【安価&コンマ】亡国の姫と従者の逃亡記録─第2幕─

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33 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 18:27:34.27 ID:EJxfIikNo

アンリエッタ「あ"………か、っ……」カクン


どぷっ……ぶりゅ、びゅぷっ♥


フローリア「はひ……はっ……あぁぁ///」


胎内にありえない量の精液が注ぎ込まれる。焼け尽くような熱さがアンリエッタのお腹を襲い、入りきらない分が秘裂と肉棒の隙間から下品な音を立てながら漏れ出ていく。

そして恐怖と何度か経験したことのある快楽信号がフローリアの意思に関係なく身体中を走り、フローリアは勢いよくお漏らしをしてしまった。

流れ出るおしっこの一部はアンリエッタに降り注いでしまったがお腹が破裂するような感覚に耐えきれずアンリエッタは気絶してしまったようだ。



フローリア「あっ……わ、わたし……りゅうみこさまに……あんな、はしたない事を…」ガタガタ

ドラゴンイーター「ぐらら、がぱぁ…!」

フローリア(………ぁ)


合成魔獣は気絶したアンリエッタの顔を掴み上げる。
大きく口を開き、その長い舌をアンリエッタの口に差し込む。


肉をも溶かす、強い酸にまみれたその舌を。



ぐじゅうっ!!!!!


アンリエッタ「ンゴォッ!!!??ん"ん"ん"ーーーーーーッッッ!!!?!?!?ん"ん"ごぶゥゥゥーーーーーーーーッッッッ!!?!?!!んぐゥゥ!!ぎゅぐぐゥーーーーーーーッッッッッ!!?!!!」


じゅわじゅわと肉が溶ける強い音を響かせながら、合成魔獣はアンリエッタの口内を味見していく。

気絶していたアンリエッタも想像を絶する痛みに一気に覚醒したが、痛みにジタバタと暴れてもその巨体から逃れることはできない。

ビクビクと痙攣しながらも抵抗をやめないアンリエッタに合成魔獣は遂にその大きな口をアンリエッタの頭蓋ごと………。












バリッ! ごりっぐちゅっ!!

 ぐちっ!もぐっ!!ぱきぃっ!!

じゅる……バキッ、…ごきゅんっ
34 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 18:28:30.98 ID:EJxfIikNo


フローリア「……はっ、はぁ…!!ぁ………はぁ…はぁ…っ!!!」


目の前で人が食べられる瞬間を初めて見てしまった。
肉片から目玉が、骨の破片が、ぶりゅんとした内蔵がはみ出てる。

美しかった銀髪が、流れ吹き出る血飛沫で真っ赤に染め上がる。大人しくも可愛らしい愛嬌のある顔をしていた少女が無惨な肉塊に変えられていく。


次は自分がああなる番だと自覚したフローリアに、もはや逃げるという行動すら取れぬ程の恐怖が染み渡っていく。


フローリア「ご、ごめんなさい…ごめんなさい…!!許してください…!!お願いします…お願いします…!!」ガタガタ


必死の命乞いも魔獣相手に通用なんてする訳もなく、合成魔獣は次なるご馳走に食指を向ける。

しかし、魔獣の手を遮るように一振りの剣閃が払われた。






フローリア「……く、クロウス?」

クロウス「………無事、でしたか……姫様…」


寸でのところで助けてくれたのはクロウスであった。
しかし再開の喜びの声を上げることなどできなかった。

何故なら彼には片腕が無かった。
全身は酸を浴びてしまったせいで焼け爛れていて容姿も殆ど判別がつかない。
足も片方が奇妙な方向に折り曲がっていて引きずっている。

誰がどうみても満身創痍の虫の息にしか見えない。
35 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 18:31:14.36 ID:EJxfIikNo

フローリア「そ、そんな……そんな身体で…!!私を…助けに来てくれたというの…!?」


クロウス「言ったでしょ…? 必ず護ってみせると…まぁ、怖い思いもさせたし、竜巫女殿は助けられずに終いと……このていたらくですが……」


ドラゴンイーター「グリュラララッ!!!」ズシンッ

フローリア「あっ…に、逃げてクロウス!!私なら大丈夫だから!!」

クロウス「姫様………俺は守りたい人ひとり護れない弱い男です……ですが、盾ぐらいにならなれるつもりです…」

クロウス「次になにかあった時は遠慮なく囮なりなんなりとお使いください……向こうの俺も、きっとそれで納得すると思いますので………」

ドラゴンイーター「ガリュラァッッッ!!!」ブォンッ

フローリア「やめてお願い!!逃げて!!!」

クロウス「だから………何がなんでも生き延びてくれ、フローリア…!!」




ぶしゅりっ!!!

36 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 18:31:48.60 ID:EJxfIikNo

血の雨が降り注ぐ前に光の雨が視界に降り注ぐ。


もう三回目だ、慣れた光景に視界が明滅する。


きっとこの先も私は何度も挫折する。


その度にきっとこの言葉を思い出す……。




フローリア「生き、のびる……なにが、なんでも………」

37 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 18:35:18.58 ID:EJxfIikNo

少し離れます、早ければ10時近くに再開します。
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 18:47:27.01 ID:rfpI2sTpo
おつおつ
フローリアもいずれ覚悟完了できるか?
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 18:48:21.29 ID:Zc8l6vjw0
フローリアちゃん かわいそうかわいい
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 20:10:56.03 ID:i/Xu6NpqO
たんおつ
さりげにクロウスは逆行を認識したような発言をしたね
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 20:12:44.26 ID:i/Xu6NpqO
そういえば前スレで話したんだった。忘れてた
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 20:29:12.58 ID:p9Kfay8HO
俺もアンリエッタちゃんもぐもぐしたい
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 22:48:45.20 ID:xS6sVhb00
おいしそう
44 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 22:57:14.78 ID:EJxfIikNo
短いですが再開していきます、安価は無いので軽いお気持ちで読んでください。
45 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 22:57:55.78 ID:EJxfIikNo


クロウス「おおおっ!!!」


クロウスはこれで終わらせるつもりで剣を振りかぶっていた。
アンリエッタのサポートもあり相手の懐に潜り込むことができた、後は相手の首を叩き斬るだけ。


ぐにぃっ!!


クロウス「っ、うおっ…!?」


しかしその瞬間にクロウスの足元が急に沈みこんだ。
急激に足元が不安定になったクロウスはその場に膝をつくように体勢を崩す。


クロウス(こ、これは……姫様の軟化魔法……なぜいま)

ドラゴンイーター「グララッ……オボォアアアッ!!!」


突っ込んでくるクロウスに対して合成魔獣の取った行動は、新たに首を生やして酸の唾液によるカウンター行動だった。

しかし唾液の軌道はしゃがみこんでいたクロウスにギリギリ当たらず、クロウスは冷や汗をかいた。


クロウス(……っ、いま、屈んでいなかったら俺はアレをまともにくらっていた)

クロウス(そしてあんな初見殺しを回避するなど予知でもしなければ絶対に無理だ……………ということは…!!)


