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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【4頁目】
- 666 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/26(月) 06:56:28.98 ID:eluBnJpZO
- 乙
説得はやっぱりコンマになるのだろうか
ところで物語とは無関係だけど最近所々文章がおかしく感じる部分があるのは変換ミス?
- 667 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/07/26(月) 08:05:04.20 ID:xgX1wED80
- サトラレ発動してから地の文が混濁してる?
- 668 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/26(月) 23:28:16.05 ID:GFGmGGFto
- すみませんが本日はお休みとさせていただきます。
明日は可能であれば通常時間から。
暫く別端末だったので、変換ミスが多かったかと思います。
明日以降は問題ない予定です。
- 669 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/26(月) 23:38:45.18 ID:4dp8kT70O
- そういう事情でしたか、いつも乙です
- 670 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/27(火) 22:06:39.03 ID:VWsIZpeno
- では少しだけ
- 671 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/27(火) 22:11:56.38 ID:VWsIZpeno
-
陽乃「明日(9月8日目)にしましょ」
歌野「明日!?」
陽乃「行く予定だった人は準備できているだろうし……そもそも、そんな大量の荷物は持っていくことは出来ないわ」
水都「それはそうですけど、難しいと思います」
大量の荷物が難しいというのは事前に告知してあり、
長距離移動する際に邪魔にならない必要最低限にとどめて欲しいと伝えてある。
けれど。
やはり、もう少し時間が欲しいと思うはずだ
水都「どうにかして、バスでも走らせられたら楽になるんですけど……」
歌野「外の状況次第ね」
陽乃「走れるような状況ではなかったわよ。途中で道路がダメになる」
四国から九尾に乗って移動してきた際に、ある程度の確認はしている。
その段階で、途中の道が削られたり、
がたがたになってしまっているのが見えたため、車での長距離移動は出来ない。
歌野「とにかく、明日は急すぎると思うわ」
陽乃「なら、ついでに確認しましょ。明日出発できるかどうか」
- 672 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/27(火) 23:00:27.38 ID:VWsIZpeno
-
急ぎ過ぎているとは、陽乃も思っている。
けれど、そうでなければいけない。
むしろ、今すぐにでも出た方が良いとさえ考えている。
陽乃と歌野、そして水都
この3人だけなら、何も問題ない。
九尾の背中に乗って移動してしまえば、半日で追いつくことが出来る。
しかし、そう言うわけにはいかない。
諏訪に住まう人々を連れて行かなければいかない。
正直に言えば、お荷物だ
だとしても、見捨てていくわけにはいかない。
歌野「……久遠さん」
気付けば、歌野が陽乃の手に触れていて。
その心配そうな視線に、陽乃は顔を顰めて首を振る。
陽乃「大丈夫よ。いつものことだから」
歌野「けど」
陽乃「人間、誰にだって表裏あるのよ。それに、だとしても私は連れていけるだけは連れて行ってあげるわよ」
守るとは約束しない。
ある意味、悪い意味での道連れになるかもしれない。
けれど、生きたいと言い、苦難の道を進もうというなら、陽乃は連れていく。
- 673 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/27(火) 23:23:39.36 ID:VWsIZpeno
-
陽乃の気持ちを酌んでか、歌野は小さく笑みを浮かべる。
本心が伝わってしまうというのは、
やはり、厄介だと陽乃は思うけれど
それもまた、歌野の方には伝わってしまう。
陽乃「取り消さないわよ」
歌野「……もうっ」
ちょっぴりむっとする歌野だったが、
それ以上にもやもやとした気配を感じて、2人で目を向ける
水都「2人で分かり合わないで……」
陽乃「分かり合ってないわよ」
歌野「ごめんね、みーちゃん。つい」
水都「……やっぱりズルい」
そう言われても、水都にこの深いつながりは築けない
そう言うと、
やっぱり素直になったらいいんじゃない? と、話が戻っていく。
陽乃「そろそろ時間でしょ。話に行かなきゃ」
陽乃は適当にそう言って、話を終わらせた。
- 674 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/28(水) 00:06:03.93 ID:FVDkSRpqo
-
人々が集められたのは、諏訪市にある公民館のホール
諏訪湖周辺にあり、
大人数を収容できるため、最終的な避難地としても候補に挙がっていたのだという。
陽乃達は、その人々に注目される舞台的な場所の袖にいて、
いよいよだと、ため息をつきます。
陽乃は説得できなくてもいいと思っているが、
水都と歌野は可能なら、できるなら……と、思っている。
歌野「久遠さん、私たちのために無理はしなくていいから」
陽乃「無理なんてしてないわよ」
陽乃はそう言って、人々のところへと向かう。
生きることを諦めたなら
それを諦めずにあがいている人以上に足手まといになる。
救われること前提の人々など、こっちの身が危うくなるだけだ。
陽乃「……してないわよ。無理なんて」
歌野「わかってるわ……ありがと」
1、慎重に説得(選択肢)
2、簡潔に説得(コンマ判定)
↓2
- 675 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/28(水) 00:07:31.96 ID:Cqc44ULTO
- 2
