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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【4頁目】
- 783 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/11(水) 23:39:25.04 ID:65QcEQSbo
-
陽乃「消息不明なんて、優しい言い方ね」
『諏訪から四国までの道のりを、白鳥様お一人で大移動は難しいと思いますので』
最悪の場合という判断にはなるが、
陽乃だけではなく、誰もたどり着かない可能性もある。
そして、そうならずに歌野達がたどり着いたとしても
遺体を持ち帰れる可能性は限りなく低い……と考えているのかもしれない。
『四国ではすでに2度の襲撃が行われています。 " 3年間なかったはずなのに " 襲撃が起きているのです』
お分かりかもしれませんが。と、
通信手は独り言のような、小さな声で言う。
『一部では、襲撃の要因は久遠様ではないかとも言われているのです』
歌野「それは……大社で、ですか?」
陽乃ではなく、歌野が問う
声は落ち着いているように感じるけれど、
歌野の手は、力強く握り拳を作っている
- 784 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/11(水) 23:53:05.42 ID:65QcEQSbo
-
通信手からの反応は暫くなかったが、
小さな吐息のような音が向こう側から聞こえてきたかと思えば、
一部では。と、繰り返しの言葉が聞こえてきて。
『大社内でも、その可能性がないとは言えない。とのお話は出ていると伺っています』
断言はしていないし、
そんなことはないだろうという話だってもちろん出てきてはいるものの、
陽乃は四国を離れてから日が空いているとはいえ、3年間なかった襲撃がすでに2度も行われたのだ。
陽乃によって何かが行われたのではないかという疑問の声が上がるのも、
陽乃の印象を思えば、無理はなかった。
『一番の問題は、民衆でしょう』
陽乃「それは、聞かなくても分かるけど」
『そうですか』
陽乃に対する人々の怒りや憎しみといった理不尽な感情
それを後押しするような、2度の襲撃
どうなっているのかは、想像に難くない
- 785 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/12(木) 00:01:11.15 ID:tKwQ0ykMo
-
歌野「どうして、そのような話を?」
『……そうですね』
通信手は、少し悩まし気な声色で答えると、
ほんの数秒、間をおいて
『襲撃の件については、有益な情報を頂くことが出来たかと思っておりますので』
有益な情報を貰った以上
有益ではなかったとしても、何か情報を与えるのは正当だろうし、
定期連絡として、
情報提供は当然なものであるという認識ではあるものの、
だとしたらむしろ、関する情報は提供してしかるべきだろう。
『正直に言いましょう。久遠様はお戻りになるべきではないかと思われます』
陽乃「知ってる」
九尾でさえ、可能ならこっちに残ってしまえというくらいだ。
陽乃個人で言えば、戻るのはデメリットが勝る。
『それでも、お戻りになられると?』
1、そうよ。
2、いずれここは飲み込まれるもの
3、周りなんて知ったことじゃないわ
4、やるべきことがあるのよ
↓2
- 786 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/12(木) 00:04:21.21 ID:1W8rCPUjO
- 1
- 787 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/12(木) 00:05:48.36 ID:xKqPkjscO
- 2
- 788 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/12(木) 00:13:25.79 ID:tKwQ0ykMo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
>>782
分岐によります
- 789 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/12(木) 01:54:38.31 ID:3vKtavicO
- 乙
自分の命もそうだし諏訪の人たちのことを考えても残るわけにはいかないよな
- 790 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/12(木) 05:52:15.62 ID:UHzVpzfyO
- 乙
どこにも陽乃さんの居場所が無くて辛いな…
- 791 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/13(金) 21:56:23.76 ID:f5CoPi8Bo
- では少しだけ
- 792 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/13(金) 22:09:29.99 ID:f5CoPi8Bo
-
陽乃「いずれここは飲み込まれるもの」
今は、陽乃が結界の要として機能することでどうにか持ち直してはいるものの、
それだって永遠とはいかないだろう。
あと1年もつかもしれないし、持たないかもしれない。
もしかしたら、それ以上に長く持つかもしれないし、
もっと短く限界が来るかもしれない。
少なくとも、陽乃がここに来ていなければ
数ヶ月以内には、結界が食い破られていた可能性がある。
陽乃「そんな場所にいつまでもいる気はないわ。私は、死に場所を求めているわけじゃないんだから」
『ですが……』
陽乃「仮に」
通信手が言い淀んだ隙に、口を挟む。
陽乃「仮に先延ばしにしたとして、何か、いい方向に進むのかしら」
- 793 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/13(金) 22:19:15.38 ID:f5CoPi8Bo
-
通信手からの答えはなかった。
『………』
それはそうだ
悪化こそするだろうが、
何かが良い方向に進むはずがなかった。
明日になったら、バーテックスが消滅して
世界が解放されるだなんて奇跡でも起きない限り無理だろう。
いや、起きたとしても無理かもしれない。
陽乃「これから、襲撃は頻度を増すかもしれないし、規模を大きくするかもしれない」
今は被害がないが、
いずれは被害が出るようなものへとなっていくだろう。
そんな時に高まった憎悪はまた、どうせ自分に来るだろうと陽乃は思っているのだ。
陽乃「……無駄よ」
時間が解決してくれるだなんて、甘い話。
少なくとも、陽乃を取り巻く環境には、無い。
- 794 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/13(金) 22:39:13.99 ID:f5CoPi8Bo
-
陽乃「私が一番、分かってるのよ」
約1ヶ月四国を離れていたことになるけれど、
だとしても、
向こうでの自分への非難がどれほどかは陽乃自身が一番良く分かっている。
陽乃「大方、伊予島さん達の不在まで私の責任にされてるんでしょ?」
『………』
その通りなので、
この件に関してはあんまり、言い返す言葉がない
自分は連れてくるつもりはなかったと言いたいところだが、
一度誘いをかけてしまった事実もある。
陽乃「良いのよ。別に、私はそれで」
陽乃は、嘲笑気味に言って。
そうして、小さく笑みを浮かべる。
陽乃「……とにかく、明日にはここを発つわ。まぁ、たどり着かないかもしれないけど」
『……承知しました。お伝えは、しておきます』
- 795 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/13(金) 23:00:48.57 ID:f5CoPi8Bo
-
通信手の反応から察するに、
四国側の状況は " 被害がない " だけなのは明らかだ。
勇者様に対する期待と信頼に沸く一方で、
この事態を引き起こしたとされる陽乃への憎悪は留まることを知らない。
天恐……天空恐怖症候群を引き起こした身内がいる人なら、より一層、それを強くしたことだろう。
歌野「……久遠さん」
陽乃「なによ。分かり切っていたことでしょ」
浮かない表情を見せる歌野に対して、
陽乃は当事者でありながら、おどけた笑みを見せる。
本当に、分かり切っていたことだ。
ここまで短絡的に目の敵にされるものなのかと思わなくもないが、
ある意味盲目的になっていると思えば、致し方ないことだと言えるだろう。
それくらいに、人々は絶望の淵に立たされているということだ。
もっとも、淵から突き飛ばされた陽乃としては、
それも失笑したくなるけれど。
- 796 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/14(土) 00:08:09.82 ID:j4JuJz3Io
-
水都「大丈夫、ですか?」
陽乃「何が?」
水都「だって……」
頑張って、命がけで向こうに帰ったかと思えば、
手酷い歓迎を受けることになるかもしれない。
諏訪の生存者を連れ帰ることで、
ある程度の払拭は出来るかもしれないが、
状況から見て、好転する可能性は……正直低い
陽乃がバーテックスの呼び水となったと考えられているのなら、
生存者を連れ帰ったところで……
水都「向こうに帰ったら……」
陽乃「前と変わらないわよ。少し、風当たりが強くなるくらいだわ」
水都「風当たりって、そんな程度じゃないと思います」
通信手の言い方からして、
その程度で収まるわけがないという水都の反応に、陽乃は肩をすくめる。
歌野「大丈夫。私達がいるわ」
1、そう。
2、向こうについても、そう言えるかしら
3、向こうでは、そういうこと言わないのが身のためよ
4、何が大丈夫なのよ
↓2
- 797 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 00:08:51.01 ID:fVPIvtxxO
- 1
- 798 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 00:11:48.36 ID:HxiT4yjvO
- 1
- 799 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/14(土) 00:29:35.69 ID:j4JuJz3Io
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であれば少し早い時間から
- 800 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 00:34:47.48 ID:fVPIvtxxO
- 乙
向こうに帰っても陽乃を支えてやってくれ
- 801 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 01:02:13.60 ID:HxiT4yjvO
- 乙
文字通り命でも懸けない限り帰ってこれても色々厳しいだろうなぁ
そもそも全員無事に避難できるかも分からないし…
- 802 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/14(土) 21:40:11.75 ID:j4JuJz3Io
- では少しだけ
- 803 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/14(土) 21:42:52.38 ID:j4JuJz3Io
-
陽乃「そう」
また素っ気ない態度で答えたものの、
歌野は仕方がないと言うかのような表情を見せて
歌野「そうよ。向こうにたどり着いても、私達が一緒にいる」
水都「陽乃さんは1人でも大丈夫だって思ってるかもしれないけど、向こうでも、一緒です」
陽乃「たどり着く前提の話はやめて貰いたいものね」
陽乃はやや呆れたように零し、目を細める。
高く見て五分五分といったところか。
陽乃「最悪、全滅するわ」
歌野「そうだけど、でも、私達はたどり着けるって思っていなきゃ。ね?」
陽乃「楽観的ね」
諏訪の生存者を四国に連れ帰るというのも目的の一つだが、
もう一つ、先行している杏達の消息も確かめたいところだ。
そう考えると、
普通に四国に向かうよりも、やや生存率は下がる。
もっとも、どの程度捜索するかというのも関わってくるが
- 804 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/14(土) 22:08:46.19 ID:j4JuJz3Io
-
歌野「今までは、そうしなくちゃって思っていたけど……今は、久遠さんがいるから、足して2で割ればちょうどいい感じになるでしょ?」
陽乃「そう思うならそうでもいいけど、油断して足を引っ張らないで」
