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HTML化した人:lain.
【屑鉄の 空しく光るも あはれなり】能力者スレ【我等は星鉄 陰りを知らぬ】
1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/08(月) 19:46:34.72 ID:n0Zi3tY50
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

勝手に世界を氷河期などにはしないように。

・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1364227141/
wiki【http://www53.atwiki.jp/nrks/
2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/08(月) 19:49:38.94 ID:lpP+qS27o
圧倒的な>>1
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/08(月) 19:56:30.51 ID:GHiKsRtM0
>>1乙ー!
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/08(月) 20:39:04.44 ID:qUdbT3dfo
>>1乙!
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/08(月) 20:55:14.07 ID:ryy4GcXho
>>1・・・乙・・・ガクッ
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/08(月) 22:32:53.75 ID:YNG/Iy/So
>>1乙の嵐
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/08(月) 22:34:33.23 ID:2Z5+ZkOKo
>>1
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/08(月) 22:34:56.91 ID:Q4v2sKPYo
>>1おっつー
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/08(月) 22:44:35.58 ID:QgtgrhjI0
>>1乙です


前スレ>>1000

「ええ、お散歩です」

【相も変わらずニコニコと張り付いたような笑みを浮かべ続ける青年】
【すました様な表情や何か物思うような表情など、微細ではあるがコロコロと表情を変える彼女とは対照的だ】

「ああ、それもそうですね。僕は地主さんではありませんので文句を言うのはお門違いです。
 はぁ・・・面白い物・・・ですか」

【なにやら高尚な彼女の趣味に、青年の張り付いたような笑みは解け】
【ふと、今度はどこか自嘲的に笑う】

「大事にされていた・・・としたら羨ましい限りですね。僕はいわゆる"要らない子"でしたので」

【彼女が飛び降りそうな様子を認めると】
【青年は少女の方へ手を差し出す】

【万一バランスが崩れたら、支えるつもりだ】
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/08(月) 22:48:30.99 ID:lpP+qS27o
前スレ>>999

嗚呼。 悪いんやないか?
……真っ当に考えたら、そんな唆る顔する方が悪いと思うんやけど

【この男の中の真っ当とは何を基準にしているのか、考えるだけ無駄だろう】
【青藍色のイバラはコンクリートを叩けば消失したが、壁に残した裂傷とその服を裂いた鋭さは本物であった】

【そしてもしも、壁に背を付けたままであるのなら】
【其処からぬうと生えるのは、今度は青藍色の人の腕。歪に不揃いに3箇所から相手を磔にしようと狙っていて】
【胸も気にせず鷲掴みにしそうな程の無造作、それは始めの頃と同じく、何の気遣いもありはしないのだった】

【何にせよ壁際の相手へと近付くのは、世界法則から欠落した無音の足音】
【それは赦されるならば、吐息の掛かりそうな距離まで近付こうとし、叶えば耳元で一つ呪詛を囁くだろう】

…………幸せそうにしてる奴らは、みィんな同罪やわ

【――反撃を試みるならこの距離は、好機か】
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/08(月) 23:00:16.43 ID:C9Atqwumo
>>10

【ゾクリ、と背筋をなぞる感触―――冷たい氷柱が、背中を突き刺すかのように】
【彼女は瞬間に察した、目の前の貴方が、彼女の知っている彼ではないということに】
【否―――そもそも彼女の知っている貴方が、最早単なる虚像でしかなかったのかもしれない】


……っ……月彗……何を、言って―――っ……!!


【言葉の音律に重なる腕#゙女の大きなマリンブルーが驚きにくぐもった音を響かせる】
【思わず飛び退こうとするものの、左腕を飛び出してきた腕に絡め取られる】
【声にならない声が漏れた、その瞬間、彼女の華奢な腕が、歪を奏でるかの如く】

【壁へと引き寄せられる彼女の身体、乱暴に背中から壁に叩きつけられたなら、かはっ、と大きく息を吐いて】
【大きく腹部と胸を横断するように彼女を抱きかかえる腕と、両足を少し開いた形で壁に貼り付けさせる腕】
【苦悶に思わず顔を歪ませたなら、零れる吐息の音だけが、擽ったい貴方の耳元をなぞる音に昇華される】


ぁっ……んぁ……っ……!!……苦しっ……ぃ……!!
な、なにを……っ……そんなの……そんなの、おかしぃ……の……!


【背中を強打した瞬間、肺に溜まっていた酸素を思い切り吐き出してしまったから】
【胸を掴む強い力は強く胸を押し付け、彼女の呼吸を大幅に制限してしまって】
【白く華奢な喉が震えた、切り裂いたならとても可憐な音を奏でそうなほどに、か弱い喉の細い筋が】

【瞼が瞳に溶けた、長いまつげがゆらゆらと瞳の水面を揺れたなら】
【耳の輪郭をなぞる貴方の呪詛、その言葉にびくっ、と小さな身を揺らして】
【呼吸をするたびに、言葉を漏らすたびに、どこか扇情的な膨らんだ胸が苦しそうに揺れる】

【柔らかな素肌の、沈み込むような頬に冷たい汗が、こぼれ落ちたなら】
【肌に溶けるようなプラチナブロンドが、絹糸のように細い毛先を彼女の目の前で揺らして】
【あっ……と漏れる声が、ひりひりと胸の奥を燃やすかのように、彼女の苦しみを助長した】
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/08(月) 23:06:17.04 ID:GHiKsRtM0
>>9

【ひとつひとつが黒蛇みたいな髪束の揺らめく数秒間、がっしょーん!とけたたましい音が路地裏に響いて、みょんと反響する】
【思っていたよりも足元が崩れたのか、しゃがみ込んだよな姿勢、けれど、転んでしまうようなこともなく】
【やがて立ち上がったなら、せめても安全そうな方にがしょがしょ動いて――終了】
【(もしかしたら、彼女の身体がおかしなぐらいに軽いこととか、諸々から気付けるかもしれないけれど)】

なら良かった。通報とかされるの趣味じゃないもん、面倒臭い――でしょ。
おもしろい子が居たら連れて帰るの。だめって言われたら……諦める、けど、

【くすくすなんて笑い声、安堵の欠片もなしに零したなら、ずっと近くなった距離で改めて彼へと視線を注ぐ】
【おもしろそうなもの探し。宝探しとも言い換えられそうなそれに触れたなら、やっと素みたいな色を瞳が浮かべる】
【どちらかというなら、このきらきらしたような瞳が素に近しいのだろう――最終決定権は彼女にないようだが】

ここに居る子たちはみんながみんな現在進行形なの、要らない子なの。
――過去形なら、それで、いいんじゃない? 

それとも、モノ相手じゃ勝ち誇れないかな。

【ぱちり瞬く瞳、少しだけきょとんと丸くなって】
【足元に落ちた視線、のっぺらと泥に塗れたプラスチック染みた板切れを爪先が蹴っ飛ばすように退かして】
【そっと手折った腰元、指先を伸ばして引き摺り上げるのは、ちいさな掌だって余るようなお人形さん】
【旧い旧い化繊の髪の毛は色褪せて、お化粧だって剥がれているような――それでも胸に抱いたなら、お持ち帰り確定】
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/08(月) 23:11:03.93 ID:kBE2aCtY0

【人々の喧噪が遠く聞こえる路地裏――――】
【其処に在るのは蹲って呻く数人の者達と冷たい表情で見下ろす一人の少女の姿】
【紅の髪に紅のドレス。肌以外全て朱に染まった少女であって――――】


「……別に殺しはしないわよ。今日は
逃げたければさっさと逃げれば良いし、あなた達の言うボスにでも泣きつきたいなら勝手にそうすば良いじゃない
たった一人。それもこんな小さな女にやられた何て恥ずかしい事を言えるならだけど」

【鼻で笑えば、未だ反抗的な視線を送る男の存在に気付いて】
【――――バキリ。其れは鼻の軟骨が折れた音か、或いは頬骨が砕けた音か】
【いずれにしても、男の顔の何処かが壊れてしまった事に違いは無く】


「ばっかじゃないの?弱いのに、力も無いのにそうやって虚勢ばっかり張っちゃって
だから必要以上に痛めつけられるのよバ〜カ」

【きっと、その音は存外響いたはず】
【更には呻き声。冷たく言い放たれる言葉は路地裏にはよく通る物で】
【さて――――此処を通る者は一体何を思うだろうか】






【森の中に存在する廃れた教会】
【何時もはアリアが響いている其処だが、今日ばかりはただ無音が支配していて】
【もし、興味を抱いて中へと入ったのならば、丁度割れたステンドグラスが映るだろうか】


「おや――――えっと……宿をお探しの方……でしょうか?」

【不意に投げかけられるであろう声は、よく澄んでいて】
【闇の中――――正確には、照明すら無い奥から現れたのは、一人の修道女】
【争い事でもあったのか、腹部にはうっすらと血に染まった包帯が巻かれていた】
【闇に目が慣れていないのか、明るい黄色の瞳を細くして来訪者の姿を伺おうとしている事が分かるだろうか】
 

「すみませんが、今部屋の方は埋まってしまっていて……
礼拝堂の方でも宜しければ、お貸しは出来るのですが……」

【―――ー生憎、月の位置の事もあってか、その姿はハッキリとは見えず】
【相手の人相が分からずとも問うのは、女性の性格を示しているだろうか】
【ただ休憩場所を求めたとしても、探索に来ただけだとしても、拒む事は無いであろう】
【或いは、何らかの害意を抱いて訪れたならば、先手を取ることも容易で】

/一乙でありますー
/スレ変わったのでもう一度失礼致しまするー
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/08(月) 23:24:23.33 ID:lpP+qS27o
>>11

【相手を捉えた形を一瞥して丁度良いと嘲笑うのは、一体何の事か】
【伸びる手はミニスカートとニーソックスがラインを引いた絶対領域へ、】
【其処に触れれば、冷たい手がつうとその素肌をなぞるのだろう】
【――扇情的な手付きは吐き気さえ催しそうにゆるゆると蠢く】

【もし止める手立てがあるとしたなら、】
【例えば大声などは一応街中に近いのだから、効果覿面に違いない】

【だが、彼女を捉えた腕までもが術者の意地の悪さを反映してか、這うように指を動かし出す】
【胸の上だろうと太股の上だろうとそれは変わらない。 その代わり、呼吸の苦しみは幾らか和らぐ】
【けれど、擽ったさを軽く越した気持ち悪さと比べて一体どちらがマシなのだろう。判断出来るのは相手だけだ】

……温い環境で、満たされた人生で、馬鹿みたいに笑う顔ほど憎たらしい物もないわ
そうやって幸せそうにしてれば、周りまで引っ張られるとでも思ったか?

…………艱難の一つも知らん癖に、癪に障る餓鬼やこと

【相手の過去など知らない。全ては、今まで見てきた表情から思い描いただけの憶測だ】
【だが、例えば初めて会った時の相手のあの負傷、其処にあっただろうドラマもこの男は何も知らない】
【何一つも知らずに憎しみを撒いているだけに過ぎない姿。愚かしく癪に障るのは一体どちらか】
【眼前の小さな彼女にだって両手に抱えきれない強い覚悟と信念があると、気付いていないのだ】
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/08(月) 23:25:54.16 ID:QgtgrhjI0
>>12

「っと・・・?」

【3mの高さから飛び降りたにしては妙に軽い音に少し首を傾げるが】
【深くは詮索する事は無く、頭から追い出してしまう】

「面白い物・・・ですか」

(駄目、というのはきっと親御さんでしょうね)

【彼女の瞳の色が変わったのを認めると】
【ふむ、と青年は息を吐く】

「ははは、確かに。物相手に勝った負けただの言ってても仕方ないですね」

【少し参ったように乾いた笑いをもらすが】
【それでも、と青年は言葉を続ける】


「ここに居る物達はみんな必要とされて生まれ、役に立って消耗し、そして捨てられていった。
 きっとそれらは素晴らしい事だと思うんですよ。
 少なくとも産まれた事自体が間違いで、多くの不幸と害をばら撒いて生きてきて、今ですら世界にとってマイナス要素でしかない僕から見ればね」


【ポツリポツリと青年は零していく】
【自分では抱き切れない思いを】

【彼女が拾った薄汚れた人形を認めると、柔らかい笑みを浮かべて呟いた】

「その子は面白い方ですか?」
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/08(月) 23:38:42.03 ID:C9Atqwumo
>>14

【苦しみが薄らいでいく、粘液のように素肌をなぞる貴方の怠惰な指先が苦痛を溶かすように】
【薄くやわらかな皮膚の下の柔らかい肉の、その間の神経が、貴方の指先でくすぐられていく】
【呼吸が漏れた、それはどこか甘ったるいシロップのような熱をはらんでいて、彼女の目尻が、とろんとたれた】

【それは今まで、あまり体験してこなかったこと、異性に身体をまさぐられる感触は、ひどく身悶えしそうなくらいで】
【太もものうらがむずむずした、少し身をよじるも、きっちりと貴方の腕≠ナ拘束されてるため、抜け出せなくて】
【わずかに顎をひいたなら、視線が下へと傾いて、汗に濡れた髪が頬に張り付いた】

【視線が交錯する刹那――――貴方の瞳に絡め取られるマリンブルーが顔を上げたなら】
【そこに映るのはきっと、幸せと呼ぶには少々――――強すぎた】


……ЗАКРЫТЫЙ(うるさい)……ふざけ……ないで……っ……!!
なんで……なんで……そんなこと……言える……の……!!


Хотя ничего не известно (何も知らないくせに)!!!1


【彼女の右手が後方の壁へと押し付けられたなら、淡い光がその手を包み込んだ】
【顔が貴方を見上げるだろう、強く意思を持った瞳が、貴方の姿を捉えた】
【わずかにきらめく目尻の色合いだけがただ、静かな彼女の怒りを伝えるかのように】

【破裂する爆音、吹き上がる風、彼女を中心に嵐が吹き荒れるかのように】
【轟音をたて、彼女の後方の壁が破裂するだろう、巻き上がる粉塵が、その衝撃を伝えたなら】
【軽い音も響かないほどに、彼女の足が強く地面を踏んだ】


……ソニアだって……笑いたくて……笑ってるんじゃ……ないの……
でもね、ソニアの……大切な人はね……もう、できない、の……

泣くことも、笑うことも、起こることも……もう、できないの……
だったらね、ソニア……その人の代わりに泣くの、その人の代わりに笑うの……

そして……その人の代わりに、怒るの―――――
否定しないで、ソニアのこと……月彗の言葉は、ソニアの大切な人、侮辱したの


【気づいていない、だなんて思いたくなかった、貴方にも悲しい過去があるように】
【彼女にもまた、貴方と比べればちっぽけかもしれないけど、背負っているものがあった】
【貴方の言葉はそれを侮蔑する言葉であったから、彼女だって、その思いを吐き出して】

【右手に握られているのはスチェッキン≠ニ呼ばれる大型の拳銃であった】
【先ほどの暴風は、彼女の持つ魔弾≠フちからであった、コンクリートの壁に打ち込んで、拘束から抜けだそうとするのだろう】
【地面に降り立って、すぐそばに近づいているであろう貴方に、彼女は言い放った】
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/08(月) 23:41:19.09 ID:6rjBvokh0
>>13
【近くの路地裏から何かが壊れる心地良い音が聞こえたので少し覗いてみれば】
【目に入ったのは紅、朱、赤。とりあえず目にも精神にも悪い】

・・・お前がやったのか?こいつら

【逆立つ黒い短髪をがさがさと掻きながら、目下の赤い人々を見下ろして話す】
【見下ろす目に込める感情は心配等の優しい感情なんかではなくて、むしろサディスティックな感情が見えるかもしれない。心なしか口も緩んでいる】
【邪魔だと言わんばかりに足元の男を蹴り飛ばして、紅いドレスを着た女に近づく】

だとしたらすごいな。よくもこんなに痛めつけたものだ

【手を叩いて賞賛のつもりの言葉を送る】
【嫌味とかそういったつもりはなく、ここまで男たちをいためつけたことに対して本気で敬意を持っている】
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/08(月) 23:52:46.74 ID:kBE2aCtY0
>>17
【――――向けられた視線。「文句有る?」とでも語っているかのようで】
【ただただ紅い双眸。その奥に存在する不機嫌の色を読み取れることが出来るであろうか】
【足下に呻いた男も、最早反撃する気力すら無いのか蹴られようとも微動だせず】


「私がやってないなら誰がやるのよ?
此処の壁?それとも地面かしら?ああ、こんな薄暗ければ幽霊だって出るからそいつがやったのかもしれないわね」

【――――立ち去ろうとしたその足が止まれば、身体ごと向き直すのだろう】
【少し刺激すれば噛み付いてきそうな程。まだ幼さの残るその顔は、不機嫌なその感情を隠すことは無く】
【さて、その男達――――よく見れば自警団の者と分かるのだが、きっとこの場に立つ二人には関係の無いこと】


「ただコイツ等が弱すぎただけ。そして、私がコイツ等よりも強すぎただけ
そんなありきたりの結果がコレよ
……それで、何でこんな状況を見て態々声を掛けに来たのかしら?
死にたいなら別に良いけど、私のは痛いわよ?」

【そんな挑発的な事を言いつつも襲いかからないのは、何だかんだで疲労が蓄積しているからだろうか】
【――――何か用件でも。と問うかのように小首を傾げれば、反応を待って】
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/08(月) 23:58:01.32 ID:lpP+qS27o
>>16

――っッ!!

【音と衝撃に咄嗟に引かれた手、それと同時に動揺を示したように腕が掻き消えた】
【巻き上がる粉塵に着物の袖で口許を覆って、蹌踉めいて後退する体、鋭い目が相手を睥睨する】
【先程まで無力な少女であると思い込んでいた存在が声を荒げたのだから、不意を突かれたのは間違いない】

【睨み据えたまま、それでも言葉を拾い手繰れば無表情にも微かな揺らぎが覗く】
【そして――長い長い間のあとについと逸らされた視線が、彼の根負けを示していた】

…………、……ふん

【馬鹿馬鹿しい。そう切り捨てようとするのに言葉が出ない】
【それでも相手の真っ直ぐな激情に視線を微かに合わせ、何事か紡ごうとして】
【此方に掛けてくる足音が聞こえた。ひとつやふたつではない、轟音に気付いた街の自警団だろうか】

【舌打ちを一つ残して、月彗の姿は何時かのように夜霧に溶けて霞んでゆく】
【駆けつけた人間が彼女に大丈夫かと声を掛ける頃には、其処に残る残骸など傷跡以外に何も無いのだった】

/お疲れ様でしたー!
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/08(月) 23:58:06.16 ID:GHiKsRtM0
>>15

【宝探しをする目的で彷徨つくなら、確かにこんな場所はうってつけと言えるのだろう】
【いっぱいいっぱいに積みあがったものたち、家具や家電は無理としても、小物もたくさん混ざっているのだし】
【彼の足元にだって、ほら、塗装がはげたせいでのっぺらぼうみたいになっている熊のキーホルダーが落ちている】
【――道端に落ちている石ころとか持ち帰りそうな子である。見てくれだけなら高校生程度、年齢で言えば今年で二十歳なのだからひどい】

でも、モノも大事にされたら命だって手に入れるの。九十九神って……言うでしょ?

【モノ相手。自分で言い出したくせに伏せた瞳は、目蓋の裏で知り合いを想起する】
【傾げるというには軽く頭を揺らしたなら、ひとつ瞬きを挟んで、上げた視線が彼を撫でて、】

ここに居る時点でだぁれもが本当に必要になんてされてない。
必要とされたかもしれない、役に立ったかもしれない、でも、直してあげるような価値はないの。
結局最期に棄てられちゃうなら、なんにも変わらないし――最初から棄てられちゃうより、ヤだな

だって、ばかみたいじゃない。猫みたいに甘えても、犬みたいに尻尾振っても、結局、棄てられちゃうの

【ふぅわり笑うのがどこか違和感で――おかしいような気がするのに、きっと彼女にはよく似合っている】
【棄てる側に何を当てはめたのか、棄てられる側に何を当てはめたのか、言葉にしないなら、がしゃんと足音】

本当にマイナスだけだったら、わたし、お話もしてあげないな

【落ちないように指がそっと袖を押さえて、ひとつだけ立てた人差し指を唇に触れさせる】
【他人事みたいに慰めるふりをするその軽さは、彼の瞳にどんな色で映るのだろう】
【彼のことを本当に気にしたわけじゃないし、或いは、怒らせてしまうかもしれないけれど】
【そうなったらそうなったで尻尾でも巻いて逃げればいい、巻くだけの尻尾はたくさんあるのだし――】

……うん、おもしろい子。

【載せた掌の真っ白な舞台、そっと照らす月光のスポットライト、生まれた瞬間から固定されたちいさな笑顔】
【ワンピースの飾りみたいなポケットにだって入り込める小柄さをぎゅっと押し込んだ】
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/09(火) 00:01:56.79 ID:RvwrFwGOo
【繁華街】

【最早日の変わる時間ということもあって、健全ないくつかの店舗が店を閉める】
【それに追い出されるようにして、しかし自ら出てきたような余裕を持った男が、一人】
【彼は背後で『CLOSED』に変わった扉を一瞥して、特に酒臭い訳でもない息を深く吐き――】

久々に外出したが、傷の方はもう心配は要らなさそうだな……
卵≠熏。の所は落ち着いてる。となれば、こう油を売ってるワケにも行かないが

……さて、カノッサ機関の皆様は何処で何をしているのやら、ってところかな。

【彼の特徴的な点は、190cm以上はあろうかという身長と、腰元まで伸びた金の髪であった】
【服装はスラックスに黒のロングコート。腰元には大仰な剣とも刀とも付かない物を引っさげて】
【そして、人通りもまばらなそこで独白するように漏らすのは――些か、危険なワードに溢れている】

【―――とはいえ、傍から見れば妙な人、というところか。彼は革靴を鳴らして、歩き出し】
【醸し出す非一般人的な雰囲気のままに、向かう先は路地裏への入り口で―――。】

/2時かそこらを限度に凍結か終わりかですが、よろしければ……。
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/09(火) 00:04:30.96 ID:pdw28u2vo
>>19

【それが退けない鍔際であればあるほどに、退く足の重さすらも知らないほどに】
【後ろへと歩みを下げるかすかな足元の断片が、奏でる僅かな音律の欠片が】
【誰にも知られず泣いた涙のように零れ落ちていくのだろう】

【去っていく月彗の姿、力をなくして、彼女はぺたんと地面に座り込むのだろう】
【身体に重なる重さと、ずっと残るかのような疲労感だけがただ】
【波間に溶ける前の淡い情熱にも似た、悲しい音色を響かせていた】


……っ……わかんないの……どうして……月彗――――


【紡ぐ声が、遠く消えていく、波間に溶けたなら、後はもう誰も知らない】
【旋律が音階を刻んだなら、それはもう踏み外す前の思い出に似て】
【安らぎなんて知らない低く飛んだツバメの悲しい軌跡みたいに】


/お疲れ様でしたー
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/09(火) 00:16:31.30 ID:/l5RDYjB0
>>18
「いや....ね。ただの好奇心だよ。」

【不機嫌そうな少女をみて、相変わらず薄く笑っている】
【強い言葉を浴びせられても、怯えたり怯んだりすることはない】

「面白そうだ。と思っただけだ。
ただの喧嘩ならどうでもいいが、こいつら自警団じゃないか。
あんたがどんなやつか興味がわいてね」

【こいつ、と指を指すかわりに足元の自警団の頭を踏みつける】
【一度も自警団を見ることはもうない。ただまっすぐ目の前の少女を見つめる。】
【言葉の通り、少女にしか興味はないようだ】

「ただ...ちょっと期待はずれだったか
どんなやつかとよく見れば、すこし疲労してるみたいだし、何より子供だ
いや...子供でこれだけやれれば誉めてもいいな。」

【挑発するように話ながら、頭でも撫でるつもりか少女の頭に手を伸ばす】
【頭が緩いのか、警戒などは特に見られない。】
【本気でバカなだけか、それとも....】
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 00:27:35.33 ID:xYADVqjC0
>>23
「コレが面白そうに見えるなら、あなたの寿命も相当短いでしょうね
最近はカノッサも活発だし、一年二年生きれば長生きした方なんじゃない?」

【真っ直ぐ見られようとも、紅い瞳を交えようとはしないのだろう】
【ただめんどくさそうに辺りを見回し、自分の服に飛沫が付いていないか確認して】
【――――挙げ句には、欠伸。何とも気ままな性格であろうか】


「あなたが勝手に期待しただけでしょ
別にあなたにどう思われたって私には実害が無い事だし
……ああ、そうだったわね。あなた達大人は、子供だから。って言うこじつけが得意だったわね」

【頭に乗せようとしたその寸前、少女の頭が縦に裂けて】
【中に覗くのは沢山の歯。頭が裂けて作られたその口の大きさは大人の腕なんて簡単に飲み込んでしまう程】
【――――そのまま腕を突っ込めば、痛いで済むはずも無く】


「あなたに褒められても嬉しくとも何とも無い。だから、気軽に触ろうとしないでくれないかしら
――――その腕、噛み千切るわよ?」

【脅すかのように、ガチンと大きく音を鳴らして】
【これが少女の異能であろう。しかしならが、頭が裂けている様は実に不気味であって】
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 00:28:16.58 ID:vrL9IKxE0
>>20

【見つけたばかりの宝物を眺めながら優しく呟く彼女を見て】
【青年はどこか悪戯っぽく笑いかける】

「へぇ・・・まるで実際に見たみたいな言い方ですね。
 はたまたアナタ自身がその九十九神であるとか?」

【一度伏せた後、青年を撫でるその視線を受けると】
【青年は瞳を閉じてジッと彼女の言葉を聞きいる】

【彼女が一度不自然な笑みを浮かべれば】
【青年はただ一度微笑み返す】

【しかし、彼女が捨てられていることをほのめかすようなことを囁けば】
【青年は目を見開き、乾いた声を漏らすしかなかった】

「・・・そう、ですか。それは、なんとも。
 頭の空っぽな僕にはアナタに掛けるべき言葉が見つかりません」

【青年が彼女へ向けたのは】
【同情とも憐憫とも言い難い意識】

【青年は自分よりも苦しんでいる、悲しんでいる人間に会った事は無いので】
【一種のパニックの様な事を起こしていた】

【しかしその後に】
【彼女が悪戯っぽい様子で青年を慰める真似事をすると】
【青年は安心したように瞳を閉じ、ふぅと小さく息を漏らす】

「そうですか・・・。そういう意味では僕の人生は最低ではないのかもしれませんね」

【激怒などするわけがない】
【青年にあるのは大きなコンプレックスと劣等感だけなのだから】
【青年は誰よりも自分が劣悪で劣等で愚劣で下劣であると自覚しているのだから】


【面白い子】


【そう見初められた人形を青年は覗き込むと】
【ただ小さく付け加えた】

「そうですか」
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/09(火) 00:44:01.24 ID:/l5RDYjB0
>>24
「うわ...一々目に悪い...
クリオネだったかな。あんたみたいな生物が居たな確か」

【常識から大きく外れたこの光景を見ても、「目に悪い」と呟くだけで反応は薄い】
【先程の惨状をみて面白そうと言うだけあって、肝は座っている...と言うよりは感覚がすこしおかしいだけか】

【このまま腕を動かさなければ噛みちぎられることは容易に想像できるはずなのに、男は腕を動かさない】
【何故なら、動かす必要がないから】
【少女の大きな口?は男の腕を噛む前に奇妙なブロックのようなものを噛むだろう】
【何が奇妙かって、触れているのに触れている感覚が薄いもの】
【つまりそのブロックは温度がない。いや、温度が周囲の空気と等しいのだ】
【触れているが何か奇妙な感覚を持たせる奇妙な、「形」を持った空気。詳しいことは分からなくともこれが男の異能であることはわかるだろう】

「しかし見た目のわりに達観したことを言うんだな
もしかして見た目だけで実際はババアだったりするのか?ははっ」

【と面白くもない冗談を言って、一人また挑発するように笑う】
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/09(火) 00:47:12.24 ID:/l5RDYjB0
>>26
//修正。10行目の二つ目の奇妙なは要らないです...ごめんなさい
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 00:58:28.38 ID:jSGrHS070
>>25

【「見たよ」と、呟いた声は至極簡単なもの。隠さないくせに、それ以上はどうしても教えてくれない】
【自分が何であるのかも教えないなら、その実は秘め事ばっかりを抱きしめている】
【こんなにも人間みたいな顔をしているなら人間なのだろうなんて、通用しないのがきっと、この世界だから】

……なんでわたしに言うのかな、よくわかんない。
もう昔のことなんて忘れちゃった、いま考えたらこんなに良く分かるのに、どうして間違えたんだろう――。

名前も書いてくれないひとが、ずっと持っててくれるわけが、ないんだよね。

【掠れるような彼の声、返すのはどこかぼんやりしたような鈴の音色】
【金属みたいな余韻は夜によく蕩けて、くすくす零す笑い声だけが浮いている】
【折れそうに細い指先がつぃと首筋を包帯越しに撫でたなら、そこには誰かの名前でも刻まれているのだろうか】

【(ひどく愛おしいような表情。螺子の欠けたように笑ったなら、きっとしあわせそうに見えるのだ)】

【棄てられたこと。狂ってなお余るよな悲しみは既に過去のことだなんて、思い込み】
【深く深く刻み込んだ傷痕がなくなることなんてありえないのに、現状で上塗りしたなら見ないことにした】
【それでも言葉が全うに通じる素振りがあるならまだまともだと言えるのだろう、思考して、会話は出来るのだから】

あげる?

【がしゃんと足跡もうひとつ。近づく気楽さは、よぅく考えたなら最初から何にも変わってない】
【ほんの少し身体を倒すみたいにして尋ねること。頷いたなら、ポケットの中のちいさなおんなのこは譲渡されるのだろう】
【瞳を睫毛を唇を描いたお化粧なんてとっくの昔に剥げている。肌色一色で微笑む瞳が、じぃと見上げている気がした】
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 01:03:30.34 ID:xYADVqjC0
>>27
「二口女、クリオネ。あなた達は本当に人を何かに当てはめるのが好きよね
まあ、好きに言っていればいいわよ。アホみたく思った事を口にしていなさい」

【――――睨むことも無い。呆れた溜息を吐く事も無い】
【侮蔑とも異なった、何とも奇妙な其れ】

【そのブロック。かみ砕ける物ならば、きっと噛み砕こうとするであろう】
【レンガ等であれば他愛も無く砕ける位の力は有るのだけれど――――果たして】


「あなたの精神年齢が低いだけよ
こんな子供の話を達観していると思えるのなら、尚更の事ね」

【鼻で笑えば、噛み砕こうとしたその動作が成功しようと失敗しようと、背を向けるのだろう】
【――――ババア呼ばわりにピクリと眉間が動いたが、きっと男からは見えない筈】


「……物好きさん。精々道中で死なないように気を付けなさい
次に私の前に立つことがあれば、全身噛み砕いてあげない事もないけど」

【捨て台詞ともちょっと違う言葉。ふん、とだけ言えばそのまま歩みを進めて】
【――――呼びかけようと、きっと止まることは無いのであろう】
【紅いその少女も、やがては闇の中へと消えていって】
/申し訳ないです!
/今日は早めに起きなければないないのでこれにて……!
/お疲れ様でありました―!
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/09(火) 01:14:40.39 ID:/l5RDYjB0
>>29
【一応鉄並みの強度はあるブロック。砕かれることはないと思っていたがガッといやな音がしたので一応手をどかしておいた】
【怒りとも、呆れとも、侮辱とも違う少女の反応にぼそっと面白くないとだけつぶやいた】

「ははっ。結局あんたもおさないじゃねぇか」

【ババアに一瞬だけ反応したように見えた少女の背中を見て一言呟く】
【こちらも侮辱でもなんでもない。アホみたく思ったことを口にしただけ。】
【少女が闇の中へ消える前に、ポケットからタバコを模したお菓子を取りだし口に加えて立ち去った】

//こちらこそありがとうございましたー
返レス遅い上につたない文章で申し訳ございません...
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 01:23:23.56 ID:vrL9IKxE0
>>28

【包帯の上から首筋をなぞり、恍惚とした表情の彼女を見ると】
【青年はふと思い返す】

(狂おしいほどに愛おしく)

(捨てられたら狂ってしまう程に傾倒する)

(僕にはそんな人、果たしているのでしょうか?)

【青年を拾ってくれた人】
【青年によく笑いかけてくれる人】

【決して多くない数人の事を思い浮かべるが、青年はふと自嘲的に笑って首を振る】

(駄目ですね、僕みたいな放射性廃棄物には、
 そんな風に人を思うことは傲慢はなはだしい事です。身の程知らずにもほどがある)

【そんな後ろ向きな考えがムクムクと首をもたげ】
【青年の中の愛ともいうべき感情を否定する】


(僕はただの悪党)

(悪党は悪党らしく悪い事だけしてればいいんです)


【ふと我に返ると】
【彼女が人形を差し出していた】

「僕に・・・ですか?」

【青年は目を白黒させて人形を受け取った】

【今は薄汚れ見る影もないそれ】
【しかしそれは確かに"誰か"に愛されていたモノであって】

【なるほど見方によれば、宝物であるだろう】

「あはっ、それでは頂戴します・・・。
 この子もご愁傷様ですね、せっかくアナタに見初められたのに僕なんかの手に渡ってしまうんですから」
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 01:38:46.55 ID:jSGrHS070
>>31

【掌にちょんと載せて差し出した、かつては愛情をたっぷり浴びたのだろうちいさな身体】
【よく見れば肌だって紫外線や水によって劣化しているし、お洋服なんて色褪せて生成りのふりをした黄ばみ色】
【身体の中の骨組みだってイカれているらしく、縦横無尽に動くくせちょっぴりの保持も出来ないけれど】
【辛うじて座るぐらいならできるらしいから、どこかに置くぐらいならば何の問題もないだろうか】

大事にしてあげないと呪われちゃうかも。
モノだって動くことがあるんだから、ヒトガタなら、尚更だよね

【持ち上げられた身体は当然ながら軽く、テンションの掛かっていない身体はぐだーんとするばかり】
【ほんの少しだけ惜しむような表情は、瞬き数度挟む頃には消えていて――引っ込めた掌を、指先が一度ついとなぞる】
【大事にしてねなんて、入手→譲渡まで数分ばかしで行ったひとが言える言葉ではないのかもしれないけれど――】

【――そんな瞳がついと空を見上げて、家を出たときよりも傾いた月の位置を見やったなら、思考数秒】
【笑うみたいな三日月の残滓を視界にちらつかせながら彼のほうへと視線を戻して、首を傾げて】

……じゃ、帰るの。

【なんて。呟く頃には、既に足が出ている】
【向かう先は穴ぼこフェンスを越した先、路地裏の闇のほう――言葉を投げるなら今のうち】
【未練も何もないみたいに立ち去ろうとする足取りは、それでも一応言葉を投げる間ぐらいはあるから】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 01:48:09.43 ID:vrL9IKxE0
>>32

「あはっ、それは恐ろしい。
 この身にこれ以上呪いを受けたら僕の存在が持たないでしょうね」

【まるで水から引き上げられたクラゲの様にダランと垂れる人形を手に取ると】
【しばしまじまじと眺めた後、視線を彼女に戻した】

【帰宅の意図を告げる彼女の方を見やると】
【青年はふっと笑ってたった一言発する】

「ええ、さようなら」

【青年は彼女の背を見送る様に目を細めた】
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 02:00:08.50 ID:jSGrHS070
>>33

【ぎしり、ごしゃり、がちゃん、ばきぃ、玩具箱をひっくり返したみたいな足音の数々】
【それでも上手に渡って行ったなら、残るのは等間隔で並んだ足の形の凹み】
【何度も繰り返してようやくフェンスにたどり着いたなら、ふいと振り返る動きよりも黒髪が大きく揺らいで】

ばいばい

【なんて、置き去りにする言葉。何か気の効いたひとつも残さないまま、ほそっこい身体はフェンスの向こう側へ】
【その背中を、闇を、飾るみたいに煌いて踊ったのは魔力の燐光、黄緑と桜色を混ぜ込んだ御衣黄桜色】
【踏み出した細こい足。けれど、足音はいくら待っても聞こえなくて――】

【地面に垂らす一滴のよう。その姿はふつと途切れて、残したのはその手の中のお人形さんだけ】

/おつかれさまでした!
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 02:02:34.10 ID:vrL9IKxE0
>>34
乙でした!
&ありがとうございました!

短いうえに遅くて申し訳ありません
日常ロール難しいですお・・・
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 19:46:08.88 ID:m8fjw5pw0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 噴水広場】

さーて……仕事もあがって……――――あぁ、今日も収入としちゃ、まぁまぁだな……

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【ベンチに腰を下ろし、封筒から頭だけを出した札束を指先で数えている】
【手早く確認を終えるその表情は、してやったりと言った風な笑顔だった】

うし……んじゃ、今日は久々に飲むとするか……良い実入りにもなったんだしよ……!

【封筒を懐へと収めて、居丈夫はベンチから立ち上がる】
【星の綺麗な夕闇の下、丁度そのタイミングで噴水が勢いを増し、捲き上げられた水が光の粒の様に輝いていた】



【――――所かわって、風の国 路地裏】

うむ……調整は、そんなところで良いと言うもんじゃな……?
「うん……私は、大分具合が良くなってる……そっちは?」
{……僕は、元から、問題ない……}
<…………>

【量は多いが短い白髪をバック気味に整え、皺が多い割に肌の色合いが良い、ダボダボの研究衣を着こんだ、細めの目をどこかぎらつかせている、年の頃は壮年程の男性が】
【黒いローブに身を覆った3人の人影に向き合い、顎に手をやりながら、仁王立ちしていた】

【研究衣の襟の部分には、≪No.6≫と言う刺繍が施されている】

よしよし……最終調整が済めば、いよいよ手放しでの実戦となる……その時は、いつも3人一緒と言う訳にもいかぬが、お前たちならできるの?
「任せておいてよ、おじいちゃん……私たちなら出来る、だって最強の兵士なんでしょ?」
{……僕だって、ちゃんと、戦える……}
<…………>
そうじゃ……その意気じゃ……!

【並んで男性に向かう3人の返事に、歪んだ笑みを浮かべる男性】
【満足げに懐からタバコを取り出すと、それに火をつけて大きく煙を吸い込んだ】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/09(火) 20:07:22.78 ID:buzoTaNvo
【街中】

…お?どうしたの君、美人さんだね
【少し嬉しそうに何者かに話しかける影】

【それは黄色のTシャツ、青いジーンズ】
【緑の髪、緑の目で、緑のコートを着た少女】
【見た目だけで判断すると年齢は13か14ほどか】

いいねぇ、耳も綺麗だねえ
【ちなみに、話しかけている相手は、犬】
【慣れた手つきで首元、お腹をさする】

………
【きょろきょろと見回し、誰か見ている人がいないか確認する】

はあー…かわいいなあ!
【誰もいないと判断 抱き上げてもふもふ】
【もはや周りは見えていない様子】

/10時までの参加です
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 20:20:15.73 ID:D4xNptok0
>>37

「ふへへぇー、可愛いのはアナタですよー」

【いつの間にか少女の背後に立っていた青年】
【櫻の国の民族衣装に身を包んだ優男である】
【ジュルリと涎を垂らしている】

【あえて言おう、変質者であると!!】

「はぁー良いですねぇ。女の子が動物と触れ合っているのは」

【急いで逃げるべし!】
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/09(火) 20:25:46.41 ID:buzoTaNvo
>>38

【存分にもふもふを楽しんでいた彼女だが】

!!
【がばっと顔を上げるとさささっと前に移動】
【くるりと振り返る】

・・・・・・・・・・・・・・

【男の涎、目つきをじっと見て・・・】

・・・多分、犬は生で食べるとお腹を壊すと思います!

【食欲と判断】
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 20:35:34.39 ID:D4xNptok0
>>39

「いやいや、別にそのわんちゃんを食べたい訳ではないのですよー」

【青年はははは、と妙に爽やかに笑いながら返事をする】
【その内面は全く爽やかではないが】

「いや失礼、びっくりさせて申し訳ありません。
 私は真竹 霊亀、ロリコンという名の変態です。ちなみに好きな女性のタイプは年齢1桁の方です」

【通報しなきゃ!】

「あ、私にお構い無く存分にわんちゃんと触れ合っていてください。
 私はそれをここら辺から眺めていますので」

【できるか!!】
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/09(火) 20:46:57.99 ID:buzoTaNvo
>>40

はぁ…変態…
【反応は薄め】

その、1桁好きの方が私に何か用でしょうか?・・・あ!
【気づく】

もしかして人間じゃなくても愛せる方ですか?むしろそっちの方がいいという方ですか?
多分この子、10歳にはなってないと思いますし…でも、仔犬というには大きくないでしょうか

【どうやら、男が背後で言っていたセリフは聞こえていなかったようで、自分が標的とは全く考えていない】

【彼女は自分が大人だと考えているのである それはもうきっぱりと】

そうだ、触りますか?

【あろうことか男に近づきニッと笑って、犬を掲げて差し出す】
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 21:07:21.99 ID:D4xNptok0
>>41

「ははは、残念ですがわんちゃんは人間の数倍の速度でロリではなくなってしまうので、愛するというのはー・・・え?」

【その時、霊亀に電流奔る】



「さ、触っていいのですかッ!?」



【駄目だこいつ】

【霊亀は後ろを振り向き爪をガジガジ噛みながら思考を巡らせる】

(お、落ち着け・・・! これは文脈的に考えてわんちゃんの方を触って良いという事でしょう!)

(し、しかしっ! 間違えたフリをしておっ○いの方を触っても・・・!)

(いや! ぶっちゃけ無理があるッ!! わんちゃんを差し出しているのにおっ○いの方へ行くって馬鹿ですか!?)

(さらに!! そんなことをしたら通報されるのが確実ッ!! コーラを飲んだらゲップが出るのくらい確実!!)

(いやしかしッ! ここは・・・む、わんちゃん・・・?)

(そうだ! わんちゃんと言えば、○○ー犬しかしアレしかり! ラッキースケベ、エロフラグの塊ッ!!)

(対象に生命エネルギーを注ぎ式神として使役する私の能力ならば・・・! わんちゃんをそんなエロフラグに変えることが可能!!)

「そ、それでは遠慮なくっ!」

【霊亀は震える手で犬の喉元をさすり】
【全身全霊で能力を全開にする】

(いっけー! いったらぁーーー! 頼むぞわんちゃんーーーーーッ!!)

【ちなみに彼の能力は基本、物体用であり生物に通じるかはかなり怪しい】
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/09(火) 21:08:14.76 ID:EMWggOHSo
【児童公園】

【日も暮れて月光の降りる公園は、足音も遠く人も掃け】
【否、元より今は人も寄り付かぬのやもしれず。遊具は錆びつき、塗装はみすぼらしく剥がれている】
【忘れ物をした子供とて、明日にしようと諦めるほど、公園内は街灯も遠く黯い闇が根ざしている】

「にゃあー」

【かすかな月光すらその姿を判然とさせぬ奥の奥のベンチ】
【鴉と見紛う程に黒い人影が、その先に“猫”を繋げた手綱を手に座り込んでいる】

……散歩して来い、などと。はは。まるで、昔のように云う

【黒い長着物に黒の羽織を着た、線の細い――鴉】
【切れ長の目は黒く、鼻は癖無く唇は薄く、黒髪は襟足にかかり前髪は長い】
【足袋を履き黒い下駄を履き、手には紫の線が一輪描かれた黒い和傘を持っている】
【一見その体は薄く面は白く、その声もまた、どこか中性的な掠れを持ち】
【和で統一された姿を裏切るように、首元には幅広のチョーカーをつけている】

「にゃあー?」

【返事をするように鳴き声をあげるのは】
【ハニーブロンドの髪と緑色の垂れ目を持った、22に届かない程度の年齢の“猫”だ】
【下膊から先の無い腕と臑から下の無い足はやや厚手の白い布を巻かれ、着衣は下着らしき紐のみ】
【四つん這いであるために、緩やかに先のウェーブした髪は地面に引きずられてすらいる、が、それはあくまで“猫”】
【鴉が猫を引く、少々滑稽なだけの光景でしかない】

昔? ……ああ、今が、夢なのか? 全て夢なのか、此れは……いつから?

【――常より白い面は、血の気の失せたように青く、仄暗い月光を受けて蒼い】
【今にも手元から落ちそうなほど緩く握った手綱の先の“猫”は、足元から動かない】
【そも、猫は手綱を引いて散歩する様な生き物だっただろうか】
【果たして今手綱を引かれているのは、鴉と猫のどちらなのであろうか】
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/09(火) 21:19:14.31 ID:buzoTaNvo
>>42
【男の能力の影響か、犬がビクリと震える】

ひゃっ!
【彼女は驚いて手を離してしまった】

【それだけでなく、彼女は何かを焦って後ろに下がり、コートのフードを被る】
うわわっ!見ないで・・・!びっくりしたら、出るっ・・・!

【フードから覗く彼女の瞳は、先ほどまでの綺麗な緑ではなく、触れれば火傷しそうな真紅に染まっていた】
【その眼はまるで、狼のそれで】
【人間に飼いならされた犬でさえ何かを感じるのか、逃げていってしまった】

ああ!君ぃ!
【片手でフードを押さえながらもう片手を走り去る犬の方へ伸ばし、崩れ落ちる彼女】
【エロフラグは根元から折れ】
【残されたのは変態男と涙目赤目女】

【要約:なんだこれ】
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/09(火) 21:20:44.54 ID:R3jX0YIFo
【夜の草原】

【流星の天蓋を冠して、青白い月光を浴びた絨毯が夜風に靡く】
【静まり返る野の中に一人佇んだ青年は、奇妙な音を付随させていた】

  【ガガ……ピー、ザザ――】

【地中深くから響くような、嫌なノイズ】
【ひとつ、ふたつ――微かな音だが、群体のように数が多い】

【奇妙といえば、その容姿も注意を引くものがある】

【黒髪には派手な黄色のメッシュが幾束か混じり、さながら危険信号】
【灰色のツナギに飛び散る色取り取りのペンキ、赤黒の割合が多いのは何を示すか】
【そして、彼の両の目は、ただ静かに閉じられていた】

…………クソ女の弔い、執行なさるなら、こんなめそめそ湿気た場所がお似合いだ
オレ様に相応しい舞台には程遠くていらっしゃるが……仕方無ぇ

【一人ごちれば、すうと上げる手】
【バチバチと散るのは、花火か火花か区別さえ付かない程の光だった】

   【ジジ、ジ……ガガー、ピピピ……】

【――音が、遥か前方の野に集約し始める】
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 21:30:49.10 ID:D4xNptok0
>>44

「む!」

【犬がビクリと震える】
【やりすぎたか? そう思った途端犬は元気にあさっての方向へ走っていく】

「・・・! 目の色が変わった・・・、アナタ能力者だったんですか!?」

【この町ではそう珍しくは無いのだろうが】
【櫻の国の片田舎に引き籠っている霊亀には珍しいようで】

(あ、なんだろうこれ・・・。涙目の女の子見てるとドキドキす・・・くっ!?)

【少女が蹲ると同時に、霊亀も膝を折るって肩で息をする】

「しまった・・・! 気を注ぎ過ぎた・・・!」

【何やってんだこの馬鹿】

【結果】
【少女が涙目で蹲り、息の荒い青年が片膝をついているという状況に相成った】
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/09(火) 21:40:18.67 ID:buzoTaNvo
>>46

(ばれた!!)
【他の能力者からの忠告もあり、危険を避けるため能力を隠している彼女は焦る 焦って涙も止まる】

(いや・・・でも、犬好きみたいだし【※彼女目線です】、私の能力見ても攻撃してこないし、いい人かもしれない・・・!)

と、いうか大丈夫ですか!?
具合悪いんですか!?心の臓ですか!?

【顔を上げると青年が苦しそうに見えたので、駆け寄って背中をさする】

私が能力者って分かったということはあなたもですか!?私はベルテといいますがあなたは何と言いますか!?
苦しんでいる原因に心当たりはありますか!?心の臓ですか!?

【気遣いつつ二三質問 気遣えてるのかは知らないが】
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 21:46:00.18 ID:D4xNptok0
>>47

【駆け寄るベルテをチラっと見ると】
【霊亀はさらに大袈裟に息を荒げ、苦悶の表情を浮かべる】

「くぅっ・・・だ、駄目です。心の臓ではなく頭が痛い・・・!
 女の人に『いいこいいこ』して貰わなければ頭が割れて死んでしまう・・・っ!!」

【はぁはぁ、と】
【一層苦しそうにしながら、虚ろな目でベルテの方を見る】

「あ、あとベルテさん・・・。こんなことをお願いするのは心苦しいのですが・・・。
 あなたのお手手を口に含んでもいいですか・・・?」

【何を見せられてんだ】
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 21:53:47.22 ID:jSGrHS070
【街中――鉄骨を剥きだしにした廃ビルのその天辺】
【宝石箱を引っくり返したような夜景の中、ぽつと佇んだなら、周りの建物に邪険にされるよなそんな錯覚】
【どんな色で照らされても古ぼけたねずみ色は誤魔化せないなら、紙切れみたいに鋭い三日月の光すら邪魔なよう】

……――、――

【ひゅうるり吹きすさぶ春風にがたがた揺れるフェンスは最早仕事なんて放棄して、好き勝手に歌うだけ】
【飾り気なんて何にもない罅割れだらけの屋上の、ぽつと佇むひとかげはきっと足元からでもよく目立つ】
【不安定なフェンスに身体を預けて、錆びてあいた穴からぐぅと手を伸ばしたり、しているのだから】

【ビルのねずみ色をずっとずっと重ねて染め上げたみたいな黒髪は月光に虹色の艶めきを返して、風に翻る】
【じぃと自らの指先を追いかけた瞳はスプーンか何かで抉ったみたいなまぁるい血色の一対】
【ばさんと喚いて捲れあがるスカートもどこ吹く風、中に詰め込んであるのは検閲色のドロワーズ――】
【手首の辺りをリボンで結わえるようなブラウスと、スカートを重ねたようなデザインのジャンパースカート、どちらも黒基調】
【太ももの大部分まで覆う靴下と底の高いブーツ、片足はフェンスにかけられていて、たまに悲鳴めいた音が上がる】
【怪我人だと言うには気軽に気楽に巻いた包帯が随所にあったりする、そんな少女ひとり】

【――何かを欲しがるように伸ばす虚空、何かが浮いているということもないなら、ひどくおかしな行動にも見えて】
【或いは、飛び降りたがっているように見えなくもない。人外めいて零すおかしな気配もまた、目を惹くかもしれないけれど】
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/09(火) 21:54:16.14 ID:nNlRY6vYo
>>45

【風を切り裂く轟音が、響くその音律を確かな形に彩る】
【夜に伸びる一筋の線が、夜空に一つ気高きため息の音を輝かせたなら】
【残響だけがただ、果てない残照のように響き渡るのだろう】

【銃弾が夜空を駆ける禍々しくも猛々しい音階】
【鍵盤を弾くクレッシェンドのトーンが一滴絞り落ちたのなら】
【それは絞り出した鳴き声の最後の音にも似ているのだろうか】


Шумно(うるさい)――――とっても……とっても、うるさいの……


【貴方の作っていた光、それがきっと弾ける≠フだろう、どこからか発射された銃弾が、光へと直撃したなら】
【破裂する爆音、周囲を見渡しても、すぐにはその銃弾の主を確認することは難しくて】
【見晴らしのよい草原の少し奥、その輪郭が微かに確かな形を持つような位置で、紡ぐ音が響き渡る】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【両手で握るのは大きな大きなバイオリンケース、両手を伸ばしてふらふらと揺れた】

【やや距離のある草原の上、立ち尽くす少女が、その言葉を濡らしたなら】
【両手で抱える狙撃銃≠フ銃口を、再び貴方へと向けるのだろう】
【左手でその銃身を抱え、右手で引き金へと指をかけ、右脇にその細身を挟んで】

【次の銃弾を装填したなら、その細い銃口を貴方へとまっすぐに向けた】
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/09(火) 21:57:35.73 ID:buzoTaNvo
>>48

「いいこいいこ」!?それは・・・
【その時、彼女の脳内に幼き日の思い出が蘇る】
【彼女の育て親は、種族すら違う彼女を本当の娘のように可愛がってくれた】
【それを自分が実践すればいいのか、と彼女は考えた】

えーっと、たしか、こう
【手を青年の頭に置く 爪グッサリ】
で、こう
【爪ガリガリガリガリガリガリ】
【それに青年がどんな反応を示したかも見ずに、何かもういっぱいいっぱいな彼女は青年の声に答える】

私の手を・・・口に!?
えと・・・多分私は美味しくないです!
【食欲と判断】

それに、食べるならもっと若くて身の締まった子のほうがいいです!
・・・お肉探してきましょうか!?

【スケベに気づかず、スケベを避ける ある意味才能なのかもしれない】

/10時頃に落ちなければいけませんが、どうしましょうか?
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 22:00:16.71 ID:D4xNptok0
>>51
/うーむ、次レスで〆ることもできますがどうしましょう?
 稼働率が低いキャラなので自分は置きレススレでも大丈夫ですがどうしますか?
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/09(火) 22:02:49.39 ID:buzoTaNvo
>>52
/初心者ゆえ経験は積みたいので、置きレススレ進行でお願いできますか?
/ちょっと前に投下してノータッチの物があって恥ずかしいですが
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 22:05:21.75 ID:D4xNptok0
>>53
/了解でーす
 それでは自分は次レスを置きレススレに投下します
 投下しても絡まれないのはよくあることなので、撤回の旨を書けば大丈夫かと!
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県)2013/04/09(火) 22:11:34.21 ID:B2/n56y/o
【路地裏】

【ごり、べちゃ、という音が響く】

わざわざ新鮮な死体を探すのも大変ですのね...

自分で作れば良いのでしょうけど...興奮して食事どころでは無くなってしまいますわ...

【語調に似合わないような、農民のような格好で「竜の娘」は嘆く】

【軽くスナックを齧るように、恐らく女性のものであろう腕を食べる】

さて、そろそろ行きましょうか、お腹はいっぱいですし

【長い尻尾をなびかせ、女は路地裏を歩いて行く】
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/09(火) 22:22:19.55 ID:yeYTg6hM0
>>49
//まだいらっしゃいますでしょうか?
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 22:23:31.76 ID:jSGrHS070
>>56
/あなたの真後ろでぼーっとしてました(訳:居ます)
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/09(火) 22:35:14.24 ID:fy6sSNZS0
【トラバサミ、という罠を知っているだろうか】
【例え知らなくても見た事や聞いた事位はあるかも知れない。バネの仕掛けによって、二つの金属板で足を強く挟み込む罠だ】
【よく狩猟等で使われ、「踏んだらガシャン。大成功」という光景はその手の番組でもたまに見ることは出来る】

【さて、これは夜の公園、無人の場所に設置されたそんな罠と格闘する一人の青年のお話】


飽きもせず……ひっかかる……僕も……僕ですが……っ!

流石に……これは……やりすぎ…ィ……!


【少し痛んだ青色のデニムに、薄く汚れたセーフティブーツ】
【前を開いた茶色のミリタリーコートからは、白のシャツと黒いネクタイが顔を覗かせている】
【あまり特徴的とは言えない服装の中、携えられた一本の鋼鉄の剣と赤色のマフラーが存在を主張する】
【わずかに白みがかった緑の髪に鮮やかな蒼眼。その表情は真剣そのものである。脂汗を除けば、の話だが】

【所詮子供の悪戯だ。そんなに強力なバネが使われている訳では無いので、痛みも抉じ開けるのも大した事は無い】
【だがわざとか偶然か、トラバサミ自体が錆付いているので上手く駆動してくれない。開けるのも一苦労だ】


流石に……もう……怒りますよ…ッ!

他の人が……引っかかったら……どうするんですか……これェ…ッ!


【そんな大間抜けな青年の恨み言が夜の公園に木霊する。ああ、何とも馬鹿らしい光景だろうか】
【挟み込んでくる金属板の間に両手を刺し込み、力付くで解除しようとしている光景は、ある意味凄く滑稽である】
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県)2013/04/09(火) 22:42:18.94 ID:B2/n56y/o
>>58

あらあら

【公園にほど近い路地裏を抜けた所】
【鱗で覆われた尻尾を生やした、麦わら帽子にタンクトップ、短パンを穿いた女性が遠巻きに見つめている】

随分とおまぬけな人間もいらっしゃるのですねぇ...

【哀れむような、楽しむような視線を男に投げかける】
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/09(火) 22:43:57.34 ID:yeYTg6hM0
>>57
//そんなメリーさんみたいな。よろしくお願いします!!

飛び降り自殺でもしたいのか?あんた

【微かな夜空の光を良く弾く赤いジャケットが目立つ男が一人。年齢は恐らく二十代後半だ】
【手入れのされていない、ゴワゴワの逆立つ髪を掻きながら少女に話しかける】
【男の声に焦りはなく、寧ろこの状況を面白がいるようにさえ聞こえる】

勇気が出ないなら文字通り背中を押してやるぞ?
そういう訳じゃなさそうだが

【相変わらず薄ら笑いを浮かべて、呑気にポケットからタバコを模した駄菓子を口に加える】
【そういう訳じゃない、と言ったのは二重の意味を込めていた】
【言葉通りの意味ともう一つ、少女から感じた人外めいた雰囲気。】
【人間じゃなさそうだ、と言う意味も込めた】
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/09(火) 22:45:03.22 ID:EMWggOHSo
>>43
/個人的特殊シチュなので日変わり前くらいまでお待ちしてまーヽ(゚ω゚)ノ
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/09(火) 22:52:16.95 ID:fy6sSNZS0
>>59

【罠を解除しようと悪戦苦闘しているのだ。そんな呟きは残念ながら青年の耳には届かない】
【そんな光景を少し眺めていたなら、ガシャンッ、と鈍い金属音を立ててトラバサミの歯が開ききる】
【そうなってからゆっくり、挟まれていた足を退けると、歯を抑えていた手を直ぐに引っ込める】
【一度発動したトラバサミは休む事を知らない。抑えの無くなった歯は再び空を噛む】


もう勘弁して欲しいです…一体何の恨みがあるんですか……


【身に覚えの無い恨まれ事は慣れっこだが、流石にここまでくれば頭にも来る】
【ペタンッと尻をついて息を吐き出すのだが、ふと見回した視界に女性が映る】

【はねるように立ち上がったなら、女の方までつかつかと歩いてきて、】


不躾ですが、アレを仕掛けたのは貴女ですか…?


【と、一応聞いてみるのだった】
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 22:58:43.06 ID:jSGrHS070
>>60

【一対の血色がぐぅと細められる、お菓子みたいに細い指先が空を掻いて、あと少しという風に伸ばされる】
【足を掛けられたフェンスががしゃんと鳴いて、ひときわ強く吹きぬけた風に煽られてぐらと揺れたなら】

……わっ、きゃ、

【ひどく驚いた声音は、ぐらつく身体に対してでもあるし、後ろから投げられた声に対してでもある】
【伸ばした右手はどうしようもないとして、ぎゅっとフェンスを握る左手にはぐぅと力が篭められて、白を白く染め上げ】
【耐えること数秒。風がようやく収まったなら、数秒の苦心の後に右手は手元に舞い戻る】

【(――そんなこんなしているから、少しばかし男は放置されることになるのだろう、あまり長い時間でもないけれど)】

…………そんなの要らない、欲しくない。

【赤錆の付着した袖口、ぱたぱた払う軽い音は夜風に乗って、男の耳にも届くだろうか】
【少しだけ困ったような後にぽつんと紡いだ声音は鈴の音によく似た金属質なもの――伏せた瞳が瞬いて、】

――届くかなって思ったの、気のせいだったみたいだけど

【するり動いたなら、視線で示す先には、白や青や黄色。色とりどりを散らばしたような夜景――みたいなもの】
【夜景というにはちょっぴり足りないけれど、まあ、悪いと言い切るには少しだけ惜しい、そんな曖昧さ】

でも、……よく考えたら要らない、かな。だって、朝になったら、見えないんだし――。

【そうして横目で見つめていた街明かり、そのうち飽いたみたいに視線は男へとんぼ返り】
【煙草と勘違いしたのだろうか、浮かべたのはいやそうな――それでも気付いたなら、なんともないよな表情に戻るけれど】
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県)2013/04/09(火) 23:00:02.10 ID:B2/n56y/o
>>62

いいえ、私がやるのでしたらトラバサミを回避した所に落とし穴を仕掛けて確実に獲物を捕まえますわ

【さらっと物騒な事を言う】
【嘘をついてはいないようだ】

あの程度にひっかかるなんて...随分とおまぬけですのね、人間さん?

【にこっ、という擬音が相応しいほど純粋な笑顔を向ける】
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/09(火) 23:11:49.72 ID:fy6sSNZS0
>>64

【ああ、それもそうだ。それに自分はアレを子供達の悪戯と結論付けていたじゃないか】
【そう思い起こして自責する。少し気が立っていたのかも知れない。この街の空気に触れるにつれて感情を操る術を忘れたのか】
【事の真意はともかく、とりあえずそう言う彼女に「そうですよね。すみません」と返すとふう、と息をつく】


うぅ……


【さて、この青年が人間かどうかはともかく、「間抜け」と呼ばれれば、少なくとも今その言葉を否定できる道理は無くて】
【これは参った。と言った様に力なく笑いながら頬を掻く。「ははは…」と枯れた笑いを漏らす分には、反省している様で、】
【しかしその視線が女の持つ尻尾を捉えると、ぎょっとした様な顔に変わって、】


ちょ…っと!尻尾を隠さなくていいんですか!?
何というか……自警団さんとかに通報されちゃいますよ!


【周りをしきりに見回して、誰かにこの女の姿が目撃されていないか、と余計な心配を始める】
【尻尾を隠さずにいるという事は、即ち自分は人外魔、恐怖の象徴だ。と主張して回っているのとそう変わらない。少なくとも彼はそう思っている。何とも古い考えだろうか】 
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/09(火) 23:16:20.31 ID:yeYTg6hM0
>>63
(・・・なにやってるんだ?こいつ)

【返事は帰ってこないだろうから声に出して疑問を言うことはしなかった】
【ポエムとかによくありそうな行動、本気で星を掴もうとしてるように見えた】

【そんなことを考えてるうちに少女から金属質な声が帰ってきた】
【届くかな、と少女は言った。視線の先に色とりどりの夜景のようなものを写して】
【やっぱり本気で星でも掴む気で居たのだろうか】
【不思議な少女について色々考えたけど、やっぱり不思議は不思議のままだった】

・・・ああ、これか?
ただの駄菓子だ。害はねぇよ

【そのうち少女が駄菓子をみて嫌そうな顔をしたから、駄菓子をぽんぽんと叩いて見せた】
【せっかくだからポケットからまた箱を取り出して、「食うか?」と駄菓子の箱を手渡した】

67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/09(火) 23:17:24.68 ID:AU9YJ5Y0o
【上を見れば曇った夜、下を見れば散らばるゴミ、横を見ればコンクリート】
【雑多に立ち並ぶ高層ビルはオフィスや住宅や、様々な物がめちゃくちゃに、高層から見れば煌びやか、しかし下層はまるで違う】
【全てのしわ寄せと廃棄物と、いらない物ばかりが流れ着いた、淀んだ空気の最下層】
【そこに居着く人間達もまた、人々の悪い所を煮詰めたみたいな奴らばっかりで、余所者なんかがここにくれば、容赦無く餌食にしてしまう】
【それを知る富裕層は、忌み嫌って更に蓋をするだけで、淀みは今も深くなる】

〜♪〜〜〜♪

【ここを歩くは余所者か、淀みの住民か───後者にしては小綺麗で、幼すぎるようにも見えるが】
【前者にしては、歩く姿に余裕が有りすぎる。まるで散歩コースみたいに、ルンルン歩く】

…根暗共は暗い所が好きでござるねぇ〜
くっさいくっさいゴミために行かされるこっちの身にもなってほしいでござるよ

【蜘蛛の巣が這い回る黒いパーカーを黄色いノースリーブシャツの上に着て、黄色色チェック柄のミニスカートと黒いスパッツ】
【黒いセミロングの髪の上に被る、白いニット帽に黒いゴーグルを被せた様は髑髏を被ったようにも見えて、オーバーニーソックスと黄色・黒の縞模様スニーカーがいかにも活発だと主張する少女だ】
【また、パーカーは腋の部分が空いた風通しのいい作りで、袖先は指貫手袋と一体化したような閉じた作りとなっている】

【お澄まし顔で、ωみたいな口から一人吐かれるは毒のある独り言】
【一寸先の闇に何かが潜んでいるかもしれない───知ってか知らずか】
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/09(火) 23:18:31.63 ID:yeYTg6hM0
>>66
//修正です。七行目
【空を見上げて考えるようなそぶりをしてみたけど、少女の考えはやっぱり分からなかった】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県)2013/04/09(火) 23:22:29.10 ID:B2/n56y/o
>>65

尻尾?あぁ、これですの?

【一瞬、驚いたような顔をして、すぐに納得したような表情になる】
【愛おしそうに尻尾を撫でながら】

私は高潔な竜の一族、その誇りである尻尾をどうして隠せましょう

それに、自警団の皆様に通報された所で何ですの?結局彼らも人間さんでしょう?

【先ほどと違うニィッとした笑み、口から牙が覗く】

【兎に角、尻尾を隠すつもりは無く、自警団を恐れる気もない、ということらしい】

そういえば、おまぬけさん、お名前を伺っても宜しくて?私、この街には来たばっかりなんですの、一人でも知り合いが居れば心強いですわ

【笑顔はすぐにもとの笑顔に戻る】
【おまぬけさん、という不名誉な渾名を撤回するには、名乗った方がいいのではなかろうか】
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 23:28:16.33 ID:jSGrHS070
>>66

【天蓋を覆う闇の中で煌く星と、空の影の中で煌く星と、きらきら光って数えるのもいやになるぐらい】
【そのうちのひとつぐらい手に届くかもしれないなんて希望は砕かれたのに気にした風もないなら、最初からおふざけだったのかもしれない】
【男が分からないのもきっと当然のこと。だって、彼女だって良く分からないで行動していたりするのだから】
【(ひとの心ですら読むのは難しいのに、それがひと以外のいきものだとしたなら、それはとてもとても難しいはず)】

お菓子? ……ああ、それ、見たことあるかも。
あれでしょ、悪ぶりたい子が齧ってみるの……、……くれるの?

【煌く星々は飽きられてしまったらしい、視線の向かう先には彼ばかりが居て、引っくり返した記憶の端で引っかかる】
【薄らと記憶にはあったらしい、そんなことを言っていたけれど――】
【差し出されるちいさな箱。ぱちり瞬いた瞳が不思議そうにまぁるくなって、そっと首が傾げられる】

【――紡ぐ思考はほんの一瞬。こつと鳴らす足音が一歩距離を詰めたなら、差し出されるのを指先が摘んで受け取るのだろう】
【高校生ぐらいに見える彼女、ぱぁと笑った表情は余計に年齢を曖昧にさせるよう。「ありがとう」なんて、お礼がひとつ】
【甘いものがだいすきですなんて、一言も言ってないのによぅく分かること――】
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/09(火) 23:33:31.83 ID:fy6sSNZS0
>>69

し、しかし……それでいいのだとしても、他の人を怯えさせてしまうのでは…?

僕た……ああ、いえ、貴女が何であろうと"人"に混じって生きていくのは難しいでしょうし…
そういった人たちを蹴散らさなければいけない様であれば、尚更です


【女とは対照的に眉が下がり、口を波線で結んで困った様な表情へと変わる。別に、隠せ、と強要しているわけではない】
【要らぬ世話だとしても、どうやら彼は人外である事を誇る彼女の事を心配している様で、】
【この辺りでの出来事で無いとしても、"そんな経験"がある青年にとっては非常にもどかしいのだ】


ええっと、エヴァン、です…何か困り事があれば言ってください、微力を尽くしますので

貴女は?


【女に紹介を迫られた青年は名を名乗ると、ぺこっと軽い会釈をする】
【軽く下げた頭を上げたならば、貴女の名を教えて欲しい、と返すのだった】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県)2013/04/09(火) 23:45:03.97 ID:B2/n56y/o
>>71
人に混じって生きる?

【驚き、困惑したような顔になる】
【直後、非常に楽しそうな顔になると】

クスッ、フフフフ、アハハハハハハ!!

【可笑しくてたまらないかのように笑う】

エヴァンさん、貴方に何があったのかは存じませんが

人間と仲良くするつもりなんて一切無くってよ?

【楽しそうで冷酷な笑顔を向ける】

このチミリカ=チェンバース、人間ごときに混ざって生きるなんて願い下げですわ

勝手に人間どうしで争い、その勝負の死者(敗北者)を喰らう、それが目的ですから

【ほほほほ、と笑う顔には、脅し、ハッタリ、嘘、そんなものは一切無い】

【食物連鎖において、人間より上位に立つべき「竜」のプライドと常識に満ちていた】
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 23:45:31.51 ID:xYADVqjC0
【櫻の国。櫻の名所と呼ばれていた其処も今は人間達の悲鳴で彩られていて】
【逃げ惑う人々、追う妖怪。宛ら百鬼夜行か何かを表したかのようなのだが……】
【不思議と、辺りには死骸等か転がっておらず】


「みんな、殺しちゃ駄目だよ?
そりゃ、拙(ぼく)達はこの場所も奪われたけどさ
だからって、殺さなくても取り返すことは出来るんだから、ね」

【櫻の木の下、酒を呷るのはまだ少年の姿をした妖怪】
【山伏の纏う其れ、腰には天狗の面を提げて、反対側には刀が一振り】
【この村の中でも一際目立つ存在ではあるが――――何よりも、その妖気の大きさが嫌でも感じ取れて仕舞うであろう】
【背中に生やすのは漆黒の翼。所謂、烏天狗と呼ばれる妖怪】


「フフフ、長い間に拙達の怖さも忘れてたみたいだし、人間達には丁度良い機会じゃ無いかな?
ああ、ほら。村長さんももっと速く逃げなきゃ怪我しちゃうよ?」

【胡座を?いて、その膝の上に頬杖を突いて】
【陰陽師は疎か、武士も用心棒すらも居ないこの村で自分たちの居場所を取り返すのは簡単な事】
【極力怪我人を出さないようにしてはいるけれど――――何しろ妖怪。理解無いならば、端から見れば虐殺にも思えてしまうような光景】
【さて――――イレギュラーとなる存在は現れるのだろうか】

/時間が時間故に途中で凍結か〆に入るかと思いまするー
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/09(火) 23:46:19.96 ID:yeYTg6hM0
>>70
【少女の興味は完全に移ってしまったようで。考えてたのも馬鹿らしくなるぐらいよく分からなくなった】
【そういう人なんだろう、と自分の頭を納得させて、とりあえず考えるのをやめた】

ああ、これなら幾らでも持ってるからな。食べていいぞ

【無表情に顔を作って、少女の問いに答える】
【この男はすでにタバコを吸える年齢には達している】
【だが、悪ぶりたいという理由は中々的を射ている】
【長生きがしたいからタバコはすわない。だが、何か加えている方が悪く見えるから加えている】
【そんな幼稚な理由だ。もちろん単純に好物であるというのもあるが】

【駄菓子を受取った少女の顔。普通の無邪気な少女の笑顔だった】
【それにありがとうと一言。普通。どう考えても普通】
【でも、それが先ほど感じた人ならぬ雰囲気と合わさって不気味に見えた】
【無表情を作っていたけど、少し顔がゆがんだ。ついでに冷や汗までかいたかもしれない】
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/09(火) 23:54:56.97 ID:jSGrHS070
>>74

【受け取った紙のちっちゃな箱の軽さ、悪戯好きな春風に盗られないようにぎゅっと握りこんで】
【嬉しそうにあけた箱の中、ビニルの包装をべりと引っぺがしたなら、やっと取り出した一本】
【ぱくと咥えて――ぽきぱきぽきぽき、げっ歯類みたいに齧って食べてしまうのが、少し無粋】
【煙草だと思っていやそうな顔をしたこともあるし、煙草の持つカッコいい感じ――きっと、分かっていないのだろう】

……、どうしたの? 飛び降りるひとの幻覚でも見えた?

【二本目。ぱきぱき齧る最中、笑んでいた瞳はふと彼の歪む表情を、冷や汗を、捉えたらしい】
【不思議そうに首を傾げたなら残った分を口に放り込んで、噛んで、飲み込んで、尋ねる声は少し後から紡ぐ】
【かつんと足音を鳴らしたなら、もう一歩つめようとする距離。手も届く距離に立とうとするのだろう】

……――それとも、飛び降りてみたくなったとか。
勇気がないなら、背中を押してあげましょうか? それとも、違うかな。

【くすくす笑うなら、鈴をころころり転がしたよな声がよく響く。からかうみたいな笑顔は本気の欠片すら見えなくて】
【先ほど彼に言われたことをなぞって遊ぶ、細めた瞳が彼の瞳を覗きこもうとして――】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/10(水) 00:04:35.80 ID:WtFyA36n0
>>72

【彼女が笑い出したと思えば、それに続いて出た言葉は彼にとっては衝撃的なものだった】

【人に混じれない、というのはまあ良い。意志に関係なく、自分も元来混じってはいけない存在だからだ】
【だが仲良くはしない?格下の存在?そんなのはあんまりだ。ぎりっ、と青年は歯軋りを鳴らす】
【その拍子にちらりと、彼の歯が姿を現す。白く、整ったそれは、コマーシャルにでも出してしまえと言わんばかりの物だ】
【その両端にその姿を見せる、まるで吸血鬼か何かの様に発達した、太く、長く、鋭い犬歯を除けば、だが】


一つ、一つ言わせて貰いますよチミリカさん

貴女がそう生きているのなら、それでいいのでしょう
ただ"人間如き"というのがいただけません。"如き"と蔑む様ならば貴女はそれ以下です


【他者を食物を扱い、ただ食らって生きるのが竜の、彼女の生き方だというのなら、それはもう仕方が無い。無理に捻じ曲げる事は許されない】
【だがそれとこれとは話が別だ。相手が誰であっても分かり合えないまま終る事ほど悲しい物は無い。ただ食い食われの関係で済ます、というのは少なくとも青年にとっては耐え難い物だったのだ】
【腕を組んでチミリカを見つめ返す青年の表情には、笑顔の一つも浮かんではいない。本当の意味での"真顔"という奴だ】
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/10(水) 00:11:22.94 ID:cjMMhG350
>>75
【血みどろのぢ体を見ても、頭の割れた少女を見ても何も感じなかった心が、今はじめて震える】
【恐れている..とも違う奇妙な感覚。ただ、不気味。】
【普通に見ればほほえましい少女の仕草も、今ではやっぱり不気味なだけで】

いや、なんでもねぇよ

【無表情を作るのだけど、冷や汗は止まらない】
【無意識のうちに脚を引きずって、少女の手の届かない場所へと後ずさる】
【そのうちガッと骨と鉄があたる音がして、後ろを振り返ればフェンス。後が無くなった】

死にたくないんでな。押さないでくれよ

【作っていた無表情も崩れ始め、瞳を覗かれるとまた冷や汗が加速する】
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県)2013/04/10(水) 00:17:18.55 ID:C888YxD3o
>>76

人間を理解してしまったら、情が移るじゃない

【牙を見ながらさらりと言い放つ】

人間だって後に食べる豚や牛には名前をつけないわ、食べる時に悲しくなるもの

同じことよ、エヴァンさん、人間が愛しいと思ったら最後、飢え死にするしかないもの

【その顔は家畜を育て、[ピーーー]農家の顔】
【そう思わなければ生きていけない、そんな悲しい運命である竜】

貴方に名前を聞いたのは、貴方が人では無いと分かったから

わかるかしら?私にとって、貴方は友人であってほしいの、敵対したくはないわ

【冷ややかに見つめる、返答次第で、いずれ戦う事になるだろう】
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/10(水) 00:25:05.45 ID:LlKzRmxw0
>>77

【ぺろりと、真っ赤な舌先が唇を舐める――お菓子の粉の付着を気にした挙動だが、どんな意味で映るのだろうか】
【後ろ出に組むようにした両腕、離される距離には、こつんと足音がひとつ増えるだけ】

どうしたの?
……それともわたし、何かしたかな

【しゅんと垂れた眉、不安がるような色が微かに浮いて、けれど長い前髪の向こう側では曖昧に暈けるばかり】
【思い返すみたいに逸れる視線、瞬きを数度挟むぐらいの時間考えてみたけれど、何にも思いつかなくて】
【答えを強請るようにもう一歩、もう一歩、距離を詰めて―― がしゃん。フェンスの軋む音に、その足はようやく止まる】

【手は届かない位置。それでも、精一杯に足を伸ばしたら届くような――首を傾げて、立ったなら】

押さないよ、お菓子くれたし……――。

【――ならば、お菓子をあげなかったらどうするつもりだったのだろう。言葉が足りない、合わせ鏡に映したみたいに可能性ばっかり増えていく】
【(なんてことない、そんなつもり最初っからないのだが。そうしない理由として、お菓子を挙げただけ)】

あ……返す?

【あまりにも鮮やかな血色は、ずっと見つめたなら、目がちかちかしかねないぐらい】
【それを真っ白の目蓋が刹那に隠したなら、思いついたように尋ねてみるのだろう】
【貰ったお菓子のこと。返したなら、おかしな挙動も止まるだろうかなんて、軽い軽い思考の果て】
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/10(水) 00:34:01.96 ID:WtFyA36n0
>>78

【そんな様子を見守り、ふっと瞳が伏せられると、再び開かれたその瞳に安堵が映る】
【彼女の本心を覗いた訳では無い。が、少なくとも彼女の表情からは悲哀を感じ取れたからだ】
【本当にただ食べるだけの存在だ、とでも思っていたら・・・と思っていたのだが、流石にそうでは無いようで安心して、】


ですがやはり!"ごとき"というのはいけません!
訂正してくれないと噛みますよ!


【だが、駄目だ。と言った様に、両手を広げブンブンと振って怒ってみせる】
【その様子は憤慨……というよりも"プンスカ"と言ったほうが適切だろうか。さっきの空気は何処へやら飛んで行ってしまったようだ】


…あ……ああ!いえ!ぼ、僕は人間ですよ!
吸血鬼ですけど!人間です!元!

ですから……えっと、大丈夫ですか?


【人では無い。その言葉を聞いて、忘れていたかの様に自分の言い分を主張する】
【吸血鬼というのは噛まれたりする事で感染する物だ。自分もその被害者だ、と】

【その後事実確認するように繋げた「大丈夫」は、言い分を理解してくれたか、という意味と、それでも友人でいていいか?という確認の二つの意味を持っていた】
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/10(水) 00:37:39.36 ID:cjMMhG350
>>79
【くちびるを舐める仕草も、きっとそのままの意味なのだろう。】
【混乱した頭じゃそれにすら不思議がっている】

・・・い、いや違うんだ。気にしないでくれ
ただの思い過ごしだ

【少女に声をかけられて、はっと我に返ったように返答する】
【少女の瞳をまっすぐ見つめて、邪気が無いことを確認仕様としてみたけど、長い前髪が邪魔で表情が読めない】
【そんな状況で話しながら距離をつめられると、やはり混乱が加速する】

【押さないと彼女は言った。彼女はきっとちょっとおかしいだけ。人じゃないだけ】
【うつむいて、そう何度も自分に言い聞かせる】
【そのうち、少し冷や汗が引いたような気がして、顔を上げた】

【目に入ったのは赤い、赤い少女の目】
【また寒気が体を走ったけれど、もう汗は掻かない】

やるよそれは。もう一個持ってるから

【なるべく精一杯の笑顔を浮かべてポケットからもう一つ箱を取り出してみせる】
【泣き叫ぶ幼女に無理やり、笑えと命令したみたいに、とても不自然な笑みだけども、今はコレが精一杯だった】
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/10(水) 00:44:14.46 ID:C888YxD3o
>>80
ふふふっ、そうですわね...
今度一緒に食人...もとい食事に付き合ってくれるならいいですわよ?

血で服が汚れるのはどうも嫌ですし、貴方が血抜きして、私が肉を食べる、これなら無駄なくたべられますわ

【この言葉には、「人間でなくなった以上、食べ物ではない、故に貴方は友人で構わない」という意図もある】
【食人といっても、わざわざ狩る訳ではなく、路地裏で死んでる死体を取りに行こうか?ということである】

【その女性の笑顔は、生涯初の知的生命体の友人を手に入れた喜びに満ちていた】
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/10(水) 00:57:37.60 ID:LlKzRmxw0
>>81

【ほんの少しだけ乾いた唇、舌先が湿らせて、その一度だけで赤色はそっと失せる】
【おなかが空いてるわけじゃない、まして、彼に対して食欲を抱いているわけでもない】
【そもそも普通のひとなら人間に対して食欲は抱かないから――なら、きっと、安心してもいい?】

そう? ……疲れてるんじゃない、風邪とか?

【思い過ごし。おかしな理由を彼の口から聞いたなら、一応はそれで納得を示す】
【癖みたいにもう一度首を傾げて、くすくす笑い声は喉の奥で零すみたいに、数度鳴らされる】
【「伝染さないでね」なんてふざけた声音、こんなにも追い詰めた距離になど気付いていないような仕草】

【俯いてしまった彼に、また不思議そうな表情が浮かぶ。ぱちぱち瞬いた後に再び目があって、】
【硝子玉みたいに透き通った瞳、どこまでもどこまでも覗き込める錯覚――深淵を覗き込んだみたいに】

じゃあ貰う。

【そんな瞳がふわり笑って、ぎゅっと握る小箱、「返さない」なんて言うように】
【かこんと一歩分離れる足取りは、或いは、その心に少しばかしの余裕でも生み出すのだろうか、分からないけれど】

疲れてるなら早く帰ったほうがいいよ、そんなつもりなくても飛び降りちゃうかも。

そしたら真っ赤に咲いて――ああ、お星様を映してきらきら綺麗かも、ね

【ざぁと靡いた風が躍って、細身のシルエットがちぐはぐに崩れて、よく分からなくなる】
【血色が月明かりを返して煌いて――ひとの命の果てすら綺麗かもしれないなんて、わらったなら】

 【――この廃ビルは高くもないが、低くもない。生身で飛ぶには、おふざけが過ぎるぐらいには】
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/10(水) 00:59:00.17 ID:WtFyA36n0
>>82

うぇっ!?ああ、いえ……僕は…その…

遠慮させてください……


【人の血を吸えるとなれば、それは魅惑的な誘いなのだが、それは断ってしまう。と、言うのもこの青年。人間の血を吸った事が無いのだ】
【今ここにいる二種の人外の悲しい差がここにある。竜は肉で腹を満たさなければ生きていけないが、吸血鬼に血が必須かと言えば、そうではない】
【現に彼は今までに至る20数年、遠い昔の事を除けば今まで血を吸わずに生きてきたのだ】

【だからと言ってそれは断る理由にはならないのだが、それでも彼は人間の血は吸いたくないと思っている】

【チミリカの期待を早速裏切る形になってしまって申し訳ないのか、深々と、顔が見えなくなるまで頭を下げる】
【バネの入った人形の様に小刻みに下げたままの頭を上下させてペコペコと詫びる様は、見た目に釣りあっているかといえばNOである】
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県)2013/04/10(水) 01:08:35.00 ID:C888YxD3o
>>84
むぅ...

じゃぁ...私に寝床を用意してくださる?

【少しつまらなそうな顔をする】
【彼女、街に降りてきたのは良いものの、家がない】

貴方の家で良くってよ?貴方も人外である以上、自警団は呼ばないでしょうし

そこらへんの死体を食べるから食事を用意する必要は無いし、新鮮な奴なら死体の血も持って帰って差し上げますわ

give and take. 悪くない話でしょう?

【もし襲ったら...と追加で言うと、ニヤニヤと笑う】
【竜の一族とはいえ、家なき女性を放置するような男には見えなかったので聞いてみる】

もしかして...純潔の竜の血を飲んでみたい...とか?

【からかうようにニヤニヤと笑いながら問う】
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/10(水) 01:17:12.30 ID:cjMMhG350
>>83

そういうわけじゃないんだ。疲れてるってのはその通りだが

【ある程度余裕も出来て、まともに返事を返せるようにはなった】
【前髪をはさんで見える瞳。巨大な穴を見ているかのような、そんな錯覚を引き起こすほどに透き通っている】
【感じたのはやっぱり不気味だということ。それでも今は落ち着いていられる】

そんなに強く握らなくても逃げないしとらねぇよ

【一歩はなれてくれただけあって、自然な笑顔で声をかけられるほどには余裕を持てている】
【でもそんな余裕は直ぐに消されてしまった。次の彼女の台詞で】
【真っ赤に咲いて・・・彼女がそういったときから段々彼女のシルエットが良く見えなくなってきた】
【消えたはずの不安感がよみがえってくる。きっと、彼女は冗談のつもりで言ったんだろう】
【それでも、浮かべられた笑顔を消すには十分すぎた台詞だ】
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/10(水) 01:24:12.92 ID:WtFyA36n0
>>85

寝床……住まいですか……


【さて、連続で期待を裏切って申し訳ないのだが、彼も基本的に野宿組の人間だ】
【この街に来てから「びじねすほてる」とやらに泊まった事はあるが、それは安心できる空間の確保や収入があった時くらいで、それは変わらない】
【だから物理的な居場所をくれ、と言われても彼はただ困った様に唸るしか出来ないのだ。"それ"に関しても無力だ、というのがそんな様子で伝わって来るだろう】
【一泊分なら出す事も可能だ。だが何日何ヶ月となるとそれは無理だ。そこはかとなく残念である】

【だが彼女の思っている事も事実。寝床が無いからくれ、と言われて即決で断る事が出来る様な奴では無いのだ】
【それ以外の方法を唸りながら色々考えるのだが、どうしても浮かんではこない】


すみません、それに関しては他を当たってくださいな……


【ははは…と疲れた様な自嘲の笑い声を漏らすしか出来なかった】


いえ、血の種類には興味は無いんです
単純に"吸血鬼"に堕ちきるのが嫌なんです


【自分でも言ってて馬鹿らしくなってくる様な理由を口にする。堕ちるのが嫌とは言うが実際彼は既に吸血鬼である事を幾度も利用しているのだから、これは我侭である】
【本当の理由はもっと別にあるのだが、これはまた別の話だ。再び腕を組んで、うーん、と極々真面目に悩み続ける】
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県)2013/04/10(水) 01:33:46.29 ID:C888YxD3o
>>87

まったく...鈍いんですのね...

【つかつかと歩み寄る】
【胸が触れるか触れないかのところで立ち止まり】

いろいろ理由をつけた私が馬鹿でしたわ、貴方の側に居させて下さいな、おまぬけエヴァンさん?

【欲望に忠実であること、それを心の掟としている彼女の、今湧き上がってきた欲望】
【彼の側に居たい、友達の側に居たい】
【それだけである】

【食事も寝床も、彼の側に居たいという欲望の為の理由に過ぎないのである】

どうしますの?気が変わらないうちに答えてくださいな?

【クスクスと顔の目の前で笑う】
【彼の目に彼女がどう映るか...】
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/10(水) 01:37:25.59 ID:LlKzRmxw0
>>86

だったら、甘いものでも食べて、ゆっくりして――あ、甘いものは十分かな。

【風邪じゃない、おかしさの根源が疲れだと言うなら、口にするのはよく休みなよ、なんて普遍的なこと】
【自分が一端を担っているだなんて、きっと思いついてすら居ない――悪気は、ないのだけれど】

……好きなもの、なくしちゃうの、いやなの。

【胸に抱いて、大事そうに――煙草を模したあのお菓子が大好きというわけでもないが】
【甘いものがだいすき。甘ければひっくるめて、すきなもの――喪いたくないなんて、ぽつと紡ぐ】

【春風に揺らいだ黒髪が曖昧に散らしたシルエット、風をなくして黒髪が落ちたなら、元通り】
【それでも元々が黒尽くめ。闇に擬態するようにも似て、ただ、真っ白い肌は良く目立つ】

――きっと彼岸花みたいに咲くんだと思うの。……それとも椿かな、どっちでもいいんだけど。
真っ赤な花弁たくさん散らして……ぜーったい、綺麗だよ、そう思うでしょう?

【――かつこつかつ、消えた笑顔に気付けたのかそうでないのかも曖昧なまま、刻む足音はフェンスへ向かう】
【幸い、だろうか。彼とは違う方へ向いた意識は、手も足も届かないような距離でそっとフェンスの緑色を摘んで】
【見下ろす先、路地裏の暗がり。このビルの生んだ影は深く深く、本当にその先に地面があるのかも怪しくなるぐらい】
【最初にしていたみたいにフェンスに体重をかけたなら、きしと軋む音が、いやに軽い。ひとの重さなんて持っていないみたいに】

……でも、自分でしたら、見られないよね。それに、そこらへんのひとに見られるなんて絶対いや
好きなひとじゃないとやだ、好きなひとに見てもらうのがいい――……。

【「だからつまんないの」なんて――】
【彼に飛び降りろと命令するでもない、突き落とそうとするでもない、血色に咲き誇る花に焦がれた呟き】
【最後にそうっと滲ませるのは、歪みきった――愛なのだろうか、これは】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/10(水) 01:51:56.97 ID:WtFyA36n0
>>88

【うーん、と唸っていたのだから、その視線はどちらかと言えば下を向いていた訳で】
【視界の端に彼女が近づく姿が見えればその視線を上げる】
【しかし見てみればどうだ。目と鼻の先とは正にこの事。驚愕の表情をして頬を紅潮させると、大げさなまでに「うわぁっ!?」と飛びのいてみせる】


ちょ!ちょっと待ってください!話が見えません!


【非常に失礼な行為だとは自覚しているが、後ずさりして彼女から距離をとって行く】
【確かに、自分も初対面の人物に必要以上に仲良くする事はあると言えばある】
【だが何か違う。自分のそれと彼女のそれは何かベクトルが違う。彼は恐怖さえ感じていた】


す、すみませんが他を当たってください!ごめんなさいもうしません!


【さて、何をしないのかはどうかは兎も角多少なりとも混乱している様で、】
【怯えた様な表情の彼はある程度距離が離れれば、ピューっと逃げ出してしまうだろう】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/10(水) 01:52:33.11 ID:cjMMhG350
>>89
【甘いもの、と言われてそういえばとっくに駄菓子が溶けている事をおもいだいした】
【ポケットから箱を取り出して、またくわえる】
【一目みれば普通の動作なのだけど、よくみれば棒状なのもあって駄菓子が震えているのがみえる】

【...この少女の発言を聞いて遂にある感情が沸いた】
【恐怖。情けないがいま自分は目の前の小さな少女に恐怖している】
【変態的な殺人鬼は何度か見てきたが、そいつらには恐怖は感じなかった】
【そいつらはおかしいことを自覚していたから...しかし目の前の少女にはそれがない】
【当たり前の事のように語っている。それが怖かった】
【止めに病んだ発言。遂には声を出すことすら難しくなり、小さくそうだな、と心にもない同意をのべるしかできなかった】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/10(水) 02:09:49.65 ID:C888YxD3o
>>90
逃がさない...

【足元に向けて尻尾をのばす】
【足首に絡めてお持ち帰りするつもりだ】

私にとって貴方は唯一の存在、

所謂「一目惚れ」ですわね

【ぺろり、と唇を舐める】
【非常に官能的かつ、猟奇的な顔である】

/回避されれば諦めます、そろそろ〆に入りたいのですが...
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/10(水) 02:15:01.74 ID:LlKzRmxw0
>>91

【フェンスを軋ませて軋ませて、視線を落とす先は暗幕をかけたみたいな路地裏の暗がり】
【いくら頑張っても見えないその場所に意識を向けたままなら、手元、或いは口元の震えにも気付けない】
【黙りこくってしまったことも疑問に思わないなら、自分から話し掛けることもなくって――】

……あ、でも、彼岸花は散るのがちょっと穢いよね、椿は首が落ちるから演技が悪いし……。

【――さて、黙りこくったのはどれだけの時間なのだろう。静寂を引き裂くみたいに紡ぐ声音はふと思いついたようなもの】
【まさかずっとそんなことを考えていたのだろうかなんて、誰にも分からないし、彼女も教えてくれないなら、闇の中】

【厚い底を引き摺るようにしてくるり振り返るなら、彼のほうに向ける表情、ふわふわ笑って上機嫌に見えた】

わたしそろそろ帰るね、お父さんに逢いたいの
お名前なぁに? わたし鈴音(りんね)。

【罅割れたコンクリートに刻む足音、向かう先は階段の方なら、言葉をそのまま証明してくれる】
【それでも帰宅理由が門限とかじゃないなら――やっぱりすこし、おかしくて】
【中途半端な位置で止まる足、首を傾げて問うたなら、ちょんと名乗るのはごく普通にひとめいた名】
【小首を傾げて待つけれど、別に強制するよな色もない。教えたくないなら、適当に誤魔化してしまえばいいのだろう】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/10(水) 02:18:44.48 ID:WtFyA36n0
>>92

【嫌な予感がする。悪寒がする。とはまさにこんな気分なのだろうか。背中一杯に鳥肌が走る】
【少なくとも、戦場ですら味わった事の無い戦慄をその身に覚える。これはマズイ。実にマズイ】

【半ば本能に任せる形で飛び退き、足を捉えんと迫る猟奇を回避する】
【彼が何と言おうと、吸血鬼というのは悪魔の中でも高等の存在である。それが女の姿をした竜に怯えるとは、何とも滑稽な姿だろうか】


も、もっと良い人がいます!きっといます!保障します!
ですから許してくださいー!


【それだけ言い残すと、彼女に背を向けて全力で駆け、逃走。そのまま姿をくらましてしまった】
【少なくともここ最近で、彼にとって最大の出来事となったのは、まあ間違いないだろう】


/こんなところでしょーか
/おつかれさまでしたー!
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県)2013/04/10(水) 02:26:59.48 ID:C888YxD3o
>>94
私は諦めません!
いつか必ず、私の伴侶に!!

【遠ざかる背中に向けて】
【龍の息吹に乗せて言葉を放つ】

【ヤンデレの竜の娘は、諦めない】

/お疲れ様でした、
/短文、駄文失礼しました
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/10(水) 18:06:58.13 ID:Mg3JXp7ko
【ここはとある岩場――東京ドーム並の広さの平野に、大小様々なゴツゴツとした岩石が大量に溢れかえっている】
【何故この場所に多量の岩石が集まっているのか、それは昔近くに鉱山があった名残だとか色々言われているが】
【正確な資料がなく、その詳細は未だに不明である】
【"岩石"と言うと希少性が低く感じられるだろう】 【しかし、確かにそこら中に溢れている岩石もあるが、稀に希少なそれも見つかったりするそうだ】

「ヘケケケッ!」 「くらえェェーーッ!!」

【ドッゴォッ!】 【頭部大程の大きさの岩に振り下ろされた手刀は、それを真っ二つに叩き割る】
【叩き割った者――それはガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【どうやら、岩を叩き割ったのは今が初めてではないようだ――辺りに散らばっている"岩片"からもそれは伺える】
【そして、破壊方法も"手刀"だけではない――何故ならば、手刀ではまず生まれないような"砕け方"をした岩片も多くあるからだ】

『よく飽きませんね』

【その近くで、男の様子を静かに見守っている存在がいた】
【それは20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

「だってよォー、身体動かさなきゃよォー、――バトルしなきゃ身体が落ち着かねェーんだよォーッ!」

【玄武岩や御影石、石灰岩や粘板岩、更に雲母や水晶までも――叩き割られたもの達は数知れず】
【流石に何度も砕いていれば手が痛む、しかし女性が男に"杖"を当てればそれは数十秒で治される】

/八時頃まで募集
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/10(水) 19:47:18.75 ID:FuyegYBY0
>>93
【静寂を切った言葉は不安を強くしただけ。】
【次の問いが来るまで口を開けなかった】

名前?・・・・・・・・
桐田。 桐田 善二って言うんだ

【聞き返してから、少し考えるような間を空けて答えた】
【ごまかそうかとも思ったのだけれど、嘘はつかなかった】
【名前を教えることより嘘をつくリスクの方が怖くて。それに名前など教えても困らないだろうと思ったから】
【帰宅理由にはつっこまずに、「じゃあな。気をつけて」とだけ口にしてその場を後にした】
【鈴音・・・多分、忘れられない名前になりそうだ】

//真に申し訳御座いません・・・寝落ちしてました
絡みありがとう御座いました。下手で分かりにくい文章ですいませんでした!
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/10(水) 20:01:00.66 ID:IsWUZ22w0
【人気の無い郊外の公園に、まるで火影のように夜風に揺蕩う影が一つ】
【さりとて強い意志の込められたその漆黒の目は一瞬たりとも揺らぐことなく】
【――――世捨て人とも浮浪者とも付かないその青年はこの公園には似つかわしくなかった】

自分で口にするのも何だが…今日の俺は運が回って来ていたようだな……!!
あのバケモノが身に着けていた装飾品があれ程の値段で売れるとは……!!

【身に纏う雰囲気だけでなく、上下を灰色と茶色の耐寒服に身を包み、無数のベルトが付いた漆黒の分厚い耐寒ブーツ】
【左腰に細身のサーベル、右腕には異様な機械篭手という姿さえも公園に似つかわしくないこの青年】
【ただしその言動は――――死んだような目をしながらよく公園で寝泊りをしているそこらの失業者と大して変わらないらしい】

【黒髪の短髪に所謂アジア系の顔をしたこの青年――――ミストラルは誰から見ても分かるほど気分の良さそうな表情をしていた】
【この上機嫌の素となったのは先日の巨塔探索で手に入れた戦利品――――人呼んで暴食の装飾品】
【身に着ければ無限の食欲に苛まれる呪いが込められたそれを売るには随分と時間をかける事となった】
【――――だがどんな所にも酔狂な人間というものは居る物で、何に使うかは知れずとも途方も無い金額で其れを買っていったのだ】
【普段は結構クールを気取っている彼も買取主が一瞬救いの神に見えるほどの買取金額にはびびった!!】

しかし…!!忘れてはならないのは運の循環という奴だ……!!
例え今幸運に包まれているとしても何時かは不運が此方に廻ってくる……!!
だが覚悟してさえ居れば問題はない…!!切り抜けることが出来る……!!

【今から来る不運に備えるためか、青年はキョロキョロと周囲を見渡して警戒する】
【人生山あり谷ありとはよく言うものの、此処までの考えは少々異常かもしれない】
【――――とにもかくにも青年の言葉は独り言というにはあまりにも大きすぎた】
【その声は公園の外へと響き渡り、まだ見ぬ来訪者を呼び寄せることになるだろう】
【その者が運んでくるのは彼の言うとおり不運か――――それとも幸運か】
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/10(水) 20:03:27.40 ID:LlKzRmxw0
>>97

【じぃと彼に注いだ視線は、名を教えてもらえたならば満足したみたいに細められる】
【こっつんと靴底がひとつ鳴らして、垂れた髪の先がくるり弧を描いて】

ばいばい。ちゃんと休んでね

【ぼろぼろに歪んだ鉄扉の向こう側、真っ黒いシルエットは蕩けるみたい、紛れて消える】
【それで居てビルから出て行く気配もないなら、ビルの中にいつまでも居るわけでもない】

【まるで最初から居なかったみたい。それでも渡した分のお菓子がないなら、確かに居たのだけれど――】

/おつかれさまでした!
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/10(水) 20:37:34.73 ID:/iDIlYIgo
>>98

【今現在幸運に恵まれている青年の下に鼻歌交じりで歩み寄る少女が一人】
【その少女も余程気分が良いのか鼻歌にあわせながらスキップをしていた】

【前をよく見ていないらしく、少女は数回ほど地面に額をぶつけていた】
【だがそんな事も気にも留めず鼻歌とスキップを続けていた】
【もちろんその後も数回すっ転んでいるが、不思議と怪我は無い様で】

幸せですねー…幸せルンルン丸ですねー
幸せすぎて今すぐにでも点の彼方へ飛び去れそうですー

【酔っ払っているわけではないし薬を決めているわけでもない、只普通では無いだけだ】

オメデトウ オメデトウですー、目標達成ですー

【一通り独り言を終えると、青年の方に向かってスキップで向かって行く】
【自分の世界に入り浸っていたせいか、青年の事にはまだ気付いていないようだ】

今日はどんな不幸でも怖く―――――

【「怖くない」そう言おうとした瞬間に足を縺れさせ転んでしまった】
【しかも仕舞っていた小銭を地面にぶちまけてしまった】

…―――不幸には勝てないのね…

【地面に突っ伏しげんなりとした少女はそのまま動かなくなってしまった】
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/10(水) 20:48:54.03 ID:6seiG1rPo
【海岸】

【絶海の星雲が覆う天蓋に、青白く欠けた月が煌めいて】
【暗澹とした夜が口許に指先を当てるような、騒擾を封殺する静寂の坩堝】

【寄せては引く白波と、静寂色の白砂の境界線を辿る、背高な影】

…………誰かが「明けない朝は無い」と言うけれど、
ならば――必ず夜も来るのでしょう、ね

【それは、紅茶色の長髪が腰元に届く程に伸びた、一人の若い男であった】

【黒色のローブ、装飾としてのベルトが多い細身の黒下衣に、先が尖った踵の高い黒革靴】
【彼の両目は淀んだオリーブ色であり、奇妙な事に瞳孔の幅が揃っていない】

【――ばしゃり】
【蹴る水は冷たく、足跡を無慈悲に殺していく】
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/10(水) 20:52:05.93 ID:Uj3vLunIo
【何処かの街の外れの山の高台 或いは展望台】

【とある街から少し、車を走らせて、少し階段を登っていけばある高台】
【山か森かそんな所に作ってあるものだから街を見下ろせて景色はいい】
【とはいえ公園に併設された階段をえっちらおっちらと登ってった先にちょっとあるだけの場所】
【観光ポイントでも無いし、どうして作ったんだか存在も謎になる…ほどでもない程のもの】
【今は風変わりなやつが気まぐれで来るぐらいで、特に深夜じゃ誰もいない】

【街の明かりは煌めいているが、相対的に空の星は全くだ】
【時代の進歩からか夜の明かりも天と地で入れ替わってしまったんだろうか】
【夜空に濃淡であらわされた厚い雲の影を見ながら 風変わりはそこで煙草を吸っていた】

【足元にアタッシェケースを置き くわえ煙草の先が光る】
【古臭い黒いサングラス、細身のスーツ、よれたシャツ、黒いネクタイ】
【バイクできたんでアルコールは珍しく入っていない】

【右手にはリボルバ拳銃を持って、シリンダを手のひらでグルっと回す】
【ジキジキと回って、止まる 撃鉄を起こす】
【銃に刻まれた紋様が朱く淡く  こめかみに銃口をつける 引き金を………】

……何も怖くねえ、だから[ピーーー]ない

【力を込めてもセーフティがあるようにトリガは動かない】
【こめかみから離して、適当な空に向かって放つ】

【銃声が二発 誰もいない夜に響いた】
         
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/10(水) 20:55:18.66 ID:2UgJoly30
【風の国 ファミリーレストラン】

……………………うん

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】
【店の隅のテーブルに陣取り、静かに食事をとっている】
【――――先日から続く騒動のためか、このレストランにもどこか緊張した空気が漂っているのだが】
【青年は、そうした事を気にした風でもなく、静かにカップスープを傾けていた】

……夜の国と、この風の国は、随分物騒になったものだね…………
水の国は、一時期から見れば、落ち着いた方なのかもしれないけど……

【杖を膝の上に置き、パンを小さくちぎって口へと運ぶ青年】
【リラックスしている事を感じさせる表情のまま、のんびりと食事を楽しんでいるようだった】

…………まぁ、この国はまだ良い…………危険地帯に足を踏み入れなければ、ね…………

【そっと水の入ったグラスを手にして、喉へと流し込む】
【飄々としたその仕草は、どこか浮世離れしたものすら感じさせるだろう】
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage saga]:2013/04/10(水) 20:58:10.89 ID:IsWUZ22w0
>>100
【常に警戒していたためか青年は妙に機嫌の良さそうな少女の姿を先に見付ける】
【機嫌が良いのはお互い様だが、周囲が見えていない様子の少女を少々呆れ気味で見つめる青年】
【複数回地面に頭をぶつけてもまるで意に介さない少女の姿に彼は本気で薬を決めているのかと疑い始めた】

薬中のガキか……世も末だな……

【ある意味失礼とも思える勘違いをしばらく続けながら不運の使者ではないかと少女の監視を続ける】
【そして少女が派手に転んで動かなくなったのを見て彼の勘違いは加速することになる】

中毒症状だな……末期だったようだ……
だが安心するといい――――今日の俺は気分がいい
葬儀屋に頼んで何処かの共同墓地にでも骨を埋めてやるからな

【そう言って青年は倒れて動かなくなった少女に近づいて脈を測る】
【――――その前にぶちまけられた小銭を葬儀代の足しにするつもりか拾い集め始めた】
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/10(水) 21:06:46.11 ID:/iDIlYIgo
>>104

死んでませんよ、大丈夫ですー
こう見えて私って意外と頑丈ですから!