- 676 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/28(水) 00:07:40.04 ID:KGJWTTlWO
- 1
- 677 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/28(水) 00:08:37.92 ID:FVDkSRpqo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 678 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/28(水) 00:13:14.78 ID:KGJWTTlWO
- 乙
ドキドキしてきた
- 679 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/28(水) 00:17:33.69 ID:mgIuFCTgO
- 乙
ついに説得の時間か…
きちんと自分たちの考えを伝えられるかな
- 680 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/28(水) 23:27:49.80 ID:2KASCmJhO
- すみませんが本日はお休みとさせていただきます。
明日は出来ると思うので、可能な限り早い時間から行おうかと思います。
- 681 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/28(水) 23:28:51.05 ID:CR3mh74xO
- 乙ですー
- 682 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 21:11:00.93 ID:HU8CqD9To
- では少しだけ
- 683 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 21:13:25.18 ID:HU8CqD9To
-
時間になったのを確認し、
陽乃は2人を引き連れて、壇上に上がっていく
今も結界に守られている諏訪の中で生きている人々、百数十人程度
それでも十分、多い方だろうと陽乃は見つめて。
「あら、今日は陽乃ちゃんもいるのね」
「あの子が陽乃ちゃん?」
「歌野ちゃん達と同じくらいじゃないか……」
ざわざわと、騒がしくなっていく。
歌野がこれから大事な話があるから。と、大きく声を張り上げて、
段々静かになっていくのを陽乃は見守る。
みんなが話を聞いてくれるのも、
ちゃんと指示に従ってくれるのも
歌野が3年間頑張ってきたからこそのものだろう。
やっぱり、自分とは違うと陽乃は首を振る。
- 684 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 21:27:08.66 ID:HU8CqD9To
-
陽乃「……やっぱり、貴女がダメなら無理だと思うのだけど」
そんなにも信頼の厚い歌野達で説得できないのに
どうしてほとんど無関係な陽乃が説得できるのか。
出来るわけがないと、陽乃は思ってしまう。
けれど、そんな内側でさえ、
歌野には伝わってしまっているのだろう。
歌野は、大丈夫。というように陽乃に目を向けて。
歌野「良いのよ。久遠さんが言いたいことを言ってくれれば」
陽乃「私が言いたいこと言――」
歌野「正直に」
何を言うか分かっていたのか、
歌野は困った笑みを浮かべながら、きっぱりと遮る。
ただ、正直と言われても。というのが、陽乃の心情だ
- 685 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 21:40:38.78 ID:HU8CqD9To
-
本当に、心から生きることを諦めているわけではないはずだが、
それでも、自分たちは足手まといになると考え、
自ら残ろうとしている人達がいる。
そんな人達を無理矢理に連れ出したところで、
それこそ、足手まといになることは目に見えている。
歌野と水都が説得して、けれど駄目だった。
そんな人達に言って意味のあることなんてあるのだろうかと、陽乃は顔を顰める。
人々は、勇者様が守ってくれることを前提にしている。
自分たちを守って死ぬかもしれないと考えている。
けれど、陽乃はそんな気は更々ない。
助けられることを前提にしている人たちなんて、見捨ててしまいたいくらいだ。
もっとも、そうできるかは別の話だけれど。
1、まず、この2人はともかく、私はみんなを守る気はありません。
2、私が知りたいのは、私達とか誰かとか。そういう話ではなく、生きたいのか死にたいのかです
3、私達がここを離れた場合、今まであった結界が消えてしまうのはもう、聞いていますよね?
4、正直、死にたければ死んでくださって結構です。
5、少なくとも私は、誰かを守って死ぬ気はありません。
↓2
- 686 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 21:43:13.08 ID:y4/FlREYO
- 2
- 687 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 21:45:19.92 ID:8L9otOjoO
- 2
- 688 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 22:51:46.71 ID:HU8CqD9To
-
陽乃「私が知りたいのは、私達とか誰かとか。そういう話ではなく、生きたいのか死にたいのかです」
陽乃は、壇上にあるマイクを使って、会場全体に声を響かせていく。
聞いた話では、
足手まといな自分たちを守ってくれるから、
そのせいで、勇者たちが傷ついてしまうから、辞退したい
そんな流れだったはず。と、陽乃は頭の中に思い浮かべて。
陽乃「勇者が守ってくれない瞬間に、諦めて目を瞑るのか、全身全霊をかけて足を動かすのか、息を潜めて生き延びられる可能性に縋るのか。どうなんですか?」
足が不自由だから、足手纏い。それは間違いない
体が不自由、寝たきり、病弱……確かに、足手纏いだ
けれど、それでも死にたくない。生きたい
そう思って、あがく気があるのか
だから、自分は無理だと諦めてしまうのか。
陽乃にとって重要なのは、その部分だ。
