【R-18G】幼女災害【安価】

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403 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 00:44:11.75 ID:VwtlPFcco
>>402を部屋まで運んだげる
404 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/12(月) 15:40:13.21 ID:PHYnYlUVo


カポーン…

葵「…」ゴシゴシ

葵「…痛っ」ズキッ

 ラセンに、あちこち削られた皮膚が痛む。今日の訓練は、一段と厳しかった…

由依「疲れた〜…」

真姫「お腹空いたね…」

初「…」

由依「初ちゃん、大丈夫…?」

初「…」グラッ ドボン

由依「初ちゃん!?」

 湯船に沈んだ初を、慌てて救出する由依と真姫。引きずり出して床に横たえると、初は寝息を立てていた。

初「すぅ…」

崩礼「何だ何だ。…値落ちしただけか」

 葵は泡を落とすと、彼女の元へ歩み寄った。

葵「じゃあ、あたしが部屋に運んでく」

崩礼「ああ、頼んだぜ」



 班に加わったときに、宿舎の彼女の部屋番号を聞いたことがある。ぐっすり眠っている初を抱きかかえて、葵は宿舎の廊下を歩いた。



安価下コンマ
01〜05 サイレン
06〜15 あんたたち、何?
16〜30 同室じゃないの?
31〜60 同室がいた
61〜90 同室いないんだ
91〜00 ↑+腕を掴んできた
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 16:22:01.89 ID:+fJCEnfuO
406 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/12(月) 16:49:39.27 ID:PHYnYlUVo


葵「お邪魔します…」ガチャ

 そっとドアを開けると、2人用の部屋には誰もいない。片方のベッドは布団が少し乱れていて、使った跡があるが、もう片方はシーツも張られていない。元から誰も使っていないようだ。

葵「同室、いないんだ…」

 崩礼も同室がいないらしい。葵も、つい最近いなくなった。宿舎に対して、隊員の数が少ないようだ。陸自は常に人手を欲しがっていると、空自の霰が言っていたが、その通りだ。
 葵は、そっと初をベッドに寝かせた。

初「ん…」

葵「…これでよし」



安価下 どうする?
@食堂へ

Aその他要記述
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 17:16:56.44 ID:P4TqngJJo
2 しばらく部屋にいて様子見
408 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/12(月) 17:51:45.86 ID:PHYnYlUVo
初「すぅ…」

葵「…」ジッ

 初の寝顔を見ながら、葵は向かいの、主のいないベッドに腰を下ろした。
 所属していた班から、重要な役割を持つ仲間が消え、自分も他の班へ移される…きっと、彼女は不安で仕方ない日々を送っているだろう。葵は、陸上自衛隊では一番の新入りだが、一応は上官として、できるだけのことはしたいと思っている。

葵「でも、何したらいいんだろ…」

 葵は溜め息を吐いた。こういう時、ラセン隊長なら…鍛錬しろって言うか。



安価下コンマ
01〜10 ぞろぞろ
11〜30 誰?
31〜50 一緒に寝落ち
51〜80 特に何も起こらない
81〜99 目を覚ました
   00 甘えてきた
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 17:59:03.32 ID:VwtlPFcco
410 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/12(月) 20:48:38.66 ID:PHYnYlUVo
葵「…ふぁ」

 葵も眠くなってきて、剥き出しのマットレスに横になった。

初「…すぅ」

葵「…」ジッ

 横たわったまま、初の寝顔を眺める葵。自分も眠りに落ちるのに、時間はかからなかった。



葵「…何、これ?」

由依「葵ちゃんは初めてだったよね」

 7班と共に集まったのは、いつもの訓練場ではなく、基地の会議室。机や椅子は隅に押しやられて、真ん中にはマス目の引かれた大きなマットが敷かれている。

ラセン「では1人1枚、カードを引くのだ!」

 ラセンに言われるまま、裏返しの大きなカードを引く。

ラセン「では、中身を確認しろ。同じ班員以外に見られないようにな」

葵「…」クルッ

 7班に見られないように、葵は自分のカードを確認した。



『隊長』



葵「…?」

崩礼「隊長は篠崎か」

 崩礼が、ひそひそ声で話しかけてきた。

崩礼「丁度いいから、ルールを説明するぞ。これは、模擬戦の一種だ。ただし、直接殴り合うのではなく、班員を将棋の駒のように見立てて、先に班員の半分以上を倒したほうが勝ちだ」

 そう言うと崩礼は、自分のカードを見せた。『1』と書いてある。

崩礼「隊長は盤の外から、班員に指示を出して動かす。数字は強さだ。大きい方が強い」

由依「はーい」『3』

真姫「わたしは…」『1』

初「え、えっと…」『2』

 マス目のマットに目を向ける。

崩礼「隊長以外の数字は、相手には伏せられる。1ターンにつき1人1マスずつ、好きな方向に移動することができる。隣接したら、戦闘を仕掛けることができる。同じ数字の場合は仕掛けたほうが勝つ。ただし、先に隣接してきた方は、そのターンに戦闘を仕掛けないことで、次の相手からの攻撃を防御することもできる」

葵「じゃあ、『3』が1人で頑張れば良くない?」

崩礼「そう思うだろ。だが、隣接している班員は、合体攻撃を仕掛けることができる。例えば、『2』と『1』、『1』が3人で仕掛ければ、『3』も倒せるってことだ」

葵「なるほど」コクン

崩礼「それから」

 崩礼が、ニヤリと笑った。

崩礼「盤とは言え、立派な戦場だ。さっき言ったルールに抵触しなければ、『何でもあり』だぜ」

葵「…?」



 葵以外の4人が、盤の一辺に並ぶ。7班からも7人、同じように並んだ。7班の隊長は前にジムで話しかけてきた、小鳥遊静流だ。

ラセン「では、始め!」



安価下コンマ
01〜10 そんなのアリ!?
11〜30 多勢に無勢
31〜50 そういう感じか…
51〜80 そういうことだな!
81〜00 天眼 VS 演算
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 20:50:14.66 ID:P4TqngJJo
えい
412 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/12(月) 21:46:29.84 ID:PHYnYlUVo


静流「ラセン隊長、左へ」

ラセン「うむ」スッ

崩礼「…」

 ラセンが、崩礼と隣接する1歩手前まで来た。ラセンの数字が何であろうと、『1』の崩礼はこのまま動かなければ、隣接されて倒される。離れれば、少なくとも崩礼が『3』で無いことはバレる。展開した他の班員に囲まれるか、逆に捨て置いて真姫や初の方に行く可能性も…

葵「初…?」

静流「…以上。篠崎陸曹長のターン」

葵「!」

 既に、7班は由依の攻撃で1人失っている。おまけに、倒した相手が『2』だったせいで由依が『3』であることがバレた。相手は露骨に由依から距離を取り、崩礼を囲みにかかっている。どちらに動かしても、次のターンに崩礼は2人以上に隣接される形だ…

葵「初…!!」ハッ

 その時、葵の脳内に電流が走った。『演算』が、新しい変数を加えて回りだす。
 葵は、崩礼の斜め後ろにいた初に言った。

葵「初。…ラセン隊長と崩礼隊長の間に、糸玉を吐いて」

初「! はいっ…」クワッ

 初の下顎が2つに割れ、白い糸玉が幾つも吐き出された。たちまち、ラセンの前のマスには、粘着く糸玉が敷き詰められた。ここを踏んだら、もう二度と動けないだろう。

崩礼「気付いたか」ニヤッ

静流「…流石」

 静流が頷く。葵は更に指示を出し、崩礼と初を一歩ずつ下がらせた。そうして、ラセンと共に囲みに掛かっていた7班員の1人を、逆に2人で迎え撃つ形にした。真姫と初は、後ろからラセンに接近していく。

葵「…さあ、静流の番だよ」

 そのターンから、一気に動き出した。1人1マス、数字に従った攻撃。基本的なルールを守りながら、その埒外でギフトの応酬が繰り広げられる。浮き上がって糸玉を回避する。氷柱が立つ。崩礼がよじ登る。由依が逃げ込もうとした隅のマスに、ミキサーめいた回転刃が出現する。由依は太い蔦を絡ませ、その上に立つ。そして追い込もうとした敵を、初と真姫が逆に追い詰める…



静流「…まどかちゃんで、玉置隊長を攻撃」

崩礼「…」『1』

 先程倒された真姫に加えて、これで2人。7班の勝ちだ。しかし、相手もあと一人で敗北まで追い詰められていた。

静流「お疲れ様。良い戦いだったよ」

葵「惜しかった…」

崩礼「いい線いったが、『何でもあり』をもうちょい『何でもあり』にすると良かったな!」

ラセン「与えられた数字とは、即ち己の力量のことだ。練り上げた力は、決して裏切らん。積み上げた分だけ助けになるが、足りなければ足を引っ張る。その、動かしようのない実力と、使えるギフト、能力、環境…それら全てを最大限に活かすことが、実戦にも繋がるのだ!」

崩礼「というわけで、今日の訓練は以上!」

 崩礼が宣言する。いつもより早く終わった。あまり動いていないので、まだ体力に余裕がある。



安価下 どうする?
@食事にする

Aジムで自主トレーニング

Bその他要記述
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 22:01:29.05 ID:+fJCEnfuO
2
414 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/12(月) 22:15:35.69 ID:PHYnYlUVo


葵「んぐっ、んぐっ、んぐっ…」ゴクゴク

ガチャ ガチャ

葵「よいしょっ…」ギィ

 バーベルに重りを足し、ベンチプレスに横たわる。少しずつだが、記録は進んできている。いつかは、ラセン隊長のように。そう思いながら、葵はバーを握った。



安価下
01〜10 サイレン
11〜40 疲れた
41〜70 ラセンも来た
71〜90 幕僚長も来た
91〜00 陸上自衛隊筋肉部…?
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 22:25:02.09 ID:VwtlPFcco
ひあ
416 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/12(月) 22:28:03.32 ID:PHYnYlUVo
ねます
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 22:29:44.51 ID:VwtlPFcco
おつー
418 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/13(火) 19:42:25.16 ID:N3vkcudao
 しかし、腕に力を込めた瞬間、ジムにけたたましいサイレンが鳴り響いた。



”緊急出動命令、緊急出動命令…”



葵「ああもうっ!」ガチャン

 バーベルを起こすと、葵はベンチから起き上がってジムを飛び出した。



”第1種警戒態勢! トレイターを確認! 場所は___”



安価下コンマ
01〜20 たま地区
21〜50 おもてストリート
51〜70 基地
71〜00 首相官邸
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/13(火) 20:27:30.26 ID:8j3t7Jhuo
420 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/13(火) 21:04:23.21 ID:N3vkcudao


”場所はおもてストリート”



葵「!?」

 葵はどきりとした。おもてストリートと言えば、例のハンバーガー屋さんがある通りではないか。
 グラウンドに出ると、既に他の隊員は揃っていた。1人だけ体操服の葵を見て、崩礼が言う。

崩礼「…何だ、筋トレでもしてたのか」

葵「しようとしたら、呼び出された」

 そう言うと、葵は隊服を『再現』した。腰にはガンベルトと、2丁のコルトSAA。そして、背中には『ティルフィング』。

初「わあ、凄い…」

崩礼「…揃ったところで、状況を整理するぞ」

 崩礼は切り出した。

崩礼「放送でもあった通り、トレイターが出没した。場所はおもてストリートの、ハンバーガー屋だと」

葵「!!」

崩礼「奴らは客を装って店に押し入った。そこで、中にいた人間を拉致しようとした。…俺と葵は知ってるんだが、そいつは総理の関係者で、最優先護衛対象の」

葵「」ダッ

崩礼「おい待て!」ガシッ

 駆け出した葵の後ろ首を、崩礼が捕まえた。

葵「行かなきゃ、『お兄ちゃん』が…!」

崩礼「実は、朝倉Aが一緒にいたんだ。朝倉Aがそいつを連れて逃げながら、自衛隊に通報した。今、トレイターは巡回の兵と交戦してるところだ」

葵「…そっか、逃げられたんだ」

 葵は、ほっと胸を撫で下ろ…せなかった。

葵「っ、でも、店長に、それにエリーも!」

由依「葵ちゃんのお友達なの?」

真姫「でも、8班はまだ出撃命令が出てないから…」

崩礼「既に、普通科と機甲科と、工作1、2、6班が出てる。今度は戦車隊も出張ってる。だが、市街地に塹壕は掘れないからな…」

葵「…」グッ

 葵は、唇を噛んだ。



安価下コンマ
01〜10 爆発
11〜40 2班の補助を
41〜70 未汐の指名…?
71〜99 ちょっと来てくれ
   00 ピンクのリムジン
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/13(火) 21:05:14.23 ID:gsZs37t5o
えい
422 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/13(火) 21:19:09.49 ID:N3vkcudao


 やきもきしながら立っていると、1人の幼女がこちらに歩いてきた。

崩礼「どうした?」

「都築(つづき)1班長からの伝言です。8班に、2班の補助をして欲しいと」

葵「!! 行こう!」

崩礼「少し落ち着け! …そんなに人手が足りないのか」

「トレイターは、既にハンバーガー屋を脱出し、マンホールから地下に展開しているそうです。このままでは、首相官邸まで辿り着いてしまう可能性もあると」

由依「えーっ! それは大変!」

「地下には戦車も入れません。歩兵を展開する前に、敵の状況把握と足止めが必要です」

崩礼「了解。…じゃあ出るぞ!」



 ジープの中で、崩礼が尋ねた。

崩礼「トレイターは何人出てるんだ? 毒島はいるのか」

「はい。毒島を含め、確認されたのは…」



安価下コンマ
01〜50 3人
51〜90 4人
91〜00 5人
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/13(火) 21:28:59.67 ID:Wcy5Ct4Uo
424 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/13(火) 21:47:25.09 ID:N3vkcudao
じゃあ残りのメンバー募集で今日は終わり
トレイターは全部で5人。うち2人は決まってるので、残りの2人を募集します



安価下1〜3で次の>>1のコンマに一番近いやつと遠いやつ テロリストのメンバー 名前と容姿は必須
ギフトは設定済み
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/13(火) 21:48:14.18 ID:Wcy5Ct4Uo
とりあえずおつ
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/13(火) 23:15:08.98 ID:FJ8FzEks0
桜木 春華(さくらぎ はるか)
10歳
肩までの長さの暗めのと明るめのが混ざったピンクヘア、同年代より大きめの胸と桃尻持ち
自身が生き延びる事を最優先し、そのためならあらゆる手段を用いて生き延びようとする。身体売りに抵抗がなく恋愛嗜好はバイ
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/14(水) 00:44:12.12 ID:jIdMBBrXo
大下 ロル(おおした ろる)
11歳
赤髪ショートで赤眼
胸も尻も小ぶり、ただし太ももが太い
ドSレズ。性に奔放。反抗してくるのを腕っぷし(脚)で抑え込んで犯すのが大好きで、相手が心折れると途端に興味が薄れる
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/14(水) 02:12:27.70 ID:avgO6PbOO
【名前】紫藤 重音(しどう かさね)
【年齢】10
【特技】 速く本を読めるよ!
【好きな食べ物】クレープ
【好きな教科】国語
【好きな本】小説
【好きな人のタイプ】 物静かで落ち着いた包容力がある人。一般的な種つけおじさんは眼中にない。
【最後に一言!】
興味があるなら良い本教えるよ。

【性格】生意気で小悪魔気取りな所謂「メスガキ」。
【容姿】。
ツインテールにした茶髪。小麦色に日焼けした肌。
つり目がちな目付きや八重歯、イタズラっぽさや生意気さを感じさせる顔つきなど。あどけない顔とは裏腹に大人に負けないたわわなロリ巨乳と安産型の美尻などエロい体つき。パイパン。処女。
【ギフト】
解読:
触れただけで生き物や無機物の状態・記憶を読み取る。
生き物ならどこが健康でどこが病気かが分かり、無機物なら各パーツの消耗具合が分かる。またサイコメトリー的な能力も備えている。
本なら書いてある内容がすぐに分かるため解読と名付けられた。
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/14(水) 02:19:56.61 ID:avgO6PbOO
ギフトは設定済みだったので無効にしてください
安価下
430 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/14(水) 06:31:02.39 ID:4jF4G959o
komma
431 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/14(水) 20:45:40.30 ID:4jF4G959o
「…4人。構成員のほぼ全員と予想されます」

崩礼「それは、増援は俺たちだけで足りるのか」

「一先ず、首相官邸の襲撃だけでも防げれば、ということらしいです。倒すか、捕まえるのは二の次で、とりあえず追い払えれば良いらしいです」

真姫「で、できるかなぁ…」

「遭遇しても、無理に交戦はせず、拠点に連絡してください。普通科から小隊を向かわせます」

「…他に、何か質問はありますか?」



安価下 21:30まで 作戦について質問
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/14(水) 20:54:50.88 ID:jIdMBBrXo
会敵時具体的にどのくらい時間稼げばいい?
433 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/14(水) 22:04:39.05 ID:4jF4G959o
葵「連絡したら、何分ぐらいで来る?」

「場所によりますが…地下道の広さから考えて、一番遠くて10分くらい」

葵「そう」クルクルクル…

 葵は、片方のコルトSAAを抜くと、くるくる回した。

葵「…それまでに倒す」ジャキッ



 ハンバーガー屋は、見るも無惨に荒らされていた。店内には即席の拠点が築かれていて、富士陸将や工作科1班長にして工作科長の、都築ねね一等陸佐が話し合っていた。

崩礼「工作8班、現着した」ザッザッザッ

葵「酷い…」キョロキョロ

幸実「崩礼ちゃんたち、おつかれ〜」フリフリ

ねね「おそーい! もう硝子川ちゃんたち、マンホール潜って行っちゃったよ」

「地下の図面です」

 工作1班の1人が、テーブルに地下道の地図を広げた。無数に伸びた地下道の、一方向を赤ペンで囲む。

「こちら側に進むと、首相官邸方面へ出ます。2班は、そちらを中心に展開しています」

崩礼「道がかなり絡み合ってるな。1方向を封鎖しただけじゃ、脇道を通って逃げられそうだ」

ねね「そうなんだよね。歩兵も展開してるけど、数に限りがあるし、相手はとっても強いから、できるだけ大人数で囲みたいしー」

幸実「だから、2班や8班の子たちに見つけてもらって、効率よく攻撃したいのよね〜」

崩礼「…」

 崩礼は、8班のメンバーを振り返って言った。

崩礼「班を2人と3人に分けよう。腕っぷしに自信がある奴と、逃げ足が早い奴だ」

由依「腕っぷし…?」キョロキョロ

 由依が、きょとんと葵たちを見回す。正直、葵以外は戦闘よりも、逃げたり足止めをする方が得意だ。

崩礼「…分かったよ。俺と葵が戦闘要員。他は普通科との連絡要員だ。葵、誰を連れて行く?」

葵「真姫」

真姫「ふぇ!?」ビクッ

 ノータイムで指名され、真姫が竦み上がった。

葵「テロリスト対策に、コトブキ博士から『これ』を貰った」ガチャッ ドスン

 葵は、背中に背負った巨大なリボルバー拳銃を引き抜き、テーブルの上に置いた。

ねね「あの裏切り女と話してると思ったら、こんなの貰ったの…!?」
434 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/14(水) 22:41:35.28 ID:4jF4G959o
葵「毒島ユカリの所持しているのと、ほぼ同型。当たったら、幼女でも死ぬ」

初「ひぃっ…」ブルッ

葵「真姫なら、銃弾を『透過』できる。気をつけるけど、もしもの時は透過して避けて」

真姫「が、頑張るね…」



 マンホールを潜り、地下道へとやって来た。降りたところは少し広い空間になっていて、既に中隊相当の歩兵が待機していた。
 その中には、佐山桜の姿もあった。

桜「! 篠崎葵…陸曹長」

葵「久しぶり」

桜「ああ、久しぶり…っ、今は作戦中だ」

 相変わらず、仕事中は硬い顔をしている。崩礼が歩兵を見渡して、それから葵の肩を叩いた。

崩礼「油断するなよ。借りを返したいのは分かるが」

葵「…」

崩礼「これだけの兵が待機してんだ。頼れ」

葵「…分かってる」

真姫「葵ちゃん、行こ…」



安価下コンマ
01〜05 金属バット
06〜15 予感
16〜40 跳躍
41〜80 ユカリ
81〜00 2班からの救援要請
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/14(水) 23:02:56.41 ID:8FxKn6X60
436 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/14(水) 23:06:02.32 ID:4jF4G959o
ねる
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/14(水) 23:17:18.80 ID:fK2lyKafO
おつ
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/14(水) 23:20:45.52 ID:jIdMBBrXo
おつー
439 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/15(木) 21:06:37.29 ID:nd0CQcToo


葵「…」ソロ ソロ ソロリ

真姫「…」キョロキョロ

 遠くから、他の兵士の声が反響して聞こえてくる。トレイターは、そういった声からを遠ざけるように動いているはず…
 と思いきや、突然向こうの方から聞き覚えのある声が響いてきた。



「逃げてェ、逃げてェ、雑魚から逃げてェ…」



葵「!!」

真姫「!?」

 声の方へ駆け出す葵。



「つまんなァ…あっ!!」



葵「…見つけた」ジャキッ

 葵は銃を抜くと、真姫に言った。

葵「すぐに戻って、応援を連れてきて」

真姫「わ、分かった…!」ダッ



ユカリ「逃さないよォ!」ジャキッ

葵「!!」ジャキッ ズガァァンッ

ガァァンッ

 ユカリが巨大リボルバーを抜くのを見て、葵は瞬時に『ティルフィング』を抜き、放った。2発の超極大マグナム弾が、空中で衝突し、無数の金属片が当たりに飛び散った。

葵「いっ、た…!?」ズキンッ

ユカリ「アハッ、お揃いじゃーん! …丁度良かった。雑魚からは逃げなきゃだけどォ…」ガキン

 勢い良く右手を振るい、特殊警棒を伸ばす。

ユカリ「___流石のアタシも、『ツイン・ギフト』からは逃げられないよねェ!」ダッ

葵「! っ」ガキッ

 振り下ろされた警棒を、咄嗟にティルフィングの銃身で受け止める。凄まじい反動に、右手が痺れてしまった。
 繰り出される警棒を、どうにか銃身で防いでいると、ユカリが言った。

ユカリ「ねェ、あのドリルの子は?」ガンッ ガキンッ

葵「ら、ラセン隊長が、出るまでもない…!」ギンッ カンッ



安価下コンマ
01〜05 痛恨の一撃
06〜40 不利
41〜60 拮抗
61〜90 優勢
91〜99 倒してしまっても
   00 蜘蛛
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/15(木) 21:20:17.08 ID:3d7rl7/To
441 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/15(木) 22:16:33.02 ID:nd0CQcToo
ユカリ「ふんっ!」ガンッ

葵「ぐぅっ」ズキッ

 交差した銃身で警棒を受け止めた瞬間、手に痛みが走った。更に、がら空きの胴体に蹴りを入れられ、葵は地面に転がった。

ユカリ「…何だ、つまんなァい」ジャキッ

葵「っ!」ゴロン

ユカリ「」ガァァン ガァァン

葵「っ! くっ!」ダッ シュバッ

 葵が一撃で片手をやられる程の反動を持つ銃を、平気で連射するユカリ。それを間一髪で躱すと、ユカリはブルゾンのポケットから銃弾を取り出して、呑気にリロードを始めた。

ユカリ「リロードが息をする〜…」カチャリ カチャリ

葵「…」

 ティルフィングの装弾数は4発。だが、ユカリの銃はそれすら下回る、3発のようだ。

葵「…舐めるな!」チャッ バンッ

ユカリ「!」バッ

ガチャンッ

 葵は寝転がったまま、コルトSAAでユカリの手から銃を撃ち落とした。ユカリが、落とした銃を拾おうとしたその時、向こうから無数の足音が近づいてきた。



真姫「こっち、こっち!」ザッザッザッ

桜「! いたぞ! 左右に展開しろ!」



ユカリ「あー…」



安価下コンマ 70以上で捕縛
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/15(木) 22:28:13.25 ID:prUOY5T80
えい
443 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/15(木) 22:31:47.89 ID:nd0CQcToo
ねる
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/15(木) 22:40:32.36 ID:XPxTZSGOO
おつ
445 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/15(木) 22:57:36.48 ID:nd0CQcToo
テンポ良くしたいなぁ。何か良い案ないですか
訓練パートはバッサリ切るとか
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/16(金) 00:44:45.60 ID:7i7AMtzzo
えっちパート欲しいけど自衛隊メンバーはそんな雰囲気じゃないのでトレイターのえっちパート欲しい(強欲)
おつ
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 13:11:46.50 ID:RzutfKnCo
訓練は省略しても良さそう
448 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/17(土) 19:38:08.12 ID:Np2AsPXWo
桜「撃て、撃てー!」

 桜の号令に、展開した兵士たちがユカリに向かって一斉にアサルトライフルを発射した。桜は葵のもとへ駆け寄り、助け起こした。

桜「大丈夫か」

葵「だ、大丈夫…っ!」ズキッ

桜「右手が腫れているぞ。折れているかも」

葵「撃てたから、折れてない…多分」

桜「アドレナリンが出て、紛れているだけかもしれん。とにかく下がれ、後は任せろ」

 そう言うと桜は立ち上がり、声を張り上げた。

桜「撃ち方、やめ! 追え!」

 既にユカリは、弾幕を潜って狭い横穴に逃げ込んでいた。桜はトランシーバーで指示を出すと、数人の兵と共に横穴へ潜っていった。
 代わりに、1人の兵が近づいてきて、葵に肩を貸した。

「拠点まで案内します」

葵「うん。…あ、待って」

 葵は制止すると、先程までユカリの立っていた、弾痕だらけの地面から、重い金属塊を拾い上げた。ユカリの手から撃ち落とした、リボルバー銃だ。

葵「…行こう」

「了解」



安価下コンマ 80以上で1人捕縛
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 20:03:20.37 ID:TCyToQZGo
450 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/17(土) 21:28:18.37 ID:Np2AsPXWo


???「あー、これは折れてる」グイ

葵「い゛ったい!」ビクッ

 衛生科の幼女に、腫れ上がった右手首をつままれ、葵は呻いた。

ねね「あーあ…どのくらいかかりそう? 『ウメ子』ちゃん」

 ねねの問に、その幼女…北里 ウメ子(きたざと うめこ)医官は軽い口調で言った。

ウメ子「なぁに、折れてると言ってもちょいとヒビが入った程度さ。2週間シーネ固定で安静にして、それから1ヶ月くらいリハビリすれば治る」

葵「1ヶ月も!?」

 葵の顔から血の気が引いた。その間は、戦闘はおろか訓練もできないと言うことか。
 ウメ子が、添え木を当てて包帯を巻き始めると、ねねはベッドから離れていった。拠点の向こう側にいるのは、幸実たちだ。崩礼や、透の姿もある。

ねね「…で、結局全員逃げられたって?」

崩礼「…」コクン

透「散開はしていますが、おそらく首相官邸付近で合流するものと」

ねね「なぁーにやってんのよ!」ビシッ

崩礼「…面目ない」

 珍しく、崩礼が沈んだ声で詫びた。

幸実「甘く見てたねぇ〜…」

 不意に、今まで黙り込んでいた幸実が、口を開いた。

幸実「今まで、トレイターのテロ行為や、その被害ばっかり見てたけど…いざ、相対したら、思ったよりも個々が強かったねぇ」

崩礼「45口径をガンガンぶっ放す篠崎でさえ、一発で腕が折れるくらい反動がヤバい銃を、毒島は余裕で連射してたんでしょう? 兵一人でどうにかできる域を超えてるでしょう」

幸実「かと言って、平地とか数で圧せるような戦場は、上手いこと避けてくるんだよねぇ〜…」

 幸実は、拳を握った。

幸実「…官邸に出たら、うちが出るよ」
451 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/17(土) 22:30:21.30 ID:Np2AsPXWo
ねね「か、閣下が出たら、めちゃめちゃになっちゃわない? 官邸が」

透「確かに毒島は強敵ですが、少なくとも鉄山7班長なら互角に戦えます。まだ、閣下が出るべきでは」

幸実「でも、それクラスが少なくとも4人だよ? 毒島のギフトは『繁殖』で、あんまり戦闘向きじゃないけど、戦闘特化のギフト持ちも混ざってるだろうし…」

崩礼「…確かに、出し惜しみしてる場合じゃ無いかもな」ボソッ

透「玉置班長…」

崩礼「篠崎が負傷した今、俺たち8班にまともな戦闘要員はいない。乙坂がギフトを使いこなせれば分からないが、それを待つ余裕は無い。穴掘りならできるが、市街戦は得意じゃない。悔しいが…もう、俺たちにできることは無さそうだ」

ねね「ぶっ飛ばすわよ!?」

 突然、ねねが怒鳴った。

ねね「もう、状況は総力戦よ。できることが無い、じゃなくて、こっちで見つけて勝手に押し付けるから! 手始めに、ここ撤収する時の片付けしといてね!」

崩礼「なっ!? それこそ1班の仕事だろ!」

ねね「ざーんねん、次の設営がある時は、撤収は他に任せて良いのよ! …で、トレイターは見つかったのかしら?」

透「まだです。ただ、襲撃に備えて、既に首相官邸の敷地内に基地設営の許可は取ってあります」

ねね「仕事が早い! じゃあ、さっさと移動するわよ!」







 首相官邸へ移動していく兵たちとは反対に、葵は基地に併設された病院へ運ばれた。そこで検査を受け、仮固定の添え木からしっかりしたギプスに替えられた。

温海「」キュ キュ キュ

温海「…はい、出来上がり♡」

 真っ白なギプスに、マジックでハートマークを描くと、温海は言った。葵は黙ったまま俯いている。

温海「利き手が使えなくて不便でしょう。入院中は、いつでも看護官を呼んでね♡」

葵「…」

 そのまま病室へ移った。白いベッドの上で一人になると、葵の目からぽろぽろと涙が溢れてきた。

葵「…っ…ひぐっ…」ポロポロ



安価下コンマ
01〜40 コトブキ
41〜90 コトブキ&お兄ちゃん
91〜00
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 23:01:53.97 ID:GF6bN/+B0
453 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/17(土) 23:07:13.87 ID:Np2AsPXWo
neru
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 23:56:28.96 ID:TCyToQZGo
おつ
ここでいいコンマか?
いい展開こいこい
455 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/18(日) 19:07:13.53 ID:ltxaWqj5o
葵「Zzz…」

ギィ…

ヒタ ヒタ ヒタ…



???「…」



 泣き疲れて眠る葵に、人型の影が差した。手に持つ懐中電灯の光が、葵の肌に反射して、銀色のショートヘアと褐色の肌、そして真っ赤な虹彩を照らした。

葵「…ん」モゾ

 不意に差し込んだ光に、葵が目を覚まし…弾かれたように起き上がった。リボルバーを出そうとして、右手がギプスに覆われていることを思い出し、左手で銃を握った。

葵「だ、誰!?」

 すると侵入者は、驚くほどあどけない顔で、葵を見て…それから名乗った。



リュイア「リュイア・トラメスロ。アオイを、迎えに来たよ」
456 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/18(日) 20:20:27.64 ID:ltxaWqj5o
葵「迎えに…? リュイアは、トレイターなの?」

リュイア「Si」コクン

葵「首相官邸に行ったんじゃないの…?」

リュイア「Aliceたちは、行った。リュイアは、ここに来た」

葵「…毒島ユカリも、あたしを誘ってた。何で? あたし…全然、強くないのに…」

リュイア「ギフトが、2つあるから」

葵「そんなの、何の役にも立たない!」

 葵は思わず叫んだ。

葵「皆…みんな、びっくりして、特別だって言って、期待してるって言って…でも、全然勝てない…強くなれない…」

リュイア「…」ジッ

 まくし立てる葵を、リュイアは赤い目でじっと見つめ…それから言った。

リュイア「そんなこと知らない。2つ持ってる、それが大事」

葵「は…?」

リュイア「アオイはギフト、『2つ』ある。…でも、『1つも持ってない』人、いる」

葵「1つも…?」

リュイア「その子が貰えなかったギフト、アオイが持ってる。だから、誘った」

葵「…」

 リュイアは、葵に手を差し伸べた。

リュイア「だから、来て」



安価下 21:00まで多数決 どうする?
@手を取る

A銃を向ける

Bその他要記述
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:26:31.98 ID:sziaQGPA0
2
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:29:23.08 ID:JMiWcN2/o
2
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:50:36.61 ID:EuWwOX3Lo
2
460 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/18(日) 21:07:00.13 ID:ltxaWqj5o
ねる
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 21:46:46.67 ID:EuWwOX3Lo
おつ

新キャラ昔選外だった子じゃん多分
サプライズ
462 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/20(火) 21:14:51.31 ID:Sv7UDUHFO
葵「…」スッ

 葵は、銃を持った左手を下ろし、ギプスに覆われた右手を上げ…壁際のナースコールを押した。

リュイア「!」

葵「」ジャキッ バンッ バンッ

 狼狽するリュイアに、葵は左手でリボルバーを連射した。



「5号室からナースコールが…」「銃声よ!?」「急げ!」



リュイア「っ…!」

 躱しきれず、腕に被弾したリュイア。血の滲む腕を押さえながら、逃げ出そうとしたところへ、看護官や巡回兵たちがなだれ込んできた。

「動くな!!」「何者?」「テロリストの仲間か!?」

葵「その子、トレイターの一味!」

リュイア「…Ah」

 自分を取り囲む、武装した兵たちに、リュイアは観念したように両手を挙げた。



紫苑「…では、トレイターの内の一人には、ギフトが『無い』と」

葵「そう、言ってました…」

 病室にて。ベッド際に腰掛けた紫苑に、葵が頷いた。

葵「…リュイアが、それじゃないんですか?」

 無抵抗に捕まった彼女の姿を思い浮かべながら、葵が尋ねた。思えば、戦闘能力の高いトレイターの一員なのに、不意打ちとは言え葵の銃撃をあっさり被弾したのも変だ。不利になるからぼかしただけで、ギフトが無いのは自分自身だったのではないのだろうか。
 ところが、紫苑は首を横に振った。

紫苑「いえ。リュイア・トラメスロと名乗る幼女は、幼女にしては極端に身体能力が低いですが…ギフトは所持していました」

葵「何を」

 すると、紫苑は険しい顔になって、低い声で答えた。

紫苑「…『反逆』」

葵「えっ?」
463 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/20(火) 21:42:40.65 ID:Sv7UDUHFO
 葵は耳を疑った。『反逆』を持っているのは、リーダーの東郷アリスなる幼女ではなかったのか?

