このスレッドはパー速VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

【理想は全ての代替に】能力者スレ【記憶は憂いで曖昧に】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/29(木) 14:31:59.47 ID:ZLcyiLHj0
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

この世界は「多様性のある世界」です。
完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
コテハン「推奨」です!
基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
スレチなネタは程々に。
スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

 勝手に世界を氷河期などにはしないように。

能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1520774065/
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:22:39.08 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459358/

2 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/29(木) 15:28:37.56 ID:v2a+dzjU0
>>1乙!
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/29(木) 15:29:19.87 ID:PEymcVkEo
>>1乙です
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/29(木) 15:30:12.92 ID:ir2LjrNHo
>>1乙!
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 15:32:17.84 ID:59Ey2t5i0
>>1乙です!

前スレ>>999
「うん……」
「凄く、凄く怖い……」

【涙は、その小さな掌に包まれる】
【詩織も翔子も、あるいは他の誰も迷っているのかもしれない】
【惑っているのかもしれない】
【情勢がさせる物ではなく、あるいは状況がさせる物ではない】
【が、誰しもが戦いの、現実、この戦いの中で、そう感じているのかも知れない】

「ありがとう……」
「ありがとう、詩織ちゃん……」

【暫く、お互いそう寄り添いあいながら】
【やがて……】

「詩織ちゃん、私、もう行かないと……」
「まだ、やらないといけない事がある……」

【すっと立ち上がり、そう告げる】
【任務は、まだ終わっていない】

「……ありがとう詩織ちゃん、それとごめんねカッコ悪い所見せちゃった」
「あと、赤木さんと詩織ちゃん、気を付けてね……もしかしたら、ブランルにバレているかも」

【何も無くば、それだけを言い残し】
【翔子はこの場から立ち去るだろう】
【まだ、この終わりの見えない戦いは、序章を過ぎたばかりに過ぎないのだから】

//この辺りで〆、と言う具合で宜しいでしょうか?
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/29(木) 15:35:17.32 ID:ir2LjrNHo
>>5

【立ち上がる翔子を不安そうな瞳が見上げる】
【それでも彼女が勇気を取り戻したように見えて、不安を内側に押し込めて】
【にっこりと、笑ってみせる】


うん……また、会おうね
私たちも気をつけるから、翔子ちゃんも気をつけて


【互いに激励の言葉を交わして、詩織は去っていく翔子を見送るのだった】


//はい、お疲れ様でした!
7 :??? ◆/iCzTYjx0Y :2018/03/29(木) 15:59:14.73 ID:Ilg5+Hkh0
大いなる>>1乙には大いなる責任が伴う

>>1000

【ゾクリ、と身体の奥が震えるような感覚に血の高翌揚と危険を同時に察知する。この娘は、危険だ。】
【だがそれでこそ挑む価値があるという物。儚い小鳥の様でありながら、輝き放つガラス細工の様に煌びやか。】
【一たび割れてしまえばその破片を以てあらゆる事象を"傷つける"、そういう危うさを孕んだ少女の出現に男は、震えた。】


―――そ、こく……"祖国"? 祖国って事は、お前さん異世界の――――、ああいや、それはいい。
だがその物言い……祖国って言い方、ソイツもどこかで聞き覚えがあってだな……君の名前は――――、え、あ、オレ?

……まあな。"オレ"も君と同じで"異世界人"だ。正確には、"ヒト"ですらねえんだけどよ。
それにオレと夜の街が合わさればその時は無敵さ、確かにこんなトコはオレに似合いじゃねえ、けどよ……君は本当に、その―――




【確信に迫ろうとする。祖国、異世界、プラチナブロンド、少女―――キングの記憶が繋がり始める。】
   【恐らくはもう、そう遠くない回答を導き出そうとしていた。彼は、確かに彼女を知っていたのだ。だが――――。】



え、なに、添い遂げてくれるって?!?!?!?!?!?!??!???!?!?!??!?!?!是非!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


【はだけた胸元。溢れんばかりの両胸と柔らかな香り、そこに掛かった銀色の髪先。】
【そこで彼の思考は再びゼロに戻る。ずるいよ、そういうのは。そりゃあ、そんな物言いされたら思考なんて吹っ飛ぶよ。じゃなくて。】



――――はっ。 オレは今何を口走ってた!? か、身体が勝手に反応してしまった……くっ。
なんて男を弄ぶのが上手いんだ……正直ゾッとするぜ、確かにオレらしくねえ反応だったよ、ああ認めるさ。

だがその、いやナンパのつもりじゃなくてマジでどっかで見たことがあるぶふぉぁぁぁぁっ?!
おま、おまお、おま――――、………―――――――あ、もういいや。むり。耐えらんない。



【だからムリだって言ってんだろ。男は強調された二つの柔肌に耐え切れず決壊した。】
【容赦なく―――肩をがしっ、と掴み。片手は腰に回して、背中をつつつ、とさすり。そのまま思い切り―――"抱き寄せて"】


そんなに"欲しがりさん"じゃあ仕方ねえ。魔界仕込みのエスコートで"キミ"をとことん"攻略"して進ぜよう。
もう嫌がっても無駄だぞ、オレはこうなったら止まらねえんだ。オレも悪いが君も悪い。世の中そうやってお互いを誑かし合うんだ。

ああ、もうセリーナとレボルうんたらの話なんて金輪際無視だ、オレは君と寝る。そう、セリーナなんて―――――――――――…………………。


―――、セリーナ……? セリーナ、異世界人、美人、祖国――――……あっ。



あああああああああっ! わかった、わかったよ思い出したそうだよそうだよそうじゃねえか!! ッハハハ! いやあスッキリしたぜハニー、答えは出たぞワトソン君!


お前さん――――"ソニア"ちゃんだな!? ソニア・エカチェリーナ・ドラグノフ! UTのメンツでセリーナの仲間、とびっきりの美少女のソニアちゃんじゃねえか!



【ぐいいっ、と寄せていた身体を突然ばっ、と離して。両手で肩を掴みやっと合点がいった、という様に顔を覗き込んだ。】
【どうやら、男は何かを、大切な事を思い出した様だった―――。】
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/03/29(木) 16:01:13.25 ID:bqk17V7to
>>1乙です!

前スレ>>978
ほう……興味深い話じゃあないか。その話を聞くためにも、ますます死ぬわけにはいかなくなったな

【カニバディールもまた、この異形には珍しく楽しそうに笑って見せた】
【追憶は人に必要なものだが、同時に重しにもなる。そして、その重しは時を経るごとに増えていくのだ】

盗賊仕事において、引き込み役は特に難易度が高いが……
仮にも、盗賊団の頭目を自称している身だ。上手くやって見せるとも

頭が切れる女のようだが、それ以上に彼奴の役割は婦警≠ニ同じく、尖兵だろう
その婦警≠ェすでに、UTにまで巡回している、予断を許さない状況だ

私の方でも、『黒幕』の手の者はなかなか姿を現さないな

今のところ、私が知った『黒幕』側の者は、ケイと婦警
六罪王計劃者<鴻Wェクト。そして、水の国公安部長のセリザワの四人のみだ

敵の中枢に近いと思われる後者二人は、前線に出てくることはそうそうないだろう

【一呼吸おいて、送り出されるのは、更なる先≠フ話】


……鈴音から、ある程度は聞いた。ミラ・クラァケ。まだ私は直接会っていないがな
先日、機関にある布告がなされた。新たに自分が六罪王に名乗りを上げると。さらには、『円卓』を支配下に置いているとな

布告をしたのは、元ナンバーズNo.100、ジルベール・デュボン。文句があるなら、路地裏に来いとまで付け加えてな
ミラ・クラァケはこの布告以前に、鈴音に将来の六罪王が仲間になるとメールしてきていた

ナンバーズであった頃のジルベールと、すでに繋がりがあったということだ
『円卓』、というよりジルベールに付き従っているのだろう


事実、これは下手な敵よりも厄介だ……私としても、到底味方だとは思えないね
私と鈴音がそうであるのと同じ。一時的な、同盟に過ぎない。それが済めば、すぐにでも背中を狙われることだろう

『黒幕』を討ち果たし、機関と組んだ『円卓』が確かに相当な脅威だ……連中と機関の密約文書、『グラーク書簡』を私は読んだがね
機関に有利な法案を通す代わりに、機関に自分たちの安全と経済的地位を保証させる
戦争・内紛を仕組み、そこから生まれる特需を操作する。そうして、得た利益の一部は機関に上納される

手口以外は、私のしてきたこととだいたい同じだな
……だが、私は配下たちともども、殺し合いの最前線に身を置いてきたつもりだ

箱庭。全くその通りだ。彼奴等は世界を上から見下ろす。意味があるのは、彼奴等にとってだけだ
それはそうだろう。私の生き方がわかるような者は、私の手下たちのような狂人くらいなものだ

……機関に、というよりも。私の混沌を取り返す気なら、あるさ
私は、なんだかんだ言っても、今のこの世界が気に入っているんだ。あらゆる勢力がぶつかり合い、消えていき、また生まれる
ここで、私は生き延び続けたい。私は利己的だ。機関のためではなく、自分のためにな

【そう、単純な善悪二元論などではない。それぞれが、自分たちの我儘を押し付け合っているだけ】
【そう、混沌とはある意味では自由であり、公平であるのかもしれない】

【その先。機関は力を得る。しかし、カニバディールと言う男は、そもそもが身勝手な利己主義者だ】
【機関が全てを実効支配する世界。異形にとっては、単に気に入らない。それをプライドと言うのかどうかはわからないが】


……鈴音もやるじゃあないか。そんなやつを、どこから見つけて来たのやら……
ふ、ふ。それが本当に起きるなら、私も機関に知られていない手下を派遣するとしようかね
特区が、世界中に広がる前に

ああ、私が会った鵺という女も、私のことをすでに聞いていたようだ
公安はまさに、事の中心にもっとも近い存在だからな。あてにしすぎるのも危険だろう

【新たな密約を交わし。再び眼前の問題が戻ってくる。異形は椅子に座り直した】
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/29(木) 16:17:03.22 ID:PEymcVkEo
>>7

【抱き寄せられて甘い声が漏れて、でも其れは離されてしまって】
【艶やかな口許から嬌声が撥ねる、少し物足りなさげな色合いを残して】
【紡がれる貴方の言葉、夜風が二人の間を吹き抜けるけれども】

【───然して其れは遠くで聞こえる祭囃子の様、現実感の無い言葉】


ねぇお兄様、お兄様が何方を想起されているかは、知らないの
でもね、私の名前は "カチューシャ" なの
知らないわ、知らないの、ソニアなんて名前、聞いた事もないから

ふふ、でもね、でも、その旋律は、少しだけ心地良いの
知らず知らずに聞いてる音色みたい、わかるでしょう?
名も知らない曲の事、それでも耳に気持ち良い音律をしてるの

それに、そーれーにっ、美少女ってゆわれるの、気持ちいいの


【とろんと目尻が蕩ける、マリンブルーの瞳に浮かぶ朱が貪る様に歪む】
【肩を掴まれ背筋を逸らす、其れはまるで王子様に抱き抱えられるみたい】
【彼女の香りが鼻腔を擽る、甘いカクテルに似た酔いを孕んで】


お兄様、お兄様の名前はなんと言うの、其れを知らなきゃ私は呼べないの
曲輪が旦那様を呼ぶ様に、細君が亭主を呼ぶ様に、恋人が貴方を呼ぶ様に
素敵な声で呼んであげるの


【───”ねぇ”】


そうでしょう、そうよね、きっとそう
私は貴方の名前を知る為に、此処に来たのかもしれないから


【少し顔を逸らしたなら、貴方の右腕に軽く顎を載せて】
【左手をそっと背中に回そうとする、柔らかな指先の感触】
【耳元で転がす旋律、先程の質問をはぐらかそうとする様でもあるが】

【リップノイズがこぼれる、話す度に撥ねる水音が聞こえる】
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/29(木) 17:05:32.33 ID:ZLcyiLHj0
>>8

アンタが盗賊、俺は強盗…“同業者”ってのは話が早くていいね。俺は“強盗”のやり方しか知らないから
それのとおりでしかプランを立てられない。だが、アンタなら十分…わかってくれるはずさ

ああ、婦警やその女をいちいち相手にしていても意味はないだろう。なんらかの手がかりはつかめるかも知れないが
まあ…UTはそうそう軟な建物じゃないからな…っとこれは内緒のほうが良かったかな?

【そもそもカニバディールとUTの関係を思い出して、まあこれは手土産みたいなものだ。その後の闘争に生かしてもらうとしよう】

国家だの組織だの…今回の相手はそういう形のない相手だ。誰が…とかそういう話でもないかもしれない
そのトップを討ち取ったとて次がすぐに用意されるのが組織の特徴だ…やれることからはじめるしかない

【話は続く。共有すべき情報は多すぎるが、このチームを編成するに当たって悪巧みや計画の立案が出来るメンバーは多分この二人だけだ】
【あとはそういう事に向いていないか、慣れていないか。…戦闘や頭脳は一流でもこういうニッチな仕事は意外と経験はないかもしれない】

ジルベール…そいつが円卓のカシラで間違いはなさそうだ。そして…ミラはそいつに従ってる。それで間違いない。誤送信されたメールの文面から
かなり親しいと思われる。…少なくともミラはそうだろう。アイツはアマチュアだ。円卓の綻びをヤツから探す。今は何も言わない…。

…ハッ。円卓だろうとなんだろうとみな考えることは同じだ。くだらねえ。黒幕も特区だかそんなものを用意して箱庭ごっこだ。
全員イカれてるぜ。…まともなやつなんて。

【白い煙を吐き出して、吸い殻で溢れそうな灰皿に煙草を押し付けてもみ消すと話は計画に戻る】

黒幕に付け入る隙が一つだけある。奴らが用意している洗脳装置だか能力を封じる装置だか。俺たちはそれのカウンターを開発している。
装置のデータを手に入れたんだ。それを元にメンバーである初瀬麻季音が開発中だ。で、だ。それだけじゃ対抗手段にしかならない。

奴らのシステムを奪取する。乗っとるんだ。装置はバカでかいコンピュータで処理しているらしい。AIだかなんだかっつーやつだ。
黒幕に協力してシステムを作ってる「オーウェル社」。そこに潜入して乗っ取る。特区ごとにそのシステムは配備されているはずだ。
うまく行けば奴らの洗脳システムをくじき、能力の制限も強制的にはできなくなる。そしてオーウェル社の私兵は洗脳システムで統制されているらしい
技術面を乗っ取っちまえば…多少は意味があるんじゃないか?

だが、この作戦にはある一つ問題があるんだ。それは向こうのシステムのほうが不完全だってことだ。開発者であるフォルケン博士は
肝心なところをブラックボックスにしたまま失踪。そしてそれをどうにかできるのは初瀬麻季音ただひとり。だから黒幕はマキを欲しがっている
それに内部からじゃないと、乗っ取るのはセキュリティだかで無理だそうだ。…つまり、マキは一度敵の手に落ちる必要がある。

だがそうなると…こんどはそのシステムを乗っ取るのが難しくなる。もし俺が敵ならマキは手元に置いておきたい。
多分、洗脳状態にして貢献してもらう。そういう風にするだろう。
こっちの準備が整うまで敵の手に落ちるわけにもいかないが…一度俺たちは負ける必要がある。警戒もされている今は動くに動けない。

…そこでだ、黒幕側として義務を果たす。マキを拉致する…言い方は悪いが。そうすれば黒幕としてのメンツも果たせるだろう。
なんならミラを通じて円卓の情報なんかを手に入れるか、1人…土産を包んでもらえばいい。お前の疑いを晴らす。
出来るなら…このチームは一回、瓦解したと思わせたい。そして、一番いいタイミングでシステムを乗っ取り、内側から食い尽くす。

MチームのM。例えるなら蜃気楼/Mirage―――。

【壮大な大仕掛けを話す。複雑かつ中々厳しいプランなのはそれぐらいこの戦いは賭けということなのかもしれない】
【こんなプラン、もし俺なら乗らないだろう。酔っぱらいの妄想だと思って…と彼は最後につけ足す】
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/03/29(木) 18:08:07.18 ID:ir2LjrNHo
【公園】

【人気のない公園のベンチに、男が座っていた】
【黒い短髪に東洋人風の顔つき。年齢は三十代程度に見える。左耳には女物のルビーのイヤリング】
【新聞を広げて記事に視線を落としていた。『公安』に『特区』に企業の不祥事に────】


なんだか世間様は騒がしいな
隠居してるとさっぱり分からなくなるぜ

「にゃー」『ぅにゃー』[うにゃうにゃ]


【男の周囲にはやたらと猫が集まってきていた。六匹以上はいる】
【男が欠伸をすると、何故だか猫たちも欠伸。妙に平和な光景ではあった────】




【水の国・特区】

【手続き期間中故に、まだあまり人通りのない特区に一人の男がやってきていた】
【全身は紺色のスーツ姿。同色であしらった紳士帽子を被った三十代前半の男だ】
【周囲をきょろきょろと見回す姿は観光客のようにも見えるが、不審者にも見えるかもしれない】


……ここが、噂の特区ですか
私のような傭兵としても、能力に制限がかけられるのはあまり好ましくないのですが……
ブランルさん、そのへんちゃんと考えてるんですかね…………


【人気が少ないことで油断してるのか、独り言が漏れ聞こえる】
【特区の様子を見にきたらしい男は、とりあえず近くに人がいれば声をかけるだろう】


//上下どちらでもお好きな方へどうぞ
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/03/29(木) 18:09:40.11 ID:bqk17V7to
>>10
ふ、ふ。全くだ。畑が違うと、こうはいかない
ああ、もちろんだ。専門分野だからな。互いの得意で分業が出来る。同盟の強みは、そこにある

その手がかりを引っ張り出すにも、彼奴等相手では手間取りそうだ
……ふ、ふ。そうだな。ここだけの話にしておこう

【ロッソの手土産を受け取り、いつもの含み笑いが漏れる。ここにいるのは、やはり悪漢と悪漢なのだ】

そういう相手は実に厄介だ……いわばシステムそのものといったところか
まるでヒドラだな。首を落としても、また生えてくる。落としたら、すぐに傷口を焼き落とさねばならない
必要なのは、そのための備えだ。やれることを粛々とこなしていけば、いずれは必ず辿り着く

【光と闇。正義として活動する者たちには、彼らにはない力があり。悪として闇に潜む彼らには、光には出来ないことが出来る】
【だからこそ、組む価値がある。共謀するだけの価値があるのだ】


『円卓』という名からもわかる通り、元々がカリスマ的な指導者のいない、利権を貪るシステムだったのだろう
それを、電撃的に征服した。そもそもが、乗っ取りやすい性質だったのもあるだろうがな

ジルベールと言う男は、相当なやり手だぞ。ミラ・クラァケ自身はアマチュアでも、ジルベールという頭脳の手元に置かれれば
獲物に深く食い込む牙となるだろう。ブレインとパワー。単純だが、強靭な組み合わせだ
だが、付け込む隙は確かにある……今は、皮算用だがな

……ふ、ふ。その通りだな。狂人だらけだ。我々も含まれるのだろうがな
まともな奴など、むしろこの世界では絶滅危惧種かもしれないぞ?

【悪だくみは進む。『黒幕』に。『円卓』に。支配者たちに抗うための企てが】

カウンター……驚いたな。でかいカードを持っているじゃあないか
洗脳と能力の封印は、彼奴等の目指す世界征服の要の一つだ

初瀬麻季音……天才だとは聞いていたが、想像以上らしいな
そして、彼女の頭脳を我々の悪意が昇華するわけだ

「オーウェル社」……パトロンの一社だな。セレンディピター号では会うことは出来なかったが、その名は耳に届いた
特区はいわば、「オーウェル社」の実験場か。それを諸手を挙げて受け入れる大衆も哀れなことだ

多少どころか、大いに意味があるだろう。彼奴等の武器を封じ込めるだけでなく、私兵たちを使い物にならなくすることにも繋がる
『黒幕』の計略に与えるダメージは、決して小さくない

問題? ……なるほど。逆に言えば、不完全な状態でこれだけの効果か……
フォルケン博士は、すでに故人だと鈴音から聞いた。『黒幕』が初瀬麻季音を狙うのも当然だな
確保できるかどうかに、彼奴等の陰謀がかかっていると言っても過言ではない

……リスクが伴うのは当然だが、大きなリスクだな。私が敵の立場でも、同じように考えるだろう
洗脳の手段が手元にあるんだ、使わない手はない

……私が、『黒幕』にデリバリーする役を果たす。足りなければ、ひと時の仲間たるミラとジルベールに
もう一つ手土産をつけてもらう。そういうことだな

蜃気楼/Mirage。全ては幻……か
――――まともなやつなら、乗らないだろう。知っての通り、私はまともじゃあない

【こめかみをトントンと叩きながら。三つの目で笑う様は、やはり醜悪であった】
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/29(木) 19:01:21.81 ID:ZLcyiLHj0
>>12

だからこそシステムを止める。大動脈を切り裂いて、心臓を止めてやる。
その先のことは…今はわからない。突破口を開くのが俺らには精々だろう

【寄せ集めにしか見えないチームの強みは目立った欠点がないところだろう。思惑や全体的な弱さは目立つが】
【どこかしらを補えあえる十分なメンバーは揃っている。これだけのメンツは黒幕も用意はできないだろう】
【自身の描く理想に縛られた奴らとは違い、目的達成のために誰とでも組む、泥臭いチームである】

甘く見ちゃいない…だがこれは希望的観測だ…プランじゃないが無事黒幕を打倒てきた場合、その勢力を
俺たちが飲み込む。俺はそのつもりでいる。黒幕の勢力を吸収して、円卓と立ち向かう。そう考えている。
精々、その権力の味に俺たちが溺れることのないように今のうちに祈っておこう。

ジルベールという男のことがわからない以上、円卓はもうすこし探っておく必要がある。確固たる地位を築く前に
全て事が終わるといいが…難しいな。…兎に角、コレは後の話だ。

イカれてないと、正義も悪も貫けねえよ。意志を持って生きるってのは狂気さ。

【男は正義と悪と両方の間で“オレ”として生きる。狂気とはまた別種の酔狂であろう。どちらにせよまともじゃない】

博士のアンドロイドと接触できた。博士のデータもあるし、オーウェルにアクセスも出来る。マキが検討中だ。
…そもそもアイツが始まりかもしれない。何の因果か…賢いってのはいいもんじゃなさそうだ。

パトロン…というよりシステムや技術面はそうとう深く関与していると思われる。特区は“黒幕”全体の理想郷のモデルケースさ
オーウェルが管理し、公安が見張り、機関が排除する。完璧なシステムだ。自由は無い。頭の中すらな。

オーウェル社を潰しても公安と機関が残っている。オーウェルは俺らが、公安は円卓に、機関は正義に…適材適所で対応する。
全体的な統率が難しいならあえてしないほうがいい。必要な情報だけやり取りしてうまくこなしていく。

マキの父親がオーウェル社に拉致されている。その脱出作戦が第一段階。多分、特区に潜入することになる。
そのとき…俺たちは蜃気楼として消えるんだ。そして、内側から鍵が空いたら。実体を取り戻す。

イカれてくれていて、助かった。

【ロッソもそれに合わせて笑う。この悪巧みが成就した時、それはほんとうの意味での混沌がこの世界に生まれるだろう】
【市民を守るものはなく、力を抑える技術もなく、権力を持ったカリスマもいない。全てが解き放たれるのだから】
14 :??? ◆/iCzTYjx0Y :2018/03/29(木) 19:35:16.19 ID:Ilg5+Hkh0
>>9

【確信は得ていた。この男、女性を愛でるという単一分野に関しては他の追随を許さない。】
【過去にセリーナの下手っぴなスマホのカメラで撮った写真で、何度か見せて貰ったことがあったソニアの顔。】
【実際には会った事が無い相手だったが、それでもこうして確実に見分けられる程―――この"男"は女性の顔認識能力に長けていた】

【だからそう、見紛う筈等無いし、目の前の女性は確実に絶対に、男の知る"ソニア"なのは間違い無かった、筈。】
【特徴も口調も聞いていたそれと合致するし、なによりこの見た目だ。嗅覚が衰えているとも思えない、にも拘らず――――。】
【少女は自信をソニアではない、と語った。突き放すよう、引き剥がすよう、何もかも忘却の彼方へ追いやってしまう様。別の名を、名乗った】

【だが―――そうではあっても、咎めない。むしろ心地良いとさえ言ってのける"ソニア"という響き。】
【男は困惑していた。風がぴゅう、と足元の桜を攫い、向き合って身体を寄せ合う二人の事を花びらの吹雪で覆った。】


―――――……え? いや、――――いやいやっ、間違いないって! 君はソニアちゃんだよ!
なんで俺をそんな風にからかうのかは分からないけど――――、お、おい。冗談だろ? "カチューシャ"……? えぇ……?


(……え、なにこれ。もしかして盛大に人違い!? いやいや、オレの美少女センサーに狂いなんてある筈ねえ!
だがそうなら何だってこんな……。つーかカチューシャ、ってロシア語だよな。じゃあやっぱりソニアちゃんなんじゃ―――むむむ。)

(旋律が耳に心地よい、って事は……。"シラを切ってる"って対応とも思えねえ。シラ切るつもりなら知らんの一点張りで余計な事は言わねえ筈だ。
だが敢えてソニアって名前に触れて、あまつさえそれを"名も知らない曲"とさえ言いのける……どういうことだ、これじゃまるで――――忘れちまってる、みたいじゃねえか。)


――――――――オーケー、オーケー。わかったよ、"美少女"さん。いや……カチューシャ。
とりあえずはキミの意思を尊重してそう呼ぶことにする。ソニアってのは一旦置いといて、だな。

ああ。キミだけ名乗ってオレがだんまり、って訳にもいかねえさ。オレの名前は――――、……嗚呼。まったく。
いちいち大仰だな、オレの名前を知るためにここへ来たって? ロマンチストを自称しちゃいるが、キミには負けるよ。


オレの名前は……キング。苗字やミドルネームはねえ、ただ"キング"とだけ、そう呼んでくれ。
お言葉に甘えて呼んでもらうとしようか。可憐な女が、危険な男との一晩だけの恋に堕ちた時に呼ぶような、そんな美しい声で、……な?


【背中に回された手に逆らう様な無粋な事はしない。キングと名乗った男はぐい、と身体を近づけ】
【もう片方の手を取り、その甲に優しく口づけをするだろう。そして自身もまたカチューシャの腰に片手を添えて】
【そのまま彼女の顎をくい、と指で持ち上げれば―――自身の真っ赤な、どこか危険さすら漂う瞳で、マリンブルーの美しいそれを】


さあ―――聞かせてくれよ。季節外れの雪がどこか愛しく感じるように。
冷たい吐息でオレの名前を、呼んでくれ。

【―――覗き込み、視線を合わせ、そして―――驚いたことに事もあろうか、"唇を重ね合おうと"さえするだろう。】
【だがもし、この危険な男の唇を、そして真紅の瞳を真正面からきっちり覗き込んでしまったのなら、その時は気を付けた方がいい。】
【―――魔術、とか、そういった類ではない。もっと原始的で暴力的な、"悪魔"の力による精神への、干渉が起こる。簡単に言えば心を、心の声を、聴かれるだろう。】

【決して強い能力ではない。意志の力で跳ねのければ、また強固な術で心を縛ってあれば、幾らでも対抗は出来る程度の、そんな"アクセス"。】
【だがこの男は容赦なく、流れに身を任せるように見せ掛けてカチューシャの心情を暴き切ってやろうとするだろう。酷く―――――ひどく、甘美な方法で。】


(ま、念には念を、な。……―――――洗脳されて記憶喪失です、なんて事になったら、オレがどうにかする必要がありそうだしよ。)
(ちょいと見せてもらうぜソニア、いやカチューシャ。お前のそのたわわな胸の奥ってやつを―――。)
15 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/03/29(木) 19:36:23.57 ID:Ilg5+Hkh0
/おっと、追記が抜けてました。
結構強引な術なのでやばければ避けてください、普通に反撃してもらっても良いですからね!
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/29(木) 20:08:47.62 ID:QXZ9dmPl0
【水の国・某特区】

「ヘェーケッケッケッケッケェーッ!!」

【警報は別に鳴っておらず、しかし何者かによる騒ぎが起きていた】
【ガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【そんな男が、一般人に対して暴力を振るっていたのだ】

"何だコイツ、能力者か!?" "警報鳴ってねーぞ!" "どうなってんだ一体!?"

【といっても、命を奪うとかの目的ではない……ただ単に、戦いたいだけなのだろう。やり返されなければ、それ以上の攻撃はしない】

『また暴れてますね……本当すみません。重傷な方から治療しますよ』

【遅れて合流したのは、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】
【頭から血を流しながら倒れている男の側に近寄れば、杖を当てて――】
【――そして鳴り響くけたたましい警報音。】

"やっぱりこいつら能力者だ!" "出てけ!" "早く追い出してくれ!"

『この方は頭を強く打ってます。放置すると障害が残るか死に至る可能性がありますよ。本当に良いのですか?』

"コイツは傷を悪化させるつもりだ!" "なんだってー!" "トドメを刺すつもりだったのか!"

『……ダメみたいですね。ヘケメト、GO!』 「ヘッキャアーッ!」

【そして、男は女性を肩車したかと思えば、メダリストもびっくりな速度で走り出す】
【そのうち特区外にへと抜けるだろうが――はたして、彼らと出会うのは、特区内か特区外か、それとも……】

――――

【UNITED TRIGGER・店舗内――端の方の席に座り、ノートパソコンを操作する者がいた】

「レヴォルツィオーン社……うーん、簡単に手に入る情報は、やっぱり大したことないね」

【それは、サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【左頬には猫と思われる引っかき傷の痕があり、茶色いコートを羽織り、頭部と両上腕には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、両手足にグレーの指ぬきグローブ、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「ヤバいって噂は幾つか書いてあるけれども、具体的に何がヤバいのか……」
「ちゃんと書いてもらわないと困るなあ。関係者に直接聞きに行くしかないのかなぁ……はぁ」

【1つため息をついた後、ミルクがたっぷり入ってそうなコーヒーに口をつける。そして、ノートパソコンを畳んで】
【近くにおいてあった新聞を手に取る。――魔能制限法可決に伴い作られた特区についての特集が組まれている以外は、いつもどおりの紙面か】

「一身上の都合により辞任した火の国の都市・フェイディアのトップの代わりがもう見つかったんだ。はやーい。どうでもいいね」

/どっちか片方選ぶ系のあれです、0時頃には落ちます
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/29(木) 20:21:15.42 ID:QnhPEaD2O
>>14

【冬と呼ぶにはお粗末な小春日和、夜風の冷たさだけがその名残を伝え】
【夜桜が月光に寄り添って、甘い憂鬱を凝らしたのなら】
【白鐵よりもまだ淡い、吐息の様な瞬きを重ねた】

【回した掌で貴方の輪郭をなぞる。──逞しく雄々しく猛々しく】
【彼女がその爪先まで手弱女であるならば、貴方はその指先まで益荒男であるから】
【その色に酔ってしまいそうなぐらい、溢れ出る魔力が心地良かった】


ふふ、カチューシャ、カチューシャ──……凄く、良い名でしょう?
気に入ってるの、だーって殿方に呼ばれる時にね、凄く気持ちいいの
まるで接吻する様に、吐息と一緒に撥ねる音

私の名を呼ぶ時は、皆がみんな可愛い顔をしているから



   【  ──”そうでしょう”──  】



【顎を持ち上げられ声にならない欠片が漏れる、唇の重なる摩擦に似て】
【細い首筋が顕になる、呼吸の度に微かに揺れて】
【薄絹の様、爪を立てたならば直ぐに裂けてしまいそうな程】


キング、そう、其れがお兄様の名前なのね
キーン、グ、ふふ、何だか擽ったいわ、焦れったいの
まるで映画みたい、貴方の名前知ってる音律の様

キング、あらまた呼んでしまったわ
──キング!少し子どもっぽいかしら、あどけない音色がお好み?
きんぐっ、ねぇ、ねぇ───貴方は


          【  ───”どの私がお好み?”───  】


【重なる唇、冷たい素肌の温度の中に僅かばかりの温もりが混じる】
【淫らな朱、尊い真紅、重なる赫が歪のように】
【紅蓮よりも未だ深い、煉獄よりも更に濃い────】



  【───ひたり。と心情に踏み込んでみればそこに広がるのは雪原】

【一寸先も見えない様な吹雪、恐らくは其れが原初の記憶】
【暫くは其の光景が続く、やがて、欠落した様な夜が深まっていくだろう】
【無明の深淵を覗く様に、然して其れは眩き赤に染まる】


【”痛み”───思わず自身の身を案ずる程に烈しい、痛みの記憶】


【其れは裂かれる痛みであり、焼かれる痛みであった】
【打たれる痛みも、締められる痛みも、苦しむ痛みも悶える痛みも】
【夥しい量の痛みの中に、呟きがあった”愛している”と──】

【次第に声は増殖する。”愛している” ”愛しているわ” ”愛してる”】

【────其れがすべて、其れですべて】

【彼女の心の声は無間の痛苦と、覆い尽くす様な愛の言葉】
【まるでそれ以外存在しないかのような、音色で】
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/03/29(木) 20:24:24.27 ID:bqk17V7t0
>>13
だろうな。だが、『黒幕』が敵に回したのが我々だけだとは到底思えん
突破口さえ開けば、そこに流し込まれる敵意は相当量になると見るね

【実際寄せ集めではあるが、だからこそカバー出来る範囲は広い。向いている方向はバラバラでも、今は頼れる仲間だ】
【理想は時として呪縛ともなる。それとは対極にあるだろうこのチームは、引っ掻き回すにはもってこいだ】

『黒幕』の吸収、ときたか。システムを奪う、という見通しが出来ている我々以外には出来んだろうな

ジルベールが『円卓』をどう利用するつもりかは知らんが、それが成れば十分に対抗勢力足りうるだろう。成れば、だがね
少なくとも、権力の味に関しては問題あるまい。我々ほど、権力に似合わない者もいないさ。およそアウトローには最悪の味だろう


『黒幕』とやり合いながら、『円卓』に探りを入れる。両方こなさねばならない、辛い立場だな
未来は誰にとっても不確定だ。備えは必要だが、絶対はない。まずは眼前の問題だな

ふ、ふ! 意志を持っていきること、そのものが狂気か!
いいセリフだロッソ、全く同感だよ!

【正義も狂気、悪も狂気。狭間で揺れるは酔狂。誰も彼もが正気の沙汰ではないのなら、もはや正常とはどこにあるのやら】
【答える舌は持たず、異形はただ笑う】

開発者の死後も動くアンドロイドか。フォルケン博士は、余程の技術者だったらしい
頭が良いからと言って、運も良いとは限らないからな。だが、抗う術はまだ残されている


もはや中枢の一角、というべきか。特区のシステムと技術に食い込んでいる、すなわち『黒幕』の目指す世界の柱か
ああ、完璧なシステムだ。存在そのものがクソッタレということを除けばな

出来ることをやる。結局はそれに尽きるというわけだ。綱渡りにはなるが
違いない。統率は『黒幕』の分野だ。我々は、バラバラに動いて、得たものを合わせる。それが強みだ
「高度の秘密性を維持しつつ可及的速やかに臨機応変に」、だったかね?

特区が彼奴等の理想郷のための目くらましなら、我らもそれに乗るというわけだ。誰にも囚われないミラージュとなる
イカれてなければ、出来はしないな

事が上手く運べば、後に来るのは危険極まりない可能性の時代……あらゆる闇が解放される
案外、今までとそう変わらんのかもしれないが……いや、抑えられた分の反動はあるか

【そう、今がまさにその混沌を抑え込もうと『黒幕』は動いているのだ。それを打ち破る。抑えられていた混沌は、弾け飛んでどこへ行くのか】
【そんな世界を憂うほど、この場の二人はまともではなかった】
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/29(木) 21:31:59.68 ID:ZLcyiLHj0
>>18

ああだから俺は他に使える奴らを探すつもりだ、過激派テロリスト…なんでもいい
Mチームを黒幕、円卓、邪魔な奴らを潰す地下組織に育て上げる。…俺たちの解放戦線だ。
全体のコミュニティはアンダーグラウンド・レイルロード…いや、せっかくだ。メトロ/Metroと呼ぼう。
互いに余計な干渉はさけて、利用しあう。地下鉄のような乗換駅だけの最低限の接触だ。
…取り敢えず俺たちはMとして動く。

【もしほかの組織があるなら合流せず最低限のネットワークを構築する。】
【レジスタンスや過激派組織がやっていたやり方をそのまま踏襲する。アンダーグラウンド・レイルロードはかつて存在した】
【奴隷解放の地下組織。それを擬えて、権力に抗う能力者を中心としたネットワークをメトロと彼は呼称した】

ああ、単なる破壊…黒幕を打倒するだけならそこまで悩むことはない。これだけの力があれば特区の一つは落とせるかも知れない
だが『次の一手』それを考えるなら…それがベストだ。円卓とすぐに争わなくとも勢力が大きければ時間は稼げる。

ハハッ…違わねえ。権力を持って唯一命令するとしたら。“好きにしろ”…かな。

【俺たちは悪役で、権力は嫌いだ。自分が欲しいんじゃない。好き勝手生きているのが性分にあっているから。自由の求め方が人と違うから悪人でいる。】

そういうことだ…まあ、そうなったら俺は今度こそ引退させてもらうとするかな。せめての分前として家の一件だけ貰うとしよう。
この世界は素晴らしいとは到底言えないが、まぐれに素晴らしい映画や、おもしれえやつがいる。…だから俺はこの世界に生きている。

博士が生きているか死んでいるか…今となってはどっちでもいい話だ。俺が恐れているのは円卓や他の組織だ。
マキがシステムを完成させるのを恐れて、始末しようとするかもしれない。円卓のやつがそれぐらい狡猾なら、防ぐのは難しいな。
…勿論、今の対円卓の話は誰にもしていない。それぐらい、狡猾な奴が他に居ないもんでな。

【ロッソははなからこのゲームは黒幕を倒して終わりだとは思っていなかった。自由な世界に戻す。1番難易度の高い選択をしていた】
【全てはそういうプランの元、全員に多少違う説明や指示をしている。味方すら騙す。幾らでも罪は背負うつもりでいる。そうでもしなきゃこのゲームに】
【勝てないからだ。サングラスで隠された目と同じように多くの真実は隠されているのかもしれない。それでもそれは勝つためだ】

高度な…って、言ったのは鈴音か?…適当に言っただけだったんだけど。まあいいや…そういうことだ。
奴らも俺らも全て嘘っぱち。有りもしないものに精々怯えてもらうさ。…そうだ。それもいい。いいことを思いついた。
フォルケン博士に生き返ってもらうとしようか。…くくっ、面白くなってきた。“ゴールドスタイン”だ。…ようやく、リーダーが決まりそうだ。

【彼は笑っていた。これほど楽しそうに笑っているところは見れないかも知れない。何かが彼の中にひらめいたんだろう】
【権力を引っ掻き回したり、騙したり、翻弄することに楽しさを見出す。これが彼の強盗としての才なのかもしれない】

…まあ、楽しみにしててくれ。さて…まあこんなところだ。詰めておきたいなら聞いてくれ…後コレも、飲みきってしまおう

【そう言って、残り少ないウィスキーの瓶を差し出す】
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/29(木) 21:44:46.41 ID:bTVpNQwI0
>>1乙ですの!

>>980

【からり――と古いベルが鳴る音が一つして、だけど訪れた"相手"が最初に見るのは、机の上に広げられたノートや本、お菓子たちだろう】
【おそらく勉強していたのだ……と分かりはすれど、お菓子の量を見るに半ばお茶会みたいなつもりでやっていたのかもしれない、紅茶のポットは今ないけれど】
【それで相手が広げたままの本やノートを見れば、おそらく魔術の勉強をしていたのだとも分かるだろうか。ただ――映して書いたと思わしきノートの術式は不自然であり】
【手書きだろうに文字化けしたようになっているのだ。本自体もよく見れば魔力の香りがして普通ではない。きらきらと――ごく小さな魔力の粒子が、こぼれだしていて】

はーい! だあれ――……、ああ、えぇっと……、――――クラァケさん?

【――姿は見えないけれど、声がした。鈴の音の声が、まるで急に訪れた郵便のピンポンに対応するみたいな声、遠くからでも聞こえる声で、真っ先に留守ではないと示し】
【そこから十数秒ほどして――やっと本人が出て来る。聞き覚えのある声と自分を呼ぶ声。あるいは挙げていた名前を思えば、相手は誰であるか分かるようだったが】
【それでも一応は誰かと尋ねながら――ふわふわした裾のスカートを揺らしながら裏から出て来る。深い赤色のワンピース。どこか重ね着風のデザインのもの】
【いつも通りの服装――いつもみたいにかかとの高い靴の足音をこんこんさせて。ただ一度、見慣れぬ姿には驚いたような……少し不審がるような目をしたが】

【色合い、声、発言の内容――それから態度、様子、そういうので、相手をそうだと判断したのだろう。ぱたぱた近づけば、そっと首を傾げ】

えっと――どうしたの? お茶でも飲む? 今新しいやつを淹れているところなの。

【遠くでしゅんしゅんとやかんのお湯が沸き始めている音がする――「それとも」と鈴の音は、少しだけ潜められるようになって】

何かあった?

【にこにこと愛想のいい人懐こい笑い顔が――すうと褪める。相手がここに来ると言うのは……まさか、午後のティータイムをしゃれこみに来たわけでは、ないだろう】
【それで、相手にはきっと分かるのだ。この様子では――まだこの少女は、件の路地裏の落書きごっこを確かめていない。少なくとも、最新の情報を知っていないこと】

/大変お待たせしました、お返しできるようになったのでお返しします!
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/03/29(木) 21:53:53.93 ID:ir2LjrNHo
//>>11はまだ募集しております
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/29(木) 22:03:46.22 ID:VvZxHAKHO
>>20

…………んだこれ。ミミズがのたくってやがる

【鈴音が現れるまでの数分にも満たない間。少しの暇を潰そうと、興味本位にノートを覗く】
【──そこに書いてあることは、欠片も理解出来なかった。元より魔術には疎い。『少し不思議のすごいやつ』程度の認識しかないのだ】
【つん、とこれまた興味本位で文字やら本やらを突いてみるが、その行為も相手が姿を見せればすぐにやめる】


よぉ。…………んだ、その様子じゃ、まだサインは見てなさそうだな?
まぁ──無理もねぇか。あれ書いたの昨日だし…………
今朝は眠い目ぇ擦ってクソ早ぇ急行に乗ってここまで来たんだ
「何かあった?」って……ぎゃは。そんなビビんなって。どっちかってぇと朗報の類だからよぉ

と──その前に。茶、沸いてんぜ?せっかくだからあたしももらおうか
あぁ、茶葉とかにはこだわりねぇよ。そんな上等な生まれじゃねぇしな


【コートのポケットから何やら小箱を取り出して、カウンターに置く。ぽん、と小箱を一度軽く叩き】
【どうやら今日の主題はその“小箱”らしい。けれど、今すぐに話さなければならないような用事ではないようだった】

/よろしくお願いします!
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/29(木) 22:16:49.46 ID:bTVpNQwI0
>>22

サイン――ああ、ごめんなさい、今日はまだ……。……えっと、どうしたの?
クラァケさんがここに来るってことは――、え。朗報? それって――、"あった"の? 本当にっ?

――わ、ああ、ごめんね。新しいのを淹れようと思って、お湯を――うん、わたしもね、上等じゃないから……。
ティーバッグのやつだよ、それでいい? その代わりだなんて、言えないかもだけど――お菓子は好きに食べていいよ、わたしの買ったやつだから。

【ぐむ、と表情が変わる。それは言葉通りの意味合いだろう、まだ見てない――ちょっとした咎められる子供みたいな顔をして】
【ここに来るってことはよほどか。やはりまずいことでもあったのか……と思いかけたところに、朗報と言う単語を聞けば――これは、本当に子供みたいに】
【柔らかく膨らんだ濃い色の蕾が咲う瞬間を早送りで見るみたいに、表情がぱっと――明るく、鮮やかに、綻ぶだろう。声音もうんと嬉しそうになって、笑いかけ】
【――ただ相手の指摘には、慌てたような声。その通りにお湯の沸いている音に気づけば、慌てたようにぱたぱたとした足音――勝手に座ってお菓子は先に食べていていいらしい】
【そして気にするまでもなくありふれたティーバッグの茶しか出てこないのだ。もっといいやつはあるけど――それはセリーナのお客様用とかのやつなのだろう、きっと】

ごめんね、お待たせしました。これが本日の紅茶です。そこのお店で五十パックで五百くらいの――、

【それで――戻ってくるのはさらにそこから数分後。おっきめのポットにたっぷり注いできたのと、クラァケ用の、きれいなあたらしいカップ】
【相手の前にかたんっとおいて、恭しく注ぐだろう――ちなみに昔のバイト先はメイド喫茶、だったので、ちょっとは恭しいごっこも慣れているらしい】
【とはいえおしゃべりの内容自体は完全に恭しくもなんともないもの。つまりごくふつうのやつ、ものすごく一般的なやつ――やがて彼女も、さっきまで座っていた場所に座り】

それ……なあに? って、あれ、クラァケさん――、……、結婚した?

【分厚い古い本をばたんっと閉じる、ノートもぱそんと閉じて、重ねて、これはさらに別の空っぽの椅子の上に、乗せて】
【それからちっちゃなペンケースに出しっぱなしのペンをしまって、チャックを閉じて、重ねた本の上にさらに乗せ】
【机の上をお掃除してしまって――それで、ようやくその小箱へ話題を向けるのだ。――――かと思えば、ふっと、脱線の兆しを見せ】

【人間の姿をしているのはもちろん――というよりもまずそちらを気にするべきにも思えたが。一瞬釘付けになるように向けられた目線は、その左手の指輪へ】
【魅入るみたいになってしまうから、その視線が剥がれてくれるのは、そこから数秒後。ようやくべりっとはがせば、それでやっと、きちんとミラを見るだろう】
【――少しだけ何か別のことを考えているみたいな、目だった。だけど、それもすぐに消える――はずで】
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/29(木) 22:37:31.88 ID:VvZxHAKHO
>>23
【「ティーバッグでもなんでも。味がついてりゃそれで十分だ」なんて嗤い、まずは奥に去る彼女を見送る】
【今ここでさらりと話しても構わないが、ケトルの立てる雑音が気になって仕方ない。「茶入れてからな、話すわ」と奥に向けて呼びかけ】
【菓子を食べてもいいと言われれば、本当に遠慮なく食べるのだ。手に取るのは、とりあえず“赤そうな”やつ】
【赤色が菓子箱になければ、渋々といった具合にチョコレート菓子にでも手を伸ばすのだ】


おー、おかえ────ぎゃはははっ!そんな風にバカ丁寧にいうよーなもんじゃねぇだろ!
あたしも紅茶の値段とか詳しい方じゃねぇが、安そうなやつってぇくらいは分かるぜおい!


【──鈴音が紅茶をカップに注げば、品のない笑い声が酒場に響く】
【とはいえ責めるような口調ではない。このやり取りを楽しんでいるような、そんな口調だった】


んで…………あぁ、これな。あー…………あぁ、まぁ、その?
な、なんだ──えぇと。まぁ、色々、と。あって……だ、な
…………。し、……式、とかは……まだ、だけど、よぉ…………あぁ、ほらその!
い…………っ、いやぁ〜、不思議なことがあるもんでよぉ!
この赤いヤツが妙に指にピタッとはまるんだよなぁ〜〜〜!薬指になぁ〜〜!!

まぁ、まぁまぁまぁまぁあたしのことは後でで、なぁ、いいじゃねぇか!
今日の本題はこっち、なんだからよぉ!なぁ!!!


【そして“指輪”のことを聞かれれば、下手にも程がある誤魔化し方をするのだ。嘘は苦手と言っていたが、本当らしく】
【「式は“まだ”」だのなんだのというあたり──正式な関係ではなくとも】
【いずれ“そうなる”であろうことを察するには十分だった。相手は、以前言っていた“彼”なのだろう】
【けれど誤魔化すことに必死になっていて──どうにも鈴音の一瞬の変化には気付けないようでもあった】

【散々な大根役者ぶりを見せつけた後は──本題は忘れていないらしい。小箱を、かぱりと開けて鈴音に見せる】
【中にはいくつもの指輪。それも、青や緑、紫といった魔力を宿した石を削り出したもの】
【所謂マジックアイテムというものの類だ。どこから手に入れたものやら】
【だが、小箱の中の指輪とミラの指輪には同種の魔力が宿っていた。となれば、出所もなんとなくの予想がつくだろうか】
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/29(木) 22:49:33.66 ID:bTVpNQwI0
>>24

――うん、普通に安いやつだよ、それぐらいが一番いいね、気楽だから……――、

【とぷん。ミラのカップに紅茶を注ぎ終えれば、少女は自分の分のカップにも紅茶を注ぐ――こちらは単なるマグカップだった】
【ならばミラのは客用のものを持ってきたのだろう、そういう目で見れば――たしかにわりにきれいめのものではあり】
【赤い菓子――まっかっかというのはないのだけど時期だからだろうか、いちごのお菓子なんかはわりに赤いかもしれなかった、――適当なクッキーを一つつまみ】

…………そーなんだぁ? そっかぁ、……ふふ、いいなあ、クラァケさん結婚するんだ。
相手はこの前言っていたひと? 勇者さん? いつ頃にするの? ドレスもう決めた?

【――にま、と、悪戯っぽい顔をするのだ。弱点を見つけた顔、面白いところを見つけた顔、からかってやろうって決め込んだみたいな――目つき】
【実際いやに間延びした声はからかう以外のなにでもない音階で紡ぐ、頬杖をついて――ころころ笑う声は鈴を転がすみたいに涼し気に響く、どこか楽しげに】
【それはもう完全にからかうモードに入っているらしかった、お行儀悪く姿勢も悪く、頬杖をついた腕に、体重をゆだねるみたいにしながら――立て続けに尋ねて】

いいよね。ドレス選ぶの、とーっても楽しいの――、いろいろ着てみるでしょ、クラァケさんドレス決めるとき、見たいなぁ――。
いっぱいあるからね、迷っちゃうの。――――ああ、うん、そっち――?

【ビブラートをかけたように震える笑い声は不思議に耳にくすぐったいようだった、小さな鈴をいくつもいくつも一斉に鳴らしたような、きゃらきゃらとしたもの】
【それでいてささめく声が――だけど途中で途切れて、かぱりと開けられた小箱の中に、視線を落とす。魔石――となれば、いくらかは魔力も持つのだろうか】
【そうであれば少女の目はまたしても食い入るようになって――そうでなくても不思議そうに見つめるから。魔力を感じられるものであれば、もっと興味深げになるだけ】

これが朗報――? 指輪みたいに、見えるけど……。

【それで――手を伸ばすだろう。許されるようなら一つ、適当に一番取りやすい位置にあるものを、手に取ろうとする】
【叶えばくるくる指先で回すみたいにして見たり、光に透かしたり、しようとするのだ。――――だめだったなら、おあずけされた犬みたいに、じっと見るだろう】
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/03/29(木) 23:06:45.95 ID:bqk17V7t0
>>19
ほんの一瞬、地下鉄の駅ですれ違うだけの地下組織……我々にとっては、他にはない組織形態だな
メトロとは洒落た名前だ。線路の先はそれぞれ違えど、この瞬間はコースが交錯する

バラバラの目的を達成するための、反逆者たちの私的な解放戦線。ますます良いじゃあないか

【そう、合流ではなく一瞬の交錯だ。だからこそ、地下に潜れる】
【それぞれの理由で、気に入らない権力を個別に殴るためのネットワーク。革命の時代さながらのメトロ】

【目指すところは、奴隷ではなく自らの解放。我儘を押し付ける奴らに、我儘を押し付け返すための】


暴力だけで済めば、どれほど簡単だったことか。今の特区なら、1つくらいは確かに倒せるだろう
だが、このテーブルは単純にはいかない。先の先を。その先を。見据え続けなければならない

『黒幕』をモノに出来れば、『円卓』といえどそう簡単にはいかんだろう。今の状況よりは、だいぶマシだな

ふ、ふ。その一言だけで、全て済むな

【悪党にも種類がある。己の正義と理想を信じ、それを押し付ける奴らもいれば、己のみに忠実な無軌道な奴らもいる、というだけ】

これだけの大仕事だ。成し得たのなら、家と退屈を手にするくらいしてもバチは当たらんさ

そうだとも、今まで見たことのないような者がいる。まだ食っていない美味もある。それだけでも、この世界はまだ生きるに値する


もし、初瀬麻季音が消されるようなことになれば、ご破算だな。ジルベールが、『黒幕』を潰すことを最優先としたとしても、『円卓』の全てがその意を汲むとも限らない
『黒幕』に拉致させることは、ある意味では彼女の命を確保する手段にもなるかもな

その方がいいだろう。あまり全員が意識を散らすのも考えものだ。ただでさえ、単なる利害の一致なのだから。悪巧みをするのは、今は我々だけでいい

【難易度はルナティック。真の味方は自分ただ一人。先のポーカーとは比べ物にならない、分の悪さ】
【だが、それでも。やりおおせねばならない。己の我儘を通したければ。全ては先の勝利のために】
【この場においてさえ、ロッソもカニバディールも全てを開示したわけではあるまい。だが、そんな悪党だからこそ、勝ちの目も出てくる】

【勝つために。それだけで、信じるには十分だ】


ああ、鈴音から聞いた。適当に言ったにしては、核心をついていると思うがな

それも含めて、ミラージュというわけか。楽しくなりそうじゃあないか
ふ、ふふ! それは面白い。ビッグ・ブラザー≠フ相手には、これ以上ない人選じゃあないか

【初めて見る類の、ロッソの笑い。悪巧みの笑み。強盗の本能】
【そう、彼こそはチンザノ=ロッソ。稀代のトリックスターである】


ああ、期待しておく。それまでは、私も飼い犬生活を満喫するとしよう
そうだな……。では、一つ。私にも、誰にも話していないことがある

【瓶の中身を、互いのグラスに全て注ぎ。自分の分を煽ってから、続けた】

……ギア・ボックスという男を知っているかね? UTに所属している、私の宿敵にして旧友なのだが
何でも、彼奴の顔見知りだった「井戸魔人」という、自販機に住む小人……妖怪か妖精の類かね

その「井戸魔人」たちを、例の婦警≠ェ殺し回っているらしい。理想郷の邪魔になると思ったのかはわからんが
そこから、UTの任務をこなす途上でこの件を独自に調査をし、その過程で私と鉢合わせた

旧交を暖めるために派手に殴り合った末に、私は彼奴の協力を取り付けた。『黒幕』も『円卓』も、UTには都合が悪いということは、彼奴も理解してくれたよ

私と彼奴は、少しばかり特殊な手段で交信が可能だ。もし対『円卓』のような、メトロの中にも迂闊に走らせられない情報がある時は、あの生き人形を通してくれ

【ショットグラスがテーブルに置かれる、小さな音が鳴った】
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2018/03/29(木) 23:15:04.07 ID:VvZxHAKHO
>>25
【イチゴの菓子があれば、そればかりを選んでいるようだった。ピンクのチョコレート、赤いクッキー、あるいは飴玉】
【紅茶との相性だなんて高尚なことは考えていない。赤ければいい。ついでに、紅茶で喉を潤せれば】

…………い、いや。ま、まぁ……お…………おう

いつ頃とかは…………き、決めて、ねぇけど────ドレ…………え、選ぶぅ!?
あ、あぁ…………そう、か……いっぱい、種類、あんの、か…………
いや────赤いのがいいとは伝え、た、けど……よぉ…………

…………って!この話は後だ後!クッソにやにやしやがってよぉ!!

【最早わざとやっているのではないかと思えるほどの反応。だが、酒場に恥ずかしげな大声を響かせて】
【無理やりこの話題を打ち切る。本題を話し追えれば、さっさと帰ろうと心に固く決めた】
【そうでもしなければ、いつ心臓が破裂してしまうか分かったものではない】


…………んで。この指輪な。魔石?だかなんだかで出来ててよぉ
通信を高度に?暗号化できる……術式が…………なんとかぁ、かんとかぁ
話によりゃあ、はめてるだけで通信が暗号化されて……だから、多分…………あー、その
多分、他の連中からの邪魔が入りにくくなる、ってぇとこだな

気になるのは今ある回線は結局使う、ってぇとこだけどよぉ
それでも、現状の伝言ゲームよりはずっといい。ちょっと小耳に挟んだが、麻季音がなんか通信端末かなんか作ってんだって?
“マキネ通信”が完成するまでのツナギとしちゃあ、中々のもんだと思うんだけど、よぉ?


【鈴音が指輪で戯れることは、止めやしない。むしろ「ひとつ好きなの取れよ」と飴玉を選ばせるみたいに言うのだ】
【指輪は──中に術式でも施されているのだろう。魔翌力のある指輪、というだけでただの指輪ではなかったが】
【術式については、ミラは詳しく語ってはくれなかった。聞こうとしても、首を振るのみ】
【どうみたってミラは魔術の専門家、という風ではなかった。製作者に直接聞かない限り、詳しい術式は分からないらしい】
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/29(木) 23:25:09.13 ID:bTVpNQwI0
>>27

【――にっこり、笑っていた。そんな顔はもしかしたら今までで初めてだったかもしれない、本当に、友達にするみたいな】
【それも、なじみの友達だ。それにするみたいな、本当にあどけなくって裏のない、楽しそうな笑み。純粋にからかうのが楽しいって言うみたいに】
【そして相手が気づかなかったなら上出来だった――この少女、自分がそうやってドレスを選んだことがあるみたいに、言っていたのだ。ころころ笑いながら】

魔石……通信を高度に、暗号化? んん……、よくわかんないけど――、付けてるだけでいいの? 
わあ、すごいね、そんなの作れるひとが居るんだ――、魔術師のひと? そんなのもできるんだね――……。

……んん、クラァケさんも聞いたの? わたしもね、この間ロッソさんに聞いたんだよ。麻季音ちゃんが作っているんだって。
もうすぐできるんじゃないかなって言ってた、あと――、今日は居ないね。ゾーイさんがこれからUTによく居ると思うよ、協力してくれるんだって。
麻季音ちゃんの護衛だって――、あとは、わかんないことがあったら聞けって。

【ひとつ手に取ったのは――ピンク色、あるいは桜色みたいな色があったら、それだろう。なければ――じゃあこれで、という感じで、紫色のを手に取る】
【別段色にこだわりはないけど。知り合いの髪の色に似ていたから、なんとなく、好ましい。桜色があったなら……それは少女自身の魔力の色だから、やはり好ましい】
【一つ手に取ったのをくるくる回しながら眺める。すごいねって繰り返して――ぱちくりと瞬き。もう聞いていたんだ、と。ならば彼女も聞いていたらしい】
【なんでも「セリーナの車を売るくらいのお金使ったんだって」――とのこと。それから――こちらは思い出すように、一度店内を見渡してから、伝えることもある】
【ミラが遭遇したというアンドロイド――ゾーイが、UTに頻繁に顔を出すようになるだろう、とのことだ。麻季音の護衛らしい――今日は、二人とも居ないけど】

じゃあ――これは、えっと、みんなの分? 

【それで――まだ小箱の中にあるのを覗き込んで、少女は尋ねるだろう。いくつもあるのは、さも、みんなに配れって言っているみたい】
【かといって――それでこれがあなたの分だよって渡しに行くことが出来ないのが、このチームの面倒なところでもあるのだろうか。いいようによっては強みではあるものの――】
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/29(木) 23:44:14.78 ID:VvZxHAKHO
>>28
【もう少し冷静であったら、あるいは気付いたのだろう。もしくは自分のことでない、傍観者の立場であったならば尚更】
【けれど今は、ミラは気付かなかった。鈴音にとっては──それが重要なのだろう】


どぉにも“あいつ”の知り合いっつぅか、円卓にいる科学者だかなんかに作らせたみてぇだぜ
もうひとつ、“紙”?なんか、お互いに妙な“紙”持たせてよぉ
それにメッセージ書き込んだら相方の“紙”にその書き込んだメッセージが浮かび上がるっつぅのがあったっぽいけど──
どうも、そっちの方はダメだったみてぇだな。この指輪を寄越したところを見るによぉ


にしても…………そうか、ゾーイいるのか!はぁ〜、そりゃあたしにとっても朗報だな
地味に心配だったんだよなぁ……あいつ、多分腕は立つんだけど妙に抜けてるとこあるっつぅかよぉ
なんかすっとぼけたやつだから、ボロ出してねぇか心配だった、っつうか
そっか…………ま、あたしはUTに入り浸れるような感じじゃねぇから残念だけど、よぉ

…………。………………仲良くしてやってくれ、な?
後、あたしは元気してるっつうこと、伝えといてくれ。まだダチ同士だと思ってる、ってぇこともな


【そして、指輪はみんなの分かと聞かれればそうだと頷くミラ。「あぁ、」と何かを思い出したように呟き、ひとつだけ適当な指輪を箱から取る】
【「これな、カニバディールの分。まだ会えてねぇんだ」「手配してもらってる最中でよ。悪ぃな」】
【そういって、取った指輪をポケットにしまい込む。──桜色の指輪なら、きっとあるだろう。何せ、本当に色とりどりの指輪があるのだから】


悪ぃな鈴音。配るのはあんたに任せたわ
なにせ、あたしとカニバディール以外はみぃんなUTに出入りしてんだ
麻季音もロッソもだし、あとはユウトか。ここに置いとけば、そのうち行き渡るだろ?
…………いや。…………あたしももういくつか、予備で持っとくか
案外、まだまだ協力者っつうのが出てくるかもしれねぇからよぉ

んで……そうそう。赤木っつぅクソナードに聞いたんだよその話
車売れるくらいの金使ったとか……いやなんだそれ、すげぇな。ここの経営大丈夫か?
借金ってぇ形だったらこっちからもいくつか出すけど、よぉ────

…………。あぁ、それで思い出した
鈴音、よぉ。あんた、赤木ってぇやつと知り合いなのか?
こないだ邪禍経由で連絡きてよぉ。色々と話して協力してくれることになったんだが…………
なんか、あんたと昔ありましたーみてぇな顔してやがったぜ?

【「詳しいことは分からねぇけど」といい
、ポケットから一枚の名刺を出す】
【ミラの名刺の扱いが雑なのがよくわかるくらいにはくしゃくしゃになっていたが】
【それは『レヴォルツィオーン開発部門 赤木怜司』と書かれてた名刺だった。連絡先も
、読み取れるはずで】
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 00:14:24.63 ID:qNvkwrhn0
>>29

そう……なんだ、紙? ふうん――すごいね、わたし、そんな連絡手段なんて、あんまりないって思ってたけど――、
探せばあるんだね。だけど――これがあるだけでもね、きっといいよ、メールできないって、うんと大変だし……。

クラァケさん、昨日サインしたんでしょう? メールがあったら、そもそもそれだって要らないし――。
もっと早く聞けた話なの、だからね――、麻季音ちゃんが作ってくれるまでは、これで十分だよ、ありがとう。

【ぱちりと瞬き。瞬くたびにはたはた揺れる長い睫毛はきれいな目の色を縁取って目立たせる、黒色と赤色――特に赤は全く色素のない、透き通る、血の色】
【それだけを見たら不吉に思えるものを――それでも人懐こい少女の色合いに染めて、笑うから。一つ選んでもらったのは桜色のもの、どこに着けようかと悩んで】
【どうあれ日常的に料理をする少女は日常的に身に着けていられないと気づけば、まあどこでもいいか、という様子で一番しっくりくる指へ。間違っても薬指ではなく】
【――また同時に、この技術が円卓由来のものであるとも、きちんと覚えておく。黒幕を潰した後……円卓と敵対した後には使えない技術だ――と】

わたしはまだそんなにきちんとおしゃべりしてないけど――麻季音ちゃんの護衛だって言うから、きっと麻季音ちゃんと一緒なんだろうね。
……だけど、たまになら来られるでしょ、お話したらいいよ。それこそ、端末が出来たよーって。それをもらうときだっていいし――、
うん、伝えておくね。――ううん、いいよ、ロッソさんもカニバディールを探しているところ。

わたしや麻季音ちゃんみたいにだいたいそこに居るって分かっているひとのほうが、少ないから。仕方ないの。

【まだよく話していない。というなら、やはりつい最近の変化なのだろう、役職としては麻季音の護衛。必ず黒幕が取りに来る人間に護衛が付くのは当然とも思え】
【入り浸ることはできない――だけど今こうしているみたいに、たまになら、来られる。それなら、また会いに来たら――と少女は当たり前に提案するのだ】
【お友達ならお話したっていいじゃないって言うみたいに。ゆるりと笑って――カニバディールに会えていないと言うのには、気にした素振りもなく、頷く】
【ちぐはぐなメンバーだ。簡単に会ったりできないのは当然で――、こうしていつもどこかに居る。それは確かに強みだけれど、同時に、いつ婦警がやってくるかも分からない】

/分割ごめんなさい!
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 00:14:38.15 ID:qNvkwrhn0
>>29>>30

…………そだね、じゃあ麻季音ちゃんと……そのひと、ね。あとカエデちゃんにも渡しておくね。……UTの子。協力してくれるって。
ロッソさんは――ちょっと用事があるみたい、すぐに渡せるかは分からないけど――、麻季音ちゃんにも言っておく。その方が連絡が取れそう……、

【挙げられた面子――思い浮かべて。一人は会ったことがないけれど。それから――どうやら協力者はまた増えたらしい。ちらりと話題に挙げ】
【ただロッソはもしかしたらすぐに会えないかもしれないと伝えておく。そのうえで麻季音にも話を通しておけば、おそらく最速で話は行くだろう】
【それぞれのひとに効率よく渡す方法を考えながら――少女は紅茶のカップを手に取る。あくまでお菓子を食べるためのお茶だから、ちっとも甘くない、ストレートティー】
【まだうんと熱いから飲むのはほんの少しだけ、唇を潤すように――舐めるみたいに飲んで。ごとん、次の音は、それだった】

な、え……、なん、? え――? え、――――、

【取り落とされたカップが机に転がる音。割れてはいない、だけど、中身にそれが関係ないのは当然のこと、びちゃりと広かる紅色が、嘘みたいに湯気をあげて】
【小さいけれど引き攣れたような呼吸の音がした、視線が咄嗟に机の上に落ちる、取り落としたカップとぶちまけた紅茶を視認して、理解して、とっさに立ち上がるから】
【その途中でひっかけたか机が一度大きくがたんと揺れて――少女の柔らかく膨らんだスカートにだらりと垂れて滴る、それを見止める瞳は、ありえないものを見たようになって】
【拭かないといけないという思いが先行したらしい。だけどそんなものはない、なら、いつかミラが零した珈琲を拭いた時みたいに、取りに行けばいい。だのに、しなかった】
【あるいは出来なかったのかもしれない、受け止められるはずない液体のこぼれるのを、その薄い水たまりに少女はその両手を押し付けて、だけど、顔はひどく蒼褪めて】

【――机の上にぶちまけられた紅茶からはまだ湯気が立ち上っていた。なら、まだ相当に熱い。だけど少女はそれにも気づけないみたいに、そうし続けるだろう】
【紅茶がしみて重たくなったスカートは一部だけが垂れ下がって――ぱたぱたと床にも雫を広げていた。見開いた目はただずっと自分の手――熱に赤くなりゆくのを、見ていて】
【だから――尋常ではない。少なくとも冷静ではないのは見て分かる、はずだ。ぼたぼたぱたぱたと紅茶が机から床に滴る音――少女は息もできないみたいになって、黙っていた】
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/30(金) 00:33:00.92 ID:RdSmeJ5AO
>>30-31
【ありがとう、と言われれば「約束だったからな」と照れ臭そうに返す。約束は、守る。数少ない、彼女の信条だった】
【ゾーイに関しても、同じような表情で頷いて返す。たまになら、会おうと思えば会えなくもない場所に友人がいる】
【それは──この世界では、案外貴重な関係性なのかもしれなかった。なにせ】
【いずれ結婚する相手ですら、普段いる居場所を知らず、電話でしか話せない。そんな関係性も、稀ではないのだ】


にしても、また協力者が増えたのか。ぎゃは、そっちも朗報だな鈴音よぉ!
何せ相手はどんな武器やら手品を隠し持ってるか分からねぇ連中揃いなんだ
…………手札はあればあるほどいい。そうだろ────


────鈴音!?おい、…………おいどうした!!


【口に放り込んだ小粒のチョコレートが溶けた頃合いだった。こちらも、ずずと紅茶を啜って……】
【……赤木の名を出した途端、鈴音の様子が一変した。机やら床に広がる紅茶。青ざめている顔】
【尋常ではない、と思う。思って──行動に移るまでに、30秒もかからなかった】

【有無を言わさず、鈴音の手を掴む。紅茶の沼から、彼女の手を引き剥がそうとし】
【抵抗するようであれば、無理やりにでも。それこそ、髪の擬態を解いて触腕を露わにし】
【キッチンの方へ、触腕で絡め取ってでも引き摺って行こうとするのだ。もちろん、不慣れな店内】
【なんとなくこっち、という勘で向かうしかないのだが──ともかく。水道がある場所に、連れて行く】
【嫌がろうと何をしようと、その後は栓を捻って水を出し。熱のこもった彼女の手を、可能な限り早く冷やそうとする】

【──カウンターでは、紅茶はただ広がって行くばかり】
【ぽたぽたと床に滴り落ちる紅も、今はそのままに捨て置かれていた】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 01:58:34.18 ID:qNvkwrhn0
>>32

【その様子はどうやって例えたらよかっただろうか、絶対にそこにあってほしくないものに、意図せず、ふっと、出遭わされる】
【あるいは夜道。ちかちか点滅する街灯の下に佇む身長が三メートルほどある異形のヒトガタ。あるいは家の中、カーテンの隙間から覗きこむ、無数の目線】
【ずうっと暮らしている家の風呂場で覚えなどない小型カメラを見つけたような。見知らぬひとが突然訪れ「お宅に盗聴器がある可能性がある」と言って】
【テレビの裏側にあるコンセントの中からよく分からない小さな機械を発見したと見せつけられたときのような。ドアノブに掛けられたビニール袋の中身がケーキで】
【添えられた手紙には誕生日おめでとうと書かれていて、差出人は知らない人間で、本当にそれが、自分の誕生日だったときのような――】

――――っ、ひ、やめてよ――、やめてよッ! 触んないでっ……、!

【ぎゅっと手を掴まれる。その時まで彼女は湯気を立ち上らせる紅茶に手を浸したままだった、机の上だから――深さというほどのものはない。冷えるのも早い】
【だけど。淹れたばかりのお茶をこぼして――それに触れたままで硬直していたのだ。掴まれた手は白さなんて嘘だったみたいに、あるいは白かったからこそ赤くなり】
【その痛みかあるいは気持ちのせいか慄くように震えて――、抵抗する、その理由は分からないけれど。あるいは何にも従いたくないみたいに、抗って】
【それでも――触腕まで使って引きずられれば、しょせんはやせぎすの少女でしかない。抵抗するたびにがつんがつんと鋭い足音をさせてはいたけれど――】
【そのうち水道の場所まで引きずることは、可能だろう。それまでに行きたくないと動物病院を拒否する犬みたいに逆行する動きを留めさえすれば――だが】

【――じゃあと真っ赤になった手を冷やされて。その時には少女も静かになっているだろう、両手はおとなしく水道に差し出して、じっと立つけど】
【顔を見れば、とうていひとりの人間に向けるには複雑すぎる感情が溢れてしまいそうなくらいの顔をしていて――、ぎりぎりと歯を噛み締める、音がする】
【ならばミラの言うような「昔になんかあった」程度には、到底思えないのだ。目はずっとじゃあじゃあ流れる水を見ている、見ているけれど、多分、見ていなかった】

知り合いなのかって? 何にも言わないの? 邵コ?ェ郢ァ阮吶?堤クコ譏エ?鍋クコ?ェ邵コ阮吮?邵コ蠕後?堤クコ髦ェ?狗クコ?ョ――、言わないの?
言わないの? わたしが、わたしに……、わたし、に、わたしが、っ――、! ――ね。クラァケさん、嘘だよね、そんなやつ、知らないよね、
自分だけ大人になったりなんて――してないよね? だって、わたしが、わたしは、このままなのに、大人だって……なれない、のに、なのに、
知り合いなのかって――? わたしがいるって知っていて、協力する、って? ――縺ゥ縺?°縺励※繧、

【それが――ふっと遅れて、相手の言葉を思い返したのだろう。ひく、と、強張った喉から漏れる奇妙な声の後、並べ立てられていくのは、息吐く暇もない言葉たち】
【時々不自然に歪んで聞こえるのはどこかさっきミラが覗き見たノートに似る。ばしゃばしゃと流水に冷やされる手が――次の瞬間にはいやに早く動いて】
【油断していれば胸倉をつかみ上げられるだろう。それで問い詰められる、もとい――嘘だと言えと強要される、だろう。掴めていなかったとしても、可能な限り距離を詰め】
【相手の金色の目をじっと覗き込むようにして――その目はお願いだから、と懇願するのにも似ていた。知らないと言ってほしい。知らないと言って。知らないと言え】
【そのくせ次の瞬間に話は転がってどこかへ飛んでいく――それらの言葉はきっとミラには意味の分からないことだろう。だけど、もしも、すぐに思い出せたなら】

【「クラァケさん、あのとき、気づいていたよね――?」「わたしがヒトじゃないって」「それを能力でごまかしてるって」「……その通りなの」「だから」】
【"そんなふうになりたかったわけじゃない"ような、目――、それと同じ感情が満ち満ちていた、こんな風にはなりたくなかった、"大人になることさえできないなんて"】
【あるいは――初対面の時点で、ミラには気付きがあったはずだ。UTのCMから数年経っていたのに、少女は何も変わらない。あるべきはずの成長が、ここにはない】

【成長しない少女と。その言葉と。あの時の目――思い出せたなら、あるいは、繋がるものがあるのかもしれなくって】
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/30(金) 11:21:00.14 ID:adJwyxXX0
>>26

今後顔も知らないメトロのメンバーと“乗り入れる”可能性がある。その時の符号は
『ヨハンは639号室の隣人である』。これだ。“ヨハン”と“639”が符号になっている。
『山と川』みたいなもんだ…使うかわからないが覚えていて損はない。
知らないアドレスでもヨハンからは気にしてくれ。

【自分たちの自由のために一国の権力。それも2つも同時に歯向かおうと云う傲慢は多分】
【この2人の他に一体何人が出来ることだろう。それを笑って企んでいるのだ】

やっと手札が配られたところなんだ、勝負はこれからだ。
何にせよ最後は力技になるだろうけどな。…さっさと終わらせて、気兼ねなくビールを飲める暮らしに戻りたい。

【ウィスキーを一瓶開けておいてそうやっていう。気持ちの問題だ。】
【だが、彼が本当に欲しいものはもう手に入らないものなのかも知れない。どれだけの悪事を働いたとしても】
【どんな堅牢な金庫を破っても其処には居ない…その事実に目をそらすように今を生きている】

マキの生存に関して言えば黒幕と合致している。そのへんは上手いこと頼んだ。…本来ならもう少し機関内部に
協力者が居ても…とは思うが、オマエ1人いるだけで奇跡みたいなものか…十分に気をつけてくれ。

【身を案じているわけではない。計画がご破算にならないために。と、それぐらいはわかっているだろう】

内情を知っている博士が地下組織のリーダーってのは流石に驚くだろうぜ。それぐらいのユーモアはあってもいいだろ?

【そして話はギアと、その不可解なお伽噺に移る】

ああ、ギアは知っている。…妖精?…こんどは妖精ときたか。だがまあ…何かあるかも知れないな。面白い話だ。
これは……探偵の勘ってやつか?どうやら俺も板についてきたらしい。…ともあれ了解した。鈴音の次に駆けずり回らせよう。

【男は散らばったカードを集める。もう話も済んだ。長いは無用だ。カードを切って、何気なしに一枚捲る】

…ダイヤのクイーン。……駄目だ、飲みすぎたか。こじつけも思いつかねえ

【そう言って、カードを山の適当なところに差し込んで、立ち上がる。呼び止めなければ挨拶もなしに彼は立ち去るだろう】
【煙草の箱をポケットに入れ、グラスの残りを飲み干し、サングラスは何処か遠くを見つめてから、手だけを簡単に振る】


/すみません。お返事が朝になってしまいました。本当に申し訳ないです…
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/30(金) 13:44:27.06 ID:GSz7rZDH0
【風の国UT本部】

【ある女性をここに訪ねて来て、早数日】
【近隣に宿を取っているが、一向に音沙汰は無い】
【これは何かあったのだろうか、状況に変化はあるのだろうか、あるいは此処に新しい情報でも来ていやしないか】
【そう考えて、通っているが、何とも最近は常連の一人に同化したような】
【なんだかそんな気配すら感じる】

「さて、今日は何にしようか……」

【メニューを見ながら、本日の遅い昼食を決めかねている】
【そう言えば、カレーライスの作り方を、前に来たときは教えると言っていたが、厨房は借りれるのだろうか?】
【そんな事を思いながら、ネイビーブルーのスーツの男性はメニューを広げる】

「もう、櫻の季節だな……」

【外は暖かい昼の光が降り注ぎ】
【すっかりと春の陽気だ】
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/30(金) 14:18:38.91 ID:175ECIN3O
>>33
【ばしゃばしゃと水音が響く。鈴音が手を水で冷やしている間、ミラはずっと無言だった】
【──ずきりと体のどこかが痛んだ。大方、暴れる鈴音をここまで引きずって来る時に何かに打つけでもしたのだろう】
【もしくは、彼女に蹴飛ばされたか。……だがその程度の痛みは、今は本当にどうでもよかった】


(あのクソナード…………鈴音に、何しやがった)
(一度ヤりあった邪禍どころか──自分を喰おうとしたカニバディールとすら普通にやり取り出来るこいつが)
(こんなに、取り乱してやがるなんて…………なんなんだほんと)
(…………普通じゃねえとか、ンな言葉で収まる範疇にねぇぞこれ)

(…………次あのクソ野郎に会ったらまず一発だ、)  ────っっ、う…………お!?


【考え事のせいで、鈴音の動きに対応するのが遅れた。胸倉を掴まれ、…………混乱が加速する】
【彼女が発している言葉はなんだ。そもそも言葉なのか。音なのか。頭の中で蚯蚓が這い回る】
【理解が追いつかない。金の目を覗き込まれ──文字通り、蛇に睨まれ。ぞっと背筋が粟立つ】
【けれど。その中から。分からないなりに、分かる単語を拾い上げれば──】


…………鈴音。…………鈴、音


【──言えない。知らないなどと──そんな嘘は、言えない】
【お前は、大人になれないんだ。そのままなんだ──それも、言えない。嘘では、ないのに】
【言葉が、出てこなかった。彼女となまじっか似ているモノだからこそ】

【好きなことだけやって生きてきた。後悔なんてしたことはないし、過去に遺してきたものもない】
【だからこそ────彼女の言葉が、想いが痛い程突き刺さる。何を言っても……】
【…………どんな言葉をかけたとしても。彼女の前では塵芥のようにしかならないと分かってしまう。悟って、しまう】


…………何でも、するって────そう、言って、いた
何でも…………本当、に…………。…………文字、通り

────死にに行けと、そう言われても。…………それも、やる、って


【言葉は、酷く選んだ。選んだとは言っても、殆ど赤木の言葉をそのままに告げただけだったが】
【逆に言えば──それが精一杯だった。今の彼女にかける、言葉としては】
37 :?????? ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 16:48:22.67 ID:iScl/H5x0
【水の国 バーカフェ『イリュージョン』店外テラス席】

はあ……やれやれ、何です何です。最近なんだかまた世の中がキナ臭くなってきてはいませんか?
こちとら少しは静かに稼いで、のんびりやっていきたいってのに、なんでこうなっちゃうんでしょうかね?

【切れ長で涼しさを感じさせる瞳が、艶のある短い黒髪の中で映える顔立ちの】
【医療従事者用と思しき白衣を着こみ、ポケットからはステンレス製の細長い箱が覗いている】
【頭に、白いつば広の帽子を被っている、身長160p前後の女性が】

【パラソル下のテーブルに席を取り、手持ちの携帯端末を覗き込んで、呆れた様なため息を吐きながら、独り言をこぼしている】
【テーブルの上には、2つのティーカップ。それぞれコーヒーとルイボスティーが満たされ、ふんわりと湯気を立ち上らせている】
【そろそろ太陽も傾き始めた時頃、女性は横目でそれぞれのティーカップを一口づつ、口へと運んだ】

折角暇な1日を見つけて、気分転換に出てきたってのに、良いニュースの1つも見れないんじゃあ、何にもなりはしませんよホント
……あ、でもこれ香り良いわ……

【コーヒーとルイボスティーを同時に飲むという、中々奇特なお茶を楽しんでいる女性だが、どうやらその香りを気に入ったようで、つと視線をティーカップへと向ける】
【暖かい液体で満たされたカップの淵には、たった今口を付けた女性の、口紅の跡が残る】

噂の特区……今度、暇を見つけてお邪魔してみましょうかねぇ。どんな風に、治安を取り締まっているのやら

【思いがけず、コーヒーとルイボスティーに気分が良くなったのだろう。変わらず通信端末をいじりながらも、口元には笑みが浮かんでいた――――】
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/30(金) 17:06:12.32 ID:pBIcZbb4o
>>37

【────其れは宛ら、瞬きでもする様に】

【貴方が端末を弄っていたなら、軽い衝撃音が聞こえるだろう】
【まるで、ある程度の質量を持った物体が降ってきたかの様に】
【視線を向けたならそこには、一人の少女の姿が】

【純白の長い髪をツーサイドアップにし、黒いコサージュリボンで片方だけを飾り】
【黒く長いマフラーと巫女服を基調とした無袖の裾が短い白の着物】
【ゆらりと長い袂からメッシュの長手袋が漏れて見える】
【白いニーソに厚底の下駄を履いた、蜂蜜色の瞳をした少女である】

【特筆すべきは彼女の出現法、落ちてきた。──屋根から】


すいませんっ!ちょーっとばかし!相席失礼しますっ!
あーっでも、来てる!んもぅ!暇な人が多いですねっ!
そうです、それ!貸してくださいっ──!!


【少女はぱっと手を伸ばし、貴方の帽子を取ろうとするだろう】
【成功したならそれを目深に被り、マフラーを解いて薄手のショールに】
【目の前の席にちょこんと座っているだろう】


【──少しすると、ざわつく数人の男達が走ってくる】


  ”くそっ!どこ行きやがった!!”
  ”完全に見失っちまった……!!”
  ”おい、そこの女!さっき、白い着物を着た小娘、こっちに来なかったか!?”


【男のうち一人が貴方に声をかけ、目の前の少女らしき特徴を尋ねる】
【男達の身なりはスーツをきちんと身につけた、相応にしっかりした姿で】
【貴方の判断に委ねられる部分も多い筈だ】
39 :?????? ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 17:16:36.73 ID:iScl/H5x0
>>38

はぁ、まあ良いじゃないですか。気にしないで休息取ろうというのは、他でもない私自身ですからね
少しはぼーっと――――って何!?

【じっと端末とにらめっこしていた女性は、やがて気分も変わってきたのだろう。そこに意識を縛られる事を止めにして、端末をポケットへと仕舞い込む】
【そして、再びお茶へと意識を持ち直そうとした――――屋根から人が飛び降りてきて、驚き顔を上げたのは、そんなタイミングである】

あっ、ちょっとあなた!? ……はぁ、なーんでしょ、一体……

【何かあったのか、それを聞こうとする前に、巫女服の少女に帽子を取り上げられ、席に収まってしまう】
【流石に抗議の声を上げようとして――――追ってくる足音に気付く。それに気づいた女性は、口元に引き攣った笑みを浮かべると、浮きかかった腰を座席へと沈めた】

――――はぁ、なんですなんです、こんな穏やかな夕暮れに騒々しい事……
着物の娘なんてのは見てないですけれど、何があったって言うんです? 人のティータイムを邪魔するだけの理由、ちゃんとあるんでしょうね?

【あからさまに、不機嫌そうな態度を覗かせて、女性は眼前の3人の男たちに対応する】
【女性は、まず事情を説明しろと鎌をかけ返した。どちらに味方するか、まずは話を聞いて決めようというのだろう】
【――――ただし、その問い返し方はかなり高飛車なそれだ。男たちが急いた様子なら、この態度に苛立ちを覚える事も予見されるが】
【挑発するような口元の笑みが、女性がそれすら見越しての返答だったことを、少女は気取るかもしれない。とかく男は、そうしたジェスチャーを読み取るのが不得手なものだ】

(――――なんか面白い事になってきたじゃないですか。こりゃ、外に出てきてある意味正解だったかもねえ?)
40 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/03/30(金) 17:26:16.98 ID:3Z33ox5q0
>>17

【月の明かりがうら若き少女の肌と、昂る魔人の姿を色濃くシルエットとして映し出す。】
【吐息と吐息がぶつかり合う程の距離、繋ぎ合わせた影と影が交わり合って、そのまま二人は交錯する。】
【細くしなやかな指がキングの肉体を象れば、そこには確かに、ぎっしりと詰まった筋張る肉と骨格が存在しただろう。】

【対照的な二人。真っ白で純白の硝子を思わせる彼女と、黒く燃え上がる炎の様な彼。】
【天使と悪魔、光と影。相対し、それでも離れる事が出来ない関係である様に、二人は口づけをし合う。】
【どろどろとした何かが男の唇から伝わってくる。濃度の濃い、"魔翌力"のそれだ。そうして、キングは自身の魔翌力を流し込み】

―――んっ、そうだな。……いい、名前だ。カチューシャ、もっと――――もっと、"見せ"てくれよ。

【ぐらり、と感覚が揺らぐ。最初に見えたのは自身のそれとは真逆の光景。真っ白な世界と冷たい息吹。】
【時間までもが凍り付いてしまったかのような、そんな冷淡さの中に生命は生きられない。しかし、されど確かに美しく。】
【だがそんな幻想的光景も長くは続かない。夕陽が落ち、赤く染まったその後に見えるは―――自身のそれに勝るとも劣らぬ、"赤"に満ちた記憶。】

【断片が痛みを訴える。魔人は確かに一瞬、その身を強張らせる。撃たれ、焼かれ、斬られ、殴られ続けてきた彼すらも】
【瞬時に危険だと感じてしまう程の激痛、その共有。ドライに、ただ淡々と、痛みの記憶だけが全てを破壊し尽くしてしまうのだ。】
【覗き込み続ければ可笑しくなる―――そう判断した直後、耳に入ってくるのは肌を貫く破壊の記憶とは別種の囁きにも等しいボイス―――】

(―――いっ、てぇ……ッ!? いてっ、いててっ、なんだこの"記憶"――――、んん……?)
(――――――。愛して――――――、ああ、まったく。塗り替えるみてえにずっと……もうこうなってくりゃ、コイツは呪いだな。)

【愛してる。愛してるの言葉が止まない。痛みと、愛している。両方がぶつかり合い、鬩ぎ合う。】
【痛みの正体も、愛の言葉も出どころも背景も何も読み取れない。読み取らせない程の闇がキングへと流れ込んだ。】
【図り切れない程の闇、だがそこにキングは一つ答えを見出す。先ず一つに―――彼女は嘘をついていない。本当に単純に、彼女はカチューシャであった。】

【謀る様な言葉も、綯交ぜの心情も、欺く為の欺瞞も何もかも、其処にはない。ただ痛みと呪いだけが響く、そんな深層。】
【此方を騙そうという気概は見えない、全て見透かされても平気、と言わんばかりの無抵抗さ―――導き出される答えは自然な物だった。】

(―――"ソニア"じゃない。今は、少なくとも……そう言う事か。)

【キングは唇を離す。と同時に、海色の瞳を覗き込むのも辞めた。身体だけ寄せたまま、その手を取って。】


……っ、――――ふぅ。 悪いな、あんまり可愛かったからついついキスしちまった。
そうだな、強いて言うならオレは―――ありのままの君が好きだ。少女でも大人でもない、ありのままの、な。

そのありのままってのが……"今の君"の事なら良かったんだが。二つが一致してるかどうかは、運命に委ねるしかねえようだ。
そういうワケだからオレの名前を呼ぶときは、"君らしい"声で呼んでくれ。オレの望む君じゃない、君が望む君の声でだ。わかるか?

――――呼びたい様に呼べば良いのさ。誰かに従うんじゃなく、な。


【そのままゆっくりと歩きだす。腰に手を添え、行く先を示すように支えながら。】


……ま、ついでだ。オレの墓参りに付き合ってくれよ。キミが好きになっちまった、このまま離れるのも寂しいしよ。
深夜の墓場デートさ、短い時間にはなるだろうが……付き合ってくれるかい、Девочка(お嬢さん)?


【真意は測れない。しかし、もう少しだけ一緒に居れば何かわかるかもしれない。】
【彼女が本当に彼女なのか、それとも"彼女から分離した何か"なのか、可能性は無限に存在する】
【特定はできなくとも、より多くのヒントを求めてキングは、静かな霊園への付き添いを申し出るだろう。】
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/30(金) 17:26:24.66 ID:pBIcZbb4o
>>39

【目深に被った帽子の下から、蜂蜜色の瞳をそうっと覗かせる】
【少女の方を見てみれば帽子が気に入ったのか、両手でぽふぽふしてる、危機感が足りてない】
【男達は女性の剣幕に少したじろいで、バツが悪そうに声をかける】


  ”あー……すまない、突然の事で、こちらも動揺していて……”
  ”俺達はこの近くで金融業を営んでるんだが、出張から帰ってきたらオフィスを荒らされていて”
  ”その着物のガキが窓から逃げてくのが見えたんだ”


【苛立ちよりかは、畏怖。──男達の見せる反応はそれ】
【話す内容は端的に、彼らもそれなりにできるビジネスマンなのだろうか】
【然し、どちらが役者かと言えば、貴方と────】


ねぇお姉様!いきなり私達のティータイムを邪魔して何の言いがかりかしら!
折角忙しいお姉様が、私の為に時間を作ってくださったのに、台無しですわ!
……お姉様、ここの所研究続きで、お家に帰れない日々ばかり

私は毎日毎日、明日こそは、明日こそは、とお待ちしておりました
聞いてほしいお話が一杯ありましたのに……ひっぐ……あんまりですわ


【泣き真似も追加、真に迫った演技は手馴れてる感じを貴方なら見抜けるだろう】
【帽子の下からちらりと、貴方の方を見て、悪戯っ子の様に】
【ぺろり、と小さく舌を出した】
42 :?????? ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 17:39:00.17 ID:iScl/H5x0
>>41

……あー、なるほど。そりゃ災難でしたね。下手人がすぐそばで逃げ回ってる、と
とりあえず、そんな風にして逃げてる輩って言うんなら、それ相応に目立つとは思うんですけねぇ、あいにくと、私は見てないですねぇ
その辺でも、同じように見てないって言われたら、方向が違うって事になるんじゃないですか?

【存外に落ち着いた態度で事情を説明する男たちに、女性もトーンダウンして追随する。もっと分かりやすく安っぽい輩かと思ったが、そうでも無いようだ】
【ならこちらも、相応に「合わせる」調子で話をつける。とは言えその内容は、やはり虚偽――――】
【ただ、虚偽とはいえそれなりの説得力を、さりげなく織り込んでいる。今のところ、飛び降りてきた少女を見たのは、自分1人だけで】
【目立つ逃走者が目撃されてないなら、方角が違うのだろうと煙に巻いて見せる】
【――――なんだか余裕を見せている少女の様子から、他に目撃される様な『ヘマ』もしていないのだろうと、そう推理して】

まぁまぁ、しょうがないわよ。どうやら非常事態だったみたいなんだし、ねぇ?
……とはいえ、そういう事で、あまり力になれそうもないですねぇ。時間が惜しい様子なんですから、他の心当たりを当たった方が良いのではないかと思いますよ?

【――――いきなりの言葉に、正直女性も面食らいそうになったが、そこは女性もさるもの。即興で息を合わせ、少女が仕掛けたらしい『姉妹』という役割に乗っていく】
【自分の服装から、役割を設定。互いの外見から、立場を設定――――なるほどこの少女『上手い』。これは、乗ってやった方が『面白くなりそう』だ】
【姉らしい包容力ある言葉で会話を交わしつつ、男達には他を当たれと、当初よりは友好的な態度で促す】
【流れから言えば、男たちも「友好的に心を開いてくれたが、本当に知らないらしい」のだと、そのシナリオを呼んでくれるだろう】

――――中々、おいしかったわね。こっちのコーヒーも、ほら、そっちも味見してみなさいな……

【――――唯一の懸念材料が「明らかに少女の飲み物として配置されていないコーヒーとルイボスティー」だろう。だがそれも、女性は難なく処理する】
【互いに違う飲み物を注文し、味見という体で2つとも口をつけていた様な雰囲気を見せかけて、自然な流れで少女の前へと置き、有耶無耶にしてしまう】
【これで――――最初からティータイムを送っていた、2人組の客という空気は、完全に演出できただろう】
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/30(金) 17:40:00.88 ID:pBIcZbb4o
>>40

【ルージュを伝う情熱的な紅、淫らな朱は噎せ返る様な芳香と共に】
【蜜月よりも更に深く、端麗な目許が鶯嬌な色合いを見せて】
【唇を離す。──透明な粘液が、月を浴びてその残照を映し】

【名残惜しそうに彼女は一度、大きく身震いをする、肉感的な身体が猥らに揺れて】
【物憂げな虹彩に貴方の姿を映して、物足りなげな思いを馳せた】
【心の奥を覗かれても尚、鬻ぐ心にはまだ足りない程】


もぅ、キングってば──大胆、なーのっ
激しいのは嫌いじゃないの、情熱的に愛されるのは女の悦び
けれども、そんな風に優しくされると、それもまた感じてしまうの

ふふ、いけない人、いいわ、呼んであげる、私の声で
そうよね、キング、えぇこの、音色が私は一番好きよ
愛する殿方の名前を呼ぶには、少し、子どもっぽいかもしれないけど


【腰に手を添えられ媚びた声を漏らす、頬に僅かな紅を刺して貴方を見つめる】
【曲輪の様にぴったりと、二枚に合わさった姿は二人静】
【吸い付く様に貴方に添い遂げながら、高みにある視線を見上げる】

【流れる声色は少しあどけなさを残した少女の音、天鵞絨の様に滑らかな音律】


あら、大胆な告白は、女の子にさせなきゃ
でもいいわ、キングに言われると、悪い気がしないの
───ううん、寧ろ、そうね……嬉しいかも、しれないの

でもお墓だなんて、不思議な気分ね
ねぇ、こんな夜更けにどうしてこんな所へ?私が言うのも変だけど
キングにはもっと、華やかで煌びやかなネオンがお似合いではなくて?


【貴方と歩みを合わせながら、片方の手が胸元に伸びる】
【逞しい胸筋、鍛え抜かれた鋼の様な肉体を愛おしそうに撫でようとする】
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/30(金) 17:49:55.44 ID:pBIcZbb4o
>>42

【──少女の目元がきらんと光る、この女、出来る、と】
【紡がれる出鱈目な音律、然して理論は凄絶に、その知能の高さを感じさせる言葉運び】
【この勝負勝った──心のそこでぐっと、ガッツポーズ】

【男達は落胆の様子を見せたが、納得、貴方に深々と礼をして】
【とぼとぼと別の方向に走り去っていくだろう】
【その影が見えなくなるやいなや】


ぷはぁ……!!ふぅ、助かりましたわっ!お姉様!!
ってー……さっき設定した口調がっ、いけないいけない
ほんとに助かりましたっ!いやーもぅ、鵺ちゃんびっくりですよー

屋根伝ってこのままトンズラっと思いきや、猫が交尾してるんですっ
もぅびーっくり!いや、ちょっと見ちゃいましたけど、そしたらすってんころりん!
こんな所へ落ちてきた次第でして……


【へにょーんとテーブルに上半身を預ける、割と緊張してたみたいで】
【大きな蜂蜜色をぱちくりとさせて、貴方を改めて観察】
【やっぱり綺麗な人だなーなんて思いながら】


しかし、口裏合わせてくださって、ありがとうございますっ!
いやーもうドキドキですよっ、売られないかなーって心配心配
ですが無用の心配でした、お姉様綺麗なだけじゃなくて、聡明だなんて!

───素敵ですわっ!流石私の自慢の……ぁっこの設定じゃなかった
けふんけふん、兎に角助かりましたっ!せんきゅーですっ
あ、あとこの珈琲じゃない方なんですか?はじめてみました!


【良く喋る娘だ、ほっとくと一人で話してそう】
【ルイボスティーを指さしながら、ふふんと借りた帽子を被り直す】
【どうやら気に入っているみたい】
45 :?????? ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 18:04:32.95 ID:iScl/H5x0
>>44

――――去ったみたいですね。アホウというにはちょっと酷だけど、もう標的も見つからないでしょうよ

【後姿を見送り、女性は面白そうに嘲笑する。割合上手くやり込めることが出来た。こういうのは気分が良い】
【彼女らの演技を看破してくれたら、それはそれで面白そうだったのだが、もう彼らには興が乗らない】
【あとは、標的をロストしたという、彼らの敗北に事実が残るだけだ】

え、えぇーそんな理由で? それだけの力があるのに惜しい事じゃないですか
なんだったら事の最後まで見守ってやれば良かったんじゃないですかね? 色気づいた猫の鳴き声なんて、そうそう聴けるものじゃないんですから

【――――眼前の少女――――鵺と名乗ったのが名前なのだろうか――――の言葉に、思わず目を丸くする女性】
【それだけの体術があるのに、そんな理由で足を踏み外したのは、迂闊じゃないかと、思わず肩をすくめ】
【次には、軽い揶揄いの言葉をかけてみる。「ちょっと見ちゃった」というからには、邪魔しちゃ悪い、というよりも、自分自身の恥ずかしいという理由があったのだろう】
【そこ突っついて、この色々な意味で『出来る』少女が、どう反応するのか、見てみたかったのだ】

いやぁね、別に売ろうとか売らないとか、そこはどうでも良かったんですよ。私には多分、関りの無い事なんですからねぇ
それよりも、ただ面白そうだなって思っちゃいましてね? 聞いてみたかったんですよ、事情を
――――何やらかしたってんです、あなた?

【――――女性は、どっちに味方するのかは、正直言ってどうでも良かったのだという。ただ、少女に味方した方が『面白そう』であり、『事情が知れそう』だと思ったのだという】
【悪戯っぽくニヤニヤしながら、女性は少女に、追われる理由を問う。この様子なら、もう告げ口などではなく、本当に個人的興味として聞いているようだが――――】

あぁ、それは乾燥ハーブのお茶って奴ね。具体的に何のハーブかは聞いてなんだけど――――ってか、その帽子そろそろ返しなさい。もう良いでしょ?
そっちのお茶、気に入ったなら飲んで行って良いから。少しは息も落ち着けたいんでしょ?

【ルイボスティーの説明をしながら、女性は少し呆れた笑みを浮かべながら、少女に帽子を返せと言う】
【何が気に入ったのかは知らないが、そもそもそれは変装用に貸しただけのはずで――――女性としても、なんだか落ち着かない】
【自分はコーヒーのカップを手繰り寄せて、もう1度その香りを吸い込んでみた――――やはり、いい香りだ】

――――しっかし、面白いものが見れましたねぇ。今日出てきて正解だったのは、間違いないって事で良いんでしょうねぇ

【とにかく、女性にとってはこの事態が愉快らしく、なお口元に笑みを浮かべていた】

/すみません、晩飯行ってきます……
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/30(金) 18:16:25.08 ID:pBIcZbb4o
>>45

【女性の言葉に少し頬を赤らめる、取り繕う様に言葉を探したが直ぐには見つからない】
【あんまりこういう内容には慣れていないのか、ショール状にしたマフラーを首にまく】
【そしてそいつに口元を埋めて、じぃっと見上げる】


わーっ!!そんなハレンチな真似できませんよっ!
うぅ……でも、まじまじと見ちゃったのはほんとです……
えっと、もぅ──……そんなこと、別にいいんですっ

何やらかしたか、ですか───まぁ、家探しって所ですね
あそこの社長、中々やり手の経営者なんですけど、色々黒い噂も絶えない人なので
少しばかり弱味を握ろうと、えいやっ!て


【言葉を返すがイマイチ本調子ではない、目の前の女性に起因する】
【どうも見つめられるとドギマギしてしまう、端正な顔たちもそうだが】
【何より怜悧なその目が一番───彼女の心を揺さぶって】


むぅ、気に入ってたんですけどっ、借り物ですしね!
参考までにどこで買ったかとか!教えてもらえたらなーって
そうです!てか、まだお姉様の名前聞いてませんでした!

私は鵺です、愛しく可愛く鵺ちゃんって呼んでください!
あっ、でも、お姉様になら鵺ってアダルティに呼んでもらっても
いいです!いいです、むしろ呼んで欲しい気も!


【両手で帽子を外したなら、えいやと両手を伸ばして貴方の頭に】
【被せてあげようとする、出来たなら淡い微笑みを見せて】
【自分の目の前のルイボスティー、くんくんと香りを嗅いだ】


/了解です!ごゆるりと!
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/30(金) 18:34:26.35 ID:SKg/Vk/O0
>>16
/再投下!
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 18:47:37.23 ID:AY5EEmFI0
>>36

【――いつかは殺し合った間柄、文字通りに"喰われ"かけてなお、彼女はその機関員を利害が一致さえすれば、絶対に信頼ができると言い切った】
【――いつか一度交戦した悪魔には、もう数年前のことであるし、そうひどいことをされたわけではないから今更だと、口にした】
【――眼前に居るミラもまた、そうだろう。いつか敵対すると分かりきった間柄、いつかきっと殺し合うと分かりながら、だけどそんなのやっぱり「今更」だと言って受け入れた】

【でも。だけど。だからこそ。この行動は異質だったし異常だった――びちゃびちゃに濡れた手で相手の服を掴み上げる、額同士をぶつけ合いかねないほどの距離で】
【色違いの瞳はじっとじっとじっと金色を覗き込む――よりも睨みつける。色素の濃すぎる黒色の目と色素の薄すぎる赤色の目はどちらも違った意味合いで、底がうかがえない】
【極度の恐怖か怒りか分からない感情がぐるぐると渦巻いていた、それが状況的にありえなくたって、知っていないと、言って、ほしかったのに】
【ふわりと甘い香水の香りがして、それがいやに生々しかった。ぎゅう――と力を込めた手、がたんと足音は、相手を壁へ押し付けるように力を込めた、証拠】

【抗うことはできる。力は強いが――やせぎすの少女としての範疇を超えない。だけど取り乱した少女に相手が付き合ってくれるなら――やがて、壁に押し付けるだろうし】
【そうでなくてもしばらくぎゅうぎゅう押されるだろう。ひどく曖昧な、どうしようもない目、どうしたらいいか分からない目をして】

――――ねぇクラァケさん、わたし、こんな、こんなの、なりたくなかった、大人に――なれるって、
やっと……諦め、られたのに、わたし、大人になれないって、縺ェ縺ョ縺ォ縺ェ繧薙〒――、――っ、諦めたんだよ! 諦めたのに!
なんであいつが今更来るの!? わたしのことこんなにしたのに――、人間じゃなく、したのに! だのに……、

【彼女は後天的な異物だった。一番初めは人間として生まれて、そしていつか、ヒトではなくなり、けれどいつかの憧れのまま、偽り続けた】
【ならばこの様子はきっと生まれついての異物なのだろうミラにはどう映るだろうか、こんなふうになりたくなかった、大人になりたかった、"みんな"なるみたいに】
【だけどなれなかったのを――この少女は、本当に、ここ最近の出来事として、諦めた。もう大人にはなれない、人間みたいには過ごせない、もう近いうちに、ばれるだろう】
【同じ姿のままで同じ場所に留まりすぎた――それでもまだここに居たのはやりたいことがあったからだった。いつかの自分みたいに路地裏しか居場所のない子】
【その子たちに食事を振る舞い続ける――給仕としての仕事はもとより。それをやめるわけにはいかないから。そうでなければ、多分、とっくにどこかへ紛れていたに違いない】

ならっ――、なら、その場でわたしにしたみたいに、背中斬って、頭撃って、死ねばいいじゃん、なんで……。
縺ェ繧薙〒蠖ケ遶九→縺?→縺吶k縺ョ、――、痛い、もうやだ、――繧ゅ≧繧?□、痛い――、辟。諢丞袖縺ォ豁サ縺ュ繧。

【――ミラが一生懸命に言葉を選んでくれたこと、きっと、彼女も分かっているのだろう。分かっているけど――だからって感情が留められるかと言えば、別の話】
【ぎゅうと服を掴んだ手に力がこもる、だけど同時にそんなことする自分を嫌悪している、このことには何にも関係のない相手にひどいことをしていて、気持ち悪くて仕方ない】
【だけどこうでもしないとどうにかなってしまいそうで、ぐるぐるして、ひどくひきつって強張った顔はなぜか笑っているようにも見えた、とうてい、そんな顔ではないのに】

クラァケさん、ごめんなさい、わたし、

【――――少女がヒトで居られなくなった原因。それがよりによって見つけた居場所に、やっと見つけた夢を実行できるこの場所に、今更】
【自分が重たいみたいにぺたんと座り込む――救済を願うありふれた民みたいにミラの足に縋りつこうとするだろうか、でないと、言ってはいけない言葉が出てしまいそうで】
【たったのそれだけで全部投げ出してしまいそうになって。だけど――声音から伝わってしまうだろう、もうできない、もうやめる、そういう言葉を、必死に押しとどめている】
【自分を殺そうとして喰われかけた人間よりも、いつか交戦した悪魔よりも、いつか裏切ると知っている眼前よりも、許容できない。痛むように頭を抱えて、呻いて】
49 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/03/30(金) 18:58:05.89 ID:3Z33ox5q0
>>43

【困ったことに身体が疼く。日照りしている訳ではないが、それでももっとこうしていたいと思わせるだけの魔翌力があった。】
【決して大人っぽい仕草や物言いが目立つという事ではない。化粧や香水が惑わせるようなタイプでもない。しかし、より凶悪に凶暴に、燻る。】
【色香という物は単一の特徴では語れない。この娘は原始的な部分で男を刺激する何かを幾つも持っている。"声"だったり、"息遣い"だったり―――存在其の物だ。】


―――ハハッ。まあな、大胆さくらいしかカチューシャには勝てそうになくってよ。
手玉に取られるのは大好きだが、いい加減こっちからアプローチしたってバチは当たらないってものさ。

熱く激しく、されど乱暴にではなく―――女の子と仲良くするにはこれが基本。そうだろ?
ま、今のはちょいと乱暴だったけどな。許してくれよカチューシャ、それもこれも君が魅力的すぎるのが悪いんだから。

―――ああ、子供っぽくなんて。年相応、ってそう言う事だぜ、無理して大人びても痛い目見るのは世の常、ってね。


【目的はソニアの情報を探る事。だけれど、このデートは心底楽しい、それをキングは包み隠さない。】
【隠せば隠す分だけ、相手も何かを隠しだす。ある程度は情報を見せなければ、カチューシャの心は真に開かないと考えて】
【ぴたりと身体をくっつけ合い、寄る辺の無い者が寄り添い合うかの様に、二つあった影を一つに纏める。二人はそのままゆっくり歩きだして】


告白は女の子から―――か、オレは逆だな。いや、確かに好きって言われるのはうれしいぜ。
けどよ、誘ったのが男の方なら、フられるのも男の方―――ってのが一番カッコいいとは思わないかい?

それに、うれしいかもしれない、って言ってくれたんだ。そりゃもう、オレの言葉にも劣らない大胆な発言だぜ? カチューシャ。

……ん、まあそうだな。ネオンと夜の街、そこに紛れて浮かれるオレってのも確かに絵にはなるけどよ。
似合う事ばっかりやってちゃ男として磨かれねえのさ。時たまこうして、"苦手分野"にも挑戦しないと……それこそオッサンになっちまうし。

それに。此処じゃなきゃ、カチューシャには会えなかった。さっき君が、オレの名前を知るために此処に来たんだとそう、言ってた様に。
オレもまた、君との大事な出会いを果たすために此処に居るのさ。……って、感じで誤魔化してみても良いかな。いやなに、これで結構センチメンタルだからさ。


【胸元を撫でる手を止めはしない。むしろ隆々としたそれを見せびらかす様に触れさせ続けて】
【キングはカチューシャの髪を指で梳く。さらりとしたプラチナが、闇夜の中で一層強く、輝いていた。】
【やがてキングは"とある人物"の墓の前へと行きつくだろう。そこまで古びてはいない、手入れのされた其処には―――】



さて、此処に来るのも久しいな。
 ……悪かった、長い間一人にさせちまってよ。


元気にしてたか―――――――――"ソン"。



【―――墓標の脇に小さな花と、いくつかの酒瓶が添えられていた。】
【刻まれた名前は"ソン"。かつての戦士にして、今は亡き英雄、そして―――キングの盟友。】
【彼が訪れていたのは父や母の眠る地ではなく、もっと身近で遠い、何時かの記憶が蘇る、そんな"古き友"の、居場所だった。】
50 :?????? ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 19:16:09.53 ID:iScl/H5x0
>>46

あっはは、猫や犬たちは良いわよねぇ、場所や人目を気にしないでいられるってんですから
まぁ、アレはアレで一応、邪魔されない様に気を配ってはいるって聞いた事がありますけどね?
……っとと、あららお嬢さん、そういうお話は苦手かしら?

【一頻り喋りたて、今更気が付いた様に、女性は取り繕うような言葉を口にして見せる】
【少女の様子を見ていて、既に感づいていた事なのに、わざとその言葉を引っ込めるタイミングを遅らせて見せた。それというのも偏に、少女の反応が見たかったからなのだろう】
【軽く謝罪するような言葉を口にしてはいるが、やはり口元には薄ら笑い。気が付くだろうか、これが「わざと」なのだと言う事を】
【――――先ほどから、飄々とした態度で面白がっている。中々一筋縄ではいかない女性らしい……】

へーぇ、随分大胆じゃないですか。そりゃアグレッシブですねぇ。で、その様子だとめぼしい情報は得られなかったと……
まぁ、途中で邪魔なんて入っちゃったら、そりゃ仕方が無いって奴ですよねぇ。でも、暗い臭いのする金に、探りを入れるなんて、これまた面白そうな……あぁ、失敬
まぁ、金貸しなんて、綺麗なだけじゃやってけない商売でしょうし、そりゃ後ろで何かこそこそしてても無理ないって話ですね
……惜しい事したのね、お嬢さん。そこで上手い事尻尾掴んで逃げ果せれば、色々とおいしい事出来たでしょうに

【少女の言葉に、女性はやはり興が乗った様子で、身を乗り出して聞き入る】
【そんな怪しい盗賊まがいの事を面白がれる女性の感性も、中々に奇異な物だろうが、ともあれ――――どうやら女性は、少女が「失敗した」と判断したようで】
【それでなければ、わざわざ追っ手を前に変装してやり過ごす、と言う事もしなかっただろう。成功したなら、最後まで気づかれずに、情報だけ頂いてドロンだ】
【まぁまぁ元気出しなさい、と言わんばかりに優しい笑顔で頷いてみせた】

――――ふふっ、ありがと
この帽子は――――えーと、あれよ、『ミール・シュタイン』にあったショップの奴ね
気まぐれに覗いてみたら、中々シンプルなのにお洒落なこの帽子あったから、つい衝動買いしちゃったんですよ、これが
そしたら、シンプルな分、仕事着にもプライベートの服にも合うから、すっかり気に入っちゃいました、こりゃセンス良い品ですよ、ホント

【頭に帽子を被せてもらい、女性はちょっと調整しながら語る。やはりというかなんというか、ちゃんとしたファッションショップで購入したものらしい】
【黒い髪、黒い瞳に、その白い帽子が映え、なおかつ落ち着いたデザインから、主張し過ぎない――――本人の言う通り、白衣にも違和感が少ないだろう】
【相応に、女性はこの帽子が気に入っているらしかった。それを思えば、少女がこれを気に入ったのも、道理かもしれない】

――――あぁ失礼。そういえば流れが流れだったもので、私とすっかりと忘れてましたねこりゃ
――――私は、イーレイ、タオ=イーレイってもんです。鍼灸医をやってましてね?
おっと、それじゃあお言葉に甘えまして――――よろしく、鵺

【バタバタとしたファーストコンタクトから、少女――――鵺の言葉を受けるまで、互いが自己紹介も済ませていなかったことを思い出す】
【思い直したように、女性――――イーレイは自らの名と、職業を名乗る。どうやらその白衣は伊達ではないらしく】
【また、ポケットから覗くステンレスの箱は、その細長さから言って――――仕事用の『鍼』が入っているのだろう】
【――――呼び捨てにしてほしいと言う鵺の言葉を受けて、ちょっと居住まい正すと――――すっと、強気で扇情的な様子で、鵺の名を呼ぶ。中々、様になっていた】
【そうしてイーレイも、自らのコーヒーを味わい、香りを吸い込む。すっと目を細めるその様は、鵺の言う『アダルティ』な様子に見えるだろうか】

/ただいま戻りましたー!
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/30(金) 19:16:31.89 ID:pBIcZbb4o
>>49

【夜の帳が落ちた場所。──静かな夜であった】
【番の声が重なるのなら、其れだけを微かな交響に仕立て上げる】
【羽毛の様な睫毛が皮膚をなぞる、その柔らかさを確かめるが如く】

【朧月に照らされる貴方の横顔、どこか寂しげな色合いを含んだ】
【何故だろうか、その表情に微かな幼さを感じる程に】
【まるでその奥には、数え切れない悲劇が、あるかの様に】


饒舌なの、ねぇ、貴方の言葉、とっても優しく響くの
少しキザで、決まってるんだけどね、何故か落ち着く響きなの
不思議ね、不思議なの、とっても不思議、私が感じる気持ちの、おかしな所を擽って

──でも、それだけじゃ寂しいの、確かに殿方が全て背負うのはカッコイイの
でもね、でも、私は、それだけじゃ淋しくて仕方ないの
罪を一人で負うのは苦しくて、罰を一人で受けるのは辛くて

それならば二人で受けましょう、鏡映しみたいに寄り添って
殿方が強き旦那であるのなら、私は気高き伴侶になりましょう
其れが私の理想よ、ほんとなの、ほーんとっ

だから、見てあげるの、キングの苦手なとこ、じーっくり
その素敵なお顔が、逞しい身体が、弱い所を知ってあげるの
寝床の上以外でも、支配するのを好む事も、あるの

ふふ、いいわ、それぐらい───……しかと


【饒舌に語るキングの心情、時折、相槌を打ちながら言葉を返して】
【この出会いを偶然にしない、とそう言ってもらえた気がして】
【悪い気はしなかった、頬を僅かに緩めて、貴方を受け入れる】

【───ひたり、と歩みが止まった、目的地に着いたから】


【言葉をかけようとして、少し置いた。──貴方の横顔が遠くを向いていたから】
【疼く様に胸元に痛みがあった、其れは微かな嫉みにも似て】
【でもその感情はすぐ消えた、貴方の見つめる先は深く遠い深淵の様】


【────暫し彼女は静寂で答える、貴方の追憶を邪魔しないように】


──────大切な人、だったのね


【僅かな言葉だけ、後で残して】
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 19:38:50.66 ID:6Cbl7Rm7O
>>50

【苦手じゃないですけどっ、と口を少し窄めて目線を逸らす】
【たじたじとした様子、初々しい生娘の風情を見せながら】
【ちらりと視線を向ける、余裕そうな表情の貴方は正しく大人の女性】


そーなんですよっ、ほんと、前情報が全然違っててー!
ほんとならあともう5分もあれば、完璧にこなしたんですけどっ!
ほんとにーっ、でもこーゆーのも鵺ちゃんのミスにされちゃうんです


【ぷくーっとほっぺたを膨らませて】
【包容力のある優しい微笑み、その雰囲気に甘える形で】
【吐く言葉は弱音に似た、かぼそい音律かもしれない】


ほんとにっ!お姉様に似合っていますよ!
あーもう、どうしたらそんな風にキレイになれるんですか!
鵺ちゃんもそんなカッコイイ大人の女性になりたくて──

イーレイ……発音、こんな感じですか?不思議な響きですねっ!
イー姉って呼んでいいですか!


【呼び捨てで呼んでもらい、ぽふんとほっぺたを赤くして】
【きゃーっと声を上げる、自分の頬に両手を当ててくねくね】
【こんな様子では大人の女性とは程遠い】
53 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/03/30(金) 19:41:44.04 ID:3Z33ox5q0
>>51

【つないだ手から少しだけ、熱が伝わっていくかもしれない。熱いそれではない。】
【むしろ人の手は緊張の際に冷たくなることが多い。キングのそれもまた、冷え切った何かを伝える筈】
【ぎゅっ、とカチューシャの手を握って。一瞬、その髪に、頭に、キングは自身の鼻先をくっつけ、甘えるようにしてくるだろう】


――――さあて。なんで落ち着くんだろうな。キザったらしいのは癖でね、もう治らねえんだ。
けどどうだろう、キミがオレの言葉を聞いて落ち着くのはどこか―――そうだな、似たような奴を"知ってる"からじゃないか。

例えばそれは男じゃないかもしれない。オレによく似た―――こういう"言い回し"の大好きな奴に、覚えがあったり、なんてね。
そんな事もあるのかもしれないな、若しくはずっと昔に、誰かにそんなセリフで慰められた、とかさ。俺が懐かしさを感じるのは……

"こういう場所"に、居る時かな。全く、ガラじゃねえのは百も承知なんだけどよ。
ああそうさ、オレは一人で背負うのが大好きだ。悲しみも孤独も、嬉しさも幸せも、何もかも。

独り占めしたくてしょうがねえ、そういう男なのさ。けど、カチューシャとなら分かち合っても良いぜ。
……ま、でもその。"旦那と伴侶"って部分についてはノー・コメントだ。へへっ、ずるいのもハンサムの持ち味、だろ?


……―――でも、な。そんなハンサムですら、緊張する場面があるって訳だ。
本当に結構、長い間よ……此処には来てなかった、から。 ちょっと上がっちまってるのさ、嗚呼。

―――……懐かしいぜ。そんなに昔の事じゃあ、ねえハズなのに、な。


【キザたらしさはそのままに。キングは遠くを見つめていた視線を墓標へと落として。】
【そうして遂には、その場に跪こうとするだろう。片膝を地に付け、持ってきた"酒"を取り出し、そして】
【墓をじっ、と。友愛の籠った、それでいて何時かを慈しむ様な悲哀の籠った視線で、かつてと今を繋ぐその石を、見やって。】


―――――――――――――――――――――。


【酒を墓の上から垂らす。ワインが血の様に流れ、墓を美しく彩っていく。】
【半分ほど残ったソレを脇に供えて、空っぽになった空き瓶をそっと回収する。そして】
【目を瞑り、僅かばかりの間を黙祷するだろう。何を想い、何を伝え、何を祈るかは、口に出さず。】


―――――ああ。勿論……カチューシャにも負けないくらい。
大切で……大好きな奴だった。オレの数少ない、親友だったんだぜ。


【立ち上がる。カチューシャに向き直って、先ほどの悪魔らしい視線とはまた違う、"人間"の目でじっ、と見据える。】
【どちらも持ち合わせる彼だからこその瞳だった。魔性ではあるが、決して悪辣ではない。人間臭くあるが、悲哀を帯び過ぎない。】
【そんな男だからこそ、きっと女性を求めてしまうのだろう。自身の中の矛盾を、煮え切れない何かを、受け入れてくれる誰かを、ずっと求めて―――。】

……どうしようかな。積もる話もあるんだ。それなのに……ははっ。
女の子にはいくらでも言葉が出てくるオレが、どもっちまうとはな。……なあ、カチューシャ。
こういう時って―――何から話せばいいんだろう。何を言えばいいんだろう。何を―――想ってやれば、いいのかな。
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 20:01:07.85 ID:6Cbl7Rm7O
>>53

【気高き騎士の泣き顔を垣間見たかの如く】
【再び彼女に向き直った貴方。──その瞳をじっと見つめながら】
【背伸びをする、それでもなお届かないから】

【────貴方が屈んでくれたらようやく、貴方の頭を撫でられる】


そうねキング、貴方のこんな姿を見るなんて、思ってみなかったの
私はね、その殿方を知らないの、どの様に生きて、どの様に死んだかなんて
でもね、分かることが一つあるの、カチューシャは分かるのよ

”忘れないでくれて、ありがとう”──ほんとよ、ほんとの話
もう死んでしまった人はね、覚えている限り生きられるの
だからね、覚えていてあげたら、いいの


【少女は語る、落ち着いた言葉、どこか大人びた旋律で】
【然して其れは戯曲の様に、彼女の事を知っていた貴方にとっては】
【どうしようも無く虚しく響くのかもしれない】

【形状は失はれてしまった。──テセウスの船が如く】
【理論上は一緒である、設計図通りに組み立てたのなら彼女も一緒】
【然して其れは空っぽな、どうしようも無く違っていて】

【両手を伸ばした、貴方の頭をそのまま抱き締めようとする】


欲張りね、貴方は───何でも、独り占めしてしまうの
悲しい過去も、辛い思い出も、其の背中に背負ってしまうの
それはね、狡い言葉、とっても、とーっても狡い言葉

そうなってしまえば止められないもの、女は何時だって待つだけだから
明日には帰ってこないかもしれない、空っぽのベッドを涙で濡らして
不格好でも乱暴でも、その扉が叩かれるのを待つの

分かるかしら、ううん、きっと分からないと思うの
でもね、其れが女の特権なの、何でも、察しちゃうの
だからそういう時はね、抱きしめてあげれば、良いから


【独白に答えるように歌を返した、優しい旋律の言葉を】
【全ての言葉は本心で、しかれどそれは、悲しい音で】
【長い髪が微かに、風で震えた音がする】
55 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 20:03:20.08 ID:iScl/H5x0
>>52

――――だったら少し、彼らの大胆さを見習っても良いんじゃないですかね?
アレがアレで、アレのおかげでって――――そんな感じの、人間にだって多いじゃありませんか!
発情期の動物って、交尾できないと暴れだしたりするんだそうですよ、動物園とか研究機関とかで……それを思えば、ずっと健全ってもんです

【「ほぉ、言ったな。言質は取ったぞ?」――――そんな事を言わんとするような、勝ち誇った笑みと共に、イーレイはある種猥談に近いその言葉を再開させる】
【――――人間の、根底的な欲望の中でも、最も話題にするを憚られる言葉を、こうもあっけらかんと口にするのは、流石にどうかという話だが】
【完全にイーレイは、余裕の様子で鵺をからかっていた。「色事に悦びを見出す人間は多いけど、あなたはどっち?」と言わんばかりに――――】

あら、あらららら? って事はなんです、鵺……一匹狼じゃなくて、お仲間さんがいるって事に?
はー……そりゃまた、随分と面白そうな話じゃありませんか……! まぁ、そこら辺は流石に、鵺ちゃんとしても話しがたい事なんでしょうけどねぇ……

【――――鵺の言葉に、イーレイの瞳がキランと光る。前情報を調達した事、彼女を叱責する事――――そういう事をする人物が、他にもいると言う事になる】
【となれば、それは1人の計画での潜入ではなく、ある程度の組織だった動きと言う事で――――これはなお『面白そう』だと】
【――――とはいえ、ここから先は、流石に鵺も話しづらいだろう。また元の飄々とした態度に戻り、深追いはしないよと、先に宣言してしまう】

さあ、ねぇ? ……見たところ、鵺だってさ……結構自分磨きに、余念が無い様じゃない?
良い体つきしてるし、顔立ちも良いし、後は雰囲気かしら――――まぁ、具体的に今、どこがどうでって事は、言えないでしょうけど――――

【わざとらしく――――先ほど以上に大人の女らしい振る舞いをしながら、イーレイは鵺を値踏みする】
【――――先ほどの動きは勿論、体つきの良さの裏打ちがあって、初めて成立するもので。しかしそれ以上に、女のとしての魅力は、鵺には十分ある様に思えた】
【顔立ちも、十分に美しい。少しばかり幼さを感じさせ、どちらかというと可愛らしいタイプと言うべきだが、それでも女性的な魅力としては十分だろう】
【まるで、本当に妹の審査をする姉の様に――――顎のラインに手をやり、首を傾げ、イーレイは鵺をじっと観察する】

――――そうね、ま……これでも、親が櫻の出身だから、ちょっとこの辺じゃ浮いちゃう名前な気がするけども、まぁその辺は良いでしょ?
っぇ……い、イー姉? うーん……それ、いーねぇ!

【確かに、難しい発音だろう。元々、その黒い髪と黒い瞳が表す様に、彼女は櫻系。なら、少し耳なじみの薄い音が名前に入っている】
【だが、そんな事を笑い飛ばす様に――――つまらないギャグで返答し、空気を軟化させる。なんだか、完全に場のイニシアティブを握ってしまったようで】

――――そうだ、鵺……体使う仕事してるなら、少し私の客になってみたりする気はないかしら?
その体、ちょっと興味が湧いてきたのよ。どれくらい鍛えてるのかな、とか、使いすぎてないかな、とかね?

【――――鵺が気に入ってる様子なので、イーレイは飄々とした態度は控えめに、クールに鵺に問いかけてみる】
【鍼灸医と言う事は、筋肉や代謝の専門と言う事なのだろう。その専門家として、鵺の事が気になったようで】
【さりげなくセールストークを仕掛けてみる。体の悩みがあるなら、力になってやれるかもしれない、と】
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/30(金) 20:05:41.32 ID:adJwyxXX0
【公園】

【昼下がりの公園。天気もよく、気温も春だと感じさせる陽気。この公園は都市の真ん中にある】
【結構大きめの公園で、友好都市記念だかで桜が植えられているため満開だ。だが、桜の国の人ほど】
【花見という文化は根付いていない。軽く見ていく人がいる程度で、今日ものんびりとした午後だ】

…………

『………』

【ベンチに腰掛ける2人。1人は黒髪の男。サングラスをしていて組んだ足はやらた無駄に長い】
【ブラウンのコートをTシャツの上に着て、シルバーのアクセをぶら下げて、まるで売れないミュージシャン】
【手には缶ビールを持っていて、サングラスで見えない表情を加味しても退屈そうだ】

【もうひとりは長い銀髪を複雑に編み込んだ女。服装はしたからヒールブーツ、透け感のあるタイツ】
【丈の短いスカート、どっかのパンクバンドのTシャツに真っ赤なジャケット。耳のピアスはいくつもあけていて】
【化粧も服装のジャンルも全体的にパンキッシュな女性。だが姿勢はきっちりと座っていて、真っ直ぐ前だけ見ている】

【遠目から見れば単なるカップルだが、驚くほどに会話は少ない。それに微妙な距離感が見え隠れしている】

……なあ。…ハッキングは順調?

『はい、順調です。あと、10分で完了します。』

…10分かぁ。

【ビールを飲み、また沈黙。10分もこうしてなきゃならないのがつらかった】

『探偵。』

…ん?

『蝶が飛んでいます。』

あー……うん……そうだなぁ…うん。

【眼の前をひらひらと飛んでいく。謎の時間が過ぎていく】
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 20:14:44.28 ID:6Cbl7Rm7O
>>55

【わわわ、と見るからにあたふた、焦って言葉のやり場が見つからない】
【耳まで真っ赤に染めてしまって、きゅうと小さな鳴き声ひとつ】
【そうじゃなくて、なくて──って言ってしまいそうに】


もーっ!!イー姉ってば!そんな話ばっかりしてっ!
そ、そりゃ、イー姉ぐらいきれーで、可愛かったら!
そういう相手も選り取りみどりでしょーけどっ!

……私はまだ、そーいう人もいなくて、だから、だからぁ……


【恋人の話───まだ先の話かな、なんて思ってたから】


そうです、鵺ちゃんにはお仲間さんが何人もいますですっ
その通り極秘任務なので、詳しくは話せないですけどっ──­­

……ふぇっ!?お客さん、ですかっ!?
そういや先程鍼灸医って、言われてましたけど……
針には───苦い思い出も、なくはないですけどっ

でも、気になります!受けてみたいです!


【はいはーいっと手を挙げる】
58 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 20:53:01.58 ID:iScl/H5x0
>>57

……っく、っくっく――――あはははははは!!
全く、そこまで真っ赤にならなくても良いじゃないですか! あーおかしい、初心すぎるわよ鵺ちゃん!

【もっと揶揄い倒してやろうと思っていたが――――鵺の、あまりにもピュアな反応に、ついつい笑いが堪え切れず、呵々大笑してしまう】
【まさかここまで、色事に慣れていない少女だとは思わなかった。これ以上揶揄って、目を回されても困る】
【笑いはこみあげてくるが、とりあえず今日はこの辺で勘弁してやろう――――そんな風に忍び笑いを浮かべて】

そうねぇ、私はむしろ、選ぶ側なんじゃないかな? でも、流石に安売りするような真似はしたくも無いんですよね。折角なんだから、正当な価値で認めて欲しいものですよ
ま、あまりお高く止まっても逆効果だから、ちゃんと自分でも、自分の価値を見誤らない様にしないと、ねぇ?

【――――ぬけぬけと、イーレイは自信満々な様子で唇をつぅっとなぞって見せた。実際のところは分からないが、自分に自信があるのは本当の様だ】
【イーレイの価値がどれくらいか――――その判断は鵺に任せよう】

ま、いずれ話せる時が来たら、教えて頂戴な。私、そういうぞくぞくする話、大好きなんですよねぇ
(極秘任務、ねぇ――――仲間が何人も居て? 忍び込むような真似をして? 「仕事」じゃなくて「任務」――――ねぇ?)

【極秘任務――――随分な言葉遣いだろう。ただの盗人なら、わざわざそんな装飾語の様に語ったりするだろうか】
【――――飄々とした態度の中で、イーレイは鵺の言葉に引っかかるものを感じていた。もしや――――本当に『任務』なのではないか、と】
【――――鵺が、どうやら容易ならぬ相手らしいと、容易ならぬ女医、イーレイはアタリをつけていた】

よしっ、商談成立!
それじゃ、善は急げよ。さっさとお茶は切り上げて、私の店にいらっしゃいな!

【コーヒーをクイッ、クイッと傾けて、イーレイは席を立つ。当然、伝票を持って――――とりあえず、鵺がルイボスティーを飲み終わるまでは、待つのだろう】



【イーレイの店は、何の変哲もない雑居ビルの1階に、ひっそりと構えられていた。本人がティータイムに出かけていたのもあり、人気はなく】

それじゃあ鵺ちゃん……じゃなかった、鵺――――まずは、筋肉の具合を確かめさせてもらうから、施術ベッドに、うつ伏せになって頂戴ね?

【帽子を取り、壁にかけて。イーレイは軽く手をニギニギとして、準備運動に入っている】
【まずはマッサージから、と言う事なのだろう。その上で、鍼などの使い方を決めようと言う事らしい】

/すみません、遅くなりました……
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 21:05:11.12 ID:6Cbl7Rm7O
>>58

【むぅ、と小さく声を漏らした、完全にイニシアチブを取られてしまって】
【可笑しい、普段ならこういうのは私が主導権を握ってる筈が】
【じいっと見つめたら綺麗な目にドキッとしてしまう】

【言葉の通りだとも思う、自信に相応しいほどの美貌】
【知的な双眸と蠱惑的な姿は、艶やかに美しさを表現して】
【なーんて思いながら、移動する場所は貴方の診療所】


はぇー、こんな所に診療所があったんですねっ
ふふーん、鵺ちゃんにチェックさせてもらいますよ!
けっこーめざといんですからっ!小物とか見ちゃいます!


【言葉の通り蜂蜜色の瞳がキョロキョロ、内装をチェックして】
【変わった小物や調度品がないか確かめるだろう】
【特に可愛いものには目が無い彼女であって】


はーいっ!て……なんだか緊張しますね!


【手頃な場所に袂を置くだろう、細くしなやかな両腕が顕になって】
【袖の無い着物、丈も短く白い太ももがふわりと覗いて】
【白いニーソックスがしなやかな両脚を包む】

【そんな状態でぽふんとベッドにうつ伏せになるだろう】
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/30(金) 21:08:48.85 ID:sggKwqMlO
>>48
【──抵抗は、なかった。力の込められるがままに、ミラは壁に押し付けられる】
【いくら非力な少女からとはいえ、そこから更に押されてしまえば痛いだろうに。苦悶の吐息すら、漏らさず】
【赤と黒。強烈な二つの感情が溷濁する目を見て。耳元で絡まり合う蚯蚓の音を聞いた】

【────哀れだと、思った。異物であることが当たり前だと思って生きてきたミラにとっては】
【最初は人間だった生き物が異物になってしまった苦しみを、真の意味では理解できない】
【それでも──同じ種族から異物だと断罪される苦痛に、同情を寄せることくらいはできる】
【今でも。生まれながらに異和を有する自分ですら、時折人間の傲慢さに苛立つというのに】
【さもヒトという種族だけが正常だと、持たざるモノのみが理論値だという態度に、気持ちの悪さすら感じることがあるというのに】
【…………そこまで考えて、また悟るのだ。嗚呼、彼女は。この、少女は】


(────外からの目が、怖いだけじゃねぇんだな…………こいつは、よぉ)
(…………なによりも、自分が、イヤなんだ。…………本当は、もっと、普通に────)

(…………。…………ガキどもに飯、食わせてんのは。…………もしかしたら)
(在りたかった自分を、ガキどもを通して、見てんのか────)


【気付けば、縋り付くかのように鈴音が足元に座り込んでいた】
【衣摺れの音を立てて、ミラもまた座り込む。鈴音に寄り添うようにして】
【嫌がられないのであれば、抱きしめようとするのだ。幼子を抱くかのように、頭にも手を寄せて】
【…………擬態は解く。今の彼女の前でヒトの形を取ることが、たまらなく苦痛だった】


…………いいんだぜ、鈴音。もっと、泣き喚いて、みっともなく怒鳴ったって、よぉ
もっと自分勝手になっちまえよ。どうせ周りもみんな、そうなんだ
そうすれば、よぉ────もっと楽に、生きれるのに…………よぉ…………


──それでも。あんたが、どぉしても……自分勝手に、なれねぇってんなら…………、  あたし、が

……………………あたしが、   ヤツを、

【懇願にも似た言葉だった。もっと、好きに生きればいいのにと。楽しさだけを求めて、周りのことなど顧みず】
【そうすれば、異物でも楽に生きれると──だが、その言葉と同時に思う。“それ”が出来なかったからこそ】
【目の前の少女は、こうして悶え苦しんでいるのだ、と。…………最後の言葉は、言い切る寸前で止めた】
【鈴音が何かを望めば、ミラは本当にそれを実行するのだろう。そんな、雰囲気があった。──望みさえ、すれば】
61 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 21:27:08.02 ID:iScl/H5x0
>>59

――――ま、個人でやる経営なんてこんなもんでしょ。なんせ私一人で回してるから、あんまり忙しくなっても、それはそれでって奴なのよねぇ
見て回るのは構わないけど――――そんなに面白い物はないわよ?

【こじんまりとした立地に、やはり中もこじんまりとしている。どうやら、他にスタッフなどもおらず、イーレイ1人で開いているらしく】
【ベッドは3台用意されているが、待合室などは割と手狭だ。それでも一応、掃除などは行き届いているようだが――――】

【――――穏やかな色合いの、ベージュのカーテン。若草色の床板。低周波治療器。待合室のテレビ】
【ひっそりと、しかし確実に運営が成立している手入れされた様子が、そこから見て取れるだろう。変わったものと言えば、いくつか無い事も無いが】
【――――妙に高そうな、待合室の椅子と、施術室にある、大きめの金庫――――だが、この程度、どこの病院でもある様なものだ】
【ただの設備であり、こだわりであると言ってしまえばそれまでの、ごく小さな異質に過ぎない】

さて――――あぁ、この格好なら、これ以上脱いでもらわなくても結構ね。四肢がしっかりと出ているなら、後は鍼の時まで大丈夫
そんなに緊張しなくても。リラックスよリラックス。体の為にもね――――さて、暖房入れて――――お香は焚く? すっとする樹木系と、甘いタイプと、2つ用意があるけど?

【まずはリラックスせよと、イーレイはアロマの準備を聞く。これは鵺の返答次第】
【そして、うつ伏せになった鵺に、イーレイはマッサージを開始する】

【――――まずは、掌全体を使っての、ゆっくりとした圧迫。これで表面を緩め、リラックスさせ、身体の奥の筋肉の状態を、分かりやすくする】
【撫でさする様に、ゆっくりと――――四肢から中心へ。腕から肩、背中へ。足から太もも、そして腰へ】
【それを3分ほど続けると、そこから指圧に入る。今度は中心から末端へ――――背中、腰。そして太もも――――】

うーん――――流石ね。結構鍛えられてる。血流も良いし、なんだか肌も綺麗だわ
でも、所々、やっぱりコリはあるのよねぇ――――鵺、どこか痛かったり、感触が固かったりするところ、ないかしら? あったら教えてね?

【順々に解していく。イーレイとしてもアタリはつけられるが、感覚そのものは鵺の方を頼らなければならない。じっくりと――――じっくりと】
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/30(金) 21:34:47.24 ID:lWdffU7Fo
【或る雑居ビルの一室での出来事だった】
【壁面は黒く均一に塗装され、妖しい紫のネオンが室内を灯す】
【ビルの外見に反して、整備された部屋に見えるが──】

【ここは違法な賭場として、ある組織が買い取ったものだった】
【中では金銭はもちろん、奴隷や臓器なんかも賭けの対象になる】
【広い室内にはいくつものテーブルが設けられ、様々な種類の賭けが行われており】

【その中の一つ──ファロの卓に、白衣を纏った女が座していた】
【ゲームは最終局面、残った三枚の順序を当てる場面になった】
【残るは2、8、キング。どの順序に賭けるか迷うこともなく、女はチップを賭けた】


『お姉さんは右左中、他の人はそれでいいね?』


【ゲームマスター──バンカーが総確認すると、札をめくっていく】
【左が8、中がキング。ということは右が2であることが分かって】


「よし、今日はツイてた。ここまでにしとこう」
『もういいの?まだ行けるんじゃないかな?』


【バンカーから賭けた4倍のチップを受け取る】
【彼の制止も耳に入れずに、精算所に足を運んで】
【堅実なのか、ただの道楽なのか。女はチップを現金に変えてもらった】


【さてこの賭場、違法であることは警察も自警団でさえも把握しているらしい】
【後は差し押さえるだけ、と言った状況。武装はしていても、能力を持つものは居ない】
【次に扉から現れるのは、遊びに来る人間だろうか。それとも──】
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/30(金) 21:47:05.97 ID:dF0q2eFbo
>>61

【落ち着いた色彩だ、鵺は好感を抱く】
【患者にプレッシャーを与えない色合いは貴方のセンスがなせる技】
【お香!と嬉しそうな反応、ぜひ甘いやつを!とお願いするだろう】


ふわぁ……マッサージだなんて、初めてなので、緊張しますです
鵺ちゃん、働き詰めですからこれぐらいのご褒美は──ひゃっ!

ふぅ……!!はぁっ……ぅん──!!


【思わず甘い声が漏れた、柔らかな掌に確かに筋肉が解されていく】
【筋肉の束が宛ら髪の毛の様に、一本一本解されていく】
【ふくらはぎと足の裏がぴくぴくと揺れる、ぎゅっとベッドのシーツを掴む】

【気持ちよさ、心地よさ──そして、仄かな擽ったさ】
【ふひっ、ひぃ、と声にならない音が唇の端から漏れて】
【涎が垂れないように口を閉じて、はふぅ、と声を濡らす】


ふぇっ……らいれふ……ひもひぃ、れふぅ……
ふぁ、ひょこっ!ひょこらめっ……きもひぃ……れす


【すーっかり骨抜きである、びくんびくんしてる】
【凝りの度合いでいえば下半身の方が大きい、大分酷使しているのだろう】
【しなやかな筋肉である、全体的によく鍛えられている】
64 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 22:06:56.29 ID:iScl/H5x0
>>63

よし、それじゃあミルラの香りでっと――――

【アロマオイルのセットをし、待つ事1分ほど――――とろりとした甘い香りがほのかに立ち上る】
【部屋に満ちるには、数分の時を要するだろうが、それでもリラックス効果は、仄かな香りの間でも感じられるだろう】

あらあら、それは嬉しい事言ってくれるじゃないっ、そうよー体は適度に労わってあげなさい
鍛えてるからって、疲労に強くなる訳じゃないんだからねぇ、疲労に負けなくなるってだけで……ねぇ?
(この鍛え方、ただの泥棒じゃないわね――――確定。この娘、確実にどこかの軍事組織とか、諜報組織とかにいる娘だわ――――大物、ゲットかしら?)

【スリスリと撫でさすり、血流を促進してやり、グリグリと指圧して、筋肉の奥を解す】
【その間、イーレイはじっくりと鵺の筋肉そのものを観察した。確かに良い感じに鍛えられている。しかも実戦筋だろう】
【――――間違いなく、ただものではない。イーレイの口元に、怪しい笑みが浮かぶ。鵺の見えていないところで】

あらら、ここまでトロトロになっちゃうのね。なんだかやりがいあって、嬉しくなってきちゃうってもんよ!
あっ――――指にもコリっと来たわね。んじゃ、この辺ちょっと重点的にやってあげましょうか――――ッ

【足全体を動かす、太ももの筋肉。踏ん張り、爪先のブレーキに使わせる、ふくらはぎの筋肉。どうも鵺は、その辺が疲れている様だった】
【なら、マッサージを下半身に、特に足に集中させる。コリを解し、周りの血流を促進させ、疲れを取らせる】
【コリコリと、正に「痛気持ちいい」感覚が味わえるはずだ。そして、掌全体、指を使って摘まむように、クニクニと揉みこむ。これで、ピンポイントから少し広く圧力を掛ける】
【――――相当握力を使うはずだが、そこはやはりプロ。イーレイには手慣れたものなのだろう】



【そうして、15分ほど経ち――――】

ふぅっ――――それじゃ、いよいよ本格的に始めるわよ。鵺、今からあなたの経絡に、鍼を打ち込んで、電気マッサージに入るからね
これ凄いわよ。夜には、確実に1レベル、疲れが引いてるって確信できるはずだわ
ただ、「好転反応」って言ってね。疲れが取れる過程で、身体が内部の疲れや淀みを処理して、ちょっと具合が悪くなるから、今日はゆっくりしちゃいなさい
なんなら、ここで少し、仮眠をとって行っても構わないわ。水分を十分にとって、休養する事ね。それで、あなたの体は子供の頃の様になるのよ

【イーレイは鍼治療に入る前に、医者として鵺に注意点を告げる。これが終わったら、十分な休憩をとる事、と】
【そこでイーレイは、ポケットの箱を取り出し、空ける――――果たして、中には長さ太さがそれぞれの鍼が、びっしりと入っていた】
【鵺が特に拒否しなければ、イーレイはここから「本番」に入るのだろう】
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/30(金) 22:17:19.37 ID:dF0q2eFbo
>>64

【イーレイの様な熟達した手腕の持ち主であれば、更に多くの情報を筋肉から読み取れる筈だ】
【其れは格闘家や武術家の筋肉とは根本から違う、武器を持って人を殺める事を一とした筋肉】
【櫻の国出身であるイーレイならば分かるはずだ。──即ち忍者の肉体であると】

【然して、そこにいるのは完全に腑抜けにされた小娘】
【まな板の上のお魚の様に、ぱたぱたぱたーっと大きく揺れて】
【それでも気持ちいいからふにゃーとなる、何だこやつ】


ひゃふぅ……もぅらめれふ……




【─────】



【15分ぐらい骨抜きにされて、貴方の言葉を聞いた】
【寝ぼけまなこでチラリと針を見る、口元にちょっと涎がついてる】
【ひいっとなった、ポケットの箱に所狭しと詰められた針を見て】


やーだーっ!!やだやだ!!針やだぁ!
ぬえ、痛いのやだもんっ!!そんな針刺したら死んじゃうもん!!
やだぁ……やだよぉ、イーねぇ……


【ばっと、イーレイの腕にしがみつこうとするだろう】
【涙で瞳をいっぱいにうるうるとさせて、貴方を見上げる】
【本気でビビっている様子であるが────】
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 22:20:10.94 ID:AY5EEmFI0
>>60

【八つになった日に、両親は死んでしまった。そして送られた孤児院は人身売買の温床で、売れ残った少女は、長く虐待され続けた】
【とあるきっかけで逃げ出しはしたものの、金はなく身寄りもない。行く場所も、戻る場所も、それらを作るための金も、何も、何もなくって】
【その日食べるものにさえ困窮する。飲食店の裏のごみ箱から少しでも食べられそうなものを探して、食べる。それでさえ――徒党を組んだ子供には敵わない】
【同じく社会的な被害者であるはずの路地裏の子供たちの中でも、彼女は特に弱かった。何とか生き延びるだけの食べ物を手に入れて、暑さ寒さに耐えて、なんとか生きて】
【だけど――捨てられない憧れがあった。当たり前の暮らし。安心できる家があって、おなかがすいたら当たり前に何か食べて、きれいなお洋服に暖かいお風呂、お布団】
【ただいまって、おかえりって、言い合う家族――両親は死んでしまったけど。だけどいつかきっと好きなひとが出来て。結婚して、多分子供とかも生まれて……それで、最後に】
【いろいろあったけど、だけど、幸せだなぁって思いながら、死ぬ、ような――憧れだなんて言ってしまうのが恥ずかしくなってしまうくらいの"普通"】

【だから――踏み込んだ。人間の世界、当たり前にありふれた"普通"が跋扈する、全く別の世界のような、その場所に】
【その結果に、彼女は人間ではなくなった。いつか両親を亡くしたことで追い出された世界から、もう一度――今度は、お前は人間じゃないって、はじき出された】

/ごめんなさい!短くできなかったので分割で……
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 22:20:26.14 ID:AY5EEmFI0
>>60>>66

【――――ぎゅうと足元に縋りつく。顔は伏せられていて見えないだろう、短い髪がさらさら流れて、真っ黒に、少女の顔を覆い隠す】
【寄り添われても――その様子は変わることがなかった。祈るみたいに、救済を乞うみたいに、助けてほしいって懇願するみたいに、俯いてしまって】
【抱きしめられてはじめて、呼吸することを忘れていたと気づくみたいに、ひゅう、と、小さな音がした】

――――、だって、分かるでしょ、クラァケさん、泣いちゃ、だめなんだよ、ねえ、だって、わたし、わたしが、泣いたら、
泣いてるままじゃ何にも、できない、んだよ、――だって、大人に。ならなくちゃ――、こんなわたしじゃなくって、こんなじゃなくって……。
こんなふうじゃなくって……もっと――、もっと……。

【溺れた人間は藁だって掴むと言う。ならば誰かを助けようとするひとは――藁よりもずっとずっと強く立っていないといけない、強くないといけない】
【誰かが溺れてしまうほどの急流の中で、誰かに縋られてなお立っていないといけない。なら、だから、泣いていられない、泣いていたらいけない】
【強い強い暗示はもはや呪いにも似ていた。ゆっくりゆっくりと自分に重ねて聞かせてきた言葉、泣いたらいけない、――大人にならないといけない】
【物理的にはなれないなら。その分、生き方として、大人でないといけなかった。こんなふうじゃないと言って今の自分を繰り返して否定しても、そんなのなれないのに】
【泣きわめいて、怒鳴って、自分勝手に。――魅力的だと思った。だけど、同時に、それだけの勇気もないって思うのだ、ぴりぴり張り詰めた、現状の中で】
【そうしてしまったら、もうきっと、だめになってしまう。もうやりたくない、もうやめたい、――そんなことは言えない、だってこれは自分のわがままで、だから】

【(だって――ミラの態度を見れば分かるのだ。そんな大したことじゃないと思う程度の態度しか、取らなかったのだ。その程度のことだと――)】

――――繧上◆縺励→蜷後§逶ョ縺ォ驕ュ繧上○縺ヲ。

【ぞわりと、到底人間の口から出て来るはずない音が、連なる。あまたの感情を幾重にも幾重にも塗り重ねて出来上がった感情は、自動車瑪瑙のように、複雑な模様になって】
【ゆるりと持ち上げられた目が、再び金色を見据えるだろう。いっそ泣いてしまったほうが健全で、だけど、泣いてしまったらきっと逃げ出してしまうと、自分で分かっている】
【だから、泣かない――泣けない。なんと言ったかは――きっと分からない。だけど、例えば、世界中のきれいな花を集めて作った花束をプレゼントしてあげて、なんて】
【そんなことは言うはずがないのだ。言い切られなかった言葉――その正体をきちんと知っているのはミラだけだ。だけど同時に、彼女が望んだことを知っているのも、彼女だけ】

クラァケさん、お願い……、

【――縋るような。懇願するような。乞うような。目。ならば分かることが一つあった、この少女の認識の中で、彼女はきちんとした、人間の言葉を話しているつもりだ】
【何をか、は、相手には伝わらない。だけど。向けた目が、懇願の言葉が、体重をわずかに委ねるくらいに近い距離が、相手へ、何か頼んだのは、嫌と言うほどに示して――】
68 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 22:32:05.76 ID:iScl/H5x0
>>65

(ん、この筋、肩からの流れ――――胸筋に発達してる? そして、握力――――武器使い。振り回すタイプ。これは本当に……)

【とりあえず、施術者として集中はしているのだが、それでもそこから更に、読み取れる情報があった】
【腕を振り回す筋肉の発達。これはこういう立場の人間ならば珍しくないだろう。だが、指先を使う筋肉の発達は、少々強すぎる気がする】
【これは、何か武器を使って戦う人間の筋肉の付き方だ。更に、肩から胸の筋肉。これは「身体の外から内へと腕を引く」筋肉に当たる】
【考えられるのは、剣や棍棒、そうしたものを日常的に使うタイプ――――先ほどの身のこなしと照らし合わせて、暗殺者という印象が浮かんだ】
【更に、鵺の名前は自分の様に櫻系だ。櫻で暗殺者なら――――それはすなわち『忍者』となる】

(でも――――こんなフニャ娘が忍者……ねぇ?)

【その割には、随分マッサージに馴染んでいる。これはどう受け取ればよいのか――――イーレイは、ここで惑う】
【とは言え、今はお医者さんとして集中だ――――自分の疲れはおくびにも出さず、指先の力を込めて】



【――――】



さてっと――――って、ちょっとちょっと鵺ちゃん。落ち着いて! これはそんな危ない鍼じゃないから! そんな危ない鍼で、治療なんて出来ないから! ね?

【取り出した鍼に、いきなりパニックを引き起こす鵺に、イーレイはたじろいだ。何がここまで彼女を恐慌させるのだろう】
【――――先端恐怖症、という訳ではないらしい。なんだか、注射が怖い子供、という印象が浮かぶ】

あー……鵺ちゃん、落ち着いて。まずは深呼吸――――ほら、もう良い香りで部屋が一杯でしょ? 落ち着いて、落ち着いて……
――――この鍼はね。痛くないの。それは、痛くない刺し方ってのがある訳だし、この細さなら、痛くないのよ――――ほら……

【子供をあやす様な言葉遣いで、まずイーレイは鵺に深呼吸をさせる。ミルラの香りはすでに施術室に満ちている。それで多少は落ち着くはずだ】
【そしてイーレイは、自分の腕に1本の鍼を刺して、実演して見せる。すっと、浅く刺したら、後は上からトントン、とゆっくりノックして】
【――――もっとも、それを見たからと言って鵺の恐怖心が払しょくできるとは限らないが、少なくともイーレイは平気だ――――実際、自分に刺す方が難しいのだが】

――――ここで終わったら中途半端よ。それでいいならそうしちゃうけど、勿体ないと思うのよ私は。どうする……是非、受ける事をおすすめしたいんだけど

【じっと、鵺を正面から見つめる。鵺の中の恐怖心さえどうにかなれば、ちゃんと最後まで治療できるのだが――――】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/30(金) 22:40:36.91 ID:dF0q2eFbo
>>68

【健全なる魂は健全なる肉体に宿る、と】
【そうであるならばこの小娘の魂は、どこかから借りてきた猫のよう】
【貴方の思考を手助けするかどうかは、分からない】


はふぅ、いいにおい……いいにおい、する、ぬえ、いいにおい、すき
おねーちゃんも、するの、いいにおい、おねーちゃん、すきぃ
でも、はりこわいの、こわいの、やだから……


【完全に幼児退行してる様子、イーレイの目測は正しい】
【単純に注射を嫌がる子どものそれ、プロトコル”飴玉”が必要な案件である】
【言葉につられて深呼吸、ほっと柔らかそうなほっぺたが揺れて】

【もう一度ぎゅーってイーレイに抱きついて、くんかくんか】
【頬が綻ぶ、すりすりと頬を寄せて甘える甘える】
【腕で実演する様子を見て、目をまん丸にして】


いたくない、いたくないの?ほんとに、ほんとにいたくないの?
ぬえね、しんぱい、いっぱい、いっぱいだけど
……おねーちゃんのこと、しんじるの


【何度も確かめるように聞いて、少し、考えて】
【ベッドにぱたん、と倒れて、ぎゅっとまぶたを閉じた】
【いいよって、言葉を向ける】
70 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/30(金) 22:57:27.84 ID:iScl/H5x0
>>69

(……なんかちょっと、本気に幼児退行してないですかこの娘。どうなのかしら担当者?)
良い匂いでしょ? ――――怖いとね、本当に痛くなるのよ。これは本当。リラックスしてると、神経も落ち着いて、痛みが感じにくくなるの
だから落ち着いて、深呼吸――――もう1度深呼吸――――

【抱きつかれて、髪をさらさらと撫でてやりながら、イーレイは内心、心底呆れていた】
【もしも本気のPTSDとかなら、これで済まないレベルのパニックを起こす。だが、鵺のそれは子供の恐怖心――――を通り越して、言動まで子供になりつつある】
【何があったのだろうかと、本気で心配になってくるレベルだ。まさか治療中に、こんな過程を挟む事になるとは、流石に思わなかった】
【――――鬱陶しいので、左手に刺した鍼はさっさと抜く。さっと抜いたために流石に痛かったが、なんか気疲れして、それどころではなくなってしまった】

大丈夫。むしろ慣れてくると気持ち良いのよ? 体の奥を、直接暖められて、じわじわって解れて、溶けるみたいで、込み上げて……
あなたの体は、それで疲れと決別するの……サヨナラするの。そうすれば今夜から、気持ちよく眠れるわ
(「サヨナラするの」……まさかこんな事を言うとは……)

【念押しして、どうにか鵺を宥める。そしてベッドに戻った鵺に、はぁ……とイーレイはため息をついた】

(さて、本当なら、経過を説明して安心させるのが常道なんだけど……この分なら、詳細なしの方が安心しそうね……)
じゃあ始めるわよ。鍼は8本……一応言うけど、動かないでね?
(じゃあ、アイアンの2番で――――)

【改めて――――濡れタオルで手をふき、鵺の太ももとふくらはぎをふき、イーレイは作業を再開する】
【左右太ももとふくらはぎに2本ずつ、計8本の鍼を、慎重に打ち込んでいく。トントン、トントンと、ゆっくりめり込ませるように】
【そして、8本の鍼がそれなりに入ったら――――その鍼の頭に、糸を結び付けた。その糸を、束にしてイーレイ自身が握り締める】

(――――面倒ね。ここは私のマンパワーで行きましょう。機械使わなくても、今のこの子なら大丈夫――――)
じゃあ、行くわよ。じわじわって、暖かくなってくるから、そのまま寝ちゃっても良いのよ?

【――――糸の束を握り締めたイーレイの手が、かすかにチリチリと帯電する。その電気がそれぞれの糸を通り、鵺の鍼に伝わる】
【――――加減は、機械とそう変わらないはずだ。最後に横着したイーレイの施術だが、大筋、効果は変わらない】
【ジーン、ジーンと、コリの酷かった箇所に刺さった鍼から、熱が伝わっていく。それが血行を促し、筋肉を直接に奥から解し、全身に血液から来る熱が伝わっていく】
【――――じんわりと、汗ばむくらいの暖かさが、身体を走るだろう。それを、イーレイは20分間、無言で続けた――――】

/そろそろ今日は限界です。置きレス移行、お願いできますか?
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/30(金) 22:59:34.50 ID:sggKwqMlO
>>66-67
【呼吸を助けるように、とんと背を叩く。とん、とん。無意識に、そうしていた】
【だが──ミラの表情は、その動作からはかけ離れたもの。悔しさや苛立ち、行き場のない怒りを】
【総て耐えて、耐えて、耐えて──ぎりりと、歯が軋む音がした】


…………違う、だろう──そうじゃ、ねぇだろうよ、鈴音……よぉ
大事なのは…………てめぇがどう生きるか、だろうに、よぉ

んな風に、無理に大人になったって…………楽しくなんか、ねぇだろ…………
大人になるって────そうじゃ、ねぇ…………だろう、に……よぉ
泣きてぇのを堪えて、叫びたくなるのを我慢して、歯ぁ食いしばってなるもんじゃ、ねぇぞ…………

少しくらい、泣いて……暴れて、よぉ…………んでもって、休んじまえばいいじゃねぇか
誰だって──子供も、大人も、…………それこそ、ジジイもババアも、泣くときは泣くんだ
ツラい時はツラいって…………言っていいんだぞ
んでもって…………泣いて、泣いて、泣いて…………一度、ゆっくり眠って、よぉ
そんでもって────また、元気が出たら……歩き始めればいいじゃねぇか。なぁ…………

ほんと…………楽しくねぇ生き方に、なんの意味があるってんだ──奴隷じゃ、あるまいし…………よぉ


【せめて今だけは、泣いて欲しかった。辛いと言って欲しかった。そう、鈴音が言ってくれるのならば】
【どれほど自分も楽になれるのだろうか──こんなにも、無力感に苛まれることも、なかったのだろうか】

【苦しげに紡がれる言葉は、総て願望だった。自分の生き方を彼女に押し付ける、我儘だった】
【────そんな我儘を、彼女の気も知らずに押し付けて。押し付けることしか、出来なくて】


……………………、……………………分かった


【耳元の蚯蚓にも、もう慣れた。這い回られる度にぞわりと怖気がたつが】
【この願いを聞届けるためならば、幾らだって耐えることが出来る。言葉がおかしい事には、触れなかった】
【そんなことを口にしようものなら──もう、目の前の少女は壊れ切ってしまうだろうから】

【返す言葉は、唯一言。それだけで十分だった。左右で色の違う目に、自分の金色をしっかりと交差させ】
【躊躇いも何もなく、冷酷過ぎる程に彼女は言い切った】
【──きっと。“その時”の引鉄は重く感じるのだろう。どこか冷えた頭の片隅で、そんなことを考えていた】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/30(金) 23:01:11.95 ID:dF0q2eFbo
>>70
/了解しました!置きレスの方にぽぽぽーんと投げておきます!
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/30(金) 23:40:16.95 ID:AY5EEmFI0
>>71

――ちがく、ないよ、違く。ないんだよ、だって、わたし、大人、なんだよ、もうすぐ、二十五歳になるの、ねえ、大人、でしょ……。
"こんな"だって、こんなだからって、だめなんだよ――。初めてのお店でお酒出せないって言われても、二十四歳だから、おとななんだよ――、

【――大人に、なれない。見て分かる情報として、彼女は確実に大人ではない。あどけなさの残る、十六歳ほどの少女でしか、ない】
【むしろその身体の華奢さと未発達な様子からして、十六歳――というのも上に見繕った年齢であるかもしれないと疑われるほどなのだ。だけど】
【どうしたって重ねた時間を思えば、子供だとは言い切れない。だけど――どこかでつまずいてしまったみたいに、実際に彼女は大人よりも子供じみている】
【身体が成長しないこと。それに併せて、年齢はもうすぐ二十五にもなる。たんぽぽをやっている自分が情けない子供であってはいけない、"大人になりたい"】

【あるいは大人にならなければいけない――、呪いみたいに積み重ねて。そうでもないと、弱い自分が、いつだって誰かの背中に隠れてしまいたい子供に戻ってしまいそうで】
【それがたとえ相手を無力感で苛んでも。ぎゅうと唇をかみしめて、堪えてしまう。憧れと理想と現実と現状が全部剥離してばらばらの方向に頭を垂れたって】
【その結果、いつか、奪われてしまった幸せが、また手に入るかもしれないと期待した瞬間の輝きが、ただそこに取り残されたとしても。もう、戻れなくて】

【――――それとも。泣いて喚いて、怒鳴り散らして。それで、もし、"戻れる"なら。当たり前に生きる、そして死ぬ、あのいつかを取り戻せるなら】
【もしそんな奇跡があったとしたら――あるいは、泣けたのかもしれないけれど】

――――――――、ありがとう。

【少しだけ、表情が和らいだ。それは本当にわずか、目を細めただけだったけど――、確かに安堵したように、見えるだろうか】
【願ってはいけないことを願ったのを分かっている。だけどそれを――言わずにとどめることは、結局、できそうにはなかった。その時は――全部毀してしまう】
【今の暮らしも何もかも作ってきたものも信頼も全部全部全部全部毀して、駄目にしてしまう。世界だなんてどうでもよくなって、全部、祟ってしまう】

【――泣きはしない。だけど疲れたのだろう、その身体を相手に預けようとする。それこそ子供が親にするように、身体をゆだねようとするのだ】
【とんとんと背中に触れられるのは心地がいい。そうやってされるのはいつぶりだろう――と思えば、ふと想起されるのは、黄金色に染まった銀杏並木、空が、青くて――】
【黄色い葉っぱで埋め尽くされた地面、紅葉した葉っぱの少しだけ甘い香り、冷たい風が吹いて――、掛けてもらったファーのマフラーが、少しだけ、くすぐったくて、】

――――、ぅ、あ、ああぁあ――、

【びくびくと背中が数度堪えるように跳ねていた。きゅうと喉の奥で小さな声がくぐもって、必死に、必死に、頑張っていた】
【おそらく相手からすれば何がきっかけだったのかは分からないだろう、だけどその瞬間、どうしてか限界を迎えて――漏れる声は、明確に泣いている】
【着太りするタイプ――というわけでは、ない。わざと身体つきがよく分からない服を選んで着ている。だけど、こんなに近い距離で抱きしめられれば、どうしたって隠せない】
【本当に華奢な――このままミラが触腕でもって全力を籠めたら、そのままぼきぼきとへし折って殺してしまえそうな、そういう、もしかしたら生き物でさえないナニカが、そこに居て】
74 :円環の廃墟 [saga !nasu_res]:2018/03/30(金) 23:51:55.27 ID:duKaxwDbo
>>『黒幕』


【円環の廃墟=z


【その非実在性領域に便宜上の呼称を付けるならばそれが相応しい】
【但し実在しないものに名称があり得べくもないのでこれは本来正式な題名とは呼べず】
【あくまで名前の付けられないものに仕方なく付された副題のようなものに過ぎないのだが】

【実在性領域における人間の視覚的表現になぞらえれば】
【そこは無限の砂嵐のようなものが充ち満ちているように見える】

【上も下も無い】
【この奥行きはどこから始まりどこで終わるのかそれも無い】
【因果律上にその起源は無く、従って観測しうる終焉も無い】

【故に円環の廃墟=z


【幾つかの有因果性自律情報統合体、つまり高度な霊性と知性を帯びた『人類』及びそれに準ずる者の中から】
【ある種の『共感/Sympathy』を抱いたものはそれを引き金として《計劃者》によってそこへ招かれるだろう】

【それは即ち《計劃者》と直々に接したかあるいは『N2文書』を原本複製問わず目にして】
【そこから伝達される特定のバイブレーションに共鳴を憶えた者という定義である】

【訪れたならばそこにはまず自身が最も思い入れのある形をした『椅子』乃至その機能を帯びたものが浮かんでいよう】
【焦ることはない。それに腰掛けるまで三秒掛けようが百三十五億年掛けようが因果的なズレは生じない】
【ゆっくりと落ち着いてそこへ腰を据えれば《計劃者》は十六次元的構造の言語で歓迎の意を表すだろう】



 ──────《i!l!i1lIi!ll!iIlZi!li!il!i!1lil!i!i》


      【「ようこそ、新しいともだち」】


【あなたは前世来世問わずその情報核/Spiritが現在のものとして定義されたその時から《計劃者》を知っている】
【故にこの狭苦しい一次元的構造言語上で態々その容姿概要来歴その他情報を記すような無益極まることはしない】
【あなたは《計劃者》とともだちだしそれは今後もしくは以前のどれだけにベクトルを傾けようと変わることはない】
75 :No.29カニバディール抹殺指令 [saga !nasu_res]:2018/03/30(金) 23:52:48.53 ID:duKaxwDbo


【ようこそ来たるべき理想郷を統べる者】
【それは『新支配者』。それは『席の在る者』】


【新たなる支配者は異能を統べる】

【新たなる支配者は因果を統べる】

【新たなる支配者は虚無を統べる】


【いずれ刻が満ちればその身にも力は訪れよう】

【特異点は近い】
【より純なる世界へ波動が上昇しようとしている】


【故に第一の夜≠始めよう】


【 No.29 Cannibadeal=@】


【それは抹消すべき題名である】
【それは除外すべき因果である】


【「初めに屠られし肉があった、哀れなる食人鬼の腐肉が」】


【全ての狩人に翼と牙を】
【その魂が命ずるまま、成すべきを成そう】


【我々は『機関』である】
【天地の全てをカノッサと定めるもの】


【今こそ夜を始めよう】


【我々は『機関』である】
【天地の全てをカノッサと定めるもの】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga !nasu_res]:2018/03/30(金) 23:54:13.19 ID:duKaxwDbo
/唐突ですが『黒幕』勢に向けてカニさん抹殺指令が下りました。
/しばらくカニさんとその由々しき仲間達にスポットを当ててみます。
/ただしこの指令は心的に『黒幕』に共鳴してる者しか現在は知らないものとします。

/詳細及び『円環の廃墟』の使い方はひとまず舞台裏で。後ほどwikiにまとめます。連投失礼しました。
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/31(土) 00:08:59.34 ID:AVIFr2EoO
>>73
【否定する程の非情さは、持ち合わせていなかった。これだけ、背伸びして。自分の気持ちを可能な限り殺して】
【それでも大人であろうとする。捨てきれない憧れに手を伸ばそうとする彼女に、否と言えようか】

【けれど──かといって、そうだとも言えなかった。それは自分のプライドが許せなかった】
【そうだなと、たった一言言えば済む話だった。お前は大人だと頭の一つでも撫でてやれば】
【きっと相手は満足するのだろう。──そんな、思ってもいない嘘は、つけなかった】

【故に、黙することしか出来ないのだ。彼女の言葉と、背を揺する微かな音が響くだけの空間】
【もう少し、口が上手ければよかったのだろうか。どうにかすれば、もっと何かが出来れば】
【或いは──眼前で涙を耐える彼女を、救えたのだろうか。…………答えは、出なかった】


【──そして、ありがとうと和らいだ表情で言われれば。「おう」と短く応えるのだ】
【気にするな。任せておけ。──そんな意味合いも込めた、短い返事だった】


………………。………………しょうがねぇなあ────まったく、よぉ


【急に泣き出した事には、流石に驚いた。だが、相手が此方に身を委ねることを止める理由は、何処にもなく】
【そのまま、受け入れる。背に寄せる手のリズムは、変えることなく】
【華奢な体であることを明確に意識してしまえば、もう少し強く抱きとめる。痛くはない程度に】
【今は自分が、側にいるのだと──そう、伝えるかのように】

【──ミラはそうやって、鈴音が泣き止むまでずっとそうしているのだ。一晩泣くのであれば、本当に一晩中】
【子供をあやすかの様に。余計な言葉を発することなく、ただそうしているのだろう】
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/31(土) 00:30:38.50 ID:PSSE/bZU0
>>77

【たとえばそれは大人っぽいものではなかった、大人がするみたいに――するのではなくって、もっと、ずっと、子供っぽい。子供のための、泣き方だった】
【自分はこのおもちゃで遊びたかったのに取られてしまった。右足から歩き出して階段は左足からが良かったのにできなかった。この壁のシールをはがしてみたかった】
【そういういろいろなことが出来なかったって泣くみたいな声と、同じ。全く同じに泣くのだ、大人になりたかったって、普通に生きたかったって】

【ぼたぼたと大きな涙を落としているのがあるいは服越しに分かるだろうか、ぼたんぼたんと服の上に雫が落ちて、やがてじわりとしみ込んでいく、感覚】
【彼女から与えられるのは、その感覚と、耳元でちょっとうるさい鈴の泣き声と、暖かさだろうか。体温の、ありふれた、暖かさ――それもうそっぱちだけど】
【それでもなんにもないよりは情緒がある。それから――これはミラが気づけば、の話だが。そのふわふわとしたスカートのなか――何か、硬いものがある】
【隠して持っているものがある――位置もあってサイホルスターに収めた拳銃のような。だけれど――これは気づかねば気づかぬだろう。ただ、相手は存外暇なはずだ】
【気づく瞬間があってもおかしくなく――時間はたっぷり一時間近くほどだろうか、ただ、思ったよりは長くない――はずだ、ため込んだだろう量を思えば、"思ったよりは"】

――――、……クラァケさん、ごめんね、ごめんね……、こんなふうに……しにきたんじゃ、ないよね、なのに――。

【ぐすぐすとしゃくりあげるのは、止まらない。まだそこまで収まってはいない――だけどしばらく前からそうするばっかりになっていた彼女が、ふと、話すのだ】
【それでもひどくなついた子猫みたいに身体を預けたまま――その肩に頭をゆだねたまま。子供っぽく泣いたせいか声が少しだけ掠れている、それでも、まだ、鈴の音色】
【ざわつくような怨嗟そのものがしゃべるみたいな声は、出てこない。くすん――、と鼻を小さく鳴らす、ぐしりと目元を手のひらでぬぐって、身体が小さく跳ねた】

あっ、つ……、

【――やけど。まだ冷やすのが足りなかったのだろう、じっとりと赤らんだその痛みに、どうやら彼女は初めて気づいたらしい。赤子のするように手を見つめ】
【そうするために少しだけ持ち上げた身体を、またくすんくすんやりながらミラの身体に埋めるのだ。その時に見えた顔は――真っ白の頬も鼻も、すっかり赤くなって】
【これも赤くなった目元にうるんだ眼、長い睫毛にはちいさなちいさな涙の粒がぽつりぽつりと一つ二つぶら下がって、唇はへにゃと口角が下がり】

【謝るだけの冷静さは取り戻して。だけど、まだ、離れたくない。そんなところだろうか――なら、いまなら、さっきよりは会話が成立しそうでもあり】
【触れてはまずいこともありそうではあったが――それでも、多少なら、話してくれそうだった。尋ねるか、あるいは別の話をするか。もっと静かに、落ち着くのを待つかは、委ねられ】
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/03/31(土) 00:47:58.51 ID:8bp0Z02ko
>>34
『ヨハンは639号室の隣人である』……わかった。覚えておこう
今後、下手に連絡を取れない状況に追い込まれることもあり得るからな。符牒は有用だ

【全ては己の為。二人の悪漢は、巨大な敵に蟷螂の斧を振りかざす】
【それでも、なお二人は笑うのだ。企てる時に、それ以外の顔を知らぬが如く】


そうとも、まだまだこれからだ
ふ、ふ。どこまで行っても、それは変わらないな。結局は、力の強い方が勝つ

片付いた後は、お前が新しい家に旅立つ前に、一度くらいはビールで乾杯したいところだ

【本当に欲しいもの。それが何なのかすらわからないこともある、この世界で】
【心のどこかで事実をわかっていても、なお金庫を破り続けずにはいられない。彼らはそういう人種なのかもしれない】


わかった。やってみよう
……機関内部は今や、皮肉なことに本来の目的を忠実に反映した、混沌のマグマだ
協力者を作ることは、少々骨が折れるだろうな

元より、私は臆病で生に執着する男だ。それはもう、大いに気を付けるさ

【お互いに、相手を案じるような柄でもなければ関係でもない。そんなものは、光の中で生きる者たちの領分だ】
【悪党同士は、これくらいで丁度いい】

全くだ、ユーモアは何より大事なことだ。こういう皮肉の効いたユーモアともなれば、特にな

【元より、悪い冗談のようなこの世界。こちらも冗談の一つも飛ばしたっていいだろう】


ならば良かった、話が早い。今はあいつも余裕がなくて、少々剣呑かもしれないが大目に見てやってくれ
探偵としてのキャリアも、無駄にはなっていないようで何よりだ

頼んだよ。大いに走らせてやって欲しい

【束ねられていくカードを見つめる。捲られた一枚。高貴な姿と、財を示すダイヤ。自分たちを見下ろす者たちの象徴というべきか】

私もだ。帰る前に、酔いを醒まさなければな

【出会いも別れもあっけなく。呼び止める声はない。彼に見えていないのは承知の上で、手を振り返した】
【彼が店を出て、しばし後。異形も席を立つ。金を払い、何食わぬ顔で扉を開き。闇の中へと歩を進めた】


【――――銃声】



「――――ヨハンは639号室の隣人である」

「ロッソさん。ギア・ボックスです。手短に、用件だけを伝えます」
「カニバディールが、何者かに襲撃されました。襲撃は断続的に続いているようで、カニバディールは地下道を逃げ回っています」

「……敵に嗅ぎつけられた可能性があります。僕もしばらくは、目立つ動きは控えます」
「ロッソさんも、どうかお気をつけて。以上です」

【ロッソの下へ、その知らせがもたらされるのは、酒場での一幕からそう間を開けず】
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/31(土) 00:51:34.14 ID:AVIFr2EoO
>>78
【一時間も、そうしていたのだ。ふとしたタイミングで、隠してある何かには気付く】
【恐らくは銃だ。映画の中の女スパイの様な場所に、ぴたりとある。──だが、態々指摘はしなかった】
【大人になる。“これ”も、そういうことなのだろうか。抱く感情は、複雑だった】

【──彼女が泣き止んでも、身体を寄せたままなのであれば手を止めることはなく】
【此方から敢えて離れる、ということはしない。普段は自分本意なミラだったが】
【今は。今日だけは、鈴音のことを優先する。相手が泣き止んだばかり、という状況のせいもあったが】


…………ん?あぁ、気にすんなって
今までと違って、これからは割といつでも話なんて出来るんだから、よぉ

っと…………大丈夫か?冷やすの、足んなかったか
あぁ……えぇっと。こんな時、どうすんだっけな。やけどとかあんました事ねぇから、よぉ…………
膨れたら、潰しちゃいけねぇってことくらいしか──えぇと、ばんそーこー、とか、かな


【──今はとにかく、余計な話はしなかった。小難しい話も、面倒な話も、今はいい】
【そんなことよりもヤケドの手当てだ、と言わんばかりにポケットの中を漁るが】
【適当に手を突っ込んで、まずは携帯が転げ落ちる。「あれ、なかったかな」とポケットの内容物を適当に引っ張り出し】
【どこかのカジノコイン。あるいはジュースのお釣り。部屋の鍵やら、他にも】
【包装紙がしわくちゃになった、いつのものだか分からぬ飴玉だの。そんなものばかり出てくるのに】
【結局、肝心の絆創膏はいつまでたっても出てこない。あったとしても、使い物になったかどうか】

【「あー、今はこれで」──そう言って、触腕を鈴音の指にそっと寄せる】
【ミラの手と比べると、柔らかな赤はほんのりと冷たい。絆創膏の代わりにもなりはしないし】
【冷やすだけなら、すぐそばにある水道で冷やせばいいだけなのだが──そこは、鈴音の意思を汲んだのだろう】
【もちろん。彼女が自分から治療道具を取りに行くことがあれば、それを止めたりはしないのだ】
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/31(土) 01:07:49.93 ID:PSSE/bZU0
>>80

【だけど――それはどこか彼女には不釣り合いにも思えた。それともこのような場で仕事をするのだ、リーダー直々に叩き込まれたり、するのだろうか】
【とにかく、そこに、確かにある。だけど――話題に挙げられないならば、それまでだ。ただ――いつか敵対する存在として、覚えていて損はないのかもしれない】
【そもそも。今日のこのことだって――名前を聞いただけでひどく取り乱す。ならば、いくらでも、使い道はあるように思えた】

…………ふふ、あは、あははは――、すごい、いろんなもの、出て来る――ふふっ、
だいじょぶだよ……ありがとう、明日には、治ってるよ、――いつも通りなの。

【――ころころ、と、ずいぶんと久しぶりに聞こえる、笑い声がした。少しだけ身体を起こすようにして様子を見ていた、彼女は】
【あまりにいろんなもの……それも要らないようなものばっかり出て来るのが面白かったらしい。携帯電話にコインがいくつか。鍵、くちゃくちゃの飴玉】
【ひとしきり笑った少女はやがて吐息交じりに――大丈夫だと。ありがとうと伝えて。明日には治っている――それは、さすがに、少し早すぎる気がしたけれど】
【"そういう"ものなのだろう。成長はしないくせに――なんて、自嘲めいた吐息を漏らしたところで、その手に"ぴたん"と、触腕の一つが触れれば】
【少しだけ目を丸くしてから――きゅう、と、優しく握りしめるのだ。もっと言えば数度その触感を確かめるみたいに、ふにふにと握ったりも、して】

――――、

【はあ――と、長い吐息だった。長い長い、身体中の酸素を、血液の中の分まで、全部吐き出してしまおうとするような――長い、吐息】
【それで――切り替える。心の中はまだざわざわしてどうしようもなく不安になるけれど、切り替える。無理やりでも、少し、頑張ってでも】
【長く長く吐いて――吐ききって。それでも吐く、わなわな身体が震えて、それでも。やがて本当に倒れてしまう――その寸前まで、ぎゅっと、堪えて】

クラァケさん、ほんとに、円卓に行っちゃうの?

【――ちらり、と、漏れた声。ほんとうに、ふっと、惜しくなってしまったみたいに】
【お互いに理解しあって、そうだと認め合ったはずなのに。だけど――、だけれど、少し、寂しくなった。気がして】
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/31(土) 01:26:38.53 ID:bP5nLVXlo
【夜――――女はオフィスの椅子に腰掛けていた。居眠りでもしているかのように、瞼を閉じて】
【それと同時に。或いは遥か昔に。或いは遠い未来に。女は其処≠ノ腰掛けていた】


【――耳に届いたのは初めて聞く声。しかしそれは懐かしい音色で鼓膜を揺らす。その声が告げる名を、自分は知っていただろうか】
【ああ、“奴”はどんな顔だったか―――時間軸から切り離された脳髄は、あらゆる記憶の坩堝と貸して混濁する】


―――走狗にすらなり得ないのならば。せめて新世界秩序の礎として眠るがいい、異形の怪物よ。


【呟く声。記憶を再生しているかのような。誰かが話すのを聞いているかのような。そんな感覚が残るが、それは確かに自分の声】

【――――自己の境界が不確かになる。肉体の感覚さえも曖昧になって、目眩に瞼を下ろす】



【――――ドアをノックする音がした。ゆっくりと眼を開くと、そこは月明かりに照らされた、見慣れたオフィス】
【応えを返せば、扉を開けて“彼”がこちらへやってくる――そうだ、今夜、ここで会う約束をしていたのだった】

「お休みでしたか、ガーヴェイさん。」

…………いや。それより、用件を聞かせてもらおうか、霞美。






/ソロにつき絡み不要です
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/31(土) 01:28:18.46 ID:AVIFr2EoO
>>81

…………く、くくっ────んだよ、こんないらねぇもんばっか、なぁ?


【随分と久し振りに、笑い声を聞いた。最初それが聞こえた時は、元々丸い目を更に丸くさせたが】
【やがてはつられる様に、喉を鳴らして笑うのだ。その後に大丈夫だ、と言われてしまえば】
【「そうか」と返す他なく。それでも鈴音が触腕を握ることは、止めはしない】
【何度も握られれば流石に擽ったさくらいは覚える──そうなると、触腕の先端が小さくヒクつくのだ】

【そして鈴音が長い長い──あまりにも長い息を吐けば。「おい大丈夫かよ」と少し焦ったように尋ねる】
【──続く彼女の質問には。その焦りもあって中々すぐには答えられなかった】


………………円卓、っつうか。“あいつ”の側だなぁ

てっぺんから、2人で世界を見下ろしてみようぜって──そんな約束、してよぉ
バッカみてぇだろ?ンなガキみてぇなさぁ。…………でも、楽しそうだったからよ
一緒に、世界のてっぺんまで行ってみることにしたんだ。面白ぇだろ?

今はよぉ…………円卓だの黒幕だの、色々言ってるけどよぉ。…………結局、“あいつ”にとっちゃどっちもいらねぇんだ
黒幕は邪魔なヤツだし、ムカつくし。んでもって──円卓は、金しかねぇからな
金を貯め込むことしか頭にねぇブタ共のケツ拭き当番なんざ、誰が────、

────あー。あー………………し、まった
…………。………………今の、よぉ。………………オフレコっつぅことで、いい…………か?


【円卓──というよりも。“彼”の話をしている間、その頬は少しだけ緩んでいた】
【鈴音が相手、ということもあるのだろう。2人きりの約束を、ぽろりと話し】
【そこからつい──余計なことまで口走ってしまう。そのことに、言ってしまってから気付いたのだろう】
【流石に少しばかり気まずそうに、恐る恐る自分の口に人差し指を軽くあてがった】
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/31(土) 01:52:46.53 ID:PSSE/bZU0
>>83

【ひくりと震える触腕の先端――気づいたか気づかないのか、それとも無視しているのか。また、優しく、柔らかく、きゅうと握りこむ】
【明らかな人外の特徴――だけど、それが、落ち着いた。ヒトじゃないもの、だけど、ヒトのふりをするもの……始まりは違っていても、今は、同じことをしている】
【むしろ――こうした人外としての身体があるだけ、羨ましかった。彼女にそんなものはない、この身体――魔力と魔術で構成されたこの身体こそが、それなのだが】
【一見して人間と変わらない。そんな身体を、能力で維持し続けている。だから――少し、羨ましかった。自分にはまがい物の身体しか、ないのだから】

…………うん、面白そう。いいなぁ――。

【ぽつり、と、相手の言葉に返す。囁くような、呟くような、小さな声だった。独り言と間違えてしまいそうなくらいに――だけれど、本心から】
【面白そうというのも、いいなと言うのも、本当だった。だからといって、多分、彼女はそんな風に世界をてっぺんから見下ろすのが、楽しそうなんじゃなくって】
【そんな風に大好きな誰かと――同じ夢を見て。叶えようとする。そのこと自体が羨ましくって、そんなことなら、きっとどんなだって楽しくて、だから、「いいなあ」って漏らす】
【恋人がベッドでするより無邪気に体重を預ける、――これは本当に明確に重たくしてやろうって、思っているらしかった。からかうみたいに――本当に羨んで、悪戯するみたいに】

内緒。いいよ、内緒ね――、

【それで、相手の言葉と仕草をまねしたみたいに、彼女もまた自身の唇へ指を添える。まだ赤い目元と、とろんと柔らかくなった目つきと、囁くような声】
【時と場合によっては"いい"のかもしれないけど――現実は疲れきってしまって、眠たいだけだ。眠ってしまいたかった、いろんなこと――いっとき忘れて、ただずっと】
【どんな目覚ましにだって邪魔されないで。眠たいだけ眠りたい、そんなの――もうしばらく、していなかった。たった一つの時計も設定しないで、じっと、静かに】
【家に居たって、休まらなかった。今自分がここに居ることで、一緒に暮らしているひとに迷惑を掛けたらどうしようと思えば、最低限しか、過ごせなくって】
【だからといってUTに居たところで――それこそいつ黒幕側がやってくるかが分からない。なら、今、こうしてわりに元気そうに見えているのは】
【ただたんに――このやけどが一日で治ってしまうような身体だから、無理が出来ているだけ。とはいえ、それを今この場で、ミラに、話してしまうことも……きっと、なくて】

85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/31(土) 02:17:57.86 ID:mNXYR33d0
>>79

まあ、時期に連絡網は用意される。必要はないと思うがな…

【あの時は笑っていた。俺はこの数年で本当に弱っちまってたらしい。】

そんときは…どっちの奢りだ?…まあいい。ならそれはその時カードで決めようぜ。

【俺は賢いやり方なんて愚かな事を考えやがって。円卓も討つなんて。甘い夢ばかり見ていやがって。】

任せるぜ。…まあ、オマエならそう簡単に死ぬことはないだろう。

【結局、仲間にばかり頼って、俺は何をしていたんだ?その割に、信頼の一つもしないでいて、悪“役”か】

冗談の通じない奴らにはもってこいだろ?…精々笑ってやるぜ。

【冗談?それは“オマエ”のことだろう。いい加減、目を覚ませ。コレはゲームだ。絶対に勝たないといけない】

ギアには悪いがな。…俺も、早く帰って…寝るか。


【目を醒ませ。“その目”は飾りか?目を醒ますんだ。蹴り飛ばせ。幻に取り憑かれた“俺”を捨てるんだ】
【そして、呼び戻せ。あの時の“俺”を。お前は“ロッソ”じゃない。“ロッソ”に成りきれちゃいない。そうだろ?】
【銀幕の中のイメージの産物。それが俺だ。憧れの自由な存在。“俺”は“お前”じゃない。いつまでも中途半端なままなら】
【いっそ戻ってこい。その方が、まだマシだ。ロッソに成りきれなかったお前にはお似合いだ。】

【ring..ring...ring...ring....電話が鳴っている。俺は受話器を取る。】

お前は誰だ。

【なら、俺は誰だ。】





ギア。悪いが他の仲間にも伝えられるなら伝えてくれ。各々、焦るなと、計画を進めろと。そして、俺も…暫く、連絡は取れないと。
相手が鼠狩りをするつもりなら、俺はその猫を狩る。

【スーツを仕立て直す。6層のカーボンと呪術がかけられたブラックスーツはSMGぐらいなら通さない。中にベストも着込む。】
【いつものリボルバーと、サブウェポンにサプレッサー付きのオートマティックも持っておく。2丁。弾倉と、輸血パック。俺の回復薬だ】
【ナイフもいるだろう。最悪、鉛筆でも大丈夫だ。ソックスの内側にも一本。新しい隠れ家も必要だ。車も。地図もいるな】
【敵を見つけて、殺し、また見つけて[ピーーー]。繰り返す。俺に出来ることをする。“俺”に】

【時計は毎日合わせよう。品のいいマダムのように内側に巻いて、狙撃姿勢でも時刻を読めるようにしておく。小口径のライフルも用意しよう】
【グレネードもベルトに巻いておくとしよう。サーチ・アンド・デストロイで一人ずつ黒幕につながる奴を仕留めよう。24時間、戦い続けるんだ。】
【大丈夫だ。正しい行いは彼奴等がやってくれる。これは間違ってないだろ?俺。最後に信じさせてくれ。】

【俺は…何が、雑魚ばかり相手にしても意味がないだ。俺に出来るのはこれしか無いだろうが。】
【元の仕事に戻ろう。探偵のロッソでもなく、強盗のチンザノロッソでもない。ヒライ…富嶽会の殺し屋。どうせそれも“偽物”だがな。】
【もうお喋りは十分だろ?俺。お前は…それでいい。ネクタイを締めて、銃を手に、血を浴びろ】

【おい、俺に話しかける、お前は】

【天使か悪魔か、どっちだ?】



//締めです!!お疲れ様でした!ありがとうございました!!
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/03/31(土) 03:12:48.54 ID:8bp0Z02ko
>>85
備えあれば憂いなし、だ。備えきれるかは、別としてな

【その時は笑みを浮かべていた。私は何年も闇に漬かり切っている、つもりでしかなかった】

ふ、ふ。賭けには弱い者同士、これこそどう転ぶかわからない本来の博打だ

【私は傲慢に過ぎた。上から見下ろされているということが、どういうことかわかっていなかった】

死にはしない。彼奴等では、私を殺せはしないさ

【大言壮語も甚だしい。背信、潜伏、暗躍。全ては掌の上。自嘲する通りの小悪党め】

ああ、笑ってやろう。二人で、大声を出して笑ってやろうじゃあないか

【すでに笑われているのは、お前の方だと言うのに】

彼奴も、見た目ほどやわじゃない。問題ないとも

【これはゲームだ。彼奴等のゲームだ。勝たねばならないが、とても不利だ】

【調子に乗って組み上げつつあるつもりだった計略は、あっさりと底を抜き取られた】
【敵は一転攻勢。形勢は不利。ここからどうひっくり返す?】



【牙を砥げ。その牙≠ヘハリボテか? 研ぎ澄ませ。食らいつけ。幻に飲み込まれた自分を引き戻せ】
【もう一度、叩き起こせ。本来の異形≠。元より、排斥されてきた爪弾き者。元の居場所に戻るだけだ】
【くだらないB級ホラーのモンスター。あるいは、小さなお山の大将を気取るケチな盗人。それが私だ】
【もうそこに、お前の席はない。ならば、這え。お前のごとき小物の屑にはお似合いだ】

【脳裏で、生き人形と意識を繋ぐ。わずかの間のあと、切る】

……食い殺してやる

【お前如きに出来るのか】



わかりました。間違いなく、伝えます
溝鼠は、しぶといですから。追う猫も今頃手こずってますよ

【かしゃかしゃと関節を鳴らして、人形は無機質な瞳で自身の手を見る】
【なんと小さな手だろう。ああそういえば、会ったばかりのあの男も、図体の割にはあまり大きくない手だった】
【体内に抱えた、おもちゃの武器。これから戦う相手にとっては、文字通りの玩具にしかならないのではないのか】

【不安を押し込めて、意識をまた繋ぐ。宿敵との間に望まずして生まれた線。自分の能力を介して繋がったテレパシー】
【繋がれた意識から言葉を聞けば、異形もまた下水の中で立ち上がる。エプロンの裏に大型拳銃と肉切り包丁。手には巨大な戦斧】


【配下たちを拠点ごと『廃の国』のさらに奥へと退避させる。あの地獄が、自分たちを覆い隠すかりそめのヴェールになってくれることを信じて】
【動かせるわずかな手勢を呼び出す。能力と武装を再確認させる。姑息な盗賊らしく、這って逃げ回って、追いつかれたら囲んで叩く】
【いつもの通り、お似合いの泥仕合。クソに埋もれて呻いて叫べ。裏切り者の、モンスターめ】

【おい、私の後ろに立っている、お前は】

【私にやっと死を、届けに来てくれたのか?】

/こちらも締めとさせていただきます。お付き合いありがとうございました!!
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/31(土) 13:19:41.03 ID:Cy/n1Z1Mo
>>62
//これ再掲しておきます
//お返しは16時ころになりそうですが、どんなシチュでもオッケーです!
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/31(土) 15:21:57.01 ID:ZfX2XPJ0O
>>62

【扉が微かな音を立てて、新たな来訪者を告げる】
【妖艶な紫色の光を鬱陶しそうに一瞥、室内へ入ったなら】
【換金所でチップを交換している貴女を見つめ、近寄ってくるだろう】


失礼──チップはこちらで交換すれば良いのかな?
何分初めてきたものだから、こんな場所には縁がなくてね
ああ、全部だ。──全てチップに変えてくれ


【エリート然として撫でつけた黒髪に、黒いスーツ】
【穢れ一つ無い白い手袋と、同系色のナローマフラー】
【そして完全に目を覆い尽くすサングラスが印象的な男】

【手に持っていたアタッシュケースを係員に差し出した】
【とんでもない金額だ、男は特に興味無さそうに女へ視線を向ける】
【口角の端を軽く上げて、上物だ、なんて言葉をかけそうなぐらいに】


さて、こいつで一稼ぎしたいところだが
先刻お姉さんがやってたゲーム、そこに案内してくれないか?
あまりルールも知らないし、幸運の女神様に付いていて欲しいんだ


【換金した大量のチップを別の係に運ばせながら、女へ顔を向ける】
【違和感があるかもしれない、男は先程まで外にいた】
【にも関わらず女がファロをしていたこと、そして勝ったことを知っている】

【───怪しさを残しつつも、言葉は軽く、その意図を隠すように】
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/31(土) 15:32:13.23 ID:mNXYR33d0
【路地裏】

【こんなに天気がいい日なのに。銃声が響き渡る。その場所に行ってみると血と硝煙と死体ばかりだ】
【ひとりだけ壁によりかかった男がいる。黒いスーツに黒のネクタイの黒髪の背の高い痩せた男。】
【血まみれで右手にナイフ、左手にリボルバーを握りしめて、苦しそうに呼吸をしていた――――――】

【――――奴を追って行けば自ずとその追手も見つかるだろうと踏んでこの場所に来た】
【俺も知っているぐらいならもう奴はこのルートは使っていないだろうだが追手はいる】
【そのマンホールがある路地裏。俺は足を踏み入れた】

【1人、2人を撃ち殺し。路地の角から出てきた奴を避けて、仕留める。リロード】
【先に進んで、様子を見て。3,2,1,アクション。つま先、胴体、頭をブチ抜く】
【回避が遅れて飛び出してきたショットガンの銃床が俺の額を割る。持っている拳銃の弾丸を全て叩き込む】
【仕留めそこねた奴が俺の腹に銃弾をブチ込んでくる。よろけて俺は倒れる。リボルバーを抜いて】
【そいつを激しいマズルフラッシュが黙らせる。乗りかかってきたやつの首にナイフをねじ込んで。血を浴びる―――】

ハァッ……ハァッ……クソッ……年だな。

【俺はその血溜まりと死体の山の中で壁に背をつけて、立ち上がれない。馬鹿みたいに撃ちまくったせいで】
【追手の仲間や他のやつが来てもおかしくないってのに。血が俺を立てと言っているのに。体が動いてくれない】

……何人殺したんだろう
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/31(土) 17:25:57.84 ID:c+mGD3gFo
>>89

【遊里が男に惹かれる様に、夜鷹が灯に焦がれる様に】
【猟犬が血に釣られる様に。───】

【────堕ちてくる、降りてくる、路地の上から】

【夕焼けが微かに照らす、白銀の髪が歪む朱に染まって】
【其れはまるで壁一面に描かれたフラスコ画、神々しい迄の光景】
【ふわりと貴方の眼の前に降臨したなら、大きくコートが吹雪いた】

【舞い上がる白煙が羽根の様に、その残滓を伝えて】


ねぇ、素敵なお兄様、芥を払うのはもう飽きて?
素晴らしい腕前、思わず興奮してしまうの、技術も耐久も精力も充分
夜は長いの、それならば、もう一度私と共に果ててくださる?


