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【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/08/07(火) 11:05:10.10 ID:tKUokTiyo
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

この世界は「多様性のある世界」です。
完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
コテハン「推奨」です!
基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
スレチなネタは程々に。
スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

 勝手に世界を氷河期などにはしないように。

能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1529837308/
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/08(水) 23:30:25.50 ID:qWwqElHz0
>>1おつです!
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/08/08(水) 23:44:02.92 ID:5ocWv4GJo
>>999

【雨粒の作用に似ていた。それは確かに水として存在していながら、次の瞬間には溶けてしまって】


善悪の二元論で語るには、この世界は複雑ですからね。そうでないと、私は答えたいと思ってしまいます。
私が救ったのは彼らではありません、貴女です。──── そこをお間違えなき様に
それに私は所属もありません、ただ私として存在しているという表現が正しいですから


【そう言って彼は続く言葉に耳を傾ける、それは悲痛な叫びに似ていた】


『ありません』──── 私が誕生してから一度も、そのような経験は存在していません。
その口ぶりから察すると、どうやら貴女の身には起きたのでしょうか。──── お労しいことです

嘘をつかれ、バカにされたとは、どの様に?
4 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/08(水) 23:56:54.44 ID:+AujCLXS0
/>>1乙!

>>前998

――――そりゃまたどうも。世の中の人間たちが聞いたら、胸を張るか怒り出すか、どっちかだと思いますけどね
しかしあなた、やはり随分と変な事をいうもんですねぇ。その超然っぷり……ただのエリートの余裕とは、なんか違うように思うんですが、ねぇ?
確かに人間の『群れ』のカオスは、どこどこまでも飽きの来ない、万華鏡の様なものでしょうけど……あなたという『個人』のカオスも、それに負けず劣らずなんじゃないですか?
――――本当に何者だってのよ、あなた……

【本気とも皮肉ともとれる人間賛歌に、イーレイも首をかしげている】
【今の世界情勢が、ここ近年でも特にドロドロとしたものになっている事は、ちょっとでも真面目に見つめている人間なら、すぐに分かる事だ】
【正義の権威の失墜、カノッサ機関の奇妙な沈黙、表には華々しく、裏には腐臭を隠している新世界の足音、そして世相の裏を覆う、陰謀論の枠を超えた蠕動――――】
【世界は、かつての白と黒で二分された世界から、まだら模様へと移行を始めている――――正に、人間の負の側面そのものの様に】
【それを興味深いというのは、よっぽどの好事家か悪趣味か、或いはそれを他人事としてみている人間か――――】

――――そう「存外に狭い」……そいつが問題なんですよ
あんたたちがただの仲良し同士――――なんならカップルででもあったなら、それはそれでいいってもんです
……でも、それが私に革新的なコンタクトを取ってくる理由になる訳じゃないでしょうが……あなたたち公安だって、そこまで暇じゃないでしょ?

【カチューシャの評価を得た事は、イーレイも手ごたえから掴んでいる事だった。だが、そこに嵯峨野との繋がりを考えるには、どうしてもミッシングリンクを見出す事になる】
【そしてその一点ゆえに――――この嵯峨野という男は、得体が知れず、不気味なのだ――――恐怖は常に、未知から発生する】

――――仮説、ね……
――――そりゃ、スパイ草の根お手の物、腹芸裏芸なんでもござれな、あなたたちだもの……どこでどう繋がっていようとも、おかしいなんて事は――――
(そう……おかしくはない。なんだったら、実は同じアイデンティティを掲げてる事だって――――)
――――機関だろうが公安だろうが、今、そんな枠さえ超えた『妙な縄張り争い』があるなんて、小耳に挟みましたけどねぇ……まさかあんたら、その帰属で一緒、なんて事は無いでしょうね……?

【首へと突き付けた鍼を、ようやくに引っ込めながら。イーレイは思案に暮れつつ、答えをポツポツと口に出していた】
【――――イーレイは知っていた。表向きの『組織』の枠から外れて、形成されつつあるもう1つの『組織』の存在を】
【そこならば、機関と公安が手を組んでいることだって、十分に考えられる、正に現代世界そのものの暗部と言うべき、2つの派閥】
【――――そこで、彼らが繋がっている事。それがイーレイの脳裏に閃いた『仮説』だった】
【――――カチューシャの前歴については、ほとんど知識がないに等しいイーレイには、さらにその奥の正解までたどり着く事は、出来なかったのだが――――】
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/08/09(木) 00:07:42.27 ID:tW0us9zNo
>>4

【──── 嵯峨野は笑う。まるで喜劇を観るかの如く、声を殺して静かに】


言い得て妙だね。良い表現だと感服するよ、確かに僕個人という《カオス》は、些か特異点にあるかもしれないけど
然して其れは写鏡の仕組みに近くて、集団の同位体が個人に転嫁される様に、僕という型にハマっていく。
ニンゲンという無意識の落とし子達に羨望の眼差しを向けるのは、部外者からすれば当然の仕来りだろうしね

──── 『公安』という仕事の中に、一連の行いが含まれているとすれば、事情は急激に変わるだろうか
そこを明かす事はしないけどね、流石に僕も守秘義務という役割を背負わされているから
でも彼女はまた別さ、そこにある枠組みは額縁からして違う


【語られるイーレイの仮説、少ない手掛かりから真実に到達する手腕はパッチワークに近い】


"それは陳腐さ" ──── そんな筋書きでは観客は満足しない。明確にされない伏線など、それは脚本家の自己満足に過ぎない
そう、だからこそキミは辿り着けた、全くもってその通りだ、──── 女王様は存外、ヒトを見る目がある様で

その通り、僕と彼女の共通項はその更に上の枠組みにあるという帰結だから



──── そして、それをどうして僕は明かしたと思う?
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 00:18:55.74 ID:Oy/9sGA30

>>3

……ええ、確かに何かを善か悪かの二つの内どちらかで決めつけるのは難しいし……


──残酷、だって思う

【ぽとり、と何かを落とすかのように少女は悲しげな声で呟く】

能力だって一概に悪いなんて言えないものだし……
【だがすぐに元の調子を取り戻したかのように声色を戻し、付け足すように続ける】

あくまで私、なの?それは……"そう"なってほしくないからって事?

……所属……その件は"そういう事"にしておく、今はね


……けれどももし貴方が私にとって忌むべき者だったとしたらその時は"その時"だから、覚悟しておいて?
【男が所属について答えると少女は柔らかな声で笑って】
【けれどもすぐに厳冬に襲い来た吹雪のような声色でそう続ける。あくまで、柔らかな笑顔のままで】
【それはまるで少しの嘘だって赦すものか、と言っているようで】
【それは恐らく──】

……そう、ないんだ

……悪事を企てる人間がいた
それを見咎めて声を掛けた
そいつは自分は無害な人間でございといけしゃあしゃあと嘘を吐いてまんまと悪事をやり遂げた
……私は、まんまと目の前の他人を見殺しにしてしまった

……彼奴らが今後酷い目に遭わせただろう他人を拐う事を許容してしまった……
【悔しげに吐き出された言葉。他人が誘拐されるのを実行犯の口車に乗せられたせいで見殺しにしてしまって、結果恐らくだがその誘拐された他人が惨たらしく殺された、と】
【──恐らく、ある組織の手口が浮かぶかもしれない】


7 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/09(木) 00:31:42.11 ID:ROo/6Q+F0
>>5

――――ッ

【――――冷や汗が、額から滴り落ちるのを、イーレイは感じていた。この口ぶり、もう間違いないだろう】
【どういう事情なのかは知らないが――――この嵯峨野という男、人間ではない。しかも、魔海の住人達とも、趣が違う】
【何か――――この世界そのものの理から外れた存在。それを差しての「部外者」なのだろう】
【どうやら自分は今、想像以上にとんでもない相手と対峙しているのだと、理解させられた――――これは神と言うべきか、それとも悪魔と言うべきなのか】

……やれやれ、参りましたよ。まさかそんな連中が、私の前に姿を現すなんて思いもしませんでしたからねぇ……
私はただ、私の手の届く範囲で、私にとって都合の良い世界を作って、その中で生きてこうと、そう思ってただけなんですが――――どうも、そうはさせてくれないみたいですねぇ……

【恐らく、自分程度の腹芸では、彼には通用しないのだろう。それは公安という意味でもそうだし、そして人ならざる存在という意味でもそうだ】
【こうなったらもう、シャッポを脱ぐしかないだろう――――洒落た訳ではないが、イーレイは事実、己のつば広帽を脱いで、肩をすくめていた】

そりゃあ、半ば公然の秘密みたいなもんだとも思いますけどねぇ、どうせあのカミスシティだって、あんたたちにとっては、お熱いスポットなんでしょ?
あれに、あんたたちの息が全く掛かってないなんて――――ッ、――――!?

【今の動乱に、公安が全く絡んでいないという事は、もう考えられない。ただでさえ、『黒幕』と『円卓』の綱引きの事も、朧ながら耳にしているイーレイの事だ】
【公安の中でだって、その機微は働いているはずだし、ましてや散々な喧々諤々の果てに生み出されたカミスシティもまた、公安の仕事の対象になっていないとも、考え難い】
【――――そこまでを頭の中で整理した時、ふと思考が別方向に開けた事を感じる】

(――――まさか『あの子』……妙にそっちの事情に詳しいなと思ったら――――もしかして『そういう事』ですか……!
 ――――こりゃ、次に会ったらたんまりとそこのところ、聞かせてもらわなきゃならないですねぇ……)

【そもそも、その情報がどこからもたらされたのか。そしてその情報源の不確かさ――――2つのキーワードを結び付けた時、ふと頭の中で何かが弾けるのを、イーレイは感じる】
【だが、それそのものは――――この場には関係のない事だ。後々の事として、今は捨て置く――――】

……そりゃどうも。これでも機を見るに敏な目を持ってないと、こうまで上手くやってはこれなかったもんですからねぇ……
ただ――――なぞかけに、更に謎かけですか……目端は利いても、そんなに頭が回る方じゃないんですけどねぇ

【どうやら、カチューシャと嵯峨野――――『黒幕』か『円卓』か、どちらの人間かは分からないが、そこに共に属している人間というのは、間違いないようで】
【だが、それを『元手』にして、わざわざ接触を図ってきた理由と問われると――――流石にここからは、想像だけで答えるしかない領域だろう】

――――それを知ったうえで、私に何らかのリアクションを――――いや、リアクションなんて受動態じゃなくたっていい……アクションを起こしてもらいたいから、ですねぇ?
なら、ま……オーソドックスなところで言えば、お仲間の誘いって奴ですか? ……けど、これじゃまた、陳腐なんて言われかねませんねぇ……
……何か、それ以外に求めるものでもあるんですかねぇ?

【イーレイの結論はそこに落ち着いた。共闘、もしくは雇用、それでなくても何らかの、自分たちに有益になるためのアプローチを求めている、と】
【なんなら、何らかの情報を求めての接触、その果てには尋問――――そんな可能性までも有り得る、と――――特定しきれなかった事を逆手に取り、さも「全ては想定内」と言わんばかりに振舞って】
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/08/09(木) 14:54:39.57 ID:xLeI5wdYO
>>6

【悲しげな少女の横顔、憂いの彩りは墨染に似て、緋寒桜の風情をその頬白に浮かべて見せた】
【続く色合いは新雪に近く、それでいてその下に覆い隠した蕾が、咲き誇る頃合を待って】
【《羊飼い》は落ち着いた表情を保ったまま、少女の言葉に耳を傾けているだろう】


──── 聡明な方です。その通りとお答えしましょう、力を持つ者はそれ相応の責任があります
それはその力を正しく振るう、と。──── 然るべき場所に落ち着いてこそ、力は初めて意味を持ちます
気侭に振るわれる力など凶器でしかなく、ましてやそれを誇示する事など

だからこそ私は貴女に興味を抱いた。無垢の中に生まれた僅かな濁りを、私は見逃してはならないのです
尤も勇み足だったかもしれませんが、その場合は笑い話として終止符を打てば良いだけですから

えぇ、努々忘れぬ様精進致します。──── 杞憂に終わるとは思いますが


【《羊飼い》の感情は読めない。けれども紡ぐ言葉に敵意は無く、響く音律は心地よく奏でられる】
【優しく鳴らす鍵盤の音色、澄んだ夜空を溶かしこんだ静かな海の波打ち際、漣が微かに想起される】
【何処か大海原を連想させる男であった。深い深い海の底にも似て】


──── 成程、そんな事情があったのですね。


嘘をつくという行動は許されないものです、ましてや、その先に生死が関わるとなると言語道断
それは正しく死を冒涜した行いでしょう、嘆かわしい事です


そして何より悲痛なのは、貴女がその出来事を悔やみ、悩んでしまっている事でしょう



【《羊飼い》は続ける、掌で軽く顔を覆いながら】


罪の拠り所を間違えてはいけません、貴女は救おうとした。そして果たせなかった。しかし、それは貴女が罪を持つ理由にはなりません
相手の方が一枚上手であったと、そういう事でしょう。けれども、それもまた貴女の不出来を責める理由にはなりません

"悪" とは強いものです。貴女自身が "正" として生きるのであれば尚のこと、時にその無力さに苛まれるかもしれません
けれども、正しい生き方を曲げてはならないと私は思います。それは貴女自身の知性の敗北に他ならないのですから


貴女の行いは正しかった。その事実こそが、認められるべき功績です


【男の思想はシンプルであった。相対的な周囲の環境よりも絶対的な少女自身を肯定する】
【或いはその事実そのものも過去に起こったものと割り切っているのか、そこに言及することもしない】
【唯男はその考えに従って、自分の意志で言葉を結んだ】
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/08/09(木) 15:28:34.37 ID:xLeI5wdYO
>>7

【イーレイの戦慄、鋭利過ぎる刃物は時に使用者を傷付けてしまう、正しくその作用であった。聡明な頭脳が恐怖を理解する】
【優れた感性と知性が狂気を導く仕組みであった。そうあってしまう事を誰も責められない、不運であったのはその知能が所以】
【物事を正しく認識する事もまた、歪んだ認知を強める手助けになってしまう事を理解出来るだろうか】


謙遜する事は無いよ、キミは十分に我々の世界では有名人だから、──── 医療とはニンゲンの生み出した叡智の結晶だしね。
それは "病" を否定し、 "死" を忘却させ、 "不安" を取り除く。──── 況や彼女達にとっては目の敵だろうし
けれどもその原理とは、思うに合理で無ければならない。医は仁術であれど、その原理は何処までも冷酷であるから

不条理の病を克服する手段としての、条理の医療。そしてそれを特別な装備を用いず "鍼" で行ってしまう。
僕達が興味を持つ理由は分かるでしょう? その技術、手腕、──── その全てはヒトの理にしては苛烈過ぎるから


【カミスシティの件については静謐を保った。沈黙もまた肯定に繋がる、或いは────­­ そうすべきだと暗に伝える様に】
【そしてイーレイの疑問に答える様に続きを重ねた。そう帰結るかの如く話を運んでいく】
【捉えようのない不定形の面持ち、それはまるで、感情の動きに似ていた】


僕は特別に何かをしてもらおうとは思っていないよ、あるとすれば、キミ自身が必要に追われて何かをなすんだから
若しくは、僕はそれを望んでいるのかもしれない。キミの聡明さと、行動力とを評価してあるべき働きをこなす様に
キミの技術を求めるニンゲンは存外に多くて、そこには右も左も虚も実も関係無く、丸裸の状態で訪れるだろう

そこにキミの忖度が生まれる。それを幸運と迷妄するには些かキミは汚れ仕事に手慣れすぎているから
だから僕はこうして、ある種の確信を持ってキミと相対する運びになった。運命の悪戯だなんて呼んでしまいたいくらいに

求める事はそれぐらいかな、死を駆逐してほしいだなんて大それた事は願えない。



­­──── ただ僕は告げに来た。そう思ってくれれば


【頬に伸びた手がしとりと沈む、肌に寄り添うようにぴたりと。水面へと下ろした指先が吸い付くように肌をなぞり】
【可憐な頬のラインを滑り落ちて、華奢な首筋を硝子細工でも扱う様に辿ってみようとする】
【やがてそれは愛らしい耳の裏にまで伸ばされて────】
10 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/09(木) 16:47:58.90 ID:iLYpaivE0
//いちおつです!



【――――――<harmony/group>、地下室】
【牢屋と言っても差し支えないような場所に、その少女は転がされていた】
【幸いと言っていいのかそうではないのか、わからないけど、とりあえず五体満足】
【ただその四肢には痣がたくさんあって、立ち上がる気力すら起こさせないほどに】

(…………………………いま何月何日、何曜日、の、朝? 昼? 夜?)
(たんぽぽ、何日お休みしてるんだろ……つがるんきっとすごく怒ってる)
(はやく謝らなきゃ。二人でがんばろって言った矢先、こんなになっちゃって――)

【着せられているのは下着、上はキャミソールタイプのもの一枚だけ】
【それで暑いとも涼しいとも感じなくて。さまざまな感覚が抜け落ちていることだけがわかる】
【時間の感覚もそうだし、痛いか痛くないかというのもそう、苦しいか苦しくないかだって】
【そこらへんの感覚がひどく鈍くなっていた。その分何故か、逆に、思考が冴えてしまって】

(たんぽぽ……、……そうだ鈴音。鈴音も早く助けなきゃ、今どうなってるんだろ?)
(蛇教ブッ潰れて、そのあと――他の虚神が出てきたりしたのかなあ)
(だったらやっぱり早くここから出なきゃ。そしてそいつら全部倒すの、……、……あ、)

【一番大事なことを思いだそうとした、矢先。ふともう一つ、きっとそれほど重要でもなかった】
【……はずの出来事を思い出す。(本当にそうなのかは知らないけど、)きっと、多分】
【「最後に見た光景」が「それ」だったから。こんなにもこびりついてしまっているんだろうと、ぼんやり、思って】

(………………ミレーユさん。大泣きしてたっけな、あんな恰好して、あきらかにおかしかったもん)
(なぐさめに行かなきゃ。あの人一度泣き始めたら面倒臭いんだよな、通話のときとか)
(泣き始めたら一時間ぐらいはずっとグズグズするんだもん。きっと今でも泣いてるよね、……ミレーユさん、)

…………………………………………あいたいな。

【ぽつっと、渇ききった唇から零れた言葉。それだけが明確な音になって、けれど誰にも聞かれることはなく】
【ひとりぼっちだった、絶望的なまでに。暗い地下室。なんにもないから、脳の動きが緩やかになっていく】
【それはきっと――――――あまりにも簡単に浸け込んでしまえる隙だった。けれど、そんなことも思い浮かばないなら】

//予約のやつです!
11 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/09(木) 17:00:13.36 ID:ROo/6Q+F0
>>9

(――――天使や悪魔、神や魔王に、鍼って効きますかねぇ……?)

【たとえ相手が世界最強の人間だろうと、それがこの世なる生物であれば、相応に立ち回るだけの自信は――――傲慢も含めて、イーレイにはあった】
【だが、こうまで規格外の存在相手となると、流石に我を通せる保証はない。手を離した鍼が、チリチリと青い電光に導かれ、いつの間にか開いていたポケットの箱へと収まっていく】
【こんなものを振り回したとて、今は意味がない。それを理解させられた故だった】

……これはこれは。確かに、人にはそうそう真似できないだけのものは持ってるつもりですけどね?
――――あなたたちの興味するところの「『人間』の底知れなさ」ってのは、私にはイマイチですが、こっちの意味での「『人間』の底知れなさ」なら、ある程度は、ねぇ?
刺激を与え、力を起こし、そこに指向性を与えてやれば……人間ってのは思いの外、とんでもない領域に至る事ができるんですよねぇ……

眠るようにして死んでいく事も、狂い回りながら死んでいく事も、至福に溺れるようにして死んでいく事も、私の鍼は切り開くって訳です
逆に、眠らせた力を呼び覚ますように命を昂らせる事も、燃え尽きるほどに全てをアクセル全開にしてやる事も、ヒトが本来的に克服できるはずなのに、克服できてない病と、対等に戦わせる事も、そりゃ有り得るでしょう
――――そんなこんなの人間の神秘ってやつをモノにするために、何百人と『人形』が必要になりましたけどねぇ?

【人体の神秘――――時に、現代医療では解明されていない現象が現実になった時、人はそんなありふれた言葉で、それを表現し、そして濁してしまう】
【彼女は、誰も知らないそれ――――それでも『一部』に過ぎないのだろう――――を、自らの鍼でモノにして見せたのだという。だからこそ彼女の鍼は、人生の処世術そのものとなった】
【自らの力の価値を正しく理解し、そしてその力を振るって生きていく。――――その足元には、技術の発展のための『尊い犠牲とやら』が、道を作り上げて】

(「彼女達にとっては目の敵」? ――――嫌ですよ、そんな尋常ならざる連中に目を付けられるのは……私の立つ瀬が無くなっちゃうじゃないですか……ッ
 まさか、そんなこんなで繋がって、とんでもない所に行き着くなんて――――やれやれ、世界ってのはまだまだ、そこが知れませんねぇ……)

【――――どうやら、彼ら「得体の知れない不条理な存在」の中には、自分の事をこの技術故に敵視する類までいるらしい】
【それを仄めかされて――――イーレイは、胸中にため息をこぼしていた。これでは、自分の目指す生き方の逆を行く事になってしまう】
【そんな連中を敵に回す事は、可能な限り避けたいのだが――――この技が奇跡の域に達しているからこその、その敵意なら――――回避するのは難しい】

っ……ぅ、――――ん……

【そっと、触れていた指がさらに伸びてくる。先ほどの牽制も意味はなかったし、これ以上重ねるものでもない。それを理解したイーレイは、不本意ながら、それをなすがままとするしかなかった】
【――――唇が、無力感にわななく。これはハッキリと、力の差を見せつけられての蹂躙だ。それは屈辱でしかなかった】

……暗がりの中で、こそこそしてるのは面白くないって、そういう事を言いたいんですかね……?
これでも表向き、静かな裏稼業なんですよ……? この人生は、役不足に映る訳ですかねぇ……
――――けど、残念ながら……私はまだコンタクティを持ってない訳で。えぇ……接触をできれば、それに越した事はないんですよ?
賭けになっちゃうことは否めません、ですが……んっ――――それに勝てれば、私は一息に、人生をモノにできる……

【嵯峨野の言葉は、どこか抽象的だった。『何』と、彼は言おうとしない。ただ『動け』としか言わない。その先に何を求めるか――――その言葉は無かった】
【あるいは、ただ『動く』事そのものを求めているかの如く――――あくまで表と裏の顔を使い分けているイーレイにとっては、それは危険な話だが】
【――――きっかけを待っていた事は、事実だった。例の『黒幕』と『円卓』との争い。そこに割り込んでいくためのきっかけを】
【或いは、眼前の不条理な――――仮に神々と呼ぶ――――連中の為す事に関わり、その先に自分の人生が切り開けるのなら、それも悪くはない】
【ただ、自分はその中に割って入っていく事を選ばなければならない――――人生の勝ちをものにするか、棒に振るか――――その勝率を高めるための、この『技』なのだ、と――――】

【――――嵯峨野の指が耳に触れた瞬間、言葉は不意に詰まり、息は乱れた――――】
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 17:10:10.80 ID:xSkVyWoQ0
>>10

【――――ちりん、と、鈴の音がした】
【それは誰かの声とよく似た音。そしてまた、彼女が長らく身に着けていた鈴と同じ音。だけれど、その音がするはずはなかった】
【だって相手はそれを見に付けていなかった。そしてまたこの場所にあの少女はいないはずだった。だのに。だのに――ちりん、ちりん、と、聞こえて来る】

【ちりん、と、また、鳴いて。それと同時に、きっと、世界はすり替わるから】

【――壱と零の隙間に満ち満ちるような世界観、だけれど、きっと相手は真っ先に感じるはずだった。"だれかがあなたの頭を撫ぜていること"】
【姿勢そのものはさっきまでと同じであるはずだった。床に転がるような。けれど感覚はどうしたって床と違うのだろう。茫漠とした感覚のみがあり】
【そのくせその傍らに誰かが座りこんで、よしよし、と、幼子を寝かしつけるような掌で以って、撫でている。あるいは歌声すら聞こえるのかもしれない、なら】

【――――――――それが鈴の音の声だと、きっとすぐに分かるんだろう】
【だから子守唄を歌っているのかもしれなかった。けれど世界中のどの言語にも属さぬ音が紡がれていた。しかし限りなく母がするように、優しいから】

あ――――、……夕月ちゃん、起きた? えと……、だいじょうぶ?

【――そうして話しかけてくる声も、また、鈴の音色をしていた。ふわと吐息交じりの声。懐かしく思うのだろうか。蛇の胎内では喧嘩みたいになってしまったんだから】
【倒れこむ夕月の傍らにぺたんと座り込んでいる、片っ方の手を地面について、もう片方の手で繰り返し相手を撫でている。もしも見上げるのなら、"やはり"】
【透き通るほどに真っ白な肌に色違いの瞳。真っ黒の髪――は今は不思議なオパール然とした艶めきを湛えて、くしゃくしゃした桜色のワンピース、曖昧なシルエット】
【キラキラと焼けただれた心みたいな赤色で冠のように戴くのは何なのだろう。はっきりとはさせないけれど。――確かなのは、それが、彼女であることだろう】

【――それから桜の花が散るような刺繍が施されたうすぺらいヴェール。おそらく少女の――私物なのかとかは分からないけど――が、相手の身体にかけられていて】
【相手が現状に気づくのなら、撫ぜていた手を戻して、それで、お姉さん座り。足の間に両腕をついて。――そうと身体を傾けて、尋ねるのだろう】

/よろしくおねがいします!たださっそくで申し訳ないのですが、ちょっとご飯食べて来るので次遅れます……
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/08/09(木) 17:27:04.03 ID:xLeI5wdYO
>>11

【或いは奇妙な雄弁さを持って、イーレイは語るのだろう。それを満足そうに嵯峨野は眺めて】
【皮膚を蹂躙する指先の感覚。たおやかな指先を持ってして、貴女の神経を根こそぎ奪い取るように】
【耳の裏側と首すじと、触診でもするように触って見せた】


──── 例えキミが一流の技術を持っていたとしても、僕がここ迄興味を持つ理由にはならない、そこには相応の役があるのさ
そう、正にその一点につきる訳なんだよね。キミはもう十分に《繋がり》を得ている。それは観測されてしまった事実なんだ
ならばこそ、然るべき手を引かれキミは舞台の上に上がらなければならない、その役に相応しい存在として。

今の人生は『役不足』だよ。僕は心の底からそう思っている。
キミは既に出会ってしまい、そして全ての源流を観測している。況や、此処から起きる出来事を演繹的に辿れるはずさ
だから僕はキミに会いに来た。


"偶然は歪められる" ──── 観測者の手によって、それは呆気なく


【漸く彼は手を離した。その手の温もりが未だ残っているだろうか】


キミが望むのなら僕は《公安》の存在として便宜を図る事が出来る、客としてキミの元へと送ることも可能だから
その与えられた舞台で好きに踊るといいよ、その帰結に僕の狙いがあるんだし

──── もう一度思い出してごらん、キミは既に重要な役割を果たしている
14 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/09(木) 17:27:05.25 ID:iLYpaivE0
>>12

………………………………?

【撫ぜられる感覚をはっきり認識するのにも時間がかかった、だってここに来てから】
【こんなに優しく触れられたことなんて、たぶん、きっと、なかった。けれど】
【だるそうに瞼を何とか持ち上げて、上のほうを見ようとしたのはきっと、「聞いてしまった」からだった】
【ずっと聞きたいと思っていた音。声。自分の名前を呼んでくれるあの子の声、】

【……それから「次」に気付く。「ここ」が「ここ」じゃないことに。じゃあどこなんだって思考して】
【弱り切った腕をなんとか突っ張らせて、上体だけ起こす。ぺたんと女の子しか出来ない座り方】
【それでもがくりと垂れ落ちそうになるのを必死で腕で支えて――呆然と、前を、見た】

…………………………りんね? りん、ね、……鈴音だ、鈴音、鈴音っ!

【見てしまったら。林檎色の両眼から、決壊したみたいに涙がぼろぼろっと溢れ出てくる】
【限界なんてきっともうとっくに通り過ぎていた。それを今自覚してしまって――濁流みたいに心が乱れる】
【鈴音の姿が「人間」とは違う神々しさに溢れていることだってわからないはずなかった。なのに】
【そんなことより「また会えた」ことだけが嬉しくて。嬉しくて嬉しくて嬉しくて――泣いてしまう、止まらない】

鈴音、鈴音、ぇ…………あたしは、……だい、じょうぶ、だよ…………ねえっ、
鈴音はどうなの、大丈夫、げんきだった、……っ、はははっ、……ごめんなさい、っ、…………、

【かけてもらえたヴェールの裾を握り締めて。それから項垂れて――ぼたぼた、涙を下に零したなら】
【それって「ここ」ならどうなるんだろう。吸い取ってくれる床ってあるんだろうか、それとも】
【底なしにどこまでも落ちていくばかりなんだろうか。……知らないけど、夕月は、ずっと泣き続ける】
【何を言いたいのかまったくまとまってない不明瞭な言葉ばかり投げかけながら。喉を引き攣らせて、嗚咽していた】


//承知しました、ごゆっくり!
15 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/09(木) 17:53:41.72 ID:ROo/6Q+F0
>>13

っ……ふ、ぁ――――ッ

【指が撫ぜる。耳を撫ぜる。首を撫ぜる。滑らかに、手慣れた手つきで、温かく、ゆっくりと】
【そうして指に触れられる感覚に、彼女は耐えて、堪えているのだろう。強張る様な、かすかな震えがその身体を走って】
【耐えきれず視線を逸らしたのと、再び呼吸が乱れたのが同期したのは、きっと偶然ではない】

……さてね……っ、私には、覚えはありませんけどね……っん……!
そんな、不意に危ない、っ……橋を渡る様な真似を、したつもりは、ないんですがねぇ……っ、はぁ……ッ――――
それとも私……何か、迂闊しちゃいましたか……ッ?

【嵯峨野の言葉に、イーレイは心胆寒からしめられる思いがした。いつの間にか、自分は事態に深く入り込んでいるという】
【それが真実なのかどうか――――この海千山千の青年の言葉、全てが真実とは限らない。それは承知の上で、しかし――――】
【彼が、自分の事、そしてそのある程度の経緯を承知の上で、本人の言う通り「わざわざ」この場に顔を出して、接触を求めてきた】
【それを想うと、ケチなブラフとも考えづらい。いくら何でも、ただ治安維持という『裏の表』の立場で、闇医者1人を捕まえるために、ここまでの手間は掛けないだろう】
【――――『裏の裏』として、彼らは何かを自分に求めている。それこそ、確信的に――――】

くっ…………、はぁ、はぁ……ぃ……ッ

【ようやくその手から解放され、さっとイーレイは外していた帽子をかぶり直し、顔を背ける】
【怒り――――否、どちらかと言えば悔しげに睨みつけられた瞳が、つばの奥から覗いている。その頬も、恐らくは羞恥と屈辱の故に赤く染まっていて】
【言葉が出てこないといった様子で、口元と眉とがたわめられていた】

――――カチューシャの事、彼女の事を言ったらあなた……それは陳腐だって、そういいましたよね……ッ
なら――――もう、思い当たる事なんて……――――――――ッ
(いや――――まさか……)

【嵯峨野と自分との接点。それを思い出すなら、当然にカチューシャに行き当たる。だが、それは嵯峨野の求める答えではないという事は、既に確認されている】
【なら、既に自分と接点を持っている人間の中で、実は嵯峨野と繋がっていた人物を、そこに仮定しなければならない】
【そんなミッシングリンクになりうる人間というのが、今までにいただろうか――――1つ1つ、可能性を上げては潰していき。消去法は、1つの名前をそこに残した】

――――まさか『あの子』……なんか怪しい所はあるなと思ってましたが、本当にあなたたちの仲間って訳ですか?
……あの忍者っ子――――鵺。こういう、なんか危険そうな繋がりでって事なら、もうこれくらいしか思い当たりませんねぇ……
――――それが見当違いだっていうなら、或いは私は期待外れって事になりますか?

【――――先ほど、思考の合間にふと浮かび上がった名前。その時は、今回には関係ない事だと流してしまっていたが、改めて、その名前がもう1度持ち上がった】
【――――『黒幕』と『公安』との戦いについて、自分に情報を提供してくれた、遊びがいのあるお得意様――――鵺】
【イーレイは、最後の答えとしてそれを提示した。でなければ――――お手上げだ】
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 18:22:40.56 ID:xSkVyWoQ0
>>14

【顔にかかる髪の毛を優しい指先がそっと退かす。そうしたらちょっと揶揄うみたいな温度で頬も撫でるんだろう。柔らかな歌声も刹那止んで】
【小さく笑うような吐息。また歌ってやる。自分もいつか聞かせてもらった歌声だった。――蛇の神様に歌ってもらった子守歌。だから、人間の言葉じゃないけれど】
【かといって蛇に言語はないから。だからそれは蛇の神様にしか歌えない曲で間違いないんだろう、信仰を得て言葉を手に入れた蛇から見た、世界のかたち】

――――――うん、わたしだよ。

【――あるいはだからこそ少女は笑う。もはやヒトから外れて等しかった存在は自分を蛇だと認めることで、ようやく、安寧を得たのだから】
【何度も呼ばれたなら少し困ったような顔でもするだろうか。それでも嬉しげに笑っていた。あるいは相手を安堵させるかのように、笑いかけて】
【崩れ落ちそうに震える指で必死に身体を起こすなら両腕も伸ばすんだろう。相手が受け入れてくれるなら――自分の胸元に、抱き留めようとするに違いない】
【それで受け入れてもらえたなら、ぎゅうって抱きしめて、頭から背中までを一続きに何度も撫ぜるんだろう。頑張った子にする、ご褒美みたいに】

ヤサカさんが夕月ちゃんはお休みって言ってたから、探してたんだ。……。……。次はセリーナも探さなくちゃ。
……わたしは元気だよ? 夕月ちゃんの方が、――元気じゃないみたい。わたしのために頑張ってくれたの? ――ずっとね、聞こえてたよ。ありがとう。
だのに。……遅くなっちゃって、ごめんね? だけどね、もう、大丈夫だよ。見つけたから。……。

――――、泣かないで。大丈夫だよ。わたしね、ここに、居るから……。

【――――――見つけた。から。引きずりこんだ。いくらも乱暴すぎるやり方だった。だけれど、そうじゃないと今の自分には世界でのかたちが存在しないから】
【けれどある意味では危なっかしい行為だったのかもしれない。この少女は相手の現状を知らなかった。それでもかろうじて平和に思えた、優しげに見えた】
【わたしここにいるよって囁く――そんな"ここ"がありふれた世界とは異なっているんだとしても。確かにそこに居るのは彼女だったから、それでもいいなら】
【泣かないで大丈夫だって言って。――いろんな言葉を端折って、ただ優しい言葉だけ連ねる。"彼"の名前を口にしていた、だから、何かがあったんだろう】

【――別に、その言葉は、相手の泣く自由を剥奪するようなものではなかった。だから、泣きたいのなら、まだずうっと泣いていてもいい】
【そうだったとしても少女は柔らかい表情で泣き止むまで背中を撫ぜたりするから――だから、相手に委ねられて】

/おまたせしました!
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/08/09(木) 18:33:57.89 ID:xLeI5wdYO
>>15

【──── 初めて嵯峨野は笑った。それは形骸的な笑いではなく、本質的な笑いであった】
【然してそれは笑いと呼ぶには、あまりにも醜悪な笑みとなって】
【彼は残酷な愉悦をそこに残していた。沈黙こそが肯定であって】


──── 彼女もまた、僕達を取り巻く円環の要素の一つだよ、あの子の所属がそう伝えているだろう
全ては定められているんだから、この世の中に意味の無い登場物など存在してはならない
キミは原初の観測者であって、それを構成する世界の唯一の担い手にアクセスする手段を持つ

だからこそ僕はキミに、そう振る舞う事を願ってやまないから
いい出会いだったよ、タオ=イーレイ、女王様が気に入るだけの存在だね
キミは僕達の流れの中に位置していた。そしてそれを認識したという事実こそが、僕にとっては必要だから
嵯峨野 鳴海として会えてよかった。必要な情報があれば、また教えておくれ


【そう言いつつ彼は連絡先の一つも渡さない。まるで必要ないと言いたげに】
【踵を返す、と同時に足元から黒い闇が侵食していく、瞬く間に彼の身体が消えていき】
【そして一つ、思い残した事があるように、思いついたみたいに言葉を残す】


御褒美に一つ答えてあげるよ。『あの子』は僕達の仲間なんかじゃない、そこは明らかにしないとね
寧ろ敵と呼ぶ方が相応しい、それを認識しているかは知らないけども
けれども、僕達とあの子を繋ぐバイパスが存在していない。──── 筈であった。

それを補うのがキミだよ、タオ=イーレイ。キミがキミ自身の口から、僕達を繋げてくれた。
認識は客観すらもら書き換えて、そこに残るのは虚飾の化け物よりも出鱈目な存在だから


──── また逢おう、出来れば願いと共に


【そうして彼は消えてしまう、果てなき不安をその場に残して】


/こんな所でしょうか! お疲れ様です!
18 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/09(木) 18:36:17.86 ID:iLYpaivE0
>>16

【抱き留められたらほんの少しの間だけ、安堵しきったような顔をした】
【現実ではまだなんにも解決していないのに。それでも全部救われたみたいな顔して】
【しばらく鈴音の胸元ですんすん泣き続けていた、――――けど、】

………………まって、ヤサカ? 今ヤサカって言った? ……オムのことだよね?
なんで鈴音が――――あいつの本名知ってるの? 教えてもらうような機会、あったっけ、
……お休み、は、そうなんだけど……………………、…………、

【まずは「兄」の名前をなんで知ってるの、って驚愕の表情に変えて、それから】
【ずっと聞こえてたって言われると――――ぐぅ、と、痛いところを突かれたみたいな顔して】
【唇を噛んでしまう。それから少し俯いて、……言い難いことを言う、その覚悟だけ、決めて】

………………あたしずっと、鈴音に、……ニンゲンに戻ってほしいって言ってたよ。
それ、……いやじゃなかった? あたし、ずっと、……ワガママ言ってる自覚はあった。
ねえそれ、鈴音にとって、…………つらくなかった? だったらあたし、謝らないと、って、

【「ずっと、思ってた」 ――――、言い切ったらまた唇を噛む。ずっと言い続けてたのは自分なのに】
【こんなに神々しくも輝く鈴音を見てしまうと、そんな我儘、ひどい言葉でしかなかったんじゃないかって】
【そう思ってしまった。思ってしまった時点で負けなんだろうか。そもそも何が勝ちで、何が負けなんだか】
【わかりもしないくせにずっと一直線に走り続けた。今それに、躓いてしまう瞬間が、訪れて】

…………鈴音はもう、「ここ」から、帰ってこないの?

【消え入りそうな声で、最後の悪あがきみたいに呟く。その答えを聞きたくないと思うのに。訊いてしまう】
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 19:00:15.66 ID:xSkVyWoQ0
>>18

【抱き留めるなら暖かいんだろうか。吐息のたびに胸元が膨らむんだろうか。それが虚構じゃないっていう証拠はなくて、ああでも、けれど、】
【彼女はずうっと人間じゃなかった。ヒトじゃないくせにヒトのフリをして生きてきた。だからへし折れてしまった。こんなところまで来てしまって】
【見やる地平線はどこまあでも続く空と地面の平行線を示す、ならどうしたって交じり合えない真ん中に居るのを嫌でも意識させられ】

――――あのね、お外に行ったの。"普通"をしてみたくて。……楽しかったよ。だけどね、みんなに返してあげた。
ヤサカさんに見つかっちゃったし――、――。それに"あれ"はやっぱりわたしのものじゃなくって、
わたしはずうっと欲しかったんだけど、みんなにとっては、そんなの、全然、特別でもなんてもない、"普通"で――だから――。

【問われたなら、少女はゆるりと視線を遠くへ投げかける。拡がってしまった彼女は時々、誰にも気づかれずに、世界へ降りていた】
【そのくせ誰に名乗るでもなく、丸投げしたすべてを回収するでもなく、ただ、ただ、――神様の力を悪用するみたいに、ただ、ありふれた、日常を、眺めていた】
【だけどきっともうするつもりはあんまりないんだろう。そうやって垣間見た普通はあんまりに普通過ぎて。世界には溢れてるんだって気づいてしまって】
【楽しかったけれど、――自分にはそのただのひとかけらすらなかったんだから、と。彼に見つかってしまったのもそうだって、理由の一つにしてしまう、言い訳みたいに】

【――それだって、自分から見つかってしまったような、ものだったんだけど】

……知ってた。でも、ね、――"わたし"は、うんと怖い、蛇の神様だから。……。……うれしかった、すこしだけ。
だけどね……出来ないよ。わたしは人間じゃないんだから。"生まれたときから人間じゃないの"。でも。

みんなに怖いって嫌いって思われるより――名前を呼んでもらえるなら、それが、いいな……。

【知ってたよって笑う。怒ってはいないみたいだった。あんまり嫌だったって様子でもなかった。今の自分は、――蛇という単語に紐づけされたものであるなら】
【よい感情が向けられているとはあんまり思えなかった。それに信者だってほとんどいなくなってしまったんだ。そうして聞こえて来るいっとう大きな声には、無視される】
【話しかけてくる癖に自分のことを大嫌いな女の子。――どうしようかなって思っているけど、それだけだった。だってどうしようもできないんだから。それならば、】
【自分の名を呼んで。人間に戻したいと言って。頑張ってくれる子の声の方が聞いていたかった。――そうはなれないけど。なれないんだけれど。でも、】

――――――戻るよ。でも。

【――――(その先はまだ口にはしなくて、だけど、きっと、どこかで予感させる。だってあんなに言っていた、彼女はすでに何度だって主張していたなら)】

――――――――――――――――夕月ちゃんは、どうしたの? こんなところ。退屈なの。誰も来てくれないんだから。……。
いっしょに遊ぶ? おしゃべりする? あのね、砂粒を数えるのも飽きちゃった。だから……。

【話題を変えるみたいな間があった。ぎゅうっと抱きしめていたのをそのままに、二人で、一緒に、茫漠をそのまま砂粒にしたみたいな砂漠に、身を委ねようとする】
【それならどこかで嬉しそうに見えるのだろう、それなら言葉通りだった。退屈していたに違いなかった。一緒に遊んでおしゃべりしようって誘う、ここに来られるなら】
【"わたしたち一緒でしょう?"――そうやって、言葉の外側で尋ねるみたいに。自分で引き摺りこんだくせに、どうしてこんな場所まで来られたの、って、尋ねるみたいに】
【――確かなのはただずうっと優しかった。ひどいことなんてしないし言わないような顔と声をしていた。だからなんだって吐き出してしまっても、いいのかもしれなくて】
20 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/09(木) 19:14:35.28 ID:iLYpaivE0
>>19

ふつう……。…………、……たのしかった?
そっか、楽しんでたところをわざわざ見つけちゃったんだアイツ……。
つくづく間の悪いヤツだよネ、……帰ったら文句言っとくから。だから……

【その先に続く言葉はきっと「もどってきて」の一点張り。こういうところも、】
【それと、まず最初に楽しかったかどうかを訊くところも。似ていた、なんとなく、あの男に】
【血の一滴も繋がらない、ごっこ遊びの「兄妹」のくせに。憎たらしいところばかり似てしまう】

生まれたときから、って、……でも、人間にもどりたいって言ってたのは鈴音じゃん。
そういうことですらなかった、ってこと……? ………………、…………うぅ、

…………………………でも、…………まだ、怒ってる?

【続く言葉には愕然とする。それから絶望しきったみたいな顔、自分の信じた「白神鈴音」は】
【最初から存在しないものだったと聞かされた、みたいなもので。頭を抱える、ひどく痛むみたいに】
【そうしながら――――続く言葉を勝手に邪推して。何に怒ってるのかも知らないくせに、……、】

ていうか、……ここ、どこなの? カミサマの控室?
じゃあなんであたしこんなところに居られるの、鈴音が何かしてくれたの、……痛い、
痛い……。…………、何して、遊びたい? 何か喋りたいこと、ある?
鈴音、外の世界の話なんて聞きたいと思うの? ねえ、…………あたし、どうなっちゃったの?

【赤い髪を両手でぐしゃぐしゃ掻き混ぜながら紡ぐ不明瞭な言葉の群れ。零し続けて】
【つなげたってカタチになるような、パズルのピースとしてもあまりに不恰好すぎるそれらの中で】
【譫言みたいに漏れる、痛みを訴えるか細い悲鳴。それの原因はどうやら「足首」にあるようだった】
【蝶のタトゥーの刻まれたその部位を、ときどき擦り合わせるようにして泣いている。ならばきっと、】
【鈴音と「一緒」であるのは「そこ」が原因なのだと思わせて。……けれど、鈴音が退屈だっていうなら】
【それを解消してやりたいと思う気持ちもあるようだった。だから不恰好にそういう言葉も混ざる。ぐるぐる、マーブルみたいに】
21 :タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/09(木) 19:17:28.24 ID:ROo/6Q+F0
>>17

…………!?

【仮面ではない、本心からの笑み。それはイーレイにも良く分かった――――だが、その笑みに何か、底冷えするものを感じさせられる】
【無論――――彼らを、良く分からない不条理な存在と認識している以上、その感情も無理はない事なのだろうが】
【何か、もっと本質的な意味で、触れてはならないものに触れてしまったような気がして】

――――えーと、ですね。もう少し分かりやすく説明を戴いてもよろしいですかね?
結局、何者だってんですあなたたち……ただの公安って立場すら超えて、例の綱引きすら超えて、一体何をやって――――
……っ、唯一の、担い手……!?

【嵯峨野の言葉は、いよいよ彼ら自身にとっての本質に言及している――――それは、どうにか分かった】
【だが、イーレイは――――幸か不幸か、現在世間の裏に流れている、大きな出来事への関わりは、皆無と言ってよい状態で】
【それ故に、その言葉の意味するところを真に捉える事ができない。ややへりくだる形になるのは仕方がないと、詳しい説明を求めようとして】
【――――そこに記された言葉に、思わず言いよどむ。自覚のないうちに、とんでもない話に足を突っ込んでしまってないか、と】

……なんだってんです。なんだかあれですか、私たちはまるで、代理戦争の舞台か、さもなきゃ駒みたいな感じなんですかね?
なんだか、知らぬは私ばかりなりって状況が、どうも気に入らないんですが、そこのところは――――ッ
(――――「必要に追われて何かをなすんだから」――――そういう事ですか……――――なんなのよ、良い様に振り回されてるみたい……)

【鵺の存在は、繋がりが持てなかった、むしろ敵に近い存在で――――その言葉は、どこか嘲笑的に響く】
【片眉を吊り上げて、イーレイはそこに食い下がろうとしたが、既に彼は――――そこへの態度表明をしていた事に気づく】
【――――知りたいのなら、自ら暴き立てろ。その行動の先に、自分たちの望みがある――――嵯峨野は、そう言っていたのだ】

【既に布石は打たれていた。その事実に茫然としているうちに――――嵯峨野は姿を消し、そこにはただ静寂だけが残っていた】

……………………――――ちょいちょいちょい、なんだってんです今のは…………
っ、あー……ひょっとして私、本格的にマズりました? 鵺……もしかして――――――――何かのバランスが、崩れた……?
――――なーんだってんでしょう、もう……もう少し、こっそりこっそり世界の上澄みを掬わせてもらおうと思ってたってのに――――ッ

――――――――最後の手段、使わなきゃいけないんですかねぇ……出来るなら、噂の「あの連中」に接触するまで、控えたかったってもんなんですが……

【まるで、悪夢にうなされていたみたいに、現実感のない空白を、そこに感じていた】
【だが――――間違えてはいけない。今、何らかの事態が確実に前進したのだ。しかも、世界の在り方さえも変えてしまう様な、そんな『何らかの事態』が】
【嵯峨野の言葉は良く分からなかったが、何らかのバランサー、あるいはキャスティングボードとしての役割を、知らぬうちに期待されていた事は、何となくわかった】
【旨い汁を吸うだけの立場を手に入れるために、色々と暗躍してきたというのに――――イーレイの表情に、本格的な渋面が現れた】

【――――――――己の手腕を用いて、思い通りの『手駒』として手なずけていた『切り札』――――こんな急場凌ぎの形で、切らなければならないのか、と――――】

/はい、お疲れ様でしたー!
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 19:37:02.14 ID:xSkVyWoQ0
>>20

……学校行って、お勉強をしたの。お弁当を食べて。全然わからなかったけど。クレープを食べて……。

【背中を優しく擦る手の仕草を繰り返す、そうして紡ぐのはそれこそ本当に普通だった、こんな世界であっても、どこかにはありふれている日常】
【能力者なんて関係ない世界もどこかにはあった、黒幕も円卓も、況や虚神など関係あるはずもない、場所が。悩みなんて抜き打ちの持ち物検査くらいの世界が】
【それからテレビを見て流れて来るニュースにコワイコワイって唱えるだけの世界が。――サーペント・カルトの一件は"うまく"やったんだろう、だから、】
【彼女が普通をやりたいと思った時にいくらでも普通を見繕うことが出来た。彼女たちはテレビをきっかけに学校で話していたりしたもんだから、感染していたのなら】

【――文句は言わなくって大丈夫だよ。そうやって囁くんだろう、】

白神鈴音(わたし)は最初から、生まれたときから、神様だった。……。わたしが、知らなかっただけ。気づかなかった、だけなんだ。
人間だったのはわたしじゃなかった。……。だから夕月ちゃんは頑張ってくれたけど。ごめんね。ごめんなさい。叶えてあげられないんだ。

……うん、怒ってる。夕月ちゃんにじゃないよ。ヤサカさんにでもないよ。わたしは言ったもの。間違いだったなら赦さないって。

【それは――けれど、きっと、どうしようもなかった。だから彼女もまた悲し気な目をするしかなかった、それは、ずっと、知らなかった】
【知らなかったがゆえにありえない奇跡を願い続けてしまった。ゆえにこそ夕月はここまで疲れてしまったんだろうか。だから――伏せた視線、長い睫毛がかすかに震えて】
【叶えてあげられない――だけれど、怒っているのは、彼女に対してではない。彼女の兄に対してでもない。それは、それだけは、きちんと伝えるから】

わたしたちの世界、……てね、聞いたの。――ええと、わたしは、夕月ちゃんを、探してて、だけど、身体が、ないから――、それで、
…………どうしたの? 痛いの? ――。……大丈夫だよ、だいじょぶ……。……。

【真っ赤な髪の毛がぐしゃぐしゃと散らされる。少女はきっと困った顔をするんだろう、それで、そうっと、その両手を捕まえようとする】
【そんなふうなことはしないでほしいとお願いするみたいに。それで自分に身体を預けさせようとする、足が痛いって泣くのなら、その足だってさすってあげたくて】
【心配したなら遊びもおしゃべりも気にならなくなってしまうみたいだった。だから表情をめいっぱいに不安そうにして、頭とか、背中とか、足とか、かわるがわる撫ぜようとする】
【いつかイルに聞いた言葉をひどく簡素になぞる。身体がないがゆえに現世に存在していた夕月に触れるには方策が必要だった、そうしたら、】
【ここまで引きずり込んでしまったんだって。多分言い訳だった。ここまでくるとは思ってなかったらしかった。――大丈夫というしかない自分が寂しかった、神様なのに】
【目の前で痛がっている子すら泣き止ませられないのなら。――だから何度も何度も大丈夫って囁くんだろう、"どうなった"のか、知らなかったから】

【向けられ続ける恐怖に辟易することはあっても少女自身はこの場所で苦痛を覚えたことがなかったから。――だからどうしたらいいのか、きっと、彼女にも分からない】
23 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/09(木) 20:02:10.28 ID:iLYpaivE0
>>22

……学校ってあたしも行ったことないや。面白い?
あたしにはセーフクってののよさが、あんまり、よくわかんない……

【――――夕月も普通の子ではなかった。なら、それに言い返す言葉もあんまり普通ではなくて】
【曰く制服がつまんなさそうだと言う。確かにこの少女が学校に通っていたなら、即校則違反をして】
【スカートの丈も開けるボタンも精一杯はしたなくやりそう。そんな、「普通」の予感をさせたなら】
【そこだけひどく浮いて聞こえるような話題になった。本当に、こんなところで、やる話とは思えない】

…………わたしじゃなかった、ってのは、……鈴音は、鈴音じゃないときがあったってこと?
よくわかんない、けど……そこまで「戻る」のは、ムリ、ってことなの、かな…………。

……、……そんなこと言わせたの誰? そいつのこと殺したら――怒るの、しずまる?

【ごめんなさいと言われれば、やめて、と返す。無茶苦茶言ってたのは自分だから、もういいよ、って】
【だのにまだその無茶苦茶を通す針の孔がないかって訊く。どうしようもないほどあきらめが悪かった】
【それで――――その「怒ってる人」をどうにかしたなら帰ってきてくれるのかって、訊く。それで鈴音がうなずくなら】
【きっと夕月は元の世界に帰れたら――帰れるかは知らないが――その人を殺しに行くんだろう】

わたしたちの世界、って、……ぁあ、アレ、あれだ、あたしに「混ぜられた」あれのせいだ、
…………痛い。けど大丈夫、他の話しよう、退屈なんでしょ? …………痛、くない、から。
楽しい話しようよ、なんの話がい、……たぃ、…………今の嘘。ねえ、お話、………………、

【大丈夫って言われても痛い痛いと言い続けるのは、きっと本当は痛くないからに違いないのだ】
【幻肢痛、ファントム・ペイン。そういうのに似た症状が、彼女を襲っている、正確に言えば】
【「それ」を混ぜられた時の恐怖の記憶がよみがえって、痛みを齎していた。だからきっと】
【鈴音にもどうしようがないのだ。こればっかりは彼女の気の持ちようでしかないのだから。……けれど、】

【それでも平気だって言って。嘘ついて、楽しい話に戻ろうよって言う。……何もかも下手くそな、不器用な子だったから】
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 20:24:43.76 ID:xSkVyWoQ0
>>23

――――すごかった! 面白かった、みんながおんなじ服着てて、なのに、ちょっとずつ自分の恰好みたいにしようとしてて……。
スカートをお腹のところで折ってる子はね、プリーツがくしゃくしゃってしてるからすぐに分かるの。リボンタイをしてるのにボタンを開けてたり……。
シャツの下にキャミソールが透けてた――、木の椅子ね、そのまま座るとお尻がくっついて気持ち悪いの。黒板に書いてあること、わたしは分かんないけど。
みんな机の上に紙パックの飲み物を置いてて。珈琲牛乳とか。飲んでるの。カップのお芋のお菓子食べて……。

【――ぱぁっ、って、その瞬間に表情が華やぐんだろう。あどけない顔を目いっぱいに喜色に満たす、だから、――本当に、きっと、楽しかったんだ】
【本当に楽しかったからこそ、全部持ち主にきちんと返してきたんだろう。自分が憧れていたもの――そのくせ自分には絶対に手に入らないって、分かってしまったから】
【すごく嬉しそうに話す、まったく別の世界の出来事を語るみたいに。それでね、それでね、って、自分が見て来たもの、話すから】
【――――もしもをどうしたって考えさせてしまう。夕月も、彼女も、もしも普通だったなら。――だなんてね、】

ん――、……、わたし、は、お母さんたちにもらった、名前は、……もう、使わないの、だから。
人間だったのはその子だった。……。わたしは、だからね、違うんだ、……――へびさまが名前を付けてくれたの。だから、……それが、鈴音。

……………………。

【だから、あるいは、そういう意味では似ているのかもしれなかった。本当の名前を捨てたことを、少女は認める】
【けれど捨てると言うよりはきちんとしまい込んでいるんだって言うようでもあるのだろう、――大事に大事にしまい込んで。二度と出さないなら。結局無意味でも】
【――そのうえで、いくらか発言は正しくない。"鈴音"でありながら人間として過ごすことを許されていた、否、望まれていたころもあった。それを言わなかった】
【そうして黙り込んでしまうんだから――――ひどく、狡かった。分からないって顔をしていた。ただそれが、――最も大きな蟠りだと、表情が示して】

夕月ちゃん、

【――――大丈夫と痛いを繰り返す夕月をきっと彼女はじっと見ているのだろう。無表情のようでいてひどく複雑な表情をしていた、目をわずかに細めて】

――夕月ちゃんは何がしたい? 夕月ちゃんのしたいことをしようよ。なにがいい? 

【だからきっとどうしようもないって分かっているのだろう、だけどそれを仕方ないって自分のしたいことを押し切れる性質ではない、もしも、そうだったなら】
【この少女はこんなところには居ないに違いないんだから。――ゆえに彼女は相手のしたいことを聞く、何か答えるならそうするんだろう。そうしたがるのだろう】
【そのうえでまだ楽しいお話をしようって言うのなら、そうしたら今度こそ諦めるのかもしれなかった。ただどちらにせよ変わらないのは、】

【――掌で包むみたいに、夕月がしきりに痛がる場所に触れようとするのだ。それで苦痛が増すようなら、すぐに辞める。だけど、そうでないなら】
【痛いの痛いの飛んでけをするみたいに。どこにも飛ばさないんだけど。何度もさすってやろうとする、――それくらいしか、できないから】
25 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/09(木) 20:44:17.35 ID:iLYpaivE0
>>24

…………へええ。みんなよくそんな考え付くモンだネ、じゃああたし多分、
あのうざったそうなスカート即切るかなんかして短くする。でも生足出すのはヤだな、
だけどタイツもあんま好きじゃないし――ニーソ履いたら怒られる? ……怒られてもべつにいっか。
ふーん。おやつとかみんな普通にする感じなんだ、……、あたしいちご牛乳が好きだな。大きいパックあるかな?

【「……すっごい楽しそう」。繰り返される痛みの中で、だけど浮かべる笑顔に嘘はない】
【それで、自分だったらこうするああする、みたいな話して。……こいつの考え方は、だいぶ、不良寄り】
【きっと先生にたくさん叱られる子になるだろう。鈴音はそれを困り顔で、笑って見ててくれるかな、とか】
【…………そんなことばっかり考えてしまう。泣きそうになる。痛いのはまた、別にして】

…………そ、か。そこらへんの事情は、……入り組んでるから、……むずかしいんだ。
それじゃあ――――あたしには、……どうしようもないのかな。……結局なんにもできないんだ、……、

【黙り込む鈴音を見て、おまえにできることは何もないと言われたのと同義だと、そう解釈してしまう】
【だからこそ現状がひどく無様だとしか思えなかった。せめて鈴音が帰ってきてくれたとき】
【居場所がどこにもない、なんてことにならないようにって思ってやってたたんぽぽも、今は出来てないんなら】
【本当に今の自分は無価値でしかないのだと悟る。消えてしまいたいと心底思った。けれどそんなこと、赦されない】

【――――――痛んでいるのは足首。蝶の絵柄が刻まれたそこに触れられると、少しだけ震えたけど】

……………………したいこと? わかんない、……ヘンなところ連れて来られた、から、
帰りたい、帰りたい、帰りたい…………。たんぽぽ、つがるんに押し付けちゃってる、早く帰って謝りたい、

み、れーゆ、さ……ミレーユさんにも会いたい、だって泣いてた、あたしのこと見て泣いて、それで、
手をこっちに伸ばしてたの見たの、きっとあたしが連れてかれるの、止めようとしてくれてたから――――
………………会いたいよう。だってひどく泣いてたもん、なぐさめてあげなきゃダメなの、
あの人、ちょっと、ダメな人だから…………あたしがなぐさめてあげなくちゃ、…………会いたい。

【痛いって言うのはもうなくなった。代わりに「帰りたい」を連呼するようになって、また泣き始める】
【誰かに会いたがっていた。一人目はきっと鈴音も知ってる、猫の少女。どうやら彼女と一緒にたんぽぽをやってるらしく】
【けれどもう一人の名前は、知らないんだろう。ダメな人だとか言ってるけど、きっと夕月もどっこいどっこい】
【それくらいには「どうしようもない」関係なのだと匂わせた。お互い、自分がついてなきゃダメだなって思ってるタイプの】
【めんどくさ〜い関係性。そういう人に会いたいって言って――結局のところ帰りたがる。ここでもなく、地下牢でもなく】
【普通の人間が普通に生きてる普通の世界に。帰り方なんてわからないのに、……泣いて、縋りついて】
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 21:11:40.55 ID:xSkVyWoQ0
>>25

【夕月が浮かべた笑顔に、彼女もまた嬉しそうにするんだろう。それでまた何かの話をしようとする、でも、出てこない】
【あくまで彼女が見たのはその時の話。日常的にそれを過ごす人の話なんて分からないんだった。だって、彼女は、――ただ間借りしていただけ】
【彼女にとっての日常はたくさんの武器が飾られた酒場でお料理をすること。それもずっとしていなかった。だから。だから――、日常って、なんだろう、】

わかんないよ、……わかんない、"あれだけ"時間があったのに、それしか、ないのなら、ッ――、
やっぱり、赦さない、赦せない、――、――わたしと同じ目に遭わせてよ。わたしと同じ目に遭えばいいんだ。そしたら。そうしたら……。
……分かるよ。それでも分からないなら殺せばいいよ。……。――――。わたしの物なのに返してくれなかった。わたしの、なのに……。

セリーナだって助けられるはずなのに助けないんだよ。セリーナが見つからない。セリーナ……。――蛇のことを知らないんだよ、セリーナなのにッ!
死んでるわけないのにっ――、セリーナ、セリーナ……。セリーナ、どこ……? セリーナぁ……、……。

【結局なんにもできない。――その言葉に少女はわずかに首を揺らす、けれど、どうしたいのかなんて、きっと、分かっていない】
【唇をぎゅうと噛んだなら、――詰まらせた吐息を数秒後に無理やり全部吐き出すみたいに溜息を突く。わたしと同じ目に遭わせて、――いつか、誰かに願ったのと同じ】
【けっきょく果たされていないのも知っていた。そしてきっと"なんにも"してないって分かっていた。できるはずなのに、と、漏らす言葉が震えて】
【いつかの思い出すら失望に成り果てるに十分なだけの色合いがそこにあった、泣いてしまいそうに眉が下がって視線が落ちた、声だけはすでにきっと泣いていた】

………………、そっか。そうなんだ。夕月ちゃんは、帰って、"たんぽぽ"してくれるの? ……わたしね、
あのあとで、思い出したんだ。……あのノートね、落書きばっかりでしょ、だからね、夕月ちゃん、分かったかな? ――って。
変なことも書いてた。……よね? つがるちゃんもしていて、くれるかな。……最初に居なくなったのは、わたしだから。

……セリーナに怒られちゃう。マリアだってきっと怒るね。……。……――。

ミレーユさん。わたしは、知らない、ひとだけど……。……。――じゃあ、夕月ちゃんは、帰らなくっちゃ。
わたしは、……もうちょっとだけ、ここに居る。身体だってないし。……それに、"なんにもかわってない"なら、戻りたく、――ない、
全部間違いだったままで生きるのは、――しない。したくない。"わたしばっかり"なら――、嫌。

【夕月の話を聞いたなら少女はふと唇のはしを緩ませる、笑うには足りなくて。けれど笑みの余韻だけ残すみたいに。一輪だけ綻ぶ桜花のように】
【――苦笑。あのノートはよく考えたらひどい落書き帳だった。確かにレシピも書いていたけど。落書きが八くらいだった。八対二。すなわちレシピもある落書き帳】
【――――曖昧な温度感は引け目なんだろう。そのくせに今すぐ帰る気がないのも示していた。できるはずで、だけど、意識的にしないのを予感させたなら】

【ならばあなたは帰らなくちゃいけないね、と、口にする。だから改めて宣言するんだろう、――自分はまだ帰らない。ここにいる。たとえ世界中に怖がられても】
【それでもここに残る――あるいは世界を滅ぼしうる神様の言葉とは思えなかった、お腹が空いてもご飯を食べないで抗議するのに似ていた】
【ひどい個人的な話でしかない。――そのうえで、自分の存在全部が間違いだったと言い捨てられたことを赦さないし認めない。叶わぬなら、きっと、世界だって、(要らない)】

【――自分ばかりが我慢したり、そういうのは、嫌だと。神様になるまで言えなかったことを急に表明するのなら】
【それは我儘なんだろうか。めいっぱい我慢していたことは評価されずに本当の気持ちを口にしたなら断罪されるのは、あんまりに、――あんまりに】
【だからここで恐怖の神として居続ける。今までの自分を無意味にしないでいてあげるために。頑張った自分が無駄だったって、自分さえも思ってしまわぬために】
【ひどい暴力を振りかざして脅すのときっと一緒だった。――だけどきっとそれしか方法なんて、分からないのだろうから】
27 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/09(木) 21:35:06.19 ID:iLYpaivE0
>>26

………………その人、誰? だったらあたしがその人のこと、……を、…………、
セリーナってのはわかるよ、有名人だから、セリーナ……きっと長いこと閉じ込められてるから、
蛇のことも何も知らないんだ……。だからあたしが教えに行ったげるよ、だから、だから、

【その先に続く言葉が嗚咽でつぶれた。「泣かないで」だったかもしれないし、やっぱり「戻ってきて」かもしれない】
【けれど全部不明瞭にぐしゃりとカタチを失くしてしまうんなら――こいつにはそんなことできないんだろう】
【少なくとも、こんなところに幽閉されて、なんにもできないまま、虚無を噛みしめ続けることしかできない出来損ないには】
【最初っから何もできなかったんだと思い知らされて――わあ、と声を上げて泣いた。困らせるってわかってるのに】

ノート、……正直よくわかんなかったけど。つがるんと一緒に解読してるよ、
だから大丈夫だよ、いつでも戻れるように――――してたつもりだったよお、鈴音がっ、
……子供たちひどいんだもん! あたしの料理おいしくないとか言って! 鈴音ちゃん連れてきてとか言うんだもん!

セリーナはわかんないけどマリアさんは会ったよ、それで、怒ってなかったよ――ぜんぜん。
それでたぶんあの人が怒るならあたしにだよ、ほっぽらかしてどこ行ってるのって、……あの人たぶん何も知らないから。

……………………、…………、変えたかった、変えたかったよ、ぜんぶ、世界を、
鈴音ががんばってたこと全部無駄じゃなかったって! 言いたかった、あたし言いたかった、言いたかったのに、

なんであたしこんなところにいるの、いやだ、…………結局なんにも変えられないんだあたしは、ぁ、ああぁあぁ……

【ひとつひとつ言い返していこうとするのに、結局最後には何も言い返せなくなって、泣き喚く。子供みたいに】
【……子供のほうがまだマシだったろう。それを許される幼さがあるんだから。夕月は違う、17年とそれから8年生きてる】
【立派な大人だったから。こんなひどいやり方で――泣き落そうとするのはあまりにも卑怯だった。なのに涙が止まらなくて】

……、……鈴音、鈴音。ねえ、前、たんぽぽやってたのも、全部無駄だったとか言って泣いてたじゃん。
あれ、まだ、そう思ってる? 今でもあんなことやってたの無駄だったなーって、思う?

――――――――あんなことやってた自分、バカみたいだったなあって、……笑えちゃう?

【そうしながら。喉を引き攣らせながらなんとか絞り出した、問いが、これだった。鈴音がきっと、今一番信頼している】
【愛しているだろう存在が口にしていたことに似ていた。――「今なら鈴ちゃんもちゃんというよ」「『バカみたい』って」】
【対象はちょっと違うけど。でもきっと似ているようなものだった、それで――訊いておきながら、答えは一つしか望まない】
【「そんなことない」って言ってほしいだけのことだった。必死に冀っていた、口にはしないけど――それだけはどうか言わないでって】
28 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/09(木) 22:10:16.83 ID:uI10pSpR0

【とある森の奥、緑に覆われた廃修道院】

【既に内と外を隔てる扉もガラスも全て朽ち果てた、石造りの建物から】
【ぽろん、ぽろん、とピアノの音が響いていた】
【人里から離れた薄暗い森の中。彷徨くものが居れば、尚更耳に留まる綺麗な音】
【誘われるように足を踏み入れれば、口遊むような歌もまた、これに混じり】



Ein Wunsch, sich nicht zu erfullen,
                   ist ein Getreidesamen.

    Fulle dich in eine tiefe Nacht.

         Wenn du mit dem Tropfen des Mondes erhohst


  Welche Art von Sprossen wird auftauchen?



【それは異国語で、流暢で、澄んだ声。グランドピアノの奏者の唄だった】

【其の者の容姿は、よく見えない。黒の軍帽を目深に被り、黒いマントの襟を立てていて】
【見えるのは銀の瞳くらいなもの。鍵盤を弾く指には黒の手袋をはめている】
【僅かに垣間見える髪の色もまた、瞳と同じく銀色のようだったが】

【――兎も角、此処は人里離れた廃墟だった。今は夜で、程々に涼しいが】
【少なからずこのような場所で"真新しい"ピアノを弾くなど――尋常の者では、まず無くて】
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2018/08/09(木) 22:11:06.13 ID:bPqEeBCWO
【街中】


“ Dr. ” ────────


【ぱちん。どこかで小さく魔翌力が爆ぜた。指先一つほどの、小さな魔翌力】
【その魔翌力の持ち主は赤い女だった。髪から服から靴から真っ赤な女。ただ目だけが金色で】
【左薬指には赤い指輪、耳元には銀色のイヤリングをしている奴だった】


くっそ…………やっぱ、適当歩いてても見つかんねーか
鈴音も鈴音だが夕月も夕月だ、クソっ!!
どいつもこいつもふらっといなくなって面倒ごとに巻き込まれやがる…………!


【ぱちん、ぱちん。また魔翌力が爆ぜる。魔翌力の行き先は、女のイヤリング】
【魔道具とかいうやつだろう。どうにもイヤリングに指を当て、魔翌力を流し込んでいるようだ】
【──それは、異能と呼ばれるモノを魔道具に押し込めたものだった。その中でも、透視の異能を】
【ぱちん。女は何かを、あるいは誰かを探していた。建物や地面、壁一枚隔てた向こうを覗き見て】


ってぇ、な…………クソが。“ Dr. ” ──────── “ Feel ” ────ッッ!


【ばちん!魔翌力が、爆ぜる。銀色に当てた指は、赤く赤く腫れあがっていた】
【魔翌力の扱いをよく知らないのだろう。児戯のように魔翌力を荒れさせ】
【無理やり魔道具の力を引き出している。──見る人から見れば、愚かとも取れる行為だった】

/12時ちょっと過ぎには落ちると思いますが、それでもよろしければお願いします!
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 22:16:15.96 ID:xSkVyWoQ0
>>27

…………赤木怜司。――ッ、死ぬようなことだってするって、言ってたって、聞いたのにっ、――聞いたのに!
間違いだったって言って自分だけ気が済んだみたいな、――顔して! わたしのことを馬鹿にしたんだ、なんにもできないならなんにもしないって――ッ、
――ッ、じゃあ赦さない! みんなみんな赦さない、っ、間違いだったなら赦さない! ――、ねえっ。ねえ――!

夕月ちゃんはどうしてここに居られるの? どうしてここまで来てくれたの? ねえ……。――ひどいこと、されたの? じゃあ、っ。
どうして帰りたいの? ねえ――、いっしょに、しようよ……。――いまなら、出来るんだよ、……。……わたしたち、嫌だったこと、全部、変えちゃえて。
ねえ、そうやって思ったら、駄目なの……? 変えられるんだよ、……そうでしょ? だから、ここに、来られたんでしょ――?

……だったら。ヤなこと全部。変えちゃおうよ。ねえ。赦してくれるよ。だって。かみさまなんだよ。かみさまだから、いいんだよ。……。
それを嫌ってにんげんたちが思うなら。嫌だったことも。怖かったことも。全部、ぜんぶ……、謝ってくれなきゃ。おかしいよ。おかしいんだよ。

ねえ、わたし、へんなこと、言ってるのかな……。

【ぎりと歯噛みする音がして。続いたのはひどく叩きつけるように乱暴な鈴の音色、きらきら冠みたいな赤色が、――恨みがましいようにギラギラと喚いたのなら】
【ここに居るならそうなんでしょうって尋ねた、急にひどく弱い声を出すに違いなかった、泣き出しそうな声。――けれどすぐに"そうな"ではなくなって】
【色違いの瞳からぼたぼたと大粒の涙を落としていく――わたしたちならできるんだよ、って、言うのは。けれどそれは世界の崩壊に相違なかった、それでも、そうだとしても】
【泣きじゃくる夕月に縋るみたいに少女も泣きじゃくっていた。嫌だったことも怖かったことも変えてしまおう。神様だから誰に伺う必要もなくて。一緒にしようよ】

【(――――それが嫌ならみんなでわたしに謝ってよ。神様でもいいって言ってよ。そうして仲間に入れてほしかったのに)】

【――だからきっと彼女がおかしかった。いじめられっこがある日教室に包丁を片手に登校してきたようなものだった。ずっと我慢していたんだから】
【そうしてそのための力も手に入れたんだから。みんな殺しちゃえるんだから。そうしたら嫌も怖いも消してしまえるんだから。"変えられるんだから"】
【反動に似ていた。それでいて自分がおかしいってきっとどこかで分かっていた。――だけれどもう簡単に納得できないところまで、拗れてしまったのなら】
【いつかイルに言った言葉があった。――怖くない神様になれたなら。誰にもいじめられなくて、怖くない場所で、暮らせるのかな、なんて、】

無駄じゃない。馬鹿みたいじゃない。だけど。あの子たちがそうなってても誰も見てあげようともしない世界は、嫌い――。

【――――ならばそれもずっと隠してたほんとうの気持ちなんだろう。それ自体が無駄だと馬鹿げてると思ったなら、そもそもしないし、四年も続けてこないだろう】
【そうしたらいつかの言葉はやけっぱちだったのかもしれなかった。だけどそんな風に言っちゃいたいくらいの気持ちだったんだろう。だから、言い切る】
【無駄ではないし馬鹿げてもない。――――けれど、それを、そんな子供たちが居ることを、当たり前に、何も考えないで、受け入れている世界は、大嫌いだと】
31 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/09(木) 22:34:56.24 ID:iLYpaivE0
>>30

【赤木怜司。赤木怜司。赤木怜司。その名前だけ脳に深く刻んでおいて、けれど】
【こいつにはきっと彼を無残に[ピーーー]ことなんてできないんだろう。ここまで来ておいて帰りたいなんてほざくような】
【どうしようもない臆病者だから。どうしようもないくらい感性が人間でしかないのだから。だから】

…………かえ、り、たいんだもん! だってつがるんが、怒ってる、……他の人だって!
たぶんきっと心配してる、させちゃってる、から――――帰らなきゃいけないんだもん、
ミレーユさん、ミレーユさんだって泣いてたもん、泣いて、あたしの名前、呼んでたんだもん…………

ちがうよ、あたし、神様なんかじゃない……そんなすごい存在になれるわけない!
出来損ないなんだよ! 人間でもない、死人でもない、なんだかよくわかんない出来損ないの命なの、
そんなのが神様になれるわけないじゃん、あたしには無理だよ、……世界、変えるなんて、あたしにはできない……

ちがうよ、へんなのは、鈴音じゃない……あたしがへんなんだ、ここに居ること自体、おかしいんだ…………

【私は女神になれないって何度も何度も繰り返す。意識は未だ人間のモノとして在ると言う】
【だというのに本質は、人間でもなんでもない化物でしかないんだった。きっと何者にもなれない、何もかもが破綻していて】
【生きてるだけで何かを冒涜しているようなそんなイキモノ――でもない。なら本当に、こいつは一体、なんなんだろう】
【ただひとつわかることがあるとするなら、自分が、鈴音を救えない。それだけのことしかなくて――悲しくて、泣く】

【――――――のだけれど。その答えが得られただけで、ふいに何もかも救われたみたいな顔して】

………………そんなことないよ。みんなで守ろうとしてるよ、あたしも、ヤサカも、つがるんも、
厳島さんとか、……鈴音は知ってるんだっけ、アルクさん。その友達のシャッテンさんって人も。
みんなたんぽぽ手伝ってくれたよ、ほっとけないって言ってくれたよ、だから、……………………。

【けれど言えるのはその程度のことだった。それきりじゃ鈴音の呪いは解けないと知っていながら。でも、どうしても言いたかった】
32 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/09(木) 22:48:38.00 ID:uI10pSpR0
//>>28は取り消しでオナシャス!




>>29

【道の先、チラシを配る少女の姿があった。黒いマントに、黒い軍帽】
【見えているのは銀色の瞳ばかりがぎらぎらと、なんて具合で】
【チラシを配る手にも手袋をはめている。こんなに暑い中、なのだから】
【その衣装にはよっぽどの理由があるのだろうと察せられた】


そこな御老人、ピアノ・コンサートは如何だろう。
無論奏者はこの私だ、入場料などは一切取らない。

……どうして?だって、そういうものだろう。
芸術とは人の心を豊かにするもの、そこに富や貴賤は生起するべくもない。
何より聞いて欲しいのだ、評価されたい…――金など、払いたいくらいだとも。

あぁ……来てくれる、と?それは……―"Danke"、ご老人。


【ピアノ・コンサート。となればその格好は、曲にちなんだコスチュームなのか】
【――ピアノで?という至極真っ当な疑問を、もし話を聞いていたなら思うことだろうが】

【そんな疑問を抱くより先に、捜し物をする女性の元に】
【その少女はチラシを一枚差し出して。さあ見てくれと言わんばかりに、軽く振る】
【ぺら、と紙が音を立てて――元より苛立った様子なら、それを煽る結果になるのだろうか】


あなたもどうだろうか。急がば回れとも云う、と聞いた。
私の旋律はその心を癒やすこと、請け合いだ。……そんな暇はない、か?


【本気でそのトーンなのか、煽っているのか、笑っているのか】
【声は余り抑揚がなく、かと思えば演技がかってもいて】

【――女性の魔道具は、人の衣服などもある程度は透過して見えるのだろうか】
【であるならば、この少女のマントはどうだろうか。――"見えない"はずだ】
【たんなる真っ黒い影として映るかも知れない。どちらにせよ――少女は、ちょうど道を塞ぐように立っていた】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/08/09(木) 23:04:27.97 ID:bPqEeBCWO
>>32

【ち、と舌打ちをひとつ。音楽は別に嫌いではなかったが、それをこの苛立っている時に】
【ゆったりと聞く程には好きでもなかった。おまけにピアノ。眠くなる楽器筆頭1位だ】


悪いがちょっと今急いでて────…………


【ばちん。イヤリングに当てていた指先から、ついに血が滲む。あちこち透かし見ていた流れで】
【女は見てしまった。いや────“見えなかった”。壁一枚くらいなら見通すはずの、ゴキゲンな力なのに】
【彼女はぽかんとした表情で、改めて相手を見る。こんな暑い最中、マントに手袋】
【蒸し焼きにでもなるかのような格好だった。おまけに“心を癒す”。そのフレーズが】
【何よりも引っかかった。平穏だとかなんだとか、そういう言葉を使う連中にまともなイメージがなかったから】


…………お前、“何”だ────?
ピアノ・コンサートにしては随分と…………“妙”な服、着てるじゃあねぇか
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 23:08:45.52 ID:xSkVyWoQ0
>>31

――――神様は、すごくないよ。いっぱい間違えるの。洗濯機が怖いの。ガスコンロだって怖くって。寒いの駄目なのに。夜更けにお菓子を買いに行くんだ。
自分のためじゃないのに。――――へびさまだって。神様だったんだよ。ねえ。すごくないんだよ。――。――――。そんなの。わたしだって、そうだよ、
なんにもできない、お水だって怖くて、鉄砲だってこわくって、よわくて、泣き虫で、隠さなきゃ、いけなくて。怖いって言うのも怖くって……。

生きてないのに死ねないんだ。死んだって死んでないんだ。だってずっと――、考え事してる、お外は見えないけど分かるの、わたしは、消えちゃえないの、
どこも逝けない――、なのにヒトだって思いたかった、ヘビじゃないって分かってた、――だから、だからっ、わたしは、
――イルちゃんが。教えてくれたの。わたしは違うよって。教えてくれたの……。嬉しかった、だって、――違ったんだ、って、分かったから、

【――ぎゅう、と、服の布地を掴む。神様はすごくないって口にしてあげつらねるのは誰の逸話なんだろう、洗濯機が怖い。火が怖い。寒いのに外に出る】
【"へびさま"――そいつも神様だった。そんなやつですら神様だった。だから。だから。――何が言いたいのかきっと分かってなかった、だから神様になれってわけじゃない】
【自分だってすごくなかった。いろんなものが怖くて。それを我慢して。怖いって言うことも怖くて。絶対的になるまで、それを言い出すことさえできなくって】

【そうして紡ぐのは。――自分もまたどうしようもないナニカだった。生きてないのに死んでない。ヒトでもヘビでもない。不明瞭なナニカ、だから、苦しかったのを】
【イルが――あの病魔が救ってくれたんだ、と、ささめく。けれどそうやって言うのはきっと嫌がられるって分かっていた。みんな分かってくれない、嬉しかったことを】
【ただただ漠然とした苦痛と不安と絶望の中でようやく下される診断にほっとしたんだった。これでもう――あんなふうに頑張らなくていいんだ、と、思うのは、罪なんだろうか】

――――――――――。

【それでもかろうじて本当に思ったことは口にしないで済んだ。結局きれいじゃない自分は要らないんだって分かってしまっていた、だって、】

……そう、じゃあ、帰ったら。"みんなで"しようね、夕月ちゃんと、ヤサカさんと、つがるちゃんで。

【――だから薄らと笑う。けれどその言葉には条件が多すぎた、彼女が人間の世界に戻るにはしないといけないことがあった、済まさなきゃいけない気があった】
【納得できないなら戻らないと宣言していた。怒っていた。赦さないって口にしていた。だから。それが叶うとしたなら、全部が、全部、終わった後】
【そうしたらみんなでしよう。自分が声を掛けた人達みんなで。だからそれは四人でしかなかった。あまり信用していない人間もいつか罵り合った人間も知らない人間も要らない】
【ひどく排他的で、でも、まだなんにも納得してなくて、仲直りなんてできてないから、きっと、仕方なくもあった。――それでも希望になりうるのは、】
【戻る気があるらしいということ一点のみなのだろう。そしてあるいはそれで充分なのかもしれなかった。本当に?だなんて問いかけるのは無粋にすぎるなら】

【――――人間と仲直り、できていないから。人間じゃない彼女たちしか信じたくないのかもしれなかった。それでも人間であるセリーナを助けたがっていた、だから、】
【けっきょく神様になってもちぐはぐに迷走しているのかもしれなかった。――だからそれなりに人間らしい言動をする。そうしてそのままで世界を滅ぼしうる神格であり】
【言葉が通じるなら救いだろうか。求めているものが明確なら救いだろうか。それでも確かに「世界なんて滅ぼしちゃおうよ」――って、さっき、囁いたのは、確かで】
35 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/09(木) 23:13:37.63 ID:uI10pSpR0
>>33

おや、"妙"なのは『服』ではなく『私自身』だが。
それが視えるということは、そのイヤリングはやはり特殊なものなのだな
どうも似合っていないから、どうではないかと思ったが。


【差し出した紙は、降ろさない。道に立ちはだかったまま、動かない】
【しかしその少女の言葉は、明らかに『ただのピアノ少女』などではなく】


……おっと。何≠セという質問だったか。
わたしの名は『アンドレア・ザ・クリエイター=x……オメラスの住人≠セよ。


【――黒幕、という言葉の意味は広義に渡る】
【しかし今回の場合は言語に絡脈が無く、前後のつながりもまた無い】

【けれど、どうだろう。最後の単語には、つながりが本当に無いだろうか】
【勿論これは聞く人に寄る、が。――少女は尚も、紙を一振りぺらりと鳴らして】
【堂々と目の前に立ったまま、コンサートのいざないを続けていた】
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 23:17:12.77 ID:Oy/9sGA30

>>8

【聡明、と言われて気を良くしたのか少女は少し誇らしげな表情で男の話を聞き始める。しかしその顔は次第に苦々しげなものへと変わっていき】

うぅ……確かに……そうだけど……その……そうでもしないと気分が晴れる気がしなくて……

ああもう!悪かったってば!
【先程の自分の行動を思い出してしまったのか少し叫ぶように言って】

【忌むべき者かもしれないならという心配は杞憂だと言われればまだ疑わしげな眼差しをちらりと向けて、そうだと良いけど、と呟く】


……そう、そう言ってくれるなら嬉しいわ
私は……正しい事をした
けれども恐らく最善ではなかった
だから彼奴は私が必ず──

……まあ、それ以外の私怨もあるからだけど……

……彼奴が吐いた嘘はね、それだけじゃないの

私ね、友達がいたの
その子は行方が知れなくてずっと探していた
彼奴はね、その行方を知っていたの
けれども知らないって嘘を吐いた
神に誓って知らないとまで言い切ったのに結局その子は彼奴が所属する場所にいた
けれども彼奴は嘘は言っていないなんてぬかして……その上で私の別の友人を馬鹿にした……

本当に赦せない……殺してしまいたい……
【少女は淡々と言葉を続ける】
【きっと少女にとって大事な友人達なのだろう。そこに触れられるのを厭う程に】

【少女が吐き捨てた最後の言葉。瞬間、周囲の空気が少し凍りついたような気がして】


37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/08/09(木) 23:25:31.74 ID:bPqEeBCWO
>>35

はっ…………このイヤリングは貰いもんでね
キザったらしい嫌味ヤローからのプレゼントってやつだ
似合ってねぇっていうんなら──そいつのセンスの…………、


…………────────“OMERAS”


【差し出された紙と少女──アンドレアを交互に見やりながら、女はその単語を正しく発音した】
【どこかで聞いたことがあるかのように、正しく。忌避するように、嫌々ながらの発音ではあったが】


(…………参ったぜ。探し物をしてたら別の探し物を引き当てちまった)
(さぁて────ちっとばかし、正念場ってぇとこか。逃げるんだったら、この人混みだ)
(こいつの目がよっぽど化け物じゃねぇ限り、撒いちまうのはあっけねぇだろうが…………)


……………………、……………………オメラス、か

んんっ…………、最近どっかでか聞いたなぁ…………その言葉よぉ
なんだぁ、確か────何ヶ月か前に起きたテロで、主犯の女がンなこと言ってたよーな
そんな気ぃ、すんだけどよぉ…………流行ってんのかぁ?


【──チラシを手に取る。オメラス。気になる単語ではあった。「コンサート、ってぇのはよぉ」】
【女は興味を持ったように話を続ける。「なんだ、御伽噺のピアノ曲でも引くのかぁ?」「オメラス、だっけ?」】
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/08/09(木) 23:28:09.63 ID:iTjPtDGio
>>36

【少女の述懐を≪羊飼い≫はどの様に聞いていたのだろうか。神妙な面持ちでそれを聞いて】
【言葉が一段落したなら、一つ大きな深呼吸をしてみせる、緩やかな呼吸の音色】
【それは泳ぎ方を教える試みに似ていた。確かな段取りの下、教えるその方法論】


──── 成程、それは貴女がそう思ってしまうのも無理はありませんね。
嘘と、冒涜と、貴女の感情を強く揺るがしてしまう程に残酷な行いだったのでしょう
辛い思いをしましたね、同時に、良く話して下さいました。

私はまず、そこに感謝せねばなりません──── 思い出すだけでも、辛い記憶ですのに
それははっきりと、貴女自身の言葉が示しています、ええ、 "殺してしまいたい"
苛烈な言葉です。けれども、苛烈でなければ足りない程に、貴女の心は煮えくりかえっている


【それはまるで絡まった糸を解きほぐすように、一葉一葉確かめながら言葉を織る】
【手を伸ばす、少女の肩に軽く手を置こうとして、可能ならば膝を曲げて視線を揃えるだろう】
【優しい面持ちで彼は貴女を見つめる。その大きな瞳に映る自分を、見つめるみたいに】


それで貴女はその少女に危害を加えるつもりですか? それとも、許すのでしょうか
私にはそこまで辿ることはできません。その行方を知るには、あまりにも無知です
だからこそ問いただす事しか出来ません。貴女の信条を願って

私は何れにせよ貴女を止めることも責めることもできません。それは貴女の心の作用です
けれども一つ、先駆者から述べるのであれば、復讐心で振う刃を私は認めません。
死とは全ての帰結です。例えどんな思いがあれど、死を与えるにはそれ相応の覚悟が必要ですから



────崇高でない死を、私は忌避します、何処までも
39 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/09(木) 23:29:05.54 ID:iLYpaivE0
>>34

……………………でも、そのイルは、言ったんだよ――――ねえ鈴音、あたし、「工場」行ったよ。
その時にイルがいて、そのとき、あいつ言ってたんだよ、「子供たち、バカみたいに死んでって愉快でしょ」って。
それで――――「今の鈴音だったらきっと自分と同じこと言って笑う」って、言ったんだよっ!?

【なのにそんなヤツのこと好きなの、って、……責めるような訊き方だった。あんまりにもひどい】
【そして同時に、「そんなヤツ」しか鈴音を本当の意味で救えなかったんだと理解して。頭がどうにかなりそうだった】
【実際もうどうにでもなっていたんだろう。救いたいって思ってた鈴音のこと、わざわざ傷つけるような言い方して】

【爆発するみたいな勢いと音量で言い終えたら――またわっと泣き始めてしまう。今度はもう鈴音に、縋りつけない】
【かけてもらっていたヴェールを滅茶苦茶なやり方で握り締める。ひどい皺がついてしまう、それすら気がかりにできなくて】
【もう、鈴音の目を見れなくなった。真下を向いてあああ、と呻いて、ぼろぼろぼろぼろ涙をこぼして、上体を丸める】
【笑いとともにかけられる言葉にも、素直に喜べずにいた。びくりと肩を震わせて、……呻いて】

………………、…………………………、あたしに世界は変えられない………………。

【もう無理だよ、って言ったら今度こそすべてが破断すると思った。だからなんとかそれだけは言わないでおいて】
【嗚咽としゃくり上げの合間に、それでも、似たようなことを口にする。神様はすごくないってわかっても】
【それだけはどうしてもできないと言う。神様になれない。革命家にもなれない。自分はただの出来損ないでしかない】
【ただもう、それだけしか言えなくなっていた。……失望するだろうか。してくれていい。自分にそんな価値はないって、思うから】

【だったらもう。この世界からも放り出されてしまうんだろうか、……人間にも、神様にも。何者にもなれないのであれば】
40 :白桜 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/08/09(木) 23:29:21.83 ID:Tb6IPITQ0
【水の国・街中の公園】

―――……暑すぎる。折角、意を決して外に出たというのに…。
この暑さは何なのか…。私に対するいやがらせ?……やっぱりおうちが一番…

【連日の猛暑は少女の意気を消沈させて、日の差さないベンチでぐったり横たわっていた】
【新雪を連想させるような白い肌と白い長髪に、遠くを見ているような目付きが特徴的な少女】
【攻撃的な雰囲気のフェイ=エトレーヌと異なり、落ち着いた雰囲気を滲ませているが今はその限りではない】

エーリカもここ一ヶ月顔も出してくれないし、フェイは未だに私の精神で眠っている。
―――……寂しい。……"お姉はん"に、……会いたい。

ひとりだと、せみの鳴き声も人の喧騒も遠く聞こえる…。世界中に独りだけ…みたい。

【ぽつりと呟いた言葉に力は無く、横臥したままに己が内に渦巻く感情を口にする】
【"貴女に会いたい"――白桜の偽りなき言葉。独り言にしては大きな声で紡がれていた】
【もしかしたら、誰かがその独り言を耳にしているかもしれないが果たして――】
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/08/09(木) 23:37:45.22 ID:iTjPtDGio
>>40

【たたた────と、遠くからなにやら疾走する人影があって】
【白桜が認識するよりずっとずっと早く、その人影は確かな形になってみせて】
【彼女は近づくや否や、ベンチに横たわる少女を抱き上げて、ぎゅうっと抱きしめた】


わぁぁぁぁあ!!! 白桜はん、どうしはったん!? あぁ、こない痩せてしもうて……
大丈夫? 全然大丈夫やあらへんよね、もう、こんなに暑いなんて本土はやっぱあかんどす
ちゃうちゃう! そんなん言ってる場合やなくて……はぅ……

心配せんとって、白桜はん、お姉はんがついてるさかい、安心しいや


【染めたての茶色い長髪を、紅細工の簪でポニーテールに結って】
【紅いキャミソール状の半襦袢の上から、長い白羽織を着こなす】
【黒いニーソにブーツ、黒曜石色の瞳をした少女であった、最早顔なじみであるが】

【白木と黒木の鞘に包まれた太刀を二本、左の腰に添えている】


兎に角お姉はんが扇ぐさかいに、元気なってな!


【一端ちょこんとベンチに座らせて、自分も腰掛けたなら、えいやと横倒しにする】
【丁度自分の太ももに白桜の頭が来るようにして、そうしてぱたぱたと両手で扇ぐ】
42 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/09(木) 23:46:39.09 ID:uI10pSpR0
>>37


……流行り言葉=H

さあ、それは違うのではないかな。何せ私は、父君以外からその名を聴いたことがない。
しかしながら父君はテロリストでもなく、『主犯の女』でもない。
そしてまた、道行く人々がその名を口にするのも聞いていない。

ならば、それはきっと流行りではないのだろう?


【違うだろうか。そんな付け加えまでしながら言葉を切った】
【変に高圧的でもなく、詐術的で迂遠な言い回しをするわけでもない】
【言うなれば――素直。チラシを受け取って貰えれば、その手を下ろす】

【チラシの内容は簡単なものだった。内容――『ピアノ・コンサート』『独奏会』】
【場所、野外音楽堂。時間、数十分後。料金、不要。演奏者、アンドレア・ザ・クリエイター=z

【色使いは学生の作るそれのように鮮やかで、筆跡は手書きだろうがポップな字体】
【暇なら足を運んでみようか。そう思わせるだけの出来栄えではあった】


私のコンサートは、あくまで観客の好みに応じるものだ。
お伽噺が良いと言うのなら弾き語ろう、私の故郷/オメラス≠フ唄も良いだろう。
弾けというのなら、ショパンのエチュードでも弾き切ろう。

――さあ。場所はすぐそこだ、聞いていってくれる。そうなのだろう?


【普通の少女でないことは確かだった。――というか、そもそもの話】
【この少女の足元にも、片腕にも、予備のチラシなどは一枚も無いのに】
【一体どうやって配っていたのか。そして、大胆にも手袋をはめた手をのばすと】

【少女は、女性の手を取ろうとするだろう。誘い、招くように。最も――その力は、年相応のものであった】
43 :白桜 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/08/09(木) 23:58:20.75 ID:Tb6IPITQ0
>>41

【聞いた事ある懐かしい声――解る。これは、この声は…】
【触れた事のある暖かい声――解る。これは、この暖かさは…】


【"――文月、お姉はん…っ!"】


【ぎゅっと抱きしめられて、それに応える様にきゅっ、と抱きついた】
【その名を呼んだら、やって来た。そんな錯覚を覚える程に嬉しくて】
【今にも泣き出しそうな声で、万感の想いを乗せて。その名を口にする】


――…久しぶり。お姉はん…っ。お姉はんにまた会えた。
よかった。……世界中で独りだけみたいに思ってた所だから、……凄く、嬉しい。


【太ももに乗せられた頭。覗き込んだ先にあるのは、待ち人の変わらぬ顔】
【陽だまりの様に暖かく、優しい顔。それに生ぬるい風。けれどその気遣いが心地よくて】


―――……なまぬるい風。けど、いやじゃない。もう少しだけ、この風に当たっていたい。
そんな……妹のおねだりを聞き入れてくれる?そしたら、もっと元気になる。……かもしれない。

【白桜の浮かべる安堵の表情に、薄らながらの涙目。余程嬉しかったのだろう】
【それ故にこの時が嘘であって欲しくないと心の底から願い、手放したくない】
【だからか。白桜は載せられた頭を更に文月の方へとゆっくり寄せていく。もっと密着したいのだろうか】

44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/09(木) 23:59:45.79 ID:Oy/9sGA30

>>38

【途切れた相手の言葉。大きな深呼吸をした貴方は恐らく夏の昼間とは思えぬような少し冷たい空気を吸い込む事になるのだろう】
【最初の邂逅から推測するに少女が持つ能力の一端、なのだろうか?】

……うん

……うん……っ、辛かった……苦しかった……でも、話せなかった……
そんなの言ったってあの子きっと「私はそんなの気にしないよ」って言うんだもん……私は気にするのに……それどころかきっとまた彼奴と戦った事を心配しそうなんだもん……話せる訳ないじゃん……

私は良いの……でもあの子達を否定したり馬鹿にするのは赦せないの……
だって、こっちに来て出来た大事な友達なんだもん……

だから彼奴は──
【荒らげられた声。それは肩に手を置かれ、その目に見つめられた事で止まる】

……殺したい、出来る事なら……謝ったって許してやらない……そもそもその謝罪が心からのものなのかすら信じられない……
だって、彼奴の話す事なんか全部嘘に……


……ねえ、ちょっと待って……?

私、そいつが女で同年代だなんて言った……?

【少女の言葉がふと止まる】

【じ、と見返される男の瞳】

【少女は身体を強張らせて、貴方、何者なの、と小さく尋ねる】


45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/10(金) 00:00:32.58 ID:BTSUizf10
>>39

――――――――――――、だけど。わたしは。イルちゃんを置いていきたくない。
イルちゃんに自分を不完全だなんて言ってほしくない、恵まれた人間が醜く争うのが憎いだなんて言ってほしくない。……だから、
癒せない病気も、治らない病気も、死ねないわたしには、――関係、ないから。イルちゃんが殺すしかできなくても、わたしは、死なないから。

【――かすかに唇を噛む気配がした。工場に入ることさえ叶わなかった自分だから、それ以上のことは、なんにも言えなかった】
【だから何にも言わなかった。それよりもあの子を悪く言わないでほしかった。それが悲しかった。あんなふうな顔をした子を、それ以上悪く言わないでほしくて】
【自分を助けてくれた子を悪く言わないでほしくて。だけれどそれと同時にきっと分かってもいた。そうして助けられた自分がこうして否定され続けているなら】
【きっと世界はあの子だって受け入れてあげないんだろうって分かっていた。ぐしゃりと握りしめられたヴェールはそれでも上等だったのか、よほどひどい皺は残らない】

【――あるいは気づくのかもしれない。それはきっと結婚式の時にするための逸品だった、とびきりに上等で、繊細で、世界一幸せな女の子を世界一綺麗にする、魔法がかかってる】
【人間が来るはずもない場所で少女は一人ぼっちでそれをかぶっていたんだった。だったら誰かを待っているのかもしれなかった。人間の男に期待なんてしないのかもしれなかった】
【そのくせいつか誰かのためにかぶったヴェールをひどく大事そうにしていて、だからこそ、相手にかぶしていたんだった。せめて悪いものから護られますようにと、きっと願って】
【だから俯いて泣いてしまう夕月をじっと見ていた。ぺたんとお姉さん座り。指先が伸びて。――握りしめるヴェールを優しく、けれど有無を言わさず、取り上げるんだろう】
【そうしてもう一度かけてやるんだった。それ以上の意味なんてなかった。寒さをやわらげられるはずがなかった。けれど一つだけおまじない】

あのね、――お母さんがね。教えてくれたんだ。桜花って名前は。その意味はね。
桜の花はいっつも楽しそうなひとに囲まれてるからだって。桜の花はね、楽しそうにしてるひとしか見たことがないんだって。
だから――そういう風に生きていけるようにって。そういう名前なんだって。だから、――だけど、わたしは、その名前を、棄ててしまったから。

…………それね、あげる。"取ってきたんだ"。でもね。……あげるよ。だから、笑ってて。

【散り誇る桜の花びらを無数に縫い取った細やかな刺繍が施されたウェディングヴェール。あなたにあげるって言って少女は笑うんだろう。きっと大事なものだった、でも、】
【笑っていてほしいから。そういう意味では自分が納得するために神様をしつくすと決めた自分より、きっと、相応しいから。――それに泣いていてほしくなかったから】
【名前のおまじないごと"あげる"。

わたしは――変えたいよ。

【――――納得できない世界には戻らない。だから。納得できる世界を望む。そうしたら彼女が戻った時に、世界は、"変わって"いるはずだから】
【どこまでも自分の都合だった。生きてきたことがしてきたことが無意味だなんて思いたくないだけだった。そのためだけに、世界まで巻き込もうとしているだけだった】

【――それでも、】
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/08/10(金) 00:03:25.15 ID:nG4JDj1MO
>>42

…………、…………ふぅん、そっか。なら、ただの偶然なのかもな
いや、妙に耳触りのいい言葉だからよぉ…………なぁんか、こう……覚えちまってんだろうな
ほら、あんただってあるだろ?酒場で見た酒とマイナーなバンドの名前が同じでよぉ
それが気になって気になって、なにかの拍子に思い出しちまう────そんなことがさ


【そんなことを言いながらチラシの内容に目を通す。目に映る文字列は至って平凡なものだ】
【駅前に貼ってあれば間違いなく視界には入るが、次の1歩を踏み出す頃にはその存在すら忘れてしまいそうな】
【当たり前にその辺りにありそうなチラシ。学園祭の当日、駅前にでも落ちていればなお完璧だ】


にしたって────コンサートってぇのはもっとしっかり、プログラムが組まれてんのかと思ってたぜ
客のリクエストに合わせて、ってぇのは……バーとか、そういうとこの連中がやるもんかと

ま、こっちのリクエストを聞いてくれるってんなら……是非とも聞いてみてぇなぁ
その────オメラスの歌とやらを。話を聞くに、あんたの親父さんもオメラスとやらの出身か?
親父さんとの思い出を弾き語ってくれたっていいし……語り尽くせねぇってんなら、こっから会場までの暇つぶし程度にでもいいさ

にしたって────あんた、妙な服に加えて妙な技でも持ってんのかぁ?
チラシ…………服ン中に隠してるってぇ風でもねぇけど、よぉ
あぁ、妙なのは服じゃなくて…………“あんた”だって、さっき言ってたっけ?


【手を取られる。そのまま女は、抵抗することもなくアンドレアについて行くのだろう】
【あくまでも興味があるフリをして。“OMERAS”──ただの言葉の一致が】
【どうしても気になっていた。違うなら違うで構わないのだが】
【それはそれで、確実に違うという確信を持ちたかったのだ。危険は──まぁ、今更のことだった】
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/08/10(金) 00:07:12.71 ID:CobGEX3+o
>>43

【真っ直ぐに向けられる白梅の如き可憐な少女、同性である文月もどきりとするほど】
【向日葵の如く澄んだ微笑みに、百日紅然とした紅潮を加えて、照れた様に笑って】
【うちもやよ、なんて言ってみせて、すっと貴女の髪を指先で梳いてみせた】


……もぅ、白桜はんってば何てこと考えはるん、うちが、独りになんかする訳ないどす
うちは世界中で一番、白桜はんを心配してるさかいに、そんな風に思わはったら
──── 思わはったら、……もう、平常やいられへんどす

ごめんな、あっちの仕事が少し忙しくならはって、中々会いにいけへんかったから
体調大丈夫? 白桜はん、暑いの苦手どす? せやろうね、こんな綺麗な白い肌してはるんやもん
……ちょっとうらやましくなるどす、どんな風にスキンケアしはってるんかなぁ……


【掌に長い髪の毛を置いて、何度か指先で確かめる。絹糸よりもなめらかな感触】
【それはまるで水を撫でている様な感覚であった。するりと容易に指先からこぼれ落ちて】
【それでいて文月は、その一枚一枚を愛おしく、大切に撫でていた】


妹のおねだりを、イヤやって言うお姉はんが何処にいはるん、何度もうちに言わはって
お姉はんはな、可愛い可愛い妹の為やったら、何だってできるんやさかい
……あ、でもな、彼氏はんだけは堪忍な、うちも今勉強して────んぅ

……もう、白桜はんってば、そんなにくっつかはったら、くすぐった……っ、ひ……


【長い睫毛が頬の水面に溶ける。くしゃっと閉じた瞼が、嬌声に似た音を靡かせて】
【大きくビクンと身もだえしたなら、太ももの上で動く白桜にびっくりして】
【そうして、少し上気しながら、もぅなんて言って微笑んで見せた】
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/08/10(金) 00:16:08.61 ID:CobGEX3+o
>>44

【冷たい空気を吸い込みながら、彼は微かに能力へと思案を運ぶ】
【けれども、その大部分までは辿れない。そこに向かうには少々情報不足で】
【しばしもう一度、その言葉の便りへと思いを委ねる】


──── 偶然ですよ、貴女が声を掛ける情景を想像したなら、少女が相応であった様に思えたのです
対成人男性の対応は、先ほどの攻撃の一件を見て、話し合いと言うには些か程遠かった故に
当たっていたのですか、それならば私は微かな喜びを覚えましょう

私が言い当てた事も、本質からは程遠いと私は思います
それだけで私が全て見透かしているだなんて、私を買いかぶりすぎです
ええ、それは、不安の作用に他ならない、それを大にすることを私は好みません


【声のトーンは変わらない、ただ静かに、滔々と────語る言葉を変えず】
【そうして彼は続けるのだろう、まるでそこに何も無かったかの如く】
【不審を抱くのも無理は無いか、けれども、────、其れを所以にするには些か淡い】


貴女は殺してしまいたいとさえ思ってしまう、それ程までに、痛切な感情なのですね
私にはトモダチという感覚が分かりません。──── ですから、推察する事しか出来ませんが
貴女がそう思う程という事は、よほど良いご友人なのでしょうね
49 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/10(金) 00:20:53.28 ID:IOHzD08S0
>>45

【だけど、って言ってしまわれたら、今度こそもう何も言い返せなくなる。呻き声めいた泣き声も止んで】
【イルを赦すという選択肢は、彼女の中でとうに潰えて久しかったから。それだけはどうしても許容できなくて】
【これで完全に決別しちゃったって思った。……声は消えても、涙は、止まらない】

【するりと自分の手から抜けていくヴェール。追い縋るように、未練がましく指先だけ引っ掛けて】
【けれどそれも大した抵抗にはならないんだろう。完全に取り上げられたら、ようやく、その行く先を追いかけるように】
【視線を上げる。ぐちゃぐちゃに濡れた赫色のまなこが、ぱちくりと鈴音のさまを見ていた。口もぽかんと開きっぱなし】

【――――――――――――だったけど。わなわなと、唇の端、震えたなら】


……………………そうやってッ! いつも自分が欲しがったもの、すぐあきらめて!!
自分にはいらないとかあげるとかなんとか言って!! ……なんでヤだとか、これあたしのとか、言わないの!?
ふざけないでよ、そうして、そうやっていっつも人のことばっかり、ばっかり、……なんで自分を大切にしないの!!?

あたし鈴音のこと大好きだよ、でも―――――――こーいうトコは大ッッッッッ嫌いだよっ!!!


【初めて鈴音に対して「怒り」の表情を見せた。だくだく溢れ出していた涙、その一瞬で全部弾き飛ばさんばかりの勢いで】
【怒鳴りつける。そういう声が、鈴音にとっては怖いことだってわかってるくせに。……我慢ならなかった、どうしても】
【そして「いらないよこんなの、……あたしにこんな綺麗なのなんか似合わない!!」 ――言って、投げ返そうとするだろう】


…………………………いいよもう、こんなのなくったって、笑ってやる!!
笑ってそれで――――あんたを迎えにいけるだけの世界、創ってやる、あたしがっ、
変えられないなら創ってやるから、………………そこで見とけよ、イイコの顔全部バリバリに剥がしてやるからっ!!!


【そうしながら見せる笑顔はひどく不細工だった。涙は依然止まらないのに口元だけ引き攣ったみたいに、バカみたいに笑ってる】
【失敗した福笑いみたいな顔だった。それでも笑っていた。なにもしてくれなくたって笑ってやるって、言って】
【――――ヴェールを投げ返すのは成功するだろうか。成功しようと失敗しようと、きっと次にはここから、弾き出される予感はしたけど】
50 :白桜 ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/08/10(金) 00:32:57.42 ID:0z0NwbEP0
>>47

【――独りではない。その通り。現に姉である文月は、心底心配してくれている】
【綺麗な指先で梳かれる白い髪の感触。不思議と不快感は無く、寧ろその逆だった】


……待つのは、慣れっこ。だから、平気。けれど、……今回は少しだけ寂しかった。
お姉はんが私を独りにする事が無いって、……頭では理解してても、心は納得してくれなかった。

だから、……私も平常心じゃ、ない…かも知れない。

【視界に広がるのは、初めて出会った時と変わらぬ笑み。照れた笑みに、赤らんだ表情】
【あの日から。文月の妹になったあの日から、日を追う毎に膨らむ思慕の情を持て余して】
【駄々を捏ねる幼子の様に、言葉で前置きを残して存分に甘えるのであった】


くすぐったくても、我慢して。それに変な声を出すと、……聞かれた場合、私も恥ずかしい。
けれど、……私は心身ともに不調で。暑いのは苦手だから、これくらいの甘えは許して欲しい。


【くすっ、と薄く微笑んで行うのは妹としてのわがまま。先程、言質を得たからか】
【先程よりもスキンシップはエスカレート。文月の太ももの感触を堪能するが如し】
【堪能したのなら――"良い夢見心地。お姉はんをもっと堪能したい"と更に強請る】

【そんな遣り取りを行っている間にも日差しは強く、熱気は更に強まっていき】
【いつしか白桜は提案するだろう――お姉はんの家か私達"カイ"の部屋に行かないか、と】
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/10(金) 00:43:19.88 ID:BTSUizf10
>>49

【その恰好に、きっと寒いだろうと思っているのかもしれなかった。だからしきりに布をかぶせるのかもしれなかった。こんな薄いのではどうしようもないんだけど】
【だから結局くだらないことをしているのとおんなじなのだろう。自分は怒っているからと言って、神様の力でみんなを脅して、自分の思い通りの場所を創ろうとしても】
【しかして限りなく正しかった。――彼女が求めていたのは結局自分のしてきたことを、今までを、無意味だったと言われたくなくて。思いたくもなくて、ただそれだけ】
【そのくせ一つ一つ折り合えなかったから――あるいはあの蛇の胎の中でみんなが受け入れてくれたなら、彼女はそれでよかったのかもしれないって、思わせる】

……………………――っ、え、

【だから――怒鳴りつけられて、少女はきっとひどく狼狽する。色違いの瞳がまあるくなって、途端にきゅうと瞳孔が狭まる、身体がぎちりと強張るのが、見て取れる】
【真っ白な顔が秒速にて蒼褪めるのだろう。涙すら出なかった。その恐怖のレベルを超えてしまっていた。呼吸が詰まる、何かを喉に詰めてしまったみたいに】
【投げつけられたヴェールが身体じゅうに絡まって――もたもたと剥がす。その指先がきっとがたがた震えていた。だから怯えていた、顔もひどく強張って】

なんで、だって、……、だって。――っ、あ。だっ、――、なん、で、……。だって、
だって……。……。…………。

【鈴の音ががちがちに固まって震える。だから本当に金属みたいな声がした。しきりに繰り返す言葉は言い訳の色をして、だけれど、全く形にならぬまま】
【もしも心を読むことが出来たなら言いたいことも分かるんだろう。だけれどそんな奇跡は起きないなら、誰にも分からないに違いなかった。――だって、だって、】
【――今まで、彼女は、ひとつの暮らしが壊れるたびに全部を喪ってきた。親が死んだ時も自分が殺されたときも間違いゆえに殺されたときも愛した人がいなくなったときも】
【――――ぜんぶぜんぶなくしてきた。引き継がれてきたのなんて思い出だけだった。自分のものを彼女はほとんど持ってなかった。だから、そのたんびに集め直すんだった】

【部屋中のぬいぐるみもお人形もめいっぱいのお洋服もきれいなマニキュアの瓶も全部全部全部がその埋め合わせだった、自分のものが欲しいから】
【だから返してほしかった。だのに見せてさえくれなかった。あのときに返してもらっていたなら、――多分間違いだったとしても彼女はそこで折れてしまわなかった】
【それくらいに彼女は自分のものに執着していた。自分だけのものが大事だった。だからあげる。気持ちを隠しても。我慢しても。自分を大事にしないって言われても、】
【――その都度その都度ひとつの人生が終わるみたいに何もかも喪っていきてきたから、どうしたらいいのかなんて、きっと、知らなくて】

あ……、――や、――、っ、だって、だって……、……。だって、だって。だって。――っ、

【(――――――"自分のもの"だと思ってた"たんぽぽ"さえ、自分が居なくても、どうにか、なってるんだとしたら?)】

【――――ぎら、と、赤色が瞬いた。だからそれは祟りの寓意だった。自分は怒ってるんだという表明でもあるのかもしれなかった、全部の、存在に向けて】
【雀蜂が黒くて黄色いのと同じ。毒茸が派手な色をしているのと同じ。――だなんていうには、彼女はさすがに人間らしくしゃべりすぎるけど】

【――だから自分を護るためにぎらついて、それで、相手を追い出そうとする。連れ込んだならばやりようはおんなじだった。ここはわたしたちの場所だけど】
【嫌なら帰ったらよかった。怒られた意味も分かってないに違いなかった。――それどこか怒られて怒ってるのかもしれなかった、ゆえに、ひどく乱暴に、追い返す】
【そうしてきっと追って来ることもない。当然だった、だって、彼女には現世で使うための身体がないから。――だから光景は舞い戻って、再び、無機質で空虚な場所なんだろう】

【ゆえに無音。鈴の音がするはずもなく。それなら――どこか極限状態が見せる幻だったみたいで、現実味なんて、きっと、全くなくって】

/おつかれさまでした、でしょうか!
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/10(金) 00:44:19.77 ID:TvutHF2W0

>>48

【滔々と語る男。少女は相も変わらずじとりとした目で男を見て】

……本当に偶然?
さっきは気が立っていただけでどの年代のヒトとも普通に話し合い出来るよ、私

見透かす、というよりは彼奴と同じ所の者じゃないかって疑ったんだけれどもね
……まあ、"羊飼い"を名乗るくらいだもの。きっと"あれ"ではないのでしょうけれども

【……確かその名前が使われる所では"あれ"は悪いものの代名詞だったっけ、と何処かで見た何かの内容を思い返しながら彼女は言葉を続ける】

【だが、話が友人達の事になるとその表情は誇らしげなそれになって】

うん!二人ともとても良いヒト達なの!
姿を消してしまった子の方は優しくて料理が上手で……でも大変な事を抱え込んじゃうような子で……ちょっと心配かな

それでもう一人の方はね、料理はそんなでもないんだけど明るくてカッコいい子!
ある事を一緒に頑張ろうって約束してるの!
してた、んだけど……ね……

【その子も急に連絡がつかなくなっちゃったの、と少女はぽつりと呟く】

約束、してたのに……私に押し付けていなくなっちゃった……
嘘、だったみたいに……
あの子と、おんなじように……

【小さく拳を握り締める】
【恐らく二人目の友人の失踪はここ最近のものだったのだろう。そしてそれも少女が荒れていた一因なのだろう】


53 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/10(金) 01:00:44.49 ID:IOHzD08S0
>>51

【投げ返して。そしたら鈴音はひどく怯えて、…………想像していた以上にそうされたから】
【さすがにびっくりはしたけど。でも、睨み付けるような視線だけは殺さない】
【だっておかしいと思った。「それ」が嫌で祟り神になったくせに、また「そう」しようとするなんて】
【これじゃきっと――いや絶対、鈴音が世界を変えたって。なんにも変らないままだって、確信したから】


……………………鈴音、世界、変えるより先に――――そういうトコ変えたら?
失くしたくないもの失くしたんならあたしみたいにギャアギャア泣けばいい。
大切なものを奪われたんならギャアギャア喚いて、そのつど怒ればいいんだよ。

あんたはもう、なんにも、………………人になにかをあげようとしなくていいの。


【間違いなく捨て台詞だった。それを言い終える前に追い出されたかもしれなかった。気がつけば元の地下牢で】
【真っ暗闇しか残っていない。うつくしいヴェールの手触りすら残らない。それでいい。両手でぎゅう、と虚無を握り締めたなら】


……………………………………、ばあああああぁあぁあぁぁあっか、鈴音のバカ………………。


【その手で両目を覆い隠して、倒れ込んで、泣き始める。嗚咽も声も隠さずに、わあわあ好きなだけ喚いたなら】
【音は厭味ったらしくよく響く。そういう構造の地下室だったから。……それでずっと、ずっとずっと泣いて――疲れ切って眠るまで】


//おつかれさまでした、ありがとうございました!!
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/10(金) 22:08:00.15 ID:s3Ep/Qe20
【路地裏――――その深部】
【うだるような、というよりも蒸しあげるような暑さと湿度が満ち満ちていた、地面にたまる薄汚い水たまりは、夕立の気配だけ残して】
【そのくせそれを見上げればビルの明かりによって薄められた星空が敷き詰められていて、ならば、それ以上の雨は予感させない】
【――ならば、ぱちゃん、と、小さな水の音は誰かの足音であるのだろう。そうして誰かが覗き見るのなら、そこにはやはり、人影が一つある】

――――、

【――――透き通るように薄いウィステリア色の髪は肩も撫でぬ長さ、かえって鮮やかさを錯覚するほどに白い肌に、いっとう鮮烈なマゼンタの瞳が映えて】
【真っ白なワンピースは前面にボタンのついたもの、腰のところをリボンでぎゅうと絞って、だから、ふくらと豊かな胸元と、その腰の細さがよく目立つのだろう】
【やはりつくりものみたいに白い脚は惜しげもなくさらけ出されて。その足元はかかとの高くないサンダル。それでも平均よりいくらも高い背をしたなら】
【けれど大人とは思わせないだろう。それは限りなく少女だった。しかして子供とも思わせぬ刹那をきれいに切り出して】
【そのくせに明らかに異質であるのは、こちらも惜しげなくさらけ出した両腕――その左手に、指先までそろえて伸ばしたなら生すら錯覚しそうなほどに、精巧な、蛇の入れ墨】

【――であれば"残党"であるのは間違いがなかった。それどこか報道に目を通していたなら、行方不明/生死不明とされていた幹部であるとすらわかるのかもしれなくて】

……、――。

【――――――そうして、そうだと分かる距離まで近づくのなら、"それ"にも気づくんだろう。その腕に何かを抱き留めていた、だからか、白い服も汚れていた】
【ぬいぐるみ程度の大きさの、何かぐしゃぐしゃした汚らしいもの。だのに腕を服を汚す色は赤色で。かすかに生臭さまでもがあった、だけれどきっと"彼女"ではなく】
【ならば気づくのかもしれない。抱き留めた腕からこぼれてぶらぶら揺れているのはきっと尻尾だった。――おそらくは猫の死骸、少女はそれを抱いていて】

【――特別に悲しげではなくて、ただ楽しげでもなかった。あるいはそれを見止める"誰か"が居たとしたなら、もしもその誰かが知っていたなら】
【向かう先の方角に、ちょっとした空き地――みたいな、場所があって。立ち入り禁止ではあるけれど、子供たちが入って遊ぶような場所がある】
【そこなら埋めてやれると思っているのかもしれなくて――けれど薄藤の髪に紅紫色の瞳。それから鮮やかな蛇の入れ墨は、あんまりに目立つ、特徴だった】
55 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 14:06:38.35 ID:lUlIhfWz0




     【──── 其れはまどろみの作用に似て、】



【『水の国』の一等地、オフィスが立ち並ぶ市街地にその建物はあった。装飾のない機能的な施設】
【世界でも有数の製薬会社という肩書きも手伝って、見る者を圧倒する貫禄を持って】
【而して今日の訪問客達にとっては、それは行動を阻む可能性には成り得ない。相応の覚悟を胸に】



     【踏み出すその足を怯える理由など何処にも無いから】



【或る者は己の存在意義を失わない為────】


               【或る者は己の成果を守り抜く為────】


      【或る者は己の信念を貫く為────】


                    【或る者は己の愛を証明する為────】



     【交錯する思いは幾重にも、一つの指向性を持って紡がれていくのだろう】



     【白昼夢と呼ぶにはあまりにも、そう、真実に近い夢幻の如く】
56 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 14:07:10.00 ID:lUlIhfWz0
「半径500m圏内のジャミング、既に周辺の封鎖は済ませているです。見取り図はもう頭に入ってますね
 加えてビルの管理システムも私の手の内です。ネズミ一匹逃がさねー封鎖具合でごぜーます」



【 "ゴトウ" の端末へリーイェンの連絡が入る。何時もの仏頂面を保ちつつ感情の無い声で伝えて】
【以前に会った時示し合わせた裏工作、朝食の準備をする様な手軽さでその内容を示す】
【与えられた仕事は十全にこなしてみせる、ある種の矜持に似た響きをそこに宿して】



「まぁ外務八課のお手並み拝見といきますです。三課もサクリレイジも、大規模作戦では敵わねーですし
 私はデータ収集と、有事に備えてシミュレーションでもしておくです」



【冗談交じりの口調、事実リーイェンにとってしては、超一流のオペレーティングを見る経験は少なく】
【故に今回の合同任務は絶好の機会とも言えた。制御された暴力装置、国家の後ろ盾を持った荒くれ者達】
【絶対に敵に回したくない集団の筆頭、──── それが "外務八課" であるのは間違いが無かった】

【──── ただのテロリストであれば良かった。それならば、彼らに任せておけば終いであったから】



「しかし、"中央放送局" に予告状が送られたのは予想外でしたね、お蔭様で物見遊山のお客様がちらほら
 正当な手続きを踏んでる分性質がわりーです、こっちから無碍に扱う事もできねーですし
 取り敢えずかちあわねー様に配慮はしますですが、期待はしねーでほしいです」



【リーイェンの言葉が示す "お客様" ──── "中央放送局" や別の依頼人経由で来た能力者達】
【迷惑とは言えない、けれども、その温度感までは伺えなかった。各々が力を持つ分始末が悪い】
【イレギュラーは付き物であったが、そればかりは現場に居るゴトウに任せざるを得なかった】

【──── そしてリーイェンはもう一つの端末へと移動する、"笑う男" の端末へと】



「大まかな流れは前日に送ったデータ通りです、兎に角 "上手くやれ" というお達しでごぜーます。
 しかしボスの人選は相変わらずわからねーですね、"盲目の娘" を此処に配置するとは
 あの人の考えは演算不可能ですし、考えても仕方ねーですけど」



【サクリレイジのエージェント二人、光を持たぬ少女と、光そのものである青年と、】
【 "騙し絵の女" としてリーイェンは同僚の二人を信頼しつつも、その手腕には不安があった】
【彼らこそまさしく、サクリレイジの所以。"規格外" と呼ぶに相応の力を持っているから】



「ゴトウには伝えてましたがもう一度、サクリレイジの二人は "外務八課" と足並みを揃えて任務に当たる様にと
 どの部隊に配置するか、どの様に用いるか "ゴトウに全て委ねました" 言ってる意味は分かりますです?
 二人は "ゴトウの指示を聞いて行動する様に" と。──── あぁ、勿論」



「私達の使命は忘れぬ様にと、──── 場合によっては "全部台無しにして構わねーです" 」


【返事は待たない。リーイェンは一度接続を切りゴトウの端末に戻るだろう、質問事項が来たならば答えるだろうが】
【準備は済んだ。"外務八課" と "サクリレイジ" ────そこに加えた "公安三課" 正義と呼ぶにはあまりにも】
【──── あまりにも荒々しい面々が揃う、全ては "カミソリ" の切れ味の下に】

【委ねた審判の行方、辿る事の出来ない果てを慟哭と呼んだ】


/外務八課オールスターと、サクリレイジのお二人は此方にレスお願いします!
57 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 14:07:52.65 ID:lUlIhfWz0

【 "冒涜者" の心境はどの様であっただろうか。自らの創造物を侮辱され、蹂躙され】
【それは屈辱と呼ぶに相応しいのだろう、燃え滾る心境を辿るには、言葉はあまりにも軽すぎて】
【だからこそ、外務八課もサクリレイジも過ぎた干渉はしない、──── それはまるで】

【──── 貴女が持った純粋な感情に、及ぶ術を知らない様に】


【陣頭指揮を執る "ゴトウ" なる人物が居る筈だ。ブラスフェミアにとっては苦い顔かもしれないが】
【その切れ味は一等級、味方として見れば、これ程頼りになる存在はそうそう居ない】
【──── 逆説的に言えば、この世界に極僅か存在する、絶対に敵に回しては行けない相手】


【そうであることをブラスフェミアならば、自ずと理解できるだろう】


【 "ゴトウ" がプロフェッショナルである所以は、その聡明さに集約される訳ではない。】
【用兵の巧みさ。──── 与えられた駒を最大限に活用する、盤上の支配者】
【それは何も自分の部下だけではない、居合わせた環境と人員とを、手足の様に活用してみせて】

【なればこそ、然るに、この場にブラスフェミアが自ら赴いた意味も、存在してくる】


【────、そして、ブラスフェミアにアクセスできる形で召集されたもう一人】
【 "旋風の用心棒" ──── 誰が呼んだかその二つ名は、その女性の特徴を端的に示した】
【ブラスフェミアの落とし子が片割れ、呼び寄せる言葉はどこか悲痛に】

【失った片翼を取り戻す比翼連理の名の下に、呼び寄せられた未来を辿る】
【 "リゼ" と彼女は言った。その過程が故にブラスフェミアと現在は一括りにされて】
【彼女もまた、一つの暴力装置として、"ゴトウ" の指揮下に置かれるだろう】



【どう考えるかは分からない、その思考を辿るには、あまりにも冒涜が過ぎた】
【けれども蹂躙された矜持を推し量るには、その怒りは猛々しさに溢れ】
【時に苛烈すぎる感情は、その身を焼き尽くすだけでなく、世界すらも変革する】

【それが故、それでこそ、この場に貴女が居る理由なのだろうか】

【意思の力は、感情の働きは、時に幾億もの障害を打ち払う】
【世界を救うのに力は必要ない、ただ無垢なる祈りがあれば、それでいい】


/ブラスフェミアさんの方とリゼさんの方は此方にお願いします
58 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 14:09:24.15 ID:lUlIhfWz0


【《R.I.P.》と──── かつての "六罪王" コーネリアス・F・ラインハルト】
【その両方はかつて公共の電波をジャックし、自分達の信念を誇示してみせた】
【あまりにも苛烈で、それでいて大胆なその手法は非常に効果的に恐怖を伝える】


【だからこそ、"中央放送局" も躍起になった。二度あることは三度あってはならないのである】


【それを許してしまうのは法治国家の敗北であり、そして表現の自由の敗北であった】
【民衆が勝ち取った権利を、真実を伝える自由を力で蹂躙して良いのか】
【誰もが持つ知りたいと願う思いを、表現者の伝える信念の二文字を】


【──── 力で踏み潰して良いと、誰が言ったのか】


【彼らは危惧した。彼らは忌避した。彼らは忌諱した。──── それ故に一計を案じる】
【彼らは "ディフェンス" だ。最後の最後まで、その電波を死守する為、最高級の警備を行う】
【彼らは "オフェンス" を用意する。毒をもって毒を制す、自由を殺す不届き者を、許さない】


【三人に要請が回ったのはある種必然であった、掲げた "Justice" の信念は、未だ消えず】
【アルク=ワードナールとラベンダァイス、八攫 柊に託された使命は、問題の抜本的解決】
【徹底的に圧倒的に、報道に反抗する勢力を叩き潰せとの通達】


【故に三人は集められた。──── だからこそ、三人は知っている。だからこそ、三人は知らない】


【<harmony/group>本社から発信されたメッセージ】
【"8月12日 0時に電波ジャックを仕掛ける。"──── <harmony/group>の真の狙いを、知っている】


【けれども、その裏に秘められた、少女の行方までは情報が回っていない】


【──── それもまた "ゴトウ" に与えられた一つのピース、此処に置いてこの三人は】
【忌むべきイレギュラーであり、好ましいパートナーであった。生かすも殺すもその手腕一つ】


【情報を伝えて協力体制を敷くのも、独立遊軍として行動させるのも──── 男の判断に任されるだろう】


【何も無かったとして、三人は己の判断で突入するだろう。何時までも立ち止まる三人ではない】


/アルク=ワードナールさんとラベンダァイスさんの方、柊さんの方は此方にお願いします
/そしてこれよりイベント "電波通信" 開始いたします、よろしくお願いします
59 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 14:38:29.15 ID:45WdLXl90
>>56


【目も眩むようなコンクリート・ジャングルは言い知れない輻射熱を孕んでいた。その中央に聳え立つ灰色の世界樹を、男は仰ぐ】
【真白い擬装バンに背を預け、なれば後は彼の仕事ではない。 ─── 撃って、潰して、殺すこと。猟場に放られた狼たちの赴くがままに。】
【無論ながら"相手"の出方を伺う意義も忘れてはいなかった。次に銃口を向ける相手が、その前に穏やかな薄笑いを向けていた相手である事は珍しくない。】


「 ──── うん。」「やァどーも有難うね、まったく実に結構なお手前。インテルの方は全て任せておくよ。」
「あれだけ大袈裟な遣り口だし、向こうはブラフに見えなくもないけれど ……… 。木偶の坊って訳でもないだろうし、上手く使うさ」


【少なくともリーイェンの手際に対する賞賛は世辞でなかった。今のところは味方でしかない。であれば余計な事は考えなかった。】
【空調のよく効いた指揮車の中に舞い戻り、オペレータへと指示を下していく。 ─── 運転席の裏側、モニターの前に腰を下ろして】


「 ……… そいじゃ、始めようか。」
「都市電力系統のメインフレーム経由でビルの管理システムをドミネーション。」「下水道方面へのソナーも効かせておく。」
「映像カーテンはタイプ5Eをレイヤー・デルタ、濃度80%でビル外壁の全面に展開。反射率を出来る限り下げろ」
『アトラヴェル飛行場よりERQ-24"ポーラスター"無人電子戦機の離陸を確認。民用通信に広域ジャミングを実行。』
「そのまま偵察写真を送れ。レーダーの状況は?」『周辺空域10km以内にストレンジャーなし。民間人の退避完了。』
「ルート01から28まで全て封鎖。検問を張ったまま別命あるまで固守しろ。抵抗があれば射殺していい。」


【 ──── 都市外縁部。蜃気楼を切り裂くように飛来するのは、流線型の偵察ヘリ。真っ直ぐに本社ビルへ向かう都市迷彩の影。】


『"ウェーバー"、"マーナガルム"ならびに"ラヴクラフト"、ヤタガラス01に添乗して急行中。ETA1410。ヘリボーンのち方位070に転進。』
「サクリレイジの2人とイレギュラーは地上から突入かな。 ─── 差し当たっては挟撃だ。全室クリアにしていけ。ウチの連中も同じようにやる。」


                「810より各員。 ──── 状況を開始する。押さえろ。」



【ビルの屋上やや上空に到達したヘリの胴体脇、 ─── 搭乗口のドアが開く。その両脇から飛び降りるのは、2つの人影である。】
【その片割れ、 ─── ヘリの中で待つ誰かと、一瞬だけ言葉を交わした、のだろうか。或いは握手であったのか、約束であったのか。】
【いずれにせよ降り立つべき場所へと降り立った2名は、侵入口から内部へと吶喊するのだろう。九龍城の奥深く、邪智と冒涜の渦巻く魔窟へと。】
60 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 14:42:49.76 ID:L9UjceST0
>>57 >>59 >>ALL

【――――――今日ばっかりは白衣を着ていた。彼女の大切な一張羅】
【その下には黒のシャツ、深赤のタイトスカート、黒ストッキング、パンプス】
【おおよそフォーマルに纏めた格好で彼女はその場に現れた。――据わった目をして】

【暗赤色の瞳はぞっとするくらい凪いでいた。怒りに燃える様子もなく、ただ、平淡に】
【首の中程まで伸びた黒髪がときどき風に揺らされるばかりだった。それを整えようともせず】
【じっとじっと、塔のてっぺんを見据えていた。それで――――ふ、と息を吐いたなら】


――――――――や、どうもどうも。一緒に来てくれた皆々様方、どうもありがとう。
攫われたバカ娘の<創造主>こと――――“冒涜者”だよ。

…………あの子は僕が創ったんだから。あの子のことを一番よく知っているのは僕だ。
だからあの子に何かあったとき――――最初に僕にその様子を伝えてほしい。
というわけで、……はい、これ。皆さんどうぞ持って行ってくださると助かるんだけど。


【白衣の内側からばらばらと何かを投げ捨てていく。人数分の通信機だった。どこでも買えるようなヤツ】
【それを以って連絡を寄越せと言う。……彼女自身は塔の中に入るつもりはないらしい】
【誰かがそれを拾おうと、拾うまいと――女は瞼を半分伏せて、ふ、と息を吐くのだから】



持って行った方がいいと思うよ。――――みんな、あの子の「壊し方」を知らないでしょう?