陽乃「自分が生きたいなら、生きたらいい。足掻いたらいい。その結果、誰かがそれを庇って死ぬかなんて気にする必要なんてない。その誰かは、貴方と違って生きたくなかっただけなのだから。少なくとも、私は……生きたいと思ってます」
- 689 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 22:59:58.33 ID:HU8CqD9To
-
少し前、ここに来るために力を使った結果、生死の境を彷徨ったし
ほんの数日前、全力で力を使った結果、意識を失って寝込むことになった。
けれど、それは別に他人のためにしたわけではなく
自分がそうしたいと思ったから
そうする必要があると思ったことだ。
陽乃「勘違いされたら困るんです……私は、私のために戦ってるんです。その反動で体が傷ついてるだけで、誰かのために、死ぬような思いをしてるわけじゃありません」
そんなことしたって、報われるわけじゃない
その結果、化け物だと言われて、石を投げられる。
そんなことしなければならないのは生贄にならなかったからだと、されて、
体が傷ついてい句のは自己責任だとさえ、思われて。
他人なんて……守る価値はない。
歌野「っ……」
陽乃「だから、自分勝手な答えを教えてください。誰かのためにここに残って殺されるのを待つ。なんて偽善は嫌いです。生きたいか、死にたいか。それだけを教えて欲しいです」
- 690 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 23:37:09.87 ID:52PbE/AkO
-
陽乃の言葉に、また会場がざわついて。
可能なら生きたい
死にたいわけがない
誰だって生きたいに決まってる
といった言葉が聞こえてきて。
「そんなこと言ったって、足腰が悪い人はどうしろっていうんだい? 他の人に合わせて貰うわけにはいかないだろう?」
1人が、疑問を上げる。
一番大切なことだろう。
1人ではどうにもならない人はどうするのか。
その解決策としては、
やっぱり、徒歩以外の移動手段を用意するしかないけれど、
途中の道が走れなくなっていることをどうにかしなければいけない
ただ、それについては、九尾の力を借りることでどうにかできる可能性はある。
あとは、勇者として力を強化した歌野と陽乃の連携
神様の力すらも借り受けての強化は、大型バスなども少しの間持ち上げて移動することだってできるかもしれない。
1、そんなことはどうでもいいです。生きたいのか、死にたいのか。それだけ教えてください
2、そこは、何とかします。
3、それは……まだ検討中です。
4、分かりません
↓2
- 691 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 23:41:30.60 ID:8L9otOjoO
- 1
- 692 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 23:45:29.30 ID:+/LhkSsK0
- 2
- 693 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/29(木) 23:47:38.72 ID:52PbE/AkO
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から
もしかしたらまた別端末からになるかもしれませんが、
特に問題はありません。
- 694 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 23:56:45.66 ID:8L9otOjoO
- 乙
諏訪の人たちのみならず杏たちの救出も兼ねてるからなぁ
使える力はフル活用して臨みたいところだけどどうだろうか
- 695 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/30(金) 00:42:04.65 ID:mvs3jIy1O
- 乙
うたのん居てくれるのほんと助かるな
移動にしても選択の幅が広がる
- 696 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2021/07/30(金) 03:24:20.88 ID:wHU3PuRq0
- VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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- 697 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/30(金) 23:48:43.90 ID:TPO33mfGo
- 遅くなりましたが少しだけ
恐らく安価はありません。
- 698 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/30(金) 23:49:51.53 ID:TPO33mfGo
-
陽乃「そこは、何とかします」
「何とかするって言われても、どうにもならなかったら困るんだよなぁ……」
疑問を投げかけてきた男性は
陽乃の曖昧な返答に難色を示して、すぐに「違う」と続ける
「勇者様を責めるつもりはないんだが、やっぱり、そうだろう?」
その男性の言葉に続くように
近くの男性が頷きながら口を開く
「そうだなぁ」
「やっぱり対応できませんでしたってなっちゃうとねぇ」
別の女性も不安そうに続いて
「陽乃ちゃんは周りは関係ない、生きたいか死にたいかだって言ったけど、その対応が出来なかったら周りに迷惑かけちゃうだろう?」
「その対応だって、そもそも迷惑になる可能性もあるんじゃないか?」
やや体に不安のあるといった様子の人達が口々に不安を呟く
- 699 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:01:15.21 ID:sxwl2XXZo
-
「今だって力を借りて生活しているのに。命が懸かってる場所でまで足を引っ張るわけにはいかないよ」
杖を傍らに備えている最前列の男性が、笑みを浮かべる。
完全に力を借りているわけじゃない。
だとしても、日常のどこかで手を借りなければならない人
それ以上に、力を借りなければ日常生活さえ危ぶまれるような人
それは、決して少なくはない。
あの日に怪我をしてしまった人や
3年の月日を経て衰えてしまった人