紫苑「思えば…『反逆』は、総理の『君臨』や、わたしの『統率』といった能力を相手にしなければ、そもそも発動しません。東郷のギフトも、交戦した兵への自己申告であったようですし…」

葵「じゃあ、東郷は本当の『反逆』の持ち主を隠していた…?」

紫苑「リュイアの身体能力の低さを考えると、東郷らトレイターが秘匿したがるのも無理は無いでしょう。問題は、彼女が幼女から生まれた幼女でないこと…つまり、幼形成熟BOXを使って『反逆』のギフトを得ながら、今まで存在すら知られていなかったこと」

葵「…コトブキ博士が、隠してた?」

紫苑「…」

 険しい顔で黙り込む紫苑。明言はしないが、おそらく彼女もそう確信しているだろう…

紫苑「…いずれにせよ」スクッ

 紫苑は、努めて明るい声で言いながら立ち上がった。

紫苑「貴女の任務は、怪我を早く治すことです。戦闘は玉置班長たちに任せて、しっかりと休養してくださいね」

葵「あ、はい…」

紫苑「では」

 そう言うと、紫苑は病室を去っていった。
464 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/21(水) 22:16:19.12 ID:KDyz63yPO
新居にインターネッツが開通してないんです…スマホのテザリングで書いてます…



コトブキ「…」

 自衛隊基地の一室にて。パイプ椅子に腰掛けたコトブキは、居心地悪そうに部屋を見回した。
 その正面に立っているのは、紫苑。

コトブキ「…で、こんなところに呼び出して、一体何の用だね?」

紫苑「…」ジッ

 何も言わず、コトブキの顔を凝視する紫苑。その手には、既に鞘に収まった日本刀が握られている。部屋には、2人の他に誰もいない。他の幼女がこの部屋に放り込まれようものなら、紫苑の放つ殺気に、立ちどころに恐怖し失禁するだろう。

紫苑「…身に覚えは、ありませんか」

コトブキ「君がムキになるようなことをした記憶は無いね」

紫苑「そうですか」

 紫苑は短く応えると、鞘ごと刀をスカートに差した。それから、変わらない声色で言った。

紫苑「…『反逆』の持ち主を捕縛しました」

コトブキ「うん? 東郷アリスが捕まったのかい? それは何よりだ」

紫苑「リュイア・トラメスロという名前に聞き覚えは?」

コトブキ「…?」

 突然の質問に、コトブキは、怪訝な目で紫苑を見上げた。

コトブキ「幼形成熟BOXで、何人か外国人やハーフをネオテニーさせてきた記憶はあるが…そいつは何人だ?」

紫苑「イタリア人です」

コトブキ「ふぅむ…記憶に無いね」

紫苑「」ブンッ

コトブキ「!? …おわっ!」ガタッ

 突然、紫苑が刀を抜き打った。と思うや、パイプ椅子の足が斜めに切り裂かれ、コトブキは床に転がり落ちた。

コトブキ「なっ、何をするんだね!?」
465 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/21(水) 22:35:29.62 ID:KDyz63yPO
紫苑「次。東郷アリスの本名と、所持するギフトは?」

コトブキ「ほ、本名なんて知るものか。それにギフトは『反逆』…」

紫苑「」ブンッ

コトブキ「ひっ!?」ガキンッ

 コトブキの顔のすぐ横で、パイプ椅子の背もたれが真っ二つに割れた。

紫苑「次。…ギフトを『1つも持たない』幼女が生まれる可能性は?」

コトブキ「ギフトを、持たない…?」

 コトブキは、ゆっくりと立ち上がった。顎に手を当て、考える。

コトブキ「…篠崎葵のように、ギフトを2つ持つ状況は是非とも再現したいが、その逆など、無益過ぎて考えたことも…いや」

 何かを思いついたのか、はっと顔を上げる。

コトブキ「幼形成熟BOXを発明して間もない頃、一度だけ思い浮かんだことがある…馬鹿げた結果しか導けず、計算だけで実証すらしなかったが」

紫苑「…続けて」

コトブキ「幼形成熟BOXに『2人入ったら』どうなるか、だよ。融通を効かせて、ギフトを2人分用意してくれるのか、それとも1つしか用意せず、1人あぶれるのか…」

紫苑「結果は?」

コトブキ「簡単な2×2さ。ギフトを貰える、貰えない。身体能力が上がる、上がらない。それぞれの組み合わせで、合計4パターン」

紫苑「! …では、過去にそのようなことが行われたか、調べることは可能ですか」

コトブキ「BOXのログを辿ればできるだろうが…」

紫苑「ではお願いします。今から、すぐに」ジャキッ

 刀を突きつけながら、紫苑が凄む。

コトブキ「わ、分かった分かった。分かったから、その刀を下ろすんだ。いいね? …」
466 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/23(金) 12:31:51.93 ID:mSN/7EbKo


葵「…」

 ベッドの上で、葵はじっと黙り込んでいた。もう明るいが、外は静かだ。半分以上の兵が、首相官邸周囲に出て行ったからだ。あの辺りは厳戒態勢が敷かれていて、一般人は近づくこともできない。
 看護官からは、療養中も右手以外は積極的に動かすように言われている。有り余る時間を、どう過ごしたものか…



安価下 どうする?
@外出

Aジムでトレーニング

B寝る

Cその他要記述
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 13:24:20.57 ID:3DEJ7lVxo
1
468 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/23(金) 22:56:25.62 ID:mSN/7EbKo


「定刻までには帰ってきてくださいねー」

葵「ん…」

葵「…」キョロキョロ

 通りに出て、辺りを見回す。基地の静寂が嘘のように、街は活気に満ちている。近くで戦闘があったのに、今は元通りに幼女たちが駆け回っている。



安価下 どうする?
@車屋さん

Aペットショップ

Bおもちゃ屋さん

C繁華街をぶらぶらする

Dその他要記述
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 23:11:14.35 ID:Kbi5UqMn0
4
470 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/23(金) 23:21:12.09 ID:mSN/7EbKo


ワイワイ ガヤガヤ

葵「…」キョロキョロ

 おもてストリートとは反対側の、繁華街にやって来た。荒らされたハンバーガー屋は心配だが、その方面はまだ封鎖されている。
 ジュースを持った幼女や、種付けおじさんを連れた幼女たちとすれ違う。片腕にギプスを付けた葵は、幾分場違いに見えたが、それを気に留める者も無い。

葵「…」

 ごった返す人混みの中で、葵は黙って立ち尽くした。



安価下
01〜05 爆発
06〜30 茶髪ツインテ
31〜60 朱音&未汐&お兄ちゃん
61〜90 未汐&お兄ちゃん
91〜00 お兄ちゃん
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 23:51:07.69 ID:9xb9GzjBo
472 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/24(土) 00:19:55.29 ID:bu/Idrhso


葵「…!」

 人混みの中に、知った顔を見つけて、葵は思わず駆け寄った。

葵「未汐…お兄ちゃん!」ダッ



未汐「! 葵ちゃん」

お兄ちゃん「葵ちゃん? …! その手」

葵「無事だったんだ、良かった…」

 駆け寄ってきた葵の右手に気付いて、お兄ちゃんが息を呑んだ。葵は、未汐とお兄ちゃんを交互に見て、言った。

葵「トレイターに、襲われたって聞いて…未汐と、一緒に逃げたって聞いてたけど」

未汐「うん。今は官邸の方が狙われてるから、わたしたちは外に出てるの」

お兄ちゃん「ねえ、その手は…?」

葵「…」

 葵は、唇を噛んだ。

葵「…この前の銃撃ったら、腕が折れた」

お兄ちゃん「折れた!? …そ、そんな…俺が、あんなものを渡したせいで」

葵「違う。あたしが、弱かったから…」

未汐「…それで、葵ちゃんは作戦に参加してないんだ」

葵「」コクン

 すると、未汐は目を細めた。

未汐「…ねえ、これからお昼なんだけど、一緒に行こう?」

 そう言うと未汐は、返事を待たず葵の腕を取り、歩き出した。



安価下1〜3でコンマ最大 食事中の話題、行動など
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 15:03:03.69 ID:ysmyw4DEo
葵とお兄ちゃんの仲を取り持つように誘導する未汐、見本のように自分も少し甘えてみせたりとか


設定と矛盾しない範囲がわからないのがちょっと難しいかも
474 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/25(日) 17:34:59.23 ID:oTg5Ggbho


未汐「いただきます」

葵「いただきます…」

お兄ちゃん「い、いただきます」

 運ばれてきた、3人分のお子様ランチに手を合わせる一行。ハンバーグにナイフを入れながら、未汐は尋ねた。

未汐「ティルフィングを撃ったってことは、葵ちゃんもトレイターと交戦したの?」

葵「うん。毒島ユカリと…」

 カトラリーに手も付けず、葵は頷いた。お兄ちゃんは未汐の隣で遠慮がちに、旗の立ったオムライスにスプーンを入れた。

未汐「もしかして、またトレイターに誘われたの?」

葵「…」コクン

お兄ちゃん「!? は、入っちゃ駄目だよ!?」

未汐「大丈夫、葵ちゃんは裏切らないよ。…ね?」

葵「うん…入院した後にも別のメンバーに誘われたけど、断った」

未汐「別のメンバー…? もしかして、東郷」

葵「ううん。リュイア・トラメスロっていう、イタリア人の娘」

未汐「リュイア・トラメスロ…」

葵「『反逆』のギフトは、東郷アリスじゃなくてその娘が持ってた。そして、トレイターがあたしを仲間に入れたがるのは、トレイターにはギフトを1つも持ってない娘がいて、その娘が貰うはずだったギフトまで、あたしが貰っちゃったからなんだって」

未汐「…」

 突然の告白に、未汐は絶句した。お兄ちゃんも、スプーンを持つ手が止まる。
 やがて、未汐は絞り出すように尋ねた。

未汐「…そ、れ…葵ちゃん以外にも、誰か知ってるの?」

葵「幕僚長には話したから…陸自の人たちには、伝わってると思う。首相官邸の基地にいる幸実陸将や、ねね科長にも」

未汐「リュイアって娘は、今?」

葵「基地に捕まってる」

未汐「…そ、そう」

 未汐は、少し安堵したように息を吐いた。それから、切り分けたきり放置されていたハンバーグを口に運んだ。葵も、ようやくスプーンを手に取り、コーンスープを一口含んだ。

お兄ちゃん「…俺、あんまり詳しくないけど…トレイターのリーダーが反逆のギフトを持ってないのなら、朱音ちゃんも一緒に戦えるんじゃないかな?」

未汐「そうだね。あんまり危ない目には遭わせたくないけど…」

 隣同士、身を寄せ合って話し合う2人。仲睦まじいその様子を、葵は複雑そうな目で見ている。
475 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/25(日) 20:52:13.69 ID:oTg5Ggbho
未汐「…」

 そんな葵の表情に気付いてか否か、未汐は不意に言った。

未汐「葵ちゃん、右利きだっけ。怪我して、大変でしょ」

葵「うん…一応、指と肩は動くから、スプーンならなんとか」

未汐「食べさせてあげるね。お兄ちゃんが」

お兄ちゃん「!?」

葵「!? …///」ドキッ

 未汐はしたり顔で、お兄ちゃんの肩を叩いた。

未汐「ほら、葵ちゃんは腕を怪我して、自分でご飯も食べられないんだから。まずはエビフライ」

お兄ちゃん「う、うん…」ザクッ

未汐「じゃあ、葵ちゃんに。あーん」

お兄ちゃん「あ、あーん…」スッ

葵「あっ…あー…///」パクッ

 どぎまぎしながらエビフライを頬張ると、未汐がすかさず

未汐「片手しか使えないんだから、ハンバーグも切ってあげなきゃ」

お兄ちゃん「じゃあ、ちょっと小さめに…」ギコギコ

葵「んぐ…あ、あー…///」

お兄ちゃん「はい」スッ

葵「///」パクッ

未汐「」ニヨニヨ



 時間をかけて、お子様ランチを完食する頃には、葵とお兄ちゃんの距離も幾分縮まったように思えた。
 葵は、ふと思い出して尋ねた。

葵「お兄ちゃん…ハンバーガー屋さんで襲われたんだよね。トレイターは、お兄ちゃんのことを知ってたの?」

お兄ちゃん「みたいだった。もちろん、俺は何も覚えてないんだけど…」

葵「4人で襲ってきたの?」

お兄ちゃん「うん」コクン

未汐「毒島ユカリ、リーダーの東郷アリス…それから、残りの2人については、特徴を話してさっきコトブキ博士に調べてもらったんだけど…」

 未汐が、声を潜める。

未汐「まず、桜木 春華(さくらぎ はるか)。ギフトは『予感』。2つのギフトを持つ葵ちゃんのことを察知したのは、多分この子の能力」

未汐「それから大下 ロル(おおした ろる)。ギフトは『飛蝗(ばった)』。毒島ユカリに並ぶトレイターの戦闘要員で、唯一、格闘戦向きのギフトの持ち主」

葵「格闘戦向き…って、エリーは!? 店長は…」

未汐「落ち着いて。トレイターはお店に押し入ってから、近くのテーブルを破壊しながら真っ直ぐわたしたちの方へ向かっていったの。その間にお客さんや店員さんは皆逃げたよ」

葵「そう…良かった」ホッ
476 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/25(日) 20:58:54.64 ID:oTg5Ggbho


 それからしばらく、他愛もない話をしてから、葵は2人と別れた。
 別れ際、未汐が葵に声をかけた。

未汐「もし、『こっち』に来たくなったら、いつでも言ってね。わたしも朱音ちゃんも、待ってるから」

葵「…うん」

未汐「じゃあ、またね」

お兄ちゃん「ばいばい」

葵「うん。2人とも、気をつけて…」

 人混みに消えていく2人の背中を見送ると、葵は基地に戻っていった。

477 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/25(日) 22:45:27.18 ID:oTg5Ggbho


「失礼します」



幸実「いいよ〜」

バサッ

「閣下、『例のもの』をお持ちしました」

 官邸前の敷地に建てられたテントの中に、それぞれ大きな箱を抱えた兵士が、ぞろぞろと入ってきた。彼女らは、幸実の前のテーブルに箱を積み上げると、蓋を開けた。

幸実「これ、これ…これがないとね〜…」ジュルリ

 目をギラつかせ、舌舐めずりする幸実。彼女の目の前に積み上げられた、箱の中には…大量のドーナツが、ぎっしりと詰め込まれていた。

幸実「トレイターは出た?」

「いえ、まだそのような報告は」

幸実「じゃ、あと3…や、5セット追加ね〜」

「了解!」

 兵士たちが出ていくと、幸実はシロップの掛かったドーナツを手に取り、頬張った。咀嚼しながら、もう片方の手にチョコレートのドーナツ。1個目を飲み込むと、2個目を齧りながら、今度はきな粉のまぶされたドーナツ…山盛りのドーナツが、瞬く間に無くなっていく。

ねね「…」

 糖蜜の匂いが充満する中、凄まじい勢いでドーナツを貪る幸実を見ながら、ねねは顔をしかめた。

ねね「ひ、久しぶりに見ると、やっぱ強烈よね…お腹がむかむかしてきた」

透「仕方ないでしょう。閣下自ら出られるとなると、この工程は避けられません」

ねね「もうちょっと、効率的な補給方法はないの?」

幸実「だってぇ…はぐっ、もごっ…ほきゅうぐらい、たのひくないほね〜…んぐっ、あぐっ…」モグモグ

 そこへ、崩礼が入ってきた。

崩礼「失礼しま…うおっ」ビクッ

幸実「んっ、きにひないれ〜…はむっ、もぐっ」

ねね「だそうよ。で、要件は?」

崩礼「! …敷地内の点検と、塹壕の掘削が完了した。今のところ、妙な侵入経路などは作られていないようです」

ねね「そう、ちゃんと要望通りにしてくれた?」

崩礼「ああ。ちゃんと迎撃用ではなく、『退避用』に設計した」

幸実「ありがとね〜あむっ」



安価下コンマ 80以上で…
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 22:53:03.42 ID:w148ESS4o
479 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/25(日) 23:02:21.08 ID:oTg5Ggbho
ねる
480 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/26(月) 21:28:42.63 ID:/2szQwD+o
ねね「…そう言えば、篠崎ちゃんはどうしてるの?」

崩礼「篠崎なら、今頃病院で…」



葵「…ごちそうさま」カチャ

 左手でどうにか食事を終えると、葵はベッドの上に寝転がった。それから、昼間にお兄ちゃんに食べさせてもらったエビフライの味を思い出し、密かに顔を赤くした。

葵「…///」

 男の人の好みなんて、生まれて一度も考えたことは無かった。父親のように甘えられる人と答えたのは、単に葵がお父さんっ子だったから。そして、お兄ちゃんは、お世辞にも頼り甲斐のあるとは言い難い。しかし、彼のことを思い出すと、今まで感じたことの無い感情が湧いてくる。未汐とおしゃべりしている時や、崩礼をあしらっている時、あるいは、ラセン隊長に抱きついた時、その、どれとも違う…

葵「…ん」モゾ

 葵はベッドの上でうつ伏せに寝返った。

葵「ん…んっ…///」モゾ モゾ ギュッ

 無意識に、腿を擦り合わせ、腰のあたりをベッドに押し付ける。じわじわとお腹の下が熱くなり、頭がふわふわしてきた。

葵「んっ…ぁ、ん…っ///」スリッ ギュ ズリュッ



安価下コンマ
01〜20 窓ガラス
21〜30 検温
31〜60 このまま…
61〜90 手で…
91〜00 誰か来た
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 21:30:06.52 ID:7SEXd+7zo
はい
482 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/26(月) 21:52:09.68 ID:/2szQwD+o
葵「ん…ん、ぅ、はぁっ…///」ズリッ グニッグニッ

 腰のあたりをベッドに押し付けると、何だか気持ちいい。身体が勝手に動く。

葵「はぁっ、あっ/// …ん…ふぅ…んぅっ♡」グイッ ググッ

 下腹を強く押し付けると、おしっこを我慢しているような気持ち。でも、お股がじんじんして、気持ちいい…

葵「はぁ、はぁっ、ん、んっ…おにいちゃん…♡」グリィッ

 お股をマットレスにぎゅっと押し当てる。何だか分からないけど、口が勝手に、お兄ちゃんのことを呼ぶ。

葵「おに、ちゃん、んっ♡ おにいちゃっ、おにいちゃんっ♡」ググッ ズリ ズリッ

 とうとう、カエルのように脚を広げて、パジャマ越しにずりずりとお股をベッドに擦りつけた。支給品のパンツが、じわりと温かくなっていく…

葵「はっ、はっ、おにいちゃんっ、はぁっ、おにいちゃんっ、あ、あっ…んっっっ……♡♡♡」ギュゥゥゥッ

 ベッドにぎゅっとお股を押し付けながら、葵の頭が白く弾けた。腰の辺りが、びくんびくんと震え…突然、お股の中がぞわっとした。
 と思うや、パンツの中が、さあっと熱く濡れてきた。

葵「…っ!? や、やだっ」ジョワッ ジョーッ ショロッ

葵「…〜〜〜///」シャァァァァ…



「おトイレに行きたいと思ったら、いつでも行って良いですからね? 足は怪我してないんだから」

葵「ごめんなさい…///」ビショビショ

「もし困ったことがあったら、いつでも呼んでくださいね。我慢できなかったら、そこに尿瓶もあるから」

葵「はい…」

「じゃあ、着替えますからね…」



安価下1〜3でコンマ最大
@普通に着替え

Aまだ出そう(尿瓶に)

Bまだ出そう(このまま)

Cあやしい手付き

Dその他要記述
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 22:49:43.21 ID:Mk6th0Ipo
2
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 23:10:40.34 ID:dHRdruc10
2
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:55:42.57 ID:GOUqTxKaO
4
486 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/27(火) 13:19:58.59 ID:CVkWHnaqo
 看護官は、びしょ濡れの葵のパジャマに手をかけた。

葵「じ、自分でできる…」

「だーめ」グイッ

葵「やっ///」ズルッ

 ズボンとパンツを一緒に下ろされ、小さな割れ目が露わになった。濡れたお股にタオルを当てられて、葵は身震いした。

葵「んぁ…っ///」ブルッ

「まだ出そう?」スリッ

葵「んっ、ん…///」コク

 タオルでさり気なく割れ目を撫でられ、葵は小さく頷いた。すると看護官は、ベッドの上に身を乗り出すと、葵の耳元で囁いた。

「じゃあ、このまま出しちゃいましょう…♡」

葵「!? や、やだっ」

「大丈夫、シーツも全部交換するから。ちょっとくらい汚しても、変わりませんよ…♡」スリッ スリッ

「ほら、ここをすりすりして…気持ちよくなっちゃったんでしょう…♡」スリスリッ クリッ

葵「ひゃっ♡」ビクッ

 タオル越しに、割れ目のてっぺんをくすぐられ、葵は竦み上がった。ついさっき、夢中で腰を擦りつけた時の快感が蘇り、尿道がぞくぞくと震える。

「ほら、しーっ♡ しーっ♡ しーっ♡ …」

葵「あ…やぁ…///」プルッ ジワァ…

 白いタオルが、瞬く間に黄色く染まり、そのままシーツまで染み込んでいく。タオルが使い物にならなくなると、看護官は葵のお股から離した。

葵「あうぅ…///」チロチロチロ…

 つるつるの割れ目の間から、しょろしょろと黄色いおしっこが溢れ出るのを、間近に見つめながら、看護官は葵の頭を撫でた。

「しーっ♡ しーっ♡ えらいえらい…♡」

葵「はぁ…っ///」ショロロッ プルッ

 膀胱の中身を出し切ると、看護官は葵を立たせて、新しいタオルでおしっこまみれのお股や内腿を拭いた。

「おむつ、当てときます?」

葵「い、いいって///」

「じゃあ、パンツを穿いて待っててくださいね。シーツを交換しますから」

葵「うん…」

487 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/27(火) 13:29:58.54 ID:CVkWHnaqo


崩礼「…本当に、トレイターはここに現れるんです?」

幸実「地下道をこっち方面に進んで、まだ地上で目撃されてないから、地下に潜んでるのかもね〜…」

ねね「そんなことより」

 ねねは腕組しながら言った。

ねね「幕僚長からの通達よ。本当の『反逆』の持ち主を基地で捕らえた。東郷アリスのギフトは反逆ではないって…」

崩礼「ああ。しかも、懲りずにウチの篠崎を勧誘したらしいな。篠崎がなびかず、すぐに通報したから良かったが」

幸実「怪我して、心が弱ってる時を狙ったんでしょうね〜。そういうの、本当に良くないわね〜」

崩礼「だが、篠崎はその程度で折れる奴ではなかった。ということですな」

 崩礼は誇らしげに頷いた。

ねね「なら、そいつを取り戻すまで総理を狙うことは無い、ってこと?」

幸実「だとしても」

 幸実は、地下道の地図に目を向けた。

幸実「地下に潜ったまま、出口を塞がれているのは事実。いつか、痺れを切らして出てくると思うよ〜」

ねね「なら、それまで網を張って、気長に待つしか無いわね」ハァ



安価下コンマ 60以上で…
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 14:07:00.84 ID:3Jyiuqvc0
489 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/27(火) 23:42:04.29 ID:CVkWHnaqo
 しかし、その数分後、にわかにテントの周りが慌ただしくなった。垂れ幕をめくり、1人の兵士が駆け込んでくる。

「報告です! 正門前のマンホールから、トレイター4人が出現」

幸実「噂をすれば、だね〜」

ねね「玉置ちゃん、避難を手伝って! あたしは硝子川ちゃんに連絡する」

崩礼「了解!」

 ねねと崩礼がテントを飛び出す。幸実は1人、山積みのドーナツを両手に掴むと…そのまま、吸い込むように口に詰め込んだ。



春華「や、ヤバい、ヤバいって〜…」プルプル

ユカリ「ヤバいってことはァ…ひひ、楽しみ…!」

 震えるピンク髪の幼女の言葉に、ユカリは歯を剥き出す。その隣で、赤毛に赤い目の幼女は怪訝な目で辺りを見回している。

ロル「でもさぁ、こいつら一目散に逃げてくよ? ね、どう思うリーダー?」

 赤毛の幼女ロルは、一歩前を歩く、トレイターのリーダー…茶髪を短いツインテールに結い、派手なスカジャンを羽織った幼女に声をかけた。

アリス「…知るか。朱音…総理を引きずり出せれば、何でも良い」

ユカリ「総理が出てくるまでは、好きにして良いよねェ?」

アリス「…チッ 程々にな」

 4人の目の前で、兵士や官邸から出てきた幼女たちが、地面に掘られた溝の中へと逃げていく。溝を防衛線にしているわけでも無さそうで、幼女たちは溝を通ってまっすぐに官邸から離れていく。

アリス「…こいつも罠か」

春華「ひぇっ…や、やっぱり、リュイアが戻ってくるまで待った方が…」

ロル「戻らないって、あんたが一番分かってるでしょ。『予感』によると、リュイアは自衛隊に捕まったんでしょ?」

春華「う、うぅ…」

アリス「構わねえ。朱音以外はアタシがぶっ飛ばす。朱音とは、アタシが話す」

ユカリ「でも、話せない時は…!」

春華「うわーっ!?」ビクッ

ロル「…へえ」

 4人の目の前に、1つの人影が立ちはだかった。カーキの隊服に、分厚いお腹を窮屈そうに詰め込んだ、温厚そうな顔立ちの幼女。しかし、まんまるなその顔の奥で、両の目が底冷えするような光を放っていた。



幸実「…」

490 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 09:54:47.87 ID:R7fYoyH4o
アリス「…おいブタ。総理はどこだ」

 しかし、幸実は応えず、耳元のインカムに向かって呟いた。

幸実「退避、終わった? …うん、ありがとね〜」スッ ポイ

 インカムを投げ捨て、隊服の襟元を両手で握り…ようやく、トレイターの4人を見た。

幸実「…今なら、投降受け付けるよ?」

アリス「舐めやがって…」スッ

 アリスは、背中から何かを抜き取った。それは、ボロボロにひしゃげた、一本の金属バットであった。

アリス「死ねオラァっ!!」ダッ

 バットを振り上げ、飛びかかるアリス。幸実は、自分の隊服を両手で掴み…一気に、引き裂いた。
 次の瞬間、幸実の身体が、凄まじい勢いで膨張を始めた。



幸実「_____」ゴゴゴゴゴゴ…



アリス「オラッ!」ブンッ

 怯まず振り下ろしたバットが、虚しく弾き返される。

春華「う、うわーっ!?」ダッ

ロル「な、何だコイツ…!?」



幸実「…」ブンッ



アリス「ぐぁーっ!?」ビューン ドサッ

 首相官邸と同じくらいに巨大化した幸実が、爪先を軽く蹴り出す。それだけで、アリスの身体は門の向こうまで吹っ飛ばされた。
491 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 14:22:56.53 ID:R7fYoyH4o
幸実「…」ズシン ズシン ズシン…

 服はばらばらに破れ、素っ裸の幸実が、コンクリートを踏み砕きながら迫る。

春華「いやーっ! 許して、許して!」ドタドタ

ロル「こっの!」ダンッ

 ロルが、コンクリートを蹴って跳躍する。剥き出しの両脚が、棘の生えた外骨格に覆われると、その脚で回し蹴りを仕掛けた。

幸実「」パシ ブンッ

ロル「あ゛ーっ!?」ビュンッ

 しかし、空中でその脚を捕らえられ、起き上がろうとするアリスめがけてぶん投げられた。

アリス「っとお!」ガシッ

ロル「さ、サンキュ」

ユカリ「あ…アハッ、アハハッ…!」ガァァン ガァァン ガァァン

 引き攣った笑みを浮かべながら、予備の特大リボルバーを連射するユカリ。

幸実「…」バシッ バシッ

 命中した足や腹に血が滲む。幸実は立ち止まると、近くに生えていた植木を、雑草か何かのように指先で引っこ抜き…そのまま、ユカリめがけて投げつけた。

幸実「」ブンッ

ユカリ「ぐぇッ」ズシャ

幸実「」ダンッッッ

 突然、幸実がコンクリートを強く踏みつけ、飛び上がった。裸足の足裏が迫る先には…アリスとロル、そして逃げようとする春華!

