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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【4頁目】
- 609 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/18(日) 23:19:46.95 ID:/4RQEGCB0
- 4
- 610 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/18(日) 23:29:25.88 ID:Dvf0sObBO
- では短いですがここまでとさせていただきます
明日は恐らくお休みになるかと思います。
再開時は、可能であれば通常時間から
- 611 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/18(日) 23:34:03.33 ID:00RiV3S+O
- 乙
せめて仲間だけでも信じられれば大分変わるだろうしなぁ
これでトラウマ脱却への第一歩になるかどうか
- 612 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/19(月) 00:26:16.13 ID:scSP5Bh8O
- 乙
でも今回ほんとに実りあったな
うたのんは陽乃が自分たちを心の底から拒絶してるわけじゃなくて本当は求めてることがわかったし
陽乃はうたのんが自分のこと本当に信頼していて拒絶したりなんかしないってことがわかった
- 613 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/20(火) 23:43:19.08 ID:AZlBtnfvO
-
すみませんが、本日もお休みとさせていただきます。
今週の平日はもしかしたら厳しいかもしれませんが、
可能であれば、通常時間から行う予定です。
- 614 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/20(火) 23:47:58.20 ID:Hom7Ic7ZO
- 了解
連絡いつも乙です
- 615 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/22(木) 23:22:11.75 ID:q2wTKAXIO
- 遅くなりましたが、少しだけ
- 616 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/22(木) 23:24:59.20 ID:q2wTKAXIO
-
歌野が言っていることはその通りだ。
歌野は陽乃の力のおかげで戦うことが出来ており、
陽乃の力の一部とも言えなくもないでしょう。
陽乃は小さく息をついて、頷く。
陽乃「そうね。貴方達くらいなら、良いのかもしれないわね」
歌野「!」
陽乃「待って、大声はやめて」
陽乃は心を感じ取って、
歌野がその行動に出るよりも素早く、手を向けて制する。
歌野「ぅ……」
陽乃「私の本心が感じられるなら、分かって頂戴」
陽乃が頷くのがどれだけ難しいことなのか。
陽乃が信じてもいいというのがどれだけのことなのか。
歌野は輝きそうなほどの笑みを、影らせて。
歌野「ええ、分かってる。何があっても、久遠さんを裏切ったりしないわ」
- 617 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/22(木) 23:51:16.43 ID:q2wTKAXIO
-
歌野は、迷わず断言します。
それはとても力強く、けれど、大声というほど大きくもない
ただ、芯の通ったもので。
聞こえてくる心も、それを強く意識しているものだった。
陽乃「……分かってる? 今までの貴女のやり方では間違いなくそれを裏切ることになるって」
歌野「ええ……分かってる」
陽乃「どうだか」
全ての人々を守りたいとする歌野の戦い方は、
いつしか、自分を犠牲にして誰かを守り、そして、死んでいくことだろう。
死に方はそれとは別だったとしても、
死んでしまうという時点で、陽乃を裏切ったことになってしまうのだ。
もっとも、死にやすいのは陽乃も同じだが。
- 618 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 00:20:37.71 ID:yfBkq4hEO
-
歌野「私達が、死んじゃうのが嫌なんでしょ?」
陽乃「私は別に」
歌野「駄目よ……分かっちゃうんだもの」
歌野は、ちょっぴり困ったように笑って
抱きしめたり、当てを握ったり、頭をなでたり
そういったことはしないけれど、
距離だけは、近づいて。
歌野「分かってる。私も……さすがに、全てを救いきるのは理想論でしかないって、分かってるから」
今までは、みんなが諏訪の結界の中にいてくれたから、
全員を守るということが出来ていただけだ。
ここから四国に向かう道中は、そんな安全地帯が存在しない。
残ると言っている人々は体のどこかに不安があって
その人達を連れて行けば、バーテックスに襲撃される可能性が格段に上昇する。
それを自覚している人たちの辞退を、止めることは簡単ではない。
歌野「……無力よね。勇者って言ったって」
だから、歌野は残念そうに言う。
- 619 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 00:51:42.89 ID:yfBkq4hEO
-
説得出来ないし、
多少は凄い力を持ってはいるが、それだけで
攻撃を受ければ痛いし、死ぬときは死んでしまう。
陽乃「貴女……」
歌野「死ぬ時まで、弱気なんて見せる気はなかったのよ?」
歌野はそう言って困ったように笑う。
歌野「でも、勇者同士なら……ね? 少しくらい弱音を吐いたって、いいじゃない?」
歌野は水都にもあまり弱ったところは見せたくないとは言うけれど、
それは、自分しか勇者がいなかったからで、
自分だけが希望だったからで
そんな姿をひとたび見せてしまえば、みんなが不安になって、壊れて行ってしまうと思っていたからで。
歌野「良いのよ。久遠さんだって、弱音を吐いたって」
誰にも何も見せる気がなかったのは、信頼できなかったから。
けれど、今は。
歌野「それが解決できそうなら、私達が全力で手伝うわ」
歌野達がいる。
歌野「まずは、明日……明日精一杯頑張りましょう」
