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【安価】怪異を犯してマンションに住まわせる
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417 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 17:05:58.85 ID:CEu+4k9x0
ーーーーー
3つ来たので締め切るぜ!
>>414
>>415
>>416
今回も可愛い子たちをありがとうだぜ〜!
>>415
感想ありがとうだぜ〜。死別した人とちゃんと別れを言えて、狂骨ちゃんはかなり恵まれた死後を過ごせているぜ。
今回は…………
投票の時も1票入ってた、座敷わらし(座敷あらし)ちゃんを選ばせてもらうぜ!!!
という訳で、まずは赤ちゃん誕生エピソードをお楽しみいただければ幸いだぜ。
なお、赤ちゃんの誕生に関しては「妊娠期間」というものがある以上、どうしても時空に歪みが発生してしまうぜ。
あとから誰の赤ちゃんが産まれるか分からないからな!!!
そこらへんはふんわりと雰囲気で読んで頂ければ幸いだぜ。
また、本編には直接関係のない告知だが、何階の何号室に住んでいるか、みたいな表をなろうの方に追加する予定だぜ。
なろうで更新分のみを随時追加する予定なので、あくまで参考程度にご覧くださいだぜ。
ーーーーー
418 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 21:41:01.48 ID:CEu+4k9x0
>>406
ハナの赤ちゃん誕生
ーーーーー
ある日、俺がハナの所に家賃を回収しにいった時。
D「ハナ、入るぞー」
ハナは発声ができない。
だから、部屋に入るときは勝手に入る。
ハナ「〜♪」
D「お、ハナ。今日も可愛いなぁ」
ぎゅ、と抱き着いてきたハナの頭を撫でる。
声は出ないが、感情豊か。
手話や文字のような意思疎通手段を覚える気はないらしく、伝えたいことはなんでもパッションで俺に伝えてきてくれる。
ハナ「………………♡」ぐちぁ……♡
ハナが口を開けると開く、鮮赤の花。
俺がそこに口づけすると、雌しべが俺の舌にまとわりついてくる。
喉が焼けるほどあまぁいディープキス。
ハナ「ッ……♡ ………………〜〜〜………………♡」
ねぢょぉ……♡ と俺とハナの間にかかる、糖度の高い粘液の橋。
ハナ「!」
その時、何かを思い出したかのようにハナは俺の腕の中から離れると、窓辺に置いていた1つの大きめの植木鉢を俺に渡してきた。
D「おお? なんだ?」
ハナ「♡」
D「プレゼントか?」
ハナ「♪」こくこく♪
ハナからプレゼントなんて珍しい。
中にはふかふかの土が敷かれており、芽のような物はない。いや、「まだ」ないだけかもしれないが。
ハナはどうやら、これを俺の部屋に置いて欲しいらしい。
D「おっけー。ちゃんとお世話するよ。枯れたらイヤだから、たまに様子見に来てくれよ」
ハナ「^^☆」(サムズアップ)
ハナは植木鉢にちゅ、と口づけをしてから、俺を見送った。
ーーーーー
チュンチチチ……
D「ふぁぁぁ…………むにゃむにゃ……」
あれからしばらく。
ハナから貰った植木鉢は俺のベッドの真横で朝日を浴びている。
D「お、芽が出て来てる! よかったー。おはよう!」
シュッ、シュッ、シュッ
霧吹きで水を与えながら、俺はその芽を撫でる。
いやー、植物でも、こう見るとかわいいな。
ぴこぴこ
……ん?
なんか今、この芽動いたような……
まあ今俺が触ったし、気のせいだろう。
ーーーーー
419 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 21:41:49.77 ID:CEu+4k9x0
ーーーーー
それから数日後。
D「……芽のまま大きくなってきているな」
発芽した双葉は、双葉のまま肥大化を続けている。
今では、葉っぱ1枚のサイズが500円玉を超えている。
普通、植物って発芽した後、葉が増えたりしないか?
一回ハナを呼んでみたのだが、問題はないらしい。
……今更だけどこれはなんの植物だ?
俺は何を育てている?