【プラチナブロンドの長い髪、朱が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート】
【スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な少女】

【羽織ったコート越しに視線を向ける、無表情が僅かに歪んで】
【浮かんだ色合いは仄かな笑み、素敵な玩具を見つけたが如く】
【右手に握るのは銃身の長い狙撃銃。──ゆっくりと、そうゆっくりと】

【朝焼けに包まれながら、怠惰にシーツを捲る様に】
【未だ隣で眠るパートナーの頬に触れる様に】
【其の銃口を貴方の額に向けるだろう】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 17:46:16.45 ID:WtpFeWE40


――違う…。明らかに、なんとゆーか、空気が……。

【喧噪に、小さなつぶやきが阻まれた。】

【言葉の主は――少々小柄であり、見るからに華奢。ブラウンの頭髪に、黒い瞳。特徴的なのはその八重歯か。】
【服装は――これといって特筆すべき点もない、そこらを歩く人々と変わらない、黒を基調としたものである。】

【その空間にいる登場人物たちと明らかに違うのは、まとう空気……。困惑とも焦りとも呼べるその表情、】
【たった今つぶやいた言葉すら、無意識に吐き出されたもののようで……。】




【『異世界からの来訪者』――また一人、世界の登場人物が加わった。】
【世界ではなく、自分が異質であるという現状に耐えきれない様子で、彼は人気の少ない路地へと逃げ込んだ……。】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/31(土) 17:59:59.13 ID:mNXYR33d0
>>90

【男はリボルバーを握るその腕で前髪を伝う誰のものかもわからない鮮血を拭う】
【サングラスは外さない。まだ、外は“明るすぎる”俺の目には、俺が生きるには眩しすぎる】

【降りてきたのは救いじゃないことを知っている。何度願っても降りてこなかったのだからそれぐらいわかる】
【身勝手に苦しいときだけ縋るように祈ったマリアを俺は今だって待っている。だが、今は違う―――】

【立ち上がるためにナイフを手から離した。滑り落ちて、乾いた音を立てる。壁に手をついて、ゆっくりと立ち上がれば】
【真っ赤な跡が壁に滲んで、まるでポロックの絵画のようだ。灰色と赤でのみ記されたグラフティは苦しみを表すようだった】

ハハッ…露払いが濡れるのは当たり前さ。飽きちゃいない。まだこれから…何度も何度も、繰り返してやる。

【力なく笑う。歯を噛み締めてでも余裕を見せるのは美人を前にした、男のバカな矜持だ。】

【懐を探る。男の腰にはタクティカルなベルトポーチがいくつもある。煙草を探すついてに男は残りの武装を思い出す。】
【リボルバーが2丁。サブの拳銃が1丁、7発。対人用弱装グレネードが2つ。“気付薬”と”“輸血袋”。ナイフが2本】

【女性から見てもこの男が完全武装した“狩人”だとわかるだろう。そして単なるプロでもないことを】
【放たれる能力者としての気。血が悪魔と天使両方の微笑みを見せる】

さあ、踊ろうか、マティルダ。まずはスロゥなビートにしてくれよ。

【壁に手をついたまま、よりかかって中腰のまま、左手のリボルバーの撃鉄を親指で起こす。同じようにゆっくりと銃口を向けて】
【握りしめたリボルバーは黒銀でエングレービングが細かく施されている。赤く浮き出て、銃は名乗る。Sabrina】

【先に針を落とすのはどちらか。男は長く息を吐き出した後に指先に力を込める――――】
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/31(土) 18:12:04.58 ID:ZfX2XPJ0O
>>92

【気で制された、男がリボルバーを構えるその僅かな隙間】
【彼女は笑う、微笑みと呼ぶにも淡すぎる笑みを、その先にある強者へ向けて】
【互いに銃口を突きつけた距離、イニシアチブはどちらにも無く】


其れは素敵なお誘いね、ダーリン。──でもその身体で踊れるのかしら
激しく強く、身悶えする程に、貴方の身では余る程
なるべく長く楽しませて欲しいのだけど


【────来る。男が知覚する刹那、彼女の右手が振り下ろされる】
【長い狙撃銃の先端で左手のリボルバーを叩き落とそうとする】
【成功せずとも銃口を彼女自身から外そうともするだろう、ひとつの動作でふたつ、狙いを持ち】

【そして彼女は”地面”に向け、銃弾を放った】


ねぇ、ダーリン。──貴方は奇跡を信じる?
そうよね、きっとそう、貴方は信じてると、信じてる
だってそうでなきゃ、この状況で、戦おうだなんて思わないもの


"Разбитый Стеклянный Синдром"
──"Broken Glass Syndrome"


【銃弾が”彼女の後方”から放たれる、狙いは貴方の右肩】
【観察していれば気づくだろう、銃弾の放たれた位置には硝子細工の魔法陣があり】
【──彼女が銃弾を放った地面にも、別の硝子細工でできた魔法陣がある】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/31(土) 18:18:43.84 ID:EmsES8KOO
>>84

ぎゃは、そうだろ?…………っておい、重てぇって


【体重をミラに預ければ、口では文句を言うものの特に押し返したりはしない】
【むしろ出てきた文句すら、どこか楽しそうな声色だった。此処が酒場ではなく。いずれ敵になる運命もなく】
【公安だとか、異物だとか。そういったものが全部ないものだったら──本当に、そう思う】
【そうしたら、もっと。違う出会い方をしていれば、もしかしたら。無邪気な友人同士でいられたのかもしれない】
【だが──それは結局のところ虚しいIF。起こってしまったことは、変えることはできないのだ】


そう、内緒内緒。頼むぜ…………ん?なんだ、眠てぇのか
こんなとこで寝ちまうと、風邪引いちまうぞ?鈴音?
…………ったく、しょーがねぇなぁ


【真似るように指を唇に当てた鈴音を見て、また笑う。安堵と、それと。2人だけの秘密という、少しの悪戯心】
【けれどそのうち彼女が眠そうに微睡めば。触腕と2本の腕で、鈴音を持ち上げようとする】
【所謂お姫様抱っこ。もちろん嫌がれば「ごめんな」と言ってやめるのだが】
【そうでないならば、そのまま彼女を抱き上げて、宿のように使用されている部屋へと運ぶのだ】

【以前一度使っただけの部屋。記憶はだいぶ曖昧だったが、それでもとにかく彼女をベッドのある部屋に運ぼうとして】
【もしくは鈴音から、部屋の案内でもあれば其方のほうへ素直に向かう。どちらにせよ、床や椅子で彼女を寝かせる、という選択肢はないようだった】
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 18:29:50.53 ID:NhhV8ef+0
>>91

【逃げ込んだ先の路地、そこに置かれているポリバケツに座る1人の者が話しかけてくる】

「どうしたんだい? そんな顔して」

【それは、サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

【口調は非常に優しげだが――格好だけ見ると、少々怪しい】

「人気の少ない路地は危ないよ、犯罪者がたくさんうろついている――わかっているなら、大丈夫なんだけど」

【彼女のその様子を見て少々心配になったのだろうか、それとも別の何かか……】
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/31(土) 18:35:51.38 ID:mNXYR33d0
>>93

【コレほどまでに近くから始まる戦いは覚えがない。撃ち合いならある。マフィアの戯れに突き合わされて】
【西部の決闘じみたことをやらされた事がある。あの時は眼の前のやつを殴って、後ろに居たやつを―――】

折角の誘い、踊ってやるさ。下手くそなステップでもいいなら。
…俺だけ見てろ、Baby。あの世に行くまで、忘れられなくしてやるぜ

【叩き落とされたリボルバーは激しいフラッシュと音を立てて、斜め下のコンクリートを抉る。跳弾はしなかった】
【握りしめたその手で、すぐに女を狙う。bang!、bang!――ハズレだ。回転する弾倉。硝煙の匂いが鼻につく】

俺が信じるのは―――――

【信じるのは何だ?“お前が”信じるのは?、“俺”が信じるのは?お前は俺か?俺は誰だ?今は―――煩えな】

俺が信じるのは、奇跡じゃねえ。そんなチャチな嘘っぱちじゃねえ。
信じるのは、“愛”だ。……そしてこれは、“祈り”だ。

【リボルバーを女に狙いを再度修正する。当てりゃ、いいんだ。確率の高い胴を狙う。――――来るぞ。“視ろ“】

【俺の中の声が言う。そして、世界が、暗くなる。『Red Eye』のなかでは世界が赤く染まり、“線”だけが白く浮き上がる】
【銃弾が見える。正確に右肩に線がのびている。世界はゆっくりに限りなく永遠に近く遅い。…“避けれる”。ああそうだな】

【男は右手で腰のもう一丁のリボルバーを引き抜ぬく。白銀のSabrina。彼女から見れば、男はほんの少し右に動いただけだ】
【ほんの数センチ。それだけで銃弾を避ける。そして、引き抜いた右手のリボルバーはその弾丸の元に狙いを定める】

【放った弾丸は、魔法陣を狙い。その弾丸には能力が――いや、この男の意志が能力を阻害するかもしれない】
【彼の弾丸には能力や魔翌力を打ち消したり、減衰させたりする効果があった。】

/ご飯食べてきます!!
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/31(土) 18:44:16.25 ID:7JP7duq+o
>>88

【チップを換金していた時、扉が小さく軋んで新たな客入りを告げる】
【もしかしたら客じゃないかもしれないと黒服が睨みを効かせるが、どうやらそうには見えない】
【どこぞの企業のエリートにも見えるその姿の男性は、此方に向かってきて】


「ああ、チップはここで交換してもらえばいいさ」
「──初めてにしては、大胆に金を使うね。合法の賭場には行かないのかい?」


【彼が差し出したアタッシュケースには、考えられない大金が入っていた】
【趣味として賭博が出来るほどの金持ちなのか、合法の賭場に行かない理由が気になって】
【兎に角彼を嫌がるような素振りを見せることはなく、チップに交換する間待っていたようで】


「ああ、ファロでいいなら案内してやろう」
「買いかぶり過ぎだ、せいぜいチップを4倍にしただけなんだけどな」


【正直に言えば、彼のことを警戒している】
【勝利の女神、という言葉を聞いて入店していなかった彼が、自らのことを見ていた気がして】
【どうにも違和感を覚えながらも、彼をファロの卓へと案内した】

//遅れて申し訳ないです、昼寝してました……
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 18:47:20.98 ID:WtpFeWE40
>>95



……、あ、えェっと……、



【駆け込んだその空間は、経験したことのない臭いにあふれている。】
【しかしそのことを意識できないほど、彼は余裕をなくしていた。】
【突然話しかけてきた浮浪者のような男性に対して、少しばかり驚きと警戒を見せつつ】



そ、その……、ここ、どこなんですかね……?



【ありきたりな、しかしたくさんの意味を含んだ問い。平静を装うように、口角を上げるが……。】
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/31(土) 18:50:46.31 ID:c+mGD3gFo
>>96

【硝煙が彼女を包む、長いプラチナブロンドを漣の様に綾して】
【夕靄から白麗な表情を覗かせて、ルージュの色合いを強める】
【唇の端に艶やかな彩を重ねる、諂う売女の虚飾にも似た】


”祈り”───初めて聞いたの、祈りとはもっと弱い人間の言葉だもの
それは力無い者が、どうしようも無い世界に向けて、嘯く言葉
でも、どうしてかしらダーリン、貴方がそう言うと、少しドキドキしてしまうの

心の奥底、身体の奥核。───疼くとはこの事かしら


【銃弾が避けられる、必要最小限度の動き。どれ程の力量があれば其れができるのか】
【───違う、其れは恐らく"能力"の賜物、視えるタイプの人間か】
【軽い口調とは裏腹、弾ける思考には幾重にも可能性が生じる】

【弾丸が魔方陣を撃ち抜くだろう、硝子が飛び散りもせず掻き消える】
【  ”硝子が飛び散らないって事は、対能力系の弾丸かしら”  】
【  ”凄いの、ここまで見事に対応してきた人、殆どいないの”  】


【右手で軽く狙撃銃を引いた、右手が銃身を左手が引き金を持つ体勢】
【まるで薙刀の様に彼女は狙撃銃を持ち替える】


"Sabrina"───それがダーリンの、愛した女”ヒト”ね
私にもあるの、大事な大事な、名前が
"RaumKrankheit"───そう、言うの


【右足を踏み込む、まるで銃剣が如く男の腹部目がけて狙撃銃を突き立てようとする】
【成功したならそのまま平行に、彼女から見て右側へ狙撃銃を振り抜く】
【荒々しい戦闘術、怯ませるのが目的か】
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/31(土) 18:56:58.65 ID:c+mGD3gFo
>>97

【女の言葉に軽く笑みを向ける、サングラスにより真意は見えないが】


ええ、此処に来たのもそれなりの理由があるんだ
元々賭博には向くてね、あまり関わりの無い生活をしていたもんだから
そもそも、賭博にならないと、言うべきかな


【含みのある言葉、白衣を纏った女に手を回す】
【抵抗しなければ腰の辺りを抱きながら、ファロの卓へと歩いていくだろう】
【女の言葉に従いながらであるが、どうにも飲み込みが早い】

【───まるでファロの卓すらも、最初から位置を知っていた様に】


4倍とは凄い、1億かけていたなら4億だろう?
俄然やる気が出てきたよ、っと、ここでいいのかな?
軽くルール説明をしてもらえると嬉しいんだけど


【近くの卓につき、係に大量のチップを側に置かせる】
【周囲の客は不審な目を向けるだろう、貴族然として振る舞いに】
【───気に入らねぇ、そう思われても仕方ないほどに】

【彼はと言えば、そんな雰囲気など露知らず、貴女と談笑を始めようとする】


/いえ!お気になさらず!
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 19:02:09.74 ID:NhhV8ef+0
>>98

「ここは……うーん、ただの人通りが少ない路地裏だけれども」

【――少しの間悩んだ後、出された結論は一般人のようなそれ】
【相手が異なる世界から来たという情報が、彼にはまだ無い故の発言だ】

「……君、どこから来たんだい? 迷子なら道案内くらいはするけれど」
「悪人なら容赦しないよ」

【微笑み、そして一瞬の殺気。相手が悪人だとは今は思っていないが、念の為の確認だろう】
【彼はとりあえずと言わんばかりに立ち上がり、相手の方に顔も身体も向けた】
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 19:08:33.19 ID:WtpFeWE40
>>101
/ごめんなさい、夕飯で少し落ちます
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 19:10:59.06 ID:NhhV8ef+0
>>102
/了解です!
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/31(土) 19:18:33.14 ID:7JP7duq+o
>>100

【ここに来たのはそれなりの理由がある──という言葉にやはり違和感を抱くが】
【腰に手を回されると、身体が跳ねて驚きを示す。それには慣れていないようで】
【衝撃で一瞬頭が真っ白になるが、いかんいかんと意識を手繰り寄せる】

【しかし、どうにも飲み込みが早いように見える】
【ファロの卓も、此方がガイドしてやる前にすぐ辿り着いてしまって】


「なに、かけても当たりが外れれば全額パーだ」
「ルールか、まずゲーム開始時にバンカーっていう仕切り役が山札の一番上のカードを左に捨てる」
「こいつをソーダって言って、この上に当たりのカードを積んでいくんだ」
「山札をめくる度に賭ける時間があって、手前に置かれた13枚のスペードの上にチップを置く」
「それで、バンカーがソーダに捨てたカードにかけていれば勝ち、バンカーが右に捨てたカードに賭けていたら負けだ」


【こんなところで分かったか、と確認だけしておいて】
【基本的なファロのルールを理解してもらえたのなら、話は次に移る】


「基本的にソーダが勝ちで右が負けなんだが、この銅貨を置けば勝ち負けは逆になる」
「バンカーが出した二枚のカードの数字、つまりランクが同じなら全員から賭けた半額が没収だ」
「そして、山札が残り三枚になったらどの順序にランクが上かに賭ける」
「バンカーの手元にそろばんみたいなのがあるだろう、あれで出た札の枚数を数えてるんだ」


【つまり、そろばんの玉の数をみればどの札が残っているか分かるということ】
【当たれば二倍、外れれば全額没収。二枚のカードのランクが同じなら半額】
【最後の3枚は当たれば4倍、ただし同じランクが二枚あれば3倍になるということも】


「分かったなら、やってみようじゃないか」


【自らのことを勝利の女神だと言ったのだから、勝ってもらわないと困る】
【口角を吊り上げれば、辺りの気に入らないと言った表情を一瞥して】
【こいつらの苦渋に満ちた表情を見てやりたいと──そう思いながら】
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/31(土) 19:26:28.59 ID:c+mGD3gFo
>>104

【女の言葉にふむふむと頷きながら返答をする】


なるほど、ルールはよく分かったよ、わかり易い説明をありがとう
とにかくこのソーダに出る数字にかければ良いんだね
ふむ、じゃあココに置かせてもらおうか


【男はキザな笑みを向けながら8を指で示した】
【係の人間が数枚チップを置こうとするだろう】
【男は指を軽く振って、それを制する】


違う、そんな勿体ぶった賭け方はしない
全てだ、全て。──このチップ全てを8に賭けてくれ


【大きなどよめきが上がるだろう、それもその筈、8は既に三枚出ている】
【山札の中に残るのは一枚──分が悪い賭けである】
【正気か、そう思われても仕方のないほどに】

【しかし、このまま行けばソーダに置かれる数字は8となる】
【まるで山札すべてを見透かしているように】
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/31(土) 19:47:11.18 ID:7JP7duq+o
>>105

【彼が8を指で示せば、そこに係がチップを置こうとする】
【──全てだ、全て。その言葉に、卓は大きなどよめきに包まれた】
【無論、この女も表情は変えずとも内心非常に驚いている】

【リスクヘッジをすることなく、8に一点賭け】
【それに8は既に3枚場に出ているし、分が悪い賭けだ】
【もし右に出れば、そのチップは全て没収されてしまう。しかしバンカーが左に出したのは──】


「ははは、冗談だろう。君、豪運を持ってるじゃないか──」


【流石に乾いた笑いが出た。ソーダに置かれたのは、8の札】
【バンカーが青褪めた顔で、額に大粒の汗を浮かべながら内線電話で何かを話している】
【──恐らく、チップが足りない。あの客をどうにかしてくれと、上に電話を掛けたのか】

【しばらくゲームは中断され、その間バンカーの顔は絶望に満ちたものになる】
【あれだけの金額の二倍、常人には見当がつかない程だ。それだけのチップがここにないとなれば】
【どこから絞り出すのだろうか。資金はプールされているだろうが、それも尽きてしまうとなれば──】


『いやぁ、お客様。誠にツキがよろしいようで』
『申し訳ないんですけども、ウチにはこれ以上のチップがないんですわ』


【大柄で貴金属のネックレスや腕時計を身につけた、肥えた男が一人現れて】
【彼にお辞儀をしてから、全額をチップで払うことは無理だと事前に伝える】
【バンカーは男と共に来た黒服3人に、扉の向こうへと運ばれてしまったようだが】


『そこでこうしましょ。今払えないチップは、現金か物の現物でお支払いします』
『人間やら臓器、その他諸々様々なモンがありますわ。如何しましょ?』
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 19:55:46.95 ID:WtpFeWE40
>>101


路地裏…、、いや、いやいやいや、俺は別に普通の人ですよ!
横浜から来ました!免許証もあります!

【明らかに浮浪者、のはず……、しかし、立ち上がった男性から感じる威圧、そして『凄味』】
【戦いを経験していない彼と、経験している男性との、日常的な『覚悟の差』】
【困惑と焦りと、頭では処理できない現状を差し置いて、命乞いのように自分の素性を一つ明かす……。 】

【認識の差がそこにはある。いやむしろ、生き物の差ともいうべきか。この世界の住民と、そうでないものの決定的な差を、男性は認識できるだろうか】


108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/31(土) 19:55:50.10 ID:c+mGD3gFo
>>106

【"豪運"との言葉を聞いて自嘲気味に笑った、きっとその真意は分からないだろうが】


豪運は貴女の事だよ、この僕に目を付けられたのだから
其れに、運など無い、僕は見えたものをそのまま示しただけさ
ほら、鼠の親玉がやってくる。──


【男は立ち上がり、肥えた男に一瞥を向ける】
【言葉を聞いてふむふむと頷く、女には見えるかもしれない】
【其の横顔はどこまでも、残酷な笑みに満ちていて】


そうだね、払えないのなら"この店"を貰おうか
難しいかい?このチップで足りないというのなら、もう一度賭けさせてもらおう
君がバンカーをやるのも良いだろう


【申し出を返す、恐らくは寝言の類だと片付けられるような発言】
【それもそうだろう、と内心思いながら、言葉を付け加えた】


要するにだ、君達はこの商売を降りて逃げ出すのが賢明という訳さ
分かるかい、分からないのなら、きっちり言葉で示そう
『水の国警察 異能対策特課』管理官、御船 千里

───異能を以て対策するのも、仕事なんだぜ


【明かす正体、この店を潰しに来たと、言外に告げる】


/すいません!そろそろリミットが来たので置きレス移行よろしいですか?
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/31(土) 19:56:33.00 ID:O3A6G0lG0
>>94

――……もう、ひどいよ、重たくなんてないの。

【ころころとした笑い声。わざと――わざと気持ちを切り替えるために、ふざけているようにも見えた。ぎゅうと身体を寄せる、重たくする】
【それで――もう何年も前には知らなかったミラの匂いを確かめる。これは知らない匂い……だから、昔の記憶とは、混ざってしまわなくって、安心する】
【だけど。だけど――、これは未来まで続くものではない。続けてはいけないものだ、それは必ずどちらかの気持ちを裏切る、どちらかのわがままになってしまう】
【ありえない未来を空想しても悲しいだけ。だけど。そうだとしてもふっと思い浮かべてしまいそうに――惜しい、と、確かにどこかで思って】

んん……、眠たくないよ、この後、お仕事だから――、今日は一人だけなの、一人……。
…………――、もう、クラァケさん、"重たい"よ。

【ゆるりとした瞬き。ならばやはり眠たいのだろう、だけど、一度目は拒む――この後は仕事だから駄目なのだと言って。それも、一人――となれば】
【このまま眠ってしまうわけにいかないのは、まあ分かるだろうか。それでも――抱き上げられるのを拒むほどではないし、そうしてしまえるほど、元気ではない】
【だから仕返しみたいに、さっきミラが重たいと言ったのをなぞって――重たいんじゃなかったの、なんて、目を向けるのだ】

クラァケさん……この後、時間、大丈夫? だったらね、起こしてほしいの……――お仕事の時間になったら、起こして――。
そうしたら、わたし、起きるから。クラァケさんが、このあと、だいじょうぶだったら……、それまで……、――。

【それで――大人しく、運搬される。こうして抱かれるのは慣れているのか、なるだけ相手に負担をかけない姿勢、中途半端に遠慮せず、素直に体重も全部預けてしまって】
【両手やけどでスカートは自動的に紅茶染め。それだって――そうやって運ばれていれば少しはましに見えた。部屋自体の希望はない、前に相手が泊まった部屋でいい】
【素直に甘えて、ベッドまで運んでもらったなら――、そんな"お願い"を一つする。いわく――仕事の時間までは少し寝る。だけど、そのあとは、起こしてくれないかと】
【その役目を果たすだけならばいくらでも携帯電話が仕事をしてくれる、それを分かりながら、だけど、ミラに頼む。それは――それも、また、ちょっぴり甘えるみたいに】
【――もちろん何かしらの用事があると言うなら、彼女も無理は言わないで大人しく携帯のアラームをかけるだろう。だけど、もし、残っていてくれるのなら】

【霞みがかるくらいに眠気が強かった。だから――きっと、どちらであっても、すぐに眠ってしまう――はず、で】

/大変お待たせしましたっ
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 20:03:49.33 ID:NhhV8ef+0
>>107

「普通かあ、じゃあ良いんだけど――」

【にっこり。――もし嘘をついていたのならば、後から刺してきそうな笑みだ】
【余談だが……浮浪者だとすれば臭いが気にならないし、服装の汚れも少ない。銭湯とコインランドリー帰りの可能性もあるが】

「……横浜? 聞いたこと無い地名だけれども、……、……」

【――――と、何かに思い当たった様子で、彼は次の言葉を言った】

「ねえ、水の国、その首都フルーソ。聞いたことはある?」

【この世界の住人ならば大体は知っているだろう情報を聞いてみる彼】
【眼の前の相手がどこから来たのか、1つの推測を立てたのである】
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/31(土) 20:09:28.49 ID:mNXYR33d0
>>99

【差し込む夕日の角度が、深くなっていく。もうすぐ日が暮れる。まるで2人の情事に】
【太陽が目を背けるかのように。赤い血を男はその革靴で踏みしめる。踏ん張って、立っている】

俺たちは、所詮、その程度なのさ。

【だから祈る。祈れ、祈れ。俺たちがどうしようもないこのクソッタレの世界で生きるには。せてもの愛を信じるには】
【祈るんだ。抗う術は祈りしか無いんだ。なんでもいい。兎に角祈って、祈り続けろ。】

【銃弾は避けた。その次は?女の背後に煌めくあの硝子が銃弾を打ち鳴らす鏡のようだ。“視える”。視るんだ】
【狙撃銃の体術は銃剣に似た動きだ。体をそらそうとするが体がついてこない。気持ちばかり焦る】
【腹部に銃口は突き刺さるが、彼のスーツとシャツの下のベストは6層カーボンと呪術で9mmパラベラムすら通さない】

【重い鈍痛に意識が飛びそうになるが、ギリギリのところでまだ、ここに立っている。血が狂気へ俺を導く】
【そのせいでこの苦しみから解放されることはない。戦って戦って。まだ戦える。Sabrinaが求める限り。俺は――――】

【ダラダラしていたら狙撃銃の引き金が引かれる。その前に、女の目を睨む。】
【狙撃銃を払い、前へ踏み込む。殴りつけるほうが撃ち抜くより早い。右腕のリボルバーの銃把の底で女の顔面を狙う】
【“目”が冷静に問いかけてくる。――――左手のリボルバーの撃鉄をあげて、女の懐に突きつけようとする。この距離なら】
【長物よりも拳銃のほうが一般論では有利なはずだ。そう、“一般論”では―――今ここに一般も常識も、論ずることは出来ない】
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 20:11:46.00 ID:WtpFeWE40
>>110


……、みづのくに……? フルート?


【ぽかーん、とした様子。その固有名詞自体を知らない、といったような。】
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 20:18:46.05 ID:NhhV8ef+0
>>112

「(うーん、余程の世間知らずや馬鹿でなければ知っている情報を全く知らない、となると)」
「――――よーし、良いかい? 驚いてどこかに身体をぶつけないようにするんだよ」

【まずは相手に向けて少し近づき、それから一呼吸置いて――】

「ここは、君のいた世界と違う可能性がある。」
「横浜なんて場所は無いし、それに……二度と帰れない可能性だってある、そんな場所に君は迷い込んだんだ。おそらく」

【もし抵抗等しなければ、彼は両手を相手の両肩それぞれに乗せて】
【その行為の成功失敗問わず、"二度と帰れないかも"なんて情報をさらっと添えつつ】
【ここが異世界である可能性を、彼は変わらぬ口調で告げる】
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/31(土) 20:25:23.12 ID:ZfX2XPJ0O
>>111

【サングラス越しの強い眼力、彼女が引き金を引く呼吸を止めた】
【その遅れが命取り、既にリボルバーは眼の前】
【ぁん、と一呼吸を飲んだ。──吐息が黄昏に満ちる】

【刹那、彼女の姿が消える。正確には大きく腰を落とした】
【両脚を目一杯開いて、体操選手の様な柔らかな身体運び】
【頭部への一撃を避け、低くした眼前には腹部に突き付けられる筈だったリボルバー】


あら、立派なモノをお持ちね、愛しの愛しのSabrina
こんなに可憐な花嫁を、こんなに近くにしてしまうと
私には耐えられないわ、このまま深く、咥えてしまいたい

でも、ダメ、だーめっ、そんな事したらダーリンに嫌われてしまうわ


【身体全体を左に寄せて、リボルバーの銃身に軽く口付けしようとする】
【正気とは思えない行動、然して彼女の動きは止まらない】
【開いた右足を軸に、左足で円を描く様に身体を大きく捻る】

【丁度路地裏の壁を背中に当てる形で、貴方から見れば左側に移動する】
【そして、右手で銃身をあげる、銃口を貴方の顎に突きつけようとしながら】

【回避と同時に有利な体勢へ移行、慣れた捌き方か】
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 20:27:10.09 ID:WtpFeWE40
>>113


……、おえ……、


【ある意味、予想はしていたような。自分が今持っている違和感の正体をまさしく結論付ける発言】
【故に、大層な驚き方はしなかった、それでも、杞憂では済まなかった現実に、おかしな声を上げて。】

異世界召喚もの、的な。あ、いや、なんでもないです。へー、はー、。異世界。うん、異世界か。

【そして――小さく笑った。】

【自分では処理しきれない問題に対面したとき、人はさまざまな反応を見せる。】
【彼の性質は、そのような場面で笑ってしまう、性があるようだ。】
【笑えば余裕が出てくる。抱いていた不安の正体がわかれば、そんなものなのだろう。】
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 20:32:52.67 ID:NhhV8ef+0
>>115

「召喚というか……まあ、この世界どうも時空間が歪んでいるのかなんなのか……」
「他の世界の人々が時々呼び寄せられちゃうんだよね。うん、まあ召喚されたということにしとこうか」

【召喚というよりは、強制迷子化的なものだろうか。】
【相手の両肩から両手をどかして、そして少し後ろに下がった後】

「僕もそうなんだ、異世界から来たのって」
「まあ、君とはおそらく状況が違うけれど……原因がわかっているからね」

【相手が地名を知らないという点からすぐに異世界から来たと推測できたのは、彼もまたそうだったからかもしれない】
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 20:38:55.07 ID:WtpFeWE40
>>116


……、そうなんですか……。原因、うゥん……、
単刀直入に聞いてよいっスか。俺はこれからどうすればいいスかね。


【似たような境遇、それだけでも相談しやすい】
【男性と知り合えたことは、彼にとっての幸運な結果かもしれない。壁に寄りかかり、ようやくリラックスした様子で尋ねた】
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 20:47:25.99 ID:NhhV8ef+0
>>117

「そうだね……いつもなら"ここを頼って欲しい"って言える場所があるんだけれども」
「ちょっと最近物騒になっちゃったからなあ、どうしよう。自分の家もいつ襲撃されるかわからないし」

【――とある組織が闇に巻き込まれていないのならば、すぐに誘導できた】
【けれども、今はそうもいかない。眼の前の存在が望まず闇に飲まれる可能性だってあるのだから】
【その闇に首を突っ込んでいる自分、その家だって危ない……となると】

「そうだね、もし襲撃されてもいいなら僕の家に仮住まいしても良いし」
「当面のお金を僕から借りて、アパートか貸家辺りを確保するか……まあ、ホームレスか廃墟・空き家住まいって手もあるけれど」
「とにかく、元の世界に帰ることは諦めて、この世界に根を下ろす準備をすることかな? バイトで良いなら色んな所が募集してるよ」
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/31(土) 20:47:52.20 ID:mNXYR33d0
>>114

【虚空を切る、リボルバーの銃把。男の“目”は、見ずとも女が下にいるのが視える】
【視界の外であっても、わかる。その脚を開いたその姿。ブロンドが舞うその姿に男は美しさを覚える】
【蠱惑的なワルツ。二人の息は運命的にあっている。打ち鳴らされる互いの銃声に合わせてダンスを踊る】

【だが男は既に当たるはずのないリボルバーの引き金も迷わず引く。激しい銃声は女のそばで鳴り響きだろう】
【どんなに鍛えたプロフェッショナルでもフラッシュは目を眩ませる。轟音は耳を一時的に奪い、三半規管にも影響を与えるかもしれない】
【勿論コレも一般論。だが、可能性を捨てるような真似はこの男はしない。どんな手でも使い尽くしてこそプロフェッショナル】

……来いよ、Baby。飛び込んでこい。見せろ、もっと。魅せろ、もっと。見せ付けろ…さぁ。さぁ!!

【だが、お前を愛することはない。愛するのは―――アイツだけだ。それは俺か。それはお前じゃないだろ。お前は“ロッソ”じゃないんだ】
【抱いてやれ、祈れ、殺せ、歌え、撃ち殺せ、声をきかせろ、血を見せろ。踊れ、踊れ、さあ踊れ。】

【男は“視える”。女が回り込むその美しい躰とその動きが。そして、銃口の先にある殺意。熱い熱意は嫌いじゃないが束縛されるのは困るってもんだ】

【躊躇なく、左手の拳銃を捨てる。足元に落ちて、Sabrinaは黒銀の、“天国ではない/ no heaven  モノ”は血溜まりの中で嘲笑っている】

…抱いてやるよ

【俺の頭を吹っ飛ばされるイメージがよぎる。だが避けるより、抱きしめろ。狙撃銃の銃身、その首に掴みかかろうとする】
【そして後は、そのしゃがんだ女に右腕の拳銃を突きつけるだろう。うまく行けば、追い詰めることが出来るはずだった】
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/31(土) 20:53:01.78 ID:1XlKXtUqO
>>109
【──薄らと、磯の香り。それと、どこか適当なメーカーの石鹸の匂い】
【体臭には気を遣っているのだろう。臭いばかりは、どんなに外見を取り繕っても誤魔化しきれない】
【それでも1日に終わりや汗をかいた後などは、どうしても体臭が出てくるもので】
【彼女の場合は、潮の其れとよく似たものだった。良い匂い、とはいえないものかもはしれないが】


ぎゃは!曽根上のクソロボットと比べりゃ、軽いっつうの。猫みてぇなもんだ
にしても……そっか。…………1人、っつうのは──大変だな


【そんなことを言いながら、じゃあと前回自分が泊まった部屋まで彼女を運ぶ。濡れた服は気になったが】
【紅茶程度であれば、風邪を引くことなどないだろうと考える。「後で着替えんの、忘れるんじゃねぇぞ」】
【念のために声をかけ──お願いに関しては、またしても簡潔に「分かった」とそれだけ言い】
【ベッドに寝そべらせた鈴音に対し、さっさと休めと言わんばかりに頭を少しだけ撫でて笑う】

【──今日は何件か、“取り立て”に回るつもりだったが。それも明日でいいだろう。どうせ相手は返済期限を守らない連中だ】
【鈴音が寝入ってしまえば、彼女を見守るかのように、約束の時間まではその部屋で過ごしていることだろう】
【数十分だか、数時間程度。そのくらいなら、いくらだって時間は潰せた】
【チップを手で弄る。それに飽きたら、携帯で適当なサイトを回り。それにも飽きたら無料のゲームをする】
【そんなことをして────“時間”が来れば。一度鈴音の肩を揺すろうとして、その手を止めた】


…………もう少し、休んでろ


【聞こえているか、分からない。だが彼女はそれだけ言って、部屋を出る。向かう先は、勝手も分からぬ厨房だった】
【「肉、魚、野菜はここか。パンはここで、米がここで──よっしゃ」「酒はここか。クソ共、酒だけ頼んじゃくれねぇかな」】
【──────。何やら、不安になることをぶつぶつと呟いていた。そして、開店時間がやってくる】

【鈴音がその後、いつ起きるかは分からないが。厨房に降りてきた彼女が目にするのは】
【もはやオペレーションが崩壊しきった厨房だろう。8本の触腕が擬態して髪で、さも「私髪の毛を操る能力者です」みたいな顔をし】
【必死にフライパンを振ったり、カクテルを作ったりビールを注いだりとしてはいたが】
【どうしても慣れない仕事。作業に遅れは出るし、皿も割れる。その上客から文句を言われれば】
【「うるせぇ!文句あんならくんなボケ!!!」など罵声を飛ばす始末。──そんな光景を目にするか、あるいは】

【朝になって目を覚ますのであれば。それはもう目も当てられないほどの惨状が、酒場や厨房に広がっており】
【────すっかり疲れきった様子で、厨房の段ボールでも枕にして寝入っているミラの姿を目撃するはずだった】

/この辺りでしょうか!お疲れ様でした、ありがとうございました!
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 20:54:56.58 ID:WtpFeWE40
>>118


……、よし、わかりました。受け入れます。素直に。
きっと俺も何か特別な能力《チカラ》が芽生えるはず…。


【自分にはわからない事情がたくさんあって、それに対応しきるにはまだこの世界に生きる経験が足りない】
【この世界は自分がいた世界と同じですべてが平和でなくて、きっと過激派組織がすぐ近くにあって、…想像だけは、連想ゲームのようにめぐる】
【俗物的な、ひどく俗物的な考えではあるが、「きっと自分は大丈夫」なんて思いが頭の片隅にあるのだろう】


お言葉に甘えていいなら、貴方の仮住まい、利用させてください。
糧が見つかるまで。



122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/31(土) 21:01:21.79 ID:F0yTZ7uLO
【――静寂を破る怪異変】
【街中の何処にでもある廃屋。人の気配が絶えて久しい其所が突然崩壊した】
【粘ついた白い肌が月明かりにぬらりと光る。異様に長い胴体の左右に無数の手が生えている】
【二足歩行した百足にも見えるが、その長さはもとの一軒家を一周するくらいはあろうか】
【目鼻のない異形の顔が周囲を睥睨する】
【その視線の先――崩埋もれた家屋の残骸から、現れた影。こちらはまだ人間の姿かたちをしていて】

やってくれましたね、今度は本機(こちら)の番です

【桃色のミディアムヘアに白いカチューシャが映える】
【ロングのエプロンドレスを彩るのは最低限のフリルと仏頂面】
【判で押したような無表情は一部がひ欠けていて】
【それは比喩ではなく、頬の一部がひび割れて剥げ落ち、白い肌の下の黒ずんだ何かを見せていた】
【まるで小さな石ころにつまづいたような呟きと共に、もう一つの異形――左手を掲げる】
【その肘から先は硬質なガトリングガン】

装填3秒前、辞世の句を詠むことをお勧めします――――失礼しました、もう死んでいらっしゃるのでしたね

【6つの銃口が廻り出す。そこから放たれるのは圧倒的質量の津波。周囲のガラスを割りそうな轟音が、脳天を間断無く揺さぶり続ける】
【10秒、20秒。砲身が赤熱するほどの弾丸をばら蒔いたあとには怪物は跡形もなく。もと居た場所には半透明の光が満ちていた】
【磨りガラス越しの白熱灯の如き強くも淡い其れ。銃口を下げ代わりに右手を掲げると、記号じみた刺青が彫られた手の甲にその光は吸い込まれる】

――魂魄値(ソウルカウント)、412Gh。
本日の任務の必要水準値に達したので索査を終了します。
帰投予定時刻に満たないため、これより1時間は自由行動となります。わーい

【無味乾燥な行動様式を告げる音が唇から紡ぎ出される】
【一頻り言葉を述べるとメイドは万歳の姿勢。人目も憚らずぎくしゃくと伸びをした】
【似合わぬ仰々しい動作はしかし、1mmも動かない鉄面皮のお陰で道化師を思わせる滑稽さもあった】
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 21:02:59.77 ID:NhhV8ef+0
>>121

「――うん、危険が伴うかもしれないし男ばかりだけど勘弁してね」
「ああ、僕の家は研究所なんだ。小規模だけれども――」
「それで、僕は研究所ごとこの世界に飛ばされたんだ、だから同居人は異世界民が殆どだよ」

【そして、相手の言葉を聞いて彼はふと思った。――自分は能力のある異世界から来ていたが】

「場所は……うん、歩きの方が良いならそっちで行くけれど、もし良ければ乗せてくよ」
「それでね、聞き忘れていた事があるんだ」

「――君は、ここに来る前に何か能力……まあ、手から火が出るとかそういう能力ね、……持っていたかい?」
「持っていなかった口ぶりだったけれども……もしかしたら、って思ったら、僕に向かって"破ァ!"ってしてみてもいいよ」
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 21:12:04.15 ID:WtpFeWE40
>>123


異世界召喚ものなら、きっと能力があるはずなんですけど……。
ちょっとお試しに。お言葉に甘えて……。


【彼がとったポーズは、中腰になり、右腰のあたりに諸手を運べば、手のひらで球体を作って】


かァ〜〜〜〜めェ〜〜〜〜〜〜はァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜めェ〜〜〜〜〜〜〜波ァァァッ!!!!!


【前方へ手のひらを向ける。】


【―――……………。】



【…………。】




…。…。

【沈黙が包む】


お兄さんの名前はなんていうんですか?

【話をまるっと変えた】
【蛇足ではあるが、彼はこのとき、人を攻撃するという自覚はもっていない】
【命のやり取りをしている場面ではない状況で、ただなんとなくやってみた、というだけである。】

125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 21:19:09.71 ID:NhhV8ef+0
>>124

【相手が構えを取れば、彼もまた攻撃を受けるための体勢を取る】
【――、――……さて、何事もなかったかのようにそんな体勢を解除すれば】

「まあ、もし目覚めたとか手に入れたって時は気をつけてね」
「今、悪の組織の仕業で能力者が白い目を向けられがちになっているから……」

【ため息を1つ。――彼の言う通り、この世界は今、能力者に対して逆風が吹いている】
【先程の水の国の一部では既に無許可での使用を禁止されていて、もし使えば重罪扱いとなる。そんな地域まであるのだ】

「……僕は、そうだね……レオーテヴュート。ちょっと長いって時は隙に略してもらって大丈夫。レオーテヴみたいに、ね」
「それで、君の名前も聞いておこうか。一時的とは言え同居人だから――まあ、僕あまり家に帰らないけれど」

「あ、もう一つ。僕の家向かう時、徒歩と乗り物使用、どっちが良いかな?」
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:20:41.46 ID:O3A6G0lG0
>>120

【くしゃりと頭を撫でられて――、もう目まで閉じてしまった少女の表情が柔らかく綻ぶ、きっと、もう、ろくに聞いちゃいないけど】
【それでも何かしゃべろうとしていた。もにもにした声、もう何て言っているかは分からないけど――そして、それも、やがて消えてしまって】
【すう――と聞こえて来るのは眠っているとき特有の深い、深い、ゆっくりとした吐息。それで相手は――ぱちぱちとした、不可思議な音も、聞くだろう】

【見れば――眠る少女の身体。どこに限らず、薄らと全身から――ちいさな魔力の粒子がはじけているのだ。鮮やかすぎる紫色の魔力――それが、ぱちりぱちりとはじけて】
【だけど悪いものではない。ただ――そう、ただ、眠る時間までも削って頑張ってしまう少女を少しでも応援するための、魔術式。色合いの違うのを見れば】
【彼女が自分自身で自らに施したのではないと分かるようで――そうしてやがて時刻を迎える。けれど、起こされることがなければ、彼女は一人でには、起きてこない】
【もっと言うと――朝を過ぎて昼も過ぎて夕方くらいまで、起きてこないのだ。まさかの二十四時間睡眠――とは余談だが、それまでにミラを助けるひとはおらず】
【あるいは麻季音が通りがかれば助けてくれるかもしれないけど……そういう救いを待つ以外、ない。だけど――ほぼ一日ぶりに起き上がってきた彼女は】
【それでもまだ眠たそうにあくびを繰り返して、眼をごしごしこすりながら、出てきて――――、】

【――ああそれとも、そんな時間ともなれば、ミラも居なくなっているだろうか。その惨状を目の当たりにした、少女は】
【一瞬、きょとんとした顔で厨房の入り口に立って――、最初は、ごくごく小さなほころび。ふふ、と、吐息みたいだったけれど】

あははは、もう、なにこれ……、もう――。

【すぐにでもころころと笑って――――何か問題があったとしたら、思い切り寝すぎた彼女からすれば、時計の時間はそう大して、進んでおらず】
【きっと誰かに指摘されるまで――二十四時間睡眠したことなんて気づかない。そもそも二十四時間眠りこけるのもどうかと思うけれど――まあ、ヒト、ではないから】
【そういうのも、アリなのだろうとしか言えなかった。――もしそのときまでミラが残っていてくれたなら、片付けを少女も手伝うし、その後食事でも振る舞うだろうか】
【それで――丸一日寝こけたと聞いたら、顔を真っ青にして、謝り倒すのだ。すっかりと真っ白に"治った"手をぱたぱたやって、すごく慌てて――何度も、何度も】

【(長い夢を見ていた気がする、上も下もが真っ青な空で、その真ん中に、どこまでも――どこまでも伸びる、大きな、大きな、桜の木)】
【(足元は薄氷のように透き通る境目、その向こう側は、きっと、誰か別のひとの世界なんだと思った。――そう思っていたら、いつのまにか、桜の木は咲き誇り)】
【(ざあざあ雨みたいに降りしきる桜吹雪が顔に当たって鬱陶しくて、両手で顔を覆う――その指と桜吹雪の向こう側に、誰かが居た、気がする)】
【(真っ黒い髪の、女の子――なら瞳も黒いはずだと自然に思った。「――縺ゅ↑縺溘?隱ー?」、掛けられた声は、どこかで聞いた覚えがある、鈴の――)】

【(これは、誰だっけ――思い出しかけた、その時に。はっと目覚めて、それで、夢のことは、忘れてしまった)】

/おつかれさまでしたー!
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 21:26:16.96 ID:WtpFeWE40
>>125


【男性の『忠告』――彼には理解の及ばないところだろう。】
【しかし、それっぽくうなずけば、『落ち着ける場所』を提供してくれる彼に、安堵の表情とちゃーみんぐな八重歯を見せて】


レオさん。俺は――マモルっス、俺も、すぐ、負担にならないようアルバイトでも探して自立するんで、大丈夫っス
――、車で。

【乗り物使用、安易に車であろうとかんがえて――この世界に車があるかは知らないが――端的にそう答える】
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 21:32:28.87 ID:NhhV8ef+0
>>127

「マモル、ね。――うん、君の今後のためにも、そして安全のためにもそうしてもらうと助かるよ」
「――車、車は僕持って無いんだ。だから乗り物はこれになっちゃうけれど」

【彼の姿が変化していき、そして背中に一対の翼を持った東洋系の龍となる】
【大きさは長さ約5m、赤い身体に、黄色の腹部、黒色の爪や頭部から生える2本のツノ】
【3つの鉢巻はしっかりと装備されていて、分身の模様の面影、マグマのように朱色で軽く光るそれもある】

「僕自身が乗り物になれるからね、車は無くても大丈夫ってワケ。……運転は一応できるけどね」

【――もしその背に乗ったとすれば、彼は建物よりも高い位置にへと上昇するだろうし】
【乗るのを拒否すれば、変身を解くだろう】
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 21:39:14.24 ID:WtpFeWE40
>>128


――――お、おお、……。


【目の前に現れたのは、空想の世界に現れる存在。】
【異世界、と知った直後なら、なんでも受け入れられる、ような、……。】
【先ほどもよりも強い威圧感。しかし、掛け合いの中ではぐくまれた信頼感からか、不思議と恐怖はなく】


【いそいそと、男性の背に乗る……。】

【上昇したレオの上で、持ち物(よくある豚鼻リュック)をしっかり抱えこみ落とさないようにして……。】
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 21:46:58.75 ID:NhhV8ef+0
>>129

「それじゃ、落ちないようにしっかり捕まっててね」

【夜の空を飛行を開始する彼、この世界の街並みが――明るいところ限定だが――よく見えるだろう】
【万が一落ちそうになったとしても、おそらくはすぐに気づき、手足等を利用して支えてくれるはず】

【そうして到着する先は、とある小島。といっても、陸地は数百メートル程度の距離に存在するし】
【簡易ながらも橋がかけられている。移動に困ることはおそらくないだろう、海が荒れていたら別だが】

「到着。ここが僕の家であり、僕が一応トップな研究所。空部屋は幾つかあったはずだけど……」

【見慣れぬ植物が生える小島には1つの大きめな建物。殆どが明るいグレー色のそれは、地方のコミュニティーセンター程度の大きさだろうか】
【"ユウトさんお帰りなさい"なんて、名乗った名前と違うそれで呼ばれているが……まあ、それは気のせい】
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 21:52:22.32 ID:WtpFeWE40
>>130


……、改めて、レオさん。……、これからお世話になります。なるべくすぐ自立するけど、それまで……。


【ユウト……。その名は彼の耳には届いていなかったようだ。】
【適当に案内をされれば、その空き部屋を利用するだろう。】

【リュックの中から、一冊の本を取り出す。あるのは『ポケット六法』の文字。開けば、事細かく赤いラインが引かれ、熱心に読み込まれていることがうかがえる】
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 21:52:40.99 ID:WtpFeWE40
>>131ごめんなさい、途中送信です、書き加えます
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/31(土) 21:57:06.84 ID:WtpFeWE40
>>130

【ふと、表紙が光を帯びる、ただの本なのに。青年は気づかない。気づかぬまま、お守りのように胸に抱え込む。】
【きっとこの世界では役に立たない知識だ。しかし、彼の培った唯一誇れる知識であり、きっとこれからチカラになりそうな矜持でもある。】
【顕現するのはまだ先の話だろうか。どちらにしろ、素質の片りんは現れた。】


/ちょうどいいところなのでここまでにしときます。絡んでくれてありがとうございました。
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/31(土) 22:02:07.75 ID:NhhV8ef+0
>>131-133

「あ、ここの部屋って誰も使ってないっけ?」

【――適当なフロアの空部屋を見つければ、彼は相手を誘導する】
【掃除はされていたが残念ながら家具などは殆どない、しかし布団かベッド程度ならすぐに設置してくれる】

【この研究所の設備は、基本的に住むのには困らない程度に揃っている】
【元々、避難シェルター的な役割も兼ねている場所、なんて事は職員がもしかしたら言ってくれるかもしれない】

【なお、自転車や車などは職員のものが何台かある。もしかしたら貸してもらえる……かもしれないし、拒否されるかもしれないし】

/お疲れ様でした!
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/31(土) 22:28:52.54 ID:lEdZxxib0
【街中】
【昼間にやっているような店はほとんど閉まっていて、代わりに開き始めるのは】
【俗っぽいネオンばっかりビカビカうるさいような店ばかり。その灯の群れを掻き分けるようにして】
【小さな小さな、白い人影が――惑うようにうろちょろ、進み続けていた】

(……いない、いない、いない……今日も駄目、か)
(情報のかけらすら見当たらない。……そういえば、万事屋さんから何か連絡、来てたっけ)
(そっちのほうの返信もちゃんとしなくちゃ、……ああ、頭……痛い)

【白い髪の少女。長く伸ばした前髪で、右目を覆い隠しているのが特徴的な】
【逆に言えばそれ以外の特徴は、ほとんどないともいえる、希薄な存在感】
【いかにも頼りなさげな細い細い躰に似合った歩行法、ふらふらと覚束ない足取りは】
【――決して酒に酔ったせい、とかそういうワケでもないだろう。そうして二歩、三歩、歩き続けていたら】

……いたっ! あっ、ごめ……ん、なさっ、

【どん。誰かにぶつかって、ふらふら後ろにたたらを踏んで――ようやく止まるのだ】
【「ごめんなさい、前方不注意、でした……」、そう言って頭を下げて】
【それから元の位置に頭を戻せば――ひどく青ざめた、不健康そうな顔色が。誰かの目に、入るだろうか】

//すみません、予約です!
136 : ◆DqFTH.xnGs [saga]:2018/03/31(土) 22:37:18.29 ID:1XlKXtUqO
【嗚呼────それにしても、昨日は疲れた。今が何時だか、感覚がぼやけている】
【少しぐらい手伝うかという気持ちだったが、初めての店でワンオペは流石にやりすぎだ】
【もしも時間を戻れるのであれば、麻季音を呼べと昨日の自分に怒鳴りつけに行ったことだろう】

【疲労で思考が絵具のように蕩けそうになる。それでもやることを一つだけ思い出し】
【携帯電話に手を伸ばす。通常回線だが、それは別に構わない。もう二度と、この番号に電話をかけるつもりはないのだ】



──────赤木怜司。話がある


【それから、何を言ったのかは覚えていない。適当な時刻と場所を指定して、それでお終い】
【相手がでなければ、留守番電話でメッセージを残す。指定した時間と場所さえ伝われば、なんでもよかった】
【電話を切って、銃の弾数を数える。すぐに十分なだけあることは分かった。安物だが最低限の機能くらいは果たしてくれるだろう】
【それを確認して──部屋に備え付けのパイプベッドに体を沈める。ぎしりと軋むのは、いつものことだった】
【風呂、入んねぇとなぁ。…………ぼんやりと浮かんだその考えを実行することなく。ゆるりと睡魔に身を任せた】

/1レスだけ。絡み不要です
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/03/31(土) 22:57:57.14 ID:6zVRfZobo
>>135


…… っ 、。 ちょっと。危ないから気をつけ──、

【──白い少女とぶつかった人物もまた、小さく声を出す】
【その手に持っていた端末が取り落とされて、こつん、と音を立てた】

【夜色の髪と眼をした少女だ。年の頃は、10代の後半に差し掛かったところだろうか】
【表情は硬く声色も冷たいが、怒っている訳ではない。諭そうとしただけ、なのだが】
【憔悴した白い少女の顔色を見て、思わず言葉が止まった。 ──、そこに、彼女の傍らからもう一人が進み出る】


「あー、ダメだよ初。 この子怖がってるじゃない。」

いや、そうじゃなくて──。

「……あっ、ホントだ。 ねぇ、貴女。大丈夫ですか?
 こんな時間に繁華街居ちゃダメですよ、お酒でも呑んだのかな──。」


【桜色よりなお白みがかった髪色の少女──、こちらも、夜色の少女と同じ年頃だろうか】
【だが、彼女とは対照に、明瞭な可憐さを帯びた少女だった。 春風の様な笑みを、口の端に浮かべて】
【「失礼しますね」、と。 白い少女の頬と額を、ぺた、ぺた、と触ってみせる 】


【 ── 尤も、少女としてはそんな事をされても、気が気ではないだろう 】
【 夜色の少女が取り落とした端末。その画面には、彼女の知る“ある婦警”の顔が映されている 】
【 何かの書類を映した物だろうか。 まるで犯罪者のように囲われた婦警の画像の横には、爆煙を上げる建物 】
【 余りに、突然すぎる。 もしかすると、今の彼女には、余りに情報過多。 その疲労した脳と身体は、耐えられずに 】

【 気を失ってしまう、のかも知れない。 】
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/31(土) 23:11:00.15 ID:lEdZxxib0
>>137

いえ、私、未成年ですし、お酒は――、

【言いながら、眉を八の字にして間に皺を寄せている。何かしらどこかが痛んでいるのだろう】
【触れられれば少しだけびっくりしたように震えた、目の下にはみすぼらしい黒ずみがあって】
【――きっと寝不足なのだろう、ということを伝えるように】

【そうして、無抵抗なまま触れられているうち。ふと地面に落ちた端末に、視線が行って】
【あれ、と声を上げた。晒されている左目を見開く。そうしてからもう一度、え、と発音】


……え、なんで、「くるるさん」……、なん、……? …………、

【――――ぐるぐるぐるぐる、いろんな情報が少女の脳髄をめちゃくちゃに駆け巡る】
【そのせいでシナプスは大混乱。異音を発してきいきい軋む、みたいな錯覚を与えて】
【そうすれば、寝不足の脳味噌を強制的にシャットダウンさせるには十分すぎるほどだった】

【「あ――――」 、 がくんと膝から力が抜ける。自身に触れていた少女に凭れかかるように】
【倒れ込むことだろう。それから、もう耐えきれないとでも言うように――瞼が落ちる】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/03/31(土) 23:25:58.18 ID:6zVRfZobo
>>138


 【    それから、何時間が経っただろうか    】


【白い少女は、覚醒する。眼を開けるよりも早く、柔らかな布団の幸福感が身を包むだろう】
【眼を開ければ知らない天井。 路上で倒れたのだから、当然といえば当然──、そして、】
【「あっ」、と。 声を出して、先程の“桜色の少女”が、笑顔と共に、天井と彼女の間へ、顔を見せた】


「目、覚めましたか。 じゃあもう一回、失礼しますね。
 ……うーん、熱はなし。やっぱり疲労ですか。 何時間寝てませんでした?
 ダメですよー、睡眠不足は万病の源なので。 あっそうだ、お腹空いてるでしょう、ちょっと待ってくださいね。」


【一方的に捲し立てた後、彼女はととと、という足音を立てて部屋から出て行く】
【──、もし、白い少女がその身を起こすことが可能な程度に恢復しているのなら】
【窓の外の風景が見える。 今いる部屋が1階で、外は既に明るいことが分かるだろう】
【部屋の内装からして、ここは寝室。 地味な拵えだが、質の良い家具や机が並んでいる】
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/31(土) 23:36:31.39 ID:lEdZxxib0
>>139

…………ん、あれ……?

【目を開ける。知らない天井の色合い、それから部屋の風景を】
【眼球だけ動かして探っていると――ふと視界に入る、桜色の少女】
【また、少しだけびっくりしたらしい。「えっと――」、返答しようとする前に】

あ、……お構いなく、です。そんなにひどくもないですし……

【なんとか声をかけられたのは、既に部屋を去った少女の背中にだけだ】
【「そんなにひどくもない」身体を起こす動作は重々しく。頭痛もまだわずかに残っていて】
【それで、ううんと呻き声を上げながらも――周囲を見渡して状況を確認しようとするのは、やめない】

……、……その、すみませんでした。ご迷惑おかけしまして、
私、いきなり倒れてしまったんでしょう? それでその――――

【桜色の少女が戻って来たなら、申し訳なさそうに口を開いて、そんなことを言いだすのだ】
【微妙な箇所で間延びして、逡巡している様子をみせるような口振り】
【未だ口に出せない続きはきっとこうだ、「あの端末に写っていた、画像は?」】
【……それを口にする前に桜色の少女がなんとなく察するか、あるいは】
【持ってこられたもので口を塞がれるのが先か。きっとどちらか】
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/03/31(土) 23:58:24.83 ID:6zVRfZobo
>>140

【 暫くすると、再び部屋の扉が開く 】

「えーっと、あそこのテーブル出してー、椅子も並べてー ──」

……私呼ぶ前にできたんじゃ──。

「箸より重い物は持たないように、って教育されてきたの、私。
 いいじゃない。 初、力持ちなんだから。 料理だってマキさん任せでしょう?」

【入って来たのは、桜色の少女と、それから、彼女が激突した夜色の少女。後者は初、という名なのだろうか】
【──よく見れば、二人共昨夜とは服装が変わっている。 部屋着のような、ラフな格好】
【若しかしたら、白い少女の服も同じ様なモノに着せ替えられているのかも知れない】

【桜色の少女があれこれと指示を出して、“初”が寝台の横に“食卓”を設えていく】
【白い少女が話し掛けるのは、その二人の背に向けてだろうか──、と、言っても】
【それに反応して振り向いた夜色の少女の口を、桜色の少女がむんずと塞いで】


「はいっ、ムズカシイオハナシはドクターストップでーす。
 まずは食事から。 ふふっ、言う事聞かないと死んじゃうかもですよ……えーっと、お名前聞いてましたっけ。
 私は、“エヴァンジェリン・ダルハイト”。 エヴァ、って呼んで下さい。 こっちは“初”です。 」

……“来栖”の話は後で聞く。 食事取って来るわ。


【──、なんて自己紹介を済ませている内に、テーブルと、その横に3つの椅子が並べられ】
【その上に、軽い食事が並べられていく。軽く焼いたパンとスープにミルクが三人分。 重い身体にも受け入れやすいだろう】
【スープは、コーンポタージュだろうか。通常のそれよりも、少しだけ色が濃く、仄かに南瓜の香りも混じっていた】


「あんまり寝てばっかなのも良くないので──、どうでしょう、座れます?」


【食卓が整えば、エヴァは白色の少女を助け、椅子に座らせようとするだろう】
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/04/01(日) 00:11:07.88 ID:qq0z5c5B0
>>141

……ええと、白坂。白坂佳月と申します、

【目まぐるしく並べられていく食事をぼうっと眺めながら、とりあえずは自己紹介】
【「初さん、エヴァさん、――」 復唱しながら、手を伸べられればそれに縋って】
【ほとんど音もたてずに椅子に座る。きちんと手を合わせて「いただきます」】
【律儀にそうするのは、櫻の国の人間がよくやる行為だった。それはまあ、今はどうでもいいことだけど】

【最初にミルクを一口含んで、口の中を潤す。そうしてからスプーンを手に取って】
【一口分掬ってから、ふうふうと息を吹きかける。きっと猫舌。そうしてからようやく口に運んで】

……、……あったかい、おいしい。
ありがとうございます、最近あんまり、食欲なくって――

【だから、軽いものを出されて助かると。そういうことなのだろう】
【ただでさえ痩せぎすな躰で、そんなに食べていなかったというのなら。加えて寝不足でもあったなら】
【いきなり倒れてしまったのも、まあおかしなことではなかったのだろう。けど、けれど】

【――――食事時に話すことだろうか、って。佳月は、「難しいお話」を切り出すタイミングに迷っているようだった】
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/04/01(日) 00:26:14.59 ID:AIVf5EBeo
>>142

【食事をしている間は、主にエヴァが、昨日からのあらましを話すだろう】
【──、曰く、あれから倒れた佳月を(初が)背負って運んだらしい】

【此処は“ロロケルム・ランガスター”という水国軍中佐の家との事だ】
【その奥さんに初が良くして貰っていて、私(エヴァ)も最近仲良くなったんですよー、と】
【丁度、食事の終わった頃には少しだけ空気も和やかになったろう所で ──、】


 で。 ── “来栖くるる” とはどういう知り合いなの。


【 初が真っ直ぐと、その瞳を佳月に向けて問うた。白刃にも似た光が其処には宿っている 】


「……、 えーっと、無理しないでもいいですよ、佳月さん。
 もう少し頭を整理した後に話した方が良いんじゃないか、って──、ね、私言ったよね、初。」

 整理? “言い訳作り” の間違いじゃないの。


【エヴァが凍った笑顔のまま、本当にこの子は、という顔をして自らの額に手を当てた】
【折角少しは柔らかい空気にしたのに、零か壱しかないのか、と。とはいえ、エヴァも心中は変わりない】
【“来栖くるる”を知る少女。 それは、疑心を抱く対象としては十分だった。 ──ある意味では】
【この可憐な少女のほうが、“外堀から攻めよう”としていた点で、タチが悪いのかも知れなかった】
【“ル・タンブラン”の場所を知られては困るから別の場所に連れて行こう──と言ったのも、エヴァの方だ】
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/04/01(日) 00:39:24.92 ID:qq0z5c5B0
>>143

【ささやかな談笑の時間が、すぱっと切り落とされるみたいに】
【覚悟していなかったわけではないけど、少しだけ肩に力が入る】
【ぐっと喉の奥にも力を籠めて――(ああ私、疑われてるんだ)、と理解する】

【切っ先が、まっすぐ自分に向いている。それをまっすぐ見つめ返して】

くるるさん、には……以前、危ないところを助けていただいた恩があります。
一度会って、それだけのことしかなかったです。それだけ――ですけど、くるるさんがいなければ、
私きっと今、ここにはいません。死んでました。それくらいの恩人で――

【嘘いつわりは混ぜない、混ぜる必要が無い。自分の持っている情報なんて、それくらいの量しかない】

――す、「私の中では」。……でも、違うんですね? 
「あなたがた」の中では、くるるさんはきっと、「いい人」じゃない。きっとそういうことなんでしょう、

【一瞬、語尾に迷って――「過去形」ではなく「現在進行形」のかたちを取った】
【つまりまだ、「くるるさん」に対する感謝の念は、まだ消えていないということ】
【顔を見ればより明確にわかるだろう、「あんないい人がなぜ、こんなに疑われているの」、って】
【困惑している。視線が二人から離れ、テーブルの上を這ってから――ふたたび二人の方へ戻る】

…………くるるさんって、「あなたがた」にとって何者ですか?

【眉はふたたび、八の字の形に戻っていた。ここから先を聞くのが不安である、とでも言うように】
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/01(日) 01:05:13.87 ID:AIVf5EBeo
>>144

【── 佳月が言葉を紡ぐ間も、初はその眼を彼女の眼から逸らさない】
【恩人、という言葉が出たときには、少しだけその眼の色が“嫌悪”の色を帯びる】
【それだけで、彼女にとって“来栖くるる”は、決して好ましい人物ではないと分かっただろう】

【一方、エヴァの視線は、佳月の視線の先を追う。 ──何を見ながら、話しているのか】
【どういう風に考えているのか。嘘は吐いていないか。考えていることは、やはり初よりもタチが悪い】


「(……確かに、嘘を考える時間も与えなかった。 それに、あのときの反応。)」


【だが、それが故に。 エヴァには、佳月の言葉に虚偽の色は見込めなかった 】
【問いの答えは、初に任せる、とばかりに。彼女は耳元の髪を手で漉いて、その横顔を見る】
【──既に亡くなった朝食の香りと引き換えに、檸檬の香りが漂う】


  敵よ。


【芳香を切り裂くようにして放たれた初の言葉は、直截にして明快だった】
【それから、彼女は淡々と説明するだろう。── 一度、彼女の使役する機械の警官に殺されかけたこと】
【そして、最近。 “知り合い”が、初の生命を奪うとの脅しをかけられ、連れ去られたということ】

【──、そこまで話し終われば、冷え切った会話は一旦、完全に終わる】
【お互いの“来栖くるる”に対する印象を交換しただけ。それ以上の会話も望むべくはなかったが──、】


「……んー。 ま、いっか。
 ねっ、佳月さん。 昨日の話なんですけど。


 貴女、あそこで“何か”探してました? 」


【「── 私達。 」            桜色の少女は、可憐に、妖しく  】
【「協力できるかも知れませんよ。 」   白皙に映える桃色の口元に、美しい笑みを浮かべた   】
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/04/01(日) 01:20:07.19 ID:qq0z5c5B0
>>145

敵、

【文字にすれば一文字で、音にすれば二音。たったそれだけの言葉に】
【佳月は、少なからずショックを受けているようだった。それから初の説明を聞いて】
【どんどん眉間の皺が深くなっていく。信じられないとでも言いたげに、目を伏せて】

…………そういう、こと、なんですね。……ごめんなさい、
初さんが言ってること、嘘だと思うって、わけじゃあないんですけど……
はっきり言えば、困惑してます。とてもそんなことするような人には、……

【「見えませんでしたから、……」。そこで一度言葉を切って、ぎゅっと目を瞑り】
【次の瞬間にはぱっと見開く。気持ちを切り替えるためのちょっとした儀式】
【それも、エヴァに「ま、いっか」で流されてしまったなら、また驚いたように丸くなるのだが】

は、い……はい。探しもの、というか、人探しをしていて……
……最近になって、友人が、行方不明になったんです。同居してた子なんですけど、
連絡もつかなくなっちゃって――――

【エヴァの笑みに、気圧されたのか。どもり気味に返しつつも】
【取り出したスマホをすいすいと動かす指先は、冷静な線を描く。写真フォルダを開いて】
【一枚。タップした写真に写っていたのは、佳月と――それからもう一人】

――――「夕月」っていう子です、赤髪赤眼、フードのついた服着てて、
バカしか履かないみたいな厚底の、赤い靴履いた――――全体的に赤っぽいバカです。

【さんざんな言いぐさで語られる、佳月の「友人」。ふたりで並んで、スマホのインカメラにピースを寄越す】
【からっと笑っている自撮り写真。それを撮るくらいには、仲が良さそうな様子が描かれていて】
【それを見せてから、「探すの、協力していただけますか」。そう結ぶ】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/01(日) 12:26:40.19 ID:MWL7LKppO
/夜までコンスタントにお返し出来ないかもしれませんが、>>122で募集してみます
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 12:38:28.60 ID:FGyh5lxo0

【とある公園の一角】

【ベンチに一人、10代後半くらいの少女が座っている】
【空色の瞳を持ち、白みがかった金髪を真ん中で分けた短めのツインテール】
【上は黒い半袖のブラウスに、下は白いショートパンツ――身長は155センチくらいか】

はい、どうぞ。たくさん食べてね

【足元には十数匹の鳩が集まっている】
【少女は持っている食パンを小さくちぎりながら足元に軽く投げ】
【しばらくしてパンをすべて鳩に与え終えると、突然思い切り足をバタバタさせ――驚いた鳩たちは一斉に飛び立った】

……

【少女は上方を見上げ、右手で飛ぶ鳩たちを指差す】
【すると突然、十数匹の鳩は全て勢いを失い――落下した】
【ドサドサと地面に激突する鳩たち】

はぁ……

【少女は怠そうにため息をつき――すでに絶命した地面の鳩たちを見つめた】
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 15:29:24.44 ID:gIXEJIK4o
【廃墟】

【街から離れた箇所にある廃墟地にその男は来ていた】
【年齢は三十代前半。暗い赤髪。全身を外套で包み頭部も外套につく頭巾で覆っていた】
【姿を隠すような格好だったが、背中の大剣『導くフィデリウス』がこの男が誰なのかを如実に表している】

【彼は戦友の電子端末に短い連絡を行なった】
【そこには「そろそろ情報交換といこう」という短い文面に日時と場所が添えられた簡素なもの】
【ある意味、彼の性格も表すほどの素っ気なさだった】

【この場にくる人間がいたならば、この男は「海は今日も穏やかで、向こうの島の猿は今日も元気だろうな」】
【と、やってきた人間に向かって声をかけるだろう。しかしその声色は悪戯めいたもので】
【相手の確認などではなく、ただの挨拶がわりだときっと分かるはずだ】
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 15:44:28.40 ID:bSirkQlh0
>>149
『了解した』

【電子端末に送られてきたメッセージに、そう短く返答する】
【双方は実に解りやすい、実に簡素なメッセージと言える】
【やがて、その日時と場所】
【非常にうってつけの立地と言える、なるほど、ここを選ぶとは中々もってして良い感覚であると言える位に】

――ドッドッドッドッドッドッドッ……

【指定の時間、場所に一台のオートバイが来る】
【ODカラーのクラッシックなアメリカンタイプ、側車もついている物だ】

「『あの島に、猿は一匹も居ませんよ』」

【大剣を帯びた頭巾の大男に、暗いネイビーカラーのスーツ姿のオートバイに乗る男はこう答えた】
【やや悪戯めいた声色だが、こちらもそれに乗る辺り、やはり同じ意図の様だ】

「ディミーア、久しいな……その様子では、動きは色々とあったようだな」

【ゴーグルの付いたハーフのヘルメットを脱ぎ、その男ディミーアにこう言った】
【そして】

「貴方が、ディミーアさん、ですね?」

【その側車、少々この状況ではアンバランスとも言えるだろうが】
【セーラー服姿の少女が乗っていた】

「初めまして、櫻国海軍諜報員、那須翔子曹長です」

【少女はディミーアに、同じくハーフのヘルメットを脱ぎながら、こう挨拶する】
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 15:51:54.72 ID:gIXEJIK4o
>>150

厳島、お前の方もさぞや大変だっただろうな?

【頭巾を外して顔を露わにする。口元には戦友との再会を喜ぶ笑み】
【どこか挑発めいた言葉にも声色には機嫌の良さそうな感情が乗せられていた】

【側車に乗る少女に気がつくと、彼女が部下であるということにすぐに行き着いた】
【男臭い笑みを見せながら片手を挙げて挨拶とする】

ああ、ディミーア・エルドワル。自警団傘下、特殊部隊の隊長をやっている、よろしくな

【自己紹介を那須にしてから再び厳島へと向き直り】

お前が部下を連れてくるなら、俺も連れてきた方が良かったかもな
まぁ、そっちは”今回の事件”には全く触れてないから、意味はないんだが

【と、妙な対抗心を見せる。どうやら部隊単位では動いていない様子だった】
【「さて、それで、どうだ?」────ディミーアは先に厳島へと話を促した】
【もちろん、何もなければこちらから話すことになるだろうが、きっと、そうではないはずだ】
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 16:18:46.96 ID:bSirkQlh0
>>151
「ああ、全くだ……色々と動きがあった」

【最後に見たディミーアの笑み、表情と寸分も変わらぬそれに】
【安堵の表情を見せつつ、しかしやがて表情を少し強張らせ乍ら】

「よろしくお願いします、お話は中尉より伺っています」

【軍人にしては小柄で、筋力もそれほどあるようには見えない少女だ】
【ディミーアの挨拶に立ち上がり、ちょこんとお辞儀をして答える、しかし所々包帯を巻いており怪我の後が見て取れる】

「部下?自警団のか?」

【ディミーアの言葉に、少し訝しげにこう聞き返したが】
【本題、とばかりに話を始めた】

「先ずこちらからだが、黒野カンナと接触した」

【かつてセレンディピターにて連絡先を教えてもらった、その公安、ゼロの女性】
【彼女と接触し、正式に協力関係を結んだ】
【そしてその際に彼女から『正夢』を受け取った、とも説明する】

「その後、UNITED TRIGGERとの協力関係が必要不可欠と判断して、風の国の本部に赴いた」

【UTのトップ、セリーナかあるいは幹部との接触に向かったが結局会えなかったとも】

「しかし、関係者である白神鈴音にこちらの連絡先を渡しセリーナ、あるいは幹部への言伝を頼んだ」
「最も麻季音と言う少女とゾーイと言うアンドロイドにも接触はしたが……」

【UTにおける水面下の行動は、現状あまり意味をなしていなかったとも言える】
【だが】

「私は、公安三課、鵺ちゃんと接触連絡先を交換しました」

【おずおずと話し始める少女】

「そして、レヴォルツィオーン社の技術者で赤木怜司と言う男性と接触、協力関係を結びました」
「その赤木さんからの情報をもとに、研究プラントに潜入して情報を集めてきましたが……開発主任ブランルと名乗る男性と戦闘になり撤退しました……」

【最後の部分は、少し悔しそうに悲しそうに、そう話す】

「破壊筒の設置と、内部の写真は撮って来ました」

【自身の携帯端末を写真を表示しながら見せ、付け足すようにこう話した】

「そして、黒野カンナからの正夢でのメッセージだが、どうにも特区の調査を行っており身動きが取れない様だ……何かあったのかも知れない」

【厳島はこうも話した】

「こちらの情報は以上だ、ディミーア、君の話を聞かせて欲しい」
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 16:36:10.89 ID:gIXEJIK4o
>>152

【厳島とその部下である那須の話をディミーアは黙ったまま、時折頷きながら聞いていた】
【カンナとの接触に『正夢』の取得。これは喜ばしい。何とかチームが機能していると言える】

【UTに対する活動が上手くいかなかったことには、表情が苦々しげなものへと変わる】
【これだけ厄介な事件に対して、件の組織の協力が円滑に取り付けられなかったことは】
【由々しき事態ではあった。が、言伝ができたのなら最低限は完了している】

【一方で、鵺の活動は黒幕側と思しきレヴォルツィオーンに対するもの】
【痛々しげな怪我の原因もこれで判明した。破壊筒が設置できたことは優れた戦果だろう】

【話の全てが終わり、「大体、分かった」と言って】


まず、カンナと接触できたのは上々だ
『正夢』は俺も手に入れたし、特区の調査についても把握している
その調査が終わったときが、俺たちの力が真に必要になるときだろう

レヴォルツィオーンに対しても証拠写真が手に入り、破壊工作も途中までやれている
…………良い戦果だな。俺の部下なら特別賞与を出すぐらいだ

どっちもよくやってる。お前たちと比べると、俺の方は何とも言えんな


【嘆息をついて、ディミーアがさらに続ける】


お前たちに一番に伝えたいことは一つ
黒幕のトップはカノッサ機関の六罪王ロジェクトだ、という話は前にしたが
円卓のトップが判明した。こっちも六罪王だ。No.100のジルベールという男が
六罪王になったときに、円卓を手中に収めていると思える発言をしていた

こいつと俺は面識がある。俺をナンバーズに推薦したのもジルベールだ
…………かなり、キレる男だろう。権謀術数でやり込めるのは恐らく難しい


【ディミーアの表情は苦悶。それだけの厄介さをジルベールという男から感じ取っていた】
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 16:53:06.12 ID:bSirkQlh0
>>153
「セリーナ、あるいは幹部……誰とも接触が出来なかったのは、少し気にはなるな……何かあったのか……」

【鈴音からの情報は無論、その部分は無い】
【だが、何れ、何らかのアクションは発生するだろう、と】

「ああ、無論カンナの要請さえあればいつでも行動できる」
「ありがとうございます……でも、肝心の破壊には、もう一度潜入して起爆しないといけません、それにあの男、ブランルは……此方の攻撃が全く効かなかったんです」

【ディミーアの言葉に、口々にこう答えた】
【やがて、重要な情報がディミーアからもたらされる事となる】

「ロジェクト!?ロジェクトだと!?」
「鈴音からも、その名前を聞いた、新たな六罪王ロジェクト……何者なのか……」

【UTにて鈴音からも確かにその名前を聞いた、あるいはUTかあの少女個人かは不明だが、何らかの情報源があるのだろうか】

「ジルベール……黒幕と円卓のトップが、これで出揃った事になるのか……」
「それは、相当に手強い相手だな」

【あまりに、あまりに強大と言える双璧だろうか】
【対抗手段は、取れるのか、それは現状最大の不安の種と言える】

「手はあるのか?カンナの話では西島事件の際のリストは彼女達が保持しているそうだが……」
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 17:03:23.87 ID:gIXEJIK4o
>>154


────その”リスト”で”全て”だ


【手はあるのか、という問いかけにはあまりにも簡素な答えが返される】
【円卓の資金源を潰すためのリスト。自分たちが持てる手札はたったそれだけなのだと】
【現状のディミーアは断言せざるを得なかったのだ】


極めて鬱陶しい話ではあるが、黒幕に対しては有効打がない
だから、円卓に食い止めておいてもらわないと話にならん

現状の俺たちはこうだ
円卓の奴らが恐らく、リストの所在をあさっている。これに捕まってはならない
同時に、黒幕の奴らを叩き伏せる手段を探る必要がある
円卓に追われながら黒幕を追う、これが現状だ

カンナがリストを持っているという情報は機密中の機密だ
今後はこの情報を容易に漏らさない方がいいだろうな


【リストが最大にして唯一の手札である以上、それを周囲に知らせることは禁忌】
【慎重に慎重を重ねる必要がある。ディミーアはそう伝えていた】
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 17:20:53.80 ID:bSirkQlh0
>>155
「何か、何か手が欲しいな……」

【苦々しげに、そう呟くように】
【黒幕に対しても有効な一撃、だがディミーアの話ではそれが無かった】
【三竦みの状況を、最大限に活用しつつの戦い】
【水面下の、情報戦だ】

「ああ、切り札としてもカードとしても……あまりにも強力だ、そしてあまりにも……注意する」

【厳重過ぎる位に厳重に取り扱わなければならない】
【また円卓の手は、何処に伸びているのかが、現状解らない】
【ディミーア程の男を恐れさせる男だ、より一層の警戒を誓う】
【やがて】

「あの、そう言えば私……二回ほどなんですが、機関の人間と接触しました、その内一回は戦いに……」
「3、カチューシャと名乗った女性です」

【そういえば、と翔子が話し出す】
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 17:28:00.26 ID:gIXEJIK4o
>>156


そのあたりは、恐らくカンナが考えていることだろう
俺たちにできるのはあいつに必要な情報を集めて渡すことぐらいだ


【できるのは情報収集と譲渡、作戦立案はカンナの役目────】
【ディミーアの言葉はある意味では思考の放棄とも取れるかもしれないが、そうではなかった】
【これがこの部隊の役割分担なのだと、彼はそう理解していた。自分のやるべきこととカンナのやるべきことは違うのだ、と】

【そして────翔子の告げたその名に、男の表情に寂寥が訪れた】


…………カチューシャ、か
戦ったのだとしたら…………さぞや、面倒だっただろ
あいつは、ちょっと変わってるからな…………


【名を呼ぶ声は敵に向けたものではなく、むしろ愛しい人を呼ぶような、そんな音律だった】
【自分でもそれに気がついたのか、バツが悪そうに咳き込んで】


それで、カチューシャがどうした?


【戦った際に何かを得たのか、と。声を自警団員のそれに戻して問いかけた】
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 17:49:37.90 ID:bSirkQlh0
>>157
「カンナが、今回の俺の、いや、俺たちの頭脳、と言うわけか……」

【部隊行動における明確な役割の分担】
【理論的であり、理想的な部隊の在り方だ】
【この部分には大いに同意する】

「!?ディミーアさん、あの人を知ってるんですか!?」

【これは意外だった、思わず声を大きくし、そう聞いた】
【幾分か、ディミーアの声色が変わった事にも少しの引っ掛かりを覚えながら】

「カチューシャは、『彼』と言う存在と『お姉様』と言う存在の事を話していました」
「能力者狩りをしていて、どうも、この『お姉様』の存在が関係あるようです」
「『彼』の方は、会いたがっていましたが、真意は不明でした……それと『OMERAS』とも……」
「はい、その……凄く強くて、歯が立ちませんでした……」

【その時の話を掻い摘んで話す翔子、一方】

「(ディミーア、まさか君は……)」

【ディミーアの様子から何かを察したのか、厳島は黙したまま、その二人の話に耳を傾けている】
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 17:58:53.91 ID:gIXEJIK4o
>>158

【厳島の言葉にディミーアも頷いて同意を示す】
【それから続けて、翔子の説明には唸り声をあげた】


あいつは、自分を猟犬だと言っていた
『お姉様』とやらに言われた、とな

その『彼』というのは、俺にも分からんな…………
『OMERAS』という言葉にも聞き覚えがない
ただ、どうやらあいつだけが知ってることも、あるみたいだな


【翔子のもたらした情報はディミーアの知らないものも含まれていた】
【極めて重要な情報だった。が、男の表情は複雑に複雑を重ねたようなものだった】
【機関員という立場を使えば、会うことは容易なはず、だったのに】
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 18:06:00.04 ID:bSirkQlh0
>>159
「猟犬、ですか……あのやっぱりカチューシャは誰かに言われて?」

【自分は自分の意思で、そうしている、と】
【カチューシャは語ったが、やはりその陰にはその二人の人物がちらついている】
【見え隠れする二人の謎の人物の影】

「『愛しの彼の、愛しの合言葉』それがOMERASだと、カチューシャは言ってました……」

【何とも、何とも複雑で】
【誰が、誰がディミーアの心を推し量れるだろうか】
【ディミーアとカチューシャ、それはこの二人以外には、居よう筈もない】
【そんな、表情は厳島にも伝わり】

「ディミーア、君はカチューシャと……一体?」

【重い口を開いた】
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 18:17:26.12 ID:gIXEJIK4o
>>160


誰かの指示を受けている可能性は大きいだろうな
機関に対しての忠誠心は……多分、あると思う
だが、それはこの事件に首をつっこむ直接的な理由にはならない
俺が知っているあいつは…………黒幕や円卓に積極的に関わるようには、思えん


【「そもそも、真面目にやる気はないって言ってたしな」────などと】
【カチューシャの背後関係を推測するときでさえ、敵以外の何かを語るような】
【そんな、親愛かそれ以上の感情が声には込められていた】


『愛しの彼の、愛しの合言葉』、か
状況から考えるに、それは黒幕か円卓につながるもの、なんだろうな


【何か重要なことをカチューシャは知っている。そんな気配を感じ取っていた】
【思考を巡らせているところに、厳島の言葉が割って入る。その問いかけにディミーアは視線を彷徨わせた】


…………厄介な、質問だな、それは


【返答もまた、重々しかった】
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 18:24:29.14 ID:bSirkQlh0
>>161
「カチューシャの言葉は、肝心な部分は靄がかかっているようで」

【意図的か、あるはそれが全てなのか】
【彼女の言葉はまるでヒントとヒントを紡いでいる様な】
【そんな、散文詩にも近い物だった、故に真意への到達は困難なのだろう】

「黒幕か、円卓に……」
「カチューシャ……」

【彼女を辿れば、あるいは】
【だが、それは諸刃の剣でもあるのかも知れない】
【少なくとも、翔子は次に会う時はどうなるのか、想像もつかないのが現状だ】

「……ディミーア、すまない、答えたくない内容ならば答えなくてもいい」

【その返答と表情から、察しはつく】
【だが、それが苦しい物なら、言葉にしなくてもいい、と】
【ディミーアを案じて、こう言った】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 18:30:37.29 ID:gIXEJIK4o
>>162

【「まぁ、そうだな。あいつは詩人だ」、と】
【難解な言葉の選び方。それをディミーアは知っていて、それでたった一言で表現した】

【こんな簡単な言葉で言い表そうとするのは、あるいは、彼女が分かるように本心を告げてくれたからかもしれない】
【しかしそれを知っているのは、二人だけだ】


…………なんつうか、な
お前、妻はいるか?


【厳島へディミーアは、まるで関係ないことのような、そんな質問を返した】
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 18:36:40.38 ID:bSirkQlh0
>>163
「詩人、ですか?解るような、解らないような……」

【あるいは、この二人だけの特別な何か】
【それは見る者によっては素敵で、残酷で、悲しい暗号なのかも知れない】
【最も、この二人にはそれを推し量る術は無かった】

「妻?いや……この仕事だ、伴侶はとうに諦めているさ、それがどうかしたのか?」
「……」

【質問には関係の無さそうな言葉だったが、厳島は自嘲気味にそう答えた】
【一方、翔子はその言葉を聞いた時に、少し悲しそうな、そんな表情を見せたが】
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 18:44:46.98 ID:gIXEJIK4o
>>164

【翔子の微妙な表情にディミーアは少し感づいたが、今は黙っておいた】
【ここからの話はある種、今日呼び出した理由でもあった】


そうか。俺にはいたよ。ちょっとアホだが美人で、心の善い女だった
息子もいた。最後に会ったときは何歳だっけな……どっちも、数年前に死んだが

じゃあ、愛する女はどうだ、今いるか?
あるいは、いたか?


【死んだという妻子を話しをするディミーアの表情は、悲痛なものだった】
【それを無理やり、強引に押し込んで、さらに話を続けた】
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 18:52:02.02 ID:bSirkQlh0
>>165
「それは、初耳だな……そうだったのか……すまない、嫌な思い出を思い出させた」

【ディミーアに妻と子供が居た、と言う話は聞いたことが無かったが】
【数年前に死んだ、と辛そうな顔で話すディミーアには、こう答えた】
【この人物の悲痛な顔は、とても心苦しかった】

「いや、居ない……過去にも今もな」
「……」

【ある意味非情な回答かもしれない】
【どうにも、厳島と言う男はその手の話に全く情が感じられない】
【あるいは、諜報員とは本来そういうものなのかも知れない】
【兎にも角にも、彼はそう答え】
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 19:00:07.55 ID:gIXEJIK4o
>>166

【「気にするな」──小さな笑みを浮かべて、彼はそう答えた。いつものようなものではなかったけれど】
【それからディミーアは言葉を探した。何から何を言うべきか、それを探した】
【そもそもこんな話をすべきかさえ定かではなかった。しかし、自分一人では、どうにも解決し難かった】


……どういう人生でも幸福は幸福だろうから、人の生き方にケチなんてつけるもんじゃない
ただそれでも、愛する女がいる人生は悪くないもんだ、と、言っておくぜ

────今の俺にはいる。そいつは機関員で、ナンバーズで、自警団員である俺が殺すべき女だ
今回の事件にも関わってるし、お前の部下に銃を突きつけるようなやつだ
どう考えても危険人物で、そういった行動に躊躇なんてことはしない。ああ、悪人だろうな、あいつは

…………それでも、カチューシャって女を愛している事実は変えられない


【声色は意外だろうか、随分と落ち着いたものだった。純粋な事実を確認するという、そういう色合いだった】
【きっとディミーアの言ったことそのものは、厳島の予想通りの内容なのだろう】
【敵であるはずのナンバーズを、この男が愛するという事柄が、予想外かは分からないけれど】


…………どうしたものかと、思ってな


【嘆息混じりに付け加えられた言葉は、この話の意図を教えるものだった】
【彼は、どうすべきか、迷っていたのだ】
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 19:19:07.70 ID:bSirkQlh0
>>167
「そういう物、なのか……解った、心に留めておく」
「(中尉……)」

【いまいちと、その部分は実感が湧かなかったのか、そう答えた】
【愛する女が居る人生、そうなれば厳島と言う男も多少は違った人格だったに相違ない】
【それからのディミーアの告白は、悲痛で、残酷で、悲しい】
【非常に辛い物であった】

「そう、だったのか……やはり、とは思ったが……」
「……」

【予想は出来ていたが、難しい話であった】
【本人たちでなければ、とても答えられないような内容】
【ことここに至っては、厳島も深く考えざるを得なかった】
【だが、そんな中】

「ディミーア、君は……」
「あの……ディミーアさん」
「私は……その、カチューシャを殺さないでほしいと思います」

【何か言いたげな厳島を遮って、恐る恐る、だが】
【翔子が口を開いた】

「カチューシャを愛して、それで、出来れば殺さないで欲しいです」
「ディミーアさんも、本当は答えを解っているんじゃないですか?」
「自分が、自分がカチューシャを愛しているって、愛したいって、その手に掛けたくは無いって」

【気が付けば堰を切ったように、言葉が紡がれていく】
【あるいは、この少女は諜報員としてはあまりにも甘すぎる、未熟すぎる答えなのかもしれないが】

「だって……だって、悲しすぎるじゃないですか、そんなの……」
「カチューシャにも貴方にも、殺したくないんでしょ?」
「殺さないでッ!!それが貴方の『愛している』なんですか!?違うでしょ!?」

【気が付けば、翔子の目からは、止めどなく涙が溢れていた】

「うッ、ひっく……ごめんなさい、二人の事良く知らないのに、こんなこと……」
「……ディミーア……己が成すべきを成せ、それが法となる」

【ここに来て、厳島がゆっくり口を開いた】

「考えてはいるのだろう、だが、必ずしも二択とは限らない、探すんだ、己が成すべきを……すまない、俺にはこれしか言えない」
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/01(日) 19:32:30.20 ID:AIVf5EBeo
>>146


……人探し、か。

「へぇー、可愛い子ですね。私ほどじゃないですけど。」

【エヴァと初は首を伸ばして、画面に映された写真を見た。仲睦まじい二人の少女】
【初の表情から少しだけ、険が取れる。昨晩の彼女の様子と、この写真。──多分、本当に仲が良いのだろう】
【その一点に関しては、初にも佳月を疑うことはできなかった 】


「……もちろん。困っているオトモダチを助けるのはとーぜんです。
 私たち、これでも人探し、超得意なんですよ。
 そんじょそこらの私立探偵さん雇うよりも、早く見つけられちゃうかも。


  でも。 私たちも困ってることあるんですよね。ふふっ。 さて、何のことでしょーかっ。」


【佳月の言葉に、エヴァンジェリンが笑顔とともに小さく小首を傾げる。】
【この少女二人組が如何なる根拠で、そんなことを可能にするのかは分からない】
【それでも、この桜色の少女の言葉には、確かな自信があった。──昨夜見た、何かの“書類の画像”が、佳月の頭で像を結ぶだろうか】


 エヴァ、それは──。


【初が呟く。 エヴァンジェリンの意図を察したのだろう。それは、諌める響きを持っていた】

【── だが、彼女は止まらない。深い青を湛えた、サファイアの様な瞳が初めて、佳月のそれを捉えた。】
【彼女は笑っている。 それは、心からの親愛だった。だからこそ、返して貰わないといけない】
【貴女にも、私たちに。 それが友情であって、協力であって、──人の行動として、合理的なのだから】



 「 ねっ。佳月さん。 “私の言ってること” 、分かるでしょう ? 」



【 「“友人”か、“恩人”か。どちらか選べ。」 】

【悪戯をする子供のような笑みと共に、この可憐な少女は残酷な選択肢を呈示していた】
【佳月が来栖の情報を持って来るのなら、此方も夕月の情報を持って行こう。 それで、お互い様】
【それに。勿論、この場では“お互い頑張りましょうね”、で終わるけれど。──こっちが先に情報を渡す必要なんて、全く無い】
【彼女が情報を持ってきてから初めて、こっちが動いても問題はない。眼前の少女は藁にも縋る思いなのだろうから】

【──腹の底で、桜色の彼女はそう思っていた。】


 …………。


【一方。佳月を捉え続けていた初の瞳が初めて、彼女から逸らされる。 多分、来栖を探すだけならエヴァンジェリンの遣り口が賢いのだろう】
【それでも何故か、少しだけ、唇の裏を噛んでしまう。 もう少しで、何かを言い出してしまいそうなそれを押し止めるように】
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 19:42:05.03 ID:gIXEJIK4o
>>168


…………曹長?


【厳島が口を開こうとした中で、上官の言葉を遮ってでも翔子が言葉を発した】
【そのことに驚きながらも、ディミーアは彼女の言葉に耳を傾けた】

【それは、確かに諜報員としてはあまりにも甘すぎる考え、答えだっただろう】
【あるいは、軍人でいた期間の長いディミーアや厳島では、頭を過ぎったとしても言葉にはしなかったものかもしれない】
【そうだとしても、涙を流すほどに心底からの答えを言った彼女を、無下にすることなどできなかった】


……まいったなぁ、全く
若いやつにここまで言わせることになるなんて、な
歳食ってるからって、マシになるとは限らないっていう好例だぜ


【翔子の頭に手を伸ばす。そしてわしゃわしゃと、乱暴にだが撫でようとする】


そうだな……確かに、そうなのかもしれない
何か、もしかしたら、やりようもあるかも、な
…………俺とあいつにも、何か、”未来”があるかもな


【重要な意味があるように、ディミーアは未来なんて言葉まで使った】
【彼女が何気なく語ったような、そんなものを。夢想の中のそれを取り出せれば、きっと】

【それでも────そんなことを”ただ考えるだけでも”】
【酷い、頭痛がした。思わず、顔を苦悶に歪めてしまう】
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/01(日) 19:50:45.21 ID:6R+vuCjCo
>>147
/まだいらっしゃいますか?
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 19:51:59.93 ID:bSirkQlh0
>>170
「……不出来な部下で申し訳ないな」

【ディミーアの言葉に、こう苦笑を隠せずに答えた】
【少し視線を翔子に向け乍ら】

「ふあっ、ディ、ディミーアさん!?」
「未来の形は一つでも二つでもない、幾つもの形がある、すまない、あまりに出過ぎた事を話したな」

【突然頭をくしゃくしゃと撫でられ、そんな声を出す翔子】
【そんな様子を見ながら、何とも言えない、そんな表情でそう話す厳島】

「ディミーア、大丈夫か?具合が悪そうだが?」

【苦痛に顔を歪め、痛みに耐えるディミーアに、こう心配そうに】
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2018/04/01(日) 20:01:50.53 ID:qq0z5c5B0
>>169

【――――息を吸う音のあと、沈黙が横たわる】
【「わかりません」と返せるくらいの幼さは、佳月にはもうなかった。だからこそ】
【ひどく残酷な選択肢を、この手で選ばなければならないのだと。それだけははっきり理解する】

【ずっと八の字を描いていた眉の、眉尻がわずかに持ち上がって】
【ゆるやかな、ゆるやかな下弦を描く。唇が噛み締められる】

…………、……

【ひとこと目を探して、探して。どうにかこうにか、上手いことひっくり返せないかって】
【この期に及んでそんなことを考えていた。でも何も見つからない】
【寝不足、疲労、困惑、そのた諸々、すべてが思考の足を引っ張ってくる。考えれば考えるほどこんがらがって】

 【――――違うだろう、もっと単純なことだろう、って。内側で、自分が囁いている】
 【疲れてるからとかそんな、もっともらしいやつじゃなくて。もっと簡単で、やらしい理由があるでしょう、って】

【……かり、り。テーブルを引っ掻く音。天板に乗っていた小さな手が、拳を握った】


……わかりました。協力、しましょう――じゃなくて、「させてください」。
くるるさん、……「来栖さん」、を。探して、それで――――


【「……いずれは、殺します?」 ひどく軽い声色で、口にして】
【それからへにゃっと笑うのだ、へたくそな形で。妙な眉の形状も、そのまま】

 【――――疲れ切って帰ってきたとき、あの部屋に誰も居なくって】
 【おかえりも言って貰えないのが。ひとりでごはん食べるのが。……あの、くだらないことばっか喋る声が】
 【聞けないのが。寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて、しょうがないだけでしょう? ――――って。】

【――――そうして佳月は、天秤の上、「友人」の乗った皿に、錘を乗せる。ひどく私的な感情で、判断して】
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/01(日) 20:07:09.88 ID:X41pZcjDO
>>171
/反応遅れました、まだ居ります
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 20:07:34.60 ID:gIXEJIK4o
>>172

【苦痛で表情を歪めるディミーア。その双眸が何もない空間へと向けられると、見開かれる】
【それは明らかな恐怖のものだった。灰色の瞳が感情によって揺れていた】
【翔子の頭に乗せられている手が震える。もう片方の手が持ち上がり、”誰もいない”はずの場所を指差した】


…………見える、んだ
あの、二人が……セレネと、エイルが、俺を見ているんだ……
何故、お前だけが幸福になるんだ……平穏でいられるんだ、と…………っ!

くっ……!


【頭を抱えるディミーアは壁際までよろける。壁に背をあずけ、やっと止まる】
【外套の中から薬瓶を取り出して、中の錠剤を無造作に取り出して口に放り込む】
【顔色は、最悪だった。まるで死人のようだった】
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 20:14:15.40 ID:bSirkQlh0
>>175
「ディミーア!?幻覚か……」
「ディミーアさん!!」

【ある筈のない姿】
【居るはずのない場所を見ていた】
【今まで見たことも無い姿、幻覚に幻影に惑わされ苦しめられる姿】
【やがて薬の瓶を取り出し、錠剤を放り込んだ】

「その薬……見せろ!」

【薬の瓶を奪い取ろうとする厳島】
【そんな中でおろおろとしながらも、やがて】

「ディミーアさん、もう、もう大丈夫……怖くない、そこには、何も、何も居ないです」

【翔子はぎゅっと、そっと、死人の様な顔をするディミーアの頭を、優しく胸に抱く】
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/01(日) 20:20:05.25 ID:6R+vuCjCo
>>174
/それじゃあ突撃させていただきますね!

>>122

【万歳を続けるメイドに、近づく人影が一つ】
【恐る恐るといった足取り、振り向いたならビクッとその動きを止めて】
【月明かりが照らすその輪郭、可憐な少女の姿が顕になる】


ね、ねぇ……大丈夫?
さっきから、見てたけど……その、変な生き物と、戦ってた、よね
それにケガしてるみたいだし、えっと……

ご、ごめんねいきなり、声かけちゃって──ビックリした、かな
でも、つい見てられなくて、それで……


【ゴールデンブロンドの長髪に、黒いキャスケット帽を被って】
【帽子に貝殻を模した飾りをつけて、同系色のオフショルのトップス】
【赤チェックのミニスカと、ガーターで留めた黒ストッキングの青い瞳をした少女】

【露出の多い見た目と裏腹に、言葉は少し躊躇いがちで】
【メイドの少女に声をかけながら、時折ばつが悪そうに視線を逸らして】
【それでも何とか心配してるという気持ちを伝えようとする】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 20:24:07.07 ID:FUeRwXuz0
【どこか――路地裏】
【しつけの悪い犬が吠え立てるような銃声がいくつも響いていた、あるいは誰かが聞いていれば、それはどんどんと移動していて】
【その途中途中で少しずつ、少しずつ、鳴り響く銃声が減って――最後に、ぷつんと消えてなくなる。もしも誰かがその場所に訪れたなら】
【人間――だったものをいくつか見つけるだろうか。どれもこれもが鋭い刀傷を受けてすでに死んでいた、あるいは首を切り落とされたようなものもあり】
【ただし生存者も居たのだろう。どこかへ逃げて行った痕跡のようなものはあったが、すでに誰もが居ない。もちろん、下手人と思わしき人影すらも】

【――渦巻くようなわずかの魔力を残して、後に残してあるのは血と硝煙の臭いだけ、そこにあって】

【――――街中、人通りの多い場所で、魔力がきゅるりと渦巻く、鋭い気配がした。ならば一瞬煌めくものは転移の魔術式であると、何人くらいが気づくのだろう】
【とかく次の刹那にはその場に人影が一つ増えている、かかん!と硬質の足音、ふわりとそれこそ魔法みたいに現れるのは、少女で――ひらりとスカートを翻し】
【着地すると同時ににらみつけるような視線であたりを確かめる――から、現れ方もあって、どこか不審に思え】

――、っ、ふ、――!

【ひどく荒い息は周りの人間にも伝わるだろう、それこそ長い距離を全力疾走した後みたいに、自分自身を抱きしめるようにして、しばし佇む】
【だけれどやがてそこが往来のど真ん中、ひどく邪魔で何より視線を集める――というのに気づけば、ゆるゆると吐息を整えるようにしながらも、道の端により】
【どこかの店の壁に背中を預けて、ずるりと座り込む――ふわふわのスカートが捲れあがってしまっても、気づくだけの余裕がないみたいに、それで大きく深呼吸をして】

【肩を撫でる長さの黒髪はくちゃりと少し乱れたもの、少し汗ばんだ頬にいくらかが纏わりついて、すっかり顔を真っ赤にして荒い息を吐く頬の色合いを目立たせる】
【左右で色の違う瞳は黒色と赤色で――、顔はあどけなさを色濃く残すものだ、それが真っ白な喉を晒すように壁に頭を預けて――ぜえぜえ息を繰り返す】
【首元がきちっとしまった襟のワンピース、深い赤色の布地を手繰って、首元のフックを一つ二つと開けて胸元を開く、真っ白な首から鎖骨のあたりまでを晒し】
【ふわふわのフリルがたくさん詰まった膨らんだ袖――にうずもれるような指先の両手でそのあたりを暑いみたいに仰ぐ、それから、少女は視線を足元にやると】
【素肌の透ける薄手のストッキングであるのは、いいけれど――靴を履いていないようだった、それに気づけば――あるいは認識しなおせば、膝をぎゅっと抱えて】
【はあ――と深い深いため息を一つ。頭まで膝に埋めるようにすれば――そのまま少しの間、もう少しだけ、呼吸を整えるみたいに、その場に居座るのを、決め込む】

なに、あれ……、ぜったい、っ、わたしのこと狙ってた、っ――、わたしのこと? わたしの……わたし、たちの……?

【乾いてしまった喉を少しでもましにするみたいに時々唾を飲み込む、呟き声は――だけれど鈴の音によく似た、澄んだ声質では、いやによく目立つ】
【何かに思い至った様子を見せれば、ふわりと少女は立ち上がって、また、歩き出すだろう。――それまでに誰かに様々なことを見咎められる可能性も、あったけど】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/01(日) 20:41:28.61 ID:X41pZcjDO
>>177

【瓦礫から破片が溢れる音。僅かな振動も、未だ先頭モードが残るセンサーは敏感に捉え】
【ぐるんっ! と首が180度回る。比喩ではなく真後ろに。翡翠じみた瞳が少女を見つけ、伸びをしていた身体が即座に銃口を構えた】

言語スキャン――――解析中――――目撃者に相当、対人プロトコル1条7項。敵性率低、武装解除します

【きりきりかたかたとタイピングを打つような音が頭中で響く】
【眉一つ動かさないまま、敵対するつもりはないと断じたのか、やがて無骨なガトリングガンを降ろした】
【相手のおっかなびっくりな心配に首をかしげて、自らの身体を見下ろす】

ボディスキャン――――表殻層7%損傷、関節部軽微打損。総合機能93%。90%以上ならノーマルです。よって本機は極めて健康体と言えます。
帰投前にスイーツの店に寄り道するのも吝かではないのです

【頭から瓦礫を浴びたため髪はほつれ、エプロンドレスは所々ほつれている。そして頬のひび割れ】
【しかしそれらは女にとってものの数には入らないようで。前髪を直し、裾を払って胸を張る】
【家屋倒壊の下敷きになっても痛み一つ訴えないばかりか真顔で甘味を期待する様は今しがたの虐殺を頭から消し去って久しいようだ】
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/01(日) 20:43:40.57 ID:AIVf5EBeo
>>173


「 よく言えました。 それでこそ、“オトモダチ”ですね。 」


【佳月の言葉と諦めたような笑みに、エヴァンジェリン・ダルハイトは満足気な笑みを浮かべた】
【──、彼女は確実に、“欲の王”の血を引いている。 人の心を掴み、掻き回す】
【その力を持ち、そして、権能を行使することに悦びさえ感じていた。 ──しかし、 】


  エヴァ、ごめん。

  【 ぱんっ。 】


【何かが弾けるような音がしたのは、空耳ではない。 彼女の頬を、初の平手が叩いていた】
【──エヴァはその眼を丸くして、頬を押さえ、傍らの少女を見る。 その仕草までが、流れるように】
【枝垂桜を思わせる指が、その髪に掛かっていた。 珍しく、口角だけを上げて、彼女の眼は笑わない】


「…… 私、何かおかしなこと言ったかな?」

言ってないから、怒ってる。

「そう。 じゃあ私、少し黙ってるね。」


【エヴァは椅子に深く座り、会話の輪から一歩下がった。代わりに初が、佳月の顔を見る】
【──、先程までの彼女の瞳には、白刃のような剣呑な色があったが。そこには、確かな感情があった】
【一度、その口が小さく開かれて。唇だけが宙を掴む。 それから、目を閉じて、】



 ………… はーぁ。 あぁ、もう。そんな顔しないでよ。



【結局、大きくため息をついてしまった。 そんな笑い顔、見ている方が疲れる】
【先程まで抱いていた決意が揺らいでしまった。──そして、その揺らぎを元に戻せるほど、手慣れても居ない】
【初は気の抜けたような顔で、佳月の肩の上辺りを見ながら、言葉を紡ぐ】



そんな簡単に殺したりしないわよ。訊きたいことがあるだけ。
…… 大体、あの女がそんなに簡単に顔見せるとも思ってない。
貴女がそんな簡単に探せるぐらいなら、私が警察署に突っ込んだりしたのは何だったのよ。
そもそも、嫌々で貰った情報なんて信用できないし。


  ん。 ほら、ここにその夕月って子の画像送って。


【初は自らの端末を取り出すと、コードの映った画像を示した。──連絡先、だろうか】
【どうやら、彼女は“佳月からの情報には期待しない”のに、“協力はする”つもりのようで】
【──、滔々と紡いだ“期待しない理由”については、どうも言い訳じみてはいたが】

「……ふふっ。」

何。黙ってるんじゃなかったの。

「うぅん、何でもない。 佳月さん、良かったですね。この子、手伝ってくれるらしいですよ。
 ──、そういう話なら、私もお手伝いしようかなー。 うん、さっきの話、ナシにしましょう。」

【同じくエヴァンジェリンも、端末を差し出す】
【──、その笑みには、純粋な可憐さ以上の何も、含まれていなかった】
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/01(日) 20:49:30.71 ID:6R+vuCjCo
>>179

【まるでホラー映像だ、やっているのが可憐な少女でなければ卒倒していた】
【どうやらビビりの様で、ひぃっとキャスケット帽を目深に被って小さく身を寄せる】
【帽子越しに青い瞳を向けながら、おっかなびっくり言葉を探して】


んっと、なんだか良くわからない、けど……その、銃は下ろしてくれたのね
傷はないのかな、スイーツって言ってるみたいだから
えっと、その──……大丈夫なら、良いんだけど


【少女はメイドに近づくと、右の手を伸ばした】
【時々ビビってる様子で、一旦ひいたりしながらであるが】
【小さな掌、トップスの長袖を少しだけ握っている】


頑丈、なんだね、でも──服とか、すっかり汚れちゃってる
見せて、こう見えても、こういうの得意なんだ
串とか、持ってたっけ……


【少女はてくてくと近づき、メイドの服からホコリを払おうとするだろう】
【手で軽く毛繕いもして、汚れた部分をこまめに掃除しようとする】
【よいしょっと、小さく吐息が漏れた】
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/01(日) 21:03:37.67 ID:V4fM7+nN0
>>178

【息を整えて歩く少女の横に、なんでもないように、ひとりの男が歩調を合わせて並んだ】
【金髪に赤眼。柔和な顔立ち。ノーカラーのシャツは、春めいたように淡いグリーン。下はゆったりとした、ワイドな黒のスラックス】
【普通の街着のようだったが、その腰には白木の鞘の刀が差されていて、それだけ不釣り合いだ】

――鈴音、済まない。
遅れたけど……無事、かな。
何があった?

【声をひそめるようにして、そう問うた】

【少女が発した救援信号か、あるいは銃声か】
【とにかく何かを聞きつけて、彼はここに駆けつけたらしい】
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 21:05:20.57 ID:gIXEJIK4o
>>176

【薬瓶を奪われそうになったディミーアは一瞬、抵抗しかけたが】
【恐怖で震える身体では上手く動かず、薬瓶を手から奪われる】
【ラベルには薬品名。闇商人が裏取引に用いる危険なもので、麻薬に類するものだ】

【翔子に抱き寄せられて、それを、そのまま受け入れる。膝立ちの姿勢になって、抱かれるままになる】
【こんな性格の男が年下の少女に抱かれるままなど、普段ではあり得ないことだった】
【そう、普段では。そうされて抗えないほどに、今の彼は普通ではなかった】


わ、分かってる……あの、二人、は、死んだん、だ……っ
お、俺が、…………俺が、”殺した”んだ…………っ!

だか、ら、あそこに……見える、のは、本物なんかじゃ……ない
だが…………それでも…………

────責めるんだっ!! あの二人が俺を責めているんだっ!!
どうしてお前だけ幸せになろうとするんだって、俺を、俺を…………っ!!


【翔子の肩を両手が掴もうとする。必死の形相で、ディミーアは叫んでいた】
【頭の中で響き続ける”声”が、責め立てていた。彼女のことを考えれば必ずと言っていいほど】
【単に自警団員であることが、障害ではなかった。彼は妻子を”殺した”などと言うのだから────】
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 21:13:42.38 ID:FUeRwXuz0
>>182

【時刻はさかのぼる――少し前。路地裏をふらりふらりと歩いていたのはある意味では、いつも通りのことだった】
【だけどおかしなことに気づいて――"そう"なる寸前に、彼女は一瞬だけ、彼の端末へ着信を残していた。と言っても、ごく一瞬――ワンコールさえ、鳴らないほど】
【そして、この街中に"転移"してきて――連絡を一つした。それがついさっき、歩き出してからほんの少ししてからのことで――そして、今】

んん……、けほ。無事だけど――、わたしは……。

【歩調を合わせる歩き方に――少女はごく一瞬だけ身構えるように、歩みをわざと遅くした。そうして追い抜かせようとしたのだが、そのうちに相手を確認すれば】
【元のように歩き出す――足音はしない。当然だろう、いつものような高いかかとの靴は――戦闘になるとひどく邪魔でしかない。だから、脱いでしまった】
【かといって――こんな街中でストッキング越しとはいえ素足で歩いているのは、また別の意味で目立つ。だけど――どうしようもないのだろう、帰る気にはなれない】

【しばらく歩けば、人通りはわずかにまばらになる。静かな方へ歩いてきたのだろう――直後となれば、全く違った人通りの多い場所は人に紛れることはできるけど】
【異質な状態の人間が長くとどまれば、目立つ。ひとまず――なによりこのご時世の中、わざととは言え、転移の魔術で飛んできたのだ。やはり、あの場所は離れたほうがいい】
【だけれど――かといって、どこに向かえばいいのかは、分からない。誰かついてきていれば――いくらかは察知しやすい程度の人通りの、道、ふと立ち止まって】

……プランがあるって言ってたよ、まだ動くなって。だけど――、

【――件の婦警に対する辻斬り、の件。前置きはない。説明もない。だけど――だけど、何か、状況が変わってしまったのかもしれない】

/ごめんなさいちょうどお風呂入るところでしたので、次が少し遅れます!
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/01(日) 21:18:14.32 ID:X41pZcjDO
>>181

その言葉は正確ではありません。
軽微な損傷は頭部に3、右腕部に1、腹部に2ヶ所あります。
ただ博士(ドク)は培養擬似皮膚すら出し惜しみするドケチなので、損耗率30%を上回らない限り本機のメンテナンスは見込めません

【野生の獣みたいに近付く少女を彫像並に直立不動で見下ろす】
【触れられると一度瞬きをしたが。敵性か低いと断定した通り、抵抗もなくされるがまま】
【呼吸はしている、体温もある、泥にまみれているが体臭すらある】
【しかし皮膚の下を窺えるなら、其処には展性チタン化合物を人工筋肉で包んだ80kg超の匣体が存在する】

繰り返しますが総合機能90%以上なら行動に支障はありません。
よって本機ではなくご自身の安全を考慮する事をお勧めします

【回りくどいにも程があるが、一々指摘しなければ気が済まないらしい。そして平行して現状の確認も維持しており】
【女の目が光る。女の背の向こう、瓦礫の奥で何かが動いた】

霊対スキャン――――敵性発生
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 21:20:26.48 ID:bSirkQlh0
>>184
「これは……ディミーア、君はこんな物を……」

【奪い取った薬は違法薬物、闇に出回る危険極まりない物だった】
【本当であればこんな物は危険以外の何物でもない、副作用は推して知るべき物だ】

「殺した?君が?誰を?」

【手にした薬瓶と服用者を交互に見比べ】
【何を言っているのだろう、それほどディミーアの言葉は常軌を逸したものだった】
【素直にそれを呑み込めない程に】
【そしてそんな、普段ではありえない状況、ありえない体勢のディミーアに】
【そのまま翔子は肩を掴まれる、一切の抵抗はしない】

「大丈夫、誰も貴方を責めない、責めてない……だから、大丈夫、落ち着いて」

【翔子は優しく、再び自分の胸にディミーアの頭を抱こうとする】
【そのまま抱き寄せられれば、温もりと共に、心臓の一定のテンポの鼓動が聞こえるだろう】
【鼓動の音は、自然と落ち着きと安らぎを与えてくれる】

「貴方は、貴方は苦しみ過ぎです……なんで、なんで……」

【再び涙が、頬を伝いだす】
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/01(日) 21:25:03.84 ID:V4fM7+nN0
>>184

【端末へのコールを確認して、位置情報を確認して、数分】
【致命的なことになる前に合流できたらしい、と悟った青年は、引き続き周囲を警戒し続ける】

【位置情報の飛び方から、転移魔術を使用したはずだ。魔能制限法の可決から、魔術や能力の利用に関する目は厳しい】

【しばらくは少女について歩く。ずいぶん街の様も変わったな、と思いながら】
【道行く人には、笑顔が増えた気がする。どこかに有った疲れや怯え――日常となった戦乱への倦みも、魔能制限法によって一時的には拭われているようで】
【まるでそれを喜ばない自分こそが異端者なのだ、と世界から言われているようだ。少し顔を伏せて歩く】

【そうして、鈴音が立ち止まる。――プラン、があるらしい】

……なるほど。
少し街を歩いてみたけど、僕の前には現れなかった。
恐らく警戒されているから――斬らなくても済むプランがあるなら、それは聞きたい、かな。
―――安全に話せる所、ある?

【主語を省いて話す。闊達に話すには、少し人通りが多すぎた】

/はーい。ごゆっくり。
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/01(日) 21:29:52.95 ID:6R+vuCjCo
>>185

【出てくる言葉に、少女は少し戸惑いの様子を見せる】
【あまりそういう難しい内容に慣れてないのか、そうなんだと思って】
【ただ、少しだけ眉をひそめた、傷付いても中々治してくれないという部分】


だったら、──だったら、余計に、貴女は傷ついたらいけない、ね
中々治してくれないんでしょ、そのドクって人……
……酷いよ、こんな女の子戦わせて、そんな仕打ちなんて

行動に支障がなくたって、傷つくのは嫌でしょ?
そりゃそうだよね、私も痛いのはもう、やだし
でも凄いね、ほんとの人間みたい……


【何となくメイドの少女が人間ではない事が分かった様子で、髪を梳かす】
【お人好しなのか、かける言葉には同情の色が強く】
【本気で会ったばかりの貴女の心配をしていて】


えっ、え───敵性反応って、またさっきみたいなのが、出てくるの?
……っ、だったら、貴女は下がってて……
私が、私が……戦う、から


【動いた瓦礫にびくっと、華奢な身体を震わせる】
【大きく深呼吸して、瓦礫の前にそっと身を寄せるだろう】
【小さな背中に貴女を庇って、彼女は前へ出る】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 21:39:44.95 ID:gIXEJIK4o
>>186

【肩を掴んだまま胸に抱かれて、ディミーアは項垂れていた】
【酷い汗だった。それほどまでに精神状態が悪化していることの表れだった】
【歯ががちがちと打ち鳴らされる。手だって、今でも震えていた】


軍人をやっていた俺は、妻子を機関員に人質に取られた
それからは、暗殺をしろ、と……やらなければ二人を殺すと、脅されて……っ
何人も何人も殺したっていうのに、あいつはセレネもエイルも返さなかったっ……!


【厳島の問いかけに、焦るような早口でディミーアが答えていく】
【激しい運動の後のように息が荒れていた。記憶を掘り起こすことは苦痛を伴っていた】


あ、……ある日…………俺は、いつもどおりターゲットを殺しに行った
女と、子供だった……そいつらは俺を見て、驚き、そして自分たちはセレネとエイルだ、と……っ!

どこで知ったのかと思ったが、不愉快だった…………妻子のフリをされて、俺はすぐにその二人を……
…………殺してから気がついた。そいつらは、その二人は………………


能力で”姿を変えられたセレネとエイル”だった、って…………っ!


【ぎゅっと、翔子の肩を掴む手に力が入った。強い後悔の念がそうさせていた】
【機関員によって捕らえられた妻子を、ディミーアはそれだと気がつかずに殺していた】
【それが、彼の過去だった】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 21:45:19.51 ID:FUeRwXuz0
>>187

【ひたり――と静かに足音が止まる。そうしてみれば、なんてことない少女だ、それでもやっぱり平均よりも、その身長は大きいけれど】
【そこから靴で増した十に満たないいくらかは彼女にとっての武装なのかもしれなかった、それこそ本当に戦うためじゃなくって、心を落ち着かせるための鎧、のような】

わたしは、あれからは、特には――、――安全な場所。は、……、

【少女として――UTの給仕として、あれから目立った接触はないらしい。相手のもとへ現れないのは――まだ、明確に、関与が知れていないから?】
【だなんてその理由は分からない、ただ――こうしておそらくあの陣営の人間に襲われた後では、どうとも冷静に考えられないのだ、まして――ここしばらく、いやに疲れている】
【起こしてもらえるのに頼って眠ったら丸一日眠ってしまったり――彼も知っているだろう、この少女、最近はほとんど家に帰っていない。それが不安なように】
【それこそ――巻き込んでしまうんじゃないか、と、怯えているみたいに。帰ってきたとしても静かなまま眠って、お風呂にでも入って、着替えて……また、居なくなって】

……分かんない。

【ぽつんと呟いた声は――多分いろんな気持ちを混ぜ込んでいた、この状況も、急に降ってわいた事情も、なにもかも、ぜんぶ、分からなくって、くたびれる】
【安全な場所も、これからどうしたらいいのかも、いろんなことが――分からない。そんな風に呟いてしまって、だけど、それにも一瞬気づけなくって】

お店は……集まり、すぎてる? だけど、家(うち)は――、

【――それくらいしか、思い浮かばない。安全そうな場所……件の機関員が所有としているという物件に赴くには、まだ、少し、何か気持ちが足りない】
【ならば思い浮かべたのは二つだ。それか――安全かはともかく、誰かが来ればすぐ分かる場所、であれば、それこそ路地裏の袋小路だとか――使えるのかもしれないけど】
【それとも何か彼の方で思い浮かぶ場所があるのなら。彼女は従うだろう、――暖かくなってきた時期でも、はだしで歩くと、まだ足の裏が少しだけ、冷たいから】
【無意識のままで足の裏をぺたぺた持ち上げて交互に片足立ちを繰り返していた、あるいはそうでなくっとも、かかとだけを持ち上げるみたいになって――しんと、悩んで、黙りこむ】

/お待たせしました!
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/01(日) 21:55:17.75 ID:X41pZcjDO
>>188

いたい、とは痛覚の事でしょうか。
確かにダメージは痛覚データとして保存されます。
一次的に見れば被弾数はより微少であるべきですが、長期的に見て継戦効率を高めるためにデータを備蓄するのも重要だと――――

【少女が感嘆した通り、見た目だけならメイドは人間と遜色ないように見える】
【頬のひび割れや左手のガトリングガンも、服装と合わせてコスプレと言い張れる程度には説得力があろう】
【しかしその中身までは人間味溢れるとまではいかないようで】
【髪に櫛を入れられながら、再度長ったらしい講釈を垂れ始めたが。少女が自分を庇う素振りに言葉を途切れさせた】

邪魔です。魂魄を回収せねばなりませんので

【背後のがたつきが大きくなっている。先程撃ち漏らした敵の残党だろう。今にも飛び出して来かねない気配】
【だが効率の化身たる女がそれを待つ義理はない】
【少女が体勢を整える前に、振り向いてひょいとその首根っこを摘まむだろう。捕まれば子猫のように肩へ担ぎ上げられる筈だ】

【同時に再度、ガトリングガンの掃射が始まる。間近で聞く其れは鼓膜を破り肌を焼かんばかりの熱量を発して】
【十数秒の弾の雨のあと、残るのは蜂の巣になった瓦礫の残骸、そして実体を無くして宙をさ迷う朧気な光であった】
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 21:56:51.10 ID:bSirkQlh0
>>189
「なん、だと……」
「そんな、そんな……」

【あまりにも、それはあまりにも非道で】
【感情に乗せる事すらできない程の、絶望の話だった】
【それほどまでに、彼の過去は血塗られていた】

「ディミーア……ぐッ!」

【厳島は、思い切り近くの廃墟の壁を殴った】
【拳頭が割れ、血が一筋流れる】
【ただ只管に、機関のやり方に怒りを抑えられなかった】
【そして歯痒かった、ただ何も手を差し伸べられない自分自身に】

「何で、何でッ!!ディミーアさんはこんなに苦しまないとならないんですか!?」
「何で、何で……酷過ぎます……これじゃ、これじゃ……」

【翔子は言葉にならなかった】
【悲しい、あまりにも救いが無かった】
【強く掴まれる肩が気にならない程、それは酷に過ぎる話だった】
【これでは……】

「ディミーア、本国に軍医の派遣を要請する……必ず、君を救い出す!」

【厳島はそう、ディミーアの腕を取り言った】
【彼がここまで強く発現することは、そうそう無い】
【一方、翔子は……】

「ディミーア、さん……」

【ディミーアの頬に、自分の両の手を添え】
【自らの顔に、そっと引き寄せる】
【何も抵抗が無いならば、静かに、口付けをするだろう】
【静かに、長い時間……】

「生きて、今を……生きてください」


【貴方は人より、悲しいほど優しいのだから】

193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/01(日) 22:03:24.88 ID:V4fM7+nN0
>>190
【止まった時、足音がしなかった。それでようやく、青年は少女が裸足なことに気づいたらしい】
【自分の履いている靴を見る。かなり大きなサイズのブーツで、少女のサイズには合うまい】
【けれど、本来自分には靴は不要だ。足先も黒い鈍色だから、ぱっと見の違和感は薄いだろう】

ごめん、僕の履きさしでもよければ。
多少パンクな見た目になっちゃうけど、まずはどこかで靴、買いに行こう。

【そう言って靴を脱ぐと、揃えて彼女に渡す。――暖かみはない。彼の下肢は、特殊合金と人工筋肉で作られたものだ】

――そうか。
万全じゃないね、どうにも。
いろいろ心配はあるけど、ゆっくり眠れる場所は必要、だね……
そうしなければ、交戦する前に僕らは消耗し切ってしまう。

【少女が何を心配しているかはわかる。あの夜の国の羊羹には、彼女が守ってあげたいと思うモノが多すぎる】
【ちなみに彼は割り切って睡眠と休息を取るようにしている。そもそも多少の襲撃程度、自分ならば切りぬけられる、と踏んでいることも大きい】

ひとつ。周囲に人が居ないこと。 これは巻き添えを防ぐ観点でも、多数を警戒しきれないという観点でもそう。
ふたつ。敵性勢力の接近を何らかの魔術で探知できること。
みっつ。僕たちしか知らない場所であること。

【うん、と一つ悩む。多少面倒だけれど、と頷いて】

鈴音。靴を買ったら―――「ぬ」のビル、行こうか。

【そう、彼女に告げた】

/おかえりなさい!
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/01(日) 22:06:46.87 ID:6R+vuCjCo
>>191

【にゃっ、と首根っこを捕まれ軽く声を漏らした】
【パタパタと振られる両足、スカートの裾を軽く抑えて】
【うぅと頬を赤くしながらも、心配そうな目】

【───然して、彼女の心配も、束の間】


きゃっ……!!!凄い音量……っ!!
駄目───……ひゃっ

───"Ghost in the Shell"!!


【鼓膜を揺さぶる轟音、思わず飛び上がってしまいそうな程】
【耐えきれない、そう思った刹那───】
【ごろんと、少女が肩から落ちる、そしてその先には】

【人間一人入りそうなサイズの巨大なシャコガイが出現している】
【轟音で硬そうな貝殻が揺れる、ごんごんと振動しながら】
【やがて銃声が止まって───】

【恐る恐る、貝殻が開いて、少女が出てきた】


あのね、そういう音の出る武器使う時は、予め言ってほしいな
うーまだ耳の中じんじんするよぉ……どうして僕ばっかこんな目に
それにしても、やっぱり強いんだね、メイドさん──

あれ、これは……光、かな?


【耳を抑えて涙目の様子、抗議するも声は弱々しく】
【少しだけ拗ねたような、悲しむような表情であなたの強さを賞賛して】
【そして、朧気にひかる光に気づいた】
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2018/04/01(日) 22:09:39.49 ID:qq0z5c5B0
>>180

【――――口の中は、鉄錆の味に満ちていた。唇を噛み切ってしまったのだ】
【そのまま俯くと、うざったいほど長く伸びた前髪が、だらりと垂れる】
【そうしていれば佳月の顔は、二人から伺えなくなるだろう。しばらくそうして表情を隠していたが】

…………、え?

【ぱん、と弾ける音。それに驚いたのか、顔を上げて】
【またしても困惑の表情に戻っていた。おろおろと、二人の間を視線が行き来して】
【「あの……」と声を掛けようとしたところで、初の視線が刺さる。口を閉じる】

……えっと、あの……は、はい、画像……

【言われた通りに行動する。まるでからくり人形みたいな、ちょっとぎこちない動作で】
【スマホを操作していれば、そのうちにでも端末が着信音、あるいはバイブレーションで反応するだろう】
【し終わってから、ポケットにスマホを仕舞って。またしても二人のほうを見る――やっぱり、眉は八の字】

送、り、ました……ええと。その、
……、……ありがとうございます。本当に。私、どうしたらいいか本当に、……わかってなくて……

【そうしてからまた、へにょっと笑う。多少のぎこちなさはまだ、残っていたけど】
【それでも、さっきよりは随分自然な笑み方をした。心なしか頬に赤みを差して、それで】
【ゆっくり頭を下げるのだ。こればっかりは少しだけ、他人行儀感は否めない。「友達」に、するにしては】
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 22:12:48.71 ID:gIXEJIK4o
>>192

【腕を取られて、ディミーアはその双眸を厳島へと向ける。薄灰色の瞳は、虚ろな色合いを含んでいた】
【取り乱す、という言葉では言い表せないほどの醜態。だがそれを二人に晒してしまうほど、男の精神は摩耗していた】
【それこそ、危険な薬物に手を染めてしまうほどに】

【頬に手の感触。暖かな温度が顔を包み込んでいた】
【そしてそれは、唇にも落ちてくる。静かに、ただ静かに】
【今を生きる。その言葉はあまりにも、彼にとっては困難な言葉だった。過去はいつでも隣にいたから】

【それでも、翔子の行動がディミーアに落ち着きを取り戻させていった】
【瞳に理性が戻り始める。立ち上がり、翔子からも離れようとする】


……………………悪い、な
酷い姿を、見せた


【第一声は謝罪だった。重々しい口調だった】


これが…………俺の”全て”だ
だから、俺は機関員を殺す。能力者も殺す。それに与するものも、全員、全て、必ず殺す
そうでなくちゃいけない。そうしなくちゃいけない。それしか、あの二人に…………

だから…………だから……
あの二人が言うんだ、機関員を殺せ、と。能力者を滅ぼせ、と
………………”彼女”を殺せ、と


【瞳が揺れ動く。また、誰もいないはずの場所を見つめる。彼にはそこに、今でも二人が見えていた】
【静かな狂気。憎悪や義憤の範疇を超える、敵対者への狂気的な殺意】
【────単に、彼女に対して自分の感情通りに動けない原因が、そこにはあった】
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 22:14:05.11 ID:FGyh5lxo0

【とある公園の一角】

【ベンチに一人、10代後半くらいの少女が座っている】
【空色の瞳を持ち、白みがかった金髪を真ん中で分けた短めのツインテール】
【上は黒い半袖のブラウスに、下は白いショートパンツ――身長は155センチくらいか】

はい、どうぞ。たくさん食べてね

【足元には十数匹の鳩が集まっている】
【少女は持っている食パンを小さくちぎりながら足元に軽く投げ】
【しばらくしてパンをすべて鳩に与え終えると、突然思い切り足をバタバタさせ――驚いた鳩たちは一斉に飛び立った】

……

【少女は上方を見上げ、右手で飛ぶ鳩たちを指差す】
【すると突然、十数匹の鳩は全て勢いを失い――落下した】
【ドサドサと地面に激突する鳩たち】

はぁ……

【少女は怠そうにため息をつき――すでに絶命した地面の鳩たちを見つめた】


//再掲です。日付越えたら置きレス移行お願いするかもしれません
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 22:18:59.47 ID:FUeRwXuz0
>>193

え、あ――、……わ、え、でも……いいのに――。

【視線を落として考え込んでいた。安全な場所――今となっては、喉から手が出るくらいに、欲しかった。"昔とは違う意味で"】
【文字通りに家のない幼少期を過ごした彼女にとって安全な寝場所というのはいつだって、欲しいものだった。だけど――今願うのは】
【あのころとは少しだけ意味合いが違う。大人になってしまったからなのか、それとも――もっと違う理由なのかは、分からないけれど】

【――そろえて渡された靴に彼女はびっくりしたように目を丸くする。とっさに受け取ってしまったのをあわあわ返そうとしながら、うろたえる】
【それでも彼が動じないようなら――そのうち消極的に受け入れて、少女は彼の靴を借りるだろう。どちらにせよ、また襲われるようなら、もう一度はだしになるだけ】
【なら――多少歩きづらいのはかえって今は平和であると言う証拠になるみたいで、好ましい。少し遠慮がちに履くだろう――――やっぱりきっとうんと大きいけど】
【どこか少し安堵したような顔をしていた。呼吸こそ落ち着いてはいたけど――気持ちまでは、まだ、落ち着くことはできなくて】

【大事なものが増えていく、増えるたびに少しずつ怖くなっていく。だけれど――あくまで第三者である彼には、分かるはずなのだ】
【あの場所はそう軟ではない。なんせ彼女を護りたいと思う神聖のものが棲まっていて、あの場所を自分の場所だと定義している。つまり、聖域に近い】
【それもこの少女を護るためにこさえられた聖域だ。そしてもちろんそれは他者にも及ぶから――あの空間は、世界中のありふれた場所より、ずっと、概念的に強度がある】
【霊的に保護されている。だけど――それでもやはり、彼女にしてみれば、護りたいものが多すぎる場所なのだ。だから、どうしたって、恐ろしくなって】

…………うん。

【借りた靴はサイズがうんと合わないもの、確かめるように足踏みすればぱかぱかと気の抜けた足音がする、ぱかぱか、ぽかぽか、そういう音を数度鳴らして】
【たまにやる癖として服の布地をきゅっと掴めば――その裾が。銃弾に貫かれたかどこかに引っ掛けた蚊引き裂かれてちぐはぐになっているのに気づく。布地を寄せて】
【その傷跡を隠しこむ――様子を見るに、本人は無傷だろう。あるいはささやかな傷程度はあるかもしれないが――ひとまず、負傷と言う意味では、元気に見えた】

【――彼の提案にうなずく。ならばひとまず目標は靴の購入――だろうか、普段彼女の履いているようなのである必要はない、ある程度ましに動けるものであればいい】
【ぱかぱかと足音を鳴らして歩く、――さっきより歩みが遅いのは、やはり、歩きづらいからだろう。子供が大人の靴を戯れで履いているみたいな――そういうのに似ていた】
【――――それで、ちょうど、少し先に古い店舗が見えるのだ。老人が一人で経営しているような、本当にぼろっちい、ただの靴屋――大通りから離れたからこその、店舗だった】
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 22:28:19.84 ID:bSirkQlh0
>>196
「よかった……ディミーアさん……」

【長めの口付け、ゆっくり唇を離した後の少女の顔は相変わらず涙を流しながら】
【ディミーアの瞳には、理性の色がしっかりと宿っている】
【落ち着きを取り戻したディミーアに】

「ディミーア、先ずは……君自身が重要だ……手を尽くす、軍医の治療を受けてくれ……選ぶのはもっと後でもいい」

【その深層を、根源を語るディミーア】
【しかし、もし仮にカチューシャを手に掛けたとしたら】
【彼はまた大きな消えない傷を負うだろう、それこそ二人が三人になりかねない程に】
【それは自分を傷つけている事に他ならない、それはあまりにも悲しすぎるではないか】
【そう、考えたのか、厳島はディミーアにそう話した】

「理由は良く解った、君の行動も、その原動も」
「だからこそ、俺は君を見放す事も捨て置くこともしない」
「最善の航路を見出そう、焦る必要はない、だから……万全を整えるんだ、万全を整えて来るべき時に備えるんだ」
「……これは俺のエゴであり、要望だ……すまない」
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/01(日) 22:30:15.39 ID:X41pZcjDO
>>194

霊対スキャン――――敵性なし

【今度こそ半径10m圏内に敵の気配がないのを確認して武装を下ろす】
【背後に落ちていたシャコガイに首だけで目をやり、前を向いて――――かしゃんと、つい二度見したのはメイドなりの驚きか】
【やがてそこから這い出した少女の抗議を涼しい顔で聞き流し、その歩みを見守る】

其れが魂魄、貴女の言葉を借りるならGhostです。
霊肢を破壊した今、物理的損壊を及ぼすことはありませんが。知性をもたないため、身近な生物を依代として寄生し、宿主の意識を操ります。
この場合放置すれば凡そ40秒以内に身近な生体、則ち貴女の肉体に吸収され意識を支配していくでしょう。
哺乳類や貝類でもその差はありませんので、接触はお勧めしません

【あの騒音の中、肩の上での叫びをきっちり拾っていたらしい】
【例の光は生物の霊によるものという前提を踏まえ】
【女はその身に一部生体組織こそに使われているものの、生物には程遠い。故にこの場で該当するのは少女であり、それを懇切丁寧に説明する】
【聞かされる側にすればたまったものではない筈だが】
【その中身が作り物である以外に、女の落ち着きぶりには無論理由がある】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/01(日) 22:30:29.80 ID:V4fM7+nN0
>>198
【うん、と頷いて渡すと、彼女が靴を履くのを黙ってみている】
【夜の国に或る洋館。何かの間違いで、今交戦している勢力があの館を包囲したとしても――あの魔女や、へびさま、がどうにかなるとは思えない】
【むしろ何事のなかったかのように、周囲の包囲部隊が忽然と消えてしまう、というようなことのほうが、ずっと容易く想像ができる】

【――けれど、それと目の前の少女が安息を得れるかは別問題なのだ。へびさまが何とかしてくれるから、わたしはお休みなさい――なんて、彼女は考えないだろう】
【そういう彼女だから、自分も心配になるのだし。ただまあ、今の時点ではこの少女には休息が必要で】
【だから提案したのは、あの「忘れられた街」の、あのビルだ。エヌが住んでいるかも知れないが、彼ならば問題はない】

……うん、じゃあ、行こうか。
ちょうどあそこに、靴屋さん、あるみたいだし――でもボロいな。大丈夫かな。

【何条かの弾痕が、彼女の服に残っているのを見る。着替えも手配したほうがいいかもな、なんて思いながら、ひとまずはその靴屋へと足を向けた】
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/01(日) 22:36:15.77 ID:AIVf5EBeo
>>195


 …… 別に。お礼なら、見つけてから言って貰うわ。

「ふーん。 ──ふふっ、私はありがたく感謝して貰おっと。」

【やはり彼女と目を合わせないまま、「台所行ってくる」と。それだけ告げて、食器を持ち初は立ち上がった】
【 ──扉を開けて部屋から去っていく彼女を、面白いものを見た猫のように、エヴァは見送る】
【それから、眼前の佳月に視線を戻して。 ぽん、と笑顔の手前に、白陶磁のような両手を合わせた】


「……さっきはごめんなさい。 趣味、悪かったですね。
 あぁ、いや。別にシュミ悪いのも好きだし、手段としては悪くなかったと思うんですけど。
 結局、“私には”あんまり関係のない話ですから。 あの子と貴女の気分を損ねるのは、ダメでした。」


【言葉でそう言いながらも、結局詫ているのかどうか分からない文脈】
【──、 それでも、この少女が少し舌を出し、その白い肌に紅を添え】
【相混じった桜色の髪を揺らせば、その浮世離れした相貌が、容赦の雰囲気を作り出していた】
【逆に言えば、この少女はそれを知り尽くしてやっているのだろうが── 責める者も、そうは居るまい】


「でも、ね。 きっと私も、貴女と同じなんです。
 関係はないけれど、あの子の助けになってあげたいな、って。」


【「あの子、三年より前の記憶がないんですって。」】

【──、それは、佳月が夕月に抱く感情と一致するのかも知れないし、違うのかも知れない】
【だが、情動の名が何れにせよ確かなのは、“来栖くるる”が初の記憶喪失に関わっている、という事実】
【それだけを、エヴァンジェリンはこの場に置いた。 それ以上をどう考えるのかは、佳月次第だが】


「…… さっ、もう少し寝ましょうねー。目が覚めたら夕飯が待っていますから。ふふっ。 」


【そう言って、彼女は半ば強引に、佳月をベッドに戻そうとするだろう】
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 22:39:48.59 ID:gIXEJIK4o
>>199


…………お前たち


【二人がそれぞれ、心配をしてくれているのがよく分かった】
【それでも、ディミーアの表情には迷いが浮かび上がった。治療は、確かにそうだろう】
【軍属だった以上、精神状態のケアが重要だなんて話はいくらでも聞いてきた】

【────しかし、それを選ぶことはできなかった】


……俺の……俺のことよりも大事なのは世界の行方だ
今の俺には、俺たちにはやらなくちゃならないことがある
精神が擦り切れようが身体がズタボロになろうが、そんなことはどうだっていい

例えそうであったとしても、黒幕だの円卓だの、あいつらを地獄の底に叩き落とす方が先だ
でなけりゃ、もっと大勢が苦しむことになる。俺みたいなのがいくらでも生まれる
……それは、俺が防がなきゃならないことだ


【ディミーアには既に、普段の調子が戻っていた。声には理性が取り戻されていた】
【しかしそうであって同時に、自らの体を顧みずに機関や世界の敵を撃滅しようとする】
【そこには根深い狂気的な殺意と、彼本来の正義感が同時に存在していた】

【人々を助けるという願いと、機関員を殺さなくてはならないという強迫観念。そのどちらもあった】
【そしてそのどちらもが、自分自身のことを後回しにさせていた。時には、カチューシャのことでさえも】
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/01(日) 22:42:09.92 ID:6R+vuCjCo
>>200

【シャコガイは音もなく消えるだろう、キャスケット帽をそそくさと被り直して】
【じとーっと目深に被ったその下から青い双眸を向ける】
【言いたい事は、山ほどあったけど】


へっ……えっ!?───い、意識を支配!?
そ、それは少し困るな……僕の肉体が、乗っ取られるんだろっ
僕、年齢の割には結構良い体格してるから、もしかしたら、その

そう、こう、なんというか自重の無い使われ方をすると、危ないなーって
まあでも大丈夫だよね、僕ほんとは貝だし───えっ



   ────感染するの、貝にも。



【両手で自分を抱いて、少し照れた様子で話す、変なとこに自信を持ってる】
【確かに年齢よりかはスタイルは良さげで、露出の多い分セクシーさもあるだろう】
【しかし、それもつかの間、続く言葉に大きく動揺して】



ええええええ!?て、てことは、僕、今、危なかった!?
乗っ取られて、タコのあんちくしょうがするみたいに、あんな事やこんな事も!?


【両手で頭を抱える、うーん、うーんと唸る】
【初登場時のクールさはどこへやら】
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/01(日) 22:47:43.33 ID:Pks9O+iU0
>>197

【公園の近くを通りかかった者が、その光景の一部始終を見て通りすがるのを止める】
【ざっざっ、と、公園に踏み入れる音。不敵な笑みを浮かべている――】

「――」

【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「なァ、こォの鳩……お前の仕業かァ?」

【そして鳩を一匹拾い上げつつ、少女に近づいてくる】
【――その者に正義の心が宿っているようには見えず、むしろ逆の立場のそれ】
【もし指名手配犯について少し知っているのならば、この者は指名手配犯であることがわかるだろう】
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 22:47:53.82 ID:FUeRwXuz0
>>201

【そう――きっと、あの蛇はもとより、紫色の少女もまたそれを良しとしないはずなのだ。だけど、現実に安心かどうかと、気持ちとして安心かは、別――】
【それが良い考え方かどうかはおいておくとして、どうあれ不安で、だから、家にはあまり帰れない。かといって、UTに居たところで――いつ婦警が来るか分からない】
【仮眠用のベッドで決して寝過ごしてしまわぬようにアラームをいくつもかける、そのくせ、全く早い時間にふっと目が覚めてしまって、寝付けなくなったりする】

【よくない――だけど、"どうにか"するには、まだ、うんと、時間も、人手も、何もかも――あるいは敵の姿さえも、何もかもが、足りなくって、朧気で】

……多分、大丈夫だよ、ビーチサンダル専門店とかじゃなかったら――。

【果たしてそんな専門店、あるのだろうか。海辺ならともかく、ここは思い切り街中だし――そして近づけば見えて来る店の様相、多分、珍妙な専門店ではない】
【むしろ昔ながらの――古いし小さいが店主との距離が近くって、日常の些細なこともふっと相談してしまえるような、そんな店である……というのが、分かり】
【開け放たれた古い硝子戸をくぐって店内に――年を重ねたもの特有の、少し埃っぽいような、だけど優しい声が、出迎えて。――ラジオか何かの、音がしていた】
【店内には子供向けから大人向け。ちょっとしたパーティに行けそうなパンプスから、ジョギングによさそうなスニーカー。スーツによく似合う革靴、までが並んで】
【そのうち少女もサイズの合う靴を見つけるだろう。ずっぺたずっぺた引きずるように彼の靴で歩く少女を見て、店主は――少し不思議そうな顔をしたけれど】

【――やがて会計をする段になれば、タグを外してほしいとか、すぐに履くから、とかそういう話を少しする。その最中、これはふっとした世間話であるように】
【魔能制限法はいい、これで安心できる。私らもそろそろ店をたたんで、特区へ引っ越そうと思っている。そこなら孫たちも安心して遊びに来られる――そんな、話を、店主はして】

…………――、ありがとうございました。

【「お兄さんたちも、危ない能力者に気を付けるんだよ――」】

【店を出る際に投げかけられる声は、そんなものだった。思えばラジオから聞こえて来ていたのは、件の法律について語る、ものであり】
【ふざけたような名前のパーソナリティーが、そのくせ、まじめぶったような声で能力者を批判していた。――それでも人当りのいい老婆にあどけなく笑った少女は】
【店を出れば――その場で買った靴を地面に投げて、サイズの合わない靴をそのままするりと脱いで、スニーカーへ履き替えるだろう。それもやはり違和感ではあったが】

……ウェインさん、ありがとう。サイズのいいのがあってよかった、もうちょっとぼろっちいお店だと、思っていたから――。
じゃあ……、行こっか。途中になんにも、ないといいけど……。

【――ごめんね、ありがとう。そう言って彼へ靴を返す――、こちらは、少し、暖かい。とはいえ彼の下肢がそれを感じ取るかは、知らないけれど】
【「砂っぽかったらごめんね――」とも付け加える。しばらくはだしで歩いていたから――しゅんと眉を下げて。ただ。さっきの言葉については、触れない】
【まるでなんにもなかったみたいに。靴を買えたから十分だって言うみたいに――それで、なんにもなければ、歩き出すのだろう】
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2018/04/01(日) 22:47:55.68 ID:qq0z5c5B0
>>202

……いいえ、あそこで三つ目の選択肢を……、はじき出せなかった私も情けなかったです。
だめですね、こんなんじゃ……正義の味方なんて、まだまだ名乗れないや。

【ゆるく首を横に振って、毛先を散らすように】
【それから、初の記憶がないのだと知れば――やっぱり思い出すのは赤い少女の影】
【――彼女にも不穏な影、見知らぬ人物が取り憑いているようで。それが気にかかるというのもなんとなくわかる】
【本当は欠片もわかっていないのかも知れないけれど。とりあえずは、認識を改めたようだった】

【――――エヴァンジェリンに対してだけでなく、「くるる」にも】
【そういえば彼女は仕事がとても忙しいのだと言っていた。仕事とは、仕事――?】

……あっ、えっ? い、いいですよもう――帰れる程度には回復しました、し、
ああっ……

【そんな思考を遮られるように、ずるずる引きずられていく体】
【見た目通りの体重しかないので、きっと簡単にベッドに収められるだろう】
【枕に頭を乗せる。掛け布団の隙間から、申し訳なさそうな視線を寄越したが――出ていく気力はなぜかないみたい】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 22:48:15.76 ID:bSirkQlh0
>>203
「ディミーア、そうまでして……君は」

【言葉が出なかった】
【余りに固い決意、強固な意志】
【狂気じみていたやもしれない、だがそれは確実な怒りの炎として彼の中で燃え盛っている物だ】
【それを否定することは出来ない、止める事もまた】
【だが、その先に救いはあるのだろうか?】

「ディミーアさん、そんなの、そんなのって……」

【翔子は再び泣き崩れる】
【結末は……終焉は……】

「ディミーア、なら俺は俺の自身に科した任務として、君もこの世界も両方救ってみせる」
「いや、救う手立てを考える……その為の『協力関係』だろ?」
「……私も最近、そう考えるようになったのだ」

【柄にもなく話し過ぎた】
【柄にもなく熱くなり過ぎた、そう自分を諫めるように厳島は言った】
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 23:03:01.42 ID:gIXEJIK4o
>>208

【泣き崩れる翔子の姿は、ディミーアの胸中に痛みを去来させた】
【醜態を晒した自分を、初対面であってもあそこまで助けようとした少女を、泣かせてしまっている】
【悲痛さが男の表情に刻まれた。慰めるように、あるいは慰められるように、手がまた翔子の頭に乗せられる】


…………気持ちは、ありがたく受け取っておく
カチューシャのことも、礼を言う。どうしても誰かに話したかったことだ
なるべく、戦うのは避けてくれ。機嫌が良ければ、もしかしたら俺の名前を出したら少しは考えてくれるかも、な


【話すディミーアは、どこか寂しげな微笑みを湛えていた。この男には珍しい顔だった】
【自分の名前を出せば戦いを避けられるかも、とは言うものの、あまり自信はなさそうだった】
【この点に関しては、完全に相手次第だろう】


……あんまり泣かないでくれよ
そんなにお前が気にすることじゃないだろ、なぁ?


【翔子にはそうやって、普段通りに言ってみせる】
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/01(日) 23:04:56.47 ID:V4fM7+nN0
>>206
【何気なく、革靴を手に取る。靴ってこんなにするのか、なんて目線を値札に注いで】
【でもそういえばキング、革製品にはこだわるって言ってたし。こんなものなのかな、と思いながら棚に戻す】

【良い革靴というのは大事に使うものらしい。手入れして、履いて、手入れして――というように】
【けれど、自分がそんな靴を履いて戦闘機動を行えば、どこかの誰かが精魂込めて創ったこの革靴は早々に寿命を迎えるだろう】
【世間一般の価値観、常識とのズレを感じながら、会計をしている鈴音のほうを見れば】
【老婆が魔能制限法の話をしていた。少し居心地の悪さを感じる――鈴音は、能力がなければ生存を維持できない、とまで言っていた】

【無責任なラジオの声。新聞の記事。それらはいいのだ。プロパガンダには敵の意図があるだろう】
【けれど、こんなふうに市井で。それも善良であろう人々から、こういう声を聞くのは――少し、応えた】

――ええ、ありがとうございます。
お婆さんも、気をつけて。

【それだけやっと告げると、鈴音と共に外へ出る】
【靴を履き替え、自分も元の靴を履く。手に持ったときに感じた温もりは、足を通じては伝わってこない】

……早く行ってしまおうか、鈴音。
ここなら、誰に見られることもないし。

【そういうと、懐から通勤に使っている転移陣を取り出す。行き先は「ぬ」のビルの手前】
【特段反対がなければ、そのまま起動、ふたりで転移するだろう】
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/01(日) 23:07:09.22 ID:X41pZcjDO
>>204

はい、現在進行形で危険度は増しています
低確率ですが貴女が寄生された場合、本機は貴女の肉体を修復不可能なレベルで破壊し、依代としての機能を完全に失わせねばなりません

【淡々と言い放つ通り、最悪の結果になろうとも女は躊躇わず銃口を彼女に向けるだろうし】
【仮に少女が寄生され少年誌では描写不可能なレベルにまでその身を堕とされようとも、この女なら眉一つ動かさず逐一観察しただろう】
【その場合内蔵カメラを通して映像は記録され、貝類凌辱の貴重な資料として博士の元へ送られること請け合いである】

しかし本機としても必要以上に弾丸を消費するのは本意ではありませんので、この場で残りの魂魄は回収させて頂きます

【宣言して右手を掲げる。一瞬手の甲が白く輝くと、靄のような光はその手の中に音もなく吸い込まれていった】
【くっくっ、と2度五指を開閉する。よく見れば刺青入りと思われた其処は甲の中心に眼のような――否、まさしく眼球が移植されており。人間のものとおぼしき一つ目は、陶器のような肌の中で生々しい肉感と潤いを帯びている】

魂魄値、計478Gh。魂色から見て、やはり一匹目から切り離された残滓だったようです。
廃屋の鼠に寄生して潜伏、逃げおおせるつもりだったのでしょう

【行動は此処に現れたときと何ら変わらない。つまるところ女にとってここまでが纏まったワンセンテンスであり】
【最初よ若干増えた数値を読み上げ、推測までを述べる】
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/01(日) 23:08:12.38 ID:AIVf5EBeo
>>207

【寝るか死ぬかです、と、笑えない冗談を告げて佳月を布団に押し込むと】
【エヴァンジェリンはカーテンを閉め、電気を落として、静かに部屋から出て行った】

【──、それから少しの間、遠くの方からわぁ、わぁ、と。主に桜色の彼女の声が耳に届く】
【時折、夜色の少女の声も届くが、それも気にならない内に聞こえなくなるだろう 】
【遠くの方で誰かが家事をしている音。 それは安堵感を生むだろうし、貴女はまだ疲れているだろうから】

【目が覚めれば、何となく、いい匂いが鼻腔に届く。 じきにやって来る少女達に誘われて、リビングに行けば】
【この家の主なのだろう上品な黒髪の女性と、少女達と、貴女で、食卓を囲むことになるのだろうか】
【それは若しかすると、 少しだけ貴女を、元気づけてくれるものなのかも知れなかった】













































 黒猫さん、良かったですね。   私のともだちと、ともだちになれて。
 あなたは本当に、幸せに近づいていますよ。  私が保証します。

 さぁ、今日もみんなが幸せになるように、頑張らないと。   ねぇ、みっちゃん。




/お疲れ様でした!
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 23:09:07.44 ID:FGyh5lxo0
>>205


【少女は近づく男に気付いて、顔をそちらに向ける】
【投げかけらた疑問には表情を変えず───】

私の仕業って?
その子が死んだこと?
まあ、そうね。私の仕業かな

【あっさりと認める。態度から罪悪感は感じられない】

【男は鳩の死体を持ち上げた時に気付いただろうか───】
【1羽の鳩にしては数キロあり"異様に重い"ということに】

ところでお兄さん、誰?
なんかどっかで見たこと有るような無いような……

【すこしだけ興味深そうに、首を傾げた】
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 23:14:00.17 ID:bSirkQlh0
>>209
「だって、だってぇ……」

【頭に手を乗せ、優しく】
【その温もりは、間違いなくこの傷ついた優しい戦士の物だった】

「解った、交戦は控えよう、曹長もだ」
「俺は、決して悲劇の結末など求めない……」

【そうなってしまったら、この世界は冷たすぎるではないか、と】
【運命という物があるのだとして、違った運命も選べる筈だ】

「ディミーアさんは、ディミーアさんは……そんなんじゃ、ダメ、ダメですよ、ダメなんですよ……ひっく」
「いい加減にするんだ曹長、貴官には任務があるだろう」

【すっかりと普段通りの口調だ】
【無理をしているのは解る、その優しさが悲痛な運命と過去と、相まってより悲しさを増した】

「ディミーア、必要な事があったら何でも言ってくれ」
「我々は君の味方だ、何でも頼って欲しい」

【こう、翔子を尻目に付け足すように言った】
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2018/04/01(日) 23:17:13.23 ID:qq0z5c5B0
>>212

【抵抗してみたわりに眠気はすぐにやってきて、瞼が落ちるスピードは光の速さ】
【それだけ疲れていたということだ。眠りに落ちるまでの間、子守唄を聞くみたいに】
【誰かが家の中にいて、何かしら音がするのをぼんやり聞いていた】

【それから目が醒めて、久方ぶりに誰かと食事を共にする。それだけのことで】
【ひどく鈍くなっていた味覚が、嘘みたいに冴えわたって。ようやく完全に、ぎこちなさのない笑みを浮かべるのだ】


 【――――】


【同時刻、どこかの路地裏にて】
【誰とも会いたくなかった、顔を合わせなきゃいけないのがあの女といけ好かない兄であるならなおのこと】
【赤髪赤眼、赤い靴の少女は――そんな場所で、ひとりパンを齧っていた】

……、……ぜんぶ終わったら温泉とか行きたいな。あ、そういえば……

【「くるる、まだ忙しいのかなあ。温泉行けたかな?」】
【何にも知らないまま、何処かへ消え失せた、探されている張本人】
【そんな彼女が、そんな独り言を漏らしたり、していたのだ】

//おつかれさまでした、ありがとうございました!
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 23:18:07.22 ID:FUeRwXuz0
>>210

【まして――今の彼女はきっと気が立っている。そう目立つほどではないけれど、どこかからか逃げてきたのだ、おそらく、誰かに襲われて】
【今までそれを説明することはなかった。だけれどワンコールに満たない着信、ただ履歴を残すことのみを目的としたようなものと、この状況】
【疲れたような目をして――まだ髪は少しくちゃくちゃしている、はだしだった足も――よく見ていたなら、ストッキングが断線よりも裂けている個所もあった】
【そして服には弾痕がいくつも重なり――無傷であることがある種の奇跡みたいに。自身の出血も、返り血もなく、上手に帰ってきた――それが、唯一救いに似ていた】

【――――「あ、」と、小さな声。ちらりと指先を舐めた少女はその指先を靴のつま先に押し付ける。いつか母親に言われたこと、理由なんてよく知らないけど、癖みたいに】

――うん、そっか、……ああ、そうだね、うん――遠い、よね。
ごめんね――少しだけ、ぼうっとしていたみたい。……うん、そうだよね。

【歩き出そうとした――その時に相手の言葉を聞いて、懐から取り出される術式の書かれた紙に、少女は一瞬、意味を理解しなかったような顔をした】
【それで――少し遅れて、気づくのだ。歩いていくには遠すぎる……当たり前のことに遅れて気づいて、ばつの悪いような顔をする。くしゃ、と、短い髪を乱して】
【すぐに毛づくろいするみたいにするすると直していく――手櫛でもきれいにまとまるなら、上手に手入れされているのだろう。眠れないくせに、こればっかりは、砦みたいに】

【――――きらと魔力光が瞬く。本当は――少女が持つものと彼が持つものは、少し違う。彼女はそういった媒体を、持たされていなかった】
【その代わりに――少女の存在そのものに、打ち込まれている。というとひどく物騒に聞こえるのだけど。とかく――この少女は、手ぶらで行える】
【だけど今日ばっかりは彼の持っているものに甘えるみたいにして一緒に向かうだろう、古びた街――忘れ去られた街。誰も居ないけれど、だからこそ、安心できる場所】

――――今日もあるね、「ぬ」。……よかった。

【初めて出会った年末の日がひどく遠いことみたいに思えた。それでも「ぬ」はまだそこに落ちていて――新しい靴のつま先で小突いて、少し、安堵したように笑う】
【それで――何にもなければ、踏み入っていくのだろうか。"彼"が暮らしているかもしれないことは……きっと、知らなくて】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/01(日) 23:19:06.49 ID:Pks9O+iU0
>>213

「そォーいう事。……ククク、責ェめに来ィたわけじゃアねェから安心しィな」

【――予想外の鳩の重さに少し体勢を崩されたか、しかしめげずに片手で持ち上げて】
【その後の行動に明確な影響は見られず、となると筋力はそれなりにある方か】

「俺様、死体回収が趣味なモノでなァ――"こォーいう死ィに方"しィた奴はちょいと拾いたくなァる」

「――あァ? 俺様をどォこかで見ィたことあァるって? ――お前とォは初対面な気ィがするが」

【そこまで言って、彼女がどこで自分を見たのかに推測が付けられたのか】

「なァるほど、……俺様有名だァもんなァーッ!! こォーいうので見ィたんだァろう? おォそらく」

【ばさり、懐から出された1枚の紙は指名手配犯ポスター。シワは一切ない】
【そこには同一存在と思われる姿、――数多くの罪を犯し、多額の懸賞金をかけられた悪魔、邪禍の名が載っていた】
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/01(日) 23:21:42.44 ID:6R+vuCjCo
>>211

【眼球入りの右手を見つめて、ひっと反応する】
【混沌に次ぐ混沌、少女のキャパシティを超える状況に混乱が生じて】
【じわりと、青い瞳に涙が滲む。──共に流れ出るのは白い砂】

【メイドならばその成分が炭酸カルシウム、つまり真珠の粉である事が理解出来るだろう】
【しかもその一粒一粒が細かな球体となっており、光を反射し非常に美しいことにも】


っ……やっぱり、陸は怖いこと、いっぱいなんだね……
うぅ、海の底に帰りたいよぉ、気ままに楽器を弾いて、のんびり暮らしてた頃にぃ
シャコには無理だよ……っ、こんな所で生きてくなんて

───っぁ、ごめん、ごめんなさい……
魂魄、だっけ、そんな恐ろしいものが、陸にはあるんだね
でも、メイドさんの様な方が、守ってくれてるん、だね


【掌でごしごしと涙を拭った、真珠の破片がキラキラと散って】
【メイドに向き直って深く礼をするだろう、ゴールデンブロンドが揺らめいて】
【顔を上げたなら、少しだけ元気になった彼女がいた】


そういえば、言ってなかったね……私、シャコです
シャコ・パストリアス───ほんとは、シャコガイなんですけど
色々あって、今は陸上で生活してます、それで、その


【貴方の名前は、と尋ねるだろう】
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 23:23:15.15 ID:gIXEJIK4o
>>214


ったく…………優しいな、お前は


【今でも泣き続けている翔子を、ディミーアは優しく撫でていた】
【純粋で、心優しい子だと、そう思った。軍人には向かないかもしれない、とも】


…………あぁ、そうさせてもらう
一番馬鹿げた姿を見せたからな、今更、遠慮するようなことなんかない
逆にそっちも頼ってくれよな。恩を返さないんじゃ、恥ずかしいったらありゃしない

あー、どうすんだよ、この空気。どうにもダメだな
街に戻ったら、景気付けに一杯やるか。翔子にも美味いもの食わしてやるよ


【本気でバツの悪そうな様子だった。困ったように自分の頭を撫で付けていた】
【それから思いついたことを口にする。こうでもしないと、自分の失態を取り返せなかった】
【翔子への呼び方が変わったのは、親近感の表れのようだ】
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/01(日) 23:30:23.47 ID:V4fM7+nN0
>>216

【――そうして、転移する。始まりのビルへ】
【埃っぽい。そもそも周囲に人里がない。風はいつでも吹き付けている】

【――けれど、そんな街が居心地よく感じるのだ。追われて撃たれて、ボロボロの少女を連れて、ここに来た】
【いやなんとも、と、眉根を寄せる。今は敵のターン、というところだろうか】

――あるね、「ぬ」。結局ほんとう、なんのビルだったんだろう。

【そういいながら、足音を響かせて、いつかの住処へと戻る】
【エヌが住んでいるはずなのだが――今日は影がない。引っ越したか、あるいは図書館で仕事中か】
【とにかく場所は沢山ある。居所を決めてしまえば、あとは周囲に探知魔術を張り巡らせるだけだ】

―――少なくとも、ここにいることはほぼ探知されていない。
あの時点では周囲に目もなかったし、この魔術はこの世界の魔術系統とは違うもので編まれている。
追跡も簡単ではないだろう。

少し休もう、鈴音。
ここなら少なくともしばらくは安全だ。
落ち着いたら――何があったか、聞かせてくれるかな。

【そういいながら、ビルの中、古びたソファのある奥まった部屋を、ひとつ見つけるのだった】
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 23:31:29.82 ID:bSirkQlh0
>>219
「気にするな、問題ない……何故ならば俺はセレンディピター号で一度君に助けられている」
「これで今、貸し借りは無しの筈だ」

【ディミーアの言葉に、僅かな笑みを口元に湛え乍ら、こう返した】
【そして】

「……だが、それには賛成だ、街に行くならば乗ると良い」
「後部座席でも、側車でも好きな方を選ぶといい」

【自身達の乗って来たオートバイ『陸龍』に、ハーフのヘルメットを渡しながら】

「……私、後部座席がいいです、ひっく」
「何故だ?」
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 23:32:10.32 ID:FGyh5lxo0
>>217

死体回収が趣味……?
ふぅん、趣味って色々あるのね
その子たちの死体は私いらないから、持ってっていいよ

【男――"邪禍”の取り出した手配書を見ると】
【少女はあ、っと少し納得したような顔をして】

そっか、そういう紙がどっかに貼られてて顔を見たことがあるんだね、たぶん
じゃあお兄さんは犯罪者ってこと?

【書かれた細かい罪状等はこの距離では視認できないが】
【犯罪者だということにはあまり動揺してないようだ】
【しかし、別の疑問が発生したようで――】

もしかして……"機関"の構成員なんかじゃ、無いよね?

【怪訝そうな、警戒を強めるような、何か探るようなジト目で邪禍を睨んだ】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/01(日) 23:35:45.25 ID:gIXEJIK4o
>>221


はっ、俺も野郎の後ろの席は嫌だな
側車でのんびりお前の運転でも眺めているよ


【すっかり、本当にいつもの調子を取り戻して】
【にやりと、ディミーアは笑ってみせてヘルメットを装着】
【側車に乗り込んで、あとは厳島にお任せだ】

【それから三人は街へと移動して、ディミーアの選んだ店へと行くだろう】
【そこでは他愛のない話なんかを彼はして、ある意味で無益な時間だったけれど】
【それでもその時間を、案外、ディミーアは楽しそうに過ごしていたのだ】

【勿論、全ての食事は彼持ちだった】


//この後三人は楽しく過ごしました、的な〆で
//というわけで、お疲れ様でした!
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/01(日) 23:40:32.23 ID:Pks9O+iU0
>>222

「よォーし、言ィッたな? あァいつらは俺様が綺麗さっぱり持ォち帰ってやァる」
「後で文句は言ィうなよ、何に使うかは俺様次第だァからな……」

【さすがに腕が疲れてきたのか、それとも"確保する必要が無くなった"からなのか】
【ともかく、その者は持っていた鳩を地面に置いて】
【ついでに、彼女がポスターを確認したのを認識すればそれを懐にしまう。丸めずにそのまま】
【――まるで、いや確実にどこか別の空間にへと送られたのだろう、もしこの後懐を確認してもポスターは"無い"】

「そォーだ、俺様はテロから万引きまァでをこォなす犯罪者! そォして、超強ェ悪魔だ!」

「――だァが機関員じゃアねェ。人間共の下につゥくつゥもりはねェーかァらな……"協力"はしィてやってるが!」
「あァ、でェも最近は機関の一部と敵対しィてるな。まァ、基本は友好的に接してやァッてる」

【機関に協力し、しかし機関と敵対する。一見矛盾しているようにも見える関係だが――】
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/01(日) 23:41:28.34 ID:bSirkQlh0
>>223
【三人での食事後、特務駆逐艦『如月』に打電】
【円卓、黒幕のトップの情報が判明】
【調査を続行する】
【また協力関係にある公安ゼロ黒野カンナの指示、要請を同時に待つものでもある】
【また、今後の状況に対応すべく陸戦隊軍医の派遣を要請するものである】
【上記の打電は暗号にて成された】

//お疲れ様です!ありがとうございました!
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 23:43:58.82 ID:FUeRwXuz0
>>220

……よかった、なくなっていたらどうしようって思ったの、こんなところまで――、……変わっていたら、どうしようって、
だけど――よかった、一緒だ。よかった……、――。

【――ここなら、UTも黒幕も円卓もどんな陰謀も、届かない。いつかは届くかもしれないけど――今、この場所に、そんなものは、ただの一つだってない】
【あの日彼が蹴破った硝子の穴から中に踏み込む、埃っぽくて黴臭い。楽しいものはただの一つもない、ラジオもテレビも、ここにはない】
【探知魔術――彼が使えるのなら、ひとまずそれに頼るだろう。そうでなくとも、彼女自体が魔術や魔力へ反応するから、この少女自身がその役目も果たせる】

【ただ本当に安堵したように笑うから――、任される限り仕事は全うするだろう。ゆっくりと歩きながら、ちょうど良さそうな部屋を探す、その途中】
【誰かが落としたのか。それとも何か商品だったのか――すっかり変色して朽ちかけたキーホルダーを、少女は拾い上げる。それをぎゅっと手の中に握りしめて】

…………、うん、*ちゃんのだから……、そんなに簡単には、分からないと思うよ。ここもばれるようなら……。
それに、ここに来たのは、あの時ぶりで……、あの時はまだそんなこと、一つだってなくって、エヌと会っただけで――、

【ああ、と、小さな声がした。忘れていたわけではない、だけど、確信がなくって、どうしたってこれはこうなんじゃないか、って、思いこむことはできなかった】
【それをふと思い出したのだ――機関とディストピア。ここに来れば、どうしても――疲れ切った脳内が、それらの事象を、繋ぎ合わせたがるみたいで】 

うん、少しだけ――、……ごめんなさい、くたびれちゃった、びっくりしたの、急だったから……。
ふらふらしてたの、理由もなくって――――もっと人手のあるところにすれば、よかったのかな、分からない、けど――。
最初ね、誰か居るのかなって思ったの、だけど路地裏だから――、……その、"そういう"、よく……いるひとたちかなって、でも、

【「ちがったみたい」】
【――だけれど。違ったと判断した理由を聞いても、きっと彼女は上手には答えられないのだ。ただ――何か、そういう、ありふれたチンピラみたいには、思えなかった】
【古びたソファに体重を預ける――ぶわっと埃が舞い上がって、中の発条が今にも破断しそうな音を奏でる。破断というか、むしろ、そのままへし折れてしまいそう】
【それでも――今この状況と気持ちであれば、十分すぎるくらいだった。彼が座れるように場所は開けてある、壊れないと、いいけれど――】
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/01(日) 23:53:48.78 ID:FGyh5lxo0
>>224

自分に対してすごい自信があるのね
確かに見た目もまるで悪魔みたいで超強そうだし、羨ましいな
私はこうやって鳩を殺すくらいしか出来ないから

【シワひとつなく持ち歩いているポスター、そしてその態度から】
【男に対する感想と自分との比較を素直に漏らす】
【ただし、あまり異種族に対する知識は無いのか――】
【どうも手配書に書かれ、男も自ら言っていた"悪魔"という言葉は二つ名的な意味と思っている様子だが――】

機関員じゃない……のは良かったけど協力して一部敵対……?
なんかよくわかんないな……
でも私を見たこと無いってことは、私を連れ戻しに来たわけじゃないんだよね?
なら良かった

【警戒を解き、ホッとした表情をする】
【なら近づいてきたのは単なる興味なのか――そちらはまだ測りかねているようだが】
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/02(月) 00:01:04.87 ID:cD6Hj51cO
>>218

怖い、とは恐怖という感情でしょうか。
広範囲スキャン――――敵性なし。獣化魂魄を取り除いた現在、周囲100mに生命を脅かす存在は認知されません。
また本機は一般人への発砲に対するセーフティが掛かっているため、現状この場にて貴女を殺傷する可能性は極めて低いでしょう

【スキャニングを使えば少女の流す涙の量から成分まで計ることはできようしかし、その感情を揺さぶった原因はいかな高性能カメラであろうと認識することはできない】
【だからその胸元にハンカチが納められているにも関わらず、それを差し出すことはできないし、おぞましい眼球が付けられた手で拭うことも出来ない】
【一応女なりに慰めようとしているのだろうか、続けて言葉を紡ぐ】

そもそもこの魂魄は博士が在野に解き放った物です。
魂魄の汚染濃度は他生物、主にヒトなどの高等哺乳類に寄生した場合爆発的に高まり、また怪異としての危険度も同様です。
その場合博士の求めるエネルギー還元物としての性質も上がるため、それを回収するのが本機の役割でした。
故に水棲無脊椎生物である貴女が魂魄汚染によるエネルギー媒体として選択される未来は、0.003%以下の極々低確率でしかないと証明されてます

【相変わらず長ったらしい説明だが、要するに一連の騒ぎは一部の者によるマッチポンプであると】
【人々の知られざる場所で蠢く悪意の還元に過ぎないと。歯車は語る】
【何故こうも口が軽いかといえば、情報規制が為されていないから。魂魄が画像証拠に残らず、 物理的な証拠としては弾痕のみに留まるためであるが】
【この件に関しては語るに及ばず】
【納得してくれたなら、逆に問われた質問の意味を考え。型番(なまえ)を訊かれたのだと判断する】

H.I.G.A.Nsystems、model14series No.8。
ヒガンシステムズ モデルフォーティーンシリーズ ナンバーエイト。
博士の下で主に魂魄回収を承っております

【ドレスの裾を詰まんで、計算された優雅さでお辞儀を披露した】
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/02(月) 00:01:19.60 ID:bR1kzXNE0
>>226

ああ、とりあえずは、安心だよ。
なにもないからこそ、ね。

【そうして、いくつかのルーン石を取り出し、組み合わせ、魔術を編む】
【あまり彼自身の魔術の素養は高くない。適宜、鈴音の助けがいるだろう】

【そうして、「警戒」のルーン、「遠見」のルーン、そして彼自身の看破の魔眼の概念を付与して】
【周囲一体に警戒魔術を強いた。敵意あるものが侵入すれば、警報される。ある程度までならば、科学的、魔術的な隠蔽も看破するものだ】

―――そうだね。
エヌと共に退けたあの――「あれら」の感触は、なんだか、今の僕たちが進む道につながっているのかも知れない。
あれがもし僕らの未来だったとするなら、そうだとするなら。

【ぎし、と古びたソファを軋ませて、鈴音の横に座る。なんとか、古びたソファはその役割を果たしているようだ】

――鍵になるのは、エヌだ。
あれが僕らの未来なら、僕らは敗北したことになる。
止められず、世界は灰色に塗りつぶされる。

……けれど、止められなかった僕たちの中には、エヌが居なかったはずだ。
彼はその世界で生まれたのだから。

今は、この世界に彼が居る。
ならば、彼が鍵になって――きっと、同じ未来は辿らない。

【青年が考えていたことを独白する。また、と言ってしまえばまた、なのだが、エヌに頼ることになるかもしれない、と】

そうか、路地裏に普段いるような、破落戸ではなかった、ということだね……
組織立っていたり、訓練されていたり、何か明確な目的があったり。

そういうことを、感じ取った、のかな。

【ソファに身体を預ける。くたびれたソファだけが持つ、独特の心地よさ】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/02(月) 00:04:05.29 ID:jwt7oMjt0
>>227

「ククク、褒ォめろ褒めろ! 褒ォめれば何かでェるぞ、気ィが向ゥいたらなァーッ!!」
「そォれに、俺様は"悪魔みィたい"じゃアねェ、悪魔だ! こォッちのポスター見ィやがれ」

【相当自己評価が高い様子のその者が懐から取り出したのは、先程とは違う指名手配犯ポスター】
【こちらは邪禍特集のようで、人間・半悪魔・悪魔の3つの写真……やたら写りがよく生き生きとしたそれが掲載されている】
【また、そのポスターには"こいつは召喚術を使う"なんて情報も書かれていた】

「――機関は今、どォーも内部分裂しィてるよォーでなァ」
「少なくとォも3つだ。そォのうちの1つ……"黒幕"側が今話題の"魔能制限法"を強引に通した糞野郎!」
「そォことは明確に敵対しィている。――他は今のとォころは協力関係を維持。そォーいうワケ」

【血管が切れそうな勢いで黒幕側を責める。よほど気に食わない様子だ】

「つゥまり、お前を連ゥれ戻すとォか……そォーいう目的なァんてねェーなァ、頼まれたら別だが」
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/02(月) 00:12:02.95 ID:KCVxIps4o
>>228

【言葉の形は硬くとも、其の奥にある心理は何となく伝わってくる様で】
【シャコは目の前の貴女に好意を抱く、自分に対して配慮してくれてるのだから】
【適応してきたと言ってもいい、一つ大きく頷いて】


……難しい言葉ばかりで、ちょっとくらっとしたけど
成程、其の博士が魂魄を撒いて、育てて回収するんだね
知ってるよ、知ってる、それね"養殖"って言うんだ

ふふ、シャコの友達もね、養殖された子いっぱいいるんだよ
みんなね、みんな、無理やり子ども産まされて、育ったら捕獲されて食べられちゃうの
ねぇ想像できるかな、ある日私を除いて同級生が身篭るの


【ずーんと暗い顔をして、力のない笑みで笑う、あははと暗い暗い声で】
【魂魄の事例と貝の養殖を同列に語るのである】
【低確率で良かったけど、貝の食べられ方からして、あんまり未来は変わってないよね】


えーっと、No.8さんって、呼べばいいのかな……よろしくね
そういえばさ、魂魄の回収が終わったら……どうするの?
博士の元に、帰るのかな───


【───"だったらさ"】



───連れてって、くれないかな?


【解剖されるぞ】
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 00:18:30.10 ID:FWdwGeg00
>>229

【ルーン石というのを彼女は初めて見たのだろう、少しだけ興味深いような目をじっと向ける、手助けを求められれば――手伝う、のだろうけど】
【あまり関わらせると、気づくかもしれない。この少女、あまり魔術式と相性が良くないのだ――というか、なんだか"歪んで"しまう、文字化けするみたいに】

――――……ウェインさんも、ね、そうやって思う?
わたしね、少しだけ。思ったの、機関と、ディストピアと――って聞いたときにね、あの時見た、景色と……何にもない、ない、あの場所、
だけど。違うかもしれないって、むしろそうだって証拠の方がないって、ずっとね――思ってた。あれはエヌの世界のことだって、だけど――。

【――ぎしりと背もたれに身体を預ける。細い首をうんと晒して見せるように、頭を後ろにやって、そのまま話すなら、声は少しだけ濁ったものになる】
【こんな話をできるのは――それこそ彼やエヌだけだ。あの場に居合わせた自分たちのみが、少しだけ、違った違和感を持ちえる……その可能性を、知っている】
【少しだけうんざりするような声だ。それは、結局、別の世界のことだと思っていたのかもしれない、自分のこと、自分相手に、うんざりと、重たい気持ちになって】

エヌは……、分かっているのかな、どうやって思っているんだろう。
それに……――どうして、この世界に、居るんだろう。異世界人……会ったこと、ある、けど。

――それと、おんなじなのかな――、たまたま偶然、何の理由もなくって、――なのかな。

【少しでも気持ちを切り替えたくって身体をぐうと伸ばす、両腕をぐうと伸ばして、ソファをぎしぎし言わす、助けてくれって叫んでるみたいな音を、無視して】
【エヌは確かにこの世界に居る。今もだろう、ならば、彼は、この現状をどう思っているのだろうか。経験したことのある人間として、どんな気持ちを抱くのだろう】
【そもそも――彼は別の世界の人間だったはずだ。それが、どうして、ここに――……ありふれた異世界人として、たまたま、訪れてしまったのか。何の理由も因果も関係なく】

ウェインさんがあの時居てくれたみたいに。エヌも、今、"だから"、居るのかな――、

【だなんて――くたびれた少女の独り言みたいな声だ。彼の言葉を聞いて、ぼうとそうやって、思って】

…………うん、上手だって、思ったの、ただのひとたちなら――あの人数でも、平気だった、きっと、だけど……。
怪我しなかったの、運が良かっただけなの。ウェインさんに電話、できたのも……運が良かった、だけなの、それとも――。

【――件の探偵は彼女が戦える人間だと思っていなかった。だけれどこう華奢な少女相手ではそう思うのも、ある程度は、仕方がないだろう】
【転移魔術を持っていることはばれている。そのうえで、何かを調べたいと思ったなら――けしかけてみるというのも一つの手、ではあると思われる】
【それで殺せれば上出来。殺せずとも送り込んだ人員の負傷具合、あるいは死亡数で戦力をはかることが出来る。誰かに助けを求めるなら、そいつも協力者と推測できる】
【とりあえず彼女は生き残って逃げ出した。その向こう側で彼と合流したことは気づかれただろうか、分からないけれど――】
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 00:19:02.24 ID:5EMNf0OY0
>>230

え?悪魔って、本当に悪魔なの?

【取り出されたポスターを凝視する】
【そこに書かれた写真と情報を見るに――どうも悪魔は二つ名ではなくれっきとした種族のようで】

すごい!悪魔なんて始めて生まれて初めて見た!

【最初の気怠げな様子からは一転し、幼子のように目を輝かせるが】
【"機関"の話になるとまた少女のテンションは下がり】

機関って大きくて人もたくさんいるみたいだからね……
内部分裂とは、わたしもよくわかんないけど

連れ戻してほしいなんて思ってないよ
わたしは機関から逃げてきたんだから……
よくある話らしいじゃない?生まれてからずっと能力研究の実験台ってやつ

ほんと、お兄さんみたいな強い悪魔が機関をぜーんぶ潰してくれたらいいのにな

【自分の出自をよくある話と軽く語り】
【――冗談かどうかもわからないことを真顔で呟いた】


//すいません、置きレス移行をお願いしてよろしいでしょうか……?
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/02(月) 00:31:52.54 ID:bR1kzXNE0
>>232
【歪んだルーン石を透かすように見る】
【それはそれとして、懐に直す。魔術の敷設はなんとか自身で終えて】

……うん、似ているな、と思う。
未来のことなのか、あるいは異世界の機関が同じ様に動いたのか。

【エヌがこちらに来た、その経緯はわからない。きっと誰かが、あの時の自分たちと同じ様に尽力したのかもしれない】
【ならばひとつ、縁が結ばれて彼はここにいるのだろう。だとするなら、彼は正しい意味で同志、と言えた】

【それから、鈴音を襲った相手の話を聞く】

――なるほどね。練度、連携。破落戸を装ったとするなら、恐らく威力偵察が目的だろう。
鈴音を中心とする、この『協力者達』――その戦力や規模を推し量りに来ている。
だとするなら、あまり時間がないね。
国家規模の物量を動かせる相手に、個人が抵抗し『続ける』ことは出来ない。

僕や鈴音、カニバディールが表に立てば、数度の正面戦闘で政府側の部隊を退けることは出来るだろう。
ただ、補給も限られている状態で夜襲を繰り返されれば――僕らには休息の時間も場所もなくなる。
そうすれば後はすり潰されるだけだ。

……とにかく、無事でよかった。
しばらくは護衛に付くから、ゆっくり休もう。

【早めに泥の街へ――とは思ったが、今の時点で鈴音を急かしてもいいことはない】
【協力者達との会合に挑むのなら、お互い万全の状態がいいだろう】

/というところでまた明日、でよろしいでしょうか!
眠気がきており・・・
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 00:34:28.26 ID:FWdwGeg00
>>234
/引継ぎ了解しました、こちらもうちょっと時間に余裕ありますのでこの後お返ししておきますっ
/明日は夜遅くまで戻ってこられないと思われます、明後日は一応もうちょっと時間に余裕があります!
/とお伝えしておきます、ひとまずおつかれさまでした!
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/02(月) 00:36:13.39 ID:bR1kzXNE0
>>235
/了解です!では明後日めどで!
 ありがとうー!
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/02(月) 00:38:38.81 ID:jwt7oMjt0
>>233

//了解です、置きレススレの方に返レス置いてきます!
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/02(月) 00:42:01.78 ID:cD6Hj51cO
>>231

【養殖の意味は分かる。人間が自らの食料をより効率よく大量に得るための食物連鎖などを利用した栽培システムの一つ】
【だがそれを語る少女の表情筋はネガティブな感情を表す、その理由がわからないと】
【想像力という機能が欠如したおんなは微かに首をかしげるポーズをしていたが】
【最後の申し出には首を振り、初めて明確な拒絶を示す】

出来かねます。博士の研究及び本機たちの存在は現在の一般社会の法的倫理を著しく犯すものである故に
行動原則第1項、本機はいついかなるときも博士の精神的、肉体的安全を保障し、その居場所は厳密に秘匿すべしと。
此れは行動原則第3項、本機の自己防衛よりも優先される大原則であるのです
つまりいかなドケチでマシン使いの荒い博士であろうと、本機にはその身に代えても守る必要があり、そのためにはあらゆる危険を排除するのです

【連れていくことはできないと、その申し出の訳を省みないまま、きっぱりと断じる】
【その視界の端で赤い明滅が起こる。厳密にはアイカメラの画面内にてアラームが示すもの】
【則ちタイムリミット。シャコの少女の申し出がなくとも、この場に居ることは出来なくなった】

帰投予定時刻に達したので、此れより本機は離陸体勢に入ります。
噴射の際の排熱により生命体では火傷の危険性があるため、後5m距離を空けることをお勧めします

【がしゃん! と、不意にエプロンの背中が上に開き、円錐台型のブースターが1対現れる】
【間髪入れず急速なエネルギーの収束に、噴射口付近が赤熱を始め】
【高速飛行時目を保護するため、バイザー型に変形したカチューシャ。それを目深に下ろしながら、恐らく最後となる言葉をかけた】
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/02(月) 00:49:24.83 ID:KCVxIps4o
>>238

【拒絶の言葉に少しだけ残念そうな表情を見せて】
【すぐ様頭を振って微笑みを向ける、そうだよね、と一人で納得して】
【分かったよ、と言葉を返して彼女は佇む】


それだけ、その博士が大切なんだね
うん、分かったよ、それじゃあ気をつけてね──
僕は友達が少ないから、見知った人が居なくなるの、やなんだ

────ふぇ、離陸?


