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怪異探偵ソリィバレッタ「赤いドレスは血の先触れ」
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1 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[saga]:2022/03/05(土) 03:02:42.87 ID:z8WhOIbA0
暴走怪異 豚鼻の狂巨人
鋼鉄怪竜 メタドラグ
登場
ザーコザーコ!
一応FGOの二次創作です
要素薄いし少ないし違うけど
これが私のできる精一杯でした
パンツだけ履いて寝そべりながら書きました
皆さんはしっかりとネクタイを締めて肩肘張って画面から離れてご覧ください
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:07:13.16 ID:z8WhOIbA0
すいませんテストだけさせてください
死ね殺す
あ、本編は完結しません
二次創作がしたかっただけなので
よろしくお願いします
3 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:10:29.87 ID:z8WhOIbA0
深夜。駅前ロータリー。
田舎町とはいえ昼間はそれなりの賑わいが見られるこの場所も今は閑散としている。
道ゆく人と入れ替わるようにして仄かに漂う怪異の気配。
怪異といっても時折ゆらめくような霊気がふわりとするばかりで、それ以上は何があるわけでもない…というのがこの辺りの夜の日常だ。
ただ、今日ばかりは少し勝手が違った。
ズシン!…ズシン!…
豚鼻の狂巨人「ォ…オオォ…」
豚鼻の狂巨人「ブォォオオ───ッ!!!」
ズシン!…ズシン!…ズシン!…
ズン!…
豚鼻の狂巨人(………………………)
ガシィン!ガゴォン!バガァ…
グァラグァラグァラグヮラ…
豚鼻の狂巨人「ガバァアアアア────」
見よ。膝を曲げたガニマタ姿勢で駅を頭ひとつ抜かす巨体ッ!
たいして振りかぶりもしない掌底1発で駅の一角を崩すその剛力ッ!
凡そ知能の感じられない振る舞いもその巨体とパワーが組み合わされば何と恐ろしいッ!
この巨人が人々の住む住宅街へと足を踏み出せば惨劇が起こるであろうこと!想像に難くないッ!
豚鼻の狂巨人(……………………)
ズシン!…ズシン!…ズシ…ズシン
この巨人の歩みを止めるスーパーヒーローはいないッ!
哀れこのまま町は知性なき巨人によって蹂躙されてしまうのかッ!
4 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:11:45.72 ID:z8WhOIbA0
「──やっほー☆」
豚鼻の狂巨人(…………………)ピタリ
いいや、いたッ!
スーパーヒーローなくとも巨人の足を止めるその声!気配!その姿ッ!
「いい夜だねぇ。ずいぶん楽しそうじゃんか」
「私もまぜろよ」
何たる運命の悪戯ッ!場と状況に似つかわしくない、転がるような娘の声と艶やかなドレス姿ッ!
番組が違う!これではキング・コングが始まってしまうぞッ!
「つーかそのノリ何?うるせえんだけど」
豚鼻の狂巨人「」ビシッビシッ…ブルブルブル…
豚鼻の狂巨人「ゴォォアァアアア─────ッ」
歓喜!獲物を見つけた狂喜の咆哮!
聞くもの全てにショックを与える霊的雄叫びッ!
豚鼻の狂巨人「ブォォアアアッ──ギャアァアアア───スッ」
美女よッ!早く逃げるんだ!
B級パニックホラーの冒頭に登場する美女はその話の主役怪物(主にサメ)のご飯になる法則が適用されてしまうッ!
「うるっさ!二重にうるさっ!」
「いくら私が可愛いからってはしゃぐんじゃねえよブタ!それに──」
5 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:13:01.50 ID:z8WhOIbA0
ズドドッ!ズドッ!ズドドッ!ズドッ!
豚鼻の狂巨人「」バオッ!
突進ッ!跳躍!巨体に見合わぬ身のこなしッ!
己の武器をシンプルに活かしたストロング・プレス!
まともな人間が受ければ20人ほどは一息にネギトロ!哀れペチャンコに爆発四散!グロスプラッタ!
豚鼻の狂巨人「バギャァァアア───ッ」
「…………」スッ
ドズゥゥウウウン!!!!!
地鳴り!轟音!近所迷惑!
飛び散るであろう血肉も含めて、その巨体を知らぬご近所からは明朝クレーム電話が殺到すること間違いなし。
「逃げるぅ?ざけたこと言ってんじゃねえよ」
豚鼻の狂巨人「バ!…!? ????」
しかし巨人の肩に優雅に座る、ドレス姿の怪物!
