無料アクセスカウンターofuda.cc「全世界カウント計画」
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫メニュー■ ■VIPService (VIPサービス)■
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みはできません。。。
HTML化した人:lain.
不思議な夢の話
1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2012/11/08(木) 16:47:08.32 ID:p0iJSXLu0
ここ最近、ずーっと不思議な夢を見てる。
夢の中で物語が進んでいくんだよ。

本当に釣りとか言われそうな話だから、聞いてくれる人だけ聞いて欲しい。

なんかの暗示なのかなんなのか。
夢に意味がないにしろ、気になるのとちょっと怖いのとで眠れない。
でもずっと起きてるのは無理だし、寝たら結局その夢を見る。

誰か聞いてくれないでしょうか?
2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県)[sage]:2012/11/08(木) 16:54:12.26 ID:slJ+b6Q5o
聞くよ
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/11/08(木) 17:18:50.24 ID:vgIo6egIO
聞くぜ。
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2012/11/08(木) 18:58:40.64 ID:p0iJSXLu0
ありがとう。

まず、私のスペックを話しとく。

17歳

アニメ、漫画はほとんどみない
よく女優の中谷美紀に似てると言われる…けどあんなに美人じゃない
身長は普通、体重は標準よりちょっと軽いくらい

夢が始まったのは、確か9月の下旬辺りから。

まず、私は夢の中で落ちる感じがしたんだ。ずっと落ちるような感じ。ジェットコースターに乗った時みたいな、お腹がくすぐったい浮翌遊感がリアルだった。

で、地面に落ちる。
そこは、日本なんだけど、なんか昔の日本って感じだった。歴史の教科書で見るような。
とりあえず私はあてもなくさまよってたんだけど、そこで何人かの着物をきた男たちに話しかけられる。
多分、ねーちゃんどこからきた?的な。
気づいたら、私は学校の制服を着てた。私は夢だからと気にしないでそいつらを無視したんだけど、捕まえられる。
そのまま暗がりに連れ込まれそうになったところを、一人の青年が助けてくれた。
その人の名前は、晋平と言う。チンピラを次々と蹴散らす姿が、ちょっとかっこよかった。
その後、晋平に大丈夫かみたいなことを言われて、私は大丈夫だと答えたと思う。
晋平も私の服装が気になったみたいで、どこからきたんだ?とさっきの奴らとは違う、好奇心旺盛な感じで尋ねられた。だから私は、夢から来た、って答えた。

そこで、周りの景色が光りだして、気づけば目が覚めてた。

これが夢の始まり。
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/11/08(木) 21:04:02.89 ID:ZGoBwIiSO

まだか!!!
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/11/08(木) 21:27:58.01 ID:vgIo6egIO
続き待ってる
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/11/10(土) 00:07:41.80 ID:Nc8gPSzSO

>>1よ、まだか?
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県)[sage]:2012/11/10(土) 04:31:24.18 ID:JVQeNVD9o
面白そうだな
ストーリー付きのリダンツとかテラうらやましい
俺もドジなメガネ魔法少女系のキャラと一緒に冒険したいわ
9 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/12(月) 12:06:14.56 ID:JxtBjkig0
なかなか来れなくてごめん。
一応酉つけといた。

今日は学校休みなので、一気に書いていこうと思う。

一日目の夢の内容は翌日起きても忘れることができなかったけど、まぁ、ただの夢だ、とその時は気にも留めなかった。
そしてその日の夜、いつも通り布団の入って、眠った。

気付けば昨日と似た場所。でも、周りに人はいなくて、なんだか閑静なところだった。
またあてもなくふらふらしていると、うしろから肩を掴まれた。私はびっくりして声を上げた。
振り向くと、その人は綺麗な顔立ちをした男の人だった。そこで思ったのが、ここは平安時代なんじゃないかということ。だって、その人は陰陽師みたいな格好をしていたから。
私はやっぱり制服だった。その男は私の格好を上から下までみると、ついてこいみたいなことを言った。
私はゆく宛もないので素直についていった。
彼の名前は清太郎というらしい。読み通り、陰陽師だと名乗った。
今俺の友人が来ていて、不思議な格好をした女にこの間会ったと聞いた、それはお前かもしれないから俺の屋敷まで来い、そんなようなことを清太郎は言った。
ここで私は一つ疑問を感じた。「この間?」と。昨日ではないのかと。
屋敷に行くと、やはりそこにいたのは晋平だった。
「おー!この間の変な女!」開口一番に言われて、ちょっと腹が立つ。
「私は別に変じゃないよ。そっちのほうが変じゃん」
「んー?」
「まぁいい、座って話そう」
清太郎が席をすすめる。

みんなでお茶をすすっていると、晋平と清太郎が私の名前を聞いてきた。なので、名乗った。
ここでは一応あゆみって名前にしておく。無難だから(笑)
名乗ると、変わった名前だ、とまた二人から言われる。
そして次は制服についてだ。
「これはー、制服。学校っていう勉強するところで…」
なんと説明していいものか悩んでいると、清太郎が、「寺子屋のようなものか?」と聞いてきた。
「あれ?寺子屋って江戸時代じゃなかったっけ?」と思ったが、それはあえて言わなかった。ここは夢の世界だから、特に時代が定められているわけではないのだろう。

そして、本題に。どこから来たか、だ。
私は正直にすべて話すことにした。
「私にとって、ここは夢の世界なんです。布団に入って眠りにつくと、昨日は晋平さんに、今日は清太郎さんに会って…二日連続でこんな不思議な夢を見たのは初めてだけど、明日には違う夢を見ているかもしれません。
私は2012年の日本からきました。あの、ここは?」
二人は顔を見合わせる。すると、清太郎が話してくれた。
「この国は、コーマインドという。真偽は分からないが、どうやらこの国は薔薇の形をしているらしい。この国には色んな種類の人間や、妖が存在する。この町は日族が所有している陽国という。この国は三つの種族からできていて、華族、洋族そして我々日族で成り立っている。」

ここまで説明を受けたことを鮮明にかけるのは、その日のうちに全部覚えたわけじゃなくて、この国で過ごすようになって、自分が身をもって理解したことをまとめてます。

その説明を受けた直後、昨日と同じようにまた辺りが光り始め、私は夢から覚めたわけです。
10 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/12(月) 13:11:23.23 ID:JxtBjkig0
三日目、さすがにもうみないだろうという気持ちのまま、また私は眠りについた。

すると、今度は清太郎の屋敷の前に落ちた。
「来たか」
来るのを予測していたような口ぶりで清太郎がいう。そこにはもちろん晋平もいた。晋平はご飯を食べていて、その量はとんでもなかった。思わず悟空か!!と言いたくなった(笑)
「で、またお前の中では夢なのか?」晋平がそう聞いてきた。私は頷く。
清太郎が、なんか紙を見ながら、つぶやいた。
「鬼神が動き出したらしい」
「鬼神?」
「鬼神は、この国の悪の王のようなものだ。国の一部を占領に、そこから妖を放っている。何が狙いなのか知らないけどな」
「あれじゃん?世界征服」
私はありがちなことを冗談っぽく言ってみた。だけど二人の反応は至って真面目で、「その可能性は高いだろうな」という。
鬼神とやらの正体は誰も知らないらしい。男かもしれないし、女かもしれない。若いかもしれないし、老いてるかもしれない。情報が少なすぎる。
そこで、また新しい情報を手に入れた。
「俺たちは、ディバイダーって言うんだ。この国を危険から守るために選ばれた。それは生まれた時からもうディバイダーだって決まってたらしいけどな。俺は父ちゃんから厳しく武道を習った」
晋平がご飯を食べながら言った。次いで、清太郎も
「俺もだ。小さい頃から陰陽道を学ばされ、周りの陰陽師より秀でている」
「でも、なんのためにそのディバイダーは必要なの?」
「鬼神も代々受け継がれているようで、いつの時代も妖が絶えない。そんな妖や鬼神から国のものを守るため、ディバイダーが生まれるんだ」


…なんか書いてて本当に釣りっぽく思えてきた……
でも、夢は今も続いてる。これは本当のことだけど、本当のことなのか、自分でも自分を疑いたくなるよ…
最後まで付き合ってくれるひとがいたら、よろしくお願いします。

んで、三日目までは説明が入ってたから書いたけど、んな一日一日覚えてないので、飛び飛びで話します。

もし、質問とかがあったら、話の途中でも構わないのでバンバン聞いてください。
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)2012/11/12(月) 13:18:12.34 ID:sBAOJmCE0
夢の中と現実世界の時間の経過って違うのか?
12 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/12(月) 13:56:02.04 ID:JxtBjkig0
結局、眠る度その世界に行ってしまう。私はいつしか諦めていた。
時にはその夢を見たくて早く眠ったり昼寝をしたりすることもあったけど、その夢を見たくなくて徹夜したりしたこともあった。

「コーマインド宮殿にディバイダー達が集められるらしい」
陽国でしばらく過ごしていたある日、晋平が言った。
「鬼神討伐?」
なんとなしに言ってみたが、それはあながち間違いではなかったらしい。驚いたことに、その集まりに私も参加するように言われた。
「私関係ないじゃん!」
「でも王の言うことだからなー。まぁ、なんかあったら俺が守ってやるから、行こうぜー」
晋平は軽く言う。そう肩に腕を回された時、ちょっとドキッとした自分がここに(笑)

宮殿へは、牛車みたいなもので行った。でも、道のりは長く、ついつい眠りそうになる。ここで私は思った。夢の中で眠ったら、どうなるのかな、と。
それを確かめたくなって、私は眠ってみた。

それは現実世界の、知らない記憶だった。私は第三者としてそれを見てるんだけど、お母さんがお腹をさすってとても優しい笑顔をしている。そのお腹の中にいるのは私だろう。お父さんもお腹に耳をあてたりしている。
なぜかそれが悲しかった。自分でも分からないけど、すごく切ない気持ちになった。

「おい、あゆみ、起きろ。着いたぞ」
晋平に起こされ、目を開けると、そこは陽国とは全く違った景観だった。まさに宮殿!アラブにでも来てしまったかのような立派なところだった。
私たちが来ると、門番みたいな人が門を開けてくれた。二人とは面識があるみたいだけど、私を初めてみたからか、ちょっと怪訝そうな顔をしてたのが記憶に残ってる。

「よくおいでくださった。ほかのディバイダー達も別室で待機しています。今呼んで参りましょう」
いかにも王様チックな人が豪華な椅子に座り、私たちにそう言った。
四人の男女が、中に入ってきた。
「よー!久しぶり!」
晋平が、背の高いチャイナ服(男でもチャイナ服っていうのか知らないけど)の男性の肩を軽く叩いた。叩かれた方の男性は頷いた?会釈した?感じで話さない。その隣には、背の小さいこれまたチャイナ服の可愛い女の子が腕を組んでたっていた。
「誰、こいつ」
少女は私を指さして言った。…こいつって…。

ここで、自己紹介をされたので、名前と年齢、特徴だけ書いてみる。

華族

龍(ろん)、21歳、男、無口。

烏(うー)、12歳、女、生意気。

洋族

アラン、32歳、男、マッチョ。

サラ、24歳、女、綺麗。

こんな感じ。簡単すぎるかな。

で、再会を喜んだ後、王が話を始めた。
長いから要約すると、

今この世界は以前にも増して危険に晒されている。それは、とある少女の出現によって、鬼神が動き出した、との事。
鬼神はその少女を自分のものにして、世界を壊そうとしている。
その少女を守りつつ、鬼神を倒しに行って欲しい。

そういった感じの事を王は言っていた。
そして、自然とみんなの視線は私へ。
「…え?私?」
「サラ、烏、さっき頼んだ通りに」
王が言うと、私はその二人に連れられ、奥の部屋へ。そこでなぜか脱がされた。そして、サラと烏は頷きあい、また私に服を着せて戻った。
「間違いありません」
「やはりあったか」
「はい。薔薇の刻印が」

だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!なんか厨二病!?って感じだね!末期だよね!!でもごめんね!!付き合ってね!!
13 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/12(月) 13:57:44.25 ID:JxtBjkig0
>>11
違うね。ゆめのなかの世界のほうが、経過は早いみたい。
現実世界の一日が、夢の中では三日くらいかな?
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)2012/11/12(月) 14:26:01.42 ID:sBAOJmCE0
これ今読んでるの俺だけなのかな

>>1面白いから安心して書いてくれ
てか寧ろ>>1が面白いわw

時間の経過は分かった

15 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/12(月) 14:27:09.62 ID:JxtBjkig0
ちょっと友達に呼び出されたので行ってきます!

夕方くらいには戻ると思う!
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)[sage]:2012/11/12(月) 16:33:00.59 ID:lTUoBhFU0
よんだ
続ききになるー
17 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/12(月) 18:50:29.24 ID:JxtBjkig0
ただいま!!