【ムクッと頭だけを上げて近づいてきた青年を見つめる】

死ぬ時はこう…お星様がキラキラーって降って来て…
スポットライトがピカピカーって

【そんなメルヘンなことを口にしてもう一度地面に顔を伏せる】
【一瞬、ほんの一時の事なのだが少女の周りには本当に星が降ってきた】
【しかも少女を中心にぼんやりと明るくなっている】

死ぬって言うのはこー言う事なんですよっ!
わかったらお金拾うの助けて下さい

【一芝居終えた少女は何事もなかったように地面にしゃがみ込んでお金を拾う】
【ハキハキお金を拾う姿からは先ほどのフワフワとした変な雰囲気は消え去っていた】

【そして星と光もまた夢の様に消え去っていた】
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/10(水) 21:08:42.59 ID:C0v3Elquo
【路地裏】

【深い闇と、陰鬱な空気に支配された空間。地面にはあちこちにゴミが散らばり、饐えた臭いが立ち込めている】
【冷たいコンクリートの壁に取り囲まれ、入り組んだ道は迷路のような様相を呈している】
【どこかから、悲鳴が響き、すぐに止む。重苦しい静寂】

【そんなドス黒い闇の中にたたずむ二人の男。迷い込んだわけではないことは、そのただならぬ雰囲気を見てもわかるだろう】

【一人は、身長2メートルを超えているであろう、大男だった。角張った顔つきに、短めに切り揃えられた黒髪と黒い瞳】
【薄汚れた灰色の作業着の上に黒いラバー地のエプロンを着用し、足には黒いゴム長靴を履いている】

【もう片方は、くすんだ鉛色の瞳の男だ。彫りの深い顔立ちに、瞳と同じ色の髪をオールバックにしている】
【カーキ色のジャケットの上に、ポケットがいくつも着いた黒のベストを着用し、迷彩柄のズボンと、黒く厚い軍用ブーツを履いている】
【両耳と口元には、銀色のピアスがそれぞれ付けられており、にやついた口元から覗かせる舌の外周にも、びっしりとピアスが並んでいる】
【路地裏に差し込むわずかな光を反射してくすんだ光を放つピアス群は、大男にも劣らぬ異様さを醸し出す】


【大男は路地裏を囲うコンクリートの壁の一つによりかかり、時折、油断なく周囲を見まわしつつ、眼前に立つピアス男と会話していた】
【ふと言葉を切る。密談は終わったらしい。少し間をおいて、大男が暗い瞳をピアス男に向け、再び言葉を発する】

……そういうわけだ、スカーベッジ。しばらくは、我々に協力してもらおう

「ええ、ええ、もちろんでさあ旦那。他ならぬ旦那の頼みだ、断るわけにゃあいきやせんよぉ」
「それに、泥の街での商売も、そろそろやりづらくなってきたとこでしてね。天下のカノッサが面倒みてくれるってんなら、願ったりでさ」

あまりあてにされすぎても困るがな。機関員といっても、私は単に下っ端に過ぎん、ということは忘れるなよ
……デュアルたちも、もうしばらくは派手な動きは出来そうにない。次に事を起こすときは、お前たちの力を借りることになるだろう

「合点でさ。さっそく泥の街のアジトを畳んで、うちのクズ鉄どもを連れて来ますぜ」


【交差する言葉は、不穏な空気を孕んで路地裏の闇に響く】
【誰かがここに踏み込んでくることがあれば、彼らの姿と言葉は、どう捉えられるのだろうか】
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage saga]:2013/04/10(水) 21:23:44.42 ID:IsWUZ22w0
>>105
うおッ!!……急に起き上がるんじゃない
完全に死んだかと思っていたから流石に驚いたぞ……

【急に起き上がった少女に驚いた青年はバッ!と少女から飛びのく】
【少々早計だったとはいえ突然倒れて動かなくなった者が急に動けば誰だって驚く】

お星様がキラキラ……ね
そんなメルヘンな物じゃないと思うがな、人の死ぬときってのは……

【少女の能天気というか馬鹿っぽいというか――――兎に角不思議な性格に青年は少したじろいだ】
【そして少女がキラキラーなどと口にした瞬間に彼女の周囲に星が瞬いたような気がした青年】
【一瞬薬物が少女から漏れ出して具現化したのか?などと突拍子も無いことを考えたが】
【――――なんということは無い、ただの能力だろう】

そうそう、お前の金ならここにあるぞ……殆どは集めておいたからな
――――念のために聞いておくが薬物はやってないよな?

【そう言って少女に小銭を差し出し、同時にさっきから気になっていたことを質問する】
【別に冗談というわけではない、本気で訊いているのだと青年の真剣な表情は物語っていた】
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/10(水) 21:31:06.87 ID:aL+5Unp2o
>>106

【路地裏から滲み出る雰囲気は淀み切った汚泥のよう】
【あふれだすその異様としか呼べない風とそれを纏う人の姿は】
【異端と呼ぶべきもので、また同時に強い力を感じさせたから】

【蜜に呼ばれる蜂が酔った、美しい羽をその紋様ごと響かせながら】
【夜に溶ける鱗粉の、風に透けた月光の僅かな一片と】
【その先に映る果てのない万華鏡の中の一瞬が切り取られたなら】

【月光を背に浴びる小さな人影が、その華奢な首筋を震わせた】


……ねぇ……おじさん……たち……
カノッサって……言った……の


【辿々しい音律が響いた耳元に届くであろう音は小さな鈴のような音】
【耳の中で涼しく揺れるようなソプラノの音、声が華奢な形を創りだしたなら】
【そちらへと向く少女の姿を捉えられるだろう】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女が路地裏の入り口から顔を出す】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【両手で握るのは大きな大きなバイオリンケース、両手を伸ばしてふらふらと揺れた】
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/10(水) 21:32:23.18 ID:av1T3Prbo
>>101

【サク、という砂を踏む軽快な音が聞こえてくる。それは足音に違いなく、また男性のものであり】
【彼の特徴的な点は、190cm以上はあろうかという身長と、左紫右金のオッドアイ】
【服装はスラックスに黒のロングコート。腰元には大仰な剣とも刀とも付かない物を引っさげて】

……おいアンタ、そんなトコに居ると折角の革靴がダメになるだろ
まさか、この寒いのに海水浴ってわけでもないんだろうし―――。

【その気楽とも孤独とも付かない、静かな佇まいからすると息抜きにでも来たのだろうか】
【他に人も見当たらない中で―――特に意を含むでもなく、若い彼へと声をかける。】

/まだいらっしゃいますでしょーかっ!
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/10(水) 21:37:07.95 ID:/iDIlYIgo
>>107

死んでませんよー!だって私は元気なんですもん
人をゾンビ扱いしないでください、こう見えても純情な学生なんですから

【自称純情な学生の少女は自分が死んだと思われていた事に少し怒りを感じていた】
【同様に青年が自分に驚いたという事にも少し怒っている】

そりゃあ現実で人が死ぬ時はブチンってなってビッチャビチャになっちゃいます
けど、ここはそんな世界じゃないんですよー?もっとちゃんと現実見てくださいねー
死ぬ時はもっともっと素敵でキラキラしてるんですよ

【現実を見れていないのはどちらの方かは一目瞭然】
【悪ふざけでやっているわけでは無さそうだ、現に少女は自分の死のイメージを揚々と語っている】

あ…ありがとうございます貴方はとっても良い人なんですね、私とってもとっても尊敬です

薬物?酷いです!純情学生をそんな風に疑うなんて……
私のどこがそんな非行少女に見えるんですかぁっ

【顔を両手で覆って大袈裟に悲しんで見せる少女、声が大きいのはワザとなのだろうか】
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/10(水) 21:45:19.46 ID:15sD+kUFo
>>103

「久住?家(住めば都)」……って、言うじゃない?

【白く曇ったグラスが、テーブルの上を滑る様にそっと置かれ、氷のかち合う音が鳴って遅れてその存在を示す】
【水滴を指紋の上に乗せた指は細い、マニキュアの塗られた女の手だ】

本当、いい国ね。多少のカネを払えばそれなりの物が食えるんだもの
そりゃああの首都に出向けたら、もっとサービスが良い場所もあるんでしょうけれど。勿体ないわね

【当たり前のように相手の正面のソファへ身を滑らせ、足を組んで座りこむ】
【それからようやくして、思い出したように取ってつけたように「相席いいかしら」などと言葉を向けた】

【黒曜のように深く黒く煌めくおかっぱに、濃い翡翠色のやや吊った丸く大きな瞳】
【やや印象の薄いすっきりとした面に目立つ、紫のルージュとほんのり色づいた水蜜桃の頬】
【地の黒の気品を損ねない程度に白と緑のちりばめられたチャイナドレスを大きな胸が押し上げ】
【対照的に引き締まった細腰と伸びる両脚を引きたてている】

遠くから目を向けた程度だけれど、まるで人外魔境だったわ
九龍城砦より酷い……なんて、地名で言っても分からないのよね、こっちは

【相手がどことも知れぬ遠い世界、もしくはそれに似た世界を知っていたならば】
【服装、言語、単語。いくつかを拾って、それがどんな場所を指すか分かったかもしれないが……それも、重要ではない】
【相手ならば気付くだろうか、女が現れてから店内の空気は殊更に張り詰め】
【数人の視線が、相手と女とをじっと見据えている――しかし、明確な敵意では無い】
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/10(水) 21:47:53.92 ID:6seiG1rPo
>>109

…………シェン・ロンド

【唐突に読んだ名が当たっているのならば、恐らくは何時かの放送でも見ていたのか】
【けれど、其処にあるのは驚愕や羨望からは剥離していた】

【真っ直線に相手を見据えるのは、酷く歪で禍々しい視線】
【――距離があるのなら、其処に潜む呪詛は幾分か効果も薄いだろうか】

【もし、その視線を合わせたならば】
【相手を唐突に襲う呪術は、人により暗闇であったり束縛であったり、】
【何にせよ良からぬものであるのは確かであるのだが――難しくとも、事前の推察は可能である】


【(記憶という点では、最早死んでいるに等しい脳髄)】
【(正しく巡ること自体が気味悪いとさえ言えるのに、)】
【(その毀れた回路が辛うじて繋がった理由は――愛しさなのか)】

/此方に、よろしくお願いしますー!
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage saga]:2013/04/10(水) 21:49:29.42 ID:IsWUZ22w0
>>110
確かにお前の言うとおり極めて純粋な……赤子のようにと形容しても良いほどの純情学生であることは認めてもいい
別にお前のことは非行少女だなんて思ってはいないさ……ただちょっと頭の螺子が10本ぐらい抜けていると思っただけだ

【青年は少女を傷つけないようにと思ったか、かなりオブラートに包んでおいたがそれでも酷い言葉】
【馬鹿にしているを通り越して憐れみの領域に片足を突っ込んでいるといっても良いかもしれない】
【それの証拠に青年の顔は先ほどからずっと呆れたままだ】

それで……俺は今さっきまで臨時収入の御蔭で機嫌が良かったわけだが……
お前は何故そこまで機嫌がよかったんだ?逆に気になってきた……

【誰しも他人が嬉しそうな表情で歩いていたらその理由を少しは知りたくなるだろう】
【それに加えて最早一種のトランス状態か何かのような状態であった少女の姿はより一層興味をそそる物だろう】
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/10(水) 21:55:27.61 ID:C0v3Elquo
>>108
【月明かりに映し出されるその姿は、この泥沼のごとく淀みきった空間においてはそぐわないものに思えた】
【儚くも美しく、どこか力強さも見え隠れするような。そんな気配が、彼女の眼前に立つ二人の男の放つ醜悪な気配とのコントラストを描き出す】

【鈴の音のごときソプラノの音声に反応し、素早く二人がそちらに向き直る】
【灰色と黒の瞳が二つずつ、路地裏の入り口から現れたその少女の姿をとらえた】

……ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ
第二回の水の国での大会の準優勝者にして、"UNITED TRIGGER"の構成員
あの大会は、拝見していた。その華奢な成りで、見事なものだったな

「こりゃあまた、ずいぶんなビッグネームに行き会ったもんですなぁ……」


【一瞬、驚きを見せるが、すぐにいつもの調子を取り戻す。同時に、双方ともゆっくりと狭い路地裏の空間に展開し、警戒心をあらわにする】
【しかし、いきなり仕掛けてくるような様子は、二人とも見せなかった】

……お察しの通り、カノッサの関係者ではあるが……だとしたら、どうするつもりかね?
私は単に下っ端にすぎない。この男に至っては、私が個人的に繋がりを持っているだけの者で、カノッサとは無関係だ
重要な情報を持ち合わせているわけでもないし、今から何か悪事を働くつもりでもない

出来れば、黙って見逃してもらいたいものだがな

【淀みなく話しつつ、大男は無遠慮な視線を眼前の彼女へ送り、その姿を観察している。値踏みするかのように】
【ピアス男のほうも、ただ彼女を見るばかりではあったが、口元のにやついた笑みは消え、路地裏の住人としてのおぞましい空気を放っている】
【路地裏の奥まった場所にいた二人と彼女の距離は、まだ多少離れているだろうか】
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県)[sage]:2013/04/10(水) 21:57:40.30 ID:xRmHJp/Lo
【どんな場所でも、昼と夜ではガラリと姿を変える物で、それが山と成れば、それもより一層顕著な物となる。】
【そして姿ばかりではなく。危険な生物や出来事もまた、大抵のものは夜行性であるもので。】

【一人の男が、一匹の野生動物と睨み合っていた。】
【着込んだフライトジャケットの背中には、混沌の使者の証たる逆五芒星、そしてその中央には『XCIX』と刻まれていた。】
【腰元には三尺二寸程にもなる、人を斬り[ピーーー]には少々大袈裟な刃が携えられ】
【右足首から先は足には繋がれずに、代用品として木製の、棒状の大雑把な義足に置き換えられている。】
【手入れを怠っているのであろう、乱れた黒髪の堀の浅い顔は、『櫻』の人間らしい堀の浅い顔立ち。】
【ただ、その顔の最たる特徴は死んだように、頑なに上方を睨み続けている右の瞳。】
【左の瞳が、活き活きと暴力的な輝きを放っていることが、右の瞳の異形の様相をより強調させていた。】

【その男が一歩動くたびに、その背後にチラリチラリと火花が踊る。】
【"力"に明るい物ならば感じ取れるであろう、"創炎の宝玉の欠片"。 永久凍土をも融解させる、その強大な魔翌力の片鱗を。】

【混沌の番号を背負う男は、非常に不機嫌そうな顔で、その野生動物と睨み合っていた。】
【四つん這いでありながら、男の身長を優に越える巨躯。鋭い爪と全身を包む体毛。】

【哺乳綱ネコ目クマ科、危険動物としても非常に有名な生き物――――――――熊である。】


  何だぁこの野郎、やんのかテメェは、あぁ?


【この熊が雄か雌かは別として、其の男はその言葉の通じない哺乳類に向けて、俗に言えば、キレていた。】
【大して熊はその姿に、何か感じる物があるのだろう、威嚇の吠え声を上げるのみで其処から動こうとはしない。】


  ―――――何とか言えっちゅーとるだらぁがぁぁ!!!!!!!!


【それにシビれを切らした男は、腰元の斬馬刀を引き抜いて、一歩大きく、前へ踏み出した。】
【その身のこなしには手馴れた物があるが、そんな物がどうでもよくなる程に、派手な物があった。】
【足下、無い筈の右足を踏み出していた。正確には、義足に補われた右足が――――火炎に包まれているのだ。】
【それは右足の形を成し、其処を焦がしつつも、確かに腐葉土を踏み締めて、男の力の伝達を手伝っていた。】
【そして其の刹那、斬馬刀が熊の頭部へと振り下ろされ――――――その軌跡をなぞるように、またも炎が燃え盛っていた。】
【それに、熊は怯んだ。野生動物故の本能から、また、本能によってその頭を真っ二つに裂かれる結果となる。】
【後に残るのは熊の焼けた臭い。その死体を見下ろして、一言、こういった。】


  よし、今日は熊鍋やっか。


【斬馬刀を腰に納めて、そう言った。】
【この夜闇、先に発生した火炎は非常に目立つだろう。森の中とはいえ彼を見つける事は、ある程度容易いだろう。】
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/10(水) 22:02:07.35 ID:2UgJoly30
>>111

…………む?

【水を飲んでいた青年は、不意に側に聞こえてきた声、そして正面に陣取る人影に、訝しげに表情を歪める】
【コト、とグラスを置き、顔を上げてその相手の姿を確認した】

――――なぜ、手前に相席を……?
確かに、手前は1人で、別に相席を拒むつもりは無いけど……座席なら、まだ空いてるんじゃないか……?

【眼前の相手――――女性に、青年は拒む様子こそ見せなかったものの『何故』と問うた】
【こんな隅で食事をしている、多少服装が目立つ程度の人間に、わざわざこうして声を掛けるまでも無かったのではないか、と】

…………住めば都、か…………だけど、噂に聞く限りじゃ、彼の地は随分と物騒な事になってるらしいね……
『君子危うきに近寄らず』……とでも言うのかな……?
――――異世界への門と言うのが、しかもアレだけの大きな規模で開く事になるなんて…………思ってもみなかった…………
…………その城砦が、どういうものかは分からないけど…………

【相手の女性の言葉を捕まえて反芻しながら、再びカップスープへと手を伸ばし、それをゆっくりと味わいながら、青年も会話を向けてみる】
【命の危険すらまき散らされている、そんな地に大した理由もなく、進んで足を踏み入れる必要は無いと】
【――――魔術師然とした姿をしているが、事なかれ主義とも取れる言葉だった】
【女性の発した地名に関しては、やはりこの青年は思い当たるところが無かったのだが――――】

(…………この近辺の、顔役か何かか…………?
……なんだか、物騒な人物に目をつけられてしまったかな……?)

【海千山千を気取った、そんな言葉を口にする一方で、青年は店内の雰囲気の変化を、敏感に感じ取っていた】
【原因があるとすれば、眼前の女性以外に考えられないだろう。そして、その女性に対してこうした空気が醸造されていると言う事は】
【それなりに、名前の通った人物である可能性が高いと、青年は判断した】
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/10(水) 22:02:17.10 ID:av1T3Prbo
>>112

(……見たところ、機関員らしくもないが。知り合い……には居ない、か)
(とすると以前の放送なり、議員の時に顔を覚えられ、て――――!?)

【恐らく、相手が誰か≠理解しきれていないのだろう。だから、警戒は薄かった】
【まして両目を合わせることなど、本来は警戒していても行うような動作――故に、呪術は発動した】
【直後。確かにシェン・ロンドである彼は、左手で大刀を抑え、右手でその柄を握って】
【振り向きざまに自身の背後へ≠ニ居合を放っていた。動作には、一点の曇りも見当たらない】

な……、…………っ!どういうことかは知らないが、瞳術って奴かい――!

【無論、刃が切り裂くのは何もない空間。或いは、幻覚に近い――気配でも、感じ取ったのか】
【なんにせよ今、彼は右手に大きな刀剣を持ってこそいるが、男へは背を向けた状態に違いなく】
【多少の距離はあるにせよ、これほど明確に『隙だ』と言い表せる状況というのもそうそう無かった。】

/やった!よろしくお願いいたしますです〜
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/10(水) 22:03:27.06 ID:ov6cBNTz0
【櫻の国。櫻の名所と呼ばれていた其処も今は人間達の悲鳴で彩られていて】
【逃げ惑う人々、追う妖怪。宛ら百鬼夜行か何かを表したかのようなのだが……】
【不思議と、辺りには死骸等か転がっておらず】


「みんな、殺しちゃ駄目だよ?
そりゃ、拙(ぼく)達はこの場所も奪われたけどさ
だからって、殺さなくても取り返すことは出来るんだから、ね」

【櫻の木の下、酒を呷るのはまだ少年の姿をした妖怪】
【山伏の纏う其れ、腰には天狗の面を提げて、反対側には刀が一振り】
【この村の中でも一際目立つ存在ではあるが――――何よりも、その妖気の大きさが嫌でも感じ取れて仕舞うであろう】
【背中に生やすのは漆黒の翼。所謂、烏天狗と呼ばれる妖怪】


「フフフ、長い間に拙達の怖さも忘れてたみたいだし、人間達には丁度良い機会じゃ無いかな?
あー、ほら。村長さんももっと速く逃げなきゃ怪我しちゃいますよ?」

【胡座を搔いて、その膝の上に頬杖を突いて】
【きっとその騒動を作り出した本人なのであろう。性別を明かさなければ少女とも間違われそうな、少年】
【陰陽師は疎か、武士も用心棒すらも居ないこの村で自分たちの居場所を取り返すのは簡単な事】
【極力怪我人を出さないようにしてはいるけれど――――何しろ妖怪。理解無いならば、端から見れば虐殺にも思えてしまうような光景】
【さて――――イレギュラーとなる存在は現れるのだろうか】





【寂れた教会――――人が訪れる事の無さそうな外装であっても、中からはよく澄んだ詠唱の紡ぎが聞こえて】
【静寂に包まれるこの一体に流れるそのアリアは何処か神聖的な物とも聞こえるだろうか】
【――――もし、辺りを通りかかった者が居るならば其れはきっと興味を惹くような物で】


「――――――」

【古い扉を開けたならば、銀の髪を持つ修道女が未だ詠唱を続けていて】
【訪問者の存在に気付いたのは、それから少し後の事――――或いは、声を掛けられたその瞬間】
【紡ぐ声を止めれば、銀の双眸が向けられる事か】


「すみません、少し気が緩んでいた様です
それで……ええっと……」

【月は、修道女から見れば丁度扉の位置。目を細めれば、相手の姿を認識出来ずに】
【――――どなたでしょうか?そんな言葉の代わりに、小首を傾げて】
【何かご用でしょうか――――なんて言葉が紡がれるのだろう】
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/10(水) 22:04:29.79 ID:/iDIlYIgo
>>113
そんな…赤子だなんてそれはちょっと言いすぎですよー、いちおー大人な部分もあるんですからね
頭のネジ…?ボルトがぶっ飛んでるとかはよく言われますけど…私は人間なのです、ネジもボルトもありません!

へんな事ばかり言って…そっちこそお薬キメちゃってるんじゃないですかぁ?

【そんな事を言いつつも一通り自分の頭を撫で回してネジがあるかを確認する】
【もちろんそんな物は見つかるはずは無かったが】

ん?私がハッピーでラッキーだった理由ですか?

【自分の事を聞かれて少し意表を突かれたらしい少女は少しだけ言葉に詰まってしまう】
【少女はそれを誤魔化すために呆けた笑みで場を茶化そうとしていた】

それはですね…私の目標達成にまた一歩近づいたからですよぉ
目標に一歩一歩近づくたびに私はハッピーでラッキーなんです

【少女が幸せな理由、それは自分の目標達成に一歩近づけたから、それだけだ】


120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/10(水) 22:05:40.90 ID:aL+5Unp2o
>>114

【月光が2つの輪郭を照らしだす、夜から切り取られるその大きな身体】
【彩られた姿を見て、彼女は思わず息を飲んだ、細い白百合のような首が絞められる】
【醜悪な気配は異様さを強くし、あるいはまたその深淵の深さを思わせる】


……ソニアの名前……よく、知ってる……ね
でもね、ソニアは……おじさん達の名前、知らない、の
……そういうの、少し……やだな


【両手で握るバイオリンケースが揺れた、まっすぐに見つめるマリンブルーが強い意志を持つ】
【長くつややかな睫毛が瞳に重なったなら影と光の陰影がその瞳の輪郭を薄くなぞり上げる】
【純白の素肌に描かれた瞳は、大きく丸く、それでいてどこか落ち着きを持った幼い色】

【水に濡れた絵の具のよう、筆洗に溶けたなら、あとはもういろいろな色が滲んでいくだけで】
【原色には作れない一秒ごとに姿を変えるプリズムのような光の強さを含みながら】
【そして最後に綴る魔法のような瞳の形】


ソニアも……戦うつもりない人、戦う気……ないよ
でもね……少しだけ……聞きたいこと、と……お願い、ある……の……

―――――知ってる……ベイゼ、って……人


【辿々しい言葉は、少し欠落を見せて、意味を辿るのに困難を覚えるかもしれない】
【それでも一生懸命に綴った意味合いは、なんとか理解できるのだろうか】
【まっすぐに見つめ返す瞳が、華奢な彼女の身体を彩る】

【それでも、どこか無遠慮な大男の視線に、思わず肩を窄めて、じりっとわずかに退いた】
【それは萎縮する少女の姿そのままで、ある種小動物のようでもあって】
【蹂躙される儚い彼女の意味合いをただはっきりと伝えるのだろうか】

【―――見下されるのはやはり、怖いようであったから】
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/10(水) 22:07:07.33 ID:15sD+kUFo
/test
/流氓
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/10(水) 22:07:15.84 ID:AELSAvdA0
【忙しいとでも言うかのように皆が速足で行きかう街中】
【皆が動いている中、一人座り込んで行きかう人々を見つめている少女】
【水色のワンピースを纏い、流れるような長い髪、澄んだ瞳・・・例えるなら小川のせせらぎ、そんな印象】
【目まぐるしい人々の動きに反するかのように、彼女の周りだけ時間がゆっくり流れているような、不思議な雰囲気を醸している】

あの人は赤いコートかな?あの人はチェックのシャツが似合いそう・・・
・・・みんなどうして同じような暗い色の服ばかり着て、面白くなさそうな顔をしてるんだろう・・・

【目の前を通る人を観察しては、その人の顔立ちや背丈、雰囲気を踏まえてどんな服が似合うか一人で考えているらしい】
【暇つぶしでこんな事をよくやっているのだ もちろん意味はない】
【そして、そのたびにいちいち感想を口に出す あの人はこうだ、あのひとはああだ、と】

・・・かわいい服とか、お洒落とか、興味ないのかなぁ・・・
思わず笑って外を歩けるような、そんなお洒落な服・・・

【何をするわけでもなく、ただちょこんと座りながら観察してるだけ】
【変な子、と思われているかも・・・とか全然他人の目は気にしてないらしい】
【忙しそうな周囲とただ座っている彼女・・・そのコントラストを気に止める人は果たしているだろうか】
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/10(水) 22:14:37.93 ID:6seiG1rPo
>>117

【彼我の距離は幾らかあった。だが、男はただ一歩だけをそちらに踏み出す】
【――刹那、前方の空間が黄緑の燐光に割かれてその姿は一瞬消え】

【次に現れるのは、数十メートルの距離をショートカットした先、シェンの背一歩手前だった】

…………黒髪の、オッドアイの、“卵”の、鈴の、可愛らしい私の娘
知らない等とは言わせるものか――私の許可無くあの子に触れた何処ぞの馬の骨ッっ!!

【とん、】
【紫色に彩られた掌が、軽く彼の背を押すように見えたのだが】
【其処に加重されるは比類無き“斥力”――見た目の何乗にも登る衝撃が、相手を襲うだろう】
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage saga]:2013/04/10(水) 22:21:06.69 ID:IsWUZ22w0
>>119
薬?馬鹿言うんじゃない、薬物は勿論酒も煙草もやってないさ……

【青年にとっては馬鹿の戯言であるとは言え、とりあえず否定しておかなければ気が済まない】
【馬鹿に馬鹿にされるというのは人間として少しいらつかざるを得ないだろう】

で、目標達成……ね
それは例えばこの世界をメルヘンでキラキラしたものにしたいだとか?
だったら俺が保障しよう――――もうとっくの昔に達成出来ている
自分を変えれば世界が変わるとはよく言ったものだ……

【自称ハッピーでラッキーな少女に少々の皮肉を込めた賛美を送る】
【既に少女からまともな返事が返ってくることを期待してはいない】
【青年はここに来て漸く少女が不運の使者なのではないかと確信し始めた】

まあどういう目的であっても達成に向かっていくのが幸せだというのは分かる……
俺は俺で大金が目標達成に近づく鍵になるから喜んでいる訳だからな……

【――――だが同時に青年は自分の目的というものを再確認する】
【思うに目的の価値は当人にとっては貴賎など存在しないのだ】
【先ほどから呆れ顔だった青年も少し考え込むかのような表情を見せた】
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/10(水) 22:22:06.35 ID:15sD+kUFo
>>116

だって、貴方が一番肝の据わった顔をしていたのだもの
他はね、みんな今にも逃げ出したそうな表情なのに気付いたかしら。あの霧がいつこの国全体を覆うのか、怯えてるのよ

【声をひそめるように口元に指先を当てながらも、実際に声のボリュームが抑えられる事は無い】
【盛況とは言えぬのだろう店内は、時間柄勤め人も多いのか皆一様に表情は浮かなく】
【連日の報道、またはあの塔の探索戦の一般乗組員の口から口へと伝わって、その惨劇を理解している事が見て取れる】
【あやふやな内部の噂と確かな恐怖、長らくの沈黙。いずれもが住民の精神を削り、疲弊しているのだ】
【根付き離れられぬ彼らに比べれば、相手の顔が有る程度平静を保って見えるのは普通だったのかもしれない】

へえ、よく知っているのね? それとも風の国に住んでいたら大体みんな知らされているのかしら
……首都には私の友人が居てね。引っ越ししたばかりだったのに、落ち着く前にあんな事になってしまったわ
ねえ、貴方一体あそこで何が起こっているのか知らない?

【とぼけているのか本当か、相手の言葉は女の知り得る情報より上を行っていたのかもしれない】
【さりげなくはあるものの、そっと現在の、そして事件当時の首都についての情報をそっと尋ねた】

【視線のうち、少数はおそらく彼女の直々の部下のものであろうが】
【女が奇異の、あるいは畏怖の目を向けられているのは、地位など知られてなくても納得のいく理由がある】
【僅かに時間をおいてではあるものの、女の前後に入店した客は明らかに穏当な人種では無かった】
【監視役も女も流氓――すなわち、カタギではない存在であると、単に店内の多くの人間が推測しただけの事だ】
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/10(水) 22:28:10.63 ID:av1T3Prbo
>>123

【触れられた背にかかるその重み。最初の数瞬ばかりは粘ったが、抗いきれず】
【弾かれるように前方へと飛ばされ、転がれば――細かな砂が全身にまとわりつく】
【髪にも、服にも、頬にも。立ち上がりつつそれを拭えば、左目の紫が輝きを増し】

成る程……アイツにも親≠ェ居るとは驚きだ。が、躾がなってないんじゃないか
俺はこう伝えたはずだ、『あくまで謝る気も許してもらおうとも思っていない』……と、ね。
連絡事項は親御さんにも伝えるように、と言い含めておくべきだったか?

……どちらにせよ。俺は機関員として行動したことを、自らの意志で否定しようとは思わない
それだけは改めて伝えておこうかお父さん=\――後は、[ピーーー]気で来い

【『俺もそうする』―――紫色の炎が、蛇か竜のように渦を巻いてシェンの周囲に出現する】
【呼応するように輝く瞳。直後、その焔は喰らいつくように真っ直ぐと、男目掛けて飛んでいく】
【触れれば焼けるというのは言うまでもないか。それを見送りながら、右手に持った大刀の柄を強く握りしめて―――。】
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/10(水) 22:29:55.78 ID:C0v3Elquo
>>120
【自分たちの姿に息をのむ、まだ年端も行かぬ白百合のごとき少女。そんな存在を前にしているとは思えぬ警戒の姿勢】
【そのマリンブルーの瞳が秘める強い意志を、どうして侮ることが出来ようか。大会での成績も去ることながら】
【実際に前にしてひしひしと感じる、強者の気配。単に戦闘能力だけの話ではない、“強さ”】

大会での活躍のみならず、機関相手にずいぶんなご活躍のようだからな。その名は、お前が思う以上に売れているということだ
……カノッサ機関一般構成員の、カニバディールという

「あたくしぁ、卑しいゴミ漁りのスカーベッジ・トラーシュってもんです」

【少女の言葉を受けて、二人が名乗る。彼らもまた、その相手の眼をまっすぐに見つめ返して】
【強く、あるいは幼く。くるくると変遷していく彼女の瞳。それに対し、どこまでも暗く濁りきった、二人の瞳】

それはありがたい……が、お願いだと?

「妙なことをおっしゃる。敵対している組織の人間に対して、何の頼みがあるってんですかい?」

【辿々しくも、はっきりとした意志のもとにつむがれた言葉は、はっきりと彼らの耳に届いた】
【しかし、その内容に揃って怪訝な表情をする。現在、最有力と言ってもいい敵対組織、"UNITED TRIGGER"】
【その中でもエース級ともいうべき存在が、末端とはいえ、仮にもカノッサ機関の人間である自分に頼みごととは……】

【小動物のように怯えを見せる彼女を認識しても、そのおぞましい視線は色合いを変えることはなく】
【儚い少女に対して向ける類のものではない。大男・カニバディールの人格の一端を示すかのような行動だ】
【やがて、その視線を少女の瞳に固定しなおすと、重々しく口を開く】


……知っているとも。No.3ベイゼ・べケンプフェン。機関内では、知らぬほうがおかしいと言ってもいいくらいだ
言葉は交わさなかったが、一度顔を合わせたこともある

しかし、今はお前たち"UNITED TRIGGER"に捕われている身だろう? 彼女の現状については、むしろそちらのほうが詳しいのではないのかね?

【ますます、怪訝そうにそう問いかける。No.3ベイゼ・べケンプフェンが、美術館襲撃の際に"UNITED TRIGGER"捕えられた、という情報が入ってきたのは、ずいぶん前の話だ】
【それだけ、長期にわたって"UNITED TRIGGER"に身を置いているということになる。ならば、彼女について聞くことなど、何があるのか。カニバディールの頭に疑問符が踊る】

【ピアス男・スカーベッジはそれ以上口を出そうとはしない。状況の推移を見守るつもりのようだ】
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/10(水) 22:33:36.53 ID:/iDIlYIgo
>>124

お酒もタバコもしてないんですか、んー…それは少し意外です
でもタバコは百害あって一利なし…って誰かが言ってたからそれは良い事だと思いますね

【口では少しなんて言っているが内心は大分意外だったらしく、目が通常の二倍サイズになっている】
【目は口ほどにものを言うなんてのはこういう時に使うのだろう】

はぁ…こんな世界きらきらのふわふわにした所で…目が覚めたらすぐに消えちゃいますし
それよりもこの世界でしか出来ない事をするんですよー
例えばこういう風に大胆になってみたりー…皆みたいに不思議な力を使ってみたりー

本当に夢を見てるって素晴らしい事なんですね

【男の皮肉に対して少女が紡ぐ言葉はこれまた不思議な物】
【ネジがぶっ飛んでいるのも不思議な力が使えるのもこの世界だからと豪語する】
【もちろん少女は異世界人なんかじゃない、列記としたこの世界の生まれである】
【そして少女が最後に口にする言葉と共に見せる表情はどこか諦観したようなもので】

そうですそうです、幸せをエンジョイジョイなんですよー
お金?あ…わかりましたよ!もしかしてお兄さん王子様になりたいんですか?

【ハッとした表情を浮かべ少女は指先を軽く振ってみせる】
【漫画でよく見るようなエフェクトと共に少女の背後に現れた物、それは凜と聳え立った立派で巨大な城】

こーんなお城に住みたいんですか?あ…それともそれとも和風のお城ですか?

【ネジのぶっ飛んだ少女が行った行動はこれまたネジのぶっ飛んだ行動】
【考えるより見たほうが早い、何を勘違いしたのか少女はお城を建てて見せたのだ】
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/10(水) 22:36:39.91 ID:2UgJoly30
>>125

……それは買い被り過ぎと言うものだよ……手前は、ただ固執しないだけだ…………
…………彼等は、逃げ出したくても逃げ出せないんじゃない……「逃げ出したい」のと「逃げたくない」のとで、板挟みになってるだけ…………
財も、故郷も…………捨てたくないと思ってるから、勝手にそれを『枷』と考えているだけだよ……それに囚われなければ、いくらでも逃げられるのに……

【なんて事はない、つまらなそうな表情で、沈んだ表情の他の客たちを見回しながら、青年は答える】
【元々、旅から旅の青年は、この土地に固執する理由は無い。だからこそ、風の国の現状は『避ければそれで済む話』なのだ】
【しかし、そこに生活している人間にとってはそうもいかない。彼らには守るべき家が、財産が、そして家族があるのだ】
【それらを持っていないからこそ、青年はそれらに心を囚われない。だからこそ滑稽だと言うのだ】

いや…………手前も、詳しい事を知っている訳ではないよ…………だけど、『人の口に戸は立てられぬ』…………少しは、漏れてくる事もある…………
「それを見た」人間と、繋がりがある訳でもないし、手前自身があの地に踏み込んだ訳でもない…………
ただ、人ならざる多くのモノが跋扈して、奇怪な塔が出現した事……それぐらいしか、知らない…………
それが『異世界への門』だと言うのは……もしかしたら噂に尾ひれがついたものかもしれないね…………

【その情報は、青年自身も他人に語れるほど詳細なものを持っている訳ではない】
【ただ「少し具体的な噂を耳にした」程度でしかない】
【何が起こっているのか――――その詳細を聞かれても、青年は困るのである】
【青年自身の、この事件に対するスタンスは――――最初も口にした通り『君子危うきに近寄らず』なのだから】

――――だけど、後手に回る前に何かをしなきゃならないのは…………本当かもしれない
アレが本当に滅びをもたらす存在なら…………この世界に生きてる人間にとって、決して『対岸の火事』では済まない…………
被害の範囲が、この国にだけ収まるなんて保証、どこにもないんだから…………

【それでも青年自身、懸念がない訳ではなかった】
【一国の問題で終わるなら、それでも構わないのかもしれないが、事がそれ以上に大きくなれば、無視出来る事ではない】
【事態が収束可能な内に、収拾をつけてしまうに越した事は無いのだ】

(……………………まぁ、気にはすまい…………これこそ、何かが起こった後ででも、十分さ…………)

【店内の雰囲気を検分して、青年はただ沈黙する】
【もめ事などが起きたら、その時はその時であると、溜飲を下げて。もろともに飲み込むように、グラスの水を飲み干す】
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/10(水) 22:42:23.77 ID:aL+5Unp2o
>>127

【貴方が彼女のことを強者≠ニ評価するのであれば、おそらくはそれは過大評価であろう】
【凛と視線を向ける真っ直ぐなマリンブルー、けれどもその奥は、今でも泣き出しそうな子猫の色合いであるのだから】
【大会での彼女の勝利は、彼女を知れば知るほどに、彼女の実力によるものだけではない、とわかるはずだから】

【虚飾の仮面を外せば、その奥の素顔は、小さな毛布に包まった可憐な花でしかなくて】
【僅かな言葉も僅かな音も、その華奢な色合いを歪めるには強すぎたのだから】


……あんまり嬉しくない……の……そういう、の……


【彼女はあくまでも狙撃手であって、対面する戦闘には不得手であるため】
【名前を知られること、姿を知られること、それはつまり時として彼女に不利に働く】
【だからこそ、だ貴方の言葉を聞いて、少しだけその白色を曇らせた】

【一手一手確かめるような貴方の言葉、それはまさに一流の棋士のよう】
【呼吸をするたびに神経を大幅に消耗する、冷たい手で心臓を強く握りしめられてるかのように】
【首筋に絡みつくプラチナブロンドの髪の毛先、素肌をくすぐってもなお冷たさしか感じない】


……違うの、ソニアが……知りたいのは……機関での、ベイゼの……こと
どんな風だった、とか……えっと……えっとね……好きな、食べ物……とか……?

なんでも良いから……知りたい……の


【それはどこか擽ったそうな言葉、口にだす前に僅かなためらいがあるくらいに】
【息を飲んで、その言葉の一音一音に、耳の裏側をそっとなぞられるような感触がする】
【両手を下に向けたままバイオリンケースをそっと強く握って】

【どこか必死みたいに、ベイゼのことを聞いてくる彼女は】
【何かないかなって首をかしげるその姿は――――】
【片思いの相手の情報を知りたがる少女の姿であったから】
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/10(水) 22:46:09.97 ID:6seiG1rPo
>>126

【相手を飛ばした攻撃の後、僅かに腰を落とした男は胸の前に両手を構え】
【その掌の間に、全霊とも呼べよう程の魔力を瞬時に練り上げると――漆黒色の小さな球体が顕現】

それはお前の勝手だ、そして許さないのも、私の勝手になる――

【飛来する紫炎を光として捉えたなら、黒球は驚異的な効力を発揮した】
【火焔を屈折させ、飲み込み、僅かな火の粉を残し消し去るその正体は、】

――そも、言い訳など聞くものか……!
まして貴様にそんな呼ばれをされる筋合いも無い!!

【“ブラックホール”】

【焔を呑むと、球の輪郭がザザ、と歪んで】
【直後に放たれるのは“無属性”の光線――狙うは一つ、相手の心臓だった】
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/10(水) 22:47:01.65 ID:f5C3Yp0M0
>>122

「おっと・・・!」

【人の流れに押された青年が少女にぶつかってしまう】

「あ、も・・・申し訳ありません! 僕の様な歩く廃棄物がアナタの様な方にぶつかってしまって・・・!」

【ペコペコと凄い勢いで頭を下げる青年】
【目に付くのは腰まで届く長い青髪を茶色の布でポニーテールにして、それを赤黄青の三色の布で三叉に分けて結んでいる髪型】
【そして全身に巻かれた血の滲んだ包帯だろう】
【包帯の上の服装は黒地に白の斑模様というエキセントリックなTシャツで、下はなんの変哲もないジーンズだ】

「お、お怪我はありませんか・・・?」
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage saga]:2013/04/10(水) 22:53:09.62 ID:IsWUZ22w0
>>128
(夢…ね。胡蝶の夢だとか言ったか……)

【頭の螺子が飛んだ彼女の一瞬見せた不思議な表情に調子を狂わせられたか】
【やはり少し考え込むような表情をして――――あまりこの少女の話に付き合わないことにした】

――――!!
王子様か……昔は成りたいと思っていた……のかもしれない
でも今はホイホイ城を出されても何の感慨も浮かばないな……

【突如少女の背後に出現した巨大な城に内心かなり驚いたらしく此方も目を丸くする】
【だが能力者に慣れているのか、先ほど驚いてしまったので2度は驚きたくなかったのか】
【青年はなるべく驚愕をおくびにも出さないようにした】

感慨も無く城を出してくれた所悪いが……俺は別に王子様に成りたいって訳じゃない
ある特別な場所を探しているのさ……そのために金が必要って訳だ
念の為に言っておくがお前のその――――空想具現化能力か?
……兎に角それで俺の探している場所を出しても多分意味は無い……あくまで別物だからな

【正直厄介な性格をしたこの少女に自分のことをこれ以上話すことは憚られたのだが】
【一応自分に協力しようとしてくれた礼に免じてなのか青年は少し自分のことを話すことにした】
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/10(水) 23:00:10.54 ID:av1T3Prbo
>>131

【紫炎が飲み込まれたのを見て、頬にこびりついた砂が冷や汗に流される】
【あの炎は卵≠ノよって手に入れた能力――知ったことではないが、命を燃やすことによって発動する】
【だからこそ、それを無効化されるのは痛い。何より、距離の問題もある】

【相手は魔術師と称せる程の使い手に思え、かと言って近距離を嫌がる節も無く】
【何より、言葉のとおりに殺しに来た。しかし焦らないのは――人の身に余る能力のせいか】

あぁそうかい、ならそうしろ。その方が俺だって、喚き立てられるより好ましいさ
……だったらなんて呼ぼうか『お父さん』?名前が無いわけでもあるまいし―――

【『或いは伝えるのもお嫌かな』と、煽りながら能力を発動――シェンの正面に、2m程の人型が出現する】
【全身を鉄板に覆われたダークブルーのそれは、何とも言えぬ奇怪さを放ちつつ、光線を受け】
【胸部の鉄板を溶解させながらも、尚もそこに在り続けて。瞬間、その影から仇敵の姿が飛び出るのを見るだろう】

【シェンは、飛び出した際に右手の刀を下方から振り上げた。すると発生するのは飛ぶ斬撃≠セ】
【オマケに衝撃波の類までまとっているらしいそれは、砂浜の細かな粒子を巻き上げながら、男へと向かって飛んでいく】
【縦一文字のソレは、食らえば当然服も、肌も裂くだろう。ただソレよりも重要なのは―――】

【―――砂の幕に隠れて接近を試みる、長い金髪の煌めきであろうか。そこには紫も、きらりと見えて。】
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/10(水) 23:00:58.44 ID:Mg3JXp7ko
>>96
/0時まで募集
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/10(水) 23:12:12.24 ID:/iDIlYIgo
>>133

昔は王子様になりたかった……という事は今はお姫様に?!

【それは流石になんて感じの視線を男に突き刺す少女】
【勘違いも甚だしいのだが、少女は真剣に驚いていたりする】

別にお城出すのは結構楽だから心配ナッシングなんだよー
あ…もしかして超々美人の裸体とか?!あ…でも生き物は無理なんだった…

【驚く青年を尻目にズンズンと一人で話を進めていく】
【勝手に青年のイメージを決めて勝手に驚いて勝手に断る】
【ポーカーフェイスの青年とは真逆で少女はコロコロとまるでお面の様に表情を変えていた】

ある特別な場所……それにはお金が必要なのねー?
お金を出す事もできるんだけど……お兄さんが使うことはまず不可能だしー

具現化?違う違う…えっとねー……んー…なんて言えばいいんだろ

【青年が欲しい物をどうやって青年に渡すか、そして自分の能力の事】
【その二つの事に板ばさみになった少女は険しい表情で何かを考えている】

そうだ…お兄さんが行きたいのはどんな場所?もしかしたらだけど…見せれるかもしれない
ほら、ここは夢の世界…夢の主に出来ない事はないしねー

【意味不明なことを言って胸を張る、だが言っている事は真剣そのもので】
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/10(水) 23:13:09.37 ID:AELSAvdA0
>>132
【もはや彼女のルーティンワークともなっているような人間観察(というよりは空想ファッションショー)】
【眺めているのは少し遠くの人々、勿論自分の周りに気を配っていること無く――】

キャッ!ズルッ

【――モロに、盛大に転げる それこそ腰からズテッと】
【何か一昔前のギャグマンガのズッコケみたいな、マヌケなコケ方】
【コケてから5秒ほど、謎の間を置いて――】

な、なになに!?交通事故!?交通事故!?私死んじゃうの!?
やだやだ、まだ未練だらけよ!このままだと私ドロンと化けて出ちゃうよ!

【ガバッと起き上ったかと思えば、急に焦ったかのようにしゃべりだす】
【ボーっとしていた時に急に衝撃とともにこけたものだから、車でもぶつかったのかと勘違いしているらしい】
【彼女自身が交通事故だと言っている割に、元気。うん、この様子だと問題ないんじゃないかな・・・】

【――と、ひとしきり騒いだところでそこにいる青年に気づく】

・・・あ。

【ちょうど頭も冷えたころに気付いたものだから、なお恥ずかしい。】
【バカみたいな勘違いをすべて聞かれただろうか・・・】

【と、要らぬ心配をしていたら、その青年の方もものすごい勢いで謝りだす】
【見た目が痛々しいが、それ以上に自らを廃棄物と名乗る言動が痛々しい】

あ、う、うん。大丈夫だよー
それよりも、廃棄物なんて言っちゃだめよ?何があったかなんて聞かないけど

【とりあえず自己卑下をやめさせよう。自分で自分を嫌うのはよくない・・・何か理由があるのかどうかは知らないけど】
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/10(水) 23:14:10.92 ID:6seiG1rPo
>>134

【――紅茶色が、右から左へと舞う】
【縦に裂く斬撃を横方向に飛ぶ事でスレスレに回避すれば、切られた幾束が散った】

【接近しようとする姿自体を避けられはしないし、】
【行動の際に集中が途切れたか、黒球もふつりと消え失せる】

【だが、回避の際に足が海に着くと同時】
【男の腕の辺りで櫻色が煌めいて、波音とは違った轟音が響き】

…………今から死ぬ貴様に、教える名など無い!!

【重力干渉は海水を怒涛の勢いで巻き上げて、】
【さながら先程相手が放った炎に似たそれは、牙を剥く龍の形を成し迎撃せんと迫る】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/10(水) 23:18:15.56 ID:ov6cBNTz0
/>>118でもう少しの間だけ募集させて頂きま!
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/10(水) 23:22:13.47 ID:C0v3Elquo
>>130
【カニバディールの視線は、マリンブルーに注がれてはいたが、やはり値踏みするかのような無遠慮さは変わってはいない】
【その凛とした視線の中に、子猫のような色合いを見出してなお、警戒を緩めようとはしない】
【カニバディールは、彼女を、ソニアを知らない。未知に対する警戒は、どれほどしても足りない、というのがこの男の思考だ】

【可憐な花を前にして、牙を剥き出しにする。奇妙にすら映るかもしれないが】
【牙持つ男はソニアを単なる花とは思っていないようだ】

そうかね。失礼ながら、確かに注目を浴びたがるタイプには見えないな
しかし、明確に機関に敵対し、大会という公の場にまで姿を晒したのだ
そこは致し方ないことだと思うがね

【曇りを見せる、白磁の」ような彼女の肌に、どこまでも汚らわしく吐きつけられる言葉】
【狙撃手たる彼女の瞳に、この男の醜悪な姿がどう映っていることか】

【そして、放たれた言葉は、カニバディールの予想とまったく違うものだった】
【ますます怪訝さを深める、カニバディールの表情。傍らのスカーベッジもそれは同様だ】

(どういうつもりだ……? 敵対者の、好きな食べ物? なんでも良いから知りたいだと?)
(そうだ……会合で、ベイゼ・べケンプフェンが挙げた敵対者の中に、この女の名も入っていた)
(捕虜として捕われる前から、接触があったということだ。それも、この様子だと……敵として、ではない形のものだったとしか思えん)

【ナンバーズ。カノッサ機関においても、上位に位置する精鋭たち。そのNo.3。疑いようもなく、最優先に討つべき対象ではないのか】
【その相手のことを、まるで片思いでもしているかのように、純粋に知りたがる。いったい、彼女らの間に何があったのか】


「……あんた、確かスナイパーって触れ込みじゃありやせんでしたかい? 遠くから、脳幹を吹っ飛ばしてあっちゅう間に敵の息の根を止める」
「そんな芸当をやってのける人間が、撃つべき相手のことを知りたいたぁ、どういう了見です? あたくしぁ、スナイパーについてこんな話を聞いたことがあるんですがね」
「ある凄腕の狙撃手だった男が、狙う相手の飲んでいたコーヒーの味がどんなものだったか、と考えた途端に引き金を引けなくなった、っていう……」
「狙撃の世界なんざ、あたくしぁ存じ上げませんがね。正義の味方の狙撃手としちゃあ、あるまじき行動に見えやすがね」

【そのただならぬ気配を感じ取ったのか、自身の内を駆け巡る疑念に耐えかねたか、スカーベッジが口をはさむ】
【その言葉が途切れると同時、カニバディールは少女に向けてその巨体を一歩踏み出した】


……先ほども言った通り、私が彼女と会ったのは一度だけだ
彼女のことはよくは知らない。つかみどころのない御方、というのが第一印象だった
勝気で攻撃的、かと思えば飄々とした態度も見せる。元No.2を相手にからかうような態度すら取っていたよ
ああ、茶菓子にバームクーヘンなんぞをつまんでいたな

【ソニアの反応を少しでも近くで観察するために、近づいた。粘つく視線が、華奢な身体をなぞる】
【ベイゼを眼にした時の印象と、その時食べていたものなどを口にしつつ、反応をうかがう】
【そして、一度言葉を切り――】

……なんでも知りたい、というなら、ひとつ事実を教えてあげよう
私が彼女と会ったのは、カノッサ機関の会合の場だった。そこで、敵対者の情報の交換を行った

彼女は、お前の名を挙げたよ。カノッサの悪魔たちの前で

ロシア語を使う。バイオリンケースの中に狙撃銃を仕込み、驚くべき速さで組み立てる
そして……恐らく“兵器”として育てられてる、とも語っていた

【おそらく、自分が有するベイゼについての情報の中では、これがソニアにとってもっとも衝撃的だろうと踏んだ】
【この言葉は純然たる事実だ。ベイゼが、ソニアの名をあげた折、わずかにためらいを見せたことは、わざと伏せていたが】

(さて、これにどんな反応を返すか……)

【無遠慮な視線だけは、徹頭徹尾】

/遅くなりました、申し訳ありません……
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/10(水) 23:23:25.30 ID:f5C3Yp0M0
>>137

「あわわわわ! お、落ち着いてください! 僕は車じゃありませんので!」

【少女の勘違いと一緒に、青年も混乱したように慌てるが】
【やがて、勘違いが収まったのを見ると青年もほっと胸をなでおろす】

「ああ、よかった。アナタを怪我させていたとしたら僕は申し訳なくて死んでしまいそうでした」

【どこまでが本気でどこまでが冗談だかわからない様な事を言いながら、青年はヘラヘラと笑いかける】

「いえいえ! そんな、僕みたいな生きている事自体が間違いな人間は廃棄物という表現すら烏滸がましい!
 燃えないゴミ・・・いや、ゲロですね! 僕は腐ったゲロです!」

【ハハハと、痛々しく笑いながら青年は爽やかに自虐する】
【言っている内容は全く爽やかではないが】

「して、アナタは一体何をしていらしたんですか?
 ・・・あっ、申し訳ありません。腐ったゲロである僕なんかがアナタに興味を持ってしまって」

【ジットリと湿った目を伏せながら、青年は口から漏れ出す様にしゃべり続ける】
【初対面の相手なのに随分多弁なようだ】
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/10(水) 23:28:50.96 ID:av1T3Prbo
>>138

【海水が巻き上がって、それが龍と成れば如何なる勇士でも立ち止まらざるを得ないだろう】
【そして、シェン・ロンドも同じようにした。ただしそのまま飲まれるわけもなく】
【左目を痛いほどに輝かせて焔を立ち上げれば――先程より余程精強な、水と相対する獅子≠作り上げ】

【恐らくは――――お互い全力を持ってぶつかるのだから、一方的な展開にはならぬ筈】
【或いはどちらかが押し負けるにしても、この炎水の攻防はシェンの余力をごっそりと奪っていって】

手厳しいね、どうも……っ、ここで膝ついてる暇はないんだがな……!

【言葉に反して、彼の膝は砂浜に受け止められる。尚もその周囲には紫炎の煌めきこそあったが――】
【執念に駆られた相手とは、賭けるものが違いすぎるのか。身に余る能力も、コストが大きすぎては意味が無い】
【刀を砂に突き立てて反抗の意志を見せるにしても、これはやはり隙であって】

【―――そういえば、未だにどちらも怪我らしい傷はない。となると、所謂膠着状態というやつか】
【そんな海岸の戦局に横槍を指すように、少し離れた場所で魔法陣の始動が在った】
【シェンがそれに気付く様子はないが―――男ならわかるだろう。その魔翌力は、まさに娘との絆を邪魔した、あの―――。】
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage saga]:2013/04/10(水) 23:30:44.16 ID:IsWUZ22w0
>>136
【少女の言葉は青年にとって良く分からない上に不快にさせられるものも少々混ざってはいた】
【しかしそれでも少女が青年の為に何かをしようとしてくれていることは感じ取ったのだろう】
【青年はそのポーカーフェイスを少し崩して笑みを浮かべた】

ふ、そうだな……廃棄施設だと言うことは覚えている……だがそれだけだ
具体的なことは何も思い出すことが出来ない……そもそも其れを思い出すのが俺の目的だからな
残念ながらお前にイメージとして伝えることは出来ないし、俺もイメージ出来ないんだ
だから今は気持ちだけ受け取っておくことにしよう――――ありがとう

【少女の気持ちは嬉しかったが――――自分でも知らない場所を出せと言われても少女には酷なことだろう】
【しかし何時かその断片を思い出すことが出来たのならば――――そのときは少女に頼ることになるかもしれない】

そうそう――――お前から金の施しを受けるつもりはない
単に自分のプライドの問題だが……案外大事なものなんだ

【どんなに金に困っていたとしても他人に迷惑をかけるつもりはない――――それが青年のポリシーだった】
【もっとも、少女が迷惑に思うかどうかは分からないが】

どうやら夜も遅い……そろそろ別れの時間だ
最後に名前でも名乗っておくか……俺の名前はミストラル――――『沿岸に吹く冷たい北風』だ
俺がもう少し施設について思い出すことが出来たら……そのときはよろしく頼む
それではまた合おう……

【青年は少女に向かって深く頭を下げてから公園を後にしていく】
【今日の出会いが青年に運んできたのは幸運――――だったのかも知れない】

/ちょっと矢継ぎ早ですが絡みありがとうございました!!
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/10(水) 23:32:03.34 ID:15sD+kUFo
>>129
/絡んでおいてごめんなさい、少々私事がごたついて返答出来そうにないです
/大変申し訳ないのですが、今回のは起こらなかった事と追いやっていただきたく……
/またの機会があればお詫びいたしますので
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/10(水) 23:33:06.83 ID:2UgJoly30
>>144
/了解しました。そちらの都合優先で、どうぞお気になさらず……
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/10(水) 23:36:10.63 ID:aL+5Unp2o
>>140

【醜悪という言葉はきっと貴方にぴったりで、けれどもそれは嫌悪感を背負ったものではない】
【むしろ違った、どちらかと言えば圧迫されるような存在感から来るもの、正常ではない存在だけの示せる違和感】
【歪んだ月光から零れるワルツは、触れることすら許されない聖域の中の存在にも思えて】

【確かな知性と教養を感じさせる言葉遣いは、彼女を舐め上げてそのまま絡めとる】
【言葉の指先に剥がされる、剥かれた先の白磁のような素肌はすっかりと冷えて、冷たくなってしまって】
【そしてそのまま溶けて消えてしまう残った雪の残照のようでもあった】


……息の根……止めるのが……狙撃手≠セったらね……ソニアはきっと、狙撃手じゃ、ないの
もう、ソニアは……誰かを……誰も、殺さない……から……

だから、ソニアは違う、の……その、狙撃手さんとは……違うの
相手を知っても、引き金をひけるの……相手を知ったから、引き金をひける、の……

ソニアが引くのは、そんな引き金、ソニアが生きるのは……そんな、世界……なの


【バイオリンケースを握る指先が強さをました、細くしなやかな指先が月光にさらされる】
【ゴシック調のブラウスの、華奢な袖から零れる小さな小さな指の色】
【月明かりに溶けたなら、そのまま見えなくなってしまいそうなその彩りはきっと……】

【今までたくさんの命を奪った指のようには見えなくて、むしろもっと、誰も殺せない無垢な指のよう】
【まだ寒さの残る夜空にさらけ出される冷たさと、それでもどこか春が芽生えはじめた光に包まれて】
【その体温だけを指先で救うように、感じ取るみたいに】


ばぁむくぅへん……そっか、ベイゼは……ばぁむくぅへんが好き―――……っ


【彼女のどこかのんきな言葉、貴方の言葉にふうふむと少し大げさに頷きながら紡いでた彼女のコトノハ】
【それが固まった、ほっぺたにどこか安心したようなほほ笑みを浮かべて、うんうんと言ってた彼女が】
【じぃ、と大きなマリンブルーを揺らめかしながら、その言葉を聴きとった】


……Тыльно(ほんと)……Ложь(嘘)!!
ベイゼは……そんなこと、言わないの……そんな……ソニアのこと、悪い人の前で……言わないはず、なの……!


【近づいた貴方の巨体、ラバーの無機質な香りが鼻孔をくすぐって】
【一歩彼女からも詰め寄った、つま先立ちでたつ小さなその身体が乱れそうになって】
【それでも言葉だけは饒舌に、足りない舌をどうにか足りるようにしようとして】

【信じる言葉だけが虚しく響いたなら、信じていないという事実に強く打ちのめされる】
【怯えが表層に現れる、ぞくりとそのまま不安に飲み込まれそうになるぐらいに】
【信じていたかった、ずっと――――――盲目的でも、いいから】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/10(水) 23:37:02.08 ID:AELSAvdA0
>>141
【・・・この人は、癖で自己卑下をしているのだろうか】
【それとも、自己卑下を面白いとでも思っているのだろうか】
【どちらか、あるいは他の理由か、それは分からないが・・・ただ一つ、気持ち良いことではない】

・・・そういうことは言わないの

【とりあえず諌めてみるが、恐らく何を言っても改善しようとはしないだろう】
【それもいい・・・とは言えないが、仕方ない】

【自虐交じりの話は終わらない 今度は腐ったゲロらしい】
【彼はどうしてこうなってしまったのだろうか、と興味もないわけではないが】
【その彼は私に興味を持ったらしい】
【別に自分のことを話すことは悪い気分ではないし、話しても問題ないだろう】

私?私はね、みんなにどんな服が似合うか考えてたの!
みーんな地味な服着て暗い顔してるでしょ?そんなんじゃダメダメ!・・・あなたはなかなか個性的な服だけど

【目を引くのは彼の奇抜な恰好】
【そう、かの有名な草間彌生さんのようなエキセントリックな服装】
【先ほどの卑屈な物言いといい、この服装といい・・・彼女も彼に興味を持った もちろん恋愛的な意味ではないが】

・・・私、あなたのことが気になるわ
どうしてあなたはそんなあなたになったの?

【ちょっと独特な言い回しで、質問を投げかける】
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/10(水) 23:43:04.23 ID:/iDIlYIgo
>>143

廃棄施設……んー…でも、オーソドックスなゴミ処理場って感じではないですよねー
かと言って私が思いつくのはそれくらいしか…
本人が分からないんだったら私も分かりません、仕方ないです
思い出したら私を呼んでもいいですよー、駆けつけるかは分かりませんけど

【青年が分からないのなら仕方ないと今回の件を丸投げにする】
【執着心が強いのか弱いのか、本当に良く分からない奴である】

んー…貴方はそう言う人物ですのか……
よし、じゃあ一つだけ予言をしてあげようじゃないかー

【ピコンと頭上に閃きのマークを浮かべて手を叩く】

お金が欲しくなったら、私を思い出すんだ!

【人の手を借りないと言っていたのを少女は聞いていなかったのだろうか】
【だがそんな思いももしかしたら消え去ってくれるかもしれない】

ミストラルさんかぁ、私はマリポーサだよマリポーサ・リリアンって言うんだー
職業は現実では学生、こっちではね…こわーい殺人鬼なんだよねー
という事でー…お金が欲しくなったら私を警察に突き出す事を許可しまーす

【自分は殺人鬼、別れ際に笑えない事を口にしながらケラケラと笑った】

じゃ、まったねー、今度会うのを楽しみにしておくよー

【ブンブンと大手を振って去りゆく青年を見送った】
【不思議な少女が運んできた物、それは一体何なのだろう】

/絡みお疲れ様でしたー
/機会があればまた絡んでください!
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/10(水) 23:45:11.99 ID:6seiG1rPo
>>142

【焔の獅子と鬩ぎ合い、熱と押しによって海龍の体積が蒸気と共に揺らぎ出す】
【高熱と多量の水が一度にぶつかり合う、どちらかが押し負ける――それを決する刹那】

…………“あの女”?

【不明瞭な言葉と共に、龍が急に突撃方向を変えた】
【切欠は魔法陣の始動する気配であって、進行方向もそちらへと無理矢理に切り替えられ】

【獅子がそのまま男にぶつかり身を焼こうとするとしても、】
【それによって体の所々を焦がしながらであっても、】
【現れるのだろう姿へ海龍をぶつけようと試みながら向けられる視線は】

……漁夫の利でも、狙いに来たのか。 阿婆擦れがッ――!!

【一瞬。 膝をつく男への警戒は、欠片も残さず削がれるのであった】
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/10(水) 23:52:34.24 ID:f5C3Yp0M0
>>147

【青年は瞳を閉じて、彼女の言い分に耳を傾けるが・・・】

「あはっ」

【どうやら改善する気はないようだ】
【服ということを聞くと、目を見開いてほぅ、と感嘆の声を漏らす】

「服ですか、ずいぶんオシャレなご趣味ですね!
 何も考えずただ時間を浪費していく僕とは凄い違いです!
 えーっと、でもお言葉ですが暗い服なのはスーツという仕事着だからだと思います。
 皆さん暗い表情なのはきっと仕事で気が緩む暇がないからだと・・・。
 皆さんがアナタにコーディネートしていただいた服を着ると少しは明るくなるとは思うんですがね」

【相変わらず多弁にペラペラと語りかける】
【自分の服の話になると】
【ぺかーという効果音が聞こえてきそうな笑顔で笑いかける】

「ああ、わかりますか! この服は僕の・・・そうですね、お母さんの様な方に買っていただいた服なのです!」

【要するにお母さんブランドらしい】
【躊躇いも無くこんなことを言う時点で随分ズレていることがわかるだろう】

「え、僕の事ですか? やだなぁ、聞かない方がいいですよ。この世で最も不用な情報は僕のプロフィールなのですから!」

【ヘラヘラと笑いながら相変わらずの自虐の言葉を捲し立てる】
【本当にどうすればこんなに歪むのだろう】
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/10(水) 23:59:05.94 ID:av1T3Prbo
>>149

(……あの女≠チて、こんな時に何を……、…………――?)

――――こんばんはぁ〜♪六罪王のガイスト・ウォレンちゃんだよぉ
フフッ、でも君たちにはリリアちゃんって名乗ったほうが良い感じかな?
どっちも私と闘って、どっちもしつこく生き残ってるわけだし―――

【『少しくらいは認めてあげるよ』―――甘ったるい声を流しながら、ソレ≠ヘ現れた】
【捻くれた角、カールしたオレンジの髪、見るものによって多少なり姿を変える、淫魔の肉体】

【海龍がそれを穿つことは、残念なことに『有り得ない』。単に魔翌力量の問題だろう】
【獅子と鎬を削った直後に半魔との衝突―――歯がたたないというのが、現実で】
【一方、その獅子は男の寸前で動きを止める。不審に思ったのだろう、陽炎がちらりと肌を焦がし】

【――それきり、紫の炎もまた海龍の跡を負って半魔に挑み、片腕で叩き崩される】
【両腕とも、二匹の猛襲に肉を削がれた。けれども笑う彼女は、直ぐに肉体を再構築し】

ご明察だよセシルクン!そっちの彼、憎い事に私の目の前で宝玉とちっちゃな彼女サンを見せつけてくれちゃってさぁ……
本当ならどっちかが倒れた時にと思ったんだけど、意外とシェン・ロンドの方が劣勢じゃない?
で、セシルクンがもし勝って、宝玉を手に入れるとなると……ちょぉっと、困るんだよね
キミは魔術の心得がある。それに、個人的には『あの女』も顔すら合わせたくないし―――

――――おいおい、俺を置き去りにしないでくれよな、お二人さん?

【語るリリアに、いつ取り出したのか左手に真白な宝玉を持ったシェンが声をかけ】
【同時に、白い炎で出来た巨大な矢を撃ち放つ。ところが、それは避け≠轤黷ト】
【さて、どうするか。片手に三叉槍を持った六罪王と、膝を付いたままの手負い獅子。セシルは、両者を狙うことが出来る、が――。】
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/11(木) 00:01:11.87 ID:emATLOxro
>>146
【月光は、醜いものも美しいものも、分け隔てなくただ降り注ぐ】
【月光のもとに晒されるカニバディールの異様に対してなお、その儚いまでの美しさは変わりなく】
【されど、やはり儚いのだ。想起される、残雪のイメージ。冷気に侵される、その震える肌】
【その上を這いまわる、カニバディールのおぞましい言の葉。ソニアを大切に思うものがこの場にいたなら】
【このような存在が、彼女と同じ空間にいること自体に、激昂するのではないか、とすら思える】


「誰も殺さない? スナイパーが? ……あたくしのごとき、下賎には、理解が及びやせんなぁ」
「ただ……あんた、そりゃ本来のスナイパーなんざよりずっと茨の道じゃあねえですかい?」
「その歳で、よくやりますなぁ……怖い怖い」

【無垢の色すら見せる、その力のこもった指先を見ながら、そんなことをいう】
【このゴミ漁りごときに、彼女のことなど理解出来ようはずもないが】
【多くの「汚らわしいもの」を眼にし続け、その中で生きてきたスカーベッジは、そんな少女に一抹の恐怖すらかいま見て】
【再び、その場で黙り込んだ】


【ややあって、路地裏に響く悲痛なまでの彼女の叫び】

(……この取り乱しようはどうだ? 敵が、所属組織内で敵の情報を共有することなど、あまりに当然だ)
(だとすれば、やはり、この女は彼女を敵として認識していない。それに、あの会合でのベケンプフェンの一瞬の躊躇……)

……まるで、友人であるかのように語るのだな。彼女は、倒すべき敵ではないのかね?
彼女が、100人もの兵を率いて風の国の首都、エルジオを襲撃したことは知っているだろう?
大勢の機関員とともに、エルジオ中央博物館を台無しにしたことは?

それ以外にも、多くの悪事を働いてきたことだろう。私が知るベイゼ・ベケンプフェンとは、そういう存在だ
それを、なぜ信じる者のように語る?

……今度は、こちらが聞こう。お前と彼女の間に、いったい何があったというんだ?

【カニバディールの巨体に相対して、退くどころかむしろ踏み込んできて】
【つま先で立って、必死に言葉を発する彼女をじっと見つめる。同じく、鼻孔に届く、彼女の髪の香り】

(もし、ベケンプフェンのほうも、この女に特別な感情を抱いているとするなら……下手な手出しは危険やもしれん)
(とにかく、知る必要がある。無知は、何より致命的な傷だ)

【路地裏でにらみ合う、可憐な少女と、巨体の男。ただでさえ異様な路地裏に、さらなる不可解が描き出される】
【カニバディールも知らず知らず、ソニアから何らかの情報を汲み取ろうと必死になっていた。いったい、この世界で、どれほどのことが、起こっているというのか】
【彼女が、巨体と対しながら、その実ベイゼのことだけを考えているのであろうように】
【カニバディールも、ソニアを前にしながら、その思考は世界の未知に対する疑念のみを見据えていた】
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/11(木) 00:07:18.92 ID:H1Hh6dJk0
>>150
【道行く人々がスーツを着ているのはもちろんそうだが、何かそれ以外にも暗い雰囲気を醸し出しているのは気のせいだろうか】
【不安定な世の中の成せる業…というのは考えすぎだろうか】
【・・・できれば、もっと笑顔が見たいのだが】

・・・私が作った服で喜んでくれたら、それはとっても嬉しいんだけど・・・
みんなそんなことに興味はないもんね・・・

【話は彼のことに傾く いろいろと興味を持ったせいか、じっと彼を見据えている】
【服の話になると表情が変わるのは、なぜ?お母様の「ような」ってどういうこと?】
【疑問は次々に湧いてくる ・・・が、当の本人は話すつもりはないらしい】

・・・私は知りたいの、不要かどうかなんて関係ないわ
そうね・・・その「お母様のような方」の話でもいい あなたのこと、聞かせて?

【でも知りたい。単純に彼という人に興味が尽きない】
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/11(木) 00:09:39.67 ID:elRKzO+so
>>152

【肌の上を這う貴方の言葉、それはどこまでも悪意に満ちた言葉のようで】
【それでいて正しかった、だからこそ質の悪い、悪戯と呼ぶには危なすぎる言葉で】
【彼女を圧迫して彼女を蹂躙してもまだ、足りないぐらいに】


……っ……うるさい……の……ベイゼのこと……悪く言うの……ダメ……っ


【捲し立てられる貴方の言葉、散弾銃のようにはじき出される言葉は理にかなった確かな言葉】
【思わず彼女は言葉が出なかった、異国の言葉であるが故に、ワンテンポ遅れた】
【だからこそなのだ、返した言葉は、どこまでも子供の色をしていたから】

【その小さな白い手でクレヨンを握って、思うがままに書き散らしたみたいに】
【本人の思う絵すらも、他者から見れば単なるデタラメの絵にしかならないぐらいに】
【それでも、知って欲しかった、伝わってほしいと―――思い続けた】


ベイゼは……ベイゼはね……ソニアの……大切な人、なの……
とっても悲しい過去があって……とっても悲しい、今があるの……
それも……一緒……ソニアと……一緒だから……

だから……絶対……ベイゼは……そんなこと、言わない……の
ソニアのこと、機関に教えるの……絶対……嘘……


【ただただ淡かった、ただただ無力であった、書き散らす言葉はわめきちらす怒号に似て】
【声を張り上げることはしない、ソプラノはいつものようにいつ消えるかも分からないはかなさで】
【それでも紡ぐ音は、それでも綴る言葉は、少しは意味を持っているのだろうか】

【彼女はどこまでも純真で彼女はどこまでも無垢で、それでいてどこか盲目で】
【ベイゼのことを信じ続けていた、彼女とベイゼに共通の過去があって、分かり合えたと思っていたから】
【見上げるマリンブルーがかすかな潤いをはらんだなら、あとはもう弾けるだけ】
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/11(木) 00:16:07.15 ID:wi5NWONko
>>151

【――状況を整理しよう。 娘の敵が二人いる】
【男の方が勝手にあの子に傷をつけ、それが元で死に至る寸前まで彼女は追い詰められた】
【女の方が■■■を■■■■、■■■■■■■■した】

……あれの側に私を混ぜるな。 置いて行かれているのは此方だ
お前とあれの関係は後で聞く、いやその前に数発殴りたかったが――もう良い

【シェンが放ち、そしてリリアに避けられた矢】
【打ち消されたのでないのなら、避けられた後に消えてしまわないのなら】

【矢は一度、黄緑の燐光が割いた空間に飲まれ――座標はリリアの後方数十メートル】
【その位置に空間が再び開き、飲まれた矢がそのままの勢いで彼女を狙い飛来するだろう】

【勿論、矢が消えるなりするならば、全て意味を成さない行動であるのは確定事項だ】
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/11(木) 00:28:44.07 ID:Oru9nmuh0
>>153

【ジッとこちらを見つめる少女の視線に一瞬タジッとなると】
【少し困ったような顔をして言葉を続ける】

「・・・僕という存在の重要度の低さを抜きにしても、あまり話すようなことじゃないんですがねぇ」

【どうも緊張すると視線を合わせられ無いようで、青年は明後日の方向に目を向けている】

「うーん、まぁ・・・お望みとあれば。
 えーっと、どこからお話ししましょうかねぇ・・・」

【背後に人の波が流れていく】
【それぞれの生活、それぞれの指名を背負ったそのスーツ姿は】
【道端で立ち止まる青年と少女には目もくれない】

「そうですねぇ・・・まず僕の生まれからなのですが。
 僕は生まれたこと自体が間違いでしてね、そしてどうも害をばら撒く性質の様で。
 とにかくいろんな場所を転々としてきました。たらい回しというのですかね?
 僕の居た場所には必ず不幸が訪れるので、僕を引き取った方々には本当に申し訳ないですよ」

【あはは、と自嘲気味に笑う青年】
【実際この青年は幼少期に施設を4つ潰してきた】
【しかもそれは"悪意無き凶行"によってだ】

「そんな事を繰り返すうちとうとう行くアテが無くなり、行き倒れましてね。
 ここで死ぬのかと思った矢先でした」

【青年はTシャツの襟を引っ張り、喉元を露出すると】
【そこには禍々しい魔力を放つ罅だらけの勾玉が埋め込まれていた】


「マトイ様に見初められましてね」


【ニタリと笑う青年】
【勾玉は毒々しく胎動する】

「マトイ様というのは祟り神です、以前悪事をしていた所を破壊されたのですが。
 とある場所で再生されましてね。そしてマトイ様に適合・・・というよりも都合の良い人間として僕が選ばれたのです」

【青年は襟から手を離すと】
【喉元の勾玉は再びTシャツで隠れた】

「それからその場所で僕は活動しています・・・お役に立っているかはわかりませんけどね。
 その場所というのは恥ずかしながら悪い事をやっている所でして・・・つまり僕は蹴られて死んでも構わない悪党です」

【以上です、青年はそういうと】
【一呼吸ついて話しを終えた】
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/11(木) 00:34:12.61 ID:8WRJez12o
>>155

……おっと、そりゃ失礼。類は友を呼ぶって云うもんでね
だがまあ、いいさ……キミの拳も後で聞いてやるとして―――

あれれー?今度は私が置いてけぼりぃ?リリアちゃん寂しいな、ァ―――!!?

【ブヂっ≠ニいう生々しい音が響くと同時、引き返した巨大な炎矢が半魔の翼膜を貫いた】
【そうしてようやく消える炎は――やはり、宝玉というもの凄まじい力を感じさせ】
【同時にリリアが回避した理由。つまりこの炎があの生き物にとっては忌むべき物≠ナあることも判明するだろう】

【――背後からの一撃に、思わずリリアは砂浜へと降りる。翼から血を滴らせつつ】
【その多重円の瞳で二人を睨めば、瞬時、手元で何か陣を切って――海が、ざわめき】

……ホンっと、ヒトって面倒だよねぇ。素直に殺し合ってりゃいいのにさ
大体私の事を後ろから思いっ切りなんて、ナマイキなんだよ君たちは、特に――。
―――――そういえば、セシルクンは『この間』も居たんだっけぇ?

【豪ッ!=\―海水が渦を巻いて、レーザーのように沖合から二人を狙って#翌阯る】
【その直径は30mもあろうか。津波よりも余程恐ろしいそれは、おおよそヒトや悪魔の想像しうる一撃ではない】
【ただ、遠くに聞こえる鳴き声をセシルは知っているだろう。海、魔獣―――いや、正体よりも、先ずは回避だ】

【瞬間移動が出来るのなら、またそれも良し。シェンは立ち上がり、棒きれにも思える大刀を構えてもいて】
【僅かに漂う紫の火の粉もまた、彼が何をしようというのかを物語る。同時に、リリアはレーヴァテインの充填を開始していて―――。】
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/11(木) 00:38:47.73 ID:emATLOxro
>>154
【自身の言葉が、幼い少女を踏みにじるかのごとき効力を発揮したというのに、カニバディールの瞳にはいささかの揺らぎも見えない】
【ソニアからすれば、その身の内に悲しさすらも秘める、あの強者たる女性、自身を兵器とすら称するあのベイゼ・ベケンプフェンよりも】
【眼前の男のほうが、どれほど邪悪に見えることか】

【いささか遅いテンポで、必死に返される彼女の言葉。大会で見た、強者として映った、あの狙撃手の姿とは、もはや重ならない】
【暗闇の中に取り残されて、必死に光に手を伸ばそうとする、幼い子供の姿が、脳裏に交錯する】
【その震える想いのたけは、眼前の巨体への反論か、それともこの場にはいないベイゼへの親愛か】


大切な人だと? どういう経緯をたどれば、そうなるんだね。相手は、カノッサの第三位だというのに

しかし……もっと興味深いことを聞かせてもらった。悲しい過去。それも、お前と一緒、ときたか
先ほどもいったが、彼女がお前を、おそらくは“兵器”として育てられた存在だ、と言っていた
同じ過去、というのはその辺りかね? 彼女も、“兵器”足りうる過去を背負っていると?

いや、興味深いよ。機関の人間は、隠し事が好きでね。相手の知らない面を知る、というのは、実に気分がいい

【カニバディールの角ばった顔いっぱいに、醜悪な笑いが広がった】
【嘲りのそれではない。喜びによるものだ。カニバディールの目的は「得る」ことだ。】
【ベイゼ・ベケンプフェンの、そしてソニアの持つ一側面を知ったのだ。その情報を、「得た」のだ】
【なんでも知りたい、というのはむしろこの男のほうなのかもしれない】

言っておくがね、会合でのことは、真実だ。今この場で、嘘をつく意味などないだろう?

まあ、そう不機嫌にならないでくれ。お詫びと言ってはなんだが、もうひとつ教えてあげようじゃあないか
機関が、彼女を……ベイゼ・ベケンプフェンを奪還しようとした時のことだ。そのことは、当然知っているな? 残念ながら、失敗に終わったが

それと同時に、六罪王ガイスト・ウォレンが、風の国の交易都市レナールを、魔都へと変えた
その場で、ガイスト・ウォレンが言っていた言葉だ

ベイゼ・ベケンプフェン奪還ではなく、主目的はこちらだと。ベイゼ・ベケンプフェンの身柄よりも、あの趣味の悪い街を作ることのほうが主目的だったということだ
ガイストのことは、お前たちのリーダーが――セリーナ・ザ・"キッド"がよく知っているだろう

わかるかね? 機関の大幹部たる六罪王が、彼女をまるで捨石であるかのように語ったのだ
ガイストの真意など知らないが、これだけは言える。その気になれば、ベイゼ・ベケンプフェンを切り捨てることすら、機関はやりかねないということだ
それがいやなら、やるべきことはおのずと見えてくるだろう? 彼女を知ることと同じくらい、重要なやるべきことが

【取るに足らない詭弁である。カニバディールが知っているのは、レナールにて六罪王ガイストが発した言葉、ベイゼよりレナールが主目的、という言葉だけだ】
【ガイストとリリアの関係など知らないし、利用しようとしている確証すらない】

(試しに、一石を投じる、それだけのことだ。これで、この女が、ひいては"UNITED TRIGGER"が、より、悪魔リリアへの警戒を強めれば――)
(あるいは、あの悪魔を打倒する一助になるやもしれん)

【どこまでも醜い、大男の浅知恵。そのために、可憐な少女の想いを踏みにじろうというのか】
【取り乱しているであろう彼女に、この言葉はどう受け止められるか】
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/11(木) 00:40:45.45 ID:emATLOxro
>>158
/すみません、地の文の、 ガイストとリリアの関係など知らないし
/を、ガイストとベイゼの関係など知らないし
/に訂正でお願いします
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/11(木) 00:41:39.18 ID:H1Hh6dJk0
>>156
【ようやく終わった】
【長い、長い、そして正直に言うと半分も理解できない話】
【それでも、彼のことを知れたのは純粋に良かった】
【知りたいことを知らないままにするのはむず痒いもので、逆にそれが知れた時には何とも言えない爽快感がある】
【それでも分からないことだらけではあるのだが】

【彼女には一つの疑問があった】
【今の話から察するに彼は悪い人と自覚して、それで自分を卑下している・・・ならば】

・・・じゃあ、どうして悪い事と分ってるのにやめないの?
止められない理由とか、あるの?

【この質問が的を得た質問かどうかは分からないし、もしそうだったとしても彼女のカンが鋭いわけでもない】
【ただ。・・・あまりにも引っかかる。どうして彼は自分を悪党だと自覚してそんな自分を嫌っているのに悪党をやめない?】
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/11(木) 00:51:14.35 ID:Oru9nmuh0
>>160

【彼女の純粋な問いに】
【自分を卑下するこの愚か者はニタリと気味の悪い笑みを浮かべる】

「あはっ! まるで僕が本来善人であるような言い方ですね!!」

【青年は胸に手を当て瞳を閉じる】
【そこから紡がれるのは呪詛の様な言葉】

「僕はですね・・・何もかも間違いなんですよ。
 産まれたことも、生きていることも! 存在も! 行動も! 思考も! 全てが!!
 何もかもが間違いなんですよ・・・。
 それこそ正しくあろうとするなら身体にコンクリートを括り付けて海に沈むしかないくらいね!」

【口端を吊り上げ、語り出すは呪詛】
【それは世界に対しても、他人に対してでもなく】
【自分に対しての恨み節】

「僕は全てが間違いですから、間違い続けることしかできないのです!
 それこそ自分がやってきた事を振り返るに、今更善人になろうなど都合が良すぎる!
 僕みたいな奴は最初から最後まで悪人として産まれ、悪人として生きて、悪人として死ぬべきなんですよ!」
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/11(木) 00:56:22.60 ID:wi5NWONko
>>157

【翼膜を貫いた矢、相手の何処か余裕のない反応、出処であるシェンの宝玉】
【――共闘すれば勝機が見えるかも知れない】

【心苦しい選択であっても、それでも、優先すべきは彼女の撃破だ】
【自殺行為にも近い相手の行動意思を察すれば溜息が一つ、】
【あれに真っ向から歯向かおうなんて何時かの自分のようだ――とは、自嘲ではあるのだが】

……勝手に殺されんなよ、馬の骨

【自分と、そしてシェンへと向ける重力干渉は、上昇気流に酷似する】
【黄緑の燐光をその身に纏わせ、瞬時に虚空へと浮き上がる事で、セシルはその暴虐を回避した】
【そして、あくまで抵抗や反発がない場合だが、彼も同様に燐光を帯びて宙空に浮上出来るだろう】
【譲渡される重力干渉の魔力は相手の意のままに仕様が可能ではあるのだが、絶対量は少ない】

――嗚呼、お前やっぱりあの塔に居たんだな
あの鯨はペットか? 其処に居るんだろう、もう片目も潰されたくて来たのかよ?

【あからさまに苛立つのは共闘を強いられている為か、何が悲しくて娘の敵を救おうとせねばならないのか】
【けれど、そうでもしなければ。 否――そうしたところで、この場を生きて切り抜けられるかさえ分からないのだ】

【ひとつ、息を吸って吐く】
【冷静になれ、無理なら冷静を装え、あの女の意のままにされぬよう――】


…………やれますか、シェン“さん”

【――目だけが笑わない、酷い笑顔】
【そして広げた両手に、バチバチと無数の鳥の囀りにも似るような強大な魔力の収束】
【先程シェンにも見せたあの重力球。 それが同時に二つ、形成されようとしていた】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/11(木) 01:05:36.24 ID:H1Hh6dJk0
>>161
【・・・やはり、この人は間違っている】
【そもそも悪い自分を「間違っている」と認識している時点で、本質は悪人ではない】
【芯まで悪人ならば、自分のしていることが悪であることにすら気づかないし、気づいていたとしても正当化するか、他人がどうなろうが知ったこっちゃないと悪事を続ける】
【・・・このように卑下することはないのだ】

・・・あなたは自分がどうしようもない悪人であることをそれこそどうしようもなく嘆いてる
じゃあさ、あなたは・・・この見知らぬ少女に悪事を働こうと思ってる?
私はそうは思ってないと予想してるけど・・・どう?あたりかな?

【彼女は質問を続ける 彼の心を問う この年端もいかない少女は、自分を悪人という彼に回心を求めているわけでも全下を求めているわけでもない】
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/11(木) 01:11:47.86 ID:Oru9nmuh0
>>163

【語り終えた青年に提案される肝の座った質問】
【その言葉に青年は一瞬虚を突かれ、呆然とするが】
【すぐにあの気味の悪い笑みを浮かべる】

「・・・今の所は思っていませんね。でも」

【ニコリ、目を細めたその表情は寒気がするほど不気味なモノで】

「命令があれば、どんなに酷い事も・・・それこそ殺すこともやぶさかではありませんね。
 僕は既に人を1人殺してしまっていますし、1人が2人になるのも特に抵抗はありませんので」
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/11(木) 01:15:57.12 ID:8WRJez12o
>>162

誰が馬の骨だよ、これでも俺は―――っ、と……!!

私のペット……じゃあ無いんだよねぇ。そうだったら、とっても素敵なんだけどさ
アレは『弟クン』の。彼、伝説の生き物が穢されたって怒ってたよ?
……フフッ♪避けてもムダだよ。君たちにはレーヴァテインが――――

【『オシオキするから―』――辛くも、セシルの重力干渉によって難を逃れたシェンと】
【そしてセシル自身へ。二人へと向けられた赤黒い砲台は、一気呵成に火を吹いて】

【同時に、周囲は砂塵に包まれる。回避された渦が砂浜に巨大な穴を開け、砂を巻き上げたのだ】
【故に周囲はひどい状態。砂で視界は悪く、レーヴァテインの火山弾が面≠ナ両者に襲いかかる】
【しかし、そこで今度はシェンの出番――先ほどの、鉄板で全身を包まれた人型が出現して】
【それは指先から十束のレーザー光を放ち、リリアへの撹乱と同時に火山弾を防ぐ手立てとなるのである】

【―――奇襲としては、絶好の条件。武器に、己に自信を持つ半魔へはカウンターこそ至高の一撃】

あぁ、名前を呼ばれて嬉しくないのは何人目だか……フッ、だが良いさ。
奴を攻撃するにしても、どうせ俺だけじゃ凌ぎきれないのは分かってるからな――任せたッ……!

【ボウッ、と白い焔が立ち上がり。二匹の龍と化してリリアへ向かっていく】
【しかしその程度は予期していたのだろう、避けられて――にたぁ、と笑った淫蕩面が癇に障る】
【それを打ち砕くなら、ただ引き返すだけでは物足りなかろう。宝玉の白龍は、今やセシルの手の内にあって――!】

/っといい所なのですが、ちょいと明日が早いので凍結をお願いしたく……
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/11(木) 01:20:58.18 ID:wi5NWONko
>>165
/了解しました! 明日は早ければ18時からいられると思われます
/それ以上遅れるようであれば、また舞台裏の方に連絡しますねー
/一先ずお疲れ様でしたー!
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/11(木) 01:23:01.05 ID:8WRJez12o
>>166
/ありがとうございますっ、こちらは19時すぎてしまうかも……
/まあどちらにせよ舞台裏で呼びかけって感じでOKですかね!
/それでは、本日はお疲れ様でしたー!
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/11(木) 01:27:31.76 ID:H1Hh6dJk0
>>164
【彼女は確信した この人は悪人ではない!】
【過去に何をしたかはどうでもいい、彼は自分を卑下するほどに自分の悪事を後悔しているのだから】
【その心は嫌悪感と劣等感に荒び、その笑顔に暖かさはなかったが、それでも彼は自分の意志で悪事を働いたことは無い!】
【現に彼は今のところ悪事を働くつもりはなく「命令があれば」と言った そう、彼の悪事に自分の意志は介在していないのだ!】

・・・あなた、ホントは自分が思っているほどの悪党じゃないわ
だって、あなた自分でアイツを殺そうとかおもってないもの
無理に自分を正しいと思う必要は無いけど、少なくとも私はあなたを蹴り殺されて当然とは・・・思わない
フフフ・・・私の言ってることは変かしら?

【澄んだ瞳でなおじっと見つめ、今度はニコッと微笑む】
【その姿はおそらく彼の歩んできた汚れ役の人生とは反対の、きれいな人生を歩んだ人間の物だ】
【・・・が、そんな彼を彼女は見下したりはしない】
【彼は心まで汚れきった人間ではない、そう、今までの悪事はある意味「仕方がない」ことだったのかもしれない】
【勿論それの悪事正しいわけではないが・・・】
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/11(木) 01:36:59.65 ID:Oru9nmuh0
>>168

【少女の迷い無き言葉に】
【眩しい笑顔に】
【青年はたじろぐ】

【まるで日陰で生きてきた虫が太陽の光を嫌うように、青年は目を伏せ数歩下がる】

「・・・そんなことが言えるのは僕がこの世に与えてきた害を知らないからですよ。
 もしアナタが僕の与えてきた害の10分の1でも知ったらそんなこと言えなくなります。
 僕はね、居ない方がいい人間なんですよ! 僕の性格がどうとか関係なくね!」

【青年は珍しく大声を張り上げると】
【眩しそうに目を細め、後ろを振り向く】

「ここら辺でお別れにさせていただきます。
 アナタと話していると、烏滸がましい考えを起こしてしまいそうなので」
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/11(木) 01:54:31.20 ID:H1Hh6dJk0
>>169
【・・・恐らく彼の言うことは本当だろう】
【彼のことは知らないが、これだけの自己嫌悪を生み出す過去はきっと凄惨なものだ】

【でも、過去は確定してしまって不変のもの】
【変えられるのは現在と未来】

・・・ふふっ
それは果たしておこがましいのかな?
これからの自分はどうする?誰だか知らないけど命令されるがままに悪事を働き続ける?
それとも・・・どうにでもできる未来を自分のものにする?

【彼は、この少女との出会いで変わるのだろうか】
【そんなことは分からないが、一つだけ確信しているのは彼の心が悪に染まり切っていないこと】

それじゃ、せっかく出会ったんだしこれをあげるね♪

【後ろを向いた彼に、贈り物を作る】
【その場で作り上げた服は・・・純白のシャツ】
【これからどんな色にでも出来る・・・それこそ自分の思うとおりに】
【彼女はどんな意味を込めてこのプレゼントを贈ったか・・・それは推測してほしい】

じゃあバイバイ、また逢う日まで♪

【もう一度微笑みを残して、彼女は人ごみへと消えていった】

/長い間お疲れ様でしたー!
/新規なものでいろいろつたない部分もあったと思います、お付き合いありがとうございました!
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/11(木) 02:08:37.70 ID:Oru9nmuh0
>>170

【人混みの中へ消えていく彼女を見送る】
【しばし呆然と立ち尽くしていたが、ポツリと呟く】

「未来・・・ですか」

【受け取ったカッターシャツを眺める】
【何にも染まっていないそれは純白で、あまりにも自分には眩しい】

「・・・何を馬鹿な」

【自分の未来など決まっている】
【このまま悪人として生き、悪人として戦い、そして悪人として死ぬことだ】
【そうは思っていたが、どうしても受け取った勝ったシャツは捨てられず】
【抱えたまま彼女とは逆方向へ人混みの中へ消えて行った】


/お疲れさまでした! &ありがとうございました!
 拙いなどとんでもない! むしろ自分が見習う所がいっぱいです・・・
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/11(木) 17:01:01.56 ID:2YwhZ8fFo
>>158

【胸の中にのしかかる鈍痛のような重く苦しい感触】
【真綿で締められた首、呼吸の音が少しずつ遠ざかっていくような感覚は】
【彼女の小さな頭を、やわらかな髪を蹂躙するように握りつけて水へと顔を押さえつけるようなもの】

【鼓動が強くなる、そのリズムが上がったなら、呼吸する首筋がゆっくりと閉じていく】
【白い喉を震わせてもかすれた吐息だけが言葉のように漏れて】
【それがとても情けなく、それがとても辛く、それがとても悲しかった】

【巨体の影に彼女が押しつぶされて、月光が遮られて陰の色が彼女を染める】
【純白が溶けたなら、そこに映るのは黒闇に塗り尽くされた白雪のよう】
【背徳的な美しさと無垢な素肌に刻んだ穢れた色と、その形の印はとても淡やか】


……そう……だよ……ベイゼも……戦うため、育てられた……の
それはね、とっても……とても、悲しいこと……とっても、かわいそうな……こと

だからね……ソニアは、ベイゼを……護りたい……の
辛いこと……いっぱい……だったらもう……辛いこと……ダメなの


【顔を上げて、近づいてきた貴方の醜悪な笑みへ、真っ向から対峙した】
【言葉がわずかに強くなった、それでも、耳に流れこむのは瀟洒なソプラノの鳴き声】
【―――否、泣き声であった、マリンブルーが解け出して、重なる思いの残響を奏でる】

【ピアノの鍵盤から漏れた、白鍵の果てのよう、消え入りそうな高い高い音】
【白が写すのは彼女の淡の瞳、月光に溶けてしまって見えない、静かな色】
【それはとても辛く、また同時に苦しくもあった】

【更に告げられる真実は、彼女に重くのしかかって】
【彼女の表情がこわばった、細い肩に震えるような気配が見えたなら】
【泣き出しそうな表情を微かに沈めて、声を放つカナリアを待った】


……っ……馬鹿に……しない……で……
ソニアはね……護る……言ったの、ベイゼを……護るって……
それはね、倒すこと、なの……ベイゼをまた、兵器にしちゃう……そんな人を……

機関が、ベイゼを捨てるんだったら……ソニアはベイゼを大切にするの
……だからね、関係ないの……機関が、どう思ったって……

もう二度と、離さないの……ずっと、ずっとそばにいるの……
だから、だから……ベイゼをずっと、信じたいの……


【貴方の言葉の真意を読み解くには、彼女はまだまだ幼くて】
【溢れ出る感情の奔流が、氾濫するのを待つ淡い一滴のまま】
【溶けた瞬間のこぼれた音すらも、誰にも辿られないように】

【取り乱してはいるが、彼女の心は、ベイゼを護るという一心であって】
【ガイストに対する警戒は、すでに持っているもの以上のものにはならないのだろう】
【―――それ故に貴方の一言は、それ以上の効果は持たないはずだ】

【けれども、結晶の中美しく映るプラチナブロンドの色も、一瞬の美しさでしかなくて】
【ただ盲目的に信じ続ける彼女が、大きなマリンブルーを見開いた時、その景色に怯えるよう】
【いずれにせよ、ベイゼが機関に対し彼女の名前を出したことは真実であって】

【その内容によっては、彼女のベイゼに対する信頼も、崩れかねない】
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/11(木) 18:06:18.99 ID:m8Rj0djco
>>172
【多少接近したとはいえ、カニバディールとソニアはまだ一定の距離を保っている。指一本触れようとする気配もない】
【にも関わらず、この大男が彼女を蹂躙しているように感じられるのは、気のせいではないだろう】
【今にも押しつぶされてしまいそうな、淡い雪のごとき少女。かすれる彼女の吐息の音すら、心地よさそうにその耳で咀嚼する】

なるほど。彼女はどことなく、人間味が薄いような印象も受けていたのだが、そういうことかね……
いや、私が言えたことではないか。ククッ……

しかし、護りたい、か……。ふむ……

【悲鳴にも聞こえるソニアの強い言葉、泣き声のようなそれを健気にも、絞り出す白い少女】
【月光にまぎれて彼女の瞳に揺らぐ色は、もはや暗く邪悪な黒の瞳には、映らない】
【あふれゆく感情、それでもその心を繋ぎとめている、ベイゼという女性への親愛と信頼】
【二人をよく知らぬカニバディールにも、その想いの強さは感じ取れた。感じ取れた、だけで心動かされはしないが】

(大した波紋には、ならなかったか。まあ、それも仕方あるまい)
(まあ、敵に期待を寄せるなどと、考えてみれば愚かなことだったな)

【自身の浅知恵が、純粋な少女の想いにあっけなく打ち砕かれたことは、すぐに思考をやめる】
【もとより、ガイストは彼らにとっては、変わらず倒すべき敵であることに違いはないだろうから】

【それとは別に、カニバディールの胸中に浮かび上がるのは、純粋な疑問であった】

(やはり解せんな……あのNo.3が、苦しんでいる? 悲しい過去を背負って?)
(一度見ただけではあるが、とてもそういうタイプとは思えなかった。私の眼が曇っていたか、あるいは、この女が一方的にそう思っているだけか)
(それはともかくとして……ここでこの女の、No.3への信頼を砕くことが、果たして得策かどうか)

【どこまでも自分本位な損得勘定。自分が持ち得る限りの情報とそれに対する推測。そこから、どう言葉を投げるべきか】
【脳裏を、汚らわしい思考が電気信号となって駆け巡る】
【醜悪な笑みはすでに消え、視線は変わらずマリンブルーへ】


……それはすまなかった。私は彼女のことも、お前のことも、よく知らないのでね
馬鹿にしたつもりはなかったんだ

それに、先ほど言った会合の件は真実ではあるが……彼女がお前の名を出したとき、一瞬言葉の歯切れが悪くなったのを私は見た
彼女のほうでも、お前に何か思うことはあったのかもしれないな
彼女が伝えた情報も、先ほど挙げた事柄くらいだ

付け加えるなら、会合があったのは、もうずいぶんと前の話だ。今は、何かしら心境の変化があるかもしれん
その辺りは、お前たちのほうがわかるのではないかね? 彼女が行方不明になった時期から考えると
おそらく、捕虜となって、かれこれ二カ月近くにもなるはずだ。違うかね?

(……二か月。そう、二か月近くだ)

【カニバディールは、言葉を切った。そう、それだけの期間、ベイゼは彼女らのもとにいたことになる】
【ソニアがベイゼに信頼を抱いたままのほうが、おそらく自分や機関には都合がいい】
【会合のことを和らげて伝え、ソニアの抱く、ベイゼへの信頼にこれ以上傷をつけまい、と目論んだものの……】
【それを上回る、いわば野次馬根性のような感情が、カニバディールを襲った】


考えてみればおかしな話だ
それだけ信頼を寄せる相手が、二か月も自分たちの側にいたというのに、なぜ好きな食べ物のことも知らん?
彼女と、お前はどれほど触れ合ったのだ? それを思えば……彼女が本当に「かわいそう」な境遇にいるのか、それも怪しいな

お前が、彼女を信頼しているのはよくわかった。だが、彼女のほうはどうなのだね
お前を拒絶したり、兵器であることを良しとしたり、そういう様子はなかったのか?

機関がどう思おうと、それは確かに問題ではあるまい。問題とすべきは、彼女の心のほうだ
お前が護りたいとそれだけ強く思っている相手……その彼女は、お前はどう思っているんだ? 自分の境遇をどう考えているんだ?

【気づけば、止まらぬ言葉の奔流。カノッサ機関第三位ベイゼ。その心の内は?】
【本当に、現状に辛さを感じているのか? ソニアと心通わせているのか?】

【――それによって、機関が、自分が、影響を被る可能性は? 結局、知りたいのはそこではあるのだが】
【果てぬ疑問は、渦のごとく】
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/11(木) 18:24:34.48 ID:wi5NWONko
>>165

【防御を相手に一任し、一心に集中するのは失われし古の幻魔術】
【人を惑わせるためには五感を狂わすのが手っ取り早いのだが、】
【この術の場合においては実際に自然現象・物理法則を狂わせてそれを成す】

【浮上したままの体、その両の手に構成される小黒球】
【シェンが放った二匹の龍を敢えて視線で追わず――リリアへと、酷薄に微笑んだ】


             『堂廻目眩』
            (ドグラ・マグラ)

 【「脅威に飲まれ退廃の巣が溶け脳内を抉る“paradox”」】


【低音の詠唱、同時に左手の黒球がぎゅうと体積を縮め、弾丸程のサイズに縮むと】
【弾けるように黄緑色の彗星尾を引き、悶えるように曲りくねった不規則な軌道で相手へ飛来】
【狙う先は武器を握るリリアの腕――ただの魔弾でないのは明らかだ】

【もし命中すれば、撃った箇所で途端に拡大し虚無性質の穴が開かれ、対象を引き摺りこもうとする】
【相手一人を飲めるような大きさでこそないが、腕の一本ならば持っていってしまう程】
【そして後述するが、命中の可否に関わらず、とある凶悪な攻撃が付与されているのだ】

(……誰かと共に踊るのは、苦手なのだが)
(この踵で精一杯踏みつけながら舞って差し上げよう――シェン・ロンド)

(…………そして、)

【仰々しい詠唱、派手な攻撃、全てが此方に視線を引き付けるように画策しており】
【その一方で干渉を試みていたのは、己の手の内に委ねられた二匹の白龍であった】

【敵とて狡猾な悪魔、背後を襲ったとして、きっと同じ轍は踏んでくれない】
【残存させていた右手の黒球を、こちらは砂塵と豪炎の影に隠すようにして飛ばすと】
【躱された二匹をまずは其処へ飲み込もうとする。そして出口に指定するのは、左手の黒球】

――「お仕置き」するのは此方だ、リリア!!

