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HTML化した人:lain.
ミュウツーが子育てに挑戦するようです
1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/30(木) 02:23:22.80 ID:RZKuxcDO
ある日、私は人間の赤ん坊を拾った。まだ小さい。
 
女の子のようだ。今の追われている立場の私から見れば、こいつは近い将来私の役に立ちそうだ。
 
育ててやることにした。
2 :12008/10/30(木) 02:25:34.18 ID:RZKuxcDO
「オギャー!オギャー!」
 
しかし、育てると言っても何をすればいいのかがわからん……。
 
「うるさいな……。なんとかならないものか……。」
 
仕方なく私は街中に降りて行くことにした。
3 :12008/10/30(木) 02:31:13.48 ID:RZKuxcDO
ヴン!
 
「キャア!?」
 
しまった。テレポートを使ったら人間の目の前に出てきてしまった。
 
私は仕方なく能力を使うことにした。
 
ESPの力で人間の脳をいじる。これで私はこの人間からは同種に見えるはずだ。
 
「ご婦人。すまないが、私の質問に答えてはくれないだろうか?」
 
「……。」
 
む……。まだ頭が正常な状態に戻らないのか……。
仕方ない。もう少し待つとするか……。
4 :12008/10/30(木) 02:37:14.76 ID:RZKuxcDO
「あぁ、はい。よろしいですよ?」
 
「うむ、良かった。実は、人間の……、いや、私の子どもが泣いていて困っているのだ。」
 
「まぁ!?」
 
「しかし、私は子育てをしたことがない……。なんとしたらいいものか……。」
 
「あらあら……。そうですね……。お腹が空いているか、オムツを変えて欲しいのか……。」
 
「なに?」
 
「ミルクが欲しいのか、ウンチやオシッコがたまってしまっているかってことですよ。」
 
「な、なるほど……。」
 
つまり、人間は食事を取り、排便を処理してやらねばならないのか……?面倒なことだ……。
 
「わ、わかった。ありがとう。」
 
私はまた山の中に戻ることにした。
5 :12008/10/30(木) 02:41:19.66 ID:RZKuxcDO
「オギャー!オギャー!」
 
まだ泣いている。いかん、こんなところで大声で泣かれたら、人間が集まって来て見つかってしまう。
 
「排便は……、無いな。」
 
と、なると先ほどのご婦人が言った通りなら食事を与えれば良いのだが……
 
「どうすればいいのだ……?」
 
私は頭を抱えた。
 
……仕方ない。またあのご婦人のところへ行くしかあるまい……。
6 :12008/10/30(木) 02:45:44.80 ID:RZKuxcDO
「すまない。」
 
「あら、先ほどの……?」
 
またテレポートで街中に降りてきた。今は人通りが無くて助かるが、これから多くなるかもしれない。
 
私は要件を素早く伝えた。
 
「排便は無いようなのだが……、『ミルク』とはどのようにやればいいのだろうか……。」
 
「あら、可愛い子ですね。えぇと……。」
 
ご婦人はしばらく考えこみ、こう言った。
 
「ちょっと私の家へあがって行きませんか?」
7 :12008/10/30(木) 02:53:27.13 ID:RZKuxcDO
……ついてきてしまった。
 
ご婦人が言うには、ここで子育てのことを教えてくれるらしい。
 
……、いくら将来のためとは言え、人間の住処に軽々しくあがるなど、軽率すぎる行動ではないだろうか……?
 
私は少しおかしくなったらしい。
 
「どうぞ。」
 
「あ、あぁ。すまない。」
 
ご婦人が私を居間らしきところに案内してくれた。
 
「ちょっとその子を貸してくれますか?」
 
「あぁ。」
 
ご婦人は、私の子ども……と言うのも変だが……、子どもを抱き抱えると、器用に服を捲し上げた。
 
子どもを自らの胸の辺りに持っていくと、子どもはそれに吸い付き、吸い始めた。
 
「……。」
 
「あ、あの……?」
 
「……。」
 
「そんなにジーッと見られると、恥ずかしいんですけど……。」
 
「あ、あぁ。すまない。」
 
私は急いで横を見た。
8 :12008/10/30(木) 02:59:05.65 ID:RZKuxcDO
「終わったか?」
 
「はい。」
 
「そうか。すまない。」
 
私は子どもを抱き抱えた。子どもは先ほどとは裏腹に、安らかに眠っている。
 
「えーと、ですね。これが粉末のミルクと哺乳瓶です。それから、これがオムツです。」
 
ご婦人は次々と子育てに必要と思われる物を私の前に出してくる。
 
「む……?私にくれるのか?」
 
「えぇ。どうぞ。」
 
「しかし……、悪いのではないか?」
 
「いいんです。もう、使わないものですから……。」
 
「……そうか。」
 
ご婦人は、悲しい顔をしていた。深く聞く必要はあるまい……。
9 :12008/10/30(木) 03:03:52.00 ID:RZKuxcDO
私は山の中に帰り、早速、先ほどご婦人から教えて貰ったことを適当なところに書き示した。
 