【そして笑う。そうしながら口にするのは――つまるところ、「どうしようもなくなったらあの子を殺せ」と】
【そういうことなんだった。あまりにも薄情だと思うだろうか。けれど、この世に新たな「虚神」が生まれるよりは】
【ここで殺してやった方がまだ「いい」のかもしれない。この世界にとっても、……あの子にとっても】

【言い終えると女は踵を返して歩いていく。後藤の乗る車に半ば無理矢理同乗しようとして】
【それが叶ったなら、助手席、それも無理なら後部座席、そこでも駄目ならどっかしらのスペース】
【勝手に潜り込んで――――体育座りし始める。きっとそこから、もう、動かない。……そうして彼女は、俯いてしまった】


//ブラスフェミアです、みなさんとは通信機越しに会話させてもらうと思います!よろしくおねがいします!
61 :ギンプレーン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 14:57:18.68 ID:L9UjceST0
>>56
いやあ、実に良い街並みだ。
あんまり治安の良くない区域ばかりうろついてたから、実に空気を綺麗に感じるね!

【水の国においては、奇妙な出で立ちの二人組だった】
【一人は、まだ12、3歳程度の少女。褐色の肌に安物の布を胸と腰に巻いただけの、安酒場の踊り子のようなみすぼらしい姿】
【しかし、その両目を覆うように巻かれた布地だけはやたらに上等なものが使われている】
【一見して視界が通っていないことがわかるが――慣れているのか、その足取りに不安はなかった】

【それに寄り添うように歩いているのは金髪の青年。糸程に細められた視線と、不気味なほどに貼りついた笑顔のお陰で、年齢は20代にも30代にも見える】
【様々な柄の布を無作為に継ぎ接ぎにした民族衣装のような服装をしている】
【その格好の奇抜さに反して、用意した武器は長剣一本――それも、その辺で調達した何の変哲もない代物だった】


HAHAHA、ボクも正直何で呼ばれたのか分からないなあ!
ヴェロニカはまだネタ晴らししたくなかったにしても、パグロームで良いじゃないか、ヒマしてるんだろうし。


電波ジャックかあ。
まー、このタイミングでユヅキチャン?と無関係ってことはないよね!
何が関係してるのかボクにはサッパリだけど、全国放送ってのは、虚神のやり口とは相性が良いからねえ。


【肩を竦めてリーイェンへと返答する様は極めて軽薄で】
【傍らの盲目の娘は、喋ることもなく、どこにいるとも知れない彼女に、会釈をするだけだった】
【文句を言ってはいるものの、それでも素直に命令には従うようだ】
【端末から流れて来る、ゴトウからの通信】
【現実世界での制圧は彼らの十八番。手慣れた作戦進行の指示に、ヒュウ、と唇を吹いて見せた】


こういう組織だった動きってボクら全然やらないから新鮮だよ。
まるでアニメみたいじゃないか。


【男は少女に同意を持ち掛けるも、少女は何も返さない。アニメを観たことがなかった】


HAHA、少し意地悪をしてしまったかな!
じゃあ、最初はゴトウ指揮官の指示に従おうか。
ボクらは地上から突入だ、ディー。

>>60
【馬鹿正直に入口へと向かっていく最中、ふと声が掛かって振り返る】
【"冒涜者"ブラスフェミア――出会ったことはないのだけど、要注意人物とは言われている】
【彼女と共闘するとは奇妙な気分だった】
【渡された通信機に関しては一応拾っておいて】


創造主サマが控えてるってのは頼もしいなあ。
何をするにしたって連絡は取り合った方が良いサ!

仲間割れしてる間に漁夫の利ってのはもうカンベンだからね!
62 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 15:00:22.27 ID:3gt90YRl0
>>58-60

【――――この瞬間より少し前、最初の情報に触れた時、彼らは何の因果か、一堂に会していた】

――――なんだって、手前らがこんな仕事に関わらきゃいけないんだ、言っただろう、今は『彼女』を……!?
<――――その手掛かりを探すためだ。心当たりは八方塞がりなんだろう? それは俺も同じ事……なら、とにかく総当たりで、目の前の事態に当たってみるより、他はない……
 『ブルートフォース』だ……線がどこで繋がるか、分かったものではない……それはお前も同じだぞ?>
「――――――――はい。やるしかないんですね――――」

【酒場『Crystal Labyrinth』――――既に通常営業を終え、後は身内の密談の場と化していたそこに、大規模な犯行予告の情報が飛び込んでくる】
【それを受け――――その場の面子は干渉を決定する。既に厄介な問題を抱えていた彼ら。しかし、状況はどん詰まりの様相を呈していた】
【ならば、関連のありそうな事を、1つ1つ当たっていくより他はない。それが、大きな流れを呼び込む事も有り得る――――半ば諦めにも似た感情で、今回の事件へ関わる事が、決定された】

――――くそ、あいつは今、それこそこんな事に関わっていられる精神状態じゃない……本当に、手前がやらなきゃいけないのか……
<シャッテンの奴を呼んでいる時間はないはずだ。なら……即席のコンビとなるが、お前たちで行くしかないだろう
 ――――手掛かりがあれば、俺の方でも何とかしてやる。だから今は行け……>
「――――私は問題ありません。どんな状況でも、そちらに合わせることぐらいはできます――――気にしないでください。とっかかりを得なきゃいけないのは、私も同じです――――」
――――仕方ない。精々無駄足にならない事を、祈るしかないんだね…………ッ



【――――いうなれば、有り合わせの人員による、1つの厄介事としての対処】
【それが、何の因果か彼らのそれぞれに抱えている問題に、合致しているとは、知る由もない】
【そして、時間は正に14時ちょうどへと戻る】

……やれやれ、こういうのはそれこそレグルスの奴の適任だっていうのに……まぁ、今さら言っても詮無き事か
「――――何を考えているんでしょう、ここを占拠したがる連中は――――目立ちたがり屋の悪党は、必ずここを目指しますね――――ッ」

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年と】

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のまるで死人の様な冷たいオッドアイを持ち、体表に紋様の様な、仄かな光を放つ金色のラインが走っている】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、尋常ならざる量の魔力を身に秘めている、10歳くらいの少女】

【展開されている封鎖部隊を尻目に、正面入り口をじっと睨みつけている。既に彼らは準備万端と言った様子だ】

――――フン、『冒涜者』か……まさか、彼女が今回の一件に絡んでいるかもしれないとは……確かに、無駄足じゃなかったみたいだ……ッ!
「――――何の事かは知りませんが、それが仕事の内なら。――――行きましょう、アルクさん」

【それぞれに、『冒涜者』と名乗る女を軽く睨みつけながらも、用意された通信機を片手に、彼らは飛び込んでいく】
【――――アルク=ワードナールとラベンダァイス――――片や少女に、片や虚神に関わる彼らは、その先にその尻尾があるとは、知らないままに――――】

/よろしくお願いしますー!
63 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/11(土) 15:07:32.74 ID:ObaHrIqf0
>>58>>59>>60
【闇は尽きせず。灯もまた、未だ絶えずに】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いでその容貌を飾って】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。 時の停まった様な一瞬に、“そこにある”ことで生の温度と息吹が生まれる。】
【非武装と思しき姿に、視線一つで穢し得ぬ銀嶺の如き刃の鋭さを気配に纏い】
【<harmonny group>の大胆な挑戦を、人の世より迎え撃たんとする者――そのイレギュラーのひとりは――そんな形容のできる人影だった。】

(……『黒幕』――――あの婦警を操る首魁と目される、現在の世界において最大級の脅威たる集団――――)

(その一員が狙う電波ジャックが、ただの示威行為になるとは思えない。認識を基点とする虚神とも、何らかの関係があるのかしら……)

【情報は決して多くはない。行われた指示は、挟撃と殲滅を意味するもの。それ自体、問題を含むものではなかった】
【承服しがたい或る可能性を含む命令を、完全に達成しながら、“承服しがたい事象”のみを、必要性ごと――つまり、標的たる命たちの動ける余地ごと――先に消し去ればいい、】

【警戒すべきは、イレギュラーにとってのイレギュラー。剣士の識らぬ虚神の関与は、目に見えぬまま泥濘へと意識を誘わんとする】
【けれど、断ちきるべき“なにか”が襲い来ることは事実で、】
【ならば、惑う余地などその刃にはなかった】

【或る夜に幾つもの眼に映った姿は、果てなく閃く黄金火。夜闇にありて闇を裂き、己さえも引き裂いた、破滅を喰らう迎撃の一閃――――】
【そうあるという真実を、どこまでも己が意志で貫くのだろう。それは――これまでに戦ってきたものたちに、愧じぬ熾烈さを湛えてなお猛る】
【前に、前に。救いであれない一振りは、なればこそ堕落を拒絶して。】
【囚われたと通信に伝え聞く“ひとり”を、すれ違う様な幾度かの邂逅より思い返した】

(……諦めることは、きっと、もう自分に許してはいけないものでしょうね……――――、)

…………――――――――。


【――――ねぇ、■■■■■■■■■。言葉にされることなく胸中で呟く名が、疾駆する黒影の脚を早めた】

/一般参加側、八攫 柊となります。よろしくお願いします……!
64 :rize ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/08/11(土) 15:09:46.45 ID:LiB86Dn10
【旋風(かぜ)が吹く。それもそよ風などではなく、全てを飲み込むような旋風】
【オムレツなる人物から依頼を請け負った時点でそれを予感していて。恙無く終わるものでは無いと直感】

【腰まであるブロンドの美しい髪。その後ろ髪を銀色の簪で結わえて】
【整った顔立ちに緑翠の瞳と人懐っこい笑みを湛えているのが特徴的な少女】
【七分丈のオフショルダーに七分丈のインディゴブルーのジーンズにスニーカーと言う格好】

【明らかに襲撃に参加するものの身形ではないが、リゼの表情は普段のそれではなく】
【完全に"旋風の用心棒"の時の甘さのない表情。二つ名を持つ者としての振る舞いだった】

>>57 

地上からの突入ねえ。解りやすくて、何より派手で良いじゃん良いじゃんか。

コソコソ動き回るのは性に合わないからありがたい命令だねー、オニーサン。
お陰で心置きなく動けそう。旋風の用心棒の名は伊達じゃないトコ見せちゃうよーっ!

【オムレツなる人物の依頼を受けて、<harmony/group>への襲撃を請け負った】
【どの様に襲撃するかなど元より一つ。正面きっての強行突破に他ならない】
【依頼を受けた際の言葉――"滅茶苦茶にしてやろう"と言う言葉の通り正面から暴れる算段なのだ】

>>60
【見渡す限り、オムレツなる人物は居なかった。代わりに居たのは裏社会でそれなりに名の知れた冒涜者】
【"あんなおねーさんなんだぁ…"と見蕩れる事は無く。寧ろ剣呑な空気を察して、警戒の色を視線に絡ませる】

はじめましてかな、冒涜者のオネーサン。あてはリゼ。
今回はふわふわして美味しそうな名前のおにーさんからの依頼で此処に居るよー。
―――……って、わわわっ!急にものを投げないでよぅ。

【わたわたして狼狽して、通信機を受け取るのにまごついて。けれど落とす事無くそれを受け取る】
【どうやら用心棒として彼女を護る必要は無い。存分に暴れる事だけを望まれているのかと理解】


……おーけー、おーけー。何かあったら連絡するよ。
(あては「妹」とやらを壊す心算は無いから聞き入れないかもしんない
 ―――……まぁ状況次第、か。)

【きっ、と表情を引き締めて。リゼは腰に挿した鉄線を取り出し臨戦態勢を整えるのであった】
【少なくとも今はブラスフェミアの意向ではなく、オムレツの意向を優先する心積もりである】
【故に表面上では彼女の意向に従うが内心はその限りではない。優先するのはオムレツの依頼である】

//リゼです。よろしくおねがいします。
65 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 15:10:49.79 ID:lUlIhfWz0
>>59>>60>>61>>62>>63>>64


【踏み入れる魔境の城。──── 夜の帳が落ちたかの如く室内は暗かった】
【世界が死に絶えた夜に似ていた、自転を止めた地球の、太陽が当たらない常夜の国】
【極夜蝶が跋扈する死の世界、想起させるのは御伽噺、顕現するは現実の悪夢】

【各々は混乱するのだろうか、それは室内と呼ぶには、あまりにも光が無く】
【ブラスフェミアや後藤ら、外部からの通信で流れ込む声が空虚に響く、そして同時に気づくだろうか】


【──── 無音であった。音の絶えた世界に、ファンファーレは鳴り響かない】


【足音すらも聞こえない空間を、人々は歩く。それはパレードに似ていた、行く先の無い死の行軍】
【上下左右の無い無明の闇、一寸先に一刻はなく、沈む深い鎮痛の作用に似て】
【吃音は戯言であった。廓の世迷い言の方がロジカルで、絢爛と呼ぶには皮肉が利いていた】

【外観からは想像出来ない程に、その中身は奇怪であって、それでいて何処か寓話の如く】
【けらけらと音も無く嗤う、絞首刑の示唆はシニカルに刻まれるレトリック、徒花だけがお似合いだから】
【其れは一瞬。永遠。刹那。永劫。無限の中で暮らす一生は、胎児が見る夢幻】


【夜が歪む。──── 視界が惑う、ゆらりふわり。幻覚ですら、こうも支離滅裂ではなく】
【一貫性を失った魂は、形骸と化した身体に見切りをつけて、早くも次の輪廻に期待する】
【幻想と怪奇の合間にしか正気が存在しないのであれば、私が見ている世界は何】




        【手を伸ばす。──── 指先から徐々に黒が伸びる、其れは廉価】



     【足を伸ばす。──── 沈み込む沼地の作用に似て、其れは献花】



   【魂を伸ばす。──── 爪を立てて皮を割いて、其れは惨禍】




             【恐怖とは不安の相似形に過ぎず、流線型は鎮魂から程遠く、只管に煉獄のパロディ】



    【落ちる、深く。暗く、──── 瞑目して、閉口して、唇の端から篝縫い】



   【皆春を売って、まどろみの中へと消えていく。──── そうして】








            【──── <暗転> ────】

66 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 15:11:25.15 ID:lUlIhfWz0

>>(ミレーユ)

【ミレーユが次に目を開いたなら、そこは開けた空間であった】
【高い天井、美しく装飾されたステンドグラス。差し込む光の作用は時々眩しく】
【ミレーユなら合点が行くだろうか、──── 分かるはずだ、そこが "結婚式場" という事に】

【足音が響いた、奥から降りてくる、一つの人影】


【染めたての黒く長い髪に病的な白さの肌、檸檬色の双眸は切れ長の面持ちを耽美に飾る】
【爪先から首までを包む黒のボディストッキング、浮かび上がる身体のラインは煽情的に】
【白のローブをその上から纏うことで漸く、秘所だけが隠される格好であった】


【──── ミレーユは知っているだろうか、彼女が夕月に因子を埋め込んだ元凶にして】
【 "人身御供" の具現化、数字を持たない "INFオブジェクト" 】



【因果律の理と、虚数の導から離れた──── "魔女"】



あら、戯れの中、今日はまた見慣れぬお姿のの方がいらして
美しいご婦人に向けて、ええ、嬉しいですわ。私程度の存在で御持て成しが出来るか
だからこそ誠心誠意私は奉仕致しましょう、この身果てるまで、瀟洒に尽くして

手繰る指の淫らさも、弄る舌の胡乱さも、全ては愛した御仁に向ければこそ
それ故に私は迷いません、美しさを蹂躙してこそ、生まれる愛に相応しいのです
私は生の儚さを知ってしまいました、だからこそ、死の尊さも知っています


【頬に寄り添う指先、沙雪と呼ぶにはあまりにも白い、純白雪の肌を纏い】
【そうして彼女は綻ばせる、しとりと零れ落ちる夜露に似て、その蕾に蜜を滴らせ】
【大きな瞳を滴らせて、細めるその仕草を、微笑みと形容するには──── あまりにも】


さあ夜を歌いましょう、明けない空に祝福を、満たされない魂を昇華させましょう
私は私の意志を持って、貴女様を殺します、そうすれば、愛するあの方に近づける
尊敬しているからこそ、愛しているからこそ、超えなければならない壁になるのです

況や、決して辿りつけない境地であればこそ──── 太陽に焦がれてしまったのですから


──── "Freak Kitchen"


【魔女が右手の指先を向ける、伸びた人差し指が逆方向に折れ曲がって】
【とろん、と目じりを蕩けさせた。その痛みすらも快楽へと変える作用】
【脳内麻薬が雌蕊を濡らして、滴る露の作用さえ隠すそぶりを見せず】

【紅蓮が燃え盛る、ミレーユを取り囲む様に、それは鳥篭に似て】
【業火がその意思を高々に叫ぶ、真紅に歪む、幻よりも深く重く】
【火柱は天井にも届くほどに、ミレーユを飲み込まんと襲い掛かるだろう】
67 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 15:11:50.81 ID:lUlIhfWz0

>>(リゼ、ギンブレーン、ディー)

【三人が目を開いた時、そこは豪華絢爛な宮殿の一室であった】
【贅を尽くした室内、散りばめられた装飾品は、聊か悪趣味にも思えるほどに】
【そして彼は鎮座していた。玉座に腰掛けて、不敵に笑う】


ようこそ我が体内へ、歓迎するよ異分子の諸君。──── そして同情する、貴様達の愚かさに
賢しき者は矮小に生きる、けれども私は其れを責めたりはしない。寧ろ其れを賞賛しよう
彼らは己の弱さを知っている。恥じる事は無い、其れは原初より定められた宿命だからな

故に私は愚かなる者を、確かな哀れみを以って嘆こう。如何して理解できなかったのか
この世界には逆らってはならない存在が居る事を、生まれながらにしての王に逆らってはならぬと
無知は罪だ、そして罪には罰を──── 私は十全たる悲哀を元に、貴様達を滅ぼそう

光栄に思うが良い、貴様達は人として死ぬのではなく、襤褸切れの様に死ぬのだから


【黄金の様に輝く長い金髪、同じ金色の双眸は全てを見通すが如く】
【白い軍服の上から黒いコートを羽織り、黒い紋様の書いた手袋をはめ】
【威圧感を与える貴族然とした長身の男──── 前情報を手にしていたなら、知っている筈だ】

【フランツ=フェアブレッヒェン──── <harmony/group>の社長であった】

【彼は悠然と立ち上がり、虚空から身長ほどもある巨大な槍を取り出し、右の手に握る】


剋目せよ、其れは最早戦いなどではない! 戦いと呼ぶにはあまりにも一方的だからだ!
そして戦くがいい! 戦慄くがいい! 私の城に、土足で上がった罪を死を以って償え!
今此処に私は螺旋を描こう! その無限の円環が果てに、収束する一つの戦慄を示し!

──── 私の名はフランツ=フェアブレッヒェン!! 螺旋の果てを知る者!!


──── 穿て、"Spiral Architect"!!!


【右手の槍に魔力が集中する、寸刻、膨大な魔力が破裂、収束する魔力の束を強引に練り上げる】
【室内が大きく豪、と揺れた。地響きすらも錯覚する程にその作用は苛烈であって】
【蠢く万里の果て、見えた光明すらも闇へと還す、圧倒的な暴力の作用】

【その場で槍を一直線に放つ、先端から放たれた魔力が渦の形を描き、室内の半分ほども覆う巨大な螺旋を描く】
【触れたならばズタズタに引き裂かれる、其れは正しく一直線に放たれる竜巻の如く】
【三人を一撃で屠らんと魔力の塊が襲い掛かる形であった。螺旋は指数関数的に威力を増して】

【フランツは放ち終えたなら槍を引き、両足で強く地面を踏みしめる、次の攻撃を準備した】
68 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 15:12:15.82 ID:lUlIhfWz0


>>(アリア、柊)

【二人が目を開いたなら、そこは一面の荒野であった。草木すらもない、荒れ果てた土地】
【両者ならば思い至るだろうか、辺境にある国の雪が消え去った後の、冷え冷えとした荒涼】
【その土地はまさしくそうであった。命の残滓すらも無い、唯の果て】

【──── そして、その中に佇む一つの影】


月明かりに踊るのがカチューシャの流儀よ、けれども、時には人工的な灯りも嫌いではなくて
美しく飾り立てる光は時折宵月よりも優しくて、私は光に抱かれるみたいな気持ちなの
そうであるならば、私はその身を夜に委ねても、貴女に委ねても思えるぐらいに

ふふ、なぁんて、駄目なの。そうよ、そう、今は私に与えられた役割を演じるから
偽りで濡れるだなんて興醒めよ、だから私はそこに相容れないなんて思うけど
でもね、お相手が求めるなら、か細い喉をあんあと、鳴らしましょう

──── 夜鷹は愛を歌って、ならば貴女は愛をねだうの


【プラチナブロンドの長い髪、朱が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート】
【スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な少女】

【カノッサ機関 "No.3" ──── カチューシャ、彼女は両手に二本の巨大な銃を握って】

【狙撃銃、"RaumKrankheit"──── 彼女だけが扱うことの出来る、特注のそれと】
【もう一本はレールガンであった、電磁力を糧に、超高速の弾丸を打ち出す劇薬】
【"Gammastrahlung"──── と彼女は呼んでいた、滅多に用いない二心の行方】


美しいお姉様達に、舞台を彩る主賓を添えて、そうして私は舞い踊るの
綻びは悪戯に、迷妄は穏やかに、翳す心は何処へと、白百合は実は嘘吐きだから
ねぇ優しくしてくださる? 激しいだけじゃ、カチューシャは足りないわ

ムードが大事よ、大事なの、優しくされた後の鞭は格別だから

さぁ踊りましょう、今宵の夜は未だ更けないわ

"Разбитый Стеклянный Синдром"
──"Broken Glass Syndrome"



【彼女の後方に出現する、六つの硝子細工で出来た魔法陣、泡沫の如く輝いて】
【同時に左手のレールガンの銃口を柊に向ける、マリンブルーの瞳越し】
【蕩けた瞳の作用と呼応して、銃弾は額を狙って。帯電した一撃が空気を震わせる】

【同時に魔法陣から放たれる六発の弾丸、帯電している様子から、レールガンのものと予測できる】
【虚空に描く出鱈目な放物線、キャンパスへと乱雑に書き殴った筆の後始末】
【反発し、収束し、互いに持った磁場が、その弾道をモザイクにして】

【而してその狙いは確実にアリアへと向かうのは狙撃の妙か、切り落とされる火蓋は苛烈に】
69 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 15:12:34.46 ID:lUlIhfWz0

>>(アルク、ラベンダァイス)

【二人が目を開いたなら、そこは陰鬱な雰囲気を宿す地下のスペースであった】
【鼻を刺す臭いであった。腐食と腐敗と腐骸の臭いは、決して好ましいものでなく】
【そしてその主が奥に居る事を、二人ははっきりと視認できるだろう】


くそ!! くそ!!! あの野郎、そういう事だったのかよ!!! くそが!!!
うるせぇ、うるせぇ!! 俺の中で喚くんじゃねぇ!!!
あああああああ!!! 眠れねぇ、眠れねぇって言ってんだよ!!!


【奇妙な笑みを浮かべたかのようなホッケーマスクを被った大男であった】
【ボロボロになった米軍の迷彩服、所々に何年もたった血の跡がついている】
【腕も足も筋肉ではち切れそうな程、素手で人を屠れそうな見た目をしていた】

【男は喚いていた。呪詛に満ちた言葉、ある種の哀れさを持ちながらも、何処までも醜悪で】
【彼は二人を視認すると、ギロリと血走った目を向けるだろう】
【今にも眼球が零れ落ちそうな程に、大きく目を見開いて】


っ……くく……はは……ひゃはは……!! そうか、そうすればいいんだな……!!
いいぜ、ぶっ殺してやるよ、こいつらも、てめぇも、てめぇも、全員!!!
そうして忌々しい糞野郎も殺して、俺の眠りを取り戻す……!!!

先ずはてめぇらだ!!! 見せてやるよ、俺の悪夢を────!!

────"Never Ending Nightmare"!!!!


【空間が大きく変容する、周囲一帯を包み込む様に砂嵐が吹き荒れて】
【次の瞬間室内全体が砂漠へと姿を変えるだろう、照りつける太陽さえも再現されて】
【しかし、踏みしめる足元の感触は鉄のそれであった。だとすれば座標は変化していない】

【大男は地面を強く蹴った、大きな身体に見合わぬ敏捷性で、二人へと接近し】
【右手に握る大きなサバイバルナイフ、アルクへと接近し、首筋へと刃を突き立てようとする】
70 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 15:17:20.66 ID:45WdLXl90
>>60

【 ─── 随分と様子が変わったな、というのが男の率直な感想であった。一身上の都合で彼女と連絡は取れていなかったが】
【人殺しとはまた違った虹彩の沈み方をしていた。左薬指も欠けていた。こういう目をする人間を見るのは初めてだった。】
【ともあれ、投げ渡された通信機の周波数を軽く変更する。音響であれば彼の本分であった。 ─── 彼女の通信は、直接"ふたり"に繋がることになるだろう。】


「 ……… ご進言どうも。おれとしては、興味深く聞かせてもらうよ。」
「もっともアレは聞きそうにないから、そのつもりで。」


【半端な慰めや励ましなど不要だった。訳も知らぬ人間へ衝動的な情けをくれてやる程に彼は愚かでなかった。】
【であれば事実の提示に留めておく。そうして据付の座席に座らせてやるのだろう。後藤もまた、腰を据えて】

>>61


「耳の痛い事を言ってくれるね。 ─── 同じ轍は二度は踏まない。なればこそ、宜しく頼んだよ。」


【異端狩りの2人へも一瞥をやる。誤魔化すように苦笑しつつも、然して真実味を帯びた声音だった。】
【そうして2人を見送るのだろう。 ──── 不味いことになるのなら、と思いつつ】
71 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 15:27:06.74 ID:L9UjceST0
>>61 >>62

【通信機を受け取ってくれたなら。女はにっこり笑って――それだけ】
【確かにこの女は、本来ならば彼らにとって駆逐するべき「悪」であろうが】
【この状況においてはきっとそんなことも言ってられないんだった。だって】
【彼女自身――――藁にでもなんでも縋らなきゃ、もうどうしようもなくなっていたから】

ありがとう。それじゃあ、何かあったら伝えてね――――あの子によろしく。


>>64

……ああ、あなたか。オムから聞いてたよ。
「用心棒」さんなんだって? とても期待してる、から――――

【「くれぐれも死なないように。……きっとあなたが死んだら、オム、泣いちゃうから」】
【変わらぬ笑顔で彼女はそう言った。棚引くリゼの美しい金髪に、目を奪われる余裕もなく】
【だからこそ。こんな笑顔を向けてやれるのはきっと今日ばかりだった。だからこそ、】
【――――今度会ったときにはまったく別の「ソレ」を向けられる。そんな予感だけ残して】


>>65 >>70

【車内。座席を用意してくれるのであればそれに座って、パンプスを脱ぎ転がして】
【やっぱり体育座り。膝を抱える手、左手小指はなくなっていて。けれどそんな話は「今」しなくていい】

…………知ってる。だから壊す必要が出てくるなら、……他の人に頼む。
見せてやりたかったな、あの人、すっげぇ不細工な顔でギャアギャア泣いてたんだよ?
たぶん上司であるあなただって見たことないような顔してたと思う…………。

【だったら。音響を弄ってもらったことに「ありがとう」とだけ言って――――それで、顔を顰める】
【安物を買ったつもりはなかった。だからノイズの心配をする必要だってなかったはずだ】
【だのに、それすら、聞こえないとするならば――――】

……………………おじさま、何か音、聞こえる? 僕のからはなんっにも聞こえない。
もしかして準備したもの全部無駄だった、系? ……やだぁもう、けっこうお金かけたのに……

【「イヤ」な予感だけを感じ取って。それでも静かに待っていた、誰かしら何か連絡が来るのを】
72 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 15:34:50.05 ID:3gt90YRl0
>>65>>69

……くっ、明かりが落とされている……無暗に灯しはしないぞ、大丈夫か、ラベンダァイス?
「問題ありません――――そちらこそ、気を付けて――――ッ!?」

【室内へと突入して――――その先にあったのは、意図的に用意されたのだろう暗闇】
【わずかに躊躇いがたたらを踏ませるが、それも一瞬の事に過ぎなかった。行動を共にする、即席の相棒と言葉を交わし合うと、その暗闇を、切り裂くようにして更に突き進もうとして】
【――――得体の知れない幻影にさいなまれるのは、その直後の事だった】

(な……なんだッ、ラベンダァイス――――っ、なに……!?)
「(――――これは、まさか――――例の、バケモノどもの、仕掛け!? ――――間違いない、ただのテロリズムじゃ――――! ッ――――――――――――――――)」

【音が消える、視界が歪む、そして全ては闇に消える】
【意思疎通の手段さえも失って、彼らは曖昧に溶けていく。それは罠――――否、彼らは『知っていた』】
【だが、それを今まさに、己が身で思い知らされることになるとまでは思っていなかった――――今回の事態に踏み込んだ事は、予想外の正鵠だったのだ】



【――――そうして2人は、世にも悍ましい転移の果て、招かれた『会場』へと足を踏み入れる】

っ、な――――地下、か!? ……おい、居るかラベンダー!?
「はい、問題ありません――――! でも、これは――――間違いない、今回の一件、安くはないですよ――――!?」
分かっている……まさか、本当に――――ッ――――本当の様だ、何か来るぞ……!

【唐突に塗り替えられた世界。これが、彼らのまとめ役が言っていた『不条理』か――――この一事だけでも、それが容易ならざるものである事を、思い知らされる】
【だが、本格的な脅威はこれからなのだ――――互いの無事を確認すると、アルクとラベンダーは、不快な腐臭に塗れたその空間で、身構える】
【――――ついに、『仕置きの猫又』――――アーディンが対峙していた『虚神』の脅威の一端に彼らも触れる事になったのだ】

――――チッ、どこの殺人鬼だ……まるで、怪人とでもいうべき奴だぞ……ッ
「――――もし、これがあのバケモノたちの息がかかっているなら――――あれも、見た目だけのパワーファイターには収まらないはずです――――ッ、十分に警戒を!
 ――――『サキュバス・フォース』!!」
【眼前の大男に対抗すべく、彼らは身構える。アルクは杖を順手に持ち替え、ラベンダーは己の魔力を行使し、姿を変じさせて――――】

【背中にラベンダー色の翼膜をした、悪魔の様な翼が生えた事を除けば、素体そのままの姿だが】
【身に纏う魔力は質量を増大させており】
【翼からは、光の粒の様なものが燦々とこぼれている】

【かの大男が、再び空間を変質させたのは、その直後の事だった】

なっ――――――――っぐぅ、ッ!? っく……!
「――――――――!!」

【突然、世界は砂漠と化す。その状況をまともに把握する暇もなく、為される突撃を、アルクはかろうじて杖で受け止めた】
【だが、その膂力は想像以上のものがある――――首筋に刃が至らないようにと、咄嗟にアルクは身をひるがえし、敢えてその力に突き飛ばされる道を選んだ】
【とっさに、ラベンダーは指先からビームを男へと見舞う。細く、貫通力を重視した赤紫色のビームを、男の胴体狙って――――】
73 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 15:38:38.92 ID:45WdLXl90
>>66

【互いに互いの背を預けて、ツーマンセルの狼は扉を蹴破る。嘗ての愛情の残滓に似て、 ─── 其処に介在するのは消し得ぬ信頼。】
【なれど信じることのなんと脆く儚いことか。人はただ記憶によって個人たりうるのであれば、今この目の前に広がる暗闇さえ】
【総て総てニューロンの見せる甘い幻影に過ぎぬと、それを2人は疑えないから。故にこそ昏い闇の奥、沼の男に足を取られる。】



               「 ──── しま、ッ」


【あまりに無自覚であった。】【あまりに逃避的であった。】【あまりに偏執狂であった。】【踊り舞うのは、ひとか、いのちか。】


>>67

【 ──── 蹌踉めきながら立ち上がる。ようやく確かになった己が足元を見つめながら。そうして、その輝きに眉をひそめる。】
【忌々しい輝きを理解すればそれは最悪の皮肉に違いなかった。舌打ち混じりに銃を引き抜く。真白い両手に握りしめる】
【アリアへの通信に呼び掛ける ──── 返答はない。柔らかなバージンロードを踏む脚にて、自己の存在を再定義する。】


「 ……… くそ、 ……… 。」「 ─── 、成る程、ね。」
「ボクの相手は、お前って訳。」「 ……… 誰の配剤か知らないが、後悔するなよ。」


【冱つる凍土のそれだった。声音も、肌も、身のこなしも。ゴシックロリータのレースは時間が止まったように閃くのを辞めていた】
【見開かれた青い瞳の奥に宿るのは復讐と忿怒の温度であった。色めく艶やかな唇は今だってリップに彩られていて】
【 ──── だからこそ、それを歪ませる。相手が"それ"であったから。処女を犯して穢したのも同然だった。】
【だったらすることは一つだけ。その装束も柔肌も切り裂いて。総て血と腑と脳髄を撒き散らして。】


「なんとも奇遇な話じゃないか。ボクもあの子へ近付く為に、立ち塞ぐ総てを殺さなきゃならない。」
「生贄が必要かい、ファタ・モルガナ。だったら手前の血で贖いな。」「 ───── 世界一憐れに死なせてやるよ。」


【 ─── 切って吐かれる啖呵と共に、ミレーユの周囲が「凍り付く」。黒い氷が焔の籠を歪めて、一つの突破点を作り出し】
【構えた二挺の銃剣拳銃。女へと真っ直ぐに駆け寄りながら、放たれるのは45口径のマグナム弾。容赦なく耽美な顔面に照星を合わせ】
74 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/11(土) 15:39:32.76 ID:ObaHrIqf0
>>68

……これは……いったい――――、……ッ!

【急転する視界、再度の変容、敵手の現出――――動揺よりは前進の意志、断頭台の刃が落ちるがごときエネルギーが視線に宿って】

【戯曲のような誘う唄は、立ち会うもう1人の存在を否応なく意識させた。虚構世界にて邂逅した、白銀の女性――――、】
【けれど万雷にも勝る轟音と、雷霆そのものを思わす大電流の意味する脅威が、意識にそのままかたちを顕して】

【振り抜く刃が、弾丸を溶断し昇華させ弾道を破壊した。自らに直撃する可能性があるものと、致死傷を及ぼし得るものを狙い撃つ】
【虚空より噴き上がる黄金の焔は、彼方より太刀を掴み取る際の余波にも等しく、】

……なら、鞭も愛も貴女になど与えない――――抵抗の余地なく速やかに倒れなさい。
穿たれながら足掻くのは――――どちらにとっても、死に近づいてしまうことでもあるのよ――――?

【紡ぐ返歌は、灼熱と鋼の冷たさを同居させて暴力を意味した。構えられる太刀、死の舞踏の誘いに、理をも破壊するためにその手をとる剣の乙女】
【隠しきれぬ想念は、隠そうとする意味もなかった。何故なら、己の在り様はあまりにも明け透けで、】
【そして隠せず覗こうと、“それで対応させる心算もない”――――――――!】


【踏み出せば、太刀金翅鳥≠フ火の力を限定的に開放。白銀の刀身が揺らめく黄金を纏い、放ち】
【切断≠フ概念を併せることで、地表を裁断する斬撃として、固形物じみた焔が――――荒野の“延焼”を引き起こす】
【結果として生み出されるのは、切り刻む大地のみを灼き、狙撃手の目を眩ます炎熱の揺籃。誰をも焼却しない焔は、破壊の意志とは対極の其れで】

【――――だからこそ、その先に待つ脅威が暴虐となる。地を這うような姿勢で被弾面積を抑制、瞬息で距離を突破。】
【接近が叶ったなら、胴に刃を食い込ませ、重合金をも薄紙のごとく断つ、彼女の無二の兵装を以て、継戦能力を奪わんとする】

【けれどそれは、接近戦特化の者に己が領域への移行を許すという寛容を、狙撃手が自らに課した場合“だけ”紡がれる物語】
【眩惑と速力に対応しきれれば、距離は未だカチューシャの掌中にある。兇器は、刀剣としてある限り相応の間合いで振るわれるもの】
75 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 15:43:15.27 ID:lUlIhfWz0
>>72

【杖とナイフが拮抗する。一瞬、男の顔とアルクの顔が接近するだろう】
【醜悪な男であった、仮面の下の素顔を見ずとも伺える、そして】
【その下品な目は暗い欲望に満ちていた、アルクとラベンダァと、二人を見比べて】


ひゃはははは!!! いいねぇ、久々に殺し甲斐のあるやつ等が来たぜ
見た目も十分だ、これなら殺した後の楽しみも格別ってもんさ!
良い身体してんじゃねぇか、食べ応えのありそうなよぉ!


【アルクが身を翻し男はナイフを引く、手馴れた動きであった。迷彩服からも伺える】
【瞬間、ラベンダーのビームが男の胴体を貫いた、だが────】
【着弾箇所は砂へと変化し、ビームはその間を貫くだけであった】


あぁん? なんだその格好、変な翼なんか生やしやがってよぉ……!
むかむかするぜ……こっちの世界に来てから、糞みたいな出来事ばっかで
挙句の果てにワケわかんねぇ連中に、ワケわかんねぇことされてよ……!!


【男は佇む、そしてその周囲を取り巻くように砂が鳴動する】
【噴火する前の活火山に似ていた。滾る怒りをそのまま表現したかの如く】
【地が蠢く、砂の下に巨大な生き物でもいるかの如く、轟々と】


ああああああ!!!! クソ、クソ、クソ!!!!
やっぱりてめぇら全員皆殺しだよ!!! ああああああ!!!!


【砂が噴火する、──── 正確には、砂漠からランダムに打ちあがる、砂の塊】
【まるで大砲の弾が如く、地面から天井に向かい打ち上げられる】
【ラベンダーと、アルクとをランダムに狙っていくだろう、数も多い】

【──── しかし、男自身もまた、前のめりの体勢になり、砂の塊を回避していく】
【完璧に制御できてはいないのだろうか】
76 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 15:50:29.12 ID:lUlIhfWz0
>>73

【放たれるマグナム弾、魔女に着弾するより早く、その動きを止める】
【 "藁" であった。地面から編みあがった藁が、銃弾を絡めとり魔女を守る】
【彼女は両腕で華奢な体躯を抱きしめる、歓喜に震える身体を鎮める様に】


ああ、それはゾクゾク致します。私の様な存在を哀れに殺してくださるなんて
それは過ぎた喜びに御座いましょう、私は幾重もの生を無碍にして、やがて惨めに死ぬのです
だからこそそれは、もっと人知れぬ場であるべきなのです

貴女様の様な美しい御仁に葬られる等、私には過ぎた褒美
故に私はより業を積まねばならないのです、更に深く、深く
ブランル様は許してくださるでしょうか、ああきっと、キツく仕置きをして


【するりと右の手が伸びた、足元から湧き上がるのは "藁" の束】
【其れは編み上がり荒縄へと変化し、疾走するミレーユを絡めとろうとする】
【速度は速くないが数が多い、一呼吸の間にいくつも出現して】


編み細工の魔女は生贄を求めて、かつては愛した人さえも
けれども仕方ないのです、けれども仕様が無いのです
何故ならそうでなければ死んでしまう、この村が持たないと、言われて

──── 而してそれはペテン、全てが無為な願いに過ぎなくて


【魔女が瞑目する、御伽噺を歌うように端正な横顔を向けて】
【藁の速度が上がるだろう、最早地面を疾駆している限り、逃れる術がなくなるほど】
77 :ギンプレーン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 15:52:31.48 ID:L9UjceST0
>>67
【同道することになったのは"リゼ"と呼ばれる女性らしい。態度だけを見るなら、こざっぱりとした裏表のなさそうな性格に見える】
【ギンプレーン自体がアクの強い人間であるから、その悪ふざけのする態度を適度に流せる人間の方が動き易い】
【そういう意味ではこの女性はお互いに気兼ねをする必要はなさそうだった】


ボクはヘリに乗って突入とかやってみたかったなあ。
何か如何にも強行突入って感じでワクワクするじゃないか。

ああ、でもここは良い社屋だなあ。
ウチのボスと来たらその辺のプレハブみたいなところばっかりアジトにするもんだから、格差社会の在り方ってものを感じてしまうよ。


【呑気な様子で、どうでも良いようなことをべらべらと喋る】
【一貫して笑顔を決め込んだその表情から内心を伺うことは出来ないが、まぁ口から出ている言葉と大差はないだろう】
【女性の返答が有ろうと無かろうと、ひたすら喋り続けている訳なのだが――】


あれ?真っ暗だね?
社内で普通に仕事している社員はいないのかーい?
ホワイト企業も良いところじゃないか転職したい。


【無音と闇――世界を知る術を失った場所で、踏みしめる足の感触だけを頼りに、先に進んでいく】
【ディーがギンプレーンより前に立って先導し始める。見えない場所の歩き方ならば、慣れたものだったからだ】
【そして――】


製薬会社ってこういう場所なのかな?
それとも御社の社風?
お金掛ける方向間違えてやしないかな。
で、えーと、キミは――

【現れた男――資料には確かに目を通したはずの男だったが、フランツが誰なのか咄嗟に出てこない】
【ディーが一言「社長」、と呟いた時には、膨大な魔力を宿した槍がこちらへ向かって飛来した――】

【轟音――振動、それは隕石でも降って来たんじゃないかと言うほどの質量――それだけではなく、迂闊に防ぎでもしようものなら、その身はズタズタに裂かれてしまうと容易に想像がついた】



HAHAHA、いきなり社長面談とは中々分かってるじゃないか。
でも、まだ入り口入ってすぐだったんだけど、社長室って1階に置く方針なのかい?


【ディーを小脇に抱えながら、ひとまずは、その場から大きく飛び退くことで回避を行った】
【文字通りの挨拶代わりなのだろう。もうすぐにでも第二撃の準備を始めている】
【今の一撃をまともに貯めもせずに連発できるのなら、ちょっと出鱈目過ぎるスペックと言えるが――】


さて、じゃあ、ボクも戦いに行って来るとしようか。


【ディーをその場に降ろすと、ギンプレーンは長剣を構える】
【手にしたただの長剣は――】


さあ、聞かせてくれ。
震えんばかりの肯定の声を!
ボクの存在を望む魂の合唱を!

悪は今ここに居る!それを討つ英雄もまたここにいる!

【下手な芝居のような声音と共に、姿を変える。幾重にも装飾を凝らした白い魔剣へと姿を変えて、フランツへと踏み出した】
78 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 15:56:13.17 ID:45WdLXl90
>>68>>74

「 ……… く、ぅ」「 ───……… 嫌な感覚ね、これは。」

【黒衣の女が立ち上がる。舌打ちを一つ零して、白銀の髪を左右に振って、少しばかりの正気を取り戻し】
【荒涼に静止した世界の中で、青い隻眼が月魄を見出す。 ─── ふたりの女。見たことのある姿だった。】
【そのうち片方は忘れられぬ姿であった。少しばかりの罪意はあった。然してそれは、銃口を向けることへの躊躇いではない。】

【自動人形の真白い頬が穏やかに緩む。潤う唇が言葉を紡ぐ。黒い躯体に力が漲り、 ─── 両手に握るは自動拳銃】
【奇しくも彼女もまた二挺使い(トゥーハンド)であった。およそ人類が扱えるようには見えぬ大口径と長銃身のオートマチック。なぜなら、彼女は狼だから】


「あら、 ──── お久しぶりね。客人をもてなすには、些か礼儀がなっていないのではなくて?」
「けれども残念、群れから逸れたナイトホーク。」「貴女は星になるしかないわ。 ──── 意地悪な狩人たちが手薬煉引いて、幾多もの火矢(ストレラ)を番えているから」
「そうして貴女を殺して暴いてバラしてしまうの。貴女の纏う隠れ蓑は、余りに魅力に過ぎるから」


【白銀のスライドを躍らすように揺らめかせ、 ──── 絞られる銃爪、放たれるのは轟音と弾頭】
【中距離射撃用のFCSが計算した軌道へ愚直にて、されど今はそれが十分。自身の銃撃により、向かう幾つかの弾丸を撃ち落とす。】
【残った幾ばくかが肩を裂き、外套に血を滲ませる。それでも構わなかった。】


     「犯すように撃ち抜いてあげる。 ─── ベイルアウトの準備はよくて?」


【共闘する少女が踏み込むのと同時に、彼女もまた距離を詰めようとする。銀狼は疾駆する。少女の喉筋が白く蠢き輝くのだから】
【 ──── 左手の銃から放たれる幾ばくかの威嚇射撃。そして右手が懐より投げるは、"血に満ちた"硝子のスローイング・ナイフ。狙うのは、カチューシャの手足。】
79 :rize ◆D2zUq282Mc [sage saga]:2018/08/11(土) 15:59:32.47 ID:LiB86Dn10
>>67

【建物に足を踏み入れた時、リゼを襲うのは違和感と不快感】
【無音の世界に迷いこんだ様な違和感と心身を侵食するような不快感】
【日の当たらぬ世界に身を投じた事は数え切れない。それでもこの魔境は異質に過ぎる】

(―――……うぇッ、気持ち悪い……何もかんも暗く染めれば調和が取れるってか)

【リゼが抱く感想はそれだった。体験した事のない嫌悪に顔を顰めて】
【嫌悪を抱いて尚、歩みを止めない自分達は何なのか――そんな事を考えていた矢先、世界が歪む】

うぁ…、これ、ヤバイやつ……。(だめだ―――…ノまれる)

【―――】

【暗転した世界。そこから抜け出すように瞼を開ければ、広がる豪華絢爛】
【夢の国にでも迷い込んだかと困惑していれば、不穏と不吉と孕んだ歓迎の言葉を贈られる】
【夢の国の王様。調和を謳う王様。どっしりと玉座に座る姿と上から目線の言葉に拒絶と更なる嫌悪を露にする】

うわっ、実にメンドクサそうな王様気取りだこと。寝起きにごちゃごちゃヌカシてんなよ、頭が痛くなる。

賢そうでそれっぽい言葉を並べ立ててさ。その挙句に死ねだって?ハッ、冗談も休み休み言えよ。
なんであてが見ず知らずの傲慢ちきに殺されてやんなきゃなんないのさ―――!


【きっ、と見上げたれば、荘厳なる佇まいのフランツが立ち上がる。それだけで尋常ではない気配を察する】
【その予感は的中して。巨大な槍が現れて、その矛先は自分達のような不敬な輩へと向けられていた】
【殺意が絡んだ矛先。そこに滾るのは今にも破裂しそうな程の莫大な魔力―――"ヤバイ。最初から全力じゃないと死ぬ"】


洒落になんないし、避ける暇も無い―――ッッ!雷桜、起動ッ――【百花】ッ!!

       
         "神よ、いななけッ―――鳴神ッッ!!"


【リゼは後方へと大きく飛び退きながら、自身の魔力である桜の花びらを大量に散らして】
【それを自身が握る鉄扇の先へと一点集中させると、フランツ程ではないが雷属性の魔力が迸る】
【迸る魔力の一閃。それはリゼの叫びと共に竜巻めいた魔力の塊へと放たれる。その狙いは竜巻の相殺】

ぐっ、――ぁあああああッッッ!!

【けれどその威力はフランツのそれには程遠く。精々即死を免れる程度にしかならない】
【大きく飛び退いて、現状行える自身の渾身を以て迎撃すれど。初手にて手痛いダメージを負う事となった】
【圧倒的暴力に矮躯は吹き飛ばされて、体中で痛みが暴れ回り、身体の彼方此方の出血を強いられる】

【それほどのダメージ。リゼは重い体を無理に起こす事で精一杯だった】
80 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 16:03:53.23 ID:3gt90YRl0
>>75

――――ぐぅッ!! なんてパワーだ……ちょっと加減を誤れば、首筋を抉られてた……ッ!
どうやらこの軍服、伊達じゃない様だ……危険な相手だぞ……!
「――――問題ありません、ただの力押しならば――――ッ!?」

【弾き飛ばされて、アルクは床を――――砂面の外見とのギャップが忌々しいそこを転がり、何とか体勢を立て直しながら、知れず呻いていた】
【正確な刺突、強力な膂力、そして有効打とならなかったと判断した瞬間の、鮮やかな後退――――これは、正式な修練を積んだ人間の動きだ】
【そこに構わず、ビームを投射したラベンダーだったが――――着弾個所は、素知らぬ顔でその形状を変異させ、無為の光線としてやり過ごしてしまう】

「こっちの世界――――ッ? この男――――本当に虚神なんですか――――なんか、なんと言おうか、生々しい――――ッ」
――――異世界の軍人か何かか? さては――――手駒……!?

【どこか滅裂な、そして不明瞭な言動、しかしそこには、話に聞く虚神達の、超然とした態度が感じられない】
【比較対象としてイルの面影を思い出す事に、顔を顰めながらも――――ラベンダーは疑問を同時に浮かばせていた。この怪人、虚神そのものではないのではないか、と】
【そしてそれは、アルクにも伝わったようだ。かの『相棒』程に以心伝心とは流石にいかないが――――どうやらこの時、考える事は同じだったようで】
【――――自分たちは足止めをされている。それも、ただの手ごまにしてこれだけ強力な敵を用意して】

「――――この空間、見せかけのモノで、実際には例の地下室と言うだけのはずです。でも、この砂は――――」
……奴自身も、砂に化けていた……不味いな、一方的に干渉してくる幻影のようなものみたいだ――――ただの幻と侮るな、不味いぞ……!

【既にラベンダーも、独自にその幻影に気づいていたのだろう。だが――――足元の不穏な砂の動きに、嫌な予感はぬぐえない】
【この男は恐らく、砂の力を操る――――なら、ただの目くらましでは終わらないだろうと、改めて身構えた】

【ついに、足元から砂が炸裂した瞬間、2人は飛び出した――――】

「くッ!? 言う通りです、この爆裂、身に浴びたらひとたまりも――――ッ、えぇい――――ッ!!」

【翼を以って飛翔、ジグザグと飛び回りながら、何とか砂塊を回避するラベンダー。だが、懸念事項は多い――――開けた空間に見えて、目に見えない壁があるのだ】
【必然、回避距離は大きく取る訳にもいかず、身体はフラフラと揺れる。バランスを崩しかけ、先ほどのアルクの様に、咄嗟に床を踏みしめた】

――――物は試しだ……スー(水)・フェン(飛翔)・ビン(レベル2)――――『ウォーターバルーン』!!

【アルクは、ステップでその炸裂を回避しながら、防戦一方になっても仕方がないと、打って出る】
【――――砂ならば、水を浴びる事で固めてしまう事ができるのではないか、或いは洗い流してしまう事ができるのではないかと思い立ち】
【咄嗟に術式を構成。同じく回避動作を続ける大男に見舞い、その水の塊の水泡を発射した――――命中すれば、大量の水がぶちまけられるだろう】

グはッ!?

【――――その詠唱が隙となった。アルクの身体は中空へとぶち上げられ、その衝突の打撃で体は打ちのめされる】
【力なく地面に這いつくばった身体が、絶息している――――相当な打撃となって、身体に響いたらしい】
81 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 16:04:39.49 ID:lUlIhfWz0
>>74>>78

【スーツの袖から銃弾が零れ落ちて、地面に出現する硝子細工の魔法陣に吸収される】
【カチューシャのリロード、能力を介したその手腕は、本来あるべき隙を帳消しにする】
【深雪模様の柔肌を銃身にそっと押し合てて、その温もりを感じ取る】

【──── 大きな瞳の輪郭が、雪の果てに曖昧となる、水彩色の艶を混ぜて】
【肌に感じる熱を殿方に喩えて、抱かれる喜びを表層に映す】
【睦言よりも淫らな科白、無垢白と呼ぶにはその奥の華は蜜に濡れて】


──── 駄目よお姉様、乱暴な手合いでは誰も濡れないの
乙女は繊細よ、生娘は精緻で、そうであるなら激しさとは間逆だから
でも近づいてくださるのは嬉しくて、お姉様の横顔に恋してしまうの

狙撃手が見るのは目だけでなくて、私の愛らしい耳も、淫らな口も、清楚な鼻も
全部が全部、お姉様を感じ取るのだから
届かないわそれでは、激しい夜に抱かれるには、まだ早いの


【振るわれる刃、一撃必殺の一閃は、而して空を切るだろう】
【空中へと躍り出る、狙撃銃で地面を叩き跳躍、夜に舞う蝶の仕草に似て】
【回避すると同時に空中へと翻り、天地が逆になって髪の毛が揺れる】

【──── 柊の後頭部に感触があるだろう、空中に飛んだカチューシャがその銃口を突きつけた】

【間髪入れない、引き金は引かれ、銃弾は発射される。並大抵の人間であれば間に合わない】
【万に一つか億に一つか、──── 果ては無量よりも遠き可能性の一端】
【並大抵ならぬ技量の持ち主であれば、その状態からも対応できるはずだ】


ええお姉様、殺されるのなら苛烈に殺して欲しいわ、この身が絶えて果てる永遠の狭間
そうして私は無限の愛に抱かれて、無辜の喜びに打ちひしがれながら、尊き身を散らす
でもそれは今じゃないの、今はまだ達するには途中でしかなくて

──── あらお姉様間違いないで欲しいわ、抱くのは私で、抱かれるのがお姉様よ
貴女の逞しいその指先から爪先まで、全てを丸裸に舐って差し上げる
そうやって何時までも愛を確かめましょう、曖昧の中でやがて眠るの


【空中に躍り出たまま、左手のレールガンを向けた。その銃口を以ってして、投げられたナイフを叩き落す】
【同時に威嚇射撃の銃弾が彼女を包む、靡くコートがそのことごとくを受け止めて】
【翻る白套の隙間から、清楚なマリンブルーの眼光を向けて】

【再びの発射、帯電した弾丸が、世界に一陣の線を描く】
【芸術家の吐いた渾身の絵筆、キャンパスに広がる轟音の一撃】
【カチューシャはどんな状況でも正確に脳天を狙う────逆説的に言えば】

【アリアならば、その思考すらも読めるかもしれない】
82 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 16:10:49.84 ID:45WdLXl90
>>76


「鞭が欲しいか?」「無知な魔女さん。」「それは何とも無恥ってものだよ、」「ボクの名前も知らないのかな?」
「火炙りになんてしてやらない。もっと近代的に行こうよ」「 ─── くれてやるのは鉛玉だけさ。」


        「脳幹フッ飛ばして殺してやるよ。痛みの理解も感じぬ間にな。」


【冒涜の触腕にも似た害意の現出。切って、撃って、蹴飛ばして、それでもなお彼我を分かつには充分で】
【 ─── その内の一つがミレーユの脚に絡み付く。食いしばられる白磁の歯。歯茎まで見せるのは、さながら狂った猟犬のように】
【だが彼は踏み止まるのだろう。虎挟に喰らわれて膝をつくほど彼は惨めないきものではなかった。ぎらり閃く、青い残光。】


「 ……… 手数だけが頼みかい。だったら、」


【ストッキングの裏側、ローファーの足下より、 ──── 黒い氷がバージンロードを蝕んでいく。のたくる荒縄を片端から凍らせて、"彼"の進む道を切り拓いていく。】
【自身の脚に絡み付いたそれも凍らせて砕いてしまうのだろう。レースのスカート其の裏側に手を遣って、】
【拳銃と互い違いに現れるのは二挺の短機関銃。一歩ずつ一歩ずつカーペットを踏みしめながら、そこに散らすのは、薬莢と弾幕。】
83 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 16:16:22.32 ID:lUlIhfWz0
>>77>>79

【フランツの身体が消える、否、正確には高く跳躍した】
【人の身とは思えない跳躍力であった、野生動物の其れすらも遥か上回る】
【高らかに声を上げるギンブレーンに真っ向から相対してみせた】


ならば英雄は英雄らしく、その終幕を悲劇で飾るといい!
調和の中に英雄は必要ない! 全ての人間は、我が手足に過ぎず、力を持つ必要も無い!
圧倒的な強者の前に跪く定めこそが、組み込まれた遺伝子のあるべき姿!!

故に貴様達は遺伝子に従い、その描かれた情報の下にしか生息できない!
ふはははは!! 肯定してやろう、真っ向から貴様という存在を私は認めよう!!
そして死ぬが良い!! 貴様という物語を、私は全て破り捨てる!!


【空中で槍の方向を変える、下向きに構え直し重力の引かれるままに落下する】
【地面に身体ごと着弾したなら、小規模の爆弾でも爆発したかの衝撃が広がるだろうか】
【言葉を借りるならばあまりにも出鱈目なスペックであった、しかし、サクリレイジの人間ならば分かる】

【──── それは虚神の強さとは程遠い、確かな実在を持った強さ】


見ず知らずとは言葉が違うな、私の存在は既に貴様達の遺伝子に組み込まれている
其れは強者を前にして嘶く感情に近い、圧倒的な存在感を前に、飲み込まれる作用だ
なればこそ、貴様達は既に決まっているのだ、支配する者と、される者とを

フハハハハ!!! 大言壮語も此処まで来ると嘲笑でしかない、哀れという言葉すらも生ぬるい!
沈め!! 消えろ!! 私に相対した事を、後悔しろ────!!!


【着地の際に広がった衝撃波は地震の様に周囲一帯に広がる、それはリゼにも向かうだろう】
【ダメージは少ない、しかし、きちんと踏みしめなければ体勢を崩す可能性が高い】
【そして、フランツを前に体勢を崩すことは、即ち死を意味する】
84 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 16:22:49.21 ID:lUlIhfWz0
>>80

【男の眼前に迫る水の塊、男は其れを顔面でもろに受けて】
【グハッと小さく声を吐き後方へと吹き飛ばされる、仮面に皹が入り】
【背中から叩きつけられ尋常でない音がなるも、すぐさま立ち上がるだろう】


ごちゃごちゃごちゃごちゃ何を言ってやがる! クソ……なんだこりゃ
ったく全然意味わかんねぇ、どうして俺ばっかりこんな目によぉ!!
国の命令で戦っただけじゃねぇか!! それなのに手のひら返してどいつもこいつも!

俺は死ねばよかったのか!? 死んだら英雄として扱ってくれたもんなぁ!!
見るな!! 見るな!! 見るな!!! そんな目で、俺を────

見るなぁああああああ!!!


【砂塵が巻き上がり、変容する────ラベンダーならば察知できるだろうか】
【男の後方から人影が大量に出現した、砂埃にまみれる形で、────】
【そしてその全てはライフルを握っていた、砂漠地帯で使用されるアサルトライフル】

【間髪いれずに銃弾が乱舞する、相変わらず滅茶苦茶な弾道であったが、数が多い】
【加えて砂埃にまみれており視認しづらい、ラベンダーはともかく体勢を崩したアルクにも向かう】
【しかし、それは────男にとってもそうであった】


くそ!! くそ!! こんなときに────!!


【男は "伏せる" ────軍隊式の伏せで、乱舞する銃弾を回避しようとしていた】
85 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 16:34:49.82 ID:lUlIhfWz0
>>82

【踏破される荒縄の群れ、再び向けられる銃弾の歯牙】
【魔女は──── 僅かな焦りを表情に浮かべ、再び藁で防御する】
【けれども数が多い、弾丸の残り香が皮膚を裂き、赤い血を散らす】


っ……!! 成る程、貴女様は名乗る程も無い御仁なのですね
つまりはそれだけの存在でしかない、という事です────いえ、

私にとってではありません、彼らにとってです
貴女様がどれだけ "あの子" を大切に思っていたとしても
──── 唯の名も無き登場人物でしかないのですから


【表情に微笑を浮かべる、嘲笑と呼ぶにはあまりにも淡く】
【そして何処か自嘲的な笑みでもあった、それは果たしてどの様な意味か】
【魔女はその場を動かない、徹底的に遠距離で対応してみせる】


編みこまれた藁は縄となり、猛る思いを編みこんでいきます
そして燃え盛る火は苛烈なる思いを伝え、終わることの無い痛苦を向かえ
やがて其れは天へとのぼり、遥かな感情の拠所となるのですから

迷信、迷妄、迷走、どう表現してくださっても構いませんが
高々数百年程度の近代で、数千年の遺恨を晴らせるとでも?


──── "Freak Kitchen"!!!


【業火が燃え上がる、凍らされた荒縄が媒介となり、ミレーユの周囲一帯が燃え盛る】
【怨念のこもった火であった、対魔力性能があり、少しの氷では凍る気配を見せず】
【加えてストッキングに縄の破片がついていたならば、そこから勢いよく燃え上がる】

【魔女が片膝をついた、見てみれば、右足から出血があって】

【表情に苦悶が混じる、けれども、零れ落ちる吐息に揺らぐ気配は無く】
【煌々と燃える炎は執念に似ていた、尽きぬことの無い欲望と、それに巻き込まれた悲哀とを】
【世界すらも焼き滅ぼそうという意志が込められていた、果たしてそれは、どの様な因果か】
86 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 16:42:10.11 ID:3gt90YRl0
>>84

っぐ…………ッ!
(命中はしたが、アテは外れたか……特段、強く作用している様子ではない……ッ
 あの男……そもそもダメージを負っているのか……!?)

【腹部を右手で抱えながら、ヨロヨロとアルクは立ち上がる。同時に、『ウォーターバルーン』の直撃した男の様子を一瞥して】
【派手な衝突音を響かせながらも、何でもないといった風に立ち上がる様子は、自分とは対照的だ】
【まるで、先ほどのビームの様に――――意に介していないといった様子で】

「ごちゃごちゃ何を、はこちらのセリフだ――――ッ! ――――しかし、こいつのこの言葉――――ッ!?」
っぐ、ご……ふっ、――――悪夢、か……こいつにとっては、この世界そのものが、ふ、グッ……悪夢のようなものか……!

【男が何者かは知らないが――――少なくともその背後には、相当な悪意が塗れていた事は、言葉の節々から伺える】
【敵に哀れを想ってやるつもりはないが――――それでも、ラベンダーとアルクは共に、そうした思慮が回るタイプの人間ではあった】
【尤も――――ただの分析としているラベンダーと、そこに感情が乗っているアルクとの間には、温度差と言うべきものが確実に存在していたが】

「――――ッ!!」

【そしてそんな中、ラベンダーは『それ』を見る。武装した集団が、そのアサルトライフルをこちらへと向けて】
【状況は、良くない――――このままでは、この異常な戦闘フィールドを伴って、押し切られてしまうだろう――――ラベンダーは「思い切る必要がある」と考えた】

「アルクさん! 『督戦隊』です! 奴らをまず先に始末する事を考えて下さい!」
『督戦隊』!? どういう事だ!?
「とにかく、この仮面の男は後です! 周辺状況を片付けなきゃ、まともな戦いになりません!!」

【咄嗟に上空へと飛び上がりながら、ラベンダーは叫んだ。存在するはずの天井を考慮しながらで、さほどに高くは至れなかったが】
【同時に、その翼から『フェアリー・ダスト』を、後ろの部隊へと向けて見舞う――――この謎の――――大男自身にすら制しきれていない環境を、突破しなければ、不味いと踏んで】
【事態はよく呑み込めていないが、アルクも『督戦隊』の一言で、おおよその状況を把握したようだった。本当に、この仮面の男を『督戦』しているのかは分からないが】
【そうこうするうちに、銃弾の嵐は飛来して。アルクも姿勢を下げつつ、ラベンダーの言葉に乗るしかなかった】

――――レル(風)・サン(拡散)・イム(怒り)・ザン(レベル3)――――『ドラゴンストーム』!!

【身を伏せたまま、アルクは術式を発動させる。己の得意とする風の魔術。それによって、この場一帯を一掃する様に】

【その身体から、周囲へと――――暴風の奔流と、不可視の刃が放出され、そして乱舞する】
【仮面の男は言うに及ばず、その先にいる『謎の部隊』もろとも、流れの中に巻き込むように――――既にラベンダーは上空に飛翔しているからこその選択だったが】

――――うぁッ!? ――――っぐぅぅぅッ!!
「しまった……!?」

【上へと逃れ、囮を買って出たラベンダーの身に、銃弾が被弾して墜落――――そこに風の刃が見舞い、ラベンダーの身体を切り裂いていく】
【即席のコンビネーションは、やはり噛み合わないものがあったのだ】

【アルク魔力残量 20/25】
87 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/11(土) 16:44:18.26 ID:ObaHrIqf0
>>81

……殺しあうことそのものが――――元より無法の極みでしょう?

兇器(わたし)を感じとる指先なんて、切り裂かれたいと強請る様なもの。
触れあえばきっと死んでしまうから――……今すぐ、自分から墜ちてみたら?

【戯れあう言葉に実る果実はなく、揮う刃は宙を切った。ふわりと舞う金髪と、独特の物言いが、或る夜を否応なく思い起こさせて――――……、】

(…………ッ!)

【反転する銃士に即応しながら、けれど視線が奥底に透けさすのは拭えぬ痛み】
【技量以上に、その動きが、見えぬ翼が、幻視する飛翔が――――橡色の瞳に映し込まれ、見開く黒曜の彩に年相応でさえある揺れる想いを描いていた】
【ならば突き付けられる銃口は、避け得ぬ死の宣告に他ならず】


【――――死神は、忌む乙女の友となった=B】

【柄頭が銃身を横殴りに叩き、野蛮に冒涜的に妙技を砕く。完成された所作は流麗であっても、暴力のための業には変わりなく】
【繰り手をも、無理を通したがゆえの痛みで襲った】
【意志が痛苦を引き千切り、激痛を以て新生を遂げる。生みの苦しみが比類なき痛苦なら、奇跡の代償もまた相応か】
【されど、それさえも必要な犠牲と割り切ったなら。ただの、踏破すべき現実でしかない】

【衝撃に脳髄を揺られて妨害される思考を、先読みして動かすよう用意させていた四肢の反応が代行】
【無意識の域で完成させた業が、至近距離で刀身を切り返し、狙撃銃の――銃身の付け根に迫る】


【狙うは武器の破壊――――それによる手数の半減で】
【尋常な銃遣いが相手であったなら、妙手と呼べたであろう攻勢であった。だが、眼前の敵手は既に幾つも超級の技量を示してみせた魔人】
【銃身や銃床、果ては恐らく弾倉さえもが。手足の如く扱える、狙撃手を構成する、愛し愛されあわんと謡う躰なのだろう】
【“なればこそ、その牙を兇器は逆用する”。防ぐ事、迎え撃つこと、破壊させず受け流すこと――肉体や銃器への接触の一切が、千丈の堤を穿つ蟻の牙となる】

【刀身越しに付与しようとする魔力こそが、夜鷹を嵌めて翼をもぐ無形の茨であった。 】
【あの距離から銃弾を受け流す技量からすれば、接近後の迎撃も狙撃手の良手とは言い切れず】
【刃を揮わせずその身を貫くことが、恐らくは最良と言えるだろうか。だが、剣士の識らぬ可能性はそれこそ無数で――――たとえ嵌めた所で、有利とも断言できないのは対等だった】
88 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/11(土) 16:46:41.14 ID:ObaHrIqf0
/>>87
【意志が痛苦を引き千切り、激痛を以て新生を遂げる。生みの苦しみが比類なき痛苦なら、奇跡の代償もまた相応か】

【意志が痛苦を引き千切り、さらなる激痛を以て新生を遂げる。生みの苦しみが比類なき痛苦なら、生存という奇跡の代償もまた相応か】

…でしたっ
89 :ギンプレーン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 16:50:12.68 ID:L9UjceST0
>>83
何たる体育会系な社長!
こりゃあ社員も苦労することだろうネ!

さっきの転職したいって発言はやっぱり取り消させて欲しいなあ


【話しかけている合間にも、男は跳躍し、上空からの追撃に移る――】
【地上には先の攻撃でダメージを受けたリゼとディーがいる】
【これを回避する訳にはいかない――】

【落下して来る魔力の塊の如きそれを、男は同じく魔力を放ちながら剣を振り上げ、真正面から受け止めた!】
【ぶつかり合う奔流――剣はそれでも折れることなく、男の槍を受け続けているが、それを持っている男の腕は螺旋の魔力によってみるみる引き裂かれ、血塗れになって行くだろう】
【魔力と膂力を合わせて"力"と呼ぶのであれば、その力の差は歴然で有った】
【この男の語る言葉のように――遺伝子レベルで生物としての格が違うのか】


ごもっとも。
ああ、この間ボクは恐竜の出る映画を観に行ったんだけど。
確かに素手の人間がティラノサウルスより強くなることは不可能だと思い知るね!

だけど、それは勝てないって話じゃない。
むしろそれだけの話なんだったら、ボクらこんなに苦労はしてないんだよね!


【そう、格が違う故に――感じるのは慢心。男は三人のことを対等な敵とは見なしていない】
【吹けば散らせる木っ端の程度にしか。故に、狙うのはその隙に他ならない】

【瞬間、男は魔力の放出の向きを変える――受け止めるのではなく、槍ごと剣で受け流す――それは武術の技と似た技術でも有った】
【当然、威力の本尊を流したところで渦巻く螺旋の魔力までは防げず、流して接近した分、腕と言わず、全身に捻じれたような裂傷が走るのだが――】
【そんな苦痛の中、男は笑顔に一点の変化もなく、男の脇腹へと蹴りを放つ】
【優男の軽い蹴り?否――そこには受け流したまま、"螺旋"の動きで取り込んだ、目の前の男の膨大な魔力が流用されている――!】


【この暴風の如き魔力と、身を苛む激痛の中での神業――?否、理屈の上で不可能でないのなら、"笑う男"に出来ないことはないのだ】
90 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 16:50:20.27 ID:lUlIhfWz0
>>86

【振り放たれる風の刃、男の身を切り裂き、血があちらこちらから噴出する】
【同時にアサルトライフルを持っていた集団も消え去るだろう、砂漠はまだ晴れないが】
【それでも砂嵐は多少弱まった様であった、互いの姿も把握できる】


ハァ……ハァ……くそ、嫌な風景ばっかみせやがる……!!
ヒャハ……!! ざまあねぇな、おい! 味方に攻撃が当たってるぜ!
分かるぜ、頼りにならねぇ味方ほど使えねぇもんねぇもんな!!

俺様もそうだったよ! クソ新兵が見張り中に寝過ごして、部隊に大打撃さ
昨日共に戦ってたダチも脳髄散らしてお陀仏よ、全く嫌になっちまうな
どうしたって? 勿論俺様の手でぶっ殺してやったよ、其れが道理だもんな!!

砂漠の悪夢はどうだ? 骨の髄まで、染み渡るだろう?


【男はその様子を見ながら下品な笑いを零す、悪夢とは男の言であったが】
【アルクとラベンダーの思考は方向性を正しく持っていた、男の能力の根源とは】
【────そして、男のタフさの所以も、分かるかもしれない】


長く寝てねぇとよ、自分と世界の境界線が曖昧になってよぉ
立とうと思ってもたてねぇんだ、足と地面が一体化しちまうからな
どういう意味かって? ひゃはは!! すぐに分かるさ!! すぐによぉ!!


【男は伏せた状態から腰を上げ、右手を地面につけた】
【瞬間、右手が砂に包まれ、消える────断面は砂に覆われて】
【仮面越しでも分かるニヤニヤとした視線を二人へと向けて】

【途端、アルクの足元の砂漠から男の右手だけが出現する】
【右手にはサバイバルナイフを握って、躊躇無く足首につきたてようとするだろう】
91 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 16:51:33.86 ID:45WdLXl90
>>81>>87


「その華奢な腕で、 ──── 機械仕掛けのこの躯体、組み伏せてみせると?」「成せると思うなら成してみなさい。」
「狼は力に従う獣でも、この身には人の血も混じっているから」「愛や道理なら解してあげるわ。」
「この身は楓に呪われているけれど」「無理にでも犯されるというのならば、吝かでなくてよ、 ──── ?」


【蠱惑に満たしてアリアは語った。臈長けた微笑みは間違いなくこの戦場を愉しんでいた。そういう狂気に浸された女だった。】
【 ─── 剣士と銃士、弾指のうちの交錯を、彼女は見逃さない。動くのであれば追い詰める。動かぬのであれば喰らい付く。】



        「雪折れぬ御御足ね。 ──── けれど、その踏み場に気をつけなさい。」


【 ──── カチューシャの脚元に生じた血溜まり。それが昏い輝きを宿すのを、彼女は覚えているだろうか。】
【顕れるのは3挺の"機関銃"。 ─── DP28。並べられた、3つのバレル。トランペットのような銃口から奏でられるのは、然し制圧射撃のオーケストラで】
【銃身上部の円く平たいマガジンが奏でるのは悲しいシンバルに違いなかった。放たれるのは、ごく至近距離からの苛烈な機銃掃射】
【この口径ならば挽肉とは言わずとも、その雪膚をくれないに染めるには十分に過ぎた。 ─── その数秒にもアリアは、肉弾の距離へと近付いてゆき】
【恐らくは剣士と付かず離れず、その距離感での共闘を始めようとする。真白い横顔は何も語らずとも、ただ銀髪だけが剣閃のように閃いて】
92 :リゼheaven [sage saga]:2018/08/11(土) 16:58:45.74 ID:LiB86Dn10
>>83

【無理に起こした身体。巡る痛みに顔を歪めながらリゼは地面を両足で踏みしめる】
【"気持ちよーく高らかにさ、うたいやがって。――その余裕を吹き飛ばしてやる"】

……舐めてんなよ、こんちきしょうめ。…あてはもう眼中に無いってか。
上等だよ。その見縊り、……後悔させてやる。それに何が決められてるって…?

オツムの出来のイイ奴の言う事は。――悉く、癇に障る…ッ!

【自身の心が折れぬように強がりを口にするリゼに襲い掛かるのは衝撃】
【"爆心地"から離れている筈なのに、それを感じさせない強い衝撃に身体が揺れる】
【そして体勢が崩れそうになるのを必死に堪えて留まる。倒れたなら、それは命取りだから】


えーゆーさん達、あんたたちの力を貸してよ。あても最大限力を貸すからさ。
という訳で接近戦は任せたよ。……あてはあんたたちの援護に尽力する。

後悔すんのは――王様気取り。あんただよ。その傲慢ごとぶち抜いてやるから――


          "―――衝撃/衝戟に備えろ"


【底冷えする様な声色。頭からの流血によって血染めになる幼い面持ちからの鋭い眼光】
【絢爛極まるこの空間に再度桜の花びらが散り始める。先程よりも花びらは多く、広範囲に散っていく】
【それも部屋の隅から隅まで広がって、その様相は桜色の雲のようだった】


          桜花――百花――、御招来、武御雷ッ!


【ギンプレーンの攻撃にあわせたリゼの攻撃。それはフランツの頭上周辺から襲い掛かる】
【落雷という表現が相応しいそれは轟音を三度鳴らして、三条の光として襲い掛かる】
93 :リゼ ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/11(土) 16:59:58.06 ID:LiB86Dn10
//名前ミス…
94 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 17:05:50.56 ID:lUlIhfWz0
>>87>>91

そうかしら、カチューシャはそうは思わないわ、だって、そうじゃない
私達は傷つけあっている、そこにどんな所以があったとしても、それは変わらないの
けれどもそれを無法と呼んでしまえば、私達の存在そのものの否定にならなくて

私達は戦う事、殺し合う事を肯定するの、夜に抱かれなきゃ生きて行けない夜鷹を
お姉さまは哀れと嗤うのかしら、惨めと嘲るのかしら、淫らと罵るのかしら
だとすれば私は肯定するわ、だってお姉様も、悦んでいるじゃない


【寸刻、彼女は空中に右の狙撃銃を投げ捨てた、中空に放り出された可憐な手】
【柊の一閃は右の手のひらを深く切りつけて、手袋越しから血を噴出させる】
【操り人形を手繰る可憐な指先、そこに至る旅路を無碍にするかの如く】

【間髪いれずにアリアの弾幕が彼女へと向かう、刹那よりも短い狭間】



【眼前に広がる銃口を見て、──── 彼女の頬がほころぶ】


愛を育むのに力は要らないわ、女を抱くのは力の作用じゃないのだから
お姉さまは介してくださるのね、問答なら閨事の後でなんなりと
でも駄目よ、この華奢な腕にも十分役割があって、カチューシャは其れを果たすもの

お姉様が果てるまで、指先一つで蹂躙して差し上げる


【出現するのはカチューシャ程の大きさもある姿見、機銃は姿見の中に解けていく】
【けれども数が多すぎる、次第にキャパシティを越え、姿見が震える】
【数秒の耐久の後、姿見がバラバラに砕け散るだろう、そうして────】

【カチューシャは足元から着地する、──── ロングスカートを翻す従者の素振りに似て】
【揃えた爪先が、一点を踏みしめ、空中に放った狙撃銃をキャッチし両手の銃を交差させ地面に向ける】
【僅かに瞑目してみせる様相は祈りの作法が如く、プラチナブロンドを曖昧に垂らす】


さあ、巫山の雨に濡れましょう、夜が明けるまで凄絶に


【翼を失くした天使が如く、君臨する姿は宗教画ですらも辿り着けない境地】
【このまま凍ってしまえば、其れは最早完成された作品でしかなく、尊き柔肌の一片までも】
【ほんの僅かに上下する胸元の動き、其れが漸く彼女を生きていると証明する】

【砕けた姿見の破片が散らばって、まるで粉雪の如く彼女を修飾したなら】
【三人の距離は肉薄する、それは狙撃手に取って、致命的な距離感】
【それでも尚彼女は、狙撃手たる所以を、空に示して見せた】

【彼女の頭上に広がる "魔法陣" ──── 放たれるのは、姿身に吸収された機銃の弾幕】
【周囲の二人を排除するように掃射される、其れこそまさに五月雨に似た】
【降り注ぐ銃弾の雨の合間に、雪白の少女は居た】
95 :ディー ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 17:09:40.34 ID:L9UjceST0
>>93
【リゼに向かって、盲目の娘が親指を立てて見せた】
【一見してこの娘の方は何もしてないのだが、衝撃波に身を踏ん張る程度の身体能力は有るようで、倒れずに二人の戦況を見守っている】
【もっとも、フランツと名乗った男に対抗できる戦力を持っているようには見えない】


【奇しくも遠近で役割が分かれている。急造の連携で格上相手の戦闘に不安はあるが、上手くやってくれると思おう】


――このフランツ社長。本物なんでしょうか?
どうにも現実感がないと言うか。


【入るなり5秒で戦闘に突入と言うのは、如何にも用意されていたようで】
【しかも本来はトップであるはずの社長が嵯峨野/ロールシャッハの言いなりにいきなり戦線に突入】
【この状況自体に違和感しか感じない】
96 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 17:10:10.77 ID:45WdLXl90
>>85


「 ─── 隠者に名前が必要かな?」「幕引き役は所詮マクガフィンさ。」
「ボクはキミたちの物語に興味はない。名前なんて要らないよ」「だから、どんな不条理な終わり方をしたって構わない。」
「ボクはあの子の物語にあって初めて名前を付けてもらえるんだ。 ……… 然し」「誰かを愛しむのに名前がないなんて、"キミ"の物語には、随分と可哀想なヒロインが居るね?」


【撃ち尽くしたサブマシンガンをあっさりと投棄てる。代わりに引き抜くのは黒いマチェーテ、 ─── 刃の先にステンドグラスの淡い輝きを宿して】
【であれば愈々に白兵戦の備えであった。あくまで隔絶した距離感での殺し合いを狙うのであれば、冷酷な怪物がそれを赦そうとする筈もない】
【 ─── だが、同時に失策でもあった。砕き残した殺意の破片が、未だ脚には絡んでいたから。一歩踏み込み、一つ言葉を紡ぐ激情が、致命的な隙になり得ることの無自覚。】



「恋の冷めるのは須臾の間さ。」「 ─── 行き場のない激しき感情なんて、皆な等しく恋でしかない。」
「終わらせてやるよ。キミたちの物語。そこから先は、ボクが物語を紡がせてもらう、 ──── ッ!!」


【 ──── 薄い布地を焼き尽くし、その下の外皮さえも舐めてゆく焔に、青い瞳が見開かれる。殺意が更なる濃度を増していく】
【今一度ばかり凍らせようとする。 ─── 黒い氷が威勢に敗れる。おぞましくも忌々しげに何かを吐き捨てて、それは言葉の形を成さず】
【意識と出力を集中させて漸く脚からの火を掻き消す。焼け焦げた右脚を総て凍らせて、然し暫しの痛みに膝をつく。】
【されどミレーユが凍らせたものも女が炎に呑ませたものと同質であった。 ─── 執念。情念。無念。】
【常温の世界さえ絶対零度に貶めるのならどこまでも情緒的なアイスナインだった。ゆえに、ミレーユは咆哮して。】


「 ────── だからッ!!」「ボクの、オレの、 ──── 邪魔をするなァッ!!!」


【生じるのは再びの黒き凍土。ミレーユの情動に応じるかのように一息な広がり、魔女の放った炯々たる炎と拮抗し、 ─── 何方が勝ると言うのだろう】
【同時に広がった黒い氷から生じるのは無数の"人形"。氷で形作られた、手のひらに乗るほどの精緻な戦列歩兵。それが立ち上がり、槍を構え、身を捩らせて】
【殺意に充たされた無数の小さなジャベリンを魔女へ向かって抛げ付けようとする。一発一発は決して重くない、 が】
【もしも肌を掠めたのであれば迸るのは絶望的な衝動。おぞましいほどに"何か"しか見ていない盲目性 ─── そのような戦慄が流し込まれる、だろうか】
97 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 17:11:24.30 ID:3gt90YRl0
>>90

くっ…………ラベンダー!!
「ぅ、あ……私は、まだいけます……大丈夫……!」

【倒れ伏し、何とか上半身を起こしたラベンダーに、アルクは確認の声をかける。恐らくは、実物ほどではないだろうとは言え――――アサルトライフルの銃弾を浴び、その上に風の刃を受けたのだ】
【ラベンダーは、右腕からダラダラと血を溢れさせてはいたが、その瞳には――――脂汗ににじんだ表情の中の瞳には、まだ衰えぬ戦意が宿っていた】
【まだ継戦能力は残しているのだろうと、一安心と共にアルクは仮面の男へと向き合った】

――――全くだ。足手まといは勘弁だな……だが幸い、手前は仲間には恵まれていたよ……!
だからこそ……この程度で、終わりはしない――――支えれば、支え返してくれる、正に『支え合い』だな……お前には、出来なかっただろう、それも無理はない
だが――――だからこそお前は、その悪夢に飲まれる事になったんだろう――――!

【実際――――フォローしきれない仲間と言う奴は、ただの荷物だ。実戦に立ってみれば、その事は良く分かる】
【だが、それでもアルクは、今のラベンダーがそれだとは、毛頭思っていなかった。これはただの、準備不足に起因した、ペアとしての失態に過ぎない】
【同時に――――アルクには、男の言い分も分かる気がした。命のやり取りをする中では、無能は立派な罪なのだ】
【ただ――――その悪夢に、自分たちを問答無用で巻き込むのは、御免被ると】

ッッ、まさか――――ラベンダー、飛べ、早く!!
「えっ、何を――――!!」

【その時――――男は己の腕を砂の中に突っ込んだ。何を企んでいるのか――――この時、戦士としての勘と言うべきか、アルクはいち早く、その企みに気づいたようだった】
【咄嗟にラベンダーに向けて警句を発する。足元は、全てが危険だと。ラベンダーも、一瞬遅れて、男の手を視認すると、その意味するところを悟ったらしい】

【――――だが、狙いはアルクにあった。そして、警告の言葉を飛ばした、そのわずかな隙が、明暗を分けたのだ】

――――うッ、っああああああッッ!!

【飛び退こうとした瞬間、刃がアルクの足首を捉えた。一瞬、何か熱さの様な激感が左足を跳ね上げ、遅れて鉄釘を打ち付けられたような痛みとなって認識される】
【抉られた訳ではないが、傷は存外に深い――――もしも痛みに思考がかき乱されていなければ「腱が切れていなければ良いのだが」と、不安になるレベルの一撃だった】

ぐ……スーレル(光)・ナコ(阻害)・ジー(安定)・ビン(レベル2)――――『クロスホールド』……ッ、しっかりと、境界線を引いてやろう……ッ!

【痛みに呻きながら、そして飛び退いた身体を、痛む足で踏みしだきながら、アルクは魔術を更に行使する】
【――――光が男の周囲を包み、その場から離れなければ。光の十字架が、男を捉えるだろう。さながら十字の棺の様に】

(……この世界は、この男の悪夢のようなものだ。なら、峻別してしまえば――――世界に影響は、及ばないんじゃないか?)

【――――1つのひらめき、それに賭けてみたのである。夢と現をないまぜにした現象が現実に反映されているなら、それを分断してしまえばよいのではないか、と】

【アルク魔力残量 18/25】
98 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 17:20:48.64 ID:lUlIhfWz0
>>89>>92

【破裂する力と力のぶつかり合い、歪む二つの衝撃は真正面から響き渡り】
【空間すらも揺るがす巨大な暴力が、地鳴りの作用に似て鳴動する】
【剣戟の背中フランツは笑ってみせる、傷つくギンブレーンの様子を見た】

【──── 其れは確かに慢心であった。否、慢心こそが男の本懐であった】


フハハハハ!!! 駄目だ!! 私は手に入れると決めた物は逃さない主義でね!
我が元に来るのならぞんざいに使ってやろう、使い潰して骸すらも扱う!!
光栄に思うが良い、私を築く礎の端葉であったとしても、それは王の一部に変わりない!!

食らうか!!! 戯けが!!!!


【竜巻の最中に突撃する無謀であった、ギンブレーンの身は瞬く間に傷つくだろう】
【そして男はその好機を逃すはずも無く、脇腹への蹴り等意にも介さない】
【彼の体もまた、鋼鉄のようである、そんな蹴り等微塵のダメージにもならない】


【──── "筈であった" 】


ぐはっ!!! き、貴様────!! 何だこの、威力は……!!
これは、私の──── "Spiral Architect"……!!!


【男の膝が崩れそうになる、踏みしめた足元が揺らぐ、漏れた苦悶の声はダメージの大きさを伝える】
【フランツの瞳が見開かれる、それほどの繊細な魔力移動の出来る男には思えなかった】
【あるいは、この優男めいた表情は作り物で、一騎当千の実力者とでも言うのか】

【──── 心に打ち込んだ楔、その作用は存外に大きい】


……!! なんだ貴様、これは────!?


【寸刻の狭間、意識と意識の息継ぎの間に降り注ぐはリゼの落雷】
【其れはフランツに直撃する、猛々しい唸り声と共に、声が響き渡る】
【焼け焦げる皮膚の香り、ついに片膝を付き、忌々しくリゼを見据える】


貴様……!! よくも私の高貴な体に傷をつけたな……!!
薄汚い売女が!! 汚らわしい技で私に触れるんじゃない!!
この罪は貴様の全てを持って償わせる!! その遺伝子の一片に至るまで

蹂躙しろ ──── "Spiral Architect"!!!


【螺旋の作用、轟音が響いた。リゼの居る足元。地面が大きく螺旋の回転を得る】
【それは地割れに似ていた。強固な地面が砕け、リゼの足を巻き込もうとするだろう】
【成功したなら地面がリゼの足を捕らえる筈だ、少し時間を掛ければ脱出はできるだろうが】
99 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 17:34:03.39 ID:lUlIhfWz0
>>96

【二人の出す炎との氷とは単純な威力で言えば同等程度であろう、しかし────】
【魔女の撒き散らす炎を、徐々にミレーユの氷が侵食していく、それは確かな作用であろう】
【それはミレーユの感情が込められている、暗く深い絶望に、勝る感情など無いのだから】

【出現した歩兵の槍が次々に魔女を貫く、腕も足も、あまつさえ腹部にも一本】

【魔女は膝を折った。大きく血を吐いて、その傷の深さを伝えるのか】
【そして同時に自身を抱きしめる。流し込まれるのは戦慄きに近い感情の流動】
【けれども、その渦中において魔女は嗤った、唇の端を軽くあげて】


……成る程、だから貴女様はそこまで苛烈に感情を燃やされるのですね
今時ボーイミーツガールとは、三文芝居にも見劣りしましょう、いたいけな物語を紡ぐには
貴女様もあの子も、もう十分に汚れきっているのですから

ええ、それでも尚進むのですか、後に残るのが絶望でしかないですのに
滑稽ですこと、自分自身を信じ込む作用は、唯の道化師の目論見ですが故
終わらせるだなんてどの口が言うのでしょう、────


【開けた傷口を魔女が藁で埋めていく、其れはさながら奇妙な儀式に似て】
【未開の部落が行う不可解な祈りであった。何の根拠も無く、行われる行為】
【そうして火を放つ、魔女の体がビクンと大きく跳ねた】


っ……!!! ああ、ぁっ……!!! んぅ……ええ、分かってます……!!
貴女様の行動理念が愛であるのなら、私もまた、示しましょう
私は数多の命を弄んで、それでも結局其れは、定められた道でしかなかった

私の生まれた存在から、行動の全ては、進むべき道のりを唯歩んでしか居ないのです



──── でも、愛するヒトだけは、私の手で選び抜いたのです





【炎が再び勢いを増した、そこに乗せられるのは彼女の感情】
【それは御伽噺の魔女ではありえない作用だった、倒されるべき悪役にも、悲劇があるだなんて】
【陳腐なストーリー仕掛けでしかなかった、其れを神話と呼ぶには、あまりにも些細】

【──── けれども、彼女にはそれで十分であった、から】

【燃え盛る紅蓮が氷を溶かし、再び一面に燃え広がるだろう】
【やがて収束し一つの火柱となったなら、ミレーユを足元から飲み込もうとする】
100 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 17:41:21.00 ID:lUlIhfWz0
>>97

【男の顔がニヤリと歪んだ、──── が、同時にアルクの魔術を受ける】
【驚愕に目が開かれた、魔術とはこんな出鱈目な作用までも施すのか、と】
【舌打ちが響き渡り、左手を強く叩きつけたり等して、逃れようと試みる】


くそが!! 離しやがれ!! くそ!! くそ────!!
やべぇ、変わっちまう、このままだと、夢の続きが……っ!!


【大きな変動が起きる、室内全体ががくんと揺れて、まるで砂に飲み込まれる様に】
【寸刻、砂が晴れていく。──── 次に出現するのは、ジャングル、密林であった】
【鬱蒼と生い茂る木々、独特の蒸し暑い気候と、明らかに場所が違う】

【視線を向けてみれば、光の十字架に捉われていた男が消えている】
【否、男の変わりにそこは密林に生い茂る木があった。男自体が木に変容し】
【そして奇妙な静謐が広がるだろうか────】


ちょこまかちょこまかと、鬱陶しいんだよ!!!
ガキはガキらしく大人の言う事を聞いてろよ!! 銃なんかむけんじゃねぇ!!
俺は英雄なんだ! 国のために戦ったって言ってんだろ!!




──── あんなに、懐いてくれてたじゃねぇか


【ラベンダーの傍に生えていた木から男の上半身が出現する】
【右手に持ったサバイバルナイフ、手馴れた扱いでラベンダーの腕へと刃を向ける】
【神出鬼没であった、且つ、そのタフネス──── 不眠の作用であろうか】
101 :ギンプレーン&ディー ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 17:52:06.83 ID:L9UjceST0
>>98
【放った蹴りが、男の肋骨に食い込む。男自身の肉体も尋常ではない強化がなされているものの――】
【この男の性格を考えるのならば、防御よりも攻撃に偏重してリソースを割くだろう】
【なれば、その攻撃に使用した魔力ならば、十分にダメージを通せるとの心算】

【対して、自身が受けるダメージは、その蹴りの一発の代償には大きかった】
【ズタボロになった手はいつまでも男の槍を受け止めていられず、下がってしまう】

HAHAHA、これだけ分かり易く力を使ってくれているんだ。
利用してくださいと言っているのかと思ってね。
なるほど、螺旋の動きと言うのも存外に便利だ。

【繊細かつ緻密な魔力移動――しかも異種返しのように螺旋を用いたそれを、更には"初めてやった"ように語るのだから。男が意図してかはともかく完全に挑発行為であった】

【相打ちと言うには採算が合っていないように見えるが――足りない分は、リゼが補ってくれることだろう】
【降り注ぐ落雷が、動揺していたフランツの肉体を射抜いたのを見て】
【とばっちりを受けないように、男も一歩だけ後ろに下がるのだが、それによって男にリゼを攻撃する隙を与えてしまう】


おっと!これはまずいかな!


【流石にここで余所見をしている余裕も助けに行く余裕もありはしない】
【外からのフォローが貰えなければ自身の持つ能力だけで、男に決定打を与えるのは難しいだろう】
【せめても彼女に追撃が行かないようにと、傷付いた腕で剣を振るうも――魔力の差故に、大きな効果は臨めなかった】






【一方で、ディーの方は戦闘には参加せず――するだけの力がないとも言う。戦況を見えぬ目で見守っている】
【そう言えばと、ブラスフェミアに貰った通信機を使って、外に声を向ける】


>>60
ブラスフェミアさん――ゴトウさん、"騙し絵の女"でも良いです。
こちらの位置や状況はそちらでモニタ出来ていませんか?

わたし達は今どこにいるのです?
102 :リゼ ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/11(土) 17:55:52.67 ID:LiB86Dn10
>>98

【武御雷を喰らわせた直後の事だった。戦いの場に相応しくない仕草をする少女が目に留まったのは】
【そんな気の抜けた仕草に思わず険しい表情を綻ばせて、柔らかく笑みを浮かべた】
【だが、そんな表情も直ぐに怪訝なものへと変わっていき。抱いた事のない疑念を抱くキッカケになった】


……どういう事?現実感が無いだって?冗談きついよ、おじょーちゃん。
こんな致死を振りまく非現実があったら溜まったもんじゃない。

けど、一考の余地はある。気に留めとく。
取りあえず、あてらは戦いに専念するからおじょーちゃんに頭脳労働は任せるよ。

>>97

だぁから、言ったろ?"衝撃/衝戟に備えろ"、ってさ。
ただの戯言だと思ってたかい?あの言葉はあてなりの諌言さ。

【"いい表情になったじゃないか、王様さん"と皮肉った言葉を添えてリゼは目元を愉悦で歪ませる】
【その仕草とそれに至る行動は間違いなく不敬。王を振舞う者が怒り狂って当然な程に不敬】

罪?罪だって?あはっ、面白い事を口にする王様だね。ああ良いよ。
王様とやらに対する不敬の数々が罪だと言うのなら認めるさ。けど――罰を受けてる暇なんて無い。

それに死に至らしめる技に綺麗も汚いもあるもんかっ!
そんなに自分が優れてると思うなんてさ、ハダカの王様だよアンタ。
あてから見ればただの傲慢ちきの鼻持ちならない男でしかないんだ。

【そして不敬に不敬を重ねて。"罪を償う心算なんてさらさら無い"と吐き捨てて】
【武御雷を発動した事によって消え去った桜の花びらを補充するように魔力を周囲に散らしていけば】
【猛る怒りに身を任せた暴力が再度リゼに襲い掛かる。手傷を負って動きに支障の出ている身体では】
【地割れに足を取られてしまうが。それでもリゼは動じない。リゼの足元から雷が奔る】


             "桜花"――紫電の如く奔れ "蛟竜"


【足に絡まる障害を吹き飛ばして、地面を枝分かれしながら奔る電撃はフランツへと向けられた】
【お返しだといわんばかりの攻撃は死に至らない。だが電撃が身体に当たれば少しは怯むだろうと考えた】
103 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 18:01:57.47 ID:3gt90YRl0
>>100

っ、と、捉えた……さあ、どうだ……!?

【立っているのもやっと――――足首に深手を負わされてしまった以上、仕方がないだろう――――そんな状態のアルクは、十字架に捉えた男を、キッと睨みつける】
【自身のひらめきを確かめるべく、この技を仕掛け、そして成功したのだが、果たして目論見通りの結末を迎えるのだろうか】

【――――そんな期待と不安を飲み込むように、世界の様相が一変する】

なっ――――っく!
……奴の叫びを考えれば、的外れではないはずだ……なら、どういう事だ……ッ!

【突如として空間を満たす密林の緑と熱気。そして、先ほどまで確かに捉えていた男の消失】
【アルクは、悔しげに喉を鳴らす。キーワードはやはり『夢』。それ自体は間違っていなかった様だ】
【だが、世界と切り離すという手段では、どうやら及ばないらしい。アプローチの仕方を変えなければならない――――痛みに胸が締め付けられる思いを抱えながら、アルクは状況を受けとめ直す】

ッッ、ラベンダー!
「ッ――――『セイバー・フォース』!!」

【奇妙な沈黙の中で、アルクは再びラベンダーの身に危機が迫っている事を悟る】
【――――1つ所に意識を向けさせると、そこへの対応が難しくなる。軍隊における、実戦で最も注意すべきテクニックだ】
【つまり「同じところをいつまでも狙うな」「同じ手段で何度も攻撃を凌ぐな」という事だ】
【となると――――自分ばかりを狙い続ける筈もない。対象が、向こうへと移った可能性は高い――――アルクはそこに思い至ると、再び警句の叫びを放つ】

【果たして、木と同化した男のナイフが、今度はラベンダーを襲う。だが――――幸いだったのは、環境の変化を軸に、ラベンダーの方も「やり方」を変えようとしていた事だった】

【黒い身体に幾筋かの光線のラインが入った、細く歪んだ人型】
【右手は肘から先が光の剣となり、左手は肥大・硬質化し、爪のついた盾の様な形になる】
【何らかの機械の様な頭部には、ラベンダー色の髪が、束ねられたように幾筋かに分かれ、風もなくはためいている】

【伸ばされたナイフが、ラベンダーの硬質化した左手で防がれていた。偶然の一致を、最大限に活用する事――――ラベンダーもまた、実戦経験に裏打ちされたものを持つ戦士なのだ】
【そのまま、お返しとばかりに右手の刃で反撃を見舞うラベンダー。タフネスを誇るとはいえ、無抵抗のままでは何にもならないのだ】

(――――これが『夢』の故なら……どうする!? 眠らせる、或いは目覚めさせる――――『夢』を消すなら、そのどちらかだ……だが、本当にできるのか!?
 ここはいわば、『夢』の辺域――――そこから、夢に直接アクセスする事が、本当に……!? だが、少なくともこのまま削り合っていても、恐らくは変わらないんだ……! ッ――――!!)

【周囲に十分な警戒を飛ばしながらも、アルクは現状の打開策を必死で探っていた】
【『夢』を媒介にする力である事は間違いない。なら『夢』を無力化しなければならない――――その方法を思索して。再び「試す価値はある1つの仮説」を組み立てる】

――――ラベンダー、そいつの『仮面』を砕き散らすんだ!!
「ッ!?」

【アルクはラベンダーへと怒号を飛ばす。「目覚めさせる」とは「目を開かせる」事――――即ち】

/すみません、食事に行ってきます……
104 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 18:02:34.85 ID:L9UjceST0
>>101 >>ALL

【ずっと沈黙のさなかで待ち続けていた女がはっと息を呑む。誰かの声が、やっと自分を呼んでくれた】
【それで――――少女の質問の意味に、惑う。困惑の表情を浮かべて。……質問を、逆に、投げかける】

何処にいる、とは、…………どういうこと?
あなたたちビルの中に入っていったじゃない、……「そこ」にいないってこと?
はあっ? どういうこと、クソ――――おじさま!? それからえーっと……騙し絵!?
一体全体何が起きてるの、「この中で」! 僕は音しか拾えないんだよクソがっ……

【がり、と爪を立てて黒髪を掻き乱す。……こんな質問しか飛んでこないと言うことはつまり、】
【入っていった奴等の誰もが未だ「あの子」に会えていない、そういうことなんだって、理解して】
【苛立ちが瞬時に小さな身体を駆け巡る。ふうっと手負いの獣みたいな息を吐いて、それから】
【……深呼吸。落ち着け、落ち着け、と自身に言い聞かせて――熱を逃がしていく。そうしたら】


………………逆に聞きたい。あなたたちは今、「どんなところ」にいるの?


【通信機を受け取ってくれたすべての人に。問いかけていく。はあ、と大きく息を吐きながら】
【問いはするけど答えに期待はしていなかった。だってみんな死闘の最中だ。そんな余裕ないからって】
【無視されても構いやしなかった。誰一人とて損ねてほしくないのは本当だから。だから、けれど】
【誰でもいい。この声に反応できる誰かを、ひとりだけでも――――待っていた】
105 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 18:04:43.35 ID:45WdLXl90
>>99


「 ……… そうかい。」「 ─── なら、悲劇が2つってのは片手落ちだろうよ。」
「キミを殺したら、露悪的な筋書きしか能のない脚本家の首も刎ねてやる。」
「無縁の墓にでも手向けてやるさ。 ……… 精々、あの世で結ばれるといい。誰だか知らないけれど、さ。」


【ふッと溜まったヘドを吐き捨てて、漸くミレーユは立ち上がる。膝先が微かな痛みに震えていた。】
【彼の肉体は真っ当な人間のそれでしかなかった。極限まで皮膚を冷やした温度でも、麻痺させきれなかった痛覚が】
【幽かに然し確かに彼の脳髄を蝕んでいく。 ─── 昂ぶる情動が僅かなれど押さえ込まれたのは、僥倖であったか】
【幾分か静かに皮肉めいた言葉を返していく。相手への安い憐れみも含まれていたのだろうか。 ─── 誰かを想う者、同士の】


「現世は舞台、人々は皆な役者 ──── だとしても、」
「ボクは誰かの台詞を読むつもりはない。笑うフリも泣くフリも嫌いなんだ。」
「ああ終わらせてやるよ。クソみたいな作劇なんて一つ残らずブチ壊してやる。」
「メアリー・スーと呼ばれたって構わないさ。 ………… もう一度言おう。ボクの邪魔を、するな。」


【それでも、 ──── 彼はそこで刃を止めてしまうほど、生易しいに過ぎる人間ではなかった。ひとりの友人の悲惨な過去には向き合わずにはおれぬというのに。】
【であれば訣別であったのかもしれない。己れの惨めな行く末を鏡写しに見出すような。然して最後の警告は、あまりに塗り替え得ぬ色合いに満ちていて】
【 ──── 身を呑む炎をミレーユは甘んじて受けるしかなかった。焼け爛れた片脚では歩く事がやっとだった。それでも彼は、まだ死なない。死ねない。死んではいけない。】
【ゴシックロリータの甘い香りさえ凍りつかせ、 ──── その全身に纏うのは極薄い氷の防壁。辛うじてそれで総て舐める炎から身を守りながら、】
【引き摺るような足取りで一歩ずつ魔女へと近付くのだろう。武器を変える一瞬さえなかった。総ての能力を防御に集中させていて、 ─── それでもなお、時折破れる氷壁が】
【その身を焼いて幽かに悶える。それでも立ち止まることはなく、執念と意志の為せる所業に違いなく】
【であれば、 ─── マチェーテの間合いに踏み込めるが先か、氷の異能が限界を迎えるが先か。】
106 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/11(土) 18:06:56.82 ID:ObaHrIqf0
>>94

……だから、私は私を憎むのよ――――――――誰かにとっての大切な自分(もの)を、平然と危機に晒して安らげる。

そんなものとして生きてでも、兇器(それ)以外≠守ることを願ってしまうから。
……だからこそ

【静謐な声、静謐な視線。確かに深層を抉られて、けれど、闇を直視してきた――そうして、自分を厭ってしまったものの瞳】
【ならば立ち上がらせるのは、“自分以外の誰か”に他ならない】

【それは、時には敵対していた存在で――――……、】


憐れみも嘲りも罵りもせず、淫らな兇器として交情(たたか)ってあげる
自分も貴女も否定して、私達のある必要のない場所をこそ望む――――

この壊しあいの先にあるものが、どれだけの惨劇だったとしても
そこに、誰を何を巻き込んであげるつもりもない……――――だから停めてあげるわ、カチューシャ。
そうあるための兇器になることが――――切断者=iわたし)を形作った望みだから――――‼

【そして時に、喪ったものでもあるのだろう】
【切断を謳い、同時に死も殺害も拒絶する。それは狂った理屈では、あって】
【なればこそ自分自身を書き換えることも、精神を直結して時≠フ宝玉を制御することもしてのけた。後者を知れば、武器狙いの一手の深奥にも気付けただろうか】

【掌に魔力を付与しようとするのは、予備動作すらなく行われるだろう。尤も、負傷部位を再度抉られたなら無為になって】

【――――そして、そんな些事を容易に圧する鉛の雨が。少女と共闘者へと、一切の容赦なく降り注いでいった】

……く、ぅ……っ、ぁ、ぐぅうう――――――――っ……!!

【右の腿を穿たれた。――――動かずとも死んで然るべき深手を負って、】
【左の脇腹を抉り取られた。――――人間でありたいなら行動してはいけない領域。】
【左眼が脳ごと砕かれそうになる――――辛うじて、左眼の上を裂かれ視界の半分を血に奪われる程度に傷を抑えて、】


……温いのよ、狙撃手――――こんな夢想(ユメ)で、私を討ち果たせると思ったかッ!!

【咆哮――――戦意は、澄んだ声に満ちて刃鳴りとなった。】
【撒き散らす鮮血は、裏返る様に金の煌めきと成り果てて】
【太刀と同じ切断≠フ魔力が、抜刀の際に溢れたあの焔と同じ色合いの、血液であった無数の小片から溢れた】

【脚を刈り、鎖骨を砕き裂き、骨格をばらばらに解体する様な重く鋭くちいさな斬撃の群れ。風にすら乗らず、少女を燃料に飛翔する】
【それは飛び散った鮮血もまた己なりと、負傷の瞬間に切断概念の魔力へと変換した異能(ちから)の塊だった。カチューシャへと、有翼の魔獣が牙を噛み合わせるかのよう、殺到した】

【だが、こんな程度では足りないはずだ。そう判断し、ならばともう一振りの刃を予定通りに追加した=B】

【対処を必要とさせることが、この大仰な暴威の目的。再びの潜航が行われ、今度こそ、夜闇に生まれ得ぬ影となりて荒野を統べた】
【害意も、血の匂いも、痛苦も、体温も、情念も――――八攫柊を構成する諸要素を乗せたからこそ、狙撃手の鋭敏な感覚を狂わす毒となる】
【されど振動と質量までを代行させることは叶わず、本体がそれらを極限まで抑えるほか、カチューシャの魔手を逃れる術はなかっただろう】

【銃士に対峙するのは、双つの意志で双つの兇器。両方をフリーにするための一手は、何れかが狙われようと、もう一方が目的を遂げるためのものでもある】
【そして、己が捉えられれば出力を跳ね上げることによって脅威を増し。さらなる深手を負ってでも、確実に“もう1人”の攻撃を通さんとすることもまた、可能ではあっただろうか】
【この大技こそが最大の好機。解き放つ暴威に、希望という細い糸を潜ませた】
107 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 18:08:46.41 ID:lUlIhfWz0
>>101(ギンブレーン)>>102

【ギンブレーンの読みは正しかった。事実フランツの役割は "矛" である】
【その螺旋は万象を穿って見せる、けれども、その楯は万象を防ぐに能わず】
【故に、その攻撃を流転させる試みは非常に効果的であった】

【──── 事実、フランツの表情は優れない、肉体的にも精神的にも】

【ギンブレーンの捉え所の無い言葉、そしてリゼのかける嘲笑】
【それは侮辱であった、それは侮蔑であった、本来なら、たいした作用など無い】
【けれども、この男にとっては違う。──── ただ只管に、苛烈】


不遜な者共が……!! 目障りな真似を────!!
良いだろう、貴様達には私の全てを以って、圧倒的な死を与えよう
楽に死ねると思うなよ! 王を侮辱した罪は、其れほどまでに重いと思え!

我々は全て螺旋の落とし子だ、貴様達のような異分子は忌み子と言えよう
ならば私は確かな螺旋の継承者として、尽きぬこと無い探求の果てとして
その全ての螺旋を描く、たった一つの帰結を見せよう!!

──── 万物は螺旋に従う、と!!


【フランツの右腕が大きく盛り上がる、右腕に持っていた槍と腕が "一体化" する】
【それはまさしく異形の姿であった、同時に、下半身をも変質する】
【四つ足の獣の足へと変化する、その姿を指していわく────】

【"ケンタウロス"──── 空想に描かれた、高次元の存在】


"Spiral Architect"は全ての螺旋を統括する、私の遺伝子すらも思うが侭に
私に描けぬ生物などない!! これこそが、王の力が所以だ!!
穿て!! 螺旋の名の下に!! 粉みじんに砕け散るがいい!!!


【四つ足が地面を踏みしめる、蹄が床を砕き食い込む程に、四つ足の意義とは支えである】
【それだけの反動が来る槍の一撃とは、人の身で放った最初の一撃とは比べ物にならない】
【部屋全域を覆わんとする、螺旋の一撃、槍から放たれる衝撃波が天地を揺らす】

【大きさは倍以上もあった、逃げる場所など、何処にも無い、と思えるほどに】
【リゼの放った電撃すらも飲み込みながら、莫大な質量を持った一撃が二人に襲い掛かるだろう】

【事実逃げ場など無かった。相殺するしか逃れる術は無い、────否】

【フランツが罅割れさせた地面、リゼの足元の地面はかなり痛んでしまっている】
【万に一つの可能性であるが、地面へと攻撃をしかけたなら、床が抜ける可能性があった】
【しかし其れはほとんど不可能と言って良かった。あまりにも低い可能性を、可能性とは言わない】

【──── 其れを奇跡と、嘯くしかないのだから】

108 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/11(土) 18:09:19.31 ID:ObaHrIqf0
/>>106
【害意も、血の匂いも、痛苦も、体温も、情念も――――八攫柊を構成する諸要素を乗せたからこそ、狙撃手の鋭敏な感覚を狂わす毒となる】

【害意も、血の匂いも、痛苦も、体温も、情念も――――刃の群れは八攫柊を構成する諸要素を乗せたからこそ、狙撃手の鋭敏な感覚を狂わす毒となる】

…でしたっ…!
109 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 18:13:50.03 ID:lUlIhfWz0
>>101(ディー)>>104(ブラスフェミア)

【混線するリーイェンの音声、否、─── 正確には強引に混線させた】
【 "騙し絵の女" は焦っていた、彼女のまた大部分の情報を得られていない】
【それでも幾つかの可能性と情報を得ていた、故に其れを紡ぐ】


──── <harmony/group>の監視カメラにハッキングを仕掛けたですが、駄目です
ただ、内部の大まかな位置関係は分かるです。いいですか、一回しか言わねーです。

ディー、てめーが居る階層が突入したメンバーの中で一番上です。
その下に幾つか空白があって、他の面々が居るです。

──── 全員バラバラにされたのか、ある程度の意図があって固められたかわかんねーですが
個々に分かれて戦闘活動してるみてーですね……それに

大規模な炎と氷の反応……ミレーユの階層に、魔女がいるみてーですね


【リーイェンのつぶやきは聞こえただろうか、確かな意味合いを持って、刻まれる】
110 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 18:19:33.01 ID:lUlIhfWz0
>>103

【──── アルクの逡巡、ラベンダーの呼応、それを男は察していたのか】
【防がれるナイフの一撃、同時に手首を返し、ラベンダーの顔へと投擲をする】
【そして同時に、木へと再び同化する。砂と違い立体的な動きも果たせるのだ】


ひゃははは……どうだ恐ろしいだろう? 密林のゲリラ戦ってのは、まさに悪夢さ
一寸先も見えない森の中を、おっかなびっくり進むんだ、気を抜いたら仲間が殺されてる
あいつらは銃をつかわねぇからな、ナイフ一本で、首筋を掻っ切る

────だがよぉ、それは俺も出来るんだぜ、くふ……ひゃはは……!!

何人もぶっ殺してやったよ!! 首を掻っ切った時の顔が分かるか?
目をかっと見開いて、ぶたみてぇな声をあげるんだ、傑作だぜええ!!


【鬱蒼と茂る密林に、響き渡るのは男の嘲笑、それもまた悪夢染みた光景で】
【そして同時にこの悪夢を終わらせるヒントでもあった、砂漠も密林も】
【────男が実際に経験した過去である、と】


ほうら、ここだぁ!!!


【アルクの背後の木から男は上半身を覗かせる、その手には自動拳銃を握って】
【銃口をまっすぐ後頭部に向けて、銃弾を放った】


/はーい! 了解です!
111 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 18:25:13.12 ID:45WdLXl90
>>94>>106


「あら、 ─── 指ひとつで果てるほど、私は淫らな雌ではないわよ?」
「ねェ傷が少ないでしょう。」「もっと刻み合わなければ詰まらないわ。」「爪を立てるだけでは物足りぬのですから。」
「犯してしまうのは力に在らず ──── ええそうね、であればもっと、楽しみましょう?」


           「貴女の想いは受けてあげる。しとどに濡らす血の香りは、きっと破瓜の瞬間に似ているわ。」
            

【黒い躯体は鉄の暴風を駆け抜ける。回避に徹してこそいたが、 ─── 塹壕も遮蔽物もないこの戦場ましてトップアタックなど、総て躱し切れる訳がない。】
【艦砲射撃の空中起爆も斯くやという弾頭質量と運動エネルギーの暴力が浅くない傷を刻んで行く。いつかの逢瀬の一幕に似ていた】
【黒い外套は其処彼処に血の滲みを帯びて、気高い白銀は夕暮の残光が知死期の輝きを帯びるような、鮮やかな紅色に髪束を作って】
【然れども彼女は機械人形であった。血を流し人を愛し涙を流すというのにオートマタであった。】
【なればその耽美さは人でないが故に生ずるものに違いなかった。 ─── 血は我が至高の香水、暗闇は我が至上の外套。昏い半不死の中にあってこそ、儚い容貌は白く輝く】
【鱗粉のように舞う白粉さえ哀れな人の子を誑かすための劇毒。晒された牙は、とうに聖女へと向けられているから】



「 ──── ポイントマンは任せるわ。白兵なら貴女に分があるでしょう?」
「私がバックアップする。」「背中は護ってあげるから、存分に斬り結んできて頂戴。」



【吶喊する柊の背中、 ─── ごく冷たい声音で囁くのだろう。聞くのみで分かる類の人殺しの声であった。何か大きな動きを繰り出すのが、刀術に明るくない彼女でも解った】
【であれば幾ばくかの距離を取り、 ─── 傷痕が暗く煌る。引き摺り出すのは"狙撃銃"、TPG-1。狙撃手の領分に同じ得物を以って抗うのならば、それは愚行と呼ぶべきか】
【否。彼女は兵士であった。練達の神兵であった。如何様な状況においても如何様な得物を持っても如何様な相手であっても】
【命じられたのなら斬る。命じられたのなら撃つ。命じられたのなら護る。命じられたのなら殺す。なんとなれば、彼女は人狼故に】
【ゼロインは済ませてあった。ボルトを引く。薬室に込める338ラプアは、シルバーチップのホローポイント。】
【クロスヘアが狙うのはカチューシャの腹部。─── 射撃姿勢はニーリング。トリガーに指を掛ける。放たれる初弾。躱される事を知っていた。】
【間髪入れずに次弾を装填する。二発目。三発目。セミオート並みの給弾速度。それでいて不必要な部分は全く振れさせていない。人間業ではなかった。】
【その照準はカチューシャの肉体的損傷にあって、 ─── されど本質としては援護射撃に近い。柊の放とうとする一閃から、逃げる機動を潰す為の】
112 :ギンプレーン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 18:27:44.36 ID:L9UjceST0
>>107
キミは自分のことをキングだって言うけれど――

その王様が、最奥の玉座で待つでもなく、出足から登場。

嵯峨野だかロールシャッハだかのパシリに使われてるって言うのはどういうことだい?
こんな誰もいない"宮殿"で。
たった一人王様を名乗ってるって言うんじゃ、彼女の言う通りハダカの王様じゃあないか。


>>104 >>109
【通信を共有している。目の見えないディーの代わりに現状を伝える】
こっちは何だか宮殿みたいな場所にいるよ。
<harmony/group>って言うのは、こんな洒落たインテリアを用意しているのかい?

まさかここがプレジデントオフィスってコトかな!


【軽口を放っている暇もない。怒り狂ったフランツは、極大の力を使おうとしている】
【人間の域すら超えて、空想上のモノとなったそれは、遺伝子の力を極めた者故なのか――】
【流石にこれを防いだり相殺することは出来ない。"難しい"のならこなして見せるが――出来ないことは出来ないのがこの男だった】


【逃げ場はない――このままでは自分やリゼだけではなく、ディーも巻き添えを食って死ぬことになるだろう】
【視線が、リゼの傷付けた地面に向けて、ついでに天啓にも成り得る"ここが一番上の階"と言う情報】


HAHAHA、任せてくれたまえ、ディー。あと、名も知らぬ美人の人。
可能性0.1%と言うのは――ヒーローに取っては100%と言うことなのさ!


【軽妙に笑って、男は手にした剣を振り上げる。既に力を放つ体勢に入っているフランツのことは無視して、全力の魔力を宿した攻撃を――見極めた、最も床の脆い部分へと突き立てる】
【魔力はそこを起点に、放射状に広がって行き、男の螺旋の図を乱していく。リゼやディーのいる場所も含め、床を連鎖的に瓦解させて行くことだろう】
113 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 18:28:22.43 ID:lUlIhfWz0
>>105

【──── 炎の壁の中からミレーユは確認できるだろう】
【魔女は両膝を付いた、最早立ってられないという事か】
【"Freak Kitchen"──── ならばその材料とは、自身の】


……それでも尚、貴女様は行くんですね、舞台の上と分かっていても
決められた筋書きに従っても尚、貴女様は向かうと、そう仰るのですね

ふふ、それを見届けられたなら、どれほど良かったことか、
それを幸せと思えればどれほど良かったことでしょう

何時しか "私達は" 舞台に立ちたいと願ってしまったのです、それはあまりにも眩しくて
そう、脚光を浴びたその世界へと、私達も行きたい/生きたいと願ってしまった

ねぇ、そうでしょう、私たちが役者になど、なれる筈が無いのですから
客席でずっと見ていれば良かったのです、見ていたならば────


──── 其れはどれだけ、幸せだった、ことか


【魔女へと近づく歩みを止める手段は無い、ならばその火よりも苛烈な仕打ちしかなく】
【火の勢いが弱まるだろう、同時に、ふわりと空中を靡く一縷の望み】
【"灰"であった、炎は燻り、灰へと姿を変え、ミレーユの周囲を漂う】


火はやがて灰に変わるのです、魔女を焼いた灰は誰しもが熱望し集めます
けれども、その行いを誰も笑う事は出来ません。藁にも縋る人々が
況や灰に縋るなど、どうして笑えましょうか

──── 哀れな灰被りも、優しき魔女の手腕一つ
世界を変革するのに、大層な物はいりません、ただ灰があれば良いのです


【ミレーユの周囲を漂う灰、顔に近づいたならそのまま発火する】
【目や耳、喉といった粘膜に当たったならば致命傷だ、接触は厳禁といっても良い】
【けれども、個々まで魔女との距離を埋めたのも事実であった──── 離れてしまうのだろうか】
114 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 18:29:08.04 ID:L9UjceST0
>>109(りーちゃん) >>105(ミレーユさん、後藤さん)

…………「ミレーユ」んトコに、……あの「魔女」? なんだかそれ、出来過ぎてない……?
そういう風に「配置」されたっていうか、…………「配役」された、みたいな……

【魔女。「あの子」を陥れた張本人。ミレーユ。「あの子」を追い求めるたったひとり】
【それらが対峙するように配置されているのは、なんだか、……あまりにも「作られた」みたいで】
【ぎゅうと眉間に寄せられた皺、唇を抑え込むみたいに当てられる握り拳。すべてが女の焦燥を、表す】

……………………ねえおじさま。ミレーユんとこが一番ヤバいかもしれない。
彼……彼女って言ったほうがいい? あの人になんか伝える手段ないかな、ああでも、
伝えるったって「イヤな予感がする」くらいのことしか、なくて……んんん、

ねえ僕らもう、全員――――あいつの書いた脚本、その舞台の上に乗せられてるんだと思う。
「ロールシャッハ」。あいつはもうきっととっくに動いてる――――ああもうそれしかわかんない!

【女には致命的に欠けているものがあった。「虚神への対策法」。であるなら、】
【餅は餅屋に頼むしかない。サクリレイジか、それか、――――、】
【……助けを求めるように暗赤色の双眸が後藤の顔へ向けられた。困りきった、少女みたいな幼稚さを含んで】
115 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 18:35:42.33 ID:L9UjceST0
>>112(ギンさん)

宮殿ン? じゃあそこにいるのが社長ってコト……。
てっぺんに居るってのもそういうことか。でもなんか、……そこにヤバさは感じない。女の勘的に。

………………ロールシャッハのクソ野郎、「社長」すらも舞台の上に立てる駒として使ってやがるな?

【ぎり、と握った拳、親指の爪を噛む。どんな形になろうと知ったことではなくて】
【ただ燃やされるのは憎悪ばかり。この災厄を引き起こした元凶、「ロールシャッハ」のみに】
【そうして燃やされた感情は、焦りと言う名の灰となって散り散りに。……ふう、ともうひとつ深呼吸】

ねえ、そこから「下」に――――「ミレーユ」、ゴスロリ女のところに行けない!?
なんかイヤな予感がするの、そっから、……時間稼ぎで戦わされてるんだと思うよ、あなたたち!

【そうしてひとつだけ投げかけられるのは。何かしら嫌な予感がするのは「そこ」だって】
【「ミレーユ」なる人物がいるそこにしかないって。勘だけど。伝えるだけ、伝える】
116 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 18:45:24.74 ID:lUlIhfWz0
>>106>>111

【白いコートをカチューシャを脱ぎ捨てた。銃弾により所々焼け焦げて】
【身を包むタイトなスーツもまたあちこちに傷があった、垂れ流す血液は赤】
【それはある種のコントラストであった、白粉の上に軽く指した紅の作用】

【処女雪を穢す禁じられた遊び、親に内緒の秘め事染みた、微かな背徳】
【純白を淫らに染めたなら、そこに浮かぶ彩の過多に一喜一憂して】
【吐息を孕む淡い夜の感触に近く、穢れを纏い尚、純潔を保つ】


あら、お姉様は激しいのがお好みかしら、だとすればよりいっとう歪ませて
貴女も私も分別が付かないほどに、分類が出来ない程に交わって
だとすればお姉様、カチューシャが遊んであげるの、貴女の刃に捉えられて

そうとしか生きれないなんて間違いよ、ほんとはどうにでも生きれるのに
好きに生きないのは悲しいことだもの、例えそれが、どんなに間違っていても
生きる理由なんて、どうてでもなるわ──── 泡沫に生きても、いいでしょう?


【左手の "レールガン" が唸る。再び出現した六つの魔法陣と、放つ一発の弾丸と】
【合計の七発が、放たれる斬撃を追滅させていく。──── 絶対的な純潔を胸に】
【この距離に於いても、狙撃手の妙技は変わらない、銃口が触れ合いそうなほどの、至近】

【カチューシャは更に、放ち終えたレールガンを手首を持って回転、大きく振りかぶって】
【宛ら薙刀の一閃であった、横殴りに柊へと降りぬこうとして】
【呼吸の隙間も置けない、視界の端が、アリアを捉える】


乙女を殺すのに指以外が必要かしら、だとすればさぞ乱暴に抱かれたのね
でも大丈夫よ、カチューシャの愛は平等に、誰よりも優しく染み込むもの
ふふ、そうね、──── ならばもっと、お姉様の血が見たいわ

そうして、その魂の隋まで、──── 搾り取って────ッ!!