【それが、相手の腕に命中していなくとも】
【リリアの腕を狙った黒球の中から二匹の白龍が忽然と飛び出し、】
【リーチの広い武器に抵抗出来うる至近距離で、相手を喰らわんとその牙を剥く――!!】
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/11(木) 18:48:56.01 ID:2YwhZ8fFo
>>173

【言葉が胸を射抜いた、思わず彼女の小さな唇が震える】
【潤んだ桃色のリップ、弾ける水面の波紋にも似た僅かな漣の旋律】
【それは凪とは程遠い、嵐を感じさせる強い風の音を響かせていた】

【言葉が詰まった、それほどまでに貴方の言葉は的を射た言葉であったから】
【逡巡してしまう、だめって言葉も、いやって言葉も届かないほどに、彼女の心が彼女を離れていく】
【伸ばした指先を、掴んだ指先を、握った指先を、すり抜けていくのは遠い郷愁のよう】

【久遠よりも遠き思考に思えても、心はまだ、そこに射止められていて】
【なんて言葉を返そうか、わずかに下唇を噛む彼女の純白の頬の旋律】
【瞼が閉じてしまいそうになるのを必死に耐えて、震える言葉を辿られないようにして】


…………ソニアには、わからないよ……ベイゼがソニアを、どう思ってるか……なんて
聞いたこともないの、もしかしたら、ソニアのこと……大嫌いかも、しれないの……
ううん、多分……絶対……ソニアのこと、きっと良くなんて……思ってないの


【ぽつぽつと雨音が滴り落ちた、空を見上げて曇り空が雨空へと昇華した意味を知るように】
【手のひらの落ちた雨粒の弾ける旋律、それはどこまでも儚い夢のようでもあって】

【――――けれどもそこに響き渡る雨跡は、確かな波紋を投げかけるのだから】


でもね……ソニアは……良いの……ベイゼが……どう、思ってたって……


【バイオリンケースが手から滑り落ちた、地面へと転がって、重い音を響かせて】
【ブラウスの袖がひらめいた、ふわふわのゴシック調の姫袖が薄い白色を彼女に貼り付けて】
【彼女の膨らんだ胸へと添う、両手が彼女の胸へと一つに重なった】


……救われた、の……ソニアは……ベイゼの、言葉に……
ううん、言葉だけじゃないよ……ベイゼの全部に……ソニアの全部を、認めてもらった……気がしたの

だったらね……だったら……ソニアは、返さなきゃいけないの……ベイゼにその、ありがとうをね
嫌われても良いの、邪魔と思われても、仕方ないの……

ずっと、ずっと、ずーっと……ソニアが一方的に、ベイゼを思い続けてるだけ、だから……

片思いするのに、許可なんて……必要ない、の


【どこまでも、きっといつまでも、それは一方的な思慕に近かった】
【救われたのは事実で、助けられたのが真実であるのなら、どのような思いもそれには不釣り合いで】
【彼女にとってはベイゼがどう思っていようと――――彼女がベイゼを守らない理由にはならないのだから】

【呆れたものであろう、大人である貴方からしてみれば、どこまでも筋の通らない子供の理屈だ】
【一方的な思いに過ぎないのだから、恋愛感情とはまた違う―――言ってしまえば、執着心とも言える心】
【理論はどこまでも穴だらけで、シフォンよりも砕けやすい吊り橋の上の言葉】

【―――それでも、ぎゅっと、胸の前で握った両手は、強いのだろうか】
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)2013/04/11(木) 18:56:19.86 ID:NJozoxiSo
邪気眼、厨二、ファンタジー系なりきりのゴミ溜め
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/net/1364490366/

マグロ世界の愚痴
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/netgame/6804/1313202710/
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/11(木) 19:27:50.80 ID:m8Rj0djco
>>175
【絞り出されるような彼女の言葉を、カニバディールはただ黙って聞いていた】
【視線は変わらず、貪欲にその反応を求め、蛇のように彼女の身体を這いまわる】
【震える桃の唇も、言葉に詰まって泣き出しそうな彼女の姿も、それが刻む旋律も】
【必死にした唇を噛み締め、瞼を上げようとするその健気さも。余すところなく、その暗い瞳に】
【ドス黒い脳髄に収められていく。と、その身を打つ冷たい滴】

(おあつらえむきに、雨か。ふん、世界というのは私なんぞよりよっぽど酷薄じゃあないか)

【空を見上げて、少し瞳を細める。この男らしくもない感傷がよぎったような気がしたが、それも刹那の幻に過ぎず】
【しかし、眼前の少女の想いは、確かなものだ。たとえ、一方的なものであろうと】
【バイオリンケースを取り落とし、両手を胸の前で組む彼女。まるで、救いを求める祈りのごとく】


救われた、か。相手の想いに関わらず、ただ自分がそうしたいと
いや、すまなかったね。そこまでわかった上でそうするのなら、私が口を出すべきことではなかった
全部承知の上での片思い。許可など必要ないのは、道理だよ

【神妙にして見せる。当然、本心であろうはずはない。やはり、その親愛を、執着心を、踏みにじることが】
【自分にとって得にはならない。そういう考えからだった】
【しかし、それだけでもない、のかもしれない。機関員として動くうちに、カニバディールはいろんな人間と会ってきた】
【自分など、及びもつかない相手にも。想いの強さ、という点では、ソニアもまた、自分の及ぶ相手ではないことだろう】

【子供の理屈であろうと、彼女は確かに狙撃銃を取って、自分の戦いを続けている】
【呆れよりも、どこか敬意すら抱くほどの、輝きを見出しているのも、事実だった。少し眩しそうに、瞳を細める】

[……旦那]

【ふと、スカーベッジが沈黙を破った。路地裏の奥のほうから、足音がしたのだ】
【地面をぬらす雨を踏みつけて、その足音の主はその場に姿を現す】

『なーにやってんだカニバ。いつまで経っても戻らねえと思ったら……? おい、そいつ……』
「"UNITED TRIGGER"の……敵と何を話していたのだ?」

【きっと、ソニアにはショッキングに過ぎる姿に違いない。そこに現れたのは、二人の男だった】
【しかし、スーツを着た胴体はひとり分。そこに、二つの頭と四本の腕。一つの肉体に二人の人間が同居しているのだ】
【向かって右側の頭は青白くほっそりとした顔つきに、長い白髪を後ろでひとつに束ね】
【向かって左側の頭は浅黒くがっしりとした顔つきに、短い黒髪をボサボサに乱している】

【スーツは、中央から向かって右が白、左が黒に色分けされている】
【ネクタイと革靴も同様だ。スーツの両胸には、それぞれ逆側の色の糸で、NO.50と刺繍されている】

……オーギュスト。ギュスターヴ。いや何、ちょっと……恋愛相談を受けていたのさ
『……最悪に笑えねえ冗談だぜ、そりゃあ』

【あきれ顔でつぶやく、浅黒い頭。白髪の頭は、じっとソニアを見つめる。その場に集まる四人の悪漢と、一人の少女を、雨だけは公平に叩く】
【現れた異形の双子。ナンバーズであることが、その胸の詩集からわかるだろうか】
【しかし、やはり仕掛けてくる様子は見せない。この場の状況は呑み込めてはいないようだが】

……さて、天気も悪くなってきたな。迎えも来たことだし、我々は、そろそろ御暇させてもらおうかね
何か、まだ言っておきたいことがあるなら、最後に聞こうじゃあないか

【ほかの三人は、顔はソニアに向けつつ、身体を路地裏の奥へと向ける】
【ソニアが、引き止めることがなければ、そのまま別れを告げ、路地裏の奥へと消えていくつもりらしい】
【カニバディールだけが、身体も視線も、その強く強く組まれた両手と、マリンブルーとに、向けたままだ】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/11(木) 19:29:44.25 ID:xgKSUBgHo
【魔海近くの泉のほとり――】
【きゅっ、きゅっ】 【後に聞けば、何かが何かを磨く音が小一時間聞こえていたとか――】
【……さて、今は磨き始めて30分くらいの時と設定しよう】


よォし、"剛朱晶の強炎魔"かァらの終了報告が来ィた
昼の国……灼熱地獄――決行は明ァ日の予ォ定に決定ッ!

こォっちの"壷"を使うのは予ォ定外だァが……
確保していた"アスモゥ"族――俺様の"趣味"を"エネルギーに変換"出来るとなれば使わねェーとなァーッ!
っつゥーわけで追加で混ァぜてやったッ――ヒャハハハ、さァて、人間共で"テスト"してやらねェーとなァァアア

【人間の頭部を一回り大きくしたかのような"壷"――正面に顔のような模様を持ち、貝のような蓋があり、禍々しく、しかし神聖な雰囲気のそれ】
【そんな壷をまるで赤子を抱くように抱えるのは、全身真っ黒な毛に覆われている奥二重でコワモテ、エルフ耳で2mの身長の悪魔だ】
【頭部には二本の鋭く禍々しい赤い角を持っている】
【黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、首にはマフラーの様な長い紫色の毛を持ち、他にも所々に紫色や赤の模様や毛を持っている】
【鋭く赤い牙と同じく爪を持ち、手足や尻尾の先の方は紫色で、いかにも悪魔だと思わせる尻尾の先端には赤い棘がある】
【赤い棘は肩や手の甲、アキレス腱の位置にもあり、先端に赤い爪を持ち紫色の翼膜な黒い悪魔の翼を背から生やしていた】

【布のような何かで壷を拭く悪魔――やたら大きな独り言を聞く限り、どうやら、どこかで"人間"を襲うつもりのようだが……?】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/11(木) 19:37:52.26 ID:2YwhZ8fFo
>>177

【姿をあらわす異形、思わず彼女がビクンとその小さな身を震わせる】
【両手を胸から離して、その身を竦ませたなら、とってもか細い小動物のようで】
【そこにはもう、戦う意志も、戦う余裕も残っていないのだろう】


……ねぇ……おじちゃん……1つだけ、教えて……
おじちゃんの思う……ソニアの、戦う相手を……教えて欲しいの


【目の前に新たに現れた異形―――No.50の刺繍を歌った姿に戦意を失って】
【バイオリンケースを拾い上げて、両手でそっと抱きしめるように抱えたなら、その奥から小さく顔をだす】
【マリンブルーがじぃと2つの姿を見つめたなら、後はもう、紡ぐ言葉も知らないで】

【それでも、細い喉を震わせる、懇願する言葉が、貴方へと溶けるだろう】
【雪はやがて崩れ、そこに浮かぶのは泡沫の奥の柔らかな景色で】
【それはいつの間にか咲く花と呼ぶにはあまりにも幼い蕾みたいに】


それがおじちゃんなら……ソニアは、ベイゼのために……おじちゃんと戦うよ
でも他に……戦う相手がいるの、だったら……

もう、きっと――――迷わないで、すむから……


【一瞬閉じる瞼、長いまつげが湿る色合いを崩したなら、いつかきっと辿ってほしいから】
【網膜の裏に浮かぶ鐘形は、戦いを恐れた自分自身の間の姿】
【だったら知りたかった機関≠フ中の、戦う相手を】

【夜に濡れた月の零れ落ちる月輪が、その輪郭を沈める】
【三日月と呼ぶには愛らしいその姿すらも、誰かに辿られる前の印のよう】
【静かに強く、思い続けるその意味を、教えて欲しかった】
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/11(木) 20:00:42.78 ID:m8Rj0djco
>>179
【ソニアに戦意がないことは、すぐに双子も察知したのだろう】
【視線は向けても、敵意は向けず。まして、自分たちの姿に身を竦ませる彼女に怒ることもない】
【この容姿への感想は、もう聞き飽きていた】

ふむ、戦うべき相手、かね

【珍しく、真面目に考え込む様子を見せた】
【バイオリンケースを拾ってしっかり抱える彼女から、目はそらさずに】
【懇願するような声、溶けてくる淡い言葉。それを耳で、脳髄で貪るその姿は、結局のところ邪悪でしかなかった】

……私も、こいつらも、戦うべき相手の中には入るだろうな。我らが悪党である限りは
機関そのものまた、同様にそうだろう。カノッサは容赦しない。ベイゼ・ベケンプフェンを護りたいなら、避けて通れぬ相手だ
名をあげるなら、先ほどのガイスト・ウォレンが筆頭に来るだろうな。

だが、ベイゼ・ベケンプフェンと深い繋がりのある機関員は、残念だが、私は知らない
彼女を兵器にしようとしているのが、何者であるかも知らん。何せ、私は下っ端なのでね
役に立てず、申し訳ないがな

しかし、何よりも……お前が何が何でも守り抜くというなら、他ならぬそのベイゼ・ベケンプフェン本人とすら、戦わねばならぬやもしれんぞ
そこは覚悟しておくことだ。それを思えば、お前が戦うべき一番の強敵は、お前自身かもな
せいぜい、自分の想いに押しつぶされないことだ

【幼い少女の必死の問いに、このあいまいな返答。役に立たぬ男である】
【しかし、珍しくその瞳と声音は真摯さを含んでいるようにも見えるかもしれない】

『……お話は終わったかよ?』
「まだ腕を繋いで間もないんだ。あまり、外は出歩きたくないのだがな」
[あたくしも、そろそろ準備に入らせていただいていいですかい?]

【カニバディールの似合わぬ姿に、ほかの三人は呆れた声を出す】
【それを受けて、巨体を翻し、自身の住処たる路地裏へ、その身を向けた】

ああ、すまん。では行こうか
それではな、スナイパー。次に敵としてまみえるときがあれば、まあお手柔らかに頼むよ

До свидания、狙撃手さん

【どこで聞きかじってきたのか、ロシア語の別れのあいさつを彼女へと放って】
【カニバディールは、路地裏の闇へと消えていく。三人の悪漢とともに】

【四人が去れば、後に残るは変わらぬ闇と雨の音】
【世界は、それらすべてをのみこんで、どこまでもただ存在し続けていた】

/このあたりでしょうか
/二日間、お疲れ様でした! 遅レス申し訳ないです……
/ありがとうございました
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/11(木) 20:01:06.08 ID:oJCH8Nnco
>>174

【パぁン=\―セシルの放った虚無の魔弾が、リリアの手先で炸裂した音だ】
【それは手首を飲み込み、肘までを食らい――そこで、咄嗟に爆発させた魔翌力で進行は停止する】
【しかし肘先から先は消失した上、血液とも肉とも、マグマとも付かない半固体を垂れ流す姿は】

ク、ふ……女の子に四肢欠損してほしい、なんて理想でもあるのかなぁ…!
でもそうだよねぇ!そもそも、あんな変な子を娘にして溺愛しちゃうって時点でさ―――


                 ――――――は?


【否。上半身を白龍に貪られるその姿は=\―グロテスク、且つ負け犬然としていて】
【砂浜の各所がマグマや熱せられた火山弾に覆われた、地獄のような光景の中】
【巻き上がった粒子が落ち着けば、そこに見えるのは白い炎に包まれた半魔の姿であり】
【仰向けに倒れた姿は、見るに耐えない。翼は落ちたはずみで折れていて、潮風に混じって不快な香りすら漂い始め―――】


【―――そんな折、二人の前に広がる海面の水が、1滴たりとも残らずに沖合へと引いていく】
【広い海の何処かに身を隠したレヴィアタンと『弟クン』とやらの仕業だろうか。にしては、やり過ぎな気もするが】

【しかし、だ――セシルは、これで『納得出来る』だろうか。新たな攻撃の脅威があるとはいえ】
【あのリリア≠ェ、如何に宝玉と術の連携による一撃を受けたとはいえ、そして半魔の弱点を突かれたとはいえ】
【うめき声ひとつ挙げずに、浜で焼死―? けれど判断に困るのは、彼女が持っていた強大な魔翌力の在り処である】

【周囲に、転移の魔法陣や変わり身の痕跡はない。つまり、燃えているのは紛れもなくリリア自身に違いない】
【シェンも無事。ここで退けば、圧倒的な勝利は揺らぐこと無く二人の――特に、セシルのものとなるのだ。それ以外は有り得ないし、あってはならない】


   【けれどもこの胸騒ぎは何か。半魔の身を焼く白い焔が、僅かに火勢を増したように思えた。】
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/11(木) 20:03:06.21 ID:2YwhZ8fFo
>>180
/お疲れ様でしたー!楽しかったですー!
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/11(木) 20:15:38.84 ID:wi5NWONko
>>181

――おや、死んだ

【其処に感慨も何も無い。 それでも心中で僅かに頸を傾げはした】
【あの彼女が。 こんなにも呆気無く。 妙な胸騒ぎが鎌首を擡げている】

…………どうしますか? シェンさん
嗚呼、私はどうにも納得がいかないのですが、貴方は如何でしょう

【引き潮は津波の兆候だという。 ならば手っ取り早くこの場を去った方が良いに違いないが】
【果たしてそれで良いものか、まだ此処で成すべき事が在るのではないか――】
【他人行儀は変わらず、潮の引いた砂浜にも警戒を残してか足を付けるでもなく】
【虚空に浮かび上がったまま、問い掛けた先のシェンならば同じ疑問を抱いているのではないかと期待した】

【白焔の燃焼度だって、何かを指している気がしてならず】
【見せている余裕ほどの余力も実際のところ持ってはいない。 ならば退くべき、なのか】
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/11(木) 20:38:55.64 ID:oJCH8Nnco
>>183

あ……あぁ、いや。そりゃ確かに、相手は六罪王でしかも半魔だ
納得は俺も行かないが……聖焔の宝玉≠ナ焼いたとなれば、相性は最悪だろう?
潮が引いたのは、そのペットとやらの飼い主が違うってことから納得できるし……

……まあ、どんな大津波が来るのかは知らないが、逃げる方が良いだろうな
殴り合いはその先でやればいいさ。お相手くらいはして……――――?

【ふとシェンが下を見る。そこには赤黒い三叉槍、レーヴァテインが血を被って存在し】
【地平の果てまで潮が引き、無数の海棲生物が悶える浜に白い焔が飛び回る】
【ソレ≠ヘやがてセシルへと迫ろうと空を舞って――避けも転移もしないなら、彼の眼前に立つだろう】

【髪の色はやや白寄りに。角は太さを増し、ラバーとチェーンだけだった服装には薄い羽衣が添加され】
【多重円の瞳には、白と黄色が混在する。最早それが何で誰かなどは、言うまでもないのだろうが。】
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/11(木) 20:46:48.79 ID:WDUSJaRzo
【鍾乳洞】

【流れ落ちるように音を立てて振り続く雨は、事実上の閉鎖戸となって】
【洞から出ようとする者をせき止めて外に在る者を招き寄せる】
【時折近くで雷の轟く音が聞こえるのは、気の弱いものには恐怖心を招くやも】

……参ったナ、今日はここで朝まデ待つか
野宿自体は珍しくモないけど、チョット寝るには寒ソうだな……

【入口よりやや奥まったところでしっとりとした石壁に背を預けるのは】
【一目見て砂漠の生まれだろうと分かるほど民族色の濃い異装をした、長身の青年】

【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【大きな濃い灰色のポンチョを黄色のショールで斜めにしぼっている】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

あンまり大っぴらに聞き出しテも、取り返されに来らレたら困るし
誰か読み取れる人が居レばいいんだケドな……

【誰も見てはいないからと、背負った麻袋から取り出すのはいくらかの紙束】
【なんらかの建造物の内部について書かれているらしき資料は、コモンとは異なる言語――恐らくは魔界の言語か――で書かれ】
【その上あまりに緻密に書かれたその詳細は、一見しただけではようよう分からない】
【広げて見ても図の部分をせいぜい触りだけ分かるくらいの、あまりに高度な代物】
【鍵の掛かった宝箱のようなそれに、困ったように溜息が洩れた】

/再利用ですがッ
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/11(木) 20:49:17.40 ID:pPGFGkqV0
【水の国 繁華街】

お前から、大した用もないのにお呼びが掛かるなんて、珍しいじゃねぇか……
大抵、仕事だの一緒に修練だの、面倒な用事で呼び出してくるってのによ……
「偶には良いじゃないか、一緒に食事をするって言うのも、ね
……あぁ、酒はダメだよ? 君はほっとくと、野放図に酒を煽るからね……」
ほっとけっての! 一昨日久々に飲んだけど、ここ最近週1ペースに落としてるんだしよ……!

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】

【呼び込みの声で賑わう明るい通りを、連れ立って歩いていた】
【目立つ格好で逆に人か引けるのか、そこそこ人がいる中もスイスイと歩を進めていく】

「……まぁ、君が暇なら、また色々と身を削りたいとも思うけど……とりあえず、今日は純粋に楽しもうじゃないか?」
やっぱりそう来やがるのか……しょうがねぇ。でもま……お前が居ないと張り合い無いってのは事実だしよ
……さーて、どっか手頃な飯屋はありますかね、っと……

【魔術師然とした恰好は、やや奇特な外見ではあるが、2人の雰囲気は友達そのものと言った、力の抜けたもので】
【雑談の中に苦笑を浮かべながらも、食事を取るのに適当な店を物色して回っていた】
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/11(木) 21:05:45.65 ID:wi5NWONko
>>184

奇遇ですね、私もおなじように――…………これは、矢張り

【シェンの言葉が途切れたと同時、下方へと傾けた目が、飛び回る焔を視認】
【――眼前に立つ姿は生きていた。 それに驚きがないのは最早慣れに近い】
【人ならざる身としては、嫌味や裏無く素直に羨ましいとさえ、こんな状況下ではあるが思った】

……半魔の次は、仙人にでも?
失敬、そういう焔をぶつけたのは私でしたか――それで、お加減の程は?

これ以上苦しみたくないのならば、鈴音への干渉を解いて貰いましょうか
出来るならば、あの滑稽な機関謹製玩具の消去法も教えて貰いたいものだけれど……

…………私は、それで妥協出来ますよ。 そちらの宝玉を持つ彼がどうかは別ですが。

【余力の無さを気取られぬよう咬ますハッタリ、魔族の前では意味など成さないのかも知れないが】
【そして、距離を保ちつつの臨戦態勢ではあるものの、男の思考は撤退の方に向いている】

【相手の動向を窺いつつ、ちらとシェンを見遣って】
【海にも懸念が在る。 だがこの状況を放って退くには、今後の脅威を思えば、些か心残りもある】
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/11(木) 21:26:13.99 ID:2RaPTYkz0
>>185
/ま、未だいらっしゃいますかー?
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/11(木) 21:29:54.94 ID:WDUSJaRzo
>>188
/おっともう少しでセピア色のフォトグラフ/吹石一恵をBGMにラジオ始めちゃうところだった……
/はいこちらにー
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/11(木) 21:53:36.78 ID:m8Rj0djco
【裏町】

【路地裏、とまではいかないものの、治安はとてもいいとは言えず】
【人通りがほとんどないのは、夜の闇と、薄く降り注ぐ小雨のせいばかりではあるまい】

まったく、カニバの旦那も似合わねえことをしなさるぜ……
無駄に体力使っちまったよぉ

【そんな裏町の通りを、一人の男が歩いている】
【彫りの深い顔立ちに、くすんだ鉛色の瞳と、同じく鉛色の髪をオールバックにしている】
【カーキ色のジャケットの上に、ポケットがいくつも着いた黒のベスト。迷彩柄のズボンと、黒い軍用ブーツ】
【両耳と口元には、銀色のピアスがそれぞれ付けられており、一人言とともに、時折口元から覗かせる舌の外周も、びっしりとピアスで埋められていた】

【身体をぬらしながら、小雨の中を歩く男。ふと、立ち止まって脇を見る】
【その先は、路地裏につながる道。心なしか、この裏町には、路地裏につながる道が多いように見える】
【その先から、何かがふわふわと浮かんでいる。そう、空中に浮かんでいるのだ】

【それは、人間の生首だった。生気のない灰色の瞳をした男の生首が、空中を浮翌遊している】
【生首の鼻筋には三本のボルトが突き刺さっており、ただでさえ異常な光景を、さらに異様なものにしている】
【頭には、髪の代わりに鋼鉄の角が十数本生え、ゴツゴツとした生首の風貌のまがまがしさを際立たせる】

【首の断面部分は、内側に向けてすり鉢状になっており、外周を金属の輪が首輪のように装着されている】
【ここに、生首を浮翌遊させている機構が存在しているらしい】

……ブレインデッド。連絡は聞いだろぉなあ?

「……う、う、受け取った」

なら、わかってんな? 今手がけてる仕事も、明日中にゃあケリがつくだろ
全部済み次第、カノッサの旦那がたに合流すんぞ。『スクラップズ』全員に招集かけとけや

「り、了解した」

【浮かぶ生首に、当然のように居丈高な声をかけるピアス男】
【生首のほうも、慣れた様子で片言交じりに返答する】

【この裏町にあっても、この光景は異様に映ることだろう】
【人通りは、もはやなくなっている。この場に誰かが姿を現すだろうか?】
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/11(木) 21:56:52.49 ID:oJCH8Nnco
>>187

フフッ、交渉を切り出すなんて随分と余裕があるんだねぇセシルクン?
そうれにどうやらあの娘とは縒りを戻したみたいだし……妬いちゃうなぁ

【ふと手にしたレーヴァテインを変形させれば、それは長大な槍と化し】
【その急速且つ正確な突き≠ヘ、セシルの見遣った先に居る彼の腹部を貫いて】
【形状を元に戻せば、シェンは元より疲弊していたのもあって、崩れ落ち――】

【天真爛漫にセシルへ笑ってみせれば、彼女は全身を覆っていた焔を消した】
【消した、というのは―――全く風に吹かれるような様子を見せながら火が消えたので、そう表現する】

……私はさぁ、今とっても気分が良いんだよセシルクン。折角だからネタバレしてあげよーか

そもそも、何故私が老人の姿をしていたのか……それは魔界の連中を騙す為なんだ
私は魔界が嫌い。でも、私がこっちで何かしてると連中に邪魔されるかもしれない……
勿論、正面切って皆殺しも悪くないよ?でもやっぱり、確実な手段が欲しいじゃない?

でさぁ、私の能力……他者の魔翌力を取り込み複製する≠チていう、便利なヤツでさ
つまり今までのマグマもその副産物っ!あぁでも、キミも月彗もその点は勘違いしたかもねぇ…?

……ま、これだけ言えば頭の良いセシルクンなら理解できるよね。そうそう、あの娘だけど――
キミがそこまで言うのなら、解放しないでもない。お人形を集める趣味は無いからさ
『卵』だって全部取って新品同様で返却してあげるから、好きにしたらいいんじゃない?

【『その代わり――』―――くすりと笑った先に、続く言葉は存在しない】
【しかしレーヴァテインが指し示していた。穂先から垂れる血液の先には、シェン・ロンド】
【悪魔との取引には対価が付き物だが、それはもう与えられたと言わんばかりの口ぶり――】

【――――勿論、最期に判断を下すのはセシル自身。未だ、津波の迫る様子はない。】

/遅くなって申し訳ないです…!
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/11(木) 22:01:25.19 ID:2RaPTYkz0
>>185

【豪雨に襲われ夜を切り裂いて、遠雷に交じって断続的に、速いテンポで軽い疾走がひとつ、】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

……ふぅっ、――――

【急いて駆けこむその足音の主は、そんな形容の出来る人影だった。右頬にはガーゼと大型の絆創膏、服の端からは少量の水滴、】
【コートのポケットのなか、なにか、硬質な物体が乾いた音を立てるも、】

(……これで二十二。)
(彼との盟約から1ヶ月、“あの夜” から3週間―――― )

(そろそろ次の段階に移る必要がある。……、………?)

【予想だにしなかった先客の姿が少女を現実に引き戻し、思わずその位置で歩みを留め、】
【7,8歩程度の距離を置いたまま、けれども微笑を以て彼の存在を認め、応じた。】

……貴方は……確かレナールで会ったかしら?
無事に会えたのは嬉しいわ。

大分、いろいろな事があれからあったわ―――

【口にするのは彼との唯一の共通の体験。“機関” のナンバーズを相手に共に戦った、風の国のあの夜の記憶。】
【……それも、今となっては総てが朧か。異形の都市と成り果てたあの街で、彼女は、捜せども一人の生者も見出せず―――】
【少女の浮かべる微笑が空虚に見えるのも、そんな現実があるゆえなのだろう】

【そして橡色が図中の幾何図形を映した。その内に疑問めいた光を浮かべながら、視線は再び彼へと移される。】
【“そもそも一体何なのか”、彼には如何なる意味を持つのか。】
【或いは興味とも思索とも見える其れは、まるで何かの手掛かりを求める様に、】
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/11(木) 22:18:13.91 ID:WDUSJaRzo
>>192

【跳ねる水音、硬い足音。獣とは違う人の音に、ぱち、と瞼を瞬かせて顔を向ける】
【いつぞやの仁王像との戦いで背中を預け合った、もしくは胸を借りた相手だと理解すれば】
【一分の警戒も無く表情を明るくさせ、冷たい岩壁を背中ではじき返した】

ああ……! モう随分前になるノかな、久しいネ
元気そう、ッテいうには天気がチョットお生憎サマだけど
……レナールか。第二の郷里のヨうに思っていたノに、随分、荒レテしまった

【ころころ変わる表情は、ほんの少しの間の一喜一憂をそのまま映し出す】
【今にも有りもしない尻尾を千切れんばかりに振りそうだった喜色は、すぐにかの土地の名を聞いて消沈する】
【エネルギーが収縮するように、直立して足に下ろした重心はすぐに逸れて壁に背を凭れ戻した】

ン……ああ、コレかい?
レナールの塔ノ探索依頼が以前あッテさ、その時に中デ見つけたンだ
けれどコレ、どうやら現世の言語じゃないらしくテ。ソレでなくても特有の単語が多くテ、俺じゃまるで分からないンだ
異界の言葉の分かるツテでもあればいいンだけど、まだ顔が広くないカラさ……

【参った、といったふうに短い髪に指を差し入れるように掻き上げた手は乾いている】
【恐らく相手よりそこそこ前から此処で時間を潰しているのだろう、衣服もある程度水気は取れているようだ】
【心底参った、というふうで紙束を軽く閃かせ、進展せぬ手元の綻びた姿に溜息をついた】


/多分エルジオです……よね?
/昨日自分もちょいと間違えてしまったけれど
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/11(木) 22:34:17.53 ID:dq+VDFdm0
【街中】

【普段なら夜は静寂と黒い帳が包むような場所だが、今日ばかりは野次馬の放つ雑音と赤い光で包まれていた】
【ただ通りすがっただけの人、自警団、野次馬、大量の人々が一ヶ所を見つめている】

あんまり人の多い場所じゃないからここまで集まるとは思ってなかったが...嬉しい誤算だ

【人々の視線の先。そこには一人の男が笑みを浮かべていた】
【恐らく二十代か三十代位の男。ワックスでもかけてるのかってぐらいゴワゴワの逆立つ髪、革製のジャケット。】
【それに色落ちしたジーパン。これだけみればごく普通の青年だ】
【ただ人々の視線の先にあるもう一つの物を見れば普通ではない】
【人々の視線の先にあるもう一つの物、それは燃え盛る建築物。炎が朝が来たのかと間違えそうなほどに周りの空を赤く染めている】
【そう、この男が放火を犯したのだ。それも先ほどの通り犯罪を犯そうとするものには似つかわしくない目立つ服装】

【十人ほどの自警団から、男に向けて一斉に銃弾が撃たれる。しかしそれらは男にたどりつく前に何かに弾かれてしまう】
【自警団が十を撃って弾丸が弾かれるまで男は指一本動かしていないと言うのに。】

もう満足したか?一応これでも暇じゃないんだ。相手する時間はないんでな

【男は一歩一歩、恐怖心を誘うようにゆっくりと自警団の一人の元へ歩いていく】
【自警団の目の前に立ち、男が銃に触れると一瞬だけ銃が液体のようになり、自警団の手からこぼれ落ちる】
【それから瞬きする間もおかず、液体は刀の形をとって男の手に収まった】

いい引き立て役にはなったぜ。お前ら
じゃあな

【そう言うと自警団の腹に刀を突き刺した。】
【辺りに響く悲鳴にも、悶える自警団に関心を向けることなく、自警団を蹴り飛ばしてその場を後にしようとする】

【響いた悲鳴、大量の野次馬。誰かがここを訪れるには十分な理由だろう】
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/11(木) 22:39:05.12 ID:wi5NWONko
>>191

――…………、!!

【流石に共闘していた人間が脱落したなら、殺そうとした相手とはいえ焦燥が滲む】
【身を慮っての事ではなく、単純計算としての戦力が減った事に懸念しただけではあるのだが】
【体勢はそのままに周囲に漂わす魔力を増強する事で一層の警戒と身構えをしつつ、相手の言葉を聞く】

……魔界には、実は何度か足を運んだことが合って。 魔転生と言うのを御存知ですか?
我々のような脆弱な人間でも、とある魔界の洞を潜り、その先に待つ者を撃破すれば強大な攻撃性の力を持って生まれ変われる
かつて、若かりし頃ではありますが……それを得たいという野望を持ってその洞に挑み、魂を呪われた
故に私も、彼処は好きません。 何よりネタバレにしては酷すぎる物を其処で見たので――

対義語として仙転生がありますが、そちらは得られる力の向きが異なる上に、仙界に行く方が万倍難しい
堕ちるのは簡単ですが、登るとなれば……相当な研鑽が要るでしょう
それで得られるのが自他に関する圧倒的な生命力の強化のみでは、無駄足というか
ネタバレのお礼になるかは不明ですが、月彗はそれに興味を示しているようです……嗚呼理由は、分かりますかね?

【――語られたのは、謂わば断章にすぎない】
【相手の魔界というワードでただ思い出しただけの言葉。 好き勝手に語り終えれば満足して、それだけだ】
【生命力強化の仙、攻撃力強化の魔、人間の可能性の一部に過ぎない話はとある奇形の男に関して少し絡みはしたが】

【何より、この場で重点を置くべきは“交渉”である】
【それから逃げるように上記の言葉を捲し立てた辺り、切迫した場面で幾らか気は動転しているのか】
【傷付いたシェンを見て、次に彼女を見て、武器の切っ先を見て――意外な事に、難しげにぐうと眉根が寄せられた】

…………彼を、と言うならば、私が殺りたいのですが
それで良いなら是非に……鈴音の開放を見届け次第、貴女に代わって執行しましょう

嗚呼ただし、今手中に武器がなくてね――重力で潰すには、ほら、見栄えが悪いでしょう?

【「彼も一応綺麗な顔ですから」と嘲笑めいて言う所為で、男の気狂いらしさが前面に押し出される】
【純粋に、手を下すならば己が、というように見えた。 イカれの考える事だと思えば納得も行くか】
【要求は簡単だ。 呪縛を解いたのを確認後、相手のレーヴァテインを用い、シェンを斬ろうと言うこと】
【見た目では如何にもただ本当にそれだけだ、という様子だが――明らかに不穏な要素が幾つも混じっている】

【レーヴァテインを返すのか。 本当にシェンに止めを下すのか。】
【最初に求めるのが己の要求なのだから火を見るより明らかではあるが】

【――このイカれの演技で、相手は騙されてくれるのか】

/いえいえーお気になさらずー!
/とんでもなく長く&遅くなりまして申し訳ない……
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/11(木) 22:56:05.60 ID:2RaPTYkz0
>>193

【無邪気すぎるくらい無邪気に笑って、かと思えば悲劇には大いに心を砕き……】
【あの塔の内部でその地図を得たという事は、彼は、あの後も幾つもの戦いを経験してきたのだろう】
【だというのに失われないその純粋な、心のままに行動できる、する輝き――――】

(………強いのね、本当に。少しだけ羨ましくもある、かな)

【……凍らせきった筈の心が、どこかで穏やかに微笑えた気がした。】
【微かに和らいだ雰囲気で、そんな色をした光を瞳に湛えて口を開くも、】

……残念だけど今の私にも分からないわね。
知り合いの方も貴方と同じ―――……“人間じゃない” だけで良いなら、少しは話も変わってくるけれど。

【“力になれない” 無力感からかその自覚からか、肩を落としたため息ひとつ。目を伏せてそうした少女は、】
【意気消沈とまでは言わないまでも……何処か弱って見えたその表情から、されど、再び強さを纏う様に凪いで、】

だからこそ出来る事もある――――……その地図以外にも、手掛りを得ることは出来るんじゃないかしら?

……今いる人が今いる場所で、それぞれの戦いでどうにかするしかない。
少なくとも私は……そう、出来るのだと信じてる。

【―――――― “それぞれの戦い”。幾つかの含意を秘めた其れ。】
【彼の戦いと彼女の戦い、恐らくは “違う” であろう其れらを、少女は、何れも “道” であり、刃(ありかた)なのだろうと考える】
【彼の戦いにも興味はあったし、その情報を得たいと思ってもいた―――】

【……そして同時に自らの戦いを、これまでとこれからを想ってもいた。ここから先は彼の自由で、】

/……うあ、エルジオです。思いっきり混同してました……。すみません、適当に補完お願いしますっ
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/11(木) 23:21:45.16 ID:WDUSJaRzo
>>196

ハハ、きちんと読んで貰えるノがベストかな、なンて……
そうだね……他にも、あの塔ヲ止めて街を元に戻す手立てはあるノだろう、けど
やっぱり君モ、この地図を手にした事は無駄だト思うンだなあ

【“人間じゃない”という言葉には、少々ジョークじみた響きを重ねて肩を竦める】
【無理な頼みである事は分かっているのだろう、詫びる相手に気に病まぬようにとひらひらと手を振り】
【やがて、大事そうに紙束を背嚢へとしまいこんで荷物を背負い直した】

【――けれど。大海の如し激流に飲まれ、やっと縋った藁が、この手元の紙束なのだ】
【些細であるのかもしれない拘りを一笑に付す相手の言葉は青年の無力な部分を突いたようで】
【太陽の色の目が僅かに伏せられて、わずかばかりの沈黙が降りる】

……あー……ット。君の方は、それから何かあッたのかい
ほら、洞に入ッテ来た時何か考エテるふうだったロ?
それぞれの戦い、ト言うならば、良かったら君の戦いについテモ聞かせてほしいな

【話題を探すように空を視線が動いて、ふ、と思い出したように話を切り出す】
【といっても全く興味の無い話を無理矢理作ったのではない。望みの薄い自分の話より、という興味も強く】
【ぱ、と視線ごと顔を上げて相手を見つめる瞳は、いつぞや相手の活躍を目の当たりにしたときの】
【ヒーローを見つめる少年のような、それだ】
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/12(金) 00:06:18.83 ID:l8pJOqVL0
>>197

無駄だ、なんて言うつもりはないわ。
ただその一枚に拘りすぎれば、後悔するのかもしれないと思うだけ―――

……大事なものを零してからじゃ、何もかもが遅すぎるから。

【寧ろ彼を肯定する様に、強く微笑って、けれどか細い表情になって。少女は、どこか実感めいた/歳に似合わぬ言葉を紡ぐ】
【ひどく刹那的な空気がその内にはあったが、】

(……う……、――――)

【……それでも変わらない部分はある。純粋な眼や善意は苦手で、苦手というよりは裏切れなくて―――】
【………少女は答えに窮していた。けれども停止は選べずに、】
【僅かにたじろいだ様な雰囲気から、小さく咳払いひとつ、気を取り直す様に口を開いて】

……何から語ったらいいのかしら?
戦って来た創世戦団は壊滅して、カノッサ機関は健在のままで……

【――― “創世戦団との戦いの終焉”。】
【自分一人の力で為せた事でも、今更そう願うべき戦いでもない。そう理解していたから “させた” ではなく “壊滅した”、】
【そんな風に紡いだ末に続けた言葉は、彼女の今へと話題を移した】


今は私なりのやり方で、幾つかの情報を集めてる。

カノッサ機関六罪王、コーネリアス・F・ラインハルト及びレギン。

……そして特定の個人だけを狙う “なにか” ――――
理由も分からない攻撃だけど、狙われた人たちに共通点があるのかも知れない―――

………貴方なら、こんな時どうすると思う?

【……彼に明確な “敵” があるのなら、その者に行き着くための方法を、】
【そうでなくても、彼を彼女の身に置き換えての探査法を。】

【要するに 「彼ならば、自らの敵にどう辿り着くのか」。そんな含意を秘めた問いかけ。】
【クイズの様に訊いた其れは、場を解そうとする様でもあり、】
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/12(金) 00:37:02.27 ID:tW64ofbMo
>>198

創世戦団……そっちは、聞いたコトしかないケレド
カノッサのテロに迫る程に、世を怯えさセたと聞いテいるよ
ソうか、君は色ンな者たちを相手に戦っているンだな……やっぱり、凄いや

【そこに一種の強制性があるとも知らずに相手に向ける瞳は、瞬くたびに輝いて】
【羨望と感銘に耐え切れなくなったように、ほう、と喉から呼気が滲んでいく】
【カノッサについて触れないのは、これから先も立ちはだかる敵として、この時点で話は完結していないと見たか】

コーネリアス……ソして、レギン、か
どちらも直接対峙したことは無いケレド、彼らの一過の痕は、沢山訪レた

【二つの名の共通点は、どちらも極少数回ながらメディアに姿を現しているという事】
【故、現在存在する他の六罪王に比べて露出している情報も多く、その被害の数も多い】
【郷里と隊商から離れながらも旅を続ける青年は、その爪痕に足を向ける事も多かったのだろう】
【瞳の中に移り込む惨劇を思い出すように、目線が泳いで視点が下がる】

……正直、どちらも、今俺が追っている物ですら、俺の本来の目的からは外れてしまうんだ
デモさ、日々歩く道のそこかしこに、怯えている人が居るンだ
決して俺が止められるなンて思えない、ソレでも止めたいって思うノは、悪い事じゃないヨな

チョット、話は戻るケド。さっきの図面を手に入レた塔は、六罪王の一人ノ根城、らしいンだ
俺はあンまり学が無いから、頭使った話は分かンないヨ
ケレド敵の思惑を知るには、やっぱりその足跡や情報から次の目標を差し押さえるしかないンじゃないかな

【心情を吐露するような言葉であるのは、相手の立ち振る舞い、姿勢、それらに仰ぎ見る物があるからだろうか】
【頼もしさを覚えるほどの少女の思いに引かれるように、かすかな弱音が零れてしまう】
【女々しいと思うなら、情けないと思うなら。何も言ってやらずとも、青年自身はそれでよいのだろう】

【そして相手の問いに対するアンサーは至って単純、相手をがっかりさせてしまうかもしれないくらいに】
【相手と青年とが向かう先は、対象こそ違えど目的としては似て非なるものであるのかもしれない】
【惜しむらくはその違い、青年が目指す先は敵に真っ直ぐ向かう道で無く、その行いを止める事が優先である事か】


/おっと盛り上がってまいったところで申し訳ないのですが、
/時間的にそろそろリミットかなーと思われるので次で落ちさせていただきます
/本日は絡んでいただきありがとうございました、再会出来てうれしかったです(゚ω゚)
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/12(金) 01:25:42.71 ID:ifXqdpZfo
>>195

【にやり、と笑いながらも話は聞く。それが有価値でも、無価値であっても最後まで】
【余程楽しく嬉しいのだろうか、月彗の名が出た時などは手で口元を隠すほど】
【ただ―――いざ殺させてくれと提案したのなら、そこはあっさりと。無碍にいやだよ≠ニ割り込んで】

何故って、彼は月彗と同じく私に傷を付けて一度は生き延びたんだからねぇ
[ピーーー]のは私。例えキミが此処に月彗を縛り上げて連れてきても、譲れないかなぁ……

でも、あの娘については解放してあげるよセシルクン。本当に機嫌が良いからさ
『卵』も無しにして、言った通りに新品同様……好きなだけ耽ければいいんじゃないかな、フフッ♪
……それじゃあ、またね? って言っても、次に会ったらどうなるかは知らないけどさ―――。

【そう言い放てば、彼女は魔法のように左手へと1つの真っ黒な石ころを持っていて】
【それが何かはわかるだろうし、セシルがあの少女とリンクしているのなら――】
【半魔による悪戯半分の支配が全て解かれたことも理解できるだろう。どちらも、当人に確かめれば良いことだ】
【加えてそれらが終わってしまえば―――リリアはさよならと手を振って、セシルを強制的に何処かへ転移させるだろう】

【―――助かった、と。飛ばされた先で感じるはず。いや、結果的には勝利といっても良い】
【この後がどうなるかなんて考えず、ただ己のことを考えるのならば――素晴らしい戦果ではないか】



【さて。最早救いも強制排除された世界では、ゴミを洗い流すかのように無慈悲な津波が押し寄せた】
【それは波間に一人の男を連れ去り、宝玉を何処かへ消失させて、半魔はただただ笑いが止まらない様子】
【やがて沖合に位置するレヴィアタンの背中へ移動すれば――待っているのは、巨大な潜水服姿の人物であり】

『……どうだった、姉さん?アイツは……彼女≠フ目を傷つけた奴は―――?』

んー、ゴメンねぇ…?よりによって、シェン・ロンドと一緒にいたから、さ。
でも状況は好転したよ。そのシェンは今さっきキミとレヴィアタンに押し流され、宝玉も海に消え……
そして私は『半魔で在りながら聖焔で肉体を構築出来た』わけだからね

『そう、なんだ……。でもこれで、もう姉さんは姿を隠す必要も、僕達が魔界の連中を警戒する必要も……』
『―――この世界を手に入れるのを待つ理由も、無くなったってわけだよね。』

【くすっ、という笑いが波間に消える。半魔の肉体を、今までのマグマ代わりに構成する白い焔】
【聖焔=\――悪魔に抗するための力によって武装した存在に、最早明確な弱点は無し】
【些か神性を加えたような、ひどく不確かな格好のまま。リリアという存在は、思考を邪悪に染めていった。】

/改めて、こちらこそ遅くなって申し訳ないです。
/ただめちゃくちゃ面白かったな、と!ありがとうございました&お疲れ様でしたー!
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/12(金) 01:40:55.63 ID:tW64ofbMo
>>198
/柊チャーンの方、寝落ちでしょうかー
/もう三十分ほど待ちましてお返事が無い場合、申し訳ありませんがこちらから再度退出ロールを回して〆とさせていただきます
/何度も勝手な判断を下してしまってすみません
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/12(金) 01:47:43.57 ID:EVnu3G1C0
>>199

(……、――――)

【感嘆。単純すぎる答えでも、その末に続いた言葉が本質の様に感じられた。】
【墜ち破壊された魔都に足を踏み入れ、調査隊として “次” を探る、】
【心を穿たれようとも自分は変えない。世の傷痕から目を逸らすことなく、“次” を阻むために見定め続ける―――】
【……彼らしいと、なぜだか思った。その優しい生き方を、輝かしいと密やかに思った。】

敵の情報を得るならその痕から、か……
私とは少し違うけど、本気だって事は変わらない――――
それで良いんじゃないかしら?
……貴方みたいな人こそが、世界に必要なんだと私は思う。

【少女はまたクスリと微笑って―― どこか空虚ながらも、紛れもなく仲間に対しての信頼を感じさせる表情―― 穏やかな声を彼へと向けた】
【種類こそ違えど憧れの様に。まるで “自分とは違う誰か” を想い、見つめる様に、彼を純粋な笑みで見ていた。】


だからという訳じゃないけれど……あまり無茶は重ねないで。
カノッサ機関が倒れた後でも、皆の傷痕はすぐには消えない―――

……こんな話は苦手でしょうけど、私は……それでも、貴方にも生きていて欲しいから。

【彼を案じる様な言葉であり、“自分たち” の勝利への確信を秘めた様な言葉でもある。】
【だが、其処にあるのは確信ではなかったのだろう。言葉と共に浮かべた苦笑は、それにしては儚過ぎていた。】

【勝利する以外に道はなく、ならばたとえ不可能であろうと “その結末” を掴むと望む――――】
【………そのために最善手を打ち続ける。】

【研究所や街単位での小さな拠点、関連施設へと攻め込んで、得られた情報から “次” に繋げる――――】
【……そこから先は繰り返し。島から島へと渡り歩く様に、瀬戸際のラインを一人で歩む、】

【そんな話を耳にしたなら、彼は何を語るだろうか? 否定こそしなかったとしても、きっと止めようとならばするのだろうか。】
【ならば、“少女の答え” は必要なかった。】
【 ――― 自分は黙って歩めばいい。この生き方を貫いて、きっと彼にも悪いものじゃない、望む “今” のために戦う――――】
【そう確信して微笑しながら、少女は内へと言葉を秘め終える。彼と彼女とを後押しする様に、強く、強く、輝きの様に。】

/了解ですっ、一々遅くてすみません……特にこのレス……orz
/それではこんな感じでどうでしょうかっ……?
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/12(金) 01:56:08.75 ID:EVnu3G1C0
/っと、内容自体に変化はないのですが、ちょっと表現を変えたいというか変えるべきだった部分が……orz

【そう確信して微笑しながら、少女は内へと言葉を秘め終える。彼と彼女とを後押しする様に、強く、強く、輝きの様に。】

【そう確信して微笑しながら、少女は内へと言葉を秘め終える。彼と彼女とを後押しする様に、強く、強く、彼から受け取った輝きの様に。】
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/12(金) 02:24:33.79 ID:tW64ofbMo
>>202

【先の彼自身の言葉通り、青年は文明国におけるような教育は受けておらず】
【それどころか共通語は読めず、書けず。戦士として必要な教えしか、その身に受け取ってはいない】
【だから、尊敬の念を持って見上げる相手のくすぐったいような声は、嬉しかったのだろう】
【それこそほんの小さな事を褒められた子供のように、目いっぱいの歓喜で目元を緩ませていたのだが】

【不意に、その瞳が、信じられぬように見開かれた】

……世界に必要トなんて、俺はさレたくない
誰かに望まレる事を望ンデ、行動しているわけじゃ、ない
君は、それヲ、望むノか

【ひどく、口調は固く。氷の塊を飲み込むように、途切れ途切れで妙にぎこちない】
【ひょっとすると相手との心持の違いは、もっと違うところなのだろうか?】
【相手との決定的な違いは、相手は言葉にしていない。青年も言葉にはしていない。多分それは、心中にしか、ない】
【不信と恐怖に舌が乾いて、上顎に張り付く様】
【後ろは壁であるのに、めまいを起こすように片足がぐらついて踵が壁を蹴った】

……ヤ、ゴメン。なんでもないンだ
生きていてほしい、か。ンー……こっちの言葉デは、なんて言うンだロう
エエト、俺の郷には約束は雲、実行は雨っていう言い方があるンだ
だから、俺がソノ言葉を守りたくても、多分俺はドコかで死ぬ。きっとソレは運命で、ソレが俺の死に時だ
勿論俺は最後まで足掻くケレド、約束は出来ない

【直前の言葉は、さすがに相手に対して失礼だと思い直したのだろう】
【それでも相手の顔を見れないというように、視線を逸らして謝罪を口にする】

【約束は雲、実行は雨。約束は果たされてこそ意味があるが、実現はまれであるという意味の言葉】
【元来嘘を吐けない性格であるのもあるのだろう、背中を合わせた相手だからというのもあるのだろう】
【相手の純粋な励ましを否定する事になると理解しつつも、穏やかに、真摯に言葉を重ねる】
【諦観にも似た言葉は、瞳に諦めを宿す事無く、ただただ真っ直ぐな色を相手に向けた】
【注釈を入れれば、別段、彼がそういう覚悟が出来る特別な人間と言うわけではない】
【彼の郷里が、生まれ育った教えが。そういう性質であるのだ、というだけに過ぎないのだ】

雨、止ンだみたいだな
さすがにココで寝るノは、チョット風邪引きそうだ……今ノうちに、街ヲ目指しておくヨ
――生きテ、また会えたらいいな!

【一瞬の沈黙の中、気付けば篠突く雨の音は消えて。吹きこんでいた湿気も随分と薄くなっている】
【ただでさえ寒い春の夜気は鍾乳洞の中という地形上いっそうに冷たく、改めて身を震わせた】
【相手がどうするかは分からねど、先に出るとひらひら手を振り背を向けて】
【一度だけ振りかえり、確約の出来ない希望を告げた】


/お疲れさまでしたー!
/なんか結構ゲスゲス言っているような……これだから曲がる事を知らない猪武者は困るね!(゚ω゚)
/柊チャーンには歪みなく進んでいってほしいです
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/12(金) 20:59:55.25 ID:NkDo+BjQ0
【街外れ――ちっちゃな児童公園】
【かちかち鳴る古びた街灯がたった一人でつんと立ち、蒼白い光が辺りに零れて】
【照らし出すのは塗装なぞ剥げて錆びた体で佇むブランコ、滑り台、ジャングルジム――】
【――ぎきぃとひどく軋む音色、手繰ったなら、ブランコの一つがゆぅらり揺れた】

…………。

【地面を緩やかに蹴っ飛ばした揺らぎ、靡いた長めの髪、細い体躯、少女だと察するのは容易いか】
【零した小さな溜息――夜に蕩けて、糸みたいな三日月に、照らされた】

【――金色の中にピンク色を混ぜ込んだような髪色は、毛先に向かうに従ってくるり巻く癖毛】
【幼さと鋭さをきゅっと詰め込んだ顔、勿忘草色の瞳は地面を蹴飛ばす足をぼんやり眺めたまま、伏せられて】
【白基調に赤をあしらったワンピース、たくさんの布地をふわふわ膨らませたなら、体型を隠すかのよう】
【ビショップスリーブから溢れたような指先は錆びきったブランコの鎖をぎゅっと握って】
【膝よりも長いスカート丈、地面を蹴っ飛ばす足先を飾るのは底のないショートブーツ】

……馬鹿馬鹿しい。

【水中でたゆたうかのよう、ひらふわ揺れるスカートの、その膝の上】
【そっと載せられているのは本が一冊。「人を生き返らせる方法」なんて書かれた、ふざけたようなもの】

馬鹿馬鹿しい……――。

【――苛立ったみたいな舌打ち一つ、きっと夜によく響いた】
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/12(金) 21:40:44.27 ID:FV1OEbpO0
>>204

【雨垂れの音はどこか遠く感じた。抱え込んだものは消えずとも、穏やかな一時を過ごせてはいた。】
【彼女には情報を求めての事とはいえ、得難い交流だったのだろう。時とともに和らいでゆく表情。】
【けれども急転して冷え込む空気は肺腑を刺す様で】

(…………!? 、――――――)

【ひどく予想外だった様に見開く橡色。ハッとした様に忘れて一瞬乱れかける呼吸、】  
【――― 彼の恐怖が分からなかった。自分の言葉が原因だという事だけは理解っても、考えはそこまでで答えは見出せずに】    
【やがて、呆然としても見えるその表情は、普段の其れに近い落ち着きに移って―――】

(……、行く先も、私と彼とは違うのでしょうね。)
(同じであるとは望まないし、寧ろそうなってしまえば困るけれど―――)

【彼の紡ぐ否定に返る言葉はない。ただ理解できない/したくない価値観を受け止め、なお抗おうと試みる様に、小さく息を吐き出すだけだった】
【約束が欲しかった訳ではない。自分の言葉で “その結末” を避けられると、気休めの様に願った訳ですらない。】

【……不可能、運命、定められた避けられぬ終わり――――】
【抗いの意味を望む彼女には、其れは受け入れる訳に行かなかったというだけの事だ。】
【今宵、これ以上言葉を交わせもしない。受け止めて前に進むしかない。】

【だから沈黙はそう長くもなく、彼の言葉を聴き終えれば、言葉を胸に仕舞う様に一度目を瞑り】

……そうね。今は、それだけ交わして置きましょうか。
貴方にも、武運を。

【彼の別れの言葉にそう応じた。自然な、どこか明るくさえ感じられる響き。】

【そして普段通りの表情を浮かべながら、去りゆく姿を見送るのだろう】
【別離とはまた違った意味からの、どこか寂しげにも見える瞳を向けて、】

【……それにすら気付かないまま。少女もまたこの洞を去る。】
【街へ、自らの現実を再び戦うため。言い知れない虚無感を抱えながらも、口元に浮かべた表情は、希望を求め、願うかの様に微笑って、】

/遅くまで引き留めてしまったみたいですみませんっ、改めてお疲れ様でしたー!
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/12(金) 22:07:56.46 ID:dn/LwdDUo
【ある都市のありふれたファミリーレストラン】

【夕飯時の混雑も過ぎ、客もまばらな店内に些か悪目立ちする小柄な女性が居た】
【服装は黒のロングスカートにエプロン、腰元と後頭部には大きなリボンがあり】
【まあ言ってしまえばメイドさんだ。古い丸メガネをして、ぼろぼろの文庫本を読んでいる】

【テーブルに広がっているのは既に空の大皿。そして飲みかけのコーヒーで】
【まあ、よくある時間潰しの光景か。ただやはり、メイドさんが――なんて言うのはめずらしく】

……、…………おや、もうこんな時間ですか。
あと少しで読み終えるのですが……ホテルが閉まってしまうような、そうでないような
とはいえ先の展開を見たくもあり……、……まあ良いでしょう。

【『多分』―――顔を上げてからそう呟くと、彼女は一度本を伏せてコーヒーカップを手に取り】
【そのまま、ドリンクサーバーへ向かうだろう。――そうそう、彼女が変な理由はもうひとつ】
【それは席の下に置いたトランクケース。そこに、黄銅の刃が煌めく奇怪な武装具が括りつけられているのである――。】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/12(金) 23:14:05.30 ID:I8xdqK/Go
【街中・とある商店街】
【冬が過ぎ去り、すっかり空気が温かくなった近頃】
【季節が移り変わってもなお全く変わらぬ一人の小柄なシルエットが今日も街中を歩いている】


季節はすっかり春なのデスヨー、世間は近頃も能力者たちの襲撃で
度々騒がしくなってしまっているようですが、こんな時こそワタシが気を引き締めねば!デスヨー


【その少女は純金の三日月の髪飾りで長くつややかな黒髪をポニーテールにして整えていた】
【耳をアンテナヘッドホンのような機械で覆い隠した、銀色のカフスボタンが袖に付いた黒を基調とした丈がくるぶし部分まであるロングドレス】
【その上にフリルだらけの常に汚れ一つない真っ白なポケット付きエプロンを着用して、メタリックカラーの小さなブーツを履いた…俗に言う侍女服の少女】

【かちゃん、かちゃん、と機械の足音を立てるその少女は、ふとその手に一かけらの輝く破片を手にしている】
【彼女は歩きながらその手のひらの上の破片をじっと、観察しながら】


しかし宝玉の欠片なんて物が手に入るとは驚いたのデスヨー……宝玉って一度割れたら
元に戻す事って可能なのでしょうか?こんな物手にするのは初めてですからよく存じませんが

後でゼンさんと合流して"旧遺物"関係で何か分かった事がないか、とかいろいろ聞きたい事もありますしデスヨー


【今日も忙しくなるのデスヨー、と呟きながら】
【彼女は本日のスケジュールを再確認しながら、己の歩調をさらに早めようとしていた】
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/12(金) 23:59:28.40 ID:048B1wSC0
>>205
【トン――――そんな小さな着地音。聞こえるのはきっと隣のブランコから】
【鎖が擦れ合ってキイキイと聞こえる事を考えれば、空耳では無いのであろう】
【さて、横に視線を送ったならば、何処ぞの制服に身を包んだ少女――――いや、彼女からすれば女性であろうか】
【そんな人物が小首を傾げながら見つめていて】


「なーんだか若いのに擦れてますねぇ……
ほらほら、あなたみたいな歳の間はちゃんと笑わないと早く皺が出来ちゃいますよ?」

【――――舌打ちが耳に届いたのならば、きっと苦笑を浮かべるのだろう】
【その本の文字を読み取る事は出来ていない。故に、ただ面白く無い事があったから不機嫌なのだろう】
【そんな、安直な思案から出た言葉であって】
【ギイギイ――――鎖の擦れる音。大きくなるに従って、女性の揺れ幅も広がり】


「よいしょ……とっとっとと――――っと!
年下の女の子の悩みを聞くのはお姉さんのお仕事です
些細な悩み程度ならば、私で良ければ聞きますよ?」

【最高潮の所で飛び降りれば華麗に着地。するつもりだったのだが、一歩、二歩――――手をバタバタと動かしながらバランスを取る姿は何処か間抜けで】
【少女へと向き直れば、ブランコの柵にでも腰を掛けて茶色の双眸を向けるのであろう】
【――私で良ければですけどね。脳天気な女性は一度笑めば、後は少女の答えを待つだけで】
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/13(土) 00:15:36.13 ID:Bn5hM6Jyo
【風の国・草原地帯――とある丘の上】

【既に深夜でこそあるが、寒すぎない程度の風が肌を撫ぜ、月明かりが足下を照らす】
【風光明媚とでも言えばいいのか。そんな小高い丘の上に、一人の女性が居た】

【髪は、オレンジに白のペンキを混ぜたような表し辛い色。長いそれは癖が強いらしく、所々カールしていて】
【一方で服装はというと、また非常識的。宝石の散りばめられたドレスコートはともかくとして――】
【その下に着込んだラバーとチェーンばかりの、露出が多い格好はひどく扇情的】
【足を見れば底の厚いブーツであり。また手を見れば、人外じみた鋭さを誇る爪があって】

フフッ……ここから見ると、雲を突き抜けて宇宙にまで届いちゃいそうだねぇ
根本のレナールはこの月明かりでも暴かれない霧の中……住人≠フ声が、風に乗らないのが幸いかなぁ

……、…………まるで、あそこだけ世界が違っているみたいじゃない?

【耳に絡みつくような呟きを漏らす彼女は、きっと恐ろしく目立つはずだ】
【場所もそう。男の理想を追求したような容貌もそう。ただ、今最も彼女を際立たせているのは】
【彼女が着ている、コートのファー。そこが白い焔となって、さも当然のように燃え続けている事だろう】

【―――さて、遠くにはあのレナール≠ニATLAS≠フ見えるこの丘で】
【あからさまなまでに化生じみた女性と邂逅するのは、何れの人であろう―――?】
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 00:19:21.47 ID:BSVGt9me0
>>209

【別に、市販されているよな本に記されていることで叶う事柄ではないこと、いやになるぐらい理解していた】
【何の期待もそこになかったはず。それなのに、くぅだらない子ども騙しにも満たないことしか書いてないなら、】
【――いや、そもそも。死者蘇生になんて興味もなかったはず、なのだ。理を捻じ曲げて何になる?】

【くるくる丸まる毛先みたい、細くたくさんの思考が巻いて巻いて、絡まり行く――軋む音色は、その頃合と重なる】

…………、

【思考の海をたゆたうなら、気付くのは少し遅れて。スルーしたようにも見えるが、悪意があるわけでもない】
【古びた鎖が立てる自己主張めいて軋む音、気付いたならば、不機嫌色で伏せられた視線が女性の方に向かうのだろう】

どうも、そういった感情は不得手でね。同年代の別のに任せるよ。
平均とってプラスになるならなんら問題もなかろう、静かに本を読んでいるほうが好きなんだから。

【――いつ来たのかとか。少しばかり気になることはあっても、苛立ちの前では些細にも見える】
【つらつらつらと吐き出していく声音は、元より擦れた音色であることに不機嫌を混ぜ込んだなら、少女らしさを失って】
【年頃の瑞々しさなんてどこへやら。老けた声というわけでもないが――こう、どこか、不釣合い】

ブランコの柵に座るなと教わらなかったかね、顔面に靴ブチ込まれたって知らんよ、私には関係無いが――。
……じゃ、これの読書感想文でもいただけないかね、最初の数頁読めば大体内容の分かるよな本だから

【揺らぎを止める錨の足、ざざと擦れた砂粒の鳴き声は良く響いて】
【言葉の割りに靴を脱ぐような仕草もなければ、きっと実行されることもない】
【その代わりにえいやと投擲されるのは膝の上の本――それを投げるなんてとんでもない。普段は絶対にしないのに】

【――ばさばさと、羽ばたくみたいな頁の音、あまりに唐突だけれど、女性は上手く受け取ってくれるだろうか?】

【もしも上手く受け取れなかったなら、するり、羽衣みたいに纏うのは勿忘草色の魔力の燐光】
【夜でなければ気付けぬほど幽かで――彼女にぶつかる、地面に落ちる、その一歩手前でふぅわり宙に留まるはずだ】
【取ろうと思えば何の抵抗もなく掴むことが出来る。そうしたなら、勿忘草色も消え去って】
【(もちろん、上手に受け取れたならこれらのことは起らないのだけれど)】

【本のタイトルは先ほど記したとおり。内容は――なんか、これ、絶対ダメだろう。そんな感じのものばかり】
【女子高生辺りが好みそうなおまじないに酷似して、ふざけているといえるようなもの】
【というよりこんな方法で生き返りたくない。そんなぐらいに、馬鹿げていた】
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/13(土) 00:39:03.14 ID:/fIIyKDpo
>>210

【その女性の背後から丘へと登ってくる足音。草を分ける音、金属がカチカチとこすれ合う音。】
【色々な音と安い煙草の煙を体にまとわせて。もう一人、女性が現れた】

【太く艶のある長い黒髪を後頭部で一纏めにしてべっ甲の髪留めでポニーテイルを作っている】
【薄く整った眉、目は切れ長で、彼女の腰に差した2つの刀の様に、冷ややかな漆黒の瞳をしている】
【黒いパンツスーツの上にこれまた黒いトレンチコートを着て、寒そうに襟を立てているがベルトはしていない】
【多分、どのような状況でもコートの下の刀を抜けるように…というためなんだろう】
【しかし、このような場所でも彼女は黒革のハイヒールを履いていた。】

【風が吹く度にコートが揺れる。口にくわえた火の点いた紙巻の煙草の煙が流れる。】
【スーツの胸元には金メッキの四角いマーク(正確には四つ割菱というのだが)のバッチがあった】

さあ?でも、繋がっているじゃないですか。ここから、彼処も……

歩いて行けるんなら、何処だって一緒の気がします……私は…ですけど。

【彼女のつぶやきに勝手に返答するトレンチコートの女】
【静かに丘に登って、横の並びに…けれど少し離れたところに立って】
【右手には大きな双眼鏡を持っていて、それで遠くをじっと、ぐるりと見渡している】

静かなものですね、こんなところじゃ…無理もないですが。
……都会で暮らすと、こんな静かさがたまに恋しくなります。

【、と。がついているような几帳面な話し方で問いかける】
【容貌を気づいていないのか気にならないのか気にしていないふりなのかは わからない】
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 00:42:09.79 ID:/Emxkq+v0
>>211
「ありゃー……これは思ったよりも暗い子で……
んふふ、確かにプラスに傾くなら良いのかも知れませんが、もやしっ娘になっちゃいますよ?
それにほら、本なんて私くらいになれば嫌でも読まされますし」

【読まされるというよりは、読まなければならない年頃】
【めんどくさいんだよなぁ……と勉強に対して愚痴を零したところで、何かが変わる訳でも無いのだが】
【小首、今度は反対側に傾げてみれば少女の心情を勝手に推測しようとするけれど】
【――――勿論の事、ついさっき出会った……もとい、面白そうだから立ち寄った相手】
【慣れない思考もやがてかぶりと共に暗闇の中へと飛ばせば、今一度脳天気な笑顔が戻って】


「えっへへへ……あなた位の子の靴を避ける事が出来ないくらいに落ちぶれてはいませんよ
それにほら、この柵だってうら若き乙女のお尻を直に感じているんですからきっと喜んでますって!
――――お……っと!」

【巫山戯た言葉。勝手に柵を雄認定してしまえば、ねぇー?何て語りかけて見せて】
【ご機嫌に鼻歌を綴っていたいた所に投げられたその本を前屈みになりつつ受け止めようとするのだろう――――】
【結果としては、ダイビングキャッチ染みた格好になったが、本は汚れていない……筈で】


「感想文ですか?最初の数頁で書ける位の内容……なら……別に―――――」

【言うよりも早し。受け取って地面へと体を着けたその時にはもう目次を通り越して】
【――――ふむふむ。ちゃんと理解して居るのかは分からないが、内容は頭の中を通っている様】
【暫くすれば、パタンと本が閉じられて――――】


「あー……あれですね。倫理的にもアレですが、こんなで感想文書いて提出したら先生の拳骨一つじゃ済みそうにないものですね……
何か一昔前の映画か何かに……と言うか、何故あなたはこんな物を読んでるんですか
ほら、あなた位の歳ならこう、もっとメルヘンチックな……」

【漏らされる言葉。これは不味いといった旨を含む其れ】
【――――続けざまに、少女へとジットリとした視線が送られる事だろう】
【勿論、非難などでは無くて、純粋な疑問として向けられたものなのだけれど】
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/13(土) 00:52:20.28 ID:Bn5hM6Jyo
>>212

そうかなぁ……風が吹いても晴れない霧に、化物と化した住人たち
そしてどこまでも伸びる魔界の巨塔なんて、とっても幻想的で、リアリティが無いじゃない?
例えるなら―――人が惨殺された小部屋に入るのと同じような感覚だと思うんだけど……―――?

【あくまで感覚的な問題だよ、と変わらぬ甘い声で言ってみれば】
【ふと、その瞳を相手に向ける。女性――武装していてタバコも、となると俗世慣れしているのか】

【そんな風に思って、何かを咎めたり無闇矢鱈に質問をしてみるようなこともない】
【むしろ相手がこちらを普通の存在として扱っているのが不思議なくらいだったが、自ら言うことでも無し】
【やがて円を何十にも重ねたような歪な瞳は、相手の持った双眼鏡に留まり――】

なにか見える?この辺り、どこまで行っても草と土と岩しか無いよ。
もう街は無くなっちゃったし、土地だけは広いしねぇ……もしかしたら、キャラバンなんかは見えるかも

……ねえ、キミって都会のヒトなのかな。だったら少し―――

【『――聞きたい事が』 そう尋ねるにしては、らしくない格好ではあったが】
【一先ずは友好的に。なにか機嫌が良いようで、にこりと笑って見せながら声をかける】
【―――あぁ、1つ忠告をするのなら、この女性の瞳や声に必要以上の注意は向けないほうがいいだろう】
【もしそうしてしまったら、チャーム――所謂魅了≠フ術にかかりかねない。最も、注意していれば恐ろしくもないが。】
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 01:03:19.81 ID:BSVGt9me0
>>213

もやしで結構だと思わないかね、本を読むには日陰者だとか関係無いわけなのだから。
そもそも独活なんてわざわざ暗がりに閉じ込めたのを喜ぶじゃないか、色白は七難隠すとも言うのだし。

……他者に読まされる本ほどつまらんものもないと思うがね。そんなの、時間の無駄だろうに。

【ああ――推測は思ったよりも簡単なのかもしれない。引き篭もり上等、多分そんな感じだ】
【もやしも独活も陽に当てない箱入り製法、色白は……なんて言うけれど、彼女の場合不健康色なだけ】
【お日様よりも月明かりの方が似合う――なんて、言葉巧みに誤魔化す以上の意味はなく、】
【実際のところ。お日様なんて浴びようものなら蕩けるんじゃないかというような引き篭もりまっしぐら――】

【溜息一つ。心底そう思っているらしいのは、社会なんて知らない生娘の言葉そのもの】
【社会の不条理を身に欠片も浴びたことがないから、褪めた目を向けて、溜息なんて吐きやがる】

おみごと。

【ずざーと滑り込むようなダイビングキャッチ、空っぽになった両手はブランコの鎖を掴んで】
【その向こう側でちっちゃく浮かべる笑顔。悪戯ぽいような、からかうような、それをずーっと希釈し続けた色合い】
【(ただ、それがどこか似合っているような気がする。そんな表情が似合っていたような残滓が、確かに)】

いやね。母の書斎を整理していたら出てきたものだから。
どんなものかと持ち出してみたんだが――ああ、これこそ時間の無駄だったと言えるかね。

【腰掛けたままつけた足元、体を安定させようとしたなら、自然に前のめりめいた姿勢になる】
【「良かったら持って行かないかい」なんて尋ねるのは、どう考えても厄介払い――もちろん、断ってしまってもいい】
【それでも当初よりマシになった苛立ちの色――くだらなさを共有したことで発散できたのだろうか】
【褪めた風に瞬く勿忘草色、砂漠に落とした砂粒みたい――がっかりしたように見えたなんて、きっと気のせいだ】
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/13(土) 01:11:07.12 ID:/fIIyKDpo
>>214

…けど、彼処には確かに存在します。いえ、私は確認していませんが 
幾つもの人々の話から幻と断定できません。なら、事実として受け入れるしかありません

…その例えなら私はその小部屋がホテルの客室ならで赤ワインでも空けることにしますよ

【そう言って少し笑った。彼女なりのジョークなのかもしれないが 品というか節操がなかった】
【不思議な風貌の彼女にも面白いかドン引きかのどちらかの雰囲気を感じていただけたらと思う】

そうですね…滅んだ街と巨塔と草と土と岩がありますね。何処までも幾つも。キャラバンは見当たりません。
こんな深夜ですから、あまり遠くまで詳しくは見えないというのもありますが…

…ただ、本当に何もないのがわかれば十分です。寧ろ、何かが飛び出てきたほうが困りますよ。

【そう言いながらも、双眼鏡を手放さず、目をくっつけたままあっちこっちを眺めている】
【時折、片手で双眼鏡を覗いたまま、煙草をもう片方の手で摘んでは煙を吐き出したりしているが】
【それ以外、問いかけに答える際もどうにもこうにもずっと、遠くを観察したままだ】
【性格がそのまま口調に出ているらしい 失礼にも当たる態度。短気な人なら怒ることもある】

ええ、都会…といってもまあ、ここより都会のところなんて、ロバと羊がいれば条件を満たしそうなものですがね。
聞きたいことがあれば、なんでもどうぞ。 ……私で良ければ

【双眼鏡から目を話して、それをゆっくりと丘の上の地面に置いた】
【そちらの方を、向くかと思えば。すぐにコートの内ポケットから黒革の手帳を取り出して】
【また、目線は手帳の方へと向いて。ボールペンで何かを書き始めている】

……ああ、すみません このままで失礼させてもらいます

【礼儀が足りないことを今、思い出した】
【完全に知ってか知らずか。いや知らずに このひとを惑わす瞳への対策を取っている】
【ただまあ、一言注意すればそちらをすぐにでも向くだろうが……】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/13(土) 01:25:52.30 ID:Bn5hM6Jyo
>>216

……なら、行ってみる?その目で確かめれば理解できるんじゃないかな
かつて交易都市として栄えたレナールが、今は現世の地獄だってコト。
なんなら、赤ワイン片手に物見遊山でもいいかもねぇ?

【くすっ、という笑いを漏らす。それは相手のジョークに対してか】
【或いは自身の提案が何か可笑しかったのか。どちらにしても、冗談らしくないのが問題で】
【それこそ女性が見付けた中では最も興味を引くはずの街と巨塔――】
【案内の提案にYES≠ニ答えれば、本当に連れて行かれそうな空気が、僅かに流れ】

【――いや、やはり先程笑ったのは女性のジョークに対してなんだろう】
【ここよりも都会――という件を聞いて、同じように笑ったからだ】

フフッ……ま、いいよ。私も別に、ヒトを見かければ跪けという極悪人じゃないんだしね

で、だけど……ヒトは、都会に住むとそれぞれに干渉しなくなるって聞いたんだ。
挨拶は勿論、目を合わせることもしないってね。それで、私が聞きたいのはその発展。
『無関心の先は存在するのか』っていうのを、一度聞いてみたかったんだ

……つまり、他者がどうでもよくなったら、君たちはそれで終わりなのか、ってね?
明確な答えなんて期待してないけど、キミの思った通りに言ってくれればそれでいいよ――。

【―――それにしても、ヒト≠ニはよく言ったもので。やはりこの女性、人外か】
【その雰囲気や格好からするに、悪魔や淫魔の類とも思われたが】
【まだ、まだだ。今のところは友好的に違いなく、女性の手帳を取り出すという行為にも文句を言うわけでもなかった。】
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/13(土) 01:28:40.70 ID:/fIIyKDpo
>>217

【彼女のペンを走らせる手が一瞬止まる。すぐにまた書き始めるが…】

行けるんですか
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 01:29:33.36 ID:/Emxkq+v0
>>215

「えー、肌が白いのは良いですけど、転んだだけでポッキリ逝きそうなのはちょっと遠慮したいですねー……
でもでも、ですよ!七難隠しても新たな何が生まれたりもしそうじゃないですか!例えばー……今は浮かびませんけど、きっとそうです!

確かにそうかもしれませんけどね。だけど、それも必要な事ですし……
何より、私みたいなタイプは無理に読まされなきゃ読まないから丁度良いんですよ」

【何だかんだ言いながらも再びページを開けば、読み進めて】
【――――砂の上で読む姿は、居間で寝っ転がって新聞を読む中年よりも哀愁を漂わせ】
【手厳しい言葉……かどうかは分からないけれど、時間の無駄という言葉を聞けば、首肯しつつも決して其れが無駄で無いと伝えて】


「ンフフ、こう見えても瞬発力にはそれなりに自信がありますからね
これ位当然の事ですよ
それに……ほら、そうやって笑ってくれるなら、受け止めた甲斐もあったという事です」

【表情の変化。認めれば女性もにへらと表情を崩して】
【――――笑えるじゃないですか。意地悪のつもりで言った言葉だけれど、少女の耳にはどの様な意味で通るのだろうか】
【何かを考える素振りは一瞬の事。きっと其れは気に留める必要が無いくらいの間】
【ただ、そんな時間で何かを思いついたのか「そうだ」と小さく呟くけど】
【“そうだ”の内容。今は語られること無く】


「勝手にお母さんの書斎を弄ったら怒られちゃいますよー……
ま、まぁ、少なくとも知識の足しにはなったんですから良いとしましょうよ!
使う時がくるのかは微妙……と言いますか、私としてはどうせならそのまま放置して貰った方が有り難い内容でしたが……」

【良いんですか?――その言葉は、本を譲るという言葉に対して】
【それ以上続くことがなければ、有り難う御座いますなんて言葉を述べて自分の物となった其れを抱き留めるのだろう】
【――――閉じた後再び開いていた事を考えれば、そのまま埃を被る……という結末は迎えないはず】


「所で……女の子をずっとあなたと呼んでいるのも変ですね
良かったら、お名前教えて下さい
因みにですね……私はアグアニエベ・アウラ
気軽にアーちゃん♪って呼んでくれても構わないですよ?」

【やっとこ地面から起き上がれば、少し屈んで少女と同じ目線の高さへと移行するのだろう】
【多分、本人は大まじめでアーちゃんと呼ばれる事を期待しているのか】
【或いは、ただ単に馴れ馴れしいのか分からないけれど……適当に呼んでしまったって、受け入れてしまいそうで】
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/13(土) 01:29:41.80 ID:/fIIyKDpo
>>218
/見ての通り途中送信もいいところです…すみません 見なかったことにしてくださいお願いします
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 01:55:02.12 ID:BSVGt9me0
>>219

さすがに転んだだけで逝くとは思いたくないがね。そんなに虚弱に育った覚えは……無い、な。

……100が93になったならマシだと思うよ、少しぐらい良くも見えるだろうね

【白くて細い手足、陽すら浴びずに本の山に篭っていた結果の生産物が、これだ】
【それでも飄々としているなら、間違えていることにもきっと気付いてない。口ばかりは達者だけれど――】
【――100のままよりはいいじゃないなんて。せめてマシになった結果がこれなら、どうすればいいのやら】

【砂の上の読書。別段咎めないのは、彼女自身草原とかでそのまま座れるタイプだから、なのだが】
【草の上と砂の上、ちょっとした違い、けれど確かな違い。平然とスルーしているのは、気にしていないだけ】

そうかい、じゃあ次は靴でも投げようかな、あんまり得意じゃなかったんだが――……。

…………さすがにね、まるで0な人など居ないと思うのだけど。

【きちんと膝を揃えて座る、それだけならお行儀良くも見えるのに、紡いでいく言葉は真逆にも近い】
【言うだけで何かをしようとすらしないのはさっきと同じ、昔はよくやっていた風の言葉を零した】

【意地悪で紡がれたのに、返したのは真顔めいた表情。つまんないなんて思われるのだろうか】
【考える素振りと「そうだ」、零された言葉には、つった瞳が珍しく丸くなる】
【ほんの少しだけ傾げた首、巻いた毛先がくるくる揺れて、金色とピンク色、月光に煌いた】
【――それでいて尋ねないなら、この場ではそっと流れてしまう。彼女から掘り返すことは、きっとないから】

もう何年も戻ってこない人のことなど知らんよ、気にかけてたら掃除すら出来やしない。
案外どこかで死んだかもしれないがね、それとも便りが無いのは元気の証と取るか――……。

……ま、娘一人置いて旅に出る両親なんざ、親とも思わんが。金を置いてったことは評価するがね。

【「どうぞ」と、呆気なく譲渡される本の未来。本のこと、親のこと、何にも興味が無いみたい】
【伏せた瞳、鋭さが僅かに増した気がして。ぽつと付け足したなら、初めてまともに女性から視線が逸らされる】
【糸みたいに細い三日月を見上げて、しばし――名を尋ねられた頃合、ようやくふぅわり降りてくる】

アンネリーゼ

【――告げるのは名前だけ。苗字にあたる部分を告げないなら、親を嫌っているようにも見える】
【合わされる視線、アーちゃんなんて――少しだけ丸くなった瞳は、すぐに伏せられて】

アーちゃんなんて呼んだら、そうさな、蹴っ飛ばそうか。

【相手の言葉を借りるよな形で告げてみる、ちょっぴりの冗談――真顔だから、ややこしい】
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/13(土) 01:55:53.43 ID:/fIIyKDpo
>>217
【彼女のペンを走らせる手が一瞬止まる。すぐにまた書き始めるが…】

行けるんですか?……かつての栄えた頃はまあまあ、いい街だったように気がしてます。
まだワインの美味しい店があるんでしたら…是非、行ってみたいものですが。どう見ても無さそうですよね。
赤どころか、白も、ロゼも… ツマミがあってもお酒がなければご遠慮いたします。

【彼女としても行っても行かなくてもと言ったところだ。寧ろ少し行ってみたい気もする】
【それはこの偵察のような仕事の延長というよりかは好奇心からのものだったが】
【それは逆に仕事の範疇から外れるような気がして、それと危険と好奇心の天秤が危険に揺られたから】
【常識的にそのジョークにはNOの意味のジョークを挟んでおくことにした】

【少し微笑みながら、手帳のペンを走らせて】
【パタンとそれを閉じて。コートの内ポケットにしまう】

あら、貴女は人では無いんですね。…最近は、変わった方も多いですから。都会は。

【トレンチコートの女はそちらの方を向き直って、相手の姿をじっと見てみた】
【確かに、不思議な感じもするが、人類と大差ない気もする コミュニケイションが取れれば見た目は関係ないのかもしれない】
【彼女は少し(と言っても10秒ほど)考えてから、口を開く】

そうですね。都会の人は能動的に他人と触れ合おうとすることは少ないかもしれませんね。
ただ、それは過密に多様な人種や文化など差異のある人間がいるから何じゃないでしょうか。
普通に歩くだけで人と肩がぶつかって、何をするにも何処に行っても人人人。
求めなくても他人と干渉してしまうんですから……能動的には求めなくなりますよ。

ただそれは、ある種、他人への関心を取っておく為の防衛反応ではないでしょうか
家族、友人、恋人など…そういった人に関心を寄せるためにその他、触れ合う必要の無い人間とは距離置く。
そうやって、干渉する相手を選ぶことによってそういった大事なコミュニティを守っているんじゃないでしょうか。

会社に行って疲れて。家族と疎遠になっていく。 それが嫌で寂しくて会社をやめて家族と農家をやる…なんて話も聞く話ですし。

【ここまで話して、彼女ははっとした表情をして】

すみません…閑話が長くて…  無関心の先は存在するのかですね
つまりは、私は関心にバロメータがあるならば、その最小の0であってその先は存在しないのでは…と思いますね
関心出来ない状況を除けば、常に人間は誰かとコミュニケイションをとって生きています。それを捨てることは未だに出来ていないのでは…と

…他者がどうでも良くなったら………終わりでしょうね。

【彼女はニッコリと微笑んでみせる】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/13(土) 02:13:19.26 ID:Bn5hM6Jyo
>>222

【女性が断るという旨を述べれば、こちらも咎めはせずに肩を竦めてみせ】
【また一方、相手が人外であると認識したのなら、いくつか見えるものが増えるだろう】
【頭部の捻くれた双角、背の黒い翼、そして腰元から伸びる先の尖った尻尾】

【―――まあ、先ず間違いなく魔族≠セ。しかも、レナールに立ち入り出来るレベルの】
【とすれば危険人物のはずだが―――腕を組んで話を聞く姿勢は、そう悪くなくて】

ふぅん……私はさ、見ての通り魔族で、魔界の出身で、それも全てを知ってるわけじゃないけど
向こう≠ノ比べると、やっぱり人間って面倒な生き方してるよねぇ
お互いが関わらないと生きていけない。ただし関わりが多すぎてもダメ
どっちつかずの中途半端なのを見聞きすると、ヒトじゃなくて良かったなぁって思うんだよねぇ

―――でも、キミの答えが本当なら少しは魅力も感じるかな。

【余裕があるというか、楽しげというか。或いは本当に反応を見て楽しんでいるだけかもしれないが】
【相手の答えには概ね満足したようで、右の人差し指を唇に当てながら、また笑い】
【お返しというように口を開けば、最初に発せられるのは『魔界では――』という言葉で】

――無関心の先が存在するんだよ。マイナスに振りきれた、歪な関心がね
ヒトならイジメとか言うのかなぁ……ほら、魔族って性格悪いじゃない?
伝説の時代から腹黒性悪な連中ばっかりで、それと比べると―――

【『ヒトも悪くない』、と。そう述べた彼女は、満足したように女性から視線を離した】
【不思議な瞳が向く先は、巨塔。一説に機関の六罪王という者が召喚したとも言われるが、正体は知れず】

【――――爽やかな風が、1つ吹いた。それに乗って、僅かな沈黙もやってきて。】
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 02:23:58.01 ID:/Emxkq+v0
>>221
「いやあ、世の中分かりませんよー……ちょっとした高さの段差から落ちて死んじゃう人も居る位ですからね……
あなたの場合はブランコから落ちただけでもちょっと心配ですけど……」

【細い手足を見つめる女性。その仕草は、まるで探偵が推理をしている様にも見えて】
【自分の顎に添えた手。うぅむ……とか唸れば、やっぱり危なっかしいですと余計なお節介】
【少しは少女の落ち着き様を見習って欲しくもある女性だけれども】
【絵画彫刻。美術品を眺めるかのように眉間に皺を寄せれば、「ちゃんと食べてますか」と】


「ちょ、ちょっと待って下さい!
確かに当たる気はしませんけどね、いや、ほらそれでも調子が悪い日もあると言いますか……
……ふふ、てっきりずっと仏頂面だと思って居たから、安心しましたよ」

【パタパタと胸の前で手をはためかせれば、待った待ったと】
【言う事だけ大きくて、実際には出来ないという典型的な口先タイプ】
【――――丸くなった瞳。ウィンク一つ返せば、今は内緒とでも言うように誤魔化して】


「何年も……?
となると、あなたがもっと小さかった頃からずっと、ですか?
それは――――許せませんね!帰ってきたら教えて下さい!私がとっちめてオマケにみぃぃぃぃぃっちりとお説教までしてあげますから!」

【憤ってみせるのは、、今この場に居ない少女の両親に対して】
【思ったよりも、少女が味わった境遇は過酷であって――――見た目相応の歳。そしてその言葉が真ならば、果たして少女はどの位から一人で過ごしていたのだろう】
【そんな事が脳裏を巡れども、直接口にするのは憚られる事】
【だから――――代わりに、憤って見せた。同情ともちょっと違う其れだけれど】


「アンネリーゼ……ですか。じゃあ、二人でダブルアーちゃ……
えー。駄目ですか―……?折角今此処でダブルアーちゃんを結成しようと思ったんですが……」

【心底残念そうに語るのは何とも迷惑な話であって】
【唇を尖らせればケチとか言うその姿は――――果たしてどっちが大人なのか混濁させるには十分で】
【――――それも直ぐに笑みへと変われば、「冗談ですよ」なんて続けられるのだが】


「そうですねぇ……では、アンネ。良かったら今度何処かに美味しい物を食べに行きましょうか
時間は勿論日中ですよ?
このまま放っておいて少しでも太陽の光を浴びなければ、本当にもやしっ娘に育ってしまいそうですし」

【一方的に告げられるのは口約束】
【パン!と手を鳴らせば、楽しそうに語り】
【そして、きっとコレが“そうだ”の中身であって】
【初対面の人を食事に誘うなんて、考えようによっては無礼なのだが―――――】
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/13(土) 02:35:18.91 ID:/fIIyKDpo
>>223

【トレンチコートの彼女からすれば魔族というものに触れ合う機会はここまではなかった】
【他の人々はどうか知らないが、彼女からすれば物珍しさ…いや、興味?どちらにせよ楽しい気分ではある】
【これももしかしたら相手の術中なのかもしれないが…なんにせよ、その双角、翼、尻尾 どれをとっても面白い】

そうなんですか…魔族……私も人ではありますが、元々はこの世界の人間ではありませんので
これがコチラの一般的な常識に乗っ取った考えなのかは保証しかねます…。
魔法や能力などのおかげか私のいた世界より、より非干渉的で過干渉的な側面も見受けられますので

……どっちつかずというか中途半端と言いますか………柔軟に生きているって言ってもらえませんか?

【彼女はジョークを言う時と同じ気分で言った】

【なぜか、人類を代表しているかのような気分だ 壮大な話だからか相手が魔族だからなのか】
【わかりはしなかったがこれで何か重大な裁きが決まるような…この景色も相まってそんなことが思い起こされた】

なるほど…そうですね、人にもマイナスのベクトルの関心も存在していますね。失念していた…
というよりかはプラスマイナス纏めて関心と定義していましたので…マイナスの関心とプラスの関心の間に無関心を入れるなら…そうなりますね。

【なるほど…と頷いて、何か考えている風な目線の動かし方】

そうなんですか。…魔族って大変なんですね。性格については貴女しかお会いしてないのでわかりかねますが
今のところは悪く無いと思っています。私は……ですが。

【相手の目線につられて、巨塔を見る。詳しくは知らないが好きか嫌いかで言ったら嫌いな方に入る】

【だけど今の気分は清々しかった………そう、この丘に吹いた、爽やかな風の様に】
【そして、風が流れている間、わずかに沈黙が起きて……】
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 02:43:07.28 ID:BSVGt9me0
>>224

【ブランコから落ちただけ。言われたなら、双眸はついと地面を撫でて】
【アウラのほうへと舞い戻ったなら――「ない」なんて風な視線を向けるのだろうか】
【「洞窟に潜るわけじゃないんだから……」呟きは、夜にほどけて消える】
【(ちゃんと食べてますかの問いをスルーしたのはきっと、偶然じゃない)】

一日が三日になった。三日が一週間になって、一週間が一月になって、一月が半年になった。
一年が二年になって二年が三年になって――さあ、もう何年会ってないのかも分からんね。

【アウラの憤り、ぱちりと瞬いてみせたのは、少しだけ分からなかったから】
【初対面。ほんのちょっぴり言葉を交わしただけなのに、どうしてだろう――なんて】
【それでも、本当のことを言うなら、そこに無駄な感情など混ざりこまないまま】

……母の私物だと言ったろう、最後に会った時に同じよな本ばかり置いて行った。
そして今日も明日も、見つかるか死ぬまで同じような本を探すんだろうよ、……私には関係無いこった。

【降りる視線は、どうでもいいような軽さで譲渡した本へ落ちて、勿忘草がするりと題をなぞる】
【その言葉をまるごと信じるなら、死者蘇生の方法を探して彼女の両親はずっと帰っていない、と】
【何かを想起するように視線が揺れる、揺れて――ひどく不快だとばかり、表情が歪められた】

【(まだ。全て言うには、時間が足りない)】


【ダブルアーちゃんの言葉。押し黙ったなら、完璧にスルーする構えが、わざとらしい】
【沈黙は肯定だなんて言うけれど、これは違う。言葉を発することすら嫌がった拒否の姿勢】
【「冗談ですよ」と投げられたなら、ぷいと顔ごと伏せられる。――本気で嫌がるというよりか、慣れていないような素振りで】

美味しいもの? ……食事はちゃんと摂ってるからお気遣い無く。
そもそもが小食なものでね、あんまり食べると調子悪くて。――それに焼けるだろう、髪とか肌とか。

【そうして逸らされた顔が、「何言ってるの?」みたいな顔で戻されたなら、】
【遠慮するというよりも面倒臭がった答えが投げ返される】
【先ほどの問いはわざとスルーしたくせ、誘われたとなったらこれだ。必要ないのなんて、きっと嘘】
【小食だとかのたまって一日一食とかで済ませてる気がふつふつと沸きあがるのは気のせいではないはずだ】
【最後に零したのがなんかなんというか本音に近い気がする――だめだこいつ】
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/13(土) 02:51:10.89 ID:Bn5hM6Jyo
>>225

へえ……でも、キミが別の世界の人間だって云うならそれも面白いんじゃない?
2つの世界を知った上での言葉、結構意味は大きいと思うよ
それに所詮、ヒトはヒト。世界が異なっても、本質ばかりは変わらない……でしょっ?

……フフッ、柔軟?芯も何もないふにゃふにゃで生きてるってどうなのかなぁ

【いささか貶すような言い回しも、魔族ならではか。いや、これも貴重な経験かもしれない】
【女性がそうであったように、如何に変化に飛んだこの世界でも魔族は数が少なく】
【故に、存在は知っていても実際にあって会話したなんて云うのは稀有だったし】
【まして怪我も呪いも無しに帰還できるとあらば、それだけでも収穫というもので】

うん、大変だよ。だから私は魔族も魔界も大っ嫌い。
でも多分、私もヒトからは――特に、一部の連中からは大不評じゃないのかなぁ

……そうそう、気分が良いついでに1つ面白い事を教えてあげるよ。
先ず、私の名前は『リリア』―――その名と、私の姿を『UNITED TRIGGER』に教えてご覧
ほらあの、正義がどうってうるさい人達。中でも、リーダーに伝えてやれたら一等面白いかもねぇ

―――それじゃあ、夜更かしはお肌に悪いし、またね人間。

【なにかの、戯れか。最期に自らの名前と、ちょっとした遊びの提案を相手に伝え】
【それを最期に、彼女は白い焔に包まれて、風と共に消えていった】
【リリア=\―それが彼女の名前か。吹き抜ける一陣が向かう先は、廃都レナール】

【いや、違うか。焔を乗せた風の向かう先は、かの巨塔で相違なかった。】

/っと、そろそろ時間ですのでこんな具合でっ!
/深夜にお付き合い頂きありがとうございました&お疲れ様でしたー!
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 03:09:17.92 ID:/Emxkq+v0
>>226

「別に捜し物をするのは咎めませんし、お宝を探そうがご先祖様を探そうが。この本みたく死者蘇生方法を探そうがどうでも良いのですが……
それでも、小さい頃からアンネを一人っきりにするという事は許せませんよ
アンネだって、親が居なくて寂しく――――」

【其処まで言えば、不意に口が閉ざされて】
【――――その表情を見てしまえば、自然な事であろう】
【まだ言いた気に唇がムズムズとするけれど、脱力するような溜息と共に其れも形を成さないように吐き出させてしまって】
【きっと、これ以上紡いでしまうのは得策では無い。そう、頭の中で判断して】


【逸らされた顔。自分の素――――だから、アンネの感情を読み取る事が難しく】
【眉を顰め、んー?と首を傾げて見せるが、続いた言葉には今度はむっとして】

「どぅあから!其れが駄目なんです其れが!
良いですかアンネ!食事を摂っているじゃなくて、女の子なら美味しい物を食べて楽しい思いをするべきなんです!
別にお望みであれば甘味処でも良いですから、ほら!少しでも日光を浴びないと胸も背も成長しませんよ!
……焼けるだろうって、少しは焼けた方が良いんです!
幾ら何でもそれじゃあ白すぎますよ!真っ白けっけのお化けっけです!もやしっしっ娘元気無い娘です!」

【ズビシッ!と指せば検事の如くツラツラと出るわ出るわ】
【早口であって尚且つ一度も噛むことが無いのは褒められる点であろう。日光と関係有るのか些か疑問な点も挙げられるが】
【最後は何処ぞの茸CMのリズムに合わせて非難する有様】
【――――流石に疲れたのか、ふぅ……と一度息を吐いて】


「まあ、アンネがどうしても嫌がるなら連れ出す様な真似はしませんよ
自警団の方々にしょっ引かれそうですし
ただ……今なら桜もありますし、桜を眺めながら食べる桜餅は格別だと思いますよ」

【――――ね?言い聞かせる様にすれば、茶色の髪が風に遊ばれて】
【夜でも桜を見ながら食べれるとか、そんな事を言われてしまえば恐らくぐぬぬと呻くのだろう】
【もし――――アンネが頷けば、小指を結んで所謂指切りでも行うか】
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/13(土) 03:13:39.75 ID:/fIIyKDpo
>>227

環境が変われば大きく違う…気もしますが。
まあ………見た目が同じなのも何かしら縁があるんでしょうね。
それこそ、魔族が言うなら意味は大きそうです。

……ではこれからの人類はせめてアルデンテを目指すことにしましょう。

【折角なので人類を代表して言ってみた…気分で言ってみた】
【ジョークも壮大な規模になるほど言ってるこちらは楽しい。面白いかは別としてだ】
【冷ややかな異世界人と悪戯な魔族の対話がここまで円滑に行ったのはこのジョークのおかげと信じたい】
【たまたま笑いのツボが似てたからかどちらも寛大な人(魔?)柄、だったからか…】

あら。人から嫌われてるのは私も一緒です。それも大不評。まあ、嫌な気分じゃないですけどね。

…リリアさんですか。承知しました。………『UNITED TRIGGER』?存じてはおりますが…分かりました。
私はあまり…ああいった正義がどうのってのは苦手なんですが……用事が無いわけでもないので。今度…少し、お邪魔してみますね。

【また、ポケットから黒革の手帖を取り出して、それに書き込み始める。】
【不意に、その白い煌めきでハッと顔を上げて】

あっ! 私は霧崎舞衣…と、申しま……………もう、行ってしまわれましたか…
魔族ってのはお忙しいのか、悠久の時間の存在なのか…わかりかねる方ですね

【ちょっと、名前を伝えられ無かったのがちょっと残念だった】
【これほど親しく話をできる相手は職業(ヤクザ)柄殆ど皆無であったからだ】

それじゃあ、UNITED TRIGGERさんにでも会いに行ってみようかな…? 報告の後で…

【魔族の言う面白いなんだから 飛び切りに面白いに違いない。そう思うと顔がほころぶ】
【吹き抜ける風はこの静まった土地で静かに好奇心の種火を燃え上がらせた】


/ではこれにてシメとさせて頂きます
/遅レス乱文失礼しました 楽しかったですありがとうございました! お疲れ様でした!
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 03:32:20.36 ID:BSVGt9me0
>>228

【ざぁと、寂れた公園をはしゃぐ子どもみたいに駆け抜けていく風の足音がひとつふたつ】
【少しだけ強めの風が連れてきた葉擦れの音、揺らされた髪の向こう側――ちいさく、くちがうごいて】
【(寂しくないと紡いだなら、さて、どんな風に捉えるのだろう――?)】

【どちらにせよ。今日はこれ以上触れないことが得策だろう、少女を拗ねさせる類の趣味があるならば、話は別だろうけれど】

【びしりと指されるつま先を向いた視線、人に指を指すななんて割り込む隙すらも見えないなら、】

――――――……、

【出来ることはたった一つ。押し黙ること。じーっと、じーっと……それこそ、石か何かのように】
【馬の耳に念仏、暖簾に腕押し、右から入って左から出て行く態度とはまさにこんな状況を言うのだろうか】

……倒れない程度に必要分を摂取していればそれでいいだろう、それに、台所なんて埋めてしまったし。
本だらけの部屋で火など扱いたくないよ、燃えるじゃないか――可燃物しかないと言うに。

【――やがて、言葉の濁流が収まったなら。顰めた眉は、まるで頭痛を堪えるようにも見える】
【それでもぽつぽつ言い返していくのは、気弱ではない性格を示すのだろうが――埋めた? 本で? 部屋を?】
【何か問題発言も混ざっていたような気がするのだけれど。本当に生活できているのだろうか、怪しくなってきた】

【(今年で16歳、身長は平均を大きく下回る145センチ、そして細身、あと真っ白)】
【足りないのはお日様だろうか、栄養だろうか――活字以外の全てが足りていない気がする】

甘味は嫌いじゃないがね、桜餅は甘味が過ぎる。……個人的には素甘ぐらいが妥当なのだが。
それに、桜はもう何度も見た――……、……、私と行ったって、楽しくなかろうに

【桜は何度も見た、甘味も許容範囲が狭い、ついでに昼間は苦手。誘うアウラからすれば最悪のスリーカード】
【実際その口調は断ろうとしている色合いが強く――ただ、ちらと見せたのは押し負けそうな色】
【もう少しだけ押せば落ちそうな。少なくとも一回ぐらいなら付き合ってくれそうな――】
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 03:49:43.85 ID:/Emxkq+v0
>>230
【小さな紡ぎ、果たして女性に聞こえたのかは分からないけれど】
【――――きっと、聞こえていたってそのまま返す言葉は無いのだろう】
【今は、それが一番の答えの様な気がしたから】


「本の虫とはまるでアンネの為にある様な言葉ですね……
一応言っておきますけど、褒めてませんよ。コレ
よっぽどの本好きなのかは分かりませんが、せめて美味しい料理が出来る位のスペースは確保しておきましょうよ」

【女性が感ずるのは、言葉の濁流に呑み込まれた故の頭痛――――とは異なったもの】
【果たしてちゃんと生活できているのだろうか……そんな考え】
【きっと、アンネの生活の一部しか耳に入っていないのだろうが、実生活は如何なものなのだろうか】
【食に拘りがある様でも無く、ましてや台所まで本で埋めてしまっていると聞けば――――】
【まるで梅雨。じとーっとした視線が向けられるのだが】


「ぐ、ぐぅ……つ、つまんなそうだったら誘っていませんよ!
何より、無理にでも外に出さなきゃそのまま本と同化してしまいそうで不安です!
ほらほら、きっと楽しいですから行きましょう!ね!」

【もう取り付く島も無い――――かに思えたのだが、最後の一言に僅かに顔を輝かせて】
【可能性としては低いのかもしれないけれど、それに掛ける他無くて】
【これで断られれば、流石に潔く止めるのであろう】
【――――ぶぅ、と膨らませた表情は潔いのかは分からないけれど】
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 04:07:47.03 ID:BSVGt9me0
>>231

失敬な、紙魚の類と同類扱いはされたくないのだが――……。

……そもそも料理なぞしたことが無いよ、そこらへんで買えば良かろうに。

【――ほんの少しだけのむすっとしたような表情、本の虫にとっての紙魚はライバル……じゃない、敵そのもの】
【放っておいたら愚痴でも垂れ流しそうだった雰囲気は、けれど、アウラの言葉に返すことで途切れて】
【だからと言って何かが好転したかと言えば限り無く否――出来合いならばせめてもマシの領域に、そっと立つ】
【(ああ、でも、火を嫌うならインスタントではないのかな――なんて、ひどく底辺過ぎるお話)】

【――とは言え、両親が幼い頃からいないとなれば】
【まともな料理を恋しいと思うよな舌も、調理スキルも、育ってなくて当然と言えるのかも、しれなくて】

【梅雨の長雨みたい、じーっと見つめられたならカビそうな視線。カビも天敵だったりするのだが――まあ、余談】

そんなこと、……無いと思うがね、他の同年代を当たった方が早いと思うけども。
…………ま、そんなに言うなら、そうさね、……一度ぐらいなら

【ぐいぐいと押してくるたくさんの言葉、矢継ぎ早に投げられたなら、対処法なんてろくに知らない】
【あるのは紙面から読み取った知識ばっかり、百聞は一見に如かず――? 上手く流せなくって、だから】
【そっぽへ逸れた視線、恥ずかしいみたいに、言いづらいみたいに、ぶつぶつと途切れ途切れでも】
【それは確かに肯定の言葉。ちゃっかり予防線も張ったりしているけれど――まあ、約束は約束】

【小指を差し出すようなら、むっとしたような顔をしつつもちゃんとするのだろう】
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 04:24:01.45 ID:/Emxkq+v0
>>232
「ああ、もう。アンネの女子力は一体幾つなんですか……
そこらで買う物と自分で作る物とでは、全ッッッ然味が違うんですよ?
そりゃ、外で食べた方が美味しい物も確かにありますけど……」

【――――女性自身も料理があまり得意で無いのであろう】
【女子力やら何やら、訳の分からない言葉が飛び出したがそこはご愛敬】
【呆れた様に頭を振れば、「料理の本は無いんですか?」】
【今までのアンネの言葉を聞いていれば――――答えを紡がれる前に、もう結果が分かっているようなもの】


「同年代の友達とは違った楽しみがあるんですよ!
本ばっかり読んでても頭でっかちになってしまうだけですから、是非そうしましょう!
指切りげんまん、嘘吐いたら……アンネの持って居る本に落書きしちゃいますよ?
はい、指切りました!」

【酷く一方的な約束にも思えるだろうか】
【何処か初々しく思ったからか、或いはむっとした表情が微笑ましかったからか】
【クスリとした笑みは、果たしてアンネにはどの様に映るのであろう】
【軽く結んだ小指を上下させれば、少し変わった文句を並べて】


「んー……そろそろ良い時間になってきましたね
帰らないと、先生や風紀委員の方達に見つかってしまいそうです
あっははは……次見つかったら反省文増加ですからね……
今度甘味を食べに行くとき、一緒に写真も撮りましょうか!
……あ、お友達を誘っても良いですよ。支払いは私の方で済ませますのでご心配なく」

【そんな言葉を述べ終われば立ち上がって、制服に着いた砂を叩き落とすのだろう】
【こんな時間まで抜け出している事がバレてしまえば大目玉を食うことは確実なのだが――――それでも笑って流す姿は、らしい】
【特に何も無ければ、後は別れの言葉を告げるだけか】
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 04:40:02.12 ID:BSVGt9me0
>>233

女子力だなんて、ただの欺瞞力だろう、どれだけ実体を隠すかとね。
狐狸にでも習ったほうが早いと思うんだが――……、自分で作っても失敗すると分かりきっているのだから。

【女子力? なにそれ美味しいの――? さらり言い捨てたなら、オーバーフローしそうなぐらいのマイナス値】
【狐狸に習うか。女子力を。……まあ、妙な方向に走るよりか、ずっとマシなのかもしれないけれど】
【きょとんとした目、料理スキルの無さはきちり把握しているらしい。なのに努力しない、しようとすらしない】

…………――ところでうちは図書館なんだがね

【指きりげんまん、嘘吐いたら――アウラに降りかかる未来が、すこしだけ、こわい】
【台所すら本で埋め尽くす自宅にプラスして、図書館――? 落書きするには、骨もいいところ】
【傾げてみた首、さらさら揺れる髪先、ふつと結わえた指が離れて――もう、後に引けなくなって】

行くとは言ったがね、写真のことなど聞いとらんよ――魂を抜くだとか言うだろう、
信じちゃ居ないが写真は苦手でね。……気持ち悪い。

【ぴくりと揺らぐ眉の示す感情は何なのか。辿るより先に、言葉が教えてくれるのだから分かりやすい】
【写真はお気に召さない様子――苦手の理由が気持ち悪いとは、少し変わっているような気もするのだけれど】
【連れて行くお友達も居るわけが無い。ならば、気にするのは写真についてだけ】
【まあそれに関しては実地で抵抗すればいいやとかいう思考もあるから、こう、本気でもないのだが――】

……キミが帰るなら私も帰ろうか。

【――ぱたぱたと叩き落とされる砂粒たちを見たなら、そんな言葉】
【ふらりと立ち上がってみてもちっちゃな体つき、さくさくと足音軽く、柵の範囲を出て――】

それじゃ。

【通りすがりざまに投げる軽さ。向けた背中は、それでも一応、言葉を投げるなら聞こえたはず】

【笑うみたいなお月様が煌いて飾る夜更かしの背中、怒ってくれる人が居るなら羨ましいな、なんて】
【深層のどこかで揺らいだ気がしても、表層には昇れないなら。結局自分が何が欲しいのかなんて、ずっと昔から分からない】

/おつかれさまでした!
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 05:01:51.89 ID:/Emxkq+v0
>>234
「これはお手上げ状態ですね……
いや、でもですね、失敗を重ねる事で美味しい料理が出来ると言いますか
レシピ通りに作れば失敗は無いと言いますか……」

【頭を抱えれば、悩みに悩むのだろう】
【どの様に伝えれば良いのか。このもやもやとした気分を】
【――――考えても考えても答えは出てこない。故、その人達に習ってみるのも一興かも知れませんね】
【苦笑と共に、言葉が漏れて】


「図書……もう、これはあれですね
図書館では無くもやしっ娘育成キット状態なんですよきっと
それならアンネの状態も納得いきます」

【図書館――――ほぇ。とか何とか間抜けな言葉】
【もう煙草でも焚いてしまった方が早いのかも知れない……そう思いながら、破られた時の行く末を考えて】
【きっと、もうどうにでもなれー状態で何らかのアクションを起こしそうだから、ちょっぴり怖い】


「一体何時の時代の人ですか……真ん中に立った人は早死にするとか、そんな迷信を未だに信じて――――
あ、信じて無いんですね。むぅ、しかし写真が気持ち悪いとは……何だか奇妙な話です」

【頭上に浮かんだ疑問符】
【今まで数多くの人々を撮ってきたけれど。気持ち悪いという人は初めてで】
【ただ――――何故。とは聞かない】
【アンネの語った其れが答えで間違いないはず故に】


「はい、それじゃあまた今度お誘いしますよー
あ、行きたい店があれば予め終えて下さいね!
もう明け方ですけど――――帰り道には十分気を付けて下さい
それでは、お休みなさい。アンネ」

【言葉を受ければ、同じく言葉を返して】
【――――手を振ってはみるけれど、きっとその仕草を見る事は無いのだろう】
【余韻。一度小さく笑えば、自らもその場を後にして――】
/お疲れ様でありました!
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 08:59:36.78 ID:DnAEk4lz0
【――――時は絶えず流れ続け、その流れの中に人間たちは生きている】
【そして、その『物語』もまた、同じ時の中で紡がれてゆく物である――――】



【――――水の国 森】

――――ふっ…………だぁッ……!!