美女は見かけによらなかった!エロい目の細め方をして微笑む姿にB級映画の餌役特有の死相はどこにもないッ!
「この私がこんなザコに殺されるわけ──おい私が飛び散る、つったかテメェ」
豚鼻の狂巨人「バオッ!」
グシヤァッ
狂気!自分の肩を自分で殴るッ!
しかし本来のターゲットはひらりと飛び降りて既に着地をしているのだッ!
6 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:13:58.77 ID:z8WhOIbA0
カカッ
「なに私に飛び散ってほしいワケ?付き合い考えよっかなホント」
響くヒールの靴音!
これでは──ちょっと待って。待って。やめて。違う、違うの!
ごめんなさいやめて捨てないで!お願いやめて!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!
「いやナレーションは放棄すんなよ!ほら大丈夫、大丈夫捨てないから──」
豚鼻の狂巨人「ゴアッ!」ゴッ
「」クルッ
バオウッ!タッ タン
ベギィイイ!
豚鼻の狂巨人「ギャアアアア────ッス!!!」
「やったやった!私の膝でアイツの手首を砕いてやったわ!」
「──おい分かりにくくなるだろ。メソメソしてないで解説しろって。ジョーダン通じねーやつ」
浮気しない?しない?大丈夫?大丈夫だよね?
「時々お前が私をどう思ってるか考えると悲しくなるよ…」
7 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:15:55.53 ID:z8WhOIbA0
「お前の見境ない疑心は可愛い可愛い私を傷つけてもいるんだぜ?」タッ
豚鼻の狂巨人「ギャバ…」
カッカッカッカッカッ
タンッ
「わかってんの?」ベギィイイイイッ
豚鼻の狂巨人「───────ッ」
うん……ごめん。ごめんね…
「キャハハハ…脆っ。骨、ポッキーでできてんのかよ。お菓子の国の住人ならもっとメルヘンなキャラクターでいろよな?」
豚鼻の狂巨人「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ」ズズゥン…
「見える?わかる?今のは脛に背中から思いっきりぶつかってやったの──おい解説しろって。大丈夫だから」カツン、カツン、カツン
でもちゃんと答えてないよね?
「しねえって!お前ほんと私のこと何だと思ってんだ!?」
…………膝をついた巨人に再び駆け寄り、今度はより高く跳躍。
痛みに悶えうなだれる巨人のうなじに座るように両足を揃えて腰かけた。
「露骨にテンション下げるなよ。やるんならちゃんと──」クルッ、カッカッ
タンッ
「」カシィイン
片手で尖った耳を抱え、もう片手で後ろ髪らしき体毛を掴む。
そのままだらりと上半身を後ろに倒してぶら下がる。
もちろん揃えた足は巨人の首にかけたまま。
「」ガシィガシッ
ダラン…
豚鼻の狂巨人「」ピシ…ミシ…ミキ…ミリ…
8 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:18:45.01 ID:z8WhOIbA0
ベギベギバギバギバリバギベギバギィイィイッ
豚鼻の狂巨人「かパァ────────」
体重をかけられ豚鼻の狂巨人の首は捻り折られた。
大抵の人間はそうであるがこの狂巨人も同じように首を折られたら絶命するのだろうか?
豚鼻の狂巨人「」ズズズズズ…ズゴゴゴゴ…
立てた膝を倒しながらゆっくりと傾く狂巨人。
その濁った瞳に、もはや先ほどまでの生気はない(怪異が生気とはだが)。
「」グイッ
ドォシイイイイイイイイッ
「」ゴロンゴロゴロンゴロッ
狂巨人がアスファルトに崩れると同時に落下し転がるドレスの女!
激闘を制し力尽きたのかッ?着地をサボっただけかもしれない。
「…………」シーン
横たわったままピクリとも動かないッ!やはり力を使い果たしたかそれとも打ち所が悪かったのか?
ねえ大丈夫?気紛れに休んでるだけだよね?
その行動に特に意味はないんだよね?