歌野「ええ」
にっこりと笑みを浮かべる歌野を一瞥もせずに、陽乃は顔を顰める。
陽乃はそうつもりはないが
歌野や水都が希望を持っていること自体は、別に、そうしたいならそれでもいい。
そんなことよりも。
陽乃「2人の捜索について考えをまとめておいた方が良いわ」
水都「2人て……伊予島さん達のことですか?」
歌野「本来通るはずだったルートは私達が把握しているし、ずれていなければ良いけど……」
陽乃「ずれてる可能性は高いでしょ。この状況だと」
- 805 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/14(土) 22:37:14.89 ID:j4JuJz3Io
-
ある程度までは予定通りに進んだのは間違いないはずだが、
途中で戦闘が有ったり、
それを避けるためだったり
何らかの理由で予定のルートを逸れているだろう。
奇跡的に逸れることなく進めている可能性もないわけではないけれど、
きっと、そんなことはない。
問題は、どのあたりで逸れてしまったかだ。
歌野「さすがに全域捜索はできないし……」
水都「うたのんや私みたいになんとなく把握するとかはできないんですか?」
陽乃「無理よ。貴女達は特別」
力の繋がりがあるからこその探知だ。
そうではない杏達のことを察知することは出来ない。
歌野「でも、諦めたくないわ」
1、生存者捜索は必要よ
2、無駄に時間を割くことは出来ないわ
3、一般人を四国に届けてから戻るという手もあるけど
4、移動中に、2人が四国につく可能性もあるけど
↓2
- 806 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 22:39:55.70 ID:6YNG/o6bO
- 1
- 807 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 22:41:28.27 ID:TY6jjOuT0
- 1
- 808 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 22:58:35.84 ID:fVPIvtxxO
- 3
- 809 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/14(土) 23:58:25.04 ID:j4JuJz3Io
-
陽乃「生存者捜索は必要よ。別に諦めるわけじゃないわ」
そもそも、
明日出発した後に2人が四国にたどり着く可能性だってないわけではない。
その場合、どちらかが怪我をしていたり
あるいは、どちらかしかいなかったりと……しているかもしてれないが。
それ自体は、
陽乃達が2人に合流できたとしても十分あり得ることだ。
むしろ、陽乃達が合流できてしまった方が、悪い状態だってある。
陽乃「ただ、バーテックスが多くて身動きが取れないって程度ならいいけど」
歌野「そうね……戦闘で負傷したとかじゃなければ……」
勇者とはいえ、怪我はする。
場合によっては手足の欠損だってあり得ることだ
杏または球子がそれほどの重傷なら、
いまだ到着していない理由にもなる。
だが、そうであっては困る。
超常的な力があったとしても、
身体的な欠損までは、さすがにどうにもならないからだ
- 810 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 00:21:54.24 ID:ydCK/8Wvo
-
陽乃「とはいえ、時間をかけて捜索することは出来ないから、見限ることも視野に入れて置いて」
歌野「悔しいけど、仕方がないわね」
可能なら、何か情報が得られるまで
出来たら、見つかるまで
2人を探したいという気持ちはあるけれど、
そんなことをしていたら、どれだけの二次被害が発生するか分かったものではないし、
食料も有限で、いつまでも先に進まないことに苛立つこともあるだろう。
人々の精神的な部分を悪い意味で刺激してしまうのは良くない。
勇者の捜索と言えば多少は許されるだろうけれど、
それもほんのひと時だ。
歌野「もしかしたら、私達が諏訪を出た後に向こうに着く可能性もある……わよね?」
陽乃「あるかもしれないわ」
水都「そうだと良いですけど……」
水都は小さく呟いて。
水都「携帯電話が使えたらって思っちゃう」
- 811 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 00:41:49.18 ID:ydCK/8Wvo
-
陽乃「使えないものは使えないわ。言ったって仕方がない」
とはいえ、その便利さを思い知らされる。
連絡を取りやすいし、場所を知ることもできる。
今の状況を簡単に知ることが出来るその便利なものがあれば、
2人の救出だって、容易だった。
水都「伊予島さん達は端末を持ってたけど、あれは連絡できないのかな?」
陽乃「無理よ」
歌野「……」
没収されてしまったままなので陽乃の端末は、ここにはない。
かといって、2人のどちらかに置いて言って貰うなんてことも無理だし、
そもそも、
四国の結界外で連絡を取ることは今のところ出来ない。
出来たら、若葉と連絡を取っていただろう。
陽乃「探せるのは……状況にもよるけれど、せいぜい十数分から長くて一時間以内かしら……それ以上は、ストレスになりそうだわ」
- 812 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 00:43:03.26 ID:ydCK/8Wvo
- では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は可能であれば、お昼ごろから
- 813 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 00:50:38.14 ID:V3apSP3xO
- 乙
とにかく杏たちの安否が分からないままだしうまく二人と無事に合流できて欲しいなぁ
- 814 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 07:36:18.37 ID:JyyTvRCaO
- 乙
お昼再開に期待
- 815 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 15:15:38.52 ID:ydCK/8Wvo
- では少しずつ
- 816 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 15:18:36.64 ID:ydCK/8Wvo
-
陽乃達しかいないなら、ストレスがどうのと気にする必要もほとんどなくなってくるが、
今回は来る時と違って、勇者ではない一般の人々もいる。
無力だからこそ、外の世界に対する恐怖は人一倍強く
そのせいでただでさえ精神的に消耗しているそんな人達に、
余計にストレスをためさせた場合、崩壊するのは明らかだ。
歌野「大変なのは、やっぱりどこで足止めをされたのかが分からないところだわ」
陽乃「戦闘痕って思ったけれど、よくよく考えれば、街はそもそも襲撃を受けた状態だし……」
多少は、真新しい崩壊の痕も見られるかもしれないが
それこそ、杏達の負傷の形跡でも残っていないと、判別は難しいだろう。
陽乃「なんにせよ、何か証拠でもない限り、生存者の捜索は主要都市に限られるわよ」
歌野「ええ……」
水都「それ以外だったら……」
陽乃「置いていくことになる」
そこまで探していられないと、陽乃は首を振る
- 817 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 16:02:32.10 ID:ydCK/8Wvo
-
都市部なら生存者の可能性は比較的高い
だが、そうではないような場所は、
ただでさえ低い生存率はさらに下がってくる。
そんな場所では、捜索に時間を割くのは難しい。
とはいえ……と、陽乃は少し考えて。
陽乃「休憩という名目で、滞在時間を作ることは出来ると思うわ」
歌野「そ――」
陽乃「ただ」
何か言おうとした歌野をわざと遮る。
出来るとは言ったが、それは喜べる話ではない
陽乃「2人が戦闘後にそこに逃げ込んだのなら、周囲にバーテックスがいる可能性が高い」
水都「つまり、ルート的には避けないといけない?」
陽乃「その通り」
- 818 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 16:30:08.81 ID:ydCK/8Wvo
-
杏達が敵をせん滅して逃げ込んだならいいが、
そうではない……つまり、負傷しての撤退などをしていた場合、
その周囲には確実にバーテックスがいることだろう。
そのルート以外は通ることが出来ない理由でもない限り、
一般人を連れてはいけない
陽乃「だから、運次第ね」
2人が生きていることも、2人を回収できることも
こればかりはどうしようもない。
水都「……陽乃さんって、運は良い方ですか?」
陽乃「聞くだけ無駄だと思わない?」
運が良かったら、今のような状況には陥っていない。
陽乃は、からかうように笑みを浮かべて答えて。
陽乃「少なくとも、良い方ではないと思うわよ」
世界で一番不幸だ。なんて言わないけれど
でも、間違いなく不幸ではあるだろうと、陽乃は思っていた。
- 819 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 16:31:59.41 ID:ydCK/8Wvo
-
√ 2018年 9月7日目 夕:諏訪
01〜10 歌野
34〜43 水都
67〜76 九尾
↓1のコンマ
※それ以外は通常
※ぞろ目特殊
- 820 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 16:42:40.03 ID:cl7JTFJpO
- あ
- 821 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 17:17:04.08 ID:ydCK/8Wvo
-
√ 2018年 9月7日目 夕:諏訪
人々への説得と、四国との通信
陽乃の力による影響によって襲撃がなくなった諏訪において
役目と呼べるそれらの時間を終えた陽乃はいつものように1人になれる部屋に行こうとしていたが、
歌野に声をかけられて、また、2人の部屋になっていた。
歌野の存在は感じられるため、
避けようと思えば避けることもできるが、それは外での話だ。
参集殿の中では、あまりにも露骨だし、
それはそれで、関係性に響く。
陽乃「バスは探せたの?」
歌野「ええ、まぁ……大型のバスがあったから」
歌野は少し考える素振りを見せて、
歌野「頑張れば、バス1台で全員乗せることが出来ると思う」
陽乃「頑張ればって言うのが、少し不穏なんだけど……」
- 822 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 17:33:41.32 ID:ydCK/8Wvo
-
歌野は、やっぱり? と、
ちょっぴりおどけたような笑いを見せたものの
表情はすぐに、少し硬くなってしまう。
歌野「副座席……? えぇっと、なんて言ったかしら。座席の横にあるアレ」
陽乃「肘置き?」
歌野「その横」
普通、座席の横にあるアレと言われたら、窓かひじ掛け
構造的に考えてシートベルトとか。
そんなものしか思いつかない陽乃だったが。
歌野の心の中では"予備の席"と呟かれて
陽乃「予備の座席を含めないといけないってこと?」
歌野「そう。それ……正式な名前は違ったような気がするけど、とにかくそれを含めれば全員みたい」
その全員とは、自力で逃げられない人と、健康的な人すべてひっくるめてという話だ。
大型のバス2台なら、かなりのゆとりがある
ただ、ゆとりがあるメリットがある分、
歌野と陽乃がそれぞれ分かれて1台ずつ守る必要が出てくる。
全員が歩行だったり、
一部車、一部歩行といったばらけている状態と比べれば、
バス2台も悪い話とは言えない
- 823 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 17:40:00.89 ID:ydCK/8Wvo
-
歌野「久遠さんはどう思う? バス1台に押し込むか、バス2台でゆとりを持つか」
陽乃「言い方からして、貴女は2台の方が良さそうね」
歌野「ええ。そう思ってる」
これは旅行ではない。
望んでいることではあるが、望んでいないことでもある。
そんな中、全員を1台のバスに乗せて余裕がないのはストレスになるのではないか。と、歌野は思っているのだろう。
陽乃「逃げ出すのに余裕が欲しいなんて贅沢だと思うけど」
歌野「そう、だけど……」
陽乃「悩む理由は分かるわ」
男性と女性、子供と大人
それぞれ、我慢の限度というものがある
住民の中には、赤ん坊もいて
時折、声を上げてしまうことだってあるかもしれない。
陽乃「降りてもらうとか」
歌野「思ってもないこと言わないで」
陽乃「……冗談よ」
1、多少の我慢は必要だわ
2、2台にしましょう。仕分けは任せるわ
3、で? 他の人の意見は?