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【開けたスペースで気合いの声を発しながら、手に持つ棍を振り回していた】

【多少幅を開いて踏ん張る両足に、伸縮によって自在に棍を操る両腕】
【その身のこなしは慣れたもので、重々しく棍が風を切る音が、気合の声に混ざって辺りに響く】

ずぁッ、でぁっ…………おらよっと!!
……っふぅ…………まぁまぁってとこか……それほど鈍っちゃいねぇな……

【やがて、身体の力を抜いて詰めていた息を吐きだす】
【ぐい、と拭うその汗は、朝の運動に相応しく清々しさを感じさせるものだった】



【――――所変わって、水の国 繁華街】

……………………

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【建物の非常階段の裏と言う、ちょっとした物陰に隠れて、静かに眠っている】

【その身からは、尋常ならざる量の魔力が感じ取れるかもしれない】

……………………

【夜の街と言うべきその場所は、この時間帯はすっかり華やかな飾りを失い、沈黙している】
【故に、少女の眠りを妨げるものは、その場所にはほとんど存在しないのだろう】
【静かに、密やかに――――小さなすぅすぅと言う寝息だけが、そこに残っていた】



【――――同じ時間に、異なる場所で時を過ごしている2人の戦士】
【果たして彼らのうち、どちらの『物語』に変化が訪れるのだろうか?】
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 09:20:50.15 ID:/B1D5LE0o
>>236

【差し挟むならば、後者――繁華街での物語】

【立ち寄ったのは偶然だ。 ならば其処で眠る少女を発見したのも偶然になる】
【嘗ての自分であれば捨て置いたか持ち帰ったかの何方かになる――とは、余談だが】

…………保護者は、いないのでしょうか

【かつ、と固い足音はヒールのもの】
【さらと流れたのが紅茶色の長髪。 けれど紡ぐ言葉は、低音】

【(近寄るまでに少女が眠っていればの話。 羽織っていた黒衣をそっと掛けようと、)】

【腰まで伸びた紅茶色の長髪に、民族的とも思える数束かの細い三つ編みを混ぜ込んで】
【オリーブ色の目は左右で瞳孔の開き幅が異なり、其処に内包する呪詛の不穏さは彼女の魔力量にも似る】

【黒衣の下は黒の祭服に部分的な軽鎧を付けたような上衣、装飾としてのベルトが多い黒の下衣】
【足音の正体は、踵が高く尖った黒革の靴。 長身痩躯、白皙、そんな若い男であるのだが――】

238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[saga]:2013/04/13(土) 09:33:37.00 ID:NN95asxBo
>>236-237

【立ち止まった視界の先、光の陰に隠れるようなその場所で】
【感じるのは魔力と、少しの不穏感―――ソレはおそらく、昼下がりの情事にも似て】
【彼女の鼻孔を擽って、興味という存在を色濃くするには十分だったのかもしれない】

【若い男が向かってくる場所の反対側から、静かに足音を鳴らす小柄な人影】
【濃い紫苑色の袂が歩みに釣られて揺れて、そのたびに袖に刻まれた蝶の紋様が羽ばたく】
【零れる雅やかな香りがうたかたの夢に染まったのなら―――】


【長い夜桜色の黒髪を清楚な簪でポニーテールのように纏め上げた非常に小柄な少女】
【白い瀟洒な薄手の着物を羽織った上から濃い紫苑色の着物を羽織って】
【大きな袂と袖には美しい蝶の紋様が鮮やかに刻まれている】

【リボン結びされた黒地の大きな帯は陶器のように滑らかなウエストを誇示して】
【檸檬色の大きな瞳と、やや垂れた可愛らしい目尻と長く美しい睫毛】
【右の目尻に刻まれた桜の花びらの形をしたアイタトゥーが鮮やかに彩られて】


【男が黒衣をかけようとするのを確認して、小さな微笑みの色をその整った顔に浮かべたなら】
【薄い乳白色の素肌は、雪の色に近い希薄でありながらも、確かな存在感を保ったままで】
【おっとりとした目尻の溶ける華やかな色合いが、ふんわりとした香りを浮かべて】

【そーっと少女が寝てるのかな、なんて少女の頭の方から顔を覗き込もうとして】

【――――――すべった、何もない場所で、つるっと】
【上手く行けば、頭と頭がぶつかるのだろう、そうしてきっとド派手な音を響かせるはずだ】
【ある種の惨事である種の珍事、傍から見ている男からしてみれば、いらんことしぃってやつであろう】
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 09:45:03.28 ID:DnAEk4lz0
>>237-238

……………………

【眠っている少女の表情は、どこか張り詰めた――――休息している事には違いないが、戦場のキャンプに似た、力の抜けないものだろう】
【寒がっている様子こそないが、ボロボロのコートを防寒具に眠っている少女の姿は、傍から見れば侘しさも感じさせるかもしれない】

……………………――――――――ッ

【そんな、本人の認識としてはともかく、安らかとは思えない眠りについていた少女だったが】
【近づいてくる気配を察知したのか、ピクッと身体を震わせると、パッとその眼を開く】

…………誰っ――――――――うあッ!?

【さっと上半身を起こし、側に居た男をキッと睨みつける少女だったが】
【上半身を起こしたと言う事は――――逆側から覗き込んできた少女と、真っ向からぶつかると言う事になる】
【コッ――――と、骨と骨とがぶつかる音が、小気味良いくらい鮮やかに周囲に響いた】

ッッッッ!! ――――ーーーーーーーーーッッ!!

【起こしていた身体を倒してしまい、声にならない少女の悲鳴が漏れそうになる】
【それだけならまだしも――――転んだ少女が上から倒れ掛かってきて、下敷きになってしまう】
【ぶつけた額を両手で押さえこみながら、痛みに悶えて、また下敷き状態から逃れようとして、コートの少女はじたばたと暴れる】
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 09:58:08.77 ID:/B1D5LE0o
>>238 >>239

【黒衣をそうとコートの少女へ掛けようとして、来訪した着物の少女へ意識が向く】
【自分の現状が傍目に見れば不審であるとは気が付かないようで、】
【呪詛を抱く視線を合わせないよう傾けると、男は善人面めいて微かに笑んだ】

【しぃ、と口許で立てる指。 紫色の長い爪が月光を拾って艶めいて光る】
【けれど顔を覗き込もうとする行動は阻害せず、彼もその幼い寝顔を静かに覗こうとして】
【――危うい所で、目覚めた少女との視線の交錯を避けた。 それ故に続く惨事に気を回せず】

……あ、

【複雑な物理作用が絡みあった結果の、不本意な転倒事故だろう】
【残念ながら未然には防げなかった。 まさかドジっ子属性なんて事は、きっと、】

ええと……落ち着いて下さい、危害は加えないので
それ以前に私には起こすつもりは無かったのですが……そちらの方が、どうにも。

【とにかく、状況把握の出来ないままに暴れている状態を放るのも、と真っ当に思考が働けば】
【こうなった責任を押し付けつつ、取り敢えずは起き上がれずにいる二人へと手を貸そうとするのだろう】

【薄い掌は袖から覗く腕の先まで包帯に巻かれ、傷の無い箇所には代わりに痣がある】
【幾ら声色が優しげであっても、矢張り男が幾らか不気味であるのは、否めないか】
【ただし、手を取ったならば細腕に見合わない力で双方を起こしてやる事だけは変わらない】

【危害を加えない、というのは信用し得るだろう――武器なども特に所持はしていない】
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 10:04:49.89 ID:NN95asxBo
>>239-240

【骨と骨とが奏でる音は、頭の中身をシェイクするかのよう、響き渡る痛みが全身を駆け巡って】
【早い話がちょう痛いのである、それこそ、そのまま気絶しちゃっても良い程に】
【貴女が上げる声彼女が上げるのは、華奢な音律に消えていく】


ご、ごめんなさいですぅ……ぁぅ……頭がふらふらするです……
とってもかぁいらしい寝顔やさかい、もっとちこぅよって見ようとしたのです

うぅ……ホントに申し訳ないのです……痛いよぅ……


【言葉が混線する、つなぎ方を忘れた意味合いは、口から零れるままに辿られて】
【上から覆いかぶさるような形で、着物の襟から零れる素肌の柔らかな色が貴女に染まっていく】
【黒い横髪が貴女の頬を擦ったのなら、擽ったいという感想が生まれるかもしれない】

【顔だけあげて、瞼を閉じた状態、長く雅やかな睫毛の色合いが檸檬色の瞳を揺らめかせたなら】
【自分のすぐ下で暴れる貴女に、わわわ、なんて言葉をあげて、慌てるのだろう】
【暴れるのだめっ!なんて声が聞こえたなら、ぷはっと彼女は貴女から飛び退くのだろう】

【男に引き剥がされるような形で貴方≠ヨと添う手のひらは、両手で捕まえようとする散っている桜のよう】
【掴んでもなおその感触は希薄で、少し力を入れないとその存在すらも消えてしまうかのように】
【それでいてどこかハッキリと感じ取れる存在感は、少々奇妙なものかもしれない】

【黒髪がそよぐ、枝垂れ桜のような素肌の色合い、黒髪に透ける柔らかな肌の彩り】
【ぷっくりとふくらんだおでこの膨らみは……いわゆるたんこぶというものなのだろう】
【やや膨らんで、それでいて白い素肌に刻まれた赤色は、とっても痛々しい】


じんじんするのですよ……でも、ありがとうございます素敵な殿方
こう出会えたのも何かの縁やさかい、殿方もお嬢さんもよろしくなのです


【貴方に起き上がらされて貴方のそばにちょこんと立つ彼女】
【じくじくと傷んでいるたんこぶをそのままにして、ぱっちりとその瞳を開く】
【大きな丸いレモン色は、少し傾いた優しげな垂れた色合いで】

【貴方のそばから顔を出して、逆方向にいるであろう貴女へもまた、視線を向けようとして】
【黒髪が染める首筋の、あわやかな肌の陰影が、柔らかなな陽光に溶けたなら、桃色の芳香が漂う】
【それはどこまでも淡いサクランボの香り、少しくすぐったく鼻孔を揺らして】

【表情に浮かべるのは、清楚な笑みの色、悪気がない……というわけではないのだろうが】
【多分きっと普通の人とは少し感性がずれているのかもしれない、おっとりとした笑みは、もしかしたら怒られるかもしれないけど】
【睫毛の溶けたその残照だけが、かすかな色合いを強く浮かべていた】
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 10:22:12.85 ID:DnAEk4lz0
>>240-241

ぐ、ぅぅぅ…………!!

【思いきり顔を顰めながら、堪える様な呻きを漏らすコートの少女】
【ギュッとつぶった瞼からは、じわじわと涙粒が溢れてくる――――不意打ちだった事もあり、思った以上に堪えたのだろう】

う……ぅうん…………

【左手で相変わらず額を抑えたまま、右手を男へと差し出して、身体を抱え起こしてもらうコートの少女】
【じくじくと痛む額には、くっきりと赤い跡が残っていた】

いったぁ…………ッ、なんですか、あなたたちは…………

【変わらず左手で額を抑えたまま、ふるふると頭を左右に振って、とりあえず頭を落ちつけようとするコートの少女】
【最悪な目覚めになってしまったが――――とにかく意識は覚醒したようで】
【虚ろな中にも、訝しげな表情をその瞳に湛えて、男と着物の少女に対して、コートの少女は問いを発した】
【――――眠っている側に、気付かぬうちに近付かれたとあっては、相応に警戒するのも無理からぬ話だろう】

……私を襲っても、無駄だと思いますよ…………
お金なんて、少しぐらいしか持ってないですから…………

【涙をこぼしていた状態も、そんなに長続きする事はなく、コートの少女は毅然とした態度を見せる】
【――――ファーストコンタクトが散々なものに始まったのが災いしてか、コートの少女は2人を、スリか強盗の類の様に警戒していた】
【年端もいかない外見とは異なり、その態度は荒事にも慣れている様な、一種の度胸を感じさせる】

【――――2人には分かるだろうか。コートの少女の身に纏う、暴力的なまでの量の魔力が】
【そして、彼女の警戒心が表われてか、その魔力が更に昂ぶり、渦巻き始めている事に】
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 10:32:51.69 ID:/B1D5LE0o
>>241 >>242

【――着物の彼女は、何処かで聞き覚えのある口調だった】
【もっとも己の知るその口調はこういう風に穏やかな色合いではないし、】
【放つ言葉も棘しかない刺々しさなのだから、ただ同じ地方の言葉だろうと思考するに留まる】

【彼女が掴んだ手の温度は、酷く低い】
【その額に当てればきっと幾らか痛みも引きそうな程、一応生きた人間の体温ではあったが】
【彼自身それを分かっていたのか、すうと掌を伸ばして、彼女の額に触れようとした】

【直接効果がある治癒の術は心得ていないものの、】
【その上で鍵盤を奏でるように踊らせようとする指の動きは、何かのまじない】
【「花生清廉(ファーラン)」――行動が成立したならば紡ぐ呪文の後に、痛みが僅か和らぐ筈だ】

……金銭目的だけなら可愛いものですが、この場所ではそれ以外もあるでしょう?
自警団を呼んでも良かったのですがね……呼ばれると不都合のある人種も、此処には多い。

もし近くに貴女の保護者がいるならば、そちらに任せる心算(つもり)でしたが……
まさか一人で此方に? 流浪の身なのか、はたまた――

【――矢張り穏やかならない身でしたか、と呟く】
【渦巻く魔力は尋常ではなく、まして小さな少女であるならば当然の違和感】
【それを少しでも抑えようと選んで並べた言葉が、僅かなりとも相手の警戒を解ければ良いのだが】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 10:40:10.06 ID:NN95asxBo
>>242-243

【貴方の体温の低さに彼女は少しだけはて、と表情を揺らした】
【上目遣いで辿られる檸檬色の瞳、歪んだ形がまた新しい陰影を映しだして】
【濃淡すらも光の加減で揺れる、一瞬足りとも同じ色にならない移ろいゆく景色のよう】

【貴方の手が彼女の額に触れる、手の甲に零れるであろう毛先の感触は、とても淡やかな感触で】
【筆の柔らかな爪先でくりくりと濡らすように、とても心地よい感触が貴方を包み込むだろう】
【一瞬驚いたものの、その感触は彼女にもまた心地よくて、目尻がたゆんと揺れた】


……わぁ、とっても心地よいのですよ……んぅ……
ありがとうです、こういうお礼しかできないのですが……
良ければ伽ででもお返しいたしましょうか?


【ぱんと両手を当てて、貴方の右手側から見上げる彼女の表情】
【少女らしい無垢な笑みを浮かべる割につむぐ言葉は少々意味合いを潜めて】
【まあ多分勘違いなのだろう、その色合いはすぐ、別の形に変わるのだから】

【貴女の毅然とした言葉、強くハッキリとした物言いはその芯の強さを感じさせるのだろう】
【同時に彼女はその警戒心を確かに感じ取って、少し困ったように細い眉を歪ませる】
【目元の桜の花びらが揺れる、口元に触れる指先が冷たく唇を撫でる】

【日差しを浴びる桜にも似た淡いピンク色の唇は小さな彼女の口元を修飾して】
【髪の毛に彩られる小さなその顔を美しく彩るのだろう】
【警戒する貴女、それを見て彼女がとる手段は――――】


そんな警戒せんでも、うちらはそんな悪い人やないのですよ
確かに痛かったかもしれんけど、うちだって痛かったしお互い様なのです

こんな大きなたんこぶまで出来ちゃって、おうちに帰ったらすっごく怒られるのです


【そう言って彼女は貴方の右手側からその身を零して、足音を響かせる】
【渦巻く魔翌力、それをものともせず、貴女へと向き直ろうとして】
【互いに手を伸ばしたなら、指先が交錯する距離まで近づこうとするのだろう】

【右の手が揺れた、彼女を彩る前髪をすーっと掻き上げて、少し上で留めれたなら】
【ふっくら膨らんだ彼女のたんこぶが陽光に照らされてハッキリと見えるのだろう】
【朧月と呼ぶにははっきりとぷくぷく太ったたんこぶが貴女にも確認できるはずだ】

【たくし上げる手の揺れる袂から零れる細い手首はきっと―――】
【強さの片鱗すらも感じさせない―――どこか壊れやすい硝子細工のようで】
【おっとりと笑う彼女の横顔だけが、静かな色合いを響かせた】
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 10:56:37.16 ID:DnAEk4lz0
>>243

…………人攫いとか、そういう人たちだったら……それこそ、無用な心配です……
そんなせせこましい人たちに、私がどうこうされるはずもないですから――――

【変わらず左手で額を抑えながらも、もう涙は流していない】
【右手で、コートの汚れなどをパッパッと払いながら、真っすぐに少女は男と向き直る】
【人攫いを「せこい連中」と評しながら、事態の心配は無用と告げて】

――――あなたは、分かるんですね……私の『力』が…………なら、分かってくれますよね……?
ここら辺の悪い人に、私が遅れを取る事なんて、あり得ませんから…………

【魔力を感知したらしい男の呟きに、コートの少女はわずかに笑みを浮かべてみせる】
【どうやら、少しは警戒心も解けたようだ。ただ同時に、男自身も力を持つものであると言う認識も、少女には生まれたようだが】

>>244

…………確かに、そこはお互い様かもしれませんね…………
私を攻撃するつもりなら、こんな痛み分けな形になるはずも、無いですし……

【着物の少女は、どことなく育ちの良さや、品の良さを感じさせる所作を見せていた】
【コートの少女も警戒を見せてはいたのだが、お互い様というなら、確かにそうかもしれないと、溜飲を下げた様で】

え――――――――っ、ふっ…………

【自分のたんこぶを晒す着物の少女の振る舞いに、思わずクスッと笑みをこぼしてしまうコートの少女】
【これは卑怯だと思った――――そうして見せつけられては、思わず笑ってしまう】
【ジト――――と睨みつけていた視線が、どうしても緩まずにはいられなかった】

>>243-244

と、ともかく…………私は、帰る家も、家族も無いですから……安心してください…………
それに『ごく普通の悪い人』程度に、付け入られるほど、弱いつもりもないですから…………

【どうやら、コートの少女の2人に対する警戒も解けた様で、ようやく力の抜けた態度を見せながら頭を下げる】
【少女自身、やはり浮浪者の類と同じ生き方をしているようだったが、同時にそれでも構わない程度の強さを秘めているようで】
【――――昂ぶる魔力は穏やかに調子を取り戻して、少女の表情からも険が取れた】
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 11:15:33.64 ID:/B1D5LE0o
>>244 >>245

……枷?
え、嗚呼、いや……間に合ってますので、お気持ちだけで。

【その単語が唐突だった所為か視線が下方に泳いで、必要を成せばすぐ手は退く】
【勘違いだろうか。 いや本気なのだろうか。 だとしてもせめて三十路以上でなければ――】
【真剣にいろいろと悩んだ挙句に、始めの勘違いという線を取って、曖昧に言葉は暈される】

【(それこそ何処かの京都弁の男ならば喜んだであろう、とは余談だが)】

【――そして、コートの少女】
【普通の少女ならば自信過剰とも思えるが、相手に限ればその言葉にも納得がいく】

……そうですか。 それならば、何より

【冷えた剃刀のような警戒だと思いながらも、歳相応に眼前の少女と笑いあう姿が違和感にならない】
【そのシーンに敢えて余計な茶々を入れずにいたのは、或いは安堵とも言えるかも知れなかった】
【恐らくは苛烈な人生を歩んできたのだろう。 だが決定的に捩れていないならば、まだ救いの余地はある】

安心して下さい、とは……
そう聞いてしまうと、聞いた側としては安心して捨て置く訳にもいかないでしょう

……いや、失敬。 丁度、貴女方と同じ年頃の娘がいてね
それで他人とは思えなくてつい、余計に口を挟んでしまうのかな……
一人で生きていけるというならば何も、妙な手貸しはしない方が良いようですが――

【善人。 微笑む顔にしろ言う内容にしろ、そう取る方が自然な程】
【まだ若いのだろうに彼女達の年齢の娘がいる、と言う事だけが、其処に在る違和感だろうか】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 11:22:06.36 ID:NN95asxBo
>>245-246

【はて?と彼女の頭の上にそんな感じのマークが浮かび上がる】
【彼女にとっては失敗を見せて同情して欲しくて、決して冗談で言ったわけでもなくて】
【笑われる理由が分からないようで、小首をかしげたなら、黒髪が頬に溶けた】

【でもきっと、悪い気はしなかったのだろう、目の前の貴女が警戒の色を緩めてくれたのに】
【ふふ、と微笑んだ頬の形、緩やかなラインに穏やかな色合いを浮かべて、雅やかな香りを漂わせる】
【他者を和ませること、その力に関しては、きっと彼女は誰よりも優れている筈だ】

【陽光に照らし出される貴女の頬のライン、身なりは汚くとも、貴女という存在は日差しにも負けない美しさがあって】
【そして同時に強さがあった、生きることを成し遂げられるほどの、確かな強さは】
【それはある種のかっこ良さであり、また同時に貴女の凛とした美しさを際立たせる】


分かってくれはった?良かったぁ、うちはね桜≠チてゆうのですよ
よろしくなのですよ、えっと……なんて呼べばええのです

それと……お家、ないん?それやったら、うちのお家来る?
こっからそんな遠くもあらへんし、それにこういうトコでねんねしはるより良いと思うのですよ


【彼女の方言を聞き慣れている貴方≠ネらば気づけるだろう、彼女の言葉はその意味で不恰好であると】
【丁寧さを付け足したかのよう、それは後から飾り立てられる華道の花にも似た色合いで】
【自然と呼ぶにはあまりにも不自然で、でもその旋律は滑らかな音律で】

【ソプラノの奏でる淡い香りと音は、耳の中に流れ込んだなら雫のように冷たさを覗かせて】
【心地良い流れと冷たさと、それでいて彼女の持つ、やわらかな日差しのような暖かさを濡らして】
【誰かを癒すことができるかもしれない、そんな―――そんなコトノハ】

【両手を帯びの下辺りで重ねて置いたなら、てくてくと貴女へと近づいて】
【貴女のボロボロの身なりを見ても構わず、右手を差し出そうとするだろう】
【貴方≠フ目の前、かなり視線を下げたならようやく見える彼女の横顔が、とろんとその儚さを響かせる】


ねっ、そう思わはるやろ?こういう場所よりきっとええと思わはるんです
心配やったら、こっちの殿方はんもご一緒に
とっても良い街やさかい、娘はんもきっと喜ぶのです


【彼女のすぐそばにいるであろう貴方へと向けて言葉をさらに綴るだろう】
【見上げたなら髪の毛が目尻を濡らす、右の目尻の桜が色合いを強めて】
【可憐な素肌を貴方へと伸ばしたなら、高い高い視線の奥へと届けば良いと思った】

【微笑みが濡れた、曇りのない無垢な笑みは、ひょっとすると目の前の少女よりも幼く見えるほどで】
【身長はかなり小柄で、年齢はわからないけれども、少女よりも幼いと言われても納得できるほどであろうか】
【貴方へと向けた言葉は、貴方も一緒にどうか、との言葉だろう】

【―――娘もきっと喜ぶ、それはおそらく彼女の街=\――或いは国≠フことを言ってるのだろう】
【いつか娘を連れて来てください、とそう言っているのだと少し考えずとも理解できるだろう】
【遠慮を見せる善人の貴方と違い、彼女は逆にぐいぐいと親切を押し付けてくる―――そんな幼さ】

【名前のとおりだと、思えるかもしれない、可憐でそれでいてどこか雅やかな様子が】
【一瞬だけ美しく咲き誇って、やがてすぐに散っていく―――そんな僅かな儚さの片鱗を見せる姿が】
【舞い散り消えていく様子が、その名である桜≠サのものである、と】
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 11:33:51.79 ID:DnAEk4lz0
>>246

…………だったら、その娘さんを大事にしてあげてください
――――――――『絆の繋がりは、血の繋がりよりも深くて、強いんですから』

【娘――――と言うその一言に、コートの少女はハッと顔を上げる】
【そして、何か確信めいた表情で1つ頷くと、男に対してハッキリと、曰くありげな言葉を口にした】
【まるで、男とその娘との間に、血の繋がりは無いと断定する様な言葉だったが、実際にコートの少女はそれを断定する心算でいた】
【なぜならその関係は――――かつての自分と『父』の――――――――】

>>247

【――――恐らく、自分の額も似た様な事になってるのだろうなと思いながら、着物の少女の額のたんこぶを見ていた】
【ある種の滑稽さと言うべきか、それがどうしても意識されてしまい、ついつい笑みが零れてしまうのだ】
【本当なら失礼な態度なのかもしれないが、寝起きの不意打ちと言う事もあり、そうした意識も働かなかったのだろう】

桜、さん…………?
――――私は、ケツァル・コアトル=ラベンダァイス=カエデ=キャニドップ…………
長ければ、ラベンダーとでも呼んでください……

【着物の少女――――桜≠ニ名乗った彼女に対して、聞かれるままに名を名乗るコートの少女――――ラベンダァイス】
【奇妙な程に長い名前であると、彼女自身自覚しているのだろう。『ラベンダー』と呼んでくれ、と断りを入れて】

>>246-247

みなさんのお気持ちは嬉しいですけど…………私はやる事があるんです
…………それに、『兵器』にそんな言葉を掛けてもらうなんて、もったいないですよ……?

【男の身を案じる言葉、そして桜≠フ誘いに対し、丁寧な言葉ながら、首を横に振る】
【虚ろな瞳は、その時確かに力を秘めて「やる事がある」と口にして。その矛盾した瞳の光は、歪な何かを感じさせるかもしれない】
【そのヒントは、彼女自身が自らを形容するために用いた『兵器』と言う言葉にあるのかもしれない】
【2人が感じた、その魔力――――それが『兵器』故に、と言うのであれば、益々彼女がただの人間ではないと言う事の、証左になるだろう】
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 11:51:59.66 ID:/B1D5LE0o
>>247 >>248

桜さんに、ラベンダーさん……
これは、私も倣って花の名前を名乗った方が良いですか?
なんてね……セシルと言います

【名乗る名は桜と同じく、ファミリーネームも何もない】
【そこまで名乗る必要は無いということなのか、或いは孤児の出でもあるのか】

……私も? 貴女の家に?
…………ふふ、送って行くまではして差し上げますが

【少しばかり困ったように薄く笑う。 邪魔するまでは流石に、と言う事か】
【詳細な場所さえ分かればショートワープも可能なのだが、その事は敢えて口にしなかった】
【散るまでの時間だって趣がある。散り際が見たいからと風を吹きつけるのは、無粋だろう】

【――だがそんな提案も、『兵器』だというラベンダーの言葉で意味を無くす】

ええ、勿論。 血での繋がりなんかよりずっと濃く、共に在り続けます
そしてその言葉を紡げるということは、貴女にもかつてそんな絆が――?

――“Quetzalcoatl”? まさか、あの……?

(いや、ならば“所有者”がいるはずだから、彼女は違う――?)

【脳裏を過るのは、生物兵器に関する書物を紐解いた時のこと。 噂程度だし、深くなど知らないが】
【それにだいぶ古い記憶だ。 違うのかも知れないし、そうだとして所有者がいないという疑問は残る】
【一先ずその疑念は捨てようとするのだが、零した言葉は戻せないか】
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 12:00:03.30 ID:NN95asxBo
>>248-249

【貴女の名前を聞いて彼女の目がぱちくりと一旦睫毛に沈んだ】
【両手を帯の下に置いたまま、少し考えこむ表情……どうやら名前を覚えきれなかったようで】
【少ししゅんと表情を曇らせて、目を閉じて落ち込むような色合いを見せる、も】

【貴女の続く言葉に、ほんまに?と嬉しそうな顔を見せる】
【良かったぁ、なんて続く言葉は彼女のしぼんだ表情を微笑みへと昇華させて】
【簪の色合いが揺れたなら、そこに映る表情を淡やかにさせた】


……兵器って、そういうのあんま良くないと思うのですよ
うち、そんな頭とかよろしくないさかい、上手くゆえへんのやけど……
悲しいのです、お誘い断れるの……ほんまに

やからね、もったいないとか、そういうんやないのです
たまには はんなりしはんのも、悪いことやないと思うのですよ


【彼女のそばにいる貴方=\――比べたならきっと、桜は全然賢しくなどなくて】
【だからその魔翌力の意味も、深くは感じ取れない、人間でないということすらも、わかっているのかも不明瞭】
【けれども言葉はどこかハッキリとした旋律に彩られるのはきっと】

【悲しいと彼女は言った―――その言葉が、その意味をハッキリと示すから】
【一歩踏み出したなら、すぐそばにまで彼女の顔が近づくだろう、貴女との距離をそっと埋めて】
【顔と顔が再びぶつかってしまいそうな距離で、彼女のこぼす吐息が貴女へと重なったなら】

【―――おいで、と手を差し伸べて、その手を握って欲しい、思いを託して】
【落ち着いて考えてみれば、あまりにも無謀だ、論理もへったくれもなく、ただ彼女のおっとりとした考え方がなすもの】
【貴女の葛藤も思いもわからず、ただ思うがままに行動する結果】

【濃い紫苑色の着物、刻まれた蝶の紋様が雅やかに羽ばたいて】
【目尻の桜が溶けた、垂れた目尻に映る微笑みが、貴女へと美しく向けられたなら】
【少し擽ったそうに赤みの交じる素肌の柔らかさが貴女へと伸ばされる】


セシルはんもやで、一緒に来てくれへんかったら……とっても悲しいのです
むちゃ広いさかい問題ないのですよ?

―――……け、けちぁーる……?……セシルはん、知っとるん?


【二人の真剣な言葉と比べたら少し温度差を感じさせるかもしれない】
【場違いと言われても仕方ないのだけども、彼女はそんなこと露知らず】
【自分のペースで喋る辺り、意外と頑固者だったりするのだろうか】

【雅やかな彼女にとって、横文字は少々荷が重かったご様子で】
【舌っ足らずな言葉を紡いだなら、貴方へと視線を伸ばすのだろう】
【檸檬色が残照を導く、溶けた日差しがその色合いを強く強く放つのだろう】

【紅茶色の長髪に消える、その光の淡さが、貴方の高貴な色合いを強く魅せつけて】
【乱反射する彩りと、その奥の確かな輝きだけが、まるで眩しい木漏れ日のよう】
【擽ったそうに片目を閉じたなら、睫毛がそっと貴方の風に流される】

【首を傾げたなら、華奢な肩幅が黒髪に塗る】
【簪に止められた後ろ髪がささやかな潤いを帯びたならいつか】
【――――――小動物のように、その表情をより一層幼くさせた】
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 12:14:21.76 ID:DnAEk4lz0
>>249

――――――――ッッ!!
知ってるんですか『ケツァル・コアトル』を!?

【――――その呟きに、ラベンダァイスは鋭敏に反応する】
【グッと表情に力を込めると、思わず男――――セシルへと詰め寄る。鬼気迫るその表情は、敵意と言うよりも、純粋な真剣さに由来するものの様で】

……誰から聞いたんですか…………それとも、あなたも誰かの『マスター』……!?

【――――問いただすその内容は、ケツァル・コアトルの内実をハッキリと知っている者の言葉だ】
【ラベンダァイスの名乗りも合わせて――――『兵器』と言う言葉もそれをダメ押しし】
【――――彼女が『生物兵器 ケツァル・コアトル』である事は、間違いないだろう】

【だが、同時に彼女がマスターの存在を無視していると言う事も、その存在を知っているらしいセシルには、疑問に感じられるだろう】

>>250

……『ラベンダー』で良いです。複雑な名前ですから

【自分の名前を拾いきられなかった事を、ラベンダァイスは察したのだろう。そっと断りを繰り返す】
【複雑なその名前に対して、一般名詞に近く、また彼女の名前の一部分を表すその言葉は、ずっと身近に覚えやすいはずだ】

――――――――ッッ
…………ごめんなさい。私は、人間じゃないから…………

【「悲しい」と言われ、ラベンダァイスの表情に苦いものが走る】
【しかしハッキリと口にした――――そう表現する事を無意識に避けていた「人間ではない」と言う言葉を】
【理屈ではなく、全く別個の行動原理を持っているラベンダァイスは、それを口にする事で、自分の行動を弁解しようとする様に】

桜さん…………ッ

【伸ばされる手に、己の辛さを噛みつぶす様に歯を食いしばるラベンダァイス】
【「家がないなら来て欲しい」――――その言葉は、きっと一日二日で済む事ではないのだろう。しかしそれでは、彼女の「やる事」は永遠に出来なくなる】
【それでも『すげなく断る』と言うのは、ラベンダァイスにとっても辛い事で。どうしたら良いものかと、差し出されるその手をじっと見つめていた】
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 12:23:01.42 ID:/B1D5LE0o
>>250 >>251

【櫻風であるのだから、家屋の佇まいもそれに準ずるのだろうと推察出来る】
【その場合に靴を脱ぐのは彼も知る所である程に一般的な櫻の礼儀であって、】
【ただ自分がそれをすると、真っすぐ歩けないという酷いザマを晒すのだ】

【彼女の家に邪魔するということに関して、】
【そんな性別のこと以上にどうでも良い悩みが擡げたのは余談だが――】

間違いはなかったようですね……知識に関しては、書物を紐解いた程度です
私自身は所持者でもないし、本物に遭遇するのは貴女が初ですので。

…………鍵は、『マスター』は、何処に? 

【彼女が肯定するのならば尚更、頼れるものがいないという現状は不可解であった】
【それはまるで所有者がいないというようでもあって――ボロボロの姿が一層不穏に見える】

【所有者不在という事態に至るまでに、一体何があったのか】
【彼女が家族と呼ぶ対象が、その所有者であるのだろうと、何となく察しはついたが】
【「やる事がある」といった言葉も関係してくるとしたなら、】

【――それ以上は、踏み込むべきでないのだろうか】
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 12:30:12.00 ID:NN95asxBo
>>251-252

【戸惑いが見えた、目の前の貴女に、それはきっと、深い葛藤のようで】
【手を伸ばしたことを後悔するのも、手を差し出したことに反省するのも、それ故の事】
【でも、何か嫌だった、わけもなく、悲しかった―――貴女にそう拒絶されることが】

【見つめられる指の先、貴女の視線の色がハッキリと映るよう】
【ためらいが彩られて、その躊躇が、また意味を深く持つのであったなら】
【蝶が羽ばたく、貴女の香りに誘われて、彼女の左手が貴女へと伸ばされた】

【そして可能だったら、貴女のコートの右袖を左手でぎゅっと握って】
【えいっと引っ張って、彼女の右手の元へと近づけようとするのだろう】
【―――成功したならそのまま強く、右の手で貴女の右手を握ろうとする】


人間やないさかい、兵器やさかい……そんなの理由にならないのです
うちはそんなのちゃうのです、誰がどうとか……そういうのやないの

嫌なのです、このまま……ラベンダーをそのままにするんが……
人攫い≠ニか泥棒≠ニか……そういうのにいちいち気使うん、とっても辛いのです

だから来て欲しいだったらダメ――――――?


【理性を働かせて、自分に制止をかけたセシルとは違って】
【彼女はどこまでも、ワガママな麺を見せるのだろう】
【まっすぐに見開かれる視線、檸檬色に浮かぶ情景の微かな温度が感じられるなら】

【言葉が上ずりそうになる、上手くいえなくてもどかしくて】
【細い眉が歪んだなら、そこに浮かぶのは貴女を見つめる瞳の形】
【啄む思いも、丈も知られないままに、彩られていく】


……そんな一緒におりたい、ってわけじゃないのですよ
寝るトコがあって、帰るトコがあって……それが普通だとおもわはるのです


【心配からくる思いは、貴女にとってはどのような色に映るのか】
【或いは戸惑いの中差し伸べた手ですら、意味をもたないかもしれないけど】
【一瞬彼女の視線が揺れた、すぐそばのセシルに向けて、傾いた】

【見上げる形は、少し遠くに伸びた彗星のような淡やかな光で】
【迷いを浮かべたその色合いは、これで正しいのか不安になったみたいに】
【その意味を汲み取ってもらえるかも、多分きっとわからないけれども】
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 12:50:03.71 ID:DnAEk4lz0
>>252

ッ――――そう、ですか…………

【ホッとしたような、がっかりしたような――――そんな微妙な表情を浮かべながら、身を引くラベンダァイス】
【思わず詰め寄ってしまったのは、やはりその事は彼女の心を大きく占める、重要事だからだろう】
【どうにか落ち着きを取り戻す――――外見に似合わず、意識さえハッキリしていれば、自分の心の制御は思ったより上手く行くようだった】

…………『鍵』は、ここに…………
――――マスターは…………『お父さん』は、死にました…………

【コートのポケットから、取り出してみせる――――ケツァル・コアトルの初期化の為の、対応キー】
【本来は、彼女らの所有者が持っているはずのそれを、ラベンダァイスは何故か自ら所持している】
【――――その理由も、続く言葉で全て――――彼女から感じられる違和感のほとんどを解消してみせかねない程の事実で――――明らかになるだろう】
【主の死――――兵器である彼女にとって、それは大きな痛手であったはずだ。本来なら、こんな心など維持しえない程の】

【だからこそ、そのボロボロのコートをいつまでも着込んでいるのだろう。彼女にとっては、形見に当たるものだから】
【だからこそ、血の繋がりがなくとも――――などと言えたのだろう。自分も、マスターと『親子』として生きていたから】
【だからこそ、こんなにも虚ろな瞳をしているのだろう。初期化する事すら出来ず、主だけを失って、寄る辺なく心に穴を空けたまま】
【だからこそ、こうして生きているのだろう。人間でない故に、人間としての心の働きだけでは収まらず、永遠に心の穴を埋められずに】

>>253

――――――――ッ、ぁ…………

【躊躇っているうちに、その手を捉えられてしまった】
【か細い声が、思わず零れる。反応など、簡単だったはずなのに。葛藤の内に全てが流れてしまっていた】

――――ごめん、なさい…………私、耐えられない…………
そういう、静かで、満たされた幸せなの…………耐えられない…………
だって…………『お父さん』がいなきゃ、そんなの――――――――全部、偽物にしかならないから……ッ!

【プルプルと、顎が震える。痛みによるものではなく、悲しみによって、涙がまた溢れてくる】
【身体は動かない。しかし言葉の上では、ハッキリと桜の願いを否定する】
【――――そこに『マスター』がいなければ――――やはり彼女は人間ではなく、『ケツァル・コアトル』なのだ】
【人としての幸せなど、享受しえない。主と共にいなければ、兵器としての彼女には『毒』となる『幸せ』を、濾過出来ない】
【マスターに依存しなければ――――本来的に何も出来ないはずの兵器。それがラベンダァイスであり、ケツァル・コアトルだった】

…………ごめんなさい。すごく失礼だって…………桜さんが、すごく優しいんだって……分かる…………分かるよ…………でも、私は…………!
…………安全な、幸せより…………危険な、生き方をしてる方が…………痛くないの…………! そうやって、死にたいの……ッ!!

【言葉にするのは難しい。だが、彼女なりに紡いでみせる、自分の本心】
【マスターがいないのなら、せめて『兵器』らしく。そう生きる事が、今にも引き裂かれそうな心を守る、最善の方法】
【そして、自分の納得する形で死にたい――――彼女自身は知る由もないが、自分と会う前の『父』の心と、非常に似通った思いを抱いていた】

/次ちょっと遅れるかもです
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 13:11:35.69 ID:/B1D5LE0o
>>253 >>254

【傾けられたそれが不安色であるならば、年長者として成せる事をと思う】
【視線が合わせられない故の茫洋とした目ではあるのだが、微かに細めて】
【伸ばした手が、桜の頭を軽く撫でようとするのだろう】

……そうですね、そんな幸せが普通になれる人もいます
その一方で、そんな幸せが苦痛になる人がいるのも、また事実……
けれど、幸せでいて欲しいと願うこと自体に、間違いはないのでは。

【安心させる方法。娘にならば通じてくれるそれ、けれど相手にはどうなのか】

【そして――ラベンダーが背負う物、その意思、聞き届ければ静かに目を閉じる】
【正味自分にはどうでも良い事だ。 実際、普段ならばそう切り捨てた】

【そんな排他的な思考の軸が今回に限り別方向へ曲がったのは、】
【彼女の置かれた境遇が自分と娘にも似通って、重なる部分があるからであった】
【或いは桜の純真も、少なからず無感動な男に対して影響を及ぼしたのか】

【何よりも、一番始めに男が取ろうとした行動が、全てを物語るのかもしれない】

その『父』……かつての主以上の人は、居ないのかも知れません
それでも何時か、もし、心預けられる“誰か”を見つけたのなら……その鍵を渡すと良い

渡すからといって、貴女と『父』との思いの詰まった鍵で初期化をする必要はないし、
きっと貴女が信じた相手ならば、渡されてもそうすることを望みはしないでしょう
例えば桜のように。 兵器としてでなく純粋に貴女を必要とし想う人だって、世界にはいるのだから

……ただそれを、信頼の証として預けられる誰かに、貴女が出会えれば良いと思います

【だからこそ、こんな似合わない言葉も紡いでみせたのだった】
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 13:15:57.92 ID:NN95asxBo
>>254-255

【友禅が彩る彼女の素肌、袂から漏れた指先の感触】
【貴女を包んだ指先の破片が、欠片と呼ぶには幼すぎる意味合いも知らずに】
【ただひたすらに泣き叫ぶ貴女の心がとても、苦しいものに思えて】

【それはどこまでも纐纈模様に染められた止めどない涙の溢れる先に似て】
【いつかまたと呼ぶには遠すぎる、儚い純情の新たな形のようでもある】
【そうしてやがて、決壊するのを待って、氾濫するのを眺めて】

【淡い貴女の泣き顔と、そこに浮かぶ尋常ではない過去】
【辿るには重すぎて、理解するにはまた、難しすぎたかもしれない】
【けれども―――死にたい≠セなんて言葉は、絶対に無視しちゃ、いけないことだから】


……ちゃう、そんなん……絶対ちゃうよ……!!
ラベンダーのお父はんが、とっても大事なもんってゆうのはうちにも分かるのです
けど、けど……それでも、絶対、お父はんはそういうの望んでないのです……

娘が危険なことして、危険な生活して……喜ぶ親なんて、どこにおるん!!


【根本的な理解の差異であろう、貴女の言う父親≠ェ彼女の思う父親≠ニ根本的に違うのだから】
【それがマスター≠ナあるという前提条件がない以上、彼女の言葉は一般論でしかなくて】
【それが貴女に当てはまるかだなんて、絶対にわからないけども】

【檸檬色が溶け出す、昼下がりの情景、木漏れ日と呼ぶには眩しすぎる一瞬】
【目尻一杯に涙をためたなら、目元の桜が水面にそうと零れ落ちるように】
【滴る言葉の意味合いも音も、何もかもわからないけれども】

【兵器≠ニして生きる、その言葉がとても、重く感じられたから】
【人間でないのだから、人間でない生き方しかできない、そんなの間違っているって】
【言いたかった、大きな声で、叫びたかった、強い声で―――伝えたかった、その思いも】

【けれども、細く白い喉から溢れるのは、叫びと呼ぶには淡すぎる表層をなぞるだけのソプラノの音】
【ならばきっと、ずっと届けば良いと思った、開かない扉を叩き続けるように、いつかは分かって欲しいから】
【貴女が扉を開ける日まできっと、彼女は背中をそっとその扉に預けるのだから】

【くしゃくしゃになったその顔を、袖でごしごしと拭ったなら】
【袂に浮かんだ蝶の絵が、彼女に寄り添うように羽を休めるのだろう】
【貴女の手を握った右手が、じんわりとその体温を高めた】

【彼女の言葉は強くセシルに向けられた言葉であるのだろう】
【娘≠ニしてのラベンダー父≠ニしてのセシルへと】
【此処にいない誰かを逡巡する2つの心はやがて満ちる潮騒のように】

【重なるその瞬間にも彼女という存在はいないのだから】
【ならばその仮初で良いから、そのつながりを断ち切ってほしくないから】
【―――紡ぐ言葉が濡れた意味も、そう思えばわかってくるのかもしれない】

【交錯した視線のその先、わずかにその色合いに不安を覚えたけれども】
【髪に触れる貴方の感触、黒髪を溶かす体温が彼女へと響いていって】
【落ち着くこころと静まるおもいと、そのままずっといたいとも思った】
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 13:35:49.78 ID:DnAEk4lz0
>>255-256

……変わらない……ッ、私が『私』である限り…………お父さんは永遠に『お父さん』だし『マスター』だから……ッ!
どんな人だって……お父さんはお父さんだからッ!

【――――要領を得ないその言葉。しかし、ケツァル・コアトルがどういうものか分かっているセシルには、察せられるだろう】
【初期化をしなければ、ケツァル・コアトルの蓄積されたデータは変わらない。心の中心に定めた『マスター』の情報も】
【その手続きを経ずに、ラベンダァイスの心を本当に救える手段など、この世に存在しえないのだ】
【――――Never say never『絶対は絶対にあり得ない』と言う言葉がある。故に、ここに『絶対』とは言わないが】
【少なくとも、その言葉を持ちいらなければならない程に、彼女の心を救える手段は、存在しえないのだ】

…………本当にそう思うのなら、むしろ…………使って欲しい、この鍵を…………
全てを背負ってくれる人がいるなら…………なにもかも、白紙にして…………まっさらにして、もう一度…………

【例え人格すら初期化されてでも。大事な中核が抜けている今を、本当に埋めてくれるのならば】
【むしろラベンダァイスは、自分を初期化してでも、マスターになってくれる誰かの方が、幸せだと口にした】
【――――悪しき主に拾われて、不幸を見ているケツァル・コアトルの存在を、彼女は知っている】
【それでも、今は心から思える――――彼女は、自分よりは幸せだったろうと】

桜、さん…………!!

【桜の言葉に、思い出すのは父の姿、そして、過ごした日々――――】
【今の自分がしようとしている事は、その日々を取り戻す事――――安らぎはあった。だがそれ以上に死の危険があった】
【そして父は――――思わぬ形で命を落とした。その危険とすら、遠く離れたところで】
【だから自分は継ぎたいと思った。父の思いを――――最後まで口にしていた、その思いを】

――――――――なら、桜さんは…………分かりますか?
…………お父さんが…………何を望んで生きてたのか…………それと……私に、何を望んでるのか…………?

【昂ぶった心を、何とか落ち着かせながら、ラベンダァイスはそう問いかける】
【桜が知るはずもない――――面識もない『父』の姿。それを敢えて問いかけてみる】
【彼女にとっての『父』は、どんな人物だったのだろうと。そして、自らと、そしてラベンダァイスに、何を望んでいたのだろうと】

【桜の右手に負けぬほどに、ラベンダァイスの右手も熱くほてっていた】
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 14:02:21.17 ID:/B1D5LE0o
>>256 >>257

(痛切なまでに主を求めるのは、生物兵器の宿命か――)

…………まさか、望まれてはいないでしょうが
もしも仮定の話とするなら、私はそれになり得ない。 既に大切な一人娘がいるので

……嗚呼、ただ、桜がどうかは知りません

【鍵を使って欲しいという願いには答えられないとだけ、前置きして】
【大事な物を両手に抱えられない事は既に経験済で、それを思えば記憶を消したいという望みも良く分かった】
【似たような願いを受けて実際に記憶を消した経験もあるが、それが良い方向に向かったかといえば、ノーになる】

【(もし自分の立場で考えるなら、彼女を苦しめたとして忘れないでいて欲しいと願うのは、歪みなのか?)】
【(少し前には真逆の考えであった筈。 死を経験してから、自覚を持てる程貪欲になった気がする)】

……貴女の『父』は、今そうして自分の事で苦しむ貴女を見たら、どう思うのでしょうね?
私は…………『父』として言えるならば、忘れて欲しくない。 例えそれだけ貴女が苦しんでいても、ね

【1つだけそう訊いたのは、真っ当な父親ならどう思うのだろう、という純粋な疑問からだった】
【自分は真っ当ではない。 けれど、少しなりとも真っ当で居たいとは思う】
【だからこの答えが間違っているのか――『娘』たる相手に、確認したかったのだ】
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[saga]:2013/04/13(土) 14:08:53.72 ID:NN95asxBo
>>257-258

【昂ぶる貴女の感情を、押さえつけてもまだ、足りないぐらいに】
【貴女の問いかけは難しかった、なんて言葉を返せば良いか、わからないほどに】
【彼女には娘なんていないから、父の言葉なんて、父の気持ちなんて、わからないから――――――否】

【違う、そういう問題ではない、問題はもっと根本的な部分であって】
【目尻が砕けた、檸檬色の瞳に浮かぶのは、どうすればいいか、と怯えるような色合い】
【細い喉が滴り落ちた、とくん、飲み込んだ思いの断片が、少しずつ形を作っていく】


……分からんよ……うちには、ラベンダーにどう生きて欲しい思ってはるかなんて……
やけど……お父はんが望んだ通りに生きるのは、またちゃうと思うのです

娘は道具≠竄ネいの、親御はんの、望むことなんて関係あらへんのですよ
……それでも、きっと幸せは……望んではったと思うのです

人であろうと、人でなかろうと……幸せに生きちゃいけへんってそんなの無いのです
幸せになりたいって思わはることは、皆に許されてはるのです


【矛盾していると言ってもいい言葉、娘は親の望むとおりに生きる必要なんてないという言葉と】
【親は娘の幸せを望んでいるとの言葉―――けれどもきっと、その2つはまた正しいのだろう】
【望むことなんて分からない、けれども確かに、それだけは望んでいたはずである、と】

【襟から覗かせる華奢な首筋、震わせてもなお、漏れる言葉はか細いソプラノ】
【鈴の音と呼ぶには淡すぎて、歌声と呼ぶにはまた可憐すぎた】
【それでもなお、紡ぎ続ける意味は誰かにわかって欲しかったから】


うちは……うちは嫌なのですラベンダーが、辛い目にあうん……嫌なのです
うちは父≠竄ネいし娘≠ナもないさかい……正しいなんてわからへんけど

ラベンダーに……友達が幸せになるのを否定するなんて、うちにはできへんのです

……それに、白紙になんか絶対したらいけへんの

お父はんのこと、忘れたら絶対にアカンの
ラベンダーが忘れはったら……お父はんのこと……誰が覚えててあげれんの
忘れんのは、記憶の中で生きてはる、お父はんを……殺すことなのです


【黒髪が濡らす、彼女の細やかな柔らかい首筋の破片】
【着物に包まれた身体は、とてもか細くも有りまた同時に華奢な色が強くて】
【そうしてやがて、消えて行く前の朧のようでもあったのだろうか】
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 14:31:01.93 ID:DnAEk4lz0
>>258-259

……大切な、絆があるんですよね…………だったら、そこに割って入る気は、無い…………
誰かの重荷になるなんて…………そんな事は…………

【セシルの拒否も、当たり前の事だと、ラベンダァイスは考えていた。なにより、彼の『娘』との絆が強い事は、既に聞いているから】
【自分がそこに居れば、セシルにとっては重荷になる。強大な力を持つ兵器など、重荷にならない訳がない】

わ…………分からない……ッ、そんな事は…………でも、でも言ってた……お父さんは、「すまない」って…………
その前に、言ってた…………「こんな事になってしまった自分を、殺してくれ」って…………

【爆裂して、四散する、その間際――――父の言葉は、確かにラベンダァイスの耳に届いていた】
【それは、彼にとって縁が深かった名前を上げての、「すまない」と言う、たった1つの謝罪の言葉】
【その自己否定の言葉を拾い上げれば――――あるいは、父は自分の事でラベンダァイスが苦しむ事を、善しとしなかったのかもしれない】

【――――だが、このケースは特殊なものだ。ラベンダァイスが普通の人間でない様に、『父』もまた、普通の『父』ではなかった】
【自己を省みず、誰かの為に――――本心からそう思って生きていた『のかもしれない』人物など――――そうはいないだろう】

――――道具じゃ、ない…………ッ

【ラベンダァイスの『人としての側面』は、その言葉に強く反応する。自分は父の亡霊ではない、父のコピーではない――――と】
【否――――正確に言うなら、『兵器としての側面』も、強い反応を見せてはいた。拒絶と言う形で――――マスターの意志で動くのは、当たり前の事だ――――と】
【だが、桜の言葉のその矛盾は、統合される――――ラベンダァイスの心もまた、2つの側面から矛盾を起こすものだからだ】
【理解など、できない。だが、自分の言葉も、2人には理解し切れていまい――――本質的に、そう言うものなのかもしれない】

ッ、誰が…………覚えて…………!?
…………もう、いない…………『Justice』も、誰も…………ッ…………――――――――

【しかして――――そうした葛藤、矛盾、絡まる思考――――それら全てを吹き飛ばして】
【『ラベンダァイスの心』――――『人として』ではなく『兵器として』でもない、彼女自身の心を叩きつけた言葉があった】
【――――誰も、居ないのだ。かつての父の仲間も、全てをぶつけあった敵も――――時の中に孤独になり、今残っているのはラベンダァイスだけ】
【それは、むごいと思った――――弔う事さえ、自分以外の誰にも出来ない。その事実を認める事は――――今の歪んだ心より、痛い】

…………私…………私、は…………間違ってた……の…………?

【ぐ――――と、桜の手を握る手に力を込めながら、ラベンダァイスは、小さく呟く】
【今の心は救えない――――もう2度と、救い得ない。だが、この生き方はやがて――――越えてきた屍にすら、痛みを強いるかもしれない】
【桜の手を握り締めたのは、それに気づいたラベンダァイスが、彼女に縋ろうとしているのかも知れなかった】
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 14:58:30.24 ID:/B1D5LE0o
>>259 >>260

……重荷になるなどとは、考えない方が良いのでは。
もっと素直に、求める気持ちを優先すれば良いと思いますが……

【放った言葉がそのまま自分に返ってくるとは、気が付いていない】
【以前の自分だって、重荷になるならば――と考えていたのだから。 だから自死さえ選んだのに】
【あの時の悲愴な決意も、それまでの敬虔な想いも、時間ごと捻じ曲げられて毀れた頭の奥底に伏せてしまった】

――そんな事を、仰っていたのですね。 ……そうか、そう…………成程

【父親として死んでいったのだろう人の言葉。 聞き受ければ、僅かに考え込む】
【先程、桜を撫でた手。 暫し見詰めてから伸ばす先はラベンダーへと、矢張り頭を撫でようとしていて】
【娘はこうすれば喜んでくれた。 壊れても忘れずにいられる事なんてこれ位だとは、残酷だが】

(――…………嗚呼、そうか)

【そんな手は無意識的に伸ばしたのだが、可否に関わらず気が付いたことがあった】
【『娘』の笑顔を求めるからこそ、こうして喜ばせようとするのであって、】
【矢張り根底にあるのは、自分がどうなろうと娘には「幸せであって欲しい」という事なのだと】

【――なら、彼女の父の思いも。 ようやく納得が行った】


…………さて、何時までもこうして外で話し込んでいては、幾ら兵器といっても体に悪いでしょう
桜が良いのなら、続きの話は彼女の家で如何ですか。 ラベンダー

【敬称付けが外れて僅かばかり親近感を持った言葉は、初めと変わらない穏やかさであって】
【ようやく迷いも抵抗も無くなったのか、自分からそんな事を持ちかけて、ちらりと桜を見遣るのだった】
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 15:02:21.13 ID:NN95asxBo
>>260-261

【自分の手にかかる貴女の力、握りしめられるその指先の感触】
【少しだけ困った、その意味は、セシルにもラベンダーにもきっと分からない】
【心の奥底、小さく響いたのはきっと――――――きっと】

【木漏れ日のような昼下がりの光、陰に染みこむ吐息のような輝き】
【2つの少女の素肌に落ちたその色合いが、陰りを生むかすかな濡れた後】
【やがてそっといつまでも響き続けるのだろうか】

【緩んだ彼女の頬、零れる言葉がその温もりを伝えたなら】
【染められる前の無垢な絹糸のように、やわらかな笑みをそこに浮かべて】
【ぐいっと彼女は右手をひこうとするだろう、その手を握ってる貴女を引き寄せようとして】

【――――――そしてそのまま左手で貴女の背中を抱え込んで】
【右の手を離して、その左手に添えさせて、ぎゅうと抱きしめようとする】


ううん……ちゃうよ、間違ってなんかいーひんの
ラベンダーの心も分かるのです、とっても辛い過去やさかい……
だからこそ、忘れて欲しくないのです

ラベンダーも、セシルはんも……覚えておいて欲しいのです
うちのこと……うちも、二人のこと、ずーっと覚えてはるから……
そしたら、どんなに辛くても生きてけるんやから

それに……今までめちゃ辛かったんやったら……
いまから、めちゃ幸せになるのですよ!


【濡れた笑みの片鱗も見せなくて、まるで泣いたことを後悔したみたいに】
【微笑みの柔らかさ、それはきっと、美しくもあって、また可憐でもあって】
【すぐそばに映る貴女の姿を大切にしたままでいたかった】

【黒髪が溶ける淡い景色と夜桜のような色合いだけがいつまでも響き続けるのだから】
【檸檬色が素肌一杯に広がって柔肌の温もりを語り続ける】
【そしていつか届くのであろうか】

【睫毛の濡れる香りが響き渡る夜桜の濡れるカラスの羽のように】
【黒い胡蝶の帯が紡ぐ彼女の細いウエストの印、そこから落ちるのは美しい素肌なのだろう】
【笑みが浮かんだそんな残照を―――――】


セシルはんのゆう通りなのです、うちもずっと外におってお腹減ったのです
やからね、一緒にいくのですよ、ラベンダー


【手を一旦離して、ぱんと両手を合わせてほほえみをそこに浮かべる】
【笑いの色がかざされたなら、そこに浮かぶ景色の美しさを感じ取れるだろうか】
【ラベンダーがうんといえば、彼女は歩き出すだろう】

【――――――行き先は櫻の国=\―――――】
【ついていけばきっと、やや活気溢れた桜並木の町並みにつくのだろう】
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 15:21:20.78 ID:DnAEk4lz0
>>261-262

…………役立たずの、兵器なんて…………

【それ以上の言葉は、ラベンダァイスの口からは漏れてこなかった。彼女自身、そう口にするには戸惑いがあったのかもしれない】
【だが――――やはりその言葉は『兵器としてのラベンダァイス』の本心の吐露だと、分かるかもしれない】
【誰かの利をもたらす為に利用されるのが、彼女の存在だ。それが、誰かに――――『フレンド(同胞)』に負担を強いていては、存在する意味がない】
【全てを言いきらなかったのは、引っ掛かりを覚えてか、躊躇したのかもしれないが――――】

っ、…………っ

【伸ばされた手を、抵抗なく受け入れる――――亡き父も、よくそうやって頭を撫でてくれた】
【そしてそれは――――ラベンダァイスにとって、一番好きな父との触れ合いだった】
【孤独に戦いを続け、兵器として死のうと生きてきた彼女を、こうやって撫でる存在など、既にいなくなって久しかった】
【故に、久方ぶりの安らぎと、過去を思い出す辛さを同時に湛えた、何とも言えない泣き顔を見せた】

ぅあ――――!?

【そして、桜に抱き寄せられるラベンダァイス。思わず驚いた声を上げて】
【ぐっと抱きしめられる――――先ほどまで激昂してたためか、互いに身体の熱さを感じる】
【どうしようもないほどに、命を感じる――――自分の瞳は、あの日から――――ずっと死を見つめ続けてきたのに】

う、く…………っぅぅぅぅぅ…………!!

【とめどなく、涙が溢れ出る。あの日――――境遇を分かち合った仲間と、好きなだけ泣いたあの日に、涙など全て流し去ってきたはずなのに】
【虚ろな瞳を洗い流す様に、涙が溢れて止まらない。先ほどまで、もしかしたら今も――――戦いの中に生きる事を望んでいたはずの自分が、なんでこんなに泣いてるのか】

泣きたく……ない……ぃ……っ、泣いても…………何も、変わらない…………のに……っ

【だが――――ラベンダァイスは必死に、そんな己の心に抗っていた】
【いくら涙を流した所で、この心の穴は、ふさがる事などないと知っているから。今の涙は今の心を癒しても、これからの心を癒す事など出来ないから】
【――――それでも、ラベンダァイスの涙は止まらない。そこで強がれる程――――彼女は大人ではなかった】

分かり、ました…………一緒に、っ――――――――私も一緒に、行きます…………

【身体を離して、涙をぬぐい――――昂ぶった自分の心を、もう一度無理やりに落ち着けさせたのか、疲れた様に、それでもしっかりと頷く】
【そうして、2人について、同じ道を歩きだすだろう】
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 15:46:48.21 ID:/B1D5LE0o
>>262 >>263

【零した自己否定の言葉から反面的に感じ取れるのは、誰かの為に在りたいという強い希求】
【「兵器」ならば当然と切り捨てるには、其処にある「生物」の心が複雑に絡み合っていた】

【――こうして優しくされる程、彼女には生殺しのようになるのかも知れない】
【例えば真っ直ぐにラベンダーを想う桜も、或いは。 けれど、別にそれでいいと思った】

…………何時か、きっと出会えますよ。 全てを変えてくれる人に
本当に『父』を忘れてしまうかどうかは、その時に決めれば良いでしょう?

それまで胸中で共に生きていたって、きっと誰にも咎められはしない筈――

【自己満足でしか無い。 愛するのも、愛されるのも】
【穏やかな言葉だって、嘘が9割だろうと、それで満足が得られるならば価値はある】
【(膨大な魔力を有する彼女が暴れだすような事態も、現に避けられたのだから)】


【そして、歩み出す意思を固めたラベンダーを慰める事は桜に任せつつ】
【路地裏を抜けていく道、そう言えば何をしに来たのだろう――傾げた頸はすぐに、どうでもいいと判断】
【櫻の国へ出れば、迎える爛漫の桜に僅か目を細めたりしているのだが、】
【気にするべきは活気と自分の置かれた現状だとは気が付かない】

【――三十代の男に少女二人。 絵面としては如何なのだろう】
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 15:48:59.13 ID:NN95asxBo
>>263-264

【ラベンダーが頭を撫でられて気持ちよさそうなのを見て】
【じぃと視線をセシルへと上げたのはきっと、うちももっと撫でて欲しいのと言いたげなもので】
【揺れた旋律の後先も、辿られないままに】

【櫻の国の中でも一際人が多い、桜並木の通り】
【4月ももう中盤というのに、この街に咲く桜は普段と変わらぬ満開のままで】
【その荘厳な景色と鼻孔を擽る愛らしい花の香りが心地よく漂っているのだろう】


ここは桜桃=モ艪キら>―――永遠の桜が咲く国なのですよ
お二人はんとも、はぐれんとついてきて欲しいのです


【慣れたように歩みを続けていれば、一つの大きな建物が視界に入るだろう】
【先程までの桜とは違う、少々―――不思議な雰囲気を漂わせる桜に囲まれた建物】
【桃色の濃いその桜並木の景色は、ある種違和感を感じさせるぐらいに】

【パレットには押しとどめられない、桃色の旋律は】
【目で捉えている景色すらも、正しいとは思えなくぐらいにふんわりとしていて】
【彼女の姿も、そこに同化してしまうかのよう、少し目を外したら、見過ごしてしまいそうなぐらいに】

【たどり着くのは横に大きな屋敷≠セ、周囲の町並みと比べてやや異質な屋敷】
【門番に一礼して、門をくぐったなら、広い応接間に案内されるだろう】
【板張りの廊下を歩いて、室内の一室へと二人を案内して】

【障子に区切られた広い室内、畳張りのいぐさの香りが鼻孔へと漂うだろうか】
【室内にはものが少なく、どこか生活感が希薄であろう】
【―――それが、ここが誰も使っていない部屋であるから、と理解できるだろうか】


……申し遅れました、うちは桜=\――この桜桃≠フ姫なのですよ
せやからね、ラベンダーはこのお部屋好きに使ってええのですよ
ぶつぶつゆう人おらはったら、うちがハッキリアカンって言ってあげるのです


【室内に用意された3つの座布団、そのうちひとつに彼女は膝を曲げて】
【すっかりと慣れた様子で座布団に正座したなら、まっすぐに二人へと向き直るだろう】
【言葉を飾り立ててもなお、彼女の柔らかな雰囲気は変わりはせず】

【セシルなら知っているかもしれない、この桜桃≠フ街は世界でも有数の観光街であると】
【年中咲き続ける桜の花は櫻の国に於いてもトップクラスであり、また観光業にも力を入れている】
【娘と旅行するにも十分なスポットといえるかもしれない】
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 16:03:25.80 ID:DnAEk4lz0
>>264-265

…………そう、思う事にします…………

【かつて、同じ様な事を言われた事があった。自分とは違うケツァル・コアトルの主から】
【やはり、その言葉には一理があるのだろう。その時まで、自分の心が持ちこたえられるかどうかは、分からないが】
【今は、信じておこう――――それが正解でも間違いでも、今の自分にとっては同じ事】
【破滅を見る未来から、ほんの少しでも目を背けられるのなら――――それに越した事は無いのだから】

――――大丈夫です。はぐれたりは…………

【じっと先を行く桜を見据えながら、跡をついていくラベンダァイス】
【――――戦場に立つ事も、一度や二度ではなかったのだろう。身のこなしには自信がある】
【人ごみではぐれない程度は、その小さな体躯もあいまって、そう難しい事ではなかった】

――――――――…………っ、え……………………?

【だが――――桜の踏み入る先を見て、ラベンダァイスは思わず言葉を失う】
【そこは、見事な建物、そして側に設えられた屋敷だ。考えてみれば、桜の物腰は優雅なものだったが】
【――――考える事が多すぎて、そこに意識が回っていなかったラベンダァイスは、不意をつかれた様に驚いていた】

【ただ、今はついて行く事だけが大事だ。ラベンダァイスはセシルと共に、桜の後について中へと入る】

え、ぁ…………桜さん、ここの……お姫様……!?

【桜の身の上――――桜桃≠フ姫と言う身分を聞いて、さらに驚くラベンダァイス】
【ぎこちなく正座をしながらも、それを聞いて落ち着かなげにキョロキョロしてしまう】
【――――かつて住んでいた『城』の一室より、ずっと華やかで、心の落ち着く場所だ】

あ……あ、の…………私、本当にこんな所に居て…………いいんですか……?

【戸惑いが、素直に言葉に出る。驚きながら上擦った言葉で、改めて桜に確認するラベンダァイス】
【自分が居候するには、もったいない――――豪華なプレゼントを渡されて、戸惑ってしまう心理と同じ状態で、ラベンダァイスは混乱していた】
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 16:31:42.75 ID:/B1D5LE0o
>>265 >>266

――……まさか、姫君だったとは。
いろいろと心臓に悪いので早めに言って貰いたかったのですが……
尚更此処に要るのが場違いな気さえしますが、門番が通してくれたのだし良しとしましょう

それにしても良かったですね? ラベンダー。 路地裏族から皇族にでもなったようじゃないですか
折角ですし着物等も借りてみては? きっと良く似合うでしょう、それこそ姫君のようにね
……ええと、嗚呼、それと…………――、――

【――こうして格好をつけて此処で話すまで、】
【いろいろとあった事には、良心があるならば触れないであげた方が良いだろう】
【逃避するように捲し立てて話しているのだから、尚更――笑顔がこれ程薄ら寒いことなんてあるのだろうか】

【早い話が、踵の高い靴でないと碌に真っ直ぐ歩けないのだ】
【屋敷の使用人などがいるのならば、この部屋に来るまでに多大な迷惑を掛けたのは間違いない】

【(本来ならば門扉の所で回れ右をしていた、とは余談である)】

…………では、私はこれで
また何時か、娘を連れてこの街に来ますよ。 いずれ訪れたいと思っていたのでね
その時にはまた改めて此処を伺いましょう……嗚呼次からは、玄関先で良いので。

【こうして桜の元でラベンダーも落ち着けたのなら、自分が関わった意味もあるだろう】
【終始人の良い笑みを崩さないまま、一応の善人としての役目を果たせたと見れば、そう言って席を立つ】

【(帰りもまた使用人に厄介を掛けたり、ふらついて壁を抜きそうになったというのも、余談)】

/ぎゃー大変遅くなりまして申し訳ない……
/それでは此方は一足先に離脱します、お二人ともお疲れ様でしたー!
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 16:34:56.61 ID:NN95asxBo
>>266-267

【櫻の甘い香りは芳醇なリキュールのよう、ただ少々しつこく感じられるかもしれなくて】
【障子が閉まったなら室内に満ちるのはいぐさの爽やかな芳香で】
【思い切り吸い込んだなら胸の中に貯まるのはきっと、心地良い涼しい風】

【桜桃≠フ姫の肩書き、その意味合いが示す先も理解できるだろう】
【彼女の纏う櫻の雰囲気とその名前と、そして何よりも目尻に描かれた櫻の花びらと】
【袂と袖に刻まれた蝶が羽ばたくたびに彼女という存在が揺らめく】


むーそんなのダメなのです、ラベンダーはうちと、めちゃ遊ぶのです
お部屋にずーっと引きこもってるのなんて体にも良くないのですよ


【正座したままぐいっと上半身を前に出して、ぱんぱんと右手で目の前の畳を叩く】
【むぅと膨らんだほっぺたが、柔らかさをハッキリと示したなら、マシュマロのようなほっぺたが揺れる】
【色とりどりに変化する彼女の表情の流れる先を辿って欲しかった】

【どうやら貴女の言葉を勘違いして、奇妙なことを言うのも、また彼女らしくて】
【彼女にしてみれば、ラベンダーがこの部屋にいるのは、当然のことなのだろう】
【――――――そのことはもう、口にだすまでもないよ、と言いたげで】


セシルはんもう帰らはるん?
うちも一旦お仕事あるから離席するのです
ラベンダーも何か大変なことあったら、気軽に呼んで欲しいのですよ


【セシルが帰路に立つのと同時に、彼女もまたその場を後にしようとするのだろう】
【残されるであろうラベンダー、呼べばきっと、彼女が来て世話を焼いてくれるのだろう】
【静かな風とあとに残る雰囲気だけが、ただ柔らかく広がっていった】


/ではちょうど良いので私もこの辺りで
/お二方お疲れ様でしたー!
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 16:43:07.30 ID:DnAEk4lz0
>>267-268

(……セシルさん、慣れてないんだなぁ……)

【櫻の国の作法は、ラベンダァイスとしても慣れたものではない】
【しかし、セシルがやってしまった『粗相』には、流石にラベンダァイスもそうした感情を禁じえなかった】
【――――そこを突っつく様な、無邪気な残酷さを持ってはいなかったのだが】

え……あ、も、勿論です……!

【この中でずっと引きこもるなど――――違った意味で耐えられないだろう】
【いまいち、自分の問いに答えられた気はしないが、慌てて勢い込むようにラベンダァイスは頷く】
【――――急に、ボロボロの服装をしている自分が、畳を汚してしまっているのでは、と、変な焦りを感じた】

あ…………はい。セシルさん、また会いましょう……!
桜さんも…………本当に、ありがとうございます……!

【席を立つ2人を見送ろうと、慌てて立ち上がるラベンダァイス】
【そうして、2人が部屋を出ていくのを最後までしっかりと見送って――――――――】

うっ――――――――っ、あ……足が…………っ

【どうやら、座布団とはいえ正座には慣れていないらしく、ラベンダァイスは足を痺れさせてしまったらしい】
【ぺたりと畳みに座り込んで、先ほどまでとは全く違った意味での涙を零しながら、ゆっくりと自分の足をさすっていた】

/お二方、乙でしたー!
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 19:52:38.74 ID:/B1D5LE0o
前スレ>>974

就職? よしてくれよ、お前みたいな面白い奴が社会なんかに迎合するなんて俺は嫌だ
嗚呼マフィアか、最近は動きがあって騒がしいな……思想が合うなら割りと嫌いじゃないんだが
……実は富嶽会と話をしたいと思っているんだ、もしコネがあったら一つ貸しにしてくれないか?

【「無けりゃ別に良いんだ」と薄く笑って、悦那はビールを口に運ぶ】

【左翼とヤクザ、それらは似ているようで思想と行動理念に決定的な違いを持つ】
【深い部分が合わなければ仲間入りまでは希望出来ないし、相手だって受け入れないだろう】
【それに元UT組である事にどう応じてくるかもある……一先ず話せる機会があれば、ということか】

ヒライ アキタケ、か……似合いはしないが可笑しくもないな
会った初めから腹を割った名前で話してくれたって訳か? なら俺も応えないとだ
姓・諱・字で悦・那・郭星。 ……尤も「郭星」なんて滅多に呼ばれないし、堅苦しいから悦だけでいいさ

【正式な名を告げたのは礼儀としてだろう、ならスティングレイは何だという話になる】
【問われれば答える程度。何てことはない、昔いた左翼組織でのコードネームだ】

【その後も話は尽きないままに、酒だけが尽きて行くのだろうか】
【人間より早く出来上がってしまうゾンビではあるが、帰りに際して別段迷惑も掛けまい】
【もう敵対しないだろう関係。 もっとも敵対すべき時期だってこうして気楽に飲んだ仲ではあるのだが】

【店を出ればふらつく足ながらも、裏路地に入って探すのは手近なマンホール】
【生きていないし贅沢は言わないのだから、塒なんて探せばあるものだ】
【そうして器用に、何処か慣れてすらいる手付きで鉄蓋を開ければ、男は中へと滑り込んでいくのであった】

/大変遅くなりました、こちらの眠気落ちという失態をかまし申し訳ない
/もしよろしければまた絡んで下さい、それではお疲れ様でしたー!
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 20:17:01.42 ID:/B1D5LE0o
>>200

……そうですか、それは――、!

【――別に、助けようと思った訳ではない】
【ただ、この相手の掌中にある状況下でシェンを死なせるのは癪に触るというだけ】

【目論見を看破された訳では無さそうなので其処は一つ安堵したし、鈴音に関することも一安心】
【突然の転移で面食らいはしたが――飛ばされた先も、見覚えのある水の国の市街地だったのだから】

…………上手く行き過ぎている、ような

【寒気すら感じた。 次に会ったら、というワードが粘ったく耳に残る】
【自分の手では無いとはいえ、シェンには恐らく何かしらの制裁が下されたのだろうし】
【後は鈴音の無事を確認するだけ。 といっても魔力を辿ったリンクで、それは明白であって】

【無料程怖いものは無いというが――それがこの、ほぼ完璧に行った現状なのだろう】

【そのままセシルは暫し考え込んでいたが、市街地の中の雑踏は邪魔であって】
【幾ら感覚で辿れるとはいえ直接会わなければ安堵も出来ない、けれど転移するだけの余力も無い】
【じれったげに取り出す携帯、直通のダイヤルを表示して――3コールで応答があった】

――コウノ、何か変わった事は? ……そうですか、それならば良かった
車を頼みます、エリアは……どうにも判然としないので、端末の位置情報から辿って下さい
…………代表が近くに? いや、それは、嫌…………、切れた

【溜息一つ、ふらと雑踏に紛れるように歩みだし】
【途端に魔法のようにその姿は消え失せる。 黄緑の燐光だけが残されて、誰も気が付かないまま】
【結局自力での帰還を選択――其処で最愛が待っていてくれたならば、きっと確かめるように掻き抱くのだろう】

/それでは遅ればせまして此方の〆をー
/結果的にじっくり絡めたので、此方としても楽しかったです! あり乙でしたー!
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga sage]:2013/04/13(土) 20:17:35.31 ID:yu75qpjb0
【公園―――噴水前の小さなベンチ】

【日の沈む時間も遅くなってきたこの季節なれど、夜となれば肌寒い】
【また、季節柄だろうか。頭の温度まで上がってきた危ない人達の出没も増えてきた】
【そんな健康的といえるかどうかも微妙な場所に、小さな人影が存在していた】

【灰色の髪は毛先に近付くにしたがって淡い白となって消えていくかのようだ】
【白皙に大きめな赤紫の瞳を瞬かせる幼げな容姿の少女が座っている】
【内部が赤チェックのジップパーカーには無数の缶バッチがじゃらじゃらと騒がしく】
【その安っぽいゴス調の上着とは裏腹に、中はとても高そうな材質のドレスシャツ】
【落ち着いた色合いのピンクのキュロットが裾を小さく風に揺らしており】
【全体的に外見年齢よりは少々大人びた印象となるだろうか?】

【彼女はその小さな手に古めかしい十字架を握り、何かを真剣に眺めていたが】
【やれやれ――そう言いたげな雰囲気でふうと一つ吐息を漏らし、軽く頭を持ち上げる】
【ショートボブの髪が肩先に触れてひどく柔らかそうに流れ落ちた】

……叔父様は、まだかしら

【小さく零せば公園に立つ時計へと目を上げて、伸びをひとつ】
【そんな彼女の身体から零れるのは、つんと鼻につく爽やかなミントの香りと、もうひとつ、それが枯れたような――?】
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/13(土) 20:32:43.06 ID:tfj2QWERo
【昼の国――サンヴェスト盆地】

【地形が原因で昼の国の中でも"特に暑い"地域であるが、人は決して少なくない】
【何故ならば、この周辺には"火山"や"鉱山"が多く――それらに由来する"資源"を目当てに、この土地に訪れるものが数多く居るからだ】

【ここはそんな盆地の中心部にある町――その"中央広場"】
【いつもの様に、平和で活気にあふれていたのだが……】

【――――!】

【突如、町の隙間の至る所から"朱色の結晶"が一斉に生え出し】 【また、町の出入り口の全てが結晶によって塞がれてしまう】
【それを皮切りに、全身がその結晶で出来ている大体150cm程の人型の魔物が町に次々と出現してゆく】
【山吹色で淡く光る眼とコアを持っていて――眼の位置は人と同じで、コアの位置は"心臓部"である】
【どうやら町の人々を襲っているようだが……何故か、トドメは刺しておらず】
【また、この町にあるあらゆる物を根こそぎ持って行っていて――街路樹ですら切り倒して運び、建物ですら壊してその瓦礫を運ぶ始末】

【そしてそれらのものは――"中央広場"にへと運ばれている】 【そして、その"中央広場"に居る者"達"は――】

【まずは全身真っ黒な毛に覆われている奥二重でコワモテ、エルフ耳で2mの身長の悪魔だ】 【頭部には二本の鋭く禍々しい赤い角を持っている】
【黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、首にはマフラーの様な長い紫色の毛を持ち、他にも所々に紫色や赤の模様や毛を持っている】
【鋭く赤い牙と同じく爪を持ち、手足や尻尾の先の方は紫色で、いかにも悪魔だと思わせる尻尾の先端には赤い棘がある】
【赤い棘は肩や手の甲、アキレス腱の位置にもあり、先端に赤い爪を持ち紫色の翼膜な黒い悪魔の翼を背から生やしていた】

【悪魔が赤子を抱くように持っているのは、人間の頭部を一回り大きくしたかのような壷で――神聖かつ邪悪な雰囲気を持っていて】

【そして悪魔が椅子代わりに座っているそれは――とぐろを巻いた大蛇だった、長さはおよそ20mと見られる】
【銀色の鎧の様な羽毛が纏われた頭部と尻尾、後頭部には9本の羽毛が、尻尾の先端には8本の羽毛が、太陽のように伸びている】
【ルビーの様に赤く透けた角を持ち、それと同じ素材だが短いものが尻尾の先端にもある】
【身体は青白い色、腹部は山吹色、眼や牙は角と同じ素材に見える】

【また、結晶の魔物が悪魔の近くで警備体制をとっているが――ただの魔物では無さそうだ】
【全体的にガタイが良くなっており、大きさは2mであり、山吹色で淡く輝く模様を全身に持っていて――いかにも、強化版といった感じである】

【さて、中央広場に運ばれたもの達は――悪魔の目の前にある、直径5m程の"魔法陣"にへと置かれる】
【そして、そこから噴き出す闇に捕らえられて――"その姿を消す"】

ヒャハハハ、……うゥ〜ん、良ォいミュージックだァァアア
あァちこちから聞ィこえる悲ィ鳴の大合唱ッ! 混沌の苦しみによる喘ぎッ! 壷のエネルギーもぐゥんぐん高まっているッ!
なァーに安心しな人間共……持ォっていったモノは後でちゃアーんと帰してやるよ、姿の保証はしねェーがなァァアアーーッ!!

【そして、歓喜に満ち溢れる悪魔――】 【間違いない、この騒乱の主犯は――この悪魔だ】

【あなた達はたまたまこの町に訪れていて――騒乱に巻き込まれてしまったのだろう】
【もしくは結晶を壊して強引に街に侵入したか、あるいは空から来たか――】
【しかし、どのようにしてこの土地に訪れていたかなど……今は関係ないッ!】
【町の物を根こそぎ持っていく悪魔――このまま見過ごすわけにはいかない】

【"力ある者"達よ――"勇気ある者"達よ――さあ、今こそ、この"邪悪"に立ち向かうときだッ!】

/参加希望者がいませんが、唯一の書き溜めがもったいないので既成事実として一応投下しておきます。後で結果を書きます。
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 21:13:35.18 ID:NN95asxBo
【夜の人混みが強さを増す頃、人通りが僅かな楔にせき止められる】
【人の流れが歪んだならば、その先にある蟠りが確かな形を得て】
【―――月光の沈む夜明けの通り夜更け、宵月の形だけが、確かに響いた】


全く下劣で下賎な旦那様ばかり……私は今、とても急いでいるのに……
早く奥様の元へと帰って、それで奥様のお背中をお流しして、ゆっくり横で添い寝させていただく計画がございます
ですので、旦那様各位、早くその道をお開けくださいませ


【僅かに金色のかかった長い黒髪を蒼の細いリボンと質素な簪で二つに結って】
【丈の短い黒のミニスカ着物、長い袂から零れるのは白いレースのフリル】
【同じく白レースの帯をリボン結びにして細いウエストをぎゅっと絞っている】

【沢山の櫻の模様が刻まれている着物とは違い乳白色の素肌に煌く黒のサイハイソックス】
【黒の厚底草履を履いた小柄で華奢な蜂蜜色の瞳の少女が凛と響く声を鳴らして】
【胸元に抱きかかえる150cmほどの身の丈以上の細長い刀、漆黒の鞘には同じく櫻の花弁がいくつか描かれている】

【彼女の視線の先には怒った様子の大柄の男性が三人ほど、彼女を取り囲むように立っている】
【先程から見ていれば、男たちが彼女へと、金を出すようにせびったのが事の発端であると伺えるだろう】
【素直に出せばいいものの、少女は臆することなくそんな言葉を言ってしまったから、少々荒れた展開になっている様子】
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/13(土) 21:25:58.50 ID:P8pbkqaTo
【風の国――レナール周辺】

【人の群れでにぎわいを見せていた街も今や異界の風貌、肉と狂気の占める“うろ”】
【街からはやや遠く、線路によって結ばれていた、幸か不幸か霧の範疇から外れし場所に】
【今や誰も寄り付かなくなって久しい、廃劇場の姿があった】

【反響板は煤け、椅子には塵がつもり、暗幕には蜘蛛の巣が張る】
【オーナーが逃げ出して――あるいは街で変わり果てて失踪して以来、ここには客の一人も現れなかったが】
【埃でてりの悪くなった絨毯を踏みつける影が、一人あった】

……気に入っていた、だのに、なあ

【高い天井に薄らと響く声は、此処で演じた者たちにも負けぬバリトン】
【姿かたちも、それこそ舞台の上で踊り歌い時に笑う者たちのような、それこそ衣装と言ってしまって差し支えの無いもの】

【ふわふわと揺れる、目に刺さりそうな微妙な長さの銀髪を持つ男が歩いている】
【薄青色の目と、青白いと形容されそうな肌の色をして、背は高く体躯は細長い】
【お貴族様みたいな真黒のマントに白のドレスシャツ、アスコットタイを締めて】
【黒のスラックスに同じく黒のオペラパンプス、右の手には白のステッキを持ち】
【いかさまの似合いそうな指は白い手袋に包まれ、貴族的風貌の時代錯誤の男だ】
【ものに例えるならば、そう、ふわふわと海をたゆたうくらげのような】

そうだ、闘技場とは別に、劇場を造ろうかな
あまり人が来てしまうとこまるから、別の場所に、かな

【天井へ届く窓がその向こうへうつすのは、くだんの美しかった街】
【もしもあの街の周囲を探索する者があれば、この建物にも気付くかもしれない】
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/13(土) 21:28:06.96 ID:gOSCtyMOo
>>274

【――――「カー」と、そんないかにも場違い≠ネ鳴き声があたりに響いたかと思えば】
【直後、十数羽の漆黒――カラス£Bが、その場に舞い降りてきて、】
【クチバシや爪を使って、女性へ群がる男達へ、襲いかかってくるだろう】

【女性へは決して危害を加えることなく、的確に男達だけへ、だ】

【或いは男達が剛の者ならば、カラスにも立ち向かえるのかもしれないが、】
【そんじょそこらの有象無象、チンピラであるならば、きっと結果は惨憺たることになるだろうとも見えるか】

【或いは不吉、或いは吉兆――それを見る立場によって解釈はいかようにも変容するだろう黒羽根は、かくして虚空に乱舞する】
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/13(土) 21:29:32.34 ID:7dbokoN80
【櫻の国―某所】

【長い黒髪をまだまだ冷たい風に揺らし、少女は道を歩く】
【淡い桜色の服を纏い風に吹かれながらフラフラと歩き回る様は、風に吹かれた一片の桜の花弁のよう】
【手には裁縫箱―いつも持ち歩いているのか、はたまた彼女が生まれるずっと前から存在しているのか】
【持ち主の幼さにつりあわず、くすんでいながら存在感を放つ】
【人通りの在りそうな場所を探しているようだが、かなり困っている様子】

…ああ、そうよね
土地勘もない、何も知らない人がほっつき歩くもんじゃないよね

【端的に言うと、迷子】
【碌に道も知らないのに歩き回った結果…ここがどこだか分からない】
【ついでに辺りはすっかり暮れなずみ、景色は闇にのまれて…】
【果ては方角まで分からなくなってしまっている】

…困ったわ
動けない…これ以上動いても、きっと更にどこか分からなくなるだけよ…

【とうとう困り果てた彼女は座り込んだ…】
【それもそのはず…どこか分からない、行く当てもない、泊まる所もない―そして歩き疲れた】
【しかし道の陰で座り込んだ彼女を気に留める人は、今のところ居らず…結果、現在彼女は行き倒れ寸前】
【生まれて以来のピンチに救いを差し伸べる人は、果たして…?】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 21:36:02.94 ID:NN95asxBo
>>276

【おや、と彼女は小首をかしげた、はちみつ色の瞳が彼女の心を写すかのように】
【飛び交うカラスの姿はある種童話のようでもあって、かつて語られた寓話を感じさせて】
【見る見るうちに男たちの姿は消え、散っていくのだろう】


カラスでしょうか……これはまた、珍しい……
誰の仕業か、或いは、単なる運か……分かりはしませんけども
助かりました、ありがとう――――ふふ、貴方様にでも、申し上げるべきなのでしょうか


【彼女は歌う、ソプラノの声が旋律となって、夜へと響いていく】
【足元にこぼれた黒羽根の欠片、ソレを一片つまみ上げたなら、くるくると指先で回してみる】
【黒い着物に身を包んだ少女は、彼女を助けてくれた黒羽達へと視線を向けて】

【すーっとその手を延ばすのだろう、右の手が伸びたなら、長い袂から白い指先が落ちる】
【一杯のフリルが姫袖を濡らす、ゴシック調の着物は、露出の多い艶やかな形で】
【月光を浴びてキラキラと輝くカラス達の羽根にも似た、どこか色気のある黒髪を滲ませて】

【手を伸ばしたなら、そこにカラスが止まるかなだなんて思って】
【もしこちらへと飛び降りてくれたなら、すっとその手を口元へと寄せて】
【小さな紅色の唇を揺らす、濡れたリップは肉感的な思いを一杯に貯めこんで、カラスへと溶けるのだろう】

【早い話が接吻だ、大きな瞳を閉じたなら、瞼がすぅと純白の素肌へと消えていく】
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/13(土) 21:49:16.97 ID:gOSCtyMOo
>>278

【――男達が散れば、辺りに残るは、抜け落ちた黒の羽根】
【闇に溶けるような妖しき黒は、やはりどこまでも異様≠ナ】

【さて、そんなカラスの内、一羽が、少女の差し出した手へ誘われるように、そっと、そこへ止まるだろう】
【普通ならば爪が食い込んで悲惨なことにもなるのだが、このカラスは一切肌を傷付けることはない】

【また他のカラス達は、思い思いに宙を旋回飛行していて、】
【それはまるで、少女とカラスの接吻を彩るかの如く――――】


――――はい、ストップ


【――――と、彼女の唇が触れる寸前、その接吻を遮るように声がかかった】
【鈴のように澄み渡る凛とした響きは、どこか威圧的な色をも含んでおり、】


……わたくしの大切な従者≠ヨの出過ぎた真似は、お控え願えますか?
それに、お嬢様のようなお綺麗な白≠ヨ、澱んだ黒≠ェ滲んでしまっては、些かこちらとしても申し訳が立ちませんので――ね?


【声の正体は、白を基調としたセーラー服と紺色のスカートに身を包んだ、身長160cm程度の少女】
【その表情に感動はなく、縁無し眼鏡の奥に湛えられた碧眼は深海のように深く、暗く、かつ冷たい】
【また服装に合わせるように被っているのは、長い青色リボンの巻かれた、白い水兵帽】
【そして真っ直ぐ伸びる彼女の長髪は黄金色に煌めきながら、風と戯れるように虚空に揺れていた】

【声はとどけども、手はとどかぬ位置】
【互いの顔は認識できるだろうが――――またもや平穏な日常とは乖離したような瞳の彼女が、カラスと、それを手に止めた少女へ、射貫くような視線を、送っていた】
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/13(土) 21:52:40.31 ID:ddhwNoJSo
>>277
【───カラン、コロン───下駄の足音一つ、櫻の街道には珍しい物でもない】
【なのに、その足音一つだけ、やたらと目立っているように。他と変わらない足音なのに、それだけが】
【やがて、その足音が近付いて来るのがわかるだろう。いやそれだけではない、もわもわとした、強い酒の匂い───】

…人の前に道は無い、歩いた後に道がある───
そうさ、酔い潰れたみてぇに座っても、道なんざぁ出来ねぇぜ…

…そう思わねぇか?そこの

【───カラン、足音が少女のすぐ後ろで止まり、誰に言っているのか、のったりとした声が呟く】
【酒臭さとのらりくらりな空気とで、よくわからない人物が、少女をぬらりと見下ろしていた】

【水色の着流し、下駄履き、白髪のポニーテール、前髪で左眼を隠した青年である】
【首に白いマフラーを巻き、腰には帯刀、眠そうな半開きの目で口にはゲソの干物を咥えている】
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 21:57:46.29 ID:GNP+4VRN0
【遠くに街の明かりを灯す草原、ぽつと佇む廃墟だったモノ】
【ひゅるりと躍る風を遮るものなどとうに朽ち果て、そこにあるのはちっちゃなごみ山の様相】
【屋根だったのだろう木切れ、柱だったのだろう木材、割れた硝子、たくさん落ちて】
【毀れたらしい水道管から溢れる水がしんと満たして、ちいさな泉のよう。いくつもの波紋で揺れていた】

…………、

【あたりを見渡しても草だらけ、起伏のない大地なら、きっとそのひとかげが良く目立つ】
【ざぁと煽り立てた風が長たらしい黒髪を狂わせて――少女、だろうか。きっとそう】

【――天を覆う暗幕よりも冥い黒髪、ふわり落ちる先は膝と並ぶよな高さ】
【長めの前髪の向こう側でじぃっと自らの手のうちを覗き込むのは右が赤、左が黒のオッドアイ】
【髪先よりも短く膝上で揺らすのは黒地をレースやリボンで飾ったワンピース】
【辛うじて指先だけを露出させる姫袖が風に揺れたなら、翼みたいな幻想】
【首元や手元に巻いた包帯の白よりも白く見える肌の色、月明かりに照らされたなら、青白く染められる】
【足のほとんどを隠す靴下と、ヒールの高いパンプスと。おおよそこのよな場に似合わぬような、その恰好】

……やっぱり、へんなの。

【やがて吐息と一緒に零したのは鈴の音みたい、りんと響く高い声音】
【尾っぽめいて追随させる金属質はきっと夜によく目立つし、それ以上に目を惹くものがある】

【――きらりきら煌いて舞い躍るのは末期の御衣黄桜にも似たグラデーションの色合い】
【ひとひらふたひら、残滓みたいに飛び交ったなら、桜吹雪にもよく似て――ただ、その総てが魔力で構成されている】

きもちわるい――

【ざぁと誘う風が攫っていく花弁たちはそのうちに蕩けては夜闇に消え行くけれど】
【薄ぼんやりと放つ燐光、零した吐息よりも、突っ立つ黒尽くめよりも、或いはずっとよく目立っていた】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 21:59:46.90 ID:NN95asxBo
>>279

【唇が溶ける刹那の感触、それはまるでおあずけを食らった子猫のようで】
【華奢な声が聞こえた、それでいて強く存在感を保った言葉はハッキリとした意思を感じさせて】
【蜂蜜色の瞳がそちらへと向かう、傾いたなら、網膜に映る貴女の虚像をハッキリと受け止めて】


あら―――……これは、これは、私としたことがお恥ずかしい所を見られてしまいましたね
従者≠ニなると、そのマスターはきっと……お姉様なのですね
では従者だけでもなくそのマスターへもまた……助かりました、とても困っていたのです

ぜひこの御礼を―――……させていただいても、よろしいのでしょうか


【貴女の芳香を辿る足元、厚底の草履に包まれたソックスに包まれた柔らかな足】
【純白の太ももは柔らかく、それでいて肉感的な膨らみを保ったままであって】
【動くたびに大きく揺れる短い着物の丈と零れるフリルが、一杯に周囲へと愛を振りまく】

【160cmの貴女と比べたなら頭一個小さい彼女の身長】
【抱きかかえる長い刀だけが、異様な存在感を放つも、それ以外はただ、娼婦のように艶やかな少女】
【それでもくしゃっとほころぶ微笑みの形は、愛らしさを残した少女そのもの】


……それと、お言葉を返すようですが……私はそのように無垢な白ではありませんのよ
むしろもっと穢れた、いえ……もっと汚れた、どちらかと言えば澱んだ存在なのですから
お姉様の言葉は、そう―――私には不相応なお言葉なのですから……

しっとりとこの手で、返上させていただきます


【手をすっと伸ばしてカラスに去るように示したなら、貴女の元へと歩みを進めるのだろう】
【細い腰を縛り上げる大きなリボンのような白い帯が、ふわふわと揺れたなら】
【長い黒髪と、頬に透けるその色合いと、着物の襟から覗かせる柔らかな素肌が濡れる】

【月光に照らされる貴女の愛らしいラインは、女性らしい柔らかさに満ちた体の色付き】
【メガネのレンズ越しに辿られる碧眼は確かな知性とそれでいてどこか暗くもまた深い水のそこのよう】
【だからこそ纏う服装の白さが、際立つのであろうが――――――】

【可能ならばすぐそばまで寄って、貴女の前でそっと跪くのだろう】
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 22:07:11.28 ID:/Emxkq+v0
【櫻の国にて――――】
【桜の名所とされてきた山の中腹の村】
【何時もならば花見客で賑わう其処であるけれど、どういう訳か今日は人々の悲鳴で彩られていて】
【逃げ惑う人々と、其れを追いかける多くの妖怪達。まるで百鬼夜行でも表したかのような光景が広がっている事だろう】


「みんな張り切ってるなぁ……
殺さないようにとは伝えておいたけど……大丈夫かな?
まあ、元々拙(ボク)達の場所を奪った人間達の自業自得といったらそれまでだけど……」

【一際巨大な桜の下で胡座を?き、杯に注がれた酒を飲む妖怪が一匹】
【山伏の纏う其れ。背に生えた漆黒の翼からして、烏天狗であろうか】
【性別を伝えなければ、少女と間違われても可笑しくないような顔つきであって――――】


「それにしても……ングっ
綺麗な人が居るかなと思ったけど、んー……
何か、ヨボヨボのおばちゃん達ばかりでガッカリ……」

【一度酒を呷れば、深い深い溜息。酒の余韻に浸っている訳で無いことは、落とされた肩できっと分かるだろう】
【――――今一度辺りを見回しても、決して若いなんて言えない人々が逃げ惑っているだけで】
【浮かぶ苦笑。転びそうになった老人を支えてやれば、他の妖怪にそのまま村の外へと追い出させて】


「どうせこんなに綺麗な桜があるなら、デートととかしても良いかもしれないのにね
――――あーあ、お餅を食べてるのも飽きたし、後はずっとこのまま見てるだけなのかなぁ……」

【事情を知らない者が見れば、村人達が妖怪に虐殺されていると勘違いしても可笑しくない場面】
【――――実際は、死者なんて一人も出ていないのだが】
【大小様々な妖気が入り交じれど、その中で一際目立つ存在がその少年であろう】
【桜の名所という事もあって、櫻の国の者以外の者が通っても可笑しくは無い所だが――――】
【さて、偶然出会ってしまえばどの様に思うだろうか】





【まだポツポツと明かりが残る街道。其処に集ったのは、数匹の子犬たちで】
【――――囲まれた様にして立つのは、一人の少女】
【金色の髪を持ち、人目を引くのは狼の耳と尾。それと――――金色の隻眼か】


「だから、今日は何も持ってきてないんだってばー……
ああもう、そんな風に鳴かないの。男の子なんでしょ?
次はちゃんと君達の好きな物持ってきてあげるから……ひゃっ?!
ちょ、ちょっと!靴舐めたって何にも出ないってば!」

【同族とはちょっと違うけれど、子犬たちは遠い遠い親戚みたいなものなのだろう】
【クスクスと楽しそうに話しているが――――言葉が通じているのかは、微妙な所である】
【内一匹を抱え上げれば、言い聞かせる様にして視線を交わして】


「ほら、君達のおかーさんもあそこで待ってるから早く帰りなよ
……うん。大丈夫だって。次はちゃんと持ってきてあげるから」

【小さな尻尾をふりふりと振りながら立ち去って行く子犬たち】
【時折名残惜しげに振り向く一匹には苦笑と共にそんな言葉を贈って】

【―――――やがて訪れるのは完全な静寂】
【何時かまではあったのであろう、もう片方の瞳。傷口を撫でるかのように指先が辿れば、今度は自分に向けて苦笑を漏らして】
【さて――――時間も時間故、こんな場所に少女が一人立つのも不審な話】
【果たして、話し掛けようという奇特な者は居るのだろうか】
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/13(土) 22:11:03.73 ID:7dbokoN80
>>280
【無情にも流れていく人々 当然だ、道端で寝ている少女と関わって得することなんてない】
【それこそ夜に倒れて言う少女と一緒なんて、不審者に間違われるリスクだってある】
【――ああ、自分はここで道も分からず倒れたまま誰にも見られずに死ぬのか――】

【そう諦めかけた矢先】

【…足音?何だろう、この存在感は】
【その足音は、畳石を刻みながらどんどん近づいてくる…】
【雑踏がノイズだとすれば、その足音は…主旋律?とにかく、はっきりと聞き取れるのは何故だろう】
【疲れて動かぬ躰をどうにか起こしてみれば、わざわざ見知らぬ少女に声を掛ける奇特な人が】

………

…どな……た…?