(不安になるなよ)
起き上がらないので彼女はやはり死んでしまったようだ。
スーパーヒーローならずとも彼女の勇敢なる戦いを貶める者は誰もいないだろう(誰もこの戦いを見てないからね)。彼女の勇気と無謀と蛮勇、その溢れんばかりの善意と博愛精神に合掌。
(……)
9 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:19:48.12 ID:z8WhOIbA0
「」ズァバッ
(勢いよく身を起こす音)。これはどうしたことだろうか。二度と動かぬはずの彼女の肢体がまるで生きているかのようにすらりと立ち上がる。
この映画のジャンルはゾンビものじゃないぞ。彼女はまたしても出演する番組を間違えた。
(………………)
「よし、決まったぜ☆」
彼女はつまらなそうに死体を眺め──かわいい。何度目になるか分からないが惚れ直しそうだ。
くっ…踏みとどまれ私、これ以上恋をしたら頭がどうにかなってしまう♡っ
「決まったか?決まってないな。テメェのせいだぞ頭パープリン」
「浮かれポンチの地の文のせいでジャンルがコメディになっちまった…もう誰もこの話を真面目には読まねえ」カツン
スカートの裾を翻し、彼女は歩き出す。
どこから来たのか?どこへ向かうのか?闇の心を知るものは彼女の他に誰もいない。
住所とか連絡先を聞きたい気分になる。どうせ意味ないのに。
「次からはもうちょっと真面目にやれよ?こういうこと続けるなら誰も見なくなるんだからな」
「つーかそれいつまで続けるワケ?気持ち悪いんだけど」
浮気しないって10回言って
「浮気しません浮気しません浮気しません浮気しません浮気しません浮気しません浮気しません浮気しません浮気しません浮気しません…」カツン、カツン、カツン
浮気じゃないやつもやめてね?
「心配性だな。ちゃんとお前も私のこと愛しろよ?」
うん
「私だけ見て、私だけ大切にして」
うん…うん。
「私だけを特別に、私だけに夢中になってろよ?」
うん…うん!好き!好き!
「よろしい。ちゃんと私のブタやってろ?」
はーい好き
10 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:23:17.96 ID:z8WhOIbA0
ガーベラ・バレッタは怪異専門の私立探偵だ。
探偵といっても小説みたいな名推理を披露するわけじゃない。普段の主な業務は怪異相手に暴力的な振る舞いをするか、失くし物を探したりするぐらいのショボいものだ。
もちろん人間ならざる怪異を相手取るのだ。死を間近に感じたことも一度や二度できかない(別に怪異に限った話でもないと思うが)。
しかし、それでも町中で背筋が凍るような体験をすることは滅多にない。
子供「どうお?ヤッベェだろ?」
バレッタ「あぁ…」
駅前ロータリー。
破壊された駅から少し離れて巨大な肉塊がブルーシート越しに頭を覗かせている。
全貌は見えなくとも明らかに死んでいるように思える。小山のように大きい。生前はさぞ立派で見事な体格をしていたのだろう。
子供「そいでさ、朝っぱらからケーサツも調べてたんだけど、結局引き上げちゃってさ」
バレッタ(…………)
彼らだってプロだ。警察が調べて何も分からなかったのならここから眺めてみても都合よく新発見、とはいかないだろう。
バレッタ「事件性はないんでしょ…?」
誰に聞かせるでもなくぼそりと呟く。
怪異の死体が残る、というのは稀だ。通常怪異は目に見えぬ霊体となって活動しており、実体化できるのは怪異の持つ力(霊的エネルギー)を消費している時だけなのだ。
力尽きた時点で怪異実体は霧消し、失った力が回復するまで再び実体を持つことはない(怪異が死ぬことはないともいわれる)。
近頃ぽつりぽつりと現れるようになった死体が残るほどの力を持った怪異。その死因の多くは─推測に過ぎないが─強すぎる力に耐えられなくなったがゆえの自壊だそうだ。
怪異にとってもこれは異常事態なのだ。研究職であってもまともに答えを出せないのにごく一般的な私立探偵だけが真実を見抜いてる─なんてことはない。
11 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:24:39.24 ID:z8WhOIbA0
バレッタ(そりゃあ私だって格好よく決めたいところですけども)
バレッタ(子供の手前、大人が不安に怯える姿を見せるのはよくないってのもそうですし)
しかしはっきり言ってかなり怖い。これまでの常識が通用しない何かが起きている。
何か起きているのにそれらしい対処もできず、ただ時が過ぎるのを待つだけ。