…………まあ、変なことにはならないだろう。
D「早く咲いて元気な姿を見せてくれよな〜」
ぴこぴこっ
D「…………やっぱ動いているよなお前……」
はてさて一体どんな花が咲くのか……
もごっ
D「え?」
もご、もご、もごっ……!
土が突然、動き始めたッ!
なんだなんだ!?!?
もごんッ!
???「ぷは!」
D「………………」
そうして、それは土から頭を出した。
小さな頭、閉じたままの眼。
それは、赤ちゃんだった。
D「…………!?」
想像を遥か斜め上に超える『変なこと』になったぁ!!!?!?
???「っすぅーーー…………」
D「………………???」
???「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
ッキィイイイイイイイイン!!!!!
D「ぎいあああ耳があああ!?!?!?!?」
……たどたどたどた! ばぁん!
ハナ「♡!!!!!」
俺が耳を抑えて床を転げまわっていると、マンションの裏で朝の畑仕事をしていたであろうハナが俺の部屋に駆け込んできた。
???「アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
ハナ「♪〜 ♪〜」
ハナはその赤ちゃんの周りの土を手で掘ると、優しく抱きあげた。
そして片胸を出すと、叫び続ける赤ちゃんの口先に当てた。
???「アアアアアァァァ……んむ………………んくっ、んくっ、んくっ…………」
ハナ「………………♡」
D「…………あ゛ー…………あ゛ーびっくりした…………鼓膜破れるかと…………」
まだキーンってしてる。
まだキーンってしてる。
D「…………ハナ。その、子は……」
ハナ「♡♪」
D「…………まさかー、俺パパ?」
ハナ「^^」こく!
420 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 21:42:49.59 ID:CEu+4k9x0
D「ほえー、そうか…………」
多分、この子は種で生まれたんだろう。
植物も花が咲いた状態では生まれてこない。
植木鉢に植えて、お世話して、そんな流れで生まれる(発芽する)と。
???「んく、んく…………ぷはっ…………♡」
赤ちゃんの肌の色はハナよりも薄い緑色で、ハナよりも人間に近い。
まだ毛の生えそろっていない頭のてっぺんからは、植木鉢から顔を出していた双葉が生えている。
…………〇クミンかな?
???「けほ、けほ……」
ハナ「…………?」
D「……ああ、ちょっと貸してみろ。赤ちゃんは、ミルクを飲んだ後げっぷをさせてあげなきゃいけないんだ……」
俺は赤ちゃんを抱き上げ、背中をトントントン、と。
サチで散々やった事だ。
???「けぷっ」
D「これでよし」
それにしても可愛い。
本当に可愛い。
ハナに目鼻立ちが良く似ている。
おちんちんはない、女の子だ
全身には土がついているので、早急に綺麗にしてあげなければ。
うん。
可愛い。
しかし、言わなければならない事がある。
D「…………ハナ」
ハナ「?」
D「頼むから……頼むからこういう事は先に言ってくれ!!! 頼むからッ!!!!!」
ハナ「☆♪」(てへぺろ☆)
ほんとびっくりした!!!!!
ーーーーー
サナとの間に生まれたサチに次いで、このマンションの始まりともいえる怪異、ハナとの間に、2人目の俺の子が生まれた。
双葉がかわいかったので、安直ではあるが、『双葉(フタハ)』という名前を授けた。
サナ「ハナちゃんおめでとー! やっとサチに妹ができたねー。はいサチ。これがフタハちゃんですよー。あなたの妹ちゃん。フタハちゃん、サチちゃんですよー♡」
フタハ「きぁー?」
サチ「えぅう」
ハナ「♡」
サチはフタハの顔をのぞき込んで、不思議そうに首をかしげている。
D「いやー、サチが産まれてから早数か月、なんで今になって急に……」
サナ「……ねー、パパ。これは私の推測なんだけどさ」
D「なーに?」
サナは自分の顎に指をあてる。
サナ「多分、続くよ。赤ちゃん生まれるの」
D「え?」
サナ「あくまでそんな予感。……ま、あんまり真に受けないで、話半分に聞いてもらえれば」
D「…………そうなったら嬉しい!」
そのサナの言葉から数日後、俺は「それ」に直面する事となる。
ただ「それ」は、思い描いていたような、幸せに満ち溢れたものではなく……
ーーーーー
208号室に俺とハナの娘、フタハが入室しました!!!
