lo
-
他人のために動くなんて、馬鹿らしいと思っているし
それで報われるだなんて夢みたいなことを信じていないし思ってもいない。
しかし、陽乃は救わずにはいられないし
目の前にある命を、やすやすと手放すことは出来ない
陽乃はもともと、そういった性格だったし、
自分に伸ばされ、届かずに落ちて行った誰かの手
なぜ救ってくれなかったのかと憎しみさえ抱いていそうな瞳
その命が失われるまで、響き続けた声。
陽乃はそれを、忘れられない。
それはある意味、呪いだろう。
陽乃「たくさん、見ちゃったから」
若葉「苦しむぞ」
陽乃「なに? 今以上に落ちるところがあるって言うの?」
- 545 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 23:23:52.48 ID:SMoMu87Lo
-
陽乃「私は、私のやりたいことをするのよ」
若葉「それが辛い道だと言っている」
陽乃「関係ないわ」
若葉「……」
どうせ、水都と歌野だって似たようなことを言ってくるに違いない。
二人は諦めない
目の前にあるものも、可能性があるものも。
それが完全にその手からすり抜けて、砕け散ってしまうまで。
陽乃「多数決では私の負けよ。なら、初めからその気でいる方がマシだわ」
若葉「……そうか」
陽乃「なに?」
若葉「いいや、なんでもない」
含みを感じる笑みに陽乃は顔を顰めたが、
若葉は首を振って。
若葉「久遠さんがそう決めたならそれでいい。私も、微力ながら手を貸そう」
- 546 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 23:26:26.86 ID:SMoMu87Lo
-
√ 2018年 9月6日目 夜:諏訪
01〜10 歌野
34〜43 水都
67〜71 歌野
91〜95 水都
↓1のコンマ
※それ以外は通常
- 547 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 23:29:40.99 ID:Pusrzcv3O
- あ
- 548 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/11(日) 23:34:17.67 ID:SMoMu87Lo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 549 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/11(日) 23:42:30.06 ID:Pusrzcv3O
- 乙
まさになるべく諦めない、というか今度こそ陽乃さんが素直になれるチャンスかもしれないな
それにしてもせっかく信じて送り返した杏たちがこんな序盤で退場したらあんまり過ぎるしなんとかならないものか…
- 550 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/12(月) 01:16:32.96 ID:wJn/vmYMO
- 乙
久しぶりに陽乃から前向きな言葉聞けた気がする
- 551 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/12(月) 22:12:30.71 ID:U9jzG/nfo
-
では少しだけ
- 552 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/12(月) 22:15:18.87 ID:U9jzG/nfo
-
√ 2018年 9月6日目 夜:諏訪
夜になっても、
陽乃はやや気落ちした様子で、窓際でふて寝していた。
柄にもなく声を張り上げてしまった。
九尾はそれに対してどうこう言ってくる性格ではないし、
尾を引くような物でもないので、構わないが。
自分が、人を救う方向に傾いていることが、気に喰わなかった。
陽乃は諦める人が嫌いだ。
だが、それ以上に自分が諦めるということが嫌いだった。
それは諦めれば死ぬしかなかったこと、諦めれば救えないものがあったこと、
そして諦めなくてもどうにもならなかった経験があったからだ
けれど、陽乃はその諦めなかった果てに母親と自分以外の全てを失うことになって、
他人を救うということは、報われるどころか仇で返されるものだとしか思えない。
なのに、勇者も人々もあきらめないだなんて。
陽乃「……化け狐」
唆されたというか、言いくるめられたというか。
諦めることを嫌う部分をうまく利用されてしまっただけだ。と、
陽乃は思って。
陽乃「どうせ、二人は同じだろうし」
- 553 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/12(月) 22:40:07.83 ID:U9jzG/nfo
-
陽乃が、勇者は見捨てると言ったり
邪魔だから足手まといになる人々は置いていくとか言ったところで
歌野と水都の二人はそれに反発してくるに違いない。
ただでさえ時間も戦力も余裕がないときに、