春華「やだっ、やだやだやだーっ!」ジタバタ

アリス「クソがっ…よぉっっっ!!!」ブゥンッ

 アリスは悪態を吐きながら、迫りくる極大の足裏めがけて、金属バットをフルスイングした。



葵「…幸実陸将って、どのくらい強いの?」

ラセン「閣下か? それはもう、凄いぞ」

 日中、ジムでリハビリを兼ねてトレーニングをしていると、ちょうど非番のラセンと出くわして、一緒にトレーニングをすることになった。レッグプレスを補助してもらいながら、葵はふと尋ねたのであった。

ラセン「何しろ、ワタシが入隊した頃…まだ、藤島幕僚長が陸将だった頃は、閣下が幕僚長だったのだからな」

葵「閣下が幕僚長だったの…!?」
492 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 15:10:11.45 ID:R7fYoyH4o
ラセン「ああ。藤島幕僚長を見出し、育て上げたのは、閣下と言っても過言ではない」

葵「師匠だったんだ…?」

ラセン「うむ。幕僚長は、閣下の推薦によって今の地位になった。後になって知ったことだが…閣下は、自身の能力が『守る』ことに向いていないことを気にされていたらしい。幕僚長は、最後まで基地に残り、最終防衛ラインを守り抜く使命がある。敵も味方も、周りも何もかも破壊しかねない自身の能力は、自衛隊のトップには相応しくないと考えておられたようなのだ」

葵「じゃあ、そんな閣下のギフトって…」

 するとラセンは、窓の外に目をやって…呟くように言った。

ラセン「…『巨人』」

葵「大きくなるの?」

ラセン「そうだ。閣下は元々力も強いから、歩けば地面が抉れ、大木も片手で引き抜き、ビルも軽く握り潰せる。幕僚長とは別方向で、次元が違うのだ」

葵「じゃあ、何で今…」

ラセン「巨大になるのは、自分の肉体だけ、ということだ。食べたものや、蓄えたエネルギーは元の体のサイズのままだから、戦闘が長引けば、あっという間にエネルギー切れで倒れてしまうのだ」

葵「なるほど…それで」



ピッ ピッ ピッ…

幸実「…」

 ベッドの上に、病衣を着た幸実が横たわっている。ふっくらしていた顔や手足は、骨と皮ばかりに痩せ、両腕には点滴が繋がっている。

コンコン

紫苑「…失礼しますよ」ガチャ

幸実「…ああ、紫苑ちゃん」

 小さく顔を上げ、会釈する幸実。起き上がろうとするのを止め、紫苑はベッド脇の椅子に腰掛けた。

紫苑「体調はいかがですか」

幸実「良くはないよ。ギフトを使うと、いつもこう」

 苦笑いすると、不意に真顔になって尋ねた。

幸実「…4人は?」

紫苑「負傷はしていますが、命に別状はありません。最も、それが良い報せかと言えば…」

幸実「うん…まさかあの飛び蹴りを、バット1本で受け止めゃうなんてね…」

 幸実が、自身の右足に目を遣る。包帯に覆われたその足は、金属アームで宙吊りにされ、外固定用の太いピンが何本も突き出ていた。

幸実「東郷アリス…腕力だけなら、紫苑ちゃんより強いよ。どうやって確保してる?」

紫苑「物理的な拘束は不可能なので、わたしのギフトで動きを制限していましたが…先程、総理から面会希望の通達が来ると、嘘のように大人しくなりました。それで、わたしがここに来ることができたのです」

幸実「どうやら、一連のテロ行為も、総理を呼び出すためにやっていたフシがあるね〜…」
493 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 16:27:20.42 ID:R7fYoyH4o
紫苑「どんな理由があろうと…トレイターのやったことは、許されることではない」

幸実「そうだね〜。捕まえられて、本当に良かった」

紫苑「貴女のおかげですよ。何でも、望むごほうびをあげます」

幸実「そうね〜…うちは後で良いから、他の娘たちにもね」

紫苑「勿論です。今回、脱出経路の作成や避難誘導に尽力した、工作8班は、それぞれ1階級ずつ昇進。硝子川班長や、2班の数名も昇進としました」

幸実「葵ちゃんは、残念だったね〜…」

紫苑「仕方ありません。地下で、毒島ユカリを足止めしてはくれましたが、結果的には合流を許してしまいましたし。まあ、彼女ならまた、どこかで活躍してくれるでしょう」



ウメ子「うん、もう大体くっついてるね」ペラ

 レントゲン写真を見せながら、ウメ子が頷いた。

ウメ子「ギプスは外して、本格的なリハビリに入ろう。まずは、握力を取り戻すところからだね」

葵「また、戦えるようになる…?」

ウメ子「ああ、なるとも。…だが、少なくとも、あの…」

葵「ティルフィング?」

ウメ子「そう、その馬鹿みたいな銃を、素手で撃つのは禁止だよ。一度折れた骨は、くっついてもどうしても強度が下がるからね…」



 病室に戻ると、見知った顔がベッドの横に座って待っていた。

エリー「! 葵ちゃんっ!」バッ

葵「エリー! 店長…!」ギュ

 飛びついてきたエリーを抱き締めながら、傍らに座る店長に頭を下げた。

葵「2人とも、無事で良かった…」

エリー「葵ちゃんも! テロリストと戦って、怪我しちゃったって聞いて! 心配で心配で心配でー…」

 涙を流しながら、エリーが言う。

エリー「怪我は、どう?」

葵「もう、だいぶ治ったよ。後ちょっとリハビリすれば、元通り」

店長「それは良かったです…」ガサッ

 店長が、膝の上に置いていた紙袋を差し出した。

店長「はい、こちら差し入れです。新発売の『マグナム☆二刀流バーガー』」

葵「あ、ありがと…」ガサガサ

 受け取って中を覗くと、特大のパテに極太ソーセージが挟まったバーガーが、紙袋を突き破らんばかりのボリュームで詰まっている。

葵「…お店は、どうなってる?」

 ベッドに腰掛けながら、葵は尋ねた。

店長「あんなことになって、しばらく休業してましたが、先日トレイター全員が捕まったおかげで、ようやく再開できそうです」

葵「お店の修理、まだならあたしがやるよ」

店長「えっ、良いんですか?」

エリー「そうだ、葵ちゃんのギフトは『再現』っていって、何でも元通りにできちゃー!」

葵「そう。あたしも、早くお店が復活して欲しいから」

店長「では、その時は、お願いしますね」



安価下1〜3でコンマ最大 エリー、店長との話題、行動など
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 18:46:34.33 ID:sSPufhFo0
売上を取り戻す策としてセットメニューに特典景品(葵からの例はガッタイザー関連)の付与を提案してみる
495 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 21:09:09.10 ID:R7fYoyH4o
店長「でも…あんなことがあった後だから、しばらくお客さんは少なくなっちゃうかも知れませんね」

 店長が、さみしげに言った。

葵「…復活記念で、オマケを付けよう」

エリー「ラッキーセットのオマケなら、前もあったよー?」

葵「もっと豪華にして…ガッタイザーとか」

店長「ガッチャー覇はコラボしてみたけど、あんまりウケなかったですね…」

葵「えっ!? ガッタイザー…」

エリー「やっぱり、メイジーだよー! 皆見てるし、しょっちゅうテレビでやってるしー」

店長「私はあんまり見ないですけど…」

葵「そうそう。それならガッチャーロボの方が…」



エリー「またねー!」フリフリ

店長「お店の方にもいらしてくださいねー!」

葵「うん! 行くね」

 案内の兵に伴われて、2人が帰っていく。その背中が見えなくなると、葵は病室に戻った。右手のギプスは外れて、すっかり軽くなった。まだ少し力が入らないから、早くリハビリして戻さないと…



安価下コンマ
01〜50 特に何も起こらない
51〜70 お見舞い
71〜90 お見舞い×4
91〜00 リムジン
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 21:32:23.36 ID:pHfVFWhbo
497 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 21:37:43.75 ID:R7fYoyH4o


 翌朝。久しぶりに右手でお箸を使って朝食を摂ると、手が痛くなってしまった。ほんの2週間使わなかっただけで、左腕と比べて明らかに細くなった。

葵「どうしようかな…」



安価下 どうする?
@外出

Aジムでトレーニング

B寝る

Cその他要記述
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 22:38:53.76 ID:sSPufhFo0
2
499 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/29(木) 09:26:16.23 ID:w0hhYEFlo


葵「」ゴクッゴクッゴクッ

葵「…っは!」ゴトッ

 プロテインを一息に飲み干し、ずらりと並んだダンベルの前に立つ。一先ず、一番小さなダンベルを右手で握ると、恐る恐る持ち上げた。

葵「っ、しょっ…」ヒョイッ

 握力も随分衰えたが、このくらいなら難なく持てそうだ。いつものサイズのダンベルを左手に持つと、葵は仁王立ちになり、ダンベルホールドを始めた。



安価下コンマ
01〜30 痛た
31〜60 今日はこのくらい
61〜90 8班もトレーニング
91〜00 幕僚長だ
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 11:36:00.99 ID:RrRm3rR70
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 19:52:26.56 ID:qVABgXXqo
お!
502 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/29(木) 21:04:32.89 ID:w0hhYEFlo


 握力のトレーニングをしていると、にわかにジム内がざわついた。

「あっ、お疲れ様です!」「おはようございます!」「おい立てお前ら! …お疲れ様であります!」



紫苑「ごきげんよう、ごきげんよう。皆さんどうぞ続けて…おや」



 自身もトレーニングに来たのか、体操服を来た紫苑が、隅の方でダンベルを握る葵に気づいて、近付いてきた。

葵「あ…お、お疲れ様です」

紫苑「ごきげんよう。…右手のギプスが取れたのですね」

葵「はい。それで、リハビリに」グイッ

 右手でダンベルを上げて見せる。

紫苑「それは良いですね。では、失礼してストレッチを…」

 紫苑は、ダンベルコーナーの近くに敷いてあるマットを見つけると、ストレッチを始めた。背中を伸ばしながら、紫苑は何気なく言った。

紫苑「…記者会見も終わって、ようやく一段落です」

葵「そうですか…」

紫苑「やはり、東郷アリスは『反逆』の持ち主ではありませんでした。それどころか、彼女こそがギフトを1つも持たない幼女でした」

葵「!」

 葵の手が止まる。紫苑は足を伸ばして座り、上体を前に倒す。

紫苑「んんん…それから、『東郷アリス』はやはり偽名でした。本名は『八島 絵里』…例によって総理の関係者らしく、先日引き渡しました。他のメンバーは、まだ基地にいますよ」

葵「…はぁ」

 それを自分に言って、どういうつもりだろう。反応に困っている葵の前で、ストレッチを終えた紫苑は、ダンベルコーナーから当然のように一番大きいものを2つ手に取り、ダンベルカールを始めた。

紫苑「しょっ、よっ、よっ」グイッ グイッ グイッ
503 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/29(木) 22:04:41.31 ID:w0hhYEFlo
葵「…!?」

 一個70kgのダンベルを、軽々と上下する紫苑。普段は長袖の制服に隠れているが、彼女の腕は中々に太い。呆然と見ていると、紫苑は更にダンベルを持ったままスクワットを始めた。

紫苑「ふっ、ふっ、ふっ」グッ グッ グッ

葵「す、凄いですね…」

紫苑「時間とっ、情熱を、かければ…誰でも、できます、よっ」グッ グッ グッ

 葵は、右手のダンベルを恐る恐る上下に動かした。このくらいなら骨がまた折れる心配はないのだろうが、どうしても怖いものは怖い。

紫苑「いきなり、重量をかけるより、まずは自重で、始めてはいかが、ですか?」グッ グッ グッ

葵「でも、自重じゃ負荷にならないって崩礼隊長が」

紫苑「筋量は増えませんが、骨の回復を促すには丁度いい刺激になります」

葵「へえ…ば、幕僚長も、骨折したことが?」

紫苑「ええ、何度も」

 にこやかに頷く紫苑。きっと、何年もの間、壮絶な戦いや修羅場を切り抜けてきたのだろう…

葵「じゃあ…治ったら、またティルフィング…えっと、コトブキ博士から貰った銃、撃てるようになる…?」

紫苑「ええ、なりますよ。…その、ティル…フィング? というのは、確か毒島ユカリの銃を参考に作られたとか」

葵「はい。毒島は平気で連射してたけど、あたしは一発撃っただけで…」

 細くなった右腕を持ち上げて見せる。

紫苑「それはきっと、撃ち方の問題でしょう。銃は不得手ですが、リボルバー、それも特大のものとなると、独特の反動とその逃し方があるのだと思います」

 そう言うと紫苑は、おもむろにダンベルを戻し、葵に背を向けた。

紫苑「では、行きましょうか」

葵「えっ? 行くって、どこへ」

紫苑「決まっているでしょう。そんな珍しい銃を平気で撃てるのは、わたしや貴女の知る限り、1人だけ」

葵「…ま、まさか」

 紫苑は振り返り、悪戯っぽく微笑んだ。

紫苑「ティルなんとかの撃ち方、毒島ユカリに教わりに行きましょう」
504 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/29(木) 22:06:06.44 ID:w0hhYEFlo
ねます
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 22:47:26.18 ID:2ftnsS12o
おつー
506 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/01(金) 23:20:05.26 ID:hML4VydNo


朱音「…ねえ、何で…?」



アリス「…」ググッ



朱音「何で、またわたしをいじめるの? 『絵里』…」

 首相官邸。いつもの広い部屋で、朱音は問いかけた。その目の前には、トレイターの首魁、東郷アリス。彼女は床に片膝と両手を突き、歯を食いしばっていた。朱音の、ほぼ全力に近い『君臨』の力に、何のギフトも持たない彼女は、ただ筋力で抗っていた。

朱音「あの時…わたしに謝ったよね。ちゃんと仲直り、したよね? どうして…」

アリス「…から」



絵里「…『友達』、だから…止めに、来たんだ。こんな、こと…!!」



カツン カツン カツン

「ぐぅ…ん…はっ」パチ

「…うわーっ!? ばっ、幕僚長!? ごっ、ご苦労様であります!」バッ

紫苑「ご苦労」スタスタ

葵「どうも…」スタスタ

 うたた寝していた看守の前を素通りし、2人は廊下を奥へと進んだ。
 薄暗い廊下には、太い鉄格子の嵌った牢屋が、4つ並んでいた。その中に、それぞれトレイターのメンバーが1人ずつ閉じ込められていた。一番手前に見知らぬピンク髪、その次に毒島ユカリ、それからリュイア、そして一番奥に、これまた見知らぬ赤髪の幼女が入っている。

春華「ひっ、ま、また来た…!」ガタガタ

 ピンク髪の幼女が悲鳴を上げる。戦闘要員ではなさそうだから、これが桜木春華だろう。一番奥の赤髪が、大下ロルということだ。
 2番目の牢の前で立ち止まると、壁際で座り込んでいたユカリが顔を上げた。

ユカリ「…んァ?」

 ユカリの目が、紫苑の姿を捉えた瞬間、その身体が震え始めた。

ユカリ「な…何の用…?」ガタガタ

葵「え…?」

 見たことのない、ユカリの怯える姿に、葵は面食らった。紫苑は何でもない様子で、葵に囁いた。

紫苑「少し『尋問』しただけで、あんなに怖がることはないのに」

葵「…」

 紫苑の尋問がどのようなものか…『演算』でも予想できない。しかし、ただ1つ確かなのは…尋問を通して、ユカリは紫苑を『死合いを楽しむ相手』ではなく、『一方的に命を奪いに来る死神』だと理解したのだろう…

紫苑「少し、お話を聞かせていただきたいと思いまして」

ユカリ「何…? は、話すことなんて、無いと思うけどォ…」
507 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/01(金) 23:57:32.00 ID:hML4VydNo
紫苑「後学のために、貴女の銃の撃ち方を教えていただきたいのですよ」

ユカリ「銃の…?」

 ユカリが、きょとんとする。紫苑は、牢の入り口に放置されていた、ユカリの特大リボルバー拳銃を拾い上げた。奪われても撃てないように、銃身が捻じ曲げられている。

紫苑「ほら、これですよこれ。スミス&ウェッソンM500を改造した、この危険なピストルです」

ユカリ「…」

葵「…正確には、それを元にコトブキ博士が作った、これ」スッ

 葵が、手元にティルフィングを『再現』して見せた。

ユカリ「…知って、どうするの?」

紫苑「もちろん、我が陸上自衛隊の戦力増強ですよ」

ユカリ「使っておいて言うのも何だけど…いらなくなァい? こんなバカでかいの」

春華「そっ、そうだよぉ! うちら捕まったし、もう幼女同士で戦うとか、あり得ないでしょ!」

紫苑「さあ、どうでしょう」

葵「…?」

 意味深な紫苑の言い方に、葵は首を傾げた。

紫苑「とにかく。歩兵全員に指導しろとは言いません。こちらにおられる、篠崎葵陸曹長だけに教えていただきたい」

ユカリ「…」

ロル「…そいつ、例の『ツイン・ギフト』?」

 牢屋の奥で、ロルが不意に尋ねた。

ユカリ「そう」

ロル「教えたげたら?」

春華「!? なっ、何言ってんの!?」

ロル「だって、トレイターが散々探したツイン・ギフトだよ? ユカリはつまんないって言ってたけど…多分、化けるよ。そしたら、面白いことになる」

ユカリ「…でもォ」
508 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/02(土) 00:20:11.40 ID:c71pk7omo
ロル「良いから行ってよ。…今のユカリ、つまんない」

ユカリ「!」

ロル「ビビってるユカリ、つまんない。早くどっか行って」

春華「ビビって…ビビるに決まってるでしょ!? あんなことされて…」

ユカリ「…分かったわよ。いい加減、外の空気も吸いたいしィ」

紫苑「決まりですね」

 紫苑は頷いた。

紫苑「では、毒島をしばらくお借りしますよ。…逃げようなどとは、考えないことです」

ユカリ「はァい…」

ロル「…もう戻ってこないでよ」

509 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/02(土) 21:46:39.37 ID:c71pk7omo


 人目を避けるように、基地の中を進むと、不意に地下へ伸びる会談が現れた。紫苑に先導されるまま、階段を降りると、そこは緑色の網で仕切られて、人型の板の並んだ広間であった。

紫苑「人間の自衛隊が使用していた頃の、射撃訓練場です。独断で捕虜を釈放したと思われてはいけませんので、奥まったところで失礼」

ユカリ「…で、アンタの銃は?」

葵「…」

 葵は、ちらりと紫苑の方を伺った。

紫苑「大丈夫。妙な真似をすれば、すぐに取り押さえますから」

葵「…はい」スッ

 恐る恐る、ティルフィングをユカリに差し出す。ユカリは受け取ると、銃身やグリップ、シリンダーを観察し…おもむろに、人型の標的に銃口を向けた。

ユカリ「口径は、アタシのよりちょっと大きい。ジョイントの精度が高いから、シリンダーギャップが小さい分、反動も大きい。ただ、そのお陰で反動の予測もしやすくてェ…」

ズガァァンッ

 ユカリは衝撃に合わせて、腕を動かした。

ユカリ「っ、こ、これなら…」

 粉微塵になった標的。ユカリは震える息を吐いた。

葵「ど、どうやったの?」

ユカリ「腕で反動を逃がすのよォ? やってなかった?」

葵「やってはいたけど…」チャキ

 葵は、いつものコルトSAAを構え、別の標的に向けた。

葵「」バンッ バンッ

ユカリ「ううん。力で抑え込んでるわねェ。幼女の腕力で、それくらいなら耐えられるけど、コイツは無理よ」

 ティルフィングを構え、葵の撃った標的を狙い撃つ。

ユカリ「」ズガァァンッ

ユカリ「っ、に、逃しても、キツ…」ゾクゾクッ
510 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/02(土) 22:46:46.66 ID:c71pk7omo
 ユカリの目に、怪しい光が宿ってきた。口角が釣り上がり、唇によだれが垂れたのをみて、紫苑はその手からティルフィングを奪い取った。

紫苑「もう結構。…篠崎陸曹長、覚えましたか」

葵「はい」コク

紫苑「良いですね。では牢に戻りましょうか」



安価下コンマ ゾロ目で…
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 22:49:06.45 ID:j2EDDl3Mo
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 22:51:44.55 ID:wBhfKPnnO
おしい
513 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 10:12:10.91 ID:jIMOBNNCo
ガチャン

ロル「…なに、もう戻ってきたの」

ユカリ「ごめんねェ…」ギラギラ

ロル「! …許す♡」

リュイア「…Generale. リュイアたち、いつまでここにいる?」

紫苑「…」

 リュイアの問いかけに、紫苑は黙って彼女の顔を見つめた。

紫苑「…それは、総理の判断によります」

春華「ま、ままままさか…しょ、しょけ…」

紫苑「『幼女は、皆仲良くすること』…総理の定めた、新日本国憲法第一条です。国防のためとは言え、わたしたちが独断で、幼女を殺害することは許されていません」

葵「え、そうなの?」

春華「よ、よかった〜…」

紫苑「…ですが、貴女がたはそれを破っています」

春華「っ!」

ユカリ「…」

ロル「…けっ」

 紫苑は、肩を竦めた。

紫苑「ですので、その辺りも踏まえて、総理のご判断を仰ぐことになります」

 そう言うと紫苑は、牢に背を向けた。

紫苑「では。…行きましょう、篠崎陸曹長」スタスタ

葵「…! はいっ」タッタッタッ…



朱音「…これが…『この人』が…わたしが、この国を作った理由」

絵里「! こ、この人…」

 白い花で飾り付けられた、小さな部屋。その中央に安置されたガラスの棺に横たわる人物を見て、絵里が息を呑んだ。

朱音「絵里は会ったことあるよね。…わたしの、『お父さん』」

514 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 11:14:41.67 ID:jIMOBNNCo


 病室に戻ると、崩礼が待っていた。

崩礼「よう、探したぞ」

葵「ジムに行ってた」

崩礼「そうか」

 崩礼は、葵の右手を見て言った。

崩礼「ギプスが外れたようだな」

葵「うん」

崩礼「リハビリもあるだろうが、少しずつ訓練にも復帰してもらうぞ」

葵「! うん、分かった」

 葵は頷いた。それから、崩礼の制服に付いている階級章を見て気づいた。

葵「…昇進したの?」

崩礼「良く気づいたな。この前の作戦で、偉い奴らの避難に貢献したとかで、3等陸尉になった。朝倉は3等陸曹、上羽と乙坂は陸士長だ」

葵「それは…おめでと」

 その前に離脱した葵は、当然昇格も無い。複雑な思いで祝福すると、崩礼は肩を叩いた。

崩礼「タイミングの問題だよ。それ以上でもそれ以下でもない」

葵「…うん」

崩礼「そんなことよりお前、幕僚長と何やら楽しいことしてるみたいじゃねえか。ええ?」

葵「!」

 葵はどきりとした。幕僚長に連れられて基地を歩くところを、誰かに見られたのだろうか。

崩礼「…気を付けろよ」

葵「えっ?」

崩礼「普通科の佐山なんかはべた褒めしてやがるが、俺から見れば幕僚長は一筋縄じゃいかねえ…どうにも、何か抱え込んでる気がする」

葵「信用できないってこと…?」

崩礼「そんな極端な話じゃねえよ。ただ、何も考えずにほいほい従う前に、本当にそいつの言う通りにして良いのか、考えたほうが良いってことだ。…ま、それは誰に対してもそうか」

葵「崩礼隊長が相手でも?」

崩礼「お前、元々俺に対して、そこまで従順じゃないだろ」

葵「…ふ」

 葵は、思わず吹き出した。少し、心が軽くなった気がした。



安価下1〜3でコンマ最大 崩礼との話題、行動など
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 11:50:38.45 ID:+kA3s/QYO
崩礼から見たティルフィングの使い方のコツを教えて貰う
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 13:41:00.85 ID:b4oXJv35o
風呂に誘われた
517 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 17:05:04.44 ID:jIMOBNNCo
崩礼「さて、と…」

 崩礼は、葵に背を向け…

崩礼「ギプスも外れたことだし、風呂に入るか」

葵「行ってらっしゃい」

崩礼「っ、お、お前も来いよ」

葵「えー…」

 この間まで、清拭やシャワーばかりで、久しぶりに湯船に浸かりたい気持ちはある。だが、崩礼がついてくるのは…



安価下 どうする?
@行く

A行かない(後で行く)

B行かない(行かない)

Cその他要記述
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 17:11:33.51 ID:lz7lQTDJo
しゃーねーなーな雰囲気で1
519 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 17:41:39.93 ID:jIMOBNNCo


 数分後。葵と崩礼は、大浴場の脱衣所にいた。崩礼はさっさと制服を脱ぎ、葵よりも小柄で、痩せ細った裸体を晒しながら言った。

崩礼「脱がないのか?」

葵「ぬ、脱ぐけど…」

 崩礼の視線を気にしながら、葵は病衣と、白い下着を脱いで裸になった。裸を見られるくらい、何も思わなかったはずだが、先日、看護官に触れられた感触を嫌でも思い出してしまい、お股の割れ目が疼いてしまう。

崩礼「じゃ、行こうぜ」

葵「う、うん…」

 タオルを腰に当てながら、葵は浴室に入った。



安価下コンマ
01〜30 混んでる
31〜70 他にもいる
71〜90 がらんとしている
91〜00 貸し切り
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 17:42:21.04 ID:zZrw5LCG0
521 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 21:11:15.61 ID:jIMOBNNCo
 訓練が終わった頃のようで、浴室は幼女たちで混み合っていた。どうにか空いているシャワーを探すと、崩礼と離れて座った。崩礼はかけ湯して、先に湯船に入っていった。
 ひとまず、良からぬことを考えていそうな人物と離れたことに安堵すると、葵は身体を洗い始めた。

葵「…」ゴシゴシ

 いつものように右手で身体を洗うと、あっという間に疲れてしまった。見比べると、やはり右だけ細い。

葵「…元に、戻るかな」

 1ヶ月はリハビリが必要と言われたが、崩礼の口ぶりだともっと早く戻れそうだ。それに、訓練だってリハビリになるはず。早く、8班に戻らないと。



 翌朝。起床ラッパの音で目を覚ますと、葵はいそいそと病衣を脱ぎ、制服に着替えてみた。まだ復帰の時期は聞いていないが、いつでも戻れるように生活習慣を戻していかなければ…



安価下 どうする?
@外出

Aジムでトレーニング

B寝る

Cその他要記述
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 21:52:02.98 ID:Krky+sypO
2
523 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 22:19:30.48 ID:jIMOBNNCo
くぎる
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 22:25:46.13 ID:b4oXJv35o
おつー
525 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/04(月) 22:23:36.06 ID:RX/zpu+7o


 せっかく着替えた制服を体操服に替え、葵はジムにやってきた。穴掘り前に、取り敢えず人並みの動きができるように戻しておかないと。昨日、幕僚長から勧められたように、自重で腕立て伏せからやってみよう。



安価下コンマ
01    サイレン
02〜30 こんなに重かった…?
31〜60 頑張った
61〜90 ラセン隊長だ
91〜00 幕僚長オリジナルの…?
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 22:27:30.31 ID:rMicpNI2o
527 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/04(月) 22:36:46.25 ID:RX/zpu+7o


葵「んーっ、しょっ、うんーっ、しょっ…」ググッ

 一度折れて縮んだ腕には、幼女の体重すら苦しかった。どうにか回数をこなすと、葵はマットの上に倒れ込んだ。

葵「ふぅ…もう、無理…」

 左手を突いてどうにか立ち上がると、不意に目の前にプロテインシェイカーが差し出された。

由依「お疲れ様、葵ちゃん」

葵「由依…真姫も」

真姫「何だか、久しぶりだね…」

 由依の手からシェイカーを受け取ると、葵は中身を飲み干した。

葵「んぐ…っは。ごちそうさま」

由依「リハビリ、頑張ってるみたいだね」

葵「ん」コクン

由依「崩礼隊長から伝言だよ。…明日の訓練から、葵も参加するようにって」

葵「! 分かった」

 葵は頷いた。

真姫「明日、いつもの訓練所で待ってるね」



葵「ふぅ…」

 額の汗を拭い、レッグプレスから降りた。訓練への復帰を受けて、いつも以上に張り切ってしまった。ぱんぱんに張った太ももを擦りながら、葵は自分でも不思議な気持ちになった。
 元々、葵は活発な方では無かった。家にこもって、ロボットアニメを見ているのが好きだった。そんな彼女が、バリバリ体育会系の自衛隊に飛び込み、訓練に精を出しているのは、どういうわけだろう…



安価下1〜3でコンマ最大 食事、入浴中の出来事
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 22:48:04.57 ID:7zpdX2ri0
風呂で数分間寝落ちしていたのを偶然来た初に起こされる
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 22:58:37.85 ID:a8BVNBWoO
お風呂で数人の幼女に声をかけられて一緒に出ていく初を目撃
530 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/04(月) 23:06:11.94 ID:RX/zpu+7o


葵「ふぅ…」ポチャン…

 湯船に浸かり、ほっと一息。痛めつけた筋肉が、じんじんと温かい。若者は、翌日筋肉痛になる。もっと大人になると、数日経って筋肉痛になるらしい。
 幼女は、その日のうちに筋肉痛になる。

葵「ふぁ…ん?」

 両腕と両脚に痛みが広がるのを感じながら欠伸をすると、不意に湯船の向こうに知った顔があるのに気付いた。

葵「初…」

 声を掛けようとして、二人の間に邪魔が入った。



「乙坂、ここにいたの」「遅いじゃーん」「ねえ、今日約束してたよね?」

初「あ、あっ…」ザバッ



 湯船から引き上げられる初。それでも、特に抵抗するでもなく、初は3人の幼女と共に浴室を出ていった。

葵「…?」



安価下 どうする?
@追いかける

A追いかけない

Bその他要記述
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 23:35:27.92 ID:ift7zqdrO
1
532 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/05(火) 21:54:40.85 ID:gYi+OvpNo


 初と3人の幼女を、後ろからこっそり追いかける葵。
 辿り着いたのは、初の部屋であった。

葵「初って、同室いなかったよね…?」

 3人は当然のようにドアを開け、初を連れて部屋に入ると、ドアを閉めた。すぐに、ガチャンと鍵を掛ける音がした。

葵「…」

 そっと、ドアに耳を当てる。



「…ねえ、玉置隊長とはヤったの?」「してない、です…」「嘘つけ。篠崎にフラれたから、代わりに乙坂を隊に入れたんでしょ」「ほ、ほんとにしてないですって…」



葵「…」

 葵は、眉をひそめた。崩礼と、何をするのだろう? それに、何故自分の名前が出てくるのだ…?
 聞き耳を立てていると、1人が言った。



「お喋りはもう良いでしょ。…ほら、脱いでよ」「は、はい…」



葵「!?」



「10分で交代ね」「ねえー、早く舐めてよ」「じゃ、あたしは舐める」

「はい…ん、れろっ…あ、あっ♡」



葵「…?????」

 初たちは、一体何をシているんだ…?