ーーーーー
421 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 23:25:02.85 ID:CEu+4k9x0
>>407
カシマレイコの赤ちゃん誕生
長くなっちゃった。
ーーーーー
アヤサの誕生から僅か数日後、「話がある」と言われ、俺はレイコの部屋に呼び出されていた。
テーブルを向かい合って座る、俺とレイコ。
まあ、なんとなく予想はついているが……
レイコ「Dさん」
D「なんだい」
レイコ「赤ちゃんできた」
D「…………そうか!」
レイコはにこ、と笑った。
レイコがぴら、と服をめくると、そこにはぽってりと膨らんだお腹が。
そこにはもう、あの頃のような痛ましい痣は残っていない。
D「ベビーラッシュだ!!! こんな短期間に2人も赤ちゃんができるなんて……!!!」
俺は立ち上がって喜んだ。
レイコ「……ねえ。Dさん」
D「……なんだい?」
冷静なレイコの言葉に、俺は少し恥ずかしくなって座りなおす。
レイコ「アタシね。すごく嬉しい。怨念の塊の私が、こんな幸せになれるなんて、思ってもなかった。……赤ちゃんが産まれたら、いろいろ、やりたいことがあるんだ」
ぽつ、ぽつ、とレイコは語る。
レイコ「3人で、カフェに行って……赤ちゃんは、まだ食べられないから、哺乳瓶からミルクをあげてな。遊園地に行って、一緒にメリーゴーランドのったり、ゆっくりしたボートに乗ったり……びっくりして泣いちゃって、そこらへんのベンチに座って寝かしつけたりするかもしれない。生まれた記念に、写真館に行って、3人で和装でお写真撮ったり……それで、その写真をずっとダイニングの壁に飾ったり……」
D「…………レイコ? …………顔色が……悪いぞ…………?」
レイコ「ちょっと大きくなったら、みんなで、海に、行ってさ…………砂を掘ったり、波を怖がったり…………そんな、いろいろ…………いろいろ、かわいい反応を、見たり、ビデオに撮ったり…………もっと大きくなったら、それを、見返しながら、思い出話したり…………」
その時……
笑顔のまま語り続けるレイコの瞳から、はら、はら、と次から次から涙があふれて来た。
レイコ「………………『したかった』……♡」
D「…………レイコ。『したかった』というのはどういう…………」
どん!!! どん!!! おぎゃあああ!!! おぎゃああああ!!! おぎゃああああああ!!!
レイコ「あッ…………ぐぅッ…………!!!」
D「…………レイコ…………!?」
レイコ「はぁッ……! はぁッ…………! ごめんなさい、ごめんなさい…………ごめんなさい…………!」
突然、地の底から響くような赤子の泣き声。
レイコが、お腹を押さえてうずくまった。
D「レイコッ!? 大丈夫か……!?」
どん!!! どんッ!!!
この壁を叩くような音も、レイコの腹の中から響いてくる。
俺がレイコの服をめくると……
どん!!!!!
D「……!!!」
レイコの腹が、内側から殴られたかのように膨らんだ。
そして、断続的に手形が、顔のような形が、『無数に』浮かび上がる。
ぽた、ぽた、とレイコの股から赤黒い液体が垂れている。
422 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 23:26:19.96 ID:CEu+4k9x0
レイコ「ごめんなさい、Dさん…………! ごめんなさい、赤ちゃん…………!!! アタシが『カシマレイコ』でごめんなさい…………!!!!! アタシ…………アタシ…………!」
D「…………どういう事だっ、レイコッ!!!」
そういえばおかしい。
俺は今の今までレイコのお腹に気づかなかった。
いつのまに、こんな大きさに……?
レイコも、そんな素振りを見せていなかった。
つまり、この腹は、ここ数日で…………
どん!!!!!
レイコ「あッ…………ぐぅ………………!!! …………ごめんなさいぃ……!!!!!」
ーーーーー
数分で、その異変は収まった。
レイコは憔悴し切った顔で、椅子に座っている。
お腹は最初に見せてくれた時より一回り大きくなり、痛ましい、赤黒い痣が…………
クソッ!!!