フローリア「はぁ……!はぁ……!!」

アンリエッタ「ふ、フローリアさん…!?いったい何を…!!」


フローリアは地面に魔力を走らせ、クロウスの足元のみを軟らかくしていた。

遠隔発動する魔法は基本的に距離が伸びれば伸びるほど消費魔力も上がっていく。離れたところから見守っていたフローリアの位置からクロウスまではだいぶ遠く一気に魔力を使ったことによりフローリアは激しく息切れしている。


しかしそんな事は気にもせずフローリアはアンリエッタの手を掴みクロウスの方へと走り始めた。
46 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 22:58:50.17 ID:EJxfIikNo

クロウス「ひ、姫様…!?こちらは危険です!!」

フローリア「はぁ…!はぁ…!走ってクロウス…!!もうじきこの広場は……山崩れで岩に埋もれますっ!!」

アンリエッタ「えっ…!?ど、どういうこと…!?」

クロウス「っ!!了解ッ!!」

ドラゴンイーター「ぐりゅりゅりゅ!!!」

クロウス「邪魔だ退け!!」ザシュッ


クロウスは立ちふさがる合成魔獣の首元を斬りつける。
怯んだ合成魔獣の脇を三人は一心不乱に駆け抜ける、ゴゴゴという音と供に岩肌を無数の岩石が転がり落ちてきた。


そして広場に轟音が鳴り響いた。






クロウス「ぐっ……二人とも、ご無事ですか…!!」

アンリエッタ「は、はい……私はなんとか…!」

フローリア「ぜーっ……はぁーっ……!!だ、だいじょうぶです…っ!!」
47 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 23:00:52.73 ID:EJxfIikNo

クロウス「………姫様、俺は…また……っ」


突然のフローリアの妨害がクロウスの命を救ったうえに広場が山崩れに襲われることも言い当てた。

名にも知らないアンリエッタはともかく、温泉で言っていた時間が巻き戻る現象を知らされていたクロウスはすべてを察した。


しかしそんなクロウスをフローリアは責めることもせず、ただ優しく慰める。


フローリア「気にしないで…クロウス、貴方は私をちゃんと守ってくれました。それが向こうでの…私の事実ですから」ニコ…

クロウス「くっ、…しかし」

フローリア「それよりも……あの魔物は、これで倒せたのでしょうか…?」


クロウス達は岩に埋もれた広場を階段の上から見下ろした。
合成魔獣がいた位置は完全に岩に埋もれてしまっていて生死の判別がつかない。


クロウス「……生きてるにせよ死んでるにせよ、今すぐこの場を離れた方が良いのは確かですね」

アンリエッタ「私もそう思います、とにかく階段を上がって銀竜様に報告しなくちゃ…」


意思が固まった所で踵を返すように階段を上がっていく三人、しかし…。
48 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 23:01:42.62 ID:EJxfIikNo

ドゴオオオォォォッ!!!


ドラゴンイーター「グルァララララッ!!!」

フローリア「そ、そんな……!?」

クロウス「くっ……しぶとすぎるだろ!?」


合成魔獣は岩の山から勢いよく飛び出てきた。

手傷は負ったものの依然として闘争心は衰えておらず、三人を喰らおうと敵意を剥き出しにしている。

クロウスは女性二人を庇うように前に出る。
しかしその瞬間、大空から複数の影がこの場にいる全員を覆った。


ワイバーンa「ギシャーッ!!」

ワイバーンb「グルルル…」

ワイバーンc「ギャオーーーーッ!!!」


クロウス「なっ……ワイバーンの群れ!?」

フローリア「さ、三匹……いえ、もっと多くいます!」

アンリエッタ「これは……殺された仲間の仇討ち……銀竜様からの応援です!」

ドラゴンイーター「グララララァッ!!!」
49 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 23:02:44.29 ID:EJxfIikNo

合成魔獣は目の前に現れた獲物を前に食欲に従い襲いかかる。
しかしワイバーン達は合成魔獣の攻撃を見切っており高空からの炎ブレスによる炙り攻めをしていた。

合成魔獣も唾液を飛ばしたり舌を伸ばして攻撃しようとしてきるがワイバーン達は華麗に空を舞い避けていく。

余りにも統率が取れた魔物の連携とは思えない見事な攻撃にクロウスは思わず見入る。


クロウス「………凄いな、まるでベテランの騎士同士の連携を見せつけられてるみたいだ」

アンリエッタ「ふつうは竜種の魔物は群れでいる事はあまり無いのですがこの山の子たちはみんな仲間意識が強いんです、家族を殺されて……きっとみんな怒ってるんです」

クロウス「銀竜の庇護の元に集いし番人……なるほど、こりゃ確かに強力な助っ人だ」


遠距離がジワジワといたぶられ、さすがの合成魔獣も削られていった。
ブレスの合間に爪や牙による攻撃も増えていき、遂に合成魔獣は数の暴力に屈することになる。


ドラゴンイーター「がっ……ぐりゅ………」ドシンッ


クロウス「………ようやく死んだか」

アンリエッタ「恐ろしい相手でした……まるで自分以外の全てが捕食対象だと認識しているような……あっ…」ブルッ
50 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 23:03:45.00 ID:EJxfIikNo

アンリエッタは今になって自分が本当はずっと恐怖に震えていた事に気がつく。

そんなアンリエッタをフローリアは優しく抱きしめ落ち着かせようとする。


フローリア「落ち着いて……竜巫女様」

アンリエッタ「あ……ふろー、りあさん?」

フローリア「怖いことはもう終わりました、だから安心してください……」

アンリエッタ「あ、はわぁ………」ヘナッ


緊張の糸が途切れた瞬間、アンリエッタは涙を浮かべてフローリアを抱きしめ返す。


アンリエッタ「こ、怖かった……!うええ、ほんとうに、無事で良かったぁ…!!」グスッ


きっと子どものように泣きじゃくる姿が本当のアンリエッタなのだろう。
自らの立場を理解している賢い子だからこそ、常に気を張って強がっているのがあの聡明で淑やかな彼女の建前の姿だ。


クロウス(脅威は去った……しかし考えるべきことは色々と多い)


あの魔物はいったいなんだったのか、自分がフローリアを護れなかったという事実、この山に来てくれと言ってきた銀竜の意図……。
51 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 23:04:39.24 ID:EJxfIikNo

頭を抱えたくなるような問題が山積みであったが、アンリエッタの持つ杖が神秘なる光を放ったため考えることを一旦中断した。


クロウス「り、竜巫女殿…?なにやら杖が光って…」

アンリエッタ「えっ……?」グスッグスンッ


??『災難じゃったな、アンリエッタよ…』


アンリエッタ「あっ、えっ……お婆ちゃん!?」

クロウス「お、おばぁ…?」

フローリア「ちゃん…?」


??『これこれ、人前の時はかしこまった言い方にすると決めたのは自分ではなかったのか?』


アンリエッタ「ご、ごめんなさい……銀竜様」


アンリエッタがなにやら杖に向かって独り言を喋っていた。
どうやら前に言っていた【竜杖】の力のようで、銀竜と直接話をしているらしい。


銀竜『ふむ…こんな所で立ち話も辛いじゃろう、早く社のところまで上がってくるといい』




銀竜『そこにいる懐かしき【神器】を持つ娘とも話してみたいからのう』

52 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/11/25(木) 23:07:30.74 ID:EJxfIikNo