安価下 どうする?
@もう少し聞く

Aノックしてみる

B突入

Cその他要記述
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/05(火) 22:35:44.88 ID:90QcQ9n0o
3
534 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/07(木) 22:06:12.59 ID:wypWWRgJo
葵「…」グッ

 葵は、ドアノブを握り…捻って、ドアを開けた。葵は、『鍵のかかっていない』このドアを見たことがある。だから、それを『再現』したのだ。

葵「何してるの!」ジャキッ



「…うわっ!?」「なっ、何よアンタ!?」

 そこにいたのは、全裸で仰向けになった初と、その顔に跨る下半身裸の幼女と、初の脚の間に顔を埋める幼女と、向かいのベッドに腰掛ける幼女……



葵「…うっ、初から離れて!」ジャキッ

 混乱しながらも、葵は両手にリボルバーを構えて叫んだ。

「うるさいわね、アンタ、何なのよ!」

「…あっ、もしかして、お前が篠崎」

「…ふーん、そういうこと」

 向かいのベッドに座っていた幼女が、にやにやしながら言った。

「乙坂、玉置隊長じゃなくて、篠崎とヤってたんだ」

葵「ヤってたって、何を」

 右手がきつくなり、葵は左手でリボルバーを向けた。

「とぼけちゃって。ほら、今やってること」

「れろ…っ♡」

初「あっ、あぅ…♡」ビクッ

 裸の割れ目を舌で舐められ、竦み上がる初。

葵「!? はっ…離れてって、言ってるでしょ!」

「何でさ? こんなに、気持ちよさそうにしてるのに…」
535 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/07(木) 22:17:57.52 ID:wypWWRgJo
 股間を舐めていた幼女が、初の割れ目を指で広げた。そうして、小さなピンク色の穴に指を突っ込むと、奥から透明な汁を掻き出した。

初「ひゃぁ…あぁっ…♡」プルプル

「ちょっと、舌がお留守よ!」グイッ

初「はぶっ…れろ、ぇろ…っ♡」

「あぁんっ…もっとぉ…♡」ゾクゾクッ

葵「う、初…?」

「…ねっ」

 傍観していた幼女が、葵の肩に腕を回した。反射的に振り払うと、彼女は言った。

「うちら、こうして『仲良く』してるだけだから…篠崎だって、玉置隊長とヤったんでしょ?」

葵「や、やってない!」

 事ここに至り、葵はようやく、崩礼の言っていた『営み』の意味を理解した。崩礼は、拒まれると潔く諦めて、最近は言い寄ることも無いが、もう少し聞き分けが悪ければ、今頃葵は…

葵「…で、でもっ、初、1人で3人を」

「えー? だって、乙坂が良いって言ったんでしょ?」

「そうそう…んっ♡」「じゅるるるっ、じゅっ♡」

初「あっ、あっ♡ あむ、んんぅ…♡ んっ、あぁっ…♡」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
@見逃して帰る

A全員ぶっ飛ばす

B混ざる

Cその他要記述
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 22:36:18.92 ID:pJjykMaUO
4演算を使いつつ初とこの場を抜け出す
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 22:38:31.40 ID:k5eh6b04o
3
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 22:47:05.35 ID:ej7lmYiLo
2
539 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/08(金) 22:08:27.45 ID:658loP7Ro
葵「…」ツカツカ ギシッ

「おっ、篠崎も混ざる?」

初「あ、あおいちゃ…」

 葵は、初の横たわるベッドによじ登ると…

葵「」ガシッ

「い゛っ!?」

 初の顔に跨る幼女の後頭部を左手で掴み、そのまま前に引き倒した。

「いだっ!?」「あ痛っ!?」ゴッ

 足元側に陣取っていた幼女と、頭を打ち合わせる。悶絶する2人の間から初の身体を引き抜くと、そのまま左肩に担ぎ上げた。

初「あっ…」

葵「初は、あたしの部下。連れて帰る」ダッ

 初の身体に、パジャマを『再現』しながら、葵は部屋を飛び出した。



 宣言通り葵は、自分の部屋に初を連れてきた。幸い、葵も同室がいない。話を聞くには丁度いい。

葵「…いつも、あんなことしてるの?」

初「…い、いつも、っていうか、時々…」

葵「何で、あんなことになってるの?」

 すると初は、気まずそうに俯いた。

初「…その…ここって、お、女の子が好きな人が、何人かいて…でも、相手がいなくて…一回、頼まれて、よく分からなかったけど、やったら…なんか、増えて」

葵「嫌なら、嫌って言わないと」

初「…」コクン

 小さく頷く初。それから、前髪の隙間から窺うように、葵を見た。

初「…あ、葵ちゃんって…結局」

葵「結局?」

初「く…崩礼隊長とは…」

葵「断ったよ」キッパリ

初「や、やっぱりそうだったんだ…でも、ど、どうやって?」

葵「えっと…その時は、未汐が同室だったから、一緒に…」

初「! そっか、朝倉さんが…」

葵「後、襲ってきた時に頭に数発」ジャキッ
540 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/08(金) 22:34:29.43 ID:658loP7Ro
初「撃ったの!? 隊長を!?」

葵「それだけじゃ、諦めなかったけど…誘ってくるの全部無視したら、諦めた」

 初は、呆然としながら言った。

初「…あ、葵ちゃんは…強いです」

葵「! …」

 葵は、複雑な顔をした。

葵「…でも…それだけじゃ、何の役にも…今回の作戦も、初たちの方が活躍したし」

初「ういは、言われた通りにしただけです…葵ちゃんみたいに、自分の力じゃ何もできないです」

葵「できるとか、できないとかじゃなくて」

 脳裏に浮かぶ、毒島ユカリの姿。トンネルで。地下道で。牢屋で。射撃場で。この幼女は、幾度となく葵の目の前に現れ、その力の差を、嫌でも見せつけてくる…

葵「やらなきゃいけない…って時が、時々来るんだよ。あたしだって、勝てるから戦ってるんじゃない…目の前に敵が現れて、戦わないといけないから、戦ってる。…で、結局負ける」

初「でも、あのテロリスト相手じゃ仕方ないで」

葵「あたしには『しょうがない』って言ってもいいけど。でも、あたしは…幸実閣下に『自分が負けたのはしょうがない』なんて、絶対言えないかも」

初「! …」

 葵たちが取り逃した結果、トレイターは首相官邸前に集結した。幸実はそれを1人で制圧したが、帰投した彼女の右足の骨は、粉々に砕かれていた。治っても、杖無しで歩くことは難しいかも知れないと言われたらしく、葵もいた院内には重苦しい空気が漂っていた。

葵「だから…精一杯、強くならなきゃ。ガッタイザーだって、何回も負けて、その度に轟タイザは修行して、パワーアップしてきたんだから」

初「…はい!」

葵「というわけで、明日から訓練に戻るから。よろしくね」

初「よろしくお願いします!」

 頷く初。気が付くともう、日付が変わろうとしていた。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
@寝る

Aその他要記述
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/08(金) 22:52:23.51 ID:WTT0l50hO
1
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/08(金) 22:52:51.18 ID:xovjpi8b0
1
543 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/09(土) 06:38:44.84 ID:oX/o+MPPo
葵「じゃあ、寝る。そこのベッド空いてるから、使っていいよ」

初「はい…」ゴソゴソ

葵「おやすみ」

初「おやすみなさい…」



安価下コンマ ゾロ目で…
安価下コンマ 01で…
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 07:57:26.26 ID:h4vBrE1zo
えい
545 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/09(土) 22:19:38.68 ID:BagKNGoEo


カツン カツン カツン

春華「…!! なっ、何っ、今度は何!?」ガクガクガク

 春華の問いかけに…暗がりの中から紫苑は、無表情に言った。

紫苑「総理からの命令です。貴女がたを、官邸へ護送するようにと」

ロル「あそこに送って、何する気?」

紫苑「さあ?」

リュイア「…Aliceは? 無事?」

紫苑「ええ、おそらく。今回の命令も、東郷アリス…正しくは八島絵里の希望で、と」

ユカリ「ふゥん…?」

春華「リーダーが? なら、よ、良かったぁ…」

紫苑「ですが」

 突然、紫苑が声を張り上げた。暗闇の中から、光の下へまろびでた彼女の手には、一振りの日本刀。

紫苑「この国を脅かし、罪のない幼女たちを殺傷した貴女がたを、総理…たかだか1人の幼女の一存で見逃すのは、『わたしの』気が済みません。よって」スゥ…

 ゆっくりと、鞘から刀を抜く。



紫苑「___ここで、貴女がたには死んでいただきます」

546 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/11(月) 21:11:05.02 ID:7K/JNYe2o


崩礼「見ての通り、今日から篠崎にも訓練に復帰してもらう」

葵「よろしくお願いします」ペコリ

由依「おかえりー!」

 手を振る由依。しかし崩礼に睨まれ、さっと気をつけに戻った。

崩礼「実際のところ、篠崎はまだリハビリ期間中だ。できる限り付いてこい」

葵「サーイエッサー。…大丈夫。ついて行く」

崩礼「…」

 崩礼は、少し目を伏せ…言った。

崩礼「…お前を早く訓練に戻したのには、訳がある」

葵「訳?」

崩礼「テロリストが捕まったことで、『拡大作戦』が再開する可能性が高いと判断した」

葵「『拡大作戦』…?」

崩礼「ざっくり説明すると、人間の支配域に攻め込み、幼女の支配域を広げる作戦だ。つまり、これからの相手は人間の軍になる」

葵「…」

崩礼「この作戦は、総理の肝いりだ。テロリストが活発化してからしばらく停滞していたが、そいつらが捕まった以上、すぐにでも総理は作戦を再開したがるだろう…というのが俺の予想だ」

由依「陸自だけじゃなく、空自も参加するんだよ」

崩礼「我々塹壕班は、作戦のキーになる。よって、さっさとお前を戻し、リハビリがてら訓練をさせることにした。…異論は?」

葵「…何でもいい。早く、戻りたかった」

 崩礼は、ふっと微笑んだ。

崩礼「なら、いい」

 それから、再び険しい目つきに戻る。

崩礼「…話は以上! まずは装備の点検だ!」





安価下コンマ
01〜10 訓練が終わった
11〜90 周りが騒がしい
91〜00 背後に
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 21:12:34.02 ID:/k6gB4wIo
えい
548 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/11(月) 21:20:58.86 ID:7K/JNYe2o


崩礼「本日の訓練は以上!」

葵「いったぁ…」ズキズキ

 おなじみの穴掘り訓練で、右腕が痛い。他の隊員と比べても、まだまだペースが遅い。

崩礼「…どうだ。調子は戻りそうか」

葵「戻す…」ズキズキ

 呻くように応える葵。そこへ、初が近寄ってきた。

初「葵ちゃん、お疲れ様です…」

葵「ん、お疲れ様」

初「ご飯、食べませんか…?」

 初は、おずおずと尋ねてきた。



安価下 どうする?
@初と夕食

A他の隊員と夕食(相手を併記)

B1人で夕食

Cその他要記述
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 21:29:04.83 ID:CF4wRL5E0
1
550 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/11(月) 21:30:24.69 ID:7K/JNYe2o
葵「うん、行こ」スタスタ

初「! はい」トコトコ

 歩き出した葵の後ろを、初が嬉しそうに付いてきた。



安価下1〜3でコンマ最大 食事、入浴中の出来事
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 22:16:01.60 ID:/CCGUhZYo
あれから例の奴らに迫られたりしてないか聞く
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 23:35:00.79 ID:CF4wRL5E0
興味本位と前置きした上で初は幼女同士の肉体関係に抵抗はないのかと問う
553 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/12(火) 20:56:36.37 ID:FSYAj4tMo


初「」モグモグ

葵「」モグモグ

葵「…ねえ」

 箸を止め、ふと葵が口を開いた。

初「ん…はい、何です…?」

葵「本当に…ただの興味なんだけど…」

 葵は、辺りを見回し…小声で尋ねた。

葵「…その、初は、嫌じゃないの?」

初「?」

葵「女の子同士って…」

初「! …」



安価下コンマ
01〜30 嫌だけど…
31〜60 実はそこまで…
61〜90 実は自分も…
91〜00 …葵ちゃん
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/12(火) 21:17:35.62 ID:vzbutjRe0
555 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/12(火) 21:37:08.88 ID:FSYAj4tMo
初「…///」

 すると、初は顔を赤くして俯いた。

葵「初…?」

初「えっと、その…ほ、ほんとは、ういも『そう』で…」

葵「…!?」

 初の言わんとすることに気付き、葵は絶句した。

初「な、内緒ですよ? だから…あの子達は好き、じゃないけど…するだけなら、別に…///」

葵「そ、そうなんだ…」

 葵はしどろもどろに相槌を打つと、逃げるようにご飯を口にかき込んだ。







幸実「…」パチ

 ベッドの上で、幸実は目を覚ました。砕かれた右足が痛む。腫れが引き、手術ができるようになったことで、骨の固定が外固定のピンからプレートとスクリューに変わり、かなり身軽になった。それでも、手術の傷は痛むし、地面に右足をつけることができない。

幸実「…はぁ」ギッ

 身体を起こし、ベッドサイドに腰掛けると、柵に立てかけた松葉杖を取り上げ、立ち上がった。

幸実「よい、しょ…」ググッ

幸実「…立つのも一苦労」ハァ

 ため息を吐くと、幸実は杖を突き、病室を出た。行き先は特に無い。そもそも、こんな夜中に、怪我人が出歩くものじゃない。
 しかし、幸実は胸騒ぎを覚えていた。

556 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/12(火) 21:55:51.72 ID:FSYAj4tMo


カツン カツン カツン

幸実「ふぅ…ふぅ…」

 巨大化の反動で、幸実の身体はすっかり痩せている。しかしそれ以上に、筋力が落ちてしまった。病棟を出るだけで、幸実は辛そうに額を拭った。

幸実「ふぅ〜…」

「…あっ、閣下!」

 病棟を出たところで、巡回の兵と鉢合わせた。

「お散歩ですか?」

幸実「そんなとこ〜」

「そうでしたか。…」

 そこまで言って、兵は何か言いたげに黙り込んだ。

幸実「…な〜に?」

「あの…非常に申し上げにくいのですが」
557 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/12(火) 21:56:31.84 ID:FSYAj4tMo


「トレイターが、牢を脱走したようで…幕僚長も、見当たりません」

558 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/12(火) 22:30:58.25 ID:FSYAj4tMo
くぎる
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/12(火) 23:17:46.75 ID:erdetTZ6o
おつー
560 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/13(水) 22:27:28.44 ID:m8YIAT6no


 基地の中は、混乱の渦に包まれていた。

桜「そんな…幕僚長が…そんな…」

二三「トレイターめ…4人がかりで、幕僚長を…」



幸実「…紫苑ちゃんが、あの4人にやられたとは思わないわね〜」

ねね「分かってるわよ。皆、分かってる。分かってるけど…」

???「…認めたくないのである」

 紫苑の使っていた執務室にて。隊服に、何故かフルフェイスヘルメットで顔を隠した幼女が、重々しい声で言った。彼女は長虫 虹(ながむし こう)准陸将。機甲科長でもある、陸自のナンバー3であった。

虹「あの幕僚長が、テロリストと共に出奔したなど」

幸実「…」

 幸実は、ため息を吐いた。

幸実「そんな娘に育てた覚え、無いんだけどね〜…」

ねね「とにかく!」

 ねねは声を張り上げた。

ねね「今は、体制を立て直さないと。閣下には、また幕僚長に戻ってもらって」

虹「だが…閣下は今、足を負傷しているが」

幸実「ここで指示出しくらいはできるわ。…」

 幸実は、椅子に深く座り直した。

幸実「…紫苑ちゃんの考えは分からないけど…トレイターを率いて、テロ行為をするとは流石に思わないかな〜。それよりも、自衛隊以外で動かせる戦力を得て、何かをしようとしてるのかも」

ねね「ひどいことにならなきゃ良いけど…あ」

 ここで、ねねがふと、何か思い出したように声を上げた。

ねね「そう言えば、変な噂を聞いたんだけど…」



崩礼「…篠崎。都築科長が呼んでるぞ」

葵「科長が…?」

崩礼「この状況だ。あんまり良い用事じゃなさそうだな…俺も行こう」

葵「ん…」

 硬い表情のまま、葵は頷いた。何となく、ねねの用事は察しが付く…
561 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/13(水) 22:41:21.74 ID:m8YIAT6no


 果たして、執務室に行くとねねだけでなく、幸実や見知らぬフルフェイスヘルメットの幼女までもが、ただならぬ顔で葵と崩礼を出迎えた。

ねね「何よ、玉置ちゃんまで来たの?」

崩礼「毎度毎度、俺をすっ飛ばして篠崎ばかり呼ばれるのが、いい加減ムカつくんでな。…で?」

葵「何の用事?」

幸実「…これは、噂なんだけど〜…葵ちゃん、紫苑ちゃんと、毒島ユカリと、基地を散歩したって本当?」

葵「! …」

 やはり、それか。ちらりと崩礼の方を窺うと、彼女は怪訝な目で葵を見返した。

ねね「…玉置ちゃんがいたら話しづらいなら、出て行ってもらって」

葵「良い、です。…別に、散歩はしてません。けど」

虹「けど?」

 フルフェイスヘルメットの幼女が、首を傾げる。

葵「…訓練を、見てもらってました」

幸実「紫苑ちゃんは、時々そういう事するけど…毒島ユカリにも、訓練を?」

葵「そうじゃなくて…毒島に、教わりました」

ねね「はぁーっ!?」

 ねねが素っ頓狂な声を上げた。

ねね「テロリストに、何を教わるのよ!? そんなことしたら、あんたもテロリストじゃない!」

葵「あたしが、コトブキ博士から貰った銃は…毒島の銃を元に作られたんです。地下道での戦いで、上手く撃てなくて怪我をしたことを幕僚長に話したら、それなら元の銃の持ち主に撃ち方を教わろうと言われて…」

ねね「…」

虹「…閣下」

 幸実は、ゆっくりと頷いた。

幸実「…紫苑ちゃんは、そういう事する、かも」
562 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/14(木) 22:23:55.25 ID:NpZuanwho
葵「…」

 葵は、奇妙な脱力感を覚えていた。そうだ。紫苑は結局、誰に対してもそうなのだ。葵が特別なのではなく、単に目についた隊員に声をかけ、指導していただけなのだ…

虹「…幕僚長が、あの4人を鍛えようとしている可能性は?」

幸実「うちたち自衛隊を差し置いて、あの4人を指導するって…?」

虹「その…我々に明かせないような任務を任せるために」

ねね「そういうのを、テロ行為って言うのよ? …信じたくは無いけど、向き合わないといけないわ。幕僚長が、テロリストの仲間に」

メシャッ

 突然、幸実の座る机の天板が、音を立てて引き裂けた。

ねね「!?」ビクッ

幸実「…」ググッ

 幸実は、裂けた天板を握りしめたまま、手元をじっと凝視していた。彼女が、感情のままに机を引き裂いたのだ。

幸実「…ええ、ええ、そう、大丈夫…」プルプル

崩礼「…篠崎に、もう用はありませんな?」

幸実「」コク

崩礼「行くぞ」グイッ

葵「あっ…」

 崩礼が、葵の肩を掴んで執務室の外まで引っ張った。
 程なく、ねねと虹も執務室から出ていった。扉が閉まってから数秒経って…その向こうから、泣き叫ぶ声が、廊下まで響き渡った。
563 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/14(木) 23:16:36.24 ID:NpZuanwho


ラセン「どうもこうも、ないだろうっ」ギィッ ギィッ ギィッ

 目一杯重量を乗せたバーを上下しながら、ラセンは言った。

ラセン「体制を整え、訓練を続け、帰りを待つ、それだけだっ」ギッ ギッ ギッ

葵「でも…」

 右手でダンベルを保持しながら、葵は呟いた。

ラセン「幕僚長は、気まぐれな人だ。しょっちゅう執務室を抜け出しては、目についた下士官に稽古をつけたり、飯に誘ったりする」ギッ ギッ

葵「…」

ラセン「それならまだ良いほうだぞ。陸将だった頃は、誰彼構わず組手を挑んでは、一方的に叩きのめしてきたものだ。ワタシもやられた」

葵「それって、この前言ってた」

ラセン「だが、それでも不思議と上手くいくのは…あの方の芯に、揺るぎない『正義』が、あるからだと、ワタシは思うぞ」ギッ ギッ ギッ ギッ

葵「信じて良いのかな…」

ラセン「ああ。少なくとも、ワタシは信じるぞ」

 ラセンはラットプルダウンのマシンから降りると、葵の隣でダンベルを持ち上げた。

ラセン「だから、いつでも任務に就けるよう、鍛えておかねばな」グイッ グイッ グイッ

葵「…うん」ググッ



葵「…ふぅ」ガタッ

 ダンベルを置くと、葵はいつものようにプロテインを溶かして飲んだ。訓練と夕食の後に来たから、もう外は夜だ。風呂に入って寝よう…



安価下1〜3でコンマ最大 夜の出来事、行動
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/14(木) 23:40:46.72 ID:0exYkCbV0
自分なりに情報を整理して幕僚長の行動の理由や意図を考察してみて、行き詰まったらやめて寝る
565 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/15(金) 21:51:39.51 ID:lmYKAREZo


葵「…」ジッ

 夜。ベッドの中で、葵は考えていた。

葵「幕僚長は、何で毒島たちを連れて出ていったんだろ…?」

 紫苑は、偉い。陸自の隊員は皆、彼女を尊敬しているし、命じられれば大抵のことはするだろう。では、隊員に任せられないようなことを押し付けるために連れて行ったのかと言われると、それも違う気がする。何しろ、紫苑は強い。下手したら幼女で一番強い。幸実1人で制圧できるような戦力など、むしろ足手まといにすらなりかねない。

葵「…むぅ」

 分からない。『演算』しても、人の気持ちは分からない。つくづく、肝心な時に役に立たないギフトだ…

葵「じゃあ、逆から考えたら…」

 紫苑が、現状不満に思っていて、どうにかしたいと思っていることは?
 例えば、陸自の人手不足。人間、種付けおじさん、そしてテロリスト…空自よりも、陸自の仕事は多い。いつも人手を欲しがっていると、空自の霰准空尉は言っていた。

葵「なら、逃げずに4人を入隊させれば良いじゃん…」

 他には? 例えば…自分も、総理大臣になりたいとか。常々、紫苑は朱音総理の周りが、彼女の関係者で固められていることを語っていた。テロリストのリーダーも、『例によって』総理の関係者らしい。そんな現状を、変えたいとか。

葵「あるかも…だけど、そしたら、本当に幕僚長までテロリストになっちゃったってこと…?」

 一先ずその考えを押しやり、次に浮かんだのは…

葵「…何もかも、嫌になっちゃった…?」



安価下コンマ
01〜50 寝落ち
51〜60 眠れない…
61〜70 ノック
71〜80 ノック
81〜90 窓
91〜99 窓
   00 頭上
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/15(金) 21:55:28.52 ID:L0LrWRAzo
えいや
567 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/15(金) 21:58:34.54 ID:lmYKAREZo
葵「…」

 ベッドの中で、葵は目を開いたままじっとしていた。色々な考え…実際には、ほんの2、3個程度の考えが、ぐるぐると脳内をループする。
 眠れない…



安価下 どうする?
@無理やり寝る

A基地を散歩する

B初の部屋に行く

C崩礼の部屋に行く

Dその他要記述
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/15(金) 22:28:02.81 ID:uTvnpV8l0
2
569 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/15(金) 22:43:32.05 ID:lmYKAREZo


葵「…」ムクリ

 葵はベッドから降りると、靴を履いた。そうして、部屋を抜け出した。



安価下コンマ
01〜10 雨
11〜60 特に無い起こらない
61〜90 ラセンだ
91〜99 幸実だ
   00
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/15(金) 22:55:05.27 ID:uTvnpV8l0
571 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/15(金) 23:11:28.92 ID:lmYKAREZo


葵「…寝よ」

 歩いたら、頭が少しすっきりした。部屋に戻ると、葵はベッドに潜り込み、すぐに眠りに落ちた…







 あれから、数週間が経った。陸上自衛隊は幸実を幕僚長代理として、これまで通りの運営に努めていた。脱走したトレイターは、再び暴れることはなく、紫苑共々どこかへ息を潜めているようであった。
 元々、総理の要請で4人を官邸に移送することになっていたらしい。他の幼女では返り討ちに遭いかねないので、紫苑自ら牢に向かった訳だ。
 表向きには、紫苑はそこで4人がかりで倒され、拉致されたことになっている。

葵「…ふぁ」

 ベッドの上で、葵は欠伸をした。一人ぼっちの部屋にも、すっかり慣れた。
 今日は久々の非番だ。どう過ごそうか…



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
@外出

Aトレーニング

B二度寝

Cその他要記述
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/15(金) 23:13:58.76 ID:eFsb6Koxo
3
573 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/15(金) 23:17:52.83 ID:lmYKAREZo
ねる
安価下
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 08:07:24.04 ID:kn05Rzqi0
1
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 10:50:45.45 ID:fNz+PzEYo
1
576 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/16(土) 20:33:46.03 ID:JmP1CJDTo
葵「…」ドサ

 葵は、再びベッドに倒れた。今日は何もする気にならない。また寝よう…



ウー…ウー…
ジリリリリリ…

葵「!?」ガバッ

ガチャ

真姫「葵ちゃん! …あっ、いた!」

葵「何があったの?」

 部屋に飛び込んできた真姫に尋ねた。

真姫「非番の子も集まってって! そして、首相官邸に出動しなきゃ」

葵「首相官邸…?」

 嫌な予感。真姫は、青ざめた顔で言った。

真姫「トレイターと…幕僚長が、襲ってきたって」
577 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 16:44:07.17 ID:v50bQ5B5o


朱音「…」ジッ

コトブキ「ああもう…」イライラ



紫苑「…」ニコニコ



 大きな机を挟んで向かい合う、朱音と紫苑。怪訝な目を向ける朱音と、その隣で苛立つコトブキに対して、紫苑は張り付いたような笑みを浮かべていた。そして、その後ろではトレイターの4人が、突っ立ってじっと黙っていた。

コトブキ「…確かに、テロリストの4人を連れてこいとは言ったがね? どうして、こんな騒ぎになっているんだ?」

 コトブキが口を開いた。

紫苑「騒ぎに?」

コトブキ「とぼけるんじゃないよ。君がテロリストごと基地から失踪して、陸自が混乱しているじゃないか」

紫苑「混乱? わたし一人いなくとも回るよう、育ててきたつもりですが」

コトブキ「組織運営の問題じゃない。君という存在の損失による、精神的な打撃の問題だよ」

朱音「みんな、あなたを頼りにしてたよ。…もちろん、わたしも」

 ここで、始めて朱音が口を開いた。

紫苑「総理が? それは光栄です。ですが総理には、忠実なご友人がおられるではありませんか」

コトブキ「親衛隊だけで、治安維持ができるものか。君の能力は、誰もが認めている。総理は、君の忠誠心も買っていた。だが、君はそれを裏切ったのだよ」

紫苑「そうですか」

朱音「…」スクッ

 平然と応える紫苑に、朱音が椅子から立ち上がった。そして、その目が朱く…
578 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 16:59:32.42 ID:v50bQ5B5o


バンッ ザッザッザッザッ

「動くな!!」



 突然、部屋のドアが勢いよく破られ、何人もの兵がなだれ込んできた。彼女らは朱音とコトブキに背を向け、紫苑と4人のトレイターを取り囲んだ。

「っ! ば、幕僚長…」

紫苑「お勤めご苦労。ですが、突入する場所を間違ってはいませんか? 誰も、陸自に通報など」

???「わたしがしました」

 不意に、紫苑の背後から声がした。と同時に、彼女の首元にナイフの刃が現れた。それから遅れて姿を現したのは、朝倉未汐。
 紫苑は一切動じること無く言った。

紫苑「いつ出てくるか、気になっていましたよ。朝倉2等陸曹」

未汐「もう2等陸曹ではありません。それから、無駄話は終わりです」

 紫苑の首筋にナイフを押し付け、低い声で言う。

未汐「…目的は、何? 返答次第では殺すね」

紫苑「…」

 紫苑は肩を竦めると…言った。

紫苑「ちょうど聴衆も揃いましたし、お話ししましょうか」
579 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 17:55:46.23 ID:v50bQ5B5o
紫苑「まず…トレイターによるこれまでの被害を。居住地での破壊行為、5件。繁華街など、人口密集地での破壊行為、2件。幼女の負傷者、39名。死者、2名。人間の死傷者、74名。種付けおじさんの被害、計測不能」

紫苑「…少なくとも、わたしの知る人間の司法に則れば、死刑は免れない」

朱音「…そうだね」

 ここで紫苑は、4人を振り返った。

紫苑「では…何故、彼女らはトレイターを組織し、テロ行為に及んだのか」



ユカリ「…」

紫苑「毒島ユカリ。物心ついた時から、死の感覚に興味を持っていたそうです。しかし彼女の得たギフトは『繁殖』。牧場に回された彼女は、種付けおじさんに強制的に種付けされ、幼女ではなく種付けおじさんを出産したことで、そこからも不要とされた。更に、幼女の力を受け継いだことで危険視された自身の『息子たち』を、目の前で処分されたことで、遂に死に触れ…彼女は、出奔しました」



春華「はっ…はっ…」ガクガク

紫苑「桜木春華。親から虐待を受けていた彼女は、施設に保護されていました。彼女の得たギフトは『予感』。その瞬間から、彼女の人生は、降り注ぐ悪意と死の予感から逃げ続けることに全て注がれることとなりました」
580 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 18:54:01.67 ID:v50bQ5B5o
ロル「…」

紫苑「大島ロル。学校で級友からいじめられていた彼女は、相手を見返すために幼形成熟BOXに入りました。そして得たギフトは『飛蝗』。姿形の大きく変わるギフトのために、またも彼女は幼女たちからいじめられることとなりました。どの職場に行っても馴染めず、最後はテロリストとなりました」



リュイア「ねえ」

 リュイアが、不意に口を開いた。

リュイア「Aliceは、どこ?」

朱音「アリスじゃなくて、絵里。絵里は…」

紫苑「___リュイア・トラメスロ」

 紫苑が遮るように、声を張り上げた。

紫苑「両親と共に、日本に旅行に来ていた時…総理による、日本征服が始まりました」

朱音「…!」

紫苑「総理の名は『幼女は引き入れ、大人は殺せ』。それを忠実に実行した兵によって、彼女の両親は殺害されました。彼女は一人、異国の戦場を逃げ惑い…八島絵里に出会いました」

リュイア「…Alice」

紫苑「どういうわけか八島絵里は本名を隠し、『東郷アリス』と名のり、彼女と行動を共にしました。そうして、当時は理化学研究所に設置されていた幼形成熟BOXにたどり着くと、両親を殺した勢力に対抗する力を得るため、密かに幼形成熟BOXへ入りました。…2人、一緒に」

コトブキ「…ふん。予想通りのつまらない結果だったね」

 コトブキが鼻を鳴らす。八島絵里から事の顛末を聞き、彼女は既にそのことを知っていたのだ。

紫苑「両親の仇を取りたいリュイア。そして、個人的に総理に用のある絵里は、幼女の支配する国で排斥された者たちを集め、トレイターを結成した…」

 紫苑が、朱音の目をまっすぐに見据えた。

紫苑「分かりますか。トレイターの始まりは、貴女の起こした戦いなのですよ」
581 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 19:11:17.55 ID:v50bQ5B5o
未汐「だから、何」

 紫苑の首にナイフを突きつけたまま、未汐が冷ややかに言った。

未汐「不幸なら、何をしても許されるの? それなら、わたしたちの方が」

紫苑「彼女らを許せ、などとは一言も言っていません」

 紫苑は首を横に振った。

紫苑「ただ…総理、一人で彼女らの処遇を決めるのですか?」

朱音「…」

紫苑「貴女が事の発端だからではありません。トレイターの構成員たちは、過去に多くの人から傷を受け、多くの人を傷つけてきた。だから、その処遇は一人の意思で決められるものはありません。公平に…裁判で決めるべきです」

「…あ、あの、幕僚長」

 ここで、銃を持つ兵士の一人が、おずおずと声をかけた。

「つまり幕僚長は、この国でも、悪い人への罰は裁判で決めようと、そう言いたいってことですか?」

紫苑「ええ、そうです」

「それなら、どうしてこんなことしたんですか!」

 涙を浮かべながら叫ぶ。

「テロリストの牢屋をぶっ壊して、一緒にいなくなって…し、心配したんですからね!!」

紫苑「それはすみませんでした。ただ、総理の要求通りに身柄を引き渡せば、わたしの要求は通らなくなるでしょうし、かといって無視すれば、基地の皆さんにも迷惑がかかります。だから、誰が見てもわたしの独断と分かるよう、このような形になってしまいました」
582 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 20:59:59.61 ID:v50bQ5B5o
紫苑「そもそも…話を聞くまでわたしは、牢で4人を斬るつもりでした。しかし、桜木春華が命乞いに話した内容を受け、わたしはじっくりと話を聞くことを決めました。姿をくらましたのは、時間が欲しかったからです」

「幕僚長…し、信じてました…!」

朱音「…」

 一方、朱音は困惑した顔で、紫苑と4人を見つめていた。代わりに、コトブキが口を開いた。

コトブキ「…総理のギフトは『君臨』だ。総理が上に立てば、万事上手くいくのだよ」

紫苑「上手く行っていないから、トレイターが生まれたのです」

コトブキ「だが人間の統治は、それ以上の欠陥品だった。だから総理が生まれたのだ」

紫苑「それでも学ぶべきところはあるでしょう」

コトブキ「無い!」

 コトブキが叫んだ。

コトブキ「総理も私も、そこの朝倉未汐も、大人たちのせいで大切なものを失ってきた。子供だから、親に頼らざるを得ないから…だから、我々は大人から独立したんだ! それを何故、今更、大人のやり方を真似る必要がある…」