【離陸の申し出を受けたなら、忽ち高鳴る熱噴射】
【慌てて少女はシャコガイを出現させ、その中に隠れる】
【チラッと、貝殻の隙間から顔を覗かせて、貴方を見つめる】


それじゃ、またね───


【シャコの少女は、去りゆくあなたを見送るだろう】


/この辺りでしょうか!お疲れ様でした!
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/02(月) 01:01:07.60 ID:cD6Hj51cO
>>239

【果たして女は友達の意味を解釈しただろうか。ただ、悲しいという言葉と、それを避けたいという意図は理解して】
【ほんの2、3mmだけ頷いた……かも知れず】
【噴射が始まると、辺りはジェット炎で昼間のように一瞬明るくなる】
【きいぃぃぃぃ――――! と大気を引き裂いて、真上に飛び立てば十数秒で亜音速に達する】
【シャコの上空で2度3度円を描いて。やがて目的の方角を定めると、高速飛行体勢に入り】
【雲を引いて、一直線へ明け方の空へ去っていった】

【シャコが海に帰らないのなら、いずれまた再開の芽もあろう】
【その時少女の前に立つのが、同じNo.8とは限らないが――――】


/絡みありがとうございました
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 01:27:13.44 ID:FWdwGeg00
>>234

【――だからこそ、だった。彼のように紙に書いて術式を持たせる、ということが、できない。この少女が触れると、大なり小なり術式は歪んでしまう】
【魔術や魔力に敏感でありながら魔術を歪めてしまう、そして何より能力の有無が生死に深く関わる。――それは全うな人間ではないという証拠にほかならず】
【かといって――緩やかではあるが、魔術の勉強もしているようだった。歪ませない方法なのか、歪ませてなお世界に影響させる方法なのかは、分からないけれど】

失敗したら……、

【――――ぽつりと小さな声が漏れる。あんなにありふれた、ただの――ごく普通のひとにすら、すでに認識は広がっている。あの場所は、楽園に見えている】
【ああなってしまうのかな。そんな風な言葉は続かないけど……きっとそう考えていて。彼が――エヌが、ああまでして護ってくれた、世界を、そうしてしまうのは】
【どんなふうにしたって謝りきれないこと、許されるだなんてありえないこと、罪深いって、分かるのに。現状を思えば――少し怖くなる、もしかしたらを、考えてしまう】

威力偵察……、……何人居たかはね、分からないの。何人か殺したけど――、それでも、あまり、減らなかった気がするし。
数えてられなかったの、――ずうっと追いかけてきて――、逃げようと思ったけど。とにかく、時間を稼がないと、起動できないから。
こういう時ならね――すぐにもできるの。だけど……、あんまり変に無理やりすると、"へんなところ"に出たときに責任が取れないって。

【その単語は彼女でも知っている。だけどよく分かる概念としての理解ではない、ただ、知っている――、相手の人数は、彼女自身が把握していない】
【逃げ出す機会を作ろうとして数人殺した。普通に口にできたならそういう意味では"慣れている"、だけれど――それでも追われて、また殺して、追いかけられた】
【術式を起動するための時間が稼げたのも偶然だろうか、それとも、どれくらいの準備が必要なのかを調べられていたのか、相手の目的、は分からないけど】
【――例えば今のように落ち着いた気持ちと現場でなら、わりに早く起動することが出来る。行き先も安定して定めることが出来る、だけど、そういった場では】
【緻密な術式を組み上げたうえで行き先を指定し――という工程を誤れば、それこそ頓珍漢な場所に吐き出されかねない。成層圏を超えて宇宙か、地底奥深くのマントルか】
【そんな場所に吐き出された日には誰も回収ができない――というのをきつく注意されているらしい。まして彼女は術式を"歪める"】

…………――ウェインさん、ありがとう。
でも今は……もう少しお話――するね。ロッソさんに会ったの、この間。それから……クラァケさんが、連絡できる方法を見つけてくれた。
先に……渡すね、ウェインさんは何色が好き? 何色でもいいけど――、これを付けていると……魔術で――、通信が暗号化、される、んだって。

【ふわりと表情が和らぐ、わがままを言うならばいくらか眠りたかったけど――流石にそこまでは頼みづらかった、ならば、座れているだけで、だいぶ良い】
【せっかく買ったスニーカーをするりと脱いでソファーに足を上げる、体育すわりみたいな恰好になって、膝を抱きしめてから――、あれから後の、進展をいくつか】
【まずロッソに会った。その話をする――ただその前に、こちらはモノを渡すだけだから、優先すると言って差し出すのが、いくつかの"指輪"だ】
【様々な色の魔石がついたもの――それを身に付けていると通信が暗号化されるらしい】

【――――ぴこん、と、電子音がする。少し遅れて携帯電話を取り出した少女は、そのままついと操作して――、驚いたような、目になる】
【といってももっと複雑なものだ、恐怖したような、ひどい怒りのような、様々な感情の入り混じったものを刹那に浮かべて、だけど、飲み込んで】

「クラァケさん、ごめんなさい、たぶん黒幕側の人たちに襲われました。ウェインさんと合流して休んでいます。気を付けてください」

【――送信する、自分の分の指輪をぎゅうと握りしめて。それ以外のこと――書けなかったし、考えたくなかった。それ以前のもう一通も気づく、ちょうど襲われる、いくらか前】

【ぎりと噛んだ歯列の隙間から漏れる吐息はため息に似て、だけど、もっと重苦しい。画面を伏せて膝の上に置く、そうして古い天井を仰げば】
【きっと――彼に見せるのは初めてなくらいの、顔をしているのだ。ひどい顔。見苦しいとか醜いとかでは――きっと、ないけど、"ひどい"としか言いようのない、ものだった】
242 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/02(月) 12:25:52.08 ID:1xTtHcrw0
>>54

【キングの瞳に浮かぶのは郷愁と哀愁、そして優しさと後悔。色々が混ざった記憶と残滓。】
【これでもそれなりの時間を生きてきた。陰鬱な幼年期、戦いの青年期、恋した若年期、そして振り返りの今。】
【歩んできた道筋が瞳に宿らせる物を日毎に増やしていった。そうして感情の整理がつかないまま、カチューシャに頭を撫でられて。】


────偶にはこんな姿も見せるさ。いつでも強くなんて、居られない。悪魔だろうが、人間だろうが……な。
だけどカチューシャ、……ああ、ダメだよ。ダメだ。弱っているときに、そういう言葉を投げかけるのはちょっと反則だ。

……本当に。……本当に? コイツは……ソンは、オレを想ってくれるだろうか。
忘れないでくれてありがとうって、そう思っててくれてるだろうか、本当に────?

……もし、そうなら……いや、そうじゃなかったとしても。忘れる筈なんてない、覚えていない訳なんてないさ。
ずっとずっと……死ぬまでずっと、死んでからもずっと、あの世でだって覚えていてやる。会いに行ってやる。

お前の────お前の銃で、いつだって命拾いしてきたんだ、ソン。忘れるかよ。お前が助けてくれたんだぜ。
あの時だってそうだ、最後の時だってそうだ。そんな相棒を……オレが忘れるかよ。だから……そうだな、カチューシャ。


ずっと────生き続けてくれ、ソン。オレの中で、オレと一緒に。


【忘れなければ、その人は生きていける。生き続けていける。だから、きっと感謝しているはずだ、と。】
【カチューシャの優しい言葉にキングは微笑みを返す。撫でられた頭をそのまま胸元に寄せて、墓標へと言葉を告げた。】
【ありがとう。お前のおかげで今も生きている。そう、それはキングにとっても同じ事だった。ソンが見守ってくれたから、生きてこれた。】


────ずっと言いたかった言葉があるんだ。でも言えずじまいだった。
そういう何かを一人でため込んで、確かにオレはずるいのかもしれねえな。けど、君だってずるいさ。
こんな風に優しくされて。ずっと待っててくれるなんて、そう言われたら……はは。今こそ、今日こそ言えそうな気がするよ。


────ソン。聞いてるか。……見守ってくれて。いつも、一緒に居てくれて。


ありがとう。


【懐に仕舞い込んだかつての愛銃、キングにとっての形見であるCz75<ブルーノ>をぎゅっ、と握りしめる。】
【そうして一番言いたかった言葉をやっと、口に出す。待っていてくれる彼女に甘えて、支えられながら。時と記憶が、交錯していた。】

/昨日、一昨日とレスが出来ずじまいで大変申し訳御座いませんでした。
長引いてしまい、またご迷惑もお掛けし失礼いたしました。もう少しだけ、お付き合いいただければ幸いです。
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 13:23:15.97 ID:FuIBbFtHO
>>242

【  ──”相変わらずだな”──­­  】

【微かに聞こえる音色、貴方に負けず劣らずクールで、それでいて不器用だった青年の声】
【少し妬いた様な、それでいて嬉しそうな】
【振り向いてもそこには墓標だけ、風が唄う幻に似て】

【独白。───何故だかキングの言葉は、心の奥を擽る様】
【思い続けた日々の想起、湧き上がる感情は確かな道程の証】
【失くした筈の腕が痛む、幻肢痛に似た傷みを心が感じる】


ほんと、殿方は皆が皆、ロマンチストなの
でもね、でも、嫌いじゃないの、素敵だと思うの
こんなに思ってくれる人の胸で、生き続けられたらね

ふふ、件の殿方には悪いけど、私だけ得をしちゃうの
だーって素敵な貴方のこんな姿、見ちゃったもの
素敵よ、ほんとに素敵、今までで一番ずっと、良い顔をしてるの

強いだけじゃ生きてく資格がないの、そこに優しさがなきゃ
でも不思議なの、貴方もダーリンも、ガンマンは皆そう
みーんな、どこか哀しさを背負って生きてるのね


【白磁の指先がそうと伸びる、貴方の髪を糸を紡ぐ様に溶いて】
【細い指先がなぞる感触、愛撫の様に素肌の水面に溶けていくが如く】
【子守唄の様に鬻ぐ音律は、優しげな愛に満ちていた】

【月明かりに照らされる愛嬌のある横顔、柔肌は天鵞絨、髪はblonde】
【悪戯っ子の様な色合いが、薄氷の笑みに混ざると、つーっと指先が貴方の頬に触れて】
【その逞しい横顔を、輪郭をたどる様に、なぞっていく】



【    ────”ねぇ”────    】



────その愛しい殿方は、どの様にして死んでしまったの?



【それは泥酔の中で見る幻、午睡の中で見る微睡み】
【詠はれる言の葉の意味は分かっても、なお】
【踏み込んでしまえば戻れない、分岐点の様に】

【夜が低く泣いた、警笛にもどこか似た】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 18:42:35.35 ID:FuIBbFtHO
【どこかの国の路地裏───】

【最初に聞こえるのは音であった。中身の詰まった皮袋を殴る音】
【時折シェイクする様な、水の音が重なって、その音色を歪ませる】
【続いてべちゃりと、その袋が破ける音がした】



【  ──”ああなんだ、壊れちまった”──  】



【男は感想を一つ思うと、血のついた袋を壁に放り捨てた】
【其れは若い女の死体であった。顔の判別が付かないほど殴り潰された】
【つまらなそうに周囲を見渡し、血塗れになった路地を見た】

【奇妙な笑みを浮かべたかのようなホッケーマスクを被った大男であった】
【ボロボロになった米軍の迷彩服、所々に何年もたった血の跡がついている】
【腕も足も筋肉ではち切れそうな程、素手で人を屠れそうな見た目をしている】

【拳についた血を舐める。───鉄さびの味が、口いっぱいに広がった】
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/02(月) 18:57:20.74 ID:+ZQy5uLh0
>>244
――ドッドッドッドッドッドッドッ

【その男が最初に聞いたのは、オートバイのエンジン音だっただろう】
【続いてエンジンを止め、そして近づく足音】

「酷い匂いだ……」
「見た目も酷い」

【振り向けば、こちらに歩いてくるのは暗いネイビースーツの男性がいるだろう】
【何とも状況としては、アンバランスな対比である】

「これは、貴様が?いや、聞くまでも無かったな……」

【拳銃を片手に】

「本来ならば、俺が戦う理由は無い、捨て置くところだが……どうにも貴様を野放しにするのは後々厄介な気がする」
「貴様、その恰好は、何処かの陸軍の者か?」

【強い調子で、問いかけながらその男はホッケーマスクに迷彩の男性に近づく】
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 19:06:20.64 ID:FuIBbFtHO
>>245

【感じるのは噎せ返る様な血の匂い、屠殺場よりもまだ濃い臭い】
【呼吸をする事すら躊躇いそうな程、鼻の粘膜から侵食されると錯覚するかの如く】
【惨劇の中心に立ちながら男は、幽鬼の如くゆったりと身体を向ける】


ああ俺だよ、俺の他に誰が居るんだよ
俺の他にこんな、最高な事できるやつがな
いい音だ、懐かしいエンジン音だ

───くそったれた、エンジンの音だ
イラクで聞きまくった、野蛮なな


【薄汚れたマスク、奇妙な笑みを貼り付けて、くぐもった声を漏らす】
【べしゃり。地面を踏んで血溜まりが跳ねる。マスクに赤い痕を付けて】
【何一つ意に介さず、近づく様に歩みを寄せる】


あん?軍はとっくの昔に抜けたぜ、抜けさせられたの方が正しいか
酷いもんだぜ、馬鹿げた力を持つ相手に玩具持たされて突撃だとよ
くそ、くそ───あの糞女の顔を思い出しただけで反吐が出るぜ

──ああ、もう、眠いったりゃありゃしねぇ
この疼き、止めさせてくれよなぁ!!!


【刹那弾ける様に男がかけ出す、スーツ姿の男の顔に殴り掛かる】
【体格差を活かした攻撃、見た目に反して身体運びは無駄がない】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/02(月) 19:17:47.34 ID:+ZQy5uLh0
>>246
【地獄の方がかくもがな、臭いと風景はまさに地獄のそれだ】
【よほど凄惨で、惨憺たる殺し方をしたのだろう】

「イラク?何処の話だ?」

【男の話はイマイチ要領を得ていなかった】
【然り、この世界とは違う世界の事なのだから無理はない】
【ゆったりと立ち上がり、こちらに向かってくる】
【ビシャッビシャッと男が歩くたびに、血溜まりが跳ねる】

「なるほど、貴様、懲罰兵が脱走したと見えるな……いいだろう」

【最後の叫びにも似た言葉と共に、こちらに向かう男】
【意外にも素早く、軽快な身のこなしに、少し驚き】
【膝を畳み、しゃがみ込み、拳の回避を試みる】
【回避が成功したらば、そのまま折り曲げため込んだ膝を伸ばし】
【その顔面にアッパーを放つだろう】

「最後に聞く、貴様、何故あの女を殺した?」

【結果がこの地獄絵図ならばこその問】
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 19:22:15.71 ID:FuIBbFtHO
>>247

【アッパーが男の顔面を打ち抜く、ホッケーマスク越しに感じる肉を潰す感触】
【それは掌で握り潰した軟体の如く、嫌な感触で】
【マスクの下から血が流れる、汚らしく穢らわしい血が】

【しかし、男はその攻撃に怯んだ様子もなく】
【独り言のようにブツブツと、声の破片が漏れる】
【其れは羽虫の羽ばたきに似た、不快で醜悪な呪詛のごとく】


耳鳴りが止まねぇ……変なモンも見えやがる……
忌々しい顔が、鬱陶しい声が、あああああ!!!!
眠れねぇ!!眠れねぇんだよ!!!


【片方の手で髪を掻き毟る、頭髪が抜けて、こびり付いたフケが周囲に舞った】
【臭気を帯びた涎が零れ、何年も洗っていない迷彩服からすえた臭いがする】
【それでも憎悪を糧に、大男は激情をぶつける】

【上から振り下ろす拳の動き、しかし同時に左足で足払いもかける】
【なかなかにタフさを見せながら言葉はそれでいて汚く】


俺以外の誰ができんだよ、なぁ?


【マスク越しに向ける愉悦、凄絶に言葉は語る】
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/02(月) 19:31:52.17 ID:+ZQy5uLh0
>>248
「チッ……」

【嫌な感触が伝わる】
【何度あっても、徒手格闘のこの感触は嫌なものだ】

「(まともな対話はやはり不可能か……)」

【ブツブツと何か蠢くように独り言を漏らす】
【男が発する醜悪な臭いと、全身の不清潔さが相まって、眉を顰める】
【やがて足払いと共に、拳が振り下ろされる】

「ぐッ!?器用な真似を……」

【足払いにより転びながら、しかし】
【そのまま受け身を取りつつ、地面を転がるようにして男から距離を取り】
【その拳を逃れんとするだろう】
 
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 19:41:58.97 ID:FuIBbFtHO
>>249

【憤怒を撒き散らす様に応答はする、しかし返答ではない】
【吐き出す言葉は喚きに近く、そこに人間らしい思考を求められない】
【ケダモノと呼ぶに相応な、化け物と呼ぶに適切な怪物がそこにいて】


忘れらんねぇ、拳で売女を潰す感触を、忘れらんねぇんだよ
彼奴も、此奴もわーわー喚き散らして、潰してやらねぇと分かんねぇ
ゾクゾクとするよなぁ、他人を殴ると、肉を叩くと神経が元気なりやがる


【下卑な言葉を向けながら、汚濁に満ちた瞳が唸る】
【荒い鼻息がマスクの中で反芻して、嗄れた響きを作った】
【丁寧な受け身でダメージは殆ど無いだろう】

【大股で闊歩しつつ、互いの距離を縮めながら】
【───月明かりが照らす、醜悪な笑み】


なぁそうだろ、そうだよなぁ!!立派な身なりしてるが
お前もそうだよ、くそったれな環境に投げ込まれりゃ嫌だってこうなる!
さぁ、楽しもうぜ───

───"Never Ending Nightmare"


【瞬間砂嵐が巻き起こる、彼と男を取り囲むように】
【どんどん周囲の景色が砂に塗れ、路地裏を覆っていく】
【カラカラと照りつける砂漠のような暑さだ】
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/02(月) 19:51:37.97 ID:+ZQy5uLh0
>>250
「なるほど……快楽の為に、と?」

【起き上がりながら、その極めて下品で】
【そして極めて醜悪な、その男と再び対峙する】
【もはやこれを、この者を同じ人間として考える事すら憚られる】
【最も、戦闘力は確かなようで、一撃でも喰らえばこの『地獄絵図』を彩る一部にされるだろう】

「俺を同列に語るか……」
「なるほど、地獄でなぜ悪い、と」

【だがくぐもった声で語る男が次に成したのは、意表を突く事だった】
【能力の行使、周囲の気温が上がり、辺りが砂で覆われていく】
【まるでこの男の心象の具現のように……】

「能力者か!?」
「いいだろう……こちらも手加減は無用だな」

【スーツの上着を、シャツを脱ぎ捨てる】
【細身の見た目とは反し、筋肉はかなりある】
【格闘戦闘の構えを取り】
【男の出方を伺うとともに、術式構成を開始】
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 19:56:40.86 ID:FuIBbFtHO
>>251

【路地裏の壁や地形は変動していない】
【しかし足元には砂が積もり、周囲には轟々と砂嵐が吹き荒れる】
【月が出ているにも関わらず温度は、砂漠のように暑い】


あぁ、クソッタレ───いつもの、いつもの景色だ
知ってるか?蛆虫みてぇにじっとしてるんだ、砂の中で
迂闊に頭を出すとぶち抜かれるからな、息を潜めてジリジリと

最前線の俺達には戦車なんて立派なもんねぇぜ
わけわかんねぇ蚯蚓か何かのように蠢いて唸って死んでいく
そんな、そんな地獄なのさ、糞が──クソが!!


【喚く大男の後方から突如銃口が出現、貴方を撃ち抜こうとするだろう】
【大男は伏せて回避する、まるでそこに現れると知っていたかの如く】
【意表を突く攻撃ではあるが、警戒をしていたなら回避は難しくない】
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/02(月) 20:07:48.95 ID:+ZQy5uLh0
>>252
「知らんな……残念ながら私は海軍でね」
「陸軍曹兵の、それも懲罰兵の話は一向に理解できそうもないのだ」

【まさに砂漠の風景、夜と言うのに暑い】
【一体この能力は?単に砂を操ると言うわけでは無さそうだ】

「ッ!?」

【男の後方から銃口が出現する】
【まるで掩体か塹壕から、銃撃主が出現するように】
【なるほど、確かに戦場だ、戦場の前線の様だ】

「全く、質の悪い!」

【直後疾走、付近の壁、地形より銃撃から身を隠せそうな場所を探し】
【そこを盾とする事を試みる】
【その間に男に目がけ、拳銃を数発発砲しながら】
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 20:35:58.39 ID:FuIBbFtHO
>>253

【放たれた銃弾に男の身体が捉えられる、伏せた状態の為腕に傷が集中し】
【苦悶の声を漏らすが傷は浅い、ゆっくりと立ち上がって】


ふん、海軍の野郎か……遠くから喚くだけの女々しい奴らめ
知らねぇよな!お前らは、さっきまで話してたヤツが頭ぶち抜かれて死ぬんだ
街に出りゃ何奴も此奴も俺達を嫌いやがる、誰がドブ攫いてやったと思ってるんだ!

クソが、クソが、クソが!!!みんな、みんなぶっ殺してやる!!


【男の猛る言葉に反応して砂嵐が吹き荒れる】
【乱雑に積まれた木箱が巻上がり、そこに身を隠していたであろう男も顕になるだろう】
【見つけた、と歪んだ笑いを仮面の下に浮かべる】


ひゃはははははは!!!!死ね!死ね!!死ね!!!


【箍が外れた様に笑う、砂嵐によって巻き上げられた木箱が落下してくる】
【面での攻撃、知ってか知らずか効果的な戦法をとる】
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/02(月) 20:49:29.41 ID:+ZQy5uLh0
>>254

「……」

【激しい、激しい怨嗟だった】
【もはやそうなれば、もはや悪鬼怨霊の類と変わらない】

「ッ!?本当に器用な奴めッ」

【木箱が持ち上がる、砂嵐によるものだが】
【中々に器用な能力行動と言える】
【一筋縄、と言うわけには行きそうもない】
【予てより持っていた戦闘センスか、あるいは……】
【飛び退いて回避しようとするも】

「ぐうッはッ!」

【腕でとっさに庇いはしたものの】
【頭上に落下して来る木箱は回避が出来なかった】
【鈍くも鋭い痛みに、脳が揺れフラフラとする、頭部からの出血もしている様だ】

「こ、こちらも……」

【不幸中の幸いか、術式構成はすでに完了している】
【――術式展開『風刃乱舞』】
【成功すれば、男の周囲に幾陣かの風の刃が展開、その身を切り裂いていくだろう】

「海鳴りが声を消し去って……暗闇が前を塞いでも……」
「私は生きる!」
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/02(月) 21:19:12.93 ID:wiy+GWTk0
【路地裏】

【――と言っても、ゴミや遺体が放置される物騒な場所ではなく】
【既に廃都と言っても差し支えないような、本当に古い路地の一角】
【回り道をするほどの利便性もなく、悪党が集うような風雨を凌げる建物もなく】
【再開発候補にも上がらないような、物好きが散歩をしにくる程度のゴーストタウン】


……ええそうです。"リンドウさん"は「良い人」なわけですし
お金の問題はありませんから、気前よく使ってしまえばいいわけで。

ご飯も衣服も住む所も、なんなら遊興費だってあげてもいいですよ?
どうせアスタンなんてとんでもない地方の都市国家。
使ったお金は全部街で回るもの。投資した分自然と回収できるんですし……

――なにより、資金源は"円卓"ですし。
アレを潰すくらいの勢いで使ってしまいましょうよ、ねえ?


【「はいはい、というわけでよろしくお願いしますね」―――なんて、話し声】

【ちゅんちゅんと小鳥が囀る、アスファルトを突き破って生い茂った樹木の下】
【声の主はそこに居た。携帯を所持し、話し終えたのかつん、と画面をタップする】

【いわゆるヘテロクロミアというものなのか、その瞳は亜麻色と新緑色にくっきりと色が異なって】
【その上、頭髪までもが頭頂部を境に綺麗に左右で別れていて】
【右が亜麻色――金。そして左が新緑色と、非常に目立つ外見の"女性"だった】

【加えて言えば、その衣服は所謂巫女装束とか、そういう類のものであり】
【そして何より頭髪の合間からはぴょこんとケモノの耳が覗いていた】

【すなわち、獣人――或いは櫻の国の妖怪か。ヒールのように底の厚い下駄をカランと鳴らしながら】
【少しだけ楽しげに、和装の出で立ちとは正反対な慣れた手付きで端末を弄っていた】
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/02(月) 21:20:20.84 ID:DStcdwOMo
【街中】

【裏通りに面した雑居ビルの3階。下の郵便受けには『にこにこ出版社』と】
【テナント名はなっていたが常に窓のブラインドは閉じていて】

【不特定多数が出入りしているにも関わらずひと目をはばかるようで】
【中で何をしているかわからない。他の階の住人が階段ですれ違うときは】
【ピタリと話をとめて睨みつけるような目で見てくる。】

【実際は公安の職員がそこをその地域の能力者を監視する拠点にしていた。】
【地図に赤い線を引き、危険人物の写真や書類を山積みに、】
【真の法治国家のために集まっていた。】

【階段を登る足音。白い革靴にブラックスーツ、濃紺のシャツ、アタッシュケース】
【シルバーの時計、消音器付きの自動拳銃。くわえた煙草、マルボロの匂い】

【サングラスをした背の高い黒髪の男は『にこにこ出版社』の前で立ち止まり】
【その安っぽいアルミのドアを叩いた――――】

【程なくして、彼は階段を降りてくる。アタッシュケースも、消音器付きの拳銃も】
【持たず降りてきて。シャツの袖には赤い何かがついていた。】
【よく、”それ”を知ったものなら、それの意味、血の匂いを感じ取るだろう】

【そして背後では火災報知器のベルが鳴り響いていた。ジリジリと。】
【『にこにこ出版』から煙が溢れる。ばりん!とガラスを割って炎が飛び出した】

【男は何食わぬ顔で、目の前の道路にとめてある車に乗り込もうとするだろう】




【UNITED TRIGGER 事務所兼酒場】

【UTのいつもどおりの夜。どんな危機が訪れていても重苦しい空気があっても】
【それでも商売はちゃんと行われている。セリーナのスタンスはちゃんと守られている】
【ウェスタン調の店内はメンバーはほとんど顔を見せず、噂の聞いてか】
【それとも危険を察知してか、来なくなった客もいるがそれでも客は来る】

【今日この店を切り盛りしているのは、“アルバイト代理”という名札をつけた】
【長い銀髪を複雑に編み込んだ女。服装はしたからヒールブーツ、透け感のあるタイツ】
【丈の短いスカート、どっかのパンクバンドのTシャツに真っ赤なジャケット。耳のピアスはいくつもあけていて】
【化粧も服装のジャンルも全体的にパンキッシュな女性。】
【だが姿勢はきっちりとカウンタの中で立っていて、真っ直ぐ前だけ見ている】

『新しいアイツ、なんでも凄腕のバーテンらしいぞ』
『最近いるアイツ、もと三ツ星のシェフらしいぞ』
『俺が聞いたのはケーキが皇室御用達だとか』

【口々に客は噂する。そんな彼女はアンドロイド。正確にはヒューマノイド】
【自分のアルバイトを下請けに出した麻季音は自身の部屋にこもって】
【対黒幕の研究中だ。呼べば出てくるだろうけど、すごく不機嫌だろう】

/上と下どちらでもいいやつです!
/ただ今日は中の人は11時でおねんねしますので
/置きのゆっくり進行になるであろうということをご了承くださいませ
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/02(月) 21:38:10.04 ID:FuIBbFtHO
>>255

【風の刃が巻き起こる、流石に予想外であった様子で、脚が立ちすくんだ】
【刃が身体を切り刻む、おぉとくぐもった声が聞こえ、そのダメージを告げる】
【砂嵐越しに見える状態、傷は大分深いようだ】


ぐっ……くそっ、くそっ!!なんだこの技っ……!!
何しやがったこのクソ野郎が……!!


【罵る言葉は汚く、粗暴で粗野な男に見合っていた】
【多少よろめきはしたものの致命傷ではない、中々にタフな様子を見せつつ】
【砂嵐が大きく揺れた、まるでノイズの様に掻き消えていく】

【次に現れるのは"密林"───熱帯の如き蒸し暑さを感じさせる】
【ジリジリと虫が泣く音、耳を澄ませば羽虫の飛び交う嫌な響きがするだろう】


このっ……嫌なもんばっか見せやがる……!!
あああああ!!ぶっ殺してやるぜ……!!


【男は近くに出現した大きな木を蹴る、其の木が大きく傾き、貴方へと倒れかかるだろう】
【回避は難しくない、しかし、その木の影に隠れながら男が接近する】
【距離を近づけ、蹴りを放つ、顔を狙った一撃】


/すいません!忙しくなってきたので、置きレス移行宜しいですか?
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/02(月) 21:44:50.39 ID:+ZQy5uLh0
>>258
//了解しました、では置きスレにお返事しておきます
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/03(火) 18:05:01.96 ID:ziT6IECLo
/>>257で再投下します!
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga !蒼_res]:2018/04/03(火) 20:17:51.21 ID:3KwYzVglo


【 ようこそ、カミスシティへ!=@】

【 当シティの歴史に興味がお有りですか?=@】

【 私たちの暮らすこの街は首都フルーソと各街を繋ぐ交易の街として代々発展してきました=@】
【 ──様々な人種が交錯するこのカミスシティは先進的な技術と多種多様な文化を取り込みながら──=@】

【 ──櫻國の神栖町とは姉妹都市の関係にあり交換留学生の数も年々増え続け──=@】

【 ──近年増加するテロに対する特別対策として長年──=@】
【 ──最先端の技術を駆使して市民の安全を第一に追求した都市計画を推し進め――=@】
【 ──いち早く特別福祉戦略区としての運行を開始し来たるべき未来都市のモデルケースとして──=@】

【 ──私たちは暴力を許しません。如何なる反社会的勢力にも屈しません──=@】

【 ──また、特別福祉政策に則り市民の心身的健康を第一義として捉え──=@】
【 ──この医療制度の抜本的な改革により市民は無料(※1)で医療施設を利用することが可能に──=@】


【 ──世界最先端の未来創世都市として、今後一層の発展にご期待ください──=@】


【水の国・カミスシティ公式ホームページより一部抜粋】
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga !蒼_res]:2018/04/03(火) 20:21:54.68 ID:3KwYzVglo
【水の国:特別福祉戦略区:カミス・シティ】


<──こちらは──福祉局保安課です──>

<──当エリアは──特定安全管理実施地区です──>

<──重力定数の変動を感知しました──>
<──魔能保持者の方は──センターで検診及び行使認定を受けてください──>

<──当エリアでの無許可魔能行使は──厳しく罰せられます──>

<──こちらは──福祉局保安課です──>


【その区域に足を踏み入れた途端、指向性スピーカーが[!show_name (&you) ]へ告げる】
【どの機体から発せられたものなのかは分からない。あのビル壁に付いたカメラ様のものかもしれないし、】
【植え込みの中に隠されたそれかもしれないし、もしくは光学迷彩で視覚的・電子的に秘匿されたあれかもしれない】

【市民の安全と幸福を徹底的に追究したこの『カミスシティ』は、如何なる不穏分子も見逃さない】
【それが街頭の紙くずであれ、心身の乱れであれ、反社会的な言動であれ、不当な魔能行使者であれ】
【この未来の先駆けたる無菌的な都市に相応しくないと判じられたものは、余すこと無く『処置』される】

【その『安全さ』は、既に訪れる前から十全に聞き及んでいるだろう】
【理解しているのなら、ここでどのように振る舞おうが、その初動を咎める者はいない】

【単なる未来都市の観光としてうろついてみても良いし】
【この安全さを享受して生きたいと思うのであればセンターを目指すのも良い】

【足を踏み入れただけではまだ、この街が秘めた可能性の一端にしか触れていない】
【深く知ろうとする者を、この街は拒まない。それが秩序ある者であれ、そうでなき者であれ】
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga !蒼_res]:2018/04/03(火) 20:22:15.80 ID:3KwYzVglo
/スーパー特区ランドの入り口はこちらです。整列してご入場ください。
/基本的に時系列は各キャラ独立で進めるつもりですが、
/顔見知りのキャラがいたらせっかくだし何か協力したいという場合はそのように動いていただければ適宜拾いたいと思います。
/ご覧の通り導入はほぼ参加者さんに投げっぱなしな感じですが、よろしければお待ちしています。
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/03(火) 20:37:20.12 ID:T3TJRHhE0
>>261-263

「ここか……」

【魔能制限法特別福祉戦略区カミスシティ】
【そこに一人の男性が来訪した】
【最も来訪と言うほど派手やかな物ではなく、来訪と呼べるほど歓迎されるほどでもないだろうが】
【兎にも角にも、この日よりこの地区はその法の管理下にある事となる】
【ODカラーのアメリカンタイプ、側車付オートバイを運転しながら街の入口へと】

「ッ!?スピーカーによる音声?」

【なるほど、先端都市らしい……】
【そして如何にも、水面下で何かが蠢いているような、そんな街の気配だ】

「全く、ご丁寧な仕事だ……」

【そのままオートバイを運転しながら、街の奥へと進む】
【取りあえずは、これを『安全に』駐車できる場所はないか、と】
【オートバイを駐車できれば、自由に動き回れるだろう】
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/03(火) 20:38:04.96 ID:om4IsqX30
>>261-263

「ヘケ? 無許可の……何だって?」
『能力を使うなという話でしょうか……ヘケメト、あなた絶対破りますよね』
「多分なァーッ、まァ強い奴いねェーなら使わねェーけど!」

【そこに足を踏み入れたのは、2人の人物だった】
【1人はガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

「よォーし、いっくぞォーーッ!!」

【自転車程度なら難なく追い越せるだろう速度で駆け出す男、そのうち待ちゆく人々に喧嘩を売り始めるだろう】
【その様子を諦めた表情で見ている女性。自分のペースで男の後を追う】

『……嫌な予感しかしませんね。能力の結晶没収した方が良さそうな気もしますけれども』
『この没収作業は能力行使扱いなのか装備解除扱いなのか……一回外に誘導すべきかもしれませんね』

【――これは、彼らの日常。】
【元から自警団にも良く思われていない、悪意はないけれども害のある行動だ】
【男は今のところ、純粋な身体能力のみで喧嘩を売っては人々をぶん投げて、――街の人々は彼を非難し、彼から避難する】
【……特区外でも十分な迷惑行為なのに、特区内ならば一体どうなるのだろうか?】
266 :特区 A-1 [saga]:2018/04/03(火) 20:48:11.44 ID:3KwYzVglo
>>264

【その軍用然としたオートバイは、この無駄を排された先進的都市の中ではいささか浮いて見えた】
【しかしだからとて、そのこと自体が何かの罪を犯している訳ではなく、咎めるものはない】

【完全に平らに均されたアスファルトの上をタイヤが滑らかに転がる】
【目映い高層ビルと、一種彫刻的な造形美すら漂わすハイウェイの高架下を少し走れば】
【間もなく市営の地下駐車場へ至る看板が見えるだろう】

【中へ入っていけば、大きな円形の台座があり】
【そこへ駐めれば、自動的に床が動いて壁内へと格納されていく】
【それらは全て自動音声と無人機による駆動で成されるものだ】

【料金は後払いとのこと】
【これで身の自由は確保できただろう】

【未だ、見た目には普通の街だ】
【行動の選択肢はそれこそ無数にあった】


267 :特区 B-1 [saga]:2018/04/03(火) 20:56:33.70 ID:3KwYzVglo
>>265


<──ストレス指数の異常を検知しました──>


【ビ、ビ、と小さなビープ音が男へ向けて放たれる】


<──落ち着いて静止してください──>
<──バイタルの乱れが認められます──>
<──何か問題を抱えていますか?──>

<──現在、福祉局員が急行しています──>
<──落ち着いて、しばらくお待ちください──>


【すると、遠くから澄んだオルゴール音が近付いてくる】
【あたかも良いものを、幸せなものを運んでくるかのような流麗なメロディで】

【そのままその接近を待っても良いし、逃げ出してもいい】
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/03(火) 20:57:07.19 ID:YgWeMc/Qo
>>262

【今回は、魔制法の適用実態がいかなる物か。その調査が第一目標だ】

【本来、三課でその任務に最も適するのは百家だが──彼の“前歴”は、国のデータベースに存在する】
【門前払いで済めば良い方だろう。それは他の課員も同じだ。ということで白羽の矢が立ったのが、】


(“未来都市のモデルケース”、ね。 笑える。)


【夜色の髪に同色の瞳。重ねて黒いシャツとミニスカートの少女。三課の新入り、“初”】
【── ピントを合わせ、自らを“異物”として扱う機械の眼に一瞬視線を合わせ、心中で中指を立てる】
【それでも、彼女の心身の乱れまでもが見咎められることはなかった。 こういうのを、昔取った杵柄というのだろうか】
【覚えてないけれど、身体は覚えているのかも知れない。──なんて考えている自分を切り離して、歩を進める】


 ……すいません。 検診と、行使認定に。


【彼女この街の“秩序”に従い、『センター』に辿り着くと、対応する者にそう言うだろう】
【身分証明を求められれば、三課入りの際に作った正式な身分証を提示するはずだ。少なくとも、その点での障害には引っかかるまい】


【──なお、通信検閲の可能性があるため、遠隔支援は存在しない】
【最初から“秩序”を守る気がなければ無理矢理にハッキングを掛けても良いのだが、少なくとも、今は違う】
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/03(火) 21:00:01.85 ID:T3TJRHhE0
>>266
【綺麗に均されたアスファルト、高層ビル群と無駄を排したデザインの街並み】
【ある種の統一美だろうか?奇妙に冷たいほど美しい】
【高架下を潜り、地下駐車場へと入る】
【なるほど、市民サービスの面も抜かりない】
【非常に効率的で、無駄が無い、利用する市民もさぞや楽だろう、と】

【そしてオートバイを駐車後、地下駐車場を後にし】
【その暗いネイビーのスーツの男は、足取りをある場所に向ける】
【表向きは、新聞記者、魔能制限法特別福祉戦略区の取材の名目】

「さて、行くか……」

【向かう場所は『センター』】
【あくまで取材、の名目だ、こちらから余程の下手を打たなければ、問題になる事は無いと考えている】
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/03(火) 21:01:02.60 ID:om4IsqX30
>>267

【普段通りの行動、自警団員などに咎められたことはあったが――】
【この様なケースは彼にとって初めてである】

「?」

【綺麗なまでのクエスチョンマークが頭の上に発生する】
【――バックブリーカーを一般人にかけた体勢のまま、彼は固まるだろう】
【"離してくれーっ!"――悲痛な叫び声だ、しかし男の筋力の強さに抜け出せず】

『……?』

【女性はまだ遠くにいる。――男は、逃げるか否か以前の問題だ、つまり接近を許すことになる】
271 :特区 C-1 [saga]:2018/04/03(火) 21:14:11.67 ID:3KwYzVglo
>>268

【街の中心にその『センター』はあった】

【市民総合福祉センター】
【住民の医療をほぼ一手に引き受けるこの街で最も大きな公的設備であり】
【どこかの前衛的な彫刻家がデザインしたような、螺旋と流線によって構成された白亜の建造物であった】

【ほぼ無料であらゆる医療を受けられるだけあって、人の行き交いは多かった】
【老人子供はさして珍しくもなかろうが、傍目には五体満足そうな若者の姿も多い】
【もしその行き先を目で追ったならば、彼らは『メンタルケア』施設の方へ向かっていくのが分かるだろう】


<──こんにちは、市民──>
<──検診と特別認定申請はこちらへどうぞ──>


【果たして、最初に少女に応対したのは無機な機械であった】
【背の低い銀の円柱、と簡潔に言い表すとすればそうなる】
【その面白みのない造形に反して、放たれる声はどこか無邪気な子供のような愛嬌があった】

【そのドローンは身分証の提示を要求し、それに応じれば】
【機体から機械腕が展開し、その腕先が緑色のレーザー光束を放ち】
【身分証のデータをスキャンする。問題は認められず、腕は格納され】

【すい、と床を統べるようにして少女の先導を開始する】

【数十秒ほど歩いて辿り付くのは、『総合検診』との看板がある広い待合エリア】
【一枚の金属板を成形して造ったのであろう流線型の椅子がいくつも並び】
【彼女はそこで少し掛けて待つように言われる】



【──その最中、ふと】
【視界の端に、“来栖くるる”の横顔と酷似した女性が】
【看護士の白衣を纏い、人混みに紛れ歩んでいるのを認めるかもしれないが】

【気付けば追ってもいいし、あえて捨て置いてもいい】
272 :特区 A-1 [saga]:2018/04/03(火) 21:19:37.79 ID:3KwYzVglo
>>269

【『センター』へ向かう道すがら、彼は一台のバスを認めるだろう】

【エメラルドグリーンに塗装されたその車体は、】
【彼を追い越すと、すぐ前方にある停留ポイントに止まる】
【行き先表示を見れば『総合福祉センター行 循環』とあった】

【どうやら無料のバスのようである】
【それに乗ってもいいし、自分の足で歩いても良い】
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/03(火) 21:20:59.77 ID:O0OsVfmvo
>>262


…………やっと始まったって感じだな


【その男は路地裏の影から通りの様子────もっと言えば監視機器その他の様子をうかがっていた】
【全身を外套で包み、頭部を付随の頭巾で隠す。その影から見える風貌は三十代前半の男のもの】
【背には儀礼剣を思わせる大剣『導くフィデリウス』──ディミーア・エルドワルが持つ唯一の一振り】


とはいえ、特区に関してはあいつの情報待ちなところもある、か
暴れるだの何だのは…………さて、どうだろうな


【特区に潜入する、までは必要な行動と捉えていたが、その先は未定】
【どういう状況になるかによって行動は変えざるを得なかった】
【とはいえ、基本的にはそれなりに好戦的。むしろ、暴れられる機会を待っているという方が正しいかもしれない】
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/03(火) 21:24:15.38 ID:T3TJRHhE0
>>272
「なるほど、そう言うのもあるのか……」

【市民用の無料バスだ】
【随分と市民サービスに特化している】
【整っていると言える、この部分に関しては自国の鎮守府近郊も少しは見習うべき所か】
【そう考えると、自然苦笑が零れるも】

「折角だ、利用させてもらおう」

【総合福祉センター行き循環のバス停を探す】
【探しバスが来たらば乗り込むだろう】
【尚、念の為拳銃と銃剣は服の内部に保持している】
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/03(火) 21:26:30.78 ID:T3TJRHhE0
>>273>>274
「……」

【目を凝らせば、通りにある付近のバス停でバスを待つ】
【顔見知りの男が居るのが見えるだろうか?】
【暗いネイビーのスーツ姿の男】
276 :特区 B-1 [saga]:2018/04/03(火) 21:26:40.57 ID:3KwYzVglo
>>270

【天界で奏でられるハープのような音色がますます大きくなり】
【その発信源たる真っ白なバンが、彼のすぐ近くで停車した】

【扉が開き、中からは幾人かが下りてくる】

「「──こんにちはーっ!」」

【白いポロシャツ、黒いチノパンにスニーカー】
【背と胸元には『福祉局』を示すロゴが入っていた】
【そんな軽快たる装いの彼らは、これまた快活な声で挨拶をしながら】

【その全員が一切の曇りない笑みを湛えて、男へと群がり始める】

「大丈夫ですよーっ。
 大丈夫ですからねー。ゆっくり離してくださーい」

【まるで何の警戒心もなく近付けば、】
【男の肩や腕をぽんぽんと軽く叩き、一般人を離すように言う】

【彼らは全員幸せそうな笑みを湛えていた】
【何も問題はないのだ、こうすれば万事解決だと言いたげに】
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/03(火) 21:28:01.40 ID:YgWeMc/Qo
>>271

【そこは、行政庁というよりは“病院”のようでもあった】
【 ──、ならば、此処に集められる能力者達は“患者”の類だとでも言うのだろうか】
【身分確認が終われば、『総合検診』。これもそうだ。検診。結果が悪ければ手術でもするのだろうか──】


(…… ) ── 、っ。


【と、益体のないことを考えていると。 忘れもしない顔が、その眼の端に映った】
【流線型の椅子と肘がぶつかり、金属音が待合エリアに鳴り響く。 しまった、と一瞬思った】
【けれど、この機を逃すわけにはいかない。心には怒りでもなく、焦燥でもなく、それでも拍動は早まる】

【──まだ、自分を呼ぶ者がないことを確認すると、彼女は“看護師”を追って静かに歩み始めた】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/03(火) 21:33:48.45 ID:om4IsqX30
>>276

「おー? 人が増えたぞ!」

【優しく論されて素直にゆっくり離す――なんて事をしてくれればすぐに解決したのだが】
【この男は、馬鹿だった。よくわからないが、何かに呼ばれて現れた相手なのだ】

【――きっと、強い。】

「よっしゃーッ! 離すついでにまとめて相手してやるぜェーッ!」

【男は一般人を解放、ただし、まるで持っていた枕をぶん投げるかのごとく酷く乱暴な解放だ】
【"ぐえっ"――打ちどころが悪かったのだろう、一般人の意識が吹っ飛ぶ】

【この一連の行為に何かしらのカウンターが無ければ、男は群がる者共を一蹴しようと回し蹴りを放つだろう】
【その威力については、プロの格闘家もびっくりの……もはや人外レベルのそれだ】
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/04/03(火) 21:35:47.36 ID:w5xm6GDGo
>>261-262
【かしゃ、かしゃ、と無機質な足音と共に、カミス・シティを一体の人形が訪れた】
【そう、人形である。中肉中背で特徴の薄い体格、少し長めの茶髪、丸い目に青い瞳】

【白いシャツの上に青いジャケットを羽織り、深緑のカーゴパンツと黒いスニーカー】
【そんな一般的な恰好だが、その目や肌の無機質な質感、そして服の下からでもわかる球体関節は】
【確かに、人形のそれであった】

(ここが、カミス・シティ……カニバディールに同意するのは癪だけど、確かに正直、気味の悪い場所だ……)
(重力測定にカメラにスピーカー……常に見られてる感じがする)

(いや、今は躊躇ってる場合じゃない……。そもそも、存在自体が能力で持ってる僕が、街に入るのを認めてもらえるのかわからないけど……)

【生き人形、ギア・ボックスは無機質な秩序の中へと入り込んでいく。まずは『センター』。秩序に沿っての無難な行動】
【「検診と行使認定をお願いします」。そう告げて、自分以上に無機質な機械のスキャンを受ける】

【問題がなければ、彼もまた共にやってきた女性と共に席につくことだろう。だが、その瞬間。金属音が響く】


>>277
痛っ……すみません、ドジしちゃって!!

【金属音を聞きつけると、咄嗟に肘をおさえてそう告げる。三課所属の女性、カニバディールの紹介で知り合ったばかりの相手だが】
【彼女が何かを見つけたのなら、この街を探るために協力しない道理はない】

【まずは自身が囮になる。周囲の騒ぎが特にないようなら、人形も少し間をおいて彼女の後を追いかけようとするだろうか】
280 :特区 C [saga]:2018/04/03(火) 21:39:13.70 ID:3KwYzVglo
>>277初 >>279ギア

【この建造物の造形に似付かわしく、その白い制服もいくらか前衛的な造りをしていた】
【この時代にはまだそれを適切に形容できる語句が現れていないので詳細は省くが】

【どうあれ紛うこと無く『看護士』と認められる衣装を纏った彼女は】
【後ろの追っ手に気付く様子なく、淡々と歩みを進めていた】

【やがて彼女はエレベーターに乗り込む】
【他の市民たちも乗り合わせ、既に顔見知りなのか、笑顔で他愛ない会話などを始める】

【どうやら行き先は地下方向であるらしい】
【地下階へは階段でも行くことが出来るが、】
【その看護士が何階で降りるのかは、同行しないと判明させるのは難しそうであった】
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/03(火) 21:43:45.41 ID:O0OsVfmvo
>>275


(あれは…………あいつも来てたのか)


【遠くであれ、その姿が誰なのかはすぐに分かった。戦友の姿は見間違えない】
【とはいえ、再会を喜ぶ場ではなかった。周囲に十分注意しながら彼の元まで移動して】


よう、どちらまで?


【声色だけは明るく。しかし視線は常に周りへと配られていた】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/03(火) 21:45:29.11 ID:YgWeMc/Qo
>>279>>280

【看護師はエレベーターに乗り込んだ──、が、同乗するのは憚られる】
【もし、彼女が“来栖くるる”なら、入るときに確実にバレるだろう。どうするか──】


…… ギアさん。詳しいことは後で説明するから、お願い。
あの“看護師”が降りる階で、少しだけ長くエレベーターを止めて。


【エレベーターの手前の曲がり角。追い付いてきたギアに、そう頼む】
【手段は問わないが、この階から、“階数表示”でどこで降りるのか分かるようにして欲しい、と】
【──それさえ分かれば、初は階段を使って、その階まで急ぐつもりだ】
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/03(火) 21:47:49.76 ID:T3TJRHhE0
>>281
「(ディミーア?)」
「ええ、総合福祉センターまで『取材』がありましてね」
「貴方はどちらに?」

【声をかけてきたのは良く知った男】
【その気配や声色だけで解る、しかし彼、ディミーアも警戒の様子か】
【あたかもバス停で会った他人の様に話す】
【ならば、とこちらもそれに乗る】
【無論、警戒はするに越したことはない、この判断は非常に優秀なのだろう】
【しかしながら、この感じ、最初に出会った時を思い出す】
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/04/03(火) 21:52:39.74 ID:w5xm6GDGo
>>280>>282
わかりました。無理はしないでくださいね、初さん

【小声で返答すると、何食わぬ顔でエレベーターに共に乗り込む。最近は、UT事務所に帰る回数も少なく、自分の顔は割れていないはずだ】
【努めて自然に見えるように、談笑する市民たちの間に滑り込む】

【そのまま、共にエレベーターで降りていき。"看護師"がエレベーターを降りれば、「すみません、降ります」と言いつつエレベーターの後ろから共に降りようとし】
【「あれ……すみません、間違えました!」と、照れ笑いと共に再びエレベーターの中に引っ込もうとするだろう】
【商売柄、愛想笑いは得意技。これで、エレベーターが動くのが遅れれば、目標の降りた階が初に伝わるはず】

【成功すれば、ギア自身はそのままエレベーターに残り、適当な階で降りると、いかにも初めて来た場所で迷っているかのようにキョロキョロしながら階段へと向かい】
【自身も、"看護師"が降りた階へと戻ろうとするだろう】
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/03(火) 21:54:15.28 ID:O0OsVfmvo
>>283


(センター行き、か。いざってときに即応できる位置にいた方がいいか)

『取材』か、そりゃあいい
偶然だが、たった今、俺もセンターに行きたくなったところだ
ご一緒させてもらおうじゃないか


【センター、となると重要な箇所。単独で向かうには危険かとも思ったが】
【記者の振りのできる厳島が行くのであれば、サポートに回った方がいいと判断】
【同行することにした】

【初めと同じような会話になったが、今となっては懐かしさもある】
【つい、一瞬頬を綻ばせてしまったが、すぐに元に戻した】
286 :特区 B [saga]:2018/04/03(火) 21:55:02.94 ID:3KwYzVglo
>>278

【投げられた一般人を、一人の福祉局員が受け止める】
【が、勢いが強すぎるあまり、受け止めるというよりは巻き添えを食って一緒に吹き飛ぶような形で】
【ごん、と地面に頭を打ち付けると、一般人と同じく気絶してしまった】

【そして、放たれる人外の蹴り】

【──ぶン、と剣呑極まりない音を立てて、虚空を薙ぐ】
【局員達は男の初動を感じ取ると、すぐさまそこから飛び退いて全員が回避せしめたのだった】

「大丈夫ですよーっ。落ち着いてくださいねーっ」

【彼らのにこやかな笑みが崩れることはなく】
【ただ各々、ポケットから何か細々した道具を取り出し始めた】
【銀の細い棒筒、音叉のような何か、と使い道が一見では判然としないものの中で】
【そのうちの一人の手に、誰が見ても使い道の明らかな道具があった】

【注射器、である】

【局員は五人いる】
【注射器を持った者以外の四人が男を囲うように展開すると】
【それぞれが一斉に、その銀棒の先端を彼に向ける。その刹那】

【自動車のハイビームもかくやという程の強い光が放たれ視界を真白く染めんとする】

【その強烈な光を保ったまま彼らは即座に駆け寄り始め】
【音叉状の道具──それが実はスタンガンの機能を有すものなのだが──】
【を、男の肉体へ押し当てようとする】

【もし全員からまともに受ければ、身体機能はほぼ麻痺することと相成ろうが、果たして】
287 :特区 A [saga]:2018/04/03(火) 22:01:50.24 ID:3KwYzVglo
>>281>>283>>285厳島 ディミーア

【バスは彼らを乗せて、出発する】
【車内にはごく普通の市民たちが幾人か乗っていた】
【混雑している程ではないが、空いているとも言えない】

【彼らの様子に意識を配ったならば、それは大きく二分されていることに気付くだろう】

【ひとつは、至って普通に生活を営む、退屈と些事な悩みを満載したありふれた顔つき】
【もうひとつは、あらゆる懊悩を前世来世に渡って消去せしめたような、底抜けの幸福顔】

【後者の方などは、彼らと一緒に乗り込んできた老人へ】
【何の嫌みなく朗らかに明るく、バスの座席を譲っていたりして】

【そんな光景を乗せて、バスはセンターへの道を進む】
【間もなく着きそうだ。センター前に会話することがあれば、ここが最後となるだろう】
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/03(火) 22:08:59.74 ID:T3TJRHhE0
>>285>>287
「それはいい、『頼もしい』是非ご一緒に……」

【その男ディミーアに、厳島はこう答えた】
【もう彼には見せることは無かっただろう、張り付けたような笑みで】
【だが、本心は言葉の中にあるようだ】
【やがてエメラルドグリーンのバスが来る】

「……」
「(一体、何が行われているのだ?)」

【何食わぬ顔でバスに乗車するが】
【幸福をまさに顔で表現した様なある種異様な市民達が見られる】
【ぞっとした、一体何が、何があって、と】

「頼みましたよ……」

【バスの中、ディミーアにそう短く】
【しかし真剣な様子で言った】
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/03(火) 22:09:58.30 ID:om4IsqX30
>>286

「ヘケケ、やるじゃアねェーか!」

【空を切る感覚、当たらなかったことを嘆くのではなく】
【むしろ、この蹴りを回避できる――つまり、強者だろうことに喜びを見せる】
【さあ、こい。俺の精神を滾らせてくれ。求めるモノを与えてこい】

【彼らが何かを取り出した、となるとリーチ的に不利になるかもしれない】
【しかし、周囲は囲まれている。蹴りは回避されたが、ならば】

「よォーし、気合入れて……!」

【―― もしも能力の発動を検知できるならば、何かしらのそれを使用しようとしていたことがわかるはずだ】
【けれども、実際に被害を与えることはなく……眩い光が彼の視界を奪ったのだ】

【故に、次の攻撃……スタンガンによるそれを回避することは出来ず、その場に倒れるだろう】


『……光? またヘケメトが暴れて……!』

【――女性の左目と男の右目、それらは異世界の技術によって作られたモノ】
【体内に巡る魔翌力エネルギーを勝手に(しかも大量に)利用し、2人を繋ぎ、互いの位置や思考を共有する。――男の思考が吹っ飛んだとなれば】
【体力が無いなりに、すぐに駆けつけなくてはならない。……そろそろ遠くに見えてくるころか、状況はまだ把握していないが】
290 :特区 C [saga]:2018/04/03(火) 22:13:36.36 ID:3KwYzVglo
>>282初 >>284ギア

【──エレベーターは、地下3階でしばらく停止することになる】
【看護士はそこで降りて、にこやかな微笑を湛えたまま廊下を歩む】

【初とギアが階段で辿り付けば、そこは病室の並んだ階であることが分かるだろう】
【地下だというのにそれを感じさせないほど明るいのは、】
【天井のみならず壁や床もほんのりと発光しているからであった】

【その階の性質上か、最初に追っていた糸目の看護士の他にも】
【同じ衣装を纏った者が数人行き交いしており、一見では誰が誰か、分かりづらい状況ではあった】

【もし再びあの看護士を見つけだそうと思えば、見舞人を装うなどして周囲を歩く必要があった】
【もしくは、どこかの病室にいるかもしれないと踏んで、順番に部屋を覗き込むという選択もある】

【現在、A1、C4、D6の病室が施錠されておらず、看護士の出入りしている気配があった】
291 :ディミーア ◆r0cnuegjy. [sage saga]:2018/04/03(火) 22:18:02.34 ID:O0OsVfmvo
>>287>>288

【車内の様子は普通だ、と思ったのは一瞬だった】
【そこにいたのは人間と、人らしさを失った何か。背筋が凍るような感覚が走った】


…………『分かってる』とも


【車内で二人で行う会話はそれだけ、たった一言だけだ。だが、それで十分だった】
【バスの中でわざわざ暴れたりはしない。まずは、センターに到着することが先決だった】
292 :特区 B [saga]:2018/04/03(火) 22:20:40.45 ID:3KwYzVglo
>>289

【Bi Bi――Bi Bi――】
【強いビープ音が二人へ向けて発せられる】

<──規定値を超える魔力量を検知しました──>

<──許可のない魔能行使は厳重な処罰の対象となります──>
<──直ちに行使を中止してください──ただちに行使を中止してください──>

【それは警告、であった】
【しかしそれ以上の猶予を許さない緊迫さも伴っていた】

【そして、倒れた男に、注射器を持った局員が接近していく】
【にっこりと、あらゆることが幸せに感じるのだというような笑みをして】

【女性は認めるだろう】
【局員の一人が男へ屈み込んで、今まさに何か鋭いものをその腕に差し込もうとしているのを】

【急いで駆け寄れば割って入れるだろうが、果たして】
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/03(火) 22:26:17.11 ID:YgWeMc/Qo
>>284>>290

【階段を駆け下り地下3階に到達すると、ちょうど、更に下から上がってきたギアと行き逢う】


……ここ、でいいのよね。


【ありがとう、の一言でもあれば可愛げもあるのだが、初は黙って、彼に向かって頷いて】
【それから両名は、慎重な足取りで廊下に繰り出すこととなるだろうか】

【目に入ったのは、鈴生りの病室群。当然といえば、当然なのだろうが】
【──初は看護師達に聞き取られぬように、そして、気取られぬように】
【ギアの耳元に口元を寄せて、短く事情を伝える】


……あの看護師、“今回の件”に何か関わってるみたい。
できたら拘束して──、連れ帰って、話を聞く。 協力して。


【それ以外に──寧ろ、彼女にとってはそちらが本題なのかも知れないが──自らの“記憶”にも関連しているのだが】
【話さなかった。 そうは言っても、三課のトップターゲットの1人だというのも、事実だ】

【ギアが異論を挟まなければ、「私はあそこに」と言って、“A1”の部屋に彼女は入ろうとするだろう】
【私は、ということは、ギアには手分けをして欲しいらしい。 感情をあまり見せない表情と相俟って、彼には苦労する相棒かも知れなかった】
294 :特区 A [saga]:2018/04/03(火) 22:28:51.86 ID:3KwYzVglo
>>288厳島  >>291ディミーア

【かくしてバスはセンターに到着する】
【市民達に続いて車内を降りれば、彼らはまず白亜の建造物を認めるだろう】

【螺旋と流線によって構成された、ある種の彫刻的な造形美を湛えた堂々たる佇まい】
【それが、市民総合福祉センターという凡百な名を冠した施設であった】

【行き交う人々は多い】
【老若男女、身体的精神的の別を問わず、治療したいと思うものを抱えたそれぞれが】
【この明るく壮大な施設の中へと、揃って足を進めていく】

【やがて入り口では緩く沿った大きなガラスの自動戸が音も無くスライドし、彼らを迎え入れる】


<──ようこそ、市民──>
<──ここは市民総合福祉センターです──>

<──検診ですか? 身分証をご提示ください──>


【すい、とどこからともなく機械がやってきて、二人の前で止まる】
【背の低い銀の円柱。何とも飾り気のないその自走式ドローンが、】
【邪気のない子供のような張りと愛嬌ある声で、二人へと問うのだった】
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/04/03(火) 22:32:33.65 ID:Yl1kQPlgo
>>261-263

【今日も、いつもと変わらず放浪を続けていた】
【殺意をはらんだ目つきをそのままに、まるで人殺し──まあ其のとおりなのだが】
【路地裏を転々としながら、人を殺し続けて衣服もろくに洗濯していなかったから】

【着古した火の国のカーキの陸軍服は色あせた銅色がしみた箇所】
【明るいブロンドの髪はボサボサで、ロザリオも一部が錆びてしまっていて】
【でも、生きるためにはそれらを気にしている場合ではなかった】


「──今日の飯、探さねえとな」


【路地裏をぶらりぶらりと歩きまわって、食料を探す】
【表路地じゃこんな恰好して歩きまわるわけにも行かないし、警察に顔も知られている】

【そして、数十分の後どこかに行き着いた。間違えて表路地にでも出てしまったのか───】
【何やらスピーカーの音声も聞こえてきて、ここが“特定安全管理実施地区”であることを知る】
【だが時事に疎い女は、それが一体何のことか理解できないままでいた】


           「ここ、どこだ」


【どこに設置されているのかわからないスピーカー、そしてわけのわからない単語】
【殺意を孕んだ目は更に鋭さを増し、辺りをギロギロと見渡している】
【暫くすれば、女はぶらぶらと歩き出すだろう。此処がどこなのか、まずは把握する必要がある】

【女の目つきからして、ストレス判定は針が振りきれる程のものだと判るだろう】
【それに身体を迸る血には魔翌力が含まれており、常時熱を放出している状態である】
【さて、女が聞いた第一声は如何なるものになるのだろうか】

// まだよろしければ、よろしくお願いします……!
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/03(火) 22:33:45.39 ID:om4IsqX30
>>292

【ヘケメトが倒れたことによって、彼が使用しようとしていた能力については解除される】
【彼らの目は常時発動タイプ故に、魔翌力消費量にゆらぎはあるものの――目を外しでもしなければ、使用は逃れられないか】
【息を切らした様子で騒動の中心に辿り着いた女性、そこで目の当たりにした光景】
【――注射器の中身が何であるかは、彼女にはわからない。けれども、ろくなものでないことだけはわかる】

『……それは、何ですか?』

【睨みつけるような視線だ、先程の警報もあってか迂闊に能力を行使できない】
【そもそも、能力を使ったとして自分は貧弱そのもの。ヘケメトが倒れているとなると、実力者の可能性が高い。ならば――】

『ヘケメト、ご飯出来ましたよ!』

【……声に反応したかどうかは不明だが、ヘケメトが注射器をはたき落とそうと腕を動かす】
【未だ痺れの残る動きだ、故に見切るのも容易いだろう】
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/04/03(火) 22:34:00.57 ID:w5xm6GDGo
>>290>>293
【地下5階まで降りると、焦らず自然な歩きを意識しながら地下3階に上る】
【光に包み込まれた病室たちは、やはりどうにも薄気味悪く見えた】

【初と合流すれば、ギアも無言の頷きを返す。今はいわば潜入任務中。可愛げを期待するほど、ギアも甘ったれてはいない】

病室……何を治療しているのやら……

【小声で呟きながら、乾いた足音を出来る限り抑えつつ、光る廊下を歩く。見舞客を装い、部屋番号を確認する演技も交えつつ】


了解です。やってみます

【彼女の事情は知らない。ギアにも、話していない事情はある】
【今は、互いの目的のために協力すべき場面。人一人ここから拉致するというのは、少々難易度が高そうではあるが】

【ともあれ、彼女に異論を唱えることもなく、頷きを返すと「僕はあちらに」とC4の部屋を覗きにいく】
【少しばかりやりづらさも感じたが、今は頼もしい仲間である。彼女と共に、無事に帰還する。そう心に誓いつつ、歩を進めていった】
【】
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/03(火) 22:37:22.52 ID:T3TJRHhE0
>>291>>294

【バス内での会話はそれ以上は無かった】
【いや、この二人には必要なかったのだ】
【やがてセンターに到着するバス、市民に続いて降りた先には】

「いやはや、立派な物ですなーこの箱物は……」

【その巨大な、しかし中々のセンスに基づいて建造されたデザインの建物を見て】
【ディミーアを振り返りながら、そう言って】
【やがて硝子戸が開き、迎え入れられる】

「すみません、私こういう者でして……」
「こちちらは『カメラマン』兼助手の者です」

【名刺をドローンに差し出す】
【ディミーアの事は便宜上そう言って】
【水国日報新聞社の偽装の名刺】

「取材に参りました、どなたか担当の方をお呼び頂けますか?」

【張り付けたような、普段の彼からは想像もつかない爽やかな笑みで】
299 :ディミーア ◆r0cnuegjy. [sage saga]:2018/04/03(火) 22:43:26.50 ID:O0OsVfmvo
>>294>>298

【たどり着いた先に見えたのは白亜の建造物】
【白一色に塗り潰されているのはその精神性の表れなのだろう。そう考えると嫌気を通り越して怒りさえ覚える】
【ひとまずは厳島の後について先へと進む。自走式ドローンへの対処は少し迷ったが】


(なるほど、そうきたか)


【厳島が紹介をしたためにそれに合わせて、余計なことは言わず会釈で済ませる】
【とはいえ相手はドローン。どこまで融通が利くか分かったものではなかったが】
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2018/04/03(火) 22:43:29.21 ID:vKmlDKsx0
>>261-263

(……なん、だろ……ここ、なんだか、すごく……)

【――区域に足を踏み入れる者が、またひとり】
【白い髪の少女だった。背は低くてひどくやせっぽち】
【それでいて少し怯えているような顔をしているのだから、有り体に言えばとっても、弱そう】

【手には水の国の観光パンフレット。どうやらただの観光客であるようで】
【新設された区域ができたと聞いたので、やってきました。その程度の軽々しさ】

(……なんだろうな、息が、つまるって言うか……)
(ううん……えっと、検診? それを受けなきゃいけないんだ)

【足音はない。きっと身体が軽すぎるから。けれどしっかりした足取りで、「センター」に向かう――】
301 :特区 D [saga]:2018/04/03(火) 22:45:04.91 ID:3KwYzVglo
>>295

【Bi Bi――Bi Bi――】
【強いビープ音が、指向性スピーカーによって放たれる】


<──警告します──>
<──当エリアでは許可のない魔能行使は固く禁止されています──>

<──ただちに展開を解除し、静止してください──>

<──何か問題がありますか?──>
<──その場合はこの場で安静に待機してください──>
<──福祉局員が現在そちらへ急行しています──>
<──落ち着いて待機してください──>

<──こちらは福祉局保安課です──>


【Bi──Bi──】
【警告音が、まるでなだめるかのように間隔を空けていく】
【まるで彼女へ繋がれた心電図の音を示すかのように、】
【身を緊張させれば警告音は高鳴るし、逆に平静に努めれば音は緩慢に、静かになっていくだろう】


【──どこかから澄んだオルゴール音が近付いてくる】
【待機してもいいし、場を離れても良い】
302 :特区 B [saga]:2018/04/03(火) 22:53:19.68 ID:3KwYzVglo
>>296

【睨み付けられた職員は、何も答えない】
【ただ極めて朗らかな笑みで振り向いただけで】

【だが、そうして女性へ意識を向けているうちに不意に動いた腕】
【注射器がはたき落とされ、それはぱりん、と脆い音を立てて割れた】

【中の液体は空気に触れると一気に蒸発し、後に染みすら残さぬように消えていく】
【その様をじっと見つめていた職員は「ああ」と一つ零してから】

「替えはあったかな?」

「ううん、それで最後だよ!」

「じゃあ、送迎だね」

「ハイ送迎一名入ります、ハッピー!」


「「「ハッピー!!」」」


【一斉に何やら掛け声すると、倒れた男、ヘケメトへ群がる】
【五人のにこやかな男たちが彼の手足や胴を持ち上げんとして】
【それを許せば速やかにバンの中へと担ぎ入れようとするだろう】

【彼らの手際は非常に良い】
【女性のことなど構いもせず、淡々と事を進めようとしていた】

【──ブルルン、と独りでにエンジンがかかって】
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/03(火) 22:53:28.51 ID:Yl1kQPlgo
>>301

【一定の間隔で聞こえるビープ音は、女の警戒を更に高める】
【魔能行使を停止せよ──と言われても、血に関してはパッシブであるために意識できない】
【音が聞こえる方向へと睨みを飛ばしていれば、聞こえてきたのはオルゴールの音】


「なんだ、このオルゴール……」


【オルゴールの音と、甲高い警告音により身体は強張っていたが】
【安息の時──孤児院で保護されていた、あの時を“無意識”に思い出して】
【徐々に緊張がほどけていく。オルゴールの音に聞き入っていれば、警告音も緩やかなものになっていて】

【ふくしきょくほあんか、という単語を脳内で反芻させる】
【だが脳は機能を一部シャットアウトさせており、ろくに思考が纏まらない】
【何とかオルゴールの音を意識の外へと弾き出そうとするが、意識しないようにすればするほど逆に意識してしまって】


「くっそぉ……、何なんだこれ……」


【思考が纏まらない、覚束ない、不安が走る】
【其の音に安息を求めてしまえば、もう止まらない。極限状態にあった彼女の精神は、安らぎを求めて】
【だけれども血から放たれる魔力は止まらない────】
304 :特区 C [saga]:2018/04/03(火) 23:05:07.87 ID:3KwYzVglo
>>293初 

【A1】

【中に入れば、そこには至ってごく普通の病室が広がっていた】
【窓が無いことと、最早潔癖なまでに塵埃の気配が滅されていることを除けば特に変哲もない】

【ベッドが一つある】
【そこには、年端もいかない少年が一人、壁に背を預ける形で上体だけを起こしていた】
【その手には絵本。それを面白くもなさそうにぼんやり眺めていた】

【親の姿は無い。看護士も同様だ】
【その病室には少年一人だけがいて、寂しげに過ごしていた】

【だがそこへ初が入ってくると、その気配に目聡く気付いて振り向く】

「…………だれ?」

【純真な瞳が、至極真っ当な問いを投げた】


>>297ギア

【C4】

【かちかちかちかちかちかちかちかちかち】

【部屋に入った時か、もしくはその数歩前にその狂音を聞きとめるだろう】

【かちかちかちかちかちかちかちかちかち】

【A1と同様の間取りの部屋の中、ベッドの上】
【青と白の縦縞パジャマを着た病的に痩身の男が】
【両膝を抱えて座り、虚空の一点を見つめながら】

【かちかちかちかちかちかちかちかちかち】

【その歯を際限なく打ち鳴らしていたのだった】

【見舞人も看護士も今はいない】
【ギアが入ったとてそれに気付く様子もなく】
【ただ何かに強いられたように、歯を打ち鳴らし続けていた】
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/03(火) 23:12:09.76 ID:om4IsqX30
>>302

『……ヘケメト、後で迎えに行きます。』 「……」

【――彼を見捨てる形になるのは心苦しい、けれども】
【ここで下手に手を出したところで敵う相手ではない、間違いなく】
【自分の実力は自分が一番よく知っている。――1人では、一般人にも負けかねない】
【予め大量のバフを蓄えてようやく能力者1人相手に多少は善戦できるかもしれない、その程度】

【体内を巡る魔翌力さえ遮断されなければ、何かしらの方法で目と目の繋がりを阻害されなければ、たとえ目を外されても魔翌力が周囲にあれば、(目の)居場所はわかる】
【たとえ全ての手を封じられ居場所がわからなくなったとしても――】

『待っててくださいね』

【――そこが地獄の果てだろうと、探しに行きます】


【――これは関係あるかもしれない話だが】
【彼らの来ている服のポケット、実は別の空間につながっている。――これも、異世界で発達した技術】

【"倉庫空間"。2人はその空間を共用している。】
【本来は倉庫空間ごとの登録者にのみ使えるのだが、この世界に来てから少しばかり仕様が変わっており】
【誰でも漁って使用することが可能となっているのだ。――それに気づいたとすれば、悪用できるかもしれないし】
【あるいは、危険だからと燃やしてしまう手も無くはないか――どちらにせよ、気づいたら即座に脱がせるが吉だろう】

【――当然、彼女はその仕様について知り尽くしている。後に利用する可能性は、高い】


//この辺りで終わりですかね?
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/04/03(火) 23:12:29.19 ID:w5xm6GDGo
>>304
……? 何の音――――!?

【入り口の少し前から聞こえて来た音。その正体を確かめるべく、そっと扉を開く】

【一瞬、人形の身体は硬直した。かちかちかち。かちかちかち。耳にこびりつく音の正体】
【歯。幾度も幾度も、打ち鳴らされ続ける歯。かちかちかち。かちかちかち。終わりなき悪夢に、苛まれているかのように】

(なんなんだ……!? この人は何をされた!?)
(どうする……目標の看護師はいない。騒がれる様子はないけど……)

(――――ごめんなさい)

【今の自分に、目的を達しながら彼を助けるだけの技量はない。そもそも、連れ帰ったとて治療できるのかどうか】
【ともあれ、ギアは判断を下す。ゆっくりと後ずさってC4を出ようとする】

【成功すれば、そのままD6の病室へ向かい、先ほどと同じように中を覗こうとするだろう】
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/03(火) 23:20:32.89 ID:YgWeMc/Qo
>>304

【── 病室に入ると、刹那、フラッシュバックが彼女の脳神経を奔った】
【記憶の混濁した状態から、立ち直るまで入院していた、その記憶。 自分を一つ一つ、拾い上げるような作業】
【でも、それで形成された“初”は、“私”ではなかった。 人は、過去の積み重ねで生きていくものだから】
【今の私は、所詮、 積み重ねたと擬制して象られたものに ──、 】


 …… 、 ぁ。


【少年の言葉が、現実に引き戻す。ダメだ。この都市に入ってから、内省が多すぎる】
【空想染みた眼前の景色が、そうさせるのだろうか。── 初は、少年の問いには即座に答えない】
【と言うより、答える術がなかった。直情でここまで来たが、言い訳なんて、考えてはいない】


えっと、その。 ……“来栖くるる”っていう看護師、探してるんだけど。
この部屋に来なかった? 糸目で──、


【結果として、用件を告げるだけになってしまう。 その中で、彼女にはどこか違和感があった】
【──、そうだ、と数秒して思い当たる。この部屋には窓がない。地下なのだから、当然だ】
【だが、病室としては当然ではない。 病人をこんな気の滅入る場所に入れておくのだろうか】


…… 貴方は、病気なの?


【疑問はいつの間にか、口をついて出ていた】
【子どもは好きだけど、苦手だ。──精一杯、柔らかい声音で尋ねてみたつもりだけれど】
308 :特区 A [saga]:2018/04/03(火) 23:20:39.30 ID:3KwYzVglo
>>298>>299

<──かしこまりました──>
<──こちらで少々お待ちください──>

【あどけない声が告げて、ドローンが離れる】
【担当者を呼びに行ったというよりは、通信処理を終えたので】
【この市民の案内は終えて他のところへ行こうという風】

【しばらく二人はそこで待たされることになるのだが】

【――そこで】

【『櫻の花弁、波の轍に揺蕩う夕焼けの頃、本を開く』】
【『日暮れにパンをちぎる頃、二つの環を鎖で結ぶ 』】

【彼ら二人に黒野カンナから正夢による通信が入る】


(――聞こえる? 二人とも)

(特区について少し分かったことがあるの)
(でもそれを“検証”するには『サンプル』が必要で──)


【そこで彼らに送られる思念は――】

【『サンプル』 = 『特区のドローン』】

【 検証 = 解剖 】
【 ただし電磁的にアクティブなまま = 生け捕り 】

【――すなわち、この特区にいるドローンのうちどれかを】
【破壊しないまま、なおかつ街に検知されないまま、『鹵獲』せよと言うのだった】

(――相当な無理言ってるのは分かってるんだけど……)
(多分そのドローン、変に壊すとかなり厄介だし、それに予想が正しければ機能停止すると『自壊』するはずで)

【だから『生け捕り』が必要なのだと、言うのだった】
【このドローンをまさしく『解剖』することが出来れば、】
【特区に関する重要な情報の一つを得ることが出来る──彼女はそうイメージして】

【だが異能を制限されたこの区画、彼女の依頼はとてつもなく無理難題なのは確かで】

【──すいー、と何も知らぬドローンは、そうしている間に二人から遠ざかっていき】
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/03(火) 23:29:48.35 ID:T3TJRHhE0
>>299>>308
「ああ、そうだそうだ、忘れていました」
「これが無ければ、お話にならない所でしたねー、いや、こちらのミスです、すみません……」

【ドローンと話す最中、あくまでついうっかりと言う体をしながら】
【その張り付けた笑顔のまま、ディミーアに『デジタル一眼レフカメラ』を手渡す】
【黒いボディーに赤いグリップ、厳ついチタンボディ】
【本格的なプロ仕様の物だ、少なくともこれで怪しまれる事は無いだろう、と】

「……頼みましたよ」

【そんな中】

「(カンナ!?カンナか!?)」
「(ああ、通信は良好だ)」

【なるほど、正夢による通信は問題が無い様だ】
【これは救いとも言える】
【そして、その内容だが……】

「(かなり難しいが……了解した、善処しよう)」

【前方に過ぎ去る案内のドローンを睨みながら】

「『本社』からの要望の件、如何しましょうか?」

【隣にいるであろうディミーアに、あたかも記者の仕事の内容の様に、そう聞いた】
【視線はあくまで前方に向けたまま、表情を変えずに】
310 :特区 E [saga]:2018/04/03(火) 23:37:03.63 ID:3KwYzVglo
>>300

【段々と、夜が更けてきた】
【闇の帳が街へ降り始め、それに伴って何故か街からは人の気配が消えていく】

【センターに向かう道すがら、それは異様な寂寞を伴うかもしれない】

【途中、見かけるであろう循環バスの停留所、その時刻表を見たならば】
【もうとっくに終バスは行ってしまっていることが分かる】

【しかしそれにしたって人の気配が少なすぎた】
【誰か一人ぐらいは、通りかかっても良さそうなものなのだが】

【しかし、そこへ──】


<──間もなく市民消灯の時間です──>
<──当該時間の外出は──保安上禁止されています──>

<──ただちに──帰宅しましょう──>

<──こちらは──福祉局保安課です──>


【指向性スピーカーから、いやにゆっくりとした声が語りかける】
【それはひどく無機的に、淡々と、一切の慈悲を欠いたような声で】

【今からは外出禁止の時間だというのだが】
【しかし仮に今から引き返したとて、街を出るには間に合いそうにない】

【──不穏な静謐が、一人佇む少女へ、重くのしかかった】

【急いでどこかへ駆け込むか、なおセンターへ急ぐか】
【もしくは諦めるか、別に大したことはなかろうと無視を決め込むか】

【人知れず選択が迫られていた】
311 :ディミーア ◆r0cnuegjy. [sage saga]:2018/04/03(火) 23:38:38.20 ID:O0OsVfmvo
>>308>>309

【カメラを厳島から受け取ったところで、カンナから思念による通信が入る】
【そのイメージに意識を集中させる。つまりはドローンの生け捕りが必要だという話だった】
【思わず、ディミーアは顔を顰めてしまった。この剣士からしても、容易には思えない要望だった】


(全く、人遣いが荒いぜ)
(だが、いいだろう。やってみせようじゃないか)


【カンナへと簡単な返答をしながら、厳島へと手でサインを送る】
【軍人がよく使う手法で、『自分が前を塞ぐ、後ろから挟み撃ち』という内容だった】
【それから一度だけ、合図するように頷き、ディミーアは離れようとするドローンへと走り出す】

【人々の間を疾駆。混雑する中をかなりの速度で駆け抜けていく】
【ドローンに追いつくとそのまま通り過ぎ、前方に回り込んでその進路を塞ぎつつ】
【捕獲しようと両腕で抱え込もうとする。捕まえられればそれでいいが、本命は厳島の方だ】
312 :特区 D [saga]:2018/04/03(火) 23:46:41.86 ID:3KwYzVglo
>>303

【ぽろろん、ぽろろん──】
【幸福感に満ちあふれたメロディが、次第に大きくなり】
【それはやがて彼女の眼前まで近付いて──止まる】

【やってきたのは、一台の白いバンだった】

【側面には『福祉局』を示すものであろうロゴが入っていて】
【それは到着するや否や、扉を開き、中から複数の人員をぞろぞろと吐き出す】


「こんにちはーっ。
 良い天気ですねーっ」


【現れた職員が、にこやかな笑みを湛えて彼女へと歩み寄っていく】
【その数は現在五人ほど。どれもまるで旧友との再会を喜ぶような】
【朗らかさと馴れ馴れしさを伴った有様であった】

【バンと同じロゴが印字された白いポロシャツ】
【黒いチノパンにスニーカー。そんな軽装が、】
【何の警戒心もなく近付いていって】

【──そのうちの一人の手には、注射器】

【あまりに自然なので、余所見をしていると見逃すかもしれないが】
【もし気付けば、その至ってさりげない動作で彼女のうなじへ針を刺そうとするのを避けるのは難しくない】
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2018/04/03(火) 23:47:18.47 ID:vKmlDKsx0
>>310

(……わかった。このアナウンスだ、機械っぽい声してるから)
(それでなんか……寂しい感じがするんだ、きっと。……それだけだったらいいんだけど)

【消灯のアナウンスを聞いて、慌てたように周囲を見渡す】
【普通の街なら、夜にヒトを呼び込むための飲食店とか、そういった店があるはず】
【……だと思っていたけど、ここにはそれすらないみたい】

【「そんなこと、言われてもなあ――」 ひとりごとは誰にも拾われることなく、闇に融けて消える】

……よし、とりあえず「センター」に……
公共施設? なんだもん、きっと夜になっても誰かいるでしょう……

【足取りは変わることなく、センターの方向へ。しかしその速度は、早歩きの範疇を超えない】
【「消灯時間」までにセンターまで辿り着けるかどうかは、果てしなく微妙なラインにあった】

【 ――――心なしか、心拍数が早くなっていく。不安な気持ちが、せり上がってきていた 】
314 :特区 B [saga]:2018/04/03(火) 23:57:27.51 ID:3KwYzVglo
>>305

【バンの中へ担ぎ込まれた男──】
【職員は女性を一顧だにすることなく、無慈悲にその扉を閉めて】

【エンジン音が一際高鳴れば、タイヤを回転させて発進する】
【遙か遠ざかっていくのは、『センター』のある方向――】

【能力者が一人、呆気なく連れ去られていってしまった】


【──だが】
【望みがあるとすれば、その目ともう一つ】
【『倉庫空間』――二人の間で密かに繋がったポケットだ】

【職員はどうやら未だ脱がせてはいない様子】
【もっとも、『センター』に着いたらそれは脱がされ、廃棄されてしまうのだが】

【その前に出来ることがあるとすれば、ここが最後になりそうであった】


【今は静かに見送ってもいいし、何か足掻きを残してもいい】


/次の一往復で最後になりますですので何かあれば残していただければ。
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/04(水) 00:00:43.28 ID:NDgfTLuNo
>>312

【恍惚感を感じる、その音楽が大きくなっていく】
【知らず知らずの内に聞き入ってしまって、幸福感に浸されており】
【まあ、簡単に言えば嵌り込んでいた。かつて享受された幸福の味の、フラッシュバックに】


「ああ、いい天気だな──」


【その音源は白いバンだったらしく、四五人の人員が降りてきた】
【彼らのにこやかな表情に、慣れていないようなぎこちない笑みで返す】

【突如口から出た自らの言葉に、意識が覚醒する】
【正体もわからない連中に、私は何を言っているんだ。今まで何を聞いていたんだ──】
【それに気づくことができたが、時は既に遅い。甘い毒に冒されていた脳は、突然の事態にショートを起こす】


「おっ、お前ら……一体誰だ!?」


【半狂乱、半錯乱。何がなんだか、起こった事態が読み込めていない】
【近づいてくる職員たちに、“十字架”を振りわます。れっきとした能力の行使、違反行為】
【注射器を所持する人間を見る暇などなく、ショートした脳内を整理しようとする】

【だが、先程まで恍惚に満ちていた脳がそう簡単に覚醒するであろうか】
【答えは否────思考を、知能を、整理するためには“時間が足りない”】
316 :特区 B2 [saga]:2018/04/04(水) 00:07:19.27 ID:4KlALJt2o
>>306ギア


「――――おめが が くる」


【ギアが部屋を出る最後、男は小さくそう呟いた】
【聞こえるか、聞こえないか、本当に小さい声で】
【仮に聞こえたとして、それで何になる訳でもないが──】


【そして、D6を覗いた瞬間のことだった】


 ――――――――――


【ギアの眼前に、顔が現れた】
【口元は笑んで、しかし目だけがひどく据わった異質な表情で】

【――件の看護士が、彼を見ていた】



【刹那の出来事だ】
【その看護士が極めてさりげない動作で、】
【しかし光の瞬くような俊敏な初動で、腕を伸ばし】

【ギアの首を、掴みかからんとした】
【まるで獲物を待っていた蜘蛛の如く】
【仮に捕らえた場合、そのまま病室内へ素早く引き込み、戸が閉じられる】

【その握力は、細腕から出せるものとは到底思えぬほどに強く、万力のごとし】


317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/04(水) 00:15:39.61 ID:SBYzK7kZ0
>>314

【街の外へ足を運びつつ彼女は考えた、どうやって彼を助け出すかのプランを】
【――とにもかくにも、自分一人の力では難しい。仲間を探さなくては】

【能力、彼は先手を打たれて発動できずじまいだったが――】
【発動しようとした瞬間には既に警報が鳴っていた、能力者に厳しい場所である】
【……毒をもって毒を制す、ふとそんな言葉が彼女の中に浮かび上がる】

『ヘケメト、聞こえますか。――能力を捨ててください。能力の結晶をポケットに入れるのです』
『彼らに悪用されたくありません。彼らには棘も気合も似合いません』
『――かつての私に通ずるものがあります。魂が感じられません、故に容赦なく悪用するでしょう』

【ぼんやりとした意識の中、ヘケメトはゆっくりとポケットに手を入れた。両手を。――ただそれだけだ、彼らの目から見てみれば】
【けれども、これは重要な行為。この世界には無い、貴重なアイテムを敵に利用されないための】
【……装備していた能力の結晶4つ、その装備解除をポケット内で行ったのだ】

【――能力がなくとも、人外レベルの身体能力と微弱な棘の能力は健在だ。痺れがほぼほぼ取れれば再び暴れだすだろう】
【病院に連れて行かれる犬っころの如く】
318 :特区 B1 [saga]:2018/04/04(水) 00:17:27.13 ID:4KlALJt2o
>>307

【初がやや押し黙った間、少年の瞳はじっと彼女を見据えていた】
【まるでその奥にあるものを、見透かそうとしているかのように】

【それから来栖くるるが来たか、と問われると】
【少年は眉根を寄せて、難しい顔をでじっと沈黙してしまう】

【だがすぐに口を開いて】

「んーん。知らない」

【小さくかぶりを振って、そう答えた】
【そこに何かを偽るような色はなかった】
【本当に、ただ聞かれたから答えただけ】

【──この窓のない病室にあって、】
【彼女を見る少年の瞳は、どこか希望の色を湛えていた】


「うん。びょうき」

「でもね、平気なんだ。
 これからオメラス≠ノ行くからね」

「お注射して、わるい病気をやっつけて、
 それで元気になったらね、みんなで遊ぶんだよ」


【それでにっこりと、純真な瞳が笑むのだった】
【そうした時、少年からは微かに魔力光の粒子が舞った】


【――ごとり】
【そこで物音。何かがぶつかったような】
【それはD6の病室からだった】

【もし何かを感じて即座に目を向けに行ったなら】
【女の細腕が、ギアへ掴みかからんとして伸ばされているところだ】

319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/04/04(水) 00:24:13.21 ID:/dEkVn+0o
>>316
(おめが……? なんだ、なんのことだ……)

【人形に宿る魂は、男の呟きを確かに捉えた。その意味までは、わからなかったが】
【くる。いったい何が。彼は何を見た。何をされた】

【疑問を胸の内に沈めつつ、ギアは最後の扉を注意深く開ける】



【もう君を見つけてるよ】


――――!!!

【悲鳴を上げる間もなく、首を掴まれた。目に焼き付いた、笑顔と殺意が同居したような、異様な表情】
【さりげなく、かつ恐ろしく素早く。力は女性の細腕とは思えぬ強さ。成す術もなく、生き人形は病室内に引きずり込まれ――――】


【人形の首が、取れた】

【カニバディールがギアの能力から、恩恵を受けたように。ギアも、カニバディールとの魂の一部接続によって、その能力の一端を得ていた】
【すなわち、人形体の部位切り離し。本体に魂さえ残っていれば、一部のパーツを失っても修復が効く】

【トカゲのしっぽのごとく、切り離された頭部が室内に引き込まれると、即座に能力で格納していたスペアの頭を胴体から生やすように取り出す】

奴に見つかった!!

【もはや演技をかなぐり捨てて、叫びながらA1の病室前へと走り出そうとする】
【背後からの追撃があれば、ひとたまりもないが。そのリスクを負って、仲間に危機を知らせに走った】
320 :特区 A [saga]:2018/04/04(水) 00:25:43.56 ID:4KlALJt2o
>>309厳島 >>311ディミーア

【ドローンは呆気なく、ディミーアの腕に捉えられる】
【が、流石にそれを異常と検知しない訳もなく、】
【ビビビ、と小さなビープ音を発してから、その筐体を揺さぶり始めた】

【剣士の腕力ではそれでも十分に捉え続けられるだろうが】
【そうしていると──ばちり、微かに何かの弾ける音がして】
【直後、ジジジジジ──と、電流が外へ向けて放たれる】

【さして電圧が高い訳では無いが──浴び続ければ無事で済むとは言い難い】

【周りの市民も何事か、と目を向け始める】
【何せ屈強な男がいきなりドローンへ抱きついているのだ】
【幸いにしてここはメンタルケアにも長けた施設ではあるが】

【そうして、この混沌たる状況からの対処は厳島へ託された】
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/04(水) 00:27:20.80 ID:jPqNXCvQ0
>>241

【魔術式の歪み。ルーン石のような、固着されて定義された魔術式へ、その後から干渉するというのは】
【よほどの大魔術か、あるいはよほど『外れている』かのどちらかだ】
【けれどウェインはさほど魔術に造詣が深くない。まあこんなこともあるかな、指摘するのも失礼かなあ、なんて考えて、ルーン石を仕舞うのだった】

失敗――したら、か。
その時はきっと、僕も君も生きてはいない。
『敵』が何かを成すのなら、僕らは相当ほら、邪魔なはずだ。

【いや参ったね、と肩をすくめる。いつもより少し、疲れたような様子で】
【それから彼女が追われた顛末を聞く】
【数名――いや、20から30名。機関員か、どこかの治安組織の手のものか】
【恐らく前者だろう。UTのメンバーとして顔が知られている鈴音を害する命令は、治安組織には出しづらい】

――連絡できる手段があるなら、ソレは心強い。
好きな色……か、よく使っていた色は白、だけど……

【そういいながら、渡された指輪を受け取る。魔石の色は何色だろう】
【ありがとう、とお礼を言いながら、ポケットへと収めた】
【それから、端末を見た鈴音の顔を、見る】

――――………。

【すん、と鼻を小さく鳴らす】
【持っていたバッグから、缶の紅茶を出す。少し前にたまたま買っていたもので、洋館の自分の部屋で飲もうと思っていたものだ】
【普段鈴音の淹れてくれる紅茶とは比べるべくもないが――】

鈴音、飲むかい。

【そう言って、常温の缶の紅茶を差し出した】
【何が、とは聞かない。何も言葉は発さない――彼女が喋りたくないのなら、何か別の話題を出しても不自然ではないし】
【ぽつぽつと語ってくれるのなら、青年はそれを黙って聞くだろう】
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/04(水) 00:36:28.05 ID:Kr9sBAnw0
>>311>>320

「(了解した……)」

【ディミーアにハンドサインでこう返し】
【自分自身は、スーツの袖に隠しながら指をパキパキと折り曲げ伸ばし】
【ディミーアの行動に続いた】
【しかし、ドローンはあっけなくディミーアに捉えられたが】
【いかんせん場所が悪かった様だ】

「(しまった、こうなれば……)」

【カメラやその他道具を収納していたものだろう、大きめのビジネスバッグの口を開けて接近し】

「ディミーア君、何をしてるんですか!?」
「ほら、これは抱き着いちゃいけませんよ……全く、珍しい物を見ると抱き着く癖は、直さないといけませんねー」

【周囲の市民達から見えないように、ディミーアからドローンを受け取り】
【さも『その場でドローンを解放しました』と言う動作を見せつつ】
【ビジネスバッグに放り込もうとする】
【無論、それらは全て、市民や周囲に聞こえるように、大きな声で行う】

「それと、お手洗いはあちらですよディミーア君……」

【視線で入り口付近を示す】
【一連の行動が成功したならば、一先ずはこの場に留まるのは得策では無いと判断】
323 :特区 E [saga]:2018/04/04(水) 00:38:31.68 ID:4KlALJt2o
>>313

【走っていれば、あるいは間に合ったかもしれない】
【その時、いやに冷淡な合成音声が、彼女へ向けて指向された】


<──市民消灯の――時間です──>


【ただそれだけを、ぽつんと告げると】
【それきり、音声は途絶えてしまった】

【警告音が鳴ることもなく】
【完全な静謐が、少女を覆って】





【──かちゃり。かちゃり。かちゃり】



【やがて、何か金属質な音が、どこからともなく響く】
【何かの歩行するような、しかしどうやら人ではなく】
【それは段々と、彼女のいる方へと接近していて】



【少女は気付くだろうか】

【前方のある空間、街灯の消えたその闇に】
【何かの赤い光点が二つ、宙に浮いているのを】


【──かちゃり。かちゃり。かちゃり】


【音はそこからする】
【空間が揺らいでいた】
【それは陽炎を凝縮したような空気の歪みで】

【それを注視していたなら、陽炎は輪郭を持っていることが分かる】

【――四つ足。前方に突き出した口腔。うっすらと、牙】



【――『犬』であった】
【それも恐らくは機械で出来た】
【何かを狩るために製造された】

【透明な猟犬が、じっと彼女を見据えていた】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/04(水) 00:41:38.00 ID:GvgMl7kQo
>>318>>319


【知らない、と彼が言えば、初は小さく「そう」とだけ返し】
【びょうき、と言われても、それはそうか、と、心中納得するだけで】
【──だが、少年が“その言葉”を発したとき、初の表情は初めて曇った】



  ………… オメ、ラス ── 、 。



【 例のあの感覚、フランス語でしか言えないあの感覚。】


【彼女は、それをどう言い表すのか、言葉を持ち合わせなかった】
【だが、確かにそう感じた。 それは若しかすると、混濁の残滓としての錯覚でしかなかったのかも知れない】
【砂上の楼閣。感覚は一瞬で消え去って、もう、灰に。 何がどうなって、私はそう呟いたんだろうか】
【或いは、その。 疑うべくもない希望に満ちた眼。光。 そこに、   私、は  ── 】


  【  “ ごとん ”  】



   ──── 、ッ。



【物音が、彼女を再び現実に引き戻した。少年に別れを告げることもなく、初は病室から出る】
【廊下に顔を覗かせると、ギアが格闘し──、そして、何とか逃れるのが見えた。 “見つかった”、と彼は言う】
【対象が此方に勘付いた以上、これ以上の追跡は不可能だ。 今日のところは、諦めるしかない】


【彼女は、部屋の前を走り抜けていくギアに確かな目配せだけを送って】
【それから敢えて“無関係”のように見送ると、初めてその身を病室から完全に出す】
【離脱にしてもバラバラにしたほうが良いだろう。──そのまま、後方を振り向くことはなく】
【今度は静かに歩を進めて、エレベーターに乗り込むだろう】


【もし待合室に戻ることが叶えばその後は、“検診”が彼女に害を及ぼすものでなければ受けるだろうし】
【何かおかしな事が起こるならば、適当に理由をつけて、この建物からも離れるはずだ】
325 :ディミーア ◆r0cnuegjy. [sage saga]:2018/04/04(水) 00:43:41.84 ID:nuPFXnnlo
>>320>>322

【ドローンを捕まえた腕に電流が流される。焼けるような痛みに顔を歪めるが離しはしない】
【何とかその間に厳島のフォローが入る。合わせて苦笑を浮かべてみせた】


いやぁ、ついつい、ははは…………


【厳島にドローンを渡して、彼の指示に従って入り口へと移動を始める】
【厳島がドローンを確保したならば、後は撤収するだけだった】
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/04(水) 00:49:47.26 ID:Num61FJt0
>>321

じゃま……、――そっか、邪魔、かあ、

【――ぽつん、と、小さな声だった。異能持ちや魔術師を排除するための法律を仕掛けてきた、街中のひとは、すべてでなくとも疑うこともなく、これで平和になると信じている】
【古く長く続いた店をたたんで――老後の平穏な時間を過ごすための場所にしようかと思う程度には、魅力的に見えるのだ。それを思えば――こんな声も、きっと、出る】
【そもそも生存自体が能力に左右される。存在すべては魔術に組み上げられて。それを思えば――"邪魔"という彼の言葉が少しだけ別の意味に聞こえて、重たい】

【それで――きっと彼には通じてしまうのだ、「邪魔」という単語を違う意味合いでとらえてしまったこと、違った意味で、呟いていること】

【色は――好きなものを選んでいいだろう。おそらく白色もあるはずだ、いろんな色がある……らしい、彼女も、受け取った分のいくらかは確認していたけど】
【今適当に掴んで取り出したものの中に何色が含まれているかまでは、知らない。――体育すわりの姿勢、差し出した掌には、その手でつかめるだけの指輪がいくつか】
【色違いの視線は、よそへ向いていた。かといって何かを警戒して落ち着かない素振りではない、ただ、ひどくくたびれているみたいに、彼が指輪を受け取れば、残りもしまい込み】
【本当に体育すわりのポーズになる、それで、顔の下半分くらいまでを腕で、隠しこんでしまって――だけどすぐに前述の着信音だ。それで、身体を後ろに預ければ】

――――ありがとう、ウェインさん、

【一瞬すべてを遮断したがるみたいに、片っ方の腕で目元を隠しこんでしまっていたのだけど――紅茶の缶を差し出されれば、一瞬遅れて、ゆるりと目隠しをほどき】
【ほんの少し考えるみたいにしてから――それでも受け取るのだろう、弱く笑うのは自分のものをくれた彼へ大しての礼儀として、だけど、すぐに消えてしまう】
【もらった缶をくるくる回して文字列を眺めていた、数十秒ほど、だろうか。その間しんと黙り込むなら、彼が話すでない限り、その爪が缶を時々とらえる音以外は――】

……――、……わたし、ね、やめたいって、思っちゃったの、もうね、やだって、できないって、こんなの……。
ああでも――違う、の、"こういうの"が嫌で仕方ないとかじゃなくって。大変だから疲れちゃったとかじゃなくって。
世界なんてどうにでもなっちゃっていいやって思うんじゃなくって……、だけど、ね、もう、やめたい、って、……、――、

名前を聞いただけで……ざわざわして、不安で、殺したくなるの、今すぐ探し出して殺さなきゃって……そうじゃないと……、
――そんなひとが協力者、だって、言うの。UTに来ていたって言うの。――……婦警なんかより、よっぽど、嫌だって、思ったの。

【公的な権力に逆らう。そういった重罪めいた集団に属することが嫌なのではない。そんな前置きが一つあった、それは、つまり、このことには関係のない私的な理由】
【それでも――思わずそう口走ってしまうほどのことが、あった。腿と身体の間にもらった紅茶の缶を挟み込む、それで、今度こそ、顔を全部腕の中に伏せてしまって】
【いつか世界で最も警戒すべきだと口にした機関員さえ受け入れた少女を知っている彼ならばよほどだとも知れるだろうか、彼女の中で許容しえない人間が、来てしまった】
【顔を伏せて腕で隠しこむ。それでも鈴の音の声はよく目立ってどこかの隙間から聞こえてしまう、弱音は――ただありふれた少女の紡ぐものより、血腥く】

【あるいは――このことで慢性的な疲労がたまっていた、というのもあるのかもしれない。疲れた身体と心ではふとしたことにも、躓いてしまう】
【ただ――もしそうだったのだとしても。本当に本当に堪えがたい、堪えられない、そういう声をしていた。表情はうかがえないけれど、さっきと同じ、ひどい顔に違いない】
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2018/04/04(水) 00:52:09.89 ID:VGM00YXK0
>>323

っ、

【「犬」を視認した。血の流れている生物とは思えない、不可思議な躰】
【それを見て――「あ、これヤバいやつだ」と。一瞬で判断した】
【きっと直感。根拠も何もなく、けれど本能がそうやって、警告してくるのだ】

【思考する――引き返して、……どうにもならない。四つ足の獣から、逃げられる気もしない】

【――――だから少女は、駆け出した。前方、「犬のいる方」へ】
【少女における全速力。それを以って、「犬」の脇をすり抜けて――センターへ駆け込まんと】
【思いっきり走り始めた。それと同時、右の手を自身の下腹部に置いて】

(…………おねがいっ、反応しないで――「抜かせないで」!)

【――その地点から、異能を行使するための「チカラ」が渦巻いているのが】
【機械にはきっとわかってしまうのだろう。だからまだ、発動はしない】
【しかし、犬が飛び込んできたなら、迎撃するためにそれが必要。準備だけをして、少女は犬の横を駆け抜けていく――】
328 :特区 D [saga]:2018/04/04(水) 01:04:16.91 ID:4KlALJt2o
>>315


<──ストレス指数の異常を検知しました──>
<──魔素放出量規定値超過──量子定数の変動を検知――>


【Bi Bi Bi Bi Bi Bi Bi Bi────】
【警報音がけたたましく、しかし彼女にだけ指向されて鳴り響く】
【それは最早警告というレベルをとうに超え、強く糾弾するような音】

【振り回される十字架を見て、職員達は一斉に後ずさる】
【しかしそこに恐怖の色は欠落して、どころか気の抜けた笑みが深まる】
【まるで幼児がおもちゃを滅茶苦茶に振り回す様を微笑ましく眺める大人のように】

【誰だ、と問う声に返答はなく】
【ただへらへらと笑う声だけがその場に積層して】


【そうしているうちに】 【――ジジジ──】
【彼女と職員達の間の空間に、何かの電荷が迸る】
【それは青白い粒子となって、規則的な動きで宙を蠢き──】

【粒子が通った後から、硬質の何かが徐々に現れ始めた】
【さながら、そこへ何かを『記述』しているかのように】


【――ジジジジ――】

       【──ヴ──ヴヴ──……ン――ジジジ】


【それはものの数秒と掛からずに、『記述』され終えるだろう】


 ――――――――


【そこへは、とある『機械兵』が出現する】
【人型。流線型の甲殻。顔面に灯る六つの光点】
【腕は二対四本。金属の翼が背に一対。――頭上には、光輪】

【天の使徒を模したような純白の異形が、そのアイカメラで彼女を捕捉した】

【如何なる故かスラスターもないのに宙へ浮遊するそれは】
【腕の一本を伸ばし、課の所へ向けて掌を翳す】

【ヴ──……ンという重低音と共に】
【その手の表面が、徐々に赤熱し始め──】
【やがてすぐに、ぼン、と何かが弾ける音がするだろう】

【何かが射出された訳ではない】
【ただその代わりに、掌の直線上に何かの血肉があったならば】
【それを瞬時に沸騰させ、即座に破裂させんとする代物であった】

【不可視の、正体不明の攻撃】
【だが予兆は多く、不可避という訳ではないが、果たして】
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/04(水) 01:19:29.66 ID:jPqNXCvQ0
>>326

うん――?

【自身の発した言葉が、少女の中の違う所に落ちていったらしい、というのを感じ取るが】
【けれど、いちいち訂正するものでもない。そもそも、彼女は意味を正しく理解した上で――それでも、違う言葉のように聞こえてしまったのだ】
【だとするならば、自分のやることは慌てて訂正することではない】

【そうして、彼女がぽつぽつと言葉を紡ぐのを聞く】
【彼女にとって許容できない人間が居る。鈴音という少女が、そこまで人を――殺意を抱くまでに、人への拒絶を示すことに、少し驚く】
【けれど、彼女の過去を全て知っているわけではない。これまで歩いてきた道のりに、そういったこともあったのだろう】
【自身とてそういう経験もある。――海底監獄。愛した人。罪と血の具現。いくつかの光景が頭をよぎるが、今はこの少女の独白を】

――参ったね、協力者、か。
敵ならいっそいいのだろうけど。

【けれど、そういう相手が、今協力者として動いている。世界の行く末、ある意味ではその中心に座してしまっている鈴音】
【彼女の組織している『協力者たち』は、少なからず今激動しているこの世界の中で、一つのストッパーだ。正義側としてウェイトを占めている】
【だから、彼女も悩んでいる。許容できないことがあっても、辞めたいと思ってしまっても、止まるわけには行かず、こんなところで身を休める羽目になっている】

ね、鈴音。
疲れてしまったら、休んでしまってもいいんだよ。
誰にも干渉されない、こういうところで。携帯端末の電源を切って、どこかへ放り投げて。
もう少し寝心地のいいベッドを見つけて、ひとりで気の済むまで眠ってしまっても構わない。

誰も君を責めない。今までよくやってくれたから、あとは君の集めた協力者達が何とかするさ。

【普段どおりの話し方で、声色で、そんなことを言う】
【まあ、全部本当ではないのだろう。鈴音なしで動く集団ではないのだろうし】
【それでも、どんな世界の危機だとしても、君がひとつしかない心をひび割れさせる必要まではないのだと】
【金髪の青年は、そう語った】

【その声のほかは、風が古びた街を渡る音だけが響いていた】
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/04(水) 01:34:28.18 ID:NDgfTLuNo
>>328

【けたたましい音も、脳内物質の氾濫によってかき消される】
【ぐわんぐわんと周囲の空間が歪曲したような──そんな感覚に苛まれて】
【何がなんだかわからないまま、嘲笑を浴びながら十字架を振り回していた】

【其の刹那、視界が徐々に白くなり始めた】
【だが意識は混乱しつつも保たれているし、何かが形作られているということは判る】
【青白い粒子は、何かを形作っていく。冷静を取り戻しつつあった女は、十字架を離して肩で深く息をして──】


「なんだよ、こいつ……」


【金属質の素材で構成された流線型の甲殻、光輪まで翳していて】
【彼の“目”が此方を補足する。十字架を右手に喚び、警戒を強める】
【重低音とともに、掌が此方に向けて翳される。その表面が赤熱していくのを視認すれば──】


「こいつ……ッ!!」


【何かが弾けたような音が聞こえた──その寸前のこと】
【無意識的に、身体が左に跳ねた。野生の勘とも言うべき、その回避行動】
【ずさぁ、と足を地面に滑らせれば。かの異形を再び睨めば、殺意が篭った口調で】


「狂ってやがる、一体此処は何処だ!?」


【冷静を取り戻し、その怒りを制御下に取り戻した】
【首を振れば、ブロンドの髪も動きを同じくして揺れる。頬を二度両手でぱしぱしと叩けば】
【再び異形と対峙するようにして、警戒を保ったまま腰を低く落とす────】

【────注射器の存在にも、職員の存在にも意識が及ばぬまま】
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/04(水) 01:44:10.43 ID:Num61FJt0
>>329

【こくんと一つ頷く。協力者――ほかの面子が集めてきた協力者経由で関わるようになったのだ、だから、彼女にしてみれば、本当に寝耳に水だったのだろう】
【知っている中での出来事なら――前以て意見を言うこともできたかもしれないけれど。敵なら良かった。そうしたら――こんなふうに何も悩まなかったのに】
【かといって同時にやめてしまえないのを分かっている。分かっているからこそ――ではあるのだろう。これで本当に何にも分かっていなかったなら、とうにやめている】
【やめられないからやめられないけどやめてしまいたい、要領を得ないわがままが頭の中でぐるぐるうねる、もうどこが頭でどこが尾かもわからない、大蛇をほどくように】

――――――……、

【うつむいたままで言葉を聞いた。だから彼には表情は見えないだろう、見る限りに反応はなかった、ただ、静かなままで】
【数秒以上もたっぷり黙り込んでから、ひどく重たいものであるかのように緩慢な仕草で頭を持ち上げる。ゆらりと向けた視線は前髪越し、わずかにだけうかがえ】
【表情のほとんどが隠れてしまえば、色違いの瞳はどこか不気味に見えた。それこそ温度のない蛇の眼球のように、平坦な、無感情なように見え】

――いっ、かなぁ、もう……、だって、セリーナと、喧嘩して……。能力消しちゃう、敵のひとも、UTに来て……。あいつまで来て……。
わたしのこと誘ってくれたベイゼももう居なくって……。銃も握れないくせにって……だから練習するの――、だけど、ちっとも、できなくって……。
びっくりするの。怖いの。でもロッソさんができるようになった方がいいって言うから。買ってくれたの。だから……、無駄にできないから……。

【ふわりと薄く笑う、うんと悲し気に眉を下げて、へなへなになった唇は今にも泣きだしてしまいそうに歪む、持ち上げ切った顔は、そんなにも感情豊かで】
【慣れない状況への緊張と疲れが――それこそ"それ"がきっかけであふれてしまったみたいだった、いろいろ頑張って、だのに、状況はよくなったように思えなくて】
【まだまだ始まってもないくらいの序盤だって分かっているはずなのに。彼みたいに上手にできたらいいのにと思いながらできないから、こんなふうに弱音を吐くばかりで】

…………でも。でもね、ほかのひとが、死ぬくらいなら……死んじゃうくらいなら――、わたしが……、何回だって、死んだほうが、……ましなの。
ウェインさん、わたしね、死なないんだよ、死ぬけど……死に続けられないの。そのたびに死んで、だけど、そのたびにね、生き返るの、死んじゃえないの……。
夢を見るの――ずっとずっと夢を見るの。それで、起きたら……、生きてるの。わたし。――――だから。ウェインさん。何かあったら……。

【「わたしのことは見捨てて逃げてね」】

【――そんな言葉で、彼女は、彼の言葉を蹴っ飛ばした。そんなに元気なものじゃないから、指先でそっと押して――台の上から落とすような、そういう、温度だった】
【死ぬことはできるが死に続けることはできない。そしていつか生き返る。そういうモノだから――"だから"、一度しか死ねないほかのひとたちよりも、融通が利く】
【死地に送り込まれ実際に死んだとしても彼女という存在自体が終わることがない。残機無限のチートを強いられている。そういうものだからと――ぼそりと、口にする】

【言いたくないことだったのだろう。だけど――その性質はこういう状況なら役立てることができる。常識に囚われるやつらは、殺せば終わりだと信じてしまう】
【奇跡と魔法が溢れる世界だって――そんなふうに何度も黄泉帰ってくるような穢い存在は、きっとめったに、存在なんてしなくって。だからこそ、自分自身でさえ嫌だった】
332 :特区 B [saga]:2018/04/04(水) 01:57:17.63 ID:4KlALJt2o
>>317

【ヘケメトが静かに動作する間、職員達は何やら話し合っていた】

【「あ」】 【「ん?」】

【「何か忘れてるような」】 【「そうだっけ」】

【「あ!」】  【「あ!」】


【「「ひとり足りないよ!」」】


【きき、とブレーキが限界まで踏まれ、急停止】
【その後にUターンして、先の現場まで戻ってきた】

【扉を開けば、そこで伸びている二人の人物――】
【すなわちヘケメトが最初に投げ飛ばした一般人と、】
【それにぶつかって気を失った職員とが、気絶したまま転がっていて】

【「忘れてたよ」】 【「うっかりうっかり」】

【それらを呑気にバンへと担ぎ込めば――再び発進し】
【道中、痺れの取れ始めたヘケメトが暴れ始めると】
【その弾みで、気絶していた職員のポケットから何かが転げ出た】

【それは──注射器であった】

「ああ、なんだ。彼が持ってたのか」

「じゃあ──打っちゃおう」

【そうしよう、そうしよう、と声が続く】
【彼らは再び、スタンガンをヘケメトに押しつけると】
【その後で、四人がかりで抑えつけた腕の静脈に、針を差し込むだろう】

【そうして、何かの液体がゆっくりと体内へ注入され始めた──その時だった】


【ぱン――、と】
【何かの破裂音がして、続いてがくんと急に車体が傾いた】
【バンは制御を失って、そのまま何かに追突したような強い衝撃が迸る】

【車内は天地をひっくり返したように乱れ、事実今まで側面だったものが今や床になっていた】
【どうやら横転したらしい。車の警報装置が甲高く鳴き始める】

【この衝撃の弾みで、バンの後方扉は開いていた】
【職員達は皆にこやかな表情のまま呻いていて、動けそうになく】
【唯一、動ける生命力があるとすれば、それはヘケメトただ一人であろう】

【何が起きたのかは分からない】
【が、少なくとも自力で脱するにはここが最後の機会であった】
【その手が外へ伸ばされるのか、それとも────】


/というところで曖昧ですが一旦閉めます。
/後のことは舞台裏で。お付き合いありがとうございました!
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/04(水) 02:16:43.22 ID:jPqNXCvQ0
>>331

【――目の前の少女は、消耗していた。状況もよくなかった】
【『だから休めばすぐに治るさ。疲れてるんだよ、鈴音――』なんて言葉は、口にしない】
【何故なら、この吐露こそが少女の根源だろう、と思い至ったからだ】
【ここで初めて出会ったときのように、あるいは再会して料理を振る舞ってくれたときのように、もしくはエヌと一緒に語らい浴びるほど酒を飲んだときのように】
【明るくて、他人に気を使って。人に料理を振る舞うのが好きな、鈴音】
【あるいは、今この時のように、ともすれば虚無へと堕ちる、そんな危うさを孕んだ鈴音】

【どちらも彼女なのだ。治るとか治らないとかの話ではなく】

―――そうか。死なないのか。死ねない、のか。
……それは、辛かっただろうね。

【不死と呼ばれる存在には何度が会ったことがある。いずれも人間離れしたメンタリティを備えていたが】
【目の前の、普通の人格を持った少女が、不死だとするなら。それは一体、どういう呪いだろう。ギフトではない、カース】

【諸々を抱えて、おっかなびっくり走ってきたこの少女は、その『協力者』の出現で、ついに転んでしまったのだ】
【そうしてしまえば、目の前に広がっているのは、今まで腕に抱えていた全ての闇】

【権謀術数渦巻く中に立つ彼女には、少し、重たい荷物だろう】

――まあ、君が仮に不死身だとしても、見捨てて逃げるのは勘弁してくれ。
そんなことしたら、自分で自分が許せそうにない。

鈴音。正直に言ってしまえば、
僕は君の抱えている問題を魔法のように解決することは出来ない。
色んな人が渦巻いていて、色んな思惑があって、まるで洗濯機の中にいるみたいに、君を『わやくちゃ』にするのだろう。

【いつものように、順序立ててそう語る】
【けれど、次に紡ぐ結論は、彼としてはかなり突拍子もないもので――ああ、そういえばこの男、突拍子もないことをよく言うのだった】

――だから、鈴音。
この事件に片が付くまで、僕はたったひとつ、極めてシンプルに、『君の味方』で居ることにする。
僕の行動原理はそれだけだ。
黒幕も、その敵も、知ったことではない。
白神鈴音のいる側に、その傍らに僕は立つことにする。

僕は、君がいなければこの世界にきっと戻ってこれなかった。
だから、僕は君の味方だ。不足があれば申し訳ないけど――何、大抵のことは何とかしてみせよう。

【あれを解決するとか、これを無くしてみせる、とかは言えない。ただ彼が、自分に必ず守れる約束として行ったのは】
【彼が何処に立つことを選ぶか、ということだった】
【何が出来るとか、出来ないとかではない。彼女がいたから、自分は此処に居るのだ、と】
【金髪の青年は、いつもの柔和な笑顔で、そう言った】
334 :特区 B [saga]:2018/04/04(水) 02:24:29.06 ID:4KlALJt2o
>>319ギア >>324

【追撃は、無かった】
【いや正確にはあったが、それは彼らがこの階から去った後だった】


 ――――――――あれえ。


【ギアの首を飲み込んだ病室の扉が、その時ゆっくりと開いて】
【看護士が一人、首だけを廊下に出して、周囲を見やる】
【目当ての姿が無いと分かるや、身体も廊下へ出てきて】

【それこそまさに人形のような】
【固定された笑みのまま、やがて歩み始めるのだ】
【目指す先は上層。彼らが逃げていったであろう階へ】




【――】



【だが、その看護師が地上階へ戻ったとき、そこに彼らの姿はない】
【その首がゆっくり回り、人混みの中を選り分けるような視線で辺りを薙ぐが】


────気のせいでしたか。


【あっさりと、その看護師――来栖くるる/曽根上ミチカは踵を返した】





【──やはりというべきか、彼女はこの『特区』の中にいて】
【訪れる者を『幸福』へと導こうとしている──そのことだけが、確かに得られた情報だった】






【そして件の『検診』であったが、その日彼女が受けることはないだろう】
【何故なら、彼女が地下へ行っている間に順番は呼ばれ、その時に不在だった為にキャンセル扱いとなったからである】
【そうこうしているうちに本日の検診は締め切られてしまう】


【受けた方が幸いだったのか、あるいは】
【それは未だ、誰にも知れず】


/こちらもこれで一旦区切ります。
/短い絡みではありましたがお付き合いありがとうございました。
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/04/04(水) 02:42:39.10 ID:/dEkVn+0o
>>324>>334
【目配せの意味を悟ると、ギアはそのままわき目もふらずに駆けていく】
【階段を2段飛ばしに駆け上がって、地上階へ。そのまま、『センター』の外へ】
【逃げ足の速さは、旧友の影響か。まさしく脱兎のごとく、生き人形は冷たい都市を走り抜けていく】

(なんなんだ、あいつは……!!)

【その間も、恐怖が魂を揺さぶり続けていた。あの表情。あの力。全てがあまりにも異質】
【まるでこの街そのものを体現しているかのような。それでいて、悪意を感じられないあの目】

【恐怖を帆に、ギア・ボックスはカミス・シティから逃げ去った。置いてきた自分の頭が、廃棄処分されていることを願って】


【その後、おそらくは何食わぬ顔で都市から出てくるだろう初に、自分の見たことを告げた】

C4病室には、ずっと歯を鳴らし続けてる男性の患者がいて……「おめが が くる」と。意味は、わかりませんが

どこで追跡に気が付いたのか……あの看護師は、簡単にいく相手じゃなさそうです
とんでもない速さと力で、まるで抵抗できませんでした……

お役に立てず、すみません初さん

【話す声音にも、頭を下げる身体の震えにも、拭い切れない恐怖の跡が残っていた】
【魂に刻まれた恐怖。『特区』が想像以上の魔窟である、と。この事実は、公安三課及びスクラップズに確かに伝えられることとなるだろう】

/遅くまでありがとうございました!!
336 :特区 A [saga]:2018/04/04(水) 03:59:19.10 ID:4KlALJt2o
>>322>>325

【バッグの中へ突っ込まれたドローンは激しく暴れるものの】
【鍛えられた男性の腕力ならば押さえ込めないものではなく】
【そのまま持ち運ぶことは叶うのだが──】


【出入り口から出る直前、数基の新たなドローンが彼らを取り囲むだろう】

【それもそのはずで、いくら確保したとはいえ、通信機能は生きている】
【捕らわれたドローンが何らかの緊急信号を発していたのだった】

【即ち現在は、街のシステムに対し、『異常発生ポイント』の所在を大きく喧伝しながら移動しているようなものであり】
【先ほど黒野カンナが発した依頼がどれだけ無茶なものであったか、それを今まさに体現した状況と言えた】

【だが、集まってきたドローン達はそれで何かをする訳ではなく】
【うろうろと、今はまだ彼らの周囲を徘徊するだけに留まる】

【異能を行使した訳ではない、ストレス指数を異常に上げた訳でもない】
【単なる機器のエラーなのか、それとも別の何かなのか、】
【システムが判じきるにはまだ少し時間が掛かりそうで】

【しかし、ここはセンター内】
【システムが判定を下す前に、この光景を目視した職員が】
【彼らの方を見て、真っ直ぐに歩みを進めてくる】


【追いつかれれば誤魔化しきれなくなりそうなのは明白で】
【だからとて急に心拍を上昇させればそれも異常として検知される】

【二人の命運は、今からどれだけ冷静にかつ大胆に、この盗難を推し進められるかにかかっていた】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2018/04/04(水) 12:50:37.30 ID:/hkiiedEo
【聖都のとある喫茶店、屋外ラウンジにて】
【本日は快晴、暖かい陽気の中椅子にもたれかかり、青空に浮かぶ雲を見上げながらくつろぐ者がいた】
【マフィン、唐笠、トリケラトプス、などと面白そうに呟きながら非常にリラックスした様子で、テーブルの上に置かれたカプチーノに手を伸ばしゆっくりと飲み始める】

【なみなみと注がれたミルクに対し、砂糖は半杯。これくらいのバランスを彼は好んでいた】

【一息でカプチーノを飲み干してしまったその男は、ふう、とため息をついて傍らの従者に話しかける】


……あー、やっぱ久々の人間界の空気は本当においしいねえ、魔界もスリリングで退屈させないいい所だったが
あそこはマナの濃度が若干濃すぎて一息吸うたびにミントみたいな爽快さがずっと喉の奥にこもっているような感覚がして……結構落ち着かなかったんだよな

しかし、我々が異界にトレジャーハントしている間に……世の中はだいぶ変わってしまっているようだね、ジャンクちゃん


【その男は、新品同様の真っ白な白衣に身を包んだ男だった。白衣の下には薄い青色のブラウス、そして大柄な彼の体躯に誂えられた特注の黒のスラックスを履いている】
【科学者か、医者、と推測できる見た目だが、その首に絞められたネクタイの不釣り合いに派手な髑髏模様が嫌でも目についた】
【短い黒髪を払い、彼は左耳につけた機械をトントン、と叩くと、空中に浮かび上がった複数の表示枠―――ホログラムモニターに目を通すだろう】


……魔能制限法、そして水の国特別福祉戦略区、カミス・シティねえ
魔術師でも能力者でもない私はなーんも困らない話だが……これが全域で制定されたら今後我々の店の売り上げにも影響が出るかもしれないな
この規制の中に『アイテム関係』も含まれるのであれば……また新たな需要を開拓しなおさなければならなくなるかもな

『…………………………はい』

しかし、それまで許されていたものをお国が法律でガチガチに禁止することなどを初めたりしてかえって治安がわるくなったりしないだろうかね?
禁止されたところで、法の抜け穴を突いてよりアングラな犯罪の温床にならなければいいのだが……禁酒法の再来とか笑い話にもならん
……オープンは昨日からか。近いうち我々も足を運んで様子を見てみようかジャンクちゃん……ジャンクちゃん?聞いてるか?

『……………はい、問題ございません……デスヨー』


【心ここにあらず、といった様子で力なくつぶやくその女性】
【三日月の髪飾りで結われた黒のポニーテール。アンテナのような機材が取り付けられた耳。白いフリルとエプロンに飾られた黒い侍女服】
【大柄な男性の体躯とは裏腹に130cmほどの小柄な背丈の彼女は、元気なく俯いたまま彼の傍に付き従い続けていた】

【おーい、大丈夫かー?と男が彼女の目の前でぶんぶん手を振りながら彼女の様子を見始める】
【ひとまず見るからに暇そうなので、彼の方は会話を始めればなんらかの反応を返してくれることだろう】
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/04(水) 13:13:39.75 ID:f2x4arpho
>>337

【───乾いた音が響く、踵で床を叩く様に】
【視線を向けた先には、少し場違いな雰囲気の来訪者が居て】

【プラチナブロンドの長い髪、朱が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート】
【スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な少女】

【手には簡素なデザインのコップ。ミルクが居心地悪そうに溜まっていた】


ねぇ、旦那様。───御一緒して、よろしいの?
あてが外れてしまったの、まさかこんなにも、混んでるなんて
ほんとに予想外れ、困ってしまったの

……だからね、他の殿方の元へ、傅く様にと、言われちゃったから
ふふ、来ちゃったの、だーって一番、素敵な殿方だったもの
暫し旦那様と、そっちの仔猫ちゃんの時間を、私に鬻いでほしいの


【甘ったるい猫撫で声、耳の穴を舐り、吐息で染めるかの如く】
【悪戯細工の言の葉を散りばめて、近くの椅子を手に取った】
【銀雪の髪が日光を溶かして、眩い煌めきをそこに咲かせる】
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/04(水) 13:18:38.84 ID:Kr9sBAnw0
>>336>>325
「(何とか外に……)」

【だが、それは叶わぬ事だった】

「ッ!?」

【出口を潜る直前に、複数機のドローンに囲まれたのだ】
【いかんせん派手な事も出来ぬ状況、場所】
【更に悪い事に、職員の一人が此方に向かってくるではないか】
【なるべく平静さを保ちつつ】
【そして思考を巡らせる】
【ドローンはまだこちらの周囲を浮翌遊するだけ】
【これは、振り切れる物と判断】
【真の厄介は後ろに迫る職員だ】
【ならば……】

「ディミーア君、いけない!バスの時間だ、走りますよ!」

【急がなければバスに乗り遅れる、そんな状況を演じつつ】
【バス停に向かう振りをしながら、逃走を図ろうと言うのだ】
【無論、ドローンの異常発生信号は出続けているが】
【これは、そうするより外に手は無い状況とも言える、そう考えての行動】
【あくまで重要なのは、冷静さを維持する事と、演技を続ける事】
340 :特区 E [saga]:2018/04/04(水) 13:20:12.89 ID:4KlALJt2o
>>327

【──意外にも『猟犬』は少女へ襲いかかることはせず、そのまま見送った】
【ただ振り向き、その宙に揺らめく赤い光点だけが、闇夜を貫いてじっと照準されたまま──】

【少女は程なく『センター』へ辿り付く】
【静謐たる暗夜の中、その螺旋と流線が構成する彫刻然とした白亜の建物は】
【月明かりを受けて、昼間とは完全なる別世界の如き幽玄さを漂わせていた】

【人も、灯りも、そこには無かった】

【ただ正面エントランスの大きなガラス戸が、彼女を迎え入れるように独りでに開いた】
【そのまま踏み入れば、戸は再び自動的に閉まる。退路を断つように、あるいは優しく包み込むように】


【屋外とはまた異質の静謐がそこには充ち満ちていた】
【風の吹く音もなく、周囲を物理的に囲まれたこの空間は、正しく無音であった】

【ただその中にあって、廊下の天井に据えられた避難口の表示板が】
【誘蛾するような妖しい緑の光を闇の中に滲ませていた】


【──ヴ──ヴヴ──……】


【非常灯が、その時僅かにノイズを帯びて明滅した】
【そしてその下には、何時からであろうか、一つの人影が立っていた】



 ――――――――………………



【看護師であった】
【緩い微笑を湛えた、若い女性の】


【 「急患ですか」 】


【彼女は言った】
【その手には、何か鋭く光るもの──注射器があった】

【ヴ──ヴヴ──】
【非常灯の緑が点滅し、看護師の肌色を不規則に塗り替える】

【こつ、と】
【看護師は一歩を踏み出した】

【その笑んでいるのに何処までも据わりきった瞳が、直線で少女を捕捉したまま】
【こつ、こつ、こつ、こつ──無機的な硬質音を周囲へ反響させながら、近付いて】





【────どこかで、音のない悲鳴が上がった】



/というところで一旦区切らせていただきます。
/後のことは、後ほど補足いたしますので。
/ひとまず、お付き合いありがとうございました!
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2018/04/04(水) 13:42:02.26 ID:/hkiiedEo
>>338

【侍女服の小柄な女性は俯いたまま、ろくな反応を主に返そうとしなかった、が】
【突如変化を見せる。彼女の高性能な聴覚が、懐かしいくらいの甘ったるい声を拾った瞬間にハッと顔を向ける】
【たなびくプラチナブロンドの髪を一目見ただけで、侍女服の女性は驚愕に表情を崩し、両手で上品に口を押えて言葉をこぼした】


『―――――――――……っ!?あ、ああ、貴女は……!!』

……おやおや、これはこれは
懐かしき我が世界に帰還して舌の根も乾かぬうちから、可憐なレディからのお誘いを受けるとはねぇ
今この時もどうやって彼女を撒いて町へ繰り出しまだ見ぬ私を求める女性たちを探しに行こうかと思考を巡らせていたのに

手間が省けたね――――無論、断る理由などないとも。そちらの席にかけなさい


【一目で動揺しているとわかる侍女とは裏腹に、白衣の男は余裕気に向かいの席に手を差し伸べ優しく微笑んで彼女を迎えた】
【同時に―――テーブル上に投影したレーザーキーボードにコマンドを入力し、彼の右横に浮かぶモニターに目を通す】
【彼の左耳にかけた機械に接続された情報端末W-phoneから得た情報に目を通す】

【表示されていたのは仲間から得た『彼女らしき人物』の情報】
【トレジャーハントを中断し懐かしき世界に帰還することを決定させた情報だ】


久しぶりに懐かしき聖都に戻ってきた事だし、ひとまず英気を養い万全の体制で仕事にとりかかろうと思っていた所だ
レディ。君と過ごす時間ならば申し分ない。存分に語り合おう。

まずは名乗りを。私の名は―――ジンジャー。"WILD"ジンジャー・ユースロット。
……ハハッ、何度名乗っても恥ずかしい名だ。誇り高い名でもあるが


【余裕綽綽の態度を崩さず、己の胸を抱きうやうやしく名乗る白衣の男―――ジンジャー・ユースロット】
【一般的には女性の名前のはずなのだが、気にも留めず堂々とそう名乗った】
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/04(水) 13:53:25.15 ID:f2x4arpho
>>341

【言葉に頷く様に彼女はすっと椅子に腰掛ける】
【雫が葉に落ちるが如く、流麗な所作には一分の無駄もなく】
【目の前に居ても其れが幻と消えそうな程に、儚い存在感を見せて】

【鈴蘭の様に淡い音色、言葉を紡ぐたびに絹糸に似た喉が鳴く】


ふふ、素敵な旦那様、そんな風に甘い言葉をかけられるとね、蕩けちゃうの
逞しい殿方が、紳士的な言葉をかけたなら、其れは女冥利につきて
とくんとくんて、胸の奥が疼くの、不思議ね、ほんとに不思議よ

ジンジャー、素敵な名前、何度も口に出して確かめたくなるの
やぁよ、私以外に貴方の名前を、呼んでもらっちゃ
……なぁんて、思ってしまう、ぐらいにね

カチューシャ、其れが私の名前、ポイントはねтюの部分にあるの
そうよ、こうして、唇を付けて、その中で舌を濡らすの
そしたらね、綺麗に響くの、私の名前が


【手袋に包まれた指先が、彼女の唇に触れる】
【瑞々しく潤いを浴びた紅、色合いを強めるように日差しを透かして】
【輪郭をなぞって音を鳴らす、接吻をするような口の形】


───ねぇ、帰還ってことは、何処かに行ってらしたの?
旅行かしら、そんな素敵な仔猫ちゃんを連れて、ふふ旅路も二人なら寂しくないもの
私も好きよ、好きなの、旅先で重ねる肌も、また暖かくて


【なんてね、て嘯くように笑った】
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2018/04/04(水) 14:40:40.40 ID:/hkiiedEo
>>342

『……!!』

ふむ……Катюша (カチューシャ)、カチューシャ、か――――――……どうかな?


【唇を窄め、舌を動かし、言われた通りに発音するジンジャー。飲み込みが早くすぐに同じように発音してみせた】
【得意げに下唇ととん、とん、と指で叩いた後、彼は手元の空になったカップを手に取ると、すぐ近くを通りかかったウェイトレスに差しだす】
【「同じものをおかわりだ」、と告げ要件を済ませると、彼女の質問に答える】


なに、私は科学者にして冒険家でね。我が戦友たちの体制も盤石となり余裕が生まれたからほんのしばらくの時間お暇をいただき
以前から部下より知らせを受けていた宝を掘り当てに少々コネを使って『魔界』へと旅立っていたのさ。


【足元のトラベルバッグのジッパーを開け、中から古ぼけた羊皮紙の束を取り出すと】
【それを愛おしそうに撫ぜながら彼は空を仰ぎ、旅路の思い出を紡ぎ続ける】


収集した文献には様々な宝の逸話が記されていたよ
幾万の年月が立とうと燃え尽きることなく火をともし続ける薪、降り注ぐ雷撃や煮えたぎる溶岩からも中身を守る布、
そして水を注げば病魔に侵され何十年も動けなかった者すらたちまちにその足で立ち千里を走れるようになる薬に変えるという杯……

情報を集め、探し当てるまでの道中も楽しかったな……人の世では出会えることのないであろう濃厚な珍味
危険な香りのするカジノや闘技場、空を渡るゴンドラ、呟いた『言葉そのもの』を直接爪で掴み、海の向こうへと届ける白い鳥……

なにより、人の世とはまた違った者たちが暮らしているわけだから……こことはまた趣が違う、人ならざる身ながら蠱惑的で胸を高鳴らせる美しい女性たち……
旅路の中で慣れぬ土地に困惑する我々に、彼女たちはよくしてくれたものさ……皆と過ごした時間も目をつぶれば今でも鮮明に浮かび上がる……
全てを語っていればそれこそ日が暮れてしまいそうな長い旅路だったよ、カチューシャ君『―――違います』


【旅路の思い出を語るジンジャーの言葉を、突如侍女が遮った】
【向かいの席に腰掛ける彼女の名乗ったその名をジンジャーが口にした瞬間、鋭く、凛とした声色で割って入った】


『―――……いいえ、それは……その名は、決して違います……そんな名前では、ないのデスヨー』


【言い終わると侍女は、唇を噛みしめ、今にも泣きそうなほどに痛ましい顔で、相席する少女の顔をまっすぐ見つめていた】
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/04(水) 14:54:35.68 ID:f2x4arpho
>>343

【良くできました、と彼女は唄う。──啄む言葉の後先にも似て】
【淫らに指先を伸ばす、ジンジャーの唇をそぅっと撫でる様に】
【その体温と柔らかさを確かめる様にゆっくりと】


ふふ、悪い気はしないの、いいえ、寧ろとっても良い気分よ
ジンジャーの様に素敵な殿方に、名前を呼んでもらえるの
其れは素晴らしく光栄で、同時に素晴らしく扇情的で

私を昂らせるの、なんて、言ってもみたりするけど
冗談よ、ねぇ、こんな昼間から衆目の前で肌けるなんてしたくないもの
そうでしょう、秘所は寝具の奥の奥、遠く遠くに隠しましょう

───『魔界』そんなものが、あるのね
知らなかったの、カチューシャにも知らない事が世の中にはあるの
ふふ、御伽噺ばかりね、夢想家みたい

───でも、嫌いじゃないの、貴方のお話は凄く興味深いの


【頬杖をつく、形の良い乳房が押し付けられて窮屈そうに声を漏らす】
【大きく開いた胸元から、くっきりとした谷間が浮かび夜鷹の様に貴方を見つめ】
【見てるの?だなんて、からかう様に声をかけるだろう】


あら、仔猫ちゃんが嫌がってるわ、お話が刺激的すぎたみたい
もうジンジャーってば、雄弁になるのも良いけれど、紳士的なままでいて欲しいの
女性を賛美するのも素敵だけど、女の子はあんまり良い気はしないは

過去の思い出より今の現実、私と仔猫ちゃんを愛して欲しいって
そう言っている、みたい


【カチューシャはジャンクちゃんがジンジャーを制止した理由をそう捉える】
345 :特区 D [saga]:2018/04/04(水) 15:13:03.32 ID:4KlALJt2o
>>330

【初撃が外れれば、すぐさま次の攻撃行動へ】
【四つある内の二つの掌がその時バチリと音を上げ】
【それはすぐに青白い電流の乱流となって掌全体へ纏われ始めた】

【ごッ──と】
【機体が静止状態から刹那で急加速し、空気を押し潰すような音が響く】
【放たれた矢の如き速度で以て、機兵は彼女へ接近を試みた】

【もしも徒手の間合いまで至れば、その青白い電荷を纏った掌を身体へ叩き付けんとするだろう】
【一撃、二撃。両の腕で一振りずつ、それぞれ袈裟斬りの軌道で、虚空を獰猛に薙いで迫る】

【その機兵の手が帯びている電撃は単なるそれではない】
【もしも肉体か、異能的要素で構成された道具へ触れれば】
【そこにある“魔力を破壊”せしめんとする代物である──】


【が、それがどうあれ、更に好ましくない状況が並行して起こる】

【──ジジジジ──】

【福祉局員達の周りに、先ほどと同じ青白い粒子が現れて】
【やはり先と同じく、その場へ新たな『機械兵』が次々に“記述”され始めていた】

【無慈悲な対異能科学兵装を満載したこの機兵が、】
【束になり、それぞれ精密な連携を以て際限ない襲撃を続けた時、】
【それに耐えうる力量と精神力を兼ね備えた者は、果たしてこの世界にどれほど──】



【────そこまでが長い前奏であった】



 【 ────             ────=@】



【とある爆音が、それまでの諍いを全て吹き飛ばすような圧を以て鳴り響いた】

【それは自動車の発するクラクション音であった】
【それも軽やセダンのようなただ騒がしいものではなく、】
【数トン級のトラック──周囲を威圧するようなエンジン音を伴う巨体が、この場へ突っ込んできた】

【福祉局員達が振り向いたとほぼ同時、既に加速の乗り切った鋼の剛体がその群れを軽々しく弾き飛ばす】
【巌のようなタイヤが絶叫じみた摩擦音を伴ってアスファルトをこすり、その巨躯は大きく尾を振った】

【さながら巨人の腕となった車体が、その場にいた機械兵達を豪快に巻き込んで】
【大重量の激突する轟音を炸裂させながら、一切合切を吹き飛ばした】

【──その超重量級たる大事故の現場にはしかし、唯一無事で立つ者があるだろう】

【────ブロンドの彼女、その人だ】

【暴走してきたかに見えたトラックは、その実ハンドルとブレーキが繊細に操作され】
【彼女だけを巻き込まないように、計算され尽くした角度で以て突入してきていたのだった】

【辺りに衝撃の余韻が舞う中、運転席のウィンドウがゆっくりと降ろされる】

/↓
346 :特区 D [saga]:2018/04/04(水) 15:13:49.76 ID:4KlALJt2o
>>330

【中から覗いたのは──フルフェイスのヘルメットを被った人相の知れない人物だった】
【その運転者は粗野に肘を窓枠から乗り出すと、ヘルメットの奥から彼女を見下ろし】
【やがて奇妙な電子音が発された】


《…………何度見ても、アホ面していやがんなぁ》


【それは男とも女とも判じえない、合成音声であった】
【幾重にも加工されて元の声質は完全に滅されて、しかし声の抑揚だけがそれを確かに人間だと窺わせた】


《質問は全部後だ》
《もういい加減言い飽きたから色々省いて言うぞ》


【 「──逃げろ」 】

【それはただの一言、彼女の状況を一切省みずに放たれた】
【そしてほとんど間髪に入れずに次の言葉が次がれて】


《いいか、お前にとっちゃ一度しか言わないし言えない、死にたくなけりゃよく聞け》

《今からもう一度クラクションを鳴らす、そのタイミングでそこの裏路地目掛けて全力で走れ》
《そして目の前を“ネズミが三匹通ったら”、“左へ一歩”ずれろ》
《それから“二つ数え”たら、“右へ二歩”だ》

《後は振り向くな。警報が聞こえなくなるまで全速力だ》


【それはともすれば、彼女を更なる混沌の坩堝に引き込みかねない情報だった】
【しかし彼女がどんな反応を取ったにすれ、緊迫した状況は今もなお動き続け】

【ギギギギ──と】
【トラックに弾き飛ばされていた機械兵達が再起動し、再び宙へ浮かび上がる】
【外装のいくつかは弾け飛び、中の配線や内蔵物が露出しているような有様だったが】
【その顔面に灯る六つの光点は爛々と灯り、未だほぼ十全に機能することを窺わせた】

【そうした余談を許さぬ状況の中──】


《じゃあ、これで最後にしてくれよ……ッ》


【──爆音】
【運転者の手が勢いよくクラクションへ叩き付けられ、空気が打ち震えた】

【それは生死の瀬戸際を分ける号砲】
【駆け出して線を越えるか、あるいはそれに至らぬか】
【未来の全ては、彼女の意思と気力に掛かっていた──】





/という感じで、一方的に展開する感じで申し訳ないですが締めさせていただきます。
/その人物の言う通りに行動すると、機械兵からの透明な攻撃が全て外れて特区外まで逃げ切ることができます。
/どうするかは無論お任せです、お付き合いいただいてありがとうございました!
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2018/04/04(水) 15:22:52.20 ID:/hkiiedEo
>>344

【身動き一つせず、なすがままその指を受け入れる】
【涼やかな笑みを絶やさずカチューシャの姿を見つめ続けるだろう】
【問いかけに一言「ああ」、とだけ答えると、頬杖を突く彼女から目を離さず、恭しく言葉を紡ぎ続ける】


確かに私も愛を語るのはレディと二人きりの時が好ましいと考えている
よそ見してると蹴られるからね。私のとっておきの愛を周りの客人たちにまで見せびらかすのはあまりにもったいない

―――スライム族の女性とかやわらかい見た目とは裏腹に意外とロマンの作法にうるさくてね
ムードを壊すと怒って自分からはやした水の鞭で叩き、喉奥まで拳を差し込んでくるという話だ。私はしくじってないから知らんがね


【一通り過去の思い出話を並べ終わると、彼は傍らの侍女―――ジャンクちゃんに視線を動かす】
【とうとう激情を抑えられず、カチューシャの横へと足を運んだジャンクちゃんは腰掛けるカチューシャを見上げ】
【張り裂けそうなほど震えた声で、言葉を紡ぐだろう】


『違う……貴女は、貴女はカチューシャなんて名前じゃない……断じてそんな名前じゃない……!』

ジャンクちゃん

『……どうして、我々の姿を見てそんな態度を見せるのデスヨー?何故かつてワタシ達に会った時のことを一言も口にしないデスヨー?
ふざけるにも限度というのがあります……!仲間に銃を向けた話といい、名前を偽っている事実といい……!!』

……ジャンクちゃん


【見まがうはずもない。この世界を旅立つ前に見た姿よりも年月が彼女をより成熟させていても】
【その声を、その瞳を、決して見まがうはずがない。同じ正義組織の陣営で共に戦い、共に過ごした時間を忘却しているはずがない】


『―――――……貴女の名前は『ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ』でしょう!?本当の名を知るワタシ達になぜ名を偽っているのデスヨー!』

ジャンクちゃん。そんな事―――これから自分で知ればいいだろう?
彼女はここにいる。だが明らかに様子がおかしい。知らされていた通りだろう?ならば『予定通り』だ
今から探ればいいではないかね……ソニア君本人に問えば、おのずと事情は紐解ける


【その『名』を叫ぶジャンクちゃんをたしなめる言葉を即座に口にしたのち、ジンジャーはさっ、と機敏に席を立つ】
【そしてジャンクちゃんと挟むように反対方向から、目の前の『カチューシャ』を名乗る少女に迫りながら質問の用意を始めるだろう】
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/04(水) 15:33:58.17 ID:f2x4arpho
>>347

【其れは童が玩具を取り上げられたかの如く、どうしてって尋ねるみたいに】
【爪弾く言葉の一端に僅かばかりの色合いを滲ませても尚】
【そこに残るのは薄氷に染まった仮面。───心ばかりの色を添えて】


不思議ね、不思議なの、不思議かしら
私の事をそう呼ぶ人も増えてきたの、その音律も何処かで聞いた様
でもそれでいいの、どう呼ばれたって私が変わる訳では無いの

そうよね、仔猫ちゃん、貴女にどんな私が見えていても
此処に居る私は変わらなくて、此処に来る貴女も変わらないの
ふふ、やーよ、カチューシャて呼んでくれなきゃ、やなの


【ジャンクちゃんの目の前でくるくると指先を回す、からかう様な音色で】
【然してそれは嘯いてる訳でもなくて、事実を述べる】
【立ち上がり迫り来るジンジャーに、視線を傾ける】


ねぇ、お話してくださるの?それともさせてくださるの?
奉仕するのがお好み?それとも、奉仕されるのがお好み?
私はどちらでもいいの、お気に召すままに貴方と果てまで添い遂げましょう

ジンジャー・ユースロット、素敵な名前、もっと色んな顔を見てみたいわ
少年の様な姿も、青年の様な体も、男性の様な力も
私に見せてくださるかしら


【首を傾ける、長い髪が薄靄の如く絡みついて】
【マリンブルーに映る朱が歪んで、その音色を強めた】
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2018/04/04(水) 15:47:03.25 ID:/hkiiedEo
>>348

【その名を呼んでも響かない。その事実に苦悶の顔を浮かべ、胸を押さえる素振りを見せたが】
【……即座にきっ、と睨み返す。絡繰りに不釣り合いな―――激情に満ちたその顔を真っ向に向けながら】
【その足元に、その胸の傍にすがりながら彼女は叫ぶ】


『―――――――……絶対に、ええ!決して呼びません……!
貴女はソニアさんではありませんか……!どうしてしまったのデスヨー?いったい何が……!!』


……私は自分でも認めるほどの好色家である事はまあ周知の事実なのだが
それだけに女性の事となると人一倍強く色濃く能力を発揮できてね。実際に一度会って語らった女性の事はしかと記憶しているんだ
顔や体格も丸裸同然。肌の質から骨格まで完璧に記憶しているとも

その私が見立てた結果、君がソニア=エカチェリーナ=ドラグノフであることは間違いないわけだが……君は違うと言う
どういう事なのか?それを探るために私は魔界での探索を中断した。それが私がここに戻った一つ目の理由というわけだ


【す、とカチューシャの顔へと右手を伸ばしジンジャーは少女の頬に指先で触れる】
【親指で唇をなぞり、頬に触れた指を耳元まで動かすと、プラチナブロンドの長い髪を指で掬い、流すように撫でるだろう】


――――……最初の目的を果たしに来た。そう、君を取り戻す。それが私とジャンクちゃんの目的の一つ目だ


【至近距離で、優しく情熱に満ちた声色で】
【ジンジャーは、眠り姫に巣食う『悪意』に宣戦布告をたたきつける事だろう】
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/04(水) 15:59:58.47 ID:f2x4arpho
>>349

【触れられる頬、冷たいミルクの表層に貼った膜に似て】
【柔らかな質感の中にどうしようも無く尊い感触が残る】
【擽ったそうに目を細めて、華奢な喉を鳴らした】


ふふ、良い目をしてるのね、ジンジャーは
そこまで情熱的に見られるのは、嫌いじゃないの
いいえ、寧ろ好きよ、大好き───もっと見てほしいと、思うけど

幾ら問われても私は、私の知っている事しか知らないの
私はカチューシャよ、カチューシャなの、カチューシャであってしまったから
其れはあってはならないことなの?適さないことなの?


【"ねぇ"───と、彼女の指先がジンジャーに絡まるだろうか】
【出来たならそのまま貴方の顔をそっと寄せようとする】
【細い肩に貴方の顔を載せて、耳元に口を近づけて】


私はソニアでなくてはいけないのかしら
私にとっては良くわからない、他の誰かにならなきゃいけないのかしら
ねぇ、どうなの、私にはわからないの

皆がそうあってほしいと思う姿に、ならなきゃいけないの
理想の世界で生きてけるのなら、それでいいのだろうけど
私という姿を誰も、誰も───認めてくれないのかしら


【揺蕩う音色が耳に向かって、微かに交じる舌がなぞる音】
【リップノイズが聴覚を支配して、艶やかな色を強めた】
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/04/04(水) 16:24:59.22 ID:qm0Wxhuz0
>>322

【――彼は閉所恐怖症だ。】
【車の中という閉じ込められた環境は、彼にとって恐怖の対象】
【だから、余計に暴れたくなった。すぐに静かにされたが】

「ッ!」

【一体何を俺の体内に入れるつもりなんだ、そう考えていると身体に強い衝撃が走る】
【気づけば、側面のガラスと仲良しこよし。他の奴らは――】

「……」

【――彼の強い生存本能が外を求める。】
【凶暴そうなゴリラが外へと向けて這いずり移動する】
【傍から見ると、まるでこの男が車内で暴れてひっくり返させたようにも見えなくないが】

「誰だ……?」

【勝手に起こるような事故ではない、きっと誰かの介入があったに違いない。彼はそう思った】
【(単純に車の整備不良または道路状況が原因の可能性もあるが――)】

【アウを呼ぶ前に、周囲を確認しなくては。盾となる俺の調子がこうでは、迂闊に呼べない】
【呼んでここに来るまでの間に車内で伸びてる奴らが復活する可能性だってある】
【奴らが復活するのが早いか、自分の体調が復活するのが早いか。後者に賭けるという手もあるが】

「(壊されたくねェ)」

【そして、彼が目にしたモノとは――】


/お疲れ様でした!
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/04/04(水) 16:30:25.03 ID:qm0Wxhuz0
>>351

//>>322でなく>>332宛です、すみません
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2018/04/04(水) 16:32:05.09 ID:/hkiiedEo
>>350

【左手をカチューシャの背へと伸ばし、自らの近くへと抱き寄せようとしながら】
【ジンジャーは耳元に流し込まれたその問いに、素直な気持ちで応える事だろう】


私自身は今この時の君を気に入っている。『ハカセ!!』
―――事実だ。こんなに情熱的に佇む女性に至近距離で囁かれて心躍らぬ男などいないさ

そう、今優先するべきは、これだ。……私は『君』が知りたい
この世界を旅立って以降、君の身に何が起きたのか?何がどうやって『カチューシャ』という名前を手に入れたのか
君がいま愛する物が何で、何のためになら戦えて、今この時君が何を欲しているのか?


【彼女の顔に己の顔を近づけ、額があたるほどの至近距離でカチューシャの瞳を見つめながら】
【今欲しているものがなんであるかを隠さずに、堂々と求めてくるだろう】


―――君と私の仲だろう。今ここで、『全て』教えてほしい。私とジャンクちゃんに君の全てを
なあジャンクちゃん?君も彼女に全ての事情、『カチューシャ』という女性のルーツも全て教えてほしいよな?
知るために激した気持ちを抑え、彼女の話に耳を傾ける事を優先するよな?


【横目でジャンクちゃんを一瞥すると、鋼の侍女はややぶすっとした顔を隠すこともなく】
【両手で自分のエプロンを握りしめながら主の言葉に頷いた】


『……ええ。ワタシだって……何が何だかわからないままではいられません
貴女に何があったのか私も直接貴女の口から聞きたい。今の貴女がどうして今の貴女になったのかが知りたい
その全てをお答えしていただけるのであれば……少なくとも終わるまでは言いたい言葉を飲み込み耳を傾けさせていただきますデスヨー』

決まりだ。『カチューシャ』君……どうか私とジャンクちゃんに『君の話』をしてほしい
君の口から直接聞かなければならない。そうしなければ何も始まらないからね


【ジンジャーとジャンクちゃんの最初の対応は『直接、彼女の口から彼女の全てを聞きたい』と素直に要求することだった】
【それを詳しく語ってくれるのであれば、少なくともこの場で敵対する事は避け、表面上ではあっても友好の態度をとるだろう】
【否、ジンジャーは素でこの対応だが】
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/04(水) 16:45:34.07 ID:f2x4arpho
>>353

【背中に触れられ吐息が漏れた、耳元に囁きに似た声が漏れる】
【情熱的な思慕の声、知ってか知らずかジンジャーの対応は成功に近い】
【彼女は芝居がかった言い回しや、官能的なレトリックを喜ぶ】

【───故にこの様な台詞回しに、答えずには居られない】


ふふ、そんなに私の事が知りたいの?
でも話す事なんて、そんなに多くないの
私は物心が付いた時からカチューシャで、それ以外であった事がないもの

それだけなの、それだけ、気づいたら私は"カチューシャ"で、私もそれでいいと思ったの
───でもね、いいの、気分がいいから、もう少し踊ってあげるの
知覚してからの日々は、そうね、痛いのが多かったの

叩かれるの、打たれるの、刺されるの、焼かれるの、千切られ、砕かれ、殴られ
───その後に決まってこう言われるの、愛してるって
そしたらね、嬉しいの、身体は痛くて、泣きたいんだけどね

何故か心が温かくなるの


【─────歪む、瞳の中の朱が強く】


私は世界を愛してるわ、愛してるの、生きる事は素晴らしいの
だからね、多くの人にその愛を向けたいの
"ハートを撃ち抜く"って、ダーリンが言ってたの、その通りなの

胸いっぱいの愛を振りまくの、其れがカチューシャの役目
"No.3"はその為の道具、この数字で、皆が愛を期待してくれるの
『彼』もそう言ってたの、私の大事な大事な『彼』に


【そこで一度呼吸を置いた、近くに来た貴方のおでこに軽く指を当てて】
【近すぎるのなんて言って、首筋に軽く顎を載せようとする】
【硝子細工の様に繊細な頬のライン】
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2018/04/04(水) 17:16:36.98 ID:/hkiiedEo
>>354

【女性を口説く時のジンジャーはいつもこうである。こうであることが幸いし彼女は素直に答える】
【本当に彼女の持つ記憶の初めは『カチューシャ』としての記憶が始点になっている。かつての記憶の残滓すら零そうとしない】

【だが、知覚してからの日々の記憶を聞かされていたところで、ジャンクちゃんは眉をしかめると同時に、見ていた】
【至近距離で顔を見つめていたジンジャーの空いた右手が、聞かされると同時にギリリ、と固く拳を握りしめられていた事を】
【ジャンクちゃんはジンジャーがこういう反応を見せる時の心情がなんであるかを知っていた】


『ジュニアハカセ……』

……それはそれはまた。なかなかにいい趣味をしているじゃないか
そうして君はカチューシャとして生まれ、カチューシャになっていったわけか


【平静な声色で反応を返し続けるジンジャーの秘める感情がジャンクちゃんの位置からは見えた】
【今にも過激な感情を露わにしてしまいそうだった自分のCPUが冷えていく】
【続いてカチューシャに語られた言葉に、ジャンクちゃんは反応した】


『……"No.3"、デスヨー……以前は確かUTに入る前のベイゼさんのナンバーだった、という話でしたか
そして、ハートを撃ち抜く……と来ましたか。ええ。それこそ狙撃手である貴女にはうってつけの役目と言える事でしょう
そして、今の貴女であることを。貴女がそうしてくれる事を望んで動いた誰かがいるというのはぜひ聞きたかったのデスヨー』


『――――差し支えなければワタシとハカセに教えてくださいませんか。貴女の大事な大事な彼の名を』


そう。私も……私の許可もなく君の心に住み着いているなんて、けしからん事をしている者がいるのなら知りたい
嫉妬したいのに『おのれ名も知らぬどこかの「彼」とやらめ許せん』では締まらないだろう。私に、もっと語ってはくれないか


【知りたいのは、その名前】
【自分たちの大事な何かを大きく曲げた存在がいる事を掴んだのなら、その名前だけでも手掛かりとして欲しなければならない】
【左手でカチューシャの背中を一撫でし、今度はこちらが彼女の耳元でジャンクちゃんの質問に続くように囁くだろう】


【相手が『何』であるかさえわかれば。自分たちは戦えるのだから】
356 :特区 B [saga]:2018/04/04(水) 17:33:40.83 ID:4KlALJt2o
>>351

【開かれた扉から、強い光が差し込む】
【それは太陽よりもなお目映くて、人工じみた白色光であった】

【直視すれば視界の全て純白に染まりそうな程の光量】
【その中に、一つの影がぬうっと割って入る】

【強い逆光を帯びているために全体の相貌は窺い知れない】
【しかしそれはさながらゴリラのような巨躯で、頭部には何かフルフェイスのヘルメットらしきものを被っていた】

【ヘケメトを見下ろすその人物から、多重に加工された合成音声が発せられた】



  《ヘケケ、こォーして見ると中々良い顔じゃアねェーか》



【その人影は独特の抑揚で言いながら、彼の腕を掴むだろう】
【そして、勢いよく車内から引っ張り出すと──────そこで全てが真白く染まり】










【────ざあ、と風が吹き抜ける】
【草の香りを存分に含んだ、清涼なる風。それが彼の頬を撫でた】




【彼が次に目を開けたとき、そこは草原の只中であるだろう】
【先までの出来事がまるで夢か幻か。一切の文脈から切り離されそこにいる】
【しかし彼の身体に残る感覚は、それらが全て紛う事なき現実だと告げるはずである】



【如何なる因果が巡ったのか──それを答える者は、そこには無く】





【Hekemet + Ω 】



/詳細は追って後ほどお伝えします。
/とりあえず今はよく分からんけど街の外に脱出できたということで。
/改めて、お疲れさまでした!
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/04(水) 17:39:48.50 ID:f2x4arpho
>>355

【彼女は複雑そうな表情で二人を見る】
【その感情の答えが、十分には分からずとも】
【色彩に勝る答えは無いのだから】


──『OMERAS』

今伝えられるのはここまでよ、ここまで
いいえ違うわ、ここまでも話せるの、違うわ、ここからかしら
何れにしてもそう、かくの如くが必然に


【彼女がふわりと立ち上がる、捕まえる寸前に朝が羽ばたき消えるように】
【辿る行先もしれないで、彼女はどこか遠くへ行ってしまう】


一つ教えてあげるの、私が生まれたのも、今動いてるのも
切っ掛けはどちらも別なの、参考になれば、良いのだけど
素敵だったわジンジャー、そして仔猫ちゃん

ねぇ、また会いましょう、会いたいの、そして今度は
凄絶に愛して差し上げるの


【くるり、と踵を返す、最後に一葉載せるのは存在に関して】
【彼女がこうなってしまった原因と、『OMERAS』は近くとも同一ではない、と】
【響く言葉をあとにしながら、彼女はその場を立ち去っていく】


/すいません、そろそろ時間なので締めさせてもらいますね!
/お疲れ様でした!
358 :特区 E [saga]:2018/04/04(水) 18:28:47.23 ID:4KlALJt2o
>>340

  【──ザザ】
        【ザ】

【ヴ──ン……】

     【ジジ──ジ】

【────】


【少女が走る】
【暗闇の病棟を、微かな夜間灯の灯りのみを頼りにして】

【少女の背後には果てない闇が満ちている】
【その奥に潜む者の姿を曖昧にし続けて、その圧だけを滲ませて】

【こつ、こつ、こつ──】
【幻聴じみて反響する靴音が鳴るのはそれで何度目であろうか】

【逃げ続ける。あるいはじっと息を潜める】
【朝日が全ての救いになると信じて、ただ延々と】


【────ぶつっ】


>>340

 【ヴヴ──】 【ヴ】

   【ジ──ジジ……】

【ヴ──ン……】


【────】


【その手が少女を離すことはない】
【それはあたかも二つが一つとして融け合ったかのように】
【分かち難い力が一切の慈悲を欠いて少女の身を抑えつける】

【もう一つの手に握られた妖しい銀の針が】
【少女の柔肌に迫る】

【先端が押しつけられ、ぷつりとその弾力を押し破る】
【く、と押し込まれた注射器の根元。内容液がその身へ雪崩れ込む】

【看護師は笑む】
【これでまた一人、病の手から救い出すことが出来た】

【もう大丈夫──】
【白衣を纏う細腕が、少女を優しく抱き包む】


【────ぶつっ】
359 :特区 E [saga]:2018/04/04(水) 18:30:42.25 ID:4KlALJt2o
>>340

【ジジ──ジ……】

  【ヴヴ】 【──ン……】


【────】


【 「君もオメラスのお城に来る?」 】

【みんなで遊ぶんだ】
【のっぺらぼうの子供が表情も無いのに笑う】

【暗闇に蛍じみてぼんやりと浮かんだその姿】
【そこから放たれる透明な波動が少女の心ノ臓を共振させる】

【円環】

【理想郷】

【虚無】

【救済】


【ようこそ、オメラスへ】





/色々ごちゃごちゃしてるので舞台裏の方で補足いたしますね。
/改めて、お付き合いありがとうございました!
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2018/04/04(水) 19:05:25.69 ID:VGM00YXK0
>>340

【犬の横を通り抜けていくとき。横目で其方を見はしたが】
【追ってこないのだとわかると――すぐに視線を前方に戻した】
【何もしてこない相手に構っている暇はない。前へ、前へ進まなければ】

【 ――――前に、何があるんだか、よく知りもしないのに。 】


…………っは、はっ、はあっ……はー、っ、


【熱を孕み始めた春の夜。そんな中で精一杯運動すれば、汗だってたくさん掻く】
【それによって、顔に張り付く白い髪。鬱陶し気に払いつつも】
【――長く伸びた前髪で、右目を覆っているのはそのまま、払わない】
【その下に、何か大事なものを隠しているんだと。そう示しているように】

【――――ようやっと辿り着いた「センター」内部。少女は、入口の床に座り込む】
【切れ切れの息が、なかなか整わない。むしろ、整えようと思えば思うほど】
【逆に荒くなっていくみたいで――ひどく、息苦しくなっていく】

【 視界がぐらぐらしていた。その中にひとつだけ、異質な影を視認して 】

【 看護師だ。彼女が手にしている注射器の針を見て、見開かれる左の瞳。そうすると 】






                     …………やっ、い、たァ――――、――ッ




【 少女の、隠されていた顔の右半分が――――ひどく痛んだという。 】


//うわー、大変お疲れ様でございました……!!
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2018/04/04(水) 19:35:36.09 ID:/hkiiedEo
>>357

……『OMERAS』。なるほど……それが「カチューシャ」のルーツとなっているモノの名称と取っていいんだね?
正々堂々とそれを答えてくれたこと……心より感謝する。
それさえわかれば今後どうすればいいか、その指針も立てやすい事だろう。

『……ええ。それさえわかれば。動けます。ワタシが……やりたいように。どうとでもね』


【律儀にその名を教えてくれた事への感謝を述べる二人】
【だが直後にするり、と自分の手の中からカチューシャが零れていく】
【席を離れ、自分たちから遠ざかっていくカチューシャの姿を見ながらその背に最後の言葉を投げるだろう】


無論、またいずれ我々は出会う定めだとも。次お会いするときのために熱烈な愛をためて待っていたまえ
このジンジャー・ユースロットも、その時は我が全霊を持って……君を奪い返すと誓おう
私からは以上だ。さあお姉ちゃん、何か言ってあげなさい


『―――――……ワタシは仔猫ちゃんではございません!!『ジャンクちゃん』という個体名が与えられているのデスヨーッ!!!』


【去っていくカチューシャの背に捨て台詞気味に大声を張り上げジャンクちゃんはそう名乗った】
【やがてその姿も見えなくなったところで、ジンジャーは自分の手持ちの端末に再びレーザーキーボードを利用しその名称を入力する】

【敵の名前は、『OMERAS』】
【まずはそれについて調べ上げる。そして……「もう一つ」を探り当てる。これらの今後の目標を入力すると、彼はジャンクちゃんに向き直り】


……本部に戻るぞジャンクちゃん。久々の戦いだ
万全の準備をもってすべてを奪い返すぞ。ソニア君はもちろんの事、『全部』だ。『全部』奪い返す

『―――……奪い返す、必ず……ワタシは彼女を奪い返して見せる……絶対に……どんな事をしてでも……!!
返してもらう……ワタシに、全部を……返してもらう……!必ず……!!』


【ジンジャーは確かに見た】
【ジャンクちゃんが声を荒げ、憎悪に満ちた決意を吐き捨てるごとに、彼女のアクリル製の瞳に……また赤い瞳の輝きが戻っているのを】

【「―――全てを取り戻すために、『取り戻してはいけないもの』まで手にする事がなければいいが」……そんな不安を抱かずにはいられなかった】

【←To be continued…】

/すいません、返事ミスってました!改めてお疲れさまでした!!
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/04(水) 20:38:58.39 ID:Num61FJt0
【風の国――UT店舗内】
【時刻は夜も更けて来るころ、ならば店内はごったがえすように賑わっている――かと思いきや】
【こんなご時世だからだろうか、店内はどこか静かで、決して客が少ないわけではないのだけれど――、どんちゃん騒ぎ、ということは決してなく】

…………。

【――ならば、一人きりの給仕も暇そうにしていた。誰も使っていないテーブル、店内を見渡せる場所にちょんと座り込んで】
【ぺらりぺらりと捲る音で眺めているのはどうやら古い本、物語というよりは教科書のようなものであるのが、そのしぐさからは見て取れた】
【ぺらぺら――ぱらぱらぱらぱらとおおよそ二十頁ほどを乱暴に捲って、最後にぼん、と、その分厚い重さを感じさせるような鈍い音で、本を閉じたなら】
【かといってそれはそれで退屈げに頬杖なんてついて店内を眺める――給仕としてはわりに失格の態度、だけど、静かな店内にそれを咎めるものはなく】

【そもそもどう見ても成人していないようなあどけない少女だった。ふっと客の一人に酒を注文されて、がたんと立ち上がる、そのまま裏に入って――】
【寸分たがわず言われた通りの酒を提供して、また座る。受け取った客は機嫌でも悪いのかと連れに耳打ちをして、された方も分からんとばかりに肩をすくめる】
【今日は一日こんな様子だった――、だなんて、余談だけど。ただもちろん、誰か新しい客が来るとかか、それとも、すでに店内に居る誰かに話しかけられて、無視することはない】

【肩を撫でる長さの黒髪に旧いメイドのするようなヘッドドレス、ひどくあどけなさの目立つ顔に少しだけ背伸びしたように化粧をしているのが目立って】
【透き通るような白い肌に左右で色の違う瞳、黒色と赤色と――ぱちり丸くて大きな釣り目は、ただそれこそ機嫌が悪いみたいに少し伏せられれば、急に大人びて】
【服装と言えば櫻の民族衣装を模したような給仕服。明るい色に多種多様な花を鮮やかにあしらった柄物、袖は着物のように長いけれど裾は単なるスカートのように膨らんで】
【きちんと締めた白いエプロン――足元はよくうかがえないけれどかかとの高い靴の足音がする。いつも通りならば編み上げのブーツ、だなんて、どうでもいいけど】

はあ――――、

【机の上に突っ伏す――ほどではないけど。頬杖からずるずる頭が落っこちたみたいな姿勢で止まる、机と顔の距離がうんと近くて、姿勢と、お行儀と、態度が悪い】
【そういうポーズ――隠す気もないみたいに大きなため息一つ、だけど、それがどうしようもなく目立ってしまうほどは、店内も静かではなかった】
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2018/04/04(水) 21:03:35.07 ID:VGM00YXK0
>>358-360

【そこから先。上手く動かない躰を押さえつけられ、ろくな抵抗も出来ずに】
【自身の肉に、針が突き立てられるのを見ているしか出来なかった】
【鋭い針の先端が皮膚を、肉を裂いて進み、やがて血管まで辿り着いたなら】
【冷たい冷たい液体が、流れ込んでくる。それに抗う術はなくて】
【呆然と、「片方だけの目」を見開いて――――それを見ているばっかりだった――――】


   【――――――】


【――――――気がついたら、朝になっていた。知らないベッドの上で眠っていて】
【「おはようございます。御気分は如何ですか、変なところがなければ帰っていただいて構いませんよ」】
【白衣を着ただれかにそう言われて、ぼーっとしながら、はい、と返事をした】

(……変なところ、変なところ? うーん、注射のアトは痛いけど)
(いくつになっても慣れないんだよなあ。んー、体調が悪いってわけじゃないし)
(帰ろ。……観光するにしてはあんまり面白くない街だったな)

(……、……ていうか。ていうか! 前髪ジャマだなっ! 目の前ちらちらうざったい、っ、……?)

【ふと、感じる違和感。「右の視界」を覆う前髪が邪魔だな、と感じて】
【普通に、両目がきちんとついている人なら、当たり前のように感じることだったんだろうけど】


…………………………え、え? 目の……、……「目」?


【――――この少女にとっては、そうではなかったらしい。前髪の下に、手を、潜り込ませて】
【当たり前のように伝わる瞼の感触。その下にしっかり植わっている、眼球】

【それに触れた瞬間、少女は――――ざあっと顔から血の気を引かせて】
【しばらくその場から動けないまま、「両目」を見開いていた―――― 「何がそんなに、おかしいんだか」。 】


//改めまして〆ます、ありがとうございました!
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/04(水) 21:15:24.93 ID:SBYzK7kZ0
//めっちゃ拾いたくなったので>>356に対するリアクションのソロールです


【ふと、目が覚めた。気づけば人工物とは無縁の、どこかの草原】

「…………」

【先程までの出来事は夢だったのだろうか、一瞬そう錯覚する彼】
【しかし、夢にしては妙にリアル過ぎた、それに確かにダメージが残っていて】
【それに、どうも精神的な調子が悪い気がする。気合の能力を持っていなかった時よりももっと落ち込んでいるような――】

「……なんだろォーか」

【彼は言葉で言い表せない何かを感じていた。――いや、今わかった。既視感だ。】
【自分に似た存在が自分を助けた。今回が始めての体験なはずなのに、どうもそうではない気がする】
【いや、姿なんてシルエットでしか見えなかったが……喋り方が、似ていて――】


       【"新入り、――先に死ぬのは俺の方だ。"】



「ッ……、頭いてェ……とりあえず、アウと合流しねェーと!」

【――そして、彼は遠くに見える街に向けて歩き出す。アウと呼ばれた女性と合流できるように】
【自身の身体におきた異変について知るのは、それからすぐのことになるだろう】
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/04(水) 22:54:21.66 ID:KpCd7OWC0
/>>362
すみません!まだいらっしゃいますか?
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/04(水) 23:02:16.67 ID:Num61FJt0
>>365
/いますよ!
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/04(水) 23:09:15.20 ID:KpCd7OWC0
>>366
/では投下させていただきます!




>>362

【UT・店の前】

【何処か緊張した面持ちで立つのは一人の少女】

【猫耳がついた水色のケープに白いブラウス、青いスカートに素足に履いたローヒールの紺のストラップパンプス。しっかりとフードを被った頭からは月白色の髪の毛がちらりと見えて】

……えーと、出しちゃ駄目なものはちゃんと隠れてる!他の身だしなみも良し!手土産も良し!
【何やらぶつぶつと呟きながら様々確認した少女。最後にもう一度「よし!」と声を上げて】

【手を掛けたのはUTの扉。前に同行した人が鍵がかかってるとガタガタさせていたけど立て付けとかおかしくなってないだろうかと心配しつつ少し開け、大丈夫だと分かると】

……こんばん………
【こんな御時世とはいえ酒場だしきっと賑わっているのだろうと声を張り上げて入るも思ったよりも静かなのでその挨拶も途中で止まり】

【ごくごく小さな声で最後の「はー……」という文字を発しながら所在無さげにキョロキョロと辺りを見回し空いてる席に座る】

【少女の見た目は十代半ば。到底酒を呑みに来た人間には見えないのだが……?】

368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/04(水) 23:16:26.99 ID:Num61FJt0
>>367

【――からん、と、少し低くて古いベルの音。それが真っ先に相手を出迎えるものだろう、少し軋む扉も――壊れた、という様子はないはずで】
【少し静かな店内にそれらの音が響いて――がろり、と、聞こえた音は。給仕の少女が机に手をついて無言で立ち上がった音、椅子が雑に後ろにやられた音】

――――いらっしゃいませ、こんばんは。お客さんは……ごはん? お酒? それともお仕事?

【かたりことりとした硬い足音で給仕の少女が歩いてくるだろう。到底酒を飲みに来たように見えない相手に、一応真っ先に尋ねたのは食事目当てかということだったが】
【なんせこの――十六歳くらいにしか見えない――少女も実際は成人しているような年齢なので、見た目で酒を飲まないとはあまり思い込まない、ならば二番目に】
【そして最後に尋ねるのは――これは彼女は結局給仕でしかないから仕事を受けることはできないけど。それでも話くらいなら聞くし、必要ならば通す、なんて意味合いで】

どこでも好きなところに座ってね。今日は静かだから、どこでもいいし――、

【それで相手がどんな要件かって答えたら――それで少女は相手を席にいざなうだろう、机はいくつも空いていた、カウンターもあるし】
【ならば本当にどこでもいい。しいて言えばさっきまで少女がいた机には私物なのだろう分厚い旧い本が――あったけど。なんならそれをどかしてそこでも、いい】
【だからってわざわざそんなことをするほど席がない……ということはないから】

【――――初めての客だから、だろうか。さっきまでのけだるげな様子はあんまり見せない、相手もどうやらほかの客が馴染みばかりだと気づくかもしれず】
【「お水とか持ってくるね」と伝えて一度少女は離席しようとする。その背中に今がチャンスと見たか酒を頼む声がして――】

【――ひとまず、相手は座っていれば少女がすぐに戻ってくるだろうことは、確かで】
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/04(水) 23:33:57.33 ID:KpCd7OWC0

>>368

【自分が入店したのを見るやいなや歩み寄ってきたのは同じくらいの年頃の少女。食事かお酒か、或いは仕事の相談かと尋ねられれば彼女は、ふへっ!?などと気の抜けた声を発し】

あ、えーっと……依頼ってお仕事……で良いんだよね?
だったら仕事……だと思う、うん
【何だか思い描いていた入店シーンと大分違ってしまったせいか少女は少し間の抜けたような声で答え】

【好きなところに座って、と店員らしき件の少女に案内されればやはりそういうのは店員とも距離が近くなるカウンターの方が良いのだろうかと思ったのか辺りをうかがいながらもカウンター席にちょこんと座る】

【そして何処か不安げな表情で店内を見回して】



370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/04(水) 23:43:34.73 ID:Num61FJt0
>>369

【――やがて戻ってきた少女は別の客に酒を提供してから、相手の元へ。その目の前に、ことん、と、冷たい水の入ったコップを置いて】
【ただこれは予想外だったかもしれない、あまりに当たり前に――相手の隣の席、そこに、よいしょと座るのだ。ふわふわしたボリューミィなスカートが揺らいで】
【ちょっとお行儀悪く身体を傾けて、尻の下のスカートの布地の偏りを調整する、そのうちに気分的にも落ち着けば――ちゃっかり自分の分の水も持ってきていた、それを飲んで】

――――お仕事、かあ、……あのね、今日はね、その――……セリーナ、に、会ってなくって。
わたしでよければ聞くし、セリーナには言うけど……急ぎ、だったら、違うところの方がいいと思うよ――。

【ことんと机に戻す。それでふちを指先でなぞりながら――少しぼうとした声。どうやらリーダーである女性は留守であるらしい、それか、彼女が知らないだけなのか】
【とかく彼女としては仲介はするが、自分が仕事を受けるわけにはいかない。それはどうしようもなくって――だから急ぎだったら、別の場所を頼れ、というしかない】
【カウンターの上、立てかけるように置いていたメニューを手に取って相手の前へ。食べたかったら言ってねって言うみたいに一度笑う、――もちろん有料だけど】

自警団とかに知り合いがもっといたらよかったんだけど。最近会ってないひとばっかりなの、連絡先だって、よく知らないし――……。
書いてなくっても作れるものだったら作るよ。

【メニューは――やはり酒場というていでやっているものだからか酒のつまみになりそうなものが多い。ただ普通に食事のようなものも多くあり】
【別の場所に頼るのを勧めた言葉もあれば、そちらも仲介が出来たらいいのだけど――というけれど望み薄らしい。それから、あどけなく笑って、相手を伺う】
【鈴の音みたいな特別な声をしていた、金属質な声は――少女の機嫌が少し良くなったように見えてか少し賑やかになりつつある店内でも、聞き取れる、透き通る声】
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 00:14:22.84 ID:VfGtvxrq0

>>370

【水を手に自分の元へと戻ってきた少女。そのままカウンターの向こうに行くのかと思いきや自分の隣の席に腰掛けて】

【その光景にケープの少女は目を丸くして、え、いいの?と小さく呟くが再び周囲を見渡すと】

【そもそも客が少ないしこんなにも静かだしより一層依頼者と近い方が依頼内容を他人に聞かれないで済むのかなぁなどと考え、成程これがプロか、なんて勝手に感心してしまっている】

【そして今日はリーダーであるセリーナがいない、と聞くとやっぱりそうなんだ……と呟く】

今は色々と忙しいもんね……そんな予感はしてたんだ
まあ、急ぎの用事でもないから私は別に大丈夫だよ
【へらりと笑う少女。セリーナ自身がどんな依頼を受けているのかは分からないが、現在は魔制法だフルフェイス事件だと色々起きているし】

【何より彼女自身が"手伝い"として頼まれている事から逆算するに機関に何か怪しい動きがある、と予測出来て】

【此方の依頼は世界の命運云々の話でもないし別に後回しでも良いだろう、と急ぎの用事ではないからと答える】

【そして相手が食事も摂るかと勧めると思い出したように】

あ、そうだ!これ一応後で皆でどうぞって持ってきたんだけど……
【手にしていた小箱をカウンターの上に出し】

あー、でもその……マカロニだし……やっぱり後で皆で食べた方が良いかも……
【酒場には合わないし、と苦笑し、やっぱり何か頼もうかななどと慌ててメニューを確認する】

【因みに手土産はマカロンなのだがどうも言い間違えているらしい】




372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 00:23:40.36 ID:YOvA9LNz0
>>371

【あんまりに当たり前な仕草だった、周りの客も気にしなくって、なら、いつも通りの光景らしい】
【それもそれでどうかとは思うのだけど――あんまりきっちりかっちりした少女という顔でもないだろう、それよりずっと、子供ぽいから】

……――そうだね、いろいろあるし。
それなら……その、いいんだけど。ごめんね、わたしも、セリーナのしてること、把握してるわけじゃあないから……。

今日は――よかったら何か食べて行って、なんでも作るよ。知らない料理とかは、ちょっと、難しいけど――、

【わずかに目を細める――いろいろという言葉に反応した少女は。だけど少しだけ褪めた表情で呟く、ならば、何か少し疲れているようにも見えただろうか】
【急ぎではないと聞いたなら申し訳ないように眉を下げる。店番自体はするけれど給仕でしかないなら組織としての方の仕事は――ほとんど、把握していない】
【その代わりだなんて言ったら変かもしれないけれど――よかったら食べていって、なんでも作るよ、そうやって明るい人懐こい声音で、重ねる】

あ……そんな、ごめんね、ありがとう――、……マカロニ? 
ええと――……うん、あとで、みんなで食べるね。

【それが――相手が小箱を取り出せばわああと慌てたような顔になる。受け取らないのはかえって失礼と判断したか、遠慮がちに受け取るのだけど】
【マカロニだと聞かされたなら、一瞬きょとんと。――マカロニが手土産って初めての経験だったから。だけれどそれで聞き返すのも失礼だろう、ならば、受け取るだけ】
【なんかすっごい変な形のやつなのかな……お土産になるくらい……だなんて勘違いしたままで考えている、あとでみんなで、というのは、きっと果たされるだろう】

【――それから、相手が何かを注文すれば、それを作りに行くことになる。どっちにしろ――どうやら暇しているらしい少女は、まだいなくなる気配がない】
【かといって相手が鬱陶しそうにしたりするなら、どこか別の場所で別のことでもするのだろうけれど。不慣れな店でこんな給仕なら、適当に話し相手にしてしまっても、いいかもしれなくて】
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 00:49:24.59 ID:VfGtvxrq0

>>372

【自分が発した色々という言葉に少しだけ反応した少女。何処か褪めた表情が一瞬見え、あれ何か悪い事言っちゃったかな?などと少しだけ不安になるが】

【すぐに明るい声色に戻るのを聞いて、気のせいだったのだろうか?などと一瞬だけ頭に?を浮かべる】

んーん!大丈夫!気にしないで!
【少女は変わらず明るい声で答え、まあ防腐くらいされてるでしょ……と最後にぽそっと呟く。それが聞こえるかどうかは分からないが】

【そしてよかったら何かと言われれば、そうだなぁ……と呟き】

んーと……櫻の料理って大丈夫?大丈夫だったらそれが良いかな
【少し遠慮がちにリクエストするのは櫻の国の料理。なかったならばまた別のものを頼むのだろうが】

【そしてその注文を受けて何かを作りにいけば少女はまた遠慮がちに】

……ねえ、その服なんだけど……櫻の服に似てるよね?
えっと…………
【と、そこまで言いかけてから相手の名前を知らない事に気付いて】

あ、私、銀ヶ峰つがるっていうんだけど貴女は?
【慌てて自分の名前を名乗る】

【何処か、櫻の国らしい名前だ】


374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 01:03:40.72 ID:YOvA9LNz0
>>373

【防腐。防腐――? つぶやきが聞こえたのだろう、一瞬少女はきっとひどく不可解な顔をする、防腐も何も、めちゃくちゃ乾いているのだし】
【そもそも未開封なら結構もつはずだけど――まさか中がマカロンだとは思っていない、小箱入りというのも……手土産として持ってくるくらいなら、と、勘違い】
【まあありがたくということで受け取って。それでもあとで一応確認くらいはするだろうから――その時に気づけば。適切な管理をされるだろう、きっと】

櫻の? できるけど――何がいい? 作れるやつなら何でもいいよ。調味料とかも、一そろいはあるし……。
お客さんにたまに作れって言われたりするの、異国情緒だーって、わたしもね、水の国で生まれたんだけどな――、

【それから相手の言葉を聞けば。作れるよと笑う、櫻の……と言われてもそれだけでは何を作ったらいいか分からない、それっぽい味のなんかでいいならばともかく】
【とかく作れるらしい。わりに日常的に作らされているという様子もあって――ああそういえばこの少女。櫻の人間によくある黒い髪をしていた、瞳も、片方だけならば黒い】
【かといって全く色素のないように赤い右目はよく目立ったが――水の生まれというのを口にした後に、】

白神鈴音だよ。この服は……セリーナが着ろって。だけど好きなのにしていいって言うからね、これにしてるの。
他にもいくつかあるんだよ、普通のもあるけど――それは前のお仕事でもいっぱい着たし、飽きちゃった。

【伝える名前は――奇しくも相手と源流を元にするように似通う。「白い神様と……鈴の音、だよ、」とは、漢字で書くときのものだろう】
【空中ですらすら指先を動かして書いていく、相手にその知識があれば字面も分かるだろう。ならば、鈴の音みたいな声でしゃべる少女にはよく似合う名前】
【相手が服装に触れればスカートの裾をもったり持ち上げてひらっと落とす。袖は確かに櫻風ではあったがあとはいわゆるクラシカルな給仕服に、形は近いもの】

【強いられているらしいけど――そのくせわりにノリノリで着ている風でもあった。普通の……とはいわゆる給仕服、着慣れているというのは少し珍しいが】
【「それで何つくろっか。つがるちゃん」鈴の音が尋ねて首を傾げる、――ころりと鈴を転がすみたいな笑い声、あるいは。相手が、そういったものにひどく敏感であれば】

【巧妙に巧妙に隠しているものの――どこか人間とは違った、匂い。物理的なものではない、もっと、気配のような、概念のような――そういうもの、感じるのかもしれず】
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 01:49:00.68 ID:VfGtvxrq0

>>374

【櫻の料理なら作れるけど何が良いと問われればつがるは本当に!?と少し身を乗り出して】

だったら焼き魚が食べたいかな!お魚だったら種類は何でも良いけど
【嬉しそうな表情で答える彼女。相手が水の国の出身と聞けば、やっぱりその辺りの人って多いんだなぁと呟く】

【そして相手の名前を聞けば鈴音ちゃんか、よろしくね!と笑うが彼女の服装がセリーナに言われて着ている者なのだと聞けば、えっ!?そうなの!?と驚く】

あ、でもセリーナさんって女の子もふもふするってユウトさんが言ってたっけ……だったらある……や、どうなんだろうそれも……
【そして先日のユウトの発言を思い出し何やら納得しかけるもうーんと悩み】

【ついでにいうと当時ユウトは酔っていたし女の子をもふもふするくだりについてはつがるが若干聞き違えている所もあるのだが】

【まあとにかく風評被害が拡大している事に間違いはないだろう】

【そうして相手と談笑するつがるなのだがふと何かの気配というか雰囲気とでもいうのだろうか?それを感知したようで一瞬だけ首を傾げる】

【そうやって首を傾げるつがる自身も何やら普通の人間とは違う気配が少しばかり纏わりついているようで】

【──そもそもの話、室内にいるのであれば本来はケープを脱ぐかそうでなくともフードを外すものだろう。しかしながら彼女は店内に入ってきてからずっと頑なにそのフードを脱ごうとはしていない】

【恐らくそのフードの下に何か隠しているようで】



/すみません、そろそろ眠くなってきたので凍結か置きに移行で宜しいでしょうか?
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 01:50:29.42 ID:YOvA9LNz0
>>375
/凍結か置き了解しました、こちら明日は休みですので、そちらの都合のいい方でお願いしますっ
/このあとお返ししておきますのでひとまずお先にお疲れさまでしたっ
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 02:12:21.54 ID:YOvA9LNz0
>>375

焼き魚? じゃあちょっとだけ待っていてね、おいしそうなお魚があるの――、ほかには大丈夫?
飲み物とか、ご飯とかもあるし――、

【――かたん、と、軽い音で立ち上がる。その行きがけに思い出したように、机の上に放っていた本を回収して――邪魔でないところに、適当に】
【あんまり大事に扱ってはいなさそうだった、よっぽど雑ではないのだけど……とは余談だろう。それでひらりとスカートを揺らして、裏へと入っていく】
【そして場面はそこから少し後――お魚の焼けたころだろう、立ち去る前に一緒に何か言っていればそれも持ってくる、はいどうぞ、と、相手の前へ】

【小ぶりの鯛だ、よく思い浮かべがちなのに似ているけれど、それに比べてずっと小さい。皮目は少しぱりっと、身は身はふーっくら柔らかく】
【味も――不味くしようのないものだから当然と言えば当然なのだけど、今更魚が嫌いとかでない限りはある程度普通においしいもののはずだ、何か変なところでもなければ】
【塩味自体も適切で、櫻の調味料――醤油みたいなものも添えてあるし好き勝手に使っていいだろう、食器は一応箸やらフォークやら。いろいろとあって】
【客相手にせびられて櫻の料理を作ったはいいけど箸は使えないって言われることが何度かあった、かといって少女としては、フォークでお魚は逆に器用すぎると思うけど――】

セリーナ……女の子をもふもふするか、は、知らないけど……。
お洋服のサイズ調べるのに脱げって言われて脱いだら、お洋服の方でサイズ見たり……。
いきなりテレビのCM撮るからって、ぺらっぺらの布のお洋服、へんなの、着せられたり……。
お風呂で隅々まで洗おうとしたり――いきなり擽ってきたり……。

【つらつら並べていった、言葉。もしかしたら相手も途中で気づくかもしれない、言うほど、多分、風評被害じゃないっぽい――】
【そういうのですでにからかわれまくったみたいにじとりと目を伏せる、それでも怒っているというよりかは子供みたいに拗ねている、みたいに見えて】
【もっというと――喧嘩した相手の悪事を広めてやろうとするみたいな、ちょっと意地悪な気配があったのだ。こっちこそ広めてやるかのよう】

――――、お店の中、暑くない? 大丈夫?