………

…へへへ…道は…散々……作ったのよ……でも…どれがどれだか……分からなくなっちゃった……

…そうね…まだ動けるなら動いたでしょう……でも…限界………よ……………

【…体を起こした、それだけでも現在の彼女にとっては必死のことだった…】
【歩いた後ろに道ができるというのなら…彼女は、すでに数多の道を拓ていた】
【獣道、道なき道…動けるだけ動いた結果が、今の彼女なのだ】
【最後の力を振り絞って、言葉を絞り出した彼女は……それきり、気を失った】
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/13(土) 22:16:13.24 ID:Ta1Fuf7Ko
【思えば、この男は何時も助けてばかりだった。人助けを生業としている男なのだから当たり前といえば当たり前なのだが】
【路地裏でこの男にやられた人間は数知れず。助けられた人数も大勢。そんなだから、路地裏の住民には良いように思われるはずもなく】
【今日、天罰が下ってしまった】


(―――っべー……これマジっべーよ……)


【路地裏、奥の倉庫前。何時もは若いチンピラがよく集まっているのだが、今はこの男が、そのドアの真正面に立っていた】
【紫色の大きな三角帽子と、同色で縁に金色の豪華そうな刺繍があしらわれたローブ。手に持つのは、年季が入った大きな木製の杖だ】
【帽子からは男の首まである銀色の髪が見え隠れ、ローブの中にちらりと、現代的なカジュアルな服装も見える。靴は、黒と赤のスニーカー】
【なんて、そんな現代的な魔法使いの周りを取り囲むのは、筋骨隆々、軒並み身長2m超の屈強な男たち。数は6】

【全員が素手だが、それは腕力に自身が有ることの裏返し。殴られれば痣どころでは済まないだろう太い腕×12を見て、動揺を隠せない男】

「ライラよぉー。今まで散々やってくれたからよ、ちょいと仲間連れて来ちゃったぜ。流石のてめぇも、6人相手じゃ分が悪いんじゃねーか?」

【リーダー格の男がそう、野太い声で告げる。周りの5人も、揃って男を見下しながら、これまでの怒りとこれからの喜びを顔に出しながら笑っている】
【囲まれた男にとっては分が悪いどころではない。一人なら倒せる相手でも、纏めて来られるとタコ殴りにされてしまう可能性のほうが大きい】
【男は、初めて自分の覚えた魔法を悔やんだ】

くっ……!!
(師匠―――――正直、こういう場合では普通の魔法が使いたかったぜ……!)

【心に思うは、男の『師匠』への言葉。辞世の句とでも言おうか、だがその思い通り、男は諦めかけていた】
【唯一、唯一頼るものが有るならば―――男は、倉庫から表通りへとつながる路地を、チラリと見やった】


(―――――――――――だ、誰かー!! 助けて――――――――!!!!!)


【口に出した瞬間血だるまだ。その叫びは、誰かに届くのだろうか。その間にも、男たちはジリジリと魔法使いへと詰め寄っていく】
【幸い、通路が塞がれているというわけでもない。誰かがこの状況を発見したとしても、おかしくはなかった】
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 22:16:44.01 ID:dXsuDesEO
【公園】
【夜の大気で冷えた遊具たちが、ぼんやりとした街灯に照らされている】
【今の時間帯なら、もうここに立ち寄る者はいないだろう。それは逆に言えば、誰にも邪魔されないという事】
【今ここにいる二人も、そう考えたのだろう】

【黒い瞳、ポニーテールにした茶色の長髪】
【白地に青の装飾がついたセーラー服と黒のプリーツスカートを身につけた、ここまでならよくいる少女】
【しかし、両腕には無骨な黒いガントレットをつけ、腰のベルトには同じ金属で出来ている金属棒が2本括りつけられている】
【そんな妙な風貌の少女と】

【黒い瞳、艶のある藍色の長髪】
【ワイシャツの中には柔らかな双丘が窮屈そうに押し込められ、黒いタイトなパンツは脚の細さと長さを強調している】
【その上に、袖を通さずマントのようにコートを纏っている】
【腰のベルトには左右にピストルホルダーが取り付けてあり、拳銃が一挺ずつ収められている】
【そんな容姿をした、起伏に富んだスタイルをした長身の女性だ】

――じゃあ、いくよ、お姉ちゃん!

「あぁ、かかってきな!」

【セーラー服の少女は腰の金属棒を取り、構える】
【金属棒とガントレットがゆっくりと溶け、流れ、形を作っていく】
【出来上がったのは、長さ2m程度の柄の先に長さ50cm程の刃がついた西洋風の薙刀――グレイヴと呼ばれるものだ】

【コートの女性はそれを受け、ベルトから拳銃を抜く。銃口から赤い光が伸び、刃を形づくる】

まず、一発!

【少女はグレイヴを振り上げ、女性の頭を狙いまっすぐに振り下ろす】

「甘い、動きが大きすぎる!」

【女性は左手に持つ拳銃の刃を構え、振り下ろされるグレイヴの刃を受け止める。同時に一歩前進し、少女に肉薄する】
【長物の利点はリーチの長さ、しかしそれは逆に言えば超至近距離では対応しきれないという事】

フェイントってやつだよ、フェイント!

【少女は一歩後退しながら時計回りに回転し、拳銃の刃からグレイヴを引き剥がす。その勢いのまま、女性の右足を狙い薙ぎ払う】

「大ぶりすぎだ、もっと素早く!コンパクトに!」

【女性は慌てず、右手の拳銃の刃でグレイヴを受け止める】

だったら、これならどうだ!

【少女は左足を引き、刃からグレイヴを引き剥がす。瞬間、女性の胸の中心を狙い鋭い突きを繰り出す】

「まだ、もっと隙を少なく!」

【女性は拳銃の刃を交差させ、突きを受け止める】


【見てわかる通り、二人はひたすらに鍛練を続けている。もし近くを通りかかったなら、うるさく感じるかもしれない】
【そして、もしかしたら近くを通りかかった者は少女の方を知っているかもしれない。以前開催された「水の国天下一武道会」に出場し、準決勝で敗れた少女が彼女だ】
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/13(土) 22:26:33.40 ID:gOSCtyMOo
>>282

【出現した主≠フ声に反応し、カラスの意識は揃ってセーラー服の少女≠ヨ向く】
【となればやはり、この人物こそ、カラスのマスターであると見るほかに手だてはなく――】


……ええ、『こんばんは』――その通り、わたくしこそ、そこの従者達≠司る水先案内人=\―


【――宙のカラス達も、そして手に止まっていたカラスも、皆が皆、一斉にセーラー服の少女≠ヨと飛び、】


…………名を、『ウェル子』――――と、申します


【バサバサとやかましい羽音の中でもよく通る、玲瓏な声と共に、ウェル子≠ヘ恭しく頭を下げた】
【カラス達はウェル子の周囲を飛び回り、狂い踊る黒羽根の洗礼は、禍々しくも彼女の放つ空気を飾り立てていた】


【そんな中、近寄ってくる彼女≠拒むこともなく】
【しかし決して容易に受け入れるわけでもないような、二律背反の舞台にて】


……さて、たった今暴漢へカラスをけしかけ、貴方様を救ったのは確かにわたくし……
ですが、それは……あの殿方様達が、あまりにも見るに堪えない醜悪なる輩であったがゆえ……
この世という危険な航路を行くには、いかに些細であろうと、それがほんの僅かな岩礁であろうと、座礁の要因≠ノなりかねないならば、排除するが必定……
ええ……わたくしは、わたくしのために、カラスをけしかけたまで……お礼をいただくなど、とてもとても……

貴方様はご自身を澱んだ≠ネどと評しましたが……あのような下賤な存在に比べれば、遙かに価値ある大輪――
…………と、何となく≠ナすけど、わたくしの……水先案内人のカンが、そう、囁いたまでなのです――――


【……ひざまつくだろう彼女へ手向けるは、滔々と流れ出でる語り文句】
【すなわち、何となく助けたくなったから助けた=\―と、要約すればそんな意味なのだろうか】

【だがウェル子は、こんな掴み所のない文言を吐きながらも、視線は一点に定まっており――】
【――それは、「相手の、眼」】

【少女は気付くか……ウェル子がまさしく見定める≠謔、な面持ちで、じーっと、眼を、見ようとしていることに……】
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/13(土) 22:28:44.96 ID:P8pbkqaTo
>>285

我天國の番人なり

【一瞬のノイズと、一瞬路地の向こうに見える人影】
【それら全てを掻き消して、鼓膜を突き破りそうな程の轟音と眩い光が視界を塗り替える】
【雷光の範囲は、あと少し相手が前のめりになっていれば毛髪を焼き切りそうな程度に、近く】
【そのほんの少しの差で、無傷であるものと、その身を――皮膚まで――丸裸にされるものが、分かたれる】

もし汝ら翻へりて幼兒の如くならずば、天國へ入るを禁じ……

【豪奢な長い金髪は高い位置で括られ、聖別銀のロザリオを首に掛け】
【紫の瞳を隠すように、スポーツタイプのサングラスがぴったりと目元を覆う】
【黒いテーラードジャケットにパイソン柄のロンT、ネイビーのデニム】
【一見誰も注目しないようなシルバースタッドのピアスには、側面に“No.13”と彫られている】
【嵌められた赤色は、表面の反射を逃れ強く内部を照らすほどの光を当てられた時のみその奥に五芒星を垣間見せた】

やれやれ、プライベートなんですが、ね?
そんなに困った顔で居たら、手を差し伸べたくなってしまう

【惨劇の向こう、相手が助けを求めた先に立つ者は】
【正義の味方というにはあまりに穏やかな笑みを、未だその命持ちて呻く者を挟み、ただ一人立つ相手に向けた】
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 22:30:56.89 ID:DnAEk4lz0
>>285

――――――――――――――――おい、そこのゲス共……何を遊んでやがる……?
「……………………」

【包囲網の外から。侮蔑に満ちた声音の、低い声が聞こえてくる】
【同時に、全く遠慮の無い、スタスタとした早い足音が、2つ――――】

……弱い犬ほどよく吠える。そしてザコほど群れたがる…………ってか?
見世物でもやってたのか? ん、観客はどうした…………オイ

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

「……そう言う嫌味は君らしくないな。口様が決まってないじゃないか……
……酒にでも、酔ってるのかい? いつもの君の余裕の見せ方じゃない…………」

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年】

【三角帽子に手に携えたアイテム――――細部は違うが、見てくれは包囲されている男とよく似た恰好をして】
【更に言えば、新たに現われた2人は、色こそ違うが服装はそっくり同じものだった】

悪ぃな、そう言うこった…………ドリンクぐらい、サービスしろよ?

【そう言いながら、その手の棍を両手に構える居丈夫】
【屈強な体格に、重厚な武器――――如何にも腕に覚えがあると言う様なその居丈夫が、凄んで見せる】

「…………」

【やれやれと肩をすくめて、そのそばに控える青年。しかし、左手の杖はやはり、心持ち翳されていた】
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 22:31:54.50 ID:DnAEk4lz0
/おっと……被ったので>>289は無かった事に……
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/13(土) 22:35:24.35 ID:ddhwNoJSo
>>284
───……

【少女の返事を、ニタニタ笑った緩んだ表情のまま聞いて、気を失っても驚きもせず】
【くっくっく、と何が面白いのか静かに喉を鳴らしてしゃがみ込む】

【気を失い、倒れた少女───それに対するは自分だけ】
【どうにでも出来る、好きに人の身を左右出来るのだ、それもこんな少女の体を───】

【青年は少女の顔を覗き込むと、ふと右手を伸ばし───】

【おもむろに二本指を立て、少女の鼻の穴に突っ込もうとした】
【理由?多分そんなものは、ない。何と無くである】
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 22:36:08.28 ID:NN95asxBo
>>287

【語られる貴女の前口上、唇に触れる彼女の指先が、彼女の唇をわずかに揺らした】
【ウェル子≠ニなのる目の前の少女は、淡々と言の葉を紡ぎながらもなお、その清涼な旋律を響かせたまま】
【頭を下げるその様子もまた、ある種の美しさを保った、からくりのようなハッキリとした仕草で】


ご丁寧にありがとうございます、私は綵シャナ=\――どうぞお見知りおきを……

助けていただいて、このような言葉を返すのも何ですが……それはお姉様の見込み違いですわ
私は奥様の所有物≠ノして愛玩道具=c…彼らを下賎とするのでしたら
……私はそうですね、その辺りの野良猫にまで、身を窶さねばなりませんこと


【射抜かれるような貴女の瞳、深くそれでいて止めどない感情の奔流をはらんだ瞳】
【その色にゾクリと背筋をなぞられる、心の奥底の被虐心をくすぐられる】
【もっと強く見つめて欲しい、とそしてそのまま強く睨んで欲しい、と】

【貴女のすぐそばまで近寄れたら、彼女の蜂蜜色の瞳をハッキリと感じ取れるだろう】
【貴女の強く美しい瞳に心酔するよう、とろんと溶けた色合いを浮かべて、その柔らかな目尻を垂らして】
【長く美しい睫毛が彩る蜂蜜色の水面を、貴女へとそっと注いで】


……お姉様、お手を頂いても……よろしくていらっしゃいますか
白磁のように美しく、白妙のようにきめ細やかなお姉様の御手……私などが触れるのも、おこがましいこと
でもね、でも……そっと握るぐらいは、許してもらえますか……


【貴女の前に跪いたなら、彼女は華奢な右手を貴女へと差し出した】
【そうして少し言葉をためて、心の中を吐露するのだろう】
【くいっと首輪をひかれたかのよう、指先で示されたかのように顔を上げた】

【黒い前髪が素肌を修飾する、美しくまた、整った顔たちは、貴女に引けをとらないほどに】
【強さを感じさせる貴女と比べれば、どこか弱々しいのはきっと、その存在が依存でできているからで】
【できるなら、貴女の手をとって、その柔らかな頬へとすりすりしようとするだろう】

【―――――何のことはない、ただの変態のようす】
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/13(土) 22:37:35.05 ID:cmoM0SbFo
>>283

…………な、何これ…………。

【そこは、尋常ならざるものによって支配された村の一角。民家から躍り出る陰があった】
【その民家の入り口には、薄汚れた看板に宿屋を示す文字が踊って。退職した老人が道楽でやっているような、小さな民宿のようだ】
【であれば彼は、偶然そこに泊まっていたのだろう――――出てきたのは、リュックを背負った少年】
【流行りもののシャツの上に青系のカーディガンを合わせ、胸にはシルバーのアクセサリー、下は深緑色のカーゴパンツを履いて】
【髪は染料で染めた茶色で、ワックスを使って前髪を上げている、そんな容貌】
【桜舞い散るこの風土にも、妖怪溢るるこの現在にも似合わぬ、それは一言で言って"チャラい"少年であった】

あっ、お、おばあさんっ――――うわっ!

【そしてもう一人、民宿から飛び出す陰。持てる限りの荷物を風呂敷につめ、曲がった腰を今ばかりはしゃんと立てて、脱兎のごとく逃げ出す老婆】
【少年はそれに真後ろから衝突され、思わずよろめいて倒れ込んでしまう】
【「いてて…………」なんて呟きは、逃げ出した人間にも追い立てる妖怪にも、きっと暢気に響いただろう】
【よりにもよって、"妖怪"の跋扈するこの場所に自分が居合わせた意味を――――彼はたぶん、考える暇もない】
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/13(土) 22:46:53.13 ID:Ta1Fuf7Ko
>>288
「……あぁ?」

【と、リーダー格の男がそう凄みを効かせて振り返ろうとした、カッコつけたヒーロー気取りかと思い、追っ払おうと】
【この6人は、言葉を耳に入れた途端に逃げ出すべきだったのだ。いや、それでも―――】


『―――――――――ッ!!!?』


【7人――魔法使いの男含め――が一斉に声を発す。1人以外は、そう、例えることが出来ないぐらいの苦しみがこもった呻き声が後に続き】
【もう意識がないのだろう。顔をコンクリートに打ち付けて怪我をするのなど気にする様子もなく―――バタリ、倒れ伏した】
【残ったのは、先ほどの雷撃を放ったのだろう彼と、魔法使いの男のみ。1人は微笑み、1人は驚愕し】
【意識を飛ばした6人の右と左で、まるで世界が違うような表情の違いだった】

【やがて、唖然とした顔を戻した男は少なくとも友好色を100%出しているというわけではないようだった】
【僅かな前触れの後に、網膜を焼きつかすほどの雷光を放つ、彼は、誰だ?】

――――助けてくれたのには、礼を言うけどよ。
「やりすぎ」じゃねーのかよ? 俺的には、ちびって逃げ出す程度が一番良かったんだがな。

【助けられたとは思えないほどふてぶてしい態度は、こうした経験が今までなかったからだろうか】
【幸か不幸か、彼のピアスに刻まれた細かすぎる文字と数字には気がついていないし、星が見えるほどの光も、また無かった】
【正義の味方―――今、現時点では確かに彼を、男はそう思っているのだが。彼の行動によっては―――】

>>289
/次の機会があれば、絡みましょう!
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/13(土) 22:49:27.43 ID:tfj2QWERo
【路地裏――】
【あまりにも危険すぎて、もう数年も回収されていないゴミ箱がある程なこの場所】
【悪人が多く潜むとは言うが――今まさにここに居る者は、悪人とは違う】 【しかし、危険なことには変わりなかった】

「ヘッキャァァァアアーーーーーッ!」            ギャース!  俺二回目っすよ、この緑髪のアホに絡まれ……ぐふっ!
「おらおらァッ!」 「もっとバトルさせろォーッ!!」       ひでぶ!  お前ら、ずらかるぞ!

【路地裏で暴れまわるのは、ガタイが非常に良く筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

『……一応治療しますが……やはり路地裏の方々は元気ですね』

【男から5m程離れた場所にいるのは、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

【暴れまわる男によって吹き飛ばされたりなんだりした者達は、仲間によって素早く回収されてどこかへと消えてゆく】
【それを追いかけることもあれば、次の相手を見つけてそちらにターゲットを移すこともあって】
【この女性は、一応治療をする為に居るようだが――路地裏に潜む悪者は、殆ど治療を受けず消えてゆく】

【さて、こんなまごうことなき危険地帯に訪れるのは――正義を掲げる者か、それとも悪の道を進む者か、それともどちらでもない存在か――】
【いずれにせよ、この男にはそんな立場なんて関係ない】 【うまく立ち回らなければ喧嘩……否、バトルを売られるだけ】
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/13(土) 22:53:50.19 ID:7dbokoN80
>>291
【…意識は溺れているかのように混濁としている】
【体は鉛のように動かない】
【こんな状態の少女を見て、人はどう思うだろうか………】
【関わるまいと立ち去る者―――まあ、これが殆どだろう 現に先ほどの雑踏もそうだった】
【何とかして助けようとするお人よし―――こういう人種も稀にいる】
【疚しいことを考える外道―――これはお人よしより多い】
【しかし、それでもだ、まさか目の前の人物がこの三つのどれでも無く、無意味に鼻の穴に指を突っ込むとは思うまい というか実際思っていなかった】

【――鼻の穴に指を突っ込まれた少女は――果たして意識が覚める 当然だ、こんなことをされるとは思っていなかったのだから】
【想定外の出来事に、彼女は全力で混乱しがら声にならない声を上げる】

―――!?


【疲れて体は動かないはずなのだが…目を白黒させてじたばたしている】

【やがて混乱は落ち着くが……今度は目の前の人物の不信感で落ち着かない】
【倒れた少女にこんなことをする人物は……いったい誰なんだ、と】

…ねえ、あなたは誰?
私を掛けた理由は…?
…というか倒れた女の子にする行動が……それ?

【至って当然の疑問と抗議を、目の前の青年に投げかける】
【因みに少女の青年を見る目は…微妙に鋭くなっている】
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 22:53:55.35 ID:/Emxkq+v0
>>293
「拍子抜けだなぁ……こんなにあっさりと事が進むなんて
まっ、拙もその方が無駄な体力を使わずに済むから良いけどさ」

【嘗ての郷の取り返し作業。気合い溢れる妖怪達】
【彩るのは悲鳴悲鳴、時折罵声】
【さて、少年もその罵声の餌食となってしまったが故に倒れたのかは分からないけれど――――】
【偶然、そんな場面がこの場の大将の目に留まったのだろう】
【杯をその場に置けばゆらりと立ち上がり、真っ直ぐとそちらへと歩み寄る】
【――――追いかける妖怪達もその時ばかりは恭しく頭を下げたりするのだから、やはり格は異なるのであろうか】


「歳を取っても自分勝手、歳を取らなくても自分勝手で人間は本当に困った生き物だよねぇ……ね、人間
何時もは若者にお説教かましてる人も、年寄りには優しくするべきだってお説教垂れるあの人達もこんな時ばかりは自分で逃げれるんだもの」

【少年の目前。見下ろすように立つのは少女――――と見違えても可笑しくない少年】
【声も中性的……と言うよりか、女性的なのだから尚更紛らわしい】
【口元を隠してクスクスと笑えば、しゃがんでそのまま手を差し伸べるのだろう】
【僅かな時間。後に首を傾げて、口調は問うよう】


「立てる?怪我、してないと良いんだけど
立てないくらい痛むようだったら拙がおぶって村の外に置いていってあげるよ?」

【この惨劇を作り出した者とは思えない言葉】
【無邪気に笑えば、「大丈夫そう?」と今一度言葉を重ねるのだろう】
【掴もうと、振り払って逃げようと、或いは殴ろうと】
【きっとそれは、全て自由であって】
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/13(土) 22:54:01.52 ID:gOSCtyMOo
>>292

【ウェル子の刺すような視線は、確かに綵の瞳を捉えた】
【綵の瞳が熱情的な趣を孕むならば、ウェル子の瞳はその真逆に位置する冷淡的な性質を有する】

【……ザリ、と、ほんの少し、ほんの数センチだけ、ウェル子の右脚が、引き下がった】


…………『綵』様、ですか…………


【短く区切る一言は、あくまで平静に】
【しかしウェル子は、内心、警戒心≠ノ近い何か≠抱いていた】

【……簡単な理屈だ】
【まさか、この短時間の中で、ここまで、己の領域≠ヨ入ってこようとする猛者≠ェいようとは】
【心酔したような眼も、融けるような嬌声も、何もかもが、ウェル子に妙な感情を抱かせるには充分だった】

【…………が、】


…………っ…………! ……申し訳ありませんが、触れ合うのは、ご勘弁お願いします


【遂に、明確に、ウェル子は、一歩、退いた】

【綵が手を差し出した瞬間、極々僅かに、ウェル子の顔が引き攣ったようになったのは気のせいではない】

【いかに冷静を繕っても、どうしても拒否≠オなければならない……いや、身体と脳髄が拒否≠オてしまうことがある】
【ウェル子がどことなくペースを乱されたようになったのは、このスキンシップ≠ニいう行為への、如実な反発心からであった】


【カーカーと、カラスが一段とうるさいのも、或いは、ウェル子の心情の発露、なのだろうか】
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/13(土) 23:01:32.38 ID:P8pbkqaTo
>>294

【相手に危害を加えんとした者たちにも一抹の情けをかけるその姿に、「おや」、と一言口をついて出る】
【石畳を踏む革靴は、気を失った者たちの前で立ち止まり。何やら思案げに顎に手を当て】

いたずらに苦しめる事は好みません
本来なら一撃で絶命させられるのが好ましいのですが……未熟者ですので、そこまで力は無いのです
適当に散らした程度では貴方も再び襲われかねませんし、これでよかったのでは?

【つらつらと言う言葉に容赦は無く、それが当然であるのだろう、というようなトーン】
【最後の行だけを見れば、相手の事を考えてやったのだ、とも取れそうではあるが】
【むしろ男の行いは、今しがた倒れた者たちの為にやった、と宣うようであった】

ああ……大してお怪我は無いようですね。安心しました
そのお姿を見るに、魔法や魔術と呼ばれるものに造詣が深そうですが、くれぐれも歩く場所にはお気をつけて
どれほど腕にご自信があろうと、多勢に無勢というのは有り得るものです

【一旦しゃがみこんで一人の口元にかざした手には、微かな呼吸が感じられる】
【ふむ、とそれを確認すると立ちあがって相手が逃げ去る道を空けた】
【即ち、さすらいのヒーローよろしくすぐに立ち去るのではなく、この場に未だ用が有るということ】
【そしてその用の先が焼けた男たちであるのは、容易に察せられる】
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 23:03:19.87 ID:NN95asxBo
>>298

【唇が湿る、胸の拍動が高鳴りをましたなら、首筋に刻まれる白色の布地に愛が満ちる】
【拒否されたなら、すっと立ち上がって胸に刀を抱いたまま、漣のような色合いを蜂蜜色の瞳に浮かべて】
【楽しそうに目を細めたなら、そこに映るのは愛らしい顔をした小悪魔のよう】


お姉様ったら……案外といけず≠ネのですね
お肌のふれあいは人と人との最も原始的で、最もハッキリとしたコミュニケーション
教養の一つとして覚えておいていらっしゃっても、損はないのではないでしょうか

……それと、お姉様がお望みであるならば、私が手取り足取り、教えてさしあげましょうか―――


【ああ、と心のなかで感嘆を告げた、付け足す思いの断片が、表情に浮かんでしまう】
【なんと美しい姿であろうか、毅然とした振る舞いの貴女がペースを乱される様子が】
【メガネのフレームに溶ける美しい深淵にもにた瞳に、わずかでも新たな色合いが浮かぶのは】

【頬の白い色合いが赤みを溶かす、そこに浮かぶ表情を修飾したなら】
【少しだけ遠のいた貴女の距離を、それゆえに覗ける貴女の全身の姿を】
【じぃ、と瞼を濡らしながら、感じ取るのだろう】


もう……ぶっちゃけますと、お姉様とイチャイチャしたいのです……
私ね、女の子が……それも、お姉様のようにとても凛々しくお美しい女性が、とても大好きなのです
ですのでお姉様、どうか私めに、そのお姉様の柔らかなおててを愛撫させてくださいませ

ソレ以上のことなど、なすつもりなどありませんから……
ねぇ、よろしいでしょう――――――お姉様


【そっと首筋を撫で上げるようなつややかな言葉と、ためらいをはらんだ声のトーン】
【それは貴女の柔らかそうな耳たぶを、その小さな口の中で閉じ込めて、ねっとりとなぞるかのように】
【ぶっちゃけちゃって、恥ずかしい、と左手を頬に当ててわずかに視線をそらす辺り、独特の感性の持ち主で】

【あくまでも彼女は下の立場であって、無理やり、というわけにはいかないのだろう】
【貴女が拒否するのであれば、許可されるまで扉をノックし続けるのだから】
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/13(土) 23:03:28.53 ID:7dbokoN80
>>296
/今さらですが誤字です!
私を掛けた→私に声を掛けた でした!失礼しました!
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/13(土) 23:09:34.26 ID:cmoM0SbFo
>>297

あぁ、ごめん、ありがとう…………。

【差し伸べられた手を、少年は握って。それは何も意図するところのない、無意識な行動だ】
【そのまま立ち上がれば――――彼はやっと、自分の握っている手の主を把握して、同時に状況を理解する】
【少年にも、少女にも見える目の前の人間…………いや。漆黒の翼は、それが妖怪であることを示していて】

…………えぇっと、こういうときどうすればいいんだろう、ぼくは…………。
なにぶん、本物の妖怪を見たことなんて数回しかないからさ…………。
あー、その、ぼくは…………このまま食べられちゃったりとか、する?

【村人を襲う妖怪――彼はまだ、死者が出てないことに気づいてない――の一人と、少年は相対して】
【握っている手に、汗が滲むのがわかるだろう。そこに浮かぶのは、如実な焦り】
【外見から性別の見えない、一人称でかろうじて少年だろうと推測できる彼…………だけではなく】
【未だ周囲にいる妖怪たちにも一様に怯えを浮かべて、少年は目の前の妖怪へおそるおそる問い返す】

【その発言からするに、彼が数回見たことのあるという妖怪は、あまりいい印象のモノでもなかったのだろう】
【少なくとも、人死にを出さず人間を追放するなんて奇妙な真似をする妖怪ではなかったのだけは、確かで】
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)2013/04/13(土) 23:11:00.11 ID:sO5vH3AE0
>>286

【パン、パン、パン―――二人の近くで誰かが拍手をする音が聞こえてくるだろう。】
【その音の主を探して視線を巡らせれば―――何時しか近くのベンチに紅い髪をした小奇麗な格好の少年が座り込んでいる】
【右眼は前髪に隠れて見えないが、金色の瞳をうっすらと細め口元に笑みを浮かべて二人を眺めている】
【その姿はどこか幻影のようにおぼろげで………妖艶だ。】

いやァ凄い迫力だね………お姉さんたち名のある武術家か何かかな…?
そういえば君の方はメディアで見た気もするなァ―――なんだっけ………えーと…。

【少年は少女の方を見ると考え込むように顎に手を当てて夜空へと視線を泳がせていく―――。】
【このどこか不思議な……悪く言えば不気味な少年に対して歴戦の戦士たる二人はどのような反応をするだろうか…。】

//マダイマスカ―
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/13(土) 23:18:21.02 ID:Ta1Fuf7Ko
>>299

……2回も痛い目見れば、そうそう襲ってくることもないだろ。
アンタみたいな奴が、路地裏にいるってなればな。

【発すことが出来ない言葉。男は直感する。幾ら自分がこんな風に相手に反論しようと、彼には通じないということを】
【彼の言葉を聞けば想像できる。今しがた放たれた雷は、自分を助けようとしたのではなかったのだ】
【倒れ伏した6人を"一撃で絶命させる"為の―――そして自分は、そのついでだったのだと】

【"ついで"については、今何も言うまい。今考えるべきは、彼の、行動理由】
【帽子をクイと上げて、その時に見える一筋の汗が、彼には見えるだろうか。なんでもない、ただの冷や汗】
【ただその汗は―――彼に明確に見える、纏わりつく死という概念によって生み出された、緊張感の証だった】

アドバイスありがとよ。ま……今回は油断したぜ。アンタが居なきゃ、やられてたしよ。



……だが、"そいつらにまだ何かする"ってんなら……そっから逃げるわけには行かねーな。
―――[ピーーー]のは一部除いて嫌いなんだよ。俺。



【初めて、男は彼へと敵意を向けた】
【焼けた6人へと情けをかけているわけではなかった。ただ、男がそういう人間なんだということ】
【圧倒的な攻撃翌力の前へと、立ちふさがろうとしたのだ。今は、視線だけ。行動によっては、それが消えることもさらに"悪化"することもありえるのだろうが】
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/13(土) 23:20:24.25 ID:ddhwNoJSo
>>296
【果たして、道端に倒れた少女に対して、この青年と同じ事をする人間が他にいるだろうか】
【いや、まさかいるまい、いてたまるか】

お、起きた

【目を覚ました少女の様子を見て、面白い物を見るような反応をして、指を鼻から引き抜く】
【着物で適当に拭った指でそのままピース、指をくいくい動かし】

おうおう、寝たかと思ったら…元気だネェ

【動揺し、質問を連発する少女にニタリ、と微笑んで、皮肉めいた言葉をふざけて語る】
【それから、ピースしてた右手を顎にやり、考えるような動きをして】

オイラは吟醸ってもんよ、話し掛けたのに理由はねぇよ?理由なんかいらんだろ?
ま、何したって、死んだ訳じゃあねぇんだからいいじゃねぇか、な?

【一つ一つ、質問に返答すれば、鋭い視線も気にせずに笑っていて】
【彼はお人好しでも無ければ無関心でもない、誰にでも吹き寄せる微風みたいに、飄々としていた】

それにしても行き倒れたぁなぁ…腹でも減ってんのかい?
ほれ、こいつでも食うかい?

【とか何とか言って、差し出したのはあろう事かゲソの干物、しかも今口に咥えてた奴】
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 23:22:08.76 ID:/Emxkq+v0
>>302
「ん――――別にお礼は必要無いよ」

【起き上がるのを助ける……と言うよりも、引っ張り起こすと表した方が正しいだろうか】
【それはこの妖怪の怪力を表すものでもあって、きっと単純な腕力勝負であれば人間の分が悪いと思わせるもの】
【こんな状況。カラカラと明るく笑う様も、また異様】


「そうだねぇー……ひん剥いた後に頭からつま先までバリバリと食べるのも良いかもしれないね
それとも、君の場合は鍋で煮込んだりした方が美味しいかな?
――――ああ、牛鬼。ちょっとこっち来てよ」

【その言葉を受けて、真剣に考える素振りを見せて】
【汗ばんだ手は、それがただお気楽に流した言葉で無い事を伝えていたのだろうか】
【文字通り頭の先からつま先まで眺める様にすれば――――ちょいちょいと手招きする先は、一際醜悪な妖怪】
【新たにもう一匹がのっしのっしと歩み寄れば、巨大な顔が少年の前に現れる事か】


「なーんて、ね
拙等もたまーに人間を食べてたけど、最近は食べてないかなぁ
ほら、今もっと美味しい物が沢山在るし?」

【どう、驚いた?――――小憎たらしいまでね笑顔】
【上機嫌に一度翼を羽ばたかせれば、反応を楽しむかのような仕草であって】
【昔は食べていた事を臭わせる言葉。やはり、妖怪】
【その手をまだ繋いでいたならば、そのまま気紛れに歩き出すのだろう】
【向かう先は――――先程まで自分が座っていた、桜の木の下】
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)[sage]:2013/04/13(土) 23:25:14.95 ID:mZ8EOdX+o
【魔海と呼ばれる森より、数キロ──草原】

【時刻は夕暮れ。背の低い草花が黄金ともつかない色合いを見せる街道を、異物が歩いていた】
【それは『潜水服』。右腕にはドリルを付け、背には簡素な仕組みの機械的な銃を負う】
【全身は高圧に耐えるための強固な鉄板で覆われて、2mの位置にあるヘルメットの奥に顔は見えない】

【そんな存在が、ゆっくりと。一歩一歩を踏み締めるように、魔海へと向かっていたのである】

【そこは辛うじて轍の残る街道だったから、如何に僻地でも誰か通るかもしれないし】
【もし通ったのなら、巨躯の一歩にやって僅かだが大地が揺れるのも分かるはず】
【そよ風も陽光も意に介さない──そんな場違いな存在は、嫌でも興味を引くだろう、か。】
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/13(土) 23:26:38.51 ID:gOSCtyMOo
>>300


――――――――これは…………中々どうして…………


【更に一歩、と後ずさりながら、ウェル子はパチンッ――と、指を鳴らした】
【その乾いた音が、闇夜にこだましたかと思えば――】


……拾いもの=Aです、ね――


【刹那、ウェル子が大きくバックステップを踏むと同時に、】
【ウェル子と綵の間には、黒い羽根≠大量に含んだ疾風が吹き荒れるだろう】
【実態が「魔力の風」であるそれは、含んだ羽根による裂傷を刻むことを主眼においた技】
【羽根のそれぞれは極小の刃≠ニ化しており、触れる者を刻む、という寸法だ】
【決して攻撃力は高くないが、この瞬間に於いて、綵との隔壁≠ニしての役目は果たせるか】


…………わたくしの領域≠ヨ、憶すことなく突き進む心意気は天晴れですが…………
あいにく、わたくしは……貴方様のご好意≠「はいそうですか」と受け取れるような、善良な市民ではございませんので……


【変態≠ニか異常≠ネどの一言で、綵の気質を片付ける事だって出来るだろう】
【だが、ウェル子という人間は、そんな薄っぺらい表現は使わない】

【なぜならば、それがどんな方向性であろうと、普通とは一線を画す性質≠ニいうのは、この世に於いて一つの代替不可な価値≠ニなりうるのだから】

【だから、ウェル子は綵を蔑ろはしない】
【むしろ、興味ある相手≠ニして、真摯に、水先案内≠する心算で――】


…………貴方様は、今宵、たまたま巡り会ったわたくしという人間に、何をどれほどご期待なさっているのか知れませんが……
果たして、貴方様に、わたくしの業≠、分け合うだけの資格∞資質=c…或いは覚悟≠ェ、おありでしょうか?


【それゆえに、びゅうびゅうと吹きすさぶ風の向こう、ウェル子の語り口は案内人≠フ如く】
【……だが堅く閉ざされた扉の鍵だけは隠し持って明かさず、】


貴方様にとってふれあい≠ェいかなる意義を有するのか推し量ることは出来ませんが……
少なくとも、わたくしにとって、肌と肌の触れ合い≠ニいうのは、例えば手と手≠フような末端部分であろうと……


…………それはそれは、重く、強く、堅く、のしかかる一種の契約≠ノも近い行為なのですから――――


【カラス達は、この場の行方を見守るように、二人の上空を飛び交う――】
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/13(土) 23:35:00.58 ID:dXsuDesEO
>>303

「あ?」
えっ?

【突如、公園内に拍手が響き渡る。二人は同時に首を動かし、拍手の発生源に顔を向ける】

武術家なんて、そんな大したのじゃないよ。いやー、何か照れるなー……
私は叢雲 茜。よろしく。
……って、お姉ちゃん?
「……」

【呑気に照れて頭を掻く少女を尻目に、女性はつかつかと少年に歩み寄る】

「なんか妙だ。お前、何者だ?」
ちょ、ちょっと、お姉ちゃ……
「お前は黙ってな」

【この女性、あからさまに少年を警戒している。腰に手を当て、仁王立ちの格好で威圧的に少年を見下ろす】

/マダイマスヨー
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/13(土) 23:35:47.77 ID:/B1D5LE0o
【開けた野原】

【豪ッ!と風の唸る音、破ァ!と威勢良く張り上げる声】
【何か戦闘中であるのだろう様子は、けれど流血ものでない辺り、鍛錬の類だろう】
【良く見れば歳の入った大男が二人ばかり、派手に戦闘音を響かせながらも徒手で格闘していた】

――何だぁ、暫く組合わねぇ内に鈍っちまったんじゃあねえのかよい!
どーーーせ酒ばっか飲んで碌に動いてなかったんだろうなぁ、このナマクラ坊主ッ!!

【襟足の長いアッシュグレイの髪に、長い前髪で隠れがちな碧眼をもつ大柄な男】
【聖職者然した黒の祭服を纏い、頚から掛けた銀鎖の先に逆十字を下げている】
【そんな巨躯が振り下ろした拳を、バシィと重い音を上げて受け止めるは、もう一方の巨躯】

「ぬゥんッ! ナマクラとは御主に言われとうないわッ!!
 それに何遍言ったら解るんじゃあ、儂は坊主じゃなのうて修験者よッ!!」

【坊主頭に熊のような顎鬚を生やした、修験者の装束に身を包む大柄な男】
【近くの地面には天狗の面が掛かった錫杖が刺さっており、言葉からしてこの男の物か】
【ぐぉん!!と拳を振るうと凄まじい突風が吹き上がり、聖職者の男が幾らか後方に退いたが】

っはァ!! やるねぃ、しぶといとでも言ってやろうかぁ!!
んだがぁ……俺の本気はこっからだよぃ!! ――ッ “破” ァ!!

「何のこれしきッ!! 天狗の力を舐めるでないわッ!!
 ナマクラ司祭めがッっ――ッ “喝” ッ!!」

【直後、風と音の凄まじき衝突――!!】
【開けた場所とはいえ、幾らか離れていたとしても、巻き込まれる可能性はあるのだろう】
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/13(土) 23:38:05.10 ID:NN95asxBo
>>308

【前方に吹き荒れる疾風、羽根を大量にはらんだソレは夜に舞い上がる粉塵のよう】
【漆黒の竜巻が如く、前方に生じた隔壁に彼女は大きな蜂蜜色を歪ませながら】
【そっと左の手を差し出したなら、その隔壁の中へと突っ込ませるのだろう】

【風に血がまじる、純白の手のひらに刻まれるいくつかの血の欠片】
【血液の赤が夜空へと落ちたなら、赤と黒のコントラストが美しい紋様のように描かれて】
【わずかにボロボロになった左手を彼女はそっと彼女のそばへと寄せる】


……お姉様のその、気高い心意気も、美しい言葉も、その姿も
すべてがまた、私が愛するに相応しいほどに―――……私を高ぶらせてくださいます
でしたら私は、お姉様に見合う存在であると、示さねばならない、とのことでしょう

お優しいお姉様―――……私のような、愚か者にもわかりやすく説いてくださるのですから
答えはもう、決まっているのでしょうね――――――


【頬がくすぐったそうに揺れた、ふわり―――浮かぶ微笑みは、ただ真っ直ぐな少女の色】
【黒髪が溶ける素肌の彩りが、雅やかな風にまとわれたなら】
【丈の短い着物に包まれた幼い肢体が、その色を強く映し出す】

【傷ついた左手をすっと口元へと持ってきたなら、赤い舌先を覗かせて】
【柔らかな唇を蹂躙しながら、滴る血液を、その体内へと溶かしていく】
【水の滴る隠微な音、ぴちゃぴちゃと響かせたなら、その手から零れる血を舐めとって】


では私からも一言……今からお姉様に触れる……私の覚悟≠お見せいたします
ですからお姉様は――――どうか、本気でかかってきて、くださいませ
そうでなければ……もしかしたら、私の刃が、お姉さまを刈り取ってしまうかもしれませんの

私はしつけの鳴っていないメスですので……少々手荒に、ございます


【声の音律を切り裂くような風の音、前方に映る隔壁を吹き飛ばす轟音】
【左手は抱きかかえていた刀の鞘を握り、右手は刀の柄を握っていた】
【違うのは刀がすでに抜刀され、彼女は右手を右腰に添えるように揺らしている、ということだ】

【居合による抜刀―――それにより、前方の隔壁≠弾き飛ばしたのだ】
【その速度は、常人では目で捉えられないほどに早く、またそれに見合った破壊力があって】
【可能ならば、刀を納めて、官女の目の前で鞘を左手で握り、右手で柄を握るのだろう】

【そしてそのまま、一歩、また一歩と間合いをつめていく】
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/13(土) 23:38:15.75 ID:P8pbkqaTo
>>304

……折角助かった命を、無駄にするものではありませんよ
まるで私が、望んで彼らを痛めつけようとしているようにおっしゃる

【挑発でなく、警告でなく。ましてや自惚れですらなく】
【心より相手を慮った上で、相手が命を危険に晒していると、そう言ってのける】
【ゆっくりと相手に向けたレンズ越しの視線は、たんぱく質の燃える匂いの立ちこめるこの場に置いて似つかわしくない程に】
【変わらず、穏やかなそれだ】

仕事着でないのに仕事をするのは、正直私の意識に反するのですが……
貴方がそれを望むのであれば、お応えいたしましょう
――カノッサ機関No.13、ナタニエル。貴方のお命を、天に送る手助けをさせて頂きます

【深い会釈は不要な礼儀、悪と定めるにはあまりに柔らかな物腰は、しかしまさしく悪の姿勢】
【プライベートだと言ったのは伊達でもないのだろう、両手は空のまま武器を持つ事も無い】
【ただ、無造作に広げられた両手の間で僅かに光が走った気がした】

己の卑うする者はこれ天國にて大なる者なり
幸福なるかな心の貧しき者天國はその人のものなり

【先と同じく、文語調で詠唱が語られ、ノイズのような音が相手に向かって奔る】
【その足が地面を蹴るのとどちらが早いか、相手の左肩に向かって掴みかかる様に前に伸ばされた手の平を中心に】
【手ひどい熱量を持った雷光が、男を囲むように迸る】
【補足しておくと、今男を纏う雷光は光はさほど強くなく、電気特有の衝撃も低く、稲妻の音は小さい】
【ただ、圧倒的に“熱い”。それだけが極端に増幅されたように、熱量を持っている】
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/13(土) 23:38:58.66 ID:7dbokoN80
>>305
【全く…ひどい目に合った…なぜ、よりにもよってこんな人が声を掛けてきたんだろうか】
【おまけに話しかけたのに理由はないと来た………嗚呼、この人はいったい何者なんだ】
【……とにかく、自分に危害を与える人間ではないらしい……ある意味危害を与えていた気もするが】

【その彼は、吟醸と名乗る青年だった】
【彼には……何というか、掴み所がない印象を受けていた】
【さっきから行動の意図が全く読めないのは、彼が何も考えていないからであろうか…】
【しかし、倒れている少女の花に指を突っ込んでおいて「死んでないからいい」とは…なんだか納得がいかず】

…な?じゃないわよ…もっと他に言うことがあるんじゃないの?
何も抵抗できない人に対してそれはないでしょうよ…

【…抗議をしようとするが…あまりのバカバカしさに呆れて抗議になっていない】
【僅かながらの言葉の抵抗を終えた彼女を待ち受けていたものは…】

…はあ!?

【食べかけの干物 もうなんだか訳が分からない】
【素っ頓狂な声をあげた彼女は、もうどう言っていいのか分からないといった風に天を仰ぐ】
【この人には女の子に対するデリカシーというものが全く欠如しているのだろうか…】
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/13(土) 23:43:46.45 ID:cmoM0SbFo
>>306

【あまりにも気軽な、捕食者としての口調に乗せて、彼は自身の危機を察する羽目になった】
【のっしと現れる醜悪な巨体の前に、見た目通りの今時の若者である彼は当然、怯懦を浮かべて】
【――――そこで逃げ出さなかったのは、なまじ力を持っているせいだった】
【結果、その後に続く少年の言葉よりも先に、彼は…………汗ばんだ手の、もう一つの理由を晒してしまうのだろう】

ち、ちょっ――――来るなっ!

【ぶわっ、と一陣の風が吹き荒れる――――自然の風を引き裂き流れる、"銀色の風"が】
【この場に溢れる本物の妖怪の"妖気"に晒されて、半ば掻き消えていたそれが、風に溶けて感じられるだろう】
【はらり、と散る桜の花びらが、銀色に触れれば真っ二つに切り裂かれて】
【目の前に立つ"牛鬼"の肌も、そのまま立っていると浅く裂かれることになるか】

【…………その"風"は、この場の何にも依らない、ただ彼自身の内から流れ出る"妖気"を運ぶものだった】

(あっ…………や、やばい…………)

【彼がその力を発したのと、少年が翼をはためかせるのは、全くの同時】
【バレたらまずい、と最初からそう思っていたのに、彼の小さな肝っ玉は簡単な脅しにも耐えられなくて】

【――――本物の妖怪からしたら、自分のような"半端もの"は迫害対象として映るかもしれない、そんな危惧】
【半分だけ人間で、半分だけ妖である彼は――――なにせ妖怪を見たことは殆どないのである】
【彼らが一般的に、半分だけの"同族"に対してどういう反応をするかも、わかったものではなかったのだ】
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)2013/04/13(土) 23:47:54.66 ID:sO5vH3AE0
>>309

【全くの警戒なく、無邪気に少年へと近づく少女に対して少年はにこやかに笑みを作って顔を向ける】
【少女が名乗れば「ああ、大会に出ていた。」と納得したように一度頷いて興味深そうな視線を送る―――。】
【まだ12歳かそこらに見える容姿だが、年相応には見えない落ち着きを少年は持っている。】

僕はジェスター・M.M………宜しくね、茜。
えーとそちらのお姉さんは君のご家族の方かな………?―――フフ。

【一度女性の方へと視線を流すと再び茜へと視線を戻して涼やかな声で笑いながらそう問いかける………】
【そして女性から明らかな敵意、警戒を向けられているとゆっくりとベンチから立ち上がり両手を広げてクスクスと笑っている】
【これほどの達人に敵意を向けられて尚、余裕を持った態度は崩さない。】

いきなり不躾だね、さっきも言ったように僕はジェスターって名前の見ての通りのお子様さ―――。
それとも………これだけじゃあまだ足りない≠ゥい?

【ジェスター………この名前に、この容姿に覚えはあるだろうか?メディアか、もしくは人に聞いた等………。】
【ただ少年は敵意と言ったモノは見せず、ただ不気味な雰囲気を放ちながら微笑んでいる。】
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/13(土) 23:54:01.29 ID:gOSCtyMOo
>>311

【――ひゅう、と風の残滓が流れて、塵を運ぶ】
【ぶち破られた風の隔壁を前に、ウェル子は――やはりと言うべきか、無感動な面持ちで佇んでいて、】


…………やれやれ…………


【――さらり、と自身の長髪を掻き上げる仕草をみせた】


よろしいのですか? わたくしは、砂糖菓子のように甘くはありませんよ?
むしろ世の苦渋を集積し、煮詰めたような――――


――――そう、絶望≠アそ、わたくしの、味≠ナす


【ウェル子がおもむろに両腕を広げれば、舞い降りてくる、カラス達】
【主を守護する役目を果たす彼らは、場合によっては攻撃≠ノだって転じてくるだろうことは、想像に難くない】



…………カノッサ機関麾下遊撃軍=wカエルレウム・ナーウィス』の絶望の水先案内人=\―――


 ――――  この、「ウェル子」を、本当に、綵様は、求め≠ワすか ―――― ?



【ウェル子は、動かなかった】
【攻撃もせず、逃げもせず、ただ立ち尽くして、綵≠フ動向を、待つ】


【眼鏡のレンズの奥に鎮座する双眸は細められて……深海染みた視線は収束するように、改めて、綵の両目を、見る】


【かかってくるならば、逃げも隠れもしない】
【だがこれは最後の警告】
【刃を収めるならば、今をおいて他にナシ――と、ウェル子は言外に、述べているのだろう】
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/13(土) 23:58:33.50 ID:Ta1Fuf7Ko
>>312

―――あぁ、そういうことだ。
こいつらに何かするってのが気に食わねーんだよ、俺は。

【懇切丁寧な姿勢の背後に忍ぶ、残略な影。―――それを真に受けても、男が怯むことはなかった】
【幾度と無くそんな、低姿勢な敵と――しかし、今回の敵はそれらとは格が違うように思える――戦ってきたこの男。気持ちで負ければ勝負にも負けることを、よく知っている】
【……それも、"普通の"敵と戦うときなのだが】

――――カノッサ? No.13?

……今、確かにそう言ったか。……なら、遠慮はいらねーな。


――――覚えとけナタニエル。俺の名はライラ=フェルンストレーム。テメェらの組織をぶっ潰す、「カノッサ機関ハンター」だ!!

【彼が悪の一員だと聞けば、気持ちとか、もうそんなことはどうでも良かった。この男……カノッサ機関ハンター、ライラにとっては】
【機関員を「狩る」……正義の味方以前に、彼の信念は曲がっていない。彼がハンターとなったその日から】


【先ほどの光。間違いなく、相手の攻撃手段だろう。今得物を持っていないことから、メインの攻撃として考えていいだろうか】
【彼の呪文――自分のとは違ったそれを止めるすべはない。直後聞こえてくる砂嵐のような音に耳を塞ぎたくなるが、グッと堪えて】

【まるで自分を逃さないネットのように、雷が男を囲む。そんな中踏み込まれ、掴みかかられかけた左肩】
【ライラは、それを体を回転させることで最小限の動きで避けようとする―――が、微かに指が、ローブに当たった。直後、「焦げる」】

(あ、っつ……!?)

【熱量を持ったその閃光。焦げたローブに目線を奪われながらも、持った杖を振りかざし、カウンター気味に、相手の腹へと突きを放とうとする】
【何の効果も持っていないその杖で、何の効果もない男の腕が。当たると痛いことには変わりないが、それ以上の効果はないだろう】

【と、同時に彼には分かるだろうか。彼の右腕、5つのブレスレットの内、赤い物が微かに発光していることを】
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/14(日) 00:02:01.25 ID:x2q0TGjeo
>>316

【陰が路傍に落ちるように、彼女は構えたまま刀をそっと左の腰へと添える】
【そうしたなら、強く地面を蹴って、彼女と貴女との距離を一気に詰め寄ろうとするだろう】
【彼女の持つ長い刀の刀身が重なる距離1.5mよりも近くへと】

【髪の毛が揺らめいた漆黒の色合いが艶やかな風の中へと消えていったなら】
【白い帯が震えた、着物の丈から零れる素肌の色すらも、辿られない隙間へと】
【消えていく波間の音にも似た僅かな旋律を刻み続けた】


ええ、もちろん……そのような肩書きなど、単なる召し物にすぎないのですから
女性が女性を愛するのは、召し物を愛するのでなく、その奥の無垢な素肌を愛すということです
そのような召し物など、何の障害にもなりませんのよ――――――


【風が弾ける、右足を前へと踏み込ませ、わずかに姿勢を低く落ち着かせる】
【周囲の風が彼女へと吸い込まれていくように、纏う雰囲気が揺らめいた風にのって】
【静かな音律を刻みつつも、その奥に嫋やかな色合いを潜めて】

【右手が夜空へと一筋の線を描いたなら、閃光が貴女の眼前で弾けるだろう】
【夜を切り裂くかのような衝撃、切り裂いた音だけが、ようやく耳に感じ取れるほど】
【その音が貴女の耳元へと届く頃にはもう、彼女が刀を収める音だけが響き渡るのだろう】

【高速の抜刀、貴女の眼前で切り開いた刀は、貴女の腹部を一閃、切り裂こうと放たれる】
【白銀はほんの一瞬しか月光の前に顔を出さず、出してもなお、その彩りは見ることも難しく】
【ただ刻み続けた音だけが、ようやく聞こえるか聞こえないか、といったほどに】

【―――けれども、致命傷にはならない、彼女にとっては戯れのような一撃】
【切っ先がわずかに腹部を切り裂くだけであろう、また攻撃は単調】
【迎撃も回避も、少し考えればそう難しいことではない】
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 00:05:23.96 ID:99ygNkCw0
>>314
【吹き抜けた一陣の風。街のように遮る物が少ないこの場では、きっとよく通ることだろう】
【驚いた様に振り向く輩。鋭く撫でられた肌を擦る輩】
【――――牛鬼に至っては、目を丸くして阿保みたくぽかんと口を開けているのだから可笑しな場面】
【ただ一人、烏天狗の少年だけが空いていた片手を前に突きだして、難を逃れるのだろう】
【妖気とは異なった、“神通力”。盾の様にして練られた其れは、銀の風を真っ向から受けて、抱擁して、やがては自然の風の中へと溶かすのだろう】

【不意に静まりかえったその場。少年が一度手を打ち鳴らせば、その音を合図に妖怪達は自分の仕事を思い出して】
【再びざわめく村。これ幸いとしていた人間達も、再び悲鳴を上げ】
【――――少年の表情の変化と言えば、最初は唇の端が歪んだだけ】
【やがて其れは顔全体に浸食していって、年相応の耀きを持った目。興味が有り有りと放たれた双眸が見える事か】


「へぇ!アレ、君、もしかして半妖ってヤツ?!
半分が人間の血で半分が拙達妖怪の血……なの?」

【ぐぉぅと涙目を浮かべる牛鬼の傷口を撫でてやりながらも、そんな言葉を放つのだろう】
【ただの人間だと思って居た相手が突如妖気を放ったのだから、仕方ない事か】
【この妖怪もまた妖怪の中での異端者――――であろうか】
【人間にも妖怪にも、半妖であってもこの様にフランクに接してくるのだから】


「そっかぁー……初めて見たなぁ……
あ、力も有るならこの村のヒーローにでもなってみる?
それとも、一緒にお酒でも飲んでみる?
ふふふっ、拙としてはどっちでも良いけどね」

【投げられたのは一つの問い。今から戯れ――少なくとも、この妖怪にとってはだが――に戦闘を行うか】
【或いは、のんびりと適当に語らいでもしているか】
【――――この村から摘み出すという選択が無いのは、その様子からも分かるように少年に興味を抱いたからであろう】
【何を選ぼうとも、気さくな妖怪は其れに応えるはずであって】
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/14(日) 00:06:40.12 ID:NsVXS18ro
>>313
くくく、言うネェ…そんじゃあ、何してほしかったんだい?
まさか、倒れたから拾って育てろ、なんてなぁ言わねぇよなぁ?いや、悪かぁないが、ネェ
それにオイラにゃあ家も銭も飯もねぇぜ、酒ならいくらでもあるがねぇ

【当然の如く抗議の言葉を吐く少女に、それでも彼はただ只管に、マイペースに言葉を紡ぐ】
【言うなれば、「言いたい事あるならはっきり言え」と、「ろくな助けにはならないぞ」の二つの意】
【まるで捨て猫に構うだけ構って拾わないような感じ】

…やっぱいらねぇか

【当たり前のことだ、食いかけのスルメを喜んで貰う奴なんていない】
【そんな当たり前の事は彼も知っていた、差し出したスルメをまた口に咥え戻す】

それで、お前はこれからどうすんだい?道の真ん中に邪魔くさく倒れたまま、誰かに拾われるのを待つのかい?
骨になるか、人攫いに拾われるか…あーあ、恐ろしいネェ
疲れたからって黙って寝っ転がってるだけじゃ悪い物がよってくるだけさ、そう思わねぇかい?

【更に彼は意地悪く、ニタニタ笑って話を続ける】
【自分は助けようとしない癖に不安ばかり煽って煽って、まるで少女の答えを待つみたいに】
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 00:08:19.25 ID:0bEShcbmO
>>315

「ジェスター、ね……」

【女性はフンと鼻を鳴らし、腕を組む。女性の記憶の中にジェスターという名はなかった】

お、お姉ちゃん。
どうかしたの?

【少女は訝しげに女性を見る。少女も彼の名は知らないようだ】

「――なんか、気味が悪いんだよな。
お前、何者だ?本当に人間か?」

【女性は高圧的に少年に詰め寄る。手に持った拳銃をちらつかせ、無言の脅迫】

【少女は状況が飲み込めていない様子で、女性と少年を交互に眺める。頬に汗が一筋流れ、落ちた】
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/14(日) 00:18:52.64 ID:FjQrYZqNo
>>317

【低姿勢、というのは少々語弊が有る。礼節は忘れず、相手の事は素直に認め】
【その上で、己の意見に偽りと間違いは無い。揺らぐ事の無い、“そういう”手合いの思想だ】

カノッサ機関ハンター……ほう、なかなか粋な肩書きをお持ちの様だ
であれば尚更、その芽は早めに詰んでおくべきですね

【相手が明確な敵意をこちらに向けるならば、最早そこに容赦は無い。最初から無かったとも言えるが】
【捉えそこなった右手は空を切り、熱の残滓を振りまいて逆さ向きに拳を握りしめる】
【杖の直撃を喰らった腹は僅かに凹み、げぅ、と息を吐いて斜めに傾ぐ】
【が、そのまま半身を置いてきたまま上体を捻り、握った右手へと力を込める】

幸福なるかな柔和なる者その人は地を嗣がん
幸福なるかな義に飽ゑ渇く者その人は飽く事を得ん
幸福なるかな憐憫ある者その人は憐憫を得ん

【熱と雷光を纏った右拳は、回転の力を加えて親指を上向きに低く相手の腹へと突き出される】
【抉る様に捻った一撃は、相手の丹田を狙って下方から横向きに牙をむいた】
【彼自身の持つ意見と同じく、男の戦法は退く事少なく、跳びまわりて相手を翻弄するタイプでは決してない】
【確実にインファイターであれば――あまり近くに居続けるのは、避けるべきか】
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/14(日) 00:18:56.29 ID:PYr1s64eo
>>318


【仮に、だ】

【抜刀術が放たれたとして、刃が命中した場合≠ニ、刃が空を切った場合=\―】
【どちらが、刃を収めるまで早い≠セろう?】

【……そんなの、決まってる】
【肉体≠ニいう抵抗を受ける分、命中した場合の方が、一連の動作は遅くなる】


【だから、だ】


【いともあっさりと、ウェル子が、腹部へまともに刃を喰らった≠フは】


【色調の堕ちた夜へ、明るいアクセントとして血飛沫が散る】
【大きく赤い染みが広がる、白地のセーラー服も、刃の命中をこれでもかと証明して】


…………………………ッ…………………………!


【刃が腹を抉った瞬間、ウェル子の周囲を飛んでいたカラス達は、黒い閃光≠ニ共に、膨大な量の黒羽根≠ヨと姿を変えていた】
【視界を埋め尽くす黒≠ヘ、即時ウェル子の右手で、収束し――――】



―――――――――――― 剔 抉 =\―――――――――――



【――――それは、黒の螺旋=z

【集まった黒羽根は、まるでドリルのように、ウェル子の右手を軸として渦巻いていた】
【空気を裂き、抉るような、甲高い金属音的な効果音を発しながら、その黒の螺旋は、綵の腹部へ向かって――――】

【いわば、カウンターアタック】
【わざと攻撃を喰らい、相手の手を遅らせ、かつ、意外性の襲撃で、効果的にお返し≠する】

【もし、この螺旋を喰らえば、文字通り抉り取るような痛み・衝撃が激しく襲いかかるだろう】
【実際のドリルのような貫通性こそほとんどないが、直線的な殴打≠ニ刺突≠ノ、暴虐的な回転力≠加えた一撃は、伊達ではない】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/14(日) 00:24:26.04 ID:Cbv7+Lqz0
>>320
【…まあ、あながち彼の言葉は間違ってはいない】
【今のまま此処に居たところで埒が明かないのは明白だ】
【――しかし、だからといってどうすればいいのだ】
【この土地のことは何も知らないし、道も分からないのに どこに行けばいいというのだ】
【――黙って下向いていても何も始まらないか どうせ頼れる人は目の前の変な男しかいないのだから】
【とりあえず何か聞いてみよう 何か…そうだ空き家でもいい、どこか行く当てを…!】
【答えが帰ってくるかは分からないが、何か知っているかもしれない……】

…じゃあ、敢えて聞いてみるわ
どこか…そう、空き地でも空き家でもいい!どこか一人になれる場所…それと、何か食べられる場所を…教えて

【動けない、土地のことも知らない彼女の、精一杯の行動は―――「訊く」ことだった】
【彼女なりの結論だ】
【体力も土地勘もない自分が無理に動いても同じく行き倒れるのが関の山…それならば、彼女のすべき事は、訊くことのみ】

あなた、ここの人でしょう?あなたならきっと何か知ってるはず…!
何か、何でもいいから…!

【彼女は必死だった もうこれしか方法がなかったのだから】
【これで何も答えが帰ってこなければ八方塞がり、果たして答えは返ってくるのだろうか…】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/14(日) 00:26:40.58 ID:Q84gqey7o
>>319

あ、あぁ…………うん。その半妖だよ、一応ね。

【風を受け止めた、妖気とは違う力…………それにまず、目を奪われて】
【それから、目の前の少年がこんな気質でなければ、最悪この場の妖怪すべてを敵に回したかもしれなかった自分の浅はかさを恥じる】
【ひとまず、鍋にかけられる心配はなさそうだ。それを理解すると、彼は少年にそう返答して】
【それで少し、落ち着けば…………彼本来の気質が発揮され、焦りも恐怖も霧散した風と共に一瞬で消え失せる】

【…………次の瞬間にはもう、先ほどまでの動転っぷりが嘘のように】
【涙目になった牛鬼を「かわいいなぁ」なんて思って、彼は暢気に眺めているのだろう】

なにせ半分は人間で、半分は妖怪だからね。それってつまり、どっちにもつけるってことでしょ?
だったらぼくは有利な方を選ぶよ。

【はは、なんて笑う顔は、少年ではなく人間たちの方を向いている】
【冷静になってみれば、漂うのは悲鳴だけ。そこに死の臭いがないことを、確認して】
【もしも妖怪たちが、人間を片っ端から咀嚼していたのなら…………彼は、どうしていたのだろうか】
【そんな問いを抱かせる前に、彼は自身の名前をぶつけた】

改めまして、ぼくは鳴子一颯って言います、妖怪さん。
…………ほんとはダメなんだろうけど、妖怪相手じゃ断れなくて当然だよね。うん、これは"仕方ない"。
じゃあお酒、もらっていい?

【自身に存在していたすべての畏れを、風と共に流してしまったよう。彼は不気味なまでに、"切り替わって"いて】
【"仕方ない"と言う割りには、まったく仕方なさそうな素振りはなく、酒をねだる未成年】
【慣れた仕草は多分、飲むのも初めてではあるまい】
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)2013/04/14(日) 00:28:28.90 ID:oemiUbLZ0
>>321

【女性に詰め寄られて尚、肩を竦めて挑発的に苦笑しながら茜に対して助けをこう様な視線を送る】
【ふう、と一度ため息のようなモノを発すると金色の瞳を細めて女性を見る。】

やれやれ、本当に失礼だね―――初対面の人間に対して臆面もなく不気味≠セなんてさ。
ふふ………見ての通り外見は人間だよ………でも内側≠ヘどうだろうねぇ―――。

ねぇ茜、このお姉さんは何をこんなに怒っているんだい…?

【一度ゾッとするような瞳で女性を見上げたが―――すぐにまた掴みどころのない涼やかな表情へと変わり苦笑する】
【相手の思考を混乱させるような曖昧で意味深な言葉も相まって、完全に女性からの印象は最悪なモノとなるだろう―――。】

そういえば、お姉さんはニュースは良く見るかな?今は色々と大変だよねぇ、風の国とか夜の国とか。
特に夜の国なんてこの間の貿易都市の中継映像を見ていてゾッとしたよ―――カノッサのこわーい連中が沢山映ってたよねぇ。

【クスクスとまるで先ほどまでの話とは関連のない事を口にする………これも思考を混乱させようとしているのか、それとも………】
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/14(日) 00:30:11.23 ID:x2q0TGjeo
>>323

【鋭鋒が貴女の腹部を溶かす、酸で溶かすかのような、指先の感覚】
【それはどこまでも彼女にとっては悦に近づいた感触であって、ずっと辿っていたいと思えるほどに】
【だからこそだ、次の一手に対する反応すらも、届かないほどに――――――】


っ……これは……お姉様――――……いきなり、凄まじいものを……っ


【しまったと思った、その瞬間に、視界は真っ赤に染まるかの如く】
【回避のタイミングが貴女によって歪まされた、それならば、彼女には対処する術がなくて】
【腹部を狙う貴女の攻撃、思考が働かない、どう対処するか、なんて―――――】

【覚悟を決める、その一瞬のためらいすらも、踏破するかのように】

【貴女の攻撃が彼女の腹部へと直撃する、肉の砕けるなんとも言えない感触が貴女の手に触れるだろう】
【僅かな時間が流れる、時間にすればきっと、数にもならない一瞬であって】
【その瞬間を狙って、彼女の左手がそっと、貴女の右手へと伸びる――――――】


……お姉様――――……捕まえ――――――たっ……


【渦巻く右手の黒羽根の中へと躊躇なく彼女は左手を突っ込んで】
【可能であるならばその先の貴女の無垢な右手へと触れようとするだろう】
【指先がわずかに表層をなぞる、それだけの接触――――――】

【それも一瞬、成功しようとしまいと、彼女の軽い身体が夜に舞った】


っ……!!はっ……ぁっ……んぅ……ぁ


【地面に叩きつけられる彼女の身体、地面へと寝転がったなら、両手で腹部をぎゅうと押さえるのだろう】
【腹部への衝撃による吐き気と、深く突き刺されたことによる苦痛と、それらが回転により底上げされて】
【帯を巻いた上からでも、彼女の骨と肉と内臓を思い切りシェイクするには十分だったのだろう】

【地面に転がったなら、それこそまるで羽根をもがれた蝶のように淫らに地面に身を溶かして】
【蜂蜜色の瞳に涙が滲んだ、倒れこんだまま、苦痛に身を捩る】
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/14(日) 00:40:41.41 ID:54HpXpcNo
>>322

ハ、やってみろ! No.13だかなんだか知らねーが、俺に勝てると思うなよッ!!

【やはりというか、相手も「そういう人間」――前に戦闘した機関員と同じようなそれ――だったことで、余計に口が引き締まる】
【もう後戻りはできない。倒すか、倒されるか。何時もと同じなはずなのに、ライラには、緊張の色が濃く残った】
【それは多分、相手が見たことのない雷撃使いからだけではないだろう】

(――――はや……ッ!!?)

【超高速で彼の口から繰り出される呪文に気を取られ、崩したはずの体、より言えばその右腕に気付けない】
【結果、親指を突き出すことで牙と化したそれを止めるには至らず。下からのアッパーを、灼熱の刃を、身に食らった】


――――っあっグッ……!! 


【感じるのは、電気の衝撃がアクセントの膨大な熱量。到底受けとめ切れるものではないそれは、ローブを焼き焦がし、下の洋服にまで到達する】
【拳の衝撃と電気、そして熱をいっぺんに食らえば、一瞬だけ呼吸が止まり。出てくるのは、苦悶に満ちたうめき声。先ほどの、6人のように】

【だがしかし、それで後ろ向きに倒れ動かないようじゃ、今頃男は名ばかりの男としてとっくに土の栄養とされていただろう】
【後ろへと倒れる衝撃を、腕で器用に地面へと流し、同時に後退する。彼は接近戦が得意というわけでも無さそうだが、男にとってもそれは同じである】
【そして、遠距離戦ならば。男が得意とするそれではどうだろうか】


「   F   3      B   u   r   n   i   n   g   」 !   !   !


【赤いブレスレットが2段階かけて光り輝き、彼のそれとは格段に短いそれを唱えれば、出現するのは煌々と燃える火球】
【最も単純な形で熱量を表したそれは、ライラが杖を振れば一直線に彼へと襲いかかる。1つではない。1mほどの火の玉が、3つ―――】
【しかし、それは避けられない速さ、というわけではないだろう。そして、なにか火球に対抗できる物理的な手段を持っていれば、防ぐのは容易であろう】
【ただ、やはり火球は火球であり。当たれば彼の雷撃のように、炎は接触面を焦がし尽くす】
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 00:43:02.46 ID:0bEShcbmO
>>326

――へっ!?
え、えーと……わかんない……

「茜、こいつの話を聞くんじゃない」

【急に少年に問いかけられ、動転した表情で曖昧に答える少女】
【女性は少女を制止し、変わらない威圧的な目つきで少年を睨む】

「――つまり、何を言いたい?
お前は敵か?イエスかノーで答えろ」

お、お姉ちゃ――

「黙ってな」

【とうとう女性は拳銃を少年の頭に突きつけた。少女は制止しようとしたが、女性の雰囲気に気圧され、何も言えなくなってしまう】
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 00:48:37.82 ID:99ygNkCw0
>>325
「ふぅーん……半妖何て珍しいよねぇ……
必要な時には人間にも妖怪にもなれて便利そうだしさ
ねね、最近人間の所にあるらーめんっていうのは美味しいの?」

【妖気を放とうが、全く変わらない接し方】
【気にしていない――――と言うよりも、細かいことは気にしない質なのか】
【ラーメンの事を問うのは良いのだが、既に勝手に妄想をしていたのだろう】
【「にんにくましましやさいちょもらんま」とか何とか、不思議な呪文を唱えたってラーメンは出てきやしない】
【けれど……まあ、その様だけを見れば人間の子供が年上に問う様でもあって】
【少しでも答えが遅れれば、ねぇねぇと袖を引いて】

【さて、件の牛鬼。その視線に気付いたか「んもう」とか一度鳴くのだが】
【人間界で言うツンデレである。然れど顔はご想像の通りである。そのまま眺めていればきっと危険で危ない】


「君は長生きするよ。きっと
別に拙としては人間に付いてくれたって良かったんだけどねー
骨が折れない程度には加減しようと思ってたんだから。本当だよ?」

【ただの無邪気な妖怪であろうか。冗談の様にも聞こえて、真の様にも聞こえて】
【その力を無闇矢鱈に振るわないことが、この村の人々に取っては救いだったのであろう】
【ペタペタ。小さな手で二度三度牛鬼を撫でれば、頑張ってねーと再び見送って】


「鳴子一颯――――じゃあ、鳴子でいいっか
拙は~威。見ての通り烏天狗だよ
――――そそ、上司のお酒を断っちゃいけないのが人間社会なんでしょ?
歳的には鳴子の方が上かもしれないけどさ」

【自分の名を告げればその場でくるりと回って、その山伏服、そして漆黒の翼を見せるのだろう】
【咎める事も無い。そして、咎める大人も居ない】
【ただし、にたりと笑えば一層大きな杯を妖怪に運ばせて――――】
【トン、と置かれたのは一合全て注がれた其れ】
【遠慮しないで一気に――――と挑発染みた言葉。酒に慣れていればとても苦労するという訳でも無いが……?】
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/14(日) 00:51:53.87 ID:NsVXS18ro
>>324
【───少女の精一杯、問い掛けるという行動を選んだ事に、「ほう」と頷いた】
【その満足そうな頷きが何を意味するのか、それを知るのは彼のみか】

───いや、悪ぃ、オイラこの辺の産まれじゃねぇんだわ

【現実は非情である、ふらふら世界を歩き回るこの青年もまた、辺りの土地勘がある訳ではないらしい】
【言うなれば少女と境遇は殆ど同じ───行き倒れたりしないのは、この余裕あってこそなのかもしれない】

人斬りの鬼に道聞く自体が間違ってんだよ…まぁ、そうさなぁ…
腹が減っては戦は出来ぬ、そうだろ?

【少女にとっては絶望の音色かもしれない、そんな返答の後で、再び彼は考える動作をして】
【何か思い付いたのか、ひょいと少女を抱きかかえようとするだろう】
【なんの突拍子もなく、両手で背中と脚とを持って───】

【そうなってしまったのなら、少女は何処かへ連れ去られる。周りの視線も気にせず青年は歩く】
【連れ去られた先は町外れのおでん屋台───まあ、何か食べられる場所≠ナはあるが】
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/14(日) 00:53:40.24 ID:oJxSeTQlo
【昼の国――サンヴェスト盆地、そこにあるとある町】
【普段なら資源や温泉を目当てに来る人々で賑わっていただろうが、今は違う】
【つい先日――24時間前と言った方が正しいだろうか、その時に漆黒の悪魔と部下がこの場に訪れ】
【町を封鎖した後に何もかもを奪い取ってしまったのだ】 【数の暴力とは本当に恐ろしいものである】

【さて、この場所の今は――"ぺんぺん草一本ですら残さない"なんて表現がぴったり当てはまる、そんな状況】
【本当にここが町であったか、ここに町があったのか、――それすらも疑ってしまう程である】
【そこにあったのは、ボコボコに掘り返され滅茶苦茶に荒らされた更地のみ】
【インフラですら、他所と繋がっていた電線も地下に埋まっていた水道管も、何もかもが無くなっていた】

【盆地の外に出るトンネルや道、電線などは残されていたものの――もう、ここにあるのは資源のみ】
【偶然訪れてしまった不運な人々は、皆目を疑って】 【そして、皆夢かと疑って】 【挙句の果てに悪魔に捕らわれて永遠に帰れなくなる】

……ヒャハハ、流ァ石に欲張って持ォち帰り過ゥぎたか
邪ァ魔が入らなかったんでつゥいつい根ェこそぎ持ォって行ってしまったぜェ
つゥいでに部ゥ下共に資ィ源を回収させつつ、……俺様は一旦帰って休みつつ"壷"を使う場ァ所を考えるとするかァァアア

【屋根付きバイクと潜水艦と鳥を合わせたかのような奇妙な乗り物で、今この場を立ち去ろうとしている漆黒の悪魔】
【流石に疲労の顔が少し見えるものの……――まだまだ動く力があるようだ】
【少々強欲が過ぎたその存在は、今後どのような行動をとるのだろうか?】
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/14(日) 00:54:19.88 ID:PYr1s64eo
>>327


【  「抉った=v  】


【「所詮、貴方様の想いなど、抉られて叩き捨てられるさだめ」――】
【――などと、ウェル子が思考した一秒の半分の半の時間の狭間に、】



――――――なっ………………!



【   触れた   】



【――――――――】


【――――絶望の淵へ、足を踏み込んだ綵は、触れてしまった】
【水先案内人の、その、純潔で、繊細で、柔和で、無抵抗な、右手へ】


【ウェル子の瞳が、驚愕を滲ませて見開かれたのも、無理はないか】
【擦れ違うような触れ合いであっても、己が拒否した行為を、強引に掴み取るような綵の覚悟≠ヘ、ウェル子の心を幾らか揺さぶった】



…………………………


【倒れ伏した綵を見下すように佇立し、ウェル子は無言】
【風に誘われて舞っていく黒羽根の残骸が、まさしく余韻として漂い、】


……おわかり頂けたでしょう……わたくしの手は、血塗れて汚れて、絶望に身をやつした悪の手
誰か様と、触れ合うようには、出来ていないのです……


【……ウェル子は、傷ついた自身の腹部を、右手で押さえる】
【ウェル子の手は、血を受けて赤を乗せていく】

【ウェル子の言葉と裏腹に、きっと、確かに、ウェル子の手は、柔らかかった=z
【暖かいわけでもなく、冷たいわけでもなく……だ】

【…………だが、絶望的だ】
【どこまでも接触を嫌い、拒み、近寄る者全てを抉り、血塗れに塗れて、血で洗い落とす手は、絶望以外の何者でもない】

【血、以外に、彼女の手に触れる者は無い】
【ゆえに純潔、ゆえに繊細、ゆえに柔和、ゆえに無抵抗なのだ】


【…………綵は、あの一瞬の接触を、どう受け取るのだろう】
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/14(日) 01:01:08.83 ID:x2q0TGjeo
>>333

【それを接触と呼ぶには、触れ合いと呼ぶには―――あまりにももろく儚い一瞬であったから】
【彼女の矜持がそれを許さなかった、心のなかで、まだ届かないなんて思って】
【口元で含んだ、言葉の破片が、届く時間を微かに感じた】


っ……ぁ……流石です……お姉様……んぅ……
ですが……私は、そうは思いません――――……

いつかきっと……お姉様と触れ合って、みせま……っ……す……


【言葉は饒舌、けれども、限界が近かったようで】
【そしてそのまま、彼女は意識を失うのだろう】
【糸の切れたマリオネットのように地面へと倒れこんだなら】

【―――確かに届かなかった、と心のなかで認めながらも】
【お姉さまの手、とても柔らかかったと満足気な笑みをわずかに浮かべて】
【そしてそのまま、地面へと意識を放棄したまま、倒れ込んでいるのだろう】


/この辺りでしょうか、お疲れ様でしたー!
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)2013/04/14(日) 01:03:46.58 ID:oemiUbLZ0
>>329

今はノー≠セね………僕はただ散歩をしていただけだからさ………まぁまた違う事象≠ナはイエス≠ゥもね

【女性の行動にやれやれと肩を竦めながら座っていたベンチの上へと立ち上がり―――そして両手を広げる】
【すると―――いつしかhジェスタ―の周囲には紅く発光する蝶が無数に羽ばたいており、それは徐々にジェスタ―を包み込んでいき…】
【紅い蝶の群れに包まれながらジェスタ―は二人を見つめて笑う。】

さてさて………申し訳ないけど今夜はここまでさ………またいつか………さようならお嬢さん達………フフ。
闇は広がり続けている、気をつける事だ、今度は貴女の隣にいるかもしれない。

【それだけ言うと、ジェスタ―は無数の蝶に包まれて消えていく―――蝶がいなくなる頃には何も残らない。】
【まるでもとよりそこにいなかったように………。】

//お疲れ様でした!
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/14(日) 01:09:29.33 ID:Cbv7+Lqz0
>>331
――――!!

【―――駄目だったか―――!瞬間、少女の視界が暗転する】
【ここでダメならもう本当に行く当てもない…嗚呼無情】

―――――

【もう足も動かぬ、この状況…打開策は―――無い】
【彼女はそれきり黙り込んでしまった もう為すがままである…】
【これ以上何をしようとしても、何も出来やしない】

【青年が何か言っている…しかし何も耳に入ってこない】
【頭の中は真っ白―――否、真っ暗闇だった】

【しばらくして、ようやく頭がはっきりしてきた…と言っても絶望感はいまだ晴れず】
【どうやらどこかに連れ去られた「気がする」…彼女は記憶がブラックアウトしてよく覚えていない】
【此処はどこだ……とかすむ目を凝らすと――】

―――ここは…?
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/14(日) 01:10:22.23 ID:FjQrYZqNo
>>328
/絶賛すれ違い宇宙の予感がするので訂正を……
/>>312 【手ひどい熱量を持った雷光が、ナタニエルを囲むように迸る】
/>>322 【確実にインファイターであり――あまり近くに居続けるのは、避けるべきか】

【狭い路地裏の中後退されてしまえば、こちらが避けられる範囲もまた狭い】
【気付けば、否、先の前兆には気付いたうえで攻め立てたのか。視界に炎が、迫る】
【前述した通り、男の現在の持ち物に常日頃持ちあるいている愛用の武器の姿は無い】
【攻めるも素手、守るも素手。相手の目論見通り、物理に頼らない攻撃には今はやや不利だ】

【左手は左耳のピアスを掠めるようにして下へ、前へ何かを飛ばすような湾曲した軌道を取る】
【輝く、しかし雷光では無い何かが火球の一つの真ん中を貫き――】

……幸福なるかな心の清き者その人は神を見ん
幸福なるかな平和ならしむる者その人は神の子と稱へられん

【――聞こえるのは、僅かに声をくぐもらせた詠唱の声】
【火球はどうなったのか。一つは右肩の先を掠り、一つは左の脇腹を打ち】
【一つは性質を近くする“何か”に貫かれて弾け、そして“何か”は勢いを保ったまま、相手の鎖骨の下当たり目がけて直進する】
【一瞬ではあるものの、相手の目にも捉えられるだろう。煌めく色は相手が放ったものと同じく、炎の矢だ】

幸福なるかな義のために責められたる者天國はその人のものなり

【天國。ならば先程六人の悪漢が喰らったものは、天罰なのだろうか】
【一番最初に相手が陥ったピンチの中で、あと一歩遅ければくらっていたのかもしれない彼らからの制裁と同じく】
【であれば、今目の前にある闘争は、天罰ではないなにかなのだろうか】

【炎の矢に遅れて、相手に精神的余裕があれば回避行動に移れる程度の時間的余裕をもって】
【傷ついた体が、口端から血を滴らせながら笑った口元が、雷の玉となるように雷光を帯びる】
【地を蹴り突き出した右肩は、黒く焼けた脇腹を庇いながらも迷い無きタックルとして相手にぶつからんとする】
【無論当たればダメージはタックルそのものの範囲だけではなく、流れ込む熱量の大きさをも、予測出来るだろう】
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/14(日) 01:14:37.55 ID:Q84gqey7o
>>330

あ、ラーメン食べたことないんだね――――~威は。
一度食べにいってみなよ、美味しいからさ。個人的には塩がおすすめかな。

【天狗である少年が、果たして人里の食べ物をどう摂りに行くのか…………その方法に触れることはなく】
【多分一颯は、~威が例えどんな非合法な方法でにラーメンを食べに行こうと、見て見ぬ振りをするだけなのだろう】
【袖を引く表情は、妖怪ということを差し引いても幼く、庇護欲をくすぐるもので】
【しかし一颯が少年を「~威」と呼び捨てにしたのは、どちらかと言えば一颯自身の気質の問題だった】

さ…………さすがに、この量を飲み干すのは初めてだけど…………まあ、これも社会の洗礼って奴かな。
きみは上司じゃないけど、上位の存在ではあるんだろうし。
じゃ、いただきます――――――。

【差し出される、見たこともない大きさの杯】
【それだけ言って、一颯は杯を勢いよくひっ掴む。早口だったのは、少しでも躊躇ったら後込みしてしまいそうだったから】
【あっという間に杯を傾け、ごく、ごく…………と。若さに任せて酒を流し込んでいく】
【――――ぷは、と、やがて彼が息を吐き出せば、杯の中身はすべて無くなっていた】

…………あぁ、うん、大丈夫みたい。いきなりぶっ倒れたらどうしようかと思ったよ。
妖怪はどうだか知らないけど、半妖は別段酒に強いわけじゃないんだ。もうちょっと手加減してくれよ。

それに半妖って言ったって、ぼくの場合はちょっと特殊だからさ…………普段は殆ど人間と変わらないんだ。
まあ、妖怪と人間をコロコロ変えれたら、そりゃあ便利だろうけど。ぼくに変えられるのは態度くらいだよ。

【軽口を叩いて苦笑いする表情は、すでにほんのり赤く染まっていて】
【飲みっぷりこそ立派だったが、うわばみと呼べるほど強いわけでもないようである】
【なにより…………半妖としての自身の身の上を話す言葉は、間違いなく酒が回って出たものだった】
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 01:17:31.81 ID:0bEShcbmO
>>335

――うわっ!?

「てめえ、何を――!?」

【少年の周囲に無数の赤い蝶が現れる。明らかに能力だ、女性は条件反射的に身構える】

【しかし、攻撃らしい事は起こらない。気づいた時には蝶も少年も消え去っていた】

――お、お姉ちゃん。
さっきの子……

「……知らねぇ」

【少女が声をかける。が、女性は一瞥もせず、すたすたと公園から立ち去って行く】

あっ、待って、お姉ちゃーん!

【女性を追いかけ、少女も公園から去って行く】

【公園には、もとの静寂が戻った。しかし、どこか不気味な感覚は、二人に纏わりついたまま】


/お疲れ様でした!
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/14(日) 01:18:48.03 ID:PYr1s64eo
>>334


…………面白いことを仰る方で…………


【クイッと、ウェル子は眼鏡をあげると、】


…………わたくしは世界を絶望に導く案内人…………
綵様も例外ではなく……貴方様が媚びようと、邪魔しようと、行き着く先は同じ……


【くるり、踵を返し――】


いつか≠ネどと、不確定な幻想は、悉く砕かれるが当然……
だから、わたくしは…………今日も、明日も、この手を、血に染める…………

確定的な、絶望の未来を、手繰り寄せるために……


【はあ、と、呼吸を落ち着けるように、一息挟めば、】



…………『さようなら』



【静かに、その場を、去りゆくだろう】


【綵を担いで病院や宿へ運ぶ込むなどといった、そんな甘い幻想も無く】
【ただただ、絶望的な別離の挨拶だけが、モノトーンの世界に溶け込んでいった】


…………覚えました≠諱A『綵』……様…………


【「カー」と、寂しげなカラスの声が、深夜の町並みに響き渡った、とか】


/はーい、お疲れ様ですー!
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/14(日) 01:27:15.29 ID:NsVXS18ro
>>336
【少女が目を開き、口を開いた頃、既に青年の目の前には屋台があって、抱えた少女の顔を隻眼が覗き込む】

…何か食える場所っつったろ?
折角連れて行ってやってんのに寝ちまうしよぉ、よく気を失う奴だ

【すごく酒臭い体に少女を抱いて、客のいない屋台の椅子に座らせれば、自分もその隣に座る】
【まだ肌寒い夜の空気に、暖かい湯気立つ大鍋の中、出汁に沈む具材が踊る】
【何だか適当に注文して、直ぐに皿に乗った大根が少女の目の前に置かれるだろう】

【しっかりと出汁の染み込んだ大根は琥珀色に染まり、自身から流れる出汁に浸って湯気を上げる】
【箸で軽く割けばサクリと割れ、口に入れれば簡単解けて出汁と大根の風味が口いっぱいに広がる───そんな代物】

この町来る時に見付けたのよ、たまにゃあこーいうのもいい…
…一人になりてぇなら山にでも篭りゃいいさ、だがなぁ…一人になっちゃあ行き倒れで終わっちまうわなぁ

【隣に座る青年は、熱燗を徳利から直に飲みながら、ニタニタ笑って言葉を紡ぐ】
【まぁ、一応ではあるが先程の少女の問い掛けには答えている】
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/14(日) 01:34:17.49 ID:54HpXpcNo
>>337
/ッ!! 訂正されて気づいた……見誤ってました……すみません
/特に>>322のその部分とか……


ッ!? ……まだ手はあるってか……!!


【火球の耐久度など、知れたものである。防御でも四散してしまうそれは、確実な攻撃手段で貫かれればひとたまりもない】
【ライラの視線は、その"何か"に串刺しにされて消え失せた火球へと向く。鋭く、赤とオレンジを足して割ったその色は、間違い無く火球と同じもの】

【ライラにとっては光の矢とも感じられたそれを完全に見きり、避けることなど男には無謀であった】
【――――結果として、炎の矢は完全に鎖骨下を捉え男の体を貫くには至らなかった。しかし、確実にヒットしている。証拠は、男の肩にある焦げ跡と裂傷】
【瞬間的に凝固したのか、血がダラダラと流れ落ちているわけではなかった。しかし一部からは、紅い液体がぽたぽたと滴っていた】

―――天国な……!
俺にはそっち方面の教養はないが――――テメェは天国に行けなさそう……  ッ  だ  ァ  ッ  !  !

【天罰を与えるものと受けるもの】
【そういう構図と見て取るならば、天罰の闘争といっても過言ではないだろう。だが、ひとつ違うのは】
【受けるものが、受けざるまいと必死に抵抗している―――天罰は、受けるものの自由は有っただろうか?】


【ただのタックルなのに、雷を纏えば恐怖が増大する。それは、熱量を持っているとライラが知っているからだろうか】
【避けも中途半端であった。魔法を行使した後だからだろうか、それとも蓄積された傷からか。それはともかく、どちらにしろ結果としてそうであって】
【全てではないがそれでも十分すぎる量の熱の雷は、素肌へと中度の火傷を負わせる。プラスしてタックルの衝撃は、ライラの体を後ろへとよろめかせた】
【それでもライラは杖を彼へと向けていて――――ブレスレットも、緑が2段階、光を放った】

/すいません、眠気で今後文が書けそうにないので、今日の夜へと持ち越して貰いたいのですが……
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 01:35:16.19 ID:99ygNkCw0
>>338
「一応、新聞とかでは見たことあるけどさぁ―……何か、長くて熱いんでしょ?
食べに行ってみなよって鳴子は気軽に言うけど結構難しいんだよ
妖怪って分かっただけで逃げ出す人だって居るんだから、もし店主がそんな人だったら行くだけ損だし」

【そんな場面を想像すれば、むすーっとした表情を浮かべて】
【やはり妖怪。他の国では分からないけれど、桜の国での扱いはそんな物なのか――――それとも、この妖怪の行く先々がそんな対応をするだけか】
【じゃあ、鳴子が連れてってよ。とか言う言葉は八つ当たり】
【実際連れて行こうものならば、きっと同じ妖怪扱いされて迫害されるのが結末であろう】


「だいじょーぶだいじょーぶ!若い間に無茶できるのは妖怪も人間も一緒でしょ?
そーれ、一気!一気!一気!」

【リズム良く手拍子をすれば、笑顔で囃し立てて】
【見事に無くなりつつその中身――――杯の中身が全て無くなれば、パチパチと小さな拍手を送って】
【適当な妖怪を呼び止めれば、自身の為の杯も用意させるのだろう】
【出てきた酒は上質な物。持ってきたのか、この村から奪ったのかは分からないけど】


「でも、良い飲みっぷりだったじゃん
おかわりはまだまだ沢山あるんだから、好きなだけ飲んじゃっても大丈夫だよ」

【ドン!と置かれた一升瓶。けれども、更に在庫があると宣う】
【言うよりも早し、空になった其処に酒を注げば、自分の杯にも酒を注いで】
【人々を尻目に「かんぱ〜い!」とは実にお気楽である】


「態度が変えられるねぇ……さっきの焦った顔と今じゃ全然違うから納得出来るけど
――――だけど、さっきみたいに妖術は何時でも使えるんでしょ?
なら、別にあまり困る事は無さそうだけど……」

【どうなの。と聞かんばかりに小首が傾げられて】
【常に力を出せる身としては、半妖の悩みは理解しがたいのであろう】
【ちょびちょびと酒を楽しめば、上目でその答えを待ち】

【余談ではあるけれど、ご機嫌によってゆさゆさと動く翼】
【その羽根の先端が時折膝小僧を擽るのだけど――――】
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/14(日) 01:40:11.93 ID:FjQrYZqNo
>>342
/あっと失礼、長引いてしまって申し訳なっしん
/持ち越しとの事ですが、このまま行きますと両者ボロボロになりそうなので次辺りで〆でも大丈夫でしょうか?
/もしアレでしたらそちらの〆は寝て起きて余裕が出来てからでも構いませんのでッ
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/14(日) 01:46:19.58 ID:54HpXpcNo
>>344
/そうですね。そのほうが良さそうです
/長引かせて申し訳ないのはこちらの方です、すみませんでした
/こちらは起きたら即効で〆書きますので、お願い致します
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/14(日) 01:48:45.70 ID:Cbv7+Lqz0
>>341
【ああ、助かった―――屋台が目に入った瞬間、彼女の心に安堵が広がった】

【空腹で限りなく体力の限界に近かった彼女にとって、此処に来れたことは………正しく救いだった】
【出汁の浸みた大根を頬張る…ああ一食の何と有難い事か】
【彼女の血色は、皿の中の有難い食物が減ると反比例してどんどん良くなっていくだろう】



…おいしい

【彼女の言葉はこれだけだった もう目の前の食べ物に夢中でがっついていた】
【……しかし、その姿を見て感謝していないと思う人間はいないだろう】
【実際、彼女は本当に感謝していた あのまま行き倒れていたかと思うと……怖かった】

…ありがとう
わたし、あのままじゃどうなっていたか…!

【感謝の言葉は食べ終わった後…】
【先ほどまで打ちひしがれていた少女の物とは思えぬような微笑みと共に、精一杯の感謝の気持ちを伝える】

【でも―――このままではいけないことも事実だ どこかに居を構えるデモしない限り、二の舞になることは明白】
【さあ、どうする…また、安住の地を探すか、それとも…】

ねえ、さっきも聞いたけど……空き家を見つけたいの
それでも一人の私は―――どこかに住んで働くしかない

【土地勘はどうでもいい 道を歩いていたらどこかに空き家があったとかそんな情報でもいいから教えてもらえれば…!】
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/14(日) 02:00:22.73 ID:Q84gqey7o
>>343

妖怪だからって迫害される、か。ま、気持ちは分かるよ…………半分だけだけど。
学校に通い出したとき、半妖だって言ったら不気味がられたこともあるし。
あと、妖怪退治の専門家と一緒に住んでるしね、ぼく…………。

【それだけ言えば、少しだけ遠い目をして…………疎外される苦痛だけは、きっと半分にはならなくて】
【「もっとも、今では不気味がってた子とも友達だけどね」、と付け加える口振りは、もう明るいものになっていた】
【そうして悪意を向ける者とわかりあえた理由を、半分は人間だからと断ずるのは、些かばかり非情か】
【それを彼自身の人懐っこい性格が勝ち取ったものであると考えるのも、かえって楽観的すぎるかもしれないけれど】

うん、乾杯。
…………えっとね、確かに"風"はいつでも使えるんだけど、使ってる間しか妖怪で居られないんだ。
なんていうか、水と油、みたいな?

【人当たりよく笑って小さく杯を振れば、掴んだ杯の酒を少しだけ飲んで】
【たかが一回一気飲みに成功したからといって調子に乗らないあたりは、大人だといえよう】

【と、ふいに左手を空けて、つい、と人差し指を虚空に走らせれば――――再び、銀色の風が巻き起こる】
【二人の目の前で、銀色は小さな円を描きながら縦に伸び上がり、やがて小さな"竜巻"と化す】
【外側から中心に向かって、吸い寄せるような風だ。それが花びらや落ち葉を引き寄せ、そして細切れにしていく】

人間社会に溶け込むにはいいんだけど、きみみたいな妖怪と合ったとき、なかなか妖怪だって信じて貰えないんだよね…………。

【まるでミキサーのような、強烈な"斬撃"の風…………それを使っている一颯に目を向ければ】
【その瞳は、光を反射し緑色に輝いて。風だけでなく、一颯本人からも妖気を感じられるだろう】
【しかし、やがて銀色の風が止むと…………一颯から感じられる妖気は、少しずつ薄くなり、そして殆ど感知できなくなる】
【使っている間だけは混ざり合うが――――使い終われば、ただ深く深く沈殿して、表には一切出ない】
【まさしく、水と油。鳴子一颯という人間と妖怪の関係は、そんな風にはっきりとした"境界"の上にあるようだった】
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/14(日) 02:05:34.81 ID:NsVXS18ro
>>346
なぁに、礼はいらねぇよ、どうせ金払いはお前さ

【感謝の言葉に照れたり、謙遜したりするでなく、当然の事の様に───ん?】
【そういえば彼はさっき言っていた、「人にやれる銭はない」と───】
【最悪の展開が予想される、それは即ち、少女にも持ち金が無いという事───】

…空き家ネェ、そこまでして屋根と壁が欲しいのかい?
外で寝るのもいいもんだぜ?月と星が天井よ

【なんとしても住処が欲しいらしい少女を、不思議そうに言葉吐きながら、徳利をゆらゆら揺らす】
【慣れているというか何と言うか、少女に野宿を勧めるのは酷ではなかろうか】

…そういやぁ、空き家があったネェ、少し町から離れていたが
あっちの方に、道なりに歩いて行きゃぁあった筈だぜ

【───思い出した様に、彼は顔を上げて呟いた】
【そして指差した方向に伸びるのは、畦道…というか、完全に獣道だ】
【…本当にあるのだろうか、そうでなくとも適当そうな人物だ】
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/14(日) 02:08:03.84 ID:FjQrYZqNo
>>345
/それではおやすみなさいませー
/真正面から否定をしてもらえるとこう、嬉しくてゾクゾク来ちゃう
/ずっとなんだ男か(カミーユ的な意味で)と気になってまして絡めてよかったですー

>>342

【びき、と脇腹から音がして、焦げて固くなった肉が割れ新しく血がこぼれ出す】
【恐らくここで無理に退いても、相手の攻撃を喰らうのは必至。であれば、更に攻め続けてしまえばよい】
【そう示すように、脇に固めた拳が再び力を溜め始めるが】

『――にゃあ』

【聞こえた声は、全ての闘争の空気を柔らかく引き裂いて】
【唯の猫の声に唯ではないものを察したように、反射的にナタニエルの体が後方に跳び退いた】
【自身の間合いよりも相手の間合いよりも広く、眩い雷光すらも納めてしまっていて】

……どうやら邪魔翌立てが入ったようですね
“呼ばれた”のは私か、貴方か。それは分からないですが
まだ、捕まるのは御免被りたいのですよ

闘いの最中に逃げ去る無礼のお詫びは……また、後日

【焦りにも似た色をにじませながら、それでも相手に向ける礼節は欠くことのないように】
【砕けたワインの瓶のように、滔々と血を垂れ流す脇腹を押さえながら、相手へと一礼をし】
【再びその姿は、現れた時のようにするりと路地裏から姿を消す】

『にゃあ』

【もう一度だけ聞こえた声は。ぺたぺたと足音を相手の頭上、建物の上で旋回するように響いて】
【いつしかそっと、遠のいていった】

【足音はまるでヒトの足の裏の様で、声はヒトの女のようであった】
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/14(日) 02:18:17.99 ID:Cbv7+Lqz0
>>348
【チェッ…感謝してちょっぴり損した 結局自腹か…】
【それでも体力の尽きていた状態じゃあここまでたどり着いていなかっただろうし…まあよしとしよう】

いいわ、ありがと
せっかく良くしてくれたもんね、お代ぐらいは払っとくよ

【金ぐらいはある…一文無しで街をほっつき歩いていたわけではない】
【少女が金も持たずに街中を歩くのは流石に無い…いっぱい持ってるわけではないけど】
【店主にお代を払うと…】

…ねぇ、その情報はホント!?
一週間凌げるだけでもいい、本当に建物があるのね!?

【とたんに血色が戻る 藁にも縋る気持ちだった…どうせ何も知らないんだから、彼を信じるしかない】
【僅かでも情報をつかめた彼女は、意気揚々と指さす方向へ向かうのだった…】

/すみません、脳がもう眠気で全く働いてないのでここで〆でお願いします!
/建物があったらそこに泊まった、やっぱりなかったら結局野宿ということで…!
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 02:20:53.91 ID:99ygNkCw0
>>347
「そういえば、人間って小さい内は学校って場所に集まらなきゃいけないんだっけ
めんどくさそうだなー……
……えぇー……妖怪退治ぃー?そんな人と一緒に住んでるのにこの光景を見過ごしちゃって良いの?」

【学校なんてただ人が集う場所という程度の認識しか無くて】
【最早其れは他人事。だから相づちと共に聞き流していたのだが――――】
【続く言葉は他人事では済まないであろう。妖怪退治なんて聞けば】
【あからさまに嫌な表情。ぷっくり頬を膨らませれば、嫌いなんだよねぇー……と一人ぼやいて】


「使役してる時だけ妖怪化なら確かに人間の世界で住みやすそうだねぇ
だけど、拙達妖怪の間じゃ……その通り、ちょっと信用しにくいかもね
五行を使えば妖術を使う人間だって居る位だしさ」

【根っからの妖怪である少年は、意識せずともその妖気を感知して】
【なるほど。とでも言うかの様に一度頷き】
【鳴子の言う言葉は確かに真であって、故に懐疑の視線を向けることは無い】
【あっという間に空にした杯に又酒を注げば、胡座を搔いて】


「それにしても可笑しな話だねぇー……
半分であっても妖怪の鳴子と、妖怪退治屋が一緒に住んでるなんて
無理矢理利用されてるなら張り倒しに行ってあげるよ?ほら、半分仲間のよしみでさ」

【もし、無理に使われているなら――――そう訊ねる様な言葉】
【殺しに行くと言わないだけ、まだ穏やかではあるけれど】
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/14(日) 02:26:28.87 ID:NsVXS18ro
>>350
……───

【言うや否や、指差した方向に意気揚々と歩いて行く少女を、横目に眺めて】
【屋台に居座ったまま、ニタリとした笑みで見送った】

「…お客さん、意地悪だねえ」

───何の事だい?