ではつづき。

私には見えない位置だったけど、背中に薔薇の刻印があったらしい。
ちなみに現実世界で風呂に入る時背中を見てみたけど、当然何もなかった。
で、王の話に戻ると…

薔薇の刻印を持つ少女だけが、世界を壊す事も、救う事もできる。だから鬼神はその少女の力を欲しがっている。
鬼神は既にあちらこちらに妖を放っているので、鬼神退治と共に、この国を救って欲しい。

そんな感じの事だった。

王の話は終わり、鬼神退治に出るのは翌日となった。
私は陽国の、清太郎の家で基本過ごしていた。
晋平が、そっと後ろに立つ。
「へー、まさかお前がねー。薔薇の刻印か。ちょっと見せて」
有無を言わさず晋平が制服をめくる。私、殴る。
「なにすんだ馬鹿!!」
「なんだよー。見るくらいいいじゃんかよー」
「よくないわ!!せめて返答を待ってから見てよ!」
「見せてください」
「だめです」
「おい」
そこで清太郎が夕飯をもって現れた。
「あゆみ、その薔薇の刻印とやらを見せてはくれないか?」
「いいよー」
「おい!!」
まぁ背中見せるくらいどうってことないんだけどさ。と、二人に見せる。
「本当だ。真っ赤な薔薇…」
「えー?私も見たいー!写メって!」
「しゃめって?」
「あ、ごめん、なんでもない」
清太郎の家のお風呂の中にある姿見で、背中を確認。確かに、赤い薔薇が背中に刺青のように入っている。まさに、塗っているとか、書いてあるとかじゃない。刻まれてる。
「うわ、マジだよ。えー?」
その時はとても焦ったというか、戸惑った。まぁ、別に痛みがあるわけでも違和感があるわけでもないから、言われなければ思い出さない程度に今はなってるけど。
清太郎の家でご飯を食べながら、私はふと疑問を口にした。
「あのさ、私が起きてる…つまりこの世界に存在しない時、みんなは何してるの?」
「ふむ…」
清太郎が顎に手を当てる。
「それが、俺たちは普通に生活をしている。だが、お前が来ると、妖や鬼神の存在を思い出す」
「あゆみが来ない間は平和ってことだ」
晋平のいいように少しムッとしたが、それでもどこか申し訳ない気持ちになり、私は黙り込む。
「あ、馬鹿、嘘だよ!」
晋平はすぐにそう言い、頭を撫でてきた。
「でも、私はなんの意思もなくここへ来てるわけだからね…平和に暮らして欲しいけど、無意識だから…うーん…ごめんね?」
二人は笑顔で横に首を振った。お前のせいじゃない、と言ってくれた。


ちょっとこれから風呂と夕飯行ってくる!
18 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/12(月) 22:36:46.58 ID:JxtBjkig0
またまたただいま!!
んー…人いないみたいだなぁー。
まぁこんな内容じゃ仕方ないか。んまぁ、厨二病が書いてる小説だとでも思ってもらえれば(笑)

続き

翌日(夢の中では三日後になるのかな)、鬼神討伐の為、ディバイダー達がコーマインド宮殿に集まった。
ここからは会話もちょいちょい織り交ぜます。
王「私から言えることは一つ!」
みんなが真剣に王を見る。
王「頑張れ!」
みんなが思わずこける。
アラン「それだけですか?」
王「私がどうしたところで事態は変わらんからな。皆、あゆみ様を守って、無事に帰還してくれ」
なんか、「様」ってつけられるのは照れるというか、変な感じがした。みんなが私を見て、頷く。みんなそれぞれ武術の心得はあるみたいだから、私は本当に守られるだけ。あいにく私の特技といえばバスケくらいだけど、ここでそれを披露する時は来ないだろう。こんな時、空手でも習ってればなーと、なんとなくもどかしく感じる。
あ、そうそう。しばらく陽国にいた間、町の人たちとも仲良くなった。そんなこんなで、コーマインド宮殿の周りには陽国にとどまらず、色々な国から集まった人々が見送ってくれた。中には、私目当ての人もいた。この国を左右する少女とはどんな女なのか、と。なんだか、こんななんの取り柄もない私で申し訳ないな、と思ってると、晋平が上から上着を被せてくれた。
「これなら目立たないだろ」
にかっと笑うが、これじゃまるで犯罪者だよ、余計目立つよ(笑)とは言えなかった。「ありがとう」と笑い返す。
そして、コーマインド宮殿を離れた。
私「要は鬼神を倒せばいいわけだよね?って事はこのままその占領された国へ行けばいいってこと?」
サラ「いいえ、妖の被害はたくさんの国で出ているわ。それを解決して、最終的に鬼神のところへ行けばいいのよ」
サラはとても美人で、物腰も柔らかかった。
私「要はまぁ、ラスボスってやつね」
その呟きは誰の耳にも届いていないようだった。
烏「でも、その被害が出てる国の情報はどうやって手に入れる」
清太郎「それは王がこの伝書鳩を使って情報をくれる。俺たちはそれに従ってその国へ行き、妖を退治すればいいということだな」
晋平「へー。この鳩がねぇ」
晋平はツンツン、と鳩をつついている。
アラン「よし、んじゃあ気合入れていくか」
私「あ、そうだ。円陣組もうか!」
みんな「円陣?」
私「肩を組合って輪になって、気合入れるの!」
よく部活でやったのを思い出し、私はダメ元で提案してみたが、みんなは割とすんなり了承してくれた。
みんなで肩を組み合う。
私「打倒、鬼神!」
みんな「おう!!」
こうして、まずは最初の国、洋族地であるフレンという国に向かうことになった。


すまん、今日は以上!
あーでもまた眠ったら夢見るから溜まってくなぁ…
そのうち一気に消化しに来ます!

レスくれるとすっごい喜びます!

では!
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都)[sage]:2012/11/12(月) 23:07:29.83 ID:YRrpxu+0o
読んでるよー
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)[sage]:2012/11/12(月) 23:19:01.23 ID:BXR7tAtu0
読んでる読んでる
楽しみにしてるよ!
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2012/11/12(月) 23:32:43.05 ID:avLIub8Jo
(・ω・)ノ
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県)[sage]:2012/11/13(火) 08:45:15.62 ID:JZTpfRCMo
どんなチープな内容でもリアルRPG体験できるとかマジで羨ましい
夢は最強のバーチャルリアリティだからな
若さ故の想像力が成せる技かのう・・・
23 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/15(木) 22:15:33.65 ID:w1OabVzQ0
どもども。

結構読んでくれてる人がいるみたいで、かなり嬉しい(笑)
続き書いてくよー。

フレンへは、洋族特有の乗り物らしいジープみたいな車で移動することになった。
運転をするのはアラン。サラは助手席。

アラン「いやー、でもあゆみが選ばれた少女なら、守りがいがあるなー」
私「え?なんで?」
アラン「可愛いから」
サラ「またいつもの病気が始まった」
烏「アランは女好きだから気を付けた方がいい」
私「わかった」
晋平「アランは昔っから女好きだもんなー」
アラン「うるさい。男好きよりマシだろ」
そんな緊張感のない話をしているけれど、私はかなり緊張していた。妖ってどんなものなのか、鬼神ってどんなものなのか、私の命を守ってくれるみんなが危ない目に遭わないか…そんな事ばかり思ってた。

フレンに到着。なんだか、不思議なところだった。アメリカっぽい感じもするし、本当に異世界に放り出されたような感じもする。
ゲームの世界ってこんな感じなのかな、っていう。

アラン「フレンの妖は港の船着き場によく出没するらしい。何度も船が襲われて、被害者も多い」
龍「…という事は、船に乗ってひきつければいいのか」
私「あ、喋った」
龍「ん?」
私「いやー、龍って無口だからさー、やっと喋ったなーと思って」
龍「…」

龍は視線をずらす。まずい事言ったかしら。

というわけで、私たちは港に向かった。周りからの視線が痛い。
中には「どうかこの世界をお救いください」なんて拝んでくる人なんかもいた。

清太郎「ここか。ふむ、今は特に問題はなさそうだが…」
私「…?晋平、なんでさっきから黙ってるの?」
晋平「…船、乗るんだよな」
烏「あぁ。晋平は船苦手だった」
私「私は船に乗る機会なんてなかったからなぁ。ディズニーランドの豪華客船くらいか」
清太郎「ディズニーランド?」
私「現実世界にある、有名な遊園地だよ」

そこにいるみんなが、ディズニーランドに興味を示したらしく、しばらくその説明をする羽目になった。
そんな時、一人の男性がすごい形相でこっちに走ってきた。

男「あなた達は、ディバイダーの皆さまですか!?」
アラン「そうだが…」
男「う、海に妖が現れて、二隻の船が沈められました!どうか、妖を退治してください!」
清太郎「これは決まりだな」
晋平「やっぱり船乗るのかよー…」
私「まぁまぁ、仕方ないよ」

そうして私達は船に乗ることになった。言われた通りの場所に行くと、急に空が騒がしくなった。

私「鳥?」
清太郎「あれが妖だ。あゆみ、下がっていろ」

鳥が急下降する、私でも分かった。その鳥は私めがけて飛んできている事に。

龍「早いっ」

私は思わず目を瞑った。

続きはうwebで…なんてね。
24 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/15(木) 22:41:35.11 ID:w1OabVzQ0
「うっ」

誰かの呻る声が聞こえた。痛みは私にはない。恐る恐るそっと目を開けてみると、晋平が肩から血を流していた。

私「晋平!」
晋平「かすり傷だよ。お前ら、あゆみを守れ!」

その晋平の一言でみんなが我に返ったように、臨戦態勢に入る。
晋平は空手、清太郎は陰陽道、龍は中国武術、烏はヌンチャク、アランは拳銃。
サラは戦わないらしく、私をずっと庇ってくれていた。

私「みんな大丈夫かな…」
サラ「大丈夫よ。みんな伊達にディバイダーをやっているわけじゃないわ」

そのみんなの戦いっぷりには目を見張るものがあった。
それからすぐに、妖は退治された。
妖の口から、何か玉のようなものが吐き出される。それをうまくキャッチしたのは、アランだ。

清太郎「案外あっさりだったな」
烏「物足りない」
私「この玉は?」
サラ「それを、フレンの中心にある銅像にはめ込めば、ここには妖は出なくなるの」

そういうわけで、私達はフレンの中心に向かい、銅像に玉をはめ込んだ。

私「晋平、大丈夫?」
晋平「どうってことねーよ」
私「ごめんね。私がもっと早く動けてたら…」
晋平「大丈夫だっつーの。無事玉も見つかったし、一件落着じゃんか」
私「うん!後で手当てするね」
晋平「みんな、一ついいか?」

みんなが晋平を見る。

晋平「酔った…」

そんな晋平を見て、笑ってしまう。晋平は柱に手をついて、吐きそうになっている。
私が背中をさすってやる。

アラン「ここは解決したし、そろそろ伝書鳩も来るだろう。一気に片付けたいな」

そう言った矢先だった。周りが光り始める。

私「ごめん!私起きなきゃ!」

そう言い残して、私は夢から覚めた。


今日はこんくらいかな。

読んでくれてありがとう!
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank)2012/11/15(木) 23:29:55.54 ID:Zf9HXuFZ0
夢は寝る前に考えいていたことに影響をうける云々という話を聞いたようなきがするでござる。
なる前にファンタジーもののゲームや小説をよんでるんじゃないでござるか?
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東)[age]:2012/11/27(火) 23:12:17.44 ID:NmLgNgiAO
案の定というかやっぱりいなくなったな
結構期待してたが、どうせ最後まで続かないだろうとも思ってた
27 : ◆DyixvmrhQM2012/11/28(水) 22:14:50.30 ID:ewN+reWlo
見てみたが割と面白い。
28 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/28(水) 23:20:26.56 ID:2M+PwLHd0
こんばんは。お久しぶり。
最近来れなくてすいませんでした。テスト期間だったもんで。まぁ夢のせいで勉強に集中なんてできなかったんだけどね。

>>25
それが、私はゲームもしないし、漫画やアニメも見ないし、小説は伊坂幸太郎くらいしか読まないんだよ。
>>26
すまん。上で書いた通りで来れなかった。
>>27
ありがとう(笑)

では、あまり今日は書けないけど、続き。

フレンの件が片付き、伝書鳩が飛んできた。清太郎がそれを受け取り、読む。

清太郎「なに?」
私「どうしたの?」

晋平と私が覗き込み、同じく驚いた。
手紙にはこう書かれていた。

《陽国が荒れている。町の三分の一ほどが妖の被害に遭って命を落とした》

私「うそ…でしょ?」
晋平「俺たちがいた頃は妖なんか出なかったじゃねぇか!!」
清太郎「とかく、急ごう」

ほかのディバイダーたちも頷き、私たちは大急ぎで陽国へ向かった。

半日ほどかけて陽国へたどり着く。それは私が知ってる陽国じゃなかった。町は荒れて、住人は怯えてる。
私は思わず手で口をおおった。晋平が肩を抱いてくれる。多分、私が震えていたからだと思う。

烏「とりあえずけが人の手当。サラ」
サラ「ええ、分かってる。私はここに残ってけが人の治療をするわ。みんなは一刻も早く妖を倒して」
晋平「あゆみも残れ。危ない」
アラン「そうだな」
私「嫌だ。行く。邪魔になるかもしれないけど、行かせて」

私の真剣な目を見て、みんなはしばらく考えた後、わかったと頷いてくれた。
突然、悲鳴が聞こえる。見ると、一人の少女、私に懐いてくれていた百合という子が妖に噛み付かれていた。

