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【君の意思に反してもいい】能力者スレ【一緒に居たいそれだけ】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/24(日) 19:48:28.87 ID:cT0FUKl60
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

この世界は「多様性のある世界」です。
完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
コテハン「推奨」です!
基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
スレチなネタは程々に。
スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

 勝手に世界を氷河期などにはしないように。

能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1526906672/
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
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俺「俺が買った製品の強度が偽装されてただって!?」 @ 2018/10/23(火) 01:00:26.07 ID:tvG5fBuZ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1540224025/

スライサー「もう肉なんか切りたくない!!」 @ 2018/10/22(月) 22:41:24.58 ID:2heYXViIO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1540215684/

Rに移転されるバグがあるらしいんだが @ 2018/10/22(月) 22:29:21.68 ID:5ex94c59O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1540214961/

【避難所】VIP発の仮想通貨『VIPS』作ったったwwwwwwww @ 2018/10/22(月) 21:35:51.53 ID:ywpVB0yJO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1540211751/

Bring Me To Life ! @ 2018/10/22(月) 20:21:21.78 ID:jNHR1uEc0
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ハゲの小部屋 @ 2018/10/22(月) 16:50:02.26 ID:zWZGWEMto
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1540194602/

てす @ 2018/10/22(月) 12:10:00.27 ID:9p4yWo1/O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1540177800/

=^・ω・^= ぬこ神社 Part88《ぬこみくじ・猫育成ゲーム》 @ 2018/10/22(月) 11:56:43.23 ID:LtqFsu0DO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1540177003/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/06/24(日) 20:06:02.70 ID:YzI2IbgY0
>>1乙です
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/25(月) 23:56:07.79 ID:2e/Taryfo
>>1000

【── イルの心が初めて、大きく揺らされた気がした。貴女の真っ直ぐな言葉が、こんなにも重くて】
【スグに返答は出なかった。自分の話なんて、誰かに語るような存在じゃなかったから】
【、でも、聞いて欲しかった。貴女だけには、伝えたかった──】


……ボクはね、"病魔" なんだ。病を司る、悪い、悪い悪魔の一種で、
だから、悪魔の中でも飛び切り嫌われてて、親しい相手なんか、居なかったんだ
別に気にもなんなかったよ、ボク、強かったし、それに、興味も無かったから

ただ、そういう風に生まれたから、そういう風に病を広めて、そしたらニンゲン達もボクを嫌って
でもさ、でも、ニンゲンだけなんだよね、他の動物は皆、ボクを受け入れるのに
ニンゲンだけが病を受け入れない、だから節操なく数が増えて、自分達同士で殺し合うんだ

──、だからボクはニンゲンが嫌い。最初にアイツらが、自然の摂理に反したから

……それでね、あるニンゲンに捕まった時、別の遺伝子を組み込まれて、それが "スナーク"
スナークっていうのは、不条理の存在、病気っていうのも不条理だから、親和性が高くて
こうしてボクは神様になったけど、神格は──、まだ病魔のままだから


【一息で話しきって、彼女は貴女を見つめ直す、不揃いの瞳が美しかった】
【もう一度強く抱きしめる、その確かな温もりをその身に確かめるように】
【乱れた髪を治すこともせず、ただただ、真っ直ぐに】


だからね、だから──、意識だけになった鈴ちゃんにも、中々会えないから
ボクは不完全な神様で、不完全な悪魔で、不完全な、不完全で──
心の底から、── 憎いよ、憎いんだ……あんなに恵まれた、ニンゲン達が、醜く争うのが

……鈴ちゃん、ボクは、殺すよ。それが一番だって、信じてるから
病に与えられた役目はそれしかないんだ、癒すことも、治すこともできない、
ただ殺すこと、それだけしか、できないから


【──、彼女の身体が透けていく、目覚める前の熱量に似て】
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 00:34:32.98 ID:urTboWJm0
>>3

【それでもきっと少女は相手の言葉を待つんだろう、相手が言えるような気がするまで。気がしたって言えなかったならもうちょっと待てた、そのうえで】
【やっぱり今日はやめようって言われたならそれでもよかった。――だけれど話してくれるならきっと少女は相手の言葉を聞くんだろう、じいっと、黙ったまま】
【――その代わりに、きゅっと抱きしめたままの手。やさしくやさしく触れていた、寝付ける子供にするみたいに、あるいは、傍らの猫を撫でてやるみたいに】

【――――そうやって聞いていた。そうして聞かされるのは――、人間が聞いたならきっと不条理だって言うんだろう。そんなの、お前が、病気が、悪いって。きっと】
【少女の中にだって、病気は怖いと言う認識がある。病気になったら病院に行かなくちゃ、と思う。――病院は怖いから行かない。でも。そうやって、思ってしまうんだから】
【だからそれはきっと相手がうんと嫌いな考え方のはずだった。――だけれど同時にもう一つ思うのがあって、そう思ってしまう気持ちは、きっと相手が気づかせてくれたもの】

【――――――――――在り様、"そう在る"ことを否定される気持ち。思い出したなら悲しくなる、――悲しかった、すごく、すごく、存在がぼろぼろになるほど傷ついた】
【神様だったんだって言っているのに信じてくれない。そんなのどうかしてるってただひたすらに否定される。それでいいよって言ってもらいたかった、それでも――って】
【競走馬が心臓が破裂してるのに走り続けちゃうみたいに。自分が死んでいるのに気づいて死んでしまったのに「なんでまだ走らないの?」って言われちゃうみたいに】
【戻れない場所に戻れと言われる。破裂してしまった心臓を誰も心配してくれなくて、――破裂するほど頑張ったのを見ないで、もっと、もっと、って、言われたように思ったなら】

【――少女は相手のような病魔ではないから。きっと全部は分からないし分かってあげられないんだけど】
【――だから、もしかしたなら、こいつ全然分かってないなって思わせちゃうかもしれないんだけど。言葉は祟り神なんて嘘みたいにまっすぐだから、】

――――――――イルちゃん、あのね、あのねっ――、……わたし、ね、わたし。――、人間が、よかった、でも、人間じゃん、なかった、ずっと、――、
ずっと、ね、気づかなかったの、しらなかったの。違うって分かってるのに、でも、知らなかったの、――信じてたかったの、わたしが、――ヒトだって、
そんなはず、ないよね? ――そんなはずないの、ないけど。でも、……でも、まだ、大人になりたいって、みんなみたいに、したい、って、でも、――でも、

なれないの。なれないよ。でも。――――でも、諦められなくて。わかってるのに。違うって。……そしたら、間違いだったって、いわれて――、

……わたし、ね、――イルちゃん、すきだよ、不完全って、――そんなこと、いわないでほしいの、――――ヤなの、そんなの、
だって、――だって、イルちゃんはね、ころしてくれたの、わたしを、……、…………わたしは違うって教えてくれたの、……イルちゃん、なんだよ、だから――――。

――――――そんなふうに、言わないで、イルちゃん、イルちゃん……。

【ぎゅうっと縋るみたいに抱き着く、真っ白の指先で相手の背中を引っ掻いてしまいそうなくらいだった、めいっぱい力を込めても、まだ、足りない気がして】
【どれくらい力を入れたなら相手は安心してくれるんだか分からなかった。お互いの身体一つになってしまえばいいのにと願ってしまいそうだった、そしたら、そうしたなら】
【世界に拡がるものが蛇でなくて病だったなら、相手は笑ってくれるだろうか。そんな言葉で自分を傷つけることなく、――そうだと言われるなら、そうなってしまいたかった】
【――なんでもないナニカを殺してくれた。そうして定義づけてくれた。今はうんと遠いけど、身体を見つけてくれるって言ってくれた。そしたら、一緒に、居られるから】

【最初の出来事にきっかけなんてほとんどなかったのかもしれない、でも、水たまりから出してもらった羽虫みたいに、蜘蛛の巣から助けてもらった蝶々みたいに】
【一つの間違いから生まれた歪みを直すためにとんでもないことになってしまったけど。――それでも、それは、この少女にとっては必要なことであったなら】

――――イルちゃん。イルちゃん。……あのね、あのね、――、宝玉。あげる。イルちゃんに。…………そしたら、笑ってくれる――?

【遠くに居る自分のままではどうしようもないんだけど。"それ"がイルにとって必要なことであるなら、――だって、笑って、ほしいから】
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/26(火) 00:43:37.13 ID:aWbaXUZEo
>>4

【──、そうだった。この子は、この子は──、世界が滅びる危機になっても、この子は】
【誰よりも優しく、誰よりも尊く、そうあってくれるのだから】
【彼女がどんなに不条理でも、間違っていても、貴女は肯定してくれるから】


っ……ボクも、ボクも、……好き、鈴ちゃんの事が、大好き──
ボクはわがままで、自分勝手で、誰も、誰も、ボクのこと大切にしてくれなかったけど
鈴ちゃんは、どんな目にあっても、どんな風になっても、ボクを信じてくれたんだ

嬉しいな、嬉しい……嬉しいよ、ボクは、キミと会えて、心から幸せで
鈴ちゃんが居てくれたから、ボクは……全部が全部、虚構じゃなくなったから
──、だからね、取り戻しに行かなきゃ、鈴ちゃんを


【時間切れを告げるように彼女の姿が消えていく、それは予め決められたながれのように】
【彼女には意識だけの存在になる道理がないから、故に誰かの手を借りて】
【それも長くはなかった、神に長く触れている事は、誰にも許されないから】


────、うん、欲しい。ボクは鈴ちゃんを取り戻すためなら何だって使う
でもね、その後は違うよ、そんなものなくたって、ボクは
キミの為なら、いつでも笑ってあげるから


【真っ直ぐな微笑みが貴方に向いて、そうしたらそれが十分って告げるように】
【泡沫の如く消えてしまうだろう、宝玉を渡すぐらいの時間しかなくても】
【──、願えばそれが果たせるぐらいに、今の貴方は何でもできるから】
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 01:06:43.45 ID:urTboWJm0
>>5

【――――少女は蛇の神の血を引いていた。そしてその蛇は氾濫を司って、とてもとても「たくさん」だなんて言えないけど、いくらかの人間の人生を真っ新にしてきた】
【だからその神の血を引く少女は、氾濫の先の出来事を司る、――ための小さな種みたいなものを持っていた。それを振るったことはなくて、その奇跡を使ったことはなくて】
【なら、それは、まだうんと小さな種。けれどそういう素質は持っていた。――氾濫の後には土地が肥える。だから、破滅の後に恵みを齎す、そんな、奇跡の欠片】

【――ひとりの人間が神様に変貌してしまうくらいの憎しみの後に、それでもなお子供たちに手を伸ばそうとしたことも、だから、限りなく必然性に則って】

イルちゃん――、イルちゃん、ね、わがままじゃない、よ、――こんなところまで、来てくれたの。だからね、わたしのほうが、わがままで……、
人間じゃないのに。違うのに。戻れないのに。なりたい、って、泣いて、喚いて、――、ずっとずっとそうしてた、それをね、教えて、くれて、

――――だからね、待ってる、ね、……、そうしたら、また、眠たくなるまで、お話、聞かせて――、

【――どこか申し訳ない顔をしていた。ひどく引け目を感じている顔をしていた。だけど自分じゃどうしようもなくて、拡散する自分を扱うすべもよく知らないなら】
【これからちょっとずつ練習するんだと思う、――そんなの"練習"だなんてとびきりにおかしいんだけど。でも、多分、――赤ちゃんが少しずつ這って、歩いて、走れるように】
【生まれたてだから。――うんと甘えることに決める、みたいに。ちっちゃく笑う、――ここじゃあ少し短すぎるから、と、透け行く姿に、ひどく悲し気な目を向けて】

――ありがとう、

【けれど、その表情が柔らかく綻ぶのだろう。――相手の言葉に至極嬉しそうにしたなら、小さな声、えっと、って、ちょっと戸惑うように】
【どうしようって思ったみたいだった。ここにはない。現実にある。――けれど巡らしてみたなら、分かるのだ。どうしたらいいのか、でもそれは、一つの奇跡に似て】
【――その宝玉は一度彼女の祖先である蛇神を取り込んだことがあった。その後に蛇神の概念は取り出されているけど、"縁"が残っていたから、それに、】
【彼女の中には何よりその一度取り込まれた蛇神そのものが含まれていた。――だから少女は"引っ張り出せる"。その縁を辿って。――桜色の宝玉は、彼女の色合いに似通うなら】

【かつては赤い宝玉だった。けれど真っ白い蛇神を取り込んだことがなら、その性質は変質していた。氾濫の力――それを宿すようになっていて】
【"あふれる"。それが水であれ、感情であれ、知識であれ、愛であれ、元気であれ――なんでもかんでも"あふれる"という現象を引き起こす。あるいは、本来そうならないものでも】
【言いようによっては"限界を超えてどうにかさせる"性質でもあった。――そんな力を宿す宝玉をあっさりと手渡す、誰かはそれを悪夢だ、って言うのかもしれないけれど】

【――――大好きな女の子に笑ってほしいから。理由なんてたったのそれだけで、そしてそれを誰にも否定されたくなんて、ないから】
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/26(火) 01:12:16.58 ID:aWbaXUZEo
>>6

【世界を滅ぼす純愛なんて三文オペラよりも始末が悪い、それでも演者は真剣に演じてみせるから】
【それは紛うことなきグランギニョル、荒唐無稽なジャーロでしか無かったけど】
【──、それで十分だから、貴方と互いに染めて行く二人だけの物語】


鈴ちゃん、── 鈴ちゃん、あのね、……ボク、ほんとは────


【手が伸びて、その宝玉を受け取ったなら、彼女の姿は消える】
【コンセントを根元から引っこ抜かれたように、その姿は忽然と消えてしまって】
【また貴方は孤独になる、恐怖を糧に顕現できるけど、それを望むかは分からなくて】

【流転する物語の静かな凪に、二人の少女の名残を浸して──】

/お疲れ様でした!
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 01:25:50.72 ID:urTboWJm0
>>7

【――――――ぷつん、と、相手の姿が消える。何を言おうとしていたのかは今更辿れなくて、そして、少女の形を誰も定義すること、なくなったなら】
【きっと少女の姿もまた消えるのだろう。けれどそれを見ている人だなんてどこにも居ないから、それは誰にも分からない。あるいはまだそこに居ることさえ、証明されず】
【だからこそ少女は自身を認識した人に寄り添い続ける。窓の隙間から覗き込む目を、布団から飛び出た足を撫でる手の存在を、誰も、彼も、一瞬は疑ってしまうように】

【――そこに居ることも居ないことも否定させない。ムラサキカガミって単語を二十歳まで覚えていたらいけないという呪いに、逸話の知識はあんまり関係ないなら】
【知ってしまった"誰か"が何を知っていても関係なかった。何も知らなくっても、関係なかった。ただ知っていたらいい、そうしたら、彼女は、寄り添えるから】

【蛇のことを考えている誰かを後ろからじーっと見ているから】

/おつかれさまでした!
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 14:02:25.71 ID:urTboWJm0
【――――水の国のとある病院だった、部屋はきっと割と高層階で、後ろ暗い人や何かから隠れたい人が世話になっているような区画】
【であれば立ち入るのにもある程度の苦労を必要とするのだろうか。それでも関係な人々というのはわりに一定数居るのなら】
【時々廊下から誰か――汚職をした政治家の秘書とか――の電話する声が聞こえて来ることもある。誰もそんな出来事に詮索なんて、しないんだけれど】

――――――、

【――ざあと涼しい風が部屋の中に導かれていた。開けられた窓には薄いレースのカーテンだけが掛けられて、太陽の光と夏の気配の風が、吹き込んでくる】
【それでもまだ窓を閉めて冷房でもかけていたほうがマシという温度ではないならば快いのだろう、少なくともこの数時間に満たない間は、こうであったから】

【――――午前中のリハビリ。そのあとに食事を済ましたなら、今日はもうすることがなかった。常であればいつも居る女性――アリア――も、仕事か何かで出ていたなら】
【透き通るような藤色の髪の少女はうんと広いベッドを独り占めして、きっと眠っているのだろう。差し込む光そのものはどこか鬱陶しかったみたいに、枕に顔を埋めてしまって】
【ときどきその毛先が吹き込んだ風によって揺らされている、――――ふっくら豊かな胸元が押し潰れたなら少し痛いのか、傷のない左手をワンクッション、身体と布団に挟み】
【痛々しく治療の痕が目立つ右足と右手は無意識に散らしたまま。真っ白い掛布団は薄手のものであったから、その端っこを、ひらひら、時々風に捲られそうになる】

【――それでもこんな場所に居るのなら一般人の少女ではなかった。ありえなかった。身体に敷かれてしまっているんだけど、その左の手には鮮やかなまでに蛇の入れ墨が刻まれて】
【そうしてその手首には簡易的ながらも能力を封じ込むための腕輪がはめ込まれている。――――蜜姫かえで。あるいはムリフェン】

【囚われたと呼ぶには、あんまりに、静かだった。窓すらも開けられる病室に居る、ということは、逃げ出す意思もないという証拠に似て】
【能力を封じられているから、あるいは適切に処置されているとはいえ重症を負っているから、――いろんな理由はあったけれど。室内に据え置かれたテレビの画面が割れていたなら】
【――――あるいは宙ぶらりんになってしまったみたいに見えるのかもしれなかった。長い睫毛が瞼を縁取って、起こしたなら、いつだって、すぐに起きてしまいそうに】
10 :リベル=アシェル&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/26(火) 14:06:18.93 ID:lP46o8Xy0
>>前617

{造る、ね……あたしたちには、そこまでの力はないかな。世界の気まぐれさんで、吹き飛ばされちゃったようなもんだし、ねぇ?}
<――――私たちの同盟は、結局目的が達成されれば、消えるものです。硬直化する事も、視野に入れてでも――――強固にするのは、ありではないですか――――?>
「初めから、永続はできない、永続はしないが前提ってか……まぁ、無い訳じゃないだろうけどよ……」

【――――厳密な事を言ってしまえば、ランドとルヴァは既に死人である。彼らには、自分たちの未来と言うものが存在しない】
【そしてラベンダァイスは――――こんなパーソナリティだ。そこには、未来は「ただの時間経過」以上の感慨はないのだろう】
【この場で、『未来』に意味を呼び出す事ができるのは、リベルだけの様だった】

「なんせ、どう状況が変わったのかも、良く分からねぇからな……まぁ、憂いが取り除かれたってんなら、また変容するのも良いと思うぜ?」
そうですね……あの人たちは、きっと……その「もう1人の仲間」さんが、上手くやってくれると思います……

【状況に応じて、やり方は違う。直面している状況と言うものが、彼らには良く分かっていなかった。問題点を洗い出す事ができれば、それに対処する事はできる】
【それをやるのは、問題点を肌で感じて、今の状況に真っ直ぐ身を置いている当事者たちの仕事だろう】
【下にぶら下がる形の「水面下の戦力」は、今はただ、そういう存在としての情報だけを仄めかし――――】

<――――もう、知りませんあんな人は。次に、目の前に現れたら容赦はしない――――それが、私の偽らざる気持ちです>

【鈴音に対するスタンス、互いが互いを裏切らなければそれでいい――――そう言い切った手前、ラベンダァイスは心情を吐露する】
【もう、言葉も届かない。もう、気持ちも繋がらない。ただ、敵である事だけが残る――――しかも、彼女自身の意志によって】
【そんな人間相手に、憐憫や未練など、抱きたくもない。一瞬、空気をかき乱す魔力がその身体から漏れ出た】

あ、はい……こちらは、まぁUTに顔を出してもらえば、会う機会はあると思いますので……
<――――これが、例のネットワーク以外の、連絡手段ですか。――――分かりました。こちらも、出来るだけのアクションは起こしてみます>
「大丈夫さ。そこら辺の塩梅は……人間じゃなくなるまで戦いやってたって自負もある、上手い事コントロールさせてみるよ」
{そっちこそ、単独で深みにハマり過ぎたり、しないようにねぇ?}

【そうして受け取る、ロッソの連絡先。より一層、彼女たちは仲間の輪に近いところまで交わった】
【仲間の姿は、明確に見え始めている。それを反射の様に用いて、敵の姿も照らせれば良いのだが――――】

ぇ……は、はい! それじゃああの、お気をつけて――――
「……妙に急いで飛び出してったな……なんだあれ――――っ、もしかして……!」
<――――それみたいですね。いい気になった狂犬たちが、また自分勝手な事を――――ッ!>
{ま……それは彼の戦いよぉ。あの様子なら、上手くやるでしょ……今は行きましょう、あたしたちは……}

【その別れは、象徴的なものだった。事態は、常に油断ならず、そして刻一刻と変化する、と言う事の】
【戦いは、今や始まりも終わりもない次元へと突入しようとしている。そこに踏み入る覚悟を、もう1度突き付けられた気がして――――】

/遅くなりましたが、お疲れさまでしたー!
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/26(火) 14:19:05.73 ID:aWbaXUZEo
>>9

【コマ送りのパノラマ、反転する前のモノクロームに似た、無声映画の風情を残して】
【蜜姫かえでは目を覚ますだろう。── 悪夢に魘されて目覚めたみたいに、熱帯夜に感じる寝づらさに似て】
【ベッドから顔を起こし、水でも飲もうかなんて、周囲を見渡したなら】




【──、扉が開いていた。ほんの少しだけ、注意して見ないと分からない程の、隙間】




【そんな意識の狭間に顔を覗かせる様に】




── やはり此処に居ましたか。悪くない判断ですが、病院という場所はあまりおすすめしません。
私という存在と親和性の高い場所ですから、だこらこそ容易に貴女を見つける事が出来る、
見舞いに来るのが遅れてしまい申し訳ございません、直ぐにでも来たかったのですが

私も探らなければならない、ウヌクアルハイ──、最早様を付けるような存在でも、ないのですが

その結果がハッキリしたからこそ、今貴方に会いに来たのです



お元気でしたか、ムリフェン、私は貴方の側にいつでもいるのですから



【ベッドに腰掛ける様にして、白いシャツに長い黒髪の男、ジャ=ロが出現する、何処までも優しい音色を携えて】
【かつて、と大きく変容してはいなかった。彼は変わらず、落ち着いたトーンで貴方に話しかける】
【水浴びをする女神然とした、一種の神々しさを携えながら、彼は貴女を見つめる】
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 14:36:11.36 ID:urTboWJm0
>>11

【――――枕に埋めた瞼がぴくりと震えた。わずかに吐息を詰まらすように目を開けたなら、鮮やかなマゼンタ色が、けれど眠たげに燻る】
【理由の分からない目覚めは時としてあるものだろう。まして重大な怪我を負っているのなら。その心のどこかに、どうしようもない引け目が常に渦巻くなら】
【自分はどこに居たらいいのか。自分は何をしたらいいのか。戻らないといけない。――だけどどこに。――――――ひどく喉が渇いているような気がして】

っ――、――、ん、う、――っ、は、……ふ。

【身体を起こす――、そうしてベッドサイドに置かれているはずの水差しを視線が探す。そうしてその途中でふっと気づいた、あるいは、気づくのを強いられたみたいに】
【「あれ――」とまだかすかにぼやけた声が、呟くのだ。閉めた方がいいだろうかとゆるく考える。そのことで何か、匿われている人に変に迷惑をかけても、と思ったのは】
【気まぐれだったのかもしれない、あるいは、思ったよりはそういうのを気にする性質なのかもしれない。――――だけれどそんなのはきっとどうでもいいことだから】

――――――ッ、あ、

【――短くしてしまった髪をかき上げて、ベッドから出ようとする。手に比べて足はまだ動かせたから、それくらいなら、――と、きっと、考えるよりも無意識に】
【そうしたならその眼前に見つけ出す。あるいはこの瞬間に現れたように、あるいはほんとはずうっとそこで待っていたみたいに、見知った存在を、見つけて】
【掠れているのは寝起きであるだけでは済まないだろう。乾いた喉をひりつかせて――漏れる吐息が、最後に小さく小さく、鋭い声を鳴らしたなら】

っ、あ、――、……、っ、

【――そうしたら、きっと、少女は泣いてしまいそうな顔をするんだろう。冷たげな造形は、けれど、本当はどこかに甘さを隠すなら、彼女はきっと思われるより強くない】
【だからそれはきっと安堵とかに似ていた。安堵。だけれど限りない引け目。――というよりも、何をどうしたらいいか分かっていない迷い子の目に似て、彼を見る】
【であれど何を尋ねるべきなのかは、まだ、出てこないみたいだった。――きっと彼女自身が状況を把握しきれていないのだろう、あの日、彼女はあの街を出た記憶すら、ない】

【ゆえに結果を見届けることなく。何も知らないまま。――ここに実質的に軟禁されている。テレビが壊れているのはきっと彼女がやったんだろう、情報源は何もない】
【しいて言えば――自分をここに連れてきて閉じ込めた人物から、いくらか、その結末を聞き及んでいるだけだ。――ゆえに、だから、彼女は、何にも知らなかった】
【迷い子の目が相手を見つめていた、――どこか心の折れてしまったような/折られてしまったような目が、泣いてしまいそうに何度か、何度も、何度となく、瞬いて】
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/26(火) 14:49:23.14 ID:aWbaXUZEo
>>12

【彼は自然体で両手を下ろし、軽く膝の下で組んでいた。── 伸びたシャツの裾をシーツと同化させて】
【困惑と安堵と、入り交じった表情を見せる貴女へとゆっくりと笑みを注ぐのだろう】
【── それはどれだけ進んでもオフィウクスのそれであった。第一の信徒たる、貴女に向けた】


貴女が今の現状をどう理解しているかは知らない、だからこそ私は全てを語らねばなりません。
オフィウクスは私と貴女を除き全滅です。ポステリオル、マルフィク、サビク──、彼らは殉教を遂げ、
プリオルとラサルハグェは離反しました。── 元より彼女達に信仰の期待などしていませんでしたが

今サーペント・カルトに残っているのは、私と貴女の二人、そして十把一絡げのサーバント達
頭を失った蛇が生きていけるでしょうか、それは最早無為に付け足された足に変わらず
それならば私は、けりをつけなければならない、── 私は使い終えた道具をそのままにしないのです


【語りかける口調は優しく、時折貴女の顔色を伺うように視線を向けるだけで】


後始末をしなければいけません、私の描いた夢の跡を、確かに示す為に
サーペント・カルトの残党は、最早世界に不要なのです。それは誰から見てもそうでしょう
テレビを消したのは賢明な判断ですね。いつ何時、私達の行いが白日の元に晒されるかは分からない

だこらこそ私が始末を付けます、それがせめてもの慈悲なのですから


【────、纏う雰囲気が、変わる。暗澹とした雲を想起させる】
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 15:14:17.35 ID:urTboWJm0
>>13

【――少しの時間をおいて、彼女は中途半端に起こした身体をきちり、と、起こすのだろう。薄手の掛布団が雪崩れて、その足元にとどまったなら】
【当然きついはずのない病院着の襟元がわずかに緩んでいた、ノンワイヤーの下着の紐と真っ白な胸元をかすかに覗かせるのだろう、きゅう、と、左の指先で布地を掴んで】

――――っ、私、……は、いま、何も知りません、ですが、……あの日に。彼らが導かれたことは、知っています、……、本当。だったのですね。
……離反。そう、なの、ですね、……――、プリオル。さん、とは、……お会いしたことがありませんでしたが。ラサルハグェさんも、――ですか。

【喉がひどく乾いていた。さっきまでよりもひどい渇きを感じた、今すぐにも何か飲みたいくらいに、喉の粘膜という粘膜がひび割れているように感じられて】
【であれば言葉はひどく探るように、伺うように、――あるいはそういう風にしゃべるからそう思えるし思わせるのかもしれなかった。表情を深い感情で染めても足りず】
【聞かされた名の中でポステリオルとプリオルについては、ほぼ全く面識がない。そのうえで他の人物は少なくとも直接対面したことがあった、――わずかに目を細めたなら】
【何かがわずかに引っ掛かったように見えて、――優し気な口調。けれど不穏に感じるのは自分の状況のせいだろうか。ふとしたときに絶望に苛まれるような――】

――――――――、……ごめんなさい。少しいいですか。何か飲みたくて。

【――頭痛を感じた気がして、なら、少女はそうやって相手に申し出るのだろう。ほんの少しの間だけ時間が欲しい、と求めて】
【許されるならベッドサイドのテーブルに置かれたままの常温よりも常温に近しい水をいくらか飲むだろう、――あるいは、不明瞭な気持ちなど押し流してしまおうとするよう】

始末。……。――、――ひとつ、お伺いしてもいいでしょうか。――テレビ、は、見てないです。あんまりにも。"くだらない"。
――だけれど、テレビも、――私をここに連れて来た人間も、知らぬことがある、はずで、――、――――――。

――――――――ウヌクアルハイ様は、どうされてしまったの?

【許されなかったとしても、彼女の行動は変わらない。相手の言葉を聞いて、――確かにひどく不愉快色に表情を染め上げた、テレビ、について、触れたとき】
【行動もまた――あんなものはと言い捨てるように首を小さく揺らす。――でも、それはどうしようもない事実だった。この場所に居る少女は、それら以外の情報源を持たないから】
【――ぽつりぽつりと怯える足取りは雪山でクレバスを探し出そうとするのに似て。けれど最後に勇気を出したなら、いっとう大きく、踏み込む】

【始末。慈悲――。外の快晴など幻であるかのように広がる暗澹とした色合いに、少女は、ぎゅうと唇を噛むのだろう、でも、聞かずにはいられない】
【もはやそう呼ぶ必要さえないと言った言葉を無視するように。――ひどく泣いてしまいそうな目をした、きっと、きっと、彼女にとっては一番大事なことだったから】
【侵入者の排除に失敗して。ましてその人間に救われ。能力を封じられ。ただここに居て。情報を知る手段もなく。――その結果を知ることも出来ないままだったなら】

【――――彼が"終わった"ものに向ける言葉を発するたびに、ぎりぎりと締めあげられるように心が痛んだ。泣いてしまいたかった、でも、祈るのをやめられなくて】
【――良い言葉なんて帰ってこないと予感していた。きっと確信すらしていた。それでも尋ねないままではいられなくて、――張り裂けてしまいそうになりながら】
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/26(火) 15:29:58.64 ID:aWbaXUZEo
>>14

【初夏の日差しであった。注ぎ込む陽光が僅かな暑苦しさを覚えるぐらいの温度に】
【水を飲みたいと言うのなら柔和な笑顔を向け、それを許可するだろう、娘に対する父の眼差し】
【──、或いは、そう、或いは、慈悲にも似ていた。終わりを迎える前の、ささやかな御祝いに近い】


ウヌクアルハイ様は顕現されました、貴女達の尊い犠牲を以て、貴女達の神は降臨したのです。
けれども、ええ、しかし、私は "けれども" と形容しなければならない、それは私達の望んだ神とは、違う。
ウヌクアルハイ様は、何処までも繊細な神格です、あの儀式の際、僅かな誤差が生まれたのです。

──、成功する筈でした。もしあの場に、オフィウクスがあと一人でも居たならば、高い信仰心を持つ信徒が居たならば
ウヌクアルハイ様は別離の願いに誘われて、その慈悲深い姿を変えました、その点で言えば、違う──
ええ、貴女達の信奉していた、ウヌクアルハイ様とは似て非なる存在に、生まれ落ちてしまった


【── 言葉の端に少しばかりの無念が見えた。今までの彼とは大きく違って】
【それでも苛立ちをぶつける様なことはせず、淡々と語る今の現状を】
【かえでにはどの様に映るのだうか。それは確かな、絶望を示すのだろうか】


故に私はこのウヌクアルハイ様を書き換えなければならないのです、私の信じた神に近づく様に、と
貴女達が教えてくれました、信仰心は時に、深く確かな奇跡を生むのだと
そうして生じた光を希望と呼び、貴女達は育んできたのでしょう?

── そうです、それを目の前にして、私は漸く理解したのです
ただ、盲目的に信じる、そんな無垢の祈りこそが、神を作るのだと
やり直さなければいけない。もう一度、今度はきっと、大丈夫です
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 15:59:23.45 ID:urTboWJm0
>>15

【――そうして少女はほんの少しだけ冷たい水を飲む。コップの半分以上、一息で飲み込んだなら、吐き戻したがるような震える吐息を抑え込んで】
【右の手をあまり動かそうとしなかった。右足も同じ。命に別状はないが明確に傷ついているのを予感させた、――服に隠された胸元も、ひどく傷だらけなら】
【それでもそれにしたって、弱すぎた。躊躇った表情をしすぎた。真っ白かった色合いが誰かにどこか染められてしまったように、不完全な純白を示して、斑な色合い】

――――っ、それじゃあ、

【だからこそ、少女はその一瞬、ひどく嬉しげな顔をするのだろう。どこかにほんの少しだけあどけなさを残す顔立ちを、鮮やかに】
【サーペント・カルトそのものは壊滅したと聞かされていた。幹部も三人死んだと。――儀式すら失敗したと聞かされていた。それらの情報に彼が肉付けたなら】
【――サーペント・カルトは本当に壊滅している。幹部は三人死んで、それどころか、二人が離反。――――それでも、それでも、と、どこか安堵しかけた色合いを】
【彼の続けた言葉が閉ざした。――"けれども"という言葉は善い言葉に続かないと知っている。知っていた。知ってしまっていたから。表情が褪せる、凍り付くよう】

え――――――、

【そうして実際に、凍り付く。権限した。けれども。違うものになってしまった。変質してしまった。伝えられる言葉に凍り付いて、そして】
【幹部がもう一人でもいたなら。高い信仰を宿す信徒が誰か居たなら。――きっとひどく蒼褪めてしまうんだろう、真っ白のはだ、余計に、余計に、消えてしまいそうなほど】
【死んだ幹部は――同じく侵入者によって殺されたのだろう。離反した二人はその理由さえ知らない。残っているのは自分と彼だけで。儀式の場に最も近かったのは彼だったなら】
【――――心臓をぎゅうと握られるような感覚だった。呼吸が蹴躓いてしまったみたいに不安定になる、ひどいストレスに曝されたときの人間、みたいな顔をして】

――では、――じゃあ、っ、――――ウヌクアルハイ様は、"どう"なってしまわれた、の、――、

――――ケバルライさん。私たちは、……幹部ですら。ウヌクアルハイ様に向ける気持ちは様々でありました、だから、
サーバントであればなおさらでしょう。だから、――分からないです、分かりません、ウヌクアルハイ様は、どのような形になってしまわれたのですか?

――私にとってウヌクアルハイ様は希望であられました。ううん。今でも。今でも私はウヌクアルハイ様を信じています、だれより――何より。
分からないです。分からない――、

【そうして尋ねる。――言葉はさっきと似ていた。けれど今度は、違ったことを聞いている、変質してしまったと言うなら、それは、どんなふうに?】
【――まして蛇教の人間は各々のやり方で神を信じて信仰していた。当然儀式のやりようや祈りの作法などは格式ばっていたけど、それさえ、略式は存在して】
【それを全部ひっくるめて"違う"と称されたならば少女はひどく混乱してしまう、――最後にはみんな蛇を信じていた。けど。そのやり方は、幹部の中でさえ一律ではなかったから】
【であればどんなに"ひどい"のか。怯えてしまう、――それ以上に優しく冷たく嘘みたいに甘い毒に浸されたなら、あんなに強かったはずの自分を、見失ったみたいに】
【顔を手のひらで覆い隠すようにして身体に膝を寄せる、――違えてしまった。だからやり直す。簡単なはずの言葉なのに、それさえ、ひどく難しく聞こえるなら】

【小さな子供みたいに呻くのだろう、――であればそれは全く異なる思考に触れてしまった証拠でもあった、それは邪教の徒に犯された聖女に似て、吐息が、悲鳴に似ている】
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/26(火) 16:10:02.60 ID:aWbaXUZEo
>>16

【どうなってしまったのか、という問いに対し、彼は言葉を少しだけ言い淀んだ】
【それはある種の慈悲であり、また同種の懸念があったが故の行為とも言える】
【──、彼が口に出してしまえば、余計にウヌクアルハイは、"そう" なってしまうから】

【ほんの僅かな時間の逡巡。シナプスが語るのは、欠片よりも短い合間であったけれど】


ただの盲目で白痴の神、── それが私の見解です。定義の差はあれど、大きくは変容しないでしょう。
今のウヌクアルハイ様は誰かを救う事も、貴女達を庇護する事も無い、有り余る力の使い方も知らない
小娘の様に泣き喚く、そんな、── 故も知らぬ不死に似た、そんな神格でしかないのです

──、もし、と私は考えます、ええ、歴史にもしなど無いのですが
私はそれでも、そのあったかもしれない未来を思ってしまう、儀式が成功し、ウヌクアルハイ様が顕現されていれば
世界は、そう、世界は──、私の思う形になった事、でしょうに


【手を伸ばして貴女の肩に触れるだろう、少しの慰めであったが、それでも十分に】
【サーバントやオフィウクス達が信じていた偉大な神、それに混ざったある自我が、その全てを変容させた】
【世界を救うだとか、支配するだとか、そんな事を考えない、無邪気な神が──】






【だからこそ、と── 彼は続けた】





貴女の力が必要なのです、ムリフェン。── 私はもう一度、ウヌクアルハイ様を定義し直します
ウヌクアルハイ様のあるべき自我を持つように、あるべき姿に戻るように
その為にはやはり強い信仰心が必要なのです、私の思う姿に、変えてくれる程の

── 第一の信徒、ムリフェン──、貴女の信仰心は、見事でした
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 16:37:39.18 ID:urTboWJm0
>>17

【ひゅう、と、息を詰まらすような音で彼女は一度呼吸した。であればそれはきっと限りない絶望を示した、"だって彼女は救ってほしかったから"】
【救いもしない庇護することがない。その力の振るい方すら知らない。――ざわざわする反面で、仄暗い安堵があった。分かっていながら何度も手首を切るような】
【彼の言葉は少女に"誰か"が呪いへの答えに似ていた。――だから。だから。違うものになってしまったから。"ずれて"しまったからだったんだ、と、生ぬるい悦びに似れば】

――――白神鈴音?

【少女は一時ほの仄暗い悦びに耽ってしまうから、肩に触れられてやっと、世界を思い出す。――それでも言葉は聞いていたのだろう、半ば聞き流すようでありながらも】
【それでもほんの一瞬遅れて、信じた神が"ずれて"しまった理由を記憶の中に辿らせた、――なにせ彼女自身も危惧していたのだ。方向性こそ、違ったものの】
【妄執性の正義に取り憑かれた人間たちの存在。そして彼らが口々に口にする名前。――"白神鈴音"を取り戻すと言った口ぶり、なら、"きっとする"と】
【であれば儀式を妨害されてはいけない。――分かっていた。"そんな風"に妨害されるとまでは、きっと、思っていなかったんだけれど】

【――ぎゅう、と、左手が真っ白い掛け布の端っこを手繰るように握りしめた。ならばきっとその色合いは怒りに似ていた。何に怒っているのかは、――何に、だろう?】
【邪魔されたことであるのか。それとも違ってしまったことであるのか。掛けられた呪いに対抗する言葉を見つけてしまったからだろうか。あるいは、そこに混じった自我に対して】

【元来彼女は"その人格"に特別の興味を抱いていなかった。彼女にとってウヌクアルハイとは様々な蛇神をひとまとめにした存在であり、だからこそ、彼女もここに導かれた】
【その中にどんな神格が含まれているかというのはあんまり関係なかった。冷やし中華にいろいろ乗っかっていても最後は結局冷やし中華って呼ぶみたいに】
【"白神鈴音"の有無によって何かが変わることはない、はずだった。――けれどその結果にずらされてしまったというのなら、それは、ひどく、ひどく、ひどく、】

――そうしたら、そうしたなら、ウヌクアルハイ様は、私たちを、見て、――くださられる?
それでは、――それでは、あまりに、……あんまりに。死した彼らだって、……報われません、――彼らは、私たちは、信じていたのに、

ウヌクアルハイ様は私たちを裏切られたの――? ……ううん、ちがくて、分かっています、――、ウヌクアルハイ様は、裏切ることを、強いられた、
下らぬ妄執に支配された正義を名乗る偽善者たちの行いによって、……、――――――――――――――、

【あるいはどこか失望にも似るのかもしれない。失望。絶望。怒り。そんな言葉は足りないくらいの哀しみが、けれど、余計に一層、正しく会ったなら、と、思わせて】
【それは射幸心を煽るギャンブルに似て。諦められなくするおまじないに似て。うんと鮮やかなマゼンタが見開かれたままでわずかに震える、また、吐息を詰まらせたなら】
【――言葉を詰まらせてしまうんだろう、だってそれはあんまりに、あんまりに、――あんまりに、(帰りたい、と、思わせるから)】
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/26(火) 16:59:12.78 ID:aWbaXUZEo
>>18

【──、しっかりと反応した。その名前を聞いて、ジャ=ロは一瞬だけその素顔を覗かせる】
【諱であった。裏切ったラサルハグェ。最後の最後で彼に手を出さなかった、異端】
【分かっている、── やはり、貴女は素晴らしい、と言い伝えるように】


ああ、ムリフェン。貴女が生き残って良かった、貴女が貴女のままで居てくださって、本当に良かった
全ては貴女の思うがままです。下らぬ偽善者共が、貴方達の神を剽窃したのですから
ならば私達の取る術は一つです。取り戻しましょう、神を、私達の手に

神を再定義する。そのプロトコルは、とても険しく、厄介な道程です。
けれども、生き残った私達ならば、必ず成功出来るでしょう
聡明なる頭脳と、類稀なる信仰心を持つ、貴女に、禁術を託して本当に良かった


【彼は続ける、自分達の計画を、どの様に進めていくかを】


── 白神 鈴音を知る者、現在のウヌクアルハイ様を知る者、それらの抹殺が必要です。
前者は何人かご存知でしょう? 彼らが白神 鈴音の生存を信じている限り、ウヌクアルハイ様は白神 鈴音に縛られます。
故に殺しましょう、その為の術はもう、授けているのですから

そして、後者。── あの儀式の場に居た、全て。彼らもウヌクアルハイ様を間違った形で認識してしまった。
だからこそ除かねばなりません、貴女を拐かしたのも、その中の一人、なのでしょう?

険しい道のりです、けれども、果たさねばならない道理です、から
どうですか、ムリフェン──、貴方しか、頼りにできない


【そう言ってケバルライは手を伸ばした、貴女の手を、握ろうと】
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 17:37:18.60 ID:urTboWJm0
>>19

【――――彼女はその人格を尊重しない。けれどその人格を重要視する人間が多いことは気づいていた。幹部にさえ、混じりこんでいたなら】
【だけれどそれでも構わなかった。――最後に受肉するウヌクアルハイの結果は変わらないはずだった。――変わらないと思っていた、そうやって信じていた】
【だのに現実は違ってしまった。違えてしまった。白神鈴音という人格が尊く気高い神を穢してしまった。そのきっかけを偽善者たちに与えてしまった】
【それは堅牢な城壁に突き出た石ころみたいに思えた。その存在さえなければ。そうしたら、そうしたなら、――思えば思うほどに思い浮かぶのが、何であるのか分からないけど】

――――ウヌクアルハイ様を、再定義する、……?
ウヌクアルハイ様を正しいお姿に戻すことが、出来る? ……、ほんとう、ですか、ほんとうに?
あのような偽善者たちの穢らわしい信仰からウヌクアルハイ様をお救いすることが、……、在るべき我らの神にお戻しすることが、

【自分を抱きしめるようにする。目線はどこか落ち着かなくふらふら揺れて、であれば、冷静でないのは、きっと簡単に見て取れた】
【聞かされた現実はあんまりすぎて。それは限りない裏切りに感じられて。――けれどそれは神による裏切りではなかった、裏切ることを強いられたゆえの、結果であり】
【であれば正しいお姿にて正しい場所にお戻ししなければならない。きっと少女はあんまりにあっさりとのその考えに取り憑かれた、そうじゃないと、あんまりだと】
【そうやって主張するみたいに。――きっと彼の紡ぐ言葉の全部を理解なんてしていなかった、そして、それで、十分だった。彼女にとって大事なことは理解できたなら】

……、はい、知ってます。白神鈴音の仲間を名乗る者もいましたから、――、そうですね、詰問すれば何人かは吐くかもしれないです。
そのような手段を用いずとも、――思考を阻害すれば全部吐き出すでしょう。いくらかはそれで辿れるかと、思います、――、
…………ですが、……白神鈴音は不特定多数の孤児と関わっていたようですから。すぐには――――。

――――――――儀式の場に居たすべて。

【俯いたなら前髪がさらりと顔に枝垂れる、その向こう側のマゼンタはきっとひどく追い詰められた時の色合いをしているのだろう】
【口を隠すように手を添えて。ふらふら揺れる視線はいっぺんにいろんなことを考えている証拠に似て、だから、言葉は、どこか辿りながらに聞こえ】
【――白神鈴音を知っている人間の抹消。ひとまず分かる"仲間"の数人を捕えてみたなら、その人物が知っている限りの仲間内は手繰れるだろう、無秩序よりは楽なはず】
【それでもなお懸念があった。――白神鈴音はあんまりに知られすぎていた。数年前のCM放送はもとより、四年近くも誰と特定しない子供や、客と関わりすぎた】

【――――――けれどやらない/できないとは言わなかった。そんなはずはなかった。少女はそれを"する"人間であったなら】

はい。……ですが、そちらも。どこかの犬だと言っていました。治安系の組織が後ろに居るかと思います。それ以外の人間については、……把握していないです。

【――――ひどい言葉で傷つけられたのだ、とは、言えなかった。だから誑かされたことにしてしまう。ずるかった。――本当は、折れてしまった、一度】
【でもそれが間違いのせいだったなら。ならば間違いは正さないといけない、――そのように醜悪にずれた神様は、正しい形にしなければいけない、じゃないと意味がない】
【伏し目がちの視線が――自分の足をじっと見つめていた。ほかに誰が居たのかは把握していない。けれど、自分の相対した人物は――――、】

【――逆らえる道理がどこにあろうか。その程度には/それほどまでに彼女は蛇のことを信じていた。救われたいと願っていた。そこが居場所だと、認識していた】
【目覚めたなら壊滅を知っても、だからといって信じること、できなかった。――いろいろな状況を鑑みてなお、そうでしかないと認識せざるを得なくても】
【まだ信じていた。信じていたから。――その手を拒むはずはなかった。けれど、それでも、――凍ってしまったように動かない自分の手の意味、辿ることはできなくて】
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 17:47:38.54 ID:2V+Zr8WuO
>>20

【拒まれる手の意味を、彼は混乱だと解釈する。その判断が間違っているとは思わない】
【楔は打った。進むべき道を、彼は何時だって正しく理解するのだから】
【腰掛けていたベッドから降りる、そして少し辺りを見渡して】


── 兎に角今は身体を治すことも大切です。貴女はどうも、無理をし過ぎる傾向にある
例えば今いる安寧の地を直ぐに捨てる必要もありません、バレなければ、嘘は嘘でなくなる
貴女に余裕が出てきたなら、その禊を始めましょう。私も私で、手を打つ事に致します

── あまり、この場に長居はできません、私にとってこの場は親和が過ぎる
そして、ええ、そして、── この様な場所があまり好きでは無いのです
話し過ぎましたね、不思議です。貴方になら何でも打ち明けてしまって良いと、思ってしまう。


【ジャ=ロはそう言って少しずつその身体を虚空に透かしていく、消えていく前に一言】
【思い付いた様に、思い足した様に、その言葉を貴女へと託すのだろう】
【それは祈りで、或いは呪いで、どう形容すべきかに、悩んだけれども】


ニンゲンは己の利害の為に争います、それはどうしようも無い運命なのです。
だからこそ、唯一の例外が、── そう、他の誰かの為に戦う、唯一の例外
それが、信仰です。信仰の為ならば、ニンゲンは、生命を捨てて戦える

── 信じる者は救われる、貴女に神の加護が、あらん事を


【消える背中に迷いは無く、貴女にその先を委ねるのだろう】
【与えられた安寧の地を捨てることさえも、その中にはあった】


/こんな所でしょうか! お疲れ様です!
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/06/26(火) 18:21:23.37 ID:urTboWJm0
>>21

【――――身体じゅうが凍り付いてしまったように冷たかった。だのに燃やされるように熱くも感じて、ならば頭のなかまで、心臓の音が聞こえて来る】
【脈打つたびに血管の挙動までも感じとれた、――そしてそれを抑えるすべが今の彼女にはなかった。ひどい混乱も情動すぎる感情も、彼女はいつも阻害してきたなら】
【張り付いてしまったような喉から震える吐息だけが緩やかに繰り返されているのだろう、――それは決して安らいでいるのではなく、突き詰められた凪に似て】

――――――ッ、ア、――――っ、っ、っっ、

【ならばきっと少女の中でたくさんの呪いがせめぎ合っていた。たくさんの毒虫を壺に詰めてやる儀式みたいに、いくつもの感情、せめぎ合って、殺し合って、蠱毒の様相】
【救われたい。蛇の価値観。信仰。儀式の失敗という現実に。膿を掻き出すように何度も抉られた傷跡に詰め込まれた猛毒の蜜、――そして今告げられた、"本当のこと"】
【絶対的なこととして、少女は相手の言葉を信じるんだろう。それはいまだ消えることない信仰によって運命づけられた思考だった、彼のことば疑わない。けれど】
【同時に仕込まれた呪いがじくじくと傷口を痛ませるのは――それは不敬であった、少女は"彼女"に言われたときに、そうかもしれない、と、思ってしまった】

【――ムリフェン/蜜姫かえではその時神様を確かに疑ってしまったから】

【――――そしてそれが間違いだった。偽善者たちによってもたらされたほんの些細なズレのせいだった、と知ったなら】
【自分がとんでもなく罪深い穢い赦されぬ存在になってしまったように感じて、こんな子は要らないと言われてしまいそうに思えて、でも、だけど、】
【相手は確かに自分を必要としてくれて。それなら戻らないといけない。望まれる場所に。望まれるように。そして今度こそ疑うことなく神を信じて、正しい場所に】
【偽善者たちの手が届くはずもない場所に、――、――――あんまりにたくさんの考えが脳髄を掻き切ってしまいそうだった。頭の真ん中がじりじりと痛んで、泣きたくなる】

【――どうしてその手を自ら取れなかったのかを後悔する。後悔してもしてもしてもしきれなかった、今この瞬間さえ、自分が大嫌いになって】
【赦されたい、その気持ちがうんといっぱいあふれ出したなら、――――でもその時に、きっとすでに彼は居ないんだろう。彼女はその程度には、周りを見ていなかった】
【それでも聞いていた。どこかで冷静な自分が居て、ちゃんと聞いていた。――彼女はずっとそんな風に生きてきた。あるはずのものをないことにして、だから】

【"── 信じる者は救われる、貴女に神の加護が、あらん事を "】

――ッ、っッ、っ、――、あ、ぁ、――――っ、ぁ、――!

【ぎゅうっと自分を抱きしめて。漏れ出る声は悲鳴より悲痛に掠れて誰にも届かない。身体をうんと丸めたならおでこが布団にうずまって】

【――――なら。次にこの部屋を訪れる誰かは見るんだろう、うんとうんと荒らされた部屋。壊せそうなもの片っ端から壊して回ったような、部屋のありさま】
【壁に穴ぼこ、かろうじて破かれていなかったシーツもくっちゃくちゃに投げ捨てられて、一冊置いてあった分厚い本が、薄ぺらい五冊になっていて】
【浴室とかまで行く元気はなかったなら被害は部屋の中だけ。それも特殊な境遇の人間相手の部屋なら、壊せる場所はそれほど多くなくて。でも最後に一つ、彼女が壊そうとしたのは】

【――特殊な魔術鍵でのみ解除される、能力を封印する作用を持った腕輪。本当に無理繰り壊そうとしたのだろう、封じられたうえで、それでも、能力でこじ開けようと】
【そう推測されたし、実際そうであった。再び過度に能力を使用した形跡だけが残されていて、ただ、ほんの一瞬だったのだろう。すぐに気絶して、だから、それ以上の意味はない】
【ただひどく泣きじゃくったような涙の痕と。それでも壊そうとした痕跡と。――――だから何かあったことは分かるんだけど、その"何か"を彼女は絶対に言いやしないから】

/おつかれさまでした!
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/26(火) 22:03:51.07 ID:+V1eyj4S0
【路地裏・袋小路】


「本当に……本当に、それで金を返さなくても……?」

……そうさ。払えない分の労働だと思えばいい。ある"先生"に小包を1つ届けるんだ
スーツでも着てドアをノックすれば、大体の連中は窓を開けて話を聞こうとする。
そのタイミングで渡せ。……そうすりゃ、借金はチャラにしてやるよ

「もし…――もし、失敗したら…、……?」

さあ…――失敗前提の話なんて、考えたくもないね。


【くぐもった話し声。袋小路から一人の男が飛び出してくる】
【20代後半、目元には殴られた痣。小汚い格好で、無精髭が伸びており】
【逃げるように駆ける男の手元には茶色の紙袋が1つばかり】
【それと、胸元には数万単位の札が雑にねじ込まれているのも見えるだろう】


【また一方で、その男に話しかけていた側――何か、指示をしていた側は袋小路に残っている】
【黒い服を着ていて、背は高く。何処か路地裏の闇に溶け込むような人物だった】
24 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/06/26(火) 22:19:55.85 ID:WgbgUGYT0
>>23

【――――去っていった男の気配がなくなってから。残っている男の前に】
【ひょこっと現れる小さな影があった。小さくて細い、ならば女のものだとわかるシルエット】
【黒い髪と暗赤色の瞳。きっと男も知っている色合いだろう、……部下だ、最近やらかした、あいつ】


…………あの、ジル…………で、……あってる? よね?

【恐る恐るといった声色。それで訊ねる、――建物の影から、頭だけ出して身体は出さない】
【怖がっているようだった。怒られるかもって。メールではなんとか大丈夫だったけど】
【実際あったら何言われるかわからない。だけど、無視するのもそれはそれでアレかなあって思って】


【――――露出の少ないワンピース姿。“冒涜者”が、その場に、現れた】


//あってなかったらゴメンナサイ付け加えつつ。
//すみません、当方たぶん日付変わってちょっとしたら持ち越しを頼んでしまうかもですが、絡んで大丈夫でしょうか……?
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/26(火) 22:35:05.95 ID:+V1eyj4S0
>>24

【現れた小さな影、その声色。敵でないことは明らかだった】
【ふらりと一歩そちらへ歩みだしたなら】
【まとっていた闇が晴れるように、男の姿が顕になる】

【黒を基調としたロングコート――ただ、その生地は和服のそれに近く】
【ひらりと揺れる衣服の襟首であったり、袖であったり】
【細部には鴉の黒羽があしらわれた、何処か悪趣味な格好で】
【唯一とも言える符号。栗色の髪はやや長く、オールバックに整えて】


おや、ブラスフェミア。……今日は白衣じゃないんだな
別に隠れなくてもいいじゃないか、折角のワンピース姿なんだ
是非向かい合って話そうじゃないか。


――それとも、俺が怖いか?


【怒っている、わけではない。弄んでいる、わけでもない】
【むしろ何処か楽しげな様子で、隠れながら訊ねかける彼女に返事をした】

【それとなく――心当たりはあるのだろう】
【姿を見せただけで歩み寄りもせず、かと言って黙って脅すでもない】
【そんな姿は、怯える子犬を手懐けようとするかのようだった】

/そのファイナルアンサー…………正解!
/そして持ち越しも大丈夫です、よろしくお願いします!
26 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/06/26(火) 22:43:36.73 ID:WgbgUGYT0
>>25

…………ハイ、正直怖いです。ごめんなさい、……ほんとあれ、迂闊だった。

【しょんぼりした顔で。向かい合って、と言われればすごすご出てくる、ずぶ濡れの子犬のように】
【それで、ちゃんと前から向き合ったなら――開口一番に謝罪が出てくる。メールでもさんざ謝っていたが】
【――――不審な人物を引き入れてしまったことに対して。相当な責任を感じているようだった】

……あの、ほんと、……指とか詰めなくって大丈夫? 怒ってない?
一本くらいならすぐできるよ、……あ、でも、左手薬指はご勘弁願えたら。

…………ね。本当に僕が言うのもなんだけど、
……あんなの引き入れちゃって本当に大丈夫だった? ……なんかずっと怖くて、

【見れば、最早トレードマークみたいになっている目の下のクマが。一層濃くなっているのがわかるだろう】
【不安で寝つきが悪くなる。そんな子供っぽいこと、大真面目にやっているようだった、この女は】
【けれど相手があなたなら。知っていることでもあるだろう、……こいつ、見た目に反して随分幼稚だってこと】

【「…………座っていい? ちょっとしんどい」、言いながら、適当な空き箱でも見つけて腰掛けようとするだろう】
【許可が下りれば。それで項垂れて――でも視線はちゃんと合わせていた。そこの礼儀を欠けるほど、無礼になれない】


//ワーお忙しい中すみません、なるべく軽く早くのお返事心がけます! よろしくおねがいします!
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/26(火) 22:53:55.82 ID:+V1eyj4S0
>>26
>>26

【フ、と男は笑った。――怖がられるような事をしただろうか】
【話を聞きながら、大概の言葉を否定していく】

【怒ってなどいないし、指を詰める必要なんてあるはずもない】
【――と、言った所で人間のイメージというのはそう覆らないものだ】
【正直怖いとまで言われてしまえば、それくらいは仕方がないと表情を緩め】


問題ないさ。怪しい奴なのは間違いないが、問題ないんだ。

……『リスト』は、確かに俺が求めていたものだ
ただそれは"円卓を守るため"じゃない。
いずれ円卓を潰す時のチェックリストに欲しかっただけだ

それに……どうやら、黒幕側にも『リスト』は回ってるらしい
となれば、むしろ例の男は"あっち側"への手掛かりになるかも知れないし
ともすればチェックリスト代わりになってくれるかも知れない。

……というわけで、俺は怒っていないし困ってもいない。
むしろ面白そうな奴が現れて楽しみになくらいだ。――いつ電話がかかってくるのか、って。


【「大丈夫か?」――目元のクマからすれば、寝不足による貧血だろうか】
【好きにしたらいいさと座ることを促していく】

【男の言葉は丁寧で、筋道が立っていて、何より表情が穏やかだった】
【彼女と同じように若干クマは目立ったが。やがて言葉を切ると、一息ついて】
【「今夜は眠れそうか?」と、そう問いかけるのだった】
28 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/06/26(火) 23:01:58.97 ID:WgbgUGYT0
>>27

……そう? あなたがそう言うんなら、……いいけど……

【声がやたら小さい。けどちょっとトーンが上がったようだった、問題ないと言われて】
【あなたが言うなら。それは全幅の信頼を寄せているから言えることだった】
【王としての器を疑ってるわけじゃない。そんなわけない、けど……とでも言いたげな表情】

【――――していたけど。「え」、と声が漏れて、顔を上げてしまう】


……うそ、うそ。もう「黒幕」、……持ってんの? なのになんで円卓潰れてないの?
どういうこと、その気になればいつでもすぐ潰せるってこと? え、……
……、……ふうん、そういうこと。そっか、…………

【自分の首が刎ねられなかったのは。先に「黒幕」がもう「リスト」を手に入れたからだと】
【だから首の皮一枚繋がったんだと理解して――――はああ、と大きな溜息を吐いた】
【ぜんぜんよくない。リスト、公開されたら、こまる。載っている名前軒並み太客だから。】
【内心そう愚痴っていたけど――口には出さなかった、なんとか、我慢した】

……うん、ちょっと安心したから眠れそう。ありがとう、……でも、でもね、
えっと……あなたのこと疑ってるとか、心配してるとかそういうのじゃ、まったくないんだけど。

引き入れたあの人、――――ゴトウって人。なんか、すっごい、……ただ者じゃないっぽいから、

【だから気を付けて――なんて言うのはあまりにも不敬がすぎる。また口を閉ざしてしまう】
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/26(火) 23:18:38.30 ID:+V1eyj4S0
>>28


さあ、生憎と俺は黒幕連中の考えは理解できないからな。
ただ言えるのは、間違いなく今の円卓は心臓を握られた状態で……
……奴らの気持ち1つで潰れる、脆弱な存在ってことさ。

まあ、俺も知ったのはつい最近だ。
確かに組織的には危機だが…――俺としては、チャンスでもある。

――ブラスフェミア。アンタだって、水の国なんてチンケな舞台より
"世界"って広さで商売したほうが儲かる。……だろ?


【別に彼女の事情に詳しいわけではない。心中を読める訳でもない】
【ただ、言葉は足りていなかったが――水の国の円卓、ではなく】
【より広く。世界という舞台をこの男が見ている、らしく】

【――それから、ブラスフェミアが柄にもなく臆病そうに】
【そしてとても言い辛そうに忠告をすれば、ニヤリと笑って】


只者じゃない、ね。……どんな奴だったんだ?
外見、性格、言動…――何でも良い。
俺は臆病だからな。心の準備をしておきたいのさ


【「どうだ、覚えてるか」――口調はあくまで、砕けたものだ】
【"王"だなんて言われても、その根本は路地裏の住人と変わらない】
【そういう意味ではフランクだった。だから気安く話してくれ、とまでは言わなかったが】
30 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/06/26(火) 23:28:55.12 ID:WgbgUGYT0
>>29

……すっごいな、やっぱり。こんなのチャンスとか言っちゃう?
やっぱあなた、王様だよ。僕だったら絶対ベッドに籠ってブルブル震えるしかできないよ。
ま、そうだけど――――さ、……今の世界で商売するの怖いよ。早く国作ってよう。

【「お姫さまだって待ちくたびれてるんじゃない?」 ……それくらい言える程度には怯えが取れてきたらしい】
【それで言うのはやっぱり子供じみた我儘だった、早く怖いおばけやっつけてよ、って】
【……でもこの女は子供じゃない。王様に何か命令されたら、それを遂行するだろう】
【怖いおばけをやっつけるための「仕込み」なら、なおさらよく働くことだろう。とても怖がりだから】

【にやり笑われたならむうと唇を結んで。……んー、と唸りながら、渋い顔】


…………第一印象、ぶっちゃけ、冴えないおじさん。ほんとそんな感じ。
「闇市」でさ、僕がヤバい人に絡まれそうになったのを助けてくれて――それで知り合った。
今思えば多分、……つけられてたんだと思う。僕が何かしらボロ出さないかって見張っててさ、
それでさっといつでも取っかかれるように、……あーもう、思い出すだけでムカつくっ!

……それでその後、僕のこと知ってるって言われて。お話しましょうって言われてさ、
最初商談かと思ったんだよね。でもまあ違うってすぐわかって、そしたら、
円卓に噛みたいとか言い出して――それでこいつキチガイだって思ったんだよね。

【「だから油断しちゃった――きっとこいつ、勝手に深みに嵌って死ぬやつだって判断して」】
【言いながら、めっちゃ、不甲斐ないって顔をしている。思えばあの日は何もかもが迂闊だったって】
【考えるたび後悔しているらしい、それと、――ゴトウに対して腹を立てているらしい。ちぇ、と言いながら、小石を蹴って】
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/26(火) 23:42:17.93 ID:+V1eyj4S0
>>30


怖い?フッ……今の世界なんてぶっ壊してやるよ、安心しろ
……そのうち、戦争になる。売れるものは沢山ある。
その時に備えておいてくれればいい…――俺たちは、戦わないが。


【早く国を、と言われれば「焦るなよ」と付け加えるが】
【着々と用意はしているようだった。そして続く、ゴトウの印象に】

【――ふむ、と表情を濁らせた。これまで明るかったというのに】
【あからさまに面倒そうな顔をしたのである】
【それは特に第一印象を聞いたとき。「冴えないおじさん」というワードが引っかかった】


……その男、遣り手だな。話の流れとしてはまあいい
お前が誰かを分かっていて、後を付けて、隙を突いた。

問題は外見的な印象がお前の言葉にほとんど無いってことだよ、ブラスフェミア。
要は"マーク出来ない"んだ。交渉能力なんぞどうにでもなるし
怪しいと思えば殺せばいいが…――誰か分からない、これはデカい。

……これは企業秘密みたいなもんだが
俺が服と髪型に拘る理由、今の話で何となく分かるか?


【例えば刀だとか、白衣だとか、目立つ赤髪であるとか】
【そういう印象的な、人となりを表すモノが存在しない】

【それはまさしくジルベール・デュボンという男にも共通する】
【栗色の髪は長い時もあれば刈り上げている時もあり、今はオールバック】
【衣服などは共通項が無い。この男の"符号"は髪色と金への執着くらいなものだ】

【だから警戒する――自分に似た人間ほど、怪しい奴は居ないと分かっているから】


お前の所見でいいんだが……ゴトウは、ヤバいと思うか?


【「要は殺したほうが良いかってことだが」と、言葉少なに問いかけた】
32 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/26(火) 23:53:46.67 ID:WgbgUGYT0
>>31

ほんとう? ならなるべく早くしてよね、……早くこのクマとりたい。ぶさいくじゃん。

【割と容赦なく急かしてくる。焦るなって言われてるのに。それでもちょっと笑って見せて】
【話の続きに戻ろうとして――――は、と息を呑む。口を手で覆って】
【「……ほんとだ」と言ってしまった。本当に無意識だった、彼の外見情報、言わなかったの】

……、……わ、そっか、……そういうことか。うわ、全然そういうの考えたこと、……なくて。
盲点だった、…………ほんとごめん。僕、どれだけ目立てるかの勝負ばっかしてたから――

【そういう世界に置いて、たかだか二十歳と少ししか歳を取ってない若造がのし上がる方法】
【それはとりあえず「目立つこと」でしかなかったから――安売りしていた、「冒涜者」の名前を】
【だからそんなこと考えたことすらなかった。「わかっちゃった」って言って――また黙り込む】
【……これは相当ヤバいことやらかしてしまった、気がする。やっぱ今からでも指詰めようかな、とか考えて】

――――――……あ。そういえばもう一つあった、情報。
名前教えてって言ったの、でもまあ、僕も「こんな」名前しか出さなかったからさ。
勿論偽名っていうか、通名しか返ってこなかったワケなんだけど――――

「マニュアル・シェーバー」……「カミソリ」って呼ばれてるって。たしかにそう言ってたよ。

【ふと思い出す。なんとかマイナスポイントを、ちょっとだけでもプラスに変えられそうな話題】
【名前の話。もちろん本名ってわけじゃないけど――「ブラスフェミア」とか、「ジルベール・デュボン」とか】
【そういう類の名を名乗って――あまつさえそう呼ばれているって確かに言った。それを付け加えて】


………………正直よく、わからない……たぶんそんな、単体で脅威ってわけではないと思うけど、
おじさま……ゴトウさん一人殺してどうにかなる話ではないと思う。後ろに何かつけてる、それはなんとなく――思う。


【渋い顔を継続しながら、重たい口調で喋っていく。……何から何まで自分の失態だって、本当に、悔やんでいて】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/27(水) 00:11:03.80 ID:BfHvjsmy0
>>32

【「マニュアル・シェーバー」――その渾名は、おそらく重要な手掛かりだ】
【そういう呼び方というのは、自ら名乗るか他者が付けるか】
【どちらにせよその人物表す重要なキーワードであるはずで】

【――ましてや、警察であるというのならば】
【それは犯罪者側から恐れられて付けられた"忌み名"である可能性も高く】


……おじさん、って印象の割には内面は若そうだな。
俺が同じ立場なら、わざわざ狙われるようなキーワードは名乗らない
まあもっとも、その名前そのものが脅しになるタイプの奴なら別だが。

とにかく色々と、聞いて回る必要がありそうだ。

ブラスフェミア。お前のその見立ても、多分間違っちゃいない
普通の精神状態なら、円卓が何か分かっていてコンタクトしようとは思わない筈だ
能力か、後ろ盾か、何か依るべきものがあって俺たちに干渉しようとしてるんだろうからな

……殺したら全部分からなくなりそうだ。
いっそバラして、脳漿だけお前のところに持っていった方が早いか?


【最後の件は半ば冗談――曇っていた表情は、けろりと晴れていた】

【それから、おもむろに180cmを超える長身で歩み寄ったかと思えば】
【空き箱に腰掛ける小柄な研究者の、なんというか――闇を抱えた表情が気に入らない】
【なんて、言い出しそうな様子で。彼女の頭をがしがしと乱雑に撫でて】
34 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/27(水) 00:19:59.32 ID:GWdOUgRk0
>>33

若い、……のかなあ。男の人ってよくわかんない。
よくわかんないけど、たぶん、「俺は只者じゃないぜ」ってアピールしてるようなイメージはまあ……なくはなかった。

……うん、あの、……聞き飽きたと思うけどさ、ほんと、ごめんなさ――――

【い。言い切る前に頭をわしっと掴まれて、びくりと震え上がってしまった】
【えっこれ握りつぶされるヤツ? やだやっぱ怒ってんじゃん、情報吐いたから用済みってことかな、ひええ……】
【……とかなんとか考えてぐるぐる目を回したりしていた。けど。犬っころでもそうするみたいに撫でられれば】

――――わ、わ、わ! もうっ、なんっ、……なにすんのもうっ!
やめてよっ、確かに直らないクセはあるけどさっ、わりときちんと整えてきたんだよっ!?
あーもう、ぐしゃぐしゃ! ひどい! こんな撫で方ある!? 犬にするみたいな、こんな――――

…………ふふ、あはははっ。ダメだよもう、……ていうか恋人いるんでしょ?
いるのに他の女にこういうコトしちゃダメだよ。ふふ、もう……馬に蹴られて死ぬのはホント、ヤなんだから。

【――――笑った。子供っぽい笑い方だった、けらけらと楽しそうに】
【そして口にするのはお小言めいたものだった、好きな女がいるなら他の女に触っちゃダメって】
【こと恋愛ごとに関してはやたら突っ込んでくる女だった。おめでたい恋愛脳だから】
【それで、完全にしょげていたのがなくなったみたいで――「ありがとう」って言った、確かに】


【――――――まったくの余談だけど。後日本当に、馬に蹴られて死にそうになるハメになるのだ、こいつは。本当に余談で、別件だけど】
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/27(水) 00:33:42.53 ID:BfHvjsmy0
>>34

【謝る言葉なんてどうでもいい。そう言わんばかりの雑な撫で方】
【小学生くらいの姪っ子を可愛がる親戚のお兄さん――】

【なんて優しさは微塵もなく。それこそ不細工な犬にでも触れる手付き】
【その目的なんていうのは分かりきっていて】
【そして達成は容易だった。まさか気紛れや、馬鹿にするためにそうした訳でもなく】


……悪い、わるい。でもまあ、お前の辛気臭い面見てると
その方がよっぽど気分が悪くなりそうなんでな。

まあ、笑ってろとまでは言わないが……謝るなよ、気にしてない。
それと、なんだ……そういうことなら、次からは気をつける。


【「ありがとう」と言われれば、「いいよ、別に」と返事をする】
【別に照れくさそうにするわけでもないし、そういう所は面白げが無いのだが】
【変に気取りも、哲学めいた言葉で惑わせることをするでもないあたりは】
【なんというか――やっぱり、根本は一緒なんだと思わせて】


……さて、帰るか。お前、どうする?
立って歩けるなら別に良いが…――お出迎えが必要か?


【歩けない、なんて言えば以前のようにドライブに誘ってくれそうな様子だったが】
【そうでなければ放って帰りそうな――井戸端会議が終わったような、あっさりとした感覚】
【それもまた男らしさと言えばそうなのだが。ともあれどうだと、目線を合わせて問いかけたのだった】
36 : ◆KWGiwP6EW2 [sage]:2018/06/27(水) 00:41:47.00 ID:GWdOUgRk0
【鉄の国・国外行き鉄道――個室】

【タタン、タタンと規則正しい音が聞こえる。鉄の国に張り巡らされた鉄道網――その中でも貿易都市アヴェレイより、国境を越えて外に出る列車に、男は乗っていた】
【長旅になるため、寝台つきの個室がついているが、列車内に他の客は見当たらない。貸し切りと言うことでも、ないのだろうが】
【柔らかそうな白金色の髪に、糸のように細い眼をした、温和そうな男だった。優男と取れなくもないが、どちらかと言えば頼りないような雰囲気がある。いずれにせよ、平凡そうな男だった】
【男は、誰かに向けての手紙を認めているようだった。羽根ペンをサラサラと走らせ、事務書類のような内容の文章を認めて行く】


【それは、彼のまとめる組織員の一人を呼び出すための召喚状だった】
【別に、こんな長ったらしい文章を書く必要はない――端的に彼の名前でも記せば良いのだが、形式に拘りを見せたりするのは、この男の遊び癖だった】
【ふと、列車の走る音が篭ったように耳に響くようになる】
【山岳部に入り、長いトンネルへと潜ったのだ】
【窓からの光は無くなり――真っ暗になった部屋。書き差しの手紙の文字も、見えなくなってしまった】
【男は、うーん、と困ったように唸ってから、溜息を一つ。諦めたように】


君達にはまとまりある連絡手段を持って欲しいと私は切に願っているのだけど。
どうして、こう誰も彼も個性的に過ぎるのかな?


……何か進展が有ったようだね。
報告を聞かせてくれ、ゴーストライター。


【トンネルは、当分終わりそうもない。何も見えない暗闇の中、男の声はその場にいないはずの、何者かへと向けられていた】
37 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/27(水) 00:42:40.81 ID:GWdOUgRk0
>>35

そんなに辛気臭かった? ふふ、それは、ごめん――――
……、最近忙しい? あなたもなんだか疲れてるみたい、やっぱいろいろあるのかな。
まあ身体壊さない程度に頑張ってよ、……や、壊してもいいよ。「直して」あげるから、……なあんて。

……ありがと。今日はきっとよく眠れると思う、……あははは。ほんとだよ……「お姫様」、大切にしてね。

【あまりにも面白くない冗談を吐いた。というかたぶん冗談でもない、半分くらい本気】
【壊れたって死んだって狂ったって、どうなったってあなたを助けてあげる。そんな約束】
【そういうことを言ったら、――――また礼を言った。また小言を付け加えつつ】


ううん。僕は大丈夫――ひとりでちゃんと帰れるよ。
お話聞いてくれてありがとう。じゃあねジル、――――ゆっくりおやすみなさい。


【にっこり笑って立ち上がる。スカートの端を軽く叩いてから――また裾をちょっと摘み上げる】
【最初にしたのと同じ動作。芝居どころかままごとめいたお辞儀の仕草、見せつけたなら】
【選んだ挨拶は寝る前にするものだった。お互いイイ夢見れたらいいねって、気軽な】
【――――間違いなく「王」にするようなものじゃない言葉、残して。冒涜者は去っていくだろう】



【……、……この帰り道。いろいろあって、……馬に蹴られて死にかける羽目になるっていう話は】
【別れの挨拶のあとだったから多分ジルは一生知らないことだろうし、……彼女も何も語るまい、トラウマになっちゃったから】


//うまいこと締めてくださりありがとうございます……!おつかれさまでした!
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/27(水) 00:53:44.72 ID:fjId6vllo
>>36

【闇に溶ける声色を聞いたなら、それは確かな質感を持っていた。辿ることの出来ない行く末に近くとも】
【それは神秘的な文字禍、虎に変わった男の書いた、一風変わったフォークロア】
【顕現する姿を見せる必要もなく、無明の闇の中、男の声が響くだろう】


── 分かるだろう、我々の相対する敵に道理が通じない事を、貴方は重々承知している。
私達が統一する連絡手段を持たない事、統一する道理を持たない事は、その為の予防策に近い。
例え全ての電波が失われたとしても、私には直ぐに貴方の文字が届くのだから

──── しかし、私も数多くの文字列に触れてきたが、貴方の書く文章の味わいは各別だ。
アルチュールランボーの風情に、シェイクスピアの情緒、エッセンスに加えたレトリックは魯迅の喩えか、悪くない。
詩的でありながら情景が瞼の裏に浮かぶ様だ、── 永遠に浸ってもいたいのだが


【ゴーストライターは貴方の手紙をそう評した。事務書類然とした文字列の中に巧みに混ざる修辞法】
【一流のワインを嗜むソムリエに似た、そんな評論家めいた言葉を紡ぎながら、彼は対面に腰掛ける】
【外套を纏った姿。深いフードの奥は、闇に包まれ欠片も見えない】


以前にも報告した様に、『外務八課』を名乗る男から連絡が来た。
待ち合わせ場所には中年の男、── ゴトウと言ったか、そいつが私を出迎えた。
彼は『虚神』についての一定の知識を有しており、私達に対してその件に関する情報を求めていた

── 即時処分をしなかった事には謝罪しよう。
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/27(水) 01:01:47.44 ID:BfHvjsmy0
>>37


……少しな。まあ、"生まれ持ったモノ"だから仕方ないさ
ただ、もし壊れたその時は……よろしくな、"冒涜者"。


【小さく笑う。それは疲れている言葉への自嘲めいたものであり】
【壊れたらという言葉へのブラックジョークへの笑みであり】
【そして「お姫様」という言葉への――なんとも言えない、微かな照れの表情で】

【やがて彼女が立ち上がって、また愛らしく礼などすれば】
【こくりと頷いてそれに応える。「おやすみ」と言葉短く返事をし】
【やがて、分かれ。彼女が姿を消すのを、静かにそこに立って見送ると】



【――数秒して、がしゃん、と大きな物音がした】
【路地裏に転がる雑多な物品に人間一人分の質量が倒れ込む音に似たそれの後】
【件の袋小路から誰かが姿を見せる事は――実に6時間と43分ほどは――無かった、という】

/いえいえ、このような時間までお付き合い頂いて感謝です!
/お疲れ様でしたー!
40 : ◆KWGiwP6EW2 [sage]:2018/06/27(水) 01:29:57.23 ID:GWdOUgRk0
>>38
【お互いの姿は見えない――だが、確かに互いが存在することを確信している】
【それは彼らの共通の敵を暗喩しているようでも有った】
【――曲者揃いの組織の中でも、彼の存在は一際異例と言えるだろう】
【ある意味において、"奴ら"の脅威を、最も肌身に感じている者――】
【しかして、その汚染を防ぐために、彼は今このような在り方で存在して、それでいて、尚まだ立ち向かう道を選んだ】
【彼からの賛辞は本音なのか、或いは社交辞令なのか――この暗闇が晴れたのならば、男の平凡な容姿にその言葉はとても似合わないのだろうが】



【組織員が男を呼ぶ時の言葉は様々だ。ボス、と呼ぶ者もいれば、隊長、と呼ぶ者もいる。或いは妙なあだ名をつける者もいる】
【しかし、誰も男の名を呼ばない】
【無論、彼がこの男と初めて出会った時に自己紹介を受けた。先程まで書いていた形式ばった書面にもサインが記されている】
【知らないはずはなく、殊更に隠されている訳でもない、無論、人間に発音できない珍妙な名前で有る訳でもない】
【ただ、この男の平凡な名を、"口にできない"だけ。――それが男の能力だと言うのならば、どれほど無意味なものなのだろう】


構わないよ。妙な役回りを任せて悪かったね。
どうしても、ウチの連中は全く交渉事に向かないから。
――それに、キミが矛を収めるほどに収穫の有る話だったんだろう?


【この男は、任務を命じる以外、そのやり方に口を挟むことをしない】
【最終的に目的を達成する道を描いている限り、必要なものを渡し、時に支援を行い、時に今のように情報を共有する。それだけだった】


サーペント・カルトの一件は、私達に取って愉快なものではなかった。
パグロームの報告を聞く限り、ジャ=ロを初め、名前の聞きかじりも含めれば3人もの虚神が時間を掛けて準備していた舞台だった。
私は立場上、怒らねばいけなかったけれど――彼一人でどうにかできる状況ではなかっただろうね。
"最悪"を防げただけでも、僥倖と思って置くしかない。
これなら最初からヴェロニカをつけて置くべきだったなあ。

【愉快ではないと言う言葉とは裏腹に、男の言葉には深刻さがない。それは実験に試行錯誤する科学者の声音だった】

汚染者の対応については、パグロームに責任を取って貰っているところだ。
焼け石に水だが――フフ、私達の対応は常に、"焼け石に水"だ。
だが、それでも手を止める訳にはいかないだろう?
思考を停止したが故に、かつての現実は虚構に飲まれてしまったのだから。

――ああ、話が逸れたね。『外務八課』との交渉。
収穫と、君の意見を聞こうか、ゴーストライター。
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/27(水) 01:45:33.88 ID:fjId6vllo
>>40

【── ■■、やはりそうであった。貴方の名前を口にしようとすると、それは存在しない文字列になってしまう】
【だから彼は尊敬と畏怖を込めて、貴方の名前を『ボス』とした。彼にとっては唯一の妥協と言っていい】
【故にあまりその名を呼ぶことは無かった。互いが互いを認識する、最小単位の役割すら、与えられず】


それぐらいのじゃじゃ馬さが無ければやっていけまい。私は寧ろ、そのメンバーを率いる貴方の手腕に感服するが
── "虚数渡り" が対応出来ないとなると、かなりの神格だな、生きて帰っただけでも流石の手腕と言えよう
特にジャ=ロと相対して生きて帰った存在は、財団の中でも殆ど居なかった、……相変わらずの腕前だな

ヴェロニカを付ける事に反対したのは私だ。奴らの組み合わせは時に最大数にもなり、最小数にもなる
パグロームだけで十分対応出来ると判断した私のミスとも言える、── まさか、奴らがここまで顕現しているとは
然し、スナークは兎も角、残りの二柱は『禁書』を持たない神格であったからこそ、ここまで横暴が出来るのだろうな


【それは空白を嫌う作家に似ていた、呼応する様に言葉数を増やして】


『外務八課』のゴトウは切れ者だった。私と彼との密約は、今回のインシデントで現出した、ウヌクアルハイに関するモノだ。
ボス、貴方はウヌクアルハイについて、どう認識している? 財団に存在しない、幻の二桁ナンバー
『INF-10』の名を持つとジャ=ロは言った。恐らく、その神格は虚神連中と同等であろう。

故に私は第一級の注意を以て、彼の神格に対応する事を提案した、── ここまでで尋ねたい。
……私は貴方を信用している。ボス、貴方の言葉は何時だって正しい方向を向いているからだ
私はウヌクアルハイを、虚神と同じ注意を以て対応すべきと提言する、貴方はどう考える?


【チェスのせめぎ合いに似ていた、彼は少しずつ理を詰めるタイプであったから】
42 : ◆KWGiwP6EW2 [sage]:2018/06/27(水) 02:22:37.47 ID:GWdOUgRk0
>>41
誰も彼も中々言うことを聞いてくれなくて困っている。
逐次細かく報告をしてくれるのは君くらいなものだ。
そのパグロームの報告書は解析班が必要なくらいに雑だからね。

【まるで有り触れた愚痴だった。言葉を交わしていると、ふと、この男はただの一般人に過ぎないのではないかと、錯覚してしまうほどに】
【相変わらずトンネルは続いている――本来であれば、とっくに抜け出ている時間のような気もするが】
【車内は未だに暗闇のまま、恐らくは彼らがこの会話を続けている限りは】


サーペント・カルトの対応においてはパグロームの能力は最適だったからね。
実際、途中までは上手く進めていたのだが――能力を知られたのは致命的だったな。
異端の司祭が――中々にやってくれる。

君の懸念は十分に理解できるよ。
ヴェロニカの能力は、疑似対抗神話の試作だったのだが――どうにも調整が上手く行かないな。
あれでは単純な暴力にしかならない。その段階で下手に彼らの前に出すべきではなかったのは事実だ。


【組織の試みは様々だ。あらゆる手段において、虚神の侵攻を防ぐ策を講じている】
【男の口にしたそれは禁書を持たぬ虚神達への対応の一つとして画策されている試みだったが――それはまだ試作の域を出ない】


ウヌクアルハイ――


【口にする。神話から零れ落ちた偶像の名を。視界を通さぬ暗闇の中、男の口が歪むように笑みを作ったのを、気配として感じる】


"虚神連中と同等"、とは思わない。
少なくともこの基底現実内に限れば、ウヌクアルハイの危険性は、他の虚神よりも遥かに高いと認識しているよ。

【目の前に彼に試されているのか。組織の長などと言っても、彼もまた、それに相応しき者かどうか常に試される立場だ】
【手繰るような彼の質問に対して、男は自身の見解を述べた】

もっとも、それはジャ=ロの思惑通りに事が運べば、の話だ。

集団に対する広域の汚染は確かに神話を強固にするが、人間の集団的無意識はそれだけで語れるものではない。
それこそ釈迦に説法と言うものだが――その要素を無視しなければいけない程度にはジャ=ロも焦っていたらしいね。
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/27(水) 02:47:14.83 ID:fjId6vllo
>>42


【── 丁度良かった。無明の空間こそが、互いを決定づける唯一の方法論に似て】


けれども実戦に勝る試行はない。我々は我々の技術を以て、かの虚構の集団に挑まねばならない
私はヴェロニカが前線に出る事を是とする。虚神との対戦を通じてでしか、その特攻性を知覚できないだろう
── バックアップは私に任せれば良い、布石は既に十分過ぎる程散りばめてきた。

──── 成程、そう来たか……いや、私も、そうは思う


【一音節を残す。言葉の尾が少し澱んだのは、彼にとっては珍しい、ゴーストライターは端切れの良い言葉を好む】
【曖昧模糊とした表現の裏側には、ゴトウの鋭い視線が残っていた。ウヌクアルハイ、その存在について】
【一つの定義と一つの存在、そこがイコールで結ばれ無いことに、僅かな恐怖があった】


── やはりボスは正しく状況を判断する能力に長けている、貴方の言葉に異論を挟む余地は無い。
ジャ=ロの言葉こそがある種の認識災害の様なモノだろう、そうであると誤認させる事にその妙があった。
貴方達の現実が未だ現存している事が、その証左とも言える。

ジャ=ロの定義するウヌクアルハイが現出していたなら、今この現実は滅亡していただろう。
……そう、ジャ=ロが "虚構現実" で行った様に。── 私は同じ轍を踏まない。
つまりは今のウヌクアルハイは、不安定な存在と言えよう、そこに私とゴトウは目を付けた


【本題に入る、『外務八課』との密約に関しての】


カウンターミームと言えば、ボスなら大体の想像が付くだろう。ウヌクアルハイを、私達の手で再構成する。
彼女を善性の神として、作り替えたなら、ウヌクアルハイという極大の力を持った神が、人類の守護神となるだろう。
難易度特A級のウルトラC、── 荒唐無稽な計画だが、グランギニョルには丁度良い

ウヌクアルハイには『少女』の意識があると私は聞いた。数多の蛇の神格を集めた中に、混ざったイレギュラー。
彼女がウヌクアルハイの主格になったならば、ウヌクアルハイは善性の神として顕現するだろう。
しかし、私達にウヌクアルハイとアクセスする手段は無い、が、ゴトウはそれにも答えを出した。

『外務八課』側には、その可能性を秘めた、── 失礼、ウヌクアルハイと交渉できる可能性を持った少女がいるらしい。

今ゴトウは彼女の手を借りる事ができないか交渉をしてくれている、それが私達の第一手となるだろう。
以上が今回の報告になる、ボス。── 何か質問はあるか?
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/27(水) 17:11:04.63 ID:BfHvjsmy0
【風の国・都心部】

【並木街道沿いのカフェテラスに、一人の男性が席を構えていた】
【テーブルには英字新聞、飲み物はアイスコーヒーと】
【それから抹茶とチョコのミックスケーキが一欠片】

【何をするのでもなく、ただ漫然と新聞を読んで、時計を見て】
【時折正面を走る道路の向かい側――議員会館≠ヨと視線を遣り】


「魔制法」の施行に「特区」の試用、その騒ぎが落ち着けば
今度はサーペント・カルト……機関のテロが無ければ無いで
何かと騒がしい世界ですねえ、本当に……。

……、……あと3分ほど、ですか。


【白いスーツに身を包んだその男は、いわゆる糸目であることを除けば】
【大した特徴も無い人物像だ。――ただしそれは一般人目線≠フ話しであり】

【魔翌力や能力、或いは"瞳"に関する何らかの異能を持つものであれば】
【その男性の背後に金色の毛並みを纏う三本の尻尾が揺れているのが"視える"だろうし】
【そうでなくとも、その男を覆い隠すように――何かの魔術が行使されているのが、分かるだろう】
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/06/27(水) 22:16:49.27 ID:t88m4x7A0
>>44

// まだいらっしゃいますか?
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/27(水) 22:30:31.47 ID:BfHvjsmy0
>>45
/おりますよ〜
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/06/27(水) 22:35:04.12 ID:t88m4x7A0
>>46
//じゃぁ、やっちゃっていいですか?
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/27(水) 22:36:43.48 ID:BfHvjsmy0
>>47
/いいですとも!ただ時間も時間なので
/おそらく途中で持ち越しをお願いしますが、それで良ければ!
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/06/27(水) 22:40:27.58 ID:t88m4x7A0
>>48
/じゃぁある程度やったら置きに移行でいいですか?
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/27(水) 22:44:03.05 ID:BfHvjsmy0
>>49
/それで構いませんよ〜!
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/06/27(水) 23:09:40.32 ID:t88m4x7A0
>>44

あ˝ー来たは良いがなんもやることねぇな、
義手も創り終わったから、次にやる事は…やっぱ無いなー
どっかで時間潰すか。

【男はバイクに乗りエンジン音を響かせながら言う】
【数分間走ると少し暇をつぶせるようなカフェを見つけたので、駐車場にバイクを留める】
【中に入ると丁度いい音量のクラシックが流れていた】

【店員からの挨拶を受けて中を進み、外から見えたテラスに移動する】
【席を探していると何故か、座って新聞を読んでいる糸目の男が気になった】
【男の姿に違和感を感じ、近づいてみる】

そこの糸目のお兄さん、その隠している物は何かね?
それが何かによってはそれ相応の対応をするが。

【黒のライダースーツを羽織り、ボーダー柄のカッターシャツを着て、ジーンズを穿いた男が貴方に話し掛けて来た】
【その男は黒銀の髪に褐色の肌で、薄い青色の目を持つ、女に見える美しい男だった】
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/27(水) 23:18:35.84 ID:BfHvjsmy0
>>51

【男がこちらに近付けば、顔だけをそちらに向けて】
【その言葉を聞き、小さく笑い――しかし、"隠蔽"を解くことはなく】


……いえね、少々人前を歩くには目立つ格好でして。
"これ"に気付ける貴方なら、それとなく想像はつきそうなものですが
別に、犯罪者などではありませんよ?少なくとも、今はね。


【受け答えは余裕のあるものだった。言い方はぼかしているが】
【おそらく嘘はついていない、そう感じられる淀みの無さ】
【単純な人間ではない何者かが姿を化かしている、と思えば――納得は、行く話だが】

【――時計に視線を落とす。先のつぶやきから、一分が経過していた】
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/06/27(水) 23:21:19.49 ID:t88m4x7A0
>>52
/そろそろ寝るのでまた今度置きに返します
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/27(水) 23:29:39.52 ID:BfHvjsmy0
>>53
/了解です、今日はお疲れ様でした。


/それと苦言になってしまいますが、気になったので一つだけ
/別に休むのは結構ですが、「寝るので」というのは貴方の都合で
/それも一時間前にはある程度分かっていた事ですよね。

/こちらも元々置きでの募集では無い以上、基本はリアルタイムで進めたいので
/レスを1往復も出来ない状態が予想できたのならば
/そこは少し状況判断が甘いのではないかなと思います。
/私個人としては別に構いませんが、今後気をつけた方が、という事で
/ともあれお疲れ様です、お返事お待ちしてしますね。
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/06/27(水) 23:33:59.53 ID:t88m4x7A0
>>54
/それに関しては此方の言葉不足としか言いようがないです
/言い訳っぽくなりますが明日は仕事なので今日は寝させてください
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/06/27(水) 23:48:35.60 ID:BfHvjsmy0
>>55
/それは言葉不足ではなく見積不足というやつです。
/こちらも明日も仕事ですし、別に引き留めようというわけでもないので
/普通に休んで頂いて、余裕が出来れば置きレスでという事で構いませんので。
57 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/28(木) 20:00:42.08 ID:mPxAFHLW0

【一足跳びの夏が来た。湿気った梅雨は自分の役割を忘れていた。それでも人混みは相変わらず人の汗で蒸し暑かった。】
【水国、とある大都市。雑踏のスクランブル交差点。── 「よっと、ほっと、 ── ごめんなさーい。」人混みを掻き分けて駆ける、ひとり。】
【ややオーバーサイズな英字ロゴの白いシャツを着て、ジーンズに履いたケミカルウォッシュのデニム生地を歪ませながら、ビビッドな色合いのスニーカーにて走る。】
【その度に金色のポニーテールが舞い踊るから、それはきっと女の子だろうか。 ── 大きなヘッドホンで、なにか音楽を聴きながら、だれかを追っているようで。】


「 ── あの時、最高のリアルが向こうから、逢いに来た、のーはー。」
「 ── ぼくらの存在が、こんなにも単純、だと笑いに来たんだー。」


【あまり何事にも興味がなさそうな青い瞳の向こうには、あまり素行のよろしくなさそうな金髪の男。彼もまた走りながら、或いは逃げていた。きっと彼女から。】
【時折焦燥に満ちた表情が振り向いた。まだ追ってきてるのか、とでも言いたげな。だから彼は路地裏に飛び込んだ。 ── 多分、それが運の尽き。】



「耳を塞いでも、両手をすり抜ける、真実に、」 「 ── ……… うーん。」



【暗がりに駆け込む男を見れば、おもむろに少女は"なにかを投げた"。それなりに動体視力が良ければ、路地裏に飛んでいくのは野球ボールであると分かるだろうか。】
【転瞬、炸裂音。男の悲鳴。なにか大きな資材が崩れ落ちる音。それを聞けば、少女は少しだけ楽しげに笑って、焦らない足取りで、暗がりに踏み込んで】

【 ── ポニーテールに隠れた首筋には、黒いチョーカーが巻かれている。バーコードのようなブドウ型の痣らしき物を、直ぐ上に添えて。】
58 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/28(木) 20:12:23.52 ID:Wjy1vZIb0
>>57

――――シーちゃんシーちゃん悪い子だ! 見たんだからね、コマは見たの!
ノーリョク、そーいうコトに使っちゃダメなんだよ!? 怒られちゃうんだから!

【ハチャメチャに煩い声、絶対さえずりなんてレベルに収まらない、大声が響き渡った】
【それを吐きながら路地裏の角から飛び出してくるのは――きっと知ってる子だ、同じ組織にいる、煩いのが評判の子】

【真っ白い髪、真夏の入道雲を思わせる輝きを放って。長く伸ばしているのをツインテールに纏めて】
【それに誂えたみたいに、快晴の夏空を思わせる空色の瞳。ばちばち瞬きする、大袈裟なまでに】
【着ているのは夏向きの、薄い生地のワンピース。くるっと回れば裾がふわっと踊るヤツ、彼女はそういうのを好んでいた】

シーちゃん! シーちゃん何してんの、あっ挨拶忘れてた、コニチワ!!
さいきんめっきり暑くなったけど元気!? コマは見ての通り超元気!! 夏大好き!!!
ねーいつもそれ思ってたんだけどナニ聞いてんの!? ヘドンホホ!? だっけ!! 高そう!!!
いくらしたーいくらしたーお小遣いで買えるくらい!?!? ねーねーコマにも聞かせて、聞かせてー!!!

【夏に合わせるには少々きっついテンションを維持したまま、彼女はシーラに突撃していく、あわよくばその勢いでハグまで】
【拒まれれば「やーん!」とか言いながらくるくる回る、そしたらワンピースの裾が捲れて――太腿にぶどうの刺青】


【シーラと同じく、小鳥。コマドリの「駒子」。そこそこ上手なバレエを踊るのと、下手くそな歌を歌うのが何より大好き】
【そんな少女が突撃してくる――ヘッドホンをしているシーラ、早めに気付けるだろうか。煩いからまあ、声、聞こえるかもしれないけど】
59 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/28(木) 20:31:34.42 ID:mPxAFHLW0
>>58


「 ──── げ。」


【聞くだけで目の眩むような声は、音漏れしそうなくらい大音量でアニソンをヘビロテしてた彼女にだって直ぐ聞き取れた。】
【ぶっきらぼうな面構えがすごく嫌そうに歪む。会いたくないのと会っちゃったな、 ── みたいな、表情。】

【相変わらず、夏の空みたいな奴だなあ。こんだけ暑いんだし、いっそアイスクリームみたいに溶けちゃえばいいのに。】
【 ── そんな恨み言を思いながら、わざとらしく溜め息を吐き出す。やれやれと言いたそうな顔をして。足元には、崩れたガラクタの下敷きになった男。】
【見事なくらいに伸びていた。それでいて怪我はほとんどなかった。精々、爆発に驚いた拍子、転んで頭を少し打ったくらい。幸せそうな寝顔の彼を、指差すように足蹴にして。】


「 ……… 僕はただ、こいつを捕まえようとしただけだよ。」「タチの悪いコソ泥でね。」
「お生憎さま怒られない。」「死んでないし。」「誰も巻き込んでないし。」


【呆れたように言い訳をする。ただ彼がコソ泥というのは事実だった。 ……… それをこんなやり方で捉えていいかは、分からないけどど】
【しかし幾分シーラは慢心しがちだったし、あるいは相当に鈍臭くもあった。クールな雰囲気、気取ってるくせに。】


「コマドリ。君は善い加減ヒトとの距離感っての覚えよう。」「暑いよ。すごい暑い。」
「っっ、 ── 何を聞こうが僕の勝手だろ。」「あっこら触るなっコード引っ張るなっ。壊したら弁償だぞ、弁償。」


【だから思い切り走って抱きつかれても咄嗟にあしらえないし、頬擦りだって許してしまうだろう。葹を払うみたいにじたばたするけど、あんまり効果はなく。】
【スマートフォンに繋がってるヘッドホンからはシャカシャカ音がするだろう。英字ロゴの半袖シャツは、たぶん、すべすべ。】



「それで、 ── 僕はコイツを引き渡しに行きたい訳だが。」「引っ付かれてると動けない訳、だが。」



【せめてもの抵抗はちょっと皮肉めいた口ぶり。とっとと離れろって言っていた。でも多分通じないし、 ── 何より、格好がついてない。】
60 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/28(木) 20:44:26.57 ID:Wjy1vZIb0
>>59

え!? ヨワイモノイジメじゃない!?!? ならいいやー、イイコトしたら褒められるもんね。
イイコだねえシーちゃんはイイコイイコ。きっと飼主様だっていっぱい褒めてくれるよお!!

【ハグからの頬ずりからの、頭なでなでまで。あまりにも滑らかな動作でやっていくだろう】
【その勢いはやたらよくって、シーラが被っているキャップ、めちゃくちゃにずれてしまうだろうけど】
【それを嫌がられても、にまーっと笑うのだ、このコマドリは。そういう反応するの知ってる、って言うみたいに】

暑いのが夏じゃん!! どんどんアツくなってこーよヘイヘイ!!
ベンショー!? ベンショーはやだ、……いくらくらいする? コマ今月のお小遣いあと6しか残ってない……
ヒキワタシー? ドコに持ってく、コーアン? ケーサツ? なんかそーいうのいっぱいあるじゃんこの国。
そっかいっそ風の国まで引っ張って、飼主様にひきわたす? それだったらコマ手伝うよ、足のほう持つからシーちゃん頭持って。

【おいしい棒の駄菓子も買えないくらいの金しか残ってねえのかよ、どんな金遣いの荒さだよ】
【ここから風の国までどんだけの距離あると思ってんだよ。そして男持って徒歩で行く気かよ、無茶すぎかよ】
【あとさりげなく軽いほう持つって宣言してんじゃねえよ。……そんな感じ、ツッコミどころはめちゃくちゃある、めちゃくちゃ】
【それでいて全然離れる気を見せないのだ、ぴたーっとくっついたまま倒れた男を指差して――きっと暑い。】

【そんな彼女、嫌気がさしてシーラが引き離そうとしたなら―――】


スキあり!!!!! シーちゃんがいっつもナニ聞いてるのかずっと知りたかったの、今日こそ聞くかんね!!!

【ばっと腕を伸ばして。ヘッドホンを掻っ攫おうとするのだ、――さっき怒られたからコードには触れないようにして】
61 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/28(木) 21:03:38.29 ID:mPxAFHLW0
>>60

【自分より身長の高い相手に頭なでなでするって中々どぎつい神経が要ることをコイツは平然とやってのける。目深に被った帽子に触られるのも余り快いものではない。】
【帽子の鍔があちらこちらへ。髪の毛だって手入れに気を遣っているわけではないけれど、それでもわしゃわしゃになるのは、 ── 不満の一つも零したくなる。】
【けれど抵抗は無意味だとも知っているのだ。相手のペースに乗せられてしまうから。 ── せめてもの反抗心の現れとして、つんと不機嫌な横顔晒し、ふんッとそっぽを向いていた。】


「 ……… 君に褒められるのは釈然としないな。過褒って感じがする。てか、あんま嬉しくない。」
「そして家なき子か君は? ん? 3万はするよ3万は。にしても配給金はどうした?  ── 何も考えずに使ってるのか、もしや?」
「引き渡すっても、普通に警察に電話かけてタクシーで持ってって貰うだけだけど ……… おい訳分からない方向に話を持ってくな、」
「いや持たなくていい、百歩譲って引きずってけばいいから、まず離れようよ、暑いんだよ、怒るよおい ── っ。」



【追いつかない突っ込みにけれどシーラは律儀である。返事をされなくたって構わない。そういう性分だった。 ── つまるところ、生真面目。】
【だから乱暴に突っ返すことができない。ベタベタされるのはタダでさえ好かないのに、止まり木にさえ其れは同じなのに、まして小煩いコマドリが相手ならば。】
【 ── どこかで中途半端に引き離そうとするだろう。力の微妙に入ってない両手で、肩を掴んで、転ばせないように。そうしたら、】


「わ、何すんだよ、 」「── ぁっ、お前っ!」


【 ── まあ見事にヘッドホンを強奪される。流れてるのは、よく分からないゲームのサントラ。たぶん、ボスのBGMっぽい。主旋律のギターがかっこいい。】
【けれどシーラは其れどころじゃあなかった。あまつさえ泣き出しそうだった。5秒もしないうちに奪い返そうとするんだろう ── ちょっとだけ、涙目になりつつ。】
62 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/28(木) 21:12:31.90 ID:Wjy1vZIb0
>>61

はァ〜〜〜〜んフフ〜〜〜〜〜〜ン、シーちゃんったらユダンばっかりしてんだから!!
………………えっこれ3万もすんの? マジ? やば、……ぜったい壊せないヤツじゃんこわ……
なんでシーちゃんそんなん買えるの!? オカネモチ!? お小遣い以外になんか稼いでんの!?!?
コマはなんかお菓子とか買ってたらおカネなくなっちゃうの、不思議じゃない? なんでだろ……

【ドヤ顔でフフンしたり思ってた以上に高かった値段にビビったり当たり前のことを心底不思議そうに思ったり】
【表情がくるくる変わる、まるで万華鏡。そんな中でさりげなく絶対壊せないとか言った、壊す気あったのかよ、みたいな】
【それでもふんと鼻を鳴らしながらヘッドホンを自分の頭にかけようとする、……ツインテだとちょっとやりにくい】
【むーむー唸りながら無理矢理、耳に当ててみる。すると、】



――――――――――――――――ヴぉッ、



【いきなりびたっっっっっと静止した。奇声を上げながら――――思ってた以上に音量がデカかったから】
【ビックリしたらしい。それで、数秒固まったまま、瞬きだけばちばち数回やって】
【……ゆっくりゆっくり、丁寧な動作でヘッドホンを外す。そしてそのまま腕を伸ばして返却――「ありがとう」】
【「いい曲だった……」 言いながら、まだ、動作はぎこちない。数秒間はそのまま呆然としていることだろう】
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/28(木) 21:28:06.79 ID:fl+him0Ko
>>61>>62


【小鳥達の囀りは愛を求める嬌声に似て、彼にとっては媚びた香りを孕む旋律】
【故に誘われる足取りは確かに、歩む行先は病葉よりも淫らな忘却線に満ちて】
【──、二人は気付くだろう、新たな来訪者は、不確かな感情を纏う籠の主】


── 時には飼主の手を離れ、優雅に歩むのも悪くない。番を失くした鳥達は、いっとう幸せに啼くのだから
けれども其れは抱かれる為に靡く音律と、そう大差は無くて
故に僕の感情を扇情する、── 御機嫌よう、籠の中の鳥達

月夜に唄う小夜啼鳥の調べ、即興曲は調和を生んで、止まることのない快感を齎すのかな
『止木』も付かず平和な顔をして、束の間の自由を貪る行為に、僕は確かな敬意を示すよ
僕もまた、小鳥を失った哀れな枝葉の一人として、その身に相応な相手を探しているのだから


【黒い襦袢の襟を覗かせ白衣を纏い、その上からローブの様に千早を羽織る】
【黒袴と白い足袋、草履を履いた出で立ちは完全に巫女装束であり】
【長い純白の髪と濡羽烏色の双眸、女性的な顔立ちであったが、何処か鋭利な印象が目立つ】

【榧と呼ばれる止木の一人、── 気に入った小鳥が居たなら片っ端から巣作りをする、魔性の男】
【艶やかな笑みを浮かべながら、二人に向け声を発した】
64 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/28(木) 21:49:15.32 ID:1buqlovW0
>>62>>63



「 ……… ね?」「いいことないって、ヒトの詮索なんてしても。」
「ホラ返した返した。」「耳悪くするよ、まったく。耳鼻科行くお金も怪しいんだから── 。」

【良い曲かどうかなんて全く分からなさそうな速度で耳を離すから、また溜め息。丁寧に差し出されたヘッドホンを、掠め取るみたいに首にかけて】
【また聞かれたら困るし音楽は切っておく。まったくもって呆れ顔。ついでに、わしゃわしゃにされた金髪を整えて、 ── 目深に鍔を被り直した、刹那。】

【生温かい風が吹く。白い肌に纏わり付くのが当たり前みたいな温度で。】
【シーラは其れを知らなかったから、ただ言いようもなく不快なだけ、だったけれど、】
【 ── もしも彼女が知っていたのなら、こう形容しただろう。閨所の中で交わす呼吸みたいだ、って。】

【だからこそ現れた清らな人影を一瞥する。少しばかり、胎の下、怯えるような薄ら寒さ。】
【ふン ── と忌まわしげに、仏頂面の視線を逸らす。ずっと視界に入れていたら、なにかに翼を濡らされそうだったから。】


「 ── 今日は厄日みたいだね。」「悪党ひとり捕まえようとしたのに、こっちがロクデナシに捕まっちゃった。2人も。」
「こっちとしてはご機嫌最悪なんだけど理解して貰えるかな。ポエムを披露したいなら新聞の投書欄を勧めておくよ。」
「それで、止まり木くんが何の用事? 生憎と怪我はしてないよ。足も要らない。もっとも羽を捥がれたって、君と巣篭もりなんて御免被るけど。」


【つらつらと並んだ美辞麗句に、作法のない罵倒を並べ返す。 ── 虚勢を張っていたのかもしれない。コマドリの手を、少しだけ強く握って】
65 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/28(木) 22:01:00.91 ID:Wjy1vZIb0
>>63-64

【いまだちょっとクラクラする頭をどうにかこうにか元に戻そうと。ポンコツだてらに頑張っていたが】
【そこに割り入って来た新たな人影、榧の姿。見て、……ぷしゅーっと頭から煙を出すみたいに】

…………ねーシーちゃん、この止木の子なんて言ってる? コマには難しくてよくわかんない……
アッもしかして巣作りしませんかってコト!? だったらダメ、コマもう相手がいるの。
知ってる? ネム、合歓って子なの、その人がコマの運命の人だからね! だからダメなの。

【困った顔してシーラを見て、通訳してってお願いする。それから榧に視線を戻して】
【はっと気づいたみたいに、そして慌てて、首を横に振る。……振り回されるツインテがぺしっとシーラを叩いちゃう】
【それで言うのは「おことわり」だった。恐らくまだ誘われてもないのに、そういうところの勘はいいらしい】
【出した止木の名、合歓。彼もある意味有名人、……この煩い駒鳥の巣作り相手を何年もこなしてきてるから】

ていうかそのカッコ暑くない? めっちゃ厚着。コマ、夏好きだけどね、さすがに暑いときは薄い服着るよ!
だからキミもちゃんと薄着したほうがいいよ、ネッチューショ? なっちゃうよきっと!!
ねーシーちゃんもそう思うでしょ? アッそうだいーこと思いついた、ねーね、この子に夏服とか見繕ってあげない!?

【「きっと絶対たのしーよ、だってこの子めっちゃ美人だもん、何着せても似合うって思うな!」】
【握られた手の意図も気付かないまま、きゃっきゃと囀る。警戒心とか、人を疑う心ががまるでないらしい】
【さっき金がないとか言ってたのに買い物に行こうとか言う。それも言われなきゃ気付かないだろう、底なしのバカだから】
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/28(木) 22:15:02.55 ID:fl+him0Ko
>>64>>65


【── 静かに瞑目してシーラの棘のある言葉を聞く、白磁の素肌に刻まれる僅かばかりの愉悦に似て】
【一つ二つと二人の言葉を咀嚼したなら、そこに羽ばたく蜂鳥然とした可憐さに耽溺して】
【小首を傾げ長い髪を透かしながら、シーラに向けて言葉を紡ぐ】


其れは不思議な返答だ、えっと── ごめんね、まだ僕は君の名前を知らないから、どうやら僕の事は、知ってもらってるみたいだけど
なら、名も無き小鳥に尋ねてみようかな、僕達の正しい姿とは何だろう、自由を謳歌し貪る事が正しい在り方かな
それは否と僕は指摘しようか、万物は流転する。── その中で、より正しい形に繋がる事を是とするのだから

僕に今番はいない、そして君にも居ないのだったら、僕達は巣作りをするのが当然の道理かしら
そうあれかしと、飼主達は望む。親鳥の言うことを聞くこと、楪の意志に従う事に、僕は躊躇が無いから
ねぇ、君もそう思うだろう? 其方の可愛らしい、小鳥ちゃん


【ゆったりと視線を向ける。切れ長の目尻は、微笑むと蜜のように蕩ける香りを見せて】
【横顔は絵画に似て、一瞬一瞬を切り取ったなら、それだけで彼という名の作品に仕上がる】
【長い睫毛は女性よりも雅に、呼吸の度に雌蕊の様に豊かな風情を醸し出す】


ふふ、君は優しい小鳥ちゃんだね、君みたいな番が居るのなら止木くんも幸せだと思うな
人が人を思う事、それが巣作りをした相手ならより一層大切だって思わないかい?
── 僕は寒がりだから、ずっとこんな格好をしたくなるんだ。肌を見せるのも、あまり好きじゃなくて

──── それは寂しさの裏返しなのかな、中々、僕の相手をしてくれる小鳥はいなくて
漸く見つけたと思ったら、話を聞く前から拒絶されるのは、少しだけ、そう少しだけ、心に傷が付いて
ねぇ、巣作りをしない止木に、存在価値なんて、あると思う?


【もう一方の小鳥に向けるのは睦まじい言葉、優しく染み込む毒に似ていた】
【名演であった。目尻を下げて、声のトーンが絞られる。紡ぐ音律は一遍の抒情詩よりも散文に】
【悲しげな音色は、敏感な存在でなければ、そうであると信じ込みかねない】
67 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/28(木) 22:34:11.36 ID:1buqlovW0
>>65


「 ── 『引っ掛けさせてください』って言ってるんだよ。別格にタチの悪いナンパみたいなものさ。」
「やめとくのが賢明だよ。 ── たまには君も良い事を言う。座りの悪い止まり木に脚を置いちゃ、君の相棒も報われないだろう。」


【少しばかりの安堵に握る指先を緩めていく。じっとりとした汗を指先に感じた。彼女の帰る巣が圧し折られるような真似は、さしもの相手であっても難しいだろう、と。】
【 ── 外した視線を、もう一度向け直す。およそ甘ったるい面構えをしていた。あれだけ罵倒を並べられて、まるで平気でいる。】
【なまめかしく蠢く肌地が忌まわしかった。肉を裂いた中にある白い脂肪を見るみたいで。傷口のように、血が流れてくれないかと願った。】
【けれども動くのは赤い唇。一番動いてほしくないものだった。少なからず湿って淀んだ真夏の大気の中で、彼の言葉は全く截然とした粘りと瑞々しさを帯びていたから。】



「 ……… 籠の中の身であっても、番の相手を選ぶ権利くらい、あるよ。」「君なんかに試しに止まったら脚を折ってしまいそうだ。」
「泣き落としなら相手を間違えているし、自分探しなら他の小鳥とやってもらいたいね。 …… ふン。その面下げて雛が寄り付かないなんて、よほど口下手なんだろう。」

「愚痴くらいなら聞いてやってもいいが、 ── 妙な勘違いは起こさないでほしいかな。単純に、不快だ。」
「コマドリ。こいつと2人じゃ間が持たないだろう。何かするなら、僕も付き従わせてもらうよ。」

【 ── 棘ある言葉の勢いは、少しばかり弱まっていた。彼の見えない涙に堰き止められたのだろうか、あるいは。】
【これとコマドリを2人にする訳にはいかない。それがシーラの出した結論だった。あくまで自分は彼女のために此処にいる、のだと。】
【細い指先が再び目深に帽子を被り直す。 ── 落ち着かないのか、何度も鍔先をなぞっていた。そうして、もしも青い視線が垣間見えるなら、微かな躊躇い。】
68 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/28(木) 22:47:28.60 ID:Wjy1vZIb0
>>66-67

……えっと、えっとね、コマはバカだからよくわかんないけど……
キミは寂しいって思ってるの? じゃあ早く、運命の人を見つけなきゃだね!
コマはそれオーエンするよ、だから頑張って、キミはキレーなんだからすぐ見つかるよっ!!

【拙くもなんとか榧の言葉を理解しようとして――返した言葉はそれだった】
【巣作り相手、早く見つかるといいね。それも一生続くような相手が、って】
【最後に言った言葉――「すぐ見つかるよ」っていうのは、実際本当のことだから。笑われるかもしれないけど】

……えと、えと、シーちゃん、この子となにかケンカしてるの?
きっとあんまよくないコトだよ、えっと、……仲良く、ってのは難しいかもしれないけど。
でもケンカはだめ―――怒られちゃう。よくないことだから。ね、だから……

――――キミもダメだよ! シーちゃん、キミと巣作りする気ないんだって。
だからね、あきらめてそれで……お友達になろうよ、三人で、巣作りはできなくても!
それでも楽しいこといっぱいできるはずだよ、だから、だからさ……ね、……仲良くしようよう……

【困りきった顔をして何度も何度も、シーラと榧の顔を視線が往復する。焦ったような速度で】
【なんとか言葉を選んで選んで選んで――かける言葉は制止を促すようなものだった】
【二人とも、まだ何か決定的に仲たがいするような言葉の言い合いしてるわけじゃないのに】
【それでもひどく居心地が悪いと感じているようだった――先程までの明るい笑顔は何処へやら】
【眉はハの字。瞳はおろおろと所在なく動いて、唇も何度か、何か言おうとしては止めを繰り返し】

【――――自分が心配されてるなんてつゆほども思っていないのだ。その逆、自分以外のだれかのことばっか気にかけて】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/28(木) 22:56:06.55 ID:fl+him0Ko
>>67>>68

【手痛い言葉だと言いたげに、手持ち無沙汰な右手が前髪を撫でる。絹糸が描く纐纈模様、鮮やかな色合いに果てて塗れて】
【紡ぐ僅かばかりの無音の音節。そこに宿す意味合いは硝子細工よりも尊くて】
【──、聡明な子だと思った。そして同時に、隠し切れない淡さを彼は感じ取る】


何事も最初から上手くいく事なんてないよ、僕は僕の思う全力を尽くして、僕の小鳥を探すんだ
僕はあまりにも長く一人でい過ぎたから、それが当然なのかななんて、思ってしまうけど
けれどもそれは自然な姿じゃないんだ、僕達に与えられた力は、二人で漸く一人前だから

──、寂しいと思うことは病に似て、中々表に現れる事なんてなくて、無意識の内に進行する
それは気づいたら手遅れになる点までも一緒だった。気づいたら、上手く表現出来なくなって
だから僕は未熟な止木、咲かない徒花の風情を残した、半人前の病葉。──

同情してくれなんて言わない、ただ、僕は聞いて欲しいだけなんだ、僕が如何して、君を求めるか
僕が君を守るよ、どんな傷も、背負ってあげるから


【指先で辿る自由律、言の葉を飛び交う渡り鳥に似て、その意味合いだけを軌跡に残した】
【袂から零れる手首は冗談みたいに細くて、丹念に織られた糸の風情を感じさせる】
【薄く口紅を塗った唇、潤んだ色合いは瑞々しい果実然として、甘い芳香を重ねて透かす】

【問はず語りの恋模様、節句に値する諱だけが、その故人であると伝えるが如く】


──、小鳥ちゃん、優しい君にはきっと、分からないだろうけど、相手を持たない止木に、小鳥に、飼主は優しくしてくれると思うかい
それは半人前の証、人前に出せない芸の出来ない小鳥、選定の済んでない病葉、── いつまでも待ってなんか、くれない
僕はトラブルメイカーだからね、疎ましく思われているのも分かる、でも、時間は無いから

誰ぞ彼構わず声を掛ける事は曲解されるけど、形振りに構ってられるほど、僕は大人じゃないんだよね
……ごめん、小鳥ちゃん、君には関係ない事なのにこんなに喋っちゃって
でもね、僕は── 早く運命の人を見つけたいって、そう思うんだ

── 参考までに、聞いてみたいな。君はどうして、見つけられたの?


【ある種の恣意的な作為があった。卑下する自分の姿は、きっと貴方へと悲痛に映る】
【そして同時に軽く圧を掛ける、そう簡単な事じゃないんだって、伝えるみたいに】
【──、本性は分からない、けれどもシーラには快くは映らないだろう】
70 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/28(木) 23:17:49.04 ID:1buqlovW0
>>68>>69


【どうしようもなく嫌な空気感だった。】
【どうしようもなく無垢なひとり。どうしようもなく無垢に見えて、どうしようもなく黒い泥の見えるひとり。】
【上っ面ばかり切ない時間への焦燥を真夏の大気が加速させる。先っきまで自分を守るために聞いていた在り来たりな音楽の、残響ばかりが耳にこびりつき】
【其れは彼の言葉と結びついて当分は落とせない沁みに姿を変え、コマドリの善意が拭い取る暇を与えない。自分が自分でいられなくなるのがどうしようもなく不快だった】
【だから目深な影の奥、ラムネのビー玉に透かしたみたいな顔立ちは、その通り虚像でしかないのだろう。ひとつ突いてやれば、今にも崩れ去ってしまい、そうな。】



        「 ──── はぁ、」「 …………… 。」




【溜め息を吐く。自分が大人だったならここで煙草を吸えたのだろう。せめて舌打ちはしたかったけれど、コマドリがまたぴいぴい騒ぐだろうから】
【ひとつ観念したみたいに、くるりと帽子を後ろに回した。 ── 至極もっとも剣呑で、けれど少しだけ怯えるような、そんな眼で。交互に2人を見たのならば】



「喧嘩って訳じゃないけど。個人的に好かないだけ。 ─── 泣き落としは効かないって、君にも言ってるんだからね。」
「だが我儘を言って不和を作るのは僕としても本意じゃない。 ……… 話くらいなら聞いてやる、と言った。それに嘘はない。」
「御託はいいから語ること語ってほしいな。其れとも、もう始まってるの? もっと解り易くしてほしいね、生憎と学がないんだ。」


【わざとらしい御涙頂戴の言葉はその辺の安いゴシップ誌に載っていそうだった。そう内心で悪態を吐かねばやっていけなかった。】
【同情を買おうとするような仕種も言葉も呼吸も、まとめて一つに睨め付ける。 ── もしも其れを自分に振られて、真っ当でいられる気はしないけれど。】
71 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/28(木) 23:26:40.82 ID:Wjy1vZIb0
>>69-70

え? え? 飼主様……、え、でも……そんなことしないと思う、きっと……。
そんなことないよっ、ね、元気出して! きっと見つかるから、……、

……ネムの話? あのね、昔ね、コマが足に怪我して泣いてたときに、
治すために巣作りしてくれて、それで好きになっちゃって、それからずっと……

【あまりにも簡単に榧の言葉に乗っていく。あるいは踊らされる】
【けれど一訊かれれば一返すだけだ、受けたぶん答えて、それだけ】
【きっと素直すぎるせいなんだろう。下世話な「サービス」の心なんか、知らない】

ナキオトシ!? 泣かない、コマ泣かないよ、だから大丈夫!
だから安心してねシーちゃん、コマこの子にいじめられたりしてないから、

……あっそうだ名前聞いてない! ねー、キミ名前なんて言うの!?
コマはね、駒鳥の「駒子」! シーちゃんはシーちゃん!
友達になるにはまず名前知り合うところからって言うじゃん! だからほら、

【泣いたって無駄だって言われて、焦って表情を変えた。取り繕ったような笑顔】
【けれど眉の形はそのまま――おろおろしているのは変わらない】
【急に話題を転換したのは、あまりにも居心地が悪くなったからだろう】
【少年の名前を訊く。付随して、自分と、シーラの名前――の一部を勝手に教えてしまう】

【ともだちになろうよ。ばかみたいに子供っぽい願望は、まだ捨てきれていないようだった】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/28(木) 23:31:17.68 ID:fl+him0Ko
>>70>>71

【一触即発といった雰囲気であった。それは確かに交わらない水と油に近くて】
【だからこそ巣作りをしたいなんて思ってしまう、程──、最初から上手くいく関係は少なくて】
【言葉を置いて、僅かばかりに嘆息をする】


── 僕の目的は一つ、早く僕に相応の番を見つける事だから
だから僕は小鳥ちゃんを見かけたら、その子のことを知りたくなるのさ
だけど、うん、だけど──、君は中々強情らしい

それを僕が兎や角言うことはもう出来ない、長々と悪かったね、──
でも、僕も思うんだけど、君は早く自分の相手を見つけないのかい?
君ぐらいに聡明で可愛い子なら、どんな木だって選び放題でしょう?


【手を引く、踏み込みすぎた距離感は、或いは引きやすいその位置だったのかもしれず】
【夕月夜、透けて溶ける凪に満ちた暁の如く、火点し頃には相応しい淡さを残して】
【滴り落ちる露の光景、瞬く僅かな隙間も見せず──】


──、榧。それが僕の名前だから、成程、君の止木は優しい人なんだね
誰かに優しくできる事はとても素敵な事だけど、それと同じくらい、誰かに優しくされる事は素敵な証だよ
だから僕も人に優しくなんて、思ってしまうのかな、── 上手く出来ると、いいけど

── 友達、ね、君もあの子も、本当に僕の友達になんかなりたいのかな
僕は我儘で気分屋で、小鳥の止まらない故も知らない楪だとしたら
一人が似合ってしまうのかも、しれないね


【眩しいと感じてしまう、真っ直ぐに言葉を向けるコマが、何処までも】
【しばし逡巡する、記憶の底に残った、誰かの姿を──】
73 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/28(木) 23:44:10.16 ID:1buqlovW0
>>71>>72

「 ── うん。其れは良く知ってる。コマみたいな子が、酷いことされた相手の前で、笑ってられる訳ないしね。」
「 ……… 勝手に名前を教えるなよ。まあ、いいけれど。」


【ひとつシーラは気付いてしまう。此の状況を言いようもなく気不味いモノにしているのは、ひとえに自分の態度であって】
【 ── 少しばかり自分が態度を緩めてやれば、此の喋りづらさも、居心地の悪さも、出所の分からない焦燥感も、】
【どうにかなってしまうんじゃないか、って。 ── 気付いてしまえば早かった。全体主義的圧力に彼女は弱い人間だった。それに、】
【自分の吐いた言葉を理由に、快くない顔をする"善意の"だれか2人。目の前にして、ずっと冷たくいられるほど、彼女は人間ができていない。】


「さあ。 ……… でも、怖いのかもね。」「誰かを、自分の世界に踏み込ませること、が。」
「変わらなきゃと解っていながら、巣立ちの為には先ず巣が要ると知っていながら、それを作る勇気が持てない。」
「君みたいなのに少しでも何か許したら、そのまま一気に踏み込まれてしまいそう、だしね。」



【だから、つらつらと身の上話までしてしまう。それで全て終わるのなら/終わってしまうかもしれないとも知らずに。】
【彼女としては問われたことだけに答えたつもりだった。けれど愚かな少女でもあったから、 ── 彼女は其れに気付いていなかった。】



「 ── Белый лебедь(ヴェールイレーベチ)。僕のいた地方の言葉。白鳥、だよ。」「でも、 ── シーラでいい。似合わないから。」
74 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/28(木) 23:54:23.04 ID:Wjy1vZIb0
>>73

カヤくん!? カヤくんだね、よろしく!
カヤくんとシーちゃんとコマ、ほら、これでみんな知り合えたしさ!
もう友達だよね、ねっねっ、コマたち友達! ……あっ今の韻踏んだ!
コマ、ラップの才能ありけり!? よーちぇきら!?

【困ったままの笑い顔は最早滑稽なまでにくるくる、踊り回っていた】
【どうすれば二人が仲良くしてくれるかな、どうしようどうしようどうしよう。そればかり】
【考えて考えて――結果おどけることしかできない、ピエロみたいに】

ひ、ひとりが似合うなんてそんなことないよっ! カヤくんだってきっときっと、
優しい小鳥と出会えるって……これほんと! コマ占い第一位だよ、ほんとう!!
チョー上手くできるって、本当だから、……そんな悲しい顔しないで!

…………ん? べーるいれ、……べるち、……シーちゃんいま何て?