明日が早いので今日はこれでおわりです、次の更新の時には銀黎祭までいけたらなと思ってます。

ちなみに……今回の陵辱シーン大丈夫でしたかね?今までよりもだいぶゴアな表現がありましたが良ければご意見お待ちしております。

それではまた。
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 23:23:09.94 ID:Zc8l6vjw0
大丈夫大丈夫
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 23:43:55.62 ID:xS6sVhb00
出会う敵全てがドスケベモンスターなのもおかしいしね、時にはこういうのもよきよき
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 23:45:51.48 ID:rfpI2sTpo
おつおつ
色々引き出しがあるの凄いっす
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 23:56:31.27 ID:p9Kfay8HO
乙でした
自分的には思っていたよりもかなりマイルドだったんで全然平気でした
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 13:01:00.64 ID:cotABN3NO
そろそろ幕間みたいなの欲しくなってきそう(クロウスフローリア以外の視点で何か)
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/02(木) 20:16:52.44 ID:Xe6ZO7ejO
まだかな
59 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 12:56:54.78 ID:0z3AOYAOO
年末が近づいてお仕事もドッタンバッタン大騒ぎ☆
……そんな感じで連日体力もモチベも死んでました、ごめんね。

安価に絡まないストーリーの部分が長くなりすぎてとりあえず一旦途中まで投下致します。
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/05(日) 12:58:19.86 ID:b5+mpfIBo
投稿ありがてえ
無理しないでくださーい!
61 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:05:46.36 ID:0z3AOYAOO

石階段を上り、山頂近くの社まで登ってきたクロウスとフローリアはまずその社の大きさに驚いた。

まるでちょっとした神殿のような大きさになっていて二人が想像していた社とはスケールが違っていた。


アンリエッタ「竜が住まう所ですから、これぐらいの広さはあって当然ですよ」

クロウス「いや、俺はさっきのワイバーンぐらいのサイズを想像してたからな……」

フローリア「これは王国にあった礼拝堂と同じぐらいは」ありますよ…」

クロウス「ああ……、あれも立派でしたね…」

アンリエッタ「ひとまず中に入りましょう……お二方なら大丈夫だと思いますが、くれぐれも失礼のないようお願いしますね?」


三人が社の中に入ると明らかに空気が変わったのが分かる。

奥に進む度に神秘的な雰囲気が強くなっていき、竜の住処にたどり着くとそこには先ほどの合成魔獣もワイバーンですらも霞むほどの巨竜が佇んでいた。
62 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:09:06.19 ID:0z3AOYAOO

銀竜「よくぞ来られたな竜巫女アンリエッタよ。そして異国から来られた姫とその従者よ、我が名は銀竜……このシルヴェロギアの地を守護する者なり」

クロウス(これが銀竜、シルヴェロギアの竜を統べる者か……!!)


単なる体の大きさだけでは計れない、長として……いや、の生命体としての格の違いというものが身に纏うオーラで感じ取れる。


銀竜「そう緊張しなくとも良い、人の子よ。別にお主たちを取って喰ろうたりはしない」

銀竜「ここまで足を運んでくれてご苦労じゃったな」

フローリア「い、いえ!むしろ助けていただいたようで……ありがとうございました!」

銀竜「………ふむ? お主、我が普通に喋っていることに驚きはしないのだな」

フローリア「あ、いえ…全く驚いてない訳では無いんですけど……こうやってドラゴンとお話ができるのって小説の世界みたいで素敵だなぁ、と…」

銀竜「…………」

フローリア「す、すみません!お気に障られたのであれば失礼しました!!」

銀竜「……ふ、くく」プルプル

フローリア「あ、あの……銀竜様?」

銀竜「ふははははは!!これは失礼!一国の姫と聞いていたのでどんな傲慢な人間が来るかと思っていたが、よもやこんなにも純粋な心を持つ者が来るとは!」


高らかに竜の笑い声が社の中に響く。

ドラゴンも笑うんだなとクロウスはどこかズレた感想を浮かべながらもひとまずは向こうに敵意が無いことが分かって少しホッとした。
63 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:14:34.42 ID:0z3AOYAOO

銀竜「気に入ったぞ、お主たち名前は?」

フローリア「フローリアと申します、ミクトラム王国から来ました」

クロウス「その従者であり騎士を務めるクロウスです」

銀竜「フローリアとクロウスか、うむ…良い名であるな」

アンリエッタ「銀竜様、お二方がこんな山頂までお越しに来てくださったのですから早く用件をお伝えした方が…」

銀竜「なんじゃアンリよ……今は民衆がいるわけでもあるまい、もっと砕けた態度でも構わんのじゃぞ?いつもみたいにおばあちゃんって言ってみい?」

アンリエッタ「お、おばあちゃーん!!!///」プンスコ

フローリア(からかわれてる…)

クロウス(おちょくられている…)

アンリエッタ「もぉ……すぐにからかうんだから…」

銀竜「ふはは…まぁそうじゃな、客人にずっと立ち話をさせるのも無礼というもの」スッ

銀竜「フローリアよ、お主をここに呼び寄せたのはお主が持つ【時戻しの神器】についての話じゃ」

フローリア「…!!」ビクッ

アンリエッタ「……時? 神器?」


自分達しか知らない時を戻す力を持つペンダントの話を切り込まれ固くなる二人。
名にも知らないアンリエッタはただ首をかしげるしかなかった。


銀竜「恐らくその様子だと力の事は知ってるが詳しくは分からないといったところか……どれ、まずは【神器】について少し説明をしよう」
64 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:19:23.51 ID:0z3AOYAOO


───神器とは。


かつての古代文明が栄えていた時代よりも遥か昔……魔法という技術はかつて化学と呼ばれ人々はその力により様々な恩恵を受けていた。


しかし人は強い力を持つと往々にして争いを起こしたがる生物………強い化学力をもつ国は銃や大砲、火器を積んだ乗り物を開発し己の利益のために戦争を起こした。


戦いは泥沼と化し、争っていた国々もやがて疲弊していき、大地は汚れ、海は濁り、空は淀んでいく一方。
人間という生物も環境の悪化には勝てず絶滅の一途を辿っていった。


ある時、化学とは違う不思議な力を操る男が民衆の前に現れた。
その男の力は傷ついた生命を癒したり、壊れてしまった建物を修復したり……時には枯れ果てた森を一晩にして復活戦させたりとまさに神が如き力を有していた。

男は民衆を先導し、朽ち果てる寸前だったヒトという系譜を生き長らえさせることに成功した。

男はやがて人々から神と崇められ、男もまた救いを求めに来た人々を受け入れることで唯一神としての存在を確率していったのだ。


やがて人々が過去の過ちから化学を捨て、平穏に生きられるようになった頃……男は世界から姿を消した。

不思議な宿した遺物を残して……。

65 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:21:05.78 ID:0z3AOYAOO

銀竜「これが古代文明よりも更に前、今となっては忘れ去られた時代の話じゃ…そしてこの話に出てきた遺物というのが【神器】……魔法や化学をも超越した神なる力を宿した道具じゃよ」

クロウス「…………………」


クロウス(……正直頭がついていかなかった)

クロウス(古代文明よりも更に前にヒトの時代があったという話すら聞いたことが無かったのに神様とやらが実在してただって?どこから信じれば良いんだその話は…)

銀竜「神器は神が有していた無数の力の断片……その力は所有者を選び、特にエネルギーなど必要もなく不思議な力を発揮する」

銀竜「ちなみにこの神器の力を解析しようとした昔の研究の副産物が今の魔法に繋がっておるのよ」

フローリア「魔法が……元々は神器の力の副産物…」

アンリエッタ「わ、私……そんな事初めて聞いた…!」


銀竜「ちなみにアンリよ……お主の持っているその【竜杖】も実は神器の一つなのじゃぞ」


アンリエッタ「えっ………ええええええええ!!?」

アンリエッタ「ちょっ、おばあちゃん!?なんでそんな大事なこと私に話してくれなかったの!?」

銀竜「言ったところで何が変わるわけでもなかろうし言う必要もなかったからの」

アンリエッタ「ああ……頭がクラクラしてきた」キャパオーバー

クロウス「……とにかく神器が不思議な力を持つ存在というのは分かりましたが、しかしそれを言うためだけにここに来させたのでは無いのでしょう?」

銀竜「察しが良いな」


銀竜は一息つくとここからが本題とばかりに真剣な面持ちになる。
66 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:23:41.24 ID:0z3AOYAOO