医療技術の衰退によって、病状が悪化してしまった人だって、いる。
「勇者様のお気持ちは、ありがたく思います。ですが、貴方達こそ、周りのことなど気にしないべきでしょう」
水都「……っ、でもっ」
歌野「みーちゃんっ」
水都「っ」
- 700 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:10:46.03 ID:sxwl2XXZo
-
陽乃の言葉を借りてのその言葉は、
結局、死を選んでいるだけだ
水都はそれに何かを言いかけたけれど、
歌野がそれを止めて、首を横に振る。
『それを言ったって……どうにもならないわ』
歌野から伝わってくる心の言葉
水都も歌野も説得はしていて、
けれど、上手くいかなかったから陽乃に頼んだのだ
2人は似たような言葉を何度も聞いたのだろう
そしてその数だけ否定して、否定されたのだろう。
陽乃「言ったはずです。私は生きたいと。私は私のために戦うと」
- 701 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:26:36.23 ID:sxwl2XXZo
-
陽乃はやや冷徹さを感じる声色で言ったものの、
年の功というものか、
会場にいるほとんどの人達はそれに怯えるでもなく、穏やかで。
そして、そのうちの一人が口を開く。
「私には息子が居たんだ。勇者様よりも半分……年上の息子が」
その男性は、とても悲し気な笑みを浮かべながら、
雰囲気は優しさを感じさせていて。
「生意気だった。叱っても逆らって、言うことを聞かない。親不孝な息子だった。けれど……そんな子があの日、私を助けてくれたんだ。
散々、悪口を言って暴言を吐いて、いなくなることを望んでいたくせに、助けてくれたんだよ。自分を犠牲にして」
男性は変に語って申し訳ないと言って、陽乃に笑みを浮かべる。
「君はそんな息子にそっくりだ。口では色々言うのに、気にかけてくれている。そんなあの子と雰囲気がそっくりなんだ」
性別が違う。
年齢も違えば、容姿だって違っていて、何もかもが違う。
けれどその雰囲気が似ているのだと男性は言う。
だから、心配なのだと。
「君は自分に言い訳をして、結局助けてくれそうな気がするんだよ。助けてしまいそうな気がするんだよ」
守る価値がないと言っても、
見捨てると言っても
結局、何か理由をつけて庇ってしまったりして、そして。
「だから、私達は置いていくべきだよ。ほかでもなく勇者様と前途あるみんなが生き残っていくために」
- 702 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:41:43.81 ID:sxwl2XXZo
-
陽乃「っ……私はっ……」
歌野の心配そうな視線を感じて、目を背ける。
本心を感じ取っている歌野だからこそ、
その男性の言葉が決して間違っているわけではなく、
陽乃が動揺してしまっていることにも気づいているのだろう。
「それにね? 道中の食糧事情だってあるでしょう? ただでさえ手を借りている人が消費することに不満を持つ人だって出てこないとも限らないと思わない?」
最初の内は、そんな不満なんてないかもしれない。
けれど
常に気を張り巡らせていなければならないし、
襲われた時のストレスなんてそれ以上なのは間違いない。
そんな場面で足を引っ張り続ける人たちへの不満は溜まるだろうし、それが爆発することで無駄な争いが起こる可能性もある。
「そうだ。そういう事情もある」
「ない……とは、言えないよなぁ」
体に不安のある人たちの言葉を受けて、
健康そうに見える人たちも、否定したいようだけれど、否定はできないといった様子で渋々頷く。
そうならなければ、分からない。
- 703 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:42:31.32 ID:sxwl2XXZo
-
では、途中ですがここまでとさせていただきます。
明日は可能であれば少し早い時間から。
再開時に安価になると思います。
- 704 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/31(土) 01:04:52.24 ID:wI2izKySO
- 乙
ピンチか?
- 705 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/31(土) 01:19:21.64 ID:TGLLNlXiO
- 乙
説得もそう簡単には行かないけどここが踏ん張りどころだな
頑張れ陽乃さん
- 706 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 23:08:01.65 ID:sxwl2XXZo
- すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
- 707 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/31(土) 23:10:36.82 ID:lZqcw7vQO
- 乙です
- 708 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/01(日) 20:43:51.31 ID:LvDri9F3o
- では少しだけ
- 709 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/01(日) 20:50:28.30 ID:LvDri9F3o
-
流れは完全に、悪い方に進んでいる。
このままでは、結果は変わらないだろう。
それどころか、
場合によっては四国に向かうとしていた人たちの一部まで、残ると言い出しかねない。
四国に残ると言い出した人が増加したのだって、
元々は陽乃が力を使って、倒れたのが原因だったのだから
陽乃が先ほどの男性が言った通りの性格なら
誰かを守って命を落としかねないからだ。
「勇者様だけなら、数日もかからないんだろう?」
「なのに、私達のために倍以上の時間をかけて、命まで懸けてくれるだなんて……申し訳ない」
「やっぱり、私達はついてはいけないわ」
「そうだ。そこまでの迷惑はかけられないよ」
陽乃「……」
1、そう。なら止めないわ
2、死にたいってことで良い?
3、そういうことされると、向こうで私が面倒なことになるんです
4、確かめもせずに、諦めるの?