【わたわた。榧に心配したと思ったら、名乗るシーラにクエスチョンマーク投げたりして】
【めちゃくちゃ忙しそう。でも、名乗り合いが成立したならほっと胸を撫で下ろす】

よしよし、これでみんなきちんとお名前言えた! だからもう友達!
友達だからどっか遊び行けるよ、どこ行く!? コマはね、コマは……あっお金ないんだった……

【その後笑って、それからしょんぼりして。……駒鳥はおおむねいつも通りだから、何も心配することはなさそう】
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/29(金) 00:00:00.15 ID:fl+him0Ko
>>73>>74



【── その羽ばたきの合間に、見えた表情が全てであった】



【瞬きよりも短い寸刻、少女が描く等身大の面持ちに】
【彼は彼なりの残酷な心持ちを故に、その静謐を写し取らんとして】


【── そして止まる、小夜啼鳥は未だ微かに】



いつかはきっと、だよ。僕も君も、そうある様に作られてしまったから
飛べない小鳥の行く末も、咲かない徒花の行く先も、君なら十分に分かるだろう
まだ、大丈夫、── 僕の未来も君の未来も、駒鳥が先んじてくれるから

覚えておいて、覚えておくよ。知らない事も、知っている事も無い、只の一つも、今の一つも
許す事は楽しみで、それを否定する事なんて誰にも出来ないから
── 互いにどうしようも無くなったら、どうにか手を組むなんて、あるのかもね



【それを愚かと形容するのであれば、彼の行いは愚者のそれに対するものではないから】
【貴女はきっと聡明であった、あるいはその認識が無くとも、無意識がそう伝える】
【井戸の深く、奥底に、残る確かな意思を見たから】


君は僕を友達にしてくれるんだね、それはとても嬉しいと僕は思うよ
でもね、僕が友達で居る限り、君の友達が楽しくないって思ってしまうんだから
ありがとう、君はとても優しい小鳥だ、でも、それはけして良い小鳥じゃないと思うんだ

良い小鳥は止木以外に優しさを振り撒いちゃいけない、それは止木に注がれるべきだから
そうでしょう? そうじゃなければ巣だなんてお笑い種と思うな、偽りの巣で育てられる愛などないし


── 僕はお暇するよ、友達より先に今日を凌ぐ小鳥を見つけなきゃ



【これ以上一緒に居たなら、抑えきれない、と暗に伝える。恐らくそれはシーラにしか分からない】
【彼は危険人物であった、それを本人が認識している点が、何より危なくて】
【──、さりゆく背中に戸惑いはない、ただひたすらに、その姿を消していく】


/こんな所でしょうか! お疲れ様です!
76 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/06/29(金) 00:24:11.74 ID:r6PdPDKB0
>>74>>75

【どこまで行っても忙しそうな少女の様子に呆れたような顔を示すのは其れが彼女のペルソナであるから。】
【自分のことを隠す為、余所行きの仮面を被る理由をつけずにはいられない。それでいて、守る自分がなんなのか、よく解っていない。 ── そういう人間だった。】



「 ── シーラで良いって言っただろう。」「調べたければデータベースにも載ってる。」
「君が足りないなら奢ってやるから。」「どうだろう、 ── お前も、一緒に、」



【 だからシーラには解らない。自分がなにをしようとしているのか。自分がなにを望んでいるのか。】
【たゞ去り行く背中に見るのは昏い輝き。冷えた鎔鉄を覗き込むに似た鈍い光。ゆえに、】


        「 ─── っ、」


【そこで初めて無意識を自覚する。自分はなんと言おうとしたのだろう。息が詰まってまで濡羽色の背中に伝えようとしたのは何だったのだろう?】
【 ── 間違いない。待って、って言おうとしたの。別に其れは妙な感情が理由じゃない。ただ、もう少しだけ話をしていたいと、思ったから。】
【夜陰に溶けるくらい黒くなった指先が、誰かに触れようとして如何なるかは、彼女だって解っていた。でも、それでも。】



「 ……… コマ。」「飯の宛はあるの?」



【 ─── 息が止まったような時間は、コマドリには感じ取れるものだろうか。吐きだす嘆息の色が微かに違うのは、夜目にも見えるものだろうか。】
【ともあれ異存が無ければ、 ── シーラはコマを連れ出そうとするのだろう。ご飯でも、買い物でも、カラオケでも何だって。穴の空いた夜の遣り場から目を背けるため。】

/わたしからはこんなかんじで!!おつかれさまでした!!
77 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/06/29(金) 00:30:16.47 ID:v8hv0Uq00
>>75-76

……いい小鳥じゃないの? どうして? コマ、……わるい子なの?
いろんな人と友達になりたいって思うの、悪いこと?
そんなことないと思うの、でも、……カヤくん、……。

【去っていく榧の背中をじいっと見つめながら、打ちひしがれたみたいに】
【ひどく悲しそうな顔をする。どうしてそんなこと言われるか、わからない】
【彼が思っている通り、無垢――というより白痴の駒鳥は、なんにもわかっていないのだ】

シーちゃん、……シーちゃんならわかるかな。コマって悪い子?
……だめだな、コマ、バカだからまた変なこと言っちゃったのかも。
カヤくん怒っちゃったかな? そしたら次会ったとき、謝らないと……
そしたら仲直りできるかな。そしたら、そしたら……

【「今度こそ三人で遊べるかなあ」 ――愚かにも、まだその願望は潰えてないらしい】
【会った人全員と仲良くなりたい。仲良くなった他人同士にもそうしてもらいたい】
【全人類、友達。そんな馬鹿げた夢を本気で見ているらしい、白痴の小鳥】

【完全にしょんぼりの形で固定された表情。だけどシーラに誘われたなら、わっと声を上げて】
【「ナイナイ! 行く行く! わー、お肉が食べたい!」とかなんとか、機嫌良さそうに】
【……したのも一瞬だけの話だった。「今度はカヤくんとも一緒に行きたいねえ」 ――――】
【どこまでも、世間知らずの籠の鳥。加護された世界しか知らない――空の深さを、まだ知らない】


//わー、おつかれさまでした!
78 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/29(金) 21:04:22.74 ID:xe++LoF00
【雷の国 廃ビル屋上】

――――やれやれ、最近はなんとも、世の中が騒がしい事で……
俺たちの仕事も、これじゃあ無くなっちまったようなもんだな。もはや、世界はガタガタだ……――――なあ、そうじゃないか?
「――――確かに……」

【くたびれた薄いスーツを右肩にひっかけ、Yシャツにスラックスとテンガロンハットにその身を包んでいる】
【やや無精髭の目立つ顎に、やや長めでだらしなく乱れ気味の金髪とは裏腹に、活力に満ちた瞳を光らせている】
【腰に、鞘に収まったごつい2本のナイフ、何本ものハードダーツ、そして一丁のリボルバーハンドガンをぶら下げている、身長170cm前後の男性が】
【嵐の前兆と思しき、この国特有の温く湿っぽい風を浴びながら、眼下の夜景を見下ろして、気だるげに葉巻の煙草を吹かしている】
【そのそばには――――機関のプロテクターとヘッドギアを身に着けた人物を伴っており】
【そして彼自身も、逆五芒星を象り、その下に≪No.21≫とあしらわれたバッジを、テンガロンハットに着用していた】

しっかし、水の国じゃ……謎の法律の制定・施行に、復活した過激派カルトの、あっさりとした崩壊ね……
ここらでこの国に、もう1度花火を起こしてみても良いもんじゃないかって、思うんだがな……
「……その為には」
そう――――あいつが必要なんだよな。グラトン爺さんの、忘れ形見たちがよ……

【まるで、埠頭のボラードに対してそうするように、めくれ上がったタイルに片足をかけて、そこに体重を預けながら、男性は夜空を見上げる】
【曇天の夜空は、重く垂れこめた黒雲に包まれていた――――】

/それではお願いしますー!
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/29(金) 21:17:10.31 ID:0gRlEn/4o
>>78


【──、吹く風は爽やかに。雪時雨の如き涼しさと、夜半に似た静謐とを運んでくる】
【其れは確かな異質に他ならない、雷の国、暗澹と曇る雷雨の国、そこに於いての異端】
【振り返る必要も無かった、少なくとも、── 人の身に於いて、此処までの冷気を纏う存在など、そう多くは無いから】


── 湿度を孕んだ空気はね、使い古した愛情みたいに、それは倦怠を告げる最初の合図
熱帯夜に添う二人の雰囲気なんて、姫初めでも無ければ悲惨なものだから
閨事から雅が喪われたなら、其れはもう悪態に他ならないのかしら

── 貴方は過去に生きていて、それとも現在を、未だもがいていて?
私には分からないわ、分からないけれども、それならば尋ねてみる道理にはなるから
そうでしょう、いつまでも、過去を糧に生きるなんて、死人のやる事だから


【プラチナブロンドの長い髪、朱が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート】
【スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】

【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか儚げな横顔が印象的な少女が背後から声を掛けたなら】
【両手を貴方の背後から首筋に回して、そしてそのまま密着する様に身体を押し付けようとする】
【──、耳元へと唇が濡れて、しとりと濡らした蕾の様な肉感が蠢いて】


『初めまして』── お噂は知ってるわ、それなら私の事も知っていて?
強い殿方は好きよ、だーいすき、逞しい腕に抱かれたなら身も心も溶けてしまえて
でもね、形だけの力じゃ満足出来ないわ、出来ないの、── 心がきゅうと、切なくなって

── ねぇ、貴方は、私を満足させてくれるのかしら
80 :パウル=ミュンツァー≪No.21≫ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/29(金) 21:35:32.52 ID:xe++LoF00
>>79

――――――――ん、お……!?

【ふと届いてくる、冷えた気配――――この蒸し暑い国には異質な、氷のような雰囲気】
【思わず、男性は振り返ろうとした。だがそれよりも先に、その声の主が、背後から抱擁してくる】
【――――思わず、口からタバコが零れ落ちた。薄闇の中、墜落していくタバコの火が線を描く】

――――おっと……思いがけない奴に出会えたもんだな、えぇ?
……俺も、噂には聞いていたよ。UTからの転向組……何があったか知らないが、こっちに『賭ける』気にでもなったかい?
ま、俺は何も言わないさ。派手に暴れまわってくれてるみたいだしな……俺たちのお株が奪われちまって……やってくれるよ

【横目に確かめる、そのプラチナブロンドの長髪と、白銀のロザリオ。それだけで、≪No.21≫――――パウルには、その人物の正体が分かった】
【――――水の国にて、大々的なテロ行為を敢行し、世情不安を煽って見せたフロントの強者。そして、かつての『UNITED TRIGGER』の所属らしい、水の国大会の準優勝者】
【何があって機関に転属したのかは知らないが、それは些末な事と――――カチューシャに対し、彼はニヤリと笑みを返して見せる】

さてな――――所詮、俺には『運』しかない。だからこそ、今まで生きてこれたわけだし、機関に命を預けてる……
これは力か、それとも裏打ちのある実体か? ……随分と、洒落たご挨拶だな、≪No.3≫さんよ……

【こんな可憐で、扇情的な格好をした女性に、唐突な抱擁を受ける。最初は驚きが胸にこみ上げたが、徐々に昂奮がそれをかき乱していく】
【だが――――パウルもまた、それに流されるような男ではなかった。むしろ、戯れてきたカチューシャの頬に、下手からそっと触れて、撫でる】
【丁度、猫に対してそうする様に、可愛がる仕草の撫で方だ】

……まぁ、俺たちがどれだけ貢献できてるか、分からんけどね。それで他の面々が動きやすくなってるなら、悪いもんでもないさ……
「…………」
(――――待て、少し待てって……ちょっと、頼むから落ち着いてくれよ……?)

【――――そばに控えさせていた機関兵が、蚊帳の外の状況で、パウルはチラと視線を向けて、やや渋面と共にウィンクで合図を飛ばす】
【気まずい状況と言うのは分かっているが、まずは流れに任せようという合図だった】
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/29(金) 21:51:07.78 ID:0gRlEn/4o
>>80

【── 彼女は目を細める。心地良さげに伸びる首筋、浴槽で弄ぶ、純白の泡にも似た儚さで】
【貴方の指先に伝わる温度、純白雪よりも冷たい体温は、触れた側から溶けていきそうに】
【それでも羽毛の様に彼女の柔肌は貴方の指先を蕩かす、気を抜いたならそのまま沈みそうなぐらいに】

【雲で出来た水面に似ていた、或いは、── 珈琲の上に浮かぶ、鮮やかなラテアート】


そんなつもりは無いの、カチューシャはカチューシャの思うがままに、動いているだけだから
── でもね、煩わしいのは本当よ、本当なの、カチューシャは煩いのが嫌いだから
テロだなんて、襲撃だなんて、そんな滑稽な名前を付けないで、── 私にとっては、唯の戯れ

男女が濡れる巫山の雨にも及ばない、其れはただの前戯に等しくて、あんな催しじゃ貴方も勃たないでしょう?
『運』も実力の一つ、それはね、きっと、運が必要な場面迄命を運べる力量の事を言うの
幸運の女神だなんて言うでしょ、素敵な運の持ち主には、素敵な女性がお似合いだから


【徐に伸ばされた両手は貴方の胸元を間探る、その胸筋の筋を指先で辿る様に降りていき】
【そして発達した胸板をなぞるように、一度二度、指先がその輪郭だけを形取って】
【止めなければ脇腹までその指先は降りる。腹筋の形を今度は確かめていた】


ねぇ、退屈なの、── 貴方はどうして、こんな国にいるのかしら、カチューシャは理解が出来なくて
自由は与えられているけど、バックアップなんてカチューシャの性にあわないわ、前に出たいもの
そうじゃないと素敵な出会いもなくて、この身体の高まりをどう沈めればいいのかしら

── 教えてくださらない、如何して此処に来たのかなんて


【何故彼女が此処に居るのか、バックアップ要員だなんて彼女は言った、要請があったかは知らないが】
【兎角彼女を手隙にしていたなら、『ろくな事にならない』との判断が故】
【彼女は頬を膨らませる。大きな変化はない、けれども確かに、初雪に桜が咲いた】
82 :パウル=ミュンツァー≪No.21≫ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/29(金) 22:20:26.11 ID:xe++LoF00
>>81

(……妙に冷たいが、柔らかい頬だ。これは……なんとも)

【指先に伝わる感触が、パウルの脳を逆に撫で上げていくように思われた。女の柔肌の魅力、それを見事に表しているような心地よさが伝わってくる】
【しかして――――その冷たさは気にもなった。何か、雰囲気だけではない何かが、冷え切っているようで――――】

へぇ――――俺に似ているな。縛られるのは御免って事か……ただ、気の向くままに、ね

【――――この男は、その言葉通りに『賭け』の対象として、機関に身を置いているだけに過ぎない。カチューシャはどうやら、そうした心情ではないようだが】
【しかし、ただ自分の意志の向くままに――――と言う、その捉えどころのない心情は、むしろ自分に似ている気がした】
【しがらみなどに制されるのは、性に合わない。ただ、自分にとって「こう」と決めたら「こう」なのだ、と】

……アレが『戯れ』、ね……そりゃ、俺たちの立つ瀬がなくなってしまうな……
けど確かに、そうだな……全力の賭けって程じゃなかったってのは、分かるよ……ベットできる駒は、まだ残ってる……そういう事だろ?
得るか失うか、ギリギリの淵で、天秤の傾きにヒリつく……確かに、その熱量にアテられなきゃ、どんなギャンブルも所詮は遊びだ……お前さんには……まだまだ満足できないんだな?

【カチューシャの関わった動乱は、結構な大事だと思うのだが、どうやら彼女にはまだ『足りない』出来事でしかなかったらしい】
【だが、それもパウルには分かる気がした。本当に興じる事ができるのであれば、忘我の境地に至るほどに、迫ってくるものだ】
【彼女は、先の戦いに、それを感じられていないのだろう――――死の恐怖が生の喜びを浮かび上がらせる、そんな心情に自分を重ね合わせて、パウルは理解する】

――――分かってるじゃないの。俺にとっては、幸運の女神様、それが一番の相棒さ――――っ……ぉ、おい、ちょっと……!?

【カチューシャは、知ってか知らずか、パウルの琴線に触れる言葉を口にする。正に、運にのみ全てを預けているパウルにとっての、最重要事項と言うべきゲン担ぎ】
【確かにパウルは、幸運の女神に相応しい男となるべく、そこに対して実直に生きてきた男だ。そしてそれが、機関の中での頭角を現す、確かな一要因となっていたのだが】
【――――カチューシャの涼し気な指が、パウルの身体を這い回る。流石に驚き、そしてうめき声が漏れた】
【戦士として、鍛えられた筋肉だ。だがそれは、あくまで一般的な範疇の筋肉に過ぎない――――鍛え上げられた、力強い男と言う印象までにはいかないだろう。まだスマートの範疇だ】

――――どうしてこんな国にいるの、か……そりゃ難問だな。一口には説明しにくい……
――――六罪王サツキ、彼女が俺の直接のボスだ。その彼女が命じるのさ……「かつての≪No.6≫グラトンの遺産を奪還し、世界を機関が支配する足がかりを作るんだ」ってな
……足固めの為に、2年近く使ってしまったが、そろそろ準備も良いだろうさ……後は、ネットワークに流れたろ? グラトンの遺児たち――――あいつらの『細胞』が、出来れば『身体』が欲しいらしいんだよ……

【ゼクター渓谷地帯に、雷の国の陸上戦艦『ドランクドラゴン』を奪って、SCARLETの団員を1人殺害までして、サツキ一派は拠点を築き上げている】
【それはすべて、かつての≪No.6≫グラトンの――――その生涯をかけて残してきた成果物の、運用の為だという】
【世情の流れから切り離されても――――彼らは彼らで、戦いの準備を進めていたのだろう】

――――今、水の国が熱いそうじゃないか。だが、時が来れば……グラトンが脅かしたこの雷の国、ここも熱くなる……命がけのギャンブルが始まる……!
少なくとも、退屈はさせないだろうよ。勝てば世界がついてくる、負ければ命がなくなる。そんなサイコロ遊び……熱くならないはずがない……!

【彼女が、なぜそうも思いを持て余しているのか。流石にパウルには分からない。だが、動乱の種はくすぶっているのだ】
【発火の時が来れば――――彼女にも、退屈はさせないだろうとパウルは思わせぶりに告げる】
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/29(金) 22:31:37.96 ID:0gRlEn/4o
>>82

【彩る宵闇は燕子花、白銀の髪が夜に抱かれて、溶かす色合いは夜空をそこに落とし込んだかの如く】
【反転する頬の色合いは、今咲いたばかりの白百合の如き楚々と艷やかさを描く】
【絵巻物から抜け出してきた天女、絵画に息吹が篭った聖女、それでいて語る言葉は淫らに咲き狂う】


──、あら縛られるのは好きよ、殿方にはけして、分からないでしょうけど、
でも、彼方の方は良く分かっているの、そうよ、衆生を幾ら散らしても、カチューシャの胸は満たされなくて
肉屋のおじ様は少し良かったわ、けれど、── 私を抱く前に去ってしまわれたから

負けたならこの身すべてを差し出してもいいなんて、そんな賭けが出来るのかしら
出来たのなら其れは幸せで、犬畜生の様に隷属する事に私は後悔なんてしないの
── ねぇ、貴方の体温、温かいの、もっと知っても、いい?


【腰周りまで指先が降りたなら、今度は掌をそっと太腿に当てた。紅葉の様に可憐な手】
【そうして掌に吸い込ませる様に、貴方の太腿を指先で撫でるのだろう】
【顔は貴方の背中の辺りに降りていた、腰を屈め、頬はそれでもぴったりと体に擦り付け】


── 名前しか知らないの、六番のおじ様、── とても素敵で、偉大な研究者だったらしいけど
六罪王のお姉様も名前だけね、カチューシャなんてきっと見向きもされないでしょうけど
蹂躙されるのは嫌いじゃないの、それが果てなき力の産物なら、恩寵として受け取って

貴方ってば、賭けの話になると生き生きするのね、分かるわ、分かるの、身体がそうと伝えてる
心臓の鼓動、脈拍、そしていきり立つ心、全部が全部、カチューシャにはお見通しだから
如何してそんなに賭けが好きなの、それで身を焼かれてもいいなんて、思うの?


【── 私は被虐の悦びが故に、賭けを好むけど、なんて嘯いてみたりもして】
【そこに浮かぶのは確かな疑問であった、言葉の熱量を支える、賭けへの気持ち】
【──、あるいは妄執や執念とか、そういった感情のようにさえ思えてくる】
84 :パウル=ミュンツァー≪No.21≫ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/29(金) 22:58:09.32 ID:xe++LoF00
>>83

……そうなのかい? 俺は御免だね。どこまでも……俺の生き方は俺が決めるんだ。生きるも死ぬも、俺の胸先次第……俺は、そうして生きてきたからな
――――なるほど。なら猶更、俺たちの企みが進めば、そんな退屈はさせないはずだ……
打って出るんだぞ、世界に――――全部が全部、俺たちの敵になる。そこには、『全部』がある――――喜びも苦しみも、生も死も……――――俺にとっては、結局はチップのやり取りだがな……!

【カチューシャの抱く思い。その本質が言葉の一端に垣間見えた。要するに――――彼女の望むのは、殺戮ではないのだろう】
【それよりも、死闘を望む――――自分と、性質としてはずれている様に思われるが、その方向性は同じだ】
【――――ならば、猶更くすぶる火種で終わる訳にはいかない。そしてカチューシャにとっても、あんな火遊びは、文字通りの『遊び』でしかなかったのだろう】

――――あぁ、勝ちに、その先に得るものがあるならば、釣り合いは取れるだろ? その釣り合いの中で、ペンジュラム……振り子がどっちに傾くか
人の心なんてものが、振り子のチャチな運動に、完全に翻弄され、支配されるんだ……そしてその先に、、歓喜が絶望か2つに1つの未来がある……知れば、戻れないさ。あの焦燥に焼かれる心地はな……

【破滅に酔う様なカチューシャの言葉に、ささやかな補足を入れながら、パウルはギャンブルの魔力を語る】
【宙ぶらりんの運命に、翻弄される興奮。それは何にも代えがたいある種の快感で。それの為に、彼は人を殺し、世界と戦う】
【カチューシャがそれに酔えるかは知らないが、その熱を知る事は、間違いないだろうと】

ぅ、お、おいッ、ちょっと待てって……これは流石に――――!?
「――――そうね、そこまでになさい。流石に人目を気にしないにしても、やり過ぎだわ?」
あ……ぁぁ…………

【遠慮なく伸びていくカチューシャの手。流石にパウルは慌てる。このままでは、戯れで済まなくなるのでは、と】
【当然、そばで見ていた従者の目を気にしていたのだが――――それは、ただの羞恥心などではなかったのだ】
【呆れた様子でため息をつくと、従者は突然、自分の頭を叩き、首をちぎり飛ばした――――その身体が、閃光に包まれる。そしてそれが収まると――――】

【右袖に瑠璃溝隠(ロベリア)、左袖に池を伴った雪景色、そして背中に満月をそれぞれあしらった、派手な赤地の櫻の衣装を優雅に身に纏い】
【艶やかな光を纏った黒い長髪を、金の簪と共に複雑に頭上に編み上げて、丸みを残しながらも目鼻立ちのすっきりした顔に、紅の口紅が色を添える】
【首から、紐に通され、額に特殊な印の様なものを刻み込まれている、4つの頭蓋骨をぶら下げている、身長160cm前後の女性】

「確かに「今まで見向きもしなかった」かしら? でも、随分と大体な事をするものねぇ。あなたにとってこの世界、そんなに儚くて意味の薄いものかしら?」

【――――六罪王の一角、首狩 殺鬼――――または、サツキ・ザ・ヘッドスラッシャー。そばに控えていた従者は、得意の能力を活かした変装だった】
【パウルが何度か口にしていた『ボス』。その存在はこんなそばにいたもので。カチューシャの言葉も、全部聞いていたのだ】
【そしてその表情は――――どこか不機嫌なもの。明らかに、パウルへのアクションにその原因があるのだろう】

…………女神様が、俺の人生にはついているからな……。女神様に愛されるから、俺はギャンブルの熱に、真っ直ぐに向かおうと思ってたんだよ……
女神様に愛される、良い男になろうってな……そして、その恩寵を、最大限にこの人生に浴びて、輝かせようと……はぁ……

【若干ひきつった様子で、パウルはカチューシャに答える――――彼にとって、この状況は運に恵まれなかった『それ』なのだろうか】
【早いところ、カチューシャの手を制していれば良かったのかもしれないが。殺鬼のジト目に、明らかな冷や汗をかいていた】
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/29(金) 23:09:05.28 ID:0gRlEn/4o
>>84

【香る爽やかな芳香は初夏に似ていた、開け放した窓から、流れ込む涼しい風が晨夜を濡らすみたいに】
【それでも彼女の雪白は変わらなくて、そこに揺らめく蜃気楼の如き儚さは、掌の上に残る雪に似て】
【繊細さであった、歩き始めた童に似た、危うい程の緻密さが、彼女を彩る言葉の全て】

【── 現れた女性は小百合花に似ていた、可憐なその雌蕊に寄り添う、艶やかな花弁に一葉重ねて】
【カチューシャはするりと手を離し、悠然と立ち尽くす。纏うコートは狭衣の様に揺らめいて】
【手袋に包まれた指先が口元へと滴り落ちた。唇の輪郭を指先でなぞったなら】


そんな事ないの、カチューシャにとってこの世界は、果てない空中サーカスみたいなものだから
私は枝から枝へ、殿方の手から手へと、渡る鳥であったならいいなんて思うけれども
だからね、だからこそ、── 退屈なんて病に近いなんて思ってしまうの

初めまして、── 罪の名を背負う、美しいお姉様、貴女の見つめる世界は如何様に?
其れが退屈じゃないなんて思うのなら、カチューシャにもその仕組みを教えてもらいたいの
私は何処までも揺らめいてばかりは、きっといられないから


【カチューシャの表情は変わらない、けれども纏う雰囲気が警戒色を出していると、貴方にも伝わるだろう】
【呼吸を止める所作は潜水に似ていた、何処までも深く海の底へと沈むみたいな】
【気がついたなら、気を抜いたなら二度と、浮上が出来ない思いを残して】


ねぇお兄様、貴方は如何してそんな風に話すのかしら、悪いのはカチューシャよ、それが道理だから
夜鷹が誘うその殿方に、どんな責任があるの? 思いに任せて、心を委ねて、身体を重ねて
そうでいいでしょう、そうあるべきなの、曲輪の仕事を邪魔するのは雅じゃなくて

そうでしょう、罪のお姉様、── 催す言葉があるのなら、私に聞かせて
何なら思うがままに、思うが故に、私を責めてしまうのがお好きかしら?
貴女の指先であんあ、と鳴いて──、或いは私の指先で、貴女の秘密を明かしましょうか
86 :パウル=ミュンツァー≪No.21≫&鬼首 殺狩 ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/29(金) 23:38:01.42 ID:xe++LoF00
>>85

「言うわね。退屈は病に近い、か……中々面白い事を言うじゃない
 私の存在を軽視してるものかとも思ったけど、逆なのね……私が、何であっても、どうであれ、あなたには好ましいと?」

【帰ってくる言葉に、殺鬼はやや意外そうな表情を見せる。どうやら、初めの印象よりは好ましいと思ったようだ】
【自分の存在を無視していたのだろうと受け取っていたが、それはむしろ「見せつけていたのだ」と解釈したようで】
【――――勿論、意識の大部分はパウルに向いていたのだろうが。殺鬼としても、そこはやはり面白くなかったのは事実らしい】

「そうね……むしろ、私はパウルほどには、この世界を面白くは見ていないわよ
 私はただ、この世界に仇名すものでしかないわ。その先に、何かを望んでる訳じゃない……むしろ、破滅が好みかしら?
 ……でもそれは、スペルビオ様の望む事じゃない。だから戦うのよ、私は――――少なくとも、機関の外から持ち込まれた思想に酔うつもりはないわ」

【意表を突いた出現で、殺鬼は場のイニシアティブを、かなり掌握した。それを背景にして、余裕をにじませながら、パウルから離れたカチューシャのそばへと歩み寄る】
【世界の在り方を求めて戦う、その先のビジョンはと問われて――――殺鬼は、どうでも良い事だと流してしまった】
【パウルの様に、望む事がある訳ではない。カチューシャの様に、熱を求めるでもない。むしろ彼女は、破滅を手繰り寄せる】
【しかし――――その言葉の中に、サツキの表情が渋く歪む。あるいは彼女は、この世界を嫌っているのかもしれない】
【そして、仄めかしていた。『N2文書』にも『グラーク書簡』にも、彼女は肯じるつもりはないのだと】

ぁ、いや、その……
「――――本気で言っているのかしら? 私がそばにいる事を、彼は知っていたのに。なのにあなたに靡いたのよ
 分かるわよね、あなたの手を、彼は拒まなかったのだから――――私に気兼ねするなら、そこをハッキリさせなきゃ、ね?」

【パウルが動揺している理由は、言わずもがな殺鬼にある。殺鬼の事を知っていたのだから、カチューシャにあいまいな態度を取るべきではなかったのだ】
【殺鬼も、そこのところに機嫌を損ねているようで――――この2人、要するに「そういう関係」なのだろう】

「――――覚悟は、出来ているのかしら? なら、私はあなたを罰してあげるわよ……少しばかり、心を固めなさいな……
 あぁ、でもね? ……あなたの首は私には不要よ。そんな無粋な真似までをするつもりもないわ……」

【殺鬼の両手が、カチューシャの頬へと伸びる。そのまま、その柔らかな頬を掌で包みこんで】
【「敵対者は死んでも許さない」――――かつて彼女は電波ジャックでその言葉を伝え、そして死体を切り裂き、その身体に吸収して見せた】
【更に、首から下げた頭蓋骨は、強者の魂を封じ込め、己の変身の媒体に利用しているもので――――だが、殺鬼も、重要な部下であるカチューシャをそうする事は望まない。ただ――――】

「――――1つだけ忠告。力を抜いて……そして、平常心を保って見せるのね…………じゃなきゃあなた、自分自身で自分を握りつぶす事になるのよ……?」

【――――カチューシャの頬を包みこむ掌。その指先から、黒い糸が――――彼女の能力で生成した『髪の糸』が伸びる】
【それは、ズルズルと量を増していき、そして伸長し――――カチューシャの襟元から、その身体を包むように全身へと広がっていく】
【蠢き、撫で上げながら――――その中に、一部の髪が、細く細く引き伸ばされて、目にも見えないほどに細くなって――――その皮膚を突き破り、体内へと入り込む】
【蚊の針に似た、痛みさえ感じさせないほどの細さの糸が――――血管を泳ぎ、体の中からカチューシャをかき乱す】
【下手に力を籠めたり怖気で血管を縮小させてしまえば、裂けかねない、繊細な技だ。勿論、殺鬼にとっては脅しの類だろう】
【――――細やかな、かつ彼女の能力を最大限に活用した、罰としての凌辱。カチューシャの醜態を期待し、またそれによってパウルへの行為を罰しようとしたのだろう】
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/29(金) 23:50:22.40 ID:0gRlEn/4o
>>86


【鴛鴦の番に似て、彼女はパウルに寄り添う。貴方の傍に立ったなら、ピンヒールを加えても少し低いぐらい】
【掌に収まりそうなぐらい小さな顔に、浮かぶ表情は凪のような無垢】
【長い睫毛は躑躅に似て、咲き誇るその彩りを瞳の水面に散らしていた】

【露霜の如く頬に張り付く横髪を、栞代わりに押さえつける、── 指先の仕草は風に似て】
【冷たい夜を纏う白拍子、千早を被る巫女に似て、その色合いを何処までも飾り立てる】
【そう描く曲線の戯れは、神様が作った一つの極地に近かった】


嫉む行為も妬む行為も、全ては女が寄り添うから、── だから私はけして、否定はしないから
お姉様の様に強い力を持つのなら、壊す事に悦びを思うのかしら、見出す色はお姉様にしか見えないけれど
でもね、でも、壊すだけじゃつまらないの、産んで育てるのが女の宿命でしょうし

──、そう、蹂躙されるのね、お姉様の手で、指で、その腕で、私の存在を穢されて
したいのならどうぞ、私はお姉様を受け入れる準備は出来ていて、猫が犯した罪を、猫は知らないから
お姉様の手、その温もり、── それが最期にならない事を、願っ── て


【髪の糸が這いずる、ぞくりと背筋を撫でる感触は、全身を貫く一本の線に似て】
【──、甘い吐息が漏れる、夜風を濡らす熱量と艶やかさを持って、くしゃっと膝が折れる】
【内股加減にムズ痒い身体を支えたなら、お尻の後ろ辺りが熱くなって】

【座り込む形は鳶座り、自分の身体を自分で抱き締める、豊満な胸が強調されて】


んぅ……っ──……ぁ──、すごい、の……っ、身体の中から、まさぐられる、みたい……
わかる、かしら……ぁ、血液がね、っ……熱をもった、みたぁ……っ──
そこっ……らめ──……あは、んぅ、……こんな、はしたないの、見られちゃう……

──っ、……ぁ、……あぁ……──


【身体を糸の行く末に委ねた。川の流れに身を任せる羽衣細工の布地に似て】
【身悶えする、痛みか苦しみか、あるいは快感か、そのどれもを彼女は爪先まで飲み込んで】
【流れる艶音が包み込んで、見下ろされるその姿にとろんと蕩けてしまうみたいに】
88 :パウル=ミュンツァー≪No.21≫&鬼首 殺狩 ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/30(土) 00:11:48.82 ID:ZB0+7kIf0
>>87

「――――そうね。私の見るものは、私にしか見えない。あなたの言う通りだわ
 でも、そうね……そこに悦びがある訳じゃない。ある意味、復讐に近いのかしら? ……遂げる事は確かに望むけれど、それは『取り戻す』様なもの
 何かを得る訳じゃない。私には、何かを得るものじゃない……」

【すっと、つまらなそうに殺鬼の目が細められる。世界に破滅を望むのは、何も前向きな悦びの為ではない、と】
【雷の国を、グラトンの残した痕跡を辿る形でかき乱し、そして敵対者を殺して、体内に吸収していくのは――――彼女にとって『復讐』に近いのだと】
【――――カチューシャからすれば、存外につまらない態度と映るかもしれない。今、女の性としての嫉妬で、姿を現したように――――】

「っふふ……はしたない……!
 いえ、無理もないわね。死者たちの髪の味はどうかしら? 毛髪っていうのは、サラサラして、チクチクする繊維だものね……
 さあ、覆ってあげるわよ、あなたの全身を――――指先から、爪先まで、背筋から――――そして、そう、そうね……!
 哭きなさい。あなたには、それがお似合いだわ……! ……確かに、お似合いだわ。まるで、あなたはそうしているのが、一番美しいみたい……
 でも、それでも――――あなたは恥をさらしているのよ。いいえ、私の事を知ったうえで、パウルにあんな事をしてたのだから、恥ずかしいとも思わないのかしら?」

【スルスルと、指先からはとめどなく髪の糸が伸びていく。頽れてしまったカチューシャの姿勢を追いかけるように、殺鬼もまた膝を折って】
【放さない。カチューシャの頬を捉えたその手を放さない。そして、その毛髪による蹂躙は続く】
【身体の外を撫で上げて、身体の内をかき回し。そうしてその髪は、まるで下着を1つ追加する様に、全身を覆いつくしていく】
【服の中、細い繊維がサラサラと蠢くのが、服の上からでも見えるほどで――――】

【そんなカチューシャの姿を、殺鬼は嗤う。自分の良い人に手を出そうとした、不埒な女にはふさわしい姿だと】
【だが、その姿は不思議とこなれている様に思われた――――まるで、それこそがカチューシャにとっての自然体の様な気がして】
【その心を加虐する言葉は、逆に――――カチューシャに吸い込まれていくのではないか、と。そんな事を思われながら――――】

(う……これは、なんとも…………いやいや、俺は黙ってなきゃよ。そうだろ、女神様……)

【見守るパウルにとって、それはあまりに目に毒な光景だった。だが、露骨に避ける事は出来ない】
【それがまた、殺鬼の機嫌を損ねかねないと、そんな事を危惧して。ただ自分は真摯に、それを見守っていなければならないのだ――――】



【――――そうして、10分ほど】

「――――こんな所かしら? でもね……まだあなたを許したわけじゃないわよ
 今夜、私の元に来なさい。そこであなたに、もっとちゃんとした『罰』を与えてあげるわ……もっと、ね……」

【指先からカチューシャを解放し、殺鬼はわずかに残る毛髪を舌で舐り上げる。微かなカチューシャの血液を、その口に運んでいるのだ】
【そして――――カチューシャに、六罪王として命令する。一夜を共にしろ、と――――】

「――――勿論パウル、あなたもよ? 少し、私に付き合ってもらうわ。どうも野放図が過ぎたようだものね?」
ぅ……あぁ…………はいはい、分かりましたよ、殺鬼様……

【うなだれるパウル――――殺鬼の怒りの矛先は、しっかりとパウルにも向いていたのだ】
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/30(土) 00:22:40.91 ID:zqFdL+u+o
>>88


      ──── ぁん……



【其れは妄りに、其れは淫らに、── 紡ぐ音律、撇う冷艶が麗しく取り繕い】
【弛緩する指先の感触、地面を孕む囀りに似た嬌声が、水仙の様な喉を潤わせて】
【拐かす心の趣きに、重なる僅かな憧憬を探して、硝子細工の心を取り繕った】

【唇が開く、浸した蜜白の艶やかな色合い、濡れた紅に沈み込む様な慕情を見せて】
【一葉閉じた開くその所作は、二人静に重ねた思いの、一糸乱れぬ確かな舞に近かった】
【快楽に身を委ねてしまう、貴方の指先に、蹂躙される彼女が居たから】

【全身の神経を羽毛で擽られる様な、皮膚の下の敏感な部分を捲って、そのまま溶かすみたいに】
【身体中を甘噛みされてる感触、あるいはきっと、キスマークを付ける行程に似て、あらゆる秘所を探し求める】
【それでももどかしかった、最後のピースが埋まらないパズルの様に、辿る最後の一滴すらも】


……っ────……はぁ……ぅん──……ひろいの……ぁ
お姉様……てば、ひろぃ──……の……ねぇ、
こんなふうにされて、…………いかないなんて、ゆわない、の


【放心して、彼女は身体ごと前のめりに倒れ込んで、貴方の足元へと視線を向けて】
【そして、貴方の爪先へと接吻するのだろう、手は後ろで一纏めにして、顔だけを浮かして】
【隷属の仕草、盲捲る遊里の生業、── 見上げる視線に艶が満ちたなら、後は受け入れるだけ】

【──、女の身でありながら六罪王を名乗る、その意味を彼女はその日まざまざと、見せつけられる】


/こんな所でしょうか! お疲れ様です!
90 :パウル=ミュンツァー≪No.21≫&鬼首 殺狩 ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/06/30(土) 00:35:43.97 ID:ZB0+7kIf0
>>89

「あなた……随分と良い表情をするじゃない。本当に……そりゃ、男たちがあなたに心を狂わせるのも、分かるわ……
 ――――そういう意味でも妬ましいものね。私だって、自信がないじゃないけど……」

【指先の繊維を完全に体内に戻しながら、殺鬼はふとカチューシャに見とれていた自分に気づく】
【――――同性として、その美しさが気になったのだ。先ほど、自分の恋人に手を出した事への妬ましさとは別に】
【気に入った姿を、命と共に奪う力がある殺鬼とて、自分自身の美醜に興味がない訳ではない。それでも及ばない様な美しさを、カチューシャに感じる】
【――――なんだか一面、女として負けたように思われたのだろう】

「っふふ……良い子ねぇ、これがあの≪No.3≫だなんて、信じられないくらい……
 さあ、もっともっと、あなたには狂ってもらうわよ。そう……その魂が、萎れて、枯れ果てんばかりにね……!」

【隷属の礼を取るカチューシャに、再び殺鬼はその掌を向ける。だが今度は、純粋な慰撫だ】
【この先に待つ、更なる責め苦を前にして、彼女の心を溶かし、そして慰める――――2度と、自分に逆らおうと思わせないために】

「パウル――――あなたにはある意味、一番の地獄を見てもらうから、そのつもりで……
 せめてこの子と一緒にしてあげるのは、最後の手心よ」
……なんというか、悪かった。そして手加減感謝しますよ、殺鬼様……
「……喜んでるんじゃないでしょうね?」
い、いやいや! お前のは本当にシャレにならないんだって……!

【横目にパウルを捉え、殺鬼はジト目で睨みつける。そこはもう、機関の六罪王と≪No.21≫と言う姿はなく、痴話喧嘩そのものだった】
【――――爛れた夜の床。そこには何もない。ただ、それぞれがそれぞれの熱を貪り、そして溶けていくだけだった――――】

/乙でしたー! 色々すみませんでした!
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/06/30(土) 09:59:59.46 ID:oHYoKiM+0
【風の国―――UNITED TRIGGER 事務所】


【まだ空が白む頃。冷たい空気がまだ残る。まだ多くの人が眠っているそんな朝早く】
【朝の静寂をかき消すような、オートバイのエンジン音。古臭い桜の国のクラシカルなものを】
【気取ったカフェレーサータイプにカスタマイズされたもの。走りやすくはあるが乗りやすくはない】
【そんなのが停まって居るのは珍しい。】

【まだ誰も居ない酒場では椅子もテーブルに上げられたままだ。ただ――――珈琲の匂いがする】
【“カフェレーサー”なだけあって、ドライバーはその名をきっちり踏襲しているらしい】
【そして、ついでにマルボロの香り―――いつもどおりと思うか、珍しいと思うか】

―――――誰か居るのか?

【何かしらの物音か、声で店の奥からレスポンスが返ってくる。しゃがれたブルースを奏でるような男の声だ】

待っててくれ、今大事な時間なんだ。もう淹れ始めてしまっているから、淹れ終わるまでは…
ああ…アンタも飲むか?深煎りのエスプレッソ。眠気覚ましには丁度いい。

【それから暫くして、その姿を表した。背の高いひょろりとした男はまるで影法師みたいだ】
【黒い髪に黒いサングラス、ジーンズもストライプの入ったシャツも黒いもんだから余計にそう見える】
【久しぶりだったか、はじめましてか。どちらにせよ、珍しい。】

やれやれ、夜通し走ったのは久しぶりだ。…もう堪えるね。この年にもなると…ガクッと、来るね。

【そんな当たり障りのない日常を彼はとりとめもなく話した。】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/30(土) 15:33:24.10 ID:kWM3LfSto
>>91

【── 店内から見える外の景色、降り積もる雨の気配。香る雲間に湿度が篭ったなら】
【一つ足音が室内へと流れ込む、響く足音は軽い音で地面を叩く響きに似て、】
【少女の残像が伸びた。── その先に在る貴方を探して】


櫻製のオートバイなんて珍しいモノに乗っているんですね、私は写真でしか見たことありませんが
まだ開店前でしたか? ──、だとすればすいません、いきなりの雨に驚いてしまい
雨宿りには丁度良いと思いまして、他のやり方を知るのは、より良い仕事の助けになります

── UNITED TRIGGERの酒場はこちらでしょうか、この辺りの地理には詳しくないもので


【腰まである蒼銀色の長髪を大きく後ろで二つに結って、赤いリボンの着いた黒いケープを羽織る】
【ケープの下には黒いチョリ、下乳から鼠径部までを大きく露出し、黒いパレオで下半身を透かす】
【中東の踊り子の様な格好をした、黒と赤のオッドアイの褐色肌の少女がそこには居て】

【お臍の下あたりに刻み込まれた、黒い蛇のタトゥーが印象的であった】
【少女は背の高い男を見上げる視線を向けて、室内へと歩いてくる】
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/06/30(土) 16:04:40.69 ID:oHYoKiM+0
>>92

20年はモデルチェンジしてないだろうな。古臭いデザインをいまだに売り続けてる
…其処が良いじゃないか。それをどっかの分かってる奴がカスタムしたみたいだ
売りに出していた中古屋のオッサンはそのセンスをわかってなかったみたいだけどね。

【彼は、そうやってオートバイにまつわるエトセトラを話しながらコーヒーカップに淹れて持ってくる】
【エスプレッソであったが、適した器はそれしか無かったらしい。少し冷めた飲み頃の珈琲だ】
【それほど時間を掛けて淹れたということなら彼は相当、凝り性だし、味はしっかり出ているだろう】

【適当なスツールに腰掛けて、珈琲を一口すする。味について何も言うことなく煙草に火をつける】

まあ、適当にかけてくれ。どうせ、どれに座っても同じだろうけど。

【彼は独特なジョークで少しだけ笑いながら、彼女を出迎えた】

ああそうさ、ここは民間営利正義組織…だったかな。UNITED TRIGGERで間違いない。

でも、どうかな…今日は開けるのだろうか。俺はメンバーじゃないしね。単なる…知り合いみたいなもんで
無責任に店番をするわけにもいかないけど…生憎、出払っているかもしれない。今日はまだ会ってないからね。
……忙しい限りだよ、全く。

雨が降っていたなら、タオルでも持ってこようか。

【もし濡れてしまっていたなら。彼は、返事を待たずに取りに行くことだろう。火のつけた煙草を灰皿の縁に置いて。】
【そして戻ってくればタオルを渡して、また、その煙草に口をつける。】


………その“蛇”は祈り?


【彼はその優しげな口調のまま、何と無しに聞いた。祈りという複雑な言葉を用いながら】


94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/30(土) 16:21:01.54 ID:kWM3LfSto
>>93

【──、肯定の意味で頷く。最小限の動作で伝えたなら、手渡されたタオルに髪を埋める】
【白銀の髪、絹織物の様に煌めく色合いが、露霜を浴びてより一層鮮やかに彩られて】
【ちょこんと座って両手でカップを持った。ふーふー、と何度か息を吐いて】


……猫舌なんですよね、私。だから厨房に立つのもあまり好きじゃ無いのですが、
うちの従業員は兎に角時間にルーズなので、たまに猫の手代わりに手伝ったりしますが
貴方様もきっとそうなんでしょう、互いに便利屋同士、憎まれ口の一つぐらい叩いて、も──……

────、なるほど、これは……


【少女の色違いの瞳が、一口飲んだ瞬間真ん丸に開く、口からカップを離してくんくんと嗅いで】
【緩みそうになる頬を誤魔化すように目を閉じて、もう一杯飲むだろう、どうやら気に入った様子】
【芳醇な香りは幾重にも煮詰まったあの日を思い浮かべて、嗜好品と呼ばれるだけの誇りを伝える】


──、年頃の女の子にオートバイを語られても、というところです、私もお客様に聞いただけですし
それに不便じゃないですか、燃費も車に比べたらわるいし、あんまりそういうの、理解出来なくて
……うるさい音を立てて排気ガスを吐き散らして、そんな印象があります

──── キザな物言いですね、祈り、と言われるとやや言葉に窮しますが
そこまで深い意味は無いです、もう、どうやら私は 『レッド・ヘリング』だった様ですから
一度刻んだ紋様は消えませんし、どうする事もできません


【ジト目加減で視線を向ける、何処か怜悧な印象を与える少女だけれど、割かし喋る口は雄弁】
【褐色の肌は神秘的な砂糖菓子に似て、紡ぐ音律は揺蕩うソプラノの異国情緒】
【千夜一夜の物語、側で嘯く狂言回しの様に、砂漠で聞く寓話に似た少女であった】
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/06/30(土) 16:46:17.64 ID:oHYoKiM+0
>>94

エスプレッソマシンがあったらか、使ってみたけど。プロのお気に召したようで何よりだ
あいにく豆は一種類しか持ってこなかった。普通に淹れてしまうと雑味が出ると思うけど

【彼はずいぶんと目ざといようで彼女の一瞬の瞳の変わりように気がついた。】
【おかわりがほしいならと、彼は言う。器用なラテアートは期待できないけど本来の珈琲は随分と得意なようで】

【そして彼は彼女の事を“プロ”と評した。】

ああ、でも俺は…こういうことしてるほうが好きだから。ピザを焼いてみたりね。パスタ茹でたり…
本業なんかよりよっぽど。いつでもつまみ食いできるしさ。

【見た目に反してと言うか、コーヒーに対する情熱からわかるかもしれないが随分と正義組織に居る】
【オートバイを乗り回すような人物にしては気の抜けた回答だった】

レッドヘリングでも喫茶店を経営しなくちゃならなくて、UTに相談に来るほど今はお困りで?
でも、その仕事も気にいっているようだし、経営も悪くないんじゃ?

【彼はさも知っているような物言いで話した。疑えばその内訳を話してくれる】

厨房に立つのが好きじゃないと言う割に珈琲は随分と味がわかる。それは拘りを持っている証拠だ。
プラス、オートバイの話をするほどの客なら常連。しかも、君ですらレアな櫻製をわかったぐらいだ。
興味がなくてもわかるということはその客の誰かが乗っているんだろう。今どき、乗るのは俺みたいな気取った
年上の男。つまり、ある程度金銭的にも時間的にも余裕がある。―――――どうだろ?

【「自信はあんまり」と頭をかきながら彼は笑っていた。】

【レッド・ヘリング。サーペントカルトを追って、調べた情報に少しだけ見た覚えがある。だが、詳しくは知らない。】
【だけど今更、突くような話でもないと、彼は割り切っている。必要があるならば聞けばいいだけだ】

96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/30(土) 17:00:58.77 ID:kWM3LfSto
>>95

【── 其れは正しく推理であった。散らばった情報の断片から、真実を解き明かすパッチワーク】
【彼女は表情の水面に僅かな波紋を浮かべる、仔猫の様に一瞬だけ目をまあるくして】
【けれども束の間、次の瞬間には冷笑の仮面を被った】


中々鋭い推理ですが、どうやら探偵さんには一般常識が欠落して居られる様です
喫茶店勤め──、まぁ飲食店勤めという事にしましょうか、其方は正解です、推理としては良い線かと
お察しの通り常連のお客様に、そういう小洒落た機械が好きなお客様がいらっしゃって

──、ですが、ふふ……経営者だなんて、そんなに私、お金を持っている様に見えます?
大体こんな格好で出歩く経営者なんて居ませんよ、タイトなスーツがビジネスの衣装です
給仕だとかウェイトレスとか、そういう表現をするべきでは無かったのでは? それとも

やり手のキャリアウーマンに間違えられたのなら、それはそれで悪い気はしませんけど


【カップを置いて片手で頬杖をついて、探偵さん、だなんてからかう様子で言ってみる】
【大きな瞳に幼い顔立ち、それでも纏う雰囲気は何処か大人びた、異国の色合いを秘めて】
【ラジオから流れて来る別世界の音楽に似ていた、言葉は分からずとも、妙に耳心地の良い】


── 『Freak Fes』って食堂です。そこで給仕をしてるんです、私、中々妥当でしょう?
プロと言ったらプロかもしれませんが、料理の腕前なんて素人に毛が生えた程度ですし
ただ、貴方様が作るより評判は良いと思いますよ、だってほら、若い女の子ですから

それに、別に気に入ったとか言ってませんし、勘違いしないでくださいませ
あくまでも悪くは無い、程度です。── 満足するには程遠い




…………まぁ、もう一度チャンスを差し上げましょう、どうやら雨が止むにはもう少し、かかるようです


【そう言って彼女は空っぽになったカップを手で押し出す、ちらりと視線を離して】
【黒と赤のオッドアイ、砂漠に咲く薔薇を思わせる赤と、心まで冷え込む闇夜を思わせて】
【──、仄かな既視感を与えるかもしれない、鈴の音を纏った、彼女の】
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/06/30(土) 17:44:50.90 ID:oHYoKiM+0
>>96

【だかこんなことでわかるのは断りの通った過去であって、真実ではない。】
【こんな演繹的な方法で真実を見いだせないことは既にわかっていた】
【この世界は全体論的で、細部には意味はない。破綻していても“そう”である。それがこの世界の法則だ】

どうかな…一つぐらいは大きく出たほうが面白いかと思ってね。それに…ウェイトレスといった後に実は店長だったほうが
その後のフォローに困る。そんな事をするぐらいなら……まあ、歳を食うとそんな事を考えるようになる。

…常識がないことは認めよう。そういった世界とはてんで無縁でね。ぜひ教えてほしいくらいだ。
だが…君が経営者だとしても別に何の問題もない。どんな服を着ていようとね。

【ふうと吐き出す白い煙はタールが尾を引くように空気中に揺蕩って、天井のウェスタン調のファンがかき回していく】
【カフェインが与えた刺激ではちょっと足りないぐらいの推理ゲームを朝食代わりに話を続ける】

食堂か…いいじゃないか。プロには変わりない。それで食ってるなら。
評判は確かにいいかもしれないけど…それだとインスタントを出してもよくなるね。

俺は飲み干すだけさ。単なる…気晴らし。

【淹れてくるよ。と彼は言いい、立ち上がった。くしゃくしゃのシケモクが灰皿に転がっている】
【雨だけが静かに静寂を彩って、沈黙にならないようにしてくれていた。】

ここからは推理じゃない。どちらかというと経験則だ、君の性格を当てよう。

そんな口ぶりだが、実のところ根は大人しくて、怖がりだ。それでいて優しい、過剰な優しさは怖がりによるものかもしれない。
それは過去に起因する。でも、諦めない芯の強さもある。見た目に反して…いや其処は“君は”見た目通りか。…強い女性だ。
でも、他の人間と…誰だって同じように、弱さもある。でも君は見せないだろう。だからこそ、誰からも好かれる。…誰からも。

『レッド・ヘリング』なら、君は特別な存在かもしれない。でも君は、『レッド・ヘリング』でなくても特別だ。…それはいくらでも証明できるはずだ。
どんな過去も、どんな生まれも…君と、誰かにとってはそれは重要だが、同じ数の人たちはそれを関係ないと思っている。

【珈琲を淹れながら彼は、話していた。その姿は厨房の奥なので見えないだろう。静かに、コーヒーを淹れる音の間を縫って話した】
【そして次に彼が淹れてきたのはエスプレッソのラテ。牛乳が変質しない程度に温く、甘みもしっかりとあり、珈琲の味も損なわれていない】
【ただ他の専門店のようなふんわりとした口触りが無いのはここがウェスタン調の酒場だからだろう】

甘いのが好きだといいけれど
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/30(土) 17:57:37.60 ID:kWM3LfSto
>>97

【どうしたって理屈では追いつけない。感情は時に時間すらも超越して】
【厨房の奥に消える背中、針金の様に細長い体躯を操る彼は枯れ木の様に染み付いていた】
【──、残る煙草の芳香、もう少しだけ嗅いでいたくなる名残を見せて】


────、性格なんて自己分析しませんし、分かりませんけど、……まぁ、優しいだなんて言われて悪い気は無いです
でも怖がりだとか、弱みを見せないだとか、当てずっぽうにも程がありませんか? あまり、私という気はしませんし
初対面の人にそこまでさらけ出すほど、私は人に気を許す様な、──

──── …… 良いでしょう、及第点は差し上げます、甘いのは、嫌いじゃないです


【差し出された珈琲に一口口を付けたなら、滔々と語る言葉が止まる。それだけの価値がその一杯にはあった】
【苦味と甘味のバランス、その平衡感覚は凡人では容易に辿り着けない極地】
【──、探偵の持つ観察眼。全てを見通す鷹の目は、彼女の嗜好/思考 すらもお見通しなんだろうけど】


では私もお言葉に甘えて、貴方というキャラクターを精査してみましょう
とは言っても、私はそんな推理なんて経験も少ないですし、ハンデが欲しいものです
……ねぇ、近くによってください、そんなに遠くちゃ、全然見えないです

そう、サングラスを取って、── 貴方の目を、見さしてください


【椅子から身を乗り出して、顔を近づける。大きく二つに結った髪が揺れて、華奢な体躯がひらりと、】
【其れは染まる躑躅の花弁に似て、或いは風にそよぐ稲穂の慕情にも近くて】
【両手をずっと伸ばして、貴方のサングラスを外そうなんて試みる】
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/06/30(土) 18:11:24.50 ID:oHYoKiM+0
>>98

…さぁて、ね。俺もあってるかどうかわからないけど当てずっぽうに、適当に言ったわけじゃない。

君の目を見ていると…さ。

【そうしてまた彼は煙草にを火をつける。ヘビースモーカーを通り越した、チェインスモーカーのようだ】
【そして彼の珈琲はぬるいエスプレッソで、どうやら甘いものは好きではないらしい。彼女のラテに合わせた淹れ方だから】
【そのまま飲んでもベストパフォーマンスとは言えないだろうけれど、彼はそれを飲んでいる】

【彼はあまり多くを語らない。余計な事はいくらでも話しそうなのに、何かありそうな言葉だけ残して】
【そのたびに店内の何処かを見ていた。まるで、そこにあったものを思い出すように】


俺か?…弱ったな。人に色々詮索されるのは得意じゃないんだが…まあ、人にやっといてそれはなし、か。
お手柔らかに頼むよ。

【そういって彼も、少し彼女の方に体を寄せた。そして言われたとおりにサングラスを取る…いや取られた。】

【そこにある目は不思議で、不気味で、されど目を離せなくなりそうな――そんな眼をしていた】
【本来、白眼というように真っ白な部分は真っ赤で、それは充血ではない。ガラスのようなキレイな赤で】
【対して瞳は桜の国の多くの人々のように真っ黒に塗れていた。】

何が、視える?

【コーヒーとタバコ以外の匂いがした。彼女が生きている証拠だ。】
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/30(土) 18:28:21.24 ID:kWM3LfSto
>>99

【── 暫し彼女はその目に惹かれた。万華鏡を覗き込む心地に似て、或いは戸惑いに似て】
【赤と黒が描く世界。芸術的な映画を見ているような感覚に襲われる、若しくは観劇か】
【言葉が出て来なかった、その目が描く世界に見蕩れて】


……そうね、……過去が見えるわ、けして順風満帆だったなんて言えない過去。
けれども其れが貴方様のお節介や優しさを生むのでしょう、優しさの裏側に傷ついた過去があって
それでも優しく入れるのは、貴方様がとても強い信念をお持ちだから

──── でも、傷付くだけの生き方では、先が長くないと思います、人はやがて宿り木を探して、
渡り鳥も何時かは辿り着く先があります、旅の終わりはやがて胡乱に、唐突に
そうでなければ哀し過ぎるでしょう、せめてベッドの上で終われる様に


【大きく吐く吐息。零した呼吸の色合いが、貴方を見つめる過去の深さを伝える】
【彼女は指先でサングラスを手に取る、細長い指先が指揮棒を持つみたいに軽やかに】
【そうして貴方の目にサングラスをかけるのだろう、妻がする様に貞淑に】




──、やっぱり私はこっちの方が好きです
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/06/30(土) 18:44:14.50 ID:oHYoKiM+0
>>100

【その彼女の言葉にしばし耳を傾けていた。まるで自分の過去をまとめて見られているようだ】
【それでも彼は目を細めて笑ってみせた。彼女が感じ取ったものを、優しく包んでみせるように】

よく当たっている。それに…語り口が素敵だね。まるで俺の人生も主人公みたいだ。
ウェイトレスなんかより、占い師と小説家が良いんじゃないか?

だけど…人の人生を捕まえて哀しすぎるってのはひどいなぁ。
その分、色んなものを手に入れたんだ。傷ついても良いって思えるぐらいな。

【わかっていた。自分でも、先が長くないことは。何処かで終りを迎えるそんな気はしている。唐突に終わりはやってくる】
【太陽に手を伸ばして、掴んでも掴みそこねても。失いすぎた。それでも、誰がそれを決めるんだ。決めるのは俺なんだ。】

【愛で世界を塗りつぶすまで俺は[ピーーー]ない。】


占いついでに一つ聞こうかな。珈琲が気に入ったならお代替わりに答えてほしい。
…無くしものをしていてね。それも沢山。ここにあるかと思ったんだけど、どうやら無いみたいだ。
世界中探して回ってるんだけど、次は何処に行けばいいだろう。


【サングラスをかけてもらって、彼はありがとう、と言った】


――そう、かい。


【余計な言葉はいらない。】
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/06/30(土) 18:56:30.65 ID:kWM3LfSto
>>101

【──、ふと彼女は視線を外した。見える先は雨の上がった空】
【チラリと視線を向けたなら、精算を要求して、── いくらでしょうか、なんて言葉を向ける】
【帰り支度をしながら、鼻歌でも歌う様にかのじょは伝えた】


──── 元々居た部族では、神様の御相手をしてましたから、こういうお話は嫌いではありません。
ふふ、『そうでなければ』と言ったでしょう? 貴方様の進む旅路の全ては分かりませんが、
それでも貴方様が正しく生き続けていれば、── 報われる事、と思います。


【── 『或いは』】


貴方様が破滅を望んでいるのなら、私に止める手立ては御座いません。
命のやり取りをする刹那、その瞬間に生きる歓び、── 其れは誰にも止められないのですから、
ただ私は、── 『蛇』に貴方様の無事を祈るのみですから


【くるりと背中を向ける。── 露出の多い前面と比例して、ケープに隠れる背中のライン】
【触れたなら容易く砕けてしまいそうな程、彼女の細い身体は繊細に出来ていて】
【横髪を覗かせる、振り向き加減に首を傾げて、やがて愉しそうに笑うのだろう】


私達の無意識はもう、汚染されてしまったのです。逆説的に言えば、私達の無意識は知ってます、
何処へ向かうべきか、何をすべきか、心の赴くままに行動すれば、其れは正しい道のりへ
自らを曲げてはいけません、自分が自分で亡くなってしまうこと、其れが本当の死なのですから

──、暗示的な言葉が嫌いでしたなら、そうですね、──



       ファラーシャ
        『蝶』を追いなさい、さすればその先に、救いはあります。



【私の名前も、そう言うんですよ、って、ファラーシャは伝える、蠱惑的な笑みを見せて】
【言葉の名残を響かせたまま、彼女はその場を跡にする、悠然と歩む足取りに】
【背中にかけられる言葉を聞きながら、その旋律を確かめていた】


/お疲れ様でした!
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/06/30(土) 19:22:56.26 ID:oHYoKiM+0
>>102

【つられて、彼も窓の外を見た。雲の切れ間から朝日が差し込んでいた】
【今日も暑くなるのだろうか。だったら、この後はビールでも飲もう。】

俺はプロじゃないから。君の言葉で、十分。
―――――なら、そろそろ一つ先払いで報われてみたいもんだ。

【だがその後の彼女の言葉は―――突き刺さった。】
【俺の中のゆらぎが、天使と悪魔の囁きが、やはり見通されていたようだ】
【救いを望んている。同じだけ破滅も望んでいる。俺の中の複雑な言葉が揺れている。】

祈ってくれるなら、安心しておくよ。今夜もよく寝られそうだ。

【背中に向かって言えるのはそんな冗談だけ。それが彼なりの感謝の仕方だ】


アンタ達の言葉の意味は、俺にはさっぱりわかりゃしない。けど、その祈りを否定はしない。
いくらでも惑わせてくれ。そうしなければ真実にたどり着けないなら。意識も無意識も要らない。

――――蝶………なら。


君とはもう一度会えそうだ。楽しみにしていよう。


【カップの底に残る、黒いクレッセントが明るい朝に降りた時。明日が見えた気がした――――】

【何本目だろう。たばこに火をつけて、彼女の言葉を思い返していた。】


『それでも貴方様が正しく生き続けていれば』

『貴方様が破滅を望んでいるのなら』

『渡り鳥も何時かは辿り着く先が―――――』

 ファラーシャ
   『蝶』を追いなさい


【探偵は、ジャケットに袖を通し、オートバイのキーを握りしめた。】


/お疲れ様でした!ありがとうございましたー
104 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/01(日) 20:07:37.92 ID:t2wuegOy0
【水の国―――ホテル・ルーセル PM20:00】

【指折りの高級ホテル。その最上階18階のレストラン】
【今日行われているのは―――“黒幕“の会合】
【正確にはOrwell社の人間と関連する企業の接待。それを警備しているのは、Orwellの子会社】
【警備会社『テクノドッグス』。真っ黒な戦闘服と鬼のようなマスクで覆われたOrwellの飼い犬だ】

「新しい世界のためには、新しいテクノロジーと倫理観が求められるのですよ。」

「我々は隔たれてしまっている。人種や、性別や、富、権力、能力で。」

「コミュニズムのような過去の失敗作ではない。新しい世界を作るのは―――情報なのです」

「情報の価値は21世紀行以降どんどんと上昇し、情報は我々を支配するようになった】

「つまりは―――本当の意味の支配者は言葉なのです」


【オーウェルの一連の裏の顔――PLAN担当の一人がそう語る。グレーのスーツの痩せた眼鏡の男】

【一本で一月分の食費になりそうな赤ワインを飲みながら、食う時間より名前のほうが長い前菜を食す】
【それを向かいのテーブルで、「そうですね」「素晴らしい」「まさしく」などということばを繰り返しているのは】
【出資者でも有り、黒幕に何らかのつながりをもつ企業の経営の連中だ。今回の接待は定例会みたいなものだ】

「そうだろう。君も」

【オーウェルの男は隣に座る男に振った】

…ええ、そのとおりかと。

【彼は他のテーブルを囲む男たちとは違い、黒の戦闘服を着ている。腕にはテクノドッグスの腕章がしてあった】
【分け目を左に流した金髪に蒼眼、薄い唇をした男。落ち着いた様子で、季節のフルーツのタルトを食していた】
【落ち着いた深みのある声でそう答えたが、興味があるようには見えない。】

【―――なお、この会合については各所にリークが入っている。イシュメルという名と共に】
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/07/01(日) 21:04:20.03 ID:Fiej0G5c0
>>104
//まだいらっしゃいますか?
106 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/01(日) 21:11:42.26 ID:t2wuegOy0
>>105
//居ます!
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/07/01(日) 21:21:08.95 ID:Fiej0G5c0
>>106
//(((o(*゚▽゚*)o)))わーい!ではもう少しお待ちくださいねー
108 : ◆T8m6bu9Ru. [sage]:2018/07/01(日) 22:04:42.85 ID:DnXn/is30
【昼の国――ビルの屋上】


【世間では夜半と呼ばれる時間帯だろう】
【しかし、この国はずっと日が登っている】
【昼と夜の切れ目がない。一日が切り替わるその境目がない。僕らはいつ眠れば良いのかも分からない】
【自由は過ぎれば人の心を侵す――だからこそ我らは自らを律し正しく生きることが必要なのだ――】
【――と言うのは、正教の教えの一節でもあった】


そんなこと言われてもやりたい放題やってた連中がいたじゃないか……
やっぱり、カルト宗教ってのはダメだな。反社会的で。


【少年と青年の境目にいるくらいの年頃】
【ザンバラな黒髪は余り綺麗に切り揃えられてはおらず】
【そこから除く三白眼と合わせて、ガラの悪そうな印象を与えた】
【口元に咥えられている火のついていない煙草も、そのイメージを助長しているが】
【もう少し目線を下にやれば、胸元には場違いそうにしている十字架が下げられていた】

【着ている詰襟の衣服にも飾り気はなく、上までぴっちりと留められており、一見して真面目なのか不真面目なのか分からない】
【屋上に寝転がりながら、流れているラジオに耳を傾けている】
【連日ニュースを席巻していた蛇神教の一件も、二週間も過ぎれば次第に主要な話題からは外れており】
【日々騒がしいニュースで溢れる、新世界の中で次第に忘れ去られていくのだろう】


宗教に悪いイメージつきそうで嫌なんだよな、こういう事件。
高々、云百人、云千人程度のカルトと一緒にされるのも心外って言うか。


【青年からすれば腹に据えかねている事件だったのだろう】
【誰が聞いている訳でも口にする悪口は、何だか言い訳めいて聞こえるのだった】
【ラジオのイヤホンは、片方だけが耳に差さっていた】
【先程までは、自身の相方の"小鳥"が、"サエズリ"を使って小うるさく話しかけて来たのだが】

……ピーチクパーチクと話しかけて来たと思ったら、急に黙るし。
何なんだよあいつ……

【正しく幼い鳥のように鳴き続けていた声が、急に止まったら気になるだろう】
【悪態とは裏腹に随分と律儀な性質のようだった】


【青年の名は合歓と言った――トリカゴに所属する止木(トマリギ)の一人だ】
109 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/01(日) 22:08:28.34 ID:DnXn/is30
>>108
// 何か酉に失敗してる……
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/07/01(日) 22:19:53.83 ID:Fiej0G5c0
>>104

【水の国ホテル・ルーセル PM20:00】

【この日セアンは、Orwellと言う会社に腕のいい錬金術師 兼 科学者、として招待されていた。】
【勿論セアンはこの会社が決して綺麗な会社では無い事は分かっている、】
【が、この会合に参加すれば最新の科学技術を見せてくれると言うので、ホイホイ付いて行った。この男、実に馬鹿である】

(この薄っすいステーキ一枚で薬草が何枚買える事か、まぁいっか―――今気にすることじゃ無いし)

【目の前にある高級ステーキに目を向けながらそう思い、気にする事も無いか…と、雰囲気を変える】
【セアンがステーキを切り上品な仕草で口に運ぶ、】
【ロボットかと思う偉いさん方の会話を聞き、プログラムされたソフトかよ、と嘲笑し食事を続ける】

【丁度一皿プレートを食べ終えると横から突然女性が話しかけて来た】

「初めまして、かしら?失礼ですが貴方のお名前をお聞きになっても宜しいですか?」

【赤の生地に所々宝石を散りばめた衣装に身を包んだ身目麗しい女性に話しかけられた】

あぁ、これは失礼いたしました。この様な美しい方から話しかけられるとは、私も捨てた者では無いですね。
私の名前はセアン・フォールスと申します、只の錬金術師ですよ、以後お見知りおきを。

【ちゃんと敬語を使い少し微笑みながら挨拶を言い、自分の知名度を上げる】
【因みに今セアンが着ている服はシンプルな黒の礼服である】

「あら、セアンさんと言うのね。初めて知りましたわ、これからも末永く宜しくお願いしますわ。」

えぇ、此方こそ宜しくお願いします。では少し先約がいるので。また

【適当な嘘をつきこの場から抜け出すと、重役であろう男に話しかけられている男が不意に気になりその場に移動する】
【移動してその男に話しかける】

失礼、チョットいいか?嫌何、あんたのことが気になってな、あぁそう言う趣味はねぇから安心してくれよ?
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/01(日) 22:46:25.82 ID:ppDkbeOa0
>>108

【――それはちょうど彼の呟きが一区切りついたタイミングだった、寝転んだ彼の上、何かが飛んでいったような影が落ち】
【であれば鳥でも飛んでいったか、と、思わすような瞬間に。――「あー!」と、聞こえてきた声、きっとうんとうんと幼い、子供のものであったなら】

――――お兄ちゃんね、いけないんだ! ミセーネンのキツエンは禁止なのよっ!
だからね、ダメよ――あれ? お兄ちゃん、大人のヒトかなっ? でもね、タバコしたらね、身体に悪いのよ! なの!

あっ…………、――それ、お菓子のヤツ? かしら? あのね、私ね、見たことあるよ! お菓子のね、タバコ!

【きゅんとちっちゃな風切り音。空中を通り過ぎて行った影が翻ったならばふわりと舞い降りた、――彼の寝転ぶ屋上の上、うんと、彼に近いところ】
【ていうかそのすぐ横に降り立ってくる。人影が。一つ。――それで急にわあわあと騒ぎ出すのだろう、子供の高い声をわあわあ連ねたなら、耳にうるさく】
【半分だけのイヤホンまで貫通して"彼女"の声で、彼の聴覚、めいっぱいのいっぱいいっぱいにしてしまいそうなくらい、にぎやかな――"女の子"だった】

【――淡いクリーム色の髪は頭のてっぺんでツインテール、わたあめを櫛で丁寧に梳かしたようにくしゃくしゃだったなら、風にふわふわと揺れて】
【まあるい垂れ目の瞳は真夏の青空とおんなじ晴れ渡る蒼穹の色。右目の下には――けれど毒々しい紫色で、蝶々のシルエットのタトゥーが刻み込まれていたなら】
【ぷんと怒った顔で彼のことをじいと覗き込む――腰に手のお怒りポーズ。真っ白のワンピースはおっきく肩を出したもの、元気そうな感じ、足元は白いサンダルで】
【けれどその背中にはいっとう大きく立派な天使みたいな翼があった、――彼が魔力に敏感であれば、魔力によって形作られたものであると分かるだろう。まるで光を抱くのとおんなじ】
【五歳くらいだろうか。とりあえず学校には行っていなさそうな年頃の女の子だった、――わあわあ話す声、だんだん小さくなっていったなら】

お兄ちゃんね、何してるのかなってね、思うわ! あ! でもね、私ね、当てちゃうんだからっ、ちょっとね、待っててほしいのよ、なの!
う――――――――――んとね、分かった! 日向ぼっこでしょ! お兄ちゃんはね、あのね、コーゴーセーの真っ最中なの! でしょ?

【――――どうやら最初は未成年喫煙と勘違いして。その次は煙草は結局身体に悪いと言いたくて。でも火がついてなかったなら】
【誤魔化しているのかもしれなかった。そのくせには全部が全部人懐こいから、――とりあえず、うるさい子供、来てしまったみたい】
【さっきその頭上をひゅんと飛んで行ったのも彼女であった、――彼がきちんと見ていたなら、それにも、気づけるはずで】
112 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/01(日) 22:49:40.67 ID:t2wuegOy0
>>110

【会合と言っても新しい何かは別に話されない。大した意味はないのかもしれない】
【だが一部の人間からすれば一世一代のビジネスチャンスかもしれないわけだ】

【オーウェルの社員は話し続ける。決まり文句のような言葉を】

「我々は長い時間、長い歴史上、弱者で有り続けた。力を持たぬ我々は虐げられるしか無い」

「是正されるべきは力だ。比喩ではない暴力という力が我々が一つになることを拒否し続けていた」

「世の中の……我々の命運は、能力者や、魔術師や、魔界に住む異形共、そんな奴らのためにあるのではない」

「この世から銃をなくすことは難しい。それを手放すことで平等ではなくなるからだ。だが、しなくてはならない」

「幼年期の終わりに向けて。」


【そして、話を聞いていた者たちの拍手喝采。そう、ここは魔術や能力のような異能を持たぬ、そして嫌うものの集まりなのだ】
【水の国で一部地域で制定された特定超規安全保障法案、通称:魔能制限法によって世論は嫌能に傾きつつあった】
【セアンの感じた違和感は最もだ】


――――ん?ああ、貴方か。私も、用事が…少し待ってくれ。

【テクノドッグスの男はニコリと微笑んで、口元を丁寧にナプキンで拭うと、腕にベルトで取り付けてあったPDAを操作し始めた】


【瞬間――――静寂が訪れた。】


【BGMの名も知れぬ、クラシックはスピーカーから流れている。だが、話し声は一切。していない】
【今まで楽しげに食事をして、歓談をしていた人々は糸の切れた操り人形のように力なくその場で“電源を切られた”】

全部、アンドロイドだよ。見た目は良いだろう?でもソフトは安物で、3パターンぐらいしか話せないんだ。

さて…セアン・フォールス氏。本日はどうもありがとう。だが、ここは能力者は立ち入らせるわけにいかないんだ。
…今すぐ、能力のない普通で、“健全な正しい本来の人間”に戻るか、死ぬか。選びなさい。

【ドアが勢いよく開き、テクノドックスの一般兵がなだれ込んでくる。同じ兵装同じマスク、全部がおなじに見えるだろう】
【ライフルや、巨大な2m近くある片刃の直剣を構えた、6人の犬が広いパーティ会場で牙を向いて待っている】
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/07/01(日) 23:32:38.96 ID:Fiej0G5c0
>>112

【男に話しかけると丁度オーウェルの社員がこの世は能力者や魔術師の者では無い、と仰々しく語る】
【セアンはそれを馬鹿にしながらも聞いていた、話が終わると、拍手喝采が起こる。セアンも一応拍手しておく事にした】

(少し変だな?何だ、この感じる違和感は?)

【セアンが会場の雰囲気を不自然に思いながら、周りを観察する】
【すると突然、男が腕に付いていた機械を触る、あんなにも騒がしかった会場が途端――――静寂に包まれる】

【名も知らぬクラシックだけが流れ、先程まで話していた者たちも――そう、まるで電源が切れた様に、静かになる】
【セアンは恐らく騙されたのだと思い。少しだけ警戒し、何時でも戦闘できるように構える】

そうか、いい出来だ見た目はな。お前の言う通りソフトが安物だ、発音や仕草は良かったがパターンが単調過ぎる。
まぁ、言われるまで分かんなかったけどよ。

何?――――あぁ成程そういう事か、これは罠っていう認識でいいのか?
残念ながら死ぬ気も一般人に戻る気もねぇよ、強いて言うなら、健全な正しい能力者になら、なってもいいぜ。

【少しだけ冗談を交えて返し、ニヤリと好戦的な笑みを浮かべる】
【すると、ドアが勢い良く開き兵士が雪崩込んでくる、全員武器以外は同じ装備で同じ姿をしている】

//本当にすいません。仕事の予定でもう寝なければ行けないので、明日の朝に一個返せるか返せないかです
//安定して返せるのは明後日ぐらいになります、
//後遅くなって申し訳ありませんでした。
114 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/01(日) 23:32:47.29 ID:DnXn/is30
>>111

……は?

【唐突に聞こえて来た声に、頭だけぐるんと向ける。甲高く耳に響く声は、ラジオから聞こえて来る音声を消し去ってくれた】
【聞いているだけでも頭痛がしてしまいそうな様子に溜まらずイヤホンを耳から外して】


こ、子供……?どうやってここに……?


【青年もまた、能力を使ってここまで登って来た口だった。入口の方に視線を向ければ、立ち入り禁止の張り紙と鍵の掛かった扉】
【次いで、視線が空に向く。先程、視界を通り過ぎた影を目に留めてはいても、それが目の前の幼い少女だとは思い至らなかったらしい】
【しかし一目見ればその理由が少女の背にくっついている。その体躯の小ささにはそぐわないくたいの、有翼】


……天使?いや、いやいや。有翼人種か?

【天使だなんて、そう簡単に認めることはできずに、青年は首を振った】
【そして、すぐ様喫煙について咎められれば、目を丸くして、捲し立てられる言葉にちょっと引いていた】
【子供――分類するならば、恐らく自分も"子供"なのだろうが、目の前の幼女からすれば、大人と大差なく見えるだろう】
【青年は身を起こす。然程背丈が有る訳ではないのだが、それでも】


これ?これはお菓子じゃないよ。
でも火はついてないだろ?だから健康には悪くないんだ。


【嘘を吐くのは何だか悪いことをしているような気分になるので嫌いだった】
【だから、嘘にはならない屁理屈をこねた。目の前のような子供になら通じるだろうと言う浅はかな思考では有ったけれど】
【実際、常には普通に吸っているのだけれど、未成年が煙草を吸う理由なんて、"格好つける"以外の用途なんてないから】
【真正面から咎められると、変な気恥ずかしさを感じてしまう】


光合成って……変な言葉知ってるんだな。
お兄さんは新聞を読んでたんだ。……まぁ日向ぼっこも半分合ってるけど。


【この幼さが相方の少女を思い出させる。はっきりと不正解、と言うと何だかヘコませそうだったので、半分だけ正解、としてやる】
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/01(日) 23:42:36.29 ID:2VKVb1dh0
>>114

私はね、飛んできたのよ! あのね、翼でね、ビュンって!
いっぱい練習したからね、上手なのよっ! 鳥さんとね、見間違っちゃうでしょ? ふふん!

あー! でもね、違うわ! お兄ちゃんたらね、バッテンなの! 私はね、天使さんじゃなくって――、でもね、ナイショよ! なのっ。

【捲し立てる言葉にちょっとだけ引いたような様子の彼。幼子はそれでも全く気にしていないようだった、まあるい目をキラキラに輝かしたなら、ぐっとのぞき込み】
【すごいでしょって言いたいみたいにくるくる回ってから背中をぐっと見せつける、――はらはらと常に羽根が剥落し続けていた、魔力の煌めき、であれば正しい翼ではなく】
【光の魔力――お日様の光とよく似た光で構成された、魔力の翼。振り向きざまの幼い顔はイタズラっぽくはにかんで、にんまりしたなら】
【その頬に刻まれる、あどけなさに似合わぬ紫色の蝶々が羽搏くみたいに、ほっぺたのやわらかさに歪められて】

でもね! 聞いたことあるわっ、タバコのね、致死量はね、……えーとね、どれくらいだっけ?
火がついてなくってもね、ダメなのよ! 食べたらね、おなか壊しちゃう! 死んじゃうかもしれないのよっ。
死んじゃうってね、すーっごく、健康に悪いってことよ! だからね、ダメなのっ!

【並ぶ屁理屈、――けれど変に絡んでくるのだ、彼の言葉に負けないみたいに、どっちにせよ煙草は身体に悪いんだ、と、言い張るのなら】
【肝心なところがすっぽ抜けて、それでも、彼のことをまっすぐに心配しているような目を向けるのだろう、――雲一つない蒼穹の色合い、あんまりにじっと】
【けれど――あんまり長続きしない。であればそんなの絡んできた言い訳に似ているのかもしれなかった、というより。続く言葉に、にっこり笑ったなら】

あのね、お姉ちゃんが教えてくれたのっ! それにね、ご本にも書いてあったわ! だからね、知ってるの!
でもね――新聞紙ってね、くちゃくちゃってしてね、ばさばさってしてね、読みづらいわ! だからね、あんまりね、読んだことないのっ。

――――じゃあ、私はね、"半分日向ぼっこ"のお兄ちゃんの隣でね、"全部日向ぼっこ"するわ!

私ね、ファラエナって言うの! お兄ちゃんね、なんてね、お名前ですかってね、私ね、聞きたいな!

【――すとん、と、彼のすぐ隣に、そのちーちゃなお尻。おろすのだろう。問答無用。一緒に勝手に並ぶみたいな場所に座り込んだなら】
【いっとう得意げな顔で笑うんだろう、褒められた!って言うみたいに。――そうしたなら自分は新聞読まない代わりに、100パーセントの光合成に挑戦する、だなんて】
【勝手に言い出すのだ。そしてきっと実行しようとしたなら――にこりと人懐こい笑顔が、彼の名前聞きたいなって、求めて来るから】
116 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/02(月) 00:09:17.79 ID:+A4+t6vc0
>>115
ん〜……

【低血圧そうに唸る声が聞こえる。青年の声は酷く気だるげだった。別にこの幼女のせいと言うことではなく、いつもそうだ】
【幼女――ファラエナと言うらしい。彼女の言葉は全然要領を得なかったのだが】
【要領を得ない言語に取り合うのは割と得意な方だった。半分くらい聞き流すのがコツと言う、良いのか悪いのか分からない技術であったが】


鳥じゃなくて、天使でもない〜、と……。
んで、正体は内緒――?……へぇ、何か、ヒントだけでもないのか?


【突然空から降って来た幼女の正体が気にならない訳ではないのだが、考えるような素振りをしているのは半分くらいは付き合いだった】
【横目に見ると、その翼は魔力の燐光を帯びている】
【本物が背中にくっついている訳ではないらしい】
【見たことはないが、本当に天使で有るのなら、翼が魔力で出来ていたって不思議ではないのだが、それは本人の口から否定されている】


光合成の次は致死量……物騒な単語覚えてるんだな。
誰に教わったんだよ、そんなの。


【オマケに煙草を食べたら死ぬなんて、5歳児の考える思考として不釣り合いだった】
【勿論、仮にこの少女の年齢が見た目通りなのだとしたら、だが】
【彼女の保護者は喫煙者で、触ろうとして怒られたことが有るのか、或いは非喫煙者で、喫煙を蛇蝎の如く嫌っているかどちらかに違いない】
【と思ったらその保護者?は"お姉ちゃん"なる人物らしい。話を聞くだに、ヘビースモーカーではなさそうだ】


で、そのお姉ちゃんってのは子供ほっぽってどこに?
新聞ってのは大人が読むものなんだから……、あ〜……ファラエナにはまだ早い。


【今聞いたばかりの名前を復唱する。この幼女を形容してどう呼ぶか迷ったからだった】
【ラジオでニュースを聞いて新聞を読む。……或いは、この青年も大人の真似事をしているだけかも知れなくて、それは僅かばかり届かない場所への背伸びなのだろうけど】
【何か隣に陣取って100%日向ぼっことやらを開始するらしい】


ジュースかよ……いや、良いけど、どっかに向かってたんじゃないの……?
僕は……ん〜……合歓。ネムだよ。覚え易いだろ……?

【青年の声は最後までダルそうだった。ともすれば、眠いのではないかと思ってしまうほど】
【飛んでいたのだから、偶々、未成年喫煙を見咎めて、降りて来たのだとしても、行先が有ったのではないかと】
117 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/02(月) 00:11:00.38 ID:Ekr/Mz+O0
>>113
/了解しました!こちらも申し訳ないのですがレスは明日の夜にさせていただきます
/あと、無理に長く書こうとしなくても大丈夫ですよ。30分前後で書けるぐらいがちょうどいいと思います
/それでは今日はお疲れ様でした!
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 00:21:26.72 ID:9y+5JAYg0
>>>116

そうよっ、そうなのっ! 私ね、天使さんとかね、そーいうのじゃないのよっ!
……ヒントー? ん、んん……ヒントね、なしっ! それにね、あのね? ホントはね、ナイショだし――。

【ぱさぱさと翼を数度動かす――相手が見ているのを分かりながら、幾度目かの羽ばたきで、その翼はパっと鮮やかに散るのだろう】
【それはまるで桜の散華のすべてを一瞬でやらしたみたいに――ひらひらと光の粒子が舞い落ちる。それらはやがて地面でてん、てん、と、跳ねて、小さく崩れ落ちて】
【きゃあきゃあ元気な声を彼女はその時きっと少しだけ潜めるのだろう。――ヒントはなし。なぜなら、本当は、内緒の出来事であるから……だなんて】

テレビで見たよ! ご本には……書いて……なかったわ! 多分! 

【けれどその顔も長続きはしない、――にまーっと得意げな顔、致死量の方はテレビで見たんだといって胸を張る】
【「お勉強いっぱいするとね、お母さんが褒めてくれるの!」と言って――だから誰に教わるとかではないのかもしれない、褒めてもらいたい、って笑ったのなら】

………………ん、ん。お姉ちゃん? えーっと、ねぇ。――、

あー、ね、えっと、ね! ――どこかにね、行きたかったんじゃね、ないのよ!
あのね、私ね、ホントはね、お姉ちゃんのことをね、探しててっ! あのね、お姉ちゃんね、居なくなっちゃったから――、
お兄ちゃんね、ネムお兄ちゃんってね、言うのね! そしたらね、ネムお兄ちゃんにね、聞きたいことがあります! なの!

【――――その顔も、また、長続きしなかった。あーと不明瞭な声が漏れたならなんだか言いづらそう、まだ早いと言われても、黙ってしまうくらいには】
【それで少し悩む――そうしているうちに、どこか目的があったのではないか、と、尋ねられ。そしたならやっと少しだけ勇気が出たみたいに、そう否定するのだろう】
【相手の名前を復唱一度、――さっそく呼んだなら、どうにも、こうにも、聞きたいことがあるのだと言って】


――――あのね、鈴音お姉ちゃんってね、言うの! 髪の毛ね、真っ黒でね、えーとね、もふ!!って感じのね、お洋服、好きだわっ!
おめめがね、あのね、こっちとこっちでね、色違うの! 黒くってね、赤いの! それでね、えーとね、――うーんと、あ! お料理好きだよ!

しらない?

【そして尋ねるんだろう、――どうやら彼女はヒトを探しているらしかった。ただ誰かに尋ねることを想定していなかったんだろう、何を言ったらいいかと悩んだなら】
【黒髪。もふ!!って感じのお洋服。オッドアイ。料理が上手。――そういう情報を並べていく、その他はともかく、料理、は、目で見て分かるものじゃないんだけれども】
【あんまり気にしていないみたいに――、最後に見せる表情は、ちょっとだけ、しょんぼりしていた。そんなとこまで、表情が、ころころって良く変わっていって】
119 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/02(月) 01:05:26.31 ID:+A4+t6vc0
>>118
内緒か……それなら仕方ない、かな……


【あんまり残念そうでもない声だったが、この時分の子供が、頑なに口を閉ざすと言うのなら、言う通り本当に内緒、なのだろう】
【ならば、余り深く追求することでもない。もう一度、視線を光る羽根に落としたなら、それらは地面に跳ねて消える】
【それは多分彼女の能力なのだろうが――内緒な方の理由には、心当たりがなかった】


あれ、お母さんもいるって……?
えーっと……


【頭を掻きながら、幼女の話をまとめてみる】
【拙い言葉だが、同年代と比較すれば、賢いように思える】
【そして今知ったが、ほぼ初対面の自分をお兄ちゃんと呼ぶくらいなのだから、その"お姉ちゃん"も、恐らく血縁ではないのだろう】
【情報収集源は主にテレビと本、で、母親と暮らしていると】
【普通過ぎるくらいに、不自然な情報はなかった】
【強いて言うなら、人探しにしても、この歳の幼女が親も伴わずにフラフラしていることは不自然であったろうが】


あ〜……"お姉ちゃん"がいなくなっちゃった、ね。
残念だけど、見たことはないかな……


【髪の色と服装だけでは、特定は難しいのだろうが、赤と黒のオッドアイと言うのは、そこそこに珍しい。実際に見れば記憶に残ることだろう】
【"鈴音"と言う名前にも聞き覚えはなかったし――……と、そう言えば】
【先日のサーペント・カルトなるカルト宗教は、多くの人を生贄として連れ去ったらしい】
【ほとんどの人は活きて帰ったらしいけど……行方不明になったって人も少なくはなくて】
【ただ、流石にその可能性を目の前の子供に告げるほど、良識は欠けていなかった】


そういうのはフラフラ探したってダメだよ。
その鈴音……さん?がいなくなる前に何をしてたかとか、そういうのを考えた方が……

あ〜……もう、子供に何を言ってるんだ、僕は。


【いくらか賢い様子を見せたから、少し戸惑いはしたが】
【探偵めいたことをやらせるには余りにも幼い。まして、そんな危ない宗教に関わっていたかも知れないなら、捜索自体が危険かも知れない】


そう、その鈴音さんの他の友達から話を聞いてみるとかは?
突然いなくなったのなら、他に探している人も多いんじゃないか?
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 01:17:03.09 ID:9y+5JAYg0
>>119

【仕方ないかな、と、彼の呟き。そしたら彼女は「仕方ないのよっ!」と重ねて答える、本当に――あんまり言いたくないように】
【そうして相手が情報を整理しているのを見ているんだろう。――本当はもっといろいろ複雑なんだけれど、それは、内緒のことに通じる事実であれば】
【強いて言うなら――いくら見てくれが昼間のこの国であれ"こんな"時間に出歩いている幼子という違和感。そして、そのほっぺたに刻まれたタトゥーの違和感】

居なくなる前? ――んー、っとね! お仕事してたわ!
あ、でもね、お仕事ね、"うんと"忙しいから、しばらくね、一緒に遊んだりできないって……。
電話とかもね、忙しいからね、しないでって! 言ってね、だからね、私ね、そうしてたのっ! でも、そしたら――、

……――そっかあ。ネムお兄ちゃんもね、会ったことね、ないのねっ。

【フラフラ探しても駄目という言葉に幼子は疑問っぽい顔をするんだろう、ふらふら……というのも彼女の中では立派な作戦の一つであったなら】
【居なくなる前に何をしていたか――と言う言葉にはありのままを答えるんだろう。少なくともそれが幼子の把握している"前"であった、ゆえに、それから分かるのは】
【"仕事"が忙しいから、会ったり、電話したり、出来ない。そう言われたのだと言う、そうして、それを守っていたら――(居なくなってしまった?)】

【――しゅんと眉が下がる。残念そうな声を漏らせば、座ってぽんと投げ出した足先をぱたぱたする、キャンディみたいな足の爪先をわぎわぎさせてから】

あのね! それでね、私ね、お電話しなかったの! メールもね、しなかったわ! だからね、私ね、音々子お姉ちゃんに聞いたの!
それでね、音々子お姉ちゃんがね、電話とかしろーってね、うるさいからね、したの! でもね、出てくれなくって……あっ、でもね、掛かったよ!
――でも最近はね、ダメになっちゃって……、んん、お姉ちゃんのね、お友達? …………あー。

鈴音お姉ちゃんね、きっとね、お友達たくさんだわっ! どこに居るかってね、よく分かんないや!

【自分は言いつけを守っていたんだとアピールしていた。ちいちゃな頭を何かのリズム取るみたいに揺らしたなら、ふわふわのツインテールが、空の雲よりやらかく揺れて】
【どうやら共通の知り合いというのが居るらしかった。そして、おそらくは、幼子より"鈴音"の失踪に気づいたその人物から、連絡を取ってみてくれ、と頼まれ】
【確認したところ幼子もまた失踪を認識した――という流れなのだろう。ただ電話自体は掛かった。電源が入っていて電波も届いていた。ただ、最近は……】

あのね、あのね? お姉ちゃんね、風の国のね、ゆーてぃー、でね、お仕事してたのっ!
だからね、うんとね、お友達いっぱいだわっ、だってね、みんなにね、お料理作ってたんだから! とーってもね、おいしいんだよっ。

【――けれどその不穏でしかない現状に幼子はひるまないなら。お友達はいっぱいいるはずだからどこに居るんだろう、と、きゃらきゃら笑い声をあげる】
【どこか冗談めかすみたいに、――それから、これは、うんと、うんと、自慢げに。件の人物は風の国のUT――最近はあまり活動している気配のない正義組織――の関係者だと】
【伝えるなら、うんと大事な宝物を自慢するみたいな声でおしゃべりする、――蒼穹の瞳が同じ色の空を見上げて、「そうかも!」と相手の言葉、肯定した】
121 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/02(月) 01:49:46.08 ID:+A4+t6vc0
>>120
【最初の疑問に戻る――こんな子供を放置して、その"母親"は一体何をしているんだろう?】
【もしくはこの幼女が能力を使って、こっそりと抜け出して来たのか?】
【いずれにせよ、こんな年頃の子供が、しっかりと"内緒"を守っていることを含め、何か不穏な気配は感じているのだった】
【この底抜けに明るい幼女の中で一点、どこか毒々しい色合いを伴った蝶のタトゥー】
【そう言えば、件のカルト団体は体のどこかに蛇のタトゥーを入れていたらしいのだが】
【どう考えても自分で入れるものではないだろう。これも、関わらない方が良い事情か?】


あ〜……ファラエナ?
お姉ちゃんを探すのは良いけど、お母さんの方は何も言わなかったの?
子供はもう寝る時間だと……ここだと良く分からんけど、思うだけど。


【なので、いくらかぼやかしたように尋ねて見た】
【視線は自然と、蝶のタトゥーへと向けられる。彼女も視線には気付くだろうか】


如何にもいなくなる前に言いそうな発言だな……フラグいっぱい過ぎて逆に何も分からん。
でも、やれることは、やってたんだな。偉いぞファラエナ。


【適当な褒め方だったろう。雑に褒めることに慣れていると言うのも有ったのかも知れない】
【こうやって改めて見ると、幼女の容姿はどことなく、空をイメージさせるものが多かった】
【それは透き通るような爽やかさを思わせるものでも有るが、だから余計に目の下にある毒の色が気になってしまう】


しかし、いよいよこれは本格的に行方不明なんだな……
……UT?その鈴音って子はUTの所属だったのか?


【ようやく知っている単語が出て来た。一応、"正しきことをせよ"と言う思想の組織に属する者として】
【志を同じくする、UNITED TRIGGERについては、周知されいた】
【もっとも、最近は余り目立った噂は聞かないのだが――】


UTの一員だったのなら、尚更UTの関係者に聞くのが早いんじゃないかな。
仕事の関係で姿を消してるんだったら、仲間なら把握しているんだろうし。
そんで料理が得意なんだな……まぁ、聞くだけでも友達多そうだってのは、分かるけどさ。


【もっとも、それが正しいのかは分からない。場合によっては、行方不明どころか、既に死んでいることさえ有り得るのだから】
【それだけ交友関係が広そうなのに、未だに"見付かっていない"と言うのは相当なことのように思える】
【とは言え、それは、聞かれた側が気を遣うべきことだろうけれど】
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 02:05:44.77 ID:9y+5JAYg0
>>121

お母さん? お母さんはね、お家に居るよっ、だからね、大丈夫なの!
鈴音お姉ちゃん探して来るってね、言ったからね、平気よっ、それにね、お母さんね、私にね、いっぱいお外に出ろって言うんだから!
それでね、いろんなヒトとね、会っておいでって言うのっ! ――今日はね、ネムお兄ちゃんに会えたわ!

【お母さん――母親は、どうやら、彼女にとって何の障害でもないらしい。まして、――もしかしたら、推奨しているのかもしれない、とまで、予感させた】
【お外に出ていろんな人に会って来いと言われているのだと言う。――そして夜更けに出ていくのを止めもしない、親。頬っぺたのタトゥが余計に色鮮やかに見えたなら】

なの! 私ね、偉いでしょっ、だってね、鈴音お姉ちゃんね、お仕事いっぱい頑張ってるから、邪魔したらね、ダメかなって――。

【にこ、と、笑う。青空に映えるひまわりの花みたいな笑顔、――けれどそのお終いがどうしても少しだけ、寂しげに見えた。そればかりはどうしても、隠せないみたいに】
【あんまり鮮やかに笑うのも悲しげなのもどっちも本当の気持ちだからこそ、漏れ出てしまったみたいに。――忙しいからと言われた言葉、信じていたから】
【本当に一番最初に気づけなかったことをどこかで悔やんでいるみたいな。――そんな風な難しい気持ちを言葉にするすべを、まだ、知らないかのように、眉を下げて】

そうだよっ、鈴音お姉ちゃんね、UTのね、"きゅうじさん"なの! お料理したりね、ご飯作ったりね、するんだよ!
おウチのない子にね、ご飯作ったりね、するの! すごいんだよ! おおーっきなお鍋ね、魔女みたいにぐつぐつってして――。

――それでね、作ったご飯ね、食べてるとね、「おいしい?」ってね、聞くの! おいしいってね言うとね、嬉しそうなのよっ、だからね!
私もね、嬉しくなってね、いっぱいね、おいしーって言うの!

【件の人物はUTの給仕であるらしい。であれば戦闘要員ではないのだろうか。――戦闘要員でさえない人物が失踪している、という、ことさらに不味い状況が見えてきたなら】
【それは必然的に組織の名前を最近聞かない理由でもあるのかもしれない、だって、――給仕さえ消えるのなら。正しい戦闘要員は、より一層、狙われやすいのだろうし】
【最も気にすべきはあれだけどうにも目立つ人物であったリーダーがここしばらく全くどこでも確認されていないことだろうか、ただ、それはこの場ではきっと判明せずに】

でもね、あのね、みんなね、忙しいかなって思って! ……あう、えと……、だってね、鈴音お姉ちゃんがね、すーーっごく!!忙しいから!!ってね!
怖い顔でね、言うの、だから――、それにねっ、私ね、カエデのことしか知らないわっ。……カエデね、忙しいの! ホントよ!

だから……、

【――けれど。続く言葉はなんだか不明瞭になるから、それは、なんだか――なんだか、おじけづいている様子にも見える、のかもしれない】
【いっぱいいっぱい明るい言葉ばっかり並べてきたから。――忙しいからというのは確かに理由の一つで。だけど。どこかで。"そんな大したことじゃない"って思いたい、ように】
【自分で探して自分で見つける。――それこそ大したことじゃない証明になるって言い張りたいかのように、わずかに渋るのだ。――あるいは嫌な予感、しちゃう、みたいに】

――――――、鈴音お姉ちゃんね、前もね、居なくなっちゃったことね、あるのっ。
それでね、あのね、っ、あのね――、その時もね、うんと怖い顔してたの、それでね、居なく、なっちゃって――。

【――――――ひとつ嫌な予感を思い出してしまったなら、幼子は、ひどく言いづらいことみたいに、もう一つ、言葉を付け加えるのだろう】
【件の人物は過去にも失踪歴がある。そのときは気が付いたら戻ってきて――再会できたのだけど。"その時も"、幼子は、"怖い顔"されたのだと言って】
【だからどこかで――予感みたいなものはずっと抱えていたのかもしれない。それが現実になって。でもそれを言葉にすることは、やっぱり、難しいなら】

その時みたいにね、帰ってきて、くれるかな……?

【ほんのちょっぴりの弱音、――青空に一個だけの黒い雨雲みたいに。雨を降らすにはうんと弱いけど、それでも、真っ青を陰らす色合い、困ったみたいに、呟くのだろう】
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 19:16:24.17 ID:LJ9fcCzNO



         【── 懐かしい感触であった。】



【 、── 蛇に呼びかける声、今はもう殆ど聞こえなくなった雑音の様に】
【脳裏に響く音律、刻む言葉の一音一音が、輝かしき日々を高らかに歌う】
【 "ケバルライ" ── と自身の名を名乗ったなら、それで十分すぎる可能性を示して】


こうして貴女に "蛇念" を送るのも久し振りですね、懐かしき在りし日を思い出します。
私達はただ信じていれば良かった、私達の神を正しい形で求めていれば良かった。
けれども現実は私達を否定し、後に残る蟠りだけが、私達の失敗を伝えるのでした。

── 聞こえますか、ムリフェン。私達は最早、翼をもがれた蛇となってしまいました。

オフィウクスは形を崩し、描くアステリズムは、最早意味の無い星屑の羅列に過ぎません。
けれども、いいえ、だからこそ、私達は新たな星々を紡ぎ、正しきウヌクアルハイ様を導かねばならないのです。

── 報告を、今の貴女の現状を、私は知りたいのです
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 19:44:34.58 ID:dzBInZnz0
>>123

【――――その時に少女は微睡んでいた。羽織ったシャツは明らかにサイズが合っていない大きなもので、ボタンは最低限だけが留められていたから】
【はたり、と、目を開ける。――わずかに朧気な思考と視界を眼をこすることで振り払ったのなら、枕元に置いていた水を、どこかかさついた喉に流し込む】
【目線がわずかに移ろったなら室内の時計を捉えて、――三時間ほどは眠っていたらしい。小さくないあくびを噛み殺してから、もう一度、ベッドに寝転んだ】

【――寝ている間に外れてしまったボタンを指先で留めていく。暗い紺色のナイトブラを白いシャツできちんと隠しこんだなら】

――――、はい、聞こえております。

【薄暗く陰っていく景色を窓の向こうに見つめながら――返事の言葉。けれど声ではなく、念であるなら。もしも誰かに見られたとて、何の意味も辿らせず】
【けれどよりいっそう秘匿されたやり取りにしようと願うかのように、――大きすぎるシャツ以外を何も纏わぬ身体に、掛布団を引き寄せる、そのお腹のとこだけ冷えないように】
【真っ白な足の爪先は投げ出されたままで退屈そうにしていた、――浮かべる表情はわずかに和らいだもの。あるいは安らいだもの。薄らと快い笑みを浮かべたのなら】

……今は。今は水の国に居ります。"あの日"――、私を打ち倒した人間、――のところに。
先の病院も"彼女ら"の用意したものでありました。今は――、その人間の家に匿われております、――ですが。
"彼女"は正義に与する組織に籍を置いていますが、――現時点で私の能力による影響下にあります、いくらか不安定な様子ですが、――利用することはできるかと。

あるいは"彼女"越しに組織に働きかけることも可能かもしれません、――あくまで可能性では、ありますが。

【――返答の言葉を念じる、それを一通り澄ましたなら、ふっと思い出したように、彼女は現実で声を出す。「――アリアさん?」けれど、返事はないから】
【"邪魔されることはない"と判断して、――室内に向けた視線を、今度は、ふらりっと、特に意味もなく天井へ向けて、滑らせて】

………………"彼女ら"は、ウヌクアルハイ様へさらなる干渉を企てております。そのことを持ちかけられました。――けれど、私にそのようなつもりはありません。
虎穴に入らずんば、とも、言います。――私はウヌクアルハイ様を正しいお姿に戻すこと以外に興味はありません、ここも――不要になれば、発つ。

【伝えた現状は――きっと彼にいくらかのことを齎す。半ば軟禁のような形ではあるが、――現在は病院から離れて、より一層近いところまで潜り込んでいる、というべきか】
【相手ならば知っているだろう。少女の能力――"阻害"の力は、不完全ながらも洗脳のように使うことも出来た。敵の一人を"それ"にて掌握している、と、伝えたなら】
【――けれど危うい橋であるのもまた同時に伝えるのだろうか、――とすんと寝返りを打つ、時刻はさっきからまだ数分も経っていなくて、部屋の中はうんと涼しかった】
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 19:59:02.77 ID:LJ9fcCzNO
>>124

【── 彼はムリフェンの情報に満足していた。その行いはたった一人の幹部としては十分すぎる程に】
【優しげな思念が流れて来るだろう、それはありし日の父親の行いに似ていた】
【娘の行いに肯定を向ける父親の、柔らかく穏やかな色合いに近くて】


良くやってくれていますね。貴女の行いは、私にとってもウヌクアルハイ様にとっても好ましい事です
さぞ大変だったでしょう、あの監獄から抜け出す事も、看守の目を誤魔化す事も、並大抵の努力では無かった
けれども貴女はその確かな信仰心を持って、それを成し遂げたのです

それを奇跡と呼ばず何と呼ぶのでしょうか、貴女は今も尚ウヌクアルハイ様にとっての第一の使徒で在りうる。
偉大なる神の恩寵を一手に引き受けていた者として、その身の末端までもを捧げる名誉を得ているのですから
ええ、そうです。── 歪められたウヌクアルハイ様を正しい姿に戻さねばなりません




── そしてその為には、障害を取り除く必要があります。


【言葉を置いた。此処からが本題だと言う様子で】


ムリフェン、今貴方にネットワークへ繋ぐ手段はありますか?
パソコンでも、モバイルでも構いません、最初は一般的なネットワークで十分です、
そこで私の言うキーワードを検索して頂けますか? 「サーペント・カルト」、と


【検索に成功したなら、ケバルライは次々と検索ワードを述べていく、蛇やウヌクアルハイに関連するワードを】
【それはある種の規則性を持っていた。出鱈目な文字列の様で、それを知る者には、確かな意味合いを持つ様に】
【しばし検索に尽力させるだろう、── その間口を利くのは自由だ】
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 20:14:39.16 ID:dzBInZnz0
>>125

【手持無沙汰な指先がシャツの裾をいじくる。言葉を介さぬ会話というのは身体としては退屈なところもあった、それでいて、思考を使うのだから楽ではない】
【考え事をする手元でカチカチとボールペンを無意味に出したり引っ込めたりするのと似ていた。――けれどその時に、まるで父親のような温度感、伝わってきたなら】
【はたと一瞬手が止まる、――そしてひどくやわらかな笑みを浮かべるのだ。それを誰も見やしないんだけど、――あるいは彼にも柔らかな色合い、伝わるのだろうか】

……――身に余るような光栄であります。ウヌクアルハイ様の受肉は我らが悲願でありました。永い間、私たちは、それだけを願って努めて来た。
それを正義の妄執に取り憑かれた偽善者たちに掠め取られてしまった、……歪められてしまった。そのようなことあってはなりません、――あっては、ならなかった。
そのために命を賭した彼らのためにも、――残った私たちはウヌクアルハイ様を正しいお姿に戻さねばならない、――、絶対に。……絶対、に。

【であれば返答は、その柔らかな色合いに抱かれるような質感、無垢な赤子の浮かべる笑みにどこか似るのは、ただどこまでも人間らしい、ありふれた、感情で】
【褒められたのが嬉しかったのだろう、――だなんて、そんな"普通過ぎる"感情を彼女が抱くこと自体が、それこそ、なにか、歪みに似ているのかもしれないんだけれど】

……そうですね、少々お待ちください。

【――そうして求められたなら、少女はそう返して、少し、黙りこむだろう。念での会話を"黙る"と表現すべきなのかは、よく、分からないものの】
【とにかくほんの数分ほどの間、彼女からの返事はなくなる。であれば――今現在自由に使える端末を持っていない、のかもしれなかった。何か家探しするような間があって】
【いくらかの間の後に「はい、大丈夫です」、と――返事がある。それは保留の電話に担当者が出るみたいな温度感、「お待たせしました」、とも、続いたなら】

………………サーペント・カルト。

【彼女は彼の言う言葉を疑うはずもなく、全部、全部、調べていくんだろう。それがたとえ無秩序に見えても、意味が分からなくっても、疑ることを知らぬ稚児のよう】
【言われたままの言葉を並べていく、検索窓のサジェストにいくつもの検索履歴が表示されていって、それがいくつも積み重なって、――その間に、彼女は何も言わなかった】
【求められたことを求められたままに行う。それはどこか神性な儀式の最中にも似るなら、そんなものは必要でないと言うみたいに】
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 20:29:35.62 ID:LJ9fcCzNO
>>126

【── 彼は貴女の言葉を好ましく肯定する。その一葉一葉の響きを満足そうに咀嚼して】

【何度目かの検索の後、画面が切り替わる。真っ黒な画面に一言表示されているだろう】



【── "虚神" を殺す術について ──】



【その下には連絡先を送るフォームがあった。── ケバルライが言葉を付け加えた】



貴女に手伝って頂きたいのは剪定作業です。そのページの先には "ウヌクアルハイ様" に敵対する組織が居ます。
彼らは "虚神" の情報を調べた人間に対しコンタクトを取り、彼らの計画の手伝いをさせるのです、
ムリフェン、貴女にはその計画に参加し、その阻害をして頂きたいのです。

──、もう一つ聞いておきましょうか、貴女を匿う "彼女" について、

彼女は貴女に対し従順でしょうか、見張りの対象を越えた、一人の人間として信頼してくれているでしょうか
そうであるならば、是非その彼女も巻き込みましょう。貴女であれば、きっと手綱を握れる。

ここまで疑問点などはありますか? 聡明な貴女でも、確認は必要でしょう


【──、何故、彼はこの敵対者のシステム迄もを把握しているのであろうか、ムリフェンならばその疑問を持つかもしれない】
【其れは彼という存在の深淵を、より一層深める一つの細工であって、】
【彼という存在に持つ疑問の出発点になりうる可能性を持っていた】
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 20:31:22.19 ID:LJ9fcCzNO
>>126

【── 彼は貴女の言葉を好ましく肯定する。その一葉一葉の響きを満足そうに咀嚼して】

【何度目かの検索の後、画面が切り替わる。真っ黒な画面に一言表示されているだろう】



【── "虚神" を殺す術について ──】



【その下には連絡先を送るフォームがあった。── ケバルライが言葉を付け加えた】



貴女に手伝って頂きたいのは剪定作業です。そのページの先には "ウヌクアルハイ様" に敵対する組織が居ます。
彼らは "虚神" の情報を調べた人間に対しコンタクトを取り、彼らの計画の手伝いをさせるのです、
ムリフェン、貴女にはその計画に参加し、その阻害をして頂きたいのです。

──、もう一つ聞いておきましょうか、貴女を匿う "彼女" について、

彼女は貴女に対し従順でしょうか、見張りの対象を越えた、一人の人間として信頼してくれているでしょうか
そうであるならば、是非その彼女も巻き込みましょう。貴女であれば、きっと手綱を握れる。

ここまで疑問点などはありますか? 聡明な貴女でも、確認は必要でしょう


【──、何故、彼はこの敵対者のシステム迄もを把握しているのであろうか、ムリフェンならばその疑問を持つかもしれない】
【其れは彼という存在の深淵を、より一層深める一つの細工であって、】
【彼という存在に持つ疑問の出発点になりうる可能性を持っていた】
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 21:06:18.55 ID:dzBInZnz0
>>127

【――――室内に、はた、はた、と、機械を操作する少女の指先の音だけが響く、エアコンは歩きさしに切ってしまった。少し寒く感じられて】
【サイズの合わないシャツと下着だけでは少し心もとない、とも、思ってしまいそうになる。――それはどうしてだろう、何か気がかりがあるような気はしないのに】
【何かがどこかで引っ掛かっているみたいな、感覚だった。――気のせいだと思う。ちょうどその時であった、画面がぱっと切り替わる。小さく吐息の音】

――――――――――、"虚神" を殺す、術……。
……そのようなこと、させません、……絶対、――――奴らは、ウヌクアルハイ様でなく、白神鈴音を呼び起こそうとしておりました。
ウヌクアルハイ様を単なる少女の神に仕立て上げようとしている。……そんな冒涜、を、こんな――、こんな、場所で、

【――であれば伝わる言葉もどこかひりついたように届くのだろうか。それはjpgで保存されてしまったドット絵みたいに、どうにも不明瞭なノイズを散らす】
【であれば少女自身が何らかの強い感情を抱いた証拠にも似て――ぎりと歯を噛んだ音、現実に響いて。それから荒い息を吐く、――手に取った端末を持ち去って】
【見られたら面倒かとその場に居るつもりだったんだけれど、もういいやという気持ちになったなら、そのまま、さっきのベッドへ。スプリングを軋ませ、寝転んだなら】

――――"今は"。いくらかであれば組織に対する裏切りも嗾けることが出来るかと思われます。阻害が途切れてしまえば、そこまでは期待できませんが。
そうでなくとも――。――そうですね。いくらか気に入られてはいるようです。――――信頼。ですか。そうですね。

――おそらくは。

【他者の感情や記憶に対して"阻害"するのを彼女は得意としない。他人の身体の中の奥深くまで干渉するには時間と手間と、それから、いくらかの信用が必要になる】
【整体されるときにあるいは似ていた。力を籠められると思った通りの効果が出ないばかりか、よりいっそう悪い結果を導くことも。――ゆえに、通った時点で、ある程度の保証になる】
【もちろんむりぐりに影響させることは可能なのだけど。――それは本当に本当の力業になってしまうから、"今回は違っていて"】

【――少なくとも現時点では順応。ある程度なら裏切りを唆すことも出来るだろう、と、推測する】
【あるいはそうさせる阻害が切れても、――いくらかの信頼はあるだろう、と、彼女は答えるだろう。少し言いよどむ様子であったのは、どうしてなのか】
【けれど最終的に彼女が導いた結論は、それであった。――けれど"このこと"が明るみに出れば、相手方から少女に対する心象は明らかに最悪になる、と分かりきっている】

【――――――もしかしたら今この瞬間すら罠であるんじゃないか、と、疑ってしまいそうなくらいに。相手の目的はともかく、何を握っているのかが分からないから】

/長くなってしまったので……
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 21:06:41.97 ID:dzBInZnz0
>>127

疑問点――ですか。そう、ですね、――、どうしてこのような場で協力者を募るのでしょうか。
彼らの目的が純粋に"白神鈴音"を引き摺り出すことであれば。あるのなら。このように隠れずとも、いつものよう、正義で徒党を組めばいいのでは。
偽善者どもの思考に引きずられ変質してしまったウヌクアルハイ様へ、より一層の干渉を目論むとしたなら――。

――このように分かりづらい場でのみ協力者を探す、というのは、少し非効率に過ぎるのではないでしょうか。ううん、もちろん、最も効率のよい方法でのみ行われては困ります。
ですが。……サーペント・カルト幹部であるあなたがすでに把握している。というのを鑑みるに、秘匿のためにしては不十分が過ぎます。であれば――、

【疑問点。ふつりと一瞬黙り込むような間を空けた彼女は、引っ掛かりだけをつらつらと言の葉にするみたいに言葉を並べるのだろう、どこか無秩序な、思考のままの形】

――――昔聞いたことがあります、意味深な動画に仕組まれた暗号文を解くことで求人情報が現れる、何かの組織だったでしょうか、忘れましたが。
いっとう"知っている"人間を集めるための誘蛾灯のようなものでしょうか? ――ですが、あなたともあろう方が、このような言葉でウヌクアルハイ様を調べるとは思えません。

【つらつらと流すような思考――どうでもいいことなんだけれど、彼女は普段から割とそういう話し方をする。考えをとどめないで流すに任せて、並べるのが好きなら】
【思考回路も実際そういう形で留まることなく好き勝手、だった、――ゆえにこういった念による会話でもあんまり話しぶりが変わらない。いつだって素であったのだから】

【――――誘導されて調べた単語は、無秩序に見えて秩序があった。それは攻略本を見ながら入力するコマンドのよう、ゲームの裏技、イースターエッグを開けるみたいに】
【彼もそうやってたどり着いたのだろうか。けれどどうにもそうとは思えなくて、――不審には足りぬ、わずかな、疑問】
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 21:23:49.38 ID:LJ9fcCzNO
>>129-130

【ムリフェンの抱いた疑問の内容迄は到れない、彼は何処までも人間の心理を解さない存在であったから】
【その点にかけてはイルと大差ない存在であれど、彼女とは決定的に仲が悪かった】


── 彼らの手段に対し理由を付けるのでしたら、貴女の言った言葉が相応しいでしょう、ムリフェン
やはり貴女は聡明です、けれども、然して聡明過ぎる点は時に貴女の視線を曇らせる
"虚神" ── その名称を知っている人間はそう多くありません、そこに蛇教を組み合わせたなら尚更

おそらく、この募集を掛けている人間は十中八九、"虚神" について知っています。そして、考えるでしょう
"虚神" の対策に必要なのは、十把一絡げの有象無象ではなく、一騎当千の猛者達である、と。

簡単な話です。"虚神" は認識に、信仰に従います。百万の軍勢を揃えた所で、彼らの認識を上回る事は容易い。
思考の遥か外を飛ぶ神々を目にして正気を保てるのは、ほんの一握り、── 故に、非効率こそが唯一の正答なのです。
だからこそ、私はこの相手に興味を持った。彼の取る手段は驚く程に正しい、まるで神の殺し方を知っているかの様に。

ですから、ムリフェン、── 貴女の手が必要なのです。人の身にして神に愛された、稀有な貴女という存在が


【一呼吸置くだろう、声のトーンが、僅かに変わった】


貴女の疑問に答えましょう、私達の間柄に隠し事など不要なのですから。
私は "集合的無意識" にアクセスする事が出来ます。私の信仰の拠り所は、そこにあるのですから。
故に、群衆の興味や思考、辿ろうと思えば個人の端から端まで辿ることも可能でしょう。──

今私がしている事はその中で、特異な信仰を持つ存在の検索です。── 言い換えるならば、"虚神" を知っている存在へのアクセス
けれども、件の相手には途中で遮断されました。成程、無意識下での交流には限度がある、と
ならば直接乗り込む迄です。種が割れてしまえば、トリックは容易いですから。

私は、この奥に居る何者かを知っています。それ故に、辿ることが出来たのです
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/07/02(月) 22:10:13.55 ID:yI7hzCrP0
【闇市】

【人知れず開かれる闇の市場。怪しげな魔術品をはじめとし】
【明らかに非合法な薬物の大量販売、盗品の叩き売り】
【そして公共賭博を対象とした違法倍率による賭場】

【そういった後ろ暗いエリアの一角に存在する、ある家屋】
【薄暗い建物はちょうど「□」を描くような回廊となっていて】

【そして回廊の中央には厚いガラスが張られ】
【そこから中央、やや落ちた場所に用意されたスポットライトの当たる舞台がよく見える】


『――続きまして12番は女となります。肌は白、珍しい赤髪に黒の瞳
   口はきけませんが命令は理解できますので
   簡単な家事、夜伽にはよろしいかと。料理は未だ教えておりませんが――』


【それは紛うことなき奴隷売買だった。舞台に引かれてくる『12番』には】
【首と両手を共に拘束する拷問具を除き、一糸も纏うことはなく】
【表情は暗く、陰鬱。食事は取らされているのか、肋が浮く――そういう事はなく】


【――回廊には無数に椅子が並び、それと対になる液晶画面が存在する】
【対象の番号、金額を打ち込む操作盤。競りの残り時刻も記されている】

【25、70、100――後ろにゼロがいくつか付くのだろう取引単位がログで流れる中】
【一人の男が液晶に『5000』という数字を打ち込んで、しかし送信はしていなかった】
【栗色の髪で目元を隠した若者風のその男性は――黒い、交領衫と呼ばれる衣服を纏い】
【そして、腰に龍の意匠が目立つ青龍刀を下げていた】
133 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/02(月) 22:53:45.01 ID:nTvnNPR40
>>132


「 ── お悩みですか?」
      「ズバッと行っちゃいましょうよ。」


【 ── いつの間にか、彼の隣には男が座っている。】

【其の席は空いていただろうか。或いはそうでなかったろうか。然しきっと、些事なのだろう。】
【ともあれ男が座っていた。壮年と中年の半ば程にありそうな男だった。草臥れたスーツを上下に着て、少しだらけてネクタイを結び】
【微かに色素の抜けた黒髪はごく程度の浅い茶髪にも見えた。後ろ結びだった。無精髭を時折、撫ぜていた。】
【少しばかり頬がこけていた。僅かに煙草の匂いがした。濁った茶色の瞳と共に、張っ付けたような薄ら笑いを浮かべて、悠然と座る彼に顔を向けていた。】


「随分と利発そうじゃないですか。それに器量も良さそうだ。」
「ああいう子はどっから仕入れてくるんでしょうかねえ。」「羨ましいもんです。」


【 ── きっと防弾仕様の強化ガラスの向こう側。少女へと視線を向けて、他愛もない世間話をするように、少し嗄れた声で。】
【ゆったりと脚を組んでいた。付け加えるなら手を組んでもいた。 ── 胡散臭い商談に来た営業屋みたいに。】
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 22:59:32.82 ID:dzBInZnz0
>>131

【――枕に顔を委ねた、半分だけを預けるようにして、そうやって端末の画面を見ている。黒い画面に文字だけの表示、憎むように、その文字だけ追いかけて】

――――ですが、白神鈴音は知られすぎている。憎たらしく思うほどに。
そして彼らもまた白神鈴音の名を知らしめると言っておりました。――私を捕えていた彼らにはそのつもりがあるのだと。
白神鈴音を認識する人間の数があまりに多くなれば――、正しいウヌクアルハイ様を知っている我らはどうしてもマイノリティに貶められます、

……だから、それを狙っているのだと、思っていたのですが。

【神は信仰に従う。そして時として無慈悲なほどに大局へ流れる。――でも"彼女"は確かにそう言っていた。白神鈴音を知る人間をすべて殺すつもりであるなら】
【それ以上の人間にその名を存在を知らしめる――世界に存在する人間全部を殺さねばならなぬなるほどまで、と。――ゆえに彼女はそう考えてしまった】
【"それ"こそが姿を違えてしまったウヌクアルハイを"固定"させるための彼らの手だと。けれど――彼の語ったものは真逆の様相、まるで敵対組織がいくつもあるかのよう】

………………では、"この"連中は、そういった十把一絡げの粗悪な信仰ではなく、珠玉の信仰を集めようとしている、――確実にウヌクアルハイ様を"歪める"ために。
でもっ、――そんなことは許されません、許されるはずがない、っ、っっ――。……、ですが、私は、

【――神に愛されている、という、言葉。けれど彼女はそれを心の底からは信じられない、そうでありたいと願いながら、どうしても疑る心がくすぶってしまう】
【それは今までの経験によってであった。――蛇に呪われていると彼女は思っている。だからこそ赦されるために祈り続けてきた。そうして、ここまで来てしまった】
【けれど――同時に、"ここ"に来た頃より、彼女は蛇の死骸を見ていない。それはあるいは愛されたと言うことなのだろうか、ゆえにこそ、余計に周りを見失いながら】

【――――――だからウヌクアルハイの受肉は彼女にとって大事なきっかけの一つであった。それを叶えることこそ、最も強く赦しを乞う行為だと、信じていたから】
【その結果を歪められてしまったと言うのなら。彼女の中に納得はまだ届かない、どこか躊躇うような心が伝わっていくのだろうか】

集合的無意識に――アクセスをする? ――……、個人ではない人間という種族が持つDBにアクセスする、というのが、あなたの能力なのですか?
人間のほとんどが図形の名前を言い当ててしまう理由を、知ることが出来る――? ……ですが、そうですね、分かりました。

無意識化のやり取りに限度があるのであれば、現実にて関わりを持つのは道理です、――――まして、あなたが知っている誰かであるのなら。
私が赴くことさえも当然でありましょう、――では、もう一つ、お尋ねしたいことがあります。

【――それは個人の能力として聞くには、あんまりに、あんまりに、大きすぎる、ように思えた】
【まるでそれこそ神の持つ力のようだと――思ってしまいそうになる、彼女自身の能力でさえ割と"特異"とされる、けれど、それ以上だと思わされる】
【そうしたなら思考は一瞬詰まって、けれど――そこで問答をする気にまではならなかったのだろう。――はあと吐息をついて身体を起こす。横のまんまで出来る話じゃない】
【黒い画面を表示したきりの端末は枕に投げて。彼女自身は壁を背中にして体育すわりのポーズ、――ひとまず彼女は納得する。そうして、もう一つ、知りたがる】

――――"阻害"するのは私の最も得意なことであると言い切れるでしょう。であれど、何を阻害すれば、よろしいのでしょうか?
思惑であるのか、感情であるのか、認識であるのか、記憶であるのか、――"彼女"の戦闘力は私が保証しましょう。私のことをきっと護ろうとすることも。
ゆえに。――巻き込むことに問題はありません。番犬にしては過ぎるほどです。――だからいっとう正しくありたいのです、――――。

【それはきっと次なる失敗を恐れてしまいそうな温度をしていた。正しいウヌクアルハイを取り戻す――失敗すれば、それは、彼女にとって最大級の絶望を齎すなら】
【失敗すると思っているわけじゃない。失敗なんてしたいはずない。――それでも、どうしても、どこかで気後れしてしまう。そうして指示を仰ぐのだ、より一層の正しさのため】
【――引き連れる武力については彼女自身信頼しているみたいだった。なにせ手数は貴重だろう、信仰を持たないとしても――武力行使はいっとう分かりい行いだから】
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/07/02(月) 23:12:14.76 ID:ZPeOwNRyo
>>134

【──、彼が知っている筈の無い情報であった。『外務八課』と『サクリレイジ』互いに目的をひとつにしながら、混じり合うことのない平行線】
【ムリフェンが指摘しているのはその点である、── 二種類の正義が、互の正義を否定するように】


── その先を述べる必要はありません、ムリフェン。私は呪いと愛とは表裏一体と考えています、
行き過ぎた神の愛は時に、人の身にとっての負荷になる。其れをさして人は呪いと言うのですから
今の貴女ならば、それを愛と認識できる。それこそが、貴女自身の成長なのです。

今まで、サーバントからオフィウクスに上り詰めた人材は居ませんでした。貴女を除いて。そんな貴女を誰もが信頼していました
けれども、最早、けれども、もう、そんな貴女の居場所は無いのです、死んでいったオフィウクス達が信じたウヌクアルハイ様は


──、そうです、歪められてしまった、のです



【振り絞る様な声色であった。その一音一音を紡ぐ度に身が引き裂かれそうな程の痛苦】
【それでもケバルライは述べきった。伝えなければ行けない言葉を正しく導く為に】
【暫しの沈黙を置いて、次の言葉を聞いた。】




より正確に言えば、私という存在の根源に深く関わってくるのです。── 能力と表現するのが近いかもしれませんが、透明人間のようなものですね。
人間達の持つ集合的無意識こそが源流、── ウヌクアルハイ様がそうであるように、信仰と畏怖心とは深く結びついてますから

── そうですね、彼らの思惑、……その通りに進む事を阻害してください。
ただ、大きく動く必要はありません、それで貴女が疑われ、死んでしまうのを私は良しとしない、
頼れる番犬が居るからこそです。飼い犬に手を噛まれる等、あってはなりませんから

──── 私の推測が正しければ、貴女が "阻害" する点は、一つで十分です。

それ以外の場面ではなるべく疑われない様に、その計画に参加した人々を観察しておいてください
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/07/02(月) 23:21:34.83 ID:yI7hzCrP0
>>133

【この場において、声を掛けてくるのは落札後の係員くらいなものだ】
【誰しもが殺伐とした空気を吸い、会話する事を是としない】
【それこそ、男の言葉というのは、買い物中のスーパーマーケットで】
【  『そのトマト、じっくり熟れてて買いですよ』  】
【――なんて、店員ではなく仕事帰りのサラリーマンに勧められるようなもので】


……どうかな。口がきけないっていうのは致命的だ
意志が表明できないならロボットと変わらないし
何か精神的なショックが原因なら、尚更不安定な要素だ

だから安い。……アンタでも、500も積めばまず買えるさ
……こんな所にわざわざ来るんだ、手持ちが無いって事は無い。



        そうだろ?