銀竜「数ヶ月前……強大な神器の目覚めを感じとったのじゃ」

フローリア「神器の……目覚め?」

銀竜「うむ、その神器の目覚めを皮切りに他の眠っていた神器も幾つか覚醒しておる……フローリア、お主の神器もその一つじゃな」

銀竜「お主のその【時戻しの神器】はかつて起きた古代文明時代の戦争で使われていたとされる神器の中でも更に特別な代物じゃ」

フローリア「このペンダントが……そんなにスゴい物だったなんて…」

銀竜「近頃は近隣の国々も慌ただしく蠢いていると聞く。帝国とやらがお主の国を襲撃した事も、先の魔物が我の領地を無断でうろついていたのも……我はなにか一つの大きな因果で繋がっていると予測しているよ」

クロウス「あの魔物が帝国からの刺客と…?」

銀竜「今の段階では予測の域に過ぎん、じゃが我の勘は結構当たるぞ…?」

クロウス「………」


今までラジル帝国がミクトラムを襲ったのは単に王国の豊かな土地を狙っていたからに過ぎないと思っていた。

だがもし、帝国の本当の狙いがこの神器だとしたら…?


銀竜「フローリア、そしてクロウスよ……その神器は今はまだ目覚めたばかりで本来の能力を出し切れていないようじゃ」

銀竜「しかし……その力は悪意のある者に渡しては絶対にならぬ!!神器の力は古来より人の生活を豊かにしてきた、故にその力を巡って争いが起こり続けてきたのもまた事実!」

銀竜「かつての戦争のように今は動乱の時代なのかもしれぬ…心苦しい願いやも知れぬがその神器は護らねばならぬモノなのだ」
67 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:26:37.51 ID:0z3AOYAOO

フローリア(……お父様もお母様も、この事を知っていたのでしょう。だからこそあの非常事態にも関わらず私にこのペンダントを託したのね…)

フローリア(正直、私みたいな何も知らなかったか弱い女にそんな大層な使命を果たせられるなんて思えない……けれど)

フローリア「……………分かり、ました」ギュッ

アンリエッタ「フローリアさん…」

フローリア「ミクトラム王家の名に誓って、この神器は必ず護り抜くと誓います」

クロウス「姫様……」


クロウスは見逃さなかった。

宣言の前の不安に満ちたフローリアの顔色も、握り締めていた手の震えも。

出来る出来ないのではなく、やらなければいけないのだ。
この優しすぎる少女はまたしても重たい荷物を背負わなくてはいけなくなってしまった。

一番不安なのは本人なのだろうに、それを必死に隠して女王様や銀竜の願いに答えようとしている。


クロウス(……俺に支えることなんて出来るのだろうか?護衛の身でありながら姫様に助けられ続けているこの俺が…)

銀竜「お主たち、時にこの先はどうするつもりであったのじゃ?」

クロウス「元々友好国の伝を使って姫様を保護してもらうのが目的でした……しかしその国も今は帝国の手に落ちています」

クロウス「この地に流れ着いたのも友好国から逃げ延びた結果に過ぎません、ですのでこの先どうするかは今はまだ…」

68 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:29:29.23 ID:0z3AOYAOO

銀竜「ふむ……なれば神器について学びに行くというのはどうじゃろうか?」

銀竜「ここよりずっと東の方に聖なる大河と呼ばれる巨大な河が流れている、そこにある国ならば神器に関しての文献が豊富に取り扱われている筈じゃろう…」

アンリエッタ「東の……それって【聖河教連】のことかな?」

クロウス「………あの宗教連合国か」

銀竜「うむ、あわよくば帝国を打倒する手がかりもあるかもしれぬぞ」

クロウス(確かにあそこなら受け入れてくれさえすれば帝国もそう簡単には手を出せないだろう、あくまで受け入れてくれたらの話だが…)

フローリア「そうですね……あまりシルヴェロギアに居すぎるのもご迷惑をおかけすると思いますし、準備が整い次第出立しようと思います」

アンリエッタ「えっ…?」

銀竜「んん?どうしたアンリよ?」

アンリエッタ「い、いえ……何でもないです」

銀竜「ほほーう……さてはお主、フローリア達とお別れするのが惜しくなっておるか?」

アンリエッタ「ち、違うよ!あ、いや…フローリアさん達の事がどうでもいいとかそういうことじゃなくてですね…!」アタフタ

アンリエッタ「その、……折角仲良くなれそうだったのに会えなくなっちゃうのは寂しいなって……ゴニョゴニョ」

銀竜(それを惜しむと言うのじゃがな……やれやれ)

銀竜「お主たちもそう急がなくとも良いじゃろう、折角の旅も準備が疎かだと上手くもいかぬしな……。ひとまず今宵はおめでたい祭りの日じゃ、まずは今日という日をゆっくり楽しんでから考えるといい」

フローリア「はい……寛大なお心遣い、感謝致します」ペコリッ

銀竜「さて……ここからは我とアンリで祭りの打ち合わせをしなくてはならぬのでな、客人の二人はすまないが少し席を外してはくれないか?」

アンリエッタ「別に私は居ても良いと思うんだけど…」

銀竜「こういうのは、さぷらいず…というものが肝心なのじゃよ」

フローリア「あはは……それじゃあ私たちはお外で待っていますね?」

クロウス「それでは失礼します」


69 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:34:41.16 ID:0z3AOYAOO

……………。


レビュオス「しっ!!!」ザシュッ

合成魔獣「ぐるぅッ!?」ドサッ


同時刻、シルヴェロギアより少し離れた森林。
レビュオスは数人のシルヴェロギアの兵士を引き連れて魔物の討伐に来ていた。

近頃のシルヴェロギアでは見かけない魔物が目撃される事が増えていたため、祭り中に万が一魔物が入り込まないようにする為に周辺の調査を行っていた。

そして目撃情報を元に探索しているとそこには見慣れぬ魔物が動植物を食い荒らしているのが確認された。

明らかに生態系を破壊するような行いにレビュオス達は魔物の討伐を行ったが付近の魔物と比べても段違いに強く、苦戦しながらもなんとか片付けたところだった。


兵士a「や…やりましたね兵士長!!」

兵士b「兵士長はシルヴェロギア一の戦士だぞ、これぐらい当たり前だろ?」

レビュオス「いや、みんなのフォローがあってこそだったよ……正直数を揃えてなければもっと手間取っていたはずだ」

レビュオス(それにこちらの被害もゼロという訳ではないからな……)

兵士c「レビュオス様!負傷した兵士の応急処置は完了致しました、みな自分の足で歩けるようです」

レビュオス「そうか…!それは良かった」

兵士a「しかしなんだったんだろうなこの魔物…」

兵士b「ああ……薄気味悪いというか、なんか色んな生き物の特徴が取り入れられてて気持ち悪い造形だな」

兵士c「これ腕とかどこから生えてるんだ……?目玉も四つぐらいあるぞ…」

レビュオス(確かに……まるで自然に産まれてきたというよりは作られたような不自然さを感じる)


長年この地に住んでいた者の勘として、何か良からぬ気配が近づいているのではないか。

確信の持てない不安がレビュオスの胸中をよぎった。


レビュオス(なんだ……?このシルヴェロギアの地で何が起きようとしてるんだ…?)