【狙撃という分野で戦うのが運の尽きであった、その分野に於いては、絶対的な矜持を持つ】
【彼女の目には見えていた。一発目を避けて、二発目を銃身で弾く、三発目を打ち据えながら、相手へと狙撃する】
【けれども、柊の毒が全てを狂わせる、ぐらりと、華奢な体躯が揺れて、視界が暗転して】

【狙撃は敢行されない、三発の弾丸が、彼女の肩や足を貫いた】
【衝撃に弾き飛ばされる、数m、背中から強く打ち据えられて、しばし倒れこむ】
【それでも致命傷を避けるのは越えてきた修羅場の数か】
117 :ディー ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 18:45:59.03 ID:L9UjceST0
>>115
都会のことは良く分からないんですけど、社長って宮殿で仕事をするものなんでしょうか。
ロールシャッハとフランツ氏がどんな関係に有ったのかは分かりませんけど、虚神の企むことに同調して、こんな簡単に時間稼ぎに駆り出せるんでしょうか。

【この男は先程、"調和"を口にした】
【あっさり騙されて丸め込まれたのでなければ、この電波ジャック――或いは、夕月の使い道も"調和"と言う目的に敵ったものと言うことになる】


えーと――今、ギンプレーンが地面を壊そうとしてます。
これ、その"魔女"とミレーユさんのところと物理的に繋がってるんでしょうかね…?


【声に激しくノイズが走る。何か分からないけれど物凄い戦いが向こうで起こっていることだけは伝わるだろう】
【とにかく、このまま戦い続けることはロールシャッハの思う壺であることは理解できた】
118 :リゼ ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/11(土) 18:50:29.38 ID:LiB86Dn10
>>107 >>104


……そこまで自尊心が高いと生きるのに苦労するだろーね。
ある意味哀れだよ。王様ってのも難儀な生き物だねェ。

【身体の損傷と出血。それに魔力の枯渇の兆しを見せていて】
【故にリゼの意識はぼんやりし始めて、口にした言葉は何処か他人事の様】
【自身の雷撃さえも飲み込んだ光景も何処か実感が持てなかった】
【そして冒涜者の通信から伝う驚愕も何処か他人事の様に思えた】

【けれど理解できる事は二つあった】
【一つ、前の四足の獣をどうにかしないと死ぬという事】
【二つ、逃げ場なんて無く、相殺するかそれ以外の偶然に身を委ねるしかない事】


あー、最早魔力を放つ事さえ億劫になってきた。つーかそんな暇無いや。
こんな豪華絢爛な室内、ビルの中とは思えない程に華美な空間で死ぬのはきっと赴きがあるんだろうケド

けど、ソレを良しとするとさ。あてもあの二人組も死んじゃうし。
何よりオムレツ君との約束破っちゃう事になるから――やっぱり、死ねない。
何を呆けた事を言ってたんだーかね……魔力が枯渇するまで抗ってみるか。


【意図せずしてうわ言めいた言葉がブラスフェミアへと流れるだろう】
【なけなしの気力を総動員して、気を引き締めたリゼは眼前に迫る脅威に抗う事を決める】
【鳴神も武御雷も蛟竜も。全て全て間に合わない。だから自身を巻き込んだ迎撃しか選択肢が無い】


        
         "桜花"――"百花"――骨肉相食め 散華


【有りっ丈の魔力を散らした後、自爆めいた行動を取るリゼ】
【自身を中心として雷の柱が展開される。当然リゼもタダでは済まない。だが、迎撃における最大火力はこの技のみ】

【四足の獣と雷の柱が鬩ぎあう。趨勢は火を見るよりも明らかで、リゼにとって分が悪い】
【獣の圧倒的な蹂躙に屠られるのはすぐそこ。しかし、鬩ぎ合いに耐えられなくなるのはリゼか痛んだ床、どちらが先か】
【その結果はどちらにせよリゼの思惑の外にあるものであろう】
119 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 18:57:07.39 ID:lUlIhfWz0
>>112>>118

【ギンブレーンの言葉を、フランツは鼻で笑い飛ばす。──── 其れは蛮勇とは違った】
【確かな所以を持った笑みであって、その奥にある真意をひた隠しにするかの如く】


ク……クク、ハハハハハ!! そうだろうな、そうだとも、貴様達の矮小な脳ではそうとしか見えないだろう
だがそれでも無知の作用とはそうだ、私は笑い飛ばすが、其れは仕方の無い事なのだ
貴様達は遺伝子から出来ている事を知っている、だが、遺伝子そのものについてはまるで知らない

そうできているのだからな、だからこそ私も、私の矜持を持ってここにいる!
頂の景色は果てしなく、雄弁と語るには些かこの世界は狭すぎるが
────いいだろう、ならば、望みどおり、死ね────!!


【フランツが出力を上げる、しかし、それに対抗するのがリゼの一撃であった】
【ほう、と片眉を上げた。けれどもそれは一瞬の興味でしかない】
【雷の柱で攻撃を防ぐには、フランツの一撃は苛烈に過ぎた】

【衝突は最初の一瞬、すぐさま飲み込まんと、強大な魔力が乱舞し】



【────そして弾ける、大きな音が響き渡り、リゼとギンブレーン、ディーの居る地面が崩落するだろう】



【床が連鎖的に崩落し、三人はすぐ下の階層に付くだろう】


【──── "ブラスフェミア" の予想通りであった、直ぐ下の階層、そこには】
>>105>>113──── 対峙する魔女と、ミレーユの姿があった】
120 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 19:09:19.78 ID:L9UjceST0
>>117-119(ディーちゃん、リゼちゃん)

…………うーん? 確かになんてーか同調っていうか、協力して何か企んでるとは思えないな。
だったらその社長とやらも……ロールシャッハの脚本のために「創られた」存在か?
あの「魔女」みたいな――――――――って、うるさぁッ!?

【鳴り響く轟音。通信機越しであってもすごい音だったから、女は肩を竦ませて】
【きんきんする耳を押さえながら、しかし姿勢を直す。依然として眉間に皺は寄せたまま】
【オムがどうこう、というリゼの言葉がちらりと耳に入った。だからこそ。女は――彼女らに、】

ねえっ、何!? 何がどうなった――――合流できた!?
だったらそっからさらに気を抜かないで! そこに「なにか」あるはずだからっ、
…………その場所は「どんな場所」!? 宮殿じゃなくなったら――どういうフィールド!?

そこに「あの子」がいるかもしれないの、ねえっ、…………探して、お願い!!

【ありのままの声で懇願する。そして、警告もする。冒涜者としての立場すら捨てて】
【今の彼女は力なき「依頼者」にしかなれなかった。だからこそ――握る拳の力は、どんどん強まって】
【短いはずの爪。それでも掌の肉を切り裂いて、細い細い赤色の筋を流すほど――切羽詰まっていた】
121 :ギンプレーン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 19:15:35.13 ID:L9UjceST0
>>119 >>105
【崩落した地面に混ざって落ちて来る影――ディーを抱えながら降りて来たギンプレーン】
【先の攻撃を防ぐために自爆紛いの攻撃を敢行したリゼは無事だろうか。瓦礫と煙で状況は分からないけれど】
【落ちた先ではまた別の戦闘が繰り広げられていることだろう】


【落ちて来た男の姿は竜巻にでも巻き込まれたように、それなりにズタボロでは有ったのだが――】
【それでも口元の笑みは全く消えていない辺り、まだ余裕は有るのかも知れない】


HAHAHA、そちらでも盛り上がっていたようだけど、何やらデートのお邪魔をしてしまったかな?
でもボク達の目的は、電波ジャックの阻止だ。
ここでいつまでも遊んでいる訳にはいかないし、そろそろ埒を明けないと、主役がヒマ過ぎてスリーピングビューティーになってしまうか、スマブラをスタートしてしまうよ。


【大仰に肩を竦めて笑って見せる】
【対峙する"魔女"は、INFオブジェクトであると言う話を聞いていた。見付けたら消してくれとボスから依頼はされていたが――】
【ロールシャッハより優先するような事案ではないだろう】
122 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 19:23:16.86 ID:45WdLXl90
>>114>>120

        「 ──── ッ、やっとで通じたか ……… !!」


【指揮車機載となるレーダーの発信を最大にまで引き上げて、 ─── 漸くミレーユとの通信は回復した。】
【公共電波法に抵触する出力まで引き上げていた。指向性を絞れば人体を殺傷する域のそれであった。】
【ブラスフェミアの言葉に後藤は頷く。苦杯を飲み干すような横顔で、彼は言葉と推論を紡いだ。】



「 ……… 魔女、と言ったかな。」「まるきり、 ─── 死ぬ為にアイツと戦ってるようじゃないか。」
「 ……… 今のミレーユが話してるのは、その"魔女"ってことか。」

「同意しよう。マルタの時、シャーデンフロイデの時と同じだ ─── 本命はヤツだ。乗せられてやがる。」
「だがアイツだって軍人さ。"殺すな"。それだけで済む。 ……… まして、他人の書いた台本の上で動いてるって解ったらな。」


「810より"ウェーバー"。交戦は許可できない。繰り返す。交戦は許可できない!」


>>113>>119

【 ─── 弱まり行く炎の中から、一歩ずつミレーユは現れる。形容しがたい表情であった。相手の言葉を理解できず、下された命令も理解できず】
【それでも自身の眼前に迫る灰を、 ─── マチェーテを握る手で横薙ぎに振り払う。なれば炎も灯るのだろうか】
【然して最早、それに拘泥することはなかった。例えもう片方の腕が焼け焦げても構いやしなかった。投げ捨てた山刀が教会の壁に突き刺さり】



「 ……… "ウェーバー"、了解。交戦を中止する。」


【 ──── 空いた片腕で、ミレーユは魔女の頭を掴もうとするのだろう。その肉体の内側に宿った、彼女の身を焼く残り火を消してしまうように】
【そうして同時に流し込もうとするは彼自身の黒い衝動である。 ─── であれば、魔女の"感覚"が、或いはもっと別の精神的要因が、"裏返る"。】


「 ──── もう一度、言おうか。誰かの筋書きで動くつもりはないんだ。」「ボクを愚弄するなら、それでも構わないが」
「なら教えるべき事は教えてもらうよ。」「 ─── "アンタは何者だ"。」「"アンタが死んだら、夕月はどうなる" ……… !!」


【その頭部を握り潰そうとする指先を、 ─── 必死にミレーユは堪えていた。額と額を突き合わせ、忿怒に歪んだ表情を誰よりも近く見せつけ】
【そして、 ──── 背後の天井が崩れるのだろう。それにさえミレーユは気にも留めていなかったようだった。執念だった。】
123 :リゼ ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/11(土) 19:25:26.64 ID:LiB86Dn10
>>119-120

ぐぅうううううッ!!……やっぱり蛮勇に過ぎるかぁ。
でも、あんな奴に殺されるなんて死んでも御免だね――ッ!!


【迫る死を拒絶すれど、死は直ぐ其処に在って】
【今にも矮小な自身が飲み込まれそうな錯覚を覚えた矢先――世界が沈み、落ちていく】
【耳を劈くような音と共に床が抜けて、自身を含めた三人が落ちていく。その先に在ったのは】


――…ってててて、床が抜けるなんて聞いてないよ…。
って、あれ?あのヤローは何処に?つーか此処どーこ?
さっきの部屋とはまた違う感じ…。宮殿じゃ無くなってら。……教会みたい。


【豪華絢爛な宮殿ではなく、結婚式場の様な空間であった。先の空間も今いる空間も異質である】
【たかがオフィスビルにビジネスからかけ離れた空間が在るはずがない。それらを生業とするのなら兎も角】
【この独り言もブラスフェミアへと流されて。けれどリゼは質問に答えている訳ではなくあくまで独り言】
【探し物のお願いまでは聞き取れなかった。そもそれを行う状況ではなかったのだ】


さて、はて。また別の人が戦ってら。加勢するには――…あんま余力が無いカモ。
一応まだ魔力を全部使い切った訳じゃないから支援程度は――……それも叶わないかな。


【"まぁやれる限りはやってやるさ"と自身を鼓舞するように呟いて、隙を伺う】
124 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 19:28:17.30 ID:3gt90YRl0
>>104

【――――死闘の中、不意に割り込んでくる通信。何事かとアルクは自分の懐を見やる】
【――――そういえば、最初にあの『冒涜者』と名乗る、夕月の関係者らしき女から受け取っていた。今の今まで、それどころではなかったし、今もそうなのだが】

――――『冒涜者』!? 今取り込み中だ、連絡なら後にしてくれ!
手前らは地下の空間に転送された、おまけに幻影の中に放り込まれてな! それ以上はこちらにも分からない! オーバー(以上)!

【ごく短く、連絡の問いにだけ答えて、アルクは通信への対応を終える。今まさに、強敵との戦いを経ているのだから――――】

>>110

「っ、グゥッ!!」

【防ぐところまでは想定だった。だが――――その一瞬で『投擲』と言う手段を用いる事は、流石に気が付かなかったのだろう】
【顔をかすめる――――それは「かすめる」という、間一髪の表現では、正確ではなかった】
【――――ごっそりと、顔を削られていた。恐らくは右の頬に相当するあたりを、まるで銃弾でも通過したように――――】

くっ……!!
(その通りだ、これだけの情報量に溢れている空間に忍ばれると、もうこちらはお手上げだ……!
 まして、ここは実際には奴のルールで動く幻影世界……恐らく、火炎で適当に焼き払っても意味がない……!)
――――っく、そぉぅッ!

【男の嘲笑に、思わずアルクは口元を噛み締めた。全くその通りなのだ。密林は、こうした神経戦に一番恐ろしいフィールドと化す】
【本当ならば、ここで周囲を焼き払って視界を確保するのが一番だろうが――――ここは幻影、それは意味をなさない】
【苛立ちが、思わずうめき声となって漏れ出る。これでは八方塞がりだ。悪夢の力を、この空間から切り離すための手も、まるで予想がつかない】
【唯一の手掛かりである『仮面を割る』という仮説も――――この状況では、容易ならぬ事だろう】

――――――――ッ!!

【そんな中響く、男の声――――咄嗟に振り向きそうになったアルクは、しかしそれが悪手だと気づく】
【無理やりな姿勢のまま、ただ『その場から離れる』事だけに意識を向け、ステップを踏み込んだ。少なくとも、向こうが自分を狙っている事だけは、確実なのだから――――】

――――――――――――――――が――――――――――――――――ッ
「!!」

【だが――――遅かった。その一撃への対応は、致命的に遅かったのだ――――】
【アルクの首元、鎖骨のあたりに銃弾は命中し、食い込み――――盲貫した。タラタラと、景気よく血は溢れてくる】

(う――――馬鹿、な…………こんな――――あっけなく――――――――)

【身体から力が抜け、膝をつき――――そしてアルクは倒れ伏す】

「ッッ、ああああぁぁぁぁ!!」

【悲鳴じみた咆哮を上げながら、ラベンダーは跳躍。木と半ば一体化した男へと、突撃する――――それが遅いのだと、分かってはいても】

/ただいま戻りましたー!
125 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 19:40:18.98 ID:lUlIhfWz0
>>121(ギンブレーン)>>122(ミレーユ)>>123(リゼ)

【後を追う様にフランツが落下してくる、再び人間の形態に戻っていた】
【忌々しくギンブレーン達を見つめるだろう、其れは同時に奥の魔女にも向けられて】
【纏う魔力の質が大きく変容する、驕りに満ちた其れが、憎悪に近い色合いになる】


『貴様────!! 何時までもったいぶっているつもりだ……!!
男に入れあげるだけでなく、倒すべき相手にも情を持ったか!!
之だから貴様は三流だ!! レヴォルツィオーンにも、冒涜者にも及ばない!!』


【フランツの怒号が魔女へと飛ぶ、満身創痍の魔女は、フランツへと驚愕の視線を向けた】
【その一瞬の隙をミレーユが突いた、灰の嵐を潜り抜けて、掴み上げるその顔を】
【力なくぶら下がる両手と両足、最早使い物にならないのだろう、が】

【流し込まれる──── 衝動、脳内に奔る感覚が逆転するのであれば】
【尚のこと彼女は安らかな表情を向けるのだろう、其れはまるで】
【──── 常に感じる痛苦が、和らいだかの如く】


私は "INFオブジェクト"、"人身御供" の信仰に縋る、この現実で生まれた存在です。
故に魔女でした。そしてそれが、私の本質を指し示していたのですから

……あの子が心配なのですね、私の死など、最早影響など無いのです

そうでしょう、私は "意味の無い信仰" の賜物なのです、ありもしない加護を追い求めた、残骸
而して、嗚呼──── 成る程、ここまで、決められていたのですね


【魔女の身体から魔力が湧き上がる、吹き荒れる嵐の如く、意思を伝える】
【それは容易にミレーユを払いのけるだろう、一体どれほどの魔力がその身にあるのか】
【故も無く、──── それがために道理も無く、全ては唯、条理に沿って】

【ミレーユと魔女をさえぎるように出現する、巨大な藁でできた編み細工の人形】
【そして、その中には無数の人間が居た、皆一様に暗い顔を浮かべた、人間】
【──── 燃え上がる、中に居る人間ごと、藁人形が燃え上がる】


"Freak Kitchen"──── 私は魔女、そして、唯一の名はウィッカーウィッチ
せめてもの慰みに、無辜の魂が、救われん事を


【そして、其れが切っ掛けであった。ギンブレーン達が落ちてきた位置に存在するフランツ】
【彼もまた形態を変える、更に上の神格へと、姿を変えていくのだろう】
【背中には一対の翼があった。伸びた雄雄しき尻尾と角が、その意味合いを伝える】

【──── "竜" 伝説でしか辿れぬその存在を、遺伝子の水面に飾り立てた】


『くくく、ふはははは!!! 良いぞ!!! そうだ、貴様の "Freak Kitchen" で全ての防御を解除し
私の "Spiral Architect" が突き穿つ、この周囲一体を灰燼に帰してもまだ足りぬ!!
戦け!! 震えろ!! 塵一つ残らず、消し去ってやろう!!!』


【竜人と化したフランツが右手に槍を握る、ギンブレーン達ならば容易に察する事が出来る】
【先ほどまでとの一撃の更に上を行く、フランツの力とは底なしであるのか】
【人の身を越える魔力を練り上げ、一つの形を成す、螺旋を纏う槍の作用】

【深く息を吐いて、その一撃は放たれる。室内全域を揺るがし、その場に居る全てを飲み込まんと】
【膨大な威力の槍を模した魔力の一撃、能力者達はどう対応するのか】
126 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 19:41:04.28 ID:L9UjceST0
>>122

おじさまは、知らなかったっけ!? あの魔女も「オブジェクト」なんだよ、創られた存在!
神性を持つまでには至らないけど、きっと「物語」を動かすための「キャラクター」としては十分すぎて――――

【だからこそ「やばい」。焦りを含んで車内の熱が上がってゆくような錯覚】
【そして彼の口から「命令」が下されて、その先のミレーユがそれに従ったのだと知れば】
【ほんの少しだけ安堵したような顔をする。ほんの少しだけ。だけどまだ、安定には程遠く――――】


>>123

………………教会!? そんなばかなっ、だってあの子は、「教会に入れない」はず――っ
じゃあ外れか!? クソ、ああもうっ、……どこまで僕をバカにすれば気が済むんだよどいつもこいつも!!

【リゼのひとりごとに、また独り言のような呻きを返す。死者たる「あの子」は教会に拒まれるはず】
【だと、「思い込んでいる」から。だったら外れなのかと思う…………けど?】


>>124

幻影!? ちょっと待って、それはどういう「風景」なの――――ああもうっ、
それが終わったらでいい、幻影を打ち破ったら「上」へ! 「教会」を目指せ、そこにだいたいの人が集められてる!

【以上、と言われたなら此方も手短に。「教会」なる場所を目指せと言って――それ以上の邪魔は、しない】
127 :ディー ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 19:42:50.31 ID:L9UjceST0
>>120 >>122
【落ちて来た場所――盲目の娘には、その光景は見えていないが、リゼの言葉からそこが教会めいた場所なのだと知った】
【そのリゼの方は死んではいないようだけれど、どうにもこれ以上の戦闘続行は困難のようだ】
【ギンプレーンのダメージも浅くはないし、能力の回数限度もある】
【ミレーユと魔女の実力は定かではないが、仕切り直しは、向こうに分があると言って良い状況だろう】


ブラスフェミアさんの言う勘が確かなら、この教会――いえ、結婚式場?で誰かの結婚式でも行うつもりなのでしょうか?


【先のフランツの宮殿はいかにも、フランツの趣味と言ってもギリギリ認めることは出来ようが、魔女と教会は如何にも趣味が合っていそうにない】
【ならば、魔女以外の誰かのために用意されたと考えるのが妥当であった】
【虚神と、結婚式と、調和と、電波ジャック?ピースがバラバラになっていて、ちっとも結びつかない】


ブラスフェミアさん、合流できたようです。
"夕月"と言う方が、この近くにいるかも知れないのですね。


【だとすれば探さなければならない。しかし、眼前の二人がそれを赦してくれるだろうか?】
128 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/11(土) 19:44:02.99 ID:ObaHrIqf0
>>111


……感謝は、全て片付けてから口にしましょうか。

背中を預けることが悪くないなんて――――……存外、珍しい感覚みたいだもの、ね――――。

【くすりと、信頼を篭めた背中越しの言葉がどこか楽しげに奏るだろう。全力をあるもの。かつての傷を、今に繋げてみせたひと】
【かつて虚構現実で終わりに覗いた不安定さも、彼女をそれほど知らぬことも偏に些事。】
【尽くす死力を見誤ることは、全霊で在る者がゆえに、莫く――――加速度を引き上げながら突き進む一歩は、確かな戦意を乗せて同意を謡った】

>116

……他の道があったとしても。“他の幸せ”を、きっと、私は選ぶことはない――――

悦びも安らぎも温もりも、私の好きな場所(もの)から消えてしまったら――――……そんなのは、ただ悲しくなるだけでしょ?

泡沫で終わりたいのなら、私を討って進んでみせて。
その程度も叶わないのなら――――……貴女の願いは、結局、淡雪からヒトに還るだけのものでしかない――――‼

【対処される前提の大技は、狙撃の魔技を以て生存を勝ち取られる。さしたる驚きもなく、当然その程度はしてくるだろうと状況を純粋に捉えて】
【横殴りの大質量を、受けた太刀を虚空に還すことで処理――――召喚/召還の双方を自在に操るそれは、研ぎ上げた今、基本技能とさえなっていた】

【けれど恐るべき反撃は止まらずに。――銃士の見つめるその先に、共同戦線が完成していく。】
【小片での熱と斬撃がカチューシャを蝕み、アリアの銃撃がその肉体を穿つ。狙撃銃の一打を載せたまま、剣士の手に還る白銀の剣。】
【死滅の音を――――今こそ此処に。】


……焔翅、剣葬……――――――――

【紡がれる言葉は呪句にも等しく、幾度となく巨いなる悪夢を断った破壊を創出した。抜き放たれるは、荒野を熔融させ硝子に変えようとする焔の翼】
【輝く巨星を太刀のサイズまで圧縮したならば、これほどの灼熱となるのかとさえ思わす激烈な熱量。そして、そこからの断熱圧縮を以て完成する神速の一刀で――――】
【常人ならずとも確実な滅びを齎さんとするがごときそれは、負傷した今、紛れもなくカチューシャには対処を要する脅威だろう】
【“だからこそ、その存在を信頼する”――味わい尽くすために彼女は動く。それは、消えぬ、足掻いた蝶の残影が伝える未来】


【銃撃か、空間を操るかの様なあの異能か、それとも未だ与り知らぬさらなる一手か。反撃の存在を、八攫柊は確信して――――】
【――――そしてその瞬間に、カチューシャの右掌に付与した魔力が】
【時戒の宝玉を操る“焔翅剣葬”(あるじ)を喰らって、停滞≠行使する。離脱も、反撃も、自滅すらも許容しない】

【己が誇る最大最強の一刀さえも、そうなれば幕を引くための燃料にくべて。最後の一撃は、斯くして銀狼へと託されんとした】

……さあ、全てを果たしましょう――――――――ねえ、アリア=\―――‼

【完成する必滅の構造。あらゆる抵抗を滅却し、拘束具など比較にもならない鎖檻で夜鷹を絡めて】
【その末にカチューシャを完全に停めようとする魔力は、即死させうる傷ごと、新雪の如き躰を包まんとするのだろう――――けれど】
【全容を到底掴めぬ現状が、そして≪黒幕≫の陰が――どこか不吉な予感を抱かせていた】
【負傷と消耗の程を別にしても。完全なる決着を急がねばならない理由が、そこにあった】
129 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 19:48:45.09 ID:3gt90YRl0
>>126

【――――バズッ】
【不快なノイズを残して、黒の魔術師の通信機は沈黙した。破損してしまったか、或いは――――】

【一方、同行していたと思しき少女の方からは、一切連絡が返ってこない】
【元より、通信に応答もしていないのだから、こちらは一切状況が不明だ】
【――――先ほど、黒の魔術師が「手前ら」と言っていた通り、恐らくは同行しているのだろうが――――】
130 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 19:52:37.15 ID:lUlIhfWz0
>>124

【手に残る肉を刺した感触、其れは何処までも甘美な感触で】
【愉悦が感情を支配する、そしてまた一人、突撃する哀れな存在】
【男はしたたかに笑った、──── 回避すればよい、ただそれだけの話であった】

【──── しかし、】


っ……!! なんだこりゃぁ……!!! うごか、ねぇ……!!!
畜生────!! なにしやがった!!!


【木の中へと男は逃れられない、それどころか、上半身が木から出たまま固定される】
【男は不眠の副作用で痛みを忘れる、けれども、痛みとは肉体の悲鳴であって】
【其れを無視した末路など、火を見るよりも明らかであった】

【ラベンダーの一撃が男を揺らす、仮面が割れて、地面に落ちた】
【その下の顔面は醜悪そのものであった、醜い欲望に歪んだ、人間の末路】
【悪鬼羅刹の類の方がまだ人の顔をしていた、魑魅魍魎が眼球の中を跋扈する】

【男は顔を覆う、そして──── 風景が一変する】

【次に出現したのは丘であった。何の変哲も無い、緑豊かな丘】
【──── ラベンダーも見覚えがあるかもしれない、間違いなく新世界の土地だ】
【けれども、地面に這い蹲る男はその顔を恐怖に歪めた、いっぱいに目を見開いて】


やめろおおお!!! くそ!! くそ!! どうして、ここまで来ちまうんだ!!!
止めろ、止めてくれ!!! 俺の悪夢を、止めてくれ!!!


【しかし、男の体は動かない、男の頭上に魔力が集約していく】
【ラベンダーも察知できるだろう、巨大な魔力の爆発が起こる、と】
【アルクもまた倒れ付していた、状況は既に緊迫し】

【少しの時間があって、巨大な魔力爆発が起こる】
131 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 20:06:48.42 ID:3gt90YRl0
>>130

「ああぁぁぁぁ!!」

【衝動のままに、ラベンダーは突撃する。その先にいるのは、突然の事態に見舞われて、己の動きを失った敵】
【その不調が何を意味しているのか――――ラベンダーにはそれを思索するだけの冷静さが残っていない】
【ただ、その仮面を叩き割り、そして大地を踏みしめる――――足元に、倒れ伏したアルクを見やって】

「アルクさん! アル――――っ、また、空間が――――!?」

【敵に、有効な一撃を見舞った。それを確認して、ようやくラベンダーは衝動から覚める。だが、その心は既に、焦燥感で満たされていた】
【足元に倒れ伏すアルクに視線を向け、必死にその名を呼ぶ――――先ほどの銃弾は、下手をしたら致命傷になっていたかもしれない】
【大体にして、拳銃に代表されるピストル弾は、貫通力よりも、盲貫させて体内を抉り回す事でダメージを与える武器だ】
【銃弾が体内に残ってしまったアルクの状態は――――例え致命傷でなかったとしても、非常に危険なのだ】

【そばに駆け寄る事も出来ず。またアルクの返答も確認できないまま、ラベンダーは再び空間が変異する事を確認する】

「ここは――――ッ、そうか――――良く分からないけど、あの男の『夢』の範疇から、外れたんだ――――
 もう、あの男は完全に制御を失った! ――――ッ、制御を、失った――――!?」

【変異した空間は――――何の変哲もない丘陵だった。先ほどまでの、戦場として、また単純に自然環境としての、過酷な環境とは程遠い】
【にも関わらず、男はその醜悪な面容を殊更に歪めて、動けなくなっている――――彼の領域から、ついに脱出する事に成功したのだろう】

【――――だが同時に、既に事態は更なる進展を見せていた。男の力の暴走、そして崩壊の予兆――――】

「ッッ!!」

【本当なら、現状には最適解と言えるものがあっただろう。だが、今はもう、そんな選択肢に手を伸ばしている余裕など残っていない】
【咄嗟に、その姿のままアルクを左肩に抱え上げると、可能な限り遠くまで跳躍、物理的に距離を取る事を選んだ】
【防御や、より確実な回避は、現状では不可能な話だったのだ】



【――――そして、爆発と共に全ては終わる】

「ッ、はっ、はっ、はっ――――ッ、アルクさん!!」
――――――――
「ぁ――――アルク、さん――――ッ?」

【何とか爆発の余波を凌ぎ切り、ラベンダーは改めてアルクに声をかける――――が、返答は、無い】
132 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 20:07:36.24 ID:45WdLXl90
>>116>>120


「激しいのはお好きかしら。」 「 ─── けれど、これしきで気を遣らないで頂戴。」
「あァとっても良い声で鳴いてくれるじゃない。」「きちんと狙って撃った弾が当たるのは、矢張り、えも言われぬ愉悦に満ちているわね ─── ?」


【スコープの向こう側、 ─── 少女のごく華奢な女体が紅く花散る。あれだけ強烈な弾丸を立て続けに3発喰らっても、未だ相手は生きていた。】
【外套の下から血が滴り落ちていた。決して軽い傷を負っているようには見えなかった。それでも彼女は未だ立っていた。そういう宿命のもとに生きていた。】
【 ─── 柊の放った一撃と、己れに託されたその意味を、彼女はきっと解したのだろう。であればこそ、レンズの向こう側、彼女は笑っていた。】



「 ………… いい腕ね。ヒイラギ。」


    「 ──── 。」「一度は、非礼を働いた身よ。」
    「覚えておきなさい。人狼とて、恩義も礼節も忘れた訳ではないのだから」
        


【カチューシャの行動が制されるのであれば、昏い血溜まりから現れる武器は、 ─── これが最後となるのだろうか。然してアリアは最期にすべきとは望んでいなかった。】
【"単射式拳銃" ─── タンフォリオ・ラプター。本来は競技用に用いられるシングルショット・ピストル。装填されているのは、50口径の"麻酔弾"。】
【ダットサイトの光点と重なるのは、血の滴るカチューシャの胸元。引き絞られた銃爪が撃針を打ち抜き、放たれる弾頭は些か乱暴に過ぎる皮下注射を行うのだろう。】
【 ──── 安い情けではなかった。ましてや誰かにくれた優しさでもない。ただ一度、彼女は確かに礼を失していた。ならば此処で無碍に殺すのは彼女の道義に反していた。】
【故に生易しい慈悲を与えるに止まるのだろう。それでも矢張り彼女の為すべきことは為していた。否、"為さねばならなかった"。】
133 :リゼ ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/11(土) 20:19:23.40 ID:LiB86Dn10
>>125

ちょ……マジかよ。何処までも追いかけて来るんじゃないよ。
チョット自尊心を損なった程度で其処まで激昂すんなよ…王様サン。
ストーカーもドン引きするレベルだよ。執念深いにも程がある。

【逃げ切れる筈も無いと頭で理解していても、心はそう在って欲しくなかった】
【そんな心境からの言葉を紡いでいた事に思わず苦笑を洩らしてしまう】
【ぜぇぜぇと肩で息をするリゼは満身創痍。あと1〜2回魔力を散らせば完全に枯渇する程】
【激昂するフランツはケンタウロスから竜へと変貌して、自分達を殺す事に全力を注いでいるのは間違いない】


うぇ…逆さ鱗に触れたってやつか。次から次に姿形を変えちゃってさ。
(今更謝っても許して――くんないよね。そんな空気じゃないし、あいつ憎悪まで滲ませてるし)

アンタさ、まるで遺伝子の奴隷みたい。そんなに身形変えなくても、あてらなんて殺せるだろうに…。


【言葉では殺せるといっても。殺される事は御免蒙るから――リゼは鉄扇の先を銃口に見立ててフランツに向ける】
【ただ蹂躙されるわけにはいかないんだ、と言う意思表示。鉄線の先に再び魔力が集約され始める】
【けれど最初に放った"鳴神"や"武御雷"の様な威力は見込めない。襲い掛かる魔力からすれば、他愛無いものだった】


(やっば、魔力が足んない。"雷桜"で増幅しても通常時の"桜花"での威力にも満たないや)
―――でも、一方的に殺されるのは死んでも御免だね。それに"あては、あてらは死んでる暇なんて無い"んだ。


【充填される魔力は心もとないが、今はこれが放てる全力だったから。蹂躙されるであろうもののせめてもの足掻き】
134 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 20:21:05.18 ID:45WdLXl90
>>125


【漸くミレーユは何かを解したような顔をしていた。 ─── 自身が殺そうとしている相手が、どこか安らかな顔をするのであれば、なおのこと。】
【魔女の言葉を聞く。その本質を理解する。ならば、されど、彼は無力なひとりの人間でしかない。 ─── 祓うような暴威に襲われたのなら、】
【彼の体は容易く吹き飛ばされて、したたかに壁に叩き付けられるのだろう。最後まで伸ばしていた手は、奇しくも救いのそれに似ていた。】



        「 ──── 俗物が。」


【 ──── 唾棄するように吐き捨てる。眼前の怪異/魁夷、ふたつを前にして。誰に当てるでもなく。】


>>123>>127


「 ……… ッ。ちょっと、いいかな ──── !」「 ……… あの魔女は、なにかの"カギ"になってる。」
「殺しちゃダメなのかもしれない。けれど、どうすればいいのか、 ……… ボクにも、解らない。」

「向こうからの攻撃は、ボクがどうにか凌いでみせるから、 ──── なにか、"見つけて"くれないかな!」


【 ──── 傷だらけの女であった。焼け焦げた片脚を凍らせて応急処置としていた。見るからに余り動けそうにはなかった。】
【迫り来る螺旋槍の一閃を、彼は"凍結"による即席の防壁で阻もうとする。同時にその懐から、柄の付いた幾つかの手榴弾を落として】
【「何かの役に立つかもしれない。機会があれば使ってくれ。」 ─── それはつまり、彼に戦う力は多く残されていないことの、告解でもあり】
135 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 20:21:26.33 ID:lUlIhfWz0
>>131

【爆発の狭間、直撃を受けた男は、それでも尚存在していた】
【否、ボロボロと言っても良かった。全身から血を流し、手足に力は無い】
【だがそれでも、──── その顔に喜悦を浮かべ、二人を見据える】


くっ……くく……はは、どうやら、てめぇらも……やべぇみてぇだなぁ……!!
悪いがこいつも、俺の悪夢さ……クソ、てめぇらみてぇな、意味不明の力さ
──── だがよ、こっから先は、俺も見たことねぇんだ、分かるか?

とびっきりの悪夢が、最上級の悪夢が、てめぇらを襲うってことだ────!!


【男は笑った、あの爆発もまた、男が経験した悪夢である、とそう伝える】
【恐らく最初の二つは、男がかつて居た世界で経験した悪夢、そして────】
【この悪夢こそは、新世界に渡ってきて経験したものなのだろう】

【両手を広げてみせる、ズタボロになりながら、その目に狂気を浮かべて】


さぁ見やがれ!! 正真正銘悪夢の終わりだ!!
てめぇら全員、ぶっ殺してやる!!!


【空間が変容する、大きな揺れであった。深い傷を負ったアルクにも尚、負担がかかる】
【男は笑う、笑い声だけが室内に反芻して、不快なシンフォニーを生んで】
【やがて、光が弾けた──── そこには】




【──── 室内が変容した。どこかの家庭の、子供部屋の様であった】
【フローリングの床にはカーペットが敷かれ、心地よい温度で室内を包む】
【備え付けの白いベッド、そこには一人の少年と、女性が居た】



……な、なんだ────……これは、これは……!!!
!!! ち、ちげぇ、これは、これは────っ!!!


【女性は少年の頬をいとおしく撫でる、大きな瞳の少年は、うつらうつらと瞼を揺らして】
【今にも眠ってしまいそうなのに、もう少しだけこうしていたいからなんて、言いたげに】
【暖かな家庭の姿であった、何処にでもある、平穏な────】

【同時に、アルクとラベンダーの傷が癒えていく。其れは慈悲の作用に似ていた】
【男は顔を覆う、苦悶の声が漏れていた、指先が、自身の眼球に食い込んで】
【右の目玉を貫いた。あふれ出る液体が、涙のように迸る】



『────おやすみ、"トゥイーギ"』



【少年は女性に撫でられて眠りに落ちる、そして、其れが契機であった】



うわあああああああああああああああ!!!!
やめろおおおおおお!!! やめろ!!! やめろおおおおおおおお!!!



【男が髪を振り乱す、最早何も見えていないかの如く、猛々しく吼える】
【二人の姿など気にせず、慟哭の叫びが響き渡る】
136 :ギンプレーン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 20:24:28.05 ID:L9UjceST0
>>125
【依然として戦闘は続行中らしい】
【この男でなければ、劣勢に溜息でも吐きたい心境では有るが――】
【しかして、この男の表情は変わらない。感情もまた、変わらない】


【ある意味で哄笑を続ける目の前の男と同じように】
【相対するフランツは更に強力な力を宿し――その姿は神話の竜を象っているかのように】

【そしてあれだけの魔力放出を続けても尚も出力を上げられると言うのは、なるほど能力者の中でも随分と格上に思える】


竜、か――
うん、なるほど。
参ったなあ……ボクはどちらかと言えば魔女の方を仕留めたかったんだけど。


【周囲の全てを巻き込むが如く放たれる魔力は、そのまま見過ごせば部屋ごと吹き飛ばしてしまいかねない】
【この場にいるのはほぼ戦闘不能に近いリゼ、戦闘力の低いディー、外務八課のミレーユは、こういう圧倒的な物量戦に向いた能力を持っているのだろうか?】
【――組織の性質を考えるなら、想像し難いことでは有った】

【笑顔のまま鼻息を一つ。それがこの男の最大限に困った仕草だったらしい】


――よし。


【そう言って手に握った剣をもう一度構えると――自分と、その後ろにいるリゼとディーを庇うような位置で、剣閃を放った】
【先程までの、どこか素人めいた剣術とは異なり――それは明らかに異能剣士の戦いの術で有った】


まさか、INFオブジェクトでもない相手に使う機会が有るなんて思わなかったよ。


【剣閃は、光を裂き――自身の後ろには、槍の魔力を通さない】
【男の剣にはフランツと同等の魔力が備わっているのか――?】
【そうではない。備わっているのは"神話"だった】
【男の形状が名高き"竜"になったからこそ、組み込めた。自身の神話に"悪役"を取り込む擬似対抗神話――"贋造英雄"】
137 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 20:27:26.10 ID:L9UjceST0
>>127 >>129

結婚式場!? はあっなにそれ、……っておい! おい、「魔法使い」さん!?
どうしたの、応答してッ……くそ、やられたか!?

【ディーの言うことに反応を返す前に。アルクからの通信が途絶えたことに、一層の焦りを帯びる】
【であるなら同行者の少女からの返答も、最早得られるとは思えない。ぎ、と奥歯を噛み締めて】
【……其方のことは、もう諦めてしまったようだった。ならば今現在、一番「ヤバそう」な場所】
【「結婚式場」に対する思考だけを巡らせて、――――、】

(…………電波ジャックして流すのはどうせ「アレ」だと思ってた。あの子の、死に様)
(だけど、……違うのか? いや、今更電波ジャックしてまで流さなくたって)
(イヤってほど拡散されてるもんな、アレ…………じゃあ代わりに、何を流す?)

(……………………………………………………結婚式場、……いやそんなまさか)

【――――――思い出そうとしていた。「白神鈴音」と「イル・ナイトウィッシュ」のこと】
【彼女らはどんな「関係」にあった? …………、つ、と。つめたい汗が首筋を通過して】
138 : ◆1miRGmvwjU :2018/08/11(土) 20:31:38.13 ID:45WdLXl90
>>126>>137


「 ──── ああ。」「だが完全には結びつかない。」「ヤツの言う通り、彼女が"無意味な信仰"の塊であるのなら」
「それがロールシャッハやシャーデンフロイデ、そして夕月と結び付く理由が解らない。」

「どうしてヤツは"舞台に立たされた"?」「 ──── 死をもって締め括る哀れな悲劇なら、夕月ひとりで十分じゃないか。」
「そしてまたシャーデンフロイデが力を得るのに更なる存在は要らない筈だ。 ……… 既に彼女は、意味のない信仰なんかよりも、もっと重い意識を背負ってるだろう。」


【 ──── 言葉を紡ぐごとに後藤の思考は怜悧になるようであった。手元のペンを引っ掴み、】
【手元のメモ帳に本人にしか意味の為さぬ文字列を書き記していく。すぐにそれは黒塗りと同然になって】


     「 ……… 婚姻を結ぶには、"神父さま"が要るよねえ。」
139 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 20:33:26.95 ID:lUlIhfWz0
>>128

【プラチナブロンドが頬を濡らす、染み込んだ硝煙と血の香り、暮れなずむには十分】
【立ち上がるのは気力の賜物か、或いは──── 何か理に導かれて、か】
【右の手は最早使い物にならない、だからこそ、左手のレールガンを投げ捨てる】

【左手一本で狙撃銃を握りしめる、無表情の水面に、僅かな憂いを見せて】
【桔梗の花の静謐さに似ていた、儚きその横顔は、何処か遠くを見つめ】
【やがて紅を帯びたマリンブルーが、辿る様に視線を向ける】


──── 意地悪なお姉様、もう少し加減して下さっても、宜しいのに
嫌だわ、こんな状況になってもまだ、カチューシャは悦んでしまうの
其れは傷つける喜びかしら、傷つけられる喜びかしら

いいえ違うの、お姉様達の全身全霊の愛が、向けられて────
それをカチューシャが受け止める、その願いだけを持っているのだから
雪は雪よ、降り積もる時も、溶ける時も選べないのなら、せめて好きに踊ってみせて


【全身に奔るダメージ、其れは次の一撃が全てを決するという証明なのだろう】
【霞む視界、狙撃手が剣士と戦士に相対する、其れを不条理と言わず何と言おう】
【けれども、彼女は其れを然りとした、なればこそ、ならばこそ、其れを指して】

【──── 運命と呼ぶにはあまりにも儚すぎる】

【右の手を作り出した空中の姿見に翳す、右手に描かれる出鱈目な無数の線】
【 "不可視の可視化" 其れを以って、彼女は魔力の働きを可視化してみせた】
【そして彼女が右手を振るうと、それらが切断され、柊の思惑を阻害する】

【だが同時に右手の使用が出来ないことをも示す、柊の刃を止める試みは未だ果たせず】
【彼女という芥雪を溶かして蒸発させて終う程の熱量、吹き荒れる嵐は狂気染みて】
【マリンブルーの表層に浮かぶ朱、何処かたゆたう様に、見据えていた】


……そうね、その言葉には同意するの、カチューシャの悦びには、分け与えられるものもあって
でも駄目よ、それで悦んじゃ駄目なの、ねぇお姉様、狙撃手に求められる事とは何?

獲物に当てる事? 好機を逃さない事? 何時までも待ち続ける事?

ふふ、違うわ、違うの、それは狙撃では無いの、全くの別物だから
これじゃカチューシャの名折れよ、それを正しいと思ってはいけないの

──── 狙撃手に求められる事は一つ、たった一発の銃弾で "終わらせる事"

それが出来なければ狙撃手じゃないわ、もう、カチューシャが言えた事じゃないけど
良いわお姉様達に見せてあげる、カチューシャの、狙撃を


【左手が一直線に伸びる、狙撃銃のスコープを見つめる姿は、一振りの刀剣に似て】
【見えていた、神速の一撃を放つ柊を貫き、かつアリアも無力化する唯一の道が】
【たった一発の銃弾が世界を変える、狙撃の "本質" とは、そこにあって】


──── До свидания(さようなら)


【指先が引き金を引いた。けれども、その先端から銃弾は発射されない】
【──── 弾切れであった、レールガンのリロードはしたが、狙撃銃はしていなかった】
【カチューシャは一瞬だけ、きょとんとして、また直ぐに何時もの表情に戻る】

【アリアの銃弾がカチューシャを撃ち抜く、その下に仕込まれた麻酔が効いて】
【狙撃手は眠り姫へと舞い戻る、氷像が溶ける様に、その場に倒れこむ】
【──── 柊の一閃はどうなるのであろうか、それは確実に、委ねられて】
140 :ディー ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 20:35:02.43 ID:L9UjceST0
>>134
【盲目の娘はこの場の戦闘に参加できるほどの戦闘力を有していない】
【しかも目が見えないとなれば、探し物の役に立てるかも分からなかった】
【魔女についての彼女(?)の見解を聞いたとして、首を傾げることしかできず】


向こうからの攻撃を凌ぐと言っても、相手はINFオブジェクトです。
あなたの方が持たないのではないですか?


【少女には、"魔女"を殺してはいけないと語る根拠が見えなかった】
【そもそもがこの配置は時間稼ぎではないかと懸念したばかりで有ったから】


【時間を稼がれること】【時間稼ぎを嫌って魔女を殺すこと】
【相反する二択のどちらが正しいのか判断できない】

【ただ少なくとも魔女は目下戦意を失っているようには見えない】
【戦わなければこちらが危ない――】


せめてもう少しヒントはないですか?
何かだけでは、流石に探しようが――
141 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 20:37:01.80 ID:lUlIhfWz0
>>139
/安価に>>132追加でお願いします!
142 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 20:43:39.06 ID:L9UjceST0
>>138

【その言葉を聞いて。女の動作がすべて固まる、ぎち、と音を立てるみたいに】
【既に体育座りの姿勢は解いて、半分立ち上がってダッシュボードに両手を乗せていた】
【その手がまた――ぎちりと握られる。既に爪先が掌の肉を割って久しかった、のに、】
【それでもまだ足りんとばかりに食い込んで。諾々と車内を汚していく、赤色、赤色、赤色】


……………………冗談じゃないよ、嫁に出す「許可」なんて出してない…………。


【かわいそうなくらい声が震えていた。子供みたいな声だった。大好きで、片時も離さないぬいぐるみ】
【それを奪い取られて泣き出してしまう寸前の幼い少女の声色だった。放っておけば、ひく、と】
【嗚咽すら零しそうな色合い。そんな声をしていた、…………婚姻を結ぶのは、誰と、誰?】

【その質問をするのが怖くて怖くて仕方ないみたいだった。あるいはもう、答えなんてわかりきってるのかもしれなくて】
143 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 20:47:50.30 ID:3gt90YRl0
>>135

「ッッ――――貴様、まだ生きて――――!」

【左肩にアルクを担いだまま、ラベンダーはなお立ち上がる男を睨みつけた。半分落ちくぼんだ頬の傷に、声を震わせながら】
【本人にも、これらの現象は影響していた。それは確かだ。なら――――あの爆発の直撃を浴びてなお、倒れ伏す事のないこの男は】
【一体どうすれば無力が出来るというのだろうか。更に、これでとどまらないというその力の範疇にも、底知れないものを感じさせる】

ぅ、ぶ……ッっほ…………ッ!
「くっ――――!!」

【更なる男の能力の発動――――空間全体が、更なる変容に震える】
【今更ながらに理解できたが――――この男、後天的に獲得した能力に、振り回されているのだ。なら、今までの減少にも、溜飲が下がることが出てくる】
【だが、そんな事をあれこれと言っている場合ではない――――アルクの首の盲貫が、更に抉り回され――――徐々に、致命的な動脈へと近づき】
【その口からは、まるでうがいでもしているかの如く、景気よく血がぶちまけられた】
【ラベンダーもまた、腕と顔の傷に激しい痛みが走る。まだ戦闘は可能だが、既に大きなダメージを浴びている身だ。アルクをかばいながら、いつまで持つか分からない】

「っ、これは――――!?」

【そうして、更に展開された空間は――――呆気に取られるほど、これまでの有様に似合わない世界だった】
【子供を寝かしつける母親。ごく幸せそうな、家庭の様子――――今までの、どの悪夢とも異質である】
【これが、この男の悪夢なのだろうか――――ラベンダーは、戦意さえ喪失するほどに疑問が重なった。この世界は、何の悪夢を象徴しているのか――――】

「ッッ、だ、ダメです――――!!」
っぐ、ぅ……、ぁ、ぁ、ぁ、あッ!!

【そして更に不可解な事に――――自分たちの傷が、治り始めた。まるで、この場の穏やかな空気に連動している様に】
【だが――――その時、ラベンダーの胸中に、底冷えする様な戦慄が走った――――このままでは、確実にアルクが死ぬ】
【体内に銃弾が残ったまま、傷がふさがってしまえば――――それは、生きた人間に爆弾を埋め込むようなものだ】
【半ば反射的に、ラベンダーはその場にアルクを下ろすと、左手の硬質化した指先で、塞がろうとしている傷口を、慎重に抉る】
【治癒と損傷の同時進行に、アルクは普段からは想像もつかない、潰れたカエルの様な悲鳴を上げる――――もし失敗すれば、傷口に銃弾を押し込んで、動脈が破れてお終いだ】
【――――そこで、銃弾を摘出できたことは、もはや1つの奇跡だったのだろう】

「――――良くはわからないけど、あの男の意識を落としてしまえば、もう悪夢は表には出てこない――――!」

【アルクにつきっきりで、男の事を忘れていたラベンダー。だが、男はただ蹲りのたうち回るばかりだ】
【――――今こそが好機。結局血まみれのままのアルクをその場に残し、ラベンダーは男に飛び掛かり、組み伏せようとした】
【締め上げて、そのまま意識を完全に落とさせようと――――】

>>137

「――――今、それどころじゃないんです! 同行者がやられて、命が危ない状態に!!
 ――――今、私たちは『子供部屋』で戦ってます!」

【――――先ほどのアルクの報告の続きの様に、ラベンダーはがなり立てる。ただ端的に、状況だけを説明して】
144 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 20:47:54.49 ID:lUlIhfWz0
>>133(リゼ)>>134(ミレーユ)>>136(ギンプレーン)

【フランツの一撃はこの部屋に居る全てを薙ぎ払い、焼き尽くす────】
【其れは最早道理に近かった、そうあるべきと決められた定め】
【故に彼もまた、確信していた。──── その攻撃の作用が、何処までも正しい、と】


【────、しかし】


『何故だ!!! 何故!!!! 何故!!!! 私の一撃が、押し負けた!!!
有り得ない!! 私の練り上げた攻撃が、掻き消えるはず、など────』


【そこにあったのはギンプレーンの一撃による蹂躙であった。リゼの放った魔力では、掻き消える筈が無い】
【ギンプレーンの"神話"は確かに効果があっただろう、けれども、それでは辻褄が合わない】
【そうであるならば、相殺されるべきだ。しかし、ギンプレーンの一撃はフランツの一撃を飲み込み、彼に向かう】

【寸刻フランツは勘付いた。自身の放った魔力が大幅に減衰させられたと、しかし】
【神格にも近い彼の一撃を減衰できる術など、誰が持とうか────否、】
【たった一つ、存在していた。──── 対魔力の巨大なオブジェクト】


『貴様、貴様か────!! 貴様が私を────!!!!』


【フランツは魔女を見据えた、だけども、もう遅い────】
【この場に居る全てを飲み込まんとした一撃は、ギンプレーンに返された】
【魔女の能力により減衰させられた魔力では最早太刀打ちができなかった】


『何故だ……!! 何故私がこんな所で……!!
死ぬのか、私は────!! 何も果たせず、ただの駒のままで!!
否、違う、必ず私の出番が、──── 私の必要性が、あるはずだ!!』

『嫌だ!!! やめろ、────!!! やめろおおおおお!!!
──── どうしてだ、どうして、────!!!!!』




『──────── 何故だ、鳴海────』



【追滅する存在、一閃が放たれた後には塵も残らず、フランツ=フェアブレッヒェンという男が居た名残も無く】
【ただ只管に無だけが存在していた。破壊された結婚式場、その跡地────】
【しばしの静謐があろうか、否、──── 辿るべき答えは、まだ残っていた】

【魔女、──── 彼女は何故、最後の最後で、フランツに歯向かったのか】
【魔女の作り上げた巨大な藁人形が消える、同時に、ぱたり、と倒れこんで】



【──── かはっ、と口から大量の血を吐いた】
145 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 20:56:53.75 ID:45WdLXl90
>>140


「 ─── 言ってくれるなあ。」「ぶっちゃけ限界なんだ、 ……… やっぱり見て分かっちゃう?」
「奴は、 ……… 奴は、自分を"意味のない信仰"の塊、と名乗っていた。そしてボクが彼女を殺す事は、"筋書きの通り"だとも。」
「"私達"がどうの、とかも、言ってた。"灰"があればいいんだとさ。 ……… 正直な話、ボクには何も結び付いてこない。」

「ただやっぱり、 ──── "夕月"だけじゃダメなんだ。 ……… ボクたちがここに集められてしまった事には、必ず意味がある。」
「出来る事なら考えていてほしい。先に死んじゃったら、ぅうん、 ……… 死んだりなんて、しないから。」

【 ──── ぷッ、と血ヘドを吐いた。満身創痍であった。焼かれた身体、焼け焦げた片脚、叩き付けられた衝撃で内臓もやられていた】
【戦力としては期待し難いものだろうか。 ─── それでもまだ、立ち上がろうとする。】

>>144


【然して急場は凌げたのかも知れず、 ──── ギンプレーンの放った一撃が、魁夷のひとつを倒れさせる。】
【慟哭の絶叫をされどミレーユは一笑に付すことができなかった。自分も抱いている感情であったから。駒のまま終わるなんて、御免被るから。】


        「 ………… ヤバい、かも。」


【 ──── そして。血を吐いて倒れる魔女が何をしたのか、ミレーユは理解してしまったのだろうか。】
【もはやきっと止められなかった。何かの歯車が嚙み合ってしまっていた。そうしてそれは、哀れな役者など轢き潰してしまうように、少しずつ。】
146 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 20:57:48.88 ID:lUlIhfWz0
>>143

【この部屋におきていた現象は、男が経験していた悪夢である事は間違いない】
【砂漠と密林と、丘の三つは全て戦場であったのだろう。男が従軍した苛烈な場所】
【だからこそ、最後の景色に合点がいかなかったのだろう、しかし】

【──── 醜悪に成り果て、鬼畜の所業を善とした男にとって】

【幸せであった幼少期こそが、何よりの悪夢にはならないだろうか】
【それはもう戻れない憧憬、自らが捨ててしまった幸せの風景】
【二度と手に入らない、二度とは縋れない、そんな幸福こそが】

【──── 男にとって、最早耐えられない悪夢であった】


あがががあああああ、ぎいいいいい
うがあああああごおおおおおお


【その試みは早かった。男は震える手で、自動拳銃を自分のこめかみに向ける】
【飛び掛るラベンダー、その行動よりも、引き金を引くのがどんなに早いことか】
【最期に目と目があった。その目は暗澹として、深淵と呼ぶに相応しく】

【焦点の合わない目はただ無明に染まっていた、絶望に打ちひしがれた目とは】
【それはラベンダーをじっと見据える。ほんの一瞬が、永劫に感じられるほどに】
【そうして男は拳銃で自分の頭を吹き飛ばす、脳髄と脳漿が、ラベンダーへと飛び散るだろう】




【────、男の死と同時に、周囲の風景が元に戻る。】



【現れるのは元居た地下であった。やはり場所の転移はしていなかったらしい】
【残っているのは男の死体、そして軽くない傷を受けた二人の存在】


【奥には階段があった、上っていけば、結婚式場で他の面々と合流できるだろう】
147 :ギンプレーン&ディー ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 21:00:13.50 ID:L9UjceST0
>>144
【あれ?と声が上がった】
【確かに、能力を行使したのだけれど。フランツの攻撃を斬り払うはずだったのだけれど】
【それは防御のためのアクションであり、今の時点ではそこ留まりになるはずだった】
【よもやその一撃でフランツを倒すことなど想定していたはずもなく】

【呆気なく、致命傷を与えた手応えに、自身で疑問を持ち得ていた】




【一方でディーは愕然として、見えない眼をギンプレーンとフランツに向けた】
【何故魔女は裏切った?鍵だったのは魔女ではなく、フランツの方だったと言うこと?】
【でも、製薬会社の社長をここで殺すことに何の意味が?】

【そして魔女もまた、血を吐いて倒れる――】
【こっちに関しては手を出してすらいないのに】


相打ちになりたいのなら勝手にやれば良かったのに――何故こんな回りくどいことを?


【そう言うなれば、それは倒れることが決まっていた、演劇のような様子で】
148 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2018/08/11(土) 21:09:51.97 ID:lWQoqIC30
【水の国・港・倉庫街】

【郊外に存在する一見なんの変哲もない倉庫街。似たような色と形の倉庫がズラリと並んでいる。】
【中には輸送されたコンテナだったり、廃材だったりと色々な物があるがやはりそれはありきたりなものだった】
【そんな場所の一角、一台の黒いSUVが止まっている。その脇には一人の人物が立っていた】

―――近くで何か起きてやがるな………コニーのガキんちょも連絡つかねーしよ。
まぁ別の騒動のおかげでこっちは仕事がやりやすいっちゃあやり易いがな。さっさと済ませるか。

しっかし久しぶりに髭剃ったらなんか痒いな。

【SUVに寄りかかり、タバコを吹かす人物。戦術ベストを身に着けた黒ずくめの男性だ。】
【髪の色は金髪で前髪を上げており、碧色の瞳はどこかくすんでいる。一見して堅気には見えない風貌だ。少なくとも今は】
【男がタバコを吹かしている背後には《禁煙!》という看板が暗闇に隠れて掲げられている。】
【さて、とにかく人気のないコンテナ街に足を踏み入れるものはいるのだろうか。】
149 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 21:11:56.57 ID:45WdLXl90
>>142


「 ──── 。」「 ……… 仮にも魔女は、虚構の上に立つオブジェクトだったんだろう?」
「呼び水になるには十分すぎる、か。 ……… "魔弾の射手"に擬えるつもり、とでも?」


【神父とは得てして男であり、 ──── 少なくとも後藤のいた国では異邦人の役職であった。そしてまた、呟くのは】
【まとまらずとも薄明かりの向こうに見えてきた、筋書きの幻影。しかし、どうやって?】


「 ……… まだだ。まだ勝負は決まってない。」「まだラストカードは切ってないんだからな。」
「落ち着けないが、落ち着くしかない。今は終幕への行く末を見守ろうじゃないか。 ──── ウチの奴らは、一瞬を逃さないよ。」
150 :リゼ ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/11(土) 21:12:08.90 ID:LiB86Dn10
>>134

申し訳ないんだけどさ……何かを見つける前にあてらが死ぬかもしんない。
それに奴さんたち滾りすぎてて付いてけない、……かな。

まぁその手榴弾は貰っとくし、死なないようには善処するけどネ。

【リゼが悪あがきの一手を撃つ直前の話】
【お互いに手負いでありながら未だ諦めが悪いらしくて、思わず笑顔を向けていた】
【そうだとも。望まない運命なんて受け入れられるはずがないのだから】

>>144

【"――ああ、死ぬやつだ、これ"】
【眼前に迫る死の脅威。皆仲良く死んじゃうと諦観の色を浮かべたら力が抜けて】
【―――けれど、死は訪れない。弱弱しい死に際の一撃で都合よく切り抜けられる筈がないから】


―――あれ?あて達、……死んでない?
どして?なして?……奇跡でも起きた?


【疑問は尽きない。けれど見渡せば理解できる事が幾つかあった】
【一つ。フランツの攻撃はギンプレーンの"神話"に掻き消されたという事】
【二つ。"神話"による攻撃はフランツを上回り逆襲の牙を剥いたという事】
【三つ。"魔女"と呼ばれるフランツの仲間であろう人物が助力を添えた事】

【因って、以上の要因からフランツが齎す脅威を切り抜けた形となった】
【そうしてフランツは呪詛の言葉を残して跡形も無く消え去ったのをタダタダ瞠目する事しか出来なかった】

【同時に疑問が湧き上がる。何故"魔女"がフランツの足を引っ張ったのか】
【死に際に言い残した"鳴海"なる人物と如何様な関係があったのか――推測しようがない】

……釈然としないね。けれど、それを問う相手はもう……。

【今はただ、糸が切れたように倒れた魔女の顛末を見守る事しか出来ない。リゼも重症の身なのだから】
【それに自身は用心棒。裏事情は他のものに任せることにした】
151 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 21:13:40.97 ID:3gt90YRl0
>>146

「(――――――――ッッッッ)」

【戦闘中に、余計な事に思考のソースを割いている余裕などない。だというのに、ラベンダーには、抑えがたく湧き上がる感傷があった】
【――――何となく、この場所の『悪夢』の意味を、理解してしまったのだ。この男の事も――――】
【もう2度と戻れない幸せ、そして会えない人――――それは、甘美で、渇望せずにはいられないからこそ、覚めてから見る悪夢の様で】

【――――「助かったよ、カエデ……お前のおかげで、今日は大漁だ……どうだ、焼き魚は旨いか?」】
【聞こえてはならない、どうしても聞きたい声が、頭の中に響いた気がした】

「ぁ――――!?」
「(死ぬ気!? ――――!!)」

【飛び掛かり、その意識を落としてしまおうと目論んでいたのだが――――それよりも先に、男は衝動的に、銃を自分の頭に向ける】
【何事かと男の目を見て――――その一瞬、思考さえも空白と化していた。そして銃声――――男は死んだ】



【――――世界が元の則に戻っても。ラベンダーはまだ、先ほどの光景に心を奪われていた。いつの間にか、元の身体へと戻っていて、身体に飛び散った男の『痕跡』を呆然と見つめて】

「(――――まるで、私みたいな目をしていた――――あの男は、この男は――――何もかも、失ってきたんだ――――
  ――――悪夢だったんだ。この、自分とは違う世界で、訳の分からない中を、戦って生き抜くって事は――――もう、生きてる限りに、悪夢だったんだ――――)」

【まるで、そこに鏡があったような気がした。ラベンダーは、自分の姿を見ているのではないかと、錯覚するほど、その男――――名前を知らない――――に『自分』を見つけていた】
【この男にとっては、生きる事、そのものが悪夢のようなもの――――その心は、暗い愉悦に歪めていても、常にその心底では、怯えと苦しみが、拭い難く張り付いていたのかもしれない】
【――――何故か、涙が流れる。まるで、哀しい自分を、目の前で死なせてしまったような気がして――――】

「――――――――ッ」

【死人に対してできる事など、弔う事だけだ――――だが今は、そんな暇もない。だが、ラベンダーには1つだけ、出来る事があった】
【手に、顔に、服に――――飛び散った男の脳を拭い取ると――――それを口へと放り込む。慣れない味と触感、何よりその認識が、ラベンダーの胃を縮み上げるが】
【こうしてやるしか――――ゴミとして捨ててしまわず、せめて己の中で燃やしてやる事しかできない――――直感的に、ラベンダーはそう考えていたのだ】

「アルクさん――――アルクさん、無事ですか。それとも――――もう、ダメですか――――」
……ラベンダー…………手前はもう、ダメかもしれない……ッ、だ、だけど――――最後まで、付き合うよ――――手前を、担げるんだろう? ……行こう、決着を、付けに……
「――――はい――――――――『ベルセルク・フォース』――――」

【ラベンダー色の装甲の様な表面に覆われた、太く、寸胴な体型の人型】
【ごつい大きな手を備えた腕には、左右にそれぞれ3枚ずつ、円盤状の刃が備えつけられている】
【機械的な頭部も相まって、まるでSF作品に出てくる宇宙服か潜水服の様な、人型のロボットの様な機械的な姿をしている】

【満身創痍のアルクを担ぎ上げると、ラベンダーはスラスターを吹かして上階へと飛び出していった――――主犯は、この先にいるはずだと】
152 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 21:18:09.18 ID:lUlIhfWz0
>>145>>147>>150>>(ブラスフェミア)

【魔女の "Freak Kitchen" は自らを糧に、能力を行使するものであった】
【けれども、最期の段階に於いて、彼女は最早、糧となる四肢が無事ではなかった】
【しかし、彼女の最期の能力は起動した、ならば何を糧にしたのだろうか】

【──── 察するだろう、そしてその通りであった】


……っ────……成る程、此処まで、仕組んでいた、のですね……
私も彼も、何れ退場しなければ、なりません……だからこそ、この契機で
ふふ、──……仕方ありませんね、やはり、過ぎた望みでした


【魔女がミレーユを見つめるだろう、静かに言葉を探して】


……貴女は、行くんですね……この先に、どんな結果が、あっても……
馬鹿にして、ごめんなさい──── ただ、ただ……眩しかったのです

幸せな脚本が、美しい物語が、……陳腐なお話に、どうしようもなく、憧れて────

ええ、知っています。──── 悪い魔女は、最期に倒されるのです


【それを全ての因果とは言わない、けれども、確かな因果の一つではあった】
【ただ真っ直ぐに人を求める姿に、その真摯な思いに、惹かれてしまう】
【そして、それを誤ってしまう事も、あるのだろうか────】


……ブラスフェミア様、聞いているのでしょう────


【そうして、彼女はミレーユの通信機を通じて、ブラスフェミアへと声を掛ける】


きっと貴女様は私に怒っているのでしょう、その通りです、私は相応の事をしたのです
許しを請う事は致しません、そこにはただ、私達の事情があっただけです

……けれども、私にもまた、一つの感情がありました

私は研究者として、科学者として、ブラスフェミア様にも、ブランル様にも及びません
その癖、仲間の一人が死んだ位で、自分自身を疑う様な、弱い存在でした

──── だから、憧れてしまいました。羨望とは、嫉妬の裏返しです。
醜い私の感情に、振り回した、帰結です────



……申し訳ございません





【もう一度強く血を吐いて、魔女はそのまま、眠りにつく。────二度と目覚めぬ眠りへ】
【彼方の光景を辿る道筋も無く、その心の奥底を記す由縁もないけれど】


【──── "ブランル様" と、彼女は最期に思った。それだけは記さねばならない】


【──── 残された面々は暫し思案をするだろう、目の前の脅威は去った】
【しかし、事態はかけらも好転していない、ロールシャッハの姿も形も、見えず】
【周囲を探索しても、上ってくる階段しかないだろう】
153 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 21:27:10.24 ID:L9UjceST0
>>143

…………………………了解。それじゃ、どうか、……死なないように。

【それどころじゃないと言われればそう返すしかない。当たり前の話ではあったが】
【返答をする女の声は、今にも泣きそうな色合いを帯びて――それから何も言わなくなる】
【そちらの決着がつくまで。少なくとも邪魔はしないようにと、思ったんだろう】


>>149

………………カード、カード……ある? カード、……僕の手には、……、

【両手で顔を覆い隠す。そのままぼすんと座席に座り込んで、……震えはじめた】
【それでも泣かないのは「冒涜者」としての意地だったんだろうか。彼女の手に残された切り札は】
【本当に「あの子の壊し方を誰かに教えること」しかないんだから。……だから、】

…………あるんだったら、………………たすけて、おじさま、……僕のなんだ、
僕の、……僕と………………同い年の女の子がいるの、その子を助けてあげて…………

【震える声で。求めるのは「助け」だった、本当に小さな子供がそうするみたいに】


>>152

【聞いていた。聞かないはずがなかった。両手で顔を覆ったまま、「冒涜者」は、聞いていた】
【全部聞き終えたあと――――永い永い時間を経てから。震える口で、紡ぐ】

………………………………謝るくらいなら最初っからやるな、ばかやろう、
僕はあなたに、そんな感情、持たれるような人間じゃない………………ばかやろう、ばかやろう、

約束、やぶったな、うそつき。…………ブランルと三人ですごいもの作ろうって言ったじゃん、

【「うそつき」――――、言い終えたなら、頽れるようにダッシュボードに突っ伏して。……泣いてない】
【泣いたらそれですべてが毀れてしまうから。冒涜者は、人の死を悼まない。そういう存在だから】

【――――――――あなたのこと、友達だなんて、思ったことなんか一度もなかったよ。】
154 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/11(土) 21:32:15.35 ID:eTsXiPuF0
>>132>>139

……ッ、――――――――!

【妨害へのカウンター、滅ぼすほかなくなる一手。結末の見えぬ迎撃の刃は、破滅と共に解き放たれんとして――――けれど、】
【銀狼の牙たる銃弾の群れが、そして撃ちあったあの闘争が弾切れを呼んで】
【アリアの一射が、過たずカチューシャの胸に突き刺さった。眠りに落ちる彼女を確かめ、安堵の吐息と、きっと感謝と呼ぶべき、アリアへの視線がそっと生まれていた】

……ありがとう。本当に……いい、一射だった……、わ――――。

でも、柊(しゅう)――よ。桜の植物に詳しいのが、少しだけ不思議ね。

その上で、頼みごとをするのは気が引けるけど…………
……カチューシャの扱いを、貴女にお願いしてもいい?
私に、たぶん貴女ほどの膂力はないし……見ての通り、戦う体力を維持するのも相当にギリギリの状態なの……。

戦闘がまた起きたら、その時は私が彼女を停める=\――― 一夜ぐらいなら保たせられると思うわ。
……その後は、より大きな組織に任せるしかなくなるけれど……。

【二つの不安要素――カチューシャの再起、確保したのちの彼女の扱い。それを、機械化された身ゆえのアリアの耐久力に強いた上で】
【“何らかの組織”という、不確かな何かへと委ねるほかないと。苦渋と、負荷を強いてしまうことへの申し訳なさと、】
【殺傷を提案された際に、拒むべき理由の不在が橡色の瞳に翳りを生んでいた】

【カチューシャの処遇は、アリアの判断にゆだねられる部分が大きくはあって。願うものはいたが、強いることのできるものはなかった】


【それでも……剣士の関心事は、その先にも、既に向きつつあった】
【覚えている――――心通わせたあの夜を、幻の様な儚き温度(ユメ)を。今宵言葉を交わす度、蘇って仕方がなかったあの世界を、】

【覚えている――――レッド・ヘリングが討ち果たされし工場の一戦を、あの悪夢の中、紅の少女から、断片的に感じた虚神の影を。】
【これは、きっと狂気でさえある賭けに過ぎなくて、】

【それでも、いいや、だからこそ――――“理由”が、此処に生まれていた】


……“私は、やっと誰かと共に在れた彼女を救い出したかった”。

そんな夢想をカタチにしてみせるために。
本当は、全部あの夜に賭けてでも――――共に戦った人たちからさえ、あの極夜の蝶を守りたかった……。

……どれだけ後悔の言葉を吐いたって、それはもうどうすることもできないけれど。
未だ救える人は、今も、きっと此処にいる……――――――――……なら、この剣は。……そのためにこそ、私の命とともに在る。

【きっと一方的なものでしかない言葉は、彼女にだけ必要なものとしてある。けれど、】
【それを二度と躊躇わないと誓ったから=\―――“正しさ”さえも秤から外しながら、願う明日を此処に掴むのだ】
【嘆きを、少しでも減らすために。守りたいものを、守りきるために。冒涜者の通信が伝えた存在を、願う誰かの手に取り戻すために、】


……亀裂を刻み、路を開く――――付いて来れるならついて来て。
この場に既に敵は無い――――――――……新たな場所へ、臨む時が来たわ……‼

【虚神≠フ探査と、経路の創成――――空間を斬り穿って余りある莫大な力が、極夜蝶の因子を頼りに世界の壁をも破断させる】
【“かたちあるものを斬る”切断概念の異能と、停滞≠フ行使を前提とする絶技は、此処に、真なるかたちを顕して】
【抉じ開ける≠スめの、亀裂をこの異界へと刻む暁光。それは、破壊の焔にして、灯火を願うヒトの刃――――】
【彼女と最も縁深き虚神を、当人も知らぬままに探り当てようとするのだろう。阻む壁総てを灼き尽くし、距離も、限界も斬り裂いて】

【此処から、さらなる闘争が待つはずの先≠ヨ――――或いは鎖さえも斬り裂きながら、虚空を砕き、灼き尽くさんとした】
155 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 21:33:51.72 ID:lUlIhfWz0
>>ALL



   【──── 其れは昏睡の作用に似て、】



【失はれた形態、逆流する感情と思考の連関。だとすれば其れは無弱とも読めよう】
【痩せた土地に作物は育たない、加えて空一面を覆う蝗害の示唆、雨飛沫、冷夏】
【巧みに轍、胡乱は正気。カテドラルで祈る首の無い司祭の趣】



     【繕う理由。でっち上げる詐称、偽りは時に人以外を救う】



【或る時は己の過去を暴きたて────】


               【或る時は己の未来を嘲笑し歯を向けて泣く────】


      【或る時は己の心をかき乱す、SSRIも何処へ────】


                    【或る時は己の相似形として合同を壊す────】



     【交錯する思いは幾重にも、而して全てが醜悪の向こう側へと】



     【黄泉人知らず。──── 渡る川の深さなど、当に知っている】

156 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 21:35:16.20 ID:lUlIhfWz0
>>ALL

【次に各人が目を開いた時、全ての人間が集っていた。広い室内、整頓された書類の数々】
【背後に多数のモニターを設置して、荘厳なデスクに男は腰掛ける、軽く足を組んで手を載せて】
【軽くパーマをかけた茶色の髪、仕立ての良いスーツを着た端正な横顔の青年】

【全員丁度であった、ビル内へと進入した全ての人間】


【──── "嵯峨野 鳴海" はそこに居た。応接間とも呼べる彼の城の中で】


【そして、男の傍には一人の少女が居る。キャミソール一枚だけを着けた姿で】
【両手は縛られ天井からロープで吊り下げられていた、不安そうな面持ちだろうか】
【声をかければきっと返事を返す、それほどまでには無事だろう】


さて──── 約束の時間には少し早いけど、これぐらいの誤差は想定内かな
歓迎するよ、能力者諸君。初めまして、僕は嵯峨野 鳴海、一応<harmony/group>のスポンサーになるかな
幾らか見知った顔があるけど、まぁ、大部分のニンゲンにはこれぐらいの対応でいいでしょ?

うん、そうだね、何から話そうか──── 僕は君達と語らう事が山ほどあって
伝えたい事も知って欲しい事も沢山あるんだ。時間は時に不足するほど十分あるから

先ずは真実、次に誤解、最後に選択、と──── 選ばれるべき事象は、正しく満ちる。

"INF-006" ──── "ロールシャッハ" 虚神が一柱として、其れを明らかにしなきゃね


【彼は悪びれた様子なく、そう述べて能力者達の顔を見渡した。満足そうに一つうなずいて】
【柔和な笑みをそこに絶やさない、まるで、それ以外の表情を知らないかの如く】
【微笑みの仮面を被っているかの様に、一つ一つなぞるようにして】


ああ、そうだ。"見てもらわなきゃ" いけないんだった。何人かは分かるでしょう?
僕は "中央放送局" に予告状を送ったんだ。素敵な映像は、皆に見てもらわなきゃ
支配者の愉悦はただ楽しむだけじゃ二流だもの、領民に分け与えるぐらいの甲斐性を持って


【──── ロールシャッハがぱちんと指を鳴らすと、後方のモニターが点灯する】
【そこには鮮明な映像があった。──── そして、音が響き渡る】
157 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 21:36:53.46 ID:lUlIhfWz0
/【注意】 此処から2レスほど、非常に凄惨な描写が行われます
/また、見ている方に不快を催すかもしれません
/苦手な方は以下の2レスを飛ばしてください、読まなくても大丈夫です
158 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 21:37:32.08 ID:lUlIhfWz0

【或るモニターは示す。──── 拘束台に四肢を伸ばす形で拘束された夕月の姿を】
【そして、両手と両足の先端にあてがわれているのは "卸し金" であった。】
【それも金属で出来た巨大な鉄板に、菱形の突起が所狭しと並んで】

【画面の中の夕月は顔面蒼白であった。何度も震えながら首を振って、その泣き顔の仔細すらも鮮明に】
【────、"男" がスイッチを入れる。ミレーユならば分かるだろう、その男は "自分が殺した筈" の男だと】
【そう、■■■の四肢を切断してみせた、チェーンソーを持った男、そのものであった】


『ひぎぃいいいい!!! いやぁああああ!!! ぁぁあっ!!! ぎぃ!!!
 っ────!!! ぃぐぅ……!!! はぎぃいぃいい!!!』


【卸し金が皮膚を裂き肉を抉り骨を砕く、血と神経と肉の混じった物体が地面へと摩り下ろされ】
【それはまるで吐き出した臓物に似ていた。時折見える白い残滓は皮下脂肪の名残だろうか】
【手首、足首、摩り下ろしてもまだ止まらない、ビクンビクンと何度も大きく跳ねる】

【大きな瞳を限界まで見開いて、狂気の如く髪を振り乱す。嗚咽とも苦悶とも分からぬ声を漏らして】
【やがて両手両足が摩り下ろされ、四肢をなくした夕月の姿がアップになって映像は終わるだろう】
【息も絶え絶えの少女が居た、彼女は未だ、生きて────】



【────────】



【或るモニターは示す。──── 再び、拘束台に四肢を伸ばす形で夕月は拘束されていた】
【そして四肢の下には並々と液体の詰まった水槽が存在して、時折それが強酸だと伝える様に弾ける】
【また、"男" が現れた。慣れた様子で、スイッチを入れる。】

【拘束台が移動し、強制的に四肢を強酸の中へと沈める。皮膚が焼けて裂け、大量の血液が皮膚を突き破る】
【鮭の身を解す様に血肉が強酸へと流れ出て、剥き出しにされた神経が炙られていく】
【夕月が再び泣き叫んだ。神経が腐食していくその痛みは、まるで脳内を直接焼かれるかの様に】


『おぉおおおお!!! ぃぎぃいいいい!!! ぁぁぁぁぁあああ!!
 っゃらぁあああ!!! もう、殺じてぇええええ!!!』


【夕月の口が膨らんで、大量の吐瀉物を吐き散らす、画面に飛び掛ったそれは、カメラにこびりついて】
【内臓全てを吐き出してしまうかの如く、痙攣する身体が何度も何度も打ち付けられた】
【指先から順に酸の中へと落ちていく、骨は中々しぶとく、形を保ったままで】

【たっぷりと時間を掛けて、夕月は四肢を失った。泡を吹いた状態で虚ろに目を開いて】
【それでも尚意識を保っていた。まるで、そう作られているかの如く────】
【カメラはフェードアウトしていく、舐る様に少女を映して】
159 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 21:37:52.37 ID:lUlIhfWz0


【────────】


【或るモニターは示す。──── 三度、拘束台に四肢を伸ばす形で夕月は拘束されていた】
【今度はその周囲に夕月を痛めつける機器は無かった。しかし、今度は男が其れを持っている】
【刀であった。ひどく刃こぼれしており、何年も砥いでいないなまくら刀で】

【男は夕月の小さな手を掴むと、その人差し指の爪と肉の間に、刀の先端を突き刺す】
【がりっ、と微かな音がして、刀の先端に少しだけ血がついた。夕月は歯を食いしばって、声を殺す】
【もう一度、更にもう一度。繰り返すたびに少しずつ、内側の肉が削がれていく】


『ぃっ……ぐぅ……ぁっ……!!! ぎぃ……よぅ……痛い、よ……っ
 ひっぐ……──── いつまで、続く、の……っ』


【爪と指先の間の神経を丁寧に削いで、漸く爪を剥ぐ。其れを二十本、そこまでにどれだけの時間がかかるのか】
【男はまるで砂の城でも作る様に、その無為さを楽しむ様に、丁寧に夕月の四肢を解体する】
【それは気の遠くなる作業であった。断続的な痛みが、永遠のように続く、切れ味の悪い刀だからこそ】

【ささくれだった神経を何度も、何度も、何度も、繰り返し、繰り返し削いでいく】
【反応は鈍くならない、危害を加えられる度、新鮮な痛みが脳裏を駆け巡って】
【永劫の時間の後に、漸く──── 夕月の四肢が消える】


【────────】


【或るモニターは示す。──── 再び、拘束台に四肢を伸ばす形で夕月は拘束されていた】
【顔色は優れない、けれども血色は悪くなかった。身体は健康体に近いのだろう】
【けれども精神までは分からない、虚ろな目をして、声にならない声を漏らす】

【四肢の先端に向けられているのはバーナーであった。流石に夕月も察したのか、顔が青ざめ】
【男が近づくにつれ、何度も何度ももがく、けれども拘束は微塵も揺るがず】
【──── 指先がスイッチへと加わり、高温の炎が吹き荒れた】


『はぎゃああああああ!!! あがっぁぁぁああ!!!
 っぐぅあ!!! っ!!!!! かはっ……』


【皮膚が焼ける、ビニールを裂く様に穴が空いて、その奥の神経を溶かしていく】
【脂肪の燃える臭いが画面からしそうな程に、紅蓮を艶かしくカメラが映す】
【やがて四肢が先端から炭化していく、朽ちる夜の暗示の如く、もがれて落ちて】

【四肢の断面から未だに煙が出ていた、夕月は蚊の無く様な小さな声で、呼吸をする】
【微かすらも届かぬ地獄の狭間、人間が到底耐える事の出来ない苦痛の中でも】
【──── 正気を保つとは、どれほどの苦行であるのだろうか】
160 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 21:38:30.89 ID:lUlIhfWz0
/以下から正常なレスになります、ご迷惑おかけしました



【ロールシャッハの背後にあるモニターは、それぞれ多種多様な映像を伝える】
【そしてその全てが、あらゆる手段を用いて、夕月の四肢を取り除く映像であった】
【けれども、今現実に存在している夕月には四肢がある──── 矛盾がそこにはあって】


"恐怖" の源泉は何処にあると思う? ──── 僕はね、多くはその過去から来ると思うんだ
トラウマとも言えるね、過去にした体験がフラッシュバックし、ニンゲンの精神を蝕む
でもさ、それは自傷行為に似てるよね、僕はそんなニンゲンの作用が凄く好きだから

そう、結果さえ一緒ならば、過程は無数に存在する。確定した過去の経験が、無限の "恐怖" を生むのさ。

僕は "恐怖" の体現者。主賓の女の子が描いた "恐怖" を、幾重にも再現してあげただけなんだ
結果は変わらない。彼女は四肢を失う、でも其れがチェーンソーで切り落とされるだなんて、陳腐でしょ?
だから演出してあげた訳だ、時間はもう、たっぷりとあったから


【夕月を誘拐してから、ロールシャッハが行った行為。それは夕月の恐怖を糧に、何度もトラウマを穿り返す行い】
【しかもその都度手法を変えて、身体に傷はつかない。なぜなら其れは、過去に起こった出来事の再現でしかない】
【けれども精神は何度もその負荷をかけられる、思い出したくない記憶を、強引に何度も体験させる行為】

【そして、ロールシャッハはその映像を鮮明に残した。夕月がされた過去の意趣返しである】
【 "中央放送局" をジャックして行う出来事など、一つしかない──── これらのデータの拡散】
【幾人かは察知する筈だ、夕月の身に組み込まれた因子と、そこに起こる結果を】


僕は楽しみにしてるんだ、これだけの映像を全世界に拡散できたなら、どうなるかって
可憐な少女が身の毛もよだつ方法で解体される。その映像を見たときに感じるシャーデンフロイデ
平行世界を渡る蝶だなんて目じゃないよ、世界を滅ぼす "無慈悲な夜の女王" が生れ落ちて

そして僕"達"は漸く、"死"への対抗神話を手に入れるのだから


【 "虚構現実" で消滅したシャーデンフロイデ、彼女に向けられた以上の暗い愉悦を取り込んだなら】
【それは即ち、それ以上の力を持つ "虚神" が誕生する事になる、何処までも────激しく】
【夕凪の月が暮れたならば、後に残るのは降臨する極夜の月。それこそが絶望の証であった】


【試みは焼け落ちた。──── ロールシャッハの描いた絵空事】
【それは "実現しなかった" 最早意味を成さず、結論すらも先延ばしにする議論に近い】
【能力者達は許さない、それこそが心の作用なのか、精神と心に違いがあるのか】

【──── ロールシャッハは肩を竦める、物語の終幕をどう描こうか考える様に】
161 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 21:45:15.75 ID:45WdLXl90
>>152


【焦げた右脚が、焼け爛れた片脚が、汚れ切ったヴァージンロードを踏み締める。 ──── 足許を縺れさすように転んで、】
【酷い顔をしていた。白陶の肌は煤けていた。口紅と呼ぶのに血反吐は鮮明すぎた。然してアイシャドウがぼやけているのは、長い睫毛が濡れているのは】
【 ────── 彼にも理由の分からぬ衝動に違いなかった。憐れむより先に腹が立った。その魔女が怨敵の一人であることに変わりはない。】
【それでもただ許せなかった。 ──── 薄ぼけた白く熱い灰燼に、溢れ行く雫は、ただ無念が為に。】


「 ──── なんだよ」「なんだよ」「今際の際にあって」「そんな顔するなよ」「馬鹿にしてるのかよ。」
「悪い魔女なんて名乗るんならさァ」「 ─── 最後まで、外道の顔をしていろよ」「そんな役回りは御免だってのか!?」
「 ……… だったらオレたちは役者なんかじゃないんだ。」「自分でよく分かってんじゃないか。なのに、どうして ……… 。」


【死ぬと分かっていて叫んでいた。届かぬ激情と分かっていて喚いていた。返す言葉がないと分かっていて哭いていた。】
【 ──── 散々な非道を働いてきて、最期の最期に何を絆されているのか。然してきっと、それは一歩違えた"ばけもの"の姿、そのものであった。】
【然れどもそこには決意があった。この悪辣な舞台の上で、もはや演者に甘んじなどしない。切り拓くのは、その両手なのだから。】


【逝ってしまう前に。 ─── 燃え尽きた彼女の胸を裂き割って、ミレーユは掴もうとするのだろう。】
【焼け落ちた心の臓、血塗れの遺灰。"火
"は"人"を焦がして産まれた。ならば受け継ぐのは、模倣子よりも根源的な真理。】




「 ……… お前の言葉を、忘れないからな。」「お前が言ったんだ。ボクが誓ったんだ。」
「特等席を用意してやったんだ。あの世の果てで見届けるがいい。 ─── ボクとあの子の、物語を。」




【 ────── 立ち上がる。まだ、この一幕は終わっていない。それは何より、彼/彼女がよく知っていたから。】
162 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 21:48:18.90 ID:L9UjceST0
>>155-160

【――――少女は。夕月は。怯え切った表情で周囲を見渡すことしかできなくなっていた】
【縛められた手をバタバタ動かして抵抗するでもなく。辛うじて動く脚を動かすことすらなく】
【震えることすらできずに怯え切ったまなこ――赫色の双眸で、みんなを、見渡すことしかできなくて】


【――――――――――――、】


【(後方から流れてくる映像が何であるかはわかっていたわかっているけどわかりたくない理解したくない)】


【――――――――――――、】


………………………………はあっ、は、はっ、……は、ひゅ、………………う、ぅう、
うぅあ゛…………う゛ぇ、…………ぃ、…………ぃい゛ヤ、ぁ、ア、あ゛、………………ひゅうぅっ、


【…………過呼吸。それに伴う嘔吐――しようとしても胃の内容物がないので出来なくて、えづくばっかり】
【そればっかり繰り返して、びく、びく、と。痙攣でもするように、薄っぺらい躰が、波打っていた】
【限界まで見開いた眼が堪えきれない涙をひっきりなしに零し続けていた。もう悲鳴も上がらない】
【ただ、ぎちぎちに引き攣った「恐怖」の表情だけが。はっきりと、周囲の人々に、向けられて、】



――――――――――――――――――――――――いたいのイヤだぁ、っ、



【――――泣き言はそれしか上がらなかった。もう痛いのは嫌だって。それだ周囲に訴えて――また、不規則な呼吸に戻る】
163 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 22:16:50.33 ID:3gt90YRl0
>>155-160

「――――ッ、来たッ、ここです!!」

【階下から、轟音と共に2人の人物が飛び込んでくる。人型兵器と、その肩に背負われた、半死半生の魔術師】
【巨大なモニターを背後に背負った、応接間――――そこに、何人かの人間と、敵の首魁、そして――――恐らくは今回の為に、犠牲になった少女】
【状況は、すぐさま了解された。モニターの前に陣取るこの男こそ、今回の主犯――――】

……ゆ、夕月……ッ!
――――来たぞ……ようやく、来た…………ッ

【肩に背負われた青年――――アルクは、ようやく虫の息ながらに顔を上げる。今回の一件――――まさか本当に、ストライクな繋がりを得られるとは思っていなかった】
【だが、これは僥倖――――このまま、この場を収束させれば――――フラフラの頭に、そんな想いが浮かぶ】

【――――それをあっけなく踏みつぶすのは、場の支配者――――嵯峨野の言葉だった】

「――――そうですか、貴様あのバケモノたちの仲間――――丁度良い。この場で殺してやります。何も言う必要はありません、ただ殺してやります――――ッ! イルの前に、貴様を――――!」

【相手はかの虚神「ロールシャッハ」――――ラベンダーの目的とも、合致した敵だった。ぐっと拳を握りしめ、ラベンダーは夕月に目もくれず、ただロールシャッハに殺意をぶつける】
【ある意味で、この場に来た最初の目的を見失っていた――――こんな2人だったからこそ、その「映像」は丁度良かったのかもしれない】

――――――――っ、なに…………!?
「――――――――ッ」
く、これは――――…………ッ、ふ、ふざけるな…………ふざけるんじゃない、何だこれは――――――――何なんだこれはぁッッ!!

【――――詳しくは語らない。その必要もない。ただ、犠牲者役たる夕月が、散々に痛めつけられる光景。その映像記録】
【それを見て、彼らの言葉が詰まる。――――これは、地獄の光景だ】

「――――虚神風情が。させると思うのか――――何が何でも、こんなものを垂れ流しにさせたりはしない。もうウヌクアルハイの――――白神 鈴音の二の舞は起こさせない――――『兵器』として――――ッ」
…………貴っ様ぁ……――――手前がここで死んででも、貴様は許さない――――必ず、殺してやる……ッ! ――――『魔術師』として……ッ

【元より、ラベンダーにはロールシャッハを殺さないという道はない。それがより一層、確信されたようなものだった】
【これ以上、事を荒立てないためには――――何を犠牲にしても構わないと】
【それはアルクも同じだった。一方的な加虐、それも魂を砕くレベルの、全く無意味な――――少なくとも、当人たちの間では――――行い】
【そんな愚行、死を以って戒めなければならない。――――久方ぶりに感じた、暗い怒りだった。この先しばらくの、己の全てを忘我させるほどに】

「――――ッ!!」

【ラベンダーは、それ以上待たなかった――――腕のチャクラム6基を全て展開。弧を描きながら、ロールシャッハへと発射する。その身を切り裂いてしまおうと】
【無論――――それで終わる虚神ではない。その事は重々承知だが、怒りが――――そんな理屈で止まる事を、良しとしなかった】

ら、ラベンダー…………手前は、流石に動き回れない……魔術を打つ事、ぐらいしか……
「――――それで構いません。あいつらを皆殺しにして殲滅して、そして根絶やしにできれば、何でもいいんです――――ッ!!」

【ヨロヨロと立ちながら、アルクはぼやける視界で必死に状況を観察した。自分のすべき事は、最適な魔術を、最適なタイミングで行使する事だ、と――――】
164 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 22:18:43.41 ID:45WdLXl90
>>155-160>>162


【 ──── ミレーユ・ミスゲシュタルト=ストレーンは。████・█████は。その生涯において、ひどく分厚い他者への仮面を被って生きてきた。】
【それが彼なりの処世術であった。他者と関わりすぎない。その代わりに他者にも深く関わらせない。自身の内面を晒す行為に極端な恐怖を持つ人格性を持ち合わせていた。】
【であればこそ彼が"本気"になった経験はごく少なかった。否、一度たりとて彼は"本気"など示したことは無かったのかもしれない。人を殺す時も、人を助く時も、人を笑う時も、人を憎む時も。】
【それは夕月がロールシャッハに攫われた時でさえ変わらなかった。だから彼は最後の言葉を示せなかった。 ──── だが。だが。だが。だが。だが。】


                  ・・・・・・
                【《これはなんだ。》】



【転瞬、内臓が灼けるような感覚に苛まれる。】
        【脊椎から電脳まで閃光とも呼べぬ白い痺れを覚える。】
                【銑鉄を注ぎ込むような五感からの情報。】
                        【剥き出しの雷管をブチ抜いてくれる心優しい連続殺人犯。】
                                【 ──── 一歩、踏み越えてしまえば/後は、もう、もはや。】




     【然るに、それは問いとさえ呼べなかった。それでもなおクオリアが焼け落ちて、耳鳴りを抉ぐるような衝動を齎す。ならば】




                                                         ──── 死ねよ




【 ──── 抜銃さえ見えない、神速のクイックドロー。見開かれた青い瞳が病的な興奮を示す。獣のように荒い呼吸。跳躍する寸前で丸められて上下する背中。】
【リボルバーの弾倉に残っていた8発すべてを一瞬に撃ち尽くす。夕月を縛る縄を1発だけで撃ち抜き、 ──── 残りは全て】
【嵯峨野/ロールシャッハの頭部と胴体に全弾を叩き込もうとする。真っ当な人間なら原型も残さず肉片と化すジュール量。されど相手は"そうではない"のだから/然し、それでも。】
165 :ギンプレーン&ディー ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 22:19:38.59 ID:L9UjceST0
>>160
【ようやく姿を顕したロールシャッハ】
【しかしどうにもこうにも言っていることは要領を得ない】
【電波ジャックを成功させたいのなら予告などしなければ良かった】
【今も尚、能力者達を手玉に取り続けているその能力が有れば、いくらでも成功に導けたはずだ】

【しかも、最後には、自ら自陣を排除するようなやり方で。まるでチェスのフールズメイトのような指し手】
【だから全く以ってその真意が分からない】


【そして"真実"、"誤解"、"選択"】
【今までいくらかでも推測されてきた虚神に対する事実を、彼はネタ晴らしするとでも言うのだろうか】
【死への対抗神話と語る、その意味もまた話を裏打ちする】




【――が、"もしかしたら味方なのでは?"とそう思う者がいたのならば、それは次の瞬間に砕け散るだろう】
【流れて来た映像は酸鼻を極めるものだった】
【拷問に次ぐ拷問――言葉にならない絶叫。ただ苦痛を与えるためだけの目的のない残虐を幾重にも繰り返す】
【一体施行者はどんな神経をしているのか、疑いたくなるほどの光景がそこには有った】


【笑う男は、首を傾げているだけで、その表情には全く陰りがない】

【対して、ディーの方が映像から上がる悲鳴を聞けば、目が見えていないことに感謝すらするかも知れない】
【一応はエージェントとして非道な行いを自らも行っていた経験はあれども、それでもここまでの惨劇の声には、泣き出して吐いてもおかしくはなかった】
【それほどまでに過酷を極める映像であることを、ギンプレーンは頭では理解していたから、ディーの耳を塞いでいる】
【――それはディーへの優しさなどではなくて、彼女の抱いた恐怖がロールシャッハに利用されるのを防ぐためだ】


キミにはちょっとばかり刺激が強過ぎるよ、ディー。
これはR-18と言う奴サ。


【それでも、この二人に取って夕月は初対面の少女だった。だからこの程度の反応で済んでいる】
【ミレーユは――どうか?目を背けることなど決してできないだろう】


ロールシャッハ。
いたいけな少女が無惨に手足をもがれる様を見て、人間はシャーデンフロイデを抱くのかい?
確かに過去の彼女の動画をわざわざ観に行くような連中なら、そう思ってもおかしくはないけど。

大抵の人間は、そうはならない。お芝居ならともかく――いや、お芝居であってもやり過ぎると"引く"
見たくなくて忌避する、可哀想だと滂沱する、或いは遠い世界のことで良かったと割り切る。

その感情は様々で"ざまあみろ"なんて思うのは割と少数派だと思うのだけど。


【そういって、哀れな被害者の少女に視線を向ける】
【トラウマなどというレベルではない。呼吸すらままならないほどに、その心には亀裂が入ってしまっているように見える】
【ここまでズタボロなら、どこに転んだところでおかしくはないだろう】
166 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 22:20:20.42 ID:3gt90YRl0
>>162

き……聞こえるか、『冒涜者』…………夕月は、とりあえず無事だ……だが、これから、無事じゃなくなるかもしれない…………
今すぐに――――電波を、遮断させろ、どんな手段でも良い。物理的破壊でも構わない――――夕月の、――――ひどい映像が、世界中に、撒かれようと――――が、っ…………ッ
――――世界が、邪神によって、殺される事になる……急いで、対策を――――ッ!!

【――――血反吐を吐きながら、アルクは久方ぶりに『冒涜者』へ通信を飛ばす】
【このままでは、世界が危険だ――――それを理解して、そして彼女に、ただ目的は近い事と、それに対する対応を、そちらでも何かしろ、とだけ伝えて――――】

――――ゆ、夕月…………遅くなった。すまない……遅く、なり過ぎた、ようだ……
だが…………だが、もう大丈夫――――知ってるだろう……手前は、魔術師――――ぐ、ぉ…………

【夕月に目もくれず、ただロールシャッハを攻撃しようとするラベンダーをその場に残し、アルクはフラフラと夕月へと歩を進める】
【その距離は、遠い――――絶対的にではなく、相対的に。夕月の心を慮る言葉を掛けながら、満身創痍でゾンビの様に歩くその姿は――――その歩は、とても遠い】
【案の定、大して距離も積めない内に、その身体は膝を折ってしまった。血が口から吐き出される。血が首から溢れる――――それでも、アルクはただ夕月を見やる】

だ、大丈夫……だ――――この、糞くだらない悪夢は…………もう、終わ――――り、ッ…………

【杖を支えに立ち上がろうとして――――再び吐血、そして膝が崩れる。ただ一心に、夕月を助けようとしている事が、分かるだろうか】

【――――――――そしてその身体に、死がもう遠からず、迫って生きている事も】
167 :リゼ ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/11(土) 22:23:23.69 ID:LiB86Dn10
>>152 >>155-160

……やり切れないね。目の前で死んだひとの事、あては何も知らんけど。
ブラスフェミアとの間にあった因縁も、周囲を取り巻いた感情も何も知らないけど。

死後なんてものがあるんなら、どうか安らかで在って欲しいな。――おやすみネ。


【目を細め、リゼは眼前の魔女を悼む。死に際の"魔女"は"魔女"には見えなくて】
【ひとりのありふれた女性にしか見えなかったから。せめて違う形で会ってみたかったと感傷に浸る】


―――……ああ、そうだ。あてらは<harmony/group>を滅茶苦茶にしに来たんじゃ無かった。
「夕月ちゃん」とやらを救出する事が本題だった。……見渡せばあの上りの階段しかめぼしいものが無いね。

さてはて。誰か肩を貸してはくれないかなー、なんて。
肝心な用件を果たさないままに帰れないから。依頼人に約束したんだよね、必ず連れて帰るってさ。

【傷だらけのリゼ。満身創痍のリゼ。けれど、先に進む意志は未だ衰える事無く】
【よろよろと立ち上がれど直ぐに尻餅をつく事になる。それでも直ぐに立ち上がろうとして】
【―――暗転。突如として意識を手放す事となる】

【――】


づぅ、ぅああ……此処は何処だい?
―――……そうかい、アンタが嵯峨野鳴海か。随分と悪趣味なヤローだこと。
とりあえずそこの女の子を返してもらおうか、待ってる人たちがいるんだよ。


―――……ッ!!


【要求を口にしたのと同じタイミングで、目の前のモニターが光を灯す】
【灯された光が映し出すのは、この世の醜悪。凄絶な悪業。思わず目を背ける程に直視出来ない内容だった】

【目の前に広がる光景が人の許容を超えるとき。その時、人は言葉が出ない。強い感情から露となるのだろう】
【リゼの小さな身体はわなわなと震えて。煉獄の炎に身を焦がす様な錯覚さえ抱いたのは必然だった】

んだよ、これ。―――なんで、なんで、こんな酷い事を……惨い事をするんだよ。

……クソヤロウ。こんなモン見せ付けて、愉悦に浸ってご高説してんだッ!!
何で、何でッ!あんな事をして平気で居られるんだよッッ!ざっけんなッ、ざっけんなよッ!!
下らないことに振り回して、可愛い少女の心をぶち壊す楽しみって何だよ!!

そのコはアンタらの様なゲスの玩具なんかじゃないんだッ!!人の命を何だと思ってやがるんだよ!!

【静かな怒りはやがて激昂へと移行していく。裏社会に身を委ねていて尚、看過する事は出来なくて憤る】

【目尻に涙さえ浮かべて。それで居て嵯峨野鳴海を射殺すような尖りきった眼光を携えて】
【それでも尚足りなくて。深手を負ってかつ魔力が枯渇しているのにも関わらずリゼは微かな魔力を放った】
168 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 22:40:49.40 ID:45WdLXl90
>>154


「 ……… あら、失礼したわ。」「では、 ……… 柊、と呼ばせてもらおう、かしら。」
 「無論ながら構わない。私も、 ……… 彼女には礼を失した。」「助けてやる分の義理はなくとも、恩を売るのに吝かではない。」
  「 ……… この手の"人助け"は、慣れてしまっているしね。全く、誰の所為なのやら ──── 。」


【自嘲めかした微笑みと共に、 ──── ごく穏やかな調子で言葉を紡ぐのだろう。彼女は間違いなく冷酷な人間に違いなかった。】
【続く独白もまた柊のそれと同じように自己へ向けられる意味合いしか持たなかった。それで構わなかった。背に負う華奢な柔らかさは、矢張り、誰かの躯体に似ていて】
【然れども、 ──── そこでまた、世界は揺らぐ。忌々しく顔を歪めるも、ただ背に負う重さを、離さぬように握り締めていることしか出来ずに。】


>>155-160


「 ……… お前。」


【 ──── 場面は転換する。品格と清潔さに満ち溢れた瀟洒な社長室。眼前に坐する薄ら笑いと、吊るされた少女を理解する。】
【映される惨劇には、 ──── 青い隻眼を眇めた。見慣れていない訳ではなかった。自身の愛したあの子でさえ、このくらいの苦行は与えられていた】
【であれば、そこに宿るのは幾ばくかの義憤であった。負っている少女のからだが未だ有るのならば、アリアはそっと床に降ろして、そして。】



    「自分のやっている事が、どういう意味を持つのか、 ─── 分かってやっているのかしらね。」
    「私と、私の同僚と、その友人を嘲弄するのね。 ……… そう。ならば私は、お前を決して許さない。」


【そう雖も、 ──── 隣にいる"同僚"はもう、"どうしようもなくなっている"。なれば冷徹に思考できるのは彼女でしかない。】
【ギンプレーンたちの言葉に耳を傾ける。内心で確かに頷いた。それこそ燻製ニシンの虚偽に違いなかった。だからこそ、彼女は】


《 ──── 後藤さん。冒涜者。聞こえるかしら。》


【 ──── 耳小骨からの無声通信で、指揮車に残った2人へと連絡しようとする。このままでは、いけない。】
169 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 22:58:36.78 ID:L9UjceST0
>>ALL

「――――――――誰かッ!! 状況を教えてっ、僕の――――
 僕の『シグレ』はどうなってんの、今ッ!!! 誰でもいいから教えてよお、っ、――――――――」

【――――ザザザザザ。ひどいノイズ交じりに、通信機から女の悲鳴が上がる】
【「冒涜者」の声に間違いなかった。それで、きっとここに居る大半が知らない誰かの名前を呼んで】
【……それが彼女の。「夕月」の本名であるということ、誰か気付くだろうか。気付かないだろうに】
【そっちの名前で呼んでしまったのは女の落ち度であった。それくらいに、余裕が、なかったんだ】


>>163 >>166(アルクさん)

………………ぁ、ある、く、さん、アルクさん、アルクさんアルクさんアルクさん――――

【見知った顔があった。だから其方に目を向けた。だけどちっとも嬉しそうな顔はしていなくて】
【これ以上ないってくらいの恐怖に表情を引き攣らせていた。遅れて、身体がぶるぶる震えはじめる】
【そして名前を連呼するのに。何故か「助けて」なんて言わなかった。……ただ名前を呼ぶだけで】
【彼の容態を心配するほどの余裕なんてもうどっかに吹き飛んでいた。だから、ただ、名前を呼んで――】

「…………聞こえた、全部理解した!! クソがっ、……ていうかあなたっ、…………ああもう!」

【通信機の向こう。冒涜者がほとんど悲鳴のように応答して――此方はアルクの容態に気付いたらしい】
【けれどどうすることだって出来やしない。せめて近くにいたなら、冒涜的なやり方でも――なんとか出来たんだろうか】


>>164(ミレーユさん)

【銃声。ぶつりと切れる縄。それで少女――シグレはぼたりと地面に墜ちて】
【座り込んだらそのまま――――自分で自分を抱きかかえるようにして、ずっと、震えていた】
【がくがく震えてもはや焦点すら合わない赫色が、ずっと、ミレーユだったものを見ていた。見ていて、】

…………………………やだ、やだよもう、やだやだやだやだやだ………………

【――――それも逸らしてしまう。上体を丸めこんで、地面しか見ないようになって、――涙をこぼすばかりになる】


>>165(ギンさん) >>167(リゼさん)

【少女、シグレはもう何も言わない。ただ地面にへたり込んで、がたがた震えるばかりの生き物になって】
【――――同時に思わせるだろう。「こんなものが、神様になれるのか?」という疑問】
【その通りなんだった。ここまで「人間みたいに」怯え切った彼女が、神に成るためには――何かがきっと足りてない】


>>168(アリアさん)

「…………聞こえてる。それで、…………なんとなく、ちょっと、……安心してる自分がいる。
 『僕の予想』とは外れっちまったからね、『いいほう』に。ねえ、このままなら多分――――」

「――――――――あの子は。シグレは、『このままなら』きっと神様になんかなれない。
 だからちょっとだけ安心しちゃった――まだどうなるかは、ハッキリとはわからないけど」

【――――言い切る形で「冒涜者」は言った。多少の落ち着きを取り戻したような声色だった】
【それくらいの確信があった。何故と問われれば答える、「だってあの子、■■が■■だもん、どうしようもないくらい」】
170 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 23:05:41.92 ID:LFuJXPHDo
>>162(夕月)

【ロールシャッハは柔和な笑みを携えて、直ぐ側に吊られた夕月を見やって】
【うーんと少し考えたなら、ねぇねぇと声を掛けるだろう】
【親しい友人同士でする戯れに似ていた。その実は根本から違うけれども】


夕月ちゃんはさぁ、どの無くし方が一番好きかな?
ミキサーに掛けてドロドロのジュースにしたやつ? あの後ちゃんと全部飲めたの偉かったね
自分で竈に突っ込んで溶かすやつも良かったよね、ただ夕月ちゃんビビりすぎだってー

プレス機に掛けてぺらぺらにしたのは傑作だったよ、なんか凄く化け物みたいでさ
きつく縛って壊死するまで待つのはあんまりかなー、ぱんぱんに腐った四肢は見物だけど
初心に戻ってチェーンソー使ったときはさ、泣き叫んで大変だったね


【つらつらとロールシャッハは述べる、永劫に続くほどの内容を】

>>163(アルク)

【投擲されたチャクラムを、ロールシャッハは回避しない】
【まるで虚空にぶつかったかの如くすり抜けた、やはり今現在実体はないのか】
【だとすれば、恐怖の実体とは何か────最早哲学的な問いである】


いいね、その感情────シャーデンフロイデではないけどさ
それは多分キミ達が、そう感じられる経験を持つからこそ、なのかな
いいよ、納得するまで何万回も僕に危害を加えればいい

────そうして納得したなら、僕は更に強い認識を得る

>>164(ミレーユ)>>168(アリア)

【乱舞する銃弾の群れ、ロールシャッハへの弾丸は全てすり抜けるが、夕月への一撃は成功するだろう】
【縄は撃ち抜かれ地面へと夕月は落下する、ロールシャッハはそれを観察して】
【ふぅん、と興味深そうな声を漏らした、その相手に対し】


あはは、死ねよって────それ僕じゃなくて、ジャ=ロに向けるべきでしょ?
それにさぁ、恐怖が死んでしまったら、その後の世界なんてつまんないじゃない
スリルを感じるからこそ、現在の人生の喜びを知るって、キミ達はよく言うし


【アリアが負っていた少女の身体は消えていた、どうやらまだ相応しくないと伝えるかの様に】
【ロールシャッハはアリアの陰謀を見抜けるのだろうか、とってつけたような笑顔の仮面】
【そこからはやはり、どんな感情も読み取れない】


────分かっているよ、全ての行いはキチンと僕のシナリオ通りに進んでいるし
大丈夫大丈夫、ネタ晴らしだろう? もう済んだ分のやつはちゃんとするから
だからあんまり焦んないで欲しいな、物事には順序があるから
171 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 23:05:59.37 ID:LFuJXPHDo
>>165(ギンプレーン)

【ギンプレーンの問いかけにロールシャッハは満足げに頷くだろう】
【それは期待通りの反応をした生徒に対する教師が如く、そんな振る舞いを見せて】
【素晴らしいと言う代わりに拍手を送る、大きくもう一度頷いて】


多くのニンゲンが薄く持つ感情も、少数のニンゲンが深く持つ感情も
その両方も十分に価値があると僕は思うな、ニンゲンの心理に掛けては少し詳しいからね
だから1000人に1人でもいれば十分さ、奇特なニンゲンってのは、凄いから

きっと彼は感動して、何度も何度も見るだろうね。その度に高まっていくとすれば
そうだね、悪い投資じゃないだろう? 少なくとも、シャーデンフロイデは強くなりうる

>>167(リゼ)

【きょとん、とロールシャッハは不思議そうな表情をする、それはあまりにも】
【────そう、あまりにも真っ直ぐな反応であったから、正面に向けられる感情】
【それを彼は解する事が出来なかった、何処までも澄んだ瞳で】


ヒトじゃないよ、とっくの昔に死んでて、何処かの科学者に生き返らせてもらって
その時僕達がちょちょいと細工して、僕達のお仲間になっちゃうようにしたんだ
だから良いよね、動物の解体ショーなんか毎日行われてるでしょ?

それが豚か、見た目は女の子の化け物かの違いだろう、本質は変わりなくて
僕はこんな動画を見て催す様な存在でもなくて、うん、どちらかと言えばそれは副産物でしかない
僕が好きなのは恐怖、美しい感性の持ち主が紡ぐ、無上の恐怖がお好みだから
172 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 23:06:15.35 ID:LFuJXPHDo
>>ALL

【それぞれに言葉を返し終えたならロールシャッハは壁を指差すだろう】
【そこには時計があった、示すのは時刻────まだ予告時間には早いが】
【役者が揃うにはもう少しかな、なんて言いつつ言葉をつなげる】


さて、予告の時間までもう少しになったかな、──── じゃあさ、一つ教えてあげよう。
僕は "電波ジャック" をして、さっきの夕月ちゃんの映像を全世界に公開する。
そうしたなら、あの子の中にいる "シャーデンフロイデ" は爆発的に成長するだろう、その感情を糧にして

それは即ち、新たな『INF-007』──── "シャーデンフロイデ" が誕生することになる
キミ達はそれを防ごうとしているんだろう、それも大丈夫、理解できる

──── そしてその上で、キミ達は破滅的に間違っていると伝えよう

『INF-005』──── "ジャ=ロ" 何人かはさ、彼を知ってるんじゃない?


【突然飛び出してきた名前、幾人かは聞き覚えがあるだろうが、そうじゃない人間も多い】
【けれども、INFという文字の羅列から、どうやら化け物の仲間らしい事は伺えよう】
【ロールシャッハは続ける、自身と同じ、虚神の名前を引き合いに出して】


彼はどうしようもない存在なんだ。出現そのものが規格外だから
故に僕達もまた、彼をどうにかしなきゃいけない、その為の手段を講じた訳だ
──── "虚神" を殺す "虚神" ──── 分かるでしょ?

夕月ちゃんに、立派なシャーデンフロイデになってもらって、その力でジャ=ロをぶっ殺そうって事
良い考えと思わない? ジャ=ロが目的の為にシャーデンフロイデを利用するのは分かってたから
その前に少しだけ細工をしてさ、使えそうな駒に仕込んでおいたのさ

ニンゲンを見習ってプロデュースしてみたけど、中々上手くいくもんだね
だからキミ達は、僕の目論見を達成せざるを得ない、──── それが、ジャ=ロを殺す、唯一の手段だから
173 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 23:11:23.99 ID:45WdLXl90
>>153


                         「 ……… 助けてやるさ。」
「まともじゃねェ公務員には二種類の人間しかいない。」「悪党か、正義の味方だ。」


【その横顔は凄絶であった。 ──── 薄ら笑いの仮面はどこにもなかった。彼の本当の表情を知る人間は、ごく少ない。】


>>168>>169

「 ──── なら、奴は」「その箍を外そうとしない訳がない。」
「幻覚だの現実改変だのってのは奴さんの十八番だ。このまま易々と彼女を助けさせてくれる筈はないよね。」
「どうするリーイェン。あまり使いたくはない手だし焼け石に水だが、先にこっちが放送を乗っ取ってしまえるかい。」


【手元の端末に今一度だけ指示を出す。 ──── 最終ひとつ手前の手段ではあった。しかし。】
174 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 23:15:49.25 ID:LFuJXPHDo
>>173(ゴトウ)

【リーイェンの反応は素早いだろう、隣の家でも見てくる様に画面に出現して】
【いつもの仏頂面を保ったまま、後藤の発言に対して肯定する】


どの規模のジャックを求められてるか知らねーですが、行けと言われればいつでもいけるです
電波塔とかを抑えられたり、電気の通電がストップしねー限りは
好きな時間、好きな映像を流し放題でごぜーます。

──── ただしサクリレイジも公安三課も表沙汰に出せねーですから
外務八課としてか、ただの公務員としてかはわからねーですけど

後藤が責任を取るのは、必要でごぜーます
175 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 23:20:15.94 ID:L9UjceST0
【――――――――きっとそれは、少女・シグレが、あんまりにも弱っちい少女だから】
【起きてしまった「奇跡」か、あるいは「失敗」だった。あまりにも簡単なことだった】

【彼女はとことん弱かった。苦しい現実から逃げ続けて、夢の世界で生きていた少女だった】
【そんな少女を甚振り続けて、得られるものってなんだろう。世界を変えたいって、思うキモチ?】
【あるいは世界のすべてが憎いと思うキモチ? ――――――――違うんだ、どっちでもない】


【 彼女は。シグレは。なにもかも諦めちゃった、もう、自分は幸せになれないんだって 】
【 世界なんか変えたってどうにもならないって思ってしまった。そんな子が、神様に、なれると思いますか? 】


【――――――――、】



>>170 (ロールシャッハさん)

……………………やだ、やだよもう、……もうやだ、無理、
もう無理です、おねがいします、あたしには、もう、無理です……むり、
できない、むり、いやだ、やだ、やだやだやだやだやだ、………………、

【――――――――、】

【地面に額を擦り付けるようにして泣き続ける少女。……見て、ロールシャッハは気付くだろうか】
【彼女の心はもうすでに、世界に向き合うだけの気力が残っていないということ】
【だとするなら、……世界を変えてまで自分を救いたいとか。自分を嘲笑う誰かを殺したいとか】
【そういう気持ちすらも「殺してしまった」。…………その「失敗」に、気付いてしまうだろうか?】


>>173 (後藤さん)

「………………、いや、このままだったら。助けてもらわなくてもいいかもしれない。
 だってもう、シグレが『死んでる』。死んでる子は神様になんかなれないでしょう?」

【――――「冒涜者」はいつの間にか顔を上げていた。前を向いていた。ビルを見据えて】
【ふ、と短く息を吐く。いくらか気を取り直したらしい――――それで、】

「……ねえおじさま。賢いおじさまならご存知かな、……『学習性無力感』ってヤツ」

【問うのはそんなことだった。なにかひとつ、確かなものを手に掴んだような顔をして】
176 :ギンプレーン&ディー ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 23:23:11.09 ID:L9UjceST0
>>172
【ロールシャッハの言葉に笑う男は苦笑いを浮かべた】
【そう言えばボスもミームには深さが有って、どうでも良い大多数の人間よりも強い感情を持った少数派の方が世間に浸透するケースが有ると言っていた】
【虚神の言葉はそのまま通じる理屈では有ったから】


ジャ=ロがそれで死んだとして、シャーデンフロイデが代わりに世界を滅ぼすんじゃ変わらないんじゃないのかい?
大体それでジャ=ロを殺せるかどうかも分からない。ボク達からすれば単純に脅威が一個増えるだけだ。

防ごうとして間違いはないと思うよねえ?
そしてキミは?まさかこの世界のために、ジャ=ロを殺しましょうとか考えてるとしたら、そりゃあもう胡散臭い。

ボクも相当胡散臭いとか言われる方だけど、それでも勝てない。


【笑う男の質問は簡潔だった。恐らくはロールシャッハはそれに明確な回答を持っているのだろうから、話を引き出すことそのものが目的だった】
【同時にそれは"答え合わせ"でもある】


そもそもその目的が"世界のため"だって言うのなら、ゴーストライターみたいにこっちの人間に協力を求めれば良かったんだ。
仮に可哀想な少女一人を犠牲にしたとしても手伝ってくれる人なんていくらでも――



【そこまで言いかけた"笑う男"の言葉を、後ろの少女が引き継ぐ】


そこで――<harmony/group>と言うことですか?
177 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 23:27:14.36 ID:3gt90YRl0
>>169

(――――レグルス……君も……ソニアを助けようとした時、こんな心境だったか……? 手前に恋など、絶対にありえんが……
 こうも誰かを、慈しむなんて――――驚きだ、本当に――――)

【大量出血で朦朧とした意識の中、アルクはふと場違いな感慨にふける】
【――――助けなければ。そう強く思った誰かがいて、その為に、ボロボロの身体を引きずって――――まるで、気持ちはわかるが馬鹿な事をしたと、そう頭を痛めていた『相棒』と、同じ事をしている】
【――――本当に、今死んでも後悔は無いかもしれない。今死んでも――――自分には、絶望など、無いと言い切れる――――】

――――やかましいッ!! ごふ……っ――――拘束されている、だけだ…………今はな。だが、精神的に追い詰められて……
そちらは……そちらのやる事を、為せッ!!

【耳から響いてくる、切羽詰まった『冒涜者』の言葉に、アルクは血を吐き出すように――――実際に、血を吐きながら、怒号で答える】
【今の状態も何もないのだ。ただ助ける、それだけがある。――――電波ジャックの件はともかく、夕月の――――シグレの精神状態は、すぐに整えなければ手遅れになりかねない】
【だからこそ――――己を顧みずに。余計な横槍を入れるな、と――――】

――――大丈夫だ。……手前の事は、大丈夫……君は、ただ……君自身の、事を……考えれば良い……君自身を、救えば――――っぐ――――――――!
……助けを――――呼んで、良いんだ…………

【1歩。ただの1歩。それだけでアルクの身体は死に向かい始める――――それは、同じ事なのかもしれない】
【夕月を助けようと進める歩は、そのまま死へと向かう歩となる。だが――――なんて、誇らしい死に方になるのか。アルクは、そうとしか思わなかった】
【これ以上無茶を重ねれば、本当に死は顔を覗かせる。だが、それならそれでも構わないだろう――――】

(――――どうか、届け……)
――――スー(水)・ログ(浸食)・ラー(心)・ザン(レベル3)――――『リラクゼーション』

【距離は遠い。だがアルクは、頽れながらその手を夕月へと伸ばして――――青い光を投射する】
【精神的ダメージをケアする、水の力の青い光――――これだけは、なんとしても、夕月に与えなければならない『救い』だから】
178 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/11(土) 23:27:31.14 ID:3gt90YRl0
>>170>>172

「――――貴様ぁぁッ!!」
ら、ラベンダー……無駄を、するな……ッ

【投擲したチャクラムは、虚空を切る。これはまるで、あの『工場』の話を聞いた時の様だ】
【激昂するラベンダーに、咄嗟にアルクは制動をかける。ここは、無駄に消耗しても仕方がない、と】

「――――ジャ=ロ――――アーディンさんが持ち帰った資料にあった、虚神の名前――――!」
あ、あぁ…………っぐ

【ロールシャッハの語る名前は、確かに彼らの記憶にあった――――かつて、虚神の世界へと足を踏み入れた獣人が、この世界に持ち帰ってきた資料の、名前】
【――――『死』そのものの、力を司る虚神。――――それを潰すために、シャーデンフロイデをぶつける?】
【――――ようやく、理解した。新たなるシャーデンフロイデを生み出す、その媒体に、この少女――――夕月、またはシグレは、使われたのか――――】

「――――馬鹿馬鹿しい。それでは、いずれにせよ、私たちの破滅は変わらない。だったら貴様らも破滅すればいい――――シャーデンフロイデなんて、消えてなくなればいいんだ――――」

【チャクラムを格納しながら、ラベンダーは鼻白む。何が破滅的な間違いか――――虚神達が何を言おうが、その先にあるのは現世の破滅】
【――――『死』を操ろうとして、それに飲み込まれた、虚構現実と、何ら変わらない結末が待っているだけだ】
【ラベンダーは、ハッキリと『否』を突き付けた。そんな理由での、この電波ジャック、認める訳にはいかないと――――】



>>169

「(――――仕方がない)」
「――――『冒涜者』さん――――『例の方法』、教えてください――――最悪の場合、私が――――実行します。時間がない――――」

【隣のアルクにすら感づかせないだろう声量で、ラベンダーは『冒涜者』に連絡を入れる。最後の手段、シグレの殺害――――それを視野に入れる。だから方法を教えろ、と】
【このまま、身勝手と共に世界を踏みつぶされるくらいなら。ラベンダーは、『兵器』として、冷徹に、そう判断したのだ】
179 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/11(土) 23:29:56.58 ID:eTsXiPuF0
>>168

…………ありがとう、――――――――……。

……縁があったら、その“誰か”にも逢ってみたいわね――――ッ……!?

【兇器と銀狼、彼女らにはあまりに穏やかなやりとり。感謝は、言葉数こそ少なかったが重く、】
【それ以上を――――変容し混濁する世界が、闇を以て阻んでいった】


>>155-160

【余計な過程は思考にも挟まない。強いられた痛苦、泣き叫ぶ声。そして、元凶たる虚神と、苦しめられた少女――――――――、】

つくづく……人を歪めることと、嘲ることばかりが上手いのね、ヒトの姿を装う虚神は――――。

貴方の様なただの歪みが何をしようと、その先に勝利はきっとない。
だって――――あなたには、自分が“何者か”だなんて答えは何もないでしょう?

【かつて財団が付けた名からの推測は、幾度かの闘争を経たからこそのものでもある。返答など、一切期待しないままで】
【カチューシャに停滞≠再度行使、戦況の混乱を抑制。必要な手順を続行――】
【美醜、善悪、有形無形。そのすべての秤から外して、純粋に破壊力としての自己を再定義。突き抜けた激情は、兇器としての完全な鋭さを取り戻させた】

【無為であると刻もうとすればするほどに。この劫火は、それを許容せず熱量を増大させてゆく】
【そして全員を招待したあの現象は、未行使のまま、対・世界たる死滅の火を此処に在らしめている】
【それを容れる肉体(うつわ)は、恐らく決壊の寸前だ。だからこそ、軽々に抜き放つことは無く耐えて、】

【  見に徹した。それこそが喉元に兇器を突き付け、掻き切り所を理解すれば、実践するという状況に他ならないのだから】
【真にロールシャッハがシャーデンフロイデの新生を果たせるのなら――――複数のチームが手を拱いて、放送を許す状況を持続させる理由とは何か?】
【報道の自由を問うなど、殺人さえ厭わぬ理からすれば奇妙なだけで。テロリストの仕業にでも見せかけたなら、不都合なモノすらもありはしない】

【或いはロールシャッハがその性質を以て、望む状況を作り上げるからだとしたら――それは如何なる理に基づいたものか――――、】
【柊は、もはや虚神ロールシャッハをただの現象としか捉えていなかった。心を操り、他者を狂わせ。そうして都合のいい状況を生むだけの、虚構の影――】

【冷徹な観測者に徹させたのは、夕月に行われたあの拷問で。――ならばこれは、ただの、欠落を持つものの自滅であるのかもしれない】
【そこを狙うため放てる機会は、恐らく一度だけ。だが、だから何もできないかと言えば、それもまた否だった】


>>162>>169

……貴女に言える言葉なんて、私には何もないけれど。
……休みたいなら、それだけ伝えて。もう……誰にも、二度と傷つけさせないために力を揮うことはできるから。

【……遂げられるかどうかは、別の話で。そうすべきかも、また然り】
【ゆえ答えは、別の、誰よりも紅い少女を知るはずのひとりへと向けられる】

冒涜者に聞きたいけれど――――ここで彼女の時が停まることは、何か不都合を生む可能性がある?
最悪、変容だけは阻害してみせる――――……あの子も、“彼女”も――――虚神の狂った理に、私は、二度と利用させてやりたくなんてない……‼

【夕月と、夕月以外の誰か。何れをも、あんな悪意に利用され尽くすことは許せない、と――――】
【時戒の宝玉の力に、己が命さえも託す重みを以て。悪意を喰い亡ぼすための悪意が、相性差を、此度は己がものとして虚神を憎悪した】
【冒涜者が促すなら、柊は大出力の停滞≠夕月へと行使する。それで、計画を狂わす一手は成るのかも知れず】
180 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 23:29:57.60 ID:LFuJXPHDo
>>175(夕月)

【──── その感情を内面に向ける作用を、ロールシャッハは理解できなかった】
【ふむ、と少しの思案が広がる、数多の精神を見ても尚、ニンゲンの多様性は分からない】
【けれども傾向と分類分けは可能であった。──── それが故の、"ロールシャッハ" 】


ふぅん、無理かぁ、普通のニンゲンだったらさ、悦んで神様を目指すのにさ
とことん変わった子だね、──── でも、今時の子はみんなそうなのかな

────"ウヌクアルハイ"の主格になった、白神 鈴音も、そんな子だったしね


【自己の欲求が第一に来ない存在、そんな希有な存在は、少ないが見た事があった】
【神様の先駆者、白神 鈴音、──── ロールシャッハが知らない理屈は無かった】


夕月ちゃんがシャーデンフロイデになるって事は、同じ虚神のウヌクアルハイにアクセスする手段を得るって事なんだ
それはつまり、キミが大切にしている、白神 鈴音を、ウヌクアルハイから取り戻せるって事だけど

──── それでもまだ、神様になんかなれないかな


【落とした言葉は小さな波紋、漣が広がるかどうかも、分からない】
181 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/11(土) 23:32:16.73 ID:45WdLXl90
>>169>>170>>172


「 ──── しぐれ」「シグレ、っ」「 ……… イヤだよ」「そんなの嫌だ」
「キミは幸せになるんだから」「幸せにならなくちゃいけないんだ」「だってそうじゃなかったら」「 ─── そうじゃなかったら」
「あんまりじゃないか。そんなのって、あんまりに、 ──── あんまりに。」


【 ──── 銃なんて捨ててミレーユは駆け出すのだろう。許されるのであれば、少女/夕月/シグレの側に跪いて】
【分かっていても抱き締めようとするのだろう。甘い匂いがした。血の匂いがした。肉の焦げた匂いがした。硝煙の匂いがした。彼はそういう人間だったから。】


「不快ね。」「その男の名前を出さないでくれるかしら。聞くだけで虫唾が走る。」
「随分と偉そうな口を利くじゃない。」「では虚飾は死んだかしら?」「輪廻は?」「色欲は?」「皆な残ったままでしょう」
「 ──── 世に悪徳の種は尽きまじ。貴方たちは神なんかじゃない。神の力に遣えるだけの、憐れな僭主でしかないわ。」


【 ──── あくまでもアリアは云い捨てる。どこか覚悟さえ決めていた。ならば沈黙は、続く言葉を促すように。】


>>174

「やってくれ。」「都市区画の電源を丸ごと落としても構わん。」「衛星放送も潰せ。」
「 ──── なァに、こういう時の為に下げる頭がぶら下がってるのさ。」「宜しく頼むよ。」

【対して後藤は、 ──── あまりにもあっさりと、そう言い切る。表情一つ変えなかった。剰え戯けるような笑いさえ見せて】
【それが彼の彼たる所以なのだろう。剃刀の刃は己の首さえ、必要とあらば容易く掻き切る。】

>>175

「救いようのないパブロフの犬についての話だろう。」「 ……… ウチの馬鹿がそんくらいで諦めるタマでもなさそうだがね。」

【 ──── それ以上、彼は言葉を続けなかった。あくまでも事態の成り行きを、加速する終幕までの演奏を、逃さず知覚に納めるように。】
182 :リゼ ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/11(土) 23:39:29.71 ID:LiB86Dn10
>>171-172

下衆な輩の分際で、人の定義を語るんじゃねえよッ!
そりゃアンタらみたいなヒトデナシには豚も人も同じにしか見えないだろうよ。

だけど、人には心があるんだ。アンタには無いヒトの心ってやつがッ!