【――だけど、これは、こんな店で彼女が給仕としているからだろう。自分の家に招いた知り合いが頑なにフードを取らなかったらどうしたの、くらいは聞くかもしれずとも】
【店屋の店員が客の個人的なことへ突っ込んだりするのはきっとあんまりない、まして、こんな世界で、こんな店だから――フード取らないくらい、むしろ平和すぎて】
【ただ――これは気が向いたみたいに尋ねるのだ。そうやってがっつり身体を隠す相手へ、室温は適切かと。最近は気温の上がり下がりも激しいから、と気遣うよう】
【温度が適切であれば問題なし。暑かったら少し冷やすし――そういう質問。それが、フードを外すことのない相手へ対する唯一の反応で】

【互いに纏う少し違った気配については――彼女自身はあまり察知することが上手ではないのかもしれない。それとも魔力的なものであれば、もう少し敏感になるけれど――】
378 :キング ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/04/05(木) 03:01:37.25 ID:gU9csVT/0
>>243

【―――微かに聞こえるだけ。その声にキングはふ、と顔を上げる。だが、まだ確証はなかった。】
【悪魔の身に幻聴は付き物だ。感応能力の高さすらも人間の数十倍を誇る半魔の彼はよく色んな物の声を聴くからだ。】
【だが確かに―――聞き覚えのある声、だったと思う。キングの中にいつかの記憶が蘇り始める。数年前、懐の銃と共に歩んだ死闘の日々。】


……そうだな。ロマンチストじゃなきゃ、自分を誤魔化していけないのさ。
どうして男が女を愛すると思う? 本能だよ。だけど、それをそうだと認めちまうと……

女も振り向いてくれない。そんな自分を自分が好きになれない。だから、誤魔化すのさ。
ロマンチックで甘い人間性を持つことで―――下半身だけの良きものじゃないと、そう言い聞かせる為に、ね。

―――さあ。どうかな! 君だけの得、ってワケでもないと思うぜ。
ここは墓場、彼奴の眠る場所。それじゃきっと、奴も俺のヘンテコな顔を見てる筈さ。

ふっ。ありがとう、素敵って言ってくれて。けどオレの前でオレ以外の"ダーリン"ってのは……へへっ。
あんまり気が乗らねえなあ? 誰だいそのダーリンってのは。まったく、世の中には悪い男もいるもんだぜ。こんなかわいい子を独り占めとはな!


【髪の毛を撫でられれば、キングは目を閉じてそれに応じる。まるで母を知らない子供が初めて母を知った様に。】
【慈愛に満ちた表情のカチューシャにこの男が敵う筈もない。輪郭をなぞる指に頬を寄せ、慈しむ心をその身に受け続ける。】
【そして質問が核心に迫れば―――キングは微睡から目を覚ます。言葉が出てこない。だが、紡ぐ必要があり、それが唯一出来る事だった。】

【―――既に居ない友への、唯一の出来る事だった。】



―――……"敵"ってのは一杯居た。オレもあいつも、あの頃は大勢の連中と戦ってた。
能力者たちの世界は不安定だった。次々に新しい組織が増え、気が付けば居なくなり、そして死んでいく。

当然、味方にしてもそうだった―――、オレは"あの時"、アイツの傍に居てやれなかった。
……もう、結構前の話さ。……この変動する世界で唯一絶対の不動を誇るわれらが"機関"様が……

雷の国、光の国、そして水の国を同時に三か所、襲撃した事があった。
でっけー機械仕掛けのロボットまで用意してな、ジャパニーズ・カートゥーンに出てくるみてえのさ。まったく、笑えるだろ?

ソンには……ふっ、大事な人がいた。ミズキって言ってな。女さ、美人だった。
アイツはいつもミズキと一緒に戦ってた。その時も当然一緒だ。そして、機関員たちの無謀な"自爆特攻"で―――

ミズキが吹き飛ばされるその直前、奴は身を挺してテメェの大切な女を護った。
沢山後悔もあったろう、拭いきれねえ怨恨だって。きっとあっただろう、若かった。美人の姉貴だっていたんだ。

―――それに、その時オレはそこに居なかった。居なかったんだよ。ああそうさ、看取ってやれなかった。
……本当は、後悔してるのはオレの方なのかもしれねえな。ずっとずっと、ずっと。悔やんでるよ、奴を―――守れなかったことを。

……一人きりで、"逝かせちまった"事を、な。


【ぽつり、ぽつりと。墓を眺めながら、キングはカチューシャの胸元に顔をくっつけて。そう、語った。】
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/05(木) 06:14:56.64 ID:idcx99tuo
>>378

【指先が貴方を辿る、その形をいつまでも覚えておける様にと】
【旋毛から襟足まで、目の見えない彫刻家が指先に神経を集中するが如く】
【月明かりが照らす彼女の横顔、聖母すらも辿り着かない調和】


そーねっ、だからね、可愛く、うん、凄く可愛く感じちゃうの
女にはね、お見通しなの、男の人が精一杯頑張る姿
とーっても可愛いの、気持ち良さそうに腰を振っちゃって

あらっ、勘違いさせちゃった?其れはごめんなさい
カチューシャはそんなイケない子じゃないもの、独り占めになんてされてないの
呼び名よ、よーびーなっ、カチューシャはその呼び方好きなの

ねぇ、キングにもつけてあげようかしら、素敵な素敵な私の呼び名
───でーもっ、キングって名前好きよ、好きなの、とーっても
王様だもの、殿方に生まれたのだから、王様を目指さなきゃ


【視線を向けたなら頬に笑みの色が強まる、微笑と呼ぶに相応しい】
【目尻がとろんと蕩ける、マリンブルーの水面が素肌に溶ける】
【人が作るにはあまりにも美麗すぎる表情、息を飲ませるには十分に】

【───胸元に感じる、殿方の熱】
【欲望を掻き立てる、そのまま強く胸の中に埋めてしまいたいと】
【存在全てを私の色に染めてしまいたいと、思うほどに】

【それでも、語る内容は壮絶で】
【懺悔の様だと思ってしまった。重く深い───】
【深海と形容するに相応しい、心の奥の重荷が見えた気がした】


───貴方はそこに、居なかったのね
大事な親友が、大切な友達が、若い命が散る時に
其れは悪い事ではないの、悔やんでも仕方ない事なの

そうよ、そうなの、私たちは万能ではないの、だからね居なかった事を悔やんでも
其れは全て泡沫を嘆くよう、キリが無いというべきかしら
自分を責めないで欲しいの───ifなんて、ないの

ねぇ、キング、貴方は許されたいの?それとも、前に進みたいの?
私は貴方が、此処に魂まで置いてきちゃうんじゃないか、心配なの
ソンは死んでしまったの、でもね、キング、貴方は生きてるの

だから、苦しまなきゃいけない、辛いこと嘆くこと、無数にあると思うの
それを、受け入れるの、受け入れなきゃいけないの、其れが生者の特権
私はそう思うの、キング───


【もう一度強く抱きしめる、低い体温を掻き集めて、少しでも温もりが伝わるように】
【儚い雪の如き彼女が、少しでも貴方に意思を残せる様に】
【そうあって欲しい、と願ってしまった】
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 07:59:29.52 ID:vSo6iGDOo
>>345

【4つある掌の内、今度は二つが青白い電光を帯びる】
【恐らくこいつを構成したあの青白い光と同類のもの──そうではないかと、想定しておいて】
【しかしそんな想定は、急接近してきた機械兵の行動によって砕かれる】


「くそッ、こんな移動力どこにありやがる」


【眼前までそれが迫ってきたのなら、電光を帯びた掌が向かってくる】
【右方から放たれた叩きつけを回避したのだが──問題は左方から放たれた方】
【小さく跳ぶようにして避けたがために、空中で制動が取れなくなっていて────】


「ぐぅ……っあぁぁああぁあぁあッッ!?」


【叩きつけが命中し、地面へ向けて速度を付けて落下】
【右肩を下にして落下し、強く打ち付けないように受け身を取ったが】
【ダメージは残る、多分骨に罅が入っているだろう。しかし問題は“体内の魔力が壊されていっている”こと】

【血液中に流れている魔力は普段から僅かながら熱を生み出している】
【それが破壊されれば新陳代謝の低下はもちろん、熱の放出による組織へのダメージをも与える】
【毛細血管が焼き切れたか、両鼻から鼻血がポタポタと軍服に垂れる】


「こいつら──……、増えていってやがる……」


【“記述”──議事録を残すよりもたやすく、温情など持たずに】
【二体に機械兵が増えれば、当然の如く今以上に苦戦を強いられるだろう】
【恐らくこいつらは魔力を壊す能力を持つ──連携されれば此方に勝ち目はない】

【半ばあきらめながら、ゆらゆらと鼻血を垂らしつつ立ち上がる】
【どくどくと溢れる血は、地面に小さな水たまりを作っていた。魔力が混じっていない、“ただの血”】
【絶望感に苛まれていたその刹那────一つの爆音と共に、全てが聞こえなくなった】


「なんっ、だ……?一体何が起こったんだ…………」


【まず耳に入ったのは、力強い駆動音。クラクションを吹き鳴らしながら、豪快に突入してくる】
【二体の死神は金属質の甲殻を歪ませながら、弾き飛ばされていき】
【ブロンドの髪は、衝撃に揺れた。数度の大事故を思わせる音を、その両耳は確かに聞いた】

//続きます
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 07:59:57.73 ID:vSo6iGDOo
>>380

「────お前が何者か聞いてる暇はなさそうだ。感謝するぜ」


【トラックのウィンドウが下りれば、運転手と思わしき人間の顔が見える】
【フルフェイスのヘルメットを被った得体のしれない人物、そして性別の判定ができない声】
【しかし彼/彼女が何者か聞いている暇はない。一度しか言われない言葉に、そちらを向かないまでも耳を傾けて】


「ああ、分かった。後はお前に任せる」


【雷管に針が突き刺さるかの如く、そのクラクションはけたたましく鳴らされる】
【状況は動き続ける、失敗すれば死。まだあいつらは生きているであろうし、この区外に出るまで油断できない】
【路地裏に入り、全速力で駆け抜ける。幸い身体能力までは下がっていなかったらしい】


「ネズミが三匹通ったら、右ッ────!!」


【何かが耳許をかすめる。当たっていれば即死であろう──奴等の攻撃】
【異能をも殺すそれは、脅威でしか無い。何がなんでも此処から生き延びて帰らねば】
【口に出して、二つ数える。そして右に一歩進めば────同上。】


「くそったれがああぁあぁあぁああぁぁぁあぁあ!!」


【僅かに残された魔力を、全て体内で燃やす】
【鼻血は勢いを増し、出血も増えて視界がぼやけて頭がくらくらしてくる】
【それでも、此処から出なければ。僅かな生の線を、踏み越えなければ────!!】


【気づけば、区外に出ていた。辺りは一面の草原、遠くにその建物の一画が伺えて】
【無意識に、ここまで走り抜けてきたのだろう。ふっ、と身体を心地よい疲労感が包んでいく】
【体温が急速に下がっていって──また、意識が消えた。目を瞑り、月明かりが照らす草むらに倒れこむ】

【その後、どうなるかは彼女にも分からない。なんせ倒れてから丸2日眠っていたのだから】
【誰かが身元を確保しているかもしれないし、逮捕されて監禁されているかもしれない──でもそれは、また別の話】

//一日間お疲れ様でした!!
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 12:59:19.70 ID:vSo6iGDOo
【多分、水の国のどこかの草原──】
【“特区”から命からがら抜け出せた女は、そこで倒れていた】
【貧血と疲労、そして緊張からの解放とあって、無意識の内に眠ってしまっていた】

【至って無防備なのは仕方がない、死にかけの状況だったのだ】
【着古している火の国の軍服は、鼻血が垂れていたからか赤黒い染みが幾つもできていて】
【なにより、破壊された魔力が戻っていなかった。あの金属質の天使の攻撃で、無慈悲に壊されてしまった】


「んぅむ……。此処、何処だったっけ」


【目を開ければ、一昨日と同じ風景が広がっていることだろう】
【特区から数キロ離れた、ただっぴろい草原が眼前に広がっているはず──】
【ただ2日も眠っていたために、誰かにどこかで監禁されているかもしれないけども】

【もう4日もシャワー浴びてないな、と寝ぼけた頭で思考しながら】
【ぐっ、と伸びをする。やっぱり魔力はまだ戻っていないことを認識すれば】
【眠そうな三白眼で、辺りを見回すことだろう。そこで漸く自らが置かれた状況が認識できる】

【丸2日経っていたために、十六夜月が空に上がっていた】
【何もない草原の筈だが──、特区を見渡せる場所だ。誰かが居るとしてもおかしくはないか】
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/05(木) 13:14:51.98 ID:idcx99tuo
>>382

【───否、草原ではない、そんな平凡で、凡庸な、場所では無い】

【視界に映るのは白、実験室か何かを思わせる殺風景な色】
【周囲を見渡したなら本当に何も無い部屋だと分かるだろう、タンスと、クローゼット、大きな姿見】
【徹底して清潔的であったが、決定的に無機質な部屋であった】

【───しかし、貴女のいる場所は、少し変わっている】

【知能が戻ってきたなら、自分がベッドの上に居ることに気づくだろう】
【シミひとつ無いシーツに包まれている筈だ、スプリングの効きもいい】
【どうしてか、と少し動いたなら、もしかすると手に柔らかな感触があるかもしれない】



          【────むにっ】


んぅ……激しいの───



【其れは貴女と同じベッドに入っている、少女の豊満な胸の感触】
【プラチナブロンドの長い髪、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【特筆すべきは、彼女が一糸まとわぬ裸体であった、ということ】

【軽く寝返りをうって、貴女の方向に向き直る、端整な顔立ちが目の前へ】
【寝ている姿は絵画の如く、均整の取れた美貌】
【肉感的な唇が吐息と共に震えて、天鵞絨に包まれた柔肌が淫らに揺れた】
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 13:27:23.28 ID:vSo6iGDOo
>>383

【否、そこは草原ではなかった。眼前に広がっていたのは、何処かの部屋】
【内装はそれほど華美とは言えず、タンスやクローゼット、姿見といった家具に白い壁紙】
【この上なく清潔であり、無機質である。路地裏なんかより余程良いし、夢じゃないかとまで思う】

【意識が覚醒していけば、右肩に何か硬くも柔らかい感触を感じる】
【一体何かと思えば、ベッドであった。こんなに寝やすいベッドは使ったこともない】
【普段から路上で雑魚寝が当然だった女からすれば、これ以上ない貴重な経験だった】


    「……柔らかっ、じゃなくて」


【視線を動かし、身体を動かす。シャワーで洗ってもらったのか、何となく清潔になっていた気がする】
【其の弾みで、手も動いてしまったのだが────触れたのは、包容力を持った柔らかい感触がある“何か”】
【思わず柔らかいと、単純な感想を述べた後。ブロンドの髪が美しい少女に気づき、手を引っ込める】

【淫らで、美しい彼女の裸体。まるで西洋の絵画にでも描かれたようなそれ】
【思わずごくりと喉を鳴らし、ついつい目を丸くして見とれてしまったものの】
【相手が少女であることを思い出せば、きまりが悪そうに彼女と反対側の方を向いてシーツの中で丸まる】


【こんな経験をしたことが無かった女は、顔を真っ赤にしていた】
【同じ性別とは思えない、女性らしさの塊とも言える彼女の裸体を見てしまったために】
【……反対に貧相な、自らの胸部装甲に手をあてて。何かコンプレックスがありそうな仕草】
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/05(木) 13:49:37.25 ID:idcx99tuo
>>384

【貴女は感じるかもしれない、頭の天辺から足の爪先に至るまで、丹念に清掃された感触を】
【自分の髪から感じる柔らかく甘い香り、目の前で眠る少女と一緒の香り】
【恐らくきっと、彼女が貴女をお風呂に入れたのだろうと、推測できる】


……んぅ、ぁら、ようやく、起きたの…………
二日も寝ていて、心配したの……はぅ……わっ
ぁぅ……ねむいのっ……カチューシャ、低血圧だからね

朝はほんとだめ……なの、ふぁぅ…………
昨日もね、夜遅くまで、激しかったから──……


【こちらを見ていたなら大きなマリンブルーの瞳が、貴女を捉えるだろう】
【気怠げな声、猫の鳴き声を彷彿とさせる、甘ったるい声色】
【純白雪の色をした頬がむにゃむにゃと、どうやらまだ覚醒してないようで】

【背中を向けてくるりと丸まる貴女、カチューシャはその背をじいっとみて】
【ぴとっと、吸い付くように、水面に浮いた髪が指先に張り付くように】
【貴女に密着しながら、右肩に軽く顎を載せようとする】


……こっち向いてくれなきゃ、やなの
お姉様の顔を見ながら、眠りたいの……はぅ
むにゃ……ふぅ……むーっ……


────かまーって


【耳元で流れるリップノイズ、口内で濡れる舌の感触】
【なぞる度に水温が響いて、妄りな移ろいを見せたなら】
【貴女の耳に向かい軽く息を吹きかけるだろう】
386 :ディミーア ◆r0cnuegjy. [sage saga]:2018/04/05(木) 14:19:03.49 ID:DtLyrPKso
>>336>>339

【確保は成功。しかしもちろんそれだけでは気は抜けない】
【脱出できるかが最大の関門だった。冷静を装いつつも急ぎ足で出入り口へと向かうが】
【そこに立ちはだかったのは複数のドローン。こちらを確保しに来るかと、思ったが】


(…………何もしてこない、か)


【周囲をうろつくばかりで攻撃が加えられることはなかった。少しばかり胸を撫で下ろす】
【次の問題が浮上。ドローンではなく職員が向かってくるのが見えた。捕まるのはかなりマズイ】
【厳島の”指示”が入る。合わせて時計を見る演技をしておく】


あぁ、もうこんな時間か、急がないと!


【足早にバス停へと向かう。職員を振り切れるかどうか等、まだ問題は残っていたが】
【それでもセンター付近に留まるよりは遥かにましだろう。何とか離れる必要があるはずだ】
387 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/05(木) 14:35:07.59 ID:fXg7wiSf0
>>379

【陽の光が無作為に全てを照らすのと違い、月は明るさを欲する者のみに輝きを与え続ける。】
【夜の闇を汚さぬよう。決して失くしてしまわぬよう。されど確かに、暗闇を静かに見守り続ける、それが月だ。】
【死者の魂はきっと、それとよく似ているだろう。誰も彼もを見守り続ける事は叶わなくとも、誰かをじっと、照らし続けるのだ】

【二人の頭上に広がる光景は、何もない土地特有の広大な星景色。漆黒と煌き以外は存在しない空の天井。】
【まん丸の月明りが星々の瞬きに紛れてぼうっと浮かび上がり、穏やかながらも力強いクリーム色の光を放っている。】
【静かだった。風と、そして二人の声以外には一切の音が存在しない闇夜。散った桃色の残骸が、墓地へと優しく舞い降りていく。】


……はは。そうだな、情けない話だが男は間抜けだ。けど、男は男で女を愛らしいと思う物さ。
腰を振るのが男だけだと思っちゃいけないよ。キミだってオレの前じゃ懸命になるぜ、切なく息を切らして、な。



―――呼び名、か。魅力的な提案だがオレ様はキング以外の呼び名が気に入らなくてね。
その昔、オレにクリソツな"馬鹿野郎"が居てな。どっちが"本物か"を競い合った。お互いの存在証明を賭けてな。

……今思えば、阿保らしい話さ。オレはオレ、アイツはアイツだったのに。
あの時のオレは、そいつを[ピーーー]ことでしかオレを保てないと思ってた。だから……殺した。

"キング"を勝ち取るために……な。そんな必要はなかったのに。
オレはオレ以外になんてなれない。アイツも、アイツにしかなれない。二人とも互いに"本物"だったのによ。

だからな、カチューシャ。……オレは否定しちまった"アイツ"を忘れないでいてやる為に。
"キング"であり続けなきゃいけないんだ。―――なんて。……アイツ<サガ>が聞いたら、何て言うんだろうな……はは。


だから……呼ぶならキング、それだけでいいんだぜ。キミの妖しい声で、ずっとそう呼んでくれ。


【思い出すのは"いつか"の記憶。殺し合った自身の分身との戦闘。いや、分身はキングの方だったの、だが。】
【ともあれ、勝ち取ってしまったそれを亡き者にできない、と。キングはキングであり続けたいんだ、そう彼女に訴えた。】
388 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/05(木) 14:35:16.64 ID:fXg7wiSf0
>>379


……そうだな。IFはあり得ない。いや、もっと言えば"あっちゃいけない"んだろう。
何もかもを無かったことにしたり……紡いできた物語を、苦しいからと否定して、作り直そうとしてみたり。

―――暗い記憶だから。下手を打った記録だから。自分にとっては、何もかもうまくいかなかった、"黒歴史"だから。
やり直したい。今ならもっとうまく出来るから。今ならもっと、相手を思いやれるから―――そんな風に考えるのは、……傲慢だよな。

助けてやりたかった。どうして、あの時オレはあの場に居なかったんだ。どうしてオレはもっとソンを大事に出来なかったんだ。
死んだってのに墓参りだってしてやらなかった、お別れの言葉も言わなかった、たった一度、"銃の残滓"から蘇ったアイツが、オレと"奏"を……

―――オレの大事な、義妹を助けてくれた時にだって。最後まで、最後まで……挨拶できなかった。
ありがとうって、さようならって、また会おうって……―――言って、やれなかった。言えたのに、ちょっと頑張れば言えたのに。


―――悔やむさ。思い返せば、記憶を、過去を覗き見れば、其処に広がってるのは自分が"ダメ"だった頃の証拠だけだ。
どこの時間を切り取っても。女にばかりケツ振って、気に入らねえことがあればブチ切れて、誰かを追い出そうとしたり……。

自分の物語を完結させようと、必死に必死に廻りを巻き込んでみたり―――……笑えるぜ、ああ本当に。涙が出てくる程だ。
……けどよ。それでも。それでも―――忘れちゃ、ダメなんだよな。過去をどうにかしようと、立ち止まっちゃ……、ダメなんだよな。


だからせめて―――、せめてだぜ。 ……オレは今、出来る事をしてえんだ。……なぁ。ソン。一二三。奏。セン……文月。

覚えてるかよ、てめーら。……オレはお前らを、一瞬だって忘れちゃいねえんだぜ。ずっとずっと、胸に抱いて、……これからも生きるんだ。

―――贅沢は言わねえよ。けどな。お前ら全員!! オレの中で生き続けてるんだからな、馬鹿野郎ども!!


【見上げた夜空に、彼は吼えた。星々の輝き程に紡がれてきたこの"世界の歴史"で、孤独に呑まれてしまわぬよう。】
【無数に散りばめられた輝きの中に、今まさに自分も居て、確かにあの時"みんながいた"事を、決して、決して―――失くしてしまわぬ、ように。】
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 14:51:34.46 ID:vSo6iGDOo
>>385

【彼女の髪から漂う甘い香りは、自らの髪から感じる香りと同じ】
【恐らく、あそこで行き倒れていたところを彼女に助けてもらったのだろう】
【其の上身体まで洗ってもらったなんて、有り難さを感じると共に申し訳なくなってきて】


「カチューシャ、が名前か。行き倒れてたところ、助けてくれたんだな」


【彼女の名前はカチューシャらしい、どうやら2日間も寝ていたことも分かって】
【迷惑と心配をかけてしまったと、彼女に感謝を述べればまた静かになる】
【というのも、初めて初対面の少女を見たのが裸体であったためだろう。顔面を紅く染めて】

【意地悪なのか何時もどおりなのか、身体を密着させて右肩に顎を乗せてくる】
【豊満な身体、胸を背に感じながら、余計にでも顔が真っ赤になっていって】
【濡れそぼったリップノイズで右耳をいじめられれば、背筋にゾクゾクとした震えが走る】


「ひゃあぁぁっ……♡」


【生暖かな、少女の吐息は右耳を捉えた】
【堰を切ったようにゾクゾクとした感覚が流れ込んで、外見からは想像もできない甘い声が出る】
【身体が跳ねると共に、寝間着の襟首からは錆びたロザリオが飛び出てくる。宗教者である、ということだけは分かるだろう】

【彼女に構いたくても、背に当てられた“それ”が邪魔をする】
【正面に向きあえば、それをまじまじと見てしまうことになる。そこに背徳感を感じてしまって】
【頑なに彼女に背を向けるだろう。ただそれも、もう一度耳をいじめてやれば限界を迎える】
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 15:34:56.83 ID:vnX3ID+lO
>>387>>388
【其れは終わりのない慟哭に似て、或いは其れに準じた讒言にも似て】
【けれどもそれは悪くない音律であった。───流れ込む音色は耳に心地よく】
【そして、どうしようも無く血に塗れた、男の半生を伝えてきた】


そうなの、知らなかったの───ごめんなさい、私、そんな過去があるなんて、ね
そうして貴方はキングになったの、それは漸くかしら、結局かしら
でもね、でも、貴方が生き残ったからこそ、私は貴方に会えたの

いいえ、私だけじゃなくて、件の"ソン"も、会えたのでしょう

ねぇ、嬉しいわ、私は、貴方が生き残ってくれて
そして同時に、より一層素敵な名前になったわ
キング、もう一回───キング、大事な大事な、王様


【吼える貴方の声、彼女はその姿に無数の色を重ねた】
【其れは死に物狂いで戦う姿だった、腕一杯の愛を注ぐ姿だった】
【心の底から笑う姿と、友を思って泣く姿───】

【其れは確かに在った。───いつまでも残り続ける、世界の歴史として】
【そして彼女も、その一ページに含まれるのだろうか】


貴方は本当に長く、沢山の歴史を紡いできたのね
それはね、とても素晴らしい事だと思うの
物語の一幕、最初の重い幕が上がった時、舞台に立っていた人と

こうしてデュオで歌えるの、其れは歓喜以外の何物でもないわ
数多の戦いがあり、数多の別れがあって、その先で会えたの
これを奇跡と言わずなんて言いましょう、私に変わって礼を言うわ


【"ありがとう"───と、彼女は言葉を重ねて】
【そうっと、両手を離した、一つ二つと距離を開ける】
【名残惜しそうに瞬きをした、温もりがまだ、残っている】


少し妬けてしまうの、貴方の心には私以外の思い出が一杯あるの
其れは賛美することかしら、賞賛することなのでしょう
でも、私は天邪鬼だから、丹念に組み立てた楼閣を崩したくなってしまうの


【"ごめんなさい"───】


私、嘘をついてたの、いいえ、嘘じゃないかもしれないけど
語られない事実は誤りではなくて、ただただ、真実にならないだけ
でもそれは残酷な事実で、伝えるには確かに謝罪が必要なの

だからね、ごめんなさい、私、悪い子ね
叱ってくださるかしら、厳しい折檻も好きよ、後が残るけど
貴方の人生の節目節目、美しいハッピーエンドを壊すもの


それが私、"カノッサ機関"──"No.3"カチューシャ
初めまして、ごめんなさい、貴方とっても、素敵だったの


【其れは幸福のままで終わる、微睡みであれば良かった】
【大団円で終わる寓話であれば良かった】


【けれども現実は時として残酷な事実に過ぎず】

【───幕間は終わり、次の演目へ進む】
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 15:47:40.48 ID:vnX3ID+lO
>>389

【素肌越しに感じるのは貴女の熱、存在の照明に他ならぬ生命の残滓】
【逆接的に伝わる彼女の冷たさ、真昼に触れる雪の如く冷たい体温】
【だから温もりを貪る様に、彼女が侵食する様に、触れる】

【盲目の彫刻家が指先の感覚だけを頼りに、モデルを撫でるが如く】


こーんなに、赤くなってる、熱でもあるの
ずーっと寝てたもの、それなら仕方ないの
それとも、ふふ、そーれーとーもっ

何か考えちゃってるのかしら、お姉様、何か期待してるのかしら
お姉様の素肌、とても綺麗ですべすべしてるの、赤ちゃんみたいね
暖かいの、凄く───ねぇ、陽だまりみたいよ、心地よくて


【しん、と身体を寄せて貴方の輪郭をなぞる、産毛を擽るように】
【耳元で飴玉を転がすみたいに、舌を濡らして、一つ一つの音律を震わせた】
【官能的で蠱惑的で、それでいて悪戯心に満ちた言葉】

【乳白色の柔肌が、照明に照らされて艶やかに】


お姉様も、そのロザリオを大事にしてるのね
何かの信者さんなのかしら、そうよね、きっとそう
だってこんなにも清らかな身体をしてらっしゃるの、聖職者以外ありえないわ

ふふ、見ちゃったわ、見ちゃったの
お姉様の姿、秘密の底の深く奥まで、念入りに
可愛い姿をいーっぱいね


【嘯く様な音律で、恐らくお風呂に入れたのは彼女】
【ベッドから上半身を起こして、長い髪を一気にかきあげた】
【プラチナブランドの破片、照明を浴びて輝く姿】

【───神々しいとの表現しか見当たらない程に、裸体を見せつけるが如く】
【首元のロザリオ、彼女もまた、それをしていた】
392 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/05(木) 16:55:26.11 ID:fXg7wiSf0
>>390

【どこか遠い空。見上げた夜空の遥か向こう、暗黒を超えたその先のまた向こう、時間の壁すら跨いだ"何処か"に。】
【この咆哮が、この叫びが、慟哭がきっと、届いた気がした。紡いできた歴史を逆行し、時の流れにすらも逆らって、二人は今。】
【大きな大きな"世界"の、狭間にいたのだろう。それは霊の御業か、はたまた人の産む奇跡か。生も死も超越した空間で、繋がり合っていた。】


――――……ああ、そうさ。本当に、長い間……戦って、戦って、戦って。
そして大勢を愛して、……愛し続けて。オレは此処に居る。そうだな、考えてもみなかったけど。

キミが言うと本当に奇跡の様に感じられる。純粋にそう思うんだ、カチューシャ。
オレは生き残った。そして、何時かを慈しむ。思いを馳せられる。―――幸せな事だよな、これって。


……ありがとよ。一杯、オレの話を聞いてくれて。
ありがとうよ、こんな慟哭に付き合ってくれて。……―――――ありがとう。……覚えていてくれて。


【愛した。戦った。護った。護られた。死にかけた。殺した。そうして紡いできた今日を、キングは久しぶりに回想する。】
【価値のあるものだ。感謝したい。そう思えた時、男は本当に幸せをかみしめた。こんな当たり前の事が、目の前に転がっているのが、幸福だった。】
【だから、そう。この幸福を、嘘にしない為に。そうしてまた、今日が、明日になり、明日が昨日になって行くために。また今日も、"生き続けていく"事が、大事だったのだ。】


【カチューシャとの邂逅が。この幸せに満ちた時間が、"星の輝き"になって行くために。】
【ページが捲られる。新たな物語が始まる。いや、すでに始まっていた。キングは離れた彼女から、視線を離さなかった。】



……大袈裟だな。奇跡って程じゃねえさ、生きてさえいれば。それは叶うんだ。いつかはきっと、どこかでな。
だからな、カチューシャ。……いや、―――――――カノッサ機関の、ナンバー3。


【びゅう。風が吹く。キングの黒髪と、カチューシャのプラチナが波に揺られて。】
【二人は相対する。キングは悲しげに笑い、カチューシャが言葉を紡ぐ。互いに互いを、見つめ合った。】


……生き続けようぜ。オレも、キミも。こんな場所で、こんな形で……美しく死ぬのは、散るのはサダメと受け入れちまいたくねえんだ。
ハッピーエンドじゃあなくっていい。バッドエンドだってかまわない。それでも、"散ってしまう"のは勿体ない、あまりに、あまりにもだ。




――――――それにな。オレの人生の節目は、大抵悪い事ばっかりだ。もう慣れたぜ、ハニー。



【拳に力が入る。ホルスターに指が近づく。だが、ダメだ。此処では、此処だけでは。ぶつかってはいけない。何より―――】


……あともう一つ。忘れちゃいけねえ。キミは壊す側だと思っているみたいだが。
"ずっとそっち側"で居られる人間なんてのは、居ねえのさ。トドのつまり、――――キミのエンディングだって、バッドに塗り替わるかもしれないぜ。

大体な、良いかい。此処でキミとぶつかっちまえば……オレは二人泣かす羽目になる。女の子を二人も、な。
――――あの酔いどれガンマンをこれ以上傷つけるわけにはいかねえんだ、アイツが"女の子"かどうかは、置いておくにしても。


だからよ……最後だ。聞かせてくれ。

キミは―――――――……なんで、"そこ"に立ってる。

なんで"組織"にいる。なんで―――――……なんで、何も覚えちゃいねえんだ。


―――――――――ソニア。応えろよ。
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 17:01:07.35 ID:vSo6iGDOo
>>391

【眠りを貪っていたために、体温は高く保たれていたが】
【普段は魔力が放つ熱が体温を高くしていたために、肌寒く感じる程】
【敏感な素肌は彼女の指をいとも簡単に受け容れて、その熱を彼女に捧げるが如く】


「うっ、うるさいっ……!目が覚めて最初に見たものが、んぅっ……あれだったんだもの……」


【耳許でまた囁かれれば、悦びを示すように身体は細かく震える】
【何か期待しているのかしら、なんて誘われて顔をまた朱に染めて】
【熱を奪われていく感覚に、また小さく嬌声を上げながら後ろめたいものを感じていた】
【観念したかのように、身体をもぞもぞと動かして彼女の方へと向きを変える】

【血に臓物に、殺人に慣れているとしても、その蠱惑的な声に慣れてはおらず】
【彼女に悪戯をされるのが嬉しいような──そんな倒錯した感覚に陥っていた】
【無論、此処が守られた空間だということもある。彼女に守ってもらっているという安心感が、それをさらに増長させた】


「其のとおり、敬虔な聖職者よ。純潔も守ってるんだから」
「────カチューシャも信徒なのね。……やけに淫らに見えるのは置いておいて」


【お姉様も、という言葉に彼女も信徒であると把握する】
【彼女が上半身を起こせば、美しいブロンドの髪が艶やかに揺れる】
【首元のロザリオも、光を反射してその存在を確かにさせて】


「お風呂に入れてくれたのはありがたいけど、私の身体って貴女ほど良くないでしょ?」
「貧相だし、“聖戦”ばっかりしてるから生傷も多い。おまけに何日もシャワー浴びてなかったから……」


【彼女が可愛い姿を見たといえば、また顔を赤らめてそっぽを向いてしまうだろう】
【しかし、彼女の身体は見るも酷かったはずだ。顔は鼻血で口にかけて赤黒く血が流れ、おまけに生傷もあったのだから】
【それに、4日間シャワーを浴びていなかった。それなりに体臭もあったんじゃないかと、恥じてまた顔を朱に染めた】
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 17:12:33.73 ID:vnX3ID+lO
>>392

【離れた理由は分からなかった、若しかしたら縊り殺せたかもしれくて】
【あるいは其れに怯えたかの様、自分で分からない別の頁】
【桑楡の色合いが強まり、百雪の如き舞百合の髪が淫らに揺れた】


悪い夢なのかしら、暗い歌なのかしら、ねぇ、どちらかしら
だからこそ節目というのではなくて、魅力的な幕引きだからこそ
後に続く物語を、より一層美しく飾り立てられて

私は良いの、貴方の美しい思い出を壊す事になっても
其れは悲しくて哀しくて仕方ないけれど、一杯慰めてあげるの
そうして二人で夜を伽ぎましょう、それが好きだったでしょう?


【小首を傾げて、柔肌に溶けるプラチナブランド、毛先がふわりと濡れて】
【人差し指と中指を唇に当てて、二股に開く】
【あどけないポーズすらも、扇情の言葉に染め上げる、何処までも淫奔】


でも、それじゃ収まらないの、私の心の渇望を、どうしてくれるのかしら
誰に慰めてもらえば、この高まりは収まるの、気高き王様が弱さを見せたのなら
後は妃の出番、寝床の奥のそのまた奥、閨事をするには十分でしょう

───良いわ、最期だから教えてあげるの
でもね、私も詳しくは知らないの、実験動物に智慧はいらないでしょう
カチューシャも生まれは知らなくて、物心付いたらカチューシャだったの

でもね、作り直されたのは、知ってるの

生きたままどろどろに溶かされて、長い長い時間をかけてゆっくり
爪先から頭のてっぺんまで、分解されてたの、"遺伝子"に
───そこから作り直すの、不必要な情報を除いて


【貴方の言葉に答える、どこまでも、歌うような旋律で】
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 17:21:01.08 ID:vnX3ID+lO
>>393

【此方に向き直されて、嬉しそうに頬を綻ばせる】
【破顔はしない、ほんの少しだけ表情を微笑みに揺らした形】
【薄氷に映る幻影の様に、柔らかな形をそこに描いた】


違うの、私が信じてるのは、神様だなんて存在じゃなくて
此処に居る私と、私の身体、私の心───­­其れが全て
なんて、言ってしまうけど、ほんとはね、知らないの

気づいたら合ったの、まるで身体の一部みたいにね
大事にしてたのかしら、よく分からないの、でもね
其れは酸素のよう、あって当然と、思ったのかしら


【貴方の言葉に軽く頭を振るだろう、髪の毛がふわりと流れて】
【軽く顎に指先を伸ばし、貴方の顔を近くに寄せようとする】
【ねーぇ、と軽く声をかけてみて】


そんなことないの、赤ん坊みたいに柔らかくて華奢な身体
ふふ、貧相だなんて、気にしちゃって、かわいーの
愛してあげるの、そうすれば、きゅんきゅんとして、女の子らしくなるの

でもね、気になるの、どうしてあんな所で、眠ってたの?
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 17:39:51.07 ID:vSo6iGDOo
>>395

「ま、それが一番良いかもしれないわね」
「自分に依って、自分を動かす。他者を信奉するより、自律するほうが楽しいし、ね」
「私も生まれた時からロザリオはつけたままよ。ずっと、特別な理由が無い限り外すことはないわ」


【他者──神を信奉するより、自身に依って思考を定める】
【此方のほうが、一人間として余程良い選択だろう。何より他者の束縛を受けないのだから】
【でも、この女はそう思いつつも神を信仰している。何もなかった心を、唯一繋いだものだったから】
【それにロザリオは小さな時から自然につけていた。彼女と同じだ、まるで空気のように、元からそこにあったかのように】


「きっ、気にしてるわけじゃないわよ!?でも、貴女に比べれば全然ね」
「ふふ、愛が足らないのかもしれないわね……。言われてみれば其のとおりかもしれない」


【気にしちゃって、かわいい──と言われれば、顔を真っ赤にして反論しようとするだろう】
【一つ一つの仕草が大きくて、感情の昂ぶりもフルアクセル。彼女の掌の上で、自ら踊っているようにも見える仕草】
【愛が足らない、と言われれば其のとおりと思う。両親は若い内に殺されたし、それ以降殺すことが救いみたいな思考になってしまったから】


「──『特区』、ってあるでしょ」
「定住なんてないから、路地裏で暮らしてるんだけど。放浪してたらあそこにたどり着いたの」
「今は“破壊”されて戻ってないけど、私の血には魔力が流れてて常に熱を出してる」
「それを感知されちゃって、大きな機械に追っかけまわされて命からがら逃げてきたってわけよ」


【大雑把に、ポイントだけを押さえて話す】
【最近出来たばかりの、“特定安全管理実施地区”──通称『特区』。そこに流れ着いてしまった】
【魔力が常に放出されている為に感知された挙句、機械兵に追っかけまわされてしまったようだ】
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 17:50:56.26 ID:vnX3ID+lO
>>396

【女性の言葉の端々に神への信奉を感じる、無神論者の彼女には羨ましくも思えた】
【信じる事ができる存在がいる。──其れはとても気高き行為に思えたから】
【シーツにくるまった下半身を抱き寄せて、絹の下で体育座り】


その通り、私はね、いっぱい愛して、いっぱい愛されてるの
だからね、こんなに女の子らしくなれたの
この身体で、殿方も奥方も、悦ばせられたなら

それはそれで、幸せだと思うの、私も貴方も愛で包んで
だからね、だから───傷ついては、いけないの
可愛い女の子が傷つくのは、それだけで不幸なの


【貴方の脇の下に手を伸ばして、そのまま背中に回そうとする】
【出来たならそのまま抱き寄せて、肌と肌を重ねる様に抱きしめる】
【少し悪戯心で、耳朶でも舐めてみたり、するかもしれないけど】


大変だったのね、『特区』だなんて───そんなものが、あるのね
ふぅん、魔力を出してると大変なのね、それは怖かったと思うの
よしよし、こんな感じかしら、んーっ、どう?慰めれてるかな?

上手くいかないの、どうしてかしら、肌を撫でるより難しいの
でも、破壊されるってどういうこと、なの?
少しそこが、わからないの


【よしよし、と頭を撫でようとする、どこかギャップのある行為だけれども】
【鶯嬌な仕草で疑問を投げかける、んーっと声を漏らして】
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 18:02:28.84 ID:vSo6iGDOo
>>397

「愛で包む、ねぇ──……。って、ふやぁぁっ♡」

【彼女が脇の下に通した腕を、拒むことは無かった】
【女から求めるように、彼女の身体もぎゅっと引き寄せる。二人の身体はぴたりと密着した】
【微笑みを浮かべて、幸せそうな顔だった。久しぶりに人の愛を受けた、そんな顔】
【不意に耳朶を舐められれば、その生暖かさに少しばかり恍惚感を覚えて】


「あっ……、ありがと。そんなに撫でてくれなくってもいいわよ」
「普通の攻撃は身体に影響を及ぼすでしょ、例えば斬ったら血が出るとか、叩いたら痣が出来るとか」
「でも、あの機械兵の攻撃は違った。身体じゃなく、私の体内に流れる”魔力そのもの”を破壊したの」
「だから魔力の崩壊で熱が発生して、鼻の毛細血管が破れて血が出たってわけ」


【彼女が撫でてくれるのを、恥ずかしながらも喜んでいるようだった】
【さて、魔力が“破壊”されるということについての説明を並べていく】
【例の機械兵の攻撃は身体に影響を及ぼすのではなく、魔力そのものを崩壊させる】
【即ち、異能の行使を不可能にするというもの。パッシブな能力がある分、余計に不利になってしまう】


「だから、今の私は魔力が全く無い。二日間寝てても、まだ戻りそうにないの」
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 18:15:51.54 ID:vnX3ID+lO
>>398

【ふぅん、と貴女の言葉を聞きながら撫でる手は止めない】
【スキンシップは多い、恐らく彼女自身の楽しみも含んでいて】
【言葉は物憂げでも、興味は深いようで】


んー駄目なのっ、だーって長く足りてない気がするの
だからね、こーやって、私の愛をいっぱいいっぱいあげるの
特別サービスなの、だってね、私も楽しませてもらったの

貴女が寝てる間にね、色々、そうよ、色々
ねぇ、お姉様ぐらいのサイズが一番抱き心地が良いの


【不穏な発言をしながらも、撫で撫では続けて】


なるほどね、てゆーことはね、今のお姉様は無力なのね
どうしましょう、こんな可憐なお姉様を、街中に放り出すの
獣に穢されて、汚されてしまうの

ああ可哀想なお姉様。華奢な身体が悲鳴をあげて、懇願しても終わらないから
だからね、守ってあげる、カチューシャが、守ってあげるの


【微笑みを向けて、もっかいぎゅーっと、貴方の輪郭を確かめる】
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 18:23:31.32 ID:UQwemxId0
【路地裏】

「よォーし、飯を食ったら運動だ!」
「ヘッキャアーーッ! ……!!? ああああああ!」

【そこを歩くガラの悪そうな金髪兄ちゃんに絡もうとして勝手にもだえ始めたのは】
【ガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

「……そォーか、気合が足りねェーのか! よォーし、気合のォォ〜……こうげあああああああああああ!!! 悪化したあああああァーッ!」

【彼の周りに暑苦しいエネルギーが宿ったかと思えば、先程よりも更にもだえ苦しみ】
【ええ……何なの……。さすがに絡まれている側も反応に困っている様子】

『えーっと、……すみません、この子厨二病なんです』

【お、おう。そんな反応をしつつ、絡まれていた男は立ち去っていった】
【なお先程の発言をしたのは、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

『……原因に心当たりは? それと、ヘケメトストッパーとどちらがマシですか?』
「原因はわからねェ、あえて言うならあの時なんかチクってされてちゅーってされた。あと、ヘケメトストッパーのほうがエグい」
『原因明確じゃあないですか。では、確認のために……ポチッとな』

【女性がポケットから取り出したのは、とってもポチッと押したくなりそうなスイッチ。それを押している間、男はめちゃくちゃもだえ苦しむ】

「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!! 食ったものがケツから出てくるから止めろォォーーーッ!!」

【……さて、路地裏で繰り広げられる平和的茶番。当然ながら、めちゃくちゃ騒がしい。場所の特定は容易だろう】
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 18:30:39.28 ID:vSo6iGDOo
>>399

「そうね、愛情なんて与えてもらえなかったから……。気遣いありがとう、カチューシャ」
「ところで、寝てる間に色々────って何をしたのかしら」


【半分疑いが残る目で、彼女の顔を伺う】
【流石に純潔までは奪われていないだろうと──まあ希望に過ぎないのだが】
【何をされたのだけは確認しておきたい、その言葉だけは恍惚感を帯びていなかった】


「ふふっ、私も満足するまで貴女の愛情を受けたいわ」


【彼女に守られている、愛されていると感じるだけで、何処か満たされるところがある】
【数年間、十数年間愛情と懸離れた場所に居た。そこに身を投じていた】
【空っぽだった心に、彼女の愛情が注がれていく。その充実感を、確かに感じて】
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 18:44:08.16 ID:Bky38biv0
>>400
【何処かの路地裏にて】

「――ッ!?」

【聞こえるのは、何やら複数の意味で厳つい男性の呻き声だった】
【間を置かずに聞こえるそれ、何か事件か……あるいは機関絡みの】
【そう考えるのは、その場を通行中のセーラー服姿の少女だった】

「(敵襲!?それとも……)」

【そう考えて、かなり真剣な面持ちで学校指定のカバンから大型自動拳銃を取り出し】
【壁に身を隠しながら、そっとその場に近づくと】

「男と、女の人?」

【少女から見てかなり大柄な男と、白衣の、こちらは小柄な女性】
【妙にアンバランスな二人が、何か話しており】
【やがて】

「ッ!?また騒ぎ出した!?」

【話していたかと思えば突然、男が狂ったように呻きだす】

「だ、大丈夫ですか!?今救急車呼びますよ!!」

【思わず飛び出してしまう、片手の拳銃をしまうのを忘れたまま】


//よろしければお願いします
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 18:44:41.26 ID:vnX3ID+lO
>>401

【そうよね、と言葉を付け加える、そうだもの、と鳴らして】
【聖女様ですもの、と───純潔は守らなきゃ】


何処を触ると一番喜ぶかな、とか、どの服装が良く似合うかな、とか
誓ってもいいの、閨事の真似すらしてないの
だーってそれは、素敵な殿方の為に残さなきゃ、それが女の悦び

私が伝えられるのはその真似事だもの、そんなもの無いのと同義
あら、残念だったかしら、別の扉をあけて欲しかったとか


【愉しそうに微笑む、からかいの口調を変えずに】


欲しがりさんなの、でもね、そっちの方が可愛いの
不思議ね、お姉様───貴女を触ってると、私も落ち着くの
懐かしい感触なの、私もそんな、華奢な頃があったの


【つーっと肌をなぞって、ゆらゆら】
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 18:50:54.01 ID:UQwemxId0
>>402

『……なるほど、つまりヘケメトストッパーと能力を併用すれば更に苦しくなるわけですね』
「やるなよ、やるなよ、絶対やるんじゃアねェーぞ!」

【……猛獣の如く叫んでいた割には案外ケロッとしているが】
【立ち上がれば少しふらついていて、ダメージが無いわけではなさそうである】

「ん? ……救急車は要らねェーぜ! アウがいるからな」
「あと、拳銃下ろしてくれ! そォーいうのあんまり好きじゃアねェーんだ」

【さて、少女に気づいたらしい男、拳銃にビビることは無く(渋い顔はするが)】
【女性に肩を回し抱き寄せ、もう片方の手で指差しながらそう喋る】
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 19:03:03.58 ID:Bky38biv0
>>404
【押すなよ押すなよ的なニュアンスな言葉を言いながら、ふらつきながらも立ち上がるその男性】
【影響その物はありそうだが】

「アウ?そちらの女の人ですか?」

【そこで大柄の男性から、拳銃に関する指摘があり】
【慌てて、自分の手と男性を見比べ】

「あ、あああああち、ちちちち違うんです!!これモデルガン!そうモデルガンなんです!軍事オタクなんで私!学校にも持って行ってて!!り、リアルですよね!!あははははー」

【凄く慌てながら、直ぐに拳銃を仕舞い】
【最も、櫻国海軍の士官用拳銃なんて言うマニアックなモデルガンがあるのかは不明だが】
【どうにも、女性の肩に手を回し抱き寄せている辺り、恋人同士なのだろう、と勝手に解釈】

「ええーっと、本当に大丈夫なんですか?『彼氏』さん」

【白衣の女性に聞いた】
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 19:04:21.55 ID:gqnb3iSqo
【街中】

【裏通りに面した雑居ビルの3階。下の郵便受けには『にこにこ出版社』と】
【テナント名はなっていたが常に窓のブラインドは閉じていて】

【不特定多数が出入りしているにも関わらずひと目をはばかるようで】
【中で何をしているかわからない。他の階の住人が階段ですれ違うときは】
【ピタリと話をとめて睨みつけるような目で見てくる。】

【実際は公安の職員がそこをその地域の能力者を監視する拠点にしていた。】
【地図に赤い線を引き、危険人物の写真や書類を山積みに、】
【真の法治国家のために集まっていた。】

【階段を登る足音。白い革靴にブラックスーツ、濃紺のシャツ、アタッシュケース】
【シルバーの時計、消音器付きの自動拳銃。くわえた煙草、マルボロの匂い】

【サングラスをした背の高い黒髪の男は『にこにこ出版社』の前で立ち止まり】
【その安っぽいアルミのドアを叩いた――――】

【程なくして、彼は階段を降りてくる。アタッシュケースも、消音器付きの拳銃も】
【持たず降りてきて。シャツの袖には赤い何かがついていた。】
【よく、”それ”を知ったものなら、それの意味、血の匂いを感じ取るだろう】

【そして背後では火災報知器のベルが鳴り響いていた。ジリジリと。】
【『にこにこ出版』から煙が溢れる。ばりん!とガラスを割って炎が飛び出した】

【男は何食わぬ顔で、目の前の道路にとめてある車に乗り込もうとするだろう】
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 19:04:55.99 ID:vSo6iGDOo
>>403

「あら、まだまだ可愛いことだったのね。私を拾ったのが男だったら、今頃殺されてたかもしれないわ」
「そんっ、なことないわよ……。神に誓って、ね」


【即ち、男ならば襲われていたかもしれないということ】
【それをしていたなら、能力は無いにせよ身体能力を駆使して殺していたかもしれないと】
【別の扉を開けて欲しかったとか、と聞かれればそれをやんわりと否定して】


「懐かしい感触、ねえ──昔話は、お嫌い?」


【懐かしい感触、ということはそういう頃が彼女にもあったのだろう】
【今と違って、華奢だったという。どのような姿で、どんな経験をしたのだろうか】
【昔話を聞きたそうに、彼女の顔を見て柔らかく聞いてみる】
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 19:10:31.39 ID:vnX3ID+lO
>>407

【唐突にかけられた音色、形の良い眉を上げて興味を示す】
【そうね、と指先が貴方から離れて、自分の頬に触れる】
【唇に溶ける指先、その行為に意味なんてないけど】


ええ、好きよ、大好き、素敵なお姉様の過去は特にね
ねぇ、教えてくださらない、貴方の素肌の姿を
それを聞いて私は思いを馳せるの、私の知らない貴方を

そしたらね、より一層今の貴方が愛おしくなるの
それは素敵よ、本当に───だからね
どうか教えてくださいませ、お姉様
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 19:11:13.75 ID:vnX3ID+lO
>>407
/すいません!読み違えてました!修正します!
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 19:14:14.31 ID:UQwemxId0
>>405

「おォー、そォーだぜ! こいつがアウ!」
「わりとヤバい傷も治してくれるんだぜ、腕がもげたとかよォ〜。あと、車嫌い。だから、救急車要らないってワケ!」

【前者の理由を大きく示しているが、実際のところは後者の理由の方が大きなウェイトを占める】
【――仮に救急車に乗せられたとすれば、おそらく鎮静剤かスタンガン辺りが必要になるだろう】

「へェー、偽物かァ〜。なら大丈夫……駄目だぜ! カタチそのモノが苦手なんだ」

【少女が拳銃をしまえば、その渋い顔も少しはマシになるか。】

『彼氏ではありませんが……ええ、大丈夫だと思います。耐久に優れてますし』
『ただ、どのような原理で先程のように……まあ、攻撃しようとしていたのですが……その際に苦しむのかは不明ですね』

【男に捕らわれたまま、真顔で語る彼女。若干困っているような口調だ】
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 19:20:13.43 ID:vnX3ID+lO
>>407

【唐突にかけられた音色、形の良い眉を上げて興味を示す】
【そうね、と指先が貴方から離れて、自分の頬に触れる】
【唇に溶ける指先、その行為に意味なんてないけど】


記憶にあるのはね、寒い光景───永遠に続く様な雪景色。
この世界ではきっと、見たことの無い様な、寒い寒い世界
想像つくかしら、乗り物の外に出たら脳が凍って死んでしまうの

だからね、防寒の限りを尽くすけど、運が悪かったらそれでもダメ
私の記憶にあるのはね、そんな景色、どうしようも無く、寒い世界
それでもね、暖かい思い出はあるの


【御伽噺の様に紡ぐ、ここでは無い世界の話】


締め切った窓と、暖かい暖炉、こっちにおいでと連れられて
抱きしめられながら飲んだ、暖かいココアの味
それは愛だったのかしら、今ではもう分からないけど

いまよりずっと幼かった頃の記憶、ふふ、つまらないお話なの
ねぇ、私も聞きたいわ、お姉様がどんな人生を歩んだのか
───知りたいの、そしたらね、もっと優しくなれそうだから
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/05(木) 19:21:18.23 ID:DtLyrPKso
>>406

【車の前に、若い男が立ちはだかった】
【外見の年齢は二十代中盤か後半。使い古されてはいないが、しかし新品というわけでもない軍服姿】
【片目には眼帯。目の付近には爬虫類の鱗。背中には背丈を超える棺桶。鎖で自身の身体に巻きつけている】

あれは、貴方がやったのですか?

【窓から飛び出した炎を、男は指差していた。少なくとも答えねば道を退く気配はなかった】
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 19:21:21.94 ID:Bky38biv0
>>410
「そうなんですか〜、凄いですね、能力ですか?」
「そこまで極度な車嫌いは、仕方ない様な、何と言いますか……」

【何やら込み入った事情、主に車方面でのことがありそうだが】

「拳銃も嫌い何ですね、解りました」

【通学バッグにそれは仕舞われた】
【これでその嫌いな形も、見ることは無いだろう】
【何やら複雑そうな二人ではあるが】

「うーん、そのどうしてそうなったのか……が解らないのですが、何か原因とか、心当たりは?」

【この二人の背後関係が読めないので、そういう質問にはなるが】
【その辺も含めて聞く】
【彼氏彼女、と言うのは真顔でスパッと否定されてしまった】
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 19:30:55.12 ID:gqnb3iSqo
>>412
【男は立ち止まった。ゆっくりと、その首をそちらに向ける】

………いや、アイツらが勝手につけたのさ。

【などと宣うが、怪しいことには変わらない。少なくとも、関係はあるだろう】
【にやりと笑うが、どこかそれは哀切を帯びた自嘲的な笑み。諦めのような】
【寂しげな雰囲気。そして発せられる、白と黒の“能力”の雰囲気。天使と悪魔】
【が交差したような珍しい『何か』が彼にはある。】

さあ、どいてくれないか?そうしてくれないなら…

【とブラックスーツの懐に手を入れた】
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 19:34:16.50 ID:UQwemxId0
>>413

「まァー、そんな感じだぜェーッ! 補助技と回復技をたっぷり使えるんだ」
「車っていうかよォ〜、狭いところに閉じ込める系が駄目だ。俺にも理由はよくわかんねェけど全力で暴れて脱出したくなる」

【つまりは閉所恐怖症のようなものなのだろう、ただし彼は発症原因がわからないという】
【一方の女性は我関せずといった表情だ、――そう、聞かないふり】
【ちなみに拳銃についても同様に"よくわからないけど嫌い"という理由を述べる】

「心当たりよォ〜、よくわかんねェーんだよなァ」
「あえて言うなら、なんかチクってされて、んでなんかがちゅーって入れられたとかその辺」

『……おそらく完璧にそれが原因と思われます。他に心当たりもありませんし』
『少し前に彼が暴れたところを捕まえられましてね』
『能力を使用するのは危険な気がしたため一旦見捨てたのですが……その護送中の話のようです』

【少々ぼかした発言だが――能力行使が危険と思われる、そのような場所や状況は限られるだろうか】
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/05(木) 19:36:24.58 ID:DtLyrPKso
>>414

【若い男は──彼は、柔和な笑みを湛えていた】
【眼前の相手が”事件”を起こしたことに確信的な発言をしているにも関わらず】
【それに対して恐れを抱く様子もなく、人の良さそうな笑顔を浮かべていた】

あはは、それはちょっと、言い訳としては難しいんじゃないですかね
何せ出てきたばかりだ、貴方がやったと考えるのが一番自然でしょう

【奇妙な感覚に首を傾げる。常なるものとは違う”何か”が感じ取れた】
【それは目の前の男から。好奇心が鎌首をもたげる。気がかりだった】

そうしてくれないなら……何かしてくれそうですね
興味が湧きました。拝見させていただきましょう

【にこり、と。微笑みを持ってして男は相手の反応を待つのだった】
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 19:41:58.33 ID:Bky38biv0
>>415
「凄いですね!補助に回復、軍医さんより凄いかも……」
「所謂、閉所恐怖症ってやつですね!」

【思わず軍医と言う単語が出てしまうが】
【実際に女性のその能力は、彼女が知る回復系、治癒系の誰よりも上の性能の様だ】
【しれっとした顔をしているが、この二人かなり凄腕の能力者では?と思わせる】

「チクっとされて、チュー?」
「捕まえられて?能力の使用が危険?」

【ここで少女の表情が変わった】
【先ほどの様に笑顔は無く、目は真剣そのもの】

「もしかして……カミス・シティに行ったのですか?」

【その様子で、真剣な声、そう二人に聞いた】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 19:43:02.71 ID:Bky38biv0
>>415
「凄いですね!補助に回復、軍医さんより凄いかも……」
「所謂、閉所恐怖症ってやつですね!」

【思わず軍医と言う単語が出てしまうが】
【実際に女性のその能力は、彼女が知る回復系、治癒系の誰よりも上の性能の様だ】
【しれっとした顔をしているが、この二人かなり凄腕の能力者では?と思わせる】

「チクっとされて、チュー?」
「捕まえられて?能力の使用が危険?」

【ここで少女の表情が変わった】
【先ほどの様に笑顔は無く、目は真剣そのもの】

「もしかして……カミス・シティに行ったのですか?」

【その様子で、真剣な声、そう二人に聞いた】
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 19:45:39.45 ID:Bky38biv0
//連投すみません……
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 19:48:17.26 ID:gqnb3iSqo
>>416

【人間集中していると、緊張していると時間の感覚が変わる】
【映画の手法でよくあるスローモーションはそれを誇張したものだ】
【男の手はゆっくりと引き抜かれるように見えただろう。焦っていれば】
【抜ききる前に、体が反射的に動いてしまうかもしれない。】

【その手に握られていたのは】

……じゃあゆっくりと話でもしようか。

【紙巻きたばこの箱。一本取り出して、くわえて火をつける。】
【もしよければと勧めても来るだろう。ジェスチャで一本を箱から少し出して】

…だが、ここにいるのは君にとっても良くないはずだ。場所を変えよう。
例えば君が正義感に燃える青年なら、それがいい。その後、話をしよう。

もしそうじゃないにしても、そうしたほうがいい。
ただ、君が権力に媚びた“クソッタレ”ならここで殺し合う。
自由と尊厳を踏みにじるクソッタレ共の狗ならな。

【さあ、どうすると肩をすくめてまた笑う。】
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 19:53:02.89 ID:UQwemxId0
>>417

「おう! 軍医はよくわからねェーけど、アウは凄いんだぜ!」
『……私がいれば多少の無茶は大丈夫なんて思われているようで、本当疲れますよ』

【疲れるとは口にしているが、嫌だとは態度でも表現せず】
【――そう、喩えるならばやんちゃ坊主に対する母親の態度だ】

「かみす……?」
『そういえば、場所の名前全然覚えてませんでしたね。ええと、確か――』

【彼らが例の場所へ訪れた理由は、はっきりいって皆無に近い】
【たまたま狩場の近くの街を訪れた、その場所で起きた出来事の1つでしかなく】

『安全管理がどうたらとか、無許可で能力使うとアウトとかは街中に入る時に聞いた気はしますが』
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 20:03:10.59 ID:Bky38biv0
>>421

「あ、あははー、何か大変そうですね、その、色々と……」

【どうにも、腕白な子供と母親の状況】
【ある種、このアウと言う女性の母性本能だろうか?】
【状況を察して、少し同情をしてしまう】

「あっ……間違いない、カミス・シティだ……」

【呟くように、そう言って】

「ええーっと、そこで暴れたら、連行されて、注射をされた……」
「注射された後は、攻撃しようとしたら苦しむ、みたいにされた?」
「あの、ちなみに能力者ですか?そのそちらの男の方は……」

【男性の方を見ながら、話を整理しつつ、そう聞いた】
【何気ない質問の様だが、過分な意味を含む】

423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/05(木) 20:04:01.82 ID:DtLyrPKso
>>420

【手の動きは何かの予備動作に見えた。そこから何が出てくるのかが問題だった】
【当然、視線と意識はそこに集中する。時間が引き伸ばされたように感じるのも】
【ある意味では”奇妙な感覚”だった。だが、一番の問題はそんなことじゃなかった】

【何が出てくるのか────それを見たとき、男の一つだけの目は少しばかり残念そうに伏せられた】

あらら……妙な感じがしたから、確かめたかったのですが、ね
でも折角だからもらっておきます。話してみるのも悪くはなさそうだ

【箱から紙巻煙草を一本取り出し、軽く振る。小さな音と共に火が点けられる】
【それを咥えて、吸い込む。煙を吐き出す。白色の煙が空へと浮かぶ】

……権力に媚びた、ですか
そう答えて殺し合いをするのも一興ですが、その答えは良くない。実に良くない

自由や尊厳を愛する、なんてガラでもないですが
けど、僕らは誰にも従わない。従わせない。拠り所に必要なのは銃と剣だけ

【「なんて答えなら、どうですかね」と、初めと同じような柔らかな笑みを浮かべていた】
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 20:10:17.82 ID:UQwemxId0
>>422

「おー、そうだったのか! 後でもう一回くらい行こォーかと思ってたところだったから助かるぜ」

【――何か良からぬ事を企んでいそうな表情だ、現在の状態から考えて暴れるわけではない】
【もっと別の方向の、何かを……】

「そォーそォー、そんな感じ! あいつら強ェーんだよ、回し蹴りは回避するし」
「よってたかってビリビリーってしてくるしよォー! 幾ら俺でも一気にビリビリされたら痺れるんだぜ」
『そこで状態異常解除の技を使えれば良かったのですが……ね』

【もし、あのタイミングで彼の感電による麻痺を取り除けていたのならば――】
【だが、技を使えばもっと状況が悪化する可能性もあった。だから、できなかった】

「もちろん俺も能力者だ! 正確に言うと、能力を装備してる者になるけどよォー」
「ほォーら、こんな感じに」

【彼が右手を女性から離せば、そこから生えるは緑色の棘。……苦しむ様子は、一切見せない】
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 20:21:33.21 ID:Bky38biv0
>>424

「ま、また行く気なんですか!?」

【そんな事があったのに、また乗り込む気らしい】
【だが、どうにも暴れるとは方向が違う様だ】

「ビリビリ、スタンガン?」
「スタンガン幾つも喰らって、よく無事でしたね……」

【タフボーイ、いや、タフボディだろうか】
【通常複数ものスタンガンを喰らい、後遺症も残らず無論死にも至らない】
【中々能力を使わずとも、強靭な体躯なのだろう】

「能力は使えず、結局こちらの方は捕まってしまった、と」

【アウと言う女性は、さぞ歯痒かっただろう】
【状況は想像に難くない】

「能力を装備?」
「凄い……棘?身体から棘を生やす能力?」

【何とも無く能力を使って見せる】
【先ほどの様に苦しむ様子は、見られない】

「……能力を制限する注射、じゃない?」
「……あの、またカミス・シティに行くって言ってましたよね?」
「その、いつ、行かれるんですか?」
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 20:33:56.55 ID:UQwemxId0
>>425

「ヘケケ、あの程度でくたばってちゃア戦いにならねェからな」
『行動不能になっている時点で戦いになってませんでしたよね』 「うるせェー、意識あったからセーフだ!」

【見た目通りの身体能力なのだろう、行動はできなくなったものの】
【何が起きていて何をされているか、その程度の状況は把握できている】

『能力の使用に躊躇しなければ無事に逃走できた可能性もありましたが……』
『賭けに負け共倒れするよりは、どちらかが残って後で救出する方が合理的かと思ったのです』

【――そして、彼女もその身体能力……生命力の高さをしっかり評価していた】


「その通り、棘だぜ! 飛ばすこともでき……こっちはアウト!? 当てるつもりじゃアねェーのに駄目かよおおおお!」

【拳に生えた棘を少女に当たらないように、けれども結構近くを狙って飛ばしたその時だった。彼が蹲ったのは】

『……みたいですね、おそらく能力の使用そのものは問題なく……攻撃や他害などの意思があると駄目、そのような気がします』
『ああ、でも……クマ相手には無問題で攻撃も能力も使えてました』

『そうですね……いつになるかは不明ですが、……まあ、大体の作戦が決まってからになりそうです。無策で行くのは危険ですしね』
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 20:45:54.68 ID:Bky38biv0
>>426
「うーん、良く意識がありましたねむしろ……」

【全く呆れる程の頑健さだ】
【周囲を認識するほどの意識を保っていられた、と言う事だろう】
【そして意外にも、作戦行動、と言うより役割分担のように】
【アウの計画行動は、中々に的を得た物だった】
【信頼関係は、かなり良い様だ】
【そして】

「――ッ!?」

【男性が放った棘は、風切り音と風を自分に当てて、付近に着弾】
【だが、驚くべきはそこではなく、棘を飛ばした瞬間に蹲る男性】

「ちょ、ちょっと!?だ、大丈夫ですか!?」

【思わず駆け寄って】

「能力の使用ではなく、どちらも『他者への攻撃意識』に反応した?」
「……私も一緒に行っていいですか?」

【ここで意を決して、こう聞いた】
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 20:51:26.94 ID:gqnb3iSqo
>>423
/すみません一時間程度次レス遅れます…申し訳ないです
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 20:51:59.55 ID:vSo6iGDOo
>>411

「──寒い、寒いところだったのね」
「命すら凍ってしまいそう、私は温かいところの生まれだから」
「脳すら凍る寒さというのは、よくわからないんだけど──」


【乗り物から出れば、脳が凍って死んでしまうほどの極寒の地】
【どれだけ防寒をしても、運が悪ければ死んでしまう。そんな世界を生き抜いてきた】
【でも、どれだけ寒い地でも温かい思い出はある。其の言葉に、更に興味をそそられて】


「ふふ、閉めきった窓に温かい暖炉、それに温かいココア──」
「私も“小さい時は”、開けっ放しの窓にアイスクリームだったよ」


【彼女の故郷は幾ら寒くても、心は暖かかったのだろう】
【女も故郷を思い出して、嬉しそうで──其の裏寂しそうな、そんな笑顔を浮かべる】
【幾度か首を振ればその笑顔も微笑みに戻って、彼女の方へと向いて】


「私の昔話か────聞いても面白いものじゃないわ」
「私は火の国に生まれたの。郊外の貧しい家だったけど、敬虔な信徒の家でね」
「両親も私も、週末には教会に揃って出かけてたわ。仲も良かったし、貧しさも感じなかった」


【彼女が昔話をしたのだから、今度は此方の番である】
【しかし、表情はやはり淋しげなそれで──何かあったことを思わせて】


「何歳の時だったかな、街が何らかの組織に襲撃された」
「週末の礼拝があった教会が攻撃されて、私は命からがら生き延びたの」
「私は孤児院に行ったの、でも其の頃から殺人癖が付いちゃってね──」


【日々路地裏で、悪人と思わしき人間を殺しまわった】
【未だに犯人不明となっているその事件群は、全てこの女の手で行われたもの】
【その癖が未だ残っていて、それもコンプレックスなのだけど──】


「結局火の国の陸軍に入隊したけど、反りが合わなくて除隊」
「稼ぎもないし、家もないから放浪してたってわけ。────これで、良い?」


【火の国の陸軍も、度重なる軍規違反で除隊させられてしまって】
【結局人を殺しながら、血の染みた軍服で放浪していたというわけだった】
【彼女みたいに、温かい話など微塵もないような──つまらない話】
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 20:54:50.48 ID:UQwemxId0
>>427

「ちゃんと当たらないよォーにしたのによォー……ちくしょー、ヘケメトストッパーよりはマシだから大丈夫だ」

【思うように能力が使えないからだろうか、少しばかり苛立った表情で】
【しかし比較ができる程度には平気らしく、苦痛に対する耐性もそれなりにありそうだ】

『飛び道具……そうですね、当てるつもりが無くても当たる可能性があるからアウトとかでしょうか』
「確かにちょっとそれは思ったぜ」
『ええ、やはりそのような意識があると駄目のようです。厳密に言うとどうなるかは私にもわかりませんが』

「良いぜ良いぜェ、一緒に行こうぜェー!」
「一緒に"解毒薬"か"アレの中身"貰ってこようぜェーッ! もし貰えなくても仕組みさえわかれば絶対何とかなる!」

【自身の戦力が大幅に下がっている今、頼れる相手がいるのならば頼りたいところなのだろう。すぐにOKの返事を出してきた】
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/05(木) 20:55:17.29 ID:DtLyrPKso
>>428
//了解です!
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 21:04:09.21 ID:Bky38biv0
>>430
「へケメトストッパー?」

【ここでまた聞きなれない単語が】
【最も男性の様子は、苦痛に、と言うよりも】
【まともに能力攻撃が出来ない事に対する、その苛立ちが多い様だ】

「本当に詳しい部分は、その注射の中身を見ないと解らない、って事ですね」

【ここでの考察は、あくまで『こういうものだろう』と言う部分に留まる】
【本懐は、再び乗り込んで、その秘密を探り、あわよくばこの男性を元に戻す事】

「ありがとうございます!」
「実は、私の上司がそこに潜入してまだ、戻ってなくて……」
「私は那須翔子って言います、櫻の国魔導海軍曹長です」

【よろしくお願いしますね、と二人に改めて挨拶し】
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 21:14:20.43 ID:UQwemxId0
>>432

「アレはヤベェーぜ、全身の細胞の1つ1つが煮え滾る感じがして本当ヤベェ」
『ヘケメトが本当にマズい事をし始めたら使う装置ですね、ボタンを押すだけで良い簡単仕様です』

【と、女性は手に持っていたポチッと押したい衝動に駆られるデザインのボタンを見せる】
【当然のようにカバーや安全装置はついておらず、うっかり圧力をかけるだけでも押してしまいそうだ】

『ええ、あ、ちょっと良いですか――』

【解毒――そう、彼女は状態異常解除の術を使える。今ここで試そうじゃあないか、魔翌力がヘケメトを包む】

『駄目みたいですね……私の状態異常解除の術で解毒できないとなると』
『成分か仕組みが必要になります。といっても、私も科学には明るくないので別の方を頼ることになりますが』
『ただ……仕組み次第ではヘケメト自身が解除できる可能性もありますね』

「おっしゃ、俺はヘケメトだ! で、こっちがアウ。アウ・ダァコル」
『ほぼほぼ名乗ってましたけどね。……曹長さんでしたか、心強いです』

「なるほど、つまりあんたは上司を探したい、俺たちは解毒の鍵を探したい、そんな感じだからってことか!」
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 21:24:31.90 ID:Bky38biv0
>>433
【なるほど、暴走して手に負えなくなった男性を強制的に、外部から止める手段】
【アウが実際のストッパーのスイッチを見せる】
【何とも、ふとした瞬間に押したくなる形状だ】

【やがて、解除の術式が、魔翌力が男性を覆う】
【だが……】

「やっぱり、薬本体か、直接の解毒剤が必要、みたいですね」

【やはり、と言うべきか、一般的なヒーリング等で解除は難しい様だ】

「へケメトさん、アウさんですね!よろしくお願いします」
「はい、概ねは、最も中尉の事なので大丈夫だとは思うのですが……」
「本国の命令で、情報も欲しいのです、そのあの街に関する色々な……」

【上官の事も心配だが、街の情報も欲しい】
【こういった事情の様だ】
【無論、へケメトの件で知る事となった、その『注射』の存在も】

「これ、連絡先です、もし、行くときは声をかけて下さい」

【アウに自分の携帯端末を取り出して渡す】
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 21:33:49.56 ID:UQwemxId0
>>434

「じゃあ次は俺が試すぜ!」 「気ィィィ合のォー……状態異常吹っ飛ばしッ!!」

【暑苦しいエネルギーが彼を包み込み……発散!】 【しかし なにもおこらなかった】
【辺りにエネルギーは散っているものの、当たったところでちょっと暑苦しい程度なのでセーフなのだろう】

『……ですね、私もヘケメトが攻撃を行えない状況は不便ですし、早く見つけたいところです』

「へェー、確かにあの場所なんかアレだもんなァー、事故ってもニコニコを絶やさねェーのはちょっと引いたぜ」

【渡された携帯端末、それを受け取る彼女。その前に、ヘケメトストッパーをポケットにしまって】
【……特に会話はしていないが、ヘケメトが紙とペンを取り出してきた。アウは彼の持つ紙に、ペンを使って連絡先を書き込む――見慣れぬ文字で補足情報も書いて】
【それを終えれば、携帯端末を相手に返却するだろう】

『……私たちは携帯端末持っていないのですよね』
『公衆電話は利用できますが――もしこちら側に何か伝えたい事がありましたら』
『拠点等を教えていただければ、不定期的に訪れますけれども』
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 21:47:07.77 ID:Bky38biv0
>>435

「うわッ!?あ、熱い!?」

【妙に暑苦しいエネルギーだった、これも魔翌力の一種だろうか】
【エネルギーの一部にぶつかりはしたが、妙に熱い、というか暑苦しい】

「魔翌力、能力は使えませんからねー、へケメトさんもこの状態ですし」

【一応こちらには銃火器と多少の格闘の心得はあるが、それも何処まであてになるか】
【へケメト程の戦力が抑え込まれたのだから】

「純粋に忍び込んで、としか手段は無いんですかね……今の所」

【やがて、携帯端末が返される】
【だが、彼らは端末や連絡手段を持ち合わせていないと言う】

「ええーっと、本当ならかなり機密的なんですが……」

【再び携帯端末に、地図、住所、マンションと部屋番号を表示させる】

「ここが私の家です」
「となりの部屋が中尉の、すぐ下は軍医の部屋です」

【諜報員と言う職務柄、機密な情報だが、提示した】
【少なくともこの二人は、それを悪用する人間には見えない】
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 22:00:34.17 ID:UQwemxId0
>>436

「あ、散った気合のエネルギーはセーフなのか! まァ、攻撃翌用途だとアウトだろォーけどなァ」

『ですね、外で強化技を大量付与した状態で入っても大丈夫でしたら多少は状況が改善するかもしれませんが』
『魔翌力を使うのが危険となると、私はそれこそヘケメトの監視役しかできませんね』
『一応、火器でしたら多少の心得もありますけれど……』

【――心得はあるが、実際に使用したことは殆ど無い】
【基本的に裏に回ってヘケメトを支援するポジションなのだ、それにヘイトを集めれば貧弱な自分が直接攻撃を受けやすくなる】

「アウと考えてたんだけどよォー、この注射凄いから他の人にも使いたいって言えば」
「それかこの注射ってどういう仕組みで悪いことできなくしてるのかって聞けばモノか情報渡してくれねェーかなァーって」
『まあ、ダメ元の作戦ですが……やはり、こっそり倉庫から盗むのがベターになりそうですかね』

【忍び込むのには色々と不向きである彼は、逆に相手を褒めて色々提供してもらう作戦を考えたのだろう】
【(説得方面も不向きそうに見えるのは置いておいて)】

「おー、センキュー」 『少々お待ちください…………終わりました。ありがとうございます』

【掲示された情報を先程の紙の裏側に記載していく。急ぎ足だが、わりと正確だ】
438 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/05(木) 22:02:03.25 ID:fXg7wiSf0
>>394

【瘴気、と言い換えても良いかもしれない。濃く、そして独特の魔翌力の気配が周囲に漂い始める。】
【闇夜、墓地、月、散桜。どれも"魔族"の血を引く彼には追い風となる。相手が美少女である事を、除けばだが。】
【離れる仕草一つをとっても淫らで男を惹きつける。血が上ってくるのを感じる、視線が重なり、互いに互いを[ピーーー]レンジに立ち】


――――馬鹿言え。暗い歌も悪い夢も、どっちもきっちり終わりがある。
男と女が殺し合って、それでいい幕引きになんてなるもんか。……なあ。そうだろ、カレン……。


【かつて、最後の最後まで命を奪い合い、そして目の前で散らした一人の女性を思い、キングは目を伏せる。】
【授かったUSP.45は今でもキングが大事に所有している。それはそれで、一つの幕引きだったかもしれない。だが、それでも。】
【魔人は目の前の少女を"美しい幕引き"とやらの為、生贄に捧げるつもりなど毛頭なかった。そんな美麗さなど伊達男には相応しくない、絶対に。】


いいや。オレが好きなのは破滅を慰め合うボニー&クライドの世界観じゃあねえ。
"俺達に明日はない"なんて、そんなセリフを吐いてキマるほどオレは人生にも世界にも絶望しちゃいないんだ。

―――残念だが、ガールフレンドが世界の"体現者"でね。もう数年会えちゃいねえが、今でもずっと、ずっと愛してるんだ。
アイツが地に根っ子張って踏ん張って、皆が生きられる場所を必死に守ろうとしてるのに―――恋人のオレが。退廃的になんて、なれないだろ?


【此処で道を違える。此処までずっと、重なってきた二人のレールは恐らく、重なることが出来なくなってきていた。】
【合わせようとすれば、可能かもしれない。だがもうそれすら許されない程の暗黒と、肥大化した暴虐の渦が彼女の影から顔を覗かせていた。】
【その口から語られる真実は忘却と再生、破壊と収束、そして生と死の全てを綯交ぜにした絶望的なシナリオ。キングは口を紡ぐ。女性が傷つくのは、許せないからだ】


―――最後だから、な。ありがとう、語ってくれて。

(……セリーナ。どうやら……こいつは避けようがねえ。お前と彼女は―――"彼女"の処遇を巡り、ぶつかるぞ。)



【待ち構える未来を想像し、男は眼を閉じ頭を振った。だが、直ぐにカチューシャへと向き直り、そして。――――近づいて、行く。】


……なんて事だろうな。キミはただの成れの果てじゃない。記憶を損なわれた残滓でも、洗脳されたモンスターでも、ない。
キミはキミとして、キミを持って産まれ出でた存在。命と魂と、そして人生とを背負った、生きる存在――――――ただ一人の、素敵な女性。

参ったぜ、これじゃオレはもちろんの事。セリーナには地獄が待ってる。……なあ、何のことか分からねえだろうけどよ。
コイツはオレが、……世界を護る立場のオレと、破壊する立場のキミとが、最後に交す約束だ。頼む。頼むからカチューシャ―――……。

……テンガロン・ハットを被ったガンマンの小娘を見たら、――――どうか。どうか、優しくしてやってくれ。
そうしないと、……それは破滅より酷い未来を生む。良いな、覚えておいてくれ。――――お節介の"セリーナ"を、頼んだぜ。


【一歩、また一歩と近づき。ガン・ホルスターに指をかけ、"今まさに銃を引き抜く"というその瞬間に――――】


―――――――――――――次は、鉛でキスしよう。


【ぐっ、と身体を近づけ。今一度カチューシャの事を抱き寄せようとする。それが叶うなら彼は―――手向けに、最後の口づけを、するだろう。】
【内面を覗き込むためではない。洗脳するためでも、怖がらせる為でもない。ただ、ただ、親愛と悲哀との両方を込め――――――キス、するだろう。】
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/05(木) 22:15:17.42 ID:Bky38biv0
>>437

「うーん、どれも確実性が……」

【街の外での強化術や、補助術の大量付与】
【しかし、そのブーストが街に入った瞬間に反応し大量の敵に囲まれては元も子もない】
【相手を説得して、と言うがどうにも話の通じる相手にも見えない】
【となれば、自然と】

「潜入、が確実ですかね?」
「あ、火器でしたら幾つかあるので提供できますよ」

【と、こういう答えになる】
【最も薬さえ、上手く行けば解毒剤さえ手に入ればこちらのものだ、とも】
【そして】

「私の住所は、大丈夫そうですね」
「居ない時もありますが、その場合はポストにお手紙入れてくれればいいんで」
「また後日に、私の家で……」

【特に二人から何も無ければ、このまま去って行くだろう】
【奇しくも、奇妙な縁で繋がれた二人と一人】
【この先に、どのような出来事が待ち受けているのだろうか?】


//この辺りでしょうか?
//お疲れ様です!
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/05(木) 22:25:15.70 ID:UQwemxId0
>>439

『ですね、こっそり潜入するのが確実かもしれません。……ヘケメトは囮にしましょう、囮に』

【既に一度、ある意味で囮になった結果がこれである。……中々、鬼畜だ】

「まァー、攻撃が駄目ってわかったんだ! 攻撃以外の力仕事なら任せろ、囮も任せろ」

【その行動に悪意があれば、おそらくは駄目なのだろうが――】
【支援側に回る、文字通りの盾となる、この状態だってやれることはあるはず】
【(そして、もしもの時は……この身を削ってでも彼女を――)】

『ありがとうございます、後で試し打ちさせていただくかもしれません』

【彼女の筋力的に反動の強いもの・重量が結構あるものは避けるだろうか】

「わかったぜェー、あァーっと!」
「俺に飯を出したら冷蔵庫も備蓄も全部空になるから気をつけろよォーッ!!」

【――もしこの言葉を忘れて食料を見せてしまえば】
【食べ放題の店から次々と出禁をくらう程の恐ろしい食欲が、待っている。】

/お疲れ様でした!
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 22:32:16.27 ID:gqnb3iSqo
>>423
【男はその言葉を聞いて、少し伏し目がちに笑い、それに答える】

俺は…戦いなんて好きじゃないんだ。

【容疑者であるこの男がそんな言葉を吐くなんて、笑止といえるだろうが】
【その言葉に込められた感情にはリアリティがあった。まるで遠くを見つめているような】
【彼が常に抱えている諦観のようなものが見え隠れしている】

アンタのその言葉、俺は好きだ…俺も好きだ。俺は俺の生き方と、俺と同じように
自分の生き方がしたいやつを守りたい。
なら、今から話すことは聞いておいたほうがいい…

【「俺には銃だけだ」とつけたして】

さあ、どうする?いい場所知っているなら、任せる。
知らねえなら、車に乗ってくれ

【車のキーは空いている。男は助手席を指さした。】

/大変遅くなって、申し訳ないです
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/05(木) 22:41:03.71 ID:DtLyrPKso
>>441

【戦いが好きじゃない。妙な話だった。後ろでは今でもビルからは炎が燃え上がっているし】
【隠しきれない血の臭いがこの男からはしている。それぐらいは分かる。この人は戦う人間だ】
【つまりは”ズレ”だ。戦うのにそれは好きじゃないという。やりたくないことをやらなくちゃならないというズレ】

【なんだか面白い相手を見つけた。軍服の男はにやり、と】
【それまでとは違った意味を持つ笑みを浮かべた】

面白い人ですし……面白い話が聞けそうだ
話すのに適した場所も、知らないわけじゃありませんが
けど、貴方がどこに連れていってくれるか、興味があります
なので任せましょう

【そう言って男は自分に絡みつく鎖を解いて、巨大な棺桶を後部座席に載せる】
【それから勧められた通りに助手席に乗り込む。「安全運転でお願いしますよ」なんて冗談めかして言いながら】

//いえいえ、お気になさらず
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/05(木) 22:53:40.38 ID:idcx99tuo
>>429

【寂しげな憂いの表情。───映る横顔は、儚い百日紅に似た】
【思わずとくんと、心の奥底が揺れる、その頬に美しき花片を見た】
【自制する、このまま押し倒してしまいたいなんて、気持ち】


分かったの、そうね、とっても、とーっても哀しい道のり
それでも貴女は生きてる、それがね、私にはとても不思議で
同時にとても、素晴らしいことだと思うの

ありがとう、生きていてくれて、そのお陰で、私は貴方に会えたの
嬉しいわ、嬉しいの、それだけで十分かしら
ねぇ、そうでしょう───あら


【"そういえば名前、聞いてなかったの"と付け加えた】
【シーツをすっと身体に寄せて、ちょこんと三角座りをする】
【膝の上に軽く顎を載せて、貴方をじぃと見つめて】


人を殺すのって、楽しいのかしら


【───ふと、確信をつくような、言葉を紡いだ】
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 23:01:54.87 ID:VfGtvxrq0

>>377

【美味しそうなお魚と聞けばつがるの目はいっそうキラキラと輝き、じゅるり、と出そうになったよだれを慌てて飲み込む。フードに付いた猫耳もあいまってまるで本当に猫のようで】

【他に何かと聞かれればそれだけで大丈夫だよと答え、その後は何だか凄くワクワクしながら料理を待っている】

【そして鯛が焼き上がって持ってこられればまた目をキラキラさせて】

【見た事ないお魚だ……海のかな……とか、ふわぁぁ……干物じゃないやつだぁぁ……などと嬉しそうに呟いていたが生唾を飲み込むと箸を手に取り】

……いただきます!
【手を合わせて軽く会釈するように頭をぺこりと下げて櫻式の食事の挨拶。きちんと身を解して一片口に運ぶと】

美味しい……!
【片手を頬に添えへにゃ〜っと笑みを浮かべる】

【そして魚に舌鼓をうちながら聞くのはUTのリーダーの事。やれ採寸の為に脱がしておいて見るのは脱いだ服のサイズだったとかCM撮影の為にペラペラの布地の服を着せられたとか健全な男性が羨まけしからんと叫びたくなるようなあれだとか】

【……で、むちむち(ユウト談)、というのがUTメンバー二名に聞いた実際のリーダーの様子らしいが】

【何というか、大丈夫なのUTのリーダー……や、それで大丈夫なんだろうなきっと、というのがつがるの感想だった】

【だって、他の人に勧められる程の実績がある正義の組織だし、こうやってメンバーが話してくれる事だって突っ込みたくはなるものの別段悪い人って訳でもなさそうだし】

【まあ何だかんだで仲間達に愛されている人なんだろうなというのは感じられた】

【けれども店内が暑くないかと聞かれれば彼女はハッとして箸を止める】

【考えてみればそうだ。ずっとフードを被りっぱなしだった。暑くないだろうかと不審に思われるのもまあ当然の話で】

うん、別に大丈夫だよ
……やっぱり変かな?これ被ったままなの
【それでも何とか平静を保って答えるのだが少し声を抑えてこの状態だとやはり少しおかしいだろうかと尋ねる】

445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/05(木) 23:03:18.10 ID:idcx99tuo
>>438

【終末の美しさ、終わりの幕引き──それは全て、虚ろに散った陽炎のように】
【彼女は笑う、口元だけの小さな笑みでも、それは然りと分かるように】
【ねぇ、と言葉をかける。甘い甘い媚を孕んだ】


ふふ、素敵ね、素敵な王様。───どうしてそうやって、正気を保っていられるのかしら
いっそ狂えば楽なのに、数多の死を見て、数多の絶望があって、まだ足りないのかしら
フられちゃった、それは失望でも失意でも、あるけど


【言葉を一端止めた、キングの投げかける約束に】
【表情が固まる、降り続く雪に、終わりが満ちた】


"セリーナ"……ねぇ、どうしてかしら、私はその人を知らないの
影も形も知らないわ、でもね、でも、どうしても、どこからか
その人を知らなきゃいけないって、声がするの

ねぇ、キング、私は優しくなれるかしら、分からないわ、分からないの
優しくしたいわ、世界の全てに、でもどうしようも無く、傷つけたいの
だって知ってるから、痛みの後にしか本当の愛は無いって───

ねぇ、キング、教えてよ、どうしたら、私は優しくなれるのかなって
今度会ったら、優しくなれるかなって───


【言葉は途切れる、貴方の接吻に射止められて】
【何かを言おうとした、言の葉は積もって溢れ出そうな程に】
【それでもその先は無かった。全て深い夜に消えてしまったから】

【永遠の様な一瞬、ただその唇の、温もりだけが真実で】
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 23:12:05.40 ID:gqnb3iSqo
>>442
【戦いたくない。その言葉が本当ならその言葉と真逆の“匂い”はどういう意味か】
【その境遇にある彼はどう思うのか。まだ、かれは何も語らない】

【そもそもそんな言葉を鵜呑みにしていては…ここは生き残れない世界だろう】
【それでもその言葉に乗らないと手に入らない世界でもある】

野郎をのせるのは趣味じゃないが…まあ、いい。

【車はよくあるセダン。彼は運転席に乗り込んで、車を走らせる】
【目立たない車は“仕事用”なんだろう。車内はオール喫煙だ】
【ダッシュボードには新聞がのっている。一面はカミスシティの記事だ】

なあ、アンタはどう思う。一部の奴らが正義を騙っている。…正義について話したいわけじゃない。
嘘つきが、世界に、嘘を垂れ流して、真実に変えようとしている。
美しい国とやらが何でできているかわかるか?嘘と、金と、欲望と、血だ。

【男は車を走らせる。どこに行くのかは話さない。】
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/05(木) 23:13:21.27 ID:uc8x/WOw0
>>444

服のサイズだって、ひどいの、恥ずかしかったのに! ……お洋服ぴったりだけど。
テレビだって、いきなりで……、水着かぺらっぺらのメイド服みたいなのしかなくって……。
お風呂だって……、セリーナはいいかしんないけどっ、――――。

【むぐうっと拗ねたみたいな顔をする、服のサイズの時はひどかった、テレビの時もひどかった、お風呂の時もひどかった、って、いろいろ言っているなら】
【だけど結局こうして支給されている服はぴったりだし、テレビの時も一応は選ぶ権利くらいはあった。お風呂は――浴室の片隅でぷるぷる震えてた思い出しかない】
【全身バスタオルでぐるぐる巻きになって隠れていたかったのに、ばーん、どーん、ばばーんって感じで、もう、もう――なんて、思い出しぷるぷるして】

…………よかった、結構安いんだよ、それでちゃんとおいしいし――。
おいしいよね、お魚。わたしもね、よく食べるの、お肉も好きだけど……、……ううん、嫌いな食べ物って、あんまりないけど……。


【ころころと笑う、おいしいならばよかった。自分は焼いただけで、おいしいののほとんどが魚本人の努力……努力? おかげなのだけど】
【相手はどうやらお魚が好きらしいと思えばそんな風なお話、煮たのとか、焼いたのとか……だなんて、指折り数える、本当に好きだって分かるような顔】
【というよりも。言葉を聞くに多分食べるのが好きなタイプだ、好きこそものの……というやつだろうか、給仕だなんてやってる程度には――】

……――んーん、別に気にしないよ。つがるちゃんが"それ"がいいなら、そのままで大丈夫。

【――それで、笑う。笑うと言ってもころころ笑うようなのじゃなくって、頬杖の向こう側で、薄く笑ってみせるようなもの】
【本当に気にしていない――し、周りの客も、おそらくそうだろう。急ぎではないと言え仕事を依頼するのにここへ来た相手だ、どんな訳ありかは知らないけど】
【なんらかの事情があるのはきっと当然で――だから、気にしない。きっとここはそういう場所だし、彼女自身も――"そういう"性質であって】
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/05(木) 23:20:08.03 ID:DtLyrPKso
>>446

【車に乗り込む。景色が流れ始める。「開けますよ」と一言断ってから窓を少し開けて煙を逃す】
【灰皿なり何なりぐらいは、きっとあるだろう。灰を落として、それから新聞に視線を落とす】
【カミスシティ────知っている名前だ。反吐の出る街。きっと、普通とは違う理由で】

…………そんなものは、すぐにでも破綻するよ
この世界は、どうだろう、どうでしょうね
虚偽や欺瞞を許すけれど、それは確かに存在するけれど

それでも”そんなもの”は必ず消える、潰える
いや、必ず潰す……誰かが、あるいは僕らが
そういう風になっていると、僕は思っていますよ

【意外と、質問への答えには熱が入った。形式上の敬語さえ消えてしまうが】
【それはすぐに戻した。その上で男は、長続きなんかしはしないと】
【そう答える。そういったものは存在するが、一時的なものに過ぎない】

【そんなものが現れたとき、必ず抵抗して、対抗して、叩く人々が現れる】
【そうなっているのだ、と。この世界はそうなのではないかと、男は答えた】
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/05(木) 23:28:49.52 ID:vSo6iGDOo
>>443

「そう言ってもらえると──生きてた意味があるって実感できる」


【安心したような笑みを浮かべて、過去を語った甲斐があったと】
【そういえば、名前聞いてなかったの──と言われれば、素直に名前を言うだろう】


「マリー・ジャンヌ・メリッサ・ドーイ。よろしく、カチューシャ」


【彼女の名前はカチューシャだと、何度も耳にしていたから】
【自然にその名前が思い浮かんで、よろしくと挨拶を交わそうとする】


「人を殺すのが愉しいのは、唯のシリアルキラーだ」
「──まあ誰から見ても、私はそうなんだろうけど。言うなら悪性分子の排除、ってところかな」
「積極的に悪を排除すれば、世の中のためになる──なんて言って、癖が治せていない証拠なんだけどね」


【悪を滅ぼすため、なんて建前を作っても。癖が治っていないことは隠せない】
【要は殺人を愉しんでいる──所謂快楽殺人者であることに間違いはないのだ】
【でも、思春期の心の移りというのは無慈悲なものだ。こうなってしまったのも、今となってはどうしようもない】
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 23:46:19.23 ID:gqnb3iSqo
>>448
ああ、そうだ

【男は言葉を区切る。車内では空いた缶コーヒーの缶を灰皿代わりにしている。】
【備え付けた灰皿はとうの昔にいっぱいになっている。】

【それに吸い殻をねじ込んで、車は街を離れて大きめの国道に出る。】
【この時間は車も少なくて快適だ。等間隔に並べられたオレンジの光が流線型となりその道を示す。】

完全な嘘ならいい。だが、精巧な真実を見分けることのできるやつなんて少ない。
本当と嘘を織り交ぜながら都合の良い方に誘導する。混ぜ物の真実。それがこの正体さ。

それに、都合の悪い真実より、願った美しい嘘を人は信じたいもの。
だから…消えないんだ。奴らが風化してボロが出る10年も、50年も俺は
待っていられない。

【そろそろ、彼の話の意味、そして彼のしたことの意味が見えてくるだろう】
【流線形に、溶けた夜を車は一体となって駆け抜ける】

俺が変えるんだ。
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/05(木) 23:48:00.41 ID:idcx99tuo
>>449

【きょとん、と少し惚けた顔をしてみせる、長い睫毛がさらさらと濡れて】
【彼女は殆ど無意識に自分の名前を言っていた様子、驚きがそこにはあったけど】
【それでもどこか嬉しそうに、貴方の名前をなぞるだろう】


マリー、そう呼ばせてもらうの、愛しのマリー
可愛い名前なの、可憐な貴方にぴったりね、マリー
素敵よ、素敵なの、きっと愛されて付けられた名前だから

そうなのね、そう理由を付けるのは、悪い事じゃないと、思うの
でもね、でも───殺してしまったら、そこでおしまいなの
もしかしたらその相手がね、一杯の愛を、くれるかもしれないのに

だからね、私は殺すのは大切にするの、十分に愛さなきゃ、殺さないから
大好きで、大好きで、大好きな相手こそ、そこに適すると
なーんて、思っちゃったり、してるの


【それはさながら、水晶に浮かぶ僅かな歪み】
【微かについた傷は、大きな揺れを作り、やがて砕ける】
【殺戮を否定しないその姿は、ある種の不自然さを与えるかもしれないけど】


……ねぇ、マリー、カチューシャは少し眠たくなってきたの
もう起きてどこか行くの?それとももう少し、眠ってしまわない?
眠くなるまで何を話そうかしら、ふふ、睦言は得意よ、いくらでも


【彼女はベッドに横になる。そっと伸ばした両手を首筋に絡めて】
【淫らな肢体で絡めとるように、ベッドで添い遂げるが如く】
【貴方とともに、同じ寝床で思いを馳せようとする】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/05(木) 23:53:07.49 ID:VfGtvxrq0

>>447


【服の時はこうで、テレビの時はああで、と拗ねたように言う相手につがるは、本当にいたずら好きな人なんだなぁと苦笑する】

【そして過去の事を思い出してぷるぷるしている彼女に、じゃあ……とつがるは切り出す】

鈴音ちゃんは、セリーナさんの事、嫌い?
【どこか、「でも大事な人なんだよね?」というニュアンスを含みながら】

【そして話題が魚の事になれば少女はうんうん!と力強く頷いて】

私、お魚って好きなんだよね!あ、もちろんお肉もだけど……山鳥とかウサギとか……
でもやっぱり魚が一番かなー!生まれが山だから川魚位しか採れないし海の方のは干物くらいでしか食べた事ないけど
あ、でも山菜だってちゃんと食べられるし此方に来てからは食べられるもの増えたよ!鶏の卵とか……
【と、そこまで語ってから、何か喋りすぎちゃったね、と照れ笑いを浮かべる】

【──櫻の国の山育ちの少女。これだけ聞くと何というか依頼などとは縁遠い感じもするだろう。だが実際彼女は此処にいる訳で。つまり、そんな彼女が此処に来なければいけなくなった過去があるようで】

【そして"それ"でいいなら脱がなくても構わない、と微笑まれれば彼女は申し訳なさそうに笑って】

……もう少し"前"だったら多分こんなの着けて来なかったんだけどね
【などと口にする】

【もう少し前だったら、少し前と今で変わったもの──一つ、心当たりがあるだろう】




453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/06(金) 00:01:31.97 ID:Y6QfuEFso
>>450

【風切り音が車内を通る。煙を吸って、吐き出して。煙草の味は、話を聞くのにちょうどいい刺激になっていた】
【最近の、特区についての話は知っていた。周りにそれを話す人もいたから】
【それが欺瞞に塗れたものだということも、聞いていた。つまりは、そういう話だ】

…………どうしてですか?

【ぼんやりと。天井にぶつかる煙を眺めながら、男は聞いた】

そんな”くだらないもの”は必ず潰える。きっとそれが真実だ
けど、そうであっても、そしてだからこそ、貴方がやらなくちゃならない理由はないはずです
でも、やろうとしてる。それはどうしてですか?

……戦うの、嫌いなんでしょう?

【煙草の灰を缶の口に落として、それから男は笑った】
【その笑みは今までと違っていて、少し、嘲るようなものだ。さっきと言ってることが違わないか、と】
【それは探るためだった。きっとこの質問への答えが、一番重要な考えだろうから】

【嘘、誘導、権謀術数。真実を隠そうとしたって、そんなことはきっと無駄だ】
【誰かが必ずそれを暴く。世界はそうなってる。だったらその誰かは自分である必要はない】
【だから────そこが気になった。そんなことをやり始めるのはどうしてなのか、と】

【質問は、それでも、試すようなものだ。本当に自分でなくていい、なんて思ってはいない】
【理由があるのだろうというのも、思っている。問題はそれが何なのか、だ】

//すいません、そろそろ凍結いいですかね?
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/06(金) 00:06:58.11 ID:txDOVbgpo
>>453
/了解です!返しておきますのて
/自分明日7時にはいるかと思います
/今日のところはお疲れ様でした!
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/04/06(金) 00:13:54.28 ID:Y6QfuEFs0
>>454
//すいません、ありがとうございます
//お疲れ様でした、また明日!
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/06(金) 00:15:15.77 ID:0qJHEMP9o
>>451

「そう言ってもらえると嬉しいよ。両親が私に残した、唯一のものだから」
「──カチューシャは、愛した結果がそうなるんだろうね。愛するから、自分だけのものにしたい」
「でも私は、違ったんだ。愛なんか要らない、そんなものは人を惑わすって思ってたから」


【実際、彼女が拾ってくれなければ野垂れ死んでいたのかもしれない】
【それもそれで良かったのだ、一つの人生の終着点として其処に存在するだけなのだから】
【でも、彼女は助けた。何のためか、それはわからないけれども──】


「私に、帰る場所なんて無いさ。カチューシャ、貴女が居てもいいと言うなら」
「私は此処を“帰る場所”にしたい。嘗て私の家が、愛情に満ち溢れていたように──」


【もう起きてどこか行くの──、と言われても行く場所も特に無い】
【何より右肩はまだ痛みを訴えるし、それが引くまではろくに動けないだろう】
【だから、彼女ともう少し眠ることにした。また数時間、彼女と眠りをともにしたくて】


「ふふ、何を話そうかしら。私は何でもいいわ」


【彼女がベッドに横になれば、すぐ傍で女も横になるだろう】
【また身体を密着させて、官能的な、恍惚的な感情を覚える】
【同じ寝床で、また彼女と思いを馳せる。此れほど幸せなことが、あっただろうか────】
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/06(金) 00:17:05.41 ID:yy/pgwRx0
>>452

【――――、はた、と、表情が変わる。かといって明確に何とは到底言えないようなものだった、深く考え事の最中のような、逆に何も考えていないような】

嫌い……だったら、わたし、今居ないよ。

【含まれたニュアンスは、だけど無意味だ。特に少女みたいなのが相手であれば、より一層。嫌だったら――こんな場所には、すでに居ない】
【相手の言葉で自分の気持ちに気づいてほっかりと暖かな笑みを浮かべる――みたいなことは、なかった。ただぼうっとした表情、あるいは淡々とした、褪めたもの】
【ましてもうごまかせないほどに長く居続けてしまった。それで今更嫌いかって聞かれても。結局ここが好きであのひとのことだって好きで、やりたいことがある、としか言えない】

【ふっと視線が相手から逸れる。誰も居ないカウンターの向こうへ視線を向ける、頬杖をつくみたいにして、なら、相手が来る前の様子と似通う】
【考え事をしているような、何にも考えていないような、顔。不機嫌なような、だけど不機嫌ではないような。ただ確実に上機嫌ではない、どこか疲れているような――】

…………ああ、魔能制限法、かな。
大変――だよね、生まれたときからじゃあ、ないけど――ずっと持っている、ものだから。
今更そんな風に言われたって、困っちゃうの、――つがるちゃんも、何か?

ああ……――このお店の中ならね、大丈夫だと思うよ。賞金稼ぎのひととか……、所属しているひとだって、能力者のひと、多いだろうし。
セリーナは違うんだけど――、

【だからか。失礼にも彼女は相手の過ごした場所の話を聞き漏らしたようだった。一瞬遅れて――ただそちらは意識に引っ掛かってきたのか、言葉が返る】
【思いついたのは"それ"だった、それが正解かは知らないけれど――彼女自身能力者であるのだと言えば、ため息交じりに小さく笑う。困ったみたいに、少し迷惑なみたいに】
【それで――思い当たって尋ね返すのだ、そんなに目深に隠さねばならないような異能の持ち主だろうかと。もちろん言いたくなければ、無理にとは言わないし】
【フードを取れと強要するわけでもない。ただ――話をするのさえ憚られるというのであれば、この店内であれば平気だろう、とも、付け加える】

【――ついと少女は指先を机に押し当てて、ゆっくりと引く。まるで線を描くように――そして実際に指の通り道には桜色の魔力が記されていく、きらきらと光りながら】
【魔力の行使――それが確実な証拠ではないが、何かしらの心得があるのは、確かなようだった】

458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/06(金) 00:20:47.98 ID:NYNYCt2No
>>456

【悲しいと思ってしまう、その生き方は何処までも、刹那的で】
【だからこそ彼女は貴方を助けた、そこに確かな意味を探して】
【ねぇ、と声をかける──そこに貴方が居る事、その喜びを感じて】


嬉しいの、ねぇ、帰ってきてもいいの、貴女の帰りを待ってるの
たまには逆になるけど、ふふ、カチューシャが帰ってくるのを、待たせるの
そんな日々も幸せね、そうね、マリーと朝寝をしてみたいの

ねぇ、マリー、聞いてちょうだい


【照明を消す。暗くなった枕元でいつまでも言葉を交わす】
【いつしかぎゅっと、その身体を抱いて、温もりを確かめ合う】
【───そんな非日常も、あって良かった】


/こんな所でしょうか!お疲れ様です!
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/06(金) 00:21:29.55 ID:txDOVbgpo
>>453
【きっとそうだ。誰かがやらなくちゃならない】
【悪は滅びる。それは正義が討ち滅ぼしてくれる。ヒーローは突然やってくる。】
【だからそれでいいのか?俺には既にそんなことに迷いはない。】

それは…俺が探偵だからさ
探偵は真実を追い求める、真実を見つけるのは探偵の仕事と決まってるだろ?
…推理と閃きなんて方法じゃないがな

二丁のリボルバーと俺と…仲間の命で真実を手に入れるんだ

それにどんな手段でもほしいものを手に入れるってのは俺の性分でね。

【男は都会の海沿い、倉庫街の埠頭近くを走る。遠くにドックの灯りが煌めいて】

戦いたくないさ、でも、俺はそれができるんだ。なら、やれることをやる。それだけさ…
ヒーローが来るまで…ね
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/06(金) 00:37:10.05 ID:0qJHEMP9o
>>458

【帰ってきても良い、其の言葉の響きがとても美しく思えた】
【ようやく帰る場所を見つけることができた。放浪の十数年の末、ようやく】
【鳥が羽を休めるように、人も心を休める場所を要するのだと──荒れた心に、漸く恵みの雨が降り始めた】


「私も、貴女の帰りを待っているわ。貴女が帰ってくる限り、いつまでも」
「ふふ、何かしら──」


【照明が消え、暗くなった枕元で言葉を交わす】
【二人が安らかな寝息を立てるまで、それは楽しい時間を齎して】
【──非日常は、日常になるのだろう。安息の地は、見つかっただろうか】

/ ありがとうございました、また機会がありましたら!
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/06(金) 00:43:04.60 ID:+ahUK+DI0

>>457

【自分の言葉でふと表情を変えてしまう鈴音】

【嫌いなら今ここにはいない、そう言葉を紡いだ後ふとカウンターの方へと目を向ける彼女】

【あ、もしかして地雷だったのかな、と思案する。どうにもかける言葉が見つからなくて小さな声でうーとかあーとしか言えなくて】

【その中でようやく反応してくれた言葉を見つけてつがるは少し安心しながらも頷く】

……うん、それ
私も昔は母親に言われて隠してはいたんだけど此方に来て"そういう"人達もいるって知ったから隠さなくても良いんだって思ってたんだけど……

──びっくり、しないでね?
【そう言いながらフードにかけられた両手。するりとそれを外せば】

【その下から現れたのは月白色の肩まで伸ばした髪と、その頭から生えた髪と同じ色の猫の耳。どうやらフードの猫耳の所にはめ込むようにしまっていたみたいで】

【ついでとばかりに椅子を引いて立ち上がって少し横を向くようにすればその青いスカートの下からやはり月白色をした尻尾がのぞく】

……私ね、半妖……?っていうのかな?それなの
母親が化け猫の一種で……
【そういう声色に緊張感はなく、まるで何でもない秘密を話すようで】

【視界に映った桜色の魔力に「あ、綺麗」なんて呟く余裕すらあって】

【けれども相手の反応を伺うその様子には何故か奇妙な事に少しばかり諦観の雰囲気が漂っている】


462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/06(金) 00:59:15.41 ID:yy/pgwRx0
>>461

【だけど――それは相手には関係のないことだった、自分の都合だった。だからこんなふうな態度を取るのは、上手じゃない。でも――上手に、できなかったのは】
【いろいろな要因があったのだろう。だけど一番大きな割合を占めていたのはきっと疲れだなんて呼ばれるもので――喧嘩したのは本当。だけど】
【それで相手にこんな顔をするのは失格だった――少し遅れて彼女自身も気づいたのだろう。「わあ、あ、――その、ごめんね、」なんて、慌てた声が謝る】

そっか――――、……この間、正式に始まったんだって。テレビで見たよ、能力のないひとはみんなああいう場所で暮らしたいのかな。

【相手の肯定を受ければ、少女の顔はなんとも複雑なものになるだろう。ならば相手はやはり異能持ちなのだ、あるいは、それに準ずる何かであり】
【そのことが見て分かる――ということだろう、やがて相手がフードをすとんと落とせば、淡い色合いの髪……奇しくも彼女としては見慣れた色合いの頭髪に】
【そしてこれはあんまり見慣れていないもの。いや、見覚えはあるけれど――それがヒトガタの生き物の頭頂に、というのは、あんまり見慣れない。猫の――――】
【元から丸い目はそれでまたわずかに丸くなる。だけど特別驚いたようには見えないだろう、それからわずかに目を細めて】

……驚かないよ、大丈夫なの。化け猫とかは見たことがないし、よく、分からないけど。
わたしのご先祖様もね、蛇なんだよ。お母さんとか、お父さんとかじゃないけど――、八百年以上も前に生まれた、真っ白な蛇なの。
だからね、驚かないよ。わたしね――、蛇の子孫なんだよ。ご先祖様はね、真っ白な蛇の神様。今は、もう、すごい力なんて、持ってない蛇(ひと)だけど――。

【くすと小さく笑う、だけど馬鹿にしたものではなかった。続く言葉を聞けば分かるだろう、少しだけ――似通っていたからこその、表情だ】
【化け物は見たことがない――けれど「そんなの変だよ」って言ってしまうことは、彼女にはできない。なぜって、――自分だって、ヒトでないものの子孫だから】
【相手は直接の親であるからそうして血も色濃いのだろうけど――彼女にそうした様子はうかがえないけど。だけど自分は蛇の子だと名乗る、これも、当たり前に】
【――それでいてだれかれ言って回っていることでも、ない。相手がなんでもない秘密を話してくれたから、そのお返しだろう。なんでもない、秘密を、教えただけ】

すごいね、櫻から来たの? へびさまもね、櫻に棲んでいたんだよ、今もね、神社だったところが少しだけ残ってて……山の中なんだけど。
一回だけお参りしたことがあるの、――ここまで遠かったでしょう、船に乗ったの? わたしもね、船に乗って行ったんだよ――、
UTにね、お侍さんみたいな恰好をしたひとがいて。そのひとがね、いろいろ教えてくれたの、東風の滝……だった、かな、綺麗なところがあるよってこととか……。

【さっきのが地雷だったとすればこちらは何だろう、急に楽しげに見えるかもしれない、きれいに食いついて――もしかしたら、櫻の話を聞きたいのかもしれない】
【水の国で生まれたと言っていた――だけど話を聞く限り、源流は櫻にあるらしいのだ。そのくせろくに行ったことがない――とも窺えて、とかく、すごく興味がありそう】

/ごめんなさい、ここで凍結お願いします!
/明日は来られるの夜遅くなってしまうので、あれなようなら置きに移行していただけたらと……!
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/06(金) 01:03:54.14 ID:+ahUK+DI0
>>462
/了解です、では後で置きの方に返しておきますねー
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/06(金) 01:04:32.04 ID:yy/pgwRx0
>>463
/ありがとうございます、ではおつかれさまでしたっ
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/06(金) 18:10:54.72 ID:Y6QfuEFso
>>459

……なるほど
何となくですけど、分かりました。つまりは、貴方は”そういう人”なんだ
その欺瞞を晴らさなくてはならない。自分をそういうものだと決めている人
よくある言葉で言うなら、矜持ってやつですかね

【男の答えに、納得がいったように笑う。できるならばやる。それに躊躇うことのない人間】
【面白い相手だと思った。本当に。単に意思が強い、とも違う】
【諦観しながらも戦い続ける人間なんて、そう多くはないだろう】

自由や尊厳なんてのは、ガラじゃないと言いましたが
それでも僕にも……僕らにも僕らなりの正義ってものがある
だから……そろそろ聞かなきゃならない話ってやつを聞きましょう

【ハンドルを握る男が何なのか、朧げながらに見えた。なら、次の話だ】

//お返しいたしまする
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/06(金) 19:05:52.49 ID:U3krT8P80
【森】

「ワン、ツー、うゥーらッ! ボッ!」

【ヒノキの若木に対してパワーボム的な技を仕掛けていたのは……】
【ガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

「あ゙ぁー、ボコるならもっと動き回って色々してくる奴が良いのに゙ィー」
『解毒できるまでの辛抱です。それか、苦痛で怯まぬ身体になってしまうか……』
「後者はなんかガチで死にそうだから止めとくぜ」

【そんな男を見守っていたのは、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

【よく見ると、辺りに生えている木々……ヒノキ等がボッコボコにされていて】
【モノによっては完全にへし折れていたり、根っこから引き抜かれていたりしている】
【なお、この行為によって通常よりも多量の花粉が森の中に飛び回っている事は一応記述しておく】
467 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/06(金) 19:20:06.80 ID:HGrQPf7O0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 公園】

――――どういう事だよ、おい……
「……やはり、気になるんだ。アレが、ただの思い過ごしとは思えない……
 ――――何か、思い過ごしでは済まない何かが、動いている……そう思えてならないんだ……」
……確かに、そりゃそうなんだが……今のところ、何ともなぁ……

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年】

【屋台通りからほど近い公園に、2人の魔術師然とした格好をした男たちは、それぞれ手に軽食を携えて、ベンチに座っていた】
【偉丈夫の持つ紙コップからは、湯気と共に酒の匂いが立ち上り、青年の紙コップからはふんわりとしたココアの香り】
【そして、それぞれに焼き串とサンドイッチをそばに携えていた】

「……君にとっても、無関心ではいられない話なんじゃないか? もしも……懸念する所が一緒なら」
まぁ、な……もしそれが本当なら、許せねぇ話だ……俺にとっても、黙って見ていれるもんじゃねぇよ。最悪、殺してでも止めてやる……
けどよぉ……今の所じゃ、なんとも――――おい、気を付けろ!

【話し込む居丈夫と青年のそばに、酔っぱらいの一団がフラフラと近づき、そのうちの1人がもたついてすぐそばに転んでしまう】
【偉丈夫は慌ててコップを引っ込めながら、酔っぱらいに軽い怒号を飛ばした――――屋台通りが近いゆえに、こういう事はよくあるのだろう】



【――――所変わって、水の国 公園】

ま、こんなもんですかねぇ? 久々ながらに、それほど勘は鈍ってなかったようで、一安心ですかねぇ?
いざという時の為に、必要な事ですし、その時に「使えませんでした」じゃ、話になりませんもんねぇ?

【切れ長で涼しさを感じさせる瞳が、艶のある短い黒髪の中で映える顔立ちの】
【医療従事者用と思しき白衣を着こみ、ポケットからはステンレス製の細長い箱が覗いている】
【頭に、白いつば広の帽子を被っている、身長160p前後の女性が】
【人気のない公園の中ほどで仁王立ちになり、両手を軽く広げながら空を仰いでいる】
【――――暗がりで分かりにくいが、足元の土が、所々焼け焦げた様に黒くなっていた】

……さて、明日も明日でお仕事ですし、そろそろお暇しましょうか。帰りに飲み物買っていきたいですし?

【吐く息は、もう寒い時期でもないのに白く、その体が結構な熱を帯びていた事を思わせる】
【とは言え、女性はもうこの場での用事をやり終えたらしく、その足を出口へと向けて――――】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/06(金) 19:22:43.89 ID:APl+1qnjo
>>465
そうだとも言えるし、そうじゃないとも言える。俺も…複雑なんだ。
言葉にできるほど心は単純なもんじゃない。そうは思わないか?
…この真っ直ぐな道も、真っ直ぐなように見えて、ゆっくりとカーブしているかも
目をつぶっていたらもっとわからない。自分はまっすぐでも曲がっているかも

【ひた走っていた幹線道路を降りて、どこかの埠頭で車をとめた】
【人気のない倉庫とコンテナばかりの場所。きらめいた海の先にあるのは】
【どこかへ向かう大型船の明かり。男は車を降りるだろう】

挟持…いや、『愛』だ。そうだと思う。理由は俺もわからないけど
ただ言葉にするなら愛がいい。

【男は伸びをする。そしてまた煙草をふかす。先に灯る小さな火もここでは】
【とても明るく見える。】

あそこの建物、あの場所は、公安の連中が能力者を監視するための小屋だ。
あちこちにそういうクソッタレ共がいる。特区に限らずな。
黙ってりゃ、愛の意味も変わっちまう。それだけは嫌だね。

だから俺にできることをした。それだけさ…

…世界を愛で塗りつぶすのさ

【それから俺は散文的に話すだろう。黒幕や特区、機関の概要の話を】
【全てではないが、おおよそのあらすじは。にわかには信じられない話だろう】
【そして彼はどれでもない世界を望んでいることも】
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/06(金) 19:36:39.28 ID:Y6QfuEFso
>>468

【単純じゃないと語る。軍服の男は頷いた。確かにそうなのかもしれない】
【相手が車を降りたら、それに合わせてこっちも降りる。後部座席から棺桶を引っ張り出して】
【それを鎖で身体に巻きつける。慎重に、厳重に】

愛、ですか……そういうこと言うガラには見えなかったですけど
結構、かっこつけたこと言いますね、貴方

【愛。陳腐にも思える言葉に思わずくすりと笑ってしまう。それでもこの男が言うと様になるのが不思議だ】
【それから軍服の男は話に耳を傾けていた。時折は驚き、時折は既に知っているような反応をして】

【──────】
【────】
【──】

【聞き終えた頃には、手に持っていた煙草の灰は落ちきって、もう残ってはいなかった】
【それを指に挟んだまま手を振る。炎が一瞬燃え盛り、全部を灰にしてしまった】

断片的には聞き及んでいましたけど
随分と、貴方たちは面倒な話に首を突っ込んでいるんですね

【初めに出た感想はこれだった。陰謀に権力。話のスケールは中々のものだ】
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/06(金) 19:58:55.65 ID:APl+1qnjo
>>469
…失って、気づくもんさ。愛で傷つくこともある。愛のせいで憎しみ合ったり殺し合ったりもする。けど
それは純粋な…間違っちゃいないと…思うんだ。
誰かの作った平和で愛も忘れて生きるより。

かっこつけてなきゃ、意味がねえだろ?

【彼の言葉は、とても偏っていて。正しいとは言えない。そんな綺麗事よりも】
【平和のほうが命のほうが意味があるともそういうことも言える。だが、それを】
【言える自由は特区にあるだろうか。価値観は違ったとしてもこの男の意志】
【そういうものは気取った映画のセリフのような言い回しでも感じ取れるだろう】

【そして、男は話し終える。吸い殻の数がその時間とスケールの大きさを物語る】

さすがに…それは自覚してる。能力者とはいえ俺のチームはせいぜい10人がいいとこ。しかもまともの動けるやつはほとんどいない。いまは、時間を稼がなくちゃならないんだ。プランはあるんだが…先手先手をとられてる。…クソッタレ
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/06(金) 20:12:06.17 ID:Y6QfuEFso
>>470

【「プラン、ですか」と男は繰り返す。これだけの相手と戦うのに、十人は確かに少なかった】
【夜空を見上げる。都市の中からじゃ星なんかほとんど見えやしない。あっても一つか、二つか】

それで、貴方としてはご要望が?
そんな話をわざわざしたんだ、やっぱり僕には協力してほしいところ、なんですかね?

【それは確認だった。今から殺し合いをする、なんていう展開は想定していない】
【だったら、味方がほしいところなんだろう。人数が少ないなんて話だってしていたぐらいだ】
【じゃらり、と身体を縛る鎖同士が擦れる音がした。巨大な棺桶が月光を浴びていた】
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/06(金) 20:46:54.06 ID:APl+1qnjo
>>471
【それを聞いた男は笑うだろう。あの笑い方じゃなくて、楽しげに】

…なに?おいおい、アンタが知りたがったから教えてやっただけじゃないか。
ここまでがアンタの問いに対する俺のアンサー。そういうことさ
どう感じたかはお前次第だ。そして、何をするかもアンタに任せる。

【煙草を、またふかしながら。遠くの海を男はながめていた。】
【海は好きだ。だが好きなのは夕暮れや日の出の太陽のかかった海】
【夜の海はなんだか…引きずり込まれそうだった。】
【これ以上、俺をどこに連れてくと言うんだろう】

なぜアンタに頼むんだ?確かに背負ったもんはデカそうだ。
たまたま、合えば一緒に戦うかもしれないし殺し合うことになるかもしれない。
だが、それは意志と運命に任されることさ

【男はきっかけを与えたに過ぎない。そこからどうするかは自分次第だ】
【これが男の勧誘の仕方。組織や目的ではなく。ATTITUDE/姿勢に】

もし、このバカみたいなゲームに首を突っ込んで運命が変わったのなら
また会うさ…俺らみたいなのはそういうもんだろ?

【運命に踊らされる存在。能力と引き換えに失ったのかおまけでついてきたのか】
【それも人それぞれだ。だが、どこかで繋がり合える。鎖のように】

こんなとこまで悪かったな…まあ、どこでもよかったんだ。

【送るよと、また車のドアを開けて乗り込むだろう】
473 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/06(金) 20:58:18.04 ID:lerqZP5u0
>>445

【火薬の匂いがした。鉄火場に立ち続けてどれ程の時を生きてきたのか、頭が眩むほどに。】
【死の匂いがした。纏う芳香は魂の削れた悪魔のそれ。相手の命を奪い、自らの命を繋ぐ。そんな、当たり前の世界。】
【そして、人間の匂いがした。悲しく、寂しく、儚く、それでいて美しい人間の香り。唇を離したキングは、じっ、とカチューシャを見つめた。】


―――"正気を保っている"。そう思い込む様になったら、そいつはもう狂ってる。
―――"オレは狂っている"。そう思い込む様になったら、そいつはもう病んでる。

コツはな、ハニー。"何も考えない"事さ。狂ってても狂ってなくても、考え過ぎねえことさ。
そうやってオレは生きてきた。どっちでもいいのさ、そんなことは。ただ……愛する人が居れば、それでな。


……そりゃあ、そうさ。知らなきゃいけないし、"知っていなきゃいけない"んだ。
何もかもを信じられなくなたら、自分の心に従うしかねえ。そんな時、一番に心を揺さぶるのは何か―――、

それが"愛"さ。……なあ、カチューシャ。キミはかつて、"誰を愛して"いたんだ。
それを思い出せれば、きっと―――優しくなれる。大丈夫さ、傷つけても傷ついてもいい。その先に、確かに揺るがねえ"何か"ってのは転がってる。


オレも散々傷ついてきた。傷つけてきた。そうして心から愛せる女を見つけたんだ。
それと変わらねえよ、何も難しく考える必要はねえ―――キミも、そして"アイツ"も。心に従えば、それでいい。


忘れんなよ。傷つけたきゃいつでも来い。オレが遊んでやる。忘れんなよ。癒してほしけりゃ―――"アイツ"がいる。
……じゃあな。また会おうぜ、そん時は―――もっと濃い夜を。


【ふっ、とソンの墓場に目をやる。祈る様に、縋る様に目を閉じ、唱え―――それから彼は去って行った。】
【停めてあったAGUSTA F4に跨り、エンジンに火を入れる。奏でる四気筒の美しい音色を響かせ、刹那、男は姿を消していた。】
【闇夜に浮かんだレッドのテールライトが、地平線の遥か彼方へ消えるころ、この二人の邂逅は一端の幕を閉じる。次なる予感を、残したまま。】

/こちらはこれで〆、とさせていただきます。有難う御座いました。
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/06(金) 20:59:04.55 ID:Y6QfuEFso
>>472

【「おや」と。その答えに、少しばかり驚いた様子を見せる。しかし言っていることは、確かにそのとおりだった】
【楽しげに笑うのに釣られて笑いが溢れる。そう、聞いたのはこっちだった】

そういえばそうでしたっけね。でも、それにしたって意外に思うもんですよ
だって、そうでしょう? 普通はそこまで教えやしない
計画があるってところまで、貴方は話したんだ。協力をせがまれると普通は思う

【そう、普通はきっとそうだ。けどこの男はそうはしなかった】
【それでも、請うことをしないのは、印象としては”らしく”見えた】
【運命が導くのならばそうなる。なるほど、頷ける話だ】

運命が変われば、か……確かに、そのとおりだ
ではその運命とやらのために、貴方の名前を聞いておきましょう
僕はクリストファー・シェーンハウゼン。貴方は?

【今、やることと言ったらあとは名前を聞くぐらいだ】
【それが知れたら、車に乗って。街に戻れば別れる。協力するかどうかなんてのは口にはしない】
【あるいは運命が導くか、運命が持ち込めば、きっと再び会うことになるだろうから】


//こんなところでしょうか。お疲れ様です!
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/06(金) 21:35:08.18 ID:NfZ50LTs0
【水の国、河川船着き場付近の喫茶】

【河川による小型の遊覧船観光は、何処の国でも見られるものだが】
【ここ水の国でも、やはりと言うべきか、盛んとも言える】
【この船着き場付近の小洒落たカフェに、流れゆく川と小舟、人々を眺めながら】
【開放的なテラスの席を陣取り、悩まし気な顔を浮かべる少女が居た】

「色々、どうすれば……中尉……」

【この国の学校の物だろうか、セーラー服に通学カバンの、普通の女学生に見える】
【見た目も地味と言えば地味だが、平日の昼間に女子学生がこんな場所に居るだろうか?】
【川風が心地いい、春の日中】
【だが、平日と言う事もあってか店内に客は彼女のみ】
【誰かが来れば、さぞ目立つだろう】
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2018/04/06(金) 21:53:19.15 ID:zY1NGYVN0
>>475
【かつて、或る少女の言葉に従い訪れた国に、少年は再び足を運んでいた】
【脳裏に刻まれた風景の数々。一枚、一枚と蘇り、消えていく。陽に照らされ燦燦と輝く湖面、匂い立つ草花、静謐を抱く深い森】
【どれも、彼の内心に少々ならぬ影響を齎した物だ。いつでも、いつまでも思い出せる】

【今、彼が身を置いているのはそんな人の手が加えられていない景色の中ではない。しかし、こう言った場所も趣があって良い】
【モダンな雰囲気を醸し出す街並み。清流を行き交う舟を眺めながら、人々は日々の繁忙から解き放たれ、束の間の自由を謳歌する】
【休息を取る為に扉を潜った喫茶店。彼は店員の気遣いからか、人の少ないテラス席に案内された】

(レヴォルツィオーン……協力者探し……さて、どう連絡を取るか……携帯買うか?)

ん……?

【案内された席に腰を下ろし、懊悩とした表情で思考を巡らせる中、ちらと視界に人影が映った】
【見れば女学生らしき服装、こんな時間に何故喫茶店で茶を楽しんでいるのか。そして、不意に聞こえた中尉≠ニ言う言葉】
【記憶に間違いが無ければ、中尉は軍隊の階級を示す言葉だ。他に注意、中位などあるが、どうすればに続く台詞とは思えない】

少し、良いだろうか……? 君はどうしてこんな時間に、こんな所にいるんだ?

【ややくすんだ銀色の髪、細く鋭く整った顔立ち、榛色の瞳。白いシャツに黒いベスト、パンツとタイトな格好をした十代後半程の少年】
【問い掛けを不信と思っても構わない。何せこんな時間に、こんな所にいるのはお互いさまだからだ】
477 :特区 A [saga]:2018/04/06(金) 22:02:05.52 ID:H9hOEHXXo
>>339>>386

【「あっ、ちょっと──」】
【二人に向かってきていた職員が、急ぎ出す二人を見て駆け出す】

【ところがそこで、職員の前に立ち塞がるように、人混みからふとその場へ姿を現したものがあった】

【──女、であった】
【後ろ姿からでも分かる、モデルじみた流線型の肢体をタイトな漆黒のワンピースに包んでいる】
【黒髪を精緻に結い上げた白皙の彼女は、ちらりと彼らへ横顔を向ける】
【その寡黙さと大きなサングラスが、彼女の無機質さを一層際立たせた】

【──『レイ』というアンドロイドだ、と黒野カンナから通信が入るだろう】
【味方なので心配しなくていい、脱出を援護する、と】

【そう説明された『レイ』の両手には、二丁の拳銃──にしては質感が余りに安っぽい】
【見る者が見ればすぐに分かる。──『水鉄砲』が、握られていたのだった】


『遊びましょう、ダーリン』


【するとどこかの映画からそのまま引っ張ってきたような台詞と共に職員を見据え】
【またもやアクション映画の真似事じみて、腕を交差させる形で両の銃口を職員へ向ける】
【引き金を引く。炸薬の代わりに弾けて迸るのはただの水である、それが目元を精密に狙撃した】

【職員が短い悲鳴を上げて立ち止まれば、】
【『レイ』はそこへ無慈悲な追撃を加える】
【職員はブヨの群れにでも突っ込んでしまったかのごとく滅茶苦茶に腕や頭を振り乱していた】

(今のうちに──!)

【そうして出来た隙のうちに『センター』を出れば】
【二人の脳内へ、『正夢』による通信イメージが入るだろう】
【それは街の俯瞰図と、センターから街の外までの最短ルートが記されている】

【それに従い行けば、ものの数分で街から脱出できることが分かるはずだ】
【『センター』内にいたドローンは『レイ』が引きつけているのか、追ってくる様子はない】

【──が、そこで】


「おーい、君達。待ちなさーい」


【遠くから声が掛けられるだろう】
【目をやったなら、そこには一人の『警官』の姿がある】
【感情を欠いた極めて平坦な声。しかし間違いなく二人へ向けられたもの】

【警官は二人へ向けて真っ直ぐに歩行していたが、】
【段々と歩調が早まり、それはすぐに全力の疾走へと変化する】

【その身体駆動はどこか緻密に計算され尽くしていて、】
【さながらトラック競技のアスリートじみた流麗なフォームであった】

【しかしてその表情はぴくりとも動かぬ、無──】
【証明写真のごときその顔貌が、躍動する肉体に張り付いて二人へ一直線に迫り行く】

【先ほどの『レイ』の援護は期待できそうにない】
【幸いにして相手はまだ一人。二人のうちどちらかでも逃げ切れれば任務は成功と言えるが────】
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/06(金) 22:07:18.93 ID:NfZ50LTs0
>>476

「え、わ、私ですか!?」

【考え事に少しボーっとしていたせいか】
【不意の声掛けに、はっとして、その少年の方を見る】
【見れば、非常に整った容姿】
【線が細くも、気品がある】
【年齢は同じ位だろうか?】

「え、ええーっと、その、学校今日は、た、体調悪くて、早退で……ははは」

【かなり苦しい言い訳だ】
【苦しい所か無理がある、体調不良で早退した者が何故こんな所に居るのか】
【少年の容姿も相まってドギマギとしながら、こう答え】

「その、貴方は、今日は観光?それともご用事?」

【少年が彼女にしたのと、同じ質問を聞く】
【最も、少年があるいは観察眼が良ければ】
【彼女のカバン、付けられているマスコットは、間の抜けた顔をした白い犬が水兵服を着て両手に手旗を持っている】
【櫻国で人気の漫画のキャラクター『しろいぬ二等水兵』だが】
【水国の人間が持つには、些か不自然である事に気が付くだろうか?】
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/06(金) 22:13:05.96 ID:0qJHEMP9o
【カチリ、と撃鉄が起こされる音がした。無機質な金属音】
【へらへらと笑い、撃ってみろと嗤う女が居た。狂気的な感情】
【撃鉄を起こした銃を構え、額に汗を流す男が居た。迸る激情】

【二者二様、交錯する感情が其処には映し出されていた】
【片方は残した妻子を殺された兵士、片方はそれを殺す兵器を生み出した研究者】
【立場も、信条も違うこの二人。対立しない筈もなく、只々時間が止まったかのように】


「どうした、撃たないのかい?君が私を殺せば、懸賞金ももらえるじゃないか」
『黙れ、この人殺しが!貴様には同じ手を使わん、処刑場で貴様の顔を見てやる──ッ』


【軍属の男は、真面目な人間だった。決して軍規違反などしない、正義感が強い男だった】
【家族を殺した人間を前にしてもそれは曲げなかった。殺さず、処刑させると】
【──だが、眼前の女は違った。引鉄を引かないとわかれば、また口角を歪めて】


「はは、君のその正義感は素晴らしいよ。涙が出るほどだ」
「けれど────
        それを言う相手を間違えてたね──La lance du chaos」


【様々な絵の具をパレットでぐちゃぐちゃにしたような、そんな色味を帯びた槍】
【それが女の腕で形成されれば──眼前の男の腹に突き立てられた】
【男は咄嗟に引鉄を引こうと指に力を入れようとするが、それは叶わなかった】

【槍が秘めた魔力、その混沌の魔力は“魔力無き者を喰らう”】
【拳銃で武装した警衛兵を、能力者ではないとこの女は睨んでいたのだ】
【結果が、こうだった。男には容赦なき心が足りなかった。今更後悔しても、遅いのだけど】


「大罪人相手に容赦する方が悪いね。それで心臓を撃ち抜けば、一発だったのにさ」


【地面に悲しく墜ちた拳銃を、軽く一蹴り。カランカランと、金属らしからぬ音を立てて転がる】
【面白くも無かったと、少し不満気に路地裏から出ようとしていた】
【右胸には蛇を、襟には逆五芒星を。世に混沌を振りまく、その印を背負って──】
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/06(金) 22:17:54.53 ID:yLdXQbHn0
【街はずれの公園――】
【桜の木があった、どこか誇らしいように見えそうなくらい立派な枝をうんとうんと空へ伸ばした、立派な大木】
【そしてその立派な枝ぶりに違わぬ豪華さ、無限とも思えそうなほどにたくさんの花を咲かせて――それが、今、いっとうきれいに散り始めていた】

――――――、

【見上げれば満開の花、その中で少しだけ先進んだものが、ひらひらはらはらと落ちて来る。その景色の真ん中、佇む人影はあるいはよく目立ち】
【背は少し大きかったけれど、恰好や華奢さを見るに少女のように見えた。ふわふわとわずかな夜風に服の裾と髪先を揺らして、落ちて来るひとひらに、そっと手を――】

【――肩に触れる程度の黒髪。リボンを編み上げるようにして左右で結んだデザインのヘッドドレス、リボンの尾っぽは耳の少し下ほどまで垂れて】
【真っ白な肌に左右で色の違う瞳がよく目立った。左が黒で右が赤、顔自体はひどくあどけなく、ならば見た目は十六歳ほどに見え――】
【生成り色のワンピースに重ねるオーバースカート、胸元に縫いつけられた飾りのボタンとふわふわ広がる袖、布地を重ねられて膨らんだスカートが、よく目立ち】
【だからこそ華奢なのがひどくよく目立つ足元は素肌の白が透けるようなストッキングに編み上げのロングブーツ。靴も合わせれば、身長は百七十近くもあり】

……そっか、もうこんな時期なんだ、忙しいから……。
へびさまも一緒に来てもらえばよかっ――――、――……ああ、駄目なんだった。

【きゅう、と、少女は伸ばした手のひらを握りしめる。やや遅れてゆるく開けば、そこにはくちゃくちゃになってしまった桜の花びら、吐息で吹いて飛ばして】
【薄く笑って呟く――どこか嬉し気な表情は、だけれどすぐに消えてしまって。重たげな表情に変わる、それでも――呟く声音はひどく鈴の音色に似通う、涼やかで】

…………今日もUTで寝よう。

【はあと薄いため息――つぶやきながらも、まだ、少しこの場が惜しいよう。少女はもう一度見上げて見とれる、だけど】
【もし誰かが来るようなら――すぐに、その色違いの目線が向けられることになる、だろう。それ以外は――ひどく静かで、だけれどとても美しい、光景だった】
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/06(金) 22:19:45.61 ID:NfZ50LTs0
>>477>>386
「(レイ!?)」

【間一髪、あわやと言う状況で割って入るように救援の手が差し伸べられた】
【レイと言う無機質な女性、いや、アンドロイド】

「(すまない、助かったカンナ)」

【レイの水鉄砲が、職員に命中】
【攪乱に成功したのだ】
【やがて】

「(なるほど、これは助かる……ならばこの経路通りに)」
「ディミーア、行くぞ!」

【カンナの正確な街の経路図、後はこの通りに行けば脱出は可能】
【最悪、オートバイはあの場に捨て置いてもいい、と】
【ならば、とここでディミーアにも声をかける】
【口調はもはや、普段の通りに戻っていた】
【だが……】

「!!??」
「警察……マズイ……」

【ここで平坦な声の警察官がこちらを追って来る】
【これは、非常に拙い】
【咄嗟にディミーアにカバンを渡し】

「俺が囮になる、カンナにこれを渡してくれ!」
「何、直ぐにオートバイで俺も脱出する……」

【追ってくる、無駄のない動きのその警察官の足目がけ】
【タックルからの固め技を敢行する】
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2018/04/06(金) 22:23:10.98 ID:zY1NGYVN0
>>478
【突然声を掛けられ動転したのだろうか。少女の反応はやや慌てたものだ】
【余りにも突拍子のない質問だったろうか。彼は胸中で反省しながら、少女の返答を反芻する】
【体調が悪い。なので早退した。ここまでは至極真っ当な理由だ。しかし、ならば何故ここにいる】

【早退したのならば脇目も振らず帰宅すれば良い。そうしないと言うことは、早退が嘘か帰りたくない理由があるかだ】

そうか……それにしては、随分と元気なんだな

【極めて直球の皮肉。どちらかと言えば、遠回しな問いかけに近かった】

観光では……ないな。ただ旅をしていて赴いた
まぁ今は、用事があると言っても間違いじゃないが……

【セリーナ・ザ・キッドを救出する作戦。月末に迫ったその戦いの協力者を探すことが、現状の最優先事項だった】
【しかし、それを正直に話す訳にはいかない。何せ、彼のレヴォルツィオーンに関する事はその殆どが秘匿事項であるからだ】
【ちなみに、彼は漫画やサブカルチャーなどには極めて疎い存在だった。それ故に、彼女の着けたそれ≠気に留めた】

それ……何かの人形か? そう言うのが、最近の流行りなんだな

【何気ない質問。彼女の正体を知る手掛かりになるかは、相手の反応次第だろう】
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/06(金) 22:32:12.53 ID:P5903slQ0
>>479


――――いや全くだ、さっさと撃てば良かったのになァ。


       【ガァン、ガァン、ガァン―!=z

【男が取り落とし、女が一蹴りした拳銃はリボルバーだろうか】
【それともオートマチックだろうか。どちらにせよ、その弾丸は三発が宙を舞い】
【正確な狙いをもって、今しがた兵士を一人刺殺した女を射止めようとするだろう】

【動作に迷いなく、照準に狂いなし。けれどきっかり三発撃ったならば、銃声は止み】


……さて、死んだか?生憎と私は、射撃効果はしっかり観測する派なんだ。
いやいや、先日の射撃検定では綺麗に準特級を収めて…――んー。


【かつん、と路地の暗がりから姿を見せたその射手もまた、女だった】
【背は170cm半ばだろうか。黒髪を目元と耳が隠れない程度にバッサリと切り落とし】
【そのかわり、後ろ髪は腰に届くほど長く伸ばされている】

【衣服は――軍服。黒を基調とした外套姿はよく似合い】
【その一方、礼装とは異なった戦闘帽とコンバットブーツが性格を物語る】


【――撃った銃の用心金に指をかけて、撃つ気も無いというようにくるんと握把を離し】
【自分の射撃結果がどの様になったのかを見定めるように】
【路地裏に舞う埃が収まるのを、興味深そうに赤い瞳で見定めた】
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/06(金) 22:36:06.27 ID:NfZ50LTs0
>>482

「あ、あはは、そ、それが、治っちゃったみたいでー……その」

【これもまた、かなり怪しい発言になってしまった】
【どうにも、少年の顔を直視できないのは、少年の容姿と情報秘匿による気まずさとが相まった物だろう】
【少年の感想と観察眼は、至極真っ当と言えるだろう】

「そ、そうなんですか!?旅って……旅人さんですか?それに用事……どんな用事何ですか?」

【こちらも、この状況では、何となく】
【本当に何となくの疑問だった】
【少年の胸中も境遇も、この時点ではまだ解らなかった】
【やがて】

「はい!興味あるんですか!?」
「しろいぬ二等水兵です!『この国では』知ってる人、全然いなくて、でもでもー『櫻国』では人気なんですよ!!」

【とたん、弾けるような笑顔でそう答える】
【うっかりと、悟られる様な事も漏らしながら】
【この国ではマイナー極まる、このキャラクターに興味を示したのが嬉しかった様だ】
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2018/04/06(金) 22:52:19.47 ID:zY1NGYVN0
>>484
【怪訝な表情で少女を見据える。どうにも、隠し事のわかりやすい反応をしている】
【少女がここにいる理由は様々あるのだろう。だが、それを話したくないと言うならば、詮索は不要か】

治った……か。そんなこともあるんだろうな
旅をしているんだから、旅人だろうな。単純な、人探しをしている
足で探さなければいけない理由があるからこうしているんだが……正直、見つかるかはわからない

【そう、彼の旅は本来当ての無いもの。そこに目標を無理矢理押し込んでいるのだから、滞るのは当然のこと】
【苦虫を噛み潰した様な表情になりながら、彼は手を顎に添えた】

いや、少し気になっただけなんだが……
……この国では知っている人がいないのに、君はどこでそれを知ったんだ?

【見た所、彼女は学生だ。服装も、所有物も、あらゆる情報が彼女の存在を確定させている】
【だのに、彼女は全く異なる―――彼の故郷でもある―――櫻の国の物を手にしていた】
【それをどこで知ったのか。どこで手に入れたのか。疑問は尽きない】
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/04/06(金) 22:57:08.36 ID:0qJHEMP9o
>>483

【軽い音を立てて転がる拳銃――大口径のリボルバーが転がって】
【その先も視認せずに、路地の奥に背を向ける。鼻歌でも混じりそうな、軽い足取り】
【しかし、背後から掛けられた声でその足取りも止められることになる――】


「へえ、こんな路地裏に人がいたとはね    ――Bouclier de vide」


【三度鳴らされた銃声、それにも振り返ることなく】
【背の方に右手を回し、後方に向けて闇魔翌力を円状に展開する】
【大口径の弾丸は人体を容易く貫くだろうが、この盾には弾かれてしまって】


【路地裏に舞う埃が収まれば、風に揺れる紅髪があることだろう】
【羽織る白衣は何処も血に染まっておらず、自信ありげな眼差しが贈られる】
【口角を僅かに上げたしたり顔を向けて――女は其処に立っていた】


「やあ、いきなり撃ってきたものだから驚いたじゃないか」


【やれやれ、と言いたげに首を幾度か横に振って】
【また視線を彼女の方に戻す。一体此処まで何をしに来たのか、と言いたげな目線】
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/06(金) 23:01:55.20 ID:NfZ50LTs0
>>485
「人探し?誰を探しているんですか?」

【少年の言葉と相まって、それはとても幻想性を帯びていた】
【しかしながら、あまり上手くは行っていない様子だ】
【少年はとても歯痒い、そんな顔をしていた】

「人は誰も旅の途中です、急げば目的地には早く着けますが、その分見落とすものも多いです、焦るなら猶更、急かされるならもっと猶更」

【少年の様子に、慰めるような、そんな達観したことを言う】
【最も、年齢的にはあまり違いのない少女が言っても、説得力には欠けるだろう】

【そんな中……】

「あ……」

【しまった、と言う顔をした】
【少女の顔に途端に焦りが見える】
【そして、軍人としては最大限、犯してはならないミスをする】

「……ッ!?」

【焦りによる震えの為か】
【通学カバンを落としてしまう】
【中から文房具、ファイル式のノート、教科書に交じり】

「(!!??)」

【櫻国海軍の刻印入り拳銃と銃剣が、少年の足元に転がる】
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/06(金) 23:08:26.01 ID:P5903slQ0
>>486

【「んー。」という唸りとも悩みとも取れる声は程なく収まる】
【代わりに真っ白な歯列をむき出しにして、大きく獰猛な笑みを作ると】
【これは不要、と銃を捨てて。腰に手を当て、白衣の相手を見つめ】


こちらこそ驚いた、まさか全弾とも弾くとは。
……ふふ、やるなあ能力者!……いや、機関員、と呼んだほうがいいのか?

この場合は同輩殺しとも呼べるしな……んん、お前、名前は?
あるのなら早めに言っておいたほうが良いぞ、私は記憶力が良いからな!
例え悪人でも、その墓石に名を刻むくらいは許してやるとも。

……あ、名乗り遅れたが。うん、軍属だ。
お前が今殺した男、ここ最近素行が怪しいということで内偵をな。
しかし蓋を開けてみれば、不穏分子どころか哀れなカウンセリング対象だったわけだ


で、だ。……お前、軍隊というものの存在意義を知っているか、な…――ッ!!?


【赤髪を揺らし、綺麗な白衣を纏った機関員。彼女に向け話すこの軍属は】
【何処と無く先の男とは違った。――それは例えば、行動一つとってもそうなのだが】

【彼女は素手で、見た所腰にも何も下げていないにも関わらず】
【"突っ込んでくる"のだ――科学者風の女に向けて、一直線に】
【どう対処するかは自由、だが。黒革の手袋をはめたその拳は、意味深長に固く握られて】

【何の抵抗もなく"近付けてしまう"のならば、思い切り相手の顔面を殴りつけようとする、だろう】
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2018/04/06(金) 23:20:44.96 ID:zY1NGYVN0
>>487
【誰を探しているのか。それを一言の内に含ませるには多大な労力を要するだろう】
【何せ、連絡先を知らぬ複数人を同時に探しているのだ。更に、不確実性の高い見知らぬ協力者まで】
【良く言えば勤勉、悪く言えば無謀。少年が倦むのは当然だった】

誰かは……すまない。ここでは少し言えない。これは一種、仕事でもある
……随分と達観的な物言いをするんだな。だが、確かに急ぐことは悪手だ
急いては事を仕損じるとも言う。まずは……落ち着くべきか

【先程とはうって変わって、理知的な言葉を述べる少女に驚きを感じる】
【突然に冷静な指摘をされると人は驚愕するものだ。果たして、少女の真性はどちらだろうか】

どうしたんだ?

【言うが早いか少女の鞄が重力に従い落下し、仕舞い込まれた少女の私物の数々が割れた卵の如くぶちまけられる】
【大方は平凡な女学生の所有物だ。しかし、滑るように足元へとやって来たそれ≠ヘ、凡そ学生が持つ物ではなかった】

これは……銃と剣か……?
本物だな……何故こんな物を? 下手をすれば、犯罪者と間違われてもおかしくない物だが

【拳銃を拾い上げ、手に伝わる重量から本物であることを確かめる】
【年端もいかぬ少女が持つには分不相応な代物。これは鉄火場に身を置く者が握るべきであり、少女がそんな人種とは思えない】
【懐疑的な瞳で見つめる。その右手にはしっかりと拳銃が、持ち手を少女に向けて握られていた】
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/06(金) 23:29:46.52 ID:0qJHEMP9o
>>488

「ただの属性魔術さ。何の変哲もない、ね」
「軍属ならもう知っててもおかしくない――まあいい、“Crimson”だ」


【彼女の賞賛に、少しばかし口角を歪めてさも当然のような言葉を返す】
【彼女の服装がいかにも軍属に見えたから、知っていても可笑しくないと考えて】
【まあいいやとその思考を蹴っ飛ばせば、“彼女”に付けてもらったコードネームを名乗った】


「国軍はきちんとカウンセリングくらいしてやれ、私にぶつけられても困るからな」


【どうやらこの男、最近不穏な動きをよく見せていたらしい】
【自身への報復だと知っておきながら――口許を歪ませてこんなことを言うのだから】
【性根が曲がっているに違いあるまい。きっと、おかしい人間のはずで】


「――驚いた、武装をしない軍属も居るものだな。  Canon de tir」


【右手に正四面体の形状をした結晶を作り出せば、魔力を放る】
【カラン、と氷とグラスが奏でるようなクリアな音を響かせて】
【指を鳴らすかのように親指と人差指を合わせれば、現れたのは一本の裁縫針】

【表面に妖しげな赤と黄の電流を纏って、それは彼女の方へと投擲された】
【もし刺さったとすれば、刺さった箇所から痺れる程度の電流と熱が流れこむ】
【だがサイズがサイズであるし、その効果はほんの数秒だけ。投擲を終えれば数歩後ろに下がった】

【残存魔力 90/100】【属性魔力火5/水10/木10/雷5/闇10/聖10】
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/06(金) 23:33:09.53 ID:NfZ50LTs0
>>489
【随分と大変かつ無謀の人探しに、少年は少し疲弊しているのかも知れない】
【あるいは、その任務の重圧に】

「そうなんですね、それは……きっと私が詮索していい事では無いんですね……」

【少年の様子から、そこを詮索するのは止めようと】
【そう判断した、意外にもこの少年は武人然、侍然とした様子なのも一種少女に驚きを与えた】

【やがて】

「――ッ……」
「そ、その……」

【拳銃と銃剣は少年の手に】
【銃剣も砥がれ、刃が付けられている事から、十分に『実用品』である事が解る】
【また、銃も本物である事がバレている事から、いつもの様に嘘は通じない】
【もはやこれまでか、と少女は意を決し】

「返してください……銃も銃剣も、官給品ですから」

【姿を一変させた】
【白の詰襟に階級章、僅かな数の徽章】
【セーラー服とは打って変わった姿】

「櫻国魔導海軍曹長、陸戦隊諜報部所属、那須翔子です」
「犯罪者、と言うなら、この国では間違いなくスパイ防止法違反ですね……」
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/06(金) 23:49:57.85 ID:P5903slQ0
>>490


んん、まったくだ。最近はこういった隊員のケアも問題でな……
……とはいえ、お前を排除すれば次の問題の種は摘めそうだ。


【「ふふ――」ニヤリと笑う、肩の階級章がキラリと黄金に光った】
【その階級は、この国で表される"大尉"に相当するものであり】


【――真っ直ぐに突っ込んだ軍属の女は、放られた裁縫針を正面から受ける】
【ただし、拳で。黒革を纏った手にはパリッ、と小さな電流の流れる音がして】
【僅かばかり動きが止まる。けれど、それは本当に『僅か』であって――数秒、ではなく】


“Crimson”と言ったな。うん、覚えたぞ、よぉく覚えた。
では私も名乗ろう!"アヤ"だ!アヤ・R・ナイトリー≠ェ私の名だ、“Crimson”―ッ!!


【数瞬、停まったかに見えた動きが再びの踏み込みで一挙に動き出す】
【戦闘帽のツバに隠れた口元は尚も変わらぬ笑みであり、噛み締めた歯が裁縫針の効果を示していた】
【だが、なぜかその効果は薄く――数歩下がった科学者を追うように、大股に数歩】
【一挙に詰めた距離で、正拳一撃。真正面から、その腹部めがけて拳を見舞おうとする】

【――"バチバチ"という音が、その両拳からは聞こえていた】
【黒革の手袋だけがその正体を覆い隠していたが、恐らく"能力"なのだろう】
【尚、正拳突きを外した場合は――アヤもまた身軽に飛び退り、互いに距離を取ることになる、はずで】
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2018/04/06(金) 23:54:49.86 ID:zY1NGYVN0
>>491
【少女の剣幕に、やはり本性は此方側かと確信する。いや、先程の抜けた反応も少女本来の物だろう】
【だが、それだけでは無いのだ。本質と本性は別のもの。嘘偽りの無い二種類の性格を持っていてもおかしくはない】

返せ、と言われておいそれと返す訳にはいかない
これは武器だ。それも、人を殺めることの出来る強力な武器だ。だから……

【官給品と言ったことから、恐らく少女は鉄火場に身を置く人種なのだろう。組織に属し、命を受け遂行する実働部隊】
【少女が軍に所属している理由は到底理解しえないが、一つ言えることは少女がこれを扱うに値する存在と言うこと】

だから、ひとまずこれは君に返す。だが、なるべく人に触れられない所に持つべきだ
誰かに取られ、悪用されたとすれば最悪の事態を呼ぶ。鞄よりも、常に身に着けておくべきだと俺は思う

【拳銃を少女のテーブルに静かに置く。ごとりと鈍い音を立て、鋼鉄の銃身が横になる】
【少女の姿をまじまじと見つめる。どうにも納得がいかないが、自身の故郷は誰彼構わず軍隊に登用する様な国だったろうか】

通報は……同郷の好もある。悪意も無いようだから止めておこう
ただ、うっかり銃を落とすなんて真似はしない方が良い。これだけは言っておきたい

【彼の瞳は少々呆れた様な、珍しい物を見る様な、如何とも言い難いものだった】
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/07(土) 00:03:30.96 ID:Awkatb7c0
>>493
【拳銃を、銃剣を受け取る】
【少年の指摘も感覚も、極めて真っ当な物だ】

「ご協力感謝します」
「そうですね、ただ弾帯を付けているならまだしも、あの制服だと隠せる場所が無いんですよー」
「良かった、すんなり返してもらえなかったら、どうしようかと思っちゃいました」

【ここで笑顔を見せながら】
【しかし、ある一抹の疑問が浮上して来る】
【慣れ過ぎているのだ、銃や武器を見慣れている】
【一般人とは言い難い、そんな反応を見せる少年だった】

「うーん、同郷と言う事は貴方も、櫻国の?」

【先ず少年は同郷と言った、と言う事は櫻国の人間だろう】
【そしてここで、疑問をぶつけてみる】

「所で、貴方はどちらの『所属』ですか?見ると銃や武器は見慣れているみたいですね」
「でも軍人さんではない、ですね……民間組織ですか?」

【先ほどの抜けている調子とは変わらない】
【しかし、疑問は鋭く】
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2018/04/07(土) 00:21:17.25 ID:ND4UDW2O0
>>494
【拳銃を机に置くと、すんなりと彼は自身の席へと戻り腰を下ろす】
【幸い店員には気付かれていない。もし気付かれていたのなら、即座に通報されて面倒なことになっていただろう】

制服に隠せる場所を作れば良いんじゃないか……?

【胸の裏にポケットを作るだとか、やりようによっては制服にも隠せる。スカートの裏とか】
【スパイ小説に出てくる敏腕エージェントらしくて良いのではないだろうか。常に身に着けるなら最適だ】

あぁ、俺も櫻の国の生まれだ。正真正銘、櫻生まれの櫻育ちだ
所属……? いや、俺はどこにも所属していない。ただの民間人だ。でなければ旅人などできないさ

【平然と銃を持ってはいるが、彼は銃を手にするのは初めての経験だった。目にしたことはあるが、あれはかなり古めかしい物だ】
【では何故武器に対して恐怖心を抱かないのか。否、恐怖心はある。だが、それを上手くコントロールし、道具として扱っているのか】

あぁ……俺は鳴神 義勇と言う。櫻の国の鳴神家の出だ。剣術道場をやっているから剣術は昔から仕込まれている
まぁ、今は少し事情があるが……

【余り口にしたくはなかった実家のことで説明する。彼の実家は櫻の国に多数存在する名家の内の一つであった】
【鳴神一刀流。知っていても知らなくてもおかしくはない。その程度の一族だ】
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/07(土) 00:22:15.15 ID:3tTAz2IAo
>>492

【皮肉めいたことを言われても、歪んだ口許は変わらずに】
【彼女の肩辺りがキラリと光る、よく見れば階級章らしく】
【本数も多いし結構お偉方のようである。こんなことまで来るとは珍しいと思いつつ】

【裁縫針が彼女の拳に突き刺さる。もともと効果は抑止程度にしか考えていなかったが】
【それすらも期待できない。刹那的に動きが止まったが、その間にできることもない】
【次に何をどうするか、というところだが。彼女の得物はおそらくその拳だ】


「アヤ≠ゥ……、私もよく覚えておこう。こんなところまで出向く、お偉方って……ねッ!!」


【彼女の身体は動く。ほう、やはり裁縫針の効果は薄いか】
【真正面から、大股で迫ってくる。その拳を、此方に振りぬくつもりなのだろう】
【虚無を、絡みつかせるしかないか。そう決め込んで、右手に魔力を収束――発動】


「――Conflit de conflit   ッ!!」


【魔術を唱えれば、足元に魔法陣が展開される】
【人一人程度の大きさのそれは、彼女が乗れば発動するようになっている】
【足元の虚無魔力が鳥もちのように絡まる。近接戦闘にできるだけ持ち込みたくはないが】

【彼女の拳のほうが、少し早かった。魔法陣の展開後、即座に防御に回る】
【Baron du diable――と小声で呟けば、腹に組まれた腕の前に障壁が現れる】
【殴りつければ凍傷を負うかもしれない氷魔力を張った、魔術シールド】

【しかし、詠唱時間が短かったためにそれも不完全】
【シールドを破って突き刺さってきた拳は、組まれた腕に襲いかかる】
【上に重ねた右腕に直撃し、鋭い痛みが刺さる。そういえば、“バチバチ”という音が聞こえた気も――――】

【残存魔力 90/100】【火10/水2/木10/雷5/闇0/聖10】
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/07(土) 00:31:18.88 ID:Awkatb7c0
>>495

「ええーっと、その、制服は……ちょっと、その……」

【彼女の学校の制服はセーラー服】
【つまりは、それとスカートのみの構成であり、銃器を取り出そうと思ったらスカートならば捲り上げ、制服ならば胸部を包む下着を露出し、となってしまい】
【それを想像した少女は、顔を赤くして黙り込んでしまう】

「そうだったんですか?戦い慣れした旅人さん?」
「不思議な感じはしますが、旅人さんって悪くないですね……私も本国の命令や機関や黒幕、円卓、果てはレヴォルツィオーンの事がなければ、旅にも出たいんですがね〜」

【少し遠い目をしながら、そんな事を言う】
【あくまで、普通の旅人であるならば、何の事は無い愚痴なのだろうが……】

「鳴神……もしかして鳴神一刀流の?」

【櫻国に名を効かせる名家の内の一つ】
【なればこそ、陸軍家系の彼女は良くその武名の誉れを知っていた】
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2018/04/07(土) 00:43:31.73 ID:ND4UDW2O0
>>497
【頬を赤らめる少女の胸中を察することは叶わない。こう言う所は男女の意識の差と言うものだろう】
【仕方ないと割り切ってしまえばそこまでだが、それは思考停止に近い。よって、彼は二秒程の思考の後、軽く頭を下げる】

気を悪くしたのなら申し訳ない。軽率な発言だった
あぁ、その鳴神一刀流であっている。まぁ……そこの一族の生まれだ

【機関、黒幕、円卓―――レヴォルツィオーン。少女は確かにそう言った。あの忌々しく、そして避けては通れない伏魔殿の名を】
【確かに少女は口にしたのだ。瞬間、彼の目付きが変わる。それは獲物を捉えた狼の如く鋭いもの】

待った。今君は確かにレヴォルツィオーン≠ニ言ったな?
軍は奴らの所業を認知しているのか? その上で、何かしらの対抗策を取っているのか?
教えてくれ。君はレヴォルツィオーンを打倒する為に協力できる立場にあるのか?

【怒涛の質問攻め。堰を切ったように彼の口から言葉が流れ出ていく。その全てが、レヴォルツィオーンに対して敵意のあるもの】
【彼があの会社に対して良い印象を持っていないことは明白。であれば尋ね人と言うのは……】
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/07(土) 01:01:09.54 ID:esIPSobZ0
>>466

【普段、こんな夜更けに、いや夜更けでなくとも森には立ち入らない】
【人の生き死にを生業とするカイにとって、死体の処理をする以外ではこんな処に立ち入らない】
【そんな彼女が森の中に入っていったのは偏に仕事の後処理をする為であったのだが―――】

(ちっ…死体の後処理程アタイが面倒だと思うもんも無えな)

【胸中で愚痴を零しながら死体を処理していると、断続的に木の折れる音が聞こえた】
【折れた木が地面に落ちる音を聞いた。自分以外の人間が居る事に舌打ちしつつその音のする方へ足を運ぶ】

【その音は今しがた自分の居る場所からそう遠くは無い場所から聞こえていた】
【だからだろうか。その音のする原因に辿り着くまでそう時間は掛からなかった】

おいおい…人間業とは思えねえなあ
musclehead(脳筋)ココに極まれりってか、ケケッ

【ヒノキの若木にパワーボムを仕掛ける男を野次る様に軽口を叩きながら現れたのは】
【茶色の痛んだ長髪ときつめの目付き、筋肉質でスレンダーな体型が特徴的な女性だった】
【カイの纏うレインコートの様な服は返り血を浴びて赤黒く染められていた】

よう…肉達磨のニィちゃんに観客気取りの白いの。ロデオは楽しいかよ?
良くもまあこんなに見境無く倒して、ファンキーな野郎共だぜ…ククッ
こんなんじゃ花粉症にでもなっちまいそうだぜ。

【すたすたと男に歩み寄りながら周囲を見回し、口にするのは変わらず人を小馬鹿にした様な軽口】
【木を薙ぎ倒す程の力を持つ男の外見も含めての揶揄は、カイにとっての挨拶代わりであり】 
【同時にそれは、男性と白いローブの女性の癇に障る様な言葉であった】

//お待たせしました…いきなり遅れてしまい申し訳ございません…。
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/07(土) 01:02:23.73 ID:Awkatb7c0
>>498

「え、いやそういうわけじゃないです、ただ……その……」

【男女の意識差、恐らくは鳴神と名乗った少年の純朴さもあったのだろう】
【慌ててそう否定し】

「凄い!武門の名家ですよ!家も陸軍の家なので名前は何度も聞いてたんですが」
「でも、その家の人が、何でここに?旅人って事は家は?」

【鳴神からすれば、随分と嫌な質問に違いない】
【それは翔子からすれば、純粋な疑問だったに過ぎないのだが】
【やがて……】

「え!?ちょっと、鳴神君落ち着いて……」
「解った、えっと、その、順を追って話しますね」

【様子を一変させ、取り乱している様子の鳴神を慌てて諫めつつ、説明を始める】
【先ず何故、櫻国海軍の諜報部がこの国に入り込んだのか?】
【櫻国魔導海軍はカノッサ機関の台頭を快く危険視し、活動のある種中心的とも言える、ここ水の国に諜報員を派遣、その行動を監視することとした】
【その過程で自分と上官である中尉厳島命は、自警団と公安ゼロに正式に協力体制を築く】
【この国の暗部である、機関、公安、黒幕、円卓、政府との癒着の存在を知り、彼らと共に追う事となる】
【その過程で立ちふさがったのが、レヴォルツィオーンだと言う事】

「中尉も私も、そこのブランルって言う元凶の様な男と戦ったんですが……ボロボロにやられちゃいまして……」

【現状、上官厳島命はこの先の状況に対応すべく、UTとの協力体制を取り付けに風の国へ、代表セリーナあるいは幹部を訪ねて行ったが】
【会う事は叶わず、結果白神鈴音と言う少女に目的と要件、連絡先を伝え一時帰還、その後先だっての魔能制限法の特区カミス・シティへ赴いた】
【一方こちらは、レヴォルツィオーン社の赤木怜司と言う男性と接触、その情報を元にゾンビ兵の開発プラントに潜入するも】
【ブランルと戦闘、迎撃され施設の写真と、破壊筒(爆弾)を設置し撤退】

「これが私達の置かれている状況の全てですね、最も流れだけ掻い摘んで話しましたが……」
「結論から言えば、はい、その立場にあります……しかし先ずは鳴神さんの状況、つまりは何故、レヴォルツィオーンと戦わなければいけないのか?それを聞かせて頂けますか」
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/07(土) 01:12:47.01 ID:srOPTsRd0
>>499

『……まあ、人間と言うよりゴリラですしね』

【先に相手に気づいたらしい女性、軽く顔を向けながら、しかし男の挙動に巻き込まれないよう注意しつつ話す】
【――当然だが、種族としてのゴリラではなく、比喩的な意味でのそれだ】

「うおーッ! ヘケメティン! バスタァーッ!!」

【続けてヒノキに対して行われる攻撃は、垂直跳躍しながらのバックブリーカーだ】
【どしん。重々しい着地。さすがに耐えきれなくなったらしいヒノキ、べきぃと音を立ててへし折れる】
【髪の毛に付着した粉……ヒノキ花粉、それを頭部を振ることで辺りに撒き散らして】

「おォー、誰かは知らねェーが……まあまあ楽しいぜ!」
「本当は人間とか相手にやりてェーんだけどよォ、まァ色々あってできねェから!」

【脚部にみなぎる、暑苦しい生命……気合のエネルギー】
【思いっきり近くのヒノキに、その脚を用いたミドルキック。飛び散る樹皮、舞い上がる花粉】
【一部の人々にとっては、見ているだけで色々なところが痒くなりそうな光景だ】

「しかし、こんな場所に人が来るとは思わなかったぜ! ……狩りにでも来たのかァー?」

【ヒノキをボコボコにしつつ、顔も向けずに問いてきた。】
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2018/04/07(土) 01:30:08.51 ID:ND4UDW2O0
>>500
家は……事情がある。少なくとも、俺が旅をしていても問題は無い
それよりも……

【彼が家を捨て去り、旅をしている理由を彼の口から聞くのは難しいだろう。彼自身がそれを忌避しているのだから】
【そうして、少女の説明を淡々と聞き始める。一先ずは、相手の行動理念を確かめるのが先決だろう】

水の国の陰謀を暴く為に、一部の組織で協力体制を敷いている訳か……
ブランル……あの野郎と君達も戦ったのか。だろうな……あれは凡そ人間の領域に納まる存在じゃない
完全に消滅させるには、何か策が必要だろうな

【ブランル―――――その男は、以前セリーナ・ザ・キッドと共に本拠地へと潜入した際に戦闘した奴と相違ないだろう】
【奴は限りなく完璧に近い不死性を持ち、圧倒的な耐久力を以て敗北を突きつけてきた。そして、セリーナは―――――】

粗方理解した。鈴音……確か少し見たことがあった気がするな……
俺は今、レヴォルツィオーンに囚われたセリーナ・ザ・キッドを救う為に動いている。元はと言えば、奴らの研究所を発見したのは俺とセリーナだ
そして……同様に、ブランルと名乗る男に敗北した。俺はあの場所で起こったことを伝える為に脱出し、セリーナは残った

だからこそ、俺はもう一度行かなければならない。それが俺に出来るせめてもの戦いだ

【端的に、自らの理念を伝える。元はと言えば自分の呼び込んだ案件。であれば、最後まで戦い抜くのが責務と言う物だろう】
【彼の瞳は鋭く、そして真っ直ぐだった。それは研ぎ澄まされた刃のようであり、彼の覚悟の重さを表していた】

/申し訳ない……時間的にこの辺りで凍結でお願いします
/今日はありがとうございましたー!
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/07(土) 01:38:58.07 ID:Awkatb7c0
>>502
「はい、私も中尉も全く歯が立ちませんでした……その逃げるのがやっとで」

【成す術もなく撤退、銃器も能力も役には立たなかった】
【やがて、青年の説明】

「セリーナさんが!?と言う事は……あなたはUTの?」

【なるほど、それでは厳島が赴き、暫く滞在しても会えなかった】
【それは道理だ、敵の手に堕ちていては会えよう筈もない】
【そして、確かな意志と信念、瞳は真剣の刀のそれであり】
【少し間を置いて、その間に水の流れる音と、心地の良い江風】

「解りました、事情は把握しました」
「我々もUTとの、セリーナさんとの接点は欲する所です、何より、あの企業は打倒しなくてはいけない……」

【この国にとっても、あるいは祖国にとっても、ひいてはこの世界にとっても】
【新たな脅威となるに違いないからだ】

「櫻国海軍諜報部は貴方達に協力します」

【そう言って、自分の連絡先と住所を記した紙を渡す】
【笑顔で、握手を求めながら】

//了解です!
//ありがとうございました!
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/07(土) 01:48:06.36 ID:esIPSobZ0
>>501

【舞い上がるは花粉、花粉、花粉】
【膨れ上がるは暑苦しい熱気と無神経な男性への嫌悪、敵意】

【半ば好奇心でこの場に踏み入った事を内心後悔しながら】
【けれどその後悔と花粉と男性への嫌悪は顔に出ていた】

ゴリラねえ…じゃあ言葉は通じねえか。そうか、そうだよな。
ヒノキをぶっ倒し続けてエキサイティングしてるゴリラにゃ――
ゴリラって言う他ねえよなあ…。

【白いローブの女性の言う比喩表現は比喩表現に聞こえない】
【だからか思わず女性の言葉に頷いた。それが証拠を呆れながら両手で"やれやれ"と】
【ジェスチャーをして、苦笑交じりに女性に向かって呟いた】

【しかし、男性の言葉に我慢の色が垣間見えたのをカイは見逃さない】

(はっ…本当は人間相手にヤりてえってのに色々あって出来ねえってか)
(なら、ゴリラ野郎相手に芸の一つでも仕込んでやろうかねェ)

Hey!gorilla-man(ゴリラ野郎)!
おめえそんな独活の大木で遊んで欲求不満だろう?
だったらアタイがもっと過激に苛烈に遊んでやってもいいんだぜ

何せ――アタイは一狩りしに森に足を踏み入れたんだからよォ

【犬歯を覗かせるほどに口角を吊り上げ、腰のホルスターに右手を伸ばし】
【黒色の拳銃――バレッタM92をカスタムしたもの――を引き抜き、男性に銃を突きつける】
【引き抜いた拳銃に付与されるのはHeaven's Rush。果たして如何様な効果が出るか】
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/07(土) 02:00:39.16 ID:srOPTsRd0
>>504

『いえ、人の言葉を理解できるゴリラですのでその辺りは問題ないかと思われます』

【他の部分に問題しか無いのは棚に上げて――】
【こういった状況には慣れっこなのだろうか、それとも別の何かか】
【彼女は表情1つ変えず、淡々と男を貶す。……ある意味で信頼しているのだろう】

「おォ、呼んだか? ――まァ、強い奴相手じゃアねェと刺激が足りねェーなァー」
「よォーし、俺とバトルしよォーって言うなら受けて――」

【ようやくヒノキいじめが一段落したか、あるいは別のターゲットが現れたからか】
【相手に対して身体を素早く向けて――嬉々とした表情を見せたかと思えば】
【何かを思い出した様子になり、そして舌打ちを1つ。……非常に不満げな表情に変貌した】

「はァ……本当、あんたとバトルしてェーところなんだけどよォ……ちょっと見てくれ」
「まずは……ニードルガード!」

【男の両腕に生えるは無数の緑色をした棘。名前の通り、攻撃を防ぐための技なのだろう。……これは特に異常なく】

「次に……ニードルアームぁぁあああああーーーッ!!」

【その棘を調整しつつ、相手に向かって殴りかかってくる男】
【けれども、余程のことが無い限りその拳が届くことはない。男が勝手に悶え苦しみ始め、花粉まみれの地面をゴロゴロとするからだ】
【ついでに棘も消滅し――もしかすれば単なる演技かもしれない、けれどもこの男のそれは本気にしか見えず】
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/07(土) 02:33:47.24 ID:esIPSobZ0
>>505

【詰まるところ男性もカイも単純明快であった】
【暴れる場が欲しい。難しい事は抜きに思う存分力のぶつけ合いが出来ればそれで良い】
【戦うとなった途端、生き生きとして好戦的な面構えになっていった】

よっしゃあッ!良いぜ。来るか、来るかァ。ゴリラ野郎。
言葉は通じるようで何より。まあ人間様に一歩近づけるよう啓蒙してやっから

【予兆はあった。好戦的な男性の表情は喜びの中に含まれていた不満の色】
【何かを想起した故か。ひっかかりを感じつつも眼前の男の能力に身構えて】
【左手でもう一丁の拳銃を取り出し、Hell's Rushを発動させた】

かかってこいよ。そしたらアタイがテメエを天国までイかせて―――っておい、何の冗談だ?

【不可解。言葉の意味が解らないワケではない。ただ能力を披露して勝手に悶えている姿に】
【理解が追いつかない。それどころか能力の棘も消滅していた。つまり――演技でも何でもないのか】

てめえ、ゴリラの癖に何自滅してんだよ?折角気持ちよくイけそうだってんのに
気持ちよくコイツ(拳銃)で天国まで昇天させてやろうと思ったのによ…ンだよそりゃあ

新手の芸かよ。ちっとも面白くねえぞ。早く立てよ。立ってブルファイトと洒落こまねえと

【言葉に怒気を孕ませて、両手の拳銃の銃口を苦しみ悶える男性から白いローブの女性へと向けた】
【ぎりっと歯軋りをしながら銃口を向けるカイは何処か縋るようで、懇願するようでさえあった】

―――白いローブの女のドタマぶち抜くぞ?ぶち抜いたドタマはさぞかし風通しがいいだろうなあ!

アタイは今欲求不満なんだッ!頭ン中テールランプみてえに真っ赤っ赤なんだよッ!
今だからまだ忠告してやれる。アタイの理性がブッ飛ばねえ内にたちやがれッ!

【願うのは―――男性が立ち上がってくれること】
【願わないのは―――このまま銃口のやり場を失うこと】
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/07(土) 02:48:09.20 ID:srOPTsRd0
>>506

「俺だって好きでこんなことしてるわけじゃアねェーんだよ!」
「自滅って言うかよォー、いや自滅だけど"望んだ自滅じゃあねェ"」

【地面から顔だけを起こし、不満げな表情はそのままに相手に顔を向ける】
【右目の空洞の中に入ったゴミや粉を指で取り出しそのへんに捨てて】
【……"空洞に見える"ではなく実際に空洞だったということか】

『ヘケメト、はい落ち着いて』
「……アウに手ェ出したらぶっ殺すぞ。」

【銃口を向けられた女性、その表情は殆ど変わらず。けれども、少しばかり警戒態勢に入ったか】
【その行為によって男がどのような反応を見せるかを先読みし、けれども抑えることはできず】
【男の言葉から滲み出る殺意。――うまく引き出せば、強引に戦いへの流れを掴めそうな気もしないではない】

『……すみませんね、先程のは本気の行動です』
『とある場所……カミスシティでしたか。能力の使用を制限される都市。その場所にて色々ありまして』
『結果として、今の彼は"人間等の存在に攻撃や危害"を与えようとすると、あのようになってしまうというわけです』

【――その言葉の真偽を示すものは、この地面に寝っ転がっている……いや、今立ち上がったが】
【その男以外には何もなく、そしてこの男と女性の関係は不明だが、口裏合わせをしようと思えば幾らでもできるだろう】
【相手の現在の精神状態を察したのだろう、女性は杖を構えている。いつでも、何かをできる状態だ】
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/07(土) 03:04:39.31 ID:esIPSobZ0
>>507
//すみませんが今日はここで凍結させてもらってもよろしいでしょうか?
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/07(土) 03:06:50.99 ID:srOPTsRd0
>>508
/了解です
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/07(土) 03:08:37.76 ID:esIPSobZ0
>>509
//ありがとうございます。
//遅くまでロールに付き合ってもらい感謝です。
//レスは今日中に出来る限り早く返します。
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/07(土) 03:43:10.05 ID:w0y31F++O
>>473

【追憶に心を馳せる。それでも尚見えるのは白妙に染まった雪景色だけ】
【誰を愛していたのか、誰に愛されていたのか、それさえも分からずに】
【唯あるのは宵闇に似た、僅かばかりの焦燥に近かった】


それが愛なのね、愛ならば知ってるわ、でもね、キング、でも
貴方が語る愛は、私の知る愛と違うの。貴方の愛はとても、素敵な愛
私の愛も素敵よ、素敵なの、でもね、伝え方がもう分からないから

ねぇ、信じられるかしら、でも信じるしかないのかしら
わからないわ、分からないの、それでも、進むしかないのね
探してみせるわ、貴方がもう知っているのは、少し寂しいけど


【離された唇──僅かばかりの吐息が、口元から零れて】
【名残惜しそうに目を閉じて、少しだけ後悔する気持ちがあった】
【逞しい貴方の口元に、残っていればいいけれど】


分かったわ、また会いましょうキング
傷つけられるのも必要なのかもしれないわ、痛いのは苦しいけど
それでもね、その後に愛があるから、耐えられるの


【見送る影はやがて消え、芳香の残り香だけが真実を告げて】
【泡沫に消えた名残を、いつまでも追い続けて】


/お疲れ様でした!
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/07(土) 06:47:53.21 ID:J1zO/nZ30
>>496

【虚無魔力。全身に、不可視の拘束具が取り付けられたような違和感を覚える】
【しかし拳は止まらない。魔術の障壁などは、その拳が容易く破壊し】
【確かな手応えを以て"Crimson"の腕を打つ。――威力は、桁違いだ】

【この時、アヤが能力者であるという過程は確信へと変わるだろう】
【氷の障壁が無かったならば、両腕を重ねようと肋を砕くような威力】
【並大抵のものではない。鍛えているからと言って、軍人だからといって】
【仮にも女性が振るうことの出来る拳ではない。――ではやはり、能力らしく】


"お偉方"か……んー。なあ"Crimson"、さっきの言葉を覚えているか?
『軍隊の存在意義』だよ…――そう、そこに私が此処に居る理由がある。



【ダンッ!≠ニコンバットブーツが地面を砕く。――文字通りに、"砕く"のだ】
【その踏みつけもやはり人間業ではない。それと同時に、アヤの全身から衝撃波にも似た魔力が放たれ】
【全身を被う虚無魔力を弾き飛ばし、その動きを元の状態にまで取り戻して】

【――その間、少し時間がある。何か対策を立てるとすればその時間だが】


国民の平和を守り、国の繁栄と独立を守り――秩序を維持する。
……その全てがお前たち機関の"反存在"であり、そのためならば命も惜しまない。

――だから私は此処に居る。階級なんて関係あるか、"Crimson"?
軍人ならば常に任務を優先すべきだ、眼の前に秩序を乱す存在が居るのなら
そしてそれを排除できるだけの力があるのなら…――見て見ぬフリは出来ないよなあ、そうだろうッ!!


【首筋からじわりと肌が黒く染まり、頬から目元へ黒い線が引かれたようになる】
【眼球は真っ黒に染まって、瞳だけが煌々と赤を宿して"Crimson"を見つめ――直後、吶喊】

【足元の砕けた路面を更に荒らしながら、真っ直ぐに赤髪の女へ突っ込んでいき】
【叩き込もうとするのは足裏での蹴り。動作は単純で、動きも直線。対処は容易にも思える、けれど】
【その速度と威力だけは先のものとも段違いであり、直撃すれば骨などはたやすく折れてしまうような衝撃力を有しており】

【"Crimson"が魔力の変化や分析に長けているのなら、アヤの全身を冥い魔力が被っている事が分かるだろう】
【身体強化系の能力――瞳を黒く染め、長い黒髪を激しく揺らし、軍服の黒色がそれに合わせて布が靡く】
【黒尽くめのその姿は、何処か"悪魔的"にも感じられるものだった】
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/07(土) 09:04:19.72 ID:Rqq8jIplO

【晴れた月夜、不意に轟音が轟く】
【遠い国の、遥かに山嶺を望む広大な平野。木々のないまばらな草原は、かつての紛争地帯の名残として道路と交差する直線が一つ走る】
【それは高圧電流の鉄条網が張り巡らされたフェンス。高さは3mほどか――地平線の端から端まで真っ直ぐに、切れ目があるのかどうかも分からない】
【辺りには3つの国の言葉で『侵入厳禁』『ジライゲン アリ』『こっきょう』『※※※※!』等々、不安を煽る警句が掲げられている】
【その立て札たちの向こう側、フェンス近くを動く影が一つ。月明かりに照らされるその女は、かなり珍奇な風体だった】

――――。

【背にM79、手にデグチャレフ軽機関銃を携える姿は、まるで軍人でもメイドでもあるような。元はエプロンドレスだったようだが、その上から人間大の装甲車を押し固めたように胴体や関節部は物々しい】
【高分子ポリマーの軍用ヘルメットとボディアーマーは、特に前腕の装備が目立って大きく。直立姿勢のまま、徒歩より少し速い速度でフェンス沿いに移動】
【判で押したような無表情は蝋を塗って固めたかのごとく、首を動かして視線が草地を巡る】

霊対スキャン――――反応なし。
磁性スキャン――――B-5ポイントに反応あり

【防具の隙間から覗く桃色のミディアムヘアと硬質な声。足元には大人しい駆動音を立てる乗り物が】
【小型のセグウェイに似るが車輪はない。地面すれすれを浮遊するホバーボードを繰り、B-5と称した十数m先の地点にて停止すると】

【アーマー右前腕の外側が開き、伸ばした腕から銀の物体が砂地に落ちる。野球ボール大の金属球で、中心の大きな一つに微細な無数の小球が付いたようなもの。見えない足が生えたが如く独りでに転がると――――】
【腹奥に響く轟音と共に地面が爆発。土砂が周囲と女の全身に降り掛かる】
【それが地中に埋まった地雷を起爆させる意図だったのは明白で。しかし土砂と土煙が収まっても女は動かず】

霊対スキャン――――反応消失。
目標の移動速度は事前予想の200%上と認識。環形動物型の割に素早いですね。
誘引音声開放――撒餌作戦を継続します

【無味乾燥な言葉は、夜毎これを繰り返しているのが明白で】
【言い終えた口から、きいぃん、と無声の高音が空気を震わせる。それは野性動物や、人間でも耳の良い者なら届く高周波。うら寂しい木霊はまるで遠くの仲間を求めるように】
【顎をしゃくっ、と閉じて再びフェンス沿いを動き始めた】


/夜までのんびり居ります
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/07(土) 17:00:12.92 ID:/uOmM2Qbo
>>477>>481

【逃走中に現れた新たな人影。立ち位置からして味方であろうことはすぐに分かった】
【脳内に送られたカンナの言葉もそれを裏付けるものであり、これでひとまず追手は排除できた】
【「分かっている!」と、厳島へと答えながら、脳裏に浮かぶ経路図に従って走り続ける】

【後はこのまま駆け抜けるだけ。そう思っていたところに声が差し挟まれる】
【振り返った先にいたのは警官。たった一人だ。が、大問題だった】
【どうするか、などと考える間も無くその警官が歩き、そして走り始める】

ちっ、鬱陶しい……!
どうする、って、おいっ!

【厳島へと視線を向ければ、眼前にはカバン。咄嗟にそれを受け取る】
【最早、どちらが残るべきか、などと議論する余裕はない。何よりも厳島が残ると判断したのだ】
【それは信用できる考えのはずだった。ならば、異論を挟む必要などなかった】

……よし、任せたぞ

【ただ一言だけ軍人の男へと向けて、カバンを抱えたまま背を向けて駆け出す】
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/07(土) 18:45:05.72 ID:o9ds5V4uo
>>474
そういうやり方のほうが俺は好きだ。言葉は弾丸だ。
ピストルと同じようにぶちまけて、命もハートもおんなじ『ここに』あるんだろ?

【男は心臓の位置を拳で叩く。】

やつらがスピーカーでプロパガンダをぶちまけるなら、俺は狙いすました一発でハートを撃ち抜く。
これもプランのうちさ……なんて

【彼の考えてることなんて、いや人の考えていることなんてわかるわけがない】
【でも、彼がしようとしていることは単なるレジスタンスじゃない信念がある】
【それが伝わっていたら…もう作戦は成功だった】

しがない、探偵さ。ロッソとだけ名乗っておこう。それ以上でもそれ以外でもない
“MONOEYES/モノアイズ”というBARのマスターに頼めば、俺の耳に届く。

【車をまた走らせる。戻ると街はなんだか忙しなかった。追手が探し回っているのだろう】
【適当な駅前で車を停めた。そっけない挨拶だけ交わして別れることだろう】
【もう会うこともないかもしれない。次はこんな風に終わることはないかもしれない】
【それは運命と、彼らの意志が決めることだ。】

/お返事遅れましてすみません!お疲れ様でした!
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2018/04/07(土) 19:07:31.66 ID:ND4UDW2O0
>>503
いいや、俺はUTの一員じゃない。ただ、ほんの少し力添えしているだけだ
……あの人達みたいに強くはない

【慚愧の念が胸をじりじりと痛めつける。あの時、自分にもっと力があれば、事態はここまで悪化していなかったのではないか】
【過去を悔い、停滞することが愚かしいことは理解している。しかし、後悔を禁じ得ない程に、彼女を奪われたことは大きな痛手だった】

あぁ、よろしく頼む
近々セリーナ・ザ・キッド奪還作戦が敢行される。もし力を貸してくれるなら、その時にまた会おう

【手渡されたメモを受け取り、一瞥してから懐に仕舞い込む】
【そうして差し出された手を握り返す。何も用が無ければ彼は別れを告げ、喫茶店を後にするだろう】
【また一人、協力者を見つけることが出来た。戦の気配が着実に迫ってきている】
【一歩踏み出す。二度と戻れぬ。鉄と血混じる修羅の巷へ】
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/07(土) 19:14:13.49 ID:3tTAz2IAo
>>512

【振りぬかれた拳は、障壁を破壊し右腕を打ち抜かれる】
【まあ当然ながら、研究者然とした見た目にそぐわった身体能力しかない】
【ずさぁっ、と砂煙を立てて背中から派手に着地。自慢の紅髪を巻き込んで、煙っぽくなり】


「けほっ、けほっ……。こちとら研究者なんだ、少し位手加減してくれたって良いだろう」
「どうせ君は“能力者”だろう、あれだけの衝撃を伴う打撃を繰り出せる筈がない」


【立ち昇った煙を肺に吸い込み、数度咽てから彼女の方へと向き】
【まあ右腕はしばらくダメだろう。“次女”にでも数日間の食事を手伝ってもらうしかない】
【そして分析、恐らくあの異音は彼女の能力に伴うもの。更に超近接型となれば】

【魔力を放る。純魔力は真に白色であり、様々な分光の集まりともとれ】
【また軽い音が鳴れば、数秒間の詠唱。彼女が例の罠に掛かっている間に、対策を打つ】
【彼女の能力がどのようなものか把握してない故、これといったピンポイントな対策は打てないのだが――】


「―― 『Bras de Tanatos』 」
「はは、君たちは先に排除すべき存在が目に見えていないようだ」


【女の両腕を、灰の塊が覆っていく。そのうちガチリ、と固定音が響けば】
【何層も積み上げられた、黒曜石の塊――のように見える、肘まである小手が被せられる】
【つまり、防御に徹して好機を伺うと。何より彼女のスピードが段違いであるから、その手を取らざるを得なかった】


「まあいい、ここは生きて帰ることだけが優先だな」


【彼女が地面を砕けば、魔法陣もろとも路面を吹き飛ばしてしまって】
【ばらばらと、あたりに欠片がぶち撒かれる。見ているだけでも恐ろしい能力だが】
【彼女の首筋が、目元が徐々に変色していく。黒ずんだようなラインが、刻まれていき】


「嵌め手で行くしかないかな――『Grand arbre de pluie』」


【小手が嵌められた左手を地面に当てれば、湧水が徐々に溢れてきて】
【間欠泉のように噴き出したと思えば――、低木が防壁のように生えてくる】
【横幅は路地いっぱいに広がり、人間の背丈より少しばかりたかい高さまで】

【彼女の能力が手に触れたものを粉砕するのだとすれば、この程度の障害物はやすやすと破壊するだろう】
【とにかく、彼女の能力が如何なるものか見定める必要がある】
【もし超えてきた時のためにと、その小手を盾のようにして構えているものの――】

【残存魔力70/100】【火30/水2/木10/雷25/闇0/聖30】
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/07(土) 19:37:47.09 ID:Awkatb7c0
>>516

「解りました、では中尉にも連絡をしておきます」

【互いに固い握手を交わしながら】
【決して容易い道ではないのだろう、しかし、それでも……】
【希望の光はある】
【絶望に道を閉ざされるのは、まだ早すぎるのだ】

「はい、それではまた……」

【あまり歳の変わらぬ少年は、そうして去って行き】
【自分もまた、暫くしたらこの場を去る】
【江風のみが、そこに吹く】

//お疲れさまでした
//では、これで〆と致します
//ありがとうございました
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/07(土) 20:03:07.65 ID:1yZ52d/vo
【水の国 本庁───異能捜査特課、管理官室】

【御船千里は暗い室内に居た。所狭しと乱雑に散らばった書類の山、凡そ整理整頓とは無縁の環境だ】
【それは彼の能力に拠る環境であった。千里眼──万物を見通す彼にとって、態々分類分けをする必要も無い】
【彼はパソコンに向かっていた。加え煙草で、情報を探している】

【静かな室内であった。キーボードを叩く音しか聞こえない、静寂の中で】
【時折深呼吸でもする様に煙草を曇らせる。紫煙がもくもくと室内に広がる】
【薬指に嵌めた灰色の指輪、僅かな違和感だけがそこにあった】


(────全く、僕も焼きが回ったものだ。
出世コース、野望……下手すりゃ命すら落としかねない。
ああ、くそ、あんな化け物に出会ってしまってから、踏んだり蹴ったりだ。)


【モニターへと視線を落とす。水の国警察の幹部クラスにしか閲覧の出来ないページ】
【極秘の捜査資料の他に、警察内部の予算等の資料も閲覧できる】
【彼自身が知っている、警察内部の『黒幕』人員──その一部は公安にも及ぶ】

【だがその多くは数合わせの雑魚だ。地位だけ高くとも、真に権力を持った人員とは言い難い】
【海へとダイブする。電子の中は苦手だ。どうしても目では対応しきれない部分が多いから】
【時計の針が刻む音、気づけば夜更けになっていた】

【静かにパソコンのモニターに向かう御船、入り口の扉の鍵は開けっ放しであった】
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/07(土) 20:03:52.10 ID:J1zO/nZ30
>>517


ああそうだっ、"能力者"だとも!
……そして同時に、この国の癌となる存在を除く軍人でもあるわけだ。

フフ……。生かすはともかく、帰れるとは思うなよ――?