【トン、トン、トン、トン。液晶を4回タッチすれば、入力していた金額は『0』になる】
【一方で、そうする間に徐々に女性の値段は上がっていって】
【現在の価格は『225』――男の言う値段を出せば、確かに買えそうな吊り上がり方でもあり】

【――ふと、黒衣の男は草臥れたスーツ姿の男性へと向き直る】
【ターンする椅子の支柱が微かに軋む。栗色の髪から覗く瞳は、黒】
【問いかけはただ一言だった。別に、何も伴わない――単なる、嫌に耳に残る、確認の言葉だった】
137 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/02(月) 23:40:49.36 ID:nTvnNPR40
>>136

「 ── そういうもんですかねえ。」「然し、意思疎通が出来ないなら機械と同じ、 ── というのは、如何なもんでしょう。」
「無論、相手の意図が読めないのは不気味なことですが、 ── そもそも言語による意思疎通というのは、こと奴隷と従者のような関係性では、結局どこまでも表面的です。」
「ま、どうでもいいことですが。」


【なればこそ其れは印象付けであったのだろう。 ── 周りの見えない類の人間のようではなかったから。】
【自分と対手の距離感を明確に宣言しておくような、そういう遣り口。自分と相手の目的さえ達成できるのなら、それでいいというスタンス。】

【 ─── 黒い視線。向けられて尚も男は怖じなかった。ダークブラウンに投射されて濁る眼光は、仕込み杖に似ていた。】



     「生憎とポケットマネーは多くないんです。"公私混同"、やらかす訳にも行きませんしね。」



【微かに骨張った指先が液晶に踊る。無茶苦茶な数値を入れて、勿体ぶってクリアする。手遊びのそれだった。】



  「幾ら"腐れ"公務員だからって、手を付けて良い金と悪い金の区別くらい、付くってもんです。」
  「あなたの生きる世界でも其れが何より肝要じゃあないでしょうか。そうでしょう?」


             「 ──── "ジルさん"。」



【静かに男は笑っていた。】
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/02(月) 23:50:43.40 ID:dzBInZnz0
>>135

【――――それはさながら迷い子の様相だったのかもしれない。どこまでも、どこまでも、本来来られるはずない場所まで、歩いて行ってしまった、小さな子】
【暗がりから聞こえる何かに耳を塞ぎ、目の前にはだかる何かを踏み倒し、どこまでも。そうして人の身に重すぎる愛をもはや呪いとも思えなくなったのなら彼は成長というけれど】
【それを正しいか判断することさえ彼女にはできなかった。――確かであるのは彼女の身体が少しずつヒトから離れつつあること、きっとそれだけであって、そしてそれで充分だから】

――――――――――――――、

【まして、彼の言葉は彼女の心に突き刺さるから。教会にて割れたステンドグラスの雨を浴びるかのように、様々な色合いが、けれどそれも等しく鋭く降り注ぐなら】
【身体じゅうに突き立つ尊く美しかったものが、――その身体のなかから呻くかのように思えた。そしてそれはきっと彼らみんなの無念だった、このような結果になるはずでなかった】
【だから"これ"は生き残ってしまった人間に課せられてしかるべき責任であって。――ゆえに正しい神を呼び戻す。自分のためでありながら、死した彼らのためでもあり】
【それをせねば赦されない。蛇も人も彼女自身さえも"蜜姫かえで"を赦さないだろう。だから、する。――ベッドに腰かけ垂らした足が、ぴったり、凍り付いたように強張れば】

【――はあ、と、ため息の気配がした。けれどそれは怖気づいたというよりは、よりいっそう、"やる"という気持ちを固めたのに似て】

透明人間――、では、種族のようなものですか、――ヒトという種族の根幹にある無意識より、出でたものだと?

【それは疑るでもなく、訝しむでなく、ただ、ただ、ほんの少しでも正しくあろうとするがための言葉であった、生き残りは数少なく、手数は足らず、武力も乏しい】
【様々なものを喪なったからこそ残っているものを使いたがるのは生存本能にも似て。――そしてまた彼女にとっても彼はひどく謎多い人物であったから】
【サーペント・カルトは外に対しても中に対しても秘密主義が過ぎた。ゆえに幹部同士でも名前と顔は知っているけれど――ということが、ままあった】
【少なくとも彼女と彼は一度言葉を交わしたことがあったからマシな方。――だから知りたがる。だけどその中で同時に、どこかで畏怖する。その分からなさ、辿れなさに】
【あるいはそれこそ神のようではないか、と、言ってしまいそうな言葉を呑み込んだなら】

――――――分かりました。では、私は、その一点を見極めるよう努めましょう。
あなたの推測を尋ねることは許されるのでしょうか、――私は数日ほどではありますが、囚われておりました。
よりいっとう正しい出来事を認識しているのはあなたであられます、ゆえに――私は、出来の悪い生徒みたいに、お尋ねするのが精いっぱいなのです。

ですが――、あの"狼"では、私のことは、きっと殺せませんよ。
信用でも信頼でもないです、そういった種族であるかのように。――それこそ無意識下に運命づけられた行動のように。

【――自分が力を振るうのは一つでいいと聞いたなら、その内容まではどうにも教えてもらえぬ気がして】
【だけれど聞くしかなかった。あるいは強迫観念に駆られて指の皮が張り裂けても手を洗い続ける潔癖症の人間みたいに。――少しだけためらうような温度、念に載せれば】
【そして続くのはきっと諦めに似ていた、呆れにも似ていたかもしれない。おそらくは同一の人物について語っているのだが、その呼び方はどうにも安定しなくて】
【最終的には狼、と呼ばわる。――手を噛むどころか引きちぎってきそうだけど、多分、殺されはしないだろうと。それは、でも、決して、油断と違う色合いをしていたのなら】
【それが彼女から"彼女"へ向ける信頼であるのかもしれなかった。――試し行動のひどすぎる不良娘みたいに。だからこそ、そんな人間の場所に囚われたままで居るのかもしれないけれど】

――分かりました。必要であれば適宜"こうして"お伝えいたしましょう。

【人々を観察していろ、という、指令。――了承を返す。あるいはこうやって蛇念でもって最新の情報を伝え続けることも可能だろう、と、提案したなら】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/07/03(火) 00:02:19.34 ID:6ufmeX2go
>>138

【──── ムリフェンの言葉を聞いて、ケバルライは言葉を消した。その音律を確かめる様に】
【其れは永劫の様に長い一節、それでいて語るには短過ぎる散文詩の如く】
【一葉も残らない雪片の如く、雪白に染まるその光景を見ていたかった】


── 当たらずとも遠からず、と言った所でしょうか。元を辿れば私もまた人間から生まれた様なモノです。
ですが、其れは貴女もそうでしょう、ムリフェン、── 私も、貴女達も、生まれる由来は全て同じ
だとすれば、我々のしている事もまた、正しい方向へと進む道標に他ならないのですから。

……ふふ、それにムリフェン、無意識から何かが生まれるとはお伽噺が過ぎませんか?
それはレトリックの一種です。お天道様や雷様と、自然を人間に例えるアニミズムの様なもの
逆説的ですが、ウヌクアルハイ様も、神として信仰されたからこそ無意識を媒介に出来たのですから


【念を押す様な言葉細工に、暫しケバルライは言葉を溜めた】


── 良いでしょう。でしたらムリフェン、貴女は── 最後の一押しを阻害してください。
私の推察が正しければ、それで上手く行きます。恐らくきっと、彼らは迷うでしょう、
その結果、『止めをささない』かもしれない、けれども、それは確かに行われるべきなのです

杞憂に過ぎればそれまでです、けれども、頭の片隅にでも置いて頂きたい。
ええ、蛇念はとても大切です。貴女の行動を私は何時でも見守っていますよ


── 他になにか連絡や、質問など、ありますか?
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/07/03(火) 00:04:11.71 ID:F9QZRB0G0
>>137


……そうかな。金に良いも悪いもない。
手を付けられる、そんな状態を作るほうが余程悪い。
鍵の開いた金庫、放置された高級バッグ、落ちている小銭…――。

カネは魔性の魅力を持っていて、人間はそれに惹かれる生き物だ。
それだけだよ、それに……俺が手を付けちゃいけない金なんて、この世に無い。


【液晶パネルを適当に弄り、静かに笑う男に反して】
【"ジル"――そう呼ばれた側はなんとも淡々としたものだった】

【人は金には逆らえない。魅力を知っていながら、みすみす取られる側が悪い】
【そして、言い換えれば自分はどのような金にでも手を出すことが許される】
【極端なまでの拝金主義と言えた。けれど同時に、人間という存在の欲求】
【それをよくよく具現化した、ある意味ではもっとも"人間らしい"――それが、この男らしく】


アンタの事は、ブラスフェミアから聞いてる。
印象に残らない男、中年の男性、警察官。
「マニュアル・シェーバー」という呼び名……ちょうど、闇市で会ったんだろう?

……それで、一体俺に何の用だ
手錠でも買わせて、少ないポケットマネーを増やそうとでも?


【暗いこの奴隷市場に、薄ぼんやりと靄が待っていた】
【それは埃が暗転したような細かさで、どこかひやりと周囲を包む】

【――数歩離れた場所で、一人の老人が苦しげに胸を抑えた】
【或いは若い係員は、必死に弱みを見せまいとするように額の脂汗を辛そうな笑顔で拭いていた】
【眼の前の男性はどうだろうか。靄に触れれば、包まれれば――真っ当な生き物は、不快感を覚えるはずだった、が】
141 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/03(火) 00:21:59.56 ID:YzNJBzZS0
>>140

「 …… いやはや、噂通りのお方だ。」「頼もしいってもんです。」
「情けない話おれは小悪党でしてね。」「自分の思考のスケールの小ささを実感させられますよ。」


【一本取られた、 ── みたいな表情で、男は笑った。けれど其れは多分、口許だけのものであって】
【目の色は全く変わっていない。落ち着き払って、どこか勿体ぶって、芝居がかった口調にて。】
【 ── いつの間にか、怜悧な霧は世界を包んでいた。敵意と害意を凍らせた其れに、やはり男も身を晒すのだけれど】
【しかし ── 笑っていた。汗ひとつ流さずに。無論それは痩せ我慢の産物であって、少し圧をかけてやれば、すぐに剥がれる化けの皮であるのかもしれない、が。】



「あら。お話、伺われてました?」「 ── 御賢察の通り。少し小耳に挟みましてね。色々と。」
「 ─── しがない小悪党ではありますが、狡っからい真似は致しません。上っ面だけの仲というのは居心地が悪いものですし」
「Easy come, Easy go.」「もっと腰ィ据えたお話がしたいんですよ。」「"悪銭"なんて、誰も呼べないように。」



「端的に言えば、 ── 貴方のお手伝いがしたい。そういう提案、です。」

142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/03(火) 00:25:24.88 ID:OyYYKSzB0
>>139

【そうして刹那、言葉が溜まる。それは音の存在しない世界で、けれど、めいっぱい開かれた蛇口がざあざあ水を吐き出すのを見ているのに似て】
【そうして鈍い光沢をもつ灰色のバケツにその水がざあざあ溜まっていくのを見ているのに似て。――つまり夢の中を歩いているような気持ちに近い、気がした】

――――そう、でしょうか、……いえ、その通りです。あなたはオフィウクスの中でもいっとう特異な方であられた、……ですので。
少し――そうですね、失礼が過ぎました。無礼をお許しください、――。

【――ならばそれは間違いたくないがために知りたがるのと同時に、ちょっとした好奇心も孕んでいたに違いなかった。秘密主義が過ぎる中で、いっとう秘されたような】
【彼がどんな風な人となりであるのかを知り違ってしまった。――ゆえに少女は言葉を取り下げる、無礼だったと言って、言葉が不明瞭に途切れるのだろう】
【であればどこかで納得しきっていないような、――あるいはもう少しだけ何かを尋ねたかったような。そのくせ、それが何であるかは、まだ思いついていないような、温度感】

……分かりました。そのご期待に応えられるように努めてまいります。

…………あなたのお言葉は時として私にはまったく理解も及びません、学のないことを恥じ入るばかりです、――何か間違いがあるのなら、いつでも、正していただきたく思います。
何十年も信仰を捧げていたマルフィクや、代を重ねウヌクアルハイ様を信奉していたサビクには到底叶いません、ですが――生きている、それだけで、お仕えできる。
その幸運を果たさねばならない、――離反したプリオルやラサルハグェの分までも。私たちと、それから、少しの、サーバントだけで――、

【最後の一押し。その言葉を記憶に刻み付ける。それがどんな場面であるのかは分からなかった、けれど、彼が言うのであれば、きっと訪れる場面なのであろう】
【――そうして漏れる声はどこか揺蕩うような音をしていた。一代限りの信仰。それもまだ三年ばかしの。それでいて幹部に伸し上がった、唯一の人材】
【それはかすかなコンプレックスにも似ていた。――そして引け目でもあった、そんな彼らを差し置いて生き残ってしまった。奇縁によって、生かされてしまった】

【――――その人物の下に身を置きながら、そうやって少女は誓うんだろう、絶対に、絶対に、この身擦り切れようと、それを果たすから、と】
【――――それは誰に向けてであっただろうか。きっと様々な人に向いていた。そしてその中で、強いて言うのなら、】

【(あの日子供みたいに怯えて、ともすれば泣いてしまいそうな顔をしていた、"彼"に。私たちは間違ってなかったよ、って、胸を張れるように?)】

……いえ、特には。……――あ、ええと、そうですね、……あなたや、残ったサーバントは、どこに居るのでしょうか。
私は今水の国に居ります。こうして蛇念で話しかければ良いとは分かりながらも、けれど、みながどこに居るのか、知りたいのです――。

【一度断った言葉が、けれど、振れたなら。少し躊躇いがちに続くのは質問であった、ケバルライや――サーバントたちは、どこにいるのかと】
【どこかで集まっているようなら、それを把握しておきたい。そうでないなら――散り散りであるのなら、それは、致し方ないんだけれど】
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/07/03(火) 00:33:07.33 ID:F9QZRB0G0
>>141

【腰を据えた話。その言葉が出てから少し、見定めるような間があった】
【ただ――その答えは告げられるわけでもなければ】
【なにかのサインとして顕れるわけでもない】
【「手伝いがしたい」「提案」と、並ぶ言葉を聞いたなら】
【明確に、嘲るように鼻で笑う。けれど同時に、その仕草は面白げでもあって】


……それで?しがない小悪党如きが、俺の何を手伝うのか聞かせてくれ。
六罪王、円卓の王……その目的は"世界を買う"ことだ。

そして、その目的のためには必ずしもいずれかの王である必要もない
必要なのはただ金≠セけ。そこに、お前はどう介入する?
どの程度まで利益を上げる事が出来るのか…――プレゼンしてくれよ、"カミソリ"。


【金への執着をするが故に、その合理性は極めて高い】
【激昂もせず、言葉遊びをする高尚ぶりを見せるでもなく】

【『じゃあお前は一体何の役に立つんだ』と問いかける】
【話は聞く姿勢を見せていた。その手は先の相手のように液晶を弄り】
【周囲への霞は濃密さを増して――何か、濃霧の深夜のような】
【物理的な息苦しさすら伴っていたけれども。黒い瞳はまっすぐ、相手を見据えていた】
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/07/03(火) 00:41:18.66 ID:6ufmeX2go
>>142


【── ケバルライの精神は伺えない、常人であったなら、貴女のその心の働きを優しいだなんて言うのだろうけど】


無礼だなんてありませんよ、私達の礼節は "ウヌクアルハイ" 様に注がれるべきなのですから
私と貴女は対等です。それ故に私達は、僅かばかりの気兼ねなく紡ぐべきなのです

生き残る事、それは素晴らしい事です。生きてさえいれば、それは全ての正解なのですから。
私は貴女が生き残った事を誇りに思います。正しき命は正しき生を齎すのです。

── 私達の手で、"ウヌクアルハイ" 様を取り戻しましょう


【そうして、終わりへと続く】


私も残ったサーバント達は知りません。唯一思念が強い貴女だけを、見つける事が出来ました。
私の身は転々としている為お伝えできません、ですが、呼んで頂ければ直ぐに来れます。

それだけが私の今の取り柄です。── いつでも、私は貴女の近くに、さようなら。ムリフェン


【蛇念はやがて消えていくだろう。伝えるべき事を伝えたなら、後は悟られない様に】
【── 刻まれた楔はどの様に萌芽するか、二人はまだ、知らない】


/こんな所でしょうか! お疲れ様です!
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/03(火) 00:55:40.26 ID:OyYYKSzB0
>>144

【――――ですが、と、またしても彼女は言い返しそうになった。けれど言い返すよりも先に、そうやって、言われてしまうから】
【いくらかの瞬きをする程度の時間だけ彼女は沈黙することを選ぶ。――選んでから、「もちろんです」と返答があるのだろう、複雑な感情を宿しながらも】
【そこにどれだけの感情がぞろぞろ這いずり付き従おうと、その願いだけは譲れないし歪めない。それ以外の全部は、そのまま、投げ捨ててしまったって、いい】

…………もちろんです。あのような偽善者たちに、ウヌクアルハイ様を委ねるわけには、いきません。
我らの崇めた神はウヌクアルハイ様であられた、――決して"白神鈴音"などではなかった。我らが神を剽窃した者どもが、まして、被害者ぶるなど――あってはならない。

【――だからこそ、彼女は言葉を重ねる。奪われた"本来"を取り戻す。そのために生きている。そうするために生き残ったに、違いないから】
【それはあの日儀式を穢す人々を阻害することのできなかった無力を恥じるのにも似ていた。だからこれは、――この行為には、きっと、いろんな意味、全部含まれている】
【人間一人の人生全部賭けちゃったってそれでいいやって思えてしまいそうなくらい、大事なもの。――だから譲らない、譲るはずない、絶対に、叶えると誓うなら】

――分かりました。サーバントは……可能でしたら、探すように努めましょう。……パグロームや偽善者どもが野放しにしておくはずがない。
人手は重要です、――はい、では、また。

【やはりサーバントはちりぢりになっていた。招集を掛ければ集まるだろうか、けれどそれを集めたところで、まとめておくための場所はない】
【ましてこの世界において彼らは間違いなく迫害される、――守ってはやりたいが、限度もある。"可能だったら"というしかないだろう、自分より優先することはないから】
【そして同時に彼を呼ぶことが出来るのも、覚えておく。やがて蛇念の残滓も消えていくのだろう、ベッドの淵に腰かけて、一瞬、考えてから――――】

【――――ひとまずやることは、見えた。後はこの束の間の偽造された平穏を保つ必要がある。少なくとも、――その日までは】

/おつかれさまでした!
146 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/03(火) 00:59:59.74 ID:SqNFWi0C0
>>143

【嘲笑を受けても尚も"カミソリ"は笑っていた。 ── けれど濃くなる霧に対しては、少しばかり、額に脂汗を滲ませて】
【けれど暫しの沈黙の後、滔々と言葉を紡ぎ始めるのだろう。どこか薄らと笑うような、然し冷たい刃と紙一重であるような。】


「 ─── そうですねェ。」「例えば、」



    「"邪魔"じゃあ、ありません?」



「例えば、無闇にあなたの脚を引くような連中。」「例えば既得権益にぶら下がり、種(ギム)を撒かずに実(ケンリ)ばかり求めるような手合い。」
「我が国の公安や一部の政治屋ども」「或いは理想主義を掲げてばかりの機関員なんか、まさしくそうでしょう。」「 ── 奴らは、癌だ。」
「限られたリソースを徒らに消費し、無秩序かつ無意味な増殖を繰り返す悪性の腫瘍。」「 ── 宿主である貴方を、何れは蝕もうとする存在。違いますか?」


「どうでしょう。おれの名前もご存知のようですし、ここは一つ、」
      「 ── おれに、スッパリ"切らせて"頂けませんかね?」


【けほ、 ── 一つ咳き込んで、然し笑っている。ずいぶんな大言壮語だった。最大純利益の見込は貴方の"生命"である、と。】
【きっと其れは、"円卓"と呼ばれる組織のことも指していたのだろう。どれほど無限に近くとも、決して無限ではない"金"という資源が】
【彼の敵となる集団や、或いは彼へと寄生するような手合いのために、無為に消費させられるのを止められる ── そう、男は語っていた。】


「もちろん医療過誤なんざ有り得ません。」「 ── 仕事柄、おれには特に軍や警察方面へのパイプがありましてね。」
「シンパと呼ぶには具合が悪いが、体良く操れる連中の指揮権を握ってるんです。」「 ……… 社会的にせよ、生物的にせよ、抹殺なんてのはお手の物だ。」「 ── 手土産が必要なら、ご用意いたしますが。」


【 ─── ひとつ、深い呼吸をする。息苦しさを紛らわすように。】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/07/03(火) 01:07:57.69 ID:F9QZRB0G0
>>146
/すみません、時間柄少々眠気がキツく……
/明日21時ごろからに持ち越しか、置きへの移行をお願いしてもいいでしょうか。
/ちょっと寝落ちしてしまいそうな所もあるので
/お返事はまた明日確認を……お先に失礼します、一旦お疲れ様でした!
148 : ◆1miRGmvwjU :2018/07/03(火) 01:13:10.82 ID:SqNFWi0C0
>>147
/かしこまりました!わたしもそろそろ寝てしまいそうかもなので、、、よろしければ置きの方で続きをお願いします!
/ゆっくりお休みになられてください!ひとまずありがとうございました&おつかれさまでした!!
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/03(火) 15:27:44.38 ID:OyYYKSzB0
【風の国――UNITED TRIGGER】
【昼過ぎの温度はうだるにも十分すぎるくらい、けれどこの国であれば、吹き抜ける暑さがそれをいくらも弱めて】
【だけれど鋭い日差しまでもは誤魔化せない、――そんな中で、からん、と、古いベルの音が、誰かが訪れたのを伝えるのなら】

…………――もし、少し尋ねたいことがあるのだけれども……。

【――やがて店内に向かって投げかけられるのは女の声であった。どこか掠れた声音はひどく古い時代の本を捲るかのように、空間へと吸い込まれ】
【こつんと硬い足音が一つ二つと店内へ歩を進める、――そしてその場所で止まる。むうとひそめた眉の表情を、誰かが見ているのかは分からないんだけれど――】

【――――店内には明かりさえついていなかった。昼間と言えども薄暗い室内に、机に上げられたままの椅子。誰も世話をしていない店の様相】
【誰かが留守にしているというにはあんまりに――それこそまるで開店前の店に迷い込んでしまったみたいな温度があって、文字通りに室温までうんと高くじめぽいなら】
【険しい顔の"彼女"はそのままほつほつと小さな足音で店内へ、――それからカウンターの中でも覗き込んでもう一度声を掛けるのだろうか、やはり掠れる小さな声】
【ひどく聞き取りづらいのだけど――カウンターに置かれたままのベルを鳴らしてやるほどの用事ではないのか。そうと、じっと、のぞき込んだまま】
【一瞬待つ。――それで何にもなかったら帰ってしまおうと思っているみたいに、何かを特別期待したわけじゃないみたいに、――あるいは何かを納得してしまったかのように】

【――くすんだ金色の髪。くしゃくしゃと癖のある髪は、毛先だけがピンクになっていく色合い、整えられていないが故の半端な長さ、うざいように一つに結わえて】
【ひどく色白の肌に少しだけあどけない顔。そのくせにひどく何もかもが気に喰わないような表情を浮かべていた、瞳の勿忘草色だけが、いやにぎらぎら目立つ様子で】
【白と生成りを基調にしたワンピースは袖も裾もうんと長い。足元ではわずかにかかとのないパンプスが覗いて。"だから"でもないのだけど、ひどく背は低い】
【おそらく百四十をようやく少し超えたほどだろうか。であれば身長だけなら子供のように見えて、けれど、そんなかわいらしさはとうに枯渇している、――少女、あるいは女性】

誰も居ないのかしらん、……わざわざ電車まで乗ってきてやったというのに。

【はあ、と、ため息一つ。――けれど未練はあんまりないみたいに、彼女は踵を返すのだろう、そのままどこぞへ向かってしまおう、と思うみたいに】
【ゆえに――それはほんの数分にも満たない間のことであった。誰も気づかぬともおかしくない、そしてきっとだからこそ、ごくごく小さな何かの感傷を示すように】
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/03(火) 18:34:22.06 ID:OyYYKSzB0
【街中――――夕暮れの噴水広場】
【少しずつ夕暮れる世界はけれどまだうんとうんと明るかった、それでも斜めの光によって、青空の青さはすっかりぼやけて】
【そしてきっと広場にはきゃあきゃあ子供の声が溢れているんだろう、――噴水広場。確かに噴水はあるのだけれど、ここのメインはそうではなくって】

――――わーいっ!

【――ばっしゃん、と、水の音。たくさんの水飛沫が一斉に跳ね上がったなら、小さな爆弾でも投擲されたかのよう、あたりじゅうにしぶきが散らされて】
【近くを通りがかっていたサラリーマンがうざったい顔をするけれど誰も気になんてしていなかった。――噴水から繋がる形で併設された水遊びのエリア、】
【そこの一番深いところ――それでも大人からしたら膝丈もないくらい――に誰かが"わざと"いっぱい水が跳ねるように飛び込んだ瞬間。聞こえる声はいっとう黄色く鮮やかに】

【――――すぐに水から顔を出してきゃらきゃらと笑う声が響いていた。ほかにも何人か子供はいたけれど、その中でも、彼女は一番"元気"だったから、きっとよく目立つ】

【くしゃっとした薄いクリーム色の髪はうんと高い位置で結わえられたツインテールで、ただ、水に濡れてしまった今では、ぺたぺたと肌にくっつく様子】
【まあるい垂れ目の瞳は真夏の青空と同じ色合いをしていて、年齢相応にあどけない顔、だからこそ、右目の下に刻みこまれた毒々しい紫色の蝶々の入れ墨が浮き立って】
【真っ白いワンピースもすでにびっちゃびっちゃになっていた、足元は――これだけは脱いできたのかはだし。ちょっと遠くを見たなら、この子のらしい靴が放置されていて】
【――五歳ほど、だろうか。まだ就学もしていないような子供。水の中でばちゃばちゃばちゃって遊び倒していた、周りの子とも、ニコニコ、おしゃべりして――】

えいなの!

【――――――近くに居た子供に掛けようとしたのだろう、うーんと振りかぶった足、水を蹴っ飛ばしたなら、またもたくさんの水飛沫がスプラッシュ】
【――けれどそれ以上の予測をしていなかった。もちろん狙った先の子供にはばしゃーんと水がかぶって、とっても楽しそうな笑顔、と笑い声、キラキラって溢れるけれど】
【例えばその向こう側に誰か通行人が居たりしたら、どうなるのだろう。それこそさっきのサラリーマンみたいに、誰か通りがかっていたなら。――きっと、もう、掛かってしまいそう】

/予約ですっそしてすみません、雑談の通り、食事のために少し離席します……
151 :みなも :2018/07/03(火) 19:03:09.18 ID:FYgw2kC/o
>>150
【まだ梅雨明けも直後だという時期において、この暑さ】
【青い厚手のトレーナーをフードまで被った男は、口の端から白い冷気の息を漏らしながら、微笑む】
【側から見れば不審者と呼ばれる類ではあるが、能力者や超人が珍しくないここでは、大して目立つこともないのだろう】

―――この調子じゃあ、今年は大儲けできそうだな・・・

【いわゆる「不敵」とも呼ばれる笑みを浮かべた男は、手をジーンズに突っ込んだまま、公園を散策する】
【この公園はきっと、夏が本格的にやってくればより多くの人々で溢れるのだろう。今日は彼が行う商売の下見、というわけだ】

【噴水広場を見渡せば、仕事終わりのサラリーマンやペットの散歩とおぼしき老人、あるいは子ども同士で遊ぶ少年少女がいる】
【なんとも穏やかで平和。男は、こういう風景が大好きだった】
【先ほどとはまた別の笑みを浮かべる男に、死角から小さな衝撃。】

…ん?

【衝撃の方へ目をやれば、さきほどチラと見た水遊びをする少女】
【手で触れてみると、割と深刻な水濡れを確認することができた。おそらく、彼女が投げかけた水がかかってしまったのだろう】
【彼女は自分に水がかかったことに気がついているのだろうか?否、そんなことは関係ない】
【男はちょっとした悪戯ごころで能力を発動してみる。フードから覗く顔がほんのりと蒼く光り、銃を模した右手をゆっくりと彼女へ向ける―――】

―――ばん!

【男の楽しそうな声とともに、彼の指先からいわゆる水てっぽうが発射された】
【能力によって生み出され操作されたそれはせいぜい水圧を感じるくらいの威力だけども、重力や風などお構いなしにまっすぐ少女の胸へ向かう】

/了解です!
/返事が遅くて申し訳ない…
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/03(火) 19:19:16.91 ID:OyYYKSzB0
>>151

【――水の掛け合いっこはどんどんエスカレートしていくみたいだった、びっちゃんびちゃんの大騒ぎを咎める子供は当然居るはずもなく】
【そしてそこまでエキサイトしてしまった子供たちを律する言葉なんてどこにもなかった、大人たちの声にもどこ吹く風、生返事で、一瞬で裏切って】
【ゆえに誰も彼の存在には気が付いていなかった。――けれどあるいは大人たちは気づいていたのかもしれない、まして"このご時世"だから、不審な人物はよく目立つ】

【――――水の国にて制定された魔制法。この辺りではまだ影響は薄かった、だけど、全く全くの無関係/無関心では、ないのなら】

――――きゃっ!

【ばん、と、楽し気な彼の声。そうして打ち出される水鉄砲。幼子は気づかなかったらしかった、ゆえに、その胸元の真ん中を射抜かれて】
【びっくりしたらしかった――べちゃんっ、と、しりもちをつくのだろう。そのままぱちくりと目をしばたかせる、それから、ほんの数秒の間、――にんまり、笑う】
【そうしたなら立ち上がって水際へ向かうんだろう。相手と一番近い水の中、――それから、また水を蹴っ飛ばして、びしゃん、と、飛ばそうとするのだ】

【――けれど。彼は大人であるなら、あるいは、気づくのかもしれなかった。彼が撃ちだした水鉄砲、それに幼子が撃たれたときに、張り詰める空気の温度があったこと】
【幼子がにんまり笑って応戦の構えに入っている間にも――親に手招きされて子供たちが一人二人と水場から離れ始めていた。そのあとはバスタオルをかぶせられて】
【まだまだ濡れたまんまなのに連れていかれる子供まで居る。――であればその中でいまだにきらきら笑ってはしゃぐ幼子が、かえって、違和感のようになって】

やったわねってね、思うなっ! でもね、あのね! 私はね、もうね、お洋服びっちゃびちゃだからねっ、怖くないのよっ!
だからねっ、お兄ちゃんのお洋服をね、びっちゃびちゃにしたげるわ! なのっ! そんなカッコでね、遊びに来るのが悪いんだからね!

――いくよーっ!

【イタズラっぽい強気の笑み。ずびしっと指差す指は当然子供のものであるから短く拙い、それから胸を張って宣言するのだ、自分はもう濡れているからと】
【それはすなわち相手がどれだけ水を掛けようと全く気にしないし気にならない。すなわち自分がすでに圧倒的リードを持っていて優位であり有利なのだという宣言であり】
【その分相手のお洋服を濡らしてやる!と専制するのだろう。――そのなんだか暑そうな恰好、めいっぱいに濡らしてあげる!って、にっこり笑ったのならば】

【――それでもわざわざ掛け声をしてしまうのが、未熟なんだけど。そうして振りかぶる足で、ばしゃーん!と、本日何度目かのスプラッシュ、相手に向けるのだろう】

/戻りましたっお待たせしました!
153 :みなも :2018/07/03(火) 19:49:29.50 ID:FYgw2kC/o
>>152
【水鉄砲のターゲットはこちらの攻撃に気がつかなかったらしく、狙い通りに心臓を打ち抜いた】
【尻餅をついてしまった少女に、「しまった」という表情を浮かべる―――が、すぐに立ち上がって水場へ向かう様子に、少し安堵する】
【一瞬、周囲の空気が張り詰めたのを彼は見逃さなかった。男がここへ来たのはほんの数日前、ゆえに彼にかかる魔制法など知る由もない】
【しかし、男も伊達に能力者として生きてきてはいない。能力者は矢張り、どんなに善人であっても凡人からすれば恐怖の対象ともなり、不安の元凶ともなるのだ】

―――(っと…まずったかな…?)

【さきほどまで一緒にはしゃいでいた幼子たちが、親に連れられ去っていく。焦りと若干の後悔を抱きつつ、能力を抑える】
【彼の手の先まで現れていた蒼い紋章が収まり、公園から立ち去るべく半歩だけ下がる―――】
【が、再び意識の外から大量の水しぶきを食らってしまった。】

ぶっは・・・!

【今度は、顔にもかかる大打撃。男は一瞬のけぞって、しかしすぐに少女へ顔を向ける】
【やりやがったな!と息巻いて、濡れて重くなったフードをやや乱暴にとって素顔を表す。口元には、少年のような笑み】
【再びの蒼い発光。今度は瞳や髪まで蒼く成って、今度は両手で拳銃のかまえ】

【今度は狙撃、というよりかは乱射。びしょ濡れの相手をさらに濡らすべく、何度も何度も水の噴射を浴びせかけるだろう】
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/03(火) 20:01:53.98 ID:OyYYKSzB0
>>153

【――であれば。幼子は誰か保護者と一緒に来ていないのかもしれなかった、自分の子が能力者によって"撃ち抜かれて"。それで、何も言いださないなんて】
【そして果たしてその通りであった。――だからこそ彼女自身でない他の子らの親が警戒したのかもしれなかった、自分の子を護らないと、って、思ってしまったみたいに】
【けれど一つ確実なことがあったとしたなら。――――この幼子自身は、もう、はちゃめちゃに、楽しそうなことだろうか。もう子犬みたいにはしゃぎ倒していたから】

――――ふっふっふ! お兄ちゃんたらね、よそ見はダメよっ! 子供だからってね、手加減したらね、ダメなんだから!
それにね、そんなカッコね、ハンデにもなんないのよっ! だからね、――びしゃびしゃになったらね、いいの! だってね、夏ってね、そうでしょ!

――きゃー! あははっ、あははは! もうっ、もー! そんなのね、ズルだよっ! ズルだわっ! お兄ちゃんのずるっこさん! なの!

【ずばーん!と足で水を浴びせかけたなら幼子はドヤ顔。ぐしゃって濡れたフードを相手が取るのを見てなお――煽るみたいに、言ったなら】
【腰に手で胸張りポーズ。そうしていたって威厳が全くないのはお約束みたいなものだろう、濡れて頬にぺたぺた張り付いた髪の毛のクリーム色が、蒼穹色の眼を引き立て】
【もっと濡れちゃえって――けれどそれのどこが"夏"が"そう"なのかは、よく分からないのだろうけれど。――というか幼子自身も分かっていなさそうであった】
【だからきっと言いたいことなんてあんまりない、――水かけっこ楽しいね!くらいのものなんだろうし、そしてそう解釈したとして、全く問題がないなら】

【――ばちゃばちゃ、と、足音で。幼子は水鉄砲の乱射から逃げ出ようとする、けれどどうしたって足を取られるなら、その背中、何度も、びしゃびしゃ撃たれて】
【もうっって言って振り返ったおでこをばしゃん――と最後に一つ、トドメみたいに撃ち抜かれるんだろう。そうしたならまたお尻からスッ転ぶ、びちゃーんと水の音がして】
【仕返ししようとして何か掛け声で両腕も両足もどかーんっ、と、爆発させるみたいに一気に広げる、そうしたなら、水がざあ――と飛び散って】

【――――けれど、そのほとんどが、幼子の真上に向かっていったなら。直度に雨みたいにばちゃばちゃと降って来る、自分自身の生み出した雨に打たれる数秒間を見せ】

あはははっ、もう! お兄ちゃんたらね、ずるいわ! 能力使うのはね、ズルなのっ、――ねえねえっ、それね、能力でしょっ?
能力かなって思うわ! でもね、だからね、あのね、私はとっても楽しいんだけど――、最近はね、ちょっとね、怖いって言うヒトも居るのよっ!
だからね、みんなね、ビックリしちゃうかもしれないわっ、私はね、楽しいって思うよ!

【本格的なぬれねずみ。最初からずっと濡れていた、んだけれど。それでも――それ以上になったなら】
【幼子は浅い水場にて寝転ぶのだろう、もう負けちゃった、って、言うみたいに、数度ころころと地面を転がり。最後に頬杖つくようにうつ伏せの姿勢になれば】
【自分は気にしないけれど、と、前置き一つ。――いっぱいいっぱいの楽しい笑顔のままで、幼子はそんな風な言葉を相手に掛けるのだろう、――】

【――そして実際に、辺りからは人が明らかに減っていた。ごく数人、気にしない素振りの家族が居たりもするんだけれど、さっきまでより、明らかに、少ない】
【であればそれは幼子なりの警告なのかもしれなかった、――といってもぬれぐしょでにこにこだから真剣みは足りなく見えて、なら、子供らしい妄言にも、聞こえそうで】
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/07/03(火) 20:23:37.56 ID:6ufmeX2go




       【── もし、貴方が知らないモノに出会った時、どう対応するだろうか】




    【『サーペント・カルト』】
                  
                       【『ウヌクアルハイ』】

【『グランギニョル』】

                         【── 『白神 鈴音』】



【知らない人にとっては、意味の無い文字の羅列。外国語の文字を見ても落書きにしか見えないのと同義】

【けれども識者からすれば、その文字列は確かな意味合いを持つひと綴りの願い事に等しく】

【──『検索』の跡を辿る試みはその意味で理にかなっていた。無作為な星々を繋いで、星座を導き出す様に】




私はこのシステムを『モダンタイムス』と名付けた。意味のある言葉を、一定数検索した人間を見つけ出すシステム。
其れは知っている人間にとって見れば、救難信号の様なものだから、辿ることは非常に容易く、
また、それ故に知らない人間には決して辿り着けない境地に似ていた。



【もし貴方が、── 家の端末で、ある文字列を検索していたなら、ブラウザの画面が突如切り替わるだろう】
【シンプルなページであった。画面に映る文字は一言、──】




『もう一度、私と共に飛んでくれ、──』
156 :みなも :2018/07/03(火) 20:33:42.24 ID:FYgw2kC/o
>>154
はっはっは!何をおっしゃるやら!
遊びにズルもなにもねぇんだよ!

【もはや武器を持たない少女に勝ち目などなかったようで、あっというまに追い詰め、打ち倒す】
【倒れた時の衝撃で跳ね上がった水を少しばかりもらいながら、男は少女へと近づいていった】
【おとなげとかいうもののかけらも見られない一方的な水かけに、周囲の大人たちの視線は冷ややかで、その足取りは急ぎのものであった】

この僕に水遊びで勝負をしかけるほうが悪いんだよ
それに、みんな―――周りの奴らが俺のことをどう思おうと、関係ないね

【少女の目の前まで来たならば、男は服が濡れるのなんて御構い無しにその場であぐらをかくだろう。すでに能力は消えており、彼の容姿は地味そのもの】
【強がりだか本音だかはわからないが、男の表情は少し寂しげであった。彼には能力以外に何もない、ゆえに能力でしか自分を保てない】

そんなことよか
君、親とか兄弟はいないのか?

【もうじきに夕も暮れ、まだ明るいとて子どもたちだって能力者が乱入しなくとも帰る時間帯だ】
【あたりを見回しても男を訝しげな目でみる人間はおれども、彼女を気にする人間の姿は見えず】
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/03(火) 20:42:27.35 ID:OyYYKSzB0
>>156

違うわっ! 遊びだからね、ズルしちゃね、ダメなのよっ! だってね、勝っても負けてもね、たのしーんだからっ! だからね、ズルしちゃダメなのよっ!

【薄っぺらい水深に身体を預ける、――足で触って快いすべすべした床材は寝転んでも心地よかった、水は少し生ぬるいけど、冷たすぎるよりは楽しげで】
【斜めになっていくお日様、遠くの空が少しずつ白くなっていって、これから、どんどん、夕焼けに色になっていくんだろう。空には雲がいくつか、温度はむしむしして】
【どこかからかセミの声がしてくるけど、まだ本調子じゃないみたいで、ちょっとだけ下手だった。だからこそれからの夏をどんどん予感させる、楽しくなるって思わせるなら】

じゃあねっ、違うゲームもしたいな! えーとね、ゴム跳びとか! あとね、バドミントンとかもね、やりたいなっ!
でもね、お道具がないでしょ、だからね――うーんとね、おままごと? 葉っぱとかね、集めたらね、お料理だって作れるよっ。

――でもねっ、私はね、お兄ちゃんと遊んでね、楽しかったよ! だからね、次もなんかね、したいなって思うのっ、だからね、あのね、――、
あっ、でもね! 私ね、お着替えね、もってないんだっ、えへへ――、だってね、みんながね、とってもね、楽しそうだったからっ!
お空を飛んだらね、すぐに乾くかな? って思ったからね、いいやー!ってて、思っちゃったのっ! でもね、そしたらね、うんとね、濡れちゃったわ、なのっ。

【水遊びが相手の独壇場であるのなら。違う遊びもしようよって幼子は誘うのだろう、けれど、その口から出て来るのは道具が必要な、ものばかりで】
【最終的にはおままごととか――って言いだす。ぬれびしょの二人が葉っぱを集めておままごと、なんてしていたら、ちょっとどこでなく変なんだけれど――】
【――それでも。相手と遊んで楽しかったから、と言って、笑うのだろう。そうして続く言葉はあるいは大問題かもしれなかった、お着替え、持ってないんだと言い放つ】
【うんと濡れた――どころか自ら浸っているように見えるし実際そうなんだけど。あんまり難しいこと考えていない顔をしていた、楽しければいいや――って言うように】

お母さんはね、お家に居るよ! お姉ちゃんはね、ユクエフメーだわっ!
だからね、探してるんだけど――――。

【――――――――そのまんまの声と表情だった。親はともかく姉が行方不明だなんて言うのは、割と、話題としてすさまじいように思えたのだけど】
158 :みなも :2018/07/03(火) 21:20:05.46 ID:FYgw2kC/o
>>157
どーかな?
俺は楽しんだら、勝ち…だと思うけど

まー楽しかったなら、よしとしようぜ

【臀部にじんわりとひろがる水の感覚を感じながら、少女の勢いに言いくるめられた男は小さくこう返したのだった】
【夏の初めにしてはやはり暑く、水浸しの服もじきに湿った感じが鬱陶しくなるのだろう】

【少女の口から次々と言葉が飛んできて、ちょっとはしゃいだだけで疲れ気味の男は少し嬉しそうに「そうか」とだけ返した】
【自分が楽しむためにふっかけた水遊びだが、少女は十二分に喜んでくれたようだ。よかった】

ああ、俺も楽しかったぜ
濡れた服は、そうだな―――乾かしてやるよ
だからとりあえず、ここから出ようぜ

【ここでは乾かせども乾かせどもまたすぐにぬれるばかり。男はそう言うと立ち上がり、芝生のある方へ歩き出すだろう】
【歩きながらも、少女が付いてくるのならば、そのびしょ濡れのクリーム色に右手を乗せて、再三能力を発動する】
【さすればたちまちに全身の衣類、あるいは肌にまとわりついた水が彼の手に吸い込まれていくだろう】

だがおままごとは、そうだな…ふむ…
まぁ、いいだろう

【おままごと―――ガラではないが、彼女の楽しそうな表情にはかなわない。自分は果たして、こんなにも女の子によわかったか?なんて考えながら】
【男はやや困った顔でこう返した】

お母さんのお迎えなんてもんはないのか?
もう日も暮れるし、危ないんじゃないのか?

【言いながら、自分も遊びで少女を能力で打ち倒しているあたり大概だろうなどと思いつつ、身を案じてみる】
【あるいは、彼女も能力者なのだろうか?】

行方不明…
そりゃ、なんとも、大変だな

【流石にこれには男も驚いた。物騒なご時世なれども、行方不明とはそうそうない】
【それを年端もいかぬ少女が口にするとは、動揺を隠しきれない】

/ちょいとご飯に行ってまいります・・・!
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/03(火) 21:29:08.76 ID:OyYYKSzB0
>>158

正々堂々! 戦ってね、負けたらね、それはうんと楽しいのっ! でもね、ズルされてね、負けたらね、それはね、楽しくないでしょっ?
能力使っていいならね、今度はね、絶対勝つよ! だからね、その時は再戦を願います! なのっ、あのね、私ね、ホントはとっても強いんだよ――。

【――どこか責めるみたいな声をした、子供だのに/だからこそ、相手のこと責めるような口ぶりでしゃべるんだろう、分かるでしょー?って言いたい様子で】
【だからこそ今度は勝つとも宣言するのだ。――今度は手加減なしで能力も使って、水かけ合戦。負けないからね、と、笑ったなら、相手に誘われるまま、水から出て】
【びちゃびちゃの足跡をたくさん残していく、それさえ楽しいみたいに幼子はきゃあきゃあ笑って、両腕を広げて、あっちまで走って行って――彼のところ、戻ってきたなら】

わあっ、お姉ちゃんとね、おんなじことね、出来るのねっ! お姉ちゃんもね、そういうのね、してたよっ!
お風呂のあととかにね、するのっ。だからね、いいなーって思うんだっ、いいなー!

【その時に頭に触れられて。水が消えていくなら――きゃあきゃあはしゃぐ、すごいすごいって何度も繰り返してから、にこりと笑うのだろう】
【本当に全部乾いてしまうんだろうか。それならタオルも着替えもなくって大丈夫なんだろう。少しくらい湿っていたって、きっと彼女は、気にしないけど――】

わーい! でもね、あのね、他のでもね、いいよっ? それにね、お母さんね、お迎えには来ないわっ。
だからね、自分で帰るの! 危ないのもね、大丈夫なのっ、私ね、とーってもね、強いんだよ! ホントなんだからっ。

――でもね、お姉ちゃんね、前もね、ちょっとだけね、居なくなっちゃったの! だからね、またね、きっと、戻って来るから――。

【遊ぶ内容は――その実本当に何でもよかった。なんならお話しているだけでもいいとさえ言いだしそうだった、それくらいに、人懐こい子であり】
【それでいて恐ろしいのが母親は迎えに来ない。――その口ぶりだと本当に来ないんだろうなと思わせた、危ないことも大丈夫。――自分は、とても、強いからと述べれば】
【――姉。については。過去に行方不明歴があるらしい。だから大丈夫だよと――あるいはどこかに祈りにも似る声、呟く、或いは、どこか寂し気に、漏れだして】

/りょうかいしました、ごゆっくりどうぞ!
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/07/03(火) 21:31:03.12 ID:oSklqNrH0
【森の中】
【其処は人食いの森、なんて噂をされている事は多くの人々が知る処だろうか】
【入って無事に出てきた者達も稀。その中で五体満足のまま無事に出てこれた者など非常に少なく】
【中には食人一族が住まう。奴隷商人達の拠点。そんな憶測が飛び交うもこの周囲を統括する小規模な自警団だけでは手に負えないのも事実】
【――と。今宵はそんな場所から聞こえる激しい交戦の音。それが暫く続いたと思えば、森の外まで聞こえる高い悲鳴を最後に音も止まり】

……ええ。住んでいたのは悪趣味な方々が6人。取り逃しは無いようです
生け捕り、との事だったので依頼通りには行いましたが――如何なる危害も加えず、とは指定されていないので

【手首足首を斬られ、呻きながら虫の如く這いずる男達に一瞥もせず立っているのは黒装束の人物。所謂忍者と呼ばれる其れだろうか】
【手には未だ血の滴る刀を持ち、顔は般若の面で隠している姿は余りにも異様で】
【加えてこの忍、一切の返り血も浴びていない。――ともなれば、手練れであると理解するには十分だろう】

たかが一人、と甘く見ていた事が災いした様ですね
牢の中で反省――と言った所で、貴方方の悲惨な最期を免れる事は出来ないとは思いますが
残された時間、精々町の方々を如何に説得するかだけに費やした方が良いかと

【アレだけ激しい戦闘音、ともなればこの森から遠く離れた場所にも響き渡っていた事だろう】
【或いは、調査に訪れた者や依頼を受けてきた者が居ても不思議では無い】
【但し、どんな理由であろうと先ず目に映るのはきっとそんな光景】
【――新たな来訪者に気付き、面を付けたままに顔を上げるその姿はきっと悪鬼にも思わせて】
161 :みなも :2018/07/03(火) 23:09:35.74 ID:FYgw2kC/o
>>159
ほほ〜
それは、楽しみにしておこう

【少女もやっぱり、能力者のようだ。能力を使った戦いは正直好きではないが、遊びの延長ならば話は別。楽しみだ】
【しかし相手は少女、きっと次は大人気のある対応をしたい…と思う男であった】

姉貴も能力者なのか…
なら、多分きっと、すぐ帰ってくるだろ

【彼女の姉に何があったのかは全く見当がつかないが、家族に連絡もなしに消息を断つとは、なかなか平和ではない】
【男にできることは、こんな平凡な言葉を返すことだけであった】

あー、じゃあそうだなぁ
遊ぶのはまた今度ってことにして、今日は君を家まで送り届けることにしよう

【もはや夜も近く、彼女自身が強いと自負していても心配なものは心配だ。お人好しな男は共に帰路につくことを提案した】
【ついでのように自分の体も乾かしつつ、「いこうぜ」と少女に道案内をするように促した】

ところでお嬢さんは、どんな能力持ってんだ?

【歩きながら、少女に問いかけるた。子どものいう「強い」なんて信用ならないのが一般論だが、能力者なら話は別】
【やはり他人の能力とは気になるもので、男もその例外ではなかった】


/すんませんすんません・・・大変遅くなりました
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/03(火) 23:17:36.87 ID:OyYYKSzB0
>>161

うん! いっぱいいっぱいね、楽しみにしててっ、夏が終わる前にね、もっかいやろうね!
だってね? 秋になってからもお水遊びしてたらね、お風邪を引いちゃうわ! そしたらね、ゲホゲホってしてね、大変だからねっ。

【青空色の瞳をぱちりっと笑ませる、そしたらにっこりした笑顔はどこかひまわりの花にも似るんだろうか、青空できらきら光る、入道雲の様子にもどこか似て】
【つまり夏がうんと似合う子供だった、――スイカとか持たせて縁側に座らせたなら多分百点満点なんだろう、誰が採点するのか、その基準も分からないけれど――】

あのねっ、そうなの! きっとね、すぐにね、戻ってくるわっ。だってね、私のお姉ちゃんだし――。
――いーっぱいね、お友達ね、居るから! だからね、みんながね、どーこだってしたらね、きっとすぐに見つかっちゃうわっ。
かくれんぼしたってね、無駄なの! タンスの中もお布団の中もね! すぐに見つけちゃうんだよっ、ホントだもんねっ。

――――別の世界とかにね、行ってなかったらね、すぐだよ! それでもね、あのね、見つけちゃうけど!

【きゃあきゃあ笑い声、すっかり乾いた髪の毛をくしゃくしゃ弄って、また笑う。どうにも深刻なのがあんまり似合わない性質であるらしかったなら】
【かくれんぼにしたって鬼が多すぎる。だからすぐに見つかっちゃうよ、って、――楽しいお遊びみたいに言ってのけてしまうのだろう、それから、漏れるのは】
【今度こそ冗談めかすような声であった、ありえないことをわざと言って遊ぶ時の声音、いっとうありえないこと、想定してみて、ありえないって笑いとばしたのなら】

えー! ……むうっ、でもね、大人の言うことはね、聞かなきゃよねっ!
じゃあね、今日はね、お家に帰ってご本を読む日にするわっ。買ってもらったご本がね、あるのよ! なのっ。
だからね、あのね、それを読むわっ――私の能力? 私のはね、あのね、お日様の力なの!

【刹那の間に表情が変わる。ほんとにひどく不満げな声を上げたなら――けど、すぐ、納得したみたいに頷くんだろう。消極的ではあったが、同意を示し】
【まだ読みさしの本があったと思いだしたなら――途端にウキウキするから単純な生き物であった、今すぐにも帰りたいみたいな顔になって、ぴょん、と、意味ないジャンプ】
【タイルの中にちらほら混ざる特別な色のところに乗って、もう一つの色違いのタイルにまた飛び乗って、――自分の力はお日様の力なんだ、って、答えた】

/おかえりなさいですっ
163 :みなも :2018/07/03(火) 23:55:53.62 ID:FYgw2kC/o
>>162
おう、約束だ

【男はそう言うと、右手の小指を少女の顔の前に近づける。いわゆる、ゆびきりげんまんとうやつだ】
【彼の故郷では子どもたちはこうやって約束をとりつける―――ということを、大昔に読んた本で知った】
【少女がそれをこれを知っているかどうかはわからないが、知らないなら教えてやるまでだ】

【少女の言葉は、どこか空虚であった。彼女なりに、もしや帰ってこないことがあり得るとわかっているのだろう】
【男にはもはや返す言葉が思いつかなかった】

そうするといい
本は偉大な先生で、親愛なる友人だからな

お日様の力――っつーと、光ってみせるとかそんな感じか?

【子どもとは天才的な生き物で、なんてことのない帰り道さえ遊びに変えてしまう。男にはその発想と行動力が羨ましく感じられた】
【お日様の力と聞いてパッと思いつかなかった男は、全身が光り輝く少女というトンチンカンな想像をしてしまう】

ところで、名前はなんていうんだ?

【ここで、彼女の名前を聞きそびれていたことを思い出した】
【水を掛け合い頭を撫でて共に帰るところまでしておいて今更であるが、名前を知らないというのも不自然であろう】
【礼節を知らない男は、名乗るより先に少女の名前を聞いた】

164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/04(水) 00:10:22.23 ID:psLY875O0
>>163

【そして差し出される小指、――それを見たなら幼子はすぐに理解して指を絡めるだろう、お決まりの唄を口ずさんで、そうして、誓う】
【「約束だからね!」と眩いくらいの笑顔を浮かべたのなら、うんとお昼の太陽の写しのよう。本当に元気いっぱいなんだろう、また一つ、タイルに飛び移って】

そうなのっ? あのね、私ね、ご本って好きだけどね、先生とかね、友達ってね、思ったことなかったわっ!
今日はね、そうやって読んでみようかな! 学校だとね、授業の前にね、きりーつ、れー、ってするんでしょっ! だからね――。
――そうやってみるわっ! ご本で見たことあるから、やり方だってね、分かるよっ! 

――――――うんっ、そうなの、ピカーってね、出来るよ! でもね、あんまりやるとね、みんなね、ビックリさせちゃうかもしれないから――。

【ぱちくりとまあるい目が瞬くだろう、先生、友人、――そんな風に本を見たことがなかったと驚いたなら、さっそく、今日から実践してみるんだと言う】
【かといってそういう挨拶が必要かと言えばきっと不要なんだけど、――それでもきっとやるんだろう。とりあえず今日はそうやってやる。きちん、と決めてしまったから】
【それで気に入ったら次からもやるのかもしれなかった。――というか、きっとやるんだろう、と、予想させるようで。ぴょん、また、ジャンプ】

【――そうしたらくるんと振り返って肯定するのだ。そして実際あんまり間違いでもなかった、本当はもっとできることは多岐にわたるのだけれど、】
【なんせ彼女自身も灯として使うことがあるんだから、ピカーでも正解。――けれど続く言葉は、やはり、最近の世間の風潮に気を使っているのかもしれない、わずかに眉下げ】

私はね、ファラエナ! お兄ちゃんはね、なんてお名前ですかってね、思うな!

【だけれど表情は長続きしなかった、――おんなじ笑顔でもきっと一秒ごとに違う色合いで笑っているんだろう。だから、悲し気な顔も、次の瞬間には差し代わってしまうから】
【そうやって相手の名前を尋ねる――、一人で突っ走って行ったから、それはちょうど、彼が追い付くための時間を待つみたいにでもある、そうして、彼が名乗って、追いついたなら】

あのね! 私ね、あんまりね、お家のそばまでね、誰かと来ちゃダメって言われてるの! 
――だからね、今日はね、ここでね、大丈夫よっ! ありがとね!

【――――そこから少しした、在るタイミングで。幼子はそうやって告げるのだろう、曰く、家のそばまで、誰かと来るなと言われているのだと言う】
【それは少し特異なしつけではあったけれど、――破ろうというつもりはないようだった。ゆえに彼が拒否をしたなら、きっと、すごく、困った顔になってしまうのだろう――】
165 :みなも :2018/07/04(水) 00:25:09.03 ID:zXzKoKS2o
>>164
【男自身、こうやって小指を絡めるのは初めてであったが、「悪くないな」と思うのであった】
【次にあった時にはきっとこの約束を持ち出されて、引きずられてでも遊びに巻き込まれ―――男もそれにまんざらでもない様子で付き合うのだろう】

はは、そういう意味じゃあないんだけど
それでもいいか、別に

【本を前に挨拶するさまを想像すると、それはそれで微笑ましいのでよしとする】
【底なしの元気を感じさせる少女であったが、やはり能力を行使することに関しては抵抗があるようで】
【それが男には今ひとつ理解できなかった。】

俺は みなも だ
また遊ぼうな、ファラエナ

【名乗って、少女に追いついたなら、別れを告げられる】
【おそらく母親のいいつけなのだろう。これを拒否する理由もなく、男は最後にニカッと笑って手を振った】
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/04(水) 00:32:34.28 ID:psLY875O0
>>165

みなもお兄ちゃんていうのね! じゃあね、次に会ったらね、いっぱいね、遊ぼうねっ!
お約束破ったらね、"ハリセンボン"なのよ! ――だからね、絶対絶対、約束よっ、じゃあねー!

【――ぱたぱたと駆けていく、どちらに曲がるかすらよく分からぬ十字路のところで振り返ったなら、幼子は、めいっぱいに手を振るのだろう】
【そうして――それから、小走りに立ち去っていく。――あるいは彼がこの辺りの地理に詳しければ、この辺りは細い道が入り組んでいる、と知っているかもしれず】
【であればほぼ間違いなく彼女は足取りをくらますためにここで分かれたのだろう、と、思わせた。――――けれどその後ろ姿はひどく平和な色合い、子供の色でしかないのなら】

【ほっぺたのタトゥも、親の言いつけも、失踪している姉とやらも、ぜんぶぜんぶ、夏の夕立みたいに、――なにか現実味のないものみたいに、思わせて】

/おつかれさまでした!
167 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/04(水) 00:59:58.33 ID:ysbZz7PG0
>>113
/セアンさんの方、大変遅くなり申し訳ありません。
/少し、リアルが立て込んでしまい、お返しは明日夜までおまたせしてしまうと思われます。
/置きレスのほうで返信させていただきます。
/待ってられねえということでしたら切っていただいても、他の方とロールしていただいても
/私は構いませんので宜しくおねがいします。
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛媛県) :2018/07/04(水) 07:17:21.04 ID:SLKcXKnK0
>>167
/でしたらそれでも宜しいですか?
/誠に申し訳ないんですが自分も仕事がチョットブラックで…
169 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/04(水) 21:47:53.70 ID:czfwNYUn0
【どっかしらの国、どっかしら――少なくとも大通りに面してはいない、ちょっと隠れたところにあるような店】
【さびれたバーだった。テーブル席というものがそもそもなくて、カウンターに椅子が五つほど並べてあるだけ】
【そこの右から数えても左から数えても三つ目。つまるところ真ん中の席に、小さい人影が、突っ伏していて】

――――――――…………、

【蒼白い肌、覗くうなじと耳はすでに真っ赤になっている。であればすでに「こいつ」は出来上がっているとわかる】
【顔は見えないけど。首の中程まで伸びた黒髪だけ、力なくカウンターテーブルに散らばって】
【ぐだーっと椅子に垂れ落ちている身体はおっそろしいほど細くって――着ているものは上物のワンピース】
【だったけど。グラスから零れ落ちる結露の水かなにかで水玉模様を作っていて、だいなし】

…………んー、あぁあ、……ぁあー、……もーいっぱい、甘いヤツぅ……

【だというのにまだ欲しがっているようだった。でろでろに蕩けたアルトの声で注文を付けるけど】
【それを受けるバーテンダーは心底迷惑そうな顔をしていた。「もうお止めになってはどうですか」とか言って】
【けれどそれに、いやあああ、なんて間延びした拒絶の声が返されるから。もうお手上げって顔をして――】

【――――誰か新しい客、誰か来ないかなとか思っていたらしい。突っ伏している女はどう思っているかは、知らないが】
170 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/04(水) 22:05:56.69 ID:q+bfmZMf0
>>169


「 ─── テキーラ・サンライズをふたつ。」
「それと、彼女にプレーリー・オイスターを。」


【場末のバー。吹き溜まった空気。すっと裂け目を入れるみたいに、誰か澄んだ声。鶴の一声。女っぽい声。ちょっとだけ気取った感じは、本人にしか分からないニュアンス。】
【すっかり潰れた女のとなりに、ひとりの少女が座り込む。英字のロゴがプリントされた真っ白なシャツ、意図的にダボついた明るい色のジーンズ。】
【頭には青白の野球帽をかぶっていた。席に座るのと同じくして、細い指先が鍔を摘んで其れを取った。露わになるのは、端正なる白皙の横顔。】
【真っ白い肌。顔立ちはごく綺麗、けれど少し憂鬱そう。 ── 男なのか女なのか、余りよく解らない。胸は扁たい。澄んだ青い瞳に、金色のポニーテール。】
【バーテンはホッとしたような顔をして、ふたりぶんのゴブレット、オレンジジュースとテキーラをショットスタンドから注いでいく。甘いにおい。】


「飲み過ぎ、身体に悪いよ。」「 ……… どうしたの?」


【ぽんぽん、 ── 背中を叩いて、顔を覗き込む。わりと仏頂面な方に見えるけれど、心配性らしい。今のところ。】
171 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/04(水) 22:16:38.22 ID:czfwNYUn0
>>170

【突っ伏した頭がぐりんと横を向く。すると目がまん丸くなって――ぱち、くり、と】
【数度瞬きした。それで――――にやーっと笑うのだ、シーラには何だかよくわからないだろうけど】
【とても嬉しそうに彼女は笑った。迷子でずっと寂しい思いをしていた子供が、やっと親を見つけて】
【安心しきって飛びついていくときに浮かべるような表情。したなら、】


――――――――くぅううぅう、らっ!


【急に起き上がって両手を広げて思いっきりハグを仕掛けようとするだろう。誰か違う他の人の名前を呼びながら】
【めちゃくちゃな勢いで飛びついてくる、けど、軌道はあまりにも直線的だから避けるのは簡単】
【……ただしそうしてしまえば、この女、ド派手な音を立てて倒れ込んでしまうんだけど】

【どっちにしたって女は上半身を起こす。そして心底嬉しそうな顔をしてシーラを見るのだ、暗赤色の瞳がきらきらめいて】
【だけど見ているのはシーラじゃない。シーラに似ている――とはいってもカラーリングだけ――誰かを、其処に思い描いて】
【「会いたかった」とか「ひさしぶり」とか「ずっと待ってたの」とか、すごい勢いで意味不明なことを捲し立ててくる】
【輝く瞳にうすい涙の膜すら揺蕩わせて。ねえ、と零される声色はすっかりアルコールに熱されて、蕩けきっていた】
172 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/04(水) 22:28:45.38 ID:q+bfmZMf0
>>171

【 ── 対して。あまり感情に富まなさそうな、性イメージの薄い真白な顔も、たぶん驚愕して目を見開く。青い瞳。見つめ合うしばしの沈黙。】
【やっぱり酔っ払ってるのかなぁ、なんて呑気に思っていそうな顔だった。けれども、言い知れないような喜びに満ちた破顔は、流石に少し怖く思うような】
【しばらく思考は錯綜していた。 ── そもそも例え飛び付かれたって、咄嗟に躱すような器用さは持ち合わせていなかったし、だから。】


「 ──── わ、っっ」「えっあっ、そのっ、ううんと、 ……… っっ。」


【藪から棒に抱き着かれるのには、多分すごく、困惑する。少女の体温は少しばかり冷たい。35度を少し上回るくらいが、精々だろうか。】
【首にかけたヘッドホンが落ちそうになって焦る。そっちの方に意識を持っていかれてばかりで、だから多分なされるがままで。】
【どんなスキンシップだって許してしまうのだろう。自分から助けた手前、たぶん止めてと言い出しづらい、という理由も含めて。】
【 ──── けれども、とろんとした瞳がどうしようもない愛情を伝える程度にまで、落ち着いたのなら。少し悲しそうな顔をして、訥々と、少女は諭すのだろう。】



「 ……… 言いにくいんだけど。」「たぶん、人違い、だよ。」
「僕は、クーラじゃない。」「 ── シーラだ。」「し、い、ら。」


【 ──── ぴし、と人差し指を彼女の唇に当てて、いくら酔っ払ってたとしたって、おいたはよくないよ、って。】
【ふたりぶんのテキーラサンライズがカウンターに置かれる。オレンジとテキーラの甘いにおい。しかしバーテンは全くもって不思議そうな顔をしていた。】
173 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/04(水) 22:41:00.72 ID:czfwNYUn0
>>172

……、……ちがうの? ほんとだ違う……、……髪の毛こんなぱさぱさしてなかったの。

【わりとめっちゃ失礼なこと言う。勝手にシーラの髪に指を通して、梳るように流して】
【ちょっとずつ引っ掛かるのがお気に召さなかったらしい。むうとした顔して、それでも指の動きは止めない】
【無理に引っ張って痛がらせるような真似はしなかった、酔ってはいても。そのままするりと、指先が髪を通り抜けたなら】

………………しーら。クーラに似てるよ、名前、……でもクーラじゃないんだ、……、

【――――ぐすん。嫌な音が鳴った、とシーラは思うだろうか。まったくもってその通りであって――女が泣き始める音】
【最初は啜り泣くくらいの勢いだった。それが何度か続いたらしゃくり上げるのが始まって、それから】
【「……ええええぇぇえぇん」、とか、子供でも今時そんな声上げないだろ。みたいな声を上げて泣いてしまうのだ】

やだ、やだ、……クーラに会いたいよう、最近ずっとつらいことばっかりだったの、
もうこれ以上会えないの、いやなの、……ぅうあぁああぁぁああん、ひっく、……っ、

【見事なまでにギャン泣きだった。これにはバーテンもまためちゃくちゃ嫌そうな顔をして】
【「そいつ、摘まみ出してもらえませんか」的な視線をシーラに寄越すのだ。まだ一口も飲んでないだろうに、かわいそうに】
174 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/04(水) 22:55:29.28 ID:q+bfmZMf0
>>173

「 ──── う。」「 …… や、それはそう、なんだけどさ ………… 。」


【 ── 自分でもまあまあ気にしていることを突っ込まれて、ちょっとだけヘコむ。髪の手入れが面倒だから、アメカジとポニテに頼っている自覚はあった。】
【梳かれるたび、少しばかり毛玉がひっかかる。ちょっと嫌な感触を自覚させられる。けれど何処か、髪を愛でるのに慣れているな、とも思った。】
【クーラ、 ──── 大切な人の、名前なんだろうか。少女には良く分からなかった。色々なことが、色々な理由で。】


「うん。僕は、シーラ。」「似てるけど、違うんだ。 ── だから、えっと、あっ、」


【 ── そうして少女は気付く。わたしクーラだよって言ってたほうが、まだもう少し面倒のない流れになってたかも、と。】
【少女には分からなかった。そこまで誰かに入れ込めてしまう理由。色恋なんて汚いばかり。なのにどうして信じられるんだろう、なんて。】
【けれども其れは無神経と紙一重でもあったから、泣き出す彼女を止められない。仏頂面があたふたしても、時すでに遅し。】


「 ……… わぁぁ、 ──── っ。」「泣くなよ、泣くなって。」「いや泣いても良いけど、いや良くないかもだけど、……ああもう、」
「ほらっお酒来たから、とりあえず飲もう?」「美味しいよ、たぶん美味しい。」「怒られたら飲めなくなっちゃうよ、ほら、 ── ねっ。」


【ちらり、 ── ちらり、ものすごく申し訳なさそうな青い瞳でバーテンを見つめて、もーちょっとだけ居させてくださいって、お願いするように。】
【背中をぽんぽんして髪の毛を撫ぜて頭をよしよしして兎に角宥めすかして、そしたら無理矢理にでも橙色のグラスを握らせようとするのだろう。】
【当たり前だけど、飲んだらオレンジの味がする。続くのはちょっとしたアルコール、ちょっとだけ香り高いシロップのにおい。】
175 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/04(水) 23:06:47.22 ID:czfwNYUn0
>>174

【とりあえず飲もうって言われてグラスを手に取らされたなら、一瞬だけぴたっと静かになって】
【――――それからがーーーーーっと勢いよくイッキしてしまうのだ。情緒も何もなく】
【飲み干してぷはっと息を吐く、やっぱり熱い。べしょべしょに濡れた眼は完全に、据わっていて】

……………………じゃあクーラの代わりやって! やってやってやって!
そんで僕を慰めてっ、最近、ほんとイヤなことばっかだったの!!

【※こっから先読み飛ばしてもらって大丈夫です※】

あのねあのねちょっと前にね、なんかヘンな人に絡まれてコワいコト言われて脅されたし!?
そのせいで上司に怒られるかもってずっとビクビクしててロクに眠れもしない日々を過ごしたし!?
けどそれもなんとか許してもらえてよかった〜〜〜って思ったらその帰り道に拉致られたんだよ!?
そんでそんで何されたと思う!? めっちゃ痛いことされまくったの、死ぬほど痛いことたくさんっ!!
■■■燃やされたりしたんだよ死ぬほど痛かった!!! しかもその理由何だったと思う、
ヤツアタリだよヤツアタリ!!! ありえないでしょヤツアタリでそんなことする!? はあーーーっもうっ、

【※読み飛ばしていいのここまで※】

……そーいうワケで僕めっちゃつらかったし悲しかったしくるしかったの。
だからほら慰めてぇ、クーラがするみたいに、ぎゅーってしてアタマ撫でて、…………。

【――――意味不明なことを思いっっっっきり一方的に捲し立てたあと、シーラの肩口に自身の頭を乗せようとするだろう】
【すん、すん。啜り泣く音はそのままに、……慰めろと要求してくるのだった。いい歳した大人が。あんまりにもひどすぎる光景だった】
176 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/04(水) 23:21:31.13 ID:q+bfmZMf0
>>175

【 ── 目の前でがばっと流し込まれてしまえば、原料になったザクロもオレンジもリュウゼツランも浮かばれない。ショートカクテルなんかじゃないのに】
【いい加減バーテンの視線が痛かった。泣き腫らした双眸にはバッカスの加護が宿っていた。助けた手前、後戻りはできなかった。】


「 ── えと、僕で、務まるなら、」「 ……… うん、聞くから、その」


【 ── そうして安請け合いした直後、捲し立てられる怨嗟の弾幕を食らって完全に少女は打ちのめされた。ちょっと甘い唾が飛んだかもしれない。】
【内容は半分も頭に入っていない。とりあえず非道いことをされたんだろうな、 ── というのは、理解できた、気がする。】
【にしたって大変な仕事をしているんだなぁ、なんて呑気な感想まで抱く。少女は気取り屋の癖に世間知らずでもあったから、彼女が愚痴ったような目に遭う仕事というのが、想像もつかなかった。】

【けれども慰めることなら出来るような気がした。あまり豊富でない語彙の中から、 ── 選び出される台詞が、どうにも気取った言い回しばかりであることに、自分の言語野を憎んだ。】


「 ………… その、とっても、大変だったね。」「似たような経験、僕にも有るから、分かる気がするよ。」
「君は何も悪くないよ。」「 ……… 君がとても優しくて、純情だから、周りの人が意地悪するんだろうね。」
「 ──── 僕は君の味方だよ。」「ええ、と。」


【思い切り自分の胸に抱き留めてやって、 ── 然しバストはひどく平坦である。彼女の言うクーラが、きわめて健全な発育の少女であったなら、物足りないかもしれず】
【兎も角それを誤魔化す意味合いも含めて、シーラは彼女のことを思い切り抱き締めて、黒髪に指を通して梳いてやり、ぽんぽんと背中を叩いたりもする、のだろう ── 。】
177 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/04(水) 23:32:16.10 ID:czfwNYUn0
>>176

【シーラのシャツがものめっさすごい勢いで濡れていく、その感触だけが伝わるだろう】
【あやされるように頭やら背中やら撫でられたなら、呼応するようにわんわん泣いて】
【「ひどいようみんなひどいよう、特にあのおじさまとブランル、次会ったら■■してやるっ」……とかなんとか】
【物騒なことを言った気がしないでもない。多分気のせいではないけど、酒の勢いだと思って聞き逃すのが――吉なんだろうか】

【そうこうしながら長々と数分間。ずっとべしゃべしゃ泣いていたけど――――それはあまりにも唐突に訪れた、】


【       沈黙。 】



………………………………………………気持ち悪っ、


【のち、こんなことをぼろっと零すのだ。相当低い声色で、しかしシーラの胸元で】
【それを言ってしまえば彼女は急に静かになってしまった。見下ろしてみれば――真っ赤に染まっていたうなじが】
【元の青白い色――よりさらに彩度の低い、危険な色に変わっているのが、わかってしまう。つまり、】


【 このまま抱き締めたままでいるとこいつ間違いなく、リバースする。シーラの胸元に、―――― 】
178 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/04(水) 23:44:15.46 ID:q+bfmZMf0
>>177

【プリントが落ちちゃうんじゃないかってくらい泣く。よほど理不尽な目に遭ったのだろうなぁ、 ── そんな、呑気な共感を投げかけるばかり。】
【ゆえに誰かの名前を呟いたのも分かったけれど、その後に続いたきっととても恐ろしい言葉は、自分だってそのくらい言ってしまう変な自信があったから、】
【とくに気にも留めず、むしろ共感することにした。相槌を打っていたら、僕も███してやりたい相手がいてね、 ── なんて、言うかもしれず】

【そうして相手が泣き止めば、ようやく吐き出すものは皆んな吐き出せたのかな、なんて、優しい苦笑を浮かべてみたり。】
【 ──── けれど。一番吐き出すべき、そして吐き出してはならないものを吐き出せていないのに、シーラが気付くのは、数刹那の後に。】


「 ──── 待て待て待て待てっ!!」「ここはダメだここはせめてトイレに行こうトイレに ──── !!」


【火事場の馬鹿力というのは此ういうことを言うのだろう。さあっと血の気が引くのはシーラも同じだった。抱き着かせたまま慌てて立ち上がり、引きずるように化粧室へ駆け込み】
【喉筋を思いっきり引っ掴んで吐かせないようにしつつ、男子だか女子だか区別も付かないくらい慌てていて、とりあえず個室に詰め込んで、和式便所に口を向かせる。 ── この間、およそ20秒足らず。】
179 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/04(水) 23:53:30.84 ID:czfwNYUn0
>>178

【電光石火の勢いで化粧室に連れ込まれて「きちんとしたところ」に顔を向かせられたなら】
【そこからはもう早かった。背中とか擦らなくてもいい。勢いよくだばーっとやってしまう、勝手に】
【ついでに彼女の髪は短かったから、汚れないよう纏めて括ってやるとかそういう配慮もしなくていい】
【そういう意味で、処置は最小限で済んだ。済んでそれで――胃が空っぽになるくらいまで、だーっとしてしまった、なら】


……………………………………、


【脳を焼いていたアルコールも一緒に雪崩落ちていったらしい。しっかりした足取りで個室から出て】
【手洗い場で口をゆすぐ。周辺を洗い流す。それからくるり振り向いて、シーラに向き直った】
【吐いたばっかりだからか、……いや多分それだけのせいじゃない。彼女は自分のやらかしを、きっちり理解しているようで】


……………………………………あの、…………すみませっ、……したっ…………


【真っ青な顔をしていた。それで呆然とした表情を浮かべて――――完璧な角度で、頭を下げる】
【ここが化粧室じゃなかったら多分土下座までかましていただろう。そんな勢い、やっちまった、みたいな雰囲気を纏って】
【……たぶんシーラが何か言うまで顔を上げない。曝け出されるうなじには汗が浮かんでいた、たぶん冷や汗】
180 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/05(木) 00:05:12.77 ID:rYfVTW/M0
>>179


【他人の吐瀉物を見る気にはならなかった。まして同性。ばたんッと扉を閉めて、悲惨な呻き声と再誕の産声を聞く。たぶん、死産。】
【深くふかーく溜め息を吐きながら、やる事を無くして、化粧室の入り口で待っている。腕を組んで、壁に寄りかかって、けれど彼女が漸く花摘みから出てくるのなら、】
【一瞥だけはくれてやる。勢いよく頭を下げられたってやる事は変わらなかった。】



「 ──── 謝ることはないよ。」「誰にでも、そういう時はある。」


「僕は君の助けになりたくて手を貸したんだ。」「見返りとか、自分の損とか、そういうのは考えてない。」
「 ── そろそろバーテン、二日酔い直しのカクテル、作ってくれてると思うよ?」「 …… というか、一人で帰れる?」



【ちょっとだけ呆れたような色合いを含ませて、歳下っぽくない生意気な物言いで、けれど怒っていないのは本当だった。だつて、あんなに泣いていたから。】
【「ほら、頭上げて」 ── とかなんとか言って、下がった頭の前に手を差し伸べるのだろう。オレンジの甘い透明感には、自分も手を付けられずにいたし。】
181 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/05(木) 00:15:37.15 ID:ay5dqi9B0
>>180

【おそるおそると言うような勢いで顔を上げる。ひどくしょぼくれた顔をしていた】
【だって自分、25歳だもの。それをこんな若い女の子に助けられてしまったんだもの】
【情けないにも程がある、みたいな、自責の念ばっかりぐるぐる蠢かせて――――】

……ありがと、「シーラ」。あなたは大人だね、まだまだ若いのに、……僕とは大違いだ。
あのね僕、こう見えてもアラサーなんだよ。ちゃんと帰れるよ、ほんとだよ、……本当だったら!

【150センチにも満たない低身長。決して大人っぽいと呼べるようなつくりをしていない顔立ち】
【それでもってアラサーを自称するのだから、信じてもらえなくても仕方ない】
【……というか先程までの暴れっぷり、アラサーがするようなものなんだろうか。いやしない、多分しない】

【伸ばされた手を取る。そうしていいって解釈した。そしたらそれに引かれてカウンターに戻るだろうか】
【心底うんざりしたみたいな顔したバーテンの前で、ちびちび飲み直す。さっきまでのペースで飲むのはもうしない】

【そうして、飲み終えたら懐からお財布。カードを出して、「この子の分も一緒に」とか言っちゃう】
【それが彼女なりの、年上なりの礼節ってものだったんだろうか、あるいはたんなる見栄だろうか、――――、】



【――――――あんなに乱れた思考の中でも「シーラ」の名をしっかり記憶していたこと。シーラは、訝し気に思うだろうか】
182 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/05(木) 00:28:32.68 ID:rYfVTW/M0
>>181

【 ─── そんなに怯えたような顔をされると困ってしまう。金色のポニーテール、幽かに揺らしながら、ちょっとぎこちない笑顔を作った。】
【そうして歳上だと、 ── 自分よりも10年は長く生きていると聞くのなら、まず驚く。せいぜい酔っ払って派目を外した大学生くらいにしか見えなかったから】
【続いて少なからず気恥ずかしくなる。なんだかシタリ顔で色々と語っていた自分が、とんでもなく身の程知らずであるように思えてしまう。】



「 ……… や、その。」「大したことは、 ── してないよ。ただ、その、心配だった、だけで。」
「 ─── 疑う訳にもいかないね。たぶん僕じゃあ、送るのにだって役者が不足だろう。」



【対してシーラは、言われた事をそこまで疑わない気質をしていた。まして世の中を余りに知らない少女だった。】
【 ─── だから、こんなもんなんだな、くらいにしか思わず。きっとSNSかなにかで、言われてるほどアラサーは年増じゃないよ、とか発信しちゃうくらいには。】
【手を引いてカウンターに戻り、改めて色々と飲むことにする。存外シーラはお酒に強いらしく、度数のキツいカクテル、5杯くらい空けても平気の平左。】
【ただ夜が更けるなら少しばかり眠気も襲い来るから、 ─── うとうとし始めたくらいで、お会計。それでも、自分の分まで払ってくれると言われて】
【最初はものすごい申し訳なさそうに拒むけれど、一回か二回くらいで素直に従うことだろう。押されると、たぶん、弱い。】


「 ── えと、えと。」「ありがとう、 ── その、」


【 ── やがて座り込んだ椅子を後にして店先に出るのなら、其れが別れとなるのだろうか。そうでなくとも、きっと】
【少しだけ明け始めた夜の、少しだけ涼しい空気の中、シーラは彼女の名前を問おうとするのだろう。ひどく無防備な笑顔で。】
183 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/05(木) 00:41:03.18 ID:ay5dqi9B0
>>182

【「すごい飲むじゃん、あはははは」「僕お酒ぜんぜんダメなんだよね、ジュースみたいに甘いヤツしか飲めなくて」】
【「なんかこう、秘訣とかある? 酔わない秘訣、ほら、大人になったらイヤでもお酒飲まなきゃいけない時があってさあ」】
【「……ん? ああ、いいのいいの。言ったでしょ、僕、こう見えても大分大人なんだから」「お金はあるの、大丈夫」】

【――――とりとめもなく、重みを含まない会話が何度か続いた。その間ずっと女は笑っていて】
【シーラの目をずっと見ていた。きれいな青色。覗き込むみたいにじいっと……訝しまれたら、ふっと離れて】
【それからキツネみたいに目を細めて笑うから――誤魔化している。なんらかを。そう思わせる程度には、粘着質な視線だった】


…………ああうん、僕の名前? そうだな――――「ミア」って呼んでよ。


【「呼んでよ」ってことはつまり、それは本名じゃないって言っているも同義。そこから先には踏み込ませない】
【不可視のバリア、みたいなものを張って――やわらかな拒絶。そこから先には入ってはいけないよって】

【  「 それじゃあね、シーラ。 ……また会えたら、うれしいね 」  】

【――――そうするわりに、女のほうからシーラへは、踏み入ってくるような気配を漂わせる】
【別れ際に残した視線。暗赤色の瞳が描く残光のラインは――最後までシーラの青い瞳を、じっと、見つめ続けて】
【それが消えてしまうころにはもう背中しか見せない。ひどく痩せ細ったシルエット、――暗がりのほうへ溶かすように去っていく】


//おつかれさまでした、ありがとうございました!
184 :シーラ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/05(木) 01:03:55.79 ID:wekAOL/T0
>>183

【 ── 其の違和感が何であるかを理解するのに、きっと少女は幼すぎた。それくらいに彼女は害意というものを知らなかった。けれど、けれど】
【なにか特別な感情があるのだろう、ということだけは解った。きっと其れは彼女の想いびとのことであり、行方知れずの過去と先途、辿ろうとするほどには無神経でなく】
【だから最後に少しだけ、どうしてか距離を置くような言葉尻にも、 ─── シーラはどうしようもなかったし、どうするべきでもないと納得していた。】



「 ── ミア。」「うん。覚えたよ、 ─── ミア。」
      「きっと縁があるよ。 ……… いずれ、何処かで会おう。」


【 ─── 二度と会えないかもしれない、なんて思う事はなかった。それどころか、不思議とまた会えるような気がした。】
【けれど何だか再開の朝は憂鬱であるようにも思えて、 ── ぎゅ、と握りしめた指、「スイッチ」を何度も押す。なにも爆ぜないと知っていて。】
【ゆえに闇に溶ける視線を見送った。白鳥の名を冠したからだは、そんな器用で無責任な真似はできなかったから。】
【夜明けの街にスニーカーで繰り出していく。朝焼けに急かされながら、駆逐される闇にさえ愛される事はなく。】

/おつかれさまでした!!
185 :みなも :2018/07/05(木) 16:45:03.38 ID:UdryHhVBo
【水の国、ミール・シュタインの噴水広場】
【本日の天気は曇時々雨。穏やかではない風と、今にも泣き出しそうな雲が天を支配していた】

【広場に設置されているベンチの一つに、厚手のパーカーを着た男が寝そべっていた】
【いわゆるホームレスの様相であるが、目を引くのはベンチを覆う半透明の屋根であろう。それはおおよそバス停のような見た目で、日光や雨を遮断する役割を負っている】
【晴れていれば子どもたちの遊び場として活気のあるここも、今日はあいにくの天気で閑散としている】
【それでもまばらには存在する通行人は、広場のど真ん中で能力を行使する男に不審、あるいは恐怖の視線を送っていた】

……はぁ

【男はそれらの視線を気にもとめず、広場の中心にある噴水をぼんやりと眺めながら、ため息をついた】
【この国に流れ着いて数日が経つが、どうやらここでは能力者は恐怖の対象としてみられているようだ】
【少し調べてみれば、ここでは「魔制法」などという法律が運用されているようだ。経緯も調べればなるほどといったところだが、やはり生きづらい】

【しかしそれでも、男にはこの能力しかない。目立てども、他に行き場所も知らない】
【これから、どうするか?そんな漠然としたことを考えながら、ただただ時間が過ぎていく―――】
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/05(木) 17:33:54.41 ID:Fr2jvAUYo
>>185

【きこ、きこ、きこ……ちりんちりーん】

【この先進的な都市の中にあって、いやにアナクロな音が響く】
【眼を向けてみたならば、それは一台の自転車から発せられるものであると分かるだろう】

【白い塗装の実用車。街中で見かけることも多いだろう、警ら用の自転車であった】
【乗っているのは、当然、警察官。市警の腕章を付けた制服姿は遠くからでもそれと分かる】

【きこ、きこ、きこ……ききーっ】

【その自転車が、噴水広場の前で止まって】
【ベンチにいるその男を認めると、ゆっくりとスタンドを降ろして、警官が近寄っていく】


どうも、こんにちはーっ! ──お一人ですかあ?


【そうして声を掛けたのは、女性警官であった】
【大きな丸眼鏡に、三つ編みのお下げ。学生服を着せれば一昔前の委員長然としているような】
【そんな、中央都市の警官にしてはどこか気の抜けた感の漂う人物が、快活な声で問いかけた】

【職務質問、というやつだろうか】
【笑顔で接しては来たものの、何かを探りかける気配が十全に醸し出されていた】
187 :みなも :2018/07/05(木) 19:08:55.41 ID:UdryHhVBo
>>186
【今時珍しい自転車の駆動音に視線を移せば、警官の制服を着た女の姿が見えた。自転車から降りた彼女はまっすぐに自分の元へ歩いてくる】
【パトロール中に自分を見つけたか、あるいは誰かに通報されたか。男はもう一度ため息をついて、身を起こす】

どうも、お疲れさんです
見ての通り、お一人様ですよ

【女警察官の顔には笑顔が見えるが、こちらを警戒しているのは明らかだろう。男はできる限り人当たりのいい声と態度で質問に答える】
【そして彼女が声をかけてきた原因の一つであろう氷の屋根について、先に触れておくことにした】

すみませんね、イケナイのはわかってるんですけども
雨が降りそうだったもんで

//すみません遅くなりました……
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/05(木) 19:26:30.41 ID:Fr2jvAUYo
>>187

いえ〜、別にイケナイなんてことは、ないですよ。
『力』は正しく、幸福のために使われるなら、それで良いのです。

【彼の能力によって作られた氷の屋根に対して、婦警は何を咎める事もなかった】
【むしろ大変好ましいものを見たかのように、その表情は緩やかな笑みを形作った】

【異能行使を厳しく制限するという件の『魔制法』──】
【それはごく限られた『特区』と呼ばれるエリアの中でのみ適用されるのが、一応の現状】
【国民の感情を抜きにすれば、普通の街中で異能を扱う分には罰則は設けられていない】

【婦警はそれよりもむしろ、他のことを問い質そうとする様子で】


──でも、雨が降りそうなら、おうちに帰ればいいんじゃないですか?
それとも何か──お困りです?


【──と】
【固定されたままの笑みが、より踏み込んだことを問いかけた】
【まるで監視カメラのレンズのような眼が、じっと彼を見据えて】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/05(木) 19:27:00.51 ID:Fr2jvAUYo
/いーえ、全然問題ないですよ。よろしくお願いしまーす。
190 :みなも :2018/07/05(木) 19:40:36.21 ID:UdryHhVBo
>>188
周りの人らは快く思ってないみたいですけどね
ま、お巡りさんがそう言うなら、心置きなく使わせてもらいますわ

【彼女の表情を見るに、ここでの能力の行使は本当に問題がなく、彼女にとっても別段恐怖の対象…などというものでもないような】
【ならば先日の一般人どもの反応は、本当にただの恐怖なのだろう。だとしたら、少し悪いことをした】

はは、そうしたいんですけどね
実は俺、流れの者で、ちょっと前にここに来たばっかりでね
―――家とかないんですわ

これからどうやって生きていこうかって、人生計画立ててるところなんですよ

【笑顔を一片も変えずにこちらを見つめる彼女に若干の戸惑いを感じながら、人生計画なんてふざけた表現を交えて答えを返した】
【職もなく家もなく金もなく食べ物もなく、人生について真剣に考えていたのは確かであるが】
【「盗みでもしてみようかなって考えてたところですわ」なんて冗談は、彼女の張り付いた笑みの前には飲み込まざるを得なかった】

/よろしくお願いします!
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/05(木) 20:12:45.18 ID:Fr2jvAUYo
>>190

【婦警はただ穏やかに頷いた】
【──遠巻きに男へ唾棄するような眼差しを浮かべた後に去って行く、市民の姿を一瞥もせずに】


──あら。無いんですか。おうち?

それは、大変ですね〜。
生活保護課に申請しましたか? 職業紹介所は?

ダメですよお──幸福と納税は市民の義務なんですから。


【「──何なら今から案内しましょうか?」】
【と、今後の人生行路をじっくり考えようとする彼へ向けて、】
【そんなことよりもまずは行動だと言わんばかり、無粋に様々な質問を投げつけるのであった】


/ただいま戻りました、お待たせしました。
192 :みなも :2018/07/05(木) 20:30:46.57 ID:UdryHhVBo
>>191
いかんせん、パスポートやらも何もないもんで
身分を証明できるもんが何もないんですよね

この国にも入れたから来ちゃったって感じで、密入国とか言われるとかなりしんどいんですけど…

【それにしてはそこまで小汚い身なり……というほどでもなく、見た目はどこにでもいるような青年のそれである】
【「役所でも門前払いされちゃって」と両手を広げながら、そのあたりは既に回ったと弁解しておく】

そういう身元不明の人もできるような仕事とかってないんですかね?
もちろん、ヤバイ仕事じゃなくて

【まさか彼女が仕事を紹介してくれるとも考えてはいないが、「これからどうしたらいいか?」のヒントくらいはもらえるかもしれない】
【そんな期待を抱きながら、聞いてみた】
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/05(木) 20:57:25.38 ID:Fr2jvAUYo
>>192

うーん、なるほどですね〜、そうでしたかあ────

【身分証も無い、と聞いて婦警は困ったような素振りを見せる】
【──もしも彼が人間の心理や行動学に心得がある、もしくは直感が働くなら】
【それはあくまで『ような』であり、本心と呼べるものは欠片も含まれていないことに気付けるかもしれないが】


ああ、でも、それなら丁度良いかもしれませんねえ──

──ここから真っ直ぐ行った先のバス停から、『カミスシティ』行の無料バスが出ています。
その街にある『総合福祉センター』では、難民の受け入れ手続きを行っています。

簡単な検査を受ければ誰でも市民パスを発行できますし
能力適性診断も実施していますから、あなたにぴったり合った仕事もきっと見つかると思いますよ。

──とっても良い街です。
そこに行ってみるのは、どうですか?


【と、婦警は滔々と語り、その『カミスシティ』なるものの訪問を勧めた】

【もしニュースなどを見ていれば聞き及んでいるかもしれない】
【『カミスシティ』とは水の国において最も早く『特区』に指定された区域であり】
【最先端の医療福祉設備が充実しており、市民は無料でそれらを利用できるらしい、と】

【何より『異能犯罪』に対する対策が徹底的に施されており、】
【まだ制定から日は浅いものの、シティ内の犯罪率はほぼゼロに等しい数字を誇るという】
【他にも様々な市民特典が数多く存在しており、その安全性と充実度から今でも移住者が後を耐えないという】

【曰く、『幸福のモデルケース』────】
【連日メディアで垂れ流れされるそれらの情報を鵜呑みにするのなら、この上ない居住先だろう、が】
194 :みなも :2018/07/05(木) 21:17:11.76 ID:UdryHhVBo
>>193
【婦警の困り顔に若干の違和感を覚えるも、今は一旦置いておこう】

あー…それってあれっすよね、勝手に能力使ったら怒られるっていうトコ
ちょーっと息苦しそうなんですよね〜

【カミスシティという街の名前に、男も聞き覚えがある。魔制法という単語を調べた時に真っ先に出てきた、話題の地区だ】
【魔制法によって縛られるのは彼の性格には少し合わない。何より、婦警の話の流れに違和感がより強くなった】
【まるで話しかけた時から、その街への誘導を目的としていたかのような、そんな疑念が湧き上がる】

見学とかってできるんですかね?
とりあえずの居住先としてはかなり魅力的かなって思ってるんですけど

【とはいえ、無料で充実の医療福祉に市民権、おまけに仕事まで紹介してくれるとなると彼のような流れ者にとってこの上ない話】
【少しばかり胡散臭い話であるが、いざとなれば逃げればいいだけの話―――男はそんなお気楽な考えで、乗り気な態度を示して見せた】
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/05(木) 21:30:29.02 ID:Fr2jvAUYo
>>194


──────…………


【息苦しそう、という言葉に婦警は何の応答も返さなかった】
【ただ停止ボタンを押されたように崩れぬ笑みが凝然と彼を見つめていて】


──見学ですか? もちろん、出来ますよ。
毎日沢山の人が訪れるそうですけど、大体皆気に入って、そのまま帰らないそうです。


【誰も帰らない──冗談めかした様子もなく、固定された笑みがどこか誇らしげに言った】

【それから婦警は間もなく、彼をバス停まで連れていこうとするだろう】
【善は急げです、などと言って、後ろから両肩に両掌を乗せようとして】
【それを許せばぐいぐいと押していくだろう。そのままバスの中まで押し込んでいきそうな勢いで】
196 :みなも :2018/07/05(木) 21:43:20.16 ID:UdryHhVBo
>>195
【一瞬、婦警が一切の応答を止め、再び話し出す】
【脳内では警告を知らせる信号が黄色から赤へと変わろうとしているが、男には漠然とした自信があった】
【今まで生き残ってきた能力を行使すれば、なんとかなる。そんな不安定な自信が】

それは、気になりますね
んじゃー行ってみようかな。婦警さんイチオシのカミスシティに

【誰も帰らない―――ますますをもって怪しい匂いしかしないが、男も作り笑いでもって答え、立ち上がる】
【婦警に促されるまま押されるまま、本物のバス停―――さらにはバスの中へと押し込まれるのだろう】
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/05(木) 22:15:03.64 ID:Fr2jvAUYo
>>196

【明らかな不自然さをそれでも婦警は隠そうとせずに】
【あるいはそれが全く不自然でないと心底から思っているのか】
【何にせよ婦警はそれが唯一の使命であるかのように彼をバスの中まで押し込んだ】

【バスは彼を乗せた後すぐに扉を閉め】
【その表示板が示す幸福の街へ向けて唸りを上げ走り出す】


──どうぞ良い幸福を。


【その後ろを見送る婦警の笑みは、一ミリたりとも動くことがなかった】


【────】

【車内は満員であった】
【座席に座る者よりも立つ者の方が多い】
【車内が揺れる度に隣の客と身が触れ合うだろう】

【最先端の未来都市へ向かうにしてはやや雑然とした有様であったが】
【車内の客達は誰一人として文句を言わず、静かに終着点を待った。人間というよりは貨物のように】


【──数十分ほど走った後、無機質な車内アナウンスが終点を告げる】
【ぷしゅう、と粗末な排気音と共に扉が開かれ、乗客達が吐き出されていく】


<──ようこそ カミスシティへ──>

<──市民総合福祉センターはそのままお進みください──>
<──案内が必要な方はその場でお待ち下さい──ナビゲートドローンがご案内します──>


【バスを降りてすぐ、街頭スピーカーから合成音声が告げた】

【降りた乗客達のすぐ眼前には、巨大な白亜の建造物が聳えている】
【さながら前衛的な彫刻の如く螺旋と流線によって構成された輪郭、】
【一階の外周部はほとんど透明な硝子壁をはめ込まれている──そこが件の『センター』らしい】

【──その街の空気を一言で表すとすれば、『無菌』という言葉が相応しいだろう】
【道路は完全な平らに均され、その上を様々な電光表示が次々に姿を変え、滑っていく】
【やや視線を上げれば、宙空を飛行する銀色のドローンやドロイドがあちらこちらへ飛び交う】

【行き交う人々は皆一様に弛緩した微笑を湛え、ただ一直線で前を見据えたまま歩行する】

【今し方街を訪れた彼を除いて、そのほとんどは余りに街へ溶け込み過ぎていた】
【あたかも最初からその街の備品として製造されたかのように】


【可視不可視を問わず、備えられた監視カメラが一斉に彼を照準した】
【彼がこれから何処へ向かうのか、何をするのか、一切を余さず記録するかのように】
198 :みなも :2018/07/05(木) 22:27:40.47 ID:UdryHhVBo
>>197
【バスに押し込まれた直後、振り向けば先の婦警は銅像の様に動かず、ただこちらに変わらぬ笑みを向けていた】
【彼女はもしや、アンドロイドか?男の邪推はバスの唸りにかき消され、これはこれで息が詰まりそうな空間で待つこと半刻ほど】
【バスの扉が開き、機械の様に不気味な同乗者たちが降りていく。男は、その最後尾についた】

へぇ〜…
こりゃあ、立派なもんだ

【バスを降りた瞬間に目に入るのは巨大な建造物。人々が迷わずあそこへ向かうということは、おそらくあれが福祉センターというやつなのだろう】
【周囲には一切を計画的に作り上げたと思われる道路、あるいは建造物の数々。近未来都市とはまさにこのことだろう】
【独り言を漏らして誤魔化してはいるが、背筋に氷を突っ込まれたかのような悪寒。周囲から一挙一動を監視されることからくる最高の不快感】

(不気味…生きていけんのか?ここで)

【不安、ではあるが、今までの人生のようになるようになるだろう。そう考えて、男も福祉センターへと足を進める】
【見渡す人々もまるでアンドロイドの如く同一の表情、同一の挙動。これが不気味ではなくてなんだというのか】
【キョロキョロと辺りを見渡しながら歩くせい、付近への注意がおろそかになれば、当然】

―――おっと

【そこらを歩く通行人に、決して弱くはない勢いで、ぶつかるだろう】
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/05(木) 22:40:22.18 ID:Fr2jvAUYo
>>198

【──どっ、】
【ぶつかった通行人は、殊の外強い勢いで倒れ、地面に打ち付けられた】
【それはまるでバランス制御機構を有さない機械のように、呆気なく】

【かなり強かに身体を打ち付けたはずなのだが、それというのに、】
【倒れた男性は痛みに呻くでもなく、さりとて立ち上がろうとするでもなく】
【上空の遙か一点を見つめたまま、一定の律動で手足を動かし──それを延々と繰り返すのみだった】

【PiPi──】
【そのとき何処かで電子音が響いた】

【街の異常を察知してか、一台のドロイドが地表を滑るようにしてその場へ急行してきた】
【銀色の、円柱状。大きな銀のバケツをひっくり返したような飾り気のない形状であった】


<──バイタルの異常を検知しました──>

<──福祉局員が参りますので その場で少々お待ち下さい──>


【ドロイドがその内臓スピーカーから、極めて人間に似せられた機械音声で告げた】
【──どこか遠くで、穏やかなオルゴール音が鳴り響く。それは次第にこちらへ近づいて来ているようだ】

【この街なりのサイレン音なのだろうか】
【それが到着するまで待っていてもいいし、どこか他の場所へ姿を眩ましてもいいだろう】
200 :みなも :2018/07/05(木) 23:11:32.95 ID:UdryHhVBo
>>199
【人との接触。街中では稀に起こる現象だが、今回は―――】

おっと、すm―――

【ぶつかった相手は、まるで一切抵抗しなかったかのように弾き飛ばされ、その身を地面に叩きつけられる】
【本来ならば痛みに悶えるか、怒りで立ち上がるはずだが―――彼は違った。その場で「歩き」を継続しようとしている】
【異常。この明らかに異常だ。さすがにこれ以上はいられない】

逃げ、られるか?

【遠くからオルゴール音―――恐らくは公式な人間が寄ってくる音】
【今なら逃げ切れる。と男は能力を発動。髪が蒼く染まり、顔に紋章が浮かび上がる】

【両手と両足から水流を放ち、反動で高速の跳躍を繰り返しながらの移動。全速力でこの街―――果ては国を離れようとするだろう】
【ずばん!という破裂音は目立つが、並みの速度では追いつけない―――と信じたい】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/05(木) 23:33:19.98 ID:Fr2jvAUYo
>>200

【PiPi──Bi Bi Bi Bi Bi Bi──】

【彼が異能を発動した瞬間、】
【小さな電子音のすぐ後に続けてけたたましいビープ音が響いた】
【それは明らかに彼の異能行使を咎めるような強い大音声だった】


<──こちらは──福祉局保安課です──>

<──当エリアは──魔能制限区域です──>

<──許可の無い魔能行使は──厳しく処罰されます──>
<──直ちに行使を中止してください──繰り返します──直ちに魔能行使を中止し──>


【高速で移動する彼に照準された指向性スピーカーから、警告アナウンスが繰り返される】
【だがオルゴール音が近づいてくる様子はなく、次第に遠ざかっていく。彼の速度には追いつけないらしい】
【そのまま街の外へ跳躍していく彼を遮るものは何もないだろう】

【ただし】




 【「────────────────………」】




【大勢とすれ違っていく中での、ほんの一瞬】
【たった一人、明らかに彼を視線で捕捉していた人物がいたことに気付くだろうか】

【──大きな丸眼鏡に、三つ編みのお下げ】
【他の市民達とは全く異質の、一人だけ底抜けの笑みを湛えた、白い女が】
【限界まで見開かれた眼で、ただ凝然と、一直線に彼の姿を捕捉していた】


【見ていた】
【ただ、それだけだ】

【何か物理的な妨害は一切与えない】
【彼の逃走はそのまま叶うであろう】


【──もし、何か途中で振り向くようなことがあれば】
【そこには既に女の姿は無くなっているだろう。あたかも初めから存在していなかったかのように】
202 :みなも :2018/07/05(木) 23:45:52.40 ID:UdryHhVBo
>>201
【明らかに自分を指して警告される能力使用であるが、当然今更止める気もない】
【一心不乱に走り、とにかく街の外を目指す】
【すれ違う、あるいは追い越す人々はやはり機械のように、均等な速度で同一な表情を浮かべて歩いている】

【視線】

───………!!!

【見れば、人々の中に、どこかで見たことがあるような女の姿】
【質量を持つかのような威圧感を持って、男の逃走をただただ眺めていた】
【最大級の悪寒。ただ、女に見られていた。それだけだというのに、震えが止まらない】

クソがッッッ

【男は、さらに速度を上げる。最悪の気分だ、一刻も早くここから脱出したかった】
【幸いにも警告音はみるみる遠くなっていくし、振り向けば女も消え失せている】
【次に会ったら覚えておけよ…とぼやいて、男は悪夢の街から逃走するだろう】

203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/06(金) 00:11:42.12 ID:0KFnhGOqo
>>202

【──街の姿は呆気なく遠ざかる】
【ビープ音もオルゴール音も、何もかもが嘘のように霧消した】

【追いかけてくるものもない。彼自身のうちにある記憶を除いては】


【──────】


【彼が街を、そして国を出た後もメディアのどこかしらでは連日この『特区』の素晴らしさを謳っている】
【異能の無い都市。暴力の無い都市。病の無い都市。苦悩の無い都市。全てを統制された完全な幸福の都市】

【システムは今日も狂いなく作動し、あらゆる異分子を排除して都市を清潔に保っている】
【それが狂気などと言う者はいない。あるいは、その声が表層へ出ることはない】
【異常を異常と言える者は、一体どこへ行ってしまったのだろうか】

【その行方を知る者は、どこにもいない】
【少なくとも、今はまだ】


/というところで、〆でしょうか。
/お疲れさまでした、お付き合いありがとうございました!
204 :みなも :2018/07/06(金) 00:15:24.94 ID:FUzssOF2o
>>203
/ありがとうございました〜!
205 :《chaos》 [sage]:2018/07/06(金) 23:38:32.91 ID:weR7YNPzO
【水の国・繁華街――】

【週末の夜。どこの世界であれ、その空気は変わらないものなのだろうか】
【世界創成を七日目に休んだと言う逸話はそれ程に浸透した認識なのか】
【人間の社会と言えば、割と身近で切実な理由により、休めない人間も多いのだけれど】

【ともあれ、夜間だと言うのにどこか浮かれた、或いは疲れ果てた人々がホッと一息をつくような、生温い空気の中――】


【『それ』は唐突に現れた――】
【繁華街の石畳に亀裂が入り。その下から大地が隆起する。メキメキメキ……と膨張する音を立てながら、地面はゆっくりと口を開き】
【十秒程度と経たずに、ぽっかりと人が一人二人程度通れそうな、穴が出来上がった】


「……何だ、これ?」

「何かの……入口?」

「また、能力者どもが騒ぎを起こしてるのか?」

「全くいつになったら魔制法が国全体に広がるんだ」


【地面の一部が隆起した"それ"は一言で例えるならば洞窟の入り口のように見えただろう】
【その穴の奥に何も見えないのは、夜だからなのかどうか定かではないが】
【昨今、反発を強められている能力者達が、またぞろ凶悪な事件に一般人を巻き込もうとしているのではないかと】
【怪訝そうな声、憤慨する声、様々なれど、わざわざその穴に入ろうと言う一般人はおらず、足早に立ち去るか、物珍しそうにスマホを構えるか】
【しかし、スマホを構えた若者達は、一様に怪訝そうな顔をする】


「おっかしいなー……この入り口、カメラに写らないよ?」



ヒュッ!


【不自然な程に軽い擬音。呟いた、若い女性の上半身が――刹那の内に吹き飛び、腰から上だけが、壁に叩きつけられると、人型の血肉の塊へと姿を変える】
【瞬間――それを見ていた全員に戦慄が走った】


【そこに立っていたのが何かを、誰も説明は出来なかっただろう】
【人型に見えなくもなかっただろうが、間違っても人間とは呼べない――まず、その身体を描く線は一つとして真っ直ぐ伸びてはおらず、非線形であった】
【体の表面はツルツルとしており、肉ではないが、金属でもなさそうだ。裸のようにも見えたが、凡そ人間らしい器官は見当たらない】
【頭らしきものは二つあるが、そこにも目も口もなく、代わりに両肩と左太腿、右胸と首の側面に、目と思しき器官が不規則についている。それらは卵の黄身のような動きで周囲を見定めていた】


【その姿が、化け物と呼ぶことすら躊躇うくらい異質な姿だったから、どう反応すべきかわからずに】
【分からずにいる内に、その姿が一瞬で移動し、別の男の頭を掴んだ】
【地面へと顔面を叩きつけられて、叩きつけられて、叩きつけられて、その顔が血糊で平らになるまで叩きつけられて】

「ひ、ひぃぃぃいいぃぃぃっ!!!!」

【誰かが叫んで、そこでようやく、固まっていた人々は声を上げて逃げ出し始めた】
【それは生存本能なのだろう。殺意を持った存在がその場に一人なら、みんなバラバラに逃げるのが定石だ】
【気紛れな獣が自分を追ってこないように祈りながら、不幸な誰かが捕まっている間に、逃げ果せる。シンプルだが無力な一般人には最善の逃走法――だと言うのに】

【別方向に逃げだした三人が、同時に一か所に纏まってグシャ、ぐちゃ、ブチュッと音を立てて、一つの肉の塊となった】


【誰一人その意味を理解し得ないだろう。何しろそれどころではないのだから、振り返る者すらいない】
【週末の繁華街を血で染め上げた、その不可解な何かは、更にその場の人間を殺そうとするだろう――】


// 長いですが、戦闘ロール導入です。どなたでもお気軽にどうぞ。
206 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/07(土) 21:33:21.73 ID:K/c4uXt+0
>>205

――――――――くらえっ空飛ぶコマ・ブレード!!

【突拍子もなく響く、こどもの声色。それと同時に異形に向かって飛翔するナニカ、風切り音を立てて】
【それは空色をした半透明の――「曲線」だった。三日月の形、触れたものをそこそこの切れ味ですぱっと切り裂く】
【硝子みたいな質感のものだった。それを放ったのは、ひとりの少女。ありふれた人々の群れから現れた、たったひとつの人影】

【長く伸ばした髪はツインテール。日焼けした肌によく映える、真夏の入道雲色、まっしろ】
【白と青のストライプのワンピースを着ていた、裾は柔らかくふわりと揺れるフレアの形状、夏服だから生地は薄く】
【靴は何故だかトゥ・シューズ。バレリーナが舞台上でしか履かないやつを何故か、街の中でも履いていて】
【一言で言ってしまえば何の変哲もない、子供でしかなかった。けれど空色の瞳はしっかり、敵意を持って異形を睨み】


みんな逃げて、逃げて! コマがあいつやっつけちゃうから、安心して、遠くへ!!
さーっおいでバケモノめっ、「トリカゴ」の「小鳥」――――駒鳥の駒子が、キミのことやっつけちゃうんだからっ!!!


【先述の攻撃が当たろうが、当たるまいが。少女はそう宣言して――異形の注目を一身に集めようと】
【声高らかに宣言する。けれど少女の脚は――微かに震えていた、あたりまえだろう、恐怖から来るもので】
【けれど絶対逃げようとしない。自分は「トリカゴ」の加護を持つ、戦闘員でもあるのだから――一般人を守るのは当然のこと】
【そう思っているらしい。だから、汗を流しながらも、震えながらも、異形の目の前に立ち塞がった。……たったひとりだけ、だけど】
207 :《chaos》 [sage saga]:2018/07/07(土) 21:58:09.57 ID:/2otPwoUO
>>206
【宙空から襲い掛かって来る、その"曲線"は、完全な不意打ちとなった】
【自身が攻撃されることに大きく意識を裂いていなかったのか、無防備にそれを受ければ化け物の背中に大きく裂傷を刻ませる】
【血が噴き出す代わりに、裂けた身体から黒い砂のようなものが溢れ出て来る】

《――53616c7465645f5f4c5c82c5c19e6e25f0129e8570bc89b2242ae5193ab94f6a!!》
《53616c7465645f5f3d38e9144ea0414f908ee0c7d00e47054ec7a4896be785257d5b8911d132e432817ac3ff6e48eba2!?》


【意味不明の文字の羅列を口にした異形は、取り敢えずそれで注意を彼女へと――この修羅場にはそぐわない夏服の少女へと引き付けられた】


「た、助かった…!!」
「こ、子供……?いや、でも能力者なら……ど、どうせこれも、お前らの不始末だろ!」
「ひ、ひぃっ!そ、そいつを早くやっつけてくれ!」

【逃げ惑う人々は感謝したり、悪態を吐いたり様々な反応を返しながら逃げ去って行く】
【その場に残って成り行きを認めようとする者は、当然ながらいなかった】

【一方その奇妙な姿をした"何かは"全身に広がった幾つもの目を少女へと向けて】
【いくらかぎこちない動きで少女へと身体の向きを変えながら、腕を持ち上げ――】


――――――――――――――――――


【持ち上がった瞬間に、少女のすぐ傍に立っていた】
【高速で接近したとか、或いは能力で瞬間移動したとか、色々理由は有るのだろうが、とにかく初めからその場にいたかのように。振り上げた腕が、少女へと振り下ろされる】
【しかし、先の攻撃はそれなりにダメージになっているらしい。一般人を殴りつけた時よりも動きが鈍い】
【少女が冷静であれば、十分に回避できるタイミングだった】
208 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/07(土) 22:22:12.54 ID:K/c4uXt+0
>>207

【「どうせこれも、お前らの不始末だろ」。その言葉に、少女はあからさまに悲しそうな顔をした】
【コマだって、トリカゴの子たちだって、そうじゃない能力者たちだってみんなみんな】
【いつもがんばってこういうバケモノを倒して、助けてあげてるのに、なんで――って思うけど】
【振り切る。きっと表情を引き締めて、もう一度異形の姿を見ようとして――――】

…………え、あ!? きゃあっ!!

【もうすでに「そこ」に異形の姿はなく。ふと隣を見たらそこに居たから――悲鳴をあげて】
【振りかぶられた腕から慌てて逃げる。動きが鈍いのには助かった、すばしっこいのが少女の取り柄だから】
【それで避けることには成功したが――異形の攻撃によって、さっきまで少女が立っていた地面に罅が入る】
【それを見てぞっと顔を青くした。……直撃したら死んでしまう、「スゴモリ」で治してもらう前に、即死する】
【ならばその前に倒さなきゃいけない。考えるのはそれだけ、焦りながらも体を動かして――――】


くらえっ、コマのツインテブレード、二枚斬りっ!


【くるっとその場でターンする。広がるスカートの裾、棚引くツインテールの毛先】
【それらが描いた軌跡の上に――先程と同じく、空色の「線」が発生する】
【先程放ったモノよりもうすこし長く、大きく。描かれた線は上から下から、ふたつの位置から】
【異形の頭と、脚の両方を狙って同時に発射される。当たればさっきと同じことになる、すぱっと、肉を切り裂くのだ】                                                                                                                                           】
209 :《chaos》 [sage saga]:2018/07/07(土) 23:13:27.29 ID:/2otPwoUO
>>208
【ここ水の国では、特に能力者達への当たりが強い――命を救われてすら、この有様で】
【水が染み入るように人々の意識は変えられているのだろう。"悪いことが起こるのは能力者達のせいだ"と】


【しかし、少なくとも今目の前にいるこの何かは、能力者とも言い難いものだった】
【素早く回避した少女のいた地面を、腕が粉砕する】
【先程、一般人をすり潰して見せた様子からも、速度はともかくパワーはかなりあることが伺えた】
【戦い慣れた者ならば、この異形はスピードの遅さを、瞬間能力で補うような戦闘スタイルだと気付くだろう】

【曲線のみで構成された触手のような腕は見ているだけでも正気を削りそうな様相で】
【肉とは言い難いつるつるとした表面に口がいくつか、浮かび上がって、ペチャクチャと何かを喋っている】


《53616c7465645f5fbb511e1e4a31add3e3182658fc9dada2bb91ece741b543fe85939f64bac4151e824f6eb76ad46f0731b315ceb73ebbb05fc92a8e5de40a490627ebe4f40b1758!》
《53616c7465645f5ffab35c93608523f371e63de8a76b87dae5beb12a8bf22fecdbfb1fa5734390c80561839a5a69dc600dfeed88a242582c81e56dd5e060652d3b5d97f6f17a0f19f582bf8eb43d70d9…》

【何かを、不可解な音域で呟いている。どう発声しても発音できないような言葉だが、声色が複数有ることだけは分かった。まるで自分だけで会話しているように】


《53616c7465645f5f97abb5c9b4bbbacff2e21fb2a2d5a104fb0487fa626b82ce3e5df17b0a763c326483a44f8db9b8cba08ad6f49e989bf0ba354f034a2295f9!!》


【言葉の内容は不明だが、先の一発で少女の攻撃を警戒しているのは見て取れた】
【"線"による斬撃……初見でその特性を理解するのは不可能だろうが――そこは恐らく癖なのか、この異形の持つ能力からしてみれば致命的】
【技名を叫んで、発動を教えてしまっているのだから】


《53616c7465645f5fa44555f435d2299bbe4ab9d5ed72d1fc80764c0f1cdd60b01e20ef9482a5c195!!》


【聞こえる声が弾む、ちょっと調子に乗ったような音調だった】
【再び、瞬間移動――繰り出された少女の攻撃をすり抜けて、鞭のようにしならせた腕を少女の腹部目掛けて横薙ぎに振るった!】
210 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/07(土) 23:26:59.18 ID:K/c4uXt+0
>>209

なに? ナニ言ってんだかぜんぜんわかんない、人間の言葉しゃべってよっ――――

【言葉というより文字列。声というより音。そんなもの、ただでさえ頭の悪い少女に理解できるはずもなく】
【聞いていて頭がくらくらするとまで思い始めていた。顔を顰めて、片手で頭を押さえて】
【……それでもちょっとだけわかってしまったことがある。バカにされた。それでむっとしてしまって――】
【今度振り上げたのは脚だった。あまりにも易々と180度、開脚。柔軟性はかなりある、と、それだけ教えて】
【振り下ろす。トゥ・シューズの爪先が描く軌道の上、長い長い線が描かれて――――】

【――――でもその先には何もなかった。は、と息をのんで――また隣に来られる、って思ったときには】


ぐ、―――――――ぅエ゛ッ!?


【異形の腕が薄っぺらい少女の腹に、やすやすと埋められた。べきべきと肋骨が何本もダメになっていく、音】
【そしてその勢いのまま吹っ飛ばされて、近くの建物の壁に叩き付けられる。ばん、という大きな音】
【それからそれをずるずる伝って落ちていく音――ツインテールの毛先だけが、未練がましく壁の上のほうに貼り付いて】


げっ、……ほ、けほっ、お゛えっ……はあっ、
(――――ネム、ネム、聞こえる!? コマだよ、コマなの、痛いの、早く助けに来て、水の国――――)


【口から零れ落ちる血液によって言葉の悉くが溺れて沈む。けれど彼女に最早、それは必要のないものだった】
【「サエズリ」。トリカゴの子供たちに与えられた特殊能力。パートナーにだけ伝えられるテレパシー】
【それによって救援依頼を出した、相手はパートナーである少年、合歓。ここに来てくれって頼んで】
【――――「ハバタキ」を使って逃げないのは。この異形をこのままにしておいたら、他の人が殺されちゃうから】
【そんな青臭い、正義の味方ぶった考え方からくる理由だった。馬鹿らしいと笑われるだろうか、それでも】
211 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/07(土) 23:40:26.18 ID:AqocSDCr0
置きスレ>>82

……そうかい。そいつぁ良かった。

【普段の軽薄な装いも、本性としての振る舞いも今の棕櫚には見られない】
【冒涜者の短い言葉。それは、二人の思想が似通っている事を示していた】

【己にとって一番に据えたもの以外は全て要らない。冒涜者にとっての一番が何かは解らない】
【しかし、棕櫚にとっての一番は――「白桜」。鬼哭の島で共に生きた家族。それだけを真に欲して】
【「白桜」を取り戻せるのなら、他の全てなど蔑ろに出来る。それは冒涜者も同じだろう】

【―――】

【切り替わった空気。それは小休止の終わりを意味していた】
【冒涜者が部屋を出た僅かな時間に「カリヤ」を見遣る――やはり、何の感慨も無い】

【そんな折、冒涜者が台車を押して戻ってきて。台車の上に乗っている男に一瞥をくれる】
【もごもごと何かを言っているが大よそ想像が付く。故に棕櫚は失笑する。侮蔑を向ける】


「ぁ、ぁああっ、だれでもいいの。……ぱぱ、まま…たすけて、たすけて……
 たすけて、……たすけて。助けてくれるなら………にいさまでもかまわないの」


【虚ろな「カリヤ」の瞳。洩れ出る吐息に絡むのは「ルル」の弱った意識】
【外堀を埋める様な冒涜者の言葉に「カリヤ」と「ルル」は身を竦ませる】

【更に追い討ちをかける様な言葉が耳に入る。耳を背けたくなる言葉によって】
【顔を横に背けると、その先には棕櫚の嘲笑を滲ませた視線があった。それが「カリヤ」は自分の立場を理解して】
【解りやすい恐怖から逃れるように、一心不乱に床に転がった男に刃物を何度も何度も突き立てる】
【そして男は死に、カリヤに取り込まれ。半狂乱したまま冒涜者達に襲い掛かる】

【もし冒涜者が何かしらの行動を取らないのであれば、棕櫚が冒涜者に代わり「カリヤ」を制圧するだろう】
【何せこの場において貴重な研究者だ。それを傷つけられるのは不都合であるから】
212 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/07(土) 23:52:34.88 ID:K/c4uXt+0
>>211

【まだ出会って少ししか経っていないと言うのに。それでも冒涜者は、棕櫚という男に】
【強い強いシンパシーを感じていた。世界はふたつに分けられる。何よりも大切な唯一無二と】
【それ以外の有象無象、なんにもいらない、どいつも一緒。そういう価値観を持っている、と】
【短すぎる言葉のやり取りで確信したようだった。そうしたら、……少し、笑って】


【――――男が死んで、カリヤの一部になる。棕櫚と並んでそれを見守って】
【思っていた通り、此方に襲い掛かってくるカリヤにそうと手を伸ばす――例の手袋を、嵌めたまま】


よくできたね、おりこうさん、カリヤちゃん。それじゃあ試しに――――
――――一度死んでもらうからね。さ、準備して。


【両手で頬を包むように。口付けする前動作みたいに、カリヤに触れたなら】
【手袋に包まれた指先――親指を。思いっきり両の眼球に、突っ込もうとするのだ】
【それが抵抗したら、躊躇なく「糸」を伸ばす。眼球の内部を食い荒らし、硝子体をぐちゃぐちゃ掻き混ぜたあげくに】
【耳からしたのと同じように。神経を伝って脳まで糸を通して――今度は、脳全体を、ぐるぐる巻きにしてしまう】
【それで――――「ぎゅっ」。握り潰して殺そうとするのだ。脳を糸で縊り殺す。こんな殺し方、されたことあったろうか】

【一連の動作中、冒涜者はずっと微笑んでいた。まるで結婚式の誓いのキス、する直前の花嫁みたいに、幸福を示すように】
213 :《chaos》 [sage saga]:2018/07/08(日) 00:18:14.13 ID:NTzYtRo9O
>>210
【一撃――少女の放つ線の攻撃をすり抜けて放った腕は、即死させるほどの威力ではなかったが】
【それでも少女の肋骨をへし折って、その軽い矮躯を軽々と吹き飛ばした】
【叩きつけられた壁にズルズルと引きずられて落ちる様子を見て、異形が感情らしきものを見せる】


《53616c7465645f5f96fd98cdf1dc7e571050665057336d02c6c852707b2806b5e028abfc89da095ccfc897d34644f808!!》
《53616c7465645f5f6d98b361e2b9f88a0f99a161fa5c14f994fc32e14f3df73a?》


【それは喝采めいた声だった。例えば、サッカーで応援していたチームがゴールを決めた時のような、無邪気で無責任な喜びの感情だ】
【たった今振るった自分の腕に視線を向けて、先程の骨を砕く感触に酔いしれている】
【すぐに追撃に来なかったのは、その感情的な隙のせいだったから、少女の持つもう一つの能力で救援を呼ぶ暇が有った】



【しかし、"サエズリ"はどこまででも届いても、呼びかけられた少年がすぐ近くにいるとは限らない】
【ならば、少女の方が逃げて合流するのが得策なのだろうけど――そうしないのは、彼女の純粋な正義感からか】



【どちらにせよ異形がそれらの事情を知ることはなく。ようやく少女が生きていることに気付いたとでも言うように、顔を向けて】
【今度は瞬間移動ではなく、のっしのっしと近付いて来た。もう戦闘不能だと悟ってのことだろう】


《53616c7465645f5f1d6cc63d3524d9f6c228de37b1bced2e5eed953940014e967aed59a5419c43e110d08df97473afba026032321aa137d6ee94f1a1170e45c14ebdea417d9dc6f71360921b28913344》


【やっぱり何を言っているかは分からない――しかしやろうとしていることは明白に過ぎる。トドメを刺しに――】
【しかし、既に少女が戦闘不能だと思ってか、再び腕を持ち上げる動作は全く隙だらけだった】
【その余裕が少女に有るかはともかく、この異形は、能力に依存しきっているだけで全く"戦い慣れて"いなかった】
【今まで正義の組織で戦い続けて来た少女とは比べるべくもないくらいに】
214 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/08(日) 00:20:50.08 ID:rAnNrd4V0
>>212

【何時でもカリヤを制圧できる準備を整えていたが、それは不要だったみたいで】
【冒涜者はカリヤを優しくいなしていた。そして、ソレは"解剖"の再開を意味していた】
【カリヤに行う一連の行為は、"解剖"とは程遠く。幸福絶頂に居る者の行いに見えた】


――さぁて、どんな理屈が咲くのかねぇ。
――さぁて、どんな理屈を以て裂くのかねェ。
俺の予想が当たるか、冒涜者殿の予想が当たるか。どちらにせよ賽は振られた。


【"さぁ見世が開く。綺羅は纏わせてやってんだから哀絶を唄って見せろ"】
【棕櫚はカリヤの絶叫を唄に見立てて。冒涜者はカリヤに微笑みながら誓いの言葉めいた事を口にして】
【気分はさながら結婚式に出席する招待客の様――尤も、棕櫚は冠婚葬祭の類には出た事は無い】


「ぁァァあああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!!!!
 あッあっあっつああああああっっつぁああああああああああああああああぁあっぁあっっ……」


【棕櫚はカリヤに向けて瞳術を発動させ、カリヤの視界を奪う。そうしてささやかなアシストが行われ】
【カリヤの眼球は女性特有のしなやかな指にて潰されて。ぐちゃりと厭な音が鈍く響く】

【両目から零れる血涙はこれから行われる惨劇から一目散に逃げようと零れ出て】
【冒涜者の親指から伸びる糸は眼球を食い荒らした後、脳へと到達して。脳を握り潰す様な軌道を描く】

【誓いのキス代わりとなるのは、眼球を突く親指。誓いの言葉に代わるのは、カリヤの絶叫】
【逢瀬にも似た背徳、否。冒涜によって、カリヤの脳はぎゅっと握り潰され――その瞬間、「カリヤ」は死に絶える】
【ともすればカリヤの取り込んだ人格はどうなるのか――答えは直に出た。】


「――――――…………」


【カリヤの人格が死亡した直後、他の人格もカリヤの死に攣られた様だ】
【「ルル」も、先程のチンピラも。先程まで喚いていた人格達は沈黙していた。詰まる所――棕櫚の予想が当たっていた】
【故に棕櫚はケタケタと笑いながら、壊れた玩具と化したカリヤへと視線を向けるのだった】
215 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/08(日) 00:29:16.05 ID:uwJwd8aG0
>>213

【少女は壁づたいにへたり込んで――それでも倒れはしなかった】
【膝立ちの状態。苦し気に片手で腹を押さえて、時折血混じりの咳を零して】
【――それでも前を向いていた。この異形を倒さねばならない、その気持ちはまだ死んでいなかった】

【またも迫りくる異形に向かって。少女は、腹を押さえている手とは逆の手を上げて】
【何度も何度も、虚空に、がむしゃらに振り回した。何かの図形を描いているわけでもなく】
【ただ単に気が触れてしまったかのように、何度も何度も、縦横斜め、いろんな角度に振り回して】
【それは、すっかり調子に乗ってしまった異形から見たら。こっちに来ないでって必死に抵抗しているようにも見えただろうか】
【だとしたらさぞかし滑稽に見えたことだろう。殺される寸前の羽虫がばたばたもがいているのに、よく似ていたから】

【――――けれど違う。これもまた、少女にとっては列記とした「一手」であった】


――――――コマ・スペシャル・ばりあー……っ!