「オギャー!オギャー!」
 
……臭い。排便か。
 
「うるさいな……。泣くな!」
 
私は『オムツ』なる物を変えてみた。
思ったよりも難しい。
 
「オギャー!……うぅっ。」
 
「なんだ?まだ何かあるのか?」
 
しかし、食事は先ほど与えたし……、何をすれば……?
 
私は先ほど書き示したメモを見た。
……、これか?あやす?
 
高い高ーい?
 
上に投げればいいのだろうか?
10 :12008/10/30(木) 03:07:57.17 ID:RZKuxcDO
「ほら、高い高ーい。」
 
ヒュウーン……。
 
ESPの力で空高く投げてみる。
 
「……。」
 
ボン!
 
落ちてきた子どもをキャッチする。
 
しばらく見つめていると……、
 
「だぁっ!」
 
笑った……。
 
「そうか。これがいいのか。」
 
私はまたも空中に投げた。
あまり高く投げても人間に見つかってしまう恐れがあるので、少し軽めに投げた。
 
「ふむ……。」
 
「きゃはは…!」
 
「変な生き物なのだな。人間とは……。」
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/30(木) 19:41:49.78 ID:3rYusQDO
これは期待あげ
12 :12008/10/30(木) 23:10:24.95 ID:RZKuxcDO
しばらくの時が経って…… 
「だぁだぁ!」
 
「む?」
 
驚いた。いつの間にか自力で動ける様になったらしい。
 
「なるほど……。」
 
その気になれば数km先に一瞬で移動できる私に取っては、四足歩行などあまりにも原始的なものだが、それでも成長するとは嬉しい限りだ。
 
「うぅ……。」
 
「む、排便か?」
 
この頃になると、この子のしぐさで何を示すかわかるようになってきた。
 
「……またあのご婦人のところへ行かなければな。」
 
とりあえず、この子の成長でも報告をしに行こう。
13 :12008/10/30(木) 23:15:42.20 ID:RZKuxcDO
「あら、歩けるようになったのね!?」
 