レイコ「…………この子は…………間違いなく、アタシと、アンタの子…………だけど………………アタシと同じような…………『怨念』の塊…………」
ぎゅ、とレイコがお腹を抱える手に力が入る。
レイコ「…………産まれてくることを望まれなかった……望まれなかったから殺された…………そんな、人から拒絶されて死んだ、赤ちゃんの、怨念…………世界を、人間を、生命を、強く恨んでいる…………」
レイコが『女』の怨念なのに対して、か……
レイコ「この子は…………アタシよりずっと…………ずっと、強い……。……この子は、産まれたら…………マンションどころか…………この地域一帯を一瞬で飲み込む…………そしてあらゆる命を奪いながら…………全てを、飲み込んでいく…………。……たくさんの人が、死ぬ…………」
D「…………」
レイコ「…………でも、それは…………『産まれたら』の話で…………だから…………。…………だから………………この子は…………!」
D「レイコ」
レイコは、黙り込む。
D「それ以上言ったら、怒るぞ。マジで」
レイコ「…………やだ…………! アタシだって…………! 嫌だ…………! でも…………! そうするしかッ…………!!!」
D「母親が」
俺の拳からは、血が垂れていた。
D「我が子を拒絶してどーする」
レイコ「………………ッ………………」
D「産みたいんだろう」
ぼた、ぼた、とレイコの顔の下にシミが広がる。
レイコ「…………産まれてきて欲しいっ…………!」
D「それで」
レイコ「抱っこしたいっ…………! おっぱい飲ませてあげたいっ…………! いろんなっ、世界をっ…………! 見せてあげたいッ…………!!!」
俺は立ち上がり、レイコの後ろに回ると、そっと抱きしめた。
D「……そうだ。そうだ。まずはレイコがそう思ってあげないとな……」
レイコ「こもりうた歌ってあげたいっ、絵本読んであげたいっ……! 手をつないで、3人で海に行きたいッ…………!!! アンタは、私たちに、世界に望まれて、産まれて来たんだよって…………!!! 教えてあげたいっ…………!!!」
D「……大丈夫だ。できる、できるさ。胎の中にいる時から元気な産声上げてんだ。元気に産まれてきてくれる。教えたら全部解ってくれるさ」
レイコ「ひっ…………ぐすっ…………!!! あ、あぁああああッ…………!!!」
俺はスマホをポッケから取り出すと、ラブとサナに電話をかけた。
D「ラブ。即急に用意してほしい物がある」
ーーーーー
423 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 23:27:21.44 ID:CEu+4k9x0
ーーーーー
俺は徹夜した。
翌日、ラブが注文してくれたものがレイコの部屋に届いた。
ベビーベッド、おむつ、ベッドメリー、布製の絵本、ぬいぐるみ、マット……etc
ドッペルが運び込み、ベッドに横たわるレイコの周りに設置されていく。
まるで既に赤ちゃんが産まれているように、いつでも育児が始められるように。
中古品はひとつもなく、全て俺たちの子のためだけに新しく購入した。
天井や壁には、「HAPPY BIRTHDAY」「産まれてきてくれてありがとう」といった、俺と住人によって書かれたお祝いの言葉の横断幕。
言霊の力は偉大だ。
レイコ「はぁああ…………あぐぅぅぅ…………! はぁ、はぁぁ…………!」
どん!!! どん!!!! おぎゃあぁぁぁぁぁ…………おぎゃあああああ!!!
レイコの腹は、数時間前から異常に動き続けている。
股からは、絶えず赤黒い液が溢れている。
腹の痣も痛ましくて見てられない……俺と愛を重ね、せっかく忌まわしい記憶を忘れたというのに……
しかし、目を離さない、手を離さない。
たら、とレイコの横に立つサナの頬を汗が伝う。
サナ「……もう、そろそろ、産まれるよ。抑え込むの、やっぱ無理そう……完全に焼け石に水だった……」
D「……分かった。あとは、俺1人でやる。避難しておいてくれ」
サナ「……うん!」
大丈夫だ。強い、俺の子だ。
ちゃんと産まれてきてくれる。
そう確信しているが、万が一があってはいけない。
子供たちも含めて、住人は全員、マンションから退避させている。
赤ちゃんの取り上げ方も、昨夜、ラブから指導を受けたから問題ない。
サナが去ってから、数分ぐらいが経った頃。
レイコ「…………あッ…………あッ…………! ぁぁあアアアアアッ…………!!!」ガタッ、ガタッ、ガタガタガタガタガタッ!