晋平「見るな!」

晋平が私の目を覆ったけど、もう遅い。見てしまった。百合ちゃんが血を流してるのを。
その時、私の中で何かが熱くなった。そして、背中の刻印が同じく熱を持った。
正直、その時の事は覚えてない。気がついたら、妖が倒れていて、私の後ろにみんながいた。みんなは私を見て驚きを隠せないようだった。
私の足元に玉が転がっている。

私「今…なにが起きたの?」

自分を見てみると、血だらけだった。でも、怪我じゃない。妖が血まみれだったから返り血だと思う。
急に怖くなって、気持ち悪くて、叫んだ私を清太郎が抱きしめてくれた。

聞いた話によると、急に私の顔つきが変わって、妖につっこんでいき、薔薇の蔦が絡まった剣みたいなものをどこからか取り出して、あっという間に妖を切り刻んで殺したらしい。

龍「これが選ばれたあゆみの力というわけか…」
私「全く覚えてない…」

その後、玉を陽国の神社みたいなところにおさめて、サラのけが人の手当が終わった後、百合ちゃんのお墓を作った。
笑顔が可愛くて、私に花をくれたり、膝の上に乗って現実世界の話を聞きたがったり…ここでは書いてなかったけど、本当に可愛い子だったんだ。

その後すぐまた夢から覚めたんだけど、私は涙が止まらなかった。その日の夜は寝たくなくて、徹夜した。

とりあえず今日はこんな感じかな。
明日は学校休みだからまた一気に消化しにくる。

読んでくれてありがとう!
29 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/29(木) 00:14:01.44 ID:A2OYOHz90
もう少し時間があるので、この世界のことを少し説明する。

前に国に三つの種族があるっていったけど、訂正。世界が三つの種族で分かれてる。
コーマインドの中心にコーマインド宮殿と城下町があって、それを囲むように三つの種族の所有する国がある。
一つの種族につき、三つの国を所有してる。日族地から少し離れた森を鬼神は占領してる。

日族地

・陽国
・羅国
・刹国

華族地

・安東国
・斎南国
・江国

洋族地

・フレン
・ビュークス
・スメリス

移動手段は三種類。
日族は牛車、華族は三輪の車、洋族はジープ。

ただ海を挟んでるから、船での移動が主。
晋平が毎回酔ってるけど(笑)

全ての国に不思議な玉を収めることによって、その国には妖が出なくなる。
でも、その玉は私がいないと出ないらしい。

これはさっきの話をしちゃったから今言わざるを得ないけど、私の背中の刻印は私が強い怒りを感じると、その力が発揮するらしくて、その時だけ戦闘ができるみたい。
まぁ百合ちゃんの一件で分かる人もいるかもしれないけど(笑)

でー、これこそ本当になんか物語みたいだけど、私は晋平が気になってる。一番に私の心配をしてくれるし、守ってくれる。不器用だけど、優しい。清太郎も好きだけどね、ってかみんな好きなんだけどさ(笑)
でも、もちろん夢と現実の区別はついてるから、晋平を好きになっちゃいけないことは分かってるんだけどね。

とりあえずこんな感じの世界などの報告。

もし質問とかあったら、いつでも聞いてください。

ではまた明日!
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(群馬県)2012/11/29(木) 02:53:46.53 ID:woRX//X20
羨ましい

もし僕だったらそれをネタに小説書いてると思う

でも、>>1は作家になる気はないのかな?
(邪なこと考えたら自然な世界が壊れるかもしれないし)
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2012/11/29(木) 13:37:11.67 ID:iWXoO/0DO
中学生?高校生?
32 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/29(木) 18:39:20.95 ID:A2OYOHz90
どもー。

>>30
羨ましいかなぁ?
いやー。小説なんてそんな立派なもん書けないよ(笑)
作家になる気もなれる気もしないね。
>>31
高校生。

では続きー。

夢に入ると、陽国にみんないた。清太郎の家で寝泊りしてたらしい。
伝書鳩は今度は江国に行けと指令を出していた。一つの所有地で終わらせてくれればいいのに、わざわざ国を変えなきゃいけないみたいだ。

龍「俺の実家が江国にある」
私「そうなんだ。じゃあ行こうか」

船に乗って江国に入る。村は陽国と違ってあまり荒れてはいなかった。
龍が実家に寄りたいという。烏が「マザコン」とつぶやいた以外、私たちは特に何も言わず了承した。

龍「ただいま、母さん」
龍母「あら、おかえり。あ、ディバイダーの皆さんと、あゆみ様ね。よくいらっしゃいました」
私「初めまして」

龍のお母さんはちょっと小太りで優しい顔をしていて、いいお母さんて感じだった。
そのまま、お昼ご飯をご馳走になることになった。夢なのに、おいしい。なんか、不思議だなーって感じた。まぁこの夢自体が不思議なんだけどさ(笑)
和んでいるところで、いきなり中年の女の人が龍の家に入ってきた。なにか焦っているみたいだった。

女「恭さん!旦那さんは今どこ!?」
龍母「え…昨日林まで仕事に行ってからまだ帰ってきていないわよ」

龍のお父さんは、大工をしているらしい。その日は林の奥の小屋の修理ということで出かけていた。

女「やっぱり…今その林に妖がうろついてるって、大変な騒ぎになってるのよ!」
龍母「ええ!?」
龍「母さん、落ち着いて。俺たちが行ってくる」

暗黙の了解のように、今まで和んでいた私たちは席を立った。私はともかく、ディバイダーって本当に頼りになるなって思った。

アラン「その林ってのは遠いのか?」
龍「いや、近い。だが、広いんだ。妖を先に見つけて倒せればいいんだが…」

林は本当に近かった。でも、樹海に似ていて、私一人だったら迷子になりそうだ。その林を進んでいくと、小屋を見つける。龍が走り出した。

龍「父さん!」
龍父「おー、龍。帰ってたのか。どうした、血相変えて」

幸い、龍のお父さんは無事だった。それどころか、何も知らないような顔で笑っている。私が、名乗った後ことの顛末を話した。するとお父さんは顔色を青に変えて「それは危なかったな」とつぶやいた。
一瞬、なにか咆哮のようなものが聞こえた。妖は案外近くにいるらしい。
サラと今回は清太郎をお父さんと小屋において、私たちは咆哮がした方に向かって走った。割とすぐに妖は見つかった。
晋平が咄嗟に私を後ろに隠した。
それからはいつも通りディバイダーたちが攻撃していったんだけど、その妖は途中で姿を消した。なんかふっと急に消えた。でも玉が出てこないから倒したわけじゃないってことは明白だった。みんなの考えは一緒だ。小屋に向かった。
やっぱり妖は小屋の前にいたけど小屋に近づけないみたいだった。

私「サラ!清太郎!大丈夫!?」
清太郎「俺が結界をはっている!妖は入れないはずだ!」

中からそう声がし、私は安心する。小屋の前で戦闘再開。妖はだいぶ弱っているみたいなので、こっちは畳み掛けた。妖は全部私を狙っている。それをみんなが阻止する感じだった。アランの拳銃の一発で、妖にとどめをさす。玉を手に入れ、私たちは龍の実家に戻った。
龍のお母さんは龍のお父さんを見るなり抱きついて、よかったと泣いていた。その後、玉をおさめに行ってから龍の実家に泊まることになり、その日は大宴会だった。
ちなみにアランは酒が入るとキス魔になるらしい(笑)散々された。まぁほっぺだったし、晋平とか逃げ惑う烏にもしてたから気にしなかったけど。

とりあえず一旦終了。
33 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/30(金) 22:20:09.86 ID:0JTpA4e50
こんばんはー。
人いないかな?

まぁいいや。
寝る前に一つ書いてく。少しずつでも書かないと溜まってく一方だからね(笑)でも、今現在の夢はもう佳境に入ってるのかもしれない。

いつも通り伝書鳩が来る。次は、安東国。江国のとなりだ。ゲームをしたことがないけど、周りの話で知っているレベルの知識でいくと、妖は確実にレベルが上がっているというか、強くなっている。それもそのはずだ。鬼神とやらは私を狙ってる。弱い妖で倒せないなら強い妖を送るに決まっている。
船の移動中に妖が襲ってくる事もしばしばある。それは玉を持っていない妖だったけれど。
安東国に着いて、まずは国の状況を見た。ここもそんなに荒れてはいない。そんな時、大の男三人が、小学生くらいの女の子を囲んでいるのが見えた。ほかの仲間たちが気づくより早く気づいた私はそこに駆けていった。

私「何してるの?」
少女「助けてください」

少女は泣いていた。男たちはバツの悪そうな顔をして、去っていった。どういうことなのか少女に尋ねてみると、少女の首にかかっているネックレスが高価なもののようだったので、よこせと言われていたらしい。しかし、そのネックレスは少女の母親の形見らしい。そこで私たちが来たというわけだ。少女の名前は凛。凛は私にお礼がしたい、と服の袖を引っ張ってきた。

晋平「あゆみ!急にいなくなるなよ。ん?なんだその子」

凛は私の後ろに隠れる。私はさっきのことみんなに話した。しかし凛は私が助けてくれたという理由と、極度の人見知りのようで、私だけついてきて欲しいと言った。

私「ちょっと行ってくる。みんなは適当にしてて。すぐ帰ってくるから!」
烏「その子怪しくはないか」
凛「おねえちゃんにお礼がしたいの」
晋平「まぁいいんじゃねぇか?行ってこいよ。俺らは町で妖の情報でも集めてるからさ」
私「うん。ありがとう」

凛は私の手を握って歩き出した。
それから大分歩いた頃、気付けば周りは荒地が広がっていた。こんなところでどんなお礼をするというのか。私も少し警戒し始めた。そんな時、凛が頭を抱えて、うずくまった。

私「凛ちゃん!?どうしたの!?」
凛「やっぱり…だめ…出てきちゃだめ!!」

凛はそう叫ぶと、ネックレスを引きちぎろうとした。しかし途中でやめて、倒れてしまった。

私「大丈夫!?」
凛「…ふぅ。結局使えんガキだったな」
私「凛ちゃん…?」
凛「私は凛ではない。名前というものすらないな」
私「誰なの?」
凛「鬼神から頼まれてな。お前を連れてこいと。それでこのガキのネックレスに宿った。母親の形見さまさまだな。霊が宿りやすいようだ」
私「凛ちゃんはどうなったの」
凛「さてな。お前と出会うまで半月ほど時を共にしたが、このガキはなかなか私に懐いてしまってな。少し優しくすればすぐになんでも話すようになった。…愚かだな」

私の中で何かがざわめいた。でもとりあえずは逃げなくてはいけない。私は後ろを向いて走り出そうとしたが、体が動かない。

凛「無駄だ。お前とガキが手を繋いでいる時に、私の力を注いだ。お前は今私の思う通りにしか動けない」
私「ふざけんな。私は鬼神のところになんか行かない」
凛「ははは、それはそうだろうよ。だが、こちらとしてもあの人を裏切るわけにはいかないのでな。このガキは結局使えなかった。母親を亡くし、父親は家を出たきり帰ってこない。そんなガキが私を話し相手として選んだ。私はお前のことと鬼神のことを話した。ガキは私に協力すると言ったが…」
私「じゃああの男たちは…」
凛「金で人間はいくらでも動く。雇っただけさ」
私「全部が罠だったわけ?」
凛「ああ…ん?」
凛「…おねえちゃん、逃げて!早く!」
私「凛ちゃん!?」
凛「ふっ…少しは力があるみたいだな。だが、このガキもいずれ死ぬだろう」
私「死ぬって…なんで!?」
凛「私と話す…それはつまり生命力を私に注ぎ込むということなのだよ」
私「…いい加減にしてよ。こんな小さい女の子の弱みにつけこんで!!」
凛「使えるものは使うさ、私は…な、なにっ!?」

私は動いていた。気付けば剣を片手に持っている。背中が熱い。今ならどんなものでも倒せそうな、そんな気がした。

一旦切る。
34 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/11/30(金) 22:42:46.71 ID:0JTpA4e50
凛「ふ…これが選ばれた力なのか。だが、どうする?私を切るか?そうすれば凛も死ぬぞ」

私は戸惑った。確かにそうだ。こいつが凛から抜けて出てくれればともかく、凛の体に宿っている限り、剣は使えない。

凛「いいから!切っていいから!」
凛「な…」
私「凛ちゃん、無理だよ…!」
凛「私は…お母さんのところに行くから…」

そう言った凛の目からは涙が幾筋も流れていた。私も思わず泣いてしまいそうになる。
次の瞬間、私の横を何かが素早く飛んでいった。それは凛の額にくっつき、凛は苦しそうにもがき始めた。
振り向くと、清太郎…仲間たちがいる。

私「みんな!」
サラ「やっぱりついてきて正解ね。怪しすぎるもの」
清太郎「今、札に呪をかけて少女の中身を出す」
晋平「あゆみ、あとは俺らに任せとけ」
私「凛ちゃんは死なない?」
清太郎「それは…やってみなければ分からない」

そんな会話をしている最中も、凛は苦しがっていた。正確には、中の霊が。清太郎が呪文みたいなものを唱える。さらに凛が苦しむ。
やがて凛の中から何かが出てきた。凛は倒れる。私は凛に駆け寄った。