【此処までのやり取りで、大まかにアヤという軍人が掴めただろうか】
【質問には答える。軍人という立場に誇りを持ち、国を守る防人であり】
【戦闘スタイルは超接近型。能力は恐らくそれを補助する、身体強化型で】
【攻撃は直線的で安易だが、その分威力と速度が群を抜いている、と】

【――客観的に見れば、科学者という存在が対峙するには】
【すこぶる相性が悪いように感じられる。そして実際、その相性は悪いと言わざるを得ない】


【防壁のように身を塞ぐ低木。確かにその高さは、ジャンプで超えるには高すぎる】
【かと言って壁のように掴む場所があるでもなく】
【拳で破壊も可能だったが――通行するには、その破壊には時間がかかる】


                  【バサッ、バサッ=z



   なあおい"Crimson"、逃げて帰るなんてつまらないじゃあないか!


               それだけの"手"を持っているんだ!もっと"出来る"んだろう!

  なら"まだ"だっ!もっとやろうじゃないか――なあ、おい――ッ!!!


【"ズガンッ!"――それは"Crimson"の背後より響く、重いものが地面に激突するような音だった】
【そして其れは幻聴ではないと示すように、元は路面だった小石や埃がぱらぱらと舞い落ちて】

【土煙の中、立っているのは"アヤ・R・ナイトリー"である。けれど、その姿形は少々元の軍装とは異なっていた】
【右の額からは黒い片角が伸び、背中には悪魔の如き翼が揺れていて】
【そう、翼だ――バサッ、という音は防壁を超えるための、羽ばたきの音だったのだろう】

            モノデビル
私はこの能力、片角の魔王=c…なんて、呼んでいるんだが。
……続き、先手はそちらに譲ろうか?


【悪魔化――或いは、魔人化。単純であるがゆえに強力な、身体強化能力】
【革手袋の下は恐らく首筋の黒いラインと同じ様に、硬質化されているのだろう】
【その上、飛行能力も手にしている。逃がす気はない――そういう様に、グッと握った拳を突き付けた】
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/07(土) 20:25:18.60 ID:y2OaWj3ao
>>519

【その時、部屋の扉が無遠慮に開けられ】
【ダークスーツ姿の幾人かが、室内へと粛々たる有様で押し入った】

【そのうちの一人が御船のすぐ眼前に立つと、厳粛たる眼差しで彼を見下ろし】


「────御船 千里、だな」


【冷たく圧迫するような声が向けられた】
【入り口を塞ぎ、彼の周囲を囲うようにして立つ彼らは】
【明らかに刑事課の人間とは異なった冷徹な趣を帯びていた】

【──御船ならばその風体から既に思い至っていようが】
【眼前の男が形式的に取り出して見せつける手帳には、『公安部』の文字が確かにあった】


【「いくつか聴取に応じていただきたい」】


【と、文法上では請願するような形式であったが】
【その声色と冷たく重い空気が、有無を言わさぬ圧を伴っていた】
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/07(土) 20:36:50.40 ID:1yZ52d/vo
>>521

【最初に抱いた感想は随分と早いな、だった】
【パソコンのモニターを徐に消して、立ち上がりながら向き直る】
【口元に、浮かぶのは軽い笑み、口角を軽く釣り上げて】


そんなに焦って何になるのやら、相変わらず公安の皆様は品が無いね
どこの命令かは知らないが、単なる公安部であれば管理官たる僕に任意同行は求められない筈だけど
それとも何か、僕にやましい事情があったりするのかな


【加え煙草を右手に握る、静かに取り囲まれながら】


如何にも僕が、御船千里だ。異能対策の最前線で、毎日汗を流しているよ。
何分『魔防法』によって仕事が何倍にも増えた、猫の手も借りたいぐらいさ。
それに『特区』の事も、中々ドローンが結果を出してるみたいだね。

このままでは、僕もいよいよお役御免かな?


【自嘲気味に笑い、なぁ、と声をかけた】
523 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/07(土) 20:57:24.31 ID:Awkatb7c0
――守るも攻むるも黒鐵の
浮かべる城ぞ頼みなる
浮かべるその城日の本の
皇國の四方を守るべし――

『櫻国魔導海軍観艦式、水国にて行わるる』

【異例の広告、記事が民間に知れ渡ったのは、つい3日程前】
【かなり急な話だったため、困惑する者も多かったのだが、話はさらに以前に遡る】
【水国における魔能制限法】
【これによる異能排除の思想流布は、魔能をもって不当なる異能の侵略から祖国を防衛する、之を是とする魔導海軍にとって友好国としても大きな懸念事項だった、本件はそんな中急遽決定されたもので、狙いは水国と櫻国の友好アピールと、行き過ぎた異能排除論への平和的呼びかけだ】

総旗艦『大和』
先導艦『金剛』
供奉艦『榛名』『霧島』『比叡』

第一艦隊

第一戦隊:『加古』、『古鷹』、『最上』、『三隈』
第三戦隊:『足柄』、『利根』、『筑摩』、『羽黒』
第一航空戦隊:『赤城』、『加賀』
第一水雷戦隊:『神通』、第六、第十、第十二、第三駆逐隊
第一潜水戦隊:『伊58』、『伊23』、『伊13』、『14』、『伊19』、『伊8』、『伊7』、『伊168』、『伊400(大型強襲潜水艦)』、『伊401(大型強襲潜水艦)』、『伊707(強襲揚陸潜水艦)』

【上記の艦隊編成をもっての水上パレードとなる】







【当日、水国軍港】
【異能排除論調の強い時勢ではあるが、意外にも抗議やデモ活動は最小限度に収まっている】
【それでも、ビラや横断幕の者はちらほらと見受けられるが】
【周囲には海軍兵らの出店が並び、中央のホールでは軍楽隊のオーケストラが楽曲を奏でている】
【来場者には程なく、アナウンスが入る】


『ご来場誠に感謝致します、間もなく旗艦大和と第一艦隊による水上行進が執り行われます』


//どなたでもご自由にレス下さい
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/07(土) 21:00:46.03 ID:y2OaWj3ao
>>522

【冷ややかな笑みを浮かべる彼とは対照的に、公安の面持ちは重く動かない】
【語られる言葉をただ黙殺して── 一人がそっと懐へ手を入れる】
【そうして取り出され、彼へ差し向けられるのは、一枚の写真であった】


「この女を知ってるな」


【どこかから俯瞰したようなその構図は、】
【監視カメラの映像から切り取ったものであろうか】

【── 一人の女、否、異形が映っていた】
【頭髪を大蛸の如き触腕に変化させ、戦慄した表情を浮かべている】
【明らかな非常時での有様であったが、その顔貌には確かに見覚えがあるはずだ】


「──この『テロリスト』とお前が接触したという情報が入っている。
 だから少々、『情報交換』したい。それだけだ」


【「同じ『警察』同士──力を合わせない理由はないと思うが」】


【──熱の籠もらぬ声が、その言葉に一切の心がないことを告げていた】
【応じないならば他にその身を引きずる理由はいくらで用意している──まるでそんなことを言いたげに】

【周囲からの視線の圧が、静かに増した】
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/07(土) 21:09:59.89 ID:1yZ52d/vo
>>524

【その写真を見てもなんら表情は揺るがない】
【まるで最初から、その写真を持っていたのを知っていたかの如く】
【──嫌な感じだと思った。力ずくで来られた方が何倍も良かった】


ああ知っているよ、少々因縁のある仲だからね
君達も彼女に手酷くやられてるんじゃないのか、それなりにやる能力者だからさ
情報交換ね、成程、まぁ僕の方から君達から貰う情報なんてないけど

丁度良い機会だ、啓蒙してやるよ。公安だなんてお高く止まった坊ちゃん風情にね
何処に行けばいい?君たちの根城に案内するんだよ
僕の方は気ままについて行くから、さ


【軽口一つ、ついて行くとの意思を示した】
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/07(土) 21:19:27.24 ID:srOPTsRd0
>>523

【どんなモノかと様子を見に来たらしい、1つの存在】

「案外皆おとなしいね。もっと過激な反対でもやっているかと思ったよ」

【それは、サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【左頬には猫と思われる引っかき傷の痕があり、茶色いコートを羽織り、頭部と両上腕には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、両手足にグレーの指ぬきグローブ、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「特区にもいずれ行って、どのような場所かをこの目で確かめないといけないけれども……」
「彼ら海軍と共闘する可能性だってあるんだ、そっちの様子も見ておきたい」

【彼からわずかに香る、鉄のようなにおい――その正体を察せる者も、もしかすればいるかもしれない】
【渡されたらしいビラを丸めてゴミ箱に捨てたところで、アナウンスの声を聞くことになるだろうか】
527 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/07(土) 21:30:06.15 ID:Awkatb7c0
【流れる曲は行進曲軍艦】
【それに合わせるように、総旗艦大和と先導艦、供奉艦の戦艦が】
【続いて第一艦隊の艦艇達が抜錨し船列を組む】
【その様は、中央の巨大なモニターでも見て取れる】


>>526
「あッ、すみません!」

【そんな、ある種この状況に馴染んでいるとも】
【逆に浮いているとも言える男性に、誰かぶつかるような衝撃が与えられただろう】
【見れば、飲み物と何かの食べ物を手にした小柄なセーラー服の少女が、ぶつかっていた】

「すみません!あ、お怪我は?」

【無論、この少女がぶつかったとしても、怪我など無いだろうが】

「行進に見惚れてて……」
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/07(土) 21:34:46.40 ID:y2OaWj3ao
>>525

【そうして御船が同行する意思を示せば】
【彼らはその周囲を取り囲みながら、言葉少なに先導を始める】

【部屋を出て、廊下を歩み、エレベーターを下り】
【庁舎を出れば、そこに待機させてあった黒塗りのバンの扉が開かれ】
【御船はそこに乗せられる。三人ばかりの公安部員も同情し、車は走り出した】

【この公安部の面々に愛想やユーモアというものはどうやら存在しないらしく】
【重苦しい空気を満たしたまま、しばらくただエンジン音だけがそこに響くだろう】

【ガラスには濃いスモークが掛けられ、運転席との間には仕切りがあるが】
【『千里』の眼を持つ御船にとってはそんな目隠しなど何の意味も成さないだろう】
【もし見透かしたならば、運転しているのもまた無個性なスーツの男であるし】
【車は街中を抜け、郊外へ向けて真っ直ぐに走っているのが分かるはずだった】

【ところが──】

【ある時、車外の景色が段々と霧に覆われるように白く染まり始める】
【それはものの数十秒と掛からぬうちに如何なる視線も通さぬ濃密な霧となり──】

【ふと】

【御船の周囲が無音で満たされる】
【元から会話などない冷たい空間であったが、それさえ比較にならぬほど】
【──それもそのはずで、御船の周囲には誰もいないからだ】

【まるで初めからそのようであったかのように】
【たった今、以前からそうだったことにされたかのように】

【そして、車が停止する】

【外側からバンの扉が開かれ】
【明らかに『非体制側』であろう粗野な服装をした男たちが】
【無言で乱暴に、御船の身体を外へ引きずり出すだろう】

【──そこは、どこか深い森の奥であった】
【周囲は霧に包まれ、陽の位置も分からない】
【後に気付くかも知れないが、そこには電波も通わない】

【男達が連れて行こうとする先には、退廃的な錆び鉄の建造物──何かの『廃工場』が幽玄と存していた】

【明らかに、『政府側』の施設とは思えそうになかった】
【中に入ったならば、そこで何が起こるのか、決して明るい想像をさせない無慈悲さがあった】

【足掻けるとすれば、ここが最後となろうが──】
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/07(土) 21:39:46.01 ID:srOPTsRd0
>>527

「特区って海岸沿いにあったかなぁ、あるならもう特区に大量の砲撃ぶっ放すとか良いかもね」

【たまたま近くで聞いていた一般人が少しギョッとする発言をしつつ】
【立ちっぱなしも疲れるな、と、近くに椅子か座れそうな何かが無いかを探そうとしたその時だった】
【何者かが、自身に衝撃を与えてくる。……転びはしなかったが、少しだけよろめいたか】

「おっと、――大丈夫かい? 食べ物や飲み物とか、こぼしてない?」

【その何者かの正体を掴めば、おそらく敵や悪者などの存在ではないだろうと判断】
【"自分は全く気にしていない"、そんな柔らかな笑みとともに彼女へと話しかける】
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/04/07(土) 21:39:53.07 ID:3tTAz2IAo
>>520

【国を守る人間というのは、皆が皆こうなのだろうか】
【まあ自信があることは素晴らしいし、何より前線で戦うのには敬意を表するが】
【建物の中でひたすら実験をするような、研究者がそれを理解するのは難しかった】


【それだけの手を持っている――と言われても、ただの属性魔術に過ぎない】
【ああ、こんな時に下僕でもいたらなあ――なんて思うときは、度々あるもので】
【もっとやれるとしても、いつ“電池切れ”になるか知れたものじゃないから】

【背後から降り注ぐ小石や埃は、やはり彼女のその力を示していた】
【嗚呼、超近接型と相性が悪いことくらい自覚しているのだが――悪運の良さがよくわかる】
【近頃、調子に乗りすぎていた。たまにはこんな天罰みたいなものも――悪くはないだろう】


「はは、まあ逃げる以外にも選択肢はあるか。じっくりとやろうじゃないか」


【先手は譲る――まあ攻撃しないという確約は得られていないが】
【その言葉を聞けば、また魔翌力を“放る”。カラン、と小気味よい音を路地裏に響かせて】
【数十秒にも及ぶ詠唱。久々に使う魔術であるから、加減が難しいかも知れないが――】


「その無を、我に示せ。そして解き放たれし時は――『Ultime Aucun』」


【まあ、片角の魔王にはこれくらいの魔術でないと面白くもあるまい】
【すべての純魔翌力を、あの一瞬でコンバートした。小手先の魔術じゃ、太刀打ちもできないし】

【魔術の詠唱が終われば、何も起こらないだろう。何も起こらない数秒が、不思議に思えるくらいに】
【しばらくすれば、魔翌力が凝縮を始める。ビー玉程度の大きさに、白い波が凝縮していき】
【そして膨張。その光が女を包み込んだ、その刹那のこと――――】

【爆発した。球体の外側へと、膨大なエネルギーが解き放たれる】
【属性を伴わないそれは、決して炎や氷といった現象を残すわけではない】
【しかし、単純な魔翌力であるために含むエネルギーは最も多い。故に破壊力は抜群で】

               デビル
「っは――――!このくらいのほうが、“魔王”様にはお似合いかな」


【女自身、どこまでこの魔術が威力を発揮するのかを視認できていない】
【辺り一面に土煙が上がり、何がなんだか理解し得なかったからである】

【半径数メートル圏内の建物は、崩落してしまっていた。あまりの威力に、鉄筋に罅が入ってしまったのだろう】
【それに、表路地の通行人も強風に押されたかのように倒れていく】
【久々に出した本気――数年来の魔術が、漸くその身から放たれた】

【残存魔翌力 0/100】【火50/水22/木30/雷45/闇20/聖50】
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/07(土) 21:46:33.18 ID:1yZ52d/vo
>>528

【乱暴な事だと思っていた。──親しい友人とのドライブといった気持ちか】
【能力を使えば何処にいるかなどすぐ分かる、故に面持ちには余裕の色が強い】
【しかし、ある瞬間から、その色が欠落した】


(───なんだこれは、いきなり別の場所へ来た……?
転移能力、いや、それにしては何の痕跡も感じなかった
取り敢えず、連絡を────)


【懐から端末を取り出そうとした、しかし、その必要は無い】
【圏外と表示されているのが、その場から見透かせた】
【おいおい、と内心一人で呟く、さっきまで通じていた、だろうと】

【何かがおかしい、御船が立ち上がろうとした瞬間扉が開いた】
【粗野な男達、乱暴に車から外へ引き出される】


────全く、手荒な歓迎だね。もう少しスマートな連中だと思ったけど。
だが、この状態は些か望むところじゃないのさ。
そうだろう、脱出マジックには種も仕掛けもあるものだから。

種を仕掛けられない手品なんてこちらからお断りさ
少しずるさせてもらうぜ、"Dr.Feelgood"


【能力の行使、御船が左手の指を鳴らせば、御船を中心に弾く様な風の炸裂がおきるだろう】
【威力は少ない、が男達の手を振り払うには十分だろう】
【成功したなら、そのまま走り、車が来た方向に向かっていく】
532 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/07(土) 21:50:19.41 ID:Awkatb7c0
【軽快で、それでいて勇壮な楽曲】
【しいて言うならば、景気が良い】
【そんな軍楽に乗せて、中央の総旗艦の位置はそのままに】
【各艦巧みな操艦で、陣形を変え乍ら、軍港近海を航行する】
【先ずは戦艦群、続き空母二隻、続き重巡洋艦、続き、軽巡洋艦と駆逐艦の水雷戦隊、最後に潜航した潜水艦戦隊が】
【上空カメラからの映像は、櫻国海軍のシンボルマークがその船体と航跡により形作られる】

>>529
「!?」
「な、何?」

【その発言を耳にした一般人が、少なからず、その男性に目を向けるも】
【直ぐにパレードの船隊か、あるいはモニターに目をやる】
【時折起こる歓喜の声】
【その中で】

「大丈夫です、その、すみませんでした……」

【優しい声色の男性だ】
【決して悪人ではない、そんな印象を受け】
【下げた頭を上げて】

「ええーっと、お船とかお好きなんですか?」

【周囲には家族連れやカップル、友達連れも多い】
【そんな中一人で、と言うのは余程船や軍艦が好きなのだろうか、と判断して】
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/07(土) 21:55:13.79 ID:/9J0eaxj0
>>480
/一時過ぎごろに凍結お願いするかと思いますがこちら再掲しますっ
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/07(土) 21:58:48.81 ID:srOPTsRd0
>>532

「ありゃ、そういう過激なのは駄目か」

【周囲の人々が引いたからこの発言はおかしい。なんて考えにはならず】
【まあ、理解されなくてもいいけれど。なんて自分の発言を否定することはせず、しかし他者を咎めず】

「僕は大丈夫だから、気にしなくて良いんだよ」
「――そうだね、船が特別好きってわけじゃあ無いけれども」

【ちらりとモニターの方を見て、そして穏やかそうな表情は一切変えずに相手に顔を向ける】

「僕ね、色々と面倒なことに首を突っ込んでるからさ」
「もしかすると彼らと共闘することにもなるかもしれない、だからどのような存在かの確認も兼ねて」
「……まあ、言い方を変えれば"偵察"になるのかな? いや、偵察じゃ敵扱いになっちゃうから駄目だね」
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/07(土) 22:07:11.41 ID:y2OaWj3ao
>>531

【風の炸裂により、男達の手は容易に離される】
【そして走り出せば、それを止める者も立ち塞がる者もおらず】
【廃工場も、車も、男達も、御船の背から遠ざかっていく、のだが──】

【走り出してからものの数秒と掛からず、御船の前に霧の奥から姿を現すものがあるだろう】

【──まずは、あの黒塗りのバンだった】
【ナンバーは同じ、間違いなく御船が乗ってきたもの】

【そして、廃工場】
【最初に見たものと同じ、錆び鉄の城】

【最後に、男達が──】
【御船を車から引きずり降ろした者と確かに同じ顔貌の男達が】

【何故か全て真正面から、御船の前へと現れるのである】


────おい、おい、おい……

どこへ行こうっていうんだ。
お前が行きたがっていた場所は、すぐ目の前にあるじゃないか。


【ざり、ざり、ざり……】
【足音がする。廃工場の中から、幾人かの男達が現れていた】

【その決して柄の良くない衣服を纏い、】
【それぞれ銃器を手にした粗野な男達の中心に立つのは】
【一人だけ明らかに風格の異なる、壮年の男であった】

【──屈強な体躯。漆黒のレザージャケットを纏う長身】
【眠たげな目元に反し、うっすらと髭を蓄えた口元は、粘質な微笑を湛えていた】

【その手には──鉄パイプを何本も束ねて溶接したような】
【粗暴極まりない棒状の金属塊が、握られていて】

【それを手首だけで、ご機嫌に数回、振り回して見せる】
【すると銃器を持った男達が、御船へ向かって歩みを進め──拘束せんと試みた】
536 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/07(土) 22:07:40.23 ID:Awkatb7c0
【次は戦列を組み替えることなく】
【その戦列の後ろ、伊58を先頭に潜航していた潜水艦戦隊が一斉にアップトリム、浮上する】
【まるで鯨、鯨の群れが一斉に海面へと姿を現すように】
【息の合った操艦に、再び歓声が起こる】
【操艦技術はかなりの物だ】

>>534

「偵察?厄介な事?」

【少し訝し気な顔をする少女】
【何とも、何とも不穏な発言に感じるだろうか】
【共闘と、だが少女の反応は恐らく男性の予想を外れたものになる】

「もしかして……機関に抗う人?ですか?」

【男性をスッと見据えながら、そう聞く】
【表情は、全く変化は無いが……】
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/07(土) 22:14:51.32 ID:srOPTsRd0
>>536

「まあ、大体そんな感じだね。……さっきもビラ貰ったんだけどさ」
「ほら、今って色々と能力者に厳しいじゃあないか。某法案も結局通っちゃったしね」

【あ、どうも。……すれ違いざまに強引にねじ込まれた紙、その内容を少しだけ確認し】
【"あなたは神を信じますか"……これはこの件とはほぼほぼ関係ない紙か】
【かと思えば、下の方に"能力者は神に裁かれます"なんて文言が、レイアウトを考えず強引に挿入されていた】

「まあ、その厳しくなった原因が機関にあるって話だから、潰そうって動いてる」
「だから厄介で面倒なんだ」

【――そういった後、こういう話を聞かれるとマズい気がしたのか辺りを確認する】
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/07(土) 22:16:59.39 ID:/uOmM2Qbo
>>523

【荘厳な観艦式の中、人混みに紛れてカレーをもそもそと食っている男がいた】
【年齢は三十かそこら。よれよれの軍服姿だが櫻の国でも水の国でもない所属だ】
【無精髭にぼさぼさの髪。すっかりくたびれた退役軍人、そんな雰囲気のする男】

【腰のホルスターには自動拳銃が一丁。背中側には分厚い本が一冊、鎖で厳重に巻かれていた】

あー……海軍連中は、あれだな
流石、移動基地に住んでるみてえなもんだから、いいもん食ってやがるな
前線とかあっちこっち行くとか……そういうのがあるからこっちはまともな飯もねえってのによ……

【口から出る感想はどちらかといえば文句だった。だが味自体は気に入ったらしく、食いっぷりだけはいい】
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/07(土) 22:17:24.03 ID:1yZ52d/vo
>>535

【────逃げた先にあったのは、逃げる前と同じ光景】
【おいおい、と口の中に零した。目の前の情景に苦笑いを浮かべ】
【どんな悪夢だよ、軽口を叩くのは脳が落ち着けと言っているようだった】


ああ、こんな色気の無い景色僕が求める訳ないだろう?
第一僕の行きたい場所には、君の様な男なんかいちゃならないんだ
全く、吐き気がする───なんだよ、その、得物は

立派なモノ持ってるじゃないか。使ってる奴の悪趣味が存分に出てるぜ。
馬鹿力だけはある様だけど、そんなもんで僕を止められるかな。


【明らかに違った。有象無象の中にあっても、確かな存在感を放つ異物】
【それは明らかなる不快感に近かった。鍵を閉めたはずの部屋が、空いているかの如く】
【此奴はヤバい、数多の死線を越えた御船の脳が警笛を鳴らす】


悪いがエスコートされるのは、女に決めてるのさ
それかもしくは、見た目だけは立派な、あの化物とかさ
まあ、良い、間違いなく君達じゃない事だけは確かなんだよ……!!


【拘束されるより早く御船は駆け出す、レザージャケットを纏う男に向けて】
【スーツの袖から取り出す長針、右手に握った其れを確かめながら】
【男の指先に突き立てようとする、刺さったなら激痛がはしるだろうか】
540 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/07(土) 22:25:27.82 ID:Awkatb7c0
【再び、船列が変わる】
【あくまで大和はそのまま、他の艦艇がその位置を緻密に、繊細に】
【計算されつくした操艦でもって動く】
【やがて、軍楽隊の奏でる曲は水の国国歌となり】
【艦隊の軌跡と配置は、水の国の国章となった】
【一際大きな歓声が巻き起こる】


>>537

「悲しいですね、海軍も『私達』も全員が全員過激派じゃないのに……」

【無論、過激で危ない能力者も多々居る事は事実】
【その最たるものが機関であり、これもまた他ならぬ事実だが】
【その背景は、この異能排除の思想の背景は、混迷とした混沌が存在するのも変わらぬ事実に相違ない】

「……」

【少女からすれば、非常に意外な話だった】
【本来は男性の話は、秘匿されて然るべき話だった】
【やがて】

「そういう事だったんですね……」

【少女はまるで恋人にそうするかのように、男性の腕を不自然なく抱きかかえるように掴み】
【耳元近くで】

「抗う組織は一つじゃ無いです、我々海軍も……」
「連絡下さい『その時』は」

【男性のポケットに、那須翔子と言う恐らく少女の名前と連絡先、住所の書いた紙を渡す】
【ひっそりと名前の横には、櫻国魔導海軍曹長の文字も】
【男性に本件で魔導海軍が秘密裏に動いている事も、同時に知らせる】
541 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/07(土) 22:34:08.27 ID:Awkatb7c0
【モニターでは船列がまさに水の国の国章を描く時】
【楽団の奏でる楽曲は、水の国の国歌】
【周囲の歓声も一層強い物になる】

>>538

「如何ですか?こちら高速魔導戦艦『金剛』のカレーとなっております」

【そんな中、男性に声をかける人物が居た】
【カメラを首から下げ、暗いネイビーのスーツ姿の男だった】
【年齢は20代後半位ではあるが、妙に若々しい】

「海軍連中は、と言う事は貴方は陸軍さんですか?」

【張り付けたようににこやかに、一見爽やかな笑みを浮かべる男性】
【目は背中の本と腰の自動拳銃に】
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/07(土) 22:36:37.46 ID:y2OaWj3ao
>>539

【ぶん、と鉄塊が振るわれて、男の肩へと担がれる】
【口元の緩い弧が崩れることはなく、ただ悠然と御船を待ち構え】

【針が、鋭く男へと迫る──】

【が】
【確かに突き立てたかという瞬間、針が動かなくなるのを感じるだろう】

【──男は、御船の針を、人差し指と中指の間に挟み込んでいた】
【それも万力のごとく、尋常ならざる力で】


────Wow...良いじゃないか。
良いガッツだ。お前みたいな奴は嫌いじゃない。


【男の深い瞳に、御船の姿が映り込む】
【口元の笑みが、一層愉快げに深まって】
【そうしている隙に、周りの男達が幾人か群がって羽交い締めにしようとする】


──お前はクールな奴だ。そうだろ。
こんなことで喚いていないで、落ち着いて話をしようじゃないか。


【それは聞き分けのない生徒を優しく諭すような】
【鷹揚たる父性の如きものを滲ませた声色であった】

【そして御船の背中に、ぐ、と冷たく硬質なものを押し当てる者があるだろう】
【──わざわざ確かめるまでもない。それがこの場において銃口以外の何で有り得ようか】
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/07(土) 22:37:35.93 ID:srOPTsRd0
>>540

「本当だよ。――どうしても能力者を排除したいならさあ、"全部"消さなきゃね」
「ああ、それじゃあ駄目だ。悪意を全部封じなくちゃ駄目だね。能力が無くたって悪意は容赦なく牙を剥くし」

【――やはり、この男非常に物騒だ。極端な思想に対して、極端な思想をぶつけ返す】
【それでもって、冗談を言っている顔でもない。……むしろ、先程より真面目そうなそれ】
【"悪意が全て消えて無くなってしまえば、平和になるんだ。"】

「――我々?」

【おそらく聞かれてはマズいだろう事は、耳打ちしてきた時点で察していて】
【この呟きも、よほど近くで聞いていない限りは聞こえないだろう声量だ】

「ありがとう。――お礼にこれあげるね」

【渡された紙を視線移動だけで確認し、それが連絡先であることを認識すれば】
【別のポケットから取り出される紙とボールペン。そこに、書かれていくのは】
【"レオーテヴュート"の名と、それから連絡先。――UT所属ということも書かれているか】
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/07(土) 22:37:58.97 ID:/uOmM2Qbo
>>541

【カレーをもぐもぐ食いながら「うん?」なんて声を出して振り返る】
【ちょうどそれが最後の一口だった。カレーを見て、男を見て、それから皿を差し出して】

もらうわ。案外、味が変わってて面白ぇ
陸軍かって言われりゃまぁそうだな。ちょいと変わったところにもいたけどよ
変わったところと言やぁ今もそうだな……へっへっへ

【何がおかしいのか男は笑っていた。喉を鳴らすような、独特な笑い方だった】
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/04/07(土) 22:38:18.57 ID:jbTUe1aOo
>>480

【夜の闇――――その中から、人影は現れた】
【機械じみて規則的な足音を伴っていれば、視認するより早く、その存在に気付くことは容易だったろう】

――――ここ数日の天候で、とうに散ってしまったものかと思っていたが。
果たして、このような場所に咲いているとは。

【女の声。彼女がそちらを見ていたならば、やがてその姿が晒される】
【その顔に見覚えは無いだろう。しかし――――彼女にとってみれば、確かに知った¢カ在と言えよう】

【―――細身の女。その外見的特徴は、彼女が『彼』から伝え聞いたある人物のものにこれ以上無く当てはまっていたからだ】

【一つ結びにした銀髪。黒のパンツスーツ。手には革鞄。細いフレームの眼鏡】
【レンズが光を反射して、瞳の色までは窺えないだろうが、彼女達の敵≠ニして知らされた、女の姿であった】
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/07(土) 22:46:39.86 ID:1yZ52d/vo
>>542

【純然たる驚愕の表情。御船の顔に恐れが浮かんだ】
【ビクともしない、一体どれだけの力があればこんな真似ができるのか、と】
【見上げる男の表情。不快であった。どうしようもなく】


君の様な人種に好かれたいとは……思わないがね


【吐き捨てるような言葉、観念した様に羽交い締めにされるだろう】
【苦悶の声を漏らす、状況は最悪だが終わりではない】
【"Dr.Feelgood"の焦点を凝らす、周囲の状況をより深く観るために】


良いだろう、君達にそれだけの知性があるなら、僕は幾らでも話し合いに付き合うよ
そもそもだ、僕はテロリストとの接触を疑われ、ここに来た
それならば──この様な状態自体が、可笑しいのじゃないかな

君は、君達は、何者だ。
僕はクールさ、いつだって冷静に、クレバーに物事を見るのだから
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/07(土) 22:50:29.97 ID:esIPSobZ0
>>507

へぇ…"ぶっ[ピーーー]"とは随分と大きな口(ビッグマウス)なこった。
心は[ピーーー][ピーーー]ぶっ[ピーーー]って叫んでても、だ。その体たらくで何が出来ンだよ?

【男の殺意が少し心地よい。皮肉った様な笑みを浮かべて、テールランプのように赤く滾る頭が冷え始める】
【依然として膨らんだ怒りは収まらない。それが証拠に銃口は未だ白いローブの女性に向けられたままである】
【しかし先程よりは取り戻しつつある理性が、引き金に触れている指を圧し留めているのであった】
 

白ローブの話が本当だとしよう。人間様に向けて危害を加えようとすれば勝手に自滅するワケか。
だとすりゃある程度合点がいく。てめえの欲求不満のツラも、歯切れの悪ィ言葉も、だ。

となると、だ。アタイは勝手な思い込みで独り善がりでイキってた事になる。
けどよォ、一度火が着いた導火線を消すにゃ一苦労なんだぜ?
現に先刻までのアタイは誰でもいいからヤっちまいたくなる程だったんだ。

つーわけで、だ。譲歩する代わりにその都市について詳しく話してくんねえか。
…アウとやらの風通しが良くなる前にな。


【カイが打ち込んだのは弾丸ではなく、言霊】


【世情に疎いカイにとって能力の制限がされる都市など聞いた事が無かった】
【故にアウの説明を鵜呑みにする事が出来ず。けれど、嘘を吐いている様子でも無いとも感じた故の譲歩】

【先程まで地面に転がっていたヘケメトを睥睨しながら】
【銃口のやり場について。身勝手な怒りのやり場について思案を巡らすのであった】
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/07(土) 22:55:46.05 ID:/9J0eaxj0
>>545

【いっとう涼し気な夜の風が吹き抜けた。さあ――と枝に無数にある花びら同士がこすれ合う音、あるいは、地面に降り積もったものが砂粒とこすれ合う音】
【ざあざあと音すらしそうなほどに花びらが舞い落ちて来る。ひらはらと――その向こう側の少女の姿を刹那隠してしまうような吹雪は、だけど、長続きはしない】

――――――――……、

【そうと向けられた視線があった。そして――相手は気づく、だろうか? 色違いの瞳は確かに刹那見開かれるように丸みを帯びたのだ、薄い唇を噤むようにして】
【かすかな吐息の音がする。次いで細められた瞳は――ああでも、誰かが来ることを想定していなかった。故の驚き――にも見えるかもしれなかった】
【ここがどれだけ誰が来てもおかしくない場所だって。こんなに満開の夜桜の世界、思わず見とれてしまうような世界、自分以外のすべての生き物が死滅してしまったような世界】

――――こんばんは。お姉さんも……、お花見に来たの?
とても立派な樹。ずっとここに居るんだね――、……見て、鳥が蜜を吸ったんだね、お花ごと落ちてる。
もう少ししたら――お日様が透き通るような若葉が吹いて。真っ赤な実が成って――、夏にはね、きっと、うんと大きな木陰になるの。

【目を細める――穏やかな笑みに移行する一瞬に、ほんのわずかな強張りがあった。敵として知らされた人間であることには、もうとっくに気づいている】
【それでいて彼女なりの決まり事を執り行わなかったのは――そうしてしまったらごまかせなくなってしまいそうで怖かったからだ。くすりと笑い声、鈴の音がささめいて】
【相手の方へ向き直る、それからそうとしゃがみこんで、地面にがくごと落ちてしまった花を一つ、拾い上げる。赤みを帯びた花柄を指先でつまんで、くるくる回す】
【少しすれば飽きてしまったみたいに少女は自分の真っ黒な髪に拾い上げた一輪をそっと差し込む、耳元――控えめな髪飾りのように、あしらって】

【――少女は当たり前の声音で話しかけてくる。だけど、気づかれてしまうだけの要素は、零ではなかった】
【鈴の音はひどく涼し気で特別で特殊な声音、だからいろんな気持ちを隠しこんでしまうようで――だけど、時として、余計に目立たせてしまうこともある】
【なんせ特徴的すぎる。数年前に繰り返し流されていたCM――あるいは何らかのテレビで聞いたことがあるかもしれない。UTの給仕として話す、この少女の声を】
【そうでなくても――調べれば、すぐに出て来る。この少女はUTに何年か前から在籍している、そして――最も知れ渡っただろうCMの時から、少しも成長していなかった】
549 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/07(土) 22:58:17.36 ID:Awkatb7c0
【軍楽隊の演奏もまた船列解除と共に、勇ましい軍歌へと変わる】
【続き大和の後方の戦艦群が下がり、第一航空戦隊が前に】
【魔導空母『赤城』『加賀』】

『零式部隊、211赤城航空隊、203加賀航空隊、発艦!』

【アナウンスの声と共に、無数の艦載機が発艦する】
【宙返り、急旋回、アクロバットな飛行を見せた後、一糸乱れぬ隊列を組み】
【スモークを焚き、空に櫻国の国章、横に水国の国章を描いて行く】
【観衆の熱気と歓声は、最高潮と言える】


>>543

【男性の物言いは、何とも過激と物騒を極める】
【全員が全員、とは無論いかない】
【しかし、それでも根絶やしにと言うのもやはり過激な考えかも知れないと】
【少女は若干眉根を顰めるも】
【最も、所属や個々人の考え方はそれぞれであって然るべき物だ、と】

【だがやがて……】

「……」
「はい!ありがとうございます!連絡しますね!」
「観艦式、楽しんでいってくださいねー!」

【その内容を見て、直ぐにそれをポケットに仕舞い込み】
【先ほどと変わらない笑顔に戻り、こう告げて】
【少女は去って行く】
【尚、気付いたか気付かないかは不明であるが、連絡先の紙と一緒に】
【『大和特別見学券』も一緒に入れられている、サービスだろうか?】

>>544

「水の国の陸軍ですか?」

【男性は話を聞きながら、付近の調理担当の水兵にカレーを注文する】
【随分と癖のある人物だ、そう思った】

「変わった所?どちらにいらっしゃるんです?」

【不思議そうな顔をしつつ、そう聞くスーツの男性】

「あ、私こういう者です」

【笑顔のまま、男性に名刺を渡す】
【水国日報記者、厳島命、そう書かれた名刺を】
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/07(土) 23:01:53.55 ID:/uOmM2Qbo
>>549

いたのはまぁ、ちょっと内緒にしとくか
今ぁいるのは自警団ってやつだよ……知ってっか、自警団?
それであんたは記者ってやつか、取材してるってわけだなぁ

【名刺を受け取って一瞥してから、男は乱暴にポケットに放り込む】
【そのあたりの礼儀はなっていない男だった】
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/07(土) 23:11:00.70 ID:srOPTsRd0
>>547

「その銃をさっさと下げろ。――俺のアウを傷つけて良い奴は、俺だけだ」

【――女性が頭を抱えている。誰に対してかは、あえて言う必要はないか】
【この男は男で、結構直情的なのかもしれない。現に、駄目だとわかっているはずの攻撃の構えが取られていて】
【けれども、まだ手を出されたわけではない。それもあるのか、殺意の目線のみが相手に送られる】

『そうなります。クマやイノシシ相手ならば問題ありませんが――』
『人間等へ危害が加わるだろう行為は、大体駄目のようです』

「……なんだっけ? カニミソスシ?」
『カミスシティです。……その都市については私たちも詳しくは知りません』

【彼らもまた、世の中のアレコレに対しては疎い。】
【もしその都市のことを知っていたのならば、おそらく踏み入れることもなかっただろうから】

『ですが、あの都市は非常に奇妙でした。――能力を使用すれば警報が鳴り』
『それ以外にも、例えば迷惑行為。一般人にバックブリーカーをかけるなどですね』
『それを行うと、いかなる状況でも笑顔を絶やさない、強い者共が現れそれに囲まれ……反抗すれば、捕まえられる』
『――そして、捕まえられてしまえば、攻撃の意思に反応しそれを止める薬を打たれる。……私がわかる範囲はこの辺りですかね』

「……でもよ、捕らえられた俺を助けたのは……俺みたいな喋り方の、でも眩しくてよく見えねェ奴だった」
「色々と謎が多いぜ」

【男の視線は銃口を捉えたまま。……警戒というよりは、どうも嫌がっているようにも見えるが】
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/07(土) 23:14:46.58 ID:srOPTsRd0
>>549

「……うん、僕も何かあったら連絡するよ」

【再び見せる笑顔。それだけ見ていると、物騒なことを言いそうには見えないが】
【――彼女が立ち去った後、少し人通りが少ない場所へと移動し紙の内容を改めて確認】

「見学券……ねぇ」

【先程見た時には気が付かなかったそれに気がつけば、それのみを別のポケットに移して】

「まぁ、せっかくだし」

【この券は一体どこで使えるのか、とりあえず船があるだろう方向に向けて歩みを進める】
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/04/07(土) 23:22:31.96 ID:jbTUe1aOo
>>548

【彼女のことは知っていた。何故ならば。その組織は、障害たり得る存在≠ニして真っ先に思い浮かぶものだったから】
【故に、女は関わりのある人間に関して調べ、宣伝の映像を見、そして、眼前にいる彼女がその一員であることを知っていた】

【しかし、女はそんなことはおくびにも出さない。舞い落ちる花弁の向こう、仮面の如く変わらぬ表情があった】

―――いや。仕事帰りにたまたま通りかかっただけさ。
そうすれば、立派な桜が目についたものでね。

お姉さん“も”、というのなら……君は花見をしていたのかな。それならば、私は邪魔だったか。

【他愛もない、世間話。毒にも薬にもならない、そんな内容。】
【よかった、気付かれていない―――と、安心させようとするかのように。】

しかし……随分と大きな樹だ。
どれくらいの歴史を重ねてきたのだろうな、この樹は。

【一歩、女が前に進む。自然、二人の距離が縮む。警戒心を抱いているならば、彼女は接近を嫌うだろうか。】
【碧の瞳が、レンズ越しに彼女の姿を捉える。視線はただ真っ直ぐに】
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/07(土) 23:24:22.81 ID:y2OaWj3ao
>>546

【男は、挟み込んでいた針をぱっと離す】
【それから吐き出された御船の言葉と態度を見れば】
【男は目尻に皺を寄せて、心底愉快そうに笑むのだった】

【──周囲は朝とも夜ともつかない霧中】
【鬱蒼と生い茂る森の木々は見受けられたが、そこに鳥や獣の気配はない】
【まるで一定の空間だけが切り取られ、別の位相へずらされたかのような】
【霧の奥を見通そうとしても、それはどこまでいっても濃霧ばかりがあるのだった】

【そして御船の両脇にそれぞれ男達が立ち、腕の片方ずつを抱えながら】
【廃工場の中へと歩ませていくだろう】


────うん、良いぞ。クールな質問だ。

そして答えはシンプルだ。
俺は、俺たちは、──救済者≠セ。

世界を、より良いものへ導く……
互いに『同じ立場』だと思っているんだが……──


【「まあ立ち話もなんだろう」】
【そういって一旦口を閉ざし、廃工場の中へと進んでいく】


────ようこそ、『秘密基地』へ。
少しばかり散らかっているが、まあ自分の家だと思って寛いでくれ。


【陰鬱たる錆び鉄の根城へ足を踏み入れれば、】
【もはや稼働することもないだろうベルトコンベアや何らかの工業機械が並ぶ空間の中に】
【やや開けた場所があり、その中心に粗末なパイプ椅子が、向かい合う形で二つ置かれていた】

【男達はその一つへ御船を座らせる】
【拘束具はない代わりに、突撃銃やそれに類する銃器を携えた無数の男達が】
【工場内にはひしめいていて、御船と男を中心として円形に取り囲んでいた】

【──この薄暗い場内にあって、一つだけ煌々と照るものがあった】
【何かの『焼却炉』であろうか。鉄で出来た窯状の機械の中で、炎が舌を揺らめかせていた】

【男は鉄塊を部下の男達に一旦預けると】
【御船に相対するように、パイプ椅子へと腰掛ける】

【すると男は眠たげに据わった、しかし円らな瞳を彼へ直線で向けて】


────俺は“ジェフリー”だ。

さっきも言ったが、君と『同じ立場』だ。
少なくともそうありたいと思っている……

君はどうだ、御船君。


【今間で何人も相手取ってきたような、落ち着いた声色が問うた】


/ごめんなさい、お待たせしちゃいました。
555 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/07(土) 23:28:54.15 ID:Awkatb7c0
『以上で行軍パレードを終了します、各艦艇投錨後に軍艦見学が可能となります、皆さま奮ってご参加ください』
『また、大和の内部見学は、チケットをお持ちの方のみが対象となります、お気を付け下さい』

【そんなアナウンスの中、次々と艦隊が帰投、所定の位置に錨を下してゆく】

>>550

「自警団、と言うとディミーアさんの所ですか?」

【少し、厳島の表情に変化があった】
【戦友の、協力者の所の所属だと言う】
【だが、同時に悪戯の心も起きる】

「ディミーアさんとはかつて取材でお世話になりましてねー、お元気ですか?」

【あくまで記者の振りをし続ける事にする】

「今日はこの観艦式の取材でしてね〜」
「貴方は今日はどんなご用事で?やはり自警団の方、警戒任務ですか?」

【口調は軽く、そして笑顔は絶やさず】

>>552

「あれ?ドS王子!?」
「うわッ本当ッス!?」

【恐らく少し前に知り合った二人だろう】
【カウボーイ姿の男性と少女】
【手にカレーや飲み物を持ち、こうレオーテヴュートに声をかける二人の姿があった】

「え、お宅もカレー食べに来たの?」
「格安ッスしかも旨いッス!」

【どうやら二人は安く振る舞われるカレー目当ての様だ】
【なお、軍艦の係留場所は二人を超えたさらに向こう側、その中心に大和は投錨している】
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/07(土) 23:35:02.54 ID:srOPTsRd0
>>555

「君たちは――まったく。好きに呼んでもらって良いとは言った気がするけれども」

【呼び名そのものに対する否定はない、暗黙の肯定かもしれないし、単純に否定するのも面倒なだけかもしれない】
【ともかく、その表情が変わることはなく。怒らせてはいないだろう、……たぶん】

「うーん、カレーを食べに来たんじゃあなくて、まあ共闘するかもしれない相手の確認かな」
「それと、さっきこういうのも貰ったことだし、使おうかと思ってね」

【その言葉とともに2人に見せるは、つい先程受け取ったばかりの『大和特別見学券』】
【奥の方にちらりとそれらしきものが見えたな――なんて思いつつ】
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/07(土) 23:37:03.11 ID:/9J0eaxj0
>>553

【まして――黒幕の中で彼女は敵対勢力の協力者として認識されているはずだ。それを相手が知っているか知らないでいるのかは、別として】
【おそらく黒幕側から差し向けられたのだろう武装した集団と一度交戦もしている。その時の結果は――死者多数、だれもが鋭い刃に切り落とされたような刀傷で死んでいて】
【生存者も少し居たがあくまで"殺し損ねた"ような。また生存者に確認すれば彼女の得物が櫻の刀であり、不自然に水を纏った得物であり、そして――】
【その刃が纏う液体がおそらく何か強い毒であるのも、分かるはずなのだ。ただし成分を調べたとしても世界のどこにも存在しない、しいて言えば、とある蛇毒に似ている】

【櫻に多く分布する蛇――山楝蛇。その毒によく似て、だけど明確に違えた、何か。性質として強い酸に似るが、この世界の何でも中和できない、全く謎のもの】

【――あるいは相手にそれらの情報にアクセスする権限があれば。知ることもできただろう。ほかには魔術らしきを行使した、とも、報告されているだろうか】

――そうなんだ、わたしはね、今日はお仕事がお休みなの。お散歩していたんだ――、気分転換をしたくて。
ううん、邪魔だなんて……そんなこと、ないよ。だけど残念、おいしい食べ物とか、お酒とか。そういうのが会ったらよかったのに……ってね、思うの。
桜の花はね、いつだって楽しそうなひとたちに囲まれているお花なんだよ。

【ころころと喉を鳴らすように笑う、そのたびに鈴を手のひらで転がして戯れるような、かすかな笑い声。仕事帰り、と言った相手に】
【自分は仕事が休みだったんだ――なんてあくまで他愛ない雑談の温度感。それでいてお互いにお互いを"そう"だと認識している、問題があったとしたら】
【相手よりも少女は"下手"だった。話し始めてしまえば、それはいくらもごまかせたけど――】

【――相手の接近を見つけて、少女は一度足をわずかに動かしたのだろう、じゃりっ、と、ひどく目立つ音を立てる】
【だけどそれ以上の動きは――なかった。本当にわずかに眉をひそめたのは自分へ向けてか、相手へ向けてか、笑いながらも――刹那、警戒を隠すことが出来ずに】

どれくらい、かな――? だけど。こんなにおっきいから……うんと、きっと、長くだよ。
わたしたちなんて到底及ばないくらい――考えもつかないくらい、長い時間。ここに居るの、それとも、どこかからか来たのかな。

昔ね、見たことがあるの。街中で……この樹はどこかからか移植されてきたものです、って、書いてある樹。
とっても立派で、大きくって――そういうもの、なのかな、この子も。

【何もなかったみたいに話す――それはあくまで身体の向きを変えようとしたのだ、というみたいに、少女は再び桜の花を見上げるだろう】
【言葉は――嘘じゃない。だけど、態度はうそだった。こんなふうな話をするひとじゃないと分かっている、相手も、もしかしたら、分かっているのじゃないだろうか】
【もし――協力者の誰かが非道い目に遭わされて言ってしまったのだったら。裏切りものが居たのだったら。それとも、あの時のメールが、やはり傍受されていたのだったら】

【今ならまだ先手を取れる――? 一瞬考えて、だけど、止める。そのつもりで来ているなら、先手なんて、ばれている時点で、自分の手元にはなかった】
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/07(土) 23:38:05.70 ID:1yZ52d/vo
>>554

【悪趣味な空間だと思った。まさに住んでいる場所が違うといった感触】
【御船にとっての予想外、それ故にこの状況は非常に不味かった】
【───クールになれと自分に言い聞かせる、魂の練度を高めていかなければならない】


ああ、『同じ立場』だよ、どうしようも無いこの世界を僕だってどうにかしようと思っている。
だからこそ僕は君達に協力をしてきた、大体はあの『調停官』経由ではあったけども、相応の働きはしただろう。
『魔防法』『セレンディピター号』『特区』───僕の役割は、異能者を狩る狩人だった。

僕はそれを間違っていたとは思っていない、今でも正しいと思っている。
異能者の多くはその力に溺れている、それでは僕の思う理想の世界には遠い。
故に目的が一緒だと判断した。


【椅子に腰掛け、革靴で床を叩く、一回、二回と何回も確かめるように】
【両肘を膝の上に付き、顎を載せる大胆不敵にジェフリーを見据える】
【気に入らない、その、全てを見通した目が、気に入らなかった】



───だが間違っていた、君達の『特区』は、僕達の理想郷では無かった。
ふん、仕方ないのさ、所詮僕達は"人でなし"だ、まともな生き方なんざ望むのがおこがましい。
だけどな、それでもまともに生きたいって思ってしまったのさ。

僕も、彼奴もな───だから、『違う立場』さ

お前らの様な"人でなし"と、一緒であってたまるもんか
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/07(土) 23:40:27.17 ID:/uOmM2Qbo
>>555

あぁ……?
なんだぁ、お前、隊長ぉのこと知ってんのかぁ?

【その名前でこちらの表情も少しばかり驚いたものへと変わる】

元気かどうかはこっちが知りてぇぐらいだぜ
別件だの何だのって、隊長のくせに俺たちのことはほったらかしだ
副官の俺の身にもなってほしいもんだぜぇ、全くよぉ

【ため息をつきながら、男が話したのは上官への愚痴だった】
【くたびれた風貌ではあったが、言ってることが本当ならこれでも副官らしい】
【つまりはあのディミーアの補佐、らしいのだが】

いや、単なる観光みてぇなもんだ

で……取材、ねぇ
お前、本当にこの国の記者なのか?
なんで、観艦式の取材するってぇのに、”この国の軍服”の区別がつかねぇんだ?

【間延びするような話し方。それも特徴の一つだった】
【疑うような言葉を浴びせながら、だらん、と首をかしげる】
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/07(土) 23:51:17.78 ID:esIPSobZ0
>>551

ヤなこった。アタイに攻撃できもしねえのに吼えてんじゃねェ。
それにその物言いは気色悪ィ。何が俺のアウ、だよ。
この場においてアタイ"は"好き勝手できるんから、言葉は選んで喋ろうぜ?

【飴玉を舌先で転がすようにヘケメトから向けられた殺意を楽しむカイ】
【それが証拠にカイはニヒルな笑みを浮かべ、神経を逆撫でするような高圧的な口調で言葉を紡ぐ】
【この状況がカイの怒りを徐々に鎮めているものの、銃を下げる事は決してしなかった】
【それどころか左手に握られた拳銃は、その銃口は、アウからヘケメトの身体へと向けられる】


【だが、ヘケメトへ向けていた意識はアウの声により引き剥がされる事となる】

…カミスシティ、ねえ。聞く限りじゃ随分と息苦しいトコだな。

【カミスシティ。最初に抱いた印象は"息苦しい"であった】

【暴力は駄目。能力の使用も駄目。規律を破れば即座にこわい奴らに制圧される】
【まるで能力者は人ではないと言わんばかりの措置。――思わず顔を顰めてしまった】

"ちょっと"息抜きしようとしたら強面のニィちゃん達がご登場かい。
それに能力を使えば即アウトでシャブまで打たれんのか。
何から何まで規則規則で窒息死しちまいそうだ。潔癖症も度が過ぎて反吐が出る。

(と言うことは、ヘケメトとやらはヤクを打たれちまったがアウはそうじゃねえのか?)

【逡巡。ヘケメトの代わりにアウにこの昂ぶりを鎮めてもらおうか】
【カイは、アウに戦うように仕向けるかに思考を傾けた。銃口の向ける先は定まりつつあった】

まあ、何にせよ良かったな。おめえらは素性の知れねえ行きずりの奴に助けられた。
でも、だ。ククッ、それも徒労に終わるかも知れねえなあッ!

【左手に握られた銃の引き金。それに触れる指に力が込められ――銃弾が放たれた】
【だがあくまで威嚇射撃。狙いは定めていないため、ヘケメトに銃弾が当たらない確率の方が高いだろう】
561 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/07(土) 23:52:07.32 ID:Awkatb7c0
【各艦は所定の位置に投錨】
【チケットが必要な大和以外は、望めば見学が可能だろう】
【あるいは、カレーを始め静ヶ先バーガーや魔導海軍コロッケと言ったフード巡りをするのもいいかもしれない】

>>556

「共闘?魔導海軍と、か?」
「うーん、確かに翔子ちゃんと上官さんは、黒幕も追ってるって言ってたッスけどね〜」

【二人が彼から聞いているのは対黒幕チームのお話】
【それ故に、話しにはピンと来る部分があった様だ】
【最もその話の中で、二人はレオーテヴュートの事を、ドSの星から来たサディスティック公国の第一王子と名付けているのだが……】
【やがて】

「ッ!!??それ大和の見学チケットッス!?誰に貰ったッスか!?」

【どうにも、この場でこのチケットは価値ある物のようだ】
【少なくとも格安カレー目当ての貧乏カウボーイ二人には、縁遠い物のようで】


>>559

「ええ、良く知ってますとも……色々ありましたし」

【笑みを絶やさず】
【人によってはかなり胡散臭くも見える、その笑顔のまま、こう答える】
【どうやらディミーアに代わり、直接の指揮を取っているのが、この男の様だ】
【ディミーアも、中々下にツワモノな部下を抱えていると見える】
>>556人物前のカウボーイ二人がくしゃみをした】

「……」

【男の言葉に思わず押し黙る】
【これはうっかりしていた、無論軍服の区別はつく、だが話の切っ掛け作りに持ち出したのが仇となった様だ】

「なるほど、ディミーアも部下には協力者の事は話していないものと見える……」
「失礼した、櫻国魔導海軍諜報員、厳島命だ、貴官の上官ディミーアの協力者だ」

【苦い表情を変え、そう改めて名乗った】
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/07(土) 23:57:39.29 ID:/uOmM2Qbo
>>561

【観艦式の状況も変わり、人の移動が激しくなる】
【かといってこの男が動くわけでもなく、そのへんの店から食料を手に入れてはもそもそと食っている】
【なんだか奇妙なタイミングでくしゃみした二人の方を一瞥したが、視線を戻して】

へっへっへ……俺の目も腐ってねえってところか
おーおー、うちの……なんだぁ、暴れ馬が世話になってるみてぇだなぁ
どーよぉ、隊長ぉは? 俺らのことほったらかすぐらいだ、めんどくせぇことやってんだろ?

【演技が見抜けたことが嬉しいのか、また喉を鳴らして笑っていた】
【それから話は上官のことへと移る。様子が気になるあたり、ほとんど連絡は入っていないようだ】
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/04/08(日) 00:00:34.29 ID:TgRxrMCoo
>>557

【事件として扱われている案件ならば、女にとって、アクセスすることは何よりも容易いこと】
【それは、女が『黒幕』に与する存在であると同時に、弁護士の肩書を持つが故】

【相手が戦闘力を有している。その事も、承知の上で。】

――――そうか、それは残念。私も今は何も持っていなくてね。
なに、私も酒は飲む方でな。少し前にも、酒場でサングラスの不思議な男と出会ったこともあったか――
ある事件を調べているだとか何だとか、ひどく警戒心の強い男だったな。少し冗談を言っただけで、銃など向けて。

【―――他愛もない話だ。さして掘り下げるわけでもなく、ただ流れるように繰り出される言の葉の束。】
【そんな風に告げて、一息、間を置いた。】

【そして、風が二人の間を吹き抜けて――――空気が変わる】

ところで、職業病とでも言うべきか。つい人の表情を探ってしまう癖がついているものでね。

君は――――私のことを知っているのかな。あの表情≠ヘ、そういうものだろう?

―――私の記憶では、初対面のはずなのだが。

【まず切り込んだのは、女の方であった。】

【指の先で眼鏡のブリッジを押し上げながら、彼女を見据える。】
【彼女がまだ桜の樹を見ているのならば、その視線は横顔を捉えるのだろうか】

【彼女の反応、その一切を見逃さない、と言わんばかりに、女の視線は鋭さを帯びていた】
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/08(日) 00:00:37.38 ID:ocQ/2vyso
>>558

そうだ。君は良く働いてくれた。
頭はクールだし、動きもシャープだ。
俺も、俺たちも、君のことはとても優秀だと思っている──

【視線が相対する】
【悠然と足を組み、口元だけが微笑を湛えた男と】
【それを真っ向から突き返すように衝突してくる御船】

【“目的が一緒”──】
【そう語られた時点までは、何も問題はなかった】

【だが】
【彼が確かに──『違う立場』だと表明した途端】
【その空気の色は、確かに変わった】


【──ぱちり、と】
【焼却炉の中で燃えかすが弾け、炎が揺らめく】
【両者の横顔を、煌々たる橙の光がゆらりと舐めた】


【やや沈黙が挟まれたのだった】
【男は御船の言葉を聞いて、一つ長く唸った】


────そうか。

それは残念だ。
君とは良い仕事が出来ると思っていたし、
“新しい世界”を理解できる心の器も持っていると思っていた……

……が。
それも仕方のないことだ。
誰にだって、何を選ぶかぐらいの自由はある。


【男の喉から放られる緩慢な重低音が、場に溶ける】
【やがてその目尻に、小さく皺が寄って】


──心配しなくていい。
それだけ聞ければ、もう話し合いは十分だ。

わざわざ遠いところ、すまなかった。


【そう言って、男は片手を差し出すのだった】
【──握手。何とも鷹揚に、御船の前へと向けられて】

【無論、取るも取らないも、彼の“自由”なのだが】
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 00:05:58.87 ID:sPm7OTok0
>>560

『ですね。彼の場合は殆ど自業自得ですが……』
『能力を使わなくとも、ちょっと暴れるだけですぐに打たれます。どのような理由であれ暴力を絶対に許さない、そんなモノを感じました』

『……もし、警告を無視して能力を使った場合どうなるかは私にもわかりません』
『それを恐れて彼を見捨てたのですから』

【見捨てた、表情の変化に乏しい彼女が見せた、少しばかりの暗い影】
【もしあの時、能力を用いて彼を助け出していたらどうなっていたのだろうか?】

「――俺は攻撃を"封じられた"わけじゃアねェーんだ」
「それと、銃ってやつは不快なんだよッ! 理由なんてねェ、ぶっ潰れろッ!!」 『落ち着いてください、ヘケメト』

【それが威嚇射撃だと判断できたのは、女性の方だけだった】
【ただでさえ相手に対するヘイトが溜まっている上に、銃が嫌いという事もあって】

「ガアアァァーーーッ!!!」

【――攻撃を行おうとすれば、悶え苦しむ。では、行った場合はどうなるか】
【それは、この様子を見れば一目瞭然】

【相手に向かって拳を構えながら接近する彼、その腕からは棘が次々と生えていって】
【――そこまでは先程と変わらない、けれども棘の生えている位置は明らかに意図的ではない】
【まるで内部からその身体を崩壊させんと、"骨"から棘が次々と生えては肉をえぐり、血を散らせる】
【よく見れば、他の部位にも内出血が次々と生まれていて】

【そんな状態で放つ拳の威力はお察しの通り。――もし命中したとしても、返り血の方が遥かに多く付くだろう】
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 00:10:10.75 ID:sPm7OTok0
>>561

「まあ、今のところ本当に共闘することになるかはわからないけれども――」
「……うん、おそらくその前者の人とさっき会ったね。」
「黒幕を追ってるとなれば、やっぱりいずれ出会うことになる」

【そこまで踏み込んだ話はしていなかったな――なんて思い】
【けれども、彼女もまた黒幕を追っているならば、やはり正解だったか】

「これかい? ――君がさっき名前を上げた"翔子"って名前の人からだよ」
「同名の可能性もあるけどね――ふふふ、欲しいのかい? "あげる"かい?」

【……絶対にあげる気がない、というか定番のアレをやってきそうな雰囲気】
【否定しないし、やっぱりコイツSっ気まみれだ】
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/08(日) 00:12:45.97 ID:wfbvmcCZo
>>564

【───くそ、と思った。この不快感をなんと表現しようか】
【我が物顔で街を闊歩する若者達、生きている事を当然だと思っている屑】
【彼が今まで思ってきた不快感、それを全て足しても足りない】

【ふざけている、差し出された手を一瞥し、彼は唸った】
【声は出さない、煮えくり返る腸を既の所で押しとどめる】
【苛立ちを隠せず、革靴がまた地面を叩く】


……バカ言うなよ、なぁ良いか、僕は話し合いに来たんだ。
一方的に喋らされて、はいそうですか、と、おめおめと帰れるかよ。
お前の理屈で、全てを決めてんじゃねぇよ。───健常かそうでないかを、図るんじゃねぇ。

だから話せよ、お前らが描く"新しい世界"を。
本当に残念だと思っているのなら、理解させてみるんだな。
僕や彼奴が生きられる理想郷であれば、考えてやらないことも無いぜ。


【まだコールはしない、彼は更に掛け金をレイズする】
【オールインだ、命すらも惜しくないと思える程に】
【"眼"が唸る、この空間の綻びを、僅かな隙間でもいいから見つける為に】
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/08(日) 00:23:12.16 ID:NAlg9uyw0
>>563

【事件――だろうか。ただ、あくまで極秘裏のことであり、警察なども知らない襲撃であったなら、そう処理されることも、あるかもしれない】
【そして――あるいは。警察のデータベースに残っていれば。もう何年も前になる、六年ほど前――そこから二年ほどにわたって長く続いた、とある通り魔殺人事件】
【ただしそれが本当に殺人事件であったのかも、分からない。とにかく残っていたものはほとんどない。溶け残ったような――人間の欠片、あるいは、赤い赤い水たまり】
【生存者目撃者共に零――おそらくすべて殺したのだろう――痕跡の乏しさと死体の損傷のひどさから操作は進まず、未解決の箱に放り込まれた、その一連のこと】
【たしか、あれも、ごくわずかな痕跡から得物が死体を強烈に損傷させる液体――正体不明の何か――だと言うのが判明していた、はず、】

【――ただ。あくまでそれは警察の管轄だ。それとも。誰か被害者の一人でも身元が判明したかもしれない、そうして彼女が知っている可能性も、零ではなく】

わたしね、お花もお団子も好きなの、だからね、どっちも欲しいな。
おっきな公園とかだと、食べ物の屋台が出てるでしょ――そういうところで、いろいろ買うの。

だけど――たまには何にもないお花見も、やっぱり、いいかも。

――――、そんなひとが居るんだ? 物騒だね――、魔制法のこととかで、気が立ってるのかも。

【花もいいけれど団子も食べたい、彼女の言うような屋台はこんな公園には一つもなくって、それどころか、この近くには自動販売機さえ、ありそうになくって】
【――酒場。サングラス。ある事件を調べていて。警戒心が強い。銃――、頭の中で言葉が組み立てられていく。少し嫌な予感がした、まさかって思って、でも、確証はない】
【困ったみたいに笑う、「お姉さん無事でよかった」だなんてありふれた表情と言葉を向けて】

……ううん、初対面だよ。ごめんね、その髪の色――、わたしの昔の友達に似ていて。
どこでどうしているのかな――連絡先とか、分からなくって。だからね、一瞬、あの子かも……って思っちゃったの。
ルシアっていう子なんだ――元気にしていたら、いいなあ……。

職業――お姉さんは、何のお仕事をしているの? わたしはね、お店でお酒を作ったり、ご飯を作ったり――。

【「私のことを知っているのかな」――ああと心中で思わず目を閉じるような気持ちになる、だけれど表情ばかりは変わらず、ふっと振り返ったなら】
【懐かしいものを思い出したみたいな、少し寂しいみたいな、そういう表情をするのだ。そして当たり前に嘘を吐く、銀色の髪の知り合いは、確かに居たけれど】
【間違えるほど似ているということは――ない。それでも、本当に、どこかへ行ってしまった友人を思い浮かべる。――もとい、無理やり当てはめる、声を本当にするために】
【ならば声はいくらも"本当"らしく聞こえるだろう。――それからまるで話題を変えるみたいに、相手の職業へ触れるのだ。同時に自分の仕事も、嘘ではなく、伝える】

【だけど――UTであることは、言わなかった。じりじりとお腹が痛くなるような緊張感がある、だけど知れてはいけない、漏れてはいけない、ぎゅうと堪えて】
569 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/08(日) 00:23:52.05 ID:tl+KGtws0
>>562

【男の食欲は旺盛な様子だ】
【随分と色々な種類、バーガーやコロッケや、買い求めては食している】
【男子の健啖たるは良き事なり】

「暴れ馬か、部下に散々な言われようだ……」
「まあ、そうなるな……なるほど連絡は取っていないと見える……中々に俺もディミーアも大変さ」

【くつくつと静かに笑いを浮かべ】
【そんな風に答えて見せる】
【面倒くさいを振り切ったような状況だ、何れこの人物とも共に戦う機会もあるのだろう】

「先ほどの詫びだ、興味があるならば見てみるのもいい」

【興味がありそう、には少し見えなかったが】
【一枚のチケット『大和特別見学券』を手渡し】

「ではな、ディミーアに会ったら伝えておくさ……」

【そう後ろ手に手を振りながら去って行く】


>>566

「翔子ちゃんがッス?来てたッスか!?」
「いや、諜報員がこんなとこ出歩いてていいのか?」

【翔子と会った、その言葉はそれぞれ驚きを与えたようで】
【合縁にして奇縁、なるほど歯車は奇妙な部分で嚙み合う】
【また那須翔子自体は、連絡あるいは住所に行けば会えるだろう】

「く、くれるッスか!?欲しい、欲しいッス!!」

【この時点で展開が読めたのか、ビリーの方は白い目で見ている】
【一方マリーの方は、くれるものだと思い込み、ねだっている】
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/08(日) 00:24:26.59 ID:ocQ/2vyso
>>567

【苛立つ、反抗する】
【そうする年若い彼の様を見て、男は口の両端を吊り上げる】
【やはりそう来なくては、と。愉しんでいるような表情を隠さなかった】

【男はそうして彼の姿を瞳に映したまま、鷹揚に何度も頷いて】


────んん、惜しいな。
ガッツは良いが、出しどころを間違えちゃいけない。

クールになれ。理解するんだ。──“ここのルール”を。


【その時だった】
【御船が空間に『眼』を凝らしている最中、】
【彼の背後で、ぶン──と空を薙ぐ音がする】

【──部下達の一人が、その突撃銃の銃床を彼の後頭部目掛けて振るっていた】

【気配に気付いていたなら、回避は叶うやもしれないが──】
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 00:30:58.00 ID:sPm7OTok0
>>569

「うーん、まあ大きなイベントだし、それに……」
「彼女らの敵がこの場に紛れ込んでいないとも限らないもの」
「まあ、なんでいたのかは僕は知らない。でも、来てたみたい」

【理由をアレコレ考えてみるが、やはり本人に聞かなければわからないことも多い】
【とりあえず、彼らが想像している人物と同一らしい事がわかった様子】

「ふふふ、じゃああげよう……はい」

【すっ……】

【ででーん!(SE)】

「あげたよ。……どうしたんだい、その顔は?」

【……はい、例の券が空高く掲げられました。もはや定番過ぎるボケである】
【(風だか鳥だかにでも攫われてしまえば良いのに。なんて一般人の心の声)】
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 00:33:04.55 ID:12m08afMo
>>569

【食べ物を加えて片手を開けて、チケットを受け取る】
【怪訝な顔をして見れば『大和特別見学券』とある。全く興味のなさそうな顔をしていた】

まぁ退屈しのぎぐらいにはなるかぁ
ありがたくもらっとくぜ……えっと、厳島だっけか
じゃ、あばよ

【手を振り返して副官もまた人混みの中を歩いていく】
【食べ終わって包み紙をゴミ箱へ放り込む。ポケットに手を突っ込んで引き抜く】
【手には銀色の弾丸。表面には文字と魔法陣。手持ち無沙汰にそれを指先で弄る】

…………全く
いつまで”余計なこと”してやがるんだか、あいつは
こっちは後がつかえてるってのによぉ……

【ぶつくさ。文句は喧騒に消されていった】

//お疲れ様です!
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/08(日) 00:33:17.09 ID:wfbvmcCZo
>>570

【意識がとびそうな程の衝撃、苦悶の声が大きく響いた】
【まるでそれを忌避するが如く。御船は怨嗟の音を噛み殺す】
【あまりの衝撃に、惨めに地面に倒れ伏した、鈍い音が響く】


(くそ……!!何が起きやがった───!!
いや、違う、見えていた、叩かれたんだっ
なんて、なんて、躊躇の無い……!!)


【常人の攻撃であれば回避できた、予備動作さえ見る事が出来るのだから】
【しかし、躊躇の無い攻撃は予想外であった、常人は人間の頭を銃で叩くのに多少なりとも躊躇う筈だ】
【狂ってやがる、湧き上がるのは自嘲的な笑み】

【考えるんだ、と自分に言い聞かせる、ガンガンする頭をフルスロットルで回転させた】


はっ……王様気取りも大概にするんだな、心底趣味が悪い
大方、そこの焼却炉で焼いてんだろ?自分に不都合な真実とやらを
生憎と、僕の眼ならば見える。今焼かれてる物すらもね。

焼かれてるのが人間なのかも分かる。書類ならば内容を読み取る事も可能さ。
ほら、殴れよ、安全圏から他者を傷つける下衆が──


【言葉は雄弁に示す、彼の能力を──しかし、発動はしない】
【理解するんだと言った、それならばまずは手札を集めなければ】
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/08(日) 00:37:59.39 ID:485a7Pu/0
>>565

ハッ…!やりゃあ出来んじゃねえか。
良いぜ…かかってこいよBogeyman(バケモン)!

【明らかに異形。眼前に迫るヘケメトの腕から生える棘は意図せぬものに思えた】
【腕だけではない。腕以外の箇所からも鮮血を撒き散らしている姿を異形と言わずして何と呼ぶのか】

【ひゅう♪と口笛を鳴らし、鬼さんこちら手の鳴るほうへ、と嘲りを込めた言葉を口にして】
【両手に握られた拳銃の銃口はヘケメトへと向けられたまま、後方へと飛び退きヘケメトの拳をかわす】

お前、最高にイカしてんのな。思わず惚れちまいそうだぜ。
身体に悲鳴を上げさせながら突っ込んで来る奴なんて見た事ねえ。
ハハッ、良いじゃねえかよ。良いね。実に滾る。――けどなあ

【当初の意図から外れた現状に思わず歓喜するカイ】
【襲われているのにも関わらず、屈託の無い笑みを浮かべているその姿は普通では無い】
【そして、己が身体を壊しながら猪突猛進するヘケメトもまた尋常ではない】

このまま勝手に自滅して倒れる様な奴に、アタイは捕らえられねえよ

【このまま攻撃をいなして相手の自滅を待つという事を選ばないカイは】
【ヘケメトとの距離を取りながら二丁の拳銃の引き金を引き、弾丸を放った】
【二発の弾丸の狙いは下半身。[ピーーー]訳ではなくあくまでも動きを止めるための射撃であった】

おいおい、白ローブ。このままだと、お前の相棒自滅すっぞ。
また見捨てて尻尾巻いて逃げんのかァ?だとすりゃあ、コイツは喜劇だぜ、悲劇だぜ。

【ヘケメトが暴れる前に見せたアウの表情の陰り。カイはそれを見逃さなかった】
【故にヘケメトには実弾を。アウには言霊を。犬歯を覗かせた笑みと共に二種類の弾丸を放ったのである】
575 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/08(日) 00:50:04.69 ID:tl+KGtws0
>>571

「なるほどねえ……陸上勤務員も大変なこった」

【その職務上制服は着れず、銘々の私服での潜入警戒任務】
【もっともその中で味方に出会えたのは、これは有意義な話だろう】

【やがて】

「……」
「くれるんじゃねえッスか!?大人げねえッス!!楽しいッスか!?女の子虐めて楽しいッスか!?ドS王子!!サディスティック帝国の王位継承者ッス!!」

【やはりな、とビリーは呆れ顔】
【マリーは大声でそんな事を言いつつ、ビリーに引き摺られていく】

「ほら行くぞ、次はコロッケだ」
「じゃあ、邪魔したな、あー何か新しい情報あったら教えてくれ」

『大和特別見学券をお持ちのご来場者様、受け付け締め切りの時間が迫っております、お早めにご来場下さい』

【アナウンスが入る】

>>572

【やはり、と言うよりも解りやすい】
【興味は無さげの様子だった】
【やがて腹も膨れたのか魔弾を弄ぶ男性】
【果たして、共闘の機会は来るのだろうか】
【あるいは、その機会はどんな場面なのだろうか……】
【運命の交錯は、意外にも近いのかも知れない】


//お疲れさまでした!ありがとうございました!
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/08(日) 00:52:38.61 ID:NAlg9uyw0
>>568>>563
/うわーごめんなさい書き忘れありましたっ!

【――ただ。〜零ではなく】

【しかし彼女が関係しているという証拠もなく。けれどどうしようもない事実として、正体不明の酸に似た挙動をする何か――それだけがひとつ一致していた】

わたしね、〜欲しいな。

でした。こんなに時間が経ってからの修正になってごめんなさい!
577 :??? ◆/iCzTYjx0Y [saga]:2018/04/08(日) 00:53:27.90 ID:YEmgRD9f0

【銃声が鳴り響いていた。重々しくそれでいて素早い、連射に次ぐ連射の火薬音。】
【次々に排莢された空の薬莢がからん、からんと地面へぶつかり、小気味良いリズムを奏で続ける。】
【スライドが後退し次弾を装填、自動式拳銃<オートマチック・ピストル>特有のメカノイズが夜の闇へと溶け込んだ。】

―――あぁ!? なんだって!? ……よく聞こえねえよ、今こっちはバレット・パーティの最中だ!
大体電話越しだぞ、もっと大きな声で話さねえと何言ってんだか―――ああクソっ、離れろこの低級"悪魔"がッ!

【白銀の銃身に無駄に凝ったエングレーブ<彫刻>、木製グリップにはかなり際どい半裸の女性の図柄まで入って】
【装飾塗れで実用性皆無と言わんばかりの巨銃―――今どきお目にかかれない"失敗作"として有名な、その銃の名はAUTO MAG。】
【世界初のマグナム・オートとして製造されたが弾詰まりが多すぎる事からオート・ジャムという不名誉なあだ名までつけられてしまった珍銃がその正体だ。】

こっちは御宅らに頼まれた仕事をこなすので精一杯なんだよ、電話に出ただけでも感謝されたいぐらいだってのに―――なにっ!?
……はぁ!? オイオイ、ふっざけんじゃねえよどうなってんだそりゃ!? ―――いや知るかよ! "魔導機械が暴れてるから手伝え"、だあ!?

【ばかん、ばかん。阿保らしいほどの大げさな動きでスライドが後退し、弾丸を吐き出す。装弾数七発。リボルバーと殆ど変わらない。】
【そんなバカげた銃を使っているのはどういう人物かというと、これまたエモノに相応しいなんというか―――荒れた感じのガラが悪い人物だった。】
【ブラックレザーのライダースジャケットに革パンツ、ギラギラとしたワインレッドのシャツに黒髪、ハンサムではあるがB級映画でよく見そうな感じの"困り顔"。】

なんだよその魔導機械って……全長120m!? メカゴジラじゃねえんだぞ、なんでそんなもん作った!? ……ガルボの奴が遊びで!? バカにしてんのか!
で、武装は……バリア装置にジャミングウェーブ、拡散構造相転移砲、ハドロン砲、荷電粒子砲……大砲積み過ぎだろ! どれか一つでいいじゃねえか何で全部積んだ!?

【大柄で身長は190cmを超えるくらい、大きな拳銃を軽々と振り回し颯爽とリロード<再装填>。……しながら、首と肩の間に携帯電話を器用に挟んで。】
【"どこぞ"の"誰か"と通話しながら、彼は迫りくる"何か"―――真っ黒で姿形が不定形、獣の様にも人の様にも見える"影"の生命体を次々に撃ち抜いていた。】

どう考えてもオレの出る幕じゃねえだろ、"ミミ"でも"ヴォルヴェルグ"でも"スピセーレ"でも好きなの総動員して掛かれば―――全員休暇!?
じゃあ城にはアンタしか居ねえってのか!? ―――――アンタまで休暇中かよ! どっから電話してんだ!? ……タヒチ!? サタンてめぇぶっ殺すぞコラ!

【数体の影を一度に葬る。しかし影は次から次へと現れて、"海岸沿い"の港町から少し外れた所にある波止場に続々と集結し始めていた。】
【その正体は恐らく、低級だが厄介な類の"悪魔"だろう。人にも化け物にも成り切れない、怨念と魔力が結びついて生まれてしまった野良の魔族達だ。】

そんなメチャクチャなロボット兵器相手にオレが勝てるか馬鹿野郎! 雑魚悪魔片付けるのだって一苦労してんのに―――あっ、ちょっと待て。キャッチ入った。
―――はぁい♪ ハヅキちゃん?? 電話くれて有難う、今夜はどうしたの? 寂しくて会いたくなった? ―――え、デートの予定変更!?

いやいや、ちょーっと待ってね!? いやあ実はそっちの日だと別の娘とデー……あ。なんでもないなんでもない! 聴き間違いだよあははは! ―――まて、待てって!
まって! ハニー、待ってくれプリーズ! いや、嫌いになったりなんてしてないよ浮気だなんてとんでもな―――もしもし? もしもーし? ……おおい! もしもーし!?!?

〜〜〜〜〜〜〜! ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああクソッタレ! 何もかも上手く行かねえ畜生め!
デートも出張も取りやめだ! サタン聞こえてるか!? ―――笑ってんじゃねえ死ね! てめぇで何とかしろばぁぁぁぁか!!


【男は乱雑に電話を切れば、端末を目の前の怪物目掛ブン投げて攻撃。怯ませたうえで弾丸を浴びせ沈黙させる。】
【だが残る"影"の数は十数体以上。通話も終わり本格的に"殺し合い"が再開されようとしている状況、男は疲れ果てた表情で弾丸をリロードしていた。】
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 00:54:34.47 ID:sPm7OTok0
>>574

「"なんだよ、逃げんなよ"」

「"散々俺を痛めつけておいて"」

「"籠の鳥にも反撃の権利はある"」

【――その言葉の意味は確かに伝わるだろう】
【けれども、おそらくは聞いたことのない異国の……いや、もっと遠いどこかの言葉】
【血の涙の先に映る視界は一体どこのものなのだろうか】
【相手に対する言葉だけれども、何かと、何か別の存在と認識が混ざり合っているような――】

『いえ、ここは能力の使用を制限されていません。故に――』
『時が来れば、"彼と共に"逃げましょう』

【相手が引き金に指を入れたのを確認した彼女。その杖から放出される魔力は男の前に展開され】
【その魔力の盾は弾丸の威力を減衰させ、しかし防ぎきれず男に命中】
【脚部へのダメージのためか、あるいは別の何かか。男は再び地面と仲良くなった】

『あいにくですが、私は元から"攻撃"が苦手でして。……少し"気合"を入れないと駄目ですかね』

【男の口部に手を突っ込んだかと思えば、そこから取り出されるは1つの小さなクリスタルのようなそれ】
【女性はそのクリスタルを"飲み込んだ"】

『ひとまず、……あまり彼を挑発しないで貰えますか』

【――杖から放出される魔力の弾丸、それは相手が手に持つ銃に向けて一直線に飛んでいく】
【もし何かしらのモノに命中した場合、その弾丸は"破裂"、暑苦しいエネルギーの衝撃波を低範囲に齎す】
【ダメージを与えるのが目的と言うよりも、相手に対する警告のようなものだろう】
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 00:59:42.05 ID:sPm7OTok0
>>575

「本当、大変だねぇ」
「――まあ、今のこの時期に大変じゃあ無いのもそれはそれで駄目かもしれないけれども」

【どこか他人事のような口調。自分も"この時期"のせいで忙しくなっているのは棚に上げている】

「僕は"くれる"なんて言ってないよ? "あげる"とは言ったけれどね」
「……やだなぁ、人聞きの悪い。僕に王位なんて立場は似合わないよ」

【そしてお決まりの言い訳も添えて。】
【……訂正や拒否をするべき部分を間違えているような気もしないではない】

「そうだね、君たちもいずれ巻き込まれるだろうから……うん、時が来たら、ね」

【――そして聞こえてくるアナウンス。】
【そう言えば、あちらの方にそれらしきものがあったか。少しだけ早足で、受付に向けて歩き出す】
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/04/08(日) 01:02:18.03 ID:TgRxrMCoo
>>568

【友人に似ていた、と言われれば、そうか、とだけ返して。彼女が切り替えた話題へと乗り換えていく】

―――ああ、酒場で働いているのか。
そういえば……UNITED TRIGGERの事務所は酒場を兼ねている、という話だったな。
少し前はテレビCMもやっていたようだが……このところ、見かけないな。

そうそう、私の仕事は弁護士でね。
依頼人や証人と話をする際に、相手が嘘をついていないかを見極めようとするもので。
それで――――人の表情と嘘≠ノは敏感になってしまったよ。

【『いやなものだ』などと嘯いて、肩を竦めて見せる。女の演技は堂に入ったものだろう】
【元より表情に乏しいのもあるが、不審な点は見せない。―――振る舞いが彼女の持つ事前知識に反することを除けば。】

しかし、魔限法……か。どうにもあの辺りはきな臭いものだが。
―――そういえば、さっき言った男は、何やら機関がどこかと繋がっていて、とか言っていたな。

機関といえば、有名な手配犯も多いな。いや、機関そのものがそうではあるが。
能力者ともなれば、なかなかどうして捕まらないものだな。
能力者による通り魔%I犯行もまま耳にする……そういった点から見るならば、あの法案も有益なのかもしれんが。

【何とも言いがたいものだ、と。女は自然に苦笑を浮かべてみせた。】
【ただ―――眼前の彼女からすれば、どうだろうか。揺さぶるような言葉が、次々と】
【話の流れとしてはそう不自然では無いが故に、なお質が悪く】
581 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/08(日) 01:18:11.96 ID:tl+KGtws0
>>579

「詐欺師ッス!根っからの詐欺師!ドSッス!!」
「はいはい、行きましょうねー」

【ずるずると、ビリーがマリーを引きずって行く】
【やがて急げば受付に辿り着くだろう】

「ようこそ連合艦隊総旗艦大和に、チケットをよろしいですか?」

【受付の女性軍人がにこやかに挨拶する】
【チケットを渡せば船内に案内されるだろう】
【目の前にしてみると、この船の巨大さを身をもって感じ取れるだろうか】

【魔導海軍連合艦隊総旗艦『大和』】
【排水量:72,000トン、全長:263.0m】
【水線長:256.0m、幅:38.9m、吃水:10.4m】
【ボイラー:魔翌力式缶12缶、主機:魔翌力炉搭載魔導エンジン4基4軸】
【出力:153,553馬力、最大速力:32.46ノット】
【航続距離:16ノットで7,200海里(13,334km)乗員:2,500名】
【主砲:45口径魔導砲46cm3連装砲塔3基、副砲60口径魔導砲15.5cm3連装砲塔2基、40口径通常砲12.7cm連装高角砲:6基、25mm3連装対空機銃:8基、13mm連装対空機銃:2基】

「見学の皆様、こちらへどうぞ」

【にこやかな女性軍人が艦内へと案内してくれる】
【先ずは士官室だろうか?広々とした広大で作りも豪奢な広間に、大きなテーブルが置かれている】
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/08(日) 01:18:24.32 ID:485a7Pu/0
>>578

―――あン?なんっつった?

【聞きなれない言葉。けれど言いたい事は何となく伝わって】
【けれどそれは自身へと向けられたものなのか定かではなくて】

(チッ…アタイにもわかる言葉で話して貰いたいモンだ。
 言いたい事は大体解るが)

【銃弾は威力を殺されたとは言えヘケメトを貫き、言霊は大なり小なりアウを突き動かしていた】
【様々な要因で地面に倒れたヘケメトを一瞥した後、明らかに抵抗の意志を見せるアウに視線を移す】

何だよ…存外強かだな、お前。てっきり戦えねえ奴だと思ったぜ。

【地面に倒れたヘケメトと眼前に立ちふさがるアウ】
【何はともあれアウは戦えない訳ではないと知り、喜ばずには居られない】
【――まるで欲しいと願ったモノを手に入れた子供のように】

はんッ、そんなにアタイの口から零れる言葉が嫌なのかよ。
そんなに嫌なら、アタイの口を閉じたきゃ、お前が―――

【閉じさせてみろよ、この臆病モンがよ】

【その言葉は口に出されなかった。アウの魔翌力の弾丸はカイの持つ拳銃に命中したからだ】
【アウの魔翌力の弾丸が着弾した折、着弾点からの衝撃がカイを襲った】
【その衝撃は、カイの両手に握られた武器を無理矢理引き剥がし、嘲笑気味の態度を一変させた】

……OK、OK。今は挑発するのを止めてやらあ。
警告は確かに受け取ったからよ。…お陰で頭も冷えちまった。
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/08(日) 01:20:43.24 ID:NAlg9uyw0
>>580

――うん、そうだよ。そのUTでお仕事しているんだ、だからって、ほかのひとみたいに戦うわけじゃあ、ないんだけど。
お料理をするくらいしかできないから。――あれ、お姉さん、CMも見たことがあるの? じゃあ、わたしのことも、知っているかな――。
白神鈴音(しらかみりんね)――、お姉さんのお名前は? なんだかずっと"お姉さん"って言うのも変だもの、なんて呼んだらいいのかなって……。

【はたと瞬き一つ。さも、今、相手の言葉で初めて「そうだよ」って言うみたいな顔だ。そのくせ心中では知ってただろうなと険しい顔になる、分が悪い】
【ならば名前を名乗るのも今更だろう。告げるのは本当の名前だ、ただ問題があるとしたら――そんな名前の人間はどこにも存在しない。いくら調べても、存在しない】
【つまり彼女には戸籍のようなものがない。この少女の存在を証明してくれる公的なものが何一つも、ないのだ】

弁護士さん! わあ、すごい、初めて会うみたい。セリーナとかなら、きっと、うんとお話するんだろうけど――。
お勉強がとっても大変なんだって聞いたよ、わたしね、お勉強って苦手だから――ほんとうだね、そんなの、疲れちゃいそう。
お姉さんもよかったら、今度UTに来て。お酒を飲んているときって――きっと嘘とかって関係ないの、だからね。ご飯だけでも食べに来てくれたら、嬉しいなあ。

【ぱぁと華やぐ表情、思考じゃあ褪めきっているけど。それでも弁護士というのは――多分初めて話す。すごいなあって思う気持ちは、ほんとう】
【給仕としては――そういわざるを得なかったというような感じだろうか。嬉しげに両の掌をひたと合わせてにこにこ笑う、「腕によりをかけて作るからね」と】

んん――わたしは能力者だから、何にも言えないや。路地裏とか怖いなあって思うのも、分かるし――だけど……、
…………そうなの? じゃあ、また機関が何かしたんだね。本当に迷惑なの――セリーナも困っているんだよ。

そうだね――……カニバディールとか。交戦したこともあるよ、UTに攻めてきたの。
通り魔もそうだけど……、テロとか。最近はほとんどないけど――昔はひどかったもの、水の国とか。
だから……水の国から魔制法が始まるの、自然なのかな。あそこのひとたちは……きっと、そういうの、怖いと思うから。

【くしゅとした困った顔、自分は能力者だから。これも嘘ではない、だけど――セリーナが本当に機関のことで困っているのかは、知らない、嘘ではないだろうけど】
【そういう話をしたことはなかった。――そして挙げる名は明確に機関員。そして相手の協力者でもある、交戦したことがある。UTに攻めてきた……というのも、本当だ】
【ここだけは知れていてくれるなと心中で強く強く願う、緊張のせいか頭の中がくらくらするみたいだった、こんなの分が悪い、長居してはいけない、分かるのに】
【通り魔もそうだけど――だなんて普通の声。思ったよりもなんてことなく普通だった、おなかが痛い気がした。はらはらした花びらがめまいみたいに見えてきそうになって】
【――話題はテロへと移る、通り魔よりも規模が大きいものへすり替えて、なにせ水の国は何度も標的になっている。だからこそ……という面もあるだろう、と、物分かり顔を】

/そしてごめんなさい、この辺りで一度凍結お願いできますでしょうか?
/明日はそう遅くない時間に来られるようになるかと思います……っ
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 01:27:05.06 ID:sPm7OTok0
>>581

「んもー、なんか君、また引っかかりそうな顔してるから気をつけてね」

【彼は優しげな表情のまま、相手を静かに煽った。】


「やあ、これで良いかい?」

【受付の女性に対して持っていたチケットを渡して】
【少しばかりとはいえ早足で来た、故に少々疲労が溜まっていて、とりあえず深呼吸を1つ】

「うん、やっぱりこういうのあるなら、海沿いの特区に容赦なくバンバン撃っちゃって欲しいところだね」

【その船の広さ、彼は始めて体感する。今までこの様な船に乗ったことは無い】
【元居た世界にこういった乗り物はあったかな――うん、わからない】

【物騒な呟きをしつつ、彼は案内の女性の後ろを歩くだろう】
【華やかな世界からは遠いところで暮らしていた彼、その口から出る感想は……】

「なかなかいい部屋だね、お金かかってそうだなー。」
585 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/08(日) 01:40:03.08 ID:tl+KGtws0
>>584
「此方は士官公室となっております」
「乗艦士官の食事や会議、あるいは招待させて頂きましたお客様の晩餐会会場にも使われます」
「続きまして二次士官室、ガンルームをご紹介させて頂きます……」

【この様な様子で、物珍し気に、しかし時折物騒な発言が漏れるレオーテヴュート達見学者を】
【艦内各所に案内して回る】
【兵員食堂、機関室、砲塔、甲板、機銃座、砲弾薬室、そして最後に案内されるのが】

「こちら第一艦橋最上部、指揮室にございます」

【ただでさえ高い戦艦の、その最も高い場所にある艦橋作戦指揮室】
【ぐるりと全体を見渡せるような、特殊防弾ガラスの窓からは】
【もうそんな時間だろうか?水平線に夕日が沈む様が、なんの障害も無く見えるだろう】

「連合艦隊出動時には、こちらより大和各所始め艦隊の船舶全てに作戦指揮を執ります」

【夕日は彼を赤く照らすだろうか?】
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 01:46:38.38 ID:sPm7OTok0
>>582

「"あァ? 耳でも腐って――"」

【――我に返ったか、"目の前にいる"相手は"目の前に見えていた"相手ではなく】
【ふと、怒りの感情が少しばかり途絶えた気がした。それからだった、銃弾の命中と共に地面と仲良くなったのは】

【口に手を突っ込まれても嫌な顔1つせず、けれども心配そうなオーラが出ていて】
【彼女の戦闘能力についてもよくわかっているのだろう、目の前の相手に立ち向かうのは無謀だと】

『……戦えないわけではありません。ただ、私は支援者です』
『攻撃の能力が低いため、ここで伸びている彼のようなパワーはありません』

『ですが、一応火器の心得はありますよ。この伸びている彼の支援をした方が良いので使ったことは殆どありませんが』

【冷静そうで表情の薄い顔。――今は少しだけ、熱が籠もっているか】
【地面に倒れる彼の状態をちらりと確認、……酷い状態だがとりあえず大丈夫そうと判断した様子】
【相手の武器を剥がすことに成功したのを認識すれば少しだけ落ち着きを取り戻す。その視界には、相手と同時に引き剥がした拳銃も捉えていて――】

『気合の能力、扱い慣れませんが……補助的な技が揃っていて助かりました』
『……私はあなたの言葉が嫌いではありません。ですが、ヘケメトにこれ以上無理はさせられません』
『わかってもらえたようで嬉しいです』

【嬉しさの微塵も感じない程、淡々と言葉を続けた。――警戒心は一切解かず、杖にエネルギーを宿しながら】
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/08(日) 01:51:00.38 ID:ocQ/2vyso
>>573
焼い  た
  り
   なぁああ
 んか
    しない
──さ。

【あれは
   ひど   い
 臭
  イ     が 
する  ──からな】


【音が、視界が、どうしようもなく歪んで届くのは】
【脳が揺らぐからなのかそれとも本当に世界の方が歪んでいるのか】

【御船の『眼』がそれを判じるより前に、じゃらり、と無機質に鳴くものがある】
【彼の足や手に巻き付けられていく冷たく重いそれらは目にせずとも十分に分かるだろう、『鎖』だ】

【そうして彼の身を縛り上げたとて、それでもまだ満足がいかぬという風に】
【更に続けてもう一つ、彼の頭部を丸ごと包むような何かが被せられるだろう】

【──それは、袋、にしてはあまりに硬く】
【ヘルメット、にしては隙間が無さ過ぎた】

【外側から見れば、『卵の殻』がそのまま頭部と置き換わったかのように見える、不可解な器具であった】

【それは中にいる者の目から見れば──】
【『歪んだ自分』が天地を無視してアメーバ様に広がる光景を目撃することになるだろう】
【内側は全て何か『鏡』のような材質で構成されており、それ自体も薄ぼんやりと光を帯びていた】

【常人であればそれだけでも十分に異質であるが】
【こと御船千里という男にとっては、殊更異常なものとして感ぜられるかもしれない】


【もし、その中から外を『透視』しようとした場合】
【物を見透かすはずの視線が、どういう訳かその『殻』を破ることが出来ず】
【発せられた視線が内部で無数に乱反射した末──その眼差しが全て否応なしに『自身の内部』へと向かっていくはずだ】


【御船千里はその無限鏡の奥に何を『透視』するだろうか】

【──若く健全たる魂か】
【醜く穢れた肉体か──】

【あるいは、そのどうしようもない矛盾の螺旋か】

【もしくは、その『殻』がある限り全ての眼差しが自己へ突き刺さる終わりのないルーチンか】

【その全てか】


────何
  が 視え    てい
る?
そこ   には   何 ガ
  読み  取れる     んだ、 ――教え
てくれ

────不   都合でない
真実は
そこに
ある ――か。

御船千里。
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 01:54:26.99 ID:sPm7OTok0
>>585

「いやあ、いい武器だ。僕の研究所の規模じゃあ難しいね、これは」

【見る機会の殆ど無いそれらに対して、表情は変えず、けれども興味はあるような様子】
【特に彼が興味を示したのは、砲塔だろうか。……言葉には出されなかったが】
【先程の発言と合わせると、やはり非常に物騒なことを考えているに違いない】

「もうこんな時間かぁ。最近、日が伸びてきたけれども――」
「しかし、こうして見てみると結構な高さだねぇ」
「やっぱり、高い方が周りをよく見渡せるからかな」

【窓から差す赤い光を浴び、今の時刻の大体を把握しつつ】
【ふらりと窓の方に顔を向ける。――改めて、その大きさと高さを実感した】
589 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/08(日) 02:01:08.82 ID:tl+KGtws0
>>588

【魔能をもって不当な異能の侵略より祖国を守る】
【武器としての船】
【海に浮かぶ鐵の城】
【それはれっきとした兵器に他ならないが、中から見れば夕日の美しさは格別と言えるかもしれない】

「それでは皆様、艦内見学は終了となります」
「係りの者の指示に従い上陸下さい」

【何も無ければ、案内の者が入口まで誘導してくれるだろう】
【これだけの広さだ、兵でも迷う人間は度々出るらしい】

「如何でしたか?我が海軍の誇る決戦級魔導戦艦大和は」


【帰りにそう、笑顔の女性軍人に尋ねられるだろう】
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 02:09:27.45 ID:sPm7OTok0
>>589

「負を砕く世界樹は元気にしているだろうか――僕たちがいなくなってから悪用されてないと良いけれども」
「おっと、ここで最後か」

【――次の案内があるまで、外の風景をぼーっと見ているだろうか】
【夕日を見ると思い出を語りたくなる、しかし彼が言った"負を砕く世界樹"はおそらくこの世界に存在しない】
【いや、正確に言うと"多少は"あるのだが――】

「いやあ、とても良い戦艦だったよ。」
「ぜひ、悪い輩やアレコレをどんどんぶっ飛ばして欲しいね」

【軍人に対して彼もまた、柔らかい笑顔で感想を返す】
【――お世辞ではなく、本心からの言葉。けれども、口調からはどちらかは分かりづらい】
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/08(日) 02:10:26.37 ID:485a7Pu/0
>>586

アタイの口の悪さは生まれついてのものでな。こればかりは直しようが無い。
それに"何が嬉しいです"だよ。警戒心丸出しの口で言われても説得力が無え。

(武器を拾おうにもあそこまで警戒されちゃあ、無理がある)
(それに仕事でもないのに火遊びが過ぎたかね。取り合えず分が悪ィ)

【現状。カイは武器を手放しており、アウは武器を持ったまま。ヘケメトは倒れたまま】

【ここでこれ以上戦うのは何の利にもならない。そう判断したカイは拳銃二丁に目もくれず】
【やれやれと肩を竦めたながら、アウとヘケメトの方へと歩みを進めていくのだった】
【否、正しくはヘケメトの方へと歩みを進めていく。武器も無い状態の丸腰のまま】

アタイ自身のクールダウンは済んだ。
白ローブの杞憂も杞憂で終わるだろうさ。

だが、おめえはどうなんだ?一方的にやられてノビて溜め込んで。
フラストレーションが溜まってんだろう?だったら―――

【そう。だったら】

【カイはあろう事かヘケメトに目線を合わせるようにしゃがみ言葉を継ぐ】
【その胸中は激情でもなく。その胸中は侮蔑でもなく】
【真剣な面持ちで、底冷えする様な低い声でヘケメトに提案をするのだった】

一発ぐれえアタイにその拳を打ち込んでみろ。アタイは何もしねえ。
只々その時を待ってやる。その一発はアタイからの施しだ。

【その提案は、どう聞いても常軌を逸している】
【だがそれは、カイなりのケジメ――なのだろうか。それとも同情なのか。その感情を把握できず持て余していた】
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/08(日) 02:13:20.85 ID:H+Kqon7u0
>>577

【波止場から少し離れた桟橋。人影が、そちらに現れた影達と斬り結んでいた】
【ライダースジャケットの男からも、見えるだろうか】
【派手な範囲攻撃などは繰り出していない】
【ただ、正確に影達の攻撃を読んで、躱し、弾いて、一刀の元に斬り伏せている】
【危なげなく戦っているように見えるその人影も、こちらを視認したようだ】

【白っぽい外套を羽織っている。雨に備えてか、フードを目深に被っていて容貌はわからない】

593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/08(日) 02:13:53.78 ID:wfbvmcCZo
>>587




【─────"暗転"──────】




【脳味噌に腕をぶっ込まれ、其の儘脳髄や皮質をぐちゃぐちゃに、かき混ぜられたかの様に】
【視界が出鱈目に乱反射する。虹色。赤色。黒色。白。虹色。赤色。黒色。白。】



【  ───"なんだこれは"───  】



【知覚するより早く、鎖が来た。重たく冷たい鉄の感触が彼を雁字搦めにしていく。】
【しかし、次が分からなかった、被せられた。何かを。認識するより早く混乱が来た。】
【ノイズだ。雑音に近い。映る光景は、ドロドロに歪んだ悪夢の様に】


あああああああああああ!!!!ぐあああああ!!!


【人間の知覚を遥かに超える情報量。オーバーフローしていく感覚。】
【脳の皺の一つ一つにコールタールを流し込むが如く、視界に見えるのは無限に乱反射する虹彩】
【逃れなければ、気が狂ってしまう。───縋るように紡ぐ、力の名を】


"Dr.──……!!Feelgood────!!!"





【         ──────"びくん"─────   】



【その瞬間大きく御船の身体が跳ねた。電気椅子にかけられた死刑囚が如く、肉体が見せる最期の反応に近い。】
【視界の中は地獄であった。皮膚を剥いだ奥の赤色をした奇怪な肉体。無数に走る神経の線が何かの虫の様に蠢いていて】
【腐敗した腫瘍の如き塊が、あちこちから膿の様に湧き出してくる。其れは口々に喚いた】

【化物────。何千何万回と聞いた、無間の怨嗟】

【吐瀉物をぶちまけたかの様な視界。否、其の汚物そのものに自分がなっていく感触】
【血と汚濁に満ちた汚水が、排水と共に肥溜めに流れていく】
【その混じりあった液体が、自らの穢れを逐一認識している様な感覚であった】


【塗り替えられていく苦悶の景色、無数のスイッチを片っ端から切っていく様に、脳の神経が切断されていく】
【失われていく幸福の記憶、苦痛と苦悶、苦難は最後まで続く】


   ”────気が向いたら、法案なんて作った連中ぶっ潰そうぜ─────z_________



【最期に見た景色は如何様か、御船の残骸は動かなくなった】
594 :櫻国魔導海軍観艦式 :2018/04/08(日) 02:17:41.50 ID:tl+KGtws0
>>590

【レオーテヴュート、彼が居た世界は恐らくこの世界からはかなり遠くの世界なのだろうか】
【負を砕く世界樹、それが何であるのか、あるいはどんな影響を与え、彼とどんな関わりを持ったのか】
【それは彼と、彼と命運を共にした仲間以外は、知る由も無いのかもしれないが】
【夕日や海の美しさは、同じだったのだろうか?】

「ありがとうございます、大和は我々の誇りですから」
「はい!皆様を害する悪い敵は、全てこの大和と海軍が倒して見せます」

【女性軍人は心底嬉しそうに】
【そう、無垢な笑顔と共に答えた】

【やがて、観艦式終了のアナウンスが入る】

【大和と艦隊はこのまま2、3泊ほど停泊し、そして補給終了次第櫻の国に帰還するようだ】
【また、海軍と彼の運命が交わる時は来るのだろうか?】



//長い時間お疲れさまでした。
//これにて〆となります
//ありがとうございました!
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 02:27:04.15 ID:sPm7OTok0
>>591

『申し訳ありませんね。格闘で攻めてくるか、隙をついて拳銃を拾うか――』
『その辺りを考慮すると、どうしても警戒せざるを得ませんので』

【好戦的な彼にずっとくっついてきたからだろう、信用できるのは言葉より行動】
【おそらくは、ヘケメトへ向けて歩く相手の姿も視界から外さないようにする】
【当然、杖に籠めた魔力は解放せず――】

「……」

【先程棘によって崩壊させられなかった方の、しかし内出血が痛々しい腕を用いて顔を相手に向け】
【……その提案の言葉を遮ることはせず、それが終わってから身体を起こすだろう】
【実質的には座った状態か、――常人ならば痛みで意識を飛ばしていてもおかしくなさそうな状態】
【だが、彼の意識はまだはっきりしていて。……苛立った様子で、口を開く】

「一発殴れとは、あんたも中々無茶振りするやつだなァ」
「俺は今、殴りかかる事すら縛られている状態なんだぜ。……そんなに殴ってほしいならよォ」

【ちらり、――女性の方に目線を向ける】

「アウに頼んでくれ」 『……無茶振りはやめてください』

【――本当は自分が殴りたいだろう感情は、けして消えることがなく】
【けれども、無理をして攻撃を続行した結果をもう一度再現することに躊躇した】
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/08(日) 02:32:49.05 ID:ocQ/2vyso
>>593

【――はらり、と】
【御船の頭部を覆っていた『殻』が、まるで花開く様に似て開かれる】

【永遠ぶり、あるいは一瞬ぶりに外界の空気を得たはずの御船千里は】
【しかして糸の切れた人形のごとく沈黙し、動かず】


────おい、おい、おい。

一人で勝手にどこへ行こうって言うんだ。
せっかくこれから、“新しい世界”の話をしてやろうと思っていたのにな──


【男は大袈裟に眉根を寄せて、溜息を吐いた】
【御船の額をドアに見立てて、こんこんとノックする】
【それでも期待したような反応が得られないので、】
【男は首を逸らし、部下の一人へ向けて「参ったね」と芝居がかって肩をすくめる】

【それから再び御船の顔へ視線を移せば】


チェリーには少し刺激が強かったか。


 ────Feel so Good?

   【「良い夢見られたか」】


【Huh、と笑みと共に鼻息を一つ漏らすと】
【どこかへ向けて、人差し指で「持ってこい」のジェスチャー】
【がらがらがら……と、奥から台車がやってきて】


“今”焼かれてるものは見えても、
“これから”焼かれるものは見えなかったかねえ──御船君。


【抵抗なくば、男達は御船の身を台車へと乗せて】
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 02:36:03.58 ID:sPm7OTok0
>>594

「うん、僕も動くから――君たちも、頑張ってね」

【その後、彼は戦艦から降りて……そう言えば、食事は最後にいつ食べたか】
【昼に何かを食べたところまでは覚えている。その後は――】

「せっかくだし、何か食べてから帰ろうかな」

【――カレーを食べつつ、今回の情報を簡潔に纏めることとなるか】

「……彼女らが僕たちの味方になりそうとわかったのは収穫かな」
「僕がUTの一員として動いて良いのかはわからないけれども、……少なくとも、彼女らも黒幕を狙っているのがわかった」

【"もしかしたら"、そんな曖昧な状態が解決した。】


「あっ」

【情報をまとめている紙にカレーをこぼしてしまったのは、また別のお話――】



/お疲れ様でした!
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/08(日) 02:40:23.54 ID:wfbvmcCZo
>>596

【───成れの果てであった。身体は生きているのかもしれない】
【しかし、精神は死んだ。完膚無きまでに、壊されてしまった】
【積み上げられた鋼の様なプライドは、悪意の手によってバラバラに】



【サングラスが落ちた。ひた隠しにしていた異形】


【目のあるべき場所に皮膚がある化物、だからこそ彼は理想の世界を求めていた】
【そう、全ては過去形。追憶の中に消えた、過ぎ去ってしまったもの】
【形相は分からない。それでも、深い苦しみの中で絶えた事は深く伝わってくる】


【台車で運ばれる御船の身体、力なく片手が揺れた】
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/08(日) 02:47:42.02 ID:485a7Pu/0
>>595

人間、無茶振りの一つや二つ誰だってするだろう。
それに千載一遇のビッグなチャンスだぜ。何とかして気合の一つや二つ入れて何とかしろ。
どこぞの十字架背負った聖人君子気取って殴らせてやるなんざ滅多に無えんだからな。

【無茶振りには無茶振りを】

【ヘケメトはカイを殴ろうにも殴れないと言う状況】
【元はといえば自身の茶々入れから始まったこの現状に不公平感さえ抱いていた】
【得るものは少なく。失うものの方が多く思えたから】

【だから。そう、だから。口の悪い言葉に僅かばかり申し訳なさを含ませていた】

なら、白ローブ。連れの代わりにそのご大層な杖で思ッ糞一発やってくれや。
今なら無抵抗で無防備の出血大サービスだ。おめえも連れがああなって良い気分じゃなかろうに。

【多少無理をしてでも落とした武器を拾うべきだったか】
【そうしたら、恐らくカイの望む状況を作れたのかも知れないから】
【内心そうすべきだったと毒づくも、武器を拾わなかったのは自分だから文句は言えない】

それも無理なら、一発貸しって事にしてやるよ。
それならその結滞な枷が取れた後思う存分やれるだろうしな。
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 03:04:17.19 ID:sPm7OTok0
>>599

「……気合なら、さっき俺の口からアウが持っていったぜ?」
『急に結託しないでください。なんなんですかこの人達』

【表情の変化に乏しいとはいえ、明らかに困った様子を見せる彼女】
【――彼の口から持っていったものといえば、先程のクリスタルしか無いが】
【気合の能力は使い慣れていない発言といい、まるであれ自身が"気合"の何かであるような……】

『貸しが返せるかもわからない身ですし――』

『……仕方ありませんね、少しお待ち下さい。彼の代理ですし、杖よりも拳の方が良いでしょう』
『アタック・アッパー重ねがけと……1発でしたら、ダブル・エフェクト、トリプル・エフェクト、……リィンフォース・エフェクトもかけましょうか』

【自身の左腕に対して杖から放出される魔力を浴びせる彼女】
【――もしも相手が待っていないのならば、間違いなくボコボコにされているだろう時間はかかっていて、しかしカップラーメンはまだまだ硬い程度のそれ】
【それが終われば、最後に気合のエネルギーを拳に纏わせ】

『いきますよ。――気合の……強化拳ッ!!』

【勢い溢れる言葉と同時に、躊躇なく素人の動きで拳が振り抜かれる】
【――アレほど魔力を浴びせていたのだから、さぞかし強力なのだろう。】

【いや、そんなことはない。強いことには変わりないが、元が貧弱過ぎるのである】
【彼がヒノキに入れた蹴り、樹皮を飛ばし花粉を撒いたあの蹴りの威力。だいたいそのくらいだ】
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/08(日) 03:05:07.93 ID:ocQ/2vyso
>>598


────ああ、心配しなくていい。

何もお前の身体を焼こうって言うんじゃない。
そんな惨たらしいこと出来る訳がないし、する意味もない。

俺は、お前達のことが大好きだからな。


【台車に乗った御船の元へ屈み込み、聞こえてもいないであろう声を掛ける】
【落ちたサングラスを拾い上げ、それをしげしげと眺めてから──身につける】

【「Mmm...Feel so Good」】

【悪くない、そう呟いて】

【それから何かを呼びつけるような口笛を一つ】
【すると分厚い手袋をした部下の一人が、焼却炉の中から赤熱した何かの棒を取り出した】
【それは、何かが刻印された『焼きごて』であった。それがゆっくりと御船の方へと近付いて】


────それじゃあ『ホームルーム』を始める。


【「御船は、『出席』──と」】

【火花を散らして、焼きごてが御船の眼前へと据えられる】
【部下から受け取ったミトンを装着し、焼きごてを握る男】

【そして──それは躊躇無く、御船の顔面左側へ押しつけられる】

【じゅう、と無慈悲な音がする】
【十分に押しつけられてから、それはゆっくりと離されて】
【──そこには、凄惨な『逆五芒星』が刻まれているだろう】


────おいおい、元気がないなあ。
まあいい。これからゆっくりと『授業』を受ければ、お前も『良い生徒』になれる。

一緒に頑張ろうじゃないか──御船。


【男の口元は、満足げに弧を描く】

【──ごう、と焼却炉の炎が燃え上がり】
【漏れ出す赤色光が、男と御船の横顔を染めた】


【それは朝日の色のようであり、激しい返り血のようでもあった】



/こんなところでしょうか……?
/お付き合い感謝です!
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/08(日) 03:10:06.95 ID:wfbvmcCZo
>>601

【物語の幕は落ちる、一人の青年の死を以て】

【彼は悪であった。数多の死を手がけ、幾重もの血を流し】



【しかし、それはあくまでも、彼の範囲であった】



【────彼女らはまだ知らない、自分達が相対する闇の深さを】




【物語はゆっくりと、時を刻んで────】




/お疲れ様でした!長時間ありがとうございました!
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/08(日) 03:28:10.35 ID:485a7Pu/0
>>600

【感情の起伏の乏しいアウが見せる困惑の様相に思わず零れるのは笑い声だった】
【結託した心算など無いが、アウの目には不思議と結託した様に映ったのも笑える】

アッハッハ…!結託なんて微塵も考えてないんだがな。
そう見えるんなら、コイツとアタイの思考回路は似た者同士なんだろ。

【カップラーメンにお湯を注いで三分待つかの様な雰囲気で】
【軽口を叩き、魔術で強化されていく拳をただ見守っていた】

(あー、拳の方が良いって言う時点で白ローブも脳筋だわ)
(んでもって、もしこれが実践なら何回天国行きの片道切符をくれてやれるかね)

【魔術を重ねがけしているアウを尻目にカイは立ち上がり、アウの方へと振り向いた】
【その際、ふてぶてしい態度で。さあ一発は打たせてやるという傲慢ささえ滲ませて】

ようLady…。確り狙ってくれよな。
気合が空回って空振りましたじゃ萎えるどこの騒ぎじゃねえからよ。

―――来るか?来るか?来いよォッ!

【奔流する言葉と素人同然の"なっていない"拳を前に思わず気分を高翌揚させる】
【例えるなら安物の酒とドラッグで無理矢理気分を高翌揚させるものではあったが】

―――…ぐはっ!…ぐぁぁっ!

【これはこれで悪くない。素人同然の拳であれど魔翌力で強化をしていれば必然】
【カイの身体は勢い良く吹き飛ばされ、勢いそのまま後ろに倒れるのであった】

【倒れた先に居たのは、同じように倒れているヘケメト】
【勢い良く殴られたので言葉が出てこないが、目で語る――意外と良い拳してんじゃねーか、と
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 03:44:34.89 ID:sPm7OTok0
>>603

『……うーん、そうですね』
『好戦的なところは似ていなくもないですが』

【ここに転がっているゾンビゴリラと一緒にして良いものか――】
【そんな失礼な事を考えていれば、男から送られるちょっとした抗議の視線】
【そして"ゾンビ状態は俺のせいじゃあねえ"なんて呟き。……ゴリラの方は無問題らしい】

『…………やはり、重ねがけしてようやくヘケメトに追いつくレベルですね』
『エフェクトは1行動のみへの適応ですし……火器を早めに仕入れましょう』

【彼は彼で人外クラスの身体能力だが――久々に己の拳を振るった気がする】
【額に滲み出る汗。多くの強化技を連続で使用したことによる消耗と疲労が結構大きかった様子】

【その後始めたのは、相手の心配ではなく威力などの寸評。】
【戦闘中ならばけして通用することのない大量の強化重ねがけを行ってもこれである】
【マトモな火力を手に入れるためには、やはり筋力などに依存しない武器が必要か】

「良い奴だろ?」

【語りかけてくる目に対しての返事か、あるいはただ単に言いたかっただけか――】

『……あっ、大丈夫ですか? 治療の必要ありませんか?』

【色々思考していたらしい彼女だが、本領はこちらだ。相手に近づいてきて、そう提案する】
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/08(日) 03:47:47.00 ID:485a7Pu/0
>>604
//すみません 凍結をお願いしたいのですがよろしいですか?
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 03:48:55.42 ID:sPm7OTok0
>>605
/了解です、明日はちょっと出かけるので時間遅めになるかもしれません
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 03:58:26.96 ID:Ef3KI5al0
>>530

【放られた魔力が何者なのか、『先手は譲る』という言葉の通り】
【あくまでもそれを見定めるに留めて、手出しはしない】

【騎士道的な精神と言えば聞こえは良いかも知れなかったが】
【それは圧倒的な自信――傲慢からくる余裕、とも捉えられるもので】
【そういう意味では片角の魔王%凾ニいう呼称は、あながち間違いでも無いかも知れず】

【――しかしその"魔王"も、次第に凝縮を進める魔力に気付くと目元を険しくし】
【背後。路地裏から出た表通りにもほど近いことに気付くと――】


……―――待て、其れはダメだな……ッ!


【単純な魔力の爆発。――シンプルであるがゆえに強力というのは】
【自分が最もよく知る手口。どんな破壊が行われるかの想像が付くと】
【自らの身体でその威力を軽減させようと、飛び付くように爆発的な奔流を"受け"ようとして】

【崩落した建物。再び舞い上がる土煙は先の比ではなく】
【ぱたたっ、と重い水分が路面を濡らす音がする。それは言うまでもなく、血液であり】


……は、ハハッ。"出来る"じゃないか、やはり……!
しかし今のは…――看過し難いな、"Crimson"……ッ。


【額が大きく切れていた。黒い軍服の所々にもべっとりと水分が染み込んでいて】
【けれど、アヤという軍人はまだ立っていた。ばさり、翼を大きく広げれば】
【周囲の土埃を一蹴し、表通りの様子なども伺えて。その意識は、明らかに倒れた通行人に向けられている】

【相手を捕らえるか、守るべき国民を救うのか。――悩ましい所、なのだろう】
【ただ一つ優秀なのは、やはり相手の出方を伺うのも忘れていないということだった】
【ここで迷っていれば先の兵士のように殺されていたのかも知れないが】
【ダメージが大きい事もあるからか――久方ぶりに、路地裏には数秒の静寂が訪れていた】
608 :??? ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/08(日) 10:59:31.35 ID:CMnbnhVV0
>>592

【幸いにして深夜。波音と潮風だけは満ちているが、人影は全く見られないという状況下だった。】
【凶暴にして攻撃的な"影"が、襲撃する対象となる人間こそこの付近には居なかったが、しかし危険には変わりなく。】
【実際にこの近辺では行方不明者も多数出ていたが、海に落ちただんだろうとか、波に攫われたんだろうとかで―――有耶無耶にされていた。】

【そういった実情を鑑みれば、"不審"に思った"正義感の強い誰か"が、警戒の為付近を回っていても不思議ではなく。】
【ダブルスのライダースジャケットを翻しながら、男はちら、と桟橋の方を見る。"影"が数体、そして―――悪魔とは別種の気配。】
【"誰かが居る"のが分かった。見覚えのあるシルエット、夜でも目に付く眩い外套。そして―――真っすぐで実直な太刀筋。敵を鋭く薙ぐ剣技。】


―――――――。


【無言。両手に一挺ずつ、計二挺のオート・マグ44をぐるりと回転させ、空になったマガジンを地面へ排出する。】
【そのまま中空に放り投げて、自信は素手で目の前の影と相対する。拳で顔面を穿ち、蹴りで敵の爪を払い、頭突きで体躯を弾く。】
【そうして上空より重力に従い落下してきた愛銃二挺を手でキャッチすると同時、予め袖に忍ばせてあったマガジンを器用に差し入れ、装填が完了。】


そういや。……傘、持ってきてねえな。


【ぽつり、と呟く。だがその独り言も、スライド・ストップが解放され発射準備が整った44口径から放たれる爆裂音により掻き消された。】
【ズガン、ズガン―――とでも言い表すのが良いだろうか。魔翌力によって弾丸の威力がかさ増しされた銃は、絶大な破壊力で眼前の十数体を薙ぎ倒した。】
【7発×2、14発きっかりとマグナム弾を撃ち切って男はふう、と息を漏らす。再び弾丸が空になった銃をリロード。その直後、"影"達の残骸が急速に"集結"を、始め。】

【またそれは"桟橋"における状況でも同様だった。余りに鋭い切っ先に断たれ、貫かれ、裂かれた影たちの死骸が一か所へと集約していくのだ。】
【黒い靄が地面の中を泳ぐようにしてぐちゃり、ぐちゃりと悲痛な音を上げて、己が残滓を互いにぶつけ合うように"纏まって"いく―――出来上がるのは巨大な、"影"。】

【桟橋と、そして波止場の丁度中央にある噴水の近く。】
【強大な魔翌力を漂わせた"集合体"は、大きな体躯の節々から人の腕によく似た"触手"を大量に生やし】
【全体的なシルエットとしては"ごちゃまぜにされた死体"とでも言うべき凶悪な姿を晒して、闇夜の港に降臨した。一体一体は低級と言えど、これだけの数が集った"切札"。】

【外套を纏う剣士にも分かるだろう―――"易々と倒せる相手ではなくなった"と。】
【ライダースの男も噴水へと近づいていく。懐から取り出したウィンストンを咥えて、銃口を近づけ火をつける。】
【煙を吐き出す。闇に溶け込んだ白煙越しに、"怪物"とそして、"勇者"の姿が見えた。呆れたように肩をすくめて、片方の拳銃を肩に担いで呟く。】


―――オイ。腕は鈍ってねえんだろうな?
墓場から出たばっかりで体の彼方此方が腐りきってる、とか―――そういうのはナシだぜ。


【怪物が吼える。巨腕が地面を穿てばアスファルトがズタズタに削れる。男は不貞腐れた表情のまま、銃をクルクルとガン・スピンさせた。】

/少しゆっくりになりますが、お返事致します。
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 12:02:58.89 ID:Sx+gM+0BO
/>>513で夜まで再度募集してみます
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/08(日) 12:14:10.10 ID:wfbvmcCZo
>>513

【投擲されたナイフがメイドへと向かう、夜風を切る豪とした音】
【大型のサバイバルナイフであった、躊躇なく投げつけられた其れはメイドの顔を狙って】
【回避も迎撃も難しくはないだろう、ひたり、と夜の奥から現れる人影】


人様が眠ろうとしてるのに、横でバンバンバンバン──
くそうるせえなぁ、こんなんじゃ眠れるわきゃねぇだろクソが!!
ああ畜生、折角今日は漸く眠れそうだったのによォ!!


【粗野な言動、吐き捨てるような言葉に醜悪な呪詛を撒き散らす】

【奇妙な笑みを浮かべたかのようなホッケーマスクを被った大男であった】
【ボロボロになった米軍の迷彩服、所々に何年もたった血の跡がついている】
【腕も足も筋肉ではち切れそうな程、素手で人を屠れそうな見た目をしていた】

【ホッケーマスクから零れる目が、ギラリと煌めいた】


……おいおい、どんな糞野郎かと思いきや綺麗な雌じゃねぇか
コイツは上物だ、おい女───俺と付き合えよ
悪いようにはしねぇからさ、なぁ?

一撃で殺してやるよ、嬲るのはその後だ


【草原を闊歩する男、汚れたブーツは踏んだそこから木々を散らすが如く】
【唾液混じりの言葉、近づくにつれて感じる腐臭は否が応でも嫌悪感を煽る】
【再び取り出すのはサバイバルナイフ、機関銃相手に得物はナイフであった】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/08(日) 12:17:30.72 ID:H+Kqon7u0
>>608

―――なんかさ、君と僕、どちらか雨男なんじゃないかな。
二人でいる時、大抵雨が降ってる気がするよ。

【外套の剣士も、また噴水へと歩んでいく】
【白銀の外套。いつか見慣れたそれに、どうやら中に何枚か着込んでいるらしく】
【目深に被ったフードは、違う材質のようだった】
【刀は白木の柄。やや淡く光るその刀身は、まだ全力稼働していないようだ】

万全だよ、キング。
Resident Evilで言うなら、後半からのキレイなゾンビだ。

【そうして、抜身のまま持っていた刀をくるん、と回して納刀する】
【腕を組んで、ライダースの男と二人並んで――巨大な集合体となった、その怪物を見上げる】

いや、デカいね。

【飛来するアスファルトの礫を、小さく身を捻って躱す】
【ひとつ肩をすくめて】

―――じゃあ、いつも通りに?

【何年ぶりの再会か。言いたいことも聞きたいことも、話したいことも沢山あったけれど】
【フードの向こうから、赤い瞳がライダースの男を見やる】
【――まずは、そう。この二人ならば、そう始まるのだろう】

/オーライ。よろしくです。
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 12:45:04.98 ID:yVkyX3b+o
>>607

【表路地の市民は致命的な傷を負った者はいないはずである】
【距離は十分に離れていたし、周辺の建物の崩壊によって威力が増幅されることもなく】
【ただ暴風に耐えかねて転んだような、そんな感じ。擦り傷程度にしか怪我はしてないはず】


「……――ちょっと強すぎたな。やり過ぎてしまった」


【久々に放ったあの魔術は、建物が密集しているこの地点では異常な威力を発揮する】
【建物の倒壊に、エネルギーによる直接のダメージ。一般人なら少なくとも死んでいるだろう】
【彼女が立っていたことに少しの安堵を覚えながら、両腕の小手を解放する】


【彼女が両の翼で土煙を払えば、女の周囲は土煙で覆われる】
【けほ、けほと咳をしながらも、小さく魔術の詠唱をしているのが聞こえるだろうか】
【空中にいる“魔王”を墜とす。彼女の三次元的な戦闘手法は、未だに厄介だから――】


「――――『Une ancre d'une arme à feu』」


【バチバチと短絡したかのような音を立てれば、女の手に握られたのはひとつのアンカー】
【スコップのような先突部に、引き金が取り付けられたそれ。切っ先を空中にいる彼女に向けて】
【ガチン、と大きな音を一つ立てれば。ワイヤーが擦れる甲高い音を立てながら彼女の腹部めがけて奔る】

【もし直撃しても、痛みはないだろう。魔力で構成されているゆえに、実態はない】
【数秒後に大電流と熱が体内から発せられ、身体を麻痺させて火傷を負わせようとするつもりだ】
【しかしアンカーに攻撃を当てれば、当然軽く崩れ去るだろう。魔力が拳の内部にはいらなければ問題はない】
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 12:54:46.64 ID:Sx+gM+0BO
>>610

【がぃんっ、と側頭部を衝撃が走り抜ける。しかし厚い装甲に阻まれて僅かな傷に留まり】
【女はバネ仕掛けよろしく腰から上で振り返る。やや遅れて足元のホバーボードが方向を変え、
脇に弧を描いた凶刃が落ちた】
【伸ばした右手、機関銃の銃口は襲撃者の心臓に向けられて】
【その手にあるのがナイフ一本であるのを見とめ、構えは解かないものの、トリガーから指を離すだろう】

暴言を検知、体型スキャン――――武装、刃長約25cm、金属製。危険度低

【男の見立て通り、ヘルメットの下は荒事の似合わぬ女性であった】
【ただその中身まで同一とは限らない】
【黒曜石の如き両目は瞬き一つなく、かちりかちりと頭の中で闖入者の姿形を記憶と合わせていく】

本部・周辺武装組織間における過去1ヶ月間の応援要請記録を照合中――――ログに該当なし。
他組織接触条項第一項に従い任務確認を行います。本機はH.I.G.A.Nsystems、model14series No.4。
(ヒガンシステムズ モデルフォーティーンシリーズ ナンバーフォー)
現在作戦番号255RQ6175を遂行中。そちらの所属部隊及び認識番号をお願い致します

【まともな人間なら彼の発するのが狂気と敵意に満ち満ちているのを容易に察するだろう】
【事実女も低率ながら危険を認めて、みだりに武装を解除したりはしない。しかし自身の優先順位に従い、彼が己の応援要員である可能性を探ってみる】
【とはいえ、この場の危険性を理解している可能性の方は極めて低いと読んでいたが】
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 13:09:13.96 ID:Ef3KI5al0
>>612

【チラと表通りに視線を飛ばす。倒れた市民に大きな出血は確認できない】
【うごめく姿も見える。まだ死んだわけでも、重傷を負ったわけでもない】

【――ならば優先すべきは、目の前の"汚濁"を始末すること】
【そう、判断したのだろう。自身もまた重傷には違いなかったが】
【能力によって強化された身体能力と、強靭な精神が行動を可能にしていて】
【むしろ頭に昇った血液がいくらか抜けた分だけ、冷静に思考する事が出来るような】
【そんな、ちょっとした万能感。"魔王"は黒い瞳でアンカーを捉えると】


……その程度で、私を御せると思ったか"Crimson"?


【バチバチという音と、厄介な形状。それを見て取る行動は――羽ばたきを止める事、だった】
【数メートルの高さから真っ直ぐに落ちる。だが、そうと分かっていれば受け身を取るのは容易であり】

【本来居た場所から居なくなる、なんていう単純な手法でアンカーを回避すると】
【そこからは一挙に走り出す。短距離走の選手のように、路面を凄まじい力で蹴り抜いて】
【一歩一歩が地を砕くような力強さで前進すると――勢いを殺すことなく、拳を振りかざし】


   悪魔的極小破壊/デモニアック・ショートブレット<Hォォ――!!!!


【――触れれば肉ごとぶち抜くような、拳という狭い範囲での大破壊】
【勢いは凄まじく、土煙を上げて真っ黒な塊が突っ込んでくる様は、宛ら災厄にも感じられる】
【相も変わらず、動きは極めて直線的だったが――当たるにしろ、外れるにしろ】
【先程"Crimson"が作り出した低木の壁に突っ込むまで、この軍人は止まることは無いだろう】
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/08(日) 13:20:57.60 ID:wfbvmcCZo
>>613

【弾かれる金属音、昏い瞳に僅かばかりの困惑が浮かんだ】
【なんだコイツ、と低く唸る。ねちゃねちゃとした不快な吃音の様に】


あん?色気のねぇ返事だなぁ、てめぇさてはロボットか何かか?
クソッタレ、気に入らねぇなぁ、全く心がそそられねぇ
面は良いみてぇだがよぉ!


【返される返事は氷柱のように冷たく、男の感情を逆撫でする】
【舌打ち一つ。どこまでが認識されるかは分からないが】
【どうやら随分『お堅い』女である事は確かで】


───いいぜ、腹いせに鬱憤を晴らしてやるよ
その綺麗な顔滅茶苦茶にして、犬の餌にでもしようか!!

"Never Ending Nightmare"!!!


【男の狂気が爆ぜる。同時に周囲を包む景色が変容】
【砂埃の舞う砂漠の様な景色に変化するだろう、有刺鉄線などはそのままだ】
【場所の座標を変えず、景色だけを変化させたと認識するのが正しい】

【砂嵐が吹き荒れ、地面から砂が巻き上げられる】
【砂の塊が鞭のようにしなり、貴方へその身を叩きつけようとする】
616 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/08(日) 13:57:04.20 ID:CMnbnhVV0
>>611

【空気が変わる。魔翌力、瘴気、息遣い―――そういった生臭い何かの中に混じる、"雨"の気配。】
【ごろごろ、と遠くの空で雷が鳴いた。光は見えない。という事は、まだまだ時間はある。ずぶ濡れになるまでの。】
【砕けたアスファルトを片足で蹴飛ばし、厄介事が絶えない人生を鼻で笑う。まあいい。オレは。"オレ達"は。―――こうでなくては。】


はっ。冗談止せよ、オレがいくらジュラシック・パークのマニアだからって、こうも雨や台風ばっかりだと流石に音を上げるぞ。
誰かジープ持ってこい、あと誘導灯もだ。赤のな。そんでもってこのデカブツを海へ誘導すればオレはその後楽しくデートできる、……多分。


【巨体が唸る。地響きが起こる様な咆哮を上げて、眼前の小さき者たち―――二人の"男"めがけ、猛った。】
【大きく開いた人型の頭部からはコール・タールの様な真っ黒の涎がはじけ飛ぶ。悪意と殺意の入り混じった圧が二人を襲う。】
【再会、という事になる。だがまあ、なんとも"らしい"形でのそれとなった。二人は戦場で出会い、戦場で繋がり、そして戦場で絆を育んできた。】


ゾンビはゾンビだ。せめてスペイン語交じりで剣とか斧とか振るってくる方で頼みてえところだが……
―――とはいえ。オレの方もちょいと運動不足だ。ま、"肩慣らし"の相手には不足ねえサイズ、じゃねえか?


【そうして互いに"知らぬ"戦場で、いつしか二人はその関係性に終止符を打った。―――筈、だったのだが。】
【運命とは常に不定、未来は見通しの効かないもの。動き出した因果の歯車は、その駆動音で予想外のリズムを刻み続ける。】
【しかし眼前にいる様な怪物が"平然と"存在する世界の事。予想できること等無くて、予想外が当たり前なのかもしれない。二人は顔を見合わせ】


分かってるだろうが―――"火線"にゃ立ち入るなよ?
デカブツ相手だ、"適当に"ブッ放すぜ。ああ、そうとも――――――――、久しぶりに。


【魔の眷属である事を物語る、真っ赤な瞳をフードの中へ向け。口角を上げて獰猛な笑みを見せる。そう、"あの頃"と何も変わらぬそれ。】
【再び、"影の集合体"―――"フリークス"が腕を振り下ろす。二人がいる場所目掛け、数トンはあろう衝撃を生むその右腕が、迫った―――、】




       ―――――――――――――行くぜ、ウェイン。



【直後。どちらが言い始める事もなく、互いに素早く動き始める。そんな"トロい"攻撃など、当たる筈もない。】
【機械の脚に積み上げた経験則、そして絶対的なまでの近接戦闘能力を持つ"騎士"と、人間を遥かに超越した身体能力の"魔人"が揃って】
【そんな軟な攻撃で死する筈もなく。キングは横っ飛びに回転しながら回避、身体を宙に浮かせた状態のまま弾丸を斉射、強装弾が怪物の腕の付け根を、弾き飛ばす】


【難なく着地すればその後はウェインと顔を見合わせることだってない。何故ならば―――"連携"にアイコンタクトが必要ない程。】
【彼らは彼らの、互いの動きを十全に、完璧に、理解し補助し合えるからだ。キングはその場から射撃を続行、怪物が追撃を撃ち放つのを―――制する。】
【魔人と騎士による"モンスター・ハント"が幕を開けた。―――いや、その表現は間違っているかもしれない。そう―――今こそ。彼らは戦場で、"再会"し、"再開"したのだった。】
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 13:58:27.49 ID:Sx+gM+0BO
>>615

発音、統一言語は正確に願います。
本機の一般対話能力は現在読出(リーディング)のみに設定されているため、会話に齟齬が生じ――――

【激突音。その場から弾き出され、ツーバウントして背中から投げ出される。手から吹っ飛ぶ軽機関銃】
【やや遅れて、乗り手を失ったホバーボードはふわりと軟着陸した】
【自動車事故もかくやという勢い。腹部の装甲は大きく凹み威力の強さを物語る】
【通常なら内臓に重大な損傷を受けたはずだが、しかしその口からは呻き一つなく、苦痛を訴え転げ回る様子もない】
【数秒の沈黙の後、大の字から首だけを起こし、激変した景色を目の当たりにする】

天候検知――――温度、気圧、湿度、異常なし。
本機の衛星座標――異常なし。
空間干渉系能力の発動と推測。敵性確認、危険度中
現時点を持ち対象への照準・安全装置(セーフティ)を解除します

【視界一面に映り込む砂嵐。異常現象は明確に彼を起点に発生し此方へ牙を剥いている】
【フィールドを移転したのかという可能性も考えられたが、近くも遠くにも見える景色は変わっていない】
【環境を操る能力と予測を立て、立ち上がる。まるで毎朝ベッドから起き出るように、動作は早くもなく遅くもなく】
【背中のM79擲弾銃(グレネードランチャー)を外し、左手に掲げる。中折れ式の銃身に榴弾が装填されコッキング】
【シャンパンを開けるのを大袈裟にした音と共に榴弾が彼の胴体に迫る。子供の握り拳程もある弾頭の大きさ故か、通常弾に比べ速度は遅い】
【当たれば大きな炸裂をもたらすだろうが、吹き飛ばされ開いた距離もあって回避は難しくないだろう】
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 14:03:37.57 ID:yVkyX3b+o
>>614


「はは、そう私が思っていると思うか?生憎そんな余裕は無くてね……!」


【彼女にそのアンカーが命中することはなく、その先の表路地に飛び出して動きを止める】
【ネズミか人にでも当たったかも知れないが、どうなったかを知る由もない】
【とにかく、土煙に隠れた彼女が次にどんな行動を取るのか。それを警戒しつつも――】


   「『Les ailes d'Ikaros/イカロスの翼』」


【背に純白の翼を生やす。直線的な攻撃を避けるための、一時的な手段】
【彼女の攻撃は直線的であるし、避けるにはこれが最適であると判断して】
【翼を一度振るえば、少しだけ土煙が晴れる。徐々に大きくなってくる、真っ黒な塊は――】


「おっそろしいなぁ!!まるで災厄じゃないか――」


【それを視認するやいなや、拙い動きで翼を振るい上昇する】
【あれだけの勢いを以って突っ込まれれば、恐らく肉体も弾けていることだろう】
【額に汗が一滴流れる。死ぬかも知れないという恐怖が、徐々に脳内を支配していく】

【空中で白衣の右ポケットに手を突っ込めば、何かを操作する】
【ピッ、ピッ……、という一定間隔の電子音が小さくなっているのがわかるだろうか】
【その正体は位置発信機で、助けを求めるためのそれであったが――】
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/08(日) 14:15:49.48 ID:wfbvmcCZo
>>617

【舌打ち一つ、頑丈な野郎だなんて呟きながら】
【男が試みるのは砂による動作不良、貴方がただの機械であれば砂漠環境の中では上手く動けないかもしれない】
【しかし其れは彼の世界での常識、高精度な機械であれば全く意に介さないだろうが】


ひゃはは!! どうだ! 痛てぇだろ?
砂漠ってのはマジにクソッタレな環境だからよぉ、俺達も困らされたもんだぜ
本国のお偉いさん共は散々整備したとか抜かすがよォ

こちとら何時間も砂嵐に晒されるんだ、そんなカスみたいな防塵役に立つかよ
……ったく、なんて頑丈な身体してんだ、壊し甲斐はあるが──っ!!!
グレネード!!!!!


【慌てて地に伏せた、慣れた軍人の動き】
【グレネードは回避するものの、近くの地面に着弾し、炸裂する】
【轟音、グレネードの破片が男の背中に突き刺さる】


あああああ!!! くそくそ!! いてぇな……!!
それに嫌なもん思い出しちまった、横のヤツが顔ぶっ飛ばした光景だ
潰れたトマトみてぇによーーー!!!


【伏せた男が体をあげると同時に、男の背後から発射されるグレネードランチャー】
【主に中東で使われるものであった、こちらも女の腹部めがけて放たれる】
【あまり質は良くないのか、速度は早くない、回避も可能だ】
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/04/08(日) 14:26:18.91 ID:H+Kqon7u0
>>616

【目を細める。嵐の予兆――】
【海辺の街だ、天候は移ろいやすい。いつもいつも雨が降る方向に変わるのは、まあやむ無しとして】
【悪くはない。そう、悪くない】

そういうのも相変わらず?
いや、いつか刺されるよ、君。
それとも僕の居ない間に刺されたりした?

【――びりびりと、巨体からの害意が空気を震わせる】
【軽視していい戦力ではない。その巨体、怪力、恐らく備えた耐久力】
【それらは間違いなく厄介なものであったが――】

そうだね。
僕らの肩慣らしには、丁度いい。
――いや。少しくらいは不足かも知れないな。

【――目の前の魔人とタッグなのだ。不思議と、負ける気はしなかった】
【赤い瞳と赤い瞳が、視線を合わせる】
【何も変わらず――因果の歯車が刻むリズムは、いつだってRock 'n' Roll】
【ブッ放し、ブッた斬る】

【しゃりん、と腰の刀を抜き放つ。声を合わせるように】

ああ、そうとも――――――――、“久しぶりに”。

【挑むように、眼前の怪物へ刀の切っ先を向ける】
【怪物の腕が二人を同時に叩き潰そうと、傲慢にも迫る――】

       ―――――――――――――オーライ、キング。

【ぶわり、と空中に身を躍らせて、地面に突き刺さる怪物の拳を回避する】
【通常空中に逃れることを選ばぬ彼が、その動作を取った理由は二つ】
【一つは、怪物の拳はその胴体へと繋がる“道”であり、そこへの着地を企図したこと】
【もうひとつは――何より頼れる相棒が、ともに戦う戦場であること】

【それは、魔人の火線にガイドされるシャトル・ループ】
【白銀の剣士は、漆黒の怪物の腕を駆け登らんと疾駆する】

【押し寄せる瘴気を剣気で弾き、斬り伏せ、キングの射撃と呼吸を合わせ】

―――すまないねフリークス。
有り体に言ってしまえば―――

【ふ、ともうひとつ、裂帛の息吹。駆け上る速度を上げる】

―――相手が、悪かった、ということで。

【断空は最大出力。空間すら削り取るような出力で、剣士は怪物の喉元へと迫る―――!】
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 14:54:42.20 ID:Ef3KI5al0
>>618

【ふわりと空に舞い上がった科学者を、悪魔の拳は取り逃す】
【悪を律する軍人が黒い悪魔で、世を乱す科学者が天使の翼を持つ】

【"ベキベキッ!"と低木を破壊してようやく止まるのが前者なのだから】
【どちらが善か悪か、なんとも入り乱れた光景の最中で】
【小さく響く電子音。それが何を意味するかは、現代に生きるものなら察しも付く】
【なぎ倒した低木から血みどろで起き上がる片角の魔王は、頭上を舞う白衣の天使をギロリと睨み】


フッ……助けでも呼んだか?それも良いぞ、悪くないな!
なにせ、お前から芋づる式に害成す悪を排除出来るのだから!
……だがその救援が来るまでに、お前とは決着を付けなければな。


さて、墜とすか……!

       ―――堕天魔弾/フォールン・インパクト=c…ッッ!!!


【拾い上げるは建物の残骸。人の頭ほどもあるブロックの塊】
【それを事もなげに頭上へ放り投げると――落ちてきた所を、拳で一撃】

【打ち砕かれた無数の破片は、さながら散弾の如く宙を舞う"Crimson"へと迫る】
【翼が出来るということは飛べるという事でもあり、同時に的を大きくするという意味もある】
【魔術的要素など欠片もない暴力的な手法だったが、代わりに『弾薬』はそこら中に転がっている】
【効果の確認をする最中にも、既にもう一塊、アヤの手には廃材が握られていた】
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 14:59:25.09 ID:Sx+gM+0BO
>>619

【排莢、装填、コッキング。その間に足を動かして互いの射線が秒単位で入れ替わる。しかし装備の重さあってか、人間ほど機敏な動作は難しく】
【手を突いて屈めた背中と左脇腹を、金属片と熱がじりじり嬲る。爆圧で前方に投げ出されたが問題なく立ち上がる。汚れを払うまでもないとばかり】

RPG擲榴弾を観測。
第1表殻層17%損傷、真殻層損傷軽微。
口腔への砂塵侵入率3ng。動作に支障なし

【防御に重きをおいた装甲は理論上60mm迫撃砲の直撃も耐えうる仕組み。衝撃熱の空冷限界である2秒未満の同レベルの衝撃には、ポリマー展延性の限界を越えて破断するが】
【彼に他の砲撃手段でもない限りその危険性は極めて低い】
【そして表殻層が破壊されなければ砂塵の浸入を警戒する必要もなく――】

【かちり、と。平たいレーション缶のような丸い物体。踝にくっついて震えるのは磁力に引寄せられたからか】
【……女はホバーボードから“降りている”】

、磁性ス――――


【爆音。地雷の衝撃が女を頭からつんのめらせる】
【脛部の装甲が砕け、人工筋肉が剥けて剥き出しになった鈍色の金属骨格】
【彼にとっては絶好の追撃機会。しかし、女の動作が固まる】
【4度、地面が揺れた。先の二つは榴弾で、そして地雷】
【4度目の其れは、まるで遠雷のように長く深く】

霊対スキャン――――反応、あり。距離20……

【更に地鳴りが轟く。砂嵐で方向感覚を失った今、震源はまるで分からず】
【ノイズの走る視界でM79を拾う。武器が足りない】
【落ちたままの、弾帯(ベルトリンク)が連なったデグチャレフ軽機関銃。ただし今では彼の方が近い位置に居た】
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/08(日) 15:26:12.51 ID:yjVrm+pAo
>>622

【唐突に響く爆音に、彼は思わず音源を凝視する】
【ホッケーマスク越しに見える爆煙、砂嵐が轟々と吹き荒れ】


った──なんじゃ、こら……くそ、地雷か──!
嫌な事思い出させやがるな一々、なんだどこの国の作戦だったか
何が先陣を切れだ……あの糞女中将、完全に殺す気だったじゃねぇか

忌々しい!! 全てが、全部全部そうだ!!
ぶっ壊して、終わらせてやるぜ───!!!
ひゃはははははは!!!


【地面に落ちた軽機関銃を拾う、軍人らしき慣れた動きで装填を確認】
【両手で抱えるように構え、目の前の女へと銃口を向ける】


おいおい、随分と硬ぇ体してんだな、丁度いい
どれだけ耐えられるか、我慢比べといこうぜ────!!!


【滅茶苦茶に銃弾を乱射する、狙いもへったくれもない】
【感情の爆発に近かった】
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 15:51:04.86 ID:yVkyX3b+o
>>621

【枝が折れる音を耳にすれば、彼女が低木を破壊してしまって】
【彼女が悪魔の翼、此方が天使の翼。どちらが善で、どちらが悪かなど】
【なんとも入り乱れた、わけのわからない状況だ。それも面白い】


「ちょっと待て、だから力技は弱いって――!!」


【フォールン・インパクト。インパクトのある技名とともに、瓦礫の破片が此方に向けて飛んでくる】
【翼で回避しようとするも、拙い動きのために右翼の端に被弾して】
【なんとか体勢をたて直すも、翼自体の維持が難しそうだ】


「ふっ、私が呼んだのは一番自信がある“被造物”だ」


【なんて自信満々な顔をして言うものの、此方にはもう余裕がない】
【魔力ももう少しで切れてしまいそうなのだが――】
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 16:10:53.84 ID:Sx+gM+0BO
>>623

【地面が盛り上がる。戦闘の狂気に侵された男に警戒は期待できない。まして場所は彼の死角、女の背後だ】

距離15――

【CPUの内蔵された頭部を両腕で庇う。間一髪――刹那、7.62mm弾が横殴りの暴雨となって女を襲った】

表殻層48%損傷、真殻層11%損傷。
機能70%に低下。――距離10――

【0.05秒間隔で装甲がチーズより容易く削ぎ落とされていく。肩から下の擬似生体組織は剥がれ、ボディはその機械部分を殆ど隠せていない】
【人間なら襤褸切れのように吹き飛んで血煙と化す一瞬。だが、ふらついたものの女の取った選択は前進。男へ迫るすぐ後ろの地面が盛り上がる】

――距離5――、

【ざきんっ、と鋏で裁たれたような】
【視界がやや落ちて気付く。見れば地雷で脆くなっていた右足首。チタン合金のシャーシが弾の圧力で折れ、身体が傾いでいた】
【それでも引き摺るように身を動かす。二人の距離はまだ遠い。ヘルメットは遠に吹き飛んだ】
【M79を持つ左を降ろす。失せた片目の眼球カバーの下から漏れる光学センサーの赤光。彼を見据え、乞うように右手を伸ばす】

距離0――――避難を推奨しま


【男は知るだろう。女が銃を執る目的――そして彼以外の敵がいた事を】

【ばつんっ、裁断機より素早く女の身体――――正確には上半分が消える】
【元居た場所には無惨に別たれた下半身だけを残して。代わりに青白くぬめる怪躯がそそりたち、月下に影を落とす】
【蚯蚓の身体、土竜の頭、そして河馬以上の大きさを持った、青白くぬめる怪躯】
【やけにのっぺりした頭部――そこだけで軽車両程はある口――女の上半身を丸呑みにしたものから、引攣れた威叫が轟いた】
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/08(日) 16:22:25.84 ID:yjVrm+pA0
>>625

【爆音と共に少しずつ削れていく女の身体、男の顔に暗い愉悦が広がっていく】
【綺麗な顔を削ぐ度に、脳内にじわりと快感が満ちる様に。自らの現状を忘れていく様に】
【まさに夢中であった。その上半分が、消えるまで】

【起きるのは驚愕、何が起きた、と言葉が出なかった】


なんだぁ、いきなり、消えやがった……
くそったれな能力かなんかかよ、くそが、死ぬならもっと派手に
死にやが……れ……!?


【軽口を叩いて男が絶句する。現れたのは青白く煌めく化け物】
【なんだこれは、現実か、と自分に問いかける、ついに中身がバグっちまったかと】
【いいや違う、これは現実だ、自分の中にかすか残る冷静がつぶやいた】

【響く絶叫、男は思わず両耳を抑える、機関銃が地面に落ちた】


なんだ!! なんなんだ!! てめぇは一体!!
くそが、くそが、くそが!!! こっちに来てから、こんな事ばっかじゃねぇか!!
こんなんなら、刑務所ぶち込まれた方がマシじゃねぇか、くそ!!

やってやる、やってやるよ!! てめぇら全員……


ぶっ殺してやる!!!!!


【すぐさま機関銃を拾い、現れた化け物に銃口を向ける】
【狙いは震える、それは間違いない。連動して砂嵐が囂々と唸る】
【大きく絶叫しながら銃弾を乱射する、化け物に向かって】
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 16:23:35.47 ID:Ef3KI5al0
>>624


ああ、知っているさ!
     
    だから――敢えて力技でねじ伏せているんだよ。


【堕天魔弾/フォールン・インパクト=\―それも、二発目】
【一発目で完全に落とせなかった"Crimson"を、今度こそ】
【翼の維持は勿論、空にいることを許さないというように墜とそうとする】

【威力や攻撃の程度は先と一緒。拾っていた石塊を再び拳で砕いたに過ぎない】
【路地裏には再び土煙が満ちていって、既にそこは戦場のごとく】
【地面は砕け、建物は崩壊し、残った残骸にも岩の散弾がぶち撒けられて崩落寸前であり】



      ……で、その"被造物"というのは私より強いのか?



【舞い上がる埃の中から、そんな声が聞こえる。一時の静寂、そして空気の滞留】
【その合間に、時折悪魔の翼と片角が黒々と見て取れることだろう】

【いまだこの軍人は戦うつもりだった。それはさながら、阿修羅のごとく】
【だが――無限に続く体力など、あろうはずもない】
【明らかに息切れはしていた。流れるような連続攻撃が途絶えのが、その証拠でもあった】
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 16:59:51.92 ID:Sx+gM+0BO
>>626

【頭を失った女の足から支えが抜ける。崩折れるのと反対に、怪物は月を見上げその長身を伸ばす】
【目の無い――そう、視覚はなかった――顔が確かに男を、次の獲物を捉えた】
【一瞬の静寂。砂嵐の音すらも消えて、互いの殺意だけがひりひりと空気を焦がす】

【男の叫びを押し潰して、怪物は絶叫、そして地表を前進し。その声が苦痛の叫びへと変わる】
【恐怖を捩じ伏せた男の弾丸が、
生白い表皮から沼の泥じみた体液を幾つも吹き出させ、避けるように身をよじる】
【しかし、あまりにも的が大きすぎた。毎分600発を越える火器をぶちこんでも致死には届かず】
【霊獣――この化物をそう呼ぶのだが――の成長速度は恐らく女の予想を上回っていた。デグチャレフではなくM1919重機関銃を持ってくるべきだっただろう】

【ぎえぇぇ、と高い声を伸ばして、怪物が頭を地面に突っ込んだ。地に潜るつもりだ】
【周囲は地雷に囲まれて。そしてどういう訳か奴にはそれを掻い潜る知恵があるらしい】
【その行動が逃走の為でないのは、怒りに震える喉の唸りから読み取れる】
【ひと度潜らせてしまえば地中全てが怪物のフィールドとなる。機関銃のみでは殺しきるに至らない、しかし男のその能力があれば、或いは】
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/08(日) 17:11:32.01 ID:yjVrm+pA0
>>628

【舌打ちを一つ零した、この武器だけでは殺しきる事ができないと、悟った】
【"Never Ending Nightmare"は強力だが、彼では制御しきれない部分も多い】
【だが、唇の端が軽く吊り上がった、異様な笑みを、マスクの下に浮かべて】


ひゃははははは!!! いいねぇ、地中で蠢く蚯蚓かなんかのように潜りな!!
いーっぱいいたぜ!! 敵の雑魚どもが、どいつもこいつも、砂の中に身を隠しやがるんだ
それをな、どうしたと思う!? どう"殺して"やったと思う!!??


【────伝わらない言葉に頬を歪める】


轢き殺してやったのさ!! 巨大な戦車で!! 虫けらを潰すようにぶちぶちと!!
最高の気分だったぜぇ、砲撃手と中で大笑いしちまった!!
いいか、わかってんのか、おい化け物

てめぇはその時の雑魚共と一緒なんだよカスが!!


【地面が大きく揺れる、地面の砂がぶるぶると音を立てて震える】
【徐々に地面が砂へと変化していく、環境を変化させる彼の能力】
【物体は変わらない、有刺鉄線がその場に残っているのと同様に】

【地面は砂へ変われど、地中の地雷は消えはしない】


ヒィィィィィィヒヒヒヒヒ!!!! ハハハハハ!!!
冥途の土産に教えてやるよ!! 俺の名はトゥイーギ、トゥイーギ=ラミレズ
そしてこいつが俺の"Never Ending Nightmare"さ


【流砂である。怪物が顔を突っ込んだ地面を中心に流砂が生まれていく】
【もがけばもがくほど中に落ちていくだろうか、狙いはそこではない】
【地中の地雷が流砂に呑まれ、怪物へと向かっていく、密着させ、爆発することを狙った技だ】

【地中の地雷が一斉に爆破したなら、怪物をも退けられるかもしれない】
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 17:41:09.31 ID:Sx+gM+0BO
>>629

【身体が熱い。尖った小粒を全身に浴びながら、怪物は愉悦に牙を剥いた】
【潜ったが最後、真下からあのデカい獲物を丸呑みしてやろうと。海蛇のごとくしなやかに身を捩れば長い体躯が埋没していく】
【早い、あまりに早い。10数メートルあった胴がもう尻尾まで――いや】
【早すぎる、まるで落ちていくような――】

【異常に気づいたときにはもう遅い。そこで初めて怪物は恐怖の叫びをあげた】
【頭をもたげて尾を振り回し、何度も地表への脱出を試みる。だがかつて己の味方だった砂は牙を剥き、冷たく地下の奥底へ促す】
【ばかりではない、辺りにはあの危険な、音と炎を吹く、アレが】
【かつて獲物をその上に追い込んで散々肉を撒き散らしてやったアレが。今自分の頭の上に降り掛かろうとしている。その先の未来を理解できる知能を持つ怪物の悲鳴が、ごぼりと呑まれ――静寂】
【ずるり、ずるり、と黄色の海の中で黒い点の多数、それが中心にのたくる蚯蚓に接触した瞬間――――】

ドドドオォォォォ ̄ ̄ ̄Z____ンッッ――――!

【地鳴り、そして鼓膜を頭蓋骨ごと揺さぶる大音声】
【トゥイーギ=ラミレズが引き起こした蟻地獄によって、怪物は大小細かな肉片となり、汚い花火として派手に打ち上げられた】
【さしもの巨体も十数個の地雷をまとめて浴びせられては一たまりもない】
【辺りに生臭い腐臭が満ちる。ぼたぼたと不快な雨の中に、がしゃん、と金屑の音が混じり】
【彼の後ろ数メートル付近にその異物は落ちてきた】
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 17:43:02.53 ID:Ox/wfLZFo
【路地裏】

【春の雨が、強く降り注ぐ。天気予報では夕方に降る通り雨らしかったが】
【ずれ込んで今降っていた。春といえど、雨が降ると寒さを感じざる負えない】
【思ったより強く、傘を忘れた人はずぶ濡れだ。通り雨と聞いているが】
【それは通り過ぎたあとにわかる結果。いつまでこの雨は降るんだろう】

【路地裏にも雨は等しく降る。錆びたシャッターに、ボロいルーフ、窓明かり】
【ひび割れたアスファルトに染み込んで、洗い流す。ゴミや、血や、すべてを】


【もっともっと洗い流してくれと、この道をずぶ濡れになりながら思った】
【洗い流してすべてを忘れさせてほしいと。】

さみぃ………

【ポケットに手を入れながら歩く。背の高い男、黒髪はずぶ濡れで、伝う雨が邪魔くさくてオールバックにかきあげる】
【ブラックスーツに白いシャツ、10ホールの赤いブーツとサングラス】
【もしプロが見ればジャケットの内側にホルスターと拳銃が二丁、腰に2丁あることが歩き方などでわかる】
【そうでなくても、腰にはミリタリーモデルの黒いポーチをベルトにいくつもつけている】
【彼が単なるビジネスマンではないことは明白だ。雨の中、ずぶ濡れで】

【路地裏を進んでいるとずいぶん前に潰れた店のルーフで雨宿りできそうだった】
【BARだったらしい。ドアに板が打ち付けられていて、いくつもの落書きとサラ金の督促状が貼り付けられていた。】
【くすんだ窓から店の中が伺えた。男は軽くそこを覗き込んでから煙草を取り出す】

……そりゃ、しけってる

【苦笑して、雨の空を見上げてみた。】


/返信間隔ゆっくりペースになると思われます。ご了承を!
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/04/08(日) 17:45:29.51 ID:TgRxrMCoo
>>583

【一歩、二歩と。今度は桜の樹の方へと、女は歩みを進める】
【彼女に対しては、背中を向ける形になるか。それは隙のようにも見えるかもしれない】

―――私の名か。
私は、ケイ・ガーヴェイという。呼び方は……好きにすればいい。
しかし――似ているとは思っていたが、やはり当人だったか。まあ、別人にしては似すぎているけれど。

大変……まあ、楽な道ではなかったかな。
―――ああ。いずれ、機会があれば。訪ねさせてもらおうか。

【“機会があれば”――心にもない言葉を、当たり前のように吐き出して。きっと、誰よりも嘘をついているのは、女自身】
【桜の幹へ、ひたりと手を触れさせて。彼女へと背を向けたまま。】

カニバディール……カール・ハルズマン、だったか―――異形の男、No.29。私も以前、遭遇したことがあるよ。
あれでなかなかどうして頭が切れる、となれば、自警団や警察が手を焼くのも理解できる。

最近は、機関も他の組織も、あまり目立った動きがなかったからな……。
しかし、魔限法に反発しての活動も起こり始めるかもしれん。
――――そちらはどうかな。このところ、妙な集団に襲われたりなんかは、していないか。
別の国ではあるが、UTほどの組織ともなれば、そういう時には狙われやすそうだが。

【背中越しの問い掛け――――白々しい、と思うだろうか。】
【吹く風に花弁が舞えば、細い後ろ姿を覆い隠すように。その合間から、揺れる銀色が見えた】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/08(日) 17:48:27.53 ID:yjVrm+pA0
>>630

【地の底をひっくり返したかのような轟音、思わずトゥイーギも耳をふさいだ】
【はは、と乾いた笑い声が漏れる。これが現実かよなんて、つぶやくぐらいには】


しかし、なんじゃこりゃ、いかれた世界だとは常日頃思っていたが
ここまでの化け物は見たことねぇ、マジにやべぇ化け物はな
くそ、どうして俺ばっか貧乏くじを引くんだろうなぁ


【不快な雨をもろともしない、彼自身がすでに穢れ切っているから】
【むしろ喉を鳴らして、腐臭のする肉体を飲む、まじぃ、と言いながらもどこか喜悦に満ちて】
【大股で闊歩し、落ちた異物を確認するだろう】
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 18:08:22.85 ID:tl+KGtws0
>>631

【何処の国でも路地裏と言うのは】
【陰気臭く怪しく物寂しいものだ】
【雨と言うならば猶更だろう】

――シャン、シャン
――シャン、シャン

【漢にとっては聞きなれない音だろうか】
【見れば目の前に、編み笠を被り、顔を隠した黒衣の法師の姿があるのが見えるだろう】
【何処かつまらなそうな、何処か退屈そうな】
【そんな声で、雨宿りの男にこう聞いた】

「そこな者よ、かような場所で何をしておいでか?」
「この店はもう潰れている……開店を待つなら無意味でしょう」

【無論雨宿りに他ならないが、法師としては一時の退屈凌ぎ】
【春雨の間の、ほんの一幕に過ぎなかった】
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 18:24:41.74 ID:Sx+gM+0BO
>>633

【落ちた其れは、上半身だけになった女の――女だったものの残骸であった】
【怪物の体内に呑まれその肉が防壁となった分地雷の被害は軽減されたと見えるが、それでも地中深く逃げ場の無い中での桁外れの爆発である】
【ぶすぶすと焦げ付いた表面は焼け爛れ、顔の半分も肉は残っていない】
【人間なら考えるまでもない、即死である。しかしこれだけの損壊を受けてもまだ目の奥の光(センサー)は消えず】

【右手を掲げれば、表皮を失い稼動音を隠せなくなった腕がぎぎ、と軋む。指の欠けた左手には呑まれても離さなかったM79】
【仰向けで見詰める先には、中空にぼんやりと靄がかった燐光が】
【蒸発を始めた肉片、その煙の上を漂うように。向けるは体液に汚れた鈍色の五指。開いた中心にはノズル取付口のような孔があり】
【そこに光は音もなく吸い込まれていった】

そ、魂魄値(ソウルカウント)……1706Gh。
本任む成果の必要水準、ちに達しました、ので作戦を終りょ、します

【掲げた手が落ちる】
【足が無くなったのに気づいていないのか、わたわたと身を捩る姿は裏返った亀のよう】

機能27%に低下、き険域で、す。
救難信ごうを発信、ん

【音声も途切れがちとなる。ノイズの激しくなった視界の中に、男の姿が映った】
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 18:26:36.34 ID:12m08afMo
【水の国・港】

【先日、観艦式の行われた港に1組の男女がいた】

【男の方は着慣れた様子の軍服姿。片目には眼帯、その周りには爬虫類のような鱗が点在】
【背中には背丈を越す大きな棺桶が鎖で身体に厳重に巻きつけてあった】
【年齢は二十代中盤から後半。優男のような印象を与える顔つきをしている】

【女の方は同色同系統の軍服に、何故か上から灰色のパーカー。フードまで被っている】
【外見年齢は男と同じぐらいだ。パーカーと軍服で体型は見えにくい。両手は全て包帯に覆われている】
【切れ長の目は優男とは反対に苛烈な印象を与えていた】

「…………で、それが例の地図?」

らしいよ。ここにあるとかないとか

【男の方が地図を広げながら何事かを話していた。地図にはある箇所にばつ印が打ってある】
【港は祭りの後ということもあって人通りはほとんどない。彼らがそういう場所を選んだ、というのもあるが】
【多少騒がしくしても、バレにくい位置ではあった】
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 18:46:33.69 ID:tl+KGtws0
>>636

「やーやー何かお探しかな?」
「地図を眺めて何をお探しなのだよ?」

【そんな軍服姿の男女】
【とは言っても、軍服の男女とは普通のカップルとは到底見えない】
【場所が軍港と言う事もあり、所属の軍人とも考えられるが】
【それにしては雰囲気が妙だ】

【そんな二人に、少し拍子抜けするほど明るく声をかけたのは】
【カーキの制服に、白い白衣を羽織るように着た女性】
【若くは見える20代前半位か?緑がかった長い黒髪だ】
【制服と徽章、階級章、モール、これらから櫻国海軍士官と言うのは解るだろうか?】
【港にはまだ軍艦が停泊しており、そこの軍人が闊歩しているのは普通と言えるだろうが】
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/08(日) 18:50:27.00 ID:SSNZfZtqO
>>635

【男の表層に驚きが浮かんだ、マスクに覆われ殆ど見えないが】
【こんなになってもまだ動いてやがる、と】
【同時に思う事もあった、此奴も所詮は機械なのだと】


なぁ、アンタはあの化け物を狙ってたんだな
さしずめあの化け物を狩る尖兵ってとこか、あんなデカい化け物がいやがるんだもな
それでも護る為に傷ついてたんだな

ああ分かるぜ、俺もそうだったんだ
国の為国の為と抜かすが、大部分の奴らは俺達に感謝もしねぇ
挙句の果てには侵略戦争だなんざいって母国の奴らが反対してくんだ


【ギリリ、と唇の端を噛む】


いざ国に戻ったら家族も友人も俺の事を厄介者扱いさ、世間体が悪いからいらねぇんだとよ
挙句の果てに死んでくれば良かった、と!そしたら国から見舞金が出るんだとさ
笑えるよな、笑えよ、なぁ、おい、だからさ


【分かってくれるよな?】


【男は懐から拳銃を取り出す、使い慣れた拳銃】
【その銃口を向け、銃弾を発射するだろう、何回も】


いいもん持ってんじゃねぇか、その銃俺に寄越せよ
こいつがありゃムカつくやつ片っ端からぶっ殺して、金も手に入る
なぁ、そうだろ?アンタだってこう思われてるぜ


【────死んでくればよかった】
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 18:53:30.36 ID:12m08afMo
>>637

【声がした方向を、男女がそれぞれ振り向く】
【男は普通に。女は少しばかり警戒したような表情で】
【相手を確認すると女が男へと目配せ。それを受けて男が一歩、前に出る】

宝探し、みたいなものですよ
遺跡やら、金銀財宝やら……みたいなね
そちらは櫻の国の軍人さんのようで。散歩の最中ですかね?

【応対する男は人の良さそうな柔らかな笑みを浮かべている】
【一方で女の表情は変わらず。観察するように相手の格好に視線を巡らせていた】
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 18:59:54.21 ID:yVkyX3b+o
>>627

【もう一度迫る、堕天魔弾/フォールン・インパクト=z
【岩石の欠片は脆くなった魔力構造を至って簡単に打ち崩し】
【穴空きになった翼では滞空も維持できず、ふらふらと地面へ向けて落ちていく】

【翼以外にも、建物や地面に礫がぶつかって土煙が上がる】
【空中から落とされた女は土煙の中に右足から着地し、捻挫したようだ】
【足を引き摺るように立ち上がり、土煙に咽るようにしつつ彼女の声を聞く】


「そりゃあ、私の自信作だからな。君の能力が“通用”すると思うなよ」


【このままでは戦闘継続も不可能であるし、そろそろ来てほしい】
【――と思ったその刹那、規則正しい足音が路地裏の奥から聞こえてくる】
【姿を現したのは15、6歳ほどの少女。金髪のショートカットに、水色地のメイド服なんか着て】


     「まあ、“お母様”がお呼びになったと思えば、なんて野蛮な方でしょう」


【呆れ顔を伴いつつ、彼女を野蛮だと批判した上で】
【上に手を掲げれば、胴くらいの大きさをもつ姿鏡が現れて】
【それを彼女の方に向けて、女の方にゆっくりと近づいていく】
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 19:01:03.59 ID:Ox/wfLZFo
>>634
【潰れた店のドアにもたれかかっていた。――――気配がする】
【彼は身構えた。ジャケットの前ボタンをあけて、拳銃を抜きやすくする】

【けれども自然に、自然に何もない風を装う。そう装うのも彼はなれていた】
【探偵という仕事は自然にその場所に溶け込むことが必要となる】
【役者のように…今演じるのは警戒心のない人物。もはや造作もないなれたことだ】
【自分すら騙し切る。それも意味のある行動。余計な緊張はミスを誘発する―――】

……虚無僧か?何年も前に、俺は桜の国に居た。そんときに似たようなのをみたが、ここじゃ珍しい。
ポケットにコインでも入っていたら良かったんだが、あいにく文無しだ。
悪く思わないでくれ

【もたれかかっていたドアから離れて、肩をすくめる。濡れた煙草しか持っていない。あとは銃と道具―――人を殺す道具】

店を開ける方法ならあるさ

【それを言うと迷いない動作で、銃を抜きドアの鍵を撃ち抜いた。】
【銃声が響くが、すぐに雨音に吸い込まれていった。古い錆びたドアは大穴を開ける】
【銃をホルスターに戻して、ドアを軽く押すと、ギイと開いた】

悪くない店だね、インテリアも下品じゃないし、気取っても居ない。
マスターはどこかに跳んじまったんだろな。生きてりゃいいが……

【広くない酒場。どこか懐かしい雰囲気がある。薄っすらとホコリが積もっている】
【ウィスキーなんかが棚にそのまま残っていた】
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 19:03:48.34 ID:tl+KGtws0
>>639

「宝探し?」
「お宝!?」
「ど、何処にあるのだよ!?早く探すのだよ!?」

【警戒されているだろう、当然の話だ】
【だが、その男性の一言が、彼女の目を輝かせた】

「そうなのだよ、最も私は軍医なのだよ」
「所で……君達は何処の軍人なのだよ?所属不明なのだよ」

【警戒している女と、そして一見人当たりのいい男】
【その二人に、こう聞いた】
【軍服は着ている、だが所属は解らない】
【そして何より、宝探しと来た】
【不明点があまりに多い二人だ】
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 19:10:14.83 ID:12m08afMo
>>642

【その一言で目を輝かせる軍医に、軍服姿の二人は目を丸くしていた】
【ぽかーん、といった感じだ。あまりにも食いつきが良かった】

「えーっと……」

あー……僕たちは軍人ではないのです
所属は自警団傘下特務部隊。名前は『ヴィセリツァ』
軍服なのは慣習というか、昔の名残みたいなものなんだ

【苦笑しつつ、男が説明を挟む。宝探しの件はとりあえず置いておいた】
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 19:12:36.54 ID:tl+KGtws0
>>641

「如何にも、拙僧は仏に仕える身」
「されど、虚無僧でもありません……お気遣いを」

【そう、あまり感情が見えないが、一見丁寧に返し、礼をする】
【やがて、男が拳銃を抜きその扉を撃ち抜き解錠し】

「何とも、まあ……」

【その少々大胆とも言える動作に、些か驚きを隠せなかった様子だ】
【しかし、そこは何も言わずに】

「折角です、拙僧もお邪魔しましょう」

【男に続き、古びた店内に入る】
【夜逃げだろうか?黴臭く埃臭い店内に営業当時そのままに置かれた調度品や酒】

「中々に雰囲気はよろしいかと、最も営業していればで御座いますが」
「時に、この店に何かご用事で?」

【マスターの生死を案ずる辺り、この男は善人なのかも知れない】
【だが、疑問はある、銃まで使って入ったこの店に、何か用があるのだろうか?と】

645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/08(日) 19:12:41.88 ID:AvorQROy0
>>632

【背中を向けた相手。少女はそれをじっと見据えている――見えていないからか、その表情は今までよりいくらか険しいもの、眉間にしわを寄せ】
【もし何らかの手段で相手が背後を見ることが出来たら、それも見られてしまうだろう。そうして心中では必死になって考えていた、これは殺せるのかと】
【仕事帰りというのがどこまで本当かもわからない。少し離れた場所に仲間が見張っていたら。そうでなくとも助けを呼ばれたら。相手もまた能力者であったら】
【手こずっている間にもっと厄介なことになる可能性があった。なら、初手でいきなり殺すしかない。出来るか、出来ないかのみで考えれば――――】

――ケイさん。……ふふ、よく言われるの、妹さん? ってね、わたし、妹とかは居ないから――。
居たらいいなあってたまに思うんだ。だってとっても楽しそうでしょ? 一緒にね、遊園地に行って、クレープを食べたり……。

うん、どうぞ。たまあにね、わたしじゃないひとが店番をしているかもしれないけど――その時でも、よろしくね?

【――殺ったほうがいいか、殺らないほうがいいか。そちらで考えて、動かなかった。相手が一人だと言う確証がない、まだ、時期が早い】
【ウェインは婦警だのを辻斬りみたいにすると言っていた。ロッソはまだ早いからと言っていた。プランがあるから、――――でも、きっと、状況は変わっている】
【ぎゅうと服の裾を握りしめる。癖だった――それもすぐにやめてしまう、嘘ばっかり口にしているのに笑えるのに気づいて、少しだけ、複雑だった】

遭遇――ケイさん、が? あんな機関員にあって……大丈夫、だったの? それとも、ケイさん――とっても強い能力者、なのかな。
ニュースで、見たことがあるよ――、昼の国のこと、とか。UTに攻め込んできたのも、そうだし……、

――妙な集団? ううん、心当たりはないけど……。――UTに攻めて来るやつだなんて、それほど……カニバディールくらい、だよ。

【ぐうと顔を歪めてみせる。立場的に敵対こそしているが――気持ちとして複雑なものはある。それでもきっと浮かべるべきは"こんな"顔だろう】
【まさかその彼から相手のことを聞いた、というはずもない。ここが通じていることを知られてはいけない、一生懸命に、ただの恐ろしい機関員と思っている風を取り繕う】
【だけど――これはさっきから、ではあるのだが。やはりそれはどうしたってこの少女はうそを吐くプロではない。わりに上手ではある、だけど、商売ができるほどじゃあない】
【妙な集団というのも心当たりはないと言って首を揺らす。――誰か電話でもしてくれないかとひっそり祈っていた、そうしたら、それをきっかけに逃げ出せるのに】

――――ケイさんは。魔限法について、どうやって思う?

【ああでも。ふと尋ねたくなったのだ、黒幕側に立っていると"知っている"相手へ。相手から見たなら、あれは、どう見えるのだろう】
【黒幕の目指す世界の先に、相手は何を見ているのだろう。何を求めて、そこに居るのだろう。――そうやって尋ねる声は、少し悲しいような、寂しいような、恐ろしいような】
【ひどく不安そうな声――揺れる銀色を、ずっと見つめていた。ひどく複雑な目をして、潜められた声はどこか冴えて――】

/次食事などなどあるので少し遅れると思いますが、お先にお返ししておきますっ
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 19:18:02.60 ID:tl+KGtws0
>>643

【ポカーンとした表情を浮かべる二人】
【だが、それはこの女性の、その性格や口調による部分が大きいのだろう】

「自警団傘下?特殊部隊?」
「ちょっと待つのだよ……」

【うーん、と何か悩むような】
【そして何か思い出すような、少し大げさな動作をした後】

「思い出した!中尉が言ってたのだよ!」
「ディミーア?って人のとこ?なのだよ!違うのだよ?」

【手を叩き、ああ、そうだと】
【自警団に関しては、何か聞いている様子だ】
【最も、口調からは、ディミーアには会った事は無いのだろうが】

「で、自警団さんは何を探しているのだよ?本当に宝?」
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 19:19:49.00 ID:Ef3KI5al0
>>640

【ペッ、と唾を吐き捨てる。多分に血の混ざったそれは、鉄の味】
【だがまだ倒れる気もないというように、翼だけを羽ばたかせ】
【発生する風で土埃を吹き飛ばせば――現れたのは、メイド姿の少女であり】


うっはっはっはっは……!
野蛮≠ニ来たか!機関なんて汚れた組織で腐った蜜を啜る連中がッ!
……いや良いとも。そうだよ、私は野蛮だ。で、なんなんだ?

それにしても鏡か……出来損ないじゃないといいな、"被造物"ッッ!!!


【直接攻撃してこないだけに、その驚異は未知数で】
【故に、本来であれば万全の状態で望みたかったが】
【そうもいかない――ならば、最も上等な手段で臨むのが吉、と判断したのだろう】

【走り寄りながら、適当な瓦礫を拾い上げ、それを鏡に向けて投擲する】
【最もこれはブラフ――当たるのか、割れるのか、何か対処をしてくるのは】
【それを見たいというのもあるが、最も大きな目的は注意を引くことであり】

【狙うのはやはり、接近しての強烈な一撃。地面をダン、と踏み砕き】
【右の拳でメイド姿の少女の腹部を狙う。――今度は、通り過ぎることもない】
【そして"殴り飛ばす"こともしない。拳をめり込ませることが出来たなら】
【その肉に爪を立てて、内蔵を抉ろうとするだろう。――迫る速度と、急な停止】
【それは距離感を狂わせる。そして同時に、受ければ一撃という危険を孕んだ"殺す攻撃"だった】
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 19:25:02.73 ID:12m08afMo
>>646

【何だか変わった語尾の人だな、と二人は思っていたがそれはさておき】
【ディミーア、という名前を聞いた二人は揃って「あ」と声を出した。それはよく知った名前だった】

それはうちの隊長ですね、最近会ってませんけど
意外なところで知っている人がいるもんですね

「……流石にびっくり」

【こんなところで上司の名前を聞くことになるとは思っておらず】
【奇妙な縁に二人とも何ともいえない表情を浮かべていた】
【同時に、何故、櫻の国の軍医が名前を知っているのか、疑問も浮かんできた】

「なんで、隊長のこと知ってるの?」

ええ、僕らとしてはそっちが気がかりです
宝の話は、それを教えてくれたら教えてあげますよ

【「交換条件です」、と悪戯っぽい笑みを浮かべて男が付け加えた】
【女の方も警戒心はいくばくか薄れてきているらしく、初めのような不躾な視線は向けていなかった】
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 19:27:20.58 ID:Sx+gM+0BO
>>638

【女は見返りを求めない。そこにあるのは目的のために如何なる犠牲を払ってでも遂行する鋼の意志(プログラム)のみ】
【彼のように自身の不幸について考えたことはないのだろう】
【それは製作者の意図に反する行為である。自我と呼べる意識に至るには、女は剰りに『兵器側』であったが】
【女の立場は確かに、かつて男が辿った軌跡そのものであったろう】

――――

【彼の言葉には応えられない。標準より野卑な単語と独白の多い男の言葉は、集音センサーの傷んだ女には難しく】
【何より救難信号を発信するのにメモリの大半を割いていた】
【怪物の声と砂嵐の止んだ世界は特に稼動音がよく聴こえて――――――――銃声】

【何度も身体が跳ねる】
【ケーブルが裂け、油圧システム内のオイルが溢れる。宛ら血液のように。粘度の低い其れはすぐに砂へ染み込んで】
【右腕が千切れる。はっと、痛みを堪えるかのように。そこで初めて銃を離し、欠けた左手でずたずたになったそれを抑えた】
【間髪いれず、一発の弾丸が腹部のパワーセルを撃ち抜く】

パワーセル破損、致命的ダメージ。
システム、維持、困難

【きゅぅぅん、と身体から力が抜けていく。ヒトでいう今生最期の吐息】
【持ち上げた右手の残骸は、弛んだ指から溢れて、流砂へと沈んでいく】

任務――かん、りょ

【やがて、全てが静止した。残ったのは煤けた擲弾銃と残弾を撃ち尽くした機関銃。ホバーボードは主を失い、遠くに突き刺さって】
【女は女でなくなり、物言わぬ機械と化した。彼女の“記録”は、頭部深くの小型CPUに眠るのみ】
【赤い光の消えた視覚センサーは、真の意味で単なるガラスの反射として月光を映していた】
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/08(日) 19:34:14.24 ID:yjVrm+pAo
>>649

【息を少し吐いた、その先にいかなる感情を浮かべず】
【物言わなくなった女を見てやれやれ、と言葉を探して】
【くるり、と背を向けた】


なんだ、動かなくなっちまった────まぁいい
あばよ、お前……少しは良かったぜ


【その場をあとにするだろう、確かな悪意を胸に】


/お疲れ様でした!
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 19:37:38.47 ID:tl+KGtws0
>>684

「あ、あれ?……なのだよ」

【二人の様子に、逆に困惑した】
【何故か?】

「ひょっとして、厳島中尉の話も那須曹長の話もディミーアって人からは聞いてない、のだよ?」

【何とも言えず、驚きだろうか、そんな表情の二人に聞いた】
【そして】

「聞いてないっぽい、のだよー」
「解ったのだよ、それはいい条件なのだよ!」

【交換条件、と言う男の言葉に、そう笑顔で返して】
【説明を始める】
【厳島命、那須翔子と言う二人の諜報員の話】
【聞いた限りでのディミーアとの接点等々を】

「私は少し前から、二人と協力者達への援護の目的で派遣された石動万里子少佐なのだよ!軍医なのだよ!」

【よろしくなのだよ、と自己紹介もする】

「さあ、次はそちらの番なのだよ!」
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 19:47:04.77 ID:yVkyX3b+o
>>647

「言葉遣いまで、悪人のそれですわ。“お母様”とは大違い」
「人を出来損ない扱いするなんて……、怒りましたよ」

【蒼い瞳が細まり、彼女に怒りを伝えるように】
【女に作られた“神聖な”被造物であるのに、自らを貶めるとは何かと】

【少女は鏡面を裏返し、鋼で出来た面でその攻撃を“受け止める”】
【しかし不思議なことに、少女はその瓦礫を受けても反動を受けていない】
【――エネルギーの吸収。大鏡の裏面は、彼女の物理攻撃を受け止める為にある】


「やりますね、流石はお母様を下したお方」
「でも力ばかりの戦術は私には通用しませんよ?せいぜい後悔なさることですね」


【彼女が足元を踏み砕けば、相当な速度で此方に接近してくる】
【右の拳が握りしめられているのを見れば、鏡の裏面をそちらに向ける】
【急停止したとしても、その表情は全く変わらない。恐ろしいほどに、表情を変えず――――】


【距離感が狂ったとしても、手元にある鏡の扱いは達人の域を超えて】
【彼女の拳を捕捉するがごとく、その鋼面を追尾させる。彼女の拳は恐らく大鏡に当たることだろう】
【そして、後ろに足を引き摺って拳を押しとどめながらやはりエネルギーを吸収した】
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 19:48:37.16 ID:Ox/wfLZFo
>>644
【サングラスをかけていて、こちらも表情というのを読み取るのは難しい】
【だが話し方は飄々として、やわらかな物腰を感じさせる。行動を除けばだが】
【これだけの武装をして、単なる護身じゃないことぐらい誰にでもわかるだろう】
【それに鍵のかかったものに対して、迷わず銃を抜くのだから】

ああそう…それはすまない。信心深くない質でね。祈りはするけど…

【ずぶ濡れの体から水滴が滴り落ちる。埃の積もった店に新しい跡を残していく】
【当時のままの状態。飲みかけのボトル、綺麗に並べられたグラス。雑誌は3年は前のものだ】
【煙草の箱が転がっている。封の切っていない、昔のデザインのパッケージのもの】
【彼はそれを手にとって、ちらりと僧の方を向き、悪ガキのように笑った】

仏様には内緒にしておいてくれ、今日のこんな酷い雨の日ぐらい。

【懐からとりだしたライターで火をつける。少し乾いているが彼にとってはなんでもよかった】

いいや……たまたまだよ。昔に来たことがあるかもしれないが、覚えはない
でも、こういう酒場でよく飲んだもんさ。いろんなやつにであって……

【どこか懐かしむように、何か過去の思い出を重ねるかのように店内を見回した】
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 19:52:52.88 ID:ThXZ6OKmo
>>651

【万里子の話を二人は静かに……でもないが、ともかく聞いていた】
【合間合間に男の方は「なるほど」「ふんふん」と相槌を打っていたが】
【女の方はやはりというか、黙り込んでいた。とはいえ、聞いていないわけでもないようだった】

【話が終われば、何故だか二人ともため息をつく】

あの人にも困ったもんですね

「ちょっと寄り道が多いよね」

【それは上官に対する、というよりは友人に対する言動に近かったが】
【ともあれ、万里子から聞いた内容は二人にとっては良いものではなかったようだった】

【「そういえば」と男が付け加えてから「僕はクリストファー・シェーンハウゼンといいます、長いのでクリス、と」】
【と、自己紹介を返す。女も「僕はスクルータ。ただのスクルータ」と名乗る】

それで宝の話、でしたっけ
といっても伝承やら何やらを漁って、どうにもこの遺跡にあるとかないとか
そんな話を聞いた、程度でしかないんですけどね

【説明をしながらクリスが地図を広げて万里子に見せる。一箇所には印があった】
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 19:57:48.17 ID:tl+KGtws0
>>653

【表情が見えず、一見すれば何を考えているのか良く解らない男だった】
【しかし、話し方、言葉、それらを加味して考えれば悪い人物には見えない】

「そこは同じですな、拙僧も同じです」
「信心など無用、そのような物は人の枷にしか成り得ません」

【信心深くない、と言う言葉に、しれっとこう答えた】
【この僧侶は対して抑揚のない話し方をする】
【故に、男から見れば、得体の知れなさが際立つかも知れない】
【男に続いて入った店内は、本当に当時のまま】
【営業痔の空気をそのまま保存し、その上から埃だけ被せたような状況だ】

「いえいえ、ご安心を」
「元より報告する仏など、居りませんで……」

【その場の煙草を拝借し、吸い出す男にこちらもこう答えた】

「貴殿は、過去の記憶に色々お在りと見える……」
「失礼ながら、何をされている方で?」
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 19:57:56.85 ID:Sx+gM+0BO
>>650

【男が去って暫くのち、月が大分傾いた頃】
【救難信号を捕捉した増援がこの地に訪れる】
【背中のジェットで空を飛び、降り立った姿はまたもメイド。そればかりか、左手がガトリングガンに換装されている以外は、顔形は勿論服装体格まで壊れる前の彼女と寸分の違いなく】

霊対・磁性、広域スキャン――――反応なし

【周囲を見渡し敵の気配がないのを認めると、ジェット噴射で砂地に潜り込む。数十秒ののち浮上したその手中には、折れた機械の腕】

損傷率80%といった所ですか。酷くやられましたね、No.4

【上空から、散乱したボディの残骸を見下ろし、無感動な評価を下す】
【彼女――いや“彼女ら”にとって完膚なきまでに破壊し尽くされるのは決して珍しい事ではない。意志なき集団にとって従うべき優先順位は己が身が第一ではなく】
【大事に抱える腕の内には、女――No.4が破壊される寸前回収した魂魄が蓄えられている】
【これを守ることが彼女の最終任務であり。壊れた今、それに加え彼女のCPUを回収するのが、もう一人の女――No.8の役目であった】

回収、及び帰投準備完了。
基地に帰還後博士(ドク)を起こして、ボディを新調して頂きましょう。
最短で2ヶ月あれば――――

【最早聞こえない壊れた頭部へ、励ますような物言い】
【光無き女の頭と腕を抱え、もう一人の女は空へ飛び去っていった】


/無茶な展開にお付き合い頂きありがとうございました
/銃などはお好きになさってください
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 20:03:29.47 ID:tl+KGtws0
>>654

「ほほーう、困り顔なのだよ」

【話を聞き終え、少々困った顔を見せる二人】
【少なくとも、良い知らせでは無かったようで】
【ディミーアの行動は、この二人には予定外の物だったか、溜息まで漏らす】

「なるほど、クリスとスクルータなのだよ、覚えたのだよ!」

【そして、話は宝の事に戻る】

「ほうほう、本当にお宝を探していたのだよ!」
「これは驚きなのだよ!そんな所になのだよ!」

【話を聞き、そして地図を一緒に眺めながら】
【バツ印のついた、その遺跡の場所へと目はくぎ付けになる】

「早速行く?のだよ?」
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 20:08:38.64 ID:Ef3KI5al0
>>652

【石塊を投げた時の反応、己の拳を叩き込んだ時の手応え】
【それが"衝撃を吸収する"という能力を持つ鏡だということは】
【案外、すぐに察せられた。ではどうやって対処すれば良いのか】

【――――これもまた、アヤなりにすぐに案が浮かんでいて】


……ほう、怒るのか?作り物にしてはよく出来ているじゃないか!