朱音「…コトブキ博士」

 ここで、ようやく朱音が言葉を発した。

朱音「未汐ちゃん。紫苑ちゃんを離して」

未汐「…うん、いいよ」スッ

 未汐がナイフを下ろし、紫苑から離れた。

朱音「…ごめんね。わたしは、そんな難しいことは分からない」

コトブキ「総理、総理は気にしなくてもいいのです。面倒なことは私が…」

朱音「でも、あなたたちがこんなことをしたのは、結局わたしのせいだったんだね。…ごめんなさい」ペコリ

コトブキ「総理! テロリストに謝る必要など」

朱音「…紫苑ちゃん。わたし、難しいことは分からないし、興味も無いの。だから、裁判がやりたいなら、好きにしていいよ」

ロル「興味、ない…?」

 不意に、ロルが呟いた。と思うや、突然床を蹴って飛び上がり、朱音めがけて棘だらけの足を振り下ろした。

紫苑「! やめ___」



朱音「…」ギンッ



ロル「っ、ぐあっ」ドシャッ

 朱音が睨んだ瞬間、ロルの身体が空中で固まり、そのまま机の上に落下した。

ロル「クソっ…クソっ、クソっ!」

 机の上に磔けられたまま、ロルが悪態をついた。

ロル「お前らはいつもそうだ! 散々好き放題やっておいて、ごめんなさいだって? そしたら、許さなきゃいけなくなるだろうが! 本当はやられた側のことなんて、クソほども興味ないくせに…」

朱音「」ギンッ

ロル「ぐっ、うぅ…」

未汐「…」カッ カッ カッ

 未汐が机の上に上がり、ロルの元へ歩み寄った。その手には、抜身のナイフ。

紫苑「___朝倉2等陸曹」

未汐「っ!?」ビクッ

 紫苑の言葉に、未汐の動きが止まった。その隙にリュイアがロルに駆け寄り、肩に触れる。『反逆』の力でロルの拘束が解け、彼女は再び立ち上がった。
583 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 22:01:39.43 ID:v50bQ5B5o
ロル「そうだ…こっちには、『反逆』がある。お前を、殺してやる…」

 その言葉に、隊員たちが一斉に銃を向けた。

「待て!」「それは駄目!」

紫苑「止めなさい! 総理を傷付けては、大義が無くなる」

ユカリ「…大義ィ?」

 不意に、ユカリが呟いた。

ユカリ「アタシたち、そんな偉そうなこと、してたっけェ?」

ロル「調子に乗らないでよ、軍人。うちらのリーダーは、アリスだけだから」

春華「そ、そうだよ…リーダーは? リーダーはどこ? 早く会わせてよ!」

朱音「絵里は…駄目」

ロル「やっぱりこいつ殺そう! ユカリ、手伝って」

朱音「絵里は、守ってるの。わたしの『お父さん』を…」







葵「…」

 首相官邸前。先日の作戦で掘り返されたコンクリートは工作科によって均され、敷地には歩兵と戦車隊が展開していた。葵たち工作科は、その後方に控えている。
 先程、先遣隊から連絡があった。中では紫苑と朱音が会談しており、少なくとも紫苑にテロを起こす意思が無いことが分かり、一先ず部隊には安堵が広がった。と思いきや、その数分後に同行していた大下ロルが総理を殺害しようとしたと通信があり、すぐさま戦車隊が前進を始めた。
 それと同時に、葵たち工作科は、総理やその他の要人たちの保護のため、官邸内へ潜入した。



安価下コンマ
01    出火
02〜20 出奔
21〜40 脱走
41〜80 捕縛
81〜99 何故?
   00 棺
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 22:07:58.28 ID:qtRz5urJo
585 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 22:10:34.65 ID:v50bQ5B5o
ねる
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 23:38:22.43 ID:BpRxGTxho
おつ
587 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/18(月) 22:02:30.37 ID:1+ienfsBo


ラセン「おらあっ!」ズガガガッ ボゴッ

崩礼「空いたぞ、こっちだ!」

 ラセンがこじ開けた穴から、葵たち工作7、8班の合同部隊がなだれ込んだ。



朱音「!」

コトブキ「! 総理、こっちへ!」

 コトブキが朱音を引っ張り、葵たちの方へ走ってくる。

「幕僚長! こちらへ」

紫苑「っ…毒島! 桜木! 大下! リュイア! 貴女たちも…」

ロル「…」ジャキッ

ユカリ「えいっ」ガシッ

「ぐっ!?」

 ロルの足が棘と外骨格に覆われ、ユカリは接近していた隊員からサブマシンガンを毟り取った。

「撃てーっ!」

 隊員が、一斉に4人の向けて斉射を始めた。ロルは春華を、ユカリはリュイア抱えると、弾幕の上へ高く飛び上がり、葵たちの方…朱音の目の前に降り立った。

ユカリ「大義とか、平等とか…つまんなァい!」ダダダダダダダッ

ロル「殺す! お前だけは!」ダンッ

崩礼「伏せろっ!」グイッ

コトブキ「おわーっ!?」バッ

ラセン「来い、毒島ユカリ!」

 サブマシンガンの乱射を潜り抜け、ラセンが前に進み出た。

ラセン「決着をつけてやる!」

未汐「朱音ちゃんを傷付けるのは、許さない…!」ジャキッ

ロル「殺す…お前も殺すっ!」ダンッ

ユカリ「アハハハハッ! 逢いたかった、逢いたかったァ!」ガガガガッ ガガガッ

 飛び上がるロルに、哄笑しながらサブマシンガンを撃ちまくるユカリ。春華が泣き叫んだ。

春華「駄目だってぇ! 逃げなきゃ! 逃げなきゃー!」
588 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/18(月) 22:10:06.18 ID:1+ienfsBo


「もう、やめて!!」

589 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/18(月) 22:21:58.41 ID:1+ienfsBo
 次の瞬間、その場にいた全ての幼女…正確には、リュイアを除いて、一斉にその場に倒れ伏した。



朱音「…」ドクンッ ドクンッ



 両目を見開き、周囲を見渡す朱音。その双眸は朱に染まり、頭上には鮮血を固めたような、脈打つ巨大な深紅の王冠が浮遊していた。



朱音「憲法、第一条…『幼女は、皆仲良くすること』…何で、守れないの?」



ロル「うちの周りで、それを守ってる奴なんていなかった…!」ググッ

朱音「だからって、あなたも破っちゃだめ」ズンッ

ロル「ぐっ、あ゛ぁっ!?」

リュイア「…」

 一方、『反逆』を持つリュイアだけは、朱音の『君臨』をものともせず、立っていた。

朱音「…リュイアちゃん」

リュイア「…」

 リュイアは…倒れ伏すトレイターの仲間たちに順に触れ、『君臨』から解放すると、朱音に背を向けた。

朱音「どこに行くの」

リュイア「帰る。また今度、Aliceに会いに来る」

春華「…はっ。そ、そうそう、帰ろ、帰ろう!」

ユカリ「…あーあ」

ロル「クソっ…ムカつくけど、リュイアから離れたら、またぶっ倒されるだけか…」

 4人は、部屋から出ていった。

ラセン「待て、逃げるな! 毒島!」

葵「毒島…毒島ぁーっ!!」

 葵も、思わず叫んでいた。また、ユカリに逃げられる。傷の一つも付けられずに…





590 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/20(水) 00:06:54.35 ID:82Wzt94Oo


ねね「…あたし知ってる。こういうの、『貧乏くじ』って言うのよね」

 板切れで雑に修復された袖机の前に座り、ねねはぼやいた。白い制服の階級章は…幕僚長。
 傍らで虹がなだめるように言った。

虹「仕方ない。藤島幕僚長が責任を取って辞職、戦線復帰が厳しいので富士陸将も退役…であれば、残った面々で回すしかあるまい」

ねね「長虫ちゃんがやってくれても良かったのよ?」

虹「無理だ。幕僚長は、拠点防衛に長けた者と決まっている。吾(おれ)の『サンダーピート號』は、破壊することしかできん」

ねね「はぁ〜…」

 大きなため息をつくねね。虹が尋ねた。

虹「ところで、工作科長はどうなる? 貴殿が兼ねるのか?」

ねね「まさか。ちゃんと、考えてあるわよ」

 丁度その時、部屋の扉がノックされ、1人の幼女が入ってきた。



崩礼「…失礼する」

591 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/20(水) 00:33:11.90 ID:82Wzt94Oo
 崩礼は、自分を見つめるねねと虹を見て、それから机の上に置かれたものに気付くと…おもむろに、2人に背を向けた。

崩礼「…失礼する」

ねね「ちょいちょいちょーい!」ガタッ

 ねねは立ち上がり、崩礼を机の前に引っ張った。

崩礼「よせ、離せ! 御免被る!」ジタバタ

ねね「上官命令っ! 良いから、受け取りなさい!」

 ねねが机の上から取り上げ、崩礼に押し付けたのは、工作科長と、准陸将の階級章。

崩礼「ふざけんな、硝子川か、ラセンにでもやらせりゃ良いだろ!」

ねね「隠密行動の2班長を、あんまり表に出したくはないの。鉄山ちゃんは、どっちかというと前線に置きたいし」

ねね「何より…あんたの育成能力と指揮能力を評価してのことよ」

崩礼「…」

 崩礼が、抵抗を止めた。差し出された階級章を見つめ…尋ねた。

崩礼「…こいつを受け取ったら、俺は1班に回されるのか?」

ねね「その方が面倒が少ないけど、まあ慣習は慣習よ。好きにしたら。ただ、前線に出ることは減るから、8班長は誰かに譲ってもらうわね」

崩礼「…」
592 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/20(水) 16:06:06.59 ID:82Wzt94Oo






ねね「…ぶっちゃけると、あたしは藤島幕僚長みたいに強くないし、人に指図するのも上手くないかも」

 翌朝のグラウンド。壇上でねねは、隊員を見回した。

ねね「大怪我した閣下は仕方ないけど、藤島ちゃんまで辞めることはなかったんじゃないかなーって、正直思うけど…きっと、他にやりたいことができたんだと思うわ。あの人のことだから、それはみんなのためになることだと思う。だから、あたしはあたしなりに、できることを頑張るわ。一応…『守る』ことについては、ちょっとは自信あるから」

ねね「あたしからは以上! 次、長虫陸将」

 ねねが壇を降り、代わりにフルフェイスヘルメットに黒手袋を嵌め、肌をすべて隠した幼女が上がった。

虹「機甲科長の長虫虹である。この度、陸将を拝命した。それ以外は特に変わらぬ。以上」

 次に上がったのは、茶色い髪をツインテールにした、生意気そうな顔の幼女であった。

紫初「普通科長で准陸将になった、紫藤 初(しどう うい)でーす! 幸実閣下の代わりとか、マジヤバすぎだけど…ま、なんとかなるっしょー!」

 最後に上がったのは…崩礼。

崩礼「…都築科長が幕僚長に任命され、空いた工作科長を押し付けr…もとい拝命した。ついでに准陸将になった、玉置崩礼だ。はっきり言って…ここまで挨拶した奴らに比べて、俺のギフトはしょっぱい。そもそも、この中では俺だけが、幼女から生まれた幼女だしな」

崩礼「だが、前の藤島幕僚長は、ギフトに依らない能力を重視していた。俺がここに立っているのも、あの人の考えが今でもここに息づいている証拠だろう。俺のせいでそれが無くならないように、せいぜい努力する」



由依「えっ!? わ、わたしが班長に!?」

 由依は、飛び上がらんばかりの勢いで叫んだ。彼女や、隣で驚いている真姫の手には、鳴らそうとして行き場を失ったクラッカーが握られている。訓練場に現れた崩礼に、『工作科長就任おめでとう!』と言って鳴らすはずだったのだが、その前にそれ以上のサプライズをぶつけられたのだ。

崩礼「そうだ」

由依「な、何で? 葵ちゃんじゃなくて?」

葵「…あたしは」

崩礼「出撃が重なって忘れてるだろうが、篠崎は来てからまだ日が浅い。副班長として仕事を教えていくつもりだったが、その前に俺が1班に移る羽目になった」

真姫「じゃあ…やっぱり隊長、8班じゃなくなっちゃうんですね…」

 崩礼は、ゆっくりと頷いた。それから、由依を真っ直ぐに見て言った。

崩礼「朝倉。お前は、一番長く俺の8班にいた。訓練や任務を通して、俺の考え方や、自分なりの作戦の立て方も身についていると感じている。上羽ともども、後ろに引っ込みがちだから、篠崎に越されても何も気にしてなかったようだが…」

由依「いやー、別に…」

崩礼「だが、この状況だ。身につけた知識、能力は、余さず活かしてもらうぞ」

由依「あ…」

崩礼「朝倉由依! …8班を、よろしく頼む」

 崩礼の言葉に、由依が言葉を失った。その頬を、涙が伝う。

由依「…崩礼隊長…が、頑張ります!」

葵「…由依、隊長。これからよろしく」

初「よ、よろしくお願いしますっ!」

崩礼「それから、篠崎」

葵「!」

崩礼「トレイターだの、総理の護衛だの、色々スカウトされたらしいが、変わらず付いてきてくれてありがとうな。もう少し、近くで面倒を見たかったが…まあ、今生の別れじゃない。朝倉のことも支えてやってくれ」

葵「…サーイエッサー!」
593 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/20(水) 16:36:57.00 ID:82Wzt94Oo


「「「「いただきまーす!」」」」

エリー「はーい、めしあがー!」

 由依が班長になって最初の非番の日。8班の4人は、例のハンバーガー屋さんに来ていた。復旧はかなり進んでいたが、まだテーブルや調理器具などが揃っておらず、葵が全て『再現』したことで早速開店したのであった。

真姫「は、初めて来たけど…」

初「ここのハンバーガー、おっきいです…?」

 4人が頼んだのは、店長イチオシの『復活記念☆蘇るフェニックスチキンバーガー』。特大のバンズに、赤く色付けした鶏もも肉のグリルと紫キャベツに赤タマネギ、真っ赤なトマトが挟まった、ボリューム満点の一品だ。

由依「でも、美味しそう! あー」ガブッ

由依「ん…からくない」モグモグ

店長「赤いのはパプリカですよ。お好みで、チリパウダーもありますよ」コト

真姫「辛くないなら、食べれそう…」

葵「じゃあ、あたしはちょっとかける」パッパッ

初「あ…あー…ああ…?」

 口を大きく開けたまま、初はどこから齧り付いたものか迷っている。



安価下1〜3でコンマ最大 ハンバーガー屋での出来事
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 18:31:53.11 ID:WZZnpB8Oo
初ちゃん階級あがって仕事どう?
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:01:38.78 ID:MJ9JH7fm0
結衣に信頼と励ましの言葉を言う
596 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/22(金) 22:21:49.67 ID:td7ypLoko


由依「…」ジッ

初「」グッタリ

真姫「はぁ…」アオザメ

 食べかけのハンバーガーを前に、黙り込む8班一同。由依は完食寸前だが、真姫と初はまだ半分くらい残っている。

葵「…」モグ

由依「あ、葵ちゃん、まだいけるの…?」

葵「…ん」コク

 葵は、ちまちまとハンバーガーを齧った。

真姫「ふぇ…」

由依「葵ちゃん、やっぱり凄いや…」

葵「…」スッ

 すると、葵はおもむろにハンバーガーを置き、由依を真っ直ぐに見た。

葵「…そんなことない。由依隊長の方が、凄い」

由依「え?」

 突然の言葉に、きょとんとする由依。

葵「いきなり隊長になっても、しっかり班を纏めてる。普通科との合同訓練でも、きちんと指示を出して、7班とも戦えてた」

初「そ、それは…ういも、そう思います!」

 事実、一介の下士官から、短期間で准陸尉まで昇進し、班長まで任されたにも関わらず、由依は他の班長や隊長と遜色ない指揮を行っていた。

由依「それは…崩礼隊長に、色々教わったから」

葵「教えられたことができるのは、凄いよ」

由依「そ、そうかな? えへへ…」

葵「だから、ハンバーガーももっと食べられるはず」

由依「ぅえっ!?」

真姫「はず…」スッ

初「お、お願いします…」スッ

由依「む、無理無理、それは無理だって〜!!」

597 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/24(日) 11:31:44.57 ID:iU+4PREDo


由依「」チーン

葵「…」ジッ

 結局、エリーや店長にも手伝ってもらって、どうにか完食することができた。やたらハイカロリーなハンバーガーばかり開発する店長だが、彼女のギフトは『燃焼』で、食べたものをたちまち消化してエネルギーに変えてしまうことができるのだそうだ。

店長「ありがとうございました!」

エリー「また来てねー!」フリフリ



初「うっ、うぅ…」ヨロヨロ

真姫「あっ、揺れたら、出る…うぷっ」

由依「ど、どうする? 帰る?」

葵「もうちょっと、門限まであるけど…」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 14:17:25.32 ID:PFk7uHRX0
結衣とだけ同伴してあとは帰す。結衣に別れ際さっきの信頼の言葉はホントだからと言う
599 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/26(火) 21:42:31.90 ID:0SRyRV+no
初「…」ピタッ

真姫「初ちゃん、無理そうです…」

由依「じゃ、とりあえず基地に帰ろっか」

葵「ん。…初、真姫、先行ってて」

真姫「うん。初ちゃん、ゆっくり歩こ」

由依「じゃあ、あたしも」

葵「由依、待って」

 2人を追って歩き出そうとした由依を、葵は呼び止めた。

由依「どうしたの? 葵ちゃんもきつい?」

葵「ううん。…さっき言ったの、本当だから」

由依「? …ああ」

 葵の言わんとする事を察し、由依は微笑んだ。

由依「…ありがとね」

葵「…ん、じゃあ行こ」ドン

由依「…んっ!? うっ、や、ば、出る…」

葵「!? やっぱストップ、ストップ…」

600 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/28(木) 21:20:40.97 ID:GQ1KxoeSo


絵里「…」ジッ

 地下室にて。花に埋もったガラスの棺を、絵里はじっと見つめていた。
 そこへ、一人の人物が入ってきた。

お兄ちゃん「…や、やあ」

絵里「…」

 絵里は、おずおずと入ってきたこの建物で唯一の男を、無表情に見返した。
 お兄ちゃんは絵里の隣に立ち、棺に横たわる人物に手を合わせた。

お兄ちゃん「…」

絵里「…この人が誰か、聞いた?」

お兄ちゃん「うん。…朱音ちゃんの、お父さんだって」

絵里「の割には、ジジイ過ぎだって思うだろ」

お兄ちゃん「…」

 口さがない絵里の言葉に、お兄ちゃんは苦い顔をした。絵里は気にする風もなく続けた。

絵里「…本当の親父じゃないんだよ。朱音を引き取った、育ての親なんだ」

お兄ちゃん「えっ?」

 お兄ちゃんは、どきりとした。

絵里「朱音…小4の途中までは『島崎 朱音(しまさき あかね)』だった。親父がいなくて、母親も殆ど家に帰らねえってんで、いっつも汚え服着て、勉強もしないで遅くまで公園で遊んでた。それで、クラスの連中にいじめられてた。…っていうか、アタシがいじめてた」

お兄ちゃん「! それは…」

絵里「だけど、ある日いきなり『鷹栖 朱音』になって、担任の態度が変わったんだよ。ずっと知らんぷりしてた癖に、やけに庇い立てして、アタシらを怒鳴ったり。訳わかんなかったけど、それから何日かして…」

 ガラスの棺に目を遣る。

絵里「…この人が来た。警視総監だか、刑事局長だか…とにかく、警察の偉い奴だった」

お兄ちゃん「この人が…朱音ちゃんの、お父さんが…?」
601 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/28(木) 22:18:26.64 ID:GQ1KxoeSo
 絵里は、頷いた。

絵里「ホームルームから、何時間も喋ってたよ。何だったかな…確か、”いじめは犯罪だ!”から始まって…クソみてえな話を。でも、聞き終わって、ムカついたけど、それが収まったら、なんだか今までやってたことが馬鹿らしくなって。担任に言われるまま、朱音に謝った」

お兄ちゃん「朱音ちゃんは、許してくれた?」

絵里「口じゃあな。でも、その後から何回か、一緒に遊ぶことがあったから、多分本当に許してはくれたんだろうな」

お兄ちゃん「良かったね」

絵里「…」

 絵里は鼻を鳴らすと、棺に手を置いた。

絵里「…なのに、あんなことしやがって…親父さんが喜ぶわけねえだろ…!」



ねね「総理の命令で、領土拡大作戦が再開されることになったわ!」

 いつもの朝礼の場に出てきた、ねね幕僚長が宣言した。

ねね「トレイターの4人は逃げちゃったけど、一番危ないリーダーを押さえられたから、再開できると判断したそうよ。でも、国が手薄にならないよう、巡回も強化されることになったわ」

 ここで、新しく普通科長になった、紫藤初が壇上に上がった。

紫初「はーい、ちゅうもーく! 現在、我々の持ってる領域はここ!」

 下に控えていた幼女が、何らかのギフトで空中に日本地図を投影した。その、関東地方から東北の南側にかけてが赤く染まる。

紫初「で、人間たちの今の首都はここ!」

 大阪の辺りが黄色く光る。逆に、東北の北の方から北海道にかけては灰色に染まった。

紫初「首都から取り残された、ここより北東の方は、南下してきたガイジンに占領されちゃったみたい。奪い返しても、住民は日本語通じないからパス! よって、西に進みまーす!」

虹「現在、人間の軍は関東山脈に防衛ラインを設けている」

 一緒に上がった虹が言った。フルフェイスヘルメットに阻まれているが、中にマイクが仕込まれているのか、声がよく通る。

虹「山道は意図的に整備されていないため、大型車両は使えん。吾のサンダーピート號もだ。更に、落とし穴や網など初歩的だが厄介なトラップが多く仕掛けられている。よって、工作科を中心とした連隊を編成し、防衛ラインの突破を図る」
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/29(金) 10:15:57.54 ID:egsh2QQho
世界観地続きだったんか…!
おつ
603 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 16:19:40.61 ID:2hZenVSro
こっちの鷹栖さんは長官よりは地位が下がる。当然幼女に手出しもしてない



崩礼「基本的に、工作科のやることは決まっている。まず1班が拠点の確保、設営を行う。3班が通信を確保した後、4、5、6班が障害物や罠の解除、整地を行い、7、8班が整地された戦場を、こちらに有利な地形に作り変える。その間に起きた障害は、適宜2班が処理する」

崩礼「今回、侵攻するのはモロに敵の陣地だ。よって基本に忠実にいく。俺自身、科長としての指揮は初めてだからな」



由依「というわけで、あたしたちの出番はもうちょっと後になるみたい」

 7、8班の列に戻ってきて、由依が言った。

ラセン「資機材節約の為、実戦的な訓練はしばらく延期し、消耗しない程度のトレーニングに抑える。今日はマラソンだ!」

葵「消耗しない程度の…?」ボソ



安価下コンマ
01〜05 街に
06〜30 消耗
31〜60 こんなもんか
61〜80 来客
81〜95 何でここに
96〜00 お前は…
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 16:23:48.25 ID:DCLeu8XK0
605 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 16:29:36.56 ID:2hZenVSro


葵「はぁ…はぁ…」ドタドタ

初「ひぃ…ふぅ…」ドタドタ



ラセン「…今日はここまで!」



葵「はぁ…お、終わった」グタッ

ラセン「すぐに立ち止まるな! 少しずつ速度を落とすのだ!」

初「ひぃ…」

葵「しょ、しょうもう、してるし…」

 訓練に復帰してしばらく経つが、まだまだ体力は元通りにはならないようだ。



真姫「葵ちゃん、初ちゃん、ご飯行こ」

葵「ん。由依は?」

真姫「ラセン隊長と打ち合わせだって」

葵「そう…」

初「後から、来ますよね…」



安価下1〜3でコンマ最大 食事、入浴中の出来事
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 17:18:19.27 ID:dEcLroxkO
食事中に紫藤初が話しかけてくる
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 19:12:37.34 ID:hdhiJG/Ho
隊長達もきて大勢の食事
相変わらず元気なラセン
608 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 19:38:58.78 ID:2hZenVSro


葵「サバと、鮭と…」カチャ カチャ

 カウンターでおかずを選んでいると、由依とラセンもやってきた。

真姫「あ、早かったね」

由依「うん。戦況が分かってから考えようってことになって」

ラセン「一先ず、特に変わりがない限りは今日のような訓練を続けるということだ」

 いつの間にか7班の退院たちも集まってきて、大テーブル一つを囲む集団になった。
 そのまま、7、8班合同で夕食が始まった。



安価下コンマ
01    首相官邸で…
02〜10 激辛卵焼き
11〜30 7班の副班長が絡んできた
31〜50 崩礼の話題に
51〜70 今日の卵焼きは当たりだ
71〜90 静流が話しかけてきた
91〜99 お兄ちゃん!?
   00 何でここに
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 19:44:10.56 ID:dEcLroxkO
高コンマこい
610 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 20:25:50.05 ID:2hZenVSro


ラセン「」ガツガツ

 大きな皿に、ハンバーグやらフライドチキンやらポテトサラダやら、山盛りに積み上げては平らげるラセン。

葵「あ、相変わらずすごい食べるね…」

ラセン「んぐ…食えるときに食わねばな。はぐっ…」モグモグ

葵「うん…」モグ

葵「!」

 恐る恐る卵焼きを口に入れ、葵は目を見開いた。激甘だったり、逆に塩辛かったり、ブレの激しい卵焼きだが、今日のは当たりだ。醤油が効いていて、それでいてほんのり甘い。

ラセン「…おっ、今日のは当たりか! どれ、では久々に試してみるか…」スクッ

 ラセンが、空の皿を持ってカウンターへ向かった。

葵「…え、あたし毒見係?」

静流「…基本、ラセン隊長は卵焼き食べない」

葵「!」ビクッ

 いつの間にか、隣に座っていた静流が、ぼそっと言った。

静流「篠崎陸曹長が美味しそうに食べてるから、自分も食べたくなった」

葵「そ、そうなの…?」



葵「おやすみ…」

 部屋の電気を消すと、葵はベッドに潜り込んだ。



安価下コンマ ゾロ目で…
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 20:29:26.17 ID:hdhiJG/Ho
612 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 20:53:26.72 ID:2hZenVSro


ねね「おはよう! 玉置ちゃんから報告が届いたわ!」

 朝礼にて、ねねが言った。

ねね「既に本拠地と通信設備の設営は完了。山中のトラップ解除が急ピッチで進んでるわ。妙なことに敵兵士と全く会わないらしく、警戒しながら作業を進めているところよ」



ラセン「どうやら、我々の出撃も近そうだ。敵がいないのなら、直接歩兵を進めても良さそうだが、玉置『閣下』はあくまで用心深く行くようだ」

由依「というわけで、今日もマラソン! でも昨日よりは軽めにいくね」

 由依の号令で、7、8班の隊員たちが走り出した。



安価下コンマ
01    首相官邸が…
02〜50 出撃だ
51〜99 特に何も起こらない
   00 どうしてここに
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 20:57:12.96 ID:auiVHH5Eo
614 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 21:28:17.50 ID:2hZenVSro


由依「…今日はここまで!」

真姫「結局、呼ばれなかったね」

葵「トラップの撤去が長引いてるのかな…?」

由依「じゃあ、ご飯にしよっか!」



安価下1〜3でコンマ最大 食事、入浴中の出来事
615 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 22:08:39.99 ID:2hZenVSro
(そんな何回も同じ安価出しても思いつかんよね)

(先に進める前に別の募集を)



安価下1〜3で次の>>1のコンマに一番近いやつと遠いやつ 3班と4班の班長 名前と容姿、ギフトは必須 どっちをどっちに採用するかはこっちで決める
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 22:09:31.70 ID:hdhiJG/Ho
風呂におる崩礼
葵も思わず近づいて確認するほどめっちゃお疲れの様子
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 22:31:00.10 ID:JUKUfNosO
【名前】ロナ・シュミット
【年齢】11
【外見】白人。セミロングの金髪。
可愛い系の顔立ちと気が弱そうな素振りから小動物のような雰囲気を漂わせている。
顔立ちは幼く小柄で華奢な体格だが、その幼さとは裏腹にバストは大人顔負けに実っている。パイパン。処女。
【性格】怖がりで常に何かに怯えているような言動をしているが、元の性格は親思いで甘えん坊だった。
【特技】舌が器用でさくらんぼのヘタを結べマス。
【好きな食べ物】ヨーグルト
【好きな教科】体育
【好きなスポーツ】水泳
【好きな人のタイプ】甘えさせてくれる包容力がある人
【ギフト】
沈静:目を合わせた生き物の精神を沈静化し、敵意を喪失させる。
【最後に一言!】
ロナといいマス。日本語はマダ慣れませんが虐めないでクダサイ。



ロリコンシミュレータで投げたけど不採用だったキャラの再利用。元資産家の令嬢。
外人はダメなら安価下。
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 08:30:34.12 ID:JuK+Fh8H0
名前:紅月 ホムラ(あかつき -)
容姿:毛先が赤いグラデーション風のオレンジ天パショートで青眼。低身長だが全体的に筋肉質なスリム体型
性格:短気で喧嘩っ早いが真っ直ぐで情と義にアツい性格。己が身を張ってでも仲間や配下を見捨てるマネを基本的にしないので信頼を得やすい
ギフト:「炎」自分の身体から炎を出したり、エンチャント式に拳や足に炎を纏って攻撃したりする
619 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/31(日) 20:24:08.27 ID:90yWB2X7o
あといっこ
次の更新までになければこれを加える



平木 柔(たいらぎ やわら)
12歳
黒髪を後ろで一つに括った、歳の割に筋肉質で長身の幼女。制服や隊服は道着風に改造してある。
ギフト『緩衝』:物理的な衝撃を体内に吸収し無効化する。打撃が効かないだけでなく、持ったものを揺らすこと無く運ぶことができる。
620 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/01(月) 18:24:11.86 ID:pl6eRq6yO
こんま
621 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/01(月) 22:01:48.52 ID:CxbXHPxJo


崩礼「…」ジッ

 机の上に広げられた地形図と、回収した縄の罠を見て、考え込む崩礼。傍らに立っているのは、ブロンドをセミロングに伸ばした、発育の良いコーカソイド幼女と、隊服の上を道着めいて黒帯で縛った、黒髪の幼女であった。それぞれ、3班長のロナ・シュミット3等陸佐、4班長の平木 柔(たいらぎ やわら)1等陸尉という。

崩礼「…はぁ」

ロナ「…あ、あああ、Ah…」

崩礼「何だ」クルッ

ロナ「Aieee!?」

崩礼「いちいち叫ぶな」

 崩礼は、怯えるロナに、ため息混じりに言った。それから、柔に目を向けた。

崩礼「…で、これ以上のトラップは出てこなかったと」

柔「はい」

 無表情に頷く柔。自分より下から、突然遥か頭上に上がってきたこの新科長を、彼女は値踏みするように見ていた。

柔「いい加減、7、8班を出しては」

崩礼「敵を落とし穴に嵌めたい時、どうするか知ってるか」

柔「…」ジッ

ロナ「Ah…make the road…お、落とし穴じゃない、の道、通れないに、する…?」

崩礼「罠を警戒してない相手なら、それで十分だろう。だが、もっと用心するのなら」

柔「閣下。ことは一刻を争いますよ。勿体ぶらずに話しては」

崩礼「…」チッ

 崩礼は舌打ちすると、言った。

崩礼「…手前に、バレバレの穴を掘るんだ。そいつを避けて、何だこんなもんかと油断して、踏み込んだ足元に本命があるってことだ。つまり」

柔「つまり?」

崩礼「おい、ことは一刻を争うんだろ? …つまり、こんなしょうもないトラップの一歩先に、致命的なやつが埋まってる可能性があるってことだ。分かったら、さっさと作業に取りかかれ!」



 翌朝。7班と8班は、以前行った戦略ゲームを行っていた。

ラセン「丸山、前へ」

真姫「えっと…初ちゃん、右に…それから」



安価下コンマ 60以上で…
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 22:03:06.40 ID:HikuYpfao
えい
623 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/04(木) 21:21:31.32 ID:+e+I9OUyo