「あぁ、ご婦人のおかげだ。礼を言う。」
 
「あ、いえ……そんな。」
 
ご婦人は子どもを抱いて、私にこう聞いてきた。
 
「あの……、お名前は?」
 
「なに?」
 
「あ、いえ。あなたのお名前と、この子のお名前を聞いていなかったなぁと。」
 
……しまった。名前か。
 
基本的に私とこの子は二人きりで居るので、名前を呼ぶ必要はない。
 
「あの……。」
 
まずい……。早く決めないと怪しまれてしまう。
14 :12008/10/30(木) 23:27:48.77 ID:RZKuxcDO
「その……なんだ……。」
 
うむ……困った。急に名前を決めろと言われても……。
 
そう言われれば、私は目の前のご婦人の名前すら知らない。
 
「あら?この子……、カンナちゃんって言うのね。」
 
「なに?」
 
「え?だって、服のこの場所に……ほら。」
 
ご婦人が指定した場所を見ると、確かに『カンナ』と書かれていた。
 
「そうだ。その子はカンナと言う。」
 
「そうなんですかぁ〜。カンナちゃ〜ん。ママですよー?なんて!あはは!」
 
良かった。何とかきり抜けられたようだ。
15 :12008/10/30(木) 23:34:21.94 ID:RZKuxcDO
「それで、あなたの名前は?」
 
「あ……。」
 
まずい。まだ危機は去ってはいなかった。
 
ミュウツー?ダメだ。人間に私の名前を知られたら、『追手』に場所を知られるかもしれない。
 
仕方ない。偽名を……。
 
「ハナダと言う。」
 
「ハナダ……さん?」
 
「あぁ。」
 
ハナダとはこの街の名前だ。
 
「私は、ヨシコと言います。ハナダさん、よろしくお願いしますね。」
 
「あぁ、よろしく頼む。」
 
良かった。なんとか大丈夫だったようだ。
 
まぁ、ダメなら殺せばいいのだが。
16 :12008/10/30(木) 23:52:09.80 ID:RZKuxcDO
数年後……
 
あれから私とご婦人のヨシコとのカンナを通しての奇妙な関係は続いた。
 
カンナはすくすくと育ち、一人で歩けるようになり、言葉も喋れるようになった。
 
「ハナダ!ハナダ!」
 
「どうした?カンナ。」
 
「また高い高いしてー!!」
 
「……仕方ないな。それが終わったらトレーニングを再開するんだぞ。」
 
「うん!早く早く!」
 
「ほら。」
 
「わーい。きゃははは……!」
 
この頃から私による私のためのカンナ育成計画が始まっていた。
 
まぁ、時々このようにわがままを許してやるのだが。
17 :12008/10/30(木) 23:53:56.68 ID:RZKuxcDO
これからダラダラ書いて行きます
 
ってか、見てる人いるのかな……
18 :灰色のくま2ch ◆lGlfFt.s762008/10/31(金) 00:17:59.85 ID:CuGHqkA0
見ているが、どっちかっていうと理想郷でやった方がいいんじゃないか?
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/31(金) 01:00:23.49 ID:MMJHiLMo
いるお
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/31(金) 09:42:22.28 ID:dfLefkDO
見てるよ!|∀・)
だから続けてくれ
21 :12008/10/31(金) 14:31:21.60 ID:.U2PkgDO
最近困っているのが、衛生面と食料面だ。
 
私はどうってことないのだが、カンナはそうもいかないらしい。何度も病気にかかってはご婦人の厄介になった。
 
さらに食料は自ずと山の動物や山菜などになる。これもカンナにとってはよろしくないようで、何度も嘔吐を繰り返した。
 
清潔な衣服も欲しい。何着かご婦人から頂いているのだが、洗う方法が限られているので、段々と薄汚れてくる。
22 :12008/10/31(金) 14:38:19.03 ID:.U2PkgDO
その気になれば街中の店から強盗でもなんでもできるのだが、あまり騒ぎは起こしたくはない。
 
あまり派手にやると、街が警戒し、『奴ら』に勘づかれるかもしれない。
 
仕方ない……。毎回毎回迷惑だとは思っているのであるが、またご婦人に厄介になるしかあるまい……。
 
「なるほど。わかりました。とりあえずカンナちゃんの衣服は預りますね。洗っておきます。」
 
「すまない……。」
 
「ハナダさんのは大丈夫なんですか?」
 
「私のは大丈夫だ。」
 
汚れるわけがあるまい。お前が見ているのは幻覚なんだから。
23 :12008/10/31(金) 14:42:41.80 ID:.U2PkgDO
「それと……、この街で収入を得るにはどうしたらいいのだ?」
 
「え?ハナダさんは職に就かれていないんですか?」
 
「あぁ。」
 
「うーん……。」
 
「何でもいいのだ。心当たりがあるのなら教えて欲しい。」
 
「じゃあ、私の勤め先に聞いてみますね。また明日、来てくれますか?」
 
「毎回すまない。」
 
「いえいえ。」
 
ご婦人は『奴ら』とは違う。いつ私が訪ねて来ても、笑顔で対応してくれる。
 
……本当に同じ生き物なのだろうか。
24 :12008/10/31(金) 14:48:57.42 ID:.U2PkgDO
……やめろ。
 
「おい、もうちょっと負荷を上げてみろ。」
 
……やめろ。
 
「15番のジーンは試したか?」
 
……やめてくれ。
 
「よし、入れろ。なに、こいつに限界は無いよ。」
 
……頼むから。
 
「はぁ、変化なし。いや、更に悪化したようだ。」
 
……痛い。
 
「次のジーンを運んできてくれ。」
 
……まだやるのか。
 
「――――――――?」
 
……もう何も聞こえない。
 
「――――――?―――――!」
 
「やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
 
「ど、どうしたの?ハナダ。」
 
私の横にはカンナがいた。心配そうに私を見つめている。
25 :12008/10/31(金) 14:52:04.01 ID:.U2PkgDO
「ゆ、夢か……?」
 
「ハナダ……?」
 
今にもなってあの頃の夢を見るとは……。
 
「大丈夫?」
 
もそもそとカンナが私に寄り添ってきた。
 
「大丈夫だ。」
 
私はカンナを抱き寄せてまた眠りについた。
 
大丈夫。大丈夫だ。私はもう『奴ら』には捕まらない。
 
私は……今、まさに切り札を握っているのだから。
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/31(金) 18:43:11.71 ID:dfLefkDO
カンナちゃんには人間の姿で見えてるのか?
27 :12008/11/01(土) 03:29:03.59 ID:Q/pS1IDO
>>26
一番最初にいじったようです
28 :12008/11/02(日) 01:33:08.05 ID:q4ShfkDO
……翌日
 