↓2
- 824 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 17:45:46.93 ID:cl7JTFJpO
- 2
- 825 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 17:47:41.91 ID:pTq8hPIMO
- 2
- 826 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 18:10:00.05 ID:ydCK/8Wvo
-
陽乃「2台にしましょう。仕分けは任せるわ」
歌野「良いの?」
陽乃「良いって、何が」
歌野「……信じて、くれるの?」
歌野の心配そうな問いに、陽乃は眉を潜める
いったい何の心配をしているのか……
その心の内は陽乃に晒されているので、
聞くまでもなく、分かっているが。
陽乃「任せるのは私じゃなくて、諏訪の住民の命でしょ。信じるも何もない」
それに。と、陽乃は目を逸らす。
陽乃「それはむしろ、私の方が気になるわ」
歌野「私達は――」
陽乃「貴女と藤森さんはそうだろうけど、街の人みんなまでそうだと思うほど、私は良い覚えがないのよ」
- 827 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 18:30:30.50 ID:ydCK/8Wvo
-
今回の説得の場としたところでも、
陽乃が外に出てきたあの時も
諏訪の人々は、陽乃に対して非常に好意的だったように思う。
けれど、
それは、今こうして守られているからこそであり、
いざ危機に瀕した時、同じようにいてくれるとは限らない。
実際に陽乃は危機に瀕した結果、
人柱にされそうになったし、
命からがら生き延びた世界での扱いは、あのありさまだ
歌野「けど……大丈夫よ。本当に、大丈夫だから」
陽乃「そう言われてもね」
歌野「……」
歯噛みする歌野を一瞥して、陽乃は小さくため息をつく。
歌野はわずかに体を反応させたが、
別に怒っているわけではないと察したらしい。
言葉としてではなくとも、伝わってしまうのは便利であり不便だ
陽乃「それで、仕分けについてもそれなりに話は聞いているんでしょ?」
- 828 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 19:09:16.89 ID:ydCK/8Wvo
-
明らかな逸らし目的だったが、
歌野は応じて頷くと、いくつかに分かれているという。
歌野「1つは、男女ね。老若関係なく、別けた方が良いのでは? って」
陽乃「どうして?」
歌野「ん〜……やっぱり、長い時間同じ空間は嫌だって意見もあるとかないとか」
そして
歌野「もう1つは、手伝いが必要な人とその補助の人……あとはそれ以外」
手伝いが必要な人には、それなりに空間があった方が良い場合もあるだろうし、
それを考えると、
必要最低限に1台を割くのが良いだろう。
補助が必要なのは、十数人程度だけれど、
その補佐を含めれば、1人に1人と考えても、約20人ほどが乗ることになる。
そう考えると、人数比的にはちょうど良さそうな気がする
歌野「あとは……若い人と、おじいさんおばあさん」
陽乃「なるほど」
陽乃はとりあえず頷いて
陽乃「暫定的にはどうなっているの?」
- 829 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 19:20:16.28 ID:ydCK/8Wvo
-
歌野「暫定的には、2番目ね。補助が必要な人とそうでない人」
理由も理由だし、
人数比的にも、申し分ない別け方ができる。
そして、余った場所には可能な限り日用品や食料等を積んだりするという流れだ
陽乃「別にそれでいいんじゃない?」
仕分けは任せるといったし、
内容的にも問題はないだろう。
歌野「久遠さん、どっちに乗る?」
陽乃「どっちでもいいと思うんだけど」
歌野「そうなんだけど、条件上どうしても補助者用のバスにはお話好きなおじいさんおばあさんが偏ると思うから」
どちらにしても賑やかさは出てくるが
根掘り葉掘り聞かれる可能性の高い、そっち側は苦手ではないかと、歌野は思っているようだ
1、別にいいわよ
2、任せるわ
3、なら、厚意を受けてもう1台の方にするわ
↓2
- 830 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 19:23:32.25 ID:0cNedVj20
- 1
- 831 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 19:24:25.19 ID:pTq8hPIMO
- 2
- 832 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 19:57:17.17 ID:ydCK/8Wvo
-
陽乃「任せるわ」
歌野「そう? なら、やっぱり予定通り私がおばあちゃんたちと一緒に乗るわ」
歌野はどこか嬉しそうにそう言って、
任せるという言葉が、歌野にとっては大事なのだと、陽乃に伝わってくる
それは少しこそばゆくて、陽乃は顔を顰める。
陽乃「別に、何でもいいという意味よ?」
歌野「ええ、任せて」
陽乃「……分かってないでしょう?」
歌野「分かってるわ!」
絶対に分かっていなそうな反応ではあるが、
きっと、分かっているのだろう。
やっぱり、厄介だと陽乃は思って。
また、歌野から伝わってくるものが変わったことに気づいて、目を向ける
陽乃「なに?」
歌野「え?」
驚いた歌野だったが、
自分の心が伝わってしまっていることを思い出して、気づいたように頬を赤らめる
歌野「そうよね。聞かれちゃうんだったわ」
少し、困った様子で。
歌野「えぇっと……少しでも、応えてくれた人がいただけよかったと思うわ。だから、自分を責めないで欲しいの」
- 833 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 19:57:51.44 ID:ydCK/8Wvo
- 少し中断します
再開は21時ころから
- 834 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 20:01:22.78 ID:XUnl5XiAO
- 一旦乙
- 835 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 21:42:21.17 ID:ydCK/8Wvo
-
陽乃「……なにそれ」
歌野「久遠さん、自分のことを責めそうだから」
色々言ってはいたけれど、
でも、全員を説得しきれなかったことは、責任に感じそうだと思っているらしい。
説得できなかった人々は、ここに残る
そして……そのまま、バーテックスに蹂躙されることになる。だろう。
本人がそれで構わないと言っているのだが、
だとしても、陽乃は背負うだろうと。
歌野「本当は四国行きの人数の内、3分の1は残る予定だったの」
もしかしたら、
最終的には、その人達を置いていけないともう少し残る人がいた可能性さえある。
けれど、多くはないが少なくもなく
しかし、
本来は残る予定だった人々を、説得できたのだ
歌野「ここに残る人たちは、戦うのよ。諦めたわけじゃない」
陽乃「詭弁ね」
歌野「だとしても……」
責任に感じないで。と、歌野は言う
- 836 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 21:59:40.74 ID:ydCK/8Wvo
-
陽乃「私は大したこと言ってないわ。むしろ、嫌われるようなことを言った覚えしかない」
歌野「嫌われるようなこと?」
陽乃「……今、笑ったわね」
歌野「っ」
口にはしなかったが、心の中で。
何を言ってるの? と、
つまらない冗談を言われた時のような、
そんな、ささやかな笑いを感じたと、陽乃は目を細める。
歌野「だって、みんなにバレてたじゃない」
陽乃「バレるも何もないわ」
歌野「でも」
陽乃「ないって言ってるでしょ」
陽乃はそう言っても、
間違いなく、そこにはあって。
歌野と違って、その本心を感じ取れない人々にも、
やんわりと察せられてしまっていた。
- 837 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 22:24:52.46 ID:ydCK/8Wvo
-
歌野「久遠さんがどう言っていても、残していってしまうことに変わりはないから」
陽乃「だから?」
歌野「もし、責任を感じるとしても、久遠さん一人だと思わないで」
残していくのは歌野もだ。
それも、諏訪の勇者でありながら、
諏訪の生存者を残していくのだ。
責任を重く受け止めるべきなのは、むしろ、自分の方だと歌野は考えている。
陽乃「そうは言ったって、貴女こそ強制的じゃない」
普通なら、歌野は諏訪の勇者として責任を感じることもあるだろうが、
今はもう、歌野の力は陽乃を経由する形になっている。
陽乃が居なければ勇者としてのお役目を果たすことが出来ないといった状態であるのなら、
否が応でも、置いていくしかない。
歌野「なにより、久遠さんが来てくれたからこそ……こんな責任が生まれてるのよ」
- 838 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 22:46:36.43 ID:ydCK/8Wvo
-
陽乃のせいとでも言うかのような言い方だが、
歌野はそれを、責任を押し付けるために使っているわけではない。
語弊が生じるかもしれないが、
そもそも歌野が言いたいのは " 陽乃のせい " ではなく " 陽乃のおかげ " だ
陽乃達が来てくれたからこそ、
そんなことを悩む余裕が生まれた。
歌野「言ったっけ? それとも、心の中で言った?」
本心を聞かれることをからかうように歌野は笑う。
歌野「久遠さんが来てくれなかったら、私達はみんな死んでた。全滅してたのよ。だれ一人残らず」
勇者である自分が言ってはいけないことだと思いながら、
けれど事実だからと、歌野は考えて。
その全てが、陽乃へと流れ込む。
歌野「もちろん、私は最後まで抗うつもりではあったけど、いずれ力尽きると思ってた」
- 839 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 23:28:29.65 ID:ydCK/8Wvo
-
なのに、乃木若葉から勇者が行くと知らされて、
数日かかると思えば、半日でたどり着いて
弱っていた力を強化してくれたし、
ここ数日の平穏な日々は、陽乃の力によるものが大きい
歌野「それなのに、大多数の人を連れて、四国に連れ出せるまでになったなんて、もう奇跡みたいな話だわ」
諏訪を捨てるというのは、やはり、辛いことではあるが、
今は預けると言うだけだ
いずれまた、ここに戻ってくる
歌野「……何度だって言うわ。感謝してる」
多くの人がここに残るとしても、
それ以上もの人々を救うことが出来る。
歌野「恩返し、させて貰うわ」
1、期待はしないわ
2、好きにしなさい
3、しなくていいわ
4、結果を示してくれればそれで十分よ
↓2
- 840 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 23:31:00.69 ID:zD0oldQTO
- 2
- 841 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 23:31:36.34 ID:juzlsT6hO
- 2
- 842 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/15(日) 23:34:05.52 ID:ydCK/8Wvo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 843 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 23:52:19.87 ID:zD0oldQTO
- 乙
説得はしきれなかったけど連れて行ける人もいるだけ全滅よりはマシだしね
あと陽乃さんの刺々しさが大分減ってきたな
- 844 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/16(月) 01:17:55.77 ID:LE//7LDAO
- 乙
どのみち本心漏れちゃうしな
- 845 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/16(月) 23:16:42.89 ID:VIX+Zv5fo
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/16(月) 23:19:40.42 ID:EgBeNgEBO
- 乙です
- 847 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/17(火) 22:55:34.42 ID:rXwgL4oOo
- 遅くなりましたが、少しだけ
- 848 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/17(火) 23:01:20.16 ID:rXwgL4oOo
-
陽乃「好きにしなさい」
歌野「ええ、好きにさせて貰うわ」
今までも陽乃は、そう言った素っ気なさを感じさせる返しをしていたけれど、
それでも、歌野は普段より嬉しそうだ。
歌野「あの事を知らなくてももちろんだけど……知っちゃった以上は、なおさらね」
陽乃は歌野の過去を夢に見たし、歌野は陽乃の過去を夢に見た
それが、歌野を後押ししているらしい
歌野「久遠さんは、1人にしたくない」
陽乃「私は1人になりたいんだけど」
歌野「それは分かってるけど、ね」
1人になる時間をすべて奪う気はないと歌野は言うけれど、
可能な限り、自分ではなく水都でもいいから、
誰かと一緒にいて欲しいと歌野は考えている
- 849 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/17(火) 23:46:34.55 ID:rXwgL4oOo
-
歌野「1人になる時間も大事だとは思うけど、でも、1人だからこそ考えちゃうことだってあると思うし……」
さっき陽乃を呼び止めたのだって、それが理由だった。
けれど、その行動が良いこともあれば悪いこともある。
それをわかっているからだろうか。
歌野は、少し悩まし気に陽乃から目を背ける。
歌野「久遠さんはどちらかといえば邪魔に感じる方でしょ?」
陽乃「どちらかといえばというか」
歌野「……ほらやっぱり」
本心を察知して小さく呟く歌野を陽乃は一瞥する。
陽乃「前々から言ってたことだと思うけど」
歌野「そう、なんだけど」
今回は、普段と違って説得の件という重い話もあったため、
いつものようにというわけにはいかなかったのだ。
なんて、
そんな歌野の葛藤の一部など、陽乃は考える間でもなく、知っている。
- 850 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/18(水) 00:16:34.66 ID:1ttJIS5So
-
陽乃「まぁいいわよ。今更だわ」
ここまで散々、近寄ってきていて、
説得が良くて50%程度の出来だったからって遠慮されても困る。
なにより、その心の内側での葛藤は聞こえるし、
きっと、足を止めたことの後悔だって、聞こえてくるだろう。
陽乃「話したいことだってあったんだから、それでいいじゃない」
歌野「久遠さんって、やっぱり優しいわ」
陽乃「気のせいよ」
別に、励ましたつもりはない。
けれど、歌野はそう感じたようで。
歌野「ほんと、だから……」
少し、悲し気な表情を見せる。
なんであんなことにならなければならなかったのか
どうしてあんな扱いをされなければいけなかったのか
陽乃の過去を憂いているような心のうちに、
陽乃は、顔を顰めて、首を振る
陽乃「同情は嫌いよ」
1、知った気にならないで
2、どういう家柄だっただけのことだわ
3、私は貴女達の方が優しいと思うけど
4、優しいだなんて、私には合わない言葉よ
↓1
- 851 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/18(水) 00:16:56.24 ID:LxRjgV2IO
- 3
- 852 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/18(水) 00:28:46.47 ID:1ttJIS5So
-
では短いですがここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 853 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/18(水) 05:50:58.34 ID:rtYMTk6CO
- 乙
陽乃さんは嫌がりそうだけどできるなら過去の記憶を仲間たちともっと共有したいな
- 854 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/18(水) 08:04:07.27 ID:2w9xT/kUO
- 乙
色々知ったせいかここ最近歌野が猛追してる気がする
- 855 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/18(水) 23:41:23.03 ID:1ttJIS5So
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
- 856 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/18(水) 23:46:13.19 ID:pxreFAZNO
- 連絡乙ですー
- 857 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/19(木) 22:50:25.09 ID:2a2vVqNmo
- 遅くなりましたが少しだけ
- 858 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/19(木) 22:51:22.40 ID:rVDeLSEw0
- エッチなシーンはないですか?