ラセン「…これで詰みだな」

由依「うぅ…」

 2人がかりで、盤の隅に追い詰められた初。糸玉で片方を阻んでも、もう片方が攻撃して終わりだ。葵は序盤に倒され、真姫は遠くに追いやられている。

ラセン「まだまだ視野が狭いな。戦場の隅々まで気を配るのだ」

由依「はぁい」



ラセン「しかし、今日こそは出撃だと思っていたのだが」

由依「ラセン隊長、聞きました? トラップの先に」

ラセン「ああ」

 ラセンは、重々しく頷いた。

ラセン「地雷が埋まっていたらしいな」

葵「地雷…!?」

ラセン「玉置は警告していたらしいが、油断した4班の数名が負傷したと」

真姫「折角、崩礼隊長が注意してたのに…」

 ラセンは溜め息を吐くと、言った。

ラセン「下り坂の地雷だ。撤去は危険で、かなりの時間がかかる。長虫閣下のサンダーピート號で均そうかという意見もあるらしい」

葵「じゃあ、あたしたちの出番はまだまだ先?」

 すると、ラセンは首を横に振った。

ラセン「いや。長虫閣下が出るのなら、『道を開ける』必要がある。機甲科にそれ用の部隊はあるが、この状況だ。我々も駆り出される可能性はある」

葵「へぇ…」

 頷きながら、葵はふと、件の『サンダーピート號』なるものがどんなものなのか気になった。地雷を踏んでも平気で、出撃に大変な準備が必要で、専用の部隊まで用意されていて…

葵「…かっこいい…」ボソッ



安価下1〜3でコンマ最大 食事、入浴中の出来事
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/04(木) 21:31:42.31 ID:5i6ji+Xoo
サンダーピート號見たことある人の話きいて、いなきゃ想像を膨らませてワクワクする葵
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/04(木) 21:35:44.03 ID:vVGUqq32o
初に手を出してた娘たちがお風呂で葵に話しかけてくる
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/04(木) 22:13:20.76 ID:uCtaS9jnO
食事中にたまたま4班と相席することになる
627 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/04(木) 22:23:21.31 ID:+e+I9OUyo
4班はまだ前線なので基地で会うことはない

あといっこ
安価下
628 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/04(木) 22:34:07.40 ID:+e+I9OUyo


葵「…サンダーピート號…」ボソ

 食堂で夕食を摂りながら、葵はふと呟いた。

葵「ラセン隊長は、見たことある?」

ラセン「んぐ…ああ、あるぞ。2回くらいだが」

初「ういは、見たことないです…」

静流「サンダーピート號は、長虫閣下と一緒に自衛隊に配備された」

 ラセンの隣に座っていた静流が、口を挟んだ。

静流「閣下がいないと、出撃どころか、コックピットを開けることもできない」

葵「つまり、専用機…!」キラキラ

ラセン「だが、ドリルは付いていない」

 目を輝かせる葵とは反対に、ラセンは不満げだ。

ラセン「それどころか、装備らしい装備が一つもない。ただデカくて、硬くて、前に突き進むだけだ」

由依「へぇ…それって不便じゃないですか?」

静流「超大質量による突進だけで、十分な攻撃力を持っているとも言える」

葵「めちゃめちゃ尖ってる…」キラキラ

629 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/05(金) 20:49:15.07 ID:HOXxwbU9o


虹「…」ジッ



「オーライ! オーライ!」「もうちょっと右! そこからまっすぐ!」「進路に誰もいないな!?」



 並列接続された2台のトレーラーに曳航される、巨大な黒いコンテナを、虹は少し離れたジープの荷台から見つめていた。隣に座っているのは、戦車部隊長の網走巌2等陸佐。

巌「いつ見ても、壮観でありますな。流石に閣下は、慣れておられるでしょうが」

虹「ふむ…」

 真っ黒なフルフェイスヘルメット。白い制服の下には、インナーを纏い、黒手袋に黒ブーツまで嵌め、表情はおろか顔色すら伺い知れない。彼女の素顔を見たものは、陸自にすら巌含め数名しかいない。

虹「吾は大抵、あれの操縦席にしかおらん。こうして外から眺めるのは、吾にとっても新鮮だ」

巌「そうでしたか」

 相槌を打つと、巌は通信機を耳に当てた。

巌「こちらは戦車部隊長、網走。整地の進捗はいかがですか。どうぞ」



”こちらは工作7班長、鉄山。ヤギさんポイントまでのルートは確保。あと20分程度で、コンテナ展開可能な広場の整地が完了する”



巌「了解。サンダーピート號の現着は3時間後。整地完了したら、現着までしばらく休憩していなさい。どうぞ」



”了解”



虹「鉄山は、よく働くな。同期の玉置に先を越されて、焦ってはいないか」

巌「玉置の昇進は、事故みたいなものです。むしろ巻き込まれずに済んだと思うべきでしょう」

虹「だが…入隊した頃の奴の野心を、吾は今でも覚えているのだ」

巌「であれば、その野心を藤島さん…前の幕僚長が徹底的に叩き潰したことも、覚えておいででしょう」

虹「潰れるかな? 奴が…」

 ヘルメットに内蔵されたマイクに溜め息が当たり、がさがさと音を立てた。



由依「よーし終わり!」

真姫「できたぁ…」

 山道の入り口を広げ、道を踏み固めて、丸い広場が出来上がった。ここに、長虫陸将のサンダーピート號を積んだトレーラーが到着し、出撃の準備をするのだという。

葵「普通に、基地から走ってきちゃだめなの…?」

ラセン「実物を見れば、我々が何故こんな苦労をしなければならんのか、嫌でも分かるぞ」

葵「おお…」ワクワク

 ラセンの言葉に、葵はむしろ目を輝かせた。

由依「じゃあ、閣下たちが着くまではきゅうけーい!」

 由依が宣言した。



安価下1〜3でコンマ最大 休憩中の出来事、行動
630 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/06(土) 14:28:57.18 ID:p+Yp9q7mo
安価付かないしコンマにしよ

安価下コンマ
01〜05 小競り合い
06〜15 このレーション…
16〜40 特に何も起こらない
41〜80 崩礼が見に来た
81〜99 何故ここに?
   00 何故ここに…?
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 14:39:26.55 ID:pWOVh0su0
632 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/06(土) 21:08:49.01 ID:p+Yp9q7mo


 整地した広場の隅で、レーションと一緒に持ってきたクッキーを齧っていると、山道の方から他の班の隊員たちが降りてきた。最前線で、トラップの撤去に当たっていたグループだ。
 最後に降りてきたのは…



崩礼「…お」



由依「崩礼隊長! …じゃなかった閣下!」

 由依を先頭に、8班の隊員たちが駆け寄った。

崩礼「よう、整地は済んだか」

ラセン「この通りだ。そちらの撤去は? 『閣下』」

 わざとらしく強調しながら、ラセンが尋ねる。

崩礼「見ての通りだ。あのクソデカムカデに轢かれちゃ、たまらねえ」

 それから、ニヤニヤしながらラセンの顔を見つめ、おもむろに目の周りを指でなぞった。そこには、くっきりと黒い隈が浮かんでいた。

崩礼「…見ろよ。ギフトも使ってねえのに、目の周りの黒いのが消えなくなったぜ」

真姫「寝てないんです…?」

崩礼「まあな。ひでえ話だぜ。平木のやつは言う事聞かねえし…」

ラセン「覇気が足りんのだ、覇気が」

 ラセンが鼻を鳴らす。崩礼は黙って肩を竦めた。それから、不意に葵の方を見た。

崩礼「…腕はもう元通りか、篠崎」

葵「ん」コクン

崩礼「朝倉班長とは、上手くやってるか」

葵「ん。崩礼隊長よりも上手くやってる」

崩礼「っ…そ、そうか…」

633 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2024/04/06(土) 21:30:27.47 ID:Wnc8Xx4f0
柊に関しては過去の判例で「通報されないと判断された時はVPNを使わない」んだが、通報されることが目に見えていると判断した場合、村が終了する前にVPNを使って回避しているんだ。
つまりこいつ「通報されるとわかっていて無駄な奇策利敵をやっている」ことになる。
通報される前にVPNで逃げる事がわかっている時点で確信犯なので、マジで入れない方がいい。
実際問題、それの関係で多くの村民に嫌われているし、流石に入れない方が賢明だ。
634 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 14:14:31.10 ID:Waq/fDbYo


 それから約2時間後。向こうの方から、地響きの音が近づいてきた。

崩礼「! 来たか」

葵「…」ドキドキ

 やがて、地平線の向こうから、横並びで走ってくる2台のトレーラー、そして、それに曳行される巨大な黒のコンテナが姿を表した。

葵「おっきい…!」キラキラ

由依「うわぁ…」

真姫「あ、あれがサンダーピート號…?」

ラセン「あの箱の中身が、そうだ。安全に運ぶには、ああするしかない」

 トレーラーに続いて、1台のジープがやってきた。それはトレーラーを追い抜いて先に広場に到着すると、荷台から2人の幼女が降りてきた。一人は、適性検査で葵に装填手の仕事を教えた、網走巌。そしてもう一人は、フルフェイスヘルメットの長虫虹だ。
 ラセンが駆け寄った。

ラセン「お疲れ様です、閣下」

虹「ああ。整地は済んだようだな」

ラセン「はい。展開には十分な広さかと」

巌「休憩は取れましたか」

 巌が7、8班を見回した。いかつい名前と鋭い目つきに反して、声色は柔らかい。新入隊員だった葵を指導するときも、そうであった。

由依「はい!」

崩礼「山の前線基地も撤収完了した。とりあえず、登り坂の障害物もある程度撤去しておいたぜ」

虹「そうか」

 短く答えると、虹はゆっくり近づいてくるトレーラーを見て、それから山を見上げて言った。

虹「…敵とは会わなかったのか」

崩礼「ああ。妙だと思っていたが、境界に地雷をばら撒いたのなら合点がいく。前線をかなり下げたんだろう。向こう側に民家が見えたが、全部もぬけの殻だろうよ」

虹「それでも、アナウンスはしなければならない。コンテナが着いたら、3班を呼べ」

崩礼「了解」
635 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 14:55:20.16 ID:Waq/fDbYo
巌「…ときに、玉置閣下。負傷者は?」

崩礼「とっくに、基地に叩き返したぜ。今頃、幕僚長に絞られてるだろうよ」

巌「命令に背いた4班長は、いかがしますか」

 すると、崩礼は露骨に嫌そうな顔ををした。

崩礼「おい、機甲科が気にすることじゃないだろ。…なあ?」

ラセン「…む、本官に聞いているのか?」

崩礼「ああ。…ちなみに、ラセンだったらどうする?」

ラセン「知らん。本官は、平木班長に罰を与える立場にない」

崩礼「例え話だよ。お前だって、いつか何かの間違いで、俺の替わりになることがあるかも知れないだろ」

ラセン「…」

 ラセンは、ちらりと虹の方を見てから、言った。

ラセン「伝え方に問題がなかったか、考えなければならん。科長から班長へ、班長から班員へ、正しく意図が伝わっていたか。罰を考えるのは、その後だ」

崩礼「…な? だから、ラセンの方が向いてるって言ったんだよ」

 崩礼は、苦笑しながら虹に言った。

虹「…幕僚長に言うのだ。機甲科が関与する問題ではない」

 虹は、澄ました顔(ヘルメットに隠れて見えないが)で答えた。





「オーライ! オーライ! …ストップ!」



 トレーラーが、後ろ向きに広場に停車した。曳行されてきたコンテナから8本の機械脚が伸び、地面に杭を打ち込んで固定していく。
 最後の一本が地面に刺さると、待機していたコーカソイドの班長、ロナが号令をかけた。

ロナ「3班、かかれ!」

 3班の隊員たちが一斉にコンテナに殺到し、側面に開いた小さな扉を開けて中から無数の機械を取り出した。

葵「…もしかして、今から組み立てるとか?」

静流「本体は別にある。あれは『アナウンス』用の装置」

 広場に並べられていくのは、大きなロケット弾。更に中央には、巨大な箱が設置された。

ロナ「Test、します」

「テスト用音声を再生します!」

 隊員が箱の中の機械を操作すると、並べられたロケット弾から一斉に、プリティ☆メイジーの主題歌が流れ出した。

ロル「…OK」

葵「…?」

 音の出る、ロケット弾? 何に使うのだろう? 首をひねっていると、静流がまた言った。

静流「本番は、避難命令が流れる」
636 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 17:39:49.34 ID:Waq/fDbYo
巌「サンダーピート號出撃を、アナウンス開始から72時間後に設定します」

ロナ「Ready…ah…準備、できた…命令する、fire」

巌「…閣下」

虹「では、スピーカーを撃ち出せ」

巌「発射」

ロナ「FIRE !!」

 ロナが声を張り上げた。次の瞬間、無数のランチャーから山の向こう目掛けて、いくつものロケット弾が放たれた。それは広く拡散して、山頂の向こう側に次々と着弾していった。いくつかが地雷に当たり、爆発音が鳴り響いた。

虹「タイマーを設定。アナウンス…開始」

ロナ「Playback !」

「再生!」

 隊員が機械を操作すると、山が揺れるほどの音声が鳴り響いた。山頂を越えたこちら側にまで、なにか言っているのが聞こえる。



静流「人間たちに、避難を促している。何も知らない非戦闘員を轢いたら、まずい」

葵「出撃は72時間後って…3日後?」

崩礼「避難に、それくらいの猶予はやるってことだ。…長虫さん、テントはこっちだ。休憩するなら使ってくれ」

虹「分かった。ではこれより24時間は休憩とする。その後、コンテナの展開を開始する」

巌「機甲科は野営の準備を! 敵は飛行機を持っている! 上空に気を配れ!」



「「「サーイエッサー!」」」





葵「…はぁ」

 自分たちも持参したテントを張り、一息ついた。外はすっかり暗くなり、薄いテントの外には冷たい空気が漂っている。



安価下1〜3でコンマ最大 休憩中の出来事、行動
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 19:38:00.34 ID:3bvuY4ZMo
キャンプでカレー作る雰囲気で糧食の準備をする葵達
638 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 20:07:17.42 ID:Waq/fDbYo


由依「包丁を使うときは、猫の手!」トントントン

葵「ん」トントントン

 水で洗った平たい石の上で、人参を刻む8班一行。生野菜など、普通は一兵卒が持ち込むものではないのだが、そこは由依のギフト『育成』の使いどころだ。こっそり持ってきた野菜の種を適当な場所に植え、あっという間に収穫まで成長させてしまったのだ。

真姫「由依ちゃん、切ったお野菜、お鍋に入れるね」バラバラ

初「缶詰のお肉も、入れちゃいます…」ドボッ

由依「じゃあ、火を起こして…」シュッ シュッ シュボッ

 メタルマッチとナイフで、積み上げた枯れ枝に火をつけると、その上に野菜と肉を入れた鍋を吊るし、水を注いだ。

葵「キャンプみたい」

初「そうですね…」

 パチパチと爆ぜる焚き火を眺めながら、葵は呟いた。



安価下コンマ
01〜05 飛行機だ!
06〜10 向こうが騒がしい
11〜30 味がしない…
31〜60 カレールゥだ!
61〜80 ↑+米もあるぞ!!
81〜99 ラセン隊長たちも来た
   00 長虫閣下!?
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 20:10:31.65 ID:52OtHRDZ0
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 20:10:42.08 ID:3IZqVOoYO
高コンマこい
641 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 20:34:24.29 ID:Waq/fDbYo
初「でも…このままだと、お野菜とお肉を茹でただけです…?」

葵「確かに」

由依「ふっふっふ〜…」

 そこへ、由依が意味深に笑みながら近寄ってきた。彼女は、葵と初の目の前に経つと、後ろに回していた手を前に出した。

由依「じゃじゃーん!」



『カレールゥ』『レトルトご飯』



葵「!!」ガタッ

初「カレー! カレーができます!」

真姫「ご飯温めるから、こっちでお湯も沸かすね」ゴトッ



「「「「ごちそうさまでした!」」」」



葵「ふぅ…」

真姫「キャンプで食べるカレーって、お家で食べるより美味しく感じるよね」

由依「よしっ、早く片付けして、寝る用意をしなきゃ」スクッ

葵「んん…」ドッコイショ

初「明日から、あのコンテナを開けるんですよね…」

 遠くから響く避難命令を聞きながら、葵たちは鍋や皿を片付けた。焚き火に土をかけて消すと、辺りはもう真っ暗だ。テントに入り、寝袋に潜り込んで目を閉じた。



安価下コンマ ゾロ目で…
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 20:45:52.13 ID:3bvuY4ZMo
崩?
643 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 20:55:39.65 ID:Waq/fDbYo
ここで区切る
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 20:57:18.36 ID:3bvuY4ZMo
おつおつ
645 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/08(月) 21:51:04.18 ID:hlhetY8Uo


ドドドドドド…

葵「ん…」ムクリ

初「ふぁ…」

真姫「何の音…?」スクッ

由依「Zzz…」

 外から響いてくる音に、葵たちは目を覚ました。真姫が寝袋を出て、テントの外を覗く。

真姫「…あっ!」

葵「何?」

由依「んぁ…」モゾ

真姫「外に、輸送バンがいっぱい…」

 葵も起き上がり、テントの外を見た。

葵「!」



二三「急げ、降りろ! 小隊ごとに整列し、中隊長に報告しろ!」



由依「んん…っ、普通科が到着したみたいだね…」ノソリ

 由依が、ようやく起きてきた。

由依「サンダーピート號が出撃したら、その後から侵攻するから、もう来て準備するんだって」

葵「…それ、初めて知った」

由依「ふぇ? …っ!!?」

 由依の顔が、さっと青ざめた。

由依「い、言ってなかったっけ? ごめん!」

真姫「とにかく、早く着替えて、テントを出よう?」



 新しい作戦拠点として、1班によって建てられたテントには、虹、崩礼、二三が顔を合わせていた。

虹「紫藤普通科長は来てないのか」

二三「科長は、第一作戦部隊不在の間の首都防衛の指揮に当たられます。自分が代理として、部隊の指揮に当たります!」

 二三が直立したまま答えた。

崩礼「そうかよ。…で、こっちの作戦は?」

虹「サンダーピート號で地雷を撤去し、山道の安全を確保した後、普通科第一作戦部隊が山越えを行う。無事越えたら、山を背にして陣を敷く」

崩礼「俺たちが出るのは、その後で良いんだな?」

二三「敵の動き次第であります。侵攻前のアナウンスを聞いて、逆に敵が軍を展開している可能性もあります」

虹「その時は、サンダーピート號が盾になる。その後ろで陣を敷くと良い」

崩礼「地質次第だが、塹壕を掘るのが良いだろう。山越えのときは、7、8班を同行させろ」
646 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/08(月) 22:04:25.78 ID:hlhetY8Uo


由依「…というわけで、サンダーピート號が出撃したら、あたしたちは普通科と一緒に出発だね」

葵「…」カチャカチャ

 葵は作戦を聞きながら、緊張の面持ちでリボルバーを弄んだ。次の相手は、テロリストでも、種付けおじさんでもない、人間だ。自分も、少し前まで同じ存在だった…

由依「人の住む場所に入ったら…少なくとも、女の子は絶対に傷つけないこと。その他人間も、抵抗してこない限りは殺さないこと」

初「ふぅ…すぅ…」プルプル

真姫「…初ちゃん、出撃はまだ先だから」

由依「取り敢えず…もうすぐ、サンダーピート號をコンテナから出すから、護衛がてら見学しに行こっか」



安価下コンマ
01〜10 飛行機だ!
11〜20 遠くで爆発音が
21〜80 大きい…
81〜95 網走隊長?
96〜00 長虫閣下…?
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/08(月) 22:14:05.24 ID:bo7YTdR7o
えいや
648 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/10(水) 21:15:07.94 ID:lzlDEqpio


ゴウンゴウンゴウン ゴゴゴゴゴゴ…



 轟音と共に、黒いコンテナの天井が跳ね上がり、そのまま壁が四方へと倒れていく。
 中から現れたのは、巨大な鋼鉄の多脚戦車であった。鋭い足がずらりと並んだ胴体は、確かに崩礼が形容したムカデそのものであった。

葵「おっきい…!」キラキラ

 目を輝かせる葵。
 4面の壁が完全に倒れて地面に接触すると、離れていた機甲科の隊員たちが一斉に駆け寄って点検を始めた。



「第一関節から始めること!」「ねじ締めよし!」「駆動よし!」



葵「…大変そう」

 アニメでは半分以上カットされるようなメンテナンスが、目の前で延々と繰り広げられている。流石の葵も、ずっと変わらない景色に飽きてきた。

静流「サンダーピート號は、すごい兵器。でも、準備にすごく時間がかかる」

葵「!」

 いつの間にか後ろに立っていた静流が、言った。

静流「おまけに、できることはとても少ない」

葵「前に進むだけって、ラセン隊長が言ってた」

静流「」コクン

葵「サンダーピート號は…コトブキ博士が作ったの?」

静流「『核』は、コトブキ博士。その周りは、理化学研究所の研究者や、陸自の偉い人たちが考えて、作った」

葵「へぇ…」

 コトブキ博士が全部作っていたら、もう少し便利な代物になったのだろうか。葵は、ぼんやりと考えた。



 日が沈むと、点検を中止して夕食が始まった。普通科が持ってきた大鍋で、大量のシチューが作られて、葵たち工作科にも振る舞われた。

初「はふっ、ふーっ…」

由依「ん、おいひ…」モグモグ

 熱々のシチューに、乾パンでお腹を満たすと、一同はテントに入った。



安価下コンマ
01    爆撃
02〜10 銃声
11〜25 普通科は…
26〜60 翌朝
61〜80 葵「おしっこ…」
81〜95 ↑+長虫閣下…?
96〜00 何でここに
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/10(水) 21:16:25.80 ID:/TQ+Q5zSO
高コンマこい
650 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/10(水) 21:43:38.11 ID:lzlDEqpio


葵「…っ」パチ

 暗いテントの中で、葵は目を覚ました。ゆっくりと起き上がりながら、ぼやく。

葵「おしっこ…」モゾモゾ

 寝袋を這い出し、他の仲間を起こさないように、そっとテントを出た。
 広場ではライトが焚かれていて、機甲科の専属部隊による夜を徹した点検作業が行われていた。

葵「大変そう…」

 葵は灯りと喧騒と、他のテントを避けるように、木立の奥へと入っていった。



 人気のない木立に入ると、葵は隊服のズボンとパンツを下ろしてしゃがんだ。

葵「…ん」フルッ

シュィィィィ…

葵「ふぅ…」ショロロロロ…

 作戦が始まれば、トイレで落ち着いて排泄もできない。こうやって、パンツを下ろして座ることすらままならず、行動しながらパンツの中におしっこすることもままある。濡れたパンツを穿き続けるのは、気持ち悪い。冷えるし、痒くなる。知らずに臨んだ適性試験で、葵はお気に入りのパンツを台無しにしてしまったものだ…

葵「んっ」フルフル

 葵は立ち上がり、下を穿き直した。



安価下 どうする?
@テントに帰る

A散歩する

Bその他要記述
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/10(水) 22:20:59.37 ID:I3fStsW7o
2
652 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/10(水) 22:43:53.54 ID:lzlDEqpio


 そのまま、しばらく辺りを散歩することにした。



安価下コンマ
01〜05 夜偵
06〜15 取り残したトラップ
16〜60 眠くなってきた
61〜80 ラセン
81〜95 崩礼
96〜00 虹
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/10(水) 22:49:22.92 ID:88b8GSX9o
はい
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/10(水) 22:49:36.46 ID:AWTy96Rv0
655 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/10(水) 22:50:46.74 ID:lzlDEqpio
ねる

今まで出てきたキャラで、誰が一番好き?
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/10(水) 22:51:16.06 ID:88b8GSX9o
っし!!
崩礼好きなんだ
√まだ諦めない
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/10(水) 23:05:09.84 ID:/TQ+Q5zSO
おつ。
ラセンに一票。だけど自分が投げたキャラにも出番がほしい今日この頃。
658 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/11(木) 22:48:56.48 ID:V2CdEUIQo


 あまり離れるといけないと思い、テントの林立する辺りに戻ってくると、一人の幼女が木の根元に座り込んでいるのを見つけた。



崩礼「…」ボー



葵「…」ソロリ

崩礼「…ん」チラ

 崩礼は、こっそり近づいてきた葵に気づくと、顔を上げてちらりと彼女の方を見た。それから、「よう」と短く声をかけ、また宙を見つけた。

葵「…寝なくていいの?」

崩礼「寝てなさすぎて、目が冴えちまった」

葵「変なの」

崩礼「変だろ」

 崩礼は、力なく笑った。
 葵は、その隣に腰を下ろした。

葵「1班って、どんなとこ?」

崩礼「代わり映えしないところだな。どこに行っても、何の任務でも、1班の仕事は拠点の設営。出来上がりは全部同じ」

葵「そういうものでしょ」

崩礼「それが仕事だからな。だが、塹壕戦みたいな臨機応変、行き当たりばったりで何とかするみたいな、そういうスリルは無い」

葵「嫌?」

崩礼「俺より向いてるやつがいるだろうとは、思うぜ」

 崩礼は、溜め息を吐いた。



安価下1〜3でコンマ最大 崩礼との話題、行動など
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/11(木) 23:26:55.90 ID:0my90d80o
頑張ってると思うと言ってぎゅっと抱きしめる
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/12(金) 00:44:17.43 ID:iP2Ts+bAo
強引にでも寝かす
661 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/12(金) 22:31:15.55 ID:exNk2eVXo
葵「…」

 葵は、そんな崩礼の肩に腕を回すと…

葵「」ギュ

崩礼「!?」

葵「…でも、隊長は頑張ってると思う」

崩礼「…葵」



安価下コンマ
01〜60 寝た
61〜90 泣き出した
91〜00 襲われた
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/12(金) 22:38:12.65 ID:q2bkp7hZo
えい
663 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/13(土) 16:02:45.47 ID:lCdzEV9No
崩礼「…そうか」

 崩礼は、葵の耳元で呟いた。

崩礼「お前が、そう言うなら…っ…俺は…俺はま、まちがっ…」

葵「…」

 顎を乗せた葵の肩に、熱い雫がぽたぽたと落ちた。

崩礼「…はぁっ、わ、悪い…」

葵「…ん」

 葵は何も言わず、夜更け過ぎまで崩礼を抱きしめた。



「サンダーピート號出撃は5時間後! それまでにテントの撤収を済ませること! ゴミは分別して、補給班に持って帰ってもらってね!」



 長大なサンダーピート號の頭部に据付られた、鋼鉄の扉の前に立つと、虹は黒いグローブを外した。

虹「…」スルッ

 バチッ

 その瞬間、空気がぴりついた。よく見ると、真っ白な虹の指の間を、白いスパーク光が走っている。虹がその手で扉のハンドルを握ると、扉の上にあるランプが灯り、ゆっくりと上に開いた。
 虹が、巌の方を振り返った。

虹「では、吾が降りるまでの指揮を頼む」

巌「了解」

 そう言うと虹は、サンダーピート號の機内へと入っていった。扉が閉まり、機体のあちこちからモーターの唸り声が鳴り始める。



葵「おお…」

静流「長虫閣下のギフトは『帯電』。サンダーピート號は、そのギフトを動力にした電動多脚戦車」

葵「だから、閣下しか動かせないんだ…」

ラセン「おい、我々も普通科に同行するぞ!」

由依「8班はこっちー!」

 サンダーピート號の後方に、第一作戦部隊が列を組んでいる。その中に、葵たちも加わった。

桜「…! 篠崎陸曹長」

葵「桜、久しぶり」

由依「佐山中隊長、よろしくね」

桜「はい。…我々第2中隊は、機甲科砲B班、工作8班と共にサンダーピート號の左後方を進撃します」
664 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/13(土) 17:13:33.55 ID:lCdzEV9No
 桜が、作戦を説明した。

桜「発進後、サンダーピート號は下り坂を蛇行し、地雷を爆破処理しながら侵攻します。安全が確認されたら、我々も坂を下り進撃します。山頂でトラップの除去に当たっていた班によると、山道には古い家がいくつか立っており、人がいるかは不明。山を下ると、狭い平野と集落に出ます。まずは、そこを第一目標とします」

由依「もし、向こう側に兵隊が集まってたら、あたしたちの出番だね」

 桜は頷いた。

桜「サンダーピート號が、敵の侵攻を塞ぐように停車します。その後ろで塹壕を掘り、機体を迂回、もしくは下を潜る形で、敵陣に突撃します。その場合の指揮は、朝倉8班長にお願いします」

由依「が、頑張るね!」グッ



 日が傾き始めた頃、遂にサンダーピート號が前進を始めた。

二三「まだ動くな! 巻き込まれるぞ!」

 二三が叫んだ。
 巨大な鋼鉄のムカデが、鋭い爪を蠢かしながら、コンテナのスロープを降り、ゆっくりと坂を登り始めた。その速度が見る見るうちに速まっていき、やがて轟音と土煙を上げながら猛スピードで坂を駆け上がっていった。粉塵に電光が混じり、薄暗い空がぱっぱっと明るくなる。

葵「かっこいい…!」キラキラ

桜「わた、本官も初めて見たけど…すごい迫力」

 それからしばらくして、山に爆発音が次々と響き始めた。

二三「サンダーピート號が、下り坂に差し掛かった! 第一作戦部隊、前進!!」

 二三の号令で、兵士たちが進撃を始めた。



安価下コンマ
01    待ち伏せ
02〜10 踏み残し
11〜70 もぬけの殻
71〜99 無対策
   00 何でここに…?
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 18:17:49.26 ID:FmlCL8NxO
高コンマだといいな
666 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/13(土) 19:10:39.60 ID:lCdzEV9No






二三「…結局、この町には誰もいなかった、と」

崩礼「目と鼻の先に、地雷をばら撒いたんだ。少なくとも非戦闘員は誰もいない方が自然だろうよ」

巌「ふむ…目当ての人間もいないとなると、もっと先へ進むしかないでしょう」

崩礼「取り敢えず、長虫さんをサンダーピート號から下ろしたらどうだ? この隊で一番偉いのは、あいつだろ?」

巌「閣下は今、車内で放電中です。思ったよりも早く用が済んでしまい、電気が余ってしまったようで」

崩礼「面倒くせえな体質だな」ハァ



葵「…」キョロキョロ

 葵は、空き家の中を見回して言った。

葵「ずっと使われてないみたい」

 『演算』が無くても分かるほど、家の中は埃被って、冷え切っていた。皿や調理器具など、持ち出せそうな家財道具は殆ど持ち出されており、住人はずっと昔に、計画的に退去したのだと推測された。

真姫「結局、戦いも無かったね」

初「ちょっと、良かったかも…」ホッ

 そこへ由依が入ってきた。

由依「おまたせ! 会議で決まったことを報告するね」

 8班員は、放置された机を囲んで座った。

由依「まず、この町は新しい領地として、国土交通省の子たちが整備することになったの」

葵「国土交通省…」

 ずっと昔、ハケンちゃんに提示された就職先の一つが、国土交通省だった。

由依「国土交通省の子が来るまでは、周りの山の見回りや、罠の除去をするんだけど、基地の子たちと入れ替わりでやるみたい」

真姫「わたしたちは…?」

由依「塹壕堀りの7、8班は、片方が残って、片方が基地に帰るみたい。1週間ごとに交代するんだって。今回は…」



このレスのコンマ 奇数で7班、偶数で8班が残る
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 19:18:13.67 ID:vFXe4n3ro
668 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/13(土) 19:19:41.76 ID:lCdzEV9No
由依「7班が戻って、うちが居残りだって」

真姫「はぁい…」

葵「ラセン隊長、帰っちゃうんだ…」

 葵は思わず呟いた。

由依「…えっと、サンダーピート號はここに残しておくみたい。だから、長虫閣下と専属部隊もここに残る。一通り、ここで生活できる設備が整ったら、もっと西、それから南の方へ侵攻するよ」

初「ええと、西はまた山で、南の方には…」

葵「海。でも、こっちに海上自衛隊は無い」

由依「うん。…だから、もしかしたら近々創るかもって。海上自衛隊を」

 由依が、低い声で言った。



葵「ふぁ…」

 空き家の外に出て、葵は欠伸をした。まともな建物にありつけたものの、水も電気も出ない。休み休みの行軍で、下着を汚す羽目にはならずに済んだものの、いい加減にお風呂に入りたい…