たとえ生きる死人だったとしてもバケモノだったとしてもッ!!あてから見ればヒトだッ!ヒトなんだッ!
そこで怯えてる女の子と動物と同列にモノを語るなッ!!それ以前に、ヒト云々を語るんじゃねェ!!

【透き通った瞳は、リゼを焦がす煉獄の炎を更に強くして。緑翠の瞳に度し難い怒りを浮かべた】
【激情に身を委ね続けて言葉を勢い良く叩きつける。後半部分は最早子供の駄々と何ら変わらない】

【魔力が尽きたのなら、直接殴りかかればよい。リゼはふらふらとした足取りで嵯峨野へと近づいて】
【鉄扇で思いっきり叩いてやろうとした矢先――】


何いってんのか全然わっかんない。そんなのアンタの勝手だろうが…っ!
夕月ちゃんが神さまにしてくれだなんて、そんなの言って無いんだろうが……っ!

―――もういい。これ以上口を開くな。言葉を口にするなよ、聞くに堪えないんだよ……。

【――嵯峨野鳴海の形をした何かを理解する事を放棄した。最初から理解しようとも思っていない】
【今は夕月を助ける事へと意識を切り替えた。――激情に染まった意識に振り回されながら】
183 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/11(土) 23:46:05.74 ID:L9UjceST0
>>177-178 (アルクさん・ラベンダーちゃん)

「………………いや、ちょっと待って、お嬢さん。『今のまま』なら、あの子は神様になんてなれやしない。
 だから、ロールシャッハの野郎が何かしでかさないかだけを注意して見守ってほしい。……どうか、」

【ラベンダーの問いに、しかし冒涜者は答えを返さない。シグレはもう、神様になるだけの気力なんてないから】
【だからそれを復活させないようにロールシャッハだけ見ていてくれ、と。それだけ伝えて――沈黙する】

……………………アルクさん、アルクさんもういいよ、アルクさんがやすみなよ……。
あたしもういいの、わかった、あたしに世界は変えられない……。そんな力なんてない……。
……、……だから、……アルクさんが死なないでよ。鈴音とちゃんと仲直り、してよ…………

【沈黙が続いたその先で。アルクの術を受けたシグレが、か細い声でそう言った。何もかも諦めた声色だった】
【だからせめてあなたに死んでほしくないだけだと伝える。伝えて、それで――自分は「しにたい」とか、口にするんだから】


>>179 (柊さん)

「…………いや。大丈夫。や、大丈夫ってわけじゃないんだけど…………
 シグレに関しては『もういい』。ロールシャッハにだけ、注意を向けてほしい」

【その通り、シグレの心はもう死んでいるんだから。放っておいていいと言うのだけど】
【それを甦らせようとするかもしれない、ロールシャッハにだけ注意をしていてくれ。それだけ指示する】


>>180 (ロールシャッハ)

【――――少し前までの少女なら。きっと尻尾を振って飛びついただろう、その単語】
【けれどそれにもさしたる反応を返さない。だって「喧嘩別れ」していた、ロールシャッハの知らないうちに】
【鈴音とはもう会っていた。それでもう決別していた。なら、】

…………………………いい。もう、いらない。鈴音、……きっともうあたしのことなんか、嫌いになった。

【――――言い捨ててしまうのだ。何もかも諦めちゃったから。だからもう、――――】


>>181 (ミレーユさんたち)

……………………むりだよもう。もう無理、あたしわかった、わかったからもういいよ、
ごめんね、ごめんねミレーユさん。あたしを幸せにしてくれようと頑張ってくれたんでしょう?
でも――――もう全部無駄だって、わかっちゃった、から。……もういいよ。もういいの、…………、

【 「しにたい」 】

【ミレーユの腕の中で彼女はそれだけぽつりとつぶやいて。完全に沈黙してしまうのだろう】
【あのときと違って四肢があるのに。抱き返そうとしなかった。それはもう、……完全に、心が死んでいたから】

「そうそう、そゆこと。それで諦めないっていうのもわかるよ、だってそういうものだもん、『恋』って。
 よーくわかるからさ…………今回ばかりは僕らの勝ちになるかもね。なんにもしなくたってよかったんだ。
 だってロールシャッハには、シグレに対する『感情』がない。けれどこっちには――あるんでしょう? あの人には。」

【冒涜者の声には――――喜色すら混じっていた。笑っていた。恋する少女の横顔をして、外を見ていた】




>>ALL

「わかったかロールシャッハ。絶望に塗れた少女――シグレの世界を革命するのは、おまえじゃない。
 おまえの負けだ。何故かって? ――――――――感情が足りてねェんだよ、てめェにはよ。」

【誰かの通信機越しに、冒涜者は、そう言った。】
184 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 23:53:40.17 ID:LFuJXPHDo
>>176(ギンプレーン)

【ギンプレーンの言葉にロールシャッハは興味を持つ、一貫したロジックがそこにはあった】
【ロールシャッハの言葉は何処までも甘言でしかない、その中身はとても、食べられたものではない】
【けれども同時に、存在していると言う点では確かであった】


あはは、言うは易し、僕からは言い返す理屈は無いよ。
僕は只提案するだけだから、そうあってくれれば良いなと思うだけだ
それともキミ達は、何か画期的なジャ=ロの殺し方でも思いついた?

──── いいね、中々鋭いよ、そっちの女の子もね
ただ、"順番が違う" ──── 卵が先か、鶏が先か、どっちだと思う?

>>178(アルク)

【ロールシャッハはラベンダーの感情を興味深く見つめていた】
【それはあまりにも達観していた、そして何処か傾きすぎて】
【同時に、──── 深い闇すらも内面に内包する、危うき天秤】


嗚呼、その通りだね、ニンゲンはみんなそう思っているよ、醜い感情なんて見ないふりして
でも、存在しているんだ、それはどうしようもなく、感じてしまう────
哀しい精神の作用だから、キミ達は従うしかないんだ

>>179(柊)

【ロールシャッハはその存在を認知していた、シャーデンフロイデの好敵手】
【そして同時に、人類で唯一、シャーデンフロイデと和解せしめた存在と】
【冷静であった、観察の中に乱れは生まれず、ただ静謐を保つ】


鋭いね、その通りだよ。僕は何者でもないし、何者でもある。
僕の二つ名が全てを示す、僕の本質は仮面なのさ、不定形の仮面
見る者によってそれは姿も形も変える、それ故に醜悪でもあるから
185 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 23:54:00.08 ID:LFuJXPHDo
>>181(ミレーユ、アリア)

【ミレーユの行いにロールシャッハは口出しをしない、それは流れに大きく影響はしない】
【同時に行動の理由も介せなかった。彼はただ、感情の表層をなぞるだけだから】
【アリアの吐き捨てる言葉に返信することだけ、それを愉悦と評した】


あれ、彼が何かしたかな。僕、あんまり細かい関係性までは分かって無くて
そういやジャ=ロがお熱だったニンゲンの娘がいたよね、──── 名前までは知らないけど
────、成程、中々鋭い指摘だね、帰納的な考えとしては悪くない

けれども、例外を考えなきゃいけない、どうして僕は此処までニンゲンに親しいと思う?

>>182(リゼ)

言うに事欠いてヒトの心かー、それは "心外" だな。僕に限ってはちゃんと持ってるよ
何故なら僕は "恐怖" だから、恐怖なんてニンゲンの心理に精通してなきゃ分からないでしょ?
僕は数多の精神と心理を見てきた、だからこそ、心の仕組みについて深く理解している

そんな僕が心を持ってないだなんて残酷な言葉、良く言えたものだね
キミの方こそ、心を持ってないんじゃない?


【良く回る舌であった、ニンゲンの感情について、一端に語ってみせる】
186 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 23:54:18.64 ID:LFuJXPHDo
>>183(夕月)

【────響き渡るブラスフェミアの勝利宣言、そして夕月の反応】
【想定外であった。電波ジャックを仕掛け、シャーデンフロイデを再び作り上げる】
【この状況では、その行いに意味は無かった。──── やれやれ、と溜息をついて】


成程、こんな時にニンゲンは絶望の一つでもするのかな、今の段階では僕は手詰まりさ
電波ジャックは必要なくなった、或いは "後回し" にしようか
ならば僕は最後のカードを切ろう、此処に於いて全ての意味になる

──── ワイルドカードなんて興が削がれるものじゃないよ、飛びっきりの切り札さ
187 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 23:55:38.79 ID:LFuJXPHDo
>>ALL

成る程、それがキミの選択という訳だね。──── 全く持って理解できないけども
ああ多分、それは理という感覚が、僕とキミ達とで根本から違うのだろうね
だとすればすり合わせる必要も無く、僕は一種の納得を以ってして、全てを受け入れよう

けれども、このまま終わるのは脚本家の名折れさ。──── 原初の謎解きをしよう。

キミ達は最初に違和感を持った。今日じゃない、本当の最初さ、そうあって然るべきなんだ
しかし、それを忘却してしまった、その作用を誰も責められない、精神とはそういう仕組みだから
故に思い出す必要があるんだ、最初に覚えた違和感こそが、最初で最後のピースだ


【ロールシャッハは人差し指を一本立てる、演技の様な仕草で、能力者達に誇示する】
【それは褒賞とでも言うのだろうか、だとすれば何処までもふざけた脚本家と言わざるを得ない】
【否、──── 虚神達の本質とは存外に、これらの種類に似ているのだろうか】


どうして『財団職員へのオリエンテーション』には、情報が欠けていたと思う?
"禁書" に関しては当然だよ、ジャ=ロの出自的に、存在し得ないものであったから
けれどももう片方は違う。キミ達は違和感を覚えた筈だ、そう、どうして────


────『INF-004』が存在していないのか


【 "虚神" について記された『財団職員へのオリエンテーション』そこに描かれた名称の一覧】
【確かにそこには『INF-004』が存在していなかった、唯一その情報だけが欠けていた】
【ロールシャッハは嗤う、こんなにも明らかにしていたのに、と】

"情報を持っていなかった" から? ううん、だとすれば数字を詰めれば良い。間を空ける必要など無い
況や僕達の性質を知っていたなら余計にね、空白を生むことにより、それは新たな認識を生むんだから
だとすれば答えは一つ "記せなかった" ──── と、そう、その帰結に至る筈だ

【悪戯っ子の様に頬を綻ばせて、目尻を歪ませて嗤う、嘲笑の声が聞こえるほどに】
【ねぇ、と親しげに続ける。──── 友人にでも話しかけるみたいに、愉快な話だと言いたげに】
【ニンゲンを小馬鹿にしきった態度、それは何処までも醜悪であった】


キミ達が "絶頂" するのはどんな時だろうか、そんな下賎な意味じゃないよ、読んで字の如くさ
きっと其れは完成に至った時、キミ達の喜びは果て無き頂へと駆け上るんだろう
だからこそ其れ以外の時分は、最早 "絶頂" では無く唯の蛇足に過ぎない。

そう、未完成なモノは完成されなければならない。しかし、完成されたものは最早絶頂に値しない
故に未完成となり、永劫に完成される事は無い。欠落した報告書は、その状態のままでしか存在できない。

万物は "彼女" の手によって絶頂に導かれるだろう。けれども────




            "それは泡沫の絶頂に過ぎず"

                Adyeshach

               
                『INF-004』





           
               "エカチェリーナ"
188 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/11(土) 23:56:05.04 ID:LFuJXPHDo
>>ALL



   【──── 其れは永眠の作用に似て、】



【硝子細工、織り込まれた形態は幻よりも荘厳で、夢現の境目に君臨する】
【絵画から抜け出して、数多の叙事詩に歌われて、表現する術の無い自由律】
【コートを失くした姿は傷ついていたがに、唯瞳だけが真紅に染まっていた】



     【けれどもその主格は変わっていないと、蕩けた表情が伝える】



【或る男は己の悪夢を終息させ────】


               【或る男は己の傲慢を胸に消滅し────】


      【或る女は己の感情の赴くまま、終焉を向かえ────】


                    【或る男は己の目論見を果たす────】



    【その誰もが未完成の人生を終幕へと導いた、その泡沫の絶頂が為に】



    【斯うして漸く全ての役者が揃った。長いプロローグの終わりを告げて】


189 :ディー ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/11(土) 23:59:54.79 ID:L9UjceST0
>>184
卵が先に決まっています。

【はっきりと即断した】


順番が違うと言いましたね。つまりこういうことですか?
嵯峨野は――或いは<harmony/group>は、ジャ=ロを撃退するために、貴方を召喚せしめたのだと。


【事態が動きそうだった。悠長に質問している暇はない】
【今得れる情報だけを確実に収集したのなら、対策に移らなければならない】
190 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/12(日) 00:16:14.72 ID:86J4NdcRo
>>189(ディー)

【ディーの言葉にロールシャッハは首を振るだろう、それでも柔和な表情は崩れず】
【それは同時に褒美の様な素振りであった、此処まで来たというゴールを明かして】
【その先にある事項を伝えるのに躊躇しないほど、少女は聡明であった】


僕の言いたいのはもっと根本的なものさ、<harmony/group>という存在はそこまで万能ではない
嵯峨野 鳴海も "そうだった" ────、彼が起こしたのただ一つの偶然さ。
いいや、偶然だったからこそ、出来たのだろう、その試みの全てを


【根本的なものと、彼は伝える。──── 根本とは何処に存在するのか】
【そもそも根源とは何処にあるのか、原初の作用とはいずれか】
【そして、ロールシャッハは何故こうも、情報を持っているのか】


嵯峨野 鳴海の提言は呼んだかい? <harmony/plan>とはどんな計画だった?
人間から罪の因子を取り除く試みだった筈だ、罪の因子とは、何か。

そんな漠然としたものをどうして取り除けるんだろうね、罪を何かに見立てなければならない


"Bacikal" "Iweleth" "Sheriruth" "Adyeshach" "Akzeriyyuth"
"Kaitul"  "Shakah" "Chemdah" "Aiyatsbus" "Qimranut"


──── 彼は罪の因子にそれぞれ、性質と共にそう名付けた

分かって頂けたかな、順番が逆なんだよ

ジャ=ロを撃退するためとか、僕を選んで<harmony/gropu>が呼び寄せた訳じゃない
<harmony/group>が居たからこそ、僕達が生まれたのさ


【明快な種明かしであった、停滞する議論を先に進める様に】
191 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/12(日) 00:16:42.99 ID:UwMHAKp/0
>>183

「ですが――――、ッ――――分かりました。じゃあ、後はこちらで何とかします――――」

【通信越しに聞こえるのは、どこか確信めいた『冒涜者』の声――――ラベンダーは、やや納得がいかない様子ながらも、それを首肯した】
【ならば――――あとは、この壮大な虚神によるテロの、後始末を考えるだけだ】

――――最後に、言うのが……っぐ、それか――――君らしい――――ッ、ッ――――

【鈴音と仲直りして――――その言葉に、アルクは苦笑する。この土壇場で口にするのが、それなのかと】
【――――だが、続く言葉にその表情は変わった】

――――おい。良いか…………ッ、死ぬのは構わないッ、だが――――っぐ、そうやって、絶望したまま、死ぬというのは――――許さないぞ……ッ!
みんな、ここにいる人間は、必ずいつか、死ぬ――――だから、そうやって……消えるようにして死んでいくのは、許さない――――ッ!
死ぬというなら、最後に1つ――――笑いながら、死んで行ける、そういう何かを、見つけ出せ……ぅ、がぁ……ッ!!

【アルクは、つかつかと――――あくまでイメージだ。もうそんな風に体は動かないのだから――――夕月へと近寄り、その顔を覗き込む。血まみれの厳しい表情で】
【人の絶望の際を救う――――それが、アルクの誓いだ。それ故に、今の夕月の死にざまを、許容できなかったのだろう】
【せめて最後は、笑いながら死んで行け。それをしないなら、死ぬのは許さない――――と。それを約束すれば、アルクもまた――――笑って送り出すのだろう】

>>184

「――――人間を塵芥程度にしか考えていない分際で、何を偉そうに――――ッ!
 その程度だから、貴様は人の心1つ、思い通りにはできなかったんだ! 分かったら、無意味な世界へ還れッ!!
 そうだ、存在しない――――貴様らは、所詮、無意味へと還る定めの、虚ろな存在なんだッ!!」

【――――大事な前提だが。ケツァル・コアトル=ラベンダァイス=カエデ=キャニドップは人間ではない】
【故に、ロールシャッハの人間理解に、他人としての怒りをぶつける】
【――――人間が、そんな作用や構造にだけ支配されているならば――――そこのアルクの様に、己が死をいとわない行動など、しないだろうと――――ましてや、親しい友人や恋人でもないのだ――――】
【人の意志は、時にそんな理屈を超克する。人間は、奇跡に近いそれを、しかし確かに知っている――――それを知らないまましたり顔で語るロールシャッハの言説を、ラベンダーは粉砕する】
【人として、ではない。ケツァル・コアトルとして――――である】

>>187-188

「――――何事?」
虚神たちの、報告書……なんの、事だ――――っぐ…………

【ロールシャッハの切り札――――その暗示を、彼らはそもそも知らない。件の資料に触れる機会が無かったのだから、無理もないだろう】
【だが、何か――――とんでもない何かが、この場に提示されようとしている。それは――――新たなる虚神の出現】

ぇ――――エカチェリーナ……!? なんだと…………なんだ、と…………!?
「――――!?」

【その言葉に――――アルクは動揺する。全身のダメージと合わさって、まるで身体が力を失うようにへたり込んで。ラベンダーはただ、事態の推移を見守るしかなかった】
192 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/12(日) 00:27:10.68 ID:OHSPp8ST0
>>183>>185


「 ─────── 嫌だッ!!」「 ……… 決めたぞ」「ボクは決めた!!」
「無駄になんかするかよ!」「不幸になんかするかよ!!」「キミを幸せにしてやる、」「だってボクらは役者なんかじゃない!!」


【 ──── 夕月の言葉を、彼は否定する。それは我儘を言う我が子を叱り付ける母親の声に似て、然して余程悲嘆に暮れていた。】
【それでも彼には信念があった。信条があった。信実があった。受け継いでしまった魂があった。だから、もう、止まれない。】


「だったら、 ──── 従わなきゃいけない台本なんて、どこにもないんだ」「 ……… そうだろう ……… ?」


【 ──── ブラスフェミアの横で、後藤は静かに頷いた。「全くもって、その通り。」】


>>185>>187

「 ──── ふうん」「あの男も、あの子に入れ込んでいるのね。」「 ………… 有難う。いい話が聞けたわ。」
「予想がつかない訳でもない。 ……… だって貴方たちは、神様ですものね ──── それも、"人間の営み"から、産まれた。」
「恩義も醜態も或いは義憤も、感じるのは当然だわ。」「立てなくなった親を負うのが子の役割。でしょう?」

【アリアが提示したのはごく簡単な答えだった。人間に親しいのは、 ──── 人間を、救おうとする為。であればこそ】


          「 ──── へえ。」「貴女だったのね、エカチェリーナ。」


【"そこにいる"彼女の姿にも、納得を肚に落とした。緩められた口許から溢れるのは、 ──── 至極、愉しげな笑いだった。】


>>187>>188


「 ……… 何を今更、当たり前のことを。」「その"欠番"に嵌まり得るピースは、 ─── 最初から、"彼女"しか居ないよね。」
「然し随分と素晴らしいヒントをくれた。錯綜していたストーリーラインが、全て一気に繋がったよ。」

「作家としては三流だぜ、ロールシャッハ。ジャ=ロの方が良いシナリオを書けていた。その結果が、これだ。」
「 ────── 図に乗るなよ。次に舞台に立つのは君らだ。」「おれたちは必ず、君らを潰す。首を洗って待っていろ」


【 ──── そしてまた、通信機越しに拡声されるのは、後藤の声。<harmony>に捧げられた一人の少女について、彼はなにかを掴んでいた、ようで】
【然して彼もまた、ロールシャッハを嘲笑うのだ。あくまでも彼の、彼らの尊厳をもって。それが彼の矜持であるに違いなかった。】
193 :リゼ ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/12(日) 00:30:07.70 ID:S6INyVQr0
>>187-188

【財団?INF?報告書?――話が掴めない】
【リゼが話しについていけないのも無理は無い。何せ、虚神に関わるのはこれが初めてだから】
【それでも解る事がある―――嵯峨野鳴海の皮を被った何者かを生理的に嫌悪している自分がいる事】
【ロールシャッハの示す同類もまた人間にとって害を為す存在であるという事】


……脚本家気取りめ。精々足元を掬われない様にな。
神を殺す神だったとしても。害為す神を殺す存在だとしても。
あては、お前の在り方を許さない。認めない。

次、あの子の様な存在を手がけてみろ――"旋風の用心棒"の名にかけてお前を殺す。
"旋風の用心棒・リゼ"その名を脳裏に刻み付けておきなよ。よからぬ企みごと吹き飛ばしてやる。

【負け惜しみの様な宣戦布告。今出来るすべてはこれだけだった】
194 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/12(日) 00:31:16.12 ID:WH2EXsPJ0
>>183

…………そう。じゃあ、私は、もう……単に、兇器であるだけでいいのよね――――――――

【本質への回帰、削ぎ落された幾つもの想念。少しだけ寂しげな微笑は、けれど、ひどく軽やかなもので】
【軋み続けた心は、自分の“理由”が、何を為すこともできないものでも――そんな痛苦に、もはや意味を見出すことはなかった】

>>184-188


【ああそうかと、また、自分の想いに意味なんて無かったと刻み込まれてゆくだけ。
【かつて、大会であの技巧を目にしたことがあった。物言いや声に、似通ったものを感じていた】
【だから生存を望む心は、普段に些かも劣らずに力を尽くして。】

【……共に戦い、命を預けてくれた兵に、虚神を生かすという悪手を強いた。彼女だけなら……きっと、殺していたはずだった。】

(……だから。これは、単に、私の罪でしかない――――――――)

【思い返すのは、あの戦闘のなかで覗いた性質】
【壊しあうことの歓喜、欲望の肯定。自由に、望みのままに貪られることを望む】
【そうして融け合い交わり合い、自分も他者を貪ることを愛と呼んで悦んで――――、】

【例外は、そこにはあったのだろうか? 虚神に抱く疑問としては初歩的に過ぎたのであろう疑問】

……ロールシャッハ。

エカチェリーナ≠ェ――――貴方に干渉していない理由はなに?
飛び切りの切り札というのなら……――――私たちにとって致命的な性質が、彼女にはあるはずでしょう?

それとも、一欠片の言葉すら明かせない程に――――あれは、ヒトに対して脆いものなのかしら。

【見え透いた挑発は、ヒトのものであればこそ、或いは意味を持てたのかもしれない】

【見下し、絶対的な余裕を保つことは。飽く迄不要な行いで、なればこそ微かな光明を、この無意味なはずの足掻きは引き出そうとする】
【サイレンの唄が船乗りを殺すように、人類種――或いは自我を持った存在に対する、選択毒性じみたなにかをこの虚神は有するはずだと想定】
【個体として認識される≠アと――――エカチェリーナ≠、或いは融かされるヒトの側が。思い浮かんだ可能性は、何れにせよきっと、絶望的だった】

【検証の手段はどれだけあるだろう。誰かが犠牲になんて、なってほしくない。だから、ねぇ、狙うならどうか私に……――――。】
【行動と乖離して浮かぶ想いは、血を流す躰には酷に過ぎるもので。けれど、紛れもなく、その心の真実の一端だったのだろう】
195 :ギンプレーン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/12(日) 00:36:39.08 ID:a1UtZQVT0
>>190
【少女は絶句する。その事実を理解して咀嚼するのに時間が掛かっているらしい】
【その代わりに男の方が返答する】


呼び出したより創ったって方が万能感有るけど、その言い様だと狙って作ったってワケじゃないみたいだねえ。

虚神の遺伝子なんてけったいなモノを持ってるなあと思ってたけど、何のことはない。
それを作ったのが、<harmony/gropu>だったと言うことだネ!


それで、キミにはキミの目的が有って、そのためには人類に滅んで貰っちゃいけないってことか。
そのためにどんな手を使ってでもジャ=ロを排除しようとしてる……


【周囲は何やら"エカチェリーナ"と言う名前に憶えが有るらしいのだが、男は初めて聞く名前だったのでイマイチ乗れなかった】
【ディーの方も見てみるのだが知る訳もない】


とにかく新しい虚神が揃ったって訳かな!
それはめでたいことなんだけど状況が全然わからなくてボクは困っている。

具体的に何が起こるんだい?
196 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/12(日) 00:39:04.48 ID:a1UtZQVT0
//順番前後します!

>>191 (アルクさん・ラベンダーちゃん)

【アルクに顔を覗きこまれたシグレは、びく、と震えあがって。まだ「恐怖」の呪いは解けていないらしい】
【そうして――――笑えと言われたなら。その真逆、ぐしゃりと顔を歪めて泣くんだろう】

…………どうやって? こんなことされて、……あたしどうして笑えばいい?
わかんないよ、わかんない…………アルクさんだって死にそうになってるのに。笑えるわけないじゃん、
むりだよ、………………ひどいよ、なんで……あたし楽になりたいだけなのに………………

【――――であれば。まだ笑えないのであれば。当分この少女は死ねないのだろう】
【誰かにすべての呪いをきれいに解き放ってもらえるその時まで。ずっとこうしてぐずぐず泣いて、生きるだろう】
【……それだけは伝わるだろうか。そうして、……約束は、ここでは、できなかった】


>>194 (柊さん)

「そういうこと。……残念ながらね、あの子の世界を革命するのは、あなたじゃあない」

【苦笑交じりの声が、柊を励ますように。「別の人がやることだから。あなたは気にしなくていいんだよ」】
【そう言って、「……あなたはあなたの、本当に守りたいもののために、そうなればいいよ」。付け加えた】


>>192

【もう何も見たくないと言わんばかりに焦点を合わせていなかった瞳。それがわずかにきょろ、と動いて】
【ようやくミレーユを見た。見て、……数秒たっぷりの沈黙。それから口を動かして、】


……………………………………ほんとうに?


【……口の端っこがわずかに上を向いた。ほんの数ミリだけの笑みだった。しかしそれはきっと、希望の色をしていた】
【車内。冒涜者はすっかり上機嫌そうに笑んでいた――「……それじゃ、あの子の世界を革命するのは、あの人だ。」】


>>186-188 (虚神さんたち)

「……………………なに? 往生際が悪いな、……、カード?
 ……クッソダサ。負け惜しみにしか聞こえな、………………、」

【――――それこそ負け惜しみでしかなかったのかもしれない。通信機の向こう、冒涜者は言葉を失くす】
【何も見えていないはずだった。だのに沈黙してしまうだけの何かを感じ取った。……息の音だけが響いて】

【――――車内。蕩けた表情をしていた女は、ばっと跳ね起きるみたいに姿勢を正して横を向く】
【隣の男を見ていた。後藤。彼は「カード」を持っているって確かに聞いた――――から】
【そして。彼がまだ不敵に笑っているのなら――――彼女だって同調して笑うのだ】

「…………だってよ。聞いた? ロールシャッハくん。僕ぁシグを取り戻せればそれでよかったから、
 あとのことはこの人たちがどーにかしてくれるって。……覚悟しとけよ、この人、超性格悪いから」
197 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/12(日) 00:54:35.77 ID:86J4NdcRo
>>191(アルク)

【平行線であった。二人の言説は交わる事はない、それ故に必要以上に辿る事はしない】
【ロールシャッハは問答を打ち切るだろう、ラベンダーの精神はそれ程に深淵を思わせて】
【同時に興味深い対象とさえ思った、──── 表に出すことはしないが】


ならばどうして虚な存在が現実に顕現しているのだろうね、その行方は何処へ向かうのだろう
けれども今日の所は言葉に従おうか、キミの言う無意味な世界へと還る事にするよ

……おや、エカチェリーナを知ってるの? まぁ有名人な側面もあるしね


【エカチェリーナを見て動揺する二人、その関係性までは辿れなかったが】

>>192(アリア)

【アリアの言葉に満足げな表情をロールシャッハは浮かべてみせた、それが答え】


いいね、聡明な答えは僕の気に入る所さ、──── 最も、より正確に言えば
ニンゲン全てが親な訳じゃないよ、そこを間違えてはいけないんだ

「そうよ、お姉様。先程は熱い抱擁をありがとう、心の底まで、暖められて────
でもね、私が負けたのは本当よ、私の持つ力と、持っている力とは別だもの」


【微笑みに返すのは無表情であった、彼女はどこまでも表情を示さない】
【況やそれは無感動にも似て、けれども確かに感情の機敏はあった】


────そいつは手厳しいな、そして聞き捨てならない
彼のシナリオは出来損ないさ、運と偶然に助けられた、只の三文芝居だから
……いいよ、次こそはキチンと、示してあげるよ


【通信機越しの会話、その温度は白熱していた】

>>193(リゼ)

────いいね、良い感情だ。心の働きも十分に激しい
せいぜい覚えておくことにするよ、ニンゲンにも、そんなパターンが在ることを
改めて名乗ろう、僕はロールシャッハ、恐怖の体現者

次はキミの心の中に、巣くうかもしれないね


【けれどもリゼの苛烈な言葉は精神に支えられている、そして、その作用こそがロールシャッハの好物】
【口とは違い、心の中でその存在を刻みつけていた、次が楽しみな存在として】
【しかし、それは真っ直ぐな感情とは程遠い、暗い喜びを意味して】
198 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/12(日) 00:54:56.68 ID:86J4NdcRo
>>194(柊)

【柊の心の作用をエカチェリーナは知るのだろうか、その精神の揺らぎと】
【ロールシャッハはその問いかけに興味を持つ、聡明な思考の変遷を見たから】
【そうだね、と前置きを置いた】


──── 言っただろう、"それは泡沫の絶頂に過ぎず"と────

エカチェリーナの能力はあらゆる事象を完成させる、けれどもそれは一瞬の絶頂
後に残るのは永遠に完成しなくなった未完成、──── だからこそ

僕達はより効果的なタイミングで指揮棒を振らなければならない、それこそが正しい使い方だよ


【ロールシャッハに干渉しない理由、それはまだ時が来ていないからだろう】
【だからこそ二柱は撤退の準備を進める、その時を、いつか進めて】

>>195(ギンプレーン)

そのとーり、理解が早くて嬉しいよ。僕はニンゲンがとても好きだからね
ジャ=ロの目的が成就されるのを防がなくちゃいけないんだ、そう、だから


【────その先の言葉を止めた、今はまだ語るべき事象ではない】
【些か喋りすぎた気配があった、それを今は、飲み込んで】


何も起こらないよ、今はまだ、何も起こさない
──── そろそろ我慢比べが終わるから、その時になったなら
僕はまたキミ達の前に顔を出そう、──── 不条理ぐらいが丁度良い

>>196(ブラスフェミア)

【結果としてロールシャッハは冒涜者に "してやられた" ────もしも】
【もしも、ジャ=ロであったならば成功していたのだろうか、能力者達を出し抜いて】
【答えは辿れない、辿れないからこそ、どうしても心が揺らされる】


────いいね、そういうニンゲンも良いサンプルになるよ
僕は些かキミの事を見誤っていた、まさかここで、出し抜いてくれるとはね

……此処まではさすがに僕の想定二はなかったね


【吐露する言葉は敗北に近い、その響きは何処か静かで】
199 : ◆zO7JlnSovk [saga !red_res]:2018/08/12(日) 00:55:07.69 ID:86J4NdcRo
>>ALL

【エカチェリーナはロールシャッハの隣に腰掛ける、涼しげな表情のままに】
【そしてアリアと柊とへ、軽く手を振るのだろう、──── 気ままな子猫の風情で】
【今の彼女は "虚神" たり得た。あれだけ付けた傷は、癒えてはいないが】

【それでも君臨する様子は独特の威圧感があった、──── 神格を持っていても、可笑しくない程に】


どう? エカチェリーナ、壊れた硝子は元に戻りそう?


【ロールシャッハは親しげに尋ねる、エカチェリーナは間延びした返事を揺らして】
【指先をそっと自分の口元に付けて、ふわりと唇にその先端を沈めた】
【柔らかな感触を堪能したなら、大きな瞳を真っ直ぐに向けて】


「そうね、強引に治そうと思えば出来るけど、それは泡沫に過ぎないの
無理矢理に組み上げて作り上げても、能力を一瞬使って終わり
だとすれば、──── 今はその時じゃないの」


【エカチェリーナの能力は大規模な現実改変能力とも言えた、過程を問わず、事象を絶頂に導く】
【それはあまりにも過ぎた能力であった、実体を持っていても尚、その神格は高い】
【同時に、気まぐれな女神の作用にも等しい、容易に願いを叶えてしまう程の存在ではない】

【彼女が伝えるのは、ロールシャッハの試み。夕月というイレギュラーによって、不完全となった内容】
【それをエカチェリーナならば強引に "完成"へと導けるのだという】
【けれども、──── 能力者達は不安を抱く筈だ、それは泡沫でしかない、と】

【ロールシャッハは頷いた、なればこそ、今は時間が違う】


成程、──── ジャ=ロを殺せる機会が来るまで待っておいて、って事だね
仕方がない、今日の所は出直そう──── 全く、とんだ取り越し苦労だった

けれども、物語が進んだ事に代わりはない、全ては帰結していく、一つの真実に
また会おう、──── その時は、協力できると良いね




────────僕達は一緒だから、骨の髄まで


【エカチェリーナとロールシャッハは消え去る、その消失は突然であった】
【後に残されるのは能力者達と、無事であった夕月、電波ジャックもまた、成されない】
【ロールシャッハの残酷な動画データもモニターに残っているだろう、削除すべき最優先事項で】

【加えて、察しの良いものであれば、ロールシャッハ達が企みを残している事に気づくだろう】
【エカチェリーナの持つ "泡沫" ──── 不完全な計画を完全に果たす】
【助かったわけではない、寧ろ、人質に近い状態でぶら下がっている】

【──── ならば、目下の標的とは────】


/これにてイベント"電波通信"終了になります! 長時間お疲れ様でしたー!
200 :アルク=ワードナール&ラベンダァイス ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/12(日) 01:07:46.25 ID:UwMHAKp/0
>>196

――――仕方の、無い奴め……っ

【夕月――――シグレの顔を覗き込み、その力ない泣き顔を認めると――――アルクは、血まみれの顔で、苦笑して見せた】
【本当は、ここまで弱い子供だったのだ。それを理解して。そして――――死にたいと言っても、なんだか最後の踏ん切りが付かないタイプの人間に見えて】

――――分かった。ぁ……――――バルオー(命)・エル(集積)・ファス(創造)・ラン(レベル5)――――『ライブクリスタル』……

【震える言葉で、スペルを紡ぐと――――アルクの手元に、ピンク色の光を放つ、細長い八面体の結晶が形成される】
【それを――――半ば夕月へと押し付けるように渡すのだろう。これを持っていけ、と】

――――それには……安楽死の為の、魔術を込めてある――――眠る様に、静かに、幸せな気分で――――死んで行けるはずさ……
その瞬間を、感じたら――――胸に抱いて、願いを込めるんだ…………決して、悪いものじゃない、死が……そこに、ある――――
……まだ生きようと、思えるなら……ずっと、それを取っておくんだ――――あるいは、寿命が来るまで、ずっと……

【どこか遠い目で、それでも優しい目で、アルクは夕月にそれを渡して、説明する】
【静かで、満ち足りた死を――――それを望むなら、その手段を与えようと。それをこそ――――生きる糧にしろ、或いは、最高の幕引きに活用しろ、と――――】

>>197>>199

そ、ソニア……っぐ――――君には、もう……帰る、場所が…………ッ、がぁ……っ
「――――虚神が、彼女が――――存在の、根底を――――虚神に――――」

【――――そこに映っていたのは、まさに絶望そのものだった。ロールシャッハよりも、ジャ=ロよりも――――彼らの心を、深く、大きく、切り裂いてみせた】
【――――崩れ落ちるアルクの身体。知れず変身の解けるラベンダーの身体。もうそこには、力など残っていない】
【走り続けてきた理由が、1つ、また1つと、音を立てて崩れていく――――たどり着いた真実は】

【――――――――所詮、人間など神の手の内では、駒に過ぎないだと言う、厳然たる真実だった】

――――グバッ――――!!

【心折れ――――アルクの身体から、爆発したように血が噴き出す――――最後の一押しだった】

――――せ、せめて…………最後に…………バルオー(命)・フェン(飛翔)・ラー(心)・ラン(レベル5)……『ソウルレター』
――――も、もう1つ……もう1つを…………バルオー(命)・フェン(飛翔)・ラー(心)・ラン(レベル5)……『ソウルレター』

【倒れ伏し、もう蚊の鳴くような声で、アルクはスペルを紡ぐ。2つのピンクの光球が、いずことも知れずに飛び去って】

【――――じわり。アルクの瞳孔が、散大した】

(――――やはり、そうなんだ――――結局、人間は最後の最後まで、『絶望の深海魚』…………あぁ、まぶしい……光が、まぶしい――――――――)

【アルク魔力残量 0/25】

【アルク魔力残量 0/0】

/遅くまで、お疲れさまでしたー!
201 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/12(日) 01:17:46.87 ID:7pgpyqoc0
>>>197


【1秒にも満たぬ雪解けのような機微。 ──── されども、ミレーユはそれを見逃さなかった。見逃すはずがなかった。】
【 ──── 夕月の見てきたどんなミレーユよりも、シグレの見てきたどんな人間よりも、彼女は優しく笑むのだろう。】
【微かに血に湿った唇が夕月の耳元へと添えられる。ささめくのは精一杯のリップノイズ。きっとそこに籠っているのは、】



       ─── ほんとだよ。



   【 ──── 答えを彼は求めなかった。その代わりに、ふっと掠めるように、今際の刹那に21グラムが抜けるように】
    【そっと少女の唇を奪おうとするのだろう。 目を瞑っていれば解らないような、けれど啓いていれば必ず分かる距離感だった、ゆえに。】


>>196>>197


「望むのであれば幾らでも交わしてあげるわ。」「気丈な子は好きよ。強い意志を持つ子は愛しいの。」
「 ──── 貴女は、」「私が仕留めて見せる。それまでは精々、"人らしく"生きていることね?」

「期待して待ってるぜワナビー君。」「 ─── コテンパンに扱き下ろしてやる。次は、おれの舞台で踊るがいいさ。」

        「 ──── ロールシャッハ!!」「覚えていろ!!」「そして二度と忘れるな!!!」
            「エーノ・ザイツェフ=ユーティライネン!!」「お前を殺す、 ──── "人間"の名前だ!!!」



【 ──── そして。去り行く背中に投げ掛けられるのは。三者三様の宣戦布告。ひとつは冷たく熱を隠して、ひとつは言い知れず鋭利に、ひとつは絶対の殺意を剥き出して。】
【少なくともこの戦いに、人類は"勝利"し得た。 ──── 後藤はどっかりと椅子に腰を下ろして、どこか気の抜けたように笑うのだ。煙草を一本、懐から取り出して】


「 ……… 状況終了。全封鎖解除。ヤタガラス01、02で負傷者を回収。」「ポーラスターも帰投させろ。」
      「 ────── ありがとよ、ブラスフェミアさん。あなたのお陰だ。」「 ……… 勝利の一服は、好きかい?」


【そうして隣に座る彼女へも、同じように一本のハイライトを差し出すのだろう。 ──── 断られるのなら、少し寂しげな顔をするけれど】
【何れにせよ回収ヘリは屋上に着陸して、八課の人間と"一人の少女"を載せるのだろう。ぼやけた紫煙が、夏の夜空に浮かんでいく。】


/参加者の皆さま超お疲れ様でした&ありがとうございました!!!!
202 :ギンプレーン ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/12(日) 01:36:09.50 ID:a1UtZQVT0
>>201
【去って行くロールシャッハとエカチェリーナを見送って、男は考え込む仕草などをしてみるが】
【やはり頭を使うのは向いていない。フランツとの戦闘もどこか不意打ちにように終わってしまい些か不完全燃焼であった】


ま、ここは冒涜者殿に花を持って貰おうか。
豆腐メンタルで世界を救うってのは凄い器だね、ユヅキチャンは!HAHAHA!

ああ、でもロールシャッハの言を借りるなら世界を滅ぼすってことでもなかったのかな。

【肩を竦める。色々新しい事実も分かったことだし報告に行かねばならないだろう】


ダメだ。煙吹きそうだよ、ボクは!
難しいことはボスに考えて貰うに限るネ!


帰ろうか、ディー。


【ズタボロになった自分を自分で見下ろして、それでもディーを抱えるようにして帰路につく】
【外務八課とも特に語ることはなかった。言うべきことは言ってあるし、ゴトウならば切らなかった札も大事に抱えて置いてくれるだろうから】



>>193
【共闘したリゼにだけは振り返って手を振りつつ】


そう言えば一緒に戦ってくれて楽しかったよ!
一人で動けないようだったら肩を貸そうか?


【などと言う軽口を叩き、必要ならば、帰り先まで連れて行くのだろう】



//お疲れ様でした!
203 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/12(日) 01:47:58.44 ID:a1UtZQVT0
>>198-199 (虚神さんたち)

「…………………………ハン。まだ赦してねェからな、クーラを穢したこと。
 一回負かしただけで機嫌が戻る僕だと思うんじゃねえぞ、おまえは絶対――――隅から隅まで冒涜し尽くして殺す。」

【敗北宣言じみたロールシャッハの言葉を聞いても。まだ彼女は彼を赦さない】
【だって一番大切なものを穢された。だったら冒涜の限りを尽くして殺す、冒涜者であるが故】
【それだけは絶対譲れないって言って、――――中指を立てた。車内で。かっこわるい。】

//おつかれさまでした、ありがとうございました!!!


>>200 (アルクさん)

………………、…………やだよおお、アルクさん、…………、いやだ、
鈴音となかなおりしてって、いってるじゃん、なんで聞いてくれないの、
それ見るまでこんなの使わないもん、ふたりが、仲直りするまで、こんなの使わない…………

【――――アルクの容態をようやく理解したのか。シグレはわあと泣き出して】
【渡された結晶だって使わないなどと駄々をこねる。鈴音と彼が仲直りするのを見届けるまで】
【……使わないって言うんだったら、きっと、一生使えないんだろう。だって、――――】

//おつかれさまでした……。アルクさん、本当にありがとうございました。


>>201 (エーノさんたち)

【唇をかすめる感触。シグレはそれをぼうっと受け入れて、それで、】

…………………………うそついたら、SNSぜんぶブロックしちゃうから。

【四肢に力を込めた。わずかながらも。背中に手を回す。彼/彼女の輪郭全部を受け入れて】
【わたしを離さないで、なんて気取った言葉は言えなかった。その代わりに言うのは――現代っ子における、絶交のプロセス】


「……んーん。煙草はやらないの、けむたいの好きじゃないから――――
 ――――ふ、ふふ。へんなの、おまわりさんが“冒涜者”に、お礼言ってるなんて。おっかしい――」

【そんな様を見ながら、冒涜者は男の誘いをひらりと躱した。それで笑った――――少女みたいな顔して】

//おつかれさまでした!お車乗せてくださってありがとうございましたっ


>>(リゼさん)

【――――数日後。彼女の口座、どこから割れたかは知らないが。とりあえず無害な金が振り込まれていることだろうし】
【それに、「オムレツ」。彼が例のBARまでやってきて、言うんだろう――――ほとんど泣いてるみたいな笑顔をして】

【「ありがとう。りっちゃん、ホントに、……ありがとう」。そう言って――結局泣くんだった】

//おつかれさまでした!依頼しといてあんまり絡めなくってごめんなさい……後日報酬ロールで埋め合わせさせてください!
204 :The Slasher=^八攫 柊 ◆fsq5uTqB74AP [saga]:2018/08/12(日) 02:26:38.38 ID:WH2EXsPJ0
>>196

……ううん。きっと、それも私じゃない。
死ねば悲しませてしまうのに、一番大切な……大好きな一人の“大切”になれるのがうれしかったなんて、ね――――

【くすりと、可笑しいことを可笑しいとだけ楽しむ様に。淡く、その声は静かに奏でる】
【受け入れながら、受け入れられない。滲む情動は、刀身に朝露を滴らすように清冽でありながら寂れを思わせるそれだった】


>>197-199>>190

【真実は、あまりにあっさりと明かされて。半ば唖然としながらも、心が追いつくまでの時はごく短い】
【生み出された原因、虚構現実という犠牲。心は、抑えがたい想念を生じたけれど、】

……なんだ、ただそれだけの話だったのか。
ヒトの弱さがための禍なら、ただ強いだけの怪物と、脅威としてはなにも変わらない――――――――
……ああ、やっと貴方を少し好きになれそう。

人のためになることだと嘯くなら、それも自分の売り込み方のつもりなのかしら、ね……――――?

【ただの刃に、そんなものを鑑みる動機はなかった】
【質的な無謬・無敵ではなく、起こせる現象と、その制限の小ささがための超越性】
【個を重んじるがゆえに世界にさえ挑み、対峙することさえ恐らく厭わぬ自我は。規模や速度といった量的な差異に、格やそれに似た概念を見出しすらもしなかった】


……神の戯れを気取るなら、紛い物だと自覚してなさい――――――――
束の間の歓びを、せいぜい味わっておけばいい。

貴方に勝利は訪れない=\―――刻み込んだ最後の刻に、思い出せることを祈ってあげましょうか?

【人造物に過ぎず、だからこその欠陥、弱点。突くべきものがあるのだから、ただの到達の過程。剣士にはただの、この日戦った人間と同じ、強大ななにか≠ノ過ぎなかった】
【だから、果たさなければならない。心さえも喰い尽くされても、何者にも壊させたくないものがあるから譲らない。】
【粛滅の神火を己が内へと呑み干して――――人間であり太刀金翅鳥≠ナあるその命は、今一度崩壊を拒絶し、けれど同時に、自己を削った】

【虚神鏖殺、揃えるべき材料/必要な前提/この日の生者と死者の線引きの意味――――遍く心と自我をひととき侵し、悪夢を連れて翔ぶための筋道が描かれてゆく】

【本当に、油断とは致命の毒だ。世界を侵す呪物の番が、心という鞘を引き裂いて完成しつつあった】
【……そして、そうなれば。最も捨て難いものを捨て去ることは、きっと、避け得ずに】
【ちくりと胸を刺す痛みの正体は分からずに――――或いは、無意識のまま気付かないフリをして――――、……?】

(…………?、――――――――)

【結局、意味なんてないと先へ進んだ。理由は決して変わらぬまま、破壊的な速力で軌道を描いて】

【……会いたい。たすけて。また、笑いあってみたいけれど……――――――――。】
【巡りだす思考に蓋をして、足取りが固く音をたてる。己が自我さえも書き換えてのける意志の焔は、翳るがまま、今宵だけは有りの侭に、眠りに落ちる夢のなかでは“ひと”だった】


/お疲れ様でしたっ。ありがとうございましたー!!
205 :リゼ ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/12(日) 10:44:58.32 ID:S6INyVQr0
>>197

――…夕月ちゃんを取り戻したから結果オーライかね。

【言葉で自分を納得させようとしても、感情は抑えられない。本当が滲み出る】
【現に握りこぶしを作っていて、そこから血が流れるほどに強く握っていた】

……そんな訳がないだろうっ!ちくしょう、ちくしょう。
なにが"旋風の用心棒"だ…っ!あぁあああああああっっっ!!!

【無力感からの慟哭が虚神無き後の部屋に響く。人目を気にする事無くやり場の無い怒りを吐き出した】

>>202

ありがと……是非にお願いしたいね、えーゆーのおにーさん。
ひとりで歩くには……ちょっと血を流しすぎた。

【英雄を自称するに相応しい活躍の男の肩は逞しく思えた】
【ふらふらで、足元の覚束ないリゼにとってこの上なくありがたいと思えた】
【ひとりだったら、この結果に打ちひしがれていただろうから】

>>203

【この戦いが終わった後の話。営業時間外のBAR CHAIN GANGにて】
【依頼人であるオムレツが現れて、泣き出しそうな顔で感謝の言葉を口にしていた】

―――……そんな顔してたらさ、あても泣きたくなるだろう?
不細工なやり方だったけど、依頼は果たしたから、さ。約束忘れないでよ?


【言葉を継いだのち、リゼも大声を上げてわんわん泣き出した。ソレほどまでに打ちひしがれて】
【オムレツの気持ちに救われたような気がして、安堵から抑えていた感情が一気に溢れたのだった】

//遅れましたがお疲れ様でした!そしてありがとうございました!
206 :文月 ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/12(日) 11:18:59.49 ID:Gj9BnBZko
>>50

【掌の温度で溶ける淡雪の様に、白桜の髪は滑らかで】
【同性であっても嫉妬してしまいたくなるほど、可憐な横顔が愛らしい】
【甘えてくれる様相は小動物みたいだから、ついつい何処までも甘やかしてしまう】


もぅ、堪忍なって言ってはるでしょ、──── せやけど、ほんま迷惑かけたどす
ふふ、今日の白桜はんは甘えん坊どすなぁ、いつもそうやけど
今日は特に甘えん坊はんやわ、お姉はん動けなくならはります

────んぅ……ずるい言い方しはるなぁ……もぅ


【文月の頬が溶けて、目尻がとろんと下がる、完全にペースを握られて】
【羽織の袖で口元を覆って、きゅっと目を閉じて声を押し殺す】
【はぁ、と甘い吐息が零れる頃には、──── 貴女の誘いを断れない】

【────<中略>────】

【というわけで、白桜ちゃんの部屋に来たのであった】


……へぇ、此処が白桜はんのお部屋やねんなぁ
そ、それはそうと、そろそろ離してくれへん? ……歩いてる間ずーっとは、恥ずかしいどす


【部屋の前まで来たなら、少し恥ずかしげに目を伏せて、ちらりと伝える】
【多分きっと、恐らく絶対、白桜は手を繋いだり腕を絡めたりして歩くはずですメイビー】
【文月は嬉しくても、彼女は少しまじめすぎる気配があって、たじろぐ】
207 :≪羊飼い≫ ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/12(日) 11:25:11.40 ID:Gj9BnBZko
>>52

【少女の目を見つめ返すのだろう、その作用はメトロノームに似て、同じリズムで刻まれる】
【やがてふわりと表情を緩めて、微笑みの名残を響かせるのだろうか】
【──── 少女の言葉は冷静であった、鹿威しの音律を聞くように、耳を傾けて】


同じ所と言われましても、今までも、そして之からも、私が何処かに所属する事はありません
ですから貴女の心配は杞憂に御座います。──── 尤も
私の言葉は中々信用されないとは、自分でも分かっているつもりですが


【冗談を言うみたいに言葉を揺らして、眩しそうに目を細める】
【誇らしげな表情、まるで自分の事の様に友人を話す少女の風情】
【それを彼は尊き物を見るかの如く、見つめているのだろう】


──── "連絡がつかなくなった" ……成程、そういう事でしたら
私でも多少は力になる事が出来るかもしれません、ほんの少しですが

良ければそのお二方のお名前を、教えていただけませんか?
208 : ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga]:2018/08/12(日) 22:46:14.34 ID:kLIG2ku60

>>207

【じとり、と見れば此方の目を見返されて】
【そうして微かな破顔。からかわれたと思ったのか少女はほんの少しだけむすっとして】


【目を細めてそうして此方の言葉を聞いて、良ければ友人達の名前を、などと言葉を紡ぐ男】
【その言葉に少女は少しだけ呆れたように笑って】

……貴方程の洞察力のある人が何を言っているの?
名前を教えろ?

じゃあ言うけど、私の中で貴方に対する信用はほぼ無いに等しいの
そんな奴に大切な友達の名前を教えられると思う?

……まあ、どうしてもっていうなら一回だけ機会をあげる
どちらか一人当ててみてよ?
そうしたらもう一人の名前も教えてあげる
【ふふん、と少女は意地悪そうに笑ってみせて】

209 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/12(日) 22:58:45.31 ID:S6INyVQr0
>>206

【自身が住むアパートへ向かう道中、白桜は甘えに甘えきっていた】
【膝枕を堪能した次は手のぬくもりを求めて。予想通りに手を繋いだり腕を絡めたり】
【公園から自宅アパートまで終始一貫。周囲の目など歯牙にも掛けなかった】
【寧ろ文月に向けていたのは満面の笑み。無雑で無邪気に甘えて肩に凭れかかったりもしていた】


【―――】

【そうして道中も文月を堪能した白桜。目的地までの時間があっという間に思える程】
【部屋の前に辿り着いたとき、横目でちらりと見遣ると恥ずかしげな文月の姿があった】
【そんな姉の照れた仕草に、可愛らしい嗜虐心が鎌首を擡げる。――意地悪したい、と】


……やだ。離さない。お姉はんは恥ずかしいと思ったかもしれない。
けれど……私は恥ずかしいと思ってない。寧ろ……見せ付けたかったから。

道中でいろんな人が…私達を見てたの知ってた?きっと視線を釘付けにしてたと…思う。
だってお姉はんは美人さん、……だし。見目麗しい自慢のお姉はんだから……。

それに……妹のおねだりを聞かない姉は居ないのでしょう?
だったら、"これ"もおねだり。ほら、私は甘えん坊だから。特に今日はお姉はんに会えて嬉しいから。


【饒舌な白桜は喜びで細めた目でも語る――"お姉はんは嬉しくないの?"と可愛げのある意地悪な目で】
【そうして甘えん坊気質を伺わせるのは、文月が特別な存在だから。姉として慕っているから】

【そんな折――白桜はふと思い出す。二月前に掃除してもらった部屋は以前の様に散らかっている事を】
【煙草や酒瓶は転がってないが、書物は床やベッドに散乱している。そんな部屋を。故に、白桜はそわそわし始める】
【"―――……もしかしたら、ここの部屋は私の部屋じゃないかも"と明らかな嘘を吐いて、文月に反撃する余地を与えていた】

//すみません、大変お待たせしましたっ!
210 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/13(月) 01:03:06.18 ID:4liS5Fs6o
>>208

【──── 彼は静かにその所作を止めた、フェードアウトする音響の仕組みではなく】
【寧ろ、それは急に落ちたブレーカーの所以。電源から切り離されたかの様に】
【瞑目する、その流麗な仕草は祈りの動作に似て、やがて消える水滴の作用をも思わせる】


──── それは洞察ではなく妄想です、砂漠の中から一陣の結晶を見つける様に
何もない無垢白の雪景色、それを踏みしめて歩く事を喜びにするのでしょうか
いいえ、違います。風情を介さない存在だけが、それを勲章の様に飾り立てる

間違いなくそれは蹂躙なのです、知恵を媒介しない遊戯を私は洞察等と呼びません
偶然の交わりも悪くはありません、貴女と交わした言葉に偽りは無く
そして同時に、私の進むべき方向も、やんわりと見えた気がします


【彼はそう言い放つ。説法に似ていた、ややもすれば説教の様に取られるかもしれない】
【手がかりの無い推理を洞察とは呼ばない、空想や妄想や、その類になるのだから】
【──── 背中を向ける、僅かな交錯が、実を結ぶ可能性を信じた】

【そのまま何もなければ、歩き去ろうとするだろう、ただゆっくりと】
211 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/13(月) 01:08:57.54 ID:4liS5Fs6o
>>209

【文月の元来の性分はお節介焼きで、まじめ一辺倒な性格であって】
【年を取ってややも落ち着いた部分があったが、それは根本から変わることなく】
【散乱する書物、明らかに日々の整備を怠っている証拠である、から】


──── 白桜はん、いくらアンタが可愛い妹やからって、うちはそれで全部許さはらへん
可愛い可愛い妹やからこそ、ちゃんと付けて欲しい力は、付けなあかんどす
嫁入り前の娘はんの部屋ちゃうよ、お姉はん、びっくりしはったわ

……ほら、見ててあげるさかいに、はよ掃除しいや


【文月は可愛らしく絡みつく白桜をえいやと振り払い、両手を組んで仁王立ちする】
【白百合の蕾に似た瞼をしとりと閉じて、言い放つ言葉は冷たい響き】
【後はなんのその、白桜が掃除を始めない限り、つーんとそっぽを向いて】


……──── ちょっとぐらいは、手伝ってあげるけど


【横目でちらりと、様子を見たりしながら】
212 : ◆Kh0dBGYsiPBw [sage saga]:2018/08/13(月) 01:36:06.87 ID:LCwkSz6V0

>>210

【不意に目を瞑る相手に少女は何事かと少し身構えた様子になって】

妄想、ね……
その言葉、嫌いだわ
"彼奴"もそんな言葉をよく使うから
【そう疑われるような事するのが悪いのに、と少女は呟いて】

まあ、抽象的な言葉だけで察しろっていうのは流石に無理だったかもしれないけど……教えたくなんてないんだから仕方ないじゃん
偽りはない……何処の組織にもいないしこれからも何処かにはいない……とかそういうのも?
進むべき方向……私と会った事が役に立ったなら良いけど……
【せめてこっちに害のない方向ならの話だけどね、と少女は苦笑して】

……まあ、少しは他人に愚痴れて楽にはなったかも、そこは……ありがと
【背を向けた相手に冷たくも何処か暖かさのある言葉をかけて】

(……もう一回UNITED TRIGGERに行ってみなきゃな……一人でもやんなきゃ、だし)
【よし、と小さく呟いて男とは別の方向へと歩き出すのだった】

【この邂逅がその後どのような道筋を運んでくるのか──】
【少女はまだ知らない】





/こちらからはこんな感じでしょうか
/数日間の絡みありがとうございました!

213 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/13(月) 01:37:19.39 ID:4liS5Fs6o
>>212
/お疲れ様でしたー!
214 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/13(月) 12:17:18.53 ID:6EX5JHp90
>>211

【"カイ"の部屋は誰が見ても汚い。物が散乱し、酷い時には足の踏み場も無い】
【真面目で育ちの良い姉からすれば看過できるモノでは無い――そんな生活空間】

【今までに聞いた事の無い声色。突き放す様な冷たさに白桜は萎縮】
【先程までの幸せ一杯な表情は鳴りを潜めて、困惑と動揺を隠せなかった】

【おずおずと文月を見遣る――取り付く島も無い。何せそっぽを向かれている】
【目も合わせないと言外に告げる閉じた瞼に、仁王像を想起させる佇まい】


―――……あぅ。……片付ける。……掃除する。

(エーリカ、双葉ちゃん。私は貴方達の善意を袖にしてしまった…)
(これからは…(多分)脱"片付けられない女"を目指すから、いろいろ許して……)


【しょんぼり項垂れながら、床にベッドに散乱した書物を本棚に仕舞い始める】
【やや涙目の白桜の動きは重い。余程堪えたのだろう。それでも掃除の手は緩めない】
【書物を本棚に仕舞っていけば、徐々に部屋は本来の姿を取り戻し始めるだろう】

【部屋を掃除する最中も、こっそりちらちらと横目で姉を見遣っていて。多分それは解るかもしれない】
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/13(月) 17:29:19.45 ID:LsEiO33F0
【街中――――人気のない通り】
【誰かの心を写し取ったように澄み渡る青空の日だった、あるいは、誰の心模様も組んでくれない青空の、絶望的に鮮やかな日】
【ピークを過ぎた太陽光線は鋭さをいくらも失って、けれど夏らしい気温と遠くより聞こえて来る蝉の声が、限りなく一年で一番色鮮やかな季節を意識させて】

――よしっ、充電だってね、いっぱいしたわ! ばっちりだってね、思うわっ。お菓子持ったでしょ。お茶も持った……。塩の飴もあるし……。
ハンカチだってあるしー。ティッシュもあるわっ。これでね、大丈夫よねっ! ――カエデとね、約束したんだから。

【――いわゆる"路地裏"。そこに続いていくような細い細い道へ入り込む寸前のところに、人影が一つあった。と言っても、うんと小さな、子供の背丈】
【そうして何より疑う余地なく子供であるのだろう、まだ就学もしていないような、小さな――女の子。ぎゅうっと伸びをして、それから、なんだか気合を入れる声】
【自分に掛けたなら。元気いっぱい、ふわふわしたツインテールを文字通り尾っぽのように揺らして、路地裏へと踏み込んでいこうと、するはずで――――】

【――――クリーム色の髪は細くて柔らかな猫っ毛、頭の高いところで二つに結わえたなら、身長をほんのいくらかのみ、かさましして見せ】
【まあるい垂れ目は真夏の青空ときっとおんなじ色合いをしていた、人懐こいのを表すように一人でもにっこり笑った口元があどけなくて】
【だけれど右の頬に刻まれた毒々しい紫色の蝶のタトゥがひどく違和感を散らすのだろう。表情のたびに柔らかなほっぺたの仕草を真似すれば、羽搏くようにも幻視させ】
【肩のところからむき出しにしたAラインのワンピース。ちょぴっと大人びたようなボーダーの柄模様に足元はキャンディみたいに小さな指先を覗かすサンダルで】
【言葉のたんびに確かめるようにぽんぽんと指先で叩くのは子供らしいデザインのポシェット。――それでは足りない気になったか、のぞき込んで、がちゃがちゃするなら】

【――もふっ、と、もちろんそんな音はしないけれど。確かめる仕草の途中でポシェットから零れ落ちてしまうのはハンカチだった、小さな猫の刺繍が入った、白いハンカチ】
【だのに幼子は気づかなくって、だから――誰かが見るとしたなら、地面に落ちているハンカチと、それから、路地裏に踏み込んでいこうとする幼子の、うしろすがた】
【まだ明るい時刻とはいえ、路地裏が危険だなんていうのはそれくらいの子供でも真っ先に教えられることであるはずだった、それなら何か、訳ありなのだろうか、なんて――?】

【そうして、或いは。人のあまり通らぬ道でそんな幼子を発見する誰かも、また、何かしらの理由があるのかも、しれないけれど――】

/予約のやつですっ
216 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/13(月) 17:47:41.18 ID:VQBGxX1R0
>>215

【――――――路地裏。進んでいった先に、これまたその場に似合わない少女が居るんだった】
【少し前。そこには「機関車」が突っ込んできて、辺り一帯が瓦礫の山と化したんだと言う。レールもないのに】
【だからそれは都市伝説として扱われて、そのうち話題にも上がらなくなった場所だった。だけども、】
【実際に――そこにはまだ、瓦礫が散乱しているのだった。山を築くまでとは言わず、少々片付けられてはいたけれど】

【そこで。その少女は、瓦礫をひとつひとつ拾い上げ、後ろにぽいっと投げ出しては、その下にある何かを探していた】

……………………、……いない、いない。やっぱり、こんなに時間経っちゃったから、
クーちゃんもうどっかに行ったのかなあ。それとも、…………無事かなあ。
…………、クーちゃん、大丈夫かなあ。生きてるかな、……、…………うぅう、

【もくもくの入道雲と同じ色をした髪を、ツインテールにした少女だった。肌はほどよく日差しと仲良くしていたのか、小麦色】
【着ているのはセーラー襟のついたワンピース。腰のあたりでベルトが巻かれ、その下はボックスプリーツ】
【くるっと回ればふわっと綺麗に広がるだろうシルエットを予感させて。夏向きの、薄く柔らかい素材で出来ていた】
【それに反して足元は――白色スクールソックスきちんと履いて、何故かバレリーナが舞台上で履くべきトゥ・シューズ】
【そんな恰好。どう考えたって、どう間違えたって、瓦礫掃除をするには似合いもしない格好をしていて】

【尖っていたりそうでなかったりする瓦礫を、選り好みせず拾い続ける手は既にボロボロ。浅く血が滲んでいて】
【しかしそれでも作業を止めようとしない。空色の目が、半べそをかきながら、必死にモノクロームの群れと対峙していた、けど】

…………あれ? 小さい子だ、コニチワ…………ダメなんだよ、こんなところにひとりで来たら。

【「こわい人に連れてかれちゃうよ」 ――――幼子の姿を視界の端に認めたら。ふとその手を止めて――おねえさんぶった。生意気に】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/13(月) 18:01:27.93 ID:LsEiO33F0
>>216

【――ことん、と、小さな足音がする。相手はそれを聞き取るのだろうか、それとも、瓦礫を後ろに放る音に紛れて、聞こえないだろうか】
【不思議そうな吐息一つで幼子は、その光景を目に入れたそのまんまの場所で立ち止まる。――距離はまだ遠くって、いくらかあって、だけれども】
【あるいはだからこそ、がらがらの瓦礫の全体をきっと見渡すことが出来た。「えーっ」って小さな声を漏らした、どうしたんだろう、って、言いたげに】

【であれば、幼子はそんな都市伝説を知らないらしかった。たまたま来てしまったんだろうという温度感。見上げた視線が、】
【けれどきっと相手をそのうちに見出すのだろう。ぽいって投げられた瓦礫が地面で弾けた、その小さな小さな欠片が、一つ、幼子の足元まで転がってきたなら】

あれっ――、お姉さん、こんにちは! あのね、あのね、何してるの? ガラガラってね、壊れててね、あぶないよ!
それともね、あのね、探し物っ? だったらね、私もね、手伝うわ! お姉さんね、何をね、探してるの?

【それはきっと相手が気づくよりも先の声かけなのだろう、うんとあどけない声が相手へ向いて、それから、何をしているのって、聞いてくる】
【こんな場所で何をしているんだろうってあんまりに悪意もなく尋ねるのだろう、ひどく相手のこと心配したような声をして――可能ならば、距離まで詰めようと】
【近くまで近づけるようなら――真っ青な蒼穹色の瞳で相手の空色を覗き込もうともするのだろう。手伝う――だなんて、あんまりに無邪気な声をして】

こにちわ! あのね! 私ね、強いからね、大丈夫よっ。それにね、ご用事なんだわ! だからね、大丈夫よ――。
お姉さんこそね、あのね、危ないよっ。何かね、あのね、大事なもの落としちゃった?

【――お姉さんぶった言葉には、自分は強いから大丈夫だよ、なんて、自信満々の声。さらに言うには用事があるらしい、だから、大丈夫なんだよーって、紡ぐなら】
【にこにこと人懐こい笑顔はあんまりに相手の温度感を汲もうとしていなかった、悪気はないし心配もしているけど無遠慮だった、あるいは無神経】
【それでも――もし近づけるのならその手の傷にも気づいて「あー!」とか「怪我してる!」とか、わあわあ心配そうに騒ぐから、きっと本当に悪い子、では、ないのだけど――】
218 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/13(月) 18:21:30.48 ID:VQBGxX1R0
>>217

探しもの――――探し人、探し……キツネビト? してるの。
でももう、ここで会ったのずっと前だから……もうどっかに行っちゃったかもしれない。
あのね、すごくきれいな髪の――キツネの人なの。あのねあのね、髪の毛、真ん中で色が別れてて、
こっち側がモンブランみたいな色! もう片方はメロンソーダ色! みたいな人なんだけど……見たこと、ない?

【訊ねられたら素直に助けを求めちゃう。お姉さんぶったくせに、既に半泣きで、幼子にすがりつくみたいに】
【大ぶりなジェスチャーで示した。曰く左側がモンブラン色、右側がメロンソーダ色の髪であって】
【さらにそこにキツネの耳が乗ってるって。ぴょこーんと手で示したなら――ぐったりと、垂れ提げてしまって】
【流石に疲れたらしい。浅い傷のたくさんできた手を、ぶらぶらさせて。すんとひとつ鼻を鳴らす】

お手伝い――は、いいよお。だってコマより小さい子にそんなことさせらんないもん。
それより、キミもここにご用事あるの? だったらコマもそれ手伝ったげるよ、コマのほうがお姉さんだもん。
何しに来たの? あのね、ここ、すっごく怖い人いるから――だからついててあげる。

【「今度はコマ、逃げないから――」 ぐずぐず泣いてる目で、しかし何か決心したように】
【逆に何か手伝い返してあげるなんて言い始める。頼り甲斐は、あんまりにもなさそうだけど】
【騒がれることに関してはなんにも気にしてないようだった。むしろこいつだって騒がしいたぐいの人間だし】

【コマ、って何度か口にする単語は――どうやらこの少女の名前であるらしかった。気付けるだろうか】
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/13(月) 18:36:01.64 ID:LsEiO33F0
>>218

さ……さがしきつねびと……? ……あのね、私ね、キツネビトサン? ――その、あう……、あのね、会ったことね、ないわっ。
あのね! モンブランと……メロンソーダの……キツネさんてね、とってもね、おいしそうだなってね! 思うの、だからね、
会ってたらね、きっとね、ぜったいね、覚えてるでしょ? でもね、私ね、覚えてないから――会ったことない……。

【はんべその様相にも幼子は何とも言わなかった。ただ愕然としたような顔でおそらく初めて聞いたのだろう単語、探しキツネビトという新ジャンルに動揺して】
【少しの間あわわって顔をしていたのだけれど。やがて状況を呑み込んだのだろう、ましてやその特徴までもを伝えられたなら。――だけれど、】
【それでもって幼子が伝えるのは、自分はそのような人物は知らないということであって。――そんなにもおいしそうな色合いのヒトは知らない、と、素直に返す】
【――そうしたらどこか申し訳ないような目をして相手を見上げるのだろう。すんと鼻を鳴らす相手を、元気づけたいって思うみたいに】

――えー! でもね、あのね、サガシキツネビトサンさんもね、大事だわっ、大事でしょ?
それにね、お姉ちゃんね、お怪我してるしっ! お怪我のヒトにね、お願いなんてね、したらね、悪いよ。

【無限に長くなっていきそうな単語の予感を連ねたなら幼子はぎゅうっと手元で手を握りこむ、ぶんぶんって揺らしたなら、ツインテールもふわふわ揺らいで】
【自分の用事も大事だけれども。相手がそんな顔をして必死に探すのなら、もちろんそれも大事なのだろう。それに、何より、こっちの用事はまずどこから手を付けたものやら】
【分からぬなら意味も分からぬまま相手を手伝わせるわけにはいかないし、――なにより怪我をしているヒトに頼むのは憚られる。言葉の通りであったならば、】

だからね! あのね、休憩をね、したらね、いいなーって思うの! どう? あのね、コマ……コマお姉ちゃん……? 
コワイヒトってね、よく分からないけどねっ。私ね、強いんだよ! だからね、コマお姉ちゃんがね、お休みしてるときね、守ったげるなの!
――あのね、あのね、飴玉あげる! それからね、お茶だって持ってるんだから! それにね、バンソーコーもあるし、消毒のやつもあるよ!

【まず提案するのは休憩であるのだろう。――うろつきだしたばっかりの自分はともかく、相手は、いつからこうしていたのか分からないなら】
【繰り返される単語を相手の名前であると推察して。相手が気にする怖い人というのも、自分は強いから大丈夫だと自信満々に笑いかけて、護ってあげるとまで言い切る】
【そうしたら肩提げのポシェットから言葉通りに飴玉とか麦茶のペットボトルとか取り出し始めて――余談なのだけど、明らかに、ペットボトルが入るサイズはしていない】
【――それでもさも当たり前に飴玉とペットボトルを取り出したなら、どーう、って様子、相手を見上げるんだろう】

【――――キャンディはいろいろな味わいが掌に転がされて。色鮮やかな個包装は見ているだけで何となく楽しげになれてしまいそう】
【――――そうして麦茶のペットボトルは今買ってきたばかりのようにきんと冷えていた。だから、どちらも、相手が欲しがれば、あんまりに当たり前に、相手のものになって】
220 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/13(月) 18:48:16.22 ID:VQBGxX1R0
>>219

……そっかあ。目立つ色してるもんね、見たことあるならすぐ思い出すはずだもんね……。

【「おいしそうだよねえ。食べに行きたい。……ご用事終わったら、コマと一緒にカフェ行く?」】
【話がだいぶ脱線し始めた。でもしょげているのは直らない。だけど、お腹はほどよく空いたらしい】
【それで幼子の「ご用事」とやらが終わったら、一緒においしそうなおやつ食べに行く? とか、勝手に誘い始めて】
【……たぶんわりと元気なのかもしれなかった。それか信じたくないだけなのかもしれなかった、(もしかしたら死んでるのかも、とか)】

だいじだけど……。……その人とはぐれたのね、だいぶ前だから……。
ここらへんにもういなくっても仕方ないことかもしんないの。だからコマはね、もう、大丈夫。

ケガ? ……こんくらいならね、ネムがすーぐ治してくれるから。ぜんぜん平気……ツバつけるだけでもいいかも。

【それっぽいのかそうでもないのか、よくわからない理屈で「大丈夫」を押し通そうとして。傷だって平気だと言う】
【「ネム」なる人物が治してくれるから。……その人物と、幼子がいつか邂逅したことがあるってことはもちろん知らず】
【こちらもツインテールをふらふら揺らして、もういいのって表現する。そしたら首を傾げて、笑って】

そう、コマ。駒子だからコマって言うの……キミのお名前はなんていうの?
こわい人は…………、…………すっごく怖いから、やっぱダメ。コマもちゃんとついてないと、キミが危ない。
…………じゃあアメ貰うね。イチゴの味がいいな、……あるかな?

【怖い人、本当に心の底から怖いのだと、か細い声で言って。まるで実際に会ったことがあるとでも言いたげに】
【だからこそ今度こそお姉さんぶって、守ってあげるのはこっちだと言う。……だと言うのに、】
【飴をくれるというならあまりに素直につられてしまうのだった。単純。……赤色の包装紙を、さがして】
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/13(月) 19:03:04.47 ID:LsEiO33F0
>>220

――――――――で、でもね、あのね! 私がね、あのね、"きおくそーしつ"かもしれないわっ、そうでしょ?
だからね、分かんないわ! 会ったことね、あるかも! あるかも……、え、えーと……。……。

【しょんぼり下がるように聞こえた語尾に幼子は急にフォローの姿勢に入るんだろう、なんでも自分が記憶喪失かもしれない、だなんて、うそぱちもいいところ】
【だのに真面目な顔――というよりもきりっと元気づけるような目をして。――だけどやはり無理やりすぎるのに気づいたのか、こちらもまた語尾が下がっていく】
【「行く…………」と言ってしょんぼりするんだろう。頭の高いところのツインテールもしょげーんとずり落ちてしまいそうな顔をしたなら】
【相手のことを元気づけられなくって悔しい――みたいに、二人で一緒にしばししょげるのだろうか、なんて】

ほんと……? ――あのねっ、でもね、私ね、あのね……。あのね! お友達にね、教えてあげるんだ、あの……えっと……。
私の友達がね、えっと……たいへん……大変だから! だからね、えっと……。でもね、どうしたらいいのかね、よくわからなくって……。

――コマお姉ちゃんね、ネムお兄ちゃんのね、お友達なの? 

【だけれど。もう大丈夫と相手が言うなら、幼子はきっとひどく疑るような――というか伺うような目を、するんだろう】
【そうしながらも――自分の用事なんていうのはひどく抽象的なもの、なんでも友達が大変らしい。大変だから何かを教えてあげたいらしいのだけれど】
【その方法までもはよく分かってないらしい。ゆえにひたすらロードワークに興じようと思ったところ、相手に出会ったのです――と、そこまでは言わないものの】
【――そんな表情がふっと華やぐ、それは自分のお友達の名前だわって伝えるように笑ってみせたら】

あのね、ファラエナ! んん――、オバケみたいに怖い? あのね、私ね、お化け屋敷ね、こわくないよ!
行ったことないけどね、きっとね、大丈夫だって思うの! だからね――、――あっ、イチゴのやつね、あるよ!

【「これ!」と言って幼子――ファラエナ――は赤色の包装を一つ示すんだろう。もう片手にはペットボトルだから、相手が自ら摘まむことになるけれど】
【ならばそこにはなんだかすっごい文字が書いてある。"爆発炭酸"とか"劇烈イチゴ"とか。いわゆるストロベリーには付随しないような単語ばっかり、よくも、まあ】
【――推察するに強炭酸系の飴であるらしい。他のを見ると抹茶プリン味とか塩スイカ味とか。なんだかちょっと変なものが目立つなら】

【――――――もうちょっと普通のがよければ、口ぶり的にいろいろ持っていそうだから、本当に普通のイチゴ、ポシェットから出てくるかもしれないけれど――】
222 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/13(月) 19:16:38.38 ID:VQBGxX1R0
>>221

んーん、じゃあコマのご用事は置いておいて。……ファラエナちゃん、ふぁーちゃんのご用事を先にしようよ。
そしてそれが終わったらカフェ行くの! ……今の季節でもモンブランあるかな?

【もう行くの確定しちゃった。展開が早すぎる。だけどそれは、あくまでファラエナの用事が終わってから】
【そういうことにしたいらしい、だから「用事ってナニ?」とか、気軽に訊いてくるんだろう】
【その時ばかりはしょげるのをちょっとやめにした。お姉さんだから。がんばらないとって思ったらしい】

……んー、お友達、何が大変なのかなあ? 教えてあげるって、なにを……かな?
あれだね、コマ知ってるそーいうの、テツガクテキなヤツって感じなんでしょ? ……むずかしいねえ。

あれ、…………ネムのこと知ってるの? うんそう、ネムは――コマの「運命の人」。

【哲学のての字も知らないくせにそれっぽいこと言って、それっぽくまとめようとするも。なんにもわかってない】
【だからまずはお友達、どういう風に大変なのかってことを訊きたがる。それから何を教えたがっているのかも】
【――――けれどファラエナが、「彼」のことを知っているというなら。ぱっと表情を明るくさせて――はにかむんだった】

おばけ、って言うか…………お話が通じないの。んーと、お話はしてくれるんだけど……
言ってることの意味がぜんぜんわかんなくて。それで、何処かに連れて行こうとするんだよ、
「オメラス」ってとこ。そこに行こうってずっと誘ってくるの――断ってもそれをわかってくれなくて。

【だから怖いんだよ、と結んで――話すのは不審者情報、誘拐犯っぽい手口だけども】
【尋常ならざる異常性がそこにはあるんだって、拙い言葉でなんとか伝えようとするけど。伝わるもんだろうか】

【そうしていたけど。飴を選ぶときには――至極真剣な顔して、むむ、と唸る。爆発――はなんかこわいから】
【激烈のほうを摘まみ上げて、包装をびりっと破いて口に含む。……ばちばちっと口の中で弾けたから、びくーんと背を伸ばした】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/13(月) 19:31:38.74 ID:LsEiO33F0
>>222

【自分の用事――尋ねられたなら幼子はそのあどけない顔をめいっぱいに真面目な色に浸すのだろう、フレンチトーストよりしみしみにして】
【その癖に言葉が出て来るまでにはいくらかの時間を要するに違いなかった。――幼子には難しいことなのかもしれなかった、或いは事情が複雑すぎて】
【だれかれ構わず言いふらせることでもない出来事まで絡むなら、余計に。ゆえに、幼子はしばらく悩むみたいに沈黙するんだろう、おそらくは三十秒くらい、――】

あのね、あのね! カエデをね、いっぱいね、悲しませたイルとね、鈴音お姉ちゃんをね、虐めたね、イルはね、別だって…………。

【――そうしてやっと出て来る言葉は、きっと、よく分からないものだった。あまり言えない事実を口にせず、細やかなことまで説明するには言葉が足らず、けれど、】
【誰かの名前を三つ並べて。――複雑さの端っこくらいは感じ取れるのかもしれなかった、誰かと誰かが別なのを証明する気なのかもしれなくて、だから】
【どうしたらいいのか分からないって言ったのかもしれなかった。――その時は勢いもあってカっとしていたから癒えたことでも、後から考えるのならば】
【どーしようって少し悩んでしまう。どうしたらいいのか分からないから、一瞬、どうしようって聞くみたいな目が相手へ向くのかもしれなくて】

ネムお兄ちゃんのことね、知ってるよ! あのね、屋上でね、日向ぼっこしてた! 私もね、あのね、日向ぼっこね、よーくね、するの!
お昼の国でね、会ったの! 私ね、お日様ってね、大好きなんだ。でもね、お母さんがね、ヒキコモリだからね、お引越しはね、しないって――。

【――――ぱぁと華やぐ表情。はにかむ笑顔を見たら幼子もまた嬉しそうにするんだろう。彼と会った時のこと、もう少しだけ、お話する】
【屋上で日向ぼっこしていただなんてちょっとだけ違う気もするんだけど幼子はきっとそうやって判断しているに違いなかった。だから――自分もするんだ、と】
【お引越しがしたいと思うくらいに太陽が好きなんだとも伝えて――たしかにひまわりみたいに笑う子だった、真夏の気温がいっとうよく似あうような、女の子】

んん……難しいお話ね、するのかなっ? 私ね、オメラスってところね、知らないけど! あのね、あのね、気を付ける!
オメラスってね、どういうとこだろ? ――そこに行ったらね、そういうね、怖いヒトがたくさんね、居るのかな?

【「そしたらヤだね!」】
【どこか冗談めかすような声。――だけれど相手の表情や口ぶりから、何となくではあるけれど、その誰かの怖さというものは伝わってきたらしい】
【とかくよく分からない話をする人。話しはできるけれど決して会話にはならない人。どこかに行こうって誘って。ヤダって言っても駄目で。――なるほど、怖い】
【だけれどそれはいわゆる恐怖というよりは日常に潜み女子供にのみ姿を見せる恐ろしさみたいなものと判断したフシはあった、男には決して見えない妖怪みたいなものだと】

【――幼子とて全く知らないわけではなかった、路地裏に潜り込むなら、怖いものはいくつも見て来た、別にそんなの、怖くはないんだけど】

あのね、それね、ばちばちってしておいしいでしょ! 元気出た?

【――――背中をびくーんっとさせる相手を見たなら、幼子はいたずらっぽく笑うんだろう。どう?って尋ねる。どうも何も、とかく"すごい"やつだった】

/ごめんなさい、ちょっと食事で離席します!
224 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/13(月) 19:51:09.09 ID:VQBGxX1R0
>>223

…………かえで、いる、リンネおねーちゃん、いる……ハハ〜ンわかったわかった。 【←わかってない】
つまりその四人がケンカしてるってこと? リロンはわかった。 【←間違ってるしわかってない】
むずかしいねえ。仲直りするのってねえ、みーんなナットクしないとできないもんね。

――――それかねえ、誰かがなにかをあきらめないといけないもんね、それはちょっと悲しいもんね。
コマもよくネムとケンカするんだけどね、ネムいっつも口が強いからコマが負けて……だいたいコマがあきらめてるもん。

【――――――――、】

【とりあえずは込み入った喧嘩が原因で、その外にいるファラエナが何かしら負い目を感じているんだと、解釈して】
【だったら仲直りしないとねって言って、それは難しいから大変だねって。他人事だから、そんな簡単に、言えちゃう】
【みんなが納得するか。……あるいは誰かが何かを諦めなければ。その先にしか道がないって言う、あんまり、残酷だった】

日向ぼっこ、ヒルのクニ……あー、あのときかも。コマ呼ばれたのに遅刻してって怒られたとき!
コマもねえお日様好きだよ、でもふぁーちゃんのママは嫌いなんだ……かなしいねえ。
あっそうだ日傘とか買ってあげれば? そしたら一緒に、お日様の下でも、出てくれるんじゃないかなって思うけど……

【引き籠りの人に日傘を与えたくらいでどうにかなるものなのか。多分きっと絶対それで解決はしない】
【だろうけど、どう、名案! みたいな顔して言ってくるんだから――めちゃくちゃ無責任】
【これで本当にファラエナが日傘買いに行って、お母さんとやらに嫌そうな顔されるかも、とか……まったく考えないのであった】

そうそう、気を付けて! 飼主様も言ってたの、電波塔から直々に連絡があるってすごく珍しいことなの。
だからすごく怖いところなハズだから、「オメラス」――――そういう人にはついてっちゃダメだよ。

…………ベロがビリビリする! すごい! ビリビリきた!!

【「オメラス」とやらの怖さを伝えるため、「飼主」とか「塔」とか専門用語を出してみたけど――たぶん通じない】
【けれどそういう人についてっちゃダメ、ってことだけはきっちり伝えて。うんうん頷いたら】
【ビリビリの口の中を示すように大きく口を開けて笑った。そんなことしてもビリビリが可視化するわけではないんだけど――】

//はーい、ごゆっくり!
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/13(月) 20:30:19.15 ID:LsEiO33F0
>>224

ほんと!? あのね、あのね、私はね、カエデにね、元気になってほしいってね、思うの! ホントよっ。
カエデがね、あんなふうにね、悲しい顔したりね、怒ったりしたりするのね、私もね、ヤなの! だからね――。
でもね、あのね、鈴音お姉ちゃんにひどいことしたね、イルってヒトとね、カエデがね、悲しくなっちゃったのもね、イルってヒトのせいで、だからあ……。
おんなじ名前でしょ? だからね、きっとね、カエデね、こちゃこちゃってなっちゃってるの! だからね、私がね、違うよってね、教えてあげるの!
だからね、私ね、それがね、ご用事なんだわっ。だけどね――それってね、どうしたらいいのかなってね、あのね、よく分からなくて……。

えーっ、ネムお兄ちゃん、ひどーいっ! コマお姉ちゃんね、ネムお兄ちゃんのことね、大好きだってね、私ね、分かるよっ。
でもね、でもねっ、イヤなことがあったならね、すぐに言わなきゃね、後から言われてもね、困っちゃうってね、思うな! だからね、
今度ケンカしちゃったらね、あのね、諦めなくってね、お話したらね、いんじゃない――? だってね、ずーっと、あの時我慢したのに!ってね、疲れちゃうよ!

【わかったって言葉を相手が紡いだのなら、途端に幼子は目をキラッキラにして話し出すのだろう。それはもう溢れ出るみたいに、ずらずらと喋るけど】
【たとえ分かっていたんだとしてもなかなか分かりづらいようなこと――というかやはり言葉が足りない。それで、まして、相手が分かっていないというのなら】
【それはもう一種の言葉の濁流みたいになってより一層きっと分からぬのだろうと思わせて。なんせ結構早口でもあった、分かってもらえた嬉しさに彩ってみせたら】
【――本当に軽い口ぶりでえーって感じで幼子は口にする、そんなに大好きなんだろうコマのことを言い負かすばっかりだなんて、って、少しだけ怒るみたいに】
【だけれどそのうえで。諦めてばっかじゃ、そういう、ストレスみたいなものが溜まっちゃうから、それは、その時に解消したほうがいいよって、アドバイス】
【アドバイスというにはあんまりに子供っぽい言葉の選び方ではあったけれど――――――】

お母さんはね、お外にね、全然出ないの! 日傘ってね、あのね、女のヒトがしてるやつ! でしょ? あのね、見たことあるよ!
お母さんね、日傘があったら出てくれるかしら! だったらね、今度ね、聞いてみるわっ。どんなのがいいかなーってね、聞いてみるっ。
あのね! 昔ね、あのね、みんなで考えたらね、なんかいい事思いつくよーってね、教えてもらったの! だからね、
 
三人でもんじゃ焼き……? 食べたら……? 美味しいよ! みたいなね!やつね、教えてもらったんだわ!

【――ぷんと急に子供は怒るんだった。お母さんは引きこもりでてんでダメでってことを言いたいのだろう、ぷりぷり怒った顔、ほっぺたをふくらまして】
【お日様が嫌なのならそれでもいいかもって笑う。朝も昼も夕も夜も引きこもっているから多分太陽のせいではないんだろうけれど、それでも――案をもらえたなら】
【そうしてみる!ってあんまりに無邪気に受け入れるのだ。いつか教えてもらった言葉。三人居ないけど二人だけどいい案だわって鮮やかに笑ってみせ】

――あのね、飼い主様ってね、良くね、分からないけど……。分かったわ! コマお姉ちゃんね、ありがとなの!
オメラスにはね、行かないようにね、するわ! ――――でしょ! 私ね、初めて食べたときにね、ぴゃってね、あのね、声出ちゃった!
眠たいときとかにね、食べるとね、元気になるのっ。だからね、コマお姉ちゃんもね、元気になったみたい! よかった――。

【飼い主も塔も分からない。けれど分からないなりに、その単語には近づかないようにする、気を付ける、と約束するのだろう】
【口を開けて笑うなら――幼子もきゃらきゃらいって笑うのだ。別に相手は眠かったわけでないのだろうけれど――それでも、よかった、って、はにかんで】

/おまたせしました……!
226 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/13(月) 20:48:09.20 ID:VQBGxX1R0
>>225

ん? カエデが? イルのせいで? リンネおねーちゃんも? イルのせいで? ……? ?????
…………………………あっそっかイルってふたりいるんだ! アッ今のべつにギャグじゃないよ!!
そっかそれで、ごちゃごちゃになってるから……ちがうよって教えに行くんだね、ははーん、リロンが整った! 【←そうでもない】
んーーーーーーそれでどうしようって話なのかあ……じゃあどっちかの「イル」に会わなきゃいけない、のかな?

んん、それはそうなんだけど……最終的にね、ネムね、コマがあきらめてもいいような理由を用意してくれるの。
だからあんまり、ずーっとヤだなーって思うことはね……あんまないの。ネム、頭いいから。
あっでもそれって納得するのと同じことなのかなあ、あきらめるのと、納得するのと……。
違うようで、似てることなのかもしれないねえ。……頭いいひとじゃないと、なかなかそうできないだろうけど。

【だいぶ長いこと、大量のクエスチョンマークを並べてから。「イル」が二人いるということを理解し直して】
【だったらそのどっちかに会いに行けばいいんじゃないって。やっぱり他人事。ふたりのイル、カエデ、リンネ、誰の知り合いでもないなら】
【平然とそんなことを言えてしまう。どれほど危険なことが待ち受けているかなんて、知らないから――それで】
【「あきらめ」と「納得」は、意外と似ているものなのかもしれないね。そうとも口にした。ちょっと難しそうに、それでも笑って】

ヒキコモリってつまり日差し浴びたくないってことなんじゃないかなーって思ったの、だから日傘!
それで出てくれないかなあ……よくわかんないけど。うんうん、……もんじゃ焼き? それはまあうん、おいしそうだけど……

【この場に突っ込み役がいないのが、あまりにも致命的だった。流れるままに話は進んで、それできっと】
【日傘を渡されて「お母さん」が怒るようなことがあれば、それは間違いなくコマのせいになる。そしてそれを謝りに行く必要が出れば】
【なんとなく「ネム」がそうしに行くんだろうな――みたいな。如何ともしがたい予感、けれど二人だけでは察知できないなら。どうしようもない】

うんうん! 知らない人についてっちゃダメなの、それで――――怖いと思ったら、すぐ逃げるんだよ。
んーぅ、だいぶ元気になったの、ほんとほんと! それじゃーご用事済ませに行く? 「イル」探し。
………………………………、……「イル」って路地裏にいるのかな? まずそっからわかんなくない?

【元気になったし話もなんとなくまとまった(多分)! なら早く用事を済ませに行こうって言って――さっそく座礁するのであった】

//すみません、今度はこっちがごはん行ってきます……!
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/13(月) 21:05:11.37 ID:LsEiO33F0
>>226

なの! あのね、あのね、私もね、良くね、分かんないのだけど……。イルってねヒトがね、二人ね、居てね……。
私もね、会ったことないなの! 会ったことないからね、えっとね、どういうヒトかもね、良くね、わかんないけど――あーうー。
それでね、カエデのね、お父さんはね、イルって人に会ってね、――――その、あう、……えっとね、"居なく"なっちゃって……。
でもね、あのねっ、鈴音お姉ちゃんがね、イルって人のところからね、戻ってこられたらね、そしたらね、違うってね、ことでしょ?
だからね……私ね……、

【こくんと幼子は頷くんだろう。そうして述べてゆく――結局彼女自身もよく分かっていないのだろう。なんせ、二人居るイルのどちらも知らない】
【会ったことがない。だけれどカエデという人物にそれらが"違う"ということを証明するために、幼子は何かをしなきゃいけないと定めているらしいのなら】
【二人でしばらくクエスチョンマークを浮かべていたのだけど――やがて躊躇いがちに伝えるだろう。かつてイルという人物に行き遭ったカエデの父親は、居なくなった】
【そうして鈴音という人物もまたイルという人物に行き遭って、いまいないのだと思わせた。だから――だから、その人物を取り戻せたら】
【それはかつての因縁に苦しむカエデという人物を救えるはずなんだって、きっと、信じていた】

ん、んん……? じゃあね、あのね、コマお姉ちゃんはね、諦めるけどね、えーっとね、あんまりね、平気なのね!
よく分かんないけどね、それならね、いいなって思うなっ! コマお姉ちゃんがね、悲しいよりね、私だってね、うれしいもの!

【――だけれど、相手の言った言葉はよく分からなかったらしい。諦めることと納得することが似ているって、彼女にはまだ思い至れないなら】
【とかくよく分からないけどコマが諦めながらも別に遺恨を遺しているわけではないと――それのみを理解する。アイスとか買ってくれるのかな、って、勝手に思っている】

あのね! 三人でもんじゃ焼きを食べたら……おいしくって……なんかが分かるのよ!

【もしかして:三人寄れば文殊の知恵】
【めちゃくちゃ得意げな顔をしているに違いなかった。そのくせ言っていることは致命的に何かが間違えていて、ただ、きっと幼子の中では意味が通っているんだろう】
【みんなでおいしいものを食べたらお話だって弾んで何かいい案だって思いつくんだわって思っている――ような気がしたなら。にこりと笑顔、だけど、】

私ね……イルってヒトとね、会ったことないからね、わかんないわ!
あのね、どんなヒトなのかな? カエデにね、聞けばよかったっ。女のヒトかな……? でもね、鈴音お姉ちゃんね、女のヒトだからね……。
男のヒトかな!? だってね、人間のヒトってね、女のヒトはね、男のヒトが好きでしょ? だからあ――、

【「あっ」って思わせるのかもしれなかった。まさか……だなんて予感させるのかもしれなかった。だけれどそれできっと合っていた】
【幼子は本当に探す相手のことを知らないでいるらしい。――口ぶりからして鈴音という人物とは何かしら親し気だとは思わせたのだけれど】
【なんせ性別すら知らないのだ。――そうやって口にしているのはどこかおかしな言葉だった、人間は異性が好きだ、なんて、あんまり、言うことではない】
【それではまるで幼子が人間ではないような、】

路地裏に居るのかな……?

【――とりあえず確かであるのは、幼子が考えなしであるっていう、その一点だけは、それはもう、北極星より綺麗に燦然と輝く事実であったけど】

/了解しました、ごゆりろと!
228 :文月 ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/13(月) 21:17:18.87 ID:lo815orFo
>>214

【彼女の方はと言えば、厳しい表情を崩さない──── 怜悧な目元が恐ろしく】
【少しでも白桜が手を抜こうとしたなら厳しく叱責をとばす】
【──── あの優しげな姿とは似ても似つかぬ、鬼教官の姿に近く】


……ふむ、まぁ、こんな所やろか、いきなりにしては上出来どす
せやけど、直ぐ気ぬかはったら元の木阿弥やさかい、きちんとしはりや
部屋の乱れは心の乱れ、綺麗な部屋にこそ、綺麗な精神が宿らはって

──── 分かってはる? 白桜はん


【掃除が一段落したなら、周囲をチェック、及第点ぐらいにはなったのか】
【うんうん、と何度か満足したように頷いて────】


お疲れさま! めーっちゃがんばらはったなぁ、白桜はんやればできる子やんっ
もうお姉はん大感激やわ! 今日は美味しいもん食べなあかんどすっ!
えらいえらいーっ! こぉんなできた妹がおって、お姉はんは嬉しいわぁっ!


【ぎゅーっと力一杯抱きしめて、えいやえいやと撫でてくる】
【満面の微笑みは向日葵に似て、さわやかな風を奏でるみたいに】
229 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/13(月) 21:32:16.11 ID:VQBGxX1R0
>>227

カエデのほうのイルは、カエデのお父さんを連れてった……あんまよくない人、で、
リンネおねーちゃんのほうのイルも、リンネおねーちゃんを連れてった……ってことかあ。……んー、
なんでリンネおねーちゃんは「イル」についてっちゃったんだろうね。おいしいアメとかもらったからかな?

【「でもそれくらいだったら戻って来てくれそうだよね」 ――他人事の言葉は未だ続いて、楽観】
【コマは勿論知りもしなかった、その「アメ」が、「リンネ」にとって世界で一番甘美で、永遠になくならない飴であったということを】
【だから意外と簡単に解決できちゃうんじゃない? なんて思っちゃう。ほんとうにひどい話だった】

そーそ、コマがあきらめてガマンした分だけ、ネムはほかのものくれるの。
それでどーだってよくなっちゃうんだよね……まーいっかって気持ちになって。えへへへ。

【続く話にはやたら頬を緩ませて、仄かに紅く染めたりなんてして。……実はキスしてもらってる、それだけの話なんだけど】
【それを幼子に言うのは流石に恥ずかしかった、たとえおバカのコマであっても。だからアイスでも飴でも、なんでも想像してもらえればいい】

えーそれもんじゃ限定? もっとリッチでおいしいもの食べたらさらによくわかるんじゃないかなー。
焼肉とかお寿司とか。……あ、それこそ「イル」と「リンネおねーちゃん」と「カエデ」で食べさせればいいんじゃない!?
そしたら一発解決だと思うんだけどー、…………ダメなのかなー。むずかしいねえ。

……んん、会ったことないの? イル……んん、でも、最近は男の人どーしとか、女の人どーしとか、
そーいうのもアリ! ってフーチョーになってるって聞くよお。コマのいるところはねえ、男の子と女の子しか
ペアになれないから、あんま見たことないけど……でもコマはそーいうのも大いにアリだと思うな!

【男と女がかならずくっつかなきゃいけない、そんな時代は終わったんだってこと、テレビで知ってるから】
【だからもしかしたら女の人かもよ。とか言ったりして。……こんなに小さい子なら、それを知らないのも仕方ないことかなとか思って】
【それ以上疑問に思ったりはしなかった。けど、――――】

……………………やっぱいないのかな? 困ったね、じゃあまず……
「カエデ」に、「イル」ってどこに居るの? って訊くとこから始めなきゃ、じゃない?

【――――考えがなかったならほんと、どうしようもなかった。それはコマも同じことだったけど。二人揃って立ち尽くして――――】
【……「よっしゃ今日はもう仕切り直しってことにして! さっき言ってたおやつ食べに行かない!?」 ……早々にあきらめムード。】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/13(月) 21:58:21.35 ID:LsEiO33F0
>>229

えー! でもね、鈴音お姉ちゃんね、飴玉ね、ガリガリって食べちゃうんだよっ。私はね、味わったらね、いいって思う!
んん……だからね、あのね、きっとね、飴玉をもらったんじゃね、ないって思うな! だってね、鈴音お姉ちゃんね、すぐに食べちゃうから――。

【どうやら鈴音という人物は飴を噛んで食べるタイプらしい。といっても本当はいくらか舐めた後の、小さくなってきたやつがつい気になってしまって】
【かりかりやってたら割れちゃって……っていうタイプなのだけれど。幼子にとってはあんまり関係がないらしい、それならば、「じょーちょがないわ!」って愚痴る】
【飴の食べ方に情緒も何もあんまりないと思う――というのもまた幼子には関係がないのだろう。であれば、もらったのは飴玉じゃないって、言葉通りの解釈】
【だってすぐに噛んで食べてしまうんだからって。それで時間のかかる食べ物を思い出して――「スルメとかかなっ?」って冗談めかす】

そっかぁ、じゃね、いいのかなっ。コマお姉ちゃんがいいよーって言うならね、私ね、それでいいよっ!
ねーね、あのね、お饅頭とかかな? それともね、ケーキ? アイスクリームとか? 私ね、私ね、くずきりってお菓子がね、美味しかったのなの!
あのね、櫻のお菓子でね、ゼリーみたいなのがね、ぶりゅってしててね、ずりゅーってね、出るの! それでね、黒いシロップをね、かけて――。

鈴音お姉ちゃんがね、かんみどころってところでね、食べさせてくれたの、あんみつってやつもね、おいしかった!

【綻ぶ相手の表情がぽんやり赤くなってもやはり幼子は意味を解していないようだった、ならば本当にお菓子か何かもらってるのかな、って、笑って】
【何をもらったのって尋ねて来るけれど――金髪碧眼の幼子にしてはずいぶん渋いチョイスが混じりこむ、くずきりってやつがおいしかったわ、なんていうなら】
【いつか件の人物と食べたらしかった。それにしても説明がへたっぴで本当に伝わるかは分からないのだけれど。知らねば何かげてものみたいなイメージになりかねなくて】
【――ただ分かるのはやはりその人物とこの幼子がずいぶんと親しくしていたこと、なんだろうか】

焼肉とかお寿司ってね、あのね、あんまりね、食べたことないわ! ないけど……、あのね、ヒトのお金で食べるとね、おいしいのでしょ?
じゃね、私がね、お支払いしたらね、みんなね、うんと美味しく食べられるかなっ!? みんなで食べたら、仲良くなれるかなっ!
だけどね、私ね、カエデと鈴音お姉ちゃんとはお友達だからっ。だからね、イルってヒトとね、オスシ食べたらね、――えー、だめかな!?

/変に長くなっちゃったので……!
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/13(月) 21:58:37.17 ID:LsEiO33F0
>>229>>230

――んーっとね、ないわ! だからね、あのね、髪の色もね、お目目の色だってね、わかんなくて……。
ペア……ペアってね、あのね、んーとね、仲良しする? でしょ? コマお姉ちゃんのとこはね、そうやってね、するのね!
"私たち"はね、えーっとね、箱の中で眠っている私たちをね、見つけてくれたヒトがね、お父さんとかお母さんのね、マスターになるのよ!

じゃーね、あのね、鈴音お姉ちゃん、女のヒトと結婚するのかな!? んん? でもね、それじゃね、"駆け落ち"みたいでしょ、ドラマで見たけど――。

【何か良くないコンテンツを覗き込んだことがあるみたいだった。だけれどそれなら自分がお金を出すからみんなで食べに行きたいな、なんて、笑うんだろう】
【その反面カエデやリンネとはすでに友達だから、あとはイルと友達になったらいんじゃないとも笑って、――相手の言葉に、がーんとショックを受けた】
【ダメかな!?なんておっきな声。本当にびっくりしたみたいで、ツインテールだってびょんってなってしまいそうで(ならないけれど)】

【――続く言葉には。どうやらさっきの言葉、飼い主や塔って単語から、幼子は彼女らも何か"そういうもの"なのかもしれない、と思ったらしくて】
【自分たちのことも少しだけ教えてくれる。本当は内緒なんだけれど。――であれば余計に。変だと思わせるのかもしれなかった、けれど本筋はそこじゃないなら?】
【とはいえ聞けば人懐こい子だからいくらかは答えてくれるかもしれなかった、――そういった風潮についてはそうなんだぁって納得する、納得して】
【だけれどそれじゃああんまりにドラマとかで見るやつみたいだって。だから結局なんにもしらなかった。いろんなことは知っていても、それそのものについては、全く知らず】

【だから――――――】

ん。んん。んんん――――――……! ……んんん、分かったわ!
あのね、コマお姉ちゃん。私ね、分かっちゃった……――――おやつを食べてね、頭のね、栄養補給をしたらいいことが思いつくかも!

【――ずばーんっと見開き一ページ使うみたいな勢いで宣言する。結局認識したのは詰みの現状。すなわち現実逃避だった。でも、ここで悩むより】
【冷房のしっかり効いた場所でおいしいものとか食べた方が、確かに、なにか、思いつく気がする、――――気がした】
232 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/13(月) 22:30:20.86 ID:VQBGxX1R0
>>230

噛んじゃうタイプの人なんだ、えー。コマも気分によっては噛むけどお。
飴じゃないならなんだろう、もっとおいしいもの? スルメ――――スルメでついていくかなあ。
そっかねえ……食べ物じゃなくて、可愛い服とか、お人形とかもらえたのかもね! だったらイルちゃんいい人だけど、

【「お家に返してくれないのはよくないねえ」。困った人だね、みたいなトーンで流せども】
【そんなものよりずっとずっといいものをくれる人って言うのがあんまり想像できなかったらしい。あるいは、】
【そんなのなくても何かもらえるだけで幸せだと思える人の、心理を、知らない。あまりにも他人事が過ぎたから】

………………んん、えへへ、それよりもっといいものもらえるの。
ふぁーちゃんもきっともう少し大きくなったらわかるよお、どんなお菓子より甘くてとろとろになれるもの!

櫻のお菓子かあ、……そいえばあんまりたべたことなかったかも。おやつ食べに行くの、そういうのがあるところにする?

【ふふふ、とはにかみながら、それでも嬉しそうに。まだひみつ、のポーズをしてくるっと回る、スカートが広がる】
【そしてファラエナの趣味が意外と渋いところにあると知れば――これから行くお店のチョイスを少し変えるべきかと】
【呑気なことを考えていた。二人ともさっきまでうんうん唸って何か考えてたなんて、思わせないくらい】

人のお金でたべるとおいしいってなんか聞いたことある! だってお高いもんね!
えっふぁーちゃんがお金出せるの!? オカネモチなの!? すっご……
コマいまジュース一本分くらいしかお金持ってないのに……んーだって、イルって人がそういうの好きじゃなかったら、ダメじゃない?

外見もわかんないんだ!? それやっぱ「カエデ」に聞くべきだよ!
そうそうナカヨシする感じ……、……んんん? ハコ? マスター……? ……そーいう不思議な制度もあるんだ……。

駆け落ちかー、それはそれでロマンチック! コマはねえ、リンネおねーちゃんが幸せならそれでいいと思うけど、……、

【流れるままに止まらない会話。止める役目が居ないならそれはもう大海に広がるまで流れ続けて】
【結局のところ「リンネおねーちゃん」が幸せならまあ、いい気がしないでもないけど……。そうも言うけど】
【やっぱり「イル」とはちゃんと会ったほうがいいと思う。そんな感じ、締めくくったなら】

…………………………うんっ! なんかコマ聞いたことあるよ、お砂糖って脳ミソのエネルギーになるらしいし――――

【「ちょーどいいじゃんね!」 とかなんとか言って。じゃあこんな暑くてじめじめしたところ、早々に出てっちゃおうって】
【逃避の案にあっさり賛成しちゃう。そしたら二人揃って、街に戻っちゃうんだろうか。そしてまた、適当にカフェに入って】
【モンブラン、メロンソーダ。頼んで……ちょっとだけ憂うような顔をするのだ。「おたがい、会えるようになるといいよねえ」】
【そう言いながらもおやつ、堪能して――――今日のところは二人ともひとまず撤退。ってことに、なっちゃうんだろうか――】

//く、区切り良さそうですがこんなところで大丈夫でしょうか……!? もうちょっと続けられもしますが!!
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/13(月) 22:55:43.54 ID:LsEiO33F0
>>232

えー! それはね、もったいないわ! せっかくね、あのね、飴の……会社の……ヒトが! いっぱいおいしいのが長いようにって作ってくれたのに!
あっ、あのね! 鈴音お姉ちゃんね、あのね、お人形さんね、好きなのよ! お家にいっぱいあるんだからっ、いーっぱいね、大事にしてたの!
今ね、どうしてるのかなっ? 埃とかね、付いてたらね、可哀想……。

【――どうやら、幼子にとって飴玉を噛むというのはわりにダメなことであるらしい。曰く、飴を作ってる人が、せっかく固めてくれたのに!と】
【なんだかよくわからないような理由でぷりぷり怒って――だから大事にゆっくり舐めるべきなの!とでも言って〆るのだろう。他人にとってはどうでもいい理論】
【それからお洋服とかお人形……と聞けば、件の人物はどうやらそういう趣味でもあるらしい。家にたくさん居るのだと――大事にしていたのだ、と、言えば】
【ふっと気づいたみたいに呟くのだ。その人形たちの手入れは誰がしているんだろうって。誰もしていないのかもしれなかった。ならば――可哀想だな、って、呟く】

ふーん……? じゃあ鈴音お姉ちゃんもね、それをね、もらったのかな!
んーん、あのね、なんでもね、いいよ! 私ね、好き嫌いね、ないのよっ! あのね、あのね、エラいでしょ!
だからね、ピーマンとね、ニンジンとね、ナスと、えーと……、ゴーヤ! あとね、あと……うーん、グレープフルーツ……以外は……食べられるの!

【くるりと廻る仕草に拡がるスカート。わぁと幼子は感嘆の吐息を漏らすんだろう、きっとあんまりに素直に綺麗と思って】
【相手の言葉に、それなら彼女だってそれをもらったのかも、だなんて、呟く。大人になったら分かるよって言われたら、にこーっと笑って、】
【お店はどこでもいいって伝える。だって好き嫌いはないから。――――ほんとうに? 本当、ではない、多分、それを本当とは言わないんだろうから】

あのねっ、お母さんがね、おこづかいをね、くれるの! だからね、それでね、お買い物するの!
んん……カエデね、イルってヒトのことね、嫌いみたいだからね、んー……、んんー……! ……誰かにね、聞いてね、みるなの……。
そう! あのね、あのね、鍵を使うとね、箱の中で眠るの! だからね、開けてくれたヒトがね、お父さんとかお母さんになって……。

【であれば井の中の蛙だって呆れるくらいにきっとその海は広かった。どこにも引っかからない会話群がするするするってどこまでも】
【そうやっていろんなことを教えてはくれて、――だからきっと、さっきから言っている引きこもりの母親というのが、その、マスターなのかもしれない】
【なら――この子もまたいつかはアコの中で眠ったことがあるのかもしれなかった。ぱたぱたって身振り手振りの説明。ピャッピャッピャって四角く描く、箱】
【よりによって箱を身振り手振りで説明したから角ばったラインを虚空に描き出して。――つまり、まあ、多分、この幼子は普通の人間ではない、らしいことだけきっと伝えて】

決まりなの! えっとね、だからね、サクセンカイギをね、しなくちゃ!
そしたらね、あのね、コマお姉ちゃんの探してるヒトのこともね、聞いてね、それで……えーと……。
モンブランとメロンソーダの、サガシキツネビトサンさん! ね、あのね、ホントのね、お名前とか分かったら、私もね、探せるから……。

【にこりと顔が綻ぶ。名目は作戦会議、だから現実逃避じゃないよって言い聞かすように。そのくせ現実的にはどこまでも現実逃避の色合い、限りなく】
【そうしたらコマの探し人のことだってもっと話せる。名前とか見た目とか聞いたら一緒に探せるよねって笑う、相手が嫌がらなければ、それを聞くのだろうし】
【それと一緒に、なにか、お互いに出会うための、作戦を語り合って――あとは食べてるものについておいしいとかこれもおいしそうとか、そんなこと、話すのだろうか】

【――とかく確かであるのは、幼子のテンションはきっと終始高いってことなのだろう。盲目なまでに眩いくらいの、まるでそうやって育てられた、みたいに】

/んだばいい感じぽいのでこれで……! おつかれさまでしたっ
234 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/13(月) 23:34:31.93 ID:6EX5JHp90
>>228

【白桜は強く決意する――"文月お姉はんの逆さ鱗には触れまい"と】

【部屋掃除に関して意固地な部分があった彼女が】
【散かった部屋の方が状況の把握が容易いとさえ嘯いていた彼女が】
【普段なら屁理屈を弄して掃除を拒む彼女が素直に掃除するほどの姉の圧力】

【この部屋の主は白桜である筈なのに。侵略戦争に敗れた王の気分をタップリ味わっていた】


―――……はい、お姉はんの……おっしゃるとおり、です。
今後は――……って、ひゃあっっ?!


【姉の底冷えする様な目線と鬼と思わせる程の厳しい口調と表情に】
【反射的に介錯をする武士の様な心境と態度にならざるを得なかった】
【肯定の言葉を吐き出すのにも多量の覚悟が必要で。その声色は重く沈んでいた】

【けれど、掌を返したような姉の態度と言葉に意表を突かれて素っ頓狂な声を洩らす】
【豹変とも言える変化に瞠目する暇も無く。日溜りの様に暖かな微笑みと抱擁は】
【白桜の張り詰めた気を一気に弛緩させて――そこから感情が溢れ出すのに時間は掛からなかった】


ううっ、お姉はん…っ。……良かった。何時も通りのお姉はんに戻ってくれて。

私、お姉はんに三行半を突きつけられたと思ったから……。
こんな駄目な妹を抱きしめてくれる。そんなお姉はんが居てくれて、私も……嬉しい。


【頭を撫ぜる感触も、抱きしめられる暖かみも全て愛おしくて白桜も姉の身体をきゅっと抱きしめる】
【先程とは違う意味合いの涙目は安堵から。やや嗚咽交じりに紡がれる言葉もそれに由来していた】
【やがて涙でくしゃくしゃになった顔を見られたくないと思って――文月の胸に顔を埋めるのだった】
235 :文月 ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/13(月) 23:42:32.38 ID:lo815orFo
>>234

【胸に顔を埋めてきて、少しびっくりして、大きく目を開いたけど】
【直ぐにまた頬を綻ばして、もうと小さく漏らしたりもする】
【────満ち足りた気持ちであった、望んだ世界に近い】


……うちが白桜はんを見捨てる筈ないどす、それにまぁ、ダメな子の方が可愛いとか
なんかそういうの言わはるし……って、大げさやなぁ、ほんに
でもな、うちも、言ってもなおらへん人には、こんな事言わへんよ

うちは信じてるどす、白桜はんはちゃんと、その信頼に応えてくれはって
姉からしたらな、こないに嬉しい事なんてあらへんのよ
ほら、何でもいいや、今ならうち、何でも作ってあげるさかい


【────甘やかしてしまうなぁ、なんて、少し苦笑い】
236 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/14(火) 00:19:47.55 ID:5ssw8sz30
>>235

【未だ胸に顔を埋めたままなのは、離れたくないと言う気持ちから】
【寂しさを埋める様な振る舞いの大義名分に担ぐのは姉妹と言う関係】
【元より甘えん坊で照れ屋なのも理由に含まれているのだけれど】


―――……おむらいす。オムライスが良い。
それに私もいっしょに作る。……つくったこと、ないけど。

お姉はんだけに任せたくないから…、いつか私もお姉はんに何かを作ってあげたいから。
だから、わがまま。だめだって言われても言う事は聞かない。存分に、勝手を振舞う。


【オムライスとはまた子供染みた料理を、と思うかもしれない】
【今までの白桜ならきっと言い出さなかった事。親鳥が餌を運ぶのを待つひな鳥のように受身だった彼女が】
【埋める先の胸に消え入るような声で、しかし確かな意志を以て紡いだ言葉】
【きっと、もう幻滅されたくないと切に願って。少しだけ自分を変えようと決意した故に白桜は顔を上げる】


……あっ、でも。冷蔵庫には食材が……無かった。
だから、買出しに行かなきゃ(酒類やハーゲ●ダッツ以外)何も無い…うぅ、失態。


【けれど前途は多難か。水と酒しかない冷蔵庫を見られたら姉は絶句するだろうから】
【だから言葉ではなく、懇願するような目でモノを言う。"冷蔵庫は絶対に開けないで"と】
237 :文月 ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 10:53:37.54 ID:1hAuTw8Go
>>236

【夜半の水面に落葉が重なって波紋を広げる様に、文月の表情に驚きが満ちて】
【けれどもそれは直ぐに微笑みへと変わる。慈しみが頬を濡らして、頬紅に体温が溶ける】
【引っ込み思案だった妹が、少しばかりの勇気を振り絞って、それでもぎゅっと、袖を掴んでいるみたい】

【──── なればこそ、見守る作用も姉ならば必要な事だから】


そうやね、一緒に作らはる? しかしまぁ、我ながら頑固な妹を持たはりました
こうなったら、テコでも動かはらへんさかいに──── 言っておくけど、うちは厳しいよ
特に料理に関しては妥協せーへんし、白桜はんに着いてこれはるやろうか

……まぁ、何となく察せはるけど──── そやったらまず買い出しから、行きますか


【悪戯っ子のように頬を緩めて、軽く小首を傾げたなら、続く白桜の言葉に苦笑】
【駆け足で生きる人生に意味はなくて、時には歩くような速度が丁度良いから】
【伸ばした手には真心と、共に歩む意志を乗せて、辿れるのならそれで十分】

【──── 買い出しにはその手を添えて、二人で進む途次】
238 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/14(火) 14:05:44.36 ID:V4mAjV3n0
>>237

下手をしたら私達"カイ"よりも……鬼らしいお姉はんだこと。
きっと妥協しない性質なのだろうけど、……私も頑固で諦めが悪いから心配しないで。

【その言葉の通り、白桜はあきらめの悪い少女。そして頑固者で凝り性】
【極度の面倒くさがりだが、一度重い腰を上げれば後はとことんまで極める性質である】
【"料理"に関心を持ったのは間違いなく姉の喜ぶ姿が見たい――それが白桜の料理に対する原動力】

でも鬼の角が生えない程度には優しくしてくれると、……嬉しいかも。
角が生えたら、きっと怯えるかも……正しく人の形をした鬼は強(こわ)いから。

【やや脅しめいた言葉に人の悪い笑みを浮かべた姉の姿】
【けれど悪意なんて無くて。きっと姉妹の何気なく心地よい遣り取りに拠るもので】
【姉が伸ばす手を握る事に躊躇いは無い。無雑な笑みを添えて姉の手を取るのだった】

【―――】

【酷暑の熱気に屈しそうになりながらも二人は近場のスーパーに到着。意気揚々と乗り込むかに見えたが】
【白桜の表情は心細そうに、そして入り口付近で右往左往。恐らくスーパーの類を利用した事が無いのだろう】
【絡めた指先に自然と力が篭る。姉である文月が居なければきっと回れ右をしていたに違いない】
239 :文月 ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 16:41:58.16 ID:1hAuTw8Go
>>238

【それを不快になんて思わない、心地よい微睡みに身を任せたら、きっと何処までも落ちていける】
【水際の作用、深く潜る息を止めて。長ければ長いほど、その後に見える景色は】
【水面から見る世界はきらきらと輝くから、白波の風情を一杯に浴びて】


もう、そないな事いわはったら、いくらうちでも怒らはるどす
嫁入り前の娘捕まえて鬼らしいなんて、あんまり言わんといておくれやす
……まぁ、門下生から良く言われて慣れてはおるんやけどね


【最後は何処か自嘲気味に、魔導海軍の剣術師範として、招かれている都合上】
【門下生という海軍の面々からは、それ相応に恐れられている様だ】
【────笑う横顔が何処か寂しげなのは、勘違いじゃない】


【────】


……ほら心配せんと、大丈夫、お姉はんがついとるさかいに
どんな道も、どんな場所も、二人やったきっと大丈夫やから
──── 信じてええよ、うちはどこまでも、白桜はん守ってあげはるから


【絡めた指先を強く握り返して、重なるその旋律は千早の色合いに似ていた】
【狩衣のこすれる音、羽毛に焦がれる絹糸の肌触りに近く】
【そうしてそのまま強引に、スーパーへと連行していく】
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/14(火) 17:38:42.42 ID:GIOxFe6U0
【それはどこかに位置するホテルだった、いくらか前より寝床としている一室にて】
【空調は快適よりも少しだけ冷たい温度設定で、そしてきっとそれのみが彼女の意思だった。それほどまでに】
【――それほどまでに、あの日からの彼女は憔悴した様子で。であればここ数日は余計に――そうなのだろう。ベッドから出ることさえ減ったなら】
【食事を摂りたがらないことも多かったし、食べたとしてももしかしたら時々吐いていた。眠りさえ浅くなって、ようやく眠れたかと思えば、また覚醒するのを繰り返す】

【――――であればそれもまた何度目かの覚醒だった、時刻は夕どきで、普通の人は眠ってなんていないような時間だったとしても】

…………、――――……、

【淡い藤色に縁どられた瞼がひどく重たげに持ちあがる。向こう側に隠されていたのはいっとう色鮮やかな紅紫色で、けれど、どこかくすんだように見えたのは】
【そこにひどく冥い感情を湛えているからかもしれなかった。真っ白の肌はさらに冴えわたるかのように白く、くしゃくしゃの寝ぐせだけが、ただ平和な色を取り繕う】
【どこでも買えるようなTシャツ一枚を寝間着に。ベッドの上で身体を丸めて眠っていた少女は意識を覚醒させるのだろう、或いは、誰かが起こしたのかもしれないし】
【そうでなくっても、小さな物音。誰かの気配。――それさえなくたって彼女はきっと勝手に目覚めた。ぼんやりとした吐息が、溢れたなら】

【――あるいは、気づくのかもしれない。彼女の中にあるはずのないものを、だのに、彼女はいつしか持っていた】
【"彼"が幹部たちに託した三つの禁術。ItzamnaにKukulcan、それから、それから、――Crom Cruachまで。それを、その身に宿していたなら】
【同時にまた、あの日の出来事のほとんども彼女は認識してしまっていた。それらのものを彼女は委ねられていた、――自ら、受け入れたとも、言えるけど】

【"彼女はずっとそのことそのものを記憶の奥底にしまい込んでいたから"】

……、つ、ぁ、……。……、ん、ん――、

【――ゆえに苦しんでいるに違いなかった。頭の中には結んでしまった約束が二つあるのに、その二つは、決して相いれないから】
【そうして委ねられた重さに押しつぶされてしまいそうなのに違いがなかった。であれば死すら願っているのかもしれなかった。――曖昧な目線が、移ろって】
【寝起きのざらざらした声――とかく、ここ数日の彼女はずうとこんな感じだった。ベッドで頭を抱えるみたいに蹲って。そればっかりで。それ以外は、ほとんどしないから】

【それを見るなら彼はどんなふうに思うのだろう――なんて、きっと、彼女自身、嫌になるくらい考えてしまって、いるんだろうけれど】

/予約のやつです!
241 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 17:47:39.25 ID:1hAuTw8Go
>>240

【──── あの日以来、彼は姿を現さない。舞台の上では役者は常に演じなければならないから】
【舞台を降りるその一瞬まで、纏う仮面を外してはならず、脚本以外の話を紡ぐ必要も無く】
【緩やかなる心のエチュード、即興で叩く音階は何処へ、半音だけのフラットが叫ぶ】


──── 眠れないようですね、お元気ですかなんて言葉も相応しくありません


【不意に声が響く、直ぐ側に立っていた。コマ送りにしたならば、そのカットにだけ登場するかの如く】
【瞬きと瞬きの狭間に漸く、見つけられるぐらいの温度感で、存在意義など当に骸】
【なればこそ、揺るやかな声色は撓んだ絹糸に似て、しとりと降り注ぐ夜露に似ていた】

【彼はそっと手を伸ばす、触れる頬の感触に気付いたなら、そのまま少しだけ上を向かせようと】
【瞳が真っ直ぐに貴女を見据えるだろう。虚像の表面、映し出すのは合わせ鏡の真実】
【眼に呑まれたなら、虹彩が光を求めて泣き叫ぶ、硝子細工の表層にも近い】


暫く空けていて申し訳御座いません、けれども漸く、尻尾が掴めました。
私としたことはとんだ見落としでした──── 残念きわまりない、一手遅かったとは
……いきなり私の話ばかりしてはいけませんね、姫君が退屈してしまう

どうでしたかムリフェン、私の留守中に、変わったことは?