- 859 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/19(木) 22:51:34.60 ID:2a2vVqNmo
-
陽乃「私は貴女達の方が優しいと思うけど」
歌野「そうかしら? そんなに優しい?」
歌野は人の嫌がることは極力避けようとしてはいるが、
陽乃に対しては嫌がらせのように距離感が近かった。
実際、陽乃は嫌がっているようなそぶりを何度も見せていたし、
あまり、いい気分ではなかったように思えたのだ。
歌野「本当に?」
陽乃「私よりはね」
陽乃はそう言って、少し、困ったように顔を顰める
陽乃「相手が悪いのよ。優しさは私以外の人に向けてあげるべきよ」
歌野「もちろん、他の人だっておろそかにしたりしないわ」
だけど。と、歌野は言う
歌野「久遠さんはもっと大事だから」
- 860 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/19(木) 23:43:55.85 ID:2a2vVqNmo
-
陽乃「大事にしたって、報われることはないわよ」
歌野「そんなことないわ」
勇者としては戦力になるし、
陽乃がいるおかげで歌野も戦うことが出来るし
今までよりも強い力を借り受けることが出来る。
そんな利用価値があるから……なんて、
陽乃は考えたが、
歌野はそれを察してか、首を振る
歌野「久遠さんは、大事な友人よ」
陽乃「友人ね……」
歌野「嫌?」
陽乃「嫌というか、なんていうか」
トラウマだと陽乃はいう気はないが、
友人というものには嫌な思いをしたため、
いまいち、好ましく思うことが出来ないのだ。
- 861 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/20(金) 00:01:25.47 ID:59qYkgwNo
-
陽乃の過去を見てしまった影響だろう。
歌野は自分の言葉にはっとして、少し、表情を影らせる。
歌野「そうね」
赤の他人にも、知人にも、友人にも
陽乃は切り捨てられた。
そのせいで家族を失っているので
家族だというのも少し憚られる……という歌野の心もまた陽乃には筒抜けだ
純度の高いその悩みに、
陽乃は口を閉ざして、目を背ける
陽乃「まぁいいわよ。別に、好きに思ってくれても」
思うのは勝手だ
けれど、それに対して応えるかは別の話
1、報われるとは思わないでおいて
2、ただ、外では言わないで
3、最後まで言えるのかどうか見ものだわ
4、友人? ただの協力者でしょ
↓2
- 862 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/20(金) 00:03:07.87 ID:CplkcZTWO
- 1
- 863 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/20(金) 00:04:22.69 ID:D21NtPE2O
- 1
- 864 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/20(金) 00:10:03.82 ID:59qYkgwNo
-
では短いですがここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 865 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/20(金) 00:19:04.70 ID:g6GhCqROO
- 乙
思えば陽乃さんはお母さんを救えたのがピークでそれ以降ことごとく運の悪さで報われる気配が全然しないのがな…
せめて今度の脱出は上手くいくといいけど
- 866 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/20(金) 00:29:48.82 ID:vBMUUeaAO
- 乙
でも陽乃ほんとに柔らかくなったよな
ツンデレみを感じる
- 867 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/21(土) 23:39:04.05 ID:TWq5Z9T7o
-
すみませんが本日もお休みとさせていただきます
再開は明日、可能であればお昼ごろから
- 868 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 23:45:05.09 ID:8+QTOduxO
- 乙です
お昼再開待ってます
- 869 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/22(日) 21:03:17.17 ID:hSWosgPRo
- 遅くなりましたが少しだけ
- 870 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/22(日) 21:06:41.87 ID:hSWosgPRo
-
陽乃「けど、報われるとは思わないでおいて」
歌野「久遠さんは、あの人たちとは違うわ」
陽乃「だから何?」
報いてくれるとでもいうのか。
そんなわけがないと陽乃は否定する強い口調で返したが、
歌野は笑みを浮かべている。
威圧感を感じさせるようなものだったけれど、
怯んでいるような様子は見えない
歌野「久遠さんは、違うわ」
陽乃「だとしても、分かるでしょ?」
歌野はぐっと歯噛みするそぶりを見せて、
けれど、首を振る。
分かるが、分からないと
歌野「辛い思いをしたのは、知ってる、けれど、それとこれとは話が違うはずよ」
- 871 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/22(日) 22:06:10.42 ID:hSWosgPRo
-
歌野「久遠さんが私やみーちゃん、伊予島さん達を信じられない気持ちは、分かるわ」
信じた人々に裏切られたし、
救った人々の一部にも、それに賛同するような動きも見られていて、
他人なんて誰も信じたくないと思うのは仕方がないことだと歌野も思っている。
歌野「けれど、それは久遠さんの話で私達が信じない理由にはならないし」
なにより
歌野「報われているかどうかなんて、本人次第だって思わないかしら」
歌野は、薄く笑みを浮かべて、
困ったことに。とでも言いたげな様子を見せる。
陽乃と同じ、約3年前の話のできごとのことだろう。
歌野にとっては、意味のあることだったが、
他の人々にとってはそうではなかったようで
なぜ、そんなに頑張るのか
命の危険を冒してまで救って、意味があるのか。
歌野はそれを尋ねられたことがあるのだ
歌野「……ね?」
- 872 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/22(日) 23:01:18.88 ID:hSWosgPRo
-
歌野「久遠さんから何か施しが貰えなくても、向こうで何か嫌な思いをすることになるとしても、私にとって久遠さんが友人であることには変わりがないわ」
陽乃「後悔しても知らないわよ」
歌野「……してもいいわ。別に」
歌野は、少し驚いた表情を見せたが、
すぐに笑みを見せると、そう答えた。
歌野「だって、久遠さんを切り捨てること以上に後悔することなんて、きっとないもの」
陽乃「……」
陽乃は、顔を顰める
歌野は冗談ではなく本気で言っているのは分かっている
その自信満々な答えが気に入らなくて。
けれど、歌野は陽乃の内面を感じてか、少し、悲し気に眉を潜めて。
歌野「久遠さん、どちらかといえば私達が嫌な名遭うことを気にしているでしょ」
- 873 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/22(日) 23:18:49.37 ID:hSWosgPRo
-
陽乃「さぁ?」
陽乃はとぼけて言うが、
その内側が伝わってしまっている影響だろう。
歌野は分かってると言いたげな表情を浮かべていて、
陽乃が不満そうに顔を顰めれば、
歌野は首を振って。
歌野「大丈夫よ。久遠さんはこれから凄いことをするんだから」
陽乃「そうなると良いわね」
陽乃は否定せずに、適当にあしらう。
諏訪から生存者を連れ帰るという偉業
だけれど、それをできる保証はなく、
そして、それ以前に――
歌野「2人は大丈夫」
陽乃「っ」
歌野「あの伊予島さんと土居さんのことだもの。きっと、また会える。ゆっくりしすぎちゃったって、私達が出発した後に連絡があるかもしれないわ」
可能性は低い。
歌野もそれは分かっているようだが、
しかし、陽乃とは違って、希望はあると信じている。
歌野「信じましょ。希望じゃなくて、あの2人を」
- 874 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/22(日) 23:30:02.42 ID:hSWosgPRo
-
√ 2018年 9月7日目 夜:諏訪
23〜32 歌野
56〜65 水都
89〜98 九尾
↓1のコンマ
※それ以外は通常
※ぞろ目特殊
- 875 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/22(日) 23:31:40.86 ID:mjH/hQmnO
- あ
- 876 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/22(日) 23:54:00.77 ID:hSWosgPRo
-
√ 2018年 9月7日目 夜:諏訪
水都「今日は、早く寝た方が良いと思います」
明日の朝には、諏訪を発つ予定だ
ここにいる間はゆっくりと休息をとることが出来ていたけれど、
ひとたび、諏訪から足を踏み出せば、その時間は極端に減ることになる。
一般の人々だって不安な日々になるだろうし、
歌野と陽乃は、2人で大勢の人々をバーテックスから守らなければならないため、
到着まで、毎日……24時間警戒していなければならない。
日中の警戒も必要なため、
どちらかが寝ずの番などするわけにはいかないので、
数時間交代制で休むことになる。
それが毎日になるのだから、
特に、2人はよく休んでおくべきだ。
水都「うたのん、久遠さんのこと連れ出したりしないでね?」
歌野「えっ」
- 877 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/23(月) 00:10:34.65 ID:X0spGRpEo
-
そんなことを疑われる覚えがないといった様子の歌野だけれど、
歌野が急に距離を詰めたことを訝しんでだろう。
こっそりとなにか話し合いをする……とか、
とにかく、
まだ眠れないからと何かするのではないかと水都は思ったようだ
歌野「どうしたのみーちゃん。久遠さんって」
陽乃さんと呼んでいたのに、久遠さんと呼んだことに歌野が疑問を浮かべたが、
陽乃はさして興味がないといった様子で、
それについて何かを言うことはない。
水都「……別に」
プイッと顔を背けた水都の視線は、
歌野から、陽乃の方へとむく。
若干の疎外感を感じているといったその態度は、
襲来が起こる前の世界で見聞きしたことのあるものだ。
1、貴女の要望に応えるような人間ではないわよ。私
2、そんな顔したって、私は何もしないわよ
3、別に何もないわよ
4、本来の距離感でしょ。問題はないわ
5、別に、白鳥さんを取ったりしないわよ
↓2
- 878 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 00:13:27.99 ID:529EQJFsO
- 2
- 879 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 00:16:01.56 ID:iGIzs0nbO
- 2
- 880 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/23(月) 00:18:29.78 ID:X0spGRpEo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 881 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 00:21:51.42 ID:GsQgUG75O
- 乙
嫉妬するみーちゃんかわいい
そういえば最近うたのんの方がずっと絡んでたもんな
- 882 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 01:12:58.22 ID:xGu6f8KEO
- 乙
嫉妬みーちゃんかわいい
- 883 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/24(火) 22:54:01.49 ID:el2fRBLlo
- 遅くなりましたが少しだけ
- 884 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/24(火) 22:55:18.99 ID:el2fRBLlo
-
陽乃「そんな顔したって、私は何もしないわよ」
水都「別に、普通ですっ」
陽乃「そう?」
普段の水都と比べると、
少し、しかめっ面なようにも感じるのだが、
本人が普通と言うなら普通なのだろうと陽乃は大して気にも留めていないように言うけれど、
歌野はいやいや、と、割って入る
歌野「みーちゃん、ちょっと怒ってない?」
水都「怒ってないよ」
陽乃「普通って言ってるんだからそれでいいじゃない」
歌野「久遠さんはもうちょっと興味持ってっ」
明らかに普通じゃない
歌野に言われなくても、なんとなく察してはいるが、
それだけだ。
無意味に突っ込む気はない
- 885 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/24(火) 23:50:12.90 ID:el2fRBLlo
-
陽乃「そんなこと言われても困るのだけど」
歌野「久遠さんもちょっと関係あるのに」
陽乃「それは理不尽じゃないかしら」
陽乃としては1人になりたい時間等もあったが、
それを返上させたのは歌野の行動だ
陽乃からそう言ったものを求めた覚えはない
……と、考えた陽乃は、
歌野の視線を感じて、ため息をつく。
1回は陽乃にも責任はある。
陽乃「けど、言った通り私は何もしないわよ」
水都が妬いたような表情を見せていようが
歌野が困った表情を見せていようが
陽乃「特別、こうするって気はないもの」
- 886 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/25(水) 00:25:32.27 ID:cIB7bgbco
-
水都が心配しているようなことは起こらないし、
歌野が期待しているようなこともない。
2人に悪いというべきなのか、水都にはいいというべきなのか。
陽乃「私は今までと変わらないわよ」
水都「周りには、興味を持たない。ですか?」
陽乃「まぁ、そうね」
歌野「それは困るわ」
水都「……」
相変わらず困り顔な歌野と、
やっぱり、どこか怒っているような雰囲気を感じさせる水都。
水都の目は陽乃に向けられていて。
水都「別に、陽乃さんがうたのんに興味を持つのは良いです」
もちろん。ほかの人にも
なんて、意味のないことを付け加えた水都は、伏し目がちに、息を吐いて。
水都「……2人で、秘密ありそうだなって思っただけ」
1、無いわ
2、勇者同士の繋がりなだけよ。特別なことはないわ
3、あったら、なに?