しかし、その鏡は少々邪魔だな。
「どうやって壊すか」…――と、言いたいところだが
それを壊す必要はあるのか≠ニ、そう問うべきか?


【目を細め、押されながらも鏡を盾に踏みとどまる少女を見つめると】
【距離を取るでもなく、改めて殴るでもなく――1歩だけ歩み寄ると】

【がしり≠ニ鏡の縁を掴もうとする。叶うならば、そのまま引き寄せ】
【或いは引き倒そうともするだろう。別に、鏡を破壊する必要はない】
【それが相手の手元に無ければ良いのだ、とそういう言うように】

【その力は強い。けれども、能力によるものであれば】
【物理的な力などは無関係かも知れないし、何より――】
【吸収された衝撃が何処へ行くのか≠ェまだ、分かって居なかったのだが】
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 20:15:04.43 ID:ThXZ6OKmo
>>657

【やる気満々の様子の万里子に対して、二人は顔を見合わせていた】
【「どうするの?」「どうしましょうねぇ」なんて言い合って】

まぁ、事前調査も必要そうですし……行きましょうか

【結局、行ってもいいようだ。地図を持ったままクリスは周囲をきょろきょろと見回していた】
【「ここでは無理そうですね」なんて、謎の言葉を言ってから万里子に向き直る】

車か何か、移動手段お持ちですか?
あると楽なんですけど、僕たちは持ってなくて

【地図の示す先は街から少しばかり離れているため、徒歩だと厳しそうな距離だ】
【なので何かないか、と、軍艦が停泊している立場も見越して頼み込んでみる】
【とはいえ、なければないでどうにかやる方法もあるらしい。そんな雰囲気だ】
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 20:28:31.24 ID:tl+KGtws0
>>659

「宝と聞いては黙っていられないのだよ!宝探しはロマンそのものなのだよ!」

【随分と乗り気の様子だが、要はこの少佐は暇だったのである】
【そんな状況に、丁度よくやって来たのがこの二人だったと言うわけだ】

「うーん、車、車……」
「ちょっと待つのだよ!」

【何やら携帯端末を出し、何処かに電話をし始める】
【海軍主力艦隊が停泊中、この好条件は利用しない手は無い、らしい】
【そして15分ばかりが経過しただろうか?】

「お待たせ!なのだよ!」

【石動が一台のクラッシックな、それでいてOD色の軍用車然とした乗用車を運転しながら二人の元に】
【九九式小型乗用車、通称眞金四起、櫻国陸海軍共に広く使われている軍用車だ、ちなみに四人乗り】

「さあ、乗るのだよ!」

【助手席は?後部座席はどちらだろうか?】
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 20:40:37.72 ID:LMQXZsz00
【社、と呼ぶには風化の激しく進んだ場所。其処で対峙するのは巫女と複数人の男達】
【男達が手にしているのは刀だ槍だと物騒な物の数々】
【巫女の方はと言えば狐の尾と耳を生やし、人間とは異なる気配を醸しだしている事から恐らくは妖狐】
【得物らしきモノと言えば矢を番えていない弓だけだ】
【――多勢に無勢、と思われる状況ではあるが意外にも殆どの男達が土に転がり息を荒げていて】

「……あの……もう、終わりにして下さい……私は傷付ける気は……
ただ、この場から……立ち去って頂ければ……その……それだけで……」

【如何にも気の弱そうな表情の娘が、怖ず怖ずとした口調での勧告】
【端から見れば、それは余りにも滑稽なのだろう。だが、当の本人達には笑い飛ばすだけの余力も無い。つまり、それだけの実力差】
【少女を含め誰も流血して居ない、矢も刺さっていないにも関わらず一方的な状況】
【――とは言え、だ。蛮人達とて小娘に言われたからと素直に引き下がる訳にも行くまい】

「……ぁ……あの……?」

【故に、人を殺すことが出来ない少女の優しさに付け込む】
【小首を傾げ、退却の意思の有無を問うその背に今まさに棍を振るわん――と】
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 20:41:27.03 ID:ThXZ6OKmo
>>660

【十数分後に万里子が車両に乗ってやってくる。クリスが「おー」と呑気な声をあげていた】
【「助かります」「ありがと」と、クリスとスクルータが礼を言う】

【スクルータが後部座席に乗り込んだ後、クリスは背負っていた棺桶の鎖を解き】
【後部座席にそれを押し込む。かなり狭くなったせいでスクルータは不満顔だった】
【それからクリスが助手席に座る。地図を広げて道を確認】

【「じゃあ案内しますので、運転はよろしくお願いします」と言って発進を促した】
【道中はクリスが適宜指示を出す。街を抜けて、平野に出て、さらに進む必要があった】

【塗装された道を外れて平原に。道無き道を突き進んだ先には森林があった】
【その中を奥へと進んでいく。しばらく行くと木々のない小さな広場のような場所に出る】
【そこには滑らかな岩で作られた入り口のようなものが建っていた】
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 20:44:55.01 ID:yVkyX3b+o
>>658

「敵に手の内を見せるようなことは、しませんわよ――ッ!!」


【恐らく、彼女なりに対処法が浮かんだのであろう】
【鏡の縁を掴まれて、そのまま引き寄せられそうになる】
【別に手を離しても構わないのだが、“あの行動”をするまでは鏡が一枚しか出せない】


「急に掴みかかるなんて、本当に野蛮なのですねっ!」


【その力に対抗できるわけもなく、鏡は彼女に取られそうになる】
【しかし抵抗していると、鏡面の下部が彼女の方を向いた。その瞬間を見逃すわけもなく】
【ニッ、と厭らしい笑みを口許に浮かべれば――――】


「自分のしたことを、後悔するお時間ですわよ! Pay Back Time!!」


【刹那――鏡面が弾けた。一気に罅が入ったと思えば、その大小の欠片は彼女に殺到する】
【先ほどまでに与えられたエネルギーは、この欠片の殺傷力に影響を与えるもの】
【あれだけの力を以って鏡を殴ったのだから、その破片の殺傷能力は高まっており】

【人体を軽く貫通する、散弾銃のようなもの】
【しかし罅が入ってから数瞬だけラグがあるために、反応が早ければ回避できるだろう】
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 20:52:00.26 ID:tl+KGtws0
>>662

「待つのだよ……」

【クリスが助手席に乗ろうとした、その時】
【表情が一変、声色も一変】

「や、ろ、う、は……」
「お断りなのだよオオオオオオオオオオオオ!!」
「よく見たらスクルータちゃん中々綺麗な顔してるのだよ、お部屋に呼びたいのだよ!スレンダーボディの人見知り警戒属性とか解ってるのだよ!もうこれは、お着換えで着飾りこうむっはあー!でも今は出来ないのだよ!だから、さあ横に来るのだよ!じゃけんドライブしましょうね〜」

【そんな事を息を荒らげて言うのだった】
【なお、後半は全部早口であり、聞き取れたかは不明だが】
【何はともあれ、車は誰かの案内の元、街、平野、平原へと進んでいく】
【普通の自動車ならばひとたまりも無い道だが、軍用車ならば話は別だ】
【やがて、岩で形作られた入口らしきそこに】

「着いたのだよ!ここでいいのだよ?」
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/04/08(日) 21:01:31.70 ID:aVkogpyT0
>>661
【見えた―――――振り下ろされる棍。少女が気付く様子は無い。死角からの攻撃なのだから当然】
【一歩、抜刀。二歩、接近。三歩、がきりと火花を上げて抜き身の刀と根がぶつかり合う。否、何者かが棍を弾いたのだ】
【刀を抜き払い、踏み込んだままの前傾体勢からゆっくりと立ち上がる。それは間違いなく、少年だった】

不意打ちは戦の常套手段だ……
だが、大の大人が少女を、それも大人数で囲んだ上で不意打ちするのは、戦とは言えないな

【大人数で囲む。とは言ったものの、過半数は満身創痍と言った風体。弓を持っていることから、恐らくこの少女の仕業だろう】
【見た目からして、獣人か人外の類。だからと言って差別する事も、増してや迫害する事も無い】

無事だろうか? どこか怪我をしてはいないか?

【少女に問いかける。ややくすんだ銀の髪。榛色の瞳。鋭く整った顔立ち。白いシャツに黒いベスト、パンツとタイトな姿】
【纏う雰囲気は破落戸の野卑な物と言うより、真面目な十代後半の少年その物】
【問い掛けた後、周囲の破落戸を見渡すと、警告するように刀を振り払い言い放つ】

お前達。これ以上手を出さないなら、命までは奪わない
だが、それでもまだこの人に害意を持つのなら、俺はお前達を敵対者と見なす
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 21:01:45.75 ID:ThXZ6OKmo
>>664

【乗り込もうとしたときに見えた万里子の表情。一変したその表情と声】
【思わずクリスは「え?」と声をあげてしまった。そして次々にまくし立てられる主張】
【────「えぇ……」普段は柔和な笑顔を見せることの多い彼も、このときばかりはドン引きだった】

【因みに後部座席に座っていたスクルータもドン引きだった。眉根が思いっきり寄せられていた】
【それでもハンドルを握る人間がこんな様子では従うしかなく、渋々スクルータが助手席に座る】
【馬鹿でかい棺桶が突っ込まれてる後部座席よりは広いが、しかしそれが喜べるかは微妙だった】

【そんなことはさておき】

えぇ、地図が指し示している場所はここですね

【後部座席からクリスが出て、棺桶を引っ張り出して鎖で身体に固定】
【スクルータも車から降りて周囲を見回す。ただ森林の中にできた広場、それ以上でもそれ以下でもなかった】
【────はずだったが、スクルータが首を傾げる】

「…………なんか、身体が重いような」

【奇妙な感覚がすると口にする】
【車から降りれば──いや、車から降りずともその異変は感じ取れるかもしれない】
【何か、身体が下に押し付けられるような、両肩に大気がのしかかっているような、そんな感覚がするのだ】
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/08(日) 21:09:57.50 ID:485a7Pu/0
>>604

――ごほっ、げほっ。…これが、大丈夫に見えるなら。
お前の目ん玉も相当の硝子細工だぜ。……痛くて仕方ねえっつうの。

【確かに一発食らわせてやる、とは言った】
【けれど実際に強化に強化を重ねた拳を素直に受け止めれば必然、身体は軋む】
【軋んだ身体は、痛みに苛まれる。尤も、そこに憤懣も憤慨も無いけれど】

【痛みに息を荒くし、痛苦に顔を歪めるカイの声はやや掠れ気味である】
【そんな声が吐き捨てるのは、言外に治療してくれと言わんばかりの言葉だった】

あー、…おめえの相方も相当のタマだな。
ゴリラの保護者もゴリラの様な思考回路と来た。…性質の悪ィ冗句だ。

…言うに事欠いて"大丈夫ですか"だぜ?
――ああ、確かに良い奴だよ。良い感じに頭の螺子が抜けてらあ。
ぶん殴っておいて真っ先に考えることが、自分の都合なんだからよ。

【少なくともこの場において頭の螺子の抜けていない者など居ないと思った】
【だが客観的に見れば最も無害なのは、カイに治療を提案した女性であるのもまた事実】

【近寄ってきたアウに対して、苦し紛れのニヒルな笑みを零し、悪態をつく】
【その態度は、間違いなく強がりであったのには間違いないだろう】

/すみません。お待たせしました
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 21:10:14.23 ID:tl+KGtws0
>>666

「ああ〜お御脚がたまらんのだよ〜、帰ったら部屋に来るのだよ〜可愛がるのだよ〜」

【そんな車内の楽しい一コマであった】
【なお、この人物の運転は極めて荒く、臀部の痛みに悩まされそうだ】
【そうこうして、その遺跡に着く】

「うーん、何だか妙なのだよ、魔翌力検知するのだよ」

【適当な場所に駐車、石動も車から降り】
【医療キットの入ったバッグと、念の為拳銃を用意し】
【アストラルレベルによる魔翌力検知を開始】
【この場に魔翌力的霊的な異常、異変があるならば検知は可能だろうが、果たして】
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 21:16:49.37 ID:ThXZ6OKmo
>>668

【異常であれば────それはすぐに探知することができるだろう】
【数値が異常な値を指し示す。通常では考えられない魔力的な作用がこの場には生じていた】
【つまり、この場所は自然そのままの場所ではない、ということだ】

あー……これ、”重い”ですね、”やっぱり”
重力場に変化があるみたいですね

【異常の正体が分かったらしく、クリスは納得したような顔をしていた】
【スクルータが周囲をうろついて何かないかと探索をしている。目立ったものはないが、念のためというやつだろう】
【クリスは万里子の元へ。そう、残念だがクリスが、だ】

とりあえず遺跡は見つかったわけですが……どうしましょうか
周囲を調べてもいいでしょうし、さっさと中に入るのも手です

【今後の方針についての相談のようだった。どちらでもいい、といった具合だったが】
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 21:24:21.87 ID:tl+KGtws0
>>669

「待つのだよ……」
「魔翌力的に見て、この場は異常なのだよ、人工的かあるいは……そっちは何か解ったのだよ?」

【何事だろう、そう首をかしげながらクリスに聞いた】
【やがて、今後の行動を確認しにくるクリスに】

「調べても多分ここには何も無いのだよ、中に進むのだよ」

【そう進言する、中に入れば何か解る事もあるだろう、と】
【そう告げ、すっと自分はスクルータの横に移動】

「ああ、それと私は軍医なのだよ、治療は出来るのだよでも戦闘や探索は不向きなのだよ」

【一応、その部分の忠告を】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 21:30:32.34 ID:Ox/wfLZFo
>>655
【対して、彼は警戒していた。まだ、この僧を信用できるわけがない】
【意図が読めないその姿。言葉からもその雰囲気を察することはできない】
【全くしっぽを掴ませない相手だ。あまりにも怪しすぎることが気になる】

破戒僧ってやつだろ?ルールをぶっ壊すってのは……なんというか逆、だな

【逆説的な僧、信心がなく――本来僧とはそういうものだが――何を求道するのか】
【より一層、彼は緊張した。だがそれを表に出すほどギリギリじゃない】

誰だってこの年になれば少しぐらい懐かしむ話もあるさ。いろいろ生きてきて
……今はなんだかその残り香で、生きていると思う。そんなときがあるんだ

【「しがない探偵だよ」と灰をガラスの灰皿に落とす。ここに煙草の灰が落ちたのはいつ以来なんだろう】
【ざぁざぁと降る雨の音がしていた。静かな店内。時の間に閉じ込められたよう】
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 21:33:38.04 ID:LMQXZsz00
>>665
【肉を打つ感覚を味わう筈が、弾かれる――或いは猛者ならば咄嗟に反応も出来たのだろう】
【然れど所詮は賊、直ぐに体勢を立て直す事も無く予想外の手の痺れに呻く】
【新たな脅威。戦く者と、身体に怒りを滾らせる者の数は丁度半分といった所か】
【――少女はと言えば、暢気なものだった。突然の乱入者に尾をピンと立てて驚き、動揺を隠しきれない瞳で少年を見て】
【少なくとも、今は敵では無いと悟ったのだろう。小さな声での感謝の気持ちは、果たしてこの中で伝わるかどうか】

『ケッ……またガキが一人増えただけだ!お前等、何時まで寝っ転がってるつもりだオイ!』
『けど兄貴、無理ですって!そのガキ一人に俺達ァ良い様にされてるんですぜ?!更にもう一人湧いて来たとなりゃ……』
『チィッ……テメー等の面はしぃぃぃっかり覚えたからなァ!精々今日から夜道に気ィ付けなァ!』

【それが、少年の問いに対する賊達の答え。未だ立ち上がれない仲間を引き摺り、肩を貸し、時には背負ってその場から一人また一人と消えていき】
【弱い者達程、撤退は素晴らしいものだ。あっと言う間に先程までの喧騒は消え、残されたのは二人のみ】
【人に慣れていないのだろう。少年から少し距離を取りながらも、幼さの残る妖狐は怖ず怖ずと向き直り】

「ぁ、あの……!ありがとうございました……その……助けて頂いて……
お怪我は……無い、でしょうか……」

【気付けば弓は虚空へと消え、代わりに一頭の白い鹿が見守るようにして側に居るだけ】
【少年の身を案じながらも、ずっと戦っていたにも関わらず息の上がらない様からしてこの少女も“まとも”では無い】
【ゆらり。尾を揺らしながら不安げな表情で問いへの答えを待ち】
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 21:41:09.48 ID:ThXZ6OKmo
>>670

【万里子の進言に頷き、遺跡の入り口に目を向ける。一見すれば何の異常もないが】
【しかし、それを中心に外側に向かって微風が吹いていた。決して邪魔になるようなものではない】

【ふと万里子を見ればスクルータの隣に移動していた。露骨な対応にクリスは苦笑】
【スクルータは困り顔になっていた。まさか女にこういう態度を取られるとは思っていなかった】

戦いについてはご心配なく
────”我々”は腕の立つ集団なので

【その一言。短く発せられた言葉には、圧倒的な自負が含まれていた】
【それは自警団員という警察に類似した立場のものとは思えず】
【むしろ、傭兵やそれ以上の、戦い慣れた人種の発するものが近かった】

じゃあ行きましょうか
スクルータ、万里子さんのことは任せたよ

「…………しょーがないな」

【クリスの指示をスクルータが渋々といった様子で承諾、二人が率先して遺跡の入り口へと向かう】

【遺跡の内部は明かりの類がなく、薄暗かった。入り口付近ならばまだ外の光が差し込んでいたが】
【目の前にある階段を下ってしまえばその先は闇。光源なしに歩くのには危険だろうと思えるほどの暗さだ】

【明かりの類があるのならば使う方がいいかもしれないが、なくても問題はない】
【クリスが宙で指先を踊らせる。魔術によって小さな火が彼の周囲にいくつか現れて周囲を照らし始める】

【道は石畳で構成されていた。最初はただひたすらにまっすぐの道が続く】
【身体にかかる”重み”の異常は遺跡内部でも同様だった】
【道の途中、ふと壁を見れば何やら石が出っ張っている。怪しい感じだ。気づかなくてもおかしくはないのだが】
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 21:45:50.65 ID:tl+KGtws0
>>671

「まあ破戒僧と言うならば、そうでしょうね」
「拙僧は、あくまで自らの信心基づいて行動するのみ」
「故に……」

【男性の警戒は、まさに正しい行動だろう】
【それ程に、この僧侶は怪しく、また実態が見えない】

「なるほど……貴殿は多くの物に縛られている様だ」
「肉皮も、そこに至る記憶も信条も思想も全ては枷です」
「枷の解錠、解放こそ一切の苦役より人を救うのです」

【男性の苦悩、悩み】
【恐らくは、かなりの修羅場と、様々な場数を踏んできた人物であろう】
【故に彼にしか解りえぬ事もあるのだろう】
【そんな男性の苦悩に、僧はこのように答えた】

「故に拙僧は少女を攫い、一晩楽しんだ後屠るを至上の娯楽としております」
「それは拙僧が望んだから、望み、欲、希望にいかに忠実となるか、それこそが拙僧の修行にして趣向」
「探偵様でありますか、それはまた……因果なお仕事を」

【こう抑揚なく語る僧侶】
【如何にも悪びれる様子も、悪事を働いている意識も無く】
【あるいは、男が探偵ならば、この辺りの少女連続誘拐や、依頼によって呪術を施す呪い屋の噂は聞いた事があるのかもしれない】
【雨も灰も静かに、ただ自然にそこに落ちるのみだ】
【まるで、戸外とは隔絶された空間であるかのように】
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 21:55:11.19 ID:tl+KGtws0
>>673

【微風が吹く遺跡入り口】
【まるで、さも中には何かが眠っているかのような】

「ふむ、戦いは自信ありと見たのだよ!」
「では、そうなったら任せるのだよ!怪我や毒は直ぐに治すのだよ!」

【幾つもの場数を踏んでいるのか】
【クリスの言葉は、戦場を駆ける戦士、軍人のそれだ】

「じゃあ許しも出たのだよ!じゃけんスクルータちゃん行きましょうね〜」

【スクルータの腕に抱き着くように、その困り顔を楽しんでいるも】
【やがて、階段、それを下ってゆく】
【途中、あまりの暗さに懐中電灯を探したが、どうにもその心配は無かった様だ】

「おお!便利なのだよ!いい腕してるのだよ!」

【火の魔術か】
【幾つかの火の玉が周囲を照らした】
【石畳をひたすら進んでいく】
【だが……】

「クリス!この出っ張りは、何なのだよ?」

【壁の出っ張りに気付きクリスに聞く】
【少し触れたりしながら】
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/04/08(日) 21:56:04.43 ID:aVkogpyT0
>>672
【慄く者、奮い立つ者、喚く者、何れも破落戸に変わりは無い。統率が取れていない辺りが一層破落戸らしさを加速させる】
【そして、返って来た答えも烏合の衆らしいもの。捨て台詞を吐き、逃げ出していく背を見送った】

夜道に気を付けろと言っても……どうやって追いかけるんだろうな

いや、少し手を貸しただけだ。殆どは、君が倒したんだろう?
俺はどこも問題無い。それにしても……

【少女へと声を掛けながら、手にした太刀を器用に回し、左腰の鞘へと納める。鯉口が嵌ると、太刀は確りと固定され提げられた】
【相手の挙動を見ながら、少し警戒されているのだろうかと気付く。もしくは、元々そう言う性格なのかもしれない】

どうしてこんな所で襲われていたんだ? 悪い付き合いがあるようには……見えない
それに君は……不躾だが、普通の人≠ナはないみたいだし

【葦の如く揺れる尾を見やり、次いで頭に普通はある筈の無い耳を見やる。どちらも狐のものだろう】
【となれば、自ずと彼女の正体は見えてくる。狐と人の間に位置する者。妖狐などに代表される化生】
【そんな少女が何故人に襲われているのか、彼は疑問を感じていた】
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/08(日) 22:16:19.83 ID:Ef3KI5al0
>>663

【鏡面が弾ける。加算された衝撃力の分を溜め込んだそのエネルギー】
【散弾銃に匹敵する威力は――その6割ほどが、軍人の肉体を捕らえていた】

【彼女が纏う軍服は、やはり戦闘に使用される分だけ生地も厚い】
【けれどやはり限界がある。砕け散った破片は強靭な身体を貫いて】
【ぐしゃり、と膝が地面に付く。そもそも先にも魔力の爆発を直撃で受けているのだから】
【耐えられるはずがない――はずがない、のだ】


   人間ならそう、かもし
             れ
            な 
              い   な、あ 
                     ……?


【ぎょろり=\―鏡の縁を掴んだ手は未だそのまま、離れておらず】
【黒く染まった瞳がその奥に隠れる少女を見開いて捉えていた】
【――悪魔。血みどろで獰猛に笑む、もはや満足にも動けない化物は】
【しかし尚も腹の底から声を出して食い下がるのだった。殺さなければ、死なないということか】


『……なあおい、さっきからドンパチやってるけどよー
 片方は悪魔でもう片方はメイド、オマケにあからさまに怪しい科学者って
 お前らどんなパーティーだ?……あとどいつだよ、この一件でぶっ飛ばせば良いやつは』


【別の声。振り返れば、それは表通りから堂々と入ってきたのだろう】
【小さいが、それは"騎士"だった。フルプレートのアーマーを身に着け】
【顔は見えないが女性――少女、だろうか。手には光剣を握っており】

【――どうやら、所謂"正義側"らしかった。まだ何かを仕掛けるわけでもないが】
【この場に残れば明らかに敵対する事になるだろうと、そう用意に判断できて】

【悪魔の手は、全力を持ってすれば振りほどくことも出来るだろう】
【その後の逃走経路としては、空か先に彼女がぶち破った防壁の向こう、路地裏か】
【『さっさと返事しろよ、てめーら』と。口の悪い騎士が、一歩詰め寄った】
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 22:16:37.87 ID:sPm7OTok0
>>667

『見たままの状態のみを信用するわけにもいきませんし、それに断り無く治療すると怒られますからね』
『あ、ちなみにガラスではありませんが見た目は似たような素材ですよ』

【――比喩表現だろうその言葉に対して、何故か真面目な反応を見せる彼女】
【そっ、と、左の眼孔内に入れられる指。――分厚い蜘蛛の巣を引きちぎるような音】
【そして、その手のひらに乗せられる、先程まで確かに眼だった部位。白目に相当する部分は無い】
【水色の魔力に満ちていて、ガラスのような見た目というのは非常にわかりにくい】

【眼孔から漏れ出す、水色の魔力。……まるで眼が栓だったかのようである】

『……この状態の方が治癒技の効果も早くでますし、せっかくなので少しの間このままにしましょう』
『では、いきますよ』

【抵抗等を行わなければ、その杖から放出される魔力が"肉体的なダメージ"を徐々に癒してくれるだろう】
【先程の一発の分程度ならば、十数秒程で治療が完了するはずだ――これも、戦闘中に行うには少々隙が多すぎるか。】

「後で俺も頼むぜェ、……」
「ヘケケ、あんたもあんたで結構良い性格してると思うけどなァー。もう少しで両腕潰すところだったぜ」

「まァー、何年も俺に振り回されてくれてる奴なんだぜ、そりゃア色々ぶっ飛ぶだろォーよ」

【今年で何年目だったか、――数えていないので正確なそれはわからないが】
【状況的に少し心に余裕ができたのだろう、痛々しい見た目のまま笑顔を見せる】
【――視覚的には、DV被害者が大丈夫だと見せる笑顔に近い。ただし、その理由は単純に全身が痛いというだけだが】

/すみません、少し席を外しておりました
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 22:20:51.51 ID:LMQXZsz00
>>676
【どうしてこんな所で。その台詞を聞いた直後だろうか。何かを思い出したように境内の小さな祠へと駆け寄り、中から一匹の動物を抱き取った】
【――いや、正確には動物とは異なろうか。見た目は馬ながら子猫ほどのサイズにして見事な角が生えている】
【更に独特の気配……所謂妖気、と呼ばれるものを多大に纏って居るのだから】
【喧騒など知らぬと言った様子の小さな妖怪を指先であやしながら少年の元へと戻り】

「……お察しの通り、その……普通の人、では……」

【妖怪だからと迫害する者も居れば、そうで無い者も居る。或いは、少女の住まう場所の様に共存する場所も】
【然れど目の前の少年は会ったばかり。妖怪に恨みを持つ者や嫌っている者ならばどうしようかと要らない心配をするも――それは杞憂だと直ぐに自身で訂正するのだろう】
【嫌っていれば割って入ってこない。恨んでいれば、先程の者達に加勢して斬られていた。だから、こくりと小さく頷く】

「妖怪の中でも妖狐、と呼ばれています……ご、ごめんなさい……嫌いだったら……えっと……あの……」

【分かっては居るも、つい謝ってしまうのが癖か。オドオドとしながらも自分は妖狐と呼ばれる其れだと】
【自身を落ち着かせる様に抱いていた小さな存在をより強く抱くと、小さな深呼吸】
【人慣れして居ない人間は多くとも、此処まで慣れていない者もそう多くは無さそうだ】

「この子が、先程の方々に捕まってしまいそうだったので……つい……
大きくなれば、とても凄い子なのですが……小さな内は余り力も無くて……それで……
――……お陰で、無事に助けてあげられる事が出来ました。ありがとう御座います……っ
あの、お名前の方は……?」

【大方、珍しい妖怪を捕まえて売り払おうとした男達を止めに入ったといった所だろう】
【人との関わりが苦手な少女が自ら介入する、となれば人並み以上に勇気も必要だっただろうが】
【改めて、今度ははっきりと聞こえる声量で礼を述べた時に初めて小さく笑って見せた】
【お陰で助ける事が出来ました、と。続けて問うた名。小首を傾げて問うた姿に、抱かれる小さな妖怪も真似て】
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 22:23:02.37 ID:ThXZ6OKmo
>>675

【万里子が腕に抱きつこうとすると、スクルータはばっと腕を引き抜いてしまう】
【その所作はいささか、慌てた様子だった。嫌がるにしても過敏だと思えるかもしれないほどに】
【「…………触らない方がいいよ」と、どちらかといえば怖がるように、彼女は忠告をした】

【さて。万里子に声をかけられてクリスが振り返る。そこには怪しげな出っ張りが】
【「弄らない方が」と止めようとしたクリスだったが、時すでに遅し】
【万里子が触れた瞬間に、出っ張りが一人でに動いて引っ込んでしまう】

【────がこん】
【怪しい音がした】

【万里子の目の前の石畳の壁。その一部がかぱっと開く。奥の闇の中には光る何か】
【次の瞬間、そこから高速で矢が飛び出してくる。それも一本とかではない】
【十数本が連射されるように壁から射出される。典型的なトラップだった】

【当たると痛いではすまないが、少し飛び退きでもすれば避けられる】
【もしもそれが難しい場合は、そばにいるスクルータが万里子に足払いをするだろう】
【こけてしまえば、矢に当たることはない。もちろん、自分でしゃがんだっていい】
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/04/08(日) 22:43:05.07 ID:aVkogpyT0
>>679
【駆けていく少女。その先にあるのは祠だろうか。古ぼけて、誰かが頻繁に訪れると言う訳でもないのだろう】
【少女の抱く動物―――――否、あれはただの動物ではない。現世にありて、幽世と共にある者】
【人とは遠く離れて生きる、幻想の住人。その幼生。少女は彼らを生命を共にすると言うのだろうか】

そうか……いや、それだけ聞けたなら十分だ
妖狐。なるほど。余り……と言うより見るのは初めてなんだが……本当に化けたりするのか?

【狭間にある者達を責めることはない。自覚は無くとも、自らが彼女らに近しい存在であること】
【キングと名乗る青年に伝えられた真実は、今も彼の中で渦を巻き、留まる事無く脳を焼き焦がす】
【故に―――――彼は自身の目で、耳で、言葉で、真実を判断するのだ】

【そして、怯える少女に対して投げかけた問いは、何とも間の抜けたものだった】

珍しい動物を売り買いする奴もいるらしいな。奪われなかったのなら良かった
俺は鳴神 義勇と言う。義勇と呼んでもらって構わない

【抱かれる小妖怪を見ながら、彼は会釈をしつつ名を告げる】
【きっと、この妖怪も成長すれば森、社を統べる者となるのだろう。しかし、それは未だ遠く、遥かな旅路の先にある】
【それまでは、きっと少女の下で、健やかに育っていくだろう。そう考えると、妖怪もただの動物と変わらないように思えた】
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/08(日) 22:53:42.92 ID:485a7Pu/0
>>678

うへえ…本当に硝子細工の様なものかよ。まるで吃驚人間の展覧会みてえだ。
身体から棘を出して勝手に悶える男に、目ン玉が硝子細工の様な女によ。

つーか、幾ら本物の眼球じゃねえとは言え目玉を抉り出す所を見るのは中々クるぜ。

【比喩表現としての言葉がよもや本当に近い事実であったとは露ほど思わぬカイ】
【アウが平然として、淡々と自身の眼窩に指を入れる光景を見る事となり、顔色が青褪める】

【目の前で展開される光景は、どうも見ていて痛々しい】
【けれどアウの掌に乗っている水色は、それ単品ならば少しは見蕩れる程のもので】
【それに目を奪われている間に、アウによる治療が始まり、何時のまにか終わっていた】

おぉ、凄ェな…。先刻までの痛みが嘘みてえだ。

【先程まで自身を苛んでいた痛みは消え去っていた。始めから無かった様に消えていた】
【その結果につい目を見開いて、身体の彼方此方をぺたぺたと触ったり、起き上がって】
【飛び跳ねてみれど、その動きは万全の状態のそれと何ら変わらなかった】

…良い性格ねえ。そいつぁどうも。
そんな風に褒められた事何ざ滅多に無いからむず痒ィったらありゃしねえ。

【恐らく皮肉。けれど敢えて言葉通りに受け取った様に見せて】
【肩を竦めながら皮肉交じりの笑みを浮かべていた。ヘケメトとアウという人物は】
【どうも嫌いになれない。寧ろ、竹を割ったような豪胆さや浮世離れした雰囲気は好きである】

そりゃそうだろ。アタイとお前はある意味気が合う人種みてェだし。
そんな馬鹿に振り回され続けてくれる奴も頭の螺子が何本もトんでるに決まってらぁ。
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 22:53:49.59 ID:Ox/wfLZFo
>>674
…縛られている?
そうは思ったことはないね。俺が、何もんかは俺が決めることだが、得たもんが俺を形作ってる。そう思うね俺は…

【僧にまとわりついた、不気味さが狂気として顔を見せ始めていた】
【男はすぐにそれに気がついた。そっとギアをニュートラルから動かし始める】

故に?おいおい、それじゃ、理由と結果があべこべだ。
それはあんたのねじまがった性的衝動と狂った倫理感を肯定するために言葉を飾り立てただけに聞こえるぜ。性的趣味を暴露して、何に酔ってるんだ?坊さんよ。



碌でもない説法をする寺の本尊が金ぴかなのといっしょさ。

俺もろくでもねえ悪人だ。狂人の趣味にいちいち口出しはしない。俺の生き方を守るためにな。だがな、クソッタレはクソッタレなんだよ。

【彼は探偵で、それも失せ物(者)専門。そしてそれを取り返すのが仕事だった】
【だから情報はいくらでも手に入るが基本手を出すのは見込みのあるものだけだ】
【それ以外は素通りしてしまう。なぜなら、いくらでも失踪者はいるからだ】

【そして僧の言葉を一蹴するが、それ以上、憤ることもない。彼は正義じゃない】
【人の不幸を食い物に金を稼ぐ。それが探偵。碌でもない商売】
【それに自分の生き方やそこに干渉されないなら、いちいち首を突っ込むような真似は避けたかった】

【だが、綺麗事は嫌いだった。言葉は彼にとって愛すべきものだ。ようは気に入らなかった。怒りか?正義を気取るつもりはない。でも、愛は守りたい。この世界の】
【馬鹿な真似は寄せと、自分に言い聞かせて、さっさとこの場を立ち去ることに決めていた】
【吸い殻を残して、僧に背を向ける。何も言わず、彼は出て行こうとするだろう】
【感情の綻びはあと少しで弾けそうだった。】

/すみませんがそろそろ落ちねばなりません!
/凍結か置き、締めちゃうなどの対応をお願いしたいです!
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 23:09:23.40 ID:tl+KGtws0
>>680

「あ、う?」

【なのだよ、と腕を引き抜かれ】
【その場にたたらを踏んでしまう】
【どうにも、何か秘密がありそうな、そんな様子で、何か怖がるように】

【そして】

「え?触らないように?って」
「も、もう……遅いのだよ……」

【嫌な予感と、そして独りでに引っ込む石】
【やがて此方目がけて数十本の矢が、一斉に射出される】

「ひ、ひえええええええええ!!なのだよ!!」

【思わず、頭を守るようにその場にしゃがみ込む】
【どうにも騒がしい上に、この軍医不注意が多そうだ】 
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/08(日) 23:11:30.74 ID:LMQXZsz00
>>681
【親しい相手。或いは動物だとかに対しては相応に笑って見せるのだろう】
【だから、抱いている妖怪をあやしている時はとても柔らかな表情を浮かべる】
【歯の生えそろっていない口で指を噛まれれば、擽ったそうに息を吐いて――少年の問いに、目が丸くなった】

「……ぅ……昔話の様に……化けるとか、変身とか……そういった事は……
で、でも。幻術とかなら……出来ます……その、術で……」

【幻術を用いれば実質化ける事も出来そうではあるのだが、恐らくは細かな所でも違うのだろう】
【木の葉をお金に見せたり、石ころを金銀財宝に見立てる。枯れ木を巨大な妖怪に見せ――きっと、そんな所】
【或いは妖狐では無く巫女としての術がそれを行えるのかは定かでは無いが、何であれ少年に害を与える様な事はあるまい】
【会釈する少年に、分かっているのか居ないのか『がぁっ!』と元気に鳴くその妖怪はまるでじゃれつくようにして短い手足をばたつかせ】
【――撫でますか?と言わんばかりに少女が抱いていた手を伸ばし】
【……もし撫でようとすれば、噛む。何度手を翻して頭に乗せようと、噛む。噛む。兎に角噛む】
【痛く無いにせよ、ガジガジと噛む。手を遠ざければ、勝ったと言わんばかりに誇らしげに『がぅ!』と鳴いて】
【少女の方と言えば、何も出来ず苦笑するしか無いのだが】

「義勇さん、ですね……分かりました……私は、天鬼。……天鬼桔梗、と……
あの、今日は本当にありがとうございました……今度改めて、ちゃんとしたお礼をさせて下さい……」

【先ずは、その妖怪の保護が優先なのだろう。幼いともなれば、別な妖怪や動物にも狙われる事とてある】
【深々と頭を下げれば、懐から取り出す一枚の札】
【指で挟み、一度其れを横に振るうと――式神たる小さな龍が現れて】
【その背に乗ると、最後にもう一度だけ礼を述べて少女も去っていくのだろう】
【よく見れば、この場には先程の男達が落としたと思われる金が入った袋などが落ちている。誰も居ないこの場所、どの様にするかは――】

/そろそろ良い時間なのでこんな感じで締めにさせて下さいまし!お相手有り難う御座いましたー!
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 23:18:53.89 ID:tl+KGtws0
>>683

「酔っている?」
「いえ、拙僧は正常です、むしろ……」
「それこそがまさに、縛られている、そう拙僧は感じるのです」
「もっと自由で、そして汚くあるべきです」
「然り、貴殿の言う通り綺麗事は最も忌むべき物だ」

【そう降りしきる雨とは無縁の、この古いかつての店で】
【そう誰何を、問答を答える】
【やがて、僧に背を向け立ち去ろうとするその男性に】

「貴殿は……再び拙僧の前に姿を見せるでしょう」
「貴殿は、拙僧と同じ、同じ臭いを感じます」

【そうそれだけ告げ、その場から動かずに】
【その立ち去ろうとする、探偵の姿を見送る】
【外は雨】
【一向に止まず、通るものを打ち続ける】
【果たして、まだ止むには時間もかかるだろうが】


//お疲れさまでした
//これで〆とします
//ありがとうございました
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/04/08(日) 23:20:26.60 ID:TgRxrMCoo
>>645

【ほう、と、内心で。彼女への襲撃を試みた者がいたことは、既に情報として受け取っていた】
【ならば、やはり。これでハッキリした。この相手は―――こちらのことを知っている=z
【それも、自分たちの敵だという、確かな認識をもって。となれば、その情報を伝えたのは―――言うまでもない】
【彼女と協力関係にあり、自分の素性を知っている。そんな条件に当てはまりそうな者は、たった一人しかいないのだから】

いや……自分の身を守るくらいには、という程度だよ。やつが単独であったから何とかなっただけだ。
カニバディール……やはり、自身の力や手勢に自信があるのだろうな。
でなければ、UTの本拠地に攻め入るようなことはするまい。

【―――嘘。彼とは交戦などしてはいない。】
【相手に知れている、それを理解したうえで、女は嘘を固めていく。】

【ゆっくりと、振り返る。背中を樹に預けるようにして。】
【表情を取り繕うには、十分な時間があっただろう。―――尤も、敢えて余裕を与えた、とも言えたが】

どう思うか、か……。
確かに、能力者が犯罪者となるが故に、被害が大きくなった、という例は多いだろう。
それならば、治安維持に携わる者以外の能力を制限する、というのは、事件の被害を抑えるという点においては有効なのかもしれない。

―――――――制限を徹底できるのならば、の話だが。

元より、犯罪に加担するような人間には遵法精神など期待できるものではない。
となれば、機械的な手段をもって管理する必要があるのだろうが……
結局のところ、『特区』とやらの成果次第、といったところか。

【―――女の答えは、彼女が期待していたようなものではないのだろう】
【これは、『法に携わる者』としての、女の見解。『黒幕の側につく者』としての本心は、明かさない】
【何故、何のために。核心には、触れることはなく】
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/08(日) 23:21:00.66 ID:sPm7OTok0
>>682

『本物ではありませんが、機能的には本物よりも優れてますね』

「俺もそう思う。いや俺の右眼も外せるけどよォ、一時的とは言え片方の視界消えるのによく外せるよなァ」

【――相手がキている部分とはおそらく違うが、彼も彼で外す行為はあまり見ていて良い気分はしないらしい】
【そんな言葉たちを無視しつつ、治療を続ける彼女。】
【相手の治療が終われば、ヘケメトの治療に移るだろうか。彼の方が重症なため、先程よりも長い時間を要するだろう】
【早々に内出血が薄まるため、見た目に関しては片腕以外それなりにマシになるか】

「こォーいう感じで治してもらえるから、俺もいっぱい無茶できるって感じだ!」
『アテにし過ぎないで欲しいですね、本当』

【あのようなダメージを負ってもわりと平気な顔をしていたのは、痛みに強いこともあるが】
【彼女が持つ治癒技の存在も大きいだろう。治すもの、壊すもの。】

「もっと褒めて欲しィーなら褒めてやるぜ?」

【――悪意を帯びた笑みだ。ろくでもない褒め方をしてくるだろう、それ】
【色々ぶっ飛んでいる馬鹿だが、頭の回転が悪いわけでは無いのかもしれない……もしかすると】

『自由に生きるのは良いことですが、振り回される身にもなってもらいたいモノです。』
『まあ、……その方が、生きている気分がして良いのですが』

【それは表情に薄い彼女が見せた、今日一番の良いそれだった。】

『色々ご迷惑おかけしました。――私たちはこれから食事を取りにいきますが』
『あなたはどこへ向かいます?』
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/08(日) 23:25:37.32 ID:ThXZ6OKmo
>>684

【ガガガガ、と連続して矢が壁に激突する音が響いた。石壁にさえ突き刺さるほどの勢いだ】
【トラップはそれでおしまい。幸か不幸か誰も怪我をせずに済んでいた】
【最も、不用意にものに触れてはならない、という警告にはなっていたかもしれない】

「…………大丈夫?」

【しゃがんでいる万里子にスクルータが呆れ半分心配半分な声で話しかける】
【触ったのは万里子なのだから自業自得。けど護衛役を任されていたこともあって気分は複雑だ】

「ごめん、僕が止めれば良かったね」

【最終的には責任感の方に天秤が傾いたらしく、一言謝罪を挟んだ】
【それでも、手を差し出したりはしない。少し困ったような、そんな表情を浮かべて】
【万里子の前に立っているのが精々だった】

怪我がないのは何よりですが、気をつけないと危ないですね
トラップの類はまだありそうです

【代わりにクリスが万里子へと駆け寄り、手を差し出した。取れば立ち上がる助けになるだろう】

【さて、立ち上がって先に進めば────その後もトラップのオンパレードだ】
【矢はもちろんのこと、床が突然開いたり、壁が迫ってきたり、あるいは巨大な岩が転がってきたり】
【定番のものから、揺れるだけ、なんて意味深なものまで、色々だ】

【それらを何とかくぐり抜けながら奥へと進んでいけば、たどり着くのは広い部屋、あるいは空間】
【そこは円形に広がっていてかなりの大きさがあった。通路と接している部分は部屋中央の床まで数十メートルほどあり】
【壁際に沿って階段が設置されていた。ぐるりと部屋全体を回るように下っていく階段だ】

【部屋の中央には光り輝く球状の物質が安置されていた。さらにその周囲には巨大な球体が四つ】
【明らかに、ここは重要な場所だった】

一応、あれが目的の物資、ということになりますね

【クリスが部屋の中央にある球状の物質を指差す。初めから何があるかは分かっていたようだ】


//あー、かなり微妙なところですが、凍結いいでしょうか?
//明日は多分、夕方かそこらからやれると思います
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/04/08(日) 23:30:45.05 ID:aVkogpyT0
>>685
なるほど。出来ないのか
……いや、それが悪い訳じゃない。むしろ、術を使えるのなら立派に妖狐らしい

【率直な感想を述べてしまった事に慌て、すぐさまフォローする。ただ、幻術を使えることを正当に評価していることは真実だ】
【身を守る事にも、誰かを―――例えばその子を―――守る事にも、力は必要となる】
【その点で見れば、少女は十分に力を持っている】

【言われるが儘、妖へと手を伸ばすと、突然に手を噛まれ素早く手を引っ込める。少々動揺しながらも、彼は笑っていた】

天鬼 桔梗。よろしく頼む
お礼なんて必要無い。俺は自分で選んで動いたんだ。損得の為じゃない

【そして、竜の背に乗って去っていく少女を見送る。さて、周囲に散らばった袋、中には破落戸共の金が入っているが】
【彼は中身を確認すると、最寄りの警察、交番に届ける為にそれを拾い上げ、その場を去っていった】
【少なくとも、私利私欲の為に使う事は無いだろう。それは保証されていた】

/お相手したいただきありがとうございましたー!

691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/08(日) 23:32:24.32 ID:AvorQROy0
>>687
/文章消えてしまったのでごめんなさい、少しお待ちください……
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/08(日) 23:42:54.10 ID:tl+KGtws0
>>689

「だ、大丈夫なのだよ」
「しかし、びっくりしたのだよ、ありがとうなのだよ!」

【心配そうに、こちらを覗き込むスクルータに】
【そう言って見せ、ニッと笑って、そしてクリスの手を取り立ち上がる】

「いやー、まさかこんな物まであるとは、驚きなのだよ!」
「気を付けるのだよ!」

【その後も進むたびに】
【ひーとかあーとかなのだよー!とか叫びを上げつつ】
【煩い乍らも奥に奥にと進んで行く】
【やがて】

「ここが、一番奥みたいなのだよ」
「あれが、宝?なのだよ?」

【中央に安置された光り輝く球体と】
【それをまるで守るように、四方に配置された巨大な球体】
【一体此処は?】
【そしてあれは?】
【疑問の種は尽きないが、どうにもクリスの言葉を聞くにアレが本命の物の様子で】

「どうするのだよ?」

【そう聞いた】



//了解しました!
//このまま凍結で、よろしくお願いします
//ありがとうございました!
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/08(日) 23:46:12.51 ID:AvorQROy0
>>687

そっか――、良かった。ケイさんに怪我がなくって……、UTに攻めてきたときもね。セリーナと二人でやっとだったの。
もう少しだって何かが違っていたら負けていたと思う――、そんなカニバディールに、勝つだなんて。

【――――相手が嘘を吐いているって、初めて深く理解した。それまでも嘘を吐いているのは知っていた、だけど、これで、ようやくわかった】
【目の前の女は嘘吐きだって理解した。だって――あの機関員は。カニバディールは、そんな、身を護る程度の力で退けられるような、そんな人間じゃない】
【そして、単独でというのも考えづらい。いつか殺し合った時でさえ、一人だと思った時でさえ――その内に手下を隠しこんでいた男が。単独で、なんて、ありえない】
【身を護る程度の力でという言葉。単独でという言葉。何度も出遭って話し、いつか本当に殺し合ったからこそ、分かる。――この女はうそを吐いている】

【もしその程度の力で退けたなら――それ以外の理由が何かある。あんなに生きるのに貪欲で狡猾な男がカニバディール単独として負けることは、ない】

【振り返る相手は少女を再び視界に入れるだろう。それとも、さっきから、ずうっと見ていただろうか。あどけない顔をする、嘘だらけなのに】

――――そう、だね、能力者だからって言うのは……あると思うの。
だからって……そんなことするひとが、そんなふうに、言うことを聞いたりって……しないよ。

【少女の漏らすのは偶然か相手と似通うものだった。そもそもそんなことをする人間は法律に準ずる気持ちなど、持たないだろう】

……でも、だからって、そんなのは能力者を馬鹿にしているって思うの。
機械的って、よく分からないけど――、"特区"。テレビで見たよ、なんだかすごいみたい、わたしは能力者だから……あまり、行かない方がいいのかも。

【機械的な手段を用いた管理。能力者を――仮にも人間を。いくら犯罪者だとしても。あるいはこれから犯罪者になるかもしれないひとだとしても】
【心の中がざわりとする、砂壁を指でなぞって、これに思い切り思い切り腕をこすりつけたらどんな風になるんだろうって想像したときみたいに、不愉快で、不快】
【よく分からないけど――それは本当。だけど心当たりはあった。ソラリス――、初瀬麻季音が今作ろうとしている、洗脳と逆のことが出来る、機械】
【プラン――作戦。だけどその話を進められる状況なのだろうか、今は? 分からないけれど、――いろんなことが、分からないままで】

街のひとがね、言っていたの、あそこは安全だから……って。そんな場所に能力者が入ったら、かわいそう――でしょ?

【――ちょっと皮肉るみたいに、唇を薄ーく笑わせる。能力者でも立ち入って問題はないはずだった、だけど、】
【それって多分、きっと、女性専用車両と、きっと似ている。仕組み上だめといわれることはない。だけど、そこに居るひとの、気持ちとして――】
【嫌がられてしまいそうだなと思って。いろんな気持ちの結果なら、少し複雑な表情にもなる。――少し目を細めた。それじゃない。思ったけど、言えなくて】
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/08(日) 23:50:02.80 ID:485a7Pu/0
>>688

【うげ。お前も眼球を外せるのかよ。このお似合い吃驚人間共】
【喉までせり上がった言葉を飲み込み、一呼吸おいて平静を装うのであった】

褒め[ピーーー]つもりか?脳筋の癖に頭使ってんじゃねー。
アタイは褒めて欲しいなんて思わねェんだ。そんなに承認欲求は強くねえよ。

【悪意を込めた笑み。けれど、人をからかう様な笑み】
【お互いからかいを込めた笑みを浮かべるお互いはまるで悪友の様だった】

アウ。おめえ、そんな顔も出来るんだな。存外、……悪くねえな。
そういう顔は生きてるって感じがする。

だからよ、人の数ならぬ者の、"ひとおに"からの忠告だ。
もう少し感情をむき出しにして生きてみな。飲めや騒げや、死後に快楽は無し、だからよ。
そこの脳筋と連れ添って生きてるなら、時には後先考えずに動くのも楽しいもんだぜ。

【生きている人間の、生きた感情】

【歩く死人を、人の数ならぬ者を自称するカイとしては眩しく、羨望の念さえ錯覚しそうで】
【反射的に目を細め、様々な感情が綯交ぜになって顔に表れるのであった】

迷惑掛けたのはアタイの方さ。寧ろアウには礼ぐらいはしておく必要がある位だ。

【ズボンのポケットに手を突っ込み、徐に取り出したのはカイの連絡先】
【これが、カイの言う礼代わりのモノなのだろう。――何かあったら手助け位はしてやるよという意味で】
【謝礼代わりの連絡先が書かれた名刺みたいなものをトランプを飛ばす要領でヘケメトへと投げつけた】

アタイは…そうだなぁ。暫く仕事も無いから話のタネとしてカミスシティとやらを調べて回るさ。
今回のような尻切れ蜻蛉のお預けは御免蒙るんでな。次いでにお前のその首輪を外す術も調べてやる。
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/09(月) 00:15:29.06 ID:bc5w3oAD0
>>694

「ヘケケケ、そりゃア残念だぜ」

【――当然のように、残念だと思っている様子は1ミリも見られない。】

『……これでも、前よりはとても感情的になった方だと思いますよ』
『昔は魂のひと欠片もありませんでしたからね』

【それは比喩表現なのか否か、――】
【眼を外した状態に疲れてきたのだろうか、ヘケメトの治療はまだ終わっていないが】
【持っていたその眼を、ぽっかりと空いた眼孔へ入れ込む。……その後、動きを数回確認して】
【この状態だと取り外せるようにはあまり見えないか。しっかりと眼として機能している】

『そうですね、……時間はかかるかもしれませんが、もっと魂を育んで貰えれば……忠告を受け入れられる日が来るかもしれませんね』

【その視線の先にあったのは、妙に楽しそうな様子のゴリラだった。】


「あてッ」

【油断していたのだろう、投げつけられた名刺がクリーンヒットして小さく声をあげる】
【体勢を立て直し、近くに落ちただろうそれを拾い上げて】

「連絡先……二連続でこのパターンに困ることになってるぜ!」
「あァ、俺たち見ての通り住所も携帯も持ってねェんだ。誰かから端末借りるか、公衆電話から一方的に話す感じになるなァ。家に押しかけても良いぜ?」
「"あの都市に潜入して色々盗もう作戦"の協力を得られた奴の連絡先や住所とかは持ってるけど、まァ他人の奴教えられても困るか! 一応機密情報って言ってた気がするし」

「……俺たちもこの状況にはうんざりしてるんだ。だから、あの都市から解毒のヒントを得るため作戦を考え中」
「目的が同じならよォ、できればあんたとも協力したいところだ! アタッカーの俺はこの状態だしよォーッ」
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/04/09(月) 00:23:31.76 ID:B8yd/DVko
>>693

―――あそこに進んで入っていくようなやつらが、どんな連中かは知らないが。
原則として、法に則って異能を行使しなければ、能力者であっても何の問題もないはずだがな。

私としては、法に基づいた判断しか下しようがない。内情や人心など、推し量ったところで不確かなものなのだから。
或いは――――君自身が一度、行ってみるというのも一つ。実際に触れてみない限り、人の心などわかるものでもあるまい。

【あくまでも、俯瞰的な意見。自らを当事者として語ることは、無く】
【ふう、と溜め息を吐いた。それから、頭上に広がる枝枝を振り仰いで】

―――少し、長居しすぎたか。私はそろそろ行くとするよ。

【不意に、そんなことを口にする。服についた花弁を手で落としたなら、歩き始めて】

互いに息災ならば、いずれまた会うこともあるだろう。
その時は―――――――――

【――――下らん茶番は、無しにしようか。=z

【すれ違いざま、耳元に届く声。三日月よりも深く、弧を描く唇。】
【―――悠々と。またも彼女へ背中を向けて、女の姿は夜の闇へと帰っていく】
【過ぎてしまえば、彼女以外、もはや誰も残らない。潜んだ気配すら、一つもなかった】




/ここらで〆ということで!
/2日間お疲れ様でした!
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/09(月) 00:37:55.15 ID:kwN5qWKm0
>>696

そうなんだろうけど……、あんまり、嬉しくないの。行きたくないなって――思っちゃう。

【――当たり前だろう、これで相手が黒幕側としての意見を述べてきたなら、そもそも今までのやり取りが無駄になる】
【それならば相手は初手で自分は黒幕側であると名乗ればよかった。だって知っているのだから。お互いに。相手がだれであるのか】
【だけどまだ緊張の色濃い少女にはそれが分からない。――もうと心中でわずかに毒づく、だけど言葉も本当なら、眉をひそめた表情は、どっちだったのか】

――――そっか、じゃあ、気を付けて。
最近はいろいろと物騒みたい、機関もずっと大人しいなって思っていたけど――、どこかと組んで、何かをしているって?
怖いね――"わたしたち"も気を付けないといけないみたい。

【さて。わたしたちとはだれのことだっただろうか、UTであるのか、それとも、あの目的以外共通点のない、集まりのことだったろうか】
【相手が帰るのだと言えば少女は表情を緩める。確かに緩めたのだ、隠し切れない安堵をにじませた――油断したのだ、言葉は取り繕ったままで】
【ぱっぱと払われる花びらを眺めて。相手がすぐ近くを通るのなら、それでも一応は身体を避ける。あくまで礼儀としてのものにも見えた、が――、】

――――――――――――……、

【は、と。色違いの目が見開かれる――茶番、とは、今までのやり取りのことだろう。どうせばれているとは、分かっていたはずだのに】
【言われて初めてひどく不安が苛む。どこまでがばれているのか。そもそも何を知っているのか。敵である黒幕は何を握っているのか、何を知られているのか】
【きゅうと喉が意識と反して絞まるような苦しさを覚える、――やはり殺すか。ここで。カニバディールの話から相手の戦力は見定められなかった、それでも、】

【単なる人間相手なら――その遺伝子情報の一欠片さえ残さず、消せる。できる。殺れる――、音すらしそうなほどの鋭さで振り返る、けれど】

――ッ!

【――そこにはもう誰も居なくって。ならば、一瞬に湧き上がり色付いた殺意は向かう先もなく、不完全にじりじり燻る。春先の小さな蕾みたいに】
【暖かさと冷たさの中でいつ綻ぶか迷ってしまっているみたいになって――ぎりぎりと歯を噛み締めて無意味に地面を蹴っ飛ばす、いくらかの花びらが舞い上がった、だけだった】

/おつかれさまでした!
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/09(月) 00:42:12.40 ID:3yX4khDK0
>>695

【投げ付けた名詞がまともに当たる光景は、まるで鳩が豆鉄砲を食らったかのよう】
【くくっ…と小刻みに身体を揺らして苦笑する折、思わぬ言葉が耳朶を振るわせた】

早いところお前のその首輪を外して、先刻の続きを、白黒ハッキリつけときてえんでな。
その意味で目的が似通ってるアタイらが協力関係になるのは構わねェんだがよ―――、

この野生児共め…このご時勢に連絡手段の一つも無いなんて聞いたこと無え!
浦島太郎にでもなった気分だよ。連絡手段もねえんじゃ如何しようもねえよ!

【連絡先を渡したとて、連絡手段が無ければ意味が無い】
【連絡手段の発達したこのご時勢に、まさか携帯も住所も無いとは端から考えもつかない】
【ありえないモノを目撃してしまったかのように、開いた口が塞がらない感覚に襲われる】

【あー、もう。と悪態をつき、頭をガジガジとかきながらカイはとある提案をするのであった】

クソッタレ…仕方ねえなあ。テメエら纏めてアタイの部屋を貸してやる。
ついでに連絡手段も伝手を使ってどうにか用意するからそれでどうだ?
アタイの留守の時に某RPG宜しく不法侵入されちゃあ堪ったもんじゃない。

それに、だ。そうしねえとお前らと連携も取れないし、何よりお前の首輪を外す手段を伝えようが無い。

【半ば呆れたようなカイは、怒涛の勢いで言葉を捲くし立てる】
【情報を得てもそれを十全に共有できない状況は不味いし何より協力関係の意味が無いからだ】
【それでもヘケメト達を突き放さず、出来る限りの提案をするのはカイ自身、彼らを悪く思っていない故の事】
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/09(月) 01:07:01.38 ID:bc5w3oAD0
>>698

「よっしゃ、――あの都市本当ヤバいところだけど、頼むぜ!」

「だってよォー、どっかに居着いたら狩り場が同じになりやすくて味に飽きるし、食い逃げや窃盗した時に家がバレると多分マズいんだ」
「まァ、今の俺は食い逃げや窃盗、かなりし辛い状態になってるけどなァー。アウト要素が多くてよ」
「携帯持ってないのは……なんでだっけ?」 『私たち2人だけなら必要なかったからですね』

【食い逃げや窃盗行為の達成が難しくなったことを残念がっている様子だが……】
【行為そのものがアウトなので、そこだけは治らなくて良いかもしれない】
【ともかく、どちらも2人だけで活用する時は不要だった、そういうことなのだろう】


「――おー、良いのか? 俺めっちゃ寝相悪いぜ? イビキは大丈夫らしいがよ」
「あと、閉じ込められてる感じが苦手だからトイレのドアは開けっ放しになるけど」

【……本人は、至って真面目に確認している様子だ】
【もしかすると、家を持たない理由はこの辺りの問題もあったのかもしれない】

『大丈夫です、ドアを蹴破ったらちゃんと直しておきます』

【こっちも真面目な顔をして言っている。……色々と不安要素が多いところだが】


『今回のように、家も連絡先も無い状況が不便になるのは始めてでしたし――』
『……もしよろしければ、ぜひお願いします』

【彼ら側としては、相手の部屋を借りるという提案にOKを出してくる】
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/09(月) 01:29:05.35 ID:3yX4khDK0
>>699

まあアタイも食い逃げや窃盗なんぞは腐るほどやってきたけど
お前ら程じゃなかったぜ?本当に骨の髄まで野生児だこったな。

【食い逃げも窃盗も犯罪である事は疑いようが無い】
【けれどそれを咎めないのはカイ自身も過去にその経験があるから】
【それ以上の犯罪行為――主に殺人――を生業にしているから】

【ただ、目の前の二人がある日を境に軽犯罪を止めるかどうかは定かではないと思うのもまた事実】
【加えて器物損壊だとか細かい彼是を想像すると眩暈がしそうだと感じて半ば反射的に想像する】

……お、おう。せめて器物損壊はしない程度に大人しくしてくれよな。
さもないとアタイが部屋を追い出されちまうし、そうなるとまあ面倒事が増えちまうしよ。

【想像する――眼前の二人とカイの住む部屋を、その暮らしを】
【高確率で地獄絵図になる。チャールズ・ホイットマン宜しく乱射魔になる自信がある】
【……もう一部屋借りるか。そういう結論に至って尚、カイの顔は引き攣ったままであった】

…とりあえず、アタイのアパートまで付いて来いよ。
何時までも花粉まみれの場所にいちゃあアタイも花粉症になっちまう。

【取り敢えずはこの森から出ようぜ、と促して】
【すたすたと森の外へと歩き始めるのだった。その際に地べたに転がっている拳銃2丁を拾うのを忘れずに】
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/09(月) 01:42:12.66 ID:bc5w3oAD0
>>700

『大体彼のせいです。……真面目に買っていたら幾らお金があっても足りませんから』

【食に関しては彼らが自分でどうにかすることになるだろう、いや、請け負ってはいけない】
【アウの方はともかく、ヘケメトの方は凄まじい食欲なのだ。彼女の言う通り、幾らお金があっても足りない】

「まァー、……頑張るぜ!」 『善処します』

【――少しの間だけ考え、そして出された結論。】
【2人共"絶対に"やらないとは一言も言わず、……元々壊れたら直せば良いやの精神な輩である】
【とはいえ、明確に他者への攻撃となる行為は男はできない。少なくとも壁はぶち抜かれないはずだ、おそらく】

「わかったぜ! ――アウ、行くぞォー!」
『まだ片腕がぐちゃぐちゃなのですが……まあ、服で隠せば大丈夫ですね』

【一応この男は長袖のウィンドブレーカーを着ている。特殊メイクのような状態の腕に驚かれることはないか】
【内出血も、目立たない程度には治っているため、移動には問題ないだろう】

【そして、彼らは相手の後ろをついていく】
【一応花粉はある程度払った様子だが、道中ですれ違った人の一部が突然くしゃみなどをし始めるかもしれない】
【そんな人からは、疑いの視線のプレゼントがあるだろうか】
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/09(月) 02:03:41.19 ID:3yX4khDK0
>>701

(…さてどうしたものか。コイツら絶対やらかすぞ)

【森を抜ける際に血液が付着したレインコートを脱ぎ捨てた為に】
【街中の人間の視線が腰周りのホルスターに収めた拳銃に向くかと杞憂したが】
【物騒な昨今の状況や、街並みからすると異質とも言えるヘケメト達の存在感のお陰で杞憂は杞憂で終わる】

【花粉塗れになっていたこともあり道中でくしゃみが頻発していたが我関せず】
【そんな程度の苦しみなど実にかわいいもんだ。気にも留めなかった】

【街の雑踏を抜けて、人々の喧騒から少し遠退いた場所にカイの住む2階建てのアパートがあった】
【如何にもな佇まいの建物は程よい静寂と程よい喧騒が混じっていてそれなりに気に入っている】

ついたぜ。このアパートだ。んでもってアタイの部屋は2階の209号室。
そして暫くお前らのねぐらとなる場所だ。
幸い両隣は誰もいねえから余程の事が無い限りは、大抵の事はどうにかできる。

【気だるげに説明をした後、自身の部屋、209号室のドアを開け、帰宅】
【ドアを開けた先に広がるのは充満する酒と煙草の匂い。灰皿から零れた吸殻。散乱する酒瓶】

【つまるところ――汚部屋である。ただ足の踏み場が無い訳ではないので寝る場所は確保できるだろう】
【尤も、これを良しとするかどうかは彼等次第である】
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/09(月) 02:21:05.24 ID:bc5w3oAD0
>>702

「なんだァ? 俺の顔に何か付いてんのかァ?」

【――付いてんだよ! 粉が! 機嫌が悪かったらしい一般人から返される罵声】
【それを特に気にも留めず、歩き続ける。】

「ここかァー……、……頭が頭痛で痛くなってきたぜ」

【その呟きは部屋に対する感想だろうか、それとも別の何かか】
【汚部屋も大丈夫そうに見える印象な彼だが、どうもそうではないようで――】
【むしろ、平気そうな顔を見せていたのは女性の方だった】

『――ああ、そういうことですね。ヘケメト、大丈夫です』
『これは提案なのですが……部屋の掃除をしても問題ありませんか?』

【彼の頭痛の原因がわかったらしい彼女が出す提案。それは至極真っ当なモノ】
【とにかく、ある程度片付けてしまえばおそらく彼も大丈夫になるだろう、そんな判断だ】

『ええ、隙間はありますし――問題はありませんね』

【中の様子を確認し、とりあえず寝る場所が有ることなどを把握】
【おそらく、相手が室内に入ったのならば、彼女はやや遅れてそれに付いていくだろう】
【……男は、女性が入ったのならば躊躇しながらも一応入ってくるだろう。若干、気分が優れない様子だが】
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/09(月) 02:59:46.34 ID:3yX4khDK0
>>703

部屋の掃除か?別に構わねえよ。

【自分以外が出入りする事は無い故にココまで散乱した部屋となってしまっていた】
【この部屋に拒絶反応を示したのがヘケメトであることが意外だなと思う】

ヘケメトは思ったより繊細なんだな。
少し散らかってる程度でグロッキーとは思いもよらねえよな、くくっ

【軽口を叩いた後、部屋の掃除に乗り出す】
【見られて困るものなど無いが、住むには問題のある部屋】
【兎に角最初に瓶を一つの場所に集める事から始めた】

あー、部屋の掃除なんぞ久しぶりすぎて吃驚するぜ。
まあちょうどいい機会だし、乙女ヘケメトが問題なく暮らせる位にはしてやるよ

【からかい交じりの言葉と共に、部屋が本来のそれへと戻りつつあった】
【滞りなく掃除が済めば、そこは人が住むに十分な環境となるだろう】

//そろそろここら辺で〆…ですかね?
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/09(月) 03:12:52.05 ID:bc5w3oAD0
>>704

「いや、違うんだよ、ちょっと最近頭痛が多くてなァ」

【額に手のひらを当てながら、言い訳のようにそう言う彼。】
【――この言葉だけでは全然言い訳になっていないことには気づいていない】

『ヘケメトは待っていてください、間違いなく悪化させますよね』 「よくわかったな!」

【そして、少しの間玄関辺りでおとなしく……いや、挙動が騒がしいが】
【とにかく、2人が部屋を掃除する様子をぼーっと眺めていることになるか】
【――彼女の手際は、まあまあ良いだろう。時々何かしらの技を使っている様子も見受けられる】

【そうして掃除が終わればようやく、ヘケメトの様子も落ち着くはずだ】


【――さて、予想に反して"破壊と混沌"の地獄絵図が広がることは殆ど無いだろう】
【一応彼らにもその辺りの分別はあるらしい。……男の寝相の酷さは申告通りだが】
【元々、外で過ごす時間が多いということと、男が散らかしても女性が片付けるということなど、その辺りの要因もある】

【だが、別の意味である意味厄介な事が起こる】

「むにゃ……アウー、飯食いに行こォーぜェー」 『わかりました』

【寝起きの彼が、既に目を覚ましていた彼女へ背後から迫り、その肩に軽く顎を乗せる】
【作業中だった彼女はそれを嫌がる様子1つ無く、キリの良いところで彼と一緒に外へ出る】

「うーん……」 『…………』

【ある時は、悪夢にうなされているらしい彼の側に座り、杖から魔力を放出して精神的なダメージを回復したり】

「ギブギブ!」 『まったくもう……』

【ある時は、何かやらかしたらしい彼へ強化技を自身にかけてまでわざわざ関節技を決めたり】
【……とにかく、大体こんな調子である。これで"恋人同士ではない"と語るのだから……】


/ですかね、お疲れ様でした!
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) :2018/04/09(月) 03:19:48.47 ID:3yX4khDK0
>>705
/3日間にわたって絡んでいただき感謝です。
/お疲れ様でした!おやすみなさいです。
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2018/04/09(月) 14:26:21.02 ID:ikvIQwXIo
【水の国 大通り】

『次のニュースです。水の国の下水道で爆発が発生、街道の一部が陥没し――――』
『先日の廃ビル爆破事件に続き、同じグループによる犯行の可能性が高く――――』

『現在も逃走中の犯人グループは、以前より広域指名手配されているカノッサ機関構成員、昼の国出身のカニバディールことカール・ハルズマンを中心とする――――』
『確認されているメンバーはハルズマンを含めて四名、内一名は無能力者であると見られ――――』
『インターネット上に公開された映像は拡散しており、閲覧の規制は困難――――』

『判明しているメンバーは、砂の国出身のポイゾニック・ジャンキー、風の国出身のエレファーナ・スタンプ、鉄の国出身のレギオルフォン・ゾルダート――――』
『いずれも非常に危険な人物であり、市民の皆様におかれましては不必要な外出は控え、万一目撃した場合は即時の通報を――――』


『このような連中の存在を許すわけにはいかない!! 魔制法はまさに、こうした凶悪な能力者たちから人々を守るためのものなのです!!』
『一刻も早く、世界がカミス・シティのようなあるべき姿を取り戻せるよう、法整備を進めることが急務です』

『しかし、それまでの間に彼らによって生み出される犠牲は? 能力者なしで彼らに対抗できるのですか?』
『そもそも、カノッサ機関のような組織が未だ野放しにされている現状で、魔制法の効力はどこまで発揮できるのか疑問です』

『とにかく次の犠牲を生み出さないためにも、この犯罪者らを一刻も早く殲滅することこそが――――』


【街頭テレビが伝えられたのは、そこまでだった。突如、打ち振るわれた巨大な鞭のような何かが、それを粉砕したからだ】

【落下してくる瓦礫から逃れた人々が目にしたのは、象であった。正確には、巨象の姿を形作る膨大なオーラであった。街頭テレビを砕いたのは、象の長大な鼻であった】
【それを操るのは、いつの間にか大通りに現れた一人の女性。民族衣装サリーで豊満な姿態を覆った、乱したショートヘアの女性だった】

【どこか呆けたような表情をしたその顔は、まさに先ほどテレビで流されていた指名手配中の犯人グループの一人であった】


「ぱお〜ん……」

【悲鳴を上げて逃げ惑い始めた人々に構わず、女性は巨象を進撃させる。大通りを踏みしだき、進行方向にあるあらゆる物を踏みつぶしながら巨象は歩く】
【女性の背後から、もう一つの人影が現れてそれに随行する。身長2メートルを超える大男。薄汚れた灰色の作業着。黒いラバー地のエプロン。黒いゴム長靴】
【角ばった顔つきに短い黒髪、黒い瞳の両目と額の巨大な一つ目。異形の盗賊たちを束ねるモンスター】

派手にやれよ、エレファーナ。普段の盗賊仕事とは違って、これは目立つことが必要だ
普段の盗賊仕事では発揮しきれなかったお前の本領を思う存分見せつけてやれ

「はぁ〜いボスゥ。ぱお〜ん……」

【テレビの向こうから抜け出してきたかのように、降って湧いた惨劇。これを止め得る者は、果たして】

/夜までのんびり置いておきます
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/09(月) 14:56:38.88 ID:pOWnJkM3o
>>707

【刃で一陣切り裂かれたかの如く、女性の目の前の地面へ、深く線が刻まれるだろう】
【一斉掃射された銃弾が地面に線を描く、此処から先への侵入を拒む様に】

【────カツン、ピンヒールの踵が雨粒を落とす、大通りの奥から歩いてくる人影】

【プラチナブロンドの長い髪、朱が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート】
【スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な少女】

【カニバディールなら分かる筈だ、その姿を正体を】


会いたかったわ、会いたかったの、とても
こんばんは素敵な肉屋のお兄様、それとも数字で呼ばれるのがお好き?
私はお兄様のファンなの、気高く、強く、逞しく、お兄様のビデオを何度見た事でしょう

嬉しいわ、会えて光栄よ────ねぇ、お兄様も知ってるでしょう?
どうして私が来たのか、どうして私が居るのか
どうしても私が来たかったの、お兄様が他の御仁に殺されるなんて嫌だもの


【少女は両手に一本ずつ、身の丈はありそうな巨大な細長い銃を持っていた】
【右手の銃は、狙撃銃───"RaumKrankheit"機関員にも認知されてる銃である】
【もう片方は見覚えは無いかもしれない、僅かに帯電している様子からレールガンであるかと、推察ができるかもしれない】


───"Gammastrahlung"

ねぇ、お兄様、イカロスの結末はご存知かしら
太陽を目指した翼は、その熱に焼かれ自らを墜滅させるの
お兄様は何処を目指したのかしら、今となっては分からないけど

"OMERAS"はきっと、許してくださるの、お兄様の生命を以て

"Разбитый Стеклянный Синдром"
──"Broken Glass Syndrome"



【彼女の後方に出現する六つの硝子細工で出来た魔法陣】
【同時に彼女が左手の銃口を真っ直ぐカニバディールに向け、引き金を引いた】
【帯電した銃弾がカニバディールに向かう、躊躇の無い狙いだ】

【同時に魔法陣からエレファーナに向け、六つの銃弾が掃射される】
【そのどれもが帯電しており、横払いに薙ぐような、広い軌道で襲いかかるだろう】
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 15:07:37.94 ID:1imGG22O0
>>707
「な、何だ!?」
「うわッお、おいあ、あれ……」

【日中の街、平凡な街中は一転し悲鳴と轟音】
【そして人々の狂奔に包まれた】
【モニター前でニュースを視聴していた人々は、言わずもがな】
【逃げ惑う人々にも、その魔翌力体、オーラの巨象は迫ったのであった】
【事件開始後10分を待たずして】

「政府の許可は降りた!天下御免で動くぞ!」
「了解です!水国を荒らす不当な侵略者め!」
「酷い事を……懲らしめてくれる!」
「気を付けろ!奴らは機関屈指の使い手だ!」
「皆さん!櫻国海軍です、水国陸軍到着まで皆さんをお守りします!指示に従い速やかに脱出を、もう安心です!」


「櫻国海軍陸戦隊突撃ッ!!」


【先だっての観艦式、艦隊各軍艦はまだこの国のこの街からも近くの軍港にて、係留補給を受けていた】
【そんな最中の事件だ、真先にこの場に到着戦闘が可能なのは、友好国の軍でもある彼らと言う事になるのだろう】
【カーキ色の陸戦服に身を包んだ男女水兵達が戦闘隊形を展開する】
【手には着剣状態の小銃、弾帯に鉄帽、擲弾筒装備の者もいる】
【各車両も存在が見られる】
【それが人々と女、巨象の間に割って入るように展開し】

「87式対魔翌力盾展開ッ!!」

【透明な、魔法陣で構成された魔翌力の盾を展開】
【魔能攻撃防御に特化した盾、それを規則正しく、陣形通り隙無く展開】
【盾の間間から小銃が女に狙いを定める】

「間もなく陸軍も到着する、君たちの行動は無意味だ、武装放棄と投降を求める!」
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 15:23:07.34 ID:1imGG22O0
>>708

「曹長、あの者は一体……」
「カ、カチューシャ……何で……」

【カーキ色の集団の中に、一人白い詰襟制服の少女が居た】
【別の任務に当たっている、彼女の上官の代わりにこの場に急行した人物】
【既に顔はお互い知っているだろう】
【陸戦隊とその女性の間に出現した、彼我不明の女性】

「そこの人!!此処は危険です!早く避難を!!」

【陸戦隊陣頭の指揮官が、メガフォンでカチューシャに声をかける】
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 15:49:16.47 ID:ikvIQwXIo
>>708
「ぱお〜? ボス、なあにこれ……?」
……とんだ大物を引き当てたようだぞ、エレファーナ

【一瞬にして生と死の境界線を引いた銃弾の嵐。思わず足を止めた盗賊どもは、彼女を見た】
【異形どもの頭目、カニバディールは知っている。かつて敵として対峙した相手。今は何もかも変わってしまい、それでもなお敵対する相手】

――――こちらこそ、お目にかかれて恐悦至極に存じます。No.3カチューシャ様
数字よりは、名前でお呼びいただいた方が嬉しいですな
あのような拙作をご覧いただいたとは、お恥ずかしいと同時に非常に光栄です

……察しはついておりますとも。『彼ら』の理想に共鳴されたのですか? それとも、『彼ら』のうちの誰かに口説き落とされたのですか?
いずれにせよ、このような形で貴女と敵対することになるとは残念ですよ


――――おそらくは、散々に聞き飽きているのだろうが、私からも改めて聞いておこう
いったい何をやっているんだ? ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ。あの儚げな狙撃手の何をどうすれば、お前のような淫靡な女に早変わりする?

愛銃一筋だった方針すら変えて……それはレールガンかね? 提供したのは『黒幕』どもか?
いずれにせよ、悪夢のようだな……お前の姿を機関のデータベースで見た時は、午後のコーヒーを全て噴き出してしまうほど驚いたというのに
お次は、『黒幕』の刺客としてか? お前のおかげで、寿命が何年縮まったことか

【いつか路地裏で初めて会った日を思い出しながら、異形はあの時と同じ無遠慮な視線を彼女に這わせる】
【確かにその姿はあの日と同じ。しかし感じる気配はまるで違う。いったい何があったのか。知る由もないが、確かなことが一つ。彼女は今も昔も変わらず自分の敵だ】

知っているとも。だが、蝋で翼など作れば誰でもそうなる。私なら、スペースシャトルに乗り込む権利でも買い取るね
だが生憎、私は地を這う悪党だ。太陽など目指さずとも、私の求めるものは常に地上にある
……すなわち、血と肉だ。特に、お前のような柔らかい肉を。お前の調理風景も撮影して、その"OMERAS"とやらに送信してやるとしよう

【醜悪な笑うを浮かべながら、カニバディールは両腕の袖を捲り上げる。気味の悪い音を立てて、左腕の肉が膨張した】
【その肉が放たれた銃弾を受ける。迸る電光。神経を侵す痺れ。カニバディールはそれから逃れるべく、即座に肉を切り離す】

「ぱお〜ん……!! ボスゥ、痛い……!!」

【エレファーナもまた、銃弾を防ぐべくオーラの巨象を動かす。六発のうち、四発は巨象が防いだが】
【広範囲にばら撒かれたうちの二発が防御をすり抜けて、エレファーナを掠める。痛みと痺れに、エレファーナが膝をつく】


>>709
【それから間を置かずして、更なる敵が現れる。耳に響くは正義の声。人々を護る盾となる者】
【異形は歯噛みしてそれを睨む。盗賊に過ぎない自分たちとは違う、戦闘のプロたち】

櫻国海軍陸戦隊……!! 観艦式で水の国に来ていたことは聞いていたが、面倒な時に……

【恐るべき手際で展開していく彼ら、ざっと見渡しただけでも見事に揃えられた豊富な武装】
【避難していく人の波を向こうに臨みながら、盗賊どもは彼らと対峙した】


(魔力盾……!! 明らかな、対能力者用の武装……連中にも、『黒幕』の息がかかっているのではあるまいな……)
(エレファーナの力をもってしても、カチューシャと同時にこいつらを相手にしては勝ち目など……。だがあの様子だと、彼奴等こちらの事情は知らないか。ならば……!!)

――――流石は、櫻国海軍!! 聞きしに勝る練度だ!! この一瞬で、見事に陣形を組んでみせるとは!!

だが、我々≠ヘ引きはしない!! カノッサ機関に降伏はなし!! 陸軍到着より前に、貴様らを片付けてくれる!!


>>708
>>710
No.3カチューシャ様!! 私が彼奴等の陣形をこじ開けます!! その隙に、敵指揮官への狙撃を!!
やれ、エレファーナ!! 彼奴等の陣形を突き崩せ!!

「ぱお〜ん……!!」

【オーラの巨象が鼻を打ち振るい、展開された魔力盾へと直上から振り下ろされる】
【と同時に、カニバディールも懐から大型拳銃を取り出して、海軍へ向けて発砲を開始。カチューシャを庇うかのように】
【軍に対し、カチューシャがこちら側だとアピールすると同時に、指揮官への攻撃を匂わせて、軍にカチューシャを狙わせようという姑息な策略だ】
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 15:52:18.22 ID:ikvIQwXIo
>>711
/すみません、一か所追記で

/【オーラの巨象が鼻を打ち振るい、展開された魔力盾へと直上から振り下ろされる】
/この一文の後に→【カチューシャから受けた帯電銃弾により、術者が麻痺しているために鼻の動きは遅い。エレファーナ本人も膝をついたままだ】
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/09(月) 16:03:26.60 ID:/siaU4D+O
>>710

【"Gammastrahlung"は内部に六つの鏡を内包したレールガンである】
【銃口から放たれる一発と、鏡を通じ自由に操作できる六発を同時に発射できる代物である】
【彼女はレールガンを自身の胸元に寄せ、空になったマガジンを排出する】

【足元に出現するもう一つの魔法陣、スーツの袖から銃弾を魔法陣に落とす】
【内部の鏡を通じて装填。───能力を最大限に活かしたリロードである】
【ふぅ、と溜息一つどうやら別の知り合いまで現れた様子で】


ねぇ、お姉様は私の邪魔をなさるの? 私が『彼』と『お姉様』からお願いされた使命を阻むの?
其れは"おいた"なの、何びとたりとも邪魔してはならないものなの
崇高な使命には贄が必要なの、この先に広がる理想郷には、其れを支える人柱が必要なの

お兄様はその礎、あなた方もその一片に加えて差し上げようかしら
それがいいわ、そうしましょう、そうしてしまいましょう
芥雪よりも儚く脆く、肩の葉を払うように掃除するの


【鈴蘭の如く声を鳴らしながら、右手の銃口を向ける】
【"RaumKrankheit"──かつてこの国で開かれた大会でも猛威を奮った、狙撃銃】
【銃弾が放たれる、メガホンを貫く射線が真っ直ぐ尾を引いて】

【直撃すれば、メガホンだけでなく握っていた腕にもダメージを与えるだろう】
【長距離の狙撃、彼女には朝食前の準備運動にもならない神技】
【軍隊育ちの人間であれば彼女の狙撃が、どれ程の腕前か理解出来るはずだ】

【────曰く、軍隊上がりにしか出来ない、と】

>>711

【貴方の問いかけに小首を傾げる、まるでそれが何かの問題かしら、と言うように】


最初に約束をお破りになったのは貴方でしょう? No.29
私は自由に生きるのが好きよ、女を縛るのに縄だけでは足りないのだから
でもね、あっちにこっちにのらりくらり、それで飼い主に手を向けるのは賢い狗のやり方かしら

私は私を大事にしてくれる人が好きなの、『彼』も『お姉様』も結果を出したら褒めてくださるの
だからね、貴方を殺すわ、その首を以てより深い愛を寵姫に頂くの

そう、お兄様もその名前を知っているのね、ふふ、でもだーめ、そんな言葉じゃ濡れないの
女を呼ぶには、その女が呼ばれたがってる名前を使わなきゃ、ソニアなんて名前は、もう知らないの
私はカチューシャ、何処を見ても何を取っても、この身体の全てはカチューシャのもの

作ってもらったの、私の新しい愛を、形にする為に
さあ、血と肉と硝煙の宴を、心身体果てるまで演じましょう


【再び左手の銃口を向ける、膝をついたエレファーナの眉間を狙って】
【"庇う"事を読んだ、部下思いのカニバディールの気持ちを読んだなら、その銃弾は必中になると】
【思考すらも変化するのか、嗜虐的な笑みを浮かべながら、銃弾をエレファーナに向け放つ】

【今度は一発だけだ、残り六発の"銃弾"は鏡の中に消えた】
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 16:11:59.83 ID:BUIrWYm+o
>>692

【「うーん」とクリスが唸る。スクルータ共々、周囲を見回してみるものの】
【他に注意を引くようなものもなかった。現状でどうするか判断する他ない】

とりあえず、僕が様子を見てみます
何事もなく目的のものを取れれば、ラッキーということで

【そう言って通路から円形の部屋へと足を踏み入れる。階段の端に立って、クリスが上半身を前へと倒して背中を上に向ける】
【一対の黒色の翼が背中から出現。竜の翼と同じような造形。緩やかに広げられたそれは全長数メートルにもなる大きさだ】

【広がった両翼が空気を叩き身体を持ち上げる。一度の羽ばたきで数メートルほど上昇】
【二度目の羽ばたきでさらに上昇。円形の部屋はかなり天井が高く、十数メートル上昇してもまだ上に空間があった】
【そのままクリスが滑空。部屋の中央にある宝珠を目指す】

【────が】

【突如、クリスの身体が”何かがのしかかった”ように折れ曲がる。そのまま床へとまっすぐに落下、激突】
【砂埃が舞い上がる。地面に叩きつけられたクリスは這いつくばるような姿勢となっていた】
【両翼も地面に垂れ下がっている。というよりは、押さえつけられている、という方が近い状態だった】

「あ……これ、結構大変かもしれない」

【スクルータが言い、ポケットから硬貨を取り出して部屋に投げ入れる】
【硬貨は放物線を描いていたが、部屋の中央にある程度近づいたところで軌道が変化】
【まっすぐに地面へと落下。弾むことなく床に張り付くように硬貨は止まった】

「外のあれと同じだね。重力ってのが強いみたいだ」

【床に叩きつけられたクリスが起き上がろうともがくが、立ち上がれない】
【どうやら無事ではいるようだったが、宝珠に近づくのはこのままでは難しそうだ】

【今のところ、部屋の中で怪しいのは四方に配置された球体だ】
【また階段はある程度までは降りても強重力場の範囲外だというのが、硬貨の動きから分かるだろう】
【問題は、どうするかだった】
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 16:23:21.07 ID:1imGG22O0
>>711>>713

「機関め……」

【カニバディールの口上を聞き、その何とも堂々と】
【何とも開き直ったかのような、まるで軍人然とした様子に】
【口角をつり上げ、歯を噛みしめ、厳しい顔を一層厳しくした者は】
【カニバディールの攻撃は、前方の兵の腕に命中、兵は衛生兵に担がれていったが】
【彼のこちらへの戦意を示すには、あまりに十分な物となった】
【指揮装甲車両の前に居るカーキの陸戦士官軍服にモールと徽章の煌びやかな、眼帯のやや痩せ気味の中年男性】
【間違いなく、この人物が指揮官だろう】

「カチューシャが……どうして、何で……」

【傍目にはカチューシャが、カニバディールと対峙して居る様に見える】
【しかしカニバディールの口調は、カチューシャはカニバディールと結託していると語っている】
【果たして、真実は?】
【現場の指揮は、混乱している】
【そこに……】

「来るぞー!!」
「対魔翌力盾、一部を上方展開ッ!!」
「動きは遅い!間に合うぞ!!」

【水兵達が指揮に従い、対魔翌力盾を振り下ろされる鼻に合わせ、上方に展開、防御を試みる】
【しかし、機械的な物では無くてあくまで人力によるもの、質量が伴っているならば間に合ったとしても、恐らく複数の水兵は無事では済むまい】
【そして防御のために展開してる盾を上方に回したらば、前方の守りは薄くなる……】
【だが、一方で】

「曹長、あの女性と機関員は何者なのだね!?聞けば女性も機関員ではないか!」
「カチューシャは、機関員ですが、ただ、ちょっと……」

【だが、ここで】

「ぐうッ!!」
「中佐殿!?」

【これを間が良いとも悪いとも言うのだろうか】
【カチューシャの狙撃は、明確に指揮官のメガホンを撃ち抜き】
【そしてその腕にダメージを与えた、少なくは無い血液が流れ出て】
【あり得ない程の狙撃技能、その場の何人もを震撼させ】

「カチューシャ!!待って、話を聞いて!!」
「ええいッ!機関員と言うならば全て敵だ!!今が好機だ撃ち方始め―ッ!!」

【曹長、そう呼ばれている白の制服の少女の言を無視し】
【負傷した腕を抱えながら、射撃命令を出す】

【狙いは、カチューシャ、カニバディール、エレファーナとその場の機関員全員】
【小銃を構えた陸戦隊員全員の銃から火が吹く】
【31式歩兵銃、ボルトアクションライフル故に機関銃の様な弾幕とはいかないが、数が数故にそれなりの弾が飛んでくるだろう】
【ただし、狙いが複数と言う事もあり、一発一発の狙いは甘い】
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 16:39:10.57 ID:1imGG22O0
>>714

「おおッ!凄いのだよ!クリス流石なのだよ!」

【まるで、お伽噺に出てくるドラゴンのソレだ】
【黒翼が羽ばたきクリスを持ち上げる】
【見事な飛翔、そして滑空……しかし】

「クリス!?大丈夫なのだよ!?」

【中央に迫ろうとしたクリスを、何かが押さえつける様に】
【地面に叩きつけられるクリス】
【何事か?そう考えている矢先】
【スクルータがコインを投げる】
【コインも同様に、部屋に入り、中央に近づくや否や先ほどのクリスと同様に地面に】

「重力ってやつなのだよ」
「やっかいなのだよ、発生源や魔翌力源は探してはみるのだよ、でも……」

【アストラル感知、この部屋の重力変化の魔翌力源、あるいは術式源を探索する】

「処理は出来ないのだよ……」

【あくまで探知のみ、処理や対処は出来ない様だ】 
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 16:52:29.38 ID:ikvIQwXIo
>>713
く、ふふふ……痛いところを突かれたな。まあ盗賊の言葉など、元より彼奴等もお前も信じてはいなかったろう?

ああ、見るからに自由奔放だなお前は。私が飼い主に噛みつく狂犬なら、お前は気分でコロコロと飼い主を変える、性悪猫と言ったところか?
ふん、あのまま連中の犬でいたところで、最後には「狡兎死して走狗煮らる」だ
それでなくても、あんな奴らの作る世界など御免だな。管理社会に盗賊の居場所はない

褒められたいから、それがお前の理由かね? 以前に比べて随分と引き金が軽くなったものだ
しかしその『彼』や『お姉様』とやらは、趣味の悪いことだな。私なら、飼い猫が私のような怪物の首など持って帰ったら、しばらく家に入れないがね


良く知っているとも。見た目は全く同じだが、中身は完全な別物だと、こうして直接会ってわかったがな
双子だと言われた方が、まだ納得もいくくらいだ。まあお前が望むなら、そう呼ばせてもらおう

お前が地獄行きになる、僅かな期間だけになるだろうがなカチューシャ。悪いが他の連中と違って、私にはお前を殺すことを躊躇う理由がない
心身果てるまで、か。削り合いで私の耐久力に、その華奢な身体で競り勝てるか、見せてもらおうか……!!

(……強がってはみたが、あの狙撃の腕をそのままに殺しへの躊躇いが消えたとなれば、まさに最悪の相手だ……)
(距離を取られたまま彼奴の土俵で戦うのは避けたいが、海軍がいる以上は迂闊に近づけん――――!?)

チィィッ!! 「ぱお〜ん……!?」

【思った通り、彼女から殺人への忌避は消えうせていた。情け容赦なく、配下の眉間を狙った狙撃】
【カニバディールはカチューシャの狙い通り、咄嗟に太い左腕を差し出して銃弾を受けた。能力の防御は間に合わず、血が滴る】


>>715
【こちらを睨む軍服の男性の片目と、異形の三つ目の視線がかち合う】
【一人に銃弾を当てたところで、まさに焼け石に水。指揮官に攻撃をしようにも、銃口はこちらを向いている】

(あの女、カチューシャを知っているのか? あの調子で、男女問わずそこいら中に粉をかけて回っていると見える……)
(しかし、まずい状況だ……三つ巴に見えて、カチューシャは明確に私を狙い、海軍は言うまでもなく敵……最も不利なのは間違いなく我々だ)

【そう、姑息な策を弄したとて、すでに盗賊どもは追い詰められている。予定外の強敵たちの出現に】
【振り下ろされた巨象の鼻は、確かに魔力盾に一撃を加えるだろう。しかし、見た目に反して威力は先ほどより弱い】
【カチューシャによる銃弾の痺れは、想像以上の効力をもたらしていたのだ。防御が薄くなった前方の隙もまた、カチューシャの銃撃により見逃さざるを得ない】


【自身が叫んだ通りに指揮官をカチューシャが狙撃するが、自分とカチューシャの敵対は、この光景を見ればすぐに敵に知れる】
【そこへ、陸戦隊の一斉射撃。狙いが甘い故に、致命傷には至らなかったが、カニバディールとエレファーナは傷を負い、血を垂れ流す】

「ぱお……ボス、もう無理……」
相変わらず継戦能力はまるでないなお前は!! わかった、一度引っ込んでいろ!!

レギオルフォン、海軍どもの腕を潰せ!! ポイゾニック、カチューシャにこれ以上の好き勝手を許すな!!

『任せろ、ボス』 〈了解です!!〉

【ぐらりと傾いたエレファーナを、カニバディールが太い腕でぐいと抱き寄せる。そのままエレファーナは、カニバディールに吸い込まれるように消えた】
【代わってその巨躯から現れたのは二人。長い銀髪とミリタリーコートの裾をなびかせる、鋭い目つきの男と】
【丁寧に撫で付けた髪に黒スーツ、細いフレームの茶色の眼鏡をかけた男】

/続きます
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 16:52:51.17 ID:ikvIQwXIo
>>ALL

『よう、軍人さんたち。悪いが、その玩具手放してくれよ』

【恐るべき速度で、銀髪男のレギオルフォンが軍の陣形へと踏み込んで来ようとする。その両手には、二本の長剣】
【接近に成功すれば、手近の軍人たちの腕に斬りかかり、彼らの武装をその手から放させようとするだろう】
【その滑らかな動きに、異能の気配はない。しかし、カニバディールによってクリーチャーの強化細胞を埋め込まれたその足は、不自然に膨らんでいた】


〈初めましてカチューシャさん、私ポイゾニックと申します!!〉
〈聞いていた以上にお美しいですね!! その肌、毒で彩ったらきっともっと綺麗になりますよ!!〉

【赤い刀身の蛮刀を振りかざし、眼鏡男のポイゾニックがカチューシャに迫る。蛮刀には、毒々しい赤い液体がまとわりついている】
【ポイゾニックが刀を振るうと、その液体が飛び散ってカチューシャに降りかかろうとする。これを浴びると、その部位の皮膚に凄まじい痒みを伴う赤い発疹が生じるだろう】
【戦闘においては隙を作り出しかねない、精神をかき乱す痒さ。対してポイゾニックの動きそのものは単調だ】

【配下を繰り出したカニバディールは、腕からの出血をふさいでいる。すぐには戦闘には移れないだろう】
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 16:56:33.38 ID:BUIrWYm+o
>>716

【探知を行えば、魔力がこの部屋全体に強く作用していることが分かる】
【さらにはそれは遺跡の外側、地上まで広がっていた。発生源は部屋中央の宝珠だ】
【そこから出ている魔力が周囲の四つの球体に繋がり、部屋全体に重力場を発生させていた】

【当然、問題はその処理だった。球体はいずれも重力場の範囲内。接近は困難、遠距離攻撃は届かない】
【クリスはといえば、床を這いつくばって移動していた。宝珠の方へ行ければ良かったがそれは出来ず】
【階段の方へと向かっていた。ひとまずは二人の元へと戻るために】

「うーん、どうしようかな
 もう少し調べれば、何とかなるかもしれないし……
 今回はここまでってことで諦めても、僕たちとしては問題ないし……でもちょっと悔しいよね」

【「どうしようか」と、スクルータは万里子に判断を振る】
【探知・探索についてはまだやりようもあるだろう。ただ状況が厄介なのも事実で】
【撤退することも、もう少し粘ることも、出来そうだった】
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/09(月) 17:07:20.58 ID:/siaU4D+O
>>715

【ありがとう、可愛らしい象のお嬢様──と声がした】
【エレファーナの攻撃を防ぐ為盾を上にあげた人員の前】
【展開される六つの魔法陣、放たれる弾丸が彼らの腕に向け放たれるだろう】

【まずは盾を穿つと言わんばかりに、エレファーナと連携で放たれる攻撃】
【ここから協力関係は明らかになるだろうが──】


そこにいるのね、しょーこ、ふふ、嬉しいの、私の姿を見てくれて
でもね、でーも、そこじゃ聞こえないわ、貴方の声なんて遠くて
聞かせたいのならもっと側で、夜鷹の様に睦言を鬻いで欲しいの


【掃射される弾丸、正しく弾幕と言うべきか】
【右手の狙撃銃で地面を叩く、反動で高く跳躍し大部分を回避】
【何発か掠める形で受けながらも、右手で羽織ったコートを外す】

【近くの街路樹に引っ掛け、命綱代わりに、高い位置で木の枝に立ち静止する】
【再びマガジンと銃弾を落としリロード、一人で軍隊並みの制圧力を誇る】
【その源とはつまり、能力を使った補給にほかならない】

【右手で狙撃銃を向ける、木の枝にかけた白いコートを羽織り直すと、その姿は否が応でも目立つ】
【恣意的にその狙撃銃の銃口を、指揮官たる中年の男に見せつける】
【アピールである、何時でも貴方の頭を打ち抜ける、という】

【無垢白な柔肌、プラチナブロンドの長い髪は玲瓏な彼女を儚く修飾し】
【自然体で木の枝に立つ姿は、絵画の様に悠然と──】
【能力者という存在の異様さを、まざまざと見せつけるが如く】

>>717

【木の上から言葉を返す、カニバディールへと透き通る声が抜けていく】


不思議ね、何故そこまでの力を持ちながら盗む事を選ぶの
庇護の下にいれば、無理に振るう事も無いの
優しく、無事に、安全に老いる事ができるんじゃなくて

ふふ、分かるの、そうじゃなくて貴方はスリルを求めたのね
其れは分かるわ、火遊びは愉しいもの、一夜の関係もまた同じく
でもね、今度ばかりはそれじゃ、済まないの、済ませちゃいけないから

ご生憎様、私も貴方を殺すのに何の躊躇いもないの
素敵な肉屋のお兄様、私の柔肌に雄々しき牙を尽きたてて、果てるまで貪って欲しかったけど
今では其れは能わず、ただ、貴方は芥のように死ぬの


【カニバディールにとって幸運なのは、彼女の狙いは海軍にも向いていること】
【寧ろ恣意的に標的を示している分、彼女への狙いも多くなるだろう】
【不意にポイゾニックが 『木の上』へ迫る、表情の水面に僅かな漣】


お断りなの、美しい肌は淑女の嗜み、乱されることは万死に値するの
素敵な姿ね、でも、その刃は受けられないわ
乙女の素肌を穢すこと、それは正しく命よりも重いから

っ……!!───肉屋のお兄様も、とんだ人選ですの


【レールガンで刀をさばく、杖術の如く手馴れた扱い】
【しかし、飛び散る液体に意識が集中している、木の枝の上ということもあり、おされる一方で】
【何回か剣を交差させた後、不意をついて、腹部にレールガンで突きを放とうとする】
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 17:29:05.23 ID:1imGG22O0
>>717

「ああッ!!」
「う、腕がッ!!」
「衛生兵!!衛生兵!!」
「安心しろ小林!!直ぐに治療する!!」

【兵たちが、予測よりは遥かに軽い打撃を喰らいながらも、鼻の一撃は防ぎ切った】
【しかし】

「なんと、まだ生きておると言うのか……」

【あな恐ろし、如何に一斉射撃の混戦状況、狙いは甘いとは言え】
【あの銃撃から死なずに生き延び、まだ交戦の構えを崩していないとは……】
【その事実は指揮官の男を、傍らの白い制服の少女を、驚愕させるには十分だった】
【流石、名の知れたaA流石は悪名の高い男カニバディールとその一味】
【その陣中に】

「な、何だ貴様は!?」
「奴めの仲間か!?」
「撃て撃て!!」

【しかし、抵抗も誰何も空しく、そのミリタリーコートの男の侵入を許してしまう】

「うぐッ!」
「ぎゃああああッ!!」
「あ、がッ……」

【腕を切り落とされた複数の海軍兵が、その場でのた打ち回る】
【この混戦では救護の手も回らず、元より小銃隊は意味を成し得ない】
【カニバディールやエレファーナへの攻撃は、中断されることとなった】

「何という事だ……ええいッ!小銃隊撃ち方止め!!近接戦だ、あの男を仕留めよ!!」

【着剣した小銃、あるいは軍刀を持つ者はそれを引き抜き、男に迫る】
【四方から刀と銃剣での刺突が襲い来るだろう】


//分割します、すみません
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 17:34:28.38 ID:1imGG22O0
>>720

「カチューシャッ!!!!」

【だが彼らに取っての悲劇は、そこで終わらなかった】
【もう一人の突入者を、刺客の存在を許してしまったからだ】
【白き美しきスナイパー、カチューシャの突入を】

「ぐああッ!!」
「ああッううッ!!」
「何なんだ、何なんだよあの女はぁッ!!!!」
「しっかりしろ高木ッ!!衛生兵!!こちらもだ!!」

【盾を展開していた兵たちから怒号が飛び交う】
【カチューシャの、能力による狙撃】
【これが、盾の兵達の、あるいは付近の小銃兵達の腕を悉く打ち抜き】
【撃たれた兵達は、その場に倒れ伏し痛みに武器を取り落とし、あるいはのた打ち回る】
【先の男の突入と相まって、前線は立った二人の人物により、崩れ始めていた】


「ひいッ!?」

【ここで、銃口を向けられた指揮官は、その視線と意図に震えを見えたが】
【さりとて、彼も魔導海軍陸戦隊総指揮官、すぐさま冷静な指揮を下す】

「今手の空いている擲弾兵!あの女機関員に向け擲弾筒一斉射出!!」

【各小隊から即座に了解の声】
【竹の水鉄砲を、一回り大きくしたような個人携行火器100式擲弾筒】
【所謂個人携行型のグレネードランチャーだ】
【各小隊の所持者が、カチューシャに向け狙いを付け】

「撃ィ方始めえええええッ!!」

【弧を描き、擲弾がカチューシャに向け一斉に放たれるだろう】
【そして】

「カチューシャ、カチューシャ、ダメ!!」
「なッ!?曹長何処に!?」

【もう一方、カチューシャの方に向け部隊最奥より、カチューシャに向かう姿がある】
【翔子がカチューシャの方向に向け、駆けだして来た】
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 17:40:09.81 ID:1imGG22O0
>>719

「ううーん、どうにも発生源はあの球っぽいのだよ」
「と言うか、あんなもん持ち帰って価値があるのだよ?本当にあれは宝なのだよ?」

【首をかしげながら、近くのスクルータに聞く】
【どうにも解除するには、あの球をどうにかするしかない様で】
【しかし、その球は彼らの目的の物の様だ】

「おッ!クリスお帰りなのだよ!」

【這いながら帰って来るクリスに、そう言って】
【やがて】

「うーん、狙いはあくまであの真ん中の球なのだよ?」
「ならあの四方の、力の分散機みたいな球は壊していいのだよ?」

【拳銃を取り出し、球に狙いを定める】
【どうにも、まだ少し粘る様子だ】
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 17:46:08.39 ID:ikvIQwXIo
>>720
優しく、無事に、安全に老いる。私にとっては終身刑の宣告に等しいことだ
盗み、奪い、食い殺す。それ以外の生き方はしたくないのでね

火遊びとは言ってくれる、私のこれは一夜の夜伽と同列に語れるものじゃあないぞ
それでは済まない、とはこちらのセリフだ。もはや貴様ら全員を私より先に地獄送りにしなければ、収まらない

ふ、ふ!そこに関しては気が合うじゃあないか。いいや、そうはいかない。そんな極上の肉を私の前に晒しておいて
それを味わわずして、地獄の門を潜ってたまるものか!!

(幸いにして、カチューシャにも海軍につくつもりは毛頭ないらしい……希望というには弱いが)
(そもそも、盗賊が希望に縋るなど……私が縋るのは、アーグさんから教わった信仰心だけで十分だ)
(後は、私自身の手で掴み取る……!!)

【頭上から降り注ぐカチューシャの甘い声に、醜悪な重苦しい声音で叫び返しつつ】
【その身軽さに、またも舌を巻く。尽きぬ弾薬とあの動き、まるで自走式の狙撃砲台】

〈命より重い!! 我々のような盗賊にとっては、この上なく魅力的な響きですね!!〉
〈私に言わせれば、毒は穢すのではなく彩るためのものですが、お気に召されないのは残念です!!〉

【樹上に飛び上がったポイゾニック、近くで見れば意外にも整った顔立ち。しかし、毒に執着するその表情は、美形を台無しにする】
【洗練された状術のような彼女の優美とは対照的に、無軌道に蛮刀を振り回す。悪い足場に、身体をぐらつかせながら】

〈ぐふっ!?〉

【そこへ、放たれた突き。盗賊はかわす術を知らず、まともに鳩尾にそれを食らう】
【バランスを崩し、枝の上から滑り落ちる。空中で、蛮刀の切っ先がカチューシャへ向く】

〈ハ、ハハァ――――ぐっ!!〉

【蛮刀の切っ先から、赤い液体が水鉄砲のように噴出する】
【あろうことか、汚らわしい液体の狙いはカチューシャの美しく整った顔】

【乙女の命を汚す、万死どころではない行為の成否に関わらず、ポイゾニックはそのまま地面に叩きつけられることだろう】


>>721
く、はは……!! しぶといことが取り柄なのでね。いかに精強な櫻国海軍と言えど、我々を殺すのは骨が折れるぞ

【にたりと醜く笑って答えるカニバディール。事実、この盗賊どもは戦闘能力の低さを生命力で補って生き延びて来た者たちだ】
【打たれ強さはかなりのもの。戦意を失うことも、まずない。となれば、戦闘不可能な傷を与えるか、殺すか】


『ああ、ボスのところで盗賊やってるレギオルフォンだ。よろしくな、軍人さんたち』
『(小銃隊は崩したが、戦意は失わずか……軍人てのは、これだから厄介だ)』

【まるで日常会話かのように話す銀髪男。鋭い目か周囲を見回す】
【指揮官の声を聞き、一丸となって敵に立ち向かうその姿、その練度。まさに一流の軍隊。自分たちとはまた違った、連携の力】

【周囲から放たれる刃物による刺突。四方を囲まれれば、退路は上にしかない】
【レギオルフォンは、強化された足で地を蹴り、空中へと高く跳躍した。だが、一歩遅かった】

『うぐっ――――!!』

【機動力の要たるレギオルフォンの改造された足を、刀と銃剣が薙いでいた。突き刺さることは避けたものの、浅くない傷】
【鮮血をまき散らしながら、レギオルフォンがカニバディールの傍らに着地し、膝をつく】


やってくれるな……レギオルフォンの速度を上回る攻撃とは、相当な精兵を揃えているらしい
こちらからも返礼だ。一つ、お前の肉の味をレビューしてやろうじゃあないか指揮官殿――――!!!

【動きを止めたレギオルフォンに代わり、復帰したカニバディールが進み出る。その首回りの肉が蠢き、膨張すると】
【カニバディールの首が、長く伸びた。日本古来の妖怪の亜種、にしてはあまりに異形だが】

【伸ばされた首は、兵たちの間を抜けようと一直線に進み。途中で妨害がなければ、指揮官たる男の肩口に】
【鋭く尖った牙を突き立て、噛みつき攻撃をしかけようとするだろう】
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 17:53:37.30 ID:BUIrWYm+o
>>723

「宝玉って聞いたことない?
 噂によると、あの宝珠がそうらしいんだよね」

【宝玉、というのはこの世界に存在する特別な力を持つマジックアイテムの一種だ】
【能力や魔術を大幅に強化することもあれば、一見して何の効果ももたらさないこともある】
【謎の多い物質ではあるが、多くの場合は所持者に強い力を与えるとされる】

【スクルータの言葉が正しいのであれば、強重力場の発生源であるあの宝玉はそれに纏わる力を持つということになる】

【クリスはなんとか二人の元まで戻ってきた。立ち上がって翼を消し、背中の棺桶の位置を直す】

「あれが力の分散機だっていうんなら、破壊しても問題ないと思う
 というか、僕らはそのへんもよく分かってないから、教えてくれると助かるね」

【スクルータにせよクリスにせよ、魔力探知は出来ても機器ほどの精度がない】
【そのためにそれを扱える万里子の補助がこの部屋の仕組みを突破するのには必須だった】
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/09(月) 17:59:08.26 ID:/siaU4D+O
>>722 >>724

【ポイゾニックの攻撃を捌きつつ、視線の片隅に榴弾を捉える】
【表情が固まる、数が多い。───軽く息を飲んで、呼吸を整えた】


私を凡庸な狙撃手と思われたなら、其れはとっても悲しいの
何処の国の何処の場所の軍隊も、やってる事は皆同じ
せめて貴方達は賢い事を祈るの、分かるかしら

其の程度の弾幕に、阻まれる腕では無いの
船の上の扇では足りないの、その先に掲げた林檎すら撃ち落としてみせましょう
其れがナンバーズたる矜恃、数字を持つという意味だから


【右手の狙撃銃を放つ、銃弾は向かい来る榴弾の一つに着弾するだろう】
【炸裂、そして誘爆───次々に連動し、榴弾の尽くを無効化していく】
【これ以上無い位置を撃ち抜いた、その技量はやはり高いが】

【至近距離での猛烈な爆風、破片が飛び散り、剥き出しの素肌に傷がつく】
【戦いの最中に表情は変わらない、何処までも静かな水面を保って】

【レールガンがポイゾニックを捉えた刹那、放たれる毒を纏った液体】
【思わず左手で顔を庇った、毒がスーツ越しに素肌を焼く】
【苦悶の声、スーツが破れ、焼き爛れた左腕が覗く】


っ……分かるかしらお兄様、貴方の行いはどこまでも火遊びに過ぎないの
『彼』は知ってるの、巨大な水面に僅か跳ねた魚の行方を
其れは波紋を起こすこともない、ただ流れの中に消えると

お兄様、貴方やっぱり素敵だったわ──もう会うことも、無いでしょうけど


【傷を庇うように地面に落ちる、尖ったピンヒールで地面に落ちたポイゾニックの掌を踏み抜こうとしつつ】
【右手の狙撃銃の銃口を向ける、首を伸ばしたカニバディールを狙って】
【的が増えた──しかし】


……ねぇ、しょーこ、何しに来たの?


【近寄ってくる見知った少女、彼女は眉をひそめ、攻撃を止めた】
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 18:26:34.98 ID:1imGG22O0
>>724

「畜生め!!」
「小癪な!!」
「己!!気蓄たる盗賊蛮兵め!!」

【軍刀が、銃剣が跳躍したレギオルフォンの脚部を掠め傷を与える】
【どうにもダメージは与えられた様子だが、しかし致命傷ではない】
【だがこの危険な侵入者を、引かせることは出来た様子だ】

【だが、次にカニバディールの成した行動は】
【実に誰もの意表を突く物だった】

「中佐殿!!」

【まるでろくろ首様にその首を伸ばし】
【指揮官の男の元へ飛ばし来るカニバディール】
【異形、まさにその言葉が似合う姿と言える】

「……かようなる事まで……」
「何を企んでいるのか知らんが、私は鳴神一刀流の門下でね一応切り紙だ」
「お勉強ばかりの乗艦組と一緒にして貰っては困る……その首そのまま貰い受ける!!」


【その飛び来る首、それを方の目でしかりと見据え】

「ッ!!」

【中佐と呼ばれた指揮官は、腰を落とし構え】
【その腰の軍刀を引く抜く攻撃を放つ、その顔面に向けて】
【抜刀術、居合とも言われる高速の剣技】

「何をしている!?重機関銃部隊!!続きカニバディールを狙え!!仕留めるのだ!!」

【すぐさま、後方より慌てての了解を伝える声、声、声……】
【重〜軽の機関銃部隊が前方に展開】
【カニバディールとエレファーナ、レギオルフォンに向け一斉に弾幕を放った】



//分割します、すみません
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 18:26:49.41 ID:1imGG22O0

>>726

「やったか!?」
「着弾……いえ!違います!!」
「全弾、直前で撃ち落とされた……だと?」

【カチューシャの行動】
【まるでそれは、護衛艦のイージスシステムの様に】
【迫りくる擲弾を最小の攻撃行動をもって、全弾破壊せしめた】

「ありえん、ありえんぞ……」
「何という事だ……化け物かあの女……」

【扇の的、ウィリアムテルの林檎】
【否、断じて否、そんな古典物語よりも遥かに優れ研ぎ澄まされた技量なのだ】
【そしてカニバディールへの攻撃行動に、そう移ろうとした彼女の元に】

「カチューシャ……貴女に伝えたいことがあるの……」

【見据えられた瞳は、氷の様に冷たく鋭い物だったのだろう】
【その筈だ、カチューシャはその為に、攻撃を中断したのだから】
【たじろぎ乍らも、こう少女は言う】

「戦闘を止めて!カニバディールは私達でも戦える!」
「ディミーアさんが、ディミーアさんから話を聞いたの……」

【切実な訴え、話であるが、果たして……】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/09(月) 18:31:30.10 ID:bc5w3oAD0
【路地裏】

「やることが多すぎて困るね」

【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「黒幕潰しももちろんのこと、他の仕事や調査もある。どこから手を付けようか……」

【彼の近くに転がっているのは、首を切断された女性だ。間違いなく息はもう無い】
【返り血が付着している様子もなく、彼が犯人とは言い切れないが――】

――――

【同一地点――ある程度時間が経っただろう頃】

「……やァることが多いなら、辻斬り業は中断すゥれば良ォいのになァ」

【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「よォう、元気かァ? ヒャハハ、元気なわァけねェーか! どォーだ? くゥッつけて欲ォしいか?」

【死体の首から上の方を雑に掴み、そして話しかけたかと思えば】
【その近くに現れる魔法陣、そして首から上の部分は闇となりそれに吸い込まれていって】
【残された胴体部分も同じように吸い込まれていく】

「よォーし、……ふゥむ、コメントに困る普通さだ」

【その後、胴体部分があった場所に手を伸ばし見えない何かを掴んだかと思えば、それを口に運ぶ】
【むしゃむしゃ、むしゃむしゃ――やがては向こう側の景色が透けて見える、喰らわれた胴体が霊感無くとも見えるようになるはずだ】
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 18:36:28.84 ID:1imGG22O0
>>725

「あれが、宝珠?なのだよ?」
「君たちの任務は、宝珠の回収なのだよ?」

【古くかつ多くの国の伝承に残されるそれ】
【時に龍がその咢に銜え、時に権力者の杖や冠に飾られ】
【様々で強力な力を持つとされたソレ】
【なるほど、それなればこの強い力場も魔翌力も納得がいく】

「解ったのだよ!じゃあ遠慮なく行くのだよ!」

【クリスの言葉にそう答え】
【拳銃で、その四方の大きな球に銃撃を放っていく】 
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 18:49:18.25 ID:ikvIQwXIo
>>726
(ポイゾニックと斬り合いながら、軍の榴弾を撃ち落としただと……!?)
(何だあのふざけた技量は……以前と同じ、どころか以前以上だ……)

〈痛ぁ!! 無茶なことしますねカチューシャさん!!〉

【苦虫を嚙み潰したような顔をするカニバディール。爆風と破片を自らも浴びるポイゾニック】
【対照的に、カチューシャの表情は崩れない。どこまでも妖艶で、冷徹なまま】

……自分たちは大海原同然の、巨大な存在だと来たか
そういう魂胆だから、貴様らには反吐が出るというんだ。自分たちに歯向かう者は、波紋にもならぬ魚に過ぎないなどと
思い上がりも甚だしい。そうして相手を舐めた者から、この世界では消えていく

ああ、そうだな。もう会うこともない。お前には、地獄でも再会するのは御免こうむる

〈あぐっ――――!!!〉

【容赦ないピンヒールの一刺しに、掌を穿たれたポイゾニックが苦鳴を漏らす】
【人によっては褒美ともなりそうだが、ポイゾニックは毒は好きでも苦痛は嫌っていた】


>>727
『盗賊蛮兵か……俺にぴったりの呼び名をありがとうよ』

【飛び退ったレギオルフォンは、忌々し気に部隊を睨む】
【精強なる兵士たちの連携は、盗賊たちの勢いを確実に削いでいく。この複雑な戦況がなければ、盗賊どもはとうに惜し負けていただろう】

【入れ違いに伸びた異形の首。肉を求める怪物のそれはしかし、肉を味わうことはなかった】

何――――があぁ!!

【恐るべき速度で放たれた一閃。居合抜き。一撃のもとに敵を切り捨てる、神速の抜刀術】
【盗賊如きにかわしきれるものではなく、一文字の刀傷がカニバディールの顔面に刻まれる】
【指揮官たるもの、自分の身を護るだけの力はある。あまりに当然の事実を見逃したは、盗賊どもの焦りが故か】
【異形はたまらず、首を引き戻す。そこへ、向けられる声と銃口】

鳴神一刀流……初めて聞いた流派だが、その腕前を見るにずいぶんと実践的なものらしいな……
なるほど、見事なものだ……だが、無駄だ。私は殺せない。私は倒せない――――!!!

【機関銃による一斉射撃。戦場そのものの光景が現出する】
【無数の弾丸が、盗賊どもを肉塊に変えようとした刹那。カニバディールの全身が急激に膨張した】

【不気味な肉塊となったカニバディールに、弾丸の嵐が襲い掛かる。肉が血がはじけ飛び、火薬の臭いが立ち込める】
【やがて、射撃が終われば。ボロ屑のようになった肉塊が、ドシャリと崩れ落ちて】

が、はあぁ、あ……!!! ……死ぬかと思ったぞ

【その内側から、満身創痍のカニバディールが吐き出された。全身から肉片と血を垂れ流し、作業着もエプロンもあちこちが破れ】
【それでも、まだ生きていた。肉の防御壁は、機関銃弾幕を耐え抜いたのだ】
【カチューシャとはまた違う、技量ではなく生命力による異常性。その背後に隠れ、斉射を凌ぎ切ったレギオルフォンが進み出る】

〈兵隊が走るのが商売だよな? なら、足をいただいていこうか〉

【言うが早いか、姿勢を低くすると両腕を振るい、地を這うように大量の投げナイフを投擲した】
【狙うは機関銃部隊員たちの足。あるナイフは一直線に飛び、またあるナイフは弧を描いてブーメランのように飛び】
【軌道上には、隊員たちの脛、太もも、アキレス腱。地を踏みしめて敵に立ち向かう力を奪い去ろうとするだろう】


>>728
〈――――け、ひひっ〉

【カチューシャの反応がいかなるものであったか。それに関わらず、ポイゾニックの背中が膨れ上がろうとする】
【妨害がなければ膨らんだ背中が避けて、噴出されるのは赤い霧。先の毒液を薄めて霧状にしたものだ】

【二人の間を引き裂くように、汚らしい霧は二人の女性を覆い隠そうとするだろう】
【触れれば、肌がチリチリと軽く痛むような不快感をもたらすもの。だが、それが全身に及ぶとなれば、その精神に隙も出来ようか】
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 18:54:26.15 ID:BUIrWYm+o
>>730

【「仕事じゃないけどね」とクリスが答える。自警団であることとは無関係らしい】

【万里子の放った銃弾が直進。音速近い速度の弾丸が球体へと向かっていくが】
【強力な重力場によって軌道が変えられる。床や球体の土台にいくつかが命中】
【球体に当たったものもあったが、案外頑丈だ。銃で破壊するならば相当数撃ち込む必要がありそうだ】

「……いけそう?」

続ければ。弾数が気になるところですが
どのぐらい持ってきています?

【クリスが尋ねたとき、周囲に異変。小さな地響きが生じる】
【もしも探知用の機材を動かしているならば、また新たな異常を検出するだろう】

【異常の箇所は三人が来た方角。魔力を持った”何か”が複数体、現れていた】
【どうやら球体に攻撃を加えたことで生じた異変のようで】

あー…………ちょっと、お二人に良くないお知らせが
どうやらお客様のようですよ?

【クリスが通路の方を指差す。その先には石で構築された巨大な人形】
【いわゆるゴーレムというやつが三体。全長は三メートルほどあって中々の大きさだ】
【それらがまっすぐ、こちらに向かってきていた。顔に該当する部分にある両目は敵意を示すように赤く光っていた】
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/09(月) 19:02:15.82 ID:/siaU4D+O
>>728

【ポイゾニックによって傷つけられた左腕、毒性の酸が皮膚を焼き付ける】
【神経を蝕み、肉を腐食させる。──柔肌を傷つけられ、見るからに痛々しい】
【発狂しそうな痛みなのだろう、事実彼女の頬に冷たい汗が伝う】

【しかし、表情は崩れなかった、玲莉な目元を鋭く細め、歪む朱の色合いを強める】
【視線の先にある少女の姿、可憐でそれでいて確かな強さを携えた少女】
【那須翔子───知っている、彼女は、その少女の事を】


私でも戦える、だなんて知った口を聞くのね
いつからそんなに強くなったのかしら、私の股座で泣いていた貴女が
ねぇ、また押し倒してさしあげましょうか、今度はその柔らかな膨らみに爪を突き立てて

血が出ても止めないの、その下の温かな脂肪を、肉を貪って差し上げるわ
お胸に朱い花を咲かせましょう、切り裂いて標本の様に飾ってあげるの
こんな私に伝える事があるの、伝えられる事があるの

肉屋のお兄様は私なんかよりずっとずっと過激で苛烈なの、幸運ならば虐殺で済むかもしれないけど
好奇心は猫を殺すの、可愛い可愛いしょーこ、貴方にぴったりのお言葉ね
そこから先、入ってきたらね────撃ち殺すの


【両脚を肩幅に開いて真っ直ぐに見据える、風光明媚、涼し気な目元に憂いが見えた】
【言葉は冷たい、まるで塵芥でも観る様に貴方を見つめる、愛嬌はそこには最早無く】
【瀟洒な口元から紡がれる処刑宣言、どれだけの死線を超えれば、之だけ冷たく殺すと言えるのか】


ディミーアが何か言ってたのね、でもね、それはこの場に相応の旋律かしら
彼は素敵よ、とっても素敵、素敵な殿方は私にとっての宝物
でもね、今欲しいのはそんな素敵さではないの、愛を紡ぐのに寝床以上の場所があって?

どんなに美しい音色でも、正しい場所に置かれなきゃハーモニーには鳴らなくて
不協和音になってしまうの、私の心を不快に揺さぶるのかしら
下がりなさい、帰りなさい、退きなさい──此処は遊び場では無いの


【"RaumKrankheit"の銃口を向ける、これ以上近づくと撃つと、言っている様に】
【白蜜の如き額に夜露の様な汗が伝う、良く見ていれば肩で息をしているのが分かるだろう】
【肉感的な身体が微かに揺らめく、一人で大勢を相手取るのだ】

【見た目以上に、刻まれた傷跡は大きい】

【それでも彼女は気高き顔色を変えようとはしない、秋波な目元に睫毛を溶かす】
【瞬きを一葉交わしたら、その先に残る朱色細工のマリンブルー】
【水差しの如き優美な首筋を何度か揺らして、吐息を流した】
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/09(月) 19:02:31.19 ID:/siaU4D+O
>>731

【カニバディールなら気付くかもしれない、彼女の表情はポーカーフェイスというよりかは】
【欠落、どんな表情はどんな気持ちに起因し、どんな感情に寄るのかを知らない様子で】
【痛みに顰める眉は、まるで肉体の反射だと言うように、それは何処か不幸な色合い】


思い上がりかしら、物事を正しく捉えていると、私は思うの
そうでしょう、肉屋のお兄様──貴方も内心ではそう、と考えているわ
危険がお好み? ヒリヒリと命が焼け付く様な日々を求めて?

でもそれはね、生者の驕りなの、力の強い者が適度なスリルを求めてるだけと、思うの
圧倒的な力を前に貴方は生を感じるの? いいえ、違うわ感じるのは恐怖
怯懦して、惨めに遁走するの、それが正しい反射なのだから

貴方は逃げ出しただけ、どうしようも無く強大な深淵から、足を竦ませて
雄弁な言葉ね、猛々しい響きなの、でも、どうしても空虚に聞こえるの
それはまるで、自分自身を鼓舞している様


【言葉は滔々と、詰まることなく流される】
【どこまでも冷たい響き、最早ソニアの面影など何処にもなく】
【時折見せる儚い雰囲気だけか、むしろ空しく響くのだろうか】

【───しかし】


──────!!!! ダメ、なの…………


【ポイゾニックの背中から噴き出される赤い霧、それを確認して彼女が飛んだ】
【近づく翔子を蹴り飛ばそうとし、彼女が直接赤い霧を受ける形で】
【成功したなら全身を赤い霧が覆った】

【漏れる嬌声、全身に走る痛みに、思わず膝をついた】
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 19:40:06.47 ID:1imGG22O0
>>731

「吠えよるな、蛮兵め!この国を世界を、我が祖国の誇りにかけて好きにはさせんぞ!!」

【抜刀した刀を、その切っ先をカニバディールの首に向けその指揮官が言い放つ】
【やがて、数多の轟音と共に機銃の大弾幕が襲う】
【しかし、またも、予想外の事態となった】

「様を見ろ!」
「最早生きては居まい!」

【しかし、しかしだ、それは甘い判断だった】
【非常に甘すぎた、そして彼らには何より機関との実戦経験が薄かった】

「な、何だと!?」
「あ、あれは……何と醜悪な……」

【機関銃部隊の銃弾を全て、全てその変貌した肉体によって受け止め】
【尚立って見せた】
【そして、肉をパージした後に満身創痍のカニバディールが現れた】
【同時に、前方にレギオルフォンも……】

「ぐうッ!!」
「あああッ!!!!」
「が、はあッ!?」
「何が、何があッ!!」

【一斉に放たれたナイフの投擲】
【それはまさに、刃の機銃の如く、前線の機銃部隊に襲い掛かる】
【足をやられ、腱を負傷し、時に機銃に命中し暴発を引き起こし】
【機関銃部隊はその場に総崩れとなった】
【負傷兵と、前線に出ようとする兵、衛生兵とが混雑するまさに戦場の様相】
【たった四人と一人によって引き起こされた、悪夢に相違無かった】

「こうなれば……止む無し」
「『カシ』をこれに!前線負傷者を下がらせた後カシに続き突撃!!」

【指示が下される、指示の後キュルキュルと、後方よりキャタピラの駆動音が聞こえるだろう】
【特型内火艇カシ、水陸両用戦車だ】
【面の多い角張った、武骨に過ぎるデザインのそれはゆっくりと、ゆっくりと指揮官の男の横に付き】
【そして、指揮官も抜刀し『身を乗り出す』形で搭乗、そのまま陣頭にて軍刀を振るい指揮を執る様だ】
【全歩兵突撃戦の構えを見せる】


「突撃イイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!!!」

【指揮官搭乗の戦車を戦闘に、銘々銃剣と軍刀で突撃を敢行する】
【彼らの戦闘はもはや佳境と言える】


//すみません、分割します
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 19:40:25.83 ID:1imGG22O0
>>733>>734>>731

「か、カチューシャ……」

【非常に甘い、あまりにも甘い考えだったのだろう】
【カチューシャの言葉は、あまりにも冷徹であまりにも以前とは違い】
【そしてあまりにも冷たい瞳だった】
【百か千か、はたまた万か、この少女は戦闘を修羅場を経験し過ぎたのやも知れぬ】
【それは翔子にとっては、決して埋まらぬ差】
【無論この少女一人では、カニバディールは歯が立たない相手だ】
【埋まる事の無い実戦経験の差だ】
【思わずも、その冷たい瞳に、言葉にたじろいでしまう……】
【もはや、彼女の言葉は死刑宣告のそれだ】
【覚悟を決めねばならない】

「私は、私の事は好きにしていい……」
「でも、ディミーアさんの、ディミーアさんの気持ちには答えてあげて」
「彼は貴女を、カチューシャを殺したくないの、本心は幸せになりたいの!」

【銃を向けるそう話すカチューシャに】
【こちらも短機関銃を向け、答える】

「ディミーアさんは、貴女を攻撃しないで欲しいって言ってた」
「でも、カチューシャが戦うなら、私は貴女を撃たないといけない……」

【銃を構える手は震えている】
【だが、次の瞬間】

「――ッ!?」
「ガッあ……」

【ポイゾニックの体から吹き出す毒の霧】
【カチューシャに蹴飛ばされ、難を逃れるだろう】
【しかし】

「か、カチューシャ……」

【地面に臥せった顔を上げ、上半身を上げ、毒の霧の中に埋まるカチューシャを見る】

「カチューシャアアアアアアアッ!!!!!」

【庇った?自分を?】
【冷淡な台詞とは打って変わった行動だ、いや、あるいは本心は……】
【その叫びは、まるで友人の危機に向けるそれのように、悲痛でそして渾身だった】
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 19:44:03.07 ID:1imGG22O0
//>>736一部修正をすみません

【ポイゾニックの体から吹き出す毒の霧】
【翔子はあまりの事に無防備で、そして対応も何も出来なかった】
【そのままであったならば、カチューシャに蹴飛ばされ、そして難を逃れるだろう】

//上記の個所を上記に修正でお願いします
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 19:56:50.02 ID:1imGG22O0
>>732

「うむ〜、よく解らないのだよ!」
「でも、これは二人にとっては必要な事なのだよ、だったら協力するのだよ!」

【少なくとも、自警団員と海軍諜報部は協力関係】
【その意識は少なからずある様子で】

「うーん、弾倉はあと一本しか無いのだよ」

【空のマガジンを抜き、新しい物を装填】
【どうにも、機銃でも持って来なければ希望は薄そうだが】
【そんな状況の中】

「ッ!?これはマズいのだよ……」
「二人はアレと戦えるのだよ?」

【石造りの巨大な魔導人形、ゴーレムだ】
【それも三体の大盤振る舞い】
【直ぐにクリスの後方に退避し、拳銃はその赤く光る部分を狙いながら】

「無理なら隙を作って撤退なのだよ、戦力も装備も不足なのだよ!」
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 20:03:32.58 ID:BUIrWYm+o
>>738

「戦うのは得意なんだけど……」

人を庇いつつ、というのはどうも僕ら苦手でして
そういうの、隊長は上手いんですけどね

【スクルータは困り顔で、クリスは苦笑しながら答える】
【つまり二人ならば何とかなるのだが、万里子を守りながらだと厳しいとのこと】
【謎の地響きはさらに続く。円形の部屋側の階段にも一体のゴーレムが現れていた】

あー……これはちょっと厳しいなぁ
仕方ない、逃げますか

「僕たちが引きつけるから、万里子はあいつらを撃ってくれる?」

【そう言ってクリス、スクルータの順で通路を塞いでいるゴーレムの元へと走り出す】
【円形の部屋側のゴーレムがこちらまで来るのには時間がかかりそうだ、射撃の時間は十分にあるだろう】
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 20:03:54.18 ID:ikvIQwXIo
>>734
【盗賊の眼力は確かに見抜く。その表情の不自然さを。まるで、生まれたてが故の無垢が如く】
【痛みに対する反応ですらも。内側はがらんどうであるかのように】

……く、ふふ。なるほど、人を見る目はあるらしいな
確かに、私は本質的には臆病な男だ。だからここまで生き延びて来た
スリルを求める、という点には流石に反論したいがね。自分が死なない程度の危険の中で生きたいなどという、野次馬根性は私にはない

肉で腹を満たす。己で食いちぎった肉で。私が求めるのはそれで、そのためにはこの世界が必要だ
要するに私は、今のこの世界が嫌いじゃあないんだよ。混沌渦巻く、この世界がな

……怯懦して、惨めに遁走する。足を竦ませて深淵から逃げ出す。そこまでは、まあ認めよう
だが、私はそれでは終わらんぞ。機を伺う。そして、深淵に食らいつく。彼奴等が見ようともしない、足元からな

自分自身を鼓舞する程度は、まあ見逃してもらいたい。こちらも命がかかっているのでね
だが、空虚か……私には、お前も同じに見えるがな

その顔。意図して表情を出していないのではなく、まるで知らないようにしか見えん
痛みに対する反応すら、精神ではなく肉体のものだ。カチューシャ。そんな名前の女は、私の目には映らないな
お前は、ソニアの残骸だよ。どこにも立っていない、死に損ないの虚ろな人形だ

【侮蔑の言葉を投げる。三つ目の視線は、冷徹な観察の色を宿したまま】
【彼女の内側に、本当にソニアは残っていないのか。それを見極めようとするかのように】
【そして、次の瞬間。彼女がとった行動は、どう見るべきだったのか】

〈ああ……!! 手に穴が空いてしまった!!〉

【ピンヒールから解放されたポイゾニックが、手を庇いながらカニバディールの下へと退却しようとする】
【放たれた霧は、すぐに晴れるだろう。あるいは、何らかの手段で振り払うことも可能なはずだ】
【カニバディールは全身に受けた機関銃の傷に呻きながら、そうした危機よりも先にカチューシャの行動に目を見開いていた】

(庇った……? 先の言葉といい、あの女を戦場から遠ざけようとしているかのような……)
(ソニアの欠片が残っているのなら、あるいはそれを引き出してやれば無力化も……いや、そう簡単な話ではないか)

>>735
くく、ははは……!! その誇りが本物なら、私などよりも魔能制限法のような、狂った征服の為の一手に立ち向かうべきだと思うがね……!!

【顔面から血を流しながら、カニバディールも言葉を返す。視線は指揮官から外さないまま】
【続く兵士たちの驚愕には笑って見せたものの、流石にこれを防ぐには相当の体力を使ったか、カニバディールの巨体がよろめく】

〈あんたの部隊は精鋭だが、不測の事態には慣れてないな。教育が必要なんじゃないか、指揮官殿〉

【皮肉っぽく笑いながら、傷ついた足でよろめきつつレギオルフォンが立ち上がる】
【だが、その耳に届いた指揮官の言葉と駆動音には、流石に青ざめた様子を見せた】

……盗賊相手に戦車とは、鶏を割くに牛刀を用いるような真似を……!! その武骨さは嫌いじゃあないが、もっと他に使うべき場面があるのではないかね……

(一斉突撃を食らえば、流石に不味い……こうなれば、撤退戦だな……やってやろうじゃあないか……!!!)
レギオルフォン、ポイゾニック!! 強行突破する、中に戻れ!!

【首領の言葉を受けて、即座に二人の配下はその巨体に重なるように消えた】
【一人残った満身創痍の裏切り者のナンバーズは、全身に力を込めて肉の隅々まで神経を行きわたらせ】
【こちらへと突撃してくる、戦車と兵士を、鉄と肉とを睨みつける】

がああああああああああ!!!

【吠えるカニバディールの全身が再び膨張し、5メートルはあろうかという赤褐色の肉の巨人がその場に現出した。カニバディールと同じ三つ目】
【四つん這いになった肉の巨人は、這うように走り――――】

>>736
指揮官殿、部下の轢殺死体はきっちりと回収してやることだ!!!

【あろうことか、真正面から戦車に向かっていくかのように見せて、カチューシャと翔子のいる方へと走ったのだ】
【このままいけば、二人は巨人に轢き潰されるだろう。二人が、恐るべきナンバーズと櫻の精兵でなければ、確実に】
【そのリスクを飲み込み、カニバディールは巨人の姿で走った。全身に負ったダメージを引きずりながら、己の生へと向けて】
【結果がどうなろうと、カニバディールはそのまま走り抜けてこの場から逃げ去ろうとするだろう】
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/09(月) 20:22:10.95 ID:/siaU4D+O
>>736

【全身に奔る痛み、それ単体は小さくとも、彼女には大きな楔であった】
【二丁の巨大な銃、扱うには全身の繊細な感覚が必要】
【ならば余計に受けてはいけなかった、ポイゾニックの一撃を】

【座り込んだまま、数回身体を震わせた、大きく吐いた息に疲労が交じる】
【息も絶え絶え、立ち上がるも、伸びた脚線が小刻みに震えている】
【乱れた髪から覗く瞳、苦悶に喘ぐ少女のそれ】


……っ……素敵ね、しょーこ……そんな風にね、呼ばれると、嬉しくなるの……
げほっ──……ねぇ、しょーこ、貴方は戦いを、どう思うの
私はね、知ってるの、戦いが苦しくて、痛くて、辛くて

だからこそ、どうしようも無く惹かれるの、鮮やかな痛みに愛されたくて
不思議ね、不思議なの、とーっても、昔はこうじゃなかったって言われるけど
仕方ないの、──んっ、ぁっ……今の私は、こうだから

みんな言うの、カチューシャの事を、ソニアだって、言うの
其れは仕方ないのかもしれないの、私の知らない私は、また誰かに愛される人だったの
其れはそれで嬉しいから、其れはそれで幸せだから


【────でもね】


今生きてるのは、ソニアじゃなくて、カチューシャなの、そうなってしまったから
だから私は思うがままに生きるの、其れが我侭なのだから
……ディミーア、ディミーアはどっちの私を、愛してるのかしら

私は傷つけるの、どうしようも無く傷つけたくなるの、其れが愛だと思っているから
否定出来ないの誰にも、そう作られてしまったのだから、変わらなくて


……バカみたい、みんなみんな、私じゃなくて、ソニアが好きなの


【心情を吐いた、とくん、と水面が揺れて───】

【落陽が宵月を呼び、月下に映る白百合の少女をする鮮やかに照らす】
【傷ついていた、左腕の無残な傷口、乱れた髪が頬に張り付く】
【それでも尚、気高く咲き誇る、雪と月と花──全てを彼女は宿して】
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/09(月) 20:22:21.77 ID:/siaU4D+O
>>740

【傷つきながらも彼女は言葉を紡ぐ、導く先の意味を探して】


口で言うのは誰でも出来るの、惨めで憐れな遠吠えにしか、聞こえないけど
噛み付くだなんて言葉だけ、結局肉屋のお兄様は仲間を集めて慰めあってるだけなの
お笑い種ね、本当に残念だったの──側に居てくれたなら可愛がってあげれたのに

たまには私の身体を鬻いでも良かったの、逞しい腕に抱かれるのは好きよ
側に居るのなら貴方は美しい異形だったの、でも
底に居るのなら貴方は醜い異形でしかないの


【カニバディールの言葉に音を返す、まだ、表情は変わらない】


ええ、知らないわ、こんな時どんな顔をするかなんて教えてくれなかったの
苦しそうに喘げば喜ばれたの、気持ち良さそうに悦んだら可愛がられたの
それ以外に何か必要かしら、貴方も私も他人に求めるのはその程度ではなくて?

肉屋のお兄様が他人を傷付けるのは、其れが楽しいからでしょう
腹を満たし心を満たし、世界を乱す、変わらないわ、私も貴方も何方もね
だから貴方も人形なの、私も貴方も運命に絡め取られた奴隷

───信じてるの、私は私の『彼』を、素敵な素敵な"OMERAS"を

そこに行けば少しは、マシな私になれるかもしれないから


【硝子細工の翼が咲いた、翔子を抱き抱え、高く羽ばたく】
【月を背にカニバディールから回避しながら、翔子は軍の方向に下ろす】
【少しだけ、言葉を考えた。──それでも見つからず】

【そのままカチューシャも、逆方向に飛び去っていこうとする。】
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 20:50:05.88 ID:1imGG22O0
>>740>>741>>742

「世迷言を……不当なる征服者は、貴様ら機関員ではないか!!」

【戦力を出し惜しみする、彼はそんな愚将では無かったと言う事か】
【身を乗り出し、兵を指揮し、鼓舞し、そして】

「来たぞッ!!全員突撃に備え!!」
「カシ!!砲撃翌用意――ッ!?」

【進めや進め諸共に、玉散る剣抜き連れて、死する覚悟で進むべし】
【一気呵成、死力をかけた衝突戦闘、そうなると誰もが思った、思ったが】

「部下の、轢殺?何だと……曹長!?」

【カニバディールとその一味は急旋回】
【向かった先に居るのは、機関員と思しき狙撃手の女性と那須曹長】
【一筋の汗が伝う、なるほどこれが狙いだったか、と】
【手薄なる陣形の隙を突破、撤退、敵乍ら天晴な戦略眼】

「急旋回!!あの化け物を逃がすな!!」

【水陸両用戦車はその車体を旋回、カニバディールに向かって再び突撃を敢行】
【あるいは、見捨てなければならない、とも覚悟を決め乍ら】
【一方で】

「カチューシャ、毒が……待って今……」

【毒のダメージは、やはり大きい様だ】
【痛みにか、身体を小刻みに震わせる】
【それでも、それでも彼女は言葉を紡ぐのを止めなかった】
【麗しい唇から、綺麗な瞳から、全ては潤いと氷の冷徹さを伴って】
【しかし、先ほどの様な戦場の冷たさとは違う物だ】

「……辛いよ、辛い戦いたくない、本当は直ぐにでも櫻国に帰りたい」
「でも、戦わないと……もっと苦しい思いをする人たちが、沢山出るから……」

【魔能を持ち異能の不当なる侵略から祖国を防衛する】
【是が魔導海軍の根本だ】
【故に、と言うわけではないが出会った人々は】
【中尉も少佐も、ディミーアも、赤木も、詩織も、レオーテヴュートも、へケメトもアウも、鵺も、鳴神も、何よりカチューシャも……】
【全ての人々が防衛すべき対象であり、仲間、祖国だと】

「カチューシャ、知ってる?」
「ディミーアさんは、カチューシャの事『ソニア』なんて名前で呼ばなかった」
「私も、そんな名前知らない、カチューシャはカチューシャだもの……」

【もしくは、カチューシャの真意は……】

//すみません、分割します
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 20:50:20.32 ID:1imGG22O0
【そんな中】

「ッ!!??」
「カチューシャ逃げて!!」

【巨大な肉塊、肉の巨人と化したカニバディールが向かってくる】
【カチューシャを庇おうと、短機関銃を構えるも】
【優しく抱きしめられる】
【そして、脚が空を蹴る感覚】

「カチューシャ?」

【まるで、まるで幻想的な天使だ】
【月の光を背に、まるで天の御使いのように飛翔】
【何とも、何とも優しいのか硝子の天使は】

「あれは?一体?」
「彼女は本当に機関員なのか?」

【間近で見た海軍将兵は、突撃を止めそう口々に呟いた】
【上手くすれば、海軍部隊前線に降ろされ】
【そしてカニバディールとカチューシャのそれぞれの撤退を見送る事となるだろう】
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/09(月) 20:51:43.02 ID:ea0RtMCAo
>>686
【狂気に傷ぬその姿に、彼は自分を重ねた。そして目を背けたくなった】
【信念のまま狂う狂人と、御託を述べて逃げる俺も狂人。何が違う?】
【狂いきれぬ狂ったクソッタレ。酔ってるのはどっちだ。クソッタレは俺だ】

長雨にならないことを祈るよ。

【それだけ言って、彼は立ち去った。雨はその言葉通りに10分もすればやんだ】
【男は上がるまでずぶ濡れで、路地裏を歩いていた。僧の言葉が頭の中でリフレイン】

「同じ臭いがします」

【決して取れないこの臭い。過去とともに引きずって歩く。前にしか進めないのに足取りは重くなる】

どうしろっていうんだよ。

【誰に言うわけでもなく。頭の中でリフレイン】

「同じ臭いが―――――」

/こちらもこれにて締めにいたします!ありがとうございました!
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 20:57:32.15 ID:1imGG22O0
>>739

「うう……ごめんなのだよ、足手まといだったのだよ……」
「解ったのだよ!」

【クリス、スクルータにそう答え】
【そして、その赤く輝く目の部分に狙いを定め】
【拳銃を発砲して行く】
【なんとか、足止めくらいは果たさねばと】
【階段のゴーレムを相手にする、二人を背にし】
【果たして、弾は命中するのだろうか……】
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 21:06:35.94 ID:ikvIQwXIo
>>742
……言葉に証明の力がないのはその通りだがな
それでも言おう。私の仲間は慰め合うような温い間柄じゃあない。全員が私自身で、私が全員だ
仮に傍にいたところで、お前如きに可愛がられるレベルではないよ、我々は

悪いが、娼婦は行きつけがいるので間に合っている
どこにいようと、私は醜い異形だ。いる場所で私は定義されはしない
私は、私だ。ソニアの残り滓であるお前とは違ってな

【カニバディールも、肉の巨人越しに変わらぬ表情で彼女を見る。どこまでも醜悪なまま】

教えられなかった、か。お前がカチューシャではなくソニアとしてしか見られないのは、その辺りにも原因がありそうだ
つまり、お前は自我が薄い。エゴが薄弱なんだ。私が他人に求めるのは、私自身の利であって喜びや愛玩じゃあない

楽しいから? 違うな。それが私の利益だからだ
あるいは、運命に絡め取られているのは確かかもな。だが、私は抗う。無様にくたばるその瞬間までだ

マシな私≠ゥ。その信仰が、裏切られなければいいな――――カチューシャ

【蝋ではなくガラスの翼。すれ違う刹那、カニバディールは彼女を見はしなかった】
【いくら言葉を弄んでも、自分はやはり空虚な盗賊。小悪党だ。だが、動き続ける。命ある限り】

【絡みついてくるカチューシャの言葉を振り払うように、異形は駆け続けた。この道は己で選んだものか、それとも誰かの掌の上か】


>>743
ははははは!! なるほど確かに、機関は今まで不当な征服をあちこちでやっては覆されてきたから、それには返す言葉もないな!!
だが、心しておけ!! 悪とは必ずしも、私のようにわかりやすい邪悪ではないということをな!!

【いざとなれば命も惜しまず、先陣を切って突撃してくるその勇将ぶり。つくづく、相手が悪かったと己の不運を呪いつつ】
【彼らの勇猛を、誇りを、人々を思う心を前に、全力の敵前逃亡を開始した】

逃げ足に関しては、盗賊が軍人に勝る数少ない要素だ!!
さらば、指揮官殿!! 戦車の砲弾はもっと大きな敵にとっておけ!! おそらく、使う時はそう遠くないぞ!!
今日のところは、負傷して部下たちをいたわってやるといい!!

【旋回する戦車に追いつかれる前にと、異形は走る。翔子に向かって走ったのは、背後からの砲撃を少しでも躊躇わせるため】
【異形どもは己の都合の為、二人の女性の間を土足で通過していく】

>>744
【構えられた短機関銃が放たれることはなく。あるいは、その弾丸を受けていれば逃げきれなかったのかもしれない】
【悪運もまた、異形どもの武器。カニバディールは天上を舞うカチューシャとは対照的に、地を這いずりながら突き進む】

今回は戦えなくて残念だ、女曹長!! 次会う戦場では、お前の肉も味わわせてもらいたいものだな!!

【きっちりと翔子にも捨て台詞を残しつつ、異形の巨人は逃げ去っていく】
【やがて、その姿がみるみる小さくなり。内側から吐き出されたカニバディールは、路地裏へと消えていった】

【水の国市街に降って湧いた大混戦は、こうして幕を下ろす。しかしそれは、新たな戦いに繋がる一幕に過ぎなかったのではないだろうか――――】

/これにて締めとさせていただきます。長時間ありがとうございました!!
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 21:12:19.23 ID:BUIrWYm+o
>>746

【ゴーレムの動きは遅いために瞳の部分にはそのまま着弾。甲高い音を立てて破裂する】
【弱点の一種であったらしく、弾丸の命中した三体は動きを停止していた】
【階段のゴーレムも二人の手によって機能停止に追い込まれていた。すぐに二人が戻ってくる】

帰路は何とかなりそうですね

「早く戻ろう」

【クリスが万里子の身体を持ち上げようとする。断られなければそのまま抱えて走り出す】
【あとは地上まで駆け抜けるだけだ。幸いなことに道中、ゴーレムの妨害などはなかった】
【トラップの類も行きで大体起動していたらしく、地上まではスムーズに行けるだろう】

【そうして三人は車まで戻ってくることができた】
【万里子を抱えていたかどうかに関わらず、棺桶を背負っているのにクリスは平気そうだ】
【一方でスクルータは息があがっていて肩が上下していた。身体を屈めて大きく息をしていた】
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 21:22:56.97 ID:1imGG22O0
>>747

【捨て台詞を吐きながら逃亡する、カニバディール】
【肉を味わう、とは意味が通じなかった】
【首だけを伸ばし、指揮官を攻撃せんとしたことにも関係があるのだろうか?】
【兎にも角にも、強大にして凶悪なる機関員カニバディールを退けた】

「カチューシャ……」

【那須曹長は、カチューシャが飛び去って行った空を見つめていた】
【顔は非常に悲し気で】

「陸戦隊全軍!負傷者を収容後撤退する!」
「民間人の負傷者が優先だ!各兵は付近の確認と収容作業を急げ!」

【一方でたった四人と一人に、ここまで追い込まれた櫻国海軍陸戦隊は穏やかではなかった】
【指揮官の指示の元、負傷民間人と将兵を収容後、速やかに撤退して行く】
【この日の負傷兵は百名近くに上ったと言う……。】


//お疲れさまでした!ありがとうございました!
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 21:29:35.76 ID:1imGG22O0
>>748

「よし!何とかなったのだよ!」

【ゴーレムの動きを停止後、再び合流する】
【前方も無力化には成功した様だ】

「うおッ!?クリス!?と、突然どうしたのだよ!?」

【所謂お姫様抱っこの姿勢だろうか】
【あまりに突然の事に、困惑し、そして成すがまま抱きかかえられ】
【そして難なく、車の元に】

「……」

【顔を赤くして俯き気味だ】

「……なのだよ」
「こんなの、初めてなのだよ……」
「こ、こんな、抱かれ方……」

【顔は異様に赤く、クリスを見る目は何故か潤んでいる】
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 21:38:24.99 ID:BUIrWYm+o
>>750

いやぁ、無事に地上に出れて良かったです……ね?

【お姫様抱っこの状態のまま、安堵した表情を浮かべるクリスがふと万里子に視線を落とす】
【顔は真っ赤な上に瞳が潤んでいる。「えーっと」なんて言って一瞬困り顔をするが】

初めて、ですか……それは何とも
貴重な経験というか、その相手が僕で良かったのやら悪かったのやら
いや、光栄ですね、あはは

【と、柔和な笑みを向けていた】
【「じゃあ折角ですので車まで」と、抱えたまま車まで歩いていこうとまでしている】
【嫌がったり暴れたりしたら、もちろん下ろす気ではいたが】
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 21:44:17.87 ID:1imGG22O0
>>751

「うッ……」
「ず、ずるいのだよ……わ、悪くは、なかったのだよ……」

【それだけ答えると、ぷいっと顔を背けてしまう】
【最も、抵抗したり嫌がったりする様子は、全く無い】
【完全に身を任せている状態だ】
【こうなると、スクルートの様子も気になる所ではあるが……】
【兎にも角にも、車に運べばそのまま運転席に乗るだろう】
【そして助手席にクリスが乗っても、もう何も言わない筈だ】
【と言うよりも、明らかに口数が減っているだろう】
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/09(月) 21:53:59.88 ID:wT2TaLJ2o

【水の国】


【首都・フルーソのとある大学ではこの日、広く一般市民にも開かれたシンポジウムが開かれていた】
【主題は“能力者と社会”。 ──魔制法に賛成、反対双方の論者を招いて開かれたものだったが】
【その実態は、反対派の論者を賛成派の大学教授やジャーナリストが袋叩きにするという内容だった】
【── “そのような内容”だからこそ、大学当局の許可が出たのだ、とも言える】

【登壇者の中に、1人の軍人が居た。立場としては“中立”になるのだろう】
【彼は国軍を代表する者として通り一遍の公式見解を述べ続けるに堕していたが】
【最後に一言、とマイクを渡されると──、】


軍人というのは困難な文脈で生きる存在だ。
暴力装置、と誰が言ったかは知らんが、強ち間違いではない。──、我々は、弾丸だよ。
銃ではない。トリガーは法だ。それを形作り、指をかけるのは民主的正統性に他ならない。
私は能力者でもあるが、軍人だ。魔制法がこの首都に適用されれば、従うつもりでいる。
何故か、と問われれば、先に述べた通り。気分を害する者も居ようが、“この言葉”しか理由はない。


 悪法もまた法だよ。



【胸元の“金狼”を輝かせて、皮肉げな笑みと共に鼻を鳴らし】
【後に予定が詰まっている、と述べて、さっさとホールを後にしてしまった】
【“あなた”がもし、この軍人に興味を持ったのなら、追いかければ校門を出た辺りで捕まるだろう】
【そうでなくとも、大学から出て来る軍服姿の男、という奇異な存在に目を取られるのかも知れないし】



「……。 馬鹿じゃないの、あの人。」



【或いは、軍人の暴言と途中退席にざわめくホールの席で、呆れたようにそう呟いた夜色の少女の横に座っていたりもするのかも知れない】
【彼女の言葉と表情は、軍人のことを個人的に知っているようなそれでもあった】
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 21:55:31.18 ID:BUIrWYm+o
>>752

【万里子の反応にクリスは首を傾げていたが】
【息を整えてからやってきたスクルータがこれ見よがしにため息をついていた】

な、何、そのため息は

「別にぃ? 随分とキザなことしてるなと思ってさ〜
 助手席は譲ってあげるよ〜」

【スクルータがにやけた顔をしていた理由がクリスにはどうにも分からなかった】
【その後、クリスは万里子を車まで運んでゆっくりと下ろして】
【スクルータが後部座席に乗り込んだ後、棺桶を入れて、自分は助手席に座ったのだった】

【後は来た道を帰るだけだ。念のため、クリスが地図を使って案内はするのだが】

えっと、大丈夫ですか?
調子が悪いなら少し休憩しても……それともやっぱり、怖かったですかね?

【口数の減っている万里子に、クリスは心配するような声をかける】
【体調が悪いのでは、などと思っているようだった】
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 22:17:34.68 ID:1imGG22O0
>>754

「ち、違うのだよ!」

【帰りの道の中、どの様な計らいであるかは、この場合問われないだろうが】
【スクルータの計らいにより、助手席はクリスが座る事に】
【そんなクリスの気づかいに、ややむすっと答え】

「解らないのだよ……」
「この感情も感覚も、説明が出来ないのだよ……」

【顔を赤くしながら、またもそっぽを向き運転してしまう】
【どうも、不器用で、変な部分が初心である様子だ】
【そのまますれば、車は街に着くだろうか?】
【元居た軍港に……】
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 22:30:21.92 ID:BUIrWYm+o
>>755

体調が悪いわけじゃないのなら、いいんですが……?

【違うと言われてしまっては、クリスとしてもそれ以上言うわけにもいかず】
【何だか様子がおかしいので、道中の運転には些かの不安があったがそのままにしておくことにした】
【バックミラーにはにやにやしているスクルータの顔が映っていたりいなかったり】

【車中の様子はともあれ、無事に一行は軍港に戻ってくることに成功した】
【ちらり、とクリスは万里子の様子を伺ってから、助手席から降りる】
【後部座席から棺桶を取り出して身体に巻きつける。その後、スクルータも車から降りる】

結構、大変でしたね
どうにもあの宝玉を取るには準備が必要そうです

【車から降りるであろう万里子にクリスは声をかけるのだった】
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/09(月) 22:37:40.10 ID:1imGG22O0
>>756

「う、う、あ、うん、た、大変だったのだよ!」
「準備を万全にしないと、い、いけないのだよ!はははー!」

【そう話しかけられ、答えはしたが】
【どうにも、回答が危うい】
【顔は依然赤く、そしてしどろもどろな反応】

「そ、そうなのだよ!じゅ、準備の為なのだよ!準備の!」
「そう準備の為に、こ、これを、渡すのだよ!」

【やたら準備のため、を強調し】
【自分の連絡先、住所を書いた紙を渡す】
【無論、おいそれと渡していい物ではない】
【あくまで櫻国海軍諜報部として、必要がある場合と相手に限られるのだが……】

「そ、それじゃあ!い、行くのだよ、な、何でも連絡するといいのだよ!い、家にも来て……いいのだよ……」

【そう言うと、最後は声が小さかったが】
【再び車に乗り込み、何もなくば、軍艦の元に向かうだろう】



//こんな所で〆でしょうか?
//お疲れ様です、ありがとうございました!
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/09(月) 22:57:08.01 ID:BUIrWYm+o
>>757

ほ、本当に大丈夫ですか?

【流石のクリスも心配に力が入ってくるが、”準備のため”を強調した上で紙を手渡される】
【連絡先に家の住所まで。とても準備のための情報量だとはクリスでさえも考えなかった】
【しかし意図について尋ねるよりも先に、万里子は車に乗り込んで軍艦の方へと走り去ってしまった】

…………えーっと
これは、準備のために、家に行った方がいいのかな……

「準備のために、行ってあげた方がいいんじゃな〜い?
 モテる男は大変だねぇ」

【困り顔のクリスに意味深な言葉を向けるスクルータ】
【結局、遺跡で目的の物資は獲得できなかったが、何やら違うものを手に入れてしまったのだった】

//お疲れ様です!
759 :特区 A [saga]:2018/04/09(月) 23:54:24.08 ID:1M3Q1Sneo
>>481>>514

【厳島の突進を受けた警官は、その勢いのまま大きくつんのめって倒れる】
【そこへ続けざま掛けられた関節技も滑らかに決まり、警官の身は完全に拘束された】
【──はずだった】

【ぎ、ぎぎギぎ……】

【その時、警官の身から、生物にはあるまじき軋音が響くだろう】
【と同時に、厳島の拘束に並ならぬ力で抗い始める】
【それは鍛え上げられた軍人の筋力さえものともせず、徐々に起き上がり始めて】

「目標、補足──距離──12.3721m」

【あろうことか、厳島に組み付かれたまま走行を開始せんとするのであった】

【──が、その刹那】
【がンっ──と硬質な音がして】
【警官の身が頭部から勢いよく地面へと激突した】

【──条件一致、引用します=z

 『良い子はおねんねの時間よ』

【──淡々たる声】
【厳島が押さえ込んでいる隙に、センターから飛び出して駆け寄ってきた『レイ』が】
【その手で頭部を鷲づかみにすると同時、疾駆の勢いのまま地面へと叩き付けたのであった】

(厳島さん、助かった──! 後はその子に任せて!)

【『正夢』からの通信が、彼へも急ぎ脱出する旨を告げる】
【──遠くからサイレンが近付いてくる。悠長にしている暇はなさそうで】


【駆けるディミーアへ及ぶ妨害は無い】
【すぐさま区域の外が見えてくるはずだ】
【そこで待つのは、トラックの後方扉を開けて何やら荷卸しする業者を装った一台】

【その中へ駆け込め、と通信が入るはずだ】
【厳島もすぐに追いつくだろう。彼が追いついて乗り込めば】
【つなぎを着て帽子を目深に被った何者かが、手際良く扉を閉めて、運転席へ】

【すぐさまエンジンが唸りを上げて、車体が動き出す──】
760 :特区 A [saga]:2018/04/09(月) 23:55:14.83 ID:1M3Q1Sneo
>>418>>514

【──その頃】

【『レイ』に押さえつけられていた警官が】
【その両腕で地面を押し、力に抗って起き上がり始める】
【ぎ、ギギ……と両者の人工筋肉が揃って軋みを上げる】

【やがて完全に立ち上がった警官は、腰の警棒を抜き放つと同時、それで『レイ』の横顔を正確に一撃した】
【ご、ン──っと鈍い音がして、『レイ』の頭部が180度後ろへ捻れる】
【が、そこから更に180度の捻転が加わって、顔面が再び正面へと戻る】

【警官が真顔で首を傾げる】
【レイもまた応じるように無機な顔で小首を傾げ】

【刹那、破裂音】
【レイの右腕が鞭のごとく鋭く振るわれ、亜音速の張り手が警官の横顔を打ち据えていた】
【その衝撃は頭部だけに留まらず、上体を曲がるべきでない方向と角度に折り曲げていた】

【警官は、ばち、ばちり──と電荷の漏れる音と共に沈黙、不規則に痙攣するだけのがらくたと成り果て】
【そこでパトカーが、遠くに姿を現した。それを視認したレイは即座に踵を返し、疾走を開始】

【それはやはり陸上のアスリートの如く洗練された身体駆動で】
【しかして表情は無のまま──警官達の目の及ばぬ区域外のどこかへと、姿を眩ませていった】
761 :特区 A [saga]:2018/04/09(月) 23:56:30.54 ID:1M3Q1Sneo
>>418>>514

(──大丈夫? 二人とも)

【車中にて】
【剣士と軍人、二人の勇壮な男をこき使った声の主から通信が入る】

【彼女は二人の無事を確かめれば、心底安堵したように息を漏らし】
【それから神妙な声で、彼らへと礼を述べるだろう】

【それから、このトラック内は電波暗室であること、】
【従って今は追っ手も掛かっていないことなどを告げてから】

(──調べたかったのは、『特区』のインフラ整備に関わってるものが何なのかってことだったの)

(これだけ大掛かりなシステムと機材が、一体どこから来るのか……)
(外から調べてるだけだと、どうしても辿り着けそうになくて)

【だからいっそ現物を捉えて解剖してしまおうという次第だったらしい】
【そしてそれは、彼らのお陰で叶うことになった】

【『魔制法』の成立から運用開始までの速度もさることながら、】
【それを可能にする各種設備とシステムの供給と整備も尋常ならざるものがあった】
【それらは表向き、政府と民間各社との綿密な連携による賜物だということになっているが】
【果たして、そんな都合の良い話があるものだろうか──市民の大多数は疑わないそこに真実があると睨んだ】

(──少し調べて、何か分かったらまた連絡する)
(二人とも本当にお疲れさま……居心地の悪いところだろうけど、降ろせるところに着くまで少し休んでて──)

【そうしてトラックは、揺り籠にしては少々乱暴に揺れながら、無機質な幸福の街から遠ざかっていった──】


/という感じで、大変遅くなりましたが〆とさせていただきます。
/お二方とも、お付き合いありがとうございました!
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/09(月) 23:58:09.87 ID:uLCzrKwXO

『らっしゃい。御主人様は元気かい』

お陰様で、変わりないご様子です


【ここはがらくた市】
【玉石混淆とはよく言ったもので、立ち並ぶテナントには紛い物から掘り出し物まで、人々の選眼を試すように並び立つ】
【その中の一つ、廃品機械引取業を営む髭面の店主は、軒先をくぐって店に現れた馴染みの客を出迎えた】
【丈の長いエプロンドレスに桃色のミディアムヘア、そこに添えられた白いカチューシャ】
【黒曜石の如き瞳を持つ、愛想のない女であった】
【ここ何ヵ月かの馴染みとはいえ、未だ気さくな仲とは言い難い。偏に女の鉄面皮が原因で。苦笑混じりに店主が話を振っても、最低限の回答のみ】
【まあそれでも客には違いない。咳払いして商売用の顔を貼り付ける】

『今日は何が要り用だい?』

レジデナス社製不凍メチルオイル10L、高純化タービンU型、発火磁鉄鋼8kg、E型レンチ――――

『お、おう』

【途端、立て板に水の勢いで品名並べ立てるのに、目を白黒させる店主であった】


――――


【時刻はおやつ時。買い出しを終えたメイドは荷物を手に帰路を進む】
【人がそっくり丸ごと入りそうな木箱は明らかに積載過多なのだが、細身に似合わぬ膂力で肩に担いで】
【通りを曲がった所で腹の辺りに衝撃を覚えた】
【目線を下ろせば5、6歳の男の子。手にはひしゃげたソフトクリームが】
【エプロンを汚された女と少年の目線が無言で絡む】
【不意に荷物を下ろし、手を持ち上げた。それを見て子供はびくっと震えて逃げていく】
【その背を見送る、差し出された手には、フリルのハンカチが握られていた】
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/10(火) 00:05:35.62 ID:DLWSPUoOo
>>677

【鏡片は過剰なエネルギーを保ちながら、彼女の肉体を裂かんとする】
【さながら散弾銃のように、軍服を軽く裂いて肉体を喰っていった】
【彼女のような強靭な肉体でも、耐えられる筈がない。少女はそう高をくくっていた――――】


   「ひぃッ!?」


【恐怖の色を帯びた、甲高い少女の悲鳴】
【あれだけのダメージを受けても、未だに鏡の縁を掴む手は離れない】
【流石に怖気づいたのか、彼女の顔を凝視した。血みどろになっても、獰猛な笑みを浮かべるそれ――――】

【少女が彼女の手の内にある鏡を取り返そうと奮闘していた時だった】
【方向は表路地の方、一生懸命になっている少女はその言葉を聞けずとも、研究者然の女はその声を聞いた】
【ポケットから煙草を取り出し、それを咥えたなら。抵抗を続ける少女の方を向いて】


「おい、撤収だ。これ以上ことが面倒くさくならないうちにな」
「ええ、暫くお待ち頂ければ――ッ」


【フルプレートアーマーを身につけた、騎士と思わしき少女が入ってきて】
【恐らく彼女も善のそれであろうし、軍服を身につけた人物を血みどろにさせている時点で】
【此方が悪と見られるのは必然であろう。少女も鏡を取り返さんと、一層力を込めて】

【もし彼女の手が鏡の縁から外れれば、少女はそれを魔力へと戻す】
【そして、研究者の女を背に負ったなら路地裏の奥に向けて走りだす筈である】
【――くしゃくしゃになった名刺がひとつ、地に落ちた】

【カノッサ機関第11研究所、赤崎桐子――指名手配されている人物の、それだった】
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/10(火) 13:19:39.26 ID:6AwwyWZn0
【風の国――UT店舗内】
【暖かい春の空気を取り込むように開けられた窓からひらひらと風が吹き込んでカーテンを揺らす、古い木の扉も、隙間程度に開けられていたから】
【店内を覗くことは誰だってできただろう、壁に掛けられたいくつもの銃器や武器に机と椅子、漏れて来る音はほとんどなく、かすかにテレビの音がするだけ】

――――……、

【――だけどようく覗き込めば、そこに一つの人影があるのに気づくだろう。客用の椅子に腰かけているから客なのかと思えば、周りに店員などは見当たらず】
【机の上には本やノートが広げられていて。だけれど視線は一か所を向いたまま動かない――店内に据え付けてあるテレビ。それを見つめて】
【しばらくそうしていたのだけど――手に持っていたシャーペンをぱたんと机に置いたなら、ため息交じり、ぎしりと椅子を軋ませて、のけぞるみたいに、身体を預けた】

【肩を撫でる長さの黒髪がさらりと雪崩れて垂れる、真っ白な肌と華奢な首筋をうんと晒して、何か考えるみたいに噛んだ唇も、また、よく目立つ】
【あどけない顔の中でよく目立つのが左右で色の違う瞳だった。黒色と赤色の一対は誰かが嵌めるときに取り違えてしまったかのように――疲れた風に、緩く閉じられ】
【濃い赤色のワンピース。五分丈のパフスリーブにレース編みの黒い付け袖から覗く指先はひどく華奢に白いもの、スカートは幾重にも布を詰め込まれて、丸く膨らんで】
【だからこそ足の華奢なのがかえって目立ってしまっているようだった、高いヒールのショートブーツ。お行儀よく揃えた膝――ただ上半身はお行儀が悪いけど】
【少女、だった。十六歳ほどだろうか――あるいは訪れるひとによっては彼女がここの給仕、であると知っているかもしれないけど。そうでなければ、なんだか、変なひと】

はあ――、……お昼寝、したいなぁ……。

【長いため息一つ。まだ身体を起こさないままで、伸びた手は机の上をぱしぱしたたくみたいにしながら何かを探す、やがて探り当てるのはテレビのリモコンで】
【なんにも見ないまま、ぷちっ――と電源を落としてしまう。そうすれば店内は余計に静かになって、その代わりに、少女の鈴の音によく似た声が、しゃんと響く】
【あるいは――誰かがその前に来たのなら、テレビが報じていたのは昨日の水の国の事件……だったと気づくだろう。けだるげな少女は今度は身体を机に預けると】
【だしっぱなしのノートも本も忘れちゃったみたいに、ふにゃあと突っ伏して――ふと、ひどく褪めた目が、わずかに開けたままで固定されている扉へ、向いていた】

/次お返事できるの夕方ごろとかになるかもですが……
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/10(火) 16:55:08.13 ID:ca54vHM6o
>>764

【からんころーん、と扉が開く】
【特筆すべきは声、扉の開いた音を口で言ってる】
【扉の方に目を向けたら、人影の残照だけが見える、そんな速度で】

【人影は背後へ、振り向いたなら近くの照明に逆さまにぶら下がっているだろう】


やっほー! お鈴ちん元気にしてた?
しっかしまぁ、お鈴ちんも油断しすぎじゃない?
なーにその体勢、襲ってくださいと言わんばかり!

やってきたのが鵺ちゃんだったから良かったものの
ここに荒くれ者がエントリーしてきたらどうしたの?
道場破り的なサムシング、お鈴ちんには対応できないでしょっ


【純白の長い髪をツーサイドアップにし、黒いコサージュリボンで片方だけを飾り】
【黒く長いマフラーと巫女服を基調とした無袖の裾が短い白の着物】
【ゆらりと長い袂からメッシュの長手袋が漏れて見える】
【白いニーソに厚底の下駄を履いた、蜂蜜色の瞳をした少女である】

【今日は忍び装束の様で、普段と比べ露出が大きくなってるが】
【兎も角、逆さまにぶら下がってる為重力につられ】
【着物の裾がはらりと捲れ、彼女の下着がちらりと見えてる】



【"ちらりと"見えてる(強調)】
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/10(火) 18:44:30.93 ID:eyYP28Nzo
【水の国・首都フルーソ】

【大都市であるフルーソのオフィス街の中にそのビルはあった】
【壁面に書かれた『レヴォルツィオーン』という文字がそのビルがどういったものであるかを示していた】

【レヴォルツィオーン社の本社ビル。出入り口とエントランスでは忙しなく人々が行き交っていた】
【自分たちが何に関わっているかも知らずに────】


【手続きは極めて一般的なものだ。受付に名前と用件を伝える。秘書に連絡がいき、承諾する。受付嬢がそれを伝えて道案内をする】
【エレベーターを使って上層階へ。途中で降りて、また別のエレベーターに乗り、さらに上層で降りる】
【通路を進み、部屋に到着。受付嬢がノックをしてから扉を開けて、客人を中へと通す。彼女の仕事はこれで終わりだ】

【応接間も、こういった場所としては退屈なほどに”普通”だった】
【長机に座り心地の良いソファ。壁際には棚などの調度品。床は絨毯が敷き詰められている】
【机の上にはすでに人数分のカップが用意されていた。紅茶は湯気がたたない程度の温度にしてある】

【対面のソファには男が座っていた。金髪碧眼。筋肉質で大柄な肉体を高級スーツが覆う】
【座っていても普通ならば威圧感を覚えるほどの巨体だ。身長は二メートル近く。社長というよりは傭兵のような風貌】
【メディアでも何度か姿を晒している社長、リカルド・B・ボレモスだった】

【そしてその傍ら、ソファに座らず控えるように立っているのがブランルだ】
【魔術師のような黒衣に黒髪。不変にして普遍の笑み。以前と何も変わらない姿がそこにはあった】

【客人が部屋へと入れば、リカルドは立ち上がり、「ようこそ来てくれた」と、笑顔で彼らを出迎えるだろう】
【ブランルもまた、胸に手をついて恭しい礼をして自らの立場を示す。今日は主役ではない、と】
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/10(火) 19:06:14.18 ID:ca54vHM6o
>>766

【入室する一対の影、高い男性と低い女性、一つのコントラストは映画のワンシーンの様に】
【談笑といった様子で軽く言葉を交わしながら、室内へと足を踏み入れる】
【入室したなら男は軽く片眉を上げる、随分とセンスの良い室内だと】


ふむ、遅れてしまったかな。流石レヴォルツィオーン、受付嬢にも一流の美人を使っている。
少々味見をさせてい貰ったがな。良い身体をしている、後で私のホテルに来る様に伝えておいたよ。
事後承諾になるが構わないだろうか。リカルド殿であれば寛容な精神で受け入れてくれるだろう。

”……ねぇ、本当に貴方は周りに意識がいってばかり。……”
”本当に此処へ来た要件、覚えてるのかしら……不安ね……”
”お久しぶり、ブランル。この前の会合以来かしら、素敵な夜をありがとう”


【黄金の様に輝く長い金髪、同じ金色の双眸は全てを見通すが如く】
【白い軍服の上から黒いコートを羽織る、黒い紋様の書いた手袋をはめ】
【威圧感を与える貴族然とした長身の男──"フランツ=フェアブレッヒェン"】

【萌葱色の長い髪に病的な白さの肌、檸檬色の双眸は切れ長の面持ちを耽美に飾る】
【黒いトーク帽に黒いヴェール、肩を大きく露出させた黒のナイトドレス】
【黒のニーソックスとハイヒールを履いた少女──"魔女"】

【二人は軽く挨拶をしながら、横並びにソファにかけるだろう】


さて、本題に入ろう。この度我社では新たな遺伝子技術を開発した。
<hymn>と呼ばれる遺伝子、之を組み込む事により、本来の遺伝子とは別の遺伝子を組み込んでも拒否反応が起きなくなる。
その治験の為に、レヴォルツィオーン社の技術を借りたくてね。

──有り体に言えば、生贄を見繕って欲しい。
そうだな、100か200もいれば十分だろう。
見返りは何が欲しい?金か、技術か──。

”……もう、本当に自分以外の人のこと、考えないんだから……”


【矢継ぎ早に言葉をかけるフランツと、ため息混じりの"魔女"】
【やや、傲慢な言葉であるがどう映るだろうか】
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/10(火) 19:21:18.03 ID:eyYP28Nzo
>>767

【来客の第一声は受付嬢に対する感想だった。この会合、裏社会に君臨する二社が顔を合わせるという場で】
【フランツの最初の一言がそれなのだ。ブランルは小さく吹き出し、リカルドは豪快に笑ったのだった】


あっはっはっはっ!
いいな、その気負いしない態度は!
こちらとしてもやりやすいぞ、ミスタ……いや、ヘア・フランツが良いかな?


【リカルドからして、フランツの行動は逆に気にいるものだったようだ】
【ブランルは言葉を発することはしなかったが、しかし答えの代わりに”魔女”に向けて】
【より深い笑みを浮かべてみせた。喜悦の笑みを】

【本題。その言葉が出た瞬間、リカルドの表情が変わる。剛毅な社長から、野望を持つ男へと】
【笑顔の意味が、あるいは雰囲気そのものが変貌する。一種の邪悪ささえ伴ったものへと】


…………なるほど、愉快な技術ではないか
それを発展させるためであれば、我らが持つ人員を動員することに何ら躊躇はない
その技術、喉から手が出るほど欲しくなるものだが、流石にそれを寄越せと言ってもくれはせんのだろう?


【にぃ──と。獲物を捉えた獣のごとき笑みを浮かべる。恫喝かと、思わせるような気配】
【傍らに立つブランルがフランツへと視線を向ける。濡れた黒絹の瞳は感情も考えも窺わせない】
【だからこそ、次の瞬間に何が起こるか分からない。そう思わせるような──演技だった】

【言わば二人がかりで相手を試していた。どういう反応を示すのか、と】
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/10(火) 19:29:34.60 ID:ca54vHM6o
>>768

【一音節も空けずにフランツが言葉を返す】


別に構わんよ、君達の技術力でどうこうできるとも思わないしな
兵器部門では確かに君達が上だ、しかし人体に関しては此方が圧倒的に上だ
君達の作品も我が愛しき"魔女"経由で知ったよ、なるほど、趣味が悪い

君達は結局の所フランケンシュタインを作ろうとしているのかな、だとすればお笑い種さ
もう暗闇に怯える時代は終わったのだよ、朽ちた伝説に縋ってるんじゃぁない
願わくば神話から先に進む事を期待したいが


【返すのは挑発の言葉、隣にいる"魔女"が不安げに目を伏せる】
【予定調和か否か、傲慢なフランツの態度はどこまでも不遜】
【ギリシャ彫刻の如き顔を軽く歪ませ、言葉を続ける】


それでもお望みとあれば、此方から技術提供をするとしよう
もしかすると役に立つかもしれんしな、素直に金を選ぶ方が良いと思うが
────おい

”……ご存知の通り我社は遺伝子開発による、製薬を第一にしています”
”今回の技術は行く行くは一般化し、遺伝子からくる病の根絶に役立つでしょう”
”その際により高度な薬品にするにはレヴォルツィオーンの協力が必要です”


【ため息混じりに言葉をかける、魔女の様子は暴君に傅く伴侶の様】
【喪にふくす服装も相まって、非常に被虐的な表情を見せる】
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/10(火) 19:43:33.43 ID:Ef9+5K9l0
>>765

【からんころーん。気の抜けた声が響く、――そう、声、声だこれ。ぴくと反応する身体はいつかを思い出したか、あるいは動物的な勘なのか】
【ぱんと手のひらで机を打ち据えるみたいにして立ち上がる――しかし遅い。その時にはすでに背後を取られていて、背後、というか、頭上、というか】
【とかく相手はすでに照明にさかさまにぶら下がっていて――それを一瞬ひどく丸くなった目が見つめるだろう、それから、じっとー、と、半円に伏せられ】

――――こんにちは、いらっしゃいませ。お客様、そんなところで逆さまになられるのは――蜘蛛くらいだよ。
……あんまり、だけど、――元気じゃあ、ないの。うんと眠たいし、それに……――、

道場破りくらい何とかなるよ。看板持たせてね、両手ふさがってるところを斬っちゃうの。

【すらりと出て来る言葉はひどく滑らかな鈴の音、グリッサンドの音階よりも細やかに並ぶ、嘘みたいなジト目も本当に嘘みたいに引っ込んで、愛想笑い、営業スマイル】
【だけど長続きはしないで相手のことを蜘蛛みたいだなんて言っていた、降りてきたら、なんて、そんな風な目線を向けるころには、また、ちょっと褪めた目をして】
【どうやらあまり元気ではないらしかった。だけど道場破りくらいならどうにかなるって――その方法もなんだかどうかと思ったけど】

――鵺ちゃん今日は"かわいいの"してるの? 麻季音ちゃんが置いた監視カメラにぜーんぶ、映っちゃうよ、鵺ちゃんのお気にのパンツ――。

【――――少し意地悪っぽい声がした、ジト目よりも細められた目、口元に手でわずかに歯の見えるような薄い笑みを隠して、からかうみたいに、声がささめく】
【"ちらり"してしまった部分への言及。同姓ならばセクハラにはならない……ことはないと思うけど。それとも前回のお返しとして妥当だろうか、指摘して】
【実際どんなやつでもかわいいやつって言うしお気にって言う。よっぽど変わったやつでもからかうっていう強い意志の元言うだろう、これは、仕返しだから――】

/きゃーごめんなさい!お待たせしました!
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/10(火) 19:47:22.38 ID:eyYP28Nzo
>>769

【一分の間隙も挟まず放たれる挑発の言葉。リカルドの笑みが消失】
【リカルドとブランルの間で視線が交錯する。そして気が抜けたようにリカルドが笑いを零す】


そう言ってくれるのなら、その技術は是非とも頂こう
そちらほどではないのかもしれないが、我が社のブランルもそれ相応に優秀だ
後から金にしておけば良かったと悔いても、それはそれで私としては構わんさ

そちらはより一層、その優れた技術を高めることができる
一方でこちらは”フランケンシュタイン”をもう少しはマシなものにできる
であれば、こちらとしては何も問題はないとも。是非とも協力させてほしい


【リカルドは態度を変更。なるべく相手に合わせて下手に出るようにする】
【それがフランツの目にどのように映るかは分からなかったが、少なくとも挑発のし合いがしたいわけではなかった】
【技術提供を受けることができて、協力関係も築けるのであれば、それ以上のことはない】


それで、必要なのは生贄だけかね?
そちらの優れた技術を教えていただけるのだ、他に要求があるのなら聞いておきたい


【両手を膝の上で組み、両者を見据える】
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/10(火) 19:49:46.23 ID:lV+pJMANo
/>>762で再募集してみます
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/10(火) 19:50:56.80 ID:ca54vHM6o
>>770

【鵺のパンツの柄は[編集済み]であった。】


わーっ!! 何見てるの!!? お鈴ちんのえっち!!
もーっびっくり! そういうのは鵺ちゃん側がするほーでしょっ!
ってビデオカメラに写ってるの!? 乙女の秘密がばっちりと!

うーっ、弱味を握られてしまうなんて……かくなる上は
お鈴ちんの弱味も握って、互いに均衡状態を作りましょう!
抑止力とはこの事なり!


【するり、と絹を脱ぐ様に地面へと着地、間髪入れずにスカートを捲ろうとする】
【しかし、成功したとしても、鵺がめくれるのは何層も重なった表層だけ】
【なんと──と、目をぱちくりとさせるだろう】


もう! お鈴ちんの服装お洒落すぎないっ!? ラピちゃんみたいだよっ
鵺も、そーゆーの、選んで着てみてるけど、なんかしっくりこないってゆーか
……てか、着るの大変すぎない? お手伝いさんとか雇ってたりする?

お鈴ちん今日も一人なの? ふふーんっ、実はお暇してたでしょっ
鵺ちゃんが遊びに来て嬉しいんじゃなーい、うりうり


【相変わらず賑やかな小娘で、ぴょこっと貴方のそばに顔を出して】
【出来るならほっぺたをうりうり、柔らかい感触を確かめようとする】


/すいません!今日の所はこんな感じで、続きまた明日でも宜しいですか?
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/10(火) 19:59:53.49 ID:ca54vHM6o
>>771

【食えない男だ、フランツは内心思う、寧ろ激昂してくれた方がやりやすかった】
【成程、ライバル会社のトップというだけはある、と】
【──いずれ食い潰す、と声に出さず呟いた】


では商談成立だな、快い返事を感謝するよ。
わざわざ足を運んだ意味があったというものさ、十分な成果だ。
さてと、私としては生贄以上のものがそちらから出せるとは思わないが──

”……認識の差異ですわ、私としてはレヴォルツィオーンの技術にはまだまだ価値が多いと思います”
”────不死の軍勢、私は兵器利用よりも、医療利用に興味があります”
”良ければ其方の資料も頂きたいです”


【魔女が口を挟む、バリトンとアルトが交錯する中、唯一のソプラノがアリアを取って】
【重ねた両手、膝の上に揃えられた様子は清楚な未亡人そのもの】
【ヴェールから零れる視線に媚びが濡れた】


ふむ、だとすれば報酬は君の身体かな?
研究者としては二流だが、女としては一流だ、体つきも、器量も
何より良い声で啼く────

”……社長、その辺で。しかし交換条件として、こちらから出せる物があまり無いことも事実”
”故にデモンストレーションとして、賭けを致すのはどうでしょう”
”其方の研究成果と、此方の研究成果を戦わせるのです”


【頬に笑みが浮かぶ、三日月の様な蠱惑的な】
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/10(火) 20:05:43.65 ID:Ef9+5K9l0
>>773

……違うの、鵺ちゃんが絶賛大公開してるだけで――、もうね、ばっちりなの、麻季音ちゃんに後で編集してもらわなくっちゃ。
動画から写真が作れるんだって。テレビで見たよ、だから鵺ちゃんの"お気にのやつ"も、きっと、ばーっちり、お写真にできるし――、

――――――きゅい!?

【じーっとりとした目、それでも口元がふふんと笑う、絶賛大公開、録画もばっちり(監視カメラだから!)、あとでお写真にして渡すね、なんて】
【あんまり彼女らしくない言葉を連ねる、それっくらいに元気じゃないってことなのか、それとも前回の恨みがまだちょこっとだけ残っているのがくすぶっているのか】
【灰の中に埋めた種火みたいに――あるいはどちらでもあるのかもしれなかった。だけど、そうやってからかっていたら、うんと素早い鵺の動作、付いていけずに】
【ばそっ――とスカートをまくり上げられる、宇宙人みたいな声が出て、少し遅れてスカートを抑え込むようにぎゅっと捕まえて足に押し付ける、ここまでコンマの世界】

【それでも相手の動体視力なら捉えるだろう、くしゅくしゅに詰め込んだたっくさんのパニエ。だけどぶわっと持ち上がった動きに合わせて、足のきわどいところまでが刹那見えた】
【真っ白な太ももに似合わぬものが一瞬見えた――映画の女スパイがするみたいな、サイホルスター。だけど一瞬で隠しこまれて、その反動みたいに、お尻側がふわっと持ち上がる】
【かかん!と鋭い足跡、思わず後ろに逃げようとした足音が連なって、真っ白な顔が一瞬で真っ赤になる、かああっと赤くなるから、あんまり、こういうのには耐性がないらしい】

なっ――、う、うううう、ラピちゃん……知らないもん――、えっと! わたしの、知ってるひとじゃ、ないし――、
着るのは……慣れてるから、その、ずーっとだし! お手伝いさんは、いないけど……、へびさまにチャック、閉めるもらうの。

お暇じゃないのっ――、お勉強、してて……。いきなりパンツ見せるひとっ、変態じゃないから、嬉しくないのっ――!