安価下1〜3でコンマ最大 町での出来事、行動
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 20:10:20.23 ID:vFXe4n3ro
なんとかして風呂(お湯?)整備して風呂入ろう
670 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/13(土) 21:20:46.80 ID:lCdzEV9No
葵「…いや、入る…!」

 葵のギフトの一つは『再現』。壊れたものを直すことができる。それを駆使すれば、壊れたお風呂を直すことだってできるはず。
 葵は家に引き返すと、埃の積もった浴室に足を踏み入れた。



安価下コンマ
01    でかい虫
02〜30 流石に水道は…
31〜60 ドラム缶風呂で勘弁
61〜90 普通科の娘が…
91〜00 直った!
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 21:39:23.56 ID:c74QNiXCo
「入る」と心の中で思ったならッ!
672 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/13(土) 21:44:26.89 ID:lCdzEV9No


葵「…わかんない」ガックリ

 葵の『再現』は、一度見たものを、その通りに再現する能力だ。残念ながら、葵は壊れる前のこの家の風呂の中身を見たことがなかった。おまけに、浴槽周りだけでなく、そもそも水道が壊れており、葵には直しようが無かった。
 落胆していると、初が浴室を覗きに来た。

初「あっ、葵ちゃん、ここにいたんですね」

葵「うん…? どしたの?」

 初は、目を輝かせながら言った。

初「普通科のみなさんが、ドラム缶のお風呂を作ってくれました。入りに行きませんか…!」

葵「行く!」

 葵は、壊れた浴室を飛び出した。



安価下1〜3でコンマ最大 入浴、食事中の出来事
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:49:57.01 ID:U8iawYkVo
悪乗りのあれて一つのドラム缶に何人入れるかやる
674 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/14(日) 20:33:02.49 ID:Sk+4BPhqo


 打ち棄てられた公園に、数台のドラム缶が並んで火に焚べられていた。全ての缶には、既に一人か二人ずつ、幼女が入って数日ぶりの風呂を堪能していた。

「はい、一人5分までー! …あっ、工作8班ね」

由依「どこに並んだらいい?」

「てきとーに、好きな列に並んでね。一つ前の番になったら、そこの横断幕の向こうで脱いで、開いたら入っていいよ。一人5分で交代ね」



 一つ前の幼女が、ドラム缶風呂に入ったようだ。葵は横断幕を潜り、砂まみれの隊服を脱いだ。着替えが無いのが残念だが、仕方ない…

初「…あっ///」

 隣の列は丁度、初の番だったようだ。細い裸体を晒しながら、もぞもぞと恥ずかしそうにしている。

初「さ、寒いかも、ですね」

葵「確かに」

 そこで、丁度交代の時間になったようだ。葵の前のドラム缶から、一人の幼女が出てくる。初の前の幼女も、ドラム缶から出ようとして…

「きゃーっ!?」ドシャーン

 ドラム缶の縁に足を取られて、缶ごとひっくり返ってしまった。

初「ぅえっ!? だ、大丈夫ですか?」「いたた…」



「あーっ、お風呂が!」



 後ろの方から落胆の声が聞こえた。すぐに、案内をしていた幼女が駆けつけて言った。

「すぐに直すから、ちょっと待っててもらっていい?」

初「うぅ…はい…」プルッ

葵「…初、一緒に入ろ」

初「えっ、良いんですかぁ!?」

葵「寒いでしょ。こっちきて」

初「あ、ありがとうございます…」

 コンクリートブロックの階段を上り、一緒にドラム缶風呂に入った。
 反対側の列では、由依と真姫が服を脱いだところであった。



安価下コンマ
01〜60 何でこっち来るの
61〜80 何で崩礼まで
81〜95 ↑+崩礼の手付きが…
96〜00 う、初…?
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 21:00:10.89 ID:Hqrdm2vro
676 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/15(月) 21:26:35.46 ID:5V8b13p/o
由依「…あ、一緒に入るの?」

 由依がこちらに気づいた。

初「あっ、えっと、う、ういのが、倒れちゃって」

由依「あたしも入るー!」トタタタ

葵「えっ?」

由依「ほら、真姫もー!」ヒョイヒョイ

真姫「えっと…じゃあお邪魔しまーす」

葵「ちょ」

 別の列にいたはずの由依と真姫まで、葵のドラム缶に押しかけてきた。

由依「ほら、詰めて」グイグイ

真姫「ここの隙間に…」ザブザブ

初「ぐぇ…」

葵「ちょ、やめっ」

 ただでさえ狭いドラム缶に、裸の幼女が4人も詰め込まれ、葵と初は呻いた。
 そこへ、横断幕を捲って新たな客が現れた。



崩礼「別に、上官だからって譲れだなんて言っちゃ…」



葵「! く、崩礼、たすけ」



崩礼「…」

崩礼「」ヌギヌギ
677 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/15(月) 21:45:48.35 ID:5V8b13p/o
由依「ほらほら、崩礼閣下もー!」

葵「だめ、だめって! なにしてるの___」

崩礼「…邪魔するぜ」グイッ

 0.5幼女くらいしか無いスペースに、崩礼が身体をねじ込んできた。

真姫「ひぃぃ」

初「ぐるじぃ…」

由依「うへへぇ…」

葵「き、きついって! 誰か、出て…んっ!?」ビクッ

 もがく脚に、誰かの手が触れて、葵は思わず叫んだ。

葵「だ、誰っ、触ったの…」クルッ

崩礼「…」ニチャァ

葵「」



安価下 どうする?
@頭突き

A我慢する

Bその他要記述
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/15(月) 21:50:47.22 ID:ZKM/RxgVo
3 我慢する+多少は気にしないフリ
679 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/15(月) 22:16:20.84 ID:5V8b13p/o
崩礼「」サワサワ

葵「…」

 葵は密かに溜め息を吐いた。全く、懲りない奴だ。こんなことをして、何が楽しいのだろう…

崩礼「」フニ

葵「っ///」ビクッ

 小さな手がお尻に触れ、葵は思わず竦み上がった。

由依「流石に狭いねー!」

初「うぐぅ…くるし…」

葵「…」

 はしゃぐ由依たちの手前、糾弾する気にもなれない。
 抵抗しない葵に、崩礼は…



安価下コンマ
01〜05 謝ってきた
06〜20 手を止めた
21〜60 気の済むまで
61〜90 もっと触ってきた
91〜00 囁いてきた
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/15(月) 22:31:16.17 ID:8lyZ50YoO
高コンマこい
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/16(火) 01:17:54.74 ID:JzgLi8QFo
隙を見せるとすぐ調子取り戻したな
と、思ったら?
682 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/16(火) 21:19:48.17 ID:4c2k/KdEo
 が、意外にも崩礼は、すぐに手を引っ込めた。

葵「…?」

崩礼「…」ジッ

 気になって振り向くと、崩礼は怪訝な目で葵を見ていた。彼女は葵と目が合うと、気まずそうにさっと顔を背けた。

崩礼「…///」フイ

葵「…」

 何なんだこいつ。葵は、ぼんやりと、どこかもやもやしながら思った。



葵「家に入れたのに、結局寝袋…」

真姫「お布団、持ってかれちゃってたからね」

 電気も無いため、真っ暗な部屋に寝袋を敷くと、葵たちはその中で目を閉じた。



安価下コンマ
01    夜襲
02〜10 プロペラの音
11〜30 外がうるさい…
31〜60 翌朝
61〜80 整備を手伝って
81〜99 こんな夜中に…
   00 なんでここに
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/16(火) 21:27:27.81 ID:JzgLi8QFo
684 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/16(火) 21:45:01.68 ID:4c2k/KdEo


葵「んご…ふす…ん…」

ギィ コッ コッ コッ

葵「んぁ…ん?」パチ



崩礼「…!」



葵「何…今、何時」

崩礼「1時過ぎだ」

葵「何、こんな夜中に…眠いんだけど」

崩礼「いや、その…」

 崩礼は、珍しくしどろもどろになりながら、ぼそっと言った。

崩礼「…風呂でのこと。いよいよ、マジで怒らせたかなって」

葵「…」

 ぼんやりと、開けっ放しの扉の前に立つ崩礼を眺める。眠い頭が、イライラで覚めてきてしまった。

葵「…気にするくらいなら、しなきゃ良いのに」

崩礼「! そ、そうだよな。ああ…」

 崩礼は、何だか弱気だ。葵に抱き締められて泣いたあの日から、崩礼の葵に対する態度がおかしい。最初のように欲求をぶつけるでも、その後のように上司として振る舞うでも無く…

崩礼「…ごめん」

葵「…」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/16(火) 22:04:53.76 ID:zu0Ll9BCo
有無を言わさず抱きまくらのしてもう一度寝る
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/16(火) 22:35:59.15 ID:HWRsiuNN0
隣で寝るくらいなら別にいいと言ってまた寝る
687 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/16(火) 22:40:44.03 ID:4c2k/KdEo
ねる あといっこ

急速に崩礼攻略に動き始めている…?
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/17(水) 20:01:07.50 ID:026GXwNSo
おつ
弱いところ見せまくりなのは誘ってるな???
689 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/18(木) 22:45:42.23 ID:HXrKVpS0O
葵「…ん」バサ

 葵は、寝袋の口を広げた。

崩礼「葵…?」

葵「ん!」バサバサ

 仏頂面で、寝袋の口をばたばた揺する葵。崩礼は困惑しながら…恐る恐る靴を脱ぎ、寝袋の中に入り込んだ。

葵「」ギュ

崩礼「っ!」ドキッ

 狭い寝袋の中で密着した崩礼の身体を抱き締め、葵は目を閉じた。

葵「ん…すぅ…」

崩礼「おい…それで寝るのかよ…おい、襲うぞ…マジで…」



安価下コンマ
01〜20 超いびき
21〜50 がちがち
51〜80 抱き返す
81〜95 キス
96〜00 マジで…
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/18(木) 22:47:14.58 ID:C7lSu0320
691 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/19(金) 22:42:59.03 ID:nWhPjPIuo


葵「んごご…ふひゅ…」

崩礼「マジで寝やがった…ってか、いびきうるさ…」

 崩礼はぼやくと…恐る恐る、自葵の身体に腕を回した。

崩礼「…」ギュ

葵「ん…」

崩礼「俺はな…今でも、変わってねえ。今でも…お前のことが…」

葵「ん」モゾ

崩礼「!」ビクッ

 崩礼は口をつぐみ…そのまま、目を閉じた。



初「ん…」モゾ

初「おはよぉございま…っ!?」ビクッ

 目を覚ました初は、隣の寝袋に気付いて跳ね起きた。

真姫「んんっ…もう朝ぁ…あっ」

初「ええと、起こした方が…?」

真姫「うーん…まあ、もうちょっとしたら、ね」



葵「んごご…」

崩礼「Zzz…」



虹「しっかり土を落としてくれ。地雷原を無理やり走って、かなり汚れてしまった」

 機甲科の専属部隊が、サンダーピート號の清掃や修理に当たっている。葵たち工作科は町を回り、建物や設備の修復や、解体を行うことになった。

由依「国土交通省の子たちが来るまでのつなぎだから、完璧にやらなくても良いんだって」

真姫「一先ず住めるようになるまで、って感じだね」

初「頑張りましょう…!」



安価下コンマ
01〜05 偵察機
06〜20 大雨
21〜60 こんなもんかな
61〜80 お風呂も直せた
81〜99 視察???
   00
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/19(金) 22:44:13.17 ID:Lo4hzR8B0
えい
693 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/19(金) 23:03:31.91 ID:nWhPjPIuo


ポッ ポッ



葵「あ」



ザー ザー



真姫「ひゃーっ!」

由依「あそこの家に入ろ!」

 突然降り出した雨に、一行は慌てて近くの空き家に入った。

由依「あちゃー、これじゃ作業どころじゃないね…」

葵「これ、今日中に止むのかな…?」

由依「取り敢えず、屋内でできることをやろっか」



安価下1〜3でコンマ最大 雨宿り中の出来事、行動
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/19(金) 23:30:26.19 ID:5SqTN1zVo
崩礼とどこまでイッたのか質問責めを受ける
695 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/20(土) 19:32:21.71 ID:NelbNCkZo


初「…あの」

葵「?」

 窓から外の雨を眺めていると、初が小声で話しかけてきた。

初「あ、葵ちゃんは…崩礼閣下と、その…」

葵「崩礼と?」

初「…し、したんですか…///」

葵「!!?」ビクゥッ

 竦み上がった葵に、由依と真姫も気付いて近寄ってきた。

真姫「えっ、ほんとに…?」

由依「したって、何をー? 一緒に寝てたって聞いたけど」

 ちなみに、由依が起きる前に崩礼はそそくさと、葵の寝袋を出ていった。

葵「し、してないから! 一緒に寝ただけだから」

由依「へぇ、崩礼たいちょ、閣下が、そんなことするんだ…」

葵「あ、あのね、崩礼はね…」

 出会った頃にされた所業を語ろうとしたところで、由依がぽつりと言った。

由依「…崩礼閣下が誰かに甘えるなんて、見たこと無いし、聞いたこともないから、意外…」

葵「…」

 葵は、思わず黙り込んだ。崩礼のあの態度は…思った以上に、異常事態なのかもしれない。もしくは、葵にしか見せないようにしているのか…
 不思議な気持ちを、葵は感じた。嫌か、嫌ではないか、それすら分からない、曖昧な感情を…



 結局、日が暮れるまで雨は止まなかった。

由依「まあ、明日もあるし…この雨じゃ、国土交通省もすぐには来れないよね」



安価下1〜3でコンマ最大 夜の出来事、行動
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 20:03:04.71 ID:z6is6RAI0
任務待機中だし筋トレ器具再現で作って訓練
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 20:42:56.26 ID:I8VZq1NEo
初がこっそり自慰している
糸で手を縛ったりしていて明らかに物足りなさそう
698 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/20(土) 21:07:48.32 ID:NelbNCkZo
由依「今日は何もできなかったなぁ…」ボソッ

葵「…由依」チョンチョン

由依「どうしたの、葵ちゃ」

 言いながら振り向いた由依の目に飛び込んできたのは、空き家に所狭しと並べられたトレーニングマシーン。

由依「!? いつの間に」

真姫「葵ちゃんが、基地のジムのを『再現』したんだよ」

葵「作戦行動中だし、暇なら訓練がてらトレーニングしよう」

由依「…よし、やろう!」



安価下コンマ
01    床が抜けた
02〜40 プロテインは無いよね
41〜70 他の隊も集まってきた
71〜95 ファンクラブ…?
96〜00 良い心がけですね
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 21:11:41.55 ID:YWAl7v0Co
ほい
700 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/20(土) 21:50:31.32 ID:NelbNCkZo


「ねえ、何かこの家騒がしいんだけど…あっ!」



「ここで、ジムを開いていると…おお、本当にあった!」

「うちもやっていい?」



桜「…あっ、朝倉准陸尉。我々も使わせていただいても…」

由依「葵ちゃんが用意してくれたから、そっちに聞いてね」

葵「好きに使っていいよ」



葵「ごくっ、ごくっ、ごくっ…ぷはっ」

 飛び入り参加してきた他の隊員が分けてくれたプロテインを飲み干すと、葵はほっと息を吐いた。雨で出遅れたが、結果的に充実した一日になった。寝て、明日に備えよう…

701 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/20(土) 21:58:26.00 ID:NelbNCkZo


???「おじゃましまーす!」

???「国土交通省でーす!」

 翌朝、町に国土交通省から2人の幼女がやってきた。

崩礼「結局、雨で作業はあまり進んでない。インフラ整備に関しては専門じゃないし、あんたらに任せるぜ」



安価下1〜3で次の>>1のコンマに一番近いやつと遠いやつ 国土交通省の幼女について 名前と容姿、ギフトは必須
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 22:11:16.91 ID:YWAl7v0Co
橘みずほ

緑髪のツインテ
ちっちゃい
赤メインの駅員服(スカート)を着崩して着用

ギフト:測量
水平測ったり距離測ったり……測量に必要な事はほぼ全て機械より正確に分かるよ
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 22:28:53.49 ID:I8VZq1NEo
鈴木クラフ
赤髪のロングウェーブヘア
作業上着に褌、太ももとお尻が非常に大きく気合入れるためによくペチペチしている

『修復』
物理的に壊れたものを元通りにできる
壊れた度合いに依らず元の形だった期間が長いほど完璧に直せる(新品に近い物は上手く直せない)
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2024/04/20(土) 22:31:53.08 ID:gLKN/LxE0
フィヨルド=ニヴルヘイム
金髪ショートと氷のような透明感のある水色の目の白人系で体型はほっそり
壮大な印象の名前の正体は偽名、心身共に託せると信じた相手にのみ本名を明かそうとしてる
ギフト:凍結、空気中の水分等を凍らせて状況に対応する。凍結のイメージをしっかりしないと失敗しやすい
705 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/20(土) 22:33:45.46 ID:NelbNCkZo
コンマ
706 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/20(土) 22:34:45.25 ID:NelbNCkZo
ねます
シュポガキと褌であってるかな?
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 22:42:46.55 ID:YWAl7v0Co

わかり易すぎた草
708 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/21(日) 17:36:56.97 ID:jg/e8oUQo
 一人は、ブラウスに赤いネクタイを緩く巻き、同じ赤のタイトスカートを穿いた、駅員風の幼女。緑の長い髪を、ツインテールにしている。

みずほ「橘 みずほ(たちばな みずほ)でーす! 測量で来ましたー!」

 もう一人は、赤髪を長く伸ばした幼女。分厚い作業着の上だけ着て、下は何故か褌一丁だ。豊満なお尻と太ももを、惜しげもなく晒している。

クラフ「鈴木 クラフ(すずき くらふ)です!! 設備の修復はお任せあれ!!」ベチンッ

 両手で自分のお尻を叩きながら、クラフが声を張り上げた。

崩礼「で…国土交通省的には、どういう風に作業を進める予定だ?」

みずほ「取り敢えず、使えるものは使う方針で行くんだってー。だから、まずはこの町のインフラを直すところから始めていくよー!」

クラフ「まずは地下の水道管を掘り出して、壊れていれば修復。切られていれば繋げ直します!」

崩礼「そうか。丁度、我が部隊には穴掘りのスペシャリストが揃っている。…朝倉、8班を率いて、国土交通省を援護しろ」

由依「あっ、りょ、了解っ!」



クラフ「ふっ、ふっ、ふっ」ノッシノッシノッシ

 お尻を揺らしながら、大股に町を歩くクラフ。その少し後ろを、葵たちが付いていく。

クラフ「水道は、全て止まっているのですね?」ノッシノッシ

由依「…あっ、そう! です。電気もガスも、全部」

クラフ「事前に地形図を見てきましたが…この集落の水は、我々の住む都市部と共通の水源から引き込み、浄水場から」

 クラフは立ち止まり、越えてきたばかりの山を指差した。

クラフ「あの頂上にある貯水池から、こちらへ供給されているようです」

葵「つまり、そこを直せば?」

クラフ「というか、逃げる前に水栓を閉めただけかも知れません。それなら、開けるだけで済みますから、とにかく行ってみましょう」



安価下コンマ
01    撤去し忘れ
02〜20 浄水場ごと…
21〜60 管もかなり壊れてる
61〜90 栓が閉まってるだけだった
91〜00 何でここに!?
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 17:55:47.85 ID:Nk8wsnYTo
えい
710 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/21(日) 21:19:10.29 ID:jg/e8oUQo


 幸い、貯水池付近に地雷は仕掛けられていなかったようで、建屋もほぼ無傷で残っていた。
 地表に伸びるポンプのスイッチを入れると、すぐに動き出した。

葵「おお…」

クラフ「良かった、これで水道は使えそうですね!!」

初「お湯が出るようになれば、お風呂にも入れるかも…!」



 それから数日間、隊員たちはみずほとクラフの指揮で、町の復興に当たった。止まったインフラを引き直し、壊れた設備を修復し、都市までの道を整備した。
 やがて、侵攻から1週間が経過した日、交代の隊員たちが町に到着した。

ラセン「任務、ご苦労だった。ここからは我々7班が替わる」

由依「じゃあ、よろしくお願いします!」

 8班は、7班が乗ってきたジープに乗り込んだ。







 管制塔の一番高い場所に設置された、司令官用の椅子に、一人の幼女が座っている。薄水色の髪を無造作に伸ばし、黒い制帽を被り、黒い上着を肩に羽織り、それ以外は全くの裸で、起伏のない身体を隠そうともしない。航空幕僚長、草薙ハヤテは、灰色の虚ろな目で、目の前の来客を眺めていた。

ハヤテ「…」ジッ



紫苑「…」ニコニコ



「…幕僚長」

ハヤテ「引き続き、上空の警戒を」

 心配そうに声をかけてきた将校をあしらうと、ハヤテは紫苑に向かって無表情に言った。

ハヤテ「藤島紫苑。航空自衛隊は、クーデターには加担しない」



「「「!?」」」ザワッ



 ハヤテの発言にざわつく管制塔。紫苑は、相変わらず笑みを浮かべながら、首を横に振った。

紫苑「クーデターだなんて人聞きの悪い。ただ、わたしは権力を、あるべきところに収めたいと思うだけです」

ハヤテ「鷹栖朱音の統治で、大きな問題は出ていない」

紫苑「そう思われるのは、空自がテロリストと直接相対していないからです。彼女らは間違いなく、歪んだ統治による被害者でした」

ハヤテ「完璧な統治など存在しない。損失が恩恵を上回る者は、必ず存在する」

紫苑「その中の一人が持つギフトによって、総理は簡単に打ち倒されてしまうのですよ。そのような権力構造が、いつまでも保つはずがない」
711 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/21(日) 22:07:56.20 ID:jg/e8oUQo
 既に陸上自衛隊員ではなくなった紫苑は、以前の制服から、青地に白い花柄の着物を纏っていた。刀は帯びていないが、それでも彼女の実力は知れ渡っており、管制塔にはずっと緊張感が漂っていた。

ハヤテ「…確かに、危うい状況ではある」

紫苑「ええ。それに、総理が何をお考えか、ご存知ですか?」

ハヤテ「…」

 ハヤテは『言ってみろ』と、目で促した。

紫苑「『何も考えていない』、ですよ。総理は、統治には興味がない。ただ、『ある目的』のために領土を広げ、幼女を集めて幼形成熟BOXに入れ…ある、ギフトの持ち主が生まれるのを待っている」

ハヤテ「…っ」

 ここで、初めてハヤテの顔に感情が現れた。苦々しい顔で、ハヤテは呟いた。

ハヤテ「…鷹栖朱音は、屋内から出ない。だから、『見えない』」

紫苑「見えなくても良い。ただ、何らかの理由で総理が欠けても、国家を存続できる仕組みが必要なのです。もちろん、平和的に」

ハヤテ「確かに、お前は武力行使を望まない。…だが、厭わない」

紫苑「最後の手段です。今こうしている間も、取り逃がしたテロリストがこの街をうろついているのですから」

ハヤテ「大下ロル、毒島ユカリ、桜木春華、リュイア・トラメスロは…」



安価下コンマ
01〜10 既に絵里と…
11〜30 街を出ている
31〜70 潜伏している
71〜90 桜木が離脱した
91〜99 ↑+毒島が陸自に
   00 隠すなよ
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 22:10:41.16 ID:NIbw2G8Ro
713 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/21(日) 22:14:28.64 ID:jg/e8oUQo
ねる

これ以上展開思いつかないし、スレ使い切ったらこの話は締めようかな
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 22:35:02.04 ID:Ccoj+mgjO
おつ。終わりが近いのか……
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 22:37:50.55 ID:NIbw2G8Ro
おつおつ
閣下は落としたい
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/22(月) 00:20:00.99 ID:i6FEb3Ly0
717 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/22(月) 18:52:01.47 ID:avlAq05Eo
ハヤテ「…既に、街を出ている」

紫苑「何ですって?」

 紫苑の顔から笑みが消えた。

ハヤテ「だから、安心して行動すれば良い。邪魔者はいない」

紫苑「…」

 紫苑は目を伏せて考え込み…やがて、ゆっくりと頷いた。

紫苑「…ええ、血を流すことにはならなさそうですね」



ねね「おかえりなさい」

 ジープを降りると、ねねが待っていた。

由依「お疲れ様です!」ビシッ

ねね「戦闘にはならずに済んだようね。…玉置ちゃんは、元気にしてた?」

由依「崩礼閣下は…」

葵「…ちょっと、ヤバいかも」

 ここ数日の崩礼の様子を思い出しながら、葵は小声で答えた。

ねね「…そう」ハァ

 ねねが溜め息を吐いた。

ねね「一部隊の長でも忙しいけど、一部門の長になると、そこからまた桁違いに忙しくなるもの。最初は戸惑うわ」

由依「あの…」

 由依が、おずおずと尋ねた。

由依「崩礼隊長が科長になって嫌な人って、いるんですか?」

ねね「喜んでる娘なんて一人もいないわ」

 ねねは鼻を鳴らした。

ねね「ロナみたいに自分がならなくて良かったって思ってるか、平木ちゃんみたいに自分がなりたかったって思ってるか、硝子川ちゃんや鉄山ちゃんみたいに何も言ってないか、その3パターンよ」
718 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/22(月) 21:09:04.69 ID:avlAq05Eo
真姫「そんな…じゃあ、どうして幕僚長は崩礼隊長を選んだんですか?」

ねね「色々あるけど…部下に班長を引き継げる娘がいるってのが、一番かしら」

由依「…ふぇ?」

 由依が、目を丸くする。

ねね「鉄山ちゃんも、それに当たるわね。でも、前線から離しても変わらず活躍できるのは、玉置ちゃんの方だと判断したわ」

葵「…そうかも知れない、けど」

ねね「キツいけど、堪えどころだわ。あたしだって、キツかったし。…今は、もっとキツいけど」

初「! …」

真姫「科長…今は、幕僚長…」

ねね「ま、玉置ちゃんなら何とかなるわよ! だから、時々は話に乗ってあげてね」

 そう言うとねねは引っ込んでいった。葵たちも、基地へと入っていった。



由依「…というわけで、今日から3日間は非番。その後、また訓練して、またあの町に向かうよ!」

葵「ん」

真姫「纏まったお休みって、初めてかも…」

初「どうしましょう…」



安価下1〜3でコンマ最大 休暇中の行動
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/22(月) 21:16:18.99 ID:34UUXJvdO
普段交流のない(出番が少ない)幼女と出くわす
誰なのかはコンマで決定
720 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/22(月) 22:17:56.95 ID:avlAq05Eo


 結局、葵は一人で街に繰り出した。由依はもう少し寝たいらしい。真姫と初は、気が向いたら合流すると言っていた。

葵「エリーのとこにでも行こうかな…」

 呟きながら歩いていると、何だか見覚えのある幼女の姿を見つけた。



安価下コンマ
01〜20 柔
21〜40 二三
41〜60 霰
61〜90 おふねの大将
91〜99 ハケンちゃん
   00
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/22(月) 22:19:10.82 ID:VTrKEDzdo
ほい
722 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/22(月) 22:19:50.15 ID:avlAq05Eo
お、大将か

折角なので
安価下 おふねの大将について。名前、容姿、ギフトは必須
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/23(火) 01:42:59.63 ID:1dCzgN4qo
青野 巴(あおの ともえ)
ぽっちゃり系で人懐っこいかおだち。太いだけではない確かなお胸持ち
ギフト 切れ味無限
本人が使っている間は刃物の切れ味が落ちない(本質は摩耗させない)
料理の腕はギフト全く関係なしの本人の努力の賜物
724 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/23(火) 22:07:18.19 ID:L7/p53OXo
葵「おふねの、大将…」

大将「…うん? あなたは…ああ!」

 大将も思い出したのか、ぽんと手を叩いた。

大将「前に元帥どのと一緒に来られた、確か…」

葵「篠崎葵。大将は…大将でいい?」

巴「じゃあ、青野 巴(あおの ともえ)って言いますんでぇ…巴で良いですよぅ」

葵「ん、分かった。…巴は、お買い物?」

 腕に下げた大きな袋を見て、葵は尋ねた。

巴「見ての通りですよぅ。お店で使う食材の買い出しで」

 ふくよかな顔に笑みを浮かべる巴。以前の幸実のように、ぽっちゃりした体型で、人懐っこい雰囲気を漂わせている。

巴「…それにしても元帥どの、辞めちゃったんですねぇ」

葵「! そう…」

巴「あれから、お店にも来られないし、寂しいんですよぅ」

葵「そうなんだ…」

 紫苑は、あれからおふねには行っていないらしい。そもそも、今頃どこで、何をしているのだろう…?
 考えていると、巴が言った。

巴「そうだ。久しぶりに、うちで食べていきませんかぁ? 夕方には、準備もできますよぅ」



安価下 どうする?
@行く

A行かない

B買い物から付き合う

Cその他要記述
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/23(火) 22:18:10.12 ID:axSz8HBHo
1
726 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/23(火) 22:23:49.04 ID:L7/p53OXo
葵「行く」

 葵は即答した。

巴「それは良かったぁ。じゃあ、夕方にお店に来てくださいねぇ」

 そう言うと、巴は買い物に戻っていった。



安価下1〜3でコンマ最大 夕方までどうする?
@基地に帰る

A街をうろつく

Bその他要記述
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/23(火) 22:45:53.85 ID:1dCzgN4qo
2
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/23(火) 23:20:27.60 ID:Oe3qK49q0
2
729 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/24(水) 21:56:36.58 ID:LLjLOzGlo


 トレイターの破壊行為によって、ここもある程度の被害を受けた。それでも、街は元通りに戻って、活気に溢れていた。

葵「どうしようかな…」

 夜はきっとごちそうだ。あまりおやつは食べないほうが良いだろう。ぼんやり考えながら、葵は人混みの中を歩き出した。



安価下コンマ
01〜05 種付けおじさんの群れ
06〜20 ひ、人が多すぎて…
21〜50 国土交通省が何かしてる
51〜70 紫苑だ
71〜95 未汐&お兄ちゃん
96〜00 ↑&…
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/24(水) 22:02:16.46 ID:5vzXihUkO
高コンマこい
731 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/24(水) 22:33:58.74 ID:LLjLOzGlo


葵「…ん?」



「新しい町ができたよー!」

「お引っ越し、ぼしゅーちゅー!」



 立ち止まって見ると、繁華街の一角にのぼり旗を立てて、2人組の幼女が何かを宣伝している。旗には『国土交通省』『お引っ越し募集中』と書かれている。
 どうやら、陸上自衛隊が確保したあの町の、新しい住人を募集しているようだ。

「おやつ、ある?」「うーん、これからかな」

「種付けおじさんのおうちは?」「広いお家がつくれるよ!」

「じゃあ、ここにおなまえを…」



葵「…」



安価下 どうする?
@覗いてみる

A立ち去る

Bその他要記述
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/24(水) 22:38:34.62 ID:a40kpNUSo
1
733 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/25(木) 21:36:36.70 ID:I2tKBxh+o
 葵は、そっと近づいて、覗いてみた。

「お引っ越しはいつ?」「うーん、来年かな」「えー?」

「今、便利に暮らせるようにしてるところだから…あっ」

 応対していた幼女の一人が、葵に気付いて声をかけてきた。

「こんにちはー! お引っ越ししたい? 新しい町ができるんだよ」

葵「知ってる。来週、行く」

「えー? お引っ越しはまだだけど」

 首を傾げる幼女。すると相方が気付いて、尋ねてきた。

「もしかして、自衛隊のひと?」

葵「ん」コクン

「へー、すごーい! みーちゃんと、クラっちには会った?」

葵「みー…ああ、みずほとクラフ。水道を直してくれたよ」

「もう、電気も使えるもんね」

葵「へえ、それは早い…」

 そんなことを話していると、ふと国土交通省の幼女が、我に返ったように尋ねてきた。

「そうだ。で、引っ越さない?」

葵「だから、引っ越さなくてもどうせ来週…」

「じゃなくて! 町が出来上がったら、そこに引っ越さないの?」

葵「あたしは、自衛隊だから、基地にいないと…」

「じゃあ、町に基地ができたら?」

葵「…」

 あの、山間の町に引っ越す? ハンバーガー屋さんも、おもちゃ屋さんも無い、打ち捨てられた町に。だけど、エリーや他の娘たちも引っ越してきたら…



安価下 どうする?
@引っ越す

A考えさせて

Bその他要記述
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/25(木) 21:58:20.99 ID:QbfbCdgQ0
2
735 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/26(金) 20:36:42.27 ID:jVNXBcTDo
葵「…考えさせて」