4、否応なしに繋がりが深いのよ。仕方がないでしょ
↓1
- 887 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/25(水) 00:27:03.96 ID:5BmXqfc40
- 4
- 888 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/25(水) 00:29:15.60 ID:cIB7bgbco
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 889 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/25(水) 00:35:25.03 ID:0YcLaefvO
- 乙
仲間外れ感もあるしみーちゃんにも繋がったりできないかな
悲惨な過去を見て耐えられるかは分からないけど
- 890 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/25(水) 00:53:05.65 ID:dAI0BMyrO
- 乙
みーちゃんマジでかわいくてニヤニヤしてしまう
道中仲良くしよう
- 891 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 23:32:53.97 ID:wXkd6Y+3O
- ここのところ平日の休載率高いな
- 892 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/27(金) 00:05:11.76 ID:ehoHD38Bo
- すみませんが本日もお休みとさせていただきます
明日は通常時間からできるかと思います
- 893 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 06:03:01.51 ID:1Xm9B6+IO
- 乙
- 894 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/27(金) 23:02:46.80 ID:ehoHD38Bo
- 遅くなりましたが少しだけ
- 895 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/27(金) 23:07:28.54 ID:ehoHD38Bo
-
陽乃「否応なしに繋がりが深いのよ。仕方がないでしょ」
水都「そうなの?」
歌野「うん……すっごく」
歌野は、自分の胸に手を宛がって、頷く
照れくささを感じさせるような歌野の雰囲気に、
水都は眉を潜める。
水都「深いって、どんな風に? 体は大丈夫なの?」
歌野「ええ。体に異常はないわ」
体に痛みが有ったり、
陽乃のように毒が回ったような感覚を感じることはない。
水都のように、失神することだってない。
けれど。
歌野「互いに、心を感じるの」
水都「……心?」
歌野「私は、こう、なんていうか、やんわりと感じるんだけど、久遠さんには私の心の声……って言ったら良いのかしら? それが伝わっちゃうみたいなの」
- 896 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/27(金) 23:46:58.50 ID:ehoHD38Bo
-
水都「それって、やっぱり勇者だから?」
陽乃「まぁ、そうでしょうね」
水都「……巫女では、難しいですか?」
巫女も勇者も、
神様から力を借り受けていることには変わりがない。
しかし、その許容量がまるで変わってくる。
諏訪の巫女としてより集中的に力を感じていた水都は、
恐らく、四国の巫女と比べて飛躍的にその力は高まっていることだろう。
だけれど、
歌野と同様に繋がりを持つには、巫女では力不足だ。
陽乃「出来るわよ。死ぬと思うけど」
ほんの一瞬
つながりを感じて、その夢心地のまま、命を落とすことになる。
- 897 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 00:24:35.94 ID:5LufCoBVo
-
水都「死……っ……」
あまりにもあっさりと飛び出してきた言葉
それほどまでに危険なものなのかと思ったのか、水都は勢いよく歌野に目を向けたが、
陽乃は首を横に振る。
忌々しいことにとは思わないけれど、
さすがにというべきか、歌野はほとんど体に影響が出ていないのだ。
そこに、嘘はない。
陽乃「別に信じろだなんて言わないけど、白鳥さんは平気よ」
水都「信じ、ますけど……」
水都はしょんぼりと、肩を落とす。
歌野の身を案じて焦ったわけではないようで。
歌野「み、みーちゃんにはみーちゃんの利点があるからっ」
水都「……今も、心を感じられるの?」
水都は歌野に訊ねたようだが、
歌野は、陽乃に伺いを立てるように目を向ける
1、普段は何もないわよ
2、常に繋がってるから
3、歌野に任せる
4、寝てるときには過去を盗み見ることもできるわ
↓1
- 898 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 01:08:16.25 ID:XqeX9otJO
- 2
- 899 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 01:11:30.57 ID:5LufCoBVo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
- 900 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 01:56:33.92 ID:XqeX9otJO
- 乙
みーちゃん粘るな
最近話がどう動くかワクワクしてるので明日も楽しみにしてます
- 901 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 03:11:18.02 ID:Qa/Cmi2vO
- 乙
何だかみーちゃん誤解してそう
- 902 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 17:33:32.51 ID:5LufCoBVo
- 遅くなりましたが少しずつ
- 903 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 17:39:19.86 ID:5LufCoBVo
-
陽乃「それはそうよ。常に繋がってるから」
水都「私とも、ですか?」
陽乃「当たり前でしょ」
力加減に差はあるが、
諏訪の神々がそうしていたように、
歌野と水都とは常に繋がっている状態にある。
その力加減は本来、陽乃の自由ではあるものの、
先日の実験によって広がりすぎた道は陽乃が思っているよりも多く力を吸い出していく。
水都はその部分が小さいため、
歌野のように、内面が伝わるような状況にまでは至らない
そして、血管に似たその流れを無理矢理に広げてしまえば、死に至る。
それは水都はもちろんのこと、
歌野だってこれ以上は耐えられるとは思えない。
陽乃「白鳥さんも藤森さんも今が限界よ。死にたくなければ、無駄なことはするべきではないわ」
- 904 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 18:20:39.21 ID:5LufCoBVo
-
陽乃「そもそも、暴かれるのは不本意だわ。懇願されたって同じようにしたくない」
水都「巫女は勇者と神様のサポートが主な役割なので……」
陽乃「私を人殺しにしたいなら、どうぞ」
陽乃はそう言って、水都へと手を差し出す。
手を繋いだりと言った行為は一切不要だけれど、
それを視覚化するといった意味で、その手は重要だ
陽乃「この手を取る覚悟があるなら殺してあげる」
水都「……」
死に至らしめると分かっていてやることを、人殺しと陽乃は言う。
それだけの覚悟があるのか試している可能性も否定はできないけれど、
行えば死ぬことになるだろう。
しかし、水都がだとしてもというのなら陽乃はやるかもしれない。
そんな焦りが陽乃のもとへと流れ込んで――
歌野「だ、ダメ!」
水都ではなく、歌野がその手を取る。
- 905 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 19:12:15.17 ID:5LufCoBVo
-
歌野「みーちゃん、無理は駄目!」
水都「うたのん……」
歌野「久遠さんのことを知りたい気持ちは分かるけど、無理しすぎだわ」
歌野と違って、水都には耐えうるだけの力がない
それが分かっているのなら
これは無茶ではなく無理でしかないし、無駄になる。
歌野「久遠さんも、みーちゃんを煽らないで」
陽乃「別に煽ってないわよ」
歌野「煽ってるってば、もうっ……みーちゃんが久遠さんのこと気にしてるって分かってるくせに」
困り顔の歌野は、陽乃の手をぎゅっと握る。
歌野「さすがに、力は送ってないのね」
陽乃「貴女に送ったって仕方がないじゃない」
それでなくとも、
明日から大変な日々が続くというのに、
力の浪費なんてしていられない。
陽乃「まぁ、藤森さん相手でもしないわよ。無駄だから」
- 906 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 19:37:14.53 ID:5LufCoBVo
-
歌野「またそういう言い方する」
歌野は顔を顰める。
無理を続ければ少しは水都の力も強くなるかもしれないし、
適度であれば、無駄になることはない。
無駄になるのは時間と労力だ。
そういうのは、明日に迫っていることが終わってからでいい。
歌野「みーちゃんだって言ったでしょ? 明日は早いから、早く寝ようって」
水都「う、うん」
歌野「そういうことだから、別に、みーちゃんに力を使うのが無駄って話じゃないわっ」
まるで自分の発言だったかのように言う歌野だが、
陽乃の心情を知れていれば、難しくない。
水都「うん……」
あんまり納得いかないといった様子だったが、
水都は頷いて、小さく謝罪を口にする。
水都「……寝よっか」
- 907 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 19:46:53.75 ID:5LufCoBVo
-
1日のまとめ(諏訪組)
・ 白鳥歌野 : 交流有(昨日の話、毒、正直に、明日、説得結果(中)、遺体、任せる、常に)
・ 藤森水都 : 交流有(正直に、明日、説得結果(中)、遺体、任せる、常に)
・ 九尾 : 交流無()
√ 2018/09/07 まとめ
白鳥歌野との絆 77→81(良好) ※特殊交流4
藤森水都との絆 86→88(良好) ※特殊交流8
九尾との絆 75→75(良好)
- 908 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 19:47:43.55 ID:5LufCoBVo
-
√ 2018年 9月8日目 朝:諏訪
23〜32 歌野
56〜65 水都
89〜98 九尾
↓1のコンマ
※それ以外は通常
※ぞろ目で特殊
- 909 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 19:48:20.66 ID:bCXZDcy5O
- あ
- 910 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 20:25:14.06 ID:5LufCoBVo
-
√ 2018年 9月8日目 朝:諏訪
陽乃「はぁ……」
歌野と水都は出立前の最終確認のために、今は外出中だ。
1人、まだ諏訪大社に残っていた陽乃は天逆鉾の前でため息をつく。
急激に早まった、諏訪出立の日
残念ながら全員を連れ出すことはかなわなかったが、
住民の約6割程度は、陽乃達についてきてくれる。
全員ではなく、一部なのだ。
連れ帰れませんでしたは、許されないだろう。
誰かが許すと言っても
陽乃自身が、それを許すことは出来ない。
陽乃「……!」
神社の境内
その中に人の気配が入り込んできたのを感じて目を向けると、
陽乃と同年代くらいの男の子が辺りを警戒するように歩いていた
- 911 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 20:49:05.74 ID:5LufCoBVo
-
記憶が確かなら、四国に避難する住民の一人だったはずだ。
大方、これからの旅路の無事を祈るためにここに来たのだろう。
陽乃「祈ったところで、叶えてあげる気はないけれど」
もちろん、可能な限り無事に連れ帰る気ではあるけれど、
その保証まではしてあげられない
それは神様だってそうだし、勇者だってそう。
絶対ということが出来るような状況ではないのだから。
陽乃「……」
男の子はお守りを買うつもりだったのか、
授与所のところへと向かったが、今、ここにはその対応をしてくれる人はいない。
ここで暫く暮らしていた陽乃なら対応しようと思えばしてあげることもできるが、
してあげる義理は、別にない。
1、対応してあげる
2、対応しない
3、どこかに行く(再安価)
↓2
- 912 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 20:55:23.87 ID:QMIiKMAd0
- 1
- 913 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 20:56:46.40 ID:CIbdmwgSO
- 1
- 914 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 21:48:44.85 ID:5LufCoBVo
-
残留する人々に委ねるために持ち出していた鍵を使って、授与所へと入った陽乃は、
窓口を開いて、立ち止まっている少年に声をかける。
陽乃「今日は、営業してないわよ」
「えっ、あっ!」
急に声をかけたせいか、
驚いて後退りした男の子は、それが巫女や住民ではなく、
勇者の一人だと知ったからだろう、はっとして。
「勇者様!」
陽乃「……お守りが欲しいんでしょ? 特別に売ってあげる」
巫女装束も身に纏っていない、一見ただの女の子と言った風体の陽乃だが、
地元では巫女で
ここでは一応、神々の代行者となっているので、問題はないだろう。
むしろ、陽乃のおかげでお守りにより強い効果があるかもしれない。
- 915 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 22:34:05.78 ID:5LufCoBVo
-
「まさか、勇者様がいるなんて」
陽乃「勇者がここで生活していることくらい、周知の事実だったでしょうに。何をいまさら」
「あ、いえ……もうすぐ出発なので」
どこかに行っていると思ったという少年は
思いがけない出会いに困惑し、照れくさそうに顔を伏せる。
陽乃「それで、どのお守りが欲しいの? 悪いけど、値引きは出来ないわよ。してもよさそうだけど」
今後、この神社の管理者は神社とはまるで関係のない人々になる。
そして、それもいつまで持つかもわからないといった世界だ
お守りを無償提供したって、罰には当たらないはず。
とはいえ、それを許すのは神々ではない
「あ、えっと……勇者様はお守り買ったりしないの……ですか?」
陽乃「お守りは授かってるもの。改めて買う必要はないわ」
神々から与えられた力。
お守りが、神の御加護とするのならば、
新調する必要もないだろう。
「そう、ですか」
- 916 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 23:13:50.56 ID:5LufCoBVo
-
陽乃「それで、買うの? 買わないの?」
「じゃぁ……心身健全守を1つ」
陽乃に急かされるようにして、少年はお守りを1つだけ購入する
名前の通り、
心と体を守ってくれるとされているお守りで、
金色と銀色の2種類がある。
陽乃「色は?」
「……おすすめで」
陽乃「おすすめって」
そう言われても困ると、
陽乃は適当に手に取って、差し出す。
金色の、心身健全守
金と銀、どちらが良いのかは分からないが、
いいとされているのは、金だろうか。
陽乃「なら、これね」
- 917 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 23:48:29.00 ID:5LufCoBVo
-
久遠家の所有していた神社でのものとは色々と違っているが、
代金を受け取って、代わりにお守りを渡す。
「ありがとうございます」
陽乃「良かったわね。勇者様に渡して貰えて」
陽乃は冗談めかして笑うと、小さく息をつく。
お守りなんて気休めでしかない。
その家系の者であり、
神々の力を授かるものとして口にしてはいけないとわかっているが、
やはり、それは当てにできないものだ
陽乃「用が済んだならさっさと戻りなさい。置いて行かれても知らないわよ」
「……」
少年は、陽乃から受け取ったお守りをその手にしたまま、
少し、間をおいて、陽乃に目を向ける。
「勇者様、これを貰って貰えませんか?」
今さっき買ったばかりのお守り。
少年はそれを、陽乃へと差し出した。
1、どうして?