【一歩離れる、ベッドの側に立って、暫し遠くの窓の外を眺めてみる】
【落ち着いた横顔であった。その表情に、僅かばかりの躊躇も憂いも無いような】
【得てしてそれは隔離世の真実、泡沫にも届かない風情で】
242 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/14(火) 18:13:11.56 ID:bAgKGMrOO
>>239

【ぐいぐいと引っ張られる身体。背中を後押しする頼もしい言葉】
【未知にすくんだ身体の強張りは何時しか何処かへ消えて】
【けれど同時にフラッシュバックしたのは寂しげな横顔】
【白桜は選ぶ。望まれているであろう言葉と安心させるであろう振る舞いを】

……うん、独りじゃ無い。今はお姉はんが私の側に居てくれる。
独りなら心が挫けそうでも、二人なら何処だって行ける。

【不安げな表情は一転して、ぱあっと咲く向日葵のような笑みを文月に向けて】
【強く握り返された指先も、そこから伝う想いも全部いとおしいと言外に告げていた】
【そしてもう一つ……"いつかは守られるだけじゃなくて、お姉はんを守れる様にがんばるから"と】

【そうして二人は店内で買い物を始めるのだった。文月に使う食材を聞きながら一つ二つと篭に入れていく】
【必要な食材や手間の多さに思わず嘆息を洩らして、改めて思う。色々と甘えていた、と】
【きっ、と引き締めた表情は間違いなく自分を変えようとするものの心の現れ】

オムライス一つ作るのにこんなに食材が要るなんて…知らなかった。
普段から料理を作ってるエーリカやお姉はんには頭が下がる……。うん、……がんばろう。
あっ、エーリカと言うのは私達"カイ"共通の親友の事。

きっとお姉はんとも仲良く出来ると思うからいつかまた紹介したい……。

【ーーどさくさに紛れてに自身の好物であるお高いアイスを幾つも入れていたのは秘密。恐らく露見するだろう】
【もし見つかったなら。お姉はんの分もあるから、と見逃してくれるよう懇願するだろう】



243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/14(火) 18:18:05.22 ID:GIOxFe6U0
>>241

【――枕元には唯一の私物があった。ホテルに備え付けのタオルにくるまれていた。大事なものだから、誰にも見つからないように、隠すみたいに】
【ならばめいっぱいにムリフェンであろうとしたのかもしれなかった。だのに彼はずうっと居てはくれなくて、だけれど、この場から出ていくことも出来ず】
【ずるずるに剥けた心を押して帰ろうとも誰も居ない場所で一人で眠っていた、だからきっとよりいっそう冥い冥い、淀んだ目をして】

………………――、

【だから安堵すら浮かべなかった。ただただ無感動な色合いが彼を見上げるんだろう、――ならば怒っているのかもしれなかった、それとも、悲しんでいるのやもしれず】
【それでいてきっと真実は疲れ果ててしまっているだけなんだろう、とも、思わせた。ぱちりと瞬きをする、認識したはずの彼を、けれど遅れて理解をするのなら】
【――そこでようやく、わずかに表情が緩むのだろう。頬に触れられて視線を誘導されたなら、愛玩される人形のように、ほんのわずかに笑んですらいて】

――げんき、です、げんき、……。

【ゆえに仕草は秒速で色合いを取り戻す。厳冬に頑なだった花の蕾が一時の暖かさにうっかり綻ぼうとするみたいに、甘やかな声、縋るように言葉を紡ぐのだろう】
【じっと見据えられる視線に相対するのなら。それでもやはり憔悴/衰弱したような色合いが目立つんだろうか、ひどく――――、――】
【――――彼がベッドより離れるなら、彼女も遅れて、ゆらりと身体を起こすんだろう。どこかでけだるげだった、背中を丸めたなら、いっとう豊かな胸元が枝垂れて】

変わった、ことは………………。

【そうして、わずかに息を詰まらす。視線がかすかに枕元で丸められたタオルに向いたのは錯覚のような現実、けれどそれを彼女は口にしないなら】

――――、マルフィクさんに、会いました、……。……ううん、会って、いました、ずっと、前に……。あの、病院で。
……夜更けに。カノッサのナンバーズが来て……――、"それで"。夢を……見て……。…………。――、それで。……。"あの日"あったことと。
それから。それから……。彼の禁術と……。――。……。私、は。"彼ら"の分まで――、

【――やがて伝えるのは、けれど、厳密には彼の留守の最中にあったことではない。あるいは、それを"思い出す"ということが変わったことなら、これ以上なく定義通りに】
【伝える言葉はふらふらといくらか不明瞭でもあった、おそらくは彼女の中でも消化しきれていなくて――けれど、今の彼女は、あの日あった出来事を知識として得て】
【なによりその司祭の彼が賜った力さえも引き継いで。あの日に死したもの、潰えたもの、その全部を引き継いでいくと、――行かねばならないと、小さな声が】

………………。ごめんなさい。そんなこと、……大事なこと、"忘れて"いた、なんて、……。

【――――何よりひどく自己嫌悪の色合いで染められて。忘れていたというのは不適切だった、その記憶そのものと、それをそうした記憶までもを"阻害"していた】
【無理やりに引きずり出すように紡がれる言葉はひどく辛苦の色合いをしているんだろう、――ぎゅうと指先が真っ新なシーツを握りしめた、放射線を描き出して】
244 :文月 ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 18:21:24.40 ID:1hAuTw8Go
>>242

【文月の手際は非常に良い、スーパーの位置を把握しているのか、淀みなく動いて】
【歩く姿は水仙の輪郭に近い、良い姿勢で運ぶ脚裁きは、流石の剣客と言ったところか】
【ちらちらと白桜の表情を見ている。変わる彩りが美しく思えて】


その通りどす、一人やったら行けへん所でも、二人やったら何のその
うちはまだまだ知らん所多くて、ここ数年は櫻に籠もりきりやったし
────せやからな、恥ずかしいんやけど、憧れも一杯あるんよ

世界中にはまだまだ綺麗なトコが一杯あらはって、それを見てみたいなって思って
でも、そんな時一人で見はるんと、二人で見はるんとって、全然違うどす
うちが見はる素敵な景色を、側で白桜はんが見てくれはる────

────それだけでうちはもう、幸せになるさかい


【それは改めて幸せを実感する作用に似ていた。噛み締めると表現するのが正しく】
【少しだけ遠い目をして、そうして貴女へとほほえみかける】
【朝日が少し傾いた、夕凪の落陽は、時に目映い程の光を浴びて】


エーリカはんやね、是非次はお家に呼ばはったらええどす
その時はうちが丁寧に挨拶して、いつも白桜が迷惑かけてるって────
あの子そそっかしいさかい、色々粗相してはらへんかって

……ほら、まーたこんな高いアイス入れはって! まだ家にあるやろ?
アイスでお腹はふくれへんのに、こんな高いのばっか────


……もう、しゃあないどす、──── あんまり甘やかしたくないねんけど


【ころころと変わる表情、姉というよりかは、どこか母親に似てきた】
245 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 18:31:32.34 ID:1hAuTw8Go
>>243

【紡がれる言葉の一音一音をはっきりと捉える、我が子の初めての発表会に近い】
【拙い響きも、ミスタッチも、そのどれもが愛おしく思える作用なのだろうか】
【一呼吸を置いて、その言葉を辿っていく、何があったのかを探って】


──── 謝罪をしてはいけません、それは自らに責任が合ったときに綴るものです。
忘れていたのでしょう、それは精神がそうすべきと判断したまでです。精神は身体を思って、そうしたまでです。
今のムリフェンならば、思い出しても大丈夫だと、そう判断したから、思い出せたのです

それならば、謝るべきではありません。寧ろそれは喜ぶべき事です。
貴女の精神が、貴女ならばもうそれを受け入れて生きていけると、伝えてくれたのです。
胸に手を当てて目を瞑って、散っていった一人一人の顔を思い浮かべましょう。

────彼らは、どんな人であったか。


【言葉の通り、ケバルライは胸に手を当てる。瞑目する仕草は懺悔に似ていた】
【そしてその姿は何処までも神々しかった。システィナ礼拝堂の天井から抜け出してきた様に】
【ミケランジェロの精緻な筆捌きの一つ一つが、その輪郭に宿っているみたいに】


"ポステリオル"──── 彼はとても高い信念の持ち主でした、時に苛烈過ぎる信仰心の持ち主で
けれどもそれは、確かな理論に満ちあふれていたのです。私は彼の、その精神の在りように感動していました
彼が去ってしまったのは哀しい事です。彼の遺した教えを、私達は今でも辿れる

"サビク"──── 彼は可哀想な少年でした。いつも心の奥深くに闇を抱え、一人で苦しんでいました
私は彼の助けにはなれませんでした。彼の助けになれたのは、ウヌクアルハイ様だけでしたから
彼があの若さで亡くなってしまったことは、残念でなりません。──── どうして、彼が選ばれたのでしょう

"マルフィク"──── 彼の殉教の精神を、私達は感服を以て見つめていました。それは何処までも純粋です。
痛みの中にこそ救いはある、言うのは簡単です、けれども、それを耐える事が出来るのはほんの一握り
彼は同時に、貴女を高く評価していました。──── ムリフェン

見たのでしょう、あの日起こった全てを
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/14(火) 20:59:29.16 ID:wMen6OU80
>>245

【――でも、と、きっと少女は小さな声を漏らした。悲痛に震える小さな声。であればそれは発表会の檀上にて縮こまってしまう、恥ずかしがりの様相】
【いっとうきれいなお洋服を着せてもらって。髪型もきちんと整えて。お気に入りのカチューシャ、レースのついた白い靴下に爪先のまあるいお靴、楽譜を握りしめ】
【ぎゅうと唇を噛んでしまうのだろう。だからきっと本当に小さな子供みたいな顔をしていた。忘れていた。自らその記憶を忘れることを選んでしまった】
【ましてやそれを忘れたまま、彼女は"だれか"と約束を交わしてしまった。――あるいはそれが一番苦しいのかもしれなかった、自分を責めたてるのならば】

【それこそ涙を落とす瞬間のように瞼を閉じる、そうやって思い返したなら、ひどく、ひどく、――ああでも、どうしようもない気持ちが溢れて】
【死にざままでもを知ってしまった。その瞬間を知ってしまった。あんなにも素晴らしかった人達は居なくなってしまった、そうして、自分はここに居る】
【もはや彼が単なる人間ともきっと思ってなかった。だから自分しかいないと分かってしまっているのかもしれなかった。――やがて漏れ出た涙が、頬を伝い落ちたなら】

私、は……、私は……。……。

【そんなはずない胸元の布地をけれどひどく息苦しいかのように引っ張った、というよりは、強く強く握りしめ】
【ひたひたと静かに涙つぶを落としながら小さく頷くのだろう、あの日に起こったすべてを知ってしまった、自分が、無様にも助けられている間の出来事】
【なにもしらずにあのまま死ねたらよかったと思わずにはいられなかった。自分が眠っている間にみんな死んでしまった、そうして、なにもかもが歪んでしまった】
【せめてその場ですべてを尽くせていたなら、まだ納得も出来たのだろう。けれどそれさえもできなかったなら。それすら叶えることが出来なかったなら、】
【――ゆえに生き残ってしまった。だからその分を努めなければならないはずだった。だのに、――だのに、どうしようもない狭間に落ち込んでしまったみたいに、呻く】

――――――、……どうしたらあの時の気持ちを思いだせるのでしょう、……私、は、――分からなくなって、しまって、
ウヌクアルハイ様を……それなのに……。……。――、――。……………………。

【鮮やかな瞳から落ちる涙はそれでも透明な色合い、流れて落ちるたびに真っ白のシーツにはたりはたりと小さな音で、水玉模様を描きだし】
【紡ぐのはきっと限りない弱音であった。彼女が言ってはいけない言葉のはずだった。信じている気持ちはあるけれど、見渡せば見渡すほどに、何も見えなくなって】
【ただ一つのものを見据えていればよかったなら、良かった。だけれど今も"そう"であるはずだった、すべきことがあって、引き継いだ悲願があって、だのに】

【――見失ってしまったと言って、泣きじゃくる。発表会の舞台で泣きだしてしまった女の子よりも無様だった、だって、綺麗な衣装も髪飾りもお靴もなんにもない】
【なにより自分自身が自分自身を一番否定しているに違いなくて。そうすればそうするほどどうしたらいいのか分からなくなる、頭が真っ白になるみたい】
【スポットライトの舞台。真っ暗な客席。静かであればあるほど。――――膝を身体に引き寄せたならいっそう背中を丸めてしまう、震える吐息にびくびく跳ねさせて】

ウヌクアルハイ様……どうして……。

【だからきっと祈るだけじゃ足りなかった。閉じた瞼と組んだ指の隙間に別の事象が紛れ込んでしまうのに違いなかった、あんまりに、現世に親しみすぎたなら】
【あるいは思わすのかもしれなかった。あの日離別した女性の存在。ひどく親しいのだと思わせた。そうでなければ、あれほどの言葉を投げかけられるはずがなかった】
【――――――そうしてあの女性こそが、いつか蛇念にて言っていた人物なのだろう。彼女もまたあの彼女を、ひどく慕っているんだって】

/お待たせしました……申し訳ないです……
247 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 21:13:11.74 ID:1hAuTw8Go
>>246

【──── 言葉を暫し逡巡する。彼にとって珍しい瞬間であった】
【幾つもの浚渫に彼は言葉を結ぶ。逆説的に言えば、それ程までに言葉選びを迷った事を示す】
【窓の外へと視線を向けた。宵闇が空を覆い尽くすかの如く】


──── 滅びは訪れます。或いは突然に、目の前から消えてしまうかの様に。
それは果たして真実なのでしょうか、いいえ──── 違います、それは果て無き誤解です
最初から緩やかに始まっているのです。全ての存在は、生まれたときから、全ての終わりへと

ムリフェン、貴女が分からなくなってしまったのであれば、それは分からなくなったのではなく
ずっと前から少しずつ、分からなくなりつつあったのです。貴女の世界が変化するのと同様に
貴女は変わってしまった。──── それは結果に過ぎないのです


【彼がどう考えているのかまでは分からない、ただ静かに言葉をなぞる】
【彼は "変わらない" ──── 或いは自分自身が、その発言の反例に思えた】
【答えを出さない方程式を、知らない方法で解いてしまうみたいに】


どういたしましょう、貴女の判断にお任せします。
貴女が分からなくなってしまったのは結果です、貴女自身が少しずつ緩やかに変化していった
それを受け入れるのであれば、私はそれを否定はしません。過程は変容するものですから

貴女がもし、元の自分に戻りたいのであれば、それでも私は否定しません
けれども、直ぐには難しいでしょう、そう変化はあまりにも緩やかで
そう、気を抜いてしまったなら、止まっている様に見えるほどに────


【彼は何処までも変わらない、まるで世界から取り残されたみたいに】
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/14(火) 21:40:37.22 ID:wMen6OU80
>>247

【かすかな沈黙に、きっと彼女の嗚咽だけが響くのだろう。肩を震わして小さな吐息を漏らす。めいっぱいに抑え込もうとすればするほど、声まで跳ね上がって】
【色鮮やかな蛇が刻まれた左手に縋りつくかのように指先を這わせた、まるでその場所だけは自分自身ではないかのように、そこのみが正しいものであるかのように】
【そしてきっとその通りなんだろう。どこまでも鮮烈に蛇を信じていた自分が正しいんだから、――その証明である左腕だけが彼女にとって最後の縁であるに違いなく】

【――だけれど、】

――――――――――――――――――――――――、私を呪っていたのは蛇じゃなかった、と、言われて。

【俯いたなら、短い髪がそれでも顔を隠しこむ。その程度に使うのなら十分な長さがあった、だからこそ、食いしばるような口元だけが色鮮やかに覗き】
【右の指先が左手の甲を撫ぜる、ひどく優し気に慈しむように。大事な家族にするような。長い付き合いのペットにするような。あるいは愛し合う誰かにするような、手口】
【すらと指先を伸ばしたならそこに蛇が居るのと相違ないほどに精巧であったから、――次の刹那に恋人繋ぎのように指先同士を絡めるのが、いっとう、よく映え】

…………わからないです、わからない……、どうしたら、――……。こんな私……、ただしくない……。

【ならばその手遊びも誰かとの行為の写しに違いなかった。誰かの指先を思い浮かべて絡めているに違いなかった、貪られる獲物のように、蛇は散らされて】
【だから祈るような仕草で絡めた両手を顔に寄せる、蛇の頭に額を寄せて、頬を寄せて、唇まで寄せても、答えはきっとなんにも見えてこないなら】
【もう一度ただ信じていられるだけの答えを知りたいに違いなくて。――あるいは"そう"じゃないとどんどん正しくなくなる自分が、怖くって仕方がないように】

どうしよう……。――私、わたし……どうしたら……、だって……、生きているのに、私は――、私が……。
こんな私じゃ……みんなに顔向けだなんて……。ウヌクアルハイ様を取り戻さないといけないのに……、でも、どうしたら……。
だから……、――だから、だから……、教えて、ください……。私は、どうしたら……。どうしたら、叶うの、――私は、

――私、空っぽじゃないのに、でも、わからなくって、……、どうしよう――――。

【あるいは。不要だと断ぜられるのが恐ろしいのかもしれなかった。だのに、元に戻るための方策など知らないのだろう、あるいは、分からなくて】
【前みたいにただ信じ続けることが出来なくなってしまった――それは何が原因というよりか、全部の出来事が、噛み合ったのなら】
【それこそ――ずっと昔から少しずつ分からなくなっていたのに、違いなかった。そのくせに何もかも捨てていけない、そこまでは変わっていないとくれば】
【――断末魔に似ているのかもしれなかった、あんまりに無惨に引き裂かれる瞬間に聞こえる、何もかもが張り裂けるときの音にも、きっと似ている】
249 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 21:50:12.13 ID:1hAuTw8Go
>>248

【──── 彼の心境は伺えない。けれども、同情を強請るのであれば、それは間違いで】
【だとすれば、荷造りの後に見つかる荷物にも近いのだろうか、そう形容するのはあまりにも残酷だが】
【けれども何処か、正しいようにも思えた────】


──── 渡り鳥が飛ぶことを諦めたのなら、それは即ち死です。
それは彼らの中でも、最も惨めな死となります、生きるための最低限の営み
それすら出来ない個体に訪れるのは、斯くも残酷な帰結なのです

分かりますかムリフェン、自然界とはこの様な道理に従っています。
況や私達の世界もまた、その道理に従うべきなのではないでしょうか
飛ぶことを忘れた鳥と、願うことを諦めた蛇と────


【ジャ=ロが近づく、その一つ一つの足取りを確かめるように。床を踏みしめて】
【彼は膝を曲げてかがんだ。その視線と視線とが交錯する位置で】
【────真っ直ぐに、蜜姫かえでを見つめた】




けれどもそれは、あくまで自然の道理です。自然に従う作用など野蛮人に過ぎない。
受け入れましょうムリフェン、今の貴女が居るのは、これまでの貴女の作用なのですから
だとすれば、今居る貴女は無明の空間に偶然生まれたのではなく、確かな所以を世界に遺している

それ故に、貴女は急ぐ必要も、気に病む必要も御座いません。出来ないのなら、無理に求める必要はありません
貴女は受け継いだ意思を前に進めないと言う、それならば────私が進めましょう
ウヌクアルハイ様を取り戻し、蛇の意思を継ぐ。その役割を果たしましょう

────貴女は休んでいれば良いのです、全てが終わるまで


【けれども決して、彼は責める様な発言をしない、無限に肯定の言葉をかける】
【如何なる言葉の作用であろうか、思いの向きが進む途次】
【歩き疲れた人を見ても、決してせかさないように】
250 :@mail ◆S6ROLCWdjI [sage saga !red_res]:2018/08/14(火) 22:04:25.82 ID:+n62vNgV0
>>「夕月」のアドレスを所持している人、全員

【第三世界歴2018年7月26日。とある少女から不可解なメッセージが送信されてから】
【――――ぴこん、と音でもなっただろうか。それかバイブレーションが唸っただろうか】
【とにかく何かしらの通知音を立てて。ふたたび、その少女から、メッセージが送られて来た】


「変なメッセージ送ってごめんなさい。あたしは大丈夫です。帰ってきました。
 ちょっとトラブルに巻き込まれてました。でも大丈夫です。ちゃんと帰って来れたから。
 心配かけて本当にごめんなさい。……大丈夫っていうのもちょっと嘘です、ごめんなさい。
 まだちょっと外に出るのはこわいです。でも本当に、無事だから、安心してください」


【――――それだけ。「全員」に向けたメッセージはそういう、当り障りのないもので】
【以下はごくごく個人あてに送られてゆくもの。三人、ちょっと特別なことを、伝えたくて】


【――――】


【To:シャッテン=シュティンゲル】

「アルクさんのこと。きっと聞いてるよね。……ごめんなさい、って言うのは、少しおかしいかもしれないけど。
 伝えたいことがあります。あたしがなんでこんなことに巻き込まれる羽目になったのか。
 それを伝えたら、たぶん――『ソニアさん』のこと、少しはわかるんじゃないかなって思って。
 ……今はちょっとしんどいから、ちょっと時間をください。元気になったら、必ず伝えに行きます」

【――死したアルクのこと、自分のせいだと思ってしまったのか。少しだけ詫びるような文面を見せて】
【それでも何か伝えたいことがあるという。かつて彼らと約束した、「ソニア」のことについて、手伝うということ】
【それを今になって果たしに行きたいと。……余裕がある時間帯を返せば、彼女はその時に彼の元へ現れるだろう】


【――――】


【To:銀ヶ峰つがる】

「ごめんなさい。嘘ついちゃって本当にごめんなさい。
 でもそれが嘘じゃなかったって、絶対に伝えに行くから。ちゃんと謝りに行くから。
 もうちょっとだけたんぽぽで待ってて。本当にごめんなさい――まだ、友達でいてくれますか」

【とにかく謝罪。一緒に頑張ろうって言ったこと、嘘ついてごめんなさい、って】
【それでも絶対帰るから、もう少しだけ待っててほしいって。それで――まだ友達でいたい、なんて言って】


【――――】


【To:ミラ・クラァケ】

「いつか迎えに来てくれる約束してたよね。あれ、してくれなくても大丈夫になったかも」

「………………………………彼氏? できたから」

【二通にわたるメール。申し訳なさからくるものだったのか、それとも恥じらいによるものだったのか】
【どちらにしたって――――「そのクエスチョンマークは何なんだ」という疑問は、抱かせるだろうが】


【――――以上。それから世界は、少しだけだけど元に戻っていくんだろうか】


//メ〜ルのあれです。これも特に返信は不要です!
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/08/14(火) 22:06:40.54 ID:b1la5wQQ0
【路地裏】


―――ウワァアアアアアア!!

【ここは水の国―――新楼市。人口過多で蒸し暑く風の抜けないコンクリートの密林で】
【今日もその隙間から叫び声が漏れた。ビルの壁にはいくつもの傷跡、まるでカミソリの刃をいくつも飲み込んだ】
【旋風が吹き荒れたかのような傷。そして鮮血がいくつも飛び散っていた。巻き上げられた血は異常だ】
【ショットガンで頭をふっ飛ばしたにしても此処までは飛び散らない。】

大丈夫大丈夫。死にゃあしないから。薄皮一枚、切ったところでさ。――まあ、お仲間はちょっと血の気が多すぎたかな?
こっちはちょっとお話聴きたかっただけだって最初に言ったっしょ?さあ、もう一度聞くね〜

【全身をズタボロに切り刻まれているのは地元のチンピラか何かのようだ。その横にあるのは文字通り"バラバラ”にされたデッドマン】
【優しく問いかけるのは女の声だ。】

貴方達に嗅ぎ回ってる女を殺してこいって言ったのは何処の誰?

【耳が隠れるぐらいのショートカットの黒髪で、化粧っ気はそっけない。左目には黒の眼帯までしてある】
【服装は大分ラフで、マイナーなポストロックバンドのロゴTシャツにジーンズ、ハイカットの赤のスニーカー。】
【ただ、右の太もものあたりにホルスターを巻いていて、そこには拳銃が収められている。】

【女はニコニコと笑っていた。悪戯をした少年を問いただす若い学校教師のような口調だった】
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/14(火) 22:16:37.42 ID:wMen6OU80
>>249

【薄藤色の髪は、この数日いつもみたいに大事に手入れされていないのだろう。汚くはない、けれど、どこかで色あせたように思えた】
【真っ白な肌もおんなじだった。決してかさかさになっているとか、そういう様子はないのだけど。なにかくすんでしまったように見えて】
【色鮮やかな紅紫色も――――誰かの色合いに染め上げられてしまったみたいに朧げになって、ぼろぼろ落ちる涙はいっとう綺麗な氷を溶かしたみたいに】

――――――…… 。

【その瞳がかすかに見開かれた、薄い藤色で綺麗に縁取って。涙の雫を抱えた睫毛が、ひどく重たいみたいに、ふるふると震えれば】
【瞬きのたんびに一つ一つと取り落としていく。それはきっと彼女の今に等しいのだろう、抱えて来たもの、一つ、一つ、数えるみたいに、言葉にするから】
【生き残ってしまったあの日より溜め込んでいた気持ちの一滴ずつ、――ゆえに視線も重なるんだろう。飛べない鳥が死ぬのが道理なら、自分だって、そうなりたかった】
【だって飛べないのなら殺してほしかった。決して地面に転がる無惨なところを抱き上げられて鳥籠に詰め込まれたくはなかった、でも、そこなら】
【きっとひどく愛してもらえるんだって思ってしまったなら――】

で、も、――、

【続く言葉に、色素のないように薄い瞳の、けれど真っ黒な瞳孔がきゅうと狭まるのだろう、震える吐息が、微かに、漏れ出て】

でもっ――、でも、――ッ、でも! や――、……嫌、いや……、っ――、嫌、ぁ、……、――!
――ッ、な、そんなっ、私……、やだ、嫌だよ……っ、――や、です、やだ、やだあぁ、――っ、いや……。……。

【――であればそれはひどく不条理な言葉だった、傷つきたくないと求めながら、だのに、傷つけないと泣いて怒るような矛盾点、限りない肯定に、けれど、大粒の涙が落ちるなら】
【彼の言葉は受け入れがたいんだと喚いて泣きじゃくる、ならばきっと全部がすでにちぐはぐだった、そのありようを指して分からなくなった、と、言ったのだろう】
【それはクリスマスイブを前にふとしたところからプレゼントを見つけてしまった子供のよう、ステージで踊る着ぐるみの中に人が入ってるんじゃないかと思ってしまった子供のよう】
【信心に現実を差し込まれてしまった時の嘆き、生娘が張り裂ける痛みにあげる泣き声と同じ、だからどうしようもなくて、ないのに、ただ綺麗でいたいから】

ウヌクアルハイ様……助けて……、信じてるのに――、――――じゃないと、私……。

【今この瞬間だってよかった。助けてもらえたなら。もうきっと惑わないでいられるのに】
253 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 22:24:31.06 ID:1hAuTw8Go
>>252

【──── 彼は知っている。人間の感情など、欠片も理解できないしする気もないが】
【無意識の内に何を恐れ、何を願うか、何を嫌うか迄を全て辿れる】
【それがどれだけ残酷な事か分かっても尚、幸福だと嘯く様に】


大丈夫です、ムリフェン、──── 貴女に神のご加護はきっとあります
ですから貴女のすべきことは、無垢に真摯に祈りを捧げる事なのです
今の貴女に何が出来るのでしょう、飛べない鳥に私は無理強いをしません

けれどもそれは、ある意味で最も残酷な処置かもしれません、分かりますか
自らの為に親鳥は寄り添うのでしょう。越せない冬を共に過ごすために
その先にあるのは小さな感動と、深い絶望です──── ええ


【鳥の寓話、それが示すのは待たされる者の辛さと苦しさ、それを理解した上で】
【彼は貴女に待っている様に伝えた────貴女ならば乗り越えられると】
【言葉は優しかった、何処までも、そう何処まで行っても、優しいから踏み込まない】


この辺りの空気は綺麗ですよ、太陽の下歩いてみるのも良い気分転換になります
近くに公園もあります。日差しの下で昼食を食べ、お昼寝するのも悪くはありませんね
ムリフェン、貴女は忙しく行き過ぎました。だからこそ、留め置かれる必要があるのです

254 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 22:37:47.89 ID:1hAuTw8Go
>>251

【────、風の吹き抜ける、微かな音色と風切り音、落下してくる遠くの稲妻】
【閃光が弾ける、貴女の脳内の作用、第六感がけたたましく鳴り響く────、逃げろ、と】
【その刹那であった、貴女の居る位置に頭上から "等身大" の十字架が落下してきた】

【純銀で出来た巨大な十字架、手足の位置からは拘束具が鎖で繋がれ、その意味合いを告げる】
【回避しなければ巻き込まれる位置で、地面へと落下してくる。とてつもない重量を示して】
【地響きが路地裏全体を覆った。それはさながら、轟々と響く軍歌にも似ていた】


主は言いました、如何なる場合も暴力はいけない、と────
しかし、こうも言っておられます。時として私達は振わなければならない、確かな理由を胸に
私はこの言葉をお聞きしたとき、感涙に噎び泣きました。そこには主の痛苦が記されています。

──── 主は何処までも暴力を嫌いながら、手段としてそれを用いるのです。
分かりますか、どれだけの悲しみが、無念さが、その一節に込められているのか

だから私は決めたのです。私がこの手で、全ての悪を葬り去ると


【声が響き渡る。賛美歌の様に、降り注ぐ音律は天からの声に似ていた】
【あまりにも早く天国へとコンサートに行ったミュージシャンが、気まぐれに降臨する様に】
【彼女はまた天空から、一歩一歩空を踏みしめるように路地裏へと降りてきた】

【軽くウェーブのかかった長い白銀の髪、シースルーの黒いドレスの上から白いコルセットドレスを纏う】
【透けた素足には薄手の黒タイツ、編み上げブーツを履きこなすスタイルの良い女性】
【特筆すべきはその目を隠すように巻かれた包帯であった。視界の全てを覆っている】

【左の首筋、豊満な胸をさらけ出す様に、はだけた胸元に繋がる蛇のタトゥー】


──── 我が名はミサ=ソレムニス、神罰の代行人


【そうして彼女は目隠しをしたまま、側に居るチンピラに怪我の具合はと問いかけるだろう】
【肉感的な口元が艶やかに溶ける。笑みの作用ではあったが】
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/14(火) 22:54:38.71 ID:wMen6OU80
>>253

【それでも神様はこの場所に顕れなかった。"そう"しようとすればできるはずだった、今の、彼女なら】
【ゆえにこの会話だって聞いているはずだった。じっと見ているはずだった。だのに顕れないから、藤色の少女は悲しいんだろう】
【だけれど少女は絶対にあの少女へ祈らないから。――あるいは祈れないから。だってできるはずがなかった、今更、あの少女に祈れるはずがない】
【――いつか悪夢と断じて絞めた首の感覚を今でも色鮮やかに思い出せた。白神鈴音を信じてたって言った弟の唇の動きが、あんまりにこびりついているから】

…………、――、ケバルライ、さん……、

【"彼女"が水あめみたいに柔らかな優しさ、絡めとられて苦しみながら溺れてゆく暴力的なまでに甘い優しさ、なら】
【"彼"のそれはきっと板氷のようだった、どこまでも変わらぬ優しさ、身体を預けても自身の形に溶けるまで、或いはその後まで、苦しみを伴うような、優しさ】
【ぎゅうっと自分を抱きしめた指先がきっとがたがた震えていた。冷たすぎる空調に中てられたみたいに。事実身体は冷えていた。それでも、そこまで冷たくはないから】

――正しいウヌクアルハイ様なら、私たちを、……私、を、救って……くださる、でしょうか、
なら……、白神鈴音(あの女)が居なくなれば、ウヌクアルハイ様が、正しい神様に、戻るのなら……。

私は……誰を居なくすれば……正しく戻れるの……。

【であればひどく支離滅裂な言葉だった。それでもきっと彼女の中では道理が通っていた、どうしたら間違った神は正しく戻るのか】
【白神鈴音という人格を排してしまえば正しい神に戻るなら。そうして――救ってくれるのなら。だったら。自分は、誰を排すれば正しく戻れるんだろう】
【あの神が居合わせた誰かの認識によって誑かされて間違えたなら――、おんなじだと思ったのかもしれなかった、誰かのせいにしたいのかもしれなくて、でも、きっと、】
【堂々巡りだった、自身の尾を咥えた蛇の上をぐるぐる巡っているみたいだった、あるいは表と裏の繋がったわっかを無限に歩み続けるみたいに】

私……私は、外になんて、行かれない、そんな風なこと、もう、――もう、

【ふらふらと頭を揺らして漏らすのは嘆きに等しかった、美しい髪を誇ったがゆえにその毛先を蛇に替えられてしまったような、悲哀に満ちて】
【あんまりにも知られすぎてしまった。容姿を偽って、蛇を隠して、――目的があればそれも出来た、けれど、常にそうであろうとするのは、絶望的すぎて】
【自分を消してしまいたいわけじゃなかった。救われたかっただけなのに。自分のせいで誰かを不幸にしたくなかったのに。――なんて】

【――きっとありふれた人に聞かせたならひどく馬鹿にされるのだろう。そのためにあんまりに彼女は殺しすぎた。だけれど限りない矛盾は、信仰の中では正当化されて】
【だけれど――それが揺らげば、限りなく自分を刺し貫く刃になる、致死性の毒をたっぷりと塗りつけて、――針地獄さえも生ぬるかった、だって、自分自身が針ならば】
256 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 23:03:19.54 ID:1hAuTw8Go
>>255

【──── 例えその行いが間違っていても、その祈りが間違っていても】
【世界に二人だけならそれが道理になる、良識や規範は、後から付いてくるのだから】
【そうあるべきだった。だからこそ彼は、正しく物事を理解する】


どうしてできないと思うのでしょう、この世界に遅すぎることなんて存在しないのです
あるとすれば、遅すぎると思っているだけなのです。────分かりますか、ムリフェン
山は登るまでは、見ているだけでは遙か険しい道のりです

いえ、登ったとしても、その一歩一歩は限りなく小さく感じられるでしょう
けれども、着実に登っているのです。踏みしめるその足取りが、やがて旅路になります
遅すぎる事なんてありません、私は "もう" だなんて思いませんよ


【過去を思い未来を嘆く、その作用を彼は理解できなかった。何故ならそれは矛盾するから】
【彼という存在意義に関して、その理論は成り立ってはいけない────】
【常に彼の視線は未来に開かれている、その脳裏には世界を見据えて】


貴女が何をすべきか、貴女はもう見えている筈です。貴女はどうあるべきか、貴女は知っている筈です
私の知っている貴女は限りなく聡明で、果てしなく強い信仰心を持っています
それは変わってしまったとしても、変わりません、ただ今は変わっている最中なのです

貴女は流動系の熱の中にとらわれてしまったのでしょう、揺れ動く熱の作用に怯えているのです
ならばそれを道理だと受け入れ、自身の行いを正す機会ではないでしょうか


────まだウヌクアルハイ様を信じておられるのなら、遅くなどありません


【窓が開く、夜の風が室内に流れ込む。勢いよく流れ込む風の音色は嵐に似ていた】
【冷たい風であった、頬を叩き熱を冷ます。──── 心地よい温度は、時に新鮮みを持って】
【そうでしょう、と彼は笑った。答えて欲しくて、彼は笑った】
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/08/14(火) 23:16:02.33 ID:b1la5wQQ0
>>254

【女はそう問いかけながらも頭の中は冷静だった。どうせ答えたとしても一つ上のリーダーかなんかで】
【本当に知りたい大本にたどり着くまで何度こんなことをしなきゃなんないのかと…地道で嫌になる】
【あまり、目立ちすぎても仕事にならなくなるし―――その思考を割り込んで鳴り響くアラーム!!】

【こんな風切り音は聞いたことがある。あれはアルムーシレ高原での高官護衛任務。軍閥のクーデター派が】
【何処からか情報をキャッチしたのか待ち伏せしていて、榴弾砲を撃ちまくってきた―その時の音だ】
【降りしきった榴弾は地面を穿ち、直撃したトラックは大破して、散り散りにあのとき見上げた空はまだ目に焼き付いている】

―――上っ?!

【とっさに、跳んでその場から退却。ホルスターから自動拳銃を引き抜いた。そこに落ちてきたのは死をもたらす榴弾ではなかった】
【むしろ救済の象徴。だが――同時に思う。十字架なんて死にかけたときぐらいしか祈ろうと思わない。つまりは死神と対して変わらない】
【あの聖なる、聖母の顔の裏側には死があると――昔から思っていた。要約すれば―――――】

【ファッキン・ジーザス・クライスト】

―――ごちゃごちゃ言ってるけど、内容はそこらのギャング共と変わんないんだよね
ま、どうせ聞く耳なんてないんでしょーから。セクスィーなお姉さん?

【こっちもニコニコと笑っているだろう。やばい状況でもなんか笑っちゃうのって悪い癖。緊張感がないとよく言われるが仕方ない】
【でも頭はやることやってくれている。どうもあのタトゥー…カルトだ。ミサ=ソレムニス…データにはあったかどうか思い出せない】

ゴトーさんがお熱なカルトじゃない。虚神だとかで今度はもっと色々やってんだって?あらぁ〜?これはこれは。

【多分、ここで始末はできないだろう。あの能力が見せかけでないならばコイツは幹部クラス。私一人でどうにかなるもんじゃない】
【そして始末すべきではない。立場上色々と制約があることもあるが。最善は拘束…次点では極力相手の手の内を探ることだ】

【チンピラは舞い降りたその姿に、すがるように助けを乞うだろう。路地裏の天使か、悪魔か――】
258 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 23:26:54.01 ID:1hAuTw8Go
>>257

【砂煙が舞い上がる、砂漠で見る竜巻とはこの光景なのだろうか、未だに地鳴りが壁を伝う】
【まるで路地裏に爆弾が落ちたかの様な衝撃であった、十字架は沈黙のまま佇んで】
【────だとすれば、どれだけの重量を持っているか、予想も付かない】


私の耳は主の言葉を聞く為だけにあります、この世界を見る事すらも不要ですから
主の目を通して見た出来事を、主の口を通じて知るのです、それが世界の理になります
貴女が何方か等些細な問題では御座いません、けれども悲鳴が聞こえたのなら

──── 弱者に救済を、手をさしのべる道理は十分にあるでしょう


【成程、それなりの筋は通っている、──── 初見で殺しに掛かる点に、同情の余地など無いが】
【彼女はどこからか本を取り出す、古びた本であった。高級そうな装飾がされていて】
【包帯で目元を覆いながらも、ページを捲っていく、まるで内容など全て、暗記しているかの如く】


全ての世界はかりそめに過ぎず、変わる前のサナギに相違ないのです
蕾は花を咲かせましょう、それは何時の日かと、雪の下で芽吹く時を待って
──── 皆こぞって忘却の彼方へ、その先にある救いを探しましょう

────────"Lost Prophets"


【開いた本のページを右手がなぞる、そのまま流れるように指先を貴女へと向けて】
【再び天から飛来するのは、巨大な四角錐であった。尖った先端を地面へと指さし】
【そしてそのまま、穿つ様に落下してくるだろう、──── 狙いはそこではない】

【落下したならそのまま、キュルキュルと高速で回転する】
【四角錐の四隅には鎖で繋がれた拘束具があった。まるで刃の様に振り回される】
【それは鋼鉄製の鞭が如く、かすっただけでも皮膚を裂き、肉を抉るだろう】
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/14(火) 23:30:34.76 ID:wMen6OU80
>>256

【――あるいは、だからこそ不安なのかもしれなかった。彼女は結局一人が怖かった、ゆえに誰も傷つけないために蛇を信じたのだし】
【見失ったサーバントを一生懸命に探していたのに違いなかった。いっとう暑い時期に彷徨うなら吐き気も頭痛も眩暈も自然なものであった、(本当に?)】
【それでも投げかけ続けた念は誰も捉えなかった。――彼女はそれをパグロームや異端狩りのせいと認識していた、そう信じたかった、でないと、あんまりじゃないかって】

【(テレビに出ていた、かつてサーバントだったという"誰か"。声も顔も全部全部隠して、ただ刺青のみを、過去の過ちのように見せていた"誰か")】
【(その刺青には見覚えがあった。誰だかすぐに分かった。顔も名前もぜんぶぜんぶ分かった。殺してやりたかった。この手で無惨にいっとう惨たらしい方法で)】

【そんなふうなやつばっかりなはずない――、みんな殺されてしまったからだって、信じたかった。幹部すら離反した現実を前に、サーバントだってそうであるはずなのに】

――――――信じて、ます、だって、だって……、だって、――、だって、私は、信じて……。……。

【ならきっと夢は醒めかけているのに違いなかった。信じていたから"出来た"、痛いのも苦しいのも死んでしまいそうなのも死にたいのも何もかも全部全部全部】
【殺すのさえ信じていたから出来たんだった。それが正しいって信じられたから怖くなかった。正しいことを理解しないから仕方ない――って、思えた】
【正しいことを教えてあげてるんだから。って信じていたら思えた。そうしたら死んだとしても彼らは正しいことに気づけて、それで、死後に救われるから】
【だから正しい。そうやって正しいことをしていれば報われるって信じていた。だからどんなことだって出来た。執拗に犯されても毒を飲まされても汚い場所に閉じ込められても】
【何度も胎を開けられて未完成の子供を贄に捧げてそれでも正しいんだからそれでよかった、そのうち何も宿らぬ胎になっても正しいんだからよかった、だって正しいから】
【何か悪い目に遭うのは正しくない人間だけだった。儀式を邪魔したからあんなふうに顔を潰されるんだった。間違ったことを言うから教えてあげなきゃ。時として惨くても】
【心が痛んでも仕方なかった。正しくないことを言うんだから仕方ない。自分は正しいんだから。正しいから――正しいのに、なんで、救ってくれないの?】

【――――今までの全部が裏切りそうなのをかろうじて堰き止めているのに過ぎなかった、もう少しで堤防は決壊しそうで、】
【そうしたならいつかの自分が自分を殺すに違いなかった。正しくないなら殺されるしかなかった。だから初めて正しくないって殺される人の気持ちを知るんだろう】
【だからこそ必死になって正しい自分に戻ろうとしているのに違いなかった。――正しくない蜜姫かえでを、正しいムリフェンは絶対赦さないから】

………………………………………………ここにいていいの?

【ここに居なくちゃだめだって言ってほしかった。でも何よりもそれだけは言われたくなかった。だって、そうしたら、どうしようもなくなってしまうから】
260 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 23:37:32.20 ID:1hAuTw8Go
>>259

【その精神を覗いたなら、彼は何処までもその問いに答え続けるのだろう】
【或いはそれは呼吸をする動作に似ていた。息を吸うように問いかけ、吐くように答える】
【連関の中に人は居て、存在の中で滅却されるのならば、それで良いと思えるほどに】


──── それは貴女自身が決めることですよ、ムリフェン。私が強いる事ではない
私は迷える子羊を導きましょう、何故なら私はケバルライ、≪羊飼い≫の名を持つ者ですから
道が分からなければそれを率い、答えが分からなければヒントを差し上げましょう

救うとは心の作用に他なりません、私が救うのではなく、他者が救われるのですから
ならばこそ、なればこそ──── 私は救世主であってはならない
それはきっとエゴに過ぎないのです。救っているつもりに、なってはならない





【──── だって、そうでしょう】


貴女は最早、迷ってはいない。そうでしょう、ムリフェン
迷っているつもりになっているだけです、此処に居るべきかどうかも、何をすべきかも
貴女にはもう、分かっている筈ですし、貴女はもう決めている筈です。

況や貴女にとってのウヌクアルハイ様もまた、貴女の中では答えが出ている筈ですから
私は救うのではありません、貴女はもう救われ方を知っている、ならば私がかける言葉もありません
そうです、知っているのです、貴女は────


誰が救うのかを知っている、違いますか?
261 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/14(火) 23:51:18.58 ID:bAgKGMrOO
>>244

【文月の語る言葉に目を細めて聞き入る白桜の頬は薄く紅潮して目を伏せる】

【嗚呼、この人はいつもそうだ。恥ずかしい言葉を正面からぶつけてきて。けれどそれが嬉しくて】
【二人で見る景色を幸せと言ってくれて。この上ない幸福に浸りながら流麗な動線を描く文月に付いていく】
【綺麗な景色を共有する幸せを分かち合いたい。今まで以上に幸せな事を分かち合いたい】
【買い物を順調に済ましていく途中で、そんな気持ちは陰りを見せる】

むぅ…いくら何でもその挨拶は……無い。聞き捨てならない。
私はエーリカに迷惑なんて掛けてないし、彼女もそう思ってない筈。
それに私はそそっかしく無いし、粗相もしてない。

【頬を膨らませて、にべも無い態度を取って。頬をぷくっと膨らまして少し拗ねる】
【その態度が正鵠を射ていたから。自身の言葉とは裏腹に思い当たるはエーリカに対する迷惑。甘えの数々】
【部屋の掃除を筆頭とした身の回りの世話が主な要因であった】


それにアイスはお腹を膨らませる為のものじゃなくて心を満たすためのもの……。
だから幾ら在っても良いと思う。その分だけ豊かな気持ちになるから……。


【屁理屈を労してでも欲しがる姿。それを諌める姿。姉妹であり、母子の様相を呈していた】
【けれど結局文月は折れてくれるから。これ以上は口にしなかった】

【そうしてレジで清算を済ませ、自室へと戻り、漸く料理に取りかかれる状態となった】
【さあ、料理の始まりである。初めての料理は慕う相手のために。けれど何から手を着ければ良いか解らず立ち往生】

……瞬きしている間に出来上がったりはしないものだろうか?

【呟きの後、「んな訳が無ェだろが、アホかお前は」と言う言葉と共に白桜の精神の奥底で眠っていた筈のフェイが目を覚まして】
【呆れ混じりに茶々を入れる。フェイからしても白桜が料理を作る場面は見たことが無いからその行く末を楽しげに見守るのだった】

262 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/14(火) 23:51:36.39 ID:bAgKGMrOO
>>244

【文月の語る言葉に目を細めて聞き入る白桜の頬は薄く紅潮して目を伏せる】

【嗚呼、この人はいつもそうだ。恥ずかしい言葉を正面からぶつけてきて。けれどそれが嬉しくて】
【二人で見る景色を幸せと言ってくれて。この上ない幸福に浸りながら流麗な動線を描く文月に付いていく】
【綺麗な景色を共有する幸せを分かち合いたい。今まで以上に幸せな事を分かち合いたい】
【買い物を順調に済ましていく途中で、そんな気持ちは陰りを見せる】

むぅ…いくら何でもその挨拶は……無い。聞き捨てならない。
私はエーリカに迷惑なんて掛けてないし、彼女もそう思ってない筈。
それに私はそそっかしく無いし、粗相もしてない。

【頬を膨らませて、にべも無い態度を取って。頬をぷくっと膨らまして少し拗ねる】
【その態度が正鵠を射ていたから。自身の言葉とは裏腹に思い当たるはエーリカに対する迷惑。甘えの数々】
【部屋の掃除を筆頭とした身の回りの世話が主な要因であった】


それにアイスはお腹を膨らませる為のものじゃなくて心を満たすためのもの……。
だから幾ら在っても良いと思う。その分だけ豊かな気持ちになるから……。


【屁理屈を労してでも欲しがる姿。それを諌める姿。姉妹であり、母子の様相を呈していた】
【けれど結局文月は折れてくれるから。これ以上は口にしなかった】

【そうしてレジで清算を済ませ、自室へと戻り、漸く料理に取りかかれる状態となった】
【さあ、料理の始まりである。初めての料理は慕う相手のために。けれど何から手を着ければ良いか解らず立ち往生】

……瞬きしている間に出来上がったりはしないものだろうか?

【呟きの後、「んな訳が無ェだろが、アホかお前は」と言う言葉と共に白桜の精神の奥底で眠っていた筈のフェイが目を覚まして】
【呆れ混じりに茶々を入れる。フェイからしても白桜が料理を作る場面は見たことが無いからその行く末を楽しげに見守るのだった】

263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/08/14(火) 23:54:12.01 ID:b1la5wQQ0
>>258

【異能者を相手にするときに一番やっかいなのは手の内が知れないことだ】
【この十字架一つとっても単なる召喚系なのか物理的なものなのか他のものが付与されているのか】
【そもそも幻術なのかそれ以外に持ちうるのか、物理が聞くのか防御はあるのかなど――】
【読み合う力が試される。そして、如何にこちらの手の内を探られないかだ】

だったらそこのニィちゃんに手を差し伸べてやるもんじゃないの?手を差し伸べるってのは
私を十字架でぺっしゃんこにすることなのかい?――キチガイカルトじゃぁさ

【拳銃を片手に握りしめたまま、女は右手を軽く振った。それに合わせたように―――風が吹く】
【路地裏で風が吹き抜けるのとは違う、彼女を中心とした風が生まれつつあった】
【そして赫錆びた色をした風がその中に混じる。赤錆びた匂いのする風が吹き始める】
【それは小型のブーメランのような形をして、複数存在している】
【彼女を中心とした風に巻き上げられるようにランダムに狭い路地裏の中を跳ねて、風はアスファルトを斬り裂く】

『ああああッ!!あれだッ…あれが俺を…ずたずたに…』

【チンピラは怯える。カミソリの刃をはらんだような旋風が彼女に纏わりつく】

―――さあ、もっと鋭くなれ………鉄風ッッ!!

【だがその前にソレムニスの放ったドリルが落下してくる!彼女は攻撃に転ずる前に回避を優先した】
【下がれるだけ、下がる。狭い路地だが、下がることには問題はない。あんなものに触れる訳にはいかない!!】
【赤錆びた風と鋼鉄が触れる。その時、がきんという音と火花が。まるで両者とも鋼鉄かのように】


(距離を取りすぎたな……十分な威力が出るかどうか…)

――征けっ!

【赤錆びた風はランダムに路地裏を跳ねながら襲いかかる!!】
264 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/14(火) 23:58:52.51 ID:1hAuTw8Go
>>261

【目を伏せた白桜を見て、不思議そうに大きく瞬きをするだろう、どうかしたのかなって思って】
【続く言葉に思わず吹き出してしまう、そして微笑みながら貴女の頬をつつく】
【愛らしい仕草であった。目に入れても痛くないだなんて、今なら本当に思う】


はいはい、そういう事にしておきます、でも────
うちの知らんとこで、白桜はんはしっかりしてるんやったら、少し寂しいなぁ……
お姉はんの前やったら、適当でええとか、思われてるんかな

──── ほんにな、うちの前やったらそそっかしくて、あわてん坊やねんけど
そう思ってるんはうちだけで、ほんとはもっとずっとしっかりしてるんやったら
嬉しい反面、なんか少し、寂しくならはって────


【小さくそう付け加えるのだろう、青い若葉が日陰に隠れて、微かに曇る色合いに似ていた】
【からかいや冗談などではなくて、文月は本当にそう思ってしまう、それくらいまじめだから】
【──── 結局アイスは買ってしまう、道中は割愛】


【────────】


あはは、そうやったら本当にええんやけどね、でもうちはそうじゃない方も好きどす
誰かとお話しながら料理するんも、誰かの料理を見るんも、うち好きやさかい
そうやなぁ、うん、ほな白桜はん野菜切ってくれはる?


【買ってきた野菜を取り出して、慣れた手つきで並べるだろう】
【軽く洗ったりしているので直ぐ調理にかかれる筈だ】
【はい包丁なんて言って、そばに包丁を置いて】
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/15(水) 00:03:53.53 ID:WXC9Iihe0
>>260

【ウォータータイマーだってもっと情緒的に泣くに違いなかった。それくらいに彼女はただ子供みたいにひたすら涙を落としていた、どうしようもなくなって】
【迷子のしぐさと変わりなんてなかった。どこまでも迷ってしまった子だった。気づいたらはぐれてしまって、誰も居なくなって、行き先さえも朧気に】
【どうしようって振り返る道はもう戻れるはずもなくて。どうしようって見据える先もまた暗澹の中に微睡んで。だからもう蹲るしかなかった】
【だけれどそうしていたら助けてくれる人なんてどこにも居なかった。夜空はただ遠く煌めくだけで味方なんてしてくれなかった、神様さえ】
【ほんとうにいるの、って、疑ってしまいそうになった。だってみんながそんなの居ないって言うんだ。そんなはずないのに。ないよね?】
【って呼びかける声すら虚空に吸い込まれていく、せめて反響でもしてくれたら気が紛れただろうに。前後とも闇だった、だから惑う】
【伸ばす両手はそれぞれ前か後ろにしか向けられない手をしていた。だから必然的に張り裂けてしまうしかないに違いなかった、】
【それなら右の手まで蛇色にしてしまえば憂いなく先へ進めるのか、それとも狼なら要らぬ手など食いちぎってくれるのか】
【自分を否定する声ばっかりが聞こえて泣きたくなる。神様が居ないなんてそんなはずなかった、信じたくなかった】
【だけど現実として神様は自分を助けてくれていなかった。どちらかへ進まなきゃいけなかった、難しいのに】
【だからどちらも決めることが出来なくて蹲って泣いているのとおんなじだった、しにたいって呟くなら】

【そのまま殺してほしかった/そんなの駄目よって優しく抱きしめてほしかった――だから死にたい】

――――――――――そんなの、知らない……。
……ねえ、知らないです、そんなの知らない、知らないよ――、っ、……ちが、う、――、ちがくて、あああああぁ、もぉ――、
私は、……。ウヌクアルハイ様……。ウヌクアルハイ様に、救って、ほしくて、……。だって、私と居ると、みんな――、死んじゃうんだ、
不幸になるんだ、だから……、だから、嫌だから、もう、やだから……、だから――、ウヌクアルハイ様は蛇の神様だから…………。
蛇の神様に赦してもらえたら……だから……。違う、違うの、狼じゃない、――、違うの……。

【――ぎゅう、と、自分を抱きしめる、そうして漏らす言葉は、】
【けれどすぐさま自分の言葉で否定される。ひどく絶望的な声をしていた、自分なんか嫌いって言い捨てる声をしていた、けがらわしいものを見るような目をして】
【地面に落ちてるなんだか奇妙にカラフルになった雑巾を片付けないといけないような声をしていた、指先でつまむことすら死んでしまいたいほどの嫌悪感を孕んだ】
【知らない? そんなはずなかった。そんな言葉赦されなかった。ウヌクアルハイはウヌクアルハイであるはずだった、何かに置き換わることなんてありえないでしょう?】
【それならやっぱり死にたかった。――だってそれがきっかけだったのだから。蛇に呪われていると思っていたから。それも違うって言われてしまった。どうしたらいいの】

【であれば彼女は間違いなく誰かを思い浮かべてしまっていた。狼――それはいつか彼女が口にしていた、誰かを呼ぶときの、符丁】
【それが示す人間なんて一人しかいなかった。全部が繋がってしまうのだろう、ぎちりと強張った身体、それなら――、それなら、抱きしめてほしい、みたいに】
266 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/15(水) 00:09:33.51 ID:CylgZCQ2o
>>263

【風の臭いを敏感に感じ取る、視界を覆っている分彼女にとってはこの感覚が生命線だ】
【風切り音、大体の形を察し取る──── 成程、風の刃であろうか】
【チンピラの声にこくんと頷いて、楯になるようにその前へと躍り出た】


私の役割は異端審問に御座います、主に与えられた役割を、私は果たさねばなりません
それ故に私は破壊することでしか救えません、傷つけることでしか伝えられません
だからこそ、──── 私は、盲目的に、無垢に付き従うのです

私の正気は私の神が証明して下さります、故に私の信心は揺るぎません
ならば貴女の正気は何方が証明してくださるのですか?
ふふ、どちらが気狂いなのやら────!!


【出現した四角錐、そこから伸びた拘束具が彼女の右腕を拘束する】
【目隠しした女性が、右腕を拘束されて、縄酔い似た陶酔の声を漏らす】
【唇の端が、濡れる────零れた飛沫が、リップノイズに混じって】


────あっ……んぅ……この感覚こそ、主の腕元に、抱かれるみたい────

"ユダのゆりかご"を御存知ですか? ──── かつて存在した、異端審問の手段
この先端部分は本来上から刺すものではなく、下から突き上げるものだそうです


【右腕を振り上げると、まるで重力を無くしたかのように四角錐が空中に持ち上がり】
【再びその巨大な質量を以て落下してくる、放たれる風を踏みしめる様に】
【舞い上がる土煙、風が乱反射して炸裂音を響かせて────】

【ミサは小さく深く、息を吐いた────】


っ……!!! ────やぁ!!!!


【再び右腕を振り上げ、一回二回と、右腕の拘束具で繋がった四角錐を振り回す】
【とんでもない芸当であった。巨大な四角錐を、女性が右腕一本で振り回す光景は】
【────まるで重力が失われたかの様に】

【振り回した遠心力、ついた加速度のまま、彼女はそれを投擲する】
【空気がひしゃげる様な轟音、地響きはまるでファンファーレのように狭い路地裏を響き渡り】
【そして、巨象が行進するかの如く、四角錐が轟々と放たれる】
267 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/15(水) 00:17:06.28 ID:CylgZCQ2o
>>265

【囀りの作用に似て、紡ぐ言葉の一つ一つに彼は意味を込める】
【けれどもそれは何処までも囀りに過ぎず、時としてひどく無為に映るのかも知れない】
【滔々と、ただ淡々と、温度もなく彼は語り続けるのだろう】


貴女が知らない事を私は知りません、知る由もないのですから
だからこそ、私は貴女に無理強いをしません、貴女ならば十分に一人で理解できる筈です
辛いのなら此処に居て良いのです、苦しいのなら幾らでもお聞きしましょう

けれども私には導けません、何故なら貴女を導くのは私の役目ではないのです
私が辿る途次と、貴女が進むべき道のりは同じです、けれども、同じく進むのは無意味です
同じ道のりを、別離の中で見つけ出す、その行いこそが再生と呼ぶのではないでしょうか


【開いた窓が閉じていく、夜風が窓硝子をノックする音】
【それは心の奥の扉を誰かが叩いている所作に似ていて────嗚呼きっと】
【その所以も理由も誰かも、貴女はきっと知っているのだろう】


気分は晴れましたか? ウヌクアルハイ様は、願う我々の直ぐ側に居ます
ウヌクアルハイ様は聡明です、何故救ってくれないのかと自棄になってはいけません
救う時を考えているのです、救われないのでしたら、それはまだ時ではない

貴女が一人で、或いは誰かと、救われる余地があるのならば、顕現はしないのです


【立ったままケバルライは言葉を続けた。何処までも人間離れした、達観した所作】
【身体的な接触を排除していた、温もりの欠片も、感じさせないほどに】
【それで居て何処までも言葉は優しく、愛に満ちあふれる様に】
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/15(水) 00:43:20.17 ID:WXC9Iihe0
>>267

【夜風に散った毛先が涙に濡れた頬に張り付いていった、そうして乾こうとするものだから、ひどくむず痒いような、感覚があって】
【それが気の狂いそうなほどだったから少女は今宵初めて自身の涙を拭うのだろう、――そうしたら少しはましに見えるのだろうか、泣きはらした目元も】
【そうして震える指先がゆるゆるとベッドまで落ちていった、――彼女はそこをうんと濡らしてしまっていた、シーツが透けて、マットレスがかすかに、覗くほど】

【――ならば彼女は導かれたいのに違いなかった、自分の心など関係なく、有無も言わさず、ただ、ただ、目指す場所を定めてほしいに、違いなかった】
【だから明確な教義がある限り、彼女はどこまでも気高く熾烈に居られた。それが揺らいだときにどうしようもなくなってしまった、神すら疑ってしまいそうになって】
【見渡した時に同じ考えをしている誰かが居ないときっと彼女は自分の言葉すら信じられないのだろう、だから誰より信じていたのだろう、そんな自分を隠すため】
【そのためならなんだって出来た、だって正しいから疑う余地すらなくて――】

だって……そんなの……、

【――――心が何かに行き当たる。それはきっと絶望の色合いをしていた、思い浮かべる誰かが居る限り、蛇の神様は自分を救ってくださらないなら】
【ならばその誰かを心の中から消してしまうしか方策はないと思えた。だのにその気づきを下らぬ人間が泣いて嫌がる声がした、スズランの声が張り裂けそうに叫んで】
【救われたいと願えば願うほどに誰かとは居られない。だけれど、そうやって救われた世界に、誰かが居ないのは、――】

ひどいよ……。

【あんまりだ、って、思ってしまって。少女は両の掌に顔を伏せるんだろう、そうしてきっとまた肩をかすかに震わした、涙を伴わない嗚咽を漏らして】
【ぎゅうと身体を小さくちぢこめる、保育園で教わる石のポーズみたいに。頭を抱える、そうやって小さくなり続けて消えてしまえたらよかったのに、――】

…………――――――――――――――――、―― たすけて、……。

【だってそんな呟きを神様は叶えてはくれないのだから】
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/08/15(水) 00:50:04.71 ID:fbmn1wiA0
>>266
/先に次レス遅れますということと次レスで今日は失礼させていただきたいと思いますということを連絡しておきます!
270 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/15(水) 00:50:39.97 ID:CylgZCQ2o
>>268

【──── 人を壊すのに武器は必要ない、彼はその理由だけを理解していた】
【だからこそか、或いは、何故彼女が救われないのかを理解できない様に】
【固まった少女の所作、それを内省と呼ぶには、些か哀れすぎた】


大丈夫ですムリフェン、貴女の救いはきっと側に在ります
この部屋もいつまで使ってくれても構いません、私は貴女を追い出したりしないのですから
心ゆくまで自身で考えるのでしょうか、それもまた大事な行程です。

貴女が立ち止まるのであれば私はそれに従います、進み出すまで待ちましょう
行いの否定も致しません、ただ在るべき姿に進のですから
貴女に時間はたっぷりと遺されている、希望はその先にあるのでしょう


【────ケバルライの姿が消えていく、伝えるべき言葉を全て伝えたと言うように】
【去っていくその行程を止める手だては無いのだろう、ただひたすらに思いを馳せて】
【それは人の身ではどうしようもない、摂理に似ていた】


────私は何時までも、貴女の味方です


【神様は救わない、壊れた玩具なんて────】


【慟哭は響くのだろうか、鳴き声と呼ぶには苛烈すぎる響きなのだろうけど】
【ケバルライはそうして去っていく、静謐のままその場に遺して────】


/こんな所でしょうか、お疲れ様でした!
271 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/15(水) 00:51:15.13 ID:CylgZCQ2o
>>269
/了解いたしました! 本日はありがとうございました!
272 :フェイ/白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/15(水) 00:57:12.98 ID:ldjLYGkU0
>>264

【目の前に野菜を並べられ、にこやかな表情で包丁を手元に置かれたら】
【棒立ちしてる訳にもいかない。けれどどのように切れば良いか解らず、呆然】
【数学を用いて数学を否定しろと命じられフリーズするコンピュータのような有様】


(おい、見てらんねえなァ…白桜。料理を予備知識無しでやろうなんざ土台無理な話だ)
(仕方ネエからアタイに代われ。"姉妹ごっこ"の邪魔をするなってんならHeaven's Hellで手を打ってやる)
(―――アタイを"使え"。そうすりゃ料理のアシストくらいはお茶の子サイサイだぜ?)

【そんな様子を見かねたフェイからの提案。白桜は逡巡した後、その提案を受け入れる】
【"Heaven's Hell"と消え入る声で呟いたら、雪の様に白い髪色に痛んだ茶色が入り混じり始める】


――……ええ、任せな"お姉はん"。野菜なんて、すぱっと切り刻んでやっから。
さっきぼーっとしてたのは単なる立ち眩み…。だから気にしないで。


【フェイと白桜の口調が入り混った言葉。それに綺麗な白と痛んだ茶色が入り乱れた長髪は異変を察するには十分】

【けれどフェイには害意は無いみたいで飽くまで白桜の料理の手伝いに留まる】
【フェイの手助けのお陰で白桜は手際よく野菜を切る事が出来、足手まといにならずに済んだ】


さて、次は何をしてやろうか?なぁ"文月お姉はん"。アタイにかかりゃ料理の一つや二つお手のモンだ。
銃を持たせりゃ天下無双、包丁持たせても天下無双……。

【"フェイ、あまり出しゃばらないで"と心の中で猛抗議。
 自身が思った以上にフェイが表に出しゃばっている状況は好ましく無い】
273 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/15(水) 01:02:52.81 ID:CylgZCQ2o
>>272

【フェイの手際を見て、文月を目をまんまるにして────そうして、気付いた様にじぃと】
【少しだけ深くフェイの顔を眺めてみた。大きな瞳の水面に、ぽっかりと浮かべて】
【そうして切り刻んだ野菜の一部を軽く摘んで、曖昧に笑ってみせた】


──── あらこんな切り方何処で習わはったんやろう、綺麗に切れてはんなぁ
案外さっき言ってはったんも嘘やないんかも、意外と一人やと料理してはるんやろか
そうやね、せやったら次はチキンライスを作って────


【てきぱきとオムライスの行程について説明するだろう、切ってといて、炒めて】
【幾つかの過程を説明したなら、実演させる筈だ。一つ一つの準備に無駄はない】
【数十分ほどすれば、立派なオムライスが出来ているのだろう】

【────何事もなく完成したなら、文月はテーブルの上に持って行こうとする】
274 :フェイ/白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/15(水) 01:24:57.82 ID:ldjLYGkU0
>>273

お褒めの言葉、こりゃどうも文月お姉サンよ。ちょいとここで一つネタばらしだ。

白桜と違ってアタイことフェイ=エトレーヌは料理が出来るんだ。
白桜とは年季が違ェんだよ。あいつは島育ちで一般常識ってもんが無いからな。

アンタ、あのまま白桜に料理をさせてたら酷い事になってたぜ?くくっ。
指切ったりとかされると困る。この身体はアタイのものなんでな、出張らせてもらったぜ。
まぁ乗っかった船だしな。最期までキッチリ料理してやろうじゃねぇか。


【"それに料理が終わったら直ぐにでも引っ込んでやるよ。それまでの辛抱さ"】
【本来の身体の持ち主であるフェイは悪態をつきながら冷蔵庫から缶ビールを出して】
【それを飲みながらも手際よく料理を続けて、終にはオムライスが完成していた】
【その頃には"フェイ"は白桜の精神にて再び眠りについて、白桜に身体を預けるのだった】

【そうして二人分のオムライスがテーブルに置かれ、椅子に腰掛ける白桜】
【彼女の表情は浮かない。自分も手伝うと言いながらフェイや文月におんぶに抱っこだったから】


【"―――……くやしい。なさけない。ふがいない"と】
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/15(水) 01:26:24.12 ID:WXC9Iihe0
>>270

【――数分、十数分、数十分、あるいは数時間。少女はその場にて蹲っているんだろう、柔らかなベッドの上で、だのに、ひどく絶望して】
【救われたいと願うのなら、誰かと一緒には居られなくて。誰かと一緒に居たいと願うのなら、救われることは、けっして、ありえないというのなら】
【救いはきっと側に在る。その言葉がひどく冷たくこびりついていた、電源を切ってしまったあとのチョコレートファウンテンみたいに、ただただ、冷え固まって】
【楽しい事なんてもはや一つもなかった。だって彼の言葉を信じるのなら。だけれどそんなのきっと最初から分かっていた。だけど認めたくなかったから】
【必死にいやいやをしているのに過ぎないって自分でも分かりきっていた、――――、】

【――――――だから、三時間と少しのあと、少女はホテルの部屋に備え付けられた受話器を握りしめて、その身をベッドに投げ出して、だけど、けれども、】
【そこから聞こえているのは発信音だった、呆とした目はどこを見るでなく、唇は誰かへ何かを伝えるでもなく、指先は、誰かを呼ぶには強張りすぎて】

【つう――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――】

アリアさん…………、――、

【(もしもこの瞬間に迎えに来てくれるなら、そしたら、そうしたら、――たすけて、って、きっと、言えるのに)】

/おつかれさまでした!
276 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/15(水) 01:34:09.84 ID:CylgZCQ2o
>>274

【文月の表情は別段大きく変わるものではなかった、落ち着いた微笑みを携えて】
【──── こんな時に落ち着いていられるぐらいには年を取ったのかな、なんて思いつ】
【それは堪忍なぁ、なんてフェイには曖昧な返事をしながら】


──── 太刀筋を見れば分からはります、その人が包丁に慣れてるかどうかも
せやから白桜はんやないのなんて、十分に分からはります
フェイはんは白桜はんに怪我させたくなかったんやろ、妹に優しくしてくれはって堪忍な

せやけど、次からはあんまりせんといて欲しいんどす
うちもそうやねんけどな、可愛い子には、どうしても甘やかしてしまうんよ
でも、それはうちらの自己満足でしかなくて、白桜はんの為になんてならないさかいに

──── ありがとう、作ってくれはったのは、大事に食べはります


【フェイにかける言葉、形は違えど、二人の立場はある意味似ているのだろう】
【授業参観とか、そういう光景に近かった。保護者同士でする会話に似て】
【文月はしとやかに笑う、そこに非難の色なども、欠片もなく】


──── 白桜はんは、いきなり泳げはる人やった?


【何の前触れもなく、文月はそう聞いた】
277 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/15(水) 01:49:22.09 ID:ldjLYGkU0
>>273

【フェイは白桜を相棒として、文月は白桜を妹として大事にしている】
【その意味では二人は似た者同士である。接し方は違えど、白桜を慮る感情があるのだ】
【それでも両者の雰囲気は刺々しいものではなく、何処か友好的でさえあった】

【"あいよ、精々ご賞味しやがれや。――ああ、白桜のコトは頼んだぜ…「お姉はん」"】
【フェイは眠りにつく直前、人の悪い笑みと共にそんな言葉を残して。白桜に主導権を明け渡していた】


………質問の意味が解らない。どういう意図?
もしかしてさっきの料理にかんして?


【オムライスに手をつける前の問答。質問の意図が掴めず首を傾げていた】
【前触れの無い言葉に思考を張り巡らせるも、なかなか良い答えが出てこない】
【故に文月の目を見つめるに留まる。その視線はやや困惑の色が滲んでいた】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/08/15(水) 12:40:36.33 ID:fbmn1wiA0
>>266

【風の刃は路地裏で軌道をランダムに跳ね回りながらソレムニスへと襲いかかった】
【回り込むようにチンピラも、路地裏ごと切りつけようとしてくるだろう。意志のない全体攻撃だ】
【自身の能力と路地裏という特性を活かした予測のし辛い攻撃、初手はこんぐらいで相手の技量を図る】


――虚飾にまみれた虚神に保証できるもんなんてあるのかい??
寄せ集めの二次創作物みたいな宗教でさぁ……フッフッフ。まあいいけど
思考停止はアタシも一緒かな


【自分とて、正義だの国家だの国民のためと言われて職務に従事してるしそうやって言うこともあるし多分そうなんだろう】
【でも実際やってることはそんなふうには思えない。知りつつも知らないフリをして…二重思考ではや何年だろう】

さあ、拷問具を調べるような趣味はないから―――クッッ!!

【イカれたパワーかそれとも…だがこれに当たる訳にはいかない。】

(避け……きれるかっ!?)

――" HIMITSU GIRL'S TOP SECRET ” !!

【慌てて、赫錆びた風を彼女はその周囲に濃く纏った。振り上げた拳から生み出されたように】
【轟々と彼女は風をまとって、ギリギリまで距離を取ろうと下がった。だが、予測どおり間に合わない】
【圧倒的なシンプルな暴力が彼女を襲った】

ぐぅうううっっ!!

【赫錆びた風の障壁が直撃を防ぎ、巨大な四角錐と火花をちらした。だが、吸収しきれなかったエネルギーは彼女を軽く吹き飛ばした】
【弾けとんだ体はコンクリートに打ち付けられて、バウンドし転がった。】

/すみません。お返しするといいつつ申し訳ないです…
279 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/15(水) 16:37:44.93 ID:CqbJXNkd0
【夕日が差す河原。この真夏でなければスポーツに興じる子供であるとか】
【或いは子犬を連れて散歩する奥方や、いい雰囲気のカップルがいそうな場所】


――クッソ!あのクレープ屋のおっさんケチにも程があんだろ!
小学生まではちっちゃいプレーンなら無料とか言ってたくせに……クソッ!
どっからどう見てもガキだろ!……いや、待てよそれは違えな……あー、ったくよー!


【一人の子供が、まあ口汚く暴れていた。白いカットソーと黒のタイトジーンズ】
【そして割とボサボサな金髪のサイドを赤いリボンで小奇麗に束ねて】
【首元には使い込まれたロザリオが覗く。年齢的に、飾りというわけでも無さそうで】


つーか、どいつもこいつも金、金ってよー……。
……パフェも食えねえし、パンケーキなんかいつまで貯金すりゃ良いんだ?

……小遣い増やしてとか無理だよな。ぜってー無理だ……。
ちょっと飲み物買ったら無くなっちまったとか言えねー……
お金、か……稼げねーかな、俺でも……。


【背は割と低め、年も10代なかばだろうか。汗をかきながら川に向かって石を投げ続けていた少女は】
【くたびれたように、直ぐ側に突き刺してあった巨大な剣≠ヨと寄りかかった】
【別に公園にあるオブジェクトだとかではなく――少女の持ち物、らしかったが】
【それにしても身長より大きかった。そういう所持品含め、まあ悪目立ちする少女がそこに居た】
280 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/08/15(水) 17:03:02.76 ID:tpxzroHlo
>>279
……金が欲しいのか?

【果たして、どこから現れたものか。少女の背後、河原の上から重苦しい声が降ってきた】
【もし彼女がそちらに目を向ければ、そこにいるのは怪しさを全開にした大きな人影である】

【身長は軽く2メートルを超えているだろう。この暑さの中だと言うのに、その巨躯をすっぽりと黒外套で覆い隠し】
【顔をフードで隠している。わずかに覗く顔つきは角ばっていて、上下する唇の奥、獣のような鋭い牙が夕日を反射して一瞬光る】
【足には、外套と同化するような黒いゴム長靴。フードの下から少女へ注がれる視線、その両目もまた黒い瞳だった】


金が、欲しいのかね?
もし、その大剣が飾り物でないのなら……一つ、稼いでみる気はないか?

【じっとりと少女と大剣を観察しながら、大男はそう繰り返した。黒い目を不気味に光らせながら】
281 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/15(水) 17:12:26.56 ID:CqbJXNkd0
>>280


……はぁ?そりゃ、欲しいに決まって、っ…――ぉ。


【独り言の余勢が残っていたのか、荒々しく声の方を振り返る】
【が、すぐに静かになる。まず圧倒されたのはその大きさだった】
【縦にも横にも、なにより圧迫感というか――オーラがあって】

【まずそういう人物を見たという経験が乏しかったし】
【唇の奥にギラつく牙のような鋭い歯、そしてこの時期だというのにゴム長靴】
【黒い瞳すら魔物のそれに見えてしまうような、何処か禍々しい非日常そのものが立っていて】


……欲しいに決まってんだろ、何やるにしても金は要るんだから。

でもよー、俺のコトを何も知らねーガキだと思ってるなら間違いだぜ!
どう見たって悪人じゃねえか、お前。なんなら悪魔か何かかって外見だ
そーゆー奴に手を貸して稼ぐとか、そんな汚い事するくらいならよ、金なんて要らねーっつーの。


【だが、少女も中々どうして毅然としたものだった。圧倒されたままではない、青臭い反骨心を持っている】
【そして今更珍しいくらいに正義ぶっていた。へへ、と挑発するように笑っていたが】
【手先も膝も笑っていなかった。すなわち蛮勇か、無知か、よほど自信があるか、だが】
【果たしてどれだろうか――まあそもそも、人を見かけで判断するのが間違いかも知れなかったが】
282 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/08/15(水) 17:29:57.47 ID:tpxzroHlo
>>281
【反応を見て、荒事に慣れているわけではなさそうだ、と判断する】
【漏れ聞いた独り言からも、常に鉄火場に身を置く戦士、というわけではないのだろう】

【冷徹な観察の目は、やがてロザリオで止まる。蘇るは、かの宗教都市での戦い】
【苦い記憶に一瞬表情を歪めながら、それを打ち消す。いつまでも過去にとらわれていて、やっていけるほど新世界は甘くない】

【少女が川に放り込んだ水の波紋が消えていくのを横目で眺めながら、大男は言葉を紡いでいく】


だろうな。先立つものというくらいだ。金がなければ飯も満足に食えはしない

……なるほど。教育は行き届いているらしい
確かに、私は見ての通り悪党だ。見た目ですぐそれとわかるのは、唯一の長所だと自負している
その悪党を前にして、震えもせずにそう言ってのける辺りは、その大剣も玩具ではないようだな


だが……悪党が常に悪事ばかりを働いているというわけじゃあない
いきなり現れて、信用できないのも道理だが……仕事の内容を聞いてからでも遅くはないんじゃあないか?
受けてくれれば――――

【言いながら、大男は懐から無造作に札束を取り出して見せた】
【パフェもパンケーキも、何日も食えるほどの額をかざして、大男は再び少女を見つめた】
283 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/15(水) 17:45:54.55 ID:CqbJXNkd0
>>282


当ったり前だろ?身の丈に合わない武器持つのは
バカか見栄っ張りだけだからな。……怖くねーよ、お前なんか


【それが自分に言い聞かせるように感じられてしまう辺りは】
【やはりまだ、子供なのだろう。地面に突き刺した剣を片腕で引き抜くと】
【自分の何十倍も重く、大のおとなでも構えるのは難しそうなそれを】
【平然と、両腕で正面に構えて見せる。いつだって切れる――そういうように】

【――しかし、懐から取り出された札束を見せつけられれば】
【流石に動きが止まった。自分が一月でもらえる金額は、その何百分の一だろうか】
【子供ならではの悩みが、あからさまなくらいに透けて見えた】


……まあ、話し聞くだけなら犯罪じゃねーしな。
聞くだけ聞いてやるよ。……もし悪事だったら、覚悟しろよ
警察呼んで、UTにも通報して、父上と母上にも言いつけてやるからな。


【そして折れる。金の誘惑というのは強い――とは言え、警戒心はなおも残り】
【大剣を腰のあたり。背中側に横向きに収めると】
【――よく見ればそれは浮いている形で、背面に固着されているのだが――】

【――――さあ話せ、と。色白な肌が夕日に映える両腕を組んで、睨むように相手を見た】
284 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/08/15(水) 18:16:56.30 ID:tpxzroHlo
>>283
ふ、ふ。ああその通りだ。見栄を張って武器に振り回されるバカは、いくらでも転がっている
だが、確かにお前は違う。やろうと思えば、今すぐにでも私を切り捨てることも出来そうだ

【確かに子供ではあるのだろう。虚勢を張っているような面もある】
【だが、その巨大な得物を片腕で掲げ、堂に入った構えをする様を見せられれば】
【見た目だけで判断しようという気は失せようというものだ。元より、臆病さを抱えたこの男はそういった油断はしない性質だったが】


それはありがたい。お前を見込んだ甲斐があったというものだ
警察にUT、お前の腕前を見るにお前を育て上げた両親も、相当な腕前なのだろうな

私程度に、そこまで豪華なメンツを揃えずともいいだろうに

【そんな彼女でも、やはり心を動かされる。金というのは自分以上の魔物だ、と心中で呟きつつ】
【彼女が収めた大剣が浮かぶのを見れば、やはり只者ではないと悟る】
【ロザリオをつけた少女、相応に腕の立つ娘の両親。何とはなしに浮かんだ嫌な予感はかき消して】


では本題に入ろう。頼みたい仕事というのは、人助けの手伝いだ
私のような悪人たちに捕まって、今まさに売り飛ばされようとしている子供たちがいてな。その救出だ

この川を下っていった先の支流の一つに、私の図体でも難なく通れるほど大きな排水溝がある
そこには、私のような悪党が使っている地下の秘密トンネルの入り口があるのだが……
その先に今、複数の子供が囚われている

魔制法のことは知っているかね? 能力者たちの力の使い方を、お偉いさんたちで管理しようという法律だ
その影響で、能力者であったために親に捨てられたり、能力者の親が捕まえられたりして、行き場を失った子供が多く出ている

そういう子供を集めて、ひどい目に合わせている連中が、この川の先にいるわけだ
そいつらは、私にとっては邪魔でね。子供を助け出して、そいつらに嫌な思いをさせてやりたいとそういうわけだ

私は邪魔者が嫌がってくれて喜ぶ。お前は子供たちを助け出して金を手に入れる。捕まった子供たちは逃げられる
どうだ? 誰もが得をして、悪事とは程遠い、至って健全な仕事だろう?

【夕日に照らされる彼女の白い肌とは対照的な、暗闇が切り取られたような姿で語る大男は】
【その時になって顔を上げて少女を見た。額にもう一つ、大きな目玉が埋まっている】
【三つの目玉を持つ怪物。少女には、この異形の言葉はどう聞こえるだろうか】
285 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/15(水) 18:26:39.99 ID:CqbJXNkd0
>>284

【まずは、仕事の内容を聞いていく。簡単に言えば人助け】
【魔制法のことは――と聞かれれば小さく頷くし、話の内容も理解できた】
【確かにそういうニュースを見た覚えがある。孤児の能力者、という特集だ】

(……確か、母上が言ってたな。ってことは、全部でっち上げじゃねーってことか)

言いたいことは分かるぜ、そりゃ確かに……全うな仕事だ、と思う。
……でもよ、そもそもその子供攫いとお前が共犯だったりしねーだろうな?
俺みたいに一人のガキに目星つけて、甘い誘惑で、ってな。

そうじゃないって証拠が見せられるんだったら……乗ってやるよ
俺の兄弟姉妹たちにも、孤児だった奴らが居るからな。
話が本当なら見逃せないってのは、ある……、……どうなんだ?


【顔を上げた男の額に、もう一つの目玉。流石に少女もゾクリとした】
【一瞬言葉に詰まる。しかし、深呼吸を一度挟むと組んでいた腕を解き】
【手を越しに当てて、なおも毅然として向かい合うと】


……例えば、入って一人目は確実にお前が倒すとか、な。
そういう約束でも良いぜ。……秘密のトンネル、お前でも通れるんだろ?


【――当然一緒に行くんだよな、と。交渉するように、持ちかけた】

【巨躯の怪人がそれに頷いたなら話は早い。なら行こーぜ、と声がかかり】
【示された支流の地下トンネルへと向かおうとするはずで――そういう行動力も、子供めいていた】
286 : ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/08/15(水) 19:22:54.60 ID:tpxzroHlo
>>285
【今この世界を脅かす特に大きな禍は一つ。その一つ、水面下で進行するグランギニョルの神々の物語】
【今一つ、世界支配を目論む二大勢力の争いの方は、その影響は表の社会にも大いに及んでいる】

【今回は皮肉にもそれに助けられた。己の話の裏付けは、敵である『黒幕』自身が行ってくれたのだ】


お前の疑念はもっともだ。普通なら、そんな集団を相手にするより、子供一人を騙す方が容易いだろう
金をちらつかせて、引き込んだ子供を売り飛ばす。確かに、真っ先にするべき想像だ

だが、証拠となると……さて、どうしたものかな
(兄弟姉妹が孤児……そしてあのロザリオ……いや、今更後には引き返せんな)

【異形の面相に一瞬たじろぐ少女とは別の理由で、異形もまた生唾を飲み込んでいた】
【邪魔者を排除するために、外注戦力を探すという判断がために、飛んだ相手を引き当ててしまったのかもしれないと】

【しかし、もはや後には引けない。どのみち、他に探す時間もない】
【己の巨躯の前に小さな身体で仁王立ちする少女に、醜悪な笑みをフードの下から浴びせながら語る】


……いいだろう。その約束でいこうじゃあないか
無論だ。効率的に行くなら一人より二人だ。そのために、お前に声をかけたのだから

私が先頭に立ってトンネルに入り、最初に敵を倒す。子供を見つけたら助け出して、逃げる
それで構わないな?

【彼女が頷けば、異形も頷き、奇妙な即席コンビは歩き出すことになるだろう】
【子供らしい行動力と相反する大剣の威圧感を背中に感じながら、異形は少女を先導していく】

【やがて、件の排水溝にたどり着き。薄暗い入り口を潜って少し歩けば】
【細い側道の奥に、確かにぽっかりと口を空けるトンネルがあった】

さて、準備はいいかね? ここをしばらく下っていけば、敵の領域に入ることになる
……もしよければ、名前を聞いてもいいかね? 中で呼びかける必要があった時に、知らないと不便だ
礼儀として、まずはこちらから名乗ろうか。私は、カニバディールという

【少女が問題なく秘密トンネルの入り口までついてきていれば】
【大男は一度彼女を振り返って、そう名乗るだろう】

/すみません、遅くなりました……
287 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/15(水) 19:36:07.03 ID:CqbJXNkd0
>>286

【「決まりだな」と返事をすると、約束をして――あるき出す】
【巨躯の彼にこそ似合いそうな大剣を、年端もいかない少女が腰に下げる】
【それだけでも大分目立ったが、夕暮れというのもあってか】
【幸いにして目撃者も無く、この二人組は排水溝へとたどり着けるだろう】

【その最中で分かるのは、少女が今どきの格好をしている割に足腰が強いこと】
【そして身体が軽いこと。体重的にではなく、身のこなしが良いという意味だ】
【明らかにただの子供ではない。戦力としては期待できそう、だったが――】


……如何にも悪い奴らのアジトって感じだな。
中に居るやつ、全員ぶっ飛ばしても良いんだよな?……カニバディール。


【そのまま入るには邪魔になりそうな大剣を腰から外す】
【かと言って構えたまま入るわけでもなく――小さく詠唱を重ねつつ、合間に質問】
【全員倒して良いのか、と。最初の一人以外は譲らないなんて言いそうな口ぶりで】


俺の名前はベアトリクスだ。ベアトリクス・シャリエール=c――。
……ベア、とか。ベアトって呼ばれる事が多いが……まあ、好きに呼べよ。
んじゃ行くか……。先手は譲るぜ、カニバディールさんよ


【その名に、聞き覚えはあるだろうか。或いは傲岸不遜な態度であったり】
【金髪碧眼の容貌に、見覚えは。――さて、そんな間にも少女の詠唱は終了し】
【一瞬、煌めき。目も眩む閃光が走ったと思えば、少女の姿は"変わって"いた】

【先程担いでいた巨大な剣を、そのまま装甲にしたような西洋鎧を身にまとい】
【その一方、手にした獲物は黄金の輝きを帯びた光剣へと変わっている】
【これなら狭い場所でも存分に暴れられるだろうが――約束を守れというように、先手はカニバディールへ譲るのだった】

/いえいえ、だいじょうぶですよ〜!
/ただすいません、ちょっとフグ捌いてくるんで次遅れます!
288 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/15(水) 20:06:08.39 ID:tpxzroHlo
>>287
【あるいは、二人の放つ異様な気配が、人を寄せ付けないものがあったのかもしれない】
【黒外套の大男と、大剣を装備した少女。ただでさえきな臭い今の世で、好んでこの組み合わせに近づこうとする者もいまい】

【同時に、異形の観察眼は確かに彼女の言葉が単なる虚勢でないことを改めて認識する】
【強靭な足腰に軽い身のこなしを感じさせる足運び。間違いなく、只者ではない。ならば、何者か】


ああ、無論だとも。こちらとしても、そうしてくれた方がありがたい
捕まった子供らを抱えて逃げる時、追っ手がいるといないとでは大違いだからな

(ぶっ飛ばす、か。中では、殺しは控えた方が良さそうだ……)

【彼女の言葉を頼もしく思いつつも、やはり懸念がよぎる】
【立派な武器と威勢の中に見え隠れする、年相応の顔。恐らくは、普通に育てられた子供】
【殺しの経験がないのであれば、彼女の前でいつもの調子でやるのは余計な事態を招くかもしれない】
【大男の脳内で、損得勘定の算盤が弾かれる。だが、それを一瞬吹き飛ばす名が、少女の口から飛び出した】


―――――!! ……ベアトリクス。ベアト、か。わかった
ああ、行くとしよう。よろしく頼むぞ、ベアト

(悪い予感は的中か……!! 思えばこの金髪に碧眼、自信満々の態度……忌まわしいほどに似ている……)
(あの異教徒めが、いくら腕が立つとはいえ愛娘を一人で歩き回らせるとは……おかげで、とんだ子供を雇ってしまった)
(まあ、いい……私の名を聞いてこの反応なら、私がマリアにした所業は漏れてはいないはずだ……)

【走った悪寒が確信を伴った。失った顔色は、幸いにして薄闇が覆い隠してくれる】
【少女の放つ閃光が、その薄闇を切り裂き。思わず閉じた三つ目を開き直すと】
【彼女の父親を思い出す、荘厳な聖堂騎士の如き姿がそこにあった。ひそやかな信仰心から出る舌打ちは抑え込んだ】

【ともあれ、今は己の利益。約束通りにカニバディールが先陣を切る】
【少しぐねってはいるものの、道なりに進む形で通路を下っていく。やがて、分かれ道。異形は右に折れた】

ここが連中が子供を運ぶのに使う通路だ。彼奴等はあの扉の向こうのエリアにアジトを構えている
用意はいいな……?

【分かれ道の左側が輸送路、こちらがアジト。すなわち監禁場所。小声でそれを伝えると】
【大男はゆっくりと扉の前に立ち。無造作にそれを押し開けた】

おう、追加のガキか? ちょうどよかった、こっちは今から俺達用の奴隷候補を見繕うとこだぜ
おい、暴れんじゃねえ!! また殴られてえのか!!=@おい、薬持ってこい薬!!

【中に広がっていたのは、大男の言葉が控え目であったことを示す悍ましい光景】
【年端もいかぬ少年少女を、柄の悪い男たちが殴りつけ、あるいは注射器の針を近づけ、あるいは服を剥ぎ取ろうとし】
【まさに奴隷、いや商品として物体として、扱われている光景だった】

【扉の開く音に最初に反応した男が、大男と少女の方に目を向けて、凍り付いた】

な――――=@やあ、こんばんは

【気の抜けた挨拶と共に、大男は太い腕を振るって男の顎に拳を叩き込んだ。男は膝から崩れ落ちる】

てめぇ!?=@このやろ――――!!

【他の男たちが事態に気が付き、次々に拳銃や刃物を抜く。しかし、突然の襲撃に明らかに動揺しており】
【ベアトリクスほどの腕前なら、十分にその隙をつけるだろう】

/フグ捌けるってすごいじゃないですか!?
/了解しましたー!
289 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/15(水) 20:43:23.67 ID:CqbJXNkd0
>>288

【カニバディール――この肉屋と自分の母親の関係を、少女は知らない】
【故に僅かな間にも気付けなかった。ならば――まあ、それで良いのだろう】
【今は内輪もめしている場合ではないし、既に敵は目前なのだ】

【――少女からすれば体よく使われている形になるが、知らなければいいだけの話】


……おいおい、思ってた以上に"クソ野郎どものアジト"って感じだな……!
本当に人間かよ、てめえら…――おい、やるぞカニバディールッ!!


【何より、この少女の本質は父親に似たらしい。直情型、一線引いていても激昂しやすい】

【だがそれも最もだろう。似た境遇の近親者が居て、怒りを覚えないはずがない】
【子供をものとして扱う外道、そう切り捨ててカニバディールに声を掛ける】
【まず一発――彼が平然と男一人を叩きのめすと、負けていられないとばかりに群衆へと飛び込んで】

【まずは飛びかかるように一発、手近な相手の胸に蹴りを叩き込む】
【鈍重な鎧姿だが、その所有者に限っては大剣を扱うときのように軽やかに感じられるのだろう】
【しかし他人からすれば別だ。100kgを有に超える重量が飛び込んで来るのだからたまらない】

【そのまま、少女は光剣を振るい始める。この光剣もまた特殊な能力を有していた】
【単純に言えば物質を透過するのだ。刃物や盾、鎧をすり抜けるように肉体のみを切り抜ける】
【そうして相手の手や腕、時には胴を斬ることもあるが――これも腕前が覗くが、殺さずに切り伏せ】

【遠くから銃を撃たれれば、ガギッ!≠ニ鈍い音。鎧は鎧として機能して、並の銃弾は受け付けないらしい】
【表情は見えなかったが――その魔装を、少女は随分と使いこなしている様子であり】


―――……テメエで、最後だッ!!!


【その場に屯していた最後の一人まで追い詰めれば、その人物だけは切り捨てず】
【思い切り蹴飛ばして、胸ぐらを掴もうとするだろう】
【「ここのボスはどいつだ」と、幼い外見とは裏腹な苛烈さで問い詰めるために】

/いえいえ、慣れれば簡単ですよ!そしてお待たせしました!
/無双しちゃいましたがもしあれでしたら加減しちゃって下さい!
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/15(水) 21:14:20.96 ID:sjRjwy2T0
【其処は恐らくつい先日まで教会、と呼ばれていた場所】
【と、言うのも。ステンドグラスと思われるその鮮やかなガラスには人の肉だ臓物だとかがベッタリと叩き付けられていて】
【張り付けの救世主を象った大きな十字架には其処の神父であろう男が貫かれて居た】
【内装の全ては穢れこそしていても破壊されたモノは一つも無い。或いは戦闘にすらならなかったのかもしれないけれど】

「残念ね、とっても残念。貴方達の信じていた神様は何処かにお出掛けでもしていたのかしら?
それともお昼寝?遊びに夢中?もしかしたら貴方達が一方的に縋っていただけで迷惑だったのかもしれないわ
――だってそうでしょう?大嫌いな大嫌いな悪魔がやってきたのに声の一つも聞こえないのだもの」

【鮮やかな紅色。パイプの先端に幾人かの身体が突き刺さったオルガン。その椅子に座るのは一人の少女だった】
【紅い簡素なドレスを纏った、この場には似合わない少女】
【然れど、この場全てを包む瘴気の元凶もまたこの子供であると知れるか。クツクツ笑いながら眺めて居る其れが悪魔、と呼ばれる存在である事も】

「神様を試してはいけない、だったかしら。……居なければ試す事は出来ないのに、面白い言葉ね。変な言葉
――狂った世界にこんにちは。壊れた世界にさようなら。今宵私アリスが紡ぎ出すお話は――……」

【もしこの教会の前を通る者が居るのだとすれば、まるで誘う様に古びた扉が勝手に開き】
【足を踏み入れたとするならば、小さく笑う少女が出迎える事だろう】
【もしくは――騒ぎを聞き付けたか、悪魔の気配を手繰った何者かが此処を訪れる事だって珍しくは無い筈】
291 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/15(水) 21:17:38.68 ID:tpxzroHlo
>>289
【マルタでの戦いでは、僅かながらに共闘したこともあるが。だからといって、事実は変わらない】
【特に、自分がいない間に新妻を傷つけられたあの男が、自分をどう思っているのかは明らかだ】

【肉屋にとっては幸運なことに、知らぬが仏で事は進む】

世界がどう動こうと、クソ野郎は常にどこにでもいるということだ
ああ、早いところ片付けてしまおうベアト

【重々しい声と共に、男たちに冷徹な三つ目を向ける。自身の利益を阻害する者たちを】
【彼女の父に似た義憤、激情とは裏腹の、悪党のそれだ】

【己の家族と重ね合わせて怒りに叫ぶ彼女の清廉さとは、真逆。されどこの場は、同じ戦場で轡を並べる】
【その三つ目の冷たい光は、ベアトリクスの八面六臂の活躍を眼前にして、驚嘆のそれに変わる】


ガハッ!?

【まずは最初の一人が蹴りをまともに喰らい、血反吐を吐いて吹き飛ぶ。肋骨がへし折れたらしい】
【鎧の重さと羽根の軽さを両立したかのような動き。それでいて、敵に対しては超重量の凶器となる】

ぎゃああああ!!=@いいでえぇぇ!?=@た、助け――――ぐあっ!!=@な、何で弾が通らねえんだよ!!?

【さらに振るわれる光の剣。アジトで油断していた男たちは、どのみち大した装備はしていなかったが】
【仮に完全防備だったとしても、役には立たなかっただろう。男たちの衣服に傷はないのに、その下から血を噴き出して倒れていくのを見て】
【肉屋は戦慄する。戦闘技能のみならず、能力の強力さも父親譲りか。その上、防御性能も折り紙付きときた】

【男たちは成す術もなく、武器を取り落とし、床に倒れ伏し、次々に行動不能となっていく】
【最初に肉屋の拳で顎を叩き割られた男は、まだマシだったのかもしれない】

【カニバディールは、男たちの放った流れ弾が子供たちに当たらないよう、能力を持って膨らませた腕を肉の盾とする】
【救出対象たる子供たちに死なれては、この危うい雇用関係も崩壊してしまうだろう】


ぐげっ!! ひ、ひぃい……!! ボ、ボスは奥に……捕まえて来たガキどもと一緒に……!!

【蹴られた痛みも一時忘れるほどに震えあがり、最後の一人は必死に奥の鉄扉を指差す】
【カニバディールがそちらに目を向け、先ほどと同じように近づく】

……先ほどと同じく、私が先行し、お前が続く。それでいいかね?

【ベアトリクスに確認の言葉を投げる。是であれば、異形は扉を開いて飛び込むだろう】

/自分は不器用なもので、尊敬します……
/いえいえ、むしろ無双していただくことを想定した展開でしたので、全く大丈夫です!!
292 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/15(水) 21:34:06.45 ID:CqbJXNkd0
>>291


ハッ……!テメエら、"騎士"ってモンが物語の中に住んでるとでも思ってんのか?
戦場に於いて、如何に死なないかってのを追求した装備なんだぜ
伊達や酔狂で着てるわけじゃねえんだよ、バカ野郎が……!


【啖呵の切り方も一人前。恐らくは生まれ持った性根もしかり】
【そして教育もしかり、なのだろう。全員を蹴散らすのにそう時間は掛からなかった】

【ただその一方で、並び立つ――この場限りの戦友として】
【カニバディールの戦いも、鎧の合間から目を光らせていた】
【肉を肥大化させる能力、だろうか。ただでさえ巨体なのだから、肉体とマッチした力なのだろう】
【――若干羨ましそうな視線を向けてから、最後の一人を恫喝めいてボスの居場所を聞き出し】


ってことは、そのボスってのは"まだ無事な連中"と一緒か。
流石に捕まえてそうそう壊すような事はしねーだろうしな……

……おう、それで良いぜ。なんなら、アンタの影に隠れて
俺が一発で仕留めに行ってもいい。様子を見て、だな…――行くぞ!


【確認の言葉には首を縦に振って答える。そして言葉に合わせて、彼の影に隠れるようにすると】
【視界の邪魔になる頭部の鎧を解除する――解除された分は、剣の柄へと取り込まれ】
【頭だけを露出させた状態で、カニバディールの影から"ボス"とやらの様子を伺った】

/了解っ、ありがとうございます!ではでは、このまま改めてよろしくです!
293 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/15(水) 21:38:24.74 ID:5c2+aIKh0
>>290


   「 ──── 動くな。」


【生温く血腥い悲劇に塗り潰された礼拝の場に、 ──── 截然とした足音と、冷然とした声が響く。若い女のそれ。】
【 ─── 暗闇から現れるのは果たして一人の少女である。金髪碧眼、吊り上がった切れ長の目尻。】
【端整な目鼻立ちは却って性主張を薄めていた。月明かりに晒されて、後ろ結びに燻んだ金色が光輝を宿した。】
【ごく若者の服装をしていた。首に回した黒いヘッドホン。他人を隔てる輪郭を曖昧にするビッグサイズの白いシャツには、それらしい英字とロゴがプリントされていた。】
【それでいて、 ─── 華奢な手脚に不釣り合いな、大口径の拳銃を構えていた。照星が狙うのは、赤いドレスの正中。】


「ゆっくり両手を上げろ。」「そのまま頭の後ろに回せ。」
「妙な真似はするな。」「 ──── そうしなかったら、撃つ。」


【一歩ずつ少女は詰め寄ろうとする。血塗れの脚元を踏むたびに、血糊の潰れる不快な水音を重ねるたびに、眉間に宿した影が色濃さを増す。】
【冷たい声の中に静かな憤怒を隠していた。それでいて隠し切れていなかった。或いは最初から、自身の怒りを垣間見させることが肝要であるかのような語調であった。】
【然して、でありながら、 ─── どこかに怯えを宿していた。青い双眸と、銃爪を引き絞る指先と、歩みを重ねる両脚が、幽かな震えを堪えられていなかった】

/日付変わるくらいまでになっちゃいそうですが!
294 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/15(水) 22:03:05.81 ID:tpxzroHlo
>>292
ひ、ひいぃ……ふざ、ふざけんなよ……!! 戦場ならともかく、何で地下に騎士が出んだよ……

【確かに物語の中から出て来たかの如き、騎士の姿。肉屋は思い起こす。彼女の父もそうであったと】
【戦場に身を躍らせる、というより騎士が躍るその場所こそが常に戦場となると言うべきか】
【伊達や酔狂による恰好ではないことは、肉屋自身もよく思い知るところである】

【同時に、自身にも観察の目が飛んでいたことをカニバディールが気づいていたかどうか】
【彼女のそれと比べれば、戦闘能力は低いものの防御性能はそれなりらしい】
【彼女の魔装と違い、銃弾はその肉にめり込んで僅かな血を滴らせていたが、肉屋は顔色一つ変えなかった】

【ボスの居場所を吐いた最後の一人の顔面に、ゴム長靴で蹴りを叩き込んで意識を刈り取ると、ゆらりとベアトリクスに向き直る】

連中にとっては金蔓だからな。すぐに手出しはしないだろう
だが、この騒ぎを聞きつけていてもおかしくはない……

ああ、それでいこう。物事はシンプルかつスピーディーに進めるべきだ

【自らの身体を盾にするように立つと、器用な鎧の操作を横目にドアに手をかける】
【扉が開かれ、両側に広い牢屋が備えられた広い部屋の光景が――――】

ぐ、があああ、あ、ああああああ!!?

〈ハ、ハハハハハハ!!! 油断しおったな、侵入者め!!〉

【カニバディールが叫び、その巨躯が床に膝をついた。肉の盾の向こうには武装した数人の男に身を守らせた人物の姿】
【悪趣味な金ぴかの装飾品をいくつも身に着けた、筋肉質な男が巨大なコイルのような装置の向こうで笑っていた。この男がボスだろう】

〈もう一匹いたか!! スタンレーザーの威力を思い知れ!!〉

【コイル状の装置が再び機動し、エネルギーが充足される。彼女ならば、わかるだろうか】
【規模は比べ物にならないが、それは彼女の父が用いる武器と同じ方向性のエネルギー。すなわち、電気】
【光線の如く電気エネルギーを発射し、命中した相手を感電させる設置型の武器である】


【左右の牢には怯えた子供。中央にボスと部下の男たち。眼前に巨躯を麻痺させてただの肉塊となったカニバディール】
【騎士はこの状況、如何にして処するか?】

/こちらこそ、お願いします!!
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/15(水) 22:04:24.75 ID:sjRjwy2T0
>>293
【――女性が声を掛けたのと殆ど同じ瞬間。既に事切れていた神父の舌が口からダラリと垂れ下がる……かと思えば、ブルブルと震えだし】
【こぼれ落ちるのは虫。ムシ。むし。柔らかで美味しい部位を全て食い尽くしてしまったのか、其れ等は神聖な礼拝堂を這い回り】
【或いは、女性の足元にも群がり始めるのだろうか。服の隙間から入り込み、小さな小さな牙で新鮮な肉に孔を空けようとも】


「それじゃあ“駄目”よ?そんな暇があるなら、殺してしまわないと。何度も撃ち込んで、死んでしまったと分かっても念入りに何回も何回も何回も何回も――……
妙な真似って何かしら?例えば、貴女もこの人の様に沢山の小さな虫に食べさせてしまうこと?それとも、もっと残酷に体中の皮を剥ぎ取ったまま生かしてしまう事?
やっぱり、ずっと殺し続けてしまう事かしら。手足を落として、芋虫の様にしてしまう事?フフ――変なお話。楽しくて、不思議なお話。……ねぇ、何かしら?貴女にとっての妙な真似って」

【確かに静止を求める声は少女の耳を通っている筈だ。更に、その銃器は如何なる威力を持っているかも理解して居る筈】
【それなのに。椅子から立ち上がると、楽しそうに嗤いながら一歩一歩近付き始めるのだ】
【――その瘴気はまるで“死”。具現化されたかの様な其れが、女性を飲み込まんと少しずつ近寄る】
【引き金を絞ったならば、簡単に当たる筈だ。当たりはする、が。肉の抉れた状態のまま、“其れ”は歩みを止めず】
【頭を狙うならば容易く弾け、目玉も零れる――が。口元は楽しそうに嗤いながら】


「震えて居るのね。怖がっているのね。人間は怒っている振りをして自分を誤魔化そうとしているのに、隠しきれないのだもの
どうして此処へ来たのかしら?正義感?それともお仕事?誰かを助けるため?――もしかして、悪魔にお願い事かしら
……貴女はどんなお話にしたくて此処に来たのかしら。いいえ、来てしまったのかしら。少し、お話をしましょう?
丁度、私もお話相手が居なくなってしまって退屈していたの。ねぇ、良いでしょう?」

【女性の足元により大量の血が沸いた、かと思えば。其処からは老若男女様々な手が伸び、床に抑え付けんと四肢の様々な場所を強く握る事だろう】
【所詮は人間の力と変わらないのだから、蹴るなり切断するなり逃げ様は色々とある】
【だが、もしも其れが出来ず床に倒されたならば――べっとりと生臭い血液が身体を汚す事になるか】
【顔の周りには虫達が小さな音を鳴らしながら駆け回り、女性に着く血を啜り】

/自分もそれ位になるかと思われます!宜しくお願いしますですよ!
296 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/15(水) 22:18:18.47 ID:CqbJXNkd0
>>294

【部屋の中には尚数人の手下。そしてその奥、装置の向こうにボスらしき人物】
【眼の前のカニバディールは膝をついて――おそらく感電しているのだろう】
【盾にしていて正解だった、なんて非道い事を内心思いながら更に周囲を見極める】

【左右には囚われた子供。装置から発生するのは電気――己の苦手な力】
【この鎧は物理的には強いが、それを透過する電気や熱には極端に弱い】
【そういう所もまた、父に似ているのだが。だが、ニヤリと笑う】


よお、おっさん!……そのスタンレーザーってのはよー、こいつの身体でもブチ抜けるのか?
もしそうならすげー怖いってのが正直な所なんだが……――でもこいつ、今無事だよな?
ちょいと両膝着いて痺れてるけど、貫通するほどの威力はねーんだろ!?


――――だったら俺の勝ちだ。臓物ぶち撒けても文句言うなよ、クソ野郎が。


【未だその位置はカニバディールの影。彼の巨体を盾としたまま、出ようとはしない】
【否、出る必要がない。手にした光剣を握りしめ、魔力を全力で流し込むと】

【その刀身は1m足らずであったものが、魔力そのものを奔流させる事で一挙に延長され】
【それを"ブぅん"――と、半円を描くように一振り。この大剣・センチネルの真骨頂を発揮する】

【先は武器や服を透過して肌を切った。しかして、その芯の力は"選んだものを斬る力"であり】
【カニバディールの肉体、左右の子供たちだけは切らず、透過して】
【コイル型の装置、子供たちの檻、そして"ボス"を含めた人攫いを纏めて】

【――両断≠オようと、するだろう。そも――殺人をしたことがない、見たことがないというのは】
【カニバディールの思い込み、でもある。その剣筋に躊躇いはなく、油断していたのなら間違いなく彼らは切り捨てられるはずだ】
【しかし逆を言えば、他に手段がない。一度防がれれば、カニバディールの影で息を整える他無くなってしまう、諸刃の剣でもあった】
297 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/15(水) 22:24:30.92 ID:5c2+aIKh0
>>295

【 ─── その内面は恐らく、単なる少女のそれでしかないのだろう。であれば眼前に範図を拡げる光景の生理的嫌悪感は如何許りであったろうか。】
【であれば青い瞳を引き絞り、ただ睨視するのが少女にとっての限界だった。 ─── 狂気者の理屈は、きっと彼女の聞き入れられる所にはない。】



     「 ……………──── !」



【故にトリガーを引き絞る。 ─── 撃針が薬室に込められた薬莢を叩き雷管を射抜く。銃声と硝煙。放たれる47口径のフルメタル・ジャケット】
【速度と慣性質量の塊は純粋な直線運動を以って生温い大気を引き裂き、やがて幼い少女の白い額へと着弾し】
【被甲の下にある軟らかな鉛が運動エネルギーの猛烈な放散と共に変形してその頭部を吹き飛ばす。 ──── 然して】
【尚も悪魔は静やかに笑っていた。少女は瞠目する。青い瞳が刹那に震えて、それでも殺意と忿怒を以って恐怖を上塗りする。】


「 ──── 五月蝿いな、外道のくせに ………、 !!」
「お前みたいな酷い奴と、話してやる義理はない。 ……… 死ね、ッ!」


【 ─── 脚首を掴む冒涜的な感触に崩折れなかったのは、せめて勇気の現れであった。銃の代わりにポケットに指を入れ】
【懐からばら撒かれるのは、ごく小さなベアリング。銀色の輝きが辺り一帯に撒き散らされて ──── されど】
【転瞬それら全てが"爆発"する。橙色の閃光と共に飛散する爆圧と金属片を以って、自身の足を掴む手もろとも】
【死者の手先も這い回る虫も無論のこと悪魔に似た少女も、 ─── 粉微塵に吹き飛ばしてしまおうとするのだろう。】
【それでいて少女は傷一つ負っていなかった。爆破範囲の全てを仔細かつ完璧に計算していた。自身に傷の及ばない散布範囲を一瞬で算出していた】
【 ──── 爆煙に紛れて、少女は距離を取ろうとするのだろう。それでも矢張り、震える吐息と、湿った足音はよく響いた。】
298 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/15(水) 22:46:53.45 ID:tpxzroHlo
>>296
【酷い、とはカニバディール本人を含めた誰も責めるまい。異形は自身のために自身の意志でここに立つ悪党であり】
【ベアトリクスの彼女にとっては敵であるのだから。むしろよくやったと、褒めてくれるかもしれない】

【電気は父親同様、彼女にとっても弱点。ゆえに、おそらくは得意なのだろう】
【あの抜け目ない騎士の父が、対処訓練を積ませていないはずもなし】

【方向性としては、人さらいのボスの取った戦術は間違ってはいなかったのだろう。だが、相手が悪かった】


〈フハハハハ!! なるほど、多少は頭が回るらしいな!!〉
〈だが、甘い!! このアジトは使えなくなるが、ここの電力を全てこいつに回せば、貫ける威力も発揮できるわ!!〉

〈勝ちだと!? この状況で何が出来る、ガキめ――――ア?〉

(何……!?)

【肉屋の心中と人さらいたち、それぞれの驚愕は同じタイミングであった。一瞬、室内の照明が明滅する。スタンレーザーに電力が集まろうとしたのだろう】
【だが、ベアトリクスの方が速かった。魔力を流れさせ、剣が間合いを跳び越す。異形の肉屋の能力にわずかながら似ているが、比べ物にならぬ威力】

【悪党どもの認識を遥かに超えた力は、あまりにもあっさりとこの場での決着をつけていた】
【まずは、コイル型の装置が小爆発し、火と煙を噴いた。続いて、左右の牢屋の格子がバラバラになって床に落ちた】

【最後に、断末魔の悲鳴すら上げられず、人攫いたちが真っ二つになって鮮血と臓物をまき散らしながら、床に崩れ落ちていった】


が、ぐっ……!! は、はは……!!
お前に、頼んだ、だのはは、正解いだっ、たなな……

【まだ痺れから呂律の回らない舌で喋りながら、カニバディールが巨躯を引きずり起こす】
【足元は、意外にもしっかりしていた。見た目通りにタフらしい】


ぐぅ、ぐ……子供らは、お前が落ち着かせてやっで、くれ……
私の面では、とても無理だ……

最初の奴の、言葉で、は、まだこちらに、向かっている、奴らが、いるようだ、からな……
私は、その間、そいつ、らを、待ち伏せ、するる……

【そう言って、カニバディールは一度部屋を出る。少しして、子供たちが大声で泣きわめき始めた】
【ひとまずは、終わった。そう思っていいだろう。終わってみれば、あまりにもあっけない】
【だが、それもこの少女の。かの騎士の血と教えを色濃く受けついた、ベアトリクスの腕前と意志あってのことだろう】
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/15(水) 22:50:57.74 ID:sjRjwy2T0
>>297
【ばらまかれる銀の粒。女性を捕まえんとして居た腕達はその悉くが千切れ、爆ぜ、溶ける事だろう】
【それ故、目論見通りに距離を稼ぐ事には成功する。――さて、少女はと言えば。“見えない”】
【その強烈な閃光に灼かれたか、無数の金属片に刻まれ形すら残さずに朽ちてしまったか】
【ぐしゃり――何かの臓物が壁から落ちた音。ぴちゃり、ぴちゃり――天井から滴る血の音】
【ヒタリ、ヒタリ――では、これは一体何の音か】


「怖いから拒絶するの。知りたくないから、目を背けてしまうの
――殺すのでしょう?でも、それでは駄目なのよ?しっかり殺した事が確認出来るのは、直接触れた人だけだもの
逃げ出したいのかしら。怖いのかしら。だけれど貴女はこの人達の様に命乞いをする事も無いのでしょう?そう、貴女はきっとそう
だから楽しいの。とっても面白いのよ。抗って、抗って……さあ、どんなお話になるのかしら」

【女性の足音に混じり、背後から聞こえる足音。側面から聞こえる足音。――そして。前方で嘲笑う悪魔】
【手に握っているのは、“穢れ”によって作られた歪んだ槍。余りにも歪な其れは果たして槍と呼んで良いのかも微妙な物ではあったが】
【細い足に目掛け、投げつけて。――貫かれたとて、血も出なければ痛みも無い筈だ。代わりに、余りにも強い“疲労感”がその足を縛り付ける事になるだろうか】
【まるで、自分の足であるにも関わらず思い通り動かせないような――石にでも変わってしまったかのような】


「話さなくても良いのよ?感じるだけでもお話は出来上がるのだもの
大丈夫よ。ただ殺してしまうなんて詰まらない。それだけじゃとってもつまらないお話
ねぇ――……貴女が怯える時って、どんな顔になるのかしら?
今必死に耐えている心が折れてしまった時は、どんな事を言うのかしら?」

【それが当たろうと当たらなかろうと、更に礼拝堂内で異変は続く】
【オルガンに突き刺さっていた信者達の腹部がボコボコと動いたかと思えば、腹を突き破って無数の触手――肉蔦が現れるのだ】
【長い管状の臓器を模した其れは数十本ほどが女性に向かって延びて】
【――滴る粘液は軽度の火傷を負わせるだろうか。本数こそ多いものの動きは緩慢。避ける事が出来ればそれで良い】
【だが、もしも腕の一本にでも巻き付かれれば残りの肉蔦が四肢を搦め取り、宙に持ち上げようとする筈で】
300 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/15(水) 23:09:59.25 ID:CqbJXNkd0
>>298

【手応え、あり――人が倒れ、がらがらと檻が切り落とされ、コイルは火を吹いて】
【そうなればカニバディールの巨躯の影で、騎士は片膝を付いて息を吐いた】
【その額にはびっしりと、汗。強力な魔装とはいえ、その使役には魔力を使う】

【両親が共に有能な魔術師であるとは言え、子供となれば限度があるのだろう】
【あれだけ強烈な一撃を放ってただで済むはずがない、ということらしく】


ヘッ……よお、悪かったなカニバディール。……盾みたいにしてよ
電気は苦手だから、仕方なく使わせて貰ったぜ。……ん、おう…っ。


【呂律は回らなくとも、問題なく身体を起こすカニバディールの背中を軽く叩く】
【タフさが売りの、いうなればタンクである彼と】
【素早さと攻撃力の高さが売りの自分とは、中々いい組み合わせだったかも知れない】

【そう思いつつも、子供たちを落ち着かせてやってくれと言われると】
【確かにその通りだと、息継ぎもそこそこに切り落とした檻の方へと走っていって】


つっても、結構数居るよな……ぁ、お、おい泣くなっ!
一人泣くと他のやつまで…――あー、クッソ!
……お前ら、後で一人一つずつアイス買ってやるから泣くなっつーんだよ!


【さて、孤児院が実家のようなものでも、泣き始めた子供をなだめるのは簡単ではない】
【増援が来るという話だったが、そちらはカニバディールに任せきりになるだろうか】
【彼らを落ち着かせるのは暫く掛かる。が、落ち着いた頃を見計らい――彼が居るはずの部屋へと、ようやく顔を見せた】
301 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/15(水) 23:10:54.19 ID:5c2+aIKh0
>>299

【硝煙の向こう、少女は一つ歯軋りした。忌々しげに顔を歪めた。殺せていない。仕留められていない。血に湿った足音が聞こえる。】
【"勝てない"。 ─── 嫌な結論が脳裏を過る。深く息を吐いて頭を振る。余計な思考を振り払う。目の前の事実にだけ集中する】
【それでも、手を出してはいけないものに手を出してしまったことを後悔する。少女の異能が引き起こしうるのは、直接的な物理破壊のみ。】
【どこかに"本体"があるのならば対処のしようもあった。然してこれの力の根元が、呪詛や怨霊など観念的な存在であったなら、 ──── 】

【 ──── 悲観的仮説の構築にリソースを浪費したのは間違いだった。そのくらいには、今の少女は恐怖にかられていた。逃げる理由を探していた。】
【であるが故に反応が遅れる。取り囲むように囁く声に怯えながら逃げ場を探す。 ──── そんなものは最初から有りはしないというのに】
【眼前に現れるのは潰した筈の微笑み。 ─── 一瞬だけ、然し確かに、怯懦がうつくしい顔貌を引攣らせる。薄い唇の向こう側、白磁の歯が晒される。】


        「あ、うッ」


【 ─── か細い脚先が縺れて、それに従う躯体が、血塗れの床面に崩れ落ちた。ぬるりとした暗褐色に全身を愛撫されて、脊髄の奥から震え上がってしまう】
【穢れた槍が自分の脚を傷付けた/傷付けていないことは理解した。立ち上がろうとする。立ち上がれない。立ち上がってくれない。理解できなかった。】
【だから少女の言葉が痛烈に脳髄を抉る。応酬系が焼き潰れるような痺れ。頭の中が真っ白になる。 ──── 目の前で弾ける屍体。迫り来る無数の肉蔦。ゆえに、であれば】


「 ───………ひ、ぁ ──── ッッ 」


【 ──── その生温かい感触に、容赦なく四肢を/肉体を/全身を絡め取られてしまう。銃を取り落として、漏れるのは、隠せない感情を宿した声】
302 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/15(水) 23:26:03.42 ID:tpxzroHlo
>>300
【少女自身も、全くの無傷とはいかず。強大な力の行使には、相応の代償が必要なのだろう】
【しかしながら、狙ったものだけを一閃で両断する、という離れ業を、この年齢で】
【彼女の父は、自分を許さないだろう。自分にとっても、彼女の父はきっと目障りな敵であり続ける】

(もし、敵となったその時は……いや。彼奴等親子でも、私は殺せない……負けはしても、死にはしない。決してだ)
(アーグさん……今はお許しください。いつの日か必ず、恩義に報いて見せます……)

【心中密かに、昏い感情を抱えつつ。カニバディールは労うように背を叩く少女を振り返る】

が、あぁ……いや、気にす、ることは、ない。この、状況で、は最善の、役割分た、分担だった……
悪い、ぃが、任せ、ま任せた、ぞ……

【カニバディールが部屋を出ると、少し間をおいて先の部屋にいた子供たちまでも賭け込んできた】
【当然、あの三つ目の化け物と同じ部屋にいたくはないだろう】

【さらに人数の増えた子供たちが、堰を切ったように泣き始める。全員を泣き止ませるには、しばしかかるだろうか】
【その間、前の部屋では少しの間を置いて戦闘の音がし始める。膨らむ肉の気味悪い音、銃声、悲鳴】

【それも、少ししたら無くなって。そこから、さらに増援が浚ってきたらしい追加の子供が部屋に駆け込んでくる羽目になるが】


ぐ、ぬ……おい、お前たちで……全員か?

ぎゃああああああ!! ぜ、全員……全員だよ……!! 本当だ……!!

そうか……ありがとう、もう用済みだ……

【ベアトリクスが顔を覗かせた時には、カニバディールが先ほどのベアトリクスと同じように、最後の一人を詰問していた】
【もう増援は最後かと。その指をへし折りながら聞いていたことを考えれば、詰問というより拷問か】

【人攫いの答えを聞いて、そいつを力任せに殴り倒した後。異形は戻ってきたベアトリクスに向き直る】

……ぐ、ぐ。ようやく、舌も動き始めた……
さて、長居は無用だ……子供らを連れて上がる。それで構わないな……?

約束の報酬は、上で渡そう……
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/15(水) 23:44:38.97 ID:sjRjwy2T0
>>301
【此処は礼拝堂。神聖な場所。神の加護を授かりし場所。――本当に?】
【まるで地獄だ。死者が生者を羨み、引き摺り込もうとする場所だ。“何か”が爆ぜる。然れど其れを確かめる余裕は無いだろうか】
【“何か”が立ち上がる。若かし其れに視線を送る気力はあるだろうか。“何か”が這いずる。だが其れを聞き取れる程に鼓動は静まっているだろうか】
【ヌルリとした感触。血なまぐさい臭い。未だに血液が循環しているかのような温かさ。それはきっと、女性――否、少女の全身を包んでいる筈】


「私は悪魔だけれど、楽しい事が大好きな悪魔なのよ?だから、別に殺す事が好きな悪魔では無いの
折角頑張って此処に来たのに、大切な物を落としてしまって良いのかしら?それとも、貴女は“コレ”が無くても何かを殺す事が出来るの?
その身体で、震える足で、涙で見えなくなってしまう目で。何を見て、何を触れて、どうする事が出来るのかしら?」

【肉蔦によって搦め取られた彼女の頬を優しく撫で、そのまま視線を交差させようとして】
【――もしも少女に戦闘によって培われた経験があるならば、直感として一つの警告がある筈だ。“目を見るな”と】
【けれど、其れが無かった場合……或いは、分かっていても身体が従う事が出来ずに幼い悪魔の紅い双眸を見つめてしまった場合】
【得体の知れない強い不安、そして今まで味わった苦痛や屈辱等の“トラウマ”が何度もフラッシュバックする事となり】


「ねぇ――……爪先から腐っていく感覚を味わった事はあるかしら。指先から刻まれていった事は?目を抉られて自分の手に持たされた事ならあるかしら?
熱い鉄の上に縛られた事は?きっと自分のお腹の中身を取りだして自分で食べさせられた事ならあるわよね
――……大好きな人に憎まれたまま何度も何度も殺された事は?骨を全て砕かれても生かされ続けた事は?
鏡の前で身体をどんどん切り落とされる事は?ゆっくりと大きな岩に潰されていく事は?

……助かりたいのでしょう?泣き喚きたいのでしょう?
だけれど、今助けてあげられるのは私だけ。だって、放って置いたら“この子達”が貴女を食べようとしてしまうもの
ねぇ、どうしましょうか。さあ、どうしましょうか。助けて欲しいのならば、貴女ならどうするのかしら」

【もし、悪魔の双眸を見てしまっていたなら。その囁かれる言葉が、まるで実体験したかの様に痛みを与えていくか】
【それは全てが死に直結する事。だが、実際に刻まれていない、砕かれていない、殺されていないのだから死にはしない。死にはしないのだが……まるで実体験した香のような矛盾】
【痛みは鮮明だ。死の瞬間に暗黒に包まれる刹那の時間だって。悪魔が語れば語るほどに、脳内が勝手に痛みをイメージされる事だろう】
【当然、手足は動かす事が出来て呼吸も難なく続けられる。だが……味わった記憶は、保持され】

【頭を優しく抱き締め、まるで恋人に囁くかのように耳元で呟かれる残虐なイメージ】
【少女の心を折らんと、何度も痛みを与えんと】
【――その羅列が終わった頃、再度顔を上げさせようとして。それが叶ったならば、小さく微笑みながら問うのだ】
【助かりたいのならば、どうするべきかと】
304 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/15(水) 23:49:05.23 ID:CqbJXNkd0
>>302

【元より部屋に居た子供、前の部屋に居た子供、新たに連れてこられた子供】
【合わせて、何人になるのだろうか。学校の1クラス分は優に居そうだが】

【ふと思うのは、これだけの子供を連れ去ってくる組織力】
【本当にあのボスや、ここに居た部下達で全てなのかと不安になる】
【勿論、これより先のことは自分たちでどうこうできるわけもなく】
【義賊でもない以上、考えても仕方ないこと、とはいえ――気には、なる】


全員、ね……おう、了解だ。また別な奴らが着てからじゃ面倒だしな
上にあがったら警察も呼んで……来る前に、アンタは帰らないとだな?


【にぃ、と笑って元の部屋へ。ようやく泣き止んだ子供たちを呼び寄せると】
【カニバディールと連れ立ってトンネルの外、蒸し暑いが新鮮な空気の場所へ出る】
【子供たちはそれぞれに安堵を浮かべ、「このへんでおとなしくしてろよ!」】
【なんていうベアトリクスの言葉に素直に従い、今度こそ泣き喚くこともなく】


……にしても、本当に普通の仕事だったな。
普通っつーか、今どき見ないような……お前、見た目で損するタイプか?

悪党、とか言ってたけどよ……あいつら、お前に取って邪魔だったんだよな?