レイコが叫びながら数センチ浮かび上がり、俺の手を握る力が万力が如く強くなる。
俺は、その手にもう片方の手を重ねた。
俺は、ずっとここにいる。
ダンダンダン!!! ドドドド! ガンガン!!! おぎゃあああ、おぎゃああああ、おぎゃああああ! ダン! ダン! ガタガタガタガタ! 『ピンポーン、ピンポーン』 ドンッ! おぎゃあああっ! ガタガタガタ!!! おぎゃあああああああっ! 『プルルルルルルッ、プルルルルルルルッ』 ガタガタガタガタガタガタガタ! カランコロン、カランコロン ドンドンドン! おぎゃああああああ!
そこら中から、ありとあらゆる扉、フタを内側から叩く音がする。
出して、出して、と泣いている。
マンションが軋み、誰かがインターホンを鳴らしている。
電話が鳴り、誰かがおきあがりこぼしを揺らしている。
電気がぱちぱちと明滅する。
来る
ぐぢゃっ
レイコの膨らんだ腹を突き破って、真っ赤な小さな片腕が飛び出した。
その穴から、どろどろと赤黒い大量の液体があふれ出す。
レイコ「げぶッ、げぶ、ごぼ………………!」
レイコが赤黒い血を吐く。
俺は思わず叫びそうになりながら、ぐっ、と耐えた。
『この子』を、刺激してはならない。
ぐぢゃぁ
もう、片腕も、飛び出した。
腹の肉をかき分け、その子は、頭を出した。
血のような、赤黒い肌。
レイコによく似た、真っ黒な眼をぱっちりと開いて、『満面な笑み』で、部屋の中をきょろきょろ見回す。
424 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 23:28:07.22 ID:CEu+4k9x0
きゃっきゃっきゃ
笑っている。
でも涙のような物を流している。
おぎゃああああああ、おぎゃああああああ、おぎゃあああああああ、おぎゃあああああああ
産声は、上げていない。
『ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン……おぎゃああ、おぎゃああ、おぎゃああ』
窓の外から、無数の巨大な赤子が覗いている。
つけてもいないテレビに、赤子のいないエコー写真が映し出される。
…………そうだ、『言わなければ』。
D「産まれてきてくれてありがとう!!!!!」
しん、と世界が静かになった。
俺たちの子は、俺の方をしっかりみつめたまま、浮かび上がった。
きゃっきゃ。きゃっきゃ
笑っている。
ウケているわけではない、明確に……嘲っている。
D「突然でびっくりしたよ。数日でこんなに大きくなって……! 外の世界を早く見たかったんだな! 早くお父さんとお母さんに会いたかったんだな! 俺も、レイコも……お父さんもお母さんも君に会いたかった!!! ずっと会いたかった! 望んでいた!!! 君に会いたかった!」
…………
俺たちの子は、首をかしげて、笑うのをやめた。
D「見ろ、この部屋の中を。君のための部屋だ。君のために買ってきたベッドに、ベッドメリー、絵本……全部、君のためのものだ。君は、望まれて産まれて来た……」
俺は、俺たちの子に向けて手を伸ばす。
抱き上げてあげなければ……
『君』だなんて、呼ばないで……
D「さあ、おいで……俺の、俺とレイコの、可愛い……」
ぎゅッ
D「かッ、がッ、か!?!?!?」
突然、俺の首が絞められたッ!
俺の首に巻き付く、生暖かいこれはっ……! へその緒かッ……!
きゃっきゃっきゃっ!!!
ばちばちばち、と世界が赤黒く明滅する。
マズい……このままでは…………!!! 俺も…………腹をブチ抜かれているレイコもッ…………!!!
D「愛しているッ…………! 心の底から、愛しているッ……かっ、ガッ……!!! 徹夜で考えたんだッ…………! げほ……!!!」
絞殺ちゃんに絞められた事があるから……窒息の限界は分かっている!