70 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/05(日) 13:35:36.09 ID:LGuUyjqxO
ポストアポカリプスいいよね
71 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:37:21.56 ID:0z3AOYAOO

……………。


セヴェル「……むむっ」ピキーンッ


また同時刻、シルヴェロギアから離れたどこかの地にて。
一人の男が魔力が途切れる感覚に遠い地平線へと眼を向けた。


【狂乱】のセヴェル。


アマティアス第一皇子殿下の直属の部下【四獅星】の一人にして危険な思想を秘めた魔導師だ。


セヴェル(……野に放っていたワタシのカワイイカワイイペットの魔力反応が消えた?)

セヴェル(まぁ野垂れ死ぬ個体も少なくないですから特段珍しいことではありませんが……短い感覚で2体、それもじわじわと消えるわけでもなくブツッと消えてなくなりましたねぇ…)

セヴェル(何者かに処分されたか……いずれにせよ気性の荒い個体を倒すとは中々の実力者と見た、これはもしや……)

セヴェル「………ヒヒ、ペットどもを酷使して行けば行けなくもないですねぇ…!」




セヴェル「ヒヒ…!ヒィーッヒッヒ…!!」ニタニタァァァ

72 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 13:44:52.60 ID:0z3AOYAOO
一旦打ち止め、続きは夜になります。

>>60
ありがとうございます……なんとか年が越える前にシルヴェロギア編を終わらせます。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/05(日) 13:47:36.75 ID:b5+mpfIBo
たんおつー
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/05(日) 14:03:16.31 ID:LGuUyjqxO
おつん
75 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 23:58:32.16 ID:yxWPAcc/O
続き初めていきます。
76 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/05(日) 23:59:31.26 ID:yxWPAcc/O

………数時間後。


フローリア達は再びシルヴェロギアの街まで戻ってこれていた。

また歩いて下山するかと思っていた二人だったが話し合いから戻ってきたアンリエッタからの進めでなんとワイバーンに乗って下山する事になった。

ワイバーン『ぎゃお…』

アンリエッタ『よしよし…三人も乗っちゃってごめんね?』ナデナデ

ワイバーン『ぎゃおー』

フローリア『まさかドラゴンの背中に乗って空を飛ぶ日が来るなんて…!』ドキドキ

アンリエッタ『本当なら下山も自分の足で行うのが習わしなんですが今回は空を飛んで降りて楽して行けとおば…銀竜様が…』

アンリエッタ(私たちを襲ってきた魔物の一件もあったから気を使ってくれたんだろうなぁ、ありがとうおばあちゃん…)

フローリア『ふふ…なんだかワクワクしちゃいますね?クロウス?』

クロウス『…………』

フローリア『………クロウス?』

クロウス『……あっ、申し訳ございません。少し…考え事を…』

フローリア『……そっか』





フローリア(……竜巫女様と銀竜様の打ち合わせの間、クロウスと二人で山頂からの景色を眺めてたけどずっとよそよそしい感じになってた)

フローリア(……たぶん気にしてるのね、私がまた時を越えて戻ってきたことに…)
77 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/06(月) 00:09:27.37 ID:XTbJgja7O

フローリア自身、辱しめを受けた事実を完全に受け入れたわけではない。
思い出しただけでも胸の奥はざわつくし、唇は震え、瞼の裏にはあの凄惨な光景がフラッシュバックする。

それでもこうして時が戻るという神器の力でみんなが無事でいれるならと心を奮い立たせているのだ。

しかし傷つくのは何も自分だけではない。
あの指名に忠実かつ実直で心優しい騎士はフローリアが時を越えて戻ってくる度に後悔の渦に飲まれるのだろう。

結局街まで戻ってきた後、クロウスはフローリアをルルとジェニファーに任せてどこかへ行ってしまった。


ルル「リア?大丈夫?」

フローリア「……えっ?」

ジェニファー「顔色が優れないようですが……やはり病み上がりで山に登るなんて無茶をし過ぎたのでは…?」

フローリア「い、いえ…!体調の方はもう大丈夫です、少し考え事をしてただけ…!」

ルル「ほんとにぃ〜?リアってお姫さまだけど割りと無茶したりするからなぁ」

ジェニファー「フローリアも貴女にだけは言われたくないと思いですわよ?」

ルル「な、なにおぅー!?」ムキーッ
78 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/06(月) 00:13:01.23 ID:XTbJgja7O

リトア「あっ、ここに居たのね三人とも」

フローリア「あっ……リトアさん」

ジェニファー「もうお店の準備の方はよろしくて?」

リトア「ええお陰さまで、二人が手伝ってくれたから思っていたよりも早く終わったわ……それよりも広場に集まらなくていいの?もうそろそろ銀黎祭が始まるわよ?」

ルル「あっ!リッちゃんの舞いが始まる!」

ジェニファー「あ、貴女…せめて本人の前でだけはお止めなさいよ…?」

フローリア(そっか……もうそろそろ銀黎の舞の時間なのね)


アンリエッタからは『楽しみにしていてくださいね!』と念を押されたので観に行かないわけにはいかない。

四人は大勢の人が集まる広場へ向かうことにした。
79 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/06(月) 00:20:47.79 ID:XTbJgja7O


広場は既に多くの人だかりが出来ていた。
祭りの開始はまだかと言わんばかりに人々はざわめき立っていた。


ルル「おおー、なんか凄いことになってる!」

ジェニファー「こうも人が多いとさすがにクラクラしてきますわね…」

リトア「でもまだこれぐらいならまだマシな方よ……大きい国ならこんなもんじゃ済まない時もあるから」

レビュオス「おっ、四人とも巫女様の晴れ舞台を観に来てくれたのか?」

フローリア「レビュオスさん、こんばんは」

ルル「見回りお疲れー!」

レビュオス「今ごろは巫女様も腹を括った頃だろうから期待して観ていてくれよ!」

ジェニファー「ええ、心から楽しみにしていますわ」

レビュオス「……そうだ、クロウスはいないのか?てっきり一緒にいるもんだと思っていたが」

リトア「クロウスさんなら街の中にはいると思うけど…」

ルル「私たちにリアを任せてどこか行っちゃったもんね」

レビュオス「…そうか、竜巫女様の護衛の件でお礼を言いたかったんだが…」

フローリア「それなら私からクロウスにお伝えしておきますね」

レビュオス「はは、助かります。…おっと、そろそろ始まるか?」


レビュオスの言葉にフローリア達は広場に設けられた祭壇の方を観る。

初めは真っ暗な暗闇が拡がってるだけだったが、祭壇の上に円上に広がっていた松明に銀色に輝く炎が灯る。

その中心に竜巫女アンリエッタは立っていた。

お団子に纏めていた髪はほどいてあり、竜の血の証である角と翼も隠していなかった。

衣装も普段の巫女としての衣装とはまた異なり、少し薄手になっていて肩や胸元が露出しているが質素過ぎず、美しい模様ほ刺繍が施されており舞をするのに動きやすい装束となっている。
80 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/06(月) 00:25:11.39 ID:XTbJgja7O