↓2
- 710 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/01(日) 21:00:17.57 ID:2IbyhgMbO
- 4
- 711 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/01(日) 21:02:17.53 ID:jaBvmdf/0
- 4
- 712 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/01(日) 21:28:32.70 ID:LvDri9F3o
-
陽乃「確かめもせずに、諦めるの?」
「そんな余裕は、ないんじゃないか?」
陽乃に対して、男性の一人が答える。
諏訪の住民の中ではそれなりに若い部類に入る人だ
確かめもせずにというのは、確かにそうなのだが、
その確かめる最初の行動によって大損害を被りかねない以上、
確かめるなんて、するわけにはいかない。
何もなく無事に終えられるというのは、理想だ
希望的観測でしかない。
「陽乃ちゃ……いや、勇者様が、俺達みんなを助けてくれようってのは分かるが、どう考えても無謀だ」
- 713 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/01(日) 21:52:50.50 ID:LvDri9F3o
-
健康な人のその発言は、明らかに切り捨てるものだ
本来なら喧嘩にでも発展しそうなものではあるが、
しかし、切り捨てられる側の人々は否定も怒りもせずに、賛同している
「その通りだよ」
「下手をしたら、その初めてのことで陽乃ちゃんか歌野ちゃんかが大怪我をしちゃう可能性だってあるんだよ?」
歌野「……否定は、できないわね」
歌野だって3年間戦い続けて、一度も体が傷つかなかったわけではない。
今でこそ、戦い慣れてけがを負う頻度は極端に減ったし
陽乃の力のおかげで、力そのものも底上げされていることだろう。
けれど、神託の件もある。
油断はできない
陽乃「そう、ですね。否定はできません。だけど、それで諦めるのは嫌いです」
- 714 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/01(日) 22:05:27.33 ID:LvDri9F3o
-
「好き嫌いの問題じゃないんだ。現実として難しいじゃないか」
「陽乃ちゃんの気持ちは嬉しいけどねぇ」
「勇者様として、人ととして、見切りをつけるというのは難しいかもしれないけれど……でも、ね?」
彼らは、望んでいる。
ここに置いて行かれること
陽乃達が少しでも確実に、そして、無事に四国にたどり着けることを
それを危険に晒す自分たちは本当に唯々足手纏いでしかないと考えているだろう。
「どうせ考えるなら、こう考えたらいい。勇者様がいなくなっても、諏訪の神様が私達を守ってくださると」
意外に結界が途絶えたりはせず、
このままここで生きていくことが出来るんじゃないか。
口々にそういうが、陽乃はそれが無理だと知っている。
陽乃「無理です」
「いいや、分からないだろう? "確かめずに諦める"のかい?」
- 715 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/01(日) 22:40:46.39 ID:LvDri9F3o
-
陽乃「そういうのは、いりません」
あえて、陽乃が使った言葉を使ってくる人
間違っていない
けれど、だからこそ意地悪な話だ
無理なものは無理なのだ。
諏訪の神々は陽乃に委ねてしまっているし、
そして、今は諏訪の神々の力があってこそ歌野の力がある。
それを残せば、もちろん、諏訪の結界は持続するだろう
とはいえ、そうしたら結果は変わらない。
歌野も水都も、残った人々も
いずれは結界を食い破られて、蹂躙されてしまう
- 716 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/01(日) 23:20:41.04 ID:LvDri9F3o
-
そして、そうせずに歌野も陽乃も離れていけば、
暫くして結界は効力を失って、消えていく。
バーテックスを阻むことは出来ず、残った人々は食い殺されることになるだろう。
ここで、説得できなければ。
けれど、無理だ。
諦めるのは嫌いだけれど、これは、非常に分が悪い
陽乃「そんなに……」
そんなに、死にたいのか。
そんなわけがない
けれど、誰かを巻き込むくらいなら死んでもいいと考えている
歌野「久遠さん」
陽乃「……やめて、そんな目で見ないで」
1、私達は、そんなに弱くないわ
2、本当に、死んでもいいの?
3、良いから黙って、着いてきて
4、ならいい。もういい
↓2
- 717 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/01(日) 23:23:00.09 ID:jaBvmdf/0
- 1
- 718 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/01(日) 23:24:40.61 ID:FKVDFLmtO
- 1
- 719 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/01(日) 23:31:21.45 ID:LvDri9F3o
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 720 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/01(日) 23:42:30.38 ID:FKVDFLmtO
- 乙
諏訪の人たちはすっかり諦め状態だな…
どうにかして打開できる一手はないのだろうか
- 721 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/02(月) 06:12:42.46 ID:hNAeJiatO
- 乙
- 722 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/02(月) 09:12:48.92 ID:oRuYXYtYO
- 難しいな…コンマでさらっとの方が良かったか
- 723 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/02(月) 23:38:20.75 ID:SVGjDSWdo
- すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
- 724 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/02(月) 23:49:58.77 ID:ewMdfJWKO
- 乙ですー
どうなる説得
- 725 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/03(火) 22:19:21.57 ID:ABKG/EvYo
- では少しだけ