【「どんな仕事で邪魔だったんだ」とまでは、流石に聞けなかった】
【それを聞いたら、今からまた殺し合いをしなければ行けないような気もしたし】
【せめて一緒に修羅場をくぐり抜けた一時くらいは、と――鎧を解いた姿で、口にして】
305 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/16(木) 00:22:28.25 ID:UoqKtPA80
>>303

【 ─── 震える瞳が視線を重ねる。重ねてしまう。引き摺り出される記憶は、然し"決して"少女の持ち得ないもの。】
【例えばそれは凍土の戦場。塹壕に降り注ぐ機銃掃射と直接射撃の嵐。自分の真横で腰から上を吹き飛ばされる同志。】
【例えばそれは白兵戦の一幕。鬼畜のような表情をして組み合う敵兵と己れ。突き刺した銃剣から血が滴り、少しずつ息絶えていく誰かの死に顔。】
【例えばそれは照星の先に奪ったいのち。自身と程近い歳頃の少女。その頭部を吹き飛ばす一瞬の撃発。それは"自分であって自分ではない"。】
【 ──── もしも記憶の逆流などという高尚な奇跡が齎されたのなら、そのような"なにか"を悪魔は見るだろうか。いずれにせよ少女は力なく頤を落として、】
【囁かれる言葉に時折その肩を震わせるのだろう。それは断末魔の痙攣に似ていた。であればきっと、少女が次に顔を上げさせられる瞬間には、 ──── 】




            「 ────── 馬鹿にするなよ。」



【青く澱んだ瞳が、 ─── 木漏れ日のような残光を宿す。】

【 ─── かちり。何かが"押し込まれる"音がする。弾指のうちに爆ぜるのは、少女を絡め取っていた悍ましい肉の鞭。それに繋がっていた屍体だったもの。】
【もはや彼女はそれらを"いきもの"と思っていなかった。だったら幾らだって"変質"させられた。ひとえにそれは少女の認識に依存していま。】
【触れた無生物を爆弾に変える能力。それが少女の異能のひとつ。 ─── 首尾よく拘束から解放されたのなら、再び少女はその懐より、ごく小さな複数の鉄球を握り】


「お前が誰だか知らないけれど、 ─── 悪趣味な遊びに、付き合ってやる暇はない。」
「存分に怖がらせてくれたお陰で、随分と頭が冴えてきたよ。 ……… 僕を、怒らせたな」

「少し突ッつけば怯え倒せる子供だと思ったろう。 ……… 舐めてくれるよな。」
「確かに僕じゃお前を殺せないかもしれない。 ─── だったら、せめて」

   「動けなくなるまで挽肉にしてやる。覚悟しろよ。」


【 ──── その掌の内から、投げ放たれるは銀色の光条。一瞬のうちにそれら全てが姿を変える。弾幕のように全方位へバラ撒かれる、"対戦車ミサイル"。】
【単なる鉄球でしかなかった筈の"それら"は、今や噴進する鋼鉄の徹甲弾頭と化して、周囲の全てを爆砕せしめんとしていた。 ──── 教会そのものを含め。】

/遅くなってごめんなさい!!そろそろ落ちちゃうので続きは置きの方でおねがいできれば、、、
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/16(木) 00:29:28.26 ID:GBSSUgoy0
>>305
/いえいえ、こちらの方こそ遅れてしまいすみませんでしたっ
/置きレスの方も了解です!それでは位後そちらに、と言った流れでっ
/一先ず、お相手有り難う御座いましたですよ!
307 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/16(木) 00:31:05.98 ID:UoqKtPA80
>>306
/ありがとうございます!ひとまずお疲れ様でしたっ、ありがとうございました!
308 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/16(木) 00:37:14.59 ID:+P0aGlB4o
>>304
【そう、ざっと数えても30人はいる。中には、能力者の子供もいる】
【それを、チンピラに毛が生えた程度の者たちだけで、こうも捕らえられるものか】
【彼女の疑念はもっともだった。そして、的を射ていた】

【この世界の裏で蠢く、いくつもの巨大な事象。この人攫いたちは、その末端。ほんの小さな支流の一つ】
【されど確かに、巨大な何かの影響を受けて動いていた者たちだ】
【背後に巨大組織がいる、といったことだけではなく。もっと巨大な、世界を揺り動かしている事態の、影響の一端】


ああ……このトンネルは複雑に入り組んで、それだけにあらゆる悪党が使っている……
こいつらもそうだし、私もそうだ。時間をかければ新手が来る可能性はある……

そうだな。私の立場では、非常に不都合だ。上に着いたらお暇させてもらうとしよう……
子供らの処遇も、済まないがそちらに任せるよ。兄弟姉妹に孤児がいるなら、受け入れの土壌はあるのだろうが……
頼んだのは私だ。その分の報酬も、上乗せしておこうか

【そういうと、子供たちとは距離を取りつつベアトリクスと共に外へと向かう】
【地下とは違う新鮮な空気に沸き立つ子供らを尻目に、カニバディールは彼女と向かい合う】


いいや、今回が特例だ。普段の私の所業は見た目通り――――いや、それ以上だろうな
私の名を後で調べれば、お前も考えが変わるだろう

……ああ、そうだ。邪魔だった
気になっているようだから、教えてやろう。仕事で邪魔だったんじゃあない。通行の邪魔だったんだ

……私と、私の部下たちは逃げているのさ。魔制法の背後にいる輩や……サーペント・カルトの元凶となった奴らから
逃げ隠れるために、地下をコソコソしていた。次の潜伏先に向かう最短ルートに、あの連中が居座っていた

力ずくで排除するには、敵の戦力が未知数だった。だから、誰か腕の立つ協力者が欲しかったんだ
助かったよ、ベアト。おかげで、我々は新しい街に逃げ込める

【鎧を解いた彼女に対して、彼なりの礼儀なのかカニバディールもフードを外して三つ目の顔を晒す。子供たちからは、見えない角度だった】


ベアト……今、この世界にはな。途方もない怪物たちが蠢いている
今までもそうではあったが、今回も過去に起きた事件と同じくらいに深刻な事態だ
私のような根っからの悪党が、人助けをしてまで逃げ回らねばならないような

【カニバディールの巨体は震えていた。恐怖していた。異形の悪党が】

……お前の、父親にも伝えておいてくれないか。今この世界は危険だ。家族を大事にしろ、と
その伝言と共に……これも渡しておいて欲しい

【そう言いながら、カニバディールは封筒を二つ、彼女に差し出した】
【一つは約束の報酬。最初に見せられたものより少し分厚い、札束が詰まっている】

【今一つは、複数のUSBメモリと手紙が入ったもの。メモリは四つ。それぞれにラベルが貼られていた】
【『インシデント信仰の工場』。『インシデント新世界より』。『インシデント巡礼の年』。『N2文書』】

【手紙にはただ一言。これを見て何をどうするかは、お前の判断次第だ。肉屋より=z

……ああ、それと。お前の親から私が何者か聞いたとしても、その金は捨てないことを勧めておこう
それは、お前がきちんと契約の下に戦って得た、正当な報酬だ

【最後に大男はそう付け加えた】
309 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/16(木) 00:41:42.04 ID:+P0aGlB4o
>>308
/すみません、手紙の文面にこれも追加で!!
/【もし何か抗う気になったのなら、魔力を込められた指輪を持った奴を探して、私の名前と『チームM』の名を出せ=z
310 : ◆9VoJCcNhSw [sage saga]:2018/08/16(木) 01:04:04.72 ID:b09qDgwU0
>>308-309

【フードを外し、三つ目の異形を露わにするカニバディールの言葉を】
【ベアトリクスが咎めることは無かった。逃げ道が欲しかったから】
【それなら、良い。もしこれが、「奴らが競合他社だったから」などと言い出したなら】
【それこそこの場で大剣を奮って、彼を真っ二つにしようとしたことだろう】

【――だが何より。眼の前の巨躯が、十分すぎるほどに脅威と思える存在が】
【その身を震わせて語る恐怖≠ェ何であるのか、彼を断ずるより先に気になって】


父上に?……なんだ、アンタ父上の知り合いか?
言われなくても、父上は死ぬほど俺たちを大事にしてくれてるぜ
たまに母上を心配させて怒られてるけどな。

……でも、あんたがそこまで言うなら。ちゃんと伝えとくよ、カニバディール。


【受け取った2つの封筒。一通目には、その額と量に目をぱちぱちとさせて】
【そして予想外の二通目。この場で開けるわけもなく、おとなしく懐に収め】


……そういう話、聞けば聞くほどアンタの名前で調べたくなくなるぜ
案外良いやつだと思ってたのに、自分で株下げてどうすんだよ。
でもまあ、いいか…――何に首突っ込んでんだか知らねーけどよ

死ぬなよ、カニバディール。アンタは今日、30人のガキにとって"英雄"になったんだからな


【――警察が大挙して到着するのは、それからおよそ30分ほどあとのこと】
【カニバディールの行き先は聞かなかった。追いもしなかったし】
【警察にも「気が付いたら居なくなっていた」と答えておいた】
【本当は存在そのものをなかったことにしたかったが、子供たちが何を言うか分からないから、という回答だった】

【さて、それから――、―――…いや。かつての騎士団長のお話は、また別のお話だろうか】

/良い情報貰っちゃいました!
/と、言う辺りで眠気もギリなので強引ですがここいらで……!
/久しぶりにご一緒できて楽しかったです、お疲れ様でしたー!
311 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/16(木) 01:18:54.70 ID:+P0aGlB4o
>>310
【それについては幸いと言うべきであろう。スクラップズは間違いなく、この日二人が叩き潰した奴らと同じかそれ以上に邪悪だが】
【少なくとも、この場で二人が敵となることはなかったのだ】

【元より臆病なこの男は、尻に火がついている今の時点で悪事に手を染める余裕などなかったこともあるが】

……ああ、知り合いだ。良い知り合いとは言えないがね
そうか……それは何よりだ。ふ、ふ。伴侶に心配をかけているのも相変わらずか

頼んだよ。恐らくは、お前の父にとっても無関係な情報ではない

【二つの封筒が、かの宗教都市にもたらす変化は。それはまだわからない】
【少なくともそのうち片方がもたらす変化は、ベアトリクスのグルメライフへの影響程度で済むかもしれないが】


すまないな……だが自分のことについて、嘘を吐くのは苦手な性質でね
悪党であることを可能な限り大っぴらにしておくのが、私の個人的なこだわりなんだ
決して良いやつなんかじゃあない。そこはごまかしたくないのでね

――――ふ、ふふふふ!! 私が英雄か……!!
この日限りの称号だが……まあありがたく受け取っておくよ

【そうして、大男と少女は別れる。一時の戦友から、騎士と悪党に戻る】
【警察への報告をごまかしてくれた彼女の気遣いが、異形の盗賊団がこの地下道を通って逃げ出す一助にもなった】


【かの騎士団長は、何を思うのか。その手紙を見て。そのメモリを見て】
【もし、抗う気になったのなら。手紙の裏に記された合言葉にも気が付くか。『ヨハンは639号室の隣人である』=BMチームの合言葉】


【さて。騎士団長の未来はわからずとも、盗賊どもの少し先の未来は記せる】
【地下に戻ったカニバディールは、配下たちを呼び集めて人攫いたちが使っていた子供の搬入通路を脱兎のごとく走り抜け】
【下水道をいくつも経由して、やがてその場所にたどり着いた】


【新楼市 ニューロンシティ。その張り巡らされた地下鉄網のどこかで】

――――しばらくは、ここが我々のホームだ

【異形どもは、配下たちにそう宣言した】

/こちらもそろそろ危なかったので、ありがたいです!!
/こちらこそ、久々のロール楽しませていただきました!! お疲れさまでした!!
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/16(木) 20:37:21.69 ID:GBSSUgoy0
【櫻の国。妖怪達が多く住まう、とされる山の中腹付近】
【其処には季節問わず色鮮やかに咲き誇る桜がある、なんて噂されていた】
【然れどそれは常に咲いている訳では無く、若しかすれば数年の間蕾を実らせる事すら無い、とも】
【――さて、今宵。満月の下で季節外れにも満開に咲く其れが在り】

「……ん……っ……。あれ……?」

【その木に背を預ける様にして眠っていた妖狐が一人。膝の上には数本のお団子串が載った皿】
【周りにはまるで何人かが集って宴会でもしたかの様なお重だお酒等の数々】
【……いや、実際の所。少し前までは不思議な事に太鼓の音だ笛の音色だと山中に響き渡っていたのだが】
【それは兎も角。巫女装束を纏っている事から、妖狐が何処かの巫女である事は確か。辺りに神社がある訳でも無いのだから、奇妙と言えば奇妙】
【もしこの場を訪れる者が居るとするならば、未だに若干眠気を引き摺って居る様な眼を擦りつつ】

「……ぁ、あの……何方、でしょう……?」

【そんな言葉と共に、小首を傾げるのだろう】
【この妖狐自身に敵意と言うものは全く感じられない筈だ。故に、悪意を持って近付いて来たとしても構える事も無く】
313 :文月 ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/16(木) 21:38:48.92 ID:87GofvzYo
>>277

【白桜を引っ張る様に、文月は頂きますと言ってオムライスに箸を伸ばす】
【器用に塊を掴んで口に頬ばる。美味しいなぁ、なんて言いつつ、頬を綻ばせて】
【一口二口と咀嚼しながら、続く言葉を口にする】


泳ぎ方って教えるん難しいってのは分からはる? 想像してもらえたら早いけど
脚と手の動きをどうやって連動させはるか、その時の姿勢は? 体の向きは?
全身を使う運動やからこそ、教えるにも手順があらはって────

最初から上手く泳げる人なんておらんのよ、いくつもの失敗があって、初めて泳げる
或いは、口で教えただけでその動きが出来る人もおらへん、一緒に歩む必要性があって
泳ぐって行為はそれだけ難しいもので、複雑な動きどす


【少し遠い目をしていた。──── 泳ぐ、その言葉に纏わる過去か】
【もう一度オムライスに手を伸ばす、絶妙な焼き加減の卵の味わい】
【フェイは慣れているのだろう、それと同時に、白桜への愛情を感じる】


最初から料理がうまく作れへんのも、教えられた事がでけへんのも、それと一緒どす
初めから完璧になんて思ってはったら、出来ることなんてなんもないから
──── まぁ今回は、もっと初めの段階で上手くいかへんかったけど

せやからね、うちは白桜はんががっかりする必要なんて無いと思います
転んだら立ちあがらはったらええんやよ、そしたら次は、もっと長く走れるから
ほら、冷めはるで、料理は温かい内に────


【彼女はそういって柔和な笑みを絶やさずに、流れる時間を心地よく】
【きっと料理よりもずっと、二人で居られる時間を愉しんで】
【その喜びをひしひしと、言葉の裏で伝えるのだろう】
314 :ミサ=ソレムニス ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/16(木) 21:50:46.70 ID:87GofvzYo
>>278

【四角錐から伸びた拘束具がチンピラの腕にも伸びる、ひぃっなんて間抜けな声が聞こえて】
【地面へと重く沈み込む四角錐、それと相反する様にミサとチンピラの体が空中に投げ出される】
【結果として風の刃を回避する。三次元的な高さを用いた回避であった】

【──── ミサならびにチンピラまでも、体重が無いかの如くふんわりと浮かび上がって】


私の祈りは貴女程度の言葉では揺るぎません、私の主にかける祈りに例外はなく
ただひたすらに私は思いを馳せて、ただひたすらに私は思いに果てます
その所作と想いが調和に溶け込む以上、私に迷いなど御座いません


【そのまま空中を滑る様に着地する、チンピラの方は上手く着地できず叩きつけられるが】
【拘束具はミサだけを縛り付けて、チンピラからは離れるだろう】
【地面へと投げ出された四角錐、ぴくりとも動かないその様子は、何かのオブジェが如く】


──── 忌まわしき風の使徒、貴女のさび付いた風では私は止まりません
徒に人を殺めるその所行を、私は許してはならないのです
福音はもう一度、正しきその祈りの主に、捧げられます────!!

──── "Lost Prophets"!!!


【再び四角錐が空中へと投げ出される、路地裏から見上げる月の如く、高く舞い上がり】
【空中で四角錐は高速回転していた、それはさながら独楽の様に、風がうなる音が聞こえ】
【次の刹那、四角錐が消滅する──── 否、無数の小さな塊へと変化した】


──── 今こそ、断罪の時


【それは "十字架" であった。銀のそれはまるで銃弾の様に降り注ぐ】
【四角錐は元々銀で出来ていたのだろうか、四角錐は消え、大量の十字架へと姿を変えた】
【重力にひかれ、回転の勢いもついている、一つ一つは小さいが、何分数は多い】
315 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/16(木) 22:54:25.22 ID:1mD+gpmHO
>>313

【文月が頬張っているのは、フェイが作ったオムライス。白桜が手伝った事は何一つ無くて】
【故に白桜の箸は進まない。晴れない表情を浮かべて、先程の質問の何足るかに耳を傾けていた】


ーーー……やっぱり、お姉はんはズルい。
人の心にすうっと染み入る様な優しい口調と表情は、…反則。反則、反則。優しい顔で優しく慰められたら…

【圧し留めていた感情が溢れてしまう。今日1日でお姉はんが幻滅するような事を仕出かしすぎて】
【こうありたいという自身の理想と離れすぎた自分を呪い。終いにはフェイの好意に甘えて】
【性格こそ正反対であるが自身に情愛を抱く二人の”姉”にとことんまで甘えきった自分に嫌悪を抱き】
【それでも優しく諭すような姉の言葉と幸せそうな姉の姿に、涙が溢れて。自身の声色にもそれを滲ませていた】


ぐすっ…、つぎはもっと勉強して。少しでも自力でつくれるようにするから……
いつかフェイとお姉はんと私の三人で料理ができるようにしたいから…まってて。


【流した涙を上着の袖で拭ってから、白桜はフェイの作ったオムライスを口にする……美味しいと思えた】
【文月が美味しそうに食べているのも相まって余計にそう思えて。箸が何時もより進んで、そのせいでけほけほっ、とむせてしまった】

【今、この空間に漂うのは白桜と文月の抱く喜びと幸せ。それらを噛み締めながらのオムライスは一番美味しいものに感じられた】
316 :文月 ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/16(木) 23:40:01.61 ID:87GofvzYo
>>315

【感情の機敏を察する文月の心情、多くの人と触れてきたが所以なのだろうか】
【暫し言葉に迷った、涙をこぼす妹の姿に、間違えてしまったかと────】
【いや、そうじゃなくて、彼女は、失意の底でも前を向いていた】


──── それなら白桜はんも狡いどす、あんまり狡いから、うちが優しくしてしまうんやから
何をしはっても一生懸命で、真剣で──── そんな態度見せられたら
うちはもうころっと、白桜はんに優しくしてしまうんやさかい


【仮初めの家族の形が、少しでも真実に近づくのならば、それに勝る喜びはない】
【例えそれが一時の団欒に過ぎなくとも、欠片でさえも辿れれば良い】
【──── そうして、二人で過ごす時を、少しでも長く】


【────】


【────────】


そういや最近、うちは櫻の方帰ってへんけど、白桜はんは帰ったりしはった?
水の国は物騒やさかい、あっちの方が落ち着いてそうやけど


【食後の団欒、軽くベッドに腰掛けながら文月は聞いた】
317 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/16(木) 23:48:25.04 ID:1mD+gpmHO
【苦い思い出と甘い思い出が入り組んだ食事からの団欒は心地よいものだった】
【】
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/08/16(木) 23:48:47.34 ID:EPLz+Y5w0
>>314


チッ…

(なんでも…ありかって!!)

【舌打ち1つ。そんな芸当されちゃ、手の内を潰されてるようなもんだ】
【うまいこと回り込むように攻撃するか…相手の動きを止めたところを狙うしかないか…】
【ただ、今の所…相手の攻撃は見た目に相反して随分とワイルドだ。着飾った用に見えて純粋な物質による攻撃】
【だからこそ相性はあまり良くない。こっちはあのデカブツを斬り裂くほどの刃は―――】

(……効くかどうか)

【わからない。だが…何処でそのカードを切るか、だ】

【赫錆びた風が舞う。夏の日の午後のような色をした。錆びた鉄風が路地裏を駆け抜ける】
【その風は極々までに極まり、刃となりて。ジャスタライクそれはSAMURAIのように】

この世のすべてを知らず、正義を語るか。所在のすべてを知らずに善を謳って、溺れるか。
……ほんと、その眼で一度よく見てご覧なさいな?

【相手は数で勝負を仕掛けてきた。――ニヤリと笑う。手数なら負けない】

【彼女はまとった赫錆びた風をまた細切れに、無数のナイフが彼女の周りを飛び跳ねるように】
【赫色のそれはギラギラと輝く。夕暮れの日差しのように、桜吹雪か血飛沫のように】

風は吹いているってねッッ!!………"はいから狂い”ッッッ!!!

【ほぼ似たような技だ。相手は美しい銀の十字架。片方は赫錆びた鉄風で作られたナイフの群れ。】

【どちらも混ざり合って路地裏で踊った。狂ったダンス。冷凍都市で繰り返される日常の行為―――】
319 :白桜 [sage saga]:2018/08/16(木) 23:49:03.93 ID:1mD+gpmHO
/すみません…途中送信してしまったので少々お待ちを
320 :ミサ=ソレムニス ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/17(金) 00:00:36.46 ID:MWVgoCm6o
>>318

【──── 其れは乱舞する鉄風、重なり合う呼応は鋭くなって、歪む鍔鳴り諸行の無常】
【轟々と散っていく十字架と、冒涜的な風、かき鳴らすギターの衝動は、脳裏に刻まれた思い出に等しく】
【それ故に、──── 銀風が晴れ、立ちつくす二つの双眸の先、ミサの首筋にはTATOO、有り】


──── 悪くない腕ですね!! ですが、足りない! それではあまりに脆い!
貴女の謳う正義の何処に拠所があるのでしょう、貴女の紡ぐ善にどんな理屈があるのでしょう
私は私の信条に則し、この身の尽きる骨の一片までも我が主に捧ぐと伝えます

心一つ神に委ねられない売女に、私の神は揺るぎません


【周囲に散らばる互いの残照、煌めく鼓動は万華鏡に似て、楼蘭細工の綾模様を見せる】
【ミサは深く息を吐く。──── "ユダのゆりかご" をここまで使い切ったのだから】
【左手が本のページをなぞる、地面に落ちた十字架が本の元へと戻ってきて】

【──── 半透明になる少女達の関係、神は何処で待っているのか】


……今の内です、去りなさい、私の元から


【ミサは伝える、近くのチンピラに、自分から離れるようにと】
321 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/17(金) 00:16:26.20 ID:MEzuzhltO
>>316
【苦い思い出と甘い思い出が複雑に絡んだ食事を済ませてからの団欒は心地よいものだった】
【白紙の日記を1日で全て埋めていく様に白桜は文月との何気ないやり取りに心を弾ませて】
【時には子猫みたいにべったり甘えたり、時には二月前に出くわしたアクシデントを武勇伝のように語り】

【何時しか文月はベットに腰かけて、問うのだったーー櫻の国に帰省したのかについてを】
【それに対して即答はせず、間を外すようにベッドからふらっと離れて冷凍庫に向かう】

【そしたら二人分のハーゲンダッツを取り出してから文月の横にちょこんと座って。スプーンを添えてアイスを差し出した】

櫻の国に帰ろうとしても、今の私にとって櫻の国の何処にも帰る場所はもう亡くて。
だから例え物騒で寂しくても、この国…いや、この部屋に引きこもらざるを得なかった…。

けどお姉はんが櫻の国に帰りたいと言うなら…私も一緒に連れてってほしい。
そしたら文月お姉はんの御家族にも挨拶が出来る……そして櫻の国にも帰る場所が出来るかもしれない。
何より、もっと文月お姉はんの側にいたい。

今はただの白桜だけれど、いつかは「和泉 白桜」としてお姉はんと泣いたり笑ったり…したい。

【白桜の目は真摯に、アイスから手を離して。ややひんやりした手で文月の手を握っていた】
【その口振りはまるでプロポーズの様に甘くて。同時に琥珀色の眼差しは真っ直ぐに】

322 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/17(金) 00:24:49.65 ID:MWVgoCm6o
>>321

【想いを溶かす体温、心の表層に張った遠慮が、角砂糖の様に溶けていく】
【そうしてその先に残る甘い響きを、彼女は愛おしそうに感じるのだろうか】
【見つめる先に浮かぶ琥珀色の瞳、そこに何処でも可憐な関係を結ぶ】


──── うん、うちも、白桜はんやったら胸を張って、家族に挨拶できはります
お母はんもお父はんも、きっと──── 白桜はんを気に入ってくれはるやろうし
そうしたらな、みんなでお花見しはらへん? うちの実家はね

"桜桃"(ゆすら)って言うんよ、とってもとても、綺麗な櫻が咲いて
それで一緒にお花見して、一杯遊んで、そして
──── 何時までもそんな日々を、過ごしていこうって


【文月は紡ぐ、お伽噺の様な幸せな未来を】
【文月は描く、それがきっと、お伽噺じゃなんか無いって事を】
【夜は更けていくのだろう、何時までも、思う願いを先に載せて】


/こんな所でしょうか、お疲れ様でしたー!
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/08/17(金) 00:49:53.77 ID:8iK0HgQp0
>>320

…………フフ〜ン??

【ニヤニヤと笑う。本来こういう場所でないならきっと人懐っこい人当たりのいい笑みだ】
【だがこんな路地裏で命のやり取りをしながら浮かべる笑みではない】

【過ぎ去った夏の嵐のような狂った鋼の衝動。此処に鋼鉄はなくともその衝動はHEAVYメタリック】
【暴れまわったその欠片が、立ち尽くす女の頬を切った。笑みをたたえる。半透明の風】

アンタ、笑ってるよぉ?楽しそうな、ゲスな笑み。聖職者気取ったって、その本性に潜む病的な暴力衝動(DISTORTIONAL ADDICT)
が見えっちゃてるねぇ。フフフ!!そう来なくっちゃ。―――神様なんて信じちゃいないくせに

【風が吹き、彼女のショートカットの髪が揺れる。見透かすように―――あの娘は透明少女】

『あああ…すまねぇ…もう沢山だ!!』

【チンピラは安い感謝だけ置いて、逃げ去るだろう。女も追わない。どうせ追う価値もない】


―――まだ、やる?

【赫錆びた風が吹く。彼女の振り上げた手に合わせて、刃が形成される。さながら、巨大な死神の持つ鎌のように――】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/17(金) 00:53:56.21 ID:qnSDtIfd0
【――――それはひどく深夜の時刻であった、草木も寝こけて寝言を漏らす、ならば虫の音風の音は世界の立てる寝息のように】
【だったらきっとどこか遠くから聞こえる電車の音は世界の鼓動に相違ないはずであった、だから"それ"は世界に紛れ込む唯一の違和感】
【あんまり音質の良くない警察無線。今宵は平和な夜であるらしい、何か大きな出来事を予感させる言葉は無いに等しく、それでもちらほらと犯罪の気配】
【しかしてそれでもそれらは違和感たり得なかった、――――だって限りなく常と変わりないから。だのに、混じりこむ瞬間に、何の特別な演出なんて、あるはずない】

【(「アリアさん」)】

【――AM0時51分。ざぁざぁとノイズの音が弾けて、突如に割って入ったのは、明確に少女の声音だった。澄んで瑞々しい声音が、一つ、混じりこんで】
【紡がれたのは何の意味も隠さぬ誰かを呼ぶだけの声。それを聞き取った誰かに問いかけられても応えずに、再び、あるいは三度、同じ名を呼ぶのなら】
【いよいよもって異常として判断されるのだろう。であれば後は早かった。やがて――よりも早く、数人、およびいくつかのグループと連絡がつかないことが判明し、】
【とすれば"犯人"がどこにいるかもすぐに分かるというもの。あるいは少女の声――となれば、それが"誰"なのかも。あるいは声音のみで判断することさえ、あるいは出来て】

【――――その場所は蛇教本部であった、十数分ほど前よりただ"誰か"の名前を呼ぶだけの少女は、声音から、生死行方ともに不明の"幹部"であると判断され】
【一ヶ月といくらかの時間。まだ手薄にするには早すぎて、だけれど、時刻のせいだったろうか。その場にいたはずの全員と連絡がつかない。"まさか"少女一人に、】
【――だなんて言っている間に、あるいは対能力者用の人員をかき集めている間に、時間は過ぎゆくのだろう。であれば――"それ"より早く向かうことも、きっと、出来た】

【(「ねえ、アリアさん、はやくきて」)】

【(――それに何より"そいつ"は"彼女"を求めていた。だから他の誰を送り込もうと意味なんて無いに違いなかった。無意味な負傷者を増やすだけだと一部に理解させるのかもしれない)】
【(ならば最初から動くのはごくごく最小限の人員で充分なのかも、しれなかった。――割り込むのはただひたすら少女の声だけ。馬鹿げたみたいに――時々空虚な笑い声が響いて)】

/はしゃいじゃったので!
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/17(金) 00:54:10.23 ID:qnSDtIfd0
>>324

…………アリアさん、遅いよ。

【――――――――祭祀場】

【蛇教本部にいくつもある儀式のための部屋の中でも、いっとう立派に作られた場所だった、至る場所に無数に蛇のモチーフをあしらったなら】
【足元の絨毯は蛇の鱗模様。石壁には這いずり回る蛇の模様が。天井の頂点には自身の尾を咥える蛇をあしらったステンドグラスが輝いて】
【見渡す部屋の一番奥には、祭壇――蛇の入れ墨をあしらった人間たちの腕、腕、腕を並べて、その上に据えられているのは蛇の模様をあしらった黄金の盃】
【そうしてその盃の上には透き通る蛇が――これは部屋中の壁を這うくらいに大きな――口を開いて。――"本来はその姿であるはずだった"】

【――けれど現状は違うのだろう。誰もが留守にした間に、いくつかの物は容易く捜査の名目で破壊され、剥ぎ取られ、かつての様相は過去の物、すっかりと喪われ】
【であれば"彼女"だけがいつかに取り残されてしまった、みたいにも見えるのかもしれなかった。そうしてきっとそうだった。彼女はまだそこに囚われたまま】
【どこにも行けなくなって――だから、"だから"】

【――――透き通るウィステリアの髪に、マゼンタの瞳。真っ白な肌は日焼けとは無縁の代物、誰しも羨む雪のような白さを、左手以外の全部に湛えたら】
【真っ白のワンピース。かかとの低いサンダルに。それ以外の装飾物は何もなかった、ただ、その手元に、武骨な無線機と**をぶら下げて、】
【ごくかすかにノイズと誰かのしゃべる音がしていた。だから音量をひどく下げているのだと気づかせる、――――そもそも誰と話し合う気もあるはずなかった】

【ゆえに、】

【たったこれぽちの時間で、きっと少女はひどく衰弱して見えた。真っ白な肌は、白い以上にどこか顔色が悪くて、どこか疲れ切ったような、そんな、様子を見せたら】
【寂しげな――あるいはもうどうしようもなくなって、そうするしかなくなったかのような、笑みを。浮かべているんだろう、あんまりに、絶望しきったような】

【だからきっとその意味も手繰らせる。左手には無線機をぶら下げていた。ならば右手には、いつかの日に彼女に持たされた、拳銃が握られて】
【もうとっくにいつだって死ねる状態で待ちわびていた。だから。――"だから"、これは、きっと、どうしようもなくくだらない、】

……アリアさんが居たらウヌクアルハイ様は私のことを救ってくれやしないんだ、……、だから。だったら。もう。私は。……。

【――ひとりで死ぬのは怖いから。ただのそれだけ。それでもせめて、最期までお話だけはしたい気がしたから】
【本当にぎりぎりまで銃口はただ床を向いていた。――だのに話したいことは"くだらない"ことばっかりで、だから、もう、】

【よく分かっていて偉かった。自分は一度目に死ねなければ無意識でも反射的でも能力を使って生き延びてしまうだろうと理解しているらしかった。だから、】
【ただぶらりと腕ごとおろしていた銃口を咥えて実際撃つまでに何秒くらいを必要とするのかはよく分からないけれど、――確かなのは、躊躇うってほどは、遅くない】
326 :ミサ=ソレムニス ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/17(金) 01:01:23.04 ID:MWVgoCm6o
>>323

【ミサは立ちつくす、眼前に立つ女性と真っ直ぐに相対しながら】
【──── 現時点では彼女がやや優位に立っていた、けれども決定的な差では無く】
【狂信者であれば、それは考慮するべき事態ではなかった、故に】


──── まさか、これで漸く本領を発揮できるというものです
祈りとは心の仕草に他なりません、何の疑いも持たず、全身全霊で信仰する
それがどれほど尊い行為であるのか、どれほど貴い願いであるのか

貴女は知らないのでしょう、それが貴女の弱さであり、貴女の悲しさです
ですから、信じる者の強さを知らない、──── 当然の帰結です
我が主は私を分かってくれている、私の醜い欲望すらも、昇華してくださる


【──── ですから】


私は認めましょう、私の中にある破廉恥な衝動を、私は受け入れます
だからこそ、それを正しい方向に振うのです、神を信じない異教徒共を
その魂を灰も遺さず絶滅させる事に────

"Lost Prophets"────────!


【彼女の右手が本へと伸びる、淡い光を浴びて出現する、新たな "器具" 】
【鋼鉄製の異物であった、それを見た者はあまりの衝撃に息を呑んだと】
【知っている筈だ、それほどまでに有名な道具であったから────】

【彼女の眼前に出現した、──── 鋼鉄製の、 "牛" 】


その名を、ファラリス──── "ファラリスの雄牛"


【史上最も残酷な雄牛が、ミサの眼前に出現する】


327 :白桜 ◆zqsKQfmTy2 [sage saga]:2018/08/17(金) 01:05:37.94 ID:MEzuzhltO
>>322

【思い描く未来。血の繋がりが無かったとしても魂で繋がった家族との団欒】
【そして家族の一員としての花見。それはきっと白桜が失ってしまった大事なものの一つだったから】
【そのように夢想していた風景は数あって。今はそこに文月という厳しくも優しい姉が不可欠である】
【叶うならば……粗暴で口が悪くてぶっきらぼうだけれど頼もしい姉(フェイ)も一緒に】

是非とも、お花見…したい。それ以外にもお姉はん達といっぱい楽しい思い出と幸せな思い出を作っていきたい。
そんな夢を見ることを許されるなら、……きっとそれは一番の幸せに思える。

【幸せな未来想像図を語り合いながら、夜は更けていく。夜明けまでには白桜は意識を手放して】
【文月に、こてっと凭れかかって無防備で愛らしい寝顔を見せていた】

【この幸せがずっと続きますように…と願いながら】

/長時間の絡みお疲れ様でした!そしてありがとうございました!

328 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/17(金) 21:14:31.91 ID:sn7z0i1H0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 公園】

ぅ……うぉ、ぅ…………ぅう…………

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の偉丈夫が】

【力なく脱力しきった様子で、ベンチに横たわりながら、えづくようにうめき声を上げている】
【その顔色は青く、健康そうな印象を与える、頑健な肉体と対照的な有様。アルコールの酔いが回って、相当に時間が経っている事を思わせる】
【――――お節介な通りすがりが、見かねて声を掛けようとしたが】

――――ほっとけ…………今は、1日3回は吐かなきゃ、気が済まねぇんだ……よ……!

【露骨な「余計なお世話だ」という態度に、すごすごと退散してしまう。再び1人となった偉丈夫は、憔悴しきった表情のまま、涙と唾液を地面へ流す】
【その巨躯と様子は、公園の中でも目立っているが、何か近寄りがたい雰囲気が、彼を孤独にさせていた――――】



【――――所変わって、水の国 商店街】

……なんだってんでしょうねぇ、本当になんだってんでしょうねぇ……全くもう……
呑気に夕飯の買い物をしてるってのも、考えてみれば何やってんだって話ですねぇ……もう少し、なんかこう、無いんですかねぇ?

【切れ長で涼しさを感じさせる瞳が、艶のある短い黒髪の中で映える顔立ちの】
【医療従事者用と思しき白衣を着こみ、ポケットからはステンレス製の細長い箱が覗いている】
【頭に、白いつば広の帽子を被っている、身長160p前後の女性が】

【両手に買い物袋を下げて、どこか呆れたような表情で、夜の道を早足で歩いていた】
【相応に膨らんでいる買い物袋からは、ワインの瓶が1本だけ、頭を突き出して自己主張をしている】

ま、ありがたい事に最近暇ですし……少しはおいしいものを食べたって良いでしょうよ……
(――――で、一息ついたら、少しじっくりと考えてみますかねぇ……)

【どこか物思いにふける様な遠い目をしながら、直後にはそれを振り払う様な苦笑を浮かべて、女性はすたすたと歩いていく】
【何か、鼻歌でも聞こえてきそうな、リズミカルな歩調で――――ただ、その瞳だけは、昏い憂いを帯びている様な色で】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
329 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/17(金) 22:04:11.53 ID:5v9jrJ9u0
>>328


【公園の隅に澱んだ宵闇より、音もなく現れ出るのは一人の女。 ─── 然して、女にしては酷い長身であった。】
【白雪のような銀色の長髪。少しばかり涼やかになったとしても、未だ暑く湿ったままの大気にあって、黒いスーツとロングコートに身を包む。】
【そして汗ひとつ垂らしていなかった。であれば自動人形のように無感情な麗姿も、触れなば溶ける温度に透き通る膚も、全てつくりものに似ているようだった。】


「 ───── "酒は幸せなる者にのみ甘い"。」
「辛い何かを忘れたいのなら、マリファナの売人でも教えてあげるけれど。」


【 ──── 徐に、女は言葉を紡ぐ。冷たい声だった。美しい声だった。表向きには侮蔑を示していた。然してその内裡には何かしらの同情を隠していた。】
【許しもなく隣に座り込んで、ベンチに置いてやるのは出鱈目に安いウイスキー。 ─── 近くのコンビニか何処かで買ってきたものらしい。】
【その隣にて女はシガレットを咥えた。掌にライターの火を覆えば、儚げな横顔を橙色が照らす。移した熱量をふッと吐いて、酸素を送り静かに烟らせた。】


「幾ら浮浪者が彷徨こうが、酔っ払いの吐瀉物に塗れていようが、 ─── 公園は公園よ。」
「公共の場であることを自覚しないなら家で潰れていなさい。」「端的に言って、見苦しいわ。」


【宙(そら)に一筋の煙を漏らして、当て所なく女は呟いた。 ─── 咎めるようでいて、然し、きわめて迂遠な同情にも似ていた】
【例え丸めたゴシップ誌から彼の姿を覗き込んだとして、およそ粗暴にも見えなければ身なりも整っていた。社会的良識の欠落した人間である筈がない。】
【であれば何かの事情があるのは明白とも言えた。それでいて気の知れた他者には相談し難い内実でもあると考えられた。 】
【─── 然して全ては推論である。まして女が斯様な生優しさを持ち合わせているかは、誰も知らない】
330 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/17(金) 22:27:25.38 ID:sn7z0i1H0
>>329

――――畜生、畜生…………ッ――――――――ぁ、ぅ、うるせぇ…………ッ

【熱病に冒されたように力なく漏れ出るため息と共に、何らかの、憤懣やるかたない思いが乗せられていると思しき呟きが、弱々しく涙を伴って吐き出される】
【力強さを湛えた様なその体格と、その振る舞いはまさにミスマッチ。誰がどう見ても、それは「酒に飲まれた男の姿」だが】
【――――そんな男のそばに、遠慮なく割り込んでくる女の姿。ようやくにして男は、のそりと上半身を起こした】

チッ……冗談、そんなけったくそ悪いものに、手ぇ出す訳、ねぇだろ…………
酒だ……とにかく、俺たちの、最後の逃げ道は、『これ』だけなんだよ……畜生め…………
(……? おいおい……下手したら俺より背ぇ高いんじゃねぇか……?)

【依存性のある薬物などに手を出せば、それこそ泥沼だ――――いささか棘を含んだ返答を返しながら、女の踏み込んでくる言葉に、ようやくまともな言葉を返すつもりになったのだろう】
【ようやく――――思い切り背もたれに身体を預けながらも、ちゃんと腰掛ける姿勢に身体を起こし、置き渡しの形に置かれたウィスキーの瓶に手を伸ばす】
【人間にとっての、最後の逃げ道――――婉曲的ながらも、何か、受け止め難い経験をした、もしくはしている最中である事を、仄めかしていた】

【――――この偉丈夫、身長は190p近いものがあるが、それでも横に並んだ女は、自分と遜色ない、下手をしたら自分以上の上背を誇る――――それに、彼も気づいたのだろう】
【あやふやになった頭ながらも、そこに目を見張り、直後にその失礼な視線を引っ込める――――最低限の分別を見せた格好だ】

――――ハン……んな事に、んな事に気を回してられたら、そもそも自分から酒に飲まれに行くもんかよ…………
誰かがぶん殴るってんなら、むしろぶん殴ってくれ…………今は、殴り返す気にもなれねぇ…………

【女の言葉はまさしく正鵠を得ていた。公共の場である以上、そこにはパブリックマナーが求められる。そして今の男の姿が、それに反している事は一目瞭然だ】
【だが――――多少バツが悪そうにしながらも、男が口にするのは、自暴自棄な開き直りの言葉だった。苦しげに細長い呼吸の合間、男の表情筋は何かを耐えるように震えていた】
【正に、ある種の自傷行為として、男は無軌道な酒を繰り返していたのだろう】

――――どうせ珍しくないんだろうよ……親しい誰かが、死んじまうなんて事はよ……
……俺みたいな奴だって、探せばそこら辺から、湿った石の裏からでも出てくるだろうよ……良く分かるってもんだ、畜生……

【ポツリと、男は現状の理由らしき言葉を口にする――――どうやら、近しい誰かを亡くしたらしい】
【だがそれは――――それこそ、偉丈夫自身が口にする様に、今のこのご時世、もう珍しくもなんともない話だ。この男のような姿だって、もうさほど奇異でもなくなってきている】
【――――その事に、彼も「自分がそうなって初めて」気づいたようだった――――今の世界は、嘆きの世界だと】
331 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/17(金) 22:47:43.28 ID:YRqOHQmj0
>>330

【女は酒も煙草も遣る人種ではあったが、 ─── 薬ばかりは、ついぞ試したことがなかった。】
【無論ながら嘗ては軍人ではあったし、依存性のある鎮痛剤を投与された経験がない訳ではなかったが、】
【 ─── 自ら進んで個人的な快楽の為に喫用した記憶はない。多幸感など所詮は神経細胞の見せる幻想でしかないという認識も、無かったとは言えない】
【ともあれ怜悧な横顔は決してそのようなことを語ることはない。長い銀髪の隠した顔の半面を、未だ彼には見せてはいない。であるば幕間の些事であった】


「 ──── ふうん。」「そういうこと、なのね。」


【納得したように女は嗤いを浮かべた。指先に摘んだ煙草の燃滓を、軽く真白い指先に叩いて地面に落とす。舞い散る灰の儚さよ。】
【女の手指や膚先は酷くなよやかで朧げに、暗い夜闇の中へ映し出されていた。その長躯には凡そ見合わぬ色調であった。】
【その横顔に宿る切長の隻眸は、どこか感傷的な光を宿していた。 ─── であれば続く言葉も、狷介な同情であったのかも、しれず】


「普段だったら、 ─── そんな泣き言を聞いて、どうする気にもならないけど」
「今の私は機嫌が悪いわ。意地の良くない事をしたい気分なの。 ……… だから、そうね」


【立ち入られてはならない自己の内面を訳知り顔で踏み荒らされる不快感を、女はよく知っているようだった。 ─── 然して】
【自己への静かな内省を除いては、踏み躙る足先なくして内心の整理を付けることは不可能であるとも、女はよく知っていた。】


「どうか聞かせてくれるかしら?」「 ─── 貴方に、何があったのか。」


【 ─── くす、と笑う息を漏らしながら、女は問いかける。指先から自由落下する吸い殻が、革靴の底で潰されて消えた】
332 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/17(金) 23:06:19.79 ID:sn7z0i1H0
>>331

――――考えてみりゃ、当たり前の事だよな…………そんな認識、持ってて当たり前だったんだ……
今は、どこで誰が死のうとも、おかしくもなんともないって事、自分の周りだけ、当てはまらないなんて、変だろうよ……!
分かってた、はずだったってのに…………!

【相槌を打つ女に、萎れた態度で投げやりな言葉を重ねる偉丈夫。確かにこの世界、日常のすぐ隣に、或いは裏に、危険が常に張り付いているもので】
【ましてや、その偉丈夫の佇まいを見る限り――――相応に、そうした荒事に慣れているのでは、と思わせるだけの風格を備えていた】
【――――だからこそ。その喪失は大きなものとなっていたのだが――――そして実際には、それだけにとどまらない理由があったのだが――――】

――――――――あぁ……?

【無思慮な――――むしろ、それはしっかりと計算された故の言葉なのだが――――その女の言葉に、流石に偉丈夫は苛立ちを覚えた様で】
【だが、その火はまだ小さい。自分自身の感情よりも、目の前の出来事の方が、まだ男の心の大部分を占めている様だった】
【そのまま、怒りが炎となって燃え上がるには、まだ男の中のエネルギーが足りていないのかもしれない――――軽く不機嫌をアピールしつつも、男はそのまま口にした】

――――知ってるか……中央放送局、あそこにテロ予告が送り付けられたっての、よ…………
俺の『相棒』が、そこに仕事として防衛に噛んでいって、死んでしまいやがった――――奴も、相応に腕の立つ、出来る奴だったってのに……
…………もう、10年近く一緒にやってきたってのに、――――こんなに、あっけなく死に別れになるなんて、思ってもみなかったってのによ……!

【やりきれなさを誤魔化すように、受け取ったウィスキーの瓶を空け、思い切り傾ける偉丈夫。流石に酔いで感覚が鈍っていても、その強烈な芳香は一息に呷り切るには重かったようで】
【痛みに堪える様な苦渋の表情を浮かべながら、彼は乱暴に吐き捨てる――――先週に起こった、電波ジャック未遂事件の事を】

【――――実際には、それは集められた能力者たちで阻止され、公共の電波を奪われる事には至らなかったが】
【そこで、この男の親しい知人が、命を落としたという事の様だった。突然の、親しい、しかもこうした事に慣れているはずの仲間の死は、それだけ大きな衝撃だったのだろう】

……生中な、事じゃなかったんだろうぜ、そのジャック未遂……――――それくらい、横着しないで俺を呼べば良かったんだ……!
……出来合いの、気心の知れねぇ奴と、強引なタッグなんか組んでいくから……あの、馬鹿野郎が……!

【頭を振って、ため息をこぼしながら、偉丈夫はその仲間の死を悼み、仲間の迂闊を嘆き、そして敵の強大さを呪った】
【そもそも、『相棒』の危機に関わる事さえ出来なかった――――その自責の念もまた、彼のこの自暴自棄に、大きく関わっているのだろう】
333 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/17(金) 23:27:55.43 ID:YRqOHQmj0
>>332

【怒髪天を突くのであればそうすればいいと思っていた。 ─── そうでなくては錯綜した感情の始末など付かなかった。】
【殴り合いの喧嘩に遅れを取るつもりもなかった。殴り伏せた後で怒鳴りつけてやれば、冷静にならぬ人間はいない。軍属であった頃に学んだ経験のひとつ。】
【 ──── 然して、続く男の言葉に、幽かに女は表情を変えた。隻眼を見開き、口許が結ばれた。それは一刹那のことであったが、 ─── 元に戻った顔貌は、単なる打算のみに無い色を宿している。】


「 ……… そう。」「 ……… 彼、だったのね。」「 ……… 多分、知っているわ。」
「私も"その時"、"そこ"に居たから。」「私が殺し合った相手とは、別の誰かと組み合っていたみたい、だけれど ──── 。」

「 …………… 御免なさい。私には、助けられなかった。」


【 ─── 女は見届けるしかなかった。あの場において彼女は、単なる凶弾に過ぎなかった。誰かを救おうとする意志に関わることはできなかった。】
【それでも最期、 ─── 赤い髪の少女に縋り付く、旧い縁(えにし)の朋輩のそば、崩折れて事切れる誰かの姿を、朧げに/然し確かな事実として、見届けていた。】
【思うところが無い訳ではない。背中を預け合う誰かの身を案ずるのは当然であった。ましてその場にて女自身も、長い付き合いの友と背中を預けていたのだから】
【 ─── 彼の零す通り、何かしらの間違いが一つあれば、友を失っていたのは己れかも知れなかった。まして自身の対峙する敵の出鱈目さを知っているのだから。】


「 …………… それでも。弔う積もりはないのかしら。」「仇を討ってやる根性まで、酒浸りに腐れてしまったの?」
「あの手の咎人は兎角に恨みを買いがちよ。二の足を踏んでいるうち、復讐の機まで誰かに奪われて、それでも貴方は構わないのかしら?」


【だが、 ─── なればこそ、女は感情を垣間見えさせた。冷たく突き放すようでありながらも、問い詰めるような口調であった。】
【"自分なら真っ先にそうしている"。 ─── そう言いたげであった。男の心が折れているのであれば、その情けなさを許せぬと。】
【或いは彼女もまた、かの"咎人"を許せぬのかもしれない。友人と、その恋慕の相手を、嘲弄した。それだけで誰かを殺す理由には十分過ぎた。】
334 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/17(金) 23:55:25.95 ID:sn7z0i1H0
>>333

――――――――ッ……ぐ、ごふッ!?

【再び呷らんと口に含んでいたウィスキーを、思わず吹き出して偉丈夫はむせる――――流石に、その言葉はあまりにも予想外だったのだろう】
【――――かの事件に絡んでいた相手が、たまたま自分の元に現れる。なんという奇縁だろう】
【酔いが、覚めていく様な気がした。気だるげな痛みと脱力感を残して、のぼせ上っていた頭が、冷えていく様な感覚】

――――まさか、な……ん、んんッ……あんたもいたのかよ、あの事件に……
……まぁ良いさ。状況なら、大まかに……本人の残した、最期のメッセージで聞いてるさ。助けられなかったんじゃなく、分断されててそもそも助けようも無かったんだろ?
……あのバカ、大して親しくもない顔見知りが攫われたってだけで、あんなにムキになって――――ああいうのこそ、「死神に魅入られてた」って、いうんだろうぜ……

【据わっていた目をハッキリとさせながら、改めて偉丈夫は女と向き合う】
【――――件の人物が魔術師であった事は、女は覚えているだろうか。もし覚えているなら――――この偉丈夫、恐らくは何らかの魔術の類で、情報を受け取っていたのだろう】
【致命傷を受けた時、そもそもが別行動で、女は関わりようも無かったのだという事を、しっかりと言い当てていた】
【そして、表向き『電波ジャック』とされたその事件に――――1人の少女と、異形の神々が絡んでいた事も】

――――オイコラ。分かったような口はきくもんじゃねぇぞ……俺がやってやるってんだ……必ず、俺がやってやるってんだ……
けどよ――――――――バケモノになっちまった「かつての仲間」で「大事な人」を、素面のまんまでそう安々と殺せると、そう思ってんのかよ……ッ?

【――――初めて、偉丈夫の女に対する言葉に、本格的な棘が突き出される。みじめな酔っ払いの雰囲気は、その瞬間に一本筋が通ったように、張り詰められた】
【もう1つ、裏に隠れていた「事情」。偉丈夫はそこに触れた女に対して、ようやく心の奥底から、エネルギーを滾らせ始めていた】

――――何とか言う邪神たちの事は、俺も聞いてるし、仲間たちも何度も遭遇している……けどよ、奴ら……人間まで邪神にさせちまってやがるんじゃねぇか……!
――――殺さなきゃいけねぇんだぞ。一緒に戦って、一緒に笑って、一緒に慰め合った、そんな仲間をッ、殺さなきゃならねぇんだぞ、分かってんのか!!
…………『エカチェリーナ』は、必ず…………せめて、俺が終わらせてやる…………あいつの、あいつの悪夢を…………ッ

【虚神と化した人間――――その言葉で表現できる、今までに確認された虚神は二柱存在している】
【勿論、その全てを知っている人間がいるとは限らないし、偉丈夫自身も、しっかりと把握している訳ではないのだろう。だが、それでもその名前は特別だった】
【『エカチェリーナ』――――中央放送局の騒動で、初めて姿を現した虚神。その名前を、忌々しげに、しかし辛そうに男は絞り出す】
【その『基』となった人物とは、因縁浅からぬものがあったのだろう。今度は、涙が――――とめどなく男の眼から溢れてきていた】

やってられるかよ……今は気の済むまで、泣かせてくれよ……何もかも諦める、準備をさせてくれよ…………
――――それが済んだら、俺は、あいつを…………――――そう、しなきゃならねぇんだからよ……!

【――――慰めも、叱咤も、今の男には的外れに響く。少なくとも、彼自身にはそう思えた。そしてそれは、彼の周囲の人間も同じだったのだろう】
【ただ、時間をかけて――――その果てに、男はもう1度踏み出そうとしていたのだ。血道を踏みしめる様な、その1歩を――――恐らくは「大事な人」とまで表現した、今の虚神と、殺し合う覚悟を】
335 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/18(土) 00:30:45.02 ID:b/OtGqS40
>>334

【 ─── 自身に向けられた害意と、続く悲壮なる決意と、脳裡に去来する"彼女"の名前に、女は瞠目した。そして暫しの間、何も言わずに耳を傾けるのだろう。】
【気圧されたようでもあった。されど暫しの沈黙を挟んで、ごく愉しげに彼女は嗤う。くつくつと、喉を鳴らして。いつかの日に向けられた遠い目線の意味を、漸く理解したから。独白を、ひとつ。】


「 ………… そう。」「 ………… そうだったのね。」「 ─── 酷い子ね。"エカチェリーナ"。」



【 ──── 握り締められた白い拳が、男の脳天に振り下ろされようとする。一切の容赦がない威勢だった。】
【強化タングステン製のボディフレームが義体出力のリミッター寸前で暴力を行使する。ナノカーボンの皮膚組織が自己破断しない限界の運動エネルギー。】
【真面に喰らえば失神こそしないものの、頭蓋骨こそ無事なものの、安い酒精などは一雫も残さず吹き飛ばしてしまうに違いなかった。であれば、続く言葉は】


「 ──── 解ったような口を利いているのは何方かしら。」「よくも私の前でそんな台詞を吐けたわね。」
「どうしようもなくなってしまった大切な人を見ているのが、 ─── 世界で自分だけとは思っていないでしょうね?」「それこそ掃いて捨てるほど居るわ。笑わせる。」


【 ───── 初めてそこで、女は感情を明らさまにする。截然たる忿怒だった。隠すこともなく歪められた眉間と口許。】
【打算的な嘲笑も上から目線の説法も擲つ積もりであるようだった。理由は難しくない。ただ純粋に"腹が立つ"から、罵倒と殴打を重ねる。】
【なんとなれば、 ─── 彼女もまた、殺さねばならない誰かを愛してしまった、救いようのない愚か者であったが故に。】
【そしてまた、殺さねばならぬ邪神に身を窶しかけた"誰か"へと、最後まで執心にて縋り続けて、深淵の奥から引き摺り出した愚かな友を知っているが故に。】
【何故そこで立ち止まっているのかが女には理解し難かった。それでいてその理由を相手には語ろうとしなかった。酷く傲慢で衝動的な、 ──── 獣のような女だった。】


「殺したくないのなら殺さなければいいだけの話でしょう。」「諦めたくないのなら諦めなければいいだけの話でしょう。」「馬鹿馬鹿しい。」
「その"がたい"は見せかけだけかしら?」「その頭は首(こうべ)を垂れる為にあるのかしら?」「 ───── 呆れるわ。」「反吐が出る。」

「まして虚ろの神の有りようも知らないでいて、 ───── 如何にかなると思っているのかしらね。」「救われないわ。全くもって、救われないったら無い ──── 。」


336 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/18(土) 01:06:21.18 ID:or3ujOWk0
>>335

――――誰があいつを歪めちまったのか、結局分からず仕舞いだ……別人の様に洗脳されて、滅茶苦茶やらかして、気が付きゃ虚神だとさ……畜生め
……冒涜されちまった、あいつの命は……もう――――

【沸々と沸き立つような言葉が、偉丈夫の中から絞り出される。一時の悲しみを慰めるために、酒気に浸されていたその魂は】
【そのベールを取り去ってしまえば――――静かに滾る熱量に満たされていた。涙ながらに、その瞳は、どこか遠くにいる『許せないもの』を見据えている様に、夜闇を睨みつけて】

【――――ゴウと風を切る重い音が、空気を震わせたのはその直後だった】

がぁっ――――!?

【ゴキン、と金属的な中低音が響き渡る――――偉丈夫の手にしていた棍、それが咄嗟に女の拳を受け止めていた】
【流石に、酒気に乱れていた身体には、踏ん張り切るだけの力は無かったが、それでもその拳を外へと逸らして。偉丈夫のその動きは、確かな『棒術』のそれだった】

てめぇ……いきなり不意打ちたぁ、なんの腹積もりだ……!

【咄嗟にベンチから身を投げ出して、偉丈夫は身構えた――――身体は重い。まだその身に力が籠め切らない。だが、その意識は、今の一瞬でハッキリと覚めた】
【先の一撃、決して冗談の類で放たれたものではない。実戦経験の故に、彼はそれを察していた】

――――関係ねぇんだよ、世界に何人いようが……俺の人生は、俺だけのものだ……! だから、俺がケリつけなきゃならねぇんだよ……!

【女の怒りの根源が、男には分からなかった。まさか、そんな安っぽい道徳論を今更振りかざすでもないだろう】
【ただ、ハッキリしているのは――――周りで誰がどんな体験をしていようと、自分の苦境は、自分だけのものでしかないという事だった】
【「天上天下唯我独尊」――――その言葉の真意は、他に囚われず、自分の人生を生きろ、という意味である】
【だからこそ、彼は、目の前のリアルな苦境を前に、他人の苦しみなど考えるつもりはなかった】

……?
…………どこの世界の夢ぇ語ってやがる……そんな戯言以上に馬鹿馬鹿しい話なんざ、俺は知らねぇぞ……!
――――救われねぇんだよ。分かってた事だ……アルクの……あいつの遺言通りさ。んな夢ぇ見てる馬鹿がいるなら、「こうなっちまった」んだろうが!

【歯牙にもかけない、とはまさにこの事だろうか。売り言葉に買い言葉とは言え――――虚神達の起こした事件、その責任の一端に「お前みたいな奴のせいで」というニュアンスを含ませて】
【偉丈夫の瞳が、昏く淀んで、同時に熱く煮えたぎり始めていた。犠牲となった仲間、殺し合わなければならなくなったヒト、それらへの想いが強ければ強いほど、その意志も強く】

――――来いよ。それだけのご高説のたまいやがったんだ……この二日酔い相手に、ヘボを見せるようなら――――――――許さねぇぞ?

【根を構え、重心を下げながら、偉丈夫は低く呟くように挑発した。相当に「鶏冠にキている」様子である。己のコンディションが不調な事を承知の上で、彼は女との「実戦」を所望した】
【口だけで終わらないというなら、それを証明して見せろ――――と】
337 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/18(土) 01:46:34.43 ID:WrXpH/dM0
>>336


【 ──── 文字通りの鉄拳が受け止められ、そして重ねて"逸らされる"。成るほど生半可なものではなかった】
【然し本腰を据えて彼の返答は侮辱であった。彼女の嘗てのパートナーであり、今となっては腐れ縁の相手。無論ながらそれを彼が知る由もないが】
【どのような形であれ友人を貶されることを、 ─── 彼女はひどく嫌った。然るに彼女の言葉は、単なる激情から少しずつ報復の様相を呈しつつあった。】


「 ───── その"馬鹿"のお陰で、貴方の友達は最期に一人を救えた事も、知らないのかしら。」「救われないわ。 ……… 全くもって、救われない。」
「私もあの子に思う所が無い訳じゃあないわ。」「だから、迷惑なのよ。あの子のことを、貴方がどう"想って"いるのかは知らないけれど ─── 。」
「妥協と諦観の内に殺されるくらいなら、私の手で狩った方がマシ。」「武人として狂人として、身命を賭した闘いの中で、尊厳と共に死なせてやった方が ─── ね。」
「尤も、 ───── 貴方は、あの子のことを何も知らないでしょう。幾ら口先で嘯いた所で、傷一つ付けられずに終わるだけでしょうけど、ね ……… ?」


【故に冷たい言葉は少しずつ挑発の色合いを帯びゆく。 ──── お前が躊躇うなら、私が"あの子"を殺す、と。】
【お前の言うような救いなど与えてはやらないと。お前に誰かを幸せにしてやる事はできないと。挙句、お前には殺すことさえできないと。】


「 ──── 迷ったままの酔拳に伸される程、甘ったるい鍛え方はしていないわ。」
「けれど、 ──── そうね。」「私に勝てたら教えてあげるわ。」「貴方の大切な人を冒涜した、"誰か"のこと。」

「せめて歯ァ食い縛っておきなさい。」「容赦は出来ないし、するつもりもないから。」


【己れの手の甲を軽く口付ける。白い歯先を白い肌に食い込ませる。薄ら紅く滲んだ彼女の血が昏い輝きを宿し、"なにか"を呼び出そうとする。】
【現れるのは、一対の"トンファー"。鈍い金属の光輝を宿すそれを、彼女はそれそれの手に握る。容赦がなければ、人一人を撲殺するのに不足のない得物。】
【ゆらり、 ─── 刹那のうちに加速度を得て、彼女は距離を詰めようとするのだろう。街灯と月明かりに煌めいて、手始めとばかりに振り翳される殴打の二撃。】
【狙うのは顎部。脳震盪を引き起こすことによる直接のノックダウン。軍隊格闘術のそれに類する技であり、故に相手のガードを見越してもいた。】
338 :?????? ◆auPC5auEAk [saga sage]:2018/08/18(土) 02:22:04.95 ID:or3ujOWk0
>>337

(くそっ……今の、生中な打撃じゃなかったぞ……この女、一体何だってんだ……ッ?)

【急場を凌いだ後から湧き上がってくるのは「危なかった」という実感。いくら場慣れしているとは言っても、今の打撃はただの身体能力で打てる一撃ではない、はず】
【まるで、破砕鉄球の一撃を受けた様な痺れが、腕に残っていた。正確な理由は分からないが――――流石に、あの事件を生き延びただけはあると、人知れずに戦慄していた】

――――言いたい事はそれだけか、随分口は達者じゃねぇか……!
お前が何を知ってるかなんざ興味もねぇよ。けどな……ソニアとの……『エカチェリーナ』との決着は俺のものだ……
俺の……『戦い』を邪魔するってんなら、腕の1本も覚悟しておけよ……ッ!
本当はな……ふざけた事抜かしたてめぇの脳髄、砕き散らしたくてウズウズしてんだ……ありがたく思えッ!!

【頭に血が上る気が無かったとは、到底言えないのだろう――――彼にとっては、関わりない事だ。また、知り様も無かった事である】
【それを以って哀れみと侮蔑を向けられるのは不快であったし、それ以上に――――その戦いを邪魔されるというのは許しがたい事だった】
【今まで、ただの他人に過ぎなかった上に、ふとした口論で殺意を抱くほど、男は短慮でも愚かでもない。ただその一事だけは、絶対に譲れないのだ】
【――――女が口にした「お前に渡すぐらいなら、自分の手で殺す」の一言、ただその一言の故に――――男の中で、殺意が膨張する】
【それを止めるだけの自制心は残して、痺れの残る体に、ボルテージを上げさせていった。痛い目を見せなければ、ならないのだと】

……ハッ、せいぜい遊んでやるよ…………来いや――――――――訳知り女ぁ!!

【男の中に、ここ一番の闘志がわき上がり、走り抜けていく――――血色の悪かった顔に、生気が戻っていく】
【姿勢を下げ、重心を下げて構えるその足に、もう酒気によるふらつきは残っていない。その身体は既に、満身戦闘態勢のそれだった】

(――――嘘じゃねぇんだ、伊達じゃねぇんだ――――『この』4ヵ月間は――――『この』10年間は――――!!)

【文字通りの血反吐を、今までの人生の中でどれだけ吐いてきたのだろう。それが男を後押ししていた】
【全てはこんな「負けられない戦い」に、負けないためにあったのだ――――無様な己など、瞬時に封じる。地獄そのものの鍛錬を積み上げた彼にとって、訳もない事だった】

(ッ、トンファー、クロスレンジ!!)
――――ッづぁらァッ!!

【女の取り出した得物を視認した瞬間、男の目は見開かれた。スピードにアタック、両立の利く厄介な武装である】
【弱点と言えば、クロスレンジまで接近しなければならない点。それで言えば、棍である自分はレンジで優位に立っているが――――瞬時に、女は距離を詰めてくる】
【男は咄嗟に、更に姿勢を低くしつつ、身体を一回転。遠心力を利用した打撃を、踏み込んできた女の足元へと見舞う】

【――――トンファーは腕に直接用いる装備であり、それを使う以上、狙いは上半身が中心になる。ならば、打点が高くなりやすいのではないか――――そう踏んだのだ】
【反応というよりは、予測。それにより、顎への命中は回避しつつ、反撃の流れへ至る事ができた。とはいえ、その動きは流石に無理があり、ややぎこちない――――】

(――――やっぱ、ただもんじゃねぇ……多分、3発は喰らってやれねぇな――――!)

【耳元の風切り音が、更に男を締め上げる。相当な威力だろう――――本当ならば、ただの1発も喰らいたくないところだが、それは許してくれそうもない】
【確実な選択、妙手を要求される難敵であると、男は女の実力を気取っていた】
339 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/18(土) 13:25:55.40 ID:HInHhm380
>>326

【総合的に見てこちらは少し不利だ。決定打を与えることは難しく、何処まで防御しきれるかわからない】
【だがそれでいい。撤退はできる自信はある。相手の能力を可能な限り引き出して、情報を持ち帰る】
【それに、この街にこの女がいるとわかっただけ大分、意味がある。やはりこの街は――なにかある】


ふぅん。私には慈悲はくれないのね。そりゃそりゃ…欲しくもないけどね。
――弱くてもいいじゃない。しょうもないもんさ、人間は誰だって。


【ずっとそう思ってる。戦うことにずっと身をおいて来た。世の中の人間は弱くて意地汚い、全員そうだ】
【何をいまさら。だからといって神に祈ってるようじゃ何も変わらない】


でも私は、強いよ?。フフン、矛盾してる?それで結構。ここまで生き延びてきたのはこの能力のおかげだからね
――暴力だよ。暴力。病的な破壊衝動が私にはあるから。

【私の部署にはカミソリと呼ばれる人がいる。それは頭の切れ味だ。そして私もそう呼ばれたことがある】
【あれは―――何処かの救出作戦で単身突入したときだ。ホテルで30人の現地テロリストを――ずたずたにした】
【メインホールのシャンデリアが落ちて、絵画はメチャメチャに切り裂かれ、天井まで鮮血が舞い上がった。それは】
【廊下、レストラン、厨房から、トイレに至る全てを――ずたずたに切り裂いた】

【その後、私は単身で事件を解決したが――責任問題となって配置換えとなった。】

【DISTORTIONAL ADDICT 私の中に眠る衝動。病だ。全てを切り裂かずにはいられない】
【どんな話術よりも、金銭よりも何よりも、暴力にまさるものは無い】


あっ、それ知ってるよ。閉じ込めて焼き殺すんでしょ?…そんで
作った人が一番最初に殺されたんだったかな?……フフン。

【彼女の手の動きに合わせて巨大な赫錆びた刃が形成される。まるでそれは巨大な鎌のような形をしている】


ブッタ斬り甲斐のありそうなもんだね

外務8課――スガ タマキ。国家と市民の正義の名のもとに斬られてもらいましょうか
340 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 13:40:57.37 ID:9Ggv2+ceo
>>338

【──── ふわり、風に持ち上がるのは無数の紙束、本のページが自動的に捲れ上がって】
【ミサの周囲を旋回する。切り離されたページの一つ、一つ────】
【そこに描かれているのは拷問具や処刑器具であった。人を虐め殺す為の道具】

【何処までも残酷を象徴しておきながら、その横顔は聖女の様に貞淑に】


ならば叩いて押さえつけましょう、我が主は貴女の様な異端分子を許しはしません
私は無垢な祈り手の代弁者にして、無辜の信者達の矛となるべき存在────
信仰の担い手として、貴女の様な危険を排除する者────!!


【────ミサの声に呼応して "ファラリスの雄牛" が雄叫びを上げた】

【その仕組みを知っている者ならば分かるだろう、その断末魔は何を以て成し遂げられるか】
【思わず耳をふさいでしまいたくなる様な悲鳴であった。窓硝子に突き立てた釘よりも歪に】
【同時にその金属製の巨体が赤く燃え上がる、業火で焼かれているかの様に】


インテリの理論で組まれた枠組みに安寧する人々を、生きていると呼ぶのでしょうか?
国家は人々を救いません、市民も己の隣人を救おうともしない。
貴方達は国家に生きているのではなく、国家に生かされているのです


【──── そうあれかし、】


だから私達には勝てません、私達は己の意思で従うべき主を決めました
その存在の根底から貴女達とは違うのです────!

信じる者は救われる、これほどに明快な理屈も無いでしょう?


【雄牛が突進してくる。高熱を纏った金属の牛、掠っただけでも被害は大きいだろう】
【同時にミサは跳躍する、路地裏の月と一体化するかの如く、高く高く────】
【月を背後に再び書物へと手を伸ばす、次の一手を用意しているのだろうか】

【吹きすさぶ風、乱れる横顔は瀟洒に──── 辿る目隠しの奥にある瞳を思わせて】
【肉感的な唇が蠱惑的な情感を見せて、それは微かに愉悦を帯びた】
【他者を傷つける喜び、淫らな首筋刻むタトゥー】
341 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 13:41:44.01 ID:9Ggv2+ceo
/>>340の安価は>>339宛になります、すいません
342 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/18(土) 14:56:22.15 ID:HInHhm380
>>340

【この冷凍都市の裏側に降り立った聖女。路地裏に繰り返される諸行は無常】
【暴力的衝動。まるで女の化粧のような嘘偽りを隠す街のネオン】
【風が運ぶ流行り病。アディクト。誰もが患って、病気はどんどん進行していく】

御託並べて、やっぱりおんなじね。この世にある正義なんてもはや全て嘘偽りでできたレッテル。
どっちが勝とうが誰かが喜ぶし、悲しむ。

【無常。無常。無常。暴力的衝動の繰り返し。殺伐】

本来、この国は民主主義だから。主権は自分たちにあるんだよ。なのに意味を失った。国家は単なるシステムとなって
単なる腐った集金システムだ。市民は関心を持たない。民主主義は血を無くして維持できないんだ。

己の意志があるなら、己の意志で生きな。
目覚めの時が来る。誰かに任せっきりのツケを払うときが来たんだ。飼いならされた市民と驕った政治家共。
全てはここから始まる。

――私が信じるのは私。アンタに勝てやしないよ。


【赫錆びた風の鎌を構えた女は突進する雄牛を待ち受ける。赤い風が吹き荒れて、まるでマタドール。自信有り気な笑み】
【スニーカーで強く、アスファルトを踏みつけると。風を背に、彼女は大きく跳躍した。】
【もちろん、雄牛を避けるためじゃない。その大鎌――暴力的衝動の塊を突き刺すためだ】


……食らいナッッ!!!!『DISTORTIONAL ADDICT 』ッッ!!!

【すくい上げるような鎌の動きは正面からぶった斬る勢いだ。純粋な暴力と暴力の衝突はどちらが勝ちうるのだろうか】
【どちらにせよ。その風の鎌は捨てる。赫錆びた風は彼女を更に後押しして。上空へと舞い上がらせる。】

【路地裏の壁を蹴って、ミサへの接近を試みた。錆びた匂いの風が吹き荒れる。彼女は右手に拳を握りしめた】
343 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 16:00:08.86 ID:9Ggv2+ceo
>>342

【──── 壱音節の静謐の後、鳴き声じみた轟音が響き渡り、破裂する風の残り香は無拍】
【真っ二つに切り裂かれる雄牛と、焼けこげた血肉の香りが鼻腔へと流れ込む】
【タマキの手に残る感触、金属以外に残る──── 人間を切り裂いたかの様な感触】

【どうだっていい、雄牛の中に何が居たって、構わないから】


信者の傲慢は宿主を枯らす温度で、自分自身を信じるだなんて迷妄も良いところ
結局貴女は自分自身のエゴで行動してるに過ぎません、それは当てもない旅路に等しく
その渦中で交錯したのなら、私も道を譲る気はさらさら無い────っ!!


【ファラリスが破られる、眼前に迫るのは路地裏の壁を蹴り加速するタマキの姿】
【否、正確に言えば彼女が把握するのは風の音と、声の主、──── 再構築される世界の片鱗】
【故に一手遅れる、タマキの攻撃圏内に入って漸く、ミサは相互の位置関係を把握して】


福音を忘れてしまったのですね、哀しき愚者よ────
せめてその罪を滅却し、滅びるが良いです!!
我が問いに答えよ──── "Lost Prophets"!!


【書物のページが捲られる、書物を持った左の手を大きく振り払い、空中で呼吸を整える】
【右の手に握られるのは "鞭" であった。所々に銀の破片を宿した重量のありそうな鞭】
【一度、二度、虚空を叩きしならせたなら、タマキを迎撃する様に鞭が迫る】

【空気がうなる、ジャバウォックの叫び声に似た風切り音は、不条理詩にしか示せない悪夢の如く】
【変則的な軌道、振り絞った弓矢の作用に近い高速の攻撃、加えて皮膚を裂き肉を抉り、骨を食らう程の威力】
【けれどもそれは豪雨であって、篠突く雨に他ならず、ほんの僅かな光明を遺す】

【──── 無謀にも思える攻撃の先に、必ず未来はある】
344 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2018/08/18(土) 18:21:38.03 ID:n+FHobsM0
【地の国・地方都市】

【荒野の多い地の国の中でも地方はさらに何もなく、ハイウェイすらもいつしか道が途切れる】
【人口は都市部に集中しそこだけ別世界から切り取られたかのような雰囲気を放っている。】
【この地方都市近郊は古代の遺跡群も多く存在しており、考古学者などが集まっているのも特徴である。】
【その一角。都市の出口に位置するゲート付近に一人の人物がいた。】

ふんふんふーん、今日は天気もいいし絶好の観光日和になりそうだね〜。
ちょっとばかし街からは離れているけど、まぁ気楽にいくとしようか〜ふふふ〜ん。

独りでってのがちょっと寂しい気がするケド。

【鼻歌を歌いながら、革製のトランクを椅子代わりに地図を眺めるその人物。】
【ストライプの入った赤いスーツに同じ柄のソフト帽、銀色の長髪に赤い瞳といった目立つ風貌の女性だ】
【体のラインが目立つタイトなスーツを着こなしながらも、どうにも口調はのんびりとした速度である。】
【ともあれどうやら独りで遺跡探索にでも行くようだった。荒野地帯は女性一人で行くには些か危険ではあるが―――】
【どうやら寂しいようで割と大きな声で独り言をつぶやいている。】
345 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 19:03:42.96 ID:9Ggv2+ceo
>>344

【もしもし──── と声が聞こえる、鈴蘭に似た楚々とした響きで】
【何処か甘い香りのする声であった。川の潺、鳥の囀り、一面の花畑を思わせる】
【視線を向けたならば、そこには一人の女性が居て】


今お一人でいらっしゃいますか? ──── いえ、私怪しい者では御座いませんわ
お仕事の都合で此方に来たのですが、お付きの者とはぐれてしまい
かといってお仕事をキャンセルする訳に行かず、如何しましょうかと悩んでいたのですが

──── どうやら貴女様もお一人でいらして、良ければご同伴に預かれないものかと


【紫苑混じりのプラチナブロンドの長髪を、シニヨンでセミロングの長さにまで纏めて】
【胸元の膨らんだ、袖の無い白のハピットシャツの上から、素肌を透けさせる黒のレースのカーディガンを羽織る】
【シャツのフリルの上には黒いリボンタイを垂らして、ミニ丈のフレアスカートから黒いストッキングを覗かせる】

【紫苑色の双眸に理知的な眼鏡を掛けた姿は、瀟洒な貴婦人を思わせるだろうか】


──── どうでしょうか?


【女性は困ったように細長い眉毛を曲げて、白百合の様な頬に戸惑いの色を映す】
【見た目こそモデルの様な女性であったが、困った表情は少女然としていて】
【──── しかしまぁ、荒野地帯に来る格好では無い姿だが】
346 : ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2018/08/18(土) 19:24:49.44 ID:n+FHobsM0
>>345

【声を掛けられ、「はい?」とにっこりと笑いながら顔を上げる。声の性質はどこか似ている】
【そして声をかけてきた相手を下から上まで顎に手を当ててじっと眺める。】
【ふっと口元に苦笑が浮かんだ。】


うん、一人だよ。いやまだ怪しんでないから安心してよーフフ。
それはそれはこんな辺境地で心細いね!観光案内所行った方がいいんじゃあない?

仕事っていうのは、やっぱり考古学系=H

【落ち着いた雰囲気の相手に笑みを浮かべて答えながら、観光案内所の看板を指差す。《迷子の目印》と書いてある】
【この都市を訪れるのはほとんどが考古学関係者≠ネので目の前の彼女もそうなのかと予想したのだろう】
【とはいえ、目の前の女性の風貌はとてもそんな風には見えないものでもあった】

―――いいよ、貴女の目的地はどこ?一応私にも行きたいところあるけど。
あ、自己紹介がまだだったね私はマリアベル≠謔しくね?

【マリアベルと名乗った女性はそれでも快諾した。そしてトランクから腰を上げて名を名乗る。】
【立ってみるとそれなりに長身なマリアベルという女性は、相手の行き先を聞きながら握手を求めるだろう。】
347 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/18(土) 19:30:49.37 ID:HInHhm380
>>343

【違和感――鋼鉄の牛にはあるまじき質感。だけれど納得。中身無くては意味のない代物】
【代償無くては拷問具ではないということか―――それでいて聖人を気取るから。宗教ってのは悪趣味だ】


―――神様のエゴと私のエゴ、どっちも見にくい人間の原理なのさ。
さあ、そのすべてを見せなッッ!!!


【現れるのは鞭。あくまでも距離は近づかせる気はないようだ。それは弱点だからか、でも鞭の合間を縫って行くのは難しいか】
【ここは空中で――多少風で動けるにしても――相手の方に挙動に分はあるか。】

(正々堂々――やる気ははなから無いッ!!)

【取り出すのは、ホルスターに収めた自動式拳銃。引抜いて、相手に向けて構える】
【鞭の攻撃は私の鉄風が護ってくれるだろう。だが、支えるもののない空中、鞭打の威力で地にはたき落とされるだろう】


―――勝ちゃいいのさッ


【命中が定まらない空中。サブコンパクトで撃ちまくるのは特に。だが、好機は逃さない。弾倉全て撃ちまくってやるッッ!!】

【そして鞭打の威力は空中から突き落とすには十分だ。アスファルトに叩きつけられて――無傷ではいられない】

くぅ………いっったぁ……流石に…キッツぃなあ

【受け身をとったが、うちつけた体と腕がずきりと痛んだ。】
348 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 19:37:03.18 ID:9Ggv2+ceo
>>346

【ほぇ、なんて気の抜けた声を漏らして、紫苑色の瞳が指先に釣られて】
【あれま、と口を押さえて素っ頓狂な音色を響かせた。どうやら全然気付いていなかった様子で】
【そうして頬を綻ばせる、清楚な雰囲気を崩さず、どこか子供っぽい色合いを遺して】


知りませんでしたわ、こんな施設があるのですね──── 浅学を恥じるのみですわ
ですけど、こうして知り合えたのも何かの縁ですから、私は貴女様に付き従いましょう
それに、貴女様でしたら邪険には扱わないでしょう、──── なんて、女の勘ですこと

違いますわ、私にそんな高度な知的活動は向いておりませんし


【ハイヒールを履いてマリアベルと同じ高さぐらいか、伸ばした手をぎゅっと握り返す】
【白雪のような感触は、肌の熱で溶けてしまいそうなぐらいに、目の前の彼女はとても儚い体温で】
【少女みたいに可憐に笑う姿は、お淑やかな姿と何処かミスマッチで】


イスラフィールと申しますわ、よろしくお願いいたします"マリアベル様"────

私のお仕事は"視察"で御座います、大分復興が進んでるとは言っても、
まだベクター・ザ・"フォアビドゥン"から受けた傷は大きいようで、"地の国"の状況は芳しくありませんの
それ故に、これからの地の国の処遇を考えるにあたって、どうしても私の目で見ておきたいと思いまして

──── ふふ、本来は中心部に行くつもりでしたの


【彼女は悪戯っ子の表情で貴女の側に並ぶ、小首を傾げて、長い睫毛を流し目で溶かして】
【それ故にこんな地方都市に来たのだろう、まんざらでも無いような表情だが】
【言葉にはまだ不明瞭な点も多いだろうが────】
349 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 19:47:29.68 ID:9Ggv2+ceo
>>347

【防御を鉄風に任せるが故の攻撃、ミサは息を呑む──── 捨て身という言葉が脳裏を過ぎる】
【荒れ狂う銃弾の一撃が左肩を貫き、その手に握っていた書物が地面へと落下する】
【同時に鞭とファラリス、十字架といった出現していた拷問具が全て消える】


────っ……ぁっ……んぅ……!!


【白いドレスの布地を赤で塗らしながら、ミサは着地する。右手で傷口を押さえて】
【唇から漏れる荒い呼気、濡れた口元の質感を露わに伝える、──── 唇の端をキッと噛んで】
【包帯で覆った目元を真っ直ぐに向けるだろうか、まだ戦意は消えていない様だ】


っ……まだ、です────!! まだ、まだ私は戦えます……っ!!
私の信仰は、誰にも……!! 誰にも否定させません!!
主を否定する異端者を、私は許してはいけない……!!

私の祈りは、全ての信徒に通じます……!! 私の肩には、祈り手の想いが乗っています
だからこそ、異端に負ける訳には、いきません!!


【左手が書物を拾い上げて、指先でページを辿る。慣れた手つき、それは何度も捲ったページ】
【開く、瞬間に淡い光が書物を包み込み──── 傷口から零れた血液が紙を濡らす】
【血痕は嘆きに似ていた、深い悲しみが心すらも溶かす様に、やがてそれが祈りの大海となり】

【──── 世界を包み込む時を、願う様子に似ていた】


──────── "Lost Prophets"!!!!


【ミサの眼前に出現するのは、"鋼鉄の乙女"──── あまりにも威圧的なその外見をそのままに】
【地獄の口の様にその扉を開き、その呪われた口内を露わにするのだろう】
【びっしりと敷き詰められた鉄製の針、幾人をも串刺しにしてもまだ足りない、そんな欲望を伝えるように】

【──── 同時に強い力場が発生する、鋼鉄の乙女を中心に、引き寄せる力だ】
【その内部へとタマキを引きずり込もうとする力であった、踏ん張っていてもなお、徐々に引き寄せられる程に】
【無論、内部へと取り込まれたならその蓋が閉じる、結果は言うまでもなく】
350 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2018/08/18(土) 19:54:00.49 ID:n+FHobsM0
>>348

―――まぁ、大人が行く施設かはわからないケド。
それはそれはお目が高い、確かに私は人と関わるのが大好きだからね!

まっ私も別に考古学者ではないし、ただの旅人/フリーター≠セよ。

【ケラケラと笑いながら肩を竦める。見かけに割には軽い調子のようである。ようは根無し草だ。】
【白い肌と可憐な笑みはやはり少しばかり心配なのか、眉をひそめてじっと見つめる】
【とはいえ了承したものを今更止めるのも癪なようで、トランクを肩に担いで先導していくだろう。】
【ついていけばそこにあるのは屋根付きのジープである。どうやらレンタカーのようだった】

イスラフィールか、いい名前だね。まさかラッパは吹かないよね?

ベクター・ザ・"フォアビドゥン"ね………悪の親玉の一人だっけ?ごめんね私しばらくニュースとか見てなかったから
そうなると貴女は復興関係のお仕事をしているのかな?

―――これから行く先が復興視察のためにはなるかはかなり微妙だけど、まぁいいなら乗ってよ。

【そう言うと自分はジープの運転席へと座り、エンジンをかける。《ごぉ》という音と共に冷たい空気が社内に噴き出す】
【イスラフィールが助手席に乗り込めばほどなく発進するだろう。観光用のレンタカーだけあってそれなりに車内はきれいだ】

【だが、マリアベルの運転するジープは街道から外れさらには遺跡群がある方角からも外れていくだろう。】
【まさしく誰も通らないようなそんな道へと、進んでいく。一体どこへ向かうのだろうか。】
351 :イスラフィール ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 20:15:42.02 ID:9Ggv2+ceo
>>350

【お淑やかに笑う、快活に笑う貴女の姿と対照的で、その対比が儚げな妙を醸し出す】
【重ね合わせて舞う白拍子達の二人静、巫達が描く白の放物線に似て】
【深窓の令嬢という表現が相応しいだろう、ジープの側にちょこんと座って】


まさか、私が吹いてしまいましたらそれこそ世界の終わりですわ、ええ、私にとっての
何分身体が弱く、肺活量等も子供ほどしかありませんの、──── いえ、子供に失礼ですわ
ですから弦楽器が精一杯ですわ、ほんとに手習い程度ですが

──── 構いませんわ、旅は道連れ、その国の特色を知るのも大切な役割の一つです


【彼女はマリアベルの運転には心配してないようで、人形の様に座りながら静かに佇む】
【眼鏡越しに向ける憂いを帯びた視線、静かにしていればそれは絵画の一枚みたいに】
【存在感の薄い存在であった、それでいて儚い雰囲気は、今にも散りそうな花を思わせて】


そうですわ、『水の国』最高議会の議員を務めさせて頂いてますわ
何分所属が与党ですので、他国への復興支援計画も含まれております
今日はその為の資料作りとでも言いましょうか────


【滔々と語るイスラフィール、議員と呼ぶには些か頼りないが、婦人然とした姿は意外に合っているかもしれない】
352 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/18(土) 20:21:00.88 ID:HInHhm380
>>349

【汚れたジーンズの砂埃をはたきながら、ずきりと痛む体を無視して立ち上がった】
【墜ちていく天使。それは堕天とはまた違う、無様なイカロスのような失墜】
【そしてそのバイブルのようなモノがあのイカれた拷問具の源であると彼女は見逃さなかった】

【この戦いはいわば威力偵察。死ぬ気もないし倒し切るつもりもない。次会った時、必ず殺す捨て石だ】

健気なもんだねぇ…祈りたいなら祈ればいいさ。私だって、カジノでルーレットするときは祈るよ?へっへっへ…
私にはなぁんにもない。其処だけは羨ましいかな―――

ああでも、国家の命運とか?市民の幸福とかのっかってんのかな?フフン。

【嘘っぱち。本当のことだけど、そんなの嘘っぱちだ。信じて疑わない彼女のほうが幸せだ】

ああ〜それ知ってるよ。アイアン・メイデン。…つっても私はバンドのほうだけど。
その蛇は―魔力の刻印 っぇとこ?

【まあ、わかんないだろうけどね。といって。次の瞬間そんな戯言を言っている余裕もなくなる】
【相手の能力の真髄を見たような―――禍々しい引力。足元が引っ張られる】

(逃げ切れ…無いかッッ!!)


【赫錆びた風の防御をまとって咽まれるか――しかし、防ぎきれる自信もその後の保証もない】
【永遠に閉じ込められてあの本の中で暮らすのはゴメンだ。ファラリスの次の犠牲も断る】

だったら――――"DISTORTIONAL ADDICT"ッッッ!!!!

【また、あの赫錆びた病的な暴力衝動をブーストさせる。強い風がカタチをなして、死神のような鎌となる】
【残酷な引力を打ち破るほどの暴力を使うしか無い。咽まれる前に飲み込む。さあ、狂気の見せ所だ】

【引力に向かって、駆けろッ、鎌を構える。―――叩き斬れッッ!!!】


【街に潜む病気はどんどん進行していく。――繰り返される諸行は無常】

353 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 20:32:37.02 ID:9Ggv2+ceo
>>352

【盲目的に祈りを捧げるミサと、懐疑的に世界を見透かすタマキと】
【見透かす世界の本質は、世界から目を背ける盲者には遠く、それ故に果てとなる】
【故にミサは歩みを止めない、その終わりを見たくないから】


────っ……!! 何処までも刃向かうというのですね……!!
時に祈りは暴力を打ち破ります、その作用こそが信仰の結果に他なりません
貴女の内部が空洞であるのなら、張り子の存在に、私が負けるはずがありません!

負けないで……!! "Lost Prophets"!!


【鎌がアイアンメイデンと真っ正面からかち合う、金属質が響き渡る──── それはカッティングの作用に似て】
【強い歪みをかけたジャズマスター、かき鳴らす音色は幽鬼の様な女性ギタリストの手によるもの】
【力と力がぶつかり合う、生まれる衝動は、重ね合った轟音に似て】


──── 我が主よ……!! 私に、力を────!!


【振り下ろされる鎌がアイアンメイデンと拮抗していた、突き立てられた刃がその衝動を止める】
【一瞬でも力を抜けば、そのまま内部に取り込まれるだろう、逆に言えばミサの側にも決め手は無い】
【緊張の瞬間、タマキには勝機が見えるだろうか】
354 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga]:2018/08/18(土) 20:38:21.80 ID:n+FHobsM0
>>351

ハハハ、冗談だって―――。
そうなの?それなのに自分で足動かして視察なんてすごいねー、いやはや美しい
あ、でも楽器はやるんだ?まぁいかにも箱入りって感じだもんね〜。

そいじゃあお嬢様を楽しい世界へご案内しちゃおうかな〜!

【そう言うとアクセルを踏む力を一層強める、急加速するジープにかかるGに「おっとごめん」と舌を出して笑う】
【イスラフィールの話を聞いて、マリアベルは一層興味と好感を抱いたようであった。】
【―――変わらぬ風景の中、ぽつりぽつりと妙なものが目に入るだろう。柱とも石碑ともつかない四角い岩≠スちだ】
【明らかに自然物ではないそれらは次第に数が増えて言っているように見えた。】

ここいらはさ〜現地住民から畏怖の対象になってるんだよね。だから現地住民は近づかない。
まぁ考古学者達は熱心にその石ころを調べてるみたいだけど、それらは屋根瓦みたいなもんだから何の価値もないよ

―――へぇ、水の国最高議会=Bこれはこれはとんでもない人に声変えられちゃったな。
空港のニュースで見たけど、今結構忙しいんじゃないの?水の国、なんか色々大変らしいじゃん
良かったらエスコートのチップ代わりにそのあたりのお話も聞かせてよ、嗚呼勿論話せる範囲でいいからさn

【マリアベルが屋根瓦と称した四角い石はどんどんその数を増やしていく、車での移動が次第に困難になりそうだ。】
【そしてイスラフィールの所属を聞くと、口笛と共に眼を細めて笑う。だがそれを聞いてもアクセルは緩めない】
【―――水の国の事、ニュースにもなってる事となれば例の法案などについてだろうか。】
【尤もマリアベルの調子はあくまで世間話のようだ、そこまで込み入った話はしなくてもいいだろうし何も言わなくても問題なさそうだ】

【しばらく行けば大きな岩山が連なる場所へと出るだろう。マリアベルはその一角へと車を停車させる】
【「こっからは歩きだけど、どうする?」と一応問いかけながら自分は手ぶらで車から降りて、岩山の谷間へと歩いていくだろう】
355 :イスラフィール ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 20:51:50.12 ID:9Ggv2+ceo
>>354

【声にならない声が漏れる、ぎゅっと目の端を絞って、瞼を閉じる】
【白鷺の様な呼吸音、カーディガンの袖を握る仕草は小動物じみていたが】
【大きな瞳が硝子越しに、奇妙な岩へと注がれていた】


冷房の効いた部屋で話しているだけでは、民草は付いて来ませんわ、己の脚で歩いてこそです
成程、奇妙な岩だと思いましたが──── この奥にも似た種類があるのでしょうか
現地の方が近づかないというのも興味深いですわ、時にフォークロアは洒落になりませんもの


【自分の所見を述べて、続きは水の国の話へと移るだろう】


全く以てその通りですわ、お見苦しい限りで、自国の事ながら恥ずかしいですわ
その口調でしたらマリアベル様は "例の法案" についても御存知でしょう?
まさか野党の方々があの様な法案を押し通すとは──── 私とした事が、後手後手に回ってしまい

与党内部は統制が取れておりませんの、このままでは次の総選挙の結果も期待できませんわ


【頬に手を当てて溜息をつく、憂いを帯びたその仕草は、妙にマッチしていて】
【話の筋から、彼女がその法案に反対している事は伺い知れるだろう】
【加えて、与党の人間として復興支援の計画も、ある種の点数稼ぎとして捉えているのだろうか】


ふふ、甘く見ましたねマリアベル様、こう見ても私歩く作業に関しては慣れておりますわ
"タクティクス・オブ・ギュウホ"も立派な戦法ですもの、野に下ったときはさんざ練習しましたの


【得意げに笑う様子、ミニスカートにハイヒールで付いていく姿は非常に危うい】
【時折つっかえながら、おっかなびっくりマリアベルに付いていくだろう】
356 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/18(土) 20:57:27.79 ID:HInHhm380
>>353

【だが、彼女と私は同質だ。どちらも救いを探してるような――】
【自由は何処にあるのだろう。透明になって世界――殺風景なまま】


貴女が、そう思うなら…きっとそれは歯向かっているようにみえるのでしょうね
わかっているはずよ。ありもしない神、有りもしない宗教。有りもしない祈り――無意味。

ここで殺しても、殺されても何の意味はない。悲惨な光景は漠然とした風景となって曖昧な映像
言葉にできない満足感は一時の充足。無常また殺す、死体を暴いても意味の一つ出てこない。

【わかっている。有りもしない正義、有りもしない組織、利己的な遺伝子、戦場、暴力】

――――destructionは始まっているのよ。この街で
堕ちなよ。視なさい。自由が其処にある。
戦うことしかできない、戦いの衝動を捨てきれない我々/ディストラクション・ベイビーズが
新しい世界を再構築/リストラクチャするのよ。

【散文的で意味深な内容。一体一体何を言っている?何を意味する?】
【彼女は隻眼だ。細めた片目は何を見る――この女は何者だ?】

【腕に力を込める。――大釜を振っていることはそれ以外に能力を使えない…それが彼女の弱点だ】
【一点に能力を集中させた切れ味は何処まで通用するか。】


―――――歌いましょ、何が良いかな?イマジン?


【チグハグな文法、一瞬の気の迷いが命運を決めるというのに女は楽しそうにそんな事を言い始めた】
357 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 21:07:27.58 ID:9Ggv2+ceo
>>356

【──── ミサの口元に苦悶が浮かぶ、少しずつ、彼女の力が後退していく】
【力の作用ではなく、寧ろもっと簡素で単純な、心の論理、──── 精神の帰結がそこに現れて】
【言葉に気圧される、タマキの紡ぐ、一片の叙情詩に】


……っ────!! ち、違います……っ、私は、私は……!!
私は、戦いを望んでなど──── !!!
代弁者です、私は……!! 力のない祈り手達の、救いに……っ

貴女の様な異端者が何と言おうと、私の信仰は、揺るぎません……!!


【それでも均衡は傾く、バランスを失った天秤は一つの傾向を打ち出す】
【ミサの体勢が崩れた、片膝を付いて視線が下に向く、苦しげな声が闇夜に漏れて】
【揺れた片方の歪みは、それはつまり決壊を示す】


────!! ダメ────っ……!!


【鋼鉄の乙女が断ち切られる、一刀の元に斬り伏せられ、塵と消えるだろう】
【同時にミサはぺたんと座り込む、そこに居るのは、一人の哀れな女性の姿】
【そんな、と口をついて漏れ出た言葉は、あまりにも悲惨な旋律で】

【──── 勝敗を分けたのは自分自身への信仰の差なのだろうか】
【一瞬でも彼女は、タマキの言葉に押され、自分の祈りを疑ってしまった】
358 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga sage]:2018/08/18(土) 21:13:41.49 ID:n+FHobsM0
>>354

所謂事件は現場で起きてる≠チてやつ?いいね〜カッコいい。
いや、この石は古代の魔術師達が張った一種の結界や盛り塩みたいなもんだよ。

―――この国あるのは封じ込めたかったモノ=B

【さらりと物騒な事を言う。しかしてマリアベルは何故そんな場所に興味があるのかは不明である】
【岩山の谷間は、意外にも歩きやすいと感じるだろう。車は通れない細さなだけであり地面は滑らかだ。】
【………時折岩肌には何かが這った痕≠フような模様が見える。それは吹き抜ける風が作りだしたものなのか】
【マリアベルは少し大きめな岩がある場所はイスラフィールの手を取ってエスコートしようとするだろう】

あらあらそれは大変だね〜まぁでも面白い≠カゃん?っと不謹慎だったね、ごめんなさい。
でもあの法案、国内の異能者と周囲からは猛反発なんじゃない?それならそうした人たちをうまく取り込めばいいと思うケド。

まぁ私は政治はよく分からないから、頑張ってとかしか言えないねェ。
"タクティクス・オブ・ギュウホ"って何?―――イスラフィールって何か変わってるね。

【苦笑いしながらイスラフィールを見つめる。格好もそうだがまさかここまで着いてくるとは思わなかったのかもしれない】
【とはいえしばらく歩けば岩山の谷間を抜けるだろう―――視界が開ける。】

【それは不自然な盆地だった。岩山の中心にまるで隠すようにぽっかりと空いた空間】
【よく見れば地面はすり鉢状に陥没していた、所謂クレーターというやつだ。何か大きな衝撃でもあったのか】
【―――そして中心部には建造物≠ェある、大分古びており所々が崩れてはいるが明らかな人工物】
【まるで宮殿のようなそれを見て、マリアベルは笑い「大いなる異種族の跡地よ」と独り言のように呟いた。】
【その目は新品の玩具を買い与えられた子供のように嬉しそうで楽し気だった。】

359 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga sage]:2018/08/18(土) 21:15:14.38 ID:n+FHobsM0
>>358
//あっ誤字です
//―――この国あるのは→―――この奥にあるのは
360 :イスラフィール ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 21:23:23.43 ID:9Ggv2+ceo
>>358

【手を取ってエスコートされる様は異国の姫君に似ていた、さしずめマリアベルは騎士か】
【奥ゆかしく微笑む姿は高嶺の花に近く、首筋の輪郭に淡い水仙を想起させる】
【辿々しくも道を歩み、マリアベルの話に耳を傾けていた】


……"封じ込めたかったモノ"で御座いますか、何やら仰々しい響きですわ
加えて、過去形であるという事はその封じ込めが解かれたとも、考えられますね
──── マリアベル様はお詳しいのですね、この国の方なのですか?


【エスコートされながら彼女は続ける、ソプラノの響きは岩山に染み込む夜露の様に】


その通りですわ、マリアベル様は聡明な御仁でいらっしゃるのですね
ええ、全く以て──── 与党として、或いは私個人としての動きはその方向ですが
如何せん大きな動きをする前にきな臭い事象が多くて────


【イスラフィールは言葉を呑んだ、開いた空間に思わず言葉を失って】
【そこに遺されていたのは明らかに人工物であった、件の魔術師達の施設であろうか】
【ちらりと視界の端でマリアベルを見つめる、その表情が少し不安であった】


……マリアベル様は、何か御存知なのですか?
その "異種族" ──── に関して
361 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga sage]:2018/08/18(土) 21:46:13.03 ID:n+FHobsM0
>>360

まぁ人は原始から異物≠嫌う。反射みたいなもんだろうね。
だからソレの良し悪しに関わらず拒絶した。あれあれこれはどっかの国の事情にも少し通ずるかもね。
太古から続く一種の自己防衛とも言えるミームは魔制法≠ニいう形になりつつある、というのは完全にこじつけだけど。

封じ込めたかったモノ≠ヘ………どうだろう、もう死んでるんじゃない?それか還った≠ゥ
いや、私の出身は全然別の国だよ。ただちょっとばかし記録≠ノ明るいだけさ。

【目当てのものを見つけたからか、随分とマリアベルは饒舌だった。】
【この地域で起きたことを水の国で起きている事とこじつけるほどに饒舌だった。イスラフィールからすれば不快かもしれない】
【記録≠ニやらに詳しいと言いながらマリアベルは進んでいく、歩幅は少しばかり大きくなる】

きな臭いか、まぁそうだろうねぇ―――魔制法℃ゥ体がきな臭さの塊だしさ。
やっぱり色々と陰謀≠ェ絡んでたりするわけ?

―――いや、私も記録≠ナしか知らない。それも大昔の書物だから損傷が酷くてさ。
とはいえ、ワクワク≠オない?それとも後悔、したかな?

【首だけを振り返るようにして不安そうなイスラフィールに問いかける。口元には笑みが浮かんでいる。】
【そしてイスラフィールの答えを待たずしてソフト帽を被りなおして建造物の内部へと入っていくだろう】
【だが前人未到というわけではなかった、何人かの考古学者が調査に来たのか調査資材などがある。】
【マリアベルはまるで何回も来た場所のように迷わず奥へ奥へと入っていくだろう。そしてしばらく行けば建造物の中心地】
【開けた祭儀場のような場所へと到達する。どうやら行き止まりのようだった。】
362 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/18(土) 21:54:04.81 ID:HInHhm380
>>357

―――ハッ、ハッ、ハァッ…ハァッ……ハァー…

【勝ったのはタマキだった、断ち切ったのは残酷な現実だ】
【ミサの中にあるドグマを突き動かした。崩れるのは一瞬だった】

でも貴女も、私も戦わない運命を、選択を捨ててきた。幾つも有ったはず
戦わなくても良い道なんて。今回も、あのチンピラ助けて逃げる余裕なんていくらでもあった
戦いを中断させる間だって幾つも有った。でも貴女は選ばなかった。
幾つも理由を構築して、さもそれしか無いように――それこそ、能力者の病/ADDICTよ。

【赫錆びた風は何処かへ消えて、今あるのは路地裏の生ぬるい、どちらにしても不快な風】
【諸行は無常。悲哀しか無い。虚無と過ちしかない。気休め程度の自由】

……さあ、どうしよっか。祈る?偽りの神に。貴女のところのカルトに限らずどの神に祈っても一緒。
これも神の与えた試練かもしれないわよ?信仰を試しているのかも、でも…一度、揺らいだ貴女を
受け入れるほど神は慈悲深いかしら。…こんな路地裏の女の言葉に耳を傾けるような売女に……

(…流石にちょっと可愛そうになってきたなぁ)

【戦闘の興奮が冷めてきて、決着を付いた今、上から物言うのはなんだか悪者がすぎるような気がして】

………それでいいの?

【色んな思いを込めた一言。言葉が出てこなくて、それしか言えなかった】
363 :イスラフィール ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 21:59:54.45 ID:9Ggv2+ceo
>>361

【──── 而して、真実は全くの逆であった、イスラフィールの双眸が大きく開かれる】
【それは脳裏に染み込む一つの光明、蕾に溜まった一杯の滴が、花開くと共に弾ける様に】
【聡明な記録者の何気ない一言が、実に現実的な結果をもたらす可能性に満ちあふれて】


……そしてそのミームを "集合的無意識" とでも表現すれば、辻褄が合いますわ
異物を嫌うという無意識の忌避は、ほぼどのコミュニティに於いても確認できますの
それ故に "魔制法" もその作用を活かしたと仮定すると────

愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶのですわ、なればこそ
記録とは歴史の構成要素であり、記録に明るいという事は、即ち賢者の本質に近いのです
凄いですわ! マリアベル様、私感動してますの、ええ、一つ可能性が見えてきましたわ


【言葉尻に歓喜が混ざった。視線を向けてみたなら、満面の笑みを浮かべてイスラフィールは上気していた】
【ぴょこぴょこ、と言った様子で、時々脚を踏み外しておっとっとなんて、しつつ】
【布地に包まれた脚線美、香る光沢が艶やかにその仕草を彩って見せた】


──── 後悔なんてしませんわ、私は今を生きる者として、過去から学ばなければなりませんの
それ故に見るべき物を見て、知るべき物を知る、国民の代弁者としてこの口があるのなら
国民の代視者として、この目はあり、代理者として、この脳はあるのです

鋭いですわ、陰謀が絡んでいるどころか、何処を切っても陰謀しか御座いません
 "魔制法" を国会へと持ち込んだのは "野党" です、けれども────
何処の議員を調べても、埃が出ないのです、いいえ、正確には

叩かれるべき、埃しか出ないのですわ、お分かり頂けますか?


【つまりは、彼らは傀儡にしか過ぎないとイスラフィールは言外に伝える】
【言葉を返しながら歩みは緩めず、マリアベルの後に付いていく。その足取りに違和感を覚えながら】
【祭儀場へつくだろう、周囲を興味深そうに眺めた】
364 :ミサ=ソレムニス ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 22:08:49.46 ID:9Ggv2+ceo
>>362

【座り込んだミサは、連れてきた人質のようにも見えた。被虐的な目隠しがそれを助長して】
【軽く見上げる首筋は存外に幼い、憑き物が落ちた様な横顔は少女然として】
【口元が軽く開いて、やがてきっと結ばれた】


──── っ……違い、ます……私は、私は────
担い手として、不十分です。私の祈りは、他の信者には及びません
だから、だから……こうして、示すしかないのです、私の信仰を……


【他者に対して過分に攻撃的な彼女、裏返せばそれは信仰心の不安によるもの】
【病的なまでに "主" を呼び続ける姿は哀れな飼い犬の様であった、からこそ】
【タマキの言葉に揺れ動いてしまったのだろう、分かっている】

【──── 故に、続く言葉にびくっ、と彼女は細い体躯を震わせた】


でも、でも……信じるしか……ありません────っ……
私の "Lost Prophets" は "忘却" の能力です、それ故に私は……っ
私は、──── 自分自身すらも、信じられない、から……


【言葉の端に明かされる能力の秘密、忘却とは些か曖昧な表現であるが】
【重量を無くしたり、元に戻したりといった理論で、攻撃の幾つかは説明できるだろう】
【加えて、拷問具の数々はその形態を一度忘却させ、書物に落とし込めているのなら筋は通る】

【故にか、その反作用かは分からないが、彼女の内面もまた、忘却にとらわれていて】
【それ故に信仰心が揺らぐのか、──── その理論を辿る】
【彼女は答えない、行き場を無くした少女みたいに、蹲って】
365 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga sage]:2018/08/18(土) 22:29:22.20 ID:n+FHobsM0
>>363

【何やら感激しているイスラフィールをポカンとした顔で見つめるが、すぐに苦笑する。】

う〜ん、今のは特に考えもなしに言った事だよ?最高議会の人間が私みたいなのの言葉を真に受けない方が…
まぁ根無し草のたわ言として一つの意見として考えて貰えてればいいよ。

―――やっぱり美しい=c……どんどん君の事が気になってくるよ、イスラフィール。
成程、つまりは野党をコントロールして裏で手を引いているフィクサー≠ェいると。まぁありそうだね。
さっきの話と合わせると人の潜在意識と表層意識を操れる連中って事になるけど―――随分恐ろしい話だわ

ところで、水の国って確か妙なカルト教団≠ェ最近暴れてたりしない?

【一度、この建造物を見つけた時と同じような視線をイスラフィールへと向けるがすぐに戻る。】
【そして興奮する彼女に合わせるように彼女から出た情報のみから推測できる事を述べる。】
【記録≠ノ詳しいようだが、最近のニュースは見ていないという。様々な意味でマリアベルという人物は奇妙だった。】
【最後の質問は、とってつけたように思い出したように問いかけた。】

普通≠フ考古学者連中はこのあたりが手詰まりだろうね―――けど私は違うのよ

―――■■■■■

【「少し離れてて」とマリアベルは言いながら歩いていく。】
【祭儀場の中心点へと立つと右手を床に向け、何かを唱える≠サれはおよそ今の世界には存在しない言語だった】
【そして同時に広間を黒みを帯びた焔≠ェ駆け巡る、まるで電子回路のように、暗号を解析するかのように】
【もし魔力に詳しいのであれば、その焔がその魔力が異質なモノ≠セという事が分かるだろう。もしくは感じるかもしれない】

【それらが巡り終えれば、ゴゴゴゴゴゴゴゴという大きな音と共に祭儀場の奥の壁が自動ドアのように開いていく=z
【あとに残るのは巨大な地下への階段。間違いなく前人未到。冷たい風が地下から吹き上がる。】
366 :イスラフィール ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 22:39:59.68 ID:9Ggv2+ceo
>>365

【"美しい"との言葉に照れた様に目を細める、豊かな睫毛は素肌の水面へと浮かぶ】
【瞬きの名残を虚像に残して、浮かべる横顔に満ちる一瞬は石楠花の如く繊細で】
【いいえ、と頭を振った。──── そんな事御座いません、とマリアベルの卑下を否定する】


議会は議会として在るわけでは御座いません、私達もまた、国民の一人として存在しております
それ故に国民の代弁者であって、代表者では無いのです、言葉に貴賤があるとでも?
だとすればそれは、貴女様を過小評価されているのです、マリアベル様

──── そして同時に、それは私の信じる国民をも過小評価する事に違いないでしょう


【凜、と彼女は言い放った。磨き抜かれた刀剣の如く、その一言に揺らぎはなく】
【そう言って表情を撓ませる、マリアベルが水の国の民とは限らないと、気付いて】
【こほん、と頬を赤くしてごまかすように咳払いをして見せた】


その通りで御座います、けれども、野党の方々を操れる存在など皆目見当も付きませんわ
彼らが裏で糸を引いているのならば分かりますの、けれども、その逆となると

──── "サーペント・カルト" の事でしょうか、それならばつい最近壊滅したと発表されましたわ
大々的な儀式を計画していた様ですが、失敗に終わったようで

ふふ、マリアベル様は本当に、最近のニュースはごらんになられないのですね


【────】

【眼鏡越しにイスラフィールはマリアベルの行いを見つめていた、怜悧な双眸が微かに歪む】
【紫苑色の憧憬は何を見ていたのだろうか、その子細は辿れなくとも】
【開いた地下への階段、流石のイスラフィールも息を呑んだ】
367 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/18(土) 22:48:57.34 ID:HInHhm380
>>364

【タマキもしゃがんで彼女の顔を覗き込んだ。目隠ししたそれでどんな顔か想像するしか無いが】
【ヴィーナスの像やニケのように、損なわれているからこそよく思ってしまう。美しい顔だ、ずるい】

―――――貴女は強い。従僕で終わるのは勿体無いわ。及ばないことなんて無いんじゃない?

(落として上げる。我ながらシンプルな作戦だし、悪人もいいとこねぇ)

【こういう作戦はあまり得意じゃないが、やらない手はない。ここは腕の見せ所だ】
【それでも割と本心だった。誰かの手先の人生なんて――――】

忘却…?―――なら、忘れられないように、世界に刻むしか無いんじゃない?
どうせ忘れ去られるものだし、忘れてしまうもの。それを受け入れないのなら、世界に刻みつけるしか無い。
神に見せつけましょう?貴女の存在を。虚構に囚われていたら、いつまでも忘却のまま。
世界が虚に咽まれてしまったら貴女の存在も無意味よ

【こんな台詞しか思いつかない。…どうしたもんかと頭を悩ませるが表面には見せない】

有りもしない神に届くかわからない祈りより、目の前の手を握る方が、刻まれるものよ

【そう言って差し出す手――さて、どんなもんか。冷静な自分がニヤリと笑っている。】
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/18(土) 22:53:03.15 ID:AnHqsV8d0
【月明かりに照らされる公園】
【遊んでいる子供達の姿も無く、閑散としている其処に集まっているのは数匹の猫】
【と、黒の装束を纏った一人の女。ベンチに座っているその人物に猫たちが群がっていると表すのが適切か】
【膝の上や肩の上、頭の上にまで昇っているのだが穏やかな表情を崩す事は無く】

「……キミ達は本当に大人しいですね」

【只でさえ暑い日が続いていると言うのに、毛玉達に群がられようと汗の一つも垂らさず】
【膝の上で眠っている一匹の子猫を掌で優しく撫でてやりながらこの状況を堪能している姿は何とも異質】
【側に置かれた般若の面がより一層“アブナイ人”感を際立たせるだろうか】
【或いは、女から微かに感じられる血の匂いに気付く者も居るだろうか】

【何であれ、もしも誰かがこの場に訪れれば猫達は一斉に逃げ出すことになろう】
【女はと言えば徐に般若の面を顔に被せ、其方へと視線を移すのだ】
【特に女の方から危害を加える様子は無い。然れど、警戒が解かれる訳でも無い】
【「――如何しましたか」そんな言葉と共に、小首を傾げて見せて】
369 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 22:55:23.35 ID:9Ggv2+ceo
>>367

【そこにどんな作用があったのかは分からない、少なくとも、彼女の目の色を伺う事は出来ないから】
【けれども呼吸の所作、和らぐ口元の表情、頬に刻まれていた緊張感が弛んで、軽く口が開いた】
【惚けた様な表情でもあった、目が見えないからこそ、それ以外が饒舌に彼女を語る】


──── でしたら貴女は……私の事を、忘れずに居て下さりますか?
歴史の闇に葬られる異端者ではなく、争いの波に呑まれる不信者でもなく
ただ一人の人間として存在することを、許してくれるのでしょうか

……私はまだ、神を信じる事を棄てることは出来ません、それを失えば、私は何も無くなります
それでも、一人の存在として、ミサ=ソレムニスとして存在するのを許していただけるのなら



──── 私は願っても良いのでしょうか、信じても良いのでしょうか



……私という人間の、幸せを


【右の手を伸ばして、引っ込める。空中を揺れる小さな掌は、不安を伝える仕草】
【震えていた。その震えは全身を伝って、彼女の身体全体にまで広がって】
【きゅっと足下を引き寄せる、重なり合う膝は、その不安の表れで】

【──── 呼吸を整える、意を決して、覚悟を決める】

【その手がタマキの手を握る、そこにもう憂いはなかった】
370 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga sage]:2018/08/18(土) 23:05:18.70 ID:n+FHobsM0
>>366

本当に君は政治家とはかくあるべきの体現のようだね。失言だった、謝罪するよ。
―――逆、じゃないかな。それこそ野党を操るほどの力≠持った存在となれば候補はある
但し、それだと自身で自身を縛るような事を行っている事になる。どうにも腑に落ちないね。

【つまりは、野党を裏で操るのは異能者≠烽オくはその組織であるとそう言いたいのだろう。】
【だがそれでは魔制法≠ネどという自らを縛るような法案をわざわざ通す意味はと考えることになる。】
【どちらにせよ一国の政治を掌握するほどの力を持った個人や集団というのは恐ろしいものであるだろう】

【サーペント・カルト≠フ話については「そっかー」と自分で聞いておきながら淡白に答える。】

私の求めるものは旧時代≠ノこそあったからね、だからこうして各地の遺跡を巡ってたのさ
だからニュースは空港とかでチラッと眺めるだけ………みたいな?でも、君の話を聞いて興味が湧いてきたよ色々とね。

―――■■・■≠ウて、行こうか。
そういえば説明してなかったね、魔術に詳しい?これは失われた古代魔術術式。旧界魔術/ロストミーム
原理と回路が違うだけで普通の魔術と大して機能は変わらないよ。

【確認するようにイスラフィールへと微笑むと、一切臆せず地下へと下っていくだろう。】
【先程と同じく謎の詠唱をすると右掌に焔が灯る。やはり異質な魔力で形成されているそれをランタン代わりに下っていく】
【長い間開かなかった故か、地下への階段は随分と冷え込むだろう。マリアベルはジャケットを脱いで「着るかい?」と差し出す】
【暗く冷たい階段は永劫にも続く黄泉への道にも感じられる―――だが実際はそんな事はない。】

【十数分階段を下れば、先程の祭儀場と似たような大きさの広間へと到着するだろう。だがそこはまるで】
【まるで胎内≠フようだった、ミイラ化してはいるが壁には血管のような管が張っており壁自体もぶよぶよと柔らかい】
【―――そして中心には、台座に取り付けられた2mほどの巨大な卵≠フようなものがある。】
【壁と同じくミイラ化しているようで、表面は乾いて黒ずんでいる。】
【マリアベルは「外れか」と小さく呟いてからため息を吐き出してがっかりした表情になる。】

371 :イスラフィール ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 23:18:35.72 ID:9Ggv2+ceo
>>370

【マリアベルの言葉に彼女は目を細めて応じる、王妃が衆生に向ける微笑みに似ていた】
【いざとなれば彼女は、その仕草一つだけで世界を籠絡してみせる様な────】
【それ程までに可憐で、神秘的な笑みの作用であった】


興味深い視点ですわ、マリアベル様の発想は面白いです、私に無かった見地を与えて下さる
私達がどうしようかと地上で手をこまねいている時に、まるで空から全てを見渡す様に、と
──── 例外の無いルールは無いのです、マリアベル様、それは法とて同じ事です

寧ろ、自分の手で動かしているのであれば、自分以外を縛るという意味で非常に有効かと思われます


【ある種それは世界の摂理に近い、先に技術を得た者が後続を禁止することにより、独占する理屈に】
【話は、続く──── "旧時代" とは聞き慣れない言葉であった】
【大丈夫ですわ、と答えるもののその両手はカーディガンの袖を握って、くしゅん、と小さくくしゃみを重ねる】


……驚きましたわ、魔術に関しては人並み程度にしか存じ上げませんが
──── その古代魔術とは、マリアベル様の研究成果でいらっしゃるのでしょうか
だとすればマリアベル様の辿ってらっしゃる "記録" とは、一種の連続性を持った記述なのでしょう

しかし、この室内はあまりにも……ええ、あまりにも──── 人工物としては有機的ですわ
そろそろ種明かしをして下さっても、良いのではありませんこと?


【そう言ってイスラフィールは後ろから声をかけるのだろう、柔和な笑みを心なしか添えてみて】
372 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/18(土) 23:31:53.42 ID:HInHhm380
>>369

【―――なんだか純粋な娘だなだなっていうのがタマキの印象だった】
【カルトの尖兵もそのロールを剥がしてしまえば年相応の女でしか無い】
【アタリマエのことかもしれない。人は幾つもの仮面を持つものだから】
【どれも本心、どれを重要視するかそれぐらいの違いだ】


それは―――これからの貴女次第。今ここではカルトのテロリストの女でしかない。
そんなの私にとっては有象無象。でも…これから次第では協力者…友人かもね。

生きることは誰かが決めることじゃない。でも、誰も居ない人生はつまらない。
人間は生まれたときは何も持ってないでしょ。生まれ変わっただけ何も失ってない。
新しいミサ=ソレムニスという白いキャンパスに描いていくだけ。

――自分を信じて良いのは、自分だけ。幸せは思ったよりも沢山あるものよ


【有り体な言葉だけど本音だ。だからこそ間違っているところもあるだろう。でもそれは私という】
【例が存在するから、間違ってたってどうとでもなるという反証に値するだろうか】
【冷凍都市にあるKIMOCHI。着地点のない色とりどりの人間模様】
【意味の通らない言葉でも伝えたいKIMOCHI】

【利用はさせてもらう。でも、使い捨てるつもりはない】
【手を取って、心に刻む。私は――――人間だ】


でもきっとカルトは背信者を許さないでしょうね。貴女を助けたいけど今は私にその力はない
…断ち切るしか無いの。神を。教えてくれない?貴女と助けるために…知りうる全てを

【急ぐ必要はないだろう。だが彼女には目的が必要となるだろう。私がほしいのは内部情報】
【彼女にしかできないそれだろう。裏切らせるのはまだ抵抗があるはずだ。まずは少しずつ】
【抵抗感を薄れさせて、戻れないところまで手を引いてやる。私が手を取ってやる】
373 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga sage]:2018/08/18(土) 23:39:43.40 ID:n+FHobsM0
>>371

―――私はあくまで外様≠セから勝手に推測して言えるだけだよ。
確かにねぇ、それは私も良くわかる。人の世はいつも誰かによってコントロールされている。
ともあれここまで話してみて分かった。随分と苦労してるみたいだねイスラフィール=H

【少し同情めいた視線を向けてから、スーツのジャケットへと袖を通しなおす。】
【そして背後からの問いかけに一拍を置いてから、くすりと笑い広間の中央部の卵へと歩み寄るだろう。】

研究成果というか、自然に覚えてしまった形だね。色々あって今は私しか使えない筈だけど。
私が管理していた記録≠ヘそれこそ名もなき人々の一生から世界を揺るがす大事件まで様々だよ
中でもこれら異物≠ノ興味をひかれたのは確かだけどね。

―――ここに入る前のクレーターは見たでしょ?ここはね、大昔に外宇宙から飛来した外来種の城なんだ。
それが友好的だったか侵略的だったかは知らないケドさっき話した通り、この土地に住んでた人らはソレを恐れた。
可愛そうに全力で拒否られたソレは引きこもって何かを作った。

―――それがこの宇宙卵≠ウ。まぁ見た感じ上手く成長しなくて化石化したみたいだけどね。
宇宙卵≠ェ何かって?それは私も分からない、生きてる≠烽フを見たことがないからね。
ただまぁ世界を包み、かつ私たち一人一人が内包している宇宙≠ノ関わるものなのは確かかな。

【「よくわからないよね?とりあえず冷えるし出ようか」と肩を竦めて、興味がなくなったように階段を上がるだろう】
【マリアベルの説明はあまりにも端的で分かり辛い。尤もマリアベルも全容は分からず追っているのか】
【宇宙卵=\――それは神話にも時折現れる名だが、果たして。】

【何はともあれマリアベルはそのまま他を調べるわけでもなく、イスラフィールをエスコートしつつジープまで戻っていくだろう。】
374 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 23:49:53.88 ID:9Ggv2+ceo
>>372

【──── 全てを忘却の海に沈めることなんてできない、無かったことにはしてはいけない】
【だからこそ、彼女は知らなければならない。自らの果たした過ちの意味を】
【けれどもそれを目にするのは今じゃなくて良いから、今だけは陳腐な結末が丁度良い】


──── 私は、異端審問の他に、構成員の記憶処理も行っていました
カルトにとって不都合な真実を知った者に、忘却の力を以てして押さえ込むのです
私の主は、その行いを苦悶の表情で見つめておられました、……ええ

私もまた、恐ろしかったのです、──── その後 "主" は、私を優しく抱きしめて下さいました

……すいません、少し話が脱線して……その────
私が "忘却" させた多くは、"ウヌクアルハイ様" の真実について知った人々です
ウヌクアルハイ様は決して善なる神ではない、……世界を滅ぼすための、方法論でしかないと


【ある種の二重思考に近い、ウヌクアルハイを信仰しながらも、その破滅性を認知している】
【それは "主" と呼ばれる存在への盲目的な信頼か、或いは、忘却の力の作用か】
【彼女もまた、彼女の精神を保つために、不都合な情報を忘却させていると】


……そしてもう一つ、蛇の信者達に刻まれた、その "時限爆弾" について────
魔術に関して詳しい者でも分からなかったのです、類い希なる才能の持ち主だけが、気付いていました
私達蛇の信徒全てが使える、"蛇術" ──── 私はこれを使えません

…… "使えない様にした" ──── それが契約の最たるものでした、から

私達の身体に刻まれている "蛇神の印" ──── それには、自死のミームが組み込まれています
我が "主" の言葉一つで、早い者で数分、遅くとも数日で、自ら命を絶つ、と────

それに気付いた者を "忘却" させたのです、そうすることで、私は救われる……と



我が主、──── ケバルライはそう仰っていました




【ミサは告げる、自身の内部にため込まれた、真実を】
375 :イスラフィール ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/18(土) 23:59:22.98 ID:9Ggv2+ceo
>>373

【マリアベルの言葉にイスラフィールは苦笑する、たおやかな表情が見せる曇り空】
【新雪を穢した足跡を、ばつが悪そうに見つめる少女みたいで、その色合いは正しかった】
【けれども苦労を語ろうとはしないのだろう、察してもらえただけで十分だと言いたげに】


成程、歩く "図書館" とでも言うべきですわ、もしかするとこれからも懇意にさせて頂くかもしれません
マリアベル様の興味を惹くとなると、その情報量や内包する秘密は、かなりのものなのでしょうね
────…… "宇宙" ですか、それは何ともスケールが大きいですわ


【少しイスラフィールは考え込む素振りを見せた。深窓の姫君は、口元に軽く手を当てて、もう一方の手を肘に置く】
【そのまま風に溶けて消えてしまいそうな、そんな雰囲気を携えながら】
【眼鏡の奥の紫苑色に、微かな色合いが見えたのを伺えるかも知れない】


……もし、外来種が敵対的な存在であったとして、の話ですけども
その外来種が既存の人類種に対して牙を向けたのなら、人間達は


──── いがみ合う事を止め、互いに手を取るのでしょうか


【エスコートの道中、イスラフィールは深く考え込みながら、やがて一つの結論を出す】
【余談であるが、そのせいで何度も転びそうになったり、天井に頭をぶつけたりした】
376 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/19(日) 00:12:33.01 ID:/sUTZwsh0
>>374

【彼女が話し始めたその内容には――驚愕と恐怖が重なり合って。タマキは多分】
【厳しい表情を浮かべていたことだろう。どんな状況でも笑う彼女であっても】


―――不都合な真実…なるほど、カルトらしい文句ね。

【それは政府も一緒だ。消去させる方法がないだけで――黒幕はそれを手に入れているようだ】

貴女は知っていたのね。そして貴女のしてきたことが正義とはかけ離れていることも。
だから自分ごと忘れてきた……ひどい話ね。

【でももっと恐ろしいのは】


そんな……今どき、軍閥のテロリストですらそんなことしないっていうのに
じゃあ、その印がある限り、自由はないってこと…?自死のミーム……
印を消したり…ミームを書き換えればいいってそんな単純なもんじゃなさそうだし

でも貴女はそのことを知っている…

【魔術ならまだしもミームと来たか。だがどうも単純なものではないだろう。】

【冷静な私が分裂した人格の私が冷静にささやく】

<この女を信用するのは早くないか?忘却を操る女だぞ>
<その事実、漏らしたのがバレたら――この場に他の信者が居ないと言い切れるか?>

【一つ、女がもしここまでがブラフであったなら……消される。危険だ】
【2つ、この女がここで自死されても――チャンスを逃したくない。それにそれはあまりにも――許せない】


ケバルライを討つしかない。ということ?


【そうして彼女は自分のポケットを探った。スマートフォンを素早く時間でも少し確認したようなフリで、録音を開始しようとする】
【何気ない動作。保険を用意しておこう。杞憂で済めばいい。】
377 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga sage]:2018/08/19(日) 00:19:33.81 ID:NYwLfq6E0
>>375

そう、図書館………私はずっと図書館の中にいたんだよ。
だから今こうして外で自由気ままに旅してまわるのは楽しいな!
どうだろうね?それこそさっき聞いた水の国の内情の方がとんでもなさそうだけどネ。

宇宙は全≠ニいう括りで見れば巨大かもしれないけど、一≠ニいう括りでみれば案外小さいかもよ?

【考え込みながら頭をぶつけたり転んだりしそうになるイスラフィールを若干あきれた様子で眺める。】
【そしてジープへと乗り込みながら彼女の出した結論に耳を傾ける。】

―――その可能性は限りなく低いんじゃないかな。
ミームとは国や組織、個人によって基底される。それを統一するのはほぼ不可能だろうね。
悪しき外来種≠ェ存在したとして、それを排除しようとするものもいれば利用しようとする者もいる。
果てには信仰の対象になる可能性だってある。

それらのミームを統一することは難しいだろうし、実現したとしてもそれは自由なき世界≠ノなる。
人間てのはめんどくさいよねぇ、生物の癖に破滅的な意思を持っているんだから。

【そういうマリアベルはどこか嬉しそうだった、眼も口も愉快そうに曲がっている。】
【イスラフィールもジープに乗り込めば地方都市へと戻っていくだろう。結局求める収穫はなかったわけである】
【見えたのは深淵の一部のみ、ただしお互いにとって価値ある出会いがあった。】

ところでイスラフィールはまた水の国へ戻るのかい?それならさ………
良かったら私も一緒に行ってもいいかな?水の国。ちょっと色々興味が湧いてしまってね
―――物語に参加したいのさ

向こう着いたら私は適当に行動させてもらうけど、色々いい宿とか教えてくれたらうれしいな。
勿論私でできることがあれば協力するよ♪

【突然の申し出。先程の話を聞いてむしろ水の国へ行きたいとは酔狂にも程があった。】
【マリアベルという人物がどういった意図でこの申し出をしたのかは分からないが、最高議会の一員として慎重に判断すべきだろう】
378 :ミサ=ソレムニス ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 00:21:42.36 ID:285I86ATo
>>376

【──── ミサは苦しそうに表情を歪める、それが間違いだと分かっていても】
【それを行った自分自身への後悔と、それを行わざるを得なかった自分の弱さへの戒めと】
【けれども過去を悔やんでも仕方がない、それは十分分かっていたから】


……恥ずかしながら、その通りです──── 私こそが、何よりの異端者です
私は "忘却" に従事する為、その戒めを解かれました。けれどもそれは、私にしかされていません
"蛇術" の仕組みは現行の魔術学では説明が付かないほど高度です、それ故に────


【タマキの想像通りであった。自死のミームは高度であり、単純な対魔術の仕組みでは壊せない】
【更に言えば、それはミームであるのだ。魔術の仕組みを流用し、ミームを作り上げる】
【──── どれほどまでに進化した魔術式なのか、想像も付かない】


端的に言えばその通りになります、"蛇術"、"蛇神の印"、その二つとも主が管理しています
その根本を絶つことが出来れば、そのミームは取り除かれると────


【ミサはそこまで言って言葉を切った、言うべきことは全て言ったと言いたげに】
【そしてその後の処遇はタマキに委ねられるだろう、用済みと処分するのも】
【──── 目隠しの下の表情が、きつく結ばれた】
379 :イスラフィール ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 00:31:08.60 ID:285I86ATo
>>377

【ちょこんと佇む姿は相変わらず白百合の様であったが、心なしか疲れている様で】
【瞬きの回数が多くなって、何度か目の端を掻いたりしてみせた】
【あくびをかみ殺して頬を膨らませたりなんかもして────】


そこまでの発想の転換はまだ私には難しいですわ、宇宙という事象にそこまで触れておりませんし
ですが、マリアベル様のお話を聞いていると、少しだけですが分かった気になりますの
図書館──── その豊富な知識の源泉は、そちらにあるのでしょうね

……なるほど、一筋縄では行かないとう事ですか、それは残念ですわ
──── ですが、ヒントはそこに含まれていると思いますの
ミームの内容に指向性を持たせるのであれば、人々の意識もまた、同じベクトルを向くのではないでしょうか

それは政治的な理由や、経済的な理由、民族的な理由や、宗教的な理由
様々な理由を媒介にすれば、その先に行けるかもしれませんわ


【呼吸の合間であった、紡ぐ言葉は、囀りにしては見事で──── それでいて、】
【蜜に濡れた注ェの様に、何処か蠱惑的な横顔と共に紡がれて】
【しとりと、唇を拭う。蕩けるような輪郭に、甘い苺の様な赤を滲ませて】


まぁ! それは素晴らしい申し出ですわ! 是非お越し下さいませ!
水の国には観光名所もありますし、立派な図書館も幾つも御座いますの
中でも "Drowning Pool" と呼ばれる図書館はその蔵書量で他を圧倒していますわ

それに、良ければ私の住んでいるマンションの一室をお貸しいたしましょうか?
税金対策として買ったのですが、部屋に空きが出来て困っていたのです
マリアベル様が泊まってくださったなら、私もたまの休暇を有効活用できますわ


【意外にも彼女は全面的に肯定した、その行動の真意は分からないが】
【両手を合わせて微笑む、浮かれた言葉の調子に、嘘はないようにも思える】
380 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga sage]:2018/08/19(日) 00:45:05.58 ID:NYwLfq6E0
>>379

まぁ二度と戻りたくないけどね、図書館≠ノは………ひどく退屈だったよ。
確かに、ミームに指向性を持たせる方法があれば可能といえば可能だろうけどね
とはいえそれは―――フフ、いやなんでもない。

【「それは君が敵対している相手と方法では」と言いかけたが言わない。代わりに微笑を浮かべて相手を見る】
【マリアベルにとってはそれを言わない方が意味があった。そうマリアベルにとっては】
【イスラフィールの快諾には一層笑みを深めて頷く。】

ありがとう。図書館も前私がいたところでなければとても行ってみたいし!
え!?そんな、良いの?私そういうの遠慮できないタイプだからお言葉に甘えまくっちゃうけど。
いやー良かった、暫く滞在しようと思うケド拠点のアテがなくってさ〜ハハハ。

まぁ、何はともあれ………行こうか物語の中心≠ノさ―――。

【話が盛り上がっている間にジープは都市へと到着していた。マリアベルはさっさとレンタカーを返してくる】
【出会った時と同じ、革製のトランク一つを持ってマリアベルはイスラフィールに笑いかける。】

【策謀渦巻く水の国へ―――】
381 :イスラフィール ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 00:54:08.16 ID:285I86ATo
>>380


【────】


【────────】


【イスラフィールは甲斐甲斐しくマリアベルの面倒を見るだろう、住処の手配やその他の諸々について】
【ついでに電話番号等も手に入れるはずだ、そうして頃合いを見て分かれるに違いない】
【ともあれ、マリアベルは『水の国』──── それも最高議会へのアクセス手段を手に入れた】

【其れがどの様な意味合いを持つか、"記録" の探求者にその手は委ねられる】


【────】


【────────】


【一つ、書き記しておかなければならない。水の国で生活していたならば、直ぐ気付くだろう】
【『水の国』最高議会議員、イスラフィール、彼女は "与党" の最大派閥に属している】
【加えて、"現在" の法務部会長も務めている、──── 兎に角、水の国の政界の重鎮であるのだが】

【きな臭い噂の絶えない人物であった、その経歴に一片の傷もなく、順調すぎるエリートコースを進む】
【法務部の前会長である "ヨハネス・ロトゥノカイト" 定例会見場で襲撃を受けた人物】
【彼の失脚もまた、その座を狙った彼女の仕業ではないかという噂もあった】



【──── ついた渾名は "女狐"──── 果たしてその真意は】



/こんな所でしょうか! お疲れ様でしたー!
382 :マリアベル ◆rZ1XhuyZ7I [saga sage]:2018/08/19(日) 01:04:13.20 ID:NYwLfq6E0
>>381

【―――手配されたマンションの寝室、マリアベルは窓の外に広がる摩天楼を眺めている。】
【絶えず続く人の営み、それもこの国はとくに欲望と悪意に満ちているようだった。つい、顔が綻ぶ。】
【クツクツと喉を鳴らしながら手に持っている卵≠転がす。】
【卵の殻はとても鮮やかに輝いている。それはまるでプラネタリウムのような―――宇宙そのもののような。】

いやはや、ここは面白い物語がそろっていそうだ。楽しみだねェ―――。
隠し事はお互い様かな?美しい物語≠紡いでね?イスラフィール………。

【そう呟くと、マリアベルは愛おしそうに小さな卵に口づけをした―――。】

//お疲れさまでした!ありがとうございました!
383 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/19(日) 01:30:32.91 ID:/sUTZwsh0
>>378

自分を責める必要はないって。ちょっとぐらい後悔したら後は人のせいにするぐらいがちょうどいいんだよ
ミームに脅されていただけ。そう思ってもいい。自分を守ることは誰だってするんだから。

【知っていなければ何を忘却させればいいかもわからない。といったところか。つまりは多くを知りうる可能性がある】
【彼女は信頼されているということか。それとも裏切らないと見くびられている…どちらかだ】

【魔術は広大で、地域性や時代ルーツによって全く異なると言っていい。一つの学問の体系にするには複雑すぎる】
【魔術は芸術と同じぐらい幅が広いと誰かが言っていたような気がする。だからこそ科学がいくら発展しても人は魔術を恐れる】

――ケバルライ、しいてはジャ=ロを討つにはどうすべきか…ゴトーさんの報告書わっかりずらいんだよなあ…

【タマキは独り言で苦笑い。秘密主義もいいがちゃんと情報を降ろしてもらわないと。説明責任はあるだろうよ】
【それにこの間の作戦だって――臭いすぎて、参加を見送らざる負えない。あんなのに付き合ってちゃ命が幾つあっても…】

【そもそも現時点でジャ=ロにとってカルトはどれぐらいの意味をもつだろうか。既に用済みだが、小間使いには使える】
【だから手綱は握っている。というところではないだろうか…そのへんも一回きっちりゴトーさんに聞いてみないと】
【今更得るものはあるだろうか。その割にリスクは高すぎやしないか。いや…でも】

……ま、いいかっ。

【タマキは伸びをしながら立ち上がった。なにもないままこの街をさまよっているよりはマシだ】

私の組織は、ケバルライやその多くを追っている。もしかするとここまで得た情報は貴女の知りえないものもあるでしょね
知りたいなら、教えるわ。事実を。たっぷりのレポートだから…その目隠し越しで読めるかどうかわかんないけど

…とりあえずは今までどおり振る舞って。貴女の身の安全が第一なんだから…急に離反しては消されるわ
スパイみたいな真似はしなくていい。…今日のその意志だけは忘れないことね。

名刺…渡してもみえないか。…見えないの?でも本は…

【ううん?と悩んでまた、まあいいかと笑った】
384 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 09:30:35.55 ID:285I86ATo
>>383

【真偽は定かではないが、少なくとも今この状況に於いて彼女が嘘をついているとは考えにくい】
【それ故にジャ=ロの目論見を何処まで把握するかに関しては、考えすぎる様相を示して】
【タマキの言葉に力なく頷く、救い上げられたばかりの金魚を思わせる】


──── 優しいお言葉を、ありがとうございます……ああ、なるほど
これが救われる、という事なのですね──── 私は真に、その意味が分かった様に思います
思えば何時だって、私は他者の言葉を借りて救いを謳ってきました、から

──── こうやって自分の言葉で、救えたなら────


【口元が綻んだ、弛んだ頬の漣が彼女の肩の荷が下りたことを如実に示して】
【頬にかかる髪の調べ、滑らかに流れるピアノの旋律に似て】
【解ける心の綾紐を、二つ心に結ってしまえれば良いと思えた】


──── 大丈夫です、必要とあれば音声の読み上げで補えますし、それに
……ええ、肝に銘じておきます──── 何から何まで、ありがとう御座います
いえ、頂きます、実は私────


【そう言って彼女は笑った、あどけない少女の様な、隠していた秘密を打ち明ける様な】
【寄木細工のパズルにも似て、繋ぐ言葉の節々から、その想いが伺える】
【やがてゆっくりと立ち上がり、前髪越しにつぅ、と顔を持ち上げて】

【──── ぺこり、とお辞儀をして、その場を後にするのだろう】


/取り敢えずはこの辺りで! ありがとうございました!
385 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 14:45:58.79 ID:285I86ATo
【──── 新着のメッセージがあります。】


伝えたい情報がありますです、スタンドアローンな場所で、添付ファイルを開いて下さい


【簡素な連絡であった、飾り気のない情報はリーイェンらしいと言えばらしいが】
【その一方である種の違和感を覚えるかも知れない、彼女ならば直接コンタクトを取る】
【それ故に不審もあろうが、結局の所選択の余地は無いに等しく】

【メッセージに添付されたファイルを開くと、そこにあったのは論文のデータであった】
【魔術に関して書かれた論文であった、──── 現存するどんな魔術式とも異なる内容】
【それは、現在の理論の数世代先を行く内容であった、故に理解できなくとも仕方がない】

【──── 例えるのなら、莫大な数の素因数分解に似ていた、私達にはそれが病的であるかすら分からなくて】



【──── 論文の表紙、書かれた表題は『■■■■』】



【執筆者は『INF財団』となっていた】
386 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/19(日) 15:24:43.34 ID:xTnpgFc6O
>>385
【氷の国 首都ヴィエラ】
【季節感のない極寒の土地の中、しかし室内にはこれでもかと言うくらいに空調が効いており、寒さに震えることはなかった】
【別にこの国である必要はなくて、この男は新世界のどこにでも存在している】
【しかし、同時に組織内の人間にしか干渉出来ないと言う制約も有った】
【一体誰が与えた制約なのか……それは誰も預かり知らぬことでは有ったが】
【何にせよリーイェンとは、ロールシャッハのインシデント前に会話したっきりだ】
【あの時の彼女は"当分会いたくない"と言う様相だったが……】

【今はファイルの方が気になった】
【開かれた論文に書かれた遥か先を行く術式……過日の推理の裏付けであるかのようだった】

【一通り目を通した後、読んだ旨だけをメールで伝える】
【リーイェンが直接出てこない理由が気になった】
387 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 15:35:49.66 ID:285I86ATo
>>386

【──── それは永劫よりも長い一瞬の様に】

  【溢れ出る邪気に似ていた、両手で塞いでもまだ足りない、写し鏡の如く】
  【やがて一葉たりとも残さず散ってしまう、徒花の栄華を示す金輪────】
  【夕餉に混じる蟠りの様に、三千世界を食らう、化け物じみて】

【然るにパンドラは開かれ、その内包する企みを露わにする】


──── やぁ、初めましてかな、盗掘者の親玉さん


【 "彼" は次の節には存在していた、意識と意識の隙間の無意識に住まう狩人の様に】
【流れ込む声が貴方の後方から響いたなら、そこに佇む人影を伝える】
【軽くパーマのかかった茶色の髪、仕立ての良いスーツを着こなす優男】


祀ろわれぬ民に祝福を捧げる、その行いを祈りとよるのであれば
僕の行いもまた、然るに祈りとでも形容できるだろうね
──── 漸くお会いできたよ、嬉しいな


【 "INF-006" ──── "ロールシャッハ" はそう言って笑った】
388 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/19(日) 16:28:03.08 ID:xTnpgFc6O
>>387
【凡庸なる男に取ってはそれだけで十分な驚きが有っただろう】
【制約は有った。それはこの世界を破綻させないための試みだ】
【しかし同時に男への干渉を防ぐ役割も有ったからだ】

……驚いた。素直に感心するよ、ロールシャッハ。
観測者を欺けばその隙間に潜り込むことも可能と言うことか。

ふむ、しかし私の今の意識に浮かんでいたのは恐怖ではないと思うんだけど……これはあれかな?
そうは言っても深層意識には恐怖を抱いたはず、と言う理屈になるのかな?