手に携えている竜杖を振りながらアンリエッタは舞台で舞い踊る。

杖から発せられる銀色の光がつぶてのように舞い散り、光の残滓が軌跡として描かれる。

この世のものとは思えぬ幻想的な光景を前に銀黎の舞を楽しみにしていた住民たちも思わず息を飲み、ただ少女の一挙手一投足に魅入られていた。


フローリア「すごい………!」

ジェニファー「こんなにも可憐で綺麗な舞踊は……ナールの貴族にもできる者はいませんわね…」


竜巫女の動きはやがて激しさを増していく。
汗が飛び、髪が乱れ舞うのも気にせずに一心不乱に舞うその姿こそ……竜に全てを捧げ、竜は世の安寧を約束する。

銀黎の舞いとはシルヴェロギアを護る銀竜に恵みを捧げる事で銀竜は人を護るという契約の儀式である。

今ではカタチを変え契約という概念こそ薄れつつあるが、このシルヴェロギアの民と竜の変わらぬ絆を象徴するための習わしになっていた。


やがてアンリエッタの舞いは徐々に静かに、そして小さくなっていく。

そして最後は片膝を着きながら祈るように竜杖を地面に立てる。
同時に天空から神々しい光を放ちながら銀竜が姿を現した。これには民衆も歓喜の声をあげ、シルヴェロギアの民一同でこの地を守護する竜を迎え入れる。
81 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/06(月) 00:30:37.25 ID:XTbJgja7O


ルル「わ、わ!すごっ!あれが銀竜!?リアってあれと喋ってたの!?ねぇっ!?」クイックイッ

フローリア「う、うん…」

リトア「私…ドラゴンなんて初めて見たわ………竜の鱗って儲かったりするかな?」キラーン

レビュオス「こらこら、冗談でもそういう事は言うんじゃないぞー?」




アンリエッタ「我らシルヴェロギアの民、銀竜様に豊穣の恵みを捧げ永遠なる忠誠を捧げます」

銀竜「うむ……古き誓いの盟約に従い、この地に住まう民を護ると誓おう」

アンリエッタ「ありがとうございます……皆さま!我らシルヴェロギアの民は此度も銀竜様からの加護を授かります!」

銀竜「日々の祈りも、感謝も……そして宴の楽しみも!今宵は銀竜様と共に分かち合いましょう!」


アンリエッタの宣言と共に銀竜は咆哮と共に空に銀の焔を打ち上げる。

やがて空中で炸裂した焔はきらびやかな光となりシルヴェロギアの空へと降り注いだ。


銀黎祭はこうして始まりを告げたのだった。
82 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/06(月) 01:03:16.08 ID:XTbJgja7O

「さぁさぁみてらっしゃいー!東方直伝の炒めそばだよー!」

「ねぇねぇお母さん!くじ引きしてもいい!?くじ引き!!」

「さぁどうだい?この弓矢で射抜くことができたら景品を上げるよ!」

「酒だ酒だー!!今日は無礼講だからなぁー!!」


ルル「うわぁ…!!盛り上がってるなぁー!!」

フローリア「そうですね……皆さん活気に溢れてて、今日という日を本当に楽しみにしてたみたい!」


人々は祭りの空気を思い切り楽しんでいるようで、この日のために立てられた露店には色んな物が並ばれている。

東方の島国をモチーフとしている祭りはこの大陸にしては珍しい形式になっておりフローリア達は……というか主にルルが目を光輝かせながら興奮していた。


リトア「さて……と、それじゃあ私はバザールの方に戻らなきゃ、今ごろお父さんたちも大忙しだと思うし」

レビュオス「俺もそろそろ仕事に戻らなくちゃな、銀竜様の警護にも行かなきゃいけないしな」

ジェニファー「ふふ、後でお店の方にも顔を出しますわ!」

リトア「ええ、知り合い割引……はさすがに不公平に思われるからできるか分からないけど待っているわ」

ルル「それじゃあ二人とも、またね!」






クロウス「………はぁ」


クロウスは一人、広場のベンチで座りながら祭りの喧騒を眺めている。
銀黎の舞も離れた所で観ていたがやはりどこか心あらずな状態だった。


クロウス(今ごろはフローリア様もルル達と祭りを楽しんでいられるだろう……それがいい)

クロウス(少なくとも今の俺に姫様の傍にいる価値など無いだろうな……姫様が良くても、俺が俺を許せない)


やはり生真面目なクロウスは護るとフローリアに誓ったのにまたしても時を戻す力を使わせてしまった事に負い目を感じていた。

周囲の雰囲気とは真逆に頭を垂れ意気消沈していたクロウスだったがふと、誰かが自分の前にいる気配を感じて頭を上げてみた。


落ち込んでるクロウスを見つけたキャラは?
↓1〜3の間でコンマの高いキャラ(フローリア、ルル、ジェニファー、リトア、レビュオス、アンリエッタの内誰かひとり)
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 01:05:27.02 ID:1nMN2Li10
ルル
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 01:06:30.80 ID:P+9QmDy7O
このレスが偶数ならルル、奇数ならジェニファー
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 01:07:22.42 ID:0xTOu0LlO
レビュオス
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 01:28:10.69 ID:hFoFLbnuO
ジェニファー
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 13:34:59.58 ID:hFDGiQ49O
フローリアの持ってる神器って巻き戻る本人以外には何もメリットなくない? 要はバッドエンドの世界を見捨てて自分だけ逃げてるって事だよな?
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 16:51:34.15 ID:LICw7TAdO
>>87
装備者以外はそれを知り得ないし、装備者は擬似的に未来を知れるし選択をやり直せる。極論自分のやりたい様に動いてから無かったことにできるわけで
装備者には紛れもない神器だと思うが
89 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/06(月) 17:25:36.87 ID:dpQLLxMpO

寝オチを失礼しました…。
1レスだけ時限式の安価があるので投下しておきます。

久しぶりの返答タイム


>>87
そこに気づきましたか…はい、その通りです。フローリアが飛んだ後にも世界は続いており一部の敗北陵辱ではその後の世界線での話とかも構想を考えてます。

>>88
時戻しの神器は本来ならある程度の時間操作を任意で行える数ある神器の中でもかなり上位のものなのですが……諸々事情があり今はピンチの時や心がへし折れそうになった時しか発動できていない状態ですね。
90 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/06(月) 17:27:01.74 ID:dpQLLxMpO