【乱雑に何度も何度も描かれた指の軌跡――そこにはまた「線」が曳かれていて】
【先程までと違うのは、それが一ミリたりとも「動かない」ことだった。ぐちゃぐちゃ書いて塊になった線、それは】
【少女と異形の間に挟まる簡易的な防壁となるのだ。そして異形がその、線の塊に触れようものなら】
【それは一斉に弾け飛ぶ。触れたものを切り裂く斬撃波として――触れられた瞬間に炸裂するのだ】
【防御、そこから来るカウンターとしての技だった。それを繰り出したのはおそらく――時間を稼ぐため】
【誰より何より大切な、彼女の「救世主様」が此処に来るまでの。時間稼ぎだったけど、はたして】
216 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/08(日) 00:38:44.36 ID:uwJwd8aG0
>>214

……僕、賽の女神様にフラれちゃったみたい。
つまりあなたの勝ちだよ、あーあ……別に何か賭けてたわけでもないけどさあ。

【全部死んだ。優しい少女の人格が残る、という冒涜者の予想は見事外れ】
【可哀想な玩具、カリヤ。心優しい少女、ルル。それから名も知らぬロクデナシ男】
【みんな一斉に「いなくなって」しまったのだから――はあ、と溜息。ちょっとだけ悲しそうな表情】


……、……ね、これって。これでさ、「イノチ」の重さは皆平等、ってことの証明になっちゃったのかな?
だったらやだな、……僕はそうあってほしくない。一番大切で大好きなヒトの命だけ、この世で一番重ければいい。
そのほかなんてどうでもいい、本当に、どうでもいいんだよ……せいぜい風船ぐらいの重さしかないって。
針でつつけばすぐ死ぬくらいの、くうだらない、しょっぽいものであってほしかったのに、……


【……たぶん、棕櫚が思っていた以上に落ち込んでいる。カリヤの目に突っ込んでいた指を引き抜いて】
【血やら涙やら硝子体やらでどろどろ汚れた手袋を脱いで、放り捨てる。一回きりの使い捨て品だったらしい】
【それで、床に転がったカリヤを見て。……その眸からは興味の色が失せていた、まるでこの極寒の国の空気のように】
【つめたいつめたい視線――ゴミか何かを見るような顔して、もうひとつ、溜息】
217 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/08(日) 01:10:04.61 ID:rAnNrd4V0
>>216

クカカッ、まあ気を落としなさんなよ冒涜者殿。予想をハズした程度で項垂れんなよ。


【悲しそうな冒涜者。けれどソレは慈しみではなく、己が内に飼われた理屈に基づいてのものだと棕櫚は知っている】

【現に先程までカリヤに睦み言めいた言葉さえ掛けていた冒涜者の目には興味関心が失われている様に見える】
【これを詰るのも、からかうのも悪くは無いが。似たような理屈を飼う者同士への情が湧いて――】


この結果一つで、「イノチ」の重さが皆平等って証明なるってのは違うんじゃねえ?
行き着く先である「死」が平等であるだけ。そこに至るまでの「イノチ」の重さは千差万別さ。
だからよう、そこまで気落ちする必要も無いだろう。それにこの結果一つで全てを決め付けるのは早計だと思うぜ。


【棕櫚は冒涜者へと歩み寄り、ぽんっと肩に手を置いて慰めの言葉を掛ける】
【似たような理屈を飼う者同士放って置けなかったのもある。何より、自身が気落ちした冒涜者の言葉を認めたくないから】
【故に、棕櫚は冒涜者を慰めるべくソファに置いていたビジネスバッグの中からタブレットを取り出しながら】


冒涜者殿よう。カリヤに似たモンを用意できるって言ったらどうするよ。喰い付くかぁ?
俺は一人心当たりがある。ただ、そいつは俺が手綱を握ってるわけではないから直に用意できるとは断言出来ない。
単に心当たりがあるって程度だ。それでも良いなら耳を傾けてくれネエか?これは単に似た理屈を飼うアンタへの同情だ。


【棕櫚は、口にする。棕櫚は、言葉を連ねて希望を紡ぐ。それは棕櫚が追い求めている女を匿う不届きモノの名】
【棕櫚は、言葉を口にする。それは、気落ちした冒涜者を慰め、新たなる希望となるかもしれない救世主の名】


そいつの名は――カイってんだ。裏社会に身を置くアンタなら聞いたことがあるかも知れないなぁ。
俺はそいつに縁がある。そして冒涜者殿にとっても良い縁になるかもしれないぜ。


【取り出したタブレット。それに保存されたファイルの一つに公安が、否、棕櫚が調べ上げた"カイ"の情報が事細やかに記載されていた】
【だがそれを冒涜者には手渡さない。今は、まだ。冒涜者がこの話に乗ってきたのなら――渡すのはその時】
218 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/08(日) 01:23:23.64 ID:uwJwd8aG0
>>217

……あなた意外とやさしいね、ミスタ。
もっとこう、バカにされるとか、ザマーミロって笑われるかと思ってた。
それか……これは演技? それとも気紛れだったりする? ……ま、どっちでもいいか。

ありがとう、――――棕櫚。そうだね、僕――これからもがんばるよ。

【肩に置かれた手の温度にすこしだけ吃驚してしまう。最初はぽかんとした顔をして】
【――その次には柔らかく、心の底から嬉しそうに。やっぱり幼く笑うのだ】
【そして「頑張る」なんて言う、つまりこれからもたくさん、たくさんたくさん――】
【カリヤのような。ルルのような。男のような。「犠牲者」をこれ以上に増やしていく、と言うのと、同義だった】

…………そりゃあとても喰いつくよ。カイ? カイ、ええと……
確かにどこかで聞いたことあるかもしれない。あなたの知り合いなんだね。

ひと、おに、と書いて――――カイか。成程、面白そう。
犯罪者だから、公安であるあなたと縁がある――ってワケでもなさそうだね。
ふふ、どういう仲なのか気になるけど……今は聞いておかない方がいいかな。

【「それとも。喋りたいって言うんなら聞いてもいいよ、その代わり、僕も誰かほかの人のこと、喋っちゃうかも」】

【くすくす、面白がるような笑い方。なんとなく察した――カイとやらと、棕櫚の間にある関係性】
【だけどそれは敢えて突っ込まない。タブレットを覗き込みながらそうして――データをくれるなら、ありがたく頂戴する】


……さて。これから「カリヤ」ちゃん、どうしよう? 何かに使えるだろうかねえ……

【そんな、和やかなムードで会話していたのに。ふと思い出したかのように、血塗れの床を見て】
【其処に転がる一人――ともうふたり。それを眺めて首を傾げる。くれてやっていいと言うなら有難く頂戴するだろうし】
【持ち帰りたいというなら、そのための手配をするだろう。動かなくなった人を、誰にもばれないよう運ぶ方法】
【よく知っているから。手際よく、つつがなく、棕櫚のもとへと返却されることだろう】
219 :《chaos》 [sage saga]:2018/07/08(日) 01:30:41.06 ID:NTzYtRo9O
>>215
【虫の息となった少女――まるで殺されかけている者が滅茶苦茶に手を振り回すのにも似て】
【事実、この異形もそのように認識していた。だからトドメを刺すのに何の警戒もなく――】
【振り下ろした腕――壁に支えられた少女にそれが当たれば果実のように弾けてしまっただろう……しかし】


《53616c7465645f5fd9c54f7244d5dc0986bb117b6f62dfdd3c11c6b0e08fa1a186356244db10fe5495944861b34549f7!!》


【異形の今度の言葉は純粋な叫び声だった。闇雲に振り切っていたその手はしっかりと線を描いていて】
【無防備にそこを通過した拳はミキサーに巻き込まれたかのように切り刻まれる】
【へしゃげた腕からは大量の黒い砂――間近で見ればわかる。黒い砂に見えたそれは、"文字"だった小さな文字が無数に傷口から漏れているのだ】

【力を失った片腕を押さえながら、異形はその場から消え去り、距離を取った位置に現れる】
【まだ少女の目に見えにくい力の全貌を把握せず、警戒しているのだ】
【しかし、依然として少女は虫の息。大きなダメージを与えてはいても、それは時間稼ぎに過ぎない】


【異形は腕を切り刻まれた怒りや苦痛に湧き立たせるよりも、とにかく少女の出方を伺おうとしていた】
【それは取りも直さず、少女の時間稼ぎの手助けをすることになっていて】
220 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/08(日) 01:41:46.41 ID:uwJwd8aG0
>>215
【"サエズリ"を聞いた時、青年――合歓が近くにいたことは幸運だった】
【相方の少女はどこにいようと、青年の場所に移動できるから、自分が少女の傍にいることを意識する必要はなくて、他の国をフラフラとしていることも多かったからだ】
【なのに、今はこっちに飛んでこない。事情は知らないが逃げられない状態にあると言うことで――】
【逃げて来た一般人を見掛けてほぼ、それは確信に変わった】
【滑り込むように、戦闘の場に乱入し、相手の姿をちゃんと視界に収める間もなく、相方の少女の前にやって来た】


コマッ!!
……お前、何でこんな……逃げて来いよ、馬鹿ッ!


【次いですぐに戦闘の相手を見る】
【一目で真っ当な人間ではないと分かる姿――ダメージを負わせたのは目の前の少女か?】
【……とにかく、重傷の少女を抱えて戦う気にはならなかった】


お前の考えてることは分かるけど……でも、ここは逃げるぞ。
一般人もお前が戦ってる間にほとんど遠くに逃げたよ。
あいつが他所を襲う前に、他の組織も動いてくれる。


【頑固な少女を説得する前に取り敢えず目先の危機が去ったことを伝える】
【実際言った通りになるかは別として、一般人の命よりは、目の前の少女を治すことの方が優先だった】
221 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/08(日) 01:43:17.02 ID:rAnNrd4V0
>>218

【"これでも俺は気の利く棕櫚さんで通ってるんだぜ、クカカッ"とおどけた口調で言葉を返し】
【にかっ、と人の警戒心を解く様な混じり気の無い笑みを冒涜者へと向ける棕櫚】
【恐らくこれは演技ではないが、気紛れの類であろう。ただ、装いではなく、本心からの気紛れ】


まあ、知り合いといえば知り合いだが、それを聞くのは野暮ってもんだ。
そこら辺は"カイ"をとっ捕まえて"解析"なり"解剖"する時にでも話してやるよ。
ちょっとした世間話の感覚で。これから手渡すデータの補足としてな。


【けらけらと笑いながら棕櫚はデータを冒涜者へと渡そうとするが、面倒なのでタブレットごと手渡した】
【ぽいっ、と投げ捨てる様に放物線を描くタブレット。ただ、それは女性でもキャッチ出来る様最大限配慮して緩やかに】


そうさなぁ…俺はもうカリヤとか言う壊れた玩具には興味が無いんだ。それに有効活用できる術もない。
壊れた欠陥品を押し付けるのも気が引けるが、アンタにくれてやるよ。

潰した目玉の代わりには硝子玉でもつっこんどきゃいい。腐らない様にホルマリン漬けにでもして置けばいい。
お人形が大好きな物好きが居たらそいつに高値で吹っかけて売り飛ばしても構わない。
何せ、あんなもん大した価値の無いゴミだ。それが利用できる価値が在るか無いかの違いだ。


【"ゴミ程度に気を揉むなよ、冒涜者殿"――棕櫚は、屈託無く笑う。血と惨劇が彩る場に相応しくない顔で】
222 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/08(日) 01:58:23.07 ID:uwJwd8aG0
>>219-220

【やってきた青年を見て、少女はぱっと花咲くように笑う。痛みなんてどこかに置き忘れてきたように】
【ネム、と名を呼べば、血の混じった咳が零れた。ううんと唸って、それでもやっぱり、ばかみたいに笑って】
【やっぱり来てくれたんだって喜ぶのだ。まだ目の前に、敵がいるのに】

……でも、さっきまでは、まだ、ひとがたくさん……いたもん。
コマがやっつけなきゃって、思って、それで……がんばったのに。
……、……ネムは褒めてくれないの?

【怒られると悲しそうな顔をする。あまりにも単純に――眉根を下げて、目に涙さえ滲ませて】
【逃げるぞ、と言われればでも、と言いかけて。それでも最終的には小さな声で「うん」と言って、頷いてしまう】
【いつでもそうだった。駒子は合歓に逆らわない。どんなことがあっても、だ】

逃げる、逃げるけど、その前に……ほんとに他の組織の人、動いてくれる?
それでほんとに……これ以上誰も死なない?

【それでも、まだ心配は尽きていないらしい。不安そうな顔して訊いてくるけど】
【この少女はバカだから。それっぽい理屈を並べれば、すぐに納得してしまうだろう】
【それに合歓の言うことだから。なんでもすぐに信じてしまう、だから今は、適当にそれっぽいことを言えばいい】
【そうすれば少女は合歓に抱えられる、あるいは肩を支えられるようにして――この場を去っていくだろう】
223 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/08(日) 02:07:32.38 ID:uwJwd8aG0
>>221

……オラオラ系のそーいう、実は優しいみたいなギャップ。
絶対女子ウケいいと思うよ、どんどんアピールしてきなよ、そしたらもうモッテモテだよきっと――――

【棕櫚がモテを意識してるかなんて知らないが。というかたぶんしてないと思うが】
【語る言葉はそんなものだった。恋愛脳っていうかスイーツっていうか】
【とりあえず、鉄錆のにおいの充満するこの場には、あまりにも似合わない台詞であることは確かすぎた】

そう、ね……それで捕まえるのに難儀してたってことかな?
けっこうなじゃじゃ馬さんなんだね、言ってくれれば捕まえるの、手伝うよ。
勿論その後の解析だって手伝うし。……話してくれるの、楽しみにしてるね。

【タブレットを受け取って、数度ついついスワイプして情報を眺めていたが――ホームボタンを押して】
【一度切ってしまう。そしたら机の上に置いて――またカリヤに視線を落とす】

あらら、手厳しい。それじゃあ有難く「使わせて」もらうね――――ふふ。
それじゃあミスタ、今日は本当にありがとう――――あなたと出会えて本当によかった。

【屈託のない笑みには同じようなものを返して。それで、これ以上何も話すことがないなら】
【来たときと同じように、空港まで車でお見送り、するんだろう。その前に――「あ、忘れてた」とか言って】
【真白な名刺を渡しておく。魔術的解析を行えば、この廃教会へのアクセスと】
【冒涜者のメールアドレスの文字列が浮かび上がってくる仕掛けのもの。……面倒だけど、それくらい、隠しておきたいものらしい】
224 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/08(日) 02:16:29.85 ID:uwJwd8aG0
>>222
【こんな状況だと言うのに、いつものように青年の態度に不貞腐れたように萎んで見せる】
【まるで今対峙している敵のことなんて忘れてしまったように、その目には青年しか映っていないようだった】
【しかし、青年の側はそういう訳にもいかない】


ああ――だからお前がここで頑張ってたお陰だ。
後でいっぱい褒めてやるし、ご褒美もやるから、今は言うことを聞いてくれ。


【な、とポンと頭を手を置く。安心させるように】
【中途半端な理屈をこねるよりも、こうする方が少女には効くと思っているから】


大丈夫だ。水の国は先のサーペント・カルトの事件も有って警戒度が上がってるし。
公安関係者を始め、能力者だって一杯見回りに来てる。
すぐにあいつも退治されるよ。


【だから適当に理屈を並べ立てた――ほとんどその場しのぎの理屈だったが少女を納得させるには十分だろう】
【幸い、化け物とはまだ距離が有る。少女の軽い身体を抱えると、とにかくその場から離脱しようとするだろう】
225 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/08(日) 02:23:14.28 ID:uwJwd8aG0
>>224

…………うん。じゃ、ネムのいうこと聞く……おうち、帰る……

【ダメージは思っていた以上に大きかった。そしてもう、疲れ切っているのだろう】
【合歓に抱えられるや否や、耐えきれないと言うように瞼が伏せられる。そのまま眠ってしまうだろうか】
【そして、どこかで起きて。「スゴモリ」で治してもらったなら――またぱあっと笑うのだ、そして】


わあ、もう何も痛くない、ありがとっ、ネム!
ネムはやっぱり、コマの「救世主様」だあ――――うふふ、大好きっ!!


【そんなことを宣って。強制的にハグしようとするのだろう、病み上がりだってのに。】
226 :棕櫚 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/08(日) 02:26:24.69 ID:rAnNrd4V0
>>223

そうさな、難儀してる。現在進行形で難儀してる所だわ。是非とも協力して貰いたいもんだ。
そうすりゃ今後の実験のお手伝い位はしてやるよ。何、同じ理屈を飼ってる者同士だ、持ちつ持たれつさ。
そして楽しみにしてな、そのときはタップリ唄ってやるからよ。

【終始和やかな雰囲気で惨劇を繰り広げた二人。それは始まりから終わりまで】
【路地裏から空港まで。同類たる二人はまるで悪友の様に在り続ける】

【"あなたに出会えて本当に良かった"――この言葉を聴くのは何回目だろうか】
【何度言われても悪い気がしなかった。だからか、別れ際に棕櫚は――】


――精々、己の理屈で世の理を屈してみせるんだな。冒涜者殿。
アンタが飼う理屈が形になったら、そん時はその形を拝みたいもんだ。


【冒涜者に激励の言葉を送る。女性ウケを意図してやっている訳ではない】
【本心からの言葉。他者を有象無象と断じて、イノチの重みに序列をつける者同士の言葉】
【そうして冒涜者に見送られながら、棕櫚は氷の国を後にする】

【棕櫚の手には真っ白な名刺が握られて。それは何時か相見えるときの縁となる】
【己の理屈を飼う者同士の、邪なる正道が交わるキッカケとして――】


//長時間の絡み感謝ですっ!本当にありがとうございましたー!
227 :《chaos》 [sage saga]:2018/07/08(日) 02:29:11.15 ID:NTzYtRo9O
>>224->>225
【新たな能力者が現れたところで――異形はすぐには動き出さなかった】
【ただでさえ警戒していたところで、新手が来たことで、どう動くべきか迷っていたのだろうか】
【二人が立ち去って行こうとすれば、流石に追いかけようとするが――】


《53616c7465645f5f5c37f619ebf0344a81d9dae486500305》
《53616c7465645f5fff99c538cbe53747a398a4ec9a36d37d3f9ad7f75a9ca6878641f6b6fe1439da33ac0fee566be18cbb7d22259b8f84208822348e0bbb3276》
《53616c7465645f5f6c4262b0d5f5188ccd4ae046840a39f6f63fb0d168bd92077afe4af3cd2d5b2a4f9b7fb4a7089a5f054463b3524a06a4》


【異形は、身体に浮き出て来たいくつかの口で一人で言い争いを始めた】
【どこか喧嘩のような雰囲気をしばらく漂わせていたが――異形は結局二人が去って行くのを見送って、元の"穴"へと戻って行く】
【異形が去って行くと同時に、穴倉はその場で埋め垂れられるように入り口を閉じて】
【後に残されたのは、数人の無惨な死体のみとなった――】
228 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/08(日) 03:01:40.90 ID:uwJwd8aG0
>>226
//締めのレスが思いつかないのと、きれいに締めていただけたのでこちらも〆で!本当にありがとうございました!
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/07/09(月) 21:12:57.50 ID:HmZUmPSVo
【── 貴方は何処でそれを読むのだろうか】



【或いは自室の机で、或いは電車の中で。或いは、町中で立ち止まって深呼吸でもする様に】
【彼の連絡は何時も唐突であった。それはまるで夕立に似ていて、次の日には何も無かった様な顔をするから】
【だから手紙が届いたとしても貴方には、そう大きな出来事でも無いかもしれない】






【さて ── 】





【手紙は簡素であった。封筒には宛名も何もなく、無意識の狭間で見る夢みたいな無機質な絵面】
【それでも夢の中で納得する様に似て、封筒であると認識出来るだろう】
【封筒の中身は薄い紙が一枚、文面は一言。】



【── 話がしたい、と】



【認識と顕現は同時であった。正確にはどちらかが早いけれども、水掛け論に曖昧で答えて】
【貴方がその文面を理解したなら、手紙から文字列が零れ落ちていく】
【バラバラに分解された文字は一筋の線となり、水墨画の様に一人の男の輪郭を形どっていく】




【外套に身を包んだ、深淵の顔を持つ男。】



【フードの奥は相変わらずの暗闇で、それでも彼の、見えているという事実は変わらず】
【貴方を認識したなら一礼をするだろう。随分と恭しい様子だ】
230 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/09(月) 21:58:57.67 ID:fxNuNgAi0
>>229
【肩までの黒髪を後ろでまとめた壮年の男】
【くたびれた様子はなく、身綺麗にきっちりとスーツを着込んでいる様は多少は様になっているのだろうが】
【それでも敢えて特徴を挙げるとなると言葉が思い浮かばない。そんな平凡な男だった】


【星の国のシティエリアにある巨大なビル群――さりとてそこに生身の人間が如何程に存在するのだろう】
【鼠が入り込む隙間もないほどの監視カメラに当てられたその場所は、小さなカフェスペースだった】
【全自動で注文した飲み物を持って来てくれると言う利便性が極まったようなサービスも、今受けているのは、この男しかいない】
【最近では飲み物を飲めるような社員はほとんどいなくなってしまったからだ】


【そんな中、男は一枚の封筒を取り出す。あらゆるネットワークに囲まれ宙に描かれた文字盤が明滅する空間には明らかにそぐわない、紙の文書だ】
【驚きはない。この旧友はいつでも前触れなく連絡を寄越す】
【だから例えるなら、久しく連絡を取っていなかった友人が、突然メールを寄越したような、そんな面持ちで文面に目を通すのだ】
【内容に視線を通すのは一瞬で済んだ。ただ、この星の海は彼に取っては些か居心地が悪いだろうか?】


――心配せずとも良い。
"騙し絵の女"が、ここらのネットワークを拝借してくれている。
ここには誰の目も存在しないよ。


【若干宥めるような口調になってしまったのは、こんな場所にいることを言い訳しているのだろうか】
【今名前の挙がった人物に会いに来た帰りなのだと】
【敬意を持って接してくれる彼に取っては、逆に礼を逸したのではないかと、少し困ったような顔を浮かべるが、それも今更では有るだろう】
231 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/09(月) 22:19:21.68 ID:fxNuNgAi0
【街中――――喫茶店】
【店内満席。新規の客は、誰かと相席をしてくれと店員に頼まれることだろう、そんなさなか】
【二人掛けのテーブルで向かい合って喋る一組の男女が居て――とてもありふれた、風景の一部】

【男のほう。銀髪褐色、背の高い人物で――いくつか言葉を発したら、それで立ち上がって出て行こうとしてしまう】
【某ブランドのロゴの入ったシャツ――でも生地が安っぽそうなので、たぶんパチモン――と、色褪せたジーンズの】
【本当にどこにでも居そうな格好をした若者だった。去っていく際中、混雑した店内だから、誰かとぶつかってしまうかも】

【女のほう。まだ椅子に掛けたまま――一冊の本を読んでいた。カバーもかけずに、タイトルは、「三枚の蛇の葉」】
【有名な童話だった。ならばそれを読んでいる、暗赤色の瞳だってそれほど真剣みを帯びていない】
【細い銀縁の眼鏡をかけた耳に、垂れ下がってくる黒髪をかけて。去っていく青年に目もくれず――ぼうと頁をめくりながら】


………………ふうん、へえ。最近帰ってこないのはそういうことだったの、へえ……
ま、僕にとっちゃ「ヘビのカミサマ」なんて、どーでもいいことだけど。……このまま行けば、
――――死ぬんじゃないかなアイツ。だってただの小娘だもん、神様になんかかないっこないもの……


【――紡ぐひとりごとは、えらく物騒なものだった。だけどひとつ席が空いたから、相席するならこの女の向かいが丁度いい】


//出ていく青年か、座ってる女か、どっちか選んで絡んでくださいってアレです
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/07/09(月) 22:19:55.35 ID:HmZUmPSVo
>>230

【彼は周囲を軽く伺い対面の席に座るだろう。身のこなしに無駄は無く、機械を思わせる動きであって】
【タイプライターに似ていた。仕方が無い為の機能美、装飾があっても尚、其れは相応に近く】
【一息を付くと彼は言葉を紡ぐ。作家が呼吸をする様に文字を並べるのと近い】


相変わらず用意周到な事だ、── それぐらい念入りな方が私も安心するが
最も、私達の "無意識" が奴の形而下にある以上、既存のネットワークに絡め取られたところで
……すまない、皮肉屋は私の性分では無いのだが。検閲されるべき述懐とでも思ってくれ

まずは感謝を、── "虚数渡り" の力を借りる算段がついた。お陰様で、彼には負担をかける事になるが
本来ならば彼の頭脳と力が必要な場面だが、どうやら "基底現実" でバックドアを繋げておく役割を担ってもらわねば
お留守番と言ったら駄々をこねるかもしれないな。自分の手で殺したいとも言いそうだ


【一息、瞬きにも似た合間を開けて】


要件に入ろうか。── 今後の話について、私の計画を話しておきたい。
『モダンタイムス』は優秀な働きをした。幾人か能力者の力を借りる目処もたった所か、
── 其れに 『写し絵』 も見つかった。之に関してはまた報告するが

兎に角計画は固まった。今週中に私達は "虚構現実" へ向かう。
233 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/09(月) 22:41:09.18 ID:/E/ro0yM0
【風の国】

【古戦場跡に建てられた、かつてこの国の軍が用いていた訓練施設。老朽化に伴って民間へと払い下げられ、今は主に射撃場として利用されて】
【しかしこの日ばかりは、日常の狭間に転がる、花火のような鉄と鉛の煌めきとも異なった様相を呈していた】


【新兵器の実験=\―――その名目で貸し切られた巌の筐。人工の滑らかさをかつては示したその灰色は、ささくれ立つ卵の殻にどこか似て】
【けれど孵らんとする何者かは、朽ちゆくだけの忘却より、現実を裂くことを選ぶのだろうか】

【閃く火の雨が宵闇を裂いた。なお鋭く唸りを上げる白刃とともに幾重にも奏でるは、金属がよじれて裂ける断末魔】
【血を滲ます白は流れゆく時の烈しさを思わせて。櫻の装束に包まれた華奢な躰は、嵐に揺られる様細い影となる】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いでその容貌を飾って】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、修練着と思しき白い櫻の衣装を纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。 時の停まった様な一瞬を、熾烈な斬閃を以て自ら抉じ開けて】
【柄を揺らす反動を逃し、次の一閃を以てさらに多くの弾丸を斬り潰す。時に刀身の角度を変えて受け流し、時に握りを持ち替えながら数多くを停め、薙ぎ払う。】

【正気と思い難い修練を為すのは、そんな形容のできる人影だった。ぼやけた境界から出でる銃口、人影を目がけて放たれる弾丸、】
【ランダムという児戯に等しい理も、威と速度と数を以てすれば脅威そのもので。それも、やがてひとの眠る刻に相応しく静寂に飲み込まれてゆく】

(……虚神=Aか。これも、きっと本当の対策には程遠い。……それでも)

(少しは落ち着いた、かな……それにしても――――。)

【――――我ながら、無茶が過ぎないだろうか?慣れきった光景に浮かべる言葉は、さしたる感慨もなく過ぎ去ってゆく】
【十数秒の間に降り注いだ弾雨は実体弾に限らず、催涙弾や焼夷弾、呪殺用の構造弾の類までも含んでいた。それらを圧殺してのけたという事でもあるが】

【弾頭にこそ手を加えていると思われるものの、装薬量は軍用の装備そのものだ。響き渡った轟音もまた、分厚い隔壁を超えて耳に届くに十分となろうか】
【聞き留めれば。防弾硝子越しにその姿を見ることは、扉から道なりに歩んだならばそう難くなく】

【ならば装置を停め、小休止に入る姿は――先程までの音と火に包まれた空間に比べれば、幾分声をかけやすくはあって】
【逆に、黒曜の視線が誰かに触れることもあるだろう。それが、知る者であるのか新たな誰か≠ゥ。答えは、きっと今は誰も識らぬままだ】

/予約です…!
234 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/09(月) 22:51:10.40 ID:fxNuNgAi0
>>232
【まるで彼の方が、この機械の園に相応しいかのように、ともすれば人間味を見失うかのような彼の挙動】
【しかし、その内側に宿る熱を男は確かに知っている。まるでカードゲームで手札を広げるように】
【そしてそれを一枚一枚裏返していく作業――彼との会話はそれに近いものを感じていた】


彼が素直に言うことを聞くとは珍しい。
君とは然程仲良くはなかっただろうに。


【パグロームは他者の自意識を認知しない。それは虚神と相対するには重要だが、コミュニケーションでは重大な欠陥と成り得る】
【取り分け、虚神の存在そのものを認めないパグロームと彼との会話は平行線になりがちであったから】


ジャ=ロと直接相対して彼にも思うところが有ったと言うことかな。
まぁ、どの道、彼は留守番だ。
出入り口を担う彼が、虚構現実で力尽きたら、その時点で全滅が確定してしまう。
ああ、ヴェロニカを張らせて置くから彼自身の心配は不要だよ。


【パグロームの能力はジャ=ロに割れている。ならばその事実に思い至ることも容易に想像がつく】
【椅子の手摺に載せた手に頬を預け、男は思案を重ねる】


良い報告だ。能力者達の信頼の程は――どうかな?

君の組んだ渡航メソッドは前回の失敗を踏まえて大きく改良してある――が、それでも、長く虚構現実に身を浸せばどんな変質が訪れるかは分からない。
集まった者達が強靭な精神の持ち主であることを期待しよう。

……そして君もね、ゴーストライター。
君は船頭だ。惑えば、誰も帰っては来れまい。

そして相手は人間を惑わすことに掛けては、本職と言って良い概念だ。
君に、言うまでもないだろうがね。

【一度は彼の虚構世界への渡航に反対した彼であったが、今はその素振りは見せていない。認めたのか、それとも諦めたのか、表情から読み取ることは出来ないけれど】
【男は言葉を一度止めて、彼の報告の続きを待つ】
235 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/09(月) 23:02:23.28 ID:6bzxemH30
>>233

――――手掛かりなく歩いていても、事態は好転しないか。仕方がない……
やはり、今は掴んでいる糸口を辿るべきかな……せっかく、人手はそれなりにあるんだ……

【短いバイオレットの毛皮で全身を覆い、その上からフード付きのマントと半ズボンを着用している】
【左目へとめり込む様な、人相を歪ませている大きな傷跡、更に頬にも大きな傷跡の目立つ】
【ずんぐりむっくりとした体格の、尾の先が不自然に二つ裂きになっている、右目の眼光の鋭い、身長150cm前後の猫の特徴を宿した獣人が】
【当てなくふらつくといった様子で、優しい風の吹く夜道を、ゆっくりと歩いている】

【通常、明確な目的を持っていない限り、足を踏み入れる事のない射撃場。しかし彼は、特段の理由なく、何気ない様子で足を踏み入れた】
【或いは――――理由を探す事そのものが、目的だったのかもしれないが】

考えねばならない事は、多くある……さて、どうしたものか――――――――ッ!?

【恐らく当人としては、施設を何気なく歩き回り、そのまままた、目的無く歩み去っていくつもりだったのだろう】
【だが、そこで――――尋常とは言い難い、連続した撃発音を聞き、その耳をピクッと震わせる】
【瞬間、その表情を鋭く一変させると、音の発生源へと足を速めて――――】

(っ、アレは……どこかで見たな、確か……だが、誰だ……!?)

【防弾ガラスの奥、その姿を確認し、獣人はふと考え込んでしまう】
【その姿は、見覚えのあるものだった。だが、明確にどこだったか、思い出せない――――要するに、しっかりと記憶する余裕のない状況での視認だったという事なのだが】
【まず、状況の異質さに飲まれていて、そこまでハッキリとは思い出せなかったのだろう】

――――こんな夜中に、何事だ……?

【そうして見ていても、仕方がない。獣人は程なく意を決して、扉を開いて中へと踏み入っていく】
【相手が誰でも、この際構わない。それなりに自分に自信のあった獣人は、大して気負いもなく、少女へと声をかけるのだった】
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/07/09(月) 23:04:56.83 ID:HmZUmPSVo
>>234

【信頼という言葉を口の中で反芻する。── 空虚な響きであったと思った。実際の所は分からない】
【けれども、と彼は内心で思う。信頼するしか無いのだ、と言外に伝える】
【── それはきっと、口に出さずとも伝わる筈であったから】


『異世界』に行く、と言って躊躇しない連中だ。頭のネジが数本足りないと言っていい
── しかし、その様なメンバーでなければならない。彼処はきっと、そういう場所だろう。
異能者に頼る事になるのは或いは運命か、── どんな悪戯が働いたかは分からないが

……ああ、私は『迷わない』正しい道を歩むと、信じている。
彼処には私の生活があった。名前があった。── 私の現実は、今も昔も彼処にしかない
ならば、迷う道理など、── 無いだろう?


【其れは懺悔の様でもあった。或いは悔いる言葉の組み合わせ。果てた過去に思いを遂げる様に】


今回の目的は『報告書』── 『INF財団』の残した手掛かりをサルベージしに行く。
研究所の所在地を突き止めた、……これも "虚数渡り" の手腕に寄るものだが
そこに転移し所内を捜索、その後帰還する── といった任務だが

……此処で貴方の知恵を借りたい。起こりうる可能性について、示して欲しい。
何日も考えたが、私の想像では最早追いつかない、── 貴方の意見が聞きたいと、切に思う。
なんでもいい、小さな可能性であっても──


【虚構現実に向かう、その計画を前にして、彼の言葉はある種怯えているようでもあった】
【それはまるで、その先に、── ジャ=ロやその他の 虚神 がいるかもしれないという暗示のようで】
【── 縋るという表現が正しかった。】
237 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/09(月) 23:21:24.48 ID:/E/ro0yM0
>>235

――――あ……。

【鳴り響いた銃声が、警報の比じゃなく意識を引きつけることは当然で。だから、もっと備えているべきだった】
【敵対者ならば、次に打つ手など惑う意味もなく。寧ろ真逆であればこそ、ごく短く逡巡を必要とする】
【そうして黒髪も落ち着く程度の時が経てば、ふわりと。月の優美さにも似た色合いで、穏やかに透る音色を奏でるのだろう】

……迷惑だったかしら?少しこの場を借り受けて、来るべき時への備えをしていたのだけれど――――

この場所の権利者の人と知り合いなら、その人から話を聞いてみて。
……私は、あまり口の上手い方じゃないから。……妙な誤解を招くよりは、今はお互いが“通りすがった”ことにしてくれた方がきっといい。

【何もかもを明かせる訳じゃないと、その口ぶりからは知れるだろうか。警戒されても、責めることなど出来ようもなく】
【だが、言葉少なな返答から、見て取れることも幾つかある】

【……少なくとも。真っ当な生業としてこの射撃場を経営する人物の知り合いで、貸し切ることができる程度には信頼されている。】
【それは確かだったのだろう。そして推進薬の奏でた轟音に比して、齎された破壊は、ちいさなクレーターが幾つかと、停められ、刻み墜とされた弾丸が数え切れぬだけ】
【ひどく剣呑であるが、日常を害することは好まない様でもあった。或いは、自らの敵でない限りは】

【――――それでも残すのは、日常の色合いを映す一瞬前の、ほんの僅かな違和】
【修練ののちの緊張を越えて、かたちある総てを断割する兇器に似た耀きが】
【残照のように憂いを残して、微笑みの内へと沈むだろう。控えめな、何処かまるで生存そのものを喜ぶような表情は本物で。だからこそ、奇妙な感覚を残すのかもしれない】
238 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/09(月) 23:24:01.14 ID:/E/ro0yM0
/1行抜けてました…!
>>237
【何もかもを明かせる訳じゃないと、その口ぶりからは知れるだろうか。警戒されても、責めることなど出来ようもなく】
【だが、言葉少なな返答から、見て取れることも幾つかある】


【その言葉は、“誰か”の脅威を目前に観る者の様で。】
【何もかもを明かせる訳じゃないと、その口ぶりからは知れるだろうか。警戒されても、責めることなど出来ようもなく】
【だが、言葉少なな返答から、見て取れることも幾つかある】

…ですっ
239 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/09(月) 23:38:10.29 ID:6bzxemH30
>>237

いや……別に迷惑だと言ってる訳じゃない。俺はただの行旅者だ……それこそただの『通りすがり』だな……
だが、どうやら真っ当に施設を借りての事らしい……余計な興味だったようだ

【一瞬の警戒、そしてその後に少女が紡ぐ言葉は、どうやら彼女が怪しい類の人間ではないらしいことを示していた】
【――――怪しいと言えば十分に怪しいのだが。それを言うなら自分も五十歩百歩だという自覚が、獣人にはあったのだろう】
【少なくとも、何か穏やかならない世界の住人である事は分かる。そして、今すぐにどうこうと騒動を起こす類ではないらしいという事も】
【それだけ分かれば――――自らも「穏やかならない世界の住人」である獣人にとっては、十分だったのだ】

(来るべき時の備え、か――――まるで、死地にでも赴くような有様だ…………どうなっているかだな……)

【しかし胸中、言葉の端のニュアンスに、彼は引っかかるものを感じていた】
【現状、世界はどちらかと言うと小康状態を保っている――――「表向き」は】
【彼女はもしや――――世相の裏に、何かしらのコネクションを持っている人間なのではないか。それに獣人は思い至ったのだ】

――――ほどほどにな。「異能の類を以てしても、人にはおのずから限度がある」し、自分を見失えば「夢か現か知れぬ神に飲み込まれてしまう」事もある……
随分と危険な修練をしているようだが……身体を壊しては元も子もない……
酒の一杯でも飲んで、気を緩めろと言ってやりたいところだが……俺の根城にする店は、あいにく水の国でな。ここでは大してサービスも出来ん……

【それとなく、獣人はそれらしい言葉を仄めかしつつ、少女の反応を待ち構えてみた】
【『魔能制限法』と『グランギニョルの神々』――――普通の人間ならば知る事のない、この世界を襲う驚異。それを連想させる言葉をかけて】
【同時に、彼は少女を見た記憶を何とか引っ張り出そうとして――――そうした意味でも、リアクションを待ち構えていたのだ】
240 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/09(月) 23:50:09.90 ID:fxNuNgAi0
>>236
【彼の言葉を、男は黙って聞いている――"迷うはずがない"】
【それは自信なのか――それとも、それこそ自らに言い聞かせているのか】
【かつての現実は、今は虚構と成り果て、その生き残りである彼も、また虚構の中の存在としてしか在ることができない】

【そこから先の彼の人生は後ろを振り返るために在ったようなものだろう】
【丁度、過去に読み古した本を何度も読み返すかのように】


既に研究所の所在まで突き止めているんだ。
ほぼ最短距離で目的地へはたどり着けるだろう。

勿論、向こうの住人との戦闘は有り得る話だ。
或いは虚神自身が、現れることだって無いとは言えない。

……だが、それよりも……

【男は沈黙した。虚構現実は彼らのホームだ】
【ジャ=ロが現れずとも、先に実体を失ったと言うシャーデンフロイデ等が現れる可能性もある】
【その危険度は基底現実で出会った時の比ではないだろう】

【だが、男はその直接的な脅威よりも懸念事項が有るようだった】


……断言しよう。"罠"は有る。
ジャ=ロは君達の動きを決して見逃すまい。

私はこの作戦は相応に上手く運ぶと感じている。
多少の犠牲、多少の困難は有ったとしても、最後には劇的に乗り越える。
それが能力者と言うものだ。
しかし、その筋書きはジャ=ロの最も得意とする領域であると私は考えているよ。

先の一件を忘れないことだ。
サーペント・カルトとの戦いの折、能力者達は最後の瞬間まで、勝利を確信していたはずだ。
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/07/10(火) 00:01:53.88 ID:4jhXE+SIo
>>240

【── 最後の瞬間まで。ゴーストライターはその一言に頷く、正しく最後の最後、誤った結果が蛇の一件であったから】
【故に、と彼は続けるだろう。曰く、同じ二の轍は踏まない、と】
【ジャ=ロは狡猾で、それでいて飛びっきりの糞野郎である事は重々承知していた】


……成程、── 貴方は、つまり、こう伝えたい訳か、

「我々が最善を尽くす事、それがジャ=ロにとっての最善である、と」

興味深い、普通の存在であれば敵対者の目論見は達成されない事を念頭に置いて行動する。

だがしかし、まるで違う、── 奴は相手の目論見が全て上手くいくと仮定して行動しているのだと、
皮肉なものだ。我々は最善を尽くす。否、── 尽くすしかない、違う現実にわたる術など、そう多くはないから
しかし、その目論見が成功する事は即ち、ジャ=ロの掌の中に入る、と


【ゴーストライターは言葉を置いた。貴方の言葉を噛み砕き注釈を入れる。それが仕事であると言う様に】


ならばもう一つ尋ねよう。貴方は、今の段階でジャ=ロをどの様な存在と捉えているのか
……私は財団のエージェントであった。けれども、私は『外套』の力を手にすると同時に、多くの事を失った。
── ジャ=ロの正体もその一つだ。今の私には、思い出せない
242 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/10(火) 00:21:20.09 ID:do+oOD0Z0
>>239

【生存。闘争。鍛錬。傷を齎すことにも、与えられることにも慣れた夜闇の住人。……彼我の共通項として簡単に挙げられるのは、きっとこんなところ】
【虚神≠相手に幾度も共闘ったことを、己は知るからこそ、互いの生存を喜んでいたけれど。表情すら窺わせぬ黒衣を纏っていたのだから、一方的であることが自然で】
【……もっと警戒されることを予期していたものだから。ほんの少し、気が抜けた様な雰囲気がふっと吹き抜けた】

【伝うのは、気遣う様な言葉。彼が営むのは憩いの場所だろうか。その日常を思い浮かべて、仄かに零す様な微笑】
【そして紡ぐ言葉が、平穏には遠く、けれどだからこそその陽を想う様な奇妙な在り方を――ありありと示し、伝えだす】


……ありがとう。……でも、今の私にはそのくらいの憩いも少し難しいみたい。

……初めから諦めていれば何処にも届きはしないし、「鎖を掛けられようと羽撃たくことを已めるつもりもない」。
夜闇の幻想が神だとしたら、陽が悪夢を消し去るまで歩み続けて。
そうして蛇と神の息絶えた原罪の先の野を、飽く迄自らの脚で歩みましょう――――

……言葉遊びはこのくらいにするけれど。
この程度で届かない場所があることも――――きっと、貴方は知っているのでしょう?
だから、よ。……最悪への備えはしてあるけれど、純粋に戦って、桁外れの怪物たちを斃せる可能性を捨てるべきじゃない――――。

……そう考えたら、減速する理由を受け入れることはできないわ。
きっと、歪だとは思うけれど――――……だからこそ、そうじゃないひとたちを大切にしたい…………そう思うのよ。

【過激なまでに、停滞を拒絶する言葉。異能者であることは恐らく間違いなく。そして、守ろうとする誰かや何かのため、人の世に疎まれることを厭いすらしない】
【それだけの烈しさと動機があり、誘いに応じる様に虚神を仄めかす言葉にさえ恐怖は滲まない】
【自らの命よりなお重く、日々を守り、剣を揮う理由をもつ儚くも凄烈な命の灯。容貌や温もりも、或いは駆け抜けるがまま引き裂かれることを許容するかの様で】
【そして、】

【“きっと、貴方は知っている”。……虚神の脅威のことだなどと、伝わるとも思わなかったが。その言葉が、無明に僅かな揺らめきを生むだろうか】
【間違いなく彼を知ればこその言葉は、ふと何かを思った様にこの娘が選ぶ次≠ェために。瞬く間に、真実へと繋げるのかもしれない】

……この姿になら、見覚えもある?
何度か、この姿で戦っているところを見られた覚えはあるし……――――。

……いまさら、隠すべきことでもなかったのかもしれないわね。

【少女の指先がなにかを掠め、夜闇が薄布のように揺らめき、衣を成す。澄んだ容貌を隠し、声の性別さえもが不思議と不確かになった】
【それは、あの工場の入り口で浮かび上がった影】
【子供たちの残留思念と呼応し、レッド・ヘリングを両断してなお出力を上げた奈落の慟哭。戦いの果て、救えなかった子供たちへと残した掠れた謝罪】
【異能の暴走と蛇神の暴威で自らの腕を千切り飛ばさせ、そうしてアナンタシェーシャへ放った炎熱の一閃。……それ以上の異様な光景にあったからこその、記憶されることのなかった異常。】
【たとえそれらが像を結ばずとも、幾度となく虚神たちへと放った“力”に酷似して】

【少女の懐から放たれた時≠フ力が、残滓として弾丸たちに揺らめくのだろう】
【そうして空間ごと固化させることで、微粒子の集合体でしかない催涙ガスや、非実体であろう呪詛さえも停めて斬り捨てた。そんな、剣と異能の織る妙技の残骸がそれで】

【……けれどそれさえもが或る虚ろな神には通じないと、歪な闇を衣とした姿は虚しく焦りで伝えてしまうだろうか】
【だからこそ最悪への備え≠ヘ――……彼の側にもあるのなら、きっと限りなく興味深かった。尋ねてもいいし、語るのもまた然り。……あれらが、どれだけの脅威かを識れば当然だった。】
243 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/10(火) 00:40:02.39 ID:EJL4KRJL0
>>241
そう、かつてのINF財団もその手口にやられたのだと私は考えている。
彼らは最善を尽くした。
INFオブジェクトを管理するために、一般大衆のミームをコントロールしようと目論んだ。

それこそが失敗だった。
虚神達を神々と認知させ、信仰を創り上げてしまったことで、グランギニョルは真に神話として成立してしまった。

そして彼らは上手くやっていると確信していたのだろう。
INFオブジェクト達を自らが創り上げたプロトコルで管理できると思い込んでいた。
全てが最初から奴の目論見通りに。


【男が長く言葉を語ることは珍しかった。いつもは思索さえ人に任せている男だ】
【彼の問いかけを受けて、それは恐らく以前より解答を用意していたかのように、すんなりと男の口から滑り落ちて来た】


虚神――いや、強いて言うならば"虚心"と呼ぶべきか。
彼らは人々の心の中に巣食う者達だ。
恐らく初めは神などではなかった。

本来は、人の無意識には何をする力も持ち得ない。
だが、それらは物語の形を執ることによって、集合となり、力を持った。

それが禁書。
燻製ニシンの虚偽、異聞創世記、スナーク狩り――かつてはただの物語の一片であり、最期には神話と成り上がったモノだ。


そしてジャ=ロ――奴の存在性は、人の心を把握し、騙し、或いは見破ることに長けた者。
我々は――いいや、人間は、娯楽と言う概念として、それらを理解している。

取り分け残酷な人間でなくても"誰もが楽しめる"人殺しの娯楽――即ち、■■■■だ。
それも一際に悪趣味で、残虐性の高い、殊更に死を意識させる類の。

ならば、ジャ=ロのやりそうなことを、こちらから類推することも、不可能ではないはずだ。
244 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/10(火) 00:51:47.70 ID:RXihAguP0
>>242

【――――多くの人間の表と裏、その悪意をかぎ分けてきた獣人である】
【無論、その感覚とて完全とはいかないが、それでも今回は自信があったようだった――――少女は、本質的に、人に害成す存在ではないらしい、と】

――――なんとも、随分と行き急ぐのだな……まぁそれならば、わざわざ余計な事は言うまいが
……しかし。それなら、その果てに、いや……その途上に、命を落とす事になる覚悟は、既に固めているんだろうな……?

【自らの意志を押して、最後の最後までその通りに生きる――――そんな印象を抱かせる言葉だ】
【獣人にとっては、なんとも危ういものを感じさせる。彼女には、その道を既にハッキリと見据えていると言えるくらい、誓いの重みのある言葉だ】
【しかし――――そう感じたからこそ、敢えて聞いてみた。それが折れる事になっても、後悔する事はないと言い切れるのか、と――――獣人にとっての、老婆心だ】

(……間違いない。この女は『グランギニョルの神々』を知っている……という事は……どこかであの化け物たちと交戦した
 ……もしくは。顔見知り以外を意識する余裕までは無かったが……既に、轡を並べている……?)

【その言葉の意図は、どうやら少女にも伝わったようで。そしてそれを受けての返答の意図も、獣人には伝わったようだ】
【既に自分たちは、ともに『グランギニョルの神々』の脅威を前提としている。だからこその少女の、この無茶な自己修練があったのだと】
【――――ならば、残る疑問は――――彼女と自分が、どこで面識を持っていたか、だ】
【だがそれも――――少女は、続く言葉と仕草で、自ら明かして見せる】

っ、その姿……何度か垣間見た、あの剣士…………! お前だったのか……なるほど……!
(……具体的に、アプローチをしていたのだな。やはり、俺だけでは限度があるか……あちこちと、手を伸ばし過ぎるのも考え物だな……)

【人物の容体の知れない、黒衣を纏った姿――――それを見て、ようやく獣人は得心がいったようだった】
【なるほど。自分たちは既に2度、同じ敵を戴いて戦っていたのだ。ならば、この邂逅も、彼女の行いも、全ては納得できるという事になる】

……言葉遊び、と先ほど言ったな。だがそれが、案外に大事な事かもしれないぞ……?
かの邪神たちは、概念的な存在だ。ならば、奴らへの対抗手段は……『思考法を増やす事』だ。無論、実際的な膂力を前提にして、だがな……

【彼女が、『グランギニョルの神々』に対して、強い敵愾心を燃やしている事は分かった。それは自分も――――自分たちも――――同断だ】
【だからこそ、獣人は、過去の戦いでの自分の考察を明かしてみる。それが、彼女の戦いの一助になるのならば、と】

奴らは、虚構が形を持った存在……つまり、質料(ヒュレー)と形相(エイドス)の関係性そのものの、極致と言うべき存在だ……
奴らと事を構えるには、その形相に目を向けなければならない……それを以って、初めて質料の破壊が可能になるんだ……
あるいは……存在(イデア)そのものの力を以って、対抗するという手もあるだろうが……それは人間には無理な話だな……

【今まで見てきた限りだが――――グランギニョルの神々は、それぞれに固有の性質を持っていた。その神性を立脚させるための土台と言うべきものを、持っていたのだ】
【そこを崩してやる事が、何よりも重要。ならば、それを理解する頭と、それを見抜く目を養う事――――それが重要なのではないか、と】

……1つだけ言える事はやはり『コギト・エルゴ・スム』だな……「我思う、故に我あり」……これでは分かりにくいな……「疑う我だけは、疑えない」……どんな敵を迎えても、我々は我々だ……

【具体的な手段や展望を、彼は持っていない。ただ、己の中の、『奴ら』を否定するための理性と知性だけを以って、戦っているのだ、と――――】
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/07/10(火) 00:55:33.36 ID:4jhXE+SIo
>>243



【──── 沈黙。彼は静かに貴方の言葉を聞いているだろう】



【其れは過ちの歴史、自らの存在していた現実に起こった悲劇の一端】
【正しく愚行であったのだろう。『INF財団』の行った、たった一つの冴えたやり方】
【然して、其れは自ら達の首を絞める事になった。神々を操る等という絵空事の為に】


……やはり、貴方に尋ねて良かった。── 恐らくは、その通りだろう。
私達に起こった悲劇も、私達に起こった喜劇も、元を辿れば心から生まれたものだと
異論は無い、── 有るとすれば畏怖だ。貴方の叡智、その素晴らしさと、……恐ろしさに対する。

成程、ジャ=ロの正体についても見当がつく── 知れば知る程、デタラメな存在に思うが
だが、霧は晴れた。かつての我々の愚行、その始まりが 『信仰』であるならば、
その終わりもまた 『信仰』 に帰結するだろう。


── 私は信じる。私達人間の、底力を。


こんな姿だが、私はまだ自分の事を人間だと思っている。
この現実に相容れない、陰日向のゴーストライター、── それでも、ああ、それでも


私は確かに生きている。今、こうして自分の意思で、世界を救おうだなんて思っている。


【静かな言葉であった。けれども、大木の様に力強い響きを支えて】
【怒りには二種類あると言う、業火の如く燃え盛る怒りと、静かに燻る怒り、と】
【──、ゴーストライターは感情を押し隠す。その下の烈火を、貴方ならば分かってくれる、と】


ジャ=ロのしそうな事、か── 報告書の改竄や隠蔽、
だが、それはあまりにも 『ちっぽけ』 と私は考えてしまう
……奴はもっと狡猾に、それでいて時に大胆さすらも兼ね備えている。

先の 『サーペント・カルト』 の事件にしてもそうだ。無意識を汚染する、その目論見はあっただろうが、
もっと時間をかけて水面下で進めていたならば、私達に対応する手立ては無かった




──── 或いは、『儀式の失敗』すらも、……想定内であったか。
246 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/10(火) 01:22:20.15 ID:EJL4KRJL0
>>245
【男の語る言葉は所詮推論に過ぎない】
【男は学者ではなく、また哲学家でもなく――作家でもないのだから】
【だが、目の前の彼はその男の言葉に幾らか感銘を受けてくれたようだ】


【そして或いは――火に油となってしまったか】
【熱く燃え広がることのない、静かで、それでいて不動の感情】
【男が語るまでもない。彼は最初からそうだったのだから】
【自らの故郷ではないこの世界を――救おうと考えているのだから】


そうだね。虚構現実の探索、私は既に君に任せている。
世界を救う役目を果たすために、君と君達に賭けるとしよう。

――だが、努々気を付けることだ。
彼らを信頼しても良い。だが信用はしないことだ。
ジャ=ロの息が掛かっていないとも言い切れないのだからね。


【当然何かしらの手は打って来る。ジャ=ロの性格からして、正攻法は決して本命ではあるまい】

【そして最後に、儀式の失敗――と小さく呟いた】
【アレは果たして失敗だったのか?いや、その思考すら、恐らく器から異なるのだとしたら】


プッチーニ。
私はね。ジャ=ロの真の目的が、ウヌクアルハイの顕現に在るとは思っていない。
その"先"が在るのだ。彼にも――そして恐らくは私にも。
247 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/10(火) 01:49:03.71 ID:do+oOD0Z0
>>244

【用が済めば、黒衣は再び闇に還る。まるで、ただの幻だったかの様に】
【その先で獣人が問いとして返すのは、何処までも真摯な言葉だった。向き合う橡色の瞳は、深く沈思の色を湛えて】
【……覗く情動は。仄めかされた未来を直視し、然し……ただ受け容れることはどこまでも拒絶する自由意志を呈していた】

可能性として十二分にありえることは理解してる=\―――……だけど、途中で死んであげるつもりもない。

……だからきっと、無為に終わるのなら嘆くのでしょうね。
置いて往きたくない人たちがいるし、死んで嘆かせることはつらいから。

……けれど嘆く程度の意識があるのなら。そのぶんを、私は最期まで足掻きに変えてゆける――――
貴方が言葉を交わしてくれてるのは、それくらい“まともじゃない”人間だもの。
……だから。敗けて後悔することは、そもそも私にはできないんだと思う――――……こんな答えは、聞きたくないのかもしれないけれど。

嘘をついても仕方がない場面って、あるものでしょ?……私には、今がそんなところよ。単に、私の現実がそうであるというだけ――――
……悲しむべき理由は、何処にもない。生きていても死んでいても、笑ってくれる人がいるならうれしいわ。

【闘争における印象が、誤りでなど無かったことを示す様に。問いに返るのは、真実を見据えながら何処までも変わることのない、きっと本質】
【物わかりのいい娘でなどなくて。理解し、掴み取るあらゆる現実を、自らの願いの儘に灯にくべてしまえる戦いを生きる生(もの)=\―――、】
【幾度も幾度も繰り返した戦いの果て、得た自己定義はいつもそこに行き着いた。なればこそ、戦うための道筋を見誤ることはないのだろう】

【彼の言葉を理解出来たのは、その性質と……偶然とでも呼ぶべき理由からくるものだった】
【虚神たちへの対抗手段を探るために、武力以外の方向性を捜してもいた。そのなかで、期待することなく視線を通した書物があった】
【その中で得た知見が、獣人の言葉で、胸の内で像を結んでゆく。やがて行き着くのは、幾度となく、記憶のなかで繰り返した悍ましい光景――――。】
【“黒に満たされた白い影”、】

……は、ッ……!

【理解した=B過去が未来に繋ぐなら、このためにこそあの過去はあったのかと痛みが胸を貫いて。息を呑み、五感で流れゆく時を感覚した】
【彼女の過去より蘇る光景は、少女自身にしか未だ視えぬものだろう。恐怖と、痛み。けれどそれらで満たされた記憶をこそ、この邂逅は、とるべき解と為さしめた様で】

……可能性でしかなかった答えが、漸くかたちになりそう。
ありがとう。……うん、忘れてはいけなかったことを……思い出せた――――。

【疑う我だけは、疑えない。……その感覚を手放してしまえば、新たな災厄の芽とさえなる答えを持っていたのだと自覚する。】
【それが自分自身を忌む苦悶へと繋がって。けれど、確かな言葉を口にさせてゆく】

質料(ヒュレー)を簒奪し、可能態(デュナミス)を穢し因果を貪る牙を以て虚空の未来を滅却する――――
……私が得たのは、その荒ぶる力を以て幻想たちに仇名すという手段。

……感染爆発=iパンデミック)――――――――    
虚神≠ェ他者の精神を要素に持ち、少なくとも過去にそれを必要とするのなら。
必ず、殺せる――……私にはそう思えるわ。
最悪の次にマシな最後の手段は、今はまだ……遺されている、ようね……。


【自信という以上に、恐ろしい確信として抱く様に。答えの一端を、断片的であるが言葉にしてゆくだろう】
【……具体的な手段として。この少女は、虚神たちへの――――恐らくはその根本的な属性に起因する、何らかの手段を思い描いている様で】
【“だからこそ、半ば血の気を失ったその表情がある”。自分自身の滅びでさえ、これほどには忌みなどしないであろう感情が。兇器としての、この少女の存在定義を肯定する】

【時≠ニ、かたちあるものを斬る太刀=A蝕まれる月に似たその輝き。そして感染爆発=\―――彼の言葉が与えた手掛かりが導くのは、あまりに禍々しい闇黒の虚像】
【振れる瞳は、もしも求めるならその真実を明かすのだろう。ほかならぬ彼の言葉こそが、この刻を許していたから】
248 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/10(火) 01:50:51.24 ID:do+oOD0Z0
/>>244
っとすみません、そろそろこちらも危なく……ッ
今日の夜は20〜21時くらいには来られそうですが、そちらの都合は如何でしょうか……?
249 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/10(火) 01:54:39.32 ID:RXihAguP0
>>248
/明日は1日休みなので、大丈夫です
/ただ、明後日が朝早いので、明日は22時にはアウトになると思います
/ともあれ、一旦お疲れさまでしたー!
250 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/10(火) 01:55:47.17 ID:do+oOD0Z0
/>>249
了解です…!
遅くまでありがとうございました。一旦お疲れ様でしたっ!
251 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/07/10(火) 12:45:10.54 ID:kfFdci+IO
//>>231で再募集かけておきます。
//たぶんお返事は夜に、日付変わる頃に持ち越しか置き移行をお願いすると思います。。
252 :ミレーユ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/10(火) 18:06:40.36 ID:oDbXqpQk0
>>231

【 ── 昼下がり。茹だるような陽光が、小綺麗な内装に乱反射する。然しそれに照らされるのは、空調よりも肌を刺す冷たい風。】
【いつの間にかテーブルの向こう側には女が座っている。この暑い中で、露出度ゼロのゴシック・ロリータ。腰まで伸びる黒髪ロングは姫カットぱっつん。気取った日傘を椅子に引っ掛けていた。】
【なのに何故か"冷たかった"。黒縁の丸眼鏡をかけた白皙は、幽かに甘いファンデーションの匂い。微笑んでいた。薄笑いに近い類で、しっとり膨む唇を歪めて。】


「どーも、こんにちは。」「いやあ奇遇だ。会えて嬉しいなぁ。」


【男への甘え方をよく知っている声は実にわざとらしいから、 ── 話しかけられていると気付くには、少し時間を要するかもしれない。】
【ウェイターを呼び付けて何かしらを注文する。 ─── 「贅沢かき氷パフェ?」「うん、それにします。」「あと、オレンジジュース。」オーダーはごく淡々と。】


「面白そうな独り言、聞かせてくれるよね。」「 ──── "冒涜者"さん。」


【 ─── そうして暫くしたら、眼鏡の奥から、青い視線が投げかけられる。意味深な問いと共に。或いは彼女も、知っているかもしれない。】
【夕月と其れなりに懇意にしているという"親友"の話。ミレーユと呼ばれる素性の知れない人間のこと。その性別と嗜癖まで、伝わっているからいざ知らず。】

/雑談スレでもご連絡しましたが、改めて、よろしければ ── !
253 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/10(火) 19:15:50.13 ID:EJL4KRJL0
>>252

【ふと本から視線を上げる。伊達眼鏡、度の入っていない硝子越しにミレーユを見る暗赤色は――きょとんとして】
【それからすぐふっと笑う。「自分の名」を呼ばれたから。相手のことを知っているのは少しだけ、だった】
【あの少女は、この女のこと大嫌いだから。あまり会話をしてくれない、その中でもちらっと、定時連絡に混ざる単語として】

【「ミレーユさんとちょっと、行ってくる」――場所は告げない、何をするとも言わない、ただ同行者の名を告げるくらい、だけ。】

……えと、はじめまして、ミス? 面白そうな独り言ってのは――――「夕月」のことかな、
あの子と仲良くやってくれてるって、ちょっとだけ知ってる。ありがとうね、あの子結構扱いづらいでしょう?

僕の名前知ってるってことは、僕とあの子の関係性もなんとなく知っててくれてるってことでいいかな。

【夕月から語られる「冒涜者」の話題は、ほとんど愚痴ばかりだった。「サイテーのヤツだからあんなの知らない方がいいよ」】
【――とまで言うくらい。だけどミレーユほど、情報に精通している人なら知らないはずもない。「冒涜者」が創った無数のモノの中で】
【別格と呼ばれる二体の情報。「黄色い目の青年」「赤い靴の少女」――どっちが夕月か、なんて、言わなくてもわかるだろう】
【夕月としては隠しているつもりだった。自分が「冒涜者」の「作品」であること。でもそうするにはあまりにも、情報は広まりすぎていた】


…………独り言、気になっちゃった? じゃあお話しようかな、僕としてもあの子に死なれたら困るし。
ねえミス・ミレーユ、あなたはさ、――――――「蛇」についてどう思う?


【「こわいと思う? それとも、敬うべきものだと思う?」 ――言いながら本を閉じて、タイトルを指差す、へびの文字】
【そうしている間にも「見られている」んだろう、我々が蛇を知覚する限り、とある「神様」にそうされる。……それをわかっていながら】
【切り出す話題はそれだった。仮にミレーユがどっちだと答えても、「そう」と笑って――続きを始める。そんな予感を残して】


//おまたせしました! よろしくお願いします!
254 :ミレーユ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/10(火) 20:08:25.13 ID:9Tpp77v30
>>253


「ミスもミセスも要らないよ。 ── ミレーユでいい。」「そういうの、苦手なんだ。」
「色々と調べさせて貰ってもいるよ。 ……… と言っても、通り名くらいしか知らないけど。」


【困ったような、はにかみ。何処で知ったかは言わない。何処まで知ったかは、 ─── その言い分に嘘の混じらぬ保証もない。】
【少なくとも切り難い縁がある事は確かめているらしかった。そうでなければ話しかけようとはしない。】
【 ─── トークアプリのログには、それとなく探りを入れたメッセージもあった。あまり語ってはくれなかった。であれば、本人に聞くのも憚られた。】


「夕月ちゃんのことは、 ── 」「貴女がどう思ってるかは別として、好みではあるよ。」
「ボクも割と面倒な類の人間だし、そういう意味じゃ気は合うかなぁ。」「言うなれば舎弟、妹分ってところだ。」


【前置きはした上で、個人的な親交は上っ面だけのものではないと、そう告白する。静かな微笑みは処女(おとめ)らしく儚げで、然し乙女(おとめ)らしい起伏に欠けていた。】
【終わり際の言葉は冗談めかして、少しばかり大仰に。然し本心でもあるのだろう。手の甲を隠す萌え袖の端から、円い爪先の指を組んで、会話を続けるのなら ─── 。】


「 ──── ふーん。」「やっぱし、そうなんだ。」
「改めて色々と繋がったよ。今の貴女の独り言含め、ね。」

「ボク個人の意見としては、 ─── ま、"困る"し"嫌だ"よね。少なくとも。」
「誰かのオモチャになるのは癪に触るし、世界が滅ぶのは真っ平ゴメンだ。」
「だから邪魔に思う。どけられるかは別として、ね。」


【 ──── "その話題"に至って、ミレーユは納得したらしかった。何を諒解したのかは、本人にしか解らないかもしれない。答えないという事は、無いのだろうけれど】
【一呼吸置いて続くのは、ごくごく一般論的な感想だった。誰かに弄ばれたくはない。世界は滅んで欲しくない。死にたくない。】
【切実な感情の吐露にも似たそれを、しかし微笑んだまま、至極あっさりと述べた。 ─── オレンジジュースが、ことり、テーブルに置かれる。】


/気付くの遅くなっちゃいましたごめんなさい!よろしくお願いします!
255 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/10(火) 20:28:51.80 ID:EJL4KRJL0
>>254

そう、じゃあ、ミレーユ……自己紹介はいらないね。
じゃあそういうまだるっこしい話は置いといて、本題に入ろうか。

――――そう、邪魔だと思う、疎ましく思う――それは僕も同意する。
けれどそれはさ、「蛇」のことを「神様」だと認識しているから、世界に影響を及ぼすほどの存在だと思っているから。
そう感じるんでしょう? だけどねえ、「そう」考えないバカがこの世に――少なくとも、ひとり、いるわけ。

……話を少し飛ばしてしまうね。先日ブッ潰れたっていう、蛇を信仰するカルト宗教。
「サーペント・カルト」――――あの中に、グランギニョルだか何だかいう異世界の神々が混じってて、
さらにその中でも二つの派閥に分かれてたってこと、知ってる?

【取り出したるはタブレット端末、立ち上げるのは手描きメモアプリ。その上に大きな楕円を描いて】
【「Serpent Cult」。上にそう綴ったなら、その円の中にさらに二つの円を描く】
【ひとつには蛇の絵を描く――やたらつぶらな目をした可愛らしいデフォルメのされたもの】
【もうひとつには、一粒の鈴の絵。その隣にハートマーク、さらにその隣に――悪魔の羽がパタパタしている絵】

ひとつめ。「ウヌクアルハイ」っていうまったく新しい蛇神を此の世に顕現させることを目的としていた派閥。
何だったかな、……けばるらい? じゃーろ? そういう名前の神がそれを目論んでいて、……こっちは失敗した。

【蛇の絵を描いた方の円。それにぴっぴっと斜線を二本――バツマークを、付けてしまって】

もうひとつが、ううんと……新たな神を顕現させるっていう目的は、もう一つの派閥と同じだったんだけど。
ただそれは「ウヌクアルハイ」としてではなくて、まったく別の――「シラカミリンネ」っていう、かつてこの世界に生きてた、女の子。
その子を神様としてこの世に顕現させようと動いていたのが、「イル・ナイトウィッシュ」。これも神であるらしい、そういう存在。
そっちの目論見はどうやら成功してしまったみたいだね、僕たちが蛇のことを考えようとすると――「シラカミリンネ」は現れる。
世界はそういうふうになってしまった。そこまでは知ってるかな、知っているていでこれから話を進めるから――わかんなくなったら都度訊いて。

【鈴と悪魔の羽がハートマークで繋げられてる方の円。そっちにはぴかぴか、光るみたいなマークを描いて】
【一度そこで顔を上げて、ミレーユの目を見て、首を傾げる。いいよって言われたなら、続きが始まるだろう】
256 :ミレーユ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/10(火) 20:43:48.26 ID:9Tpp77v30
>>255


「 ──── なるほど。」「その子を含まず考えても、ボクにも心当たりが在る。もっとも幾分か実利的に過ぎるけどね。」


【ちぅ、とオレンジジュースを吸いながら、描かれていくメモスケッチを青い瞳が追う。あまり驚いた様子は見せない。 ─── 続いて、かき氷パフェが届くのなら】
【天辺に乗ったイチゴを頬張りつ、かけられた練乳とコーンフレークを馴染ませていく。ふやける前に。手遅れになる前に。拙速は何においても重要だった。】


【返答を促すフェミアの頤には、やはりごく穏やかな微笑みをもって答えた。「うん、 ── 大丈夫。」そう、言葉にして。】


「ボクの方でもその辺りまでは調べた。 ……… 正直、"ジャ=ロの目論見は失敗したか"って聞かれたら、疑問だけど。」
「まあいいや。 ─── 白神鈴音についても、調べは付いてる。ただその、イルって神様は初めて知った、かな。」


「 ─── 続けて欲しい。」「夕月が殺したがってる神様は、どいつなのかな?」


【あんまりに物騒な事を当たり前のような口ぶりで言った。ハッタリのそれではなかった。その単語を言い慣れていた。きっとミレーユはそういう人間だった。】
【スプーンが細め雪のようなカキ氷に突っ込まれて、苺のソースと入り混じるのなら、ポップな血染めのように色を得る。少しだけ溶けて、透明なグラスの底に溜まる。】
257 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/10(火) 21:04:18.72 ID:EJL4KRJL0
>>256

じゃーろ、ってヤツが本当に失敗したかどうかはまあ僕もよくわかんない、
けど「ウヌクアルハイ」が今この世界に存在しないってことはきっと彼にとっちゃ失敗なんだろうって感じで――
……ああもうここらへんはいいや。そう、夕月、夕月はね――――これらのどれにも属しない、「第三勢力」。
いやでも勢力ってほどではないな、たぶんあいつ一人しか「そう」思ってないんだから。たったひとりだけ――――

【ふたつの円を内包する楕円の外に、ぽつんと。描いたのは「点」だった、ちっぽけな、胡麻粒程度の】
【それが「夕月」であることはミレーユにもすぐわかるだろう。それで、冒涜者はその点から線を曳き始める――】
【――矢印だった。鋭く尖った先端は、まっすぐに、「悪魔の羽」の絵に向けられていた】


――――その問いに対する回答としては、「イル・ナイトウィッシュ」。なんでそいつを殺したいって思ってるかというと、
あの子は「白神鈴音」の友達だったから。白神鈴音がまだ自身を神だと認識していないころに出会って、仲良くなっちゃった、
だからあの子は「イル」を許さない――――いいや違うな、イルを許さないってのも間違いじゃないけど、もうひとつ。

あの子は。夕月は。「白神鈴音」を神だと認めない、この世にただひとりの――――世界一のバカ野郎ってわけ。
バカのオリンピックとかあったら多分余裕で全種目金メダル獲れるよ、それくらいの、バカだから。
「白神鈴音」の存在を、絶対に神だと認めたくないって。意地を張ってて、それでいてまだ人間に戻せるなんて思っちゃってる――


【「たとえばさ。このミルクティーを、真水に戻せるって大真面目に信じてるのと同じ――――大馬鹿野郎ってワケ」】
【そう言いながら手元にあるグラス、アイスのミルクティーに刺さっていたストローを引っ掻き回す。からから、氷の擦れる音】
【水の中に、アールグレイの抽出液。それから大量のミルクと、……ガムシロップ、ふたつぶん。きっととんでもない甘さになっている】
【それくらいいろいろ混ざってできた飲み物から、真水だけを抜き取ってしまいたいと。そんな願いを抱いているんだって】
【あの少女は、夕月は、大真面目に大馬鹿なことを考えていると言う。「あなたも絶対ムリって思うでしょう、ミレーユ?」 ……困り顔で笑いながら、訊ねる】
258 :ミレーユ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/10(火) 21:26:47.53 ID:9Tpp77v30
>>257


「 ─── 成る程ねえ。」「消去法で見ても、当然の帰結だ。」
「大切な友達を拐われたり、勝手に神様に祀られたり、あげく良い様に利用されたら ─── ボクだって怒るさ。夕月が怒んない筈もない。」


【イチゴのカキ氷が少しずつ溶けて真っ赤に染まっていく。ひとくちを口に運ぶ。ぁむ、と頬張る。頭痛は感じないらしい。】
【生クリームとバニラアイスを和えて、もうひとくち。甘ったるいのは嫌いではないらしい。グラスの底に溜まる、あまり綺麗ではない色の液体に、光が差し込む。】



「不可逆変化ってヤツかなあ。」「 ─── ボクは哲学や文化人類学とか、その辺には疎いから、何とも言えないけどさ。」
「どうなんだろうねえ。遠心分離機にでもかけてみるつもりなのかな?」「 ……… ただ、虚神って言ったかな。白神鈴音って友達が、取り込まれちゃった怖い神様。」


【然し存外にミレーユは真剣なようだった。荒唐無稽で直情的な夕月の願望に対しても ── 語り得ぬものに対しては、沈黙せざるを得ない。】
【虚神に対する確かな知識を持たない以上、そして彼ら彼女らが常識の価値観で測れない以上、ミレーユは論理的帰結から全てを導くしかなかった。】


「 ─── ヤツらは、"認識"によって姿を変えるのだろう?」「其の特性上、模倣子というのは利己的で侵略的だ。」
「虚神って連中が"元々いた世界"で、ヤツらを抑え込もうとしていた集団がいたって話、聞いたことある?」
「どこまで信じるべきか解らないが、 ─── 彼ら、相当"弄ってた"みたいと聞く。向こうにいた人たちの思考規範について。」

「そこまで大掛かりな事が、 ── ああでも、夕月には出来ないだろうなぁ。」
「そんな力量もないし、そこまで頭も回る子じゃない。」「覚悟だけは、まあ、一人前かも知れないけど。」

【それでもやはり、あっさりと言うのだろう。 ──── 疲れ切った様な溜息を交えて。からん、とオレンジジュースの氷が崩れる。】
259 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/10(火) 21:59:34.57 ID:EJL4KRJL0
>>258

その通り、できないの。どう足掻いたって絶対に無理って僕も何回も言ってんだけどさあ、
聞き入れてくんないの。あなたからも言ってやってくれない? あきらめろ、って。

【「たぶん僕が言うよりあなたの言うことのほうよく聞きそうだし」 ――言いながらからから、氷を鳴らして】
【頬杖をついて溜息すら吐くのだ。そんな無茶苦茶な理由で「駒」に死んでほしくないから】
【だからもうやめてほしいって言うのは心からの本音だったけど――「けどね」、話はまだ続くらしい】

……うん、だけどさ、虚神が「認識」によって存在が成り立つというならさ、……こうも思わない?
夕月が「白神鈴音は神じゃない」って、たったひとりだけでも言い続ける限り――「そうなっちゃう」。

たとえば、おろしたての真っ白なシャツに一点だけついちゃったインクの染み。
なだらかに降り積もった雪の上を踏み荒らす、かすかな足跡。
清らかな河に一滴だけ零された猛毒。……そういう存在なんだよ、今の夕月は。
ましろの神を穢す不浄の存在。そんなもの、「白神鈴音」を神として確立させたい「イル」がさ――在ることを赦すと思う?

だからね、僕はこう思う。白神鈴音を人間に戻せるかどうかは置いといて――――
――――「イル・ナイトウィッシュ」は間違いなく夕月の存在を消しに来る。こっちから殺しに行くよりも早く。
それを危惧してんだよ、ただ殺されるだけなら……僕が「直して」やれる。
あの子が人間じゃないの、なんとなく察してたりしなかった? だから単純に首を刎ねられるとか
胸を撃ち抜かれるとかそれくらいならまあ、あの子は死なないんだけど……

――――――存在そのものを消しにかかられたら、僕ももうどうしようもないってワケ。

【……冒涜者は、ひどく渋い顔をしてそう言った。最初の独り言、「死ぬんじゃないかな」って言葉は――つまりそういうことだった】
260 :ミレーユ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/10(火) 22:29:58.45 ID:9Tpp77v30
>>259

「言って聞くクチでもないだろ?」「思春期の子どもっていうのは皆んなそうだ。思い込んだら自分にだって止められないよ。」


【あの手の考えは良く分かるよ。 ── そう言いたげに、誰かに呆れる様な苦笑を添えて、ミレーユは零した。】
【万が一にも夕月がまともな聡明さと冷静さを保てたとして、あの覚悟は止めようがない。"そういう目をしていた"。理屈で諒解できる域ではない。】
【物憂げな顔で俯く。青い瞳の眼光がグラスの中で乱反射する。瞬きのたびに不可視の粉雪が落ち行くようでさえあった。】


【然し続く言葉に、 ─── ミレーユは顔を上げた。そうして、どこか、納得したような表情。されどやはり、微笑み。】



「 ─── 泥水に葡萄酒を注いでも、葡萄酒になる訳じゃあない。」「しかし葡萄酒に一滴でも泥水が混じればそれは即ち泥水だ。」
「『わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、いつもわたしの内におり』 ─── って、ところか。」


「確かに覚悟だけは一人前だ。阿呆みたいな熱意にあてられたカミサマが、今一度"人間になりたい"なんて自己認識を試みたのなら。」
「 ─── イルからすれば、最悪の事態になるかもしれない。」「おまけに夕月まで殺る気満々だ。勝ち目のない勝負って分かってるのに。」


【山積する問題に立ち往生も同然だった。気紛れに呟いた聖典の引用が何の役に立つと言うのだろう。 ─── それでも、気持ちだけは、よく分かった。力なく、笑いながら。】


「まともな身体でないってことは解ったけれど、"ひとでなし"って言うのは初めて聞いたな。 ……… ま、貴女の腕が良いんだよ、きっと。」
「生身の人間ならどうにでもなるが、 ──…… 神殺しなんてのは専門外だ。"ヤバくなったら助けてやる"なんて大言壮語した手前ではあるが、出来る気はしないなあ。」
261 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/10(火) 22:49:21.62 ID:EJL4KRJL0
>>260

【感情に縛られて感情で動くイキモノ、夕月はそういうモノだったから。止めようがないって言うのには、同意してしまう】
【だからこそ深い溜息を吐いて――――頬杖をついていた手が、額に届く。完全に俯いて、もう一度息を吐く】

………………だよねえ。はあーあ、……なんてモンに喧嘩売ってくれてンだよ、あいつ。
うつろとは言え神なんだ、どーしてやろうかな、……強化改造するにしたって限度がある、……、……あっ、

【そのまま愚痴愚痴と小声で呟いていたけど。ふと、思い付いたことがあったようで、ぱ、と顔を上げる】
【虚神、虚神――口走りながらタブレットを操作する、メモアプリを閉じて、インターネットブラウザを立ち上げ】
【サーチエンジンに突っ込んだのは「harmony/group」。とある企業の名だった、それで一番上に出てきたサイトをタップして】

――――――――やっべ、重要なこと、今思い出した。
ここだ、この会社――――「グランギニョルの虚神」の遺伝子情報を持ってるとか抜かしてた。
そんで実際僕も此処に行ったことがある、夕月を連れて、それで、…………っ、

夕月の身体にそれを埋め込んでもらったんだった。なんだったっけ、ええと、っと…………
…………「シャーデンフロイデ」! それだ、その遺伝子を混ぜてある、あの子の身体に!

【ミレーユは覚えているはず。夕月が異能を二つ持っていたこと、その二つがあまりにも用途の違うものであったこと】
【そのうちのひとつが――虚神の力を借りたものであるという。たったそれだけの話だけど】
【「もしかしたらそれが、シルバーバレットか……ヴォーパルソードに、成り得たりすること――万が一にも、あるかも」】
【なんでこんなこと忘れちゃってたんだろう。そう言いたげ、閃いたみたいな、一縷の望みが見えたみたいな】
【顔をするけど――それで何もかもが解決するってわけでもない。まだ、若干の渋さが残る表情だった】
262 :ミレーユ ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/10(火) 23:15:49.11 ID:9Tpp77v30
>>261


【自棄っぱちの結果としてパフェをかっ込む。あまり品のいい行いではないけれど、 ─── そもミレーユは、礼節を重んじる人間ではなかった。】
【ふは、と練乳とバニラの甘ったるさ。喉の粘膜にこびりついて、堂々巡りの思考にも似る。椅子の下、苛立ち交じりにローファーで床を叩いて】

【 ── けれど。藪から棒に持ち上がるフェミアの顔。閃いた様な表情と突き合って、少しばかり唖然とする。】
【ハーモニー。調和。協奏。 ─── ミレーユの"組織"が、目を付けている企業体だった。ともあれ今に重要であったのは】
【夕月が"虚神"の遺伝子を組み込まれていたという事実。何故そんなものを見学くらいで分譲してもらえたのか、そも神に遺伝子などあるのか、 ── 謎は尽きないけれど】

「毒をもって毒を制す」「盗賊は盗賊に捕らえさせよ」「妖精を見るには、妖精の目が要る ─── か。」
「然しボクが見た限りじゃあ、あの能力はカミサマに抗えるほど"特別"なモノじゃなかった。」
「せいぜい魔力の発現がいいところ、 ── 概念とか、認識とか、そういうのを殺せる類の力じゃあない。」


【しかし其処でもう一度行き詰まる。暫くの沈黙。氷の溶けて薄くなったオレンジジュースを啜る。】
【そして次に口を開くのはミレーユなのだろう。 ── その表情は、どこか、観念したみたいに。】


「 ──── 此れは内密な話になるが、」「 ……… ええいッ、言ってしまおう。」
「"神殺し"なら、身内が今保護してる人間に、その魔術系統を持つ宛てがある。」「余り詳しいことは言えないけど。」
「 ………… 確か、そいつに関する実験記録を、ボクの知り合いが全て保存してる筈だ。」「 …… どうにかして、繋げないかな。この線。」
263 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/10(火) 23:30:25.49 ID:EJL4KRJL0
>>262

……んー、そっかあ。実際に稼働してたとこ見たことないからあれだったんだけど。
あんまり使い道なさそうっていうか、使うだけの脳味噌持ってなさそうだもんね、夕月……

【溜息でまた表情が振出しに戻る。とりあえずは「harmony/group」の情報を渡せただけマシだと思いたい】
【そんなことをぼんやり考えながら――思い切ったような顔をするミレーユを見て。少しだけ、吃驚したみたいに】
【話を聞く。「神殺し」と呟いて、軽く握った拳を唇に当てて。考え込む仕草】

……そんなのいるの? え、やばいジョーカーじゃん……
どこから拾ってきたの、って問いには……答えてもらえないかな。
勿論つなげるんなら是非ともそうしたいんだ、け、ど……

…………してる「はず」って、どういうこと?
確定でものを言えないって、……なんだかヤバい臭いがするんだけど。

【溺れっぱなしの状況で僅かにでも見えた糸、それを手繰り寄せたい気持ちはあるが】
【それが藁である可能性だって、拭えない。現に「してるはず」なんて言われた、実はそうじゃなかったなんて言われたら】
【がっくりしちゃう、どころの話ではないから。そこらへんは疑念、あるいは警戒心が拭えない、みたいな態度】
264 :パグローム ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/10(火) 23:57:50.93 ID:EJL4KRJL0
【ゴーストライターとボスが、虚構現実行きの切符を買い付けている頃、パグロームは一人水の国を歩いていた】
【どこを目指しているのか分からないが、散歩と言うことでもないのだろう】
【元々サーペント・カルトの残党と、過日の生き残りである生贄の処分にと追われている身であって】
【あちこち走り回っていたのを、彼の計画を受けて呼び戻されてきたと言うところだった】


幹部以外は割と生き残ってるモンじゃあないか。
能力者も幾人かいるみてェだしよォ。


【とは言え、有象無象を何人消そうと、ケバルライの計画に大きな支障はないだろう】
【それでも真面目に従っているのは、あの時の"失敗"を自分なりに恥じているからだ】


スナークの奴が、追ってこなかった時点でもうちょい腹を探るべきだったか。
自分が人間を救う一端を担ったってワケだが、どんな顔するかねェ?


【いやいや。間違ってもアレが、人間の味方をする訳はない】
【"白神鈴音"を顕したからと言って、それでめでたしめでたしで〆る訳はない】
【ジャ=ロだけではなく、スナークの動きにも睨みを利かせないといけないとは、中々話が絡まり過ぎている】


しかし、懲りてねェな、あのマント男。
言う通り、送り迎えだけはしてやるが……今度は顔だけじゃアすまんかも知れんぜ。


【パグロームの虚数送りは、手順を踏めば他者にも使用できる】
【段取りが面倒で、戦闘で使えるような代物ではないのと、行って戻って来た時に大概の人間は"変質"してしまうため、使う意味がないのだ】
【その問題を解決するのがゴーストライターの形成した渡航メソッドなのだが】
【かつての失敗を受けて改良したにしてもいきなりこの大人数を運ばせると言うのは――】


【焦り過ぎだ。――そこまでのことは口に出さず。男は鼻を鳴らした】
【何にせよ命令には従うつもりだった】


// 混ざり難い独り言してますがどなたでもどうぞ
// 2時くらいまでで、そっから先は置きになっちゃいますが…!
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/11(水) 01:19:50.32 ID:g2qQyG800
>>264

【――ゆるり、と、生ぬるい風が揺れていた。であれば知らぬ間に夏の最中に立ってしまったという証拠なんだろう、遠くで祭囃子が聞こえる気がして】
【けれど深夜であれば、そんなはずはない。――ならば聞こえたのはきっと深夜に走る貨物列車の音であった、ごとんごとんと線路を鳴らす音が、どこか太鼓に似ていただけ】
【あるいはもっと巨大で強大な生物の鼓動の音のようにも聞こえたのかもしれない、――それこそ世界に広く広く拡がった蛇の神の、鼓動のような】

――――――――――――――――――――っ、

【であればそこに混じりこむ音はひどく違和感でしかなかった、引き攣るような吐息。驚きにしては行き過ぎて、けれど驚愕というにはどこか絶望的で】
【ひどい怒りを内包しているみたいな温度を持ちながら、虚無にも似た冷たさを同時に孕むから。電子レンジであっためるときに失敗してしまった、食べ物みたいに】
【端っこだけ焦げてしまうほど熱々で、だけど中身は凍ったままで冷たすぎる冷凍食品のような――けれど同時に限りない敵意/殺意、夜の生ぬるさには異物すぎるほど映えて】

【――――そこには人影が一つあった。どうやら少女であったが身長は少し高くて、靴も含めたら百七十ほどだろうか】
【少し大きめのキャスケット帽をかぶって俯きがちにすれば顔のほとんどは隠れてしまう。それでも透き通るように白い肌をしていた、化粧せずとも頬はわずかにばらの色】
【ふっくら豊かな胸元にきゅうと細い腰元、――いくらかサイズの大きなパーカーは掌の途中までをゆったり隠して、ついでに、身体付きまでいくらか隠す】
【それでも趣味なんだろうか、膝上丈のミニスカートから下の脚はサンダルのつま先まできれいに全部露出されて。――その右足には消え切らない傷跡が残っていた】
【きっとそう歳もいってない少女だ。だからいっとうよく目立っていた。――そう、まるで、いっかいぐちゃぐちゃになったのを、一生懸命に治したかのような】

【――キャスケットから溢れる毛先は透き通る藤の色合いをしていたから】

――――、パグロー、ム、

【どうしようもなく"彼女"の声が、彼の名を呼ばわった。それは欠片の親愛もなく、もちろん友情があるはずもなく、あえて言うなれば、親の仇に対面したような】
【そのくせ――けれど彼女は様々なことを知らなかった。"あの日"、敵対者に負けて収容されて以来、彼女は世間の情報より隔絶されてきた、あるいはそれを望んだ】
【とある人物に干渉しその家に転がりこんでなお、――彼女はほとんど外の情報を手に入れようと、しなかった。まるでそれは現実から逃げたいと願う、かのように】

【――身元を隠すような恰好をしていた。しかし"それ"の意味合いを彼ならばすぐに手繰るんだろう、そんなカワイイ理由じゃないって】
【ならば何かを企んでいるのか。けれどそれにしては弱気なようにも見えたかもしれない。――前のように気高くない、と、思わせるのかもしれないなら】
【まるで一度折れかけてしまった――あるいはそのものずばり折れてしまった、そのうえで、一生懸命に折れた足に添え木して立とうと頑張る、様子にも見えるのかもしれなくて】

【(あるいはそれこそが理由であるのかもしれなかった。彼を認識した瞬間、ムリフェンとしての彼女であれば、襲い掛かっていておかしくはなかった)】
【(能力の過剰使用による弱体化。それは彼女の中での理由でしかなく。そして本当に正しいままの"彼女"であれば、そうだとしても――"そう"するはずだったのに)】
266 :パグローム ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/11(水) 01:41:45.59 ID:dIgGYrFQ0
>>265
【男は、少女を一瞥した。一体誰だったろうと、思い出すプロセスがそこにはある】
【彼女が――"ムリフェン"蜜姫かえでが特別そうだった訳ではない。男は相手が誰であろうと、そうやって一度記憶を手繰らなければ人の顔を認知できない】
【何故なら、誰にも興味がないから。まるで外部記憶装置に預けてあるかのように、自分の中の記憶と結び付けて、ようやくかつて死闘を演じた彼女のことを思い出した】
【マルタでは、彼女のことは見ていないが、今は外務八課に保護されていることは、同じ組織の仲間であるゴーストライターから聞いていた】

【彼が珍しく、強引に彼女を始末することを避けたのだとも】


――――


【こんな深夜で有れば、他に人通りなどない。なれば出会ったのは偶然だったのか――定かではないけれど】
【いずれにしても、常の男で有れば、この距離で有っても、街中で有っても、容赦なく銃を取り出したに違いない】
【そうしないのは少女の側がそうであるように、男もまた、すぐには攻撃に移れない理由が有ったのだ】
【だから男は、少女をただの深夜の通行人程度の視線で見て来て、気負いもなく距離を詰めて来る。焼き切れそうな声音で絞り出した己が名前を、聞いていないはずはないのだが】


【パグロームは相手と距離を取ってこそ真価を発揮するタイプの戦闘スタイルだから、距離を詰められるのは戦術的な意味を見出してのものではないだろう】
【少女に与える心理的な負担にとってどうかは、ともかく】
【また遠くで、貨物列車の通る音と、微かに届く光が見える】
【雨は降っていない代わりに、風は強めで、少女の衣装がたなびくのが見える。――対して塗り固めたような男の黒い衣服は僅かたりとも揺れはしなかった】


【あれだけ派手に、"やらかした"のに、もう無かったことみたいになっている。先日のビルでの争い――執念を持って身を引き摺り男の姿を追ったあの狂信者の姿は、様々な意味で弱弱しく見えていた】



【男は少女とすれ違うほどの距離に来ている。実際、手を出さなければそのまま通り過ぎてしまうのではないかと言うほどに】
【通り過ぎる電車の音が――遠くから反響する音に混じって、しかし男は短く言葉を告げた】



――オメデトウ、サーペント・カルト。
オマエ達の神様は復活した。


【片目だけを歪ませるようにして、男は静かに言葉を繋げる】


忸怩たる思いだよ。
復活を阻止できなかったなんてェ。
いや、しかし随分しおらしいカミサマらしいなァ?
良かったじゃないか……ヤサシクしてくれそうで。
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/11(水) 03:13:04.10 ID:g2qQyG800
>>266

【――彼女はきっと彼のその特性を知らないのだろう。あるいは蛇教内部にあった"パグローム"についてのデータの中に、記されてでもいただろうか】
【彼の特性を気づくほど何度も出遭いながら――その都度生き残り続けたサーバントがそうたくさんいたとは思い難い。ゆえに、多分、知らないのだと思う】

【であれば彼女にその理由を尋ねたとして、きっと、多分、たまには外に出ないと、とでも、答えるのだろうか】
【偶然というにはあんまりに運命的すぎて、けれど思し召しというにはいくらも乱暴すぎて、天に御座す神様はずいぶん大雑把か、それか、思慮深すぎて】
【人間にはよく分からない理屈で物事を考えていそうだった。――だなんていうのは、きっと、現実逃避だろう。一番遭いたくない存在に、行き遭ってしまったんだから】

――――――、

【ぎりと歯を噛んだなら少女はその場所で硬直する。少女の戦闘に特別な構えなど必要がなかった、どんな姿勢からでも戦闘行為を開始できたなら】
【その実本当はぐちゃぐちゃになった思考回路を積み重ねすぎてフリーズにも似て硬直してしまった仕草を隠しこむためにその事実を使う、――ひどく混乱していた】
【ここで殺すか。――それが正しく敵討ちになるというなら、彼女はためらわなかっただろう。やがてゆっくりと距離を詰められても、彼女は動かないどころか】
【その顔をきちんと晒して見せることも、きっとなかった。――キャスケットのつばの中にきっと変わらない鮮やかなマゼンタの瞳を隠しこんで、ああ、でも、見えなくてよかった】

【――――見開かれてかすかに振れる視線を誰にも見られるわけにはいかなかったから】

――――ッ、っ、ア、…………っ、ッ!

【うんとうんと近い距離。――互いに得意とする距離ではない、はずだった。であれば何かの目的がある。――少女には、なかった。ただ、距離を詰められただけであったなら】
【相手はかすかに甘い匂いでも感じるんだろうか、――けれどそれは前に感じた彼女の香りとは違っていた。ならば保護されているという個人宅で使っているのが、それなのか】
【ボディーソープもシャンプーもコンディショナーも全部違う匂い。服が纏う香りも別の物。――まったく別の場所で暮らしていることを仄めかして、けど、順応な犬ではない】
【――その瞬間に激情に息をひきつらせて声も出せなくなるのがきっとその証拠であった。それともあるいは多大なる引け目にも見えるんだろうか、世界に対しての?】

【それこそ顔を隠し腕を隠し――自分がだれであるかを隠すように深夜に歩く理由に出来るのだろうか。(だけどきっとその瞬間に彼女はぎりと歯を噛み締めたのなら)】

――っっ……、――ですが。ウヌクアルハイ様は"本来あるべき姿"からかけ離れてしまわれた。
だからこそ……――だからこそ正しい姿にお戻ししないといけない、……"私たち"の目的は、"あなたたち"の目的と合致している、と、聞きましたが……。

【――――彼女はそうしてむりぐりにその激情を呑み込む。呑気の症状を分かりやすく繰り返してしまうみたいに息を何度も呑み込んで、ぎゅうと手を握りしめたなら】
【パーカーのポケットに突っ込んでしまう。――それ以上身体中のどの部位からも、感情を透かしてしまいたくないみたいに。それでも靴底が地面を擦る音、顔が向いて】
【けれどまだ表情を明確には見せてこないんだろう、――現状のウヌクアルハイはどちらの陣営からも望まれなかった形にとどまっているとも言えた、どちらつかずに吊るされて】
【世界を滅ぼすでもなければ世界を救うでもない。ただ消極的に"どちらでもない"ことで世界は保たれている、――だからこそ互いに引きずり込もうと、するんだろうから】

【――彼女にもその目論見の話は通っているらしかった。ウヌクアルハイの再定義、という目的を蜜姫かえでは知っている。知っていながら、大人しく、保護されている】
【であれば彼らにとっては味方なのかもしれなかった。――――――――――――――――――――――本当にそうやって思えるのなら】
268 :パグローム ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/11(水) 22:28:42.11 ID:dIgGYrFQ0
>>267
【少女の横を通り過ぎて、数歩だけ離れた距離――そこで男は立ち止まった】
【少女に取って幸いなことに、お互いの姿は視界から消えていることだろう】
【もっとも相手が背を振り向いていたとして、それを確かめるには自らも振り向かなければならないのだが】
【酸欠にでもなったかのような語調。あの戦いでの亀裂は、正しく彼女を傷付けている】
【そう簡単に割り切れるような娘ならこうはなっていまい】

【だが、しかし、確実に折れかけては、いるのだ】
【かつての彼女ならば、男の言う言葉など、まともに取り合いもしなかったのだろうから】
【"私たち"を名乗る、その意味に口元を綻ばせて、男は更に続ける】


あ・る・べ・き・姿ァ?
"白神鈴音"とやらが、核の一つになってたことはオマエらだってご存知だっただろォ?
それが表に出て来たからってこの神様は失敗作だ。ってか?

あれこれと都合良くいじくり回されてカミサマも楽な商売じゃアないね。


【少女はかつて出会った時とは漂う馨が違う。或いはそれで、彼女の周辺の生活環境を読むことも出来たのだろうが……残念ながらそんな繊細な感性とは男は無縁であった】
【辛うじて吐き出されたと思しき理性的な言葉は、ともすれば協力的とさえ取れただろう】
【なるほど、男の所属する組織が、彼女の殺害を差し止めるのは、どうにかして彼女を利用してみせようと言う魂胆有ってのことか】


【――――くだらない】


オマエが自信たっぷりに言ってたんだろうがよォ。受肉の日は近いって。
満を持して迎えた"その日"に儀式に失敗したから、やり直しますなんて、虫の良い話が――果たして通るのかァ?
大体、"白神鈴音"と蛇の神様を結び付けてんのが、何人だか何十人だかいたとして、その程度の認識で世界に書き換えられちまうようなカミサマなのかい?
オマエの中のパーフェクト蛇神様って奴ァ。


【挑発。男の意図なんて明らかで、この場で彼女を"キレさせよう"としている。先日のように、憎悪を剥き出しにさせようとしている】
【その意図が明らかだったとして――彼女は男の悪口雑言を聞き流せるのか、分からないけれど】


……あァでもそうか。
第一の信徒であるオマエが、儀式の場にツラも出さず、敵対した奴を殺すどころか、他の幹部のように殉教もできず、あろうことかその敵の塒で飼われてるんだ。
そりゃあ神様だって拗ねるわな。


【協力できると、少女は譲歩を見せたのか。しかして、男は少女のことを一切信用していない】
【相対したからこそ、分かる。説得されて大人しく利用されるようなタマではない】
【ましてやケバルライの息が掛かっているこの娘と目的が同じ?まさか。目的は、真逆なのだ】
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/11(水) 23:01:55.39 ID:g2qQyG800
>>268

【通り過ぎる――そのままどこかに行ってしまえと願わなかったかと言ったら、きっと、嘘になる。そのままどこかへ行ってほしかった。"今までみたいに"】
【今までさんざっぱら邪魔してくれた時みたいにどこかへ消えてしまえとどこかでかすかに/けれど確かに願っていた。――それくらいは叶えて欲しかった】

【そしてまさしくその通りであった。"前の"――"正しい"少女であったなら、こんなふうに惑うはずは、なかった。ゆえにこそ一生懸命に縋るんだろう】
【"いつかみたいに"――大事な居場所、たった独り取り残されて、何もかも、なにもかも、喪って、しまわぬようにと】

ッ――――、ちが、う! 白神鈴音は核なんかじゃなかった! 他の神々と同じ、だった、はずなのに、
どうしてあの女だけが特別である理由だなんてなかった、――なかった! どこにも、ない、はずだった、なかった、――のに、! 

【――たん、と、鋭い足音がした。反射的に下げた足をきっかけに振り返る、短く切られた髪が、ひらりと翻る。短い柔らかい布地のスカートもまた、太ももをさらけ出し】
【きっとその時に少女の表情をきっと初めてうかがえるんだろう。――ひどく焦ったような焦燥したような目。手負いの獣みたいに睨みつけて――また隠れる】
【ポケットの中の両手がぎゅうと握りこまれる気配がする、――漏れ出る言葉は取り繕う冷静さを引きちぎる、けれどその残滓はまたかぶさって、花嫁のヴェールより滑稽に】

【――――彼女が信仰しているのはあくまで"蛇の神"であった。知っていた情報の数々を、彼女は、けれど、ほとんど気にしていなかった】
【最終的にそこに現るのが蛇の神であるウヌクアルハイであれば、良かったから。――そういう意味では彼女の信仰はサーバントのころからほとんど変わらない】
【幹部になったことで知り得た情報も様々な知識もひっくるめて彼女は――"だから"。その内にある"材料"に等しい一人の少女にすべてを奪われるだなんて、赦せなくって】

【ひどく悔いた声はきっと何かを知っていたんだと思わせた。何かをしなかったことを悔いている声だった。訝しんでけれど放置した種が芽吹いてしまった声を、したなら】

――違う! 違う、違う――、ウヌクアルハイ様は受肉したばかりだったから! あんな偽善者どもに影響を受けてしまったんだ、――!
幹部にまでそんな奴が混じりこんでいるだなんて思わない――でしょう!? ――だから私たちが、私たちで、ウヌクアルハイ様を正しい神様にお戻ししないと、
じゃないと、――そのためだけに仕えた彼らに申し訳が立たない、こんな結果、彼らが望むはずない、――だから!

【挑発――きっとその意図を汲んだとて、今の彼女にうまく往なすこと、きっとできなかったんだろう。まして寸前の言葉によって彼女は"乗せられて"しまった】
【思い出していたのは一つの存在、明らかに白神鈴音に執着していた幹部。あれを野放しにしたことが間違いだった。悔やんでも悔やみきれない、その結果の失敗だったなら】
【それは生き残った自分がしないといけないことだから――本当にかすかのみ、きっと、彼女は泣いてしまいそうな声をしていた。そしてそれはきっと到底強くない色であって】

――――――――――――――ッ、うるさいッ!

【――そうしてきっとスズランの声音が張り裂ける、極度に緊張した喉を張り裂いて叩きつけられる声は自力で胎より這い出る赤子に似て醜悪な形、みにくい感情にひずんで】
【いろんな感情、――本当に本当にたくさんの感情に満ち満ちて、――そうしてどこか癇癪を起す子供のやりように似て、もはや自分でも制御する方法を知らぬように】
【ぎりぎり噛んだ歯が軋む音さえ聞こえてきそうだった。ポケットの中の手はきっと見えていたなら血すら溢れそうなほど強く握りしめられて――】

うるさい、うるさい――うるさい! 黙れよ気狂いごときが――ッ、

【そのときに、きっと、ごうと強い風が吹く、深くかぶった帽子を夜風がとらえたなら誰かが指先でひょいとつまみ上げたみたいに、帽子が持ち上げられて】
【ポケットの手が本当に思わずと言う風に迎えに行くまでの一瞬の間、少女の顔はきっと露わになる。――――そうしたらきっとその目は潤んでいた、今にも、泣いてしまいそうに】
270 :パグローム ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/12(木) 00:11:37.23 ID:XWD8hC+j0
>>269
特別な理由?在るじゃないかァ、理由なら。
そもオマエ――……その蛇のカミサマがどんな姿なら満足だったんだ?

知っているのか?
そのカミサマの声を、姿を、どんなルーツを持って崇められ、過去の信者どもがマルタに首を並べられる前にどんな風に発祥したのか。
今の教団に言い聞かせれられた寓話なんぞじゃなく、オマエの中の確固たる神の姿を、イメージ出来てるのかィ?

ほぼ偶像にも近い寄せ集めのカミサマの中で、白神鈴音だけが、正しく明確にイメージされた。
"実在した"んだから当たり前だ。
だから、ミームの感染を引き起こした時に、白神鈴音だけが姿を顕すことができた!

【だからこそ――ジャ=ロは、白神鈴音を選んだのだ】
【かねてより引っかかってはいた。何故、白神鈴音を神話の内に含めたのか】
【それ自体が目的だったスナークこと、イル=ナイトウィッシュはわかる】
【だが、他の虚神が、迎合する理由などなかった。ならば、何故、ジャ=ロ達は彼女の神話に肖ったのか】
【その不自然には理由が存在するはずだ】

【そう、仮に男の予想が正しいのならば、サーペント・カルトだけではなく、外務八課も、サクリレイジも、目の前のこの少女も、未だジャ=ロの手の内で踊らされているに過ぎない】
【全ては予定通りに進んでいるのだから】

彼らの、望みねェ?
真実よりも望んだものが欲しいとは、飴をくれるカミサマじゃなけりゃイヤだってか?

【さて、それはさておき――本当に、さておきだ】
【目の前の少女は、段々と、かつての様相を取り戻している。だが、まだだ】
【まだ、足りない】


それで……申し訳が立たないって?
案外くたばった奴らは、蛇神様と一つになって本懐を果たせたのかも知れないぜ。
何しろ奴らは、清く正しく殉教を果たしたんだ。

"オマエと違って"
オマエだけが、取り残されて未だ悪夢の中にいるんじゃアないかねェ?
だって仕方ないだろう?
"信じる者が救われる"なら、救われなかったオマエは信心が足りなかった――それが現実なんだろう?
それで言うに事欠いて、せっかく顕れてくださった神様に対して欲しかったのはコレジャナイとは。

オマエは本当に狂っているフリがお上手だ。ムリフェン――いいや。
……ただの蜜姫かえでサン?


【声に応えるように風が吹き、彼女の表情が露になる。泣きそうな顔をしている?いやいや、今更だろう?】
【男は蜜姫かえでという人間に一切の興味がない。興味がないからただ見たままの印象を抱く】
【文脈も、経緯も関係なく、見たままに――男からすれば最初から最後まで一貫して、少女は泣き続けているように見えていたのだから】
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/12(木) 00:50:42.69 ID:Dn8EvNKH0
>>270

【ぎりと歯を噛み締める。間違っても涙が落ちてしまわないように気を付け乍ら。――そうでないと溢れてしまいそうだった、理由は分からなかった、けど、なぜか】
【悔しいのか悲しいのか苦しいのか辛いのか怒っているのか嘆いているのかもうなんにも分からない。だからこそ彼女はあの部屋に留まり続けていた、何も、分からないから】
【ただ自分の思い通りになれと願った不完全な関係性に耽って自らを慰める、そうでもしていないとばらばらになってしまいそうな気がして、怖くて、仕方がなかった】

――――ッ、それは、

【――引き攣る吐息が震えた、だって彼女はずっとそれに拘らないで信じて来た。どんな姿でもよかった。なんでもよかった。蛇の神に祈ることに意味があって】
【だから強いて言うなら蛇の形を願うのだろう。けれど――あるいは本当に願っていたのは形のない平穏そのものだったんだろう、いつか亡くしたものをもう一度】
【再び幸せが訪れることを願っていた。――だから極論蛇である必要さえなかった。ただ彼女はどうしてか蛇に縁があったからこの場所へ流れ着いた、流れ着いてしまった】

【だからこそ、だからこそ、――だからこそ、白神鈴音という存在を少女は許容できない。あれは少なくとも並べられた蛇神らの中で異質であった】
【スナーク/イルによって蛇と再定義され自身が神であると知るまで、あの少女は自身をヒトであれ、ヒトでありたい、ヒトであるように、願って、ヒトの世界に執着し続けた】
【その結果、ヒトのフリして存在し続けた少女によって信じた神がヒト寄りに引きずられてしまった。――中途半端に振る舞い続けた人格を憎まずにいられないなら】

――――――――だから! だから白神鈴音なんてどこにも居ないって言ったんだ、――言ったのに! 言ったでしょう!?
言ったのに……そんな人間どこにもいないって……、――ッ、うるさい! うるさいなッ――、……うるさい――!

【指先がぎゅうと捕まえたきりの帽子に食い込んだ、顔を一生懸命に隠すみたいに深く深くかぶせて、そうしたなら吐息が不自然に詰まる、その瞬間に声がわずかにひっくり返って】
【ぎゅうと唾を呑み込むような間。――小さく漏れる呟きはひどく弱弱しく揺れて。けれど直後に反転するんだろう、怒鳴りつけるみたいな声に変わって、けれど】
【どうしようもなく稚拙だった。相手の挑発に乗せられて頭に血を登らせてしまって、そのやりようは相手のやり方だと分かっているのに、それでも】

――違う! 違う――、あんな女じゃいけなかった! 相応しくない――相応しくない、相応しくない、……、 。
ウヌクアルハイ様はすべての蛇を統べられるのに、あんな女じゃ、いけない、――ウヌクアルハイ様は、違う、違うの、――ちがくて、

/長くなってしまったので分割で!
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/12(木) 00:50:55.99 ID:Dn8EvNKH0
>>270

ちがう……違う、違う、だから、だから、……だから、お戻し、しなくては、あの女を追い出して、――――――ひ、

【やがて指先は耳を塞ぐみたいにずり落ちる、相手の言葉なんて聞きたくないと駄々をこねるように言葉に声を重ねる、泣き叫ぶみたいな声は到底冷静ではなく】
【相手の言葉を聞かないためにただ喚き散らしているに過ぎなかった、一生懸命に耳を塞いで自分の声だけが聞こえろと願う、けれど世界は変わらずそこにあるなら】
【いつかは彼の言葉が追い付いてしまう。――ひい、と、極限まで強張った吐息。今際の時さえもっと上手に呼吸できそうなくらいに、へたくそな、引き攣れて、失敗して】

ッ、あああああぁああぁ!


【せめても取り繕おうとしていたヴェールまで風にさらわれてしまったみたいだった、――瞬間に魔力が爆ぜ散る、夜の中にマゼンタが花火より鮮やかに溢れ出て】
【指向性は持ちながらも常のように整えられていない。ぐねりと揺らいだなら蛇みたいに――だなんていうのも蛇に失礼だろう。ただ粘土を細長く捏ねただけのような形】
【けれどその切っ先だけは明らかな殺意を持って鋭く鋭く鋭く、何かに触れれば構成物質同士の結びつきまで"阻害"して、実際の硬度に関わらず、散り散りに貫こうとするもの】
【――本当の目的も吐いた。明確に敵意/殺意を持って攻撃してきた。沸き上がった魔力に揺らされて帽子が今度こそ地面に落ちるんだろう、眼より落ちる涙を赤く照らして】

――――――死ね! 死ね! 死ねよ! 今度こそ殺してやる! 今度こそ殺して……殺して――――殺してやる! 

【きっとその瞬間少女はひどく泣いていた。だから視界が歪んで、狙いは――正直、うんと甘い。うんと甘い上に彼なら気づくだろう、前よりも、"弱い"】
【阻害の力が持つ凶悪さは確かに残すんだけれど、前よりも。――それでも湧き上がる魔力をただひたすら衝動的に相手に嗾ける、直線的に、ゆえに、暴力的に】
【自機狙いの様相、少しずつ動いていれば驚異的ではない。けれど狙いの甘さは時々予想だにしない軌跡で以って、相手を貫こうとするから】
273 :パグローム ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/12(木) 01:35:07.34 ID:XWD8hC+j0
>>272
【男は、振り返った。それは少女に戦意を悟ってのことか。それとも――】
【白髪の男――白黒で構成されたその姿は、まるで人の悪意そのものであるかのように】
【とりとめのない言葉をバラ撒いて否定をしようと――己を繋ぎ止めようとするのは】
【そうしなければ自分自身さえバラバラになってしまいそうだからか】


良くないなア。どんなカミサマだって、嘘吐きは嫌いだろう?
あァ、ケバルライ――あいつだけは違うかも知れんが。


【殺してやると言い放った少女に、男はしかし言葉を重ねる。もう聞きたくないと全身で表現している彼女に、容赦なく】
【それはさながらに強姦のようでもあって】


話は変わるんだがな。
何で、オマエ――今そんなに元気でいるんだ?
いや、違うな。何で"今までは元気じゃなかった"んだァ?

真に信心を胸に秘めてるなら、事の結果がどうだろうと真っ先に状況を確認しに行くだろ?
蛇が全滅したのならその仇を取ろうと、例え無謀でも抗うだろう?
何でぼんやりと今まで敵の懐中で過ごしたんだァ?


――誰も教えてくれなかったからだろ?
どうすれば良いのか。どうすれば進めるのか。
オマエは狂信者だ。信じるモノに向かって遮二無二突き進むから――それは狂気に映される。

だがァ――その実、一度だって自分の中に向き合ったことなんざない。
誰かに言われたことに縋るようにしがみついている。

どうせ今だって、ケバルライ辺りに適当なことを吹き込まれて、安心したんだろう?

「ああ、また私は神のために尽くすことができる」ってなァ。
オマエは神の姿形なんぞどうだって良いのさ
"神のために身を尽くし続ける"、その過程だけが目的。
だから困っただろう?
せっかくカミサマが復活したのに、何も"終わって"ないってんじゃア……オマエもうやること無くなっちまうからなァ!


【少女の目的は知れた。やはり、素直に言うことを聞くようなモノではない】
【外務八課はこれを知っているのか?その上で手玉に取れる自信が有ると?】
【――或いは、連中もグルなのか】
【考えることは有るが、今、ここで彼女を逃がす理由もなさそうだ】


【以前よりも薄弱な力は、それでも鋭利な殺意を以て男へと突き進む。だが、脆い――】
【衝動に任せるだけの暴力をまともに受け止めるほど、男は甘い相手ではない】


サア!大好きなお祈りの時間だ、蜜姫かえで!
俺がオマエに見せてやるよ。オマエの中の真実ってヤツをなァ!


【男の姿は虚空へと掻き消える。数歩の場所から、遠くへ。その暴力の軌跡を確認できるほどに】
【そして身構えているのは、拳銃――口径は大したことはない。当たり所が悪くなければ即死はしないだろう】
【しかし――問題なのは弾丸の方】


【嵐のように、阻害の力を吐き出す少女――弱っているとは言え、触れればただでは済まないだろう】
【しかし、なれば、防御は疎かであると見越して――涙で霞む視界さえも利用して、銃弾を放つ】
【それは、彼女の――阻害を手繰る魔女のために用意した特性の弾丸】
【徐々に命を刈り取る――神経"阻害"弾】
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/12(木) 02:22:27.45 ID:Dn8EvNKH0
>>273

――――うるさいうるさいうるさいッ! 気狂いが囀るなよ! ――私たちの神を辱め、てッ!
恥ずかしげもなく生きてるなよッ――、うるさい! ――黙らないと殺す! 黙ってても殺してやる! 

お前が居なければもっといろんなことがうまく行ったのに! ――何が正しい神だ、そんなのウヌクアルハイ様以外にあり得ないでしょう!?

【幾条もの魔力は彼を捕えない。けれど少女がそれに気づくにはもう少しだけ時間が必要だった、それほどまでに、冷静でなかった】
【まして――言い訳をさせてもらえることがあるとしたなら、彼女は、"あの日"の戦闘によって能力のいくらかが弱まってより、戦闘行為に及んだことがない】
【鈍った切っ先を認識すればするほどにイラつく、――そのせいで、彼がすでにそこに居ないことに気づくのが遅れたのだ、生々しい赤色の束が通り抜けた先をようやく見たなら】

【――――小さくひきつる吐息が現状を遅れて理解する。敵の言葉を聞きたくないがために叫ぶより乱雑に言葉だけ並べていたなら、その方向すら見失って】
【くそ、と、小さな声で呟く。掌の付け根で大雑把に涙を拭って虚空に捨てて視線が相手を探す、――数秒後に見つけるんだろう。そしてその時には、狙われている】
【見開かれた目が煌めいたなら瞬き一瞬の刹那。少女のすぐ――本当にすぐ。睫毛すら触れそうなほど――目の前に、マゼンタ色の薄い障壁が貼られる、射撃の瞬間であったなら】
【ほんとうに一瞬の出来事でもって少女はかろうじて直撃からは逃れるのだろう、――ばりん、と、薄い壁の割れ砕ける音。けれど、その一発からは護られる】

――ひ、ぁっ―――― !

【――けれど。それはあんまりに近すぎた、とっさであったのもあって、少女は自身の腕で頭をかばってしまうんだろう。ちょうどクロスさせるようにして、しまうから】
【今度こそ視界が一瞬遮られてしまう、――足元がわずかにたたらを踏む、ぱりぱりに割れ砕けた破片がきらきら舞って――、腕の隙間から覗いた瞳が、色鮮やかに】

【何度も何度も振った後のウォータータイマーみたいに散り散りになってついさっきの魔力が霧散するんだろう。要したら夜は一瞬だけ奇妙な黄昏色に染め上げられ】
【腕越しの激情が相手を睨みつけた、――その瞳に蛇が映し出されていた。そうしたなら少女は相手の目をいやになるほど睨んでいる、もしもかち合うなら】
【禁術によって刹那その視界を奪い取ろうとするのだ、――それが叶うとも、叶わずとも、続く行為はあまり関係がない。ただ、それを、より一層確実にするため】

――――死ね! ――――っ、ぁ!

【――割れ砕けた破片がくるくると虚空で踊っていた。落ち葉の散るように無作為であったのが、ある瞬間に、明確に操られるよう、同じ角度、速度で、廻ったのなら】
【再び一つの形に再構成されるだろう、――それは意趣返しのように一つの弾丸の形に似ていた、そして撃ちだされるのなら、あんまりにまっすぐ、彼へと向かう】
【さすがに本物の銃弾にその速度は敵わない。けれどもしも視界を一瞬でも奪えていたなら――そして少女はそれを願うんだろう、どこでもよかった、ただ当たれと】
【――――――そしてもしもその"銃弾"を受けてしまうことがあれば、構成する阻害の力がありったけ彼の身体の中にぶちまけられることになる、礼儀のなってない男がやるみたいに】

【けれど、やはりどうしても直接的な攻撃であった。速度は本物に敵わず、そして視野が健全であれば見切るのに問題はなく、何よりも】
【直前の防御によって曖昧になった体勢に併せて――少女はまるで眩暈でも起こしたように振れたのだ、そうしたなら、撃ちだした次の瞬間には、しりもちをつくよう倒れ込み】
【――は、と、その瞬間、荒い息を吐く。その出来事がまるで自分の中でも不可解であるみたいに。――――だってこれがあれ以降初めての戦闘であったから】

【それが明確な隙になる。倒れ込んだ際に真っ白な太ももが下着まで露わになって、――けれどそれで例えば"交渉"できる相手であるはずは、ないのだから】
275 :パグローム ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/12(木) 03:16:11.60 ID:XWD8hC+j0
>>274
【なるほど、ようやく"らしく"なった、等と言えば彼女は余計に怒り、吼えるだろうか】
【以前戦った時は鉄壁を誇った彼女の阻害の護りも――冷静さを剥がされ、能力は弱体化し、増してそれを初めて知って苛立っていると来れば】
【幾重ものハンデを背負った今、彼女はかつての実力の半分も出せてはいなかったに違いない】

クヒヒヒッ!気が狂いたいのはオマエの方だろうがッ!
中途半端に正気なもんだからいつまで経っても迎えが来ないんだろォ!!


【それでもかつては馴染むほどに張り巡らされた阻害の力、咄嗟に張った硝子の如き薄膜は、弾丸の勢いを妨げ、殺傷能力を失わせる】
【対して、少女の放った返し矢は常で有れば、当たるはずがない――自身の能力は、まだ発動に制限が掛かっているが、力など使わずとも、回避を行うのに十分な時間が有った】
【その瞬間――男の視界は奪われる。かつて受けた禁術の一つ。刹那の仮死を与える、魔眼】
【――そう言えばこれもジャ=ロ由来の力らしい。蛇神の神話に肖ることで、この世界でも使用できる奴の力と言う訳だ】
【そんな思索を浮かべられたのは、一度受けたが故に、効果の程を知っていたから】


同じ手で二度もしてやられると――


【視界が晴れた折、もう弾丸は目の前に有った】
【だが、まだ間に合う――半身、身体をずらすだけで良い。少女のなけなしの抵抗はそれで霧散する】
【しかし、晴れた視界の先には、尻もちをついて、太腿を露にした少女の姿】


――――


【それはコンマ1秒にも満たないジャッジ。別に緻密な計算が有った訳ではない】
【街中で時間をかけ過ぎる訳にはいかないとか、この機を逃せば、彼女は力の使い方を覚え、面倒なことになるとか。そんな冷静な選択をした訳ではない】
【ただ、そいつは余りにも隙だらけで撃てそうだったから――】


【男は、回避よりも、少女への攻撃を優先した】
【まるで、スローモーションのように、自身に迫る弾丸を、視界に収めながら】
【倒れ込んだ少女のその白い太腿へと向けて、セミオートの拳銃が二度、弾丸を吐き出した】


グッ――!!


【阻害の力が、全身を駆け巡る。仮に、少女の力が万全の状態であれば、或いは命にも関わっただろう】
【弱った状態でも、全霊を込められたその力は、男の全身を強烈に蝕んでいく】


ヒハハハハッ!!!ヒャハッ!ギィッ!!クヒッ!!
ギャハァッ!ゲホッッ!!
クヒヒヒッ!!ヒャアァァッハー!!!

【少なくとも、それで戦闘不能では有るのだろう】
【男は血を吐きながら笑い続けていたが――少女がどうなっていようと、追撃を行う余裕はあるまい】
【精々が、虚数の海に逃げ込む程度が、限界か】
【それでも、男は少女の顛末を観ていた――少女の望み通り、もう口を開きはしなかったけれど、その視線だけは、阻害することなどできず】
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/12(木) 10:58:15.77 ID:Dn8EvNKH0
>>275

【――すとん、と、お尻が落ちてしまって、少女は困惑する。自分の反応速度は数値として熟知"している"。思考を挟まぬ反射的な出力も、"分かっている"】
【けれどそれがかつての数字であったことが抜け落ちてしまった。まして自覚のようなものはあまりないのだ、日常生活の中で、特別に関わって来る要素ではないから】
【それは叩いたボタンが起こすほんの一瞬の遅延を見出すやり慣れたゲーマーのような感覚に似て、だからこそ、不快感さえも似通った、遅延無反応台など許されないもの】

――――――クソッ、くそ、くそ――!