凛「ごめんね…おねえちゃん」
私「謝る必要なんかないよ。…寂しかったんだよね」
凛「…うん、私寂しかった…」

凛の目が段々虚ろになっていく。

私「凛ちゃん!死んじゃだめだよ!!」
凛「いいの…私は一人だから…生きてても仕方ないの」
私「馬鹿!そんな気持ちでお母さんのところに行ってお母さんが喜ぶはずないでしょ!?」
凛「だって…私一人はやだもん…」
私「私が会いに行くよ。今は色々飛び回ってるけど、絶対さみしがる前に会いにくる。私が友達になるから」
凛「ほんと…?」
私「うん。約束」

私は小指を立てて、凛の小指と絡めた。

凛「えへへ…はじめてお友達できちゃった…ありがとうね…おねえちゃん」

凛の目が閉じていく。ストンと小指が落ちたとき、凛の意識もなくなった。…そして、冷たくなった。

清太郎「あゆみ!自失している場合ではない!危ないから下がっていろ!こいつは手ごわいぞ!」
私「……清太郎、どいて」
晋平「あゆみ、来るな!」
霊「ははは!体を持たぬ私をどうにかできるか?」
私「できるか?違う、するんだよ!!」

そのまま剣を構えて全速力で走る。百合、凛…どうして小さな命が失われていくのか。
怒りを剣に託して、私は思い切り霊に剣を振り落とした。すると、霊が分散するように消えていった。

霊「まさか…ありえない…うわぁぁぁぁ!!」

それからの事は覚えていない。私は倒れてしまい、そのまま現実世界に戻ったようだった。後日話を聞くと、仲間が凛を母親の眠る墓に埋めてあげてくれたそうだ。


今日はこんな感じかな。

では!
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都)[sage]:2012/12/01(土) 12:59:47.76 ID:MCcxm3XXo
この物語が終わったら、次はどうなるんだろう
ダラダラした日常が続くのか、それとも違う物語が始まるのだろうか
36 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/03(月) 23:37:01.59 ID:FbXMqqdm0
こんばんは!
>>35
それ私もめっちゃ気になってる。新しい物語が始まるのか。それとも、平和になった今の世界に行き続けるのか、なんの変哲もない普通の夢に戻るのか。

では、続き

実は凛に連れて行かれた場所は、「どこにも属さない地」って呼ばれるところだったんだ。そこは神聖な地で、本当は入る事も禁止されてる。でも、ディバイダーとか、選ばれた者は入れるとか、その地に適さない者が踏み入れると持っている力の半分も出すことができないとか、色んな噂があるんだって。

でまぁ、安東国に戻って、情報収集。妖は夜中に出るらしい。で、今回は二体いるそう。
私たちは適当な宿に泊まって(ディバイダーだからお代はいらないと言われた)、夜中になるのを待った。ちょっとウトウトしかけたとき、男性の叫び声が聞こえた。

アラン「いくぞ!あゆみ、眠いなら…いや、愚問だったな」
私「当たり前。行くよ」
晋平「涎垂らしてたくせに」
私「う、、うるさい!いくぞこら!」

急いで駆けつけれると、倒れた男性の上に一体の妖がのしかかっていた。それを晋平が蹴り倒す。

サラ「もう一体いるはず…」
私「うん…え…きゃぁっ!!」

急に肩に激痛が走る。もう一体がすぐ近くに潜んでいたらしい。

みんな「あゆみ!!」
私「大丈夫…早くやっつけちゃって」

痛みは相当なものだったけど、私は笑顔で言った。三人ずつに分かれて、一体ずつ倒していく。そのとき、私の意識は朦朧としていた。この世界で死んだらどうなるのかな、とか、目覚めなかったらどうしようかな、家族が心配するな、とかのんきな事を考えていたけれど(笑)

清太郎「あゆみ、大丈夫か?おい、しっかりしろ!」
サラ「うそ…毒持ってるわ!このままじゃ…」
アラン「サラ。使っていい、早く治して…おい、晋平!」

晋平が私の服を破って、傷口に口をつけ、吸う。それを何度か繰り返した。

晋平「サラ、どうだ?毒抜けたか?」
サラ「ええ。大分ね。あとは私がやるわ」
烏「あゆみ、大丈夫か」

私は意識もはっきりしてきたので、Vサインを出した。その後、サラに手当をしてもらって、みんなが宿で寝静まった頃、私は眠れず、外の空気を吸いに来ていた。すると、後ろからだーれだ、と目隠しをされる。

私「わかんないなー」
晋平「俺だよ」
私「わかってたけど」
晋平「おい」

二人で夜空を見上げる。星が綺麗だった。なんとなく、今までの事を思い出してみる。最初はすぐ終わるただの夢だろうと思ってたけど、みんなとの仲も深まって、この夢を見てる事になんの疑問も持っていない事に驚いた。

私「晋平。ありがとね」
晋平「なにが?」
私「あの時晋平が助けてくれなかったら、私今ここにいないかもしれない。それに、さっきも毒吸ってくれたし」
晋平「それは…まぁ」
私「好きだよ」
晋平「え!?」
私「みーんな好き」
晋平「あ、あぁ」
私「冷えるから戻ろっか」
晋平「なぁ」
私「ん?」
晋平「いや、なんでもない。寝るか」

あ、ちなみに玉は一体が持ってて、しかるべき場所におさめた。
今日はこんな感じです!


37 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/08(土) 11:47:55.37 ID:QrcrvSb00
こんにちは!

えーっと、話をはじめる前に、結構この話まとめて書いてるんだよ。もちろん細かい部分を覚えていないってのもあるけど、全部書いてたらとんでもない事になるし。
で、一つの書き込みで一日ってわけじゃない時もある。妖が出てこなくて一日終わったり、船での移動中に終わったり。
でもそこを書いてたら本当キリがないから、重要な話だけまとめて書いてます。

以上!

では続き

私たちは洋族地であるスメリスにいた。次の指定場所がそこだったからだ。スメリスはフレンより少し田舎な感じで、のどかだ。ここで情報収集してみると、今度の妖には、一人の女がついている、ということだった。飼い主なのか、妖は女の言うとおりに動くらしい。

アラン「美人かなー」
私「あのね…敵にまで期待してどうすんの」
アラン「お?あゆみ、ヤキモチか?大丈夫、お前も好きだぞー!」

そう言って抱きついてくるアラン。

私「だー!違う!!」
晋平「馬鹿やってねーで、早く行くぞ!」

私たちを引っペがして、晋平は私の手をとって歩き始める。そんな時だ、上空から一人の女性が落ちてきたのは。女性は傷だらけで、息も絶え絶えという感じだった。

私「大丈夫ですか!?」
女性「妖に捕まって…必死で…逃げてきたんです…」
私「とにかく、どこか休めるところに移動しないと」
サラ「アラン」
アラン「いや、必要ないだろ」
私「なんの話?」
サラ「なんでもないわ」
清太郎「では、運ぶか」

その時なぜか女性は晋平に背負ってくれと頼んだ。その様子を見ていたペリアという一家が、是非家に、と申し出てくれたので、私たちはそこに移動した。

私「サラ、大丈夫そう?」
サラ「ええ、傷はそこまで深くないわ」
晋平「レイラ、どこか痛むところはあるか?」
私「レイラ?」
晋平「彼女の名前だよ」
私「なんで知ってるの?しかもなんで呼び捨てなの?」

何故かイラッときて、つい強い口調で聞いてしまう。

晋平「いや、さっきおぶった時に名乗られて…呼び捨てで呼べって…」
私「ふーん…」
レイラ「あの…すみません」
私「へっ?あ、あぁいやいや、全然構わないんですけど」
アラン「美人だなー」
清太郎「うむ。美しいな」
烏「レイラの方が守りがいがありそうだ」
サラ「ちょっとみんな…」

確かにレイラは美人だし、おしとやかだし、胸も大きいし胸も大きいし胸も大きいけど、なにもみんなして…と思った私はちょっと散歩してくるわーと苛立っているのを悟られないように家を出た。

私「どーせ私は美人でもないし、ぶっきらぼうですよーだ」
龍「あゆみ」
私「わぁっ!び、びっくりした…」

龍が後ろに立っていた。理由を問うと、一人では危険だと思ってくれたらしい。無口で不器用だけど、龍は優しいんだよね。

龍「みんなの事、あまり気にするな」
私「…うん」

一旦切ります。
38 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/08(土) 13:03:54.64 ID:QrcrvSb00
烏「龍、ちょっと戻れ」
龍「あぁ、今行く。あゆみ、行こう」
烏「いや、あゆみはここにいろ」
私「なんで?」
烏「いいから」
龍「一人にしていたら妖が…」
烏「大丈夫だ」

結局私一人を残して、みんなペリアさんの家に集まった。手持ち無沙汰になった私は若干…というか結構腹が立ったまま村で情報収集することにした。

村人「そうですね、その妖の飼い主の女は、不思議な術を使うと聞きました」
私「不思議な術…ですか」
村人「なんでも、自分の思った通りに人を動かせるとか…申し訳ありません。私も詳しくは…」
私「いえ、貴重な情報ありがとうございました!」

そんなこんなで、ペリアさんの家に戻ろうとすると、また上空からなにかが落ちてきた。それは、妖だった。妖は私をまっすぐ見つめている。私はつい足がすくんで、動けない。しばらく、目線での戦いが始まった。すると、妖が一歩私に近づく。私は一歩さがる。妖が一気に距離を縮めてきた。誰も助けに来ない。私はある確信を持っていた。妖の飼い主であり、人を操る事ができる女…レイラの事だろうと。
妖が襲いかかってくる。だが、なにかが光ったかと思うと、妖は弾き飛ばされていた。

私「サラ!!」
サラ「あゆみ、怪我はない!?」
私「うん。でも、どうして、レイラに操られたんじゃ…!」
サラ「ほかのみんなは今のんきに寝ているわ」
私「サラは平気なの?」
サラ「…実は、私も術を使えるの」
私「え!?」
サラ「治癒術といえばわかりやすいかしら。だから私は自分に治癒術をかけて彼女の術から逃れたのよ」
私「どうしてレイラが敵だって分かったの?」
サラ「だって、これだけ長く旅をしてきて、あなたを守ってきたのに、あのみんなの言動はおかしいじゃない。私が守りたいのは…あゆみだけよ」
私「サラ…あ!危ない!」
サラ「きゃっ!」

サラはいつもライダースーツを着ている。ギリギリでかわしたが、今の妖の一撃で胸元が破れてしまった。すると、そこからぽとり、と何枚かの白いパッドが落ちた。

私「……」
サラ「あ、あら、バレちゃった?」
私「サラ…もしかして…男なの!?」
サラ「…まぁねー」
レイラ「オカマ!?」
サラ「ちょっと、あんたいきなり出てきて開口一番オカマ!?ってなによ!」
私「レイラ!ほかのみんなは…」

レイラはにやりと笑う。私はペリアさんの家へ向かおうとしたが、レイラに攻撃され、その場に倒れた。立ち上がろうとするが、顔を踏みつけられる。

レイラ「安心しなさい。ディバイダーになんか興味はないわ。私が欲しいのはあなたよ。あゆみさん?」
私「ぐっ…手に入らないものを欲しがっても無駄なだけだよ…」
レイラ「あら、そう、きゃあ!」

サラがレイラを鉄パイプのようなもので殴った。後ろをみると、妖が倒れている。サラは確か戦闘には不向きだと聞いたはずだったが…しかしよく見てみると、サラの表情はいつものと全然違った。男の顔だ。パーツが変わってるとかじゃなくて、なんか雰囲気がそうだった。

レイラ「治癒術だけじゃないってわけね…」
サラ「俺は戦闘向きでな。武器は使えないが、武器になりそうなものならなんでも使えるんだよ」
私「サラ…?」
サラ「あゆみ、お前は俺から離れるな」
私「う、うん」

一人称が「俺」になったサラは、いつもの彼女…彼か。とは全く違う身のこなしだった。レイラが圧倒的に押されている。

レイラ「グリフ!!」

妖の名だろう。いくら呼んでも妖はぴくぴくと動くだけで立ち上がれない。レイラは舌打ちをした後、にやりと笑うと、サラを押しのけて、空高く舞い上がった。

レイラ「グリフは差し上げるわ。またね、あゆみ」

切ります。
39 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/08(土) 13:21:57.03 ID:QrcrvSb00
レイラはそのまま消えてしまった。その途端、みんながこちらに走ってくる。

龍「あゆみ!サラ!」
サラ「全く。みんな遅いわよ」
私「はぁー。怖かったー」
清太郎「すまない。陰陽師ともあろう俺が、彼女の術にかかってしまった…」
晋平「術にかかった記憶はねーけど、なんか急に眠くなってな。ごめんな、あゆみ」
烏「ごめん」
アラン「すまなかったな」
龍「申し訳ない」
私「もういいって!みんなが無事だったならそれで!」

すると後ろからサラが抱きしめてくる。

サラ「今回あゆみを救えたのは私だけって事ね」
私「わー!サラー!」

サラが男だと知ってつい意識してしまう。

晋平「何赤くなってんだよ、あゆみ」
私「…美人なレイラに鼻の下伸ばしてた人に言われたくありませーん」
晋平「誰が鼻の下伸ばしてたんだよ!」
私「しらなーい」
晋平「おいっ!あゆみ!」
アラン「サラ」
サラ「…ね?あゆみ」