「だってあっち、空き家ったって、ボロい廃寺しかないでしょ」

…ま、壁と屋根はあらぁなぁ……

【───さて、少女が実物を見てどうしたのか。それは彼の知る由もない】

/了解です、お疲れ様でした
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/14(日) 02:45:18.88 ID:Q84gqey7o
>>351

いやいや、そんな悪い子じゃないんだよ?
妖怪を[ピーーー]のだって、食べられそうになってる人を救うためだけだったみたいだし。
妖怪と見れば片っ端から[ピーーー]ような奴なら、ぼくだってとっくに殺されちゃってるしさ。

【「これを見逃すのは確かにマズいけど…………まあ言わなきゃバレないよ」、と一颯は付け加えて】
【その口調からするに、妖怪を悪と決めつけて殺戮を繰り返すような人間ではないのだろう】
【…………しかしまあ、これだけでは、~威の膨らんだ頬を戻すには足りないかもしれない】
【そう思ってか、一颯はさらに付け加える】

それにぼく、昔その子に助けられたんだよ。
その子がいなかったら…………そうだな。『鳴子一颯』は死んで、本物の妖怪になってたかも。
退魔士が半妖を助けるってのも、それこそ変な話だけどね。

【その子が居なければ、今の一颯はここにはいない。彼にとっては、命の恩人のような存在らしい】
【その表情からも、どこか楽しそうなものが伺えて。それなりにいい関係を保っているようで――――】

【…………ただ、その瞳の奥底】
【彼自身気づかないほど奥深くには、楽しさとも感謝とも違う"濁り"のようなものが、竜巻のように渦巻いている】
【しかしそれは、~威がよっぽど人間の感情の機微に長けていなければわからないほど、小さく不確かなもので】


ところでさ…………そういう~威は、やっぱり――――

【そこで、話を転換する一颯だが…………ふと、一度言葉を切って】
【そろそろ、人間たちも追い出され尽くしたであろうか。妖怪が人間を追い立てる、そんな光景を見やって】
【それから、もう一度言葉を発した】

――――人間は、嫌いかい?

【~威の今までの態度からわかりきっていることをあえて聞く、その問いは】
【なんでこんなことをしているのか、という意味なのだろう】
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 03:06:51.49 ID:99ygNkCw0
>>353
「拙達は人間を食べなくたって生きていける……けど、全ての妖怪がそういう訳じゃ無いんだよ
今日食べなきゃ明日には死ぬ――――そんな妖怪がやっとありつけた生きる糧を食べようとしても、殺しちゃうんでしょ?
だから、嫌い。拙達を殺すなら、嫌いだよ」

【二つの種族が瀕死に陥っていたならば、自分と同じ種族を助けるのが生き物の性――か】
【だからこそ、そこは人間とは交われない部分。どっちかしか助からないならば、妖怪を助けてやりたいから】
【我が儘だと分かっていても、その他の答えなんて導き出せないのだろう】
【人間を半分こにしたところで、どっちにしても死んでしまうのだから】


「――――となると、鳴子は元々純粋な人間で、狐憑きみたいな妖怪憑きのせいで半妖になったって事?
本物の妖怪は学校なんて行かなくて良いんだから気楽だよ
……人間みたく、めんどくさい決まりだって無いんだから」

【話から推測すれば、元々は純粋な人間であったのだろうかという憶説に辿り着いて】
【“力”を用いれば、鳴子の奥底の感情を読み取る事も出来たのかも知れない】
【けれども、今はただこうやってお喋りを楽しむだけ】
【――――だから、その響みの正体なんて分からなくて】


「――――ん?面白い人とか、綺麗な女の人は好きだよ?
人間でも妖怪でも、どっちもね
前城下町で見た酒臭い男の人は面白かったし――――綺麗な女の人は、まだあんまり見たこと無いけど、デートに誘っても怖がって逃げちゃうし」

【真面目な問いに対して、一口啜れば茶化すような答え】
【興味が人一倍強いのは、何となく分かる事であろうか】
【しかし、この容姿をして女好きとは、これまた奇妙な話】
【――――懐かしむ様な瞳。嘗ての自分たちが治めていた地。其処にあった桜は今も変わらず此処にあって】


「だけど……そうだね。殆どの人間は、あんまり好きじゃ無いよ
拙達が手を延ばしたって振り払うし、好意で助けてあげれば仇にして返してくるから
――――ここだって、そう。元々は行き倒れていた人を助けて此処に住まわせてあげていたら、いつの間にか人間達が奪いに来たんだもん
ずっと我慢してたよ?取られればそのまんまにして、みんな平和に暮らさせてあげた……けど
もう、拙達の場所も無くなってきた。だから、今から少しずつ取り返していくつもり」

【元より自分たちの地。其処に人間が攻め込んできて、いつの間にか“人間達の”桜の名所となっていた】
【数分もあれば、此処の村の人々を簡単に殲滅する程の力を持っていても、其れを行わないのはまだ良心と人間への感情があるから】
【例え時間が掛かろうとも、死者を出さなかったのはその証】
【――――けれども、最後の言葉。これからは、他の村。嘗ては自分たちの地だった所で、同じ事を行うと】
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/14(日) 03:34:52.89 ID:Q84gqey7o
>>354

――――そっか。
まあ、そうだよね。人間だって妖怪に食べられないよう必死だし、妖怪だって人間を食べるために必死だ。
だったら、それはもう――――"仕方ない"ことなんだろうね。

【喰う者と喰われる者。その構図が変わらない限り、両者が手を取り合うのは難しいことだ】
【そうなれば、後は単純。彼の恩人の退魔士のように、人間側につくか。~威のように、妖怪側につくか。たったそれだけ】
【そして、当の一颯はと言えば…………人事のように、諦めたような口調で、"仕方ない"という口癖を発して】
【そこは中立の場所であり、傍観者の場所だった。それは、やはり半妖であるが故の選択か】
【あるいは――――】

うん、そうだよ。その狐憑き?っていうのがどういうのかは知らないけど、たぶん同じだ。
昔、妖怪に取り憑かれちゃってさ。そいつの魂はもう死んでるんだけど――――"妖気"だけが、未だに体に固着しちゃって離れないんだ。
性質としては半妖と変わらないから、わかりやすく半妖って名乗ってるけどね。厳密に言ってどうなのかはわかんないや。

【人間と妖怪の間に生まれて両方の血筋を引き継いでいる、というのが、一般的な半妖なのだろうが】
【~威の言うとおり、一颯はそういった先天的な半妖ではなく、後天的に半妖となったしまったらしい】
【先ほどの妙な性質も、これに由来するものなのかもしれない】
【しかし…………彼は純粋な人間であった時期もあり、退魔士と一緒に住んでいて、妖怪と会った回数も少ない】
【そうして"人間側"に近い生活を送っているにしては、一颯は少し妖怪の肩を持ち過ぎているような気も、して】

…………取り返す、か。じゃあ、きみは人間と戦う気なんだね…………。
事情はよくわかるけど…………でも、つらい戦いになるだろう。
今となっては、妖怪よりも人間の勢力の方が強いだろうし…………向こうにはたくさん"能力者"もいる。
たくさん死ぬだろうね、きっと。

【少し目を伏せた動作は、やはり人間の肩を持ったものではなく】
【出来たばかりの小さな友人が、戦いの道を進んでいることへの憂慮によるものだ】
【今はまだ、死者は出ないが…………"力"を持つ人間とかち合えば、戦闘は避けられまい】
【居場所を取り返す為に、同じ事を続ければ…………いつかどこかで、死者は出る】
【そうなればもう、きっと取り返しはつかない――――】
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 04:01:12.14 ID:99ygNkCw0
>>355
「人間が自分から生け贄様でも用意してくれれば良いんだけどね
悪い事をした人とか、そんな感じの人でも
だけど……人間は自分たちで捌いちゃうから、拙達も自分たちで食べに行かなきゃいけない」

【放っておけば自分が死んでしまう。例え人間が好きな妖怪が居たとしても、人喰らいならば喰わなければいけない】
【餓死出来るほどの精神の強さも無い。何よりも、どんなに人間を好いていても奥底は妖怪だから】
【「鳴子はまるで蝙蝠だね」――――決して非難している訳では無いのだろう】
【長生きするよ――――きっと、そんな性格を認めていたから、先程の言葉が漏れたのか】


「便利なのか不便なのか分からないけど……まっ、人間なんて自分達と違うのは排除したがる本能があるからね
さっきの鳴子の言葉も、何となく分かるよ
――――そのまま半妖で通してなよ
~威に認められた……って言っちゃえば、多分手出ししてくる妖怪も少ないからさ。少なくともここら辺ではね」

【自分の名を出してしまえば手出しをする者が少なくなる――――なんて言うけれど】
【~威という名にどの様な効果があるのか、それは分からない。けれど、少なくとも一つの纏まりを仕切る程度の力はあるのか】
【そんな者が認めた者に手を出せばどうなるのか――――きっと、脅しの意味も含んだ文句】
【人間達の事をさっぱり分からない、という事も無いようだが、伝えるのは妖怪達に対する方法】


「拙だってあまり気が進む訳じゃ無いよ。もっと小さい頃は人間達に遊んで貰ったこともあるしさ
だけど、このままにしていたって死んじゃう妖怪は出てくるんだ
弱い妖怪を守るのが強い妖怪の役目なら、死んでも仕方ない事だよ
――――それに、拙達だってそう弱い訳じゃ無い」

【不意に高まった妖気。弱い妖怪であればそれだけで萎縮してしまう程】
【人間であれば、知らず知らずのうちに毛が逆立って、冷や汗をかいてしまう程】
【強き者が弱き者を守る。人間と似たような倫理】
【妖気も収まれば、だから――大丈夫。そんな根拠の無い自信】

【小さな笑顔を見せれば、振り返り、両手をメガホンの代わりとして「みんな〜、帰るよ〜」と気の抜けた言葉】
【――――半妖と、妖怪の出会い。別れも近いか】
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/14(日) 04:27:47.25 ID:Q84gqey7o
>>356

…………蝙蝠じゃなくて、鼬だけどね、ぼくは。
でもまあ、そうだね。ぼくはせいぜい長生きさせて貰うから――――だからさ。
きみも、死ぬなよ。

【鼬――――"鎌鼬"。風と共に現れ、両腕の鎌で斬りつけてくるとされる妖怪】
【狐憑きならぬ、鼬憑き。それが鳴子一颯の、妖怪としての正体だった】
【烏天狗である~威と比べれば、妖怪としての質は落ちる。それに何より、宿しているのは人間で】
【その一颯が~威とこうして話せるのは、人間とか妖怪とかの種族に依らない、一颯と~威の人格によるものなんだ――――と】
【少なくとも今このとき、一颯はそう信じたいと願った】

~威は蝙蝠なんて言ったけどさ。ぼくには…………人間も妖怪も、どうでもいいだけなんだ。
ただ身近な友達や家族が元気でいるなら、世界なんてどうなってもいいとさえ思ってる。
だから…………きみにももっと、そういう人が出来ることを願うよ。
人間の友達が、さ――――。

…………あ、一応、それが美人であることも願っておこうかな?

【烏天狗としての、震え上がるような"妖気"にも、この時ばかりは引かず】
【そんな酔狂で、子供みたいなことを、一颯は言う】
【人間にも妖怪にもつかないということは、結果的にはその両方についているのと同じで】
【彼の持つ人間の友人も、いま出来た妖怪の友人も、どうかできるだけ、傷つかないように】

【風のようにつかみ所なく立ち回る彼も――――人間のためでも妖怪のためでもなく、友人のためであれば】
【いつか、戦場をかき回しやってくることも、あるのかもしれなかった】

【…………最後に軽口を叩いたのは、ご愛敬というものだろう】

それじゃあ、~威。
今度会ったときは、そうだな。一緒にラーメンでも食べに行こうか?
自分で言うのもなんだけど、ぼくは口がうまいからね。二人で行けば食べることもできるさ。

【最後に、にやり、と笑って】
【それは間接的ながら、また会おう、という約束の言葉だ】
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 04:56:35.76 ID:99ygNkCw0
>>357
「鼬……風……そっか、鎌鼬か
だけど、君じゃあ人を転ばせたり斬ったり何て難しそうだね
精々……斬られた人の傷に薬を塗る三人目にしかなれないよ

死にたいと思って死ぬ様な拙じゃないよ
でも、そうだね……もしも拙のお墓を見つけたら、人間の大人が読むような本でも備えておいてよ」

【妖怪曰く、鳴子は鎌鼬の三匹目。傷を癒やす係だ――――と】
【積極的に攻撃を仕掛ける訳でも無く、逆に心配をしてしまいそうな輩だから】
【きっと、君に戦いは向かない――――皮肉でもあり、褒め言葉でも有り】

【しかし、墓を見つけたら成人本を備えろ等とは中々に助平な妖怪である】
【まあ――――美人云々抜かすのだから、納得出来ないことも無いだろうか】


「拙はもう手を叩かれる事には飽きた。差し出した着物で首を絞められる事にもね
…………だから、きっと人間の友達なんてのはもうあんまり出来ないよ
……そうだね。でも、鳴子の言うとおり美人なら話は別かな
お友達よりも深い関係になったら鳴子にも紹介してあげるから楽しみにしててよ」

【友達――――何時かまでは人間の友達がいたけれど、何時からか離れてしまって】
【気がつけば、人間の友達なんて居なくなって久しかったのだが】
【言葉を受けてきょとんとしてみれば、やがてにんまりと笑って】
【軽口に返すのは、同じ軽口】
【――――麗しい女性と手を繋いで歩いたところで、姉妹か何かと勘違いされそうな気もするのだが】


「信じても大丈夫なの?鳴子
そのままその妖怪退治屋に引き渡したら後で怖いよ?」

【じーっと見つめる黒い瞳】
【穴が空くほどに向けられるのは疑いの眼差し――――の、振り】
【口元を綻ばせれば、なーんてね。と軽い言葉】


「拙が、生きてたら。君も生きていれば、ね
“友達”だから信用するよ。人間でもね。楽しみにしてるよ?らーめん
拙が食べられるかどうかは鳴子の口に掛かってるんだから、無理にでも頑張って貰うからね」

【――――それじゃあ】
【大きく羽ばたけば、一気に上空へと舞い上がって。地上数十メートル。その位置から、別れ挨拶変わりに笑顔で手を振るのだろう】
【耳を澄ませば相変わらずお気楽な声で、またね〜なんて聞こえてきそうで】
【羽ばたく際に上を見たならば、山伏服の下に隠された白色の布も目に入るか】

【烏天狗を戦闘に、のっしのっしと去って行く妖怪達】
【今宵の百鬼夜行は、一人の死者を出すことも無く終わりを告げた優しい百鬼夜行だったそうな】
【――――残された一升瓶のお酒。上質な其れを持って帰ったって置いていったって、それは鳴子の自由】
【名残のように烏天狗の妖気を含んだ羽根が一つ、舞い降りたそうな】
/この辺りでしょうか……!
/長い時間、お相手有り難う御座いました―!
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/14(日) 05:25:11.59 ID:Q84gqey7o
>>358

人間の成人が読む本って…………あー、なるほど。
見るだけならいいけどさ、実際いいことばっかじゃないよ、女の子って…………。
女で身を滅ぼして墓に埋もれるなんて間抜けなことにならないように、気をつけなよ?

【妖怪にしてはやはり異様で、しかし一颯の友人としてはいかにも彼らしい発言に、忠告じみた返答をし】
【…………なんだか、この年にして妙に女慣れした発言が飛び出したが、そこには目を瞑るべきか】

妖怪退治屋か…………ま、それはそれで、きみも喜ぶかもね。
言い忘れてたけどぼくの同居人、かなりの美人なんだよ――――。

【その呟きは、聞こえないほど小さなもので。先ほどの会話で、~威には言わなかった事実だ】
【自分の恩人で、長年連れ添った幼なじみだ。手を出されるのは流石に気にくわない、そんないかにも子供っぽい独占欲】
【…………も、少しはあるが。どちらかといえば、妖怪となると気性の荒くなる幼なじみに友人が滅せられないかの方を、一颯は憂慮していた】

あぁ、じゃあまたね、~威!

【そうして、百鬼夜行を引き連引れて去る小さな天狗の影を、一颯は手を振り返しながらき見送る】
【きっとま/裂た、会えことを信じ/けて―――/―】



        【――/―――――――/―/―――
                      ―/――/――/―/―――/"    "】



………………"仕方ない"

【ばちり、と】
【最後に一つ、切り替わって、反転して、逆巻いて――――】


…………今のうちに、櫻の国のおいしいラーメン屋を探しておかないとな。
この辺じゃあんまり見かけないしなぁ…………。

【一颯はこのあと、とりあえず、誰もいなくなった民宿に戻って眠り、翌日昼まで目覚めなかった】
【それは今宵飲んだ多量の酒に加え、その後ちゃっかりくすねた~威の一升瓶をひとりで空けていたことが原因であるらしい】

/お疲れさまでしたー!

360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/14(日) 14:10:37.06 ID:oJxSeTQlo
>>295
/こんな時間に再募集をかけてみるテスト
/8時まで募集してみますが、9時〜10時で落ちます(持ち越しor切り)
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 14:11:13.67 ID:+skkZb9No
【地下道】

【其処を塒としていた浮浪者達へ、唐突にとある悲劇が襲う】
【ざっ、ざっ、と統率された兵団のような足音が全ての始まりであった】

【何だと身を乗り出した中年の頸が飛び、慌てて逃げ出す老人が背後から刺され】
【特殊なマスクで顔を覆った機械兵じみた大柄な戦闘兵団に対し、】
【無能力者たる彼等は抵抗の術を持ち得ない――いつしか後方に屍の道が出来ていく】

【そんな、カノッサ機関所属の証である逆五芒星を身に付ける彼等の掃討作戦は、】
【或いは誰かの捜索にも思える手口であって、死体の顔をいちいち確認している辺りもそれらしい】
【現に統帥と思える姿が奥からふらと現れると、機械兵の一体が掛け寄って何事か耳打ちし――】

ッち、手間を掛けさせるんじゃないよ……悦郭星

【長身の若い女。アッシュグレイの長髪に古びた制帽を被り、鋭い碧眼、頬には大きな裂傷痕】
【黒のビキニトップにホットパンツ、その上から羽織る古めかしいコートは幽霊船の船長に酷似している】
【背に斜めに負うは身の丈を超すブレード、血錆もそのままに幽鬼の刀剣めいていて】

……で、アタシの通る道がこんなに薄汚れてるってのは、可笑しくないかい?

【言葉を聞けば色のない機械の表情に焦りが浮かんだように見え、】
【慌てて指示を飛ばせば、彼女の通行を阻害する死骸がすぐさま脇に押しのけられていく】
【当然のように整えられた道、悠然とその上を歩きながら――止まった足は、雑然と積まれた荷物の前】

【暫し舐めるようにそれを見据えてから、彼女は徐に積荷を蹴り飛ばす】
【粉塵が舞った後、其処には、息を潜めて震える襤褸服少女の姿があった】

…………何だい。 こ汚い生き残りがいるじゃあないのさ――

【背負う巨大なブレードを片手で振り上げて――涙目と薄ら笑いが、交錯】
【まさに振り下ろされんとする鉄槌、果たして、止めるものはあるのか――?】
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/14(日) 14:42:23.85 ID:54HpXpcNo
>>349
(ッ……!! まだ、なんか来るのかよ……!!)

【彼の握られた拳が新たな攻撃を予感させる。ちらりと腕のブレスレットを見れば、緑が2段階目】
【まだ、相手を倒せるほどの魔法が打てないのをほぼ直感的に理解したライラは、手に持った杖で再び打撃を与えようとして――――】

(―――猫ッ!?)

【意識がそちらへと向いたその一瞬で、彼は遠く飛び退いたようだった】
【だが、分かる気がする。彼が退いた理由。この猫が、まるで普通の猫ではないような気が、ライラにも感じられ】
【僅かな危機意識を猫にも向けつつ、灼けた体でもって、彼と対峙する】


―――――待ッ……。

……戦いたいのは山々だが、もう戦いたくねーのも事実だぜ……!!


【猫に、助けられた、のであろうか。或るいは彼が言うように、"呼ばれた"のかは定かではないが】
【止める声も出ず、居るのは男と、6人の男たちだけ。―――救急車を呼ぶために携帯電話を取り出しながら、男は想う】
【明日、突然平和になってくれねーかなぁ、なんて】

/絡みお疲れ様でした!
/正義キャラは、なんか相手様のキャラに対して罪悪感が残ったりしてちょっと怖いです^p^
/ともあれ、ありがとうございました!
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 19:06:48.17 ID:BUicGtH00
【夕暮れ時の街】


だぁー……記憶も金も住む場所もねぇ。人間、何も無いとこんなに不便なんだな


【多くの人々が行きかう、賑わい時の街の一角に】
【人混みの中に紛れている、黒目黒髪の少年がいた】
【学生服に身を包んだその少年は、特に目的が有るといった様子もなしに、頼りなくふらふらと歩き回り】
【やがての事、憩いの場になっている噴水のある広場に辿り着くと、設置されているベンチの一つに腰掛けた】

そろそろ明日の安寧まで危うくなってきたぞ……うーん、いよいよ治安機関の厄介になる時が来たかなー………

【独り言を漏らしながら、少年は財布を取り出し、その中身を改めて確認しようとしていた】
【その時のことだ。その日一番レベルの大きな風が吹き、少年が今、取りだした一枚の紙幣が】
【風に飛ばされ、いずこかへと――――】

どわっ、逃がすかッ!! 待ってくれ俺の命綱ッ!!

【それを追いかけようと急いで立ち上がり、足元も見ずに立ち上がった少年は】
【足元にあった小石に蹴躓き、派手に転倒した】
【少年の前方100mあたりには、先程飛ばされた紙幣が落ちていて】
【つまりまぁ、少年は実に滑稽な状況になっているのだった】

/初めてで粗も多いかもですが、よろしければなんでもどうぞ
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/14(日) 19:37:23.15 ID:O1GSP3H1o
>>363

【クスクスと響く嘲笑の声すらも聞こえないだろう、雑踏の流れは小石一つなどでは止まらなくて】
【人々は遠巻きに少年を素通りしていくだけ、でどこか寂しげな雰囲気と孤独感を、味わうかもしれなくて】
【地面をじぃと見つめていれば、すぅと視界がわずかに暗くなるかもしれなく、て】

【人影が貴方をおおったということの証明で、月明かりの歪む意味合いを伝えて】
【視線を上げてみれば、貴方の目の前に、小柄な形が揺らめくのが見えるだろう】
【膝を曲げて、姿勢を低くしたなら、見上げるであろう貴方と、視線を交錯させて】


わわ……大丈夫なのですか?
めちゃ大きい声聞こえはったから……何事か思わはったのですよ
怪我とかしてはらへんの?どっか痛いとこないのです?


【声をかけるのは長い夜桜色の黒髪を清楚な簪でポニーテールのように纏め上げた非常に小柄な少女】
【白い瀟洒な薄手の着物を羽織った上から濃い紫苑色の着物を羽織って】
【大きな袂と袖には美しい蝶の紋様が鮮やかに刻まれている】

【リボン結びされた黒地の大きな帯は陶器のように滑らかなウエストを誇示して】
【檸檬色の大きな瞳と、やや垂れた可愛らしい目尻と長く美しい睫毛】
【右の目尻に刻まれた桜の花びらの形をしたアイタトゥーが鮮やかに彩られて】

【着物の丈をわずかに揺らして、両膝を地面へとつけたなら】
【白百合のようにしなやかで小さな指先を貴方へとすぅっと伸ばすだろう】
【可能ならば貴方にその手を握ってもらって、二人で一緒に立とうとする】

【―――――150cmにも満たない小柄な彼女、立つことができたならきっと】
【少し視線をさげてようやく、彼女の瞳に触れることができるのだろう】
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 19:56:47.81 ID:BUicGtH00
>>364

くそっ、くそぅ……俺が、俺が何をしたって言うんだよぉ……

【世界からは、嘲りも、憐れみも、悪意も、何も感じられない】
【誰かがこう言った。「好意の反対とは敵意ではなく無関心である」、と】
【記憶喪失で自分に関しては何も覚えておらずとも、そんな事は思い出してしまい途方に暮れていた時】
【少年の視界が、しだいに黒く染まって行った】
【頭を持ち上げ、絶望に染め上げられた視線の先に見つけたモノ――】


あぁ、よかった――


【こんな哀れな己に、救いを差し伸べてくれるモノがあった】
【視界が黒くなったのに反比例するように、少年の心の闇には一筋の光が差したのだ】
【それは美しい姿をしていた。それは魅力的な姿をしていた。それは心を躍らせた】

【彼女の手を取り、その足でしかと大地を踏みしめると】
【少年は、希望に満ちた言葉を紡いだ】



――――お金、飛んでなかった……ッ!!



【金の事の様だ】

【立ち上がった少年はすぐに、紙幣に向かって再び駆けると、こう叫ぶだろう。「獲ったどー!!」と】
【しかる後、やっと相手の方に向き直ると、大慌てで頭を下げるだろうが】
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/14(日) 20:04:27.90 ID:O1GSP3H1o
>>365

【きょとん、と檸檬色の瞳がぱちくりと揺れた、瞬きを一つ繰り返した音が響いたなら】
【長い睫毛が大きな瞳を濡らして、その陰影を美しく飾り立てていく】
【立ち上がって、両手を帯の下で一つに合わせたまま、貴方の行く末を視線で追った】


ふふ、お転びにならはったのにめちゃ元気なお人なのです
どっか怪我とかあらへん勝ったのです?あらはったら、そっちのが心配なのですよ


【小さな口から漏れる笑み、口元で一杯に転がす飴玉のような旋律】
【両手で口元を覆って微笑みの色を浮かべる姿は、上品な教育を施された上流階級の仕草】
【気品を感じさせる雅やかな音律が、ソプラノの声を修飾して】

【頭を下げる貴方に、そんな優しい言葉をかけたなら、貴方の顔が上がるのを待つだろう】
【両手は再び帯の下に、丁寧に重なったなら、淡く切りそろえられた爪先が、薄い桃色の雫を零して】
【見上げる檸檬色の瞳が、貴方へとじぃ、と注がれるのだろう】


せやけど、なんでそんなに慌ててはったのです?
そんなにその紙はんが、大事やったのです―――?


【小首をかしげたなら、長い黒髪がすぅっと素肌に溶けていく】
【貴方の力強い黒髪とまた違った艶やかな色合いの黒髪は、雨に濡れた烏の羽根のよう】
【そこに浮かぶ小さな顔の不思議そうな顔は、小動物のそれに近くて】

【彼女の言葉は、イントネーションが独特で、その音律も不思議な色合いで】
【―――――ソレ以上に、紡がれるその内容もまた、不思議であろう、その紙幣というものを知らないように】
【不思議な色合いをそこに浮かべたなら、疑問の解かれる日を待つかのように】
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 20:23:36.66 ID:BUicGtH00
>>366

い、いや面目ない……うん、俺は大丈夫だ。ありがとうな

【相手の気品に充ち溢れた淑女然とした仕草に、少年は思わず心を打たれた】
【両手で口を覆い、小さな声だけを残す美しい笑い方。帯の下に両手を重ねた、一歩引いた態度ながらも芯のある女性と分かる立ち姿】
【言葉のイントネーションの独特さは、そんなイメージを少し変えているが、またそれが新鮮で心地よいという物】
【近年の「まじウケるー」タイプのギャルが横行する中、なんと貴重な古き良き女性か。あぁ、世の中こんな女の人ばかりになればいいのにッ――】
【――少年は、またまた熱暴走しかけていた思考回路を、なんとか自力で現実世界に引き戻した】
【さて、今度はどうやら、自分が問いに答える時が来ている様子】


うーん、俺にとっては……命綱だな。明日の命をつなぐ為の道標って所だ


【少女は箱入り過ぎて紙幣の価値を理解できていない――まぁ、そもそも存在すら知らなかったのかもしれないが――様子】
【そんな箱入り娘っぽい少女がなぜ街中に居たのかは不明だが、ともかくお礼の意を含めて答えた】
【自分の発言が、相手の純粋で淀みない思考回路に泥を塗りそうなことには気付いていない様子】
【無駄に真剣な表情と言葉は、少女に誤解を誘発するには十分かもしれない】
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 20:24:47.58 ID:+skkZb9No
【海岸】

【ちかちか切れ掛かる電灯が照らす堤防の上に腰を掛けて、】
【すぐ下に広がる、砂浜と紺碧の海を茫洋と眺める、若い男の姿がある】

…………死んだのだろう、か

【――暫し、何かを探すように海辺を見ていたのだが、やがて諦めた様子の彼】
【紅茶色の長髪を右耳の下で緩く束ね胸元へ流し、時折その毛先を戯れに弄っていて】
【両眼は、瞳孔の大きさが揃わない上に妙な呪詛を抱えたオリーブの色彩】

【上衣は紫とオレンジ色のボーダーラインパーカー、下衣はだぶついた灰色のカーゴパンツ】
【焦茶のスニーカーは踵が厚く、真新しい割に損傷が多いという妙な状態で、やけに砂汚れしていた】

【パーカーのポケットに手を突っ込んだまま、適当に足をふらつかせて夜の海を眺める】
【それだけならば不審な点など無いのだが――彼の周囲を照らすのは、電灯の明かりだけではなく】

【黄緑色に灯る奇妙な古めかしいランタン、それが10近く空中に漂っていて】
【幾つかは男の周囲を、幾つかは浜辺を、彷徨うようにサーチライトめいて照らしていた】

【矢張り何かを探していたのだろう――ランタンの光が魔力光で、その元が男であると辿れれば明白】
【もっとも今の彼は献身的なランタンの働きを無視して、ただ茫としているのだが】
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/14(日) 20:33:55.34 ID:O1GSP3H1o
>>367

【貴方の言葉の意味は深くは理解できないけれども、一応その答えに満足したのだろう】
【うん、と小さく頷いたなら、白い首筋に塗る黒髪の毛先が、ふわりと夜風に舞って】
【両手を帯の下でもう一度一つに合わせて、ほほえみを一つ、そこに残した】


それはまた、えらいものなのですねー
そんなに えらいものやったら、めちゃ大切に持たないけないのですよ
うちみたいにお暇な人ばっかりやあらへんのやからね


【そう言ってくすりと歪む彼女の微笑みの色、綻んだ頬に愛らしい色が浮かんで】
【純白の素肌が揺れる、ほっぺたがふわふわと雲のように乱れて】
【小さな耳と、そこに零れる横髪が、くすぐったそうに彼女の微笑みを彩る】

【微笑みから覚める目覚めのように、ぱっちりと大きな瞳が再び貴方を見上げるだろう】
【上目加減に溶けるその形、宵月が照らす檸檬色の音律は、とてもお淑やかな形で】
【着物に身を包む撫子の雰囲気を、ただハッキリと伝えるのだろう】


せやけどお兄はん、親御はんに頼めばええと思うのですよ
その紙はんを何に使わはるかはうちは分からんけど
まだそう年とってはるってこと、無いんとちゃうの?


【不思議そうな瞳、貴方を見つめる言葉の尾尻がしっとりと濡れて】
【やや垂れた右の目元、涙のようにこびりついた桜の花びらのタトゥー】
【清楚な身なりの彼女にしては、少々ミスマッチといえるかもしれない】

【花びらが歪んだなら、そこに浮かぶ色合いが強く染まって】
【見つめる視界のその先の、貴方へと届けば良いと願うのだろう】
【見るからに貴方はまだ、学生で、親がいて当然だと思ったのだが】
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/14(日) 20:35:33.62 ID:aRll5HGKo
【表通りより薄暗くて、路地裏よりはまだ明るい】
【ヒトゴミに揉まれながら歩くのは嫌だけど、死の恐怖とも並んで歩きたくは無い】
【そんな我が儘さんのための、通りから一本離れた、ここは言うなれば「抜け道」】

ううーっ重い、重いネこれ……っ
三人分の食料って、こんなにするものなのネ……

【響くのは、かたい靴底が地面を叩く音と、何やらぶつくさと文句を垂れる声】
【それと、がさがさ。ビニール袋が擦れて立てる、僅かな音】
【それらの主は、おおきな買い物袋を両手で持って、よたよた歩いていた】

【着込むのは古びた黒いコート、フードをしっかりと被って頭を隠し】
【ぼろぼろの裾から伸びる、赤黒ボーダーのニーハイに覆われた足の先】
【機能性なんてまるきり無視したような、底のぶ厚い、真っ赤な靴を履いている、人影】

大体同居人のあたしに断りなくヒト拾ってくるとかさあ、どういうことなのあの子!
「今日からこの子をここに住まわせます(キリッ」って何さ、拒否権ナシかっつーの、っ

【ひとりきりなのによくもまあくるくる回る、尖った唇はノンストップで文句を垂れて】
【その部位だけに意識を集中させれば、前方への注意が薄くなるのもあたりまえ、か】
【よろよろ進む人影は、曲がり角に差し掛かった時、へんな声を上げて急停止】

 【――路地裏ほどの腥さは無いにしても、ここだってじゅうぶん暗くて、治安が悪く】
 【だとすれば、量産型のコワイヒトが徒党を成して活動していても、おかしくは無い】

【結果を言ってしまえば、この人影は、そういうコワイヒトの群れにぶつかってしまったのだ】
【打ち付けた鼻先の痛みに我に返って、「あ、ごめーんネ☆」と言うよりも早く、】
【彼女は、首根っこをひっつかまれて、暗がりの方へ引き摺られていくのだった】

【そこそこ強い力でいきなり掴まれれば、きゅうっと絞まる喉、あげようとした声はつっかえて】
【その代わりに、無意識に手放してしまった、重い袋が「どさり。」】
【低くて響かない音ではあるけれど、この事態を知らせる悲鳴代わりになるかも、しれなかった】
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 20:48:16.96 ID:BUicGtH00
>>369

うん、そうだな。世の中皆が皆、優しい訳じゃないんだよな……

【先ほど人々に受けた残酷な仕打ち(勘違い)を思い起こし、少し体を震わせてから】
【相手の微笑みに合わせる様にして、微笑みを――酷く歪な微笑みを浮かべた】
【この不気味な、というか単に無理しすぎな微笑みを笑って流せたのなら、相手は真の大和撫子に違いない。現状でも十分そう見てとれるが】

【さて、つい今までの少年の笑顔は、歪んで悲しみに満ちながらも、どこか喜劇的な要素で作られていた】
【そこには、オーバーリアクションで場を盛り上げたい意図が有ったり、少年自身が自嘲と自虐を好むタイプの人間であったという理由が有るのだが】

【相手の言葉――「親御はんに頼めばええと思うのですよ」という言葉は】
【決して意図したもので無いにしろ、少年の心に、氷のように冷たく突き刺さった】


あー、そのだなぁ…………俺、親がいないんだよな。それどころか、今は住む所も働き口も無いんだけど


【頬を指先で少し掻くと】
【相手から目を背けて、苦笑いしながら答えた】

【体ではない。その声が、その表情が震えている】
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/14(日) 20:58:46.16 ID:O1GSP3H1o
>>371

【ぎこちなくとも、それが微笑みという体をなそうとしているのならば】
【柔らかく濡れる頬の色、夜に溶ける貴方の黒髪の、熱が冷めるほのかの香りと】
【彼女にとってはその柔らかな表情だけで、微笑みに足ると判断するには十分すぎた】

【―――けれども続く貴方の言葉に、彼女の笑みが溶けた、少しだけ真剣な表情になって】
【望月がそっと、雲間に隠れるかのように、歪んだその色合いを両手でそっと隠すかのように】
【無垢なほほ笑みの水面に、僅かな曇り色が透けて見えた】


……ごめんなさい、うち……めちゃ失礼なこと、言わはったのです
そう……親御はん、おらへんかったん……
とっても、大変やね、お兄はん、まだ若いように見えるのです


【両手がくしゃっと重なった、帯の下で交錯する指筋の音律】
【ピアニストのように細くしなやかな指先は、絡み合う絹糸みたいに】
【体温を感じさせない乳白色の素肌が、少しだけ寂しそうに見えて】

【チラリと視線を見上げたなら、そこに映るのは貴方のまだ幼い横顔】
【やせ我慢のように思えた、声のトーンが震えていたから―――それでも】
【その横顔はどこか強く、気高い、一人の男として写った】


……お兄はん、良かったら……うち、なんか手伝うのですよ
困ったこと、めちゃあらはるやろ、うちで良かったら、なんでも手伝わはるのです
やからね、そんな悲しい顔……せんといて欲しいのですよ


【一歩踏み込んだなら、貴方との距離が肉薄するように近くなる】
【じぃと見上げる彼女の視線が、彼女の言葉が、貴方に接吻するように溶けこむ距離で】
【可能だったら、貴方の手を、その小さく華奢な両手で、挟み込もうとして】

【こちらへと向いてくれたなら、見上げる視線が貴方を写すだろう】
【大きなレモン色の水面、映る貴方の虚像はきっと、まだ幼くも気高い少年期のままで】
【そっと支えたいと思うのはきっと、ただ彼女の本心からくるもの】
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 21:09:25.18 ID:AQqkwKom0
【雷の国 路地裏】

…………そろそろ帰ってくる頃じゃなぁ……あ奴等が…………

【量は多いが短い白髪をバック気味に整え、皺が多い割に肌の色合いが良い、ダボダボの研究衣を着こんだ、細めの目をどこかぎらつかせている、年の頃は壮年程の男性が】
【壁にもたれかかりながら、タバコを咥えてじっと路地裏の奥の闇に視線を注いでいる】

【研究衣の襟の部分には、≪No.6≫と言う刺繍が施されている】

……レギン殿への試作品も、一応の形は出来た事じゃし…………これで一息といったところかの……
この爺の肩に圧し掛かってた急務も、ようやく片付いたかい…………

【咥えタバコのまま、どこか満足そうな笑みを浮かべて、何かを待つ様にその場に立ち尽くす男性】
【闇の中、赤い火の光が、はぐれた蛍のように輝いていた】
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 21:14:26.99 ID:BUicGtH00
>>372

【怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い】
【今まで意識しない様にしていた、何も覚えていないがらんどうの自分】
【それを改めて思い起こしてしまった少年は、ひょうきんな行いで取り繕っていた恐怖を、今一度思い出してしまったのだ】
【何一つ思い出せない事の辛さで、恐怖と言う原初の感情を思い出すとは――なんと皮肉なことか】


…いや……アンタが悪いんじゃない。うん、誰が悪いわけでもないんだよ。だから、アンタは気にしなくていい


【強いて悪い物をあげるならば。それは、今相手に迷惑をかけている自分だろう】
【少年は、自分の事情で少女を悲しませてしまった事に、気付き、そして深く悔んだ】

【少女の細く長く、美しい指が折られ――作られた握りこぶしは、その深い慈愛の心ゆえの後悔を表しているのか】
【少年にとってはそれが、とてもとても、尊い物に思えた】


…………うん、ありがとう。お前みたいな女の子に心配されるようじゃ、俺もまだまだだな


【一歩、此方に踏み込んでくる少女】
【己の手にのびてきた、雪の様に穢れの無い、その純白の手に握られ】
【とてもとても暖かいその手が、心に氷のように冷たく刺さった恐怖を、どんどん溶かしていく気がして】
【思わず浮かべた表情は、今度こそ自然な笑みで有った――筈だ】
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/14(日) 21:24:41.35 ID:O1GSP3H1o
>>374

【交錯する手と手、小柄な彼女はきっと、心の支えにするにはとっても脆いのだから】
【けれども彼女はその華奢な両手を強く、貴方へと依存させるのだろう】
【どんなに小さな存在であっても、どんなに小さい彼女であっても、誰かを救えるのだと信じたかったから】

【滑らかな彼女の素肌の感触、ほんの少しの体温と織物みたいに柔らかい感触】
【クッションなど遠く及ばないほどで、絹糸の如くその表面はきめ細かい】
【ふわふわと羽毛のように貴方の手のひらを泳いだなら、少しは貴方を落ち着けることができるだろうか】


うちみたいな女の子って……なんかめちゃ失礼な風に聞こえるのですよ
……確かに女の子やけど、お兄はんよりはしっかりしてはると思うのです


【むぅとほっぺたをふくらませた、じぃと貴方を見つめる檸檬色の瞳】
【瞼が瞳の色を薄めて、じとーっと貴方を見つめる、少しキツイ色合いを見せて】
【敵意は無い、むしろどこか、親しげな色合いを一杯に含ませて】

【――――彼女自身は、不服なのかもしれない、貴方の言葉に、少し怒った風】
【それでもそこに浮かぶ表情は、どこか柔らかい少女そのもので】
【彼女が怒る姿なんて想像できないぐらいに、その色はたおやかだった】


ねーね、お兄はんお兄はんってゆぅのもなんやし
そろそろお名前教えてくれはって欲しいのですよ


【貴方から手をぱっと離したなら、再び帯の下で一つに重ねる】
【長い袂に刻まれた蝶の紋様が羽ばたいたなら、身にまとう着物の色が歪む】
【濃い紫苑色の着物は、彼女という存在をどこか清楚な色合いに高めるのだろうか】

【学生服の貴方は成長途中のまだラフな輝きをそこに秘めて】
【彼女の目元の桜が揺らめいたなら、花びらのように淡やかな香りが零れる】
【感じるのは甘い甘い少女の芳香、砂糖のように貴方の耳元でねっとりと溶けていく】
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/14(日) 21:30:12.13 ID:BOWN3oNX0
>>373

おおっ!なんだ爺さんかぁ…でもまぁ孵化させる練習台くらいにはなんだろ。

【突然闇夜に響く男の声】
【老人が見据える暗闇とは反対側の暗闇から男は現れる】

【男の腹は多少出てるが太い腕や胸板が肥満ではないことを示しており】
【黒く長く延びた髪や髭はぼさぼさで野暮ったい印象を与える半面、目は鋭くギラギラと光っている】
【大型の自動拳銃と弾装を入れたホルスターと多数の装飾品の形を隠れ蓑とした魔具を装備し】
【タトゥーだらけの肌にじかに来た黒革のコートの背には、四つの国の国旗をかかげた塔の絵】
【額には剣でつけられたような痛々しい傷跡がのこっている】

――て、何だ同業かよ。

【男は並みならぬ害意をもって老人に地被こうとするが】
【6の刺繍を白衣の襟に確認すると、害意が穴のあいた風船のようにしぼみ】
【見るからに肩を落とす】

せかっくよぉ≪卵≫を植え付けれそうな奴が見つかったと思ったのによ。



377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 21:39:49.17 ID:AQqkwKom0
>>376

…………あん、何じゃ一体…………

【つい――――と、男性の首の動きに合わせて、口に咥えていたタバコが、赤い線を闇の中に引く】
【同時に、壁にもたれかかっていた体勢を直し、声のした方角へと向き直った】

――――あぁ、なるほど…………お仲間の腕利きかい

【姿を確認して、男性の表情が微かに強張るが、相手の男の言葉に溜飲を下げた様子で、口からタバコを抜きとる】
【実地を得意とした、機関の戦闘員の一員であると、理解したのだ】

フン…………残念じゃったの?
とは言えまぁ…………お勤め御苦労とは言っておくぞい…………仕事してるのはお互い様じゃからの

【目に見えて落胆するその仕草が面白かったのか、微かに口元に笑みを湛えて】
【それでも、労いの言葉を掛けながら、男性はもう一度タバコを口元まで持っていく】
【吸い込む煙に合わせて、赤い火の光がより一層強く輝いた】
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 21:44:58.03 ID:BUicGtH00
>>375

【生まれたての小鳥の羽毛の様な、柔らかくて、触るだけで壊れてしまいそうな感覚】
【その手に、心をなだめられた様な気持ちになった少年は、どうやら精神の均衡を取り戻したようで】
【相手のその手が離れても、変わらず笑顔を保てる程度には、気分が回復していた】

そうかもしれないけど、男ってのはさ、女の子に助けられるんじゃなくて、女の子を助ける側に回りたい物なんだよ

【少し拗ねてしまった様子の相手に、たじろいで頭を掻いた】
【少年の言葉。幼い男の子なら、誰しも一度は思い浮かべた事のある英雄願望。ヒーローへの憧れ】

【全てを失った今でも原動力になっているその思いは、複雑な理屈をこねるよりも説得力が有るはずだ】


――――名前も、無いんだ。記憶喪失って奴でさ、思い出せないんだ。親も、そもそも居る場所すら、居るのかすら分かんないからなんだ。
だから、お前が名前を付けてくれよ。俺、その名前を使うから


【少女の清楚な姿に反する様な、ねっとりした甘い言葉】
【今度は、その中に混じった冷たい言葉も、受け止める事が出来た】
【ほかならぬ少女のお陰だろうと、どこかでそう思う】

【少年は少女に頼んだ。名を付けてくれ、と】
【自分を自分として確立させるためのそれ。ここから、新しく人生を始める証――】
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/14(日) 21:57:00.80 ID:BOWN3oNX0
>>377

(正確には仕事じゃなくて小遣い稼ぎと好奇心故の行動なんだがー…だまっとこ)

へぇー、仕事してたのか。
終わって一服してると思ったんだが…邪魔しちまったかい?

【医者との約束と自身の興味――それを隠すことに決めた男は友好的な雰囲気でただしゃべる】

あ?あんた6ってことは…確か連絡に書いてたな…名前は確かグラトン=ブルーガー=ウルバヌス。

俺はラスラドーラ=セルピエンテだ、よろしくな爺さん。

【殺気邪魔かどうか聞いたばかりなのに饒舌にしゃべる男】
【無神経な内面がうかがえる】

ところで、何の仕事なんだ?

だれか、待ち人でもいんのか?ソイツと合流してから任務とか…

【≪好奇心≫――猫おも[ピーーー]というが…】
【まぁ少なくとも、この男猫のように可愛いものではない】


380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/14(日) 21:57:14.45 ID:O1GSP3H1o
>>378

【あいにくと彼女は、そういう貴方の思考は深くは理解できないようで】
【それでも貴方の語るその言葉は熱意に満ちた、彩りにあふれた言葉のようで】
【―――緩む頬、だったら許すのですよ、と微笑みを一つつけて、お返しした】


……うち桜≠チてゆうのですよ―――うちの名前
うち、他の人らと、言葉ちゃうみたいやから……良い名前つけれるかわからないのです
でも、それでもええんやったら、うちが……お兄はんにつけてあげるのですよ


【一旦離した手を、もう一度握ろうとするだろう、その両手でぎゅぅと貴方の手を掴もうとする】
【先ほどの貴方を落ち着けるための温もりとは違った、またハッキリとした手のひらの音】
【それはきっと、貴方に辿って欲しかったから、彼女の紡ぐ言葉の意味を】

【記憶喪失=\――貴方が語る貴方の状況は、彼女が想像してるよりもずっと重くて】
【それでも、名前をつけるという行為は、生半な思いじゃ伝わらないから】
【だからずっと、だからきっと、その言葉だけは、伝わって欲しかった】


―――ハヤテ=\―――――うちは、お兄はんにピッタリの名前と思うのですよ
うちが困ったとき桜≠ェ困ったときハヤテ≠ェきっと駆けつけてくれるように

どうやろ、うちはピッタリの名前と、思うのですよ


【――――――ハヤテ、漢字で示すなら疾風であろうか】
【吹き抜ける淡い一陣の夜風、素肌をなぞる柔らかなその温もり】
【白い頬の水面に浮かぶ綻んだ笑み、貴方に向けられた一筋の思い】

【手を下で重ねようとしながら、視線は貴方を見上げて、それはまるで接吻を待つ花嫁のよう】
【桜の名前に相応しい花びらの涙と、桃色の芳香が貴方へと流れ込んだなら】
【微笑みがきらめいた、貴方に注ぐ柔らかな木漏れ日のような温かい微笑みが】
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 22:10:15.63 ID:BUicGtH00
>>380


……あぁ、構わないよ。お前がつけてくれる名前なら、構わない


【少女に取られた手が、彼女とのつながりを再認識させてくれる】
【音が出るほどに強く、強く握りしめられた手は】
【相手の強い想いを――今日出会ったばかりの自分にまで届けてくれて、とても優しく感じた】


ハヤテ=\―――――うん、すっごい良い名前だよ
ありがとう、桜=Bこの名前、一生大事にするよ。そして――――


【楽しげで満足げに、自然な喜びを表すと】
【一度言葉を切り、相手の胸の前あたりに、右手を差し出した】
【小指の立てられたその態勢は、決して破られる事の無い、約束の証】

――――何が有っても、絶対に、お前が困ってたら助けにいってやる。約束だ

【少年が初めて交わそうとする、約束】
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 22:10:17.51 ID:AQqkwKom0
>>379

ん、まぁそれでも間違っとりはせんよ。あらかた片付いたところと言う意味ではの……

【ゆっくりとタバコを燻らせているその姿は、確かに忙しさとは無縁なものに感じられるだろう】
【実際、そこで待機している事そのものが、言うところの『仕事』に関わってくる、逆に言えば能動的にやる事と言うのはそれほどないのだろう】

ほぉ……覚えてもらっとったか。こりゃ光栄じゃの

【名を言い当てられ、男性――――グラトンは上機嫌な様子で呟く】
【別に名が通る事に喜びを覚えるタイプではないのだが、色々と機関の中で活動するにあたって、スムーズになる事は間違いないのだ】
【その知名度も、彼の立場を後押しする物と考えれば、実利の面でありがたい――――そんな思考が働いていた】

うむ……ラスラドーラ、か…………確かお前さんもナンバーズじゃったなぁ…………よろしくの?

【男――――ラスラドーラの名乗りを受けて、グラトンもそれを思い出す】
【具体的にナンバーまでを思い出した訳ではないのだが、自分と同じ、精鋭の扱いを受けている存在だと言う事は察しがついた】
【上機嫌そうに、更にタバコの煙を吸い込むグラトン。ほぼフィルターと言うところまで来て、ようやくそのタバコを地面に放り捨てた】

いや……観察、というか、データの採集じゃよ…………もうすぐ戻ってくる頃じゃ
それと一緒に引き上げて、後はそのデータを検分して…………終わりじゃな

【合流待ちと言うのは間違いではない。ただ、合流してから始まるのではなく、合流すればほぼ終わりと言う事である】
【いわば、グラトン自身の立場としては、お目付役や監督と言った言葉で表現するのが近いのだろう】
【外見通り、彼自身が実働部隊の一員と言う訳ではない。むしろ頭脳や技術が彼の本分である事は、その言葉からも窺えるだろう】

――――そう、終わりじゃな…………機関の、より一層の勇躍が…………もうすぐ、現実の物となるんじゃ…………わしがそうして見せる……ッ!

【瞳が、ギラリと光った――――グラトンの中で何かが昂ぶったのか、その様な言葉を漏らす】
【――――彼自身のその『仕事』に、それだけの自信と入れ込みがあるのだろうと、かろうじてそれは分かるだろうか】
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/14(日) 22:17:16.02 ID:O1GSP3H1o
>>381

【きょとん、と彼女は一瞬、差し出された小指の意味を理解できなくて】
【少しの間を置いて、見よう見まねですっと右手を差し出すだろう】
【これでいいのかな、と小指を立てたなら、貴方にその身を委ねるのだろう】

【袂が大きく垂れた、手首がすぅとこぼれて、着物の袖を揺らめかせる】
【絹糸の奏でる清楚で雅やかな音と、そこに描かれた胡蝶が、羽ばたく時の流れにも似て】
【描く微笑みの形を強く写したなら、そこに刻まれる思いを手繰り寄せて】


約束なのですよ、絶対に、助けに来てくれはるってうち、信じてるのですよ
それでその時はハヤテはんのこと、うちも大事にするさかい――――――


【言葉を紡ぎ終えたなら、一歩後ろへと下がって、くるりと背を向けるのだろう】
【袂が大きく揺れて、背中を向けたなら、リボンのように結ばれた帯がハッキリと映る】
【着物の襟から覗かせる首筋は、幼い少女のままの姿で】

【手のひらに広がる雪景色の片鱗でもあって、そこに浮かぶ処女雪の彩りみたいに】
【横顔をそっとのぞかせたなら、ほほえみ一つを貴方へと託して――――――】
【長い睫毛が垂れた目の片隅を濡らして、彩る姿を美しく飾り立てた】

【そしてそのまま、さよならの言葉を告げて、その場を跡にするのだろう】
【貴方に授けた名前を、何度か口元で、ころころと転がしたなら】
【舌先でとろける蜂蜜のような甘い感触をいつまでも楽しんでいた】


/この辺りでしょうかお疲れ様でしたー!
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 22:24:34.81 ID:BUicGtH00
>>383

【小指と小指の繋がりは、見た目だけではなく、少年の心の深い部分にまで約束を刻みつけた】
【きっと、少年の英雄への憧れと同じく、記憶を失ってなお、忘れられない物になるだろう】


あぁ、またな。桜――――


【今日の日の出会いは、少年の人生を、少し前向きに変えた】
【軽い足取りで進んでいく中、やがての事、少年は一言漏らした】


――しかし、結局明日から、どうやって生活するかなぁ


【明日、なんとか面接させてくれそうな所を探そう】
【そう決めて、少年は、格安のオンボロビジネスホテルへと歩みを向けた】

/絡みお疲れさまでしたっ
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/14(日) 22:28:22.57 ID:BOWN3oNX0
>>382

あぁ、そうだ俺もナンバーズ。
ナンバーは16を貰ってるが――あんたと違ってただの兵隊さ。
替えが利くこと位が取り柄のな。

【自分のナンバーを答えるラスラドーラ】
【グラトンの言葉か、それとも連絡の内容か、戦士の勘か、着ている白衣なのか】
【グラトンを前線に立つタイプではないと考えてるみたいで――】
【少なくとも年齢から…ということはないだろう】
【能力と魔法が科学をしり目に跋扈する世の中では当てになることは少ない】
【街で見かけた幼女がよわい千を超えた仙女ということもある】

【またひどく自虐的なことを言ったものの】
【本人に自分を悲観した様子はない】

データ収集ね…それってもしかして連絡に書いてあったアンダーナンバーの――!?

【質問の続きはグラトンの瞳のギラつきと言葉およびそれに込められた意志に遮られる】

386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 22:37:28.33 ID:AQqkwKom0
>>385

ふむ、なるほどのぉ……結構上位のナンバーじゃあないか……

【言葉とは裏腹のさっぱりした態度を見てか、グラトンは特にそこに触れる事は無く、軽く流す】
【実際には、高位のナンバーともなれば相応の権限が与えられるのが通例だが】
【ラスラドーラが『ただの兵隊』と称するレベルは、どれほどのものなのだろうと、そんな事を考えて】

うん……?
あぁ、まぁ……そうじゃな。そこの繋がりじゃ…………『最強の兵士』が……もうすぐ作られるじゃろうて……
そうすれば、この世界を制する戦いに、勝つだけの力となり……原動力となる…………
――――最後の勝者になるんじゃよ、機関が――――――――ッ!

【昂ぶった感情を乗り越えて。グラトンは我に返った様子でラスラドーラに答える】
【≪No.616≫――――ブラックハートを超えた、更なる兵士の開発。間違いなく、今のグラトンのしている事は、それに関連する事だ】
【グラトンの、その勝利への執念。そして、ほんの一端垣間見えた、狂気――――彼の頭脳が、どこを向いているのか――――】



「――――――――おじいちゃん……」
ん…………おぉ、戻ったかの……!

【その時、路地裏の奥から、子供の声が聞こえてくる】
【その声に反応して、グラトンは嬉々としてその声に答えた――――姿を現すのだろう。闇の中から】
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 22:38:23.89 ID:+skkZb9No
/>>368で再募集します
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/14(日) 22:58:57.85 ID:BOWN3oNX0
>>386

『最強の兵士』か…想像つかないね。
確かあのアンダーナンバーはロボットかサイボーグらしいな。
連絡で確かメンテナンスとか打ってただろ?

たのしみだぜ。毎度、大規模作戦のときは変わったもん作ったりすっからなぁこの組織。
――機関が世界相手に勝つだけの力、ぜひとも見てみたいもんだぜ。


(技術屋ってのは玉に論理感や常識が狂っちまった奴がいるが…爺さんもその口か)
(まぁ、俺が言えたことじゃねーけどな)

【先ほどの動揺、それを隠すように饒舌に言葉を吐き出す】
【もっとも、でたらめばかり言っているわけではない】
【気になるのだ――戦場をかけ屍の山を積み上げ、最後にその頂を飾ることになる者たち――】
【その兵士の究極形が何なのかを!】
【所詮、いくら権限を持とうと戦場を掛ける前線の花】
【散って輝く命だ。どんな高位のものだろうが兵士は兵士】

――――!?

【二度目の動揺。暗闇から聞こえる子供のボイス。】

子供?――老いまさか『繋がり』ってのは…。

【見た目で判断すべきでない】
【そのことはよく知っているし子供の兵士を殺したこともあるが…】
【グラトンがここまで強く思う最強へのつながり】
【童の声はどこかそれから剥離していて…】
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 23:13:47.55 ID:AQqkwKom0
>>388

ほぅ……良くそこまで覚えておったのぉ?
その通りじゃな……奴はサイボーグだった…………それもまた、『最強の兵士』と言う命題への、アプローチの1つじゃよ
……事実、完成度は決して高くないアイツでさえ、最後の戦場で死ぬまでに、上げた戦果は決して小さくないんじゃ…………
(……わしへの憎しみなど、さっさと捨てれば良かったものを……!)

【グラトンは頷きながら、それを説明する】
【『人工強化プロジェクト』――――グラトンの推し進める「最強の兵士を生み出す」為の研究と生産】
【ブラックハートは、その実験体に過ぎない存在であると、グラトンはあっさりと口にした】
【そしてその中で――――戦死したではなく、裏切り者として処断したのだと言う事実は、決して口には出さずに】

……フフフフ…………もし、これが最終的な実用化を見れば…………お前さんにも、その恩恵は及ぶじゃろうて…………
なんでも良いぞ……? 如何な形であっても、最強である事…………それがわしの研究なんじゃからな……!

【戦争は、決して1人の人間だけで勝てるものではない――――グラトンは、それを何度も口にしてきた】
【つまり――――質と量を揃えた戦力を保持してこそ、世界に覇を唱えるに足る力となるのだ――――と言う理論だ】
【ラスラドーラでさえも、素体として考えれば――――1人1人が最強であり、それらが集まった『力』――――確かに、世界を制覇するにはそれだけの事をしなければならないだろう】

――――――――なんじゃ、なんだと思ったんじゃ…………?
わしには血縁者などいないぞい?
「――――終わったよ、今日のテスト……」
{……やっぱり、大した事、無かった……}
<……キキ…………キヒヒ…………!>

【面食らった様子のラスラドーラに、鼻で笑う様な仕草を見せながらも、グラトンは闇の奥からの声を迎える】
【やがて、複数の足音がその場に聞こえて来て、その主たちもその場に現われた】

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女と】

【それぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

【3人とも、派手に返り血を浴びていると言う事で――――何をしていたのか、すぐに察しがつくだろう】

これが、わしの実戦評価部隊、『ネバーランド』じゃ……!
「…………この人、誰…………」
おっと、そうじゃったな…………まぁ、まずは…………

【誇らしげに、グラトンは3人の子供たちをラスラドーラへと見せつける】
【だが、何かを思い出した様に、すぐに懐から何かを取り出し、それを手首で振り出した】
【それは、小さな布の袋で――――振られるたびに、細かい粉の様なものが周囲へと飛び散り、3人の子供たちがそれを吸い込む】
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/14(日) 23:16:33.02 ID:xnhpyE6so
【とある夜の路地裏――――と、その前に 時間は巻き戻る】

【この街の歓楽街は明るいネオンに照らされた人々は楽しげな様相をしている】
【まだまだ、帰るわけにも寝るわけにも行かない。沢山の人がアルコールを纏いながらぶらぶら歩く。そんな人々が沢山いる】

【そんな街の三つ又の交差点。 にある、とある銀行支店の支店】
【1階だけの小さな出張所で今日は営業は無いにもかかわらず明かりは煌々とついている】
【大きなガラス張りの窓。ブラインドが降りていて中の様子は見えない】
【店の道路には、端に二台のミニバンが停められている………】

【ジリリリリリリリリリリリリリリッッッッ!!!】
【警報はけたたましくその交差点に鳴り響く!!店の外につけられた赤い回転灯が辺りを色づける】

【ッッッッッタァァァアアアアンン!!タァァアアアンン!!】
【続いて二発の銃声!  銀行の蛍光灯は真っ暗に落ちる】
【外はその場を離れる者、近づく者、立ち尽くしてカメラを向ける者 様々だ】

【そして、硝子のドアが何者かによって蹴破られる】
【バタバタと何人かがそこから出てくる服装は様々、各々顔を隠して 様々な大きなカバンを背負っている】

【走って走って。何人かが目の前のバンに乗り込む。そのバンはタイヤ痕を残して発進する】
【また数人が次のバンに乗り込む。誰かを待っているのかエンジンを吹かしながらまだ動かない―――】

『クソッッ!自警団だ!クソ!早いな畜生!!』
『いいから行けッっ!仕方ねえよ!出せ出せっ!!』

【逃げる集まる群衆を掻き分けて、その街の自警団らしき人間たちがコチラに走ってきた】
【ギャギャギャギャ!クラクションも鳴らしながらバンは急発進する】

【その数秒後。銀行からボストンバックを背負ったスーツの男が2人出てくる】
【顔をバンダナで目から下を隠している。片方の男は金髪。もう片方は黒髪で赤い目をしている】
【キョロキョロと辺りを見回しながら タイヤ痕と自警団を見て舌打ち】

あー、くそ、チクショウ!仕方ねえよ馬鹿野郎!テメエはあっちに逃げろ 俺はあっちだ

【赤い目の男はそう叫んだ】  【ダァアアン!ダァァアアン!!】
【右手握った拳銃を辺り一面に威嚇するかのように辺り構わず乱れ撃った!!】
【赤い目の男は撃ちまくりながら目の前の交差点に飛び込む!突っ走る】

クッ…!バカヤロウ!ぶっ[ピーーー]ぞ!道あけろ!道あけろつってんだ!!バカヤロウ!!

【鳴り止まないクラクション!!深夜の交差点にブレーキの軋む音!銃声!悲鳴が響く!】
【男は交差点を横切って、目の前の路地に飛び込んだ】
【そして、走る走る 路地裏を縦横無尽にがむしゃらにどこまでも走る】


【―――そして現在、現時刻】

ハァ……ハア……ああ…クソ……疲れる……

【誰の気配もしないジメジメとした真っ暗な路地裏。黒いスーツ、赤いシャツ、黒の細いネクタイ。カバンを地面に落とす】
【やたら背の高い男は背を壁につけながら息を切らす 顔につけていたバンダナを外して呼吸が楽になる】
【目は真っ赤に充血したようにギラギラと妖艶な雰囲気を持っている】

【どこかもわからない路地裏で彼のもとへ来るのは自警団かそれともまた別の何かか………】
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/14(日) 23:19:19.63 ID:99ygNkCw0

【森の中に存在する廃れた教会】
【何時もはアリアが響いている其処だが、今日ばかりはただ無音が支配していて】
【もし、興味を抱いて中へと入ったのならば、丁度割れたステンドグラスが映るだろうか】


「おや――――えっと……宿をお探しの方……でしょうか?」

【不意に投げかけられるであろう声は、よく澄んでいて】
【闇の中――――正確には、照明すら無い奥から現れたのは、一人の修道女】
【争い事でもあったのか、腹部にはうっすらと血に染まった包帯が巻かれていた】
【闇に目が慣れていないのか、明るい黄色の瞳を細くして来訪者の姿を伺おうとしている事が分かるだろうか】
 

「すみませんが、今部屋の方は埋まってしまっていて……
礼拝堂の方でも宜しければ、お貸しは出来るのですが……」

【―――ー生憎、月の位置の事もあってか、その姿はハッキリとは見えず】
【相手の人相が分からずとも問うのは、女性の性格を示しているだろうか】
【ただ休憩場所を求めたとしても、探索に来ただけだとしても、拒む事は無いであろう】
【或いは、何らかの害意を抱いて訪れたならば、先手を取ることも容易で】




【住民も寝静まった小さな街での事】
【ベンチに腰を掛けて夜空を見上げるのは、二振りの刀を腰に提げた少女の姿】
【時折眠たげに欠伸をすれば、視線を辺りへと巡らせて】


「うーむ……まさか宿の主人まで寝ているとは予想外じゃったの
とは言えど、幸いにして今日は暖かいからの。このまま野宿をするのも悪くは無い……かや」

【月に照らし出される銀の髪】
【鋭い耀きを放つ其れは、きっと遠くからでもよく目立つはずで】
【――――一際大きな欠伸。間抜けな声が辺りへと響いたであろう】


「まあ、野宿するにせよ適当に宿を見つけ出すにせよ……じゃ
今宵は何時もより多くの星々が見える故、もう少し眺めてから行こうかの」

【うっすらと涙の溜まった眼を擦れば、再び夜空へと視線を変えて】
【――――漂うのは人外の雰囲気。例え鈍感であったとしても、ハッキリと分かる程で】
【そんな人物が一人空を見上げているのは何処か不審……だろう
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/14(日) 23:32:48.03 ID:BOWN3oNX0
>>389

なるほど…こりゃ学校のペーパーテストを受けてきたわけじゃなさそうだ。

【グラトンへの質問や疑問などは血まみれの彼らをみた途端に消える】
【そして同時に溢れる『害意』】
【それはグラトンへ最初に向けたものと同じ…いな、若干違う】
【今度は明確に『殺気』の様なものが含まれている】

最強ってのがどんなもんかって柄にもなく考えこんじまったが…。
分かりやすくて好きだぜこーいうのはよぉ。

【流動する殺気は嗜虐性を含んでいて――非常に気味悪い瘴気のよう】

【ラスラドーラの口元は大きくゆがんで悪魔の笑みを作っており】
【グラトンの狂気に続き、露呈したこの男の狂気も現すかのようだ】

【そして粉が振るわれ、彼らが吸い終われば再び彼は自己紹介をする】

ラスラドーラ=セルピエンテだ――。

ナンバーは16。

【首の逆五芒星のタトゥーをさらし同業であることを示す】

ネバーランドか。まぁとりあえずよろしく。
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/14(日) 23:35:21.02 ID:ggQKz+Ur0
>>390

あーあ...先越されちまったか。ついてねぇ

【手入れの行き届いてないゴワゴワの髪を書きながら、男が不機嫌そうに近づいてくる】
【血のように赤黒いジャケットに、何年も使われているのかかなり色落ちしたジーパンがよく目立っている】

【先を越されたと言うことから、男も強盗しようとしていたらしい】
【しかしそのわりには、隠れる気など全く見えない服装だ。しかもカバンも何も持っていない】
【持っている物と言えば右手に握っているタバコを模した駄菓子ぐらい】

前盗った金もなくなったしなぁ...
なあ、あんた。悪いけど少しでいいからそれ分けてくれねぇか?

【それ、とカバンを指差して男は話す】
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/14(日) 23:44:57.30 ID:AQqkwKom0
>>392

……これからわしらがぶち壊す、そんなシステムの都合に、時間を割いてやっても仕方あるまい?
良いんじゃよ……こいつらはこれでの……!

【ラスラドーラが滲ませる感情を知ってか知らずか、グラトンは袋を仕舞いこみ、少年の頭をポンポンと撫でてやる】
【その手が血に汚れるが――――むしろグラトンはそれすら喜ぶ様で】

……ま、まだまだテスト段階の域は超えてないんじゃがの?
じゃが、わしの力を以ってすれば……こんなガキでさえ、強力な兵士に仕立て上げるのは訳ない事じゃ……ッ!
そして考えてみぃ? ……この技術が、完全に確立され、正規の訓練や実体的な体力を持った兵士たちに行きわたればどうなるか……!

【その幼い外見を考えれば、ラスラドーラはあるいは、そこに付随する『最強』に疑問を抱くかもしれない】
【だが、グラトンはそれを逆説的に繋げる】
【強化した子供がこれだけの力を発揮するならば――――大人を強化したらどうなるか――――と】

「……こほっ」
{……っ……}
<………………>

【粉を吸い込み、大なり小なり咳き込んでしまう3人だが、すぐにそれも慣れた様子で、ラスラドーラの自己紹介を受ける】

「……シュバルツガイストです。よろしくお願いします……ラスラドーラさん……いや、≪No.16≫」
{……僕は、ジ・エンブリオン……よろしく……}
<…………?>
「…………この子は、クロス・ザ・ルビコン…………喋るのが苦手だから、そこは勘弁してあげて……」

【東洋系の少女――――シュバルツガイストが、ラスラドーラに面々を紹介する】
【その振る舞いから分かる通り、彼女がこの一団のまとめ役を担っているのだろう】
【年齢から考えれば、クロス・ザ・ルビコンの方がずっと上だが――――先ほどから、まともに言葉を発していない様子から、彼女は尋常な精神状態にない事も感じられるだろう】
【3人とも、ラスラドーラの醸し出す雰囲気にのまれる事もなく、平静に自分たちの紹介を終える】

【――――グラトンに至っては、そんなラスラドーラを興味深げに見つめていた。自身も口元に笑みを浮かべながら】
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/15(月) 00:01:07.59 ID:hOzJ6lMX0
>>394

なるほど、確かにすげぇな爺さん。

【三人に向けられた目…気づくだろうか?】
【ラスラドーラとしては機関の思想や考えに何ら興味はなく】
【ただただ、破壊と殺りくの場に身を横たえたいことに】
【彼には思想などなく、また理や義といったものもない】
【機関内にも様々な思想や過去を持ち、純粋に悪とは言えない奴もいる】
【それとは逆、真逆、渦巻くヘドロの塊――ラスラドーラはそういう男だ】

肉体の改造もだが、中身――精神面はどうした?
いったいぜんたい、どんな義務教育やったんだ?

【大人を強化したら――戦いたい】
【自分を改造したいとかではなく、ただ純粋に戦って破壊して嬲って犯して壊して――食らいたい】
【そういうやつなのだ】

ご丁寧にどうも。
ははは、本当にすげぇな。
俺の故郷にだってこんなガキはいなかった。

【害意を解き素直に称賛する】
【あれは興奮したのもあるが、彼なりのテストだったのだろう】

なぁ、グラトン俺たちは勝てるぞ。

【そういった彼の眼は――まるで世界の汚泥を集めて煮込んだようで】

396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/15(月) 00:01:52.56 ID:3TorFlOJo
【ある都市のありふれたファミリーレストラン】

【夕飯時の混雑も過ぎ、客もまばらな店内に些か悪目立ちする小柄な女性が居た】
【服装は黒のロングスカートにエプロン、腰元と後頭部には大きなリボンがあり】
【まあ言ってしまえばメイドさんだ。古い丸メガネをして、ぼろぼろの文庫本を読んでいる】

【テーブルに広がっているのは既に空の大皿。そして飲みかけのコーヒーで】
【まあ、よくある時間潰しの光景か。ただやはり、メイドさんが――なんて言うのはめずらしく】

……、…………おや、もうこんな時間ですか。
あと少しで読み終えるのですが……ホテルが閉まってしまうような、そうでないような
とはいえ先の展開を見たくもあり……、……まあ良いでしょう。

【『多分』―――顔を上げてからそう呟くと、彼女は一度本を伏せてコーヒーカップを手に取り】
【そのまま、ドリンクサーバーへ向かうだろう。――そうそう、彼女が変な理由はもうひとつ】
【それは席の下に置いたトランクケース。そこに、黄銅の刃が煌めく奇怪な武装具が括りつけられているのである――。】

/再利用ですがっ。
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/15(月) 00:19:29.00 ID:ytoB3lue0
>>395

『亀の甲より年の功』……と言うじゃろ?
ま、わしも無駄に年を食ってきた訳じゃないって事だ…………ヒャハハハハハハ――――――――!!

【悪意の純度――――それを言うなら、正にグラトンは好材料な人間だろう】
【かつての手駒――――ブラックハートは、根本こそ異なれど、分厚い悪意の鎧を纏い、それが心までをも侵していた様なもので】
【対照的に、グラトン自身は根っからの――――偽らざる己を以って、この様な狂気的な成果を残している】
【あくまで、そのベクトルは勝利に向いている為、純粋な悪意と言うのはまた違うのかもしれないが】
【側に居るだけで、その歪な精神に侵されかねない、狂気と悪意の存在――――グラトンは、そう言う男だった】

――――――――お前さん、いいとこを突くじゃあないか……!
そう……正にそこじゃよポイントは!!
どんな力があっても、それを活かせなきゃ意味は無い! そして、戦う事を第一にしなければ、その力は発揮し切れない……!
こやつらは、正にそこのところの実験体の様なもんじゃよ……!

【ラスラドーラの疑問――――正にそこにこそ、グラトンが彼等に注力した理由があった】
【その重要性を、グラトンは噛んで含める様に説いていく】

なぁに、実践は苦労したが……理論としては簡単なもんじゃ…………
精神を形作るのも、結局は脳の働きじゃ……じゃから、脳を少しいじったんじゃな……!
そして――――戦いには、それを「究極に目的化」してやれば良い訳じゃ…………それが「欲求レベルに高まるほど」にの……!!

【肉体の強化は――――それこそ、ブラックハートから、そして地道に積み重ねてきた基礎研究のデータから、既に方法は確立されていた】
【精神の強化を、グラトンは「戦闘の目的化」と称した。要は、戦わずにはいられない存在にしてしまう事】
【――――そこに、まだ何かを隠し秘めている様子を見せていたが、そこはグラトンも明かすつもりは無かったようだ】
【更に言えば、薬品などで隷属させていると言う様子もない。そうした、蝕まれてどこかで身を持ち崩している様子も、3人からは感じられなかった】
【否――――クロス・ザ・ルビコンはそれに近いのかもしれないが、シュバルツガイストとジ・エンブリオンは言動もしっかりしている】
【――――最初に彼等に振り撒いた、あの粉も何かの役割を担っていたのかもしれない】

「……私は、櫻の出ですから…………武の道と言うものも……この身に修めてる訳じゃないけど、知ってはいるつもり……」
{……僕たちは、特別な、命……}
<クッ…………クッヒヒヒ……!>

【冷静に、ラスラドーラの呟きに反応する3人。少し疲れているのかもしれないが、受け答えはハッキリしていた】
【どういう調整を受けたのだろう――――確かに、子供特有のあどけなさなどを残してはいるが、その所作は、不気味なまでに機械的な殺意を想起させる】

当然じゃ…………そうじゃなきゃの!!
何のためにわしが生きてるんだか……カノッサに命を捧げてきたんだか、分からなくなるわい……!
勝つんじゃよわしらは!! ……そして、この世界に覇を唱える…………ッ!!

【ラスラドーラの言葉に呼応して、グラトンも瞳を輝かせながら、断言する。己の勝利を】
【狂おしい頭脳は、全て機関の勝利の為に。数多の血を流しながらも、それを覇への道と切り捨てて】
【彼等の悪意は、留まるところを知らなかった】

――――さて、ではわしらは失礼するぞい? そろそろ引き上げ時じゃ……!
「……じゃあ、これで失礼します……≪No.16≫……」
{……帰って、今日は、遊ぼうよ……!}
<……キッキキキキキ……>

【グラトンは、『ネバーランド』と共に帰路に就く】
【彼等が開く覇道――――それは、もう既に現実味を放ち始めていると、その背中は語っている】

/眠気がひどいので、この辺で……遅くまで乙でしたー!
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/15(月) 00:28:10.56 ID:hOzJ6lMX0
>>397

おう、またな。

【笑みを浮かべながら四人を見送る】

あああああああ、くそったれ。
あいつらのせいで欲情しちまったじゃねぇか…誰か拷問して殺さなきゃ気がすまねぇ。

【そして四人が去ると彼もまた夜闇へまぎれ、街の明かりを目指し進んでいった】

/おつかれさまでしたー
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[ !nasu_res]:2013/04/15(月) 20:12:15.14 ID:FDyJxh0m0
【数時間前、各地の自警団や能力者に緊急の救援要請が送られてきた―――その送信場所は】                     



                    【夜の国―――首都ルルーメン=z

【夜の国が誇る巨大な夜都―――ルルーメン。その素晴らしい夜景を一目見ようと訪れる観光客が年々増加している】
【だが数週前に発生した貿易都市カンバラ、エルモ永久凍土での事件を機に国内には緊張感が走り、このルルーメンも例外ではなかった】
【何せ敵自身が次はルルーメンを狙う≠ニ宣言しているのだ―――夜の国政府は多数の自警団員を増員し、ルルーメンの強化体勢を盤石の物へと―――。】
【だが、そんな抵抗をあざ笑うかのように………敵は速く、そして強大な戦力を持って出現した―――。】

【炎、焔、ほのお―――朝が訪れないルルーメンがまるで昼≠フように明るい………それもそのはずだ、街全体が業火に包まれ炎上しているのだから】
【防衛体制が整わぬうちの襲撃―――兵たちは対応できず、浮足立ち後手に回っていく………そして無慈悲に放たれる砲撃、銃撃、剣撃。】

【沸々と上がる煙の先を見上げればそこには全長200を超える巨大な飛行船が存在しており、その下部に搭載されたカーゴよりワイヤーを使って兵や兵器が湧き出るように降下していく】
【空≠ゥらの攻撃―――つくづくカノッサ機関という組織の底知れ無さ≠痛感させられる巨大さだ―――。】

【カノッサの兵に与えられた使命は破壊、そして逃げまどう民を捕獲し飛行船へと連れ帰る事だ………人々の営みを、人権をこうもたやすく踏みにじるのか】
【あらゆる場所から爆音が響き、硝煙が舞い上がり、人々の悲鳴や断末魔が聞こえる―――まさに地獄絵図といった所か―――。】


【そしてその光景を愉快そうに―――まるでオーケストラの指揮者のように見ている影があった―――。】


アハハハハハハハハハハッッ!!いやぁ愉快だねェ、もっと壊して、そしてもっと奪おうよッッ!!
人間てのはこうして壊され、奪われている様がもっとも美しいッ!!僕が望んでいるのはこういう光景さぁぁぁぁぁぁ!

さぁ皆、もっと絶望し、もっと…もっと…もっと!僕にその魂の叫びを聞かせておくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

―――っとそういえばレギン君はこの奥で何してるのかなーまぁそんな小さな事はどうでもいっか、ハハハハハハハハハハハハハッ!

【都市の中央、アルコーン大聖堂=c……数百年の歴史をもつ巨大な大聖堂だ、これを見にやってくる観光客も大勢いる】
【そこに一人の少年がいた、灰をかぶったような白髪を肩まで伸ばし、喪服をきっちりと着込んでいて年齢は15歳程のやせ形の少年だ】
【その瞳は暗く濁った光を灯さない赤色で、瞳孔には−≠ェ浮かび上がっている】
【屋根の上に立つ少年は指揮者のように腕を振るう…轟ッ!!轟ッッ!!すると凄まじい爆炎が幾つも発生し辺りを無造作に破壊していく】
【まるで新しい玩具を貰った子供だ―――この凄まじい爆音、そして少年が放つ強大な魔翌力を感じ取り不思議とこの場に引き寄せられるだろう】

【この場を覆う身の毛も凍るような気配、そして地下から感じる不気味な波動―――恐らく敵の首領もこの近くにいるのだろう………。】
【さて、戦士たちはこの地獄にどう抗う…?】

//遅れましたがこれにてイベントを開始します!VS主催はこのレスに
//真室川&ヒルコの方は指定のフィールドに投下してください!
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/15(月) 20:17:01.79 ID:f+kKwe0n0
――レールステーション

【日の昇らぬ都市に冷たい風が吹き抜ける】
【壁中に張り巡らされた下級の光のマギタイトが不自然な明かりを灯し】
【ロープウェイの停車駅は無機質な光に包まれていた】

「あー、こんな楽な任務で500万なんてマジボロい仕事だわー」

『ふふふ、真室川博士はレギン様のことはあまり好きじゃないみたいですけどね』

【そこに佇むのは二人の男女】

【1人は長髪の少女、黒いインナーの上に半袖のTシャツを着て、下は黒いタイツの上に半ズボンだ】

【もう1人は青年、腰まで届く青い長髪を茶色の布でポニーテールにして、それを赤黄青の布で三叉分けて結んでいる】
【上は長袖のTシャツ、黒地に白の斑模様があり、下はジーンズだ】

【どうやらこの二人はかなり強引にこの駅を占領したようで】
【あちこちに爆撃後の様なクレーターや、焦げ跡、小火が昇っていた】

「しかしどう思うヒルコ、人民なんか拉致っても飯代かかるだけじゃね」

『さぁ? 虫けらの僕にはとても考えが及びませんので・・・』

「・・・気に入らねー、やっぱりバックレようかな」

『もう前金をいただいているのでそれはどうでしょう?』

【どうも少女の方はこの大規模拉致には抵抗があるようだ】
【青年の方も笑顔に少しひきつった物がある】


/まがわ&ヒルコです!
 柊の方、今日はよろしくお願いします!
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/15(月) 20:21:40.30 ID:yxkfFR3lo
>>399

【荘厳なステンドグラスの天蓋もビリビリと響くのだろう破戒の轟音、眉を顰めたのは頭痛の要因が大きい】
【自分達に影響する場所でもない。けれど暴れられるのが癪に触るだけの沢山の理由を、彼等は抱き過ぎている】
【機関。憎めども足りないような憎しみは辿ってみればその根源の多くが所在不明であるとは、この場ではどうでも良かった】

……どうやら、死ぬ準備は出来ていらっしゃるようで。
お似合いですよ、その喪服姿――ではこれから、心の臓を止めて差し上げましょう 

【長身痩躯の若い男。紅茶色の長髪、瞳孔の大きさが揃わないオリーブ色の目には呪詛を抱いて】
【上衣はローブ、下衣は装飾としてのベルトが多いもの、足は高いヒールが尖る革のブーツ】
【黒一色の服装は魔術師というより葬儀屋めいていて不穏であるが、位置取る場所は確かに防衛側だ】

【その片手に携えるは、一振りのガンブレード】
【付属するチェーンの先には、ジャックランタンのシルバーモチーフが取り付けられ】
【黒金の刀身は良く見るとコウモリの片羽を象った形状、というデザイン】

【その装備は、今回の戦闘に当たって拝借したラインアーク財団謹製の武器である】
【彼等を象徴するといえる技術、第3世代魔導回路Accelerate≠ェ組み込まれており】
【それを用いるということは何らかの魔術を行使できる立場であるのだろうが――その実力はまだ掴めない】

/セシルです。よろしくお願いします
/武装に不都合ありましたらご指摘の程お願いします
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/15(月) 20:30:19.04 ID:IqYcIG5ao
>>399

【殺戮、破壊、そして誘拐―――荘厳な首都が荒々しく蹂躙され、叫びが響く】
【その中を一人で、何に動じるでもなく聖堂へと向かっていく姿があった】

【ロングスカートにエプロン姿。腰元と後頭部には大きなリボンがある以外、特徴は薄く】
【強いて言うならそのポーカーフェイスと小柄な肉体が精々という――そう、それはメイドだった】
【見たところ首都の誰かのもとで働いていたという顔ではなく、また正義というタイプでも無さそうで】

……300万という額は素晴らしいですが、この状況でしっかりと払い込まれるのでしょうか。
担当者が連れ去られたので、ということにさえならなければ私としては好し―――

 
  失礼、そちらの方。カノッサ機関の六罪王たるレギン様はこちらにおいでですか?
  私はエリザベス・カーライル。見ての通りメイドですが、かの方所用がございまして
  なので、もしよろしければ……私を地下へ通しては頂けないでしょうか―――。


【小さく、背をスッと伸ばしながら彼女は少年へと頭を下げる。口調もまた、穏やかで】
【ともすればそのまま通してしまいそうな事務感≠ェ強いこのメイド――ただ見るだけでは、武装は無い】
【けれども。信念がなかろうが、一見して武器がなかろうが、果たして通すかといえばそうではないのだろうし】

【それに、頭を下げた際に少年からはチラと見えるだろう。メイドの背に負われた、黄銅の刃が】
【つまるところ、敵なのだ。少年の、カノッサの、そしてレギンの。――エリザベスの足下、編上げブーツがカツンと床を叩いた。】

/エリザベス・カーライルでございま本日はよろしくお願いしますっ!
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/15(月) 20:34:59.14 ID:YZrR+e4Bo
>>399
【いったい、何が起こったのか――?】
【水の国で大会が開催されていた時は、自分のような流れ者の行商人でも、それなりに景気がよくて】
【それ以降、各国の首都や大都市を回っておもちゃ売りをしていた】

【夜の国までやってきて、ここでの商売もそれなりにはうまくいっていた】
【でも、ここにもカノッサの魔の手が伸びてきて。この国での商売もしづらくなってきた】
【だから、夜の国を後にしようと決意し、今夜この首都から他国へ発とうと、やってきた……そうだった。そこまではいい】


ハアッ……ハアッ……う……
いったい……何が……なんでこんなことに……

【炎上する街の中を、人々に混じって逃げ惑う、中肉中背で細面の、いかにも平凡な男】
【少し長めの茶髪、怯えを多分に含んだ青い瞳】
【身を包む白いシャツとその上に羽織った青いジャケット、深緑のカーゴパンツと黒いスニーカー】
【そのすべてが、赤々と燃え続ける炎に照らされていた】

ハアッ……飛行船……カノッサ……カノッサ機関……

【空を見上げれば、途方もなく巨大な飛行船。吐きだされていく、悪の尖兵たち】
【耳をつんざく砲撃音。人々の悲鳴。おびえ切っていた瞳に、わずかながら変化が生じた】

クソッ……クソッ……ふざけるな……ふざけるなッ!!

【自分を奮い立たせるように、叫ぶ】
【自分に出来ることなど、たかが知れている。相手は、世界を向こうに回す巨大組織。自分はただの行商人】
【しかし、この惨状を前にして、恐怖とは別に怒りが、義憤が彼の中に渦巻き始めた】

【気がつけば、足が向かう先は、都市の中央。この惨劇の中でもはっきりとわかる、すさまじい爆炎が発生している場所】
【目前に現れる大聖堂。炎に照らし出されるその巨大の姿。こんなときだというのに、神々しさを感じてしまう】
【そして、屋根の上に立つ少年――彼の放つ炎と言葉が、街を蹂躙していく】

ハアッ……このまま……殺されてたまるか……殺させてたまるかッ!!!

【この場に集まる強者たちから見れば、笑ってしまうかもしれない。威勢のいいことを叫んでみても】
【身体の震えが止まらない。叫ぶ言葉には、やはり怯えがにじむ。怖い。怖い。しかし、それでも】

(このまま何もしないなんて……出来るもんか!!)

【肩に引っかけたままだったカバンを、脇に投げ捨てる。武器らしきものは持っていない】
【しかし、確かに戦意を、敵意を、眼前の喪服の少年へと向けている】
【男の青い瞳が、少年の赤い瞳孔を、そのうちに浮かぶ−≠にらむ】
【足の震えを必死で抑えつけながら】

/ギア・ボックスです。皆様、よろしくお願いいたします!
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[ !nasu_res]:2013/04/15(月) 20:52:18.44 ID:FDyJxh0m0
>>401

【ん?と周囲を爆撃していた腕を止めて、現れた人影に視線を向けてニタァと口元を大きく不気味に歪める】
【大よそ年相応には見えない歪で、暗く、負を纏ったその笑みのまま十数メートルはあるだろう屋根から地面へと落下する】
【ガンッ!見かけからは想像できないような凄まじい衝撃音と共に大地へと着地し、一歩踏み出す。】

ごめんよオジサン―――声が小さすぎて良く聞こえなかったよ………あぁ、何を言っていたか当てようか?

「私を生まれてきたのを後悔するまで破壊してください、どうかお願いします」でしょ?

【気味の悪い笑みを浮かべたままに首を横にまげてそう問いかける………ズ、ズズズズズズズズズズズズズズッッッ!!】
【少年の背にはまるで無数の亡者が張り付いているような―――そんな幻影≠ェ見える】

>>402

【そして青年に肩を並べるようにまた新たな人物が現れる―――青年も中々に異質だがこの女性も純粋な正義の戦士とは違うようだ】
【グリンッ!と少年は首だけを動かすようにして女性を見て、それから大聖堂の長椅子に腰かけるようにして一度考え込むような仕草をする】
【そして礼拝堂の奥にある巨大な神像を指さす―――。】

レギン君ならこの奥の封印区画≠セよ………なーんかする事があるんだってさ―――まぁ僕は破壊が出来ればどうだっていいんだけど
時期に戻ってくるだろうからさ………それまでここで遊んでいってよ………首だけ℃cれば会話は出来るでしょ………?

【見れば神像の脇に地下へと通じる階段がある、長い間使われていなかったのか随分と暗く、内部は伺い知れないが】
【まるで地獄まで繋がっていそうな常闇が、広がっている………何にせよ、この少年は素直には通してくれそうにもないようだ】

>>403

【そしてさらに現れる戦士―――ただ勇敢に、人を救いたいという意思だけを持って現れた青年。】
【だが………少年はそんな青年を一目見ると、口元の歪な笑みを一層深くし、くつくつと喉を鳴らして愉快気に笑っている】
【まるで獲物を前にした野獣だ………。】

おいおい………膝が震えているだけど大丈夫かい………クク………あーどうしてこんな所に来ちゃったんだって
身体が悲鳴を上げているよ………?まぁ僕としては君のような怯えた羊のような人間を………ぷちぷちと手足を一本ずつ抜いて

     じわじわと殺していくのが大好きだんだけどねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ………。

【地の底から這いあがる様な恐ろしい笑い声と共に、歪んだ眼光が青年に対して放たれる―――。】

>>ALL

【そして少年はゆっくりと立ち上がり、一同の前で両手を広げる―――ステンドグラスから差し込む月光が神々しくそれを照らしだす】
【ゾゾゾゾゾゾゾッッ!!歪な殺気が聖堂全体へと侵食していき………それを一同を取り囲むように蠢いて行く。】

そういえばまだ自己紹介をしていなかったね………僕はアベル。
数千年前に聖帝ミーメに斃された魔獣の王………そして今はカノッサ機関のナンバーズNo.2………怠惰なる獣

            アベル・バチカル・ハインラインさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

【ゴッ!!凄まじい閃光と耳を詰ん裂く音と共にアベルの両手から一同に向けて漆黒の電撃が放たれるッ!】
【電撃は黒い爆炎を発生させ聖堂の長椅子を吹き飛ばしながら一同へと迫るッ!速度、範囲、そして威力全てにおいて強力だッ!】
【だが聖堂内部は広大で柱など遮蔽物も存在する、冷静に対処すれば回避する事は不可能ではないだろう】
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/15(月) 21:02:43.15 ID:qc6CfJcG0
>>400

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか。】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【彼らの前へと姿を顕わすのは、そんな形容の出来る人影だった】
【右腕には継ぎ目のない漆黒の装甲が前腕部を覆い、手の甲へと達するその先端部が、戦闘的なまでの輝きを放っている】
【そして同じ手には白銀の太刀が闇に煌めき、】

………貴方達は何がしたいの?
随分と余裕がある様に見えるわ―――

けれど馬鹿な話はこれで御終い。
……貴方達との迂遠な因縁も、ここで終わりにしましょうか―――

【口を開き、問いかけを戦意の其れへと変える】

【思い返すのはかの初邂逅の夜。翠瀑の宝玉を狙うあの少女を迎撃し、決闘じみた戦いに身を委ね……。】
【――――― 寧ろ或る意味では好機だったのだろう。必然的に標的は彼女一人に絞られ、被害の拡大は避けられていた】
【そして禍根を断つという一つの意味に於いて、宝玉の存在は大きな役割を果たす。“機関” の方から迫るのならば、彼女は、追う労力を  】

【問題は、今宵の襲撃が市民の拉致を目的としている事だが……】

(…………変わらないわね、何一つとして。私は私の勝利を求める――――)
(それが、どんな形であっても。戦うことに求めた意味は、未だこの胸の内にある)

【――――――― 目的は眼前敵の最速の撃滅。その繰り返しを以て出来る限りを、目に映る市民総てを救い出す。】
【それこそが彼女の勝利なのだと、己が内へと刻み込みながら】
【解き放つ無謬の戦意は至鋭。吹き荒れる斬撃の嵐の如く、その前触れの如く怠惰な空気を斬り裂いた】

/それでは、よろしくお願いしますっ…!
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/15(月) 21:02:55.98 ID:qc6CfJcG0
>>400

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか。】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【彼らの前へと姿を顕わすのは、そんな形容の出来る人影だった】
【右腕には継ぎ目のない漆黒の装甲が前腕部を覆い、手の甲へと達するその先端部が、戦闘的なまでの輝きを放っている】
【そして同じ手には白銀の太刀が闇に煌めき、】

………貴方達は何がしたいの?
随分と余裕がある様に見えるわ―――

けれど馬鹿な話はこれで御終い。
……貴方達との迂遠な因縁も、ここで終わりにしましょうか―――

【口を開き、問いかけを戦意の其れへと変える】

【思い返すのはかの初邂逅の夜。翠瀑の宝玉を狙うあの少女を迎撃し、決闘じみた戦いに身を委ね……。】
【――――― 寧ろ或る意味では好機だったのだろう。必然的に標的は彼女一人に絞られ、被害の拡大は避けられていた】
【そして禍根を断つという一つの意味に於いて、宝玉の存在は大きな役割を果たす。“機関” の方から迫るのならば、彼女は、追う労力を削ぎ落せる】

【問題は、今宵の襲撃が市民の拉致を目的としている事だが……】

(…………変わらないわね、何一つとして。私は私の勝利を求める――――)
(それが、どんな形であっても。戦うことに求めた意味は、未だこの胸の内にある)

【――――――― 目的は眼前敵の最速の撃滅。その繰り返しを以て出来る限りを、目に映る市民総てを救い出す。】
【それこそが彼女の勝利なのだと、己が内へと刻み込みながら】
【解き放つ無謬の戦意は至鋭。吹き荒れる斬撃の嵐の如く、その前触れの如く怠惰な空気を斬り裂いた】

/それでは、よろしくお願いしますっ…!
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/15(月) 21:07:51.14 ID:IqYcIG5ao
>>404

【少年の指の先――神像の、その脇に位置する階段へと紺色の瞳が向いた】
【つまりはその奥。感じる魔翌力もそれを物語っているようで、かといって焦ってそこへ向かうでもなく】
【最初と同じように頭を下げて礼をする姿などは、やはり正義の使徒などでは決して無い】

【そうしていれば、飛来するのは恐ろしく力強い黒の稲妻。が、メイドは避けず――】

……ええ、かしこまりましたアベル様。
でしたらしばし、レギン様をお待ちさせていただこうかと思います
その間、ただ立っているだけというのも現行の契約に反しますので――

――…………些か、武力行使は嫌いですが致し方無いでしょう。
私ごときで満足して頂けるかは甚だ疑問で張りますが――M4S=B

【その全てを、大剣で受けた。背から絵を掴んで引き抜き、刀身の縮まっていたそれを振るうことで90cmにまで伸長】
【刃だけが黄銅に輝き、『腹』とも『芯』とも付かない位置の鋼が存在しない、奇なる剣】
【名はM4S=\―それを地面へ突き立てれば、何か金属の共鳴するような音が周囲に響き】
【同時に、黄銅の刃は持ち主を守護するがごとく電撃を受け止めて、むしろ帯電し】

【エリザベスは相手の攻勢が収束する直前、重みというものがまるで無いかのように大剣を持ち】
【帯電した刃を、アベルへ向かって大きく振るう――すると、激しく音を立てながら空気≠ェ飛ばされ】
【言うなれば帯電した衝撃波とでも言うべきものが、カノッサNo.2の彼へと向かっていく】

【仮に食らえば、一般人なら数mは吹き飛ばされ――また現在は、電撃の付加効果も存在する】
【成る程、小柄ながらに大味な戦い方がメインということか。しかし武器に反して、メイドは接近を試みることは『未だ』無く――。】
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/15(月) 21:09:52.05 ID:yxkfFR3lo
>>404

――今、何と?

【びし、と空間が罅割れる音がした】
【虚空をズタズタに裂くような雷鳴の中では些細な音。 けれど、】

幻聴、でしょうか……

【No.2。 聞いたような、けれど違うような、自分の知っているのは、】
【――後釜か。 そんな判断が付いたのは、今よりずっと後の事になる】


「オジサン」と呼ばれた、気が。


【ばりィん!!と前方に切り裂かれ開く虚無の黒穴】
【非常なる負荷によって空間を捻じ曲げた其処へ、男を襲おうとする電撃だけが的確に呑まれていく】

【そして雷撃を飲み込めば、バチバチと嫌な音を上げて黒穴の輪郭が揺らぐ】
【その中心が渦を巻き始めて――刹那、空間の虚(うろ)から吐き出されるのは】

【波動弾。 乱気流めいた衝撃を球状に圧縮したそれは、】
【黄緑色の魔力光を尾のように引く、メテオにも似た一発――同時に長躯は地を蹴って】

アベル……覚えました、どうせすぐ忘れますけど。
そして私はセシル“お兄さん”ですよ、このクソガキが――!!

【斬ッ!!とその腹部を切り裂こうと一閃、初撃の波動弾に追随するようなそれは】
【逆に言えば、初撃を回避してしまえば直撃はまずしないのだが】

【当たったにしろ避けられたにしろ、黄緑の燐光を収束し始めるリボルバーは――油断ならない】
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/15(月) 21:18:16.94 ID:f+kKwe0n0
>>405

「ああ!? テメーはっ!!」

『ほう、これは・・・何の因果でしょうね。いえ、因果ではなく必然でしょうか』

【少女はトレンチコートの少女を指さし立ち上がる】
【隣のヒルコと呼ばれた青年は目を見開いた】

「気を付けろヒルコ! こいつただ者じゃねーぞ!」

『存じています、まがわ様。データを見る限りでは近接系の能力者の様ですね・・・でも』

【ヒルコは腰元から鉄塊の様な剣を抜くと】
【カチャリとトレンチコートの少女へ向けて構えた】

『この旧遺物、残光剣なら・・・そう簡単には破壊されませんね。まがわ様、まずは斬られようが刺されようが構わない僕が行きます』

「大丈夫かよ・・・?」

『支援お願いします、矮小な僕ではまともに戦ったら砂塵の如く吹き飛ばされるだけでしょうから』

「おっけい!」

【まがわは警備兵から奪い取った拳銃を構える】
【続いてヒルコがまがわの前に立ちはだかる様に位置取る】

「四天廻召・火車」

【ヒルコの背後に燃え上がる車輪が5つ出現すると】
【輪転しながらトレンチコートの少女の方へ射出される】
【車輪は着弾と同時に炸裂し、ナパーム弾の如く炎を撒き散らすだろう】
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/15(月) 21:19:04.05 ID:YZrR+e4Bo
>>404
く……ううっ……

【耳に響く、少年の笑い声。歪んだ笑顔と眼光。襲いかかる殺気】
【少年の言葉に返答する余裕すらないらしい。足の震えが増す。しかし、眼だけは決してそらさない】

【そして、立ち上がる少年が放つ殺気。月光のもとに晒されたその姿は、大聖堂という場所もあってか、一枚の絵画と見紛うばかり】
【彼の挙げた名乗りが、そんな思考すら、打ち消した】

(ナンバーズの……No.2……!!)

【絶望的と言っていいだろう。カノッサ機関の中においても、確かな実力を誇るナンバーズ、そのNo.2】
【そんな存在を前にしては、この男などアリに等しい】

(だけど……アリだって、噛みつく!!)

【放たれた雷撃を前に、思考が冴えていく。恐怖は消えてはいない。むしろ増すばかりだ】
【しかし、この男とてあらゆる脅威を含んだこの世界で、旅の行商人として生きてきたのだ。荒事に経験がないわけではない】
【回避行動は身体が覚えていた。広範囲を一度に薙ぎ払う雷撃、それを目視した瞬間には、すでに身体は横へ跳んでいた】

【大聖堂の柱の陰へ、飛び込むように身を隠す。吹き飛ぶ長椅子の破片が身を抉り、黒い爆炎の余波が身を焦がす】
【男は、止まらなかった。痛みを訴える身体に鞭打って立ち上がり、右手を自分の左肩に添える】

【すると、その右手が、肩の中へとめり込んだ。奇妙な光景。すぐに引き出された右手に握られているのは、色とりどりのボールが8個】
【スーパーボールと呼ばれるおもちゃ。それを身体の中から引きずり出したのだ。しかし、こんなものでどうしようというのか】

ハアッ……いけ、『スライムボール』!!

【右手を振って、スーパーボールを床に叩きつける。と同時、本来のおもちゃとしての機能を超えているであろう、大跳躍】
【8個のスーパーボールが、大聖堂の床に、壁に、柱に跳ね返りながら、少年へ――アベルへ向かっていく】
【このボールは、狙った相手の身体に当たると破裂し、粘着性を持った液体、いわゆる“スライム”のような形態となって、相手にまとわりつくものだ】
【わずかでも、相手の動きを制限することで、ほかの二人の攻撃を支援する腹積もりらしい】
【ボールが向かう先は、アベルの両手足。それぞれに2個ずつ】

【跳ねまわるボールの軌道は、不規則ではあるが、No.2ほどともなれば、見切れるだろう】
【回避も防御もおそらくは容易。ボールがスライムとしての機能を発揮するのは、身体に命中したときのみだ】
【攻撃の行方を見守りつつ、本人はまだ柱の陰から動かない】
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/15(月) 21:28:46.39 ID:HZzghMzLo
【雲ひとつ無い突き抜けるような深い深い夜の空は】
【真夜中に潜る深い水面のようにどこまでも広がっていて】
【視線を落とせば、その景色を賑やかにする一杯の桃色の模様】

【――――――櫻の国=\―――――その都である桜桃=z
【一年中人の絶えない観光都市は、今日もまた、夜桜を見る人々で賑わっている】
【大通りには櫻がズラリと並んで、皆思い思いに時間を溶かしているのだろう】

【その中に一つ、浮いた人影が見えたなら、その輪郭が縫い止められるかのようにハッキリと映る】


「いや……だからね嬢ちゃん……お金、持ってないの、お金……」

お金はん?お金はんがどうかしなはったのですか?


【活気あふれる露天街の一角、浅黒く日焼けした中年の男性が頭を抱えていた】
【綿菓子屋の看板を掲げたそのお店、何やら少々トラブルがある様子で】
【うーむ、と腕を組む男性の声が、今にも直ぐ側で聞こえそうなほど】

【長い夜桜色の黒髪を清楚な簪でポニーテールのように纏め上げた非常に小柄な少女が声をかけているのだろう】
【白い瀟洒な薄手の着物を羽織った上から濃い紫苑色の着物を羽織って】
【大きな袂と袖には美しい蝶の紋様が鮮やかに刻まれている】

【リボン結びされた黒地の大きな帯は陶器のように滑らかなウエストを誇示して】
【檸檬色の大きな瞳と、やや垂れた可愛らしい目尻と長く美しい睫毛】
【右の目尻に刻まれた桜の花びらの形をしたアイタトゥーが鮮やかに彩られて】

【彼女は何が問題なのかもわかっていないようで、不思議そうに首をかしげていた】
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/15(月) 21:38:44.68 ID:PpkJlNKr0
【街から離れた森の中、蔦に覆われた廃病院】
【元は白かったのだろう身体を皹と蔦で着飾ったなら、三日月のスポットライトがそっと注がれる】
【立ち入り禁止を示す柵は拉げて最早何の意味も成さず、解体途中の建物と機材だけが取り残されたまま】
【中途半端に分断された部屋は蜂の巣のように丸見えで、風化しかけたベッドの上に、ひとかげが】

…………。

【――或いは、置き去りにされたモノのひとつにも見えるのだろうか、ひどくぼうっとした黒衣の姿】

【天蓋を覆う夜よりも冥い髪、長たらしく垂れたならベッドの上でとぐろを巻いて、黒蛇か何かのよう】
【変色した壁を見やるのは右が血色、左が黒色のオッドアイで――ついと時折動くなら、皹を追いかけているだけ】
【コルセットを真似ただけのワンピース、座ってもふぅわり膨らむぐらいには布地を詰め込まれて】
【長めの姫袖で隠した両腕でそっと抱くのは誰かの忘れ物だろうか、医者すら匙を投げるようなテディベア】
【長い靴下が包む足元、爪先を彩る先端のまぁるいショートブーツ、そうっと下ろした床に影を下ろす】
【――首筋と手元に巻いた純白色の包帯、それだけがこの場に合わせたよう】

……何にもないね、つまんない

【隠す壁が存在しないなら、ひゅるり悪戯好きな風に煽られる黒髪も、月光が照らした白肌も、その総てが良く目立ち】
【本来侵入を拒むはずの柵はどうぞとばかりに道を譲るなら、誰かを拒むこともない】
【細い指先が撫でるたびに毀れていくちいさな身体、鈴の音色で響く声音が、夜に蕩けて流れていく】
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[ !nasu_res]:2013/04/15(月) 21:44:22.40 ID:FDyJxh0m0
>>407

【黒い電撃を放ち終えた瞬間の前のめりになったアベルの身体にむけて凄まじい衝撃波が迫ってくる】
【完全なカウンター。アベルはなすすべもなくそのまま吹き飛ばされ、聖堂の壁へと叩きつけられ粉塵が周囲に撒かれる………】
【手ごたえは十分といった所か―――だが粉塵の中から朱く染まった暗い眼光がエリザベスへと放たれている】

クック………カカカカカカカカカカカカァッッ!気持ちいいねぇッ!最高だよお姉さんッ!
あぁ、この身を貫く様な痛み………この破壊の爪痕こそが生きている証拠だろうねェぇぇぇぇぇぇぇ!