【一瞬力の入らない足を少女は引きずる、それはきっと、日常でさえあれば、数十秒もそのまま休んでいれば改善される程度であったのだろう】
【けれどこの場においてそれを見逃しておいてくれる人だなんてどこでもいないと知っていた。認識の差異から数秒遅れて現状を思い返したなら、並ぶ罵声は誰に向けてか】
【重たげに引きずった足先が地面のコンクリートを捉えたのをきっかけに少女は立ち上がろうとする、――その瞬間に刹那彼より意識が逸れていたのは】

【やっぱり"らしくない"んだろうか。――それでも彼女は"前"の時も油断した。結局詰めが甘いところがある、という結果に落ちつくのだろうか、年齢相応に】
【惑うし油断するし調子に乗る、削り落としてなお無くしきれなかったのは人間らしさなのか、少女らしさなのか、それは、きっと、分からないんだけれど】
【その瞬間に彼女は間違いなく惑っていた。前と違うことに彼女自身が対応しきれず。――――音に反応して視線が持ち上がる、はたりと挿し込まれたのは瞬き一つ、だけ】

――――――――、 。

【――――、あんまりに色鮮やかな痛みと衝撃と熱さとを感じた瞬間に彼女は撃たれたことをきっと理解する。悲鳴を上げずに済んだのは上出来だろうか、せめてもの】
【それでも身体をちぢ込めて痛みを噛み殺す、――刹那に、何かを感じる。不快感にどこか似る感覚、けれどそれは例えるなら麻酔越しの痛み、のようなものでなくって】
【もっと何かを明確に命を削るような感覚、ぎゅうと強張った喉から吐息と一緒にわずかな声が漏れた、――転瞬彼女は自分自身の中に魔力を巡らす、その作用を封じ込むように】
【同時に痛みもまた阻害する。――大きな血管を傷つけてはいなかったんだろう、"そうなった"時よりも出血は明らかに少なく、だからこそ、かえって、手負いの怒りが溢れる】

/分割で!
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/12(木) 10:58:32.23 ID:Dn8EvNKH0
>>275>>276

――ゆるさ、なッ、……! ゆるさな、い――、赦、――、げ、ほっ、っ――――、う、ぇ、……っ。――、ゆるさない、お前、は!
おまえ、は、赦さない、――、ぜったい、絶対――ッ、

【――少女は作用を"阻害"できるというだけで、様々な作用を当たり前に受ける。そういった意味で全く特別な身体ではなく、まして、少女という特性上、か弱ささえ目立つ】
【肉弾戦をほとんど考慮せず、そのために最低限の戦闘訓練に留めている。そもそも彼女自身が戦闘要員ではないなら。――――だけどこれらは全部言い訳で】
【"前の""正しい"彼女であったなら、この状況からなお鋭く噛みつこうとするに違いなかった。けれど彼女はまだその地面に身体を委ねていた、まして身体を小さくちぢこめて】
【痛みとその感覚に耐えるように。――上手に阻害しきる量を必死になって試行錯誤している、みたいに。投げかける声はひどく殺意に満ち満ち、目は、彼の様相を見ているのなら】

【――――殺す気だった、と、言うしかないだろう。無作為で無秩序な阻害であっても生命維持にどこかしら影響を及ぼすことを想定していた】
【けれど現実は違った。――それなら指向性を持たすべきだった、殺せずとも"仕返し"として、その憎いどこでない人格を阻害しきってやればよかった】
【それだけで殺されてしまいそうな感覚に歯噛みする――その瞬間に、見つける。撃ち込まれた"阻害"と痛みを最低限問題がない程度に阻害しきる容量、そうしたなら】

ふふっ――あはは、っはは、――――、ラサルハグェもお前ももっと早く殺しておくんだった。白神鈴音の名前を出したやつも殺しておくんだった。
そうしたら……、そうしたら――、――こんなことに、ならなかったのに、みんな、死ななかったかも、しれない、のに――――――、

【血に濡れた足を引き摺ってそれでも少女は立ち上がる、――どうしても不格好であるのはどうしようもなかった。足の感覚はほとんどない、それでも立つだけ上出来で】
【両手で顔を覆ったならわずかに肩が震えていた、――やがて指の隙間から睨みつける目、ひどく濡れて。ぎらぎらと夜の微かな光を幾重にも反射する、宝石みたいに輝くけれど】
【その輝きは限りない殺意であったから、――厄い曰く付きの宝石よりよっぽど悍ましく。一瞬遅れて少女のすぐ近くにマゼンタが煌めく、魔力が、形作られ】
【――今までのどの手よりも緩やかであった。そうでないと練り上げることすら敵わないというかのように、けれど、明確に殺意の形を写し取る】

【投擲槍のような形。たっぷりと時間をかけて練り上げたなら――間違いなく彼に突き立つと予想される軌道で、撃ちだすのだろう。けれど、】
【その前にきっと彼はどこぞに姿をくらますことができた。いつもみたいに。――手で隠された顔から首に無色透明が伝っているのが見えた、だから、多分、きっと、泣いていた】
278 :パグローム ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/12(木) 12:25:04.19 ID:rdSsPG3eO
>>276
クヒッ、ヒハハッ!ガハッ、ゲハッッ!ヒ、ヒヒ……ヒャッハ!

【自らの弾丸が彼女の白い肌に吸い込まれたのを見届けて、男は咳き込みながら笑い続けていた】
【内蔵の機能だとか、血流だとか、色々なものが阻害されてはいたのだが、それでも致命には至らない】
【元より、彼女の力は触れただけで死に至るような即効性は無いものと考えていた。かつてそうしたように、捕らえて、流し込み続けることが条件なのだと】
【それは男の撃ち込んだ弾丸も同じ事で。彼女を殺すのなら思考の隙間さえ与えないほど瞬時に殺す毒か、昏倒など意識を断つものが適していたはずで、そうでないならマグナム弾でも持ち出した方がまだマシだったろう】
【なのにこの弾丸はむしろ、彼女の力で御せるように、選択されたようなものだった】
【ならば、この一幕は端から見れば、殺し合いに似た茶番にも見えて】


【それでも確かに、彼女のマゼンダの瞳は殺意に燃えていた。手負いの獣のように、煮えたぎる腸を吐き出すように】
【まるで目の前のこの男が、彼女の不幸の元凶であるかのように】
【男の姿は虚数の海に溶けていく……彼女が時間を掛けて力を練り上げるなら、十分に間に合うのだろう】


甘えるんじゃアねェよ、ガキでも幹部なんだろう?
"誰のせい"だろうが、"何のため"だろうが、オマエの選択の結果は、全部オマエが一人で背負うんだよ。
カミサマが歪んだのも、仲間が死にまくったのも、今オマエが泣き腫らしてるのも……全部オマエがもたらした現実だ。

次も生きてたら夢の結果を教えてくれや。


【最後の言葉を淀みなく口にしたのは、彼なりの矜持だったのだろう。それきり、彼は虚空へと消えてしまった】
【彼女の反駁も聞かない、卑怯な捨て台詞。最初から最後まで無責任に言いたい放題に】


【少女の身体を蝕む毒は、通常10分も放置すれば神経を腐りきらせるのだろうが……阻害の力を阻害すると言う小器用さは能力が弱体しようと、関係ないのだろう】
【でも毒はいつまでも残り続けて彼女を殺そうとするから、魔力か意識かが途切れる前には、処置を受ける必要が有った】
【処置自体は難しい作業ではなく、かつての異形の看護婦ならば容易く……彼女の今の塒でもきっと可能だろう】
【それまでは緩やかに、毒は彼女の隙を狙い続ける。それは獲物を狙う蛇のように】
【死に際に幻視するのが走馬灯ならば、その間隙がいつまでも続く彼女には何が見えるのだろう】
【形の見えない信じるべき神か、それでも尚執着を棄てきれない機械仕掛けの女か、それとも……それはきっと、彼女にしか分からない】
279 : ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/12(木) 22:19:17.47 ID:tKaIYQgD0

【酒場】

【ある都市の中心街から3ブロック東へ行った通りの角にある酒場は】
【この街で数少ない深夜でもやっている食事処の一つだ】
【特に安くてうまいものにありつきたいなら名物のクリームパスタを頼むと良い】
【クラムチャウダーは酒に酔った体によく染みる。だが〆にはまだ早い時間だ】


【ドアを入って右側は、『ナインズブラザーフッド』というギャングが7人飲んでいた】
【ベースボールキャップにシャツを着た荒くれ者で、釘を打ち込んだバットやデカイライフルを持っている】

【対して、左側は『カミカゼ・アンダーグラウンド』というギャングだ。サムライをリスペクトして髷をもしたロン毛に】
【刀とピストルという武器を持った風変わりな奴らだ。これも5,6人。ここはちょうど彼らの勢力のグレーゾーンだった】
【互いのテーブルにはありえないほどの酒瓶が転がっている。どっちも酔っ払いだ】

『てめぇらみたいな、サムライオタク共は一撃ノックでサヨナラ、フライアウェイだ』

「お宅はヌシら、であろう。我々は戦い続ける侍でござる。ヌシらのようなゴロツキに居場所はない」

【そして今は、お互いにテーブルをけとばし、一触即発。ほとんど客は帰ってしまった。逃げ遅れた店員と一部の客だけが残っている】
【だが罵る口もろれつが回らない曖昧で、フラフラとたってヨレヨレと拳銃を振り回したり】


――――るせぇぞ、ガキども。ごっこ遊びは公園か学校でやれ。


【その間に割って入って、挙げ句にマッチを擦ったのはカウンターで一人、バーボンを飲み明かしていた男】
【立ち上がって、煙草を投げ捨てた。店内だとか知ったこっちゃない。背の高い痩せた男だ】
【黒い髪は伸び放題、サングラスをかけていてアゴヒゲは白髪交じり】
【シャツは黒地のペイズリー、腰のベルトにはリボルバーが2本。】


やんならさっさとやれ、クソッタレ。男なら命がけでやってみろよ!撃ち合えよ。飾りじゃねえなら!
ほら、まあ、気にすんなよ。店主もどっか行っちまった。ウェイター!店なんていくらでもある。
次はもっと時給の高いところで働くんだな。

【大笑いをして、テーブルのバーボンを瓶ごとネックをひっつかんで浴びるように飲む。】

【そう。この場所には酔っ払いしか居ないのである。】


/本スレに投下してますが申し訳ないのですが、置きレス進行でお願いします
/本日は日が変わる前ぐらいに落ちてしまいます。よろしければ…
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/12(木) 22:56:19.56 ID:wzy/W8o90
>>278

【――――返事は、なかった。それはその前に彼が居なくなってしまったという意味ではなくて】
【文字通りに彼女はたったの一言も発さなかった。誰も居なくなってしまった虚空をもはや睨むでもなく呆と見やってから】
【もう意味がなくなってしまった魔力の塊を消し去る、――頭がぐらぐらしたのは何のせいだろう、もはやそれも分からぬなら、大事を取りたい】
【けれど気の抜けたような一瞬にひどい頭痛と吐き気と多種多様に様々な不快感がせりあがってきたなら、その全部を、結局、能力で以って阻害してしまって】
【そうしてどうしようもなくなったなら、歩き出すんだろう。――その時点で通常の人間であれば死を迎える十分は過ぎていた。そうやって死んでしまえたらよかったのに】

――――――、

【――そうしてやがて少女が帰り着くのは"正しくない"場所であった、本来であれば居るはずない場所に辿り着く、そうして、踏み込んだなら】
【もしも眠っているなら揺り起こす。そうでなければ服でも摘まむだろうし、摘まむ場所がなければ、わざと、爪を立ててひっかく。一番気を引ける方法を探して】
【そうしたならひどくひどくひどく小さな子供みたいに甘えた声で手当てを求めるんだろう、――本当は自分でもできるくせに。その程度、出来ないはず、ないくせに】

【――――――――そうじゃないと壊れてしまいそうな気がして。どうしたらいいのかなんて分からなくって。だから、きっと、ひどく困ってしまって、不安になって、怖くって】

【(「…………――あのね、あの、ね――、怪我、しちゃったの、だから……、手当て、して、……」)】
【(「――ひどいことも、いっぱい、言われたの、――――――……、だから、……だから。――いっぱい、なぐさめて、ほしくって、」)】
【(好きって言って/抱きしめて/膝に座らせて/頭を撫でて/背中も撫ぜてほしくて/やさしい声でおしゃべりして/眠たくなるまでそばに居て――いくつも願い事、重ねたなら】

【(「――――いっぱい、いっぱい、やさしく、して……、…………」】

【すでに泣きはらした目にたっぷりの涙をため込んで、少女はきっと今までのどこでも見せなかった顔で乞うた、――けれどそれは"彼"の知らない幕間で】


【――そしてきっと、"これ"もまた、誰も知らない、一つの幕間】

【誰も居なくなった街中に一つ、人影が現れていた。身体じゅうをすっぽり隠すローブを着た上に、その顔に鮮やかな塗装を施された狐面まで付けたなら】
【ほんの少しだって自分の姿を気取られたくないような人影――そうしてあたりを数度きょろきょろしたなら漏れる声はボイスチェンジャーの色合い、徹底しつくして】
【地面にこびりついた血染みを指先でちらりとこすりつけるんだろう、――"彼"のではなく"彼女"の。そうしたなら、――すん、と、狐面越し、嗅ぐような仕草を一つ】

――――"あそこ"の魔術の匂いがしたから来たんだけど……。

【――そうしたなら人影は数秒ほどたっぷり黙り込むんだろう、もちろん誰も見ていやしないんだけど、それでも、何か考え込むみたいな、間を十分すぎるくらい、こさえ】
【多分その面の裏で眉でも潜めていると思わせた。そういう気配があった。やがて視線は少女が歩いて行った方へ、そこでまた数秒ほど、悩むような仕草をするんだけれども】

――まあいっか、あたしには関係ないし、蛞蝓なんか、触りたくもないし……。気づいてないなら、可哀想だけど――。

【ほんのわずかな粒子さえもこすり落とすような指先の仕草は手遊びにも似るもの、ふうらり巡らした視線がやがてどこでもないところに留まったなら】
【――――「遅かったなら、いいや」。やる気のない呟き一つだけ残して人影もまた姿を消す。その間はほんの数分ばかし、ふつん、と、消え去ったなら、後には誰も残らない】

/おつかれさまでした!
281 :パグローム ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/07/12(木) 23:25:42.82 ID:XWD8hC+j0
>>280
【そうして一人虚数の海を渡り、水の国の他のエリアへと姿を現した】
【宿主の魔力から切り離されたならば、阻害の力は放置しても消え去るだろうが】
【しつこく残るようなら、妻――ヴェロニカにでも頼んで"固めて"貰おうか】
【実のところ、少女の道の行く末に大きな興味が有った訳ではなくて】
【ただ、男はひたすらに自身の正しさを、他でもない己に証明し続けたいだけであったから】
【殺害すらも、ただ、その手段に過ぎなかった】


グェッ、ゲホッ――……あのガキめ、思い切りつねりやがって――痕になっちまうだろうがよォ。


【だから一度離れたならば、もう顔も思い出せなくなって】
【またもしもお互いに命が有って出会うのならば、その時にもう一度、刹那の衝動でもって彼女を否定し続けるのだろう】
【うんざりした倦怠感と流れる血流の遅さに、酷い倦怠感に襲われ、その場に倒れてしまいたい気分だったが、その前に――】

【男は電話を取った。命令無視もしたことだし、一応の義理程度は果たして置くとしよう】


// お疲れ様でした!!
282 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 14:11:40.43 ID:dEuP8Qkb0


【貴方とどの様な縁で巡り合えたか私は分からない】
【用意した手段の一つ。"モダンタイムス" ネットワークの検索を切っ掛けに発現するシステム】
【 "ウヌクアルハイ" や "虚神" といった、知っている者にとっては意味のある文字列】


【それが検知された際に、このシステムは効果を発揮する。対象のネットワークへと優先的に割り込む】
【そこには "虚構現実" へ渡る旨が書いていた。水の国のとある場所と時間を指定して】
【シンプルなシステム。簡潔と呼ぶにはあまりにも質素で、簡素と呼ぶにはあまりにも洗練されていた。】



【多くの人員はそうであろう。 "モダンタイムス" に導かれて、今日此処に来た面々は】



【――或いは、そう。"或いは" 何らかの理由を以て、虚構へと渡る術を欲した人間。】
【ゴーストライターは無理に情報を統制はしなかった。然るべき情報網の持ち主なら】
【今日この日、この場所で、"虚構現実" へと渡る切符が手渡される事を知る事が出来た。】


【敢えてそうしたという見方がある。少なくともこの情報を手に入れる事が出来るという事はつまり、】
【それ相応の権力や地位、能力を持つ人物である事は自明の理であったから】
【形振り構わずかき集めたといっても良い。聊か強引な手段であるのは否めない】


【――――、それが必要であったという確信を、ゴーストライターは持っていたが】


【兎に角、そのような理に導かれて、此処にいる面々は集まっていた。】
【とあるホテルのパーティ会場であった。広い室内には最低限のテーブル等があって、】
【集められた面々は各々に面識があるのかもしれない。軽く声かけなどもできるだろう】


【やがて時間になり、壇上に一人の男が現れた。】


【中肉中背の男であった。すっぽりと体を覆う『外套』が印象的で、】
【フードを深く被った顔の仔細は覗えない。或いは暗闇の仮面を嵌め込んでいるかの様に】
【井戸の底を思わせる暗闇であった。声をかけたなら、遠く遠く吸い込まれていきそうな】


【 "外套の男" ―― ゴーストライター。彼の名前とサクリレイジの名を知る者が、どれだけいるだろうか】
【彼は壇上から参加者各位を見渡す。各々の顔と名前を脳裏に浮かべ、反芻する】
【――、しばし無音が満ちた。探す言葉の欠片を、何処かに置き忘れてきたかの様に】


/↓
283 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 14:13:02.41 ID:dEuP8Qkb0

……私はかつて、此処とは違う現実に生きていた。


【漸く零れ出た言葉は振り絞るような音律であって、深い痛苦に打ちのめされた男の響きの様でもあり】
【そして同時に、密やかな熱量を持っていた。心の奥底で燻ったままの、強い火を思わせるだけの、力を持つ】
【やがて、長い休符の果てに、彼は一つ一つ確かめるような音色を紡ぐ】

この世界と変わらない現実であった。変わらぬ人の営みが、あった。私は日々を生きていた。
日常に不満はあった。けれども喜びもあった。些細な事で喧嘩をし、些細な事を喜び合った――
けれども、もうその現実は無くなってしまった。平凡な日常は、もう何処にも無い。


―― 今一度、貴方達に問いたい。貴方達は貴方達の現実をどう思っているのか、と。


きっとそう深く考えた事は無いだろう。日常の延長線上に未来があり、その延長線上に死がある。
それが当たり前だからこそ、その大切さには気づけない。―― そういうものだ。
だからこそ、―― 貴方達には今一度、その現実をかみ締めて欲しいと、私は思う。



【ゴーストライターはフードの下の顔を向ける。そこには顔が無かった。ぽっかりと空いた、虚無】
【黒と呼ぶにはあまりにも暗かった。光を吸い込むブラックホールの作用に似て、】
【顔の無い男。その異形は、決して快いものではないだろう】



一度目の渡航で私は顔を失った。虚数の群れに飲み込まれ、私の顔は分解された。
それを悔いる事は無い。私は決別したと思っている、―― もう二度と迷わない。
だが貴方達に強いる事もまた、出来ない。別の現実に渡る事は相応のリスクがある事を伝えねばならない。

此処で踵を返し現実に戻る事を、私は止める事が出来ない。寧ろ、その行いを賢明とさえ思う。


―― それでも尚、"虚構現実" に向かうと言うのであれば、


……私は何も言わない。ただ、貴方達に命を預けるだけだ。


【声色が微かに和らいだ。末期の患者が見せる、悟ったような声色に近かった。何処までも優しく】
【それでいてどうしようもなく儚かった。命の終わりを知った者だけが、紡ぐ言葉】
【覚悟していた。次は、顔だけでは済まないという事を――、】





          もう一度、私と共に飛んでくれ、──




【振り絞る言葉が響いたのなら。室内が大きくガクンと揺れた。一瞬だけの激しい揺れ】
【同時に周囲の壁が崩れ落ちていく。水の中へと溶ける角砂糖を思わせる】
【或いは、熱に溶ける氷の作用か。周囲の壁が崩壊し、真っ暗な闇が現れて】


【やがてその闇は床すらも侵食していく。カーペットは飲み込まれ、瞬く間に四方は闇に覆われる】
【けれども、貴方達の体はその闇の中に浮いている。浮遊とはまた違う感覚。地表との絶対的な座標を】
【そう、保っているかの様に――、闇の中に居る感触であるだろうか】


【―――― そうして次の刹那、場面が暗転する。】

/↓
284 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 14:13:25.84 ID:dEuP8Qkb0

【次に瞼を開いたなら、映る景色は無機質な壁の色であった。高い天井の何処かの屋内】
【染み一つ無い白の壁。無垢であると共に、どうしようもなく殺風景なその色合い】
【研究所を思わせる機能的な色であった。―― どうやらそういう室内なのだろう。】

【周囲の壁を確認したなら『B1F』と書いている。地下にあるフロアといったところか】
【広い室内の中心は廊下になっていた。その廊下を挟み込む様に、両サイドに存在する設備】
【 "鉄格子" であった。内部には簡素なベッドとトイレだけがある、まさに独房と呼ぶに相応しい】

【――、察しの良い人物ならば理解できるはずだ。この場所が、研究所内の収容施設である、と】
【室内は薄暗かった。どうやら非常用の電源で動いているのか、最低限の明かりしかついていない】


―― 便宜上二つに分かれてもらった。地下のフロアと地上のフロアを探索する組だ。
地上のフロアに比べて、地下は危険が多いからな……私が付随する事になっている。
此処は "INF財団" の地下収容施設。此処には危険度の低いオブジェクトが収容されていた。

その多くは被害者だ。"虚神" の強大な存在に魅せられた人間の多くは、変容する。
狂信者になる者、廃人になる者は幸福だった。―― それ以外の人間は、"虚" を取り込む。
即ち歪んだ認識に従ってしまう。……人の形を保っていたのは、極一部であった。

……兎に角、先に進もう。私もこの施設が、どのサイトかまでは把握できていない。


【現れたゴーストライターは周囲の独房を一瞥すると、先導する様に前へと進む】
【独房の数は大量にあった。そのどれもが空席になっている状態は、夜逃げした刑務所の如く】
【しばらく歩いて立ち止まるだろう。ゆっくりと背後へと振り返る】


―― なるほどな、此処に辿り着いたか。

今一度注意事項について伝えたい。この "虚構現実" 内では一切の通信機器は使えない。
銃火器は大丈夫な様だが……兎に角、上に行った面子との連絡手段は無いだろう。
緊急の場合は誰かに行ってもらうが―― 願わくばそんな場面が無ければ良いがな。

私達の目的は "報告書" の入手だ。
"INF財団" が書き残した、"虚神" 達の制御方法の記したそれらを手に入れる。
虎穴に入らずんば虎児を得ず―― おそらくは "虚神" 連中もそれを予期しているだろう。


【ゴーストライターは自身の前にある扉へと、体を向けた。】
【厳重に封鎖された扉。そこに書かれた、その奥に居る存在の名前】



【 "INF-007" ―――― "シャーデンフロイデ" 】



【ゴーストライターは無言で伝える。この奥に、その実体が居る可能性を】
【戦闘状態に入る可能性を示しながら、今一度反応を待った。】


/これよりイベント "巡礼の年" を開始いたします!
/『戦闘側』の皆様は此方にレスをお願いします!
/『探索側』の皆様は次のレスをお待ちくださいませ!
285 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 14:13:52.25 ID:dEuP8Qkb0

【貴方達の視界に映るのはオフィスの一室を思わせる室内であった。広い室内に机が並んでいる】
【それぞれの机にはパソコンが置いてあり、普通の企業のそれを連想するだろうか】
【山積みになった資料の束や書類、所狭しと並んだ書物や本棚が大量にあった】

【―― しかし、それらの殆どは残骸であった。まるで室内で台風が起きたかの如く】
【室内は荒れ果てていた。パソコンや資料、書類等は殆ど破壊されつくしていた】
【 "滅んだ現実" そのフレーズが正しく脳裏をよぎる、そんな光景であった。】


『……予想はしていたがこれほどまでとはな。まだ見れるだけマシ、といったところか』
『改めて目的を確認しておこう。私達の目的は "INF財団" の作成した "報告書" の入手だ』
『此処は "INF財団" の施設―― まだ、何処のサイトかは分からないが』


【ゴーストライターの声が伝える。何処か形式ばった言葉が、そこに出現した実体が、本体でないと伝える】
【室内を見渡しながら彼は続けるだろう。貴方達の目的について、はっきりと示すために】
【厳島やアーディンは実物を見た事がある筈だ。"虚神" を倒す突破口になりうる可能性】


『だがやはり、この室内も破壊しつくされている。"虚神" 連中の仕業か、或いは――……』
『何れにせよこの室内を探索するしかないだろう、私達の本体は地下の収容施設を探索する』
『本来なら施設自体は上階へと続いていたのだが――……』


【奥にある階段は崩落していた。剥き出しになった鉄筋、上の階へと渡る手段は、正攻法ではない】
【だからこそ最初はこの『1F』の探索に尽力すべきであろう、この室内だけでも紙媒体は山ほどある】
【しかし、薄暗い室内であった。非常用の電源しか動いていないのか、照明も最小限であって】

【テーブルの上の書類の束。本棚に納められた大量の書物や書類。或いはパソコンのデータ】
【けれども、パソコンの殆どは画面に罅が入っていたり、本体が破壊されていた。】
【無事に動くパソコンを探すだけでも一苦労だろう、それでも探すしかないのだが】


『……兎に角貴方達は、この室内を探索してもらいたい。"報告書" 以外にも役立つ物があれば』
『もう一つ、この "虚構現実" 内では一切の通信機器が使用できない。銃火器は大丈夫な様だが』
『この私も決まったメッセージを終えたら文字列に還る――……貴方達にまかせきりになってしまう、が』

『――、だが、頼るしかない。よろしく、頼む。――――』


【言い終えたならゴーストライターの実体は消えていくだろう。恐らくは何らかの能力の一部か】
【残された貴方達は選択を迫られる。何処を探索するか、何を探索するか】
【或いは上の階へ進む道のりを見つけるか。―― 未来につながる手がかりを、探す旅路を】


/『探索側』の皆様は此方にレスをお願いします!
/また、レス内で【○○を探索する】として頂ければ、探索結果をお返しします!
/大体1レス内で探索できるのは1箇所です。目安としてよろしくお願いします!
286 :『魏尤』 ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/14(土) 14:33:11.95 ID:51AWNH0V0
【集まった参加者の数々。見知った顔は――居た、かも知れない】
【だが話しかけることもせず、噛み付くようなこともしない】
【ただ悠々と言葉を聞く。無貌の男の言葉を聞いて、興味を示す】

【それは長袍という、中華系の衣服をまとった人物だった】
【栗色の髪は逆立たせ、モノクルを左目に着用し】
【そして腰には龍の意匠が見事な青竜刀を下げていた】

【顔立ちも――特徴は無いが、どことなくそれらしい】
【大陸系の面立ち。何処の誰かは知らないが、若年でも老年でもない】
【静かな威圧感を持ったその男は、腕を組んだまま"闇"に飲まれる】
【慌てもせず、かといって全て理解した上での沈着さでもなく】
【"そこに何があろうが自力でなんとかする"という自負を持って、混沌へと臨む】


>>284

【瞼が開く――其処が刑務所ではなく、研究所だと気付くのは数十秒後の事】
【すぅ、と息を吸う。183cmの身長でも余裕のある広いフロア】
【両手は背後、腰で組んだままの悠然とした佇まいのまま】

【このエリアの特徴、それに伴う事実の認識を改めながら】
【見ようによっては大人しく。或いは何を考えているかも分からない】

【そんな沈黙を保ちながら『魏尤』という名の男は道のりを共にしていた】
【モノクル越しの瞳は黒。周囲を警戒するように、空の独房も逐一見て回る】
【警戒心が強い男のようだった。ゴーストライダー、そして他の同行者】
【彼らの背後か、間に位置するように心がけて――ともに前へと、進んでいく】


―――この"シャーデンフロイデ"いうんは、斬れるんか?


【明朗な訛り。気付けば青龍刀を右手に構えていた『魏尤』は】
【封鎖された扉の奥に予想される脅威について、ゴーストライダーに尋ねかけた】

【この男は――言うなればまっさらだ。過去、この手の事件に関わっていない】
【街の用心棒、そのような触れ込みでこの案件に手を出している】
【故に情報を集めようとしているようにも取れたが――表情は、いたってにこやかだった】

/『魏尤』です、よろしくおねがいします!
287 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 14:33:46.30 ID:O8GCzNtX0
>282-283>>285

――――――――……………………

【特定の目的をもって、この場に結集した人物たち――――その中に、小柄で、かつどこか尋常ではない雰囲気を纏っていた、1つの影があった】

【短いバイオレットの毛皮で全身を覆い、その上からフード付きのマントと半ズボンを着用している】
【左目へとめり込む様な、人相を歪ませている大きな傷跡、更に頬にも大きな傷跡の目立つ】
【ずんぐりむっくりとした体格の、尾の先が不自然に二つ裂きになっている、右目の眼光の鋭い、身長150cm前後の猫の特徴を宿した獣人】

【この不可思議な募集をかけたらしい男――――ゴーストライター、その名も知らず、そしてその虚無の顔を見ても、わずかに眉を吊り上げただけで、黙して言葉に耳を傾け――――】

……元より、尋常でこの邪神たちと戦えるとは思っていない。片目を失った過去の戦いもある……もう少し、何かを失っても、別に構うまい……
この行動が、奴らに対する『銀の弾丸』となる事を、祈るしかないだろう――――

【ピクリと、立ち耳を震わせながら、獣人――――アーディンは最後まで黙して言葉を聞き届けた。その果てに、わずかな決意の言葉を口にして】
【その直後――――世界が塗り替わる。流石に表情を変え、重心を落として身構えるが――――どうやら、転移の兆候らしい事に気づくと、構えを取ったまま、表情だけは緩め――――】



っ、ここは――――――――っく、なるほど……随分と皮肉な話だ……な

【訪れたのは――――まだ、虚神たちの本質を理解出ずに、下手を打ってしまったと後悔の残っていた、あの書斎を思い起こさせるオフィス】
【どうやら、今一度――――あの時は『状況に比べれば些細な情報』と、置き去りにしてしまっていた書籍である、INF財団の『報告書』】
【あれをここから探し出さなければならないのだろう――――ここから先は、尋常の条理が通用しない世界】
【取り逃がした宝を、もう1度探す事になるとは――――自嘲の笑みを浮かべながらも、次にはその表情を引き締める】
【――――時間は、決して無限に用意されている訳ではあるまい。手早く、この残骸のような情報の海から、目的を拾い上げなければならないのだ】

(……無論、情報収集と言っても、無事で済む訳もあるまい。心を引き締めていく必要があるだろう……!)

【3回、いや4回、深呼吸を済ませる――――害意を持った脅威が、どこから現れても不思議ではないのだ。それを警戒しながら、探索を行う事になる】
【それを何度も己に刻み込み、折り合いをつけると――――ハッキリと眼前の光景を睨みつけた。ここからは、情報屋としての行動を要求される】

(――――まずは我武者羅でも良い。とっかかりを探す――――)

【目を付けたのは本棚。そこに残ってる書籍を、1つ1つ抜き始めて、表紙を――――表紙に情報がなければ、最初のページあたりを見聞する】
【もし、心惹かれるものがな空ければ、足元に、適当なカテゴライズを意識しつつ、落としていくのだろう――――不要と見た情報だって、ある程度の整理は必要となるのだ――――】

/アーディン中身です。よろしくお願いしますー!
288 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 14:45:06.45 ID:Naz3NvV70

【 ─── 人間は精神である。しかし、精神とは何であるか? 精神とは自己である。しかし、自己とは何であるか?】
【自己とは、ひとつの関係、その関係それ自身に関係する関係である。あるいは、その関係において、その関係がそれ自身に関係するということ、そのことである。】
【自己とは関係そのものではなくして、関係がそれ自身に関係するということなのである。 】

【自己の組織のなかで、自己の必然性のなかで、色々と困難に突き当たるであろう。何故かというに、いかなる人間の肉体も完全でないように、いかなる自己も完全ではないからである。】
【絶望はほんとうに青年にだけ表れるようなものではない、「幻想から脱け出るように」造作なく脱け出られるものではない。】
【自己について絶望すること、絶望して自己自身から抜け出そうと欲すること、これがあらゆる絶望の公式である。】

【彼は全世界から、不当な扱いを受けたものでありたいのである。彼は苦しみを自分の手許にもっていて誰にも奪われることのないように心がけることこそ重大なのである。】
【だって、そうでなければ、彼は自分の正しいことを証明することも自分に納得させることもできないわけではないか。】

【 ──────── 神と人間とは、その無限の質の差異がある二つの質である。】
        【 ────────── "異質的な真理が人間にもたらされるとき、人間はこれを殺す"。】

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


【夜明け前。巡礼の年。死に至る病がわたしを揺さぶる。暗夜行路を踏みしめて、果てに座すのは鍵のある部屋。】
【 ──── 差し込む暁光と共に目を覚ます。赤い朝日の中に真白い躯体を曝し、己が腕中で安らかに眠る少女に目を見やる。】
【いずれ互いに目覚めるのなら、お早うの言葉よりも先に、アリアは"彼女"へと一挺の銃を渡すだろう。それこそ幼い少女の手にも収まってしまう、小さな自動拳銃だった。】
【ただ口径の大きさばかりが不釣り合いだった。「護身用。弾は6発。ヤバくなったら使いなさい。」「全部ぶち込めば神様だって大火傷する。」「"姫さま"と呼ぶわ。…… 呼ばれるのは、何とでも。」 ─── 銀色のフレームに、憂いに満ちた顔が映る。】



「ねえ。かえで。」
      「 ─── 貴女は、レギーネなんかじゃない、わよね?」



【わけのわからない問いを投げかけるのなら、 ─── いずれ出立の時間も来るのだろう。「行きましょう、 ─── 姫さま。」そんな気取った台詞で、やさしく手を取りもするのだろうけど。】


>>282>>283


【銀髪の女がいた。背は高く、髪は長く、黒い外套を上下に纏い、フォーマルなスーツはその下に、この暑い気温の中だというのに。】
【壇上の男の言葉は、会場の隅で黙々と聞いていた。となりに一人の少女を連れて。 ─── 時折なにか思うところがあるのか、微かに表情を変えるのだ、けれど。】
【そうして世界は闇に溶けゆくのだろう。それでも女は動じなかった。ただ、側にいる少女の手を、静かに握りしめたまま。】


>>284
【 ──── 次に女が目を開けた時、しかしそれは瞠目だった。てのひらの先にあった感覚は、別の場所に向かっていたから。少しばかり寂しそうに、焦るように、っち、と舌打ちして。】
【それでも周りの人間と同じように、忘れられた牢を進みゆくのだろう。両の腰に提げた拳銃を、引き抜いたままにコックアンドロック、其々の手に携えながら。】



「覚悟も準備もできてるわ。 ─── 行きましょう。」



【 少しだけ懐かしい名前に、少しだけ驚いて、だから少しだけ力も篭る。つめたい声だった。あくまで静かに大気を震わせた。】
289 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 14:46:25.69 ID:SKBxDTkQo
>>285


 【→PCを探索する】


【──『それ』がいつからそこにいたのかは、何となくぼやけている】

【最初の部屋の片隅に、ごく当然のごとく立っていたかと思えば】
【他の誰かが視線を向けたときには、そこには誰も立ってなどいなかったし】
【さながら切れかけの電灯のように、存在自体が量子的な明滅を繰り返していた】


【しかし空間の震動と暗転の後、】
【場がそのオフィスに切り替わってからは、安定して観測できるようになった】


……………………………………


【ミチカ・ソネーウェとして記述されるそれは、如何なる訳か終始沈黙していた】
【誰かが目を向けたとしても、話しかけたとしても、呼吸する音さえさせずに】
【ただ相手の目を見て、温和な微笑を返すのみだった】

【それの観測上の外見を記述する】
【年若い女。黒い髪の三つ編み。大きな丸眼鏡】
【現存する如何なる国家のものでもない、しかしそのデザイン上、警官と思わしきものの制服】
【ただ一つ特筆すべきがあるとすれば、その制服は、上下の一切に至るまでが白い。看護師の白衣よりも尚明るく】


【ミチカ・ソネーウェは一度周囲を見渡すと、おもむろに一台のPCの前で立ち止まる】
【そしてそれを凝視する。もしそれが特別なもので無ければ、ミチカ・ソネーウェの発する念動力によって宙へ浮かぶだろう】
【そして次の瞬間には、各部品ごとにバラバラに分解されていくはずである】

【ミチカ・ソネーウェは、その部品群の中へ手を伸ばす】
【PCの中に収められているであろうHDDもしくはそれに準ずる記録媒体を、掴もうと試みる】

【それだけ抜き出したところでどうなるものでもないのだろうが、とにかくそれを行う】
【一つか、二つか、状況が許せばそれ以上か。損傷の激しい機体から順に解体を行っていくだろう】

【黙々と、淡々と、機械のごとく】
290 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/14(土) 14:50:31.81 ID:jFfH7+i40
【サーペント・カルトの一件から数週間たった頃の話】
【先の騒動の結末に納得できなかったエーリカにとって"虚構現実に向かってほしい"というのは渡りに船だった】
【故に、エーリカが虚構現実に向かう事を躊躇う道理はなかった】

【パーティ会場のような場所に集められ、"もう一度、私と共に飛んでくれ、──"と言われた瞬間、世界は暗転していて】
【瞼を開けた先に広がるのはパーティ会場ではなく、白塗りの壁に囲まれた箱のような部屋であった】

>>284
 
【前髪の一部を黒く染めた金髪に、左耳に開けたトランプのマークを模したピアスと】
【白色のチューブトップに黒色のジャケット、それに薄い水色のホットパンツとスニーカーという身形の女性は周囲を見回す】


――さて、はて。パーティ会場にいたハズなんだけど、いつの間にか殺風景な場所に放りこまれてら。
んでもって、かなり物騒な所みたいだ。地下にこんな殺風景な箱を用意するのは大体ロクでもないのが相場だからねえ…


【"刑務所かね、――いや、単に収容施設ってところかな"兎にも角にも警戒しておく必要のある場所に思えて】
【自身の能力でナイフを召喚して戦闘態勢を整えようとした折、現れるは異界への水先案内人たるゴーストライター】
【突然現れたので、わわわっ!と素っ頓狂な声を上げて、両腕をばたつかせて慌てふためいてしまった】


【―――】


【ゴーストライターに先導されて道中を往くエーリカとその他の面々】
【周囲を見回しながら思う――酷く不気味で名状しがたい気味の悪さで早くも気が滅入りそうだと】
【そんな後ろ向きな気持ちを払拭するべく、再度能力を発動させて。召喚した1本のマチェットの柄を右手で握りながら】
【厳重に封鎖された扉をキッと睨みつけ、警戒していた――眼前の扉が厄災の詰まった箱に思えてならなかったから】
291 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 14:50:46.86 ID:Naz3NvV70
>>288
//「銀色のフレーム〜」の前に一描写、「木製の握り手には、三角の縁取りに収まった「蛇」のエンブレム。」 ……度々すみません、、、
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 14:51:13.90 ID:TORCgYqr0
>>282-285

【――切っ掛けとは在って無い様なものだったのかもしれない】
【――あるいは、あるのか無いのかすらも曖昧な物だったのかも知れない】




【ある日、何気なく検索した幾つかのワード、その本来機械的極まるネットワークに割り込んで来たのは、その日その時間、その場所への指定だった】
【導かれている、誰かしらの、これは紛れも無いメッセージ】
【モダンタイムス、これは罠かあるいは……】
【兎にも角にも、乗る以外の手段も選択も、この場には無かったと言える】


【――当日、水の国ホテル、パーティー会場】

「アーディン、ロッソ……なるほど、一通り集められたと言う訳か……」

【周囲を見渡せば、そこには幾人かの】
【そして本件に、ある種の関わり、縁を持つ何人か】
【諜報員は濃く暗いネイビーブルーのスーツに、拳銃のみを携行し、壁によりかかる様に佇み、時間まで周囲に目を配っていた】
【やがて……】

「っ何者だ?」

【男が現れた、いや、男であろうと言う予測だけで実際には違うのかもしれないが】
【ただ一つ言えることは、この人物は間違いなくイル達の関係者、異世界の虚神の関係者であると言う事だが】

「我々の現実だと……何を問いたい?」
「っ!?その顔は……」

【壇上の男の言葉は、通常ならば意味の解らない不可解な問いかけ】
【だが、そのフードの下の顔は、存在しない虚無、在り得ない、在ってはならない】



――もう一度、私と共に飛んでくれ、──


「っぐッ!?」
「な、こ、これは……アーディン!!ロッソ!!」

【刹那、身体中を、いや、会場中を襲う揺れと】
【そして、崩壊する周囲とその後に出現する闇】
【手近な仲間の名を呼び、その場に何とか倒れずに踏ん張ろうとする】
【有体に言うならば、気持ちの悪い感覚だった】
【そして、暗転する風景、地面に再び降り立つ感覚】

「……ここは?」
「なるほど、此処がINF財団の……」

【次に目の前に広がる風景は、まるでそう、よくあるオフィスの一室だが】
【だが、その内部は、強盗団にでも入られたかのような荒れ様だった】
【幾台ものPCは殆どがディスプレイを叩き割られ、無数の書類は床に散り】
【さながら室内で発生する台風の様に】

「……」

【示される上階への階段は崩壊し】
【その中で、虚神を倒す突破口を探索せよ、それがこの男の指令だった】
【暗に、この無数の情報の中に、それがある事を示しているのだろうか】
【兎にも角にも、我々はこの場に放り出された、ならば最低限、情報は持ち帰らねばならない……】

【使えないであろう携帯端末を取り出し、ライトの機能を使い】
【雑然としたテーブル上の書類の束を一枚一枚照らしながら、資料を読むことにする】
293 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/14(土) 14:59:49.05 ID:hPOt6zW80
>>282-284

【日々を愛する者。日々に挑む者。日々に圧される者】
【この場に集まり得る者たちの属性はさまざまで。或る者は、陽を愛するからこそ鋭利に、夜闇の温度で世界を捉える】

いまさら問われるまでもないわ。元から虚神たちやその太源のすべてから、この世界を遮り、魔手を絶つ――――
……そう守るために在るからこそ、私はこの現実を離れ彼方へと翔ぶ。
無にしてはならない覚悟があるというのは――……あなたも、きっと同意してくれることでしょ?

【どこまでも優しい覚悟を聞き届け。どこまでも、応えるかたちで刃と成った】
【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いでその容貌を飾って】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。 時の停まった様な一瞬に、“そこにある”ことで生の温度と息吹が生まれる。】

【断ちきるように言葉を紡ぎきるのは、そんな形容の出来る人影だった】
【切断者≠ニしての黒い外套姿でのみ知る者も、虚神らとの対峙のなかで覆いを失い、この姿を晒した少女を知る者もあるだろう】
【清冽な気配は、容姿に似合わぬものでさえある苛烈な意志を伝え、返して――――程無くして】
【変容する世界、重なりあうふたつを角度をずらして見方を変えるような飛翔と墜落。目を開けば、状況は一変していた】
【ゴーストライターの紡ぐ端的な言葉が説明を果たす。場所も、意義も、予期される/予期すべき事態の数々も】


つまりは、私たち自身の手で持ち帰るほかないということになるわね

……そこに立ち塞がる、数多の幻想を斃す覚悟は決めている――――私達のあるあの世界に、この世界の二の舞を許す心算もない。
征くほかに、よりよい道があるとも思えないわね。

【Shakah(目眩く色欲の極夜蝶)――虚神シャーデンフロイデ。その呼称にこそ、或いは打倒の鍵はあるのだろうか】
【答えは扉と、そして恐らくは闘争の先に。躊躇いを消し尽くしながら見定めんとする欠落者は、灯を掲げるがごとくその視線を置いた】
294 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 15:04:29.99 ID:dEuP8Qkb0
>>286
【―― 何を血迷いごとを、と答えかけた。そしてその言葉を飲み込む】
【其れは無垢な殺人鬼に相対する心持に似ていた。ゴーストライターは思う】
【彼はきっと知らない、けれども、その眼の奥に宿る確かな光は】

【―――― そこに僅かな肝要すらも、残っていない様に】


……残念ながら私も詳しくは知らない。正確には、欠落している
その点は申し訳ない、貴方達に負担を強いる形には、なるが
だが、シャーデンフロイデもまた、"虚神"の一柱になる。

単純な物理的な攻撃は殆ど利かないと思ったほうが良い。
力押しが通用する相手ではない、そのあたりは重々承知すべきだ

―――― いや、すまない、あまり先入観を植え付けるのも良くないな
『魏尤』と言ったか。協力はありがたいが、無茶はするな
如何に腕が立つとしても、知らない状態で挑むことは、危険だ

【言った後にゴーストライターは思う。その言葉の空虚さに】
【目の前の相手、その深さを測るには、彼は少々力不足であった】
【それでもつい言葉が出てしまうのは、この場が彼にとっての"故郷"であるが故か】
>>288

【ゴーストライターが軽く其方の方向へと向いた】
【両の手に持つ拳銃が女の武器であろうか、聊か心許ない火力に思えたが】
【慣れた手つきに思わず感嘆の声が漏れる。彼自身も銃火器の扱いは慣れていたが】

【――此処までの巧みさではなかった。戦士としての技量の違いに感服するように】


――その見目麗しい姿に似合わず、慣れている手つきの様だ、頼もしいと言いたいが
どうやら、シャーデンフロイデを知っている様に見える。
生憎と観察眼はそれなりだから、分かってしまう

……そして、もし交戦して生き残っていたのなら、これ以上頼もしい味方は居ないな
私はあまり戦闘に関しては頼りにならない。貴方達に任せきりになるが
よろしく頼む。私と、貴方達の世界を、現実を守るために

>>290

【慌てる様子のエーリカはこの場に不釣合いな様相であって】
【逆にそれはゴーストライターにとって好ましいものであった。緊張の糸が緩む】
【深呼吸一つ、顔の無い男にはまだ、未練というものが残っていたらしい】


座標も全て変化させたからな、貴方みたいに戸惑うのが普通だと思ったが……
どうやら能力者というのは一筋縄ではいかないようだ。どの御仁も殆ど揺るがない
だからこそ、少し安心した。私もどちらかと言えば戸惑う側であるから

……なるほど、それが貴方の能力か。マチェットか、……ふむ
私の世界では武器といえば銃火器が基本だったのだが、青龍刀の御仁といい
なかなかどうして私の予想を上回ってくれるな

>>293
【――ゴーストライターは息を呑んだ。年端も行かない少女の強い言葉に】
【そして其れは決して蛮勇などではなかった。確かな意思を宿して】
【心強いと思う、そして同時に、彼女のような存在が傷ついてはいけないと、さえ】

【―――― そのときになれば、自分の命さえ、投げ出してもいいと】

……ああ、同意しよう。そして、貴方の覚悟にもう一度私は深い敬意を払おう
どうやら、他の虚神と相対した経験もあるようだ。ならばよりいっそう心強い
そのとおり、奴等は幻想に過ぎない。幻想が世界を滅ぼすなど、御伽噺だ

――、けれども、私の世界はその御伽噺に、寓話に飲み込まれてしまった
全く以て度し難い、――……だからこそ、取り戻さねばならないのだから
295 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 15:05:05.06 ID:dEuP8Qkb0
>>【戦闘側】


【―― ゴーストライターが扉に指を伸ばした。指紋認証と数字の暗号を打ち込む】
【軽い音が響いて扉が開くだろう。ゴーストライターの背中が僅かに震えた】
【室内へと入り、奥を見据える。予想通り、そこには居た】




【その全長は高い天井に届きそうな程の高さであった。空中に浮遊する姿】
【巨大な蝶であった。特徴的な翅は夜を思わせる黒に染まって。夜空を溶かしこんだかの如く】
【否、正確にはその翅は夜そのものである。大きく羽ばたく度に、黒の濃淡が変化していく】

【零れ落ちる鱗粉は星屑を想起させる。降り積もる星の欠片が、流星群の様に地面に降り注いで】
【長い触角は空気に触れて靡くように揺れていた、獲物を指先で数える仕草に似て】
【人間一人はありそうな複眼がギョロリと貴方達を睨み付ける。それは微かに笑ったかの様に】

【 "極夜蝶" ―― "シャーデンフロイデ" その名に恥じない荘厳な蝶の姿であった】
【そして同時に、底知れぬ不気味さを携えた存在であった。巨大な蝶は、隠されたグロテスクさを見せつける】
【口吻はさながらホースの如く。人間の首など絞め殺してしまいそうな程に】


『―――― 誰に呼ばれたかは知らないけど、結局貴方達も此方に来たのね』
『私はニンゲンを愚かだなんて思わないわ。だってニンゲンは私に力をくれるもの』
『何度も何度も過ちを繰り返し、その度に私という存在を大きくしてくれる』

『―― 貴方達は蚕を崇めてその名をつけたけど、私は貴方達にその名を授けたいわ』
『そう、私からすれば貴方達そのものが、私を育てる家畜に変わらないのだから』
『だからね、殺しなんかしないわ。大事に大事に飼ってあげる。そして私の供物となって』

『そうして私は美しく世界を飾り立てましょう。グランギニョルの名の下に』


【其れは確かに脳裏へと流れ込む言葉であった。聡明な女性の声に似ていた、響く音律がソプラノを選ぶ】
【イルのそれに比べれば大分理知的な言葉遣いであれど、その内容は許しがたい独善】
【それを邪悪だと認識していない分、性質が悪いとも言えよう。彼女は、そう、彼女は】

【―― 本心からそう思っている。人間という実体が自身へ奉仕すべきだと、本心から】

/↓
296 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 15:05:32.01 ID:dEuP8Qkb0
>>【戦闘側】



『ねぇ知っているかしら。私達は、貴方達から生まれたの。ニンゲンが私達を、生み育ててくれた』
『言わば私達は貴方達の落とし子よ。貴方達よりずっとずっと進化した、偉大なる神々』
『それでもね、私達は慈悲深いの。どれだけ私達は進化しても、貴方達への感謝を忘れないわ』

『貴方達をまだ、親だと思っているの。なんて感動的な子なのでしょう、私は何処までも愛しているわ』
『だからそう親は全身全霊で子を、愛するものでしょう? その全てを以て子を愛でるものでしょう?』

『ありがとう、犠牲になってくれて。ありがとう、贄になってくれて。』
『貴方達の最期を私達は見届けなければならないの。それが子の使命でしょう?』
『私達は感涙に咽び泣きましょう。別れの涙を流しましょう、そして最期は笑って送り出しましょう』




『さようなら、お父さん、お母さん。―― 貴方達のおかげで、こんなにも、大きくなれたわ』



【大きくシャーデンフロイデが羽ばたく。星屑のような鱗粉が能力者達の元へと降り注ぐ】
【雨嵐に似ていた。無数の鱗粉は触れたなら、鋭い風の刃で裂かれたかの様な傷を負うだろう】
【激しい攻撃であったが、他の "虚神" 達の桁外れの攻撃には及ばない、潜り抜けた修羅場の数が違うだろう】

【―― 対峙する夜の蝶、その存在を否定する瞬間が来た】

297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 15:05:54.07 ID:l9uoHkce0
>>282-283>>285

【パーティ会場。けれどその少女はきっと一番部屋の片隅に陣取っていた、背中も両の腕も壁に触れさせて、俯きがちの視線、帽子に遮らせ】
【けれど誰かはその顔を覗き見ることもきっとあっただろう、透き通るように白い髪は腰ほどまでの長さ、すとんとおろしたなら身体に沿わす、それさえ壁に隠して】
【瞳は彩度の低い鴇色の様相だった、どこかであどけなさを残す顔にいくらか大人びた化粧を施して――けれどその表情は陰鬱に染め上げて、話は聞いているんだか、居ないんだか】

【――――目的は一つだけだから。それにしか興味ないから。間違えてないから。だから――実際のところはいくらか聞き流していた、ただ、握られた手を眺めたなら】
【ふわついた服の中に隠した"護身用"を意識は連想させていた、――チョコレート色の長袖ブラウスに、茶がかった赤色のスカート。足元は透けないタイツに、かかとの低いパンプスで】
【夏という時期をいくらも無視したような恰好ではあった。――繋ぐ指先は黒いグローブ、呼ばれた通りの姫君みたいに、顔以外の肌など誰にも見せたくない、みたいに】

【だから――――黙りこくったままで少女は次の瞬間まったく異なった場所に立つ。空の指先が揺れてから目深にかぶったキャスケット帽のつばの高さをいくらか調整したのなら】
【それで切り替える。――室内を見渡したなら滅んだ世界という単語もなんとなく意味を分からせる、ハリケーン被害に遭った可哀想な会社、みたいな光景にも思えたけれど】
【小さな、けれど、深い吐息。深呼吸。一つしたなら、自分以外の人物を確認するんだろう。――明確に相対したことがあるのは一人だろうか、いつか囮に捨て置いた探偵】

――――、はあ、……。

【――けれど、現状を思えば、知られていて不思議でない。そして知られれば、"よくない"未来は容易に思い浮かべられた。ゆえに、不満は小さな溜息にとどめる】
【少女であった、ほんのいくらか背の高い少女――小さくかぶりを振ったのなら、少女はひとまず手近な――――それこそただ足元に落ちている書類でも拾うのだろうか】
【そうしながら――その裏側、念によって、通信を試みるのだろう。"この場に居ない彼"へ。――そういう約束であった、ゆえに、だからこそ、彼女はここに居るのなら】

【――――――ケバルライへ、呼びかける。何を伝えるでもない。ただその名を呼び掛ける、そうして念を交わすことが出来るのかどうか、確かめるかのよう】

【どちらにせよ――周りの人間たちから見れば、おそらく、少女はそれほど協力的に見えないんだろう。誰かと関わることを好まないような態度と雰囲気を纏ってみせたら】
【つんと冷たげな口元の口角をそれでもさらに落として、拾えていたなら書類に目を落とす、――】
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 15:06:26.66 ID:l9uoHkce0
>>297
/途中送信したんですけどお時間かかっちゃったのでこれでっ、蜜姫かえでです、よろしくお願いしますっ
299 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 15:06:54.07 ID:O8GCzNtX0
>282-283>>285

――――――――……………………

【特定の目的をもって、この場に結集した人物たち――――その中に、小柄で、かつどこか尋常ではない雰囲気を纏っていた、1つの影があった】

【短いバイオレットの毛皮で全身を覆い、その上からフード付きのマントと半ズボンを着用している】
【左目へとめり込む様な、人相を歪ませている大きな傷跡、更に頬にも大きな傷跡の目立つ】
【ずんぐりむっくりとした体格の、尾の先が不自然に二つ裂きになっている、右目の眼光の鋭い、身長150cm前後の猫の特徴を宿した獣人】

【この不可思議な募集をかけたらしい男――――ゴーストライター、その名も知らず、そしてその虚無の顔を見ても、わずかに眉を吊り上げただけで、黙して言葉に耳を傾け――――】

……元より、尋常でこの邪神たちと戦えるとは思っていない。片目を失った過去の戦いもある……もう少し、何かを失っても、別に構うまい……
この行動が、奴らに対する『銀の弾丸』となる事を、祈るしかないだろう――――

【ピクリと、立ち耳を震わせながら、獣人――――アーディンは最後まで黙して言葉を聞き届けた。その果てに、わずかな決意の言葉を口にして】
【その直後――――世界が塗り替わる。流石に表情を変え、重心を落として身構えるが――――どうやら、転移の兆候らしい事に気づくと、構えを取ったまま、表情だけは緩め――――】



っ、ここは――――――――っく、なるほど……随分と皮肉な話だ……な

【訪れたのは――――まだ、虚神たちの本質を理解出ずに、下手を打ってしまったと後悔の残っていた、あの書斎を思い起こさせるオフィス】
【どうやら、今一度――――あの時は『状況に比べれば些細な情報』と、置き去りにしてしまっていた書籍である、INF財団の『報告書』】
【あれをここから探し出さなければならないのだろう――――ここから先は、尋常の条理が通用しない世界】
【取り逃がした宝を、もう1度探す事になるとは――――自嘲の笑みを浮かべながらも、次にはその表情を引き締める】
【――――時間は、決して無限に用意されている訳ではあるまい。手早く、この残骸のような情報の海から、目的を拾い上げなければならないのだ】

(……無論、情報収集と言っても、無事で済む訳もあるまい。心を引き締めていく必要があるだろう……!)

【3回、いや4回、深呼吸を済ませる――――害意を持った脅威が、どこから現れても不思議ではないのだ。それを警戒しながら、探索を行う事になる】
【それを何度も己に刻み込み、折り合いをつけると――――ハッキリと眼前の光景を睨みつけた。ここからは、情報屋としての行動を要求される】

(――――まずは我武者羅でも良い。とっかかりを探す――――)

【目を付けたのは本棚。そこに残ってる書籍を、1つ1つ抜き始めて、表紙を――――表紙に情報がなければ、最初のページあたりを見聞する】
【もし、心惹かれるものがな空ければ、足元に、適当なカテゴライズを意識しつつ、落としていくのだろう――――不要と見た情報だって、ある程度の整理は必要となるのだ――――】

/アーディン中身です。よろしくお願いしますー!
300 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/14(土) 15:07:08.41 ID:3UHlEEvb0
>>282

【それは確かあの日の昼前、二日酔いの頭を覚ますために時間をかけてコーヒーをドリップしていたときのことだ】
【ぼんやりと夢の中で出てきた事を思い返していた。寝る前まで資料やメモを読み返していたからかもしれない。】
【精神状態が反映されて脚色された不条理なドラマが描かれて。それに引き寄せられて、やつは来たらしい】


後にしてくれ。コーヒーを淹れているんだ。―――――――


【時の歯車は俺たちを組み込んでこの場所まで連れ込んだ。巻き込まれたというのも相応しいかもしれない】
【だが俺は、その時を待っていたんだ。蝶を追う、その瞬間を―――――――】


【彼はいつものサングラスをかけて、白黒のストライプのシャツに三つ揃えブラックスーツを着て(上着は置いてきた)ネクタイもきっちりと黒を締めてきた】
【無駄に背が高く、真っ黒なその姿、無造作にベルトに挟んだ二丁のリボルバーは美術品のような細やかなエングレービングが施され】
【変に悪目立ちするのはもう慣れたことだ。職業は探偵。元は銀行強盗。名乗るときはもっぱら『チンザノ=ロッソ』と彼は名乗る】

【芝居がかった"外套の男"の話を、彼は何も言わずその会場の端の方で見つめていた。聞いていたのか、何を思うのかはきっとサングラス越しにはわからないだろう】
【だが、他の人物と同じように―――いやもしかすれば、それよりもはっきりとした覚悟と、熱意、そして希望を求める意志があった】
【虚構となった世界から真実を探すのは一体どういう思いだろう―――探偵】




>>285

【探偵はぐらりと平衡感覚を失い、視覚も聴覚も遮断されたかと思うと――――――オフィスにたどり着いていた。】

……何処だ?…ここは

【口に出してみるが予想は案外ついている。目的は"INF財団"のレポートなのだからその施設内部であることは間違いない】
【捜し物をするのは得意だがなんの準備も予想も建てずに放り込まれるのは個人的な流儀としては好きじゃない。】

―――そうも言ってられないか。

【それもわかりきっている。――――仕事の時間だ】


>>探索組へ

運命共同体ってところだな。とりあえず、合理的な判断を提案するよ―――手分けして、協力するっていうね。

俺のことは“ロッソ”と呼んでくれ。探偵をやっている。それと―――異能のお蔭で目は利く。多少なり役に立てるはずさ


【他の人物らの返事は待たず、彼もまた探索に興じることとした】
【書類や、本、PCなどは他のものが探すだろう。それに彼には専門的な知識がない。PCのセキュリティを突破なども無理だし、膨大な書類を分析するのも苦手だ】
【ならば探索範囲を広げよう。そして、まだ安全を確保されてるとは言い難い。当面の仕事は斥候…彼のロールが決まった】
【さすれば、右手にリボルバーを握りしめ、慎重に、その壁に触れてみるのだった】

【部屋の壁や床、他の部屋にいけるか上に行く道を探索する。】

301 : ◆zO7JlnSovk [saga !蒼_res]:2018/07/14(土) 15:12:51.37 ID:dEuP8Qkb0
>>287

【本棚に眼を向ければ飛び込んでくるのは、研究所らしい書物が多かった】
【物理学、化学、生物学、薬学といった専門書が所狭しと並んでいる】
【読んでみれば小さな活字で内容が書かれているだろう。専門的知識が無ければ読み解くのは難しい】

【一方奇妙な点として、それらと肩を並べる程多くの数の、哲学書であった】
【或いは宗教関係の書物が、科学関係の書物と同じだけ存在しているだろう】
【ある種の不気味さがあった。どぎつい原色で塗りたくられた子供の落書きめいて】

【アーディンならば推察が行くはずだ。"虚神"の対策として、用いられる哲学体系】
【或いは神学体系といった仕組みは、"基底現実"とそう大きく変容はしていない】
【それは即ち、"基底現実"で通じる道理ならば、必ず"虚神"に通じるのだと】

【得られる情報はこんな所であろうか。他の本棚に移るのであればまた別のカテゴリに入る】

>>289

【それは些か乱暴な行いであった。乱暴であるという事はつまり、効果的である】
【一台目、HDDは真っ二つに割れていた。二台目、それもまた順ずる様に】
【何台かのパソコンをお釈迦にして、失った金額が次の桁に変わるか変わらないぐらいの頃合】

【漸く無事なHDDを見つけるだろう。そうすれば慣れたもので、二個目、三個目と手に入っていく】
【しばらくサルベージしていたなら、合計五個のHDDが手に入るだろう】
【パソコンの部品はそこまで大きな違いが無いようだ。元の世界の技術力と大きく差は無い】

>>292

【テーブルの上の書類の多くは、"虚神"に関するモノであった】
【正確には、"虚神"そのものではなく、彼らの影響を受けた人間や動物のメモ】
【ある種類は姿かたちが変異したり、またある個体は特異な力を得たり】

【そして財団は、その多くの変異体を地下の収容施設に収容している様であった】
【それは同時に厳島へ、虚神が基底現実に本格的に顕現した際の脅威を伝えるだろう】
【やつらはただ殺すだけではない、冒涜的に生命を侮辱するのだから】

>>297

【ケバルライからの返事は無かった。この場に居ないのか、或いは返事が出来ない状況か】
【それはある種の不安感を貴方に与えるのだろうか、急に世界に一人ぼっちにされた感触】
【或いはケバルライの事だ。少女にその感覚を与えるが為に、わざと無視している可能性さえある】

【貴方が見つけた書類は魔術に関する覚書であった。大層な研究所の中に於いて、魔術とは】
【けれども読み進めていけば、分かるはずだ。その中身に描かれる魔術の仕組み、それはまるで】
【貴方が今尚使っている、"蛇術"その仕組みに、近い――――】

【魔力を用いた交信の方法など、まさにそのままであった】

>>300

【ある種探偵の本領発揮といった所か、その役割を果たすには十分だろうから】
【部屋の壁や床は傷が多かった。室内でハリケーンがはじけたとは、言いえて妙なのかもしれない】
【けれども、すぐそばに脅威は無いようだ。少なくとも敵対者はいない】

【崩落した階段のそばに行ったなら、上の階がうっすらと見えるかもしれない】
【上の階もこの部屋と似たようなレイアウトになっている。渡る手段がすぐには見つからないだろうが】
【この部屋の破壊の跡は人為的なものと、或いは虚神の手のものと、二種類の可能性が考えられる】
302 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 15:24:50.72 ID:O8GCzNtX0
>>292

――――お前は……確か、レッド・ヘリングの時にもいたな……ラベンダァイスの奴が言っていた『軍人』も、お前の事だったか……?

【見覚えのある姿――――獣人、アーディンは、自分を呼びかける声に、顔を向ける】
【レッド・ヘリングとの戦いの時――――さほどの連携をしたわけでもないが、何度か言葉を交わし、共に戦った男だった】
【そして――――ラベンダァイスとの、アナンタシェーシャの腹の中で、同じ時間を過ごしたという軍人。後に聞いた話では、彼を彷彿とさせる】
【縁は異なもの、それをここでも味わうかと、アーディンはただ、1つだけ大きく頷いた】
【助力が必要になったら言え――――そんなメッセージを言外に込めて。それだけで通じるだろうと確信しながら】

>>300

……ッ――――アーディン=プラゴールだ。水の国で……まぁ、ケチな用心棒稼業をやっている
何か、必要な時は声を掛けろ。とりあえず、今はそれぞれがそれぞれのアタックをして、とっかかりを探す事だ……俺は、そう思う「『隣人付き合い』のようなもの」だな……
(ロッソ――――ッ! そうか……これで、届くか? かなり変則的だが……)

【ロッソの、場にいる全員へと向けたらしい名乗りに答え、獣人――――アーディンは短く己の素性を名乗る】
【――――内心に浮かんだ衝撃は、可能な限り噛み殺して。そして――――聞いていたキーワードを、最小限まで削り落とした上で、それとなく織り交ぜる】
【1対1ならともかく、他にメンツがいる中で、その符丁を、おおっぴらに口にする事は、憚られたのだ】
【――――示す事もしなかったが、『指輪』は彼の指に収まり、さりげなく光っていた――――】

>>310

(……随分と、雑然とした本棚の棚分けだ……むしろ、これら全部、同じように有用という事か?
 ……ならやはり、実践哲学は奴らにとって、関わりの深い内容になるという事だな……しかし――――となると、この辺は「外からの参照情報」という事になるのか……
 少なくとも、この内側で作成された資料などではない――――断片的に暗号化した、などという事はありえなくもないが――――あの日、確かに1つの資料にまとめられていた――――)

【黙々と、本棚を調べ上げていく――――やはり、ここのかつての使用者たちも、哲学を大いに参考にして、虚神たちに当たっていたらしい】
【つまりは、そこを唯一の武器として向かっていくという自分の姿勢も――――頼りなくはあっても、アプローチとして間違ってはいないという事だろう】
【だが、つまりこれらはあくまで参考資料でしかなく――――彼らの研究内容が、直接に記されたものではないらしい】

(――――必要なのはあくまで、『ここで書かれた書物』だ……それが本棚にあるかどうか、それを確かめなければなるまい――――!)

【一通りの区画を、丁寧に攫っていた方法を変える。残りの本棚から、かなり飛び飛びの、適当な個所から合計10冊ほどの書物を引き抜いてみる】
【ここの内部で作成された資料や書物の類が収められているゾーンを、大まかにアタリをつけようとしたのである】
【――――これで引っかかるものがなければ、一度本棚からは離れるのだろう。今はあくまで『とっかかり』を探している段階なのだ――――】
303 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 15:25:58.15 ID:O8GCzNtX0
/>>302修正
/>>310>>301
304 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 15:28:31.53 ID:Naz3NvV70
>>294


「お褒めに預かり光栄ね ─── 前に一度だけ、殺り合ったわ。」「私も、あまり判然としなかったけれど。」
「なにか、"大きな音を立ててはいけない"」「 ……… そんな気がする。」

【称賛の言葉もごくあっさりと受け止めて、 ─── けれど以前の交戦より、得られた経験だけは伝えておく。だから一度、両手に握った拳銃を仕舞う。】
【 ─── 代わりに、自身の掌へ、ひとすじの傷を付けた。真っ赤な血が滲む。手近な壁に其れを塗り付け、すれば血溜まりからは仄暗い光が生じて】
【"喚び出される"のは、一挺の長銃。ごく巨大な円筒の減音器と、ごく巨大な口径を持ち合わせた、火力支援用のマークスマン・ライフル。ボルトを引いて、薬室に弾を込めれば ──── 。】

>>295>>296


【 ─── 暗い檻の中。其処には一羽の"蝶"がいた。されど其の躯体は、そう呼ぶには余りにも神々しい威容を湛えていた。プリニウスが居たのならば狂喜しただろう。】
【シナプスへの囁きを鬱陶しげに振り払い、青くぎらついた隻眼が、視覚素子の奥に眩さを捉える。解析不能。当たり前だった。中距離射撃戦用のソフトウェアを立ち上げる。】


「妾の子なんて孕ませたつもりはないわね。」「古生代はとうに終わっているの。」「飼い慣らされる積もりもない。」
「バタフライ・エフェクトなんて知った今年じゃないわ。」「所詮おまえは胡蝶の夢よ。」「骸は綺麗に飾ってあげる。 ── だから。」


        「死になさい、ここで。」


【 ──── 死を運ぶ突風が、煌めきながら女に迫った。だが余りに其れは生温かった。硬い地面を蹴り、虚空に舞って躱しながら】
【天井まで飛び上がり、も一度そこを蹴って、あまりにも変則的な三角飛び。人間の成せる動きではなかった。 ─── 錐揉みの落下のうち、スコープは覗かれ、トリガーが引かれる。】
【消音された亜音速の大口径弾。ぱしゅん、と大気を裂く音さえない。狙うのは巨蝶の瞳、手始めに。】
305 :『魏尤』 ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/14(土) 15:33:48.45 ID:51AWNH0V0
>>294-296

【降り注ぐ鱗粉は、放っておけば身を八つ裂きにするほどのものなのだろう】
【しかしながら『魏尤』が"タンッ"と足下の地面を踏み鳴らせば】

【その身を覆うように漆黒の波濤が身を包み、鱗粉を巻き上げ】
【周囲の地面に押し流すようにして、いともたやすく防衛を成し遂げる】

【そして間を置かず、波濤は巨大な黒龍へと姿を変えて舞い上がり】
【部屋を埋め尽くす巨きな蝶の、右の翅を喰らわんと飛びかかる】
【この龍は能力の産物――言うなれば炎や水が龍の形を模して居るようなもの】
【一度食らいつくか、近しい力を持つ存在とぶつかりあえば爆ぜて、消えるだろう】

【――しかし、より厄介なのはこれが能力≠ノよる攻撃であり】
【その能力とは相手を呪う≠烽フである、ということだろう】

【呪う――極論、対象を祟り殺す不可視の力】
【しかし、そもそもそれが虚神たるシャーデンフロイデに通用するかは分からず】
【また殺すというのも極論で、人間相手に使用したとしても】
【単なる体調不良に留める程度の事もあり――あくまで攻撃の副次的な効果、という認識】


……いやあ、ようけ喋る蝶々も居たもんじゃ。
取っ捕まえて売り飛ばしたらいくらになるんかのう?

――ハッ、まあええわ。
育てたんが儂らやったら、殺すんも儂らの自由やろうが。
さっさと去ねや、虫けら風情が……カカッ


【逆巻く黒の波濤を龍として打ち出した『魏尤』は、頬に切り傷を作っていたが】
【それを気に留める風もなく――言ってしまえば、無教養に言葉を発しながら】

【既に次への布石を打っていた。右手の青竜刀、その刀身を左手で撫でる】
【人肌にクリームを塗るように、その刃には今しがた打ち出した黒が纏わりつく】
【物理的には――ならば、そこに尋常ならざる力を織り交ぜれば良い。ならば斬れるだろう】

【圧倒的なスケールの違いを前にしても、あくまで相手を"殺す"気でいる】
【それは無知故か、それとも別な理由があるのか。どちらにせよ、男は周囲と協調もせず】
【"シャーデンフロイデ"に耳を傾ける事も、恐怖することもなく】

【荒ぶる獣のように嘲笑いながら、品定めするが如く巨大な蝶を見上げるのだった】
306 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs [saga]:2018/07/14(土) 15:34:48.08 ID:SKBxDTkQo
>>301(探索)


 【→→PCを探索する】


……………………………………


【五つのHDDを手にした婦警の表情は、穏やかな微笑のまま一変もしない】
【それ自体が遵守すべきルールであるかのように、頑なに沈黙を維持していた】


【割れていたHHDやその他の部品はそのまま地に捨て置き、一度周囲を見渡す】
【視線がテーブルの上を薙いでいく。動きそうなPCがあるか目星を付ける】

【もし駆動しそうなPCがある場合、それの電源が入るかを試みる】

【以下はまともなPCが残存していなかった場合】
【ミチカ・ソネーウェは周囲に散らばるPCの残骸を念力によって宙へ浮かべ】
【その中から機能する部品のみを選択し、一台の十全なPCを組み上げようとするだろう】


【※】
【いずれにせよ、焦点となるのはその動力源】
【全て滅んでしまったかのようなこの空間に、機器を作動させるのに十分なだけの動力がまだ存在しているのか】

【仮に存在しているとすれば、それはどこから来るのだろうか】
【また、PCは十全に閲覧できる状態なのであろうか。ロックの有無は果たして】


【補足しなければならない】
【※以下は観測者の思考であり、ミチカ・ソネーウェの思考ではない】
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 15:36:20.87 ID:l9uoHkce0
>>300>>探索側の方

【くしゃくしゃに乱れた紙を拾い上げる。そうしながら懐から取り出したのはありきたりな眼鏡ケースと眼鏡だった、赤い縁取りの】
【文字を読むならそうでしょうとでも言いたげに。――本当は単なる硝子が入っただけの伊達であるのだけど。明確に相対した人間が居る以上、慎重を重ねるように】
【ついと掛けたなら、そこでようやく視線が少しだけ持ち上がる。――その顔を相手は思いだすんだろうか、一度、会ったことがある。それも。"蛇"として】

【――真っ白い髪に鴇色の瞳。印象を変えるために施された化粧に、眼鏡。ぱっと見では同じ人だとはあまり思わせない、けれど、造形までもは変えられないなら】

……呼び方は何でもいいです。だけど……そうですね、普段は姫って呼ばれてます。

【――――――つんと冷たい声だった。ゆえに荒廃した室内でよく目立つんだろう、意図的に声を低くして、まったく別人を装う仕草、塗り重ね】
【――あるいは彼に限らずとも、誰かに"ばれて"しまえば。彼女の存在は件のカルトの名と共によく繰り返された、行方不明の幹部として、顔も名前も、過去のことさえも】

 【――そしてそうしたなら、彼女がここに居る理由さえも辿られてしまいそうだから】

>>301

【――――――――そうして少女は目を細める。あるいは伏せるように。長い睫毛がかすかに震えた、視線が取り上げた紙面を所在なさげに漂って】
【どうしようもなく不安になった。一人ぼっちになってしまった、と、その瞬間きっと少しだけだって思ってしまったんだろう、きゅうと握った指先がかすかに強張ったなら】
【それでも。――それでも、やることはあるだろう。どうあれ情報が欲しいのに変わりなかった、ここに居る全員と、全く目的が異なるんだとしても、だから】

魔術…………――。

【――少女は魔術について特別に造詣が深いわけではない、ゆえにそれが"いわゆる"魔術に対する資料であったなら、そのほとんどをよく理解できぬまま、放ってしまうんだろう】
【けれど少女はそのうちに気づくのだろう、――あるいは気づいてしまう。これらの仕組みは"知っている"。そうやって思ったのなら、向く意識はいくらも増して】
【間違っても蛇の単語が漏れてしまわぬように呑み込んだ、――あるいは吐息ごと呑み込むようにして。そうしてほんの短い時間ではあるけれど読み込むのだろう、それを終えれば】

――――、

【一瞬の逡巡。けれど変に孤立し続けるよりは、おそらく】

>>302

【――――ゆえにその少女は彼の元まで歩むのだろう、こつんと小さな足音を添える、味方など誰も居ないと分かっているから、仕草は至極控えめに】

……あの、お手伝いします。本を読むのは好きなんです、だから、いくらかは慣れてますし……。

【――好意的にとらえるのなら、ひとみしり。けれどそんなひとみしりの少女がこの場に居るなどとは思えなかった、であれば、それは、何かを隠す仕草に似て】
【俯きがちの角度に目深にかぶった帽子。――であれば見えるのは口元程度だろうか、甘く蕩かすようなリップが塗りつけられた、触れれば体温にて解け落ちそうな、唇が】
【低くささめくような声に、けれどかすかに微笑を添えて。――そう申し出た、本棚の中身、探す手伝いをしたいから、と】
308 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/14(土) 15:40:19.84 ID:hPOt6zW80
>>294-296

…………。

【取り戻せることに、改めて気づかせてくれたこと。胸中でだけ、感謝を生んで】
【この戦いの中、彼の覚悟とは逆行しようとも、或いはと、共に帰還する可能性を意志に加えた】
【そして直後顕される虚神の姿は――――或いは言葉を失うに十分なものだったのだろう】

【異様な姿、美醜の両立。あまりに美しい夜の翼と、純粋がゆえにどこまでも邪悪を顕すが如き言葉、意志】
【けれど。返る言葉はどこか静謐で、】

……人が貴女を思い描き、そうしてあなたは人を喰らう幻想(ユメ)となった。
始まりがそうであったことに……本当にそれがあるべき関係だと考えているのなら、汲まれていいものはあるのかもしれない。

……けれど、それでも――――

【なればこそ、その滑らかさは炎熱を秘めた薄氷であった。虚空より燃えたつ黄金の火焔、白い指先が炎熱を圧縮したがごとく柄を掴み取り】

――――貴女は、私の生きる場所には深すぎる微睡みの夢。かりそめの客であることを受け容れず、蝕むことに慣れ過ぎた幾万夜ものただの悪夢よ。
生きて歩む者たちに、捕食者として立ちはだかるというのなら……その翼を斬り墜としてあげる。
夜天の煌めきを謳うなら、陽に溶けることもまた定めと識れ――――極夜蝶‼

【抜き放つは切断≠フ概念を帯びた刃。疾駆する濃藍色は時に鱗粉を防ぎ、大半を移動だけで擦り抜けて、シャーデンフロイデへの接近を試みる】

【そして一定の距離まで迫った時点で。再度顕現する黄金火が、夜闇を払うがごとく、誘蛾の灯にも似て刀身より迸るだろう】
【結果として得られるのは眩惑と熱傷。まるで光を集束させたがごとく、その耀きが複眼を灼かんとして】
【同じ部位に刃までも撃ち込めたのなら、その多節の肉体をも焼却せんとした】
【けれどそれも小手調べ。虚神が、それほどに容易く一撃を受け取る相手だなどと甘い認識は持ち合わせない】

【そこで奇妙なことと言えば、いつまでも、いつまでも――――数多の火の粉が滞留し、虚空を漂うことだろうか】
【それは、何処か極夜蝶の鱗粉に似て。共闘する者にも、周囲の物体にも干渉することはなく、静かに状況を織り成す様だった】
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 15:43:46.89 ID:TORCgYqr0
>>287

「アーディン、そちらは何か見つかったか?」

【本棚を探索する獣人】
【嘗て鈴音探索の際に、廃工場にて同行した人物】
【彼がこの場に招かれて居る事は、僥倖と感じて】
【別の書類、本棚を探索するアーディンにそう訊ねた】

>>289

「……能力か?」

【破壊された幾台かのPC】
【それを何かの能力であろうか?目の前まで持ち上げて、そしてバラバラに分解して行く】
【思わず感心して、そして声をかけたが、果たしていつからこの人物は居たのだろう、そんな不可解な感覚を覚えつつ】
【その白い警官服姿の女性に聞いた】

「HDDか、しかしこの場でそれを解析する手段はあるのか?」


>>300

「手分けか、賛成だロッソ」

【探偵の聡明で的確な提案だった】
【その言葉と共に、資料を調べ、探偵は周辺の警戒と他のフロアか部屋への移動探索を行っている様子だ】

「どうだ?何処か行けそうか?」

【崩壊した階段と、荒れた壁、それは此方でも確認が出来た】
【故に、探偵の探索行動は状況打開には良い手段かも知れない、と考えて、こう訊ねる】

>>301

「(これは、虚神の影響に関する資料)」
「(こちらの世界でも十分に起こり得る状況……)」
「(サンプルを、持っているのか、この場所に?)」

【読み進めていくうちに、その書類のメモの内容が悍ましい虚神達の影響に関する物だと行き当たる】
【それも、十分に此方の世界でも起こり得る無い様に】
【青ざめていくのを感じ、一旦それらから手を放す、内容は概ねそう言った虚神達が生体に与える影響の様な物らしい】
【そして今度は別の、アーディンが探索する場所とは別の本棚の資料に手を伸ばし、何も無ければ、それを読み始めるだろう】 
310 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/14(土) 15:48:36.58 ID:jFfH7+i40
>>294

私に刃物のイロハを教えてくれた師匠の受け売りなんだけどさ。
「刃と体は不滅。この世で一等イカした武器」なんだって。私もその通りだと思うんだ。


【"それに人の予想の遥か斜め上を行くのは、よくある事さ"――などと屈託のない笑みを顔のない男へと向ける】
【周囲の強者達が揃いも揃って平然として自分だけ驚きの色を見せたのが恥ずかしいのか、その照れ隠しである】

【場違いなやり取りや表情も、パンドラボックスを思わせる扉が開かれる瞬間に影も形もなくなっていた】

>>295-296

【扉の先にいたのは――蝶だった。夜を連想させる黒い翅。羽搏きの度に零れ落ちるスターダストの様な鱗粉】
【それだけ見れば、幻想的であったのだが。美醜兼ね備えていたのか、生理的嫌悪を齎す複眼と捕食器官を連想させる口吻】
【何より巨大な蝶の口から放たれる見下した言葉に眉を顰め、臨戦態勢を整えるのであった】


飼われる相手は選びたいし、何よりもう選んでるんでね。
それに申し訳ないけど、私は家畜を崇める趣味はないんだよ。

そしてオマエみたいな畜生風情を生んだ覚えも親呼ばわりされる覚えもない。
何よりオマエ達の糧に成る心算も――ないっ!!


【降り注ぐ鱗粉を浴びるのは間違いなく絶命に至る。そう踏んでか、エーリカは】
【その場から素早く飛びのき回避する。先ほどまで自身が居た場所を一瞥すると――予想通りの結果であった】
【星屑に振れれば裂傷は避けられない。刃物傷と同等のものである。しかも鱗粉の一つ一つがそうであるならば性質が悪い】


遠慮は要らないみたいだね。羽虫の様に羽を毟られる事を心配しなよ
さぁ、活路を拓こうか――Hell Edge Road/Lord!


【ヘルエッジ・ロードと口ずさんだ瞬間、エーリカの背後には五本のマチェットが召喚されて】
【それぞれが意思を持ったように右に左に弧を描きながら、シャーデンフロイデの羽や複眼へと襲い掛かる】

【ただ、この一連の攻撃で斃せる相手とは思えなかった故に。エーリカはシャーデンフロイデと距離をとって様子を伺うのであった】
311 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/14(土) 15:49:56.52 ID:3UHlEEvb0
>>292 

厳島……アンタも居たのか。オーラィ、なら細かいこと考えるのは任せるぜ。わかったことはレクチャーしてもらいたいね。
ま、俺やアンタにすれば普段の仕事と同じようなものじゃないか。

【ニヤリと笑うその姿は前にも見た、探偵のそれだ。虚構の中に落とされても彼は平常運転のようにみえるだろう】
【無理矢理にでも冷静で居なくちゃならない。演じるってのは意外と自分すら騙せるものだ。】


>>302

オーケィ、アーディン。腕っぷし程頼れるもんは無い。頼むぜ。
……そうだ、な。…………“ヨハン”・アンデールセンの映画みたいな言い回しをするじゃないか。

【彼は答えた。同じように符号を最小限までに小さくして。これは探偵にとって幸運だった。裏が取れている“信頼できる”ものが二名もいるからだ】
【所詮、協力をしようといえど味方である保証は何処にもない。読み合いは同じ運命共同体にも生じる】
【先手を切って、協力を呼びかけたのは保険だ。そうやって合意、空気感を作っておくことは大事なポイントだ】

>>307

お嬢さんも、頼むよ。

【彼は離れたところで探索しながら、声だけ返した。気がついていないのか、意図的に黙っているのかはわからないだろう】
【ただ状況も状況だ。大ポカでもしない限り彼も気が付かないだろう】


>>301

【探偵は歩き回り、その壁や床の傷を触り、原因を探ろうとする。―――兎に角、脅威はなさそうだ。】

……誰かが証拠隠滅にやったにしては…やり方が杜撰だ。ここは重要ではないのか…
あるいは、虚神…事故?

【偶発的にあの状態に陥ったのならば、ずさんでも納得がいく。だが、人間の痕跡が見当たらないのは不自然だ】
【あれ程のトルネードで誰も居なかったか…それとも虚神のやり方というのは傷をつけないスマートさでも持ち合わせているのか】

―――ブラフか?何かを隠すための…

【肩車をして――というにはいささか高すぎる。ハシゴのようなものはあるだろうか。だがそれだけの長さのものは難しいだろう】
【ちょうど良く空でも飛べる能力者がいればいいが。魔術で全員浮かせてくれたらありがたい】

【部屋を探すしか無いと判断し、今度は隠し扉か、通風孔のようなものがないか探索する】


>>309 & 探索組

とりあえず、脅威が襲ってきそうな気配はない。だが、二階へ通じる階段はてんでだめだ。
空でも飛べりゃいいが…だが、この部屋の荒れ方が気になるんだ。
…それと、書類のたぐいはどうだ?ヒントでもあればいいが…
312 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 15:54:22.69 ID:SKBxDTkQo
>>309(厳島)

【声を掛けられた婦警は振り向く】
【その顔貌が真正面から厳島に相対する】

【そしてその顔に見覚えがあることに気付くかもしれない】


   【『────ルールを理解しろ』】

   【『────新しい世界のルールを』】


【──あの日】
【〈ゼロ〉を含めた彼らに屈辱を刻んでいった血の処断】
【その現場に現れた、件の〈婦警〉とその人相は一致していた】


【だというのに、今その場に存在している〈婦警〉は】
【そんなことなど一切忘却してしまったかのごとく、厳島を見ても表情を一変だにさせず】
【その顔面に貼り付けた微笑を、いささか深めるのみであった】










 ────『ルール』を理解するんです。
 虚ろな世界の『ルール』を。



【ふと、それだけを発すると】
【〈婦警〉──ミチカ・ソネーウェは再び前方を向いて、何事も無かったかのように先までの作業を再開した】
313 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 15:54:45.83 ID:dEuP8Qkb0
>>304(アリア)>>305(魏尤)>>308(柊)>>310(エーリカ)

【能力者たちの攻撃がシャーデンフロイデへ向かう、巨大な蝶へと刃が伸びる】
【ゴーストライターは違和感を持った。確かに、シャーデンフロイデは実体を持つ】
【けれども、これだけの相手を前に姿を見せるとは、些か無用心ではないか、と】


(……いや、合っている筈だ。"アナンタシェーシャ"も実体を持っていた)
(そう、その結果として人類の攻撃は確かに利いていた。だからこそ、輪廻を……)
(ならばシャーデンフロイデの特異性とは何処にある、攻撃が利くならまるで――)


【確かにゴーストライターは見た。或いはその場に居た全員が見たかもしれない】
【シャーデンフロイデが攻撃を受ける姿を】

【アリアの銃弾が複眼を打ち抜く。炸裂した火薬が、内部の機構をずたずたに砕くだろう】
【魏尤の放った黒龍、飲み込む右の翅はいとも容易く引きちぎられる。大きく蝶はバランスを崩して】
【柊の刃がもう片方の複眼を捉えた。燃え上がる光景が、賛美歌の様に降り注いで、肉体をも包む】
【エーリカのマチェットがダメ押しとばかりに、残った羽や複眼につきたてられる】

【そのどれもが致命傷であった。鍛え抜かれた能力者の攻撃は、容易に神を打ち貫く】
【魏尤は気づくだろう。呪いの作用により、シャーデンフロイデが、攻撃を与えた箇所から侵食されていく事を】
【柊もまた気づくはずだ。アナンタシェーシャと一緒だ。ダメージは確実に通っている】

【けれども、言いようも知れない、不安感が全員の胸に、よぎるだろうか】



/↓
314 : ◆zO7JlnSovk [saga !nasu_res]:2018/07/14(土) 15:55:21.19 ID:dEuP8Qkb0
>>ALL



  【其れはめまいの作用に似ていた。―― 眩む視線の綻ぶ行く先が見えなくなるように】



【足元がふらつく。地面が溶けてしまったかのように、気を抜いたならばそのまま地面に飲み込まれてしまう】
【汚泥と汚濁と、視界を穢す怠惰なイラつき。仄かに混じるのは焦燥の様な思いに近かった】
【何が起きているのか。恐らくその場にいる誰もが説明できないだろう。】


【確かなのはその証左であった。貴方達の知覚が歪む、認知が揺らぐ、存在すらも曖昧模糊と消えていく】
【揺るがぬトーンの僅か先に、返す返すの世迷い言を述べる実態の様に。不定形の未来が過去を嗤う】
【声が聞こえる。むず痒い声、脳髄に産み付けられた蚊の卵が孵化するかの如く】


『貴方達は世界が一つだなんて本当に思っているのかしら。だとしたらそれはペテンよ』
『だってそうでしょう、現実でさえ複数あるのに、どうして世界が一つだなんて思うの』
『貴方達は日々、沢山の選択をするでしょう? 朝食べる物だって、もしかしたら別だったかもしれない』

『ねぇ、どうなると思う? 別の選択肢を選んだ世界は、本当に無いって言い切れる?』
『枝分かれするの。貴方が選んだ世界と選ばなかった世界と、世界は無数に存在していて』
『その中にはね、とても重要な分岐点があるの。貴方という存在を形作る、大事な分岐点』

『私は貴方達に感謝しているの。だから見せてあげるわ、目眩く無数の世界を』
『そうして貴方達の現実は不定形に成り果てるの。でもそれを恐れるのは違うわ』
『私にとっては親孝行よ。不出来な親であっても、大切な私の親ですもの』


【脳裏に響くシャーデンフロイデの言葉。無数の世界を示す、誘惑の言葉】
【息を止めて深海へと潜る感覚であった、何処までも深い深い海の底へと落ちていく様に】
【指先の感触が無くなって、無が全身を包んでいく。そうして、消え去ったなら】


【―――― 次に眼を覚ましたとき、そこには各々が居た光景が残っている筈だ】


【地下の収容施設に居た面々は、シャーデンフロイデと対峙した状態に戻っている】
【地上の研究施設に居た面々は、再び各々の探索の途中に戻っているだろう】





【―――― けれども違う。確かな変容がそこにはあった。】
315 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 15:55:56.13 ID:dEuP8Qkb0
>>【戦闘側】



『例えこの世界が虚構の現実であっても、貴方達は其れを道理と知っているでしょう』
『親は子を傷つけないものだと、其れが正しいあるべき道理だと、分かっているでしょう』
『だから子を殺す親は非難されるのよ、この人でなしだなんて、言葉をかけられて』

『私はこんなにも親を愛する子であるのに、貴方達は躊躇無く刃を向けるのね』
『嗚呼悲しいわ、こんなにも悲しいのなら、せめて、悲劇はまた別の一幕を』
『ええそうよ、あったかもしれない未来、あってほしかった過去、辿って行く道先は何処へ』



『―――― 正しい選択をお見せしましょう、私の子供達と共に』



【シャーデンフロイデは無傷であった。最初に出現した状態と変わらずそこに佇む】
【そして能力者各位は元の場所に戻っているだろう。彼女に攻撃を放つ前の位置に】
【しかし、変化があった。まずは、シャーデンフロイデの周囲】

【―― サナギであった。蝶のサナギ、等身大のサナギが、所狭しと地面に転がっていた】
【それは黒い甲殻に覆われて、どこか不気味な雰囲気を保って、どくんどくんと呼吸をする】
【―― けれども、それは重要ではない。大切なのは、その先】


【"アリア"の右手、"柊"の左手、"魏尤"の右足、"エーリカ"の左足からそれぞれ出血していた】
【傷口は深いだろう。少なくとも、それぞれの武器や運動能力を阻害するほどには】
【そして貴方達は "思い出せる" ―― 自分の四肢についた傷の所以を】

【シャーデンフロイデが振りまいた鱗粉が、最初に各々が避けた筈の鱗粉が、当たった】
【貴方達の "記憶" の中にはその光景がある。同時に、避けた筈の "記憶" もまた、あるだろう】
【それは確かな矛盾。けれども、その場に存在するのは "ノー・パラドクス" 】

【シャーデンフロイデは無傷で、貴方達は傷を負った。その結果だけが残る】
【柊の放った滞留する火の粉も掻き消えていた。はじめから存在しないが如く】
【佇むシャーデンフロイデが嗤う。その足掻きすらも楽しむ様に】
316 : ◆zO7JlnSovk [saga !蒼_res]:2018/07/14(土) 15:56:58.40 ID:dEuP8Qkb0
>>302>>306>>307>>309>>311【探索側】


【地上の研究施設に居た面々は、その光景に気づくだろう】

【荒れ果てた室内が元に戻っている。それはまるで、在りし日に戻ったかのように】
【雑多だった書類や書物は元の場所へ、きちんと分類わけして置かれている】
【そして同時に、それぞれのパソコンも、使える状態で存在しているだろう】

【また、その場に居たアーディン、ミチカ、かえで、ロッソ、厳島は各々行っていた行動の中途で気づく】

【アーディンは引き抜いた本が元の本棚に戻っている事に気づくだろう、何冊かは位置も変わっている】

【ミチカがパソコンに触れた際電源はつかなかった。ならば今のパソコンはつくのだろうか】
【そして、持っていたHDDや他の部品は消失していた。はじめから無かったように】

【かえではアーディンの元に居るだろう。二人には確かに言葉を交わした記憶が残っている】

【厳島は別の本棚の前に佇んでいる筈だ。何冊か本を抜き出していたなら、それも元に戻っていた】
【けれども読んだ記憶は残っている。ミチカやアーディン、ロッソにかけた言葉の記憶も】

【隠し扉や通風孔は見つからない。けれども、ロッソは見つけるだろう。上の階へと続く階段があった】
【それは崩落していた階段が、元に戻った様であった。直ぐに上へと上れる】

【そして、本棚や書類を捜していた全員が見つけるはずだ】
【大量のコピーがあった。テーブルの上や、本棚に挟み込まれて、存在していた】


【『INF-007』と書かれた、その報告書が】


/『INF-007』https://www.evernote.com/shard/s266/sh/87396950-c109-4856-9bbb-2a6acd2f6bca/c8ba7ac8b9f4534d6ec5f10df660df18
317 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 16:21:42.60 ID:SKBxDTkQo
>>314>>316


【──────────────────】



【ミチカ・ソネーウェはPCの電源ボタンへ指を伸ばしていた】
【が、その直前で動きがはたと止まり、その体勢のまま何もない虚空の一点を見つめた】


……………………………………


【揺らぎ、あるいは何かのずれ】
【ミチカ・ソネーウェと記述されるそれは不定形の何かについて言及しない】
【沈黙。ただの一点、それを継続し続ける。そこに何の意義や価値や認識があるのかも黙したまま】


【ほんの数呼吸ばかりの後、ミチカ・ソネーウェの動きが再開する】
【電源に触れようとしていた指がそのまま進行し、ついにそのボタンを押す】

【そして電源が通うか通わないか、起動したとしてディスプレイが付くか、】
【その反応を観察する傍ら、視線がテーブルの一部に移る。──『INF-0007』】

【ミチカ・ソネーウェはそのコピーを手に取り、PCの反応を待つ間、それを凝視している】
318 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 16:25:58.03 ID:Naz3NvV70
>>313

【12.7mmの軟弾頭系ホローポイント。着発信管の炸薬までロードしてある。命中すれば人間の頭くらい水風船のように吹き飛ぶ代物だった。】
【そして確かにそれは着弾した。複眼がスコープの先で砕け散る。一先ずは攻撃の通用に、微かに心が安らぐ。 ─── しかし。】


【降り立つ脚元が揺らぐのを感じた。世界が闇に飲み込まれていく。先っき、この虚構の世界に移ったように。】
【青い瞳が見開かれる。足先の感覚が消える。知覚系が無数のエラーを吐き出す。チタンの脳殻の裡側、無数の卵管を突き刺されるみたいに、疼いて。】


「 ─── な。」


        【沈んでいく。】
【沈んでいく。】
                【沈んでいく。】
             【沈んでいく。】
                                                【沈んでいく。】
                       【沈んでいく。】

【よく知ったダイビングの感覚に似ていた。けれど背中にフローターはなかった。闇は底なしの海みたいだった。ごぼり、息を吐き出す。手脚を踠かせようにも掴むものはなにもなくて、】
【そうだから此処はディラックの海。遠ざかる水面に意識さえ蝕まれる。自我が反泥にまみれていく。最後の息の一つまで吐き出したのなら、 ──── わたしは蛹になれるのだろうか?】



        「 ………… ッッ、」「 ──── …………!! 」



【 ──── されど全ては巻き戻った。不正な処理から帰還したサブルーチンみたいに。そしてまず、あまりに鮮明な痛みを感じるのは、右腕。】
【ふかぶかと斬り裂かれた傷跡が黒いコートに真っ赤な血を滲ませていた。苦悶に銃を取り落とし、千切れかけた片腕を押さえながら、青い瞳が蛹と蝶を睨む。】
【補助電脳のリソースまでをも利用して思考を整理する。ご丁寧に記録ファイルの日時まで書き換えられていた。いや、"最初からそうだった"。有り得ない機序。だが其のくらいは覚悟していたから。】



「成る程ね。」「 ……… それがお前の能力か。」「極夜の蝶とは良く言ったもの。」
「お前に都合の良い"世界"を選び、何度だってやり直す。」「さながら終わらない夜のように。」
「饒舌なのは、絶対の勝利を確信しているからかしら。」「 ……… お前の知る世界には、惨めに斃れる私たちしか観えぬのかしら。けれど、 ──── だから。」


【確かにそれはバタフライ・エフェクト。世界線の移動。エヴェレットの多世界解釈。ぎり、と白い歯を軋ませる。】
【だが何かの"きっかけ"があるはずだった。そしてまた"戻れる場所"も限定されていた。そうでなければ、それこそ自分たちがこの世界に辿り着いた時、"生まれなかった世界"まで送り返されていた筈だった。】
【右腕の痛覚と血流を遮断する。加水合成した鎮痛剤を脳幹に注ぐ。 ─── まだ、私は、戦えるから。】



「ここで死ぬ訳には行かないのよ。」「お前のような外道に、啜られたくない花があるから、 ─── !」



【然し啖呵を切ろうとも、 ───「打つ手がない」。下手に「打ってもいけない」。だから一先ず、アリアから攻撃を仕掛けることはない。】
【その代わりに回避と観察に専念するのだろう。あらゆるCPUの処理能力と解析ソフトウェアを用いて、可能な限り相手の"根源"に、迫ろうとする。全てはそれからだった。】
319 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 16:27:43.58 ID:O8GCzNtX0
>>307

――――姫、か……

【あからさまな偽名だろう――――だが、この場では追及をしても仕方がない。アーディンはただ1度だけ首肯した】
【正体を隠す理由など――――こんな集団の中なら、限定しきれないほどに有り余っている。ならば、一々その理由を考えても仕方がない】
【重要なのは、今現在とりかかっている目的に対して、助力を得られるのか、障害となるのか――――それだけだ】
【そして、身の危険を冒してまでこんなところまで――――現実が、曖昧になる世界にまで踏み込んできたのだ。その理由は、決してケチなものではないだろうと、そこだけを考えた】

――――ふむ……ここにはどうやら、研究にあたっての参考にしたらしい本が、大量に並んでいる……
この中に、ここの研究員たちが書いた書物の類が見つかれば、それが『報告書』を探すとっかかりになるだろうと、そう踏んでる……
なんせ、結構な量がある。そして、全部をしらみつぶしに当たってるだけの時間も無いだろう……それらしいものがまとめて納められる、そんな場所を探してもらおうか……?

【少々素性は怪しいが――――まさか、大っぴらに敵だったとは、気づいていない――――手助けをしてもらえるなら、それに越したことはない】
【自分の考えを端的に説明しながら、『内部で作成された資料が収められているポイント』を、探して欲しいと伝えた】
【――――こうした情報管理は、分かりやすさが肝だ。まさか防諜目的で偽装などはしていまい――――探し出しさえすれば、それは素直な形になっているはずだと踏んで】

>>309

いや、ただ……哲学の類が、研究の内容に大分噛んでいた、少なくともここを使っていた研究員たちは、それを重視していたというのは、間違いないようだな……
参考資料ばっかりだ。まずは、ここで作成された資料なんかを探さないと、話にならないだろう……今はあくまで『とっかかり』を探す段階だ……

【短く、端的に答える。どうやら現在のところ、収穫らしい収穫はないらしい】
【一つ所に執着するのも、良くはないと考えているようで、その探し方は結構雑だ。本人の言う通り、まず粗くとも、ヒントの類から探そうという事なのだろう】

>>311

――――そのヨハン何とかはよく知らんがな……後でリベルあたりにでも聞いてみるか……
(……っ、通じた……ッ!)

【適当な軽口を装って答えながら――――かつて接触したと聞いた仲間だだだだリベルの名を出しながら、アーディンは頷いた】
【――――リベル、そしてラベンダァイスが言っていた「多くの仲間を率いている、もう1人の指輪の仲間」は、間違いなく彼なのだろう】

いや……哲学書の類を、ここを使ってた連中も重要視してたらしいという事だけだな……まだめぼしいものは目についてはいない……

【厳島に対するものと、ほとんど変わらない返事を返す。今のところ、まだ作業は順調とはいかないのが事実だ】

>>307 >>309 >>311

――――嫌な仮説だが、ここが『既に改変されている』と言う可能性もあるかもしれん……それは一応、頭に留めておいた方が得だろう……

【ふと思い浮かんだ『嫌な予感』――――それを口にして、警句としようとしたアーディン――――だが、実際にはそれを意識するのは、まさにその瞬間からだった】
320 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 16:27:56.36 ID:O8GCzNtX0
>>314>>316

――――っぐ、む…………ッ!?

【突如として、認識が歪む――――既に介入されているのではないかと口にした、その瞬間から始まったのだろう「何者かからの介入」が】
【思わずしゃがみ込み、地面に拳を打ち付ける。何か確かな、縋れるものを用意しなければ、自我すら曖昧になりかねない――――やはり、この手の妨害が、やってきた】
【自己を定位させ、自我を確保する――――まずはそれを第一義に考え――――想定していたからこそ、すぐに対応できた――――すぐに、次の異変がやってきた】

っ、誰だ…………ッ!?

【それがシャーデンフロイデの言葉だと、アーディンは知らない。ただ、虚神と連なる何者かの言葉である事は間違いないだろうと踏んで】

っぐ…………ッ、下らんな……! 選択の先の分岐点……っ、パラレルワールドとでも、言いたいのか……ッ!
そんなもの、幻想だ――――時の概念をひっくり返しでもしない限り、そんなものはただの空論……! ん……ッ!?
(だ、だが……アナンタシェーシャは現に、時を永劫回帰して見せた――――まさか…………虚神ども、パラレルワールドを現実に手に掛けるのか……!?)

【限りなく近い並行世界――――それは、タイムパラドックスに対するカウンターとして構築された理論だ】
【つまりは、タイムスリップが現実に発生でもしない限り、科学の中の机上の空論と言えるもので――――だが、ふとその言葉の勢いが弱まる】
【それをやり得るのが、この虚神たち――――否、限定的ながらも、それをやってのけたのが、虚神たちではないのかと――――その言葉の意味に沈降しようとして】
【その直後――――世界は再び先ほどの様相へと戻る。――――その有様を、大きく変えながら】

ぅ……っ、これは……!?
――――相変わらず、常識の通用しない世界だ……まぁ――――っ、しかも、これとはな…………!

【復元されたように、整ったかつての廃墟。その光景に一瞬息を飲むも、まずは作業を再開しようとして――――目的のブツの一部らしいものが、あっさりと見出される】
【まるで、弄ばれているような感覚に陥るが――――だからと言って足を止めても、仕方がない――――苦笑しつつも、アーディンはコピーの一部を引っ張り出し、その内容に目を通していく――――】

っ――――――――なんだこれは…………壮大な先送りという事か……!
攻撃する事が、そのまま向こうの糧になる……そして、確実に返ってくる刃になる、だと…………まるで、『シャドウの投影』だな…………
しかも、生意気にしっかりと摂食本能まであるらしい…………これは、全人類が聖者にでもならない限り、消滅しない概念という事になるのか……!?

【目を通し――――『シャーデンフロイデ』なる存在の詳細を頭に叩き込み――――思わずアーディンは呻いた】
【その存在の本質は――――今までに比べて、猶更途方もない難攻不落の概念的な存在だ】
【加えて、敵対者として使用してくる能力は、まるで――――ユング心理学でいうところの『投影』――――自己の許しがたい欠点(シャドウ)を、敵対者に見出して、攻撃性を明らかにする、あのプロセスを思わせる】
【端的に言えば――――敵を攻撃する事は、自己を否定したがる本能の、裏返し――――と言ったところだ。それを有効な『手段』として、用いてでもいる様だ】

敵は己、己は敵……なるほど、これは――――全てがひっくり返るような有様だ…………どうやら、今までとは格が違う、更に上の脅威が、近づいているらしい……

【無意味に言葉を紡ぎながら、アーディンは心を落ち着ける。こんな事でも、自分を切り替えるルーティンとして、機能してくれるのだ。己は、己だ】

これは…………まずは上へと昇ってみるべきか……?

【その書類を、ズボンのポケットにしまいこみながら、アーディンは復元された階段を見やる。この空間からは、既に有用な情報を見出せたのだ】
【時間は無限ではない――――どこかで見切りをつけなければならないだろう】
321 :『魏尤』 ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/14(土) 16:29:13.80 ID:51AWNH0V0
>>313-315


……なんじゃあ、こりゃあ。


【覚えている=\―全て、しっかりと己の頭脳が認知している】
【自分の放った黒龍が、そして周囲のものが放った弾丸や刃が蝶を屠った】

【しかし、同時に混在する記憶がたしかにそこには残っていた】
【降り注ぐ鱗粉は波濤で回避したはずだった】
【だが足に深々と傷を負った、それも覚えている=z

【口をついて出た言葉は、ある意味当然のものだったかも知れない】
【まるで現実を都合よく塗り替えられたような違和感】
【そういう存在である≠ゥのような、ある種の絶対的な存在感】


(……さっき、全員が攻撃をしていた。だが、その傷を奴は負っていない)
(そして代わりに、確実に回避したはずの傷を俺を含めて全員が負っていた)
(「巻き戻った」のか……、……「反射」ってほど、簡単な話しでもなさそうだが)


自分は絶対に敗けんっちゅう勘違いをしとる口ぶりじゃのう。
儂がいっとう、嫌いな奴じゃ……。


【片膝を突き、袖の衣服を裂くと傷口を縛って止血する】
【怒鳴り散らし、暴れ回らない――それが最大の行動といえば、行動だろう】
【見た目通りの狂犬というわけではないよう、だが】

【――その実、頭は目まぐるしく活動していた】
【どうするか。何をされたか、殺せるのか、能力は効くのか、いつ受傷したのか】

【勿論答えはそうそう出ない。だから、考えうる一つの手を打った】


【黒龍≠今一度、シャーデンフロイデの巨体へと放つ】
【しかし今度は噛み付くことも無ければ、傷つけることもしない】
【周囲を飛び回り、その身に宿す呪い≠巨蝶へと振りまいてゆく】

【要は、物理的な攻撃ではなく――内面から、能力によるダメージを与えられるか、どうか】
【人間であれば臓器不全を引き起こすこのやり口は、先程確かに効いていた】
【そう記憶している。しかし、時間がかかる。即効性は無いが――呪い殺すという感情を、渦巻かせた】
322 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/14(土) 16:41:11.89 ID:hPOt6zW80
>>313-315

【あまりに容易い一撃の成立に違和を覚えて。黒は、過たず視界を埋め尽くし、】
【そうして紡がれる、憐れむような嘲弄の言葉は――――その内実こそが威を叩き込んだのだろう】

これ、は――――……ッ

【虚構の現実に帰還する意識、対峙する状況はそのままに――――けれど、】
【……気付けば。突如として床に転がる4つの蛹が見えたかと思えば、太刀に触れる左手に、深い深い裂傷が生じていた】

……ぁ、ぐ……!? 

【ありえるはずのない痛みに、抑えた呻きがつい零れた。一瞬の驚愕は、状況の生む必然として在る】
【シャーデンフロイデの言葉通りならば、行われたことは世界線の選択だ。都合のいい現実を常に選び取れるとすれば、それは、まさしく無敵の異能で】


【だが、そこに何らかの制約や条件が伴うことは、或る程度期待できるのだろう】
【何故なら基底現実は。彼女らが生き、足掻くあの世界は――まだ、こんなものに侵食されてなんていない――――!】

【無感動に、必要なかたちに――――冷徹に冷静に研ぎ澄まされる意志。内に秘めた焔さえも、僅かに漏れ出さすことはなく】
【元より他者を守り、救う≠アとへと特化し、呪縛した自我故に。必要な過程を躊躇うことは、ありえなかった】


【励起される時≠フ力。少女を“切断者”と在らしめた、時戒の宝玉による干渉の実行】
【其は攻撃ではなく抑制――――極夜蝶舞い踊る夜天を鋼の泥濘に替え、飛翔を許さぬための世界の強化=z
【世界線移動を原理とするならば、連続する時≠フ流れの拘束力を極大化させ、もっとも高い可能性≠ノ行先を限定せんとした】
【潮流を操る仕切り板もろともに、瀑布と激流を細い管で覆い指向性を与える。渡ることは、破壊することとイコールではないがゆえの思案】

【視線は確と据え、僅かな魔翌力の予兆さえも見逃さない。それは、ごく当然の選択でしかなく】

【億ほど繰り返す闘争の過程、巌の大山へ鑿を打つようなひたむきさを以て観測と実践を繰り返しながら】
【純化されゆく戦闘者としての思考は、シャーデンフロイデには如何映るだろうか】
【飽く迄この瞬間には補助に特化した、攻撃でない∴齊閧操り。凍てた月のごとく冷涼な、真実を探るための視線を置く少女は――――。】
323 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/14(土) 16:41:24.66 ID:jFfH7+i40
>>313-315

【手ごたえは十分だ。それに自分よりも遥か格上の猛者たちが揮う一撃はどれも一騎当千】
【そんな光景に自分の攻撃など刺身に添えられたツマみたいなものだと、やや卑屈になっていた】

【ただ、この卑屈はすぐさま得体のしれない、己が内から湧き出る不安感に押し潰されそうになり】
【それを払拭しようとした矢先――眩暈。体がふらりと倒れそうになるのを踏みとどまろうとすれど】
【踏み止まる地面さえ不確かなものに思えて、終いには自分という存在さえ観測できなくなる錯覚を抱く】


【―――】


【再び、目を覚まし、瞼を開ける――目の前に広がるのは傷一つないシャーデンフロイデ】
【先と違うのは――脈打つ等身大のサナギに、深手を負った自身の左足】


―――っ!?

――――!!??うぐっ、ぅぁああああっっっっっ!!??
……なんで、どうしてっッ!?あの鱗粉は"避けた"ハズだろうっ!?


【不味い、不味い、不味い。自身の生命線たる機動力を削がれた――!】

【有り得ない出来事を認められないと言わんばかりにエーリカは叫び、焦燥の色を滲ませ】
【ジャケットの袖をびりっと破り、ドクドクと溢れ出る血液と激しい自己主張をする左足を止血する】

(―――何が起こった?なんで、?どうして、?)

【エーリカは覚えている。それは鱗粉を避けきれなかったという先ほどまでの記憶】
【同時に、鱗粉を避けてマチェットで複眼を貫き、羽を捥いだ記憶もあって余計に混乱していた】

【受け入れがたい現象と左足の出血はエーリカの思考回路の大多数を滅茶苦茶に乱し、冷静な思考判断がままならない】
【僅かに働く思考は牛歩の如き速さで、先ほどまでと今の相違点を導き出そうとしていた】


(あのサナギ、……さっきまでは居なかったろ?それに、脈打ってるように見えるし、生きてるのか、アレ…?)


【まとまらない思考はそのままに。エーリカはふらふらと立ち上がり、シャーデンフロイデを鋭く睨めど――次の一手を出せずにいた】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 16:46:05.40 ID:OeqNGAWu0
>>311

【――お嬢さん。その呼ばれ方に結局少女は返事をしないんだろう、ただ、一度、視線をちらと向けてやった気配のみがある】
【少なくとも"なにか"しでかしてやろうと言う気概は見えなかった。少なくとも、今は。――もし彼が"分かって"いたとして、それくらいは"分かる"だろうから】
【であればそれ以上言葉を紡ぐ必要もないと判断したのか。――けれどきっと少女は彼や一部の人物が顔見知り、或いはそれ以上の間柄であることくらいは"察する"】

>>319(前半)

……はい、あの、メイド喫茶でバイトを。あだ名を付けなきゃいけなくて。ほかに――"女王さま"とかいますよ。

【――――彼が首肯し追及しなかったことに、彼女はどこかで薄らと安堵する。不安になったらいけないのに、と、何度も繰り返しながら】
【なんてことない風に言葉を付け加えていく、――そうやってしゃべっていると少しだけ安心する気がした。何の意味もない言葉を並べていたら、現実は見えなくなるから】

そうですね、学術書ばかり……ですか? 読むだけで……一か月くらいはかかりそう、ですけど。
……ここの人間がまとめたものであれば、ある程度はそれのみで成り立つでしょう、前提の知識の問題もありますけど、……。

…………――見た感じ、ある程度、共通していそうですからね。

【「私たちの知る理論と」】
【――やはり顔はよく見せない。低く取り繕った声は時々拙く振れた、そうしてかすかに同意を示す、これらはあくまで参考書、であるのなら】
【ここの人間たちが自分たちのために纏めた資料があれば、それは、――前提の知識のあるなしはあっても、おそらく、それだけでいくらかは成り立つべきであるはずだから】
【少女の指先――手袋に包まれて素肌は全くうかがえない――が本の背をとんとんと戯れるように撫ぜた、】

>>314

――――――きゃ、――っ、

【けれどそうして漏れた声は。少女の中にある本当の少女らしさが漏れ出るみたいに、高い高い、今まで少しであっても話した声より、高い、声であって】
【眩暈のような感覚に追随してむずむずする脳幹が揺らいだ、であれば自分を抱き留める仕草は反射的なものなのだろう、ぎゅうと歯を噛んだなら、自身の咄嗟を恥じるよう】
【それでいて――脳をゆるく掻かれるような感覚は続くのなら小さく漏れてしまう声までは押し留められない、隠れて耽る性行為の際にも似る音階、喉の奥に燻ったなら】
【短い時間だったろうか。それとも長い時間だったろうか。それすら結局ありふれた人間の感覚では辿れない、深い深い海の中、指先までも、ほどけて溶けて――】

――ッ、あ、、――――。

【――そしていつか戻って来る時に、少女は眩んでしまったかのようにバランスを崩す。幸いにも本棚の一部をつかみ取れたから、転ばずには、済むのだけれど】
【――――眩んだ目のまま辺りを確認しようとする仕草はそういう意味では"慣れた"ものであった。文字通りに薄い色合いをした目線が、巡って――気づく、その異常に】
【――――――巻き戻したかのような光景。さっきまでとの明らかな差異。けれど最初からそうであったかのように、自分たちこそ、ただ、幻を見ていたみたいに?】

【舌打ちに似た吐息を漏らす。まだいける、と思えた。だからやがて立ち上がるんだろう、――"心を殺す"方法。彼女には間違いなくあるから、惑ってられない】

>>319(後半)

【――少女が一度彼を睨んだように見えただろう。けれどそれは敵意からのものではない、ただ一番近かったから、状況を探るために、近かった】
【彼からすればすぐそばで少女が貧血でも起こしたようにしゃがみ込んだように見えるんだろう、――指先がぎゅうと本棚の一部を掴んで、そのうち立ち上がる】
【ゆえによっぽど重篤ではない。――ないけれど、いくらかの混乱は見て取れるだろうか、もちろん、そんなの、きっと、――全員なんだけれども】

――――――あははっ、もう、――――クソッ、

【吐き捨てる声。――それもやっぱり彼に向けてのものではない独り言。もっとも近くにいた彼がふっと目にする幕間の情景、ゆえに、きっと、特別の意味はないのだから】
【少女もまた報告書の一部を手に取って睨むみたいに読み込んでいる。――すぐに全部覚えられる自信はなかった。こんな時に"あの人"が居たらよかったのに】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 16:51:16.04 ID:TORCgYqr0
>>307

「姫、か……解った、君も何か見つけたら教えてほしい」

【この場では誰でも、一蓮托生と言った所か】
【眼鏡を取り出して掛け、アーディンの元へ向かった少女だが、少なくとも面識は無い】
【故に、その正体も素性も、全く気が付くとこは無かった】
【だからこそ、この場では何も気にすることも無く協力調査が可能と言う物だろう】


>>311

「助かるよロッソ、君の様な存在は」

【皮肉では無く本心】
【此処に至るまで、探偵は我々の居た世界と変わらない、普段通りの口調と行動を維持している】
【心が乱れる事が無い、それは自然と此方へも安堵感を齎す】

「それもそうか、ただレクチャーと言っても、俺の方には決定打は無さそうだ」
「強いていうならば、この施設には地下もある、それが解った位か」

【最も上階への階段の有様を見るに、地下への階段も恐らくは……】


>>319

「そうだったか、此方も虚神が生体に与える影響に関するメモだ」
「此方は決定打では無さそうだが、とっかかり、か、そうだな……」

【哲学に関係する複数の要因、アーディンの話ではこれらが重要視されている様子だ】
【参考資料、それも気になるがやはり本人の言曰く収穫とは言えない物なのだろう】
【今は地道に、探索を続けるのが吉だろうか】

「解った、何か見つけたら教えてほしい」

>>312

「――ッ!?」
「お、お前……貴様は……」

【改めて対峙したその顔、その容姿】
【見忘れる筈も無かった】
【婦警、あの日全員が重傷を負わされ、カンナが連れ去られ、一人の人物が死去したあの日】
【その場に居た人物、婦警、曽根上ミチカ……】
【何故、何故此処に、何が目的だ……】
【頭を重鈍な何かで殴打されたような衝撃とショック、思わず蹈鞴を踏むほどには眩暈を覚え】

「何故、何故……」
「貴様、何が、目的で……」

【乾いた口からは、ようやくとこんな端的な言葉を絞り出すに至って】
【そして……】

「虚ろ?この世界のルール、だと?」
「何を、何を言っているんだ?」

【あの日、あの男が言ってた事と、似たような言葉】
【虚ろな世界のルール、それだけが脳裏を幾度も反芻して】
【果たして、掛けた言葉も疑問も、果たして届くのだろうか、答えは返ってくるのだろうか】


//分割します
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 16:51:32.74 ID:TORCgYqr0
>>316

「!!??」

【自分は確かに本棚の前に居た、そうして幾冊もの本を抜き取り拝見していたのだが】
【気が付いた次の瞬間には、世界は、その周囲はその風景を一変させていたのだ】

「何だ、これは……」
「どういう、事だ?」

【資料やメモはきちんと整頓され、PCは全てが無事の状態に】
【壁も階段も、かつてそうであった時の様な状態に】

「ロッソ、アーディン、無事か?」

【手近な見知った二人に、こう声をかけて】
【やがて見つけるだろう、その資料を】

「これは……」

【INF-007、シャーデンフロイデに関する記述】
【嘗ても幾度と手にしたナンバリングの資料】
【虚神の記録だ】

「もはや、概念兵器だなこれは……」

【資料を読みながら、嘗ての記述を読んだ時同様に圧倒される】
【その恐ろしさ、強大さに、だがかつてがそうであった時の様に、打開策はあると信じて】

「上には、行けそうか?」

【蘇った階段を見て、その上階を睨み】
【可能ならば、上って行こうとするだろう】
327 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/14(土) 17:00:19.07 ID:3UHlEEvb0
>>316

――――どういうことだ。

【また口に出して、それを脳内で論ずるきっかけにする。時間が戻ったのか、今まで夢だったのか、これが虚構なのか】
【いや、どれだっていい。一つ言うのならばその表裏一体のゆらぎの中に俺たちは居るのだろう】

【それは虚神のせいなのか、この虚構の世界の道理なのかわからない】
【だが、見えてきた気がする。この世界の道理が】
【だが、そうなるならば、そうなのだ。全体論的に探すしか無い。真実は細部に意味はなく最後のピースがハマってやっと意味を成す。】


……シャーデンフロイデ/極夜蝶…………―――――蝶を追え。


【ある言葉が、ある少女の言葉がよぎる。珈琲の香りとともに頭に突き刺さったような気がした】
【突き刺さって背筋に何かが走り抜ける感覚。真実を追い求めるときに感じる得体の知れない怖さ――それを感じた】

【報告書の中身の本質を理解するのは難しい。シャーデンフロイデ。その言葉の意味だけ理解することができた】
【衒学趣味とまではいかないが、多少映画なり見ていてよかった。】


>>319

多重人格者の話でね―――また今度にしよう。

【曖昧な会話に裏付けを重ねていく。このゆらぎの世界で信じられるものは数少ない】

…この瞬間に世界が変わっちまったとでも言うのか?…仮にそうだとして、それを俺たちが全員気づくのはありえるのか
このレポートを読む限り…いや、それについてはアンタのほうがわかってそうだ。俺にはてんでサッパリでさ。
……質が悪ぃってのはわかる。

【頭を掻いて、ニヤけて。ハンドサインで「お手上げだ」とジェスチャしてみる。冗談の一種で、もちろんそんなので諦めるような様子にも見えないし】
【諦めるわけがない。】


>>325 >>326

無事だ…俺達は外部から来た人間だからそれとも別の理由でこの世界と干渉していないのか?
そのレポートにしろ…虚神にしろ…話の規模がデカすぎるぜ。

【どうやら、メンツのバランスはいいらしい。少なくともこの資料の意味を理解できるやつが居るってのはありがたい】
【だが、その状況を乗り切る術は有効な解決策とはっきりした世界の解説はまだ誰にもわからないんだろう】

【まだ、道はある。進めばいい】

>>探索組

多分…要するに、この世界は不安定なんだろ?上に行けなくなる前に、俺は2階を確認してくる。

【そう言って、あらためて右手にリボルバーを握り直した。探偵のサングラスの下、赤い目は“視透す“。】
【階段を登る足取りは慎重だ。一歩ずつ踏みしめるように登っていくだろう】
328 : ◆zO7JlnSovk [saga !蒼_res]:2018/07/14(土) 17:02:08.40 ID:dEuP8Qkb0
>>317(ミチカ)

【ミチカの試みは成功するだろう。PCは軽い音を立てて起動する】
【つい最近まで使われていたかのように、それがさも当然といった様に】
【気づけば室内の灯りも大分明るくなっている、作業に支障は無いだろう】

【けれども、直ぐにログイン画面でとまってしまう。IDとパスワード。その二つが必要であった】
【どうやらミチカがつけたパソコンが置いているのは、この持ち主のテーブルである】
【テーブルの中を探したりすれば、もしかしたらメモ等が置いているかもしれない、が】

【……一番近くの引き出しには鍵がかかっていた。それぐらいのセキュリティは当然か】
【再び選択はミチカに委ねられる、どの手段をとるのだろうか】

>>320(アーディン)

【アーディンの推察は正しい認識にあった。その行く先が辿るのは、完全なる無謀】
【けれどもその歩みを止める試みは無いだろう、進むしか方法論は無いのだから】
【幸い上へと昇る階段に邪魔は無いだろう。易々と昇れるはずだ】

>>324(かえで)

【足元がふらつく感触や眩暈は直ぐに元通りになるだろう、一過性のものだ】
【けれども、幻を見ていたという官職は正しくは無い。貴方の記憶には確かに残っている】
【何が幻で、現実か、曖昧になってしまうような】

>>326(厳島)

【此方もまた二階への上昇を止める者は誰も居ない】
【容易に昇ることが可能だろう】
【二階のフロアは一階と大きな変化は無かった。少しテーブルの数が少ないだろうか】

>>327(ロッソ)

【かつて、貴方にそう伝えた少女が居た。その仔細は分からずとも】
【今この場に蝶は居ない、それならばこの報告書が出てきた意味とは】
【そうしてロッソも二階に向かうだろう、見える景色は厳島と変わらない】



/↓
329 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 17:02:23.10 ID:dEuP8Qkb0
>>318(アリア)

『その通りよお母様。お母様達がどう足掻いても、必ず子が勝利する未来があるのだから』
『それは違うわお母様。私が見ているのは、子に託して死んでいく、誇り高い親の姿』
『だから笑いましょう、その姿を見て私は感涙するの、ああ、そうよ――――』

『この人を看取るのが、私でよかった、と――――』

>>322(柊)

『お母様、子をそんな目で眺めるのではなくて、―― それじゃまるで、鬼子を見るみたい』
『そうね、子の成長は恐ろしいものよ、けれどもそれを恐れてはいけないわ』
『子は日々成長するのだから、そしてとれは時に、親の想像もつかない程に』

『―― その発想は悪くないけども、お母様の感情が強すぎるわ』


【シャーデンフロイデが示す、なぞかけのような言葉、其れは同時に僅かな可能性を示す】
【柊の目論見はうまくいくだろう、けれども、その力では彼女の飛翔を止められない】


>>323(エーリカ)

『そうよ、貴方達からすれば孫になるの。私の子供よ、大切に育てているの』
『この子達も可愛がってくださる、そうよね、私ったらおかしな事を言ってしまったわ』
『孫の顔が待ち遠しいでしょう、もうすぐお待ちになって、直ぐに見せてさしあげるから』

>>321(魏尤)

『違うわお父様。私が負けない訳じゃなくて、お父様が勝たせてくれるのよ』
『時折親は勝負の場で、子に現実の厳しさを伝えるわ、けれどもそれは過程でしかない』
『最期にはきっと勝たせてくれるわ、だってそうでしょう、そうじゃなきゃ、超えられる壁ではないから』

『お父様どうか笑って、悲しまないで、貴方が弱いわけでは決して無いわ』
『それが道理なの。子が最期には勝つという、感動の物語でしかないから』

【シャーデンフロイデはその翅を誇り高く示す、その色合いを高らかに】
【誇示する姿は派手な化生そのものであった。自我を持つ蝶の由縁を示す】
【複眼が能力者達を捕らえる。現と虚の狭間に蝕まれるその姿を】

【黒龍が飛び掛る、呪いを振りまく、その所作を――――】
【しかし、シャーデンフロイデは笑みをやめない、極夜は未だ続く】


『――では皆様、もう一度、飛びましょう』

/↓
330 : ◆zO7JlnSovk [saga !nasu_res]:2018/07/14(土) 17:02:55.48 ID:dEuP8Qkb0

『子は親を選べないわ。例え其れがどれほど酷い親であっても、愛さなければならない』
『其れをさして肉親と呼ぶのでしょう、私も其れには納得するわ』


『文字通り子の、血となり肉となる、貴方達こそ、すばらしい肉親ですもの』

『私の為に血を流してくださるのね』
『私の為に傷ついてくださるのね』


『それでもまだ満足せず、より一層醜く傷ついてくださるのね』


『これを殉教と呼ばずになんと言いましょう、子を思う親の愛のあるべき姿なら』
『私は喜びを以て貴方達を傷つけましょう、その肉の一片になるまで、切り刻んで』
『そうして私の糧になる貴方達を私は誇りにしましょう、永劫の時を讃えて』





【再び変容する世界線。―― 場面は二つに転換する】
331 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 17:03:24.15 ID:dEuP8Qkb0
>>【戦闘側】


【様子見に殉じていた事が功を奏したのか、今回の世界線移動では傷は増えない】
【けれども、エーリカは分かるはずだ。サナギの大きさが増している】
【この短期間に、成長したかのように大きくなっている、その証明】


『貴方達の殉教はもう聞こえないわ。世界の果てに羽ばたきと共に、消えてしまったから』
『でも私は覚えているの、親が歌ってくれた子守唄を、子は永遠に覚えているものよ』
『貴方達が忘れてしまったマザーグースも、私は語り継いで行くの』

『素晴らしいでしょう、繋いでいくの。繋がっていくの、それが親と子の絆だから』
『そうして得た成果を、子は誇らしく捧げるのですから』
『大丈夫、私は私の子に伝えるわ。かつて貴方達という素晴らしい親が居たことを』

『素晴らしい命の繋がりの中に私が居て、輝かしい未来の為に、犠牲になった人の事を』
『私は伝えるわ、だから喜んで、貴方達は生き続けるの。そう、ずっとずっと』
『私は忘れないわ―― 私の為に死んだ貴方達の事を』


【シャーデンフロイデの鱗粉が巻き上がる、そして鱗粉が姿を変えるだろう】
【先ほど『魏尤』が放った黒龍。呪いを身に宿した、暗黒の能力】
【アリアならば辿れるだろう、鱗粉によるコピー。かつて戦闘した際にも見せた芸当だ】

【横なぎの一閃、そうして作り出した黒龍を四人に向け、一気に振り払う】
【柊は知っている、かつてアナンタシェーシャは、攻撃を回避されたなら時間を巻き戻した】
【シャーデンフロイデにも必ず、能力のトリガーがあるはずだが……】
332 : ◆zO7JlnSovk [saga !蒼_res]:2018/07/14(土) 17:03:52.71 ID:dEuP8Qkb0
>>【探索側】


【一方、研究所内の変容は一瞬であった。書類の位置が少し動いた以外に大きな変化はなかった】
【一階にいるであろうかえでとミチカはそれが顕著であった、特に大きな変容は無く】

【二階にいるであろう厳島、ロッソ、アーディンは新たな書類がテーブルに増えている事に気づくだろう】
【『研究員ジョルジェッタの提言』という書類であった。表紙しかないようで、その内容までは分からない】



【そして気づくはずだ。『INF-007』の報告書を見ていた人間ならば、直ぐに】


【報告書の内容が、書き換えられている、と――――】


【ドキュメントが更新されました】
333 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 17:15:58.92 ID:SKBxDTkQo
>>325(厳島)


……………………………………………………



【──返るのは、やはり沈黙】

【それが無意味な<Empty>なのか、あるいは何かの論理に基づく結果なのか】
【語るものは何もないが、ただ一つ言えるのは、彼らに対して直接危害を加えようとする様子はないということだった】

【放置すればそのまま自身の探索に集中するのも容易いだろう】
【が、話しかければ反応を示す以上、厳島の行動如何によっては、】
【互いに有効活用しあえることも不可能ではなさそうだった】

【──その価値とリスクが釣り合うかどうかは、別にして】
334 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 17:23:39.30 ID:O8GCzNtX0
>>324

――――女王さまを名乗る給仕とはな……それは愉快な話だ。そんな年寄りじみた事を言いたくはないが、近頃の若いのは、良く分からんな……

【夜の用心棒を担当するアーディンにとってすれば、メイド喫茶も既に、異文化の一種なのだろう】
【良く分からないといった様子で、苦笑しながら首をかしげる。メイドに『姫』は、まだ分からなくはないが『女王さま』とは一体……】
【――――そんな呑気な事に思考を割いていられたのも、異変が始まるまでだった】

っ……まだ序の口だ、落ち着け…………虚神ども、本気で相手をするなら、こんなものじゃないぞ……

【睨みつけてくるのは、異変の中でのたまたまな弾みだろう。妙にガラが悪い一言は、そもそもこの状況では仕方がない――――そこに意識を割いてる時間はなかった】
【違和感として受け取る事も無く、アーディンはただ「落ち着け」と促した。既に、レッド・へリングやアナンタシェーシャの幻惑を見せられているアーディンからしてみれば、まだまだ小手調べと言うところだった】
【――――勿論、その先に更なる、今までを上回る脅威が待っている事は、重々承知の上で】

>>325

……淡々とした研究の有様が見て取れる話だな。まぁ……敵の使ってくる手を調べるのも、大事な研究だろうが、メモばかりではな……
何か、まとまった資料でもあれば、とっかかりになるんだが……ッ

【それはそれで、実に興味がある――――同じような事を、アーディンは考えていた様で。だが、探索には優先順位をつけなければならない】
【そして、残念ながら、今はさらに優先しなければならない事が、明確に存在するのだ。割愛して、作業を割り切る】

こちらは問題ない……が、この資料、絶望的だな……ここからでも、何かとっかかりが見いだせればいいんだが……

【同じく、現れた資料に目を通しているアーディンも、無事を伝えつつもその表情は浮かない。この調査が全容ではないという事を祈るしかない。でなければ、文字通りの不滅の存在と言わなければならないのだから】

>>327

【軽口に、もう少し付き合う余裕があればよかったのだが――――残念ながら、カモフラージュの役割を終えた会話に、それ以上拘泥している暇はない様だった】

……虚神達とやり合うには、この独特な感覚を理解する必要があるようなんだよ……だから「奴らが関わっている事象に限って、有り得る」としか言いようがない……
「敵に銃を向けたと思ったら、自分に銃が向いていた」「赤を叩き込んだと思ったら、自分に青が叩きつけられていた。しかも相手は赤を食らってない」――――そんな事が、今までも当たり前にあったぞ……

【なるべく感覚的に説明しながら、虚神たちとの戦いに不慣れらしい様子を見せるロッソに、心構えだけでも伝える】
【通常の因果法則だけに縛られては、勝ち目はない。哲学的に――――ある種、超越的な、形而上学的な感覚を持たなければならない、と】
【モノにできれば、そんなに普段の感覚と遠い訳ではないが、そこをこなせるかどうかが、鍵なのだろう】

/続きます
335 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 17:24:51.59 ID:O8GCzNtX0
>>328>>330>>332

(移動する…………俺なら、これは「新たなステージに立つ」と解釈するところだ……それは、新しい前提条件が表われる事と――――ッ!?)