目下、一番諦めたくないもの
それを諦めずに済むように頑張ろうと、歌野は陽乃に笑みを浮かべる
- 620 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 00:54:00.24 ID:yfBkq4hEO
-
↓1コンマ判定 一桁
0,3,9,ぞろ目 特殊追加
※それ以外は終了
- 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/23(金) 00:55:55.50 ID:P4Cns/lPO
- あ
- 622 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 00:58:13.57 ID:yfBkq4hEO
- では短いですがここまでとさせていただきます
明日は可能であれば早い時間から
- 623 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/23(金) 02:01:38.28 ID:P4Cns/lPO
- 乙
運がむいてきたな
- 624 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/23(金) 06:28:04.83 ID:BZgPG4HCO
- 乙
やっと陽乃さんの人間不信が少しだけでもなんとかなりそうだな
これが逆転のきっかけとなってくれるかどうか
- 625 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 22:31:34.64 ID:3rlnjyCGO
- では少しだけ
- 626 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 22:36:39.46 ID:3rlnjyCGO
-
それはきっと、つながりが深くなってしまったからだろう。
眠ったことで深層心理までもが絡み合って、
もしかしたら一心同体のような状況に陥っていたのかもしれない。
その日の夜、陽乃は夢を見た。
小学生の女の子が、楽しそうに農作業を手伝っている夢
両親のような人
祖父母のような人
多くの人達と、とても楽しそうに日常を過ごしている夢は、
次第に、壊れて行って
やがて……少女一人になってしまう。
すべてが壊れて、奪われて、一人ぼっちになって。
それでも、彼女は折れることなく立ち向かっていく
そんな夢を、陽乃は見てしまう
- 627 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 22:51:17.67 ID:3rlnjyCGO
-
陽乃はそれを追体験するというよりも
外側から見ている感じで、
どれだけ手を加えたくても、どうにもならない。
手を伸ばしても、力を使おうとしても、
目を覚まそうとしても、何もできない。
ただ、見ていることしかできない。
明晰夢であるはずなのに、どうにもならないそれはただただ不愉快で
陽乃は早く覚めて欲しいと願って。
けれど、陽乃は暫く、目を覚ますことは出来なかった。
- 628 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 22:55:23.74 ID:3rlnjyCGO
-
1日のまとめ(諏訪組)
・ 白鳥歌野 : 交流有(力の供給、毒、新しい敵、杏達、供給テスト、部屋に呼ぶ、言いたいこと、本心、良いのかも、特殊)
・ 藤森水都 : 交流有(神託)
・ 九尾 : 交流無(支援、手伝って、杏達の位置、諦めるのは嫌い)
√ 2018/09/06 まとめ
白鳥歌野との絆 73→77(良好) ※特殊交流4
藤森水都との絆 85→86(良好) ※特殊交流8
九尾との絆 73→75(良好)
- 629 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 23:11:44.61 ID:3rlnjyCGO
-
√ 2018年 9月7日目 朝:諏訪
翌朝、目を覚ました陽乃は自分を見ている視線に気づいて隣に目を向ける。
それは水都ではなく、歌野の方からのもので。
陽乃を起こしたのかと、小さな謝罪が彼女の口から洩れる。
歌野「なんか……嫌な、夢を見ちゃって」
歌野の目元には泣きはらしたようなあとがあって、
歌野の動いた手に自分の手が引っ張られていくのを感じた陽乃は、顔を顰める
陽乃「何、してるのよ」
歌野「つい……」
彼女は困ったように笑みを浮かべる。
嫌な夢を見たから、手を握ったのか
普段なら気づいて起きていたかもしれない。
それが出来なかったのは、陽乃も嫌な夢を見ていたからだろう
- 630 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 23:19:36.86 ID:3rlnjyCGO
-
歌野「凄く嫌な夢だったわ……ねぇ、私……」
もしかして、久遠さんの過去を夢に見ちゃったの? と、
そう続きそうな雰囲気で、歌野は言葉を切る。
夢ともなれば、覚えていないことがほとんどだが、
これは夢と言うよりも、力のつながりによる記憶の伝達みたいなもののため、
殆ど覚えていないのではなく、
殆どを覚えてしまっているのだろう。
歌野は、今までにないほどの暗い顔をしている。
最初は同じだったかもしれない。
沢山失って、守れなくて、けれど、力があるからと頑張ろうとした。
しかし、
歌野は、周りの人々が少しずつ力になってくれた。
陽乃は、周りの人々から悪意を向けられた。
それがとても大きな違いだった。
陽乃は誰も、頼ることが出来なくなってしまったのだ。
- 631 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 23:34:00.43 ID:3rlnjyCGO
-
歌野はもしかしたら、
その夢が陽乃の過去だと分かってしまったから、
手を握ってきたのかもしれない。
もしくは、陽乃がうなされたりしていたから、
わざわざ手を握ってくれていたのかもしれない。
陽乃「泣いたのね」
歌野「だって、あまりにもあんまりだったわ……」
泣いたのは眠っているときだった
けれど、仕方がなかったと歌野は言う。
頑張っても報われなかった。
歌野は、もし自分がそうだったなら
今ここにいることは出来なかったと首を振る。
歌野「……話に聞いた以上に、辛かったのね」
1、やめて
2、終わった話よ
3、だったら、昨日の話はなかったことにする?