無意味なことで余計な諍いを起こしているわけにはいかない。
それを考えれば、
二人の考え方に則っていても、別に悪いことではないだろう。
陽乃は、思わず身震いする
陽乃「っ……もう……」
なんて酷い、言い訳なのか。
九尾が聞けば嘲笑とともに「屁理屈を並べおって」とでも言っていたかもしれない。
けれども、陽乃はそうするしかなかった。
言動でどれほどまでに取り繕っていようと、
中身はやはり、あの頃の陽乃が残ってしまっている。
- 554 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/12(月) 22:52:24.92 ID:U9jzG/nfo
-
力のない人々
ただ逃げ纏うことしかできない人々。
それを連れて歩くというのは、陽乃にとって地獄のような期間になることだろう。
彼らが陽乃を責めるからではなく
彼らが無力で戦う術を持たず、逃げ惑うことしかできないからだ。
陽乃「……っ」
その姿、その声、その足音があの日に被さることは想像に難くない。
陽乃を今もなお苦しめているあのトラウマが、
悪夢としてではなく現実にもう一度姿を見せるかもしれない。
その時冷静でいられるのだろうかと、陽乃は自分の握り拳を額に当てる
陽乃「関係ない……関係ないわ」
ただただ、バーテックスを討ち滅ぼすだけ。
誰かが、何かが、そこにあろうとなかろうと
バーテックスの存在があるのなら、それをぶん殴るだけで良いのだ。
1、共用の部屋へ
2、九尾を呼ぶ
3、歌野に力を通してみる
4、水都に力を通してみる
5、イベント判定
↓2
- 555 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/12(月) 22:53:49.44 ID:RUW6pJudO
- 1
- 556 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/12(月) 22:54:11.67 ID:b0+WaH610
- 3
- 557 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/12(月) 23:09:35.80 ID:U9jzG/nfo
-
陽乃は、嫌な考えを放り投げるべく別のことを念頭に置く
最初は、弱り切った様子だった歌野だが、
夕食頃にはもう、すっかり落ち着いた様子で、今はもう、問題はない程に回復している。
初回は九尾に任せてしまったため、
歌野に関しては、繋がりを感じられているだけで、力を通すことについてはまだ未調整
どうせもう寝るだけなのだから
少しくらい、力を通してみようかと、陽乃は歌野のことを捉えようと目を瞑った。
今までも大まかに居場所を特定できたけれど、
今では、より正確に歌野の居場所が分かる……気がする。
陽乃「……」
力はまだ十分に残っているのか、
普段と比べて、元気が有り余っているように感じられる歌野の気配
陽乃は、そうっと……糸を伸ばすように、歌野の方に力を流していく
- 558 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/12(月) 23:10:33.73 ID:U9jzG/nfo
-
↓1コンマ判定 一桁
0,9 特殊
ぞろ目 特殊A
- 559 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/12(月) 23:14:50.44 ID:RUW6pJudO
- あ
- 560 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/12(月) 23:15:43.38 ID:U9jzG/nfo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 561 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/12(月) 23:26:20.42 ID:RUW6pJudO
- 乙
ここでまさかのゾロ目を引くとは…これでいい方向に繋がってくれるといいけど
- 562 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/13(火) 00:28:39.35 ID:rQm5gyccO
- 乙
もっと密接に結びつくのかな
感覚共有できたり感情を感じ取れるようになったりするんだろうか
- 563 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/13(火) 22:19:39.44 ID:l3S+Aol9o
-
では少しだけ
- 564 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/13(火) 22:23:17.76 ID:l3S+Aol9o
-
前へ前へと流れていく力が、
やがて、何かにぶつかってせき止められるのを感じて、陽乃は目を開く。