サラがウインクをすると、私は笑ってうん、と頷いた。その後ろで烏が妖にとどめをさしており、玉が出てきたのでそれをまたしかるべき場所におさめた。

その日の夜だった。私が布団に入ってうとうとしていると、頭の中で声がしたのだ。

「お前は、必ず俺が手に入れる」

「お前は、俺から全てを奪った」

「お前は、何故幸せに生きているんだ」

そんなような事が聞こえてきて、私はばっと目を覚ましたけれど、ほかのみんなには聞こえなかったみたいで、私はこの声が誰のものなのかも分からないまま、現実世界に戻った。

スメリスでの事はおしまい。
40 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/08(土) 16:09:47.56 ID:QrcrvSb00
レスが欲しいと思うのは贅沢でしょうか?(笑)
まぁ、多分読んでくれてると思うので、それだけでも有難いんだけどね。

どんどん続き行くよー

次は日族地の羅国。スメリスから羅国は遠いので、長い船旅になった。そろそろ晋平も慣れてくるほどに。

アラン「羅国へ行くのは初めてだな」
私「そうなの?」
清太郎「ディバイダーといえども特に頻繁に連絡をとったり会っているわけではないからな」
晋平「基本的にディバイダーは自分の族地を守ればいいから、あんまりほかの国には行かないんだよ」
私「へー。そうなんだ」
サラ「たまにコーマインド宮殿で会合があったりするから、顔を合わせることは何度かあるけれどね」
私「それで久しぶり、って言ってたんだね。あ、そうだ。気になってた事があるんだけど…」
晋平「なんだ?」
私「ディバイダーが代々生まれてくるように、鬼神も生まれ変わるんだよね?前にも私みたいに選ばれた人みたいなのはいたの?」
清太郎「うむ。それは俺たちの生まれる前の事だから分からないが、そういった話は聞いた事がないな。鬼神が世界を征服しようと妖を送り込んでいたという話は聞いたが、選ばれた少女などの話などは聞いた事がない」
烏「昔の文献も読んだことがあるがそういう話は載ってなかった」

ここで、やはり私の夢なのだと久しぶりに思い出した。もし、私みたいな人がいたのなら、私は誰かの夢を引き継いだ事になる。そんな事は絶対ではないけどありえないだろうし、私の夢だからこそ私がこの世界を作り出し、私が選ばれたのだろう。

晋平「急に静かになったな。大丈夫か?」
私「あ、うん。大丈夫。ちょっと考え事してただけ」
清太郎「妖が近付いてきているな。あゆみは中に入っていろ」
私「うん」

私が船の中に入ると、既にそこには先客がいた。私は叫ぼうとするが、すぐに口を塞がれる。
レイラだ。

レイラ「妖を五匹ほど用意させてもらったわ。玉は持っていないけど、なかなか強い子ちゃんたちよ。すぐにはここに来れないでしょうね」
私「むー!」
レイラ「騒がないって約束するなら手を離すけど?」

私は何度も大きく頷いた。すると、レイラが手を離し、私の前に座る。サラからあれだけの攻撃を受け、それからそんなに日が経っていないのに、レイラはピンピンしていた。私は悟る。こいつは強い。

レイラ「私はあなたが欲しいのよ。とても」
私「…鬼神に捧げるため?」
レイラ「そうね。あの方の役に立ちたいっていう気持ちもあるけど…私個人的にあなたにとても興味があるの」
私「レズ!?」
レイラ「そうじゃなくて」

そう言いながらも、レイラは私の服をまくりあげた。貞操の危機!?と思ったが、レイラは私の薔薇の刻印をなでていた。

レイラ「立派な刻印ね。これが選ばれた証…」
私「…触らないで」
レイラ「そんなに邪険にしなくてもいいじゃない?」
私「私の仲間に手を出す人はみんな敵だよ」
レイラ「ご立派ね」

すると、レイラに押し倒される。

レイラ「このままあなたを[ピーーー]事もできるのよ?私にはね」
私「だろうね。でも、なんでだろ」
レイラ「なにが?」

レイラの顔は私の顔に触れるか触れないかまで近づいている。

私「あんたなんかに殺されないっていう気持ちもある」
レイラ「そう…試してみる?」
私「私を殺したら鬼神が怒るんじゃないの?」
レイラ「ふふ…それで殺されないと思ってるのかしら?」
私「ううん。こういう事」
レイラ「はっ…うっ!!」

切ります。
41 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/08(土) 16:35:51.69 ID:QrcrvSb00
私から光が発せられて、レイラが飛んで壁に叩きつけられる。私もある程度力を操れるようになったみたい。多分。

レイラ「ふふ、面白いわ。最高の気分よ」
私「マゾ!?」
レイラ「だからそうじゃなくて」
私「とにかく、私はあんたのおもちゃになんかならないからね。それだけは肝に銘じておいて」
レイラ「…ますます欲しくなったわ。でも、そろそろ戻らなきゃ。妖たちが全滅したみたいだし。まったく使えない子ばかりね。…それともディバイダーのお力かしら?」
私「どっちもじゃないの」
レイラ「言うわね」
晋平「あゆみ、終わったぞ…ってお前!!」
レイラ「ばいばーい」

そうしてレイラは消えていった。仲間たちが続々と中に入ってくる。

清太郎「どうした、晋平」
晋平「いま、あの女、レイラがいたんだよ!」
龍「なに?そうか、あれは囮か」
晋平「あゆみ、大丈夫か?なにもされてないか?」
私「うん。大丈夫だよ。なにもされてない。ただ…あいつ、私が欲しいって言ってた…」
サラ「レズかしら」
私「違うらしいよ」

そうして羅国に到着。羅国は荒れているわけではないけど、なんだか怯えているようだった。
一人の中年女性が、こっちに駆け寄ってきて、「お願い致します、この国を…世界をお救いください!お金なら国中から集めます!」と、土下座をしてきたくらい。

私「やめてください。私たちはあなたたちを守るためにきたんです。お金なんか必要ありません。それで、妖の被害は?」
女性「それが…国中の子供達がさらわれたんです。妖を操る女に…そこには私の息子もいるんです!どうか、どうか息子たちを…!」
私「レイラかな」
晋平「だろうな…」
私「安心してください。子供達は必ず私達が連れ戻しますから。場所はわかりますか?」
清太郎「禁忌の洞窟だろう」
私「知ってるの?」
清太郎「ああ。そしてその女とやらはレイラではないな。俺の知っている女だ」
私「とにかく、急ごう!」

私達は牛車に乗って、禁忌の洞窟に急いだ。途中で牛車が入れないほどの狭い森に入ったので、私達ははぐれないように手を繋ぎながら洞窟に向かった。

清太郎「ここだ」
アラン「よし、行くか」
清太郎「アラン、待て」
アラン「うおっ!」

洞窟に入ろうとした途端、アランが吹き飛ばされてしまった。清太郎は「やはり」と言って洞窟の入口スレスレまで近づく。呪がかけられているらしい。それは陰陽師にしか張れない結界であった。つまり、清太郎の言っていた女は、陰陽師ということだろう。清太郎が呪を唱えて、結界をはがしてくれた。そのまま私達は中に入る。

私「暗いね…アラン、大丈夫?」
アラン「あぁ。ちょいとびっくりしたがな」
晋平「おい、子供の声が聞こえねぇか?」

耳をすますと、確かに子供がすすり泣いているような声がする。

清太郎「おい、月詠。いるんだろう」
月詠「あはは!よくここまで来れたねー。感心感心!」
清太郎「お前の仕業だという事はすぐに分かった。結界も雑だな」
月詠「けっ、清太郎、調子にのらないでよ。あんなん手加減したに決まってんじゃん!あんたらが来ないと暇でさ」
清太郎「だから子供達を誘拐したのか」
月詠「大正解ー。あたしはね、悲鳴とか怯えた顔が大好きなんだよ。でもあんたらがなかなか来ないから、こいつらと遊んでたわけ」

見ると、また結界が張られているのだろう奥に、何人もの子供達が泣いていた。殆どの子は怪我をしている。それも、酷い怪我。

サラ「あゆみ、あの子達は私の治癒術で治すから。今は静かにしてなさい」

サラが私にだけ聞こえるように囁いた。私は自分の中の怒りから来る力を、頷くことでなんとかおさえた。

切ります。
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)[sage]:2012/12/08(土) 16:46:27.77 ID:WmMNccFj0
読んでるよー(^O^)
毎回楽しみにしてる
43 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/08(土) 21:56:33.07 ID:QrcrvSb00
清太郎「お前は昔から俺と競いたがっていたが、ここまでおちたか。鬼神の手下になるほどに」
月詠「…別に手下になったわけじゃない。好きに暴れていいと言われたから暴れているだけだ」
清太郎「それでも人道に外れていることはお前の頭でも理解できているだろう」
月詠「うるせぇ!!なんでも知ったような口きくな!お前にあたしのなにが分かる!昔からお前と比べられてきたあたしの気持ちが!」
清太郎「分かりたくもないな」
月詠「…清太郎。あたし、鬼神と手を組むようになってから随分力を得たんだよ。あたしとさしで勝負しな。ほかのディバイダーは玉を持った妖と戦ってもらう。もしあたしが勝ったら、ここの子供達を皆殺しにする」
私「なんで…この子達は関係ないじゃん!!」
月詠「うるさいよ小娘。子供なんかあたしにとっちゃただのおもちゃ。でも清太郎がこのおもちゃを欲しがるなら、あたしは絶対にあげない」
清太郎「昔から変わらないな…みんな」
私「清太郎、やっつけちゃって」
晋平「俺らで妖はぱっと片付けちまうからさ!」
サラ「あなたが負ける心配なんて誰もしていないわ」

清太郎は一瞬微笑むと、力強く頷き、月詠と対面した。私達はっていうか私と清太郎以外は、妖と対峙する。戦いの始まりはほぼ一緒だった。
私は妖の攻撃に気をつけながらも、清太郎が気になって仕方がなかった。負ける心配は、サラの言ったとおりしてなかったんだけど、ちょっと月詠が異常だったので…

アラン「あゆみ!右!」
私「あっ、あぶなっ!」

妖の攻撃を咄嗟に交わす。私の前にディバイダー達がズラリと並ぶ。

龍「あゆみ。気を散じるな。清太郎なら平気だ」
私「うん、ごめん」

妖は案外強くて、結構苦戦だったけど、もう一歩ってところまで来た。妖は洞窟の天井ギリギリまで飛ぶと、私めがけて一直線に飛んできた。みんなが、「間に合わない、あゆみ!」と叫んだところで、私は集中する。そして、光を放つと、やはり気付かぬうちに手中にある剣で妖を切った。

アラン「おー。すげぇなぁ。薔薇の力を操れるようになったのか」
私「少しだけどね。本当に危ない時とか、怒った時とか、集中しないと無理」

と、そこで晋平に頭を小突かれる。

私「いたっ、なによー」
晋平「心配させんな馬鹿」
私「いいじゃん。勝ったし、玉も手に入れたんだからさー」
晋平「結果論だろ」
私「おお。晋平が知的なこと言った」
晋平「お前なぁ…」
私「うーそ、ごめんね」
サラ「向こうも決着がつきそうね」

そうだ、と私と晋平は清太郎を見る。清太郎は汗一つかいていないが、月詠はもうふらふらだった。

清太郎「これで分かったろう。これが俺とお前の差だ。鬼神に身を売るようでは俺には勝てない」
月詠「ちくしょう…ちくしょうちくしょう!!なんで?なんであたしはこんな奴に勝てないんだよぉぉぉ!!」
私「そういう気持ちじゃ、勝てないよ」
月詠「は…?」
私「私はこいつに勝ってる。負けるはずがない。そういう自負って、大事な時もあるけど、力がそれに伴ってないんじゃ、ただの傲慢だよ」
月詠「でも、あたしは努力してる!こいつに勝ちたいって、いつも…でもこいつはいつもあたしを見下して…」
私「清太郎が努力なしにここまで強くなったって、そう思う?見下されてる気がするのは、あなたが清太郎に萎縮しているからだよ。清太郎はディバイダーっていう大切な役目を任されて、厳しい教育を受けてここまでになったんだよ。それに、清太郎はそれでも未だに努力してる。それはどうしてだと思う?」
月詠「…知るか」
私「私を守るという使命があるからだよ。何かを守るために強くなるって、並大抵の努力じゃだめなんだよ。あなたは壊すために強くなろうとしてるけどさ、そうやって自負して、自分より弱い者ばかりを相手にしてたら、強くなれるはずがないよ。自分の奢りを改めた方がいいと…私は思う。口出して申し訳ないけど」
月詠「あたしが全部悪いのか…?」
清太郎「全部が全部ではないだろうが、殆どはお前が悪い。あゆみの言うとおりだ。俺がディバイダーに選ばれなければ、お前の方が強かったかもしれない。しかし、この、今の現状が事実だ。それはもうどうすることもできない」
月詠「……あたしは、清太郎がうらやましかった…ずっと清太郎みたいになりたいって思ってた…でも、どれだけ努力しても…清太郎は先に行くばっかりで…悔しくて…」