2、結構よ。
3、要らないわ
4、受け取ってあげる
5、渡されたって、優先順位は変わらないわよ
↓2
- 918 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 23:51:44.20 ID:hE7YrkWDO
- 1
- 919 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 23:52:05.79 ID:XqeX9otJO
- 4
- 920 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 23:53:03.44 ID:QMIiKMAd0
- 2
- 921 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/28(土) 23:56:58.24 ID:5LufCoBVo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であればお昼ごろから
- 922 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 23:59:58.20 ID:hE7YrkWDO
- 乙
いよいよ出発の前に意味深なお守りイベントとは…
何か後々あるのだろうか
- 923 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 02:23:03.15 ID:qT5ZVfOCO
- 乙
このお守りがどんなキーアイテムになるんだろう……
- 924 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 14:39:53.61 ID:n1rniW2Yo
- では少しずつ
- 925 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 14:41:48.25 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「……なるほど」
陽乃は、少年から差し出されたお守りを手に取る。
渡したばっかりなので、
なんだか、返品されたような気分になってしまうけれど。
陽乃「貴方にとってのお守りは、私だって言いたいわけ?」
「え、あ、いや……別に、そういうわけじゃ……」
陽乃「お守りの方がまだ、ご利益があると思うわ」
陽乃が自分のために戦っていて、
他の誰かのために死ぬような思いをする気はないと言ったことを
この少年だって、聞いているはずだ。
陽乃「今なら、返してあげても良いけど」
「いやっ、それは持っていて欲しい!」
陽乃「っ」
「あ、ごめん……」
急に声を張り上げてしまったことを申し訳なく思った少年は
居心地が悪そうに、陽乃から顔を背ける
「持っていて、欲しいんだ」
- 926 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 15:00:31.28 ID:n1rniW2Yo
-
「気休めかもしれないけど、無いよりはあった方が良いと思うし」
陽乃「だったら、これは貴方が――」
「自分の分は、もう持ってるから」
今年も無事に1年が過ごせるようにと
年明けにお守りを買っているのだそう。
だから、自分の分はもう持っていると。
陽乃「なら、なに? はじめから、勇者に渡すつもりだったの?」
「……だって、勇者がやられたら終わりだろ」
陽乃「そうね」
「だから……まぁ、無事でいて欲しいっていうか……」
少年は、歯噛みしているような表情を見せる。
俯きがちで全体は見えないが、
何か気に喰わないことがあると言いたげな雰囲気
「こういうことくらいしかできないだろ? 普通の人間なんて」
- 927 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 15:15:08.74 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「そうね」
なるほどと、陽乃は思う。
本当なら戦いたいが、
戦うだけ無駄なのは過去の惨劇が物語っている。
だから、唯一戦うことのできる勇者に託すし
少しでも無事でいてくれるようにと、祈ろうとする。
ただ、この少年はそれを快く思ってはいない。
それに苛立ちを覚えてさえいるようだ。
陽乃「だったらこれは、白鳥さんにも渡してあげるべきじゃないの?」
「いや、だって、前からいるから」
陽乃「……あぁ」
歌野は諏訪にいたから、持っている
けれど、陽乃は四国から来たから持っていないかもしれない。
だから、陽乃の分だけ買おうと思った。
というところだろうか。
陽乃「そうね。確かに、そうよね」
歌野がお守りを持っているという話を聞いた覚えはないけれど、
そんなこと、いちいち話して聞かせることでもない。
- 928 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 16:05:00.95 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「分かったわ。ありがたく……貰っておく」
ご利益があるかどうかは別として、
あっても害があるものではないし、くれるというのなら貰っておくのも悪くない。
「あぁ、その……よろしく」
陽乃「逃げるのは貴方達よ。絶対に守るわけでも、守れるわけでもないことを忘れないで」
「分かってる」
少年は、力強く頷く
バーテックスがどんなものなのか分かっている世代
だからこそ
その恐ろしさと、それから逃げる難しさと、立ち向かう勇気がどれほどのものなのか
良く知っているはずだ。
「でも、守ってくれるのは君達だろ? だから、無事でいて欲しい」
陽乃「当たり前でしょ。私は死ぬ気はないわ」
陽乃はそう言って、少年を見つめる。
彼は陽乃の目が向けられるや否や、顔を背けてしまった。
陽乃「なによ。目くらい見たらどうなの」
「そ……そろそろ、戻らないといけないから!」
彼はそう言って、走っていく。
- 929 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 16:26:30.04 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「……なによあれ」
九尾「くふふっ、良いではないか」
陽乃「貴女、いたのね」
もちろんだとも。と、からかうように九尾は笑う。
今は狐ではなく、陽乃よりも一回り程大人びた雰囲気の女性の姿。
金色の髪に、赤い瞳
明らかに怪しいけれど、はた目にはそう見えないらしい。
九尾「良いものを貰ったのう。肌身離さず持っているがよい」
陽乃「ご利益があると?」
九尾「さて。どうかのう」
九尾は笑う。
何か裏がありそうな笑みだ。
陽乃「……」
少年がくれたお守り。
同じものがたくさんあって、その中の1つを無造作に選んだだけのもの。
特別なことがあるとは思えない。
1、なんなの?
2、せっかくだから持っておく
3、鞄にしまっておくわ
↓2
- 930 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 16:28:08.61 ID:gVxTEbrB0
- 1
- 931 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 16:29:11.28 ID:MXsq3NXxO
- 1
- 932 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 17:07:53.39 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「何なの?」
九尾「あの小僧は、主様に無事でいて欲しいそうじゃ」
陽乃「ええ。そう言ってたわね」
彼が自分でそれを口にしていたのだから、
改めて九尾に言われる必要はなかった。
なのに、九尾はつまらなそうな顔をして、
足元の少し大きな小石を草履のような履物で踏みつぶす。
九尾「あの小僧が主様に何を求めてるのか、分からぬのかや?」
陽乃「守ってもらいたい。でしょ?」
九尾「お主……」
陽乃「なによ。それ以外に何かあるの?」
九尾「ふむ……」
悩まし気な九尾の声
何かあるのかと陽乃は訝しむが、
九尾はため息をついたかと思えば、首を横に振る。
九尾「主様、それは本気で言うておるのかや?」
- 933 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 17:23:49.34 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「なに? どういうこと?」
神様にするように
お守りを捧げものとして、願いをかなえて貰おうとでもいうのか。
例えば、優先的に守って欲しいだとか。
陽乃「なるほど」
だとしたらと、陽乃は頷く。
陽乃「死なないようにできる限りのことをしようとする姿勢が、私みたいだって、言いたいのね?」
九尾「馬鹿め」
陽乃「なんでよ……」
むっとした陽乃の呟きを九尾は聞き流す。
話しても無駄とでも言うかのような九尾の表情
九尾「まぁよい。主様が要であることに変わりはない。その主様を案じることに不思議はなかろうて」
陽乃「でしょ?」
陽乃は答えて 「いや」 と呟く
陽乃「そうは、思わないわ。私はここに馴染みがないもの。案じるべきは白鳥さんであって、私ではないと思うけど」
九尾「存外に、主様は愛されているのやもしれぬぞ」
陽乃「……それは、あまり聞きたくない言葉だわ」
九尾は目を細めると、そうか。と口にするだけだった。
何か思うところはありそうだが、それを語る気は、なさそうだ。
陽乃は貰ったお守りを一瞥する。
鞄にでも、しまっておけばいいだろう。
- 934 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 17:48:30.89 ID:n1rniW2Yo
-
√ 2018年 9月8日目 朝:諏訪
陽乃が神社でお守りを受け取ってから1時間もせずに、
結界の境界付近で、みんなが集まっていた。
これからバスに乗り込んで、四国へと避難する人々
そして、
これからも諏訪に残って……終わりを待つ人々。
陽乃「これ、諏訪大社の鍵です」
「あぁ、どうもねぇ」
陽乃は鍵を残留する人の代表に手渡す。
「そんな顔、しないの」
陽乃「っ……別に、普通です」
「歌野ちゃんも水都ちゃんも優しい子だから、頼ってもいいんだよ」
陽乃は、自分の顔が見えない
それはもちろん、誰にだって素のままでは見ることが出来ないのだけれど、
それを見ることのできている目の前の人物は、罪悪感を感じる表情で陽乃を見ている。
陽乃「そう、ですか」
「あぁ、そうだよ」
- 935 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 18:14:39.35 ID:n1rniW2Yo
-
歌野「これから、諏訪を出ます……基本的にはバスで移動します」
移動が難しい経路は勇者の力で先読みして、極力避ける。
どうしても通らなければならず、
勇者の力でどうにかできるような状況であれば、
どうにかして、通る。
それでも無理ならどうするのか……とすれば、徒歩としか言いようがない。
もっとも、勇者が二人いるなら、大抵の無理は押し通せるだろう。
歌野「1号車には久遠さん、2号車には私が同乗します」
水都「巫女の私は、警戒を担当していない方の勇者と同情しますので、何かあればいるときに声をかけて貰えればと思います」
水都はそういうと、
歌野をちらりと見て、何かを言ったようだが、
歌野は聞こえなかったようで、反応を見せなかった。
歌野「かなり厳しい道のりになるとは思いますが……可能な限り、無事に連れ帰りたいと思います」
弱きかな? と、歌野は困ったように笑うが、
住民から非難の声は飛んでこない。
難しさを、分かっているからだろう。
歌野「久遠さんも、ひとことくらい」
1、指示に従って。それ以外は求めないわ
2、良いわ。いうことはない
3、嫌になったなら、嫌と言って頂戴。諦めた人は捨てていくから
4、守る約束はできないけどやることはやるから、1号車の人は不安だろうけど、何もないように祈ってなさい
↓2
- 936 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 18:22:11.44 ID:mslbAMH4O
- 4
- 937 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 18:23:06.16 ID:gVxTEbrB0
- 1
- 938 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 18:33:41.85 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「そうね……」
言いたいことは昨日でそれなりに言ってしまったので、
今更、いうべきこともないのではとは思うけれど、
陽乃は少し考える。
歌野を含め、
みんなが陽乃の言葉を待って沈黙し、静かになる。
陽乃「指示に従って。それ以外は求めないわ」
本当に、その一言に尽きる。
従わなければ、死んだって文句は言えない
陽乃「従わない人はどうなっても知らないし、私達にはどうもできない。特に、子供から目を離さないで」
少し目を離したらどこかに行ってしまった。
そう言われても、助けてあげる気はない。
助けてあげる余裕なんて、無い。
陽乃「道中の責任のほとんどは私達にあるのかもしれないけど、全部じゃないの。自分の守るべきものくらいは自分で守って頂戴」
- 939 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 18:49:52.68 ID:n1rniW2Yo
-
歌野「……言いたいこと、色々ありそうね」
陽乃「ないわよ。これ以上は」
細かくすればあるかもしれないけれど、
指示に従えという以上のことはない。
陽乃は一歩下がって、歌野を前に出したものの、
人々の目は、陽乃へと向いている。
少し厳しいことを言ってしまったかと陽乃は顔を顰めて、息をつく
悪かったとすれば、言い方だろうか。
歌野「えぇっと、私からもお願いします。私達は乗り越えたいと思っています。出来たら……いいえ、絶対に」
気持ちだけは強く。
そう示すような歌野の大きな声が響く。
歌野「その為には、みんなの協力が必要不可欠です……乗り越えましょう! みんなで!」
歌野の声に、賛同する声が上がる。
そして、
残る人々との別れを惜しむわずかな時間ののちに、
陽乃達が四国にもたどりつくまでの数日の間に飲み込まれてしまうであろう人々の穏やかな見送り
それを受けて、陽乃達は諏訪を出発する。
- 940 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 18:52:18.78 ID:n1rniW2Yo
-
√ 2018年 9月8日目 昼:移動@
↓1コンマ判定 一桁
0 3 5 バーテックス
00 33 55 進化型
- 941 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 18:53:39.28 ID:qT5ZVfOCO
- あ
- 942 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 19:07:47.01 ID:n1rniW2Yo
-
では少し中断いたします
再開は20時半頃を予定しています。
- 943 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 19:13:17.23 ID:VoMhNISkO
- 一旦乙
- 944 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 21:23:50.36 ID:n1rniW2Yo
- √ 2018年 9月8日目 昼:移動@
陽乃が力を使ったことによって、
分かりやすく言えば生命力と呼ばれるものが消滅した地域
それはそれで酷いありさまだったが、
それを超えた先の道も、荒れ果てていた。
崩れ落ちている建物が多く、
崩れていない建物も辞崩れそうなほどに脆くなっていたりして、
窓は割れ、扉が外れ、
草木が生い茂っており、人の生活感が全く感じられなくなっている。
全員に外を見せないようにするというのも、難しい話なので、
それらは彼らの目にも見えてしまっている。
唖然呆然としたり、嘆いたり、苛立ちを見せたり。
様々な感情が渦巻くバスの車内で、陽乃は目を瞑る。
もしもこの場の感情を視覚化するとすれば、
宇宙のような抽象画が出来上がるかもしれない。
- 945 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 21:41:20.55 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「……ここからじゃ、外の確認は難しいわね」
窓から外を眺めて、陽乃は呟く。
陽乃はバスの座席では先頭の左席、窓側に座っている。
右側が見えないし、窓で視野も狭められていて、全体を見ることは出来ないのだ。
陽乃「……」
バスの走る速度は、かなり遅めだ。
時速にして、30km出ているかどうかと言った程度で、
狐の姿をした九尾はもちろんのこと、
力を使っている状態の陽乃達なら並走することもできてしまうかもしれない。
そうしなくても、
バスの上にいることくらいはできるだろう。
「あの、勇者様」
陽乃「?」
- 946 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 21:57:14.91 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃よりも少し歳上に感じる、少女。
高校生半ばと言ったところの少女は、諏訪にある高校の制服を身に纏っている。
学校行事でもないため、私服でも問題はなかったが
せっかくだからと、制服を選んだらしい。
他にも、制服を着ている子供は多いので
やはり、忘れたくはないのだろうと、陽乃は目を細める。
陽乃「なに?」
「心配事ですか?」
陽乃「それが尽きることなんて、きっとないわ」
「……」
陽乃「いつ何があるか分からないんだから、警戒を解くことは出来ないの」
表情を暗くした少女にフォローするように陽乃は続ける。
心配事は尽きない。
諏訪の結界の中でも、四国の結界の中でも
それらの外でも。
- 947 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 22:12:55.65 ID:n1rniW2Yo
-
「勇者様は、疲れたりしないんですか?」
陽乃「疲れることはもちろんあるけど……普通の人よりは丈夫だから」
体は丈夫だし、力もある。
だからと言って精神面まで強固なわけではないし、
疲弊することだってもちろんあるが。
「そうですか……」
心配そうな声。
勇者が役に立たなくなったことを案じているのか
それとも、単に、勇者の身を案じているのか
陽乃はそんな少女から視線を外し、窓の外に目を向ける。
諏訪を出てから、まだ2時間弱
この距離には杏達もいないだろう。
1、外に出る
2、なに? 不安でもあるの?