【目の前の男を差し置いて思索に耽る様子はある種幼稚にさえ見えただろう】
【余り組織員には見せない姿だった】
【やがて思い出したように、苦笑いを見せて、彼に向き直る】


これは初対面から恥ずかしい姿を見せたね。
……はじめまして、私の敵。
サクリレイジのリーダー■■■■だ。

【男は名乗る。しかし名前に意味はない】
【"大層な役に就いている割には平凡な名前だ"とその感想だけが決まりきったように着いてくる】
【だから聞いた相手が思う平凡な名前こそが彼の名前だった】
【同時に容姿についても同様で、ただ特徴のない男……稀に女で有ることもある……と言う印象だけが、男の容姿だった】


それで……何かご用件かな?
私程度の者の元にわざわざ足を運ぶとは。
389 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 16:44:53.43 ID:285I86ATo
>>388

【ロールシャッハは軽く立ち尽くし、真っ正面に男を見据える】
【静かな瞳の湖畔に浮かぶのは好奇心か、ある種超人然としたジャ=ロとは違い】
【多分にこの男には人間らしい風情が残されている、様子であった】


もっと単純な理屈だよ、人工知能が恐怖を抱かないなんて誰が決めたのだろう
チューリングは1と0の公理の狭間に「心」を見つけ出そうとした、況やその具現である "彼女" にとって
不安は恐怖に繋がり、僕へのバイパスになるなんて、想像に難くないでしょう?

数学ですら病にかかるのだから、僕達の営み全てはあまりにも有機的と表現するしか無くて
──── 尤も、キミが恐怖を覚えてくれたなら、もっと手っ取り早かったんだけど


【雲を掴む様な言葉、結局の所彼が言いたいのは "リーイェン" を媒介にしたと言うことだろう】
【リーイェンはボスや後藤といった、一部の切れ者にのみ絶大な信頼を置いている、ならば】
【彼らの元に直接ロールシャッハが現れる事を危惧しても仕方ないだろう】

【──── 人工知能にとって、あまりに外れた観測結果は外れ値として扱われる】
【虚神とはその意味で、巨大な外れ値なのだろう、演算には向かない程に】


キミ程の者の元にわざわざ脚を運んだんだよ、■■■■────。
そこに居るのが単なる観測者であるのなら、僕が気にする相手でもない
けれども、僕の愛しき墓荒らし達を束ねる存在には、一度会っておかなきゃならなかったからね

おみやげは見てもらえたかな? キミならば、そこに書かれている論文が理解できるでしょ?
そう、「書かれている内容」が問題になるんじゃなくて、「書かれている内容が理解できない事」が問題になるのだから

加えてそれは実現されている、────


    偉大なる蛇の勝利
"Triumphus Serpentis Magni"────として


【蛇術と呼ばれる、サーペント・カルト達の用いた術式、その名をロールシャッハは語って見せた】
【この世界の誰も理解できない術式を、今現在行使していたのだと彼は言う】
【それは偶然の上で成り立つプログラムの様なものであった、何故か分からずとも、動くという観念】

【──── そして、わざわざ彼が蛇の名を出した理由】


さぁ、"死" を殺す悪巧みをしようよ────
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/19(日) 17:10:54.97 ID:PjxExw1A0
【路地裏。犯罪が多発する其処は人通りも少なく、故にマトモな人間であれば避ける所】
【――そんな場所の片隅に蹲っている影が一つ】
【子供、だろうか。僅かに丈余りの和装を纏い、足元には鞘に収まったままの刀】
【顔等には痣がある事から、虐待から逃げてきた様にも思える……が。額に生える角が純粋な人間では無い事も表していて】

「何なんだよアイツ……急に襲って来て……」

【漂うのは血の匂い、下水の臭い。そして、少年から発せられる妖気】
【はぁ――と長い溜息は誰に聞かれる訳でも無く消えて】
【代わりに、大きな腹の音。こんな場所だからこそよく響くのだろう。二度目の溜息】

「――……お腹、空いたなぁ。何か持ってくれば良かった……」

【然れど何か食べものが落ちてくる筈も無い。小汚い壁に背を預ければ、建物の間から見える空を見上げて】
【もし、誰かが来るのならば。そのままボーっと視線を向けるのだろう】
391 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/19(日) 17:12:26.66 ID:SRv+6TS40
>>389
なるほど。人工知能であったから、リーイェンには組織員に施すマインドセットは仕掛けていなかった。
そこがセキュリティホールになる点はもう少し警戒すべきだったかも知れないね。

【今後の検討課題だと言わんばかりに、男は思案した素振りを見せるが、もっと良い台詞を思いついたとばかりに顔を上げて】

もう少し浪漫の有る言い方が私は好みだな。
例え0と1で構築された人格で有っても、彼女には心が有ったからだ、と。


【当のリーイェンが聞いたら鼻で笑いそうな台詞を口にして】
【男は少々ばかり高そうなホテルのロビーで柔らかそうなソファに座っている】
【勿論ロビー内にもフロントにも人はいるが、それらはただの"背景"で、何の意味もない存在だった】
【だから立っているロールシャッハに対面のソファを進める】
【すぐに終わる話ではなさそうだったから】


恐怖を覚えることだってあるとも。
私は部下達とは違って、ただの人間だ。
驚くことも怯えることもある。


【それは謙遜でもなく事実では有ったが――同時にやはり無意味な仮定でしかない】
【通常、超然と振舞っていても人は深層心理で恐怖や不安を抱くものだ。海千山千の能力者と言えど、例外ではなく】
【だからこそ、サクリレイジの構成員は皆、虚神の媒体とならないための処置を施されている】

【だが、この男の場合は逆で、普通に驚き、恐怖を覚える様子を見せてもそれらは全て表層上だけの心理であって――】


どうにも随分と買いかぶられているようだ。
だけど、確かに言っている意味は分かる。
これは君が持参した手土産と言う訳だ、ロールシャッハ。

【サーペント・カルトの用いていたケバルライ肝入りの禁術――死の現象化を能力とするジャ=ロがこの力を操っていた所以は、提示された疑問の一つであった】


実に分かり易い。
つまり、こう言いたい訳だ。
私達と手を組んで、ジャ=ロを打倒したいと。
392 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 17:27:05.71 ID:285I86ATo
>>391

【ロールシャッハは片眉をつり上げて答えた、そんなまさかと言いたげに】
【進められたソファに悠然と腰掛ける、組んだ両脚の上に軽く手を置く所作】
【憎らしいぐらいに型に嵌っていた、人間よりも人間らしい所作で】


心はニンゲンだけが持つ普遍の文化さ、だからこそ僕はキミ達に好意を抱いている
だからこそ僕は恐怖の体現者としてあるのさ、恐怖を知ること、それは即ち
──── ニンゲンを知ることに他ならなくてさ、そうでしょ?


【続くボスの言葉にうなずきと、微かに首を振ってみせた】


買いかぶって等居ないよ、原初からキミは見ていたんだろう?
──── それは命題に矛盾しつつ、同時に果たされる、それはあり得ないかな
いいや、あり得るんだ、少なくともこの現実に於いて、それこそ道理なのだから

原初をキミが辿れた筈がない、けれども、今原初をキミは辿ることが出来ている
それこそがこの現実の作用だと、恐らくはキミと僕ぐらいしか理解していないだろうけどね

──── ああごめんごめん、話がそれちゃった、そうだね、本題に入ろうか


【そう言って彼は軽く手を振った、話へと集中させる様に】


そう、それこそが僕の当面の目標であるからね、果たされなければならない宿願でもある
けれども同時に、それが正攻法では成り立たない事も十分にキミ達は知っているだろう
だからこそ僕は此処に現れた、超次元的に展開した数式を、キミ達のレベルに微分してみせたなら

果たしてそれは有意義に満ちる可能性を秘めていて、僕はそれに期待しているんだよね

──── まぁ尤も、その手段の一つである "夕月ちゃん" は暗礁に乗り上げたんだけど
393 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/19(日) 17:56:14.51 ID:SRv+6TS40
>>392
【人間を好む、そう語るロールシャッハの言は、あくまでも超越者の視点であった】
【"馬が好きだから"と競走馬の厩舎に勤めるような】
【故に真に受けるのは危険ではあっても、全面的に否定すべきような話でもないだろう】


"恐怖の体現者"か……君は今までも何度かそう口にしていたようだけれど。
それならば何故君は"ロールシャッハ"なのかな?

ジャ=ロのような識別名だったのだとしても、もっと相応しい名が有ると思うけれど。


【INF財団がつけた名称なのだとしても、それをこちらに至って尚も名乗っているのだから、そこには意味が有るのだと思っていたから】


私にとって、この世界における因果は余り意味を持たない。
その点については、ある種君達と似た部分かも知れないな。

もっともそれを私の力だと言って良いかは悩み所だけど――……君達と違って、私が無能であることはこの世界における義務だからね。


【驚いたと言うのは事実だ。ジャ=ロですら、自身の前に姿を顕すとは思っていなかった】
【或いはロールシャッハの存在は虚神達の中でも特異なものなのかも知れない】


君達の成り立ちについては、先のインシデントで告白されている。
そして同時に、ジャ=ロの目的についてもある程度は類推が出来る。


その中において君の立場だけが今一つ曖昧だ。
いくつかの仮説は有れど、どれも決定打を持っていない。

手を組みたいと言うのならば、聞いてみたいものだね。
君は、"誰の"味方なのかを。


【彼が人間の味方だ、と言うのは過去にも言われている】
【だからもう一歩先の疑問を呈した】
【ジャ=ロの存在は確かに全人類の脅威であろう。しかし、ロールシャッハの用意した"シャーデンフロイデ"や"エカチェリーナ"もまた世界を破滅に導く力を持っているのなら】
【それにジャ=ロを殺す策を任せることは、能力者達にはできないだろう。邪魔をされるのは当然の帰結だった】
394 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 18:09:00.16 ID:285I86ATo
>>393

【──── ロールシャッハはシニカルに笑う、待ってましたとばかりに】


紙に付いたシミにキミは何を見るだろう、人によってそれはおぞましい "恐怖" の象徴であったり
或いはもっと別の "精神" に起因するものだったりするでしょう
僕は "恐怖" に他ならない、けれどもそれは、認知の一つの側面でしかない

故に僕はロールシャッハなのさ、キミ達が僕をどの様に定義しても自由だけども

────僕は現実に落ちた一つの "シミ" として、"恐怖" の象徴で、無くてはならない


【言葉を解釈すれば、恐怖以外の側面も持っているという事なのだろうが】
【兎に角彼は自身の事をそう定義していた、その深奥迄は不明だけれども】
【しかし、恣意的な言い方でもあった。まるで何かを隠しているかの如く】


僕は何度でも言う様に "キミ達" の味方だよ、それは間違いの無い事実で
けれども僕はキミ達の定義に当てはまらない視点と力を持っている、理解されないのも仕方ないから
僕が見てきた事実と、持っている知識とは、必ずしも有益に成り得ないんだよね

──── つまりは、僕の存在そのものが、キミ達にとっての毒でもあり薬でもある、と

もう一つ手がかりを出そうかな、先の "電波通信" は記憶に残っているかな?
残念ながら僕の目論見は潰えてしまった訳だけど、まあそれは仕方ない

──── その中で僕は、キミ達に何と示したか


【盲目の娘にかけた言葉、彼はその真意を問うた】
395 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 18:10:47.12 ID:285I86ATo
>>390
/すいません、突撃しても宜しいでしょうか?
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/19(日) 18:24:53.17 ID:PjxExw1A0
>>395
/大丈夫です!是非に!
397 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 18:35:06.39 ID:285I86ATo
>>390

【吹き抜ける風の音色が変わる、激しく打ち付ける豪雨が上がった感触に似て】
【曇天から垣間見せるのは鮮やかな夕焼けの作用、落陽間近の灯火に近く】
【──── 視線の先には女性が居た、すたすたと足音を鳴らして】


あらまぁ、こんな所に可哀想な童がいらして、親御さんは何処にいらっしゃるのでしょう
それとも──── あまり考えたくはありませんが、望んで逃げてきたのか
私には判断はつきませんこと、空想で喋るのはあまり良い作法ではありませんわ

どうしたの、ボク──── こんなに傷だらけで


【紫苑混じりのプラチナブロンドの長髪を、シニヨンでセミロングの長さにまで纏めて】
【胸元の膨らんだ、袖の無い白のハピットシャツの上から、素肌を透けさせる黒のレースのカーディガンを羽織る】
【シャツのフリルの上には黒いリボンタイを垂らして、ミニ丈のフレアスカートから黒いストッキングを覗かせた】

【紫苑色の双眸に理知的な眼鏡を掛けた姿が、瀟洒な貴婦人を思わせる女性であった】
【穢れ一つ無い白鷺の様な頬に手を当てて、硝子越しの瞳を大きく見開いたなら】
【そっと両膝を揃えて視線を合わせる、心配そうな表情であった】


それにこんな所、子供が一人で居ては危ないですわ


【──── それは彼女にも言えた、身なりのよい服装に、上流階級を思わせる口調】
【彼女もまた、この場に不相応な存在であるように見えて────】
398 : ◆KP.vGoiAyM [sage saga]:2018/08/19(日) 18:35:10.05 ID:/sUTZwsh0
>>384

【ともかく――虚神とカルトの一件は洗い直す必要がありそうだ】
【下手に突けばどうもこうもいかなくなる―――そりゃゴトーさんもアクロバットなことをするもんだ】

まだこれからじゃない?こんなの一ページどころか一行にも満たないよ。ここから…どうなるかは自分次第。
―――さあ、立って。これからも戦いなんだから。…でも、得意でしょ。能力者の宿命だけど少しぐらいマシにすることはできる

【タマキは名刺を渡す。名前と連絡先以外は偽物の肩書。それで十分だろう。】

【立ち去る彼女の背中を眺めながら、バツが悪そうに首の後を掻いた】

ふぅん…まさか、こんなことになるとはねぇ。やっぱりこの街は何かあるね。

【彼女は携帯電話を取り出した。かけるのは上司。留守電にでも残しておこう】

あーもしもし?タマキでーす。…あんねぇ、ニューロンで一つ収穫があったもんで。
あと、ゴトーさんの報告書難しすぎるからさぁ、もちっと其処んとこ聴かせてもらいたくって。
それだけでーす。ああ、それと…他の課員って何してる?…いいやこれは興味だけどね。

【電話を切って、「さて、と」。伸びをして】

ビールでも飲みに行きますかぁ。

【路地裏の無常な風は彼女と共に過ぎ去って―――繰り返される冷凍都市の暮らし】


/お疲れ様でしたー!お付き合いありがとうございました!
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/19(日) 18:52:40.34 ID:PjxExw1A0
>>397
【何人目かの足音。最初の男は怯えるように走り去ったし、二番目の女はジロジロと見ながら過ぎ去った】
【三番目の人は――今頃、何処かで痛みを堪えているのだろう。だから、新たな足音に対しても気怠そうに見上げるだけ】
【声を掛ける事も無いし、何か動く訳でも無い。ただ、過ぎ去るのを眺める――筈だったが】

「なっ……何だよ、お前っ!別に、どうだって良いだろ……」

【不意に、目前に広がるその姿。妖怪と言えど、外見相応の年数――十年と数年程度しか生きていないのだろう】
【顔を赤くして下がろうとするも、壁があって距離を取れず。変わりとして、視線を外しながら小さく悪態を吐く】
【子供、と言う言葉は否定しない。だが、良心も持ち合わせて居るのだろう】
【何処か気まずそうにしながら、やはり目線は交えないままに】

「――……変なヤツに追われたんだよ。お面を被ったヤツに
それより、お前こそこんな場所に居たら危ないだろ?……迷ってきた訳でも無さそうだし……
ほら、アッチに真っ直ぐ行けばすぐに賑やかな場所に出られるからさっさと行けよ。別に、僕はどうって事無いし――……」

【心配してくれた相手に対して、そのまま無視するのもバツが悪い】
【ぶっきらぼうに言い放つと、指先は丁度女性が辿ってきた道の逆側を指すのだろう】
【言外では女性の身を気遣う意味合いも取れるが――素直で無いが故に、言えず】
【妖怪。数日食わずとも死ぬ事は無いが、腹は減る】
【――何て事は無い、と強がろうとした時にぐぅ、なんて大きな音が再び響いて。顔を真っ赤にしながら俯いたのは書くまででも無い】
400 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 19:09:35.85 ID:285I86ATo
>>399

【女性はくすっ、と手慰みのように笑った、あまりにもその反応が予想通りで】
【それでいて悪態をつく姿は可愛らしい様相であったから、思わず頬が綻んでしまう】
【緩やかな頬のラインに艶を映して、唄うような調べをなぞる】


どうだって良くありませんわ、子供を守るのが大人の仕事ですもの
ましてや私の仕事は、貴方達一人一人と共にたつものですから、余計にですこと
ねぇそうでしょう、ボク、大変な時は大人に頼るのが大切ですわ


【そう言って彼女は両膝をちょこんと両手で抱える、傾げる首筋に横髪がかかって】
【硝子細工の奥にある目を細めて、視線を外す少年の姿を見つめていた】
【刺々しい言葉が心地よかった、懸命に生きている姿に愛着を持って】


ふふ、あらあら、こっちの方は正直ですこと、お腹空いてらっしゃるのでしょう?
こんな所に長居するのもいけませんわ、お面を被った変なヤツというのも気になりますの
取り敢えずはこの場を離れて、手頃な場所でお食事でもいたしましょう


【女性の手が伸びる、カーディガンから透ける素肌は絹糸の様に】
【絡みつく指先が、そっと少年の頬に触れようとする】
【──── 柔らかな感触であろう、尖った心を優しくほどく様な】

【そして、隙を見つけたならえいやっと抱きしめて、強引に引っ張り上げようとする】
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/19(日) 19:30:39.68 ID:PjxExw1A0
>>400
【基本的に人間と接した事は無い。無い、……事も無いのだが、面と向かって話す事は少ないのだろう】
【気を悪くさせただろうか、なんて気持ちで盗み見るように其方を見れば未だ視線を送られている事に気付いて】
【慌てて自身の爪先へと視線を移動させれば、諭す様な言葉を耳に入れ】

「……別に、僕は守って貰わなくても強いし。……良いんだよ、お腹が空いたって死ぬ訳じゃ無いんだしさ
少し寝れば良いだけだから、お前はさっさと何処か……に……――わっ!?」

【強がっている訳では無いのだろう。少なからず、この少年は人外――故に並以上の力がある】
【一人でだって生きていけるのだろうし、争いに巻き込まれたって生き抜ける。……それ故に、助けというものを知らない】
【――気まずい。と言うより、この年頃の人間と同じだ。自分の小さな自尊心の為に、早く立ち去ってくれなんて願うも……頬の感触に驚き、素っ頓狂な高い声】

「は、離せってばっ!何で僕がお前なんかと!ちょ……っと!離してってば!
――……分かった、から!と、兎に角離してよぉ!ねっ、ねぇ!」

【それ故に、引っ張り上げることに苦労はしない筈だ。櫻の国に住まう“鬼”の力であれば、女性を無理に引き剥がすことも出来ようが】
【そう出来ないのが少年の弱さなのだろう。悪鬼、とはまと異なった――それはさて置き】
【抱きしめられれば子供相応の力でじたばたと暴れて。最初こそ擦れた性格のままであったが……果たして、どちらが素の少年なのか】
【耳まで真っ赤に染まれば、兎に角恥ずかしいから解放して欲しいと。その願いを叶えてやれば、未だ赤面したままで恨みの籠もった視線を向けられる事になるのだが】
402 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/19(日) 19:39:47.95 ID:SRv+6TS40
>>394
【ふうん、と言う顔でロールシャッハの話を聞いている。しかし、納得した風ではない】
【本人がそう言うのだから、と言う点を除けば納得し難い部分も有った】


――ひとまずは、そういうことにしておこう。
こんな世間話で種を明かすと言うのも如何にも面白くはないから。


【続けられる言葉は、そのまま男の仮定を当てはめるように、まだ謎を残している、解いてみろと言わんばかりの言葉だった】

あの結果は、私に取っても予想外のものでは有ったよ。
ただ、ミレーユと言う青年に取っては渡りに船の理屈だった。
もしも、君が全てにおいて、人間の味方であり、隙のないロジックで、"夕月"と言う少女を犠牲に、ジャ=ロを倒す策を示して見せたのなら。

或いは仲間割れさえ有り得たかも知れないからね。

もっとも、フランツ社長や、"魔女"さんの末路を見るに、到底信用されたとは思えないけれど。

【結局のところ、シャーデンフロイデと言う、虚神を扱う試みは毒を以て毒を制すると言う危険性を持っていて】
【信用できない、と言う結論に陥った。彼の目論見が悪辣に過ぎたと言うこともあり、ロールシャッハ自身が悪神であることをあの場の全員が認識したからでもあって】
【その一方で、彼はフランツを味方につけていた。結果使い捨てだった訳だが、彼を納得できるだけの論証を提示してはいたのだろう】


【さて、もう一つの手がかりとやらを、男は吟味する。先のインシデントで彼の口にした謎は多い。謎が謎を呼ぶ、とはこのことだ】


あの時の会話で重要だった点は2つ。

<harmony/plan>が虚神を作り上げた、と言うことと
"僕たちは一緒だ"――と言う君の言葉くらいさ。


エカチェリーナの顕現は脚本家としての意地を感じたよ。
観客から挑発まで受けて、あそこですごすご帰る訳にはいかなかっただろうからね。


――君が信用されないのは、目的のその先が明確ではなかったからだね。
物語の悪役が目指すものって基本的に"世界の破滅"か"世界の征服"だろう?

ジャ=ロを倒そうとする君の目論見が後者である可能性も有る。


【世界征服なんて俗な話で、虚神の超越性とは全くそぐわない】
【だが――同時に、視点を変えれば有り得ない話ではないのだ】
【彼の物語が"Psychosocial"であるのならば】
403 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 19:40:08.34 ID:285I86ATo
>>401

【華奢な腕であった、少年が少しでも力を入れたなら砕けてしまいそうな程に】
【淡く香水の香りがするだろうか、きつすぎない芳香は強張る心すら溶かしてしまう位】
【女性は見透かした様に微笑んで、宵月を背中にじぃと見下ろして】


あららなんて軽いのでしょう、ボク、ちゃんとご飯食べてますか?
育ち盛りの子供がこんなに軽くてはいけませんわ、身長、伸びませんよ
それにこんなに傷を作って……この傷は、──── 遊んではつきませんわ

こんな子供を放って何処かに行くのであれば、私という存在の名折れですもの
安心くださいまし、取って食べたりなど致しませんわ


【微笑みの作用は漣に似ていた、心の水面に広がる波紋の様に】
【緩やかな呼吸と共に彼女の温もりが伝わる、けっして体温は高くないけれど】
【抱擁する心地に理由なんて無く、ただただその心が温かい】


さて、何を食べましょう、ハンバーグ? それとも、オムライス?
櫻の子でしたらおにぎりとか? ふふ、何でもお姉さんに言ってくださいまし


【女性はそのまま抱きかかえて、路地裏の出口まで歩こうとするが】
【元来筋力が殆ど無いのか、ふらふらと危なっかしい、あれま、と口をつく言葉】
【ハイヒールのかかとが変拍子に刻んで、何とか歩いている状態】
404 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 19:58:22.09 ID:285I86ATo
>>402

【話の転換点であった、ロールシャッハは肩をすくめる】


──── それこそが僕の "名折れ" 何だけどね、ああ、ごめん
僕の取った手段は最適解だったと今でも自負しているよ、そうでしょう
僕はそのミレーユ君も夕月ちゃんも傷つけず、ジャ=ロに打撃を食らわせる事ができたのに

犠牲にするだなんて人聞きの悪い、僕は彼女の肉体に傷一つ付ける気もなく
加えて、彼女自身をどうにかしようだなんて思ってもいなかったんだけどね
それに、あの子自身が望んでいたでしょ、ジャ=ロの殺害と、もう一つ────


【そこで彼は一端言葉を止めた、何を言っても後の祭りであったから】


──── 逆に質問するけど、世界なんて "征服" して何になるんだろう
そこに僕の糧となる "恐怖" はるのかな、支配の恐怖だなんてたかが知れてる
更に言えば、僕にとってそんな "結末" は、馴染み深すぎて陳腐だもの

僕はね、この世界がこの世界のまま進む事を望んでいるのさ
ニンゲンの営みが続き、渾沌が世界を覆う、ヘルタースケルターこそが、この世の道理で
それこそ最も "調和" の取れた形だと思わないかい?

──── 精神が最も興味深い動きを示すのは、個人ではなく社会の中だろう?
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/19(日) 20:01:21.05 ID:PjxExw1A0
>>403
「べ、別に背が大きくなくたっていいだろ!僕だってもう少しすればお前よりもずっと大きくなるんだから……
……変なヤツ。別に、放って置いたって死ぬ訳じゃ無いのに

――……何でも良い。お腹が膨れれば、何だって……」

【最初こそジタバタと暴れ続けて居たのだが、やがて諦めたのだろう。ただ、気になっていた背丈の事を言われれば反論】
【そのまま華奢な身体を任せるのだから、少しは運びやすくはなるか】
【まだ暑さが続くとは言っても、夕暮れを過ぎれば肌寒さを感じる日も少しずつ混じってきて】
【それならば、この子鬼の体温も丁度良い懐炉になるか。敵じゃ無い、と安心したからこそ身を任せ】

【薄暗い場所から明るい場所への出口まで残り数メートル】
【不意に、寒気を感じ取れるだろうか。殺意、敵意――まるで獣が獲物を狙うかのような】
【人型の影が地面から“湧き出る”と、其れは行く先を塞ぐようにして立ち】

「――……逃げろ。早く」

見た所、その鬼と知り合いのようですが……
そのまま去って下されば、貴女に危害を加える気はありません。元より依頼対象に入って居ないのですから

【般若の面を被った者が一人。手には刀を握り、その面の奥では二人の事をジーッと見ているのだろう】
【少年は、と言えば。女性の腕から降りて、庇うようにして前に出て】
【――お面を付けたヤツ、とはこの人物で間違い無い。謂わば櫻の忍の様な出で立ち】
【構えもしない事から隙が多く見える、が。その殺気は肌を刺すようで】

/ごめんなさい。ご飯食べてきますっ!
406 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 20:10:32.29 ID:285I86ATo
>>405

【──── 変なヤツと言われ苦笑する、かもしれませんわ、なんて想い】
【弟が居ればこんな感じなのかな、なんて内心思っていた、我が子と思うには】
【彼女もまた、そこまで年齢を重ねた訳ではなくて】

【けれども、──── 平穏は時に、唐突に破られる】


──── まぁこれは随分と手荒い歓迎で御座いますね、子供に向ける態度でしょうか
格好からお見受けするに "櫻の忍" でしょうか、私も実際見るのは初めてですが
忠実に依頼を遂行するプロフェッショナルの集団と、お聞きしていました


【──── ですが、と彼女は小さく笑った、嘲る様な表情で】

【少年が見ていたならば驚くかも知れない、先程までの聖母然としたものではなく】
【それは研究対象を見る科学者の様に、冷たい研ぎ澄まされた微笑みで】
【唇に触れる指先が怪しく煌めいた、胡蝶の様に白露を淫らに】


こんな子供相手に刃を向けるのですね、随分と躾のなっていない狗ですこと
"相も変わらず" 櫻は頭が固いですわ、一体何時になれば目が覚めるのやら
──── まああの骨抜き "城主様" では仕方の無い事でしょうが


【女性は言葉を紡ぎ、前に出た少年の肩に軽く手を乗せた】
【そのまま軽く後方へと引きながら、自分が前に出ようとするのだろう】
【──── 言うまでもなく危険な行為であった、隙だらけの構え】

【加えて彼女からは、殺気の様な気配は微塵もなく】
407 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/19(日) 20:24:02.93 ID:SRv+6TS40
>>404
どんな形が"犠牲"なのかは人によるからね。
実際、彼女は心が死ぬ寸前に至るくらいのダメージを受けていた訳だから、あのまま事が進んでいれば再起不能に陥った可能性もある。

それに対して周囲の能力者達がどう動くかなんてのは白神鈴音の件で、嫌と言うほど示されたはずさ。

【それはただの理屈で有り、男は別にロールシャッハの非道を責めている色はない。効率的な手段だとさえ思っていた】
【ただ、依然として、顕現したシャーデンフロイデをどうするか、と言う問題が未解決であったたため、リスクを背負わなかったに過ぎない】


まぁ、彼女に関して言えば、それのアテが外れたと言うことさ。
他の強靭な能力者のように、何が齎されても、その2つの願いを叶えようとしていたのなら、或いは君の試みは成功したのかも知れない。

名折れと言うのならそうだな。
人間の感情に何より理解のあるはずのロールシャッハがそれを読み解けなかったことだ。
"冒涜者"の捨て台詞にも有ったろう?


【ああ、でもそろそろ止めておこう。これ以上は挑発にしかならないし。全ては終わった話だ】
【何より、サクリレイジに取っては、その辺りのことは賛同できる訳でもない】
【質問責めばかりしていても埒が明かないから】


さて、悪だくみを持ち掛けたと言うことは、何かプランが有ると言うことかい?
君が一人で出来るのなら、一人でやるだろうけど、そうでなければ外務八課には頼れないだろうからね。
とは言え、うちもその外務八課とは一応の同盟を結んでいる。
彼らと真っ向から対立するような策でないことを願うけどね。


【さて、征服についてのロジックについては、確かに筋が通っている】
【人間の恐怖を食い物にすると言う、ある種の我欲さえそこには含まれているから、一定の説得力を持っていた】


なるほど、では君は――この世界がこの世界のまま続き、行き着くところに辿り着くことを望む訳だ。

――ところで、話は変わるんだけど。
私の部下がジャ=ロの言葉の中で興味深いことを聞いていてね。
彼の行動や目的と比すると、少しばかり矛盾を感じるんだよね。


【会話の流れが唐突に変わる。一見全く関係のなさそうな話題に】
408 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 20:34:02.01 ID:285I86ATo
>>407

【──── その言葉を聞いて彼は笑う、それはきっと、ボスもまた同じ帰結に至ったと思って】


"if" の話に過ぎないよ、ニンゲンの精神は壊れた様に見えて、直ぐにまた蘇るさ
けれども、僕の予想外にへたっていたのは事実さ、あの状態の彼女を "虚神" にしたなら
それこそ周囲のニンゲン達が危惧する、とんでもない化け物になってたんじゃないかな

彼らは自分の手で自分の首を絞めたに相違ないよ、あの時すべき事をはき違えた
だからこそ僕は退いたのさ、可能性は皆無より少しあった方がいいから


【とはいえ彼にとっては過ぎた事なのだろう、エカチェリーナという強攻策もある】
【ロールシャッハは皮肉そうに笑う、而して──── 彼は本当に感情を解しているのだろうか】
【コンピューターに纏わる思考実験と一緒だ、無数の精神を覗き見て、一番相応しい分類分けをしてるに過ぎず】

【──── 或いはその意味など、何も理解していない様に】


"無論" ──── そうでなきゃ僕もこういう風に出向いたりしないよ
この前のインシデントはニンゲン達にしてやられたからね、ならば僕も借りてみる事にしたのさ
ニンゲン達の叡智ってやつを、さ


【其れは何処までも挑発的な言い方で、その言い分を聞かずとも、不快感をもたらすものかもしれない】
【その内容を話すより早く、彼は別の部分に興味が言った】


──── へぇ、矛盾かぁ、じゃあ先にそっちを聞いておこうかな

409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/19(日) 20:42:50.45 ID:PjxExw1A0
>>406
――正確には、“元”櫻の忍です。里も無くなってしまい、今は仕えるべき主も居ないもので
しかし……子供、ですか。確かに見掛けこそは子供であっても、人間とは異なった子供です
鬼、ともなれば――……それは私には関係の無い事ですが。兎も角、依頼を受けたので私はそれを実行するだけです
貴女との関係性は分かりませんが……貴女はその鬼の何を知っているのでしょう?

【抑揚も無く、男とも女とも分からない声はまるで機械的。無駄な動きもせず、ただ女性の動きを見て】
【少年は――守ろうと、逃がそうとしていたのに。守られるような状況。逃げ出せば、それで良いのかもしれない】
【だけれど女性を置いて逃げ出せない。何よりも、まるで庇われる様な状況に戸惑いを隠せず】
【突き放せない。悪辣な言葉で見捨てさせる事も出来ない。だから、不安げな視線を送って】

何と言われようと構いません。貴女の評価が私を変える訳でもありませんから
……それ、で。その様子からは素直に退く気は無いようですね
殺める気はありませんが……痛みを与えないで済ませる保証はありません。なので……逃げ出したい時は、何時でも言って下さい

【其処からは一瞬。其れは女性の数歩手前まで迫り、その柔らかな腹部を掌底で撃ち抜こうとするのだろう】
【殺傷能力は無いに等しい。然れど、まともに当たれば行動不能……若しくは意識を奪う事すら容易い】
【何かで防いだとしても、其れを凹ませる程度には威力も高く】

【忍は女性をただの人間、と判断しているのだろう。故に、強力ながらも単純な一撃】
【仮に当たった所で追撃は無い。だが、避ける事が出来たならば忍に隙も出来て】
410 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/19(日) 20:54:29.28 ID:SRv+6TS40
>>408
【感情を理解しても心は理解できない――それがあるいは先のインシデントでの最大の敗因なのだろう】
【人間の感情を分類し、ケースに入れて眺めるのは、人間自身も良く行う手法だ】
【血液型診断など、その最たるものだろう】
【或いは、ロールシャッハの本質とは、そちらの方に有るのかも知れないと、そんな想像は胸の内に仕舞い込んで】


人間の叡智ね――役不足にならなければ良いけれど。


【男は、他の者達とは視点が異なるに過ぎない】
【何度も繰り返しに言っているように、彼自身は凡庸な人間に過ぎないのだから】
【彼が動くために整えられたサクリレイジと言う舞台こそが、彼の推理の土台となっている】
【しかし、ロールシャッハの興味は、男の言葉尻に向いたらしい】

【彼が自ら持ち込んだプランよりも、興味を示したことが少し意外では有ったが――】


インシデント"新世界より"――そこでの"ジャ=ロ"の貴重な絶叫シーン。


【再生されるのは声だった。あの時のジャ=ロが放った焦燥に駆られた声】
【パグロームが人質を皆殺しにしようとした際の――】


> やめろ!! それだけは、それだけは!!
> 分かっているのか貴様、貴様!! その行いが、どれだけの被害を生むのか!!
> ウヌクアルハイ様が顕現されない事が、どれだけの、不幸を生むのか!!


――まぁ、色々こじつけはできるよ。

単に能力者達を騙すための、"ケバルライ"としての演技だったとか。
ありていに、世界は滅びることで救済を迎えるなんて、お題目を本気で信じているとかね。

でも、焦ったジャ=ロが唯一本音を口にしたしたのだとすれば――少し話がおかしくないかな?


"どれだけの被害を生むのか"、"どれだけの不幸を生むのか"――
君が言うように"この世界がこの世界のまま進んだ時"に……どんな被害や不幸が訪れるのか知っているみたいじゃないか?
411 :イスラフィール ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 20:55:50.58 ID:285I86ATo
>>409

【──── 彼女は微笑む、吹き抜ける秋風の様な、涼しげな笑みで】
【小首を傾けて少年へと振り向く、その所作の中に笑みは混じっていた】
【そしてどうしようもなく儚い笑みでもあった、初雪で作り上げた、朝焼けに溶けそうな】


何も知りませんわ、それはこれから知れば良いだけのことです
けれども貴女が連れていったのならば、私にとってそれは永劫叶わぬ願いとなります
命を賭けるのにそれ以上の理由がいるのでしょうか、私は────

──── 私の国民を守るためならば、この身を尽くす所存ですわ


【此処は路地裏であった、誰からも見捨てられた、悪逆の坩堝の様な場所で】
【彼女は穢れ無き言葉をはっきりと言ってのける、何故なら此処は】
【──── 『水の国』 彼女にとって、何よりも大切な場所であったから】

【言葉よりも早く、忍が一撃を放つ、彼女の紫苑色の双眸は、何処まで見えていたのだろうか】


──── "Lost Memory Wonderland"


【彼女の腹部に触れる寸前で、貴女の掌底が止まるだろう、その攻撃の軌道上に "糸" があった】
【自身の頬に触れた右手から伸びた糸の束が、路地裏の地面を伝い、彼女の腹部の前に張り詰められる】
【まるでその攻撃を絡め取る網の如く、張り詰めた糸が手首に絡みつき、攻撃を防ごうとした】


申し遅れました──── 『水の国』最高議会、 議員のイスラフィールと申しますわ
私が奏でる旋律は終末を紡ぐ、貴女様には届くのかしら?


【攻撃を防ぐのに成功したのなら、そのまま糸が収縮、地面へと強く引っ張られるだろう】
【突き出した掌が地面へと触れてしまうほどの距離まで、その収縮は続くはずだ、そして────】
【イスラフィールは間髪入れず、その手をハイヒールの根本で踏みつけようとする】
412 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 21:07:41.91 ID:285I86ATo
>>410

【ロールシャッハは "笑った" ──── その手で顔を押さえながら、その声を聞いて】
【心の底から愉快そうであった、漏れ出でる声は何処か耽美な雰囲気を添えて】
【ひとしきり笑ったなら、座っているソファーに両手を投げ出して】


──── くく、なぁんだ、──── ジャ=ロもこんな表情を隠し持ってただなんて
ああ確かに、この瞬間に於いて、彼の目論見は "破綻していた" ──── 完全に、人質が死ぬと思っていたからね
実際のインシデントがそう転んだのは "偶然" だったけれども、くく……

内心どう思ってたんだろうね、聞いてみたい一心だけど──── まぁいいや

感服したよ、こんな表情をさらけ出す位まで追い込んだ手腕もだし、そして


──── 良く "気付けた" とさえ、僕は思ってしまうな


【ロールシャッハは手を組み直した、深く腰掛けて、手を重ねる】


その通りだよ、彼も "また" この世界がこの世界のまま進んだ時の事を知っている。
ああ、言葉が正確じゃないね──── まぁ大体、矛盾は無いかな、一応今はこの表現で通そうか

オーケイ、分かった、その疑問に対して真っ正面から答える事にしようか

僕達はこの世界の果てを "知っている" 、──── いいや、或いは "知っていた" とでもしようか


【言葉の端々から奇妙な笑い声が漏れた、もう知っているだろう、と言いたげに】


キミもこの世界の情勢について知っているだろう、『魔制法』に『特区』──── 世界は能力者排斥に向かっている。
嵯峨野 鳴海もまた、その思想の持ち主だった、彼の所属や<harmony/group>がそうであるように


──── その先に何が待ち受けているか何て、分かるだろう?
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/19(日) 21:19:26.37 ID:PjxExw1A0
>>411
――其れで、貴女は本当の事を知る事が出来ますか。例え偽りの情報だったとしても、真実を知らない貴女は其れを本当の事だと思い込む
その身を削って行く事も、貴女は良しとするのでしょう。利用されているとも知らず、盲目的に自分の行いを信じて
……貴女の言う国民は、貴女を慕っていますか。貴女が一方的にそう思い込んでいるだけでは無く

その末に貴女が死んでしまったとしても、貴女自身はその事を誇りに思うのでしょう。国民は直ぐに貴女を忘れ、代わりを見付けるとも知らずに

【淡々とした言葉。リアリスト、或いは悲観的】
【全ての人間は善では無い、分かっているからこその言葉なのだろう。或いは、信じていた者に裏切られた事があるからこそ語れるのか】
【――その掌底が止められた事に、少なからず驚いたのか。ただの一般人と思っていた相手が、異能の使い手】
【然れど取り乱しはしない。起きた出来事に対して臨機応変に対処、それが出来なければ死が待つのみだからこそ】

――……ッ。

【手の甲から伝わる激痛。面の下に隠された顔が僅かに歪んで、漏れる息】
【動かない、と言う事は戦意が削がれたのだろうか。喋りもせず、ハイヒールを払い退けようともせず】
【――否。その“糸”を別な手で掴もうとした】
【引かれれば分かるであろうその膂力は、人間からは桁外れ。それこそ、人一人を簡単に振り回せる程度には】

なる程、水の国の議員……でしたか
正直な話、意外ですね。その様な方は護衛なりを付けて、この様な場所を歩かないと思っていましたが
――先程の言葉も、ただの綺麗事では無いようで。……とは言え。その様な高尚な考えを持っている方こそ、足元を掬われやすいと思いますが

【狙い通り、糸を掴む事が出来たならば。そのまま思い切り振り、壁へと激突させようとするのだろう】
【一度。もし、そのまま糸が切れなければ――解かなければ二度。もし、そのまま――……】
【若しくは、糸を解いたならば懐から取りだした筋弛緩の毒を塗った一本の針を脚に突き刺さんと】
414 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/19(日) 21:22:21.85 ID:SRv+6TS40
>>412
【ロールシャッハの反応もまた、予期していたものだった】
【先のリーイェンとの考察で、虚構現実がこの現実の未来であった可能性が示唆された時に】
【様々なインシデントの在り方が一つに繋がったのだから】


死を救済だと思っているにせよ、邪神による人類滅亡を目論む悪役の台詞としては少し辻褄が合わなかったからね。
あの時は単なる戯言だとしか思わなかったけれど、話がここまで進んでジャ=ロの背景が見えて来た今となっては、違和感が見えてね。


【男はソファの腰掛けに肘を乗せて、頬を預けている】
【その仕草が何だか偉そうに思えたのか、数秒程度で止めてしまった】
【とことんまで昼行燈を気取るつもりらしいから】


ヒントは他にも有ったのさ。
まだサクリレイジは関わってなかったが、インシデント、"信仰の工場"

アレは結局何だったのか。
レッドへリングと言う化け物が子供を取り込んで悪逆を働いた?
まさかだろう?

ではあの工場で見た光景が――これから先の未来で実際に起きていたことだとしたら?


【能力者の子供を工場へと運び込み、見るに堪えない酸鼻の光景を築き上げる】
【これから先の未来で、あんなことがいくらでも起きるのだとすれば】


さて、ロールシャッハ――これは意志確認だ。
君の望みは、この世界の、その先に有り得たはずの未来を守ることなのかな?
能力者達が迫害され、摘出された悪意の遺伝子が虚神と成り得たその未来を。
415 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 21:31:56.79 ID:285I86ATo
>>413

【合理的な言葉であった、或いは彼女の言葉が夢想家に過ぎるのだろうか】
【けれども淡々と紡がれる現実に、──── 理知的な双眸は揺らぎもしない】
【それは信頼の上か、それとも────】


少なくとも、私を選んだ市民は私に "期待" して下さってるのですわ
そこにどんな思惑があろうとも、たとえ張りぼてであろうとも
民の為ならば命を棄てる、為政者の覚悟としては十分でしょう?


【──── 糸を掴まれぐらり、と大きく身体が揺れた、頬に映る驚愕】
【清楚な水面に歪みが生まれたなら、根本から糸を断ち切り後ろに数歩下がる】
【攻撃を回避するも、同時に相手を拘束から解除してしまう形になった】


玉座の上でふんぞり返っている者の言葉を、誰が聞きましょう
伝え聞いた現実に、如何なる道理があるのでしょう
私は私の国を愛していますわ、然るに、私は国民を愛しています

だからこそ、自分自身の目で世界を見ましょう────!!


【たん、と──── 踊り子の様に右足を伸ばす、針が脚へと突き刺されるだろう】
【唇の端が歪む、苦悶の表情が滲んだなら、嬌声のような吐息がこぼれ落ちて】
【大きく揺れる華奢な体躯と、其れに見合わぬ豊満な胸元】


──── どうぞ掬ってくださいまし、それでも真っ正面から踏み越えますわ
私は全ての敵をそう破ってきましたの、政敵も、全て────

乙女の脚を傷つける無礼者は、跪きなさい────!!

"Lost Memory Wonderland"────!!


【攻撃を受けた刹那、忍の足下から "糸" が出現するだろう、先程断ち切られた糸が、再び意思を持ったように】
【そしてそのまま、風を切り、忍の身体を両腕毎巻き込んで、縛り付けようとする】
【成功したならば、そのまま糸は収縮、地面へと身体毎密着させようとするだろうか】

【糸は切断に対する耐性は無いが、引っ張る作用に対しては十分な耐性を見せるはずだ】

【不可解なのは、糸は既に彼女の手元から断ち切られ、地面に落ちていたという点】
【そして、彼女の操作とは無関係に、生きているかの如く動いている点であろうか】
416 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 21:48:06.14 ID:285I86ATo
>>414

【──── しかし、だとロールシャッハは続けるだろう】


何時からだろう、聞いても良いかな? キミは何時からその可能性に気付いた?
観測者ではない、キミ達が気付く可能性など微塵も無かった筈だよ、そう仕組まれていた
ならば当てずっぽうにパズルを当てはめたのかな、否──── そうであるはずがないよ

僕達の愛しき "墓荒らし" が、そんな道理から離れた事をするのなら、こんなに苦労もしないから


【ロールシャッハは両手を軽く叩き賞賛するだろう、その結論は見事であった】


──── "まさか" ──── あんな未来に僕は興味が無いよ、あの未来に "恐怖" はないから


【言葉を一音節置いた、この先に紡ぐ、真実の為に】


"かつて" ──── 嵯峨野 鳴海が提唱した<harmony/plan>は画期的な方法論だった
罪の因子に名前を付け、それを取り除く、荒唐無稽な話だが、出来たのだから仕方がなくて

"Bacikal" "Iweleth" "Sheriruth" "Adyeshach" "Akzeriyyuth"
"Kaitul"  "Shakah" "Chemdah" "Aiyatsbus" "Qimranut"

──── この瞬間に世界は大きく歪んだ、それは合ってはならない出来事であったから
シャーデンフロイデの言葉を借りるなら、"世界線" が変動したんだ、そう


"虚神" の存在しない世界線から、"虚神" の存在する世界線へと


【<harmony/plan>と、名付けられた罪の因子、そして紡ぐ帰結】


その世界線の果てが、財団による "INFオブジェクト" ──── 能力者達を管理するディストピア
そして同時にニンゲン達もまた管理されていた、この世界の思惑通りに
尤も、その現実はキミ達も知るように "ジャ=ロ" によって滅びるんだけど────

故に僕はその未来を変えなければならなかった、僕の存在意義は恐怖を取り戻す事だから

嵯峨野 鳴海は聡明だった。<harmony/plan>の最初の実験体に自分自身を選んだから
そして、取り除かれた──── けれども、けれど


"恐怖" は消えなかった、彼はその明晰たる頭脳を以て、自分の犯した過ちを知ってしまい、"恐怖" した。
だから僕がアクセス出来たんだけど──── ね

彼こそが原罪の担い手なのさ、嵯峨野 鳴海だなんて、洒落が効いてるだろう?
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/19(日) 21:57:25.65 ID:PjxExw1A0
>>415
【――なる程。強い。それは純粋な評価だったのだろう】
【戦闘の能力の事でもあり、彼女の意思の強さでもあり。その二つがあれば、多少の障害ならば乗り越えられるのが常だ】
【少しの痛みならば逆に糧にしてしまう。僅かな挑発ならば、自身の意思を余計に固めさせる】

それは、本当でしょうか。愛されているならば、何故。貴女は一人でこの様な場所に?
危険だから、誰も付けない。人の目を盗んでお忍びで。言い方は様々でしょうが――国民に愛されている貴女が、随分と無防備な事ですね

――貴女の目はどの程度の世界を見る事が出来るのでしょうか。その、自身の気持ちによって歪んで見える2つの眼で
貴女にとっては助けるべき相手も、世界からすれば何時爆発するかも分からない爆弾なのかもしれませんよ
それでも、貴女は愚かにも守ろうとするのでしょう。皆から後ろ指を指され――最期には……

【忍、とは機動性に優れた者も多い。そうでありながら、余りにもあっさりと糸に縛り付けられ】
【地面に張り付けられた様に、身動きの取れない体勢にも関わらず――声は変わらない】
【……空気が淀むのが分かるだろうか。何も、路地裏特有の其れでは無く、地面に密着している忍がその原因だ】
【少年から漂って居た“妖気”を何倍にも濃くしたかのような。更に其れは膨れあがって行き】

……すみません。議員、という事もあり出来れば傷付ける事はしたくなったのですが
それ程の力があると、手加減する事も難しそうですね。

――ですが。“殺した事はありますか?”先程、私の手を踏むのでは無く頭部せ背骨を砕くことも出来た筈
命を捨てる覚悟はあっても、命を奪う覚悟が無い……なんて事はありませんよね

【――「逃げて!」そんな少年の声が聞こえるだろうか。或いは、避ける――防ぐ事が遅れるのならば、小さな手で突き飛ばされるかもしれない】
【不意に、強い風が路地裏を駆け巡る。忍の周辺では糸を刻むかのように鎌鼬すらも発生するのだろう】
【小石すらも飛礫となり、壁や地面には大小の窪みを作り。金属片やガラス片は深々と突き刺さり】
【身体が飛ばされるならば様々な場所に打ち付け、呼吸すらも浅くなる可能性だって――それが数秒続き】

【止んだ頃には、黒い翼を生やした忍が立っている筈だ。風の所為か、女性と子鬼の姿を見失っては居る様だが】
【もし、その暴風を凌げたならば。音を殺して近付き、不意を突けるかもしれないけれど――】
418 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 22:16:01.24 ID:285I86ATo
>>417

【かくん、と右膝が折れる、筋弛緩の毒がどれほどの作用を持つのかは彼女に伺いしれないが】
【崩れる体勢、横顔に刻まれる表情の色合いは、その手で穢す無垢なキャンパスに似て】
【繊細に組み上げられた硝子細工の調度品を思わせる、──── 忍の思惑は、存外に深い】


……っ……愛されているから、無防備で良いのですわ、銃を持つのも無粋ですこと
それに強かさもまた、必要とされる能力でしょう、自分の身ぐらい、自分で守れなければ

ふふ、"忍" とは私心を棄てて、任務に忠実な存在と聞いておりましたが

どうやらそうでない方もいらして、悪くないですわ、貴女様の意思を感じますこと
私は民の意思を汲み還元する者、その感情もまた、心地よいのです


【変容する妖気、少年の声が耳元をすり抜けて────】
【彼女の身体が大きく突き飛ばされた、弛緩した右足では踏ん張る事も能わず】
【強く路地裏の壁に打ち据えられ、座り込む──── それが幸運であった】

【暴風の直撃は避けた、しかし、打ち据えられる風の作用は防げない】
【華奢な体躯は木の葉の様に、強い風が何度も彼女を激しく叩いて】
【肺から大きく息を吐いた、糸の切れた傀儡のように、力なく座り込んだまま】


──── っ……げほっ……こほっ……それはそれは……勿体ないお言葉ですことっ……
大丈夫……ボク? ……怪我はない、かしら……っ

……まさか、清廉潔白で政治家が務まるとでも?

っ……"Lost Memory Wonderland"────


【彼女の右手から伸びた糸が、彼女へと絡みつく、一瞬だけ深く、その身体を縛る糸】
【声にならない嬌声が響いた、締め付ける糸の作用は、緊縛の色合いに似て、艶やかな音を刻む】
【寸刻の後には、傷跡を無くした、元の穢れ無き彼女が居た】

【──── 全治ではない、寧ろ、服の汚れを見るに、"戻した" ──── そう】
【過去の状態、針を受ける前の状態に強引に戻した、という表現が正しいだろうか】
【即ちそれは応急処置に過ぎない、蓄積したダメージは変わらず、少し突けば倒れる砂上の楼閣】

【それでも尚、彼女は翼を持った忍に、真っ直ぐ相対した】


──── おいでなさい、この国の理を教えて差し上げます


【右手から伸びる糸、口元にその中央を加えたなら、先端が閃光の如く伸びて】
【近くの瓦礫へと結びつく、その位置は忍の後方、糸の伸縮する速度は瞬きよりも速く】
【右手の指先が絡め取る、ハープを弾くよりも可憐な動作で】

【放つのは糸の "ギロチン" に似ていた、手元と奥の瓦礫とで結ばれた糸は、忍を挟み込むように伸びて】
【そのまま閉じたなら、岩ですら真っ二つに切り裂く鋭利さをもっているのだろう、どうやらただの糸ではない】
【軌道は変則的であったが、攻撃の軌道は読みやすい、回避もそう難しくはないだろうが】
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/19(日) 22:51:10.11 ID:PjxExw1A0
>>418
【――忍の起こした暴風が、女性への攻撃を目的としたもので無いのだとしたら。そう、元々の目的は鬼……角を持った少年】
【女性の安否を問うた言葉に対して返答は無い。風で、奥へと転がされたのか】
【二人を引き離したのならば、これ以上この忍にとっては女性に危害を加える理由も無かった】
【他者を傷付ける事で喜びを得る様な輩では無いのだろう。立ち上がる事に時間が掛かると判断したならば、声を掛ける事も無く通り過ぎようとする――が】

……ご立派ですね。まだ、立ち上がるとは流石に予想外でした
同時に、貴女の様な方が依頼をして下さればまた世界はより良い方向へと進むのでしょうが――今は叶わない事を話していても仕方在りませんね
――……どうでしょう。500万で……あの子鬼の角が欲しい、との依頼を受けているのですが。その角を奪えば、間違い無くあの子は人外の力を発揮できずに何処かで殺される事でしょう
もし、貴女が800万を支払えるのならば……代わりに、適当な物を見繕ってあの子を見逃しますが

何せ、貴女が言う様に私にも意思があるもので

【倒れない。命乞いをしない。喚きも泣きもしない。――だからこそ、女性の意思が偽物で無いと理解した】
【このまま過ぎ去って、少年を殺めてから角を切り取っても良い。或いは、生きたまま角を取って妖怪としての力を出せなくしても】
【何で在ろうと、迎える結末は暗い。――だが、と。女性に提案するのは、金を払って「少年を生かす依頼」をしないかというものだった】
【金額にしてみれば安くは無い。だが、確実に救える手段ではある】

【――女性の身形が戻っていった事に対しては、強い治癒の力かとも考えたけれど】
【もしそうであるならば、ふらりと危うい立ち方にならない筈だ。そうであるならば、きっと――……】

――それに、此処で貴女の恨みを買うのも適切な判断では無さそうです

【閉じる糸に左の脚が挟み込まれ、切断までは行かずとも肉が削ぎ落ち】
【然れど、それで止まる事は無い。そのまま女性へと向かえば、細い喉へと手を伸ばすのだろう】
【窒息させる為では無く、意識を落とすため。もし、喉に指を絡める事が出来たならば的確に頸動脈を押さえ込み】

契約は守ります。今はあの子を追う事が第一優先事項となっていますが……貴女が、新たに依頼をするのならば
私はそちらの方を優先致しましょう

【仮にそれらの行動が全て行えていたとしても、女性の意思を聞くまで意識は保たせる事だろう】
【――さて。視界の隅に見えるのは、件の少年だろうか。風に転がされ、和装は刻まれ。若かし、女性を助けようと――文字通り、その姿は“鬼”に近く】
【忍もその少年が近付いて来ている事は知っているのだろう。だが、行動しないのは少年との実力差の表れか】
【頷くなり意思を表せば落とした直後にでも解放するのだろう。だが此処で落ちる、或いは抗おうとするならば。きっとその先は――……】
420 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/19(日) 22:54:31.06 ID:SRv+6TS40
>>416
"いつから"と言うのを説明するのは難しい。
私は熱心な読者でね。
気に入った作品は何度も読み直す性質なんだ。

だから状況が進む度に過去の物語をなぞり続けた。

――気付く可能性は微塵もなかったと?
有ったとも。

君達を創り上げる台本を信用していた。
これは解き明かせる謎なのだと。
真実に至る伏線は必ず用意されているとね。


【前口上はこの程度で十分か】
【調子に乗り過ぎたと、照れくさそうな顔を浮かべる。それもまた表面上のものだけかも知れないが】


なるほど。この世界の者達が提唱したディストピアが実現され、この世界は管理社会となる。
財団と呼ばれる者達が、能力者を管理――或いは独占し、世界の実験を握っていた訳だ。


【虚構現実の背景を疑った後ならば、それは容易にたどり着ける結論だろう】
【そのディストピアを作り上げる過程で、どれほどの血が流れたのかは想像するまでもない】


正しくレッドへリングは燻製ニシンの虚偽――
あの凄惨な光景を目の当たりにした者達は、レッドへリングと言う悪意に目を向けられ、それが如何にして造られたものかを覆い隠してしまったと言うことか。


【それはあの場の能力者達だけではなく、恐らくは後世の世界においても】

嵯峨野はとんだピエロだった訳だ。
しかし――


私はてっきり君がディストピアを守ろうとしているのだと思っていたよ。
その方がジャ=ロとの対立構造がはっきりとするからね。


さて――だとすれば、ディストピアの未来を変えると言う点において、ジャ=ロと君の目的は合致している訳だ。
しかし、その手段は大幅に異なっていると。

典型的なタイムパラドックスだが、<harmony/plan>を排除したら虚神達はその存在を維持出来るのかい?


【それは、単純な質問だった。この世界の理がどうなっているかと言う高尚な話ではなく】
【虚神達の間ではどのような理屈になっているのかと言う、設定の確認に近い】
421 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 23:01:20.93 ID:285I86ATo
>>419

【──── 政治家という身分として、払えない金額では無かった】
【ならばそこで首を縦に振るのが賢い道理とも言えた、けれども】
【彼女はそれでも立ちはだかる、己の身を傷つけても、尚────】


考えておきますわ、……っ、然る場所でお会いできていたなら、また依頼するかもしれません
けれども、今此処で私は退く訳にはいきません、一度守ると決めたのですから
政治家が一度口にした発言を撤回するなんて、お笑い種も良いところでしょう


【糸の一撃、軽い、と彼女は寸前で判断した、────けれども】
【呆気なく頸動脈を押さえ込まれた、抵抗する両手がむなしく空を切った】
【苦しそうに何度か口を開いて、閉じて、──── 唇の端から、透明な唾液が滴り落ちる】

【夜に溶ける煌めきが、命の残照の様に輝いて】


……っんぅ……ぁ、ご冗談……を……っ……
守るって、決めた……のに、それを、撤回するなんて……
──── 見せられませんわ、そんな、の……


【断る言葉、それは正しく拒絶なのだろう、きっと彼女は締め上げられる】
【 "けれども" ──── 容易には意識が落ちなかった、常人ならばとうに意識を飛ばしている時間締め続けても】
【彼女はその、細やかな四肢を以て抵抗する、苦しそうに喘ぎながら】

【──── 貴女ならば察するだろうか、彼女は、過去の状態を再現していた】
【意識が落ちそうになる度に、まだ十分、自分に酸素が残っていた頃の自分を能力で再現して】
【けれどもそれは、落ちる寸前の苦しみを、味わい続ける事に他ならず】

【──── 彼女は待っていた、少年が何か、アクションを起こすのを】


【それが例え、彼女を見捨てて逃げるという選択肢でも】
422 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 23:10:43.90 ID:285I86ATo
>>420

【素晴らしいね、なんて賞賛の言葉を述べる──── 恐らくは本心だろう】
【彼らに心があるかなんて定かではないが、少なくともこの場面に於いてはそうだ】
【さて──── とロールシャッハは言葉尻を整えた】


理解してもらえたなら話が早いね、だから "レッド・ヘリング" が最初に持ってこられたのだから
故に "虚構現実" なのさ、あんなものを現実にしてはいけないでしょう?
結局は大きな枠組みの中に組み込まれていただけなのさ、僕も、キミも

──── 何回も言おうか、僕は "キミ達" の味方だって、どうしてこうも信用されないけど
"仮定された未来の為に、確定した過去を変える" ──── あの男は何時だって、芝居がかった表現をするけど
如何せん時に、その表現こそ本質を指すに相応しいのが困ったものさ


【続く質問にもロールシャッハは喜びを見せた、いいね、なんて言いたげに】


だから<harmony/plan>をある程度進めたのさ、 "エカチェリーナ" 以外に一人余分なのもできたけど
"フランツ" も "魔女" も良い働きをしてくれた、魔女の方は最期に真意に気付いたみたいだけどね

<harmony/plan>により "虚神" が誕生することを確定させつつ、その道中で破綻するようにする

──── 何事も効率よくが僕のポリシーなのさ
423 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/19(日) 23:36:11.72 ID:SRv+6TS40
>>422
【今まで饒舌だった男は暫し思案する】
【ロールシャッハの言葉を吟味する傍らで、別のことにも思索を向けているかのように】


"キミ達"ね――それがどこまでの範囲を示しているのかは分からないけれど。
少なくとも私に取っては敵だとも。
INFオブジェクトの排除は私の命題だからね。

【落ち着いた雰囲気の中で、どうと言うこともないかのように、男は呟く】
【ここまでの真実を知って尚、その使命に揺るぎはないらしい】


効率が良かったのは良いが、それを能力者達に見せたのは失敗だったろうね。
あのフランツと魔女の姿が君を信用した自分達の末路だと、想像してしまうのだろうから。


【彼の語る"キミ達"とは能力者を指しているのか、それを含めた全ての人類なのか。定かではないが】
【少なくとも彼も間違いなく邪神の一柱。少しばかり気の毒だが、信用を得ることは容易ではあるまい】

とは言え――ジャ=ロを倒すまで、利用し合うと言うので有ればやぶさかではない。


そろそろ本題を聞いても良いかな?
そのためにここまで来たのだろう。


【世界を滅ぼすことを目的と言って憚らないジャ=ロは今のところは共通の敵ではあるが】
【その目的はここに来て少し不確かになった】

ジャ=ロの目的は、報告書に有った少女に死を与えることかい?
そのために世界を滅ぼそうとしていると言うのは些か大袈裟な話だ。

そもそも今の話を聞くと<harmony/plan>が頓挫すれば、その時点で少女の未来は回避されるのではないのかな?
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/19(日) 23:38:56.96 ID:PjxExw1A0
>>421
【――それは残念です。小さな呟きは、果たして今の女性に聞こえるだろうか】
【人情はあっても、明らかな善人では無い。それ故に、女性が解放される事は無いだろう】
【……先程ヒールで踏まれた手で握るのは刀。もし、“戻せる時間に限りがある”のならば】
【死に至らずとも激痛の走る場所――例えるならば、脚の裏などを此処で貫けば時間を戻す度に苦しむ事だろうと。やがて、心を折って】
【それで駄目ならば、ゆっくりと指を逆に曲げていく。それが駄目ならば、一枚ずつ爪を――全て苦痛で時間を上塗りしていく】

それもまた守る力ではありませんか?
我が儘を通せば、貴女は守りたかったものも守れなくなります
――それとも。其れは仕方なかった、と斬り捨てますか?
守れなかった事は仕方ない。だから、次は必ず別な人を守る――もう、最初に貴女が守ろうとしていた人は居ないのに

【向かってくる少年は、女性を助ける為なのだろう。自分に手を差し伸べてくれた相手を見捨てて逃げる事などは出来ず。ならば、敵わずとも女性を救うために挑む】
【……その少年だって、並以上の力は在った。戦闘に於いては、多くの兵を相手にすることだって不可能では無い】
【万全ならば、だが。ほぼ満身創痍の状態となれば、縮地を用いたその一撃も――】

――ですが、気が変わりました。このままでは後味が悪いですし……角は取れなかったけれど、生き血は取れた……と言う事に
まぁ、元々変わり者の方からの依頼です。其れはそれで喜ぶことでしょうから
――――それに。守る、と言う気持ちは分からないでもありません。最早私には無いのですが……そう言った感情を持てるのは羨ましくもあります

【女性の目の前で、幼い身体が貫かれる。深々と、背を貫通して】
【瞬く間に地面を濡らしていく夥しい量の鮮血。――鬼の血は暖かいのだろうか。僅かな湯気の温かさも、もしかしたら女性の頬を撫でて】
【目尻から僅かに涙を流して女性を見上げ、「ごめん、なさい」血の溢れる口から、声にならない音。気泡混じりの其れが、唇の端を伝って流れて】
【助けられなかった事か。巻き込んでしまった事か。それとも、今日出会ってしまった事か】
【刃を抜かれれば力無くその場に倒れ込み、小さく痙攣。――だが、少しすれば出血も止まるのだろう。何れにせよ、相当な量の血が失われたことだけは確かだが】

……一応、鬼としての急所は外してあります。妖気も必要以上に与えたので、変に動かさなければ傷も塞がれたままでしょう
――さて。守る事が良かったですね……議員さん。貴女のお陰で一人の命が何とか救われた様で――……
次、があるかは分かりませんが。またご縁があった時は……お手柔らかにお願いします

【動脈を締めたまま、耳元で囁くような声。嘲笑でも無く、それは忍から見た事実をただ淡々と述べるもの】
【――面を通さずに聞こえる其れは、よく澄んだ女性の声だろうか。】
【締め上げていた手を離し、翼を羽ばたかせれば宙へと飛んで】
【手を伸ばしたって届かない距離。きっと、糸を延ばしても――。脚から滴る血。それが、月光を受けて紅く光】
【追う事が難しいならば。伏した少年を運ぶなり、助けを呼びに行くなり、先ずは離れるなり――何れにせよ、終わりも近いか】
425 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/19(日) 23:50:38.35 ID:285I86ATo
>>423

【ロールシャッハの表情は変わらない、浮かべる柔和な笑みは仮面を貼り付けた様に】
【一点の曇りもなくボスは言い切った、その作用を彼はどう捉えるのだろうか】


──── そうだったね、キミ達はそういう風に定義されていたんだった
なら言葉を変えよう、僕は "キミ達以外" の味方さ、こうすれば問題ないでしょう

ニンゲンとはもっと合理的だと思っていたけども、中々どうして難しいね
少なくとも僕の中にある、ニンゲンの精神には見られない作用だ

やはり能力者達の考えている思考は、難解と言わざるを得ないな


【ふぅ、とわざとらしく溜息をついて】


──── 報告書を見ただろう、彼奴は少し特殊な存在なんだ
彼奴の出現も、彼奴のしでかした事も、全ては浮遊する仮定の上でしか成り立たない
だからこそ厄介なんだ、僕とはまた違ったベクトルで彼は生きている

さっきディストピアの未来を変えると言ってくれたけども、ジャ=ロにとっての未来は少し違う
方法からして真逆なのさ、僕と彼とは

何故なら、件の少女は ──── 今、この "基底現実" に来ている

だからこそ、"世界を滅ぼす" ──── 簡単な発想の転換さ



この世で一人、何をしても死なない少女が居たとして、その居場所が分からない
ならば世界中の存在を殺す事によって、必然的にその居場所は炙り出される

気の遠い話かな? 
────いいや、違う、死を知らない存在達にとっては、僅かな可能性の話は、つい明日の話になる



万物が死んだ世界で、彼らは再び巡り会うんだ、なんて美しい話だろうね
426 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/20(月) 00:08:47.28 ID:jWMeZnXx0
>>425
【ロールシャッハは正しく自分達の存在を理解してくれているようだった】
【男は満足したように椅子の背もたれに背を預ける】

人間が合理的な訳がないだろう。
人間の寄り集まった社会はそこそこに合理的だが、それは元は非合理な存在を制御するための枠組さ。

まぁ――釈迦に説法と言うものだね。


【流れるように語られるジャ=ロの目的】
【少なくともここで嘘を吐くこともないのだろう】
【全人類を殺すことで、死なない少女を探し出す】


それだと結局、その少女を殺せない気がするけどね――

まぁ、彼らの心理の話か。
それこそ非合理な話なのかも知れないし。


【つまるところその少女とジャ=ロはこの世界の因果の輪から外れていると言うことだ】
【それにしても――】


随分と人間らしい動機だ。
それで――そのために世界を滅ぼされるのは誰に取っても都合が悪い。
それをどうやって防ごうと?
427 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/20(月) 00:08:58.19 ID:XewoMsS3o
>>424

【──── 脳裏に赤い色が広がる、呼吸の苦悶すらも忘れる痛苦】


っ……ぎぃっ……!! ぃっぐ……!! あっ……!!


【ビクンと彼女の身体が大きく反り返る、脚の裏、神経の密集地を容易く切り裂かれ】
【激しく呼吸をする、"貪る" といった表現が正しかった、けれどもそこに、酸素は無く】
【再び巻き戻る "過去" ──── 痛みを受けた記憶だけが真新しく】

【彼女の指は小枝の様に容易く折れ曲がった、砕ける音は煎餅を歯で割るような】
【絹を引き裂くような悲鳴も "かき消える" ──── もう肺の奥にだって酸素は残って無くて】
【何度も、何度も、──── 巻き戻る、確定した脚裏の傷跡は残したまま】

【そんな彼女も、爪を歯がされた時、大きく目を見開いた、華奢な両脚が一瞬強くばたつき】
【痙攣する指先の感触、一瞬ふらりと揺れたのは、フルスロットルで意識を失いかけたのか】
【抵抗がどんどん弱まってくる、その作用は、あまりにも深い痛苦に似て】


【──────z_____】


…………っ……ぁ……──── 嫌っ……!!!


【鮮血が頬を撫でた、その離れていく一瞬を、永劫の様に、柔肌の表面を掠める後悔】
【純潔を穢す喜びに近かった、真っ白なキャンパスを赤々と塗りつぶす、行いに似て】
【耳元で囁く声は、彼女の神経を蕩かす、その耳の奥の奥、脳裏まで染まってしまう様に】

【貫かれる瞬間はスローモーションに見えた、聞きたくなかった、謝罪の言葉も】
【見たくなかった、その瞬間も、全て全て、紫苑色に溶かしてしまいたくて】

【──── 手を離され倒れ込む、大きく見開いた紫苑の双眸が忍を見送って】

【我に返るのは数瞬後、ごほっ、ごほっと何度か息を吐いて】


……っかな……らず……かならず、たすけ……ますっ……
もうっ──── あっ……くぅ、もう……二度と、──── あんな……っ

──── "Lost Memory Wonderland"────!!


【手が伸びた、振り絞る一瞬、──── 重ねた指先が、少年へと届くなら】
【少年の傷が "再生" していく、能力を用いた回復、それは仮初めの瞬間であっても】
【失われた血液は元に戻るはずだ、忍の言葉を聞いても尚、その出血量は看過できない】

【──── 或いは血を見たくないのか、少年の身体からは血の汚れも消えていた】

【そこまでが彼女の覚えている限界であった、やがて彼女も力尽きて】
【その場で気絶するだろう、無論、後のことは彼女以外に委ねられる】
【少年が目を覚ましたなら、何処かの病院に運ばれるのだろうか────】


/この辺りでどうでしょうか! お疲れ様でした!
428 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/20(月) 00:17:32.28 ID:XewoMsS3o
>>426

【──── ああ違うよ、とロールシャッハは紡いだ、小さな勘違いを解きほぐす為に】


ジャ=ロにとって、世界の破滅なんて手段に過ぎないのさ、少女を見つける為の、ね
彼奴の事だから、殺す手段はそれこそ山ほど考えてるのだから
片っ端から試すんだろうね、その為の下準備も含めて


【因果の理から離れているとは言い得て妙であった、ロールシャッハとしても納得のいく】


だからスナークも嫌ってる訳さ、まぁあの子も随分ニンゲン臭いけど
でもそういうトコ僕は嫌いじゃなくて、時々手伝ったりするけどさ────
ジャ=ロは違う、彼奴を許してしまうのは、僕の目論見すらも失う事になるから

前置きが長くなってしまったね、語りすぎるのが僕の悪い癖だね


【──── そう言ってロールシャッハは言葉を重ねた】


簡単な話さ、ジャ=ロにとって、一番手っ取り早く人類を滅ぼす方法は "ウヌクアルハイ" を使うことだから
必ず再び "ウヌクアルハイ" へとアクセスしてくる、その瞬間に迎え撃つ

ああ、迎え撃つって言っても、鉄砲担いで来ようがミサイル担いで来ようが意味は無いよ
大切なのはその瞬間にあるんだ、方法論から逆算しなきゃ

兎に角、ここで認識して欲しいのは、必ず僕達はジャ=ロと直接対決する機会があるということだ
429 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/20(月) 00:26:34.08 ID:jWMeZnXx0
>>428
【スナーク――彼の語っていたエカチェリーナ以外の余計なもの】
【しかし、奴の目論見もまた、ジャ=ロともロールシャッハとも異なるものだ】
【その力は他の虚神と比べれば大したことがないように思えるが――】

【それでも、一度はジャ=ロさえ手玉に取って見せたのだ】
【今は姿を見せていないことが不気味だった】
【絶対に、これで諦めた訳ではないのだろうから】


ジャロ
430 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/20(月) 00:33:04.53 ID:jWMeZnXx0
>>428
【スナーク――彼の語っていたエカチェリーナ以外の余計なもの】
【しかし、奴の目論見もまた、ジャ=ロともロールシャッハとも異なるものだ】
【その力は他の虚神と比べれば大したことがないように思えるが――】

【それでも、一度はジャ=ロさえ手玉に取って見せたのだ】
【今は姿を見せていないことが不気味だった】
【絶対に、これで諦めた訳ではないのだろうから】


ジャ=ロは、先のインシデントでその存在をある程度確定させている。
蛇術の延長でしかなかった前回よりも更に厄介な存在となっていることだろうね。

ただその一方であれ以来、手出しをしてこない。
いつでも殺せるのだから敢えて今やる必要もない、とも取れるが――


【男はそこで言葉を止めた。ロールシャッハならその程度は把握しているのだろうから、無意味な仮定だろう】


"ウヌクアルハイ"にアクセスか――蜜姫かえではそのための手段の一つなのだろうが。
存外に扱いに手間取っているようにも見える。他にも手段を用意していると見るべきだが――


時期が読み難いね。虚構現実での一件から随分時間が経った。
まだ他に必要な準備が?
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/20(月) 00:37:41.26 ID:hLWzNQxM0
>>427
【――さて。其処が静寂に包み込まれてどれだけの時間が過ぎたのだろうか】
【二人が倒れている地面がすっかりと冷えてしまった事からしてそれなりの時間は経っているのだろう】
【近付いてくる足音は一人分。――巫女装束を纏った女性が、ただ一人】
【暢気に煎餅の入った袋を手にして、バリバリと食べながら歩いていたが……倒れる二人に気付いて】

「おや……妖がこの様な場に居るのは珍しいですね。もう一人は……さて
どうも二人で争った――といった訳でも無さそうですね

……怪我の程度は詳しくは分かりませんが――……ええ、“一人分”の用意をお願いします」

【それぞれの脈の確認。呼吸の確認。まだ生きている、それならば行う事は決まって居る】
【“一人分”の救護の手配。それは紛れも無く、女性を助ける為のもの】
【少年の方はと言えば、巫女が軽く担ぎ上げ様として……】

「さて――妖はこちらの方で手当を……おや、起きていましたか
――礼を言いたい?恐らくは暫くの間は目を覚まさないと思うので難しいと思いますよ
……それ位ならば大丈夫かと。とは言え、貴方も早く治療しなければかえって長引きますが――……」

【もし、時折僅かでも覚醒することがあったならば。幼い手が優しく頭を撫でていた感覚があるだろうか】
【担架に運ばれるまで、それは続く。もしかしたら夢かも知れない。もしかしたら現実かも知れない。確認を取る方法なんて無いけれど】
【弱々しい力。抱きしめた時の暖かさに、それは似ていて】


【それから数日後】
【女性の元に、一羽の鳥が訪れる事だろう。鳥、と言っても紙で作られた――所謂式神だ】
【撫でようとでもすれば、其れは一枚の紙に戻り】
【――中身は少年からの感謝を綴った文字。そして、一本の毛】
【櫻の国の中でも珍しい妖怪の其れ、との事。送りの品としては何とも不可思議だが】
【一時的にでも魔を払う力を持つ其れは、何時の日か守ってくれる時が来るだろうか――】

/お付き合い頂き有り難う御座いましたっ!お疲れ様でしたっ!
432 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/20(月) 00:49:32.76 ID:XewoMsS3o
>>430

【──── スナークとは不条理な存在だよ、とロールシャッハは続けた】


彼女は非常に弱く、存在も確立されている、そうだからこそ、────
その理を覆しうる突破口となるんだ、ニンゲン達の歴史にだって多々ある
"病魔" によって呆気なく、歴史が変わったことだって、何回もね

──── "巡礼の年" の事だね、あの結果ジャ=ロの存在は確定的に増した
けれどもそれは、此方の現実でなら対抗できるという可能性を示している
物理的な攻撃は意味がない、けれども、何かの契機には成りうるから


【ボスの疑問は尤もであった、アクセスする時期が問題なのだろう】


そうだね、或いは──── 蜜姫かえでという手段を、どう活用するかによるかな
そこまでは僕も分からない、けれども、存外に彼女は重要なピースの一つでしかないかもね
重要なピースではある、けれどもそれは、ピースでしかない、と

ジャ=ロが何時動くかは分からないけど、それはきっと、遠い時期じゃないはずさ
何時までも黙ってる様なヤツじゃないしね


【ボスの問いかけに対して、ロールシャッハはにやりと笑う】


──── ああ、あるんだ、もう一つ大事な準備が
忘れてもらったら困るよ、僕達は "虚神" なんだ、その強さはキミ達の認識に従う
先の "電波通信" はその為の手段の一つだったんだけど、残念ながら頓挫してしまった

だから僕の存在を当てにするのはよした方が良い、時間的に間に合わない

じゃあもっと根底から変えよう、既にある認識を "乗っ取らせてもらう"
都合良くこっちの手駒にはいるだろう、弱っちい "病魔" が────。


──── "死に至る病" とは "絶望" である


結論だけ言おうか、"絶望" こそが、今回の突破口だよ
433 : ◆KWGiwP6EW2 [sage saga]:2018/08/20(月) 01:14:09.37 ID:jWMeZnXx0
>>432
【不条理――それもまた認識次第ではいくらでも拡大解釈ができそうなものだ】
【虚神にはランク付けがされているようだが、彼が言うように虚神は認識の存在。それが変動しないとも限らない】


攻撃を通す手段については、こちらでも検討しているよ。
私達も虚神に対して全くの無力と言う訳でもない。
さりとて、それだけでは勝てない――全く難儀なものだけれど。


【先の戦いで見せた擬似対抗神話。しかし、"笑う男"の能力では、ジャ=ロには勝てまい】
【それは恐らく他の手段なのだろうけれど】


どの道、手の内にいることに変わりはない。
ジャ=ロの都合次第でどうとでも扱える存在と思えば、こちら側で余りアテにする訳にもいかないね。


【認識の齟齬――ここで口にすることではないが、"ディー"は、彼女を使ったウヌクアルハイの制御方法に一種の可能性を見出していた】
【それが叶うならば、或いは、ジャ=ロの目論見を叩き潰す直接的な手段になり得るかも知れない】

【しかし、現状可能性の域を出ない。何より、ジャ=ロにとって蜜姫かえでの存在が必須ではないのなら、邪魔になればいつでも殺せると思っても良い】


【ロールシャッハの次なる作戦。その概要を聞いて、男には思い当たる節が有ったらしい】

"Cypress"の宿した最古の病――それはジャ=ロの媒体であると同時に、病魔の性質を宿したスナークの媒体にもなり得る訳か。
もしや、そのために、イル=ナイトウィッシュにスナークを宿したのか?
434 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/22(水) 12:46:46.76 ID:ZRonyAZUo
置き>>855

【それは白昼夢に似ていた、曖昧な妄想の中でのみ許される理論】
【虚数と実数が交わる平行線、存在してはいけない新たな公理に似て】
【存在すると仮定しなければ成り立たない理論に、果たして価値はあるのだろうか】


──── 多分だけどね、彼奴が少しでも僕と似た考え方の持ち主なら
何となく "分かる" 気がするんだ、蜜姫 かえでの処遇については
運命に任せたんだと思う、自分の手からわざと離しても尚


【少し、言葉のトーンが違った、まるで懐かしい旧友に語りかける様な口調で】


ネットに当たったボールは勢いよく空中にあたった、それは最早僕達でもどうしようもない運命論の導きでしかなく
彼はそれを "蜜姫 かえで" で試してみたんじゃないかな、信仰という想いの持つ力がどれほどのものか
それだけ "蜜姫 かえで" は狂信者であったから、或いは同時に盲目的で無垢な信仰の担い手でもあった

残酷な運命の流れで、それでも彼女が乗り越え信仰を持ち続けたなら
ジャ=ロにとってそれは、本当の意味で信仰をする切っ掛けにさえ成り得たのかも知れない
──── だからこそ、彼女を放っておいたのだと僕は考える、恐らくね

"ムリフェン" ──── その言葉の意味は諸説在るが、特に"狗の頭"、 "互いに誓い合う一対の星" という表現が興味深いよ
彼奴が "ケバルライ" なのも説明が付く、"羊飼い" と、"狗" とは何とも親和性が高いのだから
その誓いに賭けていたのだとしたら、なんとロマンチックなことだろうね



【続く言葉にロールシャッハは沈黙した、"Neo" ──── その名前から導き出される帰結】
【一つ先に行ったという言葉が真実であるなら、そして先程の推理と合わせ】
【ほぼ間違いなく彼女は、この "基底現実" に来ている、だが────】

【──── ロールシャッハは笑った、あまりにも悲劇的な笑みであった】

/続きます
435 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/22(水) 12:47:03.41 ID:ZRonyAZUo
──── あはは、なるほどね。それは良い推理だ、確かにその二つはかなり親和/神話性が高いし
何より神話として描くにはどちらも相応に悲劇的で、かつ劇的だ、──── でもさ
もしその仮定が成り立つとすれば、スナークの試みを看破していたのは事実になるよ


【──── いいや、それだけじゃない】


"白神 鈴音" に入れあげた "イル=ナイトウィッシュ" が彼女を神格化させようとした "インシデント:破水" の失敗
或いはもっと前のイルが白神 鈴音と出会った事も、あまつさえ、僕がスナークとイルとを掛け合わせた事さえも
若しくは、ジャ=ロが "Cypress" であった頃から、イルと交流を持っていた事も、みんな、みんな────

──── "ジャ=ロの脚本通りだった" とでも言うのかい

【それはあまりにも荒唐無稽だ、ロールシャッハは此処に於いて、一片の笑いもなく真剣であった】


今全ての前提が成り立つと仮定しよう、ジャ=ロが "インシデント:新世界より" で真に狙っていた事とは
"ウヌクアルハイの主格として白神 鈴音が定着する事" となる、その結果として世界は紙一重で滅亡を免れた
此処が破綻していたなら、世界は滅亡したか、或いはそれに準ずる程の破壊が起きたか、だろうね

若しくは、儀式そのものが失敗したなら、ジャ=ロや僕が見てきた "虚構現実" のようなディストピアが待ち受ける
白神 鈴音もまた "INFオブジェクト" として、財団の管理下に置かれた事だろう


【──── まぁ、今も "ウヌクアルハイ" として、INFオブジェクトとして認知されてるんだけどね】


ウヌクアルハイとして定義された事により、能力者達は次の手を考えた、──── ゴーストライターの一件さ
"インシデント:巡礼の年" ──── ジャ=ロがウヌクアルハイを白神 鈴音とした大きな理由の一つだと思う
このインシデントがあったからこそ、彼奴の存在性が確立できた、ウヌクアルハイが "盲目たる白痴の神" として居たからこそ

ゴーストライターはインシデントを起こし、ジャ=ロはそれを活用した。そして、────

今改めて "白神 鈴音" の主格を、彼の思う "Neo" として再定義しなおしたとしたら
確かに "不滅の少女" と "万能の神" ──── 途方もない存在ではあるが、けれども────
"Kukulucan" 彼奴の持っている能力は、不死の存在に確定的な死を与える事ができる

──── 何とも不愉快な話だけどね
436 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 20:56:46.36 ID:NTZcU/Lso
【──── 恋人から来るメッセージにしては味気ない、けれどもそれは、同時に覚束なく】
【奇妙な連絡者の連続性から、解き放たれた箱庭の外、通じる言語はパントマイムじみて】
【それでも何処か平穏に過ぎるくらいには、意味が成り立っていたから】

【その連絡を何時受け取るかなんて、彼女には分からないけども────】

【貴方が端末を開いたなら、あるタイミングで彼女は訪れる、出来れば人目の付かないところが良いのだろうけど】
【結局の所場所は重要ではなく、そこに在るという事実のみが重要視される】
【端末越しに見る仏頂面は変わらず、時候の挨拶も無いけど】


──── 少し痩せましたですか? 健康管理は管理職の基本でごぜーますよ


【心なしか言葉の刺が消えた気がした、心ない存在ではあるのだが】
【急な連絡に些か驚きを与えるかもしれない、けれどもそれは窮地ではなく】
【どちらかと言えば、幕間に挟む寸劇に近いのだろうか】


サクリレイジから定期連絡でごぜーます、そっちの調子はどうですか?
437 : ◆1miRGmvwjU :2018/08/23(木) 21:14:39.46 ID:2OA2sAQt0
>>436

【某月某日、午前2時36分54秒。水国某所。 ─── とある民間警備会社。存在しない「8階」のオフィス。】
【泥水のように不味いインスタントコーヒーへ山ほど砂糖とミルクを入れて、彼はどうにか眠気を誤魔化していた。】
【纏めるべき報告書は幾らでもあった。それ以上に思考を纏めるべきであった。 ──── であるが故に、その着信は都合が良かった】


「腕は立っても制御のし難い部下を持つってのは実に大変なことさ。 ……… おまけに2人も。」
「ウチは独立愚連隊じゃあないんだけどねえ。 ──── すっかり政府お墨付きの殺し屋みたいな扱われ方してて、いやあ困ったもんだ。」


【誰もいない一室の中、 ─── 薄っぺらい苦笑を端末に向ける。そこにいる少女の姿を認めていたからこそ。】
【「ウチの端末は全て素数乱数ベースの暗号化秘匿回線だ。 ……… この話を聞いてるのは、君とおれだけ。安心していい。」そうも続けて】

「ぼちぼちかねえ。 ─── 先日の強行査察は、成立したばかりの我々にとっては華々しい大捕物な手柄になってくれた訳だし」
「加えてこっちの課員2名が献身的なメンタルケアを続けた事より、"カーレン"は靴の呪いから解き放たれた。」
「加えて"赤ずきん"の身柄も奇跡的に確保できた。 ……… ただそっちはどうにも精神状態が不安定みたいでね。気にかかる。」

「先日のインシデントで、潰すべきタンゴも増えてしまったってのに ──── 難儀なもんだよ。 」「 ……… どうかね、逆にリーイェンくんの方は?」
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/23(木) 21:17:03.32 ID:jODBTHOP0
【街中――児童公園】
【じっとりとした夜が満ちる日であった、温度それそのものは控えめであっても、纏わりつくような湿度がうざったく、必然的に不機嫌になりがちな夜】
【だけれども空にある月は薄曇りを纏ってぼんやりと光るものだから穏やかな夜でもあった、――月のそばに真っ赤に燃える星が煌めいて、鮮やかに】

――――、ニャ!

【であれば公園の端っこの方、刈られず放置されたぼうぼうの雑草の最中でガサガサ音を立てる"何か"も目立つのだろう、誰かが通れば――というよりも】
【そうでなくっても、聞こえて来るのは幼子の声だった。たんまりとあどけなさを纏う女の子の声、――次の瞬間に、びょんっ、と、狩りする狐のよう、草むらから飛び出て来る】
【あ!やせいのこどもがとびだしてきた!――なんて様相、ズバンッと草むらから飛び出したなら、両手を重ねるみたいに地面について、そのまま、かえるのポーズ】

ン。獲れた!

【――そうしたらにんまりって笑うのだ、それはちょうど相手の目の前、それも数歩程度の至近距離、明るい月明りがその姿を映し出したなら】
【まだ幼い子供――五歳や六歳くらいの女の子だと分からせるのだろうか。無警戒の仕草、そのくせ行動は思いっきり、野生児みたいで】

【いくらも土で汚れた様子の純白の髪はくせっけなのかそれとも大雑把が過ぎるのか、くちゃくちゃに絡まり合った様子、靡く、よりは、跳ねるような仕草をして】
【こちらもまた土に汚れた顔はそれでも肌の色白さを感じさせた、頬っぺたのところはぽんやりとばらいろをして、ぱちりとした眼は、赤みがかった黄色の色合い】
【服装はくしゃりと汚れたTシャツ一枚だけだった、といっても大人用のものであるのか、幼子がワンピースとするには問題がない大きさ、少しだけ緩い襟から鎖骨が覗くなら】
【あるいはそれよりも。純白の髪の流れに逆らうようにぴょんっと立った耳や、ワンピースサイズのTシャツの裾からぞろりっと伸びる尾の方が、目を引くのかもしれなくて】
【そうしてそれらは"ありがち"な犬とか猫とか狐とか……"そういうの"とは少しだけ違っていた、尾っぽには細やかな鱗が隙間なく、生えていたなら】
【まるで竜の尾のような――――しかして大まかな造形は人間にほど近い、地面についた手でぐっと抑え込んでいるのが、よく見かける大きなバッタである以外は、】

あー……、

【それでもって当たり前におっきなお口を開けて、まだバタバタ動いているバッタを踊り食いしようとしている、以外は】
439 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 21:20:14.04 ID:NTZcU/Lso
>>487

【──── 仏頂面は変わらない、そこに裂くべきリソースを、内部に費やしているが為に】


冗談は休み休みにしてほしーです、どんな回路が使われてるかなんて入っただけで分かりますです
私にとっては聞茶みてーなもんですから、それに、お言葉でごぜーますけど
出来る人間を遊ばせておくほど、世界は平和じゃないもんですから

というわけで、部下だけじゃなくててめーにもビシバシ働くようにと、うちのボスからのしれーです


【等と言いつつ、実際は彼女の独断による部分も大きいのだが、あまり口には出さず】


大きな動きはねーですね、うちの所は秘密主義が行き過ぎてて逆に非効率ですし
まぁ気になると言えば "ボスへの連絡が取れない" 事でごぜーますが
たまにある事でごぜーますし、急用もねぇもんですから


【と言ってリーイェンは一拍ほど間を置いて】


──── 取り敢えずは電波ジャックも、ロールシャッハの目論見も阻止できたという点で
前回のインシデントは我々の勝利と思って良いのでしょうね、それにしては

ここに来て新たな虚神だなんて、茶番もいいとこでごぜーますが


【リーイェンの話題、その指す内容とはエカチェリーナに他ならないだろう】
440 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 21:24:36.29 ID:NTZcU/Lso
>>438

【──── 緩やかに吹く風が、その彩りを寸刻だけ変えてしまうみたいに】
【つむじ風の作用に似ていた、その一閃がバッタを包み込み、ひらりとその手から奪い取ってしまうだろう】
【じっと目をこらしたなら、細い糸が生き物のように、そのバッタを絡め取る姿が見えた筈だ】


あらあら……何処の子でしょう、親御さんとはぐれてしまったのですか?
ふふ、確かに今は見る物全てに興味津々かもしれませんけど
昆虫を食べるのはおすすめしませんわ、きちんと処理してからでないと危険ですし

幼い子供は免疫も十分出来ておりません、どんな病気の元になるかも分かりませんわ


【紫苑混じりのプラチナブロンドの長髪を、シニヨンでセミロングの長さにまで纏めて】
【胸元の膨らんだ、袖の無い白のハピットシャツの上から、素肌を透けさせる黒のレースのカーディガンを羽織る】
【シャツのフリルの上には黒いリボンタイを垂らして、ミニ丈のフレアスカートから黒いストッキングを覗かせる】

【紫苑色の双眸に理知的な眼鏡を掛けた姿は、瀟洒な貴婦人を思わせるだろうか】
【そんな何処か少女然とした女性が、少女の後ろから声を掛けるだろう】
【白い手袋に包まれた手を頬に当てて、困ったように微笑んでいた】


ねぇ、親御さんはどちらにいらっしゃるのかしら


【──── 彼女は眼鏡の奥の目を細めた、その尻尾を目にして】
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/23(木) 21:37:09.75 ID:jODBTHOP0
>>440

【幼子はきっとそのばらいろの頬っぺたを嬉しそうに綻ばせて、おっきな口を開けるのだろう。とっておきのクリームパンを食べるときのしぐさとよく似て】
【けれどもその手に握りしめられているのはバタバタって暴れる哀れなバッタ、しかも捕まえたときに押さえつけてしまったからか、その口元から茶色い汁まで溢れさせ】
【それでも全くに気にしない素振りであったなら、――ぱくりと口に含むはずだった瞬間に、つむじ風によく似る"何か"が、攫って行ってしまって】

ンん……? ん……、ア? 

【――お行儀悪くしゃがんだ格好、きっと正面から見たらパンツだって丸見えのポーズにて、幼子はきっとひどく狼狽えるんだろう、不思議そうな声を幾重も重ね】
【きっと脳内にはたくさんのはてなが溢れかえっているに違いないなら、――ほんのいくらか遅れて、やっと、相手のことに気づき、振り返る】
【ならばおそらくその瞬間に向けられるのは鋭い目で在るのだろう。よく澄んだオレンジに近い黄色い眼だけれど、ひどく薄い色合いは、いくらも表情をキツく見せて】

ユーイの! ユーイのゴハン! ンン……、ユーイ、ご飯してた!
ユーイエライから、ゴハン、自分でやる! リンネ帰ってこない、ツガル、見つけるって言った!
おウチ居たら、ユーイ、飢えて死ぬ! だからゴハン捕りに来たっ!

【だけれども警戒しているわけではないのだろう、どちらかと言えば人懐こいとも言えるのかもしれない、ぱちくり瞬いたなら、幼子はやがてふっと立ち上がって】
【曰く今ご飯してたんだけどおかずが消えた――と訴えかけて来る、しばらく辺りをきょろきょろ探したけれど見つからないなら、しゅんと耳も尻尾も垂らし】
【何か不満があるらしくって、しゃべるたびにどこか少しずつ怒りながら、それをいくらも述べていたのだけど――】

親ァ? ユーイ、ヒトリ! ン……、ユーイの、森? あー、……ヒト来た! だからユーイ、逃げてきた!
今リンネの家居る、でもリンネ帰ってこない、ユーイ、エンと、オモチと、アンコと群れする!

【――親御さんは、と、尋ねられたなら。訝し気な目をする、それで、昔のことを思い返すかのよう、あー、と、不明瞭な声】
【森、だなんて伝える、ならばやはり全うなヒトではないのかもしれなかった。人間の子であったらもう少し上手におしゃべりが出来そうな年齢でもあって】
【それでも相手の言葉を理解して返事を返すことが出来るなら――そこまで問題はないのだろう。だけれども、やはり、どこかでちぐはぐな様子】
【エンはともかくオモチとかアンコとか称されたヤツは多分少なくとも人間じゃないと思わせた、――ペットとか、なんだか、そういう温度感】
442 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/23(木) 21:39:41.17 ID:2OA2sAQt0
>>439


「はは、 ─── そいつぁ釈迦に説法って奴だったかな。 ……… 了解。」
「あんくらいのカチコミでよければ、何度だって何処にだって、かましてやれるよ。」「おれたちは其の為に存在している。」

【首魁との連絡が取れない。 ─── そう伝えられたのなら、ふむ、と無精髭の顎先に指を遣り、考え込む。】
【生ぬるいコーヒーを啜り、いくつかの捜査資料を手に取る。もう片手には、万年筆を。】

「 ……… 秘密の御茶会と洒落込んでるのかねえ。ま、いいんだけどさ。」「確かに、結果論としては成功だったよ。」
「元より嵯峨野くんを良く思ってない人、まあまあいたからねえ。一先ず組織として存続していくのに困らない名声は手に入れた。 ……… 然し」
「大見得と啖呵を一遍に切ったはいいが、 ─── あの状況、それなりにヤバかったんだぜ。 ……… 最悪、今ごろ課員同士で殺し合ってた可能性もあったし。 …… ともあれ。」

「エカチェリーナ。INF-004、"絶頂"の虚神。或いはカチューシャ。 ……… ウチでも、ある程度は調べさせてもらったよ。」
「本名、ソニア・エカチェリーナ=ドラグノフ。国籍は"ロシア"を主張しているが詳細不詳。年齢推定10代後半から20代前半。」
「かつては民間の正義組織・UNITED TRIGGERに狙撃手として所属。」「同組織が動いた事件の幾つかにも絡んでいたみたいだが、 ─── 数年前に失踪。」
「その後ここ最近になって"カチューシャ"と名を変え、カノッサ機関のナンバーズ・序列3位として、主に水国圏を中心に活動。"新世界より"でも目撃されている。」
「 ……… harmonyの方から押収した資料によれば、随分と酷い事されて"ああなっちゃった"ようじゃない。可哀想にねえ。 ─── ま、それはそれとして、だ。」

「 ……… まず一つ、疑問なんだけどさ。あの子はどうして、"憑代"に選ばれたんだろうねえ?」


【ふ、 ─── と息を吐いて、然して男にはそこがまず大きな問いであった。虚神とは親和/神話と共に顕現する。】
【然してソニアと呼ばれた少女の経歴に、エカチェリーナの神格と重なりうるものがあるとは、男には思えないようだった。であれば、なぜ?】
443 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 21:43:51.87 ID:NTZcU/Lso
>>441

【糸の行方をきっと少女は知らない、近くの草むらに解けて消えて、バッタは飛び去っていく】
【彼女はと言えば、響く言葉に耳を傾けながら、その情景の理を解すのだろう】
【一片二片、辿るその意味さえも遠くなる一瞬────】


……成程、そういう事情だったのですね、だとすれば少し申し訳ない事をしてしまいましたわ
ユーイちゃんと仰るのですね、私はイスラフィールと申しますわ、よろしくお願いします
ご飯を取りに来られるだなんて素晴らしいですわ、私も見習わなければなりませんもの

ですが、私にはあいにくそのような能力が無いので、お金に頼るのですが
もし宜しければ私と一緒にお食事を致しませんか、ユーイちゃんもお腹を空かしてらっしゃるのですし
直ぐ側には屋台もありますわ、たまには少し変わったお食事でも


【そう言って彼女は少し座り込んで、視線を合わせる、柔和な頬の色に微笑みを浮かべて】
【警戒を解く為の表情でもあって、少ししたなら右の手を伸ばす】


リンネとは、──── 親御さんでは、ないようですが、知り合いの方でしょうか?


【もし叶うのなら、彼女はその手を引いて、近くの屋台が群衆している所まで連れて行こうとするだろう】
【焼きそばやお好み焼き、たこ焼きといった中々に豪勢な品揃えをしている】
444 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 21:50:42.97 ID:NTZcU/Lso
>>442

【──── もし自分が人間なら苦笑いの一つでも浮かべてるだろう、なんて思ってしまう】


あんくらいのカチコミが出来る組織が、今どれくらい残ってるのでしょうね、装備、指揮、練度
そして何より一般人の犠牲者を出さない手際、オペレーターとして些かねたましいとすら思ってしまいますです
どこからあんな優秀な人材を引っ張ってこれるのか、まずその流通経路から叩かなきゃいけねーですし

指揮官はなおさらでごぜーます、脳内をみてみてーとは良く言ったものです


【軽口か、或いは本心か──── 人工知能に心なんてあるのかなんて問いはよして】


まぁ何事も上手く行くに越したことはねーでしょう、後始末もそれなりに上手くいってますです
<harmony/group>の云々は実験中の事故、という形で処理できています
「外務八課」には方々に手を回してもらえて助かったです、うちのボスはそういう実務的な事、あんまりしねーので


【──── ゴトウの疑問も尤もであった、エカチェリーナの登場は、あまりにも唐突に過ぎる】


身も蓋もねー言い方をするなら、スナークの作り方と大体一緒だったんじゃねーですか?
ゴトウにもログは渡したでしょう、ボスと私が話した内容にもあったのですが
スナークとイル=ナイトウィッシュが<hymn>を用いて結びつけられた様に

カチューシャもエカチェリーナも<hymn>の作用によって結びつけられたと、そう考えるのが道理です


【──── 或いは、────】


私達もしらねー事情が、その少女に隠されていたとかですかね
"ロシア" ──── 少なくとも其れは、此方の名前ではねーですが
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/23(木) 22:02:20.91 ID:jODBTHOP0
>>443

【そうして食事を捕り逃した幼子はよく分からない汁が少しだけ付着した指先を服で拭うのだ、その時に一緒に、泥汚れも付着するから】
【ああそうやって汚れたんだなと思わせるのだろうか、――汚れた身なりを判断するに、おそらくしばらくはこういう生活をしているのだろう、と】
【であればそれこそ野生児に等しいようだった。いくらジャングルと言えどもコンクリート製の世界なら、こんなちまっこい草むらに生きる虫も偉いけど】
【公園の片隅で虫を捕って生きていこうとする女の子も居て、それこそ彼女自身の言葉通りに偉いに違いなかった、――だなんて、嘘だ、生き方をきっと間違ってる】

ん! ユーイ、お腹すいた! あー……、ア? ァ……、イ? んん……。ィー、……。
……おしょくじ? ゴハン? ユーイご飯食べる! ヤタイ、ナニ? ムシ居る? 変わった……。……。んんん、クマ?

【事情を分かってもらえたと判断したなら幼子はこくんっと頷いてアピールする、自分は空腹であると伝えるのなら、尊大な態度、重役のように重々しくもう一度頷く】
【そうして相手の名前を聞けば、おそらくは呼び返そうとしたのだろう。――けれどもちいともうまくいかないで、しばらく、ごにょごにょと口の中、音を転がすから】
【続く言葉への返事はいくらも遅れた、ましてやお食事という言葉をすぐには解さなかったらしく。――それでも理解したなら、ぱあぁ、と、表情が煌めくのだろう】
【ご飯を食べさせてくれるのだと認識したらしかった、――それでもやはり屋台は知らなくて。変わった食べ物だと言われたら、そうやって尋ね返す】
【――やはりひどく常識に欠如した子であるらしかった、視線を合わせてもらったならばなおのこと嬉しそうに、にこりと、あどけない笑顔を向けるに違いなくって】

リンネ、ゴハンくれる! ユーイ、ムシ食べてたの、そしたら、ゴハンくれる――、巣もくれる!
だからユーイ、リンネのとこ行った、でも居ない! ウソツキ!

【右手を伸ばされるならむぎゅうと掴むのだろう。小さな掌だった、乾いた泥汚れのせいか少しパサパサした手触り、砂っぽくて、それから草の汁が乾いて少しペタペタしていて】
【だけれどもその向こう側の掌はうんときっと柔らかくって暖かいんだろう。――そうしてきっと力強かった、誰かへの文句をうんとうんと並べてみせたら】

【つまりは、森に暮らして居たら"人"が来て逃げ出した。その結果どこぞで今のように虫を食べていたら、リンネという人物に見咎められ】
【ご飯や寝床を提供するから一緒においでと誘われたのだろう。だからついていったんだけれど、――その人物は今居やしないのだ、と、屋台街にたどりつくころには、伝わるだろうか】

コレナニ?

【――ただ確実なのは、屋台街につくころには幼子の興味はすっかりとそっちに行ってしまって、何を聞いても、きっと生返事になること】
【であれば事情を確かめるのは空腹を満たしてやってからじゃないとダメらしかった、――たこ焼き屋台に並べてある山盛りのイイダコを指差して、相手へ、尋ねる】
446 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 22:10:43.28 ID:NTZcU/Lso
>>445

【彼女はその汚れた格好を見て目を細めた、その機敏が分かるだろうか】
【──── 彼女の様な立派な身なりをした女性の多くがする表情に似ている、その仕草】
【何か汚い様な、汚らわしい様なものを見る仕草と、ずっと近いのだけど】

【彼女の場合は憐憫の情からその色合いを見せた、幼子に分かるかは曖昧な色合いだけど】


……うーん、中々事情が掴めませんけども、そのリンネ様という方が居なくなったのですね
行方不明者のデータベースにあったでしょうか、最近確認を怠っていましたから……
また時間があれば確認してみる事に致しましょう──── ああいけませんわ

年をとってしまったのか、独り言が多くなってしまいますの、ふふ、ユーイちゃんは、聞かなかった事にしてくださいまし
さあつきましたよ、水の国名物の屋台街ですわ


【自嘲気味に笑う、その横顔は絵画の一差し、聖母のように曖昧な色合いを滲ませたけれど】
【あどけない笑顔に釣られて微笑んでしまう、その小さな手があまりにも愛おしくて】
【強く握りしめてしまう、手袋越しの感触がどこまでも宝物のようだったから】


──── そうですね、これは "タコ" と呼ばれる食べ物ですわ
とても独特の触感で美味しいのですが、残念ながらこのまま食べる食べ物ではございませんの
少し待ってて下さいまし、今購入いたしますわ


【そう言って彼女は一端、ユーイから手を離して、たこ焼き屋の店主に声をかけるだろう】
【目まで離してしまった、眼鏡越しの紫苑色の双眸は、真っ直ぐと店主に向いていて】
【──── 今この一瞬、ユーイが何をしても、彼女は対応できない】
447 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/23(木) 22:12:44.37 ID:2OA2sAQt0
>>444


「お褒めに預かり光栄だよ。」「カバーストーリーの方もうまく流布しているようでよかった。」
「まあ表向きは、こういうシナリオにしとかないといけないしね。」「その過程でウチも虚神の名前が出ない程度に名を売ったし、お互い様。」
「 ─── この世界の道理で動かなきゃいけない時はおれ達がどうにかしよう。 」「報酬は手前ェで用意するから、いつでも頼ってほしい。」


【のらりくらりと、然して確かに賞賛は受け取っていた。それでいて、世間体からすれば時として荒唐無稽にも過ぎる虚神への対応においても】
【"外務省所属の実力部隊"としての確かな手腕のアピールは各方面に行っていた。この分であれば"王"に愛想を尽かされることもない ─── それは今、語られるべきではないが】

「いまいちhymn値への理解も足りていないから偉そうな事は言えないが、 ─── そういう事、なのかね。」
「素質としては神格に遠くとも、それに相応しくなるための"条件付け"は行われていたようだし。 ……… それで、だ。」

「たまに、けれどそこそこの頻度で、しかも偶然の一致にしちゃ出来すぎてる精度で、聞くよね。 ─── "別の世界からやってきた"って主張する人間の話。」
「harmonyの時に出てきたラミレズって実験体の男も、どうやら"アメリカ"なる国で従軍していたらしいし」
「トリカゴって知ってるかな。あそこに所属している少女にも一人、自身の所属に"ロシア"って名前を出してる子がいる。」
「ウチのアリアなんかもそのケがあってね。いやアイツは確かに生まれも育ちも"この世界"に相違ないんだが」
「ただ一つ、アイツの能力によって召喚される"兵器"が奇妙なんだ。 ……… どういう訳か知らんが、時々"この世界には存在しない筈の"モノ、呼び出す事があるんだよね。」

「そりゃあ今更べつに平行世界が実在することに驚いたりしないよ。虚神や財団がやってきたのは事実として平行世界だったし」
「 ……… ただやはり、虚神たちにとっては、"そういう人間"のほうが好都合なのかねえ。そこが問題の本質と絡んでくるなら、切り込むのに吝かじゃあないが。」
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/23(木) 22:21:48.70 ID:jODBTHOP0
>>446

【――だけれど幼子はその勘定の揺らぎに気づかないようだった、あるいは、気づいたのだとしても、それを手繰る術を知らないみたいに】
【ヒトの形をしたヒトではないイキモノ。堪能に言葉を操り様々な機微を文字列に並べて来たヒトの知識を追いかけるには、彼女は、きっと、無粋が過ぎて】

ンン? ……アー、えっと……、ソウ! リンネ居ない!

【――――それが幼子の最後の言葉だった。と言ってももちろん死んだりするわけじゃなくって、屋台街についてしまったから、興味はもうそちらに向かってしまった証拠】
【ぎゅっと繋いだはずの手を、けれど上手にばっと振り払うのだろう。それは人間の子供とおんなじだった、自分の手が小さいのをうんと活用して、大人の手なんて容易く抜け出して】
【ぴゃーっと走って行ってしまうんだろうか、そうしてその背中を追いかけるのなら、――さっきの光景に繋がる、やまもりてんこもりの"タコ"を前にして、】

タコ? フーン……、コレは? コレナニ? 

【指先がそーっと、それでいて恐る恐る伸びる。頭のてっぺんっぽいところを突っつこうとして、けれど、やはり見慣れぬから恐ろしいのか引っ込めるのを、繰り返している】
【そんなことを何度か繰り返した後に、今回はこれで許してやる――みたいな仕草をするのだろう。そうしたら指先は移ろって、となりの揚げ玉とか、いろいろ、聞いていく】
【一通り答えてやれば満足する行為だった。それはすなわち一通り付き合ってやらないと満足しないという証明でもあった。――あるいは、目の前に差し出す以外の方法では】
【決して満たされぬ知的好奇心、――――ましてや相手の目が離れてしまうのなら、幼子は、ふらりっと(さも当たり前のように)歩き出す、長い尾を揺らすなら】

――ソレナニ? タコ?

【隣の屋台のところへ歩いていく、そうしてすだれを敷いたところに並べられた焼きそばのパックを覗き込む――ぺろんてはみ出した麺の一本を、突こうとしたら】
【――きっと相手のところまで響く怒声が響くんだろう、おイタをした子供に向けるには一度目なら十分以上に強い声だった、浮浪者のガキ、とか、バケモノ、とか聞こえて】
【あるいはあたりまでもざわりとするのだろうか。――汚らしい身なりの、明らかに人間ではない彼女がぐっと視線を集めてしまっていた、だけれど本人はきょとんとして】
449 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 22:26:46.68 ID:NTZcU/Lso
>>447

【──── 地位や名誉に興味の無い人物で良かった、とリーイェンは内心思っていた】
【その気になれば何処までも上に行けるだろう、彼が動かしているのはそれだけの部隊で】
【だからこそ時に、その根底が揺らぐのではないかなんて、気にしたりもしたが】


まぁ私としては時々、最新鋭のCPUで過ごさせてもらえれば文句はねーですけど
あ、そういや言ってませんでしたね、ゴトウの携帯伝手に時々、外務八課のメインコンピューター借りてますです
腕利きのハッカーじゃねぇと痕跡わからねーですから、心配はご無用です


【等と物騒なことを言いつつ、話は次の展開へと移るのだろう】
【続く言葉は些か奇妙であった、定義としての括りと呼ぶにはあまりに曖昧で】
【それでいて不自然に一致している点とも言えよう、異国の歌を聴いている様な違和感に】


その辺りは『公安三課』のデータベースにも時々確認できますです、別世界の話について
"虚構現実"を別現実として定義した場合、"別世界"はまた異なる軸にあるのでしょうね
だから容易に重なり合うとでも言いましょうか、そういう存在の方が親和/神話性が高かったか、若しくは

──── 仮にですが、その世界にもまた、"虚神"に連なる存在が居たとすれば


【こうして対話を通じていると忘れがちになるが、リーイェンは人工知能である、その事実は変わらない】
【だからこそ、その結論に心を交えない、だからこそ、その発言には感情の拠所がない】
【故に、話す内容がどれほど荒唐無稽でも、可能性があれば、述べなければならないのだから】


ソニア・エカチェリーナ=ドラグノフが元々どういう存在であったのかはわからねーです
だからこそ私は類推するだけでごぜーます、あるかもしれねーという可能性です



元々彼女は "エカチェリーナ" であった、だからこそ、<harmony/group>の実験体に選ばれたなんてことは
あり得ないとも言いきれねーでしょう?
450 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 22:36:16.71 ID:NTZcU/Lso
>>448

【──── あっ、と声を掛けたのと重なる、響く怒声が空気を揺らした】
【きっと知らなかったのだろう、イスラフィールはユーイの事を詳しくは知らないけども】
【けれども、此処までの話の中で、彼女が通常ではない生活をしてきた事が分かったから】

【感情は思うよりも早く、心を揺らして見せた】


──── お黙りなさい無礼者!!


【響いたのは激しい言葉であった、勢いよく叩きならされた白鍵、盲目のジャズピアニストの奏でる一音】
【彼女はスタスタと歩み寄った、その両腕で勢いよくユーイを後ろから抱きしめて】
【紫苑色の双眸がはっきりと、怒声を放った店主へと向けられていた】


子供のした事でしょう! 貴方にそれだけの言葉を述べる権利があるのですか!?
あまつさえ "化け物" とは! この社会に於いて、貴方の発言がどれほど時代錯誤か分かっているのですか?

世界はもう開かれているのです、我が 『水の国』 は世界で最も進んだ国として、誇り高くなければならないのです

その国民がこれほどまでに了見が狭くて何になりましょうか! 人外の子供一人に優しくも出来ないのですか!?
我々は皆平等に生きる権利が御座います、それは人であろうと、人外であろうと────っ



──── 異能者であろうと、変わらないのです




【彼女ははっきりと言い放った、この世界で、この状況の水の国に於いて、言い放つ】
【それがどんな揺らぎをもたらすのだろうか、広げた波紋はあまりにも大きく】
【──── せめてその両手でユーイだけは守りきろうと、必死に】
451 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/23(木) 22:52:09.07 ID:2OA2sAQt0
>>449

【なぜに彼は"正義"を標榜するのか。 ─── 彼の部下にさえそれが語られる事はなかった。その過去について、彼は多くを語らず】
【「 ─── 前、ミレーユ君が"後藤さんが妙なアクセスしてる"とか言ってたの、君の仕業か。 ……… ま、いいんだけど、さ。」そしてまた、今は語る必要もないのだろう。】
【少なくとも虚神と相対する間、彼の信義が揺らぐ事はないと、後藤は自負してやまなかった。その程度には彼もまた狂っていたから】

「 ──── ジャ=ロが"新世界より"にて語りかけていたのは、ウヌクアルハイのミームを拡散したのは、どうにもおれたちだけじゃあないように思えてね。」
「それに君たちのリーダーも、随分と"外側から"おれたちを見守ってくれているようじゃないか。 ……… であれば、虚神が"別世界"だの"第三世界"だのにいても、おかしくないよね。」

「 ……… 元よりソニアは虚神だった。しかしこの世界へと至る間に、何らかの形でその性質を失ってしまった。故にharmony社の手によって、与えられたのではなく"蘇った"。」
「それならば大した貴種流離譚じゃないか。 ─── かくて白雪姫は王子に口付けられ、継母への復讐を果たさんとしている。 ……… そう考えると、興味深いのは、だ。」

「 ──── "エカチェリーナ"の最終的な目的って、何なんだろうね。」「ロールシャッハの唱える"調和"に、彼女は本当に同意しているのかな?」


【全ては泡沫の絶頂に過ぎず。 ─── 然して、全てが調和し、永遠に栄華の続く世界において、誰がその繁栄を"最盛"と定義しうるのか。それが杞憂であるか否か。】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/23(木) 22:57:07.53 ID:jODBTHOP0
>>450

【――怒声にびくりと身体を震わせた幼子は、けれど、その非道い言葉の意味までは手繰れなかったのだろう、ゆえに、ただ、そこに立ち尽くしてしまう】
【それでも向けられた声の鋭さと場の雰囲気に、自分が責められていると言うのは分かったらしかった。しかしてそれに対応する言葉を思い出せやしないなら】
【あどけない顔を歪めて威嚇するように歯を剥く――そうすればやはりと言うべきだろうか。そこには人間と言い張るには少し鋭すぎる牙が覗いて】
【ぞろりと細かな鱗の生えそろった尾っぽが持ち上がったなら自分を大っきく見せるかのようにピンと立てられる、フーッと猫みたいに上げた、声の瞬間】

【――――その後ろから、ふわりと抱き留められるなら。びくんっと華奢な身体が跳ね上がる、そうして振り向きざまに、シャァ、と、唸るけれど】
【相手がだれで在るのかを確認したら、――いくらも気まずい顔をして、その代わりにむくーっと頬を膨らますのだろう。シャアシャア言うよりはより人間らしい仕草】
【それでもよく分からぬ悪意を向けてきた店主へ向ける目はギラギラとギラついて、ゆえに、相手もまた表情を険しくするのだろう、――ならば無限回廊にも似る】
【二人きりであったなら間違いなくもっと悪い事になっていた。――しかして今二人の間にはイスラフィールが割って入って、そうしたら】

【――壮年の男性であった。わりに筋肉質で、日焼けが目立つ。こういう屋台をやるのが似合うタイプ、ゆえにいくらも言葉は荒いのだけれど】
【"本職"ではないらしかった――ましてや、イスラフィールのような女性がこのように鋭い声を上げるとは思っていなかったのだろう、わずかに怯んだ間を空け】
【それでも言葉を返すのだろう。だけれどよほど特筆することはないような"意見"であった、テレビと新聞を見て影響されたとしか思えない、軽いもの】
【すなわち、能力者や人外のモノは世の秩序を乱すものであり、排除されるべきである。――特区で暮らしたいが、あそこではこういう店屋はやりづらいから】
【早く特区以外も能力者や人外の"バケモノ"どもを排除してやくれないかと、――そういう意見だった、若い女に言い返されて、言い訳の様相ならば、いくらか情けない】

――――――……。

【だけれど気づくのだろうか、その腕に抱きしめられた幼子の、先ほどは怒りに任せてピッと立っていた耳に尾が、今ではしゅんとなって】
【へたんと頭に垂れ下がる、長い尾っぽは地面をずるりと撫ぜて、――それを見た野次馬の親子連れ、その子が母親に囁く。その内容は聞き取れなかった、けれど、】
【「あんたも怒鳴られるから黙ってなさい」――いくらも聞こえよがしだった母親の言葉で、その内容までも辿れるようだった。――どちらにせよ早足で、親子は去り行く】

アー……、イ、ス、……、あー、ン……、イ、ゥ……。
ユーイ、だめ?

【――そうして幼子は相手へ呼びかけるのだ、それはふっとした街中で聞こえて来るのなら聞き逃してしまいそうなほどに、不確かな呼びかけ】
【けれどこの場面であったならば十分だった。十分であるはずだった。――冷たくけれど熱く鋭い、指先でつまんで遠くに棄て去るような、温度感を感じ取ったなら】
【さしもの野生児も何か不安さを覚えたらしい、――眉までしゅんと垂らしたなら、急にちいちゃくなってしまったように思わすのだろうか、微かな声をあげて】
453 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 23:05:16.42 ID:NTZcU/Lso
>>451

【而して其れは邪道な話でしかない、あくまでも本筋から離れた幕間の物語でしかなく】
【それ故にリーイェンはその内容を仮定だと言い切る、それは同時に命題に成り得ない】
【不必要な前提であった、それを認めるならば前件肯定も裸足で逃げ出してしまう】

【──── それ故にかもしれない、で済ませるのが丁度良いのだろう】


或いは、目的なんてない、ただの存在であるかもしれねーです
例えば "エカチェリーナ" 自身が目的を持ったとしたら、それは絶頂へと向かうのではねーですか?
彼女の異能は不完全を完全にしてしまう、それは例外があってはならねーですから

それを自身でコントロールできるにしても、存在意義が絶頂へと向かう歩みにあってしまうのですし
だからこそ、彼女は "ただ在る" のではねーかと私は思っています、白にも黒にも成りうる
"虚神" にしては随分と気ままな様子でごぜーますが


【──── 移り気な女王様という表現は、中々正しいですね、なんて皮肉を混ぜつつ】


若しくは、カノッサ機関の──── いえ、ちょっと待ってください
さっき、ゴトウはなんて言いましたです、カノッサ機関の、その後でごぜーます
インシデント"新世界より"──── そこでも、確認されていたですか?