- 726 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/03(火) 22:21:57.98 ID:ABKG/EvYo
-
陽乃「私達は、そんなに弱くはないわ」
誰かを守ったくらいで、大怪我するほど
誰かを守って、死ぬほど
弱くはない。
けれど。
「勇者様が強いことは、みんな分かっているよ」
陽乃達が来る前から、ずっと、歌野が頑張っていたのだから
3年間だ
最初はついてきてくれる人なんて殆どいなかったにも関わらず
戦い続けるにはあまりにも長いその時間を、歌野は1人で戦い続けて、守り抜いた
だから、諏訪の人々はよくわかっている。
「分かっているから、それは大切にするべきだと思うんだよ」
- 727 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/03(火) 23:17:23.16 ID:ABKG/EvYo
-
自力では逃げ切れないような人々を助けるため
そんなことで怪我をしてしまうことも、
ましてや、失われてしまうなんてあってはならない
「勇者様は……」
たった数人だけを守るのではなく、
より多くの……人類というものを守るために、陽乃達には生き延びて貰わなければならない。
もちろん、戦わずに済むならそれが一番だけれど、
それは無理だろう。
「勇者様は無事に、他の勇者様と合流して貰わないといけないだろう? 少しでも早く、そして確実に」
陽乃「だとしても、数人を連れて行こうが行くまいが、結果は変わりません」
「そうかもしれないが、足手纏いになるようなおいぼれはいない方が良かろう」
陽乃の祖父母の代
それよりももう少し歳を重ねて良そうな男性が、陽乃を見つめる。
「勇者様のお気持ちはありがたい……しかし、もう十分。十分生かして貰えたと思っている人もいる」
- 728 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/03(火) 23:27:30.87 ID:ABKG/EvYo
-
年老いて、体力がなくなってしまったような人
元々、体のどこかが悪かった人や
3年前の災厄の被害で、どこかを患ってしまった人
この諏訪という限られた中で、真っ先に切り捨てられてもおかしくなかった人々は、
歌野の奮闘のおかげで、犠牲として選ばれることなく、生きていくことが出来たのだ。
それは、みんなが安全と言えるこの中だからこそ許された " 贅沢 " だと考えるのは悪いことではないはずと、男性はほほ笑む。
老若男女問わずその言葉に賛同する人もいる。
もちろん、可能なら……と、思っているのだろう。
あまり、賛同したくないといった様子の人もいるにはいるが、
否定をしようとはしていない。
「自分で生きていくことが出来ない者が消えていく。それは、こんな世界になる前から、あり得ていたことじゃないか」
水都「だけど……」
- 729 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/03(火) 23:35:36.66 ID:ABKG/EvYo
-
水都が小さく呟く。
何か言いたそうで、けれど、言っても仕方がないと分かっているからだろう
ぐっとこらえているような表情を見せていて。
陽乃「……っ」
陽乃も、思わず歯噛みする。
こんな世界になってしまった今、
自力で生きていけない人達をたすけようなんて心のゆとりがある人なんて多くはない
まして、隔離され、閉鎖的な空間となっている状況なのだから
弱者から切り捨てられていくのも仕方がないことだと言える。
そんな中で、これまで生きていくことが出来たのは……贅沢。
残念ながら、その否定は難しいのだ。
- 730 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/03(火) 23:45:36.08 ID:ABKG/EvYo
-
歌野「だからって、消えて良い理由にはならない!」
今も昔も、そういう世界だった。
だから何だというのかと、歌野は声をあげる。
昔よりは難しいことかもしれないけれど
だからって、生きることを諦めて良いわけじゃない
歌野「今ここにいるみんなは、生きたかったからここにいるはずです! 辛いことがあっても、苦しいことがあっても……」
歌野は、少し、言葉を躊躇う。
けれど、一瞬だけ俯いただけで、また顔を上げる。
歌野「こんな小娘1人しか希望がなくても、頑張って生きてきたはずです! そうしてきたから、土居さんが、伊予島さんが、そして、久遠さんが来てくれたんですよ!」
3年経って、ようやく訪れた歌野以外の勇者
2人はすでに諏訪を発ってしまっているけれど、それでもまだ1人いる。
もう、1人じゃない。
歌野「少なくとも……この3年間の想いは決して無駄じゃなかった。実ったんです! だから……あともう少しだけ、希望を持ってみてもいいとは思いませんか?」
- 731 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/03(火) 23:57:56.16 ID:ABKG/EvYo
-
歌野の、願いのような言葉が響いて……そして、会場となっている室内が静まり返る。
みんながみんな諦めたいわけじゃない
出来るなら、生きていたい。
そう思っている人たちだっているだろう。
けれど、やはり、それが引き金となってより多くの命を奪ってしまったり
勇者という、失われてはいけないものが失われてしまうことを考えると、
その一歩は踏み出せない。
やがて、1人が手をあげる。
会場の椅子ではなく、車いすに座っている子供だ。
「……勇者様にとって、僕達は助ける必要がありますか?」
必要とは、優しい言葉だ。
その子はきっと " 価値 " があるのかと、聞いているのだ
1、さぁ? 分からない
2、あるわ
3、あったって、言わせたらいいんじゃない?
4、あるかもしれないし、無いかもしれない
↓2
- 732 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/04(水) 00:03:06.79 ID:uvdQ2T4qO
- 2
- 733 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/04(水) 00:04:57.34 ID:heGTSJVeO
- 2
- 734 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/04(水) 00:06:45.26 ID:XVKqV+Qzo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 735 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/04(水) 00:12:35.64 ID:heGTSJVeO
- 乙
三年間の積み重ねがある分うたのんの説得の方が力強いなぁ
この思いがみんなに届いて欲しいけども…
- 736 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/04(水) 01:09:40.88 ID:7mrP0ac3O
- 乙
まあもうやることはやったんじゃないのかな?