【そこからさらに数歩後ろに逃げ出して。ラピちゃんとやらは知らないひとだ、だから、思い浮かべられない。着るのが……というのは、もう慣れっこでしかなく】
【お手伝いさんはいない。だけど、"へびさま"なる謎の人物(?)がチャックを閉めてくれるらしい、それからぴょんっと顔がうんと近くに現れたなら】
【まだうんと赤い顔をつんと逸らして突っぱねる、お勉強してたから暇じゃなかった。いきなりちらりするひとは変態だから嬉しくない。そんな風に言いながらも】
【ほっぺたをうりうりーっとこねくり回されれば、そのせいか、それともそうしてしまったのか、笑っているみたいに表情が歪んで――少しの間、そのままにされてるだろう】

/大丈夫です! こちらこそお待たせしてしまってすみませんでした!
776 :キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/10(火) 20:27:04.09 ID:d8fvLQpn0
>>620

【再びの稲光が二人を照らす。そして、浮かび上がった巨躯が雷光の中で大きく呻いた。】
【弾かれ、穿たれ、裂かれ、貫かれ。弾丸と切先による乱舞が身体に生える無数の腕々を次々に吹き飛ばし。】
【のろのろと片腕を振るうも、魔人は鋭く身を翻して回避、その隙に素早く再装填を済ませて続けざまに弾丸を食らわせ続けた。】


"何時か刺される"だって? アホ言うな、刺し傷の数は伊達男の勲章よ。
それにもう増えすぎて"どれ"が"誰"の刺し傷かすらも分からねえぜ―――ま。

……"誰かさんが知らないところでオッ死んだ"、って刺し傷は今でも。
心臓に近い所でずっと突き刺さったまま、だけどな。早い所抜いてくれよ、今に息が止まりそうだ。


【軽口すら飛ばし合える、そういう関係。一瞬でも動きを間違えれば死につながる様な状況、環境でさえ】
【この二人には似合いの舞台。マグナムが舞う。刀身が躍る。怪物の腕の上を"走破する"という殆どデタラメに近い接近能力すら】
【もはや"そうであるのが当たり前"と思える程。怪物に相対する二人もまた、怪物の様相を呈していた。そう、"あの頃"を生き延びた二人だからこそ。】


ああ、全く―――その通り。

残念だが此処までだ。おやすみ、ベイビー。


【巨腕を潜り抜け、剣士が頭部付近へと殺到する。この間僅かに二秒足らず、始まりも早ければ終わりも早く。】
【影の集合体は慌てて口を大きく開ける。口内に見えるのはいくつもの爪、牙、そして腕、腕、腕。化け物としか形容できぬそれ。】
【ウェインの剣が首元を狙うと分かった影が、最後の足掻きを見せる。喉仏の奥から延ばしたそれら切札を以て、騎士を迎撃、しようと、するが―――】


『精霊よ―――』

『雷の精霊"アダド"よ―――』

『我が導きに応え、我に加護を与えよ―――!』


             "FULL BURST THUNDER"


【どっ、と空間内に魔翌力が溢れる。魔人が契約した古代精霊の一つ、雷を司る"アダド"の力が舞い降りて】
【彼の身に加護を授ければ―――銃口に宿るは稲光にも劣らぬ電光。青白い雷を纏った弾丸は破壊的な威力となって降り注ぎ】
【電撃をお見舞いしながら怪物の頭部から延びた"最後の手段"を木っ端みじんにし―――残ったのは純粋な頭部。怪物が慄く。震える。恐怖に怯える。】


―――あの世でサタンに宜しくな。


【とどめを刺すのは矢張り"断空"。フルパワーで振るわれた刀身が抉る様に喉元を薙ぐ。】
【瞬間、防ぐ術を失ったそれらは真っ二つに斬り取られ―――まるで空間其の物が消滅したかの様に、沈黙。】
【悲鳴すら上げられずに"集合体"はバランスを失う。頭部がごろり、と落っこちて。そのまま地面へ激突―――刹那、全身が消失。】


……えっげつねえなぁ。相変わらず。頼むからオレと喧嘩する時はステゴロで頼むぜ、
ソンのCzやカレンのUSPを裂かれた日にゃ、あいつら化けて出るぞ。


【状況終了、魔人は銃をくるくると回転させてホルスターへと仕舞い込んだ。影は跡形もなく消え去り、残ったのは港町の長閑な夜景だけだった。】
【かくして、二人は向き合うことになるだろう。キングと呼ばれるその魔人は腰に手を当てしかめ面。矢張り、どこかこの再会が納得いっていない、という様子で。】
【と、言うよりはそもそも―――再会と表現せざるを得ない状況、この経緯に至るまでが気に入らなかったんだ、と言いたげな表情で。咥えたウィンストンをふう、と蒸かした。】
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/10(火) 20:30:05.28 ID:eyYP28Nzo
>>774

【”不死の軍勢”の利用。「ほう」と一言漏らして、リカルドはブランルに目配せをした】
【ブランルの笑みは変わらない。黒曜色の双眸が魔女を見つめ、そして頷いた】


「良いとも。他ならぬお前の頼みであるならば
 可能な限り、”開発主任として”出せるだけの資料を出そうではないか
 …………それを見て、お前が理解できるかは保証しないが」


【今度はブランルが挑発を向ける番だった。リカルドが苦笑するが、あくまで”魔女”に向けたものとして黙認】
【次は報酬の話だ。技術提供というだけでも十分大きかったが、さらに何が出せるかは重要だった】
【フランツの提案にブランルが微笑む。リカルドは反応を示さなかった、が】


「…………ほう?」

研究成果の比較?
一体それはどうやって行いどのように勝敗を決める?


【詳細は当然、重要だった。話を促しながらも、リカルドの表情は硬いものだった】
【相手から持ち出した話だ。どういう条件かは分からない。ほとんどの場合、向こうが有利な何かになる】
【問題なのは────ブランルだった。この男が研究での競い合いなどを持ち出されて、果たしてどうするのか】

【黒衣の男は微笑むばかり。それでも好奇の目が”魔女”へと向けられていた。それはきっと、彼女にだけは、分かるだろう】
778 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/10(火) 20:55:10.84 ID:FQJ1yJZ10
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――火の国 商店街】

「そんな、困ります私!」
「まぁまぁ良いからさ、ちょっとお茶するくらい良いじゃねぇか。手持無沙汰にしてたんだろ?」

【何やら線の細い女が、ガラの悪そうな男に絡まれている。随分と強引なナンパの様だが、どうも女はそれを突き放すだけの気力もないらしく】
【時折、通行人が迷惑そうな目でそれを見るも、面倒事はごめんだと、そそくさと立ち去ってしまう】

「大丈夫だってんだ、お茶代もレストラン代も、なんならホテル代だって――――っ、あ……あれ、どこだ!?」
「……すみません、失礼します!」

【後ろポケットに差していた財布がない――――それに気づいた男は調子を崩し、女はようやく毅然とした態度で男から離れていく】
【その様を、遠目に眺めている小さな影があった】

【前ポケットがやけに大きく膨らんでいる白のパーカーと、同じくポケットが目立つアウトドアズボンを着ている】
【明るい紫色の短髪と、勝気そうな金色の瞳が、元気の良さを印象付ける】
【ともすれば人ごみの中に消えてしまいそうな、身長130p前後の小柄な少年】

【その手には、ゾロっとした長財布が握り締められている】

……へへっ、バーカ

【その財布を自らのポケットにしまうと、少年は面白そうな笑みを張り付けて、その場を離れていく――――】



【――――所変わって、水の国 歓楽街】

まぁ色々と聞かせてもらった訳ですが……面白そう、というか面倒な事になりましたねぇ……そんな陰謀が、裏で動いていたなんて
ちゃんと一枚噛まなきゃ、その他大勢で流されて、十把一絡げに片付けられてしまうじゃないですか

【切れ長で涼しさを感じさせる瞳が、艶のある短い黒髪の中で映える顔立ちの】
【医療従事者用と思しき白衣を着こみ、ポケットからはステンレス製の細長い箱が覗いている】
【頭に、白いつば広の帽子を被っている、身長160p前後の女性が】

【ほろ酔い加減の集団がそこここに行き交う中で、情報端末を覗き込みながら、足早に歩いている】
【歩きスマホ、なんて言われる迷惑行為の様だが、その身のこなしは中々堂に入っており、スイスイと器用に眼前に迫った事物を回避していく】

『黒幕』に、『円卓』ですか……誰も知らない、知られたらヤバい裏の勢力、ねぇ……まぁ私はどちらかと言えば……おっとと
まぁ、静かに稼いで行く為に、面倒事に首突っ込まなきゃいけなさそうですねぇ。面倒な矛盾ですよホント

【考え事を纏める様に、女性はぶつぶつと独り言を口にしながら歩いている。それが高じて勢いに乗りそうになると、慌てて口を噤み】
【さっと視線を端末から上げて周囲を確認すると、再び画面とにらめっこしながら歩き始めた――――】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/10(火) 22:03:13.20 ID:QLWoH+9g0
>>763


っ、……!……は、はは。おい、待てよ。
まだ終わっていないだろう?どちらも死んでいないんだから。
どちらも滅していないんだから!……くっ、あはは……は、ぁ……あ?

『……どっちが悪党だよ、ったく。ま、服と紋章で分かるけどよー』

【強く振りほどかれれば鏡から手が離れ、アヤは尚も食い下がろうとするが】
【多量の出血がそれを物理的に不可能なものとしていた】
【ぐしゃり、と路地裏に倒れ伏す。同時に能力が解除され】
【悪魔的であった見た目は、その角をはじめとして掻き消えて】
【――ただ一つ、恐るべき事に瞳は見開いたまま、意識を手放した】

【後を引き継いだのは騎士の少女。その名前も真の姿も教えなかったが】
【相手が逃げるというのなら追わない、そんなスタンスなのだろう】


『……カノッサ機関、か。赤崎……父上なら、何か知ってるか……?』


【科学者とメイド、そんな二人組は容易に離脱することが出来る】
【けれど地に落ちた名刺だけはしっかりと回収されていて】
【それを騎士が確かめ、やがて救急車がその場にたどり着けば】
【意識を失ったままの黒い軍人の手に握らせる事となる】

【――後日、「アヤ・R・ナイトリー」という名前を調べれば分かることだが】
【所属は水の国陸軍。強烈な愛国心で幾度か表彰もされており】

【しかしその一方で、具体的な戦場や部隊での勤務歴が異様に乏しいことも分かるだろう】
【或いは、"Crimson"が何らかの超法規的な権力を用いる組織を利用して調査をしたならば】
【彼女の階級に至る最も早いコースで出世しているエリートであると同時に】
【能力を持て余した武闘派で、けれど教育では常に優れた成績を叩き出す】
【そんな扱いづらい存在であるらしいこと――警務、という名目で市中を回っている事も判明するはずだった】

【尚、"仕留めた"―捕らえた、は別として―機関員は、既に二桁に上るということも、注記しておく】

/連日お付き合い頂きありがとうございましたっ、お疲れ様でしたー!
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 05:29:11.40 ID:kXRavIeVO
>>775

【──惜しい、と内心舌打ちを一つ、不似合いなホルスターを目にするも】
【そこに突っ込むよりも尚、貴女には聞きたい事としたい事が山ほどあった】
【真っ赤になった貴方の顔、白いキャンパスに描く牡丹の如き赤】


まあ、鵺ちゃんは大人ですしーパンチラの一つや二つで兎や角は言わないのです
淑女らしいお淑やかさと慎ましやかさ、何事にも動じないのが令嬢の嗜みですわ
その辺りお鈴ちんには欠けてますねっ! くまさんおパンツ見えたり!

と、まあ冗談はここまでにして、お鈴ちんお元気にしてた?
あれから鵺ちゃんの方はもーちょー大変! ちょっとした大長編ですよっ
あっ! そうだカニちゃんに会ったよ! 船で!


【くまさんおパンツではない、きっと、彼女なりの高度なブラフ】
【ほっぺたをふにふにしつつ、笑顔で向き直る、どこか憎めない色合い】
【カニちゃんで通じるかは分からない、けども】


んまっ、お鈴ちんてばチャック閉めてくれる人がいるんですねっ!
もぅ隅に置けないなぁっ、このこの〜それってどんな人!? イケメン? もしくはイケメン!?
まぁお鈴ちんぐらい可愛い女子だったら
それはもう百花繚乱豪華絢爛桜蘭細工の纐纈模様!

選り取りみどりが列を成して、そこのけそこのけ花魁道中!
とまぁ、それぐらいに華やかーな生活をされてるんでしょうねっ
いいなーイケメン! 私も玉の輿をしたいですっ!

お勉強!? お鈴ちんお勉強できるのっ!?


【中の人も玉の輿したいです】
【ぴょこぴょこと跳ねる、お勉強なる言葉にテンションをあげて】
【そんけーの眼差しがキラキラ、貴女に注がれる】
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 05:51:53.31 ID:PFv3CLRzo
>>777

【挑発を向けられ魔女は微笑む、今にもヴェールの奥に消えてしまいそうな慎ましやかな笑み】
【其れは運命に傅く貞淑な妻に似た、縊り殺されてもそのまま受け入れるといった】
【諦念にも近い笑み──どこまでも深い、儚さを兼ね備えて】


”────それは勿体無いお言葉を、私如きが理解できないのは、既に貴方様も存じ上げているでしょう”
”啓蒙してくださいませ、いつもの様に。矮小な私へ手取り足取り理論を教え込んでくださいませ”
”私は精一杯この身を鬻ぎ、少しでもまともな舞を見せるように尽力しますので”

『どの様に』など一つしかないだろう? 簡単な話だよ
古今東西、決着をつける言葉など一つしかない
即ち、戦って決める、と────おい


【クスリ、と魔女は笑う、何処までも艶やかな笑みは変わらず】
【ある種の謙遜はあるが、技術に関して魔女がブランルに及ばないのも事実であった】
【故に──魔女は下手に出る、房中術も踏まえての人選】

【フランツが声をかけると、フランツの背後から影が伸びる】
【やがて其れが一つの人形を形作ったなら、影が裂け、少女が一人出現する】
【キョロキョロと周囲を見渡したなら、足を組んだフランツの膝の上に座る】


「こんにちは♪わっ、素敵な男性がいっぱいっ! こんな所に呼び出されるなんて!
 初めましてかな、二人ともぉ、ボクはね"スナーク"ってゆうのっ
 以後お見知りおきをっ! 可愛がってねっ!」

我社の新作"スナーク"、これと其方の研究成果を戦わせてどちらが優れているか決めようではないか
此方が勝った場合、技術提供の見返りを一つ減らしてく頂こう
此方が負けた場合、魔女とスナーク、両方の身と更に金を上乗せして払おう

……こんなところかな?


【小柄ながら豊満な身体を大きく露出したホルターネックのビスチェ調の黒いビキニ】
【同色のローライズのショーツ以外は白く肉感的な素肌を晒している少女】
【セミロングの藍色の髪の毛にはアホ毛が一本だけ揺れて真紅の瞳を濡らす】

【背中には巨大な悪魔羽根が揺れて彼女が人間でないことを伝えるのだろう】
【ピッタリとお尻に張り付くショーツから飛び出した悪魔の尻尾がキュートに揺れたなら】
【長い睫毛がこれでもかと言うぐらいに愛らしい雰囲気を創りだす】

【フランツが出した戦いの条件、結局のところ余興でしかない、と】
【どちらが勝ったとしても、技術力がどちらが上かはわからないが】
【────どうやらフランツは、極度の負けず嫌いらしい】
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 11:39:02.54 ID:NXjplHFC0
>>780

熊っ――――!

【まーっかな顔。スカートめくりだなんて人生初めてくらいの衝撃はなかなか抜けてくれない、耳も首まで真っ赤にして、熊じゃないとアピールしたい言葉は】
【だけど不完全に途切れて曖昧、熊じゃないもんとかそんなの持ってないもんとかいろいろ言いたかったのかもしれないけど――もうなんか息まで詰まらせてしまって】
【真っ赤になって目もまんまるにして。だけど少し怒ったみたいに眉を吊り上げて――それからばばっ、と、もう恥ずかしいみたいに、両掌で顔を隠したなら、】

カニちゃん……? 船……? 借金……? 鵺ちゃん借金してるの? 
そんなの駄目だよ――、蟹とか鮪の船に乗せられるってテレビで見たよ? わたしにできることがあったら……。

【やがて真っ白な指の隙間から真っ赤な目(右目!)が覗く、ぷるぷるしながらも相手の言葉は聞いていたらしい、一瞬考えて、ふるふるした声が、尋ね返す】
【カニ+船=借金!なんて短絡的思考回路、それくらいにキャパオーバーしていて、だけどわりに相手の身を案じる言葉ではあった。借金のあまり……とは勘違いだが】
【あまりたくさんのお金を貸してあげることはできないけど……と眉を下げて相手を見つめる、その時にはまだ顔は赤いけれども、両手の目隠しは外して、口元だけ隠して】

えっ…………、と、
……えと、ね。へびさまって、ご先祖様……だよ、背がうーんと高くって、髪長いの、目真っ赤で……。

【そんな時にさらにまくしたてられたなら。本格的に少女の思考はフリーズする、重たいパソコンががりがりいうみたいに変な音こそしないけど】
【ぱちくりぱちくり瞬いて声が少しゆっくりになる。とかくへびさまとやらはご先祖であるらしい――ご先祖ってあんまりこういう場面で出てこない気がするものの】

――――――――できる。

【できたらいいなぁみたいな声だった。実際鵺がこっそりでも机の上にあるままのノートや広げていた本を覗き込んだなら】
【本が魔術について書かれたものであることに気づくだろうし、ノートはそれを写したのか、何なのか――ただ時々明らかに不自然に文字化けしたようになっているのだ】
【到底手で書くことを前提にしていないみたいな文字が羅列されている。そのくせに明らかに手書きなのだ、本当にシャーペンで書かれていて――】
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 11:56:30.50 ID:PFv3CLRzo
>>782

【真っ赤な瞳を覗き込む、綺麗な眼の水面に浮かぶその先の虚像を見つめて】
【林檎みたいだなぁと思いつつ顔を赤くしてる鈴音に、にまにまとした笑みを向ける】
【からかって心底楽しそう、この娘悪い奴】


むーっ、だーれがそんなアウトサイダーな暮らしをしてるんですかっ!
それともお鈴ちんは、鵺ちゃんみたいな可憐な女の子がそんな強制労働出来るとでも!?
鵺ちゃんがそんなお船に乗った日には、もう三日で文学作品もかくや

サナトリウム文学さながらの悲劇的結末がお待ちかねですよっ
……んまぁ、確かにびんぼーといえばびんぼーですけど
お鈴ちんの手は借りませんっ! お鈴ちんてばかいしょー無しですからっ


【あんまりな言い分を述べつつも、貧乏には同意している】
【じゃなくて、と頭を振るだろう、どうしてもシリアスが長続きしない、と】
【へびさまの正体にも興味があったが優先順位が違う】


カニちゃんって、お鈴ちんが教えてくれた協力者の人だよ
こーんな大きくて、目が多くて! お肉屋さんの格好をした人!
良くいるよね! 鵺ちゃんの地元にもいたよ! コロッケが美味しいんだ!

えーっ! ほんとにぃ? お鈴ちんてば、鵺ちゃんと同じレベルだよ、しょーじき
にじゅー超えてるとは思えないぐらいっ! そんな勉強だなんて
…………してるっ!? すごい!! なにこれ!! 優等生!?


【何処と無く特徴を掴めてない台詞】
【ちらっと机の上のノートを覗き込んで驚愕、鈴音を見る目に羨望が交じる】
【そこで文字化けに気づいた様に、これ変じゃない?なんて】
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 12:15:31.50 ID:NXjplHFC0
>>783

だって――鵺ちゃんが蟹の船って言うからっ……、鮪より簡単なのかなぁって――、鮪って……一本釣り?とか……。
それは重たくって大変かなぁって――、甲斐性あるよ、だって、お仕事してるのわたしだけだし――、ウェインさんはお泊りしてるだけだし……。
お買い物してお料理してお洗濯するの。だってへびさま、火も洗濯機も怖いって逃げちゃって……。お外干したいのに外は夜だし!
ひどいんだよ夜の国って、ほんとにずーーっと、夜なの! ちょこっとくらい気まぐれに明るくなったりしたって、いいのに――――。

【わあわあ言って言い返す、蟹漁船疑惑は鵺が悪いって押し付けて、鮪よりは簡単そうだって思ったらしい、タカアシガニとかでっかいけど、よく分からないけど】
【甲斐性についての問題も解消。だってお仕事してるのは自分だけでどうこう、ご先祖様、チャックは閉めてくれるがその他のことは駄目らしい、お洗濯も干せないしって】
【暮らして何年にもなるのに今更当たり前の不満がうわああぁって出てきて連なる、相手からしたら知ったこっちゃないことばっかり、よくもまあ】

あっ――わ、カニバディール? カニバディールと会ったの? 船で? ああ――、船!
コロッケ作ってるか、は、分からないけど……、お料理、上手だと思うよ、多分……。食べるの好きだと思うから――、
あ、うう、そうじゃなくて、えっと……、鵺ちゃん、えと――ニュースとか、見てる? カニバディール、最近……その、"いろいろ"していて。

それと関係あるのかは、分からないけど……、……襲われたり、したの、知らないひとたち――、何人かのひとっ、えと、路地裏で……、ただのちんぴらみたいのじゃなくて。
鵺ちゃんはそういうの大丈夫――? それに、カニバディールの言っていた黒幕のひとにも会ったよ、……カニバディールが協力者の、ばれてる、と、――。

【――思う。不明瞭になった言葉が途中で途切れる、それでもなんとか明確な言葉が出れば思考回路はすこーしずつでも戻ってくる、ゆっくり、緩やかに、真面目な方へ】
【それで尋ねるだろう、ニュースとか見ているかって。見ていたなら――カニバディール率いるスクラップズの最近の所業や昨日の水の国のことも、今は賑やかに取り上げられて】
【関連するかは分からない。けれど何かしらの集団に襲われた――とも口にする。それも単なるありがちなやつではない、きちんと訓練された、組織だった連中だったと】
【正面切った協力者として鵺は感知されていない気がする、けれど、どうだろうと尋ねて。それ以外にも、メールの中で挙げていた黒幕側の人間とも接触した、と、】
【なんだかんだいろいろなことはあったみたいだった。それこそチラリとか蟹漁船とかコロッケとか話してる場合じゃないくらい――】

……これは、その、なんか、こうなっちゃって……。

【――――文字化けについては目を逸らしまくりながらの一言だった。自分で書いただろうにわかんないみたいな、顔と、声をして】
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 12:26:28.15 ID:PFv3CLRzo
>>784

【鈴音の言葉の節々に感じる大変さ、思わず鵺はぽわーっと口を開けてしまった】
【予想以上にこの娘出来る、と──同時に感じるのは不憫さ】
【お泊まりしてるだけのウェインさんだったり、火も洗濯も苦手なへびさまだったり】


鵺の負けです、お鈴ちんは立派な甲斐性持ちです
だからね、なんか困った事があったら聞くのです……そっかぁ、大変なんだね
ほら、鵺ちゃん、お金は無いけど、明るく振る舞うのは得意だから、さ

えーっ! ずっと夜なの!? 信じらんないっ!?
そんなとこ出なよ〜お鈴ちん、日光浴びないとお肌に悪いよ〜
そりゃお人形さんみたいで綺麗だけどさっ、不健康は心配だもん


【少し鈴音を見つめる目が同情的になる、何故だ】
【とまあ凡そふざけた雰囲気であったが、話の雲行きが怪しくなり】
【ちょこんと近くの席に腰掛けて貴方の話を聞く】


わーっもう! お鈴ちん落ち着いて! 深呼吸、深呼吸
鵺ちゃんそんな頭良くないから! 一気に話されると混乱するの!
えーっと、カニちゃんが何かしてるのは、ニュースでちょこっと見た気が……なんだったっけ

って……!! お鈴ちん襲われたの!? いつ!? どこで!?
なんで鵺ちゃんを呼ばなかったの!? すぐに駆けつけたのに!!


【その言葉を聞いてばっと身を乗り出す、鈴音の肩を強く掴むだろう】
【表情の水面に映るのは心配と、不安──】
【見知った人が傷つくことへの、恐怖】
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 12:36:32.05 ID:Xp0wbCSQo
>>781

【魔女の妖艶な笑みに、男の下弦の月の如き笑みが応える】
【「いいだろう。では傅くがいい」と。暴君のような言葉を、愛しい伴侶に伝えるような声が彩る】

【少女が現れ、リカルドとブランルは各々の好奇の瞳を向ける】
【人とは思えぬその姿。特にブランルは息をつくほどに興味を引かれたようだった】
【「面白い」────その一言を呟き、目を伏せる。笑みを浮かべたまま、思考に没頭する】


新作、ときたか。その上、こちらが勝ったらその肉体を頂ける、と
なかなか破格の条件を出してきたな、ヘア・フランツ?
よほどの自信作と見える。その身体、こちらとしても是非とも解析してみたいものだ

それにしても変わった容姿ではないか
思うに、それにも先の研究成果、<hymn>が使われているのではないかね
人とそうでないものの遺伝子の融合、というわけだ


【推測をリカルドが述べる。悪魔的容姿から技術の使用を推察する】
【もっとも、合っているかなどはどうでもいい。協力関係にあれどしかし敵でもある。会話で情報を引き出すのは重要だった】
【思考に沈んでいたブランルの双眸が開かれる。「社長?」「よかろう」──二人の間で交わされた言葉はそれだけだった】


ではその勝負、受けさせてもらおう
そちらの彼女”スナーク”とこちらの研究成果たる”不死の軍勢”を戦わせ、優劣を決める
実に心躍る試みではないか、素晴らしい提案だ

とはいえ、”不死の軍勢”の真価は一個の軍隊である部分にある
当然、こちらが出すのは一体ではないし、兵装も持たせよう
その上で、互いの兵器としての価値を存分に比べようではないか!

……それで、その楽しい催しはいつやってくれる?
こちらとしては今すぐでも一向に構わない。良い場所もあるし、兵器の準備もすぐに整う
どうするね?


【極めて単純な余興。しかしリカルドとブランルはそれに乗ることにしたようだ】
【始めるのはいつなのか、と。待ちきれないような様子でリカルドはフランツへと尋ねる】
【一方でブランルの視線はスナークへと向けられていた。目が合えば、一度微笑んでみせる】
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 12:44:03.87 ID:NXjplHFC0
>>785

【向けられる目線の色合いが変わったのに気づく、そうしたら少女はきっと「しまった」って言うような顔をするだろう】
【別に決していろんなひとを責めたかったわけではないのだ、特にウェインについては家を貸しているひとなので、お客様だから、とか】
【ただへびさまは洗濯機くらいは使えるようになってほしいなあ――とかそういういろいろな気持ちがあっただけで。がたごと言うから怖いって気持ちは分かるけど――】

【――――】

え、えっと、深呼吸――、――――――、えと。それで……あっ、えと、ちょっと待ってね――、――お待たせ。
カニバディールとはね、最近は連絡してる、わけじゃなくって……、だって、その、こういう状況になっちゃって――それに、
連絡できないの、見られちゃうかもしれないから。わたしたちにだけ分かる場所で、待ち合わせとかは、きっとできるけど……。
クラァケさんが、用意してくれたの。通信を暗号化する……? 指輪、鵺ちゃんにも渡すね、だから、もしあのひとに会うことがあったら――、

クラァケさんも余分に持っているんだけど……、会いに行くの、大変かもしれないから。

【すうはあと深呼吸を繰り返す。それで最後にふーっと吐いて……何かに気づいたらしい。少しだけ大きな声、それから、開けていた窓と扉を閉めに行くだろう】
【閉めたらば戻ってくる。相手の近くに座って、声音が真面目になる。それで――と話し出すのは、ひとまずそこから。カニバディールの近況は知らない、知っているけど】
【テレビで見る、どこかのビルを爆破したとか、往来のど真ん中で暴れた……とかそういうものばっかりで、会話はしていない。それから思い出して、相手へ差し出すのが】
【一つ一つにいろんな色の魔石がはまり込んだ、指輪――これを身に着けていると通信を暗号化してくれるらしい。いくつか入った入れ物事、相手の方へ差し出して】

【それで、余分に持っていてくれないかとお願いするのだ。別のひとも接触しようとしているが、相手も相手。会った時に渡せたら――お願い、するように】

わっ――、えと、その時、履歴の一番上にあったのが、ウェインさんで――その、えと。
怪我、しなかったの、大丈夫だよ――、……鵺ちゃんのところには、来てない? 

【ぎゅっと肩を掴まれる。びっくりしたのだろう、肩がぎゅううと強張って、表情も一瞬ひどく驚いたようになってから、相手の表情に気づく】
【そうすれば安心させるように声を柔らかくささめかせる、怪我はなかった。それにその時も件のウェインという人物に助けてもらったらしい、だから、大丈夫だと】
【ひとまず無事。それくらいの力量はある。だけど――そういう状況になりつつあるとも伝わるだろうか、追いかけられて襲われる。相手のところまでは、来ていないといいけれど】

ほかのひとはね、分からないの――指輪を渡しきる、前だから。連絡とかって、取れなくって……。

【――そして、不安なのは、それだった。そいつらがほかの人物のところにも来ているのかが、明確に判断ができない。指輪が行き渡って、いないから】
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 12:49:33.75 ID:PFv3CLRzo
>>786

【リカルドの言葉を聞きフランツの顔が僅かに強ばる】
【────気に入らん、と唾棄するが如く】
【種の明かされた手品ほど荒唐無稽なモノはないと、言いたげに】

【魔女の身体が僅かにビクリと反応する、側のフランツが彼女の太腿を強く握り締めていた】
【唇の端を噛んで無表情を装うも、かなりの力なのだろう、甘い吐息が唇の隙間から漏れて】
【スナークがぴょこんと、フランツの膝の上から降りた、お尻の辺りをチェックして】


……ふん、之ぐらいは看破して貰わねば興醒めだろう
いいかスナーク、決して私に恥をかかさぬ事だ
もう暫くは"仕置き"はされたくないだろう?

「──ほーんとっ、どこの世界でも権力者は乱暴なんだから
 まぁ、でもぅ、ボクの望む所では、あるけどさっ
 でもこーして、久々に全力を出せるんだ、ありがと、おーさまっ」


【スナークはブランルの視線に気づいて、小首を傾げて微笑みを一つ】
【ぎゅぅと両腕で胸の谷間を強調し、軽く舌を出す】
【小悪魔的だろうか、フランツか魔女か、何れにせよ趣味が悪い】


宜しい、ならば其方のフィールドに上がるとしよう
実験棟ぐらい用意しているだろう?準備させたまえ
スナークの実践データを取れるとなると、俄然やる気も出てくる

”……私としては、もう少し時間が欲しかった所ですが”
”仕方ありません、現段階でも十分に力は発揮できるかと”
”スナーク気をつけて、レヴォルツィオーンの技術は貴女に匹敵するわ”


【何も無ければそのまま、場所を移すだろうか、三者三様反応の色は違えど】
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 12:59:28.44 ID:PFv3CLRzo
>>787

【通信傍受と聞いて背筋に悪寒がはしった、そこまでして来るか、と考える】
【『三課』の情報通信はリーイェンによって統制されている、即ち傍受はリーイェンの身に危険が迫るというもの】
【恐ろしかった、通信のイニシアチブを取られることへの恐怖】


わっ! 綺麗な指輪ですねっ! 仕事柄中々装飾品は付けれないんですけど、必要ならば付けておきましょう!
うーん、どれにしようかな─、之も可愛いし、之も……ねーねっ、お鈴ちんどんなの付けてる?
良かったらさお揃いにしない!? お鈴ちんとお揃いのがいいなーっ

そしたらねっ、もしもの時は一番に駆けつけるよ!
この前はウェインさん、って人に負けちゃったけど、今度は一番乗り!
お鈴ちんの危機にびしーっと駆けつける鵺ちゃんなのです!


【鈴音の願いを聞き入れつつ、自分のやつをじーっくり選んでる】
【ふふーっとほっぺたを膨らませドヤる、中々に表情豊かで】
【肩からぱっと手を離して、今度は鈴音の手の甲を指先でぐりぐり】


んー、大丈夫です、それぐらいの敵なら鵺ちゃんの敵じゃないです、し
そーれーにっ、鵺ちゃんが襲われててもお鈴ちんが助けに来るとは思えないしーっ
べーつーにっ、怒ってる訳じゃないですけど、ただ、まぁ、その、なんか悔しいなーって

そりゃお鈴ちん達はUNITED TRIGGER、輝かしい活躍をしてる正義組織だよ
でもね、こっちは公安────保安のプロとして、やらなきゃいけないのに
私知らなかったもん、お鈴ちんが襲われた事、今の今まで


【口をとんがらせる、不甲斐ない自分への、怒り】
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 13:16:04.55 ID:NXjplHFC0
>>789

うん、よかったら、付けていて――、わたしも、指は――……その、お料理するから、あんまりなんだけど。
わ……えっと、わたしは、その、桜色のやつ――、同じの、ある、のかな。分からないけど――、

…………もう――、……ありがとう、

【作ったのは自分じゃない。自分はあくまでいろんなひとに渡してと頼まれただけ、なのだけど――。お料理するからというのはこちらの事情】
【あまり指にはと言いながら洋服の首元を手繰る、するりと引っ張り出されるのが細いチェーンに通された指輪。服装もあってか、首元の鎖はあまり目立たず】
【ちょっと人肌温度のを手のひらに――石はきれいに桜の花の色だ。いろいろな色があるから……きっとお揃いの同じ色もある、のだろう、多分】

【それで――相手の言葉に表情が緩むのだ。そんなのもう二度とない方がいいよとかありふれたことを言う気にもならないくらい、ふっと、安心する】
【それに。そんなことを言ったって、きっと、二度目も三度目もあるだろう。そういう予感がした、だから――ありがとう。笑って、脳内の頼れるひとリストに加える】
【ぴしぴし言うくらい張り詰めた現状の中で鵺みたいな人物は貴重だった。どんな状況だってぱっと巻き込んでしまう、どんな気持ちだって、有無を言わさず巻き込まれて】
【その張り詰めた緊張をどんな魔法か知らないけど、ちょこっと緩めてしまうひと。――へにゃと少し緩い表情、それから少し照れるみたいに、小さく笑ってみせて】

なら……よかった、鵺ちゃんのところには来てないなら――、わたしも、このこと以外での、心当たりは……、その……。えぇと……。
だけどっ――このこと、だと思うの。襲われたのはちょこっと前で、黒幕のひと……ケイ、に会ったのは、もうちょっと最近。
……あのひと、カニバディールとわたしたちが協力しているって、きっと、知ってた。だから――、襲ってきたひとも、黒幕からのお使い、だと思う。

――――、わ、たしだって、助けるよ、うんと強くはないけどっ……、いつだって助けに行くの!
それに――あれはね、きっと、すっごく秘密なの、だって、黒幕が――いちおうだって公安のひとが、それこそ、誰かを襲って来いだなんて。
そんなの言うの、変だから――、ウェインさんは機関のひととかをお使いにしたんじゃないかって……、

【安堵も――本当だ。相手が公安に属しているのは知っている。きっと自分より場慣れしていて戦いが上手で、強いのだろう。それでも、年下なのだ】
【こんなのくだらない気持ちかもしれないけど、よかったって思ってしまう。――心当たりはなんかいろいろありそうだったけど、多分ない、ということにして】
【カニバディールとの協力関係はおそらくすでにバレている。カニバディールが急にああいったことをしているのも、彼の方で何か状況が変わったとしか思えないなら】
【やっぱり――彼のところにも来たのではないかと思う。そのうえで自分のところにも来ているのなら。――知れている、以外のことは、考えられなくって】

【――助けに行くよ、って、真面目な声だった。絶対に駆けつけると誓うような声、神様の前で、真っ白なベールを持ち上げてもらった瞬間よりも、真剣に】
【知らなかったと口をとがらせる鵺には、きっと極秘裏のことだったのだと。だから鵺は悪くないと、重ねて】

/ごめんなさい、ちょこっとおひるごはん食べてきます!
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 13:21:36.22 ID:Xp0wbCSQo
>>788

【魔女の微かな反応を、リカルドもブランルも見逃すことはなかった】
【────一瞬。侮蔑の笑みが両者に浮かぶ。あるいはそれは、この二人の油断のせいなのかもしれない】

【フランツの言動のどこまでが本心かなど分かりはしない。それでも傲慢な激情家だろうと、二人は考えていた】
【もしもそうであるならば────ブランルがふと、フランツに顔を向ける】


「おや、女性の扱いが手荒ではないかな?
 撫でるにせよ、嬲るにせよ、もっと慈しみと愛しさと、あとは余裕があって行われるべきだと思うが
 それとも、そういうのは趣味ではないかね、ヘア・フランツ?」

おい、ブランル。これから仲良くしようという相手に無礼だぞ
いや、すまないね。こいつは優秀なんだが、まともな人付き合いが下手でな
私の顔に免じて許してやってほしい。もっとも、確かな誇りを持つそちらが、この程度で怒りはしないと思うがね


【極めて不躾な言葉を投げかけたブランルをリカルドが咎める】
【これもまた反応を見るためのものだった。リカルドにとってはフランツの、ではあるが】
【ブランルの注意は魔女へと向けられていた。果たして彼女が、真にフランツの下にいるかどうかは────】


よし、決まりだな!
ではブランル、我が社の看板に泥を塗るな、という陳腐な言葉をかけておくぞ

「月並みな答えだが、善処する、とだけ言っておこう
 何せ相手が相手だ。どうなるかは私にも分からんよ」


【ブランルの右手がタクトのように振られる。細い指先で魔力の燐光が踊り、弾ける】
【応接間の床に魔法陣が出現。幾何学模様が回転し始め、徐々に速度をあげていく】
【同時に魔法陣の輝きが増していき────視界を白色で埋め尽くす】


【次の瞬間。晴れた視界には暗澹とした空間が広がっていた】
【鋼鉄製の無機質な床。鼻腔を突く血の臭い。薄暗い照明。肩にのしかかるような重苦しい空気】

【転移術式によって連れてこられたのは円筒形の長大な部屋だった。天井は高すぎて照明が当たらず、見えない】
【壁の一面には人がくくりつけられていた。隙間なく、全方位のあらゆる箇所に】
【いずれもだらんと首を垂れていて、意識がないようだ。老若男女に人間亜人。あらゆる人種がそこにはいた】

【壁の一部と床のいくつかには焼け焦げたような黒ずんだ箇所があった。さらには破壊されたような跡まである】
【それらはつい最近に作られたことが分かるほどに真新しいものだった】

【円筒形の部屋は半円状の天井を持つ通路で扉とつながっていた。その通路には作業台がいくつか置いてあった】
【台の上には廃棄された機械類に、人体のパーツが無造作に転がっている。狂気的ではあれど、気にする人間はこの場にはいないだろう】


「さて。ようこそ我が研究所へ……といったところか
 分類は研究所だが実際は保管庫のようなものだ。地下にあるおかげで騒いでも誰もこない
 なので、ここで執り行うのが良いだろう。”彼ら”もここで寝ていることだしな

 準備運動があるならしておくといい。こちらも兵器の調整を少ししたい」


【兵器の調整とは言ったが、それは軍勢のことではなかった】

【ブランルの右手が宙で開かれる。空間がねじ曲がり、現れたのは一個の巨大な重火器だった】
【竜の頭部を象った銃口に回転式拳銃のシリンダーを巨大化させたものが続く。引き金らしきものは上部に】
【携行用のガトリング砲を妙な形状に魔改造したような、そんな兵器だった】

【「観戦は離れてやった方がいい」──リカルドがフランツと魔女の二人に声をかけて壁際まで下がる】
【スナーク次第だったが、リカルドがそうするということは、兵器の威力、範囲はかなりのもののようだ】
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 13:26:39.19 ID:PFv3CLRzo
>>790

【鈴音の指輪を見て、がさごそ探すだろう、少しして似た色の指輪を見つける】


見てみて! これ一緒じゃないかな! 鵺ちゃん見つけちゃった!
えへへーっ! お鈴ちんとお揃いだっ! うっれしーなーっ!
無くさないからねっ、今度から会った時に見せ合わない?

そしたらね、なんだかどこに居たって会えるような気がするしっ
鵺ちゃんは約束をお守りしますのでっ、是非に是非にっ!


【そしてかける提案の言葉、いいこと思いついたみたいな表情】
【照明に透かして見せる、淡やかな色が光に反射して】
【綺麗だなーって言葉が呟きのように漏れた】


なるほどです、随分とまあ相手さんも動きが早い事で
ますます公安と繋がってるっていうのが、信憑性マシマシですね
公安もまぁ、情報網に関してはトップクラスですし

ふふーんっ、その言葉聞いちゃいましたよ? 信用しちゃいますよ?
鵺ちゃんがピンチの時は、さっそーとお鈴ちん助けに来てくださいねっ
約束です、やーくーそーくっ! 嘘ついたら鵺ちゃん特製コメットパンチです

お鈴ちんはおドジ娘ですし、急がなきゃって思えば思う程こけちゃうかもです
鼻に擦り傷作って到着しても、かっこよくないですよっ


【からかいの言葉を述べつつ、その頬はどこか嬉しそうで】
【ただ少し緊張感に欠けている様子もある、過信か自信か】
【状況は悪くなる一方だというのに】


/了解です!ごゆるりと!
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 13:37:30.20 ID:PFv3CLRzo
>>791

【ブランルがかける言葉、フランツは鼻で笑いこう返すだろう】


ふん、どうやら研究は一流でも人間としては三流以下だな、噛み付く相手を間違えるんじゃない狗が
私にとって女性とは、私に相応の知性と力があってこそ初めて定義される
こんな売女に対して女性とは、言葉が過ぎるぞ

私は怒りなどしない、ご存知だと思うが貴族は喧嘩をしないんだ
しかし、啓蒙こそが、我が天命、代わりに私が忠告している迄だ
躾が足りないんじゃないかな?リカルド・B・ボレモス


【かけた挑発には真っ向から返す、何とも傲慢な態度】



【転移術式により場所を移動、魔女は興味深そうに周囲を見渡して】
【繋がれた無数の人、淑女のように口元を抑えるが、零れる口の端は笑みがあった】
【スナークはと言えば、年頃の若い男を物色している】

【リカルドに従って、フランツと魔女は壁際まで移動するだろう】


「ふぅん、悪趣味な兵器、美意識の欠片もないねっ
 大体今のニンゲンが作る武器ってぇ、どれもこれもぅ、遊び心がないとゆうかぁ
 如何に効率よく殺せるかしか、考えてないよねっ」

「その点は昔のニンゲンの方がずっと、ずーっと優れてたしぃ
 ねぇ、おにーさんは見たことある?昔の拷問器具
 すごいよねぇ、ゾクゾクするよっ、こんなに残酷な殺し方が出来るんだって」


【スナークは大きく伸びをする、華奢ながら整ったスタイル】
【膨らんだバストにヒップ、素肌を大きく露出した扇情的な姿】
【其れはさながらサキュバスそのもの、あどけない笑みを浮かべて】
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 13:57:24.42 ID:Xp0wbCSQo
>>793

【ブランルの手が召喚された兵装に触れる。調整とは言ったが、やっていることといえばそれだけ】
【だが、確かに調整は行われていた。兵器の内部を血管のように細かな魔力が巡り、あるいは戻る】
【単純な無機物を利用しただけの兵器ではなかった。魔術とその他の技術を融合させていた】


「ああ、知っているとも
 美しい拷問器具は山のようにある。今でも惚れ惚れするほどの、な
 だが、それらもずっと頭に置いておくと飽きてしまう。今では、私はこういった兵器も好きでね?
 効率重視にも、それはそれで機能美がある。そしてどちらをも知っていてこそ、より良いものが作り出せるのだよ」


【黒絹の瞳が少女へと向く。扇情的な造形に、優雅な笑みが形作られる】


「それにしても、なかなか良い体つきをしている。実に私の好みだ
 リカルドは技術面で興味があるのだろうが、私としてはお前個人にも興味があるところだ
 どうだ、勝敗はともかくとして、後で共に時間を過ごす、というのは?」


【フランツの出した条件では、この戦いでブランル側が勝てば、というものだったが】
【ブランルはそれを無視してスナーク個人に誘いをかけていた】

【兵器から手が離れる。調整は終わったようだった】

【同時に、音もなく人影がブランルの傍らに降りてくる。形状は人間だが、それ以外が違う】
【全身は白色。頭髪はなし。開かれた両目も白一色。呪術的な紋様が全身に巡らされていた】
【ブランルが片手で重火器を投げると、異形はそれを両手で受け取った】
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 14:07:48.30 ID:PFv3CLRzo
>>794

【ブランルの言葉に少女は笑みを強めた、紅い月の如く凄惨な笑み】
【両腕を頭の上で交錯させ肢体を露わにする、絹糸の様な滑らかな素肌】
【潤んだ瑞々しい張りのある身体──どこまでも淫らに】


「あははははは!! 世迷い言も大概にしてよぅ!!
 ニンゲン風情がボクと時間を共にするぅ? 冗談キツいなぁ!
 おにーさんいいよっ! 凄くいい! そのインテリぶった顔──」

「引っ剥がしてグチャグチャにしてやりたくなるよ
 やーなこった、誰がお前なんかに抱かれるかよ
 抱いて欲しかったら少しでも満足させな、それで漸く考えてやるよ」


【舌を出す、滑らかな赤が深く滲んで】
【魔女が遠くでため息一つ、全然この子話聞いてないわ、と】
【スナークは出現した人影を確かめ、軽く笑った】


「これが今回のお相手さん? なんだかやーなかんじっ!
 ボク白って嫌いなんだよね、お高く止まってるみたいでさぁ!
 いいよ、ぐっちゃぐちゃにかき混ぜてあげるんだからっ!」

「───"Killers Like Candy"───」


【スナークの右手に出現する黒色の大鎌、バトンの様にくるくると回転させ】
【両手で握り直し跳躍、地面を蹴って大きく距離を詰める】
【上半身に向け横薙ぎの一閃───刃には僅かな魔力がある】
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 14:22:54.06 ID:NXjplHFC0
>>792

【がさがさ探しているのを見るのはなんだか照れ臭かった、本当にあるのかも分からないし、むず痒いような気持ち、座っているのにお尻がもじもじするような】
【ちょっと面映ゆくって目を逸らすのに横目で見てしまいたくなる気持ち。こういうのは――あんまり経験がなかった。友達、といっても、もっと静かで】
【そういうひとが多かったから――、だけど決して嫌ではないのだ。相手がやがて似た色合い、綺麗な色合いを見つけたなら】

わ、あ――ほんとだ、――そう、だね、おんなじ色の、おんなじ指輪。それってきっと――目印にだって、なるし。
わたしだって、お約束は守るよ。だからね、そうだね――、これが証拠、ね。どこに居たって会える証拠、また会うよってね、約束の――。

【少女もまた笑うだろう、相手の表情につられたみたいに、鮮やかに笑って。目印――というのは、まだ、相手にはよく分からないだろうか。だけど、彼女の中では】
【今は確かに協力者であるとある人物が思い浮かべられる――複雑な気持ちだった。だけど、こういう、同じものを持っていて、それを互いに知っている、というのは】
【もしも誰かがどちらかに化けてどちらかを害そうとしたとしても、その前に気づくことが出来る重要な意味合いを持つ。――でもやっぱりちょっと、照れ臭いのだけど】

【自分の分もそっと相手の持つ指輪の近くに寄せてみる。よく似た色――もしかしたらほんのちょっとくらいカラーコードは違うのかもしれないけど】
【目で見てあんまり変わらないなら、きっと同じでいいだろう。そうでなくったって――二人でこうして見せ合うって約束したことに、代えがたい意味があって】

ロッソさんとかも、その前にはね、やることがあるからって……、プランがあるって言っていたの。
麻季音ちゃんのお父さんを助けるんだけど――それとは別に、黒幕が作ろうとしてる、洗脳の技術。それの反対のことを、麻季音ちゃんが作れるんじゃないかって。
だから、相手の……えっと……オーウェル社? そこを奪い取って……技術とか、そういうのを。盗むんだって、でも、その場所じゃなくっちゃいけなくて。
そこのところを――――なんかね、制圧? みたいな感じで、盗むんだって――、

【前に会ってから――状況はいくつも升目を進めていた、すごろくみたいに状況はころころ変わる、進んで戻って、下手したらスタートまで戻されかねない】
【そういう中でいろいろな話があって――彼女たちの方でも何か作戦があったらしい。曰く、洗脳技術の反対、汚脳だなんてきっと呼ばないけど、とにかく、そんなもの】
【作れるんじゃないかって……だけれどそのためには相手方の技術やら機械やらが必要で。それを奪い取る計画があって、だけど、全部がいったん止まってしまっている】

――――当たり前なの、助けるよ、王子様みたいに格好よくないし、馬だって乗れないけど……、
鵺ちゃんのこと助けるの、――どじじゃないしね、転ばないの、そんな風に言ってたらね、本当の時にびっくりしちゃうよ――。

【からかいの言葉に少しだけむっとする、それでも嬉しそうなほっぺたに気づけば、少女もまた表情を柔らかくして、宣言する】
【ドジじゃないし転ばないし、そんな風に言っていたらびっくりしちゃうよ、なんて、少し――大人ぶるような言葉。だけど表情はあどけないどや顔で】

/戻りました! お待たせしましたっ
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 14:23:05.42 ID:Xp0wbCSQo
>>795

【「ふふ、手厳しいな」──苦笑しながらブランルも壁際まで移動】
【兵器を持った異形は構えずにただ立ち尽くしていた。そこに鎌を携えたスナークが向かってくる】
【跳躍からの接近。異形は微動だにしない。鎌の切っ先が向かう最中、両者の間隙に人影が割り込む】

【それは二つ。若い人間の男女だった。両者は鎌による一閃を胴体で受け止める】
【刃が肉を裂き、臓器を抉る。先端が男の肉体を貫通。後ろの女の腹部に鎌が突き刺さる】
【だが、そこで強引に止めた。現れた二者は身体を盾にすることで、白い異形を庇ったのだった】

【スナークの周囲で複数の着地音。数は七。同じような老若男女が現れて、白色の瞳を少女へと向ける】
【白い異形が後方へと跳躍。少女から距離をとる。機械の開閉のような無機質な動作で口を開く】



    『 ───ァアア──────アァアアアァ────────アアアァアァアア────── 』



【発せられるのは静かな叫びだった。おおよそ人間では発声できない高音や低音さえ含んだ音響】
【”声”にならぬ”声”が異形の口から発生。それに応じて”軍勢”たちも口を開き、似たような音を発生させる】

【攻撃ではないし、威嚇でもない。不愉快極まる音だがダメージを与えるようなものではない】
【────それは、一種の号令だった】


【九体の軍勢が動き始める。二体が跳躍して真上から両腕を振り下ろしつつ落下】
【二体は右側、二体は左側から。スナークへと接近して組みつこうとする。成功すれば、鋭い牙を立てて肉を食い破ろうとするだろう】
【後方は空いている。二体は鎌が刺さったまま、一体は白い異形に随伴している】
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 14:31:25.05 ID:PFv3CLRzo
>>796

【とくん、と胸の奥が揺れる。──なんだか急に頬が赤くなって】
【どんなに子どもっぽく見えても鈴音はやっぱりお姉さんで】
【助けるよ、その言葉に思わずドキッとしてしまう自分がいた】


わっ……えっと、なるべく……そんなピンチにはならない、けど
もしもの時には──お願いしますっ!
ってやだぁ! もぅ! なんか、すっごく照れるしっ!

ほほーんっ、つまりはそのオーウェル社にとつげきーっ! ですね!
分かりやすいです! 鵺ちゃんお好みの方法ですよっ!
ばーちし任せてくださいっ! 情報工作はお手の物です


【くるりとその場で一回転、和装の少女は忘れがちだが忍びである】
【潜入捜査や撹乱はお手の物なのだろう、そうアピールして】
【袂に指輪を詰めたなら、ふぅ、と一息】


情報交換はこんなとこかなーお鈴ちんって働き者だねっ!
鵺ちゃんは凄いと思うのです、こんな娘っ子のどこにそんなパワーがあるのかなって
ふふ、でも、でも! なんか分かった気もします

お鈴ちんは、みんなから愛されてるんだなーって、思います
愛されてる人って強いんですよっ、パワーがもりもりあるので!
だからこんなふうに、たくさん出来るんですねっ!


【でも】


疲れたら、お休みも必要ですよっ!


【──いきなり飛びかかる、ぎゅーっと抱き締めにかかるように】
【そのまま貴方の艶やかな髪をそーっと撫でにかかるだろう】
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 14:43:57.16 ID:PFv3CLRzo
>>797

【手元に感じる確かな感触、にぃっと笑みを強める】
【ラクショーだね!そんな軽い気持ちは一瞬にして消えた】
【現れた別の人影、成程不死の軍勢とはこういうことか】

【両脚を大きく開き体勢を低く保つ、いいね、そう来なくっちゃと】


「ははっ! 之でこそ遊び甲斐があるねっ!
 こぉんなに沢山のニンゲンを壊せるだなんて、素敵なサービス!
 いいよ、片っ端から粉々にしてあげるっ」

「もぅ、そんなにボクを抱きたいの?
 だぁーめっ、ボクの身体は素敵な王子様にじゃなきゃ穢されたくないもん
 君達にはこの程度がお似合いだよっ!」

「──"Mors Principium Est"──」


【潤んだ唇を噛み締める、怠惰な舌を這わせて愛を舐る】
【リップノイズを響かせ口付けが空中に浮かんだ、キスマークが六つ、空を飛び交う】
【真上から飛びかかる個体、左右から襲いかかる個体にキスマークが向かうだろう】

【キスマークが付着したなら、それらの個体は皆、命令を無視し目の前の相手に組み付き、攻撃を仕掛けるだろう】
【まるで『魅惑』を受け、目の前の相手を攻撃する事に『固執』する様に】
【スナークは一度鎌を手放し後ろに跳躍、距離を開けるだろう】


「"Killers Like Candy"は、甘い甘い死の吐息♪
ボクが調合した特別な『病気』が込められてるんだぁっ♪
病の名前は『骨喰い』──さぁ、少しずつ朽ち果てておくれ」


【鎌が刺さった二人は徐々に全身の骨が動かなくなるだろう】
【効果は一時的だ、しかし、鎌が刺さっている間は治る気配はない】
【スナークは指先を口元に近づけ笑う、この状況を楽しむように】
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 14:48:50.54 ID:NXjplHFC0
>>798

――もう、そんなの当たり前なの。すぐにピンチになっちゃう子、いーっつも助けてたらね、王子様だって疲れちゃう、でしょ?
くったくたの王子様なんてね、恰好よくないよ。――それに、鵺ちゃん、わたしとしても……わたしたちとしても、とっても、ね、大切なひと。
わたしの大切なお友達――それはもちろん。だけど、公安のひとって言う、意味でも。わたしたちはだあれも公安には関係ない、だからね――、

…………もう、えと、なんていうのかな……。すっごく、すっごくね、大事なの! だからね、うんと気を付けて。怪我なんて、しないで――――。

【なるだけピンチにはならない。その言葉で少女は安心したように笑う、それでもやっぱり安心はしきらない、この現状では、そんな気持ち容易くねじ伏せられる】
【だからちょこっとだけ冗談めかして。王子様も疲れちゃう、なんて――だけどもしもの時にはすぐに駆け付ける。その時に格好いい王子様かどうかは、分からないけど】
【そもそも性別的に王子様じゃあないけど――大事なお友達のピンチを知っていたら無視なんてしないし、出来ない。いつだって駆けつける、それは絶対で】
【そのうえで――友達という意味でも、協力者という意味でも、鵺は大事な存在だった。このことが全部終わったら、それこそ、本当に普通のお友達になりたいって思うくらい】
【だけど上手に言えなくって――、子供みたいに大事だからって繰り返して、終わる。ちょっと拗ねた横顔を見せて、「わたしも、気を付けるから」って、付け足して】

でも――ロッソさんが、居なくっちゃあ……、ロッソさんと麻季音ちゃんが作戦担当だから、その……。
今日はいないけど。たまにUTに麻季音ちゃんの護衛っていうアンドロイドのひとが居るの、そのひとも協力……みたいな。
そのひとがオーウェル社のパソコン……? にアクセスできるんだって、だから、あの三人が居ないと、わたし、機械のことって分からないし――。

【とかく。その潜入だか強奪だかなんだかかんだかっていうのは彼女にはよく分からないらしい。必要だと言われれば、その時は、もちろん協力するけど】
【きっと鵺も手伝ってくれるのだと思えば心強かった。ひたすら壊すのしか得意じゃない自分にとっては、そういうお話ができるひとって、なんだか、すごく思えて】

うん、良かった……、カニバディールともお話してくれたなら。何か言っていた? あれきり、連絡って取ってないから――、
働き者って――そんなことないよ、みんなの方がね、頑張ってるの。少しでも強くならなきゃって思うのに、お勉強だって、上手にできないし……あ、

……ねえね、鵺ちゃん。鉄砲使うのが上手なひとって、知っている? 練習しなくっちゃなの、だけど、一人じゃ、どうしたらいいのか――え、

愛されてるって、そんな、ことは……、えとね、運がいいだけなのっ、――そう、運がいい、だけで……。

【あえてよかった。情報交換はもとより指輪を渡すこともできた、立派な一歩だろう。その間に黒幕が進めた歩みの数を思えば、ひどく微々たるもの、ちっちゃな一歩だけど】
【それで何か思いだしたように、尋ねる――鉄砲って言い方がそもそもよく分かってなさそうな物言いだった。さっき相手が見つけたホルスターの話をしている、らしいのだけど】
【ひどく不慣れなように、少しだけ不安そうに――勉強だって、というのは先の文字化けのことだろう。銃の扱いも――この分だとへたっぴどころかお祭りの射的以下っぽい】
【困ってしまったみたいに――愛されてるだなんていわれたら、違う違うって慌てて返す、運がいいだけ。いろいろな運がいいだけだって、少し照れ臭そうに】

ふゃっ――! もう、っ――、……。

【ぴゃっと飛び掛かられて変な声。それでもわりにしっかり受け止めるだろう、抱きしめられたなら、前と同じ、甘い匂い。頭を撫でられたなら、少し複雑な顔をするけど】
【特別嫌な様子はないのだった。抱きしめられて撫でられて、じーっとしている――どっちが年上なんだかよく分からないけど、それでも、穏やかなのは確かだった】
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 14:58:02.82 ID:Xp0wbCSQo
>>799

【スナークが後方に跳躍したことで、軍勢たちは敵を捉えることに失敗】
【挟み撃ちを敢行していた四体は停止。上空から強襲しようとした二体は単に着地するだけに終わる】
【その後、六体は六体とも、互いに向き合うなり攻撃をし始める。お互いの肩や腕に噛みつき、食いちぎる】

【鎌が突き刺さった二体は骨が動かなくなったことで動きが停止。その場に留まることとなった】
【一瞬のうちに合計八体が撹乱されていた。白い異形は重火器を構えたまま動かない。残りの一体も同様】

【新たに上空から三体の人型が落下してくる。今度は軍勢とは細部が違った】
【いずれも地を這うように両手両足を地面につき、蜘蛛か何かのように姿勢を低くしている】
【全身は肌色。やはり頭髪はなし。白濁した瞳が周囲を見回し、少女を見つけ出す】


『ガァアアアアッ!!』『ケケケケケケケッ』『ア、アァ……アァアア……ッ』


【三者三様の奇声。一体は地面に両手を叩きつけて跳躍、一体は脚を屈めてバネとして疾走。一体はそれに追従する形で床を高速で這う】
【いずれも先の六体とは比べものにならないぐらい動きが速い。恐らくは改良型なのだろう】
【接近に成功すれば、やはり噛みつこうとしてくる。まずは上空からの強襲、続いて低空を弾丸のように突進してくる一体】
【最後に虫のように這ってくる一体。順に対処する必要がありそうだ】
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 14:58:06.98 ID:PFv3CLRzo
>>800

【撫で撫でしながらこう思う、目の前の少女は照れ屋さんなんだなって】
【そんな風に言わなくても分かるのになーっと】
【貴方が大事な存在だなんて、当の前から知ってるのに】


ロッソんにマキマキに……アンドロイドは名前分かんなきゃダメですねっ
成程! 分かっちゃいました、その人達が中心になってるんですね
お店に来る時があったら伝えておいてくださいっ、鵺も手伝いますよ、と

うーん、カニちゃん何か言ってたかなぁ、緊急事態だったから長くお話はできなかったの
だーって今にも沈んでゆく船だよっ! 鵺ちゃんも命からがらだったしぃ

ん? お鈴ちん銃使うの?
無理無理無理のカタツムリ! ぜーったいに止めて! んもぅびーっくり!
あのね、銃を使うには適切な訓練と、能力がいるの! お鈴ちんにはぜーったいむり!


【銃を使うという申し出は却下、完璧に却下】
【警察機構に属する人間として、銃の扱い方は一通り習ってはいるが】
【すーすーと貴方の髪の香りを嗅ぐ、落ち着く香り】


あーやっぱりお鈴ちんの香りは癒されるなぁ、正統派美少女の香りっ
しっかしまぁほんとにびっくりするぐらい綺麗な髪ですね、一生触れる
くしゃくしゃーってしてもいいかな?

してもいいよね!? しちゃうよ!? いいよね!?

あーもう、むり!!!


【わちゃわちゃーっと髪をかき乱す、猫が新品のシーツにするあれ】
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 15:08:52.82 ID:PFv3CLRzo
>>801

【スナークは体勢を低くし、両足を開き右手を地面につける】
【動きが早い──内心厄介だな、と思いつつも表情には出さず】
【軽く息を吐く、そうこなくちゃ、と言っているように】


「あはは! 情熱的なアプローチをどうも!
 嬉しいよ、ありがとう、気持ち悪いんだよっ! 一々!
 独りよがりな愛情表現程、理解できないものないもんねぇっ!」

「食べちゃいたい? ボクの淫らな身体に貪りつきたい?
 どうなっちゃうのかなぁ、汚ったない唾や涎でベトベトになりながら穢されちゃうの
 嫌悪感でゾクゾクするよっ、そういうのも悪くは無いかもね♪」


【右手が触れていた地面から急速に成長する『木』】
【仄かに淡い光を纏った黒い木が出現し、上空から来る個体を貫こうとする】
【同時に真っ直ぐ接近してくる残り二人を遮る軌道だ、迂回すれば回避出来るだろうが】

【木が纏う淡い光、それに触れたなら感覚が鈍くなり動きに支障が出るだろう】
【それはさながら麻痺する様に、大きく迂回すれば回避できるが、個体にそれだけの智慧があるか】
【立ち上がる奥の重火器を持った個体を見据える、防戦一方であった】


「ねぇ、こんな程度じゃ前菜にもならないや
 もっと激しいのを頂戴っ! ボクの体の奥に届く様に!
 そうじゃないと足りないから、全くもって足りないから!」


【かけるのは挑発、両手を大きく開いて素肌を晒す】
【内股加減に太ももを重ねて、右の手を股間の前へ】
【舌を軽く出して小首を傾げる、誘う様なみだらなサイン】

【右手の指先で作るピースマーク、赤い笑みが歪んだ】
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 15:16:12.68 ID:NXjplHFC0
>>802

アンドロイドのひとは……ゾーイって名前、だよ、最近UTにたまにいるの。麻季音ちゃんの護衛をしてて……。
……ロッソさん、そういう感じじゃないよ、もっとね、えーっと……映画!みたいな感じのひとなの、サングラスしてて――、
麻季音ちゃんとゾーイさんはUTで会えると思う。ロッソさんは――わかんない、や、どこで会えるのか……。

――――そっか、でも。カニバディールね、今じゃ一番生きてるか死んでるか、何してるのか、分かるひとになっちゃった。
すごいね、わたし、あんなひとね、仲間にするーって、もう――わたしが一番悪いひとみたいだなぁって、思うの。

【伝えた名前がどんどんあだ名になっていく、ただ一つ思うところはあって。実際言葉にもするだろう、ロッソ――という人間、そういう感じでは、ないらしい】
【とにかく映画ー!って感じのひとらしい。そういうたとえ方もどうかと思うけど――サングラスしてて、でっかくて、煙草のにおいのひと】
【そういうイメージだから――どうにも、そういうあだ名とは無縁に思えてしまう、一転カニバディールとはあんまり話が出来なかった、というのを聞けば】
【というかかなり大変な場面での会話だったらしい。わあと驚いた表情、それなら仕方ないと言外に示して。――そこから先はちょっとした、独り言にも似る呟き】
【なにせ彼に協力を要請したのはこの少女自身だった。相手が信用できないと言った人間。当然だろう、なにせ今テレビを賑わせていることといえば、魔制法、そして彼ら】
【そしてそのどっちともある意味で深く関わってしまっている少女は。――本当に本当に変な運命だった、奇縁もここまで拗れたら面白いとしか言えなくて】

だって――セリーナが銃も握れないくせにって、それに、ロッソさんも、使えた方がいいからって……、買ってくれて……。
えう――、……ええ、? だって、じゃないと、ロッソさんが……、えっ――。

【ただ――銃の話になるとすごい勢いで却下される、されまくる、そして本人も割と知ってたみたいな顔をするだろう、自信がないし、なさすぎる】
【使えた方がいいだろうという話になって買ってもらったはいいのだけど――という感じらしかった。練習をしようにも一人では、それが上手なのかもわからない】
【でも頑張らなくちゃという気持ちはきちんとあるなら、どうしたって不明瞭にぐじぐじとでもでもだってを繰り返すばかりになって――ただ絶対無理とまで言われたら】
【それはそれでちょっと拗ねてくるのだ、だからってできるよ!って強くは言い切れない。実際銃は怖くって仕方なくって、どうしたって、苦手で――】

わっ――、わああっ、や――! 

【――そのタイミングで髪の毛をくちゃくちゃくちゃーっとされれば水濡れした犬みたいにふるふる揺れる、だけど逃げきれずに、髪は見事に乱されて】
【細すぎないけれどしっかりと纏まった毛。そう長くないけど跳ね上がるほどは軽くなくって、なによりきちんと手入れされているなら絡まってしまうこともきっとなくて】
【さらさら指に絡むようなのに指を引けばすっと通り抜ける――甘いシャンプーの匂い、少しひんやりとした毛先の温度。すーっごく気を使っているのが、分かるようで】
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 15:22:38.29 ID:Xp0wbCSQo
>>803

【上空から急降下する一体。少女へと一直線に向かうが────ぐちゃり】
【木によって身体を貫かれ、勢いのまま上半身と下半身がちぎれ飛ぶ。血を撒き散らしながら下半身が床に激突】
【上半身は少女から少し離れたところに両手から”着地”した。両腕の筋力だけで身体を持ち上げ、なおも疾駆】

【直進していた一体が木に激突。破壊はできず、光にまともに触れたためにその動きに遅延が生じる】
【後方からそれに追随していた最後の一体は、両手足で床を蹴り軌道を変更。木を迂回しながら少女へと迫る】
【どうやら多少の知能は残っていたらしい。あるいは、白い異形の”指揮”のせいか】

【異形は目まぐるしく変わる高低音を発しながら、持っていた重火器を構える】
【起動音。燃焼機関が動き始め、大気を重く響かせるような音が生じる。さらには魔力が砲塔に集中していく】

【充填は少しずつ。チャージを要する兵器のようだったが、その魔力量はかなりのものだった】
【なのであれば妨害することも可能ではあったが、それにはまず接近する二体をさばき、更には護衛の一体を打ち倒す必要があった】
【あるいは、遠距離攻撃があればそれも有効かもしれない】


【おもむろにブランルがリカルドの元へと移動。防護術式の準備を始める】
【ちらり、と。横目で魔女に視線を送る。自分たちの身は自分でやってくれよ、と】
【防御用の魔術を用意する程度に、ブランルの持ち出した兵器は範囲の広いものであるようだった】
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 15:26:21.39 ID:PFv3CLRzo
>>804

【鈴音の呟きを聞いてふむふむ、と思う、その通りだな、と】


そうですよ、お鈴ちんが一番の悪者ですっ
機関員に公安、正義組織に研究者、多種多様な人間を集めて動かす
これを悪者と言わずになんと言いますか!


【───ふふーん、と笑って】


今世の中の流れはどんどん、反異能に進んでいってます
それに反対する我々は、言わばきっちりきっかり悪人です
その内地下に降りてテロリストしなきゃいけなくなりますよっ

だからお鈴ちんは悪者です、そこに従う私も悪者です
でも知ってます? 悪者はぜーったい諦めないんです
上手くいかなくたって、失敗したって、次こそはと努力する

苦しい時こそ不敵に笑う! まだ奥の手が残ってるって!


【決して忍者は表の舞台に立たない、いうならば日陰の存在】
【だからこそ、世界にとっては純粋な善ではないと知ってるから】
【奇妙な話ですね、と小さく笑った】


んだーかーらっ、戦うのは私達に任せてお鈴ちんは応援してくださいよっ
お鈴ちんの応援ならもう鵺ちゃん元気100万倍!
どんな敵が相手でも、大丈夫です!

ってか!! もうなにこのふわふわっ! ありえなくないですかっ!
天使じゃないですかぁ! もうお鈴ちんまじ魔性の女!
こんなにふわふわなるんなら、鵺ちゃんも洗髪してほしぃなぁ!


【銃の話は一蹴、もうはなっから可能性として考えていない】
【しかし鈴音の髪の毛は凄い、何時までだって触ってられる】
【上質な絹糸を思わせる、鈴音の丁寧さが伝わってくるのである】
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 15:39:55.75 ID:PFv3CLRzo
>>805

【一筋縄じゃいかない、とスナークの瞳に焦りが見えた】
【達人と打つ将棋の如く、一手一手が徐々に不利につながる】
【真綿で首を絞められる様な感触、ちいっ、と舌打ち一つ】


「っ……!! 鬱陶しいんだよっ!! 死人が動くな!!
 死んだ奴は死んだ奴らしく、墓の下に埋まってな!!
 あぁ、もう、イライラするぅ!! 反応無い奴らを相手にするのはこれだから!」


【スナークは自身の出現させた木に登る、軽く地面を蹴って枝に乗り】
【そのまま数回蹴って木の天辺へ、接近してくる二体は一時的に撒けただろうか】
【木の真上から見下ろす重火器───直感がマズいと告げる】

【しかし、対応はできない、後手後手に回った結果、回避が精一杯だ】


【ブランルの視線を受け魔女が微笑む、ヴェール越しに紅いルージュが煌めく】
【魔女がフランツの前に出る、甘えるように背中をフランツに預け】
【虚空へと右手を伸ばした、黒衣のドレスに包まれた華奢な右腕】

【フランツが指を鳴らすと、魔女の右腕がメキリ、と音を立てて捩れる】
【苦悶の声が漏れた、揺れる肩をフランツが掴み、逃げる事を許さない】
【もう1度指を鳴らす、さらに捻じれ、魔女の身体が大きくはねた】

【血が滴り落ちる、肩の根元から捻れた右腕は、まるでそこを中心に竜巻が起きた様に】
【骨が砕け皮膚が避けている、滴る大量の血液】
【かくかくと、両足を震わせながら魔女は、喘ぐ口元で紡いだ】


”──"Freak Kitchen"──”


【目の前に出現するのは巨大な編み細工で出来た人形、藁人形に近い形だ】
【高さは数m程、特筆すべきはその藁人形の中】
【此方も老若男女、多くの人間が藁人形の中に閉じ込められていた】

【虚ろな目をした人形、皆どこを見ているのか】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 15:44:04.01 ID:NXjplHFC0
>>806

【そうやってよく考えたなら。やっぱり自分は悪者だって思うのだ、いろんなひとたちを集めてしまった自分は、いったいどんな重罪人だろう】
【やっていることだって――結局は権力に間違いなくたてついているのだ。ならば。集めた自分は。そうやって見れば本当に本当に、悪いひと、問答無用で】
【相手の言葉で改めて認識させられる。とんでもないことをしているって――だけどその向こう側に自分たちの選びたい未来がないって、もう、分かっているなら】

――――――、そっ、か、そう、だね、そうだよね、映画でも、なんでも、なんだって、諦めない、もんね。
悪いひとたち、諦め悪いの。――そうだよね、なら、わたし――とっくに悪いひとだった、ううん、その前から、ずーっと、悪いひとで――。

【給仕のつもりだったのにいつしかテロリストにまでなってしまいそうなところに立っていた、劇的なビフォーとアフターにびっくりしてしまいそう】
【それでも諦めないつもりだった。多分ほかのひとも――そうだろう。諦めない、あるいは諦められない。だからこんなことをしている、バレていたって、それでもなお】
【やめられないから、やる。やっていることは立派すぎるくらいに悪くって、下手したら全員しょっ引かれるくらいのことで、なら、これくらい、まだいける】
【なんせまだ一応は自由に動けているのだ――って、思い直す。不敵に笑うのはそういうのがもっと似合うひとに任せようかなって、ちょこっと思ったけれど――】

おうえ――っ、応援より、もっとするよ――! それにね、応援しかできない子ね、ピンチの鵺ちゃん助けに行かれないよ――、
鉄砲もね、練習する、本当なの。気を付けて使うの、約束する。だけど――、能力に全然関係のない武器、わたしにはね、これしかないの。

【応援だけで我慢できそうにはなかった。みんなが頑張っているのを見ているだけとか、そんなの嫌だった。それに、なにより】
【それだけじゃあピンチの仲間を助けに行くことだってできやしない。だからがんばる、強くなる、練習する――頑なに宣言する、一蹴だってするっと避けて】
【なにせ相手は異能を封じて来る。その時点で彼女にとって勝ち目はないようなものなのだけど――それでも、本当に、全く関係ない戦闘力は、これだけだから】
【それだってまだまだへたっぴで何にもできないし、本当にだめだめだけど。――練習したい、使えるようになりたい、その気持ちはきっと本当だって、伝わるはずで】
【だけど同時に鵺の言っていることも、分かるのだ。分かるけど――分かるのに、諦められない。使えるようにならなくちゃ、というのが強くて強くて、よく目立って】

鵺ちゃんも髪の毛、綺麗だって、思うけど――。

【――押し負けつつあった。勢いあまって押し込まれていた。真面目なのが長続きしない、抱き着かれて髪の毛をいじられて、真面目も何もあったもんじゃない気はするけど】
【もういくらか前だったらもっと長いロングヘアだった――とか、幸運だっただろうか。その長さだったらもっといじくりまわされてた気がする、なんて、薄っすら思う】
【あるいは鵺にとっては不運だったのかもしれないけど。腰まで届くロングヘア、ばーっつり切ってしまっていたのだ、もし相手がUTの過去のCMなんて確かめたなら】
【その時はしっかり長い髪をしていたから――切ったんだなぁって知っているかも、しれないけど】
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 15:55:40.10 ID:PFv3CLRzo
>>808

【強い意志を感じた、しっかしこんな細い体のどこにそんな強さが、と】
【思うのは勝手だ、しかし、どんな過去を辿ってきたのか】
【推察するには十分な経験は無かった】


むぅ……意外と強情な娘っ子ですねっ!
そこまで言うなら、鵺ちゃんは止めはしないですけどっ、無茶はダメです
お鈴ちんが居なくなったら、誰がこの場所を守るんですかっ?

私は良いんです、住んでる世界が違いますから
生まれた場所からして違ったんです、それならば闇に生きましょう
耐え忍ぶ者が忍者なんです、望むなら貴方の盾にもなりますよ


【──まぁ、絶対望まないんでしょうけど】
【接してわかったことがある、鈴音は結構頑固だ】
【全く嫌な気持ちではない、けれども少し、羨ましくもあった】


あっ分かります!? 雪みたいで綺麗な色してるでしょっ!
……なーんて、こんな色してるからやれ任務には向かないだ、やれ切れだわ
そりゃぁ、忍者がロングヘアーとか基本無しですけどぉ、私の場合は能力ありますしっ

ほんとは黒髪が良かったなぁ、そしたら何も文句言われないのにっ
髪の色なんて選べないのにね、そりゃ染めるとかありますけど
生まれたまんまの色が、好きなんですけどっ


【少し変なスイッチが入ってずーんとしたモード】
【鈴音を胸に抱き抱える様に体勢を変えてぶーぶーいってる】
【その間も髪はナデナデ、鈴音を抱き枕か何かのようにしてる】
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 16:04:19.46 ID:Xp0wbCSQo
>>807

【接近した二体はスナークを捉える直前で逃す。上半身のみとなった一体は勢い余って転倒】
【もう一体は急停止。逃した少女を見上げるが、木に接近することはできなかった】
【木の発する光に囚われた一体が緩慢な動作ながらも登ろうとしてくる。だがあまりにも遅い】

【そんな中、白い異形に動きがあった。木の直上。スナークへと砲口が向けられる。竜の口が開き、砲身が伸長】
【砲口の内部に膨大な魔力が込められる。青白い輝きが砲身から発生。充填は終了していた】
【ブランルが術式を発動させる。リカルドの周囲を覆うように空間に歪みが生じる】


「…………さて
 それでは試”射”会と行こうか」


【宣言と共に、引き金が絞られる────轟音】
【青白い業火が砲口から放たれ、放射状に広がりながら空間を覆い尽くす】
【白い異形の前方にいた六体が炎の中へと姿を消す。次に黒い木の下にいた二体が焔の波濤に飲み込まれていく】

【輻射熱により大気が膨張。高温の熱風が吹きすさび、壁に叩きつけられる】
【それはリカルドたちへと迫り来る。歪んだ空間に到達した瞬間に熱風はねじ曲がり、二人を避けていく】
【フランツたちにもそれは到達する。まずはその藁人形へと】

【放射状に広がる業火はその範囲は凄まじく、回避は容易でないかもしれない】
【しかし前方の上空には直撃しない空間があった。スナークの跳躍力を持ってすれば、あるいは】
【またそれ相応の距離があったために、威力の減衰は生じていた。防御も不可能ではない】
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 16:14:44.25 ID:KopdaHjD0
>>809

この場所、は――、この場所は、ね、きっと、このことが終わった後。もちろん、今も……大事な場所なの、みんなが見て分かるくらい、ね。
だからね――誰かがきっと護るんだよ。ここのひとも、ほかのひとも――でもその前に世界のほうが駄目になっちゃったら、全部駄目になっちゃうから――。
……居なくなんないよ、居なくなんて、ならないけど――、だけど、ね。……鵺ちゃん盾にして生き残ったって、なんにも嬉しくないの、それは、絶対だよ。

【無茶は――しない、と、思う。そんな風に少し困ったように笑う、無茶をしないなんて言い張れない、"そう"なってるときに、どうするかなんて、分からないから】
【だから約束はできない――そのうえで。この場所だって自分が居なくたってだれかが護るだろうって言いながらも。居なくならない、それもまた一緒に、誓うのだ】
【無茶しないって約束はできない。この場所だって誰かが護るでしょう。だけど居なくならない。だからって、鵺を盾にして生き残ったって、嬉しくない】
【一見すればちぐはぐで言ってることなんてばらっばらで適当なこと言っているみたいに聞こえて、だけど、少女の中ではきちんと意味がある。意味があるから、譲れない】

【――本当に相手の思った通りなのだろう、思ったよりも頑固。自分がするって決めたら、へばりついてでも諦めない。蛇みたいにしつこくって】
【尾っぽだけじゃない、丸ごと全部蛇として生まれてきた神様の子孫。ならずうっと頑固で仕方ないのかもしれなかった、じっと見る目は、心底、そんなの望んでいない】
【それは――言葉にしていない性質も知っているからこそではあったけど。たとえそうじゃなくって、当たり前に死ぬ人間だったとしても――きっと、同じことを思うから】

――――うん、とってもね、羨ましいな、真っ黒なの、まーっくろで、だから、お洋服とかも……。
前は長かったから、前よりはちょこっとましだと思うけど――、でも――、忍者だけどね、そんなふうにきれいな色の髪、きれいにきれいに伸ばしてるのね、羨ましいの。

……――――ほんとに、ね、生まれたときの色なんて一生変わんないの、だけどね、わたしもね、ちょっぴり、羨ましいな……。
真っ白な髪の色。へびさまとおんなじなの、へびさまのね、大好きな髪の色なの――……。

【雪みたいできれいな色――本当に羨ましいような声だった。ささめくような、耳元でする内緒話みたいな、ぼうとした声】
【対する少女の髪色はきれいな真っ黒。烏の羽根みたいに黒くって――だからお洋服とかもちょこっと選ぶ。最近は短いから、いつかよりはましだけど、なんて】
【ぶーたれるけど相手の声音を思えばあんまり悪くは言えない、だけど……もし違う色に生まれてこられたなら、それは、そのときは、真っ白がいいなって思ってしまうから】
【本当に羨ましいって声でしゃべるのだ、相手がこちらの黒を羨むなら、こちらは相手の白が羨ましい――抱きしめられて、撫でられまくって、ちょっとくしゃくしゃになって】
【それからちょっと思いついたみたいに――仕返しするみたいに、よいしょって相手のことも撫でようとするだろう。よしよしって、思ったよりも、しっかりと】

【髪の表面を撫でるだけじゃなくて、その下の肌まできちんと触れているのが分かるよう――少しだけゆっくりと、子供を寝かしつけるみたいな、手付きで】

812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 16:19:36.04 ID:PFv3CLRzo
>>810

【放たれる業火、スナークの表情が固まる】
【こんな威力想像以上だ、と──事実、彼女の受け切れる許容量を超えていた】
【轟々と燃え盛る焔が今にも少女を飲み込まんとする】


「──"Killers Like Candy"──
 ──"……and the Infinite Sadness"──」


【スナークが呟いた瞬間、暴風が吹いた、渦巻く風の螺旋が大きくスナークを引き寄せる】
【予想外と言った様子でスナークの表情が揺れた、何故、どうして、と】
【フランツが左手を伸ばしていた、その手に引き寄せられる形でスナークが移動する】

【首根っこを掴まれ魔女の後方へ、痛っと小さく声が漏れた】


”私はウイッカーウイッチ、編み細工の魔女”
”どうかその身の一片足りとも残さず、灰に還す様に”


【魔女が紡いだ瞬間、編み細工の藁人形が燃え上がる】
【当然中にいた人形達も炎上する、怨嗟の声が蜷局を巻き周囲に谺響する】
【脂の燃える嫌な香り、噎せ返るような臭気が辺りを包む】

【リカルドなら理解できるかもしれない、古代ガリアのドルイド達が行った禁忌】
【人身御供であるウィッカーマンが、これであると】
【燃え盛る藁人形から漏れる怨嗟、放たれた業火を藁人形が受け止める】

【ブランルなら分かるだろう、藁人形に触れた箇所から炎をかき消している、と】
【それはまるで炎を糧により一層強く燃え上がる様に、囂々と燃えて】
【藁人形が燃え尽きたなら、無事な三人が現れるだろう】


……ふん、成程───之がレヴォルツィオーンの新兵器か
おい、賭けは我々の負けだ、忌々しいが事実は変えられない
好きにしろ、一人は傷物になっているがな


【フランツがため息混じりに吐き捨てる、自分にもたれ掛かっていた魔女を払い除けて】
【地面に叩きつけられる魔女、砕けた右腕が下敷きになり、苦悶に声を歪める】
【わー、いたそうっと、スナークはどこか軽い口調で】
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 16:28:30.55 ID:PFv3CLRzo
>>811

【鈴音の言葉と共に思いが伝わる。──ああ、そうかって】
【この子は優しいのだ、それも飛びっきり、甘くて甘くて優しい少女】
【だから何処までも探すのだろう、誰も泣かないハッピーエンドを】


……あぁもう、わかりました! 鵺ちゃんの負けです!
お鈴ちんの目で見られちゃったら、もう何も言えないですよぅ
綺麗な色が二つも、ずっこいです! 二倍可愛く見えちゃいますしっ!

じゃあ約束しましょ、約束───全部終わったら、一緒にぐーたらします
朝から晩までずーっとぐーたら、時々起きてご飯食べて、それ以外は、もうぐーすかです
好きなだけお話して、好きなだけ遊んで、好きなだけ眠る

そんな当たり前の日常を、取り戻しにいきましょう


【鈴音の手で撫でられる、わひゃっ、なんて軽く声が漏れて】
【それでも気持ちいいものだから、目を細めて心地よさそうに】
【あなたの手の感触、優しい手触り、幸せそうな夢見心地】


えへへ、お鈴ちんに褒められちゃったー! 嬉しいなぁ
互いに互いの色が好きって、なんかいいね! 見てて飽きないし
取り替えっこできないからこそ、大切にできるんだろうねっ

……さてとぅ、そろそろ鵺ちゃんはお暇しますかねっ
いつまでもここに居たら、戻れなくなってしまいます


【暫く、撫でられると、そう声を漏らした】
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 16:37:53.44 ID:Xp0wbCSQo
>>812

【青い炎が部屋の壁や床を舐める。業火が通った後には何も残ってはいなかった】
【炎に飲み込まれていった”軍勢”たちは灰の一つさえなかった。完全な消耗品としてその役割を全うしていた】
【赤熱した砲身から蒸気が立ち上る。重々しい音と共にシリンダーが回転。次弾を装填していた】

【融解した床からは湯気。残り火のいくつかが踊る。木の先、業火が直撃した壁は飾ってあった人間さえ燃やし尽くしていた】
【ブランルが結界を解除。温度差による大気圧の違いから生じた風が黒衣を揺らす】
【リカルドは安堵の表情。勝負に勝てたからだろう。一方でブランルに笑みはなかった】


「ふむ…………ちょっと、狙いが甘いな
 放射角も広すぎる。もう少し絞らないと射程が短すぎて使い物にならない
 やはりオリジナルのようにはいかんな。見てくれだけ真似ても模造品は模造品か」


【立ち込める熱気を払うように腕を振る。魔法陣が現れて白い異形と赤熱した火器が転移】
【何ごとか呟いているブランルを置いて、リカルドが魔女の方へと歩み寄る】
【「ご無事かな?」と、一声をかけてからフランツへと向き直り】


では、遠慮なく景品は頂いていくとしよう
もちろん、<hymn>の技術提供の方も忘れないでくれよ?
こちらも検体の提供と、先ほど見せた”不死の軍勢”の情報は渡すとしよう

そのあたりのあれこれは技術者同士でやってもらうとして、我々トップのやることなど約束ぐらいだろう
これからは、我らレヴォルツィオーンと貴社<harmony/group>は協力関係を結ぶ
良き友人でありたいと願っているよ、ヘア・フランツ?


【そう言ってリカルドはフランツに歩み寄り、剛毅な笑みを浮かべて片手を差し出した】
【握手をしよう、と。そういうつもりだ。約束にせよ契約にせよ、儀式は必要なのだ】
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 16:46:58.51 ID:KopdaHjD0
>>813

――――うんっ、約束、約束する、全部終わったら……、ぜーんぶ、きちんと、終わったらっ!
わたしね、映画借りて観てみたい、こういうね――なんだろ? なんかね、国家の策略みたいな、そういうね、映画見るのっ。
それでお菓子とか食べて――、それで気づいたら寝ちゃってるの。起きたらエンドロールも終わっててね、チャプターとかの画面になってて……。
どこまで見たっけ?って言いながら探すんだけどね――どうでもよくなっちゃって、次の映画にするの、それで――、

【ぱぁと表情が華やぐ。そんなのしたことがないって言うみたいに、目をうんと煌めかせて。そんなことしてみたいって、全身から、何から何もが表明する】
【映画を借りてこよう、それも今回のことみたいに国とかそういうものが悪者で。登場人物が頑張ってるのを見て、ほらほらがんばれって応援したり、してみたい】
【だから約束する、そういうなんでもない日を取り戻す。なんでもない日を大事な友達とお祝いする、お菓子も紅茶も山みたいにして、とっておきの部屋着を用意して】
【冷房だって暖房だってなんだっていいけど最高に気持ちいい温度にして。ふわふわのクッションにソファー、なんでもござれで、部屋には猫を五匹くらい放してあって】
【気が向いたらにゃーんって来るし通りすがったのを捕まえて膝に乗せちゃったりするのだ、思い浮かべたなら、楽しそう――って表情が何より語って】

だって――、とっても羨ましい、きれいだなって思うの。取り換えっこ、できないけど――、だからこそ、羨ましいの。
取り換えっこできるよって言われたら困っちゃう、黒色もね、好きなんだよ。とーっても、好き。だからね、鵺ちゃんのことなでなでして、我慢するのっ
もう――、"大人"をからかったらね、倍返しなんだからっ、倍どこじゃないよ、蛇って執念深いの、だからね、わたしが飽きるまで、ずーっと――、……。

【――きっと、気づけば呼吸も重なって、同じ速度、同じ深さ。隣で眠る大好きなひとと、気づけばおんなじ速度の呼吸になっているみたいに、近い距離だからこそ】
【お互いに絶対助けるって誓い合った距離感だからこそ、重なる。それはひどく穏やかで手放しがたい誘惑、このまま戻れなくなってしまったらいいのにって唆すような】
【それでも。それでも――分かっているからこそ、相手の言葉に手を離す。全部終わるまで、全部終わらせるからこそ、戻らないといけない。このまま、ここでは、終われない】

――ずーっとにするのは、後にする。また今度、ね、"全部終わったら"。映画見ながらね、猫にするみたいによしよしーってしてあげる。

約束だよ――。

【そっと手を離す。ぴったりくっついていた距離も一歩分離して、だけどこれじゃあ終わりじゃないって宣言しておく、いつか――いつかは、こんなもんじゃないからね、って】
【それで求めるのはありきたりな動作、小指だけ立てた手を差し伸べて――】
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 16:49:02.41 ID:PFv3CLRzo
>>814

【フランツの顔に笑みは無い。──賭けに負けたという事実】
【それ以上に技術的な格差を感じたのだろう、忌々しげに舌打ちを一つ】
【リカルドからすれば青く見えるかもしれない、それもまた彼という人間】


約束は約束だ、結局の所──これもまた余興でしか無い
大切なのは治験ではなく現場だ、技術提供感謝するよ
良き友人から良き友人へ、末永いお付き合いを


【フランツは握手で返す、予想以上に取り乱しては居ないだろう】
【不機嫌は確かだ。やーだやだ、とスナークが頭の後ろで手を組んで呟いた】
【魔女は、といえばリカルドに軽く頭を下げ、ゆっくりと立ち上がった】


”……っ……ぁ──……申し訳ございません……私の研究不足ですわ”
”埋め合わせはこの身で……しかと、必ず……”

「えーっ、王様が勝手にした約束でしょー、ボクも巻き込まれるの?
 まぁ、でも、このまま魔女さんほっといたら、死んじゃいそうだしっ
 こー見えても、恩人には優しいんだ、ボクはね」


【傷ついた右腕を抑えようともせず、体の前で組んでいる魔女】
【ぴょこんと、魔女の側について余裕そうな表情を見せるスナーク】
【……恐らくは胸の内には色々と隠しているだろうが】
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 16:55:01.27 ID:PFv3CLRzo
>>815

【其れはなんてことの無い願い、年頃の少女なら誰だって出来る夢】
【けれども、貴女にも彼女にもそれは、願わなければ叶わない願い】
【────或いは祈りに似て、願っても尚叶わない願いかもしれない】


わーっ! 最高だね! 約束だよ、約束!
いつか絶対この願いが叶いますよーにって! えへへーっ
指切りしちゃうもんねっ!

お鈴ちんがよしよしするより多く、私がよしよしするんだからっ!
年下の特権です! 大人なんだから、子どもの言うことはちゃんと聞いてよね!
楽しみだな、ほんとに……叶うよ、必ず


【小指を交わす、柔らかな名残を少しだけ感じて】
【最後に少し、残滓を確かめるようにぎゅーっと、貴方を抱きしめて】
【満足したなら、扉に向けて、一歩踏み出した】


じゃあねお鈴ちん、また困った事あったら連絡してね
何時だって、どこにいたって、何をしてたって
貴方の元に、駆けつけるから


【歩き出す、背中を見せて、一旦立ち止まって振り返る】
【ばいばい、と手を振ったなら──夕焼けの中に消えていくだろう】


/お疲れ様でした!
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 16:59:44.07 ID:Xp0wbCSQo
>>816

【にやりと笑い、リカルドはフランツの手をしっかりと握り込む。その手もやはり筋肉質な厚みがあった】
【握手を終えてブランルを手招き。やっと気がついたブランルが四人の元へとやってくる】


さて、それじゃ本社に戻ろうかと思うんだが
どうするね。送るのはお前だけでいいのか?


【リカルドの指がフランツを示す。つまりは魔女とスナークは置いていくか、と】
【報酬の日にちまでは指定されていなかった。そのため後日にするということもありえた】
【とはいえ、それは手間だ。念のため聞いたが、この場で一部だけでも行うだろうとは考えていたが】

【ブランルは魔女の傷ついた腕を見つめていた。だらり、と黒衣の袖から黒い触手が数本現れる】
【それは静かに伸びていき、しかし魔女の手前で止まる】


「その怪我は治した方がいいのか?」


【触手が蠢き、右腕を指し示す。手段は不明だが、治療も行えるようだ】
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/11(水) 17:09:18.29 ID:PFv3CLRzo
>>818

【言うまでもないだろう、と軽く片眉を上げて】


無論だ、敗者は語る弁を持たないからな
これを機に我が出来損ないの部下達は、反省する事を期待するよ
全く最近は口ばかりで腕が伴わない連中の多いこと


【その問いかけに然り、と返しながら残った二人を一瞥するだろう】
【魔女はブランルの触手に警戒の色を強める】
【かつて、その精神に大きく干渉された、その過去が浮かんで】


”……っ、いいえ……お構いなく、そこまでして貰う道理もないわ”
”私は魔女、魔女に手を貸すということは、己の身を焼くのも同義”
”ふふ、同情すれば、した先から焼かれてしまうかもしれませんわ”


【右腕を抑えながら言葉を返す、ヴェール越しに艶やかな笑みを浮かべる】
【大分無理をしているだろう、其れは表情からも窺える】
【そんな魔女の様子を見てスナークはため息一つ】
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 17:09:32.80 ID:KopdaHjD0
>>817

【思い浮かべた光景はひどくきらきらとしていた、砂漠の真ん中で思い浮かべるオアシスのような、そんな、希望と願望であふれた、光景】
【ほかにも誰か呼んだっていいかもしれない、麻季音やカエデも。だけど男のひとは絶対駄目、女の子だけで――ミラも呼べるかな、来てくれるのかな】
【そんな風に思い浮かべる、それならもっと頑張れる気がした。みんなで映画を見てお菓子を食べるだけなのに。遠回りが過ぎるなって、薄っすら自嘲する】

……叶うよ、叶えるの。絶対、みんなで、叶える――。

【ああでも――叶えたいなあって思う、思ってしまうから。指切りげんまん、嘘吐いたら――誰が誰になんで嘘を吐くんだろう、願うのはありふれた日常だけだのに】
【なら嘘吐いたらなんて文句は似合わない。だけど、うまく、思いつかなくて――結局いつも通りの指切りをする、絶対叶えようねって、二人で、約束】
【最後に一度抱きしめられて――抱きしめて。扉へ向かう相手を、だけれど彼女は追いかけることはないままで、見送ろうとする】

――うん。鵺ちゃんも、困ったことがあったら、すぐに……いつだって、連絡してね。
それに――よかったら、時々でもいいの。遊びに来て、わたしはいつもね、ここに、居るから。

【振られた手に振り返す。困らなくっても、なんでもなくても、お話したいなって、少し、思ったけれど】
【それはさすがに大人っぽくないわがままだと思って我慢する――それでもいつかまた遊びに来てねと、誘ったなら】
【相手が最後に聞く少女の声は「またね」――簡単だけど絶対に再会を願うための、言葉だった】

/おつかれさまでした!
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/11(水) 18:53:11.53 ID:KopdaHjD0
【夜の国――広場】
【観光客を呼び込むことを目当てにしたエリア、見渡す限りに煌びやかな夜景とイルミネーションが施され】
【特にこの広場の中は、多種多様様々なランプが飾り付けられていた、少しでも引っ掛ける場所があれば一つ二つ三つと吊るされ】
【そうでなければタイルの地面からシャンデリアが逆立ちしたような豪奢な燭台が佇む、少しの明かりでも受け止めるための真っ黒な葉の街路樹にも鈴なりに連なり】
【一つ一つ違った色合いで灯る明かりの中ならひどく幻想的、時刻はまだ明るいが観光客と思わしきカップルもちらほらと、人手は多く】

…………ンン! ユーイ、公園がイイって言った! アカネのバーカ、バカ!

【――そんな中なら。あるいは変に目立つだろうか、ぷりぷり独り言で怒りながら歩く幼子、ぷんすか怒っているからか真っ白な肌、顔なんてすっかり真っ赤になって】
【人手の中をちっちゃな身体ですいすい潜りながら進んでいく。それでも時々、とすんと誰かにぶつかるのだけど――「シャー!」猫みたいな威嚇の声がして】
【それで何事もなかったかのようにすいっと出て来る。やがて広場の出入り口までたどり着けば、一度振り返り、精いっぱいのあっかんべ】

ユーイ公園行く! アカネ知らナイ、ボール遊びする!

【それでいくらか気が済んだらしい。それでもまだぷりぷりしながら歩き出す――、まだ六つほどの女の子で。保護者はあたりに見当たらず】
【純白色の髪は癖の強い長い髪、外向きにぴょんぴょん跳ね上がっていて。つーんとつった眼は落ち着いた黄色い眼、肌はうんと白く、頬の赤みがよく目立ち】
【頭にかぶった真っ白なボンネットは幼子の頭なんかよりもよっぽど大きく見えるほどに豪奢なもの、くしゃくしゃのフリルをたくさん詰め込んで、動くたびにふわり揺れ】
【同じ色合いをしたワンピースはくるぶしまで届くような長さのもの。白地に少しきらきらした銀の色で細かく細かく柄を縫い取ったもの、光の加減でそれがきらきら見えて】
【靴は真っ赤な色合い、つま先の丸いようなストラップシューズで。怒っていることをアピールするかのように、腰に手、後ろも振り向かずに、歩いていこうとして――】

「……ユーイ?」

【――あるいは。広場の中、もう一つの人影に気づく人も誰かいるかもしれない。怒った独り言を連ねながら歩く幼子もなかなかではあったけど】
【"そちら"もまた目立つ――真っ白な髪に真っ赤な瞳の男。服装自体は色合いの静かな落ち着いた櫻の着物なのだが、目立つのはその身長、二メートルほどもあり】
【あまり感情豊かではない顔をそれでも顰めて、きょろきょろと視線を巡らせるから――誰かを探しているようなのだった。とはいえはかどっていないのは】
【この人手の中、掻き分けていくこともできずに押されるままにあっちへこっちへ、人込みより頭一つ分は出っ張る人がふらりふら、流されていくのを見れば――】

【――――タイミングは、全くおんなじ。どちらを先に見つけるかは、きっと、"相手"のいる場所によるのだろう】
822 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/11(水) 19:06:35.27 ID:CkLESW06O
/>>778で21:30頃まで再募集します
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 19:23:36.27 ID:Xp0wbCSQo
>>819


では送らせていただくとしよう
ブランル、私と我らが友人を本社へ戻してくれ

「全く、人使いの荒いことだ」


【ブランルが片手をわざとらしく持ち上げる。リカルドとフランツの足元に魔法陣が現れ、発光】
【二人は元の応接間へと戻ることとなる。リカルドは二、三言、挨拶をした後に、何もなければ社長室へと戻ろうとするだろう】
【出入り口までは初めと同じ受付嬢が案内する。もちろん、彼女をその後どうしたところで、リカルドが文句を言うことはない】

【一方で、スナーク、魔女、ブランルの三名は戦闘跡が色濃く残る研究所に留まることとなった】
【決して軽くはない怪我を庇いながらも妖艶な笑みを浮かべてみせる”魔女”にブランルは珍しく苦笑をした】


全く、随分とつれないことを言うのだな、お前は?
あれだけ互いを曝け出した仲だというのに、今更遠慮とはな
あるいは不信感か? それはそれで構わないが、だとするならば私が気遣う理由もないな?

己が身など、とうに焼き尽くしている
であれば、お前のような女に改めて焼かれるのも悪くはない


【するり、と。黒曜色の触手が伸びていき、魔女の右腕に巻きつこうとする】
【触れたところで、以前のような”声”も”記憶”も流れ込んでは来ない。ただ物理的に、微かに締め上げるだけ】
【しばらくそうすれば、右腕は元どおりに治っているだろう。それも魔女が拒絶しなければ、だが】
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/11(水) 19:34:57.56 ID:kQYr5CLKo
>>823

【ブランルの言葉に"魔女"は静かに目を臥せる】
【黒衣に包まれた彼女、次に開いた眼の先に静かに佇むブランルの姿】
【紡ぐ言葉を探した、僅かに笑う雪白の如く】


”……不思議ですわ、ブランル──貴方の目は、先程より輝いている”
”自らの成果が戦っている時より尚、貴方の横顔は凛々しく輝く”
”……私はそれを目にして自らの不出来を、嫌という程感じるのです”


【左手でスナークの頬を撫でた、擽ったそうに目を閉じる】
【その目には慈愛があった。──其れはブランルに驚愕を与えるかもしれない】
【あれだけ人の生命を利用するのに興味を持たなかった女が、大きく変容している、と】


”……同胞を一人亡くし私は気づきました、私は奪う事では先にいけない、と”
”研究者として三流もいい所、結局彼女スナークが最後の研究成果”
”────正直言って嫉妬していますわ、貴方のその才能に”


【自らに伸びる触手を見て、彼女はビクッと大きく体を震わせた】
【しかし、それが道理とばかりに歯を食いしばり、受け入れる】
【傷が治る、強ばった表情に驚愕が浮かび、ぱちくり、と瞬きをした】
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/11(水) 19:52:32.14 ID:QvXDqSZj0
【路地裏】

【表通りより入ってすぐ、立入禁止≠フテープの向こう側】
【そこはつい先日、機関員と見られる人物が国軍の兵士を殺害した現場であり】
【同時に、その場に駆けつけた同軍警務職の"アヤ大尉"が戦闘を繰り広げた場所である】

【建物の八割は何らかの衝撃で崩落し、能力によるものなのか】
【道を塞ぐように低木が生い茂り、路面には生々しい血痕が無数に残っている】

【――という辺りまでは、新聞の片隅を騒がせた情報の通りで】


……んー。犯人は現場に戻ってくると言うが、まだか?
次こそ捕らえるか殺すかしたい所なのだが。……おーい、"Crimson"?


【新聞に無い生の情報としては――そこには、一人の女性が居た】

【軍人だ。黒を貴重とした軍服と外套をびしっと着込み、より深い黒色の髪は腰まで届くだろうか】
【腕を組んで直立すると、170cm以上はある。堂々たる異丈"婦"であって】
【その襟にはキラリと光る階級章。見るものが見れば、大尉だと分かるはずであり】

【そしてその人物は、割と大きな声で『"Crimson"』という名を呼び立てる】
【渾名か何かだろうか。しかし当然ながら反応はないはずであり】
【むしろ表を歩く人々からすれば何事か、と――余計な注意を引くかも知れなかった】
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 19:53:21.92 ID:Xp0wbCSQo
>>824

【魔女の言葉と動作に、ブランルは思わず首を傾げた。疑念、疑問。そういったものが表情に浮かび上がる】
【明確な分かりやすい感情を表に出すことは珍しいことだった。そしてそうしてしまうほどに、驚いていた】
【以前会った”魔女”はもっと、遥かに苛烈な人間であったはずだ、と。それが今では、慈愛などというものを持ち出しているのだ】


…………所詮は余興だ
兵器の質というものは状況によって変わる。彼女には彼女の、我が軍勢には我が軍勢の得手不得手がある
今回はたまたま、こちらに天秤が傾いただけのこと。単体の戦力としては比べるべくもない

そして何よりも、研究として見ればお前が用いたであろう技術は賞賛に値する
それは科学者としての、このブランルの嘘偽りない本心だ。卑下する必要性は見当たらない


【冷静な、ただ事実を確認するような厳格さがその声にはあった】
【あるいはこれも、”魔女”からしても驚くことかもしれないが、狂気も何もなくブランルは”魔女”の作品を讃えていた】

【黒衣の魔術師。狂気と理性を併せ持つ男。故に、ときには理性が打ち勝つことがある】
【魔術師としての、あるいは科学者としての美学と矜持が言葉を紡がせることもある】
【そしてそれらが、”魔女”の評価を否定していた。不出来であるなど、認められない、と】


一体、何があったというのだ
私の瞳に輝きが宿っているというのであれば、お前は?
何を失い、そしてそれを失ったことで一体、何を見たというのだ


【”何”を────その同胞は一体、何であったのか】
【純粋な疑問、だけではなかった。”魔女”が変容してしまったことに、ブランルは少なからず不愉快な思いを抱いていた】
【それは今では、隠そうとさえしていない。感情を露わにするのは、確かに珍しいことだった】
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/11(水) 20:02:24.70 ID:RpczWG9Ho
>>778
// まだよろしいでしょうか……?
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/11(水) 20:03:31.65 ID:kQYr5CLKo
>>826

【予想外の言葉に彼女の表情が揺らぐ、その言葉に浄化されてしまいそうな程に】
【音律は尊く、音色は気高く、圧倒的な知力を持つ研究者による賛辞】
【光栄であった、それと同時に不思議だった、何故、彼女にここまで執着するのかと】


”──追い求めれば良かった、赴くままに、その先を”
”その為には多くの犠牲がありましたわ、気にすることも無かった”
”必要の為に費やされる人材だと、思っていたから”

”けれども、漸く───頼りにしていた仲間を失い、生命の重さを知りましたわ”
”それから私は生命を壊せなくなった、唯の研究者に成り果ててしまった”
”どうか笑ってください、私はもう新しい技術は作れない”


【自嘲気味に笑う、華奢な体躯がより儚く見えた】
【そこにあったのは挫折、大きな挫折を経験し、科学者は今岐路に立つ】
【白い頬に諦念が満ちた、全てはもはや夢幻の様に】
829 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/11(水) 20:14:03.95 ID:gFSXguyD0
>>827
/はい、大丈夫ですよー! ただ、持ち越し濃厚ではありますが……
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/11(水) 20:24:28.04 ID:RpczWG9Ho
>>778

【水の国、歓楽街――いつも人でごった返していて、賑わっているその地】
【物珍しそうに、辺りをキョロキョロしながら歩く女が一人いた】
【人を、物を、建物を――まるでその存在を初めてみたような子供のように、目を輝かせて】


「すごい、人通りが多いだけのことはあるわね……」


【高層タワーやきらびやかなネオン、街頭に流れる音楽】
【視覚、聴覚で味わうその景色はとても印象的で、何より楽しげなところも多く】
【あんなじめじめとしていた裏路地とは、まったく異なるものだという印象をうけた】


【――とまあ、こんな様子であったから当然前方など見ておらず】
【ある商店に目を惹かれていたところに――目の前にいた人間と衝突する】
【咄嗟の衝撃に、すさまじい反応速度で受け身を取る。そして相手の方に目を遣って】


「ごっ、ごめんなさい。前を見ていなかったものだから」


【もし彼女が倒れていたのなら、そちらに右手を差し出すことだろう】
【それを掴めば、“一般人より体温が以上に高い”ということが分かる筈だ】
【それも、高熱を出した時のような――とにかく常人には思えないようなそれ】

【……それに付け足して、同居人から借り受けた服は】
【とんでもなく露出が多いもので、上半身は腹部が丸出しになっているシャツ】
【下半身はジーンズのホットパンツと――まあ目のやり場に困る服装ではあった】
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 20:37:01.45 ID:Xp0wbCSQo
>>828

【生命の重さ。よくある言葉だ。あまりにもありふれていて、言うだけならば子供にでも出来る】
【だがそれを真に理解している者はきっと少ない。”魔女”は幸か不幸か、それを理解する立場になってしまったのだろう】

【挫折をして、膝をつく科学者をブランルは嗤わなかった】
【そう、矜持がそれを許さなかった。常に煮えたぎる狂気でさえもそれをさせなかった】
【何故か。理由など無数にあった。自らの中にも、自らと混ざり合う者たちの中にも】


────狂気など、原動力に過ぎない
この世界は無機質で無味乾燥で、人間の存在など無視して進む
世界における事実を利用した技術も同様に。それを見つけ、使うものの意思など関係はないのだ

故に…………そう、お前が生命を壊せなくなろうとも、唯の研究者になろうとも
それが理性と論理に一体、何の影響があろうか。この世界に何の違いがあろうか
何も変わらないはずだ。変わってはならないはずだ。お前の知性には一点の翳りもないはずだ


【黒衣の男が歩み寄る。白磁の指先が顎に添えられ、瞳を向けさせようとする】
【黒絹の双眸には慈悲の感情があった。そんな感情が、この男の中にも確かにあった】


もしもそうならば、立ち上がってみせろ
生命を軽んじてきた上で、生命の重みを知ったというのであれば
それを知らぬ私には作れぬものが、お前の手でならば作れるはずだ

立ち上がれぬと言うのであれば、ただ休め
膝をつく者をこの世界は待ってはくれない。だが翼を休めることを、私だけは許そう
他ならぬお前ならば────今は違えども、一度でも”我ら”を素晴らしいと称したお前ならば


【声には僅かな憐憫。失われてしまったものに対する悲しみがあった】
【今となっては真の意味で仲間でいることは難しいのかもしれない。それでも、たった一度】
【ただ一度だけ出会ったあの瞬間のたった一つの出来事のために、黒衣の男は女へと、慈しみの言葉をかけるのだった】

【それは、ある意味では屈辱的なものだ。自らには作り出せぬものがあり得ると認めるなど】
【本来であれば決して言わない言葉。だが事実としてそれは存在した。そして、お前ならば、と】
【ブランルは”魔女”の才覚を決して見捨てようとは思わなかった。それは友への手向けだった】
832 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/11(水) 20:41:16.30 ID:gFSXguyD0
>>830

――――さてさて、そうなるとどうやって伝手を辿るかが問題って奴ですねこりゃ
なんせ、こんなコネクション、流石にどうやって当たったものか――――ッ、っと!?

【通信端末の画面を覗き込みながら歩いていた女性は、それなりに周囲に気を配ることも出来ていた様だが】
【それでも、完全とは言い難いものもあったようで、とうとう人とぶつかる事態を引き起こしてしまう】
【ぶつかる拍子に背後へと崩れてしまうが――――そのまま後転し、こけた勢いを逃がす様に1回転。でんぐり返しの逆を行くように体を庇い】
【ぶつかった相手と少しだけ距離を取る形で、ようやく女性は真っ直ぐに顔を上げた】

あ、あらら……こちらこそ失礼したわね。ちょっと考え事をしてたもんだから――――あぁ、ごめんなさいね……ッ?
(――――火照ってる。私の掌よりよっぽど熱いと感じるってのは……熱でも出てる? いや、所作はそんなにふらついたもんでもないですねぇ……?)

【眼前の女性から差し出される手を取って、非礼を詫びながら女性は立ち上がる】
【が――――やはり、その熱は気になったらしく、ふと考え込んでしまう。女性は職業柄、人よりも掌が熱を帯びやすい。職業病とも言うべきものなのかもしれないが】
【そんな女性をして、彼我の熱量差は『少し熱い』と感じられるだけのものがあったのだ。あるいは眼前の女性は発熱でもしているのかとも思ったが】
【その言動、所作は、とても熱に当てられたそれとは思えない――――不思議と言えば不思議だが、今はその疑問は置いておく】

――――あなた、なんとも凄い格好をしてるじゃないですか……どうしたってんです?
どうも熱っぽいようだけど、そんなに熱い? それとも、これからイイ人とのお出かけだったりするんですかね?

【改めて、眼前の女性を見てみると、その服装は過度な露出が見て取れる、扇情的な物だった】
【自分とて、白衣というそれなりに目立つ格好ではあるのだが、それを棚上げしてでも、その服装について言及せずにはいられなかったのだろう】
【先ほど感じた疑問を織り交ぜて、軽い調子で問いかけてみる――――あるいは、そこにちょっとしたジョークを織り交ぜながら】
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/11(水) 20:49:26.87 ID:kQYr5CLK0
>>831

【かけられる言葉、科学者としての矜持に溢れた言葉】
【不思議だった、何故ブランルはここまで自分という存在を高く買うのか、と】
【答えを聞いても、心の中に一滴、落ちた汚泥は拭えない】

【けれども、幾許か惹かれる言の葉もあった】
【顎を挙げられ黒絹の双眸を覗く、強く気高き瞳の色】
【そこに浮かぶ慈悲が、鏡写しのように美しく見えた】


"……光栄な言葉ですわ、私の知性と、そう仰るのね"
"私は貴方が思うほど、立派な人間ではなくて、狂気を望んで正気に戻ってしまったの"
"それでもまた一度、狂気に迎え入れられるのなら、どう映るのでしょうね"

"それは、滑稽なのかしら、それとも、杞憂なのかしら"
"……ありがとう、ブランル、少しだけ前を向く気力がでましたわ"
"……そして、貴方って意外と、優しいのね"


【気紛れなのだろうか、狂気の科学者が、雲間に浮かべた僅かな月明かりの様に】
【それでも、その宵月に照らされて、僅か先の光芒を見つける旅人も居る】
【小さく笑みを残した、浮かばれない徒花の如き、可憐な笑みを】


"今でも貴方達は素晴らしいと思えるわ、私には無い貪欲さを持っていた"
"……けれども、私と私のスナークは、まだ先があると思うの"
"これが私の貪欲……いえ、まだ強情に強請る強欲かしら"

"ええ、少しのお休みよ、飛びつかれた渡り鳥は、止まり木を見つけて"
"ただ少し飛んできた道のりを思って嘆息しただけ、とそう思いましょう"
"スナークは帰してあげて、私はもう少し、貴方といたいわ"


【魔女は手を伸ばす、ブランルに向けて、指先を】
【黒いシルクに包まれた指先、艶やかな色合いが頬を撫でるだろうか】
【研究者同士、焦がれる者だからこそ、通じる何かがあった】
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/11(水) 20:49:27.85 ID:RpczWG9Ho
>>832

「そんな端ない娼婦じゃあるまいし……。同居人に服を借りたらこれしか無かったの」
「体温が高いのもあるから、長袖着ても汗で濡れちゃうしね」


【どうも熱っぽい、と言われてもきょとんとした顔で返事をするだろう】
【それくらいに、この女にとっては平常な体温なのである。それでもこの服装はおかしいだろうが】
【それに彼女が魔力を検知できるのであれば、女の体内にそれが巡っていることもわかるだろう】


「申し訳ないことしちゃったし、何なら食事でも奢らせてくれないかしら」


【彼女が後転した様子を思い出して、申し訳なさ気な顔で】
【どちらもが前方不注意だったとしても、やはり申し訳ないところがあるらしく】
【彼女が了解してくれさえすれば、食事でもどうかと――提案だけでもしてみる】


//持ち越しでも全然大丈夫です、よろしくおねがいします!
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/11(水) 20:57:34.30 ID:HPKj+7RF0
>>825

「?」
「ッ!?」

【クリムゾン、その響きは例外なく、この付近を歩く人間に聞こえた】
【それは、そう、この二人とて例外ではなく】

「大尉殿!」
「アヤ大尉ご苦労様であります!」

【水国陸軍の彼女からすれば、知っている二人だろうか】
【暗めのネービースーツの男性と、セーラー服の少女だった】
【連れだって歩けば、少々いかがわしい想像を掻き立てられるような組み合わせだが】
【二人は、アヤの姿を見かければ、ビシッとその場で居住いを正し】

「大尉殿に置かれましては、本日はこのような場所で、任務でありましょうか?」

【ネイビースーツの男性が、こう訪ねた】
【随分堅苦しくも聞こえるが、他国の軍の上階級の人間に対して、と言う事を考えれば納得も行くだろう】 
【また、少女の方は自分よりも頭一つ以上も背の高いアヤに、少々見上げるような形にもなる】
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/11(水) 20:58:07.30 ID:1MRBcBj3o
>>825

【テープの辺りで検問をしていた軍人達から、小さく声が上がった】
【何か、と視線でも向ければ、路地裏の入り口から、かつ、かつ、という足音の主が近づいてくる】


……全く。派手に暴れたものだ。


【碧の双眸に銀髪。軍服を身に纏い、古びた軍帽を被った男だった】
【胸元には“金狼”の隊章。──水国軍中佐、ロロケルム・ランガスターだ】
【同じ組織に身を置く者なら、毀誉褒貶の激しい彼の風聞を聞いたことがあるかも知れない】

【── 戦争狂、組織に馴染まない。現に一度、上命に反して階級を下げられている、とか】
【── 或いは、末端にまで別け隔てがない。某誌で連載している菓子講座が凄い、とか】
【そういった噂を聞くまでもなく、顔見知り、ということもあり得るだろう】
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/11(水) 20:58:53.27 ID:1MRBcBj3o
>>836
/あ、被った
/すいません余り遅くまでは無理なので引きます
838 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/11(水) 21:04:24.19 ID:gFSXguyD0
>>834

……じゃあ、そりゃその同居人さんのセンスって事になるんですねぇ。いやはや何とも、派手なお話で……

【言いながら、女性はジーっと――――ジーっと、その服装をしげしげと見つめる】
【本人は別に望んで着ている訳ではない。それは分かった。だが、その物言いはそこまで忌避している様にも感じられなかったのだ】
【そこで、女性は軽く揶揄ってみようと、悪戯心を起こした様で。わざと分かりやすく見つめてみて、どんなリアクションが返ってくるのか、試してみたくなったのだ】

(――――ん。なんか……へぇ、この人――――なんか、持ってますねぇ。それが体熱の理由かなにかって可能性が……?
 ……どうやら、この女性もなんか面白そうな訳で……!)

【そうして、揶揄い半分で視線を向けていたのだが、その中で女性は、その異質に気が付いたようだ】
【――――女性自身、そこまでそうした感覚が発達しているタイプではないのだが、それでも『同類』とでも言うべきか――――ピンと来たらしい】
【何か異質なものを身に秘めている事を――――即ち、何らかの形で、眼前の女性は異能者である事を】
【揶揄いの意図で浮かんでいた口元の笑みが、もう少し引き締まった形のそれへと、色合いを変えていた】

……おやおや、良いんですか? そういえばいい時間ですねぇ……いや、そう言ってくれるなら私としては、有難い話なんですけど、本当に宜しいんで?

【キョトンとした様子で、女性はその提案を受け入れる。ただ「本当に良いのか」と念押しする言葉を返すのは忘れずに】
【構わない様であれば、この機会にご相伴に預かろうと考えているらしく、食事に丁度良い時間である事を確かめ、顔を上げた】

――――それじゃあ、お言葉に甘えさせていただきましょうか
……自己紹介がまだでしたね。私はイーレイ。タオ=イーレイ。しがない鍼灸医をやってるもんです。今日は、御馳走になりますね?

【話がまとまったなら、もう遠慮する理由はない。女性――――イーレイは名前を名乗りながら、すっと頭を下げる】
【白衣はどうやら格好だけではないようで、一応『医者』と言える身分であるらしい。ポケットから覗くステンレスの箱も、恐らくは商売道具なのだろう】
【黒い髪が映える、すっきりとした目鼻立ちの女性は、食事をご馳走してもらうと言う事で、それなりに表情に喜色を覗かせていた】

/次ちょっと遅れます
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 21:09:42.67 ID:Xp0wbCSQo
>>833


優しい、などと。妙なことを言う
私がどういう存在であるかなど、もう知っているだろうに
ただ私は、互いを曝け出した相手に手を差し出したくなっただけだとも

それに、狂気を望み正気に戻ったというお前が、さらに狂気に戻るというのであれば
それほど面白いことも他にはない。お前の行く先、そしてお前の創造物たるスナークの行く先を私は見てみたいのだ


【儚くも可憐な笑み。その中に見える微かな意志────美しい、と。そう思わずにはいられなかった】
【指先が頬に触れられる。男は笑みを浮かべていた。いつもならば浮かべるはずもない、優しげな微笑みを】
【「ああ、それでいい」、ただ一言を添えて女の言葉に頷く。道のりを振り返ることは、誰にでもある】



分かった。お前がそう言うのならば、そうしよう
彼女についての話はまた後日にでも。いくらでも機会は作れるだろう
今は…………そうだな。私もお前を見ていたい


【横目でスナークを一瞥してから、足元に魔法陣を展開させる】
【どこに転移させればいいかを女に尋ねる。答えが得られればその場所へ】
【どこにでもというのであれば、レヴォルツィオーンの本社ビルの前にスナークを転移させるだろう】
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/11(水) 21:14:03.12 ID:kQYr5CLK0
>>839

【本社ビルの前に転移されるスナーク、その後残された魔女の行方】
【今は誰も知らず、ただ夢の終わりを告げるが如く】
【歯車は回る、次の演目の準備を突き進めて】

【傷ついたフランツの矜持、再起した魔女の精神、存在を強めるスナーク】


【三者三葉、新たな舞台の準備が整う】

/こんな感じでしょうか!お疲れさまでした!
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/11(水) 21:19:08.89 ID:QvXDqSZj0
>>835


んん……?……ぉ。……おぉ!
……んー。櫻の国の。確か諜報部の。……そこまでは、あれなんだが。
共同演習で3日ほど枕を並べたのも覚えているんだが……こう、あれだ。


【『誰だっけ』――とは言えない。そんな雰囲気を醸し出す】
【びしりと構えた二人に対しては、きちんと居住まいを正すのだが】
【その明るい表情は若干の曇のち雨という様子】
【赤い瞳はゆらりと左斜め上を泳いで――小さく笑うと、男性の瞳を見て】


ふふ……嘘だ、嘘。厳島中尉、それと那須曹長、久しいな!
先日観艦式があったと聞いてもしやとは思っていたが……相変わらずスパイ活動か?

私の方はな……ああ、楽に休め。町中で階級など飾りだからな。
……で、私の方は先日まである兵士の内偵を進めていたんだ
行動が不審ということで…――付けてみたら、この場で機関員に殺されていた。

下手人は"Crimson"という……あぁ、赤崎とかいうのが本名のようだが。
ともかく、研究者でな。つい2日ほど前、ここで取り逃したばかり、というわけだ


【"スパイ活動か"なんて辺りは冗談めかして笑みを見せ】
【続いて語るのは、現状の説明。要は、この破壊の始終はアヤが関わっているらしく】
【それにしては――血痕の多さといい、本人の剛健さといい、辻褄は若干合っていなかった】


>>836-837
/くっ……!了解であります、ロロケルム中佐殿
/是非ともまたの機会によろしくお願い致しますね!
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 21:24:19.05 ID:Xp0wbCSQo
>>840
//乙です!
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/11(水) 21:34:42.85 ID:HPKj+7RF0
>>841

【一瞬の間が空いた】
【何とも言えない、例えて言うならばこちらが知っていて挨拶したら、相手は誰だっけ?みたいなニュアンスの】
【ど、どうしよう、と少女、那須翔子が、中尉、厳島命を振り向くと】

「大尉殿、相変わらずのご冗談を……」
「はい!観艦式の折には陸軍の皆様にもご協力頂きまして、ありがとうございます!」
「「はッ!失礼します!」」

【スパイ活動、と言われると少したじろぎ、周囲を見渡す厳島】
【休め、と言われ、同時にそう答えて、居住いを日常的なそれに戻す】
【櫻国海軍特有の物か、少々堅苦しさは否めない】

「Crimson、と言いますと、アスタン襲撃の?」
「確か首魁でありますな、そして機関の研究者……まさか、そんな事が」

【アスタン襲撃事件の首魁、そしてまさに、三人が居るこの場所で】
【戦闘行動があったと、にわかには信じがたい話しであったが】

「しかし、この状況、本当に大尉殿一人でありますか?随分と派手な戦闘の後に見受けられますが……」
「血の量も、Crimsonも無事ではないでしょうが、アヤ大尉もお怪我を?」

【現場の状況を説明を受けながら見渡す】
【中々に凄惨な現場だった】
【それ故に、当事者が犠牲となった兵一人とアヤ、Crimsonの三人だけで成し得たとは、俄かには信じがたい】
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/11(水) 21:39:32.62 ID:RpczWG9Ho
>>838

「んなっ、そんな目で見ないでっての!」
「私だって好きで着てるわけじゃないし、体温高いから……」


【彼女の悪戯心は、女にクリティカルヒットしたようで】
【身体を捩って、見ないでくれと顔を真っ赤にして訴えていた】
【――まあ、身体を捻らば捻るほど彼女の服の面積は小さくなるのだが】

【しばらく顔が真っ赤になれば、気持ちも収まってきて】
【そのうち、彼女の笑顔がすこしだけ引き締まったような――そんな風にも思えて】


「ええ、勿論いいわよ。私が前見てなかったからぶつかったし、ね?」


【彼女が携帯端末を操作して、前方不注意でぶつかったとは思っておらず】
【此方のせいだとばかり思っている。声色もどこか申し訳無さそうで】

「なら良かった、適当なところにでも行きましょうか」
「鍼灸医――鍼灸って、お灸の事だったかしら?よく分からなくて」
「私はマリー・ジャンヌ・メリッサ・ドーイ。好きに呼んでもらっていいわ」

【彼女に自己紹介すれば、服装のことも気にせずに料理店を探し始める】
【暫く歩けば、洋食店が見つかるだろう。個室に分かれている、少し古風な洋食店】
【そこに行こうと彼女に同意を求める。了解されればそこに決めるだろう】

【……服装のせいで、痴女と思われないように祈りながら】

//了解しました!
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/11(水) 21:43:20.77 ID:zELeSU6Q0
【路地裏】
【雨と風がとりあえずは凌げます、みたいな廃ビルの内部】
【ところどころ破れて、スプリングが突き出ているようなボロボロのソファ】
【そこに寝そべって――つまらなさそうな顔をしている少女がひとり】

……、……曜日とか、時間の感覚、なくなってきちゃった。
今、いつだっけ? 何時? 暗いからもう夜か、
……ごはん食べる気になんない。昼も食べてないはずなんだけどな……

【太腿までかかるオーバーサイズの黒いパーカー。フードは室内なので脱ぎ去って】
【頭髪は赤色、恐らく瞳も同色。伏せっているのであんまりよく見えないけど】
【ぶらぶら動かす足は、赤黒ボーダーのサイハイソックスを纏って】
【ソファのそば、床に行儀良く並べた――赤い厚底靴。その所有者は、きっと彼女】

【うつ伏せになって、スマホを操作している。無感動に無感情に、無関心をつらぬくみたいな表情】
【それが、液晶から漏れるブルーライトに照らされて。ぼうっと無機質に輝いていた】
【真っ暗な中でそんなことをしているものだから――不自然な燈が、外に漏れて】
【まるでヒトダマ。そんな錯覚を、誰かに与えるかもしれない】
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/11(水) 21:55:08.75 ID:QvXDqSZj0
>>843

アスタン襲撃。……あぁ、そういうことになるな
生憎と、その事に気付いたのは昨日、目が覚めてからだったが……
……気付いていれば、意地でも逃さなかったものを。

【そう言っておもむろにポケットから取り出すのは】
【防水処置の施されたくしゃくしゃの名刺であり】
【そこにはカノッサ機関第11研究所、赤崎桐子≠ニの印字があって】


……いや、他にも居た。亡くなった兵士はあちら側に居た。
だから、ここの出血は大半が私の物、だろうな
なに、丈夫なことが取り柄でな。……能力のお陰、というのもあるが。

それよりだ。"Crimson"は一人、『被造物』を助けに呼んだんだ
名前までは知らんが、メイド服を着て大きな鏡を操る……ちょうど曹長くらいの歳の子供だ。

能力は鏡によるエネルギーの吸収と、その放出。
あぁちなみに、Crimson自身は幾つかの属性魔術を使っていたな
まったくもって、物騒なものだ…――最近は特に、なあ?


【『こちらのニュースはみているのか?』と、続けて問いかける】
【ニュース――といえば、観艦式も数日世間を騒がせたが】
【それ以上にアツいのはやはり、"特区"のニュースであろうか】
【或いはそれに付随するテロリストの話か。複合的に、国が乱れるのを憂慮している風だった】

/こちらの能力については知っていてもいなくてもOKです!
847 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/11(水) 22:01:53.37 ID:gFSXguyD0
>>844

そんな恥ずかしがる事も無いでしょう、ビキニ着るのと同じようなもんじゃないですか?
変に意識すればするほど、おかしい様に感じてしまうんですよ。「必要だから」この格好をしてるんだから、いっそ開き直っちゃった方が、気持ち楽になるんじゃないですかねぇ?
(……うん、思った通り、可愛い反応してくれるじゃないですか! そのリアクションがその服装を引き立てて、その服装がそのリアクションを引き立てて――――)

【良いリアクションだ――――イーレイはそんな事を言いたげな笑みを浮かべながら、アドバイス然とした言葉で窘めにかかる】
【趣味という訳ではなく、高い体温に適応するための服装なのだ。ならば、ちゃんと理由があるのだから良いではないか、と――――】
【――――それらしい『建前』を用意しながら、実際には尚も揶揄い半分の気分が抜けていないのだから、イーレイも相当良い性格をしているのだが】

まぁ、お互い気を付けましょうって事で……

【――――どうやら誤解があるらしいが、誤解されている方が得だと、イーレイは何も言わなかった】
【それどころか、シレっと何気なく端末をポケットへとしまい、自分の引け目の痕跡を消してしまう――――食事を奢ってもらうためにと、随分本気の様子だ】

おっと、それじゃあファーストネームで失礼……よろしく、マリーさん

【好きに呼んでくれと言われて、イーレイは女性――――マリーによろしくとリプライする】

まぁ、私の事は……そうですねぇ。専門のマッサージ師とでも思ってくれれば結構ですよ
筋肉とか神経とか、そっちの専門ですねぇ。疲れたり、攣ったり捻ったり、そういう不調を治してあげるのが、私の仕事の1つですねぇ
勿論、場合によってはお灸も使いますよ。それに、鍼――――つまり、鍼治療だってやれますからね
まぁ、人間相手なら、食欲不振とか、不眠症とか、そういう問題にもある程度は何とか出来るんですよ。肉体的、神経的な問題だったら、ですけどねぇ
……これが精神的な問題だと、流石に私にはお手上げですけどねぇ。ストレスが問題の不眠とかなら、そっちの専門の医者に当たってもらわないと、ねぇ?

【道すがら、イーレイは自分の仕事について軽く触れてみる。要するにイーレイは筋肉と代謝の専門家の様なものらしい】
【どちらかというと、病気や怪我というより、日常の中に出てくる不満や問題を解決するのが得意なのだろう】
【説明だけでは、具体的なイメージが沸きにくいかも知れないが――――】

【ともあれ、イーレイはマリーの先導で洋食店へとたどり着く。そこからは、御相伴に預かる身として、多少静かに、行儀よく着いて行くだろう】

/すみません、そろそろ寝なきゃならん時間になりました。持ち越しお願いしても良いでしょうか?
/明日は、夜からそれなりに余裕があるはずなので……
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/11(水) 22:05:37.06 ID:RpczWG9Ho
>>847
//了解しました、あとでお返ししておきますね!
849 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/11(水) 22:06:42.26 ID:gFSXguyD0
>>848
/ではすみません! 明日もよろしくお願いしますー!
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/11(水) 22:10:47.21 ID:HPKj+7RF0
>>846

「名刺とは、機関員もご丁寧な物ですね……」

【悔しそうな顔で話すアヤから、失礼、と名刺を受け取り】
【拝見する、防水処理に隠さず本名まで、中々にご丁寧な仕様だ】

「大丈夫ですか?その今日は大事を取って休養なされた方が?」

【那須が心配そうに、そう聞く】
【これだけの出血量、まさか全て本人の物とは、いかな能力者と言えど、決して】
【無事では無かった筈だ】

「鏡を操る、被造物のメイド……貴重な情報感謝します」
「被造物、ですか?仲間、みたいな物?ですか?」

【厳島は考え込むように、そう礼を言い】
【そして那須は被造物、その物のニュアンスが解らなかった様子だ】

「はい、情報は逐一追っています」
「ニュース新聞は、民意も知れますからね、特に各社入念に」
「特区は、私自ら潜入して来ました……」
「最近では、そうですねカニバディールの市街地混戦事件もありました、現場に居ましたよ」

【ニュースと告げられ、二人は口々にこう話した】
【特区は施行後、厳島が向かった様だ、その件もありそれから忙しく暗躍している様子だ】
【一方那須は、そんな最中に発生したカニバディールの市街地混戦事件、その現場に海軍陸戦隊の要員として出動していたと言う】

「中尉が奔走している間、特区関係は潜入した人に会いましたが」
「能力を奪われたり、戦闘行動が抑え込まれたり、もう一度情報を集めるために潜入予定です」

【付け加える様に、那須がそう話す】
【アウ、へケメト、この二人と話し、対特区の協力の関係を結んだ様だ】
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/11(水) 22:32:15.58 ID:QvXDqSZj0
>>850

まったくだ。……まあ、それを拾ってくれたのは善意の市民だな
何でも昼の国の少女だということだったが……んん、それはそれだ。

……なに、国の平和と国民の安寧を思えば休む気にもならんさ。
大丈夫、前例のない回復具合だと医官も驚いていたからな
確かに少々めまいはするが……幹部の矜持というものを見せねばな。


【気遣ってくれる那須に優しく笑いかけると、その頭を撫でる】
【頭を撫でるのは彼女の癖だ。犬やネコにそうするように】
【気に入った相手は――特に年下で自分より背が低いと、頭を撫でる事があり】


言うなればホムンクルスとか、試験管ベイビーだとか……
そういう類のものだろうな。科学者自身は非力なものだったが
アレは中々どうして、より万全の状態で"潰し"てみたいと感じたよ

……しかし、君たちも流石はという所だな。
私も是非言ってみたいものだが、「お前はダメだ」と上に却下されたよ

その点、本国から離れているのは少々羨ましくもあるが……
……能力を奪われる。戦闘行動が抑え込まれる、というのは本当か?
随分と"抑制的"なんだな。……まあ、能力の制限を標榜しているのだから当然だが

【「それにしたって、人の本能的な意志を抑え込むとはまるでディストピアだな」】

【――その一言と、アヤという人物の別な側面を知っていれば】
【彼女の上司が却下した理由も分かるだろう。要するに、戦いたいのだ】
【能力の有無はともかく。国の盾として争いたいが故に、特区などというのは不適なのだろう】

……もしもう一度行くのなら、是非私も同行したい所だが。
しかし、良いのか?他国の軍人であると分かれば、国際問題に発展しそうなものだが

【"潜入"という言い方故だろう。櫻の国の者が居るのは、確かにまずい事でもある】
【ふと思いついたそんな危惧を口にして、その考えを聞くように翔子へ目を向けた】
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/11(水) 22:52:27.84 ID:HPKj+7RF0
>>851

「素晴らしき志です、我々海軍も見習いたいものです」
「ふにゃッあ、アヤ大尉〜」

【流血や怪我、負傷程度では止まる理由とならない】
【国民、国家の平和と安寧の為】
【それは非常に高潔な、軍人の精神と言えるだろう】
【厳島はその高潔さに、素直に敬意を表する】
【一方の翔子は、頭を撫でられ、気恥ずかしいような、そんな照れを】

「ホムンクルス……そんな物にまで」
「私も噂でしか聞いていなかったが……実在するとは」
「はい、潜入した者の話では他者に攻撃行動を取ろうとするか、能力を用いて他者に攻撃しないし攻撃と見なされる行動を取ると抑制が発動するようです」
「我々としても、大尉が同行して下されば心強い事ですが……」

【翔子は出会た二人組から聞き、目にした事を話す】
【また、アヤの行動やその他を知ってか知らずか、厳島はこう答え】

「ディストピア、まさにその通りですね、アレは、あの状況はまさにそれです」

【一方目にしてきた厳島は、こうも話した】

「アヤ大尉、諜報員とはそもそもそう言う物ですよ、潜入はこの国でもスパイ防止法違反ですから」

【アヤの危惧に、諜報員とは本来そう言う存在だ、と答える翔子】
【何処の国でも禁じられた行為であり、見つかれば人知れず罰せられ本国からも切り捨てられ処断される】
【決して日の目を見ない、日陰の礎だと】

「大尉の同行があれば、この上なく心強いのですが、アヤ大尉こそ大丈夫なのですか?その軍部に無断で……」

【禁じられているなら、同行は無断で行くこととなるが、とこちらも危惧する】
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 23:04:40.47 ID:Xp0wbCSQo
【路地裏】

あぁ〜……なんだぁ、世間様は騒がしいぜ全くよぉ
公安にぃ、法案にぃ……あとは、なんだぁ?
のーりょくしゃなんて……制限とかいう話じゃねえだろうってのによぉ……

【夜の薄暗い路地裏に酔った男がいた】

【くたびれきった古い軍服。無精髭にぼさぼさの髪。酷い容姿の三十代前半の男だ】
【ベルトには銃の入ったホルスター、背中側には分厚い本が鎖で厳重に巻かれている】
【胸元では銀色の弾丸をネックレスのように垂らしていた】

【片手には酒瓶。酒気を漂わせながら、地面に落ちている新聞の記事に文句を言っていた】
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/11(水) 23:18:03.89 ID:QvXDqSZj0
>>852

【『その抑制というのは、とても嫌なものだな』】
【なんて、非常に簡単な言葉を漏らしながらしばし考え込む】
【潜入自体は気になる所。ただ、立場や特区という存在の意義もあり】
【なにより、一応は国の定めること。一軍人が勝手にと言うのは、憚られ――】


……まあ、軍人である以前にただの一国民でもあるだろう。
曹長が私に敬意を払ってくれたように
私もまた、命をかけてその国に尽くす姿勢には尊崇の念が絶えない。

フッ……水の国の軍人としては、スパイを許容というのもどうかと思うが。
一個人、単なる"アヤ・R・ナイトリー"として、そのときは同行しよう。


【禁じられている。確かに、軍人として接近は禁止されているが】
【これもまた、方便。なんならいっそ、櫻のスパイに騙されたとでも言えばいい】
【『私は軍隊ではなく、国が好きなんだよ』と以前語った事も合っただろうか】
【そんな意志を感じさせる言葉。気にするなとばかりに大きく笑い】

……しかし、聞きしに勝るな。魔防法とかいう奴の煽りなのだろうが
能力者としては大変耳の痛い自体だ……今回は、中々収まる様子もない。
そちらの情報部はどう考えているんだ?今後の、この国の行く末というものは。

【ふと問いかけるのは、外という客観的な目線からの意見】
【能力の制限で揺れる水の国。それを他国はどう見るのだろうかと質問した】
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/11(水) 23:32:35.28 ID:jFGTD9DB0
>>853

――臭いな、人間。

【路地裏の暗がりに溶けて消え入るグダ巻きを拾うのは、白髪の人物】

【その人物。男にも女にも見える程に中世的な容姿であり、顔も印象に残りにくい程に凡庸であれど】
【病的なまでの青白い肌と、色素が抜けきった白髪が特徴的な人物であった】

…能力者に制限をかける話は、何ら不思議では無い。
この世界は恐怖と不安に覆われているのだから。

【抑揚の無い言葉。表情の変化の無い能面の様な面構え】
【当事者でありながら、鳥の様に俯瞰さえしている様な、他人事めいた口調は】
【人間味を欠いた、機械的な何かにさえ見えるかもしれない】

現状を鑑みて尚、酔えるのか。ならば酔っ払っているといい。
そうすれば夢見心地のまま、楽に逝ける。――お前が、それを望むなら。

【何故、路地裏の酔っ払いに声をかけたのか。
 酔っ払いの異様な身形に惹かれての事。そして、魔能制限法に対する批判を耳にしたから】

//お待たせいたしました。よろしくです。
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/11(水) 23:37:23.61 ID:HPKj+7RF0
>>854

「なるほど、大尉、では我々海軍諜報部も全力をもってその誠意にお答えしましょう」
「はい!心強い味方が増えたと聞いたら、あの二人も喜びます!」

【厳島と翔子、それぞれが答える】
【やはり、この女性は立派で高潔な軍人なのだろう】
【豪快に笑い飛ばす、器の広さと、それを呼んでもいい】
【兎にも角にも、特区再潜入の日は、近いのかもしれない】
【アウやへケメトにも伝えなければ、と翔子は思っている】

「全くです、反能力者の気風と、日々繰り返される過激論……」
「情報部は、いえ、鎮守府においても意見は別れています」
「こちらの情報や、黒幕の事は伝えているのですが、問題は国交にまで影響を及ぼす話、結論は出せないかと」
「しかし、この論がこのまま進行すれば、何れ水の国は他国からも……」

【そこまで言って、ふと顔を伏せる】
【魔能をもって異能の不当なる侵略より祖国を防衛する】
【魔導海軍の是だが、それは魔導海軍が魔能を重んじ重宝していると言う事】
【故に、立場も心情も複雑だ】
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/11(水) 23:39:08.05 ID:Xp0wbCSQo
>>855

【「ん〜?」と間延びした声をあげながら、突然やってきた人間に顔を向ける】
【二度三度、ぱちくりと瞬きをする。変わった見た目だと思ったが次の瞬間にはどうでも良くなった】
【酔っ払った状態では思考なんて長続きもしない。危険人物に見えなくもなかったが、やっぱりどうでもいい】

なんだよぉ、お前も酔ってんのかぁ?
そんな演技がかった口調のやつぁ珍しいぜぇ……いや、最近じゃ珍しくねえのか?
ま、なんでもいいんだけどよぉ……

怖いんだろぉ、能力者がよぉ
だったらぁ……なんで”生かしておく”んだぁ?
殺しゃあいいだろぉがあんな奴らはよぉ……全員、まるっと、皆殺し
そうすりゃあくそめんどくせえ法案なんざ通さなくていいし、ハッピーだろぉ?

【のらり、くらり。上半身が左右に揺れながら、酒気混じりの声が答える】
【酔っているせいなのか何なのか、酷く大仰な極論を言っていた。能力者は全員殺せばいい、などと】
【世迷言もいいところだ。酔っ払いの言うことだから真に受けるのも馬鹿馬鹿しいかもしれない】
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/12(木) 00:00:10.54 ID:4Vf1QBOl0
>>857

酔ってなどいない。私は何時も通り何ら変わりない。

【酒気交じりの息を嗅げば人は多かれ少なかれ顔に嫌悪が表れる】
【しかし、白い人物はまるで嫌悪という感情を抑圧しているかの様に表情が変わらない】
【変わりなく、機械のように虚ろで冷淡な眼光と表情。そしてそこから凪のない平坦な肉声が捻り出される】

能力者は恐い。その通りだ。故に能力者を皆殺しにすれば良いと言う考えは単純明快で、簡潔な結論だ。
だが、能力者をどう探り当てるか。殺されると知りながら名乗り出る能力者など居ない。
お前の言う戯言は極論だ。それに至る迄の過程を考慮していない空論でしかない。

故に、法案を以って威嚇する必要がある。抑圧する必要がある。
能力を持たざる者には面倒臭い法案による安心が、精神安定剤/トランキライザー が必要になる。

【平時、酔っ払いの戯言など右から左に受け流すものなのだろうが】
【白い人物はその言葉を額面通りに受け取り、テンプレートの様な物言いでつらつらと言葉を吐き出す】
【その物言いは、白い人物が公安関係と言った体制側の人間であると言う様な物言い】

お前は、本当に能力者を皆殺しにすれば良いと考えているのか?
その口ぶりは能力者を嫌っているのか、――それとも恐れている故か。

【他者の感情を慮ることなどしない。0か1か。それだけが白い人物のあり方であった】
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/12(木) 00:16:20.58 ID:vrnHpev0o
>>858

おいおい、シラフでそんなかよお前ぇ……友達いねえだろ

【呆れたように言ってから酒瓶に口をつけて煽る。袖で口元を拭う】
【真顔で言葉を並べ立てる白色の人物に、虚ろな瞳を男は向けていた】
【まともに聞いているのかいないのか、表情からは分からない。聞いていない可能性の方が高いかもしれなかった】

う〜ん……話がなげえんだよめんどくせえなぁ
方法なんざ後から考えりゃいーだろーが……そんな細けえこと知らねえよ
だいたい、なんだぁ? 威嚇だの何だのって、殲滅に失敗してる言い訳じゃねえかよそりゃあ

皆殺しだよ、皆殺し……それができなきゃ意味なんかねえよ
まぁ、たいていのやつぁどーでもいいんだろーがなぁ。能力者が生きようが死のうがさぁ
なんか……なんだ……お前は法案万歳みてぇな……そういうあれだよな、あれ
うぅん……そんないいものなのか、あれ……クソどもがクソの押し付け合いしてるようにしか見えねえ
どうせ政治だののあれこれだろ? つまんねえっつうかなんつうかよ……もっとこう、楽にやれねえもんかねえ

【纏まっていない思考を垂れ流すように、男は男で言葉を並べ立てていた】
【それは相手とは違い、理路整然としたものでなければ確信を持ったものでも何でもない】
【酔っ払いの戯言。それ以上でも以下でもない。それでも、男には男なりの意見はあるようだった】

あー……怖い……怖いよなぁ、あいつらはよぉ
だってそうだろ? 隣にいるやつが能力者だったらこえぇだろうが
次の瞬間には頭いじられてるかもしれねえ。次の瞬間には死んでるかもしれねえ
そんな得体の知れないもん生かしておこうって気が俺には分かんないね……

【酒瓶を煽る。口の端から酒が溢れてそれをまた袖で拭う。飲み方一つとっても酷い有様だった】
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/12(木) 00:44:34.48 ID:4Vf1QBOl0
>>859

政治的な事情など私の管轄外だ。そこに法案の良し悪しなど関係ない。
体制側にとってのトランキライザーでしかない私が口を挟む事ではない。

あと、友達なるもの。生まれてから現在まで存在しない。

【自分と言う存在に与えられた役割。それを果たす以外の事に意味を見出さない】
【そういう生き物であると自覚しているにも関わらず、苛立ちと言う把握出来ない感情が僅かに鎌首を擡げる】
【無表情を崩さなかったからこそ、声色に僅かな変化が見られた】

お前は法案を殲滅に失敗した言い訳と詰り。そして隣人が能力者である事を怖いと言う。
であるならば、それは正しい。同時に体制側が能力者を皆殺しにしない理由はそれだ。

人と言う生き物。それは手に余るもの。己の範疇を超えるモノに対して恐怖を抱く。
ならば、体制側が人の範疇を超える力を手中に収める方が都合が良い。

能力者という生き物の有効活用だ。人の形をした抑止力。人の形をした恐怖。
力を持ち恐怖を振りまくのは体制側だけでよい。それ以外はただ庇護されていれば良いのだ。

加えて。怖いと言うならばそれは正しい。能力者に戦慄いていてくれる方が有り難い。
能力者のお陰で大義名分が出来る。それを盾にすればどんな無法も、横暴な振る舞いも許される。

【人などモノでしかない。脳から流れる電気信号で動く肉袋であり、数でしかない】
【隣人が能力者で、不図した拍子に殺されようが洗脳されようが知った事ではない】

もし、お前が法案に異を唱えるならば思う存分吼えればいい。
拳銃を抜いて手当たり次第、打ち乱れればよい。それが出来ぬなら、息を潜めて死ねば良い。

【故に紡がれる言葉は傲慢で、無自覚に眼前の男の神経を逆撫でしかねないものだった】
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/12(木) 00:59:07.84 ID:9nUNt7fK0
//>>854すみませんアヤ中さん、一旦凍結にてお願いします
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/12(木) 01:01:44.00 ID:vrnHpev0o
>>860

って、マジで友達いないのかよ!
見ての通りのクズ野郎の俺でさえ一人ぐらいはいたことあるってのによぉ
同情するぜ……どうせ要らないとか言うんだろうが

あーんー? トラ……なんだ?
こっちは酔ってんだから分かるように言いやがれってんだ
ま、何でもいいけどよぉ……

【トランキライザーという単語の鸚鵡返しができない程度に酔いが回ってるらしい】
【呂律ぐらいは回っていて会話できるだけマシなのだろうが、思考の鈍重さは如何ともしがたい】

ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜?
よく分かんねえけど、お前はその法案がいいわけだ
なんか……こう……理に適ってるって言いてえんだろどうせ
そりゃあ結構なこった……俺にぁどーでもいいけどな、へっへっへ

【喉を鳴らすような笑い。人によっては嘲笑のような、不愉快なものに聞こえる】

おーおー死ねばいいときたかぁ
あっはっはっはっはっ! 確かに俺みてえなやつぁ死んだ方がいいだろうな!
いや間違いねえよ、はははははははっ!

けどよぉ、た〜だ死ぬだけじゃやっぱつまんねえよなぁ……
もっとこう……劇的っつうか……最後に一発撃ってから死にてえよなぁ

って、お前には全く関係ねえ話しちまったな……なんだっけ、法案?
法案はクソくだらねえさ……でもまぁ、いいんじゃねえの?
お前が言うとーりによぉ、合ってんなら、合ってんだろ?
あーだのこーだの……理屈こねくり回すのは好きじゃねえんだよなぁ

のーりょくしゃどもがぶち殺せりゃ、俺ぁそれでハッピーよ
ついでにいい女とヤれて、美味い酒が飲めりゃ言うことねえんだけどなぁ
今、俺がしてることと言えば……安酒煽ってなんかよく分かんねえやつと政治談義よ
全くクソみてえな時間だ、お前もそう思わねえか? へっへっへっへっ

【何がおかしいのか、肩を痙攣させるようにして度々、笑い声をあげる。喉を鳴らすような笑いも癖のようだった】
【シラフであればあるいは、傲慢さのある言葉に激昂もしたかもしれない。だが酔っていることが神経を鈍らせていて】
【愉快そうな声が答えとして返っていく。信念や信条なんてものはなくて、あるのは単なる欲求だけだった】

//今日はこのあたりで凍結、お願いします!
//明日はおそらく夕方ごろになるかと。では、おやすみなさい
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/12(木) 01:06:54.95 ID:4Vf1QBOl0
>>862
/了解です。では今日はここで凍結ということで。
/お休みなさいです。
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/12(木) 06:44:32.24 ID:S4FuHH8P0
>>856

【全力をもって誠意に、という返事を受け取ると】
【アヤは嬉しげに微笑みながら「ああ、頼む」と頷いて】
【それからしばらくは自らの問い――櫻目線の意見を傾聴する】
【当然ながら反応は複雑なもの。高度に政治的な判断など、軍の一存では出来ない】
【悩ましげに腕を組めば服に隠れた胸元が浮き上がるが――それは、ともかく】


んん……?……待て、"黒幕"というのは何のことだ?
確かに反能力者の過激な論ではあるが、議会で揉まれた結果なのだろう?

……"黒幕"とは。まるで、別な仕掛け人が居るかのような言い方ではないか
そんな存在が居る、ということか?それとも、私の思い違いか?
他国の情報部員にそれを聞くのも、己の国の恥を晒すようで気が進まないが……

……どうなんだ、中尉?この一件、『単なる世論』ではないのか?


【言葉の中で引っかかったのはやはり、"黒幕"という言葉だった】
【アヤの認識は一般国民と同じ――能力者は危険、という従来の理論が】
【今回は議会にまで飛び火して、野党が能力を制限する法案を掲げている】
【特区は、その法案が可決するのに先駆けた実験的な地域活動】

【――その様な認識でいるのだから、気になるのも無理はなく】
【問うのは、核心。何のことだと聞きながら、その視線はやや鋭いものになっていた】
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 08:29:01.63 ID:Z4BneUoT0
【風の国――UT店舗】
【斜めに差し込む朝日が眩しい時間、街中にも人通りはまだ少なく、朝の冷たい、少しだけしめっぽいような風の時間帯】
【きぃと軋む音で徐に扉が内側から開かれる、ドアストッパーでそのまま固定されて、ひんやりした空気が飲み込まれていく】

――――――、ふぁ、

【開けたのはどうやら少女であったらしい、眩しい朝日に目を細めてから――大きなあくび、それからゆるゆると店内へ戻っていくなら】
【寝ぐせほどでもないけれど少しくしゃっとした髪が朝日に光る一瞬が取り残される、ひらっと翻るスカートの裾が扉の枠をこするような、しゃりしゃりした音も引き連れて】
【誰かがそれに気づいても気づかなくっても、店内へ踏み込めば人影を見つけることはたやすいだろう、少し眠そうな雰囲気、朝によく似合うけだるげな色合い】

【肩の長さの黒髪をただ手櫛で整えて大雑把にまとめる、飾り気もなく一つに縛ったなら、透き通るように白いうなじが覗いて】
【あどけない顔に色違いの瞳、黒色と赤色はたった今点けたテレビをぼうっと見つめてから、またあくびする、じわっと浮かんだ涙を手のひらでぬぐい取り】
【膝下丈のワンピースは淡い生成り色、袖をきゅうと締めたデザインで、ただ、これで眠っていたみたいに少ししわくちゃしていた、それはきっとデザイン――ではなくて】
【ぺたんと床を踏むのもあんまりにやる気のない靴、底は低くってそれ以上に履きやすいもの。少しの間ぼうっとテレビなんて見ていたのだけど】

【そのうちにふらりとカウンターの中に入って行って、やがて戻ってきたときにはカップとお皿が一枚。机にそのまま並べたなら】
【珈琲の匂いと香ばしく焼かれたパンの匂い。横着したみたいにお皿の上には一緒にバターとかバターナイフとか、練乳だかも並べられ】

……えい、

【最初にパンにバターを塗ってから。徐に練乳のチューブ、蓋を外して、珈琲のところへ】
【それで――――親と師匠と恩師とあとなんか誰か、の仇みたいな勢いで、びゃーと絞り出す、にるにると真っ白な甘さは黒の苦さの中に消えていって】

昨日のお客さん、ひどいの、もうおしまいって言ってるのに、帰んないし――、
麻季音ちゃんにしばらくお仕事任せちゃったから、そのまんまにしておくの、悪いし――。

……セリーナ、まだ、怒ってるのかなぁ。ずっと会ってないな――、

【異世界のどこかではそんな風に飲むらしい、ただ――わりに新品に見えたチューブがくっちゃんくちゃんにへこむくらいまでは、どうだろう】
【それをもっともっと横着してパンにバターを塗りつけたナイフでかき混ぜる、それで一口、二口、そうっと目を細めて】

えい。

【――追い練乳する。もし誰か見ていたら、朝っぱらからとんでもないもの作ってるって思われそうなくらいに――あれだった】

/今ちょっと時間があるのでというやつです、次お返しできるのおそらく夜になります……!
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/12(木) 13:59:01.41 ID:9nUNt7fK0
>>864
【アヤの、その胸を強調するようなポーズに、翔子は少しムッとした顔で厳島の方を見る】
【無論、厳島の表情に変化は無いのだが】
【そして……】

「そ、それは、大尉殿……」

【しまった、そんな顔でお互いを見合わせる二人】
【勿論だが、アヤはごく普通の士官軍人、能力者ではあるのだが】
【事この話に触れる機会も、ましてや人から話を聞く機会も無かった筈だ】
【口を滑らせてしまった……こうなれば】

「大尉殿、カノッサ機関は先ほどの話でも出ましたので説明は不要ですが」
「簡単に説明しますと、この国の内部にはその機関を中心に、黒幕と呼ばれる組織と、円卓と呼ばれる組織が抗争を繰り広げております」
「黒幕に関しましては、その勢力は政府、公安内部にも浸透して居るものと見られ、先の魔能制限法もその黒幕の謀にございます」
「国民の世論も、恐らくは黒幕のプロパガンダによる部分も大きいかと……」
「対して円卓は、政府、財界にその根を下ろし、莫大な資金力を有し黒幕と相対しておりますが、依然その詳細も正体も不明です」
「しかし、どちらも機関を利用し、そしてこの国を欲しい侭にせんとする部分は同じ」
「更には、別系統で暗躍する企業の姿もあり」
「ひいては、世界を巻き込む危機となります」
「……我々は、その全てを追っています」

【この国を取り巻く真実の姿】
【その状況を、自分達が調べ、見聞きした限り掻い摘んで話した】
【突拍子も無さすぎる、果たして、どの程度信用されるか】
【あるいは受け入れられる話か】
【相手が相手だ、無礼者の誹りと鉄拳制裁位は覚悟する必要もあるだろうが】
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/12(木) 14:30:39.04 ID:3HwQ4NtR0
>>865

【じいっと、少女を見つめる視線があった】
【ゆったり笑みの形に細まった両の眼は真っ黄色。よく掻き混ぜて熱を通して】
【ふんわり焼き上がった卵みたいな色合いで――少女を、見ていた】

……それさ、最初ッからカフェオレ淹れたほうが早くナーイ?

【少女がその視線に気づいたなら、ばあ。なんて声を上げながら、そいつは笑う】
【明るい銀髪に、褐色の肌をした長身の男だった。表情はゆるんゆるん、へらへらしていて】
【音もなく店内に侵入して、少女が座っている席の真正面にいつの間にか、座っていたのだ】

【きっと吃驚するだろう、そうしないとしてもきっと「お前は誰だ」と問うくらいはするだろう、少女に対し】
【その男は「おきゃくさんでえす。……まだ開店してなかった?」なんて声をかける】
【両手をひらひら挙げてみせながら。間違っても敵意はないのだ、と示すように】

おれオナカすいてんだけど、なんかタベモノないっすかあ?
心配しなくてもちゃんとおカネは持ってるよお、……ダメ?

【行儀悪くも両肘をテーブルにつけて、両てのひらの上に顎を乗せたまんま】
【男はこてっと首を傾げて見せるのだ、口元をへらへら緩ませたままに】
【人懐っこい大きな犬っころがやるみたいな仕草、それから纏うオーラ】
【それを怪しいと思うかどうかは、きっと少女次第。……十中八九、怪しいと思われるだろうけど】

//よろしければ〜!
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/12(木) 18:42:39.41 ID:4Vf1QBOl0
>>859

同感だ。見知らぬ不審者と政治談議など不毛だ。不毛な時間だ。
だが、同時に今この場が平和である事の証明であろう。欲求に忠実なケダモノ。

【愉快げなのか。それとも気が触れたのか。酩酊状態の人間はどうも度し難い】
【度し難いが、まだ犯罪行為をしていないだけマシだと結論付け心の奥底から湧く感情を鎮めた】

死ぬまでの過程に拘る様だが、死ぬと言う結果には変わらん。
私には死に至る迄の過程に拘るのが理解できかねる。死ねば同じだ。
劇的に死のうが、無残に死のうが、綺麗に死のうが、所詮同じ"死"。

【相変わらずの無機質な論調。相変わらずの鉄仮面の様な冷淡な面】
【けれど、そう。けれど。半ば自棄である様な男の姿に僅かな興味を抱く】
【それ故、次に紡ぐ言葉に、白い人物の人間性を覗かせるのであった】

不可解。お前のその言葉。死に至る過程に拘るその姿勢。
実に不可解。だがしかして、どうしてか。少々ばかり興味がある。
酔っ払いの戯言次いでに聞いてやる。――お前の嫌う能力者が、な。

【白い人物が初めて見せる個人的な好奇心と僅かに崩れる無表情】
【それは、自身の欲求さえ抑圧している風に見える人物が見せる綻びの様な欲求】
【機械に成り切れず、同時に人を捨てきれずと言った所か】

//次にレスを返せるのは21時以降になります。
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/12(木) 19:04:09.07 ID:vrnHpev0o
>>868

【”ケダモノ”──その言葉が気に入ったのか、男はまた喉を鳴らして笑っていた】
【しかし次の論調にはまた表情を変える。首を傾げて、訝しげにする】

ん〜? おいおい、死ぬなら途中はどーでもいいってか?
はっ、そんなこと言うのはなんだぁ……哲学家とか、そういうアホだけだと思うぜ
人間いつか死ぬんだぜ……そんなこと言ってたら何してもダメってことになっちまう
それにいつか死ぬってのは別に今の楽しみを減らしたりはしねえだろ……だったら途中だって大事だろぉが

【「まったくロボットかよ」と、愚痴を言うように零して酒瓶を煽る】
【興味がある、などと言われても聞こえていないように無反応。酩酊した男は気まぐれだった】
【だが────能力者。その言葉を聞いて少しばかり様子が変わる】

【ふと、ただ顔を向けただけ。視線を向けただけ。しかしその双眸には何かが宿っていた】

……なに、お前、能力者なのかぁ?
おー、怖い怖い。実は俺ぁもう死んでんじゃねえのか? おっかねえったらありゃしねえぜ
一体何ができるっていうんだ? 能力者っていってもピンからキリまであるからなぁ
ゴミみてえな能力だってんなら、俺も安心して酒を飲んでいられるんだがよぉ、へっへっへっ

【興味には興味が。怖がりながらもその能力を見たい、などと言い出す】

//了解です
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 19:20:48.57 ID:BrfzrAP6O
【水の国 港】

【先の観艦式の興奮冷めやらぬ港、未だに多くの人間が行き来している】
【其の中で一際目立つ船が一隻、今まさに港へ着くだろう】
【豪華客船と比べるとどこかオールドテクノロジーじみた船】

【櫻の国と水の国を結ぶ定期船、魔導海軍の人間にとっては何処か懐かしさを感じさせるかもしれない】


【────】


【水の国で活動中の魔導海軍へ、打診が送られたのは数日前】
【"水国市街混戦事件"により、対能力者の重要性を痛感した本国は】
【外部顧問としてある人物の派遣を決定した。】

【──曰く、能力者戦闘のスペシャリストであり、自身も能力者】
【更に剣術の師範であり、数多の実戦経験を積んできた逸材だと】
【本国では現在特殊部隊に所属しており、この為に態々派遣を要請したのだと】

【────スペックだけ聞くと、大分恐ろしい人物だ】

【本国に依ると、件の人物に戦闘面でのサポートを受けると共に】
【派遣中の部隊に於いて戦闘指南を受けろ、との事】


【────】


【船から続々と人間が降りてくるが、纏っている雰囲気は普通そのもの】
【貴方の目に止まるような人物はいないだろう】
【そうこうしている内に人波が途絶える。──次の便か、と感じさせる刹那】

【……両肩を船員に担がれ、ゆっくりと降りてくる人影が一つ】

【染めたての茶色い長髪を、紅細工の簪でポニーテールに結って】
【紅いカーディガン状の半襦袢の上から、長い白羽織を着こなす】
【黒いニーソにブーツ、黒曜石色の瞳をした少女】
【白木と黒木の鞘に包まれた太刀を二本、左の腰に添えている】

【顔色は非常に悪い、唯でさえ白い頬が青白くなっており、目は虚ろ】
【めちゃくちゃに船酔していることが傍目でもわかる】
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/12(木) 19:46:13.39 ID:9nUNt7fK0
>>870

【水の国の港、先だっては観艦式が執り行われ、盛況たる盛り上がりを見せたこの港に】
【一隻の船が到着している】
【櫻の国本国との定期船】
【櫻の国からこの国に来る人間にとっては、一度はお世話になるその船の係留場】
【降り口たるこの場所に、今か今かとその到着を待ち構えている様な、三人の姿があった】
【顔には緊張の面持】

「一体、どのような人か……」
「きっと鬼の様なマッチョマンなのだよ!鬼教官みたいな、もう視線だけで一睨み5人は屠れるのだよ!」
「そ、そんな怖い人、私……」

【三者三様、一人は暗いネイビーのスーツの男性】
【もう一人は付近の学校のセーラー服の少女】
【もう一人はミドル丈のグレーのタイトスカートに、ワインレッドの薄手のセーター、金色のチェーンネックレスの女性だ】

【櫻国魔導海軍陸戦隊諜報部】
【三人の所属はこういう肩書となっている】
【本国からの打電で、本日この便にて『外部顧問』が到着する、との連絡が入った】
【対能力者戦闘のスペシャリスト】
【簡単に送られてきた、その情報は、三人を震撼、時に期待させるに十分足るもので】
【故に、今日ここにその三名が集っているのだが】
【それらしい人物は、なかなか降りては来ない】
【ついに、最後の一人となったが……】

「(……)」
「(いや、まさか……)」

【その姿は三人を、そう白く固め、そして三人同時に心の中で、そう思わせる】
【そんな姿だったと言える】

「そ、その、大丈夫……では、無さそうですね……」
「少佐!」
「はいよ!酔い止めと水なのだよ!」

【船員に両肩を掛けられる女性に駆け寄り】
【男性と少女は船員に代わり、肩を抱きかかえるように】
【私服の女性は、ペットボトルの水と錠剤をその口に突っ込む】
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 19:53:50.62 ID:BrfzrAP6O
>>871

【ほえ?と目の前の状況が理解できない少女は、全員の代わりに担ぐ両名を見渡す】
【瞳の中に浮かぶ色合い、視界がぐらぐらする、と言いたげに】
【ほっぺたがハムスターの様に膨らむ、ヤバい】


おぼぼ……はふっ……うぅ……きもぢわるぃ……
久しぶりの本土だからって、ハリキリすぎました──……
あーぅ、目がぐるぐるします……

ずぃばぜぇん……はぅ


【酔い止めを口に流し込まれ、ごっくん、白妙の喉が揺れた】
【水仙の弦に夜露が滴る様に、流れ込む液体が指先まで染み渡る】
【一息をつく、少し落ち着いた様だ──ありがとうございます、と軽く頭を下げた】


あの、この辺りに迎えの人が──ああ、それじゃ、分かりませんよね
こう、如何にも軍人みたいな、立派な体格をした人って、居ませんか?
実はその方達に用がありまして──


【長いポニーテールが揺れる、腰ほどもある鮮やかな茶色】
【前髪越しに見つめる眼、ふんわりと優しそうな輪郭を染めて】
【紡ぐ言の葉は件の人物に相違ないが──どうにも、イメージと違う】
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/12(木) 20:07:15.61 ID:9nUNt7fK0
>>872

「いえ、その、無事そうで何よりです……」
「昔、同じ事をやって顔に吐かれた友人が居たのだよ、あれは面白かったのだよ、ああ〜今回は良かったのだよ」

【少女と男性に抱えられながら、何とか件の少女は息を吹き返した様だ】
【やがて、少女からようやく意識ある言葉が聞けた】

「……」
「あの、それ私達の事です、すみません、一応諜報員なので、こんな服装で」

【少女は極めて流麗で、そして風雅で】
【武骨とは程遠い人物に見えるが】
【それはこちらも、少女からすれば同じだったようだ】

「お迎えに上がりました、外部顧問殿!櫻国魔導海軍陸戦隊諜報員、厳島命中尉であります!」
「同じく陸戦隊諜報員、見習士官、那須翔子曹長であります!」
「陸戦隊医官、石動万里子少佐なのだよ!」

【両脇と正面の三人が】
【そう、居住いを正し、少女に挨拶する】
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 20:22:02.48 ID:BrfzrAP6O
>>873

【ふぇ、と瞼をぱちくり信じられないと言った様子で】
【両肩の二人、目の前の一人と視線を動かして】
【漏れるのはほんとに? なんて素がこぼれた様な響き】


……嘘や! 絶対うち騙してはる! ……ああ、じゃなかった
本当ですか、てっきり私、ここで何か映画の撮影でもしてるのかと
こんな美男美女、私の知ってる魔導海軍にはいらっしゃらなかったので……

わわっ、そんな畏まらなくて大丈夫ですよ、ほんとに
見ての通り私もただの若輩者です、久方ぶりの本土ですし
分からないことばかりです、よろしくご指導ご鞭撻の程を


【一瞬取り乱し言葉が変わった、慌てて頭を振ってこほんと咳払い】
【落ち着いたなら言葉は丁寧、紡ぐ音律は耳に心地よい響き】
【大丈夫です、と言えば一人で立てる様になるだろう、凛とした佇まいで】


申し遅れました、『櫻の国』"桜桃"直下特務部隊"御庭番衆"筆頭
和泉 文月と申します、以後お見知り置きを

……にしても、この辺りはすっかり代わってしまいましたね、昔はもっと静かでしたのに
懐かしいやら寂しいやら


【丁寧に頭を下げる、尾っぽの様にポニーテールが揺れて】
【<桜桃/ゆすら>とは櫻の国にある諸国の一つ、観光業が盛んな地域だ】
【"御庭番衆"は聞いたことがあるかもしれない、高い技量と忠誠心で有名になった武装集団】

【──しかし彼女のイメージは、船酔い娘の印象が強いだろうが】
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 20:43:25.05 ID:aJs8Rlk00
>>867

【追い練乳をにりにりと絞り出す、それをまたがちゃがちゃっと乱雑に混ぜて、一口。今度は納得したのだろうか、目元がわずか嬉しそうに綻び】
【少し上機嫌な気配になって、ふと視線を映した。テレビは今日も憂鬱だろうかと確かめようとした、その瞬間。ぱちりと一瞬だけど、確実に目が合うだろう】
【刹那あまりにもいきなりすぎて無視しかけて通り過ぎそうになった視線が――――ばっ、と、すごい勢いで戻って来る、文字に表しがたいような声(ひめい)を一つ上げ】

――――!?

【どごんっ、と、鋭いのに鈍い音はカップが机に叩きつけられる音。幸いにも割れなかったけれどなんだか白っぽくなった珈琲の水面が大きく揺れて、ゆら、ゆらり、ぽちゃり】

あ――ぁ!? だれっ……誰っ? おきゃっ――、くさんっ!? 客!?

【鈴の音によく似た金属質の声音がはちゃめちゃな驚きを示していた、それこそ珈琲の水面のようにさざめきたって、動揺の波の大きさ、表したなら】
【真っ赤にも真っ青にもならない顔は真っ白いままで――びっくりしたみたいに椅子ごと後ずさっていた、その位置から相手が何者であるかを確かめるように視線が往復】
【銀色の髪、褐色の肌、ふうわりおいしそうなオムレツの色の瞳の――――いや誰。知り合いではなかった、客というなら客なのか、と、思考回路はショート寸前で】
【カップを叩きつけた手とは逆の手が口元を隠していた。真ん丸の目、まーるくて、どこか蛇に似た形なのに、それよりもずっと表情豊かな、色違いの瞳が】

【相手を見つめて――見つめまくって、】

お金――、お金、て、えっと、……お客……さん? いらっ――、えぇ、
……ごはん。食べるの、いいけど――、開店は……、朝のひとが来たら――、

【ようやくちょっと思考も晴れて来る。いきなりぶっこまれた衝撃に対応した頭が痛いみたいにこめかみを押さえながらも、うんと甘たるい珈琲を一口】
【それで深呼吸を一つ。というかため息――ふうじゃなくてはあ。そういう息をして、到底熱い珈琲が冷めなさそうな吐息を茶色くなった水面に吐きかけて】

わたしは夜のお仕事――、お家帰んのめんどくさいから、ここで寝たの……。

【食事を振る舞うことに異存はない。ただもちろんお金はもらうけど――ってそれは相手もきちんと分かっているから、言うまでもなく】
【開店がどうとかはわりに雑らしい――とにかく彼女は夜の人員で。今居るのは帰らないで寝たかららしい。「お兄さん、何か食べるの?」――やっと、少し、声が落ち着いた】

/大変お待たせしました、お返しできるようになりました……!
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/12(木) 20:46:41.28 ID:9nUNt7fK0
>>874

「美男?」
「美女?」
「……なのだよ?」

【三人が三人とも顔を見合わせた後】

「や、やだです、美女、だなんて、私は全然ちんちくりんですから!」
「いやはははッ面白い人なのだよ!てっきり鬼教官が来るもんだとばかり思ってたのだよ!」
「び、美男……いえ、教官殿、我々も陸戦は青二才、是非対能力者陸戦の何たるかをご教授頂ければと思います」

【三人が三人共違った反応をする】
【それはそうだろう、開口一番、と言うわけではないが】
【二、三番目の言葉がお世辞ともつかない言葉だ】
【先刻までの緊張と相まって、少し調子の外れた具合になる】

「桜桃の、御庭番衆筆頭?それは頼もしい……聞きしに違わぬご経歴です」
「御庭番、御庭番……」
「いや〜、しかし、まさか外部顧問がこんなかわいい女の子だとは、一見華奢でそれに不釣り合いな二振りの刀、輝かしい肩書とそれに似合わぬ見え隠れするドジっ子属性、即ちそれはギャップ萌えなのだよ!それは着物の着こなし方も現れているのだよ、可憐な襦袢と羽織、しかし足元は二ーソとブーツ、ああこの絶対領域に吸い込まれたいのだよ!古今東西あらゆる先人達がその創作物に採用してきたギャップ美少女、今ここに極まれりなのだよ、そう!それはまさにこの春の日の季候とも呼べるのだよ、暖かさの中の突然の寒さ、突然の夜の寒さは朝昼の優しい暖かさへの前哨戦、その温度差こそギャップ萌えの真髄なのだよ!そして時折漏れる関西弁、まさに至高!彼女こそミスギャップと言えるのでは?あぁ^〜いいっすねぇ^〜、もうこれはお部屋に連れ込み不可避なのだよ!むっはあー!!」

【こちらも、厳島はその少女に素直に敬意を表し】
【那須は何か考えるような様子で】
【石動は……二人からは白い目で見られている、そして特に反応もされていない辺り、いつもの事なのだろう】

「和泉殿、これからのお住まいは決まっておりますか?荷物がありましたら、僭越ながら私と那須曹長で運ばせて頂きます」

【厳島はそう前に出て、話を先に進める様に、そう聞いた】
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 20:54:22.77 ID:BrfzrAP6O
>>876

【三人の反応を見て思わず彼女は吹き出した】
【そこから堰を切ったように、声を上げて笑う】
【春風の様な明るい笑い声、聞いてる方にも心地よさを与える音色】


あー、安心しました、実は私少しだけ緊張してまして
でも良かったです、皆さんとなら上手くやっていけそうかな、と
ほんとに……特に曹長さんなんてまだお若い、よっぽど優秀な──


【石動の捲し立てるような言葉に目を白黒させる、耐性は無かった様子】
【あ、あははと乾いた笑いが漏れたなら、厳島の言葉に我に返る】
【ああ、そうでした、そうでした、と言葉を返して】

【──あれ、と言の葉が続いた、嫌な響きだ】


……あれ、おかしいな──荷物、何処にもあらへん……
あ! そう言えば医務室! あそこに置きっ放しで──


【文月が振り返ると連絡船は丁度出港する】
【ぽーっと港に響く、どこか情けない音色】
【愕然、膝をついて蹲る少女】

【春風が一陣宥めるように流れた】
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/12(木) 20:57:45.75 ID:02k9Oj7zo
>>847

「うぐっ、そう言われればそうだけど……」
「公衆の面前でビキニを着るのは、ちょっとおかしい気もするのよね」


【「必要だから」この格好をしていると言っても、ビキニと同じなら】
【それもおかしい気がして――彼女の言葉はますます衣装の不自然さを強調させて】
【余計に頭を悩ませることになってしまった。それが扇情的であることに、ようやく気づいたのであろう】

【お互い気をつけましょう、の一言にぽかーんとした表情で応じて】
【まあ気づいていないということなのだろう。言わないほうが得なことに間違いはない】


「専門のマッサージ師ね……、そんなこともしてるの」
「いろいろな治療ができるのね。今度行ってみようかしら」


【イメージがあまり沸かないが、肉体――特に筋肉や神経に特化した治療】
【人間相手なら精神的な原因にも対処できるらしい。興味深そうな表情で一通り話を聞けば】
【今度行ってみようか、なんて。先日まであんな暮らしをしていたのだから、疲労もだいぶ溜まっているだろうし】

「さ、入りましょ」

【店の入口まで着けば、扉をあけて中に入る】
【二人であることを告げれば、ウェイターが個室へと案内してくれるだろう】
【――目線が定まっていなかったのは、誰のお陰か明白ではあったが】
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/12(木) 20:59:12.28 ID:3HwQ4NtR0
>>875

おっアブネー、零れなくてよかったネ!

【けらけら。他人事のように笑って見せながら】
【ゆらめく黒色の水面を指差す。幸いにして、カップの防波堤を越えなかったそれ】
【「危なかったネー、パンが珈琲味になるとこだった」、……だれのせいで危なくなったんだか】

そう、オキャクサン。ここモーニングやってる?
ふうん夜の……夜の? おじょーちゃん夜に働いてんの、
それダイジョーブなの、ホーリツ? ジョーレイ? 違反になんねえ?

【モーニングサービス、やってるかどうかもわからないくせに入って来たらしい】
【そんな感じなのに平然と笑って見せるもんだから、この男きっと相当に質が悪い客、かもしれず】
【……だというのに悪びれる様子もなく、少女の心配をし始める始末だ】

うん。おれは朝はパン派――あとなんか目玉焼きとかたべてーナア。
朝のヒトがくるまであとどんくらい? オナカぺこぺこよ、おれ。

【くう。図々しくアピールする腹の虫、反して表情は上機嫌そうに】
【ようやっと落ち着いたらしい少女を見ていた。じいっと、じいっと】
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/12(木) 21:06:55.66 ID:9nUNt7fK0
>>877

「あ、え、ええっと、その、私はそんなんじゃ無いです……中尉や少佐みたいに強かったり何か特別な事が出来るわけじゃないし……」

【何とも、褒められて照れなのか】
【あるいは、自身の無さの表れか】
【文月の春の日差しの様な笑みと、春風の様な声の前に】
【すっかり委縮してしまう】

【やがて……】

「あ、そ、その……教官殿?」

【嫌な予感が全員に走る】
【そして予感は現実のそれとなる】
【船の汽笛は何処か切なく、どこか間抜けで】
【その船を見送りながら、膝から崩れ落ちる文月】

「あ、あの教官殿……我々の借り受けているマンションは、まだ部屋があります、先だって入隊したリオシア二等水兵の隣とか……」
「か、家具はあるので!す、すぐ暮らせます、よ?」
「着替えとか、日用品は、あーあれなのだよ!私と中尉でお金工面するのだよ!」

【何とも悲しくなり】
【三人駆け寄って、そう言葉をかける】
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 21:10:31.93 ID:aJs8Rlk00
>>879

【けらけら笑う彼にはすっかり面食らったようになるだろう、口元をぎゅっと噤んで、目をまあるくして、相手を見つめるのが精いっぱい】
【本当に幸いにも珈琲はこぼれていなかった。元から練乳を好き勝手入れる気でそもそもの量が多くなかったのが幸いしたと見えて――だからって、特にいいことはないけど】

モーニング……、最初からモーニングやりまーすって決まってるのは、ないけど――、えと。
でもお兄さん欲しいなら、わたし、作るよ――、どうせ朝までお料理してたの、だったら朝にするの、ついでだし――。
……だいじょーぶなの! ……もう、七月になるちょっと前にね、二十五歳だよ、だから……、

【なんだか相手の雰囲気に気圧されていた、いわゆるモーニングはやっていないけど、その場その場で居合わせた誰かが作る、程度なら、まあ、アリだろう】
【実際に普段は料理するひとと配膳するひとを兼任している彼女が居合わせたらなら――やってないってことは、ないのだ。ただ――まだどきどきしている顔、瞬いて】
【法律とか条令とかは大丈夫らしい。なぜなら、二十四歳だから――とうていそんな風には見えないだろう。この顔では年上に見積もって、十六歳が精いっぱい】

〜〜〜もうっ、じゃあパンとね、目玉焼き! ウィンナーとか、サラダとか、スープとか、要る?
作って来るから、待ってて――っ、飲み物はっ? 珈琲でしょ、紅茶でしょ、櫻のお茶もあるし、お水だって――。

【何か言い返したいようにむずむずしても言葉は出てこなくて、ならば少女は諦めて立ち上がる。パンと目玉焼きは確約された、ならばあとは、ウィンナーはどうかとか】
【サラダはどうとか、スープとか、そういうほかの物の話になって――最後にお飲み物。それらを滞りなく"注文"すれば、少女は言われた通りのものを作りに行くだろう】
【だってそれがお仕事なのだから――そうして彼女が席を立つことになれば、すっかり白っぽい珈琲とバターがたぽうり塗りつけられた薄切りのトースト】
【そのどちらもが今は温かかったけど――きっと少女が戻って来るころには冷めちゃうんだろうなぁって顔をして、そこに佇んでいるに違いなかった】
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/04/12(木) 21:15:37.05 ID:qykxQoNfo
【水の国―――オフィス街】

【とうに日も暮れた時間ではあるが、未だ照明の灯る窓もチラホラと】
【そんな中の、とあるビル。入り口前に設置された灰皿のそばに一人の男】

【黒のスラックスと縒れたシャツ、その上には白衣を纏って。】
【白衣にはところどころに汚れ――油染みだろうか――が見受けられた】
【短めの黒髪には白いものが混じり、男がもはや若くはないということを示していて】

この匂い…………――――一雨来そうだな……。

【タバコを咥えながら呟けば、ガサガサとビニールの袋を漁って。使い捨てのライターを見つけ出したなら、炎を灯す】
【―――煙を吐き出す。厚い雲が空を覆えば、月さえ見ることは叶わず】

【やがて一つ、二つと、アスファルトの路面に染みが浮かび上がる】
【幸いにして、ここは屋根の下。次第に数を増す雨粒の染みを、男は眺めていた】
883 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/12(木) 21:17:07.99 ID:PU+55ORM0
>>878

何言ってんです、そんな感じの服装じゃないですか――――堂々してれば良いんですよ、えぇ、堂々と……

【場所柄を考慮に入れてその服装を見れば、ビキニの水着に匹敵するだけの大胆さだと、イーレイは苦笑しながら告げる】
【周りが水着姿の中のビキニに匹敵するほどに、街中でのこの服装は刺激的なのだ、と】
【――――まぁ、これ以上揶揄うのもかわいそうだ。建前の方に意識を誘導して、「仕方がないのだから開き直れ」と諭しにかかった】
【――――本人としては、やりたい事をやり終えて、なので、ちゃっかりしているともとれるのだが……】

(――――ラッキーですねぇ。ま、これは「人生万事塞翁が馬」って奴で……)

【互いによそ見してたところから、思わぬ形で夕食にありつける事になった。胸中にそっと昔のことわざを思い出す】
【ひょんな事故が幸運を呼ぶこともある。人生は、結局の所最後の瞬間まで、どうなるかは分からないのだ】

えぇ、身体が疲れてる、腕とか脚とか、妙な疲れや痛みがある、それでなくても、なんとなく風邪でもないのに体が調子悪い……
そんなこんななら、私の出番って奴ですよ。そういう悩みがあるんなら、此方はいつでも大歓迎、気兼ねなく門を叩いてくださいな?
お通じの具合が悪いとか、眠りが浅いとか……そういうところも、原因次第ですけど、ものによっては私が治してあげられますからねぇ

【具体的ケースを上げながら、イーレイは自分の手腕を解説する。「実際にどんなことが出来るのか」、それ次第では、マリーも自分の客として迎えられる可能性はある】
【ヒトの体を扱う事を専らにしている彼女である。そこには相応の自信があるようで】

【――――そうした会話で道中を進み、2人は洋食店へとたどり着く】
【ウェイターの、少々泳いでいた視線には、どうやら気づいていたらしい。部屋に案内されるまでは、思い出し笑いするようなニヤニヤした表情を、顔に張り付けていた】

さてと……それでは、私はトマトリゾットとソールムニエル、そしてブラッドオレンジジュースを戴く事にしましょう
……御馳走になりますよ、マリーさん

【メニューにざっと目を通すと、割合早くイーレイは注文を確定させてしまう。どうも、彼女の気分は明確に、こうした品物を食べたいものだったようだ】
【マリーに確認しつつ、イーレイはメニューを置く。後は、食事が来るまでの間、少々おしゃべりの時間があるだろうか】
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/12(木) 21:25:55.28 ID:3HwQ4NtR0
>>881

……うん? じゃあおじょーちゃんイマ24歳? うっそだあ、……
あーウンウン、ウインナーがいいナ! 飲み物は珈琲でいいよお、
――――ああ、練乳はいらねーからネ! ブラックでいい!

【ずっとへらへらしていたのが、年齢を教えられて初めてぱちっと丸まった】
【……けれどそれもすぐ、へにゃっと崩れて。のんきに注文を付け始める】
【最後の注文は、あからさまに少女をからかったものだった】
【ひゃひゃひゃ、とお上品ではない笑い声を添えて少女を見送って――】

…………ふーん、UT。思ってたよりずっと平和っぽい。

【ひとり取り残された室内で、そんなことを呟くのだ】
【ぐるり、卵色の瞳が部屋中を巡って――取り残されたトーストに戻ってくる】
【あたりまえのように湯気を立てるそれを見て、小さく笑った】

【少女が戻って来たなら、「いっしょに食べよーヨ」なんて声をかけて】
【パンに齧りつきながら、やっぱりへらへらした顔をして――少女を見てから】
【それから点けっぱなしのテレビに移る。朝なら、ニュース番組でもやっている頃合いだろうか】
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/12(木) 21:30:06.60 ID:4Vf1QBOl0
>>869

【雰囲気が変わるのを肌で感じ取る】
【能力者という存在を良く思っていないのが明確で、先程の酔っ払いと同じだと】
【高を括っていては足元を掬われる気がした。それでも――】

そうだ。能力者だ。私は公安所属の能力者。
私が能力を行使するのは、職務としての事。
この様な瑣末な遣り取りで見せびらかすモノでは無い。

【男の目に光が灯ろうが、揶揄するかの様に能力を見せろと要求されても】
【今までどおりの態度を崩すことなくNOを突きつける】
【ただ、今までと異なるのは異を唱えるだけでなく。もう少し先へ――】

アルコールで意識を鈍らせて尚、能力者が怖いと見える。
恐れを抱くその反面、目の前の能力者を自分の範疇に納める事に腐心している。

その身形は、ホルスターに収めた武器は、鎖で巻いた"何か"は単なるブラフか。
だとすればこけおどしもいいとこだ。ハリボテのケダモノめ。

先程も述べた様に私が能力を行使するのは、単に己が職務を果たす時のみ。
現状、お前に問える罪科など軽い。故に能力を行使する必要は無い。
何せ私の出る幕ではない。それ程までに能力が見たいならばその手段を思案する事だ。

【踏み込む。その言葉の羅列はあからさまな挑発であり、男の琴線に触れる言葉を選んでいた】
【それが証拠に白い人物の目付きは何処か侮蔑で歪められていた】
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 21:49:15.09 ID:aJs8Rlk00
>>884

【ただ――少女自身はそんな目、とっくに慣れているのだろう。「お酒だって飲めるんだから」と少しだけ得意げな顔をする、それがかえって子供ぽく】
【だけど本当に飲ますと下手な酒豪よりもよっぽど飲める――とは余談だ。あどけない顔つきに騙されて。甘い酒ばかり飲んでるのに騙されて。轟沈したひとは数知れず】
【真っ白な頬をぽーっともさせずにいつまでも変わらぬペースで飲むらしい。ざるどころじゃない、多分肝臓が七個くらいある、とか言われたり、言われなかったり】

【――そして、一時、居なくなる。相手の呟き声を拾うものはないのだろう、この部屋の広さでは少し静かすぎるテレビの音は会話するには物足りず】

――――――おにーさん、目玉焼きは何!? 両面!? 半熟!?

【――――なんかうるさい声がした。カウンターの向こうのもうちょっと奥、卵をあつあつのフライパンに落としたじゅわあって音の後、今さら気づいたみたいに】
【それで答えたなら――もう一度卵をフライパンに落とす、音がする。一つ目は失敗作、なんにも失敗してないけど、自分のにしよう。そんなずるっこ、見えないけれど】
【しゅうしゅうとお湯の沸く音がする。そのうちにパンがこんがりしてきた匂いもして、ばちばちってウィンナーがフライパンで爆ぜる、元気な音がする】

――はい、お待たせしました。

【そんなやり取りから少しして。少女は相手の前に全部乗っけたお盆から一つ一つお皿を置いていくだろう、トーストのお皿、目玉焼きとウィンナーはおんなじお皿で】
【ブラックの珈琲。ほかにも調味料がいろいろ、お塩ケチャップソースにお醤油ポン酢……、とにかくいろいろあった、相手が何派か分からないから】
【自分のところにあったバターを相手の方へ動かす、バターナイフは新しいのがある。それから蜂蜜の瓶、ジャムの瓶――きっと冷めたトーストの救世主】
【それらは自分のところに置いて。やるお仕事を終えたなら自分のさっきまでの席に座り込む、言われなくたって一緒に食べるつもり――らしくって】

【――目玉焼きは注文通り。焼き方から加減まで指定されていればばっちりだろう。ちなみに自分用の目玉焼きはとろーっと半熟、ちょうどいいタイミング】
【少し潰した黄身の真ん中にお醤油をたらして、ちょこっとお行儀悪いけれどちぎったトーストの先っぽを浸す、真っ白なお皿に黄身色の水玉が一つ、ぽたんと落ちた】

テレビ……、面白いこと、やってないよ。教育テレビ見てた方が、よっぽど楽しいね。

【彼の視線がTVに移る――少女の視線は、だけど、変わらず机の上にあった。テレビではちょうどこの間の水の国が機関員に襲撃された事件をやっていて】
【だから能力者は早く制限しなければならないなんて風に話が進んでいる。かつらだって噂の司会者が何年も前のニュースも含めて一つ一つどれもこれも能力者のせいだと捲し立て】
【朝から見るには、確かにふさわしくないようだった。――だけどどこを回しても、そんなことばかり。それこそ子供のためのテレビだけが、いつもと同じ、平和な色合い】
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/12(木) 21:51:13.72 ID:02k9Oj7zo
>>883

【首を傾げながら、そうねと一言だけ漏らす】
【街中でこの服装はいろいろとおかしいことに気づいたが、今日だけは開き直ることにして】
【今度はカチューシャに違う服を貸してもらおうと、心に決めたのであるが】


「眠りは深い気がするのだけど、変な夢を見るのよね」
「そういうのも治せるのかしら、それならぜひ行かせてもらいたいわ」


【人を殺す夢、殺される夢。暫くそんな生活ばかりしていたから】
【どうにも眠るのが嫌になってしまう、そんな時が増えてしまっていて】
【まあ彼女に会ってからは軽くなっていたけど、身体の疲労も残っているし行ってみようかと】


「そっ、そんなに頼むのね……。まあ良いわ、頼みましょう」


【またウェイターを呼べば、先ほどの彼女の注文を伝えて】
【それからミートプレート――ハンバーグにステーキ、ソーセージのプレートを注文する】
【カロリー過多に思えるかも知れないが、筋肉の維持にはそれだけ必要で】


「さて、何を話しましょう?私から話してばかりだったから、聞きたいことがあったら良いわよ」


【此方から話してばかりだったから、彼女から話をしてほしいと】
【聞きたいことがあれば聞いてくれ――妙な服装なことは、先ほど散々答えただろうが】
【とにかく何でも聞くという、料理が来るまでの暇つぶしに丁度いいだろう】
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/12(木) 22:05:29.02 ID:vrnHpev0o
>>885

【へへ、と男が笑う。薄ら笑いが浮かんでいた。挑発を受けてなおも】
【しかし、突如としてその表情は消える。反転して、退屈そうなものへと】
【気だるげな双眸には、先ほどとは違う理性の光】

んー…………どうも、なぁ
お前さんは、どうしても俺に”何か”してほしいらしいなぁ
そーいう見え見えの挑発に乗っかったみてえで癪だが

見たいっていうんなら見せてやらなきゃな

【酒瓶が道端に投げられ、落下。右手が腰に回る。革表紙の分厚い本が引き抜かれる】
【本には錠前と鎖がついていた。独りでに開錠され鎖と錠前が消失。本が開かれた】
【白紙の表面に魔力の燐光。赤い魔法陣が出現、眼前の人物へと向く】


────来い、<ネア・セリニ>


【宣言と共に魔法陣から黒色の”何か”が現れる。それは本よりも遥かに巨大な一つの触腕だった】
【柱ほどもある太さの触腕は本から高速で飛び出すと、しなり、白い人物をなぎ払おうと向かってくる】
【極めて純粋な質量攻撃で、打撃されれば押しのけるようにそのまま突き進むだろう】
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/12(木) 22:07:06.50 ID:3HwQ4NtR0
>>886

【年齢に関しては、話半分であんまり信じてなかったらしい】
【「そーなの、すごいねえ。じゃあ今度一緒に呑む?」とか言って】
【本当にそれが実現されれば、この男が潰れることになるのは明白だけど。そうとは知らず、へらへら】

あー、半熟う。底にちょっとカタいのが残ってるカンジでー。

【いやに注文が多い。ぼーっと片肘をついてテレビを見ながら】
【調理の音をぼんやり聞いているのは、……不思議な感覚がした、と後に言うらしい】
【まるで自分が、「普通の家庭で日々を過ごすニンゲンである」ような錯覚を覚えた、とのことだけど】
【――――きっといつまでも語られないことだ。さあっと流して、それでおしまい】

【やがてやってくる朝食たち、わあいと幼い声を上げながら迎えて】

……そーねえ、最近ブッソーなことばっかりだネ。
おじょーちゃんはダイジョーブなの? 夜遅くまで仕事してさ、
帰り道、コワイ目にあったりしない?