4、なのに、あんな無理強いしてくるんだから
↓2
- 632 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/23(金) 23:34:52.65 ID:vWEz3gDnO
- 2
- 633 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/23(金) 23:35:13.05 ID:Q5DsYnJ80
- 3
- 634 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/23(金) 23:57:36.60 ID:3rlnjyCGO
-
陽乃「だったら、昨日の話はなかったことにする?」
歌野「冗談じゃないわ」
そんなバカなことはあり得ないと言うように
歌野は陽乃を睨むように見つめる
歌野「逆に、絶対に裏切れないと思った」
歌野は、ゆっくりと体を起こしていく。
まだ横になっている陽乃を見下ろすようにして、
握っていた手の力を強くする。
歌野「……何があっても、一緒にいたいと思った」
力は陽乃から借りているため、
否応なく、一緒にいる必要があるのだが、
歌野は、それでよかったと笑みを浮かべる。
歌野「大義名分があるから、むしろ、久遠さんが嫌でも、一緒にいさせて貰うわ」
- 635 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/24(土) 00:08:56.77 ID:VCP3Qq63O
-
一緒にいてくれる人はいたかもしれないが、
それを、信じることが出来なかった。
命を救われたなんて恩義がありながら
裏切ってくる人がいたのだから仕方がないだろう。
それが、どれだけ頑張っても報われることのなかった過去
けれど、今もそうであっていいはずがない。
歌野「久遠さんだって報われるべきだわ」
歌野は、とても優しい声で言う。
陽乃の手を優しく包み、
そして、笑みを浮かべて。
歌野「だって、私達は、久遠さん達のおかげで報われたんだもの」
もちろん、最後まであきらめる気はなかったが、
3年間頑張ったって、
未来を繋げる礎となるだけで
自分たちが生き残ることは出来ないと思っていた。
なのに、そうではなくなった。
希望が出来た。
まだ課題は残っているが、大丈夫だろう。
歌野「久遠さん達は私たちの命の恩人よ……その恩は絶対に返したいの。嫌って言われても」
- 636 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/24(土) 00:11:01.37 ID:VCP3Qq63O
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から
- 637 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 00:20:26.20 ID:uMSsjFlQO
- 乙
今さらながら陽乃さんとうたのんの環境の差がなぁ…
千景とかもこういう記憶の追体験したら意識を変えてくれるだろうか
- 638 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 00:29:06.03 ID:UZ9aaowyO
- 乙
ほんとにいい理解者になったなあ
- 639 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/24(土) 23:11:25.05 ID:t2dKD94fO
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 640 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/24(土) 23:20:14.65 ID:t2dKD94fO
-
歌野「……動揺してる」
陽乃は顔を顰めていたが、
その内側を歌野は突いて笑みを見せる。
嫌がっているわけではなく、
なにがなんでも離れないと言った歌野の言葉への動揺だ。
歌野はそれを感じ取ったのだろう。
あえて、口にして。
歌野「伊予島さん達の時も、こうだったの?」
陽乃「さぁ?」
歌野「みーちゃんに聞いたことがあるんだけど……」
陽乃「なに?」
歌野「そういう、実は相手のこと考えてくれてるのって、つんでれって言うらしいわ」
歌野の妙な話に、陽乃は目を閉じる。
そんな興味なさそうな反応を見せて。
陽乃「なに、馬鹿なこと言ってるのよ」
陽乃は困ったように呟く
- 641 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/24(土) 23:34:53.17 ID:t2dKD94fO
-
ツンデレがどういうものなのかは、
ある程度本を読んでいれば出てくることもあるし、
小学生時代にも聞いたことがあるので、知らないわけではない。
知らないわけではないから、陽乃は否定する。
陽乃「私はそんなじゃないわ」
歌野「けど、久遠さん……裏切られるのも嫌だけど、巻き込むのも嫌って思ってるでしょ?」
陽乃「はぁ……」
ため息をついた陽乃を、歌野はじっと見つめる。
陽乃の評判はどう頑張ってもいいとは言えない状況で、
その味方をしようものなら、悪と断じられてしまいそうなほどで。
それに巻き込むことも、陽乃は嫌がっていると歌野は見た。
歌野「生半可な気持ちじゃ、久遠さんとは付き合っていけないわ」
陽乃「嫌になった?」
歌野「野菜だって、生半可な気持ちでは美味しく育てることが出来ないわ」
1、私を野菜と同じにしないで
2、そう。せいぜい頑張りなさい
3、あら、私は毒があるわよ?