- 737 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/05(木) 22:55:04.37 ID:wvKIMdCao
- すみませんが本日もお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
- 738 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/05(木) 23:01:06.56 ID:gHVpTn5oO
- 最近忙しいのだろうか
いつも乙です
- 739 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/07(土) 21:46:07.29 ID:3+DQoFVro
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 740 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/07(土) 21:53:01.52 ID:3+DQoFVro
-
陽乃「あるわ」
「自分で、歩けなくても?」
陽乃「だとしても」
「……本当に、あるんですか?」
男の子は、執拗に陽乃へと問う。
きっと、その価値は何度も認めて貰った経験があるのだ
何度も、何度も
認めて貰った結果が、きっと。
「それで、自分が死んじゃうとしても」
陽乃「私は死なないわ」
人を守って死ぬなんて、
そんなことには絶対にならないと、陽乃は言う。
- 741 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/07(土) 22:42:36.29 ID:3+DQoFVro
-
陽乃「以前ならともかく、今は神様だっているんでしょう? その足だって、どうにかなるかもしれないじゃない」
陽乃は神様なんて信じてはいないが、
その存在があるのは、もはや周知の事実となっている。
以前は空想の存在でしかなかったものが、
現実のものとなったのだから、
今までは治る可能性がなかったものだって、治るかもしれない
陽乃「それに……周りからの評価なんて、気にするだけ無駄だわ」
陽乃にとっては、
周りから言われる価値なんてろくなものではなかった
それを求めるだけ無駄だ
そんなのは、自分にとって有益ではない。
相手にとってどれだけ有益かなんて、それこそ気にする価値がない
- 742 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/07(土) 23:26:01.03 ID:3+DQoFVro
-
「……しかし、やはり全員は難しいんじゃないか?」
静まり返った中に、男性の声が響く。
それは妥協だろう。
陽乃達があまりにも必死だから
だから、できるのなら可能な限り生存率を上げて欲しいと思う一方で
その意志を挫くようなことをしたくはないとも思う。
「確かに、動けないからと全員が残る必要もないだろうから、若い連中は連れて行ってくれないだろうか」
「そんな!」
「勇者様も言っていたが、いつかは治る可能性もある」
怪我や病気は治る可能性がある
だが、老いは止められない。
無理して連れ帰ったところで、
すでに老いてしまった自分たちは連れ帰るだけ、無駄だと考えているのだろう。
「無駄に足手纏いを連れていくよりは、食料でも持って行った方が良い」
- 743 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 00:20:57.81 ID:jos6gmUyo
-
「勇者様、それでいいかい?」
陽乃「……」
自力でどうにかできない人々、全員が残るなんてことはしないが
全員がついていくわけではない
元々、高齢の人々や体に不安のある人全員が残る予定だったことを考えれば、
若い人々だけは一緒に行くとなったのだから
失敗とは言えないかもしれない
けれど、説得が成功したとも言えないだろう。
歌野「……本当に、残るんですか?」
「もう、十分だよ。ありがとう、歌野ちゃん」
彼らは、残る気らしい。
きっと、もう何を言ってもこれ以上は譲歩してくれないだろう。
1、なら、良いわ
2、それでいいなら構いません
3、死にますよ。絶対に
↓1
- 744 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/08(日) 00:22:28.05 ID:eTFuP0v3O
- 3
- 745 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 00:24:27.56 ID:jos6gmUyo
-
では短いですが本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
- 746 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/08(日) 00:27:46.89 ID:4lRXvfMaO
- 乙
悲しいけど仕方ないのかな
ついて来てくれる人たちを絶対守らないとな
- 747 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/08(日) 00:36:15.85 ID:eTFuP0v3O
- 乙
ここまで相当粘ったけど全員は説得しきれなかったか…
本当に置いていったら陽乃さん一生引きずりそう
- 748 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 20:40:20.39 ID:jos6gmUyo
- 遅くなりましたが少しだけ
- 749 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 20:42:50.25 ID:jos6gmUyo
-
陽乃「死にますよ。絶対に」
「さぁ? そうとは、限らないだろう?」
残るであろう男性の一人は、陽乃の言葉に対してにこやかに答える。
本当に、死ぬとは思っていないかのような反応。
陽乃達が離れたことで、
結界が弱まり消えていくことは周知している。
けれど、もしかしたら。
この人たちはそんなことを考えているのだろう。
陽乃「……馬鹿な人」
あり得ない。
絶対に無理だ
確実に、死ぬ。
希望なんて……あるはずがないのに。
歌野「っ……」
- 750 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 21:19:35.21 ID:jos6gmUyo
-
歌野「久遠さん」
陽乃「……仕方がないわ」
生きる気力がないわけではないのかもしれない。
けれど、
ここを出て行く気がないのなら、
結局、死ぬのと変わらない
諦めているのと一緒だ。
陽乃「それでいいのなら、それで構いません」
陽乃はそう言って、顔を背ける。
陽乃「それと……申し訳ありませんが、出立は明日になります」
「明日だって!?」
陽乃「時間がないんです。このままだと、もっと大変なことになる」
「そう言ったって」
「そりゃぁ……準備くらいはしてるが」
「にしたって明日とは」
- 751 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 21:38:26.99 ID:jos6gmUyo
-
今日中に2人が向こうにたどり着いている可能性はある。