俺は宙ぶらりんになりながら、ポッケの中から半紙を取り出す。
この子は…………女の子か…………! ……そしたら、こっちだな…………!
きゃっきゃっきゃ!!!!!
D「君は…………! 愛され…………望まれて産まれて来た…………! これから先の、君の人生にも…………愛と、望みが…………満ち溢れますよう………………!!!」
『愛望』
きゃっきゃ…………
D「愛望(まなみ)」
マナミ「…………ぅぅ…………? ぁぁ…………?」
俺は、マナミの手を取り、引き寄せた。
そして、優しく抱きしめる。
D「…………産まれてきてくれてありがとう」
マナミ「…………ぁあ。ああ。おぎゃあ…………おぎゃあっ、おぎゃああ! おぎゃあああ! おぎゃああああああああ!!!」
425 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 23:28:58.06 ID:CEu+4k9x0
やっと……泣いてくれたな……
赤黒かった肌も、普通の赤子のような健康的なピンク色になっている。
絞められていた首元が楽になって、世界が静かに戻っていく。
窓の外にも、もう、巨大な赤子の姿はない。
D「…………レイコ。……マナミだよ」
レイコ「……げぼっ……ごぼッ…………マ゛…………ナミ゛…………♡ あ゛あ…………♡ …………アタシの…………マ゛ナミ…………♡」
…………マナミは生まれてくれた。
…………だが、レイコは…………もう………………
…………俺は血だらけのレイコの身体に毛布をかぶせると、その上にマナミを乗せた。
レイコは、冷たい手で、力なく、マナミを抱きしめる。
マナミは、レイコの乳を吸い始めた。
マナミ「んく…………んく…………んく…………んく…………」
レイコ「ああ…………良かったぁ゛…………♡ 飲んでくれたぁ…………♡」
D「……レイコ。マナミは…………大丈夫か?」
レイコ「…………げほッ…………! …………うん…………もう…………危険は…………無い………。………生まれ持った、強い、力を…………制御する、練習は…………必要だけど…………ね…………♡」
レイコがしゃべるたび、口から赤黒い液体があふれ出す。
レイコ「……………………Dさん…………絵本……呼んであげてね…………♡ …………いろんな世界…………見せて、あげてね…………♡」
D「…………なあ。…………『カシマレイコ』の怨念は………………不滅なんだろ…………? ………………絵本、読んだりとか…………それは…………レイコがやりたい、って言ったたことじゃないか……………………。…………………………それに…………俺と、マナミだけじゃ…………『3人』で一緒に海に…………行く事は…………できないんだぞぉ……?」
レイコ「…………もう、ないの…………アタシの中には…………『カシマレイコ』を、維持できる…………力が…………マナミが、この、おっぱいを飲み終わったら…………アタシの全ては…………マナミの中に。……………………それが…………『カシマレイコ』の…………アタシの…………終わり…………」
D「…………俺の、精液を…………飲めば…………」
レイコ「げぼッ…………アタシの身体が…………持たないよぉ………………大丈夫…………アタシの力は、マナミの中に…………残り続ける…………。………………ずっと………………2人を見てるから…………護ってるから…………♡」
D「…………嫌だ…………嫌だッ、嫌だッ…………!!! レイコ……レイコっ……! ………………レイコぉ………………」
レイコ「………………あは…………♡ …………アンタの…………そんなかお…………はじめてみれたなぁ…………♡ …………というかぁ…………せかいで……いちばんのり…………かも…………? …………あは…………♡ …………アタシだけの…………かおにしてね………………♡」
D「………………ああ」
…………ちゅ…………
D「…………愛してる」
レイコ「…………♡」にこ…………♡
D「…………」
………………
D「……………………………………………………………………レイコ………………」
…………………………
D「……………………レイコ………………」
…………………………
D「………………ぁぁ……………………はぁ………………ぁぁぁ……………………!」
マナミ「…………ん…………ぁー」
D「はああ………………! はぁあ………………! ぁ゛ぁぁぁぁっ、ぁぁぁぁぁぁぁ……………………!!!!!」
マナミ「…………………………んぁあ」
D「ぁぁッ、ぁあ゛ッ………………!!! …………………………あ゛ーーッ………………!!! ぁ゛ああああああああ!!!!!!」
ーーーーー
426 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 23:29:40.66 ID:CEu+4k9x0
ーーーーー
その時、だった。
マナミ「…………えへぇ。…………まーま」
マナミが、笑って、確かにそう『喋った』。
どくんっ!!!