ああごめん、お姉さんも感じたい≠謔ヒぇぇぇぇ!死の痛みをッ!!

【粉塵の中から現れるのは喪服が破れ、全身から血を流しているアベルの姿だ………だが顔は快感に酔いしれるように笑っている】
【そして一度床を強く踏みしめるとそのままエリザベスへと突進するッ!―――速いッ!まるで肉体が電撃と化したような凄まじい速度】
【突進しつつ電撃を周囲へと放ち破壊行動を続行し、そのまま接近が成功すればエリザべスの持つ大剣の刃ごとエリザベスを吹き飛ばそうと黒い雷を纏った拳を振るうだろう】

>>408

【エリザベスへと駆けるアベルの前方にセシルの放ったメテオとも呼べる波動弾が迫る、だが―――ッ!】
【ド ン ッ ! アベルは構うことなくその波動弾に突っ込んだ=c……当然直撃した肉体はさらに血を噴き出しているが】
【まるで止まらない、耐久性が異常に優れているのか、それとも別の要因か、この少年は倒れない。】

なんだよーオジサンにオジサンって言って何が悪いんだい?ププ………じゃあ老け顔お兄さん

これでいいかなー?クッヒハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!むしろこっちの方が酷いかぁァァァァ!!

【そして続けざまに放たれるセシルの斬撃―――それが到達する瞬間、アベルの白髪が伸びた<b!!】
【地面に着く程の長さのそれはまるで生き物のように蠢いてセシルの斬撃を受け止める=c……まるで鋼のような手ごたえを感じるだろう】
【良く見れば表面は有刺鉄線のように鋭く尖っており………刃を受け止めたそれはそのままセシルの右腕に巻き付いて切り裂こうとするだろう】

>>410

【依然としてエリザベスへ突進しているアベルの眼前に迫る8つの球体、当然アベルは回避しない………べちゃりべちゃりと四肢へとそれが付着する】
【突進行動自体は止まらないが幾分かスピードは減少できた、これは>>407エリザベスにとっても回避や防御の精度を上げられるだろう】
【ギョロリ、光を灯さない瞳がゆったりと男の隠れる柱へと向けられ―――口元が大きく歪む。】

カカッ!かくれんぼの時間かな?こんな面白い玩具があるならもっと出してよ………片っ端から破壊≠オてあげるよッ!
さぁて、鬼が探しに行くよ………?カカカカカカカカカカカカカァッ!

【ゾワゾワゾワゾワッ!アベルの身体からむせ返るような獣の臭い=Aそして黒い瘴気≠ェ発生し、それは徐々に形を形成していく】
【それは獅子の首≠セ………漆黒の瘴気で形成され、獲物を捉えんとする首だけの獅子が5体………宙へと放たれたッ!】
【そしてそれはギアボックスが隠れている柱へと殺到するだろうッ!もしそのまま逃げなければ5つの獅子の牙で肉体を引き裂かれる事になるッ!】

>>ALL

【アベルが放った黒い電撃と爆炎はいつしか天井へと達し、絵画の描かれた壮言な天蓋をも打ち砕き、破壊していく】
【ガラガラと振りそそぐ天井の残骸、そして美しく差し込む月光―――この戦いをさらに演出するかのようだ―――。】
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/15(月) 21:46:26.42 ID:qc6CfJcG0
>>409

【彼らの会話を耳にしつつ、厭くまで冷静にまた、口を開いて】

この辺りに、街の人達は居なかったの?

貴方達が連れ去ったのか、それとも避難が終わっていたのか――――
……“敵” の貴方達に訊くのは無駄かしらね。

【その言葉を皮切りに少女は踏み込んだ。同時、敵手もまた攻性の行動へと移行して】

(……交わす言葉は必要ない、か。やりやすくもある――――――)

【瞬時の加速から少女は疾走、風の唸りすら引き裂いて二者に接敵―――――】
【眼前に迫った五つの炎輪に対し横構えに太刀を構え、その構えから薙ぎ払う様に太刀を一閃して刃圏に捉えた二つを両断、】
【同時に身を沈め低空から跳躍――――― ほぼ速度を落とさないまま距離を詰めつつ前方に着地、】

【その勢いを転用し、自身から見て右側に体重移動。摺り足の要領で拳銃の射線を外す】
【彼らから見れば、少女が左へとスライドした様に見えるだろうか。そしてその加速に刀身を乗せながら踏み込んで、】

…………ふっ!

【彼らから見て右から左へ、横一線の斬撃を放つだろう。狙うのはヒルコの胴体部。】
【太刀の性質は前回の邂逅から変わらない。凄まじい速度と切断力を誇るが、斬撃の範囲自体は通常の太刀と同程度か】
【乃ち其れは後方への退避が間に合えば、彼にも回避が可能だという事であり】

【同時に機関員の少女の働き次第で、この攻撃が阻止され得るという事でもある。総て、この瞬間の機先次第だった】
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/15(月) 21:58:41.49 ID:IqYcIG5ao
>>413

(あれをモロに受けて尚、あの余裕ですか……見た目で判断してはイケませんね)
(使うのは電撃。それはM4Sで受けるから良いとして、接近戦は―――)

―――問題有りませんね。どうぞ、ご自愛なさって下さいませアベル様。

【相手を打ち飛ばし、手応えはある。しかしその笑顔、余裕が見て取れる態度――】
【決して油断ならないと内心で頷いて――そんな時、瞬間的にアベルが突っ込んでくる】

 【メイド――エリザベスは、あくまで一人のメイドである。格闘や体術の達人ということはない】
 【故に相手の動きはやっと終えたかどうかという程度だったし、明確な反撃が出来たわけではない】
 【しかし、大剣の刃をこちらに向かう拳へ返す事だけは出来る――ここで、M4S≠フ説明をしよう】

【この刃だけの大剣は、恐ろしく頑丈だ。またその構造上、様々な振動などが共鳴しやすい、音叉≠フような作りであり】
【またこれは秘密の――エリザベスの能力だが――理由によって、まさに今、刃は激しく小刻みに振動しており】

【――振動剣だとか、高周波ブレード。そう呼ばれる、凄まじい切れ味を誇る兵器と化しているのである】
【つまり、触れればただでは済まない。刃しか無いから、他を殴ろうものなら在るのは空気ばかりであて】
【また小柄なエリザベスは見事にM4Sの背後にいる。つまり、直接的なダメージは望めず、むしろ拳を裂かれる可能性も在るわけだ】


【といっても、裂けたわけではない。どちらにせよエリザベスは後退か、或いは後方へ吹き飛ばされ】
【粉々になった長椅子の木片に突っ込んで、僅かに呻きながら立ち上がろうとするだろう】
【メイド服の所々が電撃によって焼けていたが、まだダメージは薄いか――しかしその姿、些か隙が大きいように思えて。】
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/15(月) 22:00:27.31 ID:yxkfFR3lo
>>413

【イバラめいた鋼の毛髪、刃で感知すれば即座に引くものの絡み付く幾束に腕を裂かれ】
【紫色が彩る指先まで紅が澑れば舌打ち一つ、】
【魔力を収束したままのガンブレードを手首のスナップで虚空に放り、無理やり髪を振り解くように後退】

…………ならば、私も貴方の呼称を改めましょう
“クソガキ”ではなく”下衆餓鬼”とね――嗚呼、貴様ら機関には褒め言葉か!!

【余裕の証たる口撃を絶やさぬままに】
【瞬間、パッと虚空に伸ばした手がバシィ!!とガンブレードを掌握】

【即座に切っ先を相手に向けて――トリガーに掛けた指、】
【直後に放たれるは、刃の形そのままの魔力弾。いや、魔力槍とでも形容すべきだろうか】

【蝙蝠の羽めいて複雑に曲がった刃型の魔力がそのまま矢のように、狙う先は相手の腹部】
【その一方で、すぐに接近や追撃が無いのは、天蓋の残骸をバックステップで回避していれば当然と言えた】

【傷付いた腕はだらとそのまま垂らして放置している】
【思えば其処は元よりかなりの包帯に巻かれていた。 既に何かしら負傷をしているのかとも思えるが】
【ガンブレードを握り直した腕だって包帯まみれなのだから――早い話が、良く分からない】
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岡山県)[saga]:2013/04/15(月) 22:00:33.80 ID:M/Wvh2jro
【第6銀河系――フォート惑星】

【能力者達が集う星から13万光年離れたところにある銀河系】
【真っ暗な闇と無機質な銀が支配する銀河系にあるその惑星の名はフォート星】
【その惑星は気温が昼間は気温が320度、夜間はマイナス126度といった過酷な環境である】

「ハァ ハァ …… 、 コノホシ ノ ヘイワ ハ ボク ガ マモル !」

【この星の地に大きな震動が走り、大気が爆発を繰り返している】
【名も無き大きな巨人とそれに勝るとも劣らない大きな異星人がこの星の命運をかけた戦いを繰り広げているのだ】

<< コノホシヲハカイシタラ ツギハ ユウノウナ ニンゲンノ イルホシヲ シンリャク シテヤロウ! >>
<< マズハ オマエトコノホシヲ ホウムッテヤロウ ! >>

「ソウ ハ サセナイ ! 」

【異星人が空に飛び上がり両手から真紅の稲妻の様なビームを大きな巨人に向けて発射した】
【名も無き一人の巨人も両手を組み黄色の光線を異星人が放つビームへと発射する】

「ウッ……!」

<<フハハ オマエ モロトモ コノホシノチリニ シテヤロウ!>>

【大きな巨人の放つ黄色の光線と異星人の放つ赤いビームがぶつかり合い大きな衝撃が周囲を襲う】
【やがて巨人の放つ光線は異星人の放つビームに押されていき、巨人とフォート星へと命中してしまった】

<<フハハハハハハッ! ワレニサカラウカラコウナルノダ!ライトニングセンシナド モウテキデハナイ!>>

【星をも覆う大きな爆発、一人の名も無き巨人と一つの惑星がこの世界から消滅してしまった】
【大きな笑い声をあげたこの異星人は宇宙空間を光を遥かに超える速度で飛び、有能な人間のいる星へと侵略を開始した】
【残された時間はあと数ヶ月、襲い来る危機をどう脱すのか?その恐怖は誰も知るものはいないだろう――――】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/15(月) 22:03:31.24 ID:f+kKwe0n0
>>414

「ああ!? 知らねーよ! 私達はこのロープウェイ乗り場を占領しただけだ!」

『まぁ移動の拠点ですからね、こちらにとっても住民の方達にとっても』

【どうやらまだ幼さの残るこの二人は直接は手を汚してはいないらしい】
【それでもこの凶行に手を貸していることに変わりはないが】

『ふふふ・・・斬撃特化の能力、確かに恐ろしいですが』

【金属音が響き渡る】
【合金すらも容易く切り裂くその斬撃は残光剣によって受け止められた】

『アナタは各所で戦いすぎた・・・既にデータは揃っているんですよ!』

【真室川 野槌】
【この二人の背後にいる研究者】
【生物工学のマッドサイエンティストにして、カノッサの能力者開発部門の権威】

【標的の能力等、既に"分析"と"対策"済なのだ!!】

「おらぁっ!」

【ヒルコが斬り結んだ瞬間、まがわが横に飛び出し発砲する】
【連撃とばかりにヒルコの頭上に稲妻の怪鳥が羽ばたいていた】

『四天廻召・雷鳥!』

【紫電が爆ぜ、トレンチコートの少女へ雷鳥が放たれる!】
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/15(月) 22:03:50.08 ID:rKLEkWzao
>>411
/まだいらっしゃいますー?
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/15(月) 22:07:32.13 ID:YZrR+e4Bo
>>413
【放った『スライムボール』は命中。同時に、こちらへと向く視線を感じ取り、心臓をわしづかみにされたような感覚に襲われる】
【四肢にまとわりついたスライムは、多少なら動きを制限できるが、持続力は高くはない】
【その気になれば、振り払うなり、何かになすりつけるなり、取り除くことは容易なはずだ】

(隠れていたって、多分無意味だ……あんな攻撃をまた放たれたら、この柱だってもたないかも……)
(それなら……)

……お望みなら、もっと見せてやるッ!!!

【柱から飛び出す。鼻孔を突く獣の臭い=B青い瞳に映りこむ、獅子の首=B足は止めない。このまま回避を……】

ぐあっ!!! い……つぅ……

【しかし、殺到する獅子の首≠ゥら完全に逃れることは出来なかった】
【その牙に左肩を抉られ、左の脇腹にも牙が掠める。鮮血が飛び散り、痛みに身体がきしむ】

【だが、ここで行動を止めることは、死に直結する。歯を食いしばり、柱から離れてふらつきながら走る】
【頭上から追い打ちをかけるかのように、降り注ぐ残骸。月光の美しさだけは、この惨状の中でも変わらずに】

(このがれきの中なら……気付かれずにいけるか……)

うあっ!!

【床に散っていた長椅子の残骸につまづいて、男が転倒する。無様このうえない】
【が、これは次の行動への布石だ。不自然でないよう、床に伏せるための】
【倒れたまま、男の右手が動く。アベルからは死角になるよう、倒れた身体と飛び散る残骸に隠して、脇腹へ手を沈める】

【引きずり出されたのは、独楽だった。小さな独楽が三つ】
【最低限の手の動きで、それらを投げる。すると、意志を持っているかのごとく、独楽が回転しながら地面を走っていく】
【さらに、独楽の周囲から薄い刃が飛び出した。回転する刃と化した独楽】
【不規則に蛇行し、散らばる残骸を避けながら、向かう先はアベルの両足】

(頼むぞ……『スピンブレード』……)

【独楽から飛び出した丸い刃で、相手の足を傷つけて、機動力を削ぐ狙いだ】
【が、所詮は独楽。何らかの衝撃を受ければあっさりとはじかれ、機能停止してしまう】
【しかし、機能停止するまでは、アベルの足元を走りまわり、幾度も足を切り裂こうとするだろう】
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/15(月) 22:10:05.62 ID:HZzghMzLo
>>419
/ここにいますよー
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/15(月) 22:17:36.14 ID:rKLEkWzao
>>411

【無邪気なトラブルメイカーの少女、そして善良な菓子屋の主人の妙に困った様子の二人】
【その二人に助け舟をよこすように、突如その青年たちがゆったりした様子で現れた】


―――このへんムクと二年前に来たときさぁ〜、めっちゃうまい和菓子屋があったんだよ
ひーこら言って協会の本拠地まで棺桶運ぶ事1ヵ月くらい?もーあの時は大変で……

「ふーん……俺あんまりこの辺に来たことなかったんスよねェ〜〜
しかし平和な町ッスね……ん?」

【さらっとした柑橘系の整髪料の匂いが漂うさらっとした茶の短髪にきりっとした目に真っ赤な瞳に整った鼻筋】
【水色の質素なシャツを白い柄シャツの上から羽織り、ひざ下まで伸びた黒よりの灰と黒のストライプのハーフパンツに赤のスニーカーの青年】
【肩にはリュックサック風のバックを持ち、首には赤いマフラーを巻いている】
【その青年は全長2mほどの上から見ると細長い六角形のような形をした重厚な箱…人一人が入れそうな高級感の溢れる箱を引いていた】

【そしてその隣―――灰の髪がはみ出る頭のタオルは今まさに仕事から帰ってきたかのように薄汚れており】
【その下に雄々しく、鋭さを感じさせる目が覗きこむ・・…首には竜の牙が埋め込まれた赤い宝石のペンダント、腕には紅白のリストバンドを巻いていた】
【鍛え抜かれた上半身を包む、白かったのが同じく泥で汚れたタンクトップの上に、背中に『不退転』と描かれた赤色の真新しいジャンパーを着て】
【膝が白く色あせた青のジーンズ、そして便所サンダルという奇妙なガテン系スタイル、そんな外見の青年が胸に茶色の犬を抱いている】

【ふと、犬を抱いたタオルバンダナの青年の方がその奇妙な一悶着の存在に気が付くと】


「おう、そこのあんたら、何をもめてんスかぁ〜〜、困り事かよ?
もしよければ俺らが手ェ貸すけど、なんだ、ケンカか?力仕事ッスかぁ?」

力仕事はともかく……まずお菓子頂戴!後それから問題事を解決するよ


【無鉄砲ないかつい印象の青年と、奇妙なくらいマイペースなほわほわした青年】
【その二人は屈託なく笑いかけながら近づいてきて、力を貸すと持ちかけて来る】
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/15(月) 22:17:54.71 ID:rKLEkWzao
/追記
/ではよろしくおねがいしまーす
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/15(月) 22:24:26.54 ID:HZzghMzLo
>>422

【近づく2つの人影に、彼女たちの視線が傾くのだろう】
【男性の顔がぱぁと輝いて、少女の方はぺこり、と丁寧にお辞儀をしたなら】
【簪で射止められた淡やかな髪の色、夜にこぼれてふわりと流れていく】


「いーところに来たな……ほら、兄ちゃん達の方からもなんか言ってやってくれよ……
この子どうにもお金持ってないみたいでさ……こっちも困ってるんだよ」


【そう言って男性はうーむと腕を組むだろう、綿菓子の値段はそう高くないのだが】
【彼女の方へと視線を落としたなら、未発達の大きなレモン色の瞳がその視線を交錯させる】
【やや垂れた目尻は幼さを強く強調させて、長い睫毛がその彩りを高める】

【彼女は顔を上げたまま、両手を帯の下で一つに重ねて、どうかしはったの?と小首を傾げるだろう】
【小動物のように可憐な動作、零れる桃色の香りが、ふんわりとこぼれていったのなら】
【白い首筋を飾り立てる着物の襟、包まれた淡やかな姿は、令嬢と言っても過言ではないほどに】


お金はん、お金はんゆわはるんやけど……うち、そういうの良くわからないのですよ
ねぇ、お兄はんら知ってはる?せやったら、教えて欲しいのですよ


【淡い頬の色が塗れる、純白の素肌は柔肌の色合いを薄く伸ばして】
【無垢な白いほっぺたが、わずかに体温を感じさせたなら、そこに映る微笑みの色をひずめて】
【とても独特の言葉遣いは、少々判断するのに、苦しむかもしれないけど】

【バンダナの青年が近づいてきたなら、彼女の瞼が落ちる、ニッコリと笑みを浮かべたなら、すっと両腕を支えるだろう】
【貴方に抱いてもらうかのよう――――――差し出した両手は、貴方が抱える犬に向けられたもので】
【抱きたい、と告げるかのよう、くったくのない微笑みが、やわらかな色を濡らした】
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/15(月) 22:27:47.90 ID:pZBzsuQJ0
【UTのお店――――その扉の前で、店内をぼーっと見つめるのは一人の少女】
【所々破けた白いワンピースに、白髪の髪。これまた肌も白なのだけれど――――その瞳は、不吉の赤色で】
【攻撃を加える訳でも無く、扉を叩くわけでも無く】
【何のリアクションも起こさないその様が、逆に異質であって通りかかる人々の視線を集めていることだろう】


「ここ、で、合ってる?
……うん、多分、ここで、大丈夫」

【手にしているのは、何か文字が綴られたメモで】
【――――しきりに視線を上下させれば、何の感情も浮かべない表情でこくりと一度頷くのだろう】
【……だけれど、やはりそれ以上のアクションは無くて】


「えっと、誰に、会えば、いいのか、書いて、ない
勝手に、入ったら、悪い、子?」

【許可無く入れば、きっと怒られてしまうから――――だから、入れない】
【何となく、吸血鬼じみた考えであるけれど、背伸びをして店内を伺ってみたり、小首を傾げてメモを見つめ直してみたり】
【――店内から外が覗けるならば、或いは、扉を開ければそんな異端者の姿が目に留まるであろうか】




【森の中に存在する廃れた教会】
【何時もはアリアが響いている其処だが、今日ばかりはただ無音が支配していて】
【もし、興味を抱いて中へと入ったのならば、丁度割れたステンドグラスが映るだろうか】


「おや――――えっと……宿をお探しの方……でしょうか?」

【不意に投げかけられるであろう声は、よく澄んでいて】
【闇の中――――正確には、照明すら無い奥から現れたのは、一人の修道女】
【争い事でもあったのか、腹部にはうっすらと血に染まった包帯が巻かれていた】
【闇に目が慣れていないのか、明るい黄色の瞳を細くして来訪者の姿を伺おうとしている事が分かるだろうか】
 

「すみませんが、今部屋の方は埋まってしまっていて……
礼拝堂の方でも宜しければ、お貸しは出来るのですが……」

【―――ー生憎、月の位置の事もあってか、その姿はハッキリとは見えず】
【相手の人相が分からずとも問うのは、女性の性格を示しているだろうか】
【ただ休憩場所を求めたとしても、探索に来ただけだとしても、拒む事は無いであろう】
【或いは、何らかの害意を抱いて訪れたならば、先手を取ることも容易で】
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[ !nasu_res]:2013/04/15(月) 22:33:14.13 ID:FDyJxh0m0
>>415

【バシゥゥゥゥッ!という音と共にアベルの拳が手首辺りまで裂け、そこから鮮血が吹き出し大聖堂の壁を赤く染めていく】
【アベルは一度きょとんとした表情でそれを眺めたが、直ぐに口元に大きく笑みを作りきゃっきゃとその血が出る様を見て笑っている】
【まるで幼い子供だ―――否、この無邪気な破壊衝動≠アそがこの異常な耐久性と攻撃翌力へと繋がっているのかもしれない】
【自身の破壊すら喜ぶ狂気が、痛覚すらも麻痺させて………だがそれでもダメージが通っている事は確かだ。】

ギャハハハハハハハハハハッッッ!!良いねェお姉さんッ!最高だよッ!
嗚呼、今の僕は最高に醜悪で、無様で………これこそ僕と言う破壊の権化を象徴すべき姿だ………気持ち…いい…!

ほら、もっと気持ちよくなろうよ………お姉さんッ!!

【ズルッ!避けた手首の中から何かが飛び出す―――それは全てが黒く染まった漆黒の刃だ………何故そんなモノが体内から】
【どうやらこの少年はおおよそ人とは違うようだ………アベルはその切先をエリザベスへ向ける………そして】
【ドンッ!その刃がエリザベスの右肩に向けて、アベルの手首からまるで蛇のように伸びて放たれたッ!そしてそれがもし突き刺さればそのままか振り回し、壁へと叩きつけようとするだろう】

>>416

【エリザベスへと黒い凶刃を放っている間に腹部を強烈な魔翌力の槍が貫き、アベルは一度よろけるが、直ぐに首をセシルへと向ける】
【口からダラダラと血を流しながらも笑うその姿は正しく怪物≠セ―――その瞳はただ破壊の対象のみしか映さない】
【−≠フ入った暗い瞳孔がセシルの顔をジッと見つめる。】

老け顔お兄さん≠ヘ随分と疲れているみたいだけど………どうかしたかな?やっぱり歳のせいもあるのかな…カカッ!
もう楽にしてあげようかぁぁぁ!?カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカァッ!!

【愉しそうにゲラゲラと笑うと右足をセシルのいる方向へと撃ちだす―――すると螺旋状に黒い衝撃波が発生し長椅子や瓦礫を巻き上げながら】
【そのままセシルの胴体を撃ちぬこうと迫っていくだろうッ!!】

>>420

【セシルへと衝撃波を放ち右脚を上げていたためスピンブレードは右脚には命中しなかったが、左脚には見事命中し、ブチブチと筋を裂く音が聞こえる】
【アベルはじっとりと視線を下に降ろすと、もう一度脚を切り裂こうとしているスピンブレードへと血が流れる脚を振り上げ、そして振り降ろす】
【そのまま踏みつけて独楽を粉々に破壊しようというのが狙いだろう。】

全く、君はさっきからちょこまかちょこまかと………鬱陶しいなァ………じゃあそろそろ解体≠オちゃおうかな
さてさてどんな声で鳴いてくれるのかなー楽しみだなーフフ、フフフフフ………。

【そして床に倒れている男へと先ほどセシルの腕へと巻き付いた蛇のように蠢く鋭利な長髪を放ち、四肢に撒きつけようとするだろう】
【それが成功すればそのまま締め付けを徐々に強くして四肢を徐々に、徐々に引きちぎろうとしているッ!】

>>ALL

【三人へと攻撃を仕掛けながら、アベルはゆったりと頭上へと左腕を上げる―――天井が割れ、月光が差し込む夜空へと】
【まるで一つの芸術品のように、周囲を瓦礫で覆い虚空へと手を掲げる。】

さぁて―――そろそろ遊び飽きたし………もう壊しちゃってもいいよね………?フフフフフフハハハハハハハハハハ。
世界が壊れ、世界が割れ、そしてそれが新たな破壊の芽となるのさ―――。

【夜空を見れば―――これは一体なんだ?夜空にヒビが入っている=c……まるで硝子のようだ、空間そのものが、崩壊している】
【ズズズズズズズ、それは次第にアベルの左腕へと集まっていき―――その世界の破片≠ヘアベルの左腕へと取り込まれていく………!】

【膨大な、空気が振動するようなエネルギーの胎動がアベルへと集まっていく―――言うまでもない、これは危険だ。】
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/15(月) 22:43:34.27 ID:rKLEkWzao
>>424

【ちらり、と二人の青年が互いに顔を見合わせて】
【茶髪の青年の方が右の手のひらを前に上げると、指を曲げて上下に振り、すっからかん、のジェスチャーをすると】
【ハア、とため息を突きながら、右腕で犬を抱いたまま左手で尻ポケットの財布を取り出すと】


「しょォォ〜〜うがねえェェ〜〜なァァ〜〜、俺が偶然一山当てて
羽振りが良かったことに感謝するんスね……おら店主綿菓子!3つ!」

――やったぁ!ありがとうムク!さっすが俺の弟分!


【しぶしぶ、という様子でタオルバンダナの青年がお札を一枚取り出して店主に差し出すと】
【釣りはいらない、というジェスチャーをしてそのまま財布をしまう、一方で茶髪の青年は紫苑色の着物の少女の前に出ると】
【実に神妙そうな、というか腑に落ち無さそうな疑問の表情を浮かべながら、じーっと少女を観察し始める】


以前にもお金の価値が全くわかってねーってくらい気前よく差し出してきた子がいたんだけどさ……
お金の存在自体を知らないってケースは俺も初めてお目にかかるなあ、でもこの子、貧乏人にしては
妙に身なりが良すぎだよな……?

「……奇妙なガキッスねェ〜、なんだぁこいつ……ん?おうどうしたお前、こいつが気になるのか?」


【ガテン系な青年が抱きかかえている犬、犬種はどうやらトイ・プードル……性別は雌のようだ】
【腕に抱かれていた茶色の毛の犬はこちらの様子をうかがう着物の少女にわんっ、と応える様に甲高く吠えると】
【わしゃわしゃと前後の両足を活発に動かして近付きたそうにしている、じゃれたがっているのか】
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/15(月) 22:46:07.28 ID:IqYcIG5ao
>>426

【黄銅の刃にこびり着いたアベルの血液が、小刻みな振動によって振り落とされる】
【それは運悪くエプロンを汚してしまい――用途しては正しいものの、僅かに表情が歪む】

異常性癖にお付き合いする程私は暇ではございませんので、御免被ります。
もしどうしてもとおっしゃるのであれば私を雇った上でおねがい致します、アベル様
ただし、現状でそちらに付けというのなら一億と飛んで300万を頂きますが―――ッ!

【肩を狙った刃の一撃を、大剣によって逸らすことで表皮を削がれる程度になんとか収め】
【伸びきった漆黒の刃を今度はM4Sによって切り落とそうとも画策しながら】

【―――タンっ、とエリザベスはわずかに飛んで、そのままアベルへと突っ込んでいく】
【走るのではない。彼女は大剣に乗っていた。剣の刃に足を乗せて、まるでサーフィンのように】
【先ほど衝撃波を飛ばしていたが、その応用か――走るよりも余程速く、彼女は迫っていき】

【やがて余程の邪魔が入らない限り、力の収束を続けるアベルへと――】
【サーフボードと化したM4Sで、全力で突っ込み、同時に離脱しようとするだろう】
【それは切れ味がどうというより、体当たりに近い一撃。ダメ押しの一撃でしか無い】

【またこの状況で突っ込んでいくというのは、まさかポーカーフェイスのメイドがするはずもなく】
【相手の攻撃を予測した上で、敢えての特攻だったということは―――まあ一応、記しておく。】
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/15(月) 22:51:30.64 ID:HZzghMzLo
>>427

【店主は感嘆の声をあげて、青年のその行動に感謝の気持ちを示すのだろう】
【すぐさま綿菓子を手にとって、まとめてその青年へと渡すのだろうか】
【そうして手渡される綿菓子、少女の大きな瞳が、じぃとその白色へと染まっていく】


これが綿菓子ってゆわはるんやね、なんやろ不思議なものなのです
ふわふわしてはって、全然重くなはらへんのですよ


【彼女は、と言えば手渡された綿菓子に興味津々といった様子で】
【その幼げな表情一杯にわぁと声の出そうな思いを詰めてこんでいる】
【そうしたならもう一方の手がすぅと伸びた、白波のように透明な澄んだ色の手】

【紫苑色の着物に刻まれた蝶が羽ばたいたなら、大きな袂から零れる小さな手が満ちる】
【何を思ったのか、彼女はもう一方の手を、綿菓子へと突っ込んでしまうだろう】
【それは絡みつく茨のよう、彼女の無垢な左手へと、絡みつく白いワタ達】


どないしよ、お兄はんら……これって何なのです
べちゃべちゃしはって……めちゃ気持ち悪いのですよ


【一旦プードルはお預けであろう、そう言って過言ではないぐらいに、彼女の状況は少し危なっかしくて】
【左手を突っ込んだなら、綿菓子の水面から出して、絡みつくその片鱗が、あまりおきに召さないようで】
【少し困ったような表情で、2つの青年たちへと視線を向けるのだろう】

【――――――世話が焼ける、かもしれない、それでも彼女はとても不思議そうな色合いを見せて】
【お金が無いというわけではなさそうだ、身なりもしっかりとしていて、むしろ高級感の漂う着物姿】
【ただひたすらに、常識が無いのか……もしくは】
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/15(月) 22:53:18.47 ID:qc6CfJcG0
>>418

【“彼らは誰一人として連れ去っていない”、】

……そう。なら私には……本当に僥倖だったわ。

【安堵めいた柔らかな吐息と共に、穏やかに浮かぶ小さな微笑。】
【―――――――――― これで戦いに、この夜の意味に専念できる。】
【彼らの迅速なる打倒に徹しながら、救助と撃滅だけを想える――――】
【そう瞳は修羅を宿している様でもあった。冷徹なまでの剣気を滾らせ、研ぎ澄まされた戦意が大気を冷やして】

【鳴り響く金属音、封殺される驚きの感情、標的の不利を告げる言葉に、少女は戦意めいて鋭く微笑って、】

情報(データ)、分析、対策、数の優位―――――
どれもこれも下らないわ。

昨日までの私如きなど、今の私の敵じゃない。“孤剣” は絶えず研ぎ澄まされ続ける――――――
……其れを、この夜に教えてあげる。

【切り結んだ体勢から左に半歩躰をずらし、その反動から残光剣を太刀で圧して】
【“推し込む” 其れに腕の力で下方へのベクトルを加え、それにより刀身を残光剣添いに滑らせ再度斬撃―――― 垂直に打ち下ろす形でヒルコの右の肩口を狙う】
【ヒルコの戦闘技術次第ではあるが、そう回避の容易いものでもない。いち早く察知し、刀身を弾く様にしたならば、

【其れは最速での打倒を図るがゆえに、】

(―――――――…………く……っ!)

【銃弾だけは太刀を振り下ろした右腕の装甲で弾き受け流すも、雷の鳥までは防ぎ得なかった。】
【帯電して激痛に苛まれる全身、意識を貫く白熱の電流――――】
【或いは、其れはヒルコにも伝わるのだろうか? 彼から離れようとしない限り、“切り結んだ” 体勢は持続しているのだろうが】


【…………何れにせよ、彼らの好機は訪れる。】
【直撃した稲妻の鳥。効率的だが、少なからず自らの躰に負荷を強いる身体操作。】
【……直後に若干程度の隙が生じる事は、彼女にすらも必然であり。】
【異常なまでの速度のなかで、其れは一定の意味を持つのかも知れず―――】


/すみません……銃弾とかなら狙う場所を、雷の鳥とかなら移動方向を、だいたいでも描写して頂けないでしょうか…orz
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/15(月) 22:54:51.17 ID:qc6CfJcG0
/
…ミス。

【ヒルコの戦闘技術次第ではあるが、そう回避の容易いものでもない。いち早く察知し、刀身を弾く様にしたならば、

【ヒルコの戦闘技術次第ではあるが、そう回避の容易いものでもない。いち早く察知し、刀身を弾く様にしたならば、其れも十分に可能なのだが】

…です。
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/15(月) 22:55:45.06 ID:yxkfFR3lo
>>426

――っ、喰らったならば大人しく死んで貰えませんかね……ッ!!

【“怪物”たるその異様な姿に、眉を潜めたその一刹那】
【襲い掛かるは黒い衝撃波――ガンブレードで受け止めんとするも流石に限度がある】
【ぐぐ、と持ち堪えかけた足が崩れ、後方の壁に激しく打ち付けられればかふと呼気が吐かれた】

【砂煙が晴れた先――壁際の、さながら供物の様な彼の姿】
【だらんと下がった頸、紅茶の長髪が幽鬼めいてその表情は見えないが】

…………歳相応に……、言葉に酔い痴れたいだけの、餓鬼か……
ッ、ハハ――No.2を張るには随分、尻の青い坊主でいらっしゃる!!

【相手の若さを付く罵り、それで少しなりとも此方へ気を引ければ、次の行動も成り立ちやすいか】
【僅かな髪の隙間から覗いたのは呪詛を孕んだ“目”――それが初めて、相手をまともに見据えた】

【視線があってしまえば、人により様々な効果を齎す呪いの魔眼】
【束縛であったり、暗闇であったり、或いは幻覚を見せたりと、何にせよ良い方向には向かない】

【――全ては精神力で振りきれる程度】
【だが長くその視線に晒されれば、それだけ強く呪詛を浴びる。 辛い物が在るのは間違い無い】
【少しなりとも相手の集中を阻害出来れば良いのだが、果たして通じるのか】
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/15(月) 23:04:50.28 ID:YZrR+e4Bo
>>426
【振り下ろされた足に、『スピンブレード』は三つともあっさり踏みつぶされる】
【しかし、わずかながら効力は発揮して見せた。その事実でわずかでも自分を奮い立たせて】
【肩と脇腹の痛みをこらえながら、虚勢を張る】

つ……小技でネチネチ戦うのが、僕のやり方なもんでねっ……

【身体能力は一般人の域を出ない男にとっては、この戦い方を選ばざるを得なかった】
【相手が、カノッサ機関のNo.2なれば、なおさらだ】
【だが、所詮は“アリの噛みつき”に過ぎず。アベルがうっとうしいアリを排除しようと動く】
【それを目にして、あわてて起き上がろうとするが、伸びてくる長髪のほうが速かった】

うわ!! な、何をする気だ……

【四肢に巻きつく長髪。動きを完全に封じられる。抑えつけていた恐怖が噴き出す。震える声音】
【自らが発した疑問の答えは、すぐに与えられた。少しずつ、しかし確実に強烈になってゆく圧迫】
【手が、足が、無理やり外側へと引っ張られ、関節がきしむ。筋肉が裂ける。骨が悲鳴を上げる】

う……!? うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

【文字通り、全身を引き裂かんばかりの激痛が襲う。喉から絞り出される絶叫】
【処刑される罪人のごとき有様――これが、カノッサ機関に歯向かった者への報いなのか】

(く……出てこい……うぐ……)

【あまりの苦痛に狂わんばかりになりながら、必死で腹部に力を込める。脇腹から噴き出す鮮血】
【すると、腹部の中央から、何かが押し出されるように姿を現していく。それは、いわゆるプレゼント包装を施された、箱であった】

【何らかの妨害がなければ、プレセントの箱はそのまま空中に飛び出し――続く男の合図とともに、その効力を発揮するだろう】

くあっ……弾けろっ!! 『サプライズ・キューブ』!!

【箱が――『サプライズ・キューブ』が機能を発揮することに成功すれば】
【『サプライズ・キューブ』は空中で破裂し、アベルへ向けて7つの小型の鉄球を撃ち出す】
【この男の持つ自作武器の中では、数少ない相手の殺傷を想定したもの】

【鉄球が向かう先は、アベルの胸部周辺だ。そこに、空中でわずかに散開しつつ鉄球が迫る】
【鉄球の速度はそれなりだが、軌道は直線的だ。対応は十分可能なはずだ】

く……ぎゃああああああああああああああああああああ!!!

【攻撃の成否に関わらず、行動を終えれば再び、長髪の与える苦痛に悲鳴を上げる】
【と、その瞳に信じがたい光景が映り込む】

(な……何だあれ……)

【ほんの一瞬、苦痛を忘れる。空が割れる=Bこんな光景がこの世にありうるのか】
【アベルに取り込まれていく世界の破片=A明らかな異常事態】
【しかし、未だ拘束されている男には、『サプライズ・キューブ』の試み以外、行動は出来ない】
【意識に、わずかに霞がかかる。もはや、これまでか――】
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/15(月) 23:11:29.91 ID:cFHz5n3do

【――風が静かに、夜を揺らすだろう。】
【路地では若人が弦楽器を弾き鳴らし、悲しい歌を紡いでいる。】
【聞き入るギャラリーたちの表情も、どこか少し悲しげな雰囲気だ。】
【幾多の夜を迎えようと、未だ交易都市の天空に聳えし魔性の塔、その恐怖が癒えきる事は無いのだろう――】
【幸せの歌は、世間が明るいときにしか歌われない――そんな言葉がどこかの誰かから漏れる頃】
【風の国の端、小さな正義を掲げる"店"だけは――どこか、少し賑やかで。】

――えーっと、つまるところ依頼は――あ、はい。いえいえ!大丈夫ですよ!
"犬探し"も立派な依頼の一つです、必ずや見つけ出してみせますよ!心配しないでください!
UNITED TRIGGERは何でもござれの営利団体ですから、みなさんのお役に立てることなら―――は、え・・・
ベビー・シッター・・・?あ〜・・・なる、ほど・・・

【――店内に流れるBGMは、どこか古めかしいカントリー・ミュージック。】
【クラシック・ギターの音色が暖色のランプに合わさり、優しい雰囲気の空間を彩る――】
【一見すれば酒場のようにも見える"事務所"の奥、テーブルに足を組んで行儀悪く座っているのは一人の女性――】

【――土埃で汚れた白いシャツ、首元に赤いスカーフ、褪せた土気色のベストで豊満な肢体を包み】
【長い足をブーツ・カットのダメージジーンズで覆い、その先には年季の入ったウェスタン・ブーツを身に着けて】
【頭部には特徴的な古いテンガロン・ハット、その奥にブルーとも、翡翠とも取れるような神秘的な輝きの瞳を宿し】
【――有体に言えば、西部劇にでも出て来そうな"ガンマン"――カウ・ガールのような風貌、か。】
【この"組織"が名を上げたその時、全国に中継された事もあり名前は知れているだろうか――】
【セリーナ・ザ・"キッド"、陽気で暢気な女性は手元の瓶を口元によせ――中身が空になっていたことに気付き、顔をしかめた。】

――ついでに犬の散歩も――・・・ですか、あ、ははは・・・いえ!構いませんけど――・・・その、時間帯によってですね・・・
ええ、何分こちらも"手一杯"でして・・・はぁ・・・

【電話口で相手の声が響く、無茶苦茶な依頼の内容に辟易しつつも――口調は柔らかなまま、対応を続けて。】
【やがて疲れきった表情でガチャリ、と電話を切ると――彼女はテーブルに転がっていたダーツを一本、思い切り壁の的へとぶん投げて。】

――――やーってられるかぁぁ!ちょっとは弁えてよ!いや、確かに何でも屋に近い所はあるけどさ〜・・・
も〜最近変な依頼来すぎだよ・・・タダでさえ忙しくて肩凝りが本格的に心配になってるっていうのに・・・アタシまだ24なのに・・・
はあ〜・・・癒やされたい・・・

【ブルズ・アイ。ダーツは的のど真ん中を射抜き――其れを確認するまでもなく、セリーナは机に突っ伏した。】
【ここはUNITED TRIGGER、事務所――中にいるのは疲れたさびしい女、一人だろうか。】
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/15(月) 23:12:17.58 ID:rKLEkWzao
>>429

【ひらひらと手を振って、構いやしねえ、と意志を見せると彼らは綿菓子を取って食べ始める】
【一方の青年たちは偉く心得たような食べ方でうまく口元を汚さないよう食べながら】


「あぐっ、ハムハムッ、この歳になってから綿菓子なんかとんとご無沙汰だったもんッスから
以外と……うん、うめーなァ、懐かしの味っつーかよォォォ〜〜、縁日にも何年も行った覚えがねえなあ」

てか君なんか妙な喋り方だね、なんか……京都弁?ぽいって言うか
京都ってのは日本の48都道府県の一つの事なんだけどさ……ゼンも櫻の国出身じゃないんだっけ?

「あむ、俺は、生まれも育ちも地の国のダウンタウンッスね、親父とおふくろが櫻の生まれだったみてーッスけど」


【がっつくように綿菓子を頬張りながらそう告げる両者、どちらも櫻の国生まれではないらしいが】
【そういう割にこの青年たち、両者とも髪の色はともかく顔立ちは純和風、という印象だ】
【そもそもにおいてここにいること自体、遠方から観光のために来ているような物の用だ】

【そうこうしているうちに、少女の両の手が解けた綿菓子でべちゃべちゃになったのを見ると】


―――あっちゃぁ、やっちゃったなぁ……駄目だよ綿菓子って結局高熱で解けたザラメを
紐状にして割り箸に巻きつけてるだけの菓子なんだから……ぶっちゃけ主成分砂糖?――ほらちょっと手を出して


【す、とバンダナの青年が犬を引っ込める横、一つ手の空いた茶髪の青年が懐からウェットティッシュを取り出すと】
【一枚器用に摘んで湿った紙を持って少女の手首を取り、綺麗に拭ってあげようと試みる】

【後ろでは、くーん、くーん、とザラメまみれの手に鼻を近づけて動かす犬を、やーめろ、とたしなめる様にしかりつけている】
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/15(月) 23:15:10.36 ID:f+kKwe0n0
>>430

「か、ぁ!!」

【爆ぜる紫電は交差する2つの名剣を伝い】
【ヒルコへも降りかかる】

【ドライヤーで髪の毛を焼いたような臭いが辺りを漂う】
【しかし、ヒルコは欠片も怯まない】

(自爆、同士討ち、肉を切らせて骨を断つ。僕は常にそう戦ってきた)

(僕の何の価値も無い肉体など! 焼けようが刻まれようが全然問題ありませんね!!)

【滑空する様な、鳥の様な刀身の動き】
【その刀身はバターに食い込むナイフの様に深々とヒルコの肩に斬り込まれるが・・・】

「あ・・・はっ!」

【ヒルコは欠片も動揺せず、むしろ刀を持つ少女の手を両腕で抱き着く様に掴み掛る】
【肉も骨も斬らせて一撃を入れる、これがヒルコの戦い方だ】

【確かに剣技に関しては少女の方が何枚も上手だ】
【だが単純な力なら・・・?】

【まがわの射撃を止めるのに片腕を使っているのだ、つまり少女は今刀は片手持ち】
【片手で男の両腕を振り切れるほどの力はあるのか?】


/ごめんなさい!
 次からどこを狙うかはっきり書こうと思います
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/15(月) 23:21:03.35 ID:HZzghMzLo
>>435

【濡れる手のひらの感触は、あまり心地よくない不協和音のよう】
【端正な顔色に僅かな不快感を示したなら、それはいつまでも続くかのよう――――――】
【けれどもすぐに氷解するのだろう、貴方の体温が、彼女へと流れこんでくる】


まぁ……せやさかいに、めちゃ甘いのですねー
んぅ……わぁ……はんなりとしてはって柔らかい甘さなのですよ


【拭われる彼女の手のひら、その小さな指先が、貴方の手に委ねられて】
【ウェットティッシュ越しに辿る、その華奢な凹凸、それはまるで少女の柔肌を素手でなぞるかのように】
【しっとりと濡れる肌の感触がくすぐったくて、思わずふふ、と微笑みの色がこぼれて】

【貴方に拭きとってもらえたなら、ぺこりと再び上品にお辞儀をして】
【残った右手の綿菓子を、ぱくっとその小さな唇の上に落としこんで】
【まるで日差しが流れ込んできたかのよう、頬に一杯の喜びの色を浮かべたなら、貴方達二人へとわぁ、なんて甘い声をあげた】


うちな、ずーっと、めちゃ長い間ここで暮らしてはったのです
やからね、こんな風な喋り方にならはったって、この前教えていただいたのですよ
……もしかして、伝わりにくいやろうか、なるべく普通にしようとしてはるのです


【右手で綿菓子を握ったまま、少し遅れて貴方の言葉に返信をするのだろう】
【そして付け加える仕草、小首をかしげたなら、長い黒髪が彼女の柔らかな素肌を濡らして】
【黒髪から零れ落ちる白い首筋は、箱入り娘の柔らかさを伝えるのだろう】

【普通にしている、とはその語尾のことであろうか、どこか歪な丁寧口調】
【それでも伝わってるか不安なのか、大丈夫なのですか、と言葉を一つつけくわえたなら】
【右の目尻の櫻の花びらのした、口元に綿菓子の破片がふわふわとくっついていた】
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[ !nasu_res]:2013/04/15(月) 23:22:33.08 ID:FDyJxh0m0
>>428

【ド ゴ ン ッ !っとまるで人がダンプカーにでも跳ねられたかのような音が響き渡り、アベルは吹き飛ばされる】
【力の集約中は回避行動が出来なかったのか、一度床に大きく叩きつけられるとそのまま床を滑って壁に激突する―――。】
【全身から血を流しつつヨロヨロと立ち上がり、エリザベスを見る………。】

酷いなァ………無防備な相手を刎ねるなんてさ………それに異常性癖だなんて………僕は…ぼくはただ…。
この素晴らしき痛みを、モノを壊すと言う快楽を、愉しみを………皆にも知ってほしいだけなのに………どうしてなんだぁ…。

【どうやらエネルギーの供給は阻害できたようで、ドクンドクンと左腕は大きく脈動しながらも、頭上の空間の歪みは消滅した】
【だがそれでも―――アベルの左腕に集まったエネルギーは相当数なモノだと言う事は肌で感じられるだろう。】

>>432

【一歩踏み出そうとしたアベルにかかる罵倒―――視線を向ければグラリと強烈な眩暈が脳裏に焼き付き足元がおぼつかない】
【裂けた右腕で淀んだ瞳を一度撫でると………ギョロリと光の灯さない瞳がセシルの魔眼に真っ向から向けられる。】
【その強烈な呪いすら愉悦と感じるように………だらんと左腕を下げて。】

カカカッ!その青臭い、無価値で卑屈で愚かな餓鬼にズタボロにされているの誰だい………そう君だよッ!
君のように鋭く尖ったプライドを持つ人間を壊して壊して壊し尽くすのはもう愉しくて仕方がないよッッ!!

【発狂したように叫び散らしながら眩暈によって焦点の定まらない瞳を泳がせてゲラゲラと笑いながら腕を振り回す】

>>433

【痛みか快楽か―――半狂乱になっているアベルの元に放たれる小型鉄球………アベルは緩やかにそれを避けようとするが】
【そう………セシルの魔眼による呪い、それによる強烈な眩暈が回避行動を制限、アベルの肉体に7つの鉄球が直撃し肉体にめり込んだあと床に転がる】
【アベルは一度口から鮮血を吐いた後、一度よろよろと後退すると憎悪の籠った瞳でギアボックスを睨みつけるッ!】

ああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!どうして邪魔をするんだぁぁぁぁぁ!!
僕はただ破壊を、愉しみたいだけなのにッッ!なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!

どうして………僕に意地悪するんだ………君たちはッ!

【幼稚。あまりにも幼稚すぎる―――否、この幼さこそが、純粋な破壊衝動のみで構成された行動原理こそがこの少年の恐ろしさなのか】
【打算もなく、後先考えずただ目先の破壊のみを行う………破壊の権化。】

>>ALL

       終りにしよう―――。これが真の破壊だよ。


                ≪愚劣なる背徳の門/アティエル・アドラメレク≫

【アベルはゆっくりと左腕を一同へと、向ける放たれる、世界の残骸≠ェ―――刹那、音が消えた。】【― ― ― ― ッ !】
【あまりにも巨大な破壊の波動は音を消し、周囲の全てを薙ぎ払って一同へと迫りくるッッ!まはや回避は難しいだろう】
【かといって防御して防げるとも思えないが―――何故か、その破壊の波動の狙いが………わずか、ほんのわずかだが逸れているッ!】

【それはそう、今まで一同が与えてきたダメージ、そしてセシルの魔眼≠ノよるモノだッ!!】
【これならば―――打つ手はある………側面に対して強力な攻撃をぶつければ………そのまま攻撃を逸らす事が………!】
【だが成功するかは分からない、相当に強力な攻撃が必要だろう………さて―――三人はどうする?】
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/15(月) 23:27:15.88 ID:YZrR+e4Bo
>>438
/すみません、ギア・ボックスの四肢に巻きついている長髪はどうなってますでしょうか?
/拘束されてるかどうかで、ちょっとアクションが変わりそうなので……
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[ !nasu_res]:2013/04/15(月) 23:30:13.74 ID:FDyJxh0m0
>>439
//あーーっと書こうと思って忘れてましたすみません!orz
//鉄球の衝撃で解除されています!
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西・北陸)[sage saga]:2013/04/15(月) 23:35:39.13 ID:Akzi3ybAO
>>434
【突っ伏してしまった彼女に、扉の開く音は聞こえただろうか】
【どちらであれ、その後には鎧の擦れる様な音が室内に入ってきて】

えー……っと、ここがUNITED TRIGGER、とか言うところでいいのかしら……?

【剣の様な鋭さを秘めた、しかし紛れもない少女の声】
【どこか自信無さげに問う頃には、きっとその姿も見えているだろうか】

【年の頃は──凡そ16、7といったところ】
【赤を基調としたドレスにプレートメイル、所謂鎧ドレスという服装】
【銀の髪は高く結われ、鋭い蒼の瞳からは勝気な印象を受けるか】
【背中には右に傾いた十字架のような、長短一振りずつの剣】
【そんな少女が立っている】

取り敢えず、紅茶とかないかしら?
──っていうか、店の人、でいいの……よね?

【剣を下ろせば手近な椅子に座って】
【またも自信無さげだが女性へ向けて色々と問うていく】


/いいっすかねェー
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/15(月) 23:37:26.60 ID:5hILxkozo
【通りに面した窓があるならば車道を幾多の車が通り過ぎる度に】
【そのヘッドライトの明かりが窓に入るだろう。閃光のように一瞬…】

【11時も回って、半になろうかという時。一台のタクシーが店の前に止まった】
【タクシーのドアの開く音。暫くしてからバタンと閉じられて、それはまたエンジンを吹かして走り去っていった】

【ガチャっと、ドアノブがあればそれを回す音がするだろう。ベルがついていればチリンとなるだろうか】
【どちらにせよ押し戸にせよ、引き戸にせよ。それが開かれる音がするだろう。】

すみません。こちらはUNITED TRIGGERの事務所で宜しかったでしょうか?
えーと……代表さんは居られますでしょうか?

【バタンとドアを閉じて入ってきた女性は几帳面な口調で問いかける。】

【その女性は艶のある長い黒髪で、それを後頭部で一纏めにしてべっ甲の髪留めでポニーテイルを作っている】
【薄く整った眉、目は切れ長で、白い肌の上に薄化粧をしていて。】
【その冷ややかな黒い瞳の目にはつや消しシルバーのオーバーリムのメガネをかけている。】

【服装はシンプルに黒いパンツスーツに白いシャツといった程度でフォーマルな黒のハイヒールを履いている】
【ただ、そのスーツの胸元には小さく金メッキのバッチがつけられている。菱型を4つに切ったような形だ】

【裏の…特にD.R.U.G.S.となんらかの関係のある人間ならば、それは四つ割菱の”代紋”と呼ばれるもので】
【D.R.U.G.S.傘下の大型のマフィア『富嶽会』の人間…それもエリートであることを表すものだとわかる】

【オマケに腰には赤い鞘の刀を2つも下げていて。富嶽会を知らない人間にも普通の人じゃないな、とは伝えることができている】
【そんな、彼女が茶色い大きな紙袋を持ってUNITED TRIGGERにやってきたのである。】

【当たりを見回してみて、目に入った人間は机に突っ伏したブロンドの女性1人。】
【噂で聞いた、代表の風貌と合致していが…】

すみませんがあの…代表のセリーナ・ザ・キッドさん…ですか?
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/15(月) 23:38:46.88 ID:5hILxkozo
/>>442>>434宛です
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/15(月) 23:40:49.11 ID:rKLEkWzao
>>437


甘ったるいからたまーにしか食べたくないけどねー俺は
それこそ縁日に来たときくらいにしか食べないなあ……あ、自己紹介が遅れたね
俺は剛田 剛太郎!こっちは弟分の涼宮 善太郎だよ

「ま、俺の事はゼンでいいぜ箱入り娘のお嬢さんよ……あ、ゴウさん、口元にまだ付いてる」


【ほんとだ、と言いながらウェットティッシュを口元に伸ばしながら残った綿菓子をふき取ろうとする】
【妙に世話好きというか、はた目から見ていると保育士のお兄さんみたいなおっとりした印象の剛太郎】
【見た目だけならば、その場で突き倒したら少女の力でもひっくり返りそうな、繊細そうに見えなくもないが】


へえ、生まれも育ちもかあ……桜桃、だっけ、この辺の地方の方言なのかもな
まあ心配しないで、一応何が言いたいかはだいたい伝わってるから楽にしてていいよ
俺たち櫻の国あんまり来たことないから現地の人と交流できるのは結構楽しいんだ

「つか、一応ムクさんも櫻の出だったっつー話を聞いたんスけど今日はだんまりッスね
いつもならかわいい子犬に不釣り合いな気難しいジジイ声喋らせてるのに……意識だけでも
せっかくの里帰り楽しめばいいのによ」


【口を尖らせながら、善太郎が子犬の喉を撫でると犬は目を細めてそのまま続けろ、と態度で語ってくる】
【部分的に、意識だけでも?という言葉は意図が掴みにくいがムク、と呼ばれた犬は三人の会話に特に割り込んでくる様子がない】
【一方の剛太郎は普段と様子の違う相棒の様子は気にせず、屈託ない笑みで少女手を握り握手をしようとしてくる】
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/15(月) 23:44:46.42 ID:yxkfFR3lo
>>438

【壁にめり込んでいた頭をくんと引き、腕をぐいと引き、べりと壁から体を剥がして】
【砂埃を払うように振る頸。 呪いの反動かぐらと縺れた足を除けば、実に呑気な行動である】
【眼前で叫んでいる相手の声は聞こえているのだが、】

……おや、もう毀れてしまったのですか?

【――相手にするのは止めたらしい】
【それ以上に注意を払うべき攻撃が放たれた以上は、それが真っ当な判断だ】

【紅茶色が右から左へ、同時に黄緑の燐光が舞うと空間を縦に裂く黄緑のライン】
【其処へ彼の体が消えていき、ショートワープめいてやや離れた側方へ移動】

【その場でガンブレードをライフルめいて目線の高さについと構え、】
【狙うは強大なその波動の“側面”――!!】


           『堂廻目眩』
          (ドグラ・マグラ)


【どゥん、――】
【それは黄緑の彗星めいた、魔力砲の一撃】
【重力を捻じ曲げ惑わす幻魔術謹製、見た目以上に強烈な反発力を秘めていた】

【逸らせれば幸い、逸らせねば――背を冷たい感覚が辿る】
【凍る程の緊迫感。 それでいてこうも高揚するのは、戦闘狂いの血の性か】
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/15(月) 23:47:25.05 ID:IqYcIG5ao
>>438

(全身が痛みますが……まだ、M4Sを持って振るい、動くことは出来る。)
(……となると、これが山場と言ったところでしょうか?)

(私は闘いで自分を見失いませんよ、アベル様。この後にはレギン様がいらっしゃる)
(そして、その方は六罪王……No.2である貴方様よりも、余程恐ろしい方のハズ)
(故に此処で負けるわけには行きません。その一撃、横ざまに吹き飛ばさせて頂きますよ―――)

【ゴゥん=\――M4Sが変形し、刃の切っ先が左右に開く。同時に、柄の部分に穴が空き】
【いうなら、レールの着いた銃口が着いたような形状――加えて、刀身がドリルのように回転し初め】
【凄まじい高音と火花を散らしつつも、エリザベスはそれを構えながらかけ出して】

【そうして、時折よろめきながらもアベルが放つ波動の側面へ――後は、撃ち放つだけ】

【形容するのなら超電磁砲/レールガン≠セろうか。弾丸は、ただの小さな鉄塊でしか無い】
【けれども打ち出す機構は違う。刃の裏面をレールとし、刃全体の回転をライフリングとし】
【加えて、能力の振動を弾丸たる鉄塊に加えてある。だから、打ち出されるのは凄まじいモノがあって】

【それは物体――或いは波動でも。何かにぶつかった瞬間に、凝縮された力がはじけ飛び】
【真っ直ぐにそれを貫こうとしながら、亜音速で衝撃波を周囲へと振りまいてゆくだろう】
【徹底的に攻撃を逸らすのが目的。そしてソレをどうすれば良いのかを、冷静なメイドは見抜いていた】

【ただし、その反動は大きいためにもし逸らせなければ―――考えるのは、ムダだろうか】
【すでに少しずつ回転を落としつつあるM4Sを構えながら、エリザベスは事の次第を見守って――。】
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/15(月) 23:49:24.23 ID:HZzghMzLo
>>444

【わふ、と華奢な声が漏れた、少し口元をつきだしてされるがままに拭き取られるだろう】
【指で辿ることのできる小さな唇の輪郭、形の良い唇は、喋る言葉の淡さを強調するように】
【柔らかな頬のラインが、月光に曝け出されたなら、そこに映るのは無垢な少女の姿】


うちは桜=\――ゼンはんに、ゴウはんなのですね
ふふ、よろしく、なのですよ


【一つ一つ丁寧に紡ぐソプラノの音、貴方の耳に流れ込む水滴のように柔らかな音】
【聴きやすくて、それでいてどこかハッキリとした雅やかな香りで】
【目元の花びらが揺れたなら、柔和な笑みがまた、その色を強めた】

【握手しようとしてくる貴方の手、再び帯の下に両手を重ねていた彼女は、それに気づいて】
【右の手を延ばすだろう、袂がたらんと垂れて、白妙のような指先をこぼしたなら】
【袂に刻まれた蝶が羽ばたく鱗粉を濡らしていた】


ほんまに?良かったーうち今めちゃ練習してるのですよ
いつまでも桜桃≠ナはんなりしてはったら、いつまでもダメな子のままなのです


【少し誇らしげに胸を張るかのよう、桃色の体温が、肌を濡らして】
【着物に包まれた華奢な肩幅が、まっすぐに伸びて、2つの存在へと言葉をかけて】
【……尤も、ダメな子でなくなるには、色々と足りないものがありそうだが】

【握手ができたなら、その手で感じれるのは、やわらかな肌の感触と、それでいてしっかりとした指の形】
【強く握ったら壊れそう、そんな繊細な作りを感じさせながら――――――彼女の興味は、ムクと呼ばれた犬に向かって】
【瞼を閉じて、深い笑みを浮かべて、わーっと両手を差し出して、犬を抱かせてもらおうとする】
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/15(月) 23:59:17.02 ID:qc6CfJcG0
>>436

……はぁ……、…っ……!

【手応えを感じると共に、速やかに思考は次の一手へと移行―――― 雷の少なからぬダメージに喘ぎながらも、些かの甘えをも捨て加速に重ねる】
【だが其れは実行には到らない。呪縛するヒルコの捨て身の行動に、右手の動きはほぼ封じられ、】

(…………ッ!)

【意識を奔る冷たいもの。ほぼ均衡しつつも勝利へと近付いていた状況が、一気に敵手へと傾くことを認識する】

……何が……そんなに嬉しいと言うの……ッ…?
………誰かに傷付けられる事も、貴方は―――――。

【その感覚を封じ込めながら、苦悶の吐息と共に、自らの疑問を眼前の男へと叩き付けるのだろう】
【彼は彼女には “理解できて理解できない” 存在だった。勝利を求めた捨て身の一手は、彼女には “必要ならば選ぶ” ものだった。】
【其処に躊躇いは存在しない。歓喜も、悲しみも覚えてなどしない。】

【……だが、其れも趣向の違いに過ぎないのか。勝利を求めたその闘法は、両者に確かに共通していた。】
【嗤う声は酷く耳障りに聞こえて、】

――――…………く……!

【両足に再び力を籠めて準備を図りつつ、反撃のための布石だろうか、斜めに刀身を傾けようとするも】
【其れでは脱出は完成しない。如何に高速戦闘を得意とする彼女と言えど、膂力に優れない細身で、片腕で成人男性を振り払えよう筈もなく】
【刀身ではなく少女の手の固定されたこの体勢は、彼女には最悪に近い状態だろうか】

【完全に訪れた好機の一瞬。次の一手を打つのは、誰か/何か、如何なる業か】

/ありがとうございます…!
/こちらも偶に分かり辛い部分がありそうなので、改めてよろしくお願いします…っ orz
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/16(火) 00:03:00.95 ID:/9CxVpzeo
>>438
【鉄球がアベルにめり込んだのを確認する。四肢の拘束が解かれ、床にたたきつけられる】
【痛みは和らいだものの、そのダメージはまだ尾を引いている】

ぐあっ……ゼッ……ハアッ……

【きしむ四肢をかばいつつ、呼吸を整える】
【そこへ投げかけられる憎悪と怒号。内心では思わず竦み上がるが、表に出すまいと恐怖をかみ[ピーーー]】

くうっ……自分がやってることはどうなんだっ……
意地悪どころじゃないだろうがっ!!

【義憤の叫び、のように聞こえるが、これも恐怖をごまかすためのものだ】
【だが、その破壊神とも言うべき姿に戦慄はおさえられず】
【それでも、なんとか震える足を叱咤して、対峙する】

【そして、目の前に現れたのは、まさしく“破壊”そのものだった】
【もう、声をだすことも出来はしなかった。音すらも置き去りにして、迫りくる波動】
【自らの死を連想する。しかし、自分以外の二人は止まることなく動いているではないか】

(クソ……ここまできて……負けてたまるか!!)

【右手を胸に突っ込み、取りだしたのはまたも『サプライズ・キューブ』。現状の自分には、これが最大の威力を持つ攻撃だ】
【今度は空中に放つことはせず、手に握ったまま狙いをつける】
【音の消えうせた空間で、声なき声で咆哮する――!!】

弾けろおおおおおおおお!!!!!

【波動の側面へ向けて、放たれる7の鉄球。これが有効かどうかすらわからない】
【しかし、彼にとっては、これが精一杯の攻撃だ。後は、結果を見守るのみ――】

>>440
/回答ありがとうございます!
/遅くなりまして、申し訳ありません
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/16(火) 00:10:45.95 ID:Nk/FZ+/00
>>448

『あ、はぁ・・・! 何を藪から棒に!
 薄汚い僕の身体などいくら傷ついても構いませんよ! それだけのことです!』

【肩からドクドクと血を流すヒルコだが】
【表情はあいも変わらず笑っていた】

【そこへ飛来するまがわ】
【手に持つ拳銃を少女のこめかみに突きつける】


『取引・・・しませんか?』


【ヒルコはニタリと笑いながら少女に語りかける】

『正直、僕達も今回の仕事は気に入りません。
 アナタが来なかったら、帰ってしまおうかと思っていた所でした』

【まがわは少し虚を突かれた表情をした後、ニタリと笑う】

『アナタが翡瀑の宝玉の欠片を渡して下されば、僕達は大人しく退きましょう』

「諦めな! 孤剣だか何だか知らねーけどさ、1人より2人の方が強いに決まってるだろ!」
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/16(火) 00:15:39.95 ID:wh7kCRPUo
>>441

【カラン、コロン――と、ベルの音が店内に響いた。】
【ボーっと流れるBGMに交わりつつも、存在感を主張するその音色がセリーナの耳にも聞こえたのだろう】
【ハッ!とした表情で顔を挙げ、うつらうつらとしていた目元をごしごし、と擦って】

へーい!らっしゃい!そうです、ここがUNITED TRIGGER事務所だよ!
って、なんだか魚屋さんみたいな挨拶だねこれ。あっははは・・・。
えーっと、はじめましてかな?アタシがセリーナ、セリーナ・ザ・"キッド"だよ!よろしくね。

【見たところ、少女はセリーナとは正反対の"騎士然"とした格好――中世のヨーロッパを彷彿させる姿だ。】
【鎧と、ドレスとが融合した機能美溢れる服装に一瞬、驚きつつ――戦闘を職業としているのだろう、と予想して】
【紅茶を淹れて欲しい、と注文してくる彼女に対し、スッと立ち上がりカウンターへと向かった。】

店の人も店の人!何を隠そうアタシがここの創立者さね。"店長"って呼び方はニガテなんだけど、ね。
紅茶で良かったよね?じゃあ買ってきたばかりのチャイでも淹れようかな〜!
ミルクティーは好きじゃないかな?

【ポッドと茶葉の入った缶――ブランドもののそこそこ値が張るものだ――を取り出し、お湯を沸かし始める。】
【慣れた手つきだが、ここは確か正義を掲げる組織の拠点であった筈――こうして見るとただの酒場の店主だろう。】
【ともかく、彼女は紅茶を淹れる準備をしつつ、逆に此方からも質問を重ねて。】

で、今日はどんなご用件かな?可愛らしいお客さん。紅茶を飲みに来ただけ――ってワケじゃ、ないんでしょう?
とりあえず名前とか、聞かせて欲しいな。

/来いよベネット!よろしくおねがいしますね。

>>442

【と、会話をしていると再びの来訪――タイミングが良かった、一度に二人も来店する事は実はあまり見かけない。】
【大きな事件などが起きたときは、依頼が殺到したりもするのだが――まあ、それはまた別の話だ。】
【ともかく、こんな静かな夜に同時に、二人の女性客が来店する事はかなり珍しいと言って良いだろう】
【――そしてそれが、セリーナが知り得ることが無いとは言え――あの"組織"に属している者となれば、なお更だ。】
【鳴り響いたベルが軽やかな音で来訪者を出迎えると、セリーナは其方の方へと顔を向け、ニコリと微笑んだ。】

―――いらっしゃいませ、ご主人様!いや、冗談です。此処はメイド喫茶でもなければ、執事カフェでもない。
紛れもなくUNITED TRIGGERの事務所、そのものだよ!こんばんわ、ステキなおねーさん。
よくただの酒場と間違えられるんだ・・・――こんな見た目だから仕方ないとは言え、ね。

【クスリ、と笑って机に突っ伏していた状態から立ち上がり、彼女はカウンターへ。>>441の少女の相手をしつつ】
【同時に新たな来訪者であり、フォーマルな格好でバッチリと決まっている女性にも声をかける。】
【疲れ果てた表情だがテンションはテレビ等で見かける其れとあまり、変わらない――彼女がその代表、だろう。】
【威勢良く挨拶し、自分が代表である事を述べつつ――相手の様子を、伺って。】

でもって、アタシが代表のセリーナ・ザ・"キッド"、大正解だね!ま、こんな美人見間違う筈も無い・・・って、アタシ何言ってるのかな。
多分ちょっと疲れてるだけだから安心して、ああ、あといつもこんな感じなんだ・・・。

【じゃあ疲れてるのは関係ないだろ、という突っ込みはさておき――セリーナの視線はスーツの傍ら、腰に携えられた二対の剣に向かう。】
【冗談を交えつつ、相手の武器と様子を確認――時折、交戦の意思を持った敵が堂々と侵入してくる事もあるので、武器を持っている人間には】
【一応、警戒を交えつつ――それは>>441の少女にもいえたことなのだが。】

(――・・・なんの用事かな、二人とも武器持ってていかにも、って感じだけど――・・・ま、こんな世の中だし)
(帯刀してる位普通っちゃ普通なのかな、そういうアタシだって腰にぶら下げてるのは人殺しの道具だもんね。)

――それで、今日はどんなご用件でしょう!武器の発注から犬探しまで、ウチでは幅広く仕事を取り揃えてるよ!
まあ、とりあえず座って座って。どこでも、空いてるところに腰掛けちゃってくださいな。
今紅茶淹れてるけど――・・・コーヒーの方がお好き、かな?アルコールもあるには、あるけど。うふふふ。

452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/16(火) 00:19:03.77 ID:Il4290+qo
>>447

【ウェットティッシュ越しに指の腹が、少女の柔らかい唇を薄くなぞる様に拭い取る】
【しばらく無心に吹き続けた剛太郎は、綺麗になった口元を確認するとにっこりと笑いながら】


桜ちゃんって言うんだ、まさに櫻っ娘って感じの名前だねー……あと、くちびるやーらかい

「ンな事口に出して言わねーでもいいッスから!」


【苦い顔しながら地味に初なツッコミを発する善太郎、一方でじろじろと身なりを改めて見る】
【やはり金がないと言うよりも、むしろ家からあまり出してもらえなさそうないいとこのお嬢様なイメージの方が強く】
【どこかの家の人間が探してんじゃないのかな、なんて考え始めてもいた】

【一方、そうとも知らずのん気している剛太郎の方はひょい、とトイプードルを受け取ると】


外の言葉を練習してるって事は、国の外にいつか出てみる予定があるの?
だったら水の国にでも来てみなよ、『フルメタルジャケット』だったらメイドさんが歓迎してくれるよ!
いつか気分が向いたときにでも顔を出してね!……後、こいつに興味があるようだし触ってみる?今のうちに


【鬼の居ぬ間になんとやら〜、と言いながら剛太郎が手に取ったトイプードルをそのまま差し出す】

【子犬はすでに成犬になっているようだがそれでも一般の子犬よりも小さい、少女が両手で抱えれば全く重さを感じないかもしれない】
【加えて、通常の犬は真っ直ぐで規則的な毛の流れ方をしている物だが、トイプードルの毛並みはもしゃもしゃと不規則に縮れている】
【それでいて肌触りはつるつるとしていて手入れが行き届いている、人より高い体温を感じさせるその体はぬいぐるみとは違う心地よさを与えてくるだろう】

【だが、しばらくすると子犬の首輪にかけられていた赤い宝石の鍵がきらん、と光ったと同時、犬の頭部の毛が盛り上がり、瞳が赤く光り始める】
【すると、様子が変わったようにきょろ、きょろと向き始めると】


『――――むう?この街並み……櫻の街かのう?剛の字……お前さん櫻の方に行っちょったのか?』

うわ、ムク!戻って来たのか!?

「げぇッ!ドンぴしゃなタイミングでログインしてきやがったッス!」


【突如様子が変わった子犬は、少女の胸の中で剛太郎の方を向いて初老の男性の声でしゃべり始める】
【至近距離で子犬が感じさせるのはまぎれもない魔力の波動、魔術師の術か何かだろうか】
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[ !nasu_res]:2013/04/16(火) 00:24:09.91 ID:HoG1Dmc30
>>445

【セシルのガンブレードから放たれる黄緑の閃光―――それはまるで夜空を横切る一筋の流れ星のように大聖堂を駆け】
【ドンッ!っと破壊の波動の側面に激突し、破壊の波動は一度グラリと揺れるように大きく歪む。】

>>446

【エリザベスのM4Sから放たれるのは超電磁砲/レールガン=B亜音速で放たれ衝撃波をぶちまけながら進むそれは】
【セシルの一撃が作った波動の歪みをさらに広げるように―――激突し凄まじい火花と閃光と共に破壊の波動にさらなる衝撃を与える】

>>449

【先の二人の攻撃で限界まで達していた破壊の波動は、最期の最後………ギアボックスの放った『サプライズ・キューブ』によってッ!】

>>ALL

【気がつけば破壊の波動は三人に直撃していなかった―――ではどこに?それは横を見れば分かるだろう】
【三人からわずか数メートルの位置、大聖堂の壁に巨大な………壁そのものを抉り取ったような巨大な穴が開いている】
【その穴の先にはなぎ倒された外の建物が100m近くまで続いている―――これ程の攻撃、直撃すれば木端微塵であっただろう】

【当のアベルはと言うと―――よほど消耗する技だったのか、肩で息して壁に寄りかかっている………だがその口元には笑みが】
【そして再び攻撃を再開しようと一歩踏み出し………。】

あ………れ………体が、動かない…………なんでだ、僕はまだ…壊し…たりないの…に。

【やはり蓄積したダメージが効いたのか、そのまま床へ倒れるとそのままぶつぶつと言葉を紡いでから気を失った―――。】
【これでもまだ死なない所は恐ろしいが、ひとまずはこの戦いは終わ―――】




【ゾ、ゾゾゾゾゾゾゾゾ―――。何かが、何か巨大な恐怖≠ェ近づいてくる………それはそう、神像の脇の階段の下から………。】
【確かアベルが言っていた………あの階段の奥には………ッ!】


あららボロクソにやられてるじゃあないですか………所詮は化石、この程度なんですかねぇ。
ともあれこれで負の伝染の実働データは取れましたし………この戦いによってさらなる負の波動≠ェ得られましたかね。


【ド ゴ ン ッ ! !】【神像を突き破るように十数メートルもある巨大な漆黒の大蛇が現れる―――その表面はまるで炎のように揺れている】
【それは一度ぐるりと鎌首を揺らすとそのまま三人へと頭上から落下するッ!大蛇自体は回避しても大聖堂の床が散弾のように周囲に撃ちだされるだろうッ!】


いやはやどうも皆さんこんばんは―――この度はどうもご苦労様です。あぁでも私の用事は終わったのでどうぞ皆様もおかえり下さい。


【そしてその後を追うように現れる人物―――肩まで掛る金髪に糸目―――ダークグリーンのスーツを着込みハーフフレームの眼鏡をかけた…】
【そう………これが件の六罪王=c……魔縁の蛇王=\――魔人・レギンッッ!!】

【レギンは柔和な笑みを作り、一度丁寧にあいさつをしてからうっすらと眼を開き蛇のように瞳孔の細い黄金の瞳≠ナジッと一同を見る】
【得物を値定めするような………見られるだけで金縛りにあるような感覚が襲うセシルと同様の魔眼≠ェ愉快そうに、歪む】

【そしてレギンが現れるのと同時にゴウン、ゴウンという何か巨大な音が周囲に響き渡る―――。】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/16(火) 00:27:01.92 ID:jiYgl+rGo
>>452

【彼女の髪がすぅと伸びた―――――否、正確には、伸びたように見える】
【爪先立つする少女、少しだけ高くなった視界が、ゴウとわずかに交錯したなら】
【彼女の右手の小さな指先が、ふにふに、とゴウの唇に触れようとするのだろう】


ゴウはんの唇も、めちゃ柔らかいのですよ


【あどけない形をした微笑みがこぼれたなら、付け足す淡い香りを濡らして】
【それがどんな意味をはらんでいるのかも知らずに、ただ思うがままに行動するかのよう】
【興味がまた別の方向に傾いたのなら、また別の彩りを醸し出すだけなのだから】


うん、うちね、いろんなとこ旅しはるの、とっても楽しみにしてはるんですよ
フルメタルジャケット=c…水の国≠ノあらはるのです?
わぁ、可愛らしいお犬はんなのですよ


【抱きかかえる子犬の形、彼女の狭い肩幅にはきっと収まり切らないようで】
【両手で抱きかかえたなら、顔がちょこんと彼女の華奢な腕にのって】
【そしてそのまま手のひらで何度か、その毛並みを撫でてあげようとしながら】


わぁ、お犬はんも喋れはるん?
うち桜ってゆわはるんですよ、お犬はんのお名前も、教えてくだはらへん?


【―――――瞼が溶けた、頬の色合いに染みこんでいったなら】
【形の良い友禅のような睫毛が、くすぐったそうな形を濡らして】
【濡れていくその形がただハッキリと、彼女の肌の水面に飛び込んでいった】

【彼女といえば、そんな風に普段と変わらぬ柔和な笑みを浮かべて、喋る子犬を受け入れるのだろう】
【それはまるで、さも当然と言いたげに―――――犬が喋るのに、何も疑問が無いと言いたげに】
【溢れる桜の香りを、ムクはきっと一杯に感じるのだろうあ】
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/16(火) 00:40:43.67 ID:vJ1GEHP4o
>>453

【ぽっかりと空いた大聖堂の穴に、その奥で残骸と化した無数の家屋】
【これにはさすがに、どれだけ冷静であろうとも額を冷や汗がつぅ、と流れていく】
【声を上げて驚いたり、喜んだりはしない。単に性格的な面もあったが―――】

……お休みなさいませ、アベル様。そして、お初にお目にかかりますね
カノッサ機関・六罪王――レギン様?私、エリザベス・カーライルと――――。

【――至って糞真面目な自己紹介と挨拶しかできないのは、レギンの目に見える圧力のせいか】
【或いは単純に、自信へ降りかかる強烈な一撃を凌ぐのが精一杯だっただけかもしれない】
【回避というよりも転がるように大蛇を回避するが、砕け散った床の破片をその身に受け】
【頬を切り、エプロンに自身のモノで赤い染みを広げながらも、なんとか彼女は立ち上がる】

【既に肩も腹部も傷を受け、全身ホコリまみれ。息も上がっていて、お世辞にも余裕は見えない】
【しかしM4Sを持ち続けるのは契約を受けたからというただ一心――そういうのが案外、面倒なもので】

っ……失礼、レギン様。私はエリザベス・カーライルという名の、メイドでございます。
本日はルルーメン守護の依頼を受けまして、つきましては貴方様を排除しなければいけません
一応は貴方様にも一声かけておこうと思いましてご挨拶申し上げた次第でして……

……お止め£クけますか、レギン様。いえ、何をとは申しません

【『わかりませんので――』―――それというのも、低く轟くようなこの音だった】
【音が発生したのはレギンが登場してから。だから、メイドはあくまでルルーメン防衛の為を思って口にした】
【M4Sは元の大剣へと姿を戻し、小刻みに震えて高音を奏でる。それはまるで、警告音にも思える共鳴で。】
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/16(火) 00:42:47.91 ID:/9CxVpzeo
>>453
ハアッ……ハッ……
やった……つ……

【恐るべき波動の直撃は、どうにか凌いだ】
【壁そのものが消えうせたかのような、すさまじいまでの、波動の威力の痕跡】
【はるか彼方まで続くそれを目の当たりにして、今更のように恐怖が、そして苦痛がよみがえる】

【血を垂れ流す肩と脇腹、引き裂かれかけた四肢、ほかにも全身に負ったダメージが痛みを訴えてくる】
【近くの柱に寄りかかりながら、アベルを見る。どうやら気を失ったらしい】

(でも……さっきの話によると、ほかにもまだ……)

【そう、音に聞こえたカノッサ機関の大幹部、六罪王の一人。貿易都市カンデラを占拠したという、あの――】

……!?

【ゾワリ、と。先ほどにも増した“恐怖”が襲ってきた。今までの恐怖とは質を異にする、恐怖】
【あまりにも、強大すぎる姿を前にしたことによる、根源的な恐怖――】

なん……なんだ……?

【思わずつぶやく。と、神像を無残に破壊して現れる大蛇。もはや、感覚がマヒしてしまったかのように、声もあげられず】
【必死に身体を引きずり、落ちてくるそれを回避する。が、破片までは避けきれない】
【飛び散る破片に全身を傷つけられ、回避の勢いそのままに後ろへと吹き飛ばされる】
【大聖堂の床に倒れ、どうにか上半身を起こして前を向く。そこにいたのは――】

う……あ……

【そこにいたのは、“魔人”、“六罪王”、いや、“恐怖”そのものと言えるかもしれない】
【一介商人に過ぎないこの男には、その魔眼≠ヘ身に余りすぎた】
【まさに、蛇に睨まれた蛙のごとく……動くことができなくなった】

【形作る笑みは柔和でも、そこには微塵も容赦が感じられない】
【ダメージと恐怖に塗りつぶされ、男はその場で固まっていた】
【耳の奥に響いてくる巨大な音だけは、意識の端でどうにか捉える】

(なんの……音だ……このうえ、まだ何か……)

【カチカチ、と歯が鳴る。全身の震え。怖い。怖い】
【もはや、目をそらすこともままならず。眼前の光景をただ見ていることしか出来はしなかった】
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/16(火) 00:42:50.71 ID:8CYnW2x0o
>>453

【――大蛇自体は危うく回避、】
【だが散弾のような瓦礫だけは躱しきれず、幾つかが痩身にダメージを残し】

【最早床自体を諦めたように――とん、と地を蹴ると】
【重力を無視して、彼の躰が虚空に浮かび上がった】

……ご丁寧に、どうも――……、だが
そう言われて素直には、帰れませんがねぇ……、っ

(――此処で六罪王、とは……少し、深入りし過ぎたか)
(それにあの目……まさか、この目の呪詛が押し負ける、など――!)

【怪我も消耗もある、余裕を張ろうにもお世辞にも余力は無く】
【蛇に睨まれた、とはこの事を言うのだろう――そう思える程に躰が固まった】
【それでもぎりとガンブレードを握り締め、一度目を閉じて、意識を落ち着かせる】

【一体、何が来るのか――】
【逃げないというよりも逃げられない状況下に、氷点下の剃刀めいた悪寒が伝う】
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西・北陸)[saga sage]:2013/04/16(火) 00:43:24.73 ID:VAv7iBxAO
>>442>>451
【UNITED TRIGGER、そして女性の名──どちらも今や広く知れ渡っている筈、なのだが】

UNITED TRIGGERのセリーナ、ね……どこかで聞いたような気がするわね……

【──この有り様である。世間知らず、とでも言うべきか】

【そして少女もまたセリーナの服装をまじまじと眺めている】
【西部劇のガンマンの様なその見た目はきっと、少女にはまた新鮮なのだろう】

じゃあマスターとでも言えばいいかしら?

ええ、それで構わないわ
──レモンティーなんて言ってたらぶん殴ってたところよ

【──つまりはミルクで大丈夫ということ】
【面倒な言い方であったが紅茶に拘りがあることは窺えるか】

【新たに現れた黒髪の女性にはチラリと視線をやって、態々話し掛ける事もないかとすぐに視線を外す】
【それでもやはり腰の二刀は気にかかり、直ぐに手に取れるように剣を引き寄せ、警戒は怠らずに】

私?私はゼリシュ・フェーブス
今は色々あって旅をしてる身よ

──用件、というか何と言うか、少し前に眼帯をした武器商人みたいな男に会ったのよ
それで、その男に此処に行ってみたらどうだ?って言われたから覗いてみようと思ってね

【話しながら思い起こすのは港であった怪しい男】
【眼帯とスーツ、そして変わった柄のネクタイの彼は確か、マフィアと武器の取引を終えたところだと言っていたか──】
【マフィア、その単語が何故か引っ掛かり、これまた何故か、黒髪の女性を一瞥する】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/16(火) 00:44:11.84 ID:Il4290+qo
>>454

【突然、本当に予想だにしないタイミングで伸びてくる柔らかい指先】
【不意を突かれた行動、さらに口元から伝わってくる不慣れなこさばゆさを感じ取ると】
【剛太郎の顔に薄く赤みがさすと、わたわたと手を振りながらたじろぎ始める】


――――――――――!?ちょ、桜ちゃん!?
急になにしてるの!?俺べつに口元に何も付けてない!

「俺アンタの羞恥心のポイントはよく分からんわ」


【こほん、と咳払いをしながら向き直るのは、突然喋り始めたレッドカラーのトイプードル】
【雌の犬のはずなのに初老の男性の声でしゃべり始めた謎めいた子犬はきょろきょろと辺りを見回すと】
【今自分が少女の手に抱かれている事に気が付いたが、優しくその毛並みを撫ではじめると】


『―――おい剛の字、プーラの毛並みに無断に触らせるなとあれほど……!まあ、ええ
あんまり乱暴に扱うなよ娘子、手入れには気を使っちょるんじゃあ……しかし、ここは"桜桃"か
懐かしいのう、故郷のすぐ近くじゃあ……故郷にももう何年も帰っちょらんが』

へえ、ホントにムク櫻の国の出身なんだね


【まあのう、と頷くが……しかし屈託なく笑う、桜という少女に決して悪い気はしない様子で】
【子犬はかり、と前足で頭をしばらくかくと、咳払いした後】


『……大山 無玖、しがない犬好きのジジィじゃあ』

「犬の姿じゃあ多分わかんねーと思うッスよ、ムクさん
っと、いつまでもこうしちゃいられねー、ゴウさん、そろそろ行こうぜ」

――あ、そうだね……じゃあ桜ちゃん、俺たちこれからいく所があるから失礼するよ
また何かご縁があったらもう一度お会いしようね!それじゃあ!


【そういうと、剛太郎は再び地面に置きっぱなしにしていた棺桶を引きずり出すと】
【犬と弟分を連れて、そのままその場から去っていくのだった……】

【←To Be Continued...】

/お疲れ様でしたー!
/短い絡みで申し訳ない!
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/16(火) 00:46:35.77 ID:jiYgl+rGo
>>459

【慌ただしい春一番の風のよう、吹き抜けた跡には爽やかな整髪料の香りが残って】
【去っていく二つと一つの人影を見送ったなら、左手を小さく横に振るのだろう】
【ほほえみ一つ残照のように残したなら、消えていく背中をいつまでも眺め続けて】


/お疲れ様でしたー!
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/16(火) 00:57:10.40 ID:nFs4mR9no
>>441 >>451

【流石にこちらの少女ではないか…そんな簡単な予想はあたってよかったと思う】
【ざっと>>441の全身を見る。若い剣士か、そういった人も来るんだな。ウチとは大違いだ】

あの…そちら様が何か込み入った話ならば…また、日を改めてお邪魔させて頂きますが
……私も同席してよろしいのでしょうか?

【客人が2人でオマケに別用事ってのも珍しくないんだろうか】
【自らの所属する組織ではそういった場合1人が別室で待つのが普通だ】
【それも込み入った話や聞かれて困る話が多いってのもあるが…】
【こういったオープンな場で、しかも代表が直々にと言うのはこの代表の人柄か、それとも規模が小さいだけか…】

【取り敢えず、スーツの女はカウンターへとカツカツとヒールを鳴らして歩いて行き】
【そこに大きな茶の紙袋をドンと何気なく置く】

手ぶらじゃ失礼だと思いまして。どうぞ、お受け取りください。
セリーナさんのお噂はかねがね………どうも、お酒を嗜まれると聞きましたので、こちらを…と

【茶の紙袋の中から大きな薄い緑色の大きな瓶が2本。中には濃い赤の液体で満たされている】
【まあ、俗にいう赤ワインと言うやつで。そこそこ値の張るリッチなフルボディな奴を2本取り出した】

私には良くわからないので、まあ大したものじゃないでしょう。酒屋の主人がベターだと言うもので。
いえ、どうぞ、お構いなく……ああ、なんでしたらこのワイン。あけましょうか?あー…コルク抜きはありますか?
 
【腰に下げた刀のようにスパスパ切れそうな物言いだ。ボトルをカウンターに置くと】
【はっと思い出したように踵を返して、カツカツと遠く離れたテーブルに歩いて行って】
【そこに、腰に下げてあった刀を2本。鞘ごとテーブルに置く】

どうも、失礼いたしました。

【そう言いつつ、カウンタの方へと戻っていく。 その姿は何処か何故か何かしら手馴れている】
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/16(火) 01:10:51.23 ID:EjnRCI4L0
>>450

(――――…………?)

【意識に飛び込んで来るのは痛みではなく言葉だった。予想外の行動だったが、意識に空白は生まれずに“理解”、】
【要するに、命だけは助けてやるから断片(かけら)を寄越せ、と――――】

……愚かすぎて言葉もないわ。
“先ず最速での無力化を図る”―――― この程度のことすら、考え付かなかったのかしら?

【呆れと冷たさの入り混じった声で、クスリと少女は一度だけ笑った。】
【この状況は最早劣勢ですらない。そう、“変わった” 戦局への理解を終えて】

【準備≠、実行≠ヨと移す】
【“斜めに傾けた” 刀身、“力を籠めていた” 両脚――――】

【上体をに傾けながら全身を廻し、しゃがみ込む様にして拳銃の射線から頭を除けつつ、その回転の勢いで彼から左手を解放しながら横に斬撃―――】
【瞬時にヒルコが後方に退避して太刀から逃れない限り、彼の胴体を内側から肩側へ、横一文字に斬りさきながら脱出を終えるだろう】
【無論 “彼が退避した” ならば彼女の脱出はより容易になる】
【何れにせよ、斬撃は、カノッサ機関の少女をも、右肩から左脇腹へと袈裟掛けに斬り捨てる軌道で襲って、】

(或る意味必然だったのかしらね、これは)

【……“初動” は、トリガーをを引き切る所作は十二分に知覚できる。】
【譬え言葉の途中で銃撃が起ころうと、彼女ならば……銃弾が放たれるまでには余りに容易く、この決まりきった射線を躱せる。】
【そう確信していたからこその、余裕ともとれる行動だったのだろう】
【だが理由は其れだけでなく、】

(……けれど、――――――――)

【……攻撃ではなく対話を選んだ。よりによってこの彼女を相手に、その刃(ありかた)を虚仮にする様な交渉を持ち掛けた――――】 
【其れが彼らの致命傷だと、何処までも下らない事をしてくれたものだと。少女の誇りは、静かに冷たく激情を生じてもいた】

……貴方達の敗因は幾らでもあるわ。

数の優位に頼り過ぎた。
自分達の優勢を信じ切って、どうしようもなく油断しすぎた。

何より私の誓った孤剣(つるぎ)を、託された生命と意味を侮辱した―――――――

さようなら見知らぬ貴方たち。覚悟は……もう終わったのかしら?

【完全に冷徹な戦闘機械のように。ありとあらゆる戦術を以て、彼らを打倒するのだと定める様に、】
【凄絶に過ぎる戦意を以て、彼らの勝利を否定し尽くすのだろう】

【脱出後の、彼女とヒルコ達の距離は約1メートル半―――― 彼女には、一手で彼らへと纏めて斬撃を放てる距離だ】
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/16(火) 01:12:31.54 ID:EjnRCI4L0
>>450

(――――…………?)

【意識に飛び込んで来るのは痛みではなく言葉だった。予想外の行動だったが、
【要するに、命だけは助けてやるから断片(かけら)を寄越せ、と――――】

……愚かすぎて言葉もないわ。
“先ず最速での無力化を図る”―――― この程度のことすら、考え付かなかったのかしら?

【呆れと冷たさの入り混じった声で、クスリと少女は一度だけ笑った。】
【この状況は最早劣勢ですらない。そう、“変わった” 戦局への理解を終えて】

【準備≠、実行≠ヨと移す】
【“斜めに傾けた” 刀身、“力を籠めていた” 両脚――――】

【上体をに傾けながら全身を廻し、しゃがみ込む様にして拳銃の射線から頭を除けつつ、その回転の勢いで彼から左手を解放しながら横に斬撃―――】
【瞬時にヒルコが後方に退避して太刀から逃れない限り、彼の胴体を内側から肩側へ、横一文字に斬りさきながら脱出を終えるだろう】
【無論 “彼が退避した” ならば彼女の脱出はより容易になる】
【何れにせよ、斬撃は、カノッサ機関の少女をも、右肩から左脇腹へと袈裟掛けに斬り捨てる軌道で襲って、】

(或る意味必然だったのかしらね、これは)

【……“初動” は、トリガーをを引き切る所作は十二分に知覚できる。】
【譬え言葉の途中で銃撃が起ころうと、彼女ならば……銃弾が放たれるまでには余りに容易く、この決まりきった射線を躱せる。】
【そう確信していたからこその、余裕ともとれる行動だったのだろう】
【だが理由は其れだけでなく、】

(……けれど、――――――――)

【……攻撃ではなく対話を選んだ。よりによってこの彼女を相手に、その刃(ありかた)を虚仮にする様な交渉を持ち掛けた――――】 
【其れが彼らの致命傷だと、何処までも下らない事をしてくれたものだと。少女の誇りは、静かに冷たく激情を生じてもいた】

……貴方達の敗因は幾らでもあるわ。

数の優位に頼り過ぎた。
自分達の優勢を信じ切って、どうしようもなく油断しすぎた。

何より私の誓った孤剣(つるぎ)を、託された生命と意味を侮辱した―――――――

さようなら見知らぬ貴方たち。覚悟は……もう十分に終わったのかしら?

【完全に冷徹な戦闘機械のように。ありとあらゆる戦術を以て、彼らを打倒するのだと定める様に、】
【凄絶に過ぎる戦意を以て、彼らの勝利を否定し尽くさんとするのだろう】

【脱出後の、彼女とヒルコ達の距離は約1メートル半―――― 彼女には、一手で彼らへと纏めて斬撃を放てる距離だ】

/微妙に途中送信しちゃいました、というか遅くなって申し訳ないです…
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/16(火) 01:13:53.84 ID:EjnRCI4L0
/…あ、逆でした。>>462のままで大丈夫ですっ
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[ !nasu_res]:2013/04/16(火) 01:19:57.68 ID:HoG1Dmc30
>>455

【エリザベスの言葉を聞きながらゆっくりとアベルへと近づきその脇腹を踏みつけるようにして触れそのまま転移の魔術を発動させる】
【アベルの姿は黒いオーラに呑まれ、そして転送されていった―――レギンは眼鏡の位置を整えながら口元に三日月のような笑みを作る】
【まうで全身を蛇が這っているような不快感を感じるかもしれないそんな視線。】

ええ、心配しなくてももう撤収しますよ―――予定よりは少ないですが人間もこの程度でいいでしょう。
排除=c……フフこれは面白い。それでは少し遊んでも構いませんよ………?いかがしますかフロイライン=H

【ゾワッ!っと全身から黒いオーラを沸き立たせ金色の瞳でエリザベスを見つめながらケラケラと笑ってそう言い放つ】
【エリザベスが少しでも動けば即座に八つ裂きにする―――そう言わんばかりに。】

>>456

【おや、と床に倒れて立ち上がれないギアボックスへと眼を止めるとゆっくり、ゆっくりと歩み寄っていき】
【そしてギアボックスのまで膝を畳んで屈みこみ―――にっこりと顔に笑みを浮かべたまま右手をギアボックスへと―――。】

大丈夫ですか…?おやおや腰が抜けてしまったのかな?これは大変だ―――手を貸してあげましょう。

【そのまま首を掴んで持ち上げようとするだろう―――蛇のようにゆっくりと締め付けるような………そんな力加減で】
【成否に関わらず直ぐに手は放して愉快そうに笑って見下ろすだろう。】

>>457

【そしてくるりと回るとセシルの方へと視線を向ける―――魔眼と魔眼、二つの呪詛が、視線が交差する】
【一度考えるように顎に手を当ててからそれから思い出したように一度頷くとセシルの方へと一歩歩を進めていく】
【ゾゾゾッ!まるでセシルの背後から無数の魍魎が絡み付くかのような不気味な寒気が流れる。】

貴方は知っていますよ―――このNO.2に加えてNo.5も退けていますね………それに過去は機関に協力していた。
個人的にとても興味があるのですが………どうです、今度ゆっくりお話でもしませんか…?

【クツクツと笑いながら親しげにそんな事を言い放つ―――だが依然として魔眼の力は放たれたままだ。】

>>ALL

【ゴウン、ゴウンという音の所在を探そうと上を見上げればすぐにわかる―――そこにはあの巨大な飛行船が、この大聖堂の直上にッ!】
【パッと飛行船からサーチライトが大聖堂に向けて放たれ其れはまるでスポットライトのように一同を照らしだす。】
【そしてレギンの元へと一本のワイヤーが垂れてきて―――レギンはそれを掴んでフッと床から脚を放し―――宙へと浮く。】

それでは皆様―――これにて我々は撤退させて頂きますよ………フフ。
あぁそうそう………3000人程お土産≠頂いて行きましたが………まぁお気になさらないで下さい、人間など掃いて捨てる程いるのですから。


それではまた会いましょう………次もまた、夜の国のどこかで………。


【空中へと移動しながらレギンは一度指をパチンと鳴らす―――その瞬間、ゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴッ!と大聖堂が凄まじい勢いで振動する!!】
【何が原因かは分からないがこのままで倒壊の恐れがあるッ!直ぐに外へと脱出すべきだろう。そして―――。】


            
             【 ゴ ー ン ゴ ー ン ゴ ー ン ゴ ー ン 】



【大聖堂の地下から、巨大な鐘の音が響き渡り―――それが止むと同時に激しい振動も収まるだろう。】
【まるで………何かが解き放たれた≠謔、な、エルモ永久凍土と同じような感覚が辺りへと広まるが………今の振動で地下への道は途絶え何が起こったのかは分からず終いだ】

【夜空を見上げれば―――多数の人々と、そしてレギンを乗せた飛行船は―――北部のディネム山脈も越え―――北の方角≠ヨと消えた】
【北の果てに連れて行かれた人々は一体どうなるのか………知る由もない。ルルーメンの街並みを見渡せば機関員が去った後の爪痕だけが残っている】
【あちこちで燃え上がっていた火は消し止められ、能力者や自警団の活躍で被害はギリギリのラインで喰いとめられた、しかし】

【新たな戦いの―――そして何か恐ろしい事の始まりを予感させ、この夜は幕を閉じるのだった。】

//これにてイベントの〆とさせていただきます!平日にも関わらず多数の参加ありがとうございました!
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/16(火) 01:29:20.06 ID:wh7kCRPUo
>>458

(――いやいや、有名になったとはいえアタシもまだまだ、顔が売れてるって程じゃあない証拠だね。)
(それとも、単にこの娘が疎いのか・・・格好を見るに、確かに現代っ子!って感じはしないけど。)

あー、ははは・・・。そっか、まあたま〜に新聞とかに載ったりもするからね、どっかで見かけたのかもしれない。
うんうん、"マスター"の方がよっぽど、しっくりくるねぇ!アタシにはそっちが似合ってると思うよ。
自分で言うのもなんだけど、さ。

【なんて、話していると――どうやら、好みの選択を間違える事だけは避けられたらしい。】
【レモンを出していたら拳が飛んできていた、なんて言われてしまえばガンマンは苦笑いし】
【コポコポコポ、と湯気を立てるチャイをミルクと一緒に、カップに乗せてテーブルへと置いて】

――ゼリシュ、フェーブス・・・変わった響きの名前だね、よろしくゼリシュ!
へぇ〜、旅してるんだ・・・じゃあその、武器商人さんとも旅の途中で出会った、ってワケだね。
いいねぇ、行く当ての無い旅に男の子との出会い!一夜限りのロマンス――なんて、憧れちゃうな。

でも、武器商人さんに勧められて此処に来るって言うのは・・・つまり、ゼリシュは武器を探してる、って事かな?
背中にしょってるでっかい剣だって、随分強そうに見えるけど――

【ちょこちょこと、冗談を交えて緩い雰囲気にしつつも、核心をつくように話を進めて】
【武器商人、という単語が聞こえたときにはほんの少し、眉をひそめるだろう――はたして、知り合いにそういう者がいただろうか、と。】
【個人的な関係で銃器のメンテナンスを依頼しているガン・スミスは確かにいたが――はて、UTを勧めるような者というと限られてくるような気もして。】

>>461

【どうやら、相手の女性は商談にも慣れているらしい――客と言えど礼儀正しく、二人同時の対応を気遣うだけの余裕があって】
【セリーナもあら、と驚くが――まあ、ゼリシュとの会話も特別に込み入ったものではあるまい。】
【それにここは人手も時間も足りていないし――なにより、夜分に客を待たせるのも気分が乗らなかった。】
【人柄、其れも確かにあるのだろうが――逆に言えば込み入った話ならばそもそもカウンターではしない、させないという】
【ある種両極端ともいえる"秘密主義"をセリーナが貫いているせいもあるかもしれない――本当に重要な話ならば】
【地下の基地まで案内する事も、あるからだ。】

同席で大丈夫、だと思うけど――ゼリシュちゃんも、そんなに込み入った用件、って感じじゃなさそうだし!
むしろ貴女の方は大丈夫かな?よければ一緒にどうぞ、賑やかな方が夜も楽しいってもんさ。

【なんて軽やかに対応し、カウンターへ招き入れたのも束の間、彼女の手元にあるその"袋"を見た瞬間――】
【――セリーナは素早く、いや本当にこればかりは――野生の勘、とでも言うのだろうか――】
【目を輝かせ、"お酒を嗜まれる"という女性の言葉を聞くよりも素早く―――中身がなんであるのかを、見抜く。】
【酒限定で嗅覚が犬並みになるのか、もしくは神秘的なブルーの瞳には透視能力でもついているのか――恐らくは前者であろうが】
【ぱぁ、と表情を明るくし――酒瓶に飛びつかんばかりの勢いで、取り出した。】

―――"大したものじゃない"、ですって?何を仰いますか嗚呼―――嗚呼。これよこれこれ!!これ!
はぁ〜ん・・・なんてステキなルージュの輝き・・・今すぐ飲み干したい・・・一滴残らず・・・ハッ!
(し、思考が口から漏れていた!?いかんいかん、久しぶりの赤ワインで脳みそが・・・ふぅ、落ち着こうセリーナ。)

あ、ああ、ごめんなさい!いや、ていうかありがとうございます!こんなステキなプレゼントまで――
え、良いんですか!?じゃ、じゃあ空けちゃいましょうコルク抜きなんてもう腐るほど用意してますよええもちろんハッハァー!