月詠が涙を流しながら、地面に膝をつき、泣き始めた。私はつい、背中をさすった。月詠が声をあげて泣く。すると、清太郎がそっと布を差し出し、涙を拭うように促した。
44 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/08(土) 22:20:45.86 ID:QrcrvSb00
私「言いすぎてごめんなさい」
清太郎「だが、それが事実だということを受け入れろ」
月詠「…うん。あたし、強くなる。それで、羅国を平和にする。あたしも、守るものを見つける」

うん、とみんなが頷いた。月詠が邪気のない笑顔を浮かべると、子供たちの前にはっていた結界をといた。

月詠「ごめんね、みんな、酷いことして…」

子供たちはまだ怯えていたが、それでも多少はそれが和らいだようだった。

清太郎「さぁ、解決した。出よう」
私「ここからどうやって信用を回復するか、それは月詠さん次第だよ。頑張ってね」
月詠「ありがとう。あゆみ……え?な、なに?」

月詠が急に立ち止まり、頭を押さえ始めた。顔色がどんどんと悪くなっていく。

私「月詠さん!?」
月詠「鬼神…だ…」
サラ「まさか、鬼神と契約をしたから…!!」
レイラ「そういうこと」
私「また出たの!?」
レイラ「今日はもうなにもしないわ。私はね。でも月詠、鬼神はあなたが裏切った時にあなたの命を奪うって、そう言ったはずよ?」
月詠「あ…あぁ…やだ、死にたくない!!」
私「レイラ!その契約をなしにすることはできないの!?」
レイラ「無理ね。鬼神は契約違反を認めない。自分にも、相手にも」
月詠「や…だ…清太郎…助けて…」
清太郎「月詠!」
月詠「あぁぁぁぁぁ!!!」

断末魔の悲鳴と共に、月詠が大きな爆発音を立て、粉になった。

私「サラ!」
サラ「…ごめんなさい。私でも無理だわ…」
レイラ「だから中途半端な覚悟で鬼神と契約はするなって忠告してあげたのに。おバカさんね」
私「レイラ!鬼神に伝えて。絶対にお前を許さないって。絶対倒すからって!!!」
レイラ「…仰せのままに」

そう言ってレイラは姿を消した。その後、粉になってしまった月詠を、海に葬った。

晋平「ゆるせねぇ…鬼神の野郎…」
私「みんな。私も戦うよ。鬼神と。守られてるだけなんて、嫌だ」

そう言ってすぐ後、私は夢から覚めるいつもの感覚を味わい、光に包まれた。
すると、私は病院のベッドに横たわっていた。

母「あゆみ!大丈夫!?」
私「へ…?」
母「あんた三日間も起きずに眠ってたのよ?何度呼んでも起きないし、お母さんあんたが死ぬかもしれないって…」

お母さんが私を抱きしめながら泣いた。今までの夢で、三日も過ぎていたらしい。そういえば、長く夢が途絶えていないな、とは思ったけど。

母「泣いたり、なんかつぶやいたり…なにか嫌な夢でも見てたの?」
私「ううん。嫌な夢なんて見てないよ」
母「どこも痛いところはない?具合は?」
私「大丈夫だって」

その後検査をして問題がなかったので、私は家に帰った。

今日はこの辺で!
読んでくれてありがとう!
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)2012/12/08(土) 22:37:02.28 ID:EAx0KvEDo
創作だとしても面白い
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/12/08(土) 22:47:19.83 ID:6VgqZFOAO
毎度楽しませてもらってるよー
これからも期待してる
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2012/12/09(日) 02:31:27.39 ID:odFJSt0DO
夢で数日間眠ったままって。そんな、呪いにかかったみたいなこと……。

医者の見解はどうなっているんだろう。
睡眠障害?

そんな状態にまでなったなら、一度だけで終わる気がしないけど。
その一件から、寝たきりになることが増えたりしてない?
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西・北陸)[sage]:2012/12/09(日) 13:21:28.45 ID:Dwvn4VbAO
羨ましいような連れて行かれそうな
夢に連れて行かれるなんてことがあるんだろうか
その内夢と現実の優勢劣勢が逆転しそうだな

また見に来るでよ
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/12/09(日) 13:46:05.82 ID:TUM4ENuDO
ずっとROMってたけど毎日覗いてるから!!
続き待ってるよ、頑張って!!
50 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/09(日) 16:17:29.67 ID:EWIfZ4Is0
こんにちはー

>>45
創作っぽいけど創作じゃないんだな…でもありがとう!
>>46
さんくす!
>>47
とりあえず医者は、あなたの言うとおり睡眠障害だって言ってる。でも、その一件以来、睡眠時間は増えたけど、寝たきりってことはないかな。
>>48
今のところ夢のことは常に考えてしまうけど、現実を優先しているよ(笑)
おう!ありがとう!
>>49
わー。ありがとー!!頑張る!

っても、今日はこれから出かけるので、また夜にでも書きにきます!

多分だけど、そろそろこの夢終わるんじゃないかなって気はしてるよ。それがどうしてかは追々話していくけど。

では!
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(群馬県)2012/12/13(木) 17:42:27.29 ID:RY6Uk9Sq0
もしや、マジで鬼神があゆみを夢に誘ってたりするのか?
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/12/15(土) 00:43:39.29 ID:n0foSMS30
ならば陰陽師である俺の出番かなwww
53 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/15(土) 21:56:36.07 ID:KBJcSpP40
こんばんは。

まず、これを読んでくれてる貴重な人たちに謝罪するね。ごめんなさい。

私、多分しばらくここに書き込めないと思う。

夢がね、終わったんだ、昨日。でもね、私それを今受け止めきれてない。夢が終わったことをじゃなくて、夢の最後が、あまりにも悲しすぎて。

今も正直泣きながら書いてるし、今夜眠るのが怖いくらいなんだ。

でも、きっと近いうちに全てを書きにくるよ。それは私の役目なのかもしれないし、中途半端で終わらせてせっかくここまで読んでくれたみんなをがっかりさせたくないから。

ネタが尽きたんだろ、とか思う人もいるかもしれない。
でもそれはそれでいいや。

とりあえず、少しお休みをください。もともと毎日書いてるものでもなかったけど。

では。
54 :名無しNIPPER[sage]:2012/12/15(土) 23:26:24.60 ID:hJLW5i+AO
>>53
大丈夫だよー、ちゃんと待ってる

無理しなくていいから、整理ついてからでいいよ
でも楽しみにしてます
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/12/16(日) 00:10:50.09 ID:VYjptmhDO
焦らなくていいよ。
待ってるから。
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/12/16(日) 01:31:07.29 ID:mmjt7cKl0
むしろ今日の夢が気になる
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/12/22(土) 00:09:25.03 ID:inB6MqM10
気持ちの整理はついたかな〜?
58 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/25(火) 13:11:08.01 ID:+PF94mGP0
こんにちは。
お待たせしました。やっと気持ちの整理がつきました。

まずはみんなが気になっている事を話そうと思うんだけど、あの夢が終わってからの夢…頻度は随分減ったけど、まだあの世界に行く事があるんだ。でも、平和な世界。

では、続き書いていくね。

次は、斎南国。華族地の最後の場所だ。
私達が到着したころ、そこはとても悲惨だった。家は崩れ、死体やけが人が転がっている。思わず目を背けたくなる光景だった。

私「ひどすぎる…」
清太郎「ここまでとはな…とにかく、妖を探そう」
サラ「けが人の治療は私に任せて」
アラン「じゃあ、俺もサラと残ろう。お前らで行ってきてくれ」

私と四人は頷き、妖を探す。
少し村を外れたところで、またレイラが現れた。

レイラ「はーい」
私「…これもあんたの妖がやったの」
レイラ「それ以外に思いつく?」
私「なにが目的なの!?私が必要なだけなんでしょ!?なんでなにもしていない人を殺したりするの!」
レイラ「被害を及ばさなければ、あなた達の存在意義はないから。でしょう?見せしめ、という意味もあるかしらね」
晋平「いいからとっとと妖出せよ。ついでにお前も倒す」
レイラ「ふふっ…あなた達に私が殺せるとは思わないけどね。まぁいいわ。妖はあげる。せいぜい頑張りなさい?ディバイダーさん達」

レイラが指を鳴らすと、三匹の妖が現れた。ふと見ると、レイラの姿は既にない。

私「三匹…いける?」
龍「無論」
烏「物足りないくらいだ」
晋平「行くぞ!」

私はみんなが戦ってる中集中した。薔薇の刻印が、熱くなる。また、剣を握っていた。
妖と対峙する。ほかの二匹は四人と戦っていた。私はおそらくこいつが玉を持っているんだろうと思った。

私「行くよ」

妖が一度咆哮する。そのまま走って向かってきた。早い。でも、目に見えないほどではない。私も走った。
すれ違いざま攻撃をしかけるが、交わされる。私にも攻撃してきたが、私も必死でそれをかわす。位置が逆になった。
妖が高くジャンプした時、チャンスだと思った。私は剣を上に向け、思い切りジャンプした。そして、妖の腹を刺した。
妖は倒れ、玉が転がる。ただ、私も無傷ではなかった。爪で足をえぐられた。

晋平「あゆみ!」
私「大丈夫」
龍「歩けそうにないな」

龍が私をお姫様抱っこすると、晋平が「俺が運ぶ」と言って私を奪った。

龍「俺が運ぶ」
晋平「いや、俺が運ぶ」
龍「先に抱き上げたのは俺だぞ」
晋平「先に思いついたのは俺だ!」
私、烏「ガキか」

結局晋平に運ばれ、サラとアランの元へ。

サラ「あゆみ!怪我したの!?」
私「でも妖は倒したし、玉も手に入れたし、そんなに痛くないよ」

それからサラの手当をうけ、斎南国でしばらく復興の手伝いをした。
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/12/25(火) 16:49:32.49 ID:QxDfdw4DO
待ってました!!
焦んなくて良いからね〜
60 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/26(水) 23:15:06.74 ID:SmNM0r4D0
こんばんは。

>>59
うん。
ありがとう。いつも通りマイペースにやらせてもらうよ。

ちょっと番外編。恋愛要素とかないと思ってたけど、結構あったので。
興味がある人だけ読んで、この書き込みは。

斎南国の復興もなんとか落ち着き、次は、洋族地最後のビュークスに向かう。
斎南国からビュークスまでは船でも遠かったので、一日かかった。夜、みんなが寝静まったころ、私は部屋を出て、海を眺めていた。宇宙が広がっているような、綺麗な海だった。
すると、晋平がやってくる。

私「眠れない?」
晋平「お前は?」
私「なんか、考える事が多すぎて。鬼神って、どんなやつなんだろ。こんな酷い事して…私が目的なら、私を直接さらえばいいのに」
晋平「ばーか。だったら俺らの意味がねーだろ。お前を必死で守ってんだからよ」
私「はは、そうだね。ごめん」
晋平「なぁ」
私「ん?」
晋平「やっぱ、鬼神を倒したら、お前は俺らの世界には来なくなんのかな」
私「どうなんだろうねー。多分来なくなるんじゃないかな」
晋平「だったら、ちょっと鬼神倒したくねぇな」
私「なに言ってんの…ん!?」

晋平が突然キスをしてくる。正直、現実世界ではキスはした事あるけど、なんか、全然気持ちが違った。
嫌じゃなかった。嬉しかった…んだと思う(笑)

晋平「俺、お前が好きだ。あゆみ。初めてお前を助けたあの日からずっと気になってた。最初ディバイダーなんてめんどくせーって思ってたけど、お前だから、守る気になれた」
私「…うん。前も言ったけど、晋平があの時助けてくれたから、私はここにいられるんだよ。私っ」
サラ「ストーップ」
私「サラ!清太郎に、龍も」
清太郎「まったく、夜中にこそこそ何をしているかと思えば。晋平、勝手な事をするな」
龍「自分一人いい思いをしようというわけか?」
晋平「は?あ、いや、その…」
サラ「あゆみ」
私「ん?」

サラも私にキスをしてくる。甘い、いい香りがした。

私「えぇぇぇ!?」
サラ「私だってあゆみが好きなんだけれど」
清太郎「俺もだ」
龍「同じく」
私「いやいやいやいや、みんなどうした!?変だよ!?」
清太郎「俺の予感だが、恐らく、そろそろお別れが近いと感じたのでな。みんな思いが抑えきれなくなったんだろう。あゆみ、俺もお前を愛しているぞ」
龍「ずっと俺がお前に対して無口だった理由は…その…一目惚れをしたからだ」
サラ「私は、あなたを守ったあの日に気持ちに気付いたわね」
私「うあー、みんな冗談やめてよー」

でも、冗談じゃないって事は、みんなの真剣な顔が語ってた。自分でも顔が真っ赤になっているのが分かる。

私「私はみんな好き。でも…恋って方の好きは、晋平…かな」
晋平「本当か!?」
私「うん…でも!」
みんな「ん?」
私「私はみんなの誰を好きになってもいけないんだと思う。それは、選ばれた少女だから、とかそんな理由じゃない。もっと根本的な理由。この世界は、私の夢だから。みんなは、私の夢の中の人…だから」