ルル「あれ?クロウスさん何してるの?」


頭を上げた先に居たのはルルだった。
心配そうに身を屈め視線を合わせている。


クロウス「……ルルか、お前姫様はどうしたんだ?」

ルル「えへへ……屋台の美味しそうな食べ物を見てたらはぐれちゃった!!」ドヤッ

クロウス「それは胸を張って言えることなのか?」


ルルのおっちょこちょいっぷりにクロウスは気が抜けたのか思わず乾いた笑いが出てしまった。

そんなクロウスの横にルルはちょこんと座る。


ルル「リアも心配してたけど、また何かへこんじゃった感じ?」

クロウス「まぁ、そういうことだな…」

ルル「……それって私にも言えないのかな?」

クロウス「……まだ俺の中で整理がついていないからな」

ルル「そっか……なら、いま考えてても仕方がないって事だよね!よいしょっ!!」ぴょんっ


ルル「それじゃあ行こっか!クロウスさん!」

クロウス「行くって…どこにだ?」

ルル「そりゃあ祭りの出店を制覇しにだよ!こんなに楽しそうな出店がたくさん並んでるのにこんな所で腐ってるのはもったいないって!」


今にも走り出さんとばかりにルルのテンションは上がっていた、まるで散歩を楽しみにして尻尾をぶんぶん振り回している犬のようだ。


クロウス「俺はそんな気分では無いんだが」

ルル「駄目だよクロウスさん!今日のお祭りはみんなが楽しむ為に頑張ってきたんだよ!こういうのは楽しまなきゃむしろもっと酷いバチが当たるんだから!」

クロウス「そ、そうなのか?」

ルル「そうに決まってる!……だから一緒にお祭り回ろうよ?」

ルル「一緒に遊びまくって悩みとか全部パーっと忘れて楽しも!」


クロウスとルルの銀黎祭(基本的には日本のお祭りのイメージ)のデート内容
本日21時から↓1〜3まで募集して組み合わせます。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 18:32:41.26 ID:honauXlH0
屋台の食べ歩き
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 18:38:00.74 ID:xHN5ZIlMO
時間安価だからまだじゃない?
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 19:20:47.85 ID:85gNSFdK0
>>88
世界全体からしたら神器の持ち主一人がタイムリープしたところで知ったこっちゃないって話じゃない?

装備者にとっての神器でしかないという?
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:00:02.04 ID:8ZvvAxrLO
出店で定番の出し物(金魚すくい、射的、くじ引きなど)を堪能した後、二人でおみくじを引きお互いの運勢に一喜一憂

コンマ次第で何かアイテムとかルルとのラッキースケベイベントとか欲しい
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:00:43.48 ID:afBJRk8gO
デフォルメ銀竜ぬいぐるみを射的で撃ち落としルルにプレゼントするクロウス
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:03:52.26 ID:tMtIWvftO
ルルがフローリアと遺跡に行った時のことを思い出し、その時にフローリアが何かおかしな指示を出さなかったかと聞いてみるクロウス
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:07:40.57 ID:tMtIWvftO
あ、ごめん

>>1スレ目の描写と矛盾するから自分のは無効でお願いします
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:13:42.43 ID:lJF1X3E3o
銀竜モチーフのめっちゃ難しい型抜きにチャレンジ
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 23:51:21.97 ID:1nMN2Li10
ここまでだとキマイラに敗北した後の世界がぶっちぎりで悲惨だな……
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/09(木) 21:13:41.97 ID:76v/HKKPO
続きが待ち遠しい
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 23:39:23.51 ID:1L3XDbyyO
ルルは上手い具合にディアナ戦まで負け無しで頑張ってもらいたい
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/12(日) 23:24:21.29 ID:824hCyYXO
そろそろ来るかな
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/15(水) 09:18:23.67 ID:yHJNxKkq0
更新なくてもいいから一応連絡だけ欲しい
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/17(金) 21:25:10.25 ID:pXTOQ0tlO
大丈夫だろうか
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 01:22:59.37 ID:iIjxdzZ9O
流石にスレ建ってから一月でこの進み具合じゃ内容が良くても駄目だわ
忙しい人が大長編SS書くのは不向き過ぎる
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 01:28:44.77 ID:xh4dT4bXO
今月は忙しいゆーてるししゃーないでしょ
なんだかんだ11月までは最低週一で更新してたしペース自体は普通だと思う
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 11:01:05.15 ID:so951aH7O
とりあえず2ヶ月放置しなければ待つ(欲を言えば1ヶ月)
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 11:47:43.78 ID:OAUAvQwh0
2週間は流石にちょっと連絡は欲しいな
せめて年内更新できるかくらい……
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 12:39:40.98 ID:TYRp/jmV0
完全な放置ラインが2ヶ月、保守が読者任せになるのが1ヶ月
110 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/20(月) 15:03:09.54 ID:/dDur91EO
長々とお待たせしてすみません。

今日の夜に更新再開させて頂きます、あと最近の更新頻度に関して最後の方に色々とご報告もあるのでよろしくお願い致します。
簡単にですが一旦失礼しました、夜にまた。
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 15:56:54.89 ID:Lk/9YUW9o
了解
報告ありがとうございます
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 19:25:45.93 ID:53LckEnFO
無理せずにな
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/12/20(月) 20:36:53.69 ID:Shxa1UXr0
そろそろ?
114 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/20(月) 22:28:32.09 ID:8J9D3NRQo
おまたせしましたー、それでは再開していきます、
115 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/20(月) 22:30:47.95 ID:8J9D3NRQo


竜遇宮へと続くメインストリートは色んな出店が並んでおり、普段は人と人がぶつかる事などないこの場所も今は人が溢れかえっているほどの盛況を見せていた。


ルル「うわぁ…!なんか面白そうな出店もいっぱいあるよ!」

クロウス「おいそんなにはしゃぐな、子どもでもあるま……いや、まだ子どもか」

ルル「こういう場所では歳なんて関係ないの!ほらほら、クロウスさんも童心に帰っていっぱい遊べばいいんだって!」

クロウス「………まったく、子守りは必要か」

クロウス「わかったわかった、ただしはぐれると面倒だからあまりあちこち走り回るなよ」

ルル「えへへ〜…やった!」


少し強引気味ではあったがクロウスを誘うことに成功したルルは小さくガッツポーズを見せた。
116 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/20(月) 22:34:48.33 ID:8J9D3NRQo


───金魚すくい


ルル「へぇ〜なんか小さな魚がたくさんいるよ」

クロウス「そうだな、食用の小魚にしても小さすぎるみたいだが…」

金魚屋「君たちひょっとして金魚を見たことないのかい?これは観賞用の魚で食べたりするようなものじゃないよ」

金魚屋「こうやってお椀に水をいれてポイと呼ばれる紙を張ったもので金魚をすくって入れる遊びさ、もちろんすくった金魚は持って帰って飼っても良いんだよ」

ルル「面白そう!やってみようよクロウスさん!」

クロウス「おいおい、俺たちは旅をしてる身だぞ……すくった所でこいつらを連れてく事はできないぞ」

ルル「うう〜……ならすくうだけ!キャッチ&リリースなら良いでしょ!ねっ?」

金魚屋「うちとしてはそれでも構わないけど…」

クロウス「……仕方ないな、親父さん二人分やらせてくれ」

金魚屋「はい、まいど!!」





ぽちゃんっ!


クロウス「おい!?すくったと思ったらすぐに破れるぞ!インチキじゃないのかこれ!?」

ルル「そりゃあっさりすくえたら商売にならないでしょ?……そいやー!」シャッ!

金魚屋「おっ、お嬢ちゃん中々上手いね!」

ルル「いやぁそれほどでも!」

クロウス「ぐぬぬ…親父、もう一回だ!」
117 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/20(月) 22:40:36.58 ID:8J9D3NRQo

───カタヌキ


クロウス「これはなんだ?お菓子に溝が彫られているが」

ルル「んーとね、細い針を使ってお菓子を割らずにキレイに型を抜く遊びみたいだよ」

クロウス「ふむ……集中力を研く鍛練に使えそうだな」

ルル「それじゃあやってみる?こう見えても手先は器用なんだよわたし!」

クロウス「ほう…なら勝負といくか」

型抜き屋「ふたりぶんかい…?針はそこにあるのを使っとくれ…」プルプル

ルル「へへーどれど……れ?」

ルル(えっ、やばっ…なんか竜の型なんだろうけど……精巧すぎて爪とか牙とか鱗のギザギザまで再現してるんですけど)

ルル「ねぇクロウスさん?やるなら別の型抜きに…」

クロウス「…………」カリカリカリカリカリ…

ルル(うわっ、なんかめっちゃ集中してるし……これは今さら退けない感じじゃん!?)