今は歌野と繋がっている状態なのか。
これと言って、はっきりとしたものはないが、
けれど、何かがあるのはやんわりと感じられる
そう思っていると、どこからともなく声が聞こえてきた。
『なんだろう。むずむずする……』
一瞬、九尾のものかと陽乃は考えたが、
普段は誰かのことを真似た声を出していないし、違うだろう。
では、誰なのか。
陽乃「……白鳥さん?」
この状況でなら、それ以外になかった。
- 565 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/13(火) 22:37:14.69 ID:l3S+Aol9o
-
九尾はほかのだれにも聞かれないように陽乃と直接会話をしたりすることが出来るが、
それと似たようなものなのだろうか。
『久遠さん?』
歌野は戸惑っているようで、色々と陽乃の方に流れ込んでくる。
『何か変な感じ……ちょっと暑い』
彼女の考えも、感じていることも、
もしかしたら、一瞬だけ入れ替わったような感覚を覚えたように、
歌野の視界だって共有できてしまうかもしれない。
陽乃「……」
普段から九尾とつながりがある分、
陽乃は無意味に歌野へと漏らさずに済んでいる状態だろう。
恐らく、陽乃の方からも歌野に対して言葉を伝えたりできるはずだ。
1、体の不調を聞いてみる
2、部屋に来るように言う
3、中断する
4、私は神です。
↓2
- 566 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/13(火) 22:42:05.75 ID:Jelz9/BWO
- 1
- 567 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/13(火) 22:43:53.17 ID:hCj2XKB/0
- 2
- 568 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/13(火) 22:59:54.64 ID:l3S+Aol9o
-
陽乃は少し考えて、歌野に力を流すのに似た要領で、
部屋に来て欲しいと、言葉を送り込む。
『えっ? 部屋? えっ?』
完全に困惑している歌野は戸惑い、
そして少ししてから『久遠さんね!』と声高に陽乃に叩き込んでくる。
陽乃「……失敗したかも」
呼ばなければよかったと思ったけれど、
もう時すでに遅い。
多少慌てふためいた足音と、
歌野の気配がどんどん陽乃へと近づいて、
歌野「久遠さん!」
扉が勢いよく、開け放たれた
- 569 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/13(火) 23:06:23.22 ID:l3S+Aol9o
-
歌野「一体、どういうこと?」
陽乃「良いから、落ち着いて……うるさいわ」
陽乃は呼んでおいて、煩わしそうに手を振って諫める。
別に体調は悪くないので、
大声で話されても問題はないと言えばないけれど。
『なにかあったのかしら』
歌野の声と考えが陽乃に伝わる。
素の声に比べると、少し変わって聞こえる心
聞き間違えることはなさそうだと安どしつつ、陽乃は歌野を見つめる
陽乃「ここに来たってことは、ちゃんと伝わったのね」
歌野「ええ……びっくりしちゃったわ」
陽乃「私もさすがに、こうなるとは思ってなかったけど」
- 570 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/13(火) 23:13:25.26 ID:l3S+Aol9o
-
陽乃は力のつながりを確認したかっただけで、
歌野の心を盗み聞きするつもりはなかったし、
ましてや、そこまでの力があるとも思ってはいなかった。
陽乃「ムズムズするって言ってたけど、平気なの?」
歌野「えっ? あ、えぇっと……」
歌野は驚いて、顔を背ける。
まるで歌野らしくない態度だが、
普段であれば陽乃は鬱陶しいとでも思いつつ、歌野に事情を聴くこともなかっただろう
しかし――
『自分が自分じゃないみたい……なにか、変だわ』
今は、歌野のその内側が漏れ出てしまっている。
- 571 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/13(火) 23:18:38.37 ID:l3S+Aol9o
-
陽乃「自分が自分じゃないって?」
歌野「へっ!? あ……久遠さんに聞こえたの?」
びくっとした歌野は、少し気恥しそうに陽乃を見ると……目を伏せて。
歌野「分からないけど、久遠さんを強く感じるわ。まるで、自分が久遠さんになっちゃったみたいに」
もちろん、見た目も雰囲気も力も
陽乃本人と歌野ではまるで違っていて
陽乃の目に見える歌野の姿は、間違いなく歌野である。
だが、歌野はそう感じられていないらしい。
『良いかしら、駄目よね……あ、聞こえちゃう……』
陽乃は歌野の視線を感じたけれど、気づかないふりをする。
完全に、駄々洩れだ。
1、言いたいことあるなら言いなさいよ
2、悪かったわ。次からしないから