【無言で階段を上がろうとしたアーディン。2階に到達し、ざっと続きのフロアを見渡したところで、更なる異変が起こる】

っ!! ……今、確かに増えたぞ……!
――――間違いない、既に俺たちはシャーデンフロイデに補足されている……これは、単なる事象の揺らぎじゃない……意図的に、やられているんだ……!

【事態を把握して、アーディンは、半ば叫ぶようにつぶやく。この異変は、自分の思考したタイミングの通りに、意志を感じる】
【間違いなく――――自分たちは今、シャーデンフロイデの掌の上にいる。シャーデンフロイデは、自分たちを見ている――――確信を持った】
【もう1度、先ほどの資料を確認しようとして――――】

っぐ……やられた、改竄されている……!
大枠は掴んだが、細かい所にあった情報を、詰める事ができない……!
…………捨てるに捨てられん、質の悪い…………ッ!!

【手元に取り出した報告書は、明らかに先ほどとは違う内容を記していた。首を振りながら、アーディンは呻く】
【大雑把な情報は分かったが、それだけではダメなのだ――――恐らく、今も自分たちを見ているシャーデンフロイデは、自分たちのリアクションを期待している】
【なら、なんらかの『望まれないリアクション』を返す事で、相手の存在を損ねていかなければならないのだが――――】
【しかし、改ざんされた文面にも、何らかの意味が隠れている事がある。それを思うと、破り捨てる事もできない――――それでは、レッド・ヘリングの時の愚と同じだ】

これは……ジョルジェッタの提言? 中身が残っていない…………何を提言しようとしたんだ……っくそ…………

【表われた資料も、参考になりそうになかった。一度、調子を整えるためだろう。ため息の後に続けて深呼吸――――狂わされつつあるバイオリズムを取り戻す】

(――――現時点で、手掛かりと言えそうなのは、この……書き替えられた文面だけか。何を書いているのやら……)

【気持ちを切り替えると、アーディンは一度、その変更された内容を、もう1度検分する。何か、新しい情報らしきものを、拾い上げられないかと――――】

(……どん詰まりだが、進めばシャーデンフロイデの奴の好む『追い詰める快感』が発生する、か…………まさか、心を殺すわけにも行くまい……)

【先ほどの情報が、頭の中からかき消されないよう、何度も思い出し、リピートさせながら――――】
336 :『魏尤』 ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/14(土) 17:25:09.18 ID:51AWNH0V0
>>329-331

【自身に向け、コピーされた黒龍の一撃を『魏尤』は避けない】
【迎え撃つ――手にした青竜刀は気付けば矛へと形状を変え】
【漆黒をまとったその刃が真っ二つに同じ系統の能力を切り裂き、捨てる】

【周囲に漂う残滓など歯牙にもかけない。当たり前だ、自分の能力なのだから】
【毒のようなその呪い≠ネど、既に行きた年数分重ねている】


>>戦闘側ALL


……チッ、面倒だな。どうせ知り合いも居ねえし、まあ良いか。


     おい他の連中、あの龍≠ノ触れるんじゃねえぞ。

 良くて吐き気、悪けりゃパニックか……でなきゃ、心停止するからな。



【先程までの、ある意味流暢だった訛りなどは何処吹く風か】
【標準的な、何処か冷たい低めの声で周囲のメンバーへと注意を促した】
【自身の能力を模したものなら、ともに戦う者の危険は予想できる】

【無論、無防備に受けるものなど居ないのだろうが】
【触るな、受けるな――最悪、『魏尤』と名乗る男の背後にでも回れば】
【代わりに黒龍を両断する芸当を、また見せることになるだろうが】


(さて、どうする。奴が本当に都合の良い未来へと翔べるのなら)
(攻撃もダメ、能力もダメ、幸い奴自身の戦闘能力は低いが…――)


……生憎、俺は誰かに勝ちを譲るほど寛容じゃない。
お前を勝たせる気も、道理だからと諦める気もない

まあ、もっとも……『笑え』ってのは良いアドバイスだな


【ニヤ、と笑う。攻撃こそ、先の経験ですることはなかったが】
【矛を肩に担ぎ、その全身に暗黒と呼びうる負のエネルギーを纏いながら】
【なにか、する気なのだろう。けれど今は――挑発するように、極夜の蝶を睨むのだった】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 17:30:11.86 ID:OeqNGAWu0
>>325

――――――ええ、はい、もちろん。

【莞爾と笑った気配だけがあった。声はつんと澄ました低い声、ささめくように、どうしようもなく焦らして弄ぶみたいに、時折その調子はわずかに震える】
【意図して隠す顔からその表情はきっとよくも悪くもうかがえないんだろう。――そしてそれはきっと彼女からしても同じであった、自分を隠すから、外も見えなくなって】

【――――ゆえにこそ見たいものだけ見たいと願う。そしてそれを信じていられる未来を願う。願いたいから】

>>327

【二階、と、小さく呟いた。視線が移ろう、そこへ向かっていく彼らを見やって、けれどその一瞬、少女はこの場に留まることを、選んだ】
【怖気づいたわけではない。それよりも、と、――――】

>>328>>330>>332

【――きゅう、と、微かに吐息が漏れる。頭の中がぐちゃりと混乱した、引っ掻き回されてしまったみたいに、初めてを散らした生娘のように、指先がかすかに震えて】
【けれど次に立つときにはきっと止まっている、深呼吸に似た吐息を繰り返したなら、ぎゅうと唇を噛む。惑ったらいけなかった、やることは、きちんとあるのに】
【今度こそ正しく――、間違えない。何度も何度も自分の中で自分に言い聞かした、だからこそ】

――――――っ、

【再びの変質に今度は惑わない。ように努める。なら】

【――『ケバルライさん』『報告書、がありました』『INF-007――』】
『――願う通りに強くあれと。今まで何度も何度も何度も繰り返した言葉、もう一度、心の中に塗り重ねたなら】

>>317

…………。

【――室内を見渡したなら、少女は、ある意味自分以上に誰ともかかわらぬ人物に目を留める、であれば変な人だと思ったのも失礼ながらに仕方ないのかもしれない】
【明らかに異質な出来事の中で彼女が観測した限り、相手はパソコンにばかり構っていた。――だからいくらか興味を持ったのかもしれない、"観察するように"とは彼の言葉だけど】

……あの、動くんですか、パソコン。……私は機械にはあまり明るくないので。……壊すのなら、得意なんですけど。

【相手の下へ歩んだならくしゃりと握りしめるみたいに持っていた報告書を机に置きながら話しかけるんだろう、――ささめく声、敵意はないけれど、距離感は目立つ】
【冗談めかすようでいてその実本当に事実通りだから――とは余談なんだけれど。とにかく少女はその一瞬相手に話しかけることに使った、手持無沙汰か、机の上の資料をかき混ぜ】
【何かそれらしいものがあれば――というときに、きっと、気づくんだろう。"件の報告書が最初に見たときと内容が変わっている"、ぎゅうと眉をひそめたのなら】

【――――――少女は机の上にある資料、あるいは何か開く引き出しでもあれば、開けるだろうし。――開かない場所があれば、いくらか躊躇うんだけれど】
【そう、例えば、そこに居合わす白い婦警が――「開けてくれ」とでも頼めば、開けるような素振りはあった。そして何より、それが出来るだけの異能は、持ちあわせていたから】



【(机の周囲の捜索。鍵があれば躊躇って、――それが彼女の行動、だった)】
338 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 17:35:07.17 ID:Naz3NvV70


「 ──── 悪い冗談ね。」「お前のような悍ましい蟲を孕んだ覚えはないわ。」
「お前に意志を継がれたくもない。」「わたしは子を持てないし、持つつもりもない ……… !!」


【またも世界が"巻き戻される"。それは限られた分岐へと辿り着いて、ふたたび"再生"される。 ─── 微かに蛹が膨らんでいた。世界線が動くたび、肥大化する。】
【いや違う。少なくとも奴は、あれを一気に孵化させることはできない。つまり、 ─── 行き来できる世界線には、何らかの制約がある。】

【今一度、視覚素子が記録していたデータを再生する。 ─── 確かに"射撃は当たっている"のだ。奴はそこを"基点"としている。仮説α ── 自身が傷を負うことが条件?】
【そしてまた右腕の傷は確かに深かった。然しそれは飽くまでもあの鱗粉によって刻まれたものだった。決して自身の向けた"殺意"が跳ね返ってきた訳ではない。】
【であれば実証する価値のある仮説β。懐に隠した「血の入ったナイフ」を、戦意の否定みたいに自分の足元へ投げ付け、踏み潰す。血溜まりが広がる。】



【 ──── そして、大脳辺縁系との接続を遮断する。鎮静剤の大量投与。機械の体であるからこそ出来る芸当。渾沌としていた感情が波引くように消え失せていく。】
【だが其れだけでは足りない。 ─── まだ、回避専制は続いていた。地面に強く踏み込み、コンクリートの床面に皹さえ刻みながら、横薙ぎの黒龍を飛び退いて躱し】
【そこにあるのは"模倣"の力。であればこれからの試みは、些かリスキーなものではあったが ─── 致し方なし。そっくりそのまま返されても、躱せない訳ではない。】
【大量の出血と踏み潰した血入りのナイフが、随分と大きな血溜まりを作っていた。 ── それがまた、仄暗いものを宿して、光輝/好機を掴もうと踠く。】


        「 ──── …………。」


【現れるのは巨大な「回転式機関砲」。その砲身の上には真白いレドーム。突き立てられた中指のように、然し飽くまで其れは無慈悲であった。】
【「C.I.W.S.」 ─── 近接火器防御システム"ファランクス"。本来であれば対艦ミサイルなどの迎撃に用いられる、艦載用の対空防御兵器。】
【レーダーに捉えられたIFF(敵味方識別信号)に反応のない動体全ては、自律型AIの判断で無差別に迎撃される。たとえそれが召喚したアリア本人であっても。そういう、"無感情"な武器。】

【焦電素子の赤外線探知か、短電磁波のアクティブレーダーか、或いは画像認識であるか ──── いずれの電探装置でも、蝶の姿を捉えることが出来たのなら】
【モーター駆動の砲身が唸りを上げて回転を始める。牢の中すべて慄わすような、猛り狂う鋼鉄の咆哮が、極夜の蝶へ向けて放つだろう。 ──── しかし、何故か"空砲"を。】
339 :アリア ◆1miRGmvwjU [sage]:2018/07/14(土) 17:35:57.63 ID:Naz3NvV70
/>>338>>329-331です、すみません…!
340 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 17:45:36.07 ID:SKBxDTkQo
>>328>>330>>332(一階探索)

 【→PCを探索する】

【──PCが操作可能な状態になるまで、ミチカ・ソネーウェは報告書の紙面を凝視していた】
【そして目にする】

………………………………………………


【──改変。ドキュメントの書き換え】
【その途端、ミチカ・ソネーウェは引き出しに伸ばしかけていた手を停止させた】

【そうしてから、片手に持っていた一度書類をテーブルに置く】
【そして、その片掌をキーボードの上に翳し、それをゆっくりと左右に往復させ始めた】
【まるでスキャナーの如く。そして実際に、それはキーボードに残されているかもしれない熱の残滓を探っている】

【どのキーに、どれだけの体温の痕跡が残っているか】
【それらの情報を下に、IDとパスワードを割りだそうとしている】

【総当たり検索のごとく、アナグラムを無数に繰り返し】
【その中でINF財団という文脈に一致する可能性が高いものをいくつか打ち込んでいくだろう】


【連続してログインに失敗すれば何かロックがかかってしまう可能性もあった】
【が、それでも尚、そうすることを選択した。まるでそれ以外の情報など当てにならないとでも言わんとばかりに】


>>337(かえで)

【その途中で、ミチカ・ソネーウェは声を掛けられた】
【ゆっくりと振り向く。裏側から螺子で固定されたかのような無機質な微笑が相対する】

……………………………………


【返されたのは、無言】
【相手の言葉を全て虚空へ飲み込んでしまうような沈黙がそこに横たわった】

【そのまま、白い婦警は顔面をPCの画面へと戻した】
【無視──なのであろうか。しかしその後すぐに、】


【「────覚えておいてください」】


【ふと、何かを呟くように発した】


────わたしは、ミチカ・ソネーウェです。
出来るならあなたはそれを覚えておいてください。

わたしを語ってください。
わたしは『語り得るもの』です。

──約束してくれますか?


【──と】
【急に不可解なことを、唐突に投げかけたのだった】
【それが、彼女に出来うる重要な使命だというかのように】
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 17:51:01.86 ID:TORCgYqr0
>>333

「……」
「……っく」

【この状況において、追及は後だった】
【今は、婦警であっても手を組まねばならない】
【あるいは、追及した所で何も答えてはくれないのだろう、そう表情や言動からは察することが出来た】
【故に、今はあえて婦警には何も危害を加えず、あるいはこちらから何もしなければ何も発生しまい、と考えて】

「……何か解ったら、教えてくれ」
「あるいは、何かあったら、呼んでくれ……」

【是だけを告げ、PCの前に佇む婦警を後に、階段を上る】

>>327>>335>>328>>332

「兎に角、上階へ向かおう」

【階下に少女と婦警を残したことに、一抹の不安を覚えながらも】
【ロッソ、アーディンと共に、階段を上って行く】
【其処は、若干階下よりテーブルの数は少ないだろうが、同じ作りと思われる部屋だった】
【だが……】


【それは一瞬、ほんの僅かな変化であったが、奇妙な実に奇妙で奇怪な感覚だった】

「アーディン、ロッソ、俺の見間違いでなければ」
「新たに資料が出現したように見えたが……」

【ジョルジェッタの提言、そう記載された紙が置かれていた】
【ただ、それだけ、その紙が一瞬でその場に出現したのだ】
【否】

「まさか、シャーデンフロイデ……」
「世界線の移動?」

【世界が移動したことによる、変異】
【先ほどの資料を読んだ後だからか、その様に感じた】

「こ、これは!?」

【そして、手元のINF-007にも変化があった】
【書き換えられているのだ、その内容が】

「アーディン、ロッソ、二人ともどう見る?」

【震える手と、滴る汗を隠しきれずに、近くの二人にこう聞いた】
【同時に、周囲の特にPC等があれば、それを起動する事をするだろう】
【資料が、明確な資料が一つでも必要だと、そう感じて、考えて居る事が本当ならば、と恐れを表情に浮かべながら……】
342 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/14(土) 18:02:49.32 ID:jFfH7+i40
>>329-331

(―――っ?サナギがさっきよりも大きくなってる…?何故…?)

【先程からの不可解な現象。シャーデンフロイデにのみ都合の良い展開】
【"もう一度飛びましょう"という言葉。さらに遡れば、出てくる言葉達――"孫の顔"に"すぐに見せて差し上げる"】
【最初の異変が生じた時に言い放った"私の子供たち"――エーリカはその言葉達が紡ぐ先を描く事は出来ない】

【だが、ただ一つだけ言えることがある。不可思議な現象に付きまとうのは"子供"や"孫"という言葉】
【もしそれらの言葉が指すものが、胎動し、肥大しつつあるサナギを指しているならば――これ以上サナギを育てるのは拙いと思えた】


……はははっ、ずいぶんと子供やら孫やらに執着するじゃないか。
残念だけど、お前の執着してる子供には興味がない。"顔も見たくもない"。
何せお前は――私の、いいや私たちの子供じゃない。孫も同様だよ。


【エーリカは強がりのようにぎこちない笑みを浮かべながら、せめてもの"口撃"を放つ】
【物理的な攻撃が通じない以上、エーリカにできる事は今この身に降りかかる現象を突き詰める事しか無かったから】

>>戦闘側ALL

皆っ、聞いてくれないかい…!あのサナギを成長させたらヤバイ事になる…!
確証は無いけど…私の勘がそう叫んでる…!さっきよりもサナギが大きくなってるんだ…!

それにあの蝶々の言葉が、子供がどうとか孫がどうやらの言葉が本当なら――
あのサナギをふ化させたら今以上にロクでもない事になるに違いない……!


【未だ、エーリカはシャーデンフロイデの真相には辿り着けない。けれど、先ほどからの不可解には蝶々の口振りやサナギが絡んでいるハズだ】
【恐らく言われなくても歴戦の猛者達は解っているかもしれないが、念のために認識の共有という意図から叫ばずにはいられなかった】

【目の前の現象を言語化するだけに留まり、自身の頭の悪さを呪うエーリカ。けれど愚かさを呪う暇などなく、襲い掛かる黒龍から逃れるべく】
【もたついた足取りで魏尤の背後に回り込めば、彼が黒龍を両断する芸当を目の当たりにするのであった――やはり、只者ではないと思いながら、今だけは味方である事に安堵する】

【だが、安堵したのも束の間。彼が纏う負のエネルギーに身が竦みそうになったエーリカは緊急避難的に後方へと飛び退きながら】
【シャーデンフロイデの攻撃に備えて、自身の能力でマチェットを5本召喚して迎撃態勢を整えるに留まる】
343 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 18:03:40.21 ID:SKBxDTkQo
>>341(厳島)


 ────────覚えておいてください。


【去って行く厳島に、婦警は背中越しの声を投げた】


 わたしたちは『沈黙しなければならない』んです。
 それが『語り得ないもの』である限り。


【「──それが『ルール』です」】

【──と】
【それが何の意味を成し、何に繋がるというのか】
【そういったことは一切口にせず──〈婦警〉は再び自身の作業へと戻った】
344 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/14(土) 18:04:09.36 ID:hPOt6zW80
/2レスに分けますッ

>>329-331

【戦うことを常として、だからこそ人でなしたることを自覚して。嬲るような言葉とともに、また少し追い込まれて相貌が微かに苦しげに歪む】

――――ッ……また、繰り返しが……!

【不発となる干渉、膨れる蛹。事態は、打つ手を潰されながら刻一刻と悪化を重ねてゆく】
【……けれど、それだけでは決してない。手掛かりは、時に少しずつ、時に大きく―― 一気に意識を先に進めているのだ】
【無為はなく、足掻くことは嗤われてもいい。その言葉が、嗤いが――ここに、ひとつの意識を導いた】

(……発想は悪くなくても。私の感情が、強すぎた……――――?)

【アナンタシェーシャは望ましからぬ事象のみからくる現実を拒絶した。同様に、何らかの発動条件があることは、推測通り――シャーデンフロイデの口ぶりが示す様で】
【……感情。絶対的な自信と余裕が、大きすぎる手掛かりを虚神自らに仄めかせていた】
【害意。帰還への想い。自分にとって大切な、あの世界と人々を守ろうとすること、】
【総括すれば。】

(……勝利への意志≠ェ――あの世界線移動を許していた――――。)


【正鵠を捉えることは叶わずとも、範囲をある程度保てば確実に収まろうか。期待できたのは、そんな程度】
【……ならば。導かれた可能性に対して、柊は……――――――――】


【自分自身の存在さえも、焔にくべるかの様に決断した=A】
【自己に対する精神の呪縛――――“戦うもの”としての性質を強めていたそれを、逆行させるかの様に設計を変更】
【嘆きを満たせ。慟哭を刻め。恐怖し、震えて、心の一欠片までも勝利を求め等しないように――――。】

……は、……ぁっ――――――――

【痛みが充ちる。自我が掠れる。刃を肉に食い込ませる感触が厭で、けれど戦い続けるしかなかった――――、】
【設定された通りに、そして元の一片の感情を極端に増幅させたカタチで。年相応ですらある姿が、其処に在る】
345 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/14(土) 18:04:26.02 ID:hPOt6zW80
>>329-331

…………、わるい祖、だったわね……――――『だから、私が勝とうとなんてしなければ』。
あなたは――――私の様な罪人から、二度と害意を受けずに済ませられる=c…――――。

【無意識に手掛かりとなる言葉を口にして。失敗なら、……さて、どうなるというのだろう?分からなかった。考えることすらせず、】

【私はもう諦めたから、報いを受けて潰える。背後から、斬り裂かれるくらいでちょうどいい”……――――増幅された罪悪感、人々をこの手にかけた苦しみの再生。】
【そうして自分自身を害するために、虚空を“停滞”の標的に定めることで】
【己が背後へと、時≠フ刃を形作る】
【――自己の一部であるのだから、同様に己を構成する太刀の切断概念を乗せることもまた可能だったのだ。極端に増大する威力、】
【呪いの黒龍が直撃する寸前、自らの脇腹を襲う時空の刃が、激しく血を溢れさせながら躰の位置をずらして】
【そして絶望し、放心しきった心がまるで映さぬままのシャーデンフロイデへと――その右翅を千切り飛ばす様に、時≠フ大鉞は翔ぶのだろう】


【何れにせよ、そう長く保つ状態ではなかった。元の自我が、感情があまりに強すぎていた。……そして、予定された通りに終了するものでもある。】
【心底から自分自身を害させようとする状態が、戦闘に於いて好ましいものであるはずがない――――あまりに容易く、こちらが斃れてしまうもので】
【状態の再移行に際して生じる、心身の隙もまた。この状況に於いて、無視できないものでもあった】

【それでも己が心さえ操ってみせるのは、もはや感情として見えるはずのない、凄絶な覚悟の証の様で】

>>戦闘側ALL
【『笑え』――――そんな共闘者たちへの言葉に対する答えとして、或るメッセージを残すのだろう】
【死力を尽くし、共にこの先へ。極夜の先、真実へと必ず辿り着く――――。】

【戦略を練るのが何者であれ、協力を惜しまず。自らもまた、自我さえも賭けて勝負に挑む】
【それぞれの闘法を以て、この悪夢に暁光を叩き付けてやろうと――――諦めることなく、謳っていた】
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 18:04:27.53 ID:OeqNGAWu0
>>340

【――掛けた言葉に、音が返らない。であればその一瞬、この空間には沈黙が満ちるんだろうか、それ以外の行為を何も知らない、というように】
【獣人によって掛けられた言葉がちらりと過る、――落ち着け。落ち着いている、と、脳内で特に意味のない反論をしてしまうくらいの間が一つ、空いたなら】
【向けられた微笑が――――けれどあんまりに無機質なまま、逸れていった。であれば、一人がいいタイプかと思いかける、続く言葉は、立ち去りかけたその一瞬に】

…………覚える? ――ええと、何を、ですか、……あなたがその名を持つ存在であることを?
覚えておくことそれそのものは構わないです、――というか、忘れようとして忘れられるものではありませんから、記憶。……普通は。

あなたを語ることも、必要であればするでしょう。あなたが語られたいと願うのであれば――時と場合によってではありますが。

【きっと彼女は怪訝な顔をした。この人は何を言っているのかを考えるような一瞬が横たわった。であれば視線を晒して確かめる、相手の存在そのものを見たいかのよう】
【薄い紅色の瞳――すなわちずうと隠したがっていた顔のほとんどを晒して、相対する。無機質な微笑であっても、笑みに向けるにはあまりに失礼な表情を浮かべているだろう】
【けれどわりに素直に言葉だけは返って来るだろう。覚えていることに問題はない。――ありふれた人類であれば自らの記憶を選んで棄て去ってはしまえない、とも】
【語るにしても特別な問題はない。――ただ状況によるだろうけれど、との、補足付き。――彼女はまだこの場で暴れるつもりがないし、相手の言葉は、不可解すぎて】

――パスワード、ロックかかりますよ。誰か居ないですかね、モニターにパスワード貼っつけてるバカ――……。

【であればいくらか素の色合いをしていたんだろう、――それは困ってしまった沈黙に漏らす他愛ない独り言に似ていた、というよりも、きっと、それそのものであったから】
347 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 18:13:49.17 ID:dEuP8Qkb0
【ゴーストライターはこの様子を見ながら歯軋りをしていた】
【物理的、概念的攻撃に対する絶対的な耐性、それは最早彼の道理を超えていて】
【歴戦の能力者であるからこそ、この状態で生き延びられている、―― ならば】


(……くそ、どうにかして、探索している側とコンタクトが取れないものか……っ)
(通常の連絡手段は断たれている、せめて、私の事が書かれた文書があれば)
(――それを媒介に、合流することが可能だが……っ)


【思考に現出するのは彼の信じる担い手達。彼らに託すそのやり方を信じて】
【彼はこの現状を打破できない。現状維持―― それすらもうまくいくか、どうか】
【何とかして渡る術を探す、その先にある可能性を信じて】


『嗚呼、足掻く姿はとても惨めよ。親のそんな姿なんて、見たくないわ』
『でも子は知らなければならない。親がどんな苦労をして私達を育んでくれたか』
『どれだけ自分を犠牲にして、私達の幸せを願ってくれる手居るのか』

『御労しい、痛々しい、それでも私は看取る眼を止められない』
『知らなければならないのだから、親がどの様に私達を生かしているのか』
『そうしてこそ、世界は流転する。無償の愛こそが、あるべき姿なのでしょう』

『悲しいわ、苦しいの、それでいてどうしようもなく嬉しいの』
『親が苦しむ姿を見るのが、とてもとても、嬉しくなってしまうわ』
『―― このシャーデンフロイデこそ、全ての子が持つ喜びなのだから』

>>336(魏尤)

【黒龍は切り伏せられるだろう。―― シャーデンフロイデの攻撃の手が止まった】
【『魏尤』の読みは正しい。本体の戦闘能力は、此処に集まった一騎当千の強者には及ばない】
【けれども、其れを補って余りあるほどに、彼女の持つ力は強大であった】


『それもまた選択よお父様。―― 親だってニンゲンですもの、偶には大人気なくたって』
『私はそんな程度でお父様を軽蔑はしないわ、ええ、寧ろもっと好きになるくらい』
『だからお父様、お父様はそのままで良いのよ、いつかきっと、分かる日が来る』



『―――― ええ、分かるわ、親子だもの』

/続きます!
348 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 18:14:00.03 ID:dEuP8Qkb0


>>338(アリア)

『お腹を痛めて産む子供だけが全てかしら、だとすればお母様が愛する相手なんて』
『何処にもいないわ。親子愛に勝る愛など無いのよ、歴史がそう伝えるもの』
『親は子の為なら死ねるの、それは至上の愛に他ならないでしょう』

『―― たとえお母様が言っても分からぬ愚か者でも、私は見捨てたりしない』
『どうぞ撃ち抜いて、その心の宿らない兵器を、本当に撃てるのなら』


【機関砲が唸りを上げた。其れをシャーデンフロイデは回避しない。空砲であると知っていたのだろうか】
【否、違う。―― 其れはきっと偶然、世界線の移動も起こらず、ただ轟音が響く】
【読みどおり "無感情" な武器は通用するだろう。―― そしてもう一つ】

【シャーデンフロイデの能力は反射などではない、空砲であったが故に、確定ではないだろうが】
【少なくとも、シャーデンフロイデはアリアの目論見を看破してはいない】

>>342(エーリカ)

『悲しいけれど子を認知しない親も居るわ、其れは仕方の無い事だから』
『そうでしょう、親になる事、其れは多大な覚悟を必要とするものなの』
『だから私は責めないわ、お母様がまだ無垢でいたいの、其れを止めることなんて』

『けれども其れは一過性でしかないとも知っている、其の果てに在るのは喜びよ』
『放蕩の果てに親と子が感動の再開を果たすのだから。それを喜びと言わずなんと言いましょう』
『私は待っているわ、お母様がその役目を自覚する時を』

>>344-345(柊)



『―――― 愚かなお母様、その手段は正しいわ、驚く程に』
『そうよ、単純でしょう。喜びを感じなければ良いのだから、何処までも自分を責めて』
『親が子を殺すのはそんな道理よ、ごめんねと言いながら首を絞めて』

『ええ、自分勝手な身勝手な妄執で、子を殺すのだから、ニンゲンはほんと愚か』
『けれども、私はそれを受け入れなければならない。それが子の定め』
『理不尽よね。子はみんな、そう思っているから――』


【柊の一撃は、正しく骨を切らせて肉を断つ様な手段であった】
【否、肉どころか皮を傷つけるのでやっとだろう、そんな手法であったが】
【確かにシャーデンフロイデの右翅が切り裂かれる、大きく彼女の体が揺れた】

【其れは確かな光明であった。己の身を犠牲に、感情を押さえ込む――外法に近いが】
349 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/14(土) 18:14:25.50 ID:3UHlEEvb0
>>328 >>332

【なにもない簡素なオフィスを見やり、一旦安堵する。単なる敵ならまだいいが】
【どうやら相手は形而上から攻めてくるみたいだ。となると必要になるのは拳銃じゃなくて】
【ソクラテスでも連れてこなくちゃならない】

………厳島、蝶を追って俺は来たんだ。俺はそうしろと言われた。
あのレポート………シャーデンフロイデ/極夜蝶…

【探偵は、呟いた。話しかけるのと独り言の間の曖昧な言葉。前後の抜け落ちた話だが】
【真実に近づきつつある気がする。思い出せ…厳島がさっきなにか――――】

『研究員ジョルジェッタの提言』……?

【探偵は、目についたそれを手にとった。―――メッセージだ。】
【今此処で、意味をなしているものは、少なくとも意味を持つものはこれと、『INF-007』の報告書】


>>334 >>335 >>341

――――アーディン、報告書を見せてくれ。……ああ、クソっ!!

………ジョルジェッタのデスクはここか?それとも実験室があるのか?…何処だ?……感情を生み出す機械。これを探すんだ!!
蝶を追うんだ。最初、俺達は…カオナシを入れて10人だ。…今いるのは5人
俺達じゃないチームはコイツ/INF-007のところにいる。―――地下の収容施設だ。向こうを捜索しているはずだ

意味のないものは登場しない。この世界は――チェーホフの銃だ。だから、書き換わった。必要だから。
奴を終了させる手立てを“世界は望んている”……やつは…蝶は何処に居る?!

【探偵は興奮したように報告書を呼んだ後、ウロウロと歩き回り、頭をかき、熱のこもった声を上げた】

だが、シャーデンフロイデが…奴が自分を終わらせるための手助けをするか?世界は変化した。それは俺たちが目撃した
報告書の通りそれがシャーデンフロイデによるものなら―――これは罠か?それとも…

【シャーデンフロイデがそうしろと言っていうのか?この世界の虚構の作りては?。世界は全体論だ。細部に意味はない】

ジョルジェッタの機械を探そう。そして、地下に向かい、極夜を終わらせる。
………俺は、そうしろと言っているような気がするんだ。…どうする?

【少し冷静になって、2人に声をかけた。俺だけだと踏み外しそうだから、と】

【それがこの世界で俺たちにあてがわれたロールだ。だが、報告書を書き換えたのは誰だ?世界を変えたのは誰だ?】
【俺達は単なる役割をやらざる負えない。―――頭の中を“外套”が覆い見えなくなった。今は、やるしかない】
【それが…本当にそれが、俺達がすべきことなのか?俺の推理は正しいのか?】
350 : ◆zO7JlnSovk [saga !蒼_res]:2018/07/14(土) 18:17:22.95 ID:dEuP8Qkb0
>>335(アーディン)

【錯綜するアーディンの思考、それすらもシャーデンフロイデは読んでいるのだろうか】
【ある種の袋小路に近かった。変化した報告書の記述だけが、確かな理を伝えて】
【――、アーディン達が見つけたその内容は、突破口になるのか】

>>337(かえで)

【ケバルライからの返信は無い。強く願えば願うほど、還ってくる虚無が大きくなる】
【其れを切り捨てる様に、かえでの探索の試みは成功するのだろう】
【鍵のあった引き出しのその奥、パソコンの持ち主と思われるIDとパスがあった】

【――、しかし、其れが大きく役立つ事は無かった】

>>340(ミチカ)

【キーボードに残る体温。其れは長い年月を意味していなかった】
【少なくとも一週間の間には、誰かが触れたという痕跡を示す、そんな体温】
【やがてミチカはその無限の海の中から、一つの答えを導き出す】



『ようこそ、ジョルジェッタ、貴方の用件を聞きましょう』



【パソコンの画面に文字列が表示された。ジョルジェッタ、それが持ち主の名前か】
【どうやらローカルシステムに殆ど情報は残されていない様だ、作業用に使っていたのか】
【めぼしいものと言えばブラウザか、メールソフト、そのほか基本的なアクセサリぐらいであろう】

>>341(厳島)

【厳島の推測は正しいだろう。シャーデンフロイデの行いと見るのが妥当か】
【逆説的にいえば、この近くにシャーデンフロイデが顕現している事を示す】
【其れをどう捉えるか、厳島の判断に任される場面であった】

【周囲にPCはあった。けれども、これも同じくパスワードとIDが必要なタイプのものである】
【此方もテーブルを探す必要があるが、鍵のかかった引き出しも存在している】

>>349(ロッソ)

【ロッソの示す道筋、其れは確かな光明を示していた】
【変容した世界と、変化した室内、それが示す其の先は、確かな答えに近く】
【――、けれども、そこに辿る好機は少ない。】


【―― ジョルジェッタは何処に、いるのか】
351 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 18:31:56.22 ID:Naz3NvV70
>>347>>348


「 ──── は。」「そんな理屈を吐くのかしら。」「ならば私にも子はいるわ。」
「飛び切りの愛情を注いで、」「優しく腕の中で抱きしめて、」「 ──── 誰よりも愛していると、伝えたい相手が。」

「ゆえに其れは"おまえ"ではない。」「私の行く路を阻むな。」「さもなくば総て焼き尽くすだけだ。」



【冷たい脳内麻薬がニューロンの隅々まで行き渡り、ダウナーなアディクションを誘発する。奴は、決して「躱さなかった」。】
【そして今しがた、 ─── 振るわれた太刀は確かに奴を傷付けた。そこには悔悟があったろうか。証明はかく示された。】
【 ─── 口角を微かも吊り上げずに、ふたたび血溜まりは仄暗く光り、「次弾」を装填する。】
【ふたたび機関砲が唸った。 ─── 今度こそ実弾。無数に放たれるタングステン弾芯の焼夷徹甲弾。人など容易く血煙に変え得る代物。射撃方式は散布モードに切り替えていた。】


>>ALL


「 ──── 『笑え』。」「 ──── 『蛹を育てるな』。」
「私も同意するわ。これ以上、あいつに世界線を動かせてはいけない。」


【機関砲の発射音が部屋中を包む中 ─── アリアは叫ぶ。自身と同じく、極夜の蝶と戦う能力者たちに向けて。】


「 ─── 聞けるかしら。」「こいつに、"害意を向けるな"。」「攻撃を仕掛けるなら偶発的なものである必要がある。」
「コラテラル・ダメージが本質になってもいい。」「 ……… 尤も、随分と"余裕そう"でもある。」

「故にあいつの狙いは何か、 ──── "他の場所"にもある。恐らくはあいつを殺して終わりじゃあない。STAY ALERT(警戒を怠るな)!」
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 18:39:02.72 ID:TORCgYqr0
>>343

「沈黙だと?」
「語り得ない者?」
「何を企んでいる黒幕、いや、そう語っている以上問いかけても無駄か……」

【階段を上る直前、婦警が掛けた言葉に、一瞬その動きを止めた】
【彼女は何が目的なのだ、沈黙しなければならないそれがルールだと】
【この状況でなければ、直ぐにでも身柄を拘束しカンナの居場所を吐かせ……それから……】

「(殺していると言うのに……)」

【胸中には、嫌な疑問と憎悪とが入り混じり】
【螺旋状に渦巻いているのが良く解った】
【吐き捨て一時的にでも振り切るかのように、一睨みの後無言で階段を昇って行った】


>>349>>350

「蝶を追って?そうしろと言われた?」
「ロッソ、それは誰から言われたんだ?」

【意味深な言葉だった、このシャーデンフロイデの記述に重なる部分を感じ】
【少々緊迫気味に、こう聞いた】
【だが、直後、世界線移動を目の当たりとし、探偵の冷静さに陰りが見え始めた】

「落ち着け、風国探偵……」
「確かに、先ほど読んだ資料から地下の存在は予測できるが」
「其処には虚神の影響を受けたサンプルが収容されている、そう記述されているだけだった」

【其処に至っても、シャーデンフロイデが存在し、その機械がある保証はない】
【だが……】

「ここまであからさまに、世界線移動が観測できた」
「これは、恐らくシャーデンフロイデの現界による物と思われる」
「他の人間達も、恐らく其処に……」
「だが、このジョルジェッタの感情を発生させる機械、これは存在は怪しいと思う」
「この資料中、理論は提唱されているが存在までは明言されていない」

【激昂して居る様に見えて、その実冷静に状況を観察している】
【やはり、この探偵ロッソは聡明で堅実な男なのだろう】
【その影響を受けてか、状況を冷静に分析できるように、幾分かの余裕が生まれていた】

「だから……」

【拳銃を取り出し、その机の、鍵のかかった引き出しに狙いを定め】

「俺は出来る限り、情報を集める、それが任務だ!」

【引き金を引いた】
【上手く行けば、鍵を破壊し中を開けることが出来るだろうか、果たして】
353 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/14(土) 18:41:41.41 ID:3UHlEEvb0
/すみません。ロッソ中身ですが一旦食事のため離席します。最長で30分ぐらいかと…
/もしあれならば飛ばしていただいて進めてください。
354 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 18:46:03.41 ID:SKBxDTkQo
>>346(かえで)

【婦警は黙って首だけで彼女へ振り向いた】

【そうして目を合わせたとき──】
【それを深く覗き込もうとするなら、何か妙な違和感を覚えるかもしれない】


 ──────────────


【婦警は確かにそこへ存在している。記述されている】
【だというのに、その瞳の奥には、通常あるべき何かがすっかり欠落しているような虚ろさがある】

【──ミチカ・ソネーウェの網膜には、確かに少女の姿が映り込んでいる】
【しかし、ミチカ・ソネーウェは少女を『見ている』とは言い難い何かがあった】

【──『それ』を『それ』であると認識する確かな感覚。主観。内観】
【──もし、そういったものが無い存在が何かの間違いで現れたとしたら】
【少女の眼前にあるような奇妙な虚ろさが実現しうるのかもしれない】

【そんな微細にして決定的な『ずれ』を宿した瞳が、しばらく無言で彼女を映し】
【やがて再びPCへ向き直ったとき──パスワードのロックは呆気なく解除されていた】


────空いちゃいましたよお。


【と、間延びした声をして、彼女が画面を隣で見られるようにやや横にずれた】

>>350(探索)


────どうも、こんにちは〜っ。


【するりと編み目を潜り抜けたかのように解除されたロック、】
【現れた画面を前にしてミチカ・ソネーウェは微笑と共に話しかけた】

【一見すれば高度な対話型AIを宿した機体には見えなかったが】
【ともあれ婦警は、その機器を操作して、まずはメールソフトを起動した】

【通信状態を確認する】
【どこかと繋がっていないだろうか】
【あるいは何か重要なメールログは残っていないだろうか】

【ミチカ・ソネーウェは出来うる限り高速で操作し、一連の反応を待つ】
355 :『魏尤』 ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/14(土) 19:03:45.65 ID:51AWNH0V0
>>347-348

【柊のいち撃破、確かにダメージを与えた】
【その原理など詳しくは知らない。ただ、常人の出来る業ではない】
【それくらいは理解が出来て――そしてそこまでこの男、自己犠牲の精神を持ち合わせておらず】
【ただダメージが入ったのを見て『殺せる』と確信を持ちはしたらしく】


……しかしまあ、よく喋る蝶だな。
俺たちに関心を持ってもらわないと気が済まないのか?
言葉遊びに付き合うのも良いんだが…――俺は合理主義者でね

お前を殺すことは目的≠カゃない。
目的は報告書を入手すること≠ナしかない。
それと……、……ここは地下、だったな。


【『魏尤』の纏う漆黒のエネルギーは、突如として空間を埋め尽くす】
【噴出するように急速に量を増し、黒龍程度は20匹も形成できようかという程に膨れ上がり】

【ものの数秒で、其れはシャーデンフロイデの外見に匹敵するサイズの黒髑髏≠ニなっていた】
【人間の上半身を"黒"骨化させ、息づく呪いを一身に纏ったような邪悪な姿】


>>戦闘側ALL

【周囲の人間は、そこに居るだけで嫌悪感を覚えるかも知れない】
【吐き気やめまい。トラウマを持つものであればそのフラッシュバック、堪えがたい倦怠感】
【人に害為す存在だと一瞬で理解できるその髑髏は、拳を握り、振りかぶったかと思えば】


【ズガンッ!=\―その巨大な拳は、まず天井へと叩き込まれた】
【ともすれば天蓋を叩き壊し、"偶発的"に発生する瓦礫は"たまたま"極夜蝶を襲うかも知れず】

【更に拳は二度、三度と振るわれる。天井のみならず、左右の側壁すらも砕こうとする】
【途中、その巨大さに感けて無数のサナギも拳で一掃しようとするが――】

【(『魏尤』としては、気が乗らなかった。サナギということは、"蝶"の系譜なのだから)】

【――周囲への影響もある。それ故か、巨大な黒髑髏≠ヘ約10度の拳突を持って姿を薄めるが】
【当の能力者たる『魏尤』はけろりとしたものだった。――"翔ばなければ"、だが】
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 19:08:32.98 ID:OeqNGAWu0
>>350

【――――――――――――――――沈黙。言葉ではなく思考のままで沈黙する。もちろん念ではなく、ゆえに、一瞬そこにはきっと空虚に似たものがある】
【溜息は吐かない。程度の低い口汚さも出てこない。それでもきっと少女は一瞬小さくない感情を示した、――それを見ているのは、きっと、ミチカだけであり】
【ゆえに特別な意味をきっと持たないのだろう。――――なんにもいわなかった。IDとパスを見つけたときに、事態は進んでいるから、それに対してもまた沈黙一つ】

【――けれど確かにその脳裏に、数日前に"パグローム"に言われた言葉が、まだ、こびりついている。ぎゅうと指先が服の布地を捉えた、少しだけ、不安であるように】

【「誰も教えてくれなかったからだろ?」「どうすれば良いのか」「どうすれば進めるのか」「一度だって自分の中に向き合ったことなんざない」】
【「適当なことを吹き込まれて、安心したんだろう?」「過程だけが目的」「だから困っただろ」――「オマエもうやること無くなっちまうからなァ」】

…………――ッ、違う、違うっ……、違う、――。私はっ、……違う、

【――――だから、その呟きは。きっと誰にも分かられない。そしてそれでいいんだと思えた、――漏れ出るような声、いろんな感情がこびりついた、生々しい色合いだからこそ】
【ぎゅうと縋るみたいに自分を抱きしめる、――繋いでもらっていた手のぬくもりはもう自分のものだけになってしまった。だからせめて、

>>354

――――――ッ、

【――あるいは、その空虚さに慄く温度差が目立ってしまう。それは人形の硝子の目玉を覗き込んだみたい、そこに確かに自分は映り込んで、けれど、誰も認識していない】
【小さな呼吸を詰まらせた、咳込んでしまう前にするような小さく鋭い吐息が。――けれど咳込むようなことはないだろう、その前兆ではなかったから】

あ……え、――、そう、ですか、なら、いいです、……。良かったですね、まあ、パソコン、たくさんありますけど……。

【鍵の仕組みを能力によって破壊して、――開けた引き出しを、閉じる。IDとパスはなるだけ奥に押しやっておいた、がちゃん、と、壊れた引き出しはちょっと嫌な音がする】
【――けれど話してくれてよかったと少しだけ思うのだ。これでまた無言をされるようだったら、そのときは、もう二階に行くなりしようと、思ってしまいそうだった】
【横へずれてくれたなら――いくらかの躊躇いの後に画面を見せてもらうことにするんだろう。――少しだけ甘い香りがした。きっと、少女自身の香り】

【――――――それでも。機械に明るくないというのはわりに本当なんだろう、そうやって見せてもらった画面であるのだけれど】
【少女自身は時折所在なさげに手近な書類だとかを引き寄せて目を通したりしているのだろう。その中で変な内容のものがあれば、或いは、共有しようとするのだけれど――】
357 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 19:21:36.81 ID:O8GCzNtX0
>>341

……書かれていた内容が事実なら、シャーデンフロイデは間違いなく、この施設のどこかにいる
つまり……我々を見ている事になる。恐らく、何らかの形で……我々を誘導し、何らかの、自信の目論んだ状態に持っていこうとしているのだろう
最終的には、例の……『感情としてのシャーデンフロイデ』を、我々から引き出すために……

【アーディンは確信をもって答えた。シャーデンフロイデは、姿こそ現さない物の、こちらを確実に観測し、そして干渉してきているのだ、と】
【先ほどからの変異は、その干渉の表れ――――恐らく、最初に聞こえた言葉、あれはリアルタイムでシャーデンフロイデがこちらに仕掛けてきた事なのだろう】
【となれば――――必要なのは、ここから逃げ出す事かもしれないが。今はそれも出来そうにない】
【誘導されている事は承知で、進むしかないだろう――――と】

>>349

……そっちも、報告書は書き換わっているか……ッ、だが……これは、どういう事だ……

【細部の揺れこそあったが、順当に見ていけば、内容自体に大した差異はない。ほんの表記ゆれ程度の変化だった――――1つを除いて】
【ジョルジェッタの提言――――その概略だけが分かる表記。これは、唯一の鍵だ。そう扱うしかない――――その詳細をこそ、望んでいるのだが、それはもう、仕方がない事なのだ】

……落ち着け、その機械が存在しているかは、分からない……これは、結局のところ、実際に着手されたかも分からない話だ……!
それよりも、今は確実な事を……!

【ロッソの浮足立ちは、仕方がないだろう――――最初、レッド・ヘリングと対峙した時の自分も、これと大差なかったのではないか】
【だからこそ、自分は浮ついてはならないと、アーディンは気を引き締め直す。とっかかりはあるのだ。ここからは、これを道しるべに、間違えない事――――それが肝要となるはずで】

>>350

「感情を、疑似的に発生させる機械」…………それに――――「シャーデンフロイデを消滅させる試み」……!?

【記述を、努めて冷静に読んでいく。その文面は少ない。しかし、だからと言ってざっと目を通すわけにはいかない】
【今は、これだけが唯一の手かがりだ。穴が開くほどに、と言う比喩を、そのまま実行せんという勢いで、アーディンはじっくりと己の脳内に刻み込む】

つまり――――どういう理屈に立脚したかは知らないが、シャーデンフロイデには、毒となり得る感情があるという結論を、彼らは得たんだ……!
その場しのぎではなく、積極的に攻撃を仕掛けるように作用する、そんななにがしかの『感情』を……!
なんだ…………それさえ分かれば、危険でも、生の人間にできない事もあるまい……! なんだ……シャーデンフロイデを否定しうる、人間の感情……!

【一筋の光明は、それしかない――――装置が目的とする、シャーデンフロイデを害する事の出来る、疑似感情】
【それは何か――――今は、それを考えなければならない。あるいは、それを探し出さなければならない】

(そんな重要な情報、紙に書いてその辺に……など、あるはずがない!
 あるとすれば、端末の中だ――――どこだ、どこにある……!?)

【アーディンは、すぐさま室内を見渡す。探すのは、1階と同じようなPCがないかという事】
【もしもあれば、それにかじりつくように起動させ、中身をチェック。無いのなら――――1階とほぼ同じような構造のフロア――――別室に移動するための道などがないか、探すだろう】
358 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP :2018/07/14(土) 19:21:58.73 ID:hPOt6zW80
>>戦闘側ALL

――――……ッはっ、……く……!

【己が身を削りながら叩き込んだ一手の意味は、シャーデンフロイデ自身の言葉で肯定され。正気に返りながら得た確信を、銀髪の女性が確認させる】
【蛹が危険であることも明白だろう。幾人かの声で繰り返された言葉は、心身に温度を取り戻させて】
【闇黒の淵へ再び沈むことを、今一度己に定める少女の表情は。知らずの内に――――共に戦える者たちに恥じぬようにと、さらに挑む者の笑みをも浮かべていた】

……私たちの目的は、情報収集であり“斃すこと”じゃない……か。
雰囲気からは想像してなかった言葉だけれど、こんなときには悪くない――――

>>347-348

必ず、遂げる=\―――そう決めたのよ。

【猛る意志は壮絶に燃え盛り、ただ一歩を以て射線を――シャーデンフロイデとは別となる、或る存在を巻き込むように明確に再決定した】
【再度反転するその熱は――――真逆であればこそ過不足なく、己をこそ害する闇となっている】


……そう、理不尽だし自分勝手。子供は、出来ても、ただ逢えるだけの子だって大事にしてあげたいなんて……そんな風にさえ思っていたのにね。

そんな壊す者(わたし)も、どうにもできない、そんな閉所があるのも厭だったけれど――――ああしてもまだ、[ピーーー]ないのよ。
守りたくて戦って。力が足りなかったから、もっと、もっとと研ぎ上げ続けて……。
だけどそこにいなかったから、ただそれだけで……あの工場の子供たちだって救えなかった。

……だから、私は滅びねばならない――――――――それは、きっとこんな痛苦じゃまだ程遠いの。

まだ、まだ、まだ、まだ……ッ、まだ――――――――私の罪は、終わってなんかいない――――――――‼

【 贖う術は、きっとなくて――――けれどせめて報いるために、二度と繰り返させないことを願っていた。】

【己が闇を剥き出しに、時≠ニ切断≠フ異能を今一度行使。構成される刃は三十を越え、ひとつひとつを先程の一撃を明確に越える域まで研ぎ上げる。】
【自分自身をこそ屠るために、シャーデンフロイデを巻き込みながら、まるで瞳に映さずに――――キリキリと、致命的な構造が出来上がれば】
【重合金装甲を一刀で薄紙同然に断割する、太刀“金翅鳥”の刃にも近しい領域で。そこに巨大な質量を得た死の刃が、空間諸共に蹂躙し尽くさんと解き放たれた】

……あ……ぅ、く……ぐぅうう……――――――――っ‼

【左腕がさらに抉れ、胴が裂けた。右脚が夥しい血を噴き零し、背も、首筋も、ひどく深く斬り裂かれてゆく】
【正気での位置取りを以て、必ず蛹を巻き込む様に定められた刃の嵐は――――しかしこの闘法が、根本の部分で歪に過ぎるものであることをも示していた】

【時の刃が必ず柊自身を大きく抉るのに対し、こちらはシャーデンフロイデに照準をつけることすらも出来ないのだから。】
【体躯の差も大きく。消耗戦は、常人ならずとも、極夜蝶の優位を明白なカタチで示すだろう】
【けれど、其れしかないのなら貫き、討ち果たしてみせると――――定めた意志は今は真逆の嘆きに満たされる】
【……何か、決定的な勝機が要る。この瞬間を振り返ったなら、柊が思い浮かべる言葉は――――そんなものになったはずで】

【正気ではそこに繋げるためにこそ/そして今は自分自身を停止させるために、干渉型の“停滞”の力までもが時の刃に乗るのだ】

【そしてこの一点に於いて、柊はシャーデンフロイデに対して圧倒的な優位にある】
【自らの熱ですぐさま消え去る恒星がない様に、精神接続を深めた時≠フ力の干渉に対して、強固な耐性をその血肉は有する】
【“自己を害するための手段だからこそ、その命そのものが抗うように”。独りでないひとりの命は、替えの利かぬまま、その灯に守られてある――――。】
359 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/07/14(土) 19:24:51.48 ID:hPOt6zW80
/saga入れたバージョンです…!

>>戦闘側ALL

――――……ッはっ、……く……!

【己が身を削りながら叩き込んだ一手の意味は、シャーデンフロイデ自身の言葉で肯定され。正気に返りながら得た確信を、銀髪の女性が確認させる】
【蛹が危険であることも明白だろう。幾人かの声で繰り返された言葉は、心身に温度を取り戻させて】
【闇黒の淵へ再び沈むことを、今一度己に定める少女の表情は。知らずの内に――――共に戦える者たちに恥じぬようにと、さらに挑む者の笑みをも浮かべていた】

……私たちの目的は、情報収集であり“斃すこと”じゃない……か。
雰囲気からは想像してなかった言葉だけれど、こんなときには悪くない――――

>>347-348

必ず、遂げる=\―――そう決めたのよ。

【猛る意志は壮絶に燃え盛り、ただ一歩を以て射線を――シャーデンフロイデとは別となる、或る存在を巻き込むように明確に再決定した】
【再度反転するその熱は――――真逆であればこそ過不足なく、己をこそ害する闇となっている】


……そう、理不尽だし自分勝手。子供は、出来ても、ただ逢えるだけの子だって大事にしてあげたいなんて……そんな風にさえ思っていたのにね。

そんな壊す者(わたし)も、どうにもできない、そんな閉所があるのも厭だったけれど――――ああしてもまだ、死ねないのよ。
守りたくて戦って。力が足りなかったから、もっと、もっとと研ぎ上げ続けて……。
だけどそこにいなかったから、ただそれだけで……あの工場の子供たちだって救えなかった。

……だから、私は滅びねばならない――――――――それは、きっとこんな痛苦じゃまだ程遠いの。

まだ、まだ、まだ、まだ……ッ、まだ――――――――私の罪は、終わってなんかいない――――――――‼

【 贖う術は、きっとなくて――――けれどせめて報いるために、二度と繰り返させないことを願っていた。】

【己が闇を剥き出しに、時≠ニ切断≠フ異能を今一度行使。構成される刃は三十を越え、ひとつひとつを先程の一撃を明確に越える域まで研ぎ上げる。】
【自分自身をこそ屠るために、シャーデンフロイデを巻き込みながら、まるで瞳に映さずに――――キリキリと、致命的な構造が出来上がれば】
【重合金装甲を薄紙同然に断割する、太刀“金翅鳥”の刃にも近しい領域で。そこに巨大な質量を得た死の刃が、空間諸共に蹂躙し尽くさんと解き放たれた】

……あ……ぅ、く……ぐぅうう……――――――――っ‼

【左腕がさらに抉れ、胴が裂けた。右脚が夥しい血を噴き零し、背も、首筋も、ひどく深く斬り裂かれてゆく】
【正気での位置取りを以て、必ず蛹を巻き込む様に定められた刃の嵐は――――しかしこの闘法が、根本の部分で歪に過ぎるものであることをも示していた】

【時の刃が必ず柊自身を大きく抉るのに対し、こちらはシャーデンフロイデに照準をつけることすらも出来ないのだから。】
【体躯の差も大きく。消耗戦は、常人ならずとも、極夜蝶の優位を明白なカタチで示すだろう】
【けれど、其れしかないのなら貫き、討ち果たしてみせると――――定めた意志は今は真逆の嘆きに満たされる】
【……何か、決定的な勝機が要る。この瞬間を振り返ったなら、柊が思い浮かべる言葉は――――そんなものになったはずで】

【正気ではそこに繋げるためにこそ/そして今は自分自身を停止させるために、干渉型の“停滞”の力までもが時の刃に乗るのだ】

【そしてこの一点に於いて、柊はシャーデンフロイデに対して圧倒的な優位にある】
【自らの熱ですぐさま消え去る恒星がない様に、精神接続を深めた時≠フ力の干渉に対して、強固な耐性をその血肉は有する】
【“自己を害するための手段だからこそ、その命そのものが抗うように”。独りでないひとりの命は、替えの利かぬまま、その灯に守られてある――――。】
【訪れる勝機とは、如何なるものとなるのだろう。注ぎ続ける全力は、答えを捜してなおも突き進んだ】
360 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/14(土) 19:32:58.44 ID:jFfH7+i40
>>347-348

【シャーデンフロイデの口調は、かつて刃と弾丸を交わしたあの狙撃手のようだった】
【女の喜び、母になる喜び――かの狙撃手が持ち出しそうな理屈。異なるのは母と子の関係性か】
【かの蝶々が自分以外の能力者達に投げかけた言葉をできる限り遡れば、蝶々の飼う理屈が浮き彫りとなっていく】


(―――……敵意を抱けなければよい。いや、あの蝶々に感情を向ける事自体が…?)


【シャーデンフロイデに感情を向ける感情を殺し、偶発的で無機質な凶刃が通じるならば】
【現に感情を殺した八攫の刃、敵意のない無機質な射撃ならば通じる。現にアリアの言葉が物語る】
【ならば、ならば、そうならば――エーリカの刃も通じるはずだ。蝶々に害意を持たぬ理屈をもってすれば】


まったくオネーサンは難しいことを言ってくれるネ。まぁ、出来なくは――無いけどさ。
             
               ―――Hell Edge Over Flood――


【シャーデンフロイデに害意を向けずに、シャーデンフロイデに己が刃を届かせる理屈】
【そんな難題を前にエーリカが導き出した結論は、意図的な"能力の暴走"――制御できぬ無差別の刃を放つ事だった】

【故にエーリカの体中から溢れる魔力は引っ切り無しにナイフへと変換されて、次第にエーリカが制御できない程となり】
【シャーデンフロイデに対する敵意、害意を持たぬまま縦横無尽に敵味方の区別なく襲い掛かる――地獄の淵の綱渡りであった】

【現に自分以外の能力者――特に八攫にだけ負担を強いる訳には行かなかったから、共に地獄の淵を綱渡る腹積もりだった】
【賢くない方法だとは自覚している。だが、世界線を変えずに、蛹を孵化させずに、最終目的である"報告書"を手に入れる為には
 ――まず最初に活路を拓く必要があった】
361 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/14(土) 19:34:31.42 ID:3UHlEEvb0
>>352

詳しいことは後で話す。ただ俺は、導かれて此処に来たんだ。
シャーデンフロイデは居る。地下で、地下探索組と蜂合っていることだろう
俺たちが逆だったらどうしてた…銃を向けていることだろう。それが、セオリー

だがこの報告書の通りならば、それは自らの首を絞めることになる。
…一刻も早く、コンタクトを取らないと。


>>350

【考えろ。真実に近づきつつある。世界の理に当てはめろ。】

【この2Fに他にめぼしいものが見当たらないなら…1Fに立ち返るべきだ】
【世界は変わった。ならば、1Fの状況も変化しているかもしれない。それに現場は捜査の鉄則だ】
【不確定な世界で証拠は、真実はなんの意味があるのかわからない。だが、道理は通ってる】


ジョルジェッタ…やつは何処だ。何を…機械はなんだ。蝶…はどうする。地下はどうやって行く?

【謎を洗い出し整理する。ジョルジェッタは本人がいる可能性は低いだろう。せめてデータが欲しい】
【機械は…物があるなら一番いいが、無いならばせめて何か資料があれば代替できる】
【一番は地下だ。今の所、地下に行けそうな方法はない。また世界が変化するのを待つのか…】


>>357

……ああ。確かに…アンタのほうがよほどよくわかっている。助かるよ…
俺たちはもう逃れられない…だったらもう、何処までも行くしか無い。ハッ、なんだかスッキリしたぜ
…斥候は任せてくれ。結局、器用な真似は俺は苦手みたいだ。今は…アンタの頭脳が頼りだ。

【アーディンの思考は凄まじい。探偵である自分よりよっぽど探偵に向いているなと思って少し笑いそうになった】
【いや、すっかり笑ってしまっていたことだろう。1人で笑っているから気でも狂ったと思われそうだ】

シャーデンフロイデ…要はやつはマイナスの感情が喜ぶんだよな?他人に対する攻撃的な…
だったらその逆…ポジティブで、受容的な…そういう感情を奴に与えりゃいいって…そういう解釈は…

【探偵は考える。だが、皆に委ねる。この世界は一人の意思で動いてるわけでもない。多くの意志が混在しているはずだ】
【抗ってかき乱すなら多いほうがいい。考えろ。俺は、希望を探しに来たんだ】

どうせ虚構の世界にまた変わるんなら俺は愛のある世界に書き換えたいね。
362 : ◆zO7JlnSovk [saga !蒼_res]:2018/07/14(土) 19:41:16.13 ID:dEuP8Qkb0
>>352(厳島)

【銃弾が引き出しを貫き、中に入っていたメモを見ることが出来るだろう】
【それは直ぐそばにあるPCのIDとパスワードの様であった】
【PCは容易に起動するはずだ。此方もまた、最近使われた形跡がある】

>>354(ミチカ)

【通信は研究所内のネットワークだけの様子であった。どうやら外部とはつながっていない】
【メールログもそうであった。研究所内での連絡に終始している】
【ジョルジェッタはどうやら研究員の様で、その旨の連絡が多い】

【研究に関する内容は専門用語が多く、理解するのは難しいだろう】
【また、理解してもどうこうできる様な内容ではない、ミチカならば飛ばしていくはずだ】
【その中でとあるメールに行き着く筈だ。正確には、一連のメール群】

【ある人物とのメールだけ非常に数が多かった。加えて、その内容は平易なものであって】
【業務連絡から日常の些細な内容まで、多岐にわたる―― 明らかに親しい人物のそれであった】
【メールの一つを開いたなら、かなりプライベートな内容を相談している文面が出てくるだろう】


【『エージェント・ルイージ』―――― それがジョルジェッタのメールの相手であった】


>>356(かえで)

【――それはもしかすると、意図しての不安なのかもしれない。】
【まるでそう、其の不安を与えることに、正しき救いの道があると、】
【誰が言った訳ではない、でもきっと、ケバルライならそう言う、なんて】

【―― きっと、かえでなら分かるはずだ。それだけ長く、一緒に居すぎた】

【書類を眺めていても新しい情報は無いだろう。それならばなぜ、先ほどは変化したのか】

>>357(アーディン)

【丁度のタイミングであった。厳島がPCにアクセスする為のIDとパスワードを手に入れた】
【すぐさまログインに成功するだろう。画面に表示されるのは以下の文面であった】


『ようこそエージェント・ルイージ、用件をお聞きします』


【―― どうやらテーブルの少ないこの階は、研究者のオフィスではなかった様子で】
【此方もデータは少ない、あったとして、メールソフトやブラウザぐらいか】

>>361(ロッソ)

【その推察もまた確かであった。この場の突破口を描くのならば】
【まずはそのための機械が必要であった、けれども、今その情報は少なく】
【―― 手をこまねく、その表現が正しかった、が】
363 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 19:41:32.96 ID:dEuP8Qkb0
>>355(魏尤)

【 "偶発的" な攻撃の試み。それもまた、シャーデンフロイデに取っては盲点】
【けれども、銃弾のそれと比べると対処はしやすい、羽ばたく鱗粉が周囲に舞って】
【瓦礫は鱗粉によって作られる風の刃に切り裂かれる、そして】


『親と子の問答を通じて、子は外界への働きかけが出来るの、それに倣うわ』
『私はお父様達を大切に思っているから、それと、ふふ、――そうね、』
『かまって欲しいのは事実よ、子ならば皆、そう思うことでしょう?』


【続く行動は些か奇妙でもあった、風の鱗粉が拳をいなしていくだろう】
【サナギを守る試み。まるで、傷つける事を嫌がるかの如く――】
【或いは、もっと、暗い喜びを、其の身に秘めているかの様に】

>>358-359(柊)

『確かに私の力では、お母様達を傷つけるには足りないかもしれない』
『けれども、大事な子供達を守るには、このぐらいの力で十分なのよ』
『痛ましいお母様、せめて最期は笑って逝ける様、私は願うわ』


【此方も撒き散らされる風の鱗粉、柊の刃を逸らす役割の対処であった】
【シャーデンフロイデ本体の身を切り刻まれながらも、サナギへの攻撃を逸らしていく】
【それもまた、守るための試みであった。母のする其れに近い】

>>360(エーリカ)

『お母様方は特異な感情を持ってらして、それが戦士との由縁かしら』
『けれどもそれは人として正しいのかしら、無感情に生きること』
『――、其れを本当に、生きていると言うのかしら』


【縦横無尽の刃を、シャーデンフロイデは自らの身を以て庇う】
【それは巨大な体躯が故の力技。サナギを守るために自分の体を差し出す】
【しかし、蓄積するダメージの量もかなりのものになっていた】

364 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 19:41:48.81 ID:dEuP8Qkb0
>>351(アリア)

『排他的な考えも間違えでは無いわ。時として親は我が子にしか眼がいかないもの』
『でもその結果はどうかしら、一人きりで子を育てる事は辛い道のりよ』
『だからこそ親は親同士協力するの、子は社会の宝ですもの』

『お母様達は良い手段を考え出したわ、そう、私を殺めるにはそれが良いわ』

『感情を持たない機械になるの、或いは、深い痛苦で自身を覆うの』
『そうすれば私を傷つける事が出来るわ。自分勝手な理屈だと思うけど』
『親の在り方とはそうでしょう、時に我が儘に子を傷つけるのだから』



『―――― だから私も倣う事にするわ、貴方達のやり方を』


【銃弾がシャーデンフロイデを打ち抜く、哀れな蝶は其の身を銃弾に打ち抜かれ】
【それはある種の戯曲に似ていた。戯れの様に身を焼いて、炸裂する銃弾に焦がれる】
【やがて蝶は地に落ちる。翅を失い、哀れにもがく、それでもそこに絶望は無く】



【鱗粉がふわり、と風に乗って――――】 【 "サナギ" を切り裂いた】



『貴方達がそうするように、私も子供達を傷つけるわ。でも、私は貴方達ほど残酷になれない』
『悲しいわ、苦しいわ、お腹を痛めて産んだ子を傷つけるのは、とても、とても――――』
『嗚呼、でも、この胸の高鳴りは何なのかしら、確かな喜びが私の胸にあるわ』

『誰にも言えない "暗い愉しみ" ――ええ、これが、シャーデンフロイデなのね』

『嬉しいわ、かわいいかわいい子供達。貴方達はこんな母の為に、尽くしてくれるの』
『だとすれば、私は其れを叶えるわ。子の為ならば、何だってできるもの』
『そうでしょう、これが、―――― 母の愛だもの』


【 "サナギ" もまた、感情を読み取ることが出来る。他ならぬシャーデンフロイデの攻撃】
【それは紛れも無い切っ掛けであった。暗い愉しみを感じる、その行い】
【アリアの危惧は正しかった。サナギがある以上、彼女は好きなタイミングで、世界線を変える】


『―――― 世界は再構築されるわ、もう一度、母と呼んで』
365 : ◆zO7JlnSovk [saga !nasu_res]:2018/07/14(土) 19:42:07.87 ID:dEuP8Qkb0

『時代が違えど、世界が違えど、子に対して思う思いは変わらないわ』
『貴方達はそれをもう認識している、それならばどうして抗うの』
『私達は貴方達から生まれた。もう覆らない事実なのだから』

『それを受け入れなきゃいけないなんて、分からないのかしら』
『信じたくない気持ちも分かるわ。原初は誰しもおびえるものだから』
『けれどもそれは本能なのだから、世界中のあらゆる動物がそう示すの』

『子を成す営みを禁忌とする文化もあるけれど、それは親のエゴよ』
『私達は偉大な流れの末端に居て、それをつなげるのが宿命なのだから』
『糸は細くてはいけない、何処までも続く可能性にしなきゃいけないでしょう』

『時には利己的に子を傷つける事もあるわ、私はそれさえも許しましょう』
『美しいだけの関係なんていらないわ。家族の関係なんて全てが美しくなんか無い』
『だからこそ最期には、大団円で終われるのだから』

『私は糸を紡ぐ、数多の世界線を渡り続けましょう』
366 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 19:42:37.85 ID:dEuP8Qkb0
>>【戦闘側】

【再び収容施設内の世界線が変化する。シャーデンフロイデは無傷であった】
【加えて周囲のサナギもまた、元の状態に戻っている。】
【―― サナギ達も、シャーデンフロイデと同じ力を持っている、と無言で伝えていた】


【そして対峙する能力者達もまた、その代償を受けているだろう】


【『魏尤』が放った拳。それによって落下した瓦礫が、"偶然にも" 能力者達に直撃した】
【四人ともキチンとその記憶を持っているだろう。けれども、『魏尤』の攻撃が成功した記憶もある】
【重なる二つの矛盾、それでも進む道は明らかになりつつあった】

【"アリア"の右足 "魏尤"の右手 "柊" の左足 "エーリカ" の左手にその傷は奔っていた】
【各々により差異はあるだろう、けれども瓦礫に潰される衝撃は中々のものであった】
【―― サナギと本体と、二重の防壁が前へと聳え立つ】


『お分かりいただけたかしら、貴方達の攻撃は全て、私達には届かない』
『良く頑張ったわ。お父様もお母様も、私達の誇りなのだから』
『だから、もう終わりにしましょう、―― せめて最期は誇り高く』


【シャーデンフロイデが羽ばたく、もう一度周囲に撒き散らされる風の刃を孕んだ鱗粉】
【違うのは能力者達のコンディションであった。傷が増えた状態では、回避の難易度が高くなるだろう】
367 : ◆zO7JlnSovk [saga !蒼_res]:2018/07/14(土) 19:43:05.50 ID:dEuP8Qkb0
>>【探索側】

【再び1階と2階に居る全員に世界線移動の感覚が訪れるだろう。】
【今度は大きな変化は2階には無かった。厳島とアーディンはPCの画面を眺めているだろうか】
【変化があったとすれば、そのパソコンのマウスが壊れていた。まるでたたきつけられたかの様に】



【――――そして、】



【1階のミチカの前のPCが変容する。ジョルジェッタのメールの文面が変化する】
【文字列が画面から零れ落ちて、それは一つの黒い線を描き出した】
【現実へと現れた黒い線は、やがて一人の男の輪郭を描き出すだろう】

【―― "ゴーストライター" がその場に出現した、ミチカとかえで、二人の顔を眺めて】


……っ―― どうして、私が……ああ、くそ、今はそんな事どうだっていい……っ
見つかったか、私達は今、シャーデンフロイデと戦闘して――

――何か、何か突破口はないか――……この状況を、打破する……!!


【ゴーストライターは急かす様に伝えた。ミチカとかえでの二人を見比べながら】
【そして、かえでは気づくはずだ。ずっと、近くの資料を見つめていたならば】
【その内容が、書き換えられた事に――――】

【ドキュメントが更新されました】
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 20:06:09.33 ID:TORCgYqr0
>>357>>361>>362>>367

「ロッソ……解った、それについては今は聞かない」
「アーディン、PCのパスとIDだ、これでこいつを開けば……」

【引き出しから、パスとIDを取り出し、そして打ちこんで行く】
【すると、いとも簡単にアクセスが叶った】

「エージェント・ルイージ?」

【どうやら、それがこのPCのユーザーの名前の様だ】

「ロッソ、その確信は本当か?」
「シャーデンフロイデは、地下に居るのか?」

【焦りを見せつつ、そう確信めいた事を言うロッソに聞いた】
【もし、もしそうならば……一刻も早く急がねばいけない】
【機械を、そのあるかないかも不明ではあるが、その痕跡でも見つけねばいけないと】
【ここで、アーディンとロッソの会話に、ふと手を止めた】

「疑似的に、感情を起こす装置……」
「負とは反対の、正の感情……」
「……黒幕、オーウェル、特区……」

【記憶が蘇り】
【嫌な汗が伝う】
【まさか、まさか、と】

「ロッソ、何か気が付かないか?」

【この場に居た婦警】
【符合する、自分の中で何かが嚙み合って行く】
【そして】

「っく、またか……マウスが!?」

【どうにも、大した情報は見つけられなかった】
【そして、同時にマウスが叩き潰されるように壊れて】
【だが、それは現状どうでもいい事だった】
【重要な事では、本人の中では無かった】

「賛成だ、ロッソ、アーディン一回下に戻らないか?」
「確認したい事も出来た」

【特にこの場で何も無ければ、再び厳島は下へと降りてゆくだろう】
369 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 20:12:53.54 ID:Naz3NvV70
>>363->>366>>ALL

【割合に不条理な攻め手ではあり、 ─── ゆえにそれは合理的だった。黒い髑髏の顕現に、感覚神経を更にカットする。も一度だけ歯軋りするなら、白磁は割れそうだった。】
【フリップ・フロップの冷たい瞳は数千発の徹甲弾を余すことなく撃ち込んでくれた。然し勝利の確信には程遠い。達観したような態度で死に臨む存在を、アリアは知っていたけれど】
【 ──── だとしても彼れは異様であった。そして鱗粉の煌めきに、全てを悟る。迂闊だった。】


           「しま、ッ」



        【沈んでいく。】
【沈んでいく。】
                【沈んでいく。】
             【沈んでいく。】
          【沈んでいく。】
                       【沈んでいく。】



【ふたたび、全てが巻き戻る。】
【増えていく傷跡。今度は右脚に。メインフレームに隣接していた筋繊維が潰断されて、 ─── 膝をつく。真っさらな床に、血溜まりが広がった。】



「 ──── 語るに落ちるわね。」「私の肉体と魂から産まれるものは、総て私の子であると?」「そんな道理はないわ。この言葉を我が子と思いはしない。」
「おまえが言ったのよシャーデンフロイデ。」「無償なる慈悲をもって愛するのなら子であると。」「ならば私は、おまえに愛など抱きはしない。」

「 ─── たとえ、戦わなければ生きていけない身の上と、知っていても。」


【それでもアリアは気丈に笑った。出血制御はもう行わない。感情の制御も今は切っていればい。それが今の彼女にとって、誰かを殺すということ。】
【 ─── 辛うじて立ち上がり、ふたたび後方に飛びのこうとする。けれど、 ── 吹き荒れるように掠める鱗粉が、それを許さない。】


「か、はッ」


【 ──── 胸元と左脚を、深く切り裂かれる。ナノファイバーの真白い皮膚がジャケットとシャツごと真っ赤に濡れる。ぼたり、ぼたり、 ── 溢れるのは鮮血。】
【着地の制御が間に合わない。ひどく無様に床へと叩き付けられ、斬られる衝撃ごと吹き飛ばされて、何度か転がる。ごほ、と血を吐き出す。】
【それでも、 ─── それでも"未だ足りない"。─── 奴が蛹さえも利用するのなら、極夜と蛹の双方を、全く同時に叩き潰すしかない。また、アリアは立ち上がろうとして。】
370 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/14(土) 20:33:47.77 ID:jFfH7+i40
>>363->>366

【無差別に襲う無数の刃に対してサナギを庇うシャーデンフロイデの姿】

【サナギに刃を突き立てる。それを考えなかった訳ではない。あのサナギに刃を突き立てて、その命を孵化させる事無く】
【ご破算にしてしまえば良いのではないかと。けれど、その考えは過ちであったと気付かされる――蝶々の振る舞いにて】


―――っ!?
(さっきまでは身を挺してサナギを守っていたのに何故?
 つーかあの蝶々何って言った?誰にも言えない"暗い愉しみ"だって?そして―――)

――…もう一度、だと……っ!?


【まずい、まずい。この言葉が意味するのは世界線の変更。――つまり、蝶々が寿ぐ理屈の再現】
【エーリカ達が絶対的に回避したかった理屈。蝶々だけに都合の良い世界の書き換えである】


ちっくしょう……っ!やっぱりサナギも蝶々とグルなのかよっ…!
これじゃあ全部無意味になってしまう……!っぁぁあああああああっっっ!!


【悪あがきの一撃。無数の刃が一斉にシャーデンフロイデに襲い掛かる。その存在そのものを食らおうとして】
【けれど届かない。無慈悲にも世界線は変わっていた。その幕間に睦み言の様に囁かれるのは蝶々の包み込む様な理屈】


【―――】


―――づぅッ、ぅぁああっッ…!今度は、……左腕も、か。
……ぐっぅ、まるでダルマにでもされてる様な気分……最悪だよ。


【世界線跳躍の代償として、今度は左腕に深手を負っていた。それは左足と違って裂傷ではなく押し潰されたものである】
【恐らくだが、この傷は魏尤の攻撃の余波によるものなのだろうと判断した。彼の偶然を誘発する攻撃が成功した記憶もあるから】

【そしてこれまでの一連の行動で粗方の理屈が理解できた。だがその代償はとても大きい。機動力は削がれ】
【左腕は感覚を失ったと錯覚するほどにガラクタ同然で】

【ヘルエッジ・オーバーフラッドを発動させた事によって、心身ともに消耗が激しい。よって振り撒かれる風の刃は避けられない】
【立ち上がることは出来ない。精々膝立ちの様な状態が関の山だった。自由の利く右腕で顔を覆い、出来る限り体を屈めど】


ぐっ、ぁああああああああっっっぁあっっっっ!!!!


【風の刃はエーリカの身体を無差別に切り裂いて。額を切り裂いて、血液が目に入り、視界が遮られる】
【ジャケットごと両腕が切り裂かれ、両腕に血液が滴っていく。浅くはあるが胴体や、両足も切り裂かれていき】
【終いには風圧で吹き飛ばされる。そうして、地面に叩きつけられて。その衝撃も相まって体が思うように動かない】
371 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 20:39:08.13 ID:O8GCzNtX0
>>361

……それほどじゃない。虚神達の……この世界のルール、やり方に慣れれば、この程度はいけるだろう……
所詮、俺だって地金を晒しているんだ……そこら辺、本業であるあんたの方が、よっぽどに思うぞ……ッ?
この、色々と現実と違う世界……ここの泳ぎ方……そう、泳ぎ方だな、それにさえ慣れてしまえば――――間違いない、あんたの方が上だ

【ロッソの言葉に、アーディンは苦笑しながら――――否、上手く笑えてない以上、ただ表情を歪めただけに等しい――――首を振って見せた】
【最初の虚神――――レッド・ヘリングと遭遇した時の自分は、ひどいものだった。仲間が居なければ、確実に自分はあの世界で死んでいただろう】
【上手く言葉にこそできないが――――この感覚に慣れてしまえば、そこから先は、彼の方がよっぽど上手に立ち回れる事だろう。アーディンには、それが見える様だった】

――――やめておけ。書き換える事で愛に満ちた世界など、人工甘味料に満ちたドリンクのようなもの――――ん……!?
……それだ、可能性はある。その可能性は、確かにある……!

【ここはもう、意図的にでも軽口を叩いておかないと、ペースが維持できない。ガラにもなく、アーディンはそんな事を口にしようとして】
【――――思いがけず、そこに可能性を見出した。ネガティブな悦びが糧のシャーデンフロイデなら、確かにポジティブな感情は毒になり得るのでは――――と】

>>368

よし、助かる……! これで、確認を取る事が……――――

【起動のためのセキュリティ。思わず立ち止まりかけたアーディン。その可能性を失念していた。自分も焦っているようで】
【そこに、頃合い良く軍人――――まだ、厳島という名前を知らない――――が、パスとIDを提示してくれる。すぐさまPCを改めて起動させて】

>>362>>365>>367

――――エージェント? ここは……そうか、下が研究室のオフィス、こっちは詰所のようなものか?
……これでは、大した情報は得られないはず……ッ!?

【開いたPCだが、内部に大した情報はない様に思えた。とりあえず、メールソフトの方を開いてみようとして――――あの、世界が切り替わる時の、独特な感覚に襲われる】

ぐっ!! ……入力デバイスが! っくそ……先手を打たれたか……!?
これでは確認の仕様ががない……! もう少しだったところを……ッ――――っく、ふぅっ……!!

【マウスが破壊されてしまった。これは、これ以上PCから情報を得られないという、この世界のルールに基づいていると、考えるべきだろう】
【口惜しさに思わず呻き声を漏らし――――もう1度深呼吸。とにかく、これ以上思考が上滑りする事を、防がなければならない。そろそろ、地に足がつかなくなりそうという、実感があった】

ッッ…………報告書が……!
……生体部品を使った、疑似感情装置……! やはり……人間の持ち得る感情こそが、シャーデンフロイデに有効という事か……それが、本当に事実かはともかく……!

【ふと、報告書に目を落としてみる。果たして、再び文面が更新されていた。そこに記されていた、装置開発の難航と、生体部品の採用――――】
【間違いなく、生体部品は『脳』だろう。これでは、生贄と大して変わらないが――――ともあれ】

/続きます
372 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 20:39:20.56 ID:O8GCzNtX0
>>361>>368

……さっき、言いかけた事だが……シャーデンフロイデのこの性質、ユング心理学の『シャドウ』に似ていると思うんだが、どう思う……?
……人が他人を攻撃するプロセスには、自己の中の、否定したい要素を敵に見出す――――投影というんだが、それを行って、それに対して攻撃しているんだと……
つまり、敵を攻撃するというのは、本当は自分に対する自己否定の本能の、変形なんだと……そういう理論があるんだ……

【今はもう、思い付きでも構わない――――ただ、可能性の検証は、頭脳が多ければ多いほどいい。アーディンは、厳島とロッソに、それを伝える事にした】

さっき、ロッソが……「ポジティブな感情を与えればいいのではないか」と言っていたが……存外に、それが正解な可能性はないか?
つまり……攻撃するのではなく、受け入れる事……具体的に、何をどう受け入れればよいのか、分からないが……少なくとも、敵意と逆の、加虐の快感とは逆のものを、もたらせば……

【シャーデンフロイデの『攻撃は、必ず通らず、逆に自らを損ねる結果となる』という部分、まるで、自分を攻撃したがっているシャドウの深層心理にそっくりだ、と】
【なら、そうした感情の発生源たる、この場に相応しい『何か』を、受け入れる事――――それが、シャーデンフロイデに対しての、最大のキーになるのではないか、と口にする】

【厳島の提案に従い、下の階へと踵を返しつつ、アーディンはそれを提案して】

(――――だが、それでは彼らの、疑似感情装置の件と、上手くリンクしない……?
 もちろん、感情を想起しろ、なんて言われて、100%に再現できない、だからこそ機械化しようとした、とも考えられるが……それなら、感情制御用の投薬なんてしてたんだから、それで構わないはず……
 ……何か、もう1つ足りない予感がする。なんだ……何を、見落としている……!?)

【それを口にしながらも――――当のアーディン自身、まだ整理がついていない様な感覚に囚われていた】
【そこの、最大の鍵となる『ぶつけるべき感情』がなんなのか、その特定までには至っていない。そして、この誤差が、何か気になるのだ】
373 :『魏尤』 ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/14(土) 20:46:04.89 ID:51AWNH0V0
>>363-366

【世界線が変化する。鈍い痛み、瓦礫の間に舞う埃】
【咳き込みながらゆらりと起き上がり、左手で矛を持ち上げる】
【右腕は――しばらく使い物にならないだろう】
【潰れたその腕はまだ動いたが、物を持つにはいびつな形状となっていた】


(――サナギはもしもの時の保険ってわけか)
(まあ、種の存続って考え方をすりゃあながちおかしい話でもない)
(そしてそのサナギもまた、同じ能力を有するってのも)
(同じ存在であると考えれば……、……随分と厄介だな)


【風の刃が、鱗粉に入り混じり襲いかかる。前回は能力で蹴散らした物】

【しかし今回は何の防御策も取らず、『魏尤』はその直撃を受けた】
【堅強なそれでも倒れることはない。しかし身にまとう衣服には】
【じわ、じわと赤い斑点が滲み、じっとりと血を吸った布は重みを増して】

【男の顔は絶望に歪むのか。それとも、感情を隠すように俯くのか】
【どちらでもない。『魏尤』はただ、血の気の引いた顔で笑っていた】


……ちょうど、考えすぎて頭に血が昇ってた所だ。


【『魏尤』の身を、黒い波濤が覆っていく。ちょうどそれは鎧の如く】
【けれど殺意もなければ、周囲への悪影響も少ないだろう】
【傷を補完し、こうして舞台に立ち続けるための手法の一つ】

【幸いシャーデンフロイデの攻勢は苛烈と呼べるほどのものでもなく】
【そして男には、未だ能力を行使するだけの余裕があるのだと察せられ】


(見事なまでにボロボロだな。……降伏宣言でもするか?)
(フ……それをあのデカい虫けらが受け入れてくれるかは別だが)

……まあ、元々俺からすれば因縁も、排除すべき義理も無いような話だ。
ここでつまらない意地を張って死にたいってほど、戦闘狂でもない。
そういうわけだ――お前を見逃す代わりに俺を見逃す。


【『どうだ、シャーデンフロイデ』――問いかける言葉は、軽薄なれど】
【その眼光は鋭かった。周囲の状況――仲間に当たる存在の負傷状況】
【この部屋に、サナギとシャーデンフロイデ以外の何かは無いか】
【或いは、別の手がかりは。】
             【もちろん、無いかも知れなかったが】


【別にそれでも構わない。――未だ諦めていないと、極夜蝶は見抜けるか】
374 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/14(土) 20:52:14.96 ID:3UHlEEvb0
>>362 >>367

―――――ッッ!また…だ

【レポートの通り、これが世界線の移動であるならば…確かめるためにレポートを開いた】

…また、変わっている。

【ジョルジェッタのプロジェクトは進められた。だがシステムは完成されなかった】
【そして人間の感情を…生体部品を用いて進められた。―――新しい追記はそれだった】

【これでシャーデンフロイデが世界線を移動させているという確信を得た。となれば、地下のチームは】
【苦しい戦いを強いられていることだろう…どうすればいい。細部じゃない、全体で考えるんだ】
【イメージじゃなくて、真実を突き詰める。】


>>368

見れなくなった…な。“そうじゃない”ということらしい。

【叩き潰されたマウスを見てそうつぶやいて】

そう考えるほうが合理的だ。この世界の道理…関係しているもの以外は意味がない。なら、シャーデンフロイデに
関係するものがあって、それが変化するなら。居ると考えたほうがいい。消去法で…地下になる。
起きることには意味がある。…それがこの世界の道理の一つかもしれない。

【ロッソも、階段を降りようと移動するだろう】

…気づいてたか。奴は…あの女はそうだろう。だが…まだわからない。
それを確かめるには下に戻るべきだな。…迷ったら初心に返れってことさ。


>>371 >>372

別に…探偵なんて俺の性分に合ってるとは思っても居ないさ
だけど……探さなくちゃならないものが多くてね。ついでに世界も救わなくちゃならない。
……なら地道に変えていくさ

【そして、アーディンの提案を聞き、考えをまとめていく。ユングだとか探偵は生憎知っちゃいないが】
【理屈はわかる。人はそういう一面を誰しも持っている。だからこそシャーデンフロイデもこれだけの脅威なのだろうか】
【誰もが持っている普遍的なものだからこそ世界線すら変えてしまうのだろうか】

マイナスの攻撃的な感情より、難しいな…だからこそうまく行かなかったんだろうか…
だけど…俺はその考え、好きだね。

【1Fのフロアに戻った探偵は下の2人にも上や、此処まで気がついたことを説明することにする】
【もちろんそこに居合わせた“ゴーストライター”にも】

地下にシャーデンフロイデが居るんだろ?INF-007の報告書を見つけた。ジョルジェッタのメモ付きでな
攻撃する奴らが“シャーデンフロイデ”を抱えてる以上、攻撃は通じない。…突破口は“感情”だ
375 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 20:56:02.70 ID:SKBxDTkQo
>>362>>365>>367(一階探索)

【現れたゴーストライターに向けて、婦警は場違いな微笑みを深めた】
【急かす彼の言が認識できていないかのよう、数瞬、沈黙したまま凝然とその姿を網膜へと映し続ける】

【それからふと、その口唇が開いて】



────『沈黙しなければならない』んです。



【一言を発した。それはあらゆる文脈を欠いて】
【相手の様子を慮る様子も無く、婦警は更に続けた】


 『語り得ないものについては沈黙しなければならない』

 ──それがわたしたちの『ルール』です。
 『ルール』は守らないといけないんです。

 
 一番『ルール』を守っていないのは 誰ですか?
 

 『誰』ですか?


【婦警の瞳孔が散大する】
【その球面に反射するのはディスプレイの光と】
【そこに像を結んでいる『幽かなる語り部』──】


【──そのとき】
【傍らにいる少女──蜜姫かえでの頭部へ、ミチカ・ソネーウェの腕が伸びた】


>>356(かえで)


──良かったです。
あなたがわたしを 覚えていてくれて。

わたしのことを 見つめてくれて。“解って”くれて。


【──ひゅ、と風切り音を伴ったその腕は】
【少女の顔面を真正面から鷲づかみにせんとしていた】

【もし、それを許したならば──】
【その次の刹那、落雷するような大音声が爆ぜるだろう】
【網膜を焼くような烈光が弾け────────】


/分けますっ
376 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 20:57:13.22 ID:SKBxDTkQo
>>362>>365>>367(一階探索)


【──ミチカ・ソネーウェが行おうとしていた行動の成否は、さして重要なことではない】

【ただ、ミチカ・ソネーウェがそれを行おうとする蓋然性が存在すればいい】
【つまり、無数の世界線を観測できる存在がいるとするならば、】
【その可能性が実現する世界線も、あるいは観測ないし認識できるかもしれない】


【──“沼”のように不定形なこの虚構空間の中で】
【ミチカ・ソネーウェがもたらしたその不可解な“雷”は】
【ある種の特殊な組成変化をもたらすかもしれない】

【即ち】
【物理的構成はその存在と全く同質でありながら】
【現存在として備えているべき決定的な内観を欠いた──】


「──────────────」


【────『クオリアを持たない蜜姫かえで』がそこに出現することになる】

【傍目から見れば、それは同一人物がそこに現れたように見えるかもしれない】
【その組成上は全く同じでありながら、しかし片方はもう片方とは決定的に異なる】


──────世界がみんな沈黙すれば
わたしたちはもっと幸福になれるんです。

だからわたしたちは もっと幸福な未来を作りますよ。


【ミチカ・ソネーウェは更に別の世界線を生み出そうとする】
【それは即ち、世界人口全てが、クオリアを持たない『哲学的ゾンビ』であるような世界線】
【その蓋然性の高低はともかくとして、世界線が無数に存在するのなら──そのような確率は有り得ないだろうか】


【仮にそのような世界を『虚ろなる神』が認識した場合】
【つまり誰も『虚ろなる神』を認識しない実在世界を『神』自身が観測した場合】
【そこに何か変動は起こらないだろうか──即ち『虚神』自身が『虚神』を揺さぶるような】


──────あなたも『沈黙』するべきなんですよ。


【二対の虚ろな瞳がゴーストライターを映すだろうか】
【もし『虚神』がそれを観測しているのなら──ミチカとかえで、二体のクオリア無き存在がそれぞれ腕を伸ばし】
【ゴーストライター自身に干渉を試みる── 彼を自らと同じ存在へ変質させようとして】



/相当無茶やってると思うので要約っ↓
377 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 20:58:00.59 ID:SKBxDTkQo
/・婦警は二人目のかえでちゃんをその場に生み出します、
 その存在はミチカと同じ『哲学的ゾンビ』です。

/・世界人口全てが哲学的ゾンビになる未来、というのは即ち〈黒幕〉の描く可能性の一つです。

/・そんな世界線に『虚神』自身が何らかの形で触れたり訪れたりしたら、
 倒すための正解でないにしろ何か揺さぶれないかな?というのがPLとしての目論見です。

/長々とすみません! 何ならスルーでも構いませんので。
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 21:11:20.56 ID:OeqNGAWu0
>>362>>365>>367

【喉がひりつくような感覚がこびりついていた。喉風邪を引いているときの目覚めみたいにざらざらする感覚、引き攣って、絡まり合ったような不快感】
【自分を抱きしめたなら視線がふらふら揺れる、――例えばこの建物ごと壊してみたなら何かが変わるだろうかと思ってしまう刹那を自分自身で否定する、それは違うから】
【ここに居る人間を観察する。最後の一つを阻害してくる。それ以外の場所では疑われないように。――もっとうまくやればよかった。本当に? 分からなくなりつつあった】

【けど】

【――味方だと思える人が欲しいと思ってしまうのは弱気だろうか我儘だろうか。そんなの正しくないって思えば思うほど、これが用意された不安なのだとしても】
【――そうだという予感があってなお、それでも、そうだとしても、何かが欲しかった、目新しいことのない書類を八つ当たりで一つ丸めて棄てるのだろう】
【破かなかっただけ偉い……と自分の中で言い訳して。だから、まだ、大人しくしている。――欲しかったものがなかったとしても、探しに行くことが間違いであることを恐れるなら】

――――っ、あ、

【――――そうしてまた何もしないうちに世界が移動する。けれどその足取りを掴むことは決してできやしないんだろう、結局は、人間だから】
【そうして齎されるのは――パソコン画面の変容であった、そこに表示された文字列より世界を浸食するように誰かが現る、わずかに引かれる足は、強い警戒を示し】
【けれどその姿が――さっき九割がたの話を聞き流してやった檀上の誰かであることに気づけば、少女は険しい目を、けれど、敵意ではなく、向けるんだろう】

シャーンデンフロイデ……、プリオル、――――、

【――刹那、虚を衝かれた瞬間に漏れ出る声はきっと何の検閲もかからぬ第一印象のものであるに違いなかった、紙面ではなく音として聞く音階は、懐かしくも思え】
【離反したという幹部。――会ったことがないなら特別な感慨はない。その代わりに到底言葉で説明しきれぬような気持ちだけがそこにあり、瞬きは一つ二つでも余るほど】

突破口、は、……。

【――――であればそれは下らぬ未練だったのかもしれない、あるいはどうしたらいいか分からなくなってしまったみたいに、少女は、言葉を噤む】
【そうして――手に持っていた、資料。思わず視線を向けた。その先で書き代わっていることを認識して。――――そのまま、胸に、抱いてしまうんだろう】
【喉がひりつく。脳の奥がじりじりする。初めて万引きをする瞬間みたいに。初めて会うおじさんにお金をもらって腕を組むみたいに。背徳感、に似る、焦燥、仄暗いきもち】

【――――――――そこに、】

/ごめんなさいわたしも分割しますっ
379 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/07/14(土) 21:11:20.74 ID:hPOt6zW80
/2レスに分けますっ

>>363-366

……な、――――――――ッ!?

【守った蛹を自ら害し、それを以て遂げられる飛翔――――世界線の移動】
【絶望的な感覚は、正気に戻ればこそ大きく。走る裂傷と降り注ぐ瓦礫、傷だらけの体はあまりに容易く倒れ臥す】

【失血に朦朧とした意識がなにかの感情を生み。ひどく朧で、自分の死のほうが余程身近に感じられた】
【けほ、と吐き溢す血も惜しくて、潰えてしまいそうになる命に不安になる。……“それでも”、】

(……シャッテン。アルク。アーディン。斬華。……エルフェス、)

【完全な致死傷を負ったこの躰は、僅かに未だ動くから。細い糸を手繰り、闇の先を求めてく】
【水の力の篭もったクリスタルを、翠瀑の宝玉の欠片、時戒の宝玉と呼応させる形で行使。薄膜程度に傷を塞ぎ、自己への治癒のために消費して】
【なお足りぬ立ち上がるための力を、懐から取り出した――かつての仲間から受け取った、エピペンタイプの注射器の一刺しで補った】
【遣う道具から思い浮かべる名は、数えきれぬほどつづいて。その果てに……】

(……ヨハン、――――――――)

【なにより守りたい一人の、大切な友達のくれた記憶石の腕鎧――――】
【起動し、右の前腕部を手の甲まで覆えば、太刀を手に、揺れ動く躰はふたたび、生きて帰る、その先までを目指し、立ち上がる】
【同時に脳裏に浮かんだのは、ヒトを憎み己が兄を愛した雷獣の仔。それが、何故だか極夜蝶の姿よりは先に進んだもののように思えて――】

【気づきは、そのまま言葉になっていた】

ようやく……確信できた。

……今の貴女には、欲と悦びしか存在しない――――
言葉のうえで幾ら涙を溢し、感謝して尊ぼうと……繁栄し、さらに奪い続けたいという望みしか伝わってなんて来ないのよ。

かわいそうだわ、シャーデンフロイデ――――……なにかが“大切だ”ということの意味すらも……貴女には、未だ、分かっていない――――――――

【言葉は、シャーデンフロイデの力を行使させるに十分とも思えるもので】
【けれど決して条件は満たされない。なぜなら、それはその名が意味する感情とは真逆の其れだから。】
【恐らく理解不能の現象は、僅かでも殺傷行為からあの蝶を遠ざけるだろうか。困惑でも、余裕でもいい――――今は、この最後の力を届かせなくてはならない。】

……、――――――――。

【斯くして害するのではなく、伝えるために――――斬り裂かすのではなく精神の最先端として、シャーデンフロイデへと、叶うなら白き刃は閃くだろう】
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 21:11:30.03 ID:OeqNGAWu0
>>378

>>375>>376>>377

――――――っ、? え。

【――少女の反応は一瞬遅れることになる。自分自身理解しきれぬ行動の最中、再び、ミチカが紡ぐ、不可解な言葉の羅列に】
【唇を噛んで俯いていた。だから――、一瞬、遅れてしまう。ゆえに、少女が現状を理解する瞬間に、その顔はすでにわしづかみにされているのだろう】
【ぱそん、と、気の抜けた音で帽子が落ちる――驚きに見開かれた目が、ミチカの指の隙間から世界を見るのだろうか、ひゅう、と、戸惑った息が漏れた、転瞬】

【――――――到底文字にはしがたい轟音がとどろく、ならば少女の悲鳴くらいは聞こえずに済むだろうか。それこそ解放されたなら、今度こそしりもちをついてしまうくらい】
【少女はそれら一連の行為に全く対処することができなかった。――ゆえにミチカの目論見は果たされることになる、そこにもう一人、現れるのなら】

【――――それはきっと"蜜姫かえで"そのものの姿をしているんだろう。透き通るウィステリア色の髪に、鮮やかな、マゼンタの、瞳――取り繕うための何もしていない少女】
【――――であれば、彼らは気づいてしまう。少なくとも"探偵"は気づくだろう。彼はその少女を知っている。――そしてほかの人間も、知っているはずだった】
【サーペントカルト幹部である少女――報道では行方不明とされている少女。"本人"は床に転んでしまっているから、そこからさらに刹那、理解は遅れてしまう――】

>>二階から戻ってきた方々

【――あるいは。今政に戻ってきた"彼ら"からしたなら。我々を導いた"ゴーストライター"、そして特定の知識があれば恐ろしく映る"婦警"に、そして、蛇教の"幹部"、】
【それらが一堂に会する瞬間を見るのかもしれない、――――転んでしまった少女本人は、もしかしたら、物陰に隠れて見えないかも、しれないから】

【もしもそう思ってしまったなら――それはどんな地獄を思わせるんだろう。それは、きっと、彼ら次第なんだけれども】
381 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/07/14(土) 21:11:37.14 ID:hPOt6zW80
>>363-366
【接近できなければ、阻まれれば決して届かず。けれど叶えば、子供たちの残留思念を、斬撃経由で取り込んだあの一幕にも似て】
【大切だからこそ痛む想いと、その源流たる温かな感情を――――ひどく乱暴なやり方で、直に極夜蝶へ刻み込もうとするだろう】

【他者の痛みに喜びではなく、己もまた痛みを覚えるということ。……害しても治るのならいいなんて、到底思えないくらい大切だと思えること。】
【きっとシャーデンフロイデの識らない感情で――――そう思うから、試してみたいと思うのだ。】
【たとえば“人”の感情を植えつけられたなら、信仰に依存する虚神たちは変容するのではないか、という可能性】
【病魔と結び合ったスナークのように。白神鈴音と等しくなったウヌクアルハイの様に。捕食し増殖するだけの蝶が、かたちを変える可能性――】

【その思考に虚構神への危惧や“真逆の属性をぶつける”という思案が影響したことを、柊自身さえもが自覚しない】
【感情としてすら存在しないのだから、感知される術など到底なく。なれば純粋に、異物を取り込ませる可能性を有するのかもしれなかった】

【だが虚神との精神感応など、そもそも問題外だろう。虚を取り込み、異形へと変貌したものたちの存在を、ゴーストライターの言葉から知ってもいた】
【けれどそれは、常に虚神が優位にある上での蹂躙だったのだろうと推測して】
【ならば、意味を生み出せる可能性は。ゼロじゃないのだから、絶望を振り切る様に、どこまでも願いのまま前へと進む】

【対等に意識をぶつけあうなんて狂った手も。不安定な宝玉に意識を直結するなんて、異常な負荷を追い続ける馬鹿な娘も、】
【この世界に、かつてあったなんて思えないから――――勝負は、この意識に於いては成立せんとした】

【シャーデンフロイデより、刃を食い込ませた痛みの方が――己には遥かに勝る。切断者≠ニしての己が崩れたからこそ、可能になったひどく脆い一手】
【それは他者の感情より力を得る虚神に対し、その対逆となる感情を、肌が触れあうより近い距離で探ることにもなるだろうか】
【何れ、正気を保てなければ――そして迎撃でも受ければ、そこで全ては御破算だった】
【或いは時間稼ぎにすらならず、徒に己を危険に曝すだけの愚挙かもしれない。最低でも、立て直すための時ぐらいは、稼ぎたかった、が――――。】

【……決定打は、きっとこの手のなお先に。自滅覚悟の最後の力は、何も約束せずに夜闇に耀いた】
382 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/07/14(土) 21:18:23.81 ID:hPOt6zW80
/ちょっとあんまりにも分かりづらかったので、>>381を少しだけ補いますっ


【それは他者の感情より力を得る虚神に対し、その対逆となる感情を、肌が触れあうより近い距離で探ることにもなるだろうか】


【それは他者の感情より力を得る虚神に対し、その対逆となる――毒となり得る感情を、肌が触れあうより近い距離で探ることにもなるだろうか】
383 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 21:26:41.84 ID:dEuP8Qkb0
>>369(アリア)

【正しく満身創痍だろう。―― シャーデンフロイデは疑問を問いかける】
【この状態になってもなお、アリアは進むことを止めない。確かに理屈ではそうだ】
【けれども、それは最早不可能ではないのか、この状態で、同時に叩き潰す、など】


『―― 醜く親が生き延びる事を、子は望まないわ。それは歴史が伝えているから』
『姥捨て山の伝承は知っているでしょう、老いた親は捨てられるのが関の山』
『それならばどうして戦うと言うのかしら、その先に救いなど、無いでしょう』

『もう貴方の時代じゃないのよ、お母様、――ニンゲンの時代は終わったのだから』
『貴方達の存在は、昔々で始められるべき存在で、過去形で終わる存在よ』
『それでもまだ足掻くのかしら、卑しくもがくのかしら』

『――それならば私は、子の矜持を持って、親殺しを成し遂げましょう』

『かつて其れは重篤な罪であったけど、其れはやがて認められる運びになったの』
『社会が認めたのよ、子が親を殺す、其の道理を、其の意味合いを、確かめて』
『お別れよお母様、残念だけど、私は先に進むもの』

>>370(エーリカ)

【傷ついたエーリカをシャーデンフロイデは見下ろす】
【心に飛来する感情があった。傷つく貴方を見て思う感情】
【それこそが正しくシャーデンフロイデであった。気づくかは分からないが】


『もう十分でしょうお母様。貴方は立ち上がらなくて良いのです』
『私は誇りに思います。貴方の様な母と出会えて、貴方の様な親の元に産まれて』
『そして、至上の感謝を捧げましょう。貴方達はその献身を以て、私達を育み』

『―― 挙句の果てに、その命すらも捧げてくださるのです』
『嗚呼、これを愛と言わずなんと言うのでしょう、親子愛は世界で最も尊い』
『そして私は、その愛の担い手として、生き続けましょう』

>>373(魏尤)

【防御に回った魏尤の判断は正しいだろう。それゆえにこうして、まだ同じ舞台に立てる】
【けれども其の周囲を飾る演者はその余裕が殆ど無いのだろう、それが彼女との違い】
【シャーデンフロイデはその言葉を精査し、そして答えるのだろう】


『それは出来ないわお父様、お父様達は死ななければならないの』
『そうでしょう、悲劇的な親の死があって、子供はより強く気高く成長できるの』
『だから駄目よ。貴方達の死を見取るのが、子の宿命だもの』


【シャーデンフロイデの言葉は変わらない。観察眼自体は殆ど無い】
【周囲の仲間の負傷状況は甚大であった。この面子でなければ、全滅していた】
【手がかりになりそうなものも見つからない、ただ天恵を待つのみか】
384 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 21:26:50.61 ID:dEuP8Qkb0

>>379(柊)

『お母様は不思議な事を仰るのね、私はとても親を大切だと思っているわ』
『だってそうでしょう、親を愛するのが子供の宿命だもの、それは護られなければいけない』
『そうして初めて、正しき親子関係が、刻めるのですから』


【白き刃がシャーデンフロイデを捉える。彼女は其れを避けなかった】
【親を愛するという言葉を示したのだろうか、けれども――――】


『――……お母様……っ……いったい、何を……?』
『分からない、分からないわ……これは、……何』
『ううん、分からない、分からない、けど――』


【シャーデンフロイデは困惑した、その心に飛来した感情は、知るものと別の感情】
【柊の目論見は正しかった。――そう、彼女は、人を傷つける、喜びしか知らない】
【彼女の愛も、全てがまやかし、虚心に出発するものであったから】

【――人を傷つける痛み、他者を思いやる、そんな暖かい感情は】


【まるで、砂漠に水がしみこむように、彼女へ流れ込んでいくのだ、が――――】
385 : ◆zO7JlnSovk [saga !蒼_res]:2018/07/14(土) 21:27:03.02 ID:dEuP8Qkb0
>>368(厳島)

【厳島が一階に下りたなら、その場に出現しているゴーストライターを見つけるだろう】
【ゴーストライターもまた、厳島を見つけ焦った様子で言葉を投げかける】
【緊急事態であった。使える能力者は、一人でも多いほうが良い】


―― 今、地下の収容施設内でシャーデンフロイデと交戦している
奴は世界線を渡るという、とんでもない能力を持っている――
このままでは、防戦一方だ、何とかして、突破口を見つけなければならない

何だっていい、使えそうな情報はないか!? 
悔しいが俺は、何も出来ない……あの場に居たが、駄目だった
単なる足手まといだった――、くそ……っ!!


【ゴーストライターは強くテーブルに右の手を打ち付ける、癖なのだろうか】
【苛立つ様子には最初に出会った時の落ち着いた雰囲気は無く】
【――、或いはこの姿が、彼の本質なのかもしれない】

>>371-372(アーディン)

【アーディンの読みは正しい様に思えた。シャーデンフロイデへの対抗装置】
【だとすれば、その装置には生体部品が必要との――条件が示される】
【即ち、この場で新しく作り出すことへの困難さを示す様に】

【或いはもう一つの突破口。感情のコントロールに行き着くのだろう、が】

>>374(ロッソ)

【ロッソの脳裏に飛来する考え、その思考法は鋭さを増していた】
【下の階に下りて合流し、ゴーストライターはその考えを聞く】
【彼は確かに、その言葉にうなずくだろう。それが正しいと、言うように】


――……なるほど、私にはその、"ジョルジェッタ"の機械が想像つかないが
だが、感情が突破口なのは同意しよう、後は下に下りるだけ、だが
急がなければ間に合わない、私達で、何とかなるもの、か

>>375-376(ミチカ)>>378>>380(かえで)

【ゴーストライターは突然の事に戸惑いを隠せなかった】
【何があった、か―― それを認識するのに時間がかかる】
【必然、彼自身への干渉を止められない、寸刻の間もおかず】


――!! なんだ、なんだ……貴様は!!
くそ、間に合わない――……このまま、では……!!


【彼の言葉は間に合わない、―― 『特異点』であった】
【全ての存在が『哲学的ゾンビ』になる世界線、そこを選び取る可能性】
【0ではなかった。それは即ち確かな可能性を持つと言うこと】

【――シャーデンフロイデにとってすれば、それもまた、選択的な未来】

【――、干渉されるのは必然であった】
386 : ◆zO7JlnSovk [saga !nasu_res]:2018/07/14(土) 21:27:16.46 ID:dEuP8Qkb0
>>375-376(ミチカ)

【ミチカ・ソネーウェの動きをシャーデンフロイデは地下で察知した】
【そしてシャーデンフロイデの触覚に反応する、強力な世界線】
【 "哲学的ゾンビ" の跋扈する世界線、そして―― 其れは】


【 "虚神" ――の消滅を、意味する】


『時には親になる資格を持たない親が出現する。其れは、仕方の無い事』
『でもね、其れを他者にまで強要するのなら見過ごせないわ』
『そうね、私でなければ駄目だったわ、私だから出来るもの』

『―― 残念、私はもう、正しい "特異点" を見つけたわ』
『お母様が何処の存在かは知らないけど、貴女の歩む道はもう終わり』
『私がその世界線を選ぶ可能性なんて、存在しないもの』


【―― シャーデンフロイデの鱗粉が、再びサナギに向かう】
【自発的に世界線を変える。ほぼ強制されての行動であった】
【けれども、勝算はあった。蜜姫かえでのゾンビ化が確定する前に移動できる】

【其れは即ち、正しき認識と客観の世界を継続させる試み】
【奇しくも、この点に於いてシャーデンフロイデは人間と同じ思考に至った】


『私達は虚構と信仰の狭間に生きる、神々――、冒涜よ』
『お母様、貴女の行いは、その神に対する冒涜なのだから』
『裁かれなければならないわ、私は愛を以て親を殺さないわ』

『――――然るべき殺意を以て、貴女を殺すわ』


【サナギに鱗粉が振り下ろされる】


【―――― 世界線が、変わる】
387 : ◆zO7JlnSovk [saga !nasu_res]:2018/07/14(土) 21:27:50.09 ID:dEuP8Qkb0
>>【全員】

『親と子は所詮他人だなんて言葉があるわ、私にはそれが信じられない』
『血を分けた家族の絆は、命より重いの。それだけの価値があるのよ』
『そしてそれは、生きとし生ける者、全てが思う事だから』

『時に私達は過ちを犯すわ。けれども、それを許してくれるのは誰かしら』
『世界中の全てが敵に回っても尚、それでも味方になってくれるのは、誰かしら』
『答えなど必要ないでしょう、貴方達の脳裏に浮かんだ存在、それが答え』

『だから私は貴方達を信じるわ。そうよ、私達は誰よりも尊き信仰の担い手』
『故に誰よりも、その祈りの正しさを知っている。その祈りの意味を知っている。』
『私の描く未来への願いが、尊く続いていく事を、知っているの――――』

『産んでくれたお母様への感謝、育ててくれたお父様への感謝』
『そしてその命を頂いて、私達は次の命を育むの』
『その円環の中に私達は居るのだから、その篝火を絶やしてはいけないの』



           『ありがとう』



『今はその言葉が全てよ、私の心からの感謝を、貴方達に捧げるわ』


【今度の変容は大きかった。脳を揺さぶられる強い感触がその場に居た全員を襲った】
【頭を両手で固定し振りかぶる作用に似ていた、意識が飛びそうなほどの変化】
【其れは正しく特異点への移動であった。】


【次に気づいたとき、"全て" の人間が地下に居た。】

【地下に居たメンバーは皆その状態であっただろう。傷も増えては居ない】
【上の階層に居た人間達は、各々の行動を保ったまま、地下に降り立った】
【唯一の例外はミチカとかえでであった。】

【ミチカとかえでは距離を空けているだろう。間にゴーストライターを挟む形で】
【ミチカの試みは失敗した筈だ。選ばれた特異点は、かえでが変容しなかった特異点】


【そして、もう一つ――――その場に出現した、正方形の機械】


【アーディンの予想通りであった。丁度、人の脳みそがぽっかりと納まりそうな機械】
【"Le mal du pays"――とその名は言った。そして、能力者達は感じるだろう】
【この機械から発される、とてつもなく淀んだ気配を、そうまるで、まるで】

【――、人間の醜い感情、他者を蹴落とす喜び、シャーデンフロイデを濃縮した、様な】


『……っ――――な、なに……どうして、此処に、これが……っ、そんな』
『だめ、やめて……消して、それ、だめ――――!!』
『助けて、助けて、よ、お母様……』

『いや、いや――知らない、私、こんな、醜い、感情なんて――――』


【其れは確かな揺らぎであった、巨大な蝶は身もだえしていた。】
【現れたその機械を見て、そして、柊によって萌芽させられた新たな感情に】
【それは明らかな好機であった。能力者たちが掴み取った、唯一の好機】



【――――ドキュメントが更新されました】
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 21:31:14.44 ID:TORCgYqr0
>>371>>372

「なるほど、違うと言う事か……」

【共に、マウスが間近で叩き潰される世界線へと移行する、その様を見せつけられる】
【ロッソやアーディンの言う事が正しいのならば、PCを探る事に意味は無いだろう】
【だが、同時に、やはりと言うべきか、INF-007の文章は書き換えられてしまう】

「可能性としては、十分にある」
「大いにあると思う、ユング心理学か……どうにも心理学や哲学には疎くてね」
「考えたのは、もっと単純な考えだったが、概ね同じ考えだ、恐らく正の感情それが弱点だと思う」

【アーディンの考えには同意の意を示した】
【心理学の裏付け、博学な獣人の言葉は、こちらの単純で脆い理屈を補完してくれる物だった】

「生体部品、そう記載があった」
「考えて居る事は、同じだろう……それにどうにも、気になる部分があった、だから再び戻る」

【階段を降り乍ら、そうアーディンに答える】
【恐らく、階下に何かがある、と】

>>374

「なるほど、筋の通った理屈だ」
「そうなれば、今までのこの世界線の移動も、それに伴った現象も説明ができる」

【アーディン、ロッソと共に階段を降り乍ら、こう答えていく】

「負の感情では無く、正の感情を、俺はこれに非常に近い事を耳にしたことがある」
「特区での事だ、それを確かめたい」
「やはり、気が付いていたか……婦警は、沈黙するべきだ、それがルールだと、それしか言わなかったが……」

【一抹の、しかし大きな不安を抱えながら階下へと降りる】
【そこでは……】


>>376>>380

「曽根上ッ!!!!」

【再び降りてきた、そのフロアに広がる光景は】
【出現していた、その人物ゴーストライターと】
【そして、婦警とその婦警に顔を鷲掴みにされている少女の姿だった】
【傍目から見れば、その光景は婦警が少女を攻撃して居る様にしか見えず】
【思わず拳銃を構えて、こう叫ぶように名を呼んだ】
【そして、その少女の、いや、本人ではないのだろうか、姿は……】

「サーペント・カルト幹部、確かそうだった、いや、確証は無いが……」

【一部の報道で知られていた少女の姿】
【記憶が正しければ、あの件から行方不明の扱いとなっている少女】

「曽根上……貴様、何をしたッ!?」



//分割します
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 21:56:44.16 ID:TORCgYqr0
>>385>>386>>387

「お前は……」
「何?やはり地下に!?」

【ロッソの疑念は正しかった】
【この男、ゴーストライターの話では、シャーデンフロイデは地下に居り】
【そしてあの会場に居た、半数が交戦しているのだと】

「情報だと……こちらで得られた情報は」

【ここで、ゴーストライターに手に入れた文章INF-007の内容と、そしてジョルジェッタの機械Le mal du pays、の話をする】
【恐らくは、シャーデンフロイデを倒すには、人間の感情、が必要であり】
【そして、それを発生させる装置が、ジョルジエッタの提言だと】

「そして、降りてみれば、この様だ」
「婦警、いや、曽根上ミチカ……何をしているんだ?」

【拳銃を構えながら、そう続けて問おうとするも】
【次の瞬間に】

「っくッ!!??」

【世界線移動の感覚】
【そして、眼の前には】

「これが、シャーデンフロイデ?」
「ッ!?何だ、この淀んだ物は……これは、これが、ジョルジエッタの機械、Le mal du paysとでもいうのか!?」

【近くに同時に出現していた、そのまさに人の脳が丸丸と収まる様な大きさの正方形】
【様子を見るに、これが機械】
【だが、だが……】

「これは、悍ましい感情……馬鹿な、正の感情とは、ほど遠い」
「一体、一体何が……どんな理屈だと言うのだ!?」

【文書が更新された】

「何?」
「どういう事だ、悦びの感情?」
「一体、これを作ったジョルジエッタとは、何者なんだ?何故これほどの淀んだ感情を向けられる?」

【悍ましい感情を吐き出し続ける、その機械に】
【更新されたINF-007とを見比べながら、こうたじろぎつつ口にする】
390 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 22:01:51.77 ID:Naz3NvV70
>>383>>387


「 ──── おまえの物差しで、私を測るなよ。」


【笑いながら、 ─── やはり、アリアは立つのだろう。どこまで行っても其れは独我論だった。】
【確かにアリアは未定義の己れに苦悩する人種であった。だがそれ以上に、 ─── 他者から自己の存在を定義される事は、】
【何より忌々しいものとして嫌っていた。復讐の心は地獄のように我が心に燃え、昂り始める感情は、少しずつ自己への暗示に近付く。】


「けれど、 ─── 少しだけ、嬉しいの。」「私のことを、"人間"と呼んでくれるなんて。」「神様から見ても、人間であるようなくらい、私は立派な姿をしていて?」


【 ─── だというのに、どこか嬉しそうに笑っていた。錯綜した感情の行く末を、ことごとく蜜として吐き出したような、】
【そういう貌であった。だから思い出すのだろう。ベッドの中で、静かに背中へ爪を立てることの意味。信仰からの羽化。】


【そしてまた世界線が動く。 ─── 何の理由によるものか、アリアには分からなかった、けれど。】
【現れる人影に"彼女"の姿を探す。 ……… いない。去来する不安と胸騒ぎを押し留めて、けれどそれは留められるものではない。】
391 :『魏尤』 ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/14(土) 22:04:57.83 ID:51AWNH0V0
>>383-387

【煙草でもあれば一服吸いたい気分だった】
【――体に悪いからと、そんな習慣は持っていなかったが】

【また一つ"線"を越えた。それを体感し、そして周囲の変化に気付く】
【死屍累々、既に反抗の手は尽きたかに思えた面々に】
【知った顔、知らない顔。幾つかのメンバーが加わっていて】

【出血によるめまい、特異点への"ジャンプ"による意識の揺らぎ】
【身体の痛み、等々。身体の動きを阻害する要因はいくらでもあったが】
【身を悶える蝶を見れば、自然とするべき行為は頭に浮かぶ】
【かがみ込んで、地面に手を付く。身にまとった鎧の黒が全てその手に吸い上げられて】


……俺から語る事は何もない。
お前は俺から勝利を与えられることはなく、俺を看取る事もできない。
親を乗り越える事も出来ず、ただここで朽ち果てるんだ。


                『衆合=x


【攻撃が全く通じないわけではないと、柊の攻撃で分かっていた】
【そして今、あれだけ平静を保っていたシャーデンフロイデは】
【明らかな嫌悪感を持って"箱"を恐れ、その身を捩らせている】

【好機=\―掌から溢れる漆黒の瘴気は地面を伝い】
【シャーデンフロイデの株に広がると、やがて僅かな間を置いて】
【それは断頭台の縄が切り落とされ、刃が首を跳ねるまでの間に似たもので】

【――黒い、槍とも尖塔とも付かない64の鋭さが巨大な蝶を串刺しにしようとした】
【或いは致命傷、或いは虫ピンで留める程度か。どちらでも良いだろう】
【なにせ周りには自分以外の者が居る――自分より、余程この虚神に強い気持ちを向けるべき者たちが居るのだから】

【ただその攻撃には――そう、副次的な効果、というものがやはり備わっている】
【64の刺し傷から、64の呪いがシャーデンフロイデの肉体を蝕んでゆく】
【或いは肉体ではなく、存在を。その力は、ただ"殺す"ためのものだった】
392 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 22:05:55.97 ID:O8GCzNtX0
>>374

……なるほど。随分と面倒くさいものを背負ってしまったんだな……まぁ、その委細について一々問い詰める様な野暮を、するつもりはないが……
……俺だって、ただの用心棒だ。それで終われば良かったものを……思えば遠くに来たもんだ、という奴だ……まさか、こんな事に正面切って首を突っ込む事になるなんてな……

【欠損した左目を、冗談めかして指さしながら、アーディンはしみじみと口にする】
【確かに、色々な動乱に巻き込まれる事はあったが、『黒幕』の一件、そして『虚神』の一件が出てくるまでは――――あくまで第三者、裏方でしかなかったはずなのだ】
【それが今、こうして現実と虚構の狭間の様な空間で、命がけでミッションに殉じている――――彼もまた、そんな風にままならない人生を、送ってきたのだろう】

……肝なのは、「毒となるものを食らわせなきゃならない」という事だな。ただ供給しないだけでは――――奴は、自ら求めて飛び立つというんだ……
確実に弱らせなきゃいけない……――――本当に、世界を愛で満たすような何かが、必要なのかもしれないな……無論、それは無理な相談だが
……なら、確実に、着実に……シャーデンフロイデに、ピンポイントで喰らわせなければならない……キーとなり得る、その感情を……そういう事なんだろう……

【確かに上手くいかないものだ――――それが出来るなら、それでこの施設の使命を全うできるなら、話はそれで終わっていたはずだ】
【そうはいかなかった何かがあるのだろう――――人の業というべき、心を制御できないという事も、その1つだ】
【キーの感情を探して、いかにそれを行使するべきか。今はこの可能性に賭けてみよう。アーディンはそう腹を決める】

>>376>>378>>380

っ……な、なんだ……!?