また私たちはご婦人の家にお邪魔した。
 
「こんにちは。」
 
「こんにちはー!」
 
「あら、いらっしゃい!」
 
カンナはご婦人に駆け寄った。
 
私に育てられているにも関わらず、明るい性格なのはご婦人の影響なのだろう。
 
「カンナ。ご婦人に迷惑だろう。やめなさい。」
 
「はぁい。」
 
カンナはしぶしぶとご婦人から離れた。聞き分けの良い子に育ったらしい。
 
「それで……職のことなんですが……。」
 
「うむ……。」
 
「いいそうです。」
 
「なんだと?」
 
「さっそく明日から仕事場に来て欲しいそうです。」
 
私の傍らに立って、カンナがきょとんとした目で私を見ていた。
29 :12008/11/02(日) 01:41:01.84 ID:q4ShfkDO
「ここは……?」
 
更に翌日、私はご婦人に指定された時間に何かの店に来ていた。
 
一目に見つかってはまずいので、空中で待機していると、やがてご婦人も到着した。
 
地上に降りて、物陰から声をかける。
 
「ご、ご婦人……。」
 
「あら、ハナダさん?どうして物陰に隠れているの?」
 
「わけありでな。なるべく迅速に目的地に連れて行ってくれ。」
 
そんな私を見て、ご婦人はくすりと笑い、
 
「では、店の裏口に行きましょう。」
 
私の手を握って店の裏口とやらに向かった。
30 :12008/11/02(日) 01:52:30.34 ID:q4ShfkDO
ご婦人が裏口にある鍵を解除し、店に入った。
 
「おはようございます。」
 
「おはようございます。」
 
「……。」
 
ご婦人が店員と思われる人に挨拶をする。
 
間髪入れずにESPで脳をいじった。
 
「ほら、ハナダさん!挨拶しないと!」
 
「あ、あぁ。お、おはようございます……。」
 
「おはようございます。あぁ、ヨシコさん。この人ですかぁ、ウチで働きたい人って!」
 
「そうなんですよ!ハナダさんって言うんです。」
 
「そうなんですかー。では、今日からよろしくお願いしますね。」
 
そう言って、その女性の店員らしき人は私に微笑んだ。
31 :12008/11/02(日) 02:00:30.84 ID:q4ShfkDO
「君がハナダくんかね?」
 
この人が店長なのだろうか。小太りしてて、眼鏡をかけている男性だ。
 
もちろん、脳をいじるのを忘れてはいない。
 
「はい。」
 
「……ふむ。ちょうどこの前、一人店員が辞めてしまってね。人が欲しいところだったんだ。」
 
「そうなんですか。」
 
「良かったですね、ハナダさん。」
 
隣ではご婦人が微笑んでいた。
 
「とりあえず研修期間となり、それから雇うか雇わないか決めるがそれでもいいかい?」
 
「はい。」
 
「よし、そこに実名を書いてハンコをついてくれ。」
 
32 :12008/11/02(日) 02:05:58.43 ID:q4ShfkDO
フルネームなど考えてもいないし、ハンコも持っていなかったので、めんどくさくなり、店長の脳をいじって書いたことにした。
 
「よし、オーケーだ。ヨシコくん。彼に仕事を教えてやってくれたまえ。」
 
「はい、わかりました!」
 
それから二人揃って事務室のような場所から退室した。
 
「良かったですね〜。ハナダさん!」
 
ニコニコと笑うご婦人。なんだか……
 
「私よりご婦人の方が嬉しそうだ。」
 
「え、え?そ、そうかな〜。」
 
テヘへとご婦人が顔を赤らめた。
33 :12008/11/04(火) 14:34:18.75 ID:T8kEBUDO
「――と言うわけです。だいたいはわかりましたか?」
 
「……わかった。」
 
どうやらここはレンタルビデオ屋と言う店らしい。
 
「それじゃ、一度やってみましょう。これとこれを指定の場所に戻して来てください。」
 
「わかった。」
 
客から返却されたDVDやビデオを指定の場所に戻すのが私の仕事のようだ。
 
……それはいいのだが、来た客の脳を片っ端からいじらなくてはならないことの方が疲れる。
 
まぁ、仕方あるまい。私の将来のためだ。我慢しよう。
 
「返して来たぞ。」
 
「えぇっ!?もうですかぁ!?」



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