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【国際犯罪国日本】認知症の殿5

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148 :殿岡大祐 [sage]:2023/01/21(土) 10:54:13.22 ID:e+KG0WiyO
共通テストの倫理に「親ガチャ」想起させる問題、なぜ出題? 予備校関係者や大学教授に聞く背景
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1/20(金) 11:35配信



(公式サイトより)

 「すごい豪邸…、こんな家に生まれた子どもは運がいいね。不平等だな」――。大学入学共通テストの初日に実施された「倫理」で、「親ガチャ」を想起させるような出題があったとして、SNS上で話題になっています。ねとらぼ編集部では、大学受験予備校で知られる代々木ゼミナール(以下、代ゼミ)らに取材しました。

【画像】話題の共通テスト「親ガチャ」問題全文

 注目を集めているのは、倫理の第4問「社会的格差における運と努力」をテーマとした出題の1つです。高校生2人が豪邸を前にして繰り広げる、社会的格差をもたらす運や努力の影響についての会話をもとに、問いに答える形式となっています。

 この議論では、運と努力が社会的格差に与える影響に対して、高校生2人の意見は明白に対立しています。一言で言うと、運と努力について、生徒Gは家庭環境や文化など“社会の問題”に左右される部分が大きいのではないかと考えているのに対して、生徒Hは結局のところ“個人の問題”に過ぎないのではないかと捉えていると考えられます。

 具体的には、生徒Gは「子どもも、家が裕福なおかげでいい教育を受けて、将来お金を稼げるようになったりするでしょ。運の違いが生む格差は、社会が埋め合わせるべきだよ」「例えば、運よく絵の上手な人が漫画家としてお金を稼げるのは、漫画を高く評価する文化が社会にあるおかげでしょ。人の才能も、社会のあり方によって、運よくお金になったり運悪くお金にならなかったりするよ」と指摘。

 一方で、生徒Hは「生まれた家とか国とか、個人が選べないもので差があるのは、不平等だとしても変えられないよ。与えられた環境の中で頑張ることが大事だよね」「同じ境遇でも、苦学して立派になる人もいればそうでもない人もいるし…。最終的には、努力は個人の問題ではないかな」などと議論を展開しています。

 この問題の出題意図はどこにあると考えられるか。代ゼミの教材研究センター地歴公民研究室と、倫理学の立場から貧困や平等などの課題に取り組む中央学院大学商学部の馬渕浩二教授に取材しました。

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149 :殿岡大祐 [sage]:2023/01/21(土) 10:55:13.22 ID:e+KG0WiyO
代ゼミ「典型的な出題だが……」
――共通テストの倫理では「格差社会における運と努力」というテーマが取り扱われました。SNS上では「親ガチャ」を連想させると話題になっていますが、共通テストではよく出題されるテーマなのか教えてください。

代ゼミ:典型的な出題です。グローバルな規模での格差拡大、遺伝・両親・家庭の経済状況など「運」の要因と本人の「努力」がそれぞれどの程度まで成功に関係するのかというテーマは、倫理に限らず政治・経済や現代社会など公民科目全般で以前から扱われていると言えます。扱われる際には、倫理ではそのテーマをめぐるさまざまな考え方が中心的に問われ、政治・経済ではそのテーマに関する経済統計の読み取りなどが問われやすい傾向にあります。

 近年では、2016年の倫理本試験第1問(青年期・心理学分野)でも格差社会をテーマとした問題が取り扱われました。このときは「社会的な成功は家庭環境や遺伝的要素に大きく左右される。たとえ何らかのプロとして活躍する人と同じ素質があっても、家庭の経済状況によって才能を開花させられない場合もあるため、そもそも不平等だ」という切り口から、富の再分配について考えさせる流れになっていました。

――共通テストでは格差社会をテーマとした出題にも前例があったんですね。倫理の授業でもこのようなテーマをよく取り扱うのでしょうか。

代ゼミ:授業でもこのようなテーマは取り扱います。倫理では20世紀後半に活躍したジョン・ロールズやロバート・ノージックといった政治哲学者、また少し前に日本にも紹介され話題になった哲学者マイケル・サンデル(※『これからの「正義」の話をしよう』などで知られるハーバード大学教授)などの思想を扱う学習分野があるため、こういったテーマはめずらしくありません。

――その一方で、今回の出題は「親ガチャ」を連想させると話題になったことから、何かしら世相を反映した意図があったようにも感じます。

代ゼミ:おっしゃるとおり、現代が(グローバルな規模での)「格差」「不平等」「不公平」が広がっている時代であることをまず認識させたうえで、そこから「より『平等』『公正』な社会を作っていくためにはどのようにすれば良いのか」という問題について、倫理学的・政治哲学的な視点で考えさせ、連動して社会保障制度など具体的な対策措置のことなども、当事者意識をもって各人に考察させようとしている、という出題意図があると思います。