4、あっそう……ほんと、変わってるわね
↓2
- 642 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 23:36:02.53 ID:YfwGg09KO
- 3
- 643 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 23:37:07.60 ID:j9IhoUI80
- 3
- 644 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 00:05:56.91 ID:6P9xcRteO
-
陽乃「あら、私には毒があるわよ」
まだ隣で眠っている水都もそうだが、
歌野も、昨日体験したことだ
下手をしたらもがき苦しんで死ぬことにもなるような猛毒
なのに、歌野はおかしそうに笑う
陽乃「何よ」
歌野「だって、野菜にだって毒があるものもあるわ。ほら、知ってそうなもので言えば、ジャガイモとか」
ちゃんとした処理しないと食中毒を引き起こすことになるし、
最悪場合には死ぬこともあるだろう。
けれど、ちゃんと扱えば何も問題ない。
歌野「農業に携わるうえで、私もみーちゃんもたくさんの毒と向き合ってきた。心配は要らないわ」
- 645 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 00:21:56.69 ID:6P9xcRteO
-
陽乃「そう」
歌野「そうよ!」
自信満々に言う歌野を一瞥した陽乃は、
歌野とは別の、隣から視線を感じて目を向けると、水都と目が合う
水都「……うたのん、声大きい」
水都は陽乃の本心が伝わったり、
過去を垣間見るような夢を見ることはなかったなかったのだろう
ただ、話す声が少し大きくなったせいで、
起きてしまったらしい。
歌野「あ、ごめんねみーちゃん」
水都「……何か話してた?」
歌野「ええ。私とみーちゃんは味方だって、説得してた」
- 646 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 00:22:50.79 ID:6P9xcRteO
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
- 647 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 00:35:27.38 ID:gpBmgkcqO
- 乙
うたのんもみーちゃん同様グイグイ来てくれるようになったな
あと陽乃さんのツンデレ要素って一作目の久遠さんを思い出して懐かしく感じた
- 648 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 03:54:28.89 ID:Bhzi+TwuO
- 乙
順調にデレてきて嬉しい
- 649 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 20:52:55.06 ID:6P9xcRteO
-
では少しだけ
- 650 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 20:53:23.26 ID:6P9xcRteO
-
√ 2018年 9月7日目 朝:諏訪
01〜10 歌野
34〜43 水都
67〜76 九尾
↓1のコンマ
※それ以外は通常
- 651 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 21:14:30.78 ID:YJRu4IPsO
- あ
- 652 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 21:26:11.19 ID:6P9xcRteO
-
√ 2018年 9月7日目 朝:諏訪
今日はこの後、ここに残ると言っている人々を説得しなければならない。
陽乃は相変わらず、別に説得らしい説得をする気はないと言うけれど、
歌野は困ったように笑います。
その心の内側では、出来るなら、叶うなら
そう、思っていると伝わってしまっているからでしょう。
水都「……なんだか、うたのんと陽乃さん仲良くなってない?」
歌野「えっ?」
水都「昨日、夜寝る前に出て行ってから、明らかに」
歌野「そう見える?」
水都「……うたのん?」
じっと見つめてくる水都の視線に
歌野は焦った様子で両手を振って、別に何かあるわけじゃないと否定します。
- 653 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 21:55:13.57 ID:6P9xcRteO
-
水都「別に何かあっても良いけど……と言うか、あったよね?」
歌野「えっと……」
無理に力を通した結果、
陽乃の本心が伝わるようになってしまった。と言うのは、まだ水都には伝えていない
無理に力を通したことで何か言われるのは目に見えているし、
それで本心が知れるとなったら、
水都は羨ましがるし、
もしかしたら自分にもと言って来ないとも限らないからだ。
歌野から目を向けられて、陽乃は顔を顰める。
そんなアイコンタクトは、あからさますぎるからだ
1、正直に話す
2、何もないわ
3、昨日のアレで、私の過去が筒抜けだったらしいわ
↓2
- 654 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 21:58:38.17 ID:2OjWSK/Z0
- 1
- 655 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 21:59:15.17 ID:YJRu4IPsO
- 1
- 656 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 22:15:02.46 ID:6P9xcRteO
-
陽乃「昨日、改めて力を通したのよ」
水都「もしかして、夜にうたのんが変になった時ですか?」
歌野「変って」
水都「変だったよ。すごく」
急にぶつぶつと言いだして、なんだか怖かったと水都は言う。
陽乃「そう。で、その時に余計なものまで伝わるようになっちゃったみたいなのよ」
余計なことをしたわと陽乃は面倒くさそうに言いつつ、
歌野には自分の本心が伝わるようになってしまったのだと正直に話します。
水都「今も、陽乃さんの本心が分かる?」
歌野「なんとなくね。こと馬とかで伝わる感じじゃないの……こう、抽象的な感じで」
水都「神託みたいな感じかな……」
- 657 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 22:33:05.86 ID:6P9xcRteO
-
水都は何があったのかを一通り聞いた後、
歌野を一瞥して陽乃に目を向けると、
少し悩んでから、首を横に振る。
水都「私は、無理ですよね?」
陽乃「そうね……」
昨日、歌野にしたのよりもずっと弱くつなげても、
水都は意識を失ってしまうほどの影響があった。
陽乃の本心を知ることのできる最低ラインがそれだとしたら、
水都に同じことをやろうものなら、殺すのと同意義になるだろう。
陽乃「悪いけど無理よ」
水都「ですよね」
陽乃「出来たとしても、嫌よこんなの……困るわ」
- 658 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 22:45:16.83 ID:6P9xcRteO
-