けれど、出来ていない可能性はあるし、
そうなった場合、2人の生存はやや絶望的になってくる
いいや、
新規のバーテックスが現れるという神託もあったのだ
正直言ってもう絶望的だろう
本来は死ぬはずだっただろう歌野を連れ帰ることが出来れば、
杏と球子二人の損失はある程度カバーできるかもしれない。
だが、
戦い方として、中遠距離に対応している2人を失うというのは、
単純な戦力低下以上に惜しいものになるだろう
- 752 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 22:15:34.74 ID:jos6gmUyo
-
「それで、動けない人達も連れていけるのか?」
「何とかするって言ってたけど……できないんじゃないか?」
「そう、よねぇ……」
明日出発するということは、
準備期間は短いと半日程度くらいしかない。
それで、自力で動けない人たちまで連れていくための準備までできるのかどうか。
人々はそれが不安のようで。
歌野「バスか何かを用意しようと思ってます」
動けばベストだけれど、
最悪、動かなくてもいいと歌野は考えているらしいが、
声には出さない。
動かない車なんて、棺桶だし、ただの荷物だ
そんなものに乗り込むなんて人は、いないだろうから。
歌野「全ての道を車で移動は難しいかもしれませんが、移動できるところは車で移動して時間短縮を図ります」
- 753 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 22:33:26.71 ID:jos6gmUyo
-
歌野は、陽乃の代わりに策を話す。
しっかりと話し合ったわけではないけれど、
自力でどうにもできない人を連れていく方法なんて、それ以外にはない。
だから、間違っていない。
歌野「バスなら、食料だってかなり積むことが出来るので、四国に着くまで十分持つと思います」
バスの定員次第ではあるけれど
もしかしたら、1台で全員を連れ出せるかもしれないし
多くても2台くらいでどうにかなる。
それは、残ってくれる人がいるからこそのものだ
「明日の、いつ頃なんだい?」
歌野「そう、ですね」
歌野はちらりと陽乃を見る。
結界が陽乃次第である以上、時間を決めるのは陽乃に任せるといったところだろうか
1、朝
2、昼
3、夕
↓2
- 754 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/08(日) 22:34:16.28 ID:HNqIaenpO
- 2
- 755 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/08(日) 22:37:44.65 ID:gp8lVUB80
- 1
- 756 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/08(日) 22:41:48.09 ID:4lRXvfMaO
- 2
- 757 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 22:50:51.50 ID:jos6gmUyo
-
陽乃「そうですね。出発は明日の朝の予定です」
「朝か……」
やっぱり、そうなるか。とでも言った反応が返ってくる。
本来は来月だった話が、急に明日となったのだ
緊急なのは明らかなので、
明日の中でも、遅くてもお昼ごろと考えていたのかもしれない。
少し、騒がしくなる人々
周りと相談でもしているかのような短い会話がところどころから聞こえてきて。
「お急ぎ、なんですよね?」
1人が、問う。
- 758 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 23:11:25.85 ID:jos6gmUyo
-
常にバーテックスに襲撃されてしまう可能性があり、
いつ食い破られるかも分からない状況なため、
一ヶ月もの前倒しが行われるのも、不思議ではない。
けれど、もし、そうなら。
それだけ、急ぐ必要があるのなら
「本当に、私達を連れていく余裕があるんですか?」
同年代の人に比べると、
体の細さが目立つ、若い女性
彼女は自分で歩くことは出来ない
歌野が言ったように、バスに乗せなければだめだ
明日の朝なんて唐突な出発
それだけ急な話なのに、
余計な荷物を背負う余裕があるのかと。
不安なようだけれど
陽乃「大丈夫です」
さっきまでの話を繰り返すつもりは、無い
- 759 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 23:40:50.12 ID:jos6gmUyo
-
陽乃「明日、出て行く想定でさっきの話をしたので――」
「なら、もう少し早く話をすることは出来なかったんだろうか?」
陽乃「明日の出発自体、急な話だったので」
「そうよねぇ」
陽乃「……」
微小とはいえ、四国がすでに襲撃を受けている。
生存者を連れていく以上、
かなりの時間がかかるため、その時間をかけてたどり着いた結果、
大きな被害が出ている可能性だってないとは言えない。
とはいえ、そんな話は出来ない
陽乃「急な話で申し訳ありませんが、よろしくお願いします」
残る人は減ったけれど、
全員連れていくことは出来なかった。
だからと言って、これ以上の説得は出来ない
あとはもう、四国に向かう予定の人達に声をかけるくらいが限度だ。
歌野「荷造りとか、必要があれば手伝うので気兼ねせず言ってください!」
歌野は、少し無理した声で、そう言った
- 760 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/08(日) 23:55:13.13 ID:jos6gmUyo
-
√ 2018年 9月7日目 昼:諏訪
0、6、9 杏と球子
1、4、8 襲撃
↓1
- 761 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/08(日) 23:57:14.81 ID:HNqIaenpO
- あ
- 762 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/09(月) 00:00:24.55 ID:vH8mNIZLo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から
再開時に、襲撃規模
四国側
- 763 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/09(月) 00:12:08.72 ID:vRC7nrucO
- 乙
いよいよ諏訪から脱出する時が来たか
でもただでさえ苦渋の決断で犠牲者出るの確定な上に杏たちが本当に命落としてたら今度こそ詰みそうで心配だな…
- 764 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/09(月) 00:21:48.18 ID:V++J0pc0O
- 乙
四国側ってことは若葉たちのピンチ?
- 765 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/09(月) 20:13:36.42 ID:vH8mNIZLo
- では少しだけ
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