 共通テストらしく1つのテーマをめぐって複数の読解問題・思考問題が配される構成になっていたので、それらの問題に取り組むなかで、従来よりも深くこのテーマについて受験生が考えざるを得ない状況だったのではないかと考えられます。

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150 :殿岡大祐 [sage]:2023/01/21(土) 10:56:29.59 ID:e+KG0WiyO
「明らかに『親ガチャ』を意識したものではないか」
――共通テストの倫理での「社会的格差における運と努力」をテーマとした出題が「親ガチャ」を連想させると話題になっています。倫理学の立場から貧困や平等などの課題に取り組まれている先生は、この出題をどのように感じられましたか。

馬渕教授:この出題は明らかに「親ガチャ」を意識したものではないかと感じました。リアルタイムな社会問題とうまく交差した会話文になっていて、その点では良い問題だったと思います。

 今後、予備校などの問題解説で書かれるのではないかと思いますが、倫理学では「運の平等主義」という考えがはやっていて、こうした動向も背景にある問題だと考えられます。自分の選択の結果、生じた不平等は選択の結果なのだから引き受けなければならないけれども、「運(自分の選択や努力ではどうしようもないこと)」による不平等は正されるべきだという考え方が「運の平等主義」です。

 この出題には「親ガチャ」のようなリアルタイムな社会問題は、倫理学のトピックにも直結するというメッセージが込められていると感じました。このように話題になり、出題者は手応えを感じているのではないかと推測しています。

――共通テストには会話文の他にも、「まじめに努力していれば、いつかは必ず報われると思う」「いくら努力しても、全く報われないことが多いと思う」と思う割合についての調査の結果を、1988年と2013年で比較した出題も見られました。同調査では後者の割合が20代から70代以上の全世代で高くなっています。

馬渕教授:問題で使用されていたのは2013年のデータですので、やや古いですが、現在も同じような傾向にあるのではないかと予想します。経済状況が一向に改善しないことが背景にあるでしょう。

 このことも「運」と関連付けて考えられます。なぜなら、人は自分が生まれる時代を選べないからです。どの時代に生まれるかということも、やはり「運」だと言えます。この運の影響を露骨に受けたのが、いわゆる「ロスジェネ世代」ではないでしょうか。生まれた時代がたまたま不景気だったため、「就職時に正規雇用に就けず、その後ずっと非正規雇用から抜け出せないでいる人も多い」という現実があります。

――運と努力、ひいてはその人が持つ出自や性別などが社会的格差に与える影響について、先生の見解を教えてください。

馬渕教授:大雑把に言えば、近代より前の社会は「属性主義」の社会だったと言えます。属性主義は性別や家柄、身分のような属性を基準にして人を評価することです。近代社会の建前は属性主義をやめ、「個人の能力」を尊重しようとしたことだと思いますが、その建前を実現するのは容易ではありません。性別や出自などによる露骨な差別や格差がなくなったとしても、家庭環境、経済環境、社会環境などが個人の能力に大きな影響を与えてしまうからです。

 もちろん、能力主義にすれば問題がすべて解決するわけではありません。会話文でも近しいことが書かれていましたが、能力にも「運」が影響する部分があります。「たまたま能力が乏しい人は、そのことで不利になっても諦めなければならないのか。能力が乏しいと認定される人は屈辱感を味わうのではないか」などの問題もあると考えられます。

 いずれにせよ、私たちには「個人の出自や性別などで、人生が決定されるような社会は良い社会なのか、そんな社会に住みたいと思うかどうか」が問われていると感じています。格差是正の主張に対しては、逆差別や弱者優遇などさまざまな批判が向けられていると思いますが、最も重要なのはどのような社会に私たちが住みたいと思うかだと考えています。

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151 :殿岡大祐 [sage]:2023/01/21(土) 10:57:39.71 ID:e+KG0WiyO
取材後記
 代ゼミは今回の出題について、共通テストや倫理の授業では「格差社会における運と努力」というテーマは典型的としつつも、受験生たちが現代社会の格差などの問題に当事者意識を持ち、「より『平等』『公正』な社会を作っていくためにはどのようにすれば良いのか」を自ら考察させる出題意図があったのではないかと考察しています。

 また、馬渕教授は「この出題は明らかに『親ガチャ』を意識したものではないか」と感じたとして、近年流行している「運」による不平等は正されるべきだとする「運の平等主義」などの議論に言及しつつも、「最も重要なのはどのような社会に私たちが住みたいと思うかではないか」と疑問を投げかけました。

 出題ではその後、2人の高校生は先生に意見を聞き、「運の違いも努力の差も軽視しない社会の仕組みを考え付くことができるといいですね」という先生の言葉で会話は締めくくられています。どうすれば、運の違いも努力の差も軽視しない社会はやってくるのか。受験生だけではなくわれわれに対する大きな命題に思えます。

ねとらぼ

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