涙が溢れるのに気付く。みんなが、現実に存在していればいいのにって。晋平が、私の恋人になってくれればいいのにって、そう思った。でも、それは叶わない。夢だから。これは私の作り出した世界だから。
泣いてる私を、みんなが慰めてくれた。困らせてごめん、とか言ってくれたけど、謝りたいのは私の方。みんなの気持ちに応えてはいけない、私の方なんだ。

その翌日、私はなんとなくみんなと顔を合わせづらかったけど、みんなは普通に接してくれた。だから私も普通に接するように心がけた。
61 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/27(木) 00:10:21.11 ID:mejqxsxL0
続き。

ビュークスにたどり着く。やっぱり洋族地は西洋風だなぁと思う。
そこはとても活気のいい国だった。斎南国とは真逆な平和そうな国だ。

私「なんだか、妖の気配もなさそうだね」
サラ「この国は昔からそうよ。もともとお祭り騒ぎの好きな人たちが集まった国なのよね」
私「ふーん…いいね、この国の雰囲気」
サラ「アランと私はこの国で生まれたの」
晋平「へー。んじゃ、サラの家行ってみようぜー」
サラ「え…」
私「私もサラが育った家見てみたいなー」
サラ「あ…あぁ、そう?じゃあ、行ってみましょうか」
アラン「サラ…」
サラ「大丈夫よ。多分、あゆみがいるから」

サラの家は豪華で、綺麗だった。庭も手入れされている。

サラ「…ただいま」
サラ父「……帰ってきたのか」
サラ母「なんの用?鬼神はやっつけたの?そんなはずないわね。まだ妖がうろついているもの」

なんか、異様な雰囲気だった。

サラ「あゆみ…選ばれた少女が、私の家を見たいって」
母「…私?あなたは男なのよ!何度言ったらわかるの!?そんな格好で恥ずかしくないの!?その鬱陶しい髪の毛も切りなさい!恥さらしもいいところだわ!!」
私「……ちょっと待ってください。サラは、私を必死で守ってくれています。見た目なんか気にならないです、頼りになります!」
父「口を出さないでくださいますか、あゆみ様」

ひどく冷たい言い方だった。

アラン「はぁ。変わらんな」
サラ「そうね。行きましょう」
母「もう帰ってこなくていいわ。あなたがそのままでいるのならね」
サラ「ええ…もう帰ってこないわ」
父「その話し方を」
サラ「やめろというんでしょ!?もう何千回と聞いたわ!」
私「サラ。行こう。お邪魔しました」

サラを引っ張って私はサラの家を後にする。

サラ「…はぁ。ごめんなさい、あゆみ。あなたがいれば多少はマシだと思ったけど、変わらないわ」
私「私こそ…ごめんね。事情、知らなかったから」
サラ「いいのよ。昔からだもの。もう慣れたわ」
晋平「あれが実の子供にとる態度かよ」
サラ「まぁ、仕方ないわよ。私は本来男なんだから」
私「その…サラはどうして…」
サラ「女のように振舞っているかって?」

私は頷く。

サラ「私にはね、姉がいたの。幼いころに亡くしたけれど。その姉を守れなかったから、代わりに私が姉として生きようって…そう思ったのよ。でも、心は男だけどね」
清太郎「俺は早くに親を亡くしているから分からないが、我が子に対する態度ではないな」
サラ「仕方ないわ。あの人たちは姉の死も、私の生き方も受け入れてないんだもの」
晋平「腹立つなー」
私「とにかく、ここの妖を退治する事を考えよう」
アラン「情報収集だな。洋族地に詳しい俺とサラをリーダーにして、二手に分かれるか」

アラン、龍、烏
サラ、私、晋平、清太郎
このメンバーで情報収集に向かった。

ごめん。今日はもう寝ます。明日続き書きに来る!
おやすみなさい!
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/12/27(木) 00:19:33.18 ID:S1Uwg8qSO

乙 楽しみにしとるぞ
63 :こてんこ2012/12/27(木) 00:52:04.93 ID:i6ql+x3Mo
時代設定とかパクってよい?
よくでき過ぎてるから。
わりと練られてるし。
正体不明のまさかの世界征服狙う妖怪使いだとか。
いいポイントくすぐってる。
オカルトは悪趣味であるだけに興味深く。
要所でそれ挟んでるのも評価出来る。
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2012/12/27(木) 21:11:02.49 ID:0vBHj4+DO
待ってるよ〜
65 :1 ◆tkBBTt.6PI2012/12/27(木) 23:01:32.31 ID:mejqxsxL0
こんばんは。
ごめん、今日は挨拶だけ。

>>62
ありがとう
>>63
なんていうか…別にこれ私の創作とかじゃないから、パクっていいかとか聞かれると困るけど…
評価とかも特にいらないし…
まぁ、何に使うのか知らないけどあまり広めて欲しくはないかな。ここに書いておいてなんだけど、これは私の大事な夢の話だから、ここで留めておきたい。
申し訳ない。
>>64
ありがとう

ちょっと年末ってこともあって多忙になるので、またゆったりとお付き合いください。

では。
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2012/12/29(土) 17:48:01.39 ID:tvKXEHJSO
イクシオンサーガみたいだな
メタ発言とか自分が選ばれた人間とか
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)[sage]:2012/12/30(日) 00:47:39.45 ID:1hmzwgrZ0
不思議遊戯みたいな話だな
68 :1 ◆tkBBTt.6PI2013/01/06(日) 16:44:52.42 ID:co3eMTu60
こんにちはー。なかなかこれなくて、お待たせしてしまって申し訳ない。
今日もそんなに書けないけど、とりあえず、続き。

>>66,>>67
イクシオンサーガも不思議遊戯も知らない;
ってか、メタ発言ってなんだろうか?


情報収集は割とスムーズに行われた。
どうやら話によると、夜中、住民が眠っているところを妖が徘徊し、夜中に出歩いている人を襲うそうだ。でもその一件で夜中に外に出る人は少なくなってるから、そんなに大きな被害とかは今のところないらしかった。

私「じゃあ、夜中にまた街に出てみよう。それまで…ん?」

私が言いかけると、大きな悲鳴が聞こえた。私達はそこに向かって走り出す。その悲鳴は、なんと、サラの家からだった。
家の中に入る。すると、サラのお母さんとお父さんが、宙に吊られていた。

サラ「お父さん、お母さん!!」
父「り、リック…」
私「リック?」
サラ「私の本当の名よ」
私「今助けますから!」
レイラ「はーい。ねぇ。サラ。いいんじゃない?こんな親、いない方が」

サラが言い返そうとしたけど、一瞬ためらうのが見て取れた。

私「サラ!!」
サラ「…レイラ、やってもいいわ」
みんな「サラ!?」
サラ「できるものならね。そしてもしできたら…私はあなたをその数倍苦しめて殺してあげるわ」
母「リック…」
レイラ「……そう。じゃあ、やってみる?」

サラの顔つきがまた変わる。多分、これがリックの顔なんだと思う。
レイラはそれを見て一笑すると、妖を放って、消えた。

母「リック!逃げなさい!私達はどうなってもいいから!」
父「ディバイダーの使命なんてどうでもいい!早く逃げるんだ!」
サラ「ふざけんな!!こいつらはそんなに弱くねぇ!こんな妖すぐ倒せる!それに…たった二人の大事な家族をなくしたくないわよ!!」
清太郎「行くぞ」

妖と戦っていると、レイラが再び現れ、宙に吊られているサラの両親の首にロープをかけた。

私「サラ!」
サラ「やめろ!!」
父「いい…から…」

私は剣を出してロープを切ろうとするが、跳ね返されてしまった。レイラは笑って「このロープはその妖を倒さないときれない」と言い残し、また消えた。
サラは、家に散らばったガラスの破片から大きなものを握ると、妖に突っ込んでいった。

サラ「どけ!!」

妖の腹に思い切りガラスが刺さる。サラの手からも、血が滴っていた。
妖が咆哮し、消える。玉が転がっていた。サラの両親は上から落とされる。それを、サラとアランがキャッチした。

サラ「よかった…お父さん、お母さん」
父、母「…ありがとう。サラ」
サラ「え…」

その後、両親は語った。娘を亡くし、息子までもがディバイダーとして生まれてしまった事を悔いていたと。そして、酷い事をいえば、ディバイダーをやめて帰ってくるかもしれないと思った、と。サラが女として振舞う度に、亡くした娘を思い出してしまっていたと…。

サラ「ごめんなさい。でも、これが私の生き方なの」
父「もう分かったよ。悪かった。これからはお前の思うとおりに生きなさい」
母「たまには顔見せなさいね」

こうして、ビュークスには再び平和が訪れ、サラも両親と和解できた。
とりあえず、ここまで。
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/01/06(日) 20:17:36.82 ID:Ywx4TygSO
>>67と同じ意見だ
不思議遊戯そっくり
原作は漫画でアニメにもなってるんだけど、
夢っていうか本の物語の中に入ってしまうとかいう話
サラと似たようなキャラがいるよ。死んでしまった双子の女の子みたいになっちゃった男の子。

ググってみればいいと思うよ!感動するし少女漫画だけど熱いとこもあるし、おすすめ
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)2013/01/09(水) 17:10:51.70 ID:EgAdAvLF0
もし思っててもあんまり似てるとか言わない方がいいんじゃないの?書きにくくなる気がする
不思議遊戯俺も知ってるけど状況は多少似てるかもしれんがそんなにそっくりでないと思うぞ?
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/01/09(水) 22:29:56.58 ID:SqJZA/dSO
一気に読んだ。面白い!夢をずっと見つづけてると、疲れそうだけど、ちゃんと休めれてるのかな?

夢の中でも仕事してる夢見た時、スッゴい疲れるから心配なったもんで。物語は終わったって書いてあったから、今は平穏?
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/01/24(木) 23:11:21.21 ID:PfgDGGGa0
寸止めか・・・?
73 :1 ◆tkBBTt.6PI2013/01/25(金) 13:50:48.71 ID:4NAns87e0
こんにちは。お久しぶり。
全然これなくて申し訳ない。

>>69
不思議遊戯ググってみたけど、そんなに似てる?
読んでないから分からないけど、どの辺が似ているのかよく分からなかった;

>>70
ありがとう。書きにくくなったってのはちょっと本当w
まぁ、そんなに気にしてないけどね。

>>71
おー。ありがとう!
うん、結構疲れてたね。寝たのに寝不足みたいな感じだった。
今は平穏だよー。やっぱりたまにあちらの世界に行く事はあるけど。

>>72
申し訳ない。今から書く!

ビュークスでの一件も終わり、最後の地、日族地である刹国に行く事に。
刹国は、なんだか時代劇を思わせる国だ。団子屋さんとか、遊郭とかがある。日族地で一番大きく、栄えているのがこの国らしい。

晋平「うおー!いつ来てもここは人がすげぇなぁ」
私「本当にすごい人だね。それに、妖の被害も少なそう」
サラ「そうね。少しはずれに行ってみましょうか。妖がいるかもしれないし」

サラの提案で、私達は村はずれに行ってみる事となった。裏道を歩いていくと、割とすぐに喧騒はなくなり、人数も少なくなる。そんな時、レイラが現れた。七匹の妖を従えている。一人頭一匹ということか。

私「出たね」
レイラ「はろー。今日はゲームをしようと思ってきたのよ」
私「ゲーム?」
レイラ「そ。この妖ちゃんの中に、一匹だけ玉を持っている子がいるわ。でも、その妖ちゃんを倒さないと、ほかの妖ちゃん達も死なない。すぐに生き返るわ。つまり、一匹ずつ倒すって方法は使えないの。それにこの子達はみんな同じ風貌をしている…あなた達の腕の見せどころね。じゃ、頑張ってねー」
私「う…本当に見た目そっくり……これじゃいつになるか分からないね…」
アラン「なにかいい案はないか…」
私「あ!いいこと考えた!」
みんな「なに?」
私「一匹ずつ倒して、玉を持っていなかった妖に目印をつけるの。ほら、その方法で行けば途中で玉を持った妖を倒せるかもしれないし、もし違ったとしてもその目印を頼りにすれば、混ざっても見分けがつくでしょ?」
晋平「あゆみにしてはいい案出したな」
私「どういう意味よー」
サラ「OK、とにかくその案で行きましょう。じゃあ、みんな倒した妖に自分で分かる目印をつけてね。行くわよ」

私の案は採用され、妖達と戦う。今回は誰も助けてはくれない。一人一人の戦いだ。
みんな思い思いに戦っている音が聞こえる。私も剣で応戦した。今回の妖はなかなか強い。今までのように簡単には倒せないようだ。傷を作りながらもなんとか倒す。しかし、その妖はしばらく倒れているが消えず、玉も出さない。一分もするころには、再び立ち上がっていた。
そいつに、「A」という文字を刻んだ。
みんながそうして目印を刻んでいき、ついに一匹が残った。こいつだ、とみんな頷き合う。
他の生き返った妖の攻撃をくらいながらも、なんとか玉を持った妖を倒す事ができた。