無邪気にはしゃぐ子供の頭に手を置いても、自分の手が震えていることに気づくと、己の情けなさを分からされるばかり。
バレッタ(無力ですね、どうにも…)
結局子供には適当なことを言って何とかその場は凌いだ。
ガウス「いいのかなバレちゃん。正直に言わなくて?私には分かりません怖いです無理無理カタツムリのお手上げでーす…ってね」
バレッタ「うるさいですガウス、うるさい。バレちゃん言うな」
呆れるほど能天気で薄っぺらく、気の抜けたような疲れたような大人の声。フェルディナンド・ガウス。怪異だ。
女性にしては背の高いバレッタを上回る高身長にガッシリとした体格。一見、人間とそう変わらない見た目をしているが、肩口や背中からのふわりとした霊気が彼の正体を物語っている。怪異のなかでも上位の悪魔種、ガルグイユ属の一体である。
今は霊体化しているが、ガウスと契約した身であるバレッタには朧気ながらその姿と声を認識できる。
バレッタ「あなたからは何か分かりませんか?」
ガウス「分かるわけないでしょ医者じゃあるまいし…。人間同士なら死体を見て無条件で何もかも分かったりするのかな?」
ダメダメコンビだ。てんで頼りにならない。
ガウス「そいつはどうもね。じゃあ、そんな頼りにならないダメコンビはダメらしく、分からないことはオトナのヒトに任せて、僕らは大人しく今の仕事に集中しましょ」
バレッタ「い、言われなくともそのつもりです。ちょうどこの近くに件の工事現場があります。向かいますよ」
12 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:25:46.20 ID:z8WhOIbA0
工事現場は燦々たるありさまだった。ネジ、鉄骨、鉄板、ブルドーザーやショベルカーの部品に至るまでありとあらゆる金属が失われている。
違う、食い散らかされている。
かろうじて残った何かの欠片からは歯形のようなものが見てとれる。
ガウス「酷いなこれは…金属嫌いの妖精とかの仕業かな」
バレッタ「ここにも鏡がありますね…」
砕け散った鏡の欠片を眺めながらバレッタは言う。欠片は大きいのから小さいのまであって特に大きな破片を見ると、元は相当巨大な一枚の鏡であったことが分かる。
バレッタ「砕いて証拠隠滅のつもりでしょうか。どうです鏡人族の気配は?」
ガウス「んー…におうね。種類まではわかんないけど、彼らのにおいは独特だからね」
ガウス「人間の鼻で感じとれるものでもないけど…少しは気にした方がいいな。石鹸使う文化とかないのかな?」
ガウスの軽口を無視してバレッタは鏡の欠片をつまむ。
パッと見ただけではわからないが、よく見ると鏡人族が使用した鏡特有の僅かな変色が見える。
紫の変色は一枚鏡と丸鏡、変わり種だと三面鏡人であることが多い。
バレッタ「近くにメイン“通路”があるはずです。これまでの被害現場と照らし合わせれば…さんかく自然公園辺りでしょうか」
バレッタ「歯形については…分かりませんね。ドラグの仲間に似ていますがこのサイズのドラグとは…」
ガウス「ペットの餌に困った貧乏鏡人とか?ダメだね責任持てないのに生き物なんか飼っちゃ…」
バレッタ「ただのドラグでもありませんね。鉄を食べるドラグは知りません。新種かも…」カツ…カツ…カツ…
ガウス「んー…考え事に入っちゃったか…ありゃしばらく何も耳に入らないぞ」
目星をつけたさんかく自然公園に向かって歩き出すバレッタ。その後を追うガウス。
ガウス(どうせ聞こえないなら言わなくてもいいかな…?問題になったらその時考えればいいだけだしね)ザッ、ザッ、ザッ…
13 :
おれを
◆MVS19SfNUQ
[sage saga]:2022/03/05(土) 03:26:40.05 ID:z8WhOIbA0
…物陰から視線が向けられていることに女は気づかなかった。傍にくっついてる怪異は気づいたようだけど、あの様子では多分忘れるな。
というわけでさんかく自然公園ですってよ、ご主人様♡
「ん。別に知ってたけどね。鏡の場所も、もう調べたし」
さすがです♡遠目から歯形を見て面白そうだと思ったら即居場所を特定♡
感服し♡惚れ直して♡♡しま♡♡♡ヤッベ♡♡♡興奮するッ♡♡♡♡♡
「ドラグねえ。竜相手はそんなに面白いとも思えないけど…ま、この際贅沢は言ってらんないか」
ねえ♡♡♡暑くない♡♡♡服♡♡♡脱ぎたくならない♡♡♡二人っきり♡♡♡になれる場所♡♡♡いきましょ♡♡♡♡♡
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