残念そうな水都に対しての陽乃の言葉
歌野はそれに対しても感じるものがあったのだろう
どこか嬉しそうに笑みを浮かべていたけれど、
陽乃はそれを睨んで、口を閉ざさせます。
陽乃「余計なこと言ったら失神させるわよ」
歌野「こ、怖いわ……」
物理的な干渉ではなく
力を無理矢理に流し込むことでの失神
最悪死ぬこともあるので、
陽乃が本当にやるとは思っていないが、
それでも、できてしまうから、怖いのだ。
水都「……いいなぁ」
歌野「ねぇ、久遠さんとずっと一緒にいたらみーちゃんの巫女としての適性が上がって、もっと丈夫になったりしないかしら」
陽乃「さぁ?」
出来る可能性はあるが、
歌野と同程度の素質にまで引き上げられたなら
それはもはや巫女ではなく、勇者だろう。
- 659 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 23:06:00.49 ID:6P9xcRteO
-
陽乃の力は本当に危険なのだ。
生半可な気持ちで使うのも、受け止めようとするのも
最悪の場合、死に至る。
陽乃「無理をしたって死ぬだけよ」
水都「そう、ですけど」
歌野「久遠さんが素直になればいいんじゃないかしら?」
陽乃「私はずっと素直なんだけど……」
え? と言いたげな歌野を睨んで黙らせ、
陽乃はため息をつく。
こんな余計な話をしている場合ではない。
陽乃「ところで、今日の集まりで駄目だったら終わり。それでいいんでしょう?」
歌野「あ、そうね……ええ。そうするしかないわ」
水都「出来たら諦めたくないけど、刻一刻を争う今、聞いてくれないなら諦めるしかないと思う」
- 660 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 23:22:37.40 ID:6P9xcRteO
-
歌野と水都が嫌がったとしても、
もうそれできっぱり諦めて貰うつもりだったが、
杏達の命もかかっている今、
自ら志願して負担を減らそうとしてくれている人たちを無理やり連れて行くわけにはいかないと、思ってくれているようです。
いくら勇者とはいえ、万能ではない
それをわかっているから、
他にもたくさんの守るべき命があるから
限界があることを認めるしかない。
水都「それで、どうしますか? 予定としては10月半ばだったけど……」
歌野「遅くても今月中よね?」
陽乃「今月中なんて、むしろ遅すぎるわよ」
早ければ今日の夜……だが、
それはさすがに連れ出す人々の体力がきつい
とすれば、明日以降になるだろう。
水都「準備に1日取って、明後日にしますか?」
歌野「全員が出来るとは思えないし、準備で2日で明々後日の方が良いんじゃないかしら」
1、明日(9月8日目)
2、明後日(9月9日目)
3、明々後日(9月10日目)
4、末日(9月14日目)
↓2
- 661 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 23:23:22.38 ID:Bhzi+TwuO
- 2
- 662 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 23:24:46.36 ID:2OjWSK/Z0
- 1
- 663 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/25(日) 23:33:26.21 ID:6P9xcRteO
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 664 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 23:46:41.28 ID:YJRu4IPsO
- 乙
結局随分早めの出発になっちゃったなぁ
あとは説得次第だけど杏たちの命が懸かってる以上モタモタ出来ないしやむ無しか…
- 665 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/26(月) 00:05:22.64 ID:NHR/qHmdO
- 乙
感情わかって呼び出した時みたいな念話もできるってすげえ連携うまそうだな
- 666 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/26(月) 06:56:28.98 ID:eluBnJpZO
- 乙
説得はやっぱりコンマになるのだろうか
ところで物語とは無関係だけど最近所々文章がおかしく感じる部分があるのは変換ミス?
- 667 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/07/26(月) 08:05:04.20 ID:xgX1wED80
- サトラレ発動してから地の文が混濁してる?
- 668 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/26(月) 23:28:16.05 ID:GFGmGGFto
- すみませんが本日はお休みとさせていただきます。
明日は可能であれば通常時間から。
暫く別端末だったので、変換ミスが多かったかと思います。
明日以降は問題ない予定です。
- 669 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/26(月) 23:38:45.18 ID:4dp8kT70O
- そういう事情でしたか、いつも乙です
- 670 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/27(火) 22:06:39.03 ID:VWsIZpeno
- では少しだけ
- 671 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/27(火) 22:11:56.38 ID:VWsIZpeno
-
陽乃「明日(9月8日目)にしましょ」
歌野「明日!?」
陽乃「行く予定だった人は準備できているだろうし……そもそも、そんな大量の荷物は持っていくことは出来ないわ」
水都「それはそうですけど、難しいと思います」
大量の荷物が難しいというのは事前に告知してあり、
長距離移動する際に邪魔にならない必要最低限にとどめて欲しいと伝えてある。
けれど。
やはり、もう少し時間が欲しいと思うはずだ
水都「どうにかして、バスでも走らせられたら楽になるんですけど……」
歌野「外の状況次第ね」
陽乃「走れるような状況ではなかったわよ。途中で道路がダメになる」
四国から九尾に乗って移動してきた際に、ある程度の確認はしている。
その段階で、途中の道が削られたり、
がたがたになってしまっているのが見えたため、車での長距離移動は出来ない。
歌野「とにかく、明日は急すぎると思うわ」
陽乃「なら、ついでに確認しましょ。明日出発できるかどうか」
- 672 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/27(火) 23:00:27.38 ID:VWsIZpeno
-
急ぎ過ぎているとは、陽乃も思っている。
けれど、そうでなければいけない。
むしろ、今すぐにでも出た方が良いとさえ考えている。
陽乃と歌野、そして水都
この3人だけなら、何も問題ない。
九尾の背中に乗って移動してしまえば、半日で追いつくことが出来る。
しかし、そう言うわけにはいかない。
諏訪に住まう人々を連れて行かなければいかない。
正直に言えば、お荷物だ