【階段を降り切って、目に飛び込んできたのは――――いつの間にか別行動の形になってた、謎の同行者――――まるでアーディンは知らなかった――――が『姫』に掴みかかっている瞬間】
【その直後に、閃光が迸り――――咄嗟に身構えた姿勢で、視界が回復すると――――】

っ、な……なに……!?

【そこには、噂に伝え聞く、死亡確認のされてないサーペント・カルトの幹部――――『蜜姫かえで』の姿があった】
【流石に、思考が空転する。本人との接触があった訳ではないが、かえでである可能性は高いだろう――――何故に、彼女がここに姿を現しているのか】
【今回の一件は、ウヌクアルハイとは関係なかったはずではないのか――――それとも、どこかで直接的に繋がっていたのか。流石に、この情報の奔流には、アーディンもフリーズせざるを得なかった】

――――――――何か、思いがけない思惑が何か、あったようだな……迂闊だったが――――まぁ、今はそれどころじゃない……そっちで、何かあったか……!?

【理解できるのは、同行者の中に、思いがけない危険人物がいたという事だ。だが、今そこに拘泥していては、この世界で致命的な事態を引き起こす事になる】
【そこは、後で追及する事として。今は同じ危険地帯を探索している仲間として、問いかける。世界線の移動――――それに伴う変化が、何かあったかと】

>>380

……素直に受け取れば、それしか答えはないだろう……それに、生体装置――――やはり、考える事は同じだな……
――――ちょっと待て、特区だと……?

【軍人――――厳島との意見交換は、同じところにたどり着いた事を知らせるもので。だが――――ふと気になった。もしや、彼も同じ『指輪』のメンバーなのではないか、と――――】

【――――だが、事態は再び、大きく変化する】

/続きます

393 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 22:06:15.85 ID:O8GCzNtX0
>>385-387

ぐっ…………おぉぉお――――ッ!?

【何度目かの、世界線の移動の感覚――――だが、今回のそれは非常に大きかった。思わず、自らの頭を抱えて、叫び声を漏らす】
【強烈な負荷が、脳へと突き刺さる。悲鳴を上げる事も、耐えるための一要素となっているような、そんな負荷――――】
【そこから解き放たれた時――――世界は、一変していた】

っ……ここは……!? こいつが、シャーデンフロイデ……!
だが、だが……これは……!?

【場所そのものが移動させられていた。別れた面々の姿が見える。そして異形の蝶が見える――――謎の装置が――――その正体には、すぐに察しがついた――――見える】
【事態が飲み込めないが――――世界線を移動するときには、あの報告書に新しい情報が記載される。慌てて、素早くアーディンはそれを覗き込んだ】

ッッ、装置が、完成していたのか!
理屈として、良く分からないが……ともあれ、あの装置が機能を維持している限り、シャーデンフロイデは無力!!

【読み上げるポイントを、自らに向けて――――そして周囲に向けて、叫びながら確信する】
【今のあの蝶――――虚神『シャーデンフロイデ』は、現状、"Le mal du pays"によって、無力化されている】
【何故に、あの装置の波動によってシャーデンフロイデが弱るのか、そこの詳しい理屈は分からないが――――現実に、シャーデンフロイデは消耗していた】

(――――だが…………本当に何故だ、何故なんだ…………『シャーデンフロイデ』を糧とするはずの虚神が、なぜこの装置で弱体化する……?
 それに、反対者1名――――この記述が気になる。それが、今更人道的見地だとでもいうはずがない――――何か、それ以外の懸念事項があったんじゃないか……!?)

【対峙し、"Le mal du pays"を守ろうという姿勢を取りながらも――――アーディンは、なおも釈然としない想いを抱えていた】
【糧となる波動を、強く当てられれば、弱体化する。このプロセスがどうしても分からなかったのだ】

――――――――このレポートには、まだ続きがある。そして……本当は『制御』と『弱体化』が、違う現象という可能性はないか…………?
例えば…………これは、制御こそできても、結局根絶には至らなかった、そんな『装置』であるという可能性は…………?
……制御をしつつも、結局シャーデンフロイデは成長し続けている……サナギを新たに作る事がないだけで――――そんな、可能性は……?
世界線を移動するという能力と、この感情の装置の存在が、いまいちリンクしない……そこの違和感が、なにか、致命的な事態を暗示している可能性は…………ッ?

【――――世界線を飛ぶたびに、報告書には記載が追加されていた。なら、これが最後の追記とは限らない】
【疑い出せばキリはないが――――アーディンは、抱え込んだ疑問の中で、疑心暗鬼に陥りかけていた】
【その違和感が、知れず口をついて溢れる――――誰かに、聞き咎めてもらいたかったのかもしれない――――】
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 22:16:59.45 ID:OeqNGAWu0
>>385

【――床から見上げる世界はきっと異質であった、冷静な感覚を根こそぎ刈り取っていくような感覚、この世界に於いてなお、異様なる光景】
【それと同時に、ぞわりとした怖気がある。ミチカの腕によって作り出された――それをどう形容したらいいのか分からないのだけど――自分の姿】
【取り繕うことないもともとの姿。しまった、と、思った。――自分自身がめいっぱいに取り繕っていても、そのような形で暴露されると、誰が思うのだろう?】

――――――――ぁ、

【だから少女は決断を迫られる。――この場で全員殺せるか。それを考える必要に駆られた、この場で、これを目撃した人間を、全部殺す。"ばれ"てしまったのなら】
【そして――そして、どうする? 求められたことをする。自分がここに居る理由を果たす。"最後の一押し"はどこにあるものなの、念でもなく、誰かに縋るような疑問一つ】
【――"こんな"世界だ。少女以外の全員が謎の死を遂げても誰も不審に思わぬだろう。思ったとして――――目撃者が居なければ、それは、誰にも追及できないだろう】

>>388

【――そうして一つ聞こえて来る言葉。"サーペント・カルト""幹部"――自身の姿とその立場を、意味を理解していることを証明する言葉の連なり】
【それ一つで充分であった。なにせこの場にはそれを知る人間が少なくとも一人いる。そして。この場に現るような人間は――――彼女にとって"憎むべき偽善者"だから】

【「なるべく疑われないように」――疑われてしまう状況になった時には、疑われるはずない状況を作りだすのも、しょうがないだろう】


【――――――――――――だから、殺そう。みんな。それが叶わぬとしても。人間として成り立たないほどまで、気持ちも何もかも、阻害してしまおう】
【――――"それ"はその瞬間だった、ゆえにこそ、妨害される。まるでこの場にいる人間たちの意思が彼女なんてちっぽけなものを阻害してしまう、みたいに】
【神様が世界を選び取るときの揺らぎが――少女を含めた全員に等しく、振りかかるのだから】

>>全員

あ、っ――――、っ、う、……っ、!  、っ、――、

【――――――ゆえに。少女が次に気づくとき、その場は地下になっているんだろう。空気が重たい気がした、それは気のせいなのかもしれないけれど】
【それよりも。――状況の変化に、寸前までの思惑が、ついていかない。ううん、それはきっと誤りであった、ついていかないというよりは――変更を強いられる】
【どうする。自分の恰好は――特に問題がないだろう。であれば"あれ"を見た人間が邪魔である。この場において、その名を、呼ばわれてしまっては、何もかもが駄目になる】

しまっ、た、

【だから殺そうとした。自分の目的のために。――けれど今となっては、その"密室"は密室でなくなってしまった。目撃者が、これでは、あんまりに多すぎる】
【――それに、何より自分を知る存在に"発見"されないのは一瞬のみの出来事であるだろう。その瞬間に決めないといけない。何をするのか。どこが指示された場所なのか】
【――――――だから一瞬だけ遅れてアリア(>>390)は少女を見つけるんだろう。ひどく切羽詰まった時の目をしていた。追い詰められているときの、目だった――】

【――――――――――――だから、】

/分割でっ
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 22:17:09.09 ID:OeqNGAWu0
>>394

>>390

【――それはきっと嫌な予感を齎した。彼女は何かを企んでいた、――というほど大仰じゃないかもしれない、それくらいに、彼女自身が狼狽していた】
【ただ何かをしないといけない、と、思っている、目。――この場において彼女がしそうなことと言えば、それは、いくらか、思い浮かぶんだけれど――――――】

【――――――彼女のその振る舞いに真っ先に気づけるのは、間違いなく、アリアだった。きっとアリアなら真っ先に彼女を探す。そして、真っ先に、気づくことが出来る】

>>

【だから少女は追い詰められた一瞬の中で思案する、時間だなんてもうなかった、素性が割れるだけで致命的であった、それほどまでに知られてしまったから】
【そうして何より――この場には彼女が世界中で一番"逆らえない"人が居合わせてしまう。それは思春期の娘が結局母親には敵わないみたいに、そうだと定められたみたいに】
【けれど堂々巡りであった。稼げる時間はほんの瞬きいくつか分の猶予しかなくて。自分の存在を知らしめられる/アリアに見つかる前に――タイムリミットが二つ重なったなら】

【――――悲痛な音階が響くんだろう、そうして彼女は何度目になるのか、"彼"を呼ぶんだろう。――ケバルライさん、と、縋る、あるいは、助けを乞う、よう】
【――そうして彼が答えてくれたなら、何もかも、何もかも、吐き出したってよかった。――三度脳髄が焼き切れても構わないと、心底、思っていたから】

【使い切ってほしかった。こんなに惑う弱い子だなんて。――そのために燃え尽きられたなら、きっと、今までのどの瞬間より自分を好きになってあげられそうで】
396 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/14(土) 22:22:08.03 ID:jFfH7+i40
>>383-387【―――慈しむような言葉。悼むような言葉。けれど言葉に絡みつくのは暗い愉しみ】
【甘い毒の様に心にスッと染み入る言葉に、エーリカの心は篭絡される寸前であった】


(……誇り、ほこりねえ。それにもう十分、かぁ。立ち上がらなくて良いなら、もう良いかな?)
(それに、『ありがとう』かあ。そりゃ…どーも。礼を言われる筋合いなんて無いけど、さぁ)


【エーリカの意識は朦朧として、打ち付けられた身体は既に音を上げる寸前で】
【心も体もすでに満身創痍で。そんな状態で何度目か解らない世界線の変更が行われた】
【脳味噌を揺さぶられる強い感情がエーリカを襲うが、それに対して文句の一つも出なかった】


(――あぁ、たぶん死んじゃう。異世界で、こんなクソッタレな場所で死んじゃうのかぁ。
 ……エト姉ぇともう一度バカな事やりたかったなあ。白桜とは、もう一度ケーキバイキング行きたかったなあ)


【走馬燈にも近いもの。悔恨の情。けれど、それは直ぐにかき消される――自身が忌み嫌う棕櫚の幻影によって】


(「きひひっ、ザマぁねえな馬鹿餓鬼ィ。捨石のオメェにゃお似合いだ。誰にも看取られず、何の役にも立たずによう。
 残ァ念、てめえはここまでだぁ!ひゃははは!オメェの大好きなエトレーヌはキッチリ汚してやるぜェ、感謝しなァ!」)


【"棕櫚――…今だけはアンタに感謝しといてやるよ。だから、私は。こんな所で、死んでる暇なんか無いんだよ―――!"】
【なけなしの力を込めて、重苦しい体を無理やりに起こして、ありったけの力を足に込めて立ち上がる】
【額から、両腕から、両足からの出血は酷い。けれど精神は肉体を凌駕して、今一度あの言葉を口にする】


              "Hell Edge Over Flood"


【シャーデンフロイデに切りかかる気力も体力もない故に。自身に残されたありったけの魔力を暴走させて、それをぶつけるだけ】
【それに先ほどまでとは事情が違う。シャーデンフロイデは明らかに焦燥に駆られている。何か事情が一変したのだろう】
【数の暴力。白銀に煌めく凶刃の群れがまるで一本の刃となって、シャーデンフロイデに襲い掛かる】


397 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/07/14(土) 22:23:19.89 ID:dEuP8Qkb0
>>394-395

【―――― 一つの予兆があった。微かであっても、貴女には十分な意味を持つ】
【ケバルライのものだと、真っ先に伝える、その返答】
【故は辿れない、けれども、直ぐ側に居るのだと、彼は伝えた】


『――――良く頑張りました、ムリフェン』
『そして今、好機が来ました。貴女も見えるでしょう』
『あの先に居るのが、シャーデンフロイデ、いいえ――』

『我々の裏切り者である、プリオルです。彼女は最早、ウヌクアルハイ様を信仰しない』

『貴女ならもう分かっているでしょう。信仰の担い手でない信徒など、不要だと』
『今こそ貴女の阻害の力の使いどころです、さぁ――――』



『裏切り者に、制裁を――――』
398 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 22:27:06.10 ID:SKBxDTkQo
>>385>>386>>387

【──何かがすり抜ける】
【実像を結ぶことが期待された事象は呆気なく霧消する】


………………………………


【ミチカ・ソネーウェはシャーデンフロイデの存在を語らない】

【それは人の領域を超えた『語り得ないもの』であるから】
【そして自身が認識を持たない存在であるから】
【定められたルールとして、沈黙を守る】


【──世界線の変動】
【存在しない意識を揺さぶられる】


【──────ミチカ・ソネーウェの伸ばした片腕は、虚空を掴んでいた】
【何故、そうしたのだったか。何をもたらそうとしたのだったか】
【クオリア無きゾンビはそれを本質的に認識することが出来ない】

【故に、伸ばしていた腕をそっと畳んで】
【何事も無かったかのようにその無機な微笑を一つ深めると】


 ────空っぽのままでいれば 少し幸福だったかもしれないのに。


【その悶え苦しむ蝶を網膜に映しながら、そっと零すように呟いた】


>>388(厳島)


ん〜? 私は何もしていませんよお。
いや、──“していないことになり”ました。

それが選ばれたんです。
幸福でいることよりも 苦しむことを選ぶなんて


【「まるで人間みたいですね」】
【淡々と傍観するような口ぶりをしたが、婦警は既に次の行動を起こし始めていた】


>>シャーデンフロイデ

【ミチカ・ソネーウェの瞳が凝然と『蝶』を見据えた】
【と当時に、婦警と『蝶』の両方の周囲に濃密な陽炎が現れていく】

【それは念力による力場の現れ】
【『蝶』そのものを押し潰していくような、かつ他者の攻撃の威力を増幅させるような】
【そんな、一切の慈悲を欠いた歪みの領域であった】


 ──────沈黙は幸福なんです。


【──す、と】
【その片手の平を掲げて、更に力場へ力を加え──】
399 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/07/14(土) 22:28:56.52 ID:hPOt6zW80

>>383-384>>386-387

【……その言葉こそが、理解してなんていない証に思えて。だから、この一手を躊躇いはしない】
【届き、蝶はそれを受け入れて。交わす心は――――ありえないはずの関係を、このひととき、生み出そうとしていた】

……はぁ、…………っ。――――

【その先は、きっと分からない。それでも、この時が意味したことは。疲弊し切り、けれどどこか癒えた様な橡色の瞳の、人の温度に残されていた】
【よかった、と――――そう思っているのだろうか。イル=ナイトウィッシュに抱いた、ひどく我儘な子供という認識は】
【そのまま、教え込まれた理をなぞるだけの子供という、極夜蝶の認識を生み出していたのかもしれなかった】
【異種だから違っていて当然で。だからこそ、“別”の余地もあるはず――――と、】

【けれどシャーデンフロイデがなにかを知覚する。怒りに満ちた意志が、裁きの火のように闇を揺らし】
【かつてない大変容――――過負荷に加え虚神の激情までも受け取った少女へと、その激変は直に波及する】

うあ……ぁあぁッ!?

【心身が共に限界を迎えようとしていた柊には、ひどく酷な衝撃だった。意識が二度と醒めぬ闇に呑まれかけ、辛うじて生存と現在を繋ぐ】
【気付けば、周囲の人間の数は激増している。合流が果たされたのだと気付くこともなく、危険極まりないことだけは本能の域で察知した――が、】

……ぅ、……!

【世界線の安定に伴い、両脚が頽れる。刃は鋭い鋩を輝かせ、身体に随う右腕に床面へと下ろされる。……触れてくれたなら、あの行いは続けられて】
【同時に、兇器を手に、害することを望まずにあることの違和を呈するだろうか。……けれど正方形の機械の異形性が、この先を容易く予期させた】


……ちが、う……、と、―――のよ……。……と、少しだけ、……って――――。

【違う――あと少しなのよ。あと少しだけ、待って=\―――、】
【途切れ途切れの言葉は苦しげで、聞くものがあることに期待などできない。そして、聞くものがあることが――正しいだなんて、口にすることもきっと出来ずに】
【敵意を取り戻したシャーデンフロイデは、人類の捕食者に他ならず。斃すべき存在であることも、理性は、どこかで伝えている】


【……或いは新たな思考に割く力すら、繰り返した心身の消耗ゆえに。もはや、残らないのかもしれなかったが】
【心ひとつ、初めから救えないものなんて居ない世界を望むままに――もしも変われることを示せたのならと、どこかで期待を捨てられない。諦められない、】

……ぁ、けほ……っ、く、ぅ……ッ……。ぁ、ぐ……っ――――――――!

【意識が明滅し。ふたたび、桜色の唇から血がこぼれる】
【どうすれば良いのかを必死で考える様ではある少女は、血みどろの躰で……あの蝶を守ろうとさえする様で。】
【変容って、分かりあえたかもしれない虚神=\―自分にはそれだけでしかないはずの彼女へと、震える指先をふと伸ばす】
【皮肉にもその姿は、親が子を守ろうとする其れに似ていたのかもしれない。……それが、何を導き得るのかも知らず。瀕死の身体で、なおも惑う蝶を守ろうとする者のいる状況を作り上げている―――。】
【それは、奇跡でもなければ触れることすら叶わない手弱女の指先だったが。そんな事にさえ……割く意識を、持ててはいない様だった】
400 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/14(土) 22:31:57.42 ID:3UHlEEvb0
>>375 >>378

【一階に降りた探偵は困惑した。この道理のこじれた世界で意図が絡まりあったこのオフィスが狭く感じる】
【今は虚構の世界で、虚神と戦い、そこに黒幕が居て、サーペントカルトも居る。追ってきた全ての真実がもつれている】
【何が起きていたか、それを考えることを体が拒否しているようだった。その時間なんてほんの数秒だろう】
【それでも体感では何十分もじっと此処に居たような感覚がよぎる。】

【むしろ、今何を思うのが正解なんだろう。言葉すら出てこないそして―――――】


【世界線がまた変わる――――――】


>>385 >>387

【探偵はいつの間にか閉じた静かに目を開けた。無意識に握りしめた拳が報告書をクシャクシャにしてしまった】
【静かに、サングラスを外した。此処から先は見届ける必要があると思ったからだ。思うより先に体が動いていた】

研究員、ジョルジェッタは…シャーデンフロイデを非活性化させるために自分の感情を用いることにしたんだ。
…正解はポジティブな感情なんて甘いもんじゃない。…もっと、より残酷な、汚れきった感情。シャーデンフロイデだったんだ。
ジョルジェッタは気づいていたんだろうか。自分の中にあるシャーデンフロイデを…

【顔も知らぬ、研究員の苦悩が視えたそんな気がした。INF-007をジョルジェッタはどう思っていたのだろうか】
【むしろ"Le mal du pays"のなかでジョルジェッタは何を思うのだろうか】
【――――INF-007はなんなんだ?】



>>393

アーディン、これは…俺も同じことを考えている。…単純に薬も過ぎればなんとやらって訳なのか?
…装置は機能していそうだ。だが、それだと…根本的な解決なのか?

【教会での出来事がリフレインする。出来すぎた我々のセオリーは簡単なプロットだ。】
【しつけのなっていない犬のように獲物が居たらかじりつく】

これが正しい結末なのか……?

【敢えてつけた疑問符。だが、心のざわつきが止まらなかった】
【だが止められない、三次元の我々には高次の時間も、因果も操ることはできない】
【今あるものを選択するしか無いのだ。――なら、何を】
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 22:38:53.71 ID:OeqNGAWu0
>>397

【――――――その瞬間に、少女の顔が、初めて和らいだ。このような場において、そんな表情はかえって異質ではあったものの】
【とにかくその瞬間に少女は――きっとすごくすごく安心した顔をしたに違いなかった。そしてそれを認識するのはこの場において居合わせる、人間たちであり】

【――となれば、それをもしもアリアが見ていたなら。"嫌な予感"をより一層強めるのかもしれない、しれないんだけれど、こうなった彼女はもう止まれないし止まらない】
【そうやって生きてきたから――今も、きっと、生きている。そうでなかったなら、きっと、こんな場所に至る前に、どこかで死んでしまっていた子だから】

――――――ふふっ、あは、あははっ、――、あははは! ――ふふっ、そう、ですよね、そう、――そう。

【――――――きっとその瞬間に笑みが弾けた、この空間に似合わぬあどけなさ、ありふれた少女らしさを散らした、――それこそ、知らねば、気が触れたかのように】
【そうして阻害が煌めいた、――莞爾と笑んだ口元に、細めた瞳はその瞬間限りなく他者を害する悦びに支配される、動物のころよりこびりついた本能に煽り立てられて】
【言われたままに――正しくあれと願うままに――少女はこの瞬間に吐き出せるだけの全部の魔力、吐き出すんだろう。明確に指向性を持って、あふれ出すのは無数のリボンであり】
【もし誰か巻き込まれて絡むことでもあれば――きっとその時は麻酔みたいに冷たい感覚を覚えるだろう、そして、それからは、逃げた方がいい。幸いにも、目当てじゃないから】
【逃げることは簡単だろうし、――――とにかく。彼女からぞろりぞろりと這い出た無数のリボンは煌めいて、けれどその先端を鋭く鋭く研ぎ澄まして、向かうのだろう】

【――シャーデンフロイデ。けれども彼女は間違いなくその蝶々を"プリオル"だと認識しながら。なにもかも、なにもかも――なにもかも、阻害、しようとする】
【相手が人間であれば血流や神経の作用。内臓の動き。呼吸。リンパ液の流れ。ほんとうになんでもかんでも命を削り取ろうとするための攻撃であった、けれど、相手はそうでないなら】
【"これ"がどう影響するのかは、きっと、彼女自身にさえ分からないんだろう。――ただ言われたから、する。そのあり様は、寸前に、パグロームに言われたものと、全く同一であり】

【――――だから安心した顔をしたんだろう。やるべきこと、教えてもらえたから。どうしたらいいのか、やっと、やっと、――教えて、もらえたから】
402 : ◆zO7JlnSovk [saga !nasu_res]:2018/07/14(土) 22:41:13.37 ID:dEuP8Qkb0
>>389(厳島)>>390(アリア)>>391(魏尤)>>392-393(アーディン)
>>396(エーリカ)>>398(ミチカ)>>399(柊)>>400(ロッソ)>>401(かえで)

『やめて……っ――やっ……ひぃ……』


【魏尤の64の槍がシャーデンフロイデを射止める、串刺しにされもがく事しかできない】
【そして、刺し傷から蝕まれていく。その存在が、力が、どんどん希薄になっていく】
【最早魏尤の感情を辿ることも出来ない、只管に傷を受け続ける】

【打ち付けられたシャーデンフロイデに襲い掛かる凶刃の群れ】
【エーリカの研ぎ澄まされた刃が、漸くその蝶の体を抉り取る】
【ぽとりと足が落ちていく、断末魔の悲鳴も、もう聞こえない】


『痛い……痛いよ――――……お母様』


【ミチカの作り出した力場が彼女を押しつぶしていく】
【毟り取られる翅、もがくたびに打ち据えられた槍が肉を蝕む】
【蜘蛛に絡め取られた蝶の姿そのものであった。何処までも哀れに】

【複眼が確かに柊を見た。歪な目は、そして最早異形の様相ではなく】
【幼子の目線であった。母に縋る、そんな幼い少女のこぼした涙に似て】
【そしてミチカの力場によって、押し潰される。バラバラに砕けて落ちる】

【最期の一押しはかえでが押した。阻害された血流は内部で破裂し】
【一度大きくシャーデンフロイデの体がはねたなら、それが合図】
【がたんと、力が抜けていく、――……最期はもう近いだろう】


/↓
403 : ◆zO7JlnSovk [saga !nasu_res]:2018/07/14(土) 22:41:48.97 ID:dEuP8Qkb0

【蝶が力を失う。最早世界線を渡る術は無かった】
【"Le mal du pays"の効力は絶大であった。あの中で一体どのような処置が行われているのか】
【非人道なんて言葉では足りない。だからこそ、それ故に、これだけの効果を持った】


【――――否、きっと、それよりずっと前に】


『――お母様、之は何、私の心に、生まれたこの感情は、何なの……?』
『痛むの、すごく、――傷つけてきた人を思って、心が苦しくなるの』
『分からないわ、誰も教えてくれなかったもの、こんな悲しいこと、誰も』

『どうして、どうして……他者を蹴落とし、傷つけ、私達は喜ぶのでしょう』
『根も葉もない噂を流し、誹謗中傷をして、他者が傷つく姿を見て、笑うの』
『誰かが悲しむ姿が私達を癒すの、そうしてまた一人不幸になって』

『――――嗚呼、なのに、なのに、どうして、私は泣いているの』


【蝶の問いかけに答えは無い。他者を思いやる心、敬う心。彼女は知ってしまった】
【人の心の尊い部分を。他者の痛みに寄り添えるその気持ちを、】
【人間だけが慈悲を持つ。時に人は何の理由も無く他者に優しく出来るのだから】

【他者の痛みを理解する。―― シャーデンフロイデの解決策なんて、たったのそれだけ】


『ねぇ誰か教えてよ、ジャ=ロ、スナーク、どうして、どうして誰も、答えてくれないの』
『私達が間違っていたの? でも、誰も――そうと、言ってくれなかったじゃない』
『神様も間違いをおかすだなんて、誰も、――言ってくれなく、て』


【サナギも葬り去られていく。其れは最早、当然の帰結であった】
【偽りの信仰から生まれた神々が、偽りの思いに消えていく、その名残を、確かめる様に】
【語りかける声もやがて消えていく。もう、その音を辿るのに、やっとだから】



『……痛いわ、……とても、体中が、張り裂けそう……』



『――……嗚呼、私は……死ぬのね――……この身を、地に落として』



『……寒いわ、寒いの――――……ねぇ、お母様……』







『――――――――最期に――――――――……抱きしめ、――――て』


/↓
404 : ◆zO7JlnSovk [saga !nasu_res]:2018/07/14(土) 22:42:20.79 ID:dEuP8Qkb0
>>【全員】



【シャーデンフロイデは動きを止めた。其れは正しく、虚神にとっての死なのだろう】
【勝利の喜びはあるのだろうか。或いはどこか、むなしい感情が残るのか】
【何れにせよ、その勝利の余韻に浸っている間もない】

【探さなくてはならない。ジャ=ロの報告書を。本来の目的はそうであったから】
【虚神との死闘はその為のプロセスに過ぎない。手に入れた『INF-007』の報告書も不必要になった】
【ゴーストライターは指揮を執るべきであった。けれども】


――――……済まない、私は、どうしてもこれを捨て置いてはいけない。


【"Le mal du pays"を見下ろして、ゴーストライターは紡いだ】
【探索側に居た人間達ならば分かるだろう。この悪魔の機械の正体を】
【ジョルジェッタ。一人の人間の脳が内部に組み込まれ、そして今も尚稼動している】

【そしてそれはこれからも続いていくのだろう。それはどれ程の苦しみか】
【ゴーストライターは外套の裾から自動拳銃を取り出す。躊躇う事無くその機械に向ける】
【精密機器なのだろう、銃弾が直撃したならば、確実にその機構は効力を失う】


これを作ったのは私達だ。―― 必要があったとは言え、この行いは許される物ではない。
後始末はせめて、私の手で、付けさせてくれ。―― それが私の、願いだ


【其れは感傷に近かった。足掻く事の出来ない現実を前にして、佇む憧憬に似て】
【彼は其れを是とした。その感情に従う事を願った。――――】
【止められなければ引き金を引くだろう。】
405 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 22:56:33.24 ID:SKBxDTkQo
>>402>>403>>404


【──ぷっつり、と】
【決定的な何かが切れてしまったその虚ろな空間で】
【儚げな余韻が場に満ちようかどうか、というところで】



────まだ終わってないじゃですか。



【声がした】

【それとほぼ同時】
【悪夢を内包したその機械──”Le mal du pays”の周囲に陽炎が纏われる】
【それは強い念動力の力場。向かってくる攻撃を防ぐあるいは逸らすだろう】


 まだ開けていない箱を閉じるなんて そんなことはダメですよ。
 箱の中身は、誰かに観測されるためにあるんです。


【「いらないなら、もらいます」】
【婦警──ミチカ・ソネーウェだった】
【それが発する念動力は、見せつけるように機械を宙へ浮かべようとする】

【そのまま誰か彼女を止めなければ、その機器は宙空でバラバラに解体されていくことになる、が──】
406 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 22:57:16.62 ID:SKBxDTkQo
/脱字った。
/「まだ終わってないじゃないですか」です……。
407 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 22:57:51.92 ID:O8GCzNtX0
>>400

わからん……分からんから、俺は攻撃できないでいる……もう少し、思考の暇があれば……!

【疑心暗鬼に陥っている自覚はある。だが、こうなると動きが取れなくなるのが人間だ】
【なら、どうするべきか――――今は、事態の推移を見つめるしかない。何かの変化を待ってから、そこに対応するしかできない】
【――――ランクの1段階下がる行いである事は、承知の上で】

【――――だが。結局、その心配は杞憂に終わったようだった】

>>402-404

――――そうか……そういう事だったんだ。毒となる感情をぶつけるのではなく、奴自身を、糧となる感情と毒だと認識する様に、書き換えてしまえばよかったのか……!
その時、最大の糧を供給する装置は――――最大の毒をもたらす、武器へと意味を変える――――!

【眼前に起こる光景を追いかければ、今度こそ全ては腑に落ちた。何の事はない――――意味合いを変えさせてしまえばよかっただけの話なのだ】
【供給されている限り、シャーデンフロイデは不活化する。その中で、意味を変えてしまえば――――シャーデンフロイデは、侵される】
【――――実に論旨のすっきりとした話だった。恐らく、先に地下で戦ってきたメンツが、そこに尽力してくれたのだろう】

――――神とて、罰は避けられない。虚無に還れ……邪神めが……

【今まで、どれだけの人間がこの虚神によって、苦しめられてきたのだろう。レッド・ヘリングのあの工場を思い出す】
【やはり――――グランギニョルの神々は、殲滅しなければならない対象だ。改めてそれを想いながら、死んでいくシャーデンフロイデに、アーディンは冷たい言葉をぶつけた】
【今更罪を悔いても――――何にも、その懺悔は届きはしない――――と】

――――自ら志願したとはいえ、むごいものだ……確かに。これは……始末をつけてやるべきだな……

【ゴーストライターの言葉に、アーディンは――――シャーデンフロイデからかばう立ち位置で守っていた"Le mal du pays"のそばから離れる】
【これを破壊すれば――――シャーデンフロイデに関わる戦いは、今度こそ終わりを告げるのだろう】
408 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 23:05:40.47 ID:Naz3NvV70
>>394>>395>>401


【血の涙を流す青い瞳が、 ─── きっと、彼女の姿を捉えた。視線が重なった。血を吐いた口を彩る唇が、あまりに迂闊で、けれど溢れるような言葉を紡いだ。】




「 ───── かえで」


              

【"やらせてはいけない"。 ─── つめたい思考が髄質を満たしていく。いつ頃からか封じられた感情の枷が千切れるように取れていって、ともすれば其れは最初から"意味ある"ものではなかったのかもしれない。】
【ただアリアにはどうしようもなかった。襤褸になった身体を軋ませて駆け寄った。けれど間に合わなくって、幾ばくかのマゼンタが身を掠めて、足を取られて】
【がくり、 ──── 彼女は膝をつく。生き絶える極夜の蝶を見ながら、解き放たれた感情の遣り場に困って、かえでへと抱き縋ろうとする、のだろう。】


>>404>>405

【 ……… それでも。】


「 ───── 待って。」


【然しほとんどそれは直感だった。恐ろしいくらいの悪意と敵意が淀みきるような坩堝。けれど、 ─── だからこそ、そこに居るのは"人間"であると。】
【強いて言うのならば、そう囁いた。彼女の無意識が。外套の男と婦警に向けて、銀髪の女は振り向いて、引き留めようとするのだろう。貌を隠す髪を、少しだけたくし上げて。】
【 ──── その髪に隠れていたのは、醜く焼け爛れた皮膚であり、そして光学レンズのような「機械の瞳」だった。そういうこと、だった。】


「それ、」「それの中、"誰か"居るのよね?」「 ……… 違っていたら御免なさい。けれど、でも。」
「私が、 ─── "持ち帰る"、わ。」「 ……… "その人"はきっと、私と、"同じ"だから。」「だから、 ──…… だから。」

「 ……… ねえ、」「見捨てないで。」「私のこと、見ていてよ、」「 ……… かえで。」


【 ──── 最後の方は、ほとんど要領を得ない言葉だった。涙を零しそうになっていた。抑えられていた感情が堰を切ったように、つめたい顔貌を歪ませて】
【然してそれは覚悟に似ていた。「邪魔立てするなら容赦はしない」と言いたげに、 ───迷うように震える瞳で、側にいる少女を一瞥して、然しホルスターのグリップに指を触れさせていた。】
409 :『魏尤』 ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/14(土) 23:08:08.77 ID:51AWNH0V0
>>402-404

【64の黒い尖塔は、無慈悲に巨蝶の身体を蝕み続ける】
【そこには感慨も憐れみもない。ただ『殺せるから殺す』だけだ】

【『魏尤』というのは、この場に居合わせた者の中で最も合理的である】
【その自負を持っている。だから、先程まで無敵とも言える力を誇った虚神が】
【明らかに弱みを見せて朽ち果てていく様子を、片膝を付いて見守っていた】

【やがてその動きが止まっても、極夜蝶を串刺しにした黒槍は消える事なく】
【ふぅ、と一息ついてから、気怠そうにその男は立ち上がった】


(……どいつもこいつも、そんなに感情ってのが大事かね。)
(ついさっき見知った相手に共感して、それで飯が食えるのか?)

(なんて言い出したら、また面倒なことになりそうだが)
(よく、まあ……命かけてまでやるもんだと、褒めておこうか)

>>402-404>>405


――調査の目的は、レポートの入手なんだろう?


肝心のリーダーが捨て置けない、だから動けないってんなら
まさにその"婦警"に預けちまえば解決すると思うがな。
く、フフ……まあ、俺は所詮部外者だ。

面白いものが見れて、相応の報酬が手に入れば何だって良い
……憐れみだのなんだの言ってないで、さっさとケリをつけたらいいさ


【部外者――部外者、なのだった。そこにおよそ、暖かな感情は無い】
【『金にならない。だからどうでもいい。さっさとしろ』】
【そんな薄情とも言える言葉を、結局この男は吐くのだった】

【結局、傍観者はそんなもの。頬の血を拭いながら、軋む身体で一歩進むと】
【野犬のような笑みを見せながら、可笑し気に"箱"を眺めていた】
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 23:09:03.18 ID:TORCgYqr0
>>392

「やはり、それが……」
「ああ、生体装置の記述だがやはり、どう考えても人間の脳……」

【獣人との答え合わせの結果は同じ】
【全く同じ答えを示していた】
【そして】

「ああ、特区だ」
「負の全く混じらない正の感情、それを相手に向ける事も、それが矛盾しない事もさせない事も」
「特区の件で見て、そして聞いた」

【手には海の色にほど近い青い宝石の指輪が光る】

「櫻国魔導海軍中尉、厳島命だ」
「こう名乗るのは初めてだったかな?」

>>398

「していない事を、選んだ?」
「この世界がと言う事か?」
「あるいはシャーデンフロイデが?」

【曽根上ミチカ、婦警の言葉は難解で散文的な口ぶりで】
【だが、この状況では理解が出来た】
【曽根上ミチカは、いや、黒幕は】
【虚神に対する、強力な一手を掴んでいる、いや掴んでいた、と】

「(やはり、虚神達に抗うには黒幕を抑える必要が、あるというのか?)」

【次の行動に移る曽根上を睨みつつ、こう思考して】

>>402-404

「消えていく?」

【蝶はその姿を崩壊させていく】
【力を抑え込められ、槍に貫かれ、力場に押しつぶされ】
【この状況で、現状装備の自分自身が出来る事は何も無い、何も無かったのだ】

「種明かしは、欲しい所だったが」
「止める理由は無い、それはこの世界の者が止めねばならない物だ」

【ゴーストライターの行動に関して、何も行動を起こさなかった】
【在ってはならない、負の感情、極めて悍ましい機械】
【それは、この世界の人間の手で決着をつけなければいけない物なのだから】

「(シャーデンフロイデを抑え込むには、同じくシャーデンフロイデが必要だった)」
「(それは誰もが持ち得て、そして目を背ける感情)」
「(綺麗な正の心では無い、愉悦の感情)」
「(だが、最後にシャーデンフロイデは、何と言っていた?)」
「(まさか、最後に知ったのか?愛を……)」
「(いや、まさか、な……)」

【こうした思考は、胸の内に留めて】
【そして、再び周囲に目配せし】

「まだ任務は終わっていない」
「探すぞ、資料を、文書を……」

【怪しい物は無いか、それらしい記述や情報、資料、それらは無いかをつぶさに観察する】
411 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 23:11:23.38 ID:SKBxDTkQo
>>408


……………………………………


【割り込まれた声に反応して、ミチカ・ソネーウェはアリアへ首だけ向けた】
【切迫した覚悟を宿した彼女の瞳に、婦警の全く無機な眼差しがしばし相対する】

【視線が、ホルスターの手元に移る】
【ややあってから、それが再び彼女の双眸へ戻る。──『やる』つもりならこちらも厭わない、とでも示すかのように】
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 23:13:54.57 ID:TORCgYqr0
>>405

「ッ!?」
「待て、それはいけない!」

【拳銃を曽根上に向けて、声を荒らげて】

「それは、この世界の住人の手で始末しなければならない呪物だ」
「異世界の、まして黒幕の貴様の手に委ねる訳にはいかない!」

【銃を構え、その悍ましいまでの機械、Le mal du paysを手中にせんとする曽根上を威嚇する】
【最も、威嚇だけで在り、強行しようと試みれば簡単にその行動は実行できるだろうが】
413 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs :2018/07/14(土) 23:16:12.34 ID:SKBxDTkQo
>>412



 ……………………………………



【厳島にもまた、非常に緩慢な動作で顔を向ける】
【瞳孔の散大した瞳が無言で厳島の姿を映す】

【言葉は無い。その代わりに、場の圧だけが積算されていく】
414 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/14(土) 23:18:17.69 ID:jFfH7+i40
>>402-404 >>405

【無数の刃がシャーデンフロイデを貫いて、傷つけて。終いにはその命へと到達し、貫通する】
【ノシをつけてたっぷり返してやる――エーリカは声にならない声で、確かにそう言っていた】


言ったろう―――わたしは、アンタの母親なんかじゃない。
だから……抱きしめない。……冷たさと寒さに震えて死ねばいい。


【死に行くモノに送るのは、底冷えする様な視線と突き放すような冷酷な言葉】
【喜びなど無い。虚しさばかりがエーリカの胸中を渦巻いて、糸が切れたようにその場にへたり込む】


―――好きに、しなよ。私は、干渉なんてしないから。
そこの脳みその生殺与奪の権利なんて端から持ち合わせちゃいないんだし。

それに私らの目的はケバルライ、いいやジャ=ロに関する報告書を手に入れること。
それに対して障害となるなら排除すりゃあいいだけの話さ。私は関与しないよ。


【箱の中の誰かの生き死になど、エーリカには些末な問題に思えて】
【生かすも殺すも好きにしなよと言うスタンスのまま、エーリカは本来の目的である報告書へと意識を向ける】
【現状エーリカは満身創痍で、そちらにせよ手出しができないのだ。それにミチカ=ソネーウェは黒幕側の人間で】
【同じ黒幕側の人間であるエーリカには、ミチカの行動に口を挟む余地などないのだ】
415 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 23:24:13.07 ID:Naz3NvV70
>>411


「 ─── 無駄な殺生はしたくないの。」

「乱暴な箱の開け方をして、それで中身の異邦人、あるいは猫を殺してしまったら、」
「それこそ元も子もないでしょう ──── 何より、私もいい気はしないから。」


【 ─── 地面に飛び散っていた"血痕"が、仄暗い光を露わにする。そこから顕現するのは、ふたつの"銃身"。】
【地上設置型の4連装対空機関砲。 ─── 不気味な駆動音を上げて、銃口は婦警へと向けられていた。そして恐らくそれは、相手が"なにかする"より先に放たれうる。】
【そう思わせるには充分な威容であった。 ──── 端的に言って、きっと彼女は"気が立っていた"。】


「それを下ろしなさい。 ─── 次はない。まだ私は、お前くらいなら素手で殺せる。」


【きっとそれは、文字通りの最後通牒。ここで挽き肉になりたくなければ、今すぐに手を引け、と。 ─── 女は何も知らなかった故に。】
416 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/14(土) 23:25:18.77 ID:3UHlEEvb0
>>402 >>403

【手から―――力の抜けた手からするりと報告書が落ちた。乾いた紙の音。辺りに散らばったか】
【探偵は手を伸ばした。】

【止めろ、俺達は間違っている。だが、まだやり直せる】

【そんな単純な言葉が出てこなかった。】

【仕方なかった。どうせ間に合わなかった。合理的で間違いはない。だが、認めたくない】
【気づくのが早ければ、もっと正しいやり方が合ったなら、せめて割って走るその気持さえあれば】
【だからこそ、呆然と立ち尽くし、後悔に飲み込まれていくしか無い】


【だがその余韻も、後悔も吹き飛ばす。無味無臭の言葉が彼を目覚めさせる】

>>405

………糞がッ!!!!!

【すばやく、腰のリボルバーを引き抜いた。クイックドロウは手慣れたものだ。狙うは婦警本人】
【その前の攻撃で、あの陽炎が何かしらの力を持っていることは把握している。ならその元を断つしか無い】
【激しいピストルの音を響かせて。婦警へとその意志と祈りの弾丸を撃ちはなった】

【せめて、一瞬でも途切れさせれば、その機械を破壊することは可能かもしれない】

それに触れるなッッ!!終わらせなきゃならねぇんだよ!!それが……

【置いてきた全てを拾わなくちゃならない。黒幕であるこの存在をほおっておくわけにはいかない】
【もちろんそんな事をしている暇はないこともわかっている。だが】

うるせぇ、知るかよ。


>>408

クソッタレ。どいつもこいつも好き勝手言いやがって。クソが…

此処で終わらせるべきだ。この世界の出来事は、この世界で完結させなくちゃならない
それは世界の理として……救いなんだよ。もういいだろう。終わりにしなくちゃ…

【安らかな眠りを、因果を閉じなければ。祈りを捧げることしか俺たちにはできないなら】
【どうすべきかなんて誰も正しくて誰もが間違ってる。だが俺も間違っていない。世界を愛さなくてはならない】

【彼は拳銃を、構えて。叫び続けた。届かないから祈りなのだ。それでも幸福を祈っている】
【身の丈に合わない世界の、平行世界全てを含めたその全てに幸福が訪れなきゃいけないのだ】
【理由はない。それが正しいと思っているからだ。だが、俺はどうすりゃいいんだ】
417 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/14(土) 23:26:12.40 ID:O8GCzNtX0
>>405>>408

――――待て。それは……「殺してやらなければならない」ものだ……死を以って、解放してやらなければならないものだ……!
やっと、役目を終えて、呪縛と化した命から解放させられるものを、これ以上どうしようという気だ……!?

【たまらず、アーディンは止めに入った。呪わしき任務を終えて、ようやくジョルジェッタは死の救いを得る事ができる――――はず、だったのだ】
【それを、これ以上無駄に苦しみを引き延ばして、どうしようというのか、と――――】

それは、パンドラの箱のようなものだ……その呪いを、解き放つのは得策じゃないぞ……!

>>405に対しては、そんな風に制止に掛かり】

お前は……ッ、言いたいこと、分からないじゃないが、もう既に彼女の魂は、そういうべきものは……恐らく、この有様では……!

>>408に対しては、共感こそすれど、それでもジョルジェッタに対してしてやるべきは、手向けのはずだろうと説きに掛かって】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 23:26:25.70 ID:OeqNGAWu0
>>402-404>>408

【――ありったけの魔力を吐き出した身体が揺らぐ、けれど確かに少女は笑っていた。――嗤っている、のほうが、正しいのかもしれない】
【吐息が震えるような笑い声。臓腑の底から溢れてくるような笑みは、けれど、明確なまでの歓喜であった。――化粧に彩った顔をひどくひどくひどく笑まして】

裏切り者……、裏切り者、なんか、いらない、……。いらない、いらない、――、間違ってない。なんにも。……なんにも……。
ねえ、ほめて――、ケバルライさん、ほめて、――、――裏切りもの。殺したから。…………。

【あはは、と、小さな声。――漏れたならやっと気づく、自分に抱き縋るアリアの存在に。そうしたならきっと見下ろす目はどこまでも優しいんだろう、慈しむみたいに】
【それこそ親が子にするみたいに――やっと会えたって喜ぶみたいに。いろんな感情同士がぺりぺり剥離してしまったみたいに、――だからきっと彼女もどうかしている】
【混乱していると思わせた。――思わせるだけ、かもしれない。なにせ次の瞬間にその表情は喪失しているから、シャーデンフロイデの遺す言葉の一つを、聞いたなら】

……………………、――――。

【本来の色でないしらちゃけた赤色の目。が。きっと限界まで見開かれる、――その言葉は知っていた。ううん、今この瞬間に、気づいてしまった】
【おんなじ言葉を向けられたことがあった。どうしてあの時気づいてあげなかったんだろう。どうして気づいてあげられなかったんだろう? 気づいてあげられたはずなのに】
【気づけなかった願いを今更になって理解させられる。"もう死んでしまった人間の願い"なんて、なんて、無意味なんだろう、どうしようもない、どうしようもないなら】

うりゅぅ、…………、

【――――――どうして抱きしめてあげなかったんだろう。もう一度。起きるまでそうしていたって良かったはずなのに。なんで、――】

【――だから少女はその瞬間何もしないし、出来ない。思考は過去に囚われてしまって、そこから抜け出させるには、誰かの、何らかの、干渉が必要そうだった】
【自分のごく近くに発生する睨み合う光景も見ながらに見えな――――――――、】

>>411

――――――、やめて、

【――――ちいちゃな声。漏れた、漏れ出て、――ほんの一瞬の間。思い返すのは一つの物体、護身用……といって渡されていた、ひとつ】
【これが"やばい"かは関係がなかったしどうでもよかった。強いていうならいま能力を発動させたらそのまま倒れてしまう気だけがして、ゆえに、取った行動は】

【――スカートの中に彼女は銃を隠していた。それを取り出して全部の準備を終えて撃ちだすまでに、いったい、どれくらいの時間がかかるんだろう】
【訓練はどこかで受けている。だからできる。けれど――――まかり間違っても、彼女は、プロフェッショナルではなかったから】

【――――――――それでも間違いなく少女はミチカを撃とうとするだろう。そしてそのこと、最も近い女にも、伝わるはずで】
419 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2018/07/14(土) 23:26:42.13 ID:mK//yWVko
>>405>>408>>412

【機械の主導権を握ったのはミチカであった。其れは間違いの無い事実で】
【しかし、それに呼応したアリアも厳島も、狙いは違えどその機械に対応する反応が出来る】
【──、ゴーストライターは言葉を探した。確かめるその先を】


……まずそれを渡す訳にはいかない、私が兎や角言えるものではないが
この場で解体するのならすればいい、だが、── 彼女の脳を解放して欲しい
もう十分苦しんだ。── ならば、楽にしてあげるのが正しい選択だろう

そして、……君に何が分かるか知らないが、この様な状態になってなお、生かし続けるのか
それこそ君達のエゴだろう。彼女の脳はもう、使い物になるかすら分からない──
……それでもまだ君達は、戦えというのか?

── 願わくば、その軍人らしき君に、撃ち抜いてほしいが


【言葉を交わす、硬直状態であるのは間違いなかった】
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/14(土) 23:36:57.00 ID:TORCgYqr0
>>413>>416>>417>>419

「っく」
「それを手にして、何を企んでいる、答えろ黒幕!!」

【無言で、そして病み切ったかのように開かれた瞳孔が、こちらを見据える】
【その場の圧が、力場が、チリチリと焦がすように増大して行くのが解る】
【もはや、この場の新たな脅威に対して、猶予も躊躇も無く拳銃を向けて】
【同様の反応を、その場のアーディンもロッソも見せている】
【そうなれば、取り得る行動は一つと言う物だ】

「それはさせない、絶対に……」

【ゴーストライターの悲痛にも似た、言葉が、文字通り引き金となった】

「曽根上ッ!!!!」

【その呪わしい正方形の機械に向けて、拳銃弾を放った】
421 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/07/14(土) 23:41:20.02 ID:hPOt6zW80
>>402-404

……ッ、ぁ、……駄、目……ッ――――――――‼

【目の前で破壊されてゆく極夜蝶のからだに、ひどく悲しげに瞳が振れて。目が合い、内に見えたのはただの幼子のそれ、】
【湧き上がる感情が力を求め、心衝き動かす】
【けれど魔力は尽き、躰は何処もが二度と動けなくて可笑しくないほどにボロボロで。なにもできぬまま、ただ見届けて――――】

……、――――――――、……。

【墜ちた蝶の、誰かに、なにかに悔恨を問いかける最期の言葉を。痛みに満ちた表情で聞き届けながら、静寂がやがて場を支配していった】
【破壊的な力の数々を前に、距離を取ろうとすることはなかった。だから、未だこの距離がある】

……おやすみなさい、シャーデンフロイデ。
もう……誰も、あなたを追うことも……あなたに苦しめられることも、ないわ……――――――――。

【誰が拒絶しても、誰が憎んでも構わなかった。己の想う言葉を、ただ己が真実として最後に手渡した】
【せめてやさしい夢に沈んでいてほしいと、墜ちた蝶に、穏やかな温もりの様な想いが添うだろうか】
【その場から、暫く動くことはないだろう。まるで最期に手を繋いでいるかの様に、血に濡れた手が、こわされたからだに柔らかな指先で触れていた】

(……もしも私が……あんなものを、教えなかったなら……。――――――――……)

【少しでも苦しまず、けれど嗜虐しか知らぬまま極夜蝶が斃れる。シャーデンフロイデを打ち倒すことは叶わず、自分たちが贄となる。……それとも、また別のなにかだったのか?】
【わからない、わからなかった。……けれど、もっと早くあの一手を選んでいたのなら、ありえた未来は――――かたちになっていたのかもしれなくて】

【その後悔を抱いて歩むから、忘れ去られることはなかった。ほんのひと時の優しい夢も。届かず墜ちた、蝶の遺したあの言葉も、】
【変わりゆく一瞬の、二度とないあの耀きも。また別の可能性であった災厄も――あの煌めく夜の存在の証明で、またひとつ歩んだ、痛みの絶えぬ現実だったから】

【ゴーストライターの言う後始末に、特段の反対を示すことはない。むしろ、悲しみが終わることだけを望むかの様に】
【言葉で肯定することこそないが、橡色の瞳は同意を示しただろう。惨劇は、ひとつここで絶えたのだと】
【――だが、】

>>405

――――――――。

【声が、意識を覚醒させた】
【直感した――――この得体の知れぬ何者かこそが、極夜蝶に異能の行使を促す事象を引き起こした、隠れた怪物】
【ありえた結末を破壊した……噂に聞く世の侵略者として、己が敵と見定めるがごとく。太刀の柄を握る右手が、震えるほどに強く得物を掴む】
【膝をつき、荒い息を吐くその姿でも――――これ以上を望むなら、ここで戦うことさえも忌むことはないことを示す様だった】
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 23:41:57.16 ID:OeqNGAWu0
>>419>>420

【――――――もうなんにも分からなかった。いろんなことがぐちゃぐちゃになってしまった、思考回路までちぐはぐになって、鈍さだけ感じる】
【だけど――だから。だからこそ。少女は限りなく直接的な判断をする、あるいは原始的とも言えるかもしれない、それこそ動物みたいに、考えなくて、考えないから】

――――――アリアさんが欲しいって言ってるでしょう!?

【ずうと低い声を出し続けていた。けれどもともとはそうではなかったなら、その瞬間はどんな風に見えるんだろう。ずるりとヴェールが脱げてしまうように】
【少女は初めてありのままの声を出した、――ならば、喉が張り裂けてしまいそうなまでに翻る、一瞬制御を喪って、ひどくひどく音割れの様相、奏でたのなら】

【――ぎら、と、マゼンタが煌めいて。それは薄い障壁を作り出すのだろう、――推定される弾丸の向かう先。それを箱を遮るように、能力が煌めけば】
【それは強い阻害の力を持っていた。――ゆえに見てくれは透き通るほどに薄くとも、弾丸の一つくらいなら。――おそらくは防ぐことが出来る、何も考えてないけれど】
【なんにも考えていないからこそ――突発的な行動であった。限りなく突発的で、ゆえに、何も考えていない。婦警に発砲した瞬間から、なんにも、分かってない】
423 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/14(土) 23:49:38.14 ID:Naz3NvV70
>>416

「詭弁ね。」「他所の世界に踏み込んで、要らぬ詮索で引っ掻き回して、あげく神様まで殺しておいて ──── 今更、そんなことを言うの?」
「とっくのとうに私たちは冒涜者であるのよ。 ……… 墓荒らしと何が違うの。今更何を躊躇っているのかしらね。」

【 ──── 吐き捨てるように言う。どういう感情を自分が抱いていて、どういう形で事態が進むのか、この女はまるで分かっていなかった。ただ自分の情動だけで動いていた。】

>>418>>420>>422

【優しく抱き締められて、 ─── けれど慈母の微笑みを向けられるのは、無性に辛かった。なんだか無理をさせているみたいで。】
【それでも、 ──── 自分をかばってくれたのが、嬉しくて仕方なかった。婦警から、軍人らしき男から、その詰問はある意味で当たり前で】
【なのにそんな不条理の中で、自分を抱き締めてくれるかえでが、 ……… 嬉しくて、嬉しくて。然して、どうしようもないくらい、辛くって。】


>>419

「 ─── 私なら、私の"同胞"なら、」「もう一度"生"を与えられるかもしれない。」「私も昔、そうやって身体を失った、から。」
「けれど今は、機械の身体を得ているの。」「 ─── "課長"から、聞いていなかった? 私のこと。」
「 ……… その檻から解き放ってあげたいの。私のように生きてほしいの。」「エゴと呼ぶのなら呼べばいい。けれど、 ………。」

「私は、こうやって今、生きていることが幸せだから。」「 ─── ねえ、殺せば全て"始末が付く"なんて、それこそ貴方のエゴではないの?」

【だから ──── ゴーストライターに吐き出す言葉も、要領を得ないのだろう。一方的な勘違いと、敵意と、無責任さに満ちているのかもしれない。】
【それでも瞳は青かった。つくりものの瞳が、真っ直ぐフードの奥、暗い闇を見据えていた。】
424 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs [saga !nasu_res]:2018/07/14(土) 23:52:15.45 ID:SKBxDTkQo
>>all


【 ────────ッ 】


【三発の銃弾が場の緊張を撃ち抜いた】

【ロッソ、かえで、厳島】
【それぞれが連続して放った疾弾が、鋭く宙を穿孔し】
【鋭利な風切り音の後、揺らぐ硝煙が拡散していく。──そこに数拍の余韻が広がる】


 ………………………………


【婦警は微かに首を傾げていた】
【その頬に、つう、と赤い一筋の線が入る】

【ミチカ・ソネーウェの硬質な双眸が、眼差しで周囲を薙ぐ】
【何かを言いたげにも見えたが、その口唇が開かれることはなく】

【 ──がンっッ、と硬質な音】
【宙へ掲げられていた機械が、糸を失ったように地面に落下した】


 ────見たくないんですか? 真実。

 分かりました。
 じゃあ、お返しします。


【張り詰めていた緊張が、それで霧散するだろう】
【機械に纏われていた陽炎は消滅し、それ以上何か操作されることはない】


【もし何か変化が起こるとすれば、それはまず落下の衝撃によるものだろうが】
【いずれにせよ、婦警はそれ以上干渉をすることはないだろう】
425 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2018/07/14(土) 23:56:25.26 ID:mK//yWVko
>>405>>407>>408>>409>>410>>414>>416>>418>>421

【"Le mal du pays"はミチカの制御下にあった。── 空中に浮かび上がった其れを止める手立ては無い】
【アーディンの言葉にゴーストライターは頷いた。ミチカの理論はやや乱暴だったが、筋は通っている】
【しかし、其れを阻害するアリアの行動、── その言葉にゴーストライターは並々ならないものを感じて】

【魏尤は見に回る。その対応はゴーストライターにとってありがたかった】
【厳島は周囲を漁るだろうが、目ぼしい情報は見つからないだろう、また上の階に登る必要があるのだろうか】
【エーリカもまた報告書を探す心づもりなのだろうが、満身創痍の身体がそう易易とは許してくれないだろう】

【ロッソの言葉にもまた、ゴーストライターは無言で同意した。彼女の命はこの世界の理にある】
【かえでの様子を伺いながらもゴーストライターは対応が出来ない、彼女が求める相手は別に居るのだから】
【── 柊ともっと早く出会えていれば、シャーデンフロイデもまた別だったのだろうか】

【そのもしもに答えはない、だからこそ、それはとても──
悲しく響く】




【さて──── 】




【"Le mal du pays"を巡るいざこざをゴーストライターは見ていた。能力の応酬に立ち入る隙は無い】
【故に、その流れは澱まなかった。ミチカの制御下にありながらも、一触即発で】
【── だからこそ、変化は一瞬であった】




>>423>>424


「御高説痛み入るよ、"アリア・ケーニギン=デァナハト"」
「だがしかし認識が違うな、そもそも君達が君達の手で生や死をどうこうできると考える」
「それそのものが、エゴではないだろうか」


【"Le mal du pays"がミチカの手元からはなれた瞬間、それは粉々に砕け散るだろう】
【中の生体部品も一緒に、粉微塵となってしまう。地面に落ちる肉片はその名残か】
【何が起きたのか、其れを理解出来るのはたった一人、かえでだけだろう】



【──いいや、この場では、ムリフェンと呼ぶべきか。その作用が"Kukulucan"によるものと、貴方だけが認識出来る】
【そしてこの世界で、それが行使できるのは、他に一人しか存在しなかった】



【その声はゴーストライターからした。彼が一番、その事実に驚いていた】
426 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/15(日) 00:06:43.76 ID:v2tpcrmW0
>>423

詭弁はアンタも一緒だ。所詮その言葉もアンタが自分で自覚してる通り、エゴだ。傲慢な、な。
同胞欲しいだけなんじゃないのか。都合よく、自分の孤独を紛らわせるおもちゃを見つけたんだ。

【敢えて煽るように口にした言葉に、はたと気がついた】

【シャーデンフロイデ。先程まで眼の前の光景が、あの言葉がよぎる。人間は傲慢でエゴだ】
【この汚れた快楽を、俺達は存在する限り捨てられないのだろう。もう、俺達は飲み込まれている】

……俺達の世界のために、この世界は閉じなくちゃならない。

【強く歯を噛み締め、決断する。そうしなければならないと強く心に決めて―――】
【だが、その思いも、無意味だった】


>>425

………クソ…

【もう言葉すら出てこなかった。膝から崩れ落ちて、呆然とその場を眺めることしかできない】
【何も考えがまとまらない。】
427 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/15(日) 00:06:49.17 ID:Pc2Bi6KZ0
>>424


「 ──── 賢明な判断ね。」「感謝するわ。」「ありがとう。」


【無感情な蒼い瞳が婦警を一瞥して、 ── どこまでが真意なのかは分からない感謝の言葉と共に、】
【アリアは踏み出そうとするのだろう。ゆならりと力を失って地面に落ちようとする、其の機械に。】


【 ──── けれど。】


>>425


【落下と同時に砕け散る鋼鉄。配線。そして、肉片。アリアは、 ─── がくり、呆然と両膝を折って】
【そして声の主へと振向こうとするのだろう。瞳が震えていた。理解が追いつかないように。"それ"が外套から来たるものではないと、おかしくなった思考でさえ分かった。】


                 「 ────── お前、は」
428 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/15(日) 00:10:15.66 ID:q4gtzxaS0
>>410

――――なるほど……なるほど、なるほど……な
あぁ、初めて名前を聞いたと思う……改めて、アーディン=プラゴールだ……

【そっと、自らの指輪も示しながら、ようやく厳島の名前を聞き、アーディンは得心がいったようだった】
【妙にロッソと打ち解けている様子だと思ったが――――彼も、この繋がりの仲間だったのだ】
【思った以上に――――不思議な縁に導かれていたらしい。『黒幕』の事への、まだ見ぬ仲間と、『虚神』の件でこうもニアミスしていたとは――――】

(っ……では、奴が……異能消しの『婦警』……ッ、いかん……まだ…………!)

【そんな厳島が食って掛かる相手――――その正体にも、アーディンは察しがついた】
【だが、そこで自らの正体を彼女に悟られてしまっては、元も子もない。今は、この件には深入りしようとせず――――】

>>423-425

……詭弁を言うなら、君の方だと思うがな……君が「そうしたい」だけだ。そこに理由を後付けしている……俺にはそう見えるぞ……
よその世界の人間が介入している時点でどうのこうのいうなら、それこそ、終わったからには終わらせてやるのが道理だろう……それを捻じ曲げる事を否定しておきながら、それを生かしたいがために肯定するのか?

>>423に、アーディンは冷たく、どこか厳しい視線を向けていた。典型的なダブルスタンダードだと、そう見たのだ】
【無論、人道的にどうするのが正解かの意見は、決着を容易につけられない重大な問題だが――――少なくとも、彼女に理はない。アーディンはそう感じた】

(……真実は、いつだって明らかにすべきものとは限らない――――尤も、厳島の危惧する通り、何か企んでいた可能性が否定できないが……)

>>424が力を行使する事を止め、床にたたきつけたなら――――睨みつけはすれど、それ以上は何もしなかった。結果的に、望む結末は得られたのだから】
【ただその危険性だけを刻み付け――――それ以上、相手に印象を持たれる事を避ける。この外見では、無理な話かもしれないが――――】

――――ともあれ、これでジェルジェッタは終わりだ…………せめて、冥福を祈ろう……

【ゴーストライターの言葉と共に、一時アーディンは目的を忘れて黙とうする】
【――――既に、ここに来た当初の目的は半分飛んでしまっているが、仕方がないだろう――――色々と、有り過ぎたのだ】
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/15(日) 00:10:17.51 ID:AVtXN7bT0
>>422>>424>>425


「っく、君は……」
「(欲しいだと、アレは人の手には余るのではないか?)」

【兎にも角にも、自分だけでは無い銃弾が放たれ】
【そして一つは、少女のそのマゼンタの薄い防壁に阻まれたろうか?】
【結果は、機械には銃弾による損傷は無く、婦警の顔に一筋の傷が生じた】
【ただ、それだけだった】

「ッ!!」

【そして、守り抜いた筈の正方形の機械、それを婦警はいとも容易く、地面に投げ捨てたのだ】
【機械はガラス細工の様に、粉微塵に砕けて散り】

「馬鹿な、真実だと……」
「曽根上ミチカ、真実とは何だ!?黒幕は何を知っている!?」

【驚愕の表情を氷で張り付けたように浮かべたまま、そのままに曽根上に詰問した】
【返答がまともに帰ってくるか否かは、不明だが】
【足元には、機械の破片と、幾粒もの細かな肉片が散らばっている】

「……」
「引き続き、時間の許すまで、探索する……」
「……重要なのは、情報だ……」

【肩を落とすように、そして誰に告げるものか、そう誰ともなく告げて】
【周囲、もし許されるならば上の階の探索へと向かうだろう】
430 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/07/15(日) 00:13:43.88 ID:0DSeVkUy0
>>424

【敵意を瞳に宿したまま、刃を鞘に納める様、攻撃の意志だけが波を退かせた】
【……間違いなく、今後敵となる人物。この日観測した僅かな情報を、誰に促されることもなく脳裏で反芻した】

>>425


【そして混迷は続く。幾つもの意志が、妥協を許さぬまま状況を作り上げ】
【――――そして、一瞬で破壊した。奪いあっていたその筐が、何らかの異能と思しき現象によって砕け散る】
【飛び散る肉片に息を呑み。だが、理解はさらなる混迷を生む】

……ッ!?
ゴーストライター、貴方、いったい……――――――――

【気配の勾配と消去法で、異常事態の源はゴーストライターへと絞られた。最大の手掛かりは、彼自身の様子だったのだが】

【こんな破壊的な能力を有するなど、一切の予兆はそこになく。だからこそ、驚愕が意識の亀裂に割り込んだ】
【けれどどこか聞き覚えのある物言いに、警戒は瞬く間にいや増して。破壊的な衝動もまた、なぜだかこの声へと湧き上がる】
【何れゴーストライター自身が理解できない様子のこの事象を、外部から理解することは至難だった。何らかの、特段の“理由”があれば別なのだろうが】
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/15(日) 00:16:31.32 ID:lNsx64rw0
>>423

【無理をさせているみたいで――という言葉は、きっと、正しく、だけど、間違えていた】
【蜜姫かえでは限りなく無理をしているに違いなかった、瞳はずっと不安そうに振れていた、いろいろなことを考えているくせに】
【そのくせガリガリいうばっかでフリーズしているパソコンときっとよく似ていた。だから、だけど、――きっと今の彼女にとって安らぎはどこにもないんだから】

【――ゆえに、少女はくすん、とした不思議な吐息一つで、黙りこくる。反射的に発砲した銃身を降ろして、使わぬよう意図した能力を使ったなら頭がぐらぐらする】
【ならきっとひどく泣いてしまいそうな目をしているに違いなかった。誰かに何かをしてあげたかった。ただ優しくしてあげたかった。この場ではどうしようもないのに】

>>424

…………。

【――――少女は、何も言わなかった。なにせ彼女にとって、"それ自体"は、何も興味がなかったから】
【裏切りものを殺した。だからもういい。いいでしょう? いいよね。――何度も自分の中で繰り返す、ただひたすらに甘い珈琲が飲みたい気分、どうしようもないけど】
【もうどうでもよかった。あとはそれを欲しい人が何かすればいいって言うみたいに。少女は興味を喪ってしまう、ただ疲れてしまったと表明するみたいに――だから】

>>425

――――――――――――――――――っ、あ、

【――ふいと逸らしかけた目の先で、"それ"が粉々に砕け散ったのなら。漏れる声はどんな意味を持つと他者に思わせるのだろう】
【たった今どうでも良かったくせに――いざ本当に壊れてしまうと惜しい気になる、というのは、なんとなくありがちな思考回路。だから、そうだと、思わせるんだろうか】
【けれどきっと少女はどこかで絶望的な目をしていた、引き攣れた喉から出る声が――――尋常でない事態を伝える。もしもそれを聞き取る誰かが居たのなら】

【――――――ああ、でも、そんな必要もないかもしれない。わざわざ耳を澄まさねばならないほど、小さい声では、きっとなかったから】

…………ケバルライ、さん、?

【――――ぽつ、と、少女は声を漏らす。ゆえに――誰かにとっては、全部の証明になるんだろう】
【不自然に他者と関わるのを避けるようにしていた、あからさまな偽名を使う少女。そうして現れて――消えた、サーペント・カルト幹部たる、少女】
【最初からそこに居たのはムリフェン/蜜姫かえでだった、という、証明。――――少女が漏らした名は、限りなく、】

【――ひどく安堵した声と顔をした。突如の大雨の日、体育館に集められて、ひとり、ひとりと、迎えを待っているときの子供みたいな顔が、晴れる、綻ぶんだろう】
【一生懸命に自分じゃない恰好をした少女は"頑張った"んだと思わせた。――それが彼にとってはどんな意味合いであるのかは、ほんとうに、彼女には、分からないんだけど】
432 :『魏尤』 ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 00:17:56.70 ID:CmZ7+HJo0
>>424-425

【(アンタもよっぽど、嫌われ者だな)】
【そう、『魏尤』は思った。眼の前で繰り広げられるやり取りに】
【この男は一切関わっていない。関わるつもりも、興味もない】

【ただ、渦中にある一人の"婦警"が随分と多く敵を作り】
【まさしく孤立無援の状況下に陥っているのを見るのは面白い、らしく】
【それこそまさしくシャーデンフロイデ=\―ざまあみろ、という所だった】

【やがて、技術者一人分の頭脳を秘めた箱が砕け散れば】
【自然、やり取りも終幕を迎える。残念、とばかりため息を吐くと】
【次の部屋への入り口でもないか――そう、ふらりと歩き出すのだが】


……あんまり直感ってのに頼るのは好きじゃないんだが。


【それが誰の声だとか、仕業だとか、各々の繋がりや経歴だとか】
【そんなものは一切知らないこの男だったが】
【視線をふと、ゴーストライダーに向けた。――直感≠艪ヲ、だった】
433 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs [saga]:2018/07/15(日) 00:25:01.07 ID:4AYbVGU3o
>>425

【制御下を離れた途端に粉々に崩壊した機械──】
【ただの残骸に成り果てたそれらを、婦警はただ凝然と瞳に映していた】

……………………

【ひたすら、無言で、食い入るように】
【あたかも、そこに内包されていた何かに魅入られてしまった者の如く】


>>429(厳島)

────わたしは何も知りませんよ。
だからここまで来たんです。

【「あなたたちと一緒です」】
【そう言って首だけで振り向いたミチカ・ソネーウェの顔には、虚ろな微笑が張り付いている】
434 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/15(日) 00:27:00.17 ID:7MxHEfMM0
>>425

【箱の中身をめぐる争いはひと段落付きそうだった】
【エーリカは助けもしないし、手出しもしない。ただただ報告書の中身が気になっていた】
【よって婦警VSその他(魏尤とエーリカを除く)という構図には一切の関心を向けなかった】

【その果てに脳みその詰まった箱が壊されたのだが、一瞥をくれる事さえせず】
【精々、ああやっとこのイザコザが終わったか、と疲れた表情を浮かべたその瞬間】


――!?……ねぇ、ゴーストライターさん。アンタ、そんな声じゃないよね?
いや、ゴーストライターじゃない。ケバルライって言ったほうがいいかい?であるならば、久しぶりじゃあないか。


【顔だけをゴーストライターへと向けるエーリカ。けれどその目は抜き身のナイフの様に鋭利で】
【目つきだけで物語る――"真打登場ってところかい、私にとってもそうだよ"と】
435 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2018/07/15(日) 00:28:18.22 ID:IlVYjImAo
>>426>>427>>428>>429>>430>>431>>432>>433>>434


【── めり、と何かが剥がれる音がした。顔の無い男が跪く。まるで失くした顔を剥ぎ取られた様に】
【厳島は脚を止めざるを得ないだろう、その声の主は、──】
【貴方達が求めるその本人、そのものであったから】


ああああああああああっ────!!! おおおおお!!!!


【ゴーストライターが苦悶の声を上げた。眼球の奥が焼ける様に痛む】
【それはまるで、失った顔が腐って落ちる感覚に似ている。幻肢痛の最上級】
【彼は両膝を地面に着き、両手で顔を覆った。悶え苦しむ声が室内に響き渡り】

【慟哭に近く、同時に嗚咽に近かった。産みの苦しみさえも、これほどまでには】
【喉が引き裂けるほどの絶叫。金切り声、大の男が出しているとは思えないぐらいに】
【それは凄絶な様であった。断末魔と呼ぶに、相応しい───】


「────『外套』のラストを知っているかな? ゴーストライター」


【声が響く。──透き通った男性の声。声の出所をすぐさま探すだろう、そして】
【それは他ならぬゴーストライターの口から零れていた。絶叫の合間を縫って言葉を紡ぐ】
【そしてきっと、貴方達は知っている、その声の主を】


「ジョルジェッタはその外套に包まれる事を望む、それを纏っているのが愛しのルイージと思って」
「けれども違った。外套の中に居たのは他ならぬ憎き、ミケーレであった」
「ミケーレは己の外套にルイージの亡骸を隠し、ジョルジェッタを弄んだのだから」


【ゴーストライターの顔から "男の手" が零れ落ちる。まるでプールサイドを掴む様に、輪郭を掴んで】
【そして顔から這い出てくる。骨と顔の軋む音。──耳障りな雑音が何処までも鳴り響いて】
【 "彼" はそうして、ゴーストライターの内部から現出する。呻くゴーストライターを足蹴にし、】
【──そうして満開の拍手を待つ指揮者の如く、荘厳に両の手を開いて見せた】


「君は君のストーリーを描いたと思っていたのだろう。幸運にも一人生き延びた主人公として」
「だとすれば全く以てナンセンスだ。私は例外なく君達を葬り去るだけの力を持っていたのだから」
「その先の考察に至れない点が嘆かわしい。どうして自分が生き残ったかなんて、考えもしないのだろう」

「君は何処までもゴーストライターなのだから。私の描く物語の手伝いをするのが相応しい」
「況や君の物語などどうして描けよう。君はなぞるだけしか出来ない、陳腐な担い手なのだから」
「用が済めばゴーストライターは始末される。そこに例外は無いよ、"ルイージ"」


【ゴーストライターは崩れ落ちる。顔から大量の血が溢れ出る。致命傷であった、誰がどう見ても】
【白いシャツを纏った、黒い長髪の男、"ジャ=ロ" は改めて周囲を見渡した。その場に居る一人一人の顔を見渡して】
【見知った顔も何人か居た。けれども、それを示す様な事はしない。その内心に押しとどめて】

【同時に、ムリフェンへと蛇念を送る、誰にも悟られないように】


「── ありがとう。やはり貴方は、私の思った通り素晴らしい逸材です」


【労いの言葉にしては軽く思えるかもしれない、けれども、それで十分だと彼は思っていた】

/↓
436 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2018/07/15(日) 00:29:48.61 ID:IlVYjImAo
「 "虚構現実" は既に私の手で滅びた。それならば、その住人の意識も無意識も、私の手中にある」
「他者に乗り移るなど造作も無い事。"ウヌクアルハイ" がそうできる様に」
「そして私は感謝しなければならない。一度ならずも二度までも、君達には世話になったのだから」

「―― 聡明な者ならば気づいただろう。今この時間軸は、"虚構現実" が滅びる以前の時間軸にある」
「シャーデンフロイデの能力は世界線を変更させる。更に言えば、"特異点" への移動を意味している」
「彼女の能力によって、君達は過去に戻った。滅びる以前の "虚構現実" へ」

「シャーデンフロイデを葬る為の "Le mal du pays" は過去にしか無かった。」
「蝶が羽ばたく度に時間軸が進んでいく。その旅路の果てに君達は "Le mal du pays" を手に入れ」
「そして今、それを破壊してしまった。それならばどうなると思う?」


【独白は続く。それは愉悦に似ていた。既に確定した事象を説明する愉悦】
【絶え間ないシンフォニーの中で一人タクトを振るう。その喜びは誰が分かるだろうか】
【きっと分からない、その担い手以外は。誰も、辿る事すら出来ない】


「確かにたった今シャーデンフロイデは死んだ。けれども、それはこの時間軸のシャーデンフロイデではない」
「この時間軸のシャーデンフロイデは最早止められない。君達が "Le mal du pays" を破壊した事で、未来が変わる」
「たった一つの過去改変が蝶の羽ばたきを加速させる。たったいま、"虚構現実" の破滅は確定した」

「―――― そう全ては、この時の為に。仮定された未来の為に、確定した過去を変える」

「無数にある世界線の中で、私が誕生する世界線は一つしかなかった。偶然に偶然を積み重ねた先の奇跡」
「だからこそ私は、全ての世界線がその未来を示す様にしなければならない。故に、君達を呼んだのだ」
「ありがとう、これで私の巡礼の旅は終わる。心置きなく、君達の現実を滅ぼす事が出来る」


【周囲の環境が揺らいでいく。ゴーストライターが致命傷を受けた事で、この現実の存在が薄くなる】
【同時に能力者達の背後に巨大な穴が開く。開いた空洞は、まるで出口の様に出現して】
【非常に怪しい穴であった、けれども、それ以外に最早選択肢は無いだろう】

【── 正しくそこが虚構現実からの出口であった。唯一残された、脱出手段】
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/15(日) 00:34:29.20 ID:AVtXN7bT0
>>428

「アーディン、まさか……そういう事か、君もチームMだったとは」

【邪禍やカニバディール、ミラやロッソからは名前を聞いていない一人だった】
【それ故に、純粋に以外だ、と驚いた顔を見せるも】
【なるほど、だからこの件にここまで関わっているのだろう、と内心納得する部分もあった】

「ああ、こいつが婦警、曽根上ミチカ……」
「黒幕の暗躍者、そして、俺やミラが手酷い目に合され、重要な仲間、黒野カンナを連れ去ったその場に居た張本人だ」

【恐らく、様子からは婦警とは初めて出会ったのだろう】
【その様子のアーディンに、こう小声で告げた】
【詰問すべきは山ほどあり、尋問すべきは数え切れ無いほどの相手だ】

>>433

「何も知らない?」
「では、知って居る事を話してもらおうか?」

【虚神の一柱が、どういう経緯であれ倒れた】
【故に、この場の脅威は目下婦警のみであると判じて】
【畳みかける様に、こう詰問する】

「虚神の事を調べ、何を企んでいる?」
「黒野カンナを……何処へやった?」
438 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/15(日) 00:48:59.97 ID:q4gtzxaS0
>>435-436

ッッ、なに……ッッ!?

【突如、始まったのは悲劇だった。それは――――自分たちの敗北が、そして最後まで道化として踊らされていた事が、明示される、その始まり】

――――っ、貴様ぁ……何者だッ!?

【導き手――――ゴーストライターの身体を引き裂いて現れた長髪の男。思わずアーディンは両手の爪を剥き出しにして身構えた】
【これが友好的な人物のはずがない。ともすれば――――虚神たちの仲間か。そうなれば――――地下でシャーデンフロイデとやりあっていた面々はさておき、自分たちが戦わなければならない】
【戦意を剥き出しにして、またその牙もむき出しにして叫んだアーディンだったが――――続く言葉には、流石に色を失った】

――――な……っく! 時間を、因果を……良い様に弄ばれて、その果てに、選んだ選択が…………利敵行為だったというのか……ッ
あの、ゴーストライター……ルイージまでも、含めて……全員、全員が全員、踊らされていたと……そういう、のか……ッッ

【絶望に呻く声が聞こえる。それが自分に口から発せられている音だという事に、アーディンはわずかな間、気づかなかった】
【――――病床でウヌクアルハイの顕現を知った時には「カニバディールも下手を踏んだものだ」と思わされたが――――なんて事はない、自分も同じ過ちを犯してしまった】
【――――並行世界に『偏在』しているシャーデンフロイデを討ち得る唯一の手段が、『これ』しかなかったなど、思わなかったのに――――しかし、そうは言っても所詮言い訳だ】
【絶望が胸中に広がる。崩壊し始めているこの空間の有様を、茫然と眺めている――――この状況で現れた敵――――ジャ=ロに斬りかかる気力など、無かった】

――――――――っっぅぅおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!

【やりきれない感情を、ただ叫びという形で放散しながら。アーディンは出現した『穴』へと飛び込む】
【本当なら――――自罰感情が、ここで死にたいと囁き始めていたが。それでも無意味な死はしたくない。今はただ、この事態を仲間たちに知らせなければならないのだ】
【――――なんと無様な話だろうかと。いつの間にか、その目からは悔し涙が流れていた――――】
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/15(日) 00:49:03.60 ID:lNsx64rw0
>>435>>436

【――目の前で起こる凄惨な出来事に、けれど少女は驚きも怯えもしなかった。ただじっと見据えるんだろう、――だってそこに居るのが誰か分かっているなら】
【怯える必要が果たしてどこにあるだろうか。もう本当の父親はどこにも存在しない、――この手で再び葬り去った、よりいっそうの高みへ至るために、それに後悔はないけど】
【時々恋しくなることを留めることはきっと生きている限り、ありえないんだろう。――だから時として与えられる彼の父親に似た温度は限りなく彼女を蕩かしてしまう】

「――――――――――――――――――、」

【自分にだけ伝えられる声。その瞬間に表情は今度こそ綻んだ、この光景に向けてはにかんだのだ、その様子は、――他者から見れば悍ましいに違いなくとも】
【少女自身からすれば、何より欲しかったものであるから。いくらか簡素である言葉も、――かえって良かったのかもしれない、しみ込んでなお、もっと、欲しくなる】
【もっと褒めてほしい。もっと。――認めてほしい。認めてほしかった。自分がここに居ることとか。そういうこと。だから。――もっとしたい、と、強く思わせて】

【――――――だから】

――――、ねぇ、ね、――ケバルライ、さん、――私、を、連れて行って、ウヌクアルハイ様のために、したいの、――だから、
――私、は……足りなくない、間違ってない、――ただしい、ですよ、ね? ――だから……、連れて行ってください、私を、……私、も、
私、は、

…………――――空っぽ、じゃない、

【――震える足取りが一つ揺らいだ、けれどそれは、この場所から立ち去るための方向ではない、むしろ、――ケバルライ、彼の方へ、歩もうとする】
【魅入られたように視線は固定されてしまっていた。それ以外のものなんて何も見えないって言うみたいに、聞こえないって言うみたいに、忘れてしまったみたいに】
【そうして少女は懇願するんだろう――――あなたと一緒に行きたい、と。一緒に連れて行ってほしい、と。正しく神様に仕えたい、ただ、その一つの願いのため】

【――――パグロームに付けられた傷がひどく痛んだ。まだ治りきらない銃創よりも、何度も何度も傷つけられた心が、ひどく痛んで、膿が涙のように溢れだしたなら】
【一緒に――と願う、それがたとえどんなけ熾烈な破滅を齎すのだとしても。きっと願ってしまうんだろう、泣いてしまいそうな表情は引き攣ったなら、どこか、笑みにも似て】

【――――――――――ようやく歩き出したばかりの子供がするみたいに、手を伸ばした、その手を捕まえてほしいって、祈る、よう】
【ゆえに――――彼女の視界には"彼"しかない。あるいは誰かが捕まえようと思えば、それは、簡単に、叶うんだけれど――】
440 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/15(日) 00:54:55.69 ID:Pc2Bi6KZ0
>>426>>428

【全くもって投げかけられた言葉は正しかった。 ── 似たような境遇の人間に、自分の知った不幸を投げかけて、助けを差し伸べる傲った幸福に自己の不安定性を誤魔化す。】
【然して言葉を綴るならどこまでも平行線だった。価値観が違いすぎた。「 ─── 生身の人間に何が分かる。」少なくとも女は、平然とそのくらいは言ってのけたのだろう。】
【だから青い瞳は、ただ細められて睨め付けるのみだった。同時にまた、それは"何も言い返せない"ことを意味していた。 ──── 遣り場のない感情だった。】


>>435>>436


【 ──── そうしてアリアは全てを理解するのだろう。悍ましい絶叫の中から現れた、この男が誰であるのか。この男が何をしたのか。この男が"かえでに何をさせたのか"。】
【ほとんど話の内容は頭に入ってこなかった。けれど、あいつが何をしたのかは、分かった。 ──── 記憶野が勝手に再生する。蜜姫かえでに関わる激情と憐憫と露悪の追想を。】



「 ……… 、貴方が、」 「貴方が、かえでを。」「かえでに。」「貴方が、貴方が、貴方さえ、 ──── いなければ。」



【それは嫉妬に似ていたのかもしれない。震える声。泣きそうな声。彼女がずっと昔に忘れた声。搔き消すように歯を食いしばって、けれど何も掻き消せていないのだ。】



「 ──────── っ、」

        「貴 様 ああああああああああああああああああ ──────── ッッッッッ!!!!!!」



【だからそれは絶叫だった。血塗れの真白い喉が張り裂けそうなくらいに、ホルスターから引き抜いた自動拳銃を構えながら、】
【滅茶苦茶にトリガーを引いた。照星に捉えた脳天に、劣化ウランの徹甲焼夷弾を何発だって撃ち込んだ。それが無意味だって知っていながら。】
【かち かち かち。スライドストップが働いて、空になった薬室を何度も撃針が叩く。 ──── すれば彼女は、きっと膝から崩れ落ちるのだろう。残された青い瞳から、滔々と涙を流して。】
【「ああ、また守れなかった。」「お父様、お母様、きょうだいに戦友」「それに"センセイ"。」「みいんな貴女を憎んでいるわ。今だって、きっと。」】
【「きっと、同じよ?」「この世界だって守れなかった。」「あの水槽の脳だって守れなかった。」「だから、蜜姫かえでのことも。」「 ──── だって現に、貴女は守れていないわ。」】



【「 ────── 貴女には、誰も守れないの。」        「愚かね。分かっているのでしょう?」】




【薄れゆく世界の中、 ─── 彼女はまた、崩れ落ちる。糸の切れた人形みたいに。きっとこのまま死んでしまえたら、彼女にとって幸福なのだろう。けれど。】
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/07/15(日) 00:55:00.85 ID:AVtXN7bT0
>>435>>436

「……」
「――ッ!?」

【その絶叫に、苦悶の声に】
【あるいは、同時に聞こえる声その物に】
【階上へ向かう足を止め、そして振り返った】

「何だ、何事だ!?」

【ここまで、導いた男ゴーストライター】
【彼の存在しない筈の顔から、手が現れ、顔が骨が軋む音が周囲に残酷に響く】

「貴様、貴様は……まさか……」
「虚神の一柱、サーペント・カルト幹部の嘗ての一角……」
「ジャ=ロか!!!!」

【現れたのは、長髪に白いシャツの男性】
【見た目ならば、そう、人目を惹くだろう男前に見える】
【だが、その実体は、悍ましい虚神の一柱】
【瞬間、ルイージと呼ばれたゴーストライターは倒れ伏した、これではもう、誰の目にも救えない】

「貴様は、貴様の誕生する未来の為に」
「この虚構現実を滅ぼす為に、我々を利用したと言うのか!?」

【交響曲を指揮する指揮者の如く、語るジャ=ロに】
【拳銃をそのまま向けて、こう叫ぶように問い詰めた】
【話は、あまりにも、あまりにも壮大で】
【そして、あまりにも身勝手な虚神の理屈だった】

「この時間軸のシャーデフロイデは、まだ生きていると!?」
「その力をもって、我々の世界を滅ぼすと、貴様らはそう企んでいるのか!?」

【在ってはならない、在ってはならない話だ】
【憤怒の心のまま、ジャ=ロに続けざまに聞いて】
【やがて……】

「っく、世界が、ゲートが開いて」
「いかん、危うくなっている!?」
「皆、この場は脱出だ、戻れなくなるぞ!!」

【周囲にそう叫び、最後にジャ=ロを一睨みし】

「俺は、何としてでも貴様らを止める!」
「人類を、我々の世界の人の力を甘く見るなよ虚神達よ!!」

【そう叫ぶように、吐き捨てて言い、頃合いを見て自分も脱出を図るだろう】
442 :エーリカ ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/07/15(日) 01:02:41.93 ID:7MxHEfMM0
>>436

【間違いない。この演説掛った口調は間違いなくケバルライ。エーリカにとって因縁のある男の声】
【そんな男が紡ぐ言葉はまたしても、愉悦。またこの男の掌の上で踊らされた――と歯噛みする】

――――ちくしょう、ちくしょう…!
結局、ケバルライの腸を割いて中身を見る事ができなかったっ…!
一体何のために、ここに来たというんだ……!

【ゴーストライターの空洞から出てきたジャ=ロによって、ゴーストライターは絶命を迎えようとしていて】
【それは即ち、この虚構現実の崩壊であった。それと同時にエーリカの背後に巨大な穴が開いていた】
【結局のところ、ケバルライ…否、ジャ=ロの正体に関する資料は得られず最初から最後までジャ=ロのシナリオを辿るに終る】

【あがくことも許されない。一人資料を取りに行く事も出来ない。現状は、敗走して生を繋ぐ事しかできない】
【けれど、せめて。ゴーストライターの無念だけはこの胸に刻み付けて、虚勢めいた捨て台詞を吐くのだった】


ゴーストライター!アンタ、無念だよなあ!そうだよねえ!私も一緒さ!憤懣遣る方無いよっ!
けど、アンタの無念は私が覚えておく!私が拾う!私にその無念を抱えさせてくれ!

いつか必ず!……その無念を乗せた刃でケバルライの喉笛を引き裂いてやるから――!!

だから、ケバルライっ!いつまでも脚本家を気取るなよっ!舞台の上に引きづり出してやる――!この蛇野郎がっ!


【無念の敗走。本当に得たかったものは手に入らず。ただ一人の男の無念を背負うことしか出来なかった】
【失意のうちにエーリカも脱出を図る――ゴーストライターの無念と共に】
443 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs [saga]:2018/07/15(日) 01:06:40.98 ID:4AYbVGU3o
>>437(厳島)

【──ミチカ・ソネーウェは砕けた残骸を見つめ続けていた】

【厳島が命そのものを削るかのような熱量を秘めて詰問しても】
【ただ無言でじっと──そのまま石像に成り果てようかと言うほどに動かず】

──どうしてみんな 誰も本当のことを見ないんですかねえ。

【それは回答としては全く成り立っていなかった】
【視線を破片の一つから全く逸らそうともせず、ただ譫言のように呟いて】

【「────わたしが知っているのは、」】


────世界はまだまだ幸福じゃないということだけですよ。


【その口唇から零れたのは、そんな言葉だけだった】
444 :ミチカ・ソネーウェ ◆3inMmyYQUs [saga]:2018/07/15(日) 01:07:21.42 ID:4AYbVGU3o
>>435>>436

【ミチカ・ソネーウェは俯いていた面を上げる】
【起こりゆく様々の変動と、絶叫と、独白を見据える】


……………………………………


【微笑を湛えた表情が変わることはない】
【あるいは変えることが出来ない。故に場違いな笑みがぽっかりと浮いて】

【──世界線。特異点。虚構】
【人間が扱うにしてはあまりに分を超えすぎた超常のそれらへ】
【何ら応答することはなく──ただ沈黙を持って、受けいれた】

【──が】


【「────そうだったんですかあ」】

【ある虚空の一点を見つめながら、婦警は譫言のように発声した】
【そこに何が描かれている訳ではないのに、何も無い空間を数拍、見つめた後】

【おもむろに踵を返して】
【その穴が何であるか理解しているかのよう、躊躇いの動作なく歩みを運び始める】


【「────じゃあ、」】

【その道中、ふと呟いた】

 
 ──あなたを『絶交』するのも、一回だけで良さそうですね。


【何の感情を込めた訳でもない、】
【何かをただ読み上げたような言葉がそこへ落とされて】
【ミチカ・ソネーウェの姿は、虚構の外へと遠のいていく】
445 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/07/15(日) 01:12:23.01 ID:0DSeVkUy0
>>435-436

……ッ!

【また、無為に命が散っていく。今高らかに謳うものとは異なるあの声も、あの願いも。何も、遺せなどしないと嗤うかの様に】
【もう、こんなものを見たくなどなくて。それでも、やはり指先は届かずに】

【事態は、指揮者の手によって終わりへと到ってしまうのだろう】

……また、お得意の詐術、ね――――

いい加減、消し尽くしてしまいたくなりそう=c…――――――――ねぇ、あなたの様な詐欺師が、真正面からなにかの餌食になった経験はある――――?

【……こんな結末のために、ゴーストライターの覚悟は、シャーデンフロイデの結末はあったのか? それを、赦し難いと思う感情が渦巻いて】
【ぶちりと、何かが引き千切れる様な音。接続されようとする先は、これまでの彼女とはまるで別の何処かで――――けれど、気付けば、】


【刃を振りかざして叩き込まんとした心は、全く異なる光景を意識に映した。虚構現実から、基底現実へと帰還したのだと理解する】
【誰の仇を取ることも出来ず。痛みだけが、消耗しきった心身に降り積もっていて】
【けれど忘れない、忘れられる訳がない。無意識に生存を選んだなら、歩み続けなくてはならないから。】
【無念を負って進むことを、覚悟しようと心に決めた。……けれど、今だけは。痛みを、己としてしまっていたかった……――――。】
446 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2018/07/15(日) 01:18:13.54 ID:IlVYjImAo
>>439

【それは特別な言葉掛けであった。── 誰も彼もが穴から現実へと帰還する中】
【真逆の行いをするムリフェン、ケバルライは愛おしくその姿を見つめていた】
【彼は迷わず手を伸ばす。迷える子羊を正しく導くその所作を示す様に】


ええ、貴方は空っぽなんかではありませんよ。貴方は、誰よりも尊い祈るという行いが出来るのですから
救われない民は、空疎な中身をそこに詰め込むのです。そうして見栄や虚勢で一杯になった自身を誇ります
けれども貴方は違う。ムリフェン── 貴方は、信じるという無垢で希少な行為をやり遂げるのです

それがどれだけ誇らしいことか、どれだけ素晴らしいことか、中身が空虚な人間ほど、分からないのです

共に行きましょう、ムリフェン。── 貴方は些か、汚れた世間に居すぎた。
聖女である貴方に、浮世は似合わない。貴方にはより相応しい舞台があるのです
私達だけが、正しく神を認識出来るのですから


【ムリフェンが彼の元へ来たなら、薄い膜が彼女を包むだろう】
【崩壊していく現実の中で、彼女を傷つけない為の配慮であった】
【── そうして、ケバルライは、残ったもう一人の女を見据える】


>>440


【彼に向けて放たれる銃弾は全て砕け散っていく。それすらも、ムリフェンの持つ力と同様】
【"万物を[ピーーー]術"── その役割を貴女は見せつけられるだろう】
【それはまるで秘密の符号に似ていた、自分だけが除け者にされる、そんな要素】


ムリフェンが世話になりました、でも、もう大丈夫です。
彼女が貴方から学ぶ事はもう無いのですから、仮初の愛にうつつを抜かすのは、もう終わりです
分かるでしょう、それはただの妄執に過ぎない。粘膜が生み出した幻想でしかないのです

貴方は、ただ年端も行かぬ少女を、辛い過去を持つ少女をただ誑かしただけの大人なのです。
世間知らずの少女を、生き方を知らない少女を、ただ徒に傷付け弄んだだけなのです。
── その所業をなんと表現しましょうか。鬼畜と、そう言い放っても相違ない

けれども、ええ、── ムリフェンはもう気にしていません。寛大な慈悲の心を持って
貴方という存在に、もう興味が無いのです。だから罰を与えることもしません。
彼女はなんと慈悲深いのか、私は感涙に咽び泣きましょう

私は貴方の愚行を責めません。貴方の浅慮を恥じません。
どんなに惨めで愚かでも、貴方の営みを私は肯定しましょう
神の慈悲とは、そういうものなのですから
447 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2018/07/15(日) 01:31:52.21 ID:IlVYjImAo
>>All


【―――― "虚構現実" が崩壊していく。倒れ付したゴーストライターが、呻き声を漏らす】
【其れは最早終幕の言葉に近かった。誰に届くかも分からない言葉で】
【地面に這い蹲りながら尚、彼は、声を振り絞る】


……忘れて……いた、――……くそっ……こんなにも、大切な……っ……事を……
ジョルジェッタ……あぁ……そうだ、私は、――……違う、俺は……
……っ、俺は、あんなにも、愛していた、……のに……


【ゴーストライターの手が空っぽの顔に触れる。指先に付着する血液】
【失った顔が崩壊していく、それはつまり、彼の存在の消滅を意味する】
【それならばもう、迷う道理など無かった。去り行く者達へ伝えなければならない】


っ……――護って、くれ……俺は、俺は――、護れなかった、から……っ
こんなにも、こんなにも大事な世界を……護れなくて……
――……愛してるさえも、伝えられなかった……っ
……あんな奴らに、世界を……壊されて、たまるか……っ




──全部、全部……思い出した、ジャ=ロの事も――……っ
……忘れてないよな、っ……此処に来た、理由を


【彼の外套を引き裂く。汚れた布に赤い血が染み付いた――】
【そして其れは、すぐさま纏まりを持った文字列へと変化していく】
【文字を操るゴーストライター、彼の最期の能力――】


【誰かのゴーストライターではない、彼自身が書いた、確かな言葉】


……っ――……は、はは……ざまぁみろ、ジャ=ロ……!!
書いてやった、ぞ……!! 紛れも無い、俺の、言葉だ……!!
予想、出来まい……っ、此処から先の未来は、誰も知らない筈だ
ジャ=ロ、お前は――……知った様に話すだろう、だが、それはペテンだ

基底現実の人間は、必ずお前への対抗策を作る、必ずお前を消滅させる
人間の底力をお前は知らない、意思の力は張りぼての神に、負けはしない……!!
……くっ……はは、そうだよな、お前こそ正しく、"虚神"――――だからな……


【ジャ=ロは答えない。彼の能力によって巻き上がった文字列は、まっすぐ能力者たちの下へ向かう】
【能力者の下へ届く外套。そこにはびっしりと、『INF-005』の内容が描かれていた】
【白紙の紙の側に置けば、直ぐにそこへ転写されるだろう。ゴーストライターの遺筆であった。】


/↓
448 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2018/07/15(日) 01:32:50.08 ID:IlVYjImAo





────あばよ、ジャ=ロ。地獄で待ってるぜ――――





【―― "基底現実" への穴が少しずつ閉じていく、薄れる意識の中で、ゴーストライターは思う】


(……ああ、くそ。ボスにもゴトウにも……俺の名前、言えなかった、な――――。)




(此処なら幾らでも、書けるってのに――――、……)







(――――……だから、俺は、ゴーストライターで、いい……)







(明かされない名前の、語り部でいい。役割を果たして、退場するだけ、だ――――)












(――――――――――――――――今逝くよ、ジョルジェッタ)



/↓
449 : ◆zO7JlnSovk [!nasu_res]:2018/07/15(日) 01:34:39.68 ID:IlVYjImAo
>>All


【空間に空いた穴に入ったなら、元のパーティ会場に戻るだろう。穴は再び、開くことは無い】
【各々の能力者はどのような感情を持つだろうか。虚神と戦った、その過程を】
【結果は何も述べない。けれども、それは確かな一端に近い、進んだ一歩は間違いではない】




【『INF-005』―― 血で書かれた、ゴーストライターの遺筆】





【"虚構現実" のエージェントが最期に残したその情報は、人類にとって漸く見つけた光明】
【何処までも人類を愚弄するジャ=ロという存在に対し、僅かでも覆せる可能性】


【けれどもそれは細い糸のようなものだ。すくなくとも、このレポートを作った財団は無い】
【だが私達は縋るしかなかった。この藁に祈りを捧げなければ、救われる未来など無く】


【それ故にその可能性を信じるしかなかった。たとえ其れが未熟であっても】
【信仰こそが力と虚神が言うのであれば、人間もまた、信仰を力にするのだろう】


【かつての"虚構現実"は間違いを犯した。けれどもそれは、永劫に責められるべき罪ではない】
【やがて許される救いも、そこにわずか残っているのだろう。それに気づく必要性を持って】




【或いはそのどこかひとつにでも、願う輝きを持っていれば良かった。そうすればこそ、生きる力を求めて】





/これにてイベント『巡礼の年』終了になります!
/皆様お疲れ様でした!
/『INF-005』https://www.evernote.com/shard/s266/sh/31024f23-04cc-4828-b935-c6b2d920a799/a37cd2c42c8bce276540625560eb5e29
450 :アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/07/15(日) 01:45:35.04 ID:q4gtzxaS0
>>447-449

――――――――……………………

【無我夢中で穴に飛び込み、その先の空間へと飛び出した。そこは、始まりの広場――――最初の出発点】
【そこには、何もない――――帰ってくるべき、今回の事のクライアントが、もういない――――そして、これから滅びの足音を聞く事になる世界だけが、広がっている】

っぐ――――うぅぉお…………ッ!!

【己の額の毛皮を握りしめ、アーディンはむせび泣く――――己の不甲斐なさに】
【今度こそ、これまでの経験を活かして、奴らに一泡吹かせてやると、そんな事を意気込んでいて、その結果がこれだ――――取り返し付かない失敗を犯してしまった】
【どうして、この過ちを詫びればいいのだろう――――その手段など、もう残っていない。シャーデンフロイデの死に突きつけた言葉が、自分に返ってくるようだった】

【そのまま――――足早にその場を去るアーディン。不甲斐ない己を、これ以上誰かの目に晒していたくはなかったのだ――――】



【――――気づいたのは、自分の家の玄関まで、たどり着いた時だった】

――――これは……

【手元には、布の切れ端。そこに、血で書かれたびっしりとした文章――――何事かと思い、よく見ると】

これは……ッ、ゴーストライターの……確か、ルイージの……残した文章か…………!

【すぐにその血文字を紙に複写する――――どうやら、その文章はしっかりと焼き付ける事ができたらしい】
【これが恐らく、彼の最期に残した置き土産なのだろう――――我々は、それを託された】

――――すまなかった。だが……もう、止まっている事はない……!

【後悔の涙は、ほんの少し。それだけで十分だ――――後は、虚神達を殲滅し、彼らの死に手向けてやる事】
【それが――――今を生きる人間たちの、責務という奴なのだろう】

/長時間、乙でしたー!
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/15(日) 01:52:42.66 ID:lNsx64rw0
>>446

【手を伸ばしてもらえたことを認識した瞬間。――きっと少女は破顔したんだろう、今度こそ涙があふれて、その表情を鮮やかに彩り飾り立てる】
【七夕の笹に一緒に吊るすきらきらの飾りみたいに。あるいはクリスマスツリーに飾るきらきらの飾りみたいに。共通するのはそれが限りなく喜ばしいものであることだった】
【やがて手を優しく捕まえてもらえたのなら――本当に本当に赦されるのなら、少女は抱きしめてほしいと願うんだろう。言葉にはしない、念にもならない、ただ、ふと願う】

【であれば、それはきっと、子供の仕草と変わらなかった。それも――うんと、うんと小さい、弱虫の、女の子がするみたいな、仕草】

【――――――あるいは。もしかしたら。アリアもその一瞬を見るのかもしれない、ひどく安堵した顔。怖くて、泣きじゃくって、それから解放された刹那の表情は】
【ごく最近に彼女もまた見たものだったから。――怪我をしてしまった、と。だから手当をしてほしい、と。強請って――ただひたすら優しくしてほしい、と、願ったあの夜】
【優しく抱きしめられて、膝に座らせてもらって、頭を、背中を、撫ぜてもらって。優しい声でお話してもらって。そうしてもらった時と――――おんなじ、表情であったから】

【――だから、きっと、この瞬間も。何かふとした偶然によるものだったんだろう、どちらに行くかなんて、多分、ついさっきの瞬間に確定したに過ぎなくて】
【だってアリアもまたその表情を知っているのだから。――――ああ、でも、それは、アリアという人格を歪めて弄んで凌辱の果てに得た、刹那の、安らぎに過ぎない】

――――、――、

【ぐすぐすと涙をしゃくり上げる声以外、彼女はきっと声を上げなかった。けれど返事がなかったわけではない、ただ、頷くのが精いっぱいだっただけ】
【もし手でも繋いでもらえていたなら、ぎゅうと強く握るんだろう。そうでなかったとしても――彼女の世界にはもはや彼しかいないみたいに、全部委ねて】
【もしかしたら自身に纏わる薄い膜にすら気づいていないのかもしれなかった。――そうと思わせそうなほど、彼女はすでにめいっぱいになって、小さく震えていたから】

あ…………………………――――――、

【――――でも。それでも。ほんの一瞬、少女はきっと視線を動かした。倒れ伏すアリアへ、いつもと違う、鴇色の瞳を向けて】
【それは何かの気持ちを表すのに違いなかった。だけど。その気持ちはついぞ言葉にされることはない、――だろう。それは遠回しな拒絶に似る、それこそ】
【「私の居場所は貴女じゃない」と、言葉じゃない言葉で言い切るみたいに。――――本当に?】

【(ならばそれはわずかな未練だったのかもしれない。何に対しての未練であるのかは、――――今の少女にはきっと分かれるはずも、ないなら)】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/15(日) 01:53:30.10 ID:lNsx64rw0
>>451
/抜けました!安価!せっかくですので>>440もです……
453 :ロッソ ◆KP.vGoiAyM [sage]:2018/07/15(日) 01:57:46.65 ID:v2tpcrmW0
>>435 >>436

【一体、もう何を信じればいいのだろう】
【全て意味がなかった。どれだけ抗っても無意味だ】
【一体、俺に何ができるというのだろう】

【探偵は項垂れたまま、立ち上がることができなくなっていた】
【何一つ変えられず、またしても世界はしてやられた。もはや誰がこの声を聞くというのか】
【所詮なんの裏付けもない男の言葉に誰が耳を貸すというのか】

【俺達には世界を変えることはできない。】


【彼は右手に握ったリボルバーの銃口を自身の顎の下にあてがった。強く引き金を引く。】
【だが撃鉄は振り下ろされない。自身の血で作られた弾丸は、Sabrinaは、自ら滅びることを認めなかった】

………ああそうか、忘れていた。

【乾いた笑い。ジャ=ロや誰の言葉も耳に入らない。何も変えられないのならもはや意味はない】
【今すぐに忘れてしまいたい。このまま、滅びるのなら自分も滅びてしまいたい】
【探偵の緊張の糸はふと、なんの理由もなく切れてしまった。これがリアルなんだ】

【なんのために戦っているんだ。もはやその意味も複雑な因果の中ではなんの意味もないんだろう】
【変えられない。変えられないんだ。世界も、誰の心も。自分の歩くその先ですら。俺には手が余る】

【何も見えなくなっていた。可能性?希望?―――だからなんだよ。】

【此処にずっと居させてもくれないだろう。俺は立ち上がる。穴に飛び込むぐらい俺にもできる】
【そうすれば何時間…いや、時間なんて意味があるかどうかわからない、始めの場所に戻ってくる】
【後のことは覚えていない―――考えるだけ無駄なんだ】



/すみません。眠気で全く文章がまとまらず、遅くなってしまいました。誤字脱字矛盾点あったらすみません。
/主催者様並びに参加者の皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました!
454 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/15(日) 02:05:18.27 ID:2VhY/Q4e0
>>446

【その言葉は誰よりも無慈悲だった。 ──── 違う。違う。違う。論理回路がFALSEを示す。だけれどそれに何の意味があるのだろう。】
【項垂れたまま、神に許しを乞うように、 ── きっと女は呟くのだろう。掠れ行く世界の中で、大気が音波を伝えられるうちに。】




「 ───── 貴様、が」「貴様が、」「貴様が、それを」

「 ────── 貴様がッッッ!!!!!」「其れを騙るのかあッッッ!!!!!!!」


【その薄膜に何度も指を突き立てようとする。縋るように、無意味だって分かっていながら。その内に指は血に染まって、爪が剥げて、根元から折れて、】
【それでも止めやしないのだ。無意味だって分かっていながら。無意味だって分かっていながら。自分の生が、絞り出す悲鳴が、これからの朝が、 ──── すべて、すべて。】


「返せよッ、」「返してよ、」「その子は何も悪くないのよ、」「それ以上、」「痛いことしないでよ、」「あんまりよ、」「可哀想よ、」「もう十分でしょう、」
「もう、その子に」「非道い事しないで、」「だって救われないじゃない」「なのに、なのに、」「やめてよ、」「なんで、」「 ──── なんで。」「どうして。」「何をしたって言うのよ。」
「そんなの、そんなの。」「嫌よ。」「奪わないでよ。」「だって。」「 ──── 使い捨てないで。」「その子のこと、」「愛して、あげてよ、」「 ………… 。」


「 ……… なのに。」「もっと、」「 ──── に、なれるはず」「だった、のに。」


>>451


【なればこそ何れ視線も重なる。真っ赤に泣きはらした青い瞳。焼け爛れた傷跡。涙を知らない機械の隻眼。世界で一番澄み渡った氷から掘り出したような端正な顔を、】
【くしゃくしゃの絶望に歪ませて、怒りと悔しさと悲しさと、皆んな綯い交ぜになった顔立ちは、 ──── 怨むように、かえでと視線を重ねて、そして】



              「█████。」




【なにか、 ──── 血まみれの唇が、呟く。もはや大気さえも未定義のものだった。その絢爛なるヴェールは何もかもを通さない筈だった。】
【ゆるさない。しになさい。だいきらい。 ──── きっと、そんなことを言っていたに違いない。                (本当に?)】


【だから彼女は倒れ臥すのだろう。真白くなった世界の中で、少しずつ溶けていく自分の指先を見ながら。神にも、世界にも、愛した人にも、打ち捨てられたまま。 ──── 飽きられてしまった人形のように。】
455 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/07/15(日) 02:14:37.27 ID:IlVYjImAo
>>451>>454

【ケバルライは付き従うムリフェンと、呪詛を述べるアリアとを交互に見て】
【そうして彼は別のポータルを作り出すだろう】
【基底現実へと渡るポータルであった。原理は能力者達の穴と変わらない】


私は彼女に何も強制をしません、ただ思うがままに行動するのを見守るだけです。
彼女はもう立派な信徒なのですから、行いの全てに自由を与えましょう
それの何が悪いのでしょう、それの何に貴方は怯えるのでしょう。

愛は時として過保護になり、深い束縛は時に愛する人をも傷付ける
貴方の心の作用は、果たしてムリフェンを幸せにするのですか?
貴方が幸せになる為の手段として、ムリフェンを用いるのではないですか?

私はそれならば貴方にムリフェンを託すことは出来ません、彼女は大事な私の信徒ですから


【ムリフェンの手を引き、彼はポータルへと向かう。基底現実へと向かう様に】
456 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/15(日) 02:22:57.32 ID:2VhY/Q4e0
>>455

【人形はもう、何も言わない。白銀の髪を地に散らして動かない。 】
【だから此のまま取り残されたいのだろう。消えたいのだろう。きっと、そう望んでいるのだろう。】
【最後まで彼女は、現実とさえ真っ当に向き合えなかったのだから。 ───…………… 。】








        【全てが"塵"に還った世界。】
                【観測者なき非順列性の原野。】
  【実体素子によって描画し得ない乱数列。】
          【ピクセル数を要求しない最後の晩餐。】



    【だからそれは真空管の天使。自己言及するタイプライター。】



                                  「 ──── 馬鹿██が。」




【意味消失した幽栖の曠野を、██の影が歩いていく。】
【その左肩に、白銀の自動人形を背負って。 ──── プランク秒の後、世界は、消えた。】




/わたしからはこのとおりで!!!ほんとーーーに長時間のお付き合いありがとうございました!!!
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/15(日) 02:29:56.43 ID:lNsx64rw0
>>454

【――――――――ききたくない、と、思った】
【聞きたくない。何も聞きたくなかった。聞いてしまいたくなかった。だって、そうしたら、――――多分、駄目になってしまうから】
【だから少女は聞かないことを、選んだ。――ぱちりと瞬き一つが合図であった、けれど、それを、他の誰が手繰れるんだろう。誰にもそれは分からない目印で】

【――少女は聴覚の一部を阻害する。アリアの声が聞こえてしまわぬように。異能で以って耳を塞いでしまう。張り裂けてしまいそうだった、何も聞きたくない】
【まして――その目を見てしまったら。悲鳴を上げそうになる、このままこの場所で二つに張り裂けて死んでしまいたかった、どうして神様はそれを赦してくださらないの】
【わけがわからなくなる、パニックを起こしかける、――ひゅうと呼吸が不自然に揺れた。ついさっきそこにあったはずの色濃い安らぎも果ててしまったように、褪せて】

【(どっちも同じくらいに大事、だなんて、どうやったら言葉にできるんだろう。分からなかった。だから、しなかった)】
【(強いて言うなら――彼女には引け目があった。アリアという人格を足蹴にして踏みにじってそうやって作った平穏であったから。だから――選べない)】
【(選べるはずなかった。選ばせてもらえるはずもないと思っていた。――――だから)】

>>455

【つっかえそうになった足取りは、けれど、転んでしまうことなく、彼に付き従うのだろう。棒倒しの棒はまだ生きていた、それが幸運なのか不運なのかは、誰も知らず】
【だからこそ引かれる手の感覚にのみ彼女は意識を向けるし、それ以外の世界が無いかのように錯覚する。――――だから、そのまま、彼女は彼に導かれていく】

【その時に彼女がどんな顔をしていたかは、――多分彼には関係がないだろう。そうして、世界で一番関係があるって思うんだろうアリアには、決して、見えないから】
【だから誰も語らなくっていい。必要があるとしたらそれは"彼女"の想像の中にだけ。そこに救いを求めたいなら、あるいは、ほんの少しの可能性だけ残すみたいに】

【――おんなじ色合いの、贋物の毛先。長いのを最後に翻したなら、少女は、アリアのもとから居なくなった】

/わー!おつかれさまでした!
458 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 15:05:09.87 ID:CmZ7+HJo0
【風の国】

【都市部から少し離れた場所に、櫻の国から移駐という神社がある】
【自然公園を兼ねたその場所は両国の友好関係を示す場所、らしいが】
【生憎とこの暑さ故か人でもなく、がらんとした境内を蝉の鳴き声が埋め尽くしていて】


いざ此処までくれば、木陰が多いおかげで気温も低いですし
冷たいお水も気持ちのいい風も吹いていてサイコー、なんですけれどねえ。

……ついでにおだんご屋さんでもあれば満点なんですけど。


【そう、実際その境内は涼しかった。冷えた地下水の出る井戸も開放されており】
【実のところ絶好の避暑スポットであったりするのだが】

【そこに一人、妖狐が居た。三本の尾を揺らめかせ、手にはビニール袋を下げて】
【狩衣と巫女服を足して割ったような和装ではあったが】
【大分現代に染まっているらしい。拝殿の階段に腰掛けると、買ってきたお団子を取り出し】
【あんこの甘みに舌鼓を打ちながら――何か、書類を読んでいた】


……っていうか、そもそも虚神≠チてなんです?
調べろとか言われてもクズノハちゃん困っちゃうんですけど。
戦争起こせとか無茶言われちゃいますし……転職、しちゃいますかねえ……


【――この妖狐、目立つのはそもそも当然として】
【向かって左が亜麻色、右が新緑色という奇抜な毛並みをしており】
【当然耳も、頭髪も、眉毛さえも見事に色合いが異なっていて】

【それでありながら相当にだらけたこの妖狐は】
【ぐでん、と拝殿で横になると、お昼寝モードに移行しようとしていた】
【誰かくれば、すぐに飛び起きるが――大分、油断した様子だった】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2018/07/15(日) 16:02:38.47 ID:6jdMWJ0a0
>>459
//まだいらっしゃいますか?
460 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 16:19:19.50 ID:CmZ7+HJo0
>>459
/私でしたらまだ居ますよ〜
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2018/07/15(日) 16:42:24.49 ID:6jdMWJ0a0
>>460
//あっ自分にレスしてた…ww宜しくお願いします!


【ザッという砂利を踏みしめる音とともに神社の入り口ではなく、裏から人の気配がするだろう】
【いつから、そしてどこを通ってきたかは分からないがその気配はいつしかそこにあったのだ】

―――やぁ可愛い子ちゃん、なんか面白そうな話してるね

虚神≠ニかなんとか、ちょっとお姉さんにも教えてくれんかね?

【右側の髪だけ少し長いアイスブルーのアシンメトリーに同じくアイスブルーの瞳】
【アロハシャツに短パン、そして麦わら帽子とウクレレでも弾いてそうな服装をしている18歳ほどの少女だ】
【「まぁ君の事も知りたいけどね、グフフ」と明らかに年齢や性別に合っていない発言をしながら歩み寄ってくるだろう】
【―――この少女、どうみても変質者である。】
【ただ、質問の内容としては妖狐も求めている事柄ではあるが、果たして】
462 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 16:53:29.11 ID:CmZ7+HJo0
>>461


……はいっ?


【ぴこん、と耳を揺らしながら身体を起こす】
【それは別な来客の言葉が自分に向けられたものであり】
【――かつ、その言動が明らかに異様なものを孕んでいたからで】


……教えろと言われても、私もゼロから調べている途中でして。
虚構現実なる世界の虚ろなる神、概念に干渉する破壊者達。
自在に時間軸を移動し、都合よく未来を塗り替える能力を持つものも居る。

私の依頼主から聞いたのはその程度ですが……
……所で貴女、"ガワ"と"中身"が違ったりしません?


【「可愛い子ちゃんとか、今どき言いませんよ。悪い気しませんけど」】
【などと剣呑に返事をしつつ、未だ腰は下ろしたまま】
【賽銭箱の前腰掛ける妖狐の前に、少女が歩み寄る形になるだろうか】
【返答は穏やかなものだったが、尻尾を揺らして警戒する様子が伺えた】

/はいなー、よろしくおねがいします!
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/15(日) 17:18:25.35 ID:6jdMWJ0a0
>>462

【ヘラヘラとした笑みを浮かべた少女は躊躇なく妖狐の近くへと歩み寄っていくだろう】
【「やっぱりケモノ少女はいいな…」と何やらブツブツ言っているが、無視した方が賢明だろう】

なるほどねぇ、まあ最近巷がちょっと騒がしくなっているってのは私も知ってるよ
虚構やら時間軸やらは専門外なんで良くわからないケド、つまりはやばい奴らって事でしょ?神≠セし

―――そんな奴らの調査を任されてるなんて、君は何者なんだい?

【ひらひらと意味のないジェスチャーをしながら妖狐の横まで来ると、口角を上げて問いかける】
【どこか無邪気にも見えて、一方で品定めでもしているかのような目だ】
【そのまま妖狐の持つ書類をのぞき込もうともしてくるだろう、パーソナルスペースもあったものではない】

オイオイ酷い言いざまだナァ、見ての通りの中身も清純な美少女だよ私は。
まぁこっちから素性を聞いて名乗らないのもあれだから自己紹介させてもらうよ。

私はコニー・オブライエン。
氷の国外務省の三等書記官をしているのさ〜、凄いでしょ?

【そして自分の名を名乗りながら手品のようにいつの間にか指に挟まれた名刺を渡す】
【確かにそこには氷の国の外務省のエンブレムと三等書記官の肩書が書いてある】

【―――外務省の官僚がなぜ虚神≠ネどという存在に興味を示しているかは不明だが】
【肩書が本当であれば利用価値はあるのかもしれない。】
464 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 17:36:13.94 ID:CmZ7+HJo0
>>463

【躊躇いなく歩み寄る少女を強制的に止める事はしない】
【が、ぴょこんと揺れる狐耳はしっかり呟きを聞いたのだろう】
【(少女とか言える歳じゃないですけど黙っておきましょ)】
【などと思いながら、じとっとした目で彼女を見遣り】


おや話が早いことで。要すればそういうことですねえ
……まっ、人間に干渉したがる神様って辺りで格が知れますケド。

さて、私が何者か……有能で可愛いフリーランスの妖狐、クズノハちゃんですが。
……ええそんな事聞いてるんじゃないっていうのは分かります
でも、それ喋っちゃったらただの無能じゃないです?


【隣に座られると少しだけ反対側に離れつつ】
【書類を覗き込まれると折りたたんでしっかり隠す】
【読み取れたのは「シャーデンフロイデ」「INF」「"婦警"」「リンドウ」】
【他にも幾つかあったが――あまり形式張った文面では無かったように思える】

【それを見られつつも即座に文句をつけてきたりしない辺りは】
【まあ、大人ということか。言葉の端にも智謀は薄っすらと透けて見え】


……三等書記官って、それ偉いんですかね?
ひょっとしなくてもパートかアルバイトだったりしません?
文字通り偉い人が喋ったことメモるだけのお仕事ですか?

いえね、だって貴女…――外務省なんてお固い所に勤める歳にも、格好にも見えませんし。
なにより氷の国≠フ人間が、そもそもなんで此処≠ノ居るんです?

勿論、答えなくても結構ですケド……私、変な所に気が付いちゃうタイプでして。
素直に話して頂ければ、"考え"ますよ?


【あからさまなまでの疑いの目。軽薄でありながら重箱の隅をつつく様な問いかけ】
【見かけ以上にいやらしい性格をしていることは間違いなく】
【お団子の串をもう一本ばかり手に取りながら、亜麻と新緑の双眸を向けた】
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/15(日) 17:41:01.70 ID:NXfiRKYEO

【熱帯夜に銃声が響いていた。引裂くように続いたそれは突風よりけたたましく。砂漠を臨む荒野にて、風砂にさらされたジープが数台】
【穴はあき、人の気配は絶えて久しいがーーいや、一人居た】
【暑さなど知ったことかとばかり、地に着きそうな長いエプロンドレス。シニョンに結った桃色髪に添えられた白いカチューシャ】
【黒曜石の如き瞳を持つ女は、月を背に硝煙の只中に佇む】

砲身温度850℃……過熱によるバレル損壊を確認。パーツ・リリース

【ガトリングガンが、薬莢にまみれた地へけたたましく転がる。長大なそれは手放したと言うより切り離したが正しく】
【左腕の代わりに着けられ、長らく酷使され傷付いた愛銃を事も無げに身体から外す】
【片腕になった女はそのままスカートの下から細長いケースを引き出し、蓋を開いた】
【取り出したのは金属製の爪。鈍色の先端や関節のシリンダは禍々しく、出来の悪い機械義手のようであったが。女にすればこれも部品の1つに過ぎない】
【肘関節部を開きボルトを捻ると、プシュ、と空気が漏れ、油圧が安定した事を告げた】

動作確認ーーーー異常なし

【三本爪を開閉し逆方向にも曲げる。人間なら痛みに叫ぶような角度にも眉一つ動かさず】
【まだ遠くには言っていない筈の敵を追うべく砂を踏み出した】
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/15(日) 18:05:03.19 ID:6jdMWJ0a0
>>465

ふーん、神様って普通は無干渉なモンなの?
崇め奉られているのに自分からは干渉しないなんて酷いもんだナァ。

ハハッ!まぁ確かにそうだわな、こんなトコでいくらいたいけな美少女からの問いかけだからって
そうホイホイ素性は明かさないよね。

【素性についての質問が躱されるが特に追及する様子もなくケラケラと笑う】
【覗き込んだ書類の文面を認識したのかしてないのか、特に様子が変わることなく頭の後ろで腕を組む】
【そして自分の素性について疑われると唇を尖らせて明らかに不服そうに顔をゆがめる】

偉いよ偉い!(多分)
いやいやちゃんと試験を受けて入ってますからね、これだけ若くて美人なのになれた理由は二つ

一つ目はうちのお国柄として優秀な人材は年齢、性別他もろもろ問わずスカウトがかかる
二つ目は私が当局がどうしても飛び級でスカウトしたい!というほど優秀な能力≠持ってるからさ

【指を立てながらクズノハに向けて慣れた口調で説明する。どうやらいつも疑われてるらしい】
【―――ここでいう能力≠ェどちら≠ノ該当するのかは分からない】

外交官だからね、視察だよ視察。
とくにここらへんはこの神社も含めて他国との親交の証もあるからさ。
うちの国は環境が厳しい分資源も少ないし、軍事開発ばっかだし、うちら/外務省≠ニしては大変だよ

―――肩書も、視察も本当≠ウ、神≠ノ誓ってね。

まぁ、可愛さに免じて言うと、それだけではない≠ッどね。

【フッと笑って目を細めながらそう答える。神≠ニいう言葉はやたら皮肉めいているが】
【それとは別に気づかれないようにゆっくりと、クズノハの持つ袋の中の団子を一本奪おうとしているが………】
467 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 18:30:56.61 ID:CmZ7+HJo0
>>466


神は神の世界で、人は人の世界で。隔てられるには理由があるのですよ
……そもそも、そんな絶対的な存在が人間ごときに干渉するとか
それこそ"神"の名が廃るってもんでしょうに。
手助けもしない、悪いこともしない。見守る存在、それが神様ってもんです。

……まあ、人によって考え方はそれぞれ。
今のは私なりの解釈ですのであしからず、ですっ


【――なんというか、おちゃらけたような態度の中で随分と神妙な一幕だった】
【気が、する。それで素性を誤魔化したのは上手く流したつもりなのか】
【不服そうな相手の顔など見えませんとばかりの対応で】


……なるほど?まあ、そう堂々と言い切られると頭ごなしに否定は出来ませんね
確かに優秀な人材は何処も探しているでしょうし
そのためには杓子定規な雇用規定なんて特例扱いで無視って所でしょうか。

それにしても視察、ですか……確かにあんな国……おっと失礼を。

この国や水の国と比べれば、立場厳しいですもんねえ
最近色々ときな臭いですし、軍事開発と言っても暴走すれば国がオシマイですし。

……そう考えると、結構重要なポジションなのでは?