私「いたた…やっと倒したー」
サラ「一人ずつ手当をするわ」
龍「レイラも姑息な手を使うな…」
私「でも……これで最後なんだよね。やっと、鬼神と戦えるんだよね」

みんなが緊張した面持ちになった。前にも書いたけど、鬼神の情報は少ない。ディバイダーでもどんなやつなのか知らないみたいだ。

お寺に玉をおさめて、私達は鬼神のいる「禁じられた森」に向かう事になった。

一旦区切ります。
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/01/25(金) 14:14:05.56 ID:zQ1sjzoio
いつも楽しく読ませてもらってるよ。
がんばって。
75 :1 ◆tkBBTt.6PI2013/01/25(金) 14:20:46.00 ID:4NAns87e0
続き

随分と船の動きが遅く感じた。緊張からなのか、うまく言えない感情だった。
約一日船での移動となり、着いたのは明け方だった。禁じられた森はまさに森で、目印となるのはその奥にそびえる城のようなものだった。私達はそれに向かって歩いていく。
しかし一筋縄ではいかなかった。レイラは現れなかったが、それでも妖がうろついているので、それを倒しながら進まなければいけなかったし、なにせとんでもなく広いので、休み休みだ。

やっと城に着く。ここに鬼神がいる…そう思った時、男の声が聞こえた。

「ようやくここまで来たか。待ちくたびれたぞ。早く俺のところへ来い」

鬼神だ、とみんなが声を揃える。
城に入っていきなり、レイラが待っていた。

レイラ「いらっしゃい」
私「早く鬼神のところへ行きたいの。妖を出すならさっさとして」
レイラ「ふふ、今回は妖ちゃん達は出さないわ。だってわざわざあなた達が倒してくれちゃったんですもの。私は今日は鬼神の元への案内役よ。さ、ついてきて」

眉唾物だったが、とりあえずレイラについていく事にした。
城というだけあってたくさんの部屋があった。レイラが案内をしてくれなければ、確実に迷っている。
一番大きい扉の前にたった。レイラが扉の前で立ち止まり、急におとなしくなる。

私「レイラ?」
レイラ「あ、あぁ、ここが鬼神の部屋よ」
晋平「罠じゃねぇだろうなぁ」
レイラ「それは入ってみれば分かるのじゃない?」
清太郎「それもそうだな。入るか」

入った瞬間だった。私以外の六人の周りに鉄格子が降りてきた。

サラ「なに!?」
清太郎「ちっ…やはり罠か…」
レイラ「あなた達に用はないの」
アラン「こんなもん…うっ!!」
私「みんな!大丈夫!?」
晋平「あぁ。だけど、うまく力が入らねぇ…あゆみ、俺たちの事はいい、逃げろ!!」
私「そんな事できないよ!!」
鬼神「そんな事させないしな」
私「鬼神!?」

鬼神は若い男だった。どことなくレイラと似ている、と私は思った。
鬼神は大きな高笑いをし、鉄格子に向かってなにか唱えた。すると、みんなが苦しみ始める。

サラ「頭が…」
晋平「ちくしょ…いてぇ…!」
私「やめて…やめてよ!目的は私でしょ!?」
鬼神「ああ。そうだ。俺はお前を[ピーーー]ためにこの世界を作った」
私「[ピーーー]…?私を使って世界征服をするんじゃないの?」
鬼神「世界征服?そんなもんどうでもいい。興味がない。俺はお前を殺したいんだよ。夢の中だけでもな」
私「ここが私の夢の世界って知ってるの?」
鬼神「当たり前だ。ここは俺が作った、とさっきいっただろう」
私「どういうこと…?」
鬼神「早く殺したくてたまらないんだ。事情を説明する気もない。お前が憎いんだよ、俺は」
私「私がなにしたの!?」
鬼神「…まぁ、わからなくて当然だな。あの人達が話していないなら」
私「あの人達…?」
鬼神「…どうでもいい話だ。さて、あゆみ、お前が俺に大人しく殺されるならこいつらは解放しよう」
晋平「耳を貸すな、あゆみ!」
龍「俺たちは大丈夫だ!これもディバイダーの宿命だ…俺たちは死んでも構わない!」
清太郎「あゆみ、お前は早く逃げるんだ!」
烏「私達は置いていけ…逃げろ」
サラ「大丈夫よ…あなたのためならしねるわ」
アラン「お前を守ってきた俺たちだ。ここで死んでも悔いはない。お前が無事ならな」

みんなのいう事を聞いて、私は決心した。
一旦切ります。
76 :1 ◆tkBBTt.6PI2013/01/25(金) 14:55:49.21 ID:4NAns87e0
私「分かった」
鬼神「…逃げるか。仲間を置いて」
私「殺して」
鬼神「は…?」
みんな「あゆみ!!」
晋平「馬鹿な事言ってんじゃねぇよ!!お前がここで殺されたら俺たちはどうなるんだよ!!」
私「もう、危険な目には遭わないよ。私が来る前の、平和な世界に戻るんだ」
サラ「あゆみ、お願いだから逃げて…あなたが殺されるのなんて…見たくない!」
私「鬼神、早く私を殺してみんなを解放して」
鬼神「夢だからか?夢だから自分が死んでも痛くも痒くもないと?ふざけるな!!もっと苦しめ!!もっと懇願しろ!!」
私「もし、夢のなかだけだとしても、現実でも死んだとしても、私は構わない。みんなが助かるなら」

みんなが私の名前を呼んで、叱咤する。叫んでいる。私はそれでも鬼神から目を離さなかった。

鬼神「俺がお前をすぐにここへ呼ばず、あちらこちらへ行かせた理由がわかるか?」
私「そうすることで絆が深まるから。そして、その仲間を[ピーーー]と言えば私が困るから」
鬼神「ふっ…分かってるじゃないか。では、死んでもらうか。この日を夢見てきた。…まぁ、夢の中だけどな」

鬼神が指を私に向ける。

鬼神「しね」

指の先から光線みたいなものが出てきて、私めがけて飛んできた。私は目を瞑る。でも、痛みはいつまで経ってもやってこなかった。目を開けてみると、目の前で虫の息のレイラが倒れていた。

私「レイラ…!?」
鬼神「レイラ!お前!!」
レイラ「兄さん…もうやめましょう……私にはできない…この子をころすなんてできない…」
鬼神「こいつは俺たちの存在も知らず、のうのうと楽しく生きているんだぞ!?許せるのか!?」
レイラ「仕方ないじゃない…この子に罪はないわ…私はころせない…妹だもの!!」
私「妹……?」
レイラ「ごめんね、あゆみ…あなたはなにもわるくないのに…私達はあなたを恨んでしまった……」
私「どういう事なの!?」
レイラ「ごめん…なさい」

そう言うと、レイラは息絶えた。涙が流れている。鬼神も戸惑っているようだった。

私「鬼神…どういう事なのか話して」
鬼神「…レイラと俺は双子だ。そして……お前の母親の体内で死んだ」
私「え?」
鬼神「流産だよ。本当はお前の兄と姉になるはずだった!だが生まれる事なく死んだ!!なのに…どうしてお前は生まれた!?どうして生きている!?ふざけるな!俺たちは…死んだのに…どうしてお前だけ!!」
私「だって…お母さんもお父さんもそんな事一言も…」
鬼神「そりゃそうだろうよ。言ったらお前が生きにくくなるだろうからな。俺は…生きてみたかった…!だからお前がにくくて仕方がない!!お前が当たり前に見てきたものが、俺には見れないんだ!お前が当たり前にしてきたこと全て俺たちにはできないんだ!だからこの世界を作り、お前をころす事を誓った。信じられないだろう?こんな物語のようなことありえないと思っているだろう?だけどな、できたんだ。できたからお前はここにいる!そしてお前はここで俺に殺されるんだ!!」
私「……鬼神……」
鬼神「なのに……お前を目の前にすると…どうしてだ!?殺したい気持ちが失せていくんだ……憎いのに、恨めしいのに…どうして、どうしてこんなに躊躇する!?お前がここに来るまではころす気持ちでいっぱいだったのに!!」
私「殺していいよ…」
鬼神「どうして…お前が泣く…」
私「だって…私、知らなかった…知ってなくちゃいけないことだったのに…ちゃんとその事実を受け入れて二人の分まで生きなきゃいけないのに…殺して…いいよ。それであなたの気が晴れるなら」
鬼神「…泣くな。頼むからそんな悲しい目で俺を見ないでくれ!」
私「私だけ生きててごめんなさい」

私はそのまま泣き崩れた。こんなことってない。
お兄ちゃんとお姉ちゃんがいるはずだったこと…二人のことを知らずに、親に姉か兄が欲しかったなんて言ってしまったこと…自分だけ生きていること。全てが酷なことだ。私はこの時本気で思っていた。夢でも現実でも、死んでもいいと。

鬼神「…あゆみ……」
晋平「鬼神!あゆみは事情を知らなかったんだ!そんなやつを自分の憎しみだけでころすのかよ!?少なくとも、お前の妹になるはずだったんだぞ!?」
鬼神「妹…」
私「…ごめんなさい…」
鬼神「……あぁぁぁぁ!!!!」

77 :1 ◆tkBBTt.6PI2013/01/25(金) 15:11:42.88 ID:4NAns87e0
鬼神は突然叫ぶと、傍らの剣で、自分を刺した。私は駆け寄る。

鬼神「あゆみ……ごめんな。俺の勝手な恨みで…こんなことに巻き込んで。そうだ。その通りだ。お前には関係ない。俺はお前に殺されたわけじゃないんだもんな…なんでそんな簡単なことも分からなかったんだろう…許してくれるか?」
私「…お兄ちゃん……おにいちゃぁん…」
鬼神「…あぁ、そう呼ばれたかった…お前みたいな可愛い妹がいたら自慢だったろうな……」
私「ごめんなさい…私だけ…」
鬼神「もういいんだよ…お前は俺たちの分まで生きてくれ……幸せになってくれ……俺は…何をしていたんだろうな…簡単なことだったのに…少し考えれば分かることだったのに…」
私「お兄ちゃん…お姉ちゃん……」
鬼神「泣くな、あゆみ…これからは…幸せな夢を見てな……本当に…ごめん」

鬼神が、兄が、砂になって消えた。
私はしばらく放心していた。涙が止まらない。何度拭っても、涙は止まらない。
やがて解放されたみんなが私のところへ駆け寄ってくる。晋平が私を抱きしめた。

晋平「あゆみ…」

私は小さい子供のように声をあげて泣いた。



私「よし!じゃあ、みんな、またね…って、もう会えないのかな」
サラ「どうかしら…でも、私達はあなたのことを忘れないわ」
晋平「向こうで、レイラと鬼神の分まで生きろよ!」
私「うん!まずは両親に二人のことを聞いて、ちゃんと向き合うよ。私も、みんなの事絶対忘れないから。みんなとした旅の事も。全部、何歳になっても、何年経っても忘れないからね!」
烏「…」
私「烏…泣いてくれてるの?」

烏が私に抱きつく。大人ぶってるけど、まだ子供だ。

私「みんな、本当にありがとう!みんなにはもう会えないかもしれないけど、楽しかった!みんな大好き!…じゃあね!」
みんな「あゆみ!!」

光が私を包む。夢が覚める。長い長い夢が終わる。
涙を見られないように、みんなに背を向けた。

私「ばいばーい!」
みんな「元気で!」
私「みんなもね!」

起きると、涙が止まらなかった。そのまましばらく泣いた。
そして、あの書き込みをした。


ふぅ。
長かったなー
皆さん今まで読んでくれてありがとうございました!

信じられないような話だったけど、読んでくれてる人がいるってだけで支えになったよ。
信じるか信じないかはみんな次第だけど、私はあれから少し強くなれた気がする。
二人の分も生きようって、心から思えたから。これは神様が教えてくれた事なんだって思えたから。

では、以上で私の夢の話を終わりにします!!
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)2013/01/25(金) 17:33:34.30 ID:/J5roeEho
キテター乙乙。
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都)[sage]:2013/01/26(土) 03:55:30.76 ID:w5asKdvVo

で、親には聞いてみたの?
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/01/27(日) 23:22:30.14 ID:KB8YgTth0
>>79
確かにそれが知りたい
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/02/10(日) 21:56:10.26 ID:voYUZyoao
シナリオライターの才能あるかもね。
けっこう及第点。
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東)[sage]:2013/03/19(火) 23:25:43.04 ID:+MsCke7AO
保守
83 :書き込みがないようですが[sage ]:2013/04/09(火) 02:13:16.78 ID:OaqZv1/ko
 
   【放置スレになっていませんか?】

    直近の書き込み日 3月19日

     | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
     | スレ主さんいますか? |
     |__________|
.           ∧∧ ||
          ( ゚д゚)||
          / づΦ
    使わなくなったスレッドであれば
 ここで依頼を出してください。(内容必読)
          ↓↓↓
   【過去ログ化依頼スレッド Part2】
   http://ex14.vip2ch.com/test/read.
     cgi/part4vip/1318773923/

      ※この行為は放置スレ
       防止を目的として行っ
       ています。イタズラ
       ではありません。
      ※このレスはカウントに
       含めないでください。
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/05/06(月) 13:12:23.81 ID:gt+DFdIDo
はよ



Pastlog.cgi Ver2.0
Powered By VIP Service
Script Base by toshinari