3、白鳥さんの方が良かった?
4、疲れるって言ったら、何かしてくれるの?
5、敬語は止めて貰っていい?
↓2
- 948 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 22:22:23.84 ID:gVxTEbrB0
- 1
- 949 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 22:23:55.50 ID:qT5ZVfOCO
- 2
- 950 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 22:24:35.38 ID:VoMhNISkO
- 2
- 951 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 22:43:28.12 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「何? 不安でもあるの?」
「あ、いえ。そういうわけではないんです」
少女ははっとして身振り手振りを交えながら否定する。
今までは結界の中だったが、それでもバーテックスの襲撃が行われていた。
今は結界の中ではないという違いこそあれ、
常に襲撃の不安があることは以前と変わりがない。
むしろ、勇者が1人から2人になった文、多少の安心感が生まれてさえいる。
「ただ、その、勇者様はまだ子供だから」
陽乃「貴女だって、そう変わりないじゃない」
「そうですね。けど、私はこう見えても高校3年生ですよ。勇者様は、聞いたところ中学生だって言うじゃないですか」
少女……女子高生は、
ふっと、寂しげな笑みを浮かべて、手元へと視線を落とす。
手首には、修繕の痕跡があるミサンガが見えた。
「私にとっては、子供……というか、妹みたいなものなので」
- 952 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 23:20:33.30 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「妹って……いるの?」
「……ん」
少女は悩みながら呟く。
陽乃に目を向けず、視線は手元へと落ちたまま
ボロボロのミサンガに、もう一方の手を重ねて、目を閉じる。
「3年前、あの子は中学生になったばっかりだったの」
陽乃「そう」
「それで、ちょっとだけつんつんとしてて……喧嘩も多くなってきてた時期だった」
ちょっとしたこと
本当につまらないことで喧嘩をすることが多かったという少女は、
小さく笑みを浮かべる。
「このミサンガは、そうなる前にあの子がくれたものなの。ただクラスで流行ってたからって、だけらしいけど」
陽乃「……そう」
- 953 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 23:38:49.96 ID:n1rniW2Yo
-
妹がいるいないと答えるのではなく、妹との話をする時点で、察しが付く。
妹がいるならそばにいるはずだ
何か障害を負ってしまったとしても、
ボロボロのミサンガをまだ持っているような姉なら、1人にするはずがない。
だとすれば――
陽乃「貴女が私の死に目にあうことなんて、絶対にありえないわ」
「え……」
陽乃「貴女がそれを考えているのだとしたら、侮辱に他ならないから改めて頂戴」
「勇者様……」
陽乃は視線を感じて、窓の外へと目を向ける。
景色を投下する窓には、
うっすらと、陽乃に目を向ける少女の姿が見えていた。
1、まだ何かあるの?
2、外に出るわ
3、妹と、私は似てるの?
4、私は死ぬ気はないわ
↓2
- 954 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 23:40:07.74 ID:VoMhNISkO
- 1
- 955 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 23:40:26.31 ID:gVxTEbrB0
- 2
- 956 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 23:50:10.36 ID:n1rniW2Yo
-
陽乃「外に出るわ」
「え!?」
陽乃「ここからじゃ全体が見渡せないのよ」
死にはしないから気にしないで。と。
陽乃は運転席の方に向かう。
陽乃「……白鳥さん」
後ろを走る、2号車
そこに乗っている歌野に、意識的に言葉を流し込む。
少女を含めた複数人の視線を感じるが、
陽乃は気にせずに運転手に一時停止を求める。
陽乃「私は上にいるから、気にしないで」
バーテックスは分かりやすいが、杏達が分からない。
少しでも痕跡を見つけるにはやはり、
外にいた方が良いのだ。
別に九尾の背中に乗ってもいいけれど、
一般の人々の前でそれは、あまり良くないだろうと考えて、
陽乃はバスが停車するとそのまま外へと出て、バスの上へと、飛び乗った。
- 957 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/29(日) 23:50:45.37 ID:n1rniW2Yo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 958 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 00:01:16.62 ID:9t/BpvvsO
- 乙
今回はモブと関わる場面が多かったけどいずれも陽乃さんを心配してくれてるな
この心配が後々フラグとなるか否かだが…
- 959 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 00:55:39.88 ID:5XQLGz/nO
- 乙
こういう交流も悪くないな
さて出発の運びになったけどどれくらいで辿り着けるか
- 960 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 20:53:40.15 ID:DgRpqe7Wo
- では少しだけ
- 961 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 20:55:47.05 ID:DgRpqe7Wo
-
√ 2018年 9月8日目 昼:移動A
↓1コンマ判定 一桁
1 4 8 バーテックス
11 88 進化型@
44 進化型A
- 962 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 20:57:33.82 ID:OcFYVMFUO
- あ
- 963 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 21:14:11.75 ID:DgRpqe7Wo
-
√ 2018年 9月8日目 昼:移動A
陽乃がバスの屋根に移ってから、またしばらくバスを走らせたが、
荒れ道こそ続いてはいたが、
バーテックスが隠れ潜んでいるような気配を全く感じなかった。
杏達が先行した道をなぞるようなルートを進んでいるので、
杏達が撃退していった可能性も……
『いいや、それはなかろう』
陽乃「そう思う?」
陽乃は、盛り上がり人の形を模していく影を一瞥して問いかける。
浮かび上がった女性――九尾は陽乃のそばで腰掛けて。
九尾「争ったような気配が全く感じられぬからのう。元々いなかったか、あ奴らが巧妙にすり抜けたか……」
陽乃「ここまでたどり着かなかったなんて可能性もないわ」
諏訪を出てから、約3時間ほど。
まだ長野から出ていなければ、
素通りする予定の岐阜県の県境もまだまだ遠いといった距離。
ここからでも、勇者の脚力ならすぐに諏訪に逃げ帰ることが出来る。
そんな2人が、ここまでの道中で力尽きたとは思えない。
- 964 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 21:35:13.01 ID:DgRpqe7Wo
-
考えられるとすれば、
ここにはバーテックスがいなかったパターンと
ここにいたバーテックスは2人が避けたことで残り、
四国襲撃に伴って、移動したか。
前者ならともかく、後者は2人が挟み撃ちにされた可能性も出てくる。
陽乃「九尾はどっちだと思う?」
九尾「さてのう……この道はともかく、近場にはいたと思うが――」
九尾の声が途中で途切れて、ちょうどバスが止まる。
僅かな揺れに体を揺さぶられながらも陽乃は立ち上がって、周辺を見渡す。
生存者もバーテックスも何もいなそうなゴーストタウンと化した街並みが広がっている。
陽乃がいるバスの後ろ、2号車も続いて停車して歌野が下りて来た。
歌野「久遠さん。そろそろ休憩した方が良いと思うわ」
陽乃「そうね」
走り続けて、約3時間
運転手はもちろん、乗っている人たちもバスの中に缶詰めでは息苦しいだろう。
陽乃「休憩しましょ。30分くらい……で、平気かしら」
- 965 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 21:45:11.09 ID:DgRpqe7Wo
-
この近辺には杏達がいる様子も見られないので、
陽乃としては、長居する気はない。
とはいえ、住民の精神的な疲労を考えれば、30分程度は休憩も必要なはずで。
陽乃はバスの屋根から飛び降りると、
1号車の中に入って、休憩にすることを告げる。
運転手はもうしばらく同じ人にお願いすることになるが、
そのあとはちゃんと交代する。
バーテックスが来た時の対応を考えて、余裕をもって朝夕夜、3人交代
全員が全員大型バスの免許があるわけではないけれど、
一応、大型のトラックや、中型のバスの運転経験がある人にお願いをしているので、
不運なことがない限り、大丈夫だろう。
緊急事態なのだ、その程度の違反は許してもらえなければ困る。
- 966 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 21:52:16.89 ID:DgRpqe7Wo
-
崩れそうな建物の中から、
まだ大丈夫そうなものを見つけて、休憩所とする。
電気や水道といったものは死んでしまっているが、
休憩するには十分だ。
陽乃「……全然、平気そうね」
1度経験した野宿
あの時よりは全く、何も問題がないと
陽乃は近くを飛んでいた少し大きな虫を払い飛ばす。
「勇者様って、虫が平気なタイプ……?」
陽乃「諏訪のような環境にいて、むしろ駄目なことが不思議なのだけど」
「農家の子供が必ず野菜好きになるみたいな暴論だよそれは」
バスの中で、陽乃の隣に座っていた女子高生
彼女に左腕を奪われながら、陽乃は顔を顰める。
つまり、野菜が嫌いなのか。
1、周囲の警戒に出る
2、歌野のところへ
3、水都のところへ
4、住民のそばにいる
↓2
- 967 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 21:54:13.24 ID:6wcg9znK0
- 1
- 968 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 21:55:08.80 ID:OcFYVMFUO
- 1
- 969 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 22:10:36.61 ID:DgRpqe7Wo
-
陽乃「警戒に出るから、離れて」
「え、危ないのに」
陽乃「勇者が見張りに出ないで、誰が出るのよ」
「そうだけど……」
女子高生は心底不安そうに陽乃を見て、
縋りついていた陽乃の腕を一瞬、強く抱きしめてから、手放す。
「気を付けて」
陽乃「人の心配は良いから、自分のことだけを考えてなさい」
不安を背中に感じながら、陽乃は民家を出て行く。
バーテックスの気配は感じないので、
ここは安全地帯だと思っていいのだろうけれど、
警戒をしておくに越したことはない。
- 970 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 22:14:20.32 ID:DgRpqe7Wo
-
↓1コンマ判定 一桁
0 悪いこと
1 歌野
3 九尾
9 水都
ぞろ目 特殊
- 971 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 22:15:49.84 ID:6wcg9znK0
- あ
- 972 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 22:51:42.93 ID:DgRpqe7Wo
-
陽乃は付近の調査もかねて、1人で街中を歩いていたが、
バーテックスによって蹂躙されたと思われる痕跡は数多く見られたものの
それによる目も当てられないような惨状が残っていないのは、不幸中の幸いと言ってもいいのだろうか。
陽乃「……」
殆どの建物が、上から降り注いだ " 何か " によって崩れ落ちていて、
まだ残っている建物も、
そこに住まう人がいなくなったせいか、
役目を終えたと言わんばかりに自然にからめとられようとしている。
無事な建物に入っても見たが、
直近で誰かが使ったような痕跡は見当たらない。
杏達はこのルートを通ったのか
それとも、ただ素通りしただけなのか。
勇者の脚力であれば、素通りしたとしても不思議ではない。
- 973 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 23:05:17.43 ID:DgRpqe7Wo
-
九尾「痕跡がないならば、問題はなかろう」
陽乃「まぁ、そうなんだけど……」
生存者がいる……だなんて思ってはいなかった。
諏訪は結界と歌野によって守護されていたから無事だっただけで、
そうではない地域にいる人々が、無事であるとは思えないからだ。
けれど、何かある可能性だってある。
九尾「それとも、有象無象と関わるのが不快かや?」
陽乃「なに? 急に」
九尾「主様、煩わしそうにしておるじゃろう」
隣に座っていた女子高生もそうだが、
みんな、陽乃のことを気にかけている。
九尾「食ろうてやろうか」
女性の姿のまま、ぺろりと唇を舐める九尾を横目に見て陽乃はため息をつく。
陽乃「大騒ぎになるようなことは止めて」
- 974 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 23:14:07.81 ID:DgRpqe7Wo