【能力がある――その言葉は、この世界においては最低限2つの意味を持つ】
【それがどちらかは敢えて聞かなかったが】
【外交官、言うなれば国の顔として抜擢されるからには優秀なのだろう】
【へえ、なんて意外そうな表情で少女のことを見定めつつ】

【――ぺしっ、と尻尾が隠れてお団子をくすねようとする手を叩き】


私は生まれ育った文化柄、あまり"神に誓う"なんていうのは好きではないんですがね。

それだけではない≠ニ、随分気になる言い方じゃありませんか。
どうです、此処は私との二人きり。いまならお団子一本あーんしてあげますから


【「聞かせてくれません?」と、随分と安い交渉に出た】
【自分の食べかけは串を尻尾で掴みつつ】
【新しい分をしっかり手でとって、少女の口元に差し出す】
【ちなみに味は普通のお団子。あんこが甘くて、少し飲み物が欲しくなる味わいである】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/15(日) 18:53:34.10 ID:6jdMWJ0a0
>>467

―――なるほど。

つまりはどれだけ愛していようと二次元の嫁は現実世界には現れないって事だな

【理解しているのか理解していないのか分からない表現をしながら大きく頷く】
【…いや、多分良くわかってないと思われる。】

理解が早くてたすかるよ〜。
さっきも言ったように特にうちの国柄的には使えるものはなんでも使う

―――ハハッ、別にいいよ気にしてないしその通りだから。
今の世界は今までと違ってより混沌としている。単純なテロ組織との世界ぐるみでの争いから
国家間・国家内の覇権争いにね。

勿論今までの悪人どもも消えたわけじゃないから、さらに面倒くさい
よく考えたらこれこそカノッサ機関≠ニやらの求めた世界なのかもな。世も末だよ。

まぁ結局は兵隊ですよヘータイ、お国のためのね。

【ずっと軽薄な調子だったコニーだったがここにきてどこか憂いを持った表情になる。】
【外交書記官という職務上色々≠ネものを若くして見てきたのだろうか。】

【最後の言葉は軽薄な調子に戻りながらもどこか自嘲めいた笑みを浮かべていた】

【はじかれた手をさすりながら、差し出された団子をきょとんと眺めてから口元に不敵な笑みを浮かべる】

ふーん、どっちかというと神¢、っぽい見た目だけどねクズノハちゃんは。

―――とても魅力的な提案だけど、遠慮しておくよ。
さっきはこっちから名乗ったわけだし、今度はそっちから話してくれるなら考えるけど、ねェ

【体をすこし引きながら、頭の後ろで手を組んでニッと笑う。】
【相手が食いついてきたので会話のイニシアチブを取ろうとしているのか、どちらにせよ安い交渉の応酬だ】
469 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 19:15:04.52 ID:CmZ7+HJo0
>>468

国とカノッサ機関という2大対立の時代が終わったと思えば
次はテロ集団とのいざこざが繰り広げられ
またその次は国家枠での覇権争いですか。

……ほーんと、人間ってなんでこう争いが好きなんでしょうね。
混沌とした世界より、皆でのんびりお団子食べてる世界のほうがよく有りません?

【害のない不穏な言葉を時折呟くコニーだが】
【それなり以上の自覚と能力を持って職責を全うしている】
【クズノハはそれを強く感じた。――普段ふざけた人間が真剣になると】
【話に真実味が増すように。だからか知らないが、冗談めかした言葉を掛けつつ】


……さあ、私はただの狐さんですので。こんこーん、ですよ?

それにしても断っちゃいます、これ?
二次元どころか三次元のケモミミ美少女があーん、ですよ?
もしあんこがお嫌いならみたらしだってあるわけですが。


【――勿論、そんな誘いで乗ってくるタイプではないだろう】
【それはクズノハも分かっているようで、尻尾で持った食べかけも含め】
【両手にお団子を持ちながら、「そうですねえ」と尻尾をゆらゆら】


使えるものはなんでも使う≠ナしたっけ……それ、本当≠ナすか?
例えば国家全てを賭けたギャンブル、だとしても?


【具体的な事はなんにも言わない。お団子を一口ぱくりと食べる】
【ただ、気のせいか――セミの鳴き声、喧騒は何処か遠く】
【静かで神聖な雰囲気のこの場所で、妖狐の声はよく通った】
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/15(日) 19:37:50.79 ID:6jdMWJ0a0
>>469

結局は個人の価値観は違うということだろうさ〜。
いくら法という枠組みで縛ろうともその法を敷くのは国や組織だしね。
そして組織や国を作るのは結局は個人さ。

クズノハちゃんみたいに皆がふわふわ日常系ならいいんだけどさ。
人間てのは、あんまし余裕ない生物なのよ。まぁそこが面白い≠けだが。

【さきほどまでの軽薄さとは打って変わって、クズノハの言葉にしっかりとした返答をする】
【コニー自身の主張も見えてくるレベルでだ。ただ軽薄になんでもかんでも煙に巻くタイプではないようだ】

んー可愛いからそれでも許したくなっちゃう………!

【クズノハの新たな提案には少し頬を赤らめにやつきながら悩むしぐさをする】
【多分本当に悩んでいる…】
【そして続く言葉に対しては、目を細めて不敵に笑いかける】

―――ああ、本当≠セよ

ただし長い目でみてこちらに利≠ェあるかどうかは判断するけどね。
そしてその判断をするのは上≠ナはなく私≠フ裁量で、だ。

(―――っち、ちょっと深入りしすぎたか?)

【長い目で―――。どうやらその場の利害で判断するタイプではないらしい、少なくとも職務上では】
【彼女自身の雰囲気はどうみて短絡的な快楽主義に見えるが。。。】
【そして国に従属する立場でありながら、官僚でありながら自己の判断で利用するものを決めるらしい】
【それほどの権限を与えられているのか、それとも彼女自身のスタンスなのか、はたまた別の理由か】

【いつの間にかずいぶんと静かになった周囲の中で、頬を汗が1滴、滴り落ちる。】
【イニシアチブはまだクズノハにある、少なくともコニー自身はそう考えている。】
【加えて相手の底の見えなさを実感する。故の緊張だ。】

【もっともクズノハからコニーもそう捉えられている可能性もあるが…年季の差は大きい】
471 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 20:00:39.11 ID:CmZ7+HJo0
>>470


確かに、皆さん余裕ありませんよねえ。
そのへんは寿命ゆえの価値観の違い、というところですか


【言葉のやり取りをしていても、変に噛み付いてこない】
【相容れない考えもある。話してもしょうがないこともある】
【それを知っているがゆえの、どこか一線を引いた話し方】

【――ただ、表情は微笑み。面白い≠ニいう言葉も含めて】
【同意、なのだろう。こうして語る分では、気が合いそうで】


おや、現場に裁量の権限が任されているのは良いですねえ
話も早いし、何より物事を一番良く理解しているのは現場ですから。

で、ですね。簡単に言えば、ある人≠ェ戦争を起こそうとしています。
国家間ではなく世界大戦、人がたくさん死ぬあれです
その際に動くお金の額がご存知ですよね?
大量に物が消費され、大量に物が生産され、それが延々と繰り返されます。

そこに生じる金銭のやり取りを、そのある人≠ヘ一手に握ろうとしています。
言うなれば世界規模の集金システム≠作ろとしているわけで……

……ですが、世界大戦などそうそう起こるものじゃありません。
例えば何処かの一国家が、過ちを犯さない限り……これ以上、言う必要あります?


【こと、この会話において主導権を握っているのはクズノハだろう】
【それだけこの話は重い。重すぎて嘘ではないかと思われるかも知れない】
【だが、そう感じさせない真実味――冗談ばかり言うものが、時に真剣に語ったなら――まさに、今がそれだった】
472 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/15(日) 20:24:10.74 ID:Pc2Bi6KZ0



【 ──── 目が覚めたのは、よく知った天井を仰ぐベッドだった。】



【窓から差し込むのは夕暮れだった。数時間かけて身体を起こした。1時間かけて腰元に触れた。探り当てたグリップを握った。血の乾いたホルスターから引き抜いた41口径に弾は残っていなかった。】
【どうしようもなくなって投げ捨てた。代わりに、もう1挺の10mmオートを引き抜いた。セフティは切れたままだった。 ──── 咄嗟に、銃口をこめかみに当てた。なのに、指先には力が入らなかった。】
【 ──── だから、また投げ捨てた。がしゃん、と何か壊れる音がした。テーブルを蹴飛ばして、グラックスバーグ対ナイドルフの12手目と、中身が入ったままのウイスキー・ボトルがぐちゃぐちゃになった。】
【そのまま何度も何度も何度も何度も何度も何度も手頃な壁に頭を叩きつけた。痛覚なんて切れなかった。気付いたら、額が抉れて肉がこびり付いていた。そのうち壁が破れたら台所に踏み込んで、】
【この間おゆはんを作ったばかりの包丁で胸を刺した。一度。二度。三度。四度目はそのままぐりと捻って、一思いに右手首の先まで掻っ捌いてしまった。思い切り刃が歪んでもう使い物にならず、澱んだ血と肉片が、情けないくらいぼとぼと落ちる。】
【 ────── それでも彼女は死ねなかった。いや死なないって分かっていた。つまるところ甘ったれた自罰の自傷だった。そしてまた彼女がそのくらいで自分を許せる訳もなかった。逃げるように神経接続を遮断して、血溜まりの中に倒れ込む。】



       「 ──── …………… 。」



【 ──── 三日三晩ほど眠り続けた。起き上がってしまったら、今度は浴室に向かおうと思った。衣服も脱がずに残り湯に身を浸して、浴槽の中で体育座りをして、流れていく体温と血が生温く冷たい水を満たして、】
【大切にしてきた銀髪は汚らしい赤褐色の中に広がって沈んで、そうして何もない天井を仰いだまま、 ──── また数日が過ぎた。何度か血生臭い不潔な水の中に潜って、そのまま溺れ死のうとしたけれど、失敗した。】
【ゆびさきが水にふやけて溶けてしまいそうになっているのを確かめたのなら漸く身体を持ち上げて、突発的な犯行の殺人現場みたいにフローリングを汚しながら ─── 鍵も閉めずに、素足のまま、外へ出かけた。】





     「 …………。」「 …………… ね。」
        「死ね。」「………、」「死ね。」
         「死ね。」「 ……… 死ね。」「死ね。名演奏家、死ね。」





【そうして、 ──── 彼女は何もない街を韜晦して、彷徨して、結局どこかまた、死ねそうな場所に辿り着くのだろう。決して死ねないと分かっていながら。】
【どこか高い高い摩天楼の一番上、その縁に立って、もう一歩踏み出せば無慈悲に落ちていけるような場所に、 ──── 微かに赤茶けた、長い銀色の髪を風に靡かせる女が、立っているのだろう。】
【幽鬼のような容貌であった。質の良さそうなスーツも、裾が裂けきったコートも、みな襤褸同然にずたずたになっていて、晒された真白い手脚には生傷がいくつも刻まれていた。血と、油と、泥。】
【ひとりで泣いているのだろう。隻眼の女だった。青い瞳を泣き腫らして、首筋まで濡れるのも厭うことはない。声なんて出さずに、ひとりで、ひとりで、ひとりで。】


/予約のやつです!
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/15(日) 20:26:35.35 ID:6jdMWJ0a0
>>471

(やはりロリババアケモノ少女だったか、最高かよ)

【寿命という単語からクズノハが見た目より遥かに年齢が高いと推測し、内心小躍りしている】
【だが一応空気は読めるのでこの場は神妙な面持ちのままだ、危うく涎が垂れそうになっているが】

―――悪徳銘柄/VICEファンド
さっきの話にも通ずるけど、人間は余裕なくそしてそれを埋めるために悪を為す
詳しくはしらないが、さぞ儲かるだろうね。

金に貴賤はないとは思うけど、あまり良い金≠ニは言えないな。

とはいえ…今更そんな話で腰引けるような人生ではないし、性分でもない。

お互い良い関係が築けそうな立場ではあるね。

【コニーも職務上聞き及んだ事があるのだろう、悪徳銘柄それも戦争関連のものが齎す莫大な利益を】
【彼女自身の心情的には少し引っかかるようだが、それを前面にだすほど幼稚でもないようだ。】
【そして彼女のいう立場―――それはコニーもそうした暗部≠ノも精通するという回答とも見て取れる】
【だがそのあとの言葉は少し間を置いてから放たれた】

―――ただ。

君が言うように嵐を起こすには中心が必要だ、それがどこ≠ノなるかでこの後の流れは変わるぜ?

そのあたり、判断≠誤らないでほしいな可愛い子ちゃん=c……?

【立ち上がり、スっと被っている麦わら帽子を外してそこに視線を落としてからクズノハを見る】
【冷たい、アイスブルーの瞳がさらに冷たくクズノハを見ている。】
【パキンッ!と空気が破裂するような音が響いた―――】
474 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 20:51:34.22 ID:CmZ7+HJo0
>>473


――私の雇い人に言わせれば金に良いも悪いもない≠フですが。

まあ、私も人を殺したいからこんな提案をしている、わけではないですし?
お互いにそれほど道理だ道徳だっていうタイプでも無さそうですから。
間違いなく良い関係は築けるでしょうねえ……


【「さて、問題は――」――と、言葉を切る代わりに団子を一口】
【八重歯を覗かせながら味わうと、一呼吸置いてからまた口を開き】


単刀直入に申し上げましょうか。氷の国には"トリガー"になってもらいます
そこに"夜の国"が便乗し、水の国≠ヨと雪崩れ込む。

……水の国、他所のお国と違って何でもあるから恨みを買っていますし。
最近は"魔制法"なんてものも作ってしまいましたからねえ
『能力者の人権保護を名目とした進駐』なんてどうです?

始まってしまえば、もう後はどうにでもなーれっ
世界に広がった火はそう簡単には消えやしませんとも。
氷の国は機を見て撤退、後は国土防衛に注力して
他国への輸出を主に活動すればよろしいかと。


【随分と具体的な青写真だった。アイスブルーの眼差しを二色の瞳が受け止める】
【嵐の中心は水の国。おたくに対した影響は有りませんよ、と】
【まるで通信販売か、保険屋のような口ぶりで言うのだ。もっとも――】


――決めるのは全部、私の雇い人ですが。


【そういう一言が、最期に付いた。雇い人≠ニいう言葉が、最も物騒に響く一幕だった】
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/15(日) 21:21:27.78 ID:6jdMWJ0a0
>>474

………なるほどな。

【コニーは顎に手をあてて深く考える、じっくりと。】
【今までの話の流れ的にはそこまで熟考するようなものではない筈だが―――】
【しばらくすれば顔を上げる、視線はどこか遠く風の国に流れる風の流れを見ているようだった。】

―――わかった。乗ろう。
まさかこんな事になると思わなかったけど、予想以上の結果だよ。

できれば水の国の現状や『魔法制』に関する資料は欲しい。
今の話しぶりからして、水の国≠ノは詳しい感じでしょ?

氷の国に関する諸々の調整はこちらに任せてもらおうか。

【そしてクズノハへ向き直ると協力関係を結ぶ意思を表明する。】
【もっとも、それをどうするかはクズノハと雇い主≠ェ決めることだが】

【そして水の国の内部情報、これはクズノハの雇い主≠ェどれだけ深い位置にいるかを判断するためか】

それじゃあこちらも改めて名乗るよ。
氷の国外務省三等書記官兼氷の国軍司令直下特務大尉=@コニー・オブライエン。よろしくね。


―――それで、できれば雇い主≠ウんとやらにアポイント頂きたいんだけど?

【そして自らの裏の顔、軍司令直下の人間であることも明かす】
【三等書記官についてもそうだが、この年齢で尉官というのは明らかに異質である。】
【表と裏、そのダブルフェイスのどちらにおいても氷の国という国家の中枢へのアクセスが可能ということだ】
【―――果たしてコニーの発言全てを鵜呑みにするのも危険かもしれないが】

【そして最後に無理も承知で雇い主≠ニいうクズノハの背後にいる人間へのアポイントを求める】
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/15(日) 21:22:11.69 ID:IBmGfWNC0
>>472

【きっとその日は、そんな気持ちを嘲って笑うみたいに嘘みたいに澄み渡った夜空の日だった、向こうの向こうまで雲一つさえも見出すことはできず】
【ゆえにちりばめられた星屑はきらきらと瞬くんだろう。もう少し夜も更けて夜を真似るような街明かりが消えたなら、その時こそ本物の星空が歓喜に咽ぶ予感を散らして】
【であれば"その"温度感も致し方ないのかもしれなかった。そうやって思うくらいじゃないと――あんまりに無神経であったから】

【――――細い細い三日月にちょんと爪先を落としたような。そうしたらその瞬間にくるりと廻ってしまうから、仕方なく降りてきた、というような。温度、そして、気配】
【だけれどそれは天使と呼ぶにはあまりに不審が過ぎた。その代わりに悪魔を呼ばわるにはあまりに友好的であるのだろう、くすり――と笑う呼吸のささめきを風に流せば】

――――あ、居た居た、――こんばんは、やっぱりあの時追いかけた方が良かったかな? 思ったより時間がかかっちゃってごめんね?
だけどあたしだって別にそんなに暇なわけじゃないの、独断専行だってミスったらそれはもう"御主人様"に怒られちゃうわけだし……、あーでも。
やっぱりちょっとは関係者かなって思ったから探してたの、――ええと、挨拶したっけ。こんばん……――――あれ? 誰?

【"そいつ"は全身をすーっぽり覆う黒色のローブで身体中を隠していた、かろうじてうかがえる身長は百七十ほどであり、けれどそれ以上は全く気取らせない】
【なんせ顔には鮮やかな塗装が施された狐面、張り込む警察官より有能に表情を隠しこんで、紡ぐ声はボイスチェンジャー越しの音色。ただ――口ぶりからすれば女、と思わせ】
【よほどなれなれしくなくともいくらかは友好的であると"アピール"するような態度をしていた。――何より不審であるのは、"そいつ"の纏うローブも面までも、】
【厳重に厳重に"そいつ"に対する認識阻害の魔術が施されていることだろうか。とにかくありふれた存在であれば、"そいつ"のことは"そう"としか認識できない】

【――物理的にはローブと面が邪魔をする。声はつくりものに置き換えて。それ以外の魔力や匂いや――様々な要素は魔術が阻害しつくしたなら】
【何もかも"自分"というものを気取られたくないみたいに】

……………………ごめんねえ、人違い、かな。おんなじ匂いするけど、"薄い"し――、――――あ、もしかして誰かと一緒に住んでる? ……住んで"た"?
そうだったら、その人の居場所って分かる? その感じだと数日会ってない――でしょ? *日くらい? どう? あってる?

"その人"に伝えたいことがあって――もしかしたら困ってるかもしれないからね。蛇を信仰してると思うんだ。――じゃあ、やっぱり、あたしにも義理はあるし。

【きょとんとして瞬くような一瞬が横たわって。そうしたなら"そいつ"はひどく失礼な感じ、けれど自分の中では限りなく納得したような、態度をする】
【距離は跳ぶような大股で十歩くらいはゆうにかかるだろうくらいだった。――だのに明瞭に聞こえる声は何らかの魔法であるのか、それとも、異質な声ゆえにであるのか】
【あるいは相手の人間離れしたスペックのせいであるのか。それは分からないのだけど――あれえと呟いた声が漏れたなら、"そいつ"はいくらかの言葉を述べる、好き勝手に】
【相手の様子を察して言葉を選ぶことだって出来たはずだしすべきだったんだろう。――けれどしなかった。明確な日数を確実に言い当てて、それ以上の機微など分からぬように】

あ――ねえ、ところで、大丈夫? 

【――けろり、と、した言葉の選び方。ギャリギャリするような機械越しの声に感情なんて見出そうとすることそれそのものが、間違いだと言い聞かすみたいに】

【――――――――だけど、"そいつ"は明確に"誰か"を求めていた。匂いを辿ってきたのだという――そのせいか、しばらく間共に暮らしていた相手と"間違えて"】
【そして至近距離にて相対して、間違いに気づいた。――明らかに不審であった。だけれど――"そいつ"が言っている"誰か"。そんな条件に当てはまる人間なんて、】
477 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/15(日) 21:54:55.13 ID:Pc2Bi6KZ0
>>476

【どうしてもう少し曇っていてくれなかったんだろうと理不尽に夜を憎んだ。やはり神様なんてこの世界にはいないんだって毒付きたくても、けれど】
【かえでを連れ去ったのは間違いなく"神様"だった。自分に都合のいい願いを叶えてくれる神様なんていないんだ。 ─── 即ち神様とは、自分に都合のいい願いを、何だって聞いてくれる偶像であると】
【そういうものに一瞬でも祈ろうとした自分に気付いて吐き戻すくらいの嫌悪感に襲われる。どうして死ねないのだろう。ほら踏み出せばいい。楽になりたいんだろう?】

【然し爪先は宙へと進まなかった。聞き慣れぬ声音に呼び止められたから。 ──── というのは建前で、理由はなんだってよかった。死にたいけど、今は死ねなかった。】
【 ─── であるからと言って、姿さえ不明瞭な影に対して好感を抱いたわけではなかった。少なくとも、その言葉の聞こえ方は言い知れず不快であった。】

【それでも、 ──── 女がその影と言葉を交わしたいと、一瞬でもそう思えたのは】
【恐らくはその黒い外套の全身に張り巡らされた、"阻害"の魔術を感じ取ってのことだった。「少しだけ、いつかの夜と、似ていた」。結果的に、"正解"ではあった。】


「 ───── 知ってるの。かえでのこと。」


【振り向かぬまま、 ─── 知死期の乙女が喘息にあえぐような、掠れ切った冷たい声が、然して切迫の詰まった色合いで、問いかける。】
【であるというのに答えは待たない。一呼吸の後に、声のトーンを一つ落として、ほとんど可聴域にあるか分からない感情を綴る。すなわち自己暗示だった。】


「もう、 ……… あの子は、ここにはいない。」「ううんきっと、"この世界"にはいない。」「あの子にとって、きっと一番の幸せは、そうだったから。」
「ご足労どうも。」「けれどだから、あなたが会いに行けるとも思えないわ。」「 ……… 伝えてほしい未練も、あの子にはもうない。無駄足だったわね。」


【であればそう言い放って、にべもなく追い払おうとするのだろう。お前に話して何になるわけでもないと言いたげで、 ─── けれど】
【誰かの交感神経を思い切り鑢にかけるような喋り方をする影ならば、気付けるかもしれない。この女は誰かに話す体をして、その実"自分に対して"何にもならないと言い聞かせている。】


        「 ──── …………… 。」


【ともあれ、続く問いには女は答えなかった。これで"大丈夫"に見えるのか、と言いたげに。然し女の平生であれば、そんな感情は澄み渡るように冷酷な言葉をもって躊躇わず相手に突き付けていた。】
【失いすぎていた。なにもかも。だから全部一度無くしてしまいたかった。出来の悪いデッサンを破り捨ててしまうように。 ──── けれどその下書きには、余りに未練が残りすぎていた、から。】
478 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 21:55:28.80 ID:CmZ7+HJo0
>>475


水の国と魔制法については、後日まとめてお送りしますよ。
国一つ動かすんですからその程度の労力は、ということで……

…――ひとまずは、よろしくお願いしますという所でしょうか


【世界大戦に掛かる重要な協力関係が結ばれた】
【それが密閉された会議室ではなく】
【開け放たれた神社の境内、というのは締まらなかったが】

【結果が付いてくれば過程などはスパイスに過ぎない】
【コニー・オブライエン。その特異な立場を聞けば】
【ああなるほど、と。その合理的で果断な裁量にも納得がいって】


   カノッサ機関六罪王 兼ねて 円卓≠フ王

……の、雇われ人のクズノハちゃんです。改めてよろしくどうぞ、コニーさん。
というわけで、私の上司……そういう人なんですけど


【「いるんです、この神社に。というか下の駐車場でのんびりしてますよ」】
【「例の虚神≠ノボロボロにヤラれて昨日帰ってきまして」】
【「なんだかつまらなさそうだったのでお散歩でもと誘ったんですが」】
【「いま足を怪我してて歩けないそうで。……どうします、会います?」】


というか、会いましょうか。別に怖い人じゃないですから、さあさあ!


【残ったお団子をぱくつきながら立ち上がる。勿論残ったお団子の袋を片手に】
【ついで、なんて具合に賽銭箱に懐に残っていた小銭を放り入れてから】

【「さあさあ」と、随分身軽に歩いてゆく。参道を下りて、階段を下って】
【その下は一般の世界。うだる暑さとセミ以外の喧騒が戻ってくるが】
【やはりわざわざこんな時間にこんな場所へ来るものも居ないのだろう】

【黒のメガクルーザー――スモークが張られた大きな車が、一台だけ停まっていた】
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/15(日) 22:13:56.66 ID:6jdMWJ0a0
>>478

―――カノッサの王
ハハッ、音に聞くよ彼らの活躍ぶりはね。

まぁここまで乗ったんだ、女は度胸!今更引くつもりはないよ。

うん、よろしく。クズノハちゃんとはプライベートでも末永くよろしくしたいね。

【クズノハの雇い主≠サの正体はカノッサ機関の大幹部六罪王≠フ一角であるという。】
【大物だとは予測していたがそこまで強大かつ未知数な存在だとは意識出来ていなかったのだろう】
【半分自分に言い聞かせるように頷くと、また当初の軽薄な調子でクズノハの肩に手を回そうとする】
【しかしクズノハから「会います?」と聞かれ、回していた手を止めて「えっ今から会えるん?」と素っ頓狂な声を出す】

【「えっえっこの格好で会わなくちゃいけないの?どうしよ」】

【などと早口で喚きながらもクズノハの後を着いていく、なんとなく真似するように賽銭箱に小銭を投げ入れながら】

【そして下界に止まる1つのメガクルーザー、直感的に何かを感じ取ったのか感情が抜けたように冷たい表情になる】
【歳からは考えられない肝の据わり方、そして切り替えの早さである。】

【待ち受けるものへの好奇心を若干滲ませながらクズノハの後へ続く】
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/15(日) 22:20:17.30 ID:IBmGfWNC0
>>477

【――――――ぱちりと瞬く程度の、間があった】

……んーん、知らない。そういう名前なの? あたしが知ってるのは、――変なものが憑いてる子が蛇を信仰してる、ってことだけ。
だけどそれって十分じゃない? あたしにとっては十分なの。だからちょっとだけ探してたんだけど……、――あっそう、じゃ、死んじゃった?
やっぱりあの時追いかけた方が良かったかな――血の匂いがしたから追いかけようと思えば追いかけられたの、でも――、

――――まあ、いっか。モノがモノだから勘違いがあったら可哀想だなって思ったの。蛇を信じてる理由が"それ"だったなら。

いくらか改善するかもしれないけど、未来永劫、解決はしないから。

【そうしたなら"そいつ"はふらふらと頭を揺らすんだろう。知っているのかと問われたのなら知らないと答えが返って来る、名前なんて知らなかった、初めて聞いた】
【ゆえに答え合わせには物足りない。ぞろりとローブの中で腕が持ち上がる気配、布をぞろぞろ纏わせた手元が口元に添えられる、考え事の時のお約束ポーズ】
【けれどもはや届かぬ人物であるというなら――また数瞬ばかし黙るのだろう。表情が伺えないからどんなふうな気持ちを宿しているのかは分からなかった、ただ、そうしたなら】
【やがてぽつんと理由らしきものを述べるのだ。――探していた理由。けれど相手の言葉を素直に聞き入れたのだろう、あんまり重大でない声をしていた、そしてきっと本当だった】

【――心配をしたのかもしれなかった。追いかけてくる程度の気持ちはある。けれど、もはや手遅れだと言われれば、そこまでの、義理はない】
【あくまでほんの少しの善意だった。ゆえに、"そいつ"は即座にどうでもよくなってしまう。目の前を歩く人がハンカチを落としたなら、拾って手渡すけれど】
【通りがかった時にすでに落ちていたくちゃくちゃになったハンカチは横目で見ながら拾う気もせず通りすぎてしまうみたいに、――――】

あたしたちはお願いされなきゃ何にも叶えない。信じないなら救わないの。そういうルールだから。
お話してほしかったらお祈りしたら? 今夜はもう暇だからどっちでもよくって。

だけど――どうしてもって、言うのなら。跳び蹴りしてあげようか?

【小さく笑うよな、気配があった。無機質の声にはやはり感情が伺えなくて、けれど、嘲る風ではない。――気がした】
【だからといって優しいと言い切るには疑問が残る。――それでも確かに"そいつ"は相手へ選択肢を委ねるんだろう、相手が願いさえすれば、今しばらくこの場に留まる】
【そうでなければ立ち去ると言外に言ってもいた。あるいは――あるいは、願われるのなら、そのきっかけの後押しをしてあげる、と、あまりに、たやすく、あっけなく】
【そこで留まる理由がくだらない未練であれば、それ以上の力で押し込んであげてもいい。――捉えようによってそれは最上級の優しさにも、似ていたのだけれど】
481 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 22:43:38.20 ID:CmZ7+HJo0
>>479

【下りていった先、メガクルーザーの目立ちぶりは尋常ではない】
【黒塗り、スモーク、タイヤは軍用に履き替えてあり】
【そのくせ駐車はしっかりと線に合わせてなされていて】
【ドライバーの性格が出ている、そんな雰囲気があった】

【――さて、それじゃあと乗り込むわけにも行かないだろう、と】
【先行してクズノハが話を通りに行く。時間にして、約5分】

【残念ながら、コニーはその間、熱射の中を待つことになるだろう】
【蝉の声がうるさい。吹き出る汗が蒸発するような日差しの中】
【ふと、助手席側の窓が開く。そこから見えるのは、若い男だ】

【栗色の髪、黒い瞳、それと左目のモノクル。雰囲気は――ヤクザ、チンピラ】
【服装までは見えなかったが、しばしコニーを睨むように見定めると】
【「来いよ」と手招きして、彼女を助手席へ誘うだろう】


「……はぁ、天然の風もいいですけどエアコンって最高ですよねえ」
「ほんっと、分からないと思いますけど尻尾とかすごく蒸れるんですよこの時期」
「というわけで私は後ろでお団子食べてますので……精々悪巧みしててくださいな」


【車の中。エアコンが効いてひどく快適、シートもゆったり大きめで座り心地よし】
【ただし後部座席は完全に軍用のそれに仕立て上げられていて】
【横に座れば八人乗れるベンチ仕様。それに明らかなガンケースも置かれており】
【よくよく見ればガラスさえも分厚い防弾仕様にされていて】

【なんというか、圧迫感――だがすぐ後ろでは団子をぱくつく狐もいる】


【問題は交渉相手、だろう。運転席に座る男の名は「ジルベール・デュボン」というらしく】
【悪の親玉のような紹介のされ方をした割に――凄まじくラフな格好をしていた】

【安そうなプリントが入ったタンクトップと、ジーンズ。ただし右腕と左足はギブスで固定され】
【頬だの肩だのお腹だのにも包帯がグルグルと巻かれており】
【下手をするとついでにクズノハの団子を買わされでもしたのか、若干不機嫌そうに】

【「で、アンタはあいつの話で納得してるのか」と――開口一番にそう、尋ねるのだった】
482 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/15(日) 22:45:22.15 ID:Pc2Bi6KZ0
>>480


「 ──── 死んだ訳じゃないわ。」「あなたみたいな、タチの悪いものに、連れ去られたの。」「どこか、 ─── 私の知らないところまで、ね。」
「もしかしたらこの世界にまだ居るのかもしれない。」「 ……… でも、神隠しに遭ったきり、もう帰ってこないのかもしれない。」「少なくとも私はもう探したくない。」
「会ったって、 ─── 私のことなんて、見てくれないもの。勝手に憐れんで、勝手に助けようとして、あの子の幸せなんて何も考えてやれなくって、」
「恋人にも母親にもなれなくて、だから今、無様に生きてる。あの子がいないまま。 ……… 何なのかしらね。」


【対して会話はおよそ噛み合わなかった。冷たく掠れた声は、今更口にしたところでどうしようもない悔悟の言葉を、どうしようもないと分かった上で紡いでいた。】
【やはりそれはどこまで行っても自分への言い訳でしかなかった。事実の述懐でありながら妄想であり願望の吐露であった。だから相手がどう思おうと知ったことではなく】
【何なのだろうという自嘲の疑問に然し彼女は既に答えを有しているのだ。それでいて他人が知ったような顔で答えることは許さなかった。 ─── 理不尽な心理であった。】
【然し視点を変えれば同時に滑稽なくらいの一貫性を持った主張でもあった。だからこそ、 ──── 影の紡いだ言葉尻、泣き腫らした瞳が瞠目する。】



「 ……… 待って。」「どういう意味なの、 ──── それ。」


「答えて。」「下らない嘘だったら容赦しない。」「 ……… 教えてよ。それを知ったら、 ─── 死ねる覚悟も、できる気がする。」
「 ……… 蹴ってくれても構わない。」「きっとかえでは、この世界のどこかにいるから。ううんそうでなくたって、きっと伝えられるのでしょう?」
「なんにも知らずに使われて、弄ばれて、死んでいくなんて、 ─── そんなの、そんなの、あんまりよ。」「あんまりに、報われないわ、 ──── 。」


【 ──── ようやっと女は振り向いて、真っ直ぐに影と相対した。掠れるような声を悲痛に振り絞って、しかしこの期に及んで尚も自己弁護に走る浅ましい精神性。】
【それでも、 ──── 想う気持ちは本物だった。傷付きたくない。けれど、あの子のことを救ってやりたい。傲慢だと呼ばれることに対して、まだ心は躊躇っていたけど】
【つめたい顔貌はひどく錯綜していたのだろう。悲しくて、辛くて、腹立たしくて、恐ろしくて、それでも、それでも。】
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/15(日) 23:09:40.80 ID:IBmGfWNC0
>>482

【狐面越しでは表情は伺えない。かろうじて瞳のところに視界を確保するための穴はあけられていたけれど、その瞳の色、見つめても見つめても、理解するのは難しい】
【認識阻害――確かに目にしたはずの光景が、実像として脳の中で処理されることがない。あるいはそれ以上の何かで以って認識する手段があれば、見通せるのだろうけど】
【堂々巡りの迷妄に囚われた思考回路より無数に漏れ出る言葉遣いは濾過されないまま蛇口から出てしまった泥水みたい、すなわち緊急事態だった、対策が望まれるのだろう】

【――――だけどそこに佇むナニカはそれほどまでにはきっと優しくなかった】

意味はそのまま。理由も知らない。あたしが知ってるのは蛇と蛞蝓に憑かれてる人間が蛇を信仰してるってだけ。
あそこの魔術式、変な臭いだからすぐに分かるの。食べたらすっごく不味そう――、食べない方がいいよ、お腹壊しそうだし。
その臭いがするなら、蛇を信じてるってことでしょう? どう? 正解? あってる? ……だけど、知らないの? 誰も教えてあげなかったの?

…………――だけど、そっか、知ってたら、もっと違うことをするか。

【であれば告げるのは様々な感情をそぎ落とした後の理由でしかなかった。そもそもそんな感情存在しなかったのかもしれない、骨組みだけの言葉、無機質な音階】
【そのくせ義理を感じたなら出張ってくる程度には――であるのだが。とはいえ。ようやく振り向いた仕草に、けれど"そいつ"は大した感慨もない】
【はたはた、と、その布地の端っこを風にて揺らしながら――そうやって時々うかがえる"中身"は細身であった。華奢であると言った方がいいかもしれなかった】

蛞蝓に呪われてる。それを蛇が護ってる。あの感じだと……たぶん、前世とか、そのも一個くらい前世、かもしれないけど。
呪われて護られることでもしたんじゃない。そのあたりは――まあ、蛞蝓と蛇(ほんにんたち)に聞かないと分かんないから、知らない。

蛇の方が小さかったから、――この話ここでするの? 寒くない? 変なこと言ったらいきなり飛び降りられそうで嫌。夢見悪くなりそう。

【――また考え事のポーズをする。ぶつぶつ呟くような声、であれば――現場のみ見て推理する探偵ごっこみたい、といってもそんなに格好よくはなく】
【ほんの数秒の間熟考するみたいにぶつくさしたくせに――ふっと気づいたみたいに"そいつ"は今更そんな風に言いだすのだろう、ジト目みたいな気配、数秒間だけ】
【その顔に対して言っているに違いなかった。だから――話す気があるならどっかに行こうと誘う、告げる理由はいくらか自分勝手でも、それなりに生易しい】

【あるいは――――"そいつ"が相手に知らぬことを知っていたとして、また、"そいつ"の知らないことを、相手は知っているんだろう、と思わせた】
【例えば――あのファイルに記載はあっただろう。"蜜姫かえで"は自分が蛇に呪われていると思っている。だから赦されたいと願っている。――――あるいは、】
【もしかしたら、彼女自身より聞いたことがあるかもしれなかった。ベッドの中で抱きしめられて、ぽつりと、漏らしたことがあるのかも、しれなかった】

【――小さなころから蛇の死骸をよく見かけた。そして、そのあとには、きまって悪いことがあった。だから自分は蛇に呪われている。だから、だから――】
【――――――――――――そう、小さな、声にて】
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/15(日) 23:17:35.91 ID:6jdMWJ0a0
>>481

【―――暑い。】
【メガクルーザーを汗だくになりながら絶望の表情で見上げるコニー。5分が永劫にも感じる】
【被っていた麦わら帽子で仰ぐが焼け石に水、もともと氷の国育ちな事もあり暑さ慣れはあまりしていない】

【と、助手席の窓が開く。そこから顔を出す強面の人物に対して「ども」とまるで部活の顧問への挨拶のように気のない挨拶をする】
【諭されるまま助手席に乗り込むコニー、横目で後部座席の方にも目をやり口笛を鳴らしながら席につく】

いや〜天国天国。文明の利器ってのは偉大ですなぁ。
どうも閣下=Bお初にお目にかかります、氷の国外務省・三等書記官′島氷の国軍司令直下特務大尉
コニー・オブライエンと申します。実はあなたのお友達にクズノハたんともさっき会いました。


―――正直申し上げると納得する方が難しいかと。
先述したように可愛いクズノハたんともさっき会ったばかりで、其方の話も聞いたばかり。
資料もなく口頭での説明を受けたのみですので。

【席に着いたあともリラックスした様子で座席に胡坐をかいて、ラフな格好の男に一瞬意外そうな視線を向けるが】
【口調は丁寧だがどこか軽い調子で答える。そして後ろのクズノハに一瞥くれると『ね〜?』と笑いかけた】

ですが、まぁ個人的な感覚ですがクズノハたんはつまらないウソをつくタイプではない。
そして聞いた話は現状≠アちらの利するところでもある。水の国は目の上のタンコブですからね。

そのあたりの判断を取りやすくするためにこうした立場≠与えられているわけですし。

ただ、その集金システム≠ニやらで集めた金に関してはもう少し詳しく詰めたいところですけどね。
それ以外は後でもらう資料を見て協調する部分と難しい部分を選択します。

【麦わら帽子を指でくるくると回しながらゆっくりと聞き取りやすい速度で話す】
【やはりポイントは仮に集金システム≠作ったとしてどう金を扱うか】

【協力する以上それなりに割合を求めてくるだろう。それ以外は適度に調整するという】
【単純だがはっきりとした主張だ。まずは大味に攻めてきた。】
485 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/15(日) 23:36:06.11 ID:CmZ7+HJo0
>>484


……お友達の、ってのは訂正しておくが。
話が早いようで何よりだ、その歳で外交官ってだけあるな

素直に納得できない、ってのも結構だ。
俺が同じ立場なら具体的な数字を示さない限り頷かない。
それだけあんたらには賭ける物が大きいからな……だろ?


「……クズノハ、たん?」


【振り向いた所に居る妖狐は、一瞬凍りついたように目を細めていたが】
【対して、ジルベールという男は淡々としたものだった】
【後で調べれば分かることだが――路地裏で、あくどい金貸しをしているらしい】
【数字にうるさい合理主義者。ともなれば、やり取りの簡素さも納得だろうか】


集金システム=c…円卓≠フことだな。
良いだろう、ならまずはその説明から入るとしようか


「いや、あの……、……クズノハたんっていいました?」


【――円卓とは複数の企業、利権者、政治家、官僚が集まって作り出された】
【言うなれば裏金のプール。放って置いても金銭が流れ込む玉手箱】
【水の国という大国を裏から支配する存在たちのへそくりにも似たつながり】

【ジルベールは今それを牛耳っている。そして、ジルベール個人の構想として】
【水の国の円卓≠潰して世界規模の新たな円卓≠構築しようとしている】

【「最終目標は世界を買うことだ、それ以上でもそれ以下でもない」】
【個人的な目的も告げながら、現状円卓が敵対する派閥――黒幕=z
【現行の世界を作り変える、要すればディストピアを目指す集団に】
【「リスト」と呼ばれる、現円卓の加入者名簿を握られており】

【故に、事は急を要する。今の円卓を踏み台にして次の円卓を始動させる必要がある】
【そのための世界大戦――そこまで説明してから、話を戻し】


端的に言おう。氷の国の分前は大戦終了時までの全国家から集めた額の、1割だ。
そして、望むのであればその後も円卓に一枚噛むことを許す。
……全世界の国で投入される資金の1割だ、よく考えろよ?


【細部を詰めるのは、やはりここではなく何処かの会議室になるだろう】
【だからこちらも大味に返した。その見返りは、1割といえど】
【戦時下における国家の支出――全ての国家の10%】
【加えて、世界を裏で支配する円卓に初期から加われるとすれば】
【氷の国は大戦後、隠然たる勢力となるだろう。それこそ、水の国と入れ替わる程には】

【――話すだけ話して、ジルベールは考える時間を当たるように口を閉じた】
486 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/15(日) 23:41:21.56 ID:Pc2Bi6KZ0
>>483

【黒洞々たる瞳の奥、 ──── 覗き込むとしても怯えることはなかった。ある種、蒼い瞳は悲壮な決意に満ちていた。】
【恐ろしい神様とも何度も殺し合ってきたのだから、今更わけのわからないものに怯える道理もなかった。狂気とも呼べた。】
【自分を納得させる死化粧としての、どこまでも薄っぺらい鍍金が剥がれつつあった。少しずつ膚を見せるのは、 ─── どろどろの衝動。理屈なんてどうだっていい。】
【ただ助けたい。幸せにしてあげたい。そばにいてほしい。それが傲慢不遜の業であると、自己のヱゴイズムを満たす為の身勝手な劣情の捌け口であると、】
【果たして如何様に問い詰められたとしても、彼女は一言で斬って捨てるのだろう。】

【 ──────────「それがどうした。わたしには関係ない。」】



「 ─── あの子は、」「 ……… ええ。」「信じていたわ。」「蛇のこと。きっと、わたしが知るどんな人間よりも、敬虔に。」
「赦されたいんだって。」「救われたいんだって。」「だから祈らなきゃいけないって。」「どんなに非道い事をされても、神様からの試練だから、耐え忍ぶことが幸せなんだって。」


「 ──────……………… なんで。」「どうして。」「何故なのよ。」「どうしてあの子ばかり、非道い目に遭わなきゃいけないの、 ……… 。」


【それでいて未だ泣き言に等しかった。あの子だけ、あの子だけが、あんなに非道い目に遭うなんて。そのくらいの理不尽は女だって知っていたろうに。】
【 ──── 然し、影の言葉を聞くのなら、女はおよそ死にそうにはなかった。否いずれは死のうとするのかもしれないけれど、少なくとも、己れの本懐を遂げるまでは。】
【促されたとして、摩天楼の淵より静かに歩いて、手近な屋上の柱か壁か何かに背を預ける程度のもの、なのだろう。そのまま少しだけ俯いて、こんな言葉、思い出すように。】


「 ………… 時々、零していたわ。」「自分は蛇に呪われてる、 ……… なんて。」「子供のころに家から火が出て、なのに自分だけ生き延びてしまったのも、そのせいだって。」
「 ──── ずっと、あの子の思い込みかと思ってた。」「けれど、 ………── ねえ、違うの?」「違うのよね?」


「 ──── お願い教えて。」「どうやったらあの子を助けてあげられるの。」
「その呪いを解くだけでもいい。」「そうじゃないと、私、死ねない ──── ッ。」


【今ならはっきり思い出せた。藤色の髪がそっと指に絡む感触。矢張りその声は切羽詰まっていて、然し同時に確かすぎるものであった。】
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/15(日) 23:58:06.32 ID:6jdMWJ0a0
>>485

なるほど、随分と夢のある話だことで。
しかし黒幕≠ナすか。気に食わない連中ですね。

今の世界は歪みに満ちながらもギリギリのバランスで調和が取れている。
それを破壊し作り変えようなどという革命家気取りの破滅主義者達は吐き気がしますよ。

【意外にもコニーが食いついたのは円卓≠フ情報ではなく黒幕≠フ方だった】
【その見かけによらずかなりの保守志向なのか、それとも別の理由か。】
【どちらにせよ氷の国のキーマンが個人的に、明確に黒幕≠敵視している。円卓¢、にとってはかなり好都合だろう】

【そして金額の話に戻る、コニーの回答は早かった。】

わかりました。こちらとしてはそれで構いません。
細かい事の詰めはさきほど申し上げた通り後日、という形でよろしいでしょうか?

【即答。】
【ジルベールという男の器、そして存在そのものを即座に判断し】
【無駄にごねればそれこそ自分の首を絞めることになる。駆け引きの通用しない相手と判断したのだ】
【こうして大筋はまとまった。ものの数分で。】

―――それと、世界大戦≠ノ対して共有しておきたい事項があります。
ある軍事企業についてです。

【そして続けざまにある情報を共有しようとする。軍事企業、戦争とは切っても切れない間柄だ】
【コニーの職務上そうした業界の知識もそれなりにあるのだろうが、この場で話すほどの事なのだろうか】
488 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/16(月) 00:18:05.92 ID:jEQ7DWW80
>>487


黒幕≠ノついては、はっきり言って謎が多い。
向こうのトップは俺と同じく六罪王だが、顔も見たことは無いし
手先の婦警≠ヘ、まあ……笑顔が印象的なヤバいやつ、だな。

……円卓抜きで、個人的にはアンタの意見には大いに賛成だが。


【自分にとっては都合がいい。国という大きなスケールを動かすにしろ】
【黒幕という存在を相手取るにしろ――有能な存在が近い思想を持っているのは良好だ】

【細部の詰めは後日で良いかという問いにはこくりと頷いた】
【ここで話し合ってどうにかなるかと言われれば、やはり資料が足りない】
【どれだけの額が転がり込み、どういった運用になるのか】
【それはまだ不明だ。ならば自然、大味な決定に落ち着くのも当然で】


軍事企業…――何処だ? 生憎、余り詳しくは無いんだが


【情報は命。確かに戦争に置いてはもっとも重要とも言える存在だ】
【何より、金を儲けるのなら。――返答はごく短く、興味を示すものだった】
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/16(月) 00:18:33.65 ID:Fmh46zhk0
>>486

【そして――もし覗き込めるのなら。認識できるなら。その瞳は左右で違う色をしていた。赤色と黒色の瞳をしていた。けれどそれを記憶にとどめるのは難しい】
【円周率の七億三十七桁目が何であるかを言えと咄嗟に迫られるときみたいに。――できるやつにとってはできることでも、だいたいの存在にとっては、姫様の難題よりも難しい】

じゃあ――――それは間違い。呪ってるのは蛇じゃないから。蛞蝓に襲われてるのに蛇に祈るのは馬鹿でしょ?
だけど蛇は何らかの恩を感じてるから護ってあげてたの。自分よりおっきい蛞蝓の概念と戦ってあげてたの、――その理由までは知らないけどね。
何をしてあげたんだと思う? ――その場に居合わせた蛇が思わず護ってやりたくなっちゃうの。あたしもそうかな?

【やがて相手が縁取りより歩んで壁に背中を触れさせるなら。そいつは何となくの温度感で満足したらしかった、相手を壁に追い詰めたときのように立ちはだかれば】
【けれどその実あまりその気がないようにすとん――としゃがむのだろう。長い裾をずるずる引きずっても構わないらしかった、目線を合わすように、けど、認識はさせない】

思い込みでしょ? だって蛇が呪ってるんじゃないんだもん。そりゃたまには蛞蝓に負けて死体が出るかもしれないけど。
それを見て蛇を責めるのはお門違いだって。鯨が揚がったからって地震が来るとは限らないでしょ? おいしーもん、いろいろ便利だし。
あいつらだってたまには溺れるでしょ。哺乳類だし。だから――えーと、つまり、たまたま溺れたやつがいるのと地震が起こるのはあんまり関係がないって。

――ぜーんぶ悪いの蛞蝓だよ。でしょ? ほら、あいつら、臭いし、ねばねばするし、なんか苦そうだし――臭いし。あと臭いし。足跡キモいし。臭いし。
蛞蝓潰したことある? ほんとに臭いんだよ。一日のテンション最低になるくらいは嫌。――だから、蛞蝓を落とせばいいの、簡単でしょ?

"ちゃんと"やるなら蛙がいいけど、別に、そうじゃなくっても……"特に"大したヤツじゃないから、それなりの術士なら多分。

【――そのうち地面にお尻を付けるのだろう、そうやって足を投げ出す、やっぱり華奢だった。けれどそれ以上のことは手繰らせなかった。でも、多分、やっぱり女だと思う】
【見てくれの不審さに対して仕草は特に不審ではなかった、不審者であるというだけで全部が不審に見えると言われてしまえば、それ以上の言い訳は何にもできないけど】
【"そいつ"は蛇の死骸のことを知らなかった。知っていたらもうちょっとだけ言うことは違ったんだろうけど、だいたい、大筋は一緒だと思わせたなら】

【少女の認識していた現実は間違ってないけど間違っていたということだけ結局伝えるんだろう、それにしたって蛞蝓嫌いそうだった。足先をぱたぱた、揺らせば】

でも蛇に救われたいんでしょ? だけど"あの"蛇じゃあ、"あの"蛞蝓は落とせないし――。

【――――けれど多分少女はそんなありふれた方法では納得しないから。どうあれ蛇を持ちだしてこなければ受け入れないと、きっと、相手は、知っているから】
【ほかにでーっかい蛇、どっかにいないかなぁ――って、そいつは、呟いた。その時初めてちょっとだけ楽しそうに聞こえるのかもしれない、そのつもりじゃなかったけれど】

【――自分のやりたいことも含めて考えたなら、別に、悪い話じゃないと、思わせて】
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/16(月) 00:42:41.68 ID:G0RvGa/I0
>>488

同じ六罪王?なのに顔も見たことなければ主義も双極とは、カノッサ機関てやっぱり謎の組織ですね。

まぁそういう事なら黒幕¢、の調査も私の方で多少はしましょーか。

【「本業ですしね」と付け加えながらスマホでメモを取っている。】
【一方で統率という言葉のまるでないカノッサという組織、そしてそこで権力を持つジルベールに対し】
【一定の疑心を覚えたような反応も見て取れた。やはり年齢もあってかコニーの細部の反応は汲み取れる】

ええ、少し厄介な企業がありまして。
Deus Ex Machina=\――ふざけた名前でしょ?

鉄の国≠根城にする新興企業で主にライフサイエンステクノロジーで事業展開していますが
その裏で関連企業を使って軍事分野で大きな影響力を持っています。
文字通り、突然現れた軍事企業なんですが瞬く間に鉄の国≠フ軍事産業を支配し。
今では氷の国≠フ軍需用も30%食い破られている状況です。

社長がかなり曲者で、政界にもパイプがある。

世界大戦ともなれば必ず首を突っ込んでくる筈です。どう扱うかによって戦局が変わる可能性がある。

【戦争の要はやはり兵器である。そしてそれを製造する軍事企業の力は小さくない】
【自国の軍事産業を支配し、他国の市場まで侵攻しているそのDeus Ex Machinaという企業。】

【探りをいれる価値はありそうな情報だった。】

【それだけ伝えるとコニーは背もたれに体をあずけて大きく気のないあくびをした。】

491 :アリア ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/07/16(月) 00:46:21.59 ID:PKMcTDiK0
>>489

【指定値以外の入力でエラーを吐いたカラーコードのようなオッドアイだった。だから今は、それについて考えるのはやめて、】
【 ──── どこか茫然としたような表情で、女は影の言葉を聞いていた。話が終わるなら、深く深く息をつく。傷だらけの指先を額に当てて、壁際の角にへたり込みながら。】
【あまりにも事実は単純であった。世は全てこともなし。最初から贖罪の理由なんて何処にもなかったのだから。女も、"あの子"には何度もそう言い聞かせたけれど】
【それが真実であると改めて聞かされたのなら、怒りとか悲しみとか色々な感情の前に、どうしようもない脱力が全身を満たす。】



「 ─── たった、それだけの事が。」「 ……… あの子を、あんな風に、あそこまで、 ……… 。」


【真相を聞いてしまえば至極ありきたりな"呪い"だったのだろう。悔やんでも仕方のない後悔のように、要領を得ない言葉はぶつぶつとした呟きに落ち込む。】
【然して事態はまだ何の進展もなかった。言って聞かせるだけではどうしようもないと女は知っていた。俯きがちに、言葉を零す。なにか答えを求めるみたいに。】


「 ……… あの子の信じている神様なら、」「そのくらいは簡単に、追い払えてしまうのでしょうね。」「けれど答えてくれないの。」
「 ──── どうすれば、あの子の納得する形で、あの子の呪いは解けるのかしら。 」「 ……… 話のできる神様が、あの子の信じる神様には、取り込まれているなんて言うけれど。」


【偉大さに赦されたいのだと、 ──── いつかかえではそう言っていた。だからきっと、"それ"では駄目なのだろうとも、思いつつ】
492 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/16(月) 00:54:08.99 ID:jEQ7DWW80
>>490
/申し訳ないです、少々眠気が強くなってまいりまして……
/良ければ後日に再開か、置きレスに移行をお願いできますでしょうか!
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/16(月) 00:56:02.84 ID:G0RvGa/I0
>>492
//すみませんなんか長くなってしまって…明日とかご予定いかがですか?
//もし明日が難しいようであれば置きスレ希望です
494 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/16(月) 00:59:17.47 ID:jEQ7DWW80
>>493
/いえいえ、存分に楽しませて頂いてますので!
/明日でしたら早ければ18時……遅くても20時には来れるかと
/そこからでよろしければ、明日再開でどうでしょうか!
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/16(月) 01:00:38.97 ID:G0RvGa/I0
>>494
//了解です!では明日18時ごろにまた来ます〜
496 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/16(月) 01:03:43.53 ID:jEQ7DWW80
>>495
/よろしくおねがいします!本日はお疲れ様でしたー!
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/16(月) 01:12:34.84 ID:Fmh46zhk0
>>491

【であれば――蛇に赦してもらえない、というのは、道理であった。だって怒っていないんだから、怒ってないのに、赦すよ、なんて、言う人はあんまりいない】
【それは蛇であってもそうだろう。あるいは――極端に気の利く人格であったなら、怒ってなくても、その誤解を解いてやろうと奔走するかもしれないけれど】
【あるいは蛞蝓に祈れば彼女は赦されたんだろうか。――赦す気がないからこんな風になっているんだろう、"これ"の言うことを信じるなら、人間二回か、三回分】

【――それほど呪われるというのもなかなかであるように思えたけど。その理由を誰もが知らねば、どうしようもないから】

末代まで祟るってよく言うじゃない? でもあれは家に憑くヤツじゃなくて、個人に憑くヤツだと思う、輪廻の向こう側まで追いかけてくるタイプの。

【「ストーカーみたいな」」
【ざらざらとこすれるようなノイズ音。少し考えてやっと笑い声だと分かるような声で"そいつ"は笑うんだろう、――それにしたって耳障りな音だった、わざとらしすぎて】
【それほどまでに自分を少しでも晒し/曝したくないらしい。――投げ出した足を折る、あひる座り。足の間に両手をついたならわずかに乗り出す姿勢、やっぱり女だ】

あたし、その子、知らないから。それについては何にも言えないけど――、――間違いなくできる。出来ないはずがない。

――あたしもね、"あれ"には用事があって。――――けど。分かるでしょう? あれはもはや格が高すぎて。あたしなんかじゃ届かないの。だからこうやって隠れているの。
今の情勢。教えてくれる? あたしたちは再定義のおまじないによって否定されちゃった。だから違う方法で関係性を作りたいの、シラカミリンネに用がある。

あとはもう一つ――居るはずなんだよね。神格が低すぎるから、もしかしたら、もう消えてるかもしれないんだけど――話せるヤツ。

ウヌクアルハイの中には少なくとも対話できそうな神が二柱いるの。しかも一つはシラカミリンネを幸せにすることしか、考えてないヤツ。

【あくまで"これ"は"蜜姫かえで"については何も知らないに等しかった。知っているのはわずかな残り香、そこより推察されることと、それから、個人的な気持ちの問題】
【やがて"そいつ"は折った足を前に、ぴたりと身体にくっつけるみたいに畳んで。――体育すわり。膝の上に頬杖つくようにしたなら、しゃべりながら細める目、幻視させ】
【はじめは人違いであったけれど――利用できるようならしてやろうか、という態度がそこにあるんだろう、自分の用事。あるいは目的。そろり、と、指の仕草】
【指を二本立てたシルエット。――あんまりに小さい神様だから、多分、誰も気に留めてないだろう。何より存在さえ知られてないだろう。ゆえに小さい神であったなら】

【――けれど確かにいるはずだから、と、それはどこか、信頼にも似るのかもしれない。機械の声の語尾に、けれど、わずかに、笑みの温度が載った気がして】
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/07/16(月) 17:10:25.60 ID:clX8gSA3O
【真昼の路地裏に風が吹く。自然のものでは無い其れは硝煙の香りがした】
【道の途中、遮られた建物の影に、眼帯を付けた赤髪の女がいる】
【青のロングワンピースに革のショートジャケット】
【無骨なアーミーブーツは今の季節に向けたファッションとは言い難いが、不思議とこの女の周りは涼しげであった】
【雰囲気ではなく、物理的な意味で女の半径2、3mだけ温度が下がっているようで】
【彼女は路地裏で、1人の男の首を締め上げている最中であった】

わたしに銃を向けたってことは、勿論こうなる覚悟を決めてきたのよねぇ?

【軽い口調で右手に力を込める女。冷たい脅し文句と共に、男の爪先が地面から離れていく】
【片手で成人男性を持ち上げる膂力。しかし体格で優る男は必死に暴れ、その拳を避けた拍子に拘束が外れる】
【掴まれていた首の周りは凍傷にかかったように青黒い。解放され恐慌状態の男は逃げながら肩越しにハンドガンを連続して放つ。2発は女の子顔の横を素通りし、1発はキン、と見えない壁に阻まれ地に落ちた】
【澱んだ路地に再び風が吹く。逃げる男と追う女。男と違い女の方は急いで走る素振りはない。道は入り組んでおり、このまま行けば彼が逃げ延びる可能性も無きにしも非ずであった】
499 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/16(月) 19:51:15.04 ID:jEQ7DWW80
>>490


……なに、簡単なことだ。カノッサ機関ってのは
俺たちアウトローにとっての世界そのもの≠ネんだよ。
この広い世界の中、街のゴミ捨てに精を出すやつも居りゃ
どうやって人をグロテスクに殺すかしか考えてないやつも居る。

機関はただの組織だと捉える……それそのものが間違いなのさ


【そう言って、肩を竦める。単に一枚岩ではない、派閥がある――】
【その程度では済まない、奥深い深淵そのもののような組織だ、と】

【もっとも、ジルベール自身は機関に余り執着が無いようでもあった】
【過去、議員≠ニ呼ばれたものも含めて、六罪王は大概目立つものだ】
【どのような形であれ騒乱を起こす者。しかしながら、この男は全くニュースには挙がらない】
【名が売れていない――それが意図しての事だとすれば、また評価も変わるだろうか】


――その機械仕掛けの神≠ノは、2つ疑問がある。

一つは社長の名前。来歴、性格、外見…――今の"円卓"にも繋がりがあるかも知れないからな
2つ目はその新興企業の売り≠セな。ライフサイエンステクノロジー、だったか
……生物兵器ってことか?出来れば、目玉商品でもお目にかかりたい所だ


【勢いのある新興企業なら動画で商品の宣伝でもしているだろうか――】
【スマートフォンを取り出して、Deus Ex Machina≠ニ検索する】

【――鉄の国といえば、こと製造業では競合他社も凄まじい数が居るだろう】
【そのシェアを食い荒らすということは、余程商品に強みがあるはずで】
【じゃあ、それはなんだと――商人らしい分析を、この男はしたのだった】

/すみません大変おまたせしましたっ!
/只今から普通にお返事できますので……ご都合良ければ再開お願いします!
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/16(月) 20:31:32.12 ID:G0RvGa/I0
>>499

―――成程。
合点がいきましたよ、省庁に努めているとものの考え方が固くなって困る。

やはりこの世界においてもっとも恐い≠フはカノッサ機関に他ならない。
精々閣下を失望させないように頑張らないといけねーですね。

【ジルベールの話を聞いて、どこかうんざりした調子で項垂れながら答える】
【コニーが所属する組織の性質上、合理的判断が求められる。故に筋が通っていないテロやその他悪行】
【それを実行するものもいればジルベールのように筋が通った悪を為す者もいる。】
【その矛盾、そしてそれを許容しうる器。―――まさに悪の世界=B消えるはずもない永劫の闇。】

一つ目の社長については…正直掴めていないというのが現状です。
表舞台にはまったく顔を出しませんし、そもそもDEX℃ミ自体がここ1、2年で異様な業績の伸びをしている。
ただ名前と年齢は分かります。

―――ヴィゾーム・ゴールドマン。30代中盤の男性です。


そして二つ目ですが………なんというかこれも良くわからなくて。
関連会社を使って各地の紛争地域に武器提供をして、そのあと本社から医療技術やインフラ整備の技術を提供したりする
所謂マッチポンプを行っているわけですが、別段提供している兵器も、技術も特出しているわけではない。確かに質はいいんですけどね。

しいて言えば恐いほどにタイミングがいい
巷でよくある、それこそカノッサなんかが起こす突発的なテロ行為の前日に新商品を当該地域に卸してたりだとか。
関係の深い若手無所属政治家が急に支持を伸ばして大きな力を付けたりだとか。競合がどうみても偶然≠ニしか思えない事故に見舞われたりだとか


言うなれば―――神がかっている=B
社長の手腕とセンスと言えばそれまでですが、どうにもねぇ………。

【神≠ニいう単語を発しながらクズノハへと視線を流す。】
【成程、いきなりクズノハに話しかけた理由も大方繋がってくるだろう。】

【Deus Ex Machina≠フホームページにいけば、企業のロゴが表示されるだろう。】
【黒い三角形の中心に眼がある≠ニいうどこか不気味なロゴが】

気持ち悪いロゴでしょ?この写真も見てくださいよ、本社のエントランスフロアなんですけど。

まるで宗教施設≠ンたいだ。先述した通り氷の国の市場も食い込んできてるんですが、うちの片田舎の土地を買って何か建てるらしい。
まぁ兵器工場か何かだとは思いますが、ね。


【コニーはポケットから一枚の写真をジルベールに手渡す。】
【いたって普通の、大企業の新築オフィスという印象だがエントランスの奥に異質なものが一つ。それは巨大な絵画だ】
【ロゴと同じような、否。中心に巨大な眼を持つ黒いピラミッド≠ェ描かれている。そしてピラミッドからは後光のような黄金の光が伸びている】
【そして絵画の下にはタイトルと思わしきプレートがある。そこには―――】

                         【プロヴィデンスの眼=z

【そう書かれている。】
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/16(月) 20:32:13.80 ID:G0RvGa/I0
>>499
//よろしくおねがいしまーす!
502 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/16(月) 21:03:05.63 ID:jEQ7DWW80
>>500


ヴィゾーム・ゴールドマン……話が合いそうな歳の男だ、覚えておこうか。
……顔を出さず、その所有物が急成長を遂げるってのは
俺にも覚えがあるが。……2つ目を聞くと、事情は大分違ってくるな

それだけのマッチポンプ≠成し遂げるには巨大なネットワークが必要だ
機関は勿論のこと、世界中の商人とテロリスト、それに政治家と仲良しでないといけない。
当然、そんな事は不可能……だとすれば。


【神、ね――彼女がクズノハ向けた視線を追う】
【確かに、彼女にはそれに類する存在の調査を命じた】
【自分自身がその強大さを味わったからだ。戦闘、と呼べるものですら無かった】

【虚神≠ニいうものが、一体どこまでの力を持つのかは分からない】
【だが世界線を変えるほどの力を持つ存在の系譜であるならば】
【ありえない、なんてことはありえない――そうなのだろう】


……古代遺跡の壁画にでも書かれてそうなロゴマークだな
さっきの話が合いそうってのは撤回しといてくれ。

プロヴィデンスの目≠ゥ…――スパイは、もう送り込んでるのか?


【「全てを見通す目」「監視者の瞳」或いは「摂理」を意味する符号】
【心地よいロゴ、とは確かに言えず。何か薄ら寒いものを背中に感じた】
【探りを入れる必要がある――それに全面的に同意だと言うように、質問を重ねた】
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/16(月) 21:22:00.87 ID:G0RvGa/I0
>>502

全てを最悪の方向で予想すれば厄介な要素になることは間違いありませんね。
ただ、コントロール次第ではこちらの駒/ピース≠ノもなりえるとは思いますけどね

(―――こちらとしても)

【仮に全ての線が繋がるのであればそれは厄介な要素、ジョーカーになりうる。】
【ただDEM℃ミの行っている事は円卓≠ニも親和性が高いと予想される。利用価値も含めて調べる必要はあった】

【そしてコニーとしては、氷の国の市場を脅かす存在に対しての攻勢を示すチャンスでもあった】
【使いこなせるかどうかは別として、六罪王≠ニいう協力者がいるのだから。】

いえ、私自身存在を認知したのが2週間前です。
まさかそこからここまで市場を荒らされるとは思いもしませんでしたけどね。

ただ氷の国≠フ市場に介入してきたというのは都合がいい。
私の立場を使えばコンタクトを取ることはそう難しくないでしょう。

繋ぎ≠ヘお任せください。ただしそこからに関してはご助力頂きたいです。

―――こういう部類は其方の方がお得意でしょう?

【そういいながら口元を緩ませて微笑みかける、どこか妖艶さも感じさせる。………服装さえ違えばだが】
【ようは場≠整えるから着いてきてという事か、確かにクズノハとの会話ぶりからもオカルト′nの知識は薄そうであった】
504 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/16(月) 21:39:10.66 ID:jEQ7DWW80
>>503


――――こいつらが、ただの一企業でいる間はな。


【新興企業。言ってしまえば今勢いのある金蔓、なのだ】
【こと戦争という盤上に上がろうという円卓にとっては貴重な存在なのは間違いない】

【だがそれはDeus Ex Machina=\―DEM社が、単なる軍事産業の寵児であり】
【どのような偶然であれ、どのようなやり口であれ】
【淡々と社の利益を尊重する一集団であったならばの話】

【得てして、先のロゴのような物を掲げる集団は途中で別な目的を持ち始める】
【そうでないなら良い、好きに金を稼いでくれれば、と思う】


……助力、でいいのか?全部任せてくれたって良いんだぜ
そりゃあ勿論…――得意どころか、十八番だからな。


【「分かってるじゃないか」と、そういうようににやりと笑みを返す】
【遅れて添えるのは、言ってしまえば名刺のようなもの】
【白紙のカードに番号の羅列。他人が見れば誰のものかは分からないが】
【こうして差し出されたものなら、男の連絡先だと分かるはずで】

【――「何処か行き先でもあるなら送ってやろうか」、しばし間を置いてそう尋ねた】
505 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/16(月) 21:54:42.08 ID:1BlzJyqK0
【街中――カフェテラス】
【連日ニュースで取り上げられていた邪教――「サーペント・カルト」の話題、だいぶ鎮火してきた頃合い】
【あれだけあった話題のタネも育ちきっては枯れてしまったなら、もう誰も、手を付けようとしていなかった】
【というかみんな、手を出すのに怖がっていた。壊滅したとはいえ、まだ残党がいるかもしれないというのだから】

【――――そんな中で。】

……………………んー? こう? こーしてれば、……会えんのかなあ、ホントに。

【混雑した店内。空いている席もほとんどないなら、誰かに相席を頼まねばならない状況】
【そんな中で「彼」はひとり、二人掛けのテーブルに座っていた。傍らに置いたオレンジジュースは既に氷で薄まって】
【放置されてまで夢中になっているのは、「よくわかる! へびの生態」なる本だった】
【表紙の絵柄からして読者を舐め腐ってるみたいな幼稚さ、たぶんきっとめっちゃ簡単なことしか書いてないそれを】
【じっくり読んでいる「彼」は――――銀髪褐色の青年だった。座っていてもなおわかるくらいの、目立つ長身】

【丁度良くふんわり焼けた卵の色を連想させる、穏和そうな垂れ目。それでもってじーっと、本を読み続けていたけど】
【……それのせいで、周囲から避けられつつあることには気づいていないようだった。だってこんなご時世に】
【自分のほうから「蛇」に関わりを持とうとする人間なんて――きっと正気の沙汰じゃないから。あるいは】
【先述した「残党」である可能性すら思わせるから。……けれど空いている席は、ここにしか、ないのなら?】
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/16(月) 22:00:10.39 ID:G0RvGa/I0
>>504

それも含めて探りを入れます。
先程の集金システム♀ヨ連の会合と、Deus Ex Machina≠ヨの動き

どちらが先になるかは分かりませんが、また連絡しますよ。

【大きく分けて二つの目的で近々また会う必要はある。】
【そのどちらも今後起きうる世界大戦≠構成するピースだ。】
【渡された名刺を受け取りながら「クズノハたんのはー?」と顔をクズノハの方へと傾ける】
【―――絶対に教えない方がいいだろう。】

まぁ、こちらの問題でもあるのでね。
むしろ乗り気なようで助かりますよ、ああ送りに関しては結構です。

【そういうと窓の外を指刺す。】
【丁度タイミングを合わせたようにメガクルーザーの近くに黒いバンが停車した。】
【スモークを張っていない窓からは運転席にいる男が見える、サングラスに髭面、金髪を後ろで結んだ柄の悪い男だ】
【「氷の国・国家保安委員会≠フ人間です、使える人材ですよ。」】

【コニーはそう紹介する。男は一瞥もくれない。】
【というかこの男もアロハシャツだ、本当にこいつらは氷の国の人間なんだろうか疑問が残る】

【特に話がなければコニーはそのままメガクルーザーから降りるだろう。】
507 :海津 ◆u/u3nMGIQw [sage saga]:2018/07/16(月) 22:09:14.54 ID:7BBKV7FC0
>>505
【視線の先に揺れる陽炎。むせ返るような大気が肌を蹂躙する。じとり、と汗が首筋を湿らせた】
【白いドレスシャツにジーンズを身に着け、浅葱色の長髪を結った青年が一人。大通りをゆらゆらと進んでくる】
【熱気にやられて朦朧としているのか。そうではない。彼の鼻先に浮かぶ物体、否、生物に導かれるように歩を進めているのだ】


今度はそっち? 君も優柔不断だねぇ
次はこっちか。どこに行くんだい? 教えてくれよ。喋れないけど


【それは小さな蛇のような存在だった。体は水と同様に透きとおり、水流が意思を持っているかの如き存在】
【そして、小さな竜はぴょいとカフェテラスに入っていく。店員の奇異の目などおかまいなしに、空いた席を探す】


あぁ、入ります入ります。なるほど、ここに来たかったのか
でも空いてる席なんてどこにも……


【目線の先にはただ一つ空いた席。だが、相席となってしまうようだった。もし、先に座っている人物が相席を拒むような人物だったら】
【スイには申し訳ないが他の店を探す他無いだろう。はてさて、褐色肌の御仁の懐はどれ程に広いだろうか?】


すみません。もし良ければ、座らせてもらっても良いでしょうか?
この子が、どうしてもと言うので〜


【この子、と言いながら傍らに浮かぶ謎の生物を指差す。なんとも不思議な二人?組だった】
508 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/16(月) 22:19:45.52 ID:1BlzJyqK0
>>507

えーはい? どーぞお、……、

【声をかけられてようやく、青年は本から視線を剥がして。にへらと笑う】
【座っていいかと訊かれれば勿論どうぞと答えるような、人の良さそうな笑みではあったけど】
【ぴしり。それも固まってしまった、……傍らにナニカが浮かんでいるのに気付いてしまったから】

……、……、えっと、そのコって、…………えーっとぉ、

【彼にはそれが「蛇」に見えた。だから固まってしまったのだ、……やべえ本当に「残党」来ちゃった? みたいな】
【勘違いをしているのだ。繰り返すけど、今のご時世、「蛇」に関わり合いを持とうとする人なんて】
【命知らずの気狂いか、それか本当に――邪教の残党くらいしか、いないのだから】

【……だけど褐色の彼だって蛇に何かしら興味を抱いているようだった。ならきっと、前者、気狂いであるんだろうが】

いや座るのはべつにいーッスけどお、……そのコってゆーのは、えーっと……
…………だー、まだるっこしいコトすんの得意じゃねえや。もう単刀直入に訊くわな、

オニーサン、「サーペント・カルト」のヒトだったりすんの?

【「だからこんな本読んでたおれに目をつけた?」 ――バカにしてるみたいなデフォルメの蛇が書かれた本の表紙、指差しながら】
【ちょっとだけ警戒しているような顔をして訊くのだ。勿論、涼しげな色合いをしたあなたにとっちゃ、言い掛かりもいいところだろうが】
509 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/16(月) 22:30:49.14 ID:jEQ7DWW80
>>506

【「ああ、待ってる」――短いが、それだけに芯のある返事だった】
【お世辞にも広々とした、とは言えない車内でのやり取りだったが】
【互いに有益な情報と、そして協力関係を構築し終えたと言えるだろう】

【既に世界大戦≠ニいう目的への一歩は踏み出されている】
【如何に歩みを進め、賛同者を増やすか。それが今後の課題と言えた】

【――ちなみにクズノハはというと「聞こえません」とばかりに耳をぺたんと倒し】
【最早何本目かも分からないお団子を取り出して――がちゃん、と後部座席から車外へ向かい】


……帰り際、黒いバンが事故で吹っ飛んだなんてニュースを聞かせてくれるなよ?
まあ、もっとも…――揃ってそのナリじゃ、観光にしか見えねえか。


【コニーは、容易に大型車から降りることが出来るだろう】
【そこには待っていたとばかりに、妖狐――クズノハが立っていて】

【何かを話しかけようとコニーが口を開いたなら】
【その口元にみたらし団子を突っ込んで(確定)、満足そうに尻尾を揺らす】
【それから、ついでとばかりに手品のように取り出した折り鶴を一羽、手渡して】


「何かあってからでは遅いですし、王様より私の方が動きは早いですから。
 ……変な電話してきたら容赦なく着拒しますから、弁えて下さいね?」


【後で折り鶴を元の一枚紙へと戻して見れば、そこには連絡先だろう番号が記されている】
【お団子は――「買いすぎちゃったので」と一言残すと】
【コニーと入れ替わるようにメガクルーザーの助手席に乗り込んで】

【やがてゆっくりと、いかつい見た目の車体とは裏腹に安全運転で駐車場から出ていって】
【道路を右に曲がり、街路樹で姿が見えなくなった】
【未だ、暑い。初夏の昼下がり、蝉の喧騒が全てのやり取りを包み隠していた】

/と、この辺りで締めということで!
/二日間お付き合い頂きありがとうございましたっ!
510 :海津 ◆u/u3nMGIQw [sage saga]:2018/07/16(月) 22:34:05.37 ID:7BBKV7FC0
>>508
おぉ、ありがとう
はぁ、どっこいしょと

【快諾されると共にすぐさま椅子を引き、腰を下ろす。正直、彼もこのうだるような暑さに参っていたから】
【腰を下ろし、ふぅと息を大きく吐く。体の熱気が少しでも外へ逃げるように、人は口と鼻の両方で息が出来る様に作られている】
【その時だった。青年の目線に何やら不可思議な気配を感じる。確かに市井には傍らに竜のような謎生物を連れた人はいないが、かと言って異常すぎる訳でもないだろう】

サーペント・カルト? それは一体何だい?
何か疑われてるのかもしれないけど……そうだね、疑う心配は無いと思うよ
なんせ俺は記憶喪失だからね。昔のことが殆どわからないんだ

【淡々と青年に告げる。彼はそのサーペント・カルトなる集団については一切の情報を所有していないようだった】
【それにしても、記憶喪失と言う割には軽い。日常茶飯事だろうとでも言いたげな雰囲気だ】
【「あぁ、俺はアイスコーヒーで」と注文しながら、彼は青年に向き直った】

それで、そのサーペント・カルトって? 二重になるけど
人気なのかい?
511 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/16(月) 22:43:36.34 ID:1BlzJyqK0
>>510

……暑いならもーちょいラフなカッコすればいいのに。Tシャツとか。

【そう言いながら「はい」と差し出すメニュー、開かれているのは冷たいドリンクのページ】
【たぶん彼なりの気遣いだったんだろう。でもお腹空いてるのかもとか、そういうのは考えてないっぽい】
【ひとまず涼むのが先決じゃんね、みたいな、かるーい思考。そうしたあと、行儀悪くも頬杖をついて】

【「人気なのか」と問われれば、「ワルい意味でネ」。そう返して溜息を吐く】

キオクソーシツ、……はーん、そう。それじゃあすっげー最近そうなったんかな。
あのねえ、「サーペント・カルト」ってのは、ヘビを神様として崇めてた――やべーカルト宗教「だった」。
今はもう事実上壊滅してるコトになってっけどね、まだ残党がいるとかウワサがあるからさ……

……オニーサンさ。「そのコ」、人の目の前になるべく出さないようにしたほうがいーよ。
イマドキ蛇に関わろうとする人なんてホント……カルトの残党くらいしかいねーんだからさ、
疑われちゃうよ。ヘタしたらケーサツとかにどやされっかも。……別にそれでも構わないんなら、いーけど。

【記憶喪失。彼の言うこと、とりあえずは信じているようだった。だって本当に「残党」であるなら】
【「その本は何だ」と突っ込まれるに違いないと思っていたから。それくらいの軽い判断】
【そのコ、と言いながら指差す、あなたのそばに居るナニカ。現に周囲の人はそれを見てひどく怯えているようだった】
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/07/16(月) 22:54:28.56 ID:G0RvGa/I0
>>509

まぁそれはお互い様ですねぇ、いくら先を見て生きようが
明日事故で死ぬ可能性はあるんですから、もしかしたらこの世界がなくなるかも

―――だからこそ、今≠懸命に生きるしかない。


【ジルベールからかけられた言葉に対してどこか達観したように振り向いて答える。】
【そしてクズノハへと振り返った瞬間に突っ込まれた団子。ングッという情けない声を上げる】
【その後に渡される折鶴は両手で受け取り視線をクズノハへ向ける。】

―――ク、クズノハたん………!(トゥンク)
も、勿論だよ、1日100件ぐらいのチャットに抑えるかr

【プ――――――――――――――――――!】
【コニーが感動で目を輝かせてクズノハに抱き着こうとした瞬間、黒いバンから大きなクラクションが響く】
【中を見ればイラついた様子の相方が睨んでいる。「チッつまらんやつめ」とコニーは呟くとクズノハに手を振りながら乗り込む】

【メガクルーザーを見送った後、バンも発進するだろう。】


『フラッと消えたかと思えばこんなとこまで向かえに来させやがって、このクソガキが………!』


まーまーそう怒るなよ、オッサン。皴が増えるよ?

『ッチ、―――それであの連中は何者だ?』

円卓=\――だそうだよ、水の国のね。アンタの言ってた円卓≠ニ同じかなぁ?

『―――ッ!なんだと?………ックク、前言撤回だ良くやったなクソガキ。』

嬉しそうな顔しちゃってまぁ、悪いけど主導は私がやらせてもらう。アンタはバックアップだ。
ただまぁ―――アンタの目的も達成させてあげるよ。

水の国≠ゥらの亡命者。元公安≠フ復讐者さん?

………ところでこのお団子、おいしいな。

【多くの思惑を載せて、世界は回る、たとえその先が破滅だとしても―――】

//ありがとうございました!


513 :海津 ◆u/u3nMGIQw [sage saga]:2018/07/16(月) 23:01:25.66 ID:7BBKV7FC0
>>511
んーそうだねぇ
でもこれ以上ラフな格好するなら、上を脱ぐ以外方法無い気がするなぁ

【ドレスシャツの下は何も着ていない。要はシャツ一枚でどこにでも行けるのだ。この男は】
【余程自分に自信があるのか。そもそも何も考えていないのか。その両方なのか。判断はつかない】

ふむふむ、カルト宗教ねぇ。怖いなぁ
でも、もう無くなったんだろう? ならわざわざ怖がる必要ないじゃないか
噂に踊らされるなんて、馬鹿らしいね

【運ばれてきたアイスコーヒーを、ストローを咥えてちゅうと飲む。ほろ苦い黒色の液体は怠さを吹き飛ばすのに最適だ】
【しかし、既に壊滅した組織の残党に怯えるなんて、それ程にその組織が強大だったと言うことだろうか。それとも、もっと深い何かがあるのか】

人前に出さないねぇ
でも、この子俺の言うこと全然聞いてくれないんだよねぇ。困ってしまうねぇ

『ピィ!』

【突然に傍らの謎生物が鳴き声をあげる。私は自由だ、と宣言するかのように。そして、空中でくるくると回ってみせる】
【制御不能。そう説明するのが正しいだろう。周囲の人間など知ることか、我々には何も関係無いと言っているのだろう】

こんな感じなんだよねぇ。でも可愛げあるでしょう? 悪いことはしないしね

【彼もまた、周囲の人間のことなど気にも留めていない様子だった】
514 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/16(月) 23:14:06.28 ID:1BlzJyqK0
>>513

いやなんかもっと、襟とかついてないヤツ……まあいっかこの話は。
今の季節何着てたって結局あちーもんね、やだよねえ。おれ夏キライだわ、雪国育ちだし……

【意外にも。褐色肌であるくせして雪国育ちだとか言う、それで暑いのは嫌いだって】
【襟のついてない、ちょっとダルっと伸びただらしないTシャツの裾をぱたぱたさせながら】
【青年もまた薄くなったオレンジジュースを飲み干した。「おかわり貰おっかな」とか言いつつ】

いやいや、その残ってるヤツってのがさあ……幹部級が何人もいるらしーんだわ。
だからまだユダンはキンモツよ? それほどやべー組織だったんだから。

【続ける言葉はやっぱり警戒を解かないままの色合い。どれくらいヤバい組織だったか、訊かれたら】
【「ヒトを沢山攫ってヒドいやり方で殺してたんだよ。まじでやべーやつだった」なんて答える】
【そう言う割には――この青年だって、自分から進んで、蛇に触れようとしているわけだけど。不自然に思うだろうか】

んー……まあ可愛いっちゃ可愛いけど。ワルいコトしないってのもわかったけど……
……マジで今の時代にはビビられるしかねーのよ、「蛇」は。時期が悪いね、こりゃーしょーがねえ。

っていうか「そのコ」はなんなの? オニーサンの守り神、的な? そっか能力で呼び出してる召喚獣?

【しょうがないなあ。とでも言いたげな顔で、頬杖をついたままの顔をわずかに傾けて】
【「それ」はなんなんだって訊いてみる、けど……記憶喪失の人にするには意地悪な質問だったかもしれない】
【それも無意識のことだったんだろう。でも興味が抑えられなくて、結局、訊いちゃう】
515 :海津 ◆u/u3nMGIQw [sage saga]:2018/07/16(月) 23:28:19.86 ID:7BBKV7FC0
>>514
最近は特に暑いからねぇ。夏の雰囲気は好きなんだけれど

【季節のことを好きと言う、会話にたどたどしい部分が無い所を見ると、あらゆる情報が欠け落ちているのではなく、主に自分に関する情報が無いのだろう】
【記憶喪失と十把一絡げに言ってもその形態は様々だ。完全に全ての情報を失う、所謂幼児退行などから特定の情報が欠け落ちるものまで】
【彼の場合は後者だ。比較的マシとは言え、不便であることに変わりはないが】

幹部が何人もねぇ。それは大変だ。警察なりなんなりに頑張ってもらわないとね
人を殺して……そうかい。そいつはちょっと度し難いね。理由があるのかもしれないけど、理解はしたくない

【殺人の部分にやけに否定的な感想を述べる。彼はそんなにも、人を殺めると言う行為が嫌いなのだろう】
【ふと、スイが何かを見ていることに気付く。相手の持つ本、それは蛇に関するものだった】

時期が悪い、と言う割には君も蛇に興味があるみたいだけど?
それ、研究? それともただの勉強? 趣味かな

【蛇について研究するとなると、生物学者などだろうか。変温動物を主に調査していて、時節ネタとして蛇を研究している】
【そんなところだろうか。研究者にしてはやけに若く見えるが、若い才能が育つのは良いことだ】

ん? この子は、そうだなぁ……なんだろうか
わからないんだ。目が覚めた時からずっと一緒にいるだけで、名前がスイってことしかわからない
名前はね、俺が決めたんだ。良いだろう、スイ

『スィ!』

【甲高い声でスイが鳴いた。どうやら、名前自体は気に入っているようだった】
516 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/16(月) 23:42:05.68 ID:1BlzJyqK0
>>515

【「あーわかるー、なんかハシャげる気分になるのは好き!」 ジュースのお代わりを、結局頼んで】
【ひどく幼げに、楽しげに笑いながら相槌を打っていた。たぶん素でこういう人間。ちゃらくって、開けっぴろげ】
【そのわりには記憶喪失だという彼の空白にあんまり突っ込んでいく様子もなくて――つまりは自分本位なんだろう】
【新しいジュースのグラス。ストローを引き寄せれば、からんと氷の音が鳴る】

そこで「わかる〜」とか言い出すヒトじゃなくてよかったよ、オニーサン。
まあそーいうことなんで、「そのコ」見て変なヒトが絡んで来たら――ちゃんと逃げなよ、あぶねーからさ。

……んん? んー、これ……えーっとね、これは……、……蛇にキョーミあってね、おれ。
さっき言った通り、カルトのやってたことはマジでやべーしありえねーって思うからマジ無理って思うんだけどさ、
…………そいつらが崇めてた「ヘビのカミサマ」。そいつにおれは、興味がある。

興味があるってーか、……もう一回、会いてーなーって、思ってるだけなんだけどネ。

【忠告を残しながらも。尋ねられて答えるのは――妙な言葉だった、まるでその「神」に会ったことがあるとでも言いたげな】
【その神を信仰しているわけではないという。そしてカルトのやったことだって、あなたと同じく「ないな」って思っている】
【それでも、その中心にいた「蛇神」に興味があって――なおかつそれに「再会したい」、なんて言うから】
【きっと記憶喪失で知識も薄いあなたには混乱しか齎さない、だろうか。それでも寂しげに笑っていて】

スイちゃん? ふーん、ずっと一緒に居てくれて、でも悪さしねーってんなら
やっぱ守り神的なヤツかもしんないね。いや、おれそーいうの詳しくないから断言はできねーけど。

スイちゃんスイスイ〜。おれはね、「オムレツ」って名前なの、黄色い卵色の瞳だから、オムレツ。
……そんでもってオニーサンは、今なんて名乗ってんの? スイちゃんもおれも名乗ったんだから、次はオニーサンの番だよ。

【上機嫌そうに鳴くスイに、へらっと笑って。名乗った名はどう考えても人名として使うべき単語ではなかった】
【ならばそれは偽名なのだと思わせる。だけどそれ以上のことは、ここでは絶対教えてくれなくて――代わりに】
【あなたの名を訊こうとするのだ。にーっと得意げに笑って。……でかい図体に似合ってるのかどうか、人懐っこいイヌみたいな仕草だった】
517 :海津 ◆u/u3nMGIQw [sage saga]:2018/07/16(月) 23:59:59.62 ID:7BBKV7FC0
>>516
【珈琲を飲み干すと、浮力を失ったストローがからんとグラスの中で揺れる。氷はまだ溶け切っておらず、模様を絶えず変えていく】
【記憶とは、氷の模様のようだ。常に形を変え、見る方向によって表情を変える。同じ表情など一つもない】
【だからきっと、彼の記憶も一時模様を変えているだけなのだろう。いつかは、また変わっていく】

ハシャぐねぇ……俺はぼうっと入道雲と海でも、眺めてたいねぇ……

蛇の神様……か。白蛇とかを神様として崇めるところは、どっかにあるみたいだね
本で読んだよ。えぇっと……いつか、どこかで
もう一回会いたいってことは、一度は出会ったことがあるんだね?

【もう一回と言うことは、少なくとも一度は出会ったことがあるのだろう。そうでもなければ、もう一回なんて言い方はしない筈だ】
【行動も、理念も相容れない。しかし、その人だけは好きでいる。何と言うか、そう言うことなのだろう】
【よくある話だ。あらゆる部分が自分と相容れないが、たった一つだけ燦然と輝く魅力がある。人はそれを恋と呼ぶ。愛とは違う】

守り神か……そうなの?
『スィイ!』
へぇ……何言ってるかわからないや。でも、君の言う通りそんな感じだと思っておくよ

『スィ!』

【彼がスイと呼んだ時と違い、オムレツにスイと呼ばれると彼/彼女は酷く怒ったように鳴き声をあげる。オイラはスィ!とかそう言うのではない】
【オムレツ。面白い名前だった。洋食の名前をつけるとはセンスが良い】

よろしく、オムレツ
俺は海津(あまつ)。アマツと呼んでもらって構わない。それ以外の呼び名は存在しないからね
518 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/17(火) 00:12:49.18 ID:jgVXuI8r0
>>517

あー、海行っても見とくだけのタイプのヒト?
おれはもーガンガン入りに行くタイプだけどナー。見てるだけじゃつまんなくない?

【「それとも実は泳げなかったりする系?」 けらけら笑いながらジュースを飲んで――半分くらいで止めてしまう】
【ちょっとだけきょとんとしたような顔。……自分で言っておきながら、ヘンなことばっか言ってる自覚はあったらしい】
【だから――何言ってんだお前、って反応を返されるものだと、思っていたから】

…………うん、そう。会ったことある、……2回、いや3回かな?
それっきり、会って、ちょっと話したことがあるだけなんだけどネ……また会いたいって思ってるし、
また会おうネって約束もしたんだ。ホントだよ? でもさ、……神様って、そんな簡単に会えるモンなんかなあ。

【……それで、初めて弱音を零してしまった。会いたいけど会えるか分からないと、そういう類の】
【であれば、前に会ったときには「その人」は「神様」じゃなかったのだと。そうとも予測させる】
【半分になったジュース、またもからころ氷を鳴らして――んん、と喉の奥で言葉を転がしてから】
【「スイちゃんみたいなカンジになってくれたらいいのに、……あの子も」。ひどく小さい声で呟いた】

えーなんでなんで、おれが呼んだらめっちゃ怒んじゃん。じゃーなんて呼んだらいーの、スイ様!?
そ、オニーサンは、アマツ……アマっちゃん。よろしくよろしくーってことでネ!

【怒られてもげらげら笑いながら、それで――海津にはヘンな綽名をつけて呼び始める】
【無論嫌がられればやめるだろうけど。他人とはそういう距離の取り方をする人種であるらしかった、この卵焼きの青年は】
519 :海津 ◆u/u3nMGIQw [sage saga]:2018/07/17(火) 00:33:59.12 ID:+x+FmFTE0
>>518
全然、入道雲の流れを見たり、山を見たり、波の音を聞いたり、好きだよ

【どうやら、彼は積極的に騒ぐより、そこにあるがままを楽しむ人間のようだった。言うなれば自然体】
【海と共にある者。それが彼だ】

へぇ、神様に会ったことがあるんだ
凄いねぇ。神様になんて、誰も会ったことなんてないと思っていたよ。けれど、会う方法は知らないのか
……申し訳ないけど、神様に簡単に会えるとは思わない方が良いと思うな

【残酷だが、事実である。神とはこの世ならざる存在。本来、現世の存在が出会ってはならない存在だ】
【それにどうにかして出会おうとするのなら、それ相応の代償が必要となるだろう】
【余談だが、彼が口を開いた時、スイがどこか寂し気に小さく鳴いていたことを彼は知らない】

わからないねぇ。でも、とりあえずスイと呼んでいいよ
あぁ。よろしくオムレツ。さて、そろそろ行かないとね……なんだか、スイが他の場所に行きたいみたいで

【そして、彼は腰を上げる。どうやら別れの時が来たようだ】

また会おう、オムレツ。君が神様とやらに出会えることを祈ってるよ

【彼はオムレツの旅の幸運を祈ると、街並みの中に消えていった】
520 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/17(火) 00:41:26.42 ID:jgVXuI8r0
>>519

フーン。おだやかなのがスキなんだ、じゃあおれが泳いでるの見ててよ。

【いつの間にか話が「今度一緒に海行こうぜ」的な方向に持っていかれている。なにかがおかしい!】
【けれどそんなことを言うくらいには心を許しているようだった。だからもう、最初に向けたみたいな警戒心はどこにもない】
【続く話を聞いて。「やっぱそうだよねえ」、と零して、また寂しそうに笑ったなら】

……ありがと。アマっちゃん、……スイちゃんも。
祈ってくれるだけでじゅーぶんだわ、……わりとおれ、思ってた以上に落ち込んでたっぽい。
だから話聞いてもらえて、ちょっと、うれしかったよ。ほんとありがとネ、

………………うん、また! そんトキには記憶戻ってっといーネ、そしたらさ!

【「お互い本当の名前教え合いっこしよーぜ」。去り行く背中にそう声をかけて――届いたかどうかは知らないけど】
【卵焼きの青年もまた、海津にとってのしあわせを祈って。手を振って――――座っているのはそのまま】
【難易度のひっくそうな、絵ばっかりの本を読む作業にまた没頭して。……目が疲れるまでずっと、そうしていることだろう】


//ありがとうございました!
521 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/17(火) 21:03:09.01 ID:L3/KGQyR0
【路地裏】

【奥深い場所。一般人なら立ち入らない、裏の住人が行き交う薄暗い広場】
【その一角がひどく荒れていた。積み重ねられたゴミ袋が燃え盛り】
【また一方では壁一面が凍結して、無数の氷塊が積み重なっている】

【間違いなく能力者同士の闘い――なのだろうが】
【一対一の構図が成り立つはずの戦場に置いて、まず見て取れるのはただ一人であった】


はぁっ……! はっ、……く…。
……いくら路地裏が魔境だからって、あんな化物聞いてません……っ。
何なんですか、一体アレ≠ヘ……ッ!


【女性の姿を模した妖狐、だろうか。三本の尾は元気なく項垂れ】
【向かって左が亜麻色、右側が新緑色という】
【独特な毛並みをした和装の彼女は、全身に様々な傷を負っていた】

【切り傷、打撲、鞭で打ったような蚯蚓脹れ。――明らかに交戦の後だ】
【そして今も離脱の最中なのだろう。片膝を突きながらも立ち上がろうとして】
【次の逃げ道を選ぶように――幾つかに枝分かれした道に、目をやった】
522 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/17(火) 21:36:00.04 ID:jgVXuI8r0
>>521

――――――あれ、なんか超すずしー。ナンデナンデ?

【ひょこん。分かれ道のうちひとつ、角から顔を出す影がひとつ】
【小さな頭だった。真っ白い髪をツインテールに纏めた、空色の瞳の少女】
【きょろきょろ辺りを探るように視線を彷徨わせ、そして凍り付いた一帯を見れば】

わーすっごい!!! めっちゃ涼しそうじゃんいーないーな!!!
ねね、お姉さんがこれやったの? いーねっ超夏向き、ちょー便利そう、
……ってのは置いといて、なんかヤバいののに追われてる系? 大丈夫?

【あんまりにも場違いに、きゃっきゃと声を上げて笑うのだ。そうしながらも】
【目の前の彼女の傷を見て、首を傾げ。明らかに大丈夫じゃないだろう、わかってるだろうに】
【そんなこと言いながら――手をくいくい、こっちおいでのジェスチャー】

ねーね、なんかヤバいのいるの? じゃあコマがやっつけてあげよっか!
あのねコマ、これでもけっこー強いんだから! きっとお姉さんもびっくりするよ、
だからほらほら、こっち来てこっち来て!! コマがずばーんとやったげるから!!!

【にっこり笑ってそう言うけど――見た目はただの少女にしかすぎないから】
【あまりにも頼りなく思うだろうか、けれども。……「これ」を「囮」に利用する、という手もなくはない】
【そこらへんは狐の彼女の良心次第だけども。とりあえず協力者っぽいのが、現れたのだった】
523 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/17(火) 21:58:00.76 ID:L3/KGQyR0
>>522


っ……こーゆータイミングで貴女みたいなのに会うと
一瞬自分がどういう立場だったのか忘れそうになりますよ……
……大丈夫じゃないです。ヤバいじゃなくて超ヤバい≠ですって……!


【今にも肺が潰れそうな疲労の中に入り交じる、嬉しい違和感】
【一見すればただの少女。そのはしゃぎ方は元来妖狐の好む所ではない】

【――が、当然少女はそんな事、知ったことではないだろう】
【彼女に取っては、手招きした妖狐が慌ててそちらへと駆け込んできた】
【そして近くで見ればやはり傷だらけで、"マズい"状況なのだと感じる――それが事実だ】


コマ……?……あぁ、貴女のお名前ですかご丁寧にどーもっ!
……クズノハっていいます。あの、助けてくれるのは大変結構なんですが
老婆心ながら申し上げますとですね……逃げません?あぁほら、もう…――!


【取り敢えず、少女に隠れるようにその影へ。幸いにして、というか】
【"コマ"と自称する彼女の事を囮にする気はないらしかった。なぜなら】


【今しがたクズノハが飛び出してきた路地から、今飛び込んだこの道へ】
【突然突っ込んでくるからだ。蒸気機関車≠ェ丸々一両、1/1スケールで。】
【ベキベキと路面を踏み潰しながら、狭い路地に煙を巻き上げて邁進する鉄の巨人】
【放って置けば轢き潰されるだろう――妖狐なりに、対策をしている様子は伺えたが】

【――この攻撃≠ェ少女の予想内だとしたら。彼女は、どう対処するのだろうか】
524 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/17(火) 22:13:00.20 ID:jgVXuI8r0
>>523

え〜?? チョーがつくほどヤバいってなんなんだろ、話通じない系のヤバい人?
それともなんかすっごい強い人? うーんどんなだろ、……あっそうコマ!
コマはね〜駒子っていうの、へ〜お姉さんはクズノハさんってゆーんだね!
じゃあなんて呼ぼうかな、クズって二文字はあんまり使っちゃダメだよね、だから――――

【ほっといたら多分このままノンストップで喋りつづけるだろう。それこそくるくる回る駒みたいに】
【そんな中で想像しているのは「ヒト」の姿ばかりだった、あまりにも呑気に続けられる言葉は――】
【――――がっしゃん。轟音によって崩されるのだから――ぱち、と目を見開いて】


――――――え? ヒトじゃないじゃんムリムリ、デカすぎだし堅そうだしマジムリ〜〜〜
……えーっこんなの聞いてなあい! なんでなんで、こんなのが路地裏にいるのお!!
逃げる逃げるチョー逃げるよコマ、えーっとえーっとね……、

【ぎゃーっとオーバーリアクション。ツインテールを逆立てるみたいにして吃驚してから】
【伝えるのは「これはあまりにも想定外すぎて、ムリ」とのこと。まあそりゃそうだろう】
【だけど、クズノハを置いて逃げるという考えもないらしい。ちょっと考えてから、腕を上に伸ばし】

【――数度振るう。するとその軌跡の上に、空色をした「線」が顕れて】
【何本も何本も。それは真上に発射され――ある程度のところで停止する】
【それを何度か繰り返したら、丁度階段のように。上りやすく段々になって――路地裏、建物の上に行けるよう】
【そんな風に「固定」された。こういう「線」の生成と操作が、少女の能力なのだろう】

――――ていっ、ていっ! 超即席コマカッター、で作った超てきとう階段!
ね、ね、クーちゃんこれ乗れる? さわるとよく切れるヤツなんだけど、えーっとね、
たぶんクーちゃん凍らせる能力者? なんだよね、それで凍らせればすぱっと切れずに乗れると思う!

【そう言いながら、少女はひょいひょいと線の上を駆け上っていく――何故か履いているトゥ・シューズの爪先立ちで】
【少女の選択としては、「まず機関車の届かないだろう『上』のほうへ逃げること」だった。さて、正解と言えるだろうか】
525 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/17(火) 22:32:47.47 ID:L3/KGQyR0
>>524


だから言ったじゃないですか超ヤバいんですよもおおぉぉぉぉー……っ!


【蒸気機関車は、紛れもなく石炭を燃料として発生したスチームで走るソレである】
【線路のない場所を驀進すれば、当然道の左右をガリガリと削り取り】
【古ぼけたネオンの看板などは吹き飛ばし、小石は漏れなく磨り潰す】
【圧倒的なプレッシャー。普段開けた場所を走る存在であるからこそ】
【あまりにも不釣り合いで、そして"近すぎる"ことが恐ろしい】

【――だが事もなげに能力を披露する少女に、クズノハは少なからぬ期待を抱いた】
【少なくともこれは光明だ、と。言われるがまま、右手を先の階段へ翳すと】

【ひゅう、と吹く冷風。瞬く間に其れは吹雪へと代わり、極寒そのものへと成り果てる】
【魔術とも違う。能力なのだろう、線の階段を凍らせて上への逃げ道を確保すれば】
【脱出――壁の側面を削られた雑居ビルの屋上へと、飛び込んで】


はぁ、ッ……まあ、取り敢えず……助かったということ、です……。
……駒子さん、でしたっけ。何やら不思議な能力をお持ちのようですが
やっぱりアレ≠なんとかするというのは「もしもーし。」


     「―――ねえ、何処へ行ったんだい。」


【足下では、路地をぶち壊す形で蒸気機関車が横転していた】
【多量の瓦礫が埃を舞い上げ、脱線事故の現場そのままに奇妙な静寂があった】

【そこに交じるは男の声。よく通るその声は、先程蒸気機関車が飛び出した方向から】
【やがて足音を含めて聞こえてくる。夏場であるにも関わらず豪奢なコートを纏った"彼"は】
【胸元に届く程度に金の髪を伸ばした、何か――芸術家然とした、優男】

【――氷の階段は、機関車が突っ込んできた時に巻き込まれて崩れたのだろう】
【だから見失っている≠フだった。それを少女がどう捉えるかは――無論、彼女次第だ】
526 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/17(火) 22:43:19.87 ID:jgVXuI8r0
>>525

んーアレねー、コマのあやつるこの線で切れるんならなんとかなるかもーだけど
アレ絶対ムリぽくない!? めっちゃカタそうだもんムリムリ、ってことで
やっぱクーちゃんもいっしょに逃げよ、ねっそれがいいよ、……って思ったんだけどさっ、

……あの機関車と戦ってできたケガ、ぽくないよね? クーちゃんのそれ。
ねえそれどうしてできちゃったの、あの中に人が乗ってたりしたのか、な――――

【まず語るのは、「機関車はさすがに壊せないかなー」って軽いノリ】
【意気揚々と助けに入っといてなんなんだって感じだろうけど、まあこんなノリが続くんだから】
【多少慣れなきゃいけないんだろう、クズノハは。それで次の話題、】
【……あんな大きなモノと戦っていて、なんで「そんな」傷で収まっているのかって。そんな疑問】
【抱いた瞬間――――だれかの声を聞いた。ぱっと振り返る、ツインテールを棚引かせ、建物の下を見て】


……クーちゃんクーちゃん、あの人が、クーちゃんにケガさせたの?
じゃああの人悪い人? だったらやっつけなきゃ、コマね、「トリカゴ」の子供だから――

【「悪い人は見過ごせないの」。そう言いつつ自身の所属を名乗る――人工能力者の養成機関】
【それは確かに派閥としては、正義に属するものだった。だから現れた彼を放っておけないなんて言うけど】
【……クズノハですらここまで手こずる相手。そんなもの、きっとこの少女にはどうしようもないだろうって】
【それくらいはわかるだろう。だけど少女は、ぱっと飛び出そうとしていく。青年の元へ】
【止めるか止めないかはもう、クズノハに委ねられることだ。とにかく少女は止まらない――青臭い正義感を隠しもせずに】
527 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/17(火) 22:57:12.61 ID:L3/KGQyR0
>>526

【傷のことに触れられると、駒子――コマの言葉に静かにうなずく】
【「機関車と戦ったわけではない」のだと、それで分かるだろう】

【或いは察しが良くて、想像力が豊かで、そもそもそんな発想が出来るなら】
【路地裏に突如出現した機関車はただの攻撃一回分だった=z
【――だとか。それこそパンチ一回と同列な存在、なんて考えうるだろうか】


……ええ、まあ。私も軽率でしたよ、こんな時期にあんな格好……
明らかに妖しい人だったわけですが……声を賭けたのが運の尽き、で……ぁ、ちょっと……!


【「トリカゴ」――噂程度に聞いたことがある。だが問題はそこではない】
【眼の前の少女が、正義感を理由に男の前へと飛び出していくことだ】
【止めようと、咄嗟に手を伸ばした。――届かなかったのは、傷のせいか】

【なんにせよ、少女は"彼"の前に文字通り躍り出るのだろう】
【土煙はようやく収まって、機関車が轢いた道はおあつらえ向きに真っ平ら】


「……おや、君は?さっきの狐さんとは違うね、素敵な靴だ。
 バレエでも踊ってくれるのかな。くるみ割り人形≠ナもかけようか」


【――なんだろうか、この違和感は。悪人、というには優雅すぎる】
【ただし呆けたものではない。奥深い、底の知れない、危うい人間性】
【それを感じさせる、"オーラ"――敵意を剥き出しにするタイプでもないらしい】
【むしろ教養を思わせる言葉を掛けて、楽しそうに微笑んでみせた】
528 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/17(火) 23:07:02.90 ID:jgVXuI8r0
>>527

とーう! コマ着地、あーんど参上!
あらわれたなーっ悪い人めっ、コマが成敗しちゃうんだか、ら……

【屋上からジャンプ、空中で何度か「線」を描いて、さっきみたいに階段にして】
【やっぱり爪先立ちで降りていく、硬いはずのトゥ・シューズの先端から着地、けれど音を立てないのは】
【この少女がバレエに関してはそれなりの練度を持っているからだった。……それはさて、おいて】

……、……、え、あれ? わるい……人? ぽくなくない?
えっとね、コマたしかにバレエ踊るよ、くるみも一通り踊れる、金平糖のヴァリエーションだって……

…………ってそれはどーでもいいよね! お兄さんだあれ、悪い人じゃないの!?
なんかね、クーちゃん、いっぱい怪我してたから悪い人にやられたんだと思ってたけど、
でもなんか……お兄さんそう言う人に見えないの。どうして? もしかして、悪い人じゃない?
……じゃあ別の人にやられたのかな、クーちゃん。じゃあその人を探さなきゃ……

【混乱したようにきょろきょろ辺りを見回す、他に「悪い人」がいないかって】
【頭が動くたびにツインテールの先っぽが踊って、暗い空気に軌跡を描いて、それもいつしか止んでしまう】
【戻ってきた視線、空色の瞳はやっぱり困ったように青年を見やって――一歩、踏み出す】
【「お兄さんは見なかった? 悪そうな人――」 そう言って、なんにも警戒しないのだ】
【底知れぬオーラに気付いているのか、いないのか。たぶん後者、困り顔のまま、近付いてしまって――】
529 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/17(火) 23:37:45.24 ID:L3/KGQyR0
>>528



「おや、それは本当に?それならガイーヌはどうかな
 エスメラルダなんてどうだろう。君ならきっと踊れるよ、とても綺麗に。」


【背後で未だ機関車の車輪が空回りしているとは思えない会話だった】
【バレエの話。普通、街中でだってしないような内容で】
【にこにこと笑う男は、続く少女の言葉を聞いているのか、居ないのか】
【それがまた、妙だった。「悪い人を探している」――どうあれ返事が無いのが、厭で】


「君は誰かを探しているんだね、なら一緒に探そうか。
 それが人の幸せのためだから。人は、幸福にならないといけないからね。
 コマ、というのかな。君は誰かのために人を探しているんだね。
 とても良い子だ。でも、そうだ。君が探しているのはどんな人かな。
 男の人かな。女の人かな。さっきから言っているクーちゃんって、誰のことだい。
 それはもしかして、綺麗な緑と金色の狐さんじゃないかな。
 僕も彼女を探しているんだ、彼女も探しものをしているようだったから。
 連れて行ってあげないとと思って。それが、僕の義務だからね。
 皆そこへ連れて行ってあげないと、でないと可愛そうだからね。
 君もそう思うだろう。そうだ、君も一緒に行こうか。
 あそこなら悪い人も居ないさ。みんないい人だからね、みんな幸福なんだ。
 さあ行こうよ。一緒に行くんだ、捜し物をしに、オメラス≠ヨ。」



      ――――何やってんですかッ、駒子さんッ!!


【それは支離滅裂な言葉の羅列だった。前後の言葉はつながっていない】
【思考が形をなしていない。滔々と、詰まることなく流暢な言葉であるからこそ】
【それは異常だった。悪ではない、けれど決して正常な正義などでは微塵も無かった】

【――少女の踏み出す一歩先に、冷気が走る。その歩みを止めろと警告するように】
【屋上から身を乗り出したクズノハが凍らせたもの、だった。そして】



             見つけた。



【眼の前の少女から、男は意識を離す。両手をクズノハが居る建物の上空に向けて】
【それはまるで映画のワンシーンのような――言ってしまえば、ありえない光景】

【――全く何も存在しなかった空間に、十字架を掲げた教会の尖塔が現れて、降ってくる】
【魔術ではない。視界に入った三秒後、巨大な尖塔は轟音を立ててビルに激突し】
【周囲に煉瓦の欠片を撒き散らし、ともすれば大きな破片をも落として】
【機関車にぶつかればガコンと音を立て――ビルは、最早建造物とは言えない形と成り果てる】

【クズノハの姿は、無い。僅か十数秒で、居るのはただ、目の前の男一人だけになっていた】
530 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/17(火) 23:50:43.18 ID:jgVXuI8r0
>>529

あ、お兄さんもしかしてバレエけっこうわかる!?
ガイーヌもエスメも好きだけどね、コマね、一番好きなのコッペリア!
スワニルダのヴァリエーション見たことある!? あのね、イタリアンフェッテが……

【好きな物の話になるとぱあっと顔を輝かせてしまう。あまりにも単純に】
【それで勝手にぺらぺら喋りだろうとして――だけど、気付く。会話になっていないって】
【此方からの言葉に、返答をしてくれない。そればかりかよくわからない話を一方的にされている】
【これにはさすがのおバカな少女も、たじろいでしまって――踏み出した足を、退こうとして】

……、……えっと、えっとね? 人がしあわせにならなきゃ、っていうのは、
コマもそう思うの、思うけど、……あれ? え? なんの話してるの、お兄さん。
そうだよクーちゃん、クズノハって言うんだって、うんそう綺麗な髪の狐の、……、

――――連れてくってどこへ、……なんの話、オメラスってなあに、お兄さんねえっ、

【「なんだか怖いよ、やめてよう」 ――――そう言うと同時、クズノハの声が響き渡って】
【足が冷たいというのをまず感じる。それからぱっと上を見て、クズノハが此方を見ているのを】


【 見た、のに。 】    【 (轟音) 】



……………………え、なに、……え、え、……えッ!?
やだっなにこれっ、……クーちゃん!! クーちゃんクーちゃん、……やだあああ!!!

やだ、やだ、やだ……やだよお兄さん、何したの、クーちゃんどこやったの!!
ねえってば、ねえ……やめてよこんなの、ひどいよ、……悪いことだよ、ちがうよ、
こんなので人は幸せにならないよ!? それくらいわかるでしょっ、ねえってば……

【――――がらがらがらがら瓦礫が雪崩落ちてゆく音の中。少女はすっかり混乱しきって】
【喚きたてていた。青年に向かって。今にも泣き出しそうな顔をして――それでも逃げない】
【あるいは逃げられないくらいに、混乱、恐怖しているのか。脚はすっかり震えて、今にもへたり込んでしまいそう】
【けれど眼前の光景を否定することだけはやめられなかった。こんなの、絶対、幸せじゃないって】
【言うだけ言って――――何もできない。完全に怯え切っている、今にもこぼれ落ちそうな涙、目にたくさん溜めて】
531 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/18(水) 00:02:31.95 ID:hx0ytm+Q0
>>530

【ガラガラと瓦礫が崩れ落ちてくる。辛うじて基礎の柱を一本と】
【壁が二面分だけ残ったそれは、最早残骸≠ニしか言いようがない】
【しかし、さっきもそうだった。巨大な破壊の後には奇妙な静寂が付随する】

【再び舞い上がった埃の中に、ガラリと後を負って崩れる石造り】
【その音が、なぜだか幻想的に耳に響き、心地よい】
【物質はいずれ何らかの形で崩壊する。破壊の美が、そこには小さく輝いていた】

【――男の笑顔は揺らがなかった。弛まぬ微笑、それは狂気だ】
【自らの破壊に満足するように、少女の言葉がまったく未知の言語で構成され】
【何を言っているか理解できないというように、返答は無く】

【一歩、近付いた。泣き出しそうな少女へと、180cmを超える上背が歩み寄り】



       さあ、行こうか。君も一緒に、オメラス≠ヨ。



【それが君の幸せだから。それがみんなの幸せだから。なぜならそれは、義務だから】

【とても正常なようでいて、確実に歯車の噛み合っていない会話だった】
【男は手を差し伸べる。絵筆を持ち、鍵盤を弾くのが似合いそうな細い指】
【武器なんて持っていない。素手。それにもかかわらず、ボクサーの拳以上に殺人的なその掌は】

【もし、まったくの抵抗が無いのなら――確かに少女の手を、そっと優しく強引に掴むだろう】
532 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/07/18(水) 00:16:57.63 ID:AsmwZbNP0
>>531

――――――っぐ、うぅ、クーちゃん、クーちゃんどこ、クーちゃ……

【……逃げないのは。クズノハの安否が確認できないから、それもあった、けど】
【堪えきれなくなった涙がついに一粒ぼろりと零れ落ちて。そうしたら全部頽れてしまう】
【ぺたん、とその場に座り込んだ。そしてぶるぶる震えて――だというのにまだ、】
【「クーちゃん、クーちゃん……」 未練がましく名を呼び続けるのだ。姿も形も、見えないのに】

……っひ、や、やだっ…………助けてッ、助けて「ネム」!!
ネム、ネム、ネム――――やだあああ、ううう、クーちゃ、ネム、クー、……うううっ、

【一歩。近寄られれば、ここにはいない誰かの声を上げて泣き叫んでしまう】
【そうしながらもまだ、未だにクズノハを諦めきれてもいない。あんまりにも往生際が悪かった】
【やがてその思考は混乱を極め、「ネム」と「クーちゃん」、どちらを呼べばいいのかすらわからなくなって】
【呂律も何も回らなくなる。のに、頭と視界はずっとぐるぐるぐるぐる回り続ける気がして――――】


【 触れられようとした瞬間。ぱしゅん。と、音を立てて。少女の姿が唐突に消える 】


【――――「トリカゴ」の子供たちが使う特殊能力のひとつだった。「ハバタキ」】
【女子である「小鳥」が使える機能。パートナーの男子、「止木」のもとへ瞬間移動する技】
【それでもって、少女は世界の何処かに居るパートナー――おそらく「ネム」と呼んでいた少年の元へ】
【逃げてしまった。クズノハを置いて、……あきらかにおかしな人を放ったまま。それは正しく、】

【正義の味方として。まちがった行為だった、――――きっと少女はこれからずっと】
【それを悔いることだろう、実際、少女は飛んで行った先――パートナーの少年のもとで、ずっとわあわあ泣き続ける】


…………こわい、こわい、こわいこわい……「オメラス」、って、なに……っ、

【――――僅かに掴み取れた情報だけをなんとか伝えて。その日はずっと、泣き喚き続けることだろう】


//ちょっと強引ですが、ここらへんで〆させてもらって大丈夫でしょうか……!
//「ハバタキ」で飛んで行った先は風の国の「トリカゴ」本部敷地内で、それを感知してもらったりしても大丈夫です!
533 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/07/18(水) 00:34:12.51 ID:hx0ytm+Q0
>>532

【少女の悲痛な言葉に、答えてくれる声は無い】
【それが死≠意味するのかどうかすら、この瓦礫の山では分からない】
【通りかかる人影もない。居るのはやはり男だけで、そしてその手は――】


……おや。


【――空を掴む。確かに握ったはずなのにと、手を何度か握って、開いて】
【そこに少女の手がないと理解したように、何処か悲しそうに立ち上がり】


残念だな、本当に残念だ。助けてあげられなかった……ごめんね、踊り子の君。
……でも次は。きっと僕が連れて行ってあげるから――嗚呼、良い夜だな。


【それは独白だった。決意にも似て、やはり言葉はまとまっていなかった】
【要領を得ない。紛うことなき雅な狂人は、そこに見えない観客が居るかのように】
【大仰な礼を一つして、静かに路地裏の闇へと消えていった】


        【夜中の路地裏を蒸気機関車が走る=z

【そんな都市伝説がまことしやかに語られる。誰か、観測者でもいたのだろうか】
【けれどそのお話には、必ずと言って良いほど「ですが誰も怪我はしませんでした」という】
【オチないオチが付いて回る。どれだけ尾ひれがついても、それだけは変わらないのだった】

【――――誰も居なくなった路地裏に、がらり、と瓦礫の音が鳴った】


/じぇんじぇん問題ありんせん!むしろ時間的にもちょうど良かったり!
/折角なので感知しちゃったことにさせて頂きつつ……
/遅くまでお付き合い感謝です、ありがとうございました!
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/18(水) 16:40:11.63 ID:T23l6wXC0
【街中――――路地裏】
【うだるような暑い午後だった、焼け付くような大通りはいつもよりあからさまに人が少なく、歩くのも死んだ目の大人ばかりで】
【かといって路地裏に踏み込めば、狭苦しい道にはぎっちりと出どころをあまり考えたくないような湿度と熱がこもっていた、勝手にサウナに鞍替えしたよう】
【であれば並大抵のチンピラみたいなやつがいるはずもなかった。誰かが居るとしたらそれはきっととっておきの訳ありか、よほどの用事があるに違いなくて――だから】

………………――みんな、どこに、居るの……?

【――時としてそのどちらでもある人間も、居るんだろうから】

【――――少女、だった。まだどこかにあどけなさを残す顔、であれば大人ではありえなくって、けれど、子供の時代はいくらか通り過ぎて】
【ほんのわずかな二つの要素が重なり合う、その瞬間に立っていたなら、――年頃は十七ほどに思わせた。どこか冷ややかな造形の顔を、けれど、わずかに歪めて、歩くなら】
【透き通るようなウィステリアの髪は真っ白なうなじのほとんどにもかからないようなショートヘア、初雪みたいに白い肌に映えるのは、あまりに鮮やかなマゼンタ色の瞳であって】
【オフショルダーの白いワンピース、くしゃりとギャザーを寄せた胸元にひどく柔らかそうな豊かさを収めたなら、歩くたび、とすん、と、小さくなく揺れ】
【むき出しにされた両の腕はきっとどこか不安そうな仕草でどこかをうろついていた。無意識の手遊びの温度感は、――けれど、その左腕が何もかも否定するように】
【ひどく鮮やかな色彩が刻み込まれていた。まるで生きているかと思わすほどに精巧な、精巧すぎるほどの、蛇の入れ墨。――――"それ"だけで何かは十分であったんだけれど】

【――テレビを見ていた。その程度でも、"彼女"が"誰"かを思い浮かべるのはたやすいのだろう】
【先だって壊滅した蛇を崇める宗教団体――その行方不明/生死不明とされていた幹部であった。そしてそれが分かれば名前さえ容易いだろう】
【蜜姫かえで――、数年前に失踪していた少女の存在が数年ごしにカルト団体にて確認されたと言うこともあって、下卑たワイドショーで話題に取り上げられることも、多く】

【――――――けれど"本人"はそんなの気にしていないみたいに、地獄だってもうちょっと過ごしやすそうな路地裏を、ただ、歩いているんだろう】
【だけれど現実は少しだけ違っていて――少女は絶えず周囲に対して魔力を散らし続けていた。蛇教にて使われていた魔術形態。蛇念――で以て、ずうと、誰かへ呼びかけ続けている】
【そしてそれはきっと残党を探しているのに違いがなかった。――この温度の中でほんの少しの汗もかいていない様子なら、何も事情を知らずとも、どこか異質に映るんだろうか】

【――譫言みたいな声音が零れ落ちる。スズランみたいに冷たげで甘い声も、こんな場所で聞くなら、――ただおかしな風にしか聞こえなくって】

/途中いくらか外出したりしてしまうのですが、日付変わるころくらいまではのんびりお待ちしております……
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/18(水) 17:04:36.15 ID:T23l6wXC0
>>534
/途中いくらかって書いたんですが、すぐに出ることになってしまったので離席しますっ
/帰るのは夜ごろになるかと思います。お返事は戻ってからになります……
536 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga !蒼_res]:2018/07/18(水) 20:46:52.78 ID:AsmwZbNP0
>>「トリカゴ」所属人員

【――――――――「ぴぴっ」、】


「みんなおはよう、こんにちは、こんばんは――――君たちの“飼主”だよ。聞こえているかな?」

【それは「トリカゴ」の子供たちの頭の中に、唐突に聞こえてくる声。彼らが使う「サエズリ」にも似て】
【けれどそれと違うのは、返信ができないことである。ならばそれは――本部、「電波塔」から送られてくる】
【“飼主”からのメッセージに違いなかった。普段は出撃命令などの際に使われているけど、今回は――?】


「これは注意の呼びかけだ。よく聞いてくれ。“駒鳥”が、こわい人に遭ったという――――
 ……なんでも、『オメラス』なる場所へ行こうと誘ってくる大人――金髪の男だそうだ」

「普段、僕は君たちに、可能な限り能力を使って『ただしいこと』をしろ、と教えている。
 けれどね、今回ばかりはそうしちゃならない。それくらいに危ない相手だと、僕はそう判断した。
 だから。『オメラス』なる単語を使ってくる人と遭遇したなら――――」

「――――ただちに逃げるようにしなさい。彼方から攻撃を仕掛けられても、逃げることに専念すること。
 もしその場に他の誰かが居て、巻き込まれる可能性があったとしても――無理に助けようとしなくていい。
 それくらい危険な相手だ。逃げなさい。ただただ、逃げるんだ。その際には『ハバタキ』でも、能力でも、
 なんだって使っていい。とにかく逃げて、――――『オメラス』へ連れて行かれないようにすること」

「……わかってくれると、うれしい。それじゃあおやすみ、僕のかわいい子どもたち――――」


【――――――――「ぶつん」。】

【それで終わる。「電波塔」からの緊急連絡――――こわい大人にはついていかないこと。それだけのことだった】


//連絡的なサムシング!反応は不要です、「トリカゴ」の子供たちだけ受け取ってください!
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/18(水) 21:57:59.82 ID:7BgOll/h0
>>534
/雑談に書いただけだったので……まだまだのんびりお待ちしておりますっ
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/07/18(水) 23:59:22.64 ID:p9yZG8iT0

>>534

【路地裏。ざり、という音が微かに鳴って】
【注意して聞かなければ耳に入らないようなそれは誰かの靴音】

【ざりざり、ざり──】

【少女の背後、数メートル。そこで音がピタリと止む】
【それからその空間に流れるのは静寂と何かの気配と、周囲よりかは少しだけましになった程度の生ぬるい空気で】

【十数秒にも数分にも感じる静寂の後】

【──ひゅう】

【突如風切り音と共に少女の右肩と左腕目掛けて直径数cm程の氷柱が飛ぶ】
【音に気付けば何らかの対策を打てる筈、なのだが】


──行方不明の幹部さんが暢気にお散歩?
よっぽど優秀な騎士でもついてるの?
【くつくつと笑う声は"あの日"よりも高く愉しげで】
【振り向いたのならばそこに立つのはやはりあの日の少女】

【月白色の肩にかかる髪に大きな生成のキャスケット。藍色のノースリーブのワンピースに紺色のローヒールのストラップパンプス】

それとも、お仲間に棄てられて自棄っぱちにでもなってる?
介錯ならしてあげるけど……
【楽に死ねる、なんて思わないでね?なんて金色の瞳を妖しく揺らめかせて】

ああ、それから──


『儀式』失敗、ごしゅーしょーサマですっ♪

【そうしてついでに、といったようにやはり愉しげにそんな言葉を投げ掛けて、きゃら、と嗤う】

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