「早いもの勝ちだよー!」

葵「それでもいいから。じゃ」

 葵は、その場を立ち去った。



 おふねの戸を潜ると、あの時と同じ、割烹着を着た幼女が気付いて近寄ってきた。

「いらっしゃいませ。ご予約の方ですか?」

葵「巴…大将と約束してる」

「かしこまりました。確認して参ります」

 幼女が引っ込んでいく。こぢんまりしていながら、洗練された店の雰囲気に、葵は気圧されるような気がした。前回は紫苑が隣にいたが、今日は一人だ。前回以上に、自分が場違いなところに来たように思える。
 玄関口でそわそわしていると、先程の幼女が戻ってきた。

「どうぞ、こちらへ」

葵「お邪魔します…」



 前回通された離れとは別の、奥にある座敷に葵は通された。渡されたおしぼりを弄んでいると、巴がやって来た。

巴「いらっしゃいませぇ。ようこそお越しくださいましたぁ」

葵「久しぶりに来たけど、やっぱすごい…豪華…」

巴「どうもどうも…今日は、いかがなさいますぅ? 鯖で何か作りましょうかぁ?」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
@鯖で

A大将のおまかせで

Bその他、要記述
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/26(金) 20:42:16.03 ID:3iOxHgeXo
1
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/26(金) 20:55:22.33 ID:RcO+S5PYo
2
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/26(金) 21:31:47.65 ID:lZ/5P+2B0
2
739 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/26(金) 21:42:26.73 ID:jVNXBcTDo
葵「今日は、大将におまかせで」

巴「わかりましたぁ。じゃあ、頑張って作りますねぇ」

 そう言うと、巴は引っ込んでいった。



 と思うや、また戻ってきた。

巴「いけないいけない、忘れてましたぁ。お飲み物はどうなさいますぅ?」

葵「おのみもの…」

巴「お茶、ジュース、お酒…色々ありますよぅ」



安価下 どうする?
@お茶

Aジュース(何ジュースか書いても良い)

Bお酒(具体的に)
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/26(金) 22:17:53.85 ID:gLRX6wtbO
ほうじ茶

取り敢えず今飲んでいるやつを言ってみる
741 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/26(金) 22:23:32.84 ID:jVNXBcTDo
ねる
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/26(金) 22:25:14.54 ID:gLRX6wtbO
おつ
743 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/27(土) 22:36:49.41 ID:uVUsMoSnO
葵「…ほうじ茶?」

 何となく口にした言葉に、巴が頷いた。

巴「はいはぁい。じゃ、お料理もそれに合わせて作りますねぇ」

 そう言うと、今度こそ巴は厨房へ引っ込んでいった。



 やがて、給仕の幼女が、蓋の付いた丸い器をお盆に載せて運んできた。テーブルに置き、蓋を取ると、甘く香ばしい匂いが広がった。ひつまぶしだ。
 一緒に持ってきたお椀に、一杯分をよそうと、給仕は言った。

「最初はそのまま、おかわりはお好きな薬味を添えてお召し上がりください」

葵「おお…いただきます」

 タレのかかったご飯と、うなぎを一緒に口に運ぶと、ほどけた身がご飯と絡んで口に広がった。

葵「ん…」モグモグ

 言葉も忘れて味わう葵。給仕は、湯呑にお茶を注いだ。もちろん、ほうじ茶だ。

「では、ごゆっくり…」



安価下コンマ
01〜50 〆は…
51〜70 ↑+お願いが
71〜90 あれ、来てたの?
91〜00 何が始まるんです?
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 22:39:09.28 ID:xKxlYZeWo
はい
745 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/27(土) 22:51:22.21 ID:uVUsMoSnO


 もう最後の一杯といったところで、巴がやってきた。

巴「お楽しみいただけましたぁ?」

葵「すごい、美味しかった」

巴「それは何よりですぅ」ニコニコ

 巴の手には、新しい急須が握られている。

巴「最後の一杯に、ちょいと手を加えても?」

葵「じゃあ、お願いします」

巴「ちょいと、失礼してぇ…お口に合わない薬味はありませんでしたぁ?」

葵「わさびも大丈夫だった」フンス

 巴は頷くと、お茶碗に残ったご飯と薬味を入れて、上から急須の中身を注いだ。それは、冷やしたほうじ茶であった。

巴「最後は、お茶漬けでどうぞぉ」

葵「いただきます…!!」

 口を付けて、葵は目を見開いた。

葵「おいし…」

巴「それは良かったですぅ」

 流石に、紫苑が行きつけにするわけだ。何を食べても美味しいし、手の加え方も心得ている。
 量にすると、いつかのハンバーガーセットに引けを取らないくらいなのだが、葵は最後まで美味しく食べることができた。



葵「ごちそうさまでした!」

巴「どうもぉ、また来てくださいねぇ」フリフリ

 葵はお腹を擦りながら、基地に帰った。
746 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/29(月) 09:46:24.89 ID:SD1zUzljo


由依「えー、いいなー!」

真姫「おふねって、とっても高級なお店でしょ? ごほうびも、凄いあげないといけないって」

由依「あたしも行きたかったなー」

初「さ、流石に、ういたちはお店の人と関係ないから、無理かも…」

葵「ん…」

 葵は、何も言えず黙り込んでいた。確かに、今回は紫苑の繋がりでご馳走になったが、そうでなければ一介の兵卒が行けるような店ではないだろう。仲間だからと言って、由依たちを同じ条件で食事させるなど、論外だ。
 今度行くときは、流石に何か用意していこう。そうすれば、由依たちを誘うこともできるはず…

由依「…そうそう、それよりさ」

 由依が、ふと言った。



安価下コンマ
01〜20 紫苑が来てた
21〜40 お兄ちゃんが来てた
41〜50 お兄ちゃんが来てるよ
51〜80 明日…
81〜99 明日、一緒に…
   00 通達
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 09:47:52.73 ID:S+rA6L6Mo
えい
748 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/29(月) 10:05:04.94 ID:SD1zUzljo
由依「明日、何か用事ある?」

葵「特に無いけど…」

由依「あのね、明日、8班でキャンプしようってなってね」

真姫「”おくたま”ってところにキャンプ場があるんだって」

葵「キャンプ…」

 ついこの間まで、キャンプしていたようなものだが…

初「バーベキューとか、釣りとか、できるみたいです」

由依「ね、葵ちゃんも行くよね!」



 翌日。山道を越えた先の広場で、一行はバスから降り立った。

葵「山…」

真姫「静かだねぇ…」

 サンダーピート號で均した山と、そう離れてはいないのだが、こちらは見渡す限り空気が澄んでいて、のどかな雰囲気が漂っている。

由依「ほら、みんなも荷物下ろして!」

初「テント、重いですぅ…」

 由依に促されて、バスの荷台から持ってきたキャンプ道具を下ろすと、分担して背負った。
 バスが去っていくのを見送ると、一行は広場の隅にある、キャンプ場の受付に向かった。
749 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/29(月) 13:15:25.22 ID:SD1zUzljo


「地面に四角があるから、テントはその中で建ててね。隣にある流し台と火を熾すやつは自由に使って良いけど、帰るときにちゃんと掃除して、水は流しっぱなしにしないこと」

由依「はーい」

 受付で説明を聞くと、一行はキャンプサイトに移動した。言われた通り、四角くロープで引かれた線の中にテントを組み立てると、一先ずその中で休憩することにした。

由依「ふぁ〜…ちょっと疲れちゃった」

真姫「この前の出撃と、やってることは一緒だけど…」

葵「ここは、静か。落ち着いてる」

初「平和ですね…」



安価下コンマ ゾロ目で…
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 13:17:09.14 ID:iwmAH8wzo
ぴんふー
751 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/29(月) 13:43:02.16 ID:SD1zUzljo


葵「今日のご飯はー?」

由依「バーベキュー!!」

 持ってきた食材を、手分けして串に差していく。

真姫「玉ねぎ、お肉、玉ねぎ、お肉…」サクッ ズブッ サクッ…

初「ぴ、ピーマン、おっきくないです…?」

由依「大丈夫大丈夫、焼けば美味しいよ」サクッ サクッ

葵「鮎は、こう…」ズブブ…



安価下1〜3でコンマ最大 食事中の出来事、行動
752 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/29(月) 14:40:08.47 ID:SD1zUzljo
やっぱコンマにしよ


安価下コンマ
01    プロペラ音
02〜20 あっつ!
21〜60 美味しく焼けた
61〜80 キャンプには…
81〜90 初の様子が…!
91〜00 どうしてここに!?
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 15:25:27.22 ID:S+rA6L6Mo
754 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/29(月) 15:53:03.28 ID:SD1zUzljo


「「「「いただきます!!」」」」

葵「はふ、はむ…んまい」モグモグ

初「ピーマン、食べれます…!」

真姫「この前はカレーで、今日はバーベキューだね」モグモグ

由依「どっちもできて、お得! はむっ」



 夜。4人はテントの中から、空を眺めていた。

真姫「星が、綺麗…」

葵「街みたいに、電灯が無いから、よく見える」

由依「前は、星を見る余裕も無かったしね…」

初「ふぁ…」

由依「…そう言えば、葵ちゃんさ」

 ふと、由依が葵の方を見て言った。

由依「崩礼閣下とは、どこまで行ったの?」

初「!」

葵「」ブフォ

 突然の質問に、葵は思わず吹き出した。

葵「い、行ってない! どこも!」

真姫「そ、そうなの? でも…」

葵「一緒に寝たのは、あの時だけだから! そもそも、あの後あたしたちは撤収して、崩礼は今もあっちに残ってるでしょ」

由依「じゃ、もうすぐ会えるね」ニヤニヤ

葵「〜〜〜〜…」



 キャンプを終え、8班は基地に帰ってきた。この後、数日の訓練を挟んで、再び占領した町へ向かうことになる___



安価下コンマ
01〜05 テロリストが!?
06〜10 奪還戦
11〜30 偵察機
31〜50 復興に難渋
51〜70 もう引っ越しもできそう
71〜90 前線基地
91〜00 南下計画
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 16:14:55.71 ID:UtGxn6TkO
高コンマこい
756 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/29(月) 18:02:34.49 ID:SD1zUzljo


 ジープを降りた8班は、町の変わりうように目を見張った。

真姫「えっ、もうこんなに…」

葵「もう、大体完成してる…」

 打ち捨てられた家々は綺麗に掃除するか、建て直され、道路も舗装し直されている。新しい送電線が引かれていて、インフラも整っているようだ。
 そして、彼女らが降りた場所…それは、町に造られた新しい基地であった。

ラセン「来たか、8班」

由依「あっ、ラセン隊長!」

ラセン「見ての通り、この一週間でかなり整備が進んだ。今後の侵攻拠点として、前線基地も造られた」

崩礼「まだ、外面だけだけどな」

 基地の中から、崩礼も出てきた。

崩礼「町の整備は、大体完了した。このままここを拠点に、西と南へ陣を広げていく。お前らは、しばらくは基地で待機だ」

ラセン「ぼちぼち、敵の哨戒機が目撃されている。十分注意するのだ」

由依「了解!」

 ラセンたち7班はジープに乗り込むと、基地を去っていった。



由依「えー、報告によると、ここ最近目撃された哨戒機は、南の方にある飛行場から飛んできてるみたい。逆に、西の方は山ばかりで、民間人も残っておらず、申し訳程度の罠が仕掛けられてるだけ」

葵「また、地雷が埋まってたりは?」

由依「偵察が何回か行ってるけど、今のところなさそうだって」

真姫「そう言えば、空自は何してるの?」

葵「確かに…」

 飛行機が飛んできているのなら、こちらからも飛行機を飛ばすべきではないのだろうか。

由依「えっとね、空自は戦闘機とか爆撃機が飛んできた時だけだって。こっちから、人間のいるところに空爆とかはしない約束なんだって」

初「へえ…」

由依「で、次の出撃なんだけど…」



安価下コンマ
01〜30 今週
31〜70 来週
71〜90 まだ決まってない
91〜00 それが…
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 18:45:09.80 ID:iwmAH8wzo
758 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/29(月) 19:43:47.79 ID:CXwuF3q7o
由依「まだ決まってないって」

初「」ズコー

葵「ずいぶんのんびりだね」

由依「まあ、いつまでとか、期限は特に無いからね。しっかり準備するに越したことはないよ」



 そんなわけで、新しい基地での生活が始まった。出撃の予定は決まっておらず、これまで通り1週間で7班と交代するとのことであった。



安価下1〜3 1週間の出来事
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 20:07:58.62 ID:UtGxn6TkO
他の班との交流

自分が投げたキャラにも出番がほしい
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 20:18:39.11 ID:iwmAH8wzo
崩礼から食事のお誘い
761 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 09:18:29.00 ID:mXG0RoUDo


「じゃ、このインカムを付けて。本体はこれ」

葵「ん」カチッ

 小型通信機をバックパックのベルトに付けると、スイッチを入れた。

”ツーツー、聞こえる?”

葵「聞こえる」

 この日、葵たち8班は、3班と合同で新型の通信機のテストを行っていた。

ロナ「OK. Ah…大丈夫」

 おどおどした白人の隊長が、頷いた。ロナ・シュミットと言うらしい。頼りなさげな雰囲気だが、彼女のそばにいると不思議と気持ちが落ち着く気がした。

ロナ「New device…新しい、機械、人や建物多いところ、使える」

由依「塹壕の中は?」

「中継機を設置すれば、使えます」

 副班長と思われる隊員が答えた。

「これから、経験のないような規模の市街戦が予想されます。作戦成功のために、3班もお手伝いします」

ロナ「Hang in there!」



 8班と4班との間には、張り詰めた空気が漂っていた。

柔「…」ジッ

由依「…えと、今日は一緒に、残ったトラップや地雷の探索と解除…だったよね?」

「言っとくけど、こっちの専門だから。邪魔しないでよ」

葵「こっちのセリフ」ボソッ

「ああ!?」クワッ

真姫「あ、葵ちゃん! やめてよ…」

初「うう…心配です…」

柔「…手分けして山を登る。サンダーピート號の通った跡にも、踏み残しがあるかもしれないから、気をつけて」



安価下コンマ
01    飛行機
02〜20 乱闘
21〜25 踏み残し
26〜35 網
36〜50 何もなかった
51〜70 ちょっと仲良くなった
71〜90 仲良くなった
91〜00 汚れたテント
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 10:12:58.98 ID:Vqm0YjQ1o
えい
763 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 10:28:51.90 ID:mXG0RoUDo


柔「…実際、わたしが迂闊だった。反省している」

由依「まあまあ、崩礼閣下も言い方が悪かったって反省してたみたいだし…」

 意外にも、柔はもう、崩礼に対して反抗心は抱いていないようであった。由依が努めて穏やかに接していることもあり、4班との緊張感も登山の中で次第に解れていった。

初「だ、大丈夫そうですね…」ホッ

葵「ん…ん?」ピタ

 山頂に差し掛かろうというところで、葵がなにかに気付いて立ち止まった。

由依「どうしたの、葵ちゃん?」

葵「あれ…」スッ

 葵が指さした先には、一張りのテントが立っていた。サンダーピート號の侵攻に巻き込まれたのか、ぼろぼろで泥にまみれている。

葵「うちのテントとは違う」

柔「そもそも、サンダーピート號の侵攻経路にテントを建てるはずが無い…誰?」

葵「見てくる」ジャキッ

 葵はリボルバーを抜くと、そっとテントに近寄った。近くの焚き火には、まだ火が燻っている。耳を澄ますと、中から声が…
764 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 11:04:44.11 ID:mXG0RoUDo
葵「総員、戦闘態勢!!」ジャキッ

 葵は叫ぶと、2丁拳銃をテントに向けた。

由依「葵ちゃん!?」

柔「とにかく戦闘隊列!」

 他の隊員たちも銃を抜き、テントを囲む。
 物々しい雰囲気に、テントの中から出てきたのは…



春華「…ひっ! す、ストップストップ!」



柔「トレイターだと?!」

春華「待って、待って! 何もしてない、してないから! …ほら、みんなも早く出てきて」

 春華に促されて、中から他のメンバーも出てきた。

リュイア「…見つかった」

ロル「クッソ、スルーしたら良かったのに」

ユカリ「…あァーっ、ツイン・ギフト!」

葵「毒島ユカリ…!」グッ

 引き金に指がかかる葵。それを引き止めると、柔が言った。

柔「色々聞きたいけど…いつから、ここにいたの?」

春華「官邸から逃げて、わりとすぐ…あの、おっかない幕僚長が、血眼でうちらを探してたから…」

柔「ここに隠れて、どうするつもりだったの?」

リュイア「Generaleから逃げ切ったら、Aliceに会いに行く」

由依「また、リーダーと合流するつもりだったってこと?」

リュイア「」コクン

柔「…とにかく、基地に連行しよう。4班、8班、こいつらを捕まえて、山を降りるわ」

由依「了解。じゃあ葵ちゃんは…」

葵「ん…」



安価下
@春華を掴む

Aリュイアを掴む

Bロルを掴む

Cユカリを掴む

Dその他要記述
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 11:19:57.55 ID:oRNA8Sfmo
4
766 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 12:33:25.67 ID:mXG0RoUDo
 葵はリボルバーをユカリのこめかみに突きつけると、その腕を握った。

葵「変なことしたら、撃つ」

ユカリ「アハッ、心配しなくても後でェ」

葵「」バンッ

 躊躇なく、引き金を引く葵。至近距離で45口径をぶち込まれ、もんどり打って倒れるユカリ。

ユカリ「いったァ…」ズキズキ

葵「次はティルフィングで撃つ。立って」グイッ

ユカリ「はァい…」ヨロッ

 よろよろと立つユカリを、葵は乱暴に引っ張った。



崩礼「…つまり、お前らはずっと、山奥で大人しくしてたってことか」

春華「そっ、そうそう! 悪いことなんてしてないから! だから」

透「藤島前幕僚長と連絡がつきました」

春華「ひぃっ!?」ビクッ

 通信機で会話していた2班長の透が、トレイターたちに向き直った。

透「あの方は首都の方で用事があるので、こちらには来られないと。その代わり、基地に留めて逃げ出さないよう、監視しておくようにとのことでした」

春華「あ、来ないんだ…」ホッ

ロル「結局、また牢屋に逆戻りかよ…」

崩礼「あ? 牢屋なんて立派なものが、この急拵えの基地にあるわけねえだろ」

葵「え、じゃあどうするの?」

崩礼「庭に穴掘って埋めるか。頭だけでも出しときゃ、死なねえだろ」

春華「ひぇっ」

崩礼「冗談だ。鍵の付いた部屋はいくつかあるから、そこに打ち込んどこう」

透「ただし、リュイア・トラメスロはこちらで預かります」グイ

 透が、リュイアの手を掴んで引いた。

崩礼「その辺の鍵付き扉ごときで、お前らが閉じ込められるわけねえのは分かってる。その上で言うぞ。___逃げるなよ。いや、基地をうろつくぐらいは大目に見るが、町の連中に危害を加えるなよ」

透「他の幼女への実力行使を確認した場合、無条件でリュイア・トラメスロを処刑します」

春華「っ!」ビクッ

ロル「人質ってことかよ」

崩礼「当たり前だ。何度、お前らに逃げられたと思ってる」

 崩礼が吐き捨てた。
767 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 12:46:56.70 ID:mXG0RoUDo


 結局、その日の任務はそこで打ち切りになった。班も解散し、葵は一人で基地の廊下をうろうろしていた。
 またしても、目の前に現れた毒島ユカリ。しかし、今回ばかりは逃げられること無く、捕まえることができた。
 それにしても、懲りない連中だ。何度捕まっても、また集まって、何かをしでかそうとしている…

葵「…」スタスタ

 ぼうっと考え事をしながら歩いていると、向こうから誰かが歩いてくるのが見えた。



安価下
@透

Aロナ

B柔

Cその他要記述(基地にいる人物だけ)
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 16:28:32.18 ID:Xgqo3pQ9o
崩礼
769 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 16:48:02.94 ID:mXG0RoUDo


崩礼「…よう」



葵「崩礼…お仕事はいいの?」

崩礼「ああ。もうしっかりした拠点ができたことだし、1班の役目は殆ど終わってる」

葵「そう」

崩礼「…」ソワソワ

 並んで、どこへともなく歩き出した2人。崩礼はぎこちなく微笑みながら、ちらちらと葵の方を見ている…



安価下 崩礼との話題、行動など(食事には後で誘います)
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 17:16:51.34 ID:eR8/2T02o
もう寝れるようになった?
771 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 17:58:23.95 ID:mXG0RoUDo
葵「…もう、寝れるようになった?」

崩礼「! …ああ、おかげさまでな」

 目元を指差す崩礼。隈はまだ残っているが、この前よりは薄くなった。

崩礼「やるべきことも分かってきたし、平木も言う事聞くようになったし」

葵「それは良かった。…崩礼が弱ってるの見て、みんなびっくりしてた」

崩礼「そうなのか?」

葵「うん。由依も、ねね幕僚長も」

崩礼「ははっ、幕僚長もか。あいつの方が、よっぽど苦労してるだろうに…」

葵「ん…」

 遠い目をする崩礼。自分に余裕のない時においても、こうして他人を思いやることができるのが、ねねが崩礼を自身の後任に選んだ理由かも知れない。そう、葵は思った。

崩礼「…そうだ」

 不意に崩礼が提案した。

崩礼「この後、一緒に飯食わないか」

葵「…いいよ」

 珍しく、葵は素直に頷いた。

崩礼「じゃあ、後でな」

 そう言うと、崩礼は葵と別れた。



安価下コンマ 70以上で…
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 18:15:46.07 ID:NiRuEar/O
出来らあっ!
773 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 18:40:37.29 ID:mXG0RoUDo






幸実「じゃあ、トレイターの残りは崩礼ちゃんたちが見てくれてるんだね〜」

紫苑「はい。優秀な後任たちのおかげで、わたしも自分の仕事に集中できます」ドサッ

 おふねの離れにて。紫苑は料理を片付けたテーブルの上に、分厚い紙束を置いた。

幸実「それが、さっき言ってた?」

紫苑「はい。…総理の口頭のみで、明文化されていなかった、新しい日本国憲法を書き記したものです。これを元に、従来の法治国家と遜色ない草案を纏めて、総理に見ていただきます」

幸実「それから、どうするの?」

紫苑「ゴールは、選挙によって選ばれた幼女による議会を開くことですが…しばらくは明文化された法律を元に、総理が実権を行使する形になるかと」

幸実「うちでさえ、選挙なんてしたことないものね〜…」

 そこへ、おふねの大将…巴が入ってきた。

巴「どうもどうもぉ、お久しぶりです元帥どの」

紫苑「もう元帥ではありませんよ。…先日は、篠崎がお世話になりましたね」

巴「ええ、ええ。鰻を召し上がっていただきましたよぅ」

紫苑「わたしも、ちょくちょく来れると良いのですが…何分、これからより忙しくなりますので。もしもの時は是非、篠崎を頼ってください」

巴「良いんですかぁ?」

幸実「それくらいしなきゃ、ここのお料理は食べられないわ〜」





774 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 18:49:27.68 ID:mXG0RoUDo


崩礼「普通科で腕に自信のあるやつが、ちょっとした料理屋を始めたんだ。陸自なら自由に使えるんだぜ」

「閣下、いらっしゃーい。それに、篠崎陸曹長も」

葵「ん、よろしく」

 席につくと、その隊員が水の入ったコップを持ってきて尋ねた。

「何食べるー? 言ってくれたらてきとーに作るよ」



安価下 どうする?
@ご飯もので

A麺類の気分かな

B魚!

Cその他要記述
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 19:37:50.04 ID:T+fu1r110
1
776 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 20:34:44.17 ID:mpfU5aFGo
葵「ご飯ものがいいかな」

崩礼「じゃ、俺も同じで」

「りょーかい、待っててね」

 隊員は厨房へ引っ込んでいった。

崩礼「…おふねほどじゃねえが、ここも結構美味いぜ」

葵「ん…流石に、あそことは比べない」

崩礼「さて、ご飯ものとは言ったが、何が出てくるかな…」



安価下1〜3でコンマ最大 食事中の話題、行動
777 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/03(金) 21:18:32.59 ID:mpfU5aFGo
ねます

このイベントが終わったら、スレを締めようかな

安価下
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 21:27:17.90 ID:eR8/2T02o
(締めの気配なら)崩礼、不器用にプロポーズしろ

おつおつ
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 21:32:15.77 ID:Zgjl4ifkO
おつ

たまたま他の席に座れなかったロナと相席することに。
780 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 10:39:51.64 ID:5D72PeREo


「へいお待ち」コト

 運ばれてきたのは、オムライス。旗も立っている。

葵「すごい、巻いてある」

「頑張って練習したんだ。じゃ、お上がりよ」

葵「いただきます」

崩礼「いただくぜ…」モグ

 ケチャップをスプーンで広げて、卵とチキンライスを一緒に口に運ぶ。何だか懐かしい味だ。懐かしいなんて思うほど、長く生きたわけではないのだが…

崩礼「…」ジッ

葵「…どしたの」

崩礼「!」ビクッ

 視線に気付いて、葵が尋ねた。崩礼は狼狽しながら、取り繕うように言った。

崩礼「あ…う、美味いだろ」

葵「うん…」モグ

崩礼「…」

 崩礼も、オムライスを一口食べて…

崩礼「…葵」

葵「ん…何?」

崩礼「結婚してくれ」
781 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 11:52:55.28 ID:5D72PeREo
ガタガタガタッ キャーッ ザワザワ

葵「…」

崩礼「…」

 ざわつく店の中で、思いがけない申し出を、葵は自分でも意外な程、落ち着いて受け止めた。或いは、近いうちにこうなることが、何となく分かっていたのかも知れない。

葵「…女の子同士だけど、できるの?」

崩礼「やってる奴はいるって聞いた…本当かどうかは知らねえけど…でも、そんなのどうでもいいんだ」

崩礼「ずっと…変わってないんだ。お前が、好きなんだ」

葵「…」

 周りで騒ぐ声も、寄ってくる野次馬も、何も聞こえない。見えない。ただ、こちらを真っ直ぐに見つめる、崩礼だけが見える。
 葵は…



安価下 3票先取
@いいよ

Aやだ

B考えさせて
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 11:57:17.70 ID:Z7fJ7Q/X0
1
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 12:00:39.86 ID:DNJy6m1yo
1
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 12:42:07.96 ID:SyxmxCIYo
1

(できれば雰囲気とか考えられないのとか文句言いつつ)
785 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 12:49:47.01 ID:5D72PeREo
葵「…それ、ここで言うこと?」

ザワザワ ヒソヒソ

 野次馬の声が、また聞こえてくる。厨房の入り口から、料理人がこちらを覗いている。少し冷めたオムライスに、ケチャップの匂い。

崩礼「っ、悪い…今しかないと思って」

葵「…」

 気まずそうにする崩礼を見ながら、葵は…

葵「…いいよ」

崩礼「!!」
786 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 13:29:40.77 ID:5D72PeREo
 店内が沸き立った。

「キャーキャー!」「おめでとー!」「ヒューヒュー!」



葵「最初は、一目惚れとか言って、変なとこ触りたいだけだと思ってたけど」

崩礼「うっ…」

葵「崩礼はみんなのこと、ちゃんと見て、考えてるって分かった。だから、いいよ」

崩礼「葵…!」

 崩礼は立ち上がると、葵の身体を抱き締めた。







ラセン「…で、結婚生活には慣れたか?」

崩礼「まあな。ま、お互い基地暮らしで環境も変わらねえし、慣らしがいるようなもんでもないし」

 崩礼はグラスに口を付け…それからふと、ラセンの顔を見た。

崩礼「それより…まさか、お前が陸自を辞めるなんて。そっちのが驚きだぜ」

ラセン「藤島さんに誘われたのだ。議員になり、新しく造られる議会の力で、国を支えようと…憲法が整備されたとは言え、この国はまだ、総理一人のギフトによって支えられている。総理に何かあれば、一瞬で崩れるだろう。それは避けたい」

崩礼「出たがりのお前が、前線を離れるなんてな」

ラセン「あちらも、未知の最前線だ」

 ラセンはグラスを握り、力強く言った。

ラセン「それに、ガッチャー2はドリルだけではない。頭脳戦も得意なのだ」

崩礼「へえ…で、後任は決めてるのか? 小鳥遊か?」
787 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 13:45:15.44 ID:5D72PeREo
ラセン「ああ。奴なら、ワタシの後を継いでくれるだろう」

崩礼「侵攻作戦も一段落付いたし、引き継ぎには良いタイミングかもな」スクッ

 グラスを置き、崩礼はおもむろに立ち上がった。

崩礼「葵も、久々に帰ってきたことだし…俺はこの辺で」

ラセン「ああ! それはいかん、引き止めるべきではないな。早く帰れ」

崩礼「ああ。…議員とか議会とか、頑張れよ」

ラセン「そっちこそ、身体に気をつけるのだ。玉置……いや」

 ラセンはニヤッと口角を吊り上げ、訂正した。

ラセン「今は、”篠崎崩礼”…だったな」

崩礼「…ふ」

 気持ち悪い笑みを必死に堪えながら、崩礼は店を出たのであった。
788 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 13:45:54.18 ID:5D72PeREo
おしまい
789 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 13:53:22.19 ID:5D72PeREo
次はヤバいアイドル事務所の話と思ってたんだけど、最近急に悪の女幹部欲が高まっている
どっちが良いとか、他にこれやってとかあります?
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:00:24.30 ID:DNJy6m1yo
アイドル事務所が念願ではある
女幹部の場合は過去作と同じ流れ?
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:05:11.56 ID:x55JcfifO
女幹部がどんなのかなーんもわからんので詳しく
また、ダンジョン2部はどないします?
792 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 14:09:34.05 ID:5D72PeREo
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1592386508/

これ
2回やって2回とも序盤で主人公死亡エンド。裏を返せばさっくりやれる
ただ、次やるならシチュエーションはこっちで指定したいかも
793 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 14:12:24.65 ID:5D72PeREo
あと、前も言ったけどダンジョン2部やるなら主人公は変更で
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:44:39.63 ID:SyxmxCIYo
おつおつ!
>>1のエロは勿論だけど丸く収まってエンドも好きやんな…ありがとうありがとう

今作はエロ控えめでそれが合ってたけど自作はガッツリR-18見たい、となるとアイドルか?
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 15:15:45.53 ID:Q0ymDTORO
アイドル事務所って裏AV作ったりするやつでよかったっけ?
アイドルと女幹部ならアイドルのが良いかな
ダンジョンは2年後くらいでカツラギ頑張りますなら見たいけど主人公変えるなら別にいいかな
他やって欲しいのならホグワーツ的な魔法学校であれやこれややる話
796 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 15:20:22.51 ID:5D72PeREo
イメビ作るやつっすね。裏AVも作れるけど

BlingしてBarnしてBarnするためにBornする話? 悪の女幹部であこがれてもいいけど…
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 15:48:16.68 ID:PYt5Jy67O
主人公になるかはわかんないですけど1人2人くらいなら脳筋がいても良さそうですね
黒い四つ葉みたいなのでも良いかなと思います
女幹部は舞台がなんとなく求めてるイメージと違う気がするので一応別で提案だけさせてもらいます
798 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/05/04(土) 15:57:38.62 ID:5D72PeREo
まあアイドル事務所優勢かな

アイドルじゃなくて、アイドル事務所になるけど
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2025/05/01(木) 04:27:10.01 ID:zEEIi4MWO
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