だとしても、見捨てていくわけにはいかない。
歌野「……久遠さん」
気付けば、歌野が陽乃の手に触れていて。
その心配そうな視線に、陽乃は顔を顰めて首を振る。
陽乃「大丈夫よ。いつものことだから」
歌野「けど」
陽乃「人間、誰にだって表裏あるのよ。それに、だとしても私は連れていけるだけは連れて行ってあげるわよ」
守るとは約束しない。
ある意味、悪い意味での道連れになるかもしれない。
けれど、生きたいと言い、苦難の道を進もうというなら、陽乃は連れていく。
- 673 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/27(火) 23:23:39.36 ID:VWsIZpeno
-
陽乃の気持ちを酌んでか、歌野は小さく笑みを浮かべる。
本心が伝わってしまうというのは、
やはり、厄介だと陽乃は思うけれど
それもまた、歌野の方には伝わってしまう。
陽乃「取り消さないわよ」
歌野「……もうっ」
ちょっぴりむっとする歌野だったが、
それ以上にもやもやとした気配を感じて、2人で目を向ける
水都「2人で分かり合わないで……」
陽乃「分かり合ってないわよ」
歌野「ごめんね、みーちゃん。つい」
水都「……やっぱりズルい」
そう言われても、水都にこの深いつながりは築けない
そう言うと、
やっぱり素直になったらいいんじゃない? と、話が戻っていく。
陽乃「そろそろ時間でしょ。話に行かなきゃ」
陽乃は適当にそう言って、話を終わらせた。
- 674 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/28(水) 00:06:03.93 ID:FVDkSRpqo
-
人々が集められたのは、諏訪市にある公民館のホール
諏訪湖周辺にあり、
大人数を収容できるため、最終的な避難地としても候補に挙がっていたのだという。
陽乃達は、その人々に注目される舞台的な場所の袖にいて、
いよいよだと、ため息をつきます。
陽乃は説得できなくてもいいと思っているが、
水都と歌野は可能なら、できるなら……と、思っている。
歌野「久遠さん、私たちのために無理はしなくていいから」
陽乃「無理なんてしてないわよ」
陽乃はそう言って、人々のところへと向かう。
生きることを諦めたなら
それを諦めずにあがいている人以上に足手まといになる。
救われること前提の人々など、こっちの身が危うくなるだけだ。
陽乃「……してないわよ。無理なんて」
歌野「わかってるわ……ありがと」
1、慎重に説得(選択肢)
2、簡潔に説得(コンマ判定)
↓2
- 675 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/28(水) 00:07:31.96 ID:Cqc44ULTO
- 2
- 676 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/28(水) 00:07:40.04 ID:KGJWTTlWO
- 1
- 677 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/28(水) 00:08:37.92 ID:FVDkSRpqo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 678 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/28(水) 00:13:14.78 ID:KGJWTTlWO
- 乙
ドキドキしてきた
- 679 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/28(水) 00:17:33.69 ID:mgIuFCTgO
- 乙
ついに説得の時間か…
きちんと自分たちの考えを伝えられるかな
- 680 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/28(水) 23:27:49.80 ID:2KASCmJhO
- すみませんが本日はお休みとさせていただきます。
明日は出来ると思うので、可能な限り早い時間から行おうかと思います。
- 681 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/28(水) 23:28:51.05 ID:CR3mh74xO
- 乙ですー
- 682 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 21:11:00.93 ID:HU8CqD9To
- では少しだけ
- 683 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 21:13:25.18 ID:HU8CqD9To
-
時間になったのを確認し、
陽乃は2人を引き連れて、壇上に上がっていく
今も結界に守られている諏訪の中で生きている人々、百数十人程度
それでも十分、多い方だろうと陽乃は見つめて。
「あら、今日は陽乃ちゃんもいるのね」
「あの子が陽乃ちゃん?」
「歌野ちゃん達と同じくらいじゃないか……」
ざわざわと、騒がしくなっていく。
歌野がこれから大事な話があるから。と、大きく声を張り上げて、
段々静かになっていくのを陽乃は見守る。
みんなが話を聞いてくれるのも、
ちゃんと指示に従ってくれるのも
歌野が3年間頑張ってきたからこそのものだろう。
やっぱり、自分とは違うと陽乃は首を振る。
- 684 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 21:27:08.66 ID:HU8CqD9To
-
陽乃「……やっぱり、貴女がダメなら無理だと思うのだけど」
そんなにも信頼の厚い歌野達で説得できないのに
どうしてほとんど無関係な陽乃が説得できるのか。
出来るわけがないと、陽乃は思ってしまう。
けれど、そんな内側でさえ、
歌野には伝わってしまっているのだろう。
歌野は、大丈夫。というように陽乃に目を向けて。
歌野「良いのよ。久遠さんが言いたいことを言ってくれれば」
陽乃「私が言いたいこと言――」
歌野「正直に」
何を言うか分かっていたのか、
歌野は困った笑みを浮かべながら、きっぱりと遮る。
ただ、正直と言われても。というのが、陽乃の心情だ
- 685 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 21:40:38.78 ID:HU8CqD9To
-
本当に、心から生きることを諦めているわけではないはずだが、
それでも、自分たちは足手まといになると考え、
自ら残ろうとしている人達がいる。
そんな人達を無理矢理に連れ出したところで、
それこそ、足手まといになることは目に見えている。
歌野と水都が説得して、けれど駄目だった。
そんな人達に言って意味のあることなんてあるのだろうかと、陽乃は顔を顰める。
人々は、勇者様が守ってくれることを前提にしている。
自分たちを守って死ぬかもしれないと考えている。
けれど、陽乃はそんな気は更々ない。
助けられることを前提にしている人たちなんて、見捨ててしまいたいくらいだ。
もっとも、そうできるかは別の話だけれど。
1、まず、この2人はともかく、私はみんなを守る気はありません。
2、私が知りたいのは、私達とか誰かとか。そういう話ではなく、生きたいのか死にたいのかです
3、私達がここを離れた場合、今まであった結界が消えてしまうのはもう、聞いていますよね?