【聞くより早く、常備しているコルク抜きでスポン、と小気味良い音を響かせワインを開放――濃厚な香りが鼻腔をつく、と同時にセリーナの表情は緩む。】
【本当に、心から嬉しそうな表情で――なんというか、無防備だ。】
【暫し香りを堪能しつつ、それをグラスへと注ぎながら――やがて本来の目的を思い出したのか、ふと我に返って】

――あ、いやいやいや!ワインで舞い上がっちゃいましたけど、そもそもどんなご用件でいらっしゃったのかな?
依頼とかだったらもう――こんな上質なお酒受け取っちゃった以上、120%の力で頑張っちゃいますよアタシ!
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/16(火) 01:34:54.98 ID:Nk/FZ+/00
>>462

「あ゛? なんだとコイツ」

『!!』

【一変する状況】
【ヒルコがとっさに飛び退くと、刃がヒルコの皮一枚を切り裂き鮮血が舞う】

「ヒルコ!?」

『問題ありません!』

【それはカノッサにあるまじき甘さからか】
【それとも戦士にあるまじき油断からか】
【それとも幼さゆえの傲慢さからか】

【捉えかけたチャンスを、一瞬で逃し】
【あろうことか逆転されていた】

【ヒルコはさも残念そうな表情でふぅとため息を吐くと】
【向こうへ飛び退いた少女を見据えポツリと呟く】

『はぁ、UTの皆さんならこれで終わってたんですがねぇ・・・。
 そうですか、有利になったら問答無用で殺しに掛かれと。どっちが悪党だかわからないセリフですね』



『じゃあそうさせていただきますか、跼天廻召・岩蟻』



【突如、コンクリートが。鉄筋が。切り立った地盤が】
【ロープウェイの空中駅が一瞬で乾いた砂の城の様に崩壊した!】
【崩落する瓦礫はまるで蟻の軍隊の様に】
【少女に纏わりつき、凄まじい力で圧殺しようとする!】

「ちぃ!」

『おお!?』

【そこは一瞬で何もない空になり】
【まがわは片手でロープウェイのロープを掴み、片手でヒルコの腕を掴んで宙ぶらりんになる】

「いきなり何すんだ馬鹿ぁー!」

『あはは、申し訳ありません』
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/16(火) 01:39:00.20 ID:EjnRCI4L0
>>467
/えっと…この場合、戦闘ステージ全体が崩落した感じになるのでしょうか?
/それならそれで大丈夫ですが、一応確認のためっ
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/16(火) 01:39:47.17 ID:8CYnW2x0o
>>465

【一歩寄られれば、じりと一歩下がる】
【引かないどころか増していく寒気。コーネリアスとはまた違う、六罪王としての格】
【長らく合わせていれば消耗するのは此方だ――負けを認めたように、視線が逸らされる】

それは光栄、なのでしょうかね……ジェイには、勝ちを譲られたような感覚もありますが
……嗚呼それについても、言い訳はしませんよ。 現にあの戦いは楽しかった

興味――? はて、興味? 私に?
私は戦いと、娘と、■■以外に興味がないので……分かりかねますね、それは

【三つ目が妙に人の声ならざるノイズ混じりなものになり、不明瞭に聞き取れない】
【それ以外では何の事もない、六罪王に対しての畏怖が混じったような言葉でしかないのだが】

【そして去っていく姿を眺めている間も無く、大聖堂が崩壊を始め】
【舌打ちを一つ、残存魔力を総動員して開いた転移術。然程距離は飛べず、荒れた街の中に出た】

【「酷いものだ」と漏れる呟き、ふと目にしたのは握り締めたままの――】

…………まあ、良いか

【自警団達が慌ただしく活動する中で、黒衣の男はそっと背を向けて】
【誰にも気取られぬよう、まるで煙のように、去っていったのだった】

/お疲れ様でしたー!
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/16(火) 01:40:37.70 ID:/9CxVpzeo
>>465
【震えが、止まらない。身体が言うことを聞かない。意識を保つだけで、精一杯だった】
【こちらへと歩み寄ってくるレギン、血も凍る思い、とはこのことか。必死に身体を動かそうとするが、かなわなかった】

ひ……ひいっ……

【情けない声が漏れる。眼前に近づく柔和な笑みを湛えた顔。ゆっくりと、首に添えられる手。蛇に巻きつかれたような感覚】


あ……ああ……あっ……

【先ほどのアベルの長髪に比べれば、はるかに軽い圧迫感ではあったが……】
【その手が自分を持ち上げた時、四肢をちぎられるよりも恐ろしいものがあると知った】
【青い瞳には涙すらあふれ……手が放される。地面に崩れ落ち、再び見下ろされる】
【この男が指一本動かすだけで、自分の命などたやすく潰える――脳裏に、踏みつぶされるアリのイメージが交錯する】

【響き渡る音の正体が、その目に飛び込んでくる。頭上を占領する、巨大な影。街で見た、飛行船】
【去りゆくレギンの最後の言葉が、脳裏にこだまする。自分など、歯牙にもかけぬその姿】
【多くの人々が犠牲となり、連れ去られていく。何も出来ない。自分は、なんと無力なのか】

【レギンが鳴らす指の音と共に、自分の震えも呑み込んで伝わってくる大振動】
【それに突き動かされる形で、ようやく身体に感覚が戻る】
【もつれる足でどうにか立ち上がり、大聖堂の外へと駆け出す】

【そのまま、地面に倒れ込む。最後に響き渡る鐘の音。この世の終わりを歌うかのように思えた】
【そして、自分が倒れている地面から伝わる、感覚。何かが解き放たれた=z
【北の空へと消えていく飛行船を茫然と見送りながら、男はただ痛みと恐怖と無力感に打ちのめされていた】


/主催者様、皆様、ありがとうございました!! 楽しかったです!!
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/16(火) 01:49:14.65 ID:vJ1GEHP4o
>>455

【―――動けない。殺されるという恐怖だとか、そういう複雑怪奇な折り重ねではない】
【もっと単純な、動物的本能――蛇に睨まれたカエルの気持ちがよく分かる】
【だから結局、もう一太刀を振るうことは出来なかったし、上空の飛行船を見るのが精一杯】

……ですが、撤退頂けるのなら結構。私の仕事はそこまででございます
生憎と私は自警団やUNITED TRIGGERとは違い、また機関を憎みも恨みもしておりません

或いは、時と場合によれば背を合わせることが無きにしもあらず……
それと忘れていましたが、グラトン様の配下である『ネバーランド』の皆様によろしくお伝え下さいませ。
エリザベス・カーライルは元気に働かせていただいていますよ、と。

【最終的に、メイドは先程のサーフィンの要領で大聖堂を脱出し、事なきを得る】
【怪我こそしたが重症というほどでもなく、成果は上々―――正義の使徒ではない彼女が、3000の犠牲を悔いることは、無かった】



     なんだか向こうが騒がしいね、弟クン。お祭りか何かかなぁ?

     『……確か、機関のレギンって人が襲撃を……同僚さん、じゃ…?』
     『それにリリア姉さん……幾ら聖焔を手に入れても、その姿で外を出歩くのはやめたほうが――』

     会ったことは無いよ。六罪王ってお気軽で、事務仕事が在るわけじゃないし
     それに、出歩くのもいいの。いきなりおじいちゃんが美女に変わってもみんな受け入れられないでしょー?
     ……でもそっか、“レギン”かぁ……フフッ、一度顔を合わせてみたい所だケド――


         ―――――それにしてもホント、教会の鐘って大っ嫌い。


【遠く、風の国のとある塔。聞こえるはずもない鐘のが響きでもしたか、一人の半魔がつぶやいていた。】

/お疲れ様でしたー!
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/16(火) 01:53:27.58 ID:EjnRCI4L0
>>467
/…お返事がないので、そういう(>>468)認識で書かせて頂きます。違う場合はこのレスへのレスをお願いしますっ
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西・北陸)[sage saga]:2013/04/16(火) 02:04:56.01 ID:VAv7iBxAO
>>461 >>466
【紅茶が出されれば、適当にも見える程に慣れた手つきで砂糖やミルクを入れて】
【一口口に含み、香りを確かめるように暫く黙り込む】

──外で飲んだ中では一番まともね
家を離れるとなかなかまともな紅茶を飲めないから困るのよ……

【口を開いたかと思えば飛び出すは上から目線の感想】
【家では一体どんな紅茶を飲んでいるのやら】

何だか知らないけど、歴史のある家みたいでね、うち
それで名前も何かあるみたいだけどよく覚えてないわ

旅、とは言ったけどあちこちにある親戚の家を拠点にしてるから大したものじゃないわ、少なくともロマンなんてものはないわね
──そう言えばその武器商人、知り合いじゃないのかしら
眼帯とスーツ、変なネクタイって感じだけど、心当たりない?

【家の事に関しては、本当に知らないのか、それとも何かはぐらかしているのか】
【そうして話題を港で会った"彼"に移して】
【残念ながら少女は名前を聞いていない。故に伝えられるのは特徴だけ】

ん……た、ただ単にばったり出会したってだけよ
それに、武器はこのクロイツ≠セけで十分だもの

【まさか『ろくに知り合いがいないと言ったら奨められた』などと正直に言える筈もなく】
【そこまで言って剣に触れれば、何かを感じたように表情が変わる】

マスター、何かこう……欠片みたいなもの、持ってるんじゃない?宝玉的なやつとかさ

【少女の長剣、その刃の中にある創炎の宝玉の欠片】
【それと同じ物が近くにある、そんな気がしたのだ】



──え?ああ、別に私は大丈夫よ
ま、そっちが二人きりじゃないと困るんだったら引き上げるけど

【実際込み入った話をする予定はない】
【故に拒否する理由はない。まさかここでいきなり切りかかってくる事もないだろうし】
【だから努めて穏やかな表情を作ってそう言ったが、次の瞬間には盛大な呆れ顔になっていた】

う、うわあ……酒好きって本当にこんな事になるのね……

【ワインに食い付いたセリーナのはじけ方に呆れているのだ】
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/16(火) 02:04:56.87 ID:nFs4mR9no
>>466

そうですか?では、失礼したします。…ええ、私は構いません。
今日はほんの挨拶で参りましたので。しかし、実際のところ
私にも何処までの話しなのか、私にもわからないんです。
もしかしたら、そちらのプライヴェートに関わるかもしれませんが…

【内心、気を使ったような口調と表情になるように柔らかくコントロールしている】
【素で話すと冷淡で礼儀も何もないと思われることもあるからだ】
【彼女の仕事にもこういった話し合いが多々あるのだが身についたのはつい最近のことだ】

【ワインで目を輝かす相手を見て、そんなに良い酒だったのかと気がついた】
【そして相手も噂に寸分たぐわない善い人間だということも確認できた】

そうなんですか。私、ワインは…そうですね…コーラよりは飲む機会が多い。という程度なので
どうぞ。せっかくですから…喜んでいただけたのなら幸いです。酒屋の主人も喜ぶことでしょう。

【軽く、ニコリとその喜び舞い上がる姿を見て笑う】
【そうして、スーツの内ポケットから黒革のカバーの手帖を取り出して】

……まあまあ、まずは頂いてください。味が悪くなっちゃいますよ?なんて…
まあ、本当に取り敢えずは…

【ニコヤカに酒を進める姿は奥ゆかしい人物と捉えられんだろうか】
【これは身分を明かせば、良い気分を悪くするんじゃないか…という彼女なりの気遣いだった】
【それほど、今回の要件の暗雲と自らの身分の世間のイメージぐらいは知っているためだ】

【相手が、そのグラスに飲み干すか、口をつけたりかをするのを確認すると】

私は霧崎 舞衣と申します。D.R.U.G.S.下部組織である富嶽会にて会長の秘書をしております。
………といっても、今回の話には私の肩書きは関係ありません。ほぼ、私的な内容なんです。

【スッとカウンタに手帳から取り出した名刺を置いた】
【名前と肩書き、電話番号。事務所の住所などが書かれている】

さあ、どうぞ。もう一杯。

【そう言ってワインの瓶を手にとって、グラスに注ごうとする】
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/16(火) 02:06:09.95 ID:Nk/FZ+/00
>>468>>472
/ごめんなさい! シャワー浴びてました!
 それで大丈夫です! お待たせしてすいません!
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/16(火) 02:44:00.66 ID:EjnRCI4L0
>>467

(……反応速度はそれなりにある。決して油断できる相手じゃない――――)

【警戒は絶えず保ち続ける。彼らとは、あらゆる意味で “違う” のだろう】
【そして聞こえてきた言葉に対して返す、】

………馬鹿馬鹿しいことばかり言うのね、貴方は。
相手を舐めるな、というだけの事よ――――

…………どんな正義を願っていても、勝てなければ誰も救えない。
誰かを零さずにいられるのなら、躊躇いなくこの修羅道(しゅら)を私は選ぶ―――――

……私はその意味に殉じているし、生き方を後悔するつもりもない。

(――――――…………!)

【呆れ気味の言葉は終わって。殺到する無数の瓦礫と足許の浮遊感から状況を理解―――】
【………もはや猶予はゼロに等しく。迎撃が、現状唯一の打開策だった。】
【太刀を取り廻す斜めの一閃―――――ただそれだけで纏わりつく瓦礫が、荒れ狂う砂塵が両断され鈍色の飛沫と散った】
【一瞬だけ開けた脱出口。崩落する世界から上へ、上へ、上へ――――瓦礫から瓦礫へと跳躍を続け、昇る勢いを以て重力に抗う、】


(……死んでなどいられるものか。私には、為さなきゃならない  がある―――)

【叩き斬って切り拓く、その生き方を以て “救い出す”、】

【そのために生きているのだろうと、意識と五感を研ぎ澄まし続ける。昂ぶる灼熱の戦意が力を与え、冷たく冴えた意識が躰を動かしていた】
【一度でも踏み外せば終わりなのだろう。顔も、手も、脚も、躰はきっと微塵に砕けて消える―――――】
【ならば必要なだけ迅速くあればいいと、そのために総てを賭け続けるのだと】
【極限の集中を少女は重ねた。敗北を断ち切る伝承の様に、或いは神話翔け巡るかの鳥のように。】

………何時までもこうしている訳には行かない――――
だからこれで本当にさよなら。
私は、貴女達を斬り越えたその先に進む―――――

【そして、】
【やがて見えた鋼索(ロープ)を左手が掴み―――― 既に崩壊したロープウェイ機構の、ヒルコとまがわの命綱たるその末端、】
【端にあたる切れ端を右手の太刀が斬り落とし、奈落への彼らの誘導を其処で終えんとした】
【彼らに飛行手段が無ければ、或いは何らかの方法で新たな鋼索を掴めなければ。そのまま、これが彼らとの別れとなるのだろうか】

/了解です……!
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/16(火) 02:55:01.34 ID:wh7kCRPUo
>>473

――お♪ゼリシュちゃん、お目が高いねぇ!ウチはお客さんも一杯来るし、なによりアタシ自身が
趣向品には拘りを!っていう意識でお店やってるから、茶葉とかコーヒーの豆なんかは結構良いの使ってるんだ。
まー、アタシはバカ舌だから実のところ目隠しして飲み分け、とか出来ないんだけどね・・・あはは。

【――通常、拘りを持っていなければ"良い紅茶"等という物が出るのは矢張り、両家という印象がセリーナの中では強く――】
【そこでふと、ゼリシュの格好を思い出す。――鎧、ドレス。確かに、言われて見ればそれはまさに、貴族のようにも見えなくは、ない。】
【だから次に繋がった言葉にも、自然と順応できて――歴史のある名家、なるほど。】

――へぇ〜!じゃあ"良いトコ"のお嬢様だ、ゼリシュ!お金持ち、って感じが確かにするかもしれないね。
気品がある、っていうのかな――紅茶飲んでる姿も、なーんだか優雅だもんね。

あら、流れ者さん、ってワケじゃないんだね。それにしても親戚さんが多いって羨ましいなぁ、アタシには一人もいないからさ。
昔旅したときなんかは、確か片端から声をかけて知らない人に泊めてもらったりとかしたっけ・・・今思うと、懐かしいねぇ。
・・・ん?いや、ちょーっと待った。眼帯、スーツに変なネクタイ――・・・ネクタイが変?

【はて、旅の話や身の上話で盛り上がっていると、聞こえてきたのは"ネクタイ"がヘンテコな男の話。】
【おまけにスーツ、眼帯とくればもう、自分の中に当てはまるのはたった一人、あの男しかいないのだが――・・・武器商人?】

(ら、ラッシュさん・・・素性がつかめないとは思ってたけど、武器売ってたりするんだね。なるほどなー・・・)
(あの"大神さん"の造った武器とか、売ってたりするのかなー。アタシが欲しいくらいだけど、今度聞いてみようかな。)

あー、その"おにーさん"ならね、アタシの大事な大事な、親友さんだよ。
何度も此処を護ってもらってる――いつか挨拶に行かなきゃ、なんだけどね。恩人さんなんだ。
恩人さんで――でもって、ライバルでもある、みたいな感じかな。

【煮え切らない返事ではあるが、どうやらその"ラッシュ"とセリーナは、お互い関係を持っているらしい。】
【セリーナからすれば恩人である、とも伝えて――どこか恥ずかしそうに、少しだけ照れながら、そういった。】
【しかし話が宝玉――創炎の欠片へと向かったその時、視線を鋭く、研ぎ澄ませ】

(――まさ、か。ゼリシュちゃん、あの"凍土"にいたのかな?欠片の存在を知ってる、ってことは――)
(なるほどね、アタシは魔翌力を感じる術を持たない一般人だけど・・・やっぱり分かる人には、分かっちゃうんだ。)

・・・オーライ、そういう事ね。ゼリシュ、アタシもあの時、あの"凍土"にいたんだよ。
んでもって主犯格の"嫌みったらしいヤツ"と戦ってね、まあ・・・負けちゃったんだけど、さ。
でも――そう、貴女の言うとおり。これだけは、護りきった。

【――土気色のベストの内ポケット、掌に納まる小さな欠片を人差し指、中指で挟んで取り出し――ゼリシュの前に、見せる】
【その欠片は小さくも、紅く神秘的な輝きを放ち――静かな、荒れる事の無い錬度の高い魔の瘴気を漂わせるだろう。】
【欠片であれど、宝玉の力は偉大である――もっとも、セリーナはまだ此れを有効活用できては、いなかったが。】
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/16(火) 02:55:22.44 ID:wh7kCRPUo
>>474

【――なるほど、女性のは構わない、という事であったが――逆に此方のプライベートに関わる話である、と。】
【セリーナには何の事かサッパリ、警戒しつつも理解が及ばなかったが、ともかく真面目な話ではあるのだろうと】
【ワインにあまり興奮しすぎ無い様、自分を抑えるので精一杯、というところか。】

――アイサツ、ね。
(同業者の方、って事かな?これから事業を共にする、見たいな――まあ、ウチそんなしっかりした会社じゃないけど。)
(でも見た感じバリバリのキャリアウーマン、って感じでカッコイイもんなぁ、取引なら得意分野だし――張り切らないと、ね。)

アタシのプライベート、に?うーん、なるほど。とりあえず、詳しく話を聞かせて欲しいかな。
こうやってしっかりとした人が尋ねてくることって、実はあんまり多くなくて・・・えへへ。

【個人の依頼や、大金持ちが尋ねてくる事は多々、ある。自警団や警察から要請が入る事も、しばしば。】
【しかしこうしてスーツを着込んだ人物が、手土産までもって尋ねてくる事はそう、多くは無い。】
【セリーナは軽く、緊張しつつも持ち前の肝の据わった、というか暢気な態度で相手を受け入れるだろう。】
【だからこそ、ワインを勧められれば「じゃ、遠慮なくいっただきます!」なんて調子に乗って口をつけて――】

【続く言葉は「美味い」で、ある筈だったのだが―――】

【"D.R.U.G.S"、その言葉の響きが耳に入った途端、流石のセリーナも咽こみ、ワインを逆流させそうになって――慌てて口を塞ぎ】
【飲み込み、ケホケホ――と咳き込んで。相当に、驚いたようだ。】

ケ、ホ・・・ッ!え、うぇ!?ちょ、ちょちょちょ!D.R.U.G.Sって貴女、ええ―――!?
私的な内容って言っても、そんな――あ、頂きます。

【驚きつつも、「さあどうぞ」とワインを注がれると、にへら〜っと笑いながら余りの美味さに感激しつつ、グラスを手にとって―――】

っておい!流されないよ!いや、確かにワインは絶品だけど――ビックリさせないでよ!えーっと、、霧崎、舞衣さん、だっけ?
じゃあ、舞衣だね、舞衣。いきなりカミングアウトだもんなぁ、お酒で咽るなんて12歳のとき以来だよ〜・・・。
あー、えっと・・・まあ、確かにウチはフリーの営利団体だし、個人での依頼、って話なら受託出来るけど――・・・
内容によっては、アタシは貴女を捕まえる必要だって出てくる、あんまり――・・・まあその、派手に動き回るようなのは、できないよ?

【コソコソ、と話すように耳元に口を近づけて――どうやら、D.R.U.G.Sと名乗られた事で驚きはしたものの、交戦の意思は無いようだ。】
【UTとしては、確かに敵対関係にある所謂"悪い連中"の集まりでは在るのだが、こと"マフィア"、という組織に関して】
【セリーナには思うところが色々と在るらしく――邪険に扱ったり、いきなり捕まえようとしたりという事はなさそうだ。】
【むしろ依頼に関しては内容次第では"受ける"とすらも言って。勿論、おおっぴらにそういう事は無いが、つまるところ】
【彼女は絶対正義を潔白として掲げるような人種ではない、困りごとがあれば敵でも協力するのが――人としての正しい道だと、信じているのだ。】
【まして個人での、私的な内容で頼まれて欲しいと言われた上に、自身の属する組織をきちんと、偽る事も出来るのに明かした舞衣に対して】
【セリーナは悪意のようなものや、なにか悪巧みのような意思は感じられず――とりあえず、話を聞いてみようと思ったのだった。】

【――感情的であるし、聊か合理的でないとも受け取れるが――UTは身軽で、この女は大胆だ。】
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/16(火) 02:58:14.06 ID:Nk/FZ+/00
>>476

【群がる瓦礫は踏み台にされ】
【少女は鳥の様に上へ上へと飛翔していく】
【崩れる瓦礫は少女を捉えんとするが、重力には逆らえず奈落へと吸い込まれていく】

「いぃ!? まだ生きてるのかよ!」

『あはっ、流石ですね』

【そして掴まれるロープウェイの鋼索】
【刀を当てられた瞬間まがわは顔を青くする】

「わーーー! 馬鹿馬鹿、考え直せ!! それを切ったらテメーも!!」

【プツリと、鋼索が断ち切られると】
【そのまま重力に従い2人はまるでブランコの様に闇の奥へと消えていく】

「ぎにゃああああああああああああああああああああああ!!」

【そこいらの絶叫マシンもビックリの空飛行をすると】
【しばし経ってから遠くでゴォンと間抜けな音が聞こえた気がした】
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/16(火) 03:26:44.08 ID:EjnRCI4L0
>>479

(…………?)

【命綱を切られる機関員の、彼女の焦りは当然か。だが疑問が一つだけ、小首をかしげる様に浮かんだ】
【“彼女も” 何だと言うのだろう? 位置関係上、彼らの落下は彼女には関係がないのだが……】

【そして躊躇いを捨てた太刀は振り下ろされ、切り捨てられた鋼索は彼らと共に闇に消えて、】

(、――――――)

【闇を見つめる橡色は、短く自問自答を繰り返す。】
【………彼らに、生きていて欲しいのか。それともただ脅威として観たがゆえに、斃れていて欲しいのか―――】
【けれども、】

(……考えるだけ無駄か。)
(たぶん、いえ間違いなく生きているでしょうから……)

【四度鳴り響いた鐘と……また別の何かの間の抜けた音色。それが彼女を現実に引き戻す】
【土を操る異能の持ち主ならば生存の策程度はあるのだろうし、それになぜだかそんな気がして―――】

【そして “巻き込まれる” 人々の不在による安堵と、奇妙な脱力感への拒絶……そんな小さなため息をひとつ。】
【黄金の焔を纏いながら太刀は虚空に消えて。徒手に戻った彼女は苦戦しつつも車体を跳び移り、レナールへの帰還を果たすのだが―――】   
【……それはまた別の話なのだろう。今宵の結末は此処に在り、これが、彼らとのひとつの決着だった。】

/この辺りでしょうか…こんな遅くまで本当にお疲れ様でしたっ!
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)[sage]:2013/04/16(火) 03:34:32.01 ID:MCJ00Sag0
>>480
/荵吶〒縺励◆
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)[sage]:2013/04/16(火) 03:39:41.19 ID:vMuc9Jm80
/荵吶〒縺励◆
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/16(火) 04:08:42.68 ID:nFs4mR9no
>>478
あ、ちょっと…大丈夫ですか?…まあ、無理もないでしょうが

【心配そうに相手を見ながら、グラスにワインを注いでいく】
【瓶をカウンターに置いて、彼女は自分もグラスのワインに口をつける】
【一口、飲んでみて。安物と大差ないなという味音痴の感想を思いながら】
【そっと親指でグラスの縁についたルージュを拭った】

ええ。ビジネスのお話は後ほど、お時間があればご提案させて頂こうと思っておりました。
ご安心ください。そちらのイメージを損なうような事は別に…勿論、密約に致しますし。
あら、ゼリシュ・フェーブスさんにも聞かれてしまいましたね。困った困った。 

【ニコッと笑いながら意地悪そうに言ってみた】
【耳打ちにも、普通の声のトーンで話す。密約と言うワードも第三者が聴いてる中も全く気にしない】

D.R.U.G.S.も色々ありましてね。中身は穏健派と過激派に二分されてます。
とは言え穏健派は我々富嶽会ぐらいで後は過激派です。なので最近は活発なんですよ。
今は機関との小競り合いに夢中ですけどそのうち、コチラを襲撃するかもしれませんので。

【愚痴をこぼすかのように内情をべらべらと口にする 気にしてないようだ】
【その口ぶりには何処かD.R.U.G.S.への呆れが混じっている感じがするが】
【『襲撃するかも』というワードの主語には『私も』というのがついている感じがする】

……今は置いといて。
数日前の深夜、情報収集のために風の国、草原地帯に向かいまして。
理由は巷で噂のレナールの街と巨塔を確認するべくです。

で、そこでたまたま『リリア』と名乗る人物……訂正、悪魔にお会いしまして。
こちらでその名と容姿を伝えると何かお話が聴ける…と言われまして。

【また、胸ポケットから手帳を取り出して その容姿をつらつらと読み上げる】
【大体の身長、肌の色。オレンジのような色の色癖のある髪型】
【角、翼、尖った尻尾、爪の存在。大体の服装などなどエトセトラエトセトラ…】
【手帳のデータは性格を表したかのように正確だ。】

――――とまあ…こんな感じなのですが。いかがですか?
何か深い訳でもあるんなら聞かせていただきたいのです。ワインもあることですし。

【ハッキリ言って、名前と容姿を伝えたら楽しいよ。としか、聞かされていない】
【いきなり飛びかかってくるっていうのだけは勘弁願いたいが】
【ただ、これで何かが起きるというのはあまりにも想像しがたかった】



/レス書いておきます では今宵はこの辺で
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 19:31:11.17 ID:6hJDGQ/po
【櫻様の寺院】

【爛漫の桜が咲き誇る庭園。 清廉な白石の敷かれた先、奥に聳えるは黒木造の五重楼閣】
【車軸を流す雨が伝う伽藍の下、吊り下がる灯籠は青銅色のまま、今宵ばかりは灯されず】
【名刹のひとつに数えられる其処は曇天下でなお美しく、静寂の音がするのだが】

――うむッ、此度も黒妙社の酒は旨いものぞ!
作り手が軟弱な腰抜けだけに毎度心配ではあるのだがなぁ! ガッハハハ!

【楼閣、襖の外され開けた一階にて、朱色の大盃を傾ける大男の姿があった】
【男は坊主頭に熊のような顎鬚を生やし、修験者の装束を纏っており】
【近くの壁には、天狗の面が括られた錫杖が一本、立て掛けられている】

【静かに瞑想でもしていれば風景にも馴染みそうなものではあるのだが、】
【でかい独り言は呑んでいる酒の品評らしく――見物客がいるならば眉でも顰めるだろう】

 “――――――”

【問題は寧ろ、その楼閣から程近い桜の下】
【身の丈3mはあるかという“天狗”が、其処にいた。 不機嫌な空模様に辟易したような、】
【或いは元からなのか、顰めっ面は呑んでいる男に向いているようにも思えるが――】

【大男の持つ“気”と僅かな繋がりを感じ取れれば、それが無関係なものではないと気付けるか】
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 19:44:48.13 ID:qz96sSYi0
【路地裏―――】

や、止めて!何やねんアンタ!

「っへへへ…嬢ちゃん、どう?ウチに来ない? まあ嫌と言っても行くことになるけどな!」

【人目のつかない陰に少女と男が居る――――居るというより絡まれているような様相を呈している】
【少女の方は路地裏の陰にあってなおその黒さを主張する髪、淡い草色のワンピース…そして、手には古びた箱】
【顔は可愛らしいのだが現在その眼は精一杯男を睨み、その様子はまるで威嚇する猫のよう】
【少女の気の強さは男を睨む目が物語っている…が、それでもまだあどけなさが残るような印象を受ける】
【一方の男はと言うと――――腰まで下ろしたジーンズにけばけばしい蛍光色のシャツ、髪は青とも緑との言えぬ色に染め上げ】
【厭らしい目つきで下卑た笑みを浮かべている――――いわゆる屑だ】

【こんな男に絡まれたのは、偏に彼女の旺盛な好奇心から―――彼は先ほどまでストリートパフォーマンスをしていたのだ】
【彼女がその様子を見入っていた所に男はもっとすごい技を見せてやると声を掛け―――結果、この路地裏に引き込まれた】

嫌や!離してって言うとるやろ!

「へへへ…力で勝てるわきゃねぇだろ?あ?」

ええ加減にしてや!!なんでこんなことすんねん!!

「っるせェんだよ!ギャーギャー騒ぐんじゃねェぞこのクソガキ!」

ッ!!

【抵抗空しく手を押さえつけられ、果てには脅され…その小さな体で精一杯の抵抗をしていた彼女はとうとう怯んでしまう】
【ここぞとばかりに男は少女を押さえ込む……】

「ヘッヘッヘ……大人しくしてやがれってんだ ほーら、大人しくしてりゃ痛いのは一瞬だからな……」

…い、嫌…!

【黙ったことをいいことに、男は持っていたカバンからアンプルを取り出した】
【中身は定かではないが……大の男が少女を押さえ込んで打とうとしているような物だ、まともな代物ではないことは確実だろう】
【先ほどまで叫んでいた声は恐らく表通りまで聞こえたはず…果たして声を聞きつけた人はいるのだろうか…】
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 19:50:42.74 ID:/4tOUqQG0
>>484

【ざんざと雨の伝う欄干の影】
【ぬらりと現る黒い影】
【楽しげな酒宴に草鞋で踏み込むこころなし】

【その者の姿は時代錯誤の忍装束、長布で隠された顔からは虎の様に鋭い眼光だけが覗く】
【三尺一寸の黒い長剣を抜き身のままに引っさげて】
【一足二足と楼閣の元へ歩み寄る】

「飲んだくれの破戒僧に、異形の怪人か・・・果たしてどちらが俺を満足させてくれる」

【語りかけるのは腹の底まで響くようなドスの利いた声】
【覆面から覗いた目が、怪猫の如くギラリと光る】

「立て、俺と戦え。そこな生臭坊主が戦わぬならば天狗を斬る。そこな天狗が動かぬならば生臭坊主を斬る」

【雨に濡れた黒い刀身】
【その様子はまるで鮮血を浴びたよう】


/すいません、これ時間がかかるのですが文体戻した方がいいですか?
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 20:02:58.30 ID:6hJDGQ/po
>>486

【桜の下の天狗が、ちらとそちらを見遣る】
【だがすぐに興味を失ったように何処かを向いて――代わりに立上ったのは、大男の方だ】

……ほほうッ! 桜に釣られたか、はたまた酒の香に釣られたかッ!
若人か何奴か知らぬが、この儂に決闘を挑むとは心ある者ぞッ! 良い、実に良いッっ!!

【壁に掛けていた錫杖を持ち、下駄を突っ掛けて楼閣から出れば】
【相手に応じるように仁王立ちするのは、未だ雨が滴る白石の敷かれた広い庭だ】
【それは丁度、桜の下にいる天狗の前での御前試合にも似るか】

「嬬義坊様」の出る幕じゃあ御座んせんッ!! 此度は儂にお任せあれッ!!
舞う桜にも負けぬ武闘舞、何処ぞの忍人も知れぬ相手ではあるがッ、承ろうではないかッ!!

さあさ忍びの者よ、初手は遣ろうぞ!! 相対するは坊主でのうて“修験者”なる、之の儂じゃあッ!!
いざ、どんと来いッ!! ガーッハッハッハ!!

【下駄の足を白石にざざと踏みしめ、戦闘の構え――何とまあ話の分かる男だ】

/やりやすいようにどうぞーw
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 20:15:19.95 ID:/4tOUqQG0
>>487

【こちらの方を歯牙にもかけぬ大天狗をチラリと見ると、軽く舌打ちをして】
【黒い刀身の剣を構える】
【見るからに禍々しい剣だ】
【見る者が見れば一目で魔剣と分かり、二目と見れば碌な物を斬っていないことがわかるだろう】

【最も、剣も刀も人を殺す為の道具だが】

【意気揚々と立ち上がる修験者】
【その様子を見て忍装束は軽く息を巻く】

「ふん、舐められたものだ。次の瞬間には首が落ちていなければいいがな。
 行くぞ修験者。俺の名は伏剣眼、ただの人斬りよ!」

【櫻の下、雨音の中に砂利を蹴る音が響く】
【伏剣眼は蛇の如く飛び掛かり】
【獣の様な速さで斬りかかる】

【狙いは首ではなく、修験者の右肩からの袈裟懸けの斬撃】
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 20:23:51.99 ID:6hJDGQ/po
>>488

【がぎィン!!と鐘より重い金属質な音が、雨の庭園に木霊した】
【それは、斬撃を錫杖の柄で受け止める音であった】
【並の物ならば断ち切られていただろうが、此れに於いては一味違う】

儂は櫻叡山の修行者、熊襲ッ!
そしてあちらに居られるが、お山の大天狗であるッ!

いざや、伏剣眼とやら――人斬りの太刀筋、見せてみいッ!

【そのまま剣と錫杖が均衡していようと、既に相手が飛び退いていようと】
【ぐォん、と周囲に吹き荒れるはまさに天狗の起こすような、暴風】
【それが目に見えて大きな拳の形に圧縮され――轟ッ、と放たれる!】
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 20:25:14.41 ID:6hJDGQ/po
/途中送信です、最後に以下の文を追加お願いします……
/【狙うは相手の脇腹、つまりは横ざまにぶん殴ろうという一発であるのだった】
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 20:33:17.46 ID:/4tOUqQG0
>>489

【金属音が雨の伽藍に響き渡る】
【伏検眼は飛びのき、熊襲から距離を取るが】
【そこへ追撃するように迫る豪風】


「かぁ!!」


【伏剣眼は魔剣を激しく振り下ろすと】


【風を断ち切った!!】


「ふん、能力者か。安心したぞ」

【伏剣眼は見たことも無いような型で剣を構え】
【姿勢を異様に低くする】

「強肉強食、強き者はより強き者に喰われるべきが俺の信条でな。
 俺は人斬りは人斬りでも、能力者かつ強き者専門の人斬りよ!」

【そのまま疾風の如く駆け出し剣を振う、狙うは足!】
【剣の道を知る者ならばあまりにもありえない攻撃!】

【ただ足を狙うだけでは終わらない】
【その直後、恐ろしく速い斬り返しで足元から突き上げる様に胴を狙う】
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)2013/04/18(木) 20:39:41.31 ID:UhbYJwfKo
【満点に輝く星空の、少しくすんだ夜の水面】
【さざめく風、月をかき消す雲の形と、瞬く夜の町並みの明かり】
【歌声一つ、その中に溶かしたなら、消えていくのも無理は無い、と思えるみたいに】


――――――…………♪


【細いソプラノが満ちたなら、歌声が確かな形を持つのだろう】
【細い喉を震わせて、そこに乗っかった柔らかな音律が刻む一つのリズムと】
【刻まれる異国情緒な言葉、歌詞の意味なんて辿れないぐらい、その言葉は奇妙で】

【――――――ロシアの民謡である、と分かる人にはきっと、分かるはず】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【大きな大きなバイオリンケースを足元に置いて、路地裏の木箱に腰掛け、静かに歌い続けた】
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 20:39:47.77 ID:/4tOUqQG0
>>490
/おっとすいません
 次の分追加です

【伏剣眼は魔剣を激しく振り下ろすと】 →【伏剣眼は横殴りに迫る拳へ、振り向き様に魔剣を振り下ろすと】
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/18(木) 20:42:37.12 ID:3UwppXNbo
>>485

【暗い路地裏を照らすわずかな街の光が、その時、ひとつの影によって遮られるだろう】

【路地裏の入り口、黒いブレザーにチェック柄のプリーツスカート、赤いネクタイという学生服に身を包んだ女子が立っていた】
【背丈は平均的だが、白い肌とうっすら紅に染まった頬、枝垂れるように長い睫毛が特徴的な少女だ】
【川のように流れ落ちる艶めく黒髪は、よく見ると日焼けで少しだけ赤紫色を差して】
【やや長めの前髪、顎までで揃えられたもみ上げ、胸までの長さの後ろ髪と、そのすべてが一直線に揃えられた髪型をしている】

……………………。

【路地裏の淀んだ空気を浄化するような、不可思議な"神聖さ"のようなものを纏うその少女】
【お嬢様然とした見た目のみで判断するなら、単に獲物が増えただけのようにも思えるが、しかし】
【不機嫌そうに窄められ、内から湧き出る侮蔑を隠そうともしない態度は、気高さすら感じるほど堂々としていて】
【彼女は無言のまま男に近寄ると――――男の言い分など全く聞く気もなく、いきなりその横っ面を蹴り飛ばそうとするだろう】
【ローファーを履いた女子高生の足蹴はしかし、成人男性のそれと変わらない力を持っている】
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 20:45:43.33 ID:6hJDGQ/po
>>491

【風を断つ刃に、目が一際好戦的な色合いに見開かれ】
【それは或いは相手の型に対しても。 未知なる物への好奇は尽きない】

ほほうッ! それが貴様の道であるか、只の人斬りには非ずとなッ!
ならばその前に立ち塞がろう、この儂が超えるべき強者となってやろうではないかッ――!!

【――人斬りと名乗る者が求める戦いだ】
【それが日和見なお気楽の稽古めいた物である筈がないのは承知の上で、】
【謂わば本業に殺されに掛かっていると自覚があっての事】

【故に、熊襲は相手の足狙いを卑怯だとも取りはしなかったのだが】

ぬぅん……ッ!!

【それでも少しばかりの驕りは在ったか、切り返し胴に迫る剣に反応が僅か遅れた】
【即座に下駄の足でだァんッ!と飛び退き間合いを取ろうとする】
【その腹、白装束に滲むは僅かとも言えない鮮血】

ほほうッ、それが人斬りの太刀筋であるかッ!
この熊襲ともあろう者が、不意を突かれるとは思わなんだ――!!

【動きも気迫も鈍る様子は無いようだが、】
【それは単に、剛の精神力で補完している部分が大きい】

【巨躯はぐぐ、とその場で腰を落とし、同時に周囲に風が渦巻き始める】
【牽制めいて錫杖を一度振り上げ、一陣の斬撃波を飛ばすのだが、それもある種の時間稼ぎに近い】
【文言を唱え一心に集中し、男の周囲の風は一層強まり――】

【何かの発動準備だろうが、妨害の隙は十分にある】
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/18(木) 20:52:28.72 ID:AHm1omfr0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――櫻の国 公園】

……桜さんは、とてもいい人……それは、分かる…………
でも、私…………ここで、何をしたらいいんだろう…………

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【散り始めの桜の木を見上げながら、ぼんやりした様子で立っていた】

【その身からは、尋常ならざる量の魔翌力が感じ取れるかもしれない】

……桜さんは、何も言わないけど……私、やっぱり…………
でも…………私が戦うって言ったら、桜さんは……悲しむよね…………
――――どうしたらいいと思う、お父さん……?

【物憂げな表情で何かを考え込みながら、少女は桜の木の根元に腰掛け、幹を背もたれに空を見上げる】
【そんな少女に、ひらひらと桜の花びらが散り零れて来ていた】



【――――所変わって、夜の国 広場】

――――――――どうだった、そっちは?
「……4人くらい、殺した、かな……?」
<…………>
そう、随分やったね……

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【人気の途絶えた広場で、何事かを打ち合わせる様に話していた】

【それぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

「……これ、お土産、持ってって……」
あ、ありがと……!
…………こう言う事をしてて、こそこそしなくていいって言うのは、ちょっと変な気がするわね……今のこの国だから、なんだけど……
カンバラの外でも、やっぱりみんな逃げちゃう、か……
<…………!>

【3人から感ぜられるのは、微かな血の臭い――――周囲を気にせずに悪事を語る3人の姿は、余裕に満ちたもので】
【機関の脅威に鳴動する政情も相まってか、人はみな危険を恐れてその場を逃げ去ってしまったのだろう。彼等を咎めようと言う人間は、誰もいなかった】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 20:57:36.65 ID:/4tOUqQG0
>>495

【舞う僅かな鮮血】
【確かに届いた一撃】

【その直後、信じられないことが起こった】
【刀身に付いた血を、宙を舞う血飛沫を】

【剣が啜った!】

「ククククク・・・」

【距離を置く熊襲を見て不敵に笑う伏剣眼】
【その直後に襲い掛かる斬撃波にも一切慌てふためかず】

「無駄だァ!!」

【再び黒い剣が風を切り裂く!】

「我が魔剣・ノスフェラトゥは能力者の力を喰らう魔剣。
 異能の力によって生まれたエネルギー、物質は全て食い荒らす!」

【伏剣眼は相手が何かを準備している素振りを認めると】
【わざと長ったらしく口上を回す】

「だがなノスフェラトゥとは吸血鬼の名。真に喰らうは強者の血!
 こんなそよ風前菜にもならぬわ!!
 喰わせろ、もっと大きな力をっ!! 啜らせろ、貴様の血を!!」

【そろそろ頃合いかと見てとると】
【伏剣眼は再び異形の構えで襲い掛かる】
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 20:59:25.09 ID:qz96sSYi0
>>494
【正に大ピンチ、その一瞬――――凛と空気が張り詰める】
【見れば、姿恰好はそこらの女子高生なのだが……どういう訳か、少女は彼女から不思議な感覚を受けた】
【……一方、男はと言うと飛んで火にいる夏の虫と言わんばかりに其方を向き、一言…】

「…お、コイツもなかなか上玉じゃねえか……へへへ、今日は入れ食いだな!」

【彼は何も感じなかったらしい 彼にとって目の前の少女はただの獲物としか思っておらず】
【こっちも年端もいかぬ少女と完全に舐めきった様子でそちらに向かう】
【――――が、一閃】

「…ガハァ……ッ!」

【隙だらけで向かっていった男は全く予期せぬ一撃に飛ばされ、頬を抑え悶える】
【先ほどまでなめきっていたその顔面は、而して今は屈辱と怒りと痛みで赤くなっていた】

「…テメエ何しやがんだコラ!クッソ、痛え!」

【男は完全に我を忘れて逆上した】
【下卑た表情は変わらず、しかしその顔は確実に怒りの色を映している】

「クソッタレ、舐めてんじゃねえぞコラ!目にものを見せてやらぁ!!」

【スピッツのように喚き散らすと、男は――――なんと、手から炎を発生させた!】
【この男は発火能力者だったようだ!炎は玉となって真っ直ぐ向かっていく!】
【炎はこれ以上大きくなる様子も、曲がる様子もない 単調な攻撃だから回避は余裕であろう】
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 21:11:18.21 ID:6hJDGQ/po
>>497

――血吸いの魔剣、であるかッ!
成程、人斬りが振るうに相応しき物よのぉ!!

【相手の口上に対しても唾棄するでもなく真正面から聞き受ければ、】
【これまた面白いとばかりに爛々と目を輝かせるのだから――生粋のバトルマニアだ】

【襲い掛かる伏剣眼、だが此方もただ受けるには留まらない。 術の準備は整った】

お山に御分する大天狗・嬬義坊様の御力ッ!
儂の身に宿りて烏羽を授けよッ―― ≪ 鎌飯綱 ≫ ッ!!

【轟ッ! と一際強く風が吹き荒れる、其処に交じるは烏色の羽根達】
【相手を受け止めんと立ちはだかるのは、一層その身を巨躯と化した熊襲の姿であった】

【一種の神聖めいた力をその身に纏い、】
【顔には天狗の半面を被り、ニイと笑う口許だけが覗く】
【相手が剣で持って斬りかかろうとしているのであっても――突き出すは、拳】

さぁ人斬りィっ、思っきしィ掛かって来んかァァァいッ!!
ぬうううンっッ――!! 喝ァァーーーーッっ!!!

【吹き荒れる暴風をそのままに纏ったような拳が、】
【怒号と共に向かい来る相手にそのままぶち当てんと、力強く振るわれる――!!】
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/18(木) 21:16:58.71 ID:3UwppXNbo
>>498

【暴力と欲望に溺れきったような男の表情に、少女の柳眉はつり上がって】
【その感情の高ぶりに呼応して、少女の纏う"神聖さ"が、空間を締め上げるように密度を増すのが感じられるかもしれない】
【激昴する男を前に、この少女もまた、静かに――――怒っている】

…………下衆が。

【ともすればその美貌を台無しにしかねない、吐き捨てるような口調で彼女はそう言って】
【おそらく戦闘慣れしているのだろう、男の放つ炎球にもさして驚いた様子も見せず、すっと腰を落とし】
【そして制服の内ポケットから一枚の"符"を取り出すと、それを左手に持つ】
【左半身を引くと、真後ろへ左手を突きだし。残った右手を、人差し指と中指を合わせて口元に持っていき、】

"招"!

【――――その掛け声と同時。放たれた炎とすれ違うように、獣じみた軌道で彼女は走り出す】
【そして…………ずるり、と。左手の"符"が発光し、陽炎のような歪みが左手を覆い隠すのが見えるだろうか】
【男へ接近することが叶ったなら、彼女はその歪みを纏わせたままの左手を、男の鳩尾に向けて勢いよく突き出すだろう】

【拳による打撃…………ではない。振り切られる左手が男の腹に到達する直前、左手の歪みから何かが取り出されて】
【それは――――美麗な細工を持つ、一振りの薙刀。つまりこの攻撃は、その薙刀の柄を使っての"打突"!】
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/18(木) 21:18:41.03 ID:6FlECQNm0
>>496

【空を覆う宇宙色の天蓋、煌く星明りは飾られたラメかスパンコールのよう】
【神様が手で割ったようなきっぱりとした半月、蜜柑みたいな形で、世界をしんと照らす】
【咲き誇る桜色はきっと天からだってよく目立つのだろう、ひらひら舞い散るのはひとつひとつ宝石みたいに見えた】

【――或いは、幹に身体を預けた少女からとて、それを認めることは出来るのだろう】
【空で躍る翼の生えたヒトガタの姿。羽ばたくたびに舞う一片は午後の日差しのような暖かさを湛えて】

ふぁ、綺麗な桜なのー

【吐息交じり、感嘆の声音は天の上で紡がれるから、きっと聞こえはしないけれど――】
【ついと曲げられる軌道、音もなく風を通り過ぎたなら、ちょうど少女より数歩の正面に舞い下りる】

【ふわふわと揺らすクリーム色の髪の毛、二つに結わえたなら、みょいと揺れて】
【二つの尾っぽの間を飾るのは青いリボン飾りのカチューシャ。片っ方から垂らした鎖飾りがしゃらと鳴く】
【まぁるい瞳は夏の青空色、ぱちり瞬く右目の下には、毒々しい紫色の蝶が刻まれて――】
【パフスリーブのワンピース、水色に少しだけ緑を混ぜ込んだような浅葱色、フリルが飾って】
【純白色のタブリエ、腰元で結ったリボンがふぅわりと――蝶の翅にも尻尾にも似て、靡く】
【爪先の丸いおでこ靴、さくりと地面を踏みしめたなら、同時に放棄されるのは背中の翼、魔力の羽がきらり舞う】

わあ、やっぱり綺麗なの! ……あれ?

【青空色がいつもよりも煌いて見上げる先、咲き誇る向こう側に僅かに夜空色が透けて見える】
【なんでもかんでも嬉しそうに笑うようなハイテンションは前とちっとも変わらなくて――】
【――根元に座る彼女に気付いたのは、舞い下りてから数秒後のこと。ぱちくり瞬いて、注がれる視線】

わ、わ。あれっ……カエデよね、っ? 

【わぁと口を押さえる手の爪先、お姉さんぶったみたい、ちっちゃなシールがいくつか飾って】
【ネイルと呼ぶにはおままごとめいて、お星様や蝶々の形、もみじの手を彩っていた】

こんなところで会うの、偶然よね、なの! わぁ、元気だったのなの?

【――ぱっと咲くなら、笑顔は或いは桜色よりも華やかで。こつこつと詰めたがった距離は数歩分】
【手も足も届くような距離感、きっと少女よりもちっちゃな彼女は見上げようとするのだろう】

【立ち寄れても立ち寄れなくっても、そこでようやく物憂げな表情には気付く】
【きょとんとした表情、「どうしたの?」なんて色合いが瞳で瞬いて、首をかしげるはずだ】
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 21:22:58.23 ID:/4tOUqQG0
>>499
/すいません
 その技は隣にいる天狗と合体した、という事でよろしいでしょうか?
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 21:24:26.20 ID:6hJDGQ/po
>>502
/力を借りた、という認識をして頂ければっ。
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/18(木) 21:25:08.66 ID:u/A+EdZZo
【路地裏――】
【あまりにも危険すぎて、もう数年も回収されていないゴミ箱がある程なこの場所】
【悪人が多く潜むとは言うが――今まさにここに居る者は、悪人とは違う】 【しかし、危険なことには変わりなかった】

「ヘッキャァァァアアーーーーーッ!」            ギャース!  俺三回目っすよ、この緑髪のアホに絡まれ……ぐふっ!
「おらおらァッ!」 「もっとバトルさせろォーッ!!」       ひでぶ!  またこいつか! お前ら、ずらかるぞ!

【路地裏で暴れまわるのは、ガタイが非常に良く筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

『……本当、路地裏の方々は元気ですね』 『しかしヘケメトもよく飽きませんね……』 「ヘェーケッケッケッケェーッ!」

【男から5m程離れた場所にいるのは、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

【暴れまわる男によって吹き飛ばされたりなんだりした者達は、仲間によって素早く回収されてどこかへと消えてゆく】
【それを追いかけることもあれば、次の相手を見つけてそちらにターゲットを移すこともあって】
【この女性は、一応治療をする為に居るようだが――路地裏に潜む悪者は、殆ど治療を受けず消えてゆく】

【さて、こんなまごうことなき危険地帯に訪れるのは――正義を掲げる者か、それとも悪の道を進む者か、それともどちらでもない存在か――】
【いずれにせよ、この男にはそんな立場なんて関係ない】 【うまく立ち回らなければ喧嘩……否、バトルを売られるだけ】
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 21:34:16.87 ID:AHm1omfr0
>>501

……考えてても、今は仕方ないのかな…………
とりあえず、今度桜さんと会った時にでも――――――――、え…………?

【ぼんやりと天を仰いでいた少女――――ラベンダァイスも、やがて溜息と共に視線を下ろして】
【舞い降りて、地面へと溜まる桜の花びらに視線を注いでいたのだが、そこに自分を呼ぶ声がして】

え……………………あ、あれ……………………?
――――――――ファラエナ、ちゃん……?

【相手の姿に、覚えはあった。ただ、様子は記憶の中のそれと大分変わっていて】
【ほんの数秒の沈黙の中で、記憶を手繰り寄せて――――ラベンダァイスは、相手の少女の名前を、ようやく口にする】

あ…………本当に、こんな所で会うなんて偶然だね…………櫻の国に、来てたんだ…………!

【久しぶりの再会――――ラベンダァイスの表情も、わずかに明るくなって】
【座り込んでいた桜の根元から立ち上がり、真っすぐにクリーム色の髪の少女――――ファラエナと対面する】

私は、見ての通り…………ファラエナちゃんこそ、元気だった?

【見ての通りと言うなら、ファラエナこそ元気がなさそうには見えないが、ラベンダァイスはそう聞いてみる】
【一方のラベンダァイスは、ボロボロのコートをその身に着込んでいる事と、多少大人びたこと以外には、大して外からは変化が無い様に見えるだろう】
【――――よくよく注意すれば、その、どこか虚ろな瞳に気づけるかもしれないが】

……うん、ちょっと考え事を、ね

【ふさぎこんだ表情だった事を悟られたと知って、ラベンダァイスはお茶を濁す】
【自分でも、取り留めの無い事を考えていたのだ。それをわざわざ話す事もないと考えたのだろう】
【――――今はただ、こうして久々に再会できたことが嬉しかった】
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 21:35:04.89 ID:/4tOUqQG0
>>503
/ありがとうございます

>>499

【熊襲の元へ駆け寄り】
【あわやその剣を袈裟懸けに振り下ろそうとしたその刹那】
【突然の事に目を丸くした】

「これ、は・・・!」

【咄嗟に振り下ろそうとした剣を手元へ引き戻し】
【盾の様にその剣を構えたその動作は果たして功を奏した】

「ご、ぁああああああああああああああああ!!」

【風が吹きすさび、黒羽が舞う】
【魔剣を以てしても喰いきれぬ暴風の砲弾が】
【岩の様に大きく、重い拳が】

【伏剣眼を屋根の無い砂利の元へ吹き飛ばし】
【そのまま地面を滑り、転がり櫻の木へ打つかってようやく止まる】

「か、ご・・・はっ!」

【降り荒ぶ雨に濡れ】
【泥に汚れた伏剣眼がよろよろと立ち上がり、キッと櫻の元の天狗を睨む】

「ふん・・・高飛車な天狗、め!」

【軽口は叩くがこの一撃は想定以上に重い】
【伏剣眼は頭を高速回転させていた】

(見るからに鈍重だな、速さは俺に分があるか。
 反面、力は明らかに向こうに分がある。あの暴風はノスフェラトゥを以てしても喰いきれぬ!)

(組み合ったら間違いなく俺が吹き飛ばされる、だが組み合わぬとてあの暴風は俺を吹き飛ばす!)

(ならば・・・)

【伏剣眼はニタリと微笑み、再び不気味な型で魔剣を構える】


(殴られる前に一撃で決める!)


「かああああああああああああああ!!」

【伏剣眼は雄叫びと共に、熊襲の元へ飛び掛かる】
【迫る攻撃は喉元への突き】

【と、見せて】

【直前になってくるりと刃を逆手へと持ち替える!】
【そのまま迅雷の如き速さで横薙ぎに腹を狙う!】

【殺すことは諦め、大きな一撃を入れることに特化した!!】
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 21:38:37.86 ID:qz96sSYi0
>>500
【男は炎球を放つと、勝ち誇ったように叫ぶ】

「あーあー、歯向かわなかったら痛い目見ずに済んだのによォ!」

【しかしその叫びは建物の間で響きはしたが、勝利の雄叫びとはならなかった】
【まさか反撃してくるまい、まさか能力者ではあるまい……この男は何から何まで甘かった】
【相手のことを知りもしないのに間抜けな余裕を見せた彼は、また向かってくる彼女の一撃に対して回避する素振りすら見せず】
【――――果たして、無様に突き飛ばされる】

―――――――!!!

【声にならぬ悲鳴を上げ、もんどりうって悶え苦しむ男】
【書き記せないような罵りの言葉を喚き散らしながら転げまわるその様子はただひたすら醜く、見るに能わない】
【しかし根性は腐り果てても体だけは頑丈だったようで……】

「…チクショウ…殺す……
………死ねやこのクソアマがァァァァァァァァァ!」

【完全に正気を失った彼は、先ほどの炎球を乱発!】
【しかし、上気した頭で攻撃しているのだから正確なはずはなく、まさに下手な鉄砲数うちゃ当たると言うような状態】
【そして―――――やはり隙だらけ】

【――――まさに一瞬だった 攻撃していた男が、まるでマリオネットのように動かなくなった】

「…あ?」

【虚を付かれたような表情をした男は、動こうと試みるが―――――動けない】

……ええ加減にせえや、このダボが

【先ほど攻撃していた目の前の少女以上に怒気をはらんだ表情で睨む彼女の手には、5本の糸が握られていた】
【その糸は男の両手両足、そして首に巻きついて……まさに操り人形状態】

……そこの姉ちゃん……助けてくれてありがと
……遠慮せんでええ、このクズぶっ飛ばして!

【男は聞くに堪えない捨て台詞を吐いているが……やはり動けず、制服の少女の一撃をただただ待つのみ】
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/18(木) 21:53:55.26 ID:6FlECQNm0
>>505

【放棄された魔力の翼、秒速で崩壊しては光色の魔力の破片が散っていく】
【地面に積もっては陽だまり色が揺らめいて、ぼうと消えていく――】
【その残滓が消えて行くまでもそんなに時間がかからないなら、夜闇の中だろうと目を焼かれるなんてことは、きっとない】

うんとね、あのね、お母さんが御用時だよって言うからね、ちょっとだけなの!
でもね、お母さんひどいんだよ――どうしてなのかとか教えてくれないし、遊んでもくれないんだから!
今日だってね、ずーっとお留守で……でもでも、カエデと会えたならね、全部良かったなって!

【櫻に居ること、尋ねられたなら隠す意味もなく理由を述べる――その母親の意味も、考えるまでもない】
【にこにこ笑っていたかと思えばむーっとしたよな表情、母親に構ってもらえなかった不満を零したのだろうけれど】
【すぐに綻んだ笑顔が覗いて、なぁんにも裏のない表情を浮かべるのだろう】
【――カエデの父親(マスター)のこと、知りもしないなら、配慮なんて出来るわけもない】

私はね、とっても元気だったよ、なの!

【元気だよ、なんてアピール。ぴょいぴょい跳ねてみたなら、その都度ツインテールが揺らめいて】
【落下のたびに空気を孕むスカートの裾が毎度危ういように踊るのが、少しばかり無用心とも言える、のだろうか】

…………、

【言葉を濁すその感じ、喉の奥に引っ掛けてしまった小骨のよう、気にしたなら、表情によく混ざりこむ】
【少しだけ傾げた首、じぃと注ぐような視線――時間にして数秒ばかし、或いは気まずいのかもしれないけれど】

……あのね、ヤなこととかあったらね、私に言ってくれてもいいんだよって!
だって、カエデは私のお友達でしょ? それにね、私たちね、家族と一緒なんだからって、そう思うなっ

【ぱっと笑って見せたなら、無理に抉ろうとしないまま、そんなことを言うのだろう】
【タブリエのポケットに伸ばした右手、潜らせてから差し出したなら、ちっちゃな手には飴玉一つ】
【「元気出して」なんて意味合いと取っていいのだろう、虚ろな色合い、理解ではなくとも、感じ取っていて】
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 21:55:31.82 ID:6hJDGQ/po
>>506

【確かな手応え、それであっても奢らず中段に落とす腰】
【相手の読みは正しい。 俊敏性のある動きは此処に至るまで見せていなかった】

何じゃァ、木っ端のように吹っ飛んだのおッ!
お主ィ、そんじょそこらの人斬りとは、味が違うのだろうッっ!
しかしてッ、能力者を斬るに能力で持って掛からんのは、何故かッ!

ほうれもう一丁ッ、掛かって来んかいッ――!!

【尤も、こんな喝を入れずとも、立ち上がれる相手だ】
【半ば敵に対しての声援でもあるのだろう、この程度で落ちるな、という怒号】
【罵倒ではない。 何処までも純粋に戦いを望むのであれば、そんなものなど要らない】

【迫り来る一撃、今度こそ油断も何も無い】
【――しかし堅牢さの代わりに鈍重たるその身で、先より鋭敏な判断が出来うるかといえば、別】

ぐぬ……うッ、何――ッ!?

【相手のそれは謂わば二度目の手であり、】
【ならば此方は同じ轍を踏んだ形となるのか。 一撃必殺を狙う刃は、確実に腹を抉った】

【然して防御力は先程と段違い、気により大幅に強化された筋骨隆々たる肉体】
【されども相手の渾身の一撃であるのならば――それは“響く”のだ】

ッ、がハッ…… よもやこの身の、腹を裂くとは……ッ!
このまま殺し合うも華、ではあるのだが、ッ――これで終いにするにも、惜しいッ!

【それは率直な実感であって、ならばこれから取る行動も、恥とは思わない】
【バサリと背から広げられるは烏天狗の羽、一度羽ばたいたなら、その身は空へと浮かぶ】

――伏剣眼よッ!! お主とはまた、一度限りならずッ、拳を交えたいッ!
また出会すその時にこそ、お主の真なる能力、見極めてくれようぞォォッ!!

【そのまま月を背後に、車軸の雨降る宵闇の中を烏羽が荒び】
【飛び去る先は山を超えたその奥まで、】
【後に残された天狗は、相変わらずの面で一息つけば、ふつりと消え去るのだった】

/お疲れ様でしたー!
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/18(木) 21:56:37.59 ID:3UwppXNbo
>>507

【男の体を打ち据える手応えを腕に感じながら――――少女は、取り出された六尺ほどの薙刀を手元へ引き戻す】
【一般人であれば一撃で落とす程度の力は込めたつもりだったが、今回は男の予想外の頑丈さが勝った形だ】
【それに眉を顰めるもつかの間、憤怒と憎悪に彩られた叫びと共に、滅茶苦茶に放たれる炎球――――】
【少女はやはり獣のように俊敏に、あるものは避け、またあるものは薙刀で切り裂いて、それを凌ごうとするだろう】
【路地裏の暗闇の中、炎の明かりに照らされて、刃の輝きは星の瞬くように舞い散って】

これは………………へぇ。

【ぴたり、と突如停止した男の動きに、一瞬驚愕を浮かべれば】
【やがてその原因を、ただの被害者と思っていた少女に見つけると、彼女は少しだけ笑う】
【獲物を見つけた獣のように、強敵を見つけた武闘家のように、それは面白そうに…………】
【少女の焚きつけるような言葉に男の口汚い台詞、しばし少女の手管に見とれるようにした後、彼女はそれに呼応して動いた】

――――"発"!

【彼女は拘束された男へと近づいていき、それに成功したならば――――】
【先ほどと同じく、内ポケットから取り出した"符"を、今度は直接男の顔に張り付けるだろう】
【"雷"という漢字と何かしらの紋様が描かれたそれ、やはり先ほどと同じく右手で印を切り】
【そして最後に、先ほどと違う掛け声が発せられれば――――舞い飛ぶのは、文字通りの"雷撃"!】
【頭部から通電するそれは、間違いなく意識を刈り取るに十分な力がある】

【…………ついでに、その結果がどうなるかに関わらず、彼女は最後に薙刀の柄で男の顎をぶん殴るだろう】
【ひとりの女性として、女の敵たる暴漢への容赦ない一撃である】
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 22:07:57.10 ID:AHm1omfr0
>>508

――――そっか、相変わらずなんだね、ファラエナちゃん……

【前にあった時も、こうして一緒に居られない不満を口にしていた様な気がする】
【そんな様子を思い出して、ついフッと笑みを浮かべてしまうラベンダァイス】
【外見は変わっても、そうした部分は全く変わっていないな、と、妙な安心感の様なものまで感じて】

【――――自分の父親の事は、グッと飲み込んだ。流石に時も流れ、ある程度の整理もついていたのだ】
【もっとも、それで完全に溜飲を下げたかと言えば、それは全く逆なのだが――――――――】

あ……う、うん……そうみたいだね。良かった……

【何かを言い掛け、しかしそれを中途で飲み込んで言葉を紡ぐ】
【服装がはした無い事になっていると、それを指摘したかったのだが】
【恐らく、ファラエナはそうした事を気にしない性質なのだろうと、思い直したのだ】

――――――――あ…………

【差し出された、飴玉1つ――――――――】
【思えば、初めて会った時から今まで、自分たちの間を取り持ってきてくれたのはいつも、ファラエナの差し出す飴玉だった気がする】
【そんな絆を、久しぶりに思い出して――――】

…………ありがと、ファラエナちゃん

【フッと笑顔を見せながら、差し出された飴玉を受け取るラベンダァイス】
【それは、掛けられた言葉に対しての礼でもあり、また、こうして差しだしてくれてる飴玉に対しての礼でも、あった】
【――――その他愛ない菓子の為に、何度自分はファラエナの心に触れる事が出来たのか、分からないから】

……今日はお母さんと一緒に来てたって言ってたけど、普段ファラエナちゃんは、なにしてるの?

【他愛の無い雑談を振ってみる――――いや、それはある意味、ラベンダァイスの悩みにも通じる内容だ】
【単なる小旅行なら、ファラエナと別れているはずもない。何らかの仕事の様なものなのだろう】
【そして、そうした中でファラエナを連れていると言う事は、普段からあちこちを巡っているのかもしれない】
【そうした事を、ラベンダァイスは聞いてみたかった】
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 22:08:28.88 ID:/4tOUqQG0
>>509

(入った!!)

【飛び散る鮮血を吸い込むように、魔剣は熊襲の血を美味そうに啜る】
【しかし伏剣眼も慢心はしない】

【自分の一撃が入った後は敵の一撃が来るだろうと踏んだのだが】

「やや・・・?」

【意外や意外】
【なんと敵から身を引いたのだ】
【完全な後手を考えぬ掛けの一手】
【次に敵の拳が飛んできたら叩き潰されていたやもわからない】

【黒羽を散らし豪雨の中を飛び去ろうとする熊襲へ】
【目しか見えぬ、しかし確かに笑みと分かる表情で】

「ふん、それはこちらこそ望むところだ! 熊襲、確かに覚えた!」





【一人残された伏剣眼は桜を眺めていた】
【雨に濡れながらも命を裂かせるのその花は美しく】
【また儚げであり】

【伏剣眼は小さく笑うと、満足そうにその場を後にした】


/お疲れ様でしたー! &ありがとうございました!
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/18(木) 22:08:44.19 ID:vPwCm5Yc0
>>504
//まだいらっしゃいます?
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 22:15:51.59 ID:qz96sSYi0
>>510
【先ほどまで支配欲に衝き動かされて少女を襲っていた男が、今はその命綱をその少女に握られている……何と無様だろうか】
【恥辱と怒りと絶望に塗れた男はしかし、どうすることも出来なくて】

ガァァァァァァァァァ…………!!

【電気ショックを浴びたかのように痙攣したならば、男は事切れる】
【……が、散々悪事を働いたこの外道に対する制裁はまだ終わらなかったようで】

………

【もはや喚き散らすことも攻撃することもなくなった男は、制服の少女に打ち据えられるがままに吹き飛ぶ】
【……そして、ついでにとばかりに糸を握る少女は力一杯男に絡まった糸を引っ張り、男は地面に叩き付けられる】
【ここまでやられては、もはや起き上がることはあるまい……が、やはりこの男は頑丈で、まだ息だけはあるらしい】

【一通り男への復讐が終わったところで、彼女は制服の少女に向き直りペコリと頭を下げる】

えーっと、ホンマに助けてくれてありがとう!
ウチ、怖かった……アンタが来てくれた時はもう神様仏様か思うたわ……
あの……失礼やなかったら、名前……教えてくれへん?恩人の名前も知らんなんて、ちょっと嫌やねんけど…ダメかな?

【独特の訛りの入った言葉で、彼女は精一杯の感謝の気持ちを伝える】
【実際、抵抗できずもうだめだと思った瞬間この人が駆けつけてくれた時は何とも言えない安心感があった】
【恩人の顔は忘れまい、ただ感謝をしようにも名前を知らぬ】
【果たして、この少女は名前を教えてくれるだろうか…】
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/18(木) 22:17:29.84 ID:u/A+EdZZo
>>513
/多分いますん
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/18(木) 22:28:21.20 ID:vPwCm5Yc0
>>515
【騒々しい雑音を聞いて、男が一人ゴミ箱の陰から立ち上がる】
【軽く伸びをして、赤いジャケットを整える】
【そして加えていたタバコを模した駄菓子噛み砕いて口を開く】

オイオイ・・・せっかく人が珍しく落ち着いていたんだ・・・
それをぐちゃぐちゃにしてくれやがって・・・

【決して声を荒げることなく、静かに怒りを言葉に込める】
【一般人にはとても落ち着ける場所ではないが、この男はこの場所でこそ落ち着けるような人間なのだろう】

ちょうど良い・・・最近何も出来なくてストレス溜まってたんだ
自業自得って奴だ。恨むなよ

【感情を移しているのかゴワゴワの髪を逆立てて、壁を一撃。思い切り殴る】
【そして敵意をもった視線をまっすぐ、男に向ける】
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/18(木) 22:28:21.87 ID:6FlECQNm0
>>511

【「そうかなぁ」なんて、ちっちゃな呟きが洩れる、自分の変化なんて、自分では良く分からないから】
【右目の下のもの、昔はシールだったけど今は身体に刻んでいるとか、思い当たるものなんて、そのぐらい】
【それでも、きっと零した笑顔の理由が自分なら、理由になれたなら、嬉しそうな笑顔は溢れんばかり】

どういたしまして!

【柔らかそうなほっぺ、まぁるい眼、大人の比率と違った身体つき、細い両手足、】
【その全てに嬉しさを満たして、溢れさせて――真夏に萌えた向日葵みたいな笑顔、浮かべるのだろう】
【可愛らしい色と柄で飾った小さな包装紙、宝石みたいなキャンディは未だに見えないし、味もまだ分からないけれど】
【口に含んだなら、きっととっても甘い味がするのだろう。彼女の好みそうな、子ども向けの味】

……うーんとね、普段はね、おうちでね、居るよ、なの。
ご本を読んだり、お人形さんと遊んだり、お絵描きしたり――

あのね、こういうのね、初めてなんだよ――でもね、何の御用事だか教えてくれないの!

【自分の分を出すかどうか悩むような手元、それでもまぁいっかなんて思ったのだろう、諦めて】
【ちょっぴりずつ思い出すように紡いでいく言葉は、今回のことは珍しいことだと言う】
【何か用事があったらしいがそれは知らず、放置されたなら、こうして夜をさまよって――そして、いま】

【ただ、そうして放置されること。軽い不満を抱く以上の気持ちを見せないなら、或いは慣れているようにも見えるのだろうか】
【普段を尋ねられて答えたことにだって、母親は出てこないのだから――】

カエデはね、あのね、どうしてたのかなーって!

【自分のこと、言い終えたならば、興味はそのまま疑問に変わって、同じ問いが返される】
【お洋服がぼろぼろなことも少し気になるし、元気が無いように見えたのだって、気になるから】
【家族と同じだって表現したこと、世界でほんのちょっぴりの同種。どうにかしてあげたいと思うのは、性格以上】
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/18(木) 22:32:31.00 ID:3UwppXNbo
>>514

………………ふん。

【倒れ伏す男を睥睨し、つまらなさそうに鼻を鳴らすと、彼女は左手の薙刀をくるりと回して】
【しゃらん、と風を切る薙刀は、ここに来てその全貌を光の元に晒す――――】
【刀身には浅い反りと波打つ刃紋が流れ、散りばめられた金剛石の粒が神々しく輝いて】
【男を打ち据えた柄には、赤い縄による意匠と金箔で描かれた美しい紋様の走る、そんな姿】
【雅やかな美貌と"神聖"な強さを併せ持つ少女に、それは相応しい一振りだった】

神様仏様、ね…………。 幸徳井佳乃、それが私の名前よ。
それから…………どういう経緯でその男に捕まったのか知らないけど、気をつけなさいな。
いつでも助けを呼べるとは、限らないんだから。

【彼女の言葉のその部分だけ、少しおかしそうに言ってから】
【心配しているにしては少しぶっきらぼうすぎる口調で、少女にそんな言葉を投げかける】
【あまり人付き合いが得意なタイプではないのだろうが、何故か自分の名を名乗るのだけは何故か躊躇いなく】
【警告じみたその言葉には、やはりこういったことも初めてではないのか。中々に重みがある】

それにしても、あなた…………面白い技を使うのね。

【それから彼女――――佳乃の視線は、少女の持つ糸へと向くだろう】
【戦闘はもう終わったというのに、その不機嫌そうにも見える表情は、きっと素のもので】
【しかしその瞳の奥は、やはり少し面白そうに笑っている】
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/18(木) 22:42:07.95 ID:u/A+EdZZo
>>516

「ヘェーケッケッケッケッケッケッケェーーッ!!」
「――なァーんだあんた、こォー言うのは好きじゃあねェーのかァー?」
「まァー良いぜェ」 「……あんたも俺とバトルすることになるんだからなァッ!」

【立ち上がりこちらに声をかける男、次の"獲物"を探していた彼にとってはむしろ好都合――そう言わんばかりに向けられる眼】
【敵意は確かに感じている、しかしそれは闘争心に火を付けてしまう】

【とにかく、手当たり次第に喧嘩を売ってはまた売って――そんな彼】
【近くにいるそちらに攻撃の矛先が向くのは、口を開こうが開かまいが――時間の問題だった】

「――あんたはさっきの奴らみてェーに骨が無いとかそォー言うことは無さそォーだなッ!」

「喰らえェッ!」

【地面を砕かんばかりの勢いでそれを強く蹴れば、その勢いで駆けそちらにへと接近を試みる】
【重そうな身体に見合わないような駆ける速度、しかしあくまでも身体能力に由来する為びっくりするほどは速くない】

【接近に成功すれば、振るわれるのは"右の拳"――ダッシュからのストレートパンチ、といったところだろう】
【狙いは――甘いが、あえて言うならば胴体】 【何の変哲もないそれ、しかし威力は――かね、見た目通り】
【真っ直ぐ接近してからの真っ直ぐな拳なうえ、間にゴミ箱などもある――故に軌道は読みやすいだろう】

【どうやら、小手調べのようだが――】
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 22:44:36.33 ID:AHm1omfr0
>>517

…………やっぱり、おいしいなぁ…………

【受け取った飴玉を、口の中で転がしてみる】
【柔らかく、口の中に色彩を与えてくれるような、そんな甘味――――ゆっくりと満たされていくその味に、思わず表情を緩める】
【あまり甘いものには縁がなかった故だろう。ラベンダァイスの表情は、どこかうっとりとしている】

…………そうなんだ…………珍しいんだ…………
……どうしたんだろう、ね…………誰か、会う人でもいるのかな……?

【ファラエナの語る言葉からしてみると、今回櫻の国に来た事は、ファラエナにとっても何か特別な事らしい】
【そう言われると、ふと考え込んでしまう――――政情の揺らいでいる風の国や夜の国と言うのはまだしも――――まぁ、それはかなり危険な事だが】
【そうした情勢とはそれほど強く関わっていない櫻の国に足を延ばすと言う事は、何か個人的に特別な事情があったのだろうと】

【まぁ、そうした考察は現在の本懐ではない。ラベンダァイスはファラエナの語る言葉を、もう一度心の中で反芻してみる】
【のんびりと、しかし楽しく過ごしているのだろう。そんな様子が浮かんでくる様で】
【――――色々と悩んでいる自分とは対照的だ。そんな感想が浮かんできた】

(…………でも、ずっと1人……なのかな…………?)

【しかし、ラベンダァイスはそこが気になった。まるで、ファラエナはずっと孤独に――――悪い言い方をすれば、軟禁状態にある様にも、聞こえたから】
【無論、勝手気ままにこうして出歩いていると言う事は、自由を制限されている訳ではないのだろうが】
【それは、ある種の寂しさと隣り合わせではないのかと、そんな風に感じられた】

…………私は…………今、『桜桃』(ゆすら)ってところで……桜さんって人にお世話になってる
でも……やる事がなくて……ちょっと落ち着かないかな…………それで、今日はここに来てみたの……

【自分の事を問われて、そう答えるラベンダァイス】
【『桜桃』(ゆすら)――――街と言おうか、一地方と言おうか、そうした地名を指して】
【今のラベンダァイスは、そこで居候として生活していた】
【ただ――――それまで、自分の腕で糧を得て、そして時には危険と戦い過ごしてきた為、その境遇に戸惑っていると言う。だからこそ、1人で悩んでいたのだろう】
【――――敢えて、口にする事を避けた。『それ以前』に起こった、決定的な出来事について――――】

――――ファラエナちゃん。良かったら……空のお散歩、してみない?

【そこで、唐突にラベンダァイスはファラエナにそんな提案をする】
【空の散歩――――言葉の意味通りに受け取れば、空を飛ぼうと言う事だろう。しかし、それは出来るのだろうか――――】
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/18(木) 22:56:19.46 ID:vPwCm5Yc0
>>519
【「最近何も出来てない」といった通り暴れたりてない彼にとってもこの戦いは嬉しい物だった】
【正直落ち着いていたのを邪魔されたとかはどうでもよかった。ただ戦う理由がほしかった】
【最も、そんなことは不要だったみたいだが】

【攻撃を行う瞬間。当たり前だがこの時回避は不能だ】
【そして相手は真っ直ぐに殴りかかってきている。なら対処は簡単】
【触れている空気に「形」を与えて自身の前に壁を作る。サイズはちょうど自分の腹までの高さ。強度は石ほどだが防御にはなる】

小手調べにしても単純すぎるぜ。あんた

【そして相手の突進とタイミングを合わせて、顔面めがけて拳を放つ】
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 23:01:36.25 ID:qz96sSYi0
>>518
【駆けつけてくれたこの少女の名前は、幸徳井佳乃と名乗った】

えーっと…佳乃さん、ね!
ウチは神谷衣織、衣服の衣に織物の織な!名前の通り裁縫大好きなんや!
とにかく今日はホンマに助かった!

【人と接するのが苦手そうな佳乃とは対照的に、明るく人懐っこく笑う衣織】
【それでも無邪気に笑う衣織の顔に嫌らしさや煩さは微塵もなく…きっと、接しやすい、そんな印象を受けるだろう】

反省するわ……ウチ、興味あるもんに首突っ込んでよう痛い目に合うんや……

【少し恐縮したように、彼女は苦笑いを浮かべる】
【出会った時にも感じたのだが……彼女から受けるこの不可思議な雰囲気は何だろうか】
【実は、その口調と雰囲気から彼女はなかなか取っ付きにくそうな印象を受けていた】
【だからかどうかは定かではないが、この名乗ってくれたという些細な事にも嬉しさを感じニコリと笑う】
【彼女はあんな言い方だが自分のことを本当に心配してくれていた……そのことは自分が一番よく分かっている】
【だって、心配してくれてなければあんなこと言わないもの】

【そして…その恩人は自分が先ほど使った糸に興味があるらしい】
【命の恩人が興味を示してくれたんだ、答えない訳がない】

えへへ……この糸?
ウチはなぁ、佳乃さんみたいな力がある訳やないねんけど…その、裁縫が好きやったから針と糸だけは上手い事扱えるねん!
糸はこの箱に入っとるんやけど、これが使っても使ってもなくならへんのや!
ほんでな、この裁縫箱は命よりも大事で……ま、その話はええか

【意気揚々と話し続けていたが、裁縫箱の話をしようとしたところで急に思い出したように話を止める】
【話したくない事でもあったのだろうか…それは分からない】

…なあなあ、ちょっぴりでええから佳乃さんのことも教えてくれへん?
ウチ、興味があるねん…もっと佳乃さんのこと、知りたい

【衣織の目は好奇心に満ちている、ただそれだけ……疚しいことは何も考えていないのは目を見ればわかるだろう】
【彼女は単純に命の恩人がどんな人なのか知りたいだけだ】
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/18(木) 23:09:55.00 ID:6FlECQNm0
>>520

【自分が好きなキャンディー、受け取ってもらえたこと、おいしいって言ってもらえたこと、とっても嬉しくって】
【きらきら零す笑顔――そういえば、さっきからほとんど笑ったままだ。よっぽど再会できたことが嬉しいと見えた】

うーんとね、分かんないの!

【誰かに会うのだろうか。それすらも分からないなら、何を語ることも出来るまい】
【えへへなんて、誤魔化すような笑顔一つ浮かべたなら、この話もここでお終いになるのだろうか】
【カエデの抱く疑問なんて察することも出来ないまま、当事者とも言えるのに疑問すらろくに抱かない】

【――或いは、そんなもの抱けない。母親に対して疑問もろくに持たないなら、その教育は洗脳にも似て】
【一緒に過ごす時間が長くなるにつれ、沼はどんどん深くなる。無条件の信仰、問題はそこが沼だと気付けないこと】

桜桃? ……あのね、私ね、この辺りの街の名前って知らないけれど……。
きっとね、綺麗なんだろうな! って思うのなの!

だってね、あのね、この辺りって――ちょっぴり変わってて不思議でしょ?

【ゆすら。慣れない言葉の羅列、確かめるようになぞってみても、心当たりはなくて】
【言い訳めいて紡ぎながらも、想像してみたなら、きっと綺麗なんだろうと結論一つ】
【海一つ越えるのだからきっと風景だって変わるはず、きょとり見渡した視線が再び戻ったなら、】

【(あれ、でも、カエデのマスターって、?)】

【女のヒト、ではなかったように記憶していた。でも、その名前は男のヒトの名前ではない気がして】
【ついーっと傾げた首、さらさら流れた髪が夜の闇を通り抜けるたびに煌いて】

【――ただ、触れないほうがいい気がした。何かあるなら、困っているなら、言ってくれるだろうなんて】
【それが丸投げだとしても、言ってくれたなら、精一杯頑張ろうなんて。本当はもっと拙い思考の中、覚悟だけはきちんと】

……ふぇ、お空?

……――あのね、あのね、私はいいけれどね、カエデは大丈夫なのかなって――。

【そんな風にしていたから、提案ごとには僅かに遅れた反応を返すのだろう、疑問系が鸚鵡返しして】
【視線が空を見上げる、ぽかんと開けた口が少々以上に間抜けで、そのまま数秒】
【空から降りてきたのだから、こちらに問題なんてまるでない。気になるのは、カエデにそれができるのかどうか――】
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/18(木) 23:12:45.79 ID:u/A+EdZZo
>>521

『猪突猛進……いつも通りですね』

【一度勢いが付けば、それを急に止めることは出来ない】 【故に、拳が捉えたのは空気の壁であった】
【小手調べの為か、それとも力の入れ具合の問題か――石ほどの硬さを砕く威力はなかったようで】
【次の攻撃に対する反応"は"早かった――といっても、出来る事は限られている】
【それは――放たれた拳のクリーンヒットを避ける、それだけ】

「――ヘケケケ、俺の勘は正しかったみてェーだなァ」

【拳は彼の左頬を捉え、その衝撃で数歩ほど後退る】
【相手の元々の力に加え、自身の勢いもそれには乗っていた拳――】
【どうやらそれによって頬の内側を切ったようだが――それくらいで引くような相手では勿論なく】

「じゃアー、――行くぜェッ!」

【二度ほどバックステップを取ると、彼の背後は壁となる】
【その位置で、その場で地面を右脚で強く蹴れば――生えてくるのは、無数の棘】
【一本30cm程のそれは、人が駆ける速度の二倍程度のそれでそちらに真っ直ぐ襲いかかってくる】 【狙いは性質上脚となる】
【強度は何かしらの攻撃を与えれば折れる程度で、その棘は急所に当たらなければ致命傷にはなりにくいが――】

【この攻撃の結果がどうであれ、彼の右腕に魔翌力――刺々しいそれが集まるのが、感じられるだろう】
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/18(木) 23:20:15.79 ID:3UwppXNbo
>>522

神谷衣織…………衣織ね。
まあさっきの技があれば、多少の窮地は乗り切れそうなものだけれど…………。

【佳乃はそれだけ言うと、衣織の持つ裁縫箱へと視線を移して】
【使っても使っても無くならないという、不思議な糸。彼女とて、衣織ほどではないにせよ好奇心はある】
【ただ、唐突に話を切った衣織に、それを追求するには…………彼女と話した時間も、何より佳乃自身の対人スキルも不足していて】
【それでも、自分と対極ともいえる接しやすい雰囲気には、佳乃も悪い気はしないようだ】

私のこと? …………別にいいけど。
…………とりあえず、櫻の国出身の退魔士、というところかしら。
まあ、今は訳あってただの学生だけれど。

【素っ気ない態度にふてくされたような瞳には、やはり人を寄せ付けない何かがある】
【自分のことを語るのにやはり躊躇いはないようだが…………改めて聞かれると、どう答えたものか窮したようで】
【少し迷った末に、見ての通り女子高生であることと、自身の出身地と"家業"を伝えるだろう】
【彼女は、いわゆる"妖怪退治"を行う者。"巫女"と言い換えてもいいかもしれない、そういう家に生まれた者だ】

【…………ただ、佳乃はそれ以上何も言わず。拒絶しているのではなく、どう説明したものか言葉に窮しているようだ】
【自分語りは嫌いでなくとも、かといって言葉数多く雄弁にものを語るのはやはり苦手であるらしい】
【であれば、逆にそういったことの得意そうな衣織の方から質問を投げかければ、答えてくれるかもしれない】
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/18(木) 23:24:13.39 ID:AHm1omfr0
>>523

うん……多分、大事な人なんだと思うよ
(ファラエナちゃんに、分かるはずはないかな……いつも、お母さんとは一緒じゃないみたいだから……)

【ファラエナに分からなくても、仕方の無い事だ】
【聞いた話によれは、その母親の人となりは、ファラエナとしても触れ得ない場所にあるように思えるから】
【そこから、母親の行動や、交友関係について考えると言うのは、無理がある話しだろう】

(……でも、ファラエナちゃんも、サラさんみたいに……マスターは、放任主義……なのかな…………)

【ふと、面識のあるケツァル・コアトルの仲間を思い出す】
【全く1人で、確固とした意識で行動していた様な、仲間がいた】
【首輪をはめられ、自分が『飼われている』と明らかにされながら、それに疑問を抱かない仲間がいた】
【――――たった一度だけ、すれ違っただけだったが、少なくともマスターらしき人物と一緒に居たのを確認した仲間がいた】
【――――ケツァル・コアトルの事情も千差万別。ラベンダァイスはそれ以上考える事をしなかった】

うん……とっても綺麗なところ……いつまでも、桜が枯れないんだって……綺麗だよね……

【そばの桜の木を見上げながら、どこか夢見心地でそう口にするラベンダァイス】
【万年桜、と言っていた――――この国特有のこの木の花が、いつでも見れるところ】
【――――淡いその色合いは、不思議と心を落ちつけてくれるものだ】

そうだね……不思議……でも、ここの人たちは、私の事を不思議に思ってるんじゃないかな……?

【ふと、そんな事を考えて苦笑する】
【――――自分たちは、所詮異邦人なのかもしれない。こちらだけが不思議に思っている訳でもないのかもしれないと】
【取り留めなく、そんな想像が掻き立てられた――――結局、ラベンダァイスも「箸が転げても笑う」、そんな子供なのだ】

あ――――むしろ、ファラエナちゃんこそ大丈夫?
私は――――――――『イーグル・フォース』!!

【ラベンダァイスとしては、むしろファラエナを案内する心算だった。しかし、ファラエナは自ら空を駆ける手段を持っているようで】
【その事にラベンダァイスは戸惑いながらも、自らその力を解放した。閃光が、ラベンダァイスの身体から放たれ――――――――】

【ラベンダー色の羽毛を持った、巨大な鷲】
【鋭い嘴と鉤爪を持っており、翼は片翼だけで3m近くあるだろう】

【ラベンダァイスは、その身体を変身させていた――――それは、ケツァル・コアトルとしての能力】

――――もし、ファラエナちゃんが空を飛べるなら良いけど…………乗せてあげてもいいかな、って……

【提案したからには、ファラエナを空に導く事も、ラベンダァイスは考えていた】
【しかし、ファラエナに方法があるなら、余計なお節介かもしれない――――大きな翼を広げながら、くい、と首をかしげてみた】
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/18(木) 23:29:43.21 ID:vPwCm5Yc0
>>524
(クリーンヒットとは行かなかったにしろ殆どダメージ無さそうだ...まあ、それぐらいのほうが面白い)

【顔面への拳を受けてもまったく引くことのない相手をみて少しショックを受けるが、それと同時に歓喜の感情も沸き上がる】
【折角暴れられるんだ。一撃で終わってはつまらない】
【ニッと小さく男の頬がつり上がった】

棘!?...とにかくよくわからないものは避けるに限る!

【空中へ飛び立つが、一瞬行動が遅れて棘が足の裏を抉っていった。が、この男もこれぐらいじゃ怯まない】
【空中へとび、着地先はゴミ箱の上。そしてゴミ箱の蓋を持ち上げる。するとゴミ箱の蓋は一瞬液体のような状態になり、針の形をもって男の手に収まる】

ちっ...かすったか。まあこれぐらい何ともないけど、な!

【そして目の前の男めがけて針を投げる。後ろに避けることは出来ないはず。左右に避けた場合、男は避けた方向へ飛びかかる】
【しかし捨て身なのはこちらも。多大なダメージを与えるにはどちらにとっても好機だ】
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 23:31:39.26 ID:xuCdaOXG0
置きレススレ>>418

【リリアの答え合わせにヒルコは首を傾げる】

「はぁ、機関全体・・・とは?」

【その答えはドロリと溶けた岩盤の向こう側に会った】
【まずその規格外の大きさに唖然とし】
【地を揺るがし天すらも崩しそうなその咆哮に圧倒され】
【そしてリリアと巨大な頭を交互にに見返すと】

【ヒルコはようやく意味を悟って】

「いやいやいやいやいやいやいやっ!
 無理ですって! 無理無理無理無理無理!! シデ虫の僕じゃなくても無理です!!
 な、なんですかこれは!? 僕がリアルにシデ虫サイズじゃないですか!!」

【ヒルコは超高速で頭をぶんぶん振るって全力で否定する】
【軍隊を相手にするってのならまだわかるし、ドラゴンを相手にするのもまだわかる】

【だがなんだこれは】
【怪獣・・・という言葉すら生温い】

【神獣ではないか】

「か、かかかかか考え直してください! こんなの僕達には無理ですって!!」
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/18(木) 23:38:07.61 ID:qz96sSYi0
>>525
へぇー…退魔師、かぁ……
なんか強そうやな、カッコエエ!

【無邪気な笑みを浮かべる衣織の、素朴な感想】
【退魔と言われてもどんな魔物や化物と相手しているかも知らないし、どんな人間かも知らない】
【それでも素直にカッコいいと感想を述べたのは、やはり先程の魔物に勝るとも劣らない醜悪な人間と戦っている姿を見たからだろうか】
【あるいは、そんな彼女の姿に一種の憧れを抱いているからだろうか…】
【彼女は多くを語らなかった 必要最低限の返事を素っ気なく寄越しただけ】
【普通の人なら嫌われてるかも……と臆するかもしれない】
【が、それでも自分の質問を嫌がってるわけではないらしく、顔に質問に対する嫌悪が浮かんでいない】
【……これは、彼女のことをもっと知るチャンス!?衣織の目がふと好奇心に輝き始める……】

えーっと…その退魔ってどんなもんなん?
やっぱり怖い?可愛い妖怪とかいたりするん?

【やはり彼女の好奇心の対象は退魔師という彼女の肩書と妖怪らしい】
【知りたい知りたい、と衣織は立て続けに質問を寄越す】
【そして、最後に付け加えるようにもう一つの質問……】

あともう一つ…せや!好きな色、教えて!

【何かを思いついたように、衣織は好みの色を訊く】
【心理テストとかそういう類のものではなく、率直に好みの色を訊いている】
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/18(木) 23:41:10.22 ID:vPwCm5Yc0
>>524
【とりあえず先手は打てた...がたいした意味は無さそうだ】
【依然ペースは相手の物。何とかしてこっちのペースに引き込まないと。なによりカウンターばかりじゃつまらない】
【そんなことを考えているうちに追撃が地面を這って来た。】
【襲い来るのは無数の棘。しかし、地面を這ってくるなら回避は容易い。多少早くとも関係ない】

だから単調だって言ってんだろ。ええ?

【空中へとび上がり、先ほど作った空気の壁へ着地する。】
【そして近くにあったゴミ箱に触れる。するとゴミ箱は一瞬液体のような状態になり、大きな針となって男の手に収まった】
【この男の異能により強度と鋭さと大きさは通常の針とは比べ物にならない】

そろそろこっちからもいかせてもらう、ぞ!

【最後の一文字とともに勢いよく針を投げつける。相手の背後は壁。ならば遠距離から押しきってしまえばいい】
【なにより相手の男から感じた刺々しい魔力。近づかないほうが懸命だ】

//少々遅くなりました...申し訳ございません
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/18(木) 23:46:04.09 ID:u/A+EdZZo
>>527

【棘は役目を終えればバラバラになりそして消滅する】

「ヘケケケ、なァーんだあんたも結構乗り気じゃあねェーか」

【戦うことが好きである彼、それに関する感情に対しては結構敏感なようである】
【薄暗い路地裏に、赤い眼光が一つ迸って】 【そして闘争心は更に高まりを見せる】

『……無理に受けないでくださいよ?』

【投擲された針、身体で受けても良いが――なんて思っていると、遠巻きに見ていた女性からかかる声】
【そちらに対してはあまり聞こえないだろうが……この男に対してはよく聞こえている】

【彼は右方向にへとサイドステップをとり針の回避を試みるが、それは左腕を掠めてしまう】
【そして飛びかかってくる相手】 【後ろは壁、下がっての反撃は不可能――だが彼にとって近距離は最も得意とする距離だ】

「――うゥらァッ!」

【彼の両腕が、そちらを捕らえようと迫り来る――もし彼の片手だけにでも捕らえられてしまえば】
【相手の跳びかかる勢いを利用しつつ、自分を軸にした時計回りの軌道でそちらを振り回し――そして、壁に叩きつけようとするだろう】
【両方の手で掴まれるより片方の手だけで掴まれる方が、振り回す力は勿論少ない】

【だが、捕らえる行動に失敗すれば――けして少ないとは言えない隙を晒すことになる】
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/18(木) 23:48:15.12 ID:6FlECQNm0
>>526

【桜の木を、花を、見上げるその仕草。真似するみたいに追いかけたなら、視界に広がるのは淡い色合い】
【夜空色を透かす薄ぺらい花弁、指で潰したぐらいで破けてしまうのに、たくさんたくさん、こんなにも綺麗で】
【どんな言葉で褒めたらいいのかも分からないぐらい、足りない言葉がちょっとだけ怨めしくって】

お花ってね、綺麗に咲くのって、そのときだけでしょ?
だからね、たまにだからね、「久しぶり!」ってね、思うのが、とーっても好きでね、……。

……でもね、こうしてね、ずーっと一緒に居るのもいいなって、思っちゃうのなの!

【一生懸命に考えてみた言葉、実際はもう少し悩むような唸るような、そんな声が混じったりしたけれど】
【不思議な現象、久遠に枯れない桜色。もうすぐ帰ってしまうけれど、また来られたらいいななんて、思って】

……――そっかぁ、ここのヒトたちから見たら、私たちもおかしいのかなっ?
うーんと……でもね、そういうのって素敵だなって。だって、みーんな違ったら、お話するの、たくさん出来るよ!

【言われてようやく思い当たったのだろう、自らの方も不思議と思われているかもしれないこと】
【きょとんとした瞳、そっかぁなんて呟いたなら、気の抜けたよな吐息一つ】
【それでも、たくさんお話することあるねなんて笑って――】


わぁ、

【自らが作り出す陽だまりよりも、しんしんと降り積もる月光よりも、劈くような閃光】
【びっくりした眼がぎゅっとふさがれて――数秒の後に恐る恐るあけたなら、変わった光景にひどく驚く】
【大きな鳥。第一印象はそれで、鷲だと思い当たるのはもう少し後】
【おっきな翼、おっきな爪、おっきな嘴――全部を視界に入れるのだって、大変なぐらい】

うんと……カエデよりずーっとちっちゃな翼だけれどね、あのね、作れるよ! なの!

【翼を広げたならふぅわり起こる風、髪先がひらひら揺れて、スカートもぱたぱた揺れる】
【対抗するような、そうでないよな。言うが早いか、きらり魔力を零したなら、陽だまり色がぼんやり夜を照らす】
【カエデの変化よりも緩やかにゆっくりと変わっていくシルエット、光の魔力で縫い上げていく、一対の翼】
【身体と比べれば大きくとも、カエデのものと比べればずっと小さく。羽根を模した魔力の燐光がちらりちら、落ちていく】

あのね、あのね、カエデの好きなところが見たいなって!

【――音もなく羽ばたいて見せたなら、飛べるよと教えるよう。実際飛んでいたのだから、問題もない】
【元より長居しているわけでもない、土地勘も無いなら、選択権をそっと差し出した】
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/18(木) 23:53:21.56 ID:vPwCm5Yc0
>>531
//ごめんなさい投下失敗したと思って二回投下してました...>>530はなかったことにしてください...
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/18(木) 23:59:29.84 ID:3UwppXNbo
>>529

そうね…………妖魔から人を守る、誇りある仕事よ。

【あくまで無愛想に、しかしどこか胸を張るように、佳乃はそう口にして】
【強いと言われたこともカッコイイと言われたことも、決して否定も謙遜もしなかった】
【…………どうやら人付き合いが苦手な反面、自分に大きな自信を持っているタイプのようだ】
【その高いプライドもまた、彼女の対人関係を疎遠にする原因なのだろうが、しかし】
【衣織の人当たりの良さは、それを越えて佳乃に響いていて】

…………私の知る妖魔は、その殆どが"悪"よ。
人を食べるのは当たり前、質の悪いのになると人をなぶり殺しにして楽しむし、憑依して体を乗っ取る奴もいるわ。
そういうのをもう、百体以上狩ってきたかしらね…………。
まあ………ごく稀にいるそうでない奴は、滅さずに追い払っていたけれど………。

【その問いに、どこか懐かしむように、それでいて苦々しい傷を思い返すように顧みれば、出てくるのはそんな凶悪な言葉ばかり】
【誇りある仕事と言ったが、それがどれだけ危険の伴うものだったのか、言葉尻からにじみ出ているようで】
【ただ最後の言葉から察するに、妖魔すべてを"悪"と断じて狩り回っているわけでもなく、相手は選んでいるようだった】
【「…………でも、かわいいのはいなかったわね」と、最後に付け加えて】

い、色?
…………ええと、紅色、かしら…………。

【次いで投げかけられた唐突な問いには、さすがに少し毒気を抜かれてしまったようだ】
【纏っている不思議な雰囲気も一瞬消え、年頃の少女のような顔をして。少しだけ考え込んで、佳乃はそう答える】
【彼女がイメージしたのは、着物の染色に使われるような鮮やかな紅色――――ほとんど直感での答えだ】
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/19(金) 00:01:36.38 ID:aptwhglBo
>>528

【人の背丈よりも長く、世界のどの刃物よりもキレるのであろう龍の牙】
【睨むだけで足がすくみ、一般人などがそこにいれば気絶でもしそうなほどの眼力】
【神獣=\――その表現は的確だった。それ程に、この古龍というのは非常識的で】

                 ――――でも、なんで?

カノッサ機関は世界で最強。ナンバーズも六罪王も軍隊に相当する力を持つ
ましてや、六罪王なんて一人ひとりが国を狙うような力を持ってるんだよぉ?
なのに……なんで、無理?フフッ、それはさすがに、私とキミじゃ無理だけどね

でも、もし強いはずの機関員が集まってこの醜い爬虫類を叩いたら……?
……安心してよヒルコクン、今はキチンと拘束してあるからさぁ…♪

【しかし、リリアは平然と咆哮の衝撃を受け止めながら青年に言葉を返していた】
【確かに――よく見なおせば、古龍は翼や腕、胴などにとてつもない太さと数の鎖を受けており】
【その呪縛によって今は吠えることしかできないらしい。そして、彼女はコレを狩ろうという】

【――――まあ、非現実的な光景であるのには違いない。ヒルコが明確に何かを言わずとも、リリアは咎めないだろう。】
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/19(金) 00:02:38.64 ID:lnoRBiAj0
>>532

――――そっかぁ……そうかもしれないね……この桜だって、そうなのかも……

【『散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世になにか 久しかるべき』――――ラベンダァイスがこの詩を知っていた訳ではないが】
【散るからこそ、桜はその美しさを発揮できるのだ。だからこそ、愛でられるのだ――――その言葉には、頷ける気がした】
【人は、それを当たり前と思うと、当たり前な事の大切さを忘れるようになってしまう】
【なら、桜は季節の巡りの中で、短く咲いてこそなのかも知れない――――逆説的に、だからこそ『枯れない桜』は特別なのかもしれない】
【失ったものを思い出す様に、ラベンダァイスは桜をじっと見つめて】

あ……そ、そうだね……!
一杯、お話…………そうか…………そうだね……!

【ファラエナの何気ない言葉に、ラベンダァイスは何か、深く感じ入った様子を見せる】
【――――悩んでいた事の問いが、得られたような気がした。少なくとも、今の悩みに1つの答えは見出す事が出来た】
【それが嬉しかったのだろう。何度も口の中で「そうだ」と反芻していた】

あ――――! 本当に、ファラエナちゃんも飛べるんだ……!
うん……それなら…………お揃いの方が良いかな……?
ちょっと待っててね――――――――『サキュバス・フォース』!

【背中に光の翼を纏うファラエナの様子に、ラベンダァイスも納得する。自分がそうであるように、彼女も『ケツァル・コアトル』だ】
【その能力として、空を駆ける事が出来ても、なんら不思議ではない】
【逆に、この姿では自分の方が不釣り合いだろう。ラベンダァイスはそう考え、再び変身の為の閃光を放つ――――】

【背中にラベンダー色の翼膜をした、悪魔の様な翼が生えた事を除けば、素体そのままの姿だが】
【見に纏う魔力は質量を増大させており】
【翼からは、光の粒の様なものが燦々とこぼれている】

【元の姿に、背中の翼――――ファラエナと同じ様な姿に、ラベンダァイスは再び変身した】

これで良いよね?
――――じゃあ行こう、ファラエナちゃん!

【そうして、背中の翼を羽ばたいて、光の粒をこぼしながらラベンダァイスは空へと飛び上がり、ファラエナを導く様に先行する】
【夜の空に、翼を以って空を飛ぶ、2人の少女――――夜の櫻には、そんな幻想的な光景が、人知れず頭上に展開されていた】

/すみません、眠気がマッハです……orz
/キリも良いのでこの辺で……乙でしたー!
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/19(金) 00:04:56.45 ID:zPraNEe40
>>531
全然乗り気何かじゃねぇよ。憂さ晴らしのためにやってるだけだ。

【と口では言うが、口は緩み、目は輝く。完全に戦いを楽しむ男の表情だ】

【攻撃に対して回避どころか掴みかかろうとやって来た】
【お互いに一瞬でも気を抜けば多大なダメージを負う状況。ミスは許されない】
【...がここで冷静になりすぎるぐらいなら迷わず勘で動いた方が良い】
【体を回して捕まれないようにするが、たいした勢いはない。恐らく良くても片方は捕まれるだろう】

うおらぁ!!

【しかし狙うは痛み分け。飛びかかる勢いをのせて膝げりを打つ】
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 00:21:33.77 ID:lBQB0QgN0
>>535

「はぁ・・・もうびっくりし尽くしましたよ・・・」

【悪魔のテンションにヒルコは少々消耗気味である】
【ヒルコがチラリと古龍の方を見る】

【果てしなく巨大な身体を、途方もない鎖で縛られている】
【それはまるで神話のフェンリルのよう】

【この怪物をこんな風に拘束するのはよほど大変だったろう】
【下手するとこの古龍を殺すのよりも難しそうだ】

「・・・なんでここまでできているのにアナタ達がとどめを刺さないか。
 なぜこの龍を倒すという行為をカノッサ全体でやりたいのか。
 それは・・・聞かない方がいいんでしょうね」

【ヒルコはふぅとため息を吐くと、半ば諦め気味に言葉を続ける】

「まぁ、矮小な僕にはとても考えが及びません。ですのでもっと規模の小さい話をしましょう」



【ヒルコはニタリと目を三日月形に細め、リリアに語りかける】

「それで・・・No3のベイゼ様の事なのですが・・・」



【先ほどの慌てふためいていた様子とは打って変わり】
【ヒルコの周囲には不気味な空気が漂う】

【その様子は】

「あの・・・もしもの話、いわば可能性の話なのですがー」

【まるで悪魔】

「もしベイゼ様がUNITED TRIGERの方々に絆されてこちらを裏切った場合・・・いかがいたしますか?
 いえ、そんなことは無いと思うのですが。長期間寝食を共にしたとなるとなにが起こるかわからないじゃないですか」
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 00:22:16.41 ID:fBcCk9CL0
>>534
【彼女の仕事に対する誇りが、衣織にとっては眩しかった】
【自分の仕事へのプライド、自分への自信……