-
バス1台ずつなら大人数と言えるほどの人数ではないし、
集合の時には点呼を取ることにもなっているので、
1人でも欠ければ、そのとたんに大騒ぎだ
九尾「妾が代わりになってやれば良い。何も問題はなかろう」
陽乃「問題外よ」
九尾の提案を一蹴して、陽乃はまた歩き出す。
そろそろ、バスの方に戻るべき時間。
周りに従えと言っておきながら
自分がそれを破っていては示しがつかない
九尾「主様が望むなら、いくらでも力を貸してやろう」
陽乃「……ええ」
今は、まだ平気だ。
陽乃「必要そうなら、お願いするわ」
バーテックスとの戦い
そして――
陽乃「出来たら、使わないでいたけど」
人を惑わす力を用いての、人々への強制
- 975 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 23:17:39.40 ID:DgRpqe7Wo
-
√ 2018年 9月8日目 夕:移動@
↓1コンマ判定 一桁
0 3 5 9 バーテックス
00 55 進化型@
99 進化型A
※襲撃規模は2桁目 0<9
- 976 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 23:21:20.17 ID:OcFYVMFUO
- ほい
- 977 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/08/30(月) 23:26:09.57 ID:DgRpqe7Wo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 978 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 23:40:17.85 ID:OcFYVMFUO
- 乙
杏たちの捜索もしたいけど選択肢を見た限り住民たちのメンタルケアもしてバランスとらないといけない感じか
あとはこのまま出来るだけ襲撃を回避できたらいいな
- 979 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/31(火) 00:05:51.44 ID:IRwKBDfdO
- 乙
でも幸先いいな
全然バーテックスと会わないじゃん
- 980 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/01(水) 22:08:56.78 ID:iqiVE3kmo
- では少しだけ
- 981 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/01(水) 22:09:51.40 ID:iqiVE3kmo
- √ 2018年 9月8日目 夕:移動@
休憩をした地点から、またバスを走らせて数時間。
予定していた道が途中で崩れてしまっていたり、
倒木等でふさがれていたりと、
余計な時間を取られることもあったが、どうにか、
何も被害を受けることなく順調に進むことが出来ている。
むしろ、順調すぎて不安になりそうなほどに。
陽乃「……どう思う?」
動き続けるバスの屋根上に座って周囲を見渡す陽乃は、
背中を支えるようにしている九尾に声をかける
九尾「どうと聞かれても困るが」
陽乃「……聞かなくても考えてることをそのまま言ってくれればいいの」
九尾「ふむ……」
九尾は、わざとらしく考えるような声を漏らす。
九尾「小娘らが討伐したわけではなさそうじゃな」
陽乃「そうじゃなくて」
それは分かっている。
聞きたいことはそうではないと、陽乃は九尾へと振り向く
陽乃「バーテックスはどこに行ったと思う?」
- 982 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/01(水) 22:27:04.49 ID:iqiVE3kmo
-
九尾「それは妾に問わずとて、主様も気づいておろう」
陽乃「全部の地域にいたわけではないだろうけど、明らかにおかしいわ」
通り過ぎた市町村、そのどこか一ヶ所でくらいいバーテックスの気配を感じ取れても良いものだけれど、
今のところ、それが全くない。
人々にとってはありがたい話なのかもしれないが、
四国の状況と、杏達の行方のことがある陽乃としては朗報とは言えない。
四国を襲撃するために全部が向かった可能性があるし、
杏達に気づいて追跡しているのかもしれないし、
進化型になるべく、集結してしまったのかもしれない。
進化型は、白餅状のバーテックスに比べて非常に手強い
そして、神託で見たそのさらに上位の完成型とみられるバーテックスは、それ以上だろう。
陽乃「完成型なんて、出てこられても困るわ」
- 983 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/01(水) 22:55:17.97 ID:iqiVE3kmo
-
陽乃と歌野はそれを警戒しているし、
陽乃に至っては、文字通り死ぬ気になれば完成型だって圧倒できる……はずなので、
どうにか対応もできるだろう。
四国には勇者が3人いるので、
四国に襲撃があったとしても負傷者は出すことになるかもしれないが、対応は可能なはず。
問題は、2人が出会った場合だ。
九尾「心配はなかろう」
陽乃「そう?」
九尾「土居球子はともかく、伊予島杏がいるならば滅多なことはしないじゃろう」
杏がいるなら、見覚えのないバーテックスに戦いを挑むような愚かなことはしないはずだ。
ただ、襲われた場合はその限りではないのだが。
陽乃「それが近くにいて身動きが取れないのかしら」
九尾「ないとはいえまい」
- 984 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/01(水) 23:21:36.22 ID:iqiVE3kmo
-
だとすれば、長くはもたないだろう。
立てこもるのにちょうどいい施設があったならいいが
そうではないなら食料が尽きる。
……そこは球子が役立ってくれそうな気もするけれど。
とはいえ、猶予はないとみておく方が良い。
何事もなく、
時間はかかったが四国に到着したならしたで、問題はない。
「勇者様!」
陽乃「……?」
陽乃がいる1号車の窓の1つから顔を覗かせた少女が、陽乃を呼ぶ。
周囲にバーテックスや、不審なものは見られないので、
異常があったわけではなさそうだ。
陽乃「どうしたの?」
「そろそろ、中に戻った方が良いと思います!」
陽乃は、朝以降ずっと外にいる。
休憩の時にも見回りに出ていたりと、少女の視点からでは、陽乃はずっと休んでいないように見えているのだろう。
1、戻る
2、戻らない
3、代わりに外に出てくれるの?
↓2
- 985 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/01(水) 23:23:47.36 ID:TbIt8hUKO
- 1
- 986 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/01(水) 23:24:34.18 ID:owMZhTPX0
- 1
- 987 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/01(水) 23:28:31.42 ID:iqiVE3kmo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 988 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/01(水) 23:42:45.38 ID:TbIt8hUKO
- 乙
バーテックスたちが完成型になるために集まってるとなると後半の道のりが大変そうだな…
完成型を相手するにはやはり死神の力が必要だろうか
- 989 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/02(木) 00:42:55.11 ID:58KSWaaYO
- 乙
まあとにかく前に進むしかないな
- 990 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/02(木) 22:59:23.85 ID:yHW7sSvao
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
再開は明日、可能であれば少し早い時間から
- 991 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/03(金) 05:55:55.06 ID:b62iw6CGO
- 乙
- 992 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/03(金) 23:42:17.50 ID:mChvnTZ7o
- 遅くなりましたが、少しだけ
- 993 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/03(金) 23:43:25.08 ID:mChvnTZ7o
-
九尾「戻るのかや?」
陽乃「ええ」
全体が休憩するまではまだ時間があるけれど、
結界の外に出てから約十時間
殆どずっと外にいてこれまでバーテックスの気配も何も感じられないのだから
少しは体を休められる車内にいても平気なのかもしれない
というのもあるが、
ここで応じておかないと、後々に響きそうだというのもある。
陽乃「暫くは問題がなさそうだから」
九尾「その油断が命取りにならねばよいがのう」
陽乃「油断してるわけじゃ――」
九尾「よいよい」
九尾はくつくつと喉を鳴らして笑うと、
陽乃に対してさっさと行けというように、手で払う素振りを見せる。
九尾「妾がいてやる。主様は少し休め」
陽乃「嫌な優しさね」
九尾「……主様、いまだに結界の維持をしておるじゃろう。いい加減、断ち切ってしまった方が良いぞ」
- 994 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 00:09:03.52 ID:0JgQDisSo
-
嫌な優しさと言ったことに対しての嫌味か、
九尾は目を細めて、釘をさす
陽乃は諏訪を離れてもまだ、諏訪を囲う結界の維持に力を割いている。
離れれば離れるほど、結界の維持にかかる労力は増していく
今はまだ、神々の力も借りているために影響がないようにも感じられるが、
このまま続ければ少なからず影響が出てくるだろう。
九尾「主様がいつまでも背負ってやる義理はない」
陽乃「……手向けは必要だわ」
その感覚が本当にあるのかは分からないけれど、
不思議と " 祈られている " と感じる。
だったら、少しは応えてあげるべきだ。
神様だったら応えてはくれないかもしれないが、
陽乃は神様ではない。
陽乃「出来るからやってあげてるの。難しくなったら、それまでだわ」
陽乃はそう言って、屋根の端に移動する。
窓から顔を覗かせている人はいるが、
走行中のバス上の会話を聞くことが出来ているわけではないだろう。
- 995 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 00:48:35.83 ID:0JgQDisSo
-
「勇者様、今バス停めて貰いますね」
陽乃「いいわ。そのままで」
「えっ」
車内では、休憩を待っている人たちもいるだろうし、
それを目的としたものではない停車は、下手に気を煽るだけになってしまう可能性がある。
何かあったのかもしれないと。
それを払拭するのはたやすいことだけど、その蓄積は面倒だ
陽乃「窓から離れて……窓際の席を空けて頂戴」
「ちょ、ちょっと!」
少女は慌てたように声を上げて窓から離れ、
そして、勇者様が戻るのでバスを止めてと、叫ぶ。
陽乃「良いって言ったのに」
ゆっくりとバスが停まって、入口になっている扉が開く
「勇者様!」
九尾「くふふっ、ほれ。行くがよい」
九尾に突き落とされるような形で、屋根から降りる
なぜだか嬉しそうな少女はバスから降りて、落とされたばかりの陽乃の手を引く
「早く、バスに乗っちゃってくださいっ」
陽乃「っ、もぅ……なんなのよ……」
- 996 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 01:52:17.45 ID:0JgQDisSo
-
少女に引っ張り込まれるような形でバスへと乗り込んで、
運転手には、問題なさそうなので進んで欲しいと頼む。
陽乃「別に止める必要はないって言ったのに」
「駄目ですよ。危ないもの」
勇者である陽乃なら、
走行中のバスの窓から中に入ることなんて簡単なことなのだが、
それをしようというのが、そもそも気に入らなかったようだ
「それに勇者様、スカートだから」
陽乃「だから、なに?」
「なにって、見えちゃうじゃない」
下着が見えてしまうと言いたいようだけれど、
陽乃としては、見えないように乗り込めばいいだけだ
「勇者様も女の子なんだから気にした方が良いと思う」
- 997 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 01:52:46.84 ID:0JgQDisSo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
次スレも
- 998 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 16:13:22.00 ID:0JgQDisSo
-
次スレ
続きはこっちで
【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【5頁目】
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- 999 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 20:30:52.90 ID:shQjOzRSO
- 埋め
- 1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 20:32:32.27 ID:vFIEFdjrO
- 乙
- 1001 :1001 :Over 1000 Thread
- | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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