4、正直、死にたければ死んでくださって結構です。
5、少なくとも私は、誰かを守って死ぬ気はありません。
↓2
- 686 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 21:43:13.08 ID:y4/FlREYO
- 2
- 687 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 21:45:19.92 ID:8L9otOjoO
- 2
- 688 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 22:51:46.71 ID:HU8CqD9To
-
陽乃「私が知りたいのは、私達とか誰かとか。そういう話ではなく、生きたいのか死にたいのかです」
陽乃は、壇上にあるマイクを使って、会場全体に声を響かせていく。
聞いた話では、
足手まといな自分たちを守ってくれるから、
そのせいで、勇者たちが傷ついてしまうから、辞退したい
そんな流れだったはず。と、陽乃は頭の中に思い浮かべて。
陽乃「勇者が守ってくれない瞬間に、諦めて目を瞑るのか、全身全霊をかけて足を動かすのか、息を潜めて生き延びられる可能性に縋るのか。どうなんですか?」
足が不自由だから、足手纏い。それは間違いない
体が不自由、寝たきり、病弱……確かに、足手纏いだ
けれど、それでも死にたくない。生きたい
そう思って、あがく気があるのか
だから、自分は無理だと諦めてしまうのか。
陽乃にとって重要なのは、その部分だ。
陽乃「自分が生きたいなら、生きたらいい。足掻いたらいい。その結果、誰かがそれを庇って死ぬかなんて気にする必要なんてない。その誰かは、貴方と違って生きたくなかっただけなのだから。少なくとも、私は……生きたいと思ってます」
- 689 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 22:59:58.33 ID:HU8CqD9To
-
少し前、ここに来るために力を使った結果、生死の境を彷徨ったし
ほんの数日前、全力で力を使った結果、意識を失って寝込むことになった。
けれど、それは別に他人のためにしたわけではなく
自分がそうしたいと思ったから
そうする必要があると思ったことだ。
陽乃「勘違いされたら困るんです……私は、私のために戦ってるんです。その反動で体が傷ついてるだけで、誰かのために、死ぬような思いをしてるわけじゃありません」
そんなことしたって、報われるわけじゃない
その結果、化け物だと言われて、石を投げられる。
そんなことしなければならないのは生贄にならなかったからだと、されて、
体が傷ついてい句のは自己責任だとさえ、思われて。
他人なんて……守る価値はない。
歌野「っ……」
陽乃「だから、自分勝手な答えを教えてください。誰かのためにここに残って殺されるのを待つ。なんて偽善は嫌いです。生きたいか、死にたいか。それだけを教えて欲しいです」
- 690 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 23:37:09.87 ID:52PbE/AkO
-
陽乃の言葉に、また会場がざわついて。
可能なら生きたい
死にたいわけがない
誰だって生きたいに決まってる
といった言葉が聞こえてきて。
「そんなこと言ったって、足腰が悪い人はどうしろっていうんだい? 他の人に合わせて貰うわけにはいかないだろう?」
1人が、疑問を上げる。
一番大切なことだろう。
1人ではどうにもならない人はどうするのか。
その解決策としては、
やっぱり、徒歩以外の移動手段を用意するしかないけれど、
途中の道が走れなくなっていることをどうにかしなければいけない
ただ、それについては、九尾の力を借りることでどうにかできる可能性はある。
あとは、勇者として力を強化した歌野と陽乃の連携
神様の力すらも借り受けての強化は、大型バスなども少しの間持ち上げて移動することだってできるかもしれない。
1、そんなことはどうでもいいです。生きたいのか、死にたいのか。それだけ教えてください
2、そこは、何とかします。
3、それは……まだ検討中です。
4、分かりません
↓2
- 691 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 23:41:30.60 ID:8L9otOjoO
- 1
- 692 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 23:45:29.30 ID:+/LhkSsK0
- 2
- 693 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 23:47:38.72 ID:52PbE/AkO
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から
もしかしたらまた別端末からになるかもしれませんが、
特に問題はありません。
- 694 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 23:56:45.66 ID:8L9otOjoO
- 乙
諏訪の人たちのみならず杏たちの救出も兼ねてるからなぁ
使える力はフル活用して臨みたいところだけどどうだろうか
- 695 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/30(金) 00:42:04.65 ID:mvs3jIy1O
- 乙
うたのん居てくれるのほんと助かるな
移動にしても選択の幅が広がる
- 696 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2021/07/30(金) 03:24:20.88 ID:wHU3PuRq0
- VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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- 697 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/30(金) 23:48:43.90 ID:TPO33mfGo
- 遅くなりましたが少しだけ
恐らく安価はありません。
- 698 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/30(金) 23:49:51.53 ID:TPO33mfGo
-
陽乃「そこは、何とかします」
「何とかするって言われても、どうにもならなかったら困るんだよなぁ……」