【パンを一口、二口かじってから――目玉焼きをぺろんと持ち上げて、のっけてしまう】
【その上からケチャップをかけて、パンと一緒に食べ始めてしまった。あんまり行儀はよろしくない】

【子供向けの番組では、おにいさんがニコニコ笑いながら子供たちと歌っているところだった】
【それをBGMにしながらする話にしては、あんまり平和ではない。けれど出来そうな世間話は、それくらいのものだった】
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 22:23:09.22 ID:aJs8Rlk00
>>889

【料理をするときはいろんな音がする。火をつけるときのかちかちした音、フライパンが五徳に乗っけられた時の音、垂らされた油は無音で、だけど】
【ウィンナーや卵が入ればじゃあじゃあばちばちうるさくなる。お湯がしゅうしゅう沸いて、じじ……って鳴るのはトースター。そのうちにありきたりな音で飛び上がる】
【棚から皿を出す音。目玉焼きがフライパンにくっついてしまわないようにフライ返しでせっつく音。お皿に移し終わっても、ぷちぷち、ぱちぱち、鳴いていた】

……――そだね。機関のひとがこんなふうに大騒ぎするのだって、久しぶり。
能力者が駄目とか、そういうのは――、あんまりなかったと思うけど。うんざりしちゃう、お客さんもね、そんな話ばっかりで……。

お家――すぐそこだから、大丈夫なの。

【テレビでは繰り返して機関員――二十九番のカニバディール――が暴れる映像が流されていた。最低限のモザイクだとかの処理だけして、ショッキングな映像のはずなのに】
【まるでそうやって能力者が悪いんだっていうのを広く広く知らしめるみたいに、何度も、何度も、何度も――伏せられた目は本当にどこかうんざりした、疲れたようなもの】
【相手のお行儀が悪いことは気にしない。ご飯だなんて基本的にはおいしくって安全であればいいと思う、だから、何にも言わない。食べ進めて、いやに甘い珈琲を飲む】

だけどね――、思うの、この子たちがね、将来困ったり悲しかったりする世界には、したくないなあ、って……――。

【つれない様子だった。家はすぐそこだから、コワイ目には遭わない。プライベートな話はしないからって突っぱねるみたいに、すっと目を細めて】
【実際のところ、彼女の家は夜の国にある。かといってそれも冗談にしか思えないくらいに遠く。なら、転移の魔術を持っている。そこまで説明するだけの、元気がない】
【それでも――ふと。本当にふっと、考えが漏れ出たみたいな、呟き声。内容は――こんな場所に居るならば似つかわしいような、だけど、あどけなさには不釣り合いなような】
【ひどく大人びた声――それとも相手が知っていれば、分かるだろう。この少女――三年ほど前からここで行わている、孤児などに無料で食事を振る舞う炊き出しの提案者であり】
【実際に調理やら買い出しやらなんやらかんやらをやっている、というか、ほぼ一人でやっている――というのくらいは、きっと、少しでも調べればわかることなのだ】

――――――お兄さんは……、大丈夫? 怖い目とかね、遭ってない?

【それから、これも、ふと思いついたみたいに、尋ねるだろう。気づけば視線はテレビを向いていた、ちょうど有名な手遊びの歌、子供たちが競うように大声で歌っている】
【そんなへんなライブハウスみたいな声を出すような曲じゃない。もっと穏やかで温かい歌のはずなのに――それがちょっとだけ面白くって、小さな笑顔と笑い声が、漏れた】
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/12(木) 22:32:17.90 ID:4Vf1QBOl0
>>888

【何だ。この男も能力に対抗できるだけの術を持っているではないか】
【眼前の男によって披露されたのは能力者と変わらぬ異形のもの】

【侮蔑に満ちた目は瞬時に切り替わり、機械的な冷徹な目へと元通り】
【鞭の様に撓り襲い掛かる触腕を後方へと飛びのくことで回避したのだった】

…詰まる所、お前も能力者と変わりない。
人の手に余る力を手にして、それでいて酒に飲まれてグダを巻いていた訳か。
爪を隠す鷹の心算か。それとも、自身がか弱い人間であると嘯くか。

益々、不可解だ。お前も、お前が殺せと吐き捨てた生き物と同じ。
ならば、お前も抑圧する必要がある。それに先刻、私の能力を見たいと言った。

     Tranquilizer 
ならば――精神安定剤の面目躍如と言った所か。


【この時初めて。白い人物は、男を本当の意味で見据えるのであった】
【先程の黒い触腕は男の能力…というよりは、男の持つ本に拠る能力であり】
【無力化をしようと思えば――真っ先に行うべきは、能力の大本の無効化か】

【対能力者用に拵えられた存在故に。本領発揮とさせてもらおう
 ――トランキライザーと言う名は体を現すと言わんばかりに】

【脳内で判断を下した瞬間に、白い人物を中心として白い沼の様なものが展開される】
【その沼は、徐々に地面を侵食し、時間経過と共に眼前の男の足元まで伸びていくだろう】
【そして、白い沼に触れれば――心身ともに抑圧された様な感覚に襲われるだろう】
892 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/12(木) 22:36:03.24 ID:PU+55ORM0
>>887

変な夢……あぁ、そうなると、意外と眠りが浅い可能性が高いんじゃないですかね?
……これは、精神科とか、心療内科とかの方が専門なんですけど、ちょっとおさらいしますと、夢を見るって言うのは、眠りの浅いタイミングなんですよ

【1つ、マリーの悩みを聞いて、イーレイは解説を始める。知ると言うのは重要な事だ。患者にそれを教えるのも、医者の大事な仕事である】

人間って、眠りの周期が約90分の深い眠りと、約15分……まぁ、長くても30分程度の、浅い眠りとの2つのパターンが繰り返すんですね
で、人が眠りの中で夢を見るって言うのは、この浅い周期の睡眠状態の事を言うんですよ
――――実は眠りって、身体の休息としては大した効果が無い、なんて極端な事を言う学者先生がいるほど「脳の休養」って性格が強いんですよねぇ
だから、眠りが浅いと脳がいつまでも半端な状態で動いてて、変な夢を見やすくなるって、カラクリとしてはこんな所なんですよ
だからこの場合は、眠りが浅くなってる原因を除去する、と……もし、私の手でどうにかできるなら、それはお仕事させてもらいますよ、えぇ

【『睡眠』のサイクルについて、イーレイは本職らしく解説をしていく。ある程度は自分の専門とも被っているから、なのか、その内容は中々詳細だ】
【まだイーレイはその詳しい内容を聞いていないから、具体的な返答は出来かねるが――――この場合、脳が臨戦態勢で興奮している可能性が高いだろう】
【となると、神経がキーになる睡眠障害、と考えられる。ここまでたどり着ければ、イーレイにも力になれる案件なのだが】
【――――まぁ、それでなくても、ただのマッサージでもリラックス効果は得られるだろう。少なくとも、何らかの効果はありそうだ】

すみませんね、リゾットだけでは物足りないな、と思ったもんで。まぁ、オレンジジュースは御愛嬌と言う事で……

【ちゃんと食事として食べる心算なのだろう。ソールムニエルはどうしても譲れなかった様だ】
【とは言え、オレンジジュースも、こういう場で頼むとなると、本格的な、ちょっといい値段をするものになってしまうのだが】
【そこは、イーレイとしてもちょっとノリ過ぎたところがあるのだろう。そっと手で謝の礼をする】

うーん、そうですねぇ……マリーさん、どうも随分と基礎体温が高いようですけど、どういう体質なんですかね?
そうも体が熱を帯びてる、なんて私は今まで見た事が無いもんで……身体の事となると、職業柄って言うんでしょうか、ちょっと気になっちゃいましてね?

【とりあえず、服装の事について触れるのは――――もういい加減しつこいだろう、無しだと己に確かめて】
【まず最初に気になったのは、やはりその体質の事だった。常人とは明らかに違う高温を身に帯びている。これは、本人としても何か知っているのだろうかと】
【医者として、或いは個人としての純粋な興味だ】

/ちょっと遅くなりました……
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/12(木) 22:36:57.26 ID:3HwQ4NtR0
>>890

【やや尖った犬歯がぷちっと黄身の表面を破って、中からとろっと零れ落ちてくるのを】
【慌てて啜って――やっぱり行儀はよくない、けれど何にも言われないならまあいいかって】
【細かいことは考えずに食事を進める、半分くらい食べ進んだらパンを置いて、珈琲を啜る】

……オキャクサンもそんなこと言うの? ここ、UTのおミセなのに?
ひでーやつもいるもんだナー、ここのリーダーさんだって能力者でしょ?
そんなヒトに守ってもらってんのに、やっぱダメーって言うなんてネー……

【朝食サービスがあるかどうかも知らないくせに、ここがUTの施設であることだけは】
【しっかり知っているようだった。不自然かと言われれば、まあそうかもしれないね、くらいの違和感】
【喉に引っかかって微妙な感覚を残す魚の骨めいて、けれどそれもすぐ流れて】

【こどもの話題。少女の口からそれを聞くと、テレビから視線を剥がして】
【其方を見て、柔らかく笑うのだった。今回ばかりは悪戯っぽいいやらしさは含めずに】

……おじょーちゃん、子ども好き?
おれも好きだよ、……もーちょっと若い頃はねえ、孤児院のオテツダイとかして、
おにーちゃんって呼ばれてたりして。……そーだネ、子どもがコワイ目に合わなきゃ、それがいい――

【つれない少女に反して、男は自分の身の上話をし始める。けれどどうにも、話す印象と】
【今ここにある男のアヤシイ印象が、イコールで繋がらなくてもおかしなことではない】
【へらへらしている、得体の知れない男の言うことだ。嘘であると思ってもいいだろう】

おれ? おれは大丈夫、見た目がまあまあでかいから絡まれるコトもあんまないし。

【「それにおれ、フツーのニンゲンでもないし――」 ――テレビから、大きな笑い声】
【デクレッシェンドで弱められた語尾は、それに掻き消されたかもしれないし、少女の耳に届いたかもしれない】
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 22:49:27.22 ID:aJs8Rlk00
>>893

――ああ、ううん、違うの。お客さんたちもね、やりづらいって……賞金稼ぎのひととか、いっぱい来るの。だからね。
能力者が嫌いってひとは――あんまり、来ないよ。だけどそんなお話ばっかり、うんざりしちゃうの、テレビも、みんなも――。

【「だけどセリーナは能力者じゃないよ」】
【客は――今のところは、味方が多かった。自分たちも悪いやつを捕まえて生計を立てたりしているから、だから、今の世は生きづらいって】
【だけどそれで本当に平和になるのなら――とか、いろいろな話が飛び交う。だけどみんな酔っ払ってるから、だれも本気で聞いちゃない。でも】
【それでも世界は一つずつ進んでいた。目が一しかないさいころだってずうっと振っていたらいつか最後にゴールにたどり着くみたいに、一つずつ、一つずつ】

…………うん、好きだよ。子供はね、みーんな――好き。みんなね、普通に、当たり前に……。
どんな子だって。どんな風な家に生まれたって。みんな、当たり前に……、生きるべきだって、思うの、ただの一人だって、零れ落ちないように。

孤児院のお手伝い――? ……そうなんだ。ねえね、そこの孤児院……、どんなところだった?
みんなきちんと暮らしてた? 怖い大人のひととか居なくって――、

【彼の、柔らかい表情。一瞬驚いたように目をわずかに丸くした少女は――だけど、こちらもまた柔らかく笑うのだろう、好きだって、表明するみたいに】
【それで願うのはありふれたものが誰だって手に入りますように、なんて、ひどく簡単で、だけど、ひどく難しいこと。子供の誰もが、当たり前に、愛されて生きてほしい】
【決して路地裏で寒さに震える子など居てはいけない。そんな子供は必ず誰か大人が助けてあげないといけない。今の世界なんてとってもおかしい――そう言うように】
【――相手が孤児院を手伝っていたこともあるのだと聞けば、今度こそ目は丸くなる。だけど、そう失礼なほどには驚かない。それで尋ねるだろう、そこはどんなだったかって】
【――――そして、それで、気づかれてしまうのかもしれない。彼女は、そういう、怖い大人が居る、孤児院を知っているんだって】

そっか――、……、……お兄さんも、能力者のひと?

【普通の人間ではない。その声は――聞こえていた。だけど。その前の言葉も合わせてか、その程度にしか、受け取らなかった】
【ましてこの社会の流れの中だ。能力者はおかしいとか、あんなのは国で管理すべきだとか、そういうテレビばっかり見ていたから、少し――考え方も、傾きかけて】
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/12(木) 22:50:33.61 ID:vrnHpev0o
>>891

【宙をなぎ払った触腕は、そのまま何かに引きずられるようにして本からその異形の姿を現した】
【全長は三メートルから四メートル。四方八方、あらゆる方向に触腕が突き出ているが、身体と思しき箇所がない】
【空間中のある一点を中心に触腕が出ている”だけ”の形状。触手の塊とでもいうべき怪物がそこにはいた】


紹介するぜ、<絡みつくネア・セリニ>を
こいつは寂しがり屋でな。触腕で捕まえたやつを何でも引きずり込もうとしやがる
よ〜く言い聞かせねえと主人である俺でさえ食おうとしてくるが、それを除けば扱いやすいやつってわけよ


【無数にある触腕の一つが振りかぶり、男へと振り下ろされるが途中で停止】
【右手の本から鎖が飛び出して触腕を縛り上げていた。巨大な質量と鎖が震えながら拮抗】
【召喚者を殺すことを諦めた触腕が引き下がり、鎖も消えていく。触腕の群れが苛立つように蠢く】


はっ、魔術師を能力者みてえなバケモノどもと一緒にしないでもらいたいもんだぜ
こっちは技術、あいつらはなんだ……突然変異か何かだろ
制御できるできないに馬鹿でかい違いがある、なんて講義してもしょうがねえ
とっとと殺して、飲み直すに限る


【巨大な触腕が四つ、路地裏を直進。途中で軌道が変化。二本は上へと、二本は真っ直ぐに】
【直進した二本はそのまま白い人物へと激突しようと向かってくる。残りの二本は時間差をつけて真上から押しつぶそうとしてくる】
【男の方は怪物の触腕に乗り、そのまま持ち上げられることで地面から退避していた】
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/12(木) 22:56:56.39 ID:02k9Oj7zo
>>892

【彼女は本職の医者であるから、それを黙って聞いているだろう】
【度々頷いて言葉を咀嚼しながら、理解を深めていく】
【要約すれば、眠りが浅い原因があって、だから変な夢を見ているということなのだろう】


「つまり、その原因を排除すれば良いわけね。頼もしい答えだわ」
「今度行かせてもらうわね。その時にまたじっくり、お願いするわ」


【医者らしい、頼もしい答えだった。眠りが浅いのであれば、原因があるはずだと】
【彼女の治療を受ければすべて治るというわけではないだろうが、とはいえ解決の糸口は見つかるはずだ】
【今度行くと彼女に伝えて、過去の話をする決心だけつけておいた】


「別に良いのよ、こんな時位贅沢すればいいわ」
「一緒に食事してもらってる訳だし、身体のことも見てもらえるしね」


【彼女の申し訳無さそうな仕草に、微笑んで大丈夫だと伝える】
【力強い筋肉やその端ない服装と比べて、どうにも優しい微笑みだっただろう】
【――店内の照明がロザリオに反射する。その煌きが胸元から見えるだろうか】


「あんまりこういうこと言うと、最近睨まれちゃうから言わないのだけど」
「私、“能力持ち”なの。血を燃やせるんだけど、常に発動しててね」


【あまり周囲に聞かれないように、個室ながら小さく話す】
【身体に魔力が回っており、それが常に消費されている為に体温と代謝が高くなっているのだ】
【よく身体をみれば、涼しい――もはや露出している格好でも汗をかいているのがわかるだろう】

【皮膚の表面に汗が数滴という程度だが、空調が効いているこの空間ではおかしい】
【明らかに高い体温の正体も、これで把握できたことだろう】
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/12(木) 22:58:25.06 ID:3HwQ4NtR0
>>894

ふうん……、……ん? 能力者じゃねーの?
じゃあどうやってここのリーダーなんかやってんの……っと、零したっ

【ちょっとだけ驚いたみたいに目を丸くして――それもすぐ逸れる】
【黄身の雫が皿の上に零れたのを指先で拭って、舐めとる。やっぱり行儀が悪い】
【最終的に目玉焼きだけ吸い込むみたいに食べてしまうことにして、パンを皿の上に一旦置いて】

あたりまえ――――当たり前。そうね、それだったらどれだけ、……
……おれのところはねえ、教会がやってる孤児院だったの。
おれも其処で育ってね、もーちょっとマジメにやってたら神父サマになれてたかもね。
でもそうじゃなかったから、今はこう! ふらふらしてるオニーサンってワケ!

【「怖いオトナは――いなかったよ、おれの目の届くところには」】
【本当のことだったけど、それを言ったらこの少女はちょっとでも安心してくれるだろうかって】
【そう思って口にしたところもあった。けらけら、軽薄そうに笑いながら】

うん、そうそう――だから今のごジセイは、あんまり気持ち良くねーや。

【具体的にどんな能力者なのかは、言わなかった。まるで手持ちのカードを隠すみたいに】

//すみません、次ちょっと遅れます!
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 23:16:41.47 ID:aJs8Rlk00
>>897

どうやって、って、――セリーナ、ね、わたしなんかよりずっと強いよ、わたし、能力、あるけれど――。
鉄砲がすっごく上手で。セリーナだってすっごいの、なんだろう、どんなひとだって、巻き込んじゃうみたいな、ひとで……。
わたしなんかとは全然違うの、恰好よくって、強くって。優しくって……――、でも、喧嘩、しちゃったぁ、……、しばらくね、会ってない……。

【驚いたような顔をする彼。その反応を見たなら、やっぱりそうやって驚くものなのかと思う、自分なんかよりずっと強いひとだって、なぜだか彼女が得意げにする】
【それからちょっと困ったみたいに言う、「わたしなんか――」。――それから先は、気弱になって、ちょっと泣きそうな声。喧嘩をしてしまったらしくって】
【しかも。よっぽど避けられているのか、しばらく会ってないなんてレベルにまでなっているらしい。「どうしよう」って漏らす声はちょっと笑った、でも泣いてしまいそうな】

【――かたん、と、立ち上がる。ティッシュあるよと小さな一言、すぐにカウンターの端に置いてあった箱のままのティッシュを持ってきて、相手のそばに置いて】

せっかく生まれてきて、ね――、なのにあんな場所でしか生きられないの、駄目だよ。
なんでみんな……気づいてあげないんだろう、あの子たち……、家も、ご飯も、家族も、全部、なくって、あのままで、
いつか大人になって。その時どうやって、どんな場所で、どんな風に生きるようになっているんだろうって、いくんだろうって、

【食べさしのトーストの欠片を皿に置く、だぁと流れた黄身がその底にまとわりつく。頬杖をつくみたいに、視線はちらりと開けられたままの扉の向こうを】
【――ちょうど、子供が駆けて行った。この時間なら学校に遅刻したのかもしれない、うんと慌てた様子で――そう、あれが、あれこそ、普通で、ありふれているのに】
【走り抜けていった子供が当たり前だと信じて疑わないものをたったの一つだって持っていない子供がうんといる。そして、それは社会にとって"ないもの"みたいにされていて】
【指先が当たった頬がゆがめられる、その向こう側の唇も、見えなくなって――、はたと瞬き一つ。それから、ふにゃ、とか、へにゃ、とか、そういう笑みを浮かべたなら】

……――なら、よかった。だけどお兄さん、神父さんって感じじゃないみたい、もっとね、おもっ苦しいような顔するの、むすーって、仏頂面で……。
だけど。きっと子供とは仲良くできるね、一緒に遊んで―って。ここにご飯を食べにくるような子は、そんなふうに、遊びたがったりは、しないけど――。
教会の孤児院は何するの? お祈りとかもするのかな。何曜日かにはお歌を歌って――?

【相手の思った通りに、少女は安堵した。それから少しからかうみたいな声になる、神父さんにしては、ちょっと、お友達っぽすぎるって】
【もっと重苦しい顔でむすってしてて仏頂面。それが彼女の思う神父さんらしい――それもちょっと間違えているような、気がしたけど。ただ、そればっかりは】
【きっと相手は本当に子供に好かれそうだって、笑うのだ。ここに来る子――とはやはり子供たちに振る舞っているやつ、のことだろう。それから尋ねるのは】
【彼が居たという孤児院。教会の孤児院は何をするのだろうって――それはまるで自分の知らない形を探しているみたいにも見えた、もう一度パンの欠片を取り上げて】

そっか――――、

【――こんなご時世なら。それだって納得はできた。内容は聞かされないけど、なら、彼女だって、自分が能力者である以上のことは、打ち明けていなかった】

/りょうかいですっ、ごゆるりと!
899 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/12(木) 23:20:14.86 ID:PU+55ORM0
>>896

……そうなりますね。そこは西洋医学的な……えーと、「原因を除去して肉体を正常値に戻す」って考え方ですね
でも、私の専門の針灸は、東洋医学的な医術ですから「肉体の調子を整えて、自然治癒力に任せる」ってやり方も出来る訳で……
まぁ、なんにせよ解決の手段はいくつかは心当たりがあります。任せてもらって、問題ないですからね?

【実は、こうした原因を特定して解決のためのアプローチを図る、というのは、鍼灸医の本来の仕事の仕方とはズレたところにある姿勢だ】
【とにかく、自然なサイクルを取り戻せば、病変は後から自然と治る――――これが、東洋医学的な発想になる】
【とは言え、それはあくまでスタンスの問題だろう。要するに、肉体を回復させるための方法論の違いでしかない】
【イーレイとしてはただ、治療の正確性、確率を上げたいだけなのだ】

そうですねぇ……こりゃ、マリーさんを診療するときにはサービスしないと、ですね
どうやら来ていただけるようですし、その時には腕を振るわせてもらいますから、期待しててください

【どうやらマリーは、自分の診療に興味を持ってくれたようだ。イーレイもその時は任せてくれ、と返答する】
【――――上手い事舌先三寸で食事を奢ってもらってる事に、少しは引け目を感じているのだろうか】

(あら……なんか、ミスマッチというか、綺麗なコントラストですねぇ。良く見れば、この娘も良い身体をしてる訳で……
 うーん……こりゃ、また面白そうなものを見つけちゃいましたかね……?)

【フッとした微笑みのマリーを見て、思わずイーレイは逡巡する。彼女もどうやら、結構な肝っ玉の持ち主らしいと】
【それだけでなく――――その女性ながらに鍛えられた筋肉にも、この時に意識が向いて、なにやら彼女が只者ではない事に気が付いたらしい】
【あくまで、静かに微笑みを返しながら、イーレイの胸中は、マリーについての思索を、1人で深めていた】

あぁ……あー、なるほど。そりゃそういう特異体質として現れる訳だ。はぁ……
――――まぁそこは、気にしないで大丈夫ですよ。私も似た様なモノですし、事情は分かりましたから――――

【イーレイは得心が入った様子で頷いて見せる。マリーの体質は能力によるもので。となると、何があっても不思議ではないのだ】
【常時発動型の能力の為に、体温が上昇している。それなら、露出過多の服装の意味も、わずかに言い淀んだ意味も、すべて理解できるというものだ】

【――――現在、特に水の国では、異能持ちに対する世間の風が、徐々に強く当たり始めている】
【今のところ、特区の制定以外では、動きとして特別な何が起こっている訳ではないが――――少なくとも、表向きは――――、人目を気にするのに、十分な理由とはなるだろう】
【だが、ことイーレイに限りその心配は無用だった、何故なら――――イーレイは、備えのスプーンの上、30p程の高さに、己の手を添える】
【と――――その手が徐々にチリチリと電気を帯電していき、スプーンは吸い寄せられるように、イーレイの手へとシュッと飛び上がった。電磁力により、吸い寄せられたのである】

そういえば……私の仕事ばっかり、ぺらぺらと喋ってしまいましたが、マリーさんはどんなお仕事を?

【何だかんだと、イーレイは自分の話ばかり喋り過ぎた事に気付き、逆にマリーに問い返してみた】
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/12(木) 23:26:19.07 ID:4Vf1QBOl0
>>895

今、"殺す"と言ったな。ならば、都合が良い。
お前に対して能力を行使する口実が出来た。
――傷害罪。器物損壊罪。職務執行妨害。殺人未遂罪。
好きな罪科を選べ。どれでも、どれかを。

【聞けば、男は魔術師を自称している。能力者と一緒にするなと吐き捨てている】
【見れば、魔術師たる男の能力は、忌避する能力者と何ら変わらないと思える】

【――やはり、理解に苦しむ。無理に理解するならば】
【猛獣使い(=魔術師)と猛獣(=能力者)という図式があり、それに則って判別している】
【――詭弁だ。人の範疇を超える力を振るう時点で能力者と断じて相違は無い】

…ケダモノではないな。Fool(愚者)と言った方が適切か。
能力を持とうが持たまいが。能力者であろうと非能力者であろうと。
秩序から平気で逸脱出来る輩の言葉は、例え素面であろうと酔っ払いの其れと変わらない。

講義がしたければ、行燈にでも説いているのが良かろう。
今現在どう見ても、お前の言動は能力者と同じだ。
制限されるべきは能力者だけではなくお前も、だ。

【魔術師の男は沼から離れ、眼前に迫る二本の腕、上空から更に二本の腕が迫っていた】
【男の足元まで伸ばした白い沼を、自身の足元まで引き戻した】

【そして、眼前と上空から自身を襲う腕四本を前に白い人物は眼前の腕二本に狙いを定める】
【先程、自身の足元まで引き戻した白い沼から噴出させる"白い水"を眼前の腕二本に浴びせるのであった】

【もし、"白い水"が襲い掛かる腕に付着したのなら、"白い水"は腕の動きそのものを"抑圧"する】
【つまり腕の動きを阻害し、時間差で襲い掛かる上空の腕を前進することで回避しようとしたのだ】
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/12(木) 23:33:03.00 ID:02k9Oj7zo
>>899

【医学には詳しくないのだが、どうやらスタンスの違いがあることだけは分かった】
【東洋の医学は「サイクルを戻して、病は後から自然に治る」、西洋の医学は「病の根本を断つことを主とする」】
【鍼灸は櫻特有の治療法と聞いていたものの、彼女はどちらのスタンスでも対応できると言った】
【彼女の腕は確かなのだろう。是非とも、一度施術してもらいたいものだ】


「ふふ、期待しているわ。是非ともその腕を振るっていただきたいものね」


【彼女の自信ありげな返答に喜ぶかの如く、大きく一つ頷いた】
【健康的なペールオレンジに、鍛錬の成果である筋肉。幾つか裂傷も伺えるもののそれらも綺麗に埋まっていて】
【女らしくない生活を送っている筈なのだが、運動の為に自然と身体も引き締まる訳だ】


「ありがとう、そう言って貰えると有り難いわ。最近風当たりも強いものね――」


【先日“特区”内で勃発した戦闘で、世間の能力者に対する風当たりは増々強くなった】
【能力者に対抗するには能力者しかない、といった世論が生まれないのが不思議ではあるが】
【とはいえそのような流れになっているのは確かであって、それを一人で変えるというのは不可能】
【スプーンが彼女の手に引き寄せられる様子を見て、彼女も能力者なのだと納得がいった】


「え、私……?私は今仕事してないわよ」
「この前まで軍にいたんだけど、除隊処分食らっちゃったわ」


【どんなお仕事を、と聞かれてぽかんととぼけた表情を見せる】
【暫く定職には付いていなかったし、ここ最近はずっと放浪生活を送ってきたために】
【無職、としか答えられなかった。それに、かつて勤めていた軍も除隊された事実を告げて――】
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/12(木) 23:42:13.95 ID:3HwQ4NtR0
>>898

鉄砲かぁ……そーいやテレビで見たトキ、西部劇みたいな恰好してた。
……ん、ナニ、ケンカ? そうなのお……ケンカするほど仲がヨかったワケね。
どうしようってもナー……ケンカの原因にもよるんじゃない、ナニが悪かったかどーかで。

【「悪かったほーがゴメンナサイしたら終わりなんじゃないの」って、無責任に】
【男の考え方はどこまでも、単純なものであるらしかった】
【ちょっとだけでも考えたら、この気弱そうな少女が――「自分が悪かった」なんて言い出してしまいそうなことくらい】
【わかるだろうに、考えていないのか――あるいはわかっているのに言っているのか】
【ティッシュを一枚もらって指を拭きながら、追いかけるように扉の向こうを見た】

……あんな場所って、コワイ大人のいる場所? それすら居ない、ひとりぼっちの場所?
どっちにしたって――やだねえ。

【ぱきぽき音を立てながらウインナーを齧って、パンの残りを口に放り込む】
【咀嚼して呑み込んでしまえばあとを珈琲ですすぐように流して――苦味を含む吐息を零し】
【「そもそも大人になれないコだって、たくさんいるじゃんね」。独り言めいて軽く呟かれるワード】

そうそう、神父サマなんておれのガラじゃねーんだもん!
毎日早起きしてさ、お祈りして、日曜日の礼拝では聖書読んで讃美歌うたって――
――――「主は我が飼い主」、って。そんな感じだよ、教会。

【短い短い一節だけ。口ずさんだのはきっと讃美歌だ】
【だけど何故か――それを歌った瞬間に、男の顔からさっと笑みが消えた】
【ちょっとだけ痛いのを我慢するような表情。それでも歌い終わればすぐ、へらっと笑んで】

【――――あと数口珈琲を飲んでしまえば、出してくれた朝食はきれいに片付くところまで来た】
【見ていた子供向け番組も、エンディングテーマ。子どもとおにいさんとおねえさんと】
【それからマスコットキャラクターが、全員で楽しくところだった】

//お待たせしました……!
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/12(木) 23:50:36.64 ID:vrnHpev0o
>>900

【白色の水を浴びた触腕の動きが鈍くなり、その隙に敵が全身。叩きつける攻撃も回避される】
【沼に、水。接触した対象に影響を及ぼす能力らしい。酩酊した頭でも分かることだが、これは】


…………くそ、間違えたな
出すのこいつじゃなかったな、目の前殴れるからって出しちまった
とはいえ、さてどうすっかなぁ……めんどくせえよな、全くよ


【ぼんやりとした頭に、どうにも揺れる視界。酒なんて当たり前だが全く抜けていない】
【そんな状態での戦いはだるくて仕方なかったが、始めてしまったのだからどうしようもない】
【能力者は殺す。例外はない。殺せばそれで丸く収まるのだからそうするに決まっている】

【回避された二本の触腕が、そのまま引き戻されていく。前進する敵を背後から叩くために】
【別の二本が<絡みつくネア・セリニ>の本体から伸びていき、通路を直進】
【前後からの挟撃。握るように押しつぶす魂胆だったが、真上は空いているし、能力での阻害も可能だろう】


疲れるからやりたくねえんだがな……
次はお前だ、<ファムマ・ティ>


【男が本を掲げる。赤く光る魔法陣から今度は小さい”何か”が二つ飛び出してくる】
【それは”口”だった。水平に並んだ牙に舌。端からは涎が垂れる。表面は濁った臓器のような色合い】
【並列した牙の奥、口腔内には眼球があった。獲物を探すように眼球は蠢き、瞳孔を開閉させる】

【異様なのは”それだけだった”ということだ。本来あるべき頭部のパーツどころか、身体も何もありはしない】
【口の後方には確かに肉のようなものが続くが、喉はない。ただ肉が閉じているだけ。噛み付くためだけの”何か”だった】
【ガチガチと牙を打ち鳴らしながら、それは男の周囲を羽虫のように飛び回る。羽がないにも関わらず、だ】

【周囲を飛び回っていたグロテスクな”口”は、その内部にある眼球で白い人物を捉えると、”吠えた”】
【甲高い不気味な叫びと共に空中を移動。触腕の間をすり抜けながら真っ直ぐに向かう】
【触腕の次はこれらに対処する必要がありそうだったが、大きさは人間の手を少し上回る程度。耐久度は皆無だろう】

//すいません、今日はこのあたりで凍結をお願いしてもいいでしょうか?
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/12(木) 23:56:48.43 ID:aJs8Rlk00
>>902

わたしが……悪かったの。何にも分かってなかった、何にもできないのに。何かできる気がして――。

【悪かった方が、ごめんなさい。それなら――やはり彼女はこんなふうに言うのだ、悪かったのは自分だって、本当にそう思っている】
【なんにもできないくせに、何かできる気がして、手伝うよ、なんて、言ってしまった。何にもできないのに。なんにも、上手じゃないのに】
【それこそ上手だろうって思えるのは料理だけなのに。ならばやっぱり自分はそのためにここに居るのに。思考がぐるぐるする、だけど、どこか遠い国の出来事みたい】

【だって――テレビで繰り返される魔制法がどういう意味で使われるものなのか、知っている。それを推し進める理由として使われている機関員は、仲間だ】
【それどころか自分が勧誘した。そして自分たちは公安だなんておっきな場所、公的な権力に逆らおうとしている。テロリスト――だと誰かが言った、いつか地下に潜ると】
【ならば悪者だ。こんな場所で、正義の場所で、朝ごはんなんて食べていてはいけない。まして、自分は――ああ、もう、最初から全部、間違いだったと思ってしまいそうなくらい】

…………自分の名前を呼んでくれるひとが居ない場所。

【――返事は、ぽつんと、呟くように。頬杖をついた視線は遠くを見ている、それで、きっと、その裏側では初めて名前を呼ばれたときのことを、思い出している】
【初めて自分の名前を呼んでくれたひとの思い出は真っ黒な銃口と銃声、それから暗転する視界で終わる。漏れた吐息は少しだけ震えていたかもしれない、ため息のふりして】
【「能力者なんかより、あの子たちを助けてあげたらいいのに」――分かっている、やつらはそんなつもりでこの法案を使ってなんかない。その先にあるのは平和じゃない、でも】
【少しだけ……少しだけ。何か変わるんじゃないかって、どこかで思ってしまいそうになる。そんなわけないって分かりながら。唇をぎゅうと噛んで】

……そうなんだ。大変そうだね、家(うち)はね、神社のお家なの、もうずーっと前に――神社なんて、なくなっちゃったけど。
だからね、なんにもしなくっていいの。一年に一回ね、神様がくれる桜の花をもらうだけ。それだけなんだよ、――うんとね、簡単でしょ。

【彼の表情が変わる。色違いの瞳はじっとそれを見ていて、だけど、触れることはなかった。大変そうだねって、なぜなら、「だってわたし、早起きって苦手なの」――】
【代わりに話すのは自分のこと。どうやら彼女の家は神社らしい、かといって、素晴らしいご利益の神様だなんて存在しない、そもそも社だって、存在しない】
【一子相伝の秘術も何もない。冗談めかすように笑ってみせた、それから、うんと甘い甘い珈琲を飲んで。そのあとの表情が少し複雑そうだったのは】
【やっぱり、まだ少し、練乳が足りなかったのかもしれない――――そんなこと、ないはずなのに】

【――調子のいい元気なマスコットの声で番組は締めくくられる。「まったねー!」って、また夕方に子供たちが同じ番組を見るって、信じている】
【だけど――こんなテレビが一日に二回、朝と夕方に放送されていることを知らない子供が、うんといる。有名な手遊び歌だって、聞いたこともないような、子たちがいる】
【こんなふうに朝ごはんを食べながらBGMにしているだなんて――とても、とても、とても、恵まれていて、とっておきの、ありふれた日常】
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/12(木) 23:58:21.94 ID:4Vf1QBOl0
>>903
/了解です。今日はここで凍結しましょう
/この時間まで付き合っていただき感謝です
/ではおやすみなさいです
906 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/13(金) 00:01:21.74 ID:2szVnRXO0
>>901

任せてくださいな、フワフワのトロトロにして見せますからね?

【鍼灸もそうだが、イーレイはマッサージにも通じている。と言うよりも、鍼灸の効力をより高めるためには、マッサージが必須、と言っても良い】
【その手腕には、相応の期待を含ませて、アピールする。イーレイにとっても、これはお得意様を増やす、貴重なチャンスでもあるのだ】

(……良く見りゃ、傷跡らしきものもいくつか見えますねぇ。荒事に慣れてる人って事?
 それプラス能力者って事は――――ははあん、こりゃ思った以上に面白そうですよ……!)

【表情や仕草には出さない――――そうした腹芸は得意な方のイーレイは、マリーの体に更なる情報を見出す】
【単に鍛えられた身体という訳ではない、大きな古い傷跡らしきものも垣間見える。これは、何らかの修羅場を潜ってきた人間の匂いを感じさせる】
【同時に、彼女が能力者である事を踏まえれば――――ほぼ日常的に荒事に触れている人間という推測も成り立つ】
【――――すっと目を細め、口元に微かな笑みを浮かべる。手を口元に何気なく運び、それらをさりげなく隠しながらも】

――――何があったってんでしょうねぇ。今までだって、この手の議論なんてされ尽くしてきたと思ったのに、今頃特区だ、魔能制限法だ、なんて、ねぇ……
おまけに、妙な刺激をしちゃったせいで、却ってバランスが崩れて治安が悪化する体たらく――――正直、見てられないんですよねぇ
やれやれ、何を考えているもんなんだか――――

【マリーの言葉に、イーレイは軽く探りを入れてみる。イーレイの本心ではあるが、それをやや誇張した形で口にしてみた格好だ】
【――――マリーは荒事に慣れている能力者である可能性は高い。ならば、こうした問題に対して、当事者として絡んでいる可能性も考えられる】
【イーレイとしても、かねてから興味を抱いていただけあって、マリーがそこに関わっていないか、確かめてみようとしたのだ】
【わざと、世間の主流意見と異なる意見を口にしてみる。どんな反応が返ってくるのか――――】

あ、除隊処分……あらら、処分って事は、不名誉除隊って事ですよねぇ。なんか、あったんですねぇ……そりゃ……
(……ひょっとして糸、切れちゃってたって事だったり……?)

【マリーの返答に、不味い事を聞いたかと口をつぐんでしまうイーレイ。とは言え、彼女が真に心配しているのは、そこではない】
【――――思った通り、マリーは日常的に荒事に首を突っ込んでいる立場の人間『だった』のだ】
【だが、もしこの言葉が事実なら、現役引退をしている事になる。そうなると――――色々と徒労だったかと】

【ただ、言い淀んだのは事実である。「何故、とは聞けない」とか「そんな状態で奢ってもらうと、却って悪い」とか、そういう言葉が出てこようとして】
【それを寸での所で飲み下していたのである。その沈黙は、決して後ろ暗いだけのものではない】

/すみません、そろそろ今日は限界です……また持ち越しとして、お願いできますか?
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/13(金) 00:05:29.75 ID:2kWUOi/Qo
>>905
//ありがとうございます、おやすみなさい!
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/13(金) 00:06:10.64 ID:oADCgEVdo
>>906
// 了解しました!
// 今日はちゃんとお返ししておきますので、また明日おねがいします!
909 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/13(金) 00:08:48.52 ID:2szVnRXO0
>>908
/はい、では一旦失礼しますー!
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/13(金) 00:14:58.68 ID:NdWqffLN0
>>904

……そっかあ。じゃ、早くゴメンナサイ言えたらいいネ。
今は会ってもくれないんだっけ? じゃあまず会ってもらえるよーになるトコロから?
ムズカシーかもしんないけど……おじょーちゃんならきっとできるでしょ、たぶん。

【やっぱりどこか無責任に、軽々しく口にするけど、微妙な励ましは添えておく】
【「まーそんなに落ち込むなって」……落ち込ませた張本人が宣って】
【少女の中でぐるぐる蠢く苦悩には、あんまり真剣に向き合わない】
【ただの世間話の一環だから。その程度の軽々しさで、それっぽいことだけ口にする、卑怯者】

名前、……名前か、うん、そっか……
呼ばれたら嬉しいもんネ……そーいや、おじょーちゃんはなんて名前?

【「知らないから、呼んであげられないヨ」。ちょっとはぐらかすみたいな声色】
【その向こう側で少女が何を想起しているのかは知らないし、知りたいとも思っていない】
【ただ、少女が言うことには――うん、と一回頷いて同意した】
【異能を封じて、みんなが平坦に均された世界――そこで争いごとが起きなくなったとして】
【それで、少女が願うような子どもたちの幸せが叶うかって言われたら――よくわかんない、それだけ】

ジンジャってあの……櫻の国によくあるヤツ? すげーじゃん、へええ。
サクラの花、――もう時期は過ぎちゃったっけ。今年はもう貰った? キレイだった?

【興味本位でそう問うてから、珈琲の最後の一口を飲み干した】
【そうすればもう、ここに居続ける理由もなくなるから――ポケットから財布を取り出して】
【「ゴチソーサマ。いくら?」 なんて、声をかけるのだ。……贅沢な朝食の時間は、もうすぐおわり】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/13(金) 00:28:26.28 ID:UfPIQDUt0
>>910

【「――――うん」】
【重たい声だった。あるいは上の空の声。考えているのに別のことを考えている。あの喧嘩も、ずっと昔のことみたいに感じてしまっていた】
【何も解決していないのを改めて思い知らされた。――ちょっぴりずるいような口ぶりの相手へ、少しの仕返し。わずかに伏せた、じとっとした目を向け】

……鈴音、だよ、白神鈴音(しらかみりんね)。鈴の音って書くの、白い神様の、鈴の音――、

【呼ばれたら嬉しい。嬉しかった。だから少女は「うん」と頷く、さっきと同じ言葉で、だけど、きっと意味合いまでは同じじゃない】
【伝えた名前は――櫻の響きだ。もし相手が漢字も分かるなら字面までもが思い浮かぶだろう、鈴の声の少女にはよく似合う名前、すずのねって書いて、だけど、りんね】
【「――お兄さんは?」と尋ね返した、「でないとわたしもお兄さんのこと、呼んであげられないから」と、相手の言葉をなぞり返すみたいに】

そうだよ、すごいでしょ――、うんと昔はね。今はね、なんでもないよ。普通なの、全然、ふつう――。
……もらったよ。毎年ね、一番最初の桜が咲いたってニュースで言ったら、持ってきてくれるの。だからわたしはね、嬉しそうにして、受け取るの。

【奇妙な習わしだった。それこそ奇祭だなんていうのかもしれない、だけど、うんとちっちゃな規模では、ごくごく個人同士のやり取りの様子でしかなく】
【だけど何にもなくなった神社――かみさま、の、儀式として。それが唯一残っている、というのがなんだか不思議にも思えたかもしれない、何も怖いもののない平和さだけ】
【きっと彼女らにとっては大事な儀式なのだ。「きれいだったよ」と笑う顔もひどくあどけなくって本心だと知れる、――だけど、やがて彼が珈琲を飲み干して】
【いくら――と当たり前のことを聞いてきたなら。ぱちりと瞬き一つ、それから相手へ出した皿のたぐいをぱっぱと視線だけで確認して、】

***――、……、ね、お兄さん、もう孤児院とか……子供のお仕事のお手伝いは、しないの?
ここね、お金とか、お家とか、身寄りとか。ご飯も当たり前に食べられない子のための、ご飯……作ったり、してるの。
"たんぽぽ"って言うの、よかったら――――調べてみて。

【金額としてはそう高くないだろう。むしろ安い方かもしれない、とはいえシンプルな朝食だったから、やはり妥当――それくらいの、金額を提示する】
【それから――】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/13(金) 00:46:10.98 ID:NdWqffLN0
>>911

そ、リンネちゃん……おれ? おれはねえ……
――――「オムレツ」って呼んで、たまご色の目のオムレツおにいさん。

【――――】

【――最後まで、卑怯な男だった。名前で呼び合いっこするのは嬉しいことだねって言ったのに】
【此方ははぐらかしてその名を教えないのだ。からかっていると言うよりは】
【少女を突き放しているような、最後の最後でバリアを張って見せたような】
【そんな感じの、裏切りに近しい行為だった。不機嫌そうな少女の視線に、軽薄そうな笑みを返して】

【「そうなの、やさしいカミサマで、よかったネ」】
【綺麗な花をもらったのだと少女が笑えば、口元だけで笑った】
【さびしそうな、あるいは、妬ましげな色合いが、黄色に混ざって――すぐ消える】

【――――】

……もう、できねーんだよネ、おれ、そーいうの。
実はおれ、今ちょっと――あぶねーお仕事してっからさあ、
そーいうのに子ども巻き込まれたらヤだし。だからもう――

【「おれにはできないから。だから、……たんぽぽ? がんばって、続けてネ。応援だけしてる」】
【言われたとおりの金額をテーブルの上に置いて、それだけだ。しないじゃなくて、できない】
【それだけ伝えてから、席を立つ。ひらひら、軽々しい手つきで手を振って】

それじゃあネ、リンネちゃん――――「セリーナ」、会って仲直りできたらいーネ。

【踵を返す。最後の最後に、気休めみたいなそれっぽいことを言い残して――去っていくだろう】
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/13(金) 01:07:47.38 ID:UfPIQDUt0
>>912

【――――ぱちり、と、瞬きが一つ。怪訝そうな目だった――当然だろう、それは到底人名とは思えない、だから、からかわれたのだと思う】
【あるいはそれよりも冷たく感じられた、だけど、その温度の意味を彼女は探れない。それにはまだ少し初めてすぎた、お互いに、何も知らないから】
【軽薄な笑みへ少女の目が向く。色違いの色合いがまっすぐにきっちりと彼のたまご色の目に合わされて――じっと見る、だけど、そのバリアは破れない】

【「うん。優しい神様だよ」】
【「優しすぎるくらいなの」】
【「だからわたしが――、」】
【「――助けてあげないと」】

【毎年、一番目の桜が咲いたと聞けば、すぐにでも探しに行く。そうしてどこかからか、とってもとってもきれいなひと振りを、選んで持ってきてくれる】
【それはとっても尊いことで護られるべきだと思う。薄く笑う――だけど不思議と目は笑っていなかった、それがとてつもない使命であるかのよう、呟いたなら】
【相手の黄色に混じりこむ色合いは――気づけなかった。気づいたときにはすでに残滓が溶けていく瞬間、ぱちぱちと瞬きを重ねて――】

…………そう、なんだ、そっか。じゃあ――仕方ない、ね、――……、……そう。だよね、巻き込んじゃったら、嫌だ、よね――。

【――表情はあまり変わらなかった。残念そうにも見えたし、だけど、大して気にしていないようにも見えた。だけど問題は、"振られた"ことではなく】
【危ないお仕事をしている。子供が巻き込まれたら、嫌だ――当たり前のことだった。当たり前のことなのに。当たり前なのに。なんで、今まで、気づかなかったんだろう】
【違う。多分気づいていたと思う。気づいていたのに。自分がしたいからって言い訳にして。そうだった。自分のせいで、子供が巻き込まれる可能性は、ずっと、あった】
【さあとわずかに血の気が引く感覚。他人として眺めていたなら、ただでさえ白い肌が余計に白く褪める瞬間を見ただろうか、何かに気づいてしまった時の、顔】

あ――、……、えと、うん、……お兄さんも、気を付け、て――。

【――――は、と、一瞬遅れて気づく。かたんと立ち上がった音がして――、だけどその時には、彼はきっと、歩き出しているだろう】
【机の上のお金は確かに合っている。ならば無理に追いかける意味はない。だけど、何かが、引っ掛かっていて、彼の本当の名前とか、いろいろ、理由は作れそうだったのに】
【そのまま追いかけられずに、彼の姿もきっと見えなくなる。――ざあと春の強いけれど暖かい風が店内へ吹き込む、少女のスカートをふわりと揺らして】

【「―――……いつまで、"此処"に居られるのかな。」】
【「アタシは……いつまで此処に、いられるんだろう、って。」】
【――――嗚呼って思って。思いながら。扉を。ぎぎいと軋ませて。閉じて――目も閉じてしまう、こんな風になって。いろんなひとを巻き込んで。だのに、まだここに居るのは】

【自分こそ居なくなるべきなんじゃないか、って、思ってしまって――――】

/おつかれさまでしたっ!
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/13(金) 01:14:35.68 ID:oADCgEVdo
>>906

【フワフワのトロトロ、という言葉を聞いて一瞬怪しさを覚えたものの】
【ここまで親身になってくれた医者だ、決して腕は悪くないだろうし下手なこともしないだろう】
【今度施術を受けに行くことはもう決めたし、後はいつ行くかだけ】


「ええ、そうね……。私もこの前入り込んじゃったのだけど、変な機械に襲われて大変だったわ」
「能力者が排除されれば、この前のテロみたいなことがいつ起こってもおかしくないのにね」


【数日前、こんな服よりもっとみすぼらしかったものを着ていた時】
【特区なるものに入り込んでしまった女は、常時発動型の能力により襲撃】
【体内の魔力を破壊されたが命からがら生き延び、今や魔力も回復してきているのだが】


「ま、単純にやり過ぎたってだけよ。それほどのことでもないわ」


【日に日に殺人を重ねていた。それを思い出せば、嫌悪感を顕にした表情に一瞬だけなって】
【すぐに平常のそれへと戻す。単純にやり過ぎたというのが、何を表すのかは言わなかったものの】
【ろくでもないことだというのは、彼女でもすぐにわかるだろう】
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/13(金) 01:18:09.98 ID:NdWqffLN0
>>913

【――――ひどく思い悩んでいるのだな、と思った】
【「セリーナ」と、そんなに仲がいいのか、とも。だからこそケンカしたのがそんなにショックなんだな、とも】
【いろいろ考えたけど――口には出さない、とくに「商売敵」には】

【――――】

 【「――――オム。お仕事で世話になってる人がねえ、すっごい大物捕まえたんだって!」】
 【「知ってる? UTのリーダーのさ、ほらテレビにもよく出てくるあのガンマン――――」】

【――――】

【……少し前に、<創造主>がそう言っていた。きゃっきゃとはしゃぐ子供みたいに】
【その時は「ふうん、そう」で流したけど――どんなものかと気になっていたのだ、UTというものが】
【だから今日、来てみたわけだけど、……思っていたよりずっとずっと平和にやっていたから】
【ちょっとだけ面食らった。そして、その平和な空気が心地いいとまで、思ってしまった】

……ダメダメ。おれはもう、ヒトじゃないんだから――――

【店から出てからつぶやいた、独り言。きっと少女の耳に届く術はなかったのだが】
【きっとそれは、幸せなことだった。きっとこれをあの少女が聞いたなら、ひどく思い悩んでしまうだろう】
【それくらいの配慮があったわけでもなく――ただ単純に、タイミングがよかっただけのこと】

【こうして男は、帰っていく。平穏な日常から、血に塗れた暗がりの方へ。名残惜し気に振り返ることすら赦されず】

//おつかれさまでした! ありがとうございましたっ
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/13(金) 04:36:20.12 ID:z/LiU/Q5O
>>880

【膝をつく文月、前髪に隠れて表情は見えない】
【やがて蹲った状態で肩が揺れる、ふふ、ふふと自嘲気味な声】
【ぺたんと座り込んで肩に小首をもたれ掛からせて、虚ろな目をして笑う】


……あはは、良いですよ、大丈夫です、之もきっと神の思し召しなんです
放蕩娘に対しての、ええ、そうです、早く帰って来いと両親も言ってました
孫の顔が早く見たいって! 好き勝手言わはるけど! 私には私の事情があるんよ!

あぁ、もう無理ぃ! 文月家に帰るよぉ! こんな都会でうち生きてかれへんっ!
お金だってあらへんし、あぁ、もうこうなったら"朝凪"と"落陽"売らなあかへん……
葉月姉助けてくれへんかなぁ、あのヘンタイ半魔からお金せしめて……


【もうすっかりナイーブなモードに入った様子で、滔々と言葉を流して】
【暫し落ち込んでいたなら、ふと気付いたように周囲を見渡し】
【すいません、と目尻を袂で拭う。少しばかりの夜露を吸って】


是非とも、そのマンションに住ませてください、何なら居候でも構いません
家事もします、女中の様な扱いでも大歓迎です、何としても!
そう、何としても……!! 強制送還だけは……っ

もう実家が耐えられへんくて……浮いた話の一つもあらへんからって、ぐちぐちぐちぐち
なんなんもうって! 私かて好きに生きとうよ! まだ全然若いねんしっ!
……もう上手くいかはらへんわぁ、うぅ


【どうやらちょくちょく故郷の方言が出るようで、頻度が増してる】
【よっぽど精神がゆらゆらしてるのだろう、ため息一つ重ねて】
【漸く気を取り直して立ち上がるも、あんまり元気ない】
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/13(金) 14:06:56.16 ID:Zn7x1UYi0
>>916

「うわああッちょ、落ち着いて下さい文月さん!」
「だ、大丈夫なのだよ!お金は私と中尉でお給料日まで貸すのだよ勿論無利子無催促なのだよ!主に中尉が!」
「……その刀は朝凪と落葉と言うのですか?」

【物凄く錯乱している様子だ】
【よっぽど故郷の実家が嫌なのか、はたまた遠隔地勤務のストレスなのか】
【なんとか宥めようとする二人に、厳島のみが、妙に冷静だった】

「だ、大丈夫ですよ!もちろん大歓迎ウェルカムです!」
「部屋もちゃんとあるのだよ!本音は中尉の部屋に無理矢理居候させて、その生活を観察して遊びたいけど、そうも言ってられないのだよ!」
「……少佐、私に何か恨みでも?」

【実家への悲観は、こうもネガティブにしてしまうのか……】
【心配とは裏腹に、ちゃんと部屋も家具もそろっている様だ】
【櫻国海軍が諜報員の為に抑えたマンション一棟、ワンルーム(一階のみ2ルーム)ながら住み心地は良い様で】

「大丈夫ですよ、その私も実家が煩いとこで、陸軍家系だから私が海軍にいるのが納得いかないみたいで……」

【同情と言うか共感なのだろう】
【翔子が肩に手を添えながら、元気なく立ち上がる文月に話す】
【那須家、陸軍系の名家で、祖父は現役中将、父親は現役大佐】
【なお、どちらもかなりの厳つい強面で、本当にこの親からこの娘がとよく疑われる】

「きょ、今日のご飯はどうするのだよ?」
「あ、リオシアちゃんの入営祝いもまだですし、皆で料亭でも!」
「それいいのだよ!お金は中尉持ちなのだよ!」
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/13(金) 15:30:52.01 ID:xGuXefGxo
>>917

【厳島の言葉にぴょこんと反応する、そうなんどす、と目をキラキラと輝かせて】
【納刀されている状態でも分かる、確かな佇まい、間違いなく名刀と呼ばれる逸品】
【よっぽど大切にしてるのか、愛おしげにその柄を撫でる】


わかってくれはるんやね! ……ごほん、そうですこっちが朝凪、こっちが落陽ゆわはって
どっちもええ刀であらはります、もうかれこれ何年も使ってはるけど、がたひとつきーひんし
私の宝物であらはるさかい! ……あぁ、もう、戻らへん……

それは有難いです……! 是非ともそのマンションにお邪魔させていただきます
不束者ですが、よろしくお願い申し上げます


【ペコりと頭を下げて、ふと気付いたように】


……もしかして、那須曹長、お父上は那須大佐で御座いますか?
また、祖父上は……まさかのまさか、那須中将であらはったり……?


【那須の苗字と陸軍家系との言葉から推測】
【続く三人の言葉に眉を微かに顰めた】


有難い申し出ですが、もう少しこの辺りに慣れておきたいので……
それに、情報収集をしないと──今回の任務以外に、別の用事も本土にはあります


【静かに目を伏せて、頭を振った】
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/13(金) 15:59:51.82 ID:Zn7x1UYi0
>>918

「流石は教官殿、素晴らしき名品であります……さぞ名うての名工により打たれた刀なのでしょうね」

【華美な装飾こそないが、流麗にして美品】
【その気品ある拵えから、持ち主の扱いの丁寧さが伝わる】
【多少の心得はある厳島も、その刀には惹かれる物があった様子だ】
【これならば、刀工もさぞや名の知れた者なのだろう、と】
【なお、この部隊の総指揮官、中佐もまた刀、剣術には造詣が深く】
【差し詰め陸戦隊は、刀剣への理解と興味が深い者が多いと言える】

「はい、父は陸軍大佐、祖父は陸軍中将ですが?ご存知でしたか?」
「突然どうしたのだよ?早く行くのだよ」

【突然様子の変わる文月に】
【そう心配そうな二人と、一歩前であまり干渉せずに様子を見守る厳島】
【陸軍にあるいは?それとも別の何かか】
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/04/13(金) 16:15:32.66 ID:xGuXefGxo
>>919

【肯定の意味で軽く頭を下げた、そうですね、と慈しむ様に頬を緩めた】
【それは宛ら長年付き添った殿方を見つめる伴侶の如く、柔らかな瞼に憧憬を浮かべて】
【一葉二葉、散らす言の葉。──甘い甘い思い出の香り】


ええ、元々は道場に飾ってあったんですが、私が出奔する際に持ち出してしまい
そこから数多の戦いで用いました、沢山の強敵が私の前に現れましたが
今生きていられるのも、彼らが居たから、なんでしょうね

そういえば、中佐殿も『鳴神』の流派であるとお聞きしました
是非一度私もお相手したいと思っています、最近こそ下火ですが
かつては『和泉一心流』と言えば、それなりに名の知れた流派でしたし

……まぁ、だから、私に早く跡取りを作れとうるさくゆわはるんどすけど


【明かす自らの流派、厳島であれば名前だけは聞いたことがあるかもしれない】
【人懐っこい笑みを表情に浮かべ、言葉を紡ぐ、音律は可憐な桜のように】
【舞い散る一つ一つにかける綾細工、彩の妙を、そこに映して】


……!! え、ええ、というか櫻の人間で那須中将と大佐を知らない人の方が珍しいですよ
しかしまあ……噂は聞いてましたが、あのお二人からこんな可憐な娘さんとは
……遺伝子の不思議、と言いますか、私も驚きを隠せません


【──言葉を僅かに置いた】


すいません、いきなり取り乱してしまい──あ、えっと、そうですね
取り敢えず宿舎の方に案内して頂ければ、今日の所はそれで十分です
あと、皆さんはもう本土に来てそれなりに経ってらっしゃるんですよね


【──でしたら】


"カチューシャ"──という人物、知ってませんか?
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/13(金) 16:33:26.41 ID:Zn7x1UYi0
>>920

【文月の眼差しは、その刀への思いがそのまま込められている様だ】
【数多の戦場と語るが、刀はそれに反して綺麗な状態だ】
【とても修羅の鉄火場を駆けぬけたとは、思えないほどの美しさを保っている】

「中佐殿は、鳴神一刀流の切り紙であらせられます」
「和泉一心流!?あの和泉の!?まさか教官殿は、あの流派の?」

【これには酷く驚いたような顔をする】
【和泉一心流、鳴神一刀流らと並ぶほどの名門剣術流派だ】
【軍部、名家にも門弟は多い】
【なるほど、跡取りがと言うのも頷ける話だ】

「それ、皆から言われます……」

【翔子は、まさにその父と祖父の顔を思い浮かべながら】
【こうため息交じりに答えた、顔を並べて見れば、その凄まじさは良く伝わる】

「……」
「カチューシャ!?」
「え、ええーっとカチューシャって確か機関の3だったのだよ?」

【文月の口から出た、意外過ぎる言葉に】
【三者三様の反応を示す】

「文月さん!知ってます、よく、知ってます!カチューシャ、カチューシャがどうしたんですか!?」

【ここに来て、一転し詰め寄るようにそう尋ねる翔子】
【二人には、何かの強い縁があるようだ】
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/13(金) 17:04:53.82 ID:z/LiU/Q5O
>>921

【思ってもみなかった反応に文月の方が驚きを隠せず】
【ええ、まあと言った感じでバツが悪そうに頬をかいた】
【擽ったいような、嬉しいようなそんな感覚であるから】


そうです、最も最近は門下生も減る一方でして……
優秀な人員は皆、軍部の方に行っちゃうんですよね
あっと……決して軍に文句がある訳じゃないんですけど

後に残った人達は、その、なんかやる気がなくって


【ふぅとため息、志の無い連中が残るのだろう】


……私が本土に来たのも、そのカチューシャが大きく関わってます
那須曹長は、彼女に詳しいんでしょうか、でしたら話が早い
私は彼女を追ってます、その為に本土へ来たと言っても過言ではありません

彼女は私の妹──和泉 瑠璃を殺しました
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/04/13(金) 19:20:07.42 ID:rnEntqpCo
 【水の国/国会】

【国会内の一室に用意された会見場では、“魔制法”に関連した与党の定例会見が行われていた】
【社会的な関心の高さもあって、会見場はほぼ満員。──それに、記者以外の人間も所々に見受けられる】
【国会外のデモ活動へ取られた分の警備人員を、市井の(尤も、信頼できる、という接頭詞はつくが)人員で補っているのだ】
【従って、そのように“見受けられる”者ならば、この場所に居ておかしくはない】

 “ 水国全土での魔制法の施行は──、 ”

法案が通った以上は粛々と進める。そう焦るな。

 “ 『スクラップズ』の活動について──、 ”

そりゃ俺の管轄じゃねぇよ。ルカイナーのトコでも行って訊いて来い。

【壇上に腰を据える、カストロ髭を蓄えた還暦過ぎの男は、うんざりとした様子を隠しもせず答える】
【── ヨハネス・ロトゥノカイト。与党の法務部会長を務め、魔制法の可決に最後まで強硬に反対した人物だ】
【歯に衣着せぬ言動がメディアを騒がせることはあれど、親しみやすさから国民の人気は高かった】
【だが、今や彼は“親能力者”の急先鋒として連日、国民からのバッシングを受ける身だ】

【「いかに能力者が危険かという証左では。」「能力者化した人間も、魔制法の適用対象になるのか。」──etc】
【ヨハネスに対し、矢継ぎ早に質問が投げかけられる。答えねぇよ、と、彼が返すと、記者たちは気色ばんだ】
【恐らくは、テレビカメラの向こう側の“民意”も同じように反応しているのだろう。 彼は、眼鏡を外すと、悠然とシャツで曇りを拭き──】


   『 “ロトゥノカイト” ぉぉぉぉぉォォォォォ ──── ッ!!!! 』


【その瞬間。会見場の扉が大きく開き──、黒いバンダナで口元を隠した数人の男が、乱入した】
【手には一様に小銃。 彼らの狙うべくは明確。 壇上へ向けて、1人が照準を合わせ──】


 【 ── 】


 【同刻。 ──国会前】


 “ 能力者を許すな ”
                             “現政権は下野せよ”

            “ 国は早急に我々の安全を守れ ”


【並び立った軍人と警官の壁越しに、国会へ向けてシュプレヒコールが鳴り響く】
【内容からして一聴瞭然。“反能力者”の“民意”が、この国の病巣を打破せんと正義の声を上げていた】
【数日前から始まったこのデモは日に日に人数を増し、今では数百人が声を合わせて能力者批判を繰り広げている】


「……、今日は随分と元気だな。素晴らしい。表現の自由が今、まさに動態として保障されている。」


【デモに立ちふさがる“壁”の前で、今宵の警備責任者──、水国軍中佐、ロロケルム・ランガスターは、事もなげに呟いた】
【国会の門扉の横に置かれた携帯椅子に腰を掛け、手には料理本。周囲の軍人も咎めることなく、遠巻きに彼を見ている】
【彼自身が能力者ということもあって、気乗りのしない案件なのか。或いは、部下を信頼して任せている、ということなのか】

【あなたは、今まさにこの男の傍らで声を掛けられたのかも知れないし、遠巻きに眺める者達の一人なのかも知れない】
【或いは軍人や警官と共に“壁”の一部となっているのかも知れず──、そういった警備業務に興味が無いのならば】


   【 ──  轟 =@、と。 】


【音すら切り裂くような高速で、国会前へと接近するワンボックスカーを、近くで見たかも知れない】

/上下どちらかお好きな方にのやつです
924 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/13(金) 20:12:03.13 ID:2szVnRXO0
>>914

(……まぁ、嘘は言ってませんよ。嘘は。それに、そうそう無下にする事もありませんしね?)

【――――若干、マリーが「引いた」のを看破したのだろう。イーレイは軽く肩をすくめて見せる】
【目の前で、自分の腕で、人が忘我のままに溶けていく様を見るのは、彼女にとっての密かな愉しみでもあった】
【とは言え、流石に相手は選ばなければならない。怪しまれたのなら、そうした意気は潜めさせておこう――――イーレイも、流石に分別が無いわけではないようだ】

――――変な機械?
あぁ、要するに特区の防衛用マシーンって辺りですか。はぁ……随分とまぁ本気の様で、大人げない……

【マリーの語る体験談は、正にイーレイの興味を引いた。上手く言葉が見つからないが、何とも言えない感慨が胸中に広がる】
【どうやら、本格的に特区の運用は、能力者や異能を排除する方向で――――言うなれば、強硬で――――動いているらしい】

――――なんと言うのか、この状況……正直怖くないですかね?
異能に変わる、別な暴力を招いているだけ……そんな構図に、見えやしませんか?
まるで社会主義国家の構図を見ている様ですよ。体制の都合が悪くなれば、排除されるって言うねぇ?
今は、みんな自分が……あぁ、能力者とかの類は除いて、ですけど……体制の側にいるって思ってるんでしょうけど
はてさて……いつまでも特区が「能力者だけ」を排除の対象で見ているままですかね?

【――――黒幕派、そして円卓派。その対立構図は、イーレイも直接触れてはいなくとも、知識としては知っている】
【そこを伏せた上で、単純に世相の動きを見ての意見と言った具合で、それを仄めかしてみる】
【マリーは果たして、これをどう思っているのか。また、何かそこに一枚噛んでは居やしないか。それをイーレイは確かめたかったのだ】

【――――イーレイは、これもまた直接は知らない事なのだが、スクラップズの起こした騒動の、旗となった言葉を、知らずに引用していた】
【「誰が見張りを見張るのか」――――現状、特区を「無辜の人間を守るための防壁」と考えるのは、非常におめでたい、またはバカのやる事だと】
【所詮、これも能力者の犯罪者やテロリストに代わる、ただの暴力装置でしかないのだと】
【あくまで1人のアマチュア論客と言う体で、イーレイは嘯いてみせた】

……なんかあったんですねぇ。そりゃ失礼しました。軽々に聞いていい事でも無かった様で

【一瞬の表情の変化。イーレイは特に鋭い方という訳でも無いが、それは感じ取れたらしい】
【どうやら何か、マリーにとっては後ろめたい事があったらしい。なら、そこを掘り返すのは失礼だろうし、気分も損ねられてしまう。軽く目礼で、それを謝罪する】

【――――先ほどの特区の話と言い、今の除隊の話と言い、イーレイはどうも「自分自身の危険」については触れていない】
【事によっては、マリーもまた、危険な人物かもしれないと言う予測は、先ほどの特区の考察を考えれば、イーレイにも難しくはないだろうが】
【むしろ、その事を無視した思考をしている様で――――イーレイは、自分自身の身の危険について、何も思っていないのかもしれない】

/返しておきます。今日もよろしくお願いしますー
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/13(金) 20:21:28.31 ID:Zn7x1UYi0
>>922

「優秀な人員の枯渇、軍部側としては耳の痛い話ではあります」

【武芸の世界の事だ、それ一つで身を立てるのは厳しい世情だろう】
【とすれば、安定を求めて軍部で軍人としての生き方を、となるのは必定かもしれないが】
【道場の運営側としては、優秀な人間が軒並み引き抜かれて居る様にも見えるだろう】

「なッ――」

【翔子は言葉を失った】
【そして、耳を疑った】
【視界が、色を失った】

「か、カチューシャ、が……妹さんを……」
「何で、何で、そんな……」

【カチューシャ、あり得る話とも、あり得ない話とも言える】
【何故?何故?その単語だけが頭の中で膨れ上がる】
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/13(金) 20:33:05.57 ID:0i++Tc4F0
【――路地裏でいくつもの銃声が鳴いていた、それから怒声、魔力の匂い、悲鳴とうめき声と泣き叫ぶような声、全部が男の声】
【誰かがその場所に訪れたなら。見つけるだろう、汚い地面に転がるいくつかの人間だったもの、あるいはまだかろうじて人間であるものたち】
【おそらくすでに死んでいる幾人かはだいたいが分かりやすい致命傷だった。そうでなくって生きている幾人かは、ひどい拷問でも受けているような声で、地面にうずくまり】
【立っている人影は二つだけ――ひとりは男でひとりは少女だった。少女の方が男の肩を乱暴に掴んで、その首筋に接吻でもするかのように、顔を埋めているのだけど――】

――――――――、

【一方で男もまた少女を抱きしめるようにしていた――状況を見るにおそらくは今すぐにでも少女を引きはがそうとしていた――その腕が、一度、ひどく跳ね上がり】
【おおよそ人間の喉と声帯から出るとは思えないような悲鳴が上がる。大柄でわりに体格もよかった男はひどく苦しみの中にあるように、ずしゃり。そのまま地面に崩れ落ちると】
【ありえないような声で鳴き喚いて悶える――まるで自分の中におぞましい化け物を植え込まれたみたいに。それを必死に取り出そうとしているみたいに、身体中をかきむしって】

うるさい――なあ、もう。いきなり襲ってきたの――……、そっち、でしょ、

【――これで立っている人影は一つになった。自分の足元で獣より醜くのたうち回る生き物を足で蹴っ飛ばす、こっちに来ないで、って言うみたいに遠くにやって】
【絶えず上がる苦痛の声の中で呟く声は――だけどひどく涼しげで透き通ってそれが違和感だった、まるで鈴の音みたいな声。それが心底疲れたような声で、地獄絵図に紛れ込む】
【汗ばんだ顔に張り付いた髪の毛を汗ごと拭い去るようにして退かす。はあとため息――、その顔は、だれのものかもしらない血液でべったりと汚れていた】

【肩に触れる長さの黒髪にあしらった花の飾りにチュールを重ねた髪飾り。透き通るように白い肌はすっかり赤らみ、それ以上に、誰かの血で赤く紅く汚れ】
【ひどくあどけない顔つきは――だけどひどく褪めていた。顔は赤くて息も荒い。だけどそれを覆い隠して冷たく思えるくらいに。黒色と赤色の瞳も、また、けだるげで】
【ワインレッドのブラウスに黒色のジャンパースカート。意味もなくいろんなところを編み上げたデザインに、ふっくら膨らんだスカート、ひらひらしたブラウスの裾】
【その全部が赤黒く染め上がって重たげに垂れていた。場所によってはすでに乾いたように不自然な形で固まって。特に右袖がひどかった、少女の腕そのものも垂らされて】
【黒色の靴下は丈の長いもの――だったのがずり落ちて。足元は編み上げのショートブーツ――ずり落ちた靴下を直そうと身体を前のめりに、倒せば】

――――っ、ああ、もう、誰か来る前に、行かないと……、

【そのままふらりと身体が大きく揺れる、倒れこみそうになって――かたんかたんと慌てたような足音で取り繕ったなら】
【ひとまずは――諦めて。そのまま路地裏のより一層深い方へ足を向けるだろう、こんな格好ではどこかに行けず、だからと言って歩かずどこかへ行けるほど、冷静ではなく】
【ならば誰かに会わないままで――どこかに潜みたかった。それでも、銃声はもちろんその他の音も、辺りにずうっと聞こえていたなら。――誰かが来たって、おかしくなく】
【そして誰か来たなら――ふらふらと歩いていこうとする少女が原因であること、疑いようも、ないのだった】
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/13(金) 20:45:11.43 ID:JES05rBJo
>>926


────あ、いました、いました。


【少女が路地裏の奥へと足を向ければ、どこからともなく気の抜けた声がする】
【しかし彼女はすぐに気付くだろう。闇の奥からすう、と染み出すように一つの陰が浮かび上がる】

【──ナース、であった】
【路地奥の仄暗さを背景にして、くっきりと輪郭を刻む純白の衣】
【少女が作り上げた凄惨な光景からはまるで乖離して、そこに一片の汚れもなかった】

【何故、看護師がこんなところにいるのか】
【その疑問は、少女にとってはその顔を見れば一瞬で霧散するだろう】

【丸い眼鏡に三つ編みお提げ】
【柔和な笑みを湛えたその女は、かつてUT酒場を訪れていた『婦警』】
【──曽根上ミチカのものと全く相違なかった】


──あ〜あ〜、せっかくの綺麗なおめかしが、台無しじゃないですか〜。


【「大丈夫です?」】
【などと、まるで自分の立場が理解できていぬかのよう、】
【酷く抜けた声と共に、かつん、とその白いヒールの足を一歩前へと踏み出した】
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/13(金) 20:48:23.67 ID:C6dWbWtl0
【UT事務所・店内】

<あら、ユウトさん久しぶりねー! 最近スーパーでも見かけないから心配してたのよ>
「心配かけてごめんね、色々あったんだ」
<そうそう、大声では言えないけれど、私と……あと斜向いの人に、……能力者の味方はまだまだ残ってるわ。安心して>
「うん、ありがとう。――頑張るよ」

<あっ、バーゲンに遅れちゃう! さようなら!>

【先程まで近所のおばさんと話していたのは】
【それは、サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【左頬には猫と思われる引っかき傷の痕があり、頭部と両上腕には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、両手足にグレーの指ぬきグローブ、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「さて、と」

【どうやら店員として動いているらしく、てきぱきと飲食物を提供したり洗い物や掃除をしたり――】
【最近の世情かそれとも別の何かか、客は少ない。話しかけるのは容易だろう】


――――

【路地裏】

「……ほォう」

【その辺の木箱に座り今日の新聞を、電車に乗るおっさんの如く大きく広げて読んでいるのは】
【黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「俺様が色々やァッてる間に、随分と大騒ぎしィてくれたみィてェーじゃアねェーか。カニバディール」
「ククク、――さァて、俺様はいィつ動くか……」
「人間共が法律に慣ァれるのが先か、潰すのが先か――読ォみ違えると、口だけになァるな」

【――この顔、もしかするとどこかで見たことがあるかもしれない】
【例えば……そう、この者の背後にある指名手配犯ポスター】
【そこには堂々と"懸賞金いっぱい:邪禍"の文字と、ドヤ顔で写る者……この者と同じ顔のそれが載っていた】


/どちらか片方的なアレです!
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/13(金) 21:17:27.69 ID:0i++Tc4F0
>>927

【――――誰かいる。それに気づいた少女の足はぴたりと止まる、そして相手にそれを探知することが出来るならば、すぐに気づくだろう――魔力の匂いがする】
【それも、相当色濃く。"普段"が山の中で近くに湧き水の気配を感じるくらいだとしたら、これは、本当に。滝を見つけたどころか、滝つぼから滝を見上げているような】
【ぞろりと蛇の這うように少女からあふれ出て――そして桜色のひとひらになって、ごくごく少女に近しい何もない虚空から散り出すのだ、まるで満開の桜が散るように】

――――――――、

【見られて不都合のある人間であれば、殺す。少女の行動は"それ"でしかなかった。あるいは逆に取れば、これに脅されて見逃してくれさえすれば、生きて帰してあげる、と】
【そういう言外の契約。見たならば見逃せ。見逃せないならば、次の景色はさぞかし美しい花畑だろう。川もあるなら川の神に頼んであげよう、二度と転生などできないように】
【その口から不都合な真実が漏れ出ることのないように。二度と廻れない魂にしてあげよう。呪って祟って閉じ込めて。そんなくらいなら――黙っている方が、楽でしょう?って】

――、なんで、お前が、ここに居る……。

【――けれど。どれでもなかった。ざわと身体の中が沸き立つようになる、いろいろな感情が溢れてしまって、一瞬、状況が理解できない】
【面食らったようになった表情が刹那に憎悪を帯びる。お前のせいだと言うみたいに――、それとも。取り繕うべきだったろうか、酒場で笑って話すときみたいに】

【――――できる気がしなかった。しなかったから、しなかった。しようとも思わなかった、が、正解かもしれないけれど】

――――、ッ!

【ぎゃん、と、刹那。金属同士を擦り合わせるような不協和音を相手は聞くだろう、それ自体は何でもない。気にすべきは、少女の挙動】
【大きな一歩が踏み込む。相手が踏み出したより倍以上はあるような一歩――ふわと振り上げた腕。左手。右手は動かせないかのように垂れている、スカートにうずまるように】
【だけど少女は右利きだったはずだ。UTに来ていた時に見ていただろう。その時に気づいていたはずだ、ペンを持つのも、何もかも、全部が右利き】
【――その左手でぎらりと桜色が強く瞬く。そして次の刹那には櫻の刀が現れて、握りこまれている。ならば続く動作も、ひどく容易く思い浮かべられるはずで――】

【重力を助けに、勢い任せの唐竹割。だけれど振るうのは利き手ではない左側。ならば狙いは甘い――というよりも、その途中でぶれる。動きそのものも単調で】
【言葉を交わすことなく斬り捨てようとすることにきちんと意識がついてきているならば、避けるのは難しくないだろう。ただ一つ、気を付けた方がいいのは――】
【――その刀には薄桜色に透き通る液体が纏わりついていた。強い強い酸性の"毒"。刃の動きによって巻き散らかされるのを浴びれば――】

/すみません、一瞬離席してました!
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/13(金) 21:32:42.08 ID:2peecz9u0


【白い人物の前後を挟む触腕は、自身を起点に白い水を渦の様に操る事によって抑圧される】
【白い渦が触腕の動きを阻害した直後、それは飛沫を上げて白い人物に降り注ぐのであった】
【水の滴るその姿。その白い水は自身の痛覚を"抑圧"しながら、改めて眼前の男と対峙する】

疲れるならば、休めばよい。其処まで躍起になる必要もあるまい。

―――それにしてもだ。次から次へと異形を生み出して。
お前の本は持ち運べる動物園にしか見えない。
故に、だ。魔術師ではなく猛獣使いに改めたらどうだ?

【赤色の魔法陣から出でるモノ。それもまた異形】
【一言で言えば、口のようなものが宙に浮かび、口の中にある眼球が睨み付けている】
【そして白い人物を視界に捉えるや否や、宣戦布告の様な咆哮を以って耳を劈く】

【曰く、不愉快。疲れるからやりたくないと愚痴を漏らしながら】
【自身に殺意を向けるのを止めないその姿。弾丸を装填するように現れる異形】
【間違い無く"抑圧"を通り越し、"制圧"する必要性さえ抱かせるイレギュラーだと直感する】

……さて、人間。能力者たる私の目的はただ一つ。お前を抑圧する事だ。
故に命は奪わない。ただ抑圧されろ。その場に各坐して、沈黙していれば命は保障する。

【間隙を縫って強襲する異形の口を前にして、男に告げるのは降伏勧告であった】
【事務的な言葉を発する間に、自身の右腕に白い水を纏わせ、迫る異形に向けて拳を振るう】

【纏う白い水は、自身の痛覚を抑圧する他に異形の生体活動を阻害する役割を担っている】
【その為噛み付かれたとしてもその動きを止める事は無い。痛みで動きが鈍る事も無い】

【もし白い人物の拳がファムマ・ティを退けたなら、自身の足元に展開されている白い沼を】
【更に展開させて、足の踏み場全てを自身の能力の制圧下に置こうとするだろう】
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage saga]:2018/04/13(金) 21:34:40.35 ID:2peecz9u0
/ >>930>>903さん宛のレスです。
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/13(金) 21:35:27.69 ID:JES05rBJo
>>929

──お、ととと、っと。

【ひらり、看護師は何のことなく自然な動作で刀の軌道から逃れる】
【冷蔵庫へ飲み物でも取りに行くかのような気の抜けた足運びで、少女の左側へと回って】
【そのまますれ違うだろう。事によれば、互いの立ち位置をそっくり入れ替えたような構図に】

なあんですか、いきなり。危ないですねえ〜。

【ナースは振り返りつつ、数歩後退して】
【目を丸くしながら、無害を示すかのように両手をひらひらと弄ばせて】

【少女の振るった一撃は何に触れることもなかったかのように思われた】
【──が、その時、女の片肩から小さな白煙が昇るのに自身で気付いた】

【斬撃そのものは回避した。しかしそこから飛散した飛沫の一部が、衣服に付着していた】
【するとナースは「わ、わ、溶けてる」とやや慌てだして、衣服から白いハンカチを取り出すと】
【それで急いで、酸の付着した部分を拭う。どうやら内部の肉まではまだ至らなかったようで】

【破れた部分を拭いつつ、困ったように眉根を寄せた顔が横目で少女を見つめていた】

まあまあ、落ち着いてくださいよお。
せっかく耳寄りなお話を持って来たんですからあ。

【そう言って、再び身体の正面を向けて相対する女は】
【またぞろ柔らかい微笑を顔に浮かべて、小首を傾げた】

【話をしよう、などと】
【平然と宣うこの相手に耳を傾ける義理はないだろうが】
【少なくとも現状、このナースに戦意はないようだった。如何にするかは判断の分かれ目だった】


/無問題です!
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/13(金) 22:13:18.66 ID:0i++Tc4F0
>>932

【――――がつん!】
【鋭い音が路地裏の狭い道に響く、少女の振るった刃が地面を強く強く打ち据えた音。避けられた――と思うより先に、位置関係はいつしか真逆になっている】
【ぎりぎりと歯を噛み締めて振り返るだろう、その手にはまだ刀が握られている。切っ先は当然のように相手へ向けられて、鋭く光り】
【つうと垂れた液体が少女の手を濡らす。けれど雫は少女の手を焼かず、そのうち地面へ落ちていく。――地面からはじゅうとおぞましい音で、白煙が立ち上り】

【――ぎらぎらした色違いの瞳が相手をじっとじっと睨みつけていた。ハンカチで酸をぬぐう仕草を見ていた。そうして、それが効くのだろうことを認識する】
【酸が効くなら少なくともその方法で殺せる。刃そのものが避けられようと、雫を撒き散らすことはたやすい。まして狭い道だ、弾幕を張れたなら、相手に避ける先はない】
【今なら蛇も喚べる。大きなものは難しくっても、小さな蛇をたくさん出せばいい。ここで殺そう、――だってウェインさんもそうすると言っていた】

【それを今ここで自分がやったっていいのだから。いいはずなのだから。少しでも話を進める。頭の中が、身体中が、かぁっと熱いような気がして、収まらない】
【あるいは誰かが――仲間が――居たなら、冷静でないと言ってくれたろうか。相手にも見て分かるだろう、少女は少なくとも冷静ではなく、そして相手に対して殺意がある】

落ち着く――? 落ち着けって? ……こんな風に――、何人も、嗾けて……。
嫌いなのに、こんなの、鉄砲だなんて――、撃たれて……。――――、……耳寄り?

【鈴の音の声が歪む、這いずるような不快感は隠すことなく相手に向けられて――その瞳。ぎらぎらぎょろぎょろして、殺気立って、でも、ひどく披露している】
【もしかしたらあまり眠れていないのかもしれない、赤く充血していた。ぎりと歯を食いしばる音、刀を握りしめる左手にも、また、ぎゅうと強く力が込められて】
【――撃たれた、と、言った。何より彼女は最初からずっと右手を動かさなかった。暗い中ではあるがよく見れば――肩にほど近いところ。いっとう血で汚れた場所は】
【ここばっかりはいまだに血が乾かずにいつまでも湿っていたのだ。そして――その右手の先が埋めこまれたスカートも、血の汚れがひどい。まるで垂れてきた血がそこでしみ込んだよう】

/長くなってしまったので分割で!
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/13(金) 22:13:35.72 ID:0i++Tc4F0
>>932>>933

っ、はは――、――、聞くわけ、ないじゃん、

【――相手の言葉に、わずかに反応する。だけど――蹴飛ばす、空っぽの笑い声は面白いとも何とも思ってないもの、ただ、漏れ出ただけのように、笑い飛ばして】
【手首の動きで刃の切っ先を傾げる。それから――ぶん、と、大きく一度振るおうとするだろう。けれど切っ先が届く間合いではない、――ならば、雫を散らすのを目的にした一手】
【それから少し遅れて、少女から剥落する魔力片が形を変える。まるで手のひらほどの蛇、"薄桜色の液体"で形作られた蛇――世界中ほかのどこにも存在しない酸性の液体の蛇】
【数はいくつあるだろう、少なくともぱっと見で数えるのを諦める程度――けれど刀からの雫に比べて、数が多いだけ酸性はぐっと弱く、"すぐに"ということは、ない程度】

【――――明確な攻撃。だけど、一瞬、ためらった。その情報を手に入れるべきかと、相手をここで殺すことを、天秤にかけて。そして、こちらを、選んだ】
【そのくせすぐに決めることが出来なかったのが少女の未熟さだろう。その一瞬――何かを差し込むことが出来たなら、少女がそれに対応するのは、きっとひどく難しく】

【(――あるいは、相手は知っているかもしれない。数年前にあった、路地裏での通り魔。期間は長く、おそらく二年、三年ほどは続いたと判断されている)】
【(下手人はおそらく能力者だがそれ以外の情報がほとんどない。なんせ被害者はほぼ全員が"溶けて"しまっていて、判別が出来ず。目撃者生存者共に零)】
【(かろうじて身元が特定できた被害者たちも共通点が全くない他人同士――と、犯人捜しは難航に難航を重ねて、今ではすっかり未解決の引き出しの中にしまい込まれ)】
【(唯一分かっているのは、犯人が能力者であることと、謎の酸性の液体を使うこと。特に後者は、この世界の何でもなく、どんなものでも中和することが出来ない、毒であり)】
【(ただ唯一櫻に生息する蛇――山楝蛇の持つ毒になぜだか似ている、というのだけが、判明していて)】

【(――――首を少女に噛みつかれた男が、気づけば静かになっていた。しゅうしゅうとあまり人体から出ることのない音を立てながら、死んでいた)】
【(血流に乗った"毒"がその身を溶かす。――――首の肉と骨はすでにほとんど溶けて、頭と身体は分離しつつあった)】

【(一度目の襲撃の時も――死体を確かめたなら、刀傷と酸による傷口の損傷、ひどく目だったはずだ。そうでなくとも――今回の死体も、だいたい"そう"だった)】
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/13(金) 22:36:25.09 ID:JES05rBJo
>>933>>934


────────………………


【さながら手負いの獣じみた色すら滲ませる少女の眼差しを受けて】
【ナースは沈黙したまま瞳をやや細めた。憐れむように、哀しむように】

【周囲へ倒れ伏す肉塊たちをちらりと一瞥する】
【それから再び、少女へと視線を戻す──「ああ」と何かに得心したような呟きが一つ】

【その刹那、女の身の輪郭が歪む】
【実体が変形したのではなく、何か陽炎の如き気を纏ったのであった】
【魔力ではない何かの濃密なエネルギー体。それが一度、膨れあがって】

【直後、飛散してきた酸の飛沫が女の身を避ける】
【見えない壁に阻まれたかのように、何かのコーティングが水を弾くかのように】
【それが『サイコキネシス』による力場であると解説する者はいないだろうが】
【某かの反発力が看護師の身に纏われていることは十分に理解できるだろう】

【それは小さな群れのごときものであれば容易く弾き飛ばすだろう】
【一点集中の貫通力、あるいは研ぎ澄まされた剪断力、そういったものでなければ、蛇の群れとて例外ではなく】


────可哀想に。

あなたがそうなってしまったら、誰が『この子たち』を守るんです?


【ふと、どこからともなく看護師の手に幾枚かの『写真』が現れる】
【それをトランプ遊びでもするかのように扇状に広げたものを片手にもって】
【自身の身体の前、少女へとはっきり見せつけるように、掲げる】


【──この薄闇、平時であればそれに何が映っているか目を凝らすのに時間がいるかもしれない】
【しかし、そこに映ったものは、例え闇の中であろうと白神鈴音の意識には真っ直ぐに届き得る代物のはずだった】

【被写体は、『子ども』であった】
【どこから隠し撮られたかのような、カメラを意識していない横顔や表情】
【きっと覚えがあるはずだった。──そこに映る幼子たちが皆、『たんぽぽ』の庇護にある面々であることに】



【──じわ、と】
【舞った酸の残滓が、写真の片隅に滲んだ】
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/13(金) 22:41:29.67 ID:oADCgEVdo
>>924

【彼女にそう言われて怪しんだものの、不安も芽生えていた】
【多分彼女の腕前は相当のものだし、人を蕩けさせる位朝飯前なのだろう】
【それに流されてしまうのではないかと――まあ経験な信徒としての考え方だが】


【彼女が防衛用マシーン、といえば頷いて同意を見せる】
【それがあったのは確かである上、魔力を破壊された苦い経験もある】


「ええ、私もそう思うわ。まるで“能力者がいれば”都合が悪いように、ね」
「市民も通常兵力が能力者に立ち向かえないのが分かれば、いつか考えも変わるでしょうし」
「それから、でしょうね。一体思考を変えた市民をどのように扱うのか」


【――結論から言えば、それには“噛んでいなかった”】
【つい先日まで放浪していた訳で、カチューシャに拾われるまでは一人だったし】
【その上カチューシャの家を間借りしているだけで、別に黒幕だの円卓だのは知らなかった】

【ただ、彼女の思考には賛同を示す。能力者がいないほうが都合が良いと言わんがばかりの対応】
【櫻国の海軍も応戦したようだが、通常兵力では手も足も出なかったらしい。カチューシャがそこに写り込んでいたのは驚いたものの――】
【現状能力者を排斥するのは、頂けない行為であるのに間違いはない。市民の思考もいつ変わるかわからない故に】


「……別に良いわよ。そんなに謝ることじゃないわ」


【「ただ、ちょっと思い出したくないだけ」――なんて付け加えるように】
【今思えば後ろめたいことだし、そのせいで暫く指名手配までされていたのだから】
【あの頃は、どうにかしていた。そうして歴史を切り離さなければ、やっていけない程には】


「貴女って、結構“危ない”ライン渡ってるわね。下手したら死ぬわよ?」


【先ほどの自身に対する詮索と言い、特区の件と良い】
【彼女には警戒が足らないと、そのような気が少ししていた】
【正直かなり”危険な”ラインを踏み越えそうになっている。それを少しだけ咎めるようにして】

//おまたせしました、よろしくおねがいします!
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/13(金) 22:53:27.79 ID:0i++Tc4F0
>>935

【振り撒かれた飛沫が――そして差し向けた蛇が、すべて、拒まれる。雫はもとより、蛇も――実体は朧気であり、たやすくはじけてしまう】
【その雫はぽたぽたと地面に落ちて、ひどく苦しみの中で死んだ男の眼球へ滴り落ちる。そうしてまるで涙のようにつうと垂れ――じわりと皮膚を湧き上がらせて赤く血に染まる】
【舌打ちの音がした。少女のものだろう。酸を防がれた――ならやはり斬るしかないか。右腕が動かせないのに。やっぱり銃の練習をもっとしておくんだった】

――――――――っ、あ、

【相手の戦闘力が分からない――だのに恐ろしい武装を知っていたなら、どうしてもどこかで行動が鈍る。利き腕が使えないと言うのも、また、それを助けた】
【ただの獣に成り果てるにはまだ余裕がありすぎた。考えるだけの頭は残っているのにいろいろなことが追い付かない。もうどうしたいのかも、分からなかった、疲れて】
【頑張っているのに、状況が良くならない。頑張ったのに。二度と遭いたくないひとの名を聞かされて。こうして襲われるようになって。こうして、相対して――】

【ぴらと現れた"何か"。攻撃の前兆かと身構えたところで、写真だと気づいた。そして気づいてしまったからには――その時には、理解してしまっていた】
【ぎらぎらと殺意に満ちていた目が一転して恐れをなす、鈴の音混じりの吐息が震える喉から漏れて、見たくないものを見たかのよう、表情はひどく、凍り付く】
【強い動揺は身体を変に強張らせ、手から刀がするりと零れ落ちる――地面に落ちる前に、桜の花びらになって、散ってしまった。……かたん、と、小さな足音がして】

――、なん、で、なんで……、なんで、そんな、――いつ、そんな――、

なんで、

【わなわな震える指先がどうしようもないように自身の顔に触れた、視線は何度も何度も同じ場所を往復する、写真を――それに映された人物を、確かめるように】
【そうしてそうすればそうするほどに違いないと脳は判断してしまう。ひどく怯えて、怒っていた。怖くて仕方ないのに今すぐ殺してやりたいような感情が、同時にそこにあって】
【だけど――――何もできない。それは間違いなく彼女が何度となく食事を振る舞った子供であり、会話を交わした子供であり、――間違いなく、疑う余地なく、弱点だった】

【――頭が真っ白になる、今ならどんなことだって間違った答えを返してしまいそうだった、でも、冷静になれるはずも、なくって】
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/13(金) 23:24:43.88 ID:JES05rBJo
>>937


────そんなに怖がらないでくださいよお。

でも、これで少しは聞いてくれそうですね、お話。


【んふふ、とそれはまるで想い人と会話が叶った乙女のような微笑みで】
【広げていた写真を一つに纏め、それを大事そうに両手で包み込むと】


私たちのこと、何か勘違いしてません?

私たちはただ世界をもっと良くしたいだけで、惨いことをしに来た訳じゃないんです。
出来ればみんなお話し合いで済めばいいなあって、本当にそう思ってるんですよ?


【「だからですね、今日は『お願い』に来ました──」】

【陰惨たる少女の様子とはまるで別世界の如く】
【リズム良く転がるような、明るい声色が語りかける】
【ナースは手を後ろに組んで、笑みを一層深めると】


──悪いことしてる人達を、一緒に捕まえて欲しいんです。

『UT』なら、今まで沢山やってきたことでしょう?
『世界最大』の正義組織、そのお力をですね、私たちも借りに来たんです。


【ぴ、とそこで一つ人差し指を立てる】


ニュースとかで見ました?
ほら、あの、『スクラップズ』──『カニバディール』っていう悪い人のこと。

持って来て欲しいんですよ、あの人の首。


【ひらひら、と片掌で自らの首を掻ききるような仕草】


そりゃあ、殺処分は可哀想ですけどねえ──
でもあそこまで重病だと、私たちも付ける薬がなくって。


【「あなたも分かるでしょう?」】
【すると続けて、人差し指に続いて中指を立てて】


──あ、でも、それも中々骨が折れるでしょうし、
『UT』の皆さんも他に色々忙しいでしょうから──“こっち”でもいいですよ。

/分けます!
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/13(金) 23:26:02.04 ID:JES05rBJo
>>937

【前へ突き出されたもう一方の手に、一枚の写真が握られていた】
【それは先の子どもとはまた別の写真。──これもまた彼女にとっては意識に直結し得る代物であろうか】
【そこに映っていた顔は──『初瀬 麻季音』のそれだった】


ちょっとですね、署でお話聞きたいんですよ、彼女。
だから連れてきてくれません? 確か居ましたよね、UTの酒場に。とっても可愛い服着て!


【その相手のペースを無視して滔々と語る様は】
【数月前に初めて酒場へ挨拶に訪れた時と変わらぬそれだった】
【語りは続く】


──ああ。
何も一気に二つしろって無茶なお願いしに来た訳じゃないんです。
謝礼だって払いますよ。ケーエーとか、色々大変でしょうからねえ。

“どっちか”でいいんです、“どっちか”で。
それだけで私たちは、大助かりですから──


【差し出せ、と言っていた】

【──カニバディール】
【初瀬 麻季音──】

【そのどちらかを】

【さもなければ──と無粋なことは最早言わない】
【それは十分に理解しているはずだと看護師は思っている】

【「お願い、聞いてくれます?」】

【──やがてそうして問いかけて小首を傾げるとき、そこに表情は無かった】

【一切の感情と装飾を欠落した相貌】
【ただ釘で打ち付けるような視線だけが、闇の奥からじっと少女を見据えていた】
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/13(金) 23:55:34.64 ID:0i++Tc4F0
>>938>>939

【勘違い――勘違いなものか、と、思った。勘違いなら。本当に世界をよくしたいなら。こんなことしない。こんなふうに、なんでもない子供たちを】
【当たり前に生きていいはずの子供たちを。当たり前に生きる権利を誰でもない誰かに奪われてしまった子供たちを。こんなふうに。こんなふうにしたり――しない】
【頭の中がかーっとするのに冷たくて、ぐるぐるするのにひどく静かで、どうしたらいいのかが、分からない、どうしよう、どうしようって、繰り返し考えて】

【携帯電話――ロックを解除するのに普段なら三秒もかからない。そこから電話を鳴らす、だれでもいいなら、全部あっても、十秒は要らない】
【ここでおっきな悲鳴を上げたら。死んだ男たちと血まみれの自分。相手は無傷だ、相手が下手人だと誰かは錯覚するかもしれない、そうしたら助けてもらえる】
【そうでなければやはりここで殺せば今この瞬間を切り抜けられる。――ああ、でも駄目だ、駄目なんだった、だって、もう、人質に取られてしまった】
【助けを呼んだところでその事実は消えない。誰かに護らせたとしても、今ここでこの女を殺したとしても。もう消えない事実が、そこに、映し出されていて】

――――――おねが、い、

【喉がひどく乾いていた。張り付くようになって声が出なくなる、なぞる四文字がひどく恐ろしかった。何を命じられるのか。子供たちを人質に取られて】
【それを拒めないと理解してしまっていた。だって、そうじゃなかったら。これで、子供たちを、見捨てられる存在だったなら――彼女はそもそもそんなことしなかったに違いない】
【だから拒めない。そもそも拒むという選択肢が存在しない。"お願い"を聞き入れるしか、彼女には、ない。後は、その内容が如何であるかが、違うだけ――】

【――急に身体が重たく感じた、全部の音が遠くなって、ひどい耳鳴りがする。すとん、と、しゃがみこむだろう。あまりにも唐突に、倒れこみそうなほど】
【それでさえすぐに姿勢が崩れて、地面に本当にぺたりと座り込む。そうして見上げるようにして聞かされる――自分が"しなければならない"こと】

――――、

【カニバディールか、初瀬麻季音を。やがて内容を告げられた少女の顔はひどくこわばっていた、表情の一切を喪失した相手と見比べて、滑稽なほど】
【あるいは怯えてしまって動けないかのように。かすかに震えているようにも見えただろう、真っ白な顔はさらに蒼褪めて、ぎいぎいうるさい耳鳴り越しでも、聞き取ってしまったから】

【――初瀬麻季音は渡せない。それは、絶対だった。カニバディールとなら、そもそもそういう約束があった。なら、迷うことはない、はずなのに、迷えないのに】
【切り札として用意していたものを、敵の手によって切らされる。二度と使えない手を、とっておきのジョーカーを、相手の合図で場に出さないといけない】
【いつか取りに来ると分かっていた。それを自分が持ちかけられるとは思ってなかった。自分が渡すか――、出来ない。なら、迷えない、何もしないは、ありえない】
【だってそうじゃないと――、ああ、思ったよりも早かった、と、思う。もっと早く気づかないといけなかった。その対策をしなくっちゃ、いけなかった、なのに、自分は、】
【なんにもしなかった――頑張ってるつもりで。本当に頑張っていたのに。足りなかった。一番大事なこと、護りたいものには、何もしなくて。だから、こういう、ことになって――】

――――――っ、ア、う……、――、――はい、――、

【絞り出すような――まるで金属が軋むような、声が、それをすると誓った。顔はひどく怯えて、でないと、大事なものを――いちばん大事なものを、傷つけられる】
【逆らうための牙も爪も毒も全部封じ込まれたなら、手も足も出ない。そもそもそんなものは存在しないのかもしれない、蛇の子孫である少女には】
【だから首根っこを掴まれてしまったら、なんにもできない。――ぎゅっと首根っこを掴まれて宙ぶらりんに持ち上げられた蛇みたいに、頭を垂れる――ちょうど、服従を誓うかのように】
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/13(金) 23:57:36.62 ID:Zn7x1UYi0
【水の国、レストラン】

【赤い店内に独特な装飾】
【周囲と隔絶された静かな個室】
【主に企業の重役社長間、あるいは政治家の会議、会食で用いられる場所だ】
【高級レストラン『水国離宮』所謂本格中華の高級レストラン】
【その特別室だ】
【円卓には、海老、フカヒレのスープ、蟹、豚の巨大な煮物、家鴨のロースト、高級点心等々】
【テーブルも椅子も、部屋の調度品も中々の値段の物を揃えていると言える】

【そんな席に着くのは、暗めのネイビーカラーのスーツの男性と、いつもとは違いブラックのレディーススーツの少女だった】
【相手は観艦式の際に出会った人物、そしてその上司】
【彼らの面会は、ある目的を孕んだものであった】

「時間です、中尉」
「レーオビューテ……そして邪禍、情報が本物ならば、来て貰わねば困るさ」

【目当ての人物は、この場に表れるのだろうか?】
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/14(土) 00:22:23.19 ID:QlUw4fkU0
>>941

【おおよそ約束の時間5分前程だろうか、きっちりと姿を表した2つの姿】
【場所が場所ということもあり、普段とは異なる服装だった】

「なんでコイツと一緒に……」 『変装しィてるから良ォいだろ』 「そういう問題以前に、アンタ嫌いなんだよ」

【まず最初に現れたのは――】
【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【左頬には猫と思われる引っかき傷の痕があり、黒のスーツに青いネクタイ、革靴。――安物ではなさそうだ】

【彼に続いて現れたのは――身長210〜220cmはある、男に見える者だった】
【夏の植物のような髪の色、黄色で蛇のよう瞳の目をしており、荒っぽく鋭そうな面構えだが、雰囲気は穏やか……でもないか】
【こちらも黒のスーツだが、紫色の縦縞が入ったタイプで、かなり高価そうな雰囲気。それと、新鮮な血のような色のネクタイ、革靴】

【――さて、この後者の者だが……その顔は、"邪禍"と呼ばれる存在とは全く違う。体格は一緒だが】

「……こんばんは、呼んでもらってありがとう。僕はレオーテヴュート、またはユウト・セヴォラインディ」
「それで、こっちが――」 『邪禍だ。……おォッと、顔と声が違うのは気ィにすゥるな』
『俺様は重犯罪者だァからな……念の為って奴だ。――元の顔と声が良ォいなら、変装を解ォくが』

【変装――それにしては、整形どころか個体レベルで色々変わっている】
【さて、2人はおそらく、誘導されるかそれらしい席を見つければそこに座るだろう】
【邪禍の方の座り方は、ある意味では様になっている。――非常に、上から目線で態度の悪い座り方だ】

「それで、一体僕たちになんの用なんだい?」
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/14(土) 00:25:50.56 ID:RD9ee4uho
>>940


────ああ、良かった。
喧嘩になったらどうしようかと思いました。


【白神鈴音の快い返事を聞いて、ミチカ・ソネーウェは途端に笑顔を満開させた】
【それからポケットからメモ用紙を取り出すと、そこにペンでさらさらと何かを書き留め】
【少女の元に歩み寄ると、しゃがみ込んだ彼女に目線を合わせるように看護師もまた屈み込み】

──じゃあ、この日までにお願いしますね。
どっちを先にやるかはお任せします。

『お仕事』が終わったら、このアドレスに連絡ください。
お迎えが行きますから。

【そうして彼女に差し出されるメモ用紙には、とある日にちとメールアドレスが記載されている】
【その日付は、今よりそう遠くないものだった。──それが時間制限なのだと、暗に語っていた】

【もし受け取る手が鈍っていたならば】
【ナースはメモを少女の掌に乗せて、それを更に自身の手で包むようにして握らせるだろう】
【血で汚れるのも意に介さず。まるで遊びの約束でもした子どものように、無邪気に笑んで】

【それから立ち上がる時、女はふと思い出したように言った】


──ああ、それと。
もし二つともやってくれたなら、特別ボーナスをお支払いしますよ。


【言いながら、ポケットから携帯端末を取り出して】
【少し画面を操作すれば──映像と音声が流れ始める。それを少女に向けて】
【何かのテレビ中継らしい。そこには、水の国国会前で起こる反能力者デモの様子(>>923)が映し出されていた】


──こんな世の中ですからねえ。
UTの皆さんも息苦しい思いをしてるでしょう。

こんなに頑張って働いてくれてる皆さんが、辛い目に会うのは私たちとしてもとーっても哀しいんです。
だからですね、もし『お仕事』をがんばってくれたら──私たちも、きっと恩返しをしますよ。


そう、例えば──
『UT』を『魔制法』の対象外にする、とか。


それぐらいのことは、ねえ。
きっとお偉いさん達も、理解してくれますよ。


【「だから、一緒に頑張りましょう──私たちは、あなたたちの味方ですよ」】
【その声色は、そっと少女に染み込ませるように──優しい慈しみを伴った声だった】


【──路地の外の方が何やら騒がしさを増す】
【騒ぎを聞きつけた何かが駆けつけようとしているようだった】
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 00:34:38.83 ID:m0wDhXc90
>>942

「お久しぶりです、レオーテさん観艦式以来ですね」
「そして、初めまして蛇禍さん、レオーテさんから私の友人を通して、お話は伺っております」
「櫻国魔導海軍見習士官、那須翔子曹長です」
「お二方は初めまして、私は魔導海軍中尉、厳島命です」
「どうぞ、お席におかけになって下さい」

【開いている、円卓の対面する席に案内する】
【手配書とは随分と違う格好に、少々面を喰らったようだが】
【なるほど、話しに聞く通りの存在、姿形すらも自由自在なのだろうか】

「先ずは、お食事でも、こちらのレストランは海産物の料理が有名です」

【話に聞く存在ではあったが、この場の対応も服装も】
【まるで、どこかの企業のお偉方と遜色は無い】
【そんな二人を前に、先ずは料理や酒を勧める】
【料理に手を付け始めた所で、一呼吸おいて、話を始める】

「あなた方をお呼びしましたのは、他でもない、対黒幕のお話です」
「単刀直入に言いますと、協力関係を結びたいのです、あなた方の陣営と我々櫻国魔導海軍諜報部と」

【紳士的ではあるが、ざっくりと、そして目的を端的に伝える話し方だ】
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/14(土) 00:57:39.26 ID:QlUw4fkU0
>>944

「久しぶり。楽しい式だったよ」
『……なァるほど、レオーテヴュートとの関係は軍が掴んだんじゃアなく、お前の友人から聞ィたということか』

【となると、能力を堂々と使っても問題はないか。そう考えたかは不明だが、邪禍の手から伸びる黒い魔力の触手】
【それを用いて器用に、そしてクソみたいなマナーで食物を喰らっていく】
【そもそも椅子の座り方を見直せばそんな手間は不要なのだろうが、――まあ、傲慢な性格故の行為か】

「うん、美味しい。久しぶり、いや初めてかな? こんな豪華な食事を食べたのは」

【ユウト側に特筆すべき情報はあまりない。敬語を使っていない以外は、良くも悪くも普通で】
【書くとしたら――前に会った時と同じように、優しそうにニコニコしている事くらいか】


「――そういえば、あの時僕は"黒幕"について話していたね」
「僕は別に構わない、いや、むしろ歓迎するよ。戦力は多ければ多いほど、良い」

「ただ、色々懸念すべき事項がある。……君たちの今後の評価に関わるかもしれない」

【それから、ユウトは邪禍の方に視線を送った】

『まァず、俺様はあァくまでも奴らの陣営とは協力関係に過ゥぎねェ。メンバーじゃアねェーッてこォとだ』
『まァ、……話は通せるかァら、こォれはあァんまり問題じゃアねェ』

『こォッちの話はどォーか。俺様たァちの陣営は、確かにUTメンバーや正義の糞共も多いが――』
『指名手配犯、つゥまり俺様に、……"機関員"もいる』
『よォーするに、黒幕を潰す為に一時的に手ェを組ゥんだだァけの……呉越同舟のごォッた煮陣営だ』
『組ゥみてェッて言ィうなァら、そォれは把握しィてもォらわねェと。俺様も呼んでいるということは、そォの辺りは既に把握済ゥみかァもしィれねェが』
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/14(土) 01:02:20.58 ID:FerMN9GG0
>>943

【泣いてしまいたかった。だけどそれにほんの少しの意味だってないと、理解していた。泣いたってなにも覆らない、だって、もう、子供じゃないから】
【泣いたら取られたおもちゃが戻って来る時間は終わってしまった。泣いたら落としてしまったお菓子をもう一回買ってもらえる奇跡は二度と起こらない】
【泣いている子供におもちゃを取り戻してあげないといけない。泣いている子供にもう一つお菓子を買ってあげないといけない。だって――大人、に、なって、しまった】

――――――、

【――もうしゃべることさえ恐ろしいと言う風に身体を硬くして震える少女は失礼にも返事をしない。かわいげのない蛇だった、絶対服従を強いられているのに】
【媚びて尻尾でも振ればいいのに。そんなことすることもできないくらい怯えてしまって――屈まれ目を覗き込まれたら、やはり怯えるように目を強く、閉じてしまう】
【そうしてその手の中にメモ用紙を握らされたとしても。その手を優しく包まれようと。触れれば分かるだろう、ひどく汗をかいていた、がたがた震えて、恐怖を訴えていた】

あ……、――――。

【音がする。女の声でも、自分の耳鳴りでもない、音。硬く閉じた目を開けて、確かめる――、まず真っ先に認識するのは、たくさんのひとの映像である、ということ】
【そして次に認識するのは――これらの人間が全部反能力者側のひとたちであること。そのために集まった人間たちであること。いっぱいいっぱいの頭の中に、また違った情報が】
【詰め込まれて、めまいがする。目を開けているはずなのにちかちかとして。何も聞こえないくらい耳鳴りがひどくって。うずくまる、だけどそこに、言葉が聞こえて――】

【二人とも差し出せば。頑張ったなら。UTを制限から外す。そうすれば――、能力者であっても、赦される、?】
【能力がなければ生き延びることさえできない自分でも。生きていることを、そこに存在することを、赦されて――、くらくらする、ひどく甘美に聞こえて】
【本当に最後の理性全部を使って自分を引き留める。それはいけないって何度も繰り返す。繰り返すのに、繰り返すたびに、繰り返すからこそ、刻み込まれていく】
【そうすれば――生きていられる。この場所で。きちんと頑張ったなら、彼女らだって、子供にひどいことはしないだろう。(――――――頑張らなかったら?)】

【「一緒に頑張りましょう」――何をがんばれと言うのか。その先が誰も幸せにならない場所だって、もう、知っているのに】
【「私たちは、あなたたちの味方ですよ」――そんなの嘘だ。ほんとうに味方だったら、こんなことはするはずがない。こんなひどいことをするはずがない】
【優しい声がささくれだってひび割れた思考回路にしみ込んでいく、(――もしかしたら、本当に、そうなのかもしれない)】

――――っ、

【――それでも。それだからこそ。聞こえて来る騒がしさ、誰かが来る――その前兆に、少女は救われたと思うのだ、誰かが来る、もう、だれでもよかった】
【こんなことをした自分を捕まえに来たのかもしれない、でも、それだって、そんな二択を迫られることがないなら。こんなに非道い方法で従わされずに済むのなら】
【そうとすら思ってしまう、だのに思いながら、同じくらい――逃げないといけないと思う。自分が居なくなったらいけない、と、思う、――誰にとってか、は、もう、分からない】
【それで――無理やりに身体を起こす。生まれたばっかりの小鹿だってもっとましに立つだろう、それくらいに、醜く、滑稽に、立ち上がったなら】

【それでも、それなのに。渡されたメモをぎゅっと硬く握りしめるのだ、無くしてしまわないように、落としてしまわないように、唇を強く強く噛み締めて、それで】
【ひどくおぼつかない足取りで――、路地の奥へ。歩いていこうとするだろう、言葉では言っても聞かない。けれど、物理的に引き留めてしまえば、そこで、足取りは止まる】
【それくらいに消耗していて――本当に今にも倒れてしまいそうなくらいに見えることだろう、すべてのことを上手に処理する方法だなんて、そんなの、知らなかった】
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 01:09:25.01 ID:m0wDhXc90
>>945

「はい、ビリーさんとマリーさん、この二人から聞きました」

【ここで那須翔子、少女の方が答える】
【どうにもつながりを取り持ったのは、かのカウボーイ二人の様で】
【やがて、邪禍がその黒い魔翌力の触手を伸ばして、料理を手?掴みし食べ始める】
【それに合わせ、こちらも喫食を開始する】
【海老や蒸した蟹、あるいは魚、鮑、帆立、なるほど魚介料理は豊富の様子だ】
【マナーに関しては、別段問う事も顔を顰めることも無い】

「ありがとうございます!」
「そちらに関しましては、無論、問題はありません、元より我々もそのつもり、それに……」
「犯罪者と言うならば、我々海軍諜報部も、この国では立派な犯罪者です」

【ここで笑顔で、レオーテに答える少女と】
【そして邪禍に、こちらも後半は、そう獣に近い眼光と口元の笑顔】
【戦場に立つ人物のそれで、そう答えた】
【元より同じく呉越同舟の同盟関係のつもり】
【何より、自分達も、この国のスパイ防止法違反、国際犯罪者だ、と】

「こちらをどうぞ、飲める方なら、ですが」

【厳島が料理を楽しむ、邪禍の手元のグラスに葡萄酒を注ぎに】
【中々に高価な物だが……】
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/04/14(土) 01:19:13.09 ID:RD9ee4uho
>>946

【言葉がない──それは上質の返事だった】
【饒舌に飾り立てる言葉の何よりも、その目と振る舞いがどこまでも誠実だった】
【そのように感じた白衣の彼女は、ただ一つにっこりと笑みを深めて、頷いてみせた】

【ひどく頼りなく立ち上がり、そして路地の奥へと歩み出す少女に】
【看護師は慈しみを込めた眼差しを向ける。見守るように、励ますように】


────ああ。お帰りですかあ。
気を付けて帰ってくださいね〜。

さて、そろそろカラスが鳴く時間ですねえ────


【ちらりと、近付いてくる何かの方向へ一瞥を遣る】
【そこに何を見たのかは分からないが、それでそっと口の端を上げると】
【その姿は闇に溶けいるようにそっと消えていく。まるで初めからそこに何もいなかったかのように】

【さながら酷い悪夢から醒めつつあるかの如く、近付いてくる雑音は確かな現実味を帯びている】
【それは名も知れぬ誰かであるのかも知れないし、少女の名を呼ぶ誰かであるのかもしれない】

【それを他に見届ける者の姿は無く】
【ただ血と、薄闇と、肉の溶けた悪臭だけが場に残されていた】


/ではこちらからはこんなところで。
/お付き合いありがとうございました、お疲れさまでした!

/一応、なんかこの後誰かが駆けつけてUTとかまで運んだことにしてもいいんじゃね?的な引きのつもりです。
/一切合切は色んなあれにお任せします。
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/14(土) 01:30:52.72 ID:QlUw4fkU0
>>947

「あぁ、なるほど。あの2人、口軽そうだしね。別に隠したい情報じゃあないから良いけれども」

【でも、後で〆とこう。気分的に。――いや、口には出さなかったのだが】
【その笑みに悪意が含まれたことから、もしかすると察せるかもしれない】
【――今まで全く触れていなかった酒に、少しだけ手を付けた。】

「だったら、問題ないね。」
「もしかすると、解散すれば再び敵対する人たちも混ざってるかもしれないけれども――」

「よろしくね。少なくとも黒幕を潰し終えるまでは」

【その言葉の後、彼は少し考え込んだ。――そういえば、黒幕の真の目的を僕たちは知らない】
【だから、邪禍よりも僕の方が心配だ。もしも彼らが、……に、――を、……――ならば――――】
【――何を考えているんだか。すぐに、彼の顔にビジネススマイルが戻ってきた。】

「そうだ、もしも黒幕の情報が何かあれば、共有しておきたいところだね」
「僕たちは……いや、他の人たちがどこまで知っているかもわからないけれども」
「ともかく、"機関の一派"、"法案を出して特区を整備した"、"公安と組んでいる"、"夢に出てくる"――情報が少なくてね」

『――極悪犯罪者に、UTに、機関員に、タコに、スポンサーは六罪王で……ククッ、こォれに軍が入ったら混沌度合いが増ァすな』
『おォッと、俺様は貰えるモノなァら病気だァろうと貰う質でなァ……協力依頼料代ァわりに飲ォんでやァるぜ』

【相手がグラスに葡萄酒を注ぎに来れば、それを邪魔することはなく】
【しかし遠慮は一切ない飲み方で、料理を食べつつ酒も飲む】
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/14(土) 01:37:47.63 ID:8w4g4x8c0
>>866

【厳島、そして那須の両名からの説明を聞く間に口を挟むことはしない】
【むしろ最後まで語り尽くしても、軽々しく口は開かない】
【「……んん」と癖のように小さく唸って、片手を顎に当て】
【視線を周辺の適当な瓦礫に向け、しばらく考えに耽る】


……まるで映画だな。政府公安に根差す"黒幕"と
同じく政府、そして財界に根差す"円卓"と……おまけに企業、か。

フッ……"巣食われている"というわけだ、この国は。


【「しかもそれを他国に悟られている」――鷹揚として、口にしたが】
【笑顔の裏には猛烈な怒りが見え隠れしていた】
【これが一人であれば、そこらの石塊を殴り壊しでもしそうな程に】
【――けれど、それをしないのが軍人だ。タバコの煙を吐き出すように、ゆっくりと呼吸し】


恥ずべきことだ。本来であれば、その国の者がそれを正さねばならないというのに。
……カノッサ機関という存在のことは私もよくよく知っているさ
あの傍若無人な組織に幾度も襲われながら育った国で、私だからな。

その連中が考えそうなことだ、少々規模が大きくなりすぎているようだが……
……世界と言ったが。その事実、他に知っているものは居ないのか?


【尋ねるのは協力者の存在。――あくまでもそれは、信じるという前提の問い】
【愛国に満ちた黒い拳を、共に振り上げる仲間は居ないのかと両名に強く問いかけた】
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/14(土) 01:42:21.60 ID:FerMN9GG0
>>948

【――――夢を見ているようだった。高熱を出したときに見る夢のような、ひどくふわふわして、不安定で、何かに追い立てられているような、夢】
【夢であればよかったのにと思う。夢であってほしかったと願う。目覚めたら――いつかは分からない、けど、きっと、平穏の中。柔らかなベッドで眠っていて】
【足を引きずるように歩く、もう前もろくに見えていなかった。耳鳴りがひどくて、世界中がぐるぐる回っているみたいに、それこそ洗濯機の中に放り込まれたみたいに】
【これが彼の言っていた"わやくちゃ"だろうか、と、思う。だとしたら――、こんなの、これ以上頑張れる気なんて、しなかった。でも、途中でやめられないから】

【(それがいろんなひとを巻き込んでしまった自分の果たすべき責任だろう。まして何度死んだって構わない自分が頑張らないで、どうするんだって、言い聞かせて)】

【――そのあとのことは、覚えていない。途中で倒れこんだのかもしれないし、自分で帰り着いたのかもしれない。とにかく、目覚めたのは、UTの一室で】
【ひどくくたびれていた。それでもやらないといけないことがある――血が足りていないのかひどくぼうっとする。指先も凍り付いたように冷たくて、動かないけど】
【たくさんの時間をかけて、やっとたったこれだけの文章を打ち込んで、送信する。――受け取る相手は、きっと、これだけの時間が掛けられた文章だとは、気づかないだろう】

『お星様を身にいきませんか *日*時』

【場所も日付も時刻も指定する。これで相手は分かってくれる。来てくれるだろう。ミラから受け取った指輪を携帯と一緒に握りしめて――】
【だけどベッドから手を垂らした時に、落としてしまった。ごつん。かつん。それぞれの音がして、――しん、と、沈黙】

――――だいじょうぶ、間違ってない、まちがってない……、何も。何も……。

【ゆっくりと起き上がる、寝てる暇なんてない、だけど、せめて、何か食べないといけない。血を作って、傷を治さないといけない】
【だけど何か作る気にはなれなくて、冷蔵庫の中から生で食べられそうなものを見繕う。一口目で吐き戻して、二口目で飲み込めなくなった。三口目で噛むのもできなくなって】
【ベッドに戻っても、どれだけ目を閉じていても眠れない。そのうちに瞼の裏に何かとても恐ろしいものが見えるような気がして、それさえもできなくなって】

【――間違えてない。大丈夫。やがて声が嗄れて、出なくなっても。ずうっと呟いていた、ずっと、ずっと、自分に言い聞かせる、頭の中にあるのは、あの看護師服の婦警の、優しい、声だった】

/おつかれさまでした! 
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 01:47:28.97 ID:m0wDhXc90
>>949

「ふえっくしょんッ!」
「どうしたんすか兄……ひっひッジャスティンビーバーッ!!」
「いや、何かくしゃみが、誰か噂でもしてんのか?って何そのクシャミ!?ジャスティン言いたいだけじゃん!」

【何処かの路上で、何処かの二人がくしゃみをした】
【これはまた、自分の身に起こる事への、虫の知らせだろうか】
【やがてレオーテが酒に口を付けると】

「あ、レオーテさんも飲める方だったんですね、では私が注ぎます」

【翔子が自分のグラスの後、レオーテのグラスにも】
【こちらも、先ほど厳島が邪禍に注いだそれと同じく、中々の代物】

「なるほど、流石は聞きしに勝る方だ、飲み方も豪快と見える……」

【そこかしこの中流層では、中々手に出来る物ではないその葡萄酒を、グラスそのまま一気に飲み干す】
【これも、ある種の器と言えるか……】
【やがて、新たに邪禍のグラスに注ぎ入れ、自分のグラスにもそそぎ、軽く乾杯の体を取る】

「よろしくお願いします!」
「こちらこそ、是非に、頼みますよ」

【レオーテに二人はそう答えた】

「恐らく、共有出来る情報は同じものでしょう」
「我々もその実態は、そこまでしか追い切れていない、しいて言うならば、公安の『嵯峨野』と言う人物が何か怪しい、その位でしょうか?」
「夢に出てくる?それは初耳ですね、どの様な内容ですか?」

【厳島と翔子が、答えた】
【そして翔子は、首をかしげながら、そう聞いた】

「そうですね、我々は情報を有していない、少なくとも詳しい情報は……」
「故に、敵から奪う、その手段を提案します」



「婦警、曽根上ミチカの身柄を拘束しようと思うのです……」



【やや、間を置きつつ、厳島が静かに、そう告げた】
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 01:58:15.00 ID:m0wDhXc90
>>950

「アヤ大尉……」
「大尉殿、お気持ち痛いほどお察し申し上げます」

【言葉にこそ、態度にこそ現さなかったが】
【アヤの気持ちは痛いほど伝わった】
【この国を思う、祖国を愛する軍人だからこそ、痛感し共有できる痛みだ】
【さぞ悔しく、悲しい気持ちなのだろう】
【苦悶が、伝わる】
【身を切る愛国者の想いが……】
【だが、次の言葉に、二人は思わず顔を見合わせ、やがて】
【厳島がゆっくりと口を開く】

「大尉、それを聞くことは即ち……」
「我々と共に来ると言う事です」
「大尉殿、ご確認しますが……」





「この国に、仇なすお覚悟はお在りか?」


954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/14(土) 02:10:46.14 ID:QlUw4fkU0
>>952

「ありがとう。―― 一応ね。あまり強い方じゃあないから、普段は殆ど飲まないんだ」

【――正確に言うと、アルコール耐性そのものは持っているのだが】
【酒癖の問題だ。はっきりいって、自分でも良いほうだとは思っていない】
【まあ、一気に飲まず食事を取りながらなら大丈夫か。――】

「嵯峨野、聞いたこと無いけれども……公安なら、何かあるかもね」
『だァが、"公安三課"のよォーに黒幕側とつゥるんでねェパターンもあァる』
「まぁ、何かわかったら報告するよ」

『――夢に出ェてくる、俺様もタコ野郎かァら聞ィただァけの情報だ。六罪王で、喋ってくゥる以外の情報はねェ』
『だァがもォし、他者の夢、……精神に介入……喋る以外もでェきるとなァると、無防備なソレを直接狙われるわァけだ。厄介な敵だぜ』
『俺様の部下の夢魔で捉えられるかどォーか、そォれか"魂そォのものに抗う力を持ォつか"』

【そして再び動く触手は食事を捕らえていて。――傲慢で、そして健啖。】


『――婦警か。良ォい提案だ』
『奴は"能力を封じる何かしらの術"を持ォつ。俺様としィても放っておく訳にはいィかねェ相手』

「アンタ能力消されたら終わりだものね。」 『いィや、何とかなァる……で、そォいつを拘束すゥるのには賛成だ』
「うん、僕も良いと思う。いつ、UTに牙を剥くかわからないしね」

【既に剥かれている、その事実を彼はまだ知らず。】
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/14(土) 02:13:14.92 ID:8w4g4x8c0
>>953


フフ……私を侮るなよ中尉。この国に仇なす覚悟、か…――。


【赤い瞳が妖しく輝く。組まれた腕はその一方を腰に当てる】
【愛国を是とする職業軍人にとっては、致命的とも言える発言――では、ある】
【ただし状況が違った。国そのものが国に仇なす、事態はそう言いきれる】
【なにせ、政府が関わっているのだから。巣食う闇は恐ろしく深い】


私が守るべきものは国の平和。しかし、それは組織ではない。
国や政府という機構を守るのではなく、無論軍そのものでもない。

私が守っているのはな中尉、この国に住む国民だよ。
路地を彷徨く孤児から参道を歩む大臣まで
私は堪らなくこの国の人々が愛おしい。だからこそ、守りたいのだ。

もしも国がその者達に害を成すというのなら、打ち砕いてやろうじゃないか
粉微塵にしてやるとも。"黒幕"も"円卓"も、この拳でな。


【「理解出来たか?」と、言葉を切る。――その瞳に、迷いは無かった】
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/14(土) 02:15:48.00 ID:8w4g4x8c0
/次スレでございます
/【舞台を焦がせ】能力者スレ【炎を燃やせ】
/http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1523639699/
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 02:26:35.26 ID:m0wDhXc90
>>954

「そうだったのですね、どうぞ、お食事もまだまだありますから!」

【こちらも、レオーテと乾杯の体を取る】

「全くの偶然でしたが、嵯峨野と言う人物が何か裏で実験をしている、そんな情報が入りましてね」
「何かしらの動きとは、無関係では無いでしょう……」

【大きなエビの殻を、器用に割り、中身を取り出し、取り分けながら】
【やがて】

「それは、それはロジェクトですか?」
「そして、あなた方のスポンサーは……ジルベール、と?」

【夢に出る、即ち精神への干渉】
【深層への干渉となる、非常にやっかいな能力だ】
【そして、黒幕側の六罪王と言えば、黒幕の現トップとなる……その名前が出るのは、必然か】
【そして同時に、先ほど出た、スポンサーは六罪王、との話も気になり】

「ええ、先ずは黒幕の尖兵を捉え、その情報を引き出せるだけ引き出そうと考えます」
「つきましては、戦闘が予測されます、可能でしたらご助力を……無論引き出せた暁には、その情報は隠さずお伝えできます」

【婦警、曽根上ミチカ……まだ遭遇こそないが】
【黒幕の尖兵であることに、先ず間違いは無い】
【そして、その異能を封じる機械もまた……】

「同時に、お伺いしたいのですが、カニバディールに関して何かご存知の事はありますか?」

【機関員にして手配犯、カニバディールは先だっての市街地混戦事件で、海軍陸戦隊と戦って居る】
【それ自体は周知の事実だが、どうにも厳島には引っかかる事がある様子だ】
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 02:35:51.16 ID:m0wDhXc90
>>955

「……」
「大尉殿、その言葉が聞けて安心いたしました」

【アヤの渾身の、心からの言葉を聞き、安堵する】
【同じなのだ】
【祖国を、世界を憂い、守ろうとする一介の軍人】
【彼女と自分達は同じなのだ、そう実感し】
【そして、一呼吸置いて、話し出す】

「結論から言いますと、はい、数は決して多くなくとも仲間が居ます」
「公安内部の部署ゼロ、その部署の黒野カンナと言う女性、もう一人はディミーア・エルドワル、こちらは自警団特殊部隊の団長です」
「続きUTにも協力申請を出しておりますが、セリーナ・キッドは不在、現在軍事製薬企業レヴォル社の手中に落ちています」
「他、在野の者も、そして一時的に手を組んでいる者も多数、思惑はそれぞれですが……」

【この国の状況と同様に、その同盟、協力関係は幅も広く】
【そして何より混沌としている】
【これはあくまで警察や公安ではない、ましてやこの国の軍人ではない】
【あくまで他国の諜報員の築いた情報網であり、同盟関係だ】
【そこに集う者達もまた、一枚岩ではなく、そして正義の形もそれぞれにある】

「これで我々は、等しく『悪党』だ」
「始めましょうか大尉殿、この国を叩き壊す戦争を……」

【厳島が握手を求める様に、その手を出す】
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/14(土) 02:50:17.59 ID:QlUw4fkU0
>>957

『六罪王共の――名前は聞ィてねェ、が。心当たりが有ァるなら、そォーいう事なァんだァろう』
『ククッ、六罪王VS六罪王だァぜ? 面白ェカードだァろう?』

【邪悪な笑み――そう言えば、この悪魔は協力者である六罪王の名前も、そして立場も全く聞いていなかったか】
【聞いてもいなかったし、そして言われることもなかった。――特にそれで困ったことは、今までない】

「戦闘なら元々想定しているから大丈夫。ただ、やっぱり能力を消されると厄介だし」
「それ以外の手もおそらく、いやきっと持っているだろうから――うん、その辺りはコレと考えるよ」
『……一応、"レヴォルツィオーン社"の開発部門の野郎に"機械人形"の発注はしィてある。間ァに合えば使おう』

【数ヶ月程かかるらしいが。――特に何かを意図して言ったわけでもない、本当にただ"注文"した事実を言いたかっただけ】
【ユウトは、色々と信用していない顔でその言葉を聞いていた】


「カニバディールね――うん、彼は僕たちの陣営だよ。最近、ド派手に暴れたみたいだね」
『そォして、――まァ、俺様の"家"に招いた程度には気ィに入ってる奴だ』
『"力"を渡せばしィッかりと使い、そォして欲深い。――ククク、そォーいや新聞に載ォッてたなァ』

「……君たちの軍が彼と戦ったからこそ知りたいんだよね。うん、昨日の敵は明日の友。僕はずっと敵視するけど」
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/14(土) 03:04:58.49 ID:8w4g4x8c0
>>958

んん……。確かに、数が多いとは口が裂けても言えない現状らしいな
……とはいえ、だからこそ出来る事もある、か。
ジャイアントキリング、というやつだな。良いじゃないか、やりごたえがありそうだ

しかしな……"UT"の長が不在、それも一企業に拘束されているとなると
そちらの戦力を利用するという考えは省かねばならんな。

【大手を振って対抗できるような相手ではない、にしろ】
【聞く限りの勢力は随分と弱々しく感じられ、同時に不安も覚えた】
【単なる集合体というのも良いのだが――"烏合の衆"などという言葉もあり】

【厳島の『悪党』という一言ににやりと笑いつつ】
【彼が差し出した手を強く握る。思い切り握り返さねば骨を折る、何てほどには強烈に】
【それだけ気持ちが籠もっているということか――暫しもすれば、手を離し】


……所で中尉。その広範な同盟関係だが、取り仕切るものは居るのか?
散発的なゲリラ活動では限界もあるだろう、何処かでまとまる必要があると思うが……


【改めて問うのは、その協力関係における中心人物だ】
【組織ではない。けれどもやはり、ただ群れているのではまとまらない】
【だからこそそういう人物はいるのかと尋ねて、首を傾げた】
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 03:06:24.86 ID:m0wDhXc90
>>959

「なるほど、それは、非常に『面白い』お話ですね」

【口元が吊り上がるのを感じた】
【血が熱い】
【確定した、彼ら在野の能力者、実力者を取りまとめ、そして対黒幕戦線を構成しているのは】
【紛れもない『円卓』だと】

「それは素晴らしい手筈ですね、婦警の能力、戦闘技能は未知数な部分が多い」
「うーんと、それってつまり『赤木怜司さん』ですか?」

【機械人形とレヴォルの開発部門、そのワードに引っかかるのは一人の青年】
【翔子とは面識がある様子だ】

「やはり……つながりはあったのですね、ええその通り、彼は我々魔導海軍と一戦を交えました」
「故に、お互いその脅威と力は掌握済みかと」

【厳島がそのままの姿勢で答えた】
【あまり期待していなかった予測だが、ピタリと当たった】
【カニバディールの行動は、それだけ、不可解だった】

「彼はワザと黒幕の目を、機関の黒幕サイドの目を自分に向けようとしていた?その真意はこの対黒幕戦線の存在の秘匿の目的があった……」
「機関の3カチューシャも黒幕側、ですかね?」

【厳島が予測の質問を、投げかけた】
【あくまで、これは予測、単純な推理に過ぎなかった】

「しかし乍ら、家にとは、随分とカニバディールにご執心ですね、彼の実力は貴方も認める程、と?」

【蒸籠の中の蟹を取り出し、割りながら、厳島がそう笑みを湛えつつ聞いた】
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 03:18:18.36 ID:m0wDhXc90
>>960

「敵は大きい我々は小さい……」
「だが……」

【こちらも力を入れて握り返す】
【細身に見える割に、随分と筋力はある様だ】

「戦争を起こすには十分だ……」

【そう言って戦士の、戦場に立つ者のその笑顔を見せる】
【そして】

「居ません、そして、それは不可能と言えるでしょう」
「先ほども伝えた通り、ディミーア、我々、黒野カンナ、この三者は完全なる同盟と言えるでしょうが」
「他に関しては、完全にそれとは言えない状況です」
「協力関係を結んだ別々の人間が、敵対関係と言うのもあります」
「また、一時的にと言う関係性も存在します、少なくとも取り纏めは不可能と言えるでしょう」

【完全なる同盟や連合とは言えない】
【それこそが、決して綺麗事ではない諜報員の協力関係なのだ】
【敵対しあう者同士が此方を介して、と言う状況もある、その逆も然り】
【あるいはその中には、機関員も居る】
【それぞれの思惑が、状況が、所属が、目的が、この複雑な関係性を絶妙なバランスで構成していると言える】

「しいて言えるのであれば、大尉殿が接触すべき相手は……黒野カンナとディミーア・エルドワルでしょうね」
「この二名は、各勢力や陰謀によって築かれた関係性とはまた違う、大尉殿と同じ正義の元で動いています」
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/14(土) 03:24:34.13 ID:QlUw4fkU0
>>961

『俺様の部下も召集すゥる。物理も強い奴中心でな。――まァ、制御可能な限りだァが』
『――あァ、確かそォーんな名前だァッた気ィがする。妙なとォころで鋭い奴だァッたぜ』

【能力を消す以外の手はわからないが、わかる範囲での対策は必要だ】
【もし消されたとしても、身体能力が強いならばある程度は動けるはず。そういう考え。】
【そして、邪禍が言っていた存在は赤木怜司でおそらく間違いないだろう】

『互いに強さを知ィッていィるなら、あァる意味動き易そォーだ』
「けれども、実際に僕たち以外と手を組めるかは僕にもわからない」
「もちろん、間接的に組んだ状態には既になっている。味方の味方が敵になるとは言い切れないだけ」

「No.3――うーん、僕はまだ会ったことが無いかな。多分」

【名前にも番号にも心当たりはなさそうだが――彼女が誰であるか、それを知った時。彼は一体どうなるのだろうか】

「でも、機関員同士で戦ったということは……少なくともカニバディールに仇する存在、だから黒幕側の可能性が高いね」
「なるほど、陽動って考えると良い感じかもね。――彼に敵意を集中させている間に僕たちが裏で動く感じかな」

『まァ、実力と言ィうか精神側だ。――』

【多くは語らなかった。長々語る必要性が無かったというのもあるが、自身の性格にも要因がある】
【高すぎて捻じくれたプライドの持ち主は、蟹を殻ごと貪った。】

「あ、僕たちの連絡先って持ってたかな?」
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/14(土) 03:26:13.73 ID:QlUw4fkU0
>>963
/すみません、最後のセリフちょっとボケてたので変えます
/→「あ、邪禍の連絡先って持ってなかったよね?」
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 03:38:41.93 ID:m0wDhXc90
>>963

「やっぱり、赤木さんは元気にしてましたか?」

【翔子が赤木に会ったのは、彼女が彼からの情報を元にレヴォル社施設に潜入する前だった】
【何処で何をしているのか、そう思っていたら、まさかこの邪禍と組んでいたとは】

「我々は、彼とは会わなければいけないでしょうが、しかし恐らく組む事そのものは難しいでしょう……」

【先の件もあるが、それ以上に行動、思想、その他の隔たりが大き過ぎた】
【それは、多分カニバディールも感じる部分ではあるだろう】
【恐らくだが、今の所敵対する事は無い、だが彼らの組める陣営は……】

「カチューシャ……」

【二人の様子は、幸いにもまだ彼女との接触は無い様だ】
【だが、もし接触すれば、邪禍はそしてレオーテは、どうなるのだろうか?】
【それを考えると、翔子は沈んだ顔になる】

「やはり、そうなりますか、彼女、カチューシャは黒幕に位置する、あるいは仕える存在である、と」
「なるほど、やはりこれは、彼なりの何らかの陽動作戦と見るべきでしょうか、それにしては少々派手に過ぎる気もしますが」


【殻ごと豪快に蟹を貪る邪禍を見つつ、そう試案を巡らせる】
【あまり多くは語られないが、少なくとも、信頼の関係は築けている様子だ】

「いえ、私はまだ知りません……教えて頂けますか?」

【そう言うと厳島は、携帯端末の自身の連絡先を開き、二人に開示した】
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 03:40:53.33 ID:m0wDhXc90
//>>964了解です!ではこちらは下記文章を追加でお願いします

「私は、邪禍さんの連絡先は知りません、その……お願いします」

【一方の翔子は、邪禍に端末の連絡先を開示して見せた】
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/14(土) 03:42:30.78 ID:Tfc6k8onO
>>925

【続く言葉の音色を探す、目の前の少女の反応は文月にとっても心苦しいものであった】
【成程、彼女は自分の想像以上にカチューシャを知っていた】
【しまった、と顔を曇らせるが既にそれは遅く】


……さぁ、分かりません……妹と言っても、殆ど絶縁状態でしたから
それでも、大事な血縁の一人である事は代わりありません
故に私はカチューシャを追わなければならないのです

曹長、貴方はカチューシャをご存知なのですね
……親しい関係にあるかは、分かりませんが
一つ聞いても宜しいですか


【音律を整える、黒曜石の双眸が真っ直ぐに少女を捉えて】
【大きな瞳に潤いを携えて、その先に映る貴方を探す】


貴方の目から見てカチューシャはどのような人ですか
私は前の事件も聞きました、海軍とも交戦したのでしょう?
貴方の口から、聞きたいのです
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 03:51:44.22 ID:m0wDhXc90
>>967

「曹長……偽りなく、答えるんだ」

【顔色が悪かった】
【震えも来ていた】
【そんな様子を気取られてか、厳島は翔子にそう淡々と告げた】

「はい、聞いてください」

【その双眸は、真っ直ぐに】
【そして綺麗に、翔子を見据えていた】
【この瞳に、翔子はどう映るのだろう?】

「カチューシャは……とても純粋で、とても繊細で」
「そして過去に、柵に捉えられ過ぎた、ただ優しく人に愛されたかった、そうありたかっただけの女の子……私にはそう見えました」

【彼女の事を考えると、切ない】
【悲しい気持ちになる】
【運命は許してくれるのだろうか、彼女を】
【あの戦いの最後に、彼女はなんと言っていただろうか?】
【そう、正直に、そして率直な言葉を答えた】
【自分は今、どんな顔をしているのだろうか】
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/14(土) 03:55:50.07 ID:QlUw4fkU0
>>965-966

『あァ、元気だァッたぜ……目ン玉に暗黒檸檬魔力汁ぶゥッかけたら喜んではァしゃいでいたからなァ』

【――明らかに悪意をもって事実を捻じ曲げているような顔だ、いや半分は正解だしおそらく元気だったはず】
【ただ、ちょっと攻撃したらクリティカルヒットしただけなのである。】

『ククク、まァ組ゥめなくとも目的は同じ。――黒幕を潰す事!』
『そォこが一致しィているなァら、潰すまァでは大丈夫だァろう。多分』

「どうしたんだい? そんな顔して。――機関員、それもおそらく黒幕側なんだ」
「いずれ頭と胴体を分離してあげなきゃあね。……もちろん、黒幕案件が片付いたら他の機関員もそうしたいところだけど」

【物騒な発想は相変わらずだ。現在は状況が状況故に悪側であり味方側でもある存在に手を出していないだけ】
【――実際に彼女の首を切断できるかは、時が来ればいずれ……――】

「派手な方が他のアレコレから目を奪えるからとかじゃあないかな」
「真意は本人に聞いてみないとわからないけれどね」

「よし、ちょっとまってね……」 『……なァんだ、そォの目は』

【早く出せと言わんばかりの目が邪禍に突き刺さる。――その手のひらに現れる魔法陣】
【そこから現れたのは、……2匹のコウモリ? 目がレンズになっているが】
【――そのコウモリは姿を変え、そして携帯端末にへと姿を変えた】

【後は、連絡先を交換するだけ。――2人とも操作にもたつくことはおそらくないだろう】
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/14(土) 04:00:58.57 ID:Tfc6k8onO
>>968

【その言の葉は雫よりも重く、一葉一葉に響く色合いを伝えて】
【彼女は言葉に惑う、その表情に返す音色が無かった】
【貴女の信じるカチューシャ──純真な少女にここまで言わせる存在とは、何か】


……ありがとうございます、曹長殿が言うのであればきっと、間違いはないのでしょう
ですが、私もおいそれと其れを鵜呑みにする訳には参りません
また確かめます、自分の目で──すいません、話が脱線しました

魔導海軍での私の役割は、カチューシャ然りそれらの相手に負けない軍隊を作る事です
対能力者は一筋縄では行きません、その規格外さは、先の事件でご理解頂けたかと
明日にでも希望者を募って軽く指導と行きましょうか


【軽く頭を振って微笑みを向ける、夜風にそっと靡く茶色の髪】
【白絹の様な素肌に浮かべる柔らかな笑み、響く音色に音を重ねて】
【微笑む横顔にもう一つ、付け加えるような愛を重ねた】


……と、長くなりましたね、そろそろマンションの方に送っていただけないでしょうか?
それからの事はまた連絡させて頂きます
最後になりましたが、これからよろしくお願いします

私の力で良ければ、何時でもおかし致します


【ぺこりと頭を下げる、何も無ければそのまま宿舎の方へ移動するだろう】
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 04:05:17.39 ID:m0wDhXc90
>>969

「あ、暗黒魔界檸檬魔翌力汁!?」

【言葉だけでも、そのとんでもない代物であることが解る】
【そんな物目に入れたら、目どころか色々潰れそうだが……】
【取りあえず無事に生きている事は解った】
【そして……】

「あ、え、ええーっと、何でもないですよ!何でも……」

【そう翔子は誤魔化し】
【手元のグラスの葡萄酒を、ぐいっと一気に飲み干した】
【顔が一気に火照るのを、胃の腑に熱いアルコールが広がるのを感じた】
【顔に出ていたのか、しかし気取られてはいけない】
【彼らにとっては、カチューシャも等しく敵に相違ないのだろうから】

「ッ!?こ、蝙蝠!?」
「なるほど、使い魔の類ですか?」

【厳島は感心したように】
【そして翔子はひッと口の中で小さな悲鳴を上げ乍ら】
【邪禍の端末に自分の連絡先を入れていく】
【不思議な事に、端末は普通に端末なのだ】

「何かございましたら連絡を、我々も何か動きがありましたら連絡を入れさせて頂きます」
「そして……作戦の折には連絡を入れさせて頂きます……」

【端末を返しながら】
【邪禍にそう、最後の方は幾分かトーンを落として言う】
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 04:13:04.45 ID:m0wDhXc90
>>970

「ええ、それは教官の目で確かめてください……本人に会って、ちゃんと話して」

【それは双方にとって、非常に重要な事なのだと】
【そして、それは必ず何かの答えを導き出す物なのだと】

「解りました、是非お願いします、我々に是非対能力者戦闘の何たるかを……」
「そして付きましては、先だって入営、こちらで教育中の新兵が居ります、教官殿のお力をもって、彼女の近接戦闘訓練もお願いしたく御座います」

【変わって厳島が、その言葉に答える】
【前提として、こちらは軍隊】
【戦闘訓練は必須、そして彼女の任務を考えれば、無論厳しい訓練が待っているのだろう、と】

「では、車を停めてあるのだよ、それに乗るのだよ!」

【一行は文月を乗せてマンションまで】
【そこでカギを渡し、彼女の部屋へと案内するだろう】





【運命の歯車は、また新たに重なり、そして回り出した……】






//では、こんな感じに〆で
//ありがとうございました!
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/04/14(土) 04:15:07.55 ID:8w4g4x8c0
>>962

なるほど……そうか、本来は敵対関係にある者も居るわけか
……であれば確かに、無理にまとめる必要もないだろうな

多少の不安は残るが……んん。了解だ、良いだろう

【常に同じ方向を向いている者たちであれば――また、別なのだが】
【例えば機関とUTのように、束ねるべきではない者も居る】
【呉越同舟というわけかと呟くと、一つ大きく頷いて】
【少々不服そうではあったがそれを飲み込み】

「黒野カンナ」と「ディミーア・エルドワル」だな?
公安内のゼロという部署と、自警団の特殊部隊……。
……共同訓練とでも称して会ってみるとしよう。

さて……中尉。それに曹長も、か……ここまでご苦労だった
そして迷惑を掛けたな。我が国の事はこの我が手で、というのが鉄則だが
今回は先に他国の手を借りてしまっていたようだ……これからは、私も加わろう。

それでは早速だが、私は舞台に戻り少々調べ物をしてこよう。
軍内部にあちら側のスパイが居ないとも限らないからな
……私の連絡先は、以前の演習時に渡していたな。

【何かあればそこへ連絡しろ――そう言って、何もなければ歩き出し】
【二人の海軍人の間を抜けるように、表通りに向かって行くだろう】
【悠然と黒髪と外套をはためかせる姿には、一点の曇もなし】
【未だ先行きは見えなかったが、また一つ。暗澹を打ち砕く拳が、そこに加わった】
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/04/14(土) 04:15:36.33 ID:Tfc6k8onO
>>972
/お疲れ様です!ありがとうございました!
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/14(土) 04:20:23.95 ID:QlUw4fkU0
>>971

『ククク、そォう、暗黒龍魔界王檸檬魔力汁。目ェに入ると思わず叫びたくなる至高の逸品だ』

【少しずつ何かがズレているのは置いておいて――実際の威力はレモン汁と同等であり】
【めちゃくちゃ沁みていたような気はするが、人体に害はないらしい。――ない、らしい。】

「そう。――それなら良いんだけれども」

【相手のその反応に何か裏を感じたのだろう、敵対する存在への反応とは思えなかったのである】
【あまり深く考えても仕方がないか。――少し葡萄酒を飲み、そして深入りすることを止めた】

『使い魔といィうか、俺様が"創った"部下だ。メディアット――戦闘力は非常に低いが、媒体力に長ァける』
『携帯端末の他にも色々な媒体に姿を変ァえられる、便利な奴だぜ』

【例えばカメラとか――連絡先を交換し終えれば、邪禍側の端末だったメディアットの姿がカメラにへと変化する】
【メモリがどうなっているかは不明だが、保存された写真も見ることができて……異世界だろうか、この世界では見ないような動植物や魔物の写真が幾つかあって】
【……今、頭から2本の30cm程の長さでパサパサのホンシメジ的なキノコを生やしたカニバディールの写真があったような気がしたが、きっと気のせいだ】

「うん、時が来たらよろしく頼むね。」
「僕たちの方も何かあったら連絡するから――」
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 04:28:12.24 ID:m0wDhXc90
>>975

「ふう……」

【いい酒ではあるが、葡萄酒である】
【一気に飲んだためか、翔子は顔を赤くし、少しフラフラとし始めた】
【やがて】

「ほほう……これは凄い、記録装置にも……」

【翔子は少し引き気味に】
【厳島は興味深々と言った様子で、カメラとなったメディアットの写真を見る】

「……中尉」
「曹長、今のは見なかった事にするんだ」

【表示された写真の中で、恐らくこれも異世界の物だろう】
【キノコを頭から生やした渦中の人物が居た、居た気がするが二人とも黙殺した】

「わかりました、では……」

【くいっと、厳島も葡萄酒を空けて】
【そして】

「本日は、料理も酒も綺麗に空けました……程よい頃合いでしょう……」

【席を立とうと、二人から何も無くば】
【この食事会はこのまま解散となるだろう】
【無論、料金は厳島持ちだ、決して安くは無いだろう】
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/04/14(土) 04:52:41.00 ID:QlUw4fkU0
>>976

「他にも、3D表示・撮影とかテレビ・ラジオ・PCとか――」
「媒体、メディア関連の色々なモノになれるよ。電波そのものにもね」

【その言葉の後、ユウト側の端末だったメディアットの姿が……台座のようなものに変わり】
【そしてそこに表示されるのは……悪魔形態の邪禍の黄金像、の3D写真だ。画質は良く、ポーズは奇妙】
【……黄金像に一発拳をいれるユウト。ホログラム的なものなので意味はない】

【直接の戦闘には使えないが、それ以外の部分では非常に重宝しそうな性能だ】
【いや、実際に重宝している。これ1匹を連れているだけで、色々と動きやすい。】

『そォーだな、良ォい頃合いだ……』
『まァ、少なくとォも食ゥッた分程度は動いてやァろう』

「ごちそうさま。じゃあ、また――あ、忘れてた。これ」
「僕、小規模な研究所の一応トップなんだ。負を砕く世界樹の苗木の育成とか、研究途中だけど哲学者の卵対策とか、武具製作とか」
「その辺りの研究をしているんだ。――小規模なら、何か作れるかもね。大規模なのとか生き物は扱ってないから、それは邪禍に頼んでね」

【ポケットから出される名刺、そこには"ソイルベイビィ研究所"の場所と連絡先、代表としてユウト・セヴォラインディの名前が書かれていて】


【さて――解散すれば、すぐにユウトと邪禍も散り散りになって去っていくだろう】

「やっぱりタンクトップじゃあないと落ち着かないね」

【ユウトはUTへ、邪禍は路地裏へ。】


/お疲れ様でした!
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 05:02:03.91 ID:m0wDhXc90
>>977

「ありがとう、頂いて置きますよ……」

【レオーテからの名刺をポケットに仕舞い】
【そして、それぞれに店を出て解散する】

「中尉……」
「ああ、劇的に状況は動く……開くぞ、新しい戦いの幕が」

【これから先の状況を予見し】
【そして厳しい顔で虚空を睨む厳島と】
【実に不安そうな顔で、その厳島を見る翔子】

『櫻の花弁、波の轍に揺蕩う夕焼けの頃、本を開く』

【正夢を起動、黒野カンナへの通信を繋げる】
【『カンナ、伝えたいことが増えた、接触したい』】
【そう短いメッセージを送信し……】






【増える歯車、それらは絶妙に嚙み合い】
【血と謀略の限りを尽くしながら】
【一時代を形成していく】
【その先にあるのは、一体……】


//お疲れさまでした!
//絡みありがとうございます!
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage saga]:2018/04/14(土) 05:48:43.23 ID:QlUw4fkU0
【ぽこん、一通のメールが送信された】


【From:邪禍】
【To:ミラ・クラァケ,赤木怜司】
【Cc:レオーテヴュート】

【本文】

邪禍だ。

カニバディールと交戦した相手の魔導海軍だが、奴らに呼ばれて少々話し合いを行った。
今回、席に居たのは那須翔子、厳島命の2名。

話し合いの結果、奴ら、正確言うと櫻国魔導海軍諜報部とは協力関係を結ぶこととなった。
また、例の婦警の拘束作戦を提案してきて、俺様はそれに合意した。
他、公安の嵯峨野という人物が怪しいとの情報も得た。

ただし、組んでいるのは今のところ俺様とレオーテヴュートのみ。
個人相手ではない、それも軍だ。故に、お前含む他の奴らがそれと直接手を組むかは各々の判断に任せる。
特に、一度交戦したカニバディールは色々思うところがあるかもしれない。あちら側も少し渋っていた。

そろそろ敵が活動をし始めている予感がするが、そっちの様子はどうだ。
助太刀等の行為がしたいわけではない。ただの状況確認だ。俺様に火の粉が飛び散るかのを予測をしたいだけ。

以上。

【本文終わり】



「カニバディールにはメディアットを飛ォばすか?」
「……いィや、機関が分裂しィている今、そォれの拠点に飛ォばすのは危険か。そォもそも行ィくかも怪しい。さァて、どォーするか……」

「…………正義の糞共がこォッちに増ゥえやがったな。……まァ、黒幕を潰すまァでの関係だ。」
「俺様の望む混沌の為に、――ロジェクト、お前の面を一度見ィせろ」

【ぶっ潰してやるからよ。】
980 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/04/14(土) 07:09:15.47 ID:YXqB6KiK0
>>936

正直ねぇ、よろしくないですよ今の状況は。そう……結局、今の行き着く先に何もないって分かった、その後が怖いんですよ
悪戯な軋轢を生みだした、その尻拭いを、一体どこのどなたがやってくれるんだって話です。責任を取らなきゃいかんのは……水の国の野党のアホウ共、ですかね?
でも、それだけじゃない。マリーさんみたいに、既に襲われたって話まであるんです

――――反動が、必ず生まれますよこれは。最近ご無沙汰な『GIFT』の名前が、リバイバルする可能性があるって事ですねぇ
ただでさえウォレンシス抑えられているところなのに、ここで特区とのコントラストなんて作ってしまうと……
均衡が崩れて混ざり合ったときに何が起こるか、――――まぁ、魔防法を声高に叫んでる連中、その辺ちゃんと理解してるのかって話ですよ

【呆れた様な態度で、しかしその言葉は立て板に水の如く、流れる様にイーレイは自分の思うところを口にした】
【能力者の犯罪者、異能を用いたテロ。確かにそれは派手で目立つが、その実、能力者の中で悪行に走るのは、そんなに絶対数としては多くはない】
【それを、ただ我が身可愛さと浅慮な憎しみだけで、こうした強硬な対立を生み出すモノなら――――行き着く先は、種絶の闘争だ】
【――――能力者至上主義の集団であり、最近はあまり組織だった活動を聞かない『GIFT』だって、この件にはいつまでも沈黙しているはずもない】
【果たして、ごくノーマルな生活をしていた能力者が、彼らの元、レジストを起こす可能性を、真剣に考えているのかと、イーレイは嘲笑した】
【――――特区から始まるのは、一般市民の安全などではない。あるいは――――歴史に残る、人間と能力者の、殺し合いの発火だと】

(――――どうも、ギラついたりはぐらかしたりするような匂いを感じませんねぇ
 彼女……この事態の『裏』には、あまり噛んでないって事ですかね。となると――――今のところは、これ以上深追いするのも危険かも、ですねぇ
 ……相当な役者である可能性? それをやられちゃあお終いよって奴で。考えだしたらキリないですしね)

【そうして滔々と語りながら、イーレイは胸中でマリーの事を『白』だと評価していた】
【もしも、本当に関係のない相手だったなら、無駄にアプローチを繰り返すだけ身の危険が増す事になる】
【こうした策謀は、まず特区の件がそうであるように、密やかに進めていかなければならない】
【――――探りを入れる様な言い方は、もうナシ。後はあくまで個人の意見を述べるに留める――――方針を、軽く固めていった】

――――落ち着き先、早く見つかると良いですけどね。もしもの時は、私も力に……そっちの方で、何かできるかも知れないとは、伝えておきますよ……

【そう述べるのが精いっぱいだった。後は上手くこなれてくれるをの祈るだけだろう】

――――あぁ大丈夫。そのラインを越えなきゃ良いってだけの話ですよ。これでも、綱渡りには自信があるんです
(……あぁ、やっぱりやり過ぎた。でもま、最後にちょろっと話しても……多分、マリーさんなら大丈夫でしょう)

【マリーの口にする言葉に、少し熱が入り過ぎたかと、内心で頬を掻く】
【咄嗟に誤魔化すような言葉を返したが――――ちょっとその言葉のチョイスもよろしくない。そういう問題ではないからだ】
【下手を踏んだ。それを理解したイーレイは――――若干なりとも――――開き直る事にしたようで】

――――ぶっちゃけてしまいますとね。今私が本気になれば……この店の中にいる人間位なら、全員感電死ですよ
そこまでの本気出すと、こっちまで焼き切られかねないんで、いわゆる緊急時の『最後の切り札』って奴ですけど……そういう事です
それに、それは効率が悪すぎる。賢いやり方ってんなら、他にもいくつか駒はあります
――――まぁ、マリーさんが襲われたと言うそのマシーンみたいなの相手じゃなきゃ、そんな事をする必要も、そもそもないとは思いますけどねぇ?

【――――イーレイの先ほどの能力は、ほんの一端に過ぎない。彼女はどうやら、先ほどの電磁波、あるいは放電を『戦闘』という用途に耐えうるレベルで行使できるようだ】
【もしもの時には、己の身を削る事と引き換えに、周囲一帯を薙ぎ払って『御破算』にしてしまう事も出来る、とそう嘯いて】
【――――要するに、己に自信があるのだろう。ある程度の窮地なら、正面切って打ち砕けるのだと】
【よっぽどの事がない限り、それをするのは理由がないと、ため息交じりに、軽く流して見せる――――彼女の真意の一端だった】

/すみません、寝落ちしていました
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/04/14(土) 07:19:46.35 ID:GCJN6sLyo
/>>923ですが、今日の夜ぐらいまで置いときます
/お返しできるのは多分午後9時頃からになりますが宜しければ
982 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/14(土) 11:05:34.39 ID:bJvP3sWXO
【メールの入力をする。もうこのやり取りも手馴れたものだ】
【薬指の指輪が赤く灯る。通信の暗号化──魔術式が作り出す現象だった】

【まずは鈴音とジルベールに>>979のメールを転送する。その後、追加でもう一通。】
【Cc:邪禍/赤木怜司/白神鈴音】
【Bcc:ジルベール・デュボン】

>>979
【────ぴろろん。メールが届く】
【送信者は────ミラ・クラァケ】


【『ご機嫌なようで何よりだ。櫻の軍人との協力関係も悪くねぇ、あたしは乗るぜ』】
【『軍人連中の連絡先を教えな、いつか会うことになるだろうからよ』】

【『それと、曽根上は殺せ。拘束なんて生半可なこと言ってんじゃねぇ』】
【『作戦には参加する。ただ、捕まえ次第首を撥ねろ。頭を撃て。心臓を抉れ』】
【『あいつらは味方でも[ピーーー]。それも、裏切りの気配を少しでも感じたら即日[ピーーー]』】
【『隙を見せたら狩られるのはこっちだ』】
【『黒幕側に協力してくれそうなやつがいたんだが、すぐに連絡が取れなくなった』】

【『それと、既に敵は動いている。鈴音とロッソが襲われた』】
【『鈴音はウェインに助けてもらったらしい。ロッソは今こっちで面倒見てる』】
【『邪禍も気をつけろ。もしかしたらそっちにも追手が行くかもしんねぇ』】
【『連中に通信を見られている。邪禍からのメールが前に少し弄られた』】
【『だから、あんたが関係者ってことはもしかしたら知られているかもしれねぇ』】

【『あたしや鈴音、赤木の野郎は通信傍受の解決策を既に持ってる』】
【『だからこっちからのメールは多分大丈夫だ』】
【『あんたは策を持っているか、邪禍?ないならあたしか鈴音のとこに行け。そうすりゃ分かる』】

【『それと追加だ。敵の情報。いつか会うかもしれねぇな』】
【『機関員──恐らくは数字持ち。カチューシャって女だ』】
【『見た目は金髪に青い目の、淫売みてぇ女。能力は…………そういや、こないだテレビに出てたな』】
【『カニバディールと街中でどんぱちしていやがった。あいつがカチューシャだ』】
【『機関員の中で言うことを聞かないワンちゃんを探してんだと。気をつけろよ』】


【文章はそこで終わる。普段の彼女からすると、随分と気が立っていそうな文面だった】
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/14(土) 12:39:17.89 ID:6Gt2nIb8o
>>930

【触腕は白色光に輝く水によって阻まれ、その動きが止められてしまう】
【男が舌打ち。「ネーミングセンスのねえやつだ」と怒りの込もった声で呟く】
【予想通り、物理攻撃の類は効きが悪いどころではない。猛獣使いは猛獣の選択を誤っていた】


<暗澹たるファムマ・ティ>は視覚情報もよこす便利なやつだ
周囲の警戒と索敵ができる俺のお気に入りだが……やっぱ”子機”だけじゃダメだな
”親機”の方も出してやらねえとならねえが…………それはちょっと疲れすぎる

にしても、全くよぉ、こっちはお前を殺すって言ってんだぜ?
そんなやつが命だけは助けてやる、なんて言われて、はいそうですか、って従うと思ってんのかぁ?
頭使えよな、ロボットじゃあるまいし


【<暗澹たるファムマ・ティ>の”子機”と呼ばれた飛来する牙と眼球の異形は、敵の打撃によって断末魔をあげる】
【甲高い叫びと共に、メキメキと骨格か何かが軋む音がして、二つに折れ曲りながら落下】
【青い血反吐のようなものを垂らして白い沼の中へと落ちる】

【二匹目も同様に拳が着弾。眼球が口腔内から飛び出して、視神経のようなものが垂れ下がる】
【表面が裂けて青い血が噴出。勢いのまま吹き飛び、壁に激突して圧死】
【二匹とも僅かな時間の後に、青白い魔力の燐光となって消えていった】

【攻撃の悉くが防がれた状態で、地面に変化。白い沼が拡大して<絡みつくネア・セリニ>の地面に触れている触腕を飲み込む】
【蠢いていた触腕の全ての動作が鈍化。再び男が舌打ちをする。こうも動きを阻まれては厳しい】


(うーん、どっちも相性悪ぃな。物理攻撃の効きが悪すぎる)
(となると、防御性能に難があるが、ちょっと賭けに出ざるを得ねえな)

あークソ、鬱陶しいにもほどがあるぜ!
能力者だっつうんならとっとと死んでくれよな、めんどくせえ!!

…………<ダウ・ア・シャムス>!


【赤い魔法陣が輝き、小さな光点が飛び出す。空中で静止したそれを中心として透明な球殻が出現】
【球殻の半径が増大。通路の七割程度を占める大きさとなり、透明だった表面が色を帯びていく】
【赤、青、白、緑といった色合いがペンキを乱雑に混ぜたように混ざり合い、ガス型惑星の表面のように渦巻く】

【<絡みつくネア・セリニ>の触腕から男が惑星のような球体へと飛び移る】
【宙を浮遊する球体ならば白い沼に触れることはないだろう、というのが召喚した一つの理由】
【もう一つは、その攻撃手段にあった】

<混沌の三十四番ダウ・ア・シャムス>
今まで見せたやつはまだ生き物ぽかったんだが、こいつはマジで分かんねえ
動物を熱したりばらばらに分解しては吸収しやがるから、多分食ってんだろうがどうにも生き物とは思えねえ

……さぁ、通ってくれよ!


【球体の表面に複数の光点。光り輝くそれらから光線が放たれる。熱量を持ったレーザー攻撃だ】
【物理攻撃では効きが悪いというのなら、物質的な攻撃でなければ、という考えだったレーザーは途中で複雑に屈折しながら迫る】
【問題は防御だった。<絡みつくネア・セリニ>は動きが鈍化しているため使えない。であれば、レーザー以外に白い人物を阻むものがなかった】

//すいません、遅くなりました!
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/04/14(土) 12:40:29.13 ID:2Hzmx0xpO
>>923

【デモが起きようが衝突が起ころうが、変わらず生活は進む。たとえ100万の大群が蜂起しようと、1000万のその他大勢の暮らしは太陽の移り変わりと同じ、滞りなく始まって終わる】
【この若者もその一人だった。汚れた靴とズボンに上着、ボンサックを背負いごく短い髪に工場の名前が入ったワークキャップを被る、その下の眼差しは暗い】

「やっぱり、駄目なのかな……」

【道の端で立ち止まり、コインを玩ぶ反対の手には一枚の書類】
【国旗と軍のマークが銘打たれた志願書には、『体格不十分につき入隊不許可』という走り書きとサインが】
【其れが語る通り、だぶついた服の下の身体はあまりに細く、背も低い】
【型落ちの放出品らしき迷彩ジャケットはお下がりらしく、明らかに二回りは大きい。肩を落とすと袖口から覗くのは指先だけになり】

「……肩身が狭いや」

【“浮いていた”コインをポケットに戻し、デモ集団の後ろをそうっと通り過ぎる】

「わっ!」

【俯いて通りを横断しかけた途端、猛スピードの車に轢かれかける】
【ひっくり返って尻餅。手の書類が何処かへ飛んでいく】
【それより大事なのは九死に一生を得たこと。思わず信号を見上げるも見間違いではない、変わったばかりとはいえそれは青を示していて】

「……なんであんな急いでるの?」

【疑問と胸騒ぎ。他の歩行者が歩き出すなか、ぽつんと取り残される。その脇を通り過ぎる軍服の一団。増援として急ぐ警備だろう】
【手を振って、今の車……! と注意を呼び掛けるが。殺気だった群衆を前に彼らの目にはとまらず、しっしっ、と手であしらわれる】
彼らにしてみれば目の前の暴動と比べれば薄汚れた若者の話など聞くに値せずと言うのは至極正論】
【小さい身体は人の波に呑まれ、意図せずデモの方に押し流されながら。それでも話を聞いてくれる人を探すのだった】


/まだ宜しければ……
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/04/14(土) 12:52:26.74 ID:psCMjAnlo
【水の国 路地裏】

【休日という事もあり賑やかな繁華街、そこから少し離れた裏路地の模様】
【一度踏み入ったなら昼下がりの灯りも届かぬ、暗澹とした空模様】
【湿度の高い不快な環境、地中で蠢く鼹鼠か何かを思わせて】

【──その中に一葉、妖しげなる病葉の破片が浮かぶ】



なぁんだ、もう壊れちゃった♪ んぅ─……物足りないなぁ
ねぇ、ボクこんなのじゃ全然満足出来ないよ? ねぇってば!
あれ? ふぅん、もう動かなくなっちゃうんだ──


【──"つまらないの"──】


まぁいいやっ、動かないおにーさんでも、使えるパーツはあるでしょ?
女の子は貪欲だから、不満のままで待たせちゃだーめっ♪
あはは! 良い気味だよ、ビクンビクンしてかわいーっ!


【小柄ながら豊満な身体を大きく露出したホルターネックのビスチェ調の黒いビキニ】
【同色のローライズのショーツ以外は白く肉感的な素肌を晒している少女】
【セミロングの藍色の髪の毛にはアホ毛が一本だけ揺れて真紅の瞳を濡らす】

【背中には巨大な悪魔羽根が揺れて彼女が人間でないことを伝えるのだろう】
【ピッタリとお尻に張り付くショーツから飛び出した悪魔の尻尾がキュートに揺れたなら】
【長い睫毛がこれでもかと言うぐらいに愛らしい雰囲気を創りだす】

【木箱に腰掛けた少女の足元には、物言わぬ骸があった】
【特筆すべきはその状態、全身から出血した凄惨な遺体】
【事切れた表情は苦悶に満ちた、おどろおどろしいものであった】
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 13:47:56.87 ID:m0wDhXc90
【水の国、櫻国海軍諜報員専用マンション】

【櫻国海軍が秘密裏に抑えているこのマンション】
【一階は2LDKの間取り、2階から上はワンルームの作りだ】
【決して豪奢なそれでも無いのだが、ある程度の人数は暮らせる、しかし上記の通り、ここは海軍の諜報員がその拠点とするべく抑えられたマンション】
【暮らしているのは一般人に偽装した、諜報員と言う事になる】
【今日は、その一階部分の居住者のお話だ】

「は、ははははは早く掃除終わらせるのだよ!消臭は万全なのだよ?」

【一階の一室は、軍医石動万里子少佐の居室兼医務室だ】
【各種薬品、ベッド、オペ用品に機材、一通りの医療行為は受けられる】
【まさに目を回すような、そんな様子の石動だが、理由がある】
【先ほど、遺跡探索の際に同行したクリスから、家に寄る、と連絡を受けた】
【すわ一大事とばかりに、部屋中をくまなく掃除】
【薬品や血の匂いが合ってはマズいと、コンビニに走り置き型、スプレー型両方の消臭剤を購入】
【コロコロをかけ、ワイパー掃除用具で除菌し、さながら大掃除の有様だ】
【さて、クリスはいつ来るだろうか?】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/14(土) 14:10:25.18 ID:6Gt2nIb8o
>>986

【────約束の時刻】
【クリストファー・シェーンハウゼンは石動万里子から手渡されていた住所にきていた】

【格好はいつも通りの軍服。副長とは違っていて清潔感がきちんと保たれている】
【右目には眼帯。周囲には爬虫類の鱗が点在という奇妙な特徴はあるが、柔和な笑みの似合う人の良さそうな顔つきの青年だ】
【ブロンドの髪は右目にかかる部分の前髪だけ黒い。髪は綺麗に短く整えられている。身嗜みは十分常識的な範囲だった】

【マンションの、そして扉の前まで来て、クリスは今日の目的を脳内で確認する。遺跡攻略の話をしに来た、はずだ】


…………はず、なんだけどな
出る前のスクルータの様子が何だか気になるな……なんであんなにやついていたんだろう
あの笑顔は僕にとっていいものだとはとても思えないんだけどな……

しかも一人で行けって言うし、煙草は取り上げるし、やたらと身嗜みのチェックをしてくるし
棺桶は持っていくな、とか言うし…………一体何なんだ?


【ここに来る前の、同僚の奇行を思い出す。どこを取っても不可解で、不自然極まりなかった】
【その理由は、クリスにはまだ思い至らなかった。彼女の勧めで今日はいつもより持ち物がすくない】
【特に、自分の背丈以上の大きさのある棺桶を今日は持ってきていなかった。それは珍しいことだった】


まぁ、いいか。あの遺跡の攻略は”僕ら”にとって重要なことだし
その手伝いをしてくれそうなのは今のところ、万里子さんだけなわけだし


【不可解さをとりあえず頭から放り出して、クリスはインターホンのボタンを押した】
【────あるいは、この男のちょっとした律儀さが相まって、もしかしたら時間よりちょっとばかり早いかもしれない】
【もしかしたら、大掃除がまだ終わってないかもしれない。それは万里子次第だったが────】
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 14:22:40.81 ID:m0wDhXc90
>>987

「はッ!!き、来たのだよ!!」

【インターフォンが鳴る】
【直ぐに外部の様子を備え付けカメラでチェック、うん間違いない】
【何故か、普段持ち歩いているであろう様子の棺桶は無い様子だが】
【間違いなく、クリスその人で】
【最も肝心の石動は、なぜ是ほどまでに緊張し、気持ちが昂っているのかは自分でも解らなかった】

「あ、あああ、よ、よよよよよく、き、ききき来たの、だよ!」
「さ、さささあ、ああ上がるのだよ!」

【クリスとドアを開けて対面する、しかしこの調子だ】
【動きもまるでロボットダンスの様で】
【視線も焦点が定まっていない】
【ちなみに服装も、グレーのタイトなミドルサイズスカートにワインレッドの薄手セーター、金色の金属の三角形で構成されたネックレス、非常にカジュアルだ】
【白衣すらこの日は着用していない様子だ】
【中に案内する】
【殺風景でいかにもな医務室ではなく、私室】
【ソファに座るように促し】

「き、今日はスクルータちゃんは、いないのだよ?」
「こ、紅茶しかないけど、いいのだよ?」

【相変わらず震える手で、紅茶のポットを持ち出し、そう聞いた】 
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/14(土) 14:31:27.61 ID:6Gt2nIb8o
>>988

【インターホンを鳴らして少し。姿を現した万里子の様子にクリスは訝しげな顔をする】
【「お、お邪魔します」と手短に言って案内されるままに部屋の中へと入る】
【意外な広さに物珍しそうにしながらも、どうにも万里子の様子が気がかりなようではあった】


ええ、彼女は誘ったのですが、何故だか一人で行けと言って聞かなくて
あ、紅茶、いただきます……そ、それより大丈夫ですか? 何故だか手が震えてますけど……?


【促されてソファに座ったクリスだったが、相変わらず万里子の様子はおかしいまま】
【アイスティーがどうとか気にしている場合ではなかった。碧玉の左目が心配そうに万里子を見つめていた】
【じーっと。見つめるのである、じーっと】
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 14:38:33.20 ID:m0wDhXc90
>>989

「す、スクルータちゃんも、く、来ればよかったのだよ、変なのだよ」

【それがスクルータの、ある種の気使いと知ってか知らずか】
【最も本人の本心は、全く不明だが】

「え、え、そ、そうなのだよ?そんな事無いと、お、思うのだよ!」

【言い切る間にも、カップを持つ手は震え、カチャカチャと音を立て】
【ポットから注ぐ紅茶は、あわや零れだす寸前】
【やがて、なみなみ注がれた紅茶を目の前に出し】
【市販品とは、多分違うクッキーをお茶うけに出し】

「……それで、その、やっぱり、遺跡の事、なのだよ?」

【本人の目の前に座るが、俯いて目は合わさずに話を始める】
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/14(土) 14:50:20.55 ID:6Gt2nIb8o
>>990

【カップを持つ手は危うく、注いでいる最中も何だかそそっかしい】
【見ているクリスも気が気でなかった。今にも溢れそうなほど紅茶の入ったカップを慎重に持ち上げる】
【カップに口をつけ、紅茶を飲む。良い香りが鼻腔をくすぐる。不安げな表情が一転、思わず顔が綻んだ】

あ、美味しいですね、これ。普段飲んでいる安物とは違う感じがします

【紅茶をもう一口。いつもの粗悪品とは違う味わいのように思えた】
【ちらり、と万里子の様子を確認。何故だか俯かれている。何かまずいことをしただろうか、などと思い始める】

遺跡、遺跡…………そう、ですね
事前連絡ではそういう話をしようかと、そう言いましたが……

【目的は遺跡のこと。何も相違はない。間違ってない。正しいのだ】
【正しいのだが────ふと、出発前の同僚の言葉が脳裏を過ぎる。”遺跡以外の話をしろ”などと言われた】
【仲良くしておいた方がいいだとか、そういうことをまくし立てられた。理由はよく分からなかったが】

…………何故か、スクルータからは違う話をしろ、と言われまして
もっとこう、普段はどうしてるんだ、とか、趣味はとか、そういう個人的な話をしろとかどうとか
これから協力関係になるんだから、もっと仲良くした方がいい、とも言っていました
おかしな話ですよね。そんなプライベートな質問をしろだなんて、不躾ですよね……?

【と、クリスは同僚に言われたことをそのまま、殆どそのまま万里子に話すのだった】
【はたから見れば、第三者から見ればアホである。同僚が見ていたらため息をつくこと間違いなし】
【しかしそんなことは彼には分からず。お伺いを立てるような視線を万里子に向けていた】
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 15:07:26.01 ID:m0wDhXc90
>>991

「あ、あははなのだよ、違いが解るのだよ?櫻国海軍は紅茶も有名なのだよ!」

【これは、少しうれしそうに話す】
【曰く、船の上の生活では真水は貴重だ、貴重ではあるが、出港前に積んでいる物以外は、海水から濾過した水が基本となる】
【つまり、不味いのだ、飲み水としては些か不向き】
【そこで、海軍では古くから飲酒と紅茶、珈琲が発展してきた】
【飲酒は士官の嗜み、そして紅茶もまた同様であった】
【ランチのオムライスとなみなみ注ぎ入れられる紅茶は、海軍士官の贅沢な特権と言える】
【また同様の物に、軍艦の上で製造されるラムネがある】

【しかし、じーっと見られると、やはり顔を俯けたり背けたり、何とか目を合わさないように】

「そ、そう遺跡の、あの魔翌力トラップをどうするか、なのだよ!」
「え?違う話、なのだよ?ぷ、プライベートォ!?なのだよ!?」

【ようやく普通の話に軌道修正、と思ったら】
【折角の紅茶を吐き出しかける程の、スクルータの遠隔的な振りだった】
【何たることだ、クリスにはできない事を平然と言ってのける!】
【無論、警戒無い状態からの、まさかの一撃だ】
【お伺いを立てるような視線に、ちょっと、ほんのちょっとづつ視線を合わせ始め】

「あーえ、えーっと、その……き、きっとスクルータちゃんの気使い、なのだよ!多分……」
「その、あの、クリスはどうなのだよ?彼女、とか?」

【自分から、そのスクルータのありがたい?振りに乗っかる事に】
【ただ、苦し紛れに出した話は、寄りにもよって恋愛系の話】
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/14(土) 15:15:52.88 ID:6Gt2nIb8o
>>992

【嬉しそうに話す万里子を、クリスは同じように嬉しそうに聞いていた】
【楽しげに話す人を見れば同じように心地よい気分になる。クリスはそういう人間だった】
【しかし、顔を俯かせたりされると、少しばかり不安げな表情が戻ってきてしまう】

あ、いえ、そんなに慌てなくていい程度の話といいますか……
別にスパイとかしたいわけじゃなくてですね……

【想像以上の慌てぶりの万里子に少しばかり驚いてしまう】
【一体何なのか。それでもこれがスクルータの思惑だろうということぐらいは分かってきた。やっと】
【視線が合わされ始めると、クリスはなるべくそれを外さないようにする】

か、彼女!?

【今度はこちらが慌てる、というか驚く番だった】
【プライベート中のプライベートな質問が一発目に飛んで来るなどとは夢にも思わず】
【「えーっと」なんて言って思考をまとめ上げる】

あー、今は、いませんね
んー…………万里子さんは、恋人はいらっしゃるんですか?

【少しばかり悩む仕草を見せたが、彼は同じ質問を返すことにした】
【普通ならばしない質問ではあったが、相手がしたのならば、という判断だ】
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 15:25:51.96 ID:m0wDhXc90
>>993

【この感情の正体が、いまいちよく理解が出来なかった】
【いや、正確には理解は出来ているのだが、自分自身でそれを認める事が出来なかった】

「……」

【そして、思わずにしてしまった、その質問の事も】
【顔を赤くし、回答を待つ】
【目はチラチラと合わせながら】
【鼓動が、心臓の鼓動が自分で聞き取れる様だ……】

「あ、そ、そうなのだよ!?も、勿体ないのだよ……かっこいい、のに、なのだよ……」

【最後の方の言葉は、恐らく全く聞き取れない程だろう】
【それほど小さな声で】

「……い、居ないの、だよ?」
「お、同じ、なのだよ……」
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/14(土) 15:35:21.00 ID:6Gt2nIb8o
>>994

あはは、勿体ないなんて言われるのは初めてですね
同僚のスクルータには、やれおかしいだの、やれ覇気が足りないだの、酷い言われようなんですが
隊長にだって、もっとしゃきっとしろ、って、よく言われるんですよ

【「酷いと思いません?」なんて、冗談めかして言っていた。どうやら幸いなことに(?)最後の言葉は聞き取れていない様子】
【隊員の話をするクリスは楽しそうだった。普段からそうではあるが、今は普段以上に、だ】
【恋人はいない、と万里子が答えると、クリスは不思議そうな顔をして首を傾げる】

おや、そうなんですか
魅力的な方だと思うんですが……世の男性は見る目がないようですね

【しれっと、何気ないことのように言って、紅茶のカップに口をつけて傾ける】
【社交辞令というか何というか、良い女性であると本心から思っているのは確かだったが】
【それにしても大仰な言い回し。相手がどう思うか、というのが抜けている】
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 15:50:17.83 ID:m0wDhXc90
>>995

「そ、それは酷いのだよ、クリスは、そのいい男、だと思うのだよ」

【少し、お互いあるいは万里子だけだろうか、緊張は解れた様だ】
【ははは、と笑顔も浮かべるようになって】
【やがて】

「――え?」

【魅力的、その言葉は思わず、語尾すら忘れてその場にぼーっと佇ませてしまった】
【社交辞令と普通は捉えるところだが、どうにもこの状況】
【そしてこの万里子相手だ】
【そうとは認識されなかったようで……】

「あ、ああああ、ええええ、あああ」

【壊れたオーディオ再生機器の様に、こんな言葉をガタガタと震えながら、顔を真っ赤にして発するのみ】


【ただ……】
【先に言うべき事がある】
【この世の中には『お約束』と言う概念がある】
【あるいは『王道』とも呼ばれ】
【あらゆる先人達が使い込んできた、技の賜物だ】
【それはこの場でも、残念ながら例外では無かった】

「あ、ああああ、そ、そその、こ、ここ、紅茶が……」

【一先ず落ち着こう】
【そう、思って紅茶のポットに手を伸ばす万里子】
【だが、その震え故に】
【ポットを】

「あッ!?」

【倒してしまった】
【熱々の紅茶は、クリスのズボン】
【主に太ももからその付け根位までに零れかかるだろうが、果たして?】
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/14(土) 16:01:36.06 ID:6Gt2nIb8o
>>996

【笑顔を見せる万里子にクリスもにこりと笑ってみせる】
【どこかリラックスした様子、というよりは普通の会話ができていることが嬉しかった】
【──実際は普通の内容ではなかったりもするが、そのあたりはさておき】

【しかしその時間もものの数秒で吹っ飛ぶ。原因は自身の発言にあるのだからしょうがない】
【顔を真っ赤にして震える万里子を見て、もしや褒め言葉に慣れていないのではないか、と思い当たる】
【ここに至ってもまだまともな答えにたどり着かないのだ。何故か脳裏でスクルータが罵倒してきた気がした】

えーっと、あの、大丈夫、ですか?
そんなに慌てなくても、そうそう、落ち着いて…………

────熱っ!!


【がたん。ポットが倒れて、湯気を立てるほどに熱い紅茶がズボンに降りかかる】
【クリスはがたっと立ち上がる、が、どうしようもない。脱ぐわけにもいかず】
【熱さに痛そうな顔をしながら、ズボンを手でつまんでぱたぱたと動かすのが精一杯だ】

【とはいえ、いくら訓練されていても服の上から熱い液体を被るのは結構、シャレにならない】
【だがこの場には何といっても医者がいる。彼女なら何とかしてくれるだろう、きっと】
【そして医者の指示には従わなくちゃならないので、クリスは言うことを聞かざるを得ないのだ、きっと】
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 16:18:19.51 ID:m0wDhXc90
>>997

「あ、ご、ごめん、なのだよ!」
「あ、ああく、クリス!?大丈夫なのだよ!?」

【いけない、これは下手をすると火傷をしたかもしれない】
【また綺麗な状態の軍服も、シミが入るかもしれない】

「と、とりあえずかかった場所を見るのだよ!脱ぐのだよ!」

【この部分はかなり慌てている】
【故に、普段の診察通り、咄嗟に軍服のズボンを脱がそうとする】
【患部を見て処置を、必要があれば、染み抜きもせねば……】
【何も無ければ、このままズボンを脱がせるだろう】
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage saga]:2018/04/14(土) 16:23:04.90 ID:6Gt2nIb8o
>>998

ぬ、脱ぐ、脱ぐんですか!?
え、いや、でも、あ……!

【脱げ、という当然の指示に抗おうとしたクリスだったが、痛みのせいで身体は動かず】
【あれよあれよと言う間に脱がされてしまう。かかった箇所は太ももの周囲で、赤くなっていた】
【そこまで酷い状態ではないが、少なくとも多少の処置は必要そうだ】
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/04/14(土) 16:36:33.42 ID:m0wDhXc90
>>999

「火傷してたら大変のだよ!大丈夫すぐに、すぐに冷やすのだよ!」
「ゴメン、クリス……本当に、ごめん、なのだよ……」

【万里子は今にも泣きそうであった】
【自分のせいで、火傷を負ったのかもしれない】
【それは、医者としても、万里子個人としても】
【やがて、火傷の患部を見て、これは氷嚢で冷やせば、と思っていた時に】

【あえて言おう、万里子はこの状況において冷静さを欠いていた】
【それは、自分を客観的に見れていないと言う事でもあった】

「ほほほ包帯〜♪少佐〜包帯下さい!」

【ガチャリと開く扉】
【セーラー服姿の少女がそこに居た】
【Q:自分達の今の状況は?】
【A:石動が見知らぬ若い男を連れ込み、ソファーの上で下半身を脱がし、押し迫っている!】

「……」

【少女は一瞬女の子がしてはいけない様な顔をしたが、多分気のせいだ】

「ご、ごゆっくりいいいいいいいいいい!!」

【セーラー服の少女は即座に部屋から退出】

「しょ、翔子ちゃんッ!!!!」

【そこでようやく冷静になり】

「……」
「……氷嚢持ってくるの、だよ」

【氷嚢を取りに医務室へ】
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
http://ex14.vip2ch.com/part4vip/

ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
未央「リーナ・・・そういうとこだよ?」 @ 2018/04/14(土) 16:23:27.39 ID:x/9Jxc4d0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523690607/

男「え、俺が糖尿病!?」 @ 2018/04/14(土) 16:12:20.72 ID:JdUGgGMU0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523689940/

【安価】桃子「桃子、ベテランなんだから>>5だってできるよ?」 @ 2018/04/14(土) 16:04:16.22 ID:spCRmi6n0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523689455/

【艦これ】卯月「エイプリルフールだぴょん!」 @ 2018/04/14(土) 15:45:37.88 ID:LiqgnGF20
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523688337/

ブレイド&IS<インフィニット・ストラトス> 特別編 ブレイドVSブレイド @ 2018/04/14(土) 13:46:34.85 ID:Uwon2gL/0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523681194/

梅雨が来るまで旅にでるっちゅう @ 2018/04/14(土) 12:50:17.56 ID:oPQLybVfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1523677817/

【安価】「いつか勇者のように」 @ 2018/04/14(土) 12:24:38.72 ID:rjZHwXfL0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523676278/

桃華「Pちゃま、13日の金曜日ってなんですの?」 @ 2018/04/14(土) 11:39:29.72 ID:pwF4gSS50
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523673569/



VIPサービスの新スレ報告ボットはじめました http://twitter.com/ex14bot/
管理人もやってます http://twitter.com/aramaki_vip2ch/
Powered By VIPService http://vip2ch.com/

1399.45 KB   

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)