【リーイェンの思考が働く、加速度的に温度を増して────】


誰がそこに派遣しただなんて、言うまでもねーですね、"ロールシャッハ" に決まっているです
ならば何のため、其れは勿論、儀式を成功 "させないため" だったとしたら────

──── "ウヌクアルハイ" が顕現しなかったのも、その結果だったりするのでしょうか


【それは一つの可能性であった、ロールシャッハの目論見の為に、エカチェリーナが暗躍していたとしたら】
【ゴトウならば逆算できるはずだ、何故カノッサ機関の手に、彼女が存在していたか、も】
【エカチェリーナを目的のない凶器と仮定すれば、必ずその柄を握る共犯者がいて】

【──── それはもう明らかになっているはずだ】
454 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 23:15:11.88 ID:NTZcU/Lso
>>452

【大丈夫、大丈夫、とイスラフィールは何度も小声でユーイに声を掛ける、規則正しいリズムで】
【微かに震えていた、その揺れをユーイだけが辿れるだろう、その勇気はきっと不確か】
【それでも振り絞った言葉ははっきりと紡がれる、怜悧な双眸が男へと向いて】


──── 秩序の為ならば他者を蔑ろにして良いと、とんだ御高説に御座いますね
その様な形で紡がれる秩序がかつて正当であった試しがありまして、歴史のお勉強をされる事です
良いでしょう、分からないのでしたら今はっきりと申し上げてさしあげますわ

"能力" は個性です、人でない事もまた、"人種" の一つです

貴方は肌の色で他者を差別するのですか、個性の有無で他者を判断するのですか
ならば黒い肌の者は白い肌の者より劣っているのでしょうか、脚の不自由な御仁は差別されて当然でしょうか
それが道理となる秩序に何の価値がありましょうか、それが道理となる筈が御座いません

──── "水の国" は他国よりも優れた倫理観と、意識を持って世界を率いて来ました

けれどもそれは、決して安寧のものではないのです、繁栄の上に私達は胡座を掻いてはならないのです


【言葉に揺らぎはない、為政者たる風格を持って、彼女はその言葉を述べると】
【胸元のユーイの声に呼応する、その響きが、何処までも、何処までも──── 小さくて】
【小さく "させてしまった" ──── その事実が、あまりにも、辛くて】

【ユーイの手を引く、元に戻る、児童公園へと──── 少し駆け足で】

【うつむいていた、顔を上げられなくて、引っ張られて少し、ユーイには早い足取りだった】
【手を強く握りすぎて、痛くするかもしれなくて、でも、でも────】
455 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/23(木) 23:35:25.74 ID:2OA2sAQt0
>>453


「成る程。 ……… 目的を持たない神、か。白神鈴音とよく似ているじゃないか。 」「自然現象や物理法則の類だな。」
「然るに誰にでも援用されうる、か。 ──── であれば案外、彼女もまた、ごく個人的な目的の為に動いているのかもしれないね。」


【矢張りそれもまた投げ遣りな仮説であった。 ──── だとしても愛を謡うのであれば、個人の情念に過ぎぬ所もあるのだろうか。】
【そうしてまた返る言葉には納得を示す。有り得た話ではあったが、その"はじまり"からずっと、脚本家たちは舞台裏で睨みを効かせあっていたらしい。】


「儀式を成功させぬ為に、ロールシャッハが彼女をカノッサに属させ、ひいては儀式にまで差し向けていたのなら」「 ……… 彼女の異能は、万物を"絶頂"に導く能力。」
「確かに、ジャ=ロの成果は絶頂へと達した。 ……… 邪神たるウヌクアルハイの認識を拡散させる事に成功し、彼の目的まで一歩の所まで辿り着いた。」
「 ─── 然し同時に、それは不完全なものでもあった。 ……… 生じたのは、彼の目的を達し得ない白痴の神。」「もしそれが、エカチェリーナの異能が行使された結果なら」
「存外に事態は悪い進み方をしちゃいないのかもしれない。 ───……… 彼女が"電波通信"において、夕月を虚神たらしめなかった理由も、何となく探れる気はする」

「ギンプレーン君には話したが、 ─── シャーデンフロイデを用いてロールシャッハが何をしようとしていたか、については」
「集められた"昏い感情"を夕月が拒むように画策し、世界線の移動によりそれら全てを消し去った上で、"調和"を創ろうとしたんじゃないか。 ……… おれは、そう見ていたが」

「そうすると一つ疑問なのがエカチェリーナの存在だった。 ……… "嫌なものを消して"しまえるなら、シャーデンフロイデ単体でも彼の目的は達せられた筈だ。」
「だが実際にはそうしなかった。エカチェリーナの能力によって、夕月を一瞬でも完全な虚神に仕立て上げれば、彼の目的を達する事は不可能ではなかった筈なのに」

「 ……… ならば、シャーデンフロイデを失ったロールシャッハは、"代役"に誰を立ててくるんだろうねえ。」
「残っている虚神の数はそこまで多い訳じゃない。 ───……… 彼女の代わりを成し得る存在なんて、いるのかな?」
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/23(木) 23:36:42.28 ID:jODBTHOP0
>>454

【少し窮屈な帽子に裾の長くて邪魔なワンピース。それがいつか幼子が"リンネ"に与えられた服であった、他のはまた今度買おうね、と言って】
【嫌いだった。身体がじりじりって締め付けられるみたいで。だから帽子だなんてすぐ取りたかった、――けれどそういうときにあの少女は決まって、その手を抑えて】
【お家や、或いは信じている人にしか見せちゃいけない、と、言うのだった。そうしていつも少しだけ悲しそうに笑って、「お帽子が要らないように、するからね」】
【――――ナントカなんて潰しちゃうからね、って、続けるんだった。だけれどなんてやつだったかは思い出せなかった。クロ、黒なんとか、――思い出せない】

【そうして二人は公園に舞い戻るのだろう。――遠くからかすかにセミの声がした、それから地面からも虫の声、夜の気怠い湿度の中へ、紛れるなら】
【自分より大きな歩幅の彼女に引っ張られるように歩くのなら、ぴょんぴょんって跳ねるみたいに追いかけるのだろうか、息は切らさない、それくらいは慣れていて】

【だけど】

んーっ、ンン、痛い! 手、イタイ! 

【――だけれど、人の感情を探るにはいくらも不器用が過ぎるのならば、公園に辿り着くころ、おそらくは我慢の限界だったのだろう。強く握られる手が痛い、と訴えて】
【それでもさっきしたように無理やり振り払おうとはしなかった、あどけない顔をひどく不安そうにして、――それでもほんの少しだけ学んだから、大人しくしている】
【さっきはこの手から抜け出してうろちょろしたから怒られた――よく分からない言葉を浴びせかけられた――のだとは、理解しているらしかった。ゆえに、ただ、佇んで】
【であれば表情は不安そうなのに怒ったようにも見えてどこか興奮しているようにも見えた。――すなわちひどく不安定な表情であるのだろう、この感情を言葉に出来ない様子で】

【ずるずるって尻尾を引き摺る音。――ならばその感情を占める色合いのいくらかまでは、推察もできるのだろうか】

――――イスラ?

【きちんと呼ぶには回らぬ口を誤魔化して幼子は相手のことを呼ぶのだろう、その様子がひどく不安であるかのように、ぎりぎりって痛む手を、わずかに握り返すなら】
【数度不明瞭な声を漏らしていた、――それから、ふっと、思いついた、みたいに】

ゴハン? ユーイ、ムシ獲る? エンより上手! エンはヘタ! ユーイ教えても覚えない!
エンは言葉も覚えナイ、ユーイは頑張って覚えた、ユーイエライ! エンはやる気ナイ!

【それはひどく拙い気遣いなのかもしれなかった、震えにもきっと気づいていて、だけど、上手に投げかけるための言葉は、頭の中に一つもなくて】
【であれば――と提案する。そうしたら元気づけるかのようにエンとやらの話を並べてみせるのだ、エンは狩りが下手で言葉も覚えないのだと言って、】
【自分は頑張って覚えたんだと言って。――得意げににんまり笑う。――――だけれど相手が元気になってくれなかったりするなら、きっとすぐに表情も、しゅんと変わるだろう】
457 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 23:48:27.77 ID:NTZcU/Lso
>>455

【やはり、と内心リーイェンは思う、ゴトウの思考法は常人より数段上の位置に在る】
【或る意味で度量が深いと表現すべきであった、柔軟な思考に支えられた其れは】
【どんな低い確率であっても、あり得るならばあり得ると捉えている様にも思えた】

【──── 不可能がないという点で、その知謀もまた不可解とも言えたが】


カチューシャとして表舞台に上がっている時の言葉も、掴み所のねー内容でしたからね
詩人と呼ぶにはあまりにも抽象的すぎて、聞いてる方が困惑する歌声ですし
存外セイレーンか何かの化身だったりするのかもしれねーですね


【ゴトウの見解にリーイェンは頷くだろう、同時期に語られている真実では────】
【それすらもジャ=ロの目論見であったという説が濃厚であったが、ともかく】
【続く類推はまた同時に興味深いものであった、リーイェンは注目する】


ロールシャッハはあのインシデントで、エカチェリーナを切り札と称していましたからね
だからこそゴトウの疑問も納得できますです、何故しなかったのかに付いてですが

……そうじゃないのかもしれねーですね、全てを消し去ること、──── そうではなく
もっと別の目的が在るために、夕月を絶頂に導くことを、先送りにした、と

──── 夕月を諦めたのではなく、夕月を見送ったとする方が、正しいかもしれねーです


【兎に角その点に関しては安易に結論づける事が出来ない、と言いたげに】


私はいねーと思います、だからこそその目論見の中に、夕月はまだ含まれていると思いますです
けれども、あの精神状態から見る限り、大きな世界線移動はもう難しいのではねーですか
だからこそ、それは大きな危機ではなく、あるかもしれねー可能性と考えるべきですが────


禅問答になりますが、そのロールシャッハの目論見すらも、エカチェリーナの影響を受けていたとしたら
"電波通信" の落としどころも、存外──── 良い着地点だったのかもしれねーですね
458 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/23(木) 23:56:01.01 ID:NTZcU/Lso
>>456

【──── 彼女は言葉を探した、けれども上手く言えなくて】
【痛いという言葉の響きを、ただ盲目的に信じるみたいに、思わずぱっと手を果たして】
【しゅん、と目尻を垂らして──── 言葉を少しだけ言いよどんだ】


……申し訳御座いません、少し力が入りすぎてしまいましたわ────
ダメ、ですね……私としたことが、こんな時に上手く伝えられなくて
いいえ、こんな時こそ、毅然と──── 伝えなければいけませんのに


【視線は手元に落ちた、握り治す自分の手は、思うよりずっと小さくて】
【ふと、言葉にひかれる様にユーイの方向を見た、そこには得意げに笑う表情があって】
【一瞬、彼女は言葉を失った、その微笑みを形容する手段がなかったから】

【──── やがて、目を細める、眩しい太陽に直面したときの様子に似ていた】

【ならばユーイは正しく日輪であった、屈託のない笑みが木漏れ日の様に降り注いで】
【だからこそ、目尻に浮かんだ露の彩葉、煌めく飛沫の一葉を、涙の名残と呼ぶのだから】
【イスラフィールは徐に抱きしめていた、貴方の身体を、強く、強く────】


ええ……ユーイちゃんは、ユーイちゃんはとても、偉いですわ、……ふふ
私としたことが、すっかり、忘れていましたわ──── そうです、私は
貴女の様な人々を守りたいからこそ、この道を選んだのですね

──── 帰りましょう、今日は……暖かいお家が待っていますわ


【そのままずっと、抱きしめていたい、そう思うぐらいの貴き一瞬に────】
【彼女はやがて立ち上がり、自分の住むマンションへと連れて行こうと試みるだろう】
【手を引いて、どうかしら、なんて声を掛けてみた】
459 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/24(金) 00:08:10.90 ID:oyk0tgxG0
>>457

【「 ……… 不条理詩みたいだねえ。」ぽつり、と呟く。意味のなさない言葉の列挙。意味を持ってしまった猿のタイプライター。】
【彼は夢見がちな革命家としての気質を多分に持ち合わせた男だった。 ─── 流離する思考の行く先を留めおく人間がいなければ、雲居の彼方に泳ぎ消えてしまうような】
【然るに今の彼にとっては眼前の少女は不可欠の存在であった。ともすれば荒唐無稽な結論に至りかねない自身の論理を、然るべき位置にて導きうる存在。】


「 ───………… 人間の"罪"を消し去る事が、嵯峨野の元来の目的であったのなら」「そこから更にロールシャッハは踏み出した形になるのかねえ。」
「繁栄というのは清濁を併せ呑むことで生まれうる側面も大きい。白河の清き流れに魚棲まず ─── って奴だ。」「 ……… 難しい話だねえ。」

「知ってるかもしれないが、ウチの課員は彼女とも懇意でね。 ─── やめとけって言ってるのにメンタルケアに走ってやまない。」
「ともあれ結果として信じられないくらいに深い信頼関係を築けてるみたいだし、 ……… 今更ただ怖がらせてどうにかするってのは、難しいだろうね。」


「 ─── 環境決定論を周囲のコミュニティにまで適用して考えるなら、目的のない銃口であった筈の彼女にさえ」
「ロールシャッハも影響されていた、か。ミルグラム実験じゃあないが ……… 意識的であれ、無意識的であれ。そういえば、さ。」


「人間の心理を知悉していると豪語してやまないロールシャッハだが、 ─── 彼には凡そ人間らしき心理体系は存在していないように見える。面白いよね、これって。」
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/24(金) 00:13:56.20 ID:lSjHuCB/0
>>458

【手を離すのなら、幼子の手は一瞬中空に取り残されるのだろう。それはどこか痛みの中にある優しさをもう少しだけ追いかけていたいように、】
【まだあどけない子供であった。リンネという人物がどれくらい行方をくらましているのかは分からずとも、――"こう"しようと判断する程度の時間は、経っているに違いない】
【ヒトではないといえど見てくれは幼い女の子であったから。――そうしてその手を今度は優しく握り返されたなら、にまと笑うのだろう、今度は痛くないのだから】

…………? ンぅ、――、アー、んん……、もう痛くない! ユーイ平気!

【――それでもやはり難しい言葉はよく分からない。ならば険しい表情は言葉を一生懸命に理解しようとした名残で、だのに追いつかないなら】
【いくらも不機嫌そうな顔をするのだろう。けれどそれは限りなく自分に向けてのものであった、相手に向けるはずがなかった、優しくしてくれているのは分かるから】
【もう痛くないから大丈夫だと伝えればさっきそうしたみたいにまたぎゅうと手をつなぎ合うのだろう、――その手は少しだけ汗に濡れて冷たかった、緊張していたみたいに】
【だけれどすぐに相手の体温に温められてほどけていくのだろう。最初の通りの柔らかな掌に戻っていく、それを伝えるならば】

ユーイエライ! リンネ帰ったら、ユーイ、メッする! ユーイにゴハンくれるって言った! ウソついた!
ユーイ、強い、木登りできる、ムシ獲る! 落ちてるムシ、ユーイ食べない、獲ったムシ食べる!

――――――――イスラ、もう、寒くナイ?

【ぴょ、と、垂れていた耳が立ち上がるんだろう。尻尾が元気になって地面をぞろろって撫ぜてから持ちあがる、――身長よりは短いけれど、ずいぶんと長くて】
【自分のこと偉い偉いって褒めたならぴょんぴょん小さく跳ねるのだろうか、そのたびに長い髪の毛がみょこみょこと一緒に跳ね上がって、もすもすって、背中を叩いて】
【それでもリンネという人物に怨みはあんまりないらしかった、――伝える言葉は、それはあまり人間の世界では役に立たない強さ、或いはそれがプライドだと誇るように】
【地面に転がっている虫は食べない、自分で捕った虫だけを食べるんだ、なんて――あるいは強がってみせたのかもしれない、だって、さっきは、あんなにも不安がって】

――オウチ? イスラの? ユーイも?

【――ぱちりと瞬く、手を引かれたならゆるりと歩んで、けれど、緩やかに止まるのだろう】
【だけれどそれはよく分かっていないだけの素振りに見えた、――それに、この幼子を放っておくのは、いくらも、不安要素が多すぎる気がして】
【伝えれば/伝わるなら、幼子はきっと自分で考えてその答えを伝えるんだろうって思わせるなら――】
461 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/24(金) 00:21:28.79 ID:MIcYG7Nfo
>>459

【リーイェンは画面の中で嘆息していた、無表情が更に、その色合いを強める】


まぁ人間なんて欲深いし罪深いどうしようもねー生き物ですからね、数字の羅列で生命まで作るんですから
そりゃあ罪なんて消せるわけねーです、消そうとしても上手くいくわけねーです
だから私は当然だと思ってますよ、嵯峨野 鳴海の行いが成功しなかった事について

──── それは何よりですね、一つの失敗した試みの帰結としては丁度良い結末でごぜーます


【そうして話はロールシャッハの内面へと移るのだろう、リーイェンは思考する】


間違いねーですね、電波通信のログを見る限り、ロールシャッハはあの行いを合理的とすら考えていますです
確かに内容だけ見れば合理的と判断できるでしょう、肉体的には一切の傷を付けず、上位存在を生み出す
けれどもそこには決定的に心理的な観点が抜けていた、そこがロールシャッハの落ち度になったのですが

────……存外そこが、ロールシャッハを突く出発点になりうるかもしれねーですね

ロールシャッハが読み取るのは "精神" であり、そこに準ずる "恐怖" だとすれば
そこにあるのは徹底的な "合理主義" にごぜーます、精神そのものを理解しているのではなく
膨大な精神のサンプルを、こうではないかという分類分けを細かくしているに過ぎねーです

或る思考実験に似ていますです、与えられた精神の情報に対して、ロールシャッハは正しく判断するでしょう
けれども、それは精神そのものを理解しているわけではねーのです、況や、その奥にある心理を理解できる筈がねーです


【実に皮肉な話であった、人工知能であるリーイェンが、人間の心理と精神について語っているのだから】
462 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/24(金) 00:25:20.50 ID:MIcYG7Nfo
>>460

【──── それは彼女のエゴかもしれず、或いはきっとエゴに違いなかった】
【彼女は彼女の理由を以て保護をする、そこにユーイの判断は関わらず】
【決定的に徹底的に、彼女は自分の価値観に従って動いてしまうのだから】

【──── それでも、彼女はそれを善と信じて】


……ええ帰りましょう、今日はもう遅いですわ、──── 明日のことは、明日に任せましょう
私のお家は大きいですから、ユーイちゃん一人ぐらい、どうってことありませんわ
それに、ご飯も服も、準備してさしあげますわ


【連れて行く指先に迷いはなく、その足取りによどみもないのだろう】
【水の国の一等地にそびえ立つマンション、その一室が彼女の部屋であった】
【──── 立派な寝床に食事、十分なもてなし】


【それでもなお彼女にとっては、何かが足りないそんな部屋であったから】
【足りない何かを埋めて貰いたいなんて、思ったのかも知れない】


/こんな所でしょうか! お疲れ様でした!
463 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/24(金) 00:39:16.46 ID:oyk0tgxG0
>>461

【「脳みそだけになった人間に機械の身体を与えて生き永らえさせたりもするしね。」 ─── 仮に人間の罪を消せたのならば】
【最早それは人間と呼ぶことはできないのだろう。汚れたものを切り捨てた先に残っているものが果たして何だというのだろう。】
【そしてその後ろ暗さから目を背け続けた結果が、"巡礼の年"の失敗であるに違いなかった。同じ過ちを同じ形で繰り返すほど彼らは愚かではない。】


「つまるところ彼はクオリアが欠如した耳年増野郎だと。」「やだねェろくな経験もないのに偉そうな口を訊かれるのって。」
「畢竟、他人の本心なんて誰も読み取れやしない。ただ対手の反応から"それらしいものがある"と判断しているに過ぎない。」
「 ─── 理解なんてのは概ね願望に基づくものだ。或いは彼に本物の"心理"を理解させてやれば、何か気が変わるのかもしれないねえ。」


【 ──── 下手な人間よりも良く出来た知能であると後藤は思っていた。それこそ機械じみていた。それでいて機械とは思えぬ深い思考がそこにはあった。】
【やっぱり部下に欲しいなあ。 ─── そう思いつつも、表情には出さず。滔々と言葉を続けていく。】


「実際のところ彼は、 ─── 三流のライターと言われて、少しばかり"憤慨"していたようだし。」
「完全に理解できないって訳でもないんだろう。 ……… そうしたら、"調和"を諦めてくれるかもしれない。」

「というか虚神ってそもそも、 ─── 自身の標榜する神格を、その身をもって理解できていないんじゃないのかな。」
「シャーデンフロイデにしてもジャ=ロにしてもそうだった。こと後者は死を理解していなかったからこそ、不完全な破滅を虚構現実にもたらした。」
「 ……… であればエカチェリーナも、"絶頂"が何なのか、分かっていないのかもしれないね。」「愛を求め続けるのは、そこに理由があるんだろうか ──── と、下世話に過ぎたな。」
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/24(金) 00:40:43.67 ID:lSjHuCB/0
>>462

【幼子はそのわずかにオレンジがかった黄色の瞳をぱちくりと瞬かすのだろう、それから、少し、考える素振りをする】
【その脳裏で相手の言葉を理解していく――ならば、"それ"そのものには問題がないように思えた、だって、自分を連れて帰った少女は今居なくて】
【みな餌に困窮している。自分は上手に餌が獲れているからいいけれど――それでもそれもいつまで続くものなのかは分からなかった、それならば、】

ん、んんん――、ユーイ、イスラのお家、? ンー……、エンとオモチと、アンコも、イイ?
ユーイと群れしてる、ユーイがボス! ユーイ居なくなる、困る! 

【時として群れのボスとして決断を迫られる場面もあると言うもの。――といっても現実は、家に取り残されたペットたちの処遇の話をしているのだ、彼らが心配だと】
【自分が世話になるのはいいけれど――それで彼らは駄目だと言われるのなら困ってしまうと思わせた、広い家なら、隅っこだって、貸してもらえたら嬉しいのだけれど】

【――ちなみによく聞くなら/あるいは実物を確かめるなら】
【"エン"はドラゴンの子だった。"オモチ"と"アンコ"はありふれた猫、黒猫と白猫で――実際に幼子がボスであるかのように振る舞うのだから面白い】
【動物同士として上下関係をはっきりさせてあるみたいだった――そうでなくてもどの子もわりにいい子であるだろう、ただ、ちょっと、イタズラするのが好きだけど】
【こいつらも受け入れてもらえるのなら、幼子は本当に嬉しそうにすることだろう。ただ問題はマンションがペット可だろうか、なんて、ただ、もし、大丈夫なら】
【少なくとも賑やかさだけは保証されるだろう。静かにしろってどれだけ叶えられないくらいの賑やかさが提供されることだけは、もう、避け得ぬ現実として】

――――――ニャア! 痛い! イスラ痛い! ヤー!

【――――そうしてこれは余談だった、薄汚く汚れた幼子を風呂に入れてやるのなら、こちゃこちゃに絡まり合った髪の毛、そのままではいられるはずがない】
【ゆえに櫛を入れようとしても入らなくって、入るはずなくって。少しでも無理にやろうとすれば、ぎゃあぎゃあって殺されるくらいのテンションで、喚いて騒いで――】

/おつかれさまでした!
465 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/24(金) 11:13:47.84 ID:QP4lzb7Qo
>>463

【結実としては存分に筋が通っていた、だからこそリーイェンはゴトウの結末に反応を曇らせる】
【それをそのものとして取るには、些か私達は虚実を共にしてきたと言わんばかりに】
【隙間に浮かぶ哀れみを、そうと捉えるには如何にも解釈出来るからこそ】


間違いねーです、ロールシャッハの言葉に合理性はあれど、それを信じる間抜けはいねーです
けれども、結果としてロールシャッハはその行いの悉くを、自らの意思に於いて達成してるのです
ですから敢えて言いましょう、──── "心理" を理解させる

その試みはあまりにも遠くて、果てがないと私は考えますです──── それに


【ねぇ、ゴトウ──── 紡がれた声は、目の前から聞こえるようで、そうでなかった】
【絡みついた指先が、首筋に触れて、そのまま波打つ様に溶けてしまうみたいに、耳元に溶ける様に】
【流れ込む声色が、鉄板の上のバターに似て、その体温で果てていく】


──── 貴方も私に、心理だなんて、理解させてくれないくせに


【ノイズの様な言葉であった、画面の中の彼女は、次のコマでは確かな静謐を保つ】


面白い仮説ですね、その着眼点は──── ボスですら持ってなかった視点でごぜーます
ただ、理論上は可能でも、という但し書きを付け加えなきゃならねーです、釈迦に説法とは言い得て妙ですが
それらの事実を伝えるにも、概念を示すにしても、──── そう、あまりにも "抽象的" に過ぎます


──── エカチェリーナが絶頂をしらねーとしたら、エカチェリーナが意思を持って動くとき
それがまさしく、絶頂に向かう道筋なのかもしれねーですけど
466 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/24(金) 22:45:44.06 ID:QC1iynXo0
>>465

【 ──── 膚の下。音もなく頸動脈に爪を立てるような声だった。されど主観時間のホワイトノイズは、世界に微かな焼き付きを残したに過ぎず】
【であればゴトウはそれに拘泥しようとはしなかった。枯れた笑いを頬に浮かべるのみだった。 ─── それでも、確かにその瞬間は、彼の記憶野に遺留されて。】


「 ─── それに。」「とうに分かっているからこそ、解り合えない可能性もある、か。」「 ……… 難儀、難儀。」
「プロファイリングの一要素として付説する事も出来ない訳じゃあないだろうが、 ─── 備考とするに留めておくのが、賢明かね。」


【紙コップの底に澱んでいた泥水のようなコーヒーを、一息に飲み干してしまう。オフィスに残っているのは彼だけだった。】
【窓一つない部屋の中、 ─── 何処へともなく視線を遣る。ひとつ嘆息を吐き出して、また画面へと双眸を向ける。】


「些か流言飛語に過ぎたな。」「 ……… そろそろ、仕事の話をしよう。」
「連中が各々、次に何をしようとしてくるか。おれたちはそれを如何に潰せばいいか」
「しかも後手に回るばかりじゃ好転は見えてこない。誰を狙うにせよ、こちらから打って出るという手は重要だが」
「 ……… 具体的な方策もなしに殺れる連中でもない。厄介だねェ。実に厄介だ。」

「 ──── 次に動いてくるのは、ロールシャッハか、ジャ=ロか。」「 ……… スナークは恐らく、奴らの動きに乗じてくるつもりだろうが」
「興味深いのはロールシャッハの不死性だ。 ……… いや"不干渉性"と呼んだ方がいいかな。前回のインシデントにおいても、奴はこちらからの攻撃を受け付けなかった」
「ジャ=ロからしても癪の種だろう。 ……… 然して奴がまだ生きているのは、単に泳がせているだけか ─── それとも、"殺せない"のか。どっちなんだろうね。」


【あくまでも彼らは銃口であった。暴力であった。実効であった。 ─── 殺して解決するならば、それに越したことはない。】
【だが虚ろの神を純粋な力で征服する事の困難さを彼らは既に知悉し過ぎていた。求められるのは、銀の弾丸。】
467 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/26(日) 13:17:30.42 ID:LKOtrFv5o
>>466

【若草一つ分の沈黙を重ねて、紡ぐ言葉の音律は病葉──── 少しだけの陰鬱さがそこにはあった】


幾つか考えられる要因はありますですが、大体に於いて共通しているのはその存在を多面的に解釈する必要性でごぜーます
インシデントのログは確認してるでしょう、 "アナンタシェーシャ" や "レッド・ヘリング" そして、 "シャーデンフロイデ" に関して
少なくともこれらの神々については、能力者達の攻撃は "有効" となっていたです

──── ただしそれが本質的な傷となりうるかは別です、時間を戻したり世界線を変えたり、は放っておいて

今此処で話題にしてーのは、これらの神々に対しては干渉できるという点ですね
ゴトウの言葉を借りるとしっくりくるです、そうです、彼らには "干渉性" が存在していました
逆説的な話ですが、この現実に存在している以上当然とも言えますが────


【さて、──── とリーイェンはもう一つ言の葉を撓ませて】


ロールシャッハとジャ=ロはその "不干渉性" に関して奇妙な相似点を見つけ出せますです
彼らは二柱とも "攻撃を受ける筈がない" と確信していますです、或いはこうは考えられねーでしょうか
つまり彼らの存在そのものが、"不干渉" として定義されているのではねーか、と

だからこそ彼らの "干渉" もまた、彼らの存在に帰依するものしか存在してないと立てられますです

ロールシャッハは "恐怖" ──── ジャ=ロは "死" でしたか、兎も角、彼らが干渉できるのもまた
前者に関しては "恐怖の再現" であるし、ジャ=ロは "数多の死" であるのではねーか、と
ジャ=ロの場合は補助的に "蛇術" も使っていた様ですが──── さて

ここで "サクリレイジ" はその特質として "疑似対抗神話" を持ち出しましたです、前回のインシデントでも居たでしょう?

不確かな存在に対して再定義という刃を持ち出す逆転の発想、荒唐無稽な存在に対する、荒唐無稽な策
ですがそれはある種の邪道でごぜーます、少なくとも私達の誰も、それだけで対応出来るとは思ってねーです

だからこそ私は言い切りましょうか、──── "対抗神話" を探しださなければならねーと
468 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/26(日) 20:30:39.73 ID:e2v1aF8M0
【路地裏】
【ひどく現実離れした話題の行き交う昨今においては、逆に安心感すら覚えさせるほどに】
【その場所は死のにおいに満ちていた。鉄錆と、切り拓かれた肉の香。むせかえるまでに、執拗に】
【まだまだ続く残暑の余韻に混ざればそれはますますひどくなった。一吸いするだけで嘔吐を誘う。そんな場所】

………………、どい、つも、こいつもっ、どいつもこいつも、どいつもこいつもッ、

【――――ひどく浮き上がって見えるシルエットがひとつあった。真っ白。か細く、少女の質感】
【実際それは少女だった。夏服、ノースリーブの襟付きシャツにプリーツスカート。彩度の低い青系統色で纏められ】
【その下の肌は日焼け知らずの青白さ。さらに、重力に沿って垂れ下がる長めの髪まで真っ白とくれば】
【くらやみに浮かび上がる亡霊みたいにひどく浮いていた。だけど生きてる少女だった、地に足が、ついている】

どいつもこいつも! …………何なんですかもうっ、クソ、……クソしかいねぇな相変わらず、ここはッ……

【だけど。その足は必死に何かを踏み躙っていた――――、……ヒトの死体だった、それは】
【胸に何かを突き立てられた痕がある。きっとそれが致命傷だった。そこからまだ、だくだくと新鮮な血が流れていて】
【少女はそれを「浴びて」いた。真白い髪から肌から、清潔な衣服まで、べったりそれで汚れている、のに】
【しかしそれを気にも留めない。寧ろ忌々しげに顔を歪めるのに、この場から離れていこうとしないのを見る限り】
【「下手人」はこの子なんだと思わせるには十分すぎた。だけどこの子は手に何も握っていなくて、――だけど、】

【死体を見やる両の眼。……何故か右のほうからだけ、涙みたいな勢いで血を流している、それには】
【言い訳しようのないほど、殺意の色彩が躍っていた。白に程近い灰青色の虹彩、だけど、爛々と燃え盛るみたいに】
【それに反して瞳孔はぎゅうぎゅうに絞られていた、……息が荒い。おそらく「やって」から時間は然程経っていない】
【興奮しきっているのだ。この少女は。屍を、踏み躙って――それさえ「よくあること」で済まされるんだろうけど、この場では】
469 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/26(日) 20:41:16.35 ID:YPtvKZ9R0
>>467


【なるほど確かに"格"が違っていた。物理的な干渉を受け付ける程度には、斃れた虚神たちは"認識"されていたのだろう。】
【だが脚本家の二柱は然にあらず。ともすれば神格そのものが他の神々とは異なる存在である可能性さえあった。 ─── かの神話が乱丁に溢れた台本の束であったように】
【然るにその方策は、確かに合理的だった。形なきものに形を与える。然して浮かぶもう一つの可能性を、後藤は微笑の裏にで再検討する。】


「つまり彼らに分かりやすい"形"を与えてやることで、おれたちが干渉し得る余地が生まれる、 ……… そういうことかな。」
「素性の知れぬ奴らの姿を、どうやって形取るか。どうやって奴らに働きかけるか。 ─── その後、どうやって奴らを仕留めるかについては、まァ据え置くとしてだ。」

「定義と銘打つからには、"正しく"理解するのが手っ取り早い。 ……… ロールシャッハに関する神話か、報告書か。欲しいねえ。」
「連中と直接会って話が聞けたら何よりと言えば何よりだが。 ──── 少なくとも、奴らだって、協力するのに吝かでないだろう」


【使えるものであれば剃刀さえ暗器に仕立ててしまうような男であった。「再定義のやり方は、ギンプレーン君とディー君のそれに則るという手もあるが ─── 。」】
【 ─── 然して既に見せてしまった切っ先を、そのままに受けるような神々であるようにも思えなかった。「 ……… 悩ましいねえ。」】


「ところで、一考に値する点も出てくる。 ……… ジャ=ロが何故、"未定義"のまま存在しているかは、まだ答えを出しやすい。」
「奴を作り上げたのは、余りに世界を識らぬままに知っていた少女だ。そんな存在から生まれたものが、おれたちの世界の理に適う形になる筈もない。」
「対してロールシャッハが"不定"である理由は何なんだろうねえ。 ─── 恐怖ってのは確かに、人それぞれの経験や過去に由来し得るもの、だろうけれど。」

「あるいは奴らは不確かなどではなく、 その誕生から"関わり得ないもの"として、明確に定義されていたのかもしれない。」「それでも、やる事は変わらないけどね。」
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/26(日) 22:56:36.30 ID:5rMuEsvd0
【櫻の国。妖怪達が多く住まう、とされる山の中腹付近】
【其処には季節問わず色鮮やかに咲き誇る桜がある、なんて噂されていた】
【然れどそれは常に咲いている訳では無く、若しかすれば数年の間蕾を実らせる事すら無い、とも】
【――さて、今宵。満月の下で季節外れにも満開に咲く其れが在り】

「……ん……っ……。あれ……?」

【その木に背を預ける様にして眠っていた妖狐が一人。膝の上には数本のお団子串が載った皿】
【周りにはまるで何人かが集って宴会でもしたかの様なお重だお酒等の数々】
【……いや、実際の所。少し前までは不思議な事に太鼓の音だ笛の音色だと山中に響き渡っていたのだが】
【それは兎も角。巫女装束を纏っている事から、妖狐が何処かの巫女である事は確か。辺りに神社がある訳でも無いのだから、奇妙と言えば奇妙】
【もしこの場を訪れる者が居るとするならば、未だに若干眠気を引き摺って居る様な眼を擦りつつ】

「……ぁ、あの……何方、でしょう……?」

【そんな言葉と共に、小首を傾げるのだろう】
【この妖狐自身に敵意と言うものは全く感じられない筈だ。故に、悪意を持って近付いて来たとしても構える事も無く】
471 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2018/08/27(月) 10:13:37.63 ID:GQQXYxvI0
>>468
//再募集しておきます!たぶん一日中のんびり待ってます〜
472 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/27(月) 23:06:06.08 ID:bu7YpuORo
>>469

【後藤の推察は正しく的中していた、リーイェンは深くその意見に同意するだろう】
【微かな働きかけでも十分に言葉を紡ぐ、その作用は手慣れた狩りの様にも思えて】
【リーイェンは無表情の裏側で、擽る微かな思い入れを確かめてみる】


考え方の一端としてはある種王道でごぜーます、そして私達の現実からすれば邪道です
あらゆるインシデントで我々がそうした様に、物理的な働きかけを持って私達は対峙しました
それは確かにその行動こそが "道理" であると、少なくない確証を持っていたからです

形ある物は "壊せなければならない" ──── けれども、件の二柱は、その道理から外れている

或いは意図して外したか、定かではねーですが、兎に角その道理を通してはならねーのです
故に私達は時に、──── その持っている常識すらも、棄てなければいかねーのかもしれねーですが


【続く後藤の言葉にリーイェンは沈黙を要した、膨大な量の演算が脳裏を駆けめぐる】
【それは何の気なしに付け加えられた言葉かもしれない、けれども、走り書きのメモが古書の価値を上げるように】
【その呟きこそが、リーイェンの求めた天啓であると、表現も出来た】


──── 存外悪くない手段ですね、ロールシャッハにとってジャ=ロは、敵対すべき相手でごぜーます
或いは、ひょっとして "同じ事を" ジャ=ロも考えているかもしれません
深入りはすべきではごぜーませんけど、深淵を覗く行いは吝かではねーのでしょう?


【リーイェンはそう言い放ち、次の一筋を探す】


……──── まったく、どこからそんな発想が出てくるのやら……しかし、しかしです

的外れどころか、或いは──── それこそが最も単純な正解としてある可能性もありますね
別に "かもしれない" で十分です、もしかしたらを私は歓迎しますが────


──── ロールシャッハが "関わり得ない神" として定義されていたなら、それは誰の手によるものでしょう
"恐怖" をまるで、神格化し──── 忌避するような事を
473 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/27(月) 23:08:59.28 ID:MvD6iOYo0
>>468

【手の施しようがない領域まで淀みきった暗がりの行く先。 ─── 幽かに冷たい温度が差し込む。晩夏のそれではなかった。】
【少女の背後より、足音が距離を詰める。それなりに堅い靴底、霜柱を踏み締めるような、儚い何かの軋む音。】
【 ─── 振り向けば人影が立っている。輝かしい表通りから射し入る後光と共に、少しだけ甘い、乙女のかおり。】


「 ───── うわ、」「随分、派手にやるなぁ。」


【であれば紡がれる言葉も乙女の柔らかさをしていた。茜さすルージュに色付いた瑞々しい唇は、蜜の滴る花蕊のように緩んで】
【眼鏡の奥、青く丸く大きく澄んだ瞳の輝きは物陰の中にあって尚も炯炯としていた。 ─── 悠然たる足取りのローファーが、世界に触れる事さえ拒むように"凍って"いく。】
【然るにこの暑さの中、堂々と黒いゴシック・ロリータを着込んでいる事も道理であるに違いなかった。黒いフリルにぼやける身体の輪郭は、その素性さえも忘れさせる。】


「あァ安心して。」「何も見咎めようって訳じゃあないから。」
「ね、 ─── シラサカ。カゲツ・シラサカさん。でしょう?」


【 ──── ひらり、ひらり。真白く細い左掌を広げて、そいつは少女へと軽く手を振った。その薬指には、銀色の輝き。血の匂いに混じる、仄かな乳白色の甘さ。】
【微かに頤を傾げて笑うなら腰まで伸びる濡羽色の髪が揺れた。ひどく端整な顔立ちをしていた。丁寧な化粧に愛されているにしても、真白く透き通る肌であった。】
474 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/27(月) 23:22:18.46 ID:GQQXYxvI0
>>473

【茹るような暑さの中に紛れさせるには十分すぎるほど暑い息を吐いていた。二度、三度】
【それでも自分を落ち着けるためにそうしていたのに。……そこに踏み入るモノが入ってくるなら】
【血走った瞳が其方に向く。ぎちりと鈍い音でも立てそうな勢いで、ひどく、腹立たし気に】

………………、……そんなに名前の売れてる自覚はなかったんですけど。
どこから漏れてしまったんでしょう? ……面倒臭いな、面倒、本当に、……、

【苛立っているのを隠しもしない声色。か細いのに芯の図太い音だった、それで恨めし気に吐くのは】
【「その通りで間違いない」ということだった。そこまで至って、ようやく死体から足を離す】
【身体を向き直らせる、恐ろしいほど細い体躯だった。それで現れた女(?)を見るなら、やっぱり】
【不快感を隠しもしない。暑っ苦しい格好していて一滴の汗もかいていない。なら、「面倒臭そう」】
【そういう感想を抱くんだった。率直に。それで――――ぐい、と顔の右半身、血を手の甲で拭って】

そうです。私が白坂佳月ですけども――――あなたはどちら様ですか?

【「今私、誰かに喧嘩を売ってる覚えもないので、名前を呼ばれるのは不信感を感じます」 ――吐き捨てる】
【言葉の通り不信感も。それから不機嫌そうなのもまったく隠さない、ともすれば傲慢が過ぎる態度で】
【それじゃあおまえは誰なんだ。問うたけど――その答えを聞いた次の瞬間、すぐに飛びかかれるような勢いと】
【明確な殺意を孕んだまま。白いまつげが胡乱げにずっと、ゆっくり、瞬いていた――右目からまた、血が溢れる】
475 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/27(月) 23:47:42.08 ID:MvD6iOYo0
>>472

【「奴らの口車に乗せられるべきではないが、 ─── 同時におれたちは、おれたちの道理を捨てる必要もある、か。」難儀だねえ。難儀難儀。繰り返して呟く。】
【それなりに老いてしまったといえ、深みに足を滑らせてしまうほど、彼は柔な足腰をしていなかった。「丁度、蜜姫かえでも掌中に収めたところだし ─── 釣ってやれたらいいんだが。」】

【そうして投げかけられた言葉へ、 ─── 彼は幾ばくかの沈思と、その後のゆっくりとした譬喩によって、答えてゆくのだろう。】
【回答としては余りにも迂遠に過ぎていた。然して形なきものを切り裂けぬ鋒が今ばかり示せるのは、霧の裂け目に見出す一筋の光明だけ。】


「 ──── 啓蒙思想、ってあるじゃない。」「無知蒙昧ゆえに人は間違った道を進む。神なんてものを信じてしまう。然るに人は"知らねば"ならない。」
「そうして普遍的な理性を携えていれば、誰しも必ず正しい道に進める、何も恐れることはない ─── そんな題目だったと、記憶している。」
「だが結局それは民衆へ膾炙するとともに、それに則る発展を遂げると共に、理性への懐疑なき依存にまで敷衍してしまった。 ……… 神への信仰と大差なかった訳だ。」

「怖いもの見たさなんて言葉もあるが、 ─── 基本的には、恐怖とは忌避されるものだろう。」「"化物の正体見たり枯れ尾花" ……… 多くの場合、"知れば"恐怖は恐怖でなくなる。」
「であるが故に人間は色々と理由を付け、恐怖を拭い去ろうとする。知ったつもりになろうとする。宇宙悪夢の神様なんて"非科学的だ"なんて、科学も知らない身で言い切ってしまう。」
「それが理に適っているかは問題じゃない。大義名分が重要だ。 ……… 如何様にも見える紙上のシミに、もっともらしい説明をつけて、人間心理の機序を見出すように。」

「尤もこれは考えうる可能性の一つだが、それでもやはり、 」「──── "恐怖"など我らに関わり得ない、と決めたのは。我々、人間であるのかもしれないねえ。」
476 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/28(火) 00:05:07.92 ID:6Qv4roJ30
>>474

【返す刃のように睨まれて尚もそいつは動じなかった。誰かに媚びる事を知っている化粧越しの微笑を崩しもしなかった。】
【なれば却って憐れみの色さえ浮かんでいるようにも見えた。 ─── 痛そうじゃない。そんなに突っ張らなくてもいいんだよ?】
【然してやはり薄笑いは薄笑いであった。血の涙を流す少女を見て尚も無責任に笑っているなら、まともな神経ではないに違いない】

「 ─── や。」「ボクもキミに接触するにあたって、色々と調べさせてもらったから、さ。色々とね。」
「キミの経歴。」「性格。」「素性。」「能力。」「懇意に探してる誰かさん。」「 ……… 人斬り稼業も、一人でやるには果てしないでしょ?」

「ボクはミレーユ。」「ミレーユ・ミスゲシュタルト・ストレーン。 ……… 仕事は、政府公認の殺し屋。」


【なれば返答は打刀の柄半ば、打ち込まれる目釘にも似ているのだろう。 ─── それでも糠に釘であった。】
【そいつの容貌は女以外の何者でもなかった。事実として女と呼称するのに問題がある訳でもなかった。】
【淀みないのに甘ったるい声音で紡がれる言葉は女の色をしていた。胡散臭いキャッチのように、大仰な身振り手振りを添えて。】
【 ─── ごく礼儀正しく名乗りは返された。青い瞳が、微かに冷徹な光を宿していた。手の甲までを覆うフリルの袖先から、 ─── 刹那に煌めく、銀色の鋭利さ。然し】


「単刀直入に言おうか。」「ボクは、 ──── "我々"は。」「ひとつの法執行機関として、キミをスカウトしてもいいと思っている。」
「受け入れてくれるなら、交換条件に情報をやらんでもない。」「 ……… キミが探しているらしい、お友達のことについて。」


【くすくす笑いながら、そいつは言葉を続けた。名乗った素性と存外に噛み合わぬ目的で、そいつは少女へと接触したらしい。】
【しっとりと甘露に湿るような声音は、眇められた両の瞳は、吊り上げられて潤い満つ紅の唇は、 ─── 悪戯に、恋人を弄ぶような色合い。】
【白い親指を己れの顎先に当てながら問うていた。であれば掌はそいつ自身に向けられていた。 ──── 左手の薬指に嵌った指輪。だれかの瞳を抉り抜いてきたような紅色。】
477 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/28(火) 00:23:45.35 ID:FMj5DAz40
>>476

…………………………、……はぁ?

【間の抜けた声が出る。殺し屋さん、と鸚鵡返しに呟く唇がぽかんと開き、それから】
【続く言葉にはやっぱり訝しげな顔しか返せない。何か適当なことでも抜かしている狂人なのかと一瞬思う、】
【……だけど、その青色に狂人の素振りが見えないとなると、ぐっと息を呑んで。じりと靴底を鳴らす】

…………私なんかに声かけなきゃいけないくらい、人員不足なんですか?
政府公認だってのに。こんな路地裏でしょっぱい殺しをやってる小娘、欲しがります?
何をどれだけ知られてるのかは、知りません、けど、…………、

【暗闇の中でも自ら光を放つみたいに。きらめく銀色、左手薬指に着目すれば。否が応でも思い出す】
【「お友達」のこと。本当にどこまで知られているんだか、腹立たしくも忌々しく、空恐ろしい気分になる】
【――――それ以前に。単刀直入に言って、少女は不快感を覚えていた。だって、】

あなたは、………………「夕月さん」の何なんでしょう。
彼女の何をどこまで知っていて、……私にそんな、勝ち誇ったみたいな顔して。近付いてきたんですか?

【それだけでなんとなく察してしまった。目の前のこの人は、きっと自分より彼女のことを良く知っている】
【数年間ずっと一緒に居た自分より。目の前のこいつが。知ってる。あの娘のことを。それがひどく、ひどく】
【悔しかった。有り体に言えばただの嫉妬だった。自分にはずっと隠していたことを、この人には簡単に曝け出したんだ】
【あの娘は。あの女は。――――。そう考えると何もかもが腹立たしくなってくる、あの娘も目の前のミレーユも】
【そして、何年も一緒にいておいて何も察することができなかった自分も。……何もかも■してしまいたくなる】
【訊いておいてなんだけど、……答えはやっぱり聞きたくないとも思った。でも耳は塞がない、ひどく、自己嫌悪してたから】
478 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/28(火) 00:54:57.90 ID:6Qv4roJ30
>>477


「それはタダじゃあ教えてやれない。」「 ─── 尤もその分だと、教えてやらなくても、知ってるんじゃないかな?」
「ことさらキミに語ろうとも思わないしね。」「 ……… 自傷行為を手伝ってやるほどボクは親切じゃないんだ。」


【なれば矢張りそいつは面倒臭い奴に違いなかった。 ─── 眼前の少女、その内心を知ってか知らずか】
【その体温にも似て冷たい言葉を、およそ躊躇わずに突き立てていく。或いは突き放していく。なれば左手の銀色にさえ、そいつは無自覚であるのかもしれない。】
【 ──── だが、自らを抉る刃の痛ましさを、きっと「彼女」は望んでいなかった。万に一つでも、諌めているのかもしれなかった。だとしても、薄笑いは変わらない。】


「どうであれ評判というのは広がりやすいものさ。ボクのように真っ当な身分を隠していても、こんな風に声をかけられた。」
「小娘だなんて謙遜はよせよ。 ──── "Justice"元構成員。"徒花"。"人斬り"。"不実の月華"。少なくとも其の辺にいる青臭いヒーロー気取りの所業じゃあない。」


【少なくとも続く賞賛は本物だった。青い瞳が告げていた。 ──── "キミも、そういう人間なんだろう?"】
【殺しの遣り方が手に染み付いてしまった人間。堅気の歩き方というものを忘れて戻れない人間。散り行く花弁のように儚くとも、その心に静かな信念を宿している人間。】
【往々にして彼らは寄って立つ瀬を必要とする。そいつにとっての「彼女」が、きっと今ではそうであるように。】


「何も今すぐボクらの仲間になれって言う訳じゃないんだぜ。」「たかだか幾つかの情報で、キミを抱き込むつもりもない。」
「 ─── なんなら今すぐ立ち去ったっていいし、この場でボクを殺そうとしてもいい。」「 ……… さ、どうする?」


【 ──── 故にこそ、そいつは問うているのかもしれない。"キミは、これから何をしたい?"幾らでも重ねられるニュアンスを込めて。】
479 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/28(火) 01:15:06.20 ID:FMj5DAz40
>>478

……………………ハラ立ちますねあなた。勝者の余裕、綽綽って感じで。

【なんの勝ち負けだかは知らないが。とにかく少女は負けた気分になって、不愉快になって】
【それを隠そうとしないのだった。清々しいまでに。だったら少しは落ち着いた、というか】
【本気で殺す気にもならなくなった、らしい。その念がまだ潰えていないなら、今頃とっくに刃を抜いているから】

……、……本当にどこからそんな情報仕入れてくるんですか?
少なくとも私、数年はずーっと「目立つような」ことしてないんですけど。……夕月さんが何か言ってました?

だったら猶更ハラ立ちますね。私にはなんにも言ってくれなかったのに、あなたには何でも言うんだ。
…………やっぱ顔か? 面食いですもんね、あの人……それか特別、やさしくでもしてやりました?
ちょろいんですもん。優しくされたらすぐ誰にでもついていきますもん。……そういうバカですもんね。

【その代わり、言葉の刃はずっと抜き身のまま。つらつら語り連ねていく「彼女」の特徴】
【私だってあの人のことよく知っている。あなたには及ばずとも。そう言ってなんとかマウント取りたがっているみたいな】
【実に不毛ないいがかりだった。……言ってるうちに自分で自分が情けなく思ったのか、やめて、息を吐いて】

………………、……わかりました。ではあなた方が一体何者であるかくらいは、教えていただけません?
お友達の情報ひとつあげるって言われただけで、よくわかんない組織に属するのは――嫌ですよ、私は。

何者かってここで言えないなら。だったらせめて――――
私にどういう働きを求めているかくらいは、教えてもらってもいいでしょう?

【結局のところ、「情報」は欲しがるんだった。それでいて、これから先自分に何を求められているのかくらいは】
【教えてくれなきゃ困ると付け加えて。……まだ訝しげな顔をしている、信用していないというよりかは、】
【……きっと単純にミレーユのこと、気に食わないってだけの反応であるようにも見えた。――――、】
480 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/28(火) 01:40:46.00 ID:fo2M162g0
>>479

【相変わらずの薄ら笑いは、 ─── "事実としてボクは勝っているじゃないか"という意味か。それとも、"何の勝負についての話"という意味か。】
【あからさまな害意に対して怯む事はなかった。触れるなら溶けてしまいそうな真白さの頬を緩めて、くすりと音もなく華やぐ吐息を漏らすのなら】
【人心を冒す甘い香りが微かな身振り手振りにも付き纏う。ふと其れが差し向けられるのなら、誰かを手篭めにするには十分な芳しさを含んでいた。】

「あは、」「 ──── キミもボクのこと、綺麗な顔って褒めてくれるんだ。 ……… あの子にも、そう言われた。」
「バカな子だけど、賢い子だよ。 ……… それに、優しい子だ。ほっとけない面構えをしてる。だからボクも、ほっとけなかった。」
「キミのことは多少なり聞いたけど、 ─── すごく、申し訳なさそうにしてたよ。まあ、ボクから無理強いは、しないけど」

【謝らせてあげてくれないかな。 ─── そう続くに違いなかった。然しそこまでをそいつは述べなかった。生易しい優しさだった】
【存外にそいつは少女へと敬意を払っているようだった。いとしいひとが、大切に思う誰か。であればその内心にも、ことさら張り合おうとはせずに】


「 ─── "刃"だ。」「キミが、ボクが、我々が不義と見なすもの」「一切衆生を切り伏せる刃。」
「我々はそのために組織され運用され自律している。」「"階級なし"。"実力主義"。"独立攻性"。"最優先ライン"。"超法規的機能"。」

「キミのような人材を孤立させておくには余りに惜しい。」「 ─── 事実としてキミは今、"無力"だろう?」
「世界を蝕まんとする幾つかの巨悪については朧げでも知っている筈だ。」「 ……… それを許せるような性分でもないだろう。なれば、ボクらの後ろ楯を得てみないかな。」


【続いたのは、 ─── ごく真剣な語調の"説得"。深く澄んだ青い瞳を静かに見開き、じつと真っ直ぐに少女を見つめる。】
【乙女の声をしていながら、いつのまにか鉄芯のような意志が挿入されていた。であれば今の声こそが飾らぬ彼の真意なのだろう。】
【「 ………… それは、きっと」「"あの子"の無念を晴らす事にも、繋がるから。」だのに最後、そっと付け加えられた一葉は、どこか昏い憂いにも満ちていて。】
481 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/28(火) 02:00:18.64 ID:FMj5DAz40
>>480

…………、…………。……こういうのばっかり引っ掛ける。いやだもうあの人、
……………………申し訳なさそうにするくらいなら最初ッからやるなって伝えといてくれません?
今再会したらうっかり刺し殺してしまいそうな気がします。腹立たしいことこの上ないんで。
だから当分会いたくないです。なので、……今ちゃんと生きてるってことだけ教えてくだされば結構です。

【「こういうの」ってつまりどういうのだろう。ほっとけないものを放っておけない類の人たち、恐らく】
【だったらこの少女だって十分、「そういうの」に成り得る資質があった。ちょろいバカを放っておけなかった】
【……吐き捨てるように呟いたら、ふんと突っぱねるように言い切ってしまう。「会いたくない」】
【きっとそれは嘘だった。それが本当ならこんなところうろついたりしない、けど、……刺しちゃいそうってのも本当】

は、…………なんかどっかで聞いたことあるような文句ですね、それ。
「守る」んじゃなくて「切り伏せる」。そういう考え方は嫌いではないです、ごたごた、しないんで。

そうですね、巨悪、巨悪っていうと――――まあ、何にも思い浮かばないと言われればウソになりますけど。
そいつら全員ぶっ殺したいとかそんな大それたことは夢見ませんよ。
そこまでがっつり「正義の味方」、やりたいとは、思いませんし、…………、

――――でも、そうしていいだけの力を与えてくれるっていうなら吝かではないです。

【「やっぱ腹が立ちますもん。私、平和に暮らしたいだけなのに。それを脅かされるのは」】
【無力であるということに否定はしなかった。後ろ盾を与えてくれるというなら嫌な気分はしなかった】
【だけどそれで、与えてくれた力を振るう理由は。ごく単純に、個人的にしか使うつもりがないと言う】
【平穏な世界で平和に暮らしたいだけ。そのために誰か殺さなきゃいけないなら、平気で殺せる】
【そういう性分だったから。それだけの理由でそこに居ていいと言うのなら、是非に。そういう言い方をして】

………………やっぱあなたちょくちょくハラ立ちますね。何でもかんでも全部知ってるみたいな顔して。
左手薬指、…………そういう仲なんですよね。夕月さんと。……あの人ノーマルだと思ってたんだけどなあ。

【――最後の最後に憎らしげに声を尖らせるんだった。それで、……「女もいけるんだ、あの人」。何かしら、勘違いをしている】
482 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/28(火) 02:25:02.89 ID:fo2M162g0
>>481

【蓋し正論であった。「そう伝えておくよ。 ……… あの子だって今も、元気にしてるから。」そして屈折した内心もまた、理解の及ぶ所であった。】
【であれば"あの子"に対して、本当にそいつは伝えるのみに留める。 ─── それで"あの子"が思い悩むなら、いつまでだって繰り言を聞いてやるのだ】
【困ったような苦笑は存外に少女を悪からぬ思いで見ているようだった。たいせつなひとが恩義を持つ人間であれば、同じようにたいせつにしてやりたい。絆も、誰かも。】


「 ─── 結構。」「ボクだって、胸張って"正義の味方"を名乗れる人間じゃない。」
「ボク達は刃であり鉄槌であり銃口であり、」「 ─── 詰まる所は暴力装置だ。」
「反吐の出る奴を斬る限りキミの鋒に文句は付けないよ。」「 ……… 後は対価として、我々の望む時に力を貸してくれればいい」


【然るに少女の有り様もまた肯定するのだろう。真白いストッキングに隠された後ろ脛には不可視の傷痕が幾らでも見出せた。】
【義心あることに越したことはないが、単に振るわれる刃としてそこにあるとしても、 ──── "我々"は許す。その目的が、ささやかに幸せな日々であるとしても。】
【だが ─── 最後に少女が不満げな声音をするなら、そいつは矢張り困ったような顔をした。致命的な誤解と幾ばくかのプライドが拮抗し、「 ……… あー、」見出す折衷案。】


「 ……… あの子、その辺は"普通"だよ?」「ボクが"特別"だった。それだけなんだ」


【 ──── 恐ろしく迂闊な言い方であったことに、そいつは/彼は、口にしてから後悔する。二つの意味か取れた。いっそ矜持など最初から捨てていれば良いのに。】
483 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/28(火) 02:47:09.91 ID:FMj5DAz40
>>482

【それでいいと言われるんなら特に何も言うことはない。頷く、頷くんだけれども】
【やっぱりひどく不機嫌そうな顔をしていた。ごく単純にミレーユのこと個人的に気に入らないだけみたいであって】
【「所属」することに何も不満はないなら、本当に不満点はそこだけだったし、…………であるなら】

………………………………つまり私は特別じゃなかったってことを言いたいんでしょうか。
ほんっと、あなた…………ハラ立ちますね。ミレーユさんって仰いましたっけ? 覚えておきます、
今後私の「上司」になってくださる方に、あなたとだけは組ませないでくれって真ッッッ先に頼みに行きますので。

【どこまでも、どこまでも。「悪い」方面にしか取らないんだった、あからさまに眉間に皺を寄せて】
【その言葉の真意にはたぶん気がついてない。どれだけ褒めてもらえたって思春期の小娘にしかすぎないのなら】
【続く言葉もひどく我儘めいて尖ってしまう。……実際それを受け入れてもらえるかは、知らないけど】

はあ、まあ――――いいですけど。
別にどうでもいいです、私だって別に恋愛感情持ってたわけじゃないですし、夕月さんに。
それはそれとしてあなたと夕月さんに腹が立つってだけで……ああもう、これはいいんだった。もう……

…………それで、これ以上の詳しいお話は「ここ」ではできない類のものですか?
だったら一回家に帰ってもいいですか。……着替えたいです。あとできればシャワー浴びたい。
後日改めてって言うんならそれでもいいですけど。どっちにしたって――血は落としてから行った方がいいんでしょう?

【どうでもよくなさそうな響きで文句を言い続けながらも、これ以上の話をするなら一回帰りたいって言い出す】
【返り血も死臭も浴びっぱなしでどろどろに汚れていたから。きちんと身なりを整えたいとのことで、】
【それを許すなら少女はさっさと家に向かうんだろう。……ついて行ったって良かった、止まる気配のない文句に耐えられるんなら】
【行く先、「家」って言った場所は。「あの子」のかつての家でもあった、だったら、ついでに寄って行って】
【生活に必要そうなものを見繕って持ち帰ってやるなり、それか、以前の暮らしっぷりを眺めに行くなり。動機はいくらでも作れそうだけど】
484 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/28(火) 09:41:25.91 ID:ccjRRnDMo
>>475

【何の気なしに零す後藤の言葉、身柄を捉えたその手腕に内心賛辞を送りつつも────】
【空恐ろしいとさえ思うのだろうか、恐らく数段は、他の組織よりもその行動の迅速さに無駄がない】
【それはつまり "外務" として存在しているが故の機敏さか、それともその所属している課員の優秀さか】



【──── 否、違う、とリーイェンの演算は導き出す、それは理屈であって理由には成らない】



【執念、とリーイェンは定義づけるのだろう、飢えた獣の様に、疾走するその足並みに寸分の迷いも無い、と】
【結局の所 "外務八課" とは世界を食らう孤高の狼達の集まりであり、手綱を握る筈の後藤でさえも】
【隙を見せれば食らいつく、賢しき獣に過ぎないとさえ、──── 内心思っていた】


封建社会が生み出した戯言の手習いでごぜーますね、それらしいお題目を唱える連中にはぴったりですが
けれどもそれは、科学が生み出す文明の光に照らされる前の、無知たる無明の空間に怯えていた時代
──── 暗がりで震えていた人類の名残でしかねーです、過去の汚点にしか過ぎません

私達は純然たる理性と、純朴たる精神の作用の中で生きるのではなく、そこに純真なる知性を宿していますです
ええ、何度でも言いましょう "私達" です、1と0の組み合わせで生きる私にも、確かな智慧を携えているのですから
況や人間の営みなど、──── 深き怯懦など、その文明を以て踏破しなければならねーです


【後藤ならば理解できるはずだ、リーイェン、人工知能にとって、虚なる神々がどのような役割を持つか】
【それはある種の屈辱的な自己否定とも言える存在であった、実数の世界に生きるリーイェンと、虚数に満ちた神々】
【だからこそ彼女は真っ向から否定する、──── サクリレイジに協力する一端が、見えたような気がして】


──── ええ、全く以てその通りです、調和の取れた社会に "恐怖" が入り込む余地など無い、と

恐らくはその根源からそう定義されていたのでしょう、取り除かれる際に "醜悪" だなんて二つ名を付けるぐれーです
科学と文明の発展の裏側に、オカルトが介在する余地を無くす、光在るところに影が在るなんて言いますが
世界を丸ごと光で包み込んだのなら、それは最早影すらも存在しえない

而して、その影が生み出されたのが理想郷に住む人々の心の中からだなんて、──── 洒落が効いていますです

──── 話が長くなりましたね、後藤の発言は正しく "的を射ている" と私は同意しますです
"Kaitul" をそう定義したのが "嵯峨野 鳴海" であるとすれば、原初の段階に於いて "ロールシャッハ" はその痕跡を残している筈です



<harmony/group>の本社ビルを洗いましょう、『外務八課』の権限を持ってすれば容易い事でごぜーます
表向きはかつての大企業、カバーストーリーで "事故" を起こして休止中と世間には公表されてますが
その実、政界にも強いつながりを持っていますです、──── 必要なのは "根回し" なのは、言うまでもねーでしょう


【リーイェンはそう提案する、ことロールシャッハに関しては、その原初が<harmony/group>にあるのではないかと】
【示すのは内部への強行査察であった、魑魅魍魎の跋扈する怪しき懐へと、潜り込む勇気────】
【或いはそれは蛮勇に似て、──── 決死の逃避行ですら、言葉には足りない】
485 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/28(火) 23:27:23.55 ID:6Qv4roJ30
>>483

【やってしまった。そう理解するのは相手の言葉を受けてからだった。誤解を生む表現に頭を下げる人間の気持ちが分かった。であれば続くのは弁解であり、】
【「やっ特別じゃないって訳じゃなくて、実際キミは特別だと思うし、けれどそのボクは本当に特別っていうか ─── ああもうッ。」然し、綴る言い訳は要領を得ずに】
【なれば面罵も甘んじて受ける覚悟であった。 ─── それでも、苦々しげな表情に込めるのは、「そこまで言わなくっていいじゃないか」と反駁したげな一抹の不服さ。】
【白磁の頬を微かにむくれさせつつ、然るに少女の言い分には、多少なり憮然としたような色合いをもって返答するのだろう。持ち上げた左手、これ見よがしにひらつかせる。】


「 ……… んじゃあ暇だし、ボクもついてくことにするよ。」「差し当たり、込み入った話は向こうでしよう。」
「 ──── キミもまだまだ、聞きたい事はあるだろうし。」「 ……… なんでもぶつけてくれて構わないからね。」


【ぶつけ返さないとは限らないけれど。 ─── そこまでを、そいつは言わなかった。表向きは笑うような声音でありつつも、】
【根底には幾ばくかの陰険さを隠していて/それでいて隠そうともせず、隙を見せれば「全くどうしてあの子はキミなんかと ─── 」とでも、言い出しそうで】
【であるに向ける脚先は二人仲良く揃える結果となった。話は聞いていた。昔住んでいた家があると。置き忘れたものも、ないではないのだと。】
【「 ……… そのカッコで、表通り歩けるの?」恐らく、歩けない。分かっていて聞いていた。ならば行く先は路地裏になるのだろうか。いずれにせよ】
【何か皮肉の一ツでも言えば躊躇いなく切り替えしてきそうな距離感のまま、ふたりは行くべき所に行くのだろう。 ─── 恐らくそいつは、躊躇いなく上がり込む。待つ間、茶菓子を勝手に食べるくらいには横柄に。】
486 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/29(水) 00:08:06.23 ID:b6wepNv30
>>485

【「……裏通り使って行きます」。不機嫌を隠すことなく、振り返るもせずすたすた歩いて、「家」に辿り着いたなら】
【曰く奥のほうにある部屋は自室だから入らないでほしい。他のところなら別に構わない、とか言って】
【さっさとシャワールームに籠ってしまうんだった。「……夕月さんの部屋は、そっちです」。去り際に言い残す】

【大きく分けて二部屋。リビングに付随する形で佳月の部屋があって、もう一部屋が「あの子」がかつて使っていたもの】
【そういう間取り、何もせず待っていたいならリビングでいいだろうけど。何かしら気になるなら――部屋を探索したっていい】
【入るなら、おそらく佳月の手でとりあえず整頓された――けれど殺しきれないあの子の香りがほのかに残っている、】
【そんな感じの、女の子の部屋としてはありふれた内装。表向き片付けられてはいるけど、抽斗とか、机の上とか】
【クローゼットとか。そういう細かいところには手が付けられていないようだった。……それも勝手に見てしまうなら、】

【恐らくゲーセンで取ったと思わしきぬいぐるみがベッドに転がっているとか。机上に日付の古い雑誌が置きっぱなしとか】
【クローゼットの中には一回使ったきりっぽい水着とか、浴衣とか――安っぽいやつ。そういう遊びに行くための衣服があったりとか】
【――――なんにせよ、あの子が「ありふれた少女」であったことの一端が。残滓が。探そうと思えばいくらでも見つかるんだった】

【(それがどうして今の形に歪んでしまったんだか。わかりやしないけれど、)】


…………、……何か面白いものは見つかりましたか?

【10分そこらでシャワーの音は止んだ。恐らく本当に浴びた血を洗い流しただけで終わって、佳月はすぐに戻って来た】
【ドライヤーのかけ方が雑なのはあの子と同じで、白い髪は微妙に湿っていた。でもわりかしさらさらしているのは、地がいいからか】
【「なんであたしばっかりこんなクセっ毛なんだろうなー」。そんな声が今にも聞こえてきそうな雰囲気を纏って】

ほんと遠慮ないんですね。別に、いいですけど……。…………、
……夕月さん、元気ですか? ごはんとか食べてますか。あの人放っておいたら野菜一切食べませんよね。
ちゃんと食べさせてますか? なんだかあなた、甘やかしてそうで心配。…………、こういうのは、今はいいのか。

【「聞きたいこと」――もっと他にいろいろあるだろうに。「組織」の詳細情報とか、彼と夕月の関係性とか】
【なのに結局はそういうことを一番最初に訊いてしまうんだった。結局のところ心配で心配で仕方ないんだった】
【ひとりっきり、この家で待ち続けるのはずっと不安なんだった、単純に。「……お茶飲みますか?」】
【「カップ、夕月さんが使ってたやつしかないんですけど」。振り払うみたいにそういうどうでもいいことを言って、】
【くれって言われたんなら冷蔵庫からペットボトルのものを取ってくるんだろう。2リットルのやつ。ひとりしかいないのに】
【それでも、いつ帰ってきてくれてもいいようにって思って。しきたりを何も変えていなかった、二人で一緒に買った食器も、引っ張り出して】
487 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/29(水) 22:00:08.03 ID:yulifd4J0
>>484

【"彼女"の結論は肯綮に中っていた。 ─── 本質からして彼らは、人皮を被った狼である。最大多数の最大幸福を追求する公機関であるという点を除けば】
【禁じ手知らずの迅速激烈を旨とする点において、墓暴きと同質の組織であった。犠牲者を出さなかったのは、出す必要がなかったからに過ぎない。】
【道理があるのならば誰であろうと何時であろうと何れだけであろうと殺せるのが、後藤たちの本質だった。 ─── リーイェンがその喉笛を戒めるのも、然るべきこと。】


「 ───………… "機械の中の幽霊"ねえ。」「今更チューリング・テストの是非を問うつもりは、おれにはないよ。」
「生身の頭脳と人工の知能の間に、截然たる境界があるとも考えちゃいないしね。だが、 ───……… まあ、これは此方の話だな。」


【然して血を浴す事そのものを好まぬが、彼らを獣から遠ざけていた。なれば彼の言葉は、婉曲した警告だったのかもしれない。】
【感情的になった協力者は不能である。リーイェンが嘗て忠告した言だった。 ─── それを後藤は否定こそしたが、然し】
【人間であろうとなかろうと、あらゆる知性の屈折した心理を弄び、都合よく導いてきたのが虚ろの神々であるのも事実だった。狂気に近付いて尚も、その正道を糺さねば】
【屈辱や狼狽を前にした時、彼らは行く路を見失うに違いなかった。それでも告げ切ることはしなかった。言語のみでは通達し得ない理解もある。】


「であれば奴の目指す"調和"とは、やはり存外に穏やかではないものなのかもしれない。 ─── 無論ながら、奴さんへ直接に聞いてみなきゃ分からんが」
「敢えて逆説するならば、影が世界を覆うなら、それを影と知るものはいない。 ……… いくつかの推論くらいは、立てておくに躊躇うことはなさそうだ。」


【そこで一つ彼は言葉を切り、 ─── 大きく嘆息するのだろう。そこからは現実の領域だった。彼らの寄って立つ業界だった。】


「 ……… 本格的な資料の押収は、ウチも画策していた所だ。」「渡りに船。解析にあたっても外部の協力が得られるなら有難い事だし、ね。」

「繰り返しにはなるが、政界の中にも彼の高踏的な態度を好ましく思っていなかった人間は多く居る。 ─── まして」
「生前の嵯峨野は調停官という一種ピュアな中立性を求められる役職に就きながら、民間企業との癒着とも取れる関係にあった。」
「そこに重なって今回の件だ。 ……… 利潤の為だけに首を突っ込んでたような連中は、揺さぶるまでもなく手を引くだろうよ。」
「有り難いことに後ろ楯にも心当たりがある。 ─── これでもまだ遮られるなら、そっちにも働きかけてみるさ。」

「 ─── 奴が虚神を創る過程において試みた仮説、実験、結果、」「その全てを可能な限り収集し、整列し、記録しよう。」
「然るに、ひとたび記憶したモノを掻き消せぬのもまた人間だ。認識上の罠が仕掛けられている可能性も、十二分にある」
「二の足を踏むつもりはないが二の舞も避けたい。 ……… 保険と人選には、細心の注意を払っておくよ。」
488 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/29(水) 22:39:39.62 ID:yulifd4J0
>>486

【少なからず虫の居所は悪かったが、流石に剥き出しの悪意をぶつける程の容積ではなかったし、そこまでそいつは子供ではなかった。「どーも。」ただ言い残して】
【誰かの家に特有のにおいが嗅覚に浸透していく。やさしい人の温もりを感じつつも、それでいて確実に余所余所しいにおい。故に幾らかは、自分で塗り替えてしまったにおい】
【その出所が気になったのかもしれない。 ─── リビングに踏み込む。そうしたら否応なく、あの子の部屋だという空間も目に入る。ストッキング越し、フローリングの感触さえ畏まっている気がして】
【ゆえに少しばかりの逡巡があった。 ─── けれど結局は好奇心が勝った。このにおいの出所。探してみようとする衝動までは、流石に抑えられなかった。】

【きれいな部屋だと思った。 ─── 昨日までとは言わずとも、1週間くらい前から旅に出てるんだと説明されて、きっとそいつは疑いを持たなかった。】
【できる限りに埃だって拭われていた。欠かさず掃除されてるんだろうと思った。だから今でもシグレの香りが消えてないんだって思わせた】
【これだけありふれたものを大切にできる優しさを感じた。どこかに日記でも有りやしないかと思った。けれどあの子がそんな几帳面なもの付けてる訳ないよなと直ぐに諒解し】
【だったらせめて直筆の手紙とか、メモとか、とかく隔絶してしまったままの思い出が何処かにありはしないかと。きっと、理由を探していた。】
【シグレ/夕月の歩んできた人生。その結節になってきたもの。どこかに見出せやしないだろうか。そんな甘い溜息を歎いたところで、 ─── 少女が出てくるから】


「ん。んーん。」「まァ昔から変わってないんだなァって思うし、それが一番面白かったかな。」


【 ─── ファッション誌の袋綴じ、閉じられたままの小さな数年間を開こうとしたところで、そいつは全て元に戻した。ひらりと向き直り、すとんと横坐りにクッションへ】
【幾ばくか湿った髪からは幽かに血の匂いが残っていた。そういうものには敏感だった。 ─── そういう癖を付けたの、さてはお前か。ふッ、と笑って】
【「貰えるものは貰っとくのがボクの主義だから。」 ─── とか何とか言って、小分けのマドレーヌか何かを食べているんだろう。3分で5袋くらい開ける。節操がなかった。】


「今じゃすっかり元気だよ。パスタ一皿あっさり平らげちゃう。いっぱい食べてくれるのは、そりゃ嬉しいけどさ」
「でもサラダだって小皿に盛り付けないと食べてくんないの気になるよね。ボウルじゃ箸にもかけないの。ボクだって色々、バランス考えてるのにさぁ ─── 。」


【であれば、 ─── 切ない世間話の距離感に応じるのは、せめてそいつの罪滅ぼしであったのかもしれない。「牛乳がいい。」横柄であるのは一種の保つべき威厳だろうか。】
【思い出話ならば幾らでも聞きたいし、幾らいけ好かぬ相手としても、愛しい人の旧い友人に手を貸すのは吝かでなかった。伏し目がちに、そいつもまた、言葉を綴る。】


「 ─── 幸せ者だったんだなぁ。」「あの子も大概、不孝な子だね。」
「こんだけ目にかけて貰ってるのに、すっかりボクにかまけちゃって。」「お礼もなければ別れもない。」
「ボクがキミだったら嫉妬しちゃって仕方ないよ。」「 ……… 恋心って、そういうものかもしれないけど、さ。」


【ゆえにこれは決着を付けなければいけない関係性なのだろうと、"彼"は思っていた。 ─── その為に己れに何が出来るのか、相手の言葉を聞かずしては決められずとも】
489 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/29(水) 22:57:04.55 ID:b6wepNv30
>>488

【モノを食べる元気があるなら安心したらしい。それでも牛乳を要求されれば少し、眉間の皺を復活させて】
【「ないです。一人暮らししてるとすぐ腐らせちゃうんで」 ――有無を言わさずお茶をマグカップに注ぐ】
【お揃いで買ったものらしかった。同じカップを、佳月も使っていた。それで一口二口、唇を潤すように飲んだら】

…………やっぱ食べてないんですね。ていうか全部あなたに作らせてるんだ。
当番制にしといたほうがいいですよ、じゃないと、本当に家事なんにもしてくれないんで……。

不孝も不孝ですよ。急にいなくなるしSNSブロックしてくるし本当最悪です。
……まあわかってたことですけど。あの人ちょろいんですもん、恋人なりなんなり出来たら
私のところなんてすぐ出ていっちゃうんだろうなって思ってました。
……ここまで徹底的に姿消されるなんて、そこまでは思っていませんでしたけど。

【テーブルに肘をついて、掌の上に額を乗せて。俯いたままはあと溜息を吐く。疲れ切った音色】
【どうせ自分はあの人の一番にはなれなかった。それを自覚していて、だけど、ここまで突きつけられるなら】
【少しだけ――いやかなり腹が立ってしまったし、悲しくもなった。それが自分の本当の気持ちだったんだと気付くと】
【やりきれない思いばっかり抱くから。飲み下してしまう、適度にぬるまったお茶を一気に流し込んで】

…………、……、夕月さんって。結局どういう人なんでしょう。いま何かに巻き込まれてるんですか?
何年も一緒に居たのに。私にはなんにも教えてくれなかった……ずるいなあ。
なんでぽっと出のあなたばっかり、……そんなによく知ってるんでしょうね。

【それでも苦さと渋さの強い後味が残っていた。それをもう何度目になるかもわからない溜息と共に、吐き出した】
490 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/29(水) 23:21:41.55 ID:yulifd4J0
>>489

【「それは使い方が悪いのさ。」 ─── 眠れない夜にひっそりと飲む牛乳の美味しさを知ればよかった。】
【それでも揃いのマグカップでお茶を飲むのは何となく気が引けなくはなかった。同じように唇をつける。冷たくて美味しい。】
【割と喉も乾いていたからすぐに飲み干す。そうしたら勝手に2杯目を継ぐ。飲み食いに躊躇わない奴だった。】


「 ………… そうだね。」「考えといた方がいいかもしれない。ボクもあの子に、料理のやり方でも教えたいところだったし。」


【だから、 ─── 静かに少女の繰り言へと傾聴して首肯するのは、そいつなりの対価あるいは奉仕であるに違いなかった。】
【つられて同じように溜息をつく。その色さえも甘ったるかった。何かに巻き込まれているのかと問われれば、幽かに忌々しげに、しかし確かな殺意を持って、眉根を寄せて】


「 ─── 少し前まで、クソッタレの外道に目を付けられてた。今は多少なり落ち着いてるけど、 ……… どうなるか、解らない。」


【であれば矢張り余程の激情がそこに宿るのだと思わせた。 ─── それでも求められているのは分かりやすい解答だったから、ふッと頬を緩ませ、懐かしそうに彼は笑う。】
【この手の愚痴聞きは慣れているつもりだった。それが少女への慰めになるかは解らずとも、何かしら心境にケリを付ける一助になるならば、それだけでいい。】


「でも、たぶん」「 ─── あの子は、キミの知ってる通りの子だよ。」「バカで、薄情で、怖がりで」
「けど優しくて、賢くて、可愛くて」「だからいつも危なっかしくて、」「 ─── ほっとけない。」

「心配かけたくなかった。ただ、それだけだと思う。」「 ……… ボクも、そうされた。」
「あの子バカだからさ、つらいコト全部ひとりで抱え込もうとするんだよね。」「自分如きが迷惑かけらんない ─── っていうか」
「なんかある度に親しい人から距離を置く。親しければ親しいほど。そのクセ後悔するんだよね、突き放すだけ突き放した後」
「でも見ての通りボク無遠慮だし、そういうとこに躊躇わず踏み込んじゃったんだと思う。 ……… キミみたいに、優しくないから」


【 ─── 褒めているのか貶しているのか今一よく解らないモノの言い方をした。どうあがいても他人の神経に障る言い回ししか知らぬようだった。それでも。】
491 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/29(水) 23:37:44.57 ID:b6wepNv30
>>490

…………外道。相変わらずヘンなのにばっかりモテるんだから、……もう。

【どうなるかわからない、と言われれば、頬杖をついていないほうの手が拳の形に握られる】
【そんなやつさっさと殺してしまえばいいのに、と思っていた。特に事情も何も知らないから】
【だから、どんなに複雑な状況に巻き込まれているのかもよくわかっていなかった。がり、と天板を引っ掻いて】

……、……よおくご存知ですね。賢いっていうのは首をひねりたくなるところですけど。
なんか猫みたいじゃないですか? 飼い猫ほどかわいらしくはないけど、野良で生きるには生き辛そうなやつ。
エサあげたらすぐなつくくせにずっと家にいてくれなくて。でも撫でさせてくれるしほどほどに一緒に居てくれるし、
死ぬときふらっといなくなるみたいに、ヤバいことあったらふらっといなくなって、……、

――――――あなたはよく飼い慣らしたんですね。どんなエサ使ったんですか?

【それはきっと褒めてくれてるんじゃないんだろうなって思った。けれどいちいち噛み付くのが、もう面倒になったのか】
【「優しくすればするほど逃げるなんて、本当、恩知らず」。小声で呟く、だけど内心では後悔していた】
【わたしだってもうちょっと踏み込んでたらよかったのかな。後の祭り、踊る元気もないなら、静かに突っ伏してしまって】

………………、はあもう、いいや。夕月さんの話は。もういいです。
それで話は少し戻るんですけど――――さっき外道に狙われてたとか言いましたよね。
それ、どういうヤツですか? 「特区」の人とか、そういうのでしょうか。

【――ぼんやりとした痛みを纏う右目を、瞼の上から軽く擦りながら。訊いてみるのはそんなことだった】
【現在彼女が「悪」として認識している存在は、そこらへんであるらしい。虚ろなる神のことは、全く、知らなさそう】
492 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/30(木) 00:10:05.85 ID:Kh1W6Ydc0
>>491

【殺意の質量であればそいつも少女と同質だった。 ─── 或いは少女よりも余程に陰惨な感情を抱いているかもしれなかった。】
【半月ほど前に世間を騒がせた事件があった。クラッキングされたSNSの有名アカウントによる、スナッフムービーの配信騒動】
【その主犯とされたのは、ゴシックロリータを着込んで厚化粧に隠れた、若いピエロの女だった。 ─── それはどこか、そいつに似ていた。】
【いずれにせよそいつは残酷だった。少女の引き起こした殺戮の一部始終を笑顔で見逃すくらいには冷酷だった。なのに、ひどく今のそいつは、困った顔をしていた。】


「 ─── ボクにも分からない。」「 ……… ただ、多分」「エサって言うよりかは、もっと別のものを明け渡した気がする。」


【故にそう返事をするのが精一杯であるに違いなかった。 ─── 自分が何を言っても凹ませてしまうだけと、ようやく気付きを得たらしい。】
【遣る瀬なく天井を仰いだ。想い出を紡ぐには余白の足りない距離感だった。自分ではどうにもならないと思うなら、その通りになるのだろう。なればこそ】


「神様を僭称する連中さ。」「 ─── できることなら、あの子には何も尋ねないでほしい。」「本当に非道いことをされた。」
「今すぐにでも生まれて来たことを後悔させてやりたいが、 ─── 最悪な事に、撃ったり斬ったりするだけじゃ死なない奴らだ。」

「"虚神"。」「奴らはそう自称している。」「並行世界から来た連中らしいが正直その辺はどうでもいい。」
「奴らは夕月に奴ら自身の因子を埋め込んで、仲間に引きずり込もうとした。」「 ─── けれど、結局、失敗した。」
「今は多分、なにかしら次の悪巧みを練ってるんだと思う。 ……… 先に手を打って潰すのが、最善ではあるよ。」


【 ──── 或いはその言葉は、もはや同輩として投げかけたものであったのかもしれない。「バックアップが必要なら、喜んでウチから提供するよ。」】
493 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/30(木) 00:27:36.71 ID:41OD3myL0
>>492

【ニュースはさらっと見ているくらいだった。ならばスナッフの配信だって、それからカルトの壊滅だって】
【なんだってさらっと流しているだけにすぎなかった。特に注意深く見ているわけでもないなら】
【それらと眼前を結びつけるまでには至らずに。困り顔には白々しくもつめたい視線を返す】

エサじゃない。となると――――あなた自身をあげちゃったのかな。

【「そりゃあ勝てるわけないか」……なんの勝ち負けなんだか本当によくわからない。本当に】
【突っ伏した顔を転がして、横向きになって。ぼうっと前を見ていた、けれど、不審な単語が混じり始めるなら】

神様ぁ? …………そんなんに目をつけられるほどの人だったかな、……それはまあ置いといて。
斬っても死なない相手なら私本当にたぶん役立たずになると思うんですよね。本当に大丈夫ですか?

因子、…………もうぜんぜんわからない。スケールがでかすぎてちょっと頭がくらくらしますね。
そりゃ失敗するでしょあんなポンコツ、神様の仲間になんかなれるわけない。
でもまだ残ってはいるんですね、はあ、…………そりゃあまあ潰したいですけども。

【「斬っても殺せない相手、どうして殺せるもんなんでしょうか」。ぼんやりした眼に幾許かの剣呑さを孕ませて】
【今やるべきことはなんなんだろうと考える。……情報が少なすぎてよくわからない。はーっと、大きく息を吐く】

とりあえず、……夕月さんをそいつらの手に渡さない。それだけ徹底して考えとけばいいんですかね。
494 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/30(木) 01:36:00.66 ID:emh/w6Ge0
>>493

【「言い得て妙だね。」 ─── 終いには自分でそのような妄言を吐いてしまうから救いようがなかった。嫌われていると分かってはいるし、仲良くしようとも思わないが】
【ただなんとなく、あの子が親しくしていた相手なのであれば、邪険に扱いきることはできなかった。手助けしてやろうという感覚さえ湧いて出てきた。】
【結局のところそいつは救いようのない阿呆であるに違いなかった。 ─── 大切な誰かの為ならば、どこまでも残酷になれるし、どこまでも優しくなれる。そういう"ばけもの"だった。】


「それを言われてしまうとボクも役立たずになってしまうから勘弁してほしい。」「馬鹿正直にやったらって前提の話だ。」
「 ………… まァ詳しい話は、ウチの捜査資料を見てもらった方が早いけど」「奴らは人間の認識から産まれた存在だ。人間が完全でないように、奴らもまた完全でない。」
「必ずどこかに弱みを持ち合わせている、 ──── 事実、今までボクたちは、そのようにして奴らに抗してきた。 ……… それを探すのが、ひとつ、目的かな。」

「ボクは絶対に奴を殺す。」「産まれてきたことを後悔するまで、絶望と痛苦を味合わせて殺す。」「 ─── そのくらいのことを、奴は、あの子にやった。」
「キミに見せるべきかどうかは分からないが、 ─── 知りたいならデータは残ってる。絶対に見て快い気分になるものではないから、あまりお勧めはしないけど。」


【解りづらいのも当然の道理だった。 ─── 端正な顔を昏い復讐の情念に歪ませて、そいつは歯軋りまでしていた。静かな声は人殺しに特有の冷たさと熱さを併せ持っていた】
【畢竟そいつにとって大切なのは復讐であった。自身のもっとも愛しい誰かを陵辱したことに対する消し得ぬ殺意であった。だから他者に伝える要領を得ていなかった】
【 ─── であれば、詳しい解釈は少女へと委ねられるのだろう。調べることはできるから、自分で調べればいい。投げやりな態度だった。それがそいつの一面だった。】


「 ─── キミの言う通り、あの子を奴らに渡さないのが最善手だと思う。」「とはいえ言ったとおり、目の前にいたボクだって奴には無力だった。認めたくないけど。」
「早くなんとかしてブチ殺さないと駄目だ。 ……… 貸せる力なら貸すよ。協力、してくれるよね?」
495 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/30(木) 02:27:24.29 ID:41OD3myL0
>>494

【いっそ喧嘩になってくれたほうが後腐れなくいけるのにな。なんて身勝手なこと考えつつ、】
【のろりと身を起こしてカップに残っていたぶんのお茶を飲み干す。ぬるいし苦いし渋い、何もおいしくない、舌打ちをひとつ零して】
【言い切っちゃうんだ、って思った。べつにどうだっていいけど、他人事だし――そう言い聞かせる作業をしながら】

必ずどこかに弱点が。なんだかゲームの攻略みたいですね、
私はレベルを上げて物理で殴れる方が、好きなんですけど……。

…………そういうたぐいの人ですか。いや、神様でしたっけ。じゃあ見ないようにしときます。
私もたいがい、怒ったら周りが見えなくなるタイプなので……「よっぽど」なんでしょう? よっぽど。

【今の今まで白々しくも冷ややかに笑っていた人の顔が、ここまで歪むんなら。「よっぽど」なんだと理解した】
【だとするなら――自分が見たら、その瞬間から下手人を探しに外へ飛び出していく自信がある】
【知りたい気持ちはあった。空白を埋めたい欲求はあった。でも、冷静さを失うんならそれはダメだと判断して】

そりゃもう、ここまで来てやっぱやめますなんて言いませんよ。殺ります。
たくさんお借りしますし此方からも何か貸せるなら、いくらでも。
生憎差し上げられるものはこの身ひとつしかないんですけど――――

【「それで夕月さんとまた会えるなら」。音にしない呟きが、テーブルに降り注いで吸い込まれて消えていく】
【つまるところ全部それに帰結してしまうんだった。友達にもう一回会いたいだけであって、そのついでに】
【世界が救えるんなら儲けものかな、くらいの気持ち。……もうちょっと前の自分だったらもっと】
【ギラギラ、正義の味方できたのになって。あの時の情熱はどこに行ったんだろうなあって思うなら、】

【服の下、布地の上から鎖骨の中心部より少し下の辺りで何かを握り締める。……それからその手を、ゆるりと前に伸ばして】

――――――絶対そいつを殺しましょうね。それまではきっと私たち、いいお友達でいられます。そうでしょう?

【そこから先は、って訊かれたらきっと曖昧に笑って濁すんだ。そういう類の、「お友達」のお誘い】
【握手を求めているようだった。あの子のものよりいくらか小さくて細い指の生えた手。素直に握るなら――嗤いながら爪を立てられるけど】
496 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/30(木) 19:45:44.36 ID:gRNqNiY/o
【新楼市 ニューロンシティ】
【星の国行政区『NUstyle』 夜市】

【低層に住む労働者たちや観光客たちが、あらゆる品を求めて行き交う区域に、人込みから頭一つ抜けた人影があった】
【身長は2メートルを軽く超えているだろう。その全身をすっぽりと黒い外套で覆い、フードを目深に被って顔も隠している】

【外套に溶け込むような黒いゴム長靴で闊歩するその姿は、夜市の中でも目立っていたが、あえて関わろうとする者もいない】
【やがて、人影は人込みを抜け出し、路地裏へと向かう。慣れた足取りは、巨躯を即座に闇の中に運ばせた】
【気に留める者もおらず、人影はそのまま狭い道を進んでいく】

(取引は一通り終わった……しばらく身を隠すには問題あるまい)
(『水星城塞(マーキュリーズカスバ)』の連中との折衝は少々厄介だが……まあどうにもならんことはない)

【心中で呟きながら、大男は進んでいく。フードの下から、鋭い牙を持つ口元と、黒い瞳の両目と】
【額に埋まった第三の眼球が、僅かに覗いていた】
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/08/30(木) 20:51:40.01 ID:XVlk0voU0
【海岸――砂浜】
【風の涼しげな夜だった、夏の終わるときの温度が満ち満ちたなら、真っ暗な海面、ざあざあ静かな波の音だけがして】
【そうしたなら砂浜には主人の見えないいくつかの足跡、人間のもの、大型犬らしきもの、あちら側まで、リボンを掛け渡したように記すなら】

――――、あら、いい風ね、そろそろ秋かしら。早く冷えてくれるといいんだけど……。

【――まだ途中の足跡、一つだけぽつんと佇む人影、伸びる影は電灯との距離感もあってか長く伸びて、ならばいくらか背の高さまでもを感じさせるよう】
【呟く声は女の物だった、とはいえ瑞々しく高くかわいらしい声、――とは対極の位置にあるように少し掠れた低めのノイジーな声音、それでも機嫌だけは良さそうに】
【あるいはどこか冷たく感じるような風が吹き抜けたなら、――そのくせわりに長い髪を海風に踊らされて、ふっとその指先で捕まえるのだけれど】

【背の高い女だった、黒に程近い紺色の髪は光が差し込めばわずかな青みを透かして、きっと常にやる気のなさそうな眼もまた同じ色合い】
【デフォルトのテンションが低いことを予感させるような表情はそれでも冷たすぎない色合い、そもそも顔も肌も下品でなく日焼けしているのなら】
【きっとよく外に出る人間であるのを予感させて、――ありふれたTシャツにありふれたジーンズ、足元までもありふれたスニーカーであったなら、ひどく怠惰な装いでも】
【百七十四の身長があればいくらかも誤魔化されるのだろうか。――背中の途中までもあるような長い髪は途中でうざったくなったか、手首のゴムで大雑把に結わえ――】

そういえば、もう四ヶ月経つのね。あの子が居なくなってから。

【――――ポケットに突き刺していたスマートフォンが電話の着信を示す挙動を繰り返す、いくらか無視した後にけだるげに指先でつまみあげた女は、】
【けれど画面を確認して、いくらかの操作でまたポケットに戻してしまう。そうしたならふらりふらり歩いてきた足取りがふっと止むのだろう、星を見上げたなら】
【またすぐに電話の着信を示すバイブレーションがわめき出して、――今度は電源まで落とす。とかく、浜辺には見渡す限りに人影はほとんど見えなくて、だから、よく目立った】
498 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/30(木) 22:12:26.39 ID:Kh1W6Ydc0
>>495

【「たぶん、それが懸命だ。」言うだけ言って、幾らか激昂も治まったらしい。いずれ知るのかもしれないと、そいつはどこかで思っていた。】
【 ──── そうして伸ばされる手には顔を綻ばせた。素直に笑うなら中々に可愛いじゃないか。あの子が好きそうだ。そこまでは、口にせずとも。同じように左手を伸ばし、然し】


「そう言ってくれると思ってた。 ──── "願わくば"、末永く仲良くできる事を願ってるよ。」
「約束だ。ブッ殺す。」「ふたり仲良くカチコミかけて、泣いたり笑ったりできなくしてやろう。」


【さしもの其いつも、 ─── 柔肌にケラチン質が食い込む感覚までは想定していなかったらしい。無垢な乙女の薄笑いを浮かべたまま、同じように爪を立てようとしても】
【短く切り揃えているのだから余り効果的な反撃ではなかった。であれば単純な膂力による示威行為を示すのが最適だった。レースの下、白く細い腕が小刻みに震えて】
【 ─── 骨が軋む寸前の力で握り返すのだろう。およそ女の握力とは思えなかった。そもその手は確かに嫋やかな儚い輪郭に象られていたが、こうして直接に触るのであれば】
【少女のそれよりも幾ばくか骨ばり筋ばっているようだった。それを手の甲までの袖先で隠していた。ならば、ともすれば、そいつは? ─── いずれにせよ。】
【根競べとなるなら中々に手強かったが、 ─── 存外に適当な所でそいつは譲歩するのだろう。ふーッ、と大きく溜息を漏らして、指を解いて、ひらひらと左手を振って。】


「 ………… 表向き、キミはPMC(民間軍事会社)の所属になる。オペレーターにしちゃ幾分か若いが」
「必要な身分や経歴、装備なんかがあれば申請してくれ。各種銃火器の携行権限も与えられるが ─── キミには無用の長物かな」
「本部はこの国にある。 ……… ここからそこまで離れてもいない」「まァ察しはついてると思うが、ボクたちは"存在しない"組織だ」
「何をするにせよ相応の守秘義務は附帯するので、そのつもりで。 ─── キミが望むのなら、今日のうち、顔見せでもしてく?」


【 ─── 誰に対して顔を見せるのかまで、そいつは言い切らなかった。無論あるいはそれは偶然の省略に過ぎぬのかもしれなかった。然して】
【素知らぬ顔で望まれるのであれば、やはり素知らぬ顔で願いを叶えるに違いなかった。そいつの言い振りからして、いつだって"あの子"には会えるのだろうし】
【なれば少女の言葉ひとつで彼はどうにでもするのだろう。「血判書とか、書かせてもいいけどさ。」ごく無造作に机上へと名刺が放られた。】
【白と黒だけの飾り毛ない一枚。申し分程度に公的な所在地と連絡先。「ミレーユ・ミスゲシュタルト=ストレーン」。 ─── 「外務八課」。それが、そいつの塒だった。】
499 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/30(木) 22:19:18.54 ID:59JYIIzIo
>>496
/まだいらっしゃったりしますか?
500 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/30(木) 22:19:46.30 ID:59JYIIzIo
>>487

501 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/30(木) 22:22:27.09 ID:gRNqNiY/o
>>499
/はい、おりますー!
502 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/30(木) 22:26:28.15 ID:59JYIIzIo
>>487

【空想から虚実を経て、現実へと舞い戻る、話の展開はさながら神曲じみては居たが、思いの外大胆に】
【外堀から埋める後藤のロジック、然りと言葉を重ねるのにリーイェンもためらいは無かった、けれども】
【暫し沈黙を返す、望まずとも与えられる加虐に似ていた】


──── 人選からしてもベストを選んだつもりですが、しかしまぁ、不安は残りますね
ジャ=ロほどじゃねーにしても、ロールシャッハはそれなりに策士を気取った脚本家です、故に
その試みすらもそれなりに想定していて、おかしくはねーです

加えて、報告書を始めとした諸々の書類を今も尚残しているかは疑問です、しかし
挑むしかねーのでしょうね、それに関しては後藤の手腕に期待しています
人道的な人理的な気持ちじゃねーですよ、あくまで最善策を論じただけです


【そういってリーイェンは一つ瞑目して、言葉を紡ぐ】


こんな所でしょうか、私の方からの提案と報告は以上です
件の計画は一部の者だけの内密にしてもらいてーです、勿論信用はしていますが
後藤のお手並み拝見とでもいたしましょう、私の方から手は貸すつもりですけど

作戦の大部分は "カミソリ" に委ねましたです、思う存分切れ味を発揮して下さい


【リーイェンはそのまま、回線から切断しようとするだろう、言葉がなければ、その通りに】
503 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/30(木) 22:34:01.79 ID:41OD3myL0
>>498

…………………………ッ、

【ぎち、と歯を食いしばる音を響かせた。握るなら、あの子よりもよっぽど細い輪郭をわからせるのだろう】
【繊月のかたちに歪めた唇の向こうで歯軋りしていた。やっぱりこの人のこと、好きじゃないなと、思って】
【ならば爪を喰いこませるのももう少し強くする。皮膚を破いて血管を侵すまで――とは、いかないが】
【それなりの時間消えない痕を残すんだろう。その程度には負けず嫌いだった。それがこの先よく働くかは知らないが】

銃火器、……馴染みはないんですけどわりと持ってた方がいい気がしますね。
これを機に覚えようかな――知ってます? 「特区」の人たち、「異能封じ」を掛けてくるんですよ。
だから異能に頼らなくてもそこそこ戦えるようになるのが、一番いいかなって、思うんですよね――

…………今日はいいです。また日を改めてってことにしていいですか?
なんだか疲れちゃいました、……、……ひとつ伝えてもらってもいいですか、夕月さんに。

私、怒ってたんじゃなくて――――――めちゃくちゃ泣いてたってウソついてください。

【「そっちのほうが絶対効きます。あのバカ相手なら」 ――名刺を受け取りながらそんなことを言って】
【じっと文面を読み上げる視線は、涙の一滴すら滲んでいなかった。白々しいほど呆れを纏って渇いている】
【だけどそういうウソをつくなら、あの子は簡単に騙されて、簡単に落ち込んで、バカみたいに泣くんだろうと】
【容易に想像させてしまうのだった。そういうこと言って傷つけろと言う。他ならぬミレーユの口で、】
【……それくらいされて傷付いてもらわなきゃ割に合わないと思っていた。だってこっちは、数か月間泣いたんだし】

【「……何か持って帰りますか」。数秒の空白のあと、訊くのはそんなこと。暗にそろそろ帰れって言ってるようだった】
504 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/30(木) 22:34:33.78 ID:59JYIIzIo
>>496

【宵の影が伸びる落陽の果て、囀る声も徒に溶けた夢中夢の作用にも似て】
【ネオンを浴びた夜の群れ、鏤めた色取り取りのイミテーションに、微かな憂鬱すらも見果てぬ様に】
【揺れ動く心理の如く、残した心の行く先をその手で辿る様に】


ごめんあそばせ、──── お聞きしたい事がございますわ
新楼市とは此方で宜しかったのでしょうか、お聞きしていたよりも、些か雑多ではありまして
けれども確かに此方の方向だと伺ったのですが……困りましたわ

いきなりの無礼をお許しくださいまし、何分一人旅に慣れておりませんの


【紫苑混じりのプラチナブロンドの長髪を、シニヨンでセミロングの長さにまで纏めて】
【胸元の膨らんだ、袖の無い白のハピットシャツの上から、素肌を透けさせる黒のレースのカーディガンを羽織る】
【シャツのフリルの上には黒いリボンタイを垂らして、ミニ丈のフレアスカートから黒いストッキングを覗かせる】

【紫苑色の双眸に理知的な眼鏡を掛けた姿は、瀟洒な貴婦人を思わせるだろうか】
【両手を包む白い手袋、袖口から覗く素肌の白と溶け合う様に、そうして彼女は大男を見やる】
【大きな瞳は少女の様に可憐さを保って、その奥に女性特有の柔らかさを秘めていた】

【──── 明らかに場違いな雰囲気の女性であった、身に纏う雰囲気は上流階級のそれで────】
505 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/30(木) 22:52:17.13 ID:gRNqNiY/o
>>504
ん……?

【最初に沸き上がったのは、言うまでもなく警戒であった。この状況のすべてにそぐわない】
【お世辞にも治安がいいとは言い難い、ニューロンシティの夜市の近く。それも路地裏】
【そこに自ら分け入る、自分のような怪人物にわざわざ自ら声をかける女、となれば。恐らくは、およそ光の世界とは遠い存在のはずだ】

【それを胸にしまい込んで、ゆっくりと振り向けば三つ目にその姿が飛び込んでくる】
【同時に、先ほどとは違った何か違和感のようなものが胸中に浮かび上がる】

(紫苑色の女……なんだ? どこかで、見たような……)
――――ああ、ここで間違いない。ここは新楼市だよ。その星の国行政区、『NUstyle』だ

ここは複数の国が共同統治する経済特区だからな。人も物もそれだけ集まる
旅慣れていない人間が一人で歩くには、難易度の高い場所だろう

【返答しつつ、無遠慮な観察の視線をフードの下から投げる。改めて見ても、明らかにこの場から浮いている】
【かつて非人道的な会員制クラブにいた頃に散々相手にした、上流階級の者たちに似通った空気】
【それでいて、どこか彼らとは格の違う高貴さも匂わせる】

【その一方で、煽情的ですらあるその服装は、この場にあってかえって不気味に思える】
【臆病な大男は、それを表出させないことに精神のいくばくかを割いた】

……少なくとも、私なら慣れない一人旅で道を尋ねる相手に、路地裏に入っていこうとする人間を選ばないと思うが……
何故、わざわざ私を選んで声をかけたのかね? その程度の危険もわからないような人間には見えないが

【相手の正体がわからないということは、何よりの恐怖の源だ。図体と反比例した小さな心臓の早鐘が、彼女には聞こえているだろうか】
506 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/30(木) 22:57:44.45 ID:Kh1W6Ydc0
>>502



「 ─── 無論ながら種々の隠滅は幾らでも出来たろうし」「だったら、"敢えてそうしなかった"と考えるべきかな。」
「"見るべきではないもの"」「"手に入れるべきではないもの"」「"知るべきではないもの"」「 ……… そういうものを、奴は仕掛けておいたのかもしれない。」
「だが、ここ以外に奴へアプローチする方策がないのも事実だ。 ………─── 難儀ったらありゃしない。存外に奴も厭らしい手を使ってくるね。」


【とはいえ、罠を仕掛けるには餌が要る。 ─── それなりに賢しい獣を捕らえるならば、尚のこと。】
【虚数のオッズに支えられた致死性の罠を掻い潜った先、せめて払い戻しだけは真実であると、そう信じるより他にない。】
【まずもって幾らかの保険をかける必要があった。その上でさえ凡ゆる行動に深慮と戒心が要求された。呆れたい程の魔窟であった。それでも、やはり。】


「どーも。 ─── いずれにせよ、全幅の信頼を裏切らない成果は保証しておくよ。」
「差し当たり、アリアとミレーユを向かわせるとしよう。」「 ……… 新人を投入するのも悪かないが」
「 ……… まあ、強行突入よか紳士的にやれそうだしね。次の議題と報告も、有意義なものになるよう祈ってるよ。」


【「またね、リーイェン君。」 ─── 別れの挨拶は、やはり乾いた笑いを添えて。そうして漸くデスクチェアから立ち上がるなら】
【差し迫った夜明けを予見して、新しいコーヒーを飲みに行く。真っ当な睡眠を取れるのは何時になることか知れなかった。】

/この辺りでシメでしょうか、おつかれさまでした!
507 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/30(木) 23:17:51.39 ID:59JYIIzIo
>>505

【──── 彼女はと言えば、その頬に柔和な笑みを浮かべて、真っ直ぐに男を見つめていた】
【透き通った瞳であった、純度の高い水が掌を空かしてしまう作用に似て】
【硝子細工の眼鏡越しに注がれるだけでも、全て見透かしているかの様に】


お金の集まる場所には危険も集まるとは良く言ったものですわ、──── ふふ
だとすれば貴方様もまた、その匂いに釣られて集まったワケありの人物でいらして?
非凡な逞しい身体に、闇を纏う様な外套、私もまた好奇心旺盛な質なものですから

フードの下のお顔が気にならないと言えば、嘘になりますわ


【口元に軽く手をあてて微笑みを修飾する、その仕草の一つ一つが慣れ親しんだアトリエに居るかの如く】
【腰砕けになりそうなぐらい耽美に、その行いを悠然とこなすのだろう】


──── 雀蜂は御存知でなくて? あの美しい黄色と黒の模様は自らの危険性を示していて
それはまた同時に、自分自身の力を誇示しているのですわ、それが道理と言う様に
世間の辻褄も同じ事ですの、危険な人物は、得てしてその雰囲気を漂わせていますわ

貴方様は違います、慄然たる力を持ちながらも、それを隠しているかの様に
闇に溶ける様な格好も、皆が皆、厄介事には巻き込まれたくないと暗に伝えているのです
だからこそ私は声をかけたのです、怪しい人物ほど、実際は優しいですし


【──── それに】


ほんとに悪い人なら、もう襲っちゃってるでしょう?


【──── なんて言って、悪戯っ子のように軽く舌を出したり】
508 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/30(木) 23:18:25.04 ID:59JYIIzIo
>>506
/はーい! 長時間お疲れ様でした!
509 : ◆1miRGmvwjU [saga]:2018/08/30(木) 23:30:38.41 ID:Kh1W6Ydc0
>>503

【好きになれないのは恐らくそいつも同じだった。 ─── 同族嫌悪? いやいやそんな筈はない。】
【ただイカれ具合で言えば自分もこいつも大差ないんだろうと確信していた。そのくらいで丁度よかった。真っ当な神経してて得はしない仕事だ。】
【意地の張り合いはどちらが解くともなく終わって、 ─── 白百合のような手指には、紅く腫れ上がる残月の痕迹が、5つほど残るのだろう。お互いに何も言わぬまま。】


「 ─── ふうん。」「単なる噂じゃなかったんだ。 ……… なら、そうだね。」
「研修ならいつでも受け付けてるよ。教官はボクじゃないから安心していい。」


【胡散臭い理想主義者たちの話題になるならば納得したように頷く。「 ……… ボクより100倍おっかないけど。」ぽつり、そう零すのなら】
【積もる話はまた後日と聞いて特に咎めることもなかった。 ─── ただ、少女が続けた言葉は、儚い乙女の面構えを豆鉄砲を食らった鳩の面に変えた。】
【黒縁の眼鏡の奥にて瞠目していた。マスカラに濡れた長い睫毛がぱちくりと瞬いた。青く大きく透き通った瞳が丸く開いていた。口許をえも言われぬ形に結んでいた。そして】


「 ──── あは、」「っははは!」「 ………… そりゃあ確かに、よく効きそうだ。」「ホンット悪いこと考えるなぁキミって。あははッ。」
「確かにそうだ。大切な友達に心配かけるようじゃあ、折檻されても文句は言えないね。」「 ……… よおくボクから、言い聞かせておくよ。うふふ。」


【 ─── 藪から棒に噴き出して、なよやかな躯体を微かに捩らせさえして、幾ばくか品のない/しかし気取ることもない笑いで、少女の言葉を賞賛するのだ。】
【確かにこれでは友達でしか有り得ぬはずだった。そう"彼"は納得した。なら伝えてやるのも悪くはなかった。然し、彼女をほんとうに悲しませたくはなかったから】
【きっと付け加えるのだろう。「も一度でも会いたいって」「怒ってないって」「 ─── また、仲良くしたいって。」最後の補完だけは、正中であると信じていたから。】

【一頻り笑った後そいつは立ち上がるのだろう。所作だけで甘さが振りまかれた。品のいい洗剤と控えめな香水と、白陶の肌から薫り立つにおい。その中に、或いは、誰かの。】
【「言ったろ。面白いものなんてなかったって。」 ─── であれば、別れの挨拶さえそこそこに去るのだろう。至極もって無礼で不作法で傍若無人な奴だった。】


「お邪魔したね。 ─── 次は、あの子も連れてくるよ。」


【何せ最後にそんなことさえ言い残すのだ。 ─── 玄関口で振り向くそいつは、磨りガラス越しに夕陽を浴びて、確かにいじらしく微笑んだ。甘ったるい香りばかり残して】
【すれば帰り途に躊躇いはなかった。誰かが待っていることを知っている足取りだった。(もしも少しでも悲しそうな顔をするなら、いっぱいいっぱい、慰めてやるから。)】


/ようわからん感じになっちゃいましたがこんな感じでシメでいかがでしょう!なんかあれば続けられます!
510 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/30(木) 23:39:34.29 ID:gRNqNiY/o
>>507
【その瞳は、やはりあのクラブで見た上流階級の誰とも違っていた】
【あまりにも透明な、水面がそこにあるのかと見誤ってしまいそうなほどに】
【眼鏡の奥から注がれるその視線は、己の闇の中に隠した矮小な本性を、すでに透かしているかのようだった】

人の欲というやつは、それだけ際限がないということだろうな
……まあ、そんなところだ。金も危険も集まる場所なら、私のような脛に傷のある者でも滞在しやすいのでね

好奇心が強いのが悪いとは言わないが、私の面は見て後悔するタイプのものだと自覚している
あまりお勧めは出来ないな

【彼女の立ち居振る舞いそのものが、この場の空間を彼女のものとしているかのような感覚に陥る】
【悪意と欲望と、それを含めても有り余るエネルギーに満ち溢れた、この雑多でにぎやかな都市の一画が】
【まるで、彼女のアトリエに早変わりしたかの如く。それでいて、その仕草には耽美さすらも漂うのだ】


あの模様は、人間社会でも危険の象徴として扱われるな。実際、よく出来ているよ。自然の生物というものは
確かに、人の世にも言えることだろう。闇に身を置く人間は、周囲を威嚇することが生き方の一つだ

だが、何事にも裏と表がある。力を誇示することは、同時に狙われやすくなるというリスクも負うということだ
今はただでさえ、厄介事を抱え込んでいるから、これ以上巻き込まれたくないのは間違いないがな


……なるほど。対話に応じた時点で、そこいらの悪党ではないという判断は、一理ある
だが、私は単に、相手を見た目で判断しないというだけだ
女だから、一人だから、そんな理由で侮ってかかるほどの、蛮勇を持ち合わせていないだけだよ

先ほど気にしてくれたこのフードの下を見れば。流石に、お前も考えが変わるだろうと思うがね

【ゆらりと大男の太い右腕が上がる。そのフードが、ゆっくりと取り払われた】
【眠らない街のもたらす、ネオンの光が照らしだしたのは。短く切り揃えられた黒髪に、角ばった顔つき】
【黒い瞳の両目と。額に面積を埋める巨大な眼球を持つ、醜怪な面相】

【多くの国や地域で指名手配を受け。数カ月前には、水の国で三頭会戦と呼ばれる事件を起こした男の貌が、そこにあった】
511 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/30(木) 23:51:42.89 ID:59JYIIzIo
>>510

【而るにこの試みは戯曲で、例えるのなら詩のない慟哭に近いのだろう】
【フードの下にある異形、彼女の双眸は其れを捉えて確かに、色をくすませる】
【絹糸の様な柔肌に奔る緊張、頬に浮かぶ艶の色合いは、語り部たる雫の所以】


──── 成程、顔は口ほどに物を言いますわ、貴方様のお顔は特に雄弁でいらして
私にとっては "憎き顔" ですわ、水の国の民にとっては、忌々しい顔とでも言いましょう
ですが、今の貴方様は "実に好都合" とも言えますわ、ええ、────

"カニバディール" ──── 各国の政府、警察機構に於いてその名を知らぬ者はおりません

私達は何度貴方様にしてやられた事でしょう、────
まこと大きな事件の裏側に貴方様の面影を見たのは一度や二度じゃなくて


【両の手を組み、片方は頬に当てる、抱きしめる華奢な体躯は水仙を思わせる調べ】
【溜息混じりの声、やや大げさな仕草は何処か役者めいて、主演の女優の面影を映す】
【銀幕から飛び出て、目の前で見せる動作の一端にさえ、命を込めてるかの如く】


──── いけませんわ、話が長くなってしまうのが私の悪い癖ですもの
ついこの間ですね、──── "三頭会戦" よくもまあ、私の国で盛大な騒ぎを起こしてくださったものです
……ですが、気になることもありましたわ、その頭の一つ

カノッサ機関 "No.3" ──── "カチューシャ" 貴方様は間違いなく、彼女と戦っていました
同じ機関員であるはずなのに、何故か、私はずっと疑問でしたの


【滔々と彼女は問いかける、紡ぐ一音にも乱れはなく】
512 : ◆S6ROLCWdjI [sage saga]:2018/08/30(木) 23:55:13.89 ID:41OD3myL0
>>509

【笑われるのが気に食わなかった。あの子を傷つけたくないから嫌だ、くらい言ったらどうなんだって思った】
【自分からそうしろって言ったくせに。自分で自分が何を考えてるんだか、よくわからなくなって、腹が立つ】
【そこまで考えて――もうなにを言われても腹が立ってしまうんだろうな、という結論に至る。むなしい。溜息を吐いて】

………………連れてくる、ですか。帰らせる、じゃなくて。はあもう――――いいですけど。

【すぐにでも引っ越ししてしまおうかと思った。二人で住むための部屋でひとり過ごし続けるのは、寂しいから】
【だったらなおさら部屋の片づけをさせなきゃいけないと思って、頭が痛む。使わせたばかりのカップだって捨ててしまって】
【完全にひとりになるんだなって思ったら――――やっぱり腹が立つ。寂しいだなんて死んでも言ってやらない】
【玄関口まで見送るような優しさは持ち合わせていなかったから。テーブルに突っ伏し直して、呻くような息を吐いて】


【――――――――、】


【彼があの子の待つ家へ帰ってから、少し経ったくらいの頃合い。少女のスマホが震えて鳴いて】
【数件のメッセージが届いていた。アプリのブロックが解かれていた。それで、いくつも、ごめんなさいって言われる】
【頭でも撫でられながらこれを打ってるんだろうかって思うと、腹が立つというレベルを超えて――――】

「いいです。もうどうでもいいです。私のことなんか忘れてどうぞお幸せに」

【――――意地悪くもそう返してやるなら、画面の向こうであのバカ女はまたひどく泣くんだろうか、そしたら】
【ハラ立つあの人にそれはもうべちゃべちゃに慰められるんだろうか。……考えれば考えるほどバカらしくなって】
【スマホをベッドだかクッションだかに投げ付けて、電源を切って、不貞寝した。いくらでも好きに泣き喚くがいいと思った】
【私と違って慰めてもらえるんだから。いくらでも傷付いてしまえ。ぐずぐずに膿んだ傷口を、抱えて、……瞼を閉じればひとつぶ涙が零れて。】


//長いことありがとうございました! おつかれさまでしたっ
513 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/31(金) 00:15:26.63 ID:uvp2pAyzo
>>511
【彼女の透明な瞳が揺れたのと同様に、異形の三つ目もまた紡ぎ出される言葉を聞いて揺れていた】
【その気品ある振る舞いと、言葉の端々に感じ取れる上に立つ者の気配を、鋭敏に感じ取った故に】

そうだろうな。この国で散々暴れまわってきた顔だ。見た目の醜さと相まって、たいていの人間にとっては憎悪の対象だろう
だが……好都合とは妙な話だ。それも、今この国の置かれている状況の複雑さに関わるのかね?

ふ、ふ。良く言う。その大きな事件の悉くを切り抜けてきただろうに
確かに顔と名前は無駄に売れているが、それは我々『スクラップズ』が目立つやり方以外に手段を持たないからだ

その上、その事件のほぼ全てに置いて、私は無様に敗走している……何度してやられた、とは私の台詞じゃあないのかね

【芝居がかった仕草や言動はカニバディールも使うところだが、彼女には遠く及ぶまい。見た目の華というだけではなく】
【その動きの全て、一コマ一コマが絵画になるかの如き、圧倒的な差がそこにあった】


口数が多い点に関しては、気が合いそうだな
……ああ、その節はお騒がせした。その後、事件の被害者たちにはお詫びの品をお届けしたが、好評≠ナ何よりだ

……私の国、か。なるほど、水の国のお上の一端を担うお方、というわけかね……
この薄汚い盗賊の身で、非公式とはいえ謁見が叶うとは光栄なことだ

――――もっともな疑問だ。恐らくは……お前たちの抱えている事情とも無関係ではないだろう
確かに同じ機関員だ。だが、機関は一枚岩には程遠い。それが、昨今の事情で加速している
端的に言えば、派閥の違いだよ。カチューシャ……あの女は、私の敵に属する者だ

【そのカチューシャが虚神に宗旨替えしたと知れば、流石にこの場で顔色を失っていただろうが】
【幸か不幸か、カニバディールはまだその情報を掴んではいなかった】

【だから、同じように乱れなく話せる。少なくとも、表面上は】
514 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/31(金) 00:28:04.57 ID:soC7z7+mo
>>513

【眼鏡越しに映る表情が変わる、薄化粧の空の下、描く白粉に瞬く頬紅が僅かな愉悦を見せて】
【正しく聡明であった、彼女の綴る泡沫の中に、確かな証明を描き出す程には】
【彼女は小さく頷く、而るに其れが肯定の証であるから】


ええ、その通りですわ、お噂通り腕前以上に頭がキレる御仁ですこと
私は正しく 『水の国』 に於いてそれなりの権力を持つ立場にありますわ、不相応な事甚だしいですが
それでも持っている事実には変わらなくて、それをまた誇りにも思いますの

──── 何度無様に敗走しても、また向かってくる、これ以上に厄介な存在がありまして

この場で巡り会えたのも何かの縁ですわ、それはもうとびきりの運命という名の


【言葉の一部始終から目の前の女性の立場が推察できるだろう、中々どうして奇遇とも言えて】
【くすり、と彼女は笑った、童の歌声みたいに可憐で、それでいて淑女の様に慎ましく】


ええ、好評でしたわ、にっくき "野党" の議員があわてふためく様なんてもう────
失敬、今のは聞かなかった事にしてくださいまし、まあでも、痛快であった事には変わりなくて

言葉の意味合いはいかがにせよ、私はそれ程畏まられるべき存在じゃなくってよ
私の立場は民があってこそですもの、民に選ばれたからこそ、この立場があるのですから
然るに私は民の代表でしかなく、私個人は全く以て大層な存在じゃないのですわ

──── けれども、派閥の上であっても、明確には私の敵と呼ぶのは些か苦しくはなくて?
或いはどちらかが、組織という立場から離反していたなら別ですが
515 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/31(金) 00:46:50.22 ID:uvp2pAyzo
>>514
【この状況でどこか楽しんでいるような。愉悦の色すらも見て取れるとなれば】
【いよいよもって、彼女を舐めてかかることなど出来はしない。彼女が握る権力がどれほどかは知らないが】
【間違いなく、その地位に足りないということはあるまい。それだけの人物だ】

多少なりとも悪知恵を捻り出さなければ、安眠もままならない人生なものでね。自ら選んだ道だが

ふ、ふ。不相応なそれなりの権力、か。過ぎた謙遜の匂いがするな
それでいて、自らの立場を貶めることもしない。なるほど、そこいらの血筋だけの貴族気取りとは流石に格が違う

ふ、ふふ! 私にとってはこれ以上ない褒め言葉だ。しぶとさは私の最大の売りなのでね

……まあ、とびきりの奇縁という点は同意する

【童女のように笑ったかと思えば、淑女のように慎ましく振る舞い、それでいて女傑の気配も感じ取れる】
【対峙していればいるほど、飲まれていく。そんな感覚を、異形は脳裏に押し込める】


ふっふっふ、少なくともあのキャンペーンについては、気に入ってもらえたようで何よりだ
その民の代表に選ばれるという時点で、凡夫には到底不可能だとは思うが……
まあ、そういうことなら態度はこのまま、平素通りとさせてもらおう


……頭のキレに関しては、そちらの方が上手のようじゃあないか
その通りだ。機関から見れば、私は離反したと取られても何ら不自然ではない行動をとっている

機関内部の機密情報を流出させ、上位ナンバーズとああまで大っぴらにやり合った
今なお、私が機関に籍を置いておけるのは、これまで築き上げた機関内部の後ろ盾があるからだ

それだけ、私にとってはカチューシャらがやろうとしていることが我慢ならないんだよ
世の全てを押さえつけて管理する世界。あるいは、どこの世界から来たともしれない虚ろな神々とやらに好き勝手にされる世界

そんなものは徹頭徹尾御免こうむる。そんな世界を避けるためなら、機関員としての立場が悪化する程度、大した代償じゃあない
……少なくとも、お前たちも同じくらい大きな危機感を抱えているものと、私としては期待しているのだがね
516 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/31(金) 01:06:39.94 ID:soC7z7+mo
>>515

【──── 目の前の男は百戦錬磨、魑魅魍魎の跋扈する社会を生き抜いてきた傑物なれば】
【存外に大きな獲物が掛かったと彼女は内心思った、それを表情に出す術さえ知らないけれど】
【僅かに目を細めた、少しでもその輪郭を辿る様に、と】


渾沌と混迷の中に生きることを選ぶ気持ちなど、私には想像も付きませんわ
なればこそ、私は疑問に思ってしまうのです、何故その様な苛烈な生き方をお選びになったのか、と
或いは選ばざるをえなかったのならば、それは私達の責任で御座います

──── 貴方様なら御存知でしょう、この世界に溢れる、数多の捨て子達を
彼らの多くは選ぶことが出来ないのです、否、選ぶしかなかったのです、その様な生き方を
そんな子供達を救うのは誰の仕事でしょう、私は此処にこそ、民のために生きる理由があると思うのですわ


【零れる言葉は意思の表れか、その多くを伝えることはしないが】


あいにくと私の血はとっくの昔に汚れてしまっていまして、幸運と奇妙に恵まれて、今の立場がありますの
だからこそ一つ歯車が狂えば、一つボタンを掛け違えば、今の私すら居なかったのですから
貴方様と私の間に気遣いなど不要ですわ、分かっていただければ光栄ですこと

──── ふふ、当てずっぽうもしてみるものですわ

機関も随分と寛容ですこと、いえ──── 貴方様に関しては、寛容にならざるをえないといったとこかしら
あら、買いかぶってくださるのですね、私達などそこまで大層な情報を持っているわけではないですのに
ですが、貴方様の言葉には深く同意いたしますわ、このままの世界を野放しにしておいてはいけません

この国を取り戻します、それが私の理念にして、そして──── 貴方様と巡り会えた理由なのですから
517 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/31(金) 01:27:45.20 ID:uvp2pAyzo
>>516
【そう、彼女からすれば獲物の一つ。たとえ、混沌の闇を地虫の如くしぶとく生き抜いてきた異形であっても】
【そんな彼女の内心は知らずとも、細められた目は異形の畏怖心を刺激するには十分であった】 

少なくとも、私に関しては誰かの責任などではないさ
私が持って生まれた能力と生まれ落ちた場所が、正道を生きるには難しかったというだけの話だ
故郷は水の国ではなく、昼の国。いかに権力があったとしても、他国に内政干渉するほどの責任は持ち合わせていないだろう?

……知っているとも。実際に、この三つの目玉で見て来た
確かに、あの連中は私などとは違って、その道以外の可能性を絶たれた者たちだろう

普通なら、お前たち為政者の仕事だと言うべきところだろうが……
その為政者が民の代表なら、それは同じ地に生きる人間すべての仕事なのだろうな
……ふ、ふ。私が言うのは滑稽だが


これはまた奇遇だ。どんな奇縁が会ったのかは知らないが、数奇な人生を送ってきたことも共通点とはな
ならば、なおさら下手な気遣いは不要か

当てずっぽうが本当なら、勘の鋭さの方を恐れるべきだったかね
それだけ、私の後ろ盾は強力なんだ。この件に関しては、機関でも利害が複雑に絡んでいるということもあるがね

そうだとも。手をこまねいていては、この世界に生きるあらゆる者にとっての不利益だ
ならば、お前の理念の為に私が利用されることも、私の利益に繋がる

【異形は居住まいを正す。眼前にいる女性が、将来の敵であると同時に、今この混沌の中にあっては、新たな共闘者足り得ると考えて】

情報は大きな力だ。それを先に手にした方が勝つと言っても過言ではない
目的を同じくするなら、その情報を融通し合う程度のことは期待できる、ということかね?

【言いながら、大男は外套の中からメモリを取り出す。虚ろな神に関わるインシデントについて秘められたそれを】
518 : ◆zO7JlnSovk [saga]:2018/08/31(金) 01:47:55.61 ID:soC7z7+mo
>>517

【──── 淑やかに彼女は笑う、そこに浮かぶ微笑は、朝焼けに溶ける幻みたいに】
【朝靄の中に浮かび上がる夜露の名残に似ていた、或いは、生まれ落ちたばかりの無垢白】
【穢れ無き新雪を思わせる柔肌に、白百合の様な風情を添えtなら、きっとその微笑みの足下に及ぶのだろう】


けれども、それを諦めの中に沈めてしまう行いを善政とは決して言わないでしょう
全てを救う事など出来ませんわ、けれども、より多くを救う試みを貴方様はお笑いになって?
私は理想の為に政治の道を歩みましたの、それならば、理想を語る事をせめてもの手慰みにさせて欲しいですわ

ええ、誰しもが他者を救う事が出来るのです、其れは何処までも自然な作用であって

……私が利用するだなんて人聞きが悪いですわ、協力しあうだなんて言葉に代えて下さいまし
私は毛頭御座いませんわ、私の思う善とは誰から見ても明らかな善でなければならず
そして、私の唄う正義とは、万人にとっての正義にならないといけないのです


【目の前の彼女はそう言い切る、凛とした佇まいから語る言葉は何処までも清らかな輝きに満ちて】
【身に纏う白を中心としたファッションも、穢れ無きその瀟洒な美貌も、その全てが致命的に潔癖であった】
【それはさながら神話に登場する天使にも似て、神が作った戯れの如く】


──── やはり聡明な御仁ですこと、それだけの知能を持ちながら悪を成すのは如何な心地なのでしょう
自分の行いが間違っていると理解しつつも、敢えてそれを行うのでしょうか
或いはきっと、その明晰な頭脳がはじき出した結果が、その巨悪に繋がるのでして?


──── 必要在りませんわ、ただ貴方様に、触れるだけで良いのですから


"Lost Memory Wonderland"

【彼女は手で制した、同時に白い手袋を外す──── 露わになった指先は、絵画から抜け出してきたかの様に】
【雫が滴り落ちる様な指先に迷いはなく、細くしなやかなその手首には陶芸品の様な悩ましい曲線美があって】
【無防備にさらけ出した指先を、そっと貴方の首筋へと伸ばすのだろう】

【──── ヒールの先端が地面を撫でて、ストッキングに包まれた脚が乱れた様に移ろう】

【触れたなら、彼女は "記憶" を読み取ってしまう、貴方が経験してきた数多の出来事を、余すことなく】
【時間が長ければ長いほど、多く読み取るのだろう、試みは数秒ほどで終わるだろうか】
【その行いに、その能力に、何かのデジャブを感じるかも知れない】
519 : ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/08/31(金) 02:20:59.72 ID:uvp2pAyzo
>>518
【崩れることのない笑顔。奥ゆかしさ。淑やかさ。どんな時でも己を見失わないことの、なんと恐るべき強さか】

……無頼漢の私に政治はわからないが、笑いはしない
その理想の弊害の一つたる私がこれを口にすることこそ笑うべきだろう
だが、理想が叶うなら理想の方が良い。ほとんどの人間はそう言うだろうさ

それを自然な作用だと認められない人間が多く居ることが、この世界の不幸だとは思うがね

……協力、か。私の如き札付きの悪党を、利用するならまだしも協力と言ってしまっては
それこそ、万人にとっての正義に傷がつきそうなものだが……まあこちらとしては、言い方にこだわるつもりはない

【まるで、人ならざる触れ得ないもののようだ。柄にもなく、そんな感想を抱いた】
【天使。例えるなら、そう言わざるを得なかっただろう。神の造形物のように美しく】
【それが故に、生きる次元が違うかのように恐ろしい】

……そればかりは私の意志であり、サガとでも言うべきものだ
これ以外の生き方をしたくなかった。それだけのことだよ。理性を持っているものが正気も兼ね備えているとは限らない
私の行為が決して認められない、間違ったものであることは承知の上だ。それで、いつか滅ぼされることも
だが、それでもこれ以外に私の歩みたい道がない


触れるだけで……? ――――――!!!

【動くことが出来なかった。普段のカニバディールであったなら、警戒も露わに飛び退っていただろう】
【だが、彼女の言葉と放つ気配がそれをさせなかった。気が付いた時には、あまりにも白すぎる指先が届いていた】

【意識の外にヒールの足音を聞いた時、異形の記憶はすでに彼女に流れ込んでいた】
【悪徳の街での生まれ育ち、猟奇クラブでの働き、泥の街、機関入り、それらに纏わる残虐な悪事の数々】
【殺人。窃盗。破壊。そのたびに異形の身体に増えていく怨嗟の声。その果てに出会った、正義の戦士たちとの死闘】

【そして、今。ディストピアの管理者たちと、虚ろな神々との戦いの記憶さえも】
【その中には、果たして紛れていただろうか。いつか路地裏で出会い。その後、自