カリカリカリカリカリ…パキッ

クロウス「…………っよし!どうだ親父!?」

型抜き屋「お?……おお〜、おまえさん中々やるもんじゃのう」プルプル

クロウス「ふはは!どうだルル!!このキレイに抜けたこの銀竜の型を!!」ビシッ

ルル「」ゴチャグチャー

クロウス「お、おお……何回チャレンジしたんだお前…?」

ルル「モウカタヌキミタクナイ………」ブシュー
118 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/20(月) 22:50:04.93 ID:8J9D3NRQo

─────射的


射的屋「やぁそこの兄ちゃん、冒険者のような身なりだが弓の腕前に自身はあるかい?」

クロウス「ん?……まぁ確かに経験はあるが…」

射的屋「ならうちで遊んでいきなよ、この玩具の弓矢で遠くの景品を倒すことができたら景品をあげるよ!」

ルル「景品だって!クロウスさんやってみれば?」

クロウス「訓練で扱った事があるだけで得意では無いけどな、物は試しにやってみるか」

射的屋「はい毎度!チャンスは5本だよ!」

クロウス「さて……」ギュッ

クロウス(さすがに本物の弓と比べると本当に玩具みたいな耐久性だな、本物みたいに引きすぎると壊れそうだな)キリリリ…

クロウス「ふっ!」ビシュッ


ひゅーん……


クロウス「むっ、意外とぶれるもんだな…」

ルル「まだまだ!あと4回チャンスあるよ!」

射的屋「そうだぞ、娘さんに良いとこ見せてやらなくちゃあな!」

ルル「…んん?」モヤッ

クロウス「ああ、こんなんで外してたら実戦では使い物にならんからな…!」





ヒュッ……ストンっ!!


射的屋「お、おお!?おめでとうさん!!まさか一番大きいぬいぐるみを持ってかれるとは思わんかったよ!」

クロウス「ふぅ、なんとか面目躍如ってところか?」

射的屋「はいよ、銀竜様のぬいぐるみだ!受け取りな!」

クロウス「ううむ……ルル、いるか?」

ルル「え?……いいの?」

クロウス「こんなの俺が持ってても仕方ないしな、まぁ邪魔になるというのなら他の誰かにあげるしかないが…」

ルル「い、いるいる!むしろ欲しかったぐらいだし…!!」

クロウス「そうか、なら大事にしろよ?遊びとはいえ金をかけて取ったものだしな」

ルル「う、うん…」ギュッ

ルル(ぬいぐるみなんて子供っぽいものとっくの昔に卒業してるけど…クロウスさんがくれたんだもん、仕方ないもんね?)

ルル「……へへ♪」ニヤニヤ
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 22:53:58.96 ID:TYRp/jmV0
姫様もルルもクロウスとは娘と父レベルの歳の差だからあまり恋仲になるイメージがが
120 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/20(月) 22:54:15.59 ID:8J9D3NRQo

───おみくじ


クロウス「……ん、ここは?」

ルル「おみ……くじ?」

おみくじ屋「こちらではおみくじを引くことができます、おみくじとはこれからの人生の吉凶を占う東方の島国に伝わる占術的な行いの一種です」

おみくじ屋「とは言ってもこの木箱の中から運勢が書いてある紙を引くだけなんですけどね」

ルル「そんなのでこれから先の一生の未来が分かるの?」

クロウス「あくまで気休めみたいなものだろう?それだけで人生が決まるわけがないだろ」

おみくじ屋「おっしゃる通りです、ですが己の運勢を省みる事で今後の生活で改善すべきところや伸ばしていきたい所などが見えてくるかもしれませんよ?」

クロウス「………ふむ」

クロウス(冷静に振り返ってみると俺たちの運勢ってもうメチャクチャなような気がするが……これも何かの縁という事なのかもしれないな)

クロウス「そうだな、一回ぐらい試してみるか」

ルル「なら私も引いちゃおっと!」

おみくじ屋「ありがとうございます、それではここからお一人1枚引いてみてください」


クロウスとルルの運勢は如何に……?
↓1のコンマでクロウス、↓2のコンマでルルのおみくじの結果

00~10 大吉(後でボーナス有り)
11~30 中吉
31~60 小吉
61~70 末吉
71~89 凶
90~99 大凶(後で悪いボーナス有り)


また、↓3で二人のそれぞれのおみくじの内容があれば(待ち人、恋愛、探し物、勉学…etc.)
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 22:55:23.05 ID:TYRp/jmV0
うん
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 22:55:58.40 ID:ynLRDnv0O
おみくじ
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 23:00:05.72 ID:+2cnG7O7o
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 23:02:09.32 ID:j9Yc02Pso
恋愛
クロウス:幸多し
ルル:逃げよ
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 23:04:49.14 ID:H/6nv/eNO
せっかくだからシミュレーターで大吉小吉出るまでそれぞれ引いてみたけど間に合わなかったかー
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 23:12:23.10 ID:TYRp/jmV0
↓3は特になしって事で>>1におまかせ?(下2から5分経ってからのレスだからうっかりではなさそう)
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 23:20:35.51 ID:H/6nv/eNO
中身はフレーバーだろうから下にずらして良いんじゃないかな
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 23:36:51.16 ID:hiNSfcAAO
ズレるなら貴重な曇ルルが見れそう
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 23:48:23.16 ID:H/6nv/eNO
恋心よりも前のモヤモヤしてる段階って良いよね
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/21(火) 00:39:43.24 ID:YEXo0dEgO
報告とは一体
131 : ◆0SmoYhO4IU [saga]:2021/12/21(火) 01:15:18.70 ID:BLtydZsbO


クロウス「よし、俺はこれだ」

ルル「私はこれだね」

クロウス「俺のくじは……おっ、大吉って出たぞ?」

ルル「私は……小吉?」

おみくじ屋「大吉は一番良い結果で小吉は上から数えて三番目に良い結果となっています」

ルル「ふーん…てことは真ん中ぐらいってとこかな?」

クロウス「大吉ねぇ…」

クロウス(どちらかというと不運な目にしか合ってないような気もするんだが……うん?くじの下に何か書いているな)カサッ


恋愛運 幸多し


クロウス(………ふっ、馬鹿馬鹿しい。こんな追われる身の俺に女運などあるわけが無いだろうに)

ルル(あっ、くじの下にまだ書いてる?)


恋愛運 逃げよ


ルル(いや何からッ!?)

ルル(情報量が少なすぎて分からないって……だいたい恋愛ってわたしの身近にそんな男の人なんて…)チラッ

クロウス「うん?どうかしたか?」

ルル「………」ジーッ

クロウス「な、なんだ…?なんか怖いぞルル…?」

ルル「な、なんでもないよ…!」

ルル(あのおみくじ……クロウスさんの事を言ってたのかな、だとしたら………うぅ〜ん…?)モヤモヤ


クロウスの大吉ボーナスを↓1で以下の中から一つ選んでください

@次の戦闘で一度だけ負け判定を無しにしてやり直す。(この効果は他の戦闘スキルと重複できる)
Aルルとのラッキースケベイベント(内容は後で安価で決める)
Bこのデートイベントで手に入るルルとのフラグを増やす。
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/21(火) 01:19:19.91 ID:4+pYv1H1O
2!
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