疑問を投げかけてきた男性は
陽乃の曖昧な返答に難色を示して、すぐに「違う」と続ける
「勇者様を責めるつもりはないんだが、やっぱり、そうだろう?」
その男性の言葉に続くように
近くの男性が頷きながら口を開く
「そうだなぁ」
「やっぱり対応できませんでしたってなっちゃうとねぇ」
別の女性も不安そうに続いて
「陽乃ちゃんは周りは関係ない、生きたいか死にたいかだって言ったけど、その対応が出来なかったら周りに迷惑かけちゃうだろう?」
「その対応だって、そもそも迷惑になる可能性もあるんじゃないか?」
やや体に不安のあるといった様子の人達が口々に不安を呟く
- 699 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:01:15.21 ID:sxwl2XXZo
-
「今だって力を借りて生活しているのに。命が懸かってる場所でまで足を引っ張るわけにはいかないよ」
杖を傍らに備えている最前列の男性が、笑みを浮かべる。
完全に力を借りているわけじゃない。
だとしても、日常のどこかで手を借りなければならない人
それ以上に、力を借りなければ日常生活さえ危ぶまれるような人
それは、決して少なくはない。
あの日に怪我をしてしまった人や
3年の月日を経て衰えてしまった人
医療技術の衰退によって、病状が悪化してしまった人だって、いる。
「勇者様のお気持ちは、ありがたく思います。ですが、貴方達こそ、周りのことなど気にしないべきでしょう」
水都「……っ、でもっ」
歌野「みーちゃんっ」
水都「っ」
- 700 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:10:46.03 ID:sxwl2XXZo
-
陽乃の言葉を借りてのその言葉は、
結局、死を選んでいるだけだ
水都はそれに何かを言いかけたけれど、
歌野がそれを止めて、首を横に振る。
『それを言ったって……どうにもならないわ』
歌野から伝わってくる心の言葉
水都も歌野も説得はしていて、
けれど、上手くいかなかったから陽乃に頼んだのだ
2人は似たような言葉を何度も聞いたのだろう
そしてその数だけ否定して、否定されたのだろう。
陽乃「言ったはずです。私は生きたいと。私は私のために戦うと」
- 701 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:26:36.23 ID:sxwl2XXZo
-
陽乃はやや冷徹さを感じる声色で言ったものの、
年の功というものか、
会場にいるほとんどの人達はそれに怯えるでもなく、穏やかで。
そして、そのうちの一人が口を開く。
「私には息子が居たんだ。勇者様よりも半分……年上の息子が」
その男性は、とても悲し気な笑みを浮かべながら、
雰囲気は優しさを感じさせていて。
「生意気だった。叱っても逆らって、言うことを聞かない。親不孝な息子だった。けれど……そんな子があの日、私を助けてくれたんだ。
散々、悪口を言って暴言を吐いて、いなくなることを望んでいたくせに、助けてくれたんだよ。自分を犠牲にして」
男性は変に語って申し訳ないと言って、陽乃に笑みを浮かべる。
「君はそんな息子にそっくりだ。口では色々言うのに、気にかけてくれている。そんなあの子と雰囲気がそっくりなんだ」
性別が違う。
年齢も違えば、容姿だって違っていて、何もかもが違う。
けれどその雰囲気が似ているのだと男性は言う。
だから、心配なのだと。
「君は自分に言い訳をして、結局助けてくれそうな気がするんだよ。助けてしまいそうな気がするんだよ」
守る価値がないと言っても、
見捨てると言っても
結局、何か理由をつけて庇ってしまったりして、そして。
「だから、私達は置いていくべきだよ。ほかでもなく勇者様と前途あるみんなが生き残っていくために」
- 702 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:41:43.81 ID:sxwl2XXZo
-
陽乃「っ……私はっ……」
歌野の心配そうな視線を感じて、目を背ける。
本心を感じ取っている歌野だからこそ、
その男性の言葉が決して間違っているわけではなく、
陽乃が動揺してしまっていることにも気づいているのだろう。
「それにね? 道中の食糧事情だってあるでしょう? ただでさえ手を借りている人が消費することに不満を持つ人だって出てこないとも限らないと思わない?」
最初の内は、そんな不満なんてないかもしれない。
けれど
常に気を張り巡らせていなければならないし、
襲われた時のストレスなんてそれ以上なのは間違いない。
そんな場面で足を引っ張り続ける人たちへの不満は溜まるだろうし、それが爆発することで無駄な争いが起こる可能性もある。
「そうだ。そういう事情もある」
「ない……とは、言えないよなぁ」
体に不安のある人たちの言葉を受けて、
健康そうに見える人たちも、否定したいようだけれど、否定はできないといった様子で渋々頷く。
そうならなければ、分からない。
- 703 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:42:31.32 ID:sxwl2XXZo
-
では、途中ですがここまでとさせていただきます。
明日は可能であれば少し早い時間から。
再開時に安価になると思います。
- 704 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/31(土) 01:04:52.24 ID:wI2izKySO
- 乙
ピンチか?
- 705 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/31(土) 01:19:21.64 ID:TGLLNlXiO
- 乙
説得もそう簡単には行かないけどここが踏ん張りどころだな
頑張れ陽乃さん
- 706 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 23:08:01.65 ID:sxwl2XXZo
- すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
- 707 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/31(土) 23:10:36.82 ID:lZqcw7vQO
- 乙です
- 708 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/01(日) 20:43:51.31 ID:LvDri9F3o
- では少しだけ
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