レイコ「ッすぅーーーーッ……………………げぼげぼッ!?!?!? ごぼぉッ!!!!!?」びぐんっ! びぐんっ!
D「!?!?!?!?!?」
事切れたと思っていたレイコの身体が突然飛び跳ね始めたので、俺は慌ててマナミを抱き上げる。
レイコは上体を起こし、気管内に残っていた血液を吐き出す。
レイコ「げほッ! ごぼっ! …………けほ…………! …………っあー………………ふー…………ふー…………」
D「………………レイコ…………か?」
レイコ「………………あれ、Dさん。………………あれ? …………アタシだけど…………あれ?」
レイコは寝起きのように、きょろきょろと辺りを見回す。
D「………………死んだん、じゃ…………」
レイコ「…………いや。…………アタシも、そのつもりだったんだけど…………」
べりぃ、とレイコが自分の腹にかかっていた毛布を剥がすと、血まみれでこそあったが、マナミが産まれ出たはずの穴は、最初からなかったかのように塞がっていた。
レイコ「…………まさか…………マナミ…………?」
俺は、マナミをレイコに手渡した。
マナミ「すー………………すー………………」
マナミは、電池が切れたかのように寝息を立てて眠っている。
レイコ「…………この子の中の、力が…………生まれ持った力も…………吸収したはずのあたしの力も…………全部、無くなっている…………」
D「…………そうか」
そうか、そうか…………
D「っあー………………つまり。俺たちは幸せ者だ。レイコ」
レイコ「…………?」
D「…………産まれた瞬間から、こんな親孝行な子供に恵まれて。…………そうだろう?」
レイコ「…………あは…………♡ あははっ…………♡」
D「………………なんか、変な事言ったか、俺?」
レイコ「…………だって…………♡ ……キメゼリフしてても…………♡ ……号泣してたの、まるわかりだもん…………♡ 目真っ赤だし…………♡ 鼻水、びろびろだし…………♡!」
D「…………ははぁーん…………あはははっ、はーっはっは…………!」
レイコ「ははっ、あははッ…………!♡ あはははは、あははははははは…………!♡」
ーーーーー
そうして……404号室に俺とレイコの娘、マナミが入室しました!!!
ーーーーー
427 :
イッチ
[saga]:2026/11/02(月) 23:37:14.02 ID:CEu+4k9x0
ーーーーー
ベビちゃんイベントはプチコーナーのつもりだったんすけどね……
なんか普通に怪異1人分書いちゃったり。
次回があればもっとさっくり行きたいものですね!
ーーーーー
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2026/11/03(火) 19:52:44.63 ID:7YZbOqQo0
妖怪話にはつきものではあるが、つらいわね
さてエロに結びつかないので書き捨てさせてもらうと、枕返しを考えていた
二度と目覚めないとか並行世界に行ってしまうとかいう物語を「夢と現実の逆転」と考えたら
存在が信仰心とか都市伝説的に人々の精神から構成されている、おしら様、カシマレイコ、狐狗狸さんといった面々は
現実から結ばれている糸が多すぎて「逆にすることができない」から天敵なのではないか?と
でも枕返しって何したらエロいんだ……ということでわからされ役は座敷童に期待してます
429 :
イッチ
[saga]:2026/11/03(火) 22:20:01.93 ID:NGEj8u010
ーーーーー
>>428
今後も辛い展開はあるとは思うが、このスレでは必ずハッピーエンドにするから、安心してほしいぜ。
そして、調理によってはどんな怪異もエロになるとイッチは思うぜ。
枕返しもエロいと思うぜ。
もし怪異安価の時、「これってエロいか……?」みたいに不安になったら、シチュなり見た目なり絶対に書いて欲しい部分だけはそちらで設定して、あとはイッチにまるなげ、みたいな形にしてもらっても良いぜ。イッチが妄想を爆発させるかもだぜ。
ーーーーー
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