3、内側に留めるようにするのよ
4、貴女らしくないわね
↓2
- 572 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/13(火) 23:20:23.17 ID:8quEo0h4O
- 1
- 573 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/13(火) 23:21:22.47 ID:hCj2XKB/0
- 1
- 574 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/13(火) 23:22:48.17 ID:Hl2dLSLXO
- 2
- 575 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/13(火) 23:30:20.07 ID:l3S+Aol9o
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 576 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/13(火) 23:48:36.65 ID:Hl2dLSLXO
- 乙
ここのところ陽乃さんに翻弄され続けてるうたのん
心が丸聞こえな以上本音を言い合うのも手かな
- 577 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/14(水) 01:21:17.04 ID:iRXWIYt7O
- 乙
想像以上に強く結びついたんだな
- 578 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/14(水) 23:31:34.62 ID:/kVk5otFo
- すみませんが、
本日は所用のためお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
- 579 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/14(水) 23:35:23.83 ID:l8hiplsTO
- 乙ですー
- 580 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/15(木) 22:13:51.49 ID:iGdKiVW1o
- では少しだけ
- 581 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/15(木) 22:20:26.26 ID:iGdKiVW1o
-
陽乃「言いたいことがあるならはっきりしなさいよ」
歌野「……怒らない?」
陽乃「その態度に、怒りそうなんだけど」
陽乃は、普段の歌野とは全く違う
どこかうじうじとしているような
そんな態度に対してあからさまに顔を顰めて見せる。
普段の態度は態度で不満があるが、
それよりも気に入らない
そんな様子の陽乃に、歌野は目を向けて。
歌野「私も上手い言葉が見つからないんだけど……その、久遠さんを感じるのよ」
陽乃「さっきからそういう話でしょ?」
歌野「そうじゃなくて……えぇっと、久遠さんの心? みたいな、感情みたいな……そういうのを感じるの」
- 582 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/15(木) 22:35:33.47 ID:iGdKiVW1o
-
歌野は、説明が難しいと言いながら、
陽乃の気持ちを感じるのだと繰り返す。
嬉しいとか、苛立っているとか、悲しいだとか
陽乃が意識して歌野を呼んだ時のように
はっきりとした声が聞こえるわけではないが、
感覚的に、陽乃の感情みたいなのが伝わってきていると、歌野は言って。
歌野「だから、私と久遠さんが混ざってる感じがするというか……久遠さんになったみたいって言うか」
『今も、久遠さんが私をどう思ってるかとか感じちゃうし……』
陽乃「私が意識してなくても、色々と伝わってるってことね」
歌野「え、ええ……そうみたい」
恐らく、陽乃が思っている以上に太いつながりが出来ているのだろう。
そのせいで、陽乃が意識していなくても、
力の流れに乗って、陽乃のことが歌野に届いてしまっているのだ
- 583 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/15(木) 22:53:21.07 ID:iGdKiVW1o
-
歌野「だから、なんだかドキドキしちゃって」
陽乃「そう。私は別にしてないけど」
歌野は、陽乃のことを知ることが出来て嬉しいのかもしれないが、
陽乃としては、厄介なことでしかない。
歌野ほどに筒抜けになっていないのが、幸いだろう。
『むしろ、嫌がってる……』
陽乃「その通りよ」
歌野「!」
心の声に答える陽乃に、歌野はちょっとだけ困った顔を見せた
1、力の流れを切る
2、私の本心を感じ取ってるんでしょ?
3、水都のことを考えてみる
4、歌野のことを考えてみる
5、嫌に決まってるじゃない。こんなの
↓2
- 584 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/15(木) 22:55:37.07 ID:u3qhOpPSO
- 2
- 585 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/15(木) 22:55:51.78 ID:Zjh1UpimO
- 2
- 586 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/15(木) 22:55:53.03 ID:VOPrfPjQ0
- 1
- 587 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/15(木) 23:27:02.77 ID:iGdKiVW1o
-
陽乃「私の本心を感じ取ってるんでしょ?」
歌野「そうなのかしら……そうなの、かも?」
歌野は不思議そうに傾げる
陽乃の本心なのかどうかは陽乃にしかわからないが、
無意識に伝わってきているのなら
本心なのかもしれないと歌野は思って。
歌野「久遠さんの本心、気になっちゃうわ」
陽乃「今まで十分伝えてきたと思うんだけど」
振り払ったり、邪険に扱ったり
面倒くさがって、お任せにしたり。
陽乃は、それがすべてとでも言うかのように、歌野を見る
歌野「……」
- 588 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/15(木) 23:29:46.56 ID:iGdKiVW1o
-
↓1コンマ判定 一桁
3,6,0 イベント
※それ以外通常
- 589 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/15(木) 23:37:17.79 ID:u3qhOpPSO
- あ
- 590 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/15(木) 23:41:30.10 ID:iGdKiVW1o
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 591 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/15(木) 23:50:33.42 ID:u3qhOpPSO
- 乙
何気にうたのんは陽乃さんが今まで外で話さなかったことまで知れる状態かもしれないのか
- 592 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/16(金) 00:22:27.39 ID:TzCXdA9+O
- 乙
どんな感じなんだろうな
陽乃もそろそろ心開こうよ
- 593 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/17(土) 22:22:55.75 ID:NmYT0X4fO
- 遅くなりましたが少しだけ
所用で端末が違いますが、問題はありません
- 594 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/17(土) 22:24:48.32 ID:NmYT0X4fO
-
歌野は陽乃をじっと見つめたかと思えば、顔を背けて。
『久遠さんの本心……』
歌野の心が、聞こえてきてしまう。
歌野には陽乃の本心が感じ取れてしまっていて、
それはたぶん、歌野の表情を曇らせるようなものなのかもしれない。
歌野「ねぇ、久遠さん」
陽乃「なに?」
歌野「久遠さんは、私たちのことも……失いたくないって思ってくれているの?」
陽乃「はぁ?」
陽乃の冷たい返しに、
歌野はちょっとだけ体を震わせたものの、
だって。と、呟いて。
歌野「言いたいことがあるならはっきりしろって言ったじゃない」
- 595 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/17(土) 22:58:21.80 ID:NmYT0X4fO
-
陽乃「そうね、言ったわ」
ついさっきのことだ。
忘れたと言ったところでどうにもならないと、陽乃は素っ気なく頷く
そんな様子も、歌野は困ったように笑う。
きっと、歌野にはその表面とは別のものが伝わっているせいだ
歌野「久遠さんからは、どうにかして突き放さなきゃって感じがするわ」
陽乃「そう」
歌野「でも、それと同時に出来れば離したくない。みたいな……」
そんな感じがする。と、歌野は言う。
陽乃は目を細めて歌野を見たが、嫌味を言うこともなく目を背ける。
突き放さないといけないと思っているのも
できるのなら、誰かのぬくもりが欲しいと思っているのも
事実だ
- 596 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/17(土) 23:26:47.27 ID:NmYT0X4fO
-
歌野自身はそれを言葉として受けとっているわけではないため、
やや、自信がなさそうな感じではあったが、
それは間違っていない。
歌野は本当に、陽乃の本心を感じているのだ
歌野「久遠さん、内と外がばらばらになっちゃってるわ」
陽乃「気のせいよ」
歌野「だったら、私のことをどう思っているか言ってみて」
歌野は、悪戯を企んでいるような笑みを浮かべる。
陽乃の本心を感じ取れるから、
何を言ったって見抜いてやろうと考えているのかもしれない
1、普通
2、面倒な人
3、嫌い
4、どうも思ってない
5、悪くは思ってない
6、実は……貴方のことを心から慕っているわ
↓2
- 597 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/17(土) 23:28:03.82 ID:0K7jUqb80
- 1
- 598 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/17(土) 23:28:14.63 ID:+ytLmrpoO
- 5
- 599 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/17(土) 23:40:06.64 ID:NmYT0X4fO
-
陽乃「別に、悪くは思ってないわ」
歌野「……」
陽乃「そんな見つめたって答えは変わらないわよ」
穴をあけそうなほどにまじまじと見つめられた陽乃は、
困ったように言って、歌野の額を指でぐっと押し返す。
『……ほんと』
陽乃「本当よ。嘘じゃないでしょ」
歌野の心の声にも答えた陽乃は、疲れたようにテーブルに突っ伏す。
歌野はそれでも陽乃を見ていたが、
少しして「本当ね」と、頷いて。
歌野「久遠さん……私たちのこと見限ったりはしてなかったのね」
嬉しそうに、笑った
- 600 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/17(土) 23:42:15.72 ID:NmYT0X4fO
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は可能であれば少し早い時間から
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/17(土) 23:56:34.78 ID:ousmefH/O
- 乙
もう隠し事は通じないだろうしやっと陽乃さんも素直になる日が来たか
あともう一息だな
- 602 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/18(日) 00:39:03.42 ID:NWN5T+qjO
- 乙
本心を改めてうたのんの口から語られるのはいいかもな
- 603 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/18(日) 22:24:46.83 ID:Dvf0sObBO
- 遅くなりましたが、少しだけ
本日も違っていますが問題はありません
- 604 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/18(日) 22:32:37.32 ID:Dvf0sObBO
-
歌野「久遠さんから感じるのよ。本当に、悪く思ってないって」
歌野は嬉しそうだが、
どこか寂し気な雰囲気で続ける
歌野「でも、だから。って」
悪く思っている人もいるかもしれないが、
少なくとも歌野達のことを悪く思ってはおらず、
しかし、だからこそ突き放そうとしているように感じるのだと歌野は言う。
歌野「やっぱり、久遠さんは優しい人よ」
陽乃「どこが」
歌野「だって、すっごく……怖がってるでしょ?」
陽乃「……」
歌野「悪くない相手が出来ちゃうこと」
- 605 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/18(日) 23:02:55.12 ID:Dvf0sObBO
-
歌野は、陽乃が悪くない相手に対しても、
少しばかり恐怖を感じているように感じると、顔を顰める。
その恐怖はどちらかと言えば不安で、
信じたり、頼ったり
そういうことをしたくないのではないかと、指摘します。
歌野「久遠さん……私のことも怖いのね」
陽乃「別に怖がってないわ」
歌野「ううん、怖がってる。なんて言ったら分からないんだけど……」
歌野は少し困ったように言って、
考え込むように陽乃から目を逸らす。
言葉として聞こえたらいいのにと呟く歌野の心も、
その呟きと全く一緒で、参考にはならない。
そして、歌野は不意に顔を上げて。
歌野「警戒してる? なんていうか、こう……後ろからグサーッってされるみたいなこと」
- 606 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/18(日) 23:09:05.99 ID:Dvf0sObBO
-
陽乃「は?」
歌野「ごめんなさい、言葉にしにくくて」
陽乃「なら無理に言わなくたっていいから」
陽乃は別に自分の本心に気づいていないわけじゃない。
むしろ、自分の本心はしっかりとわかっているのだ。
分かった上で、遠ざけたいと思っている。
歌野達はそうじゃないと思っていても、
怖いものは怖いのだ。
陽乃「私のことは私が一番よく分かってるのよ」
歌野「でも、私とみーちゃんは大丈夫よ! 土居さん達だって……だって、一緒に命を懸けてきた仲間なんだから」
陽乃「命をかけてきたからなんだって言うのよ」
その命がかかった状態の相手を助けた結果、
あんな惨劇が起きた上、腫れ物扱いですべてを失ったのだ。
- 607 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/18(日) 23:16:22.71 ID:Dvf0sObBO
-
自分の言葉で陽乃の気持ちが悪い方向に揺らいだのを感じたのだろう。
歌野は慌てて謝って、
変なことを言ってしまったと、首を振る。
陽乃「……想像以上に厄介ね」
本心が伝わってしまうのなら、取り繕ったって筒抜けになる。
陽乃が大丈夫と言っても、それが嘘だとバレてしまう。
言葉が伝わらないなら問題ないとは思ったが、
まるで、そんなことはなかった。
歌野「……でも、私たちのことだけでも、信じてくれない?」
それでも歌野は食い下がってくる。
陽乃が表面上で苛立ちを見せても、
苛立ちだけではない陽乃の本心が分かってしまうから、
そこで引くだけでは何も変わらないと分かってしまっているせいだ。
歌野「私達は久遠さんの力のおかげで戦えるのよ? もしあれなら、自分の力の一部だって思ってくれてもいいから」
1、貴女達は貴女達よ
2、嫌よ。
3、やめて……困らせないで
4、そうね。貴方達くらいなら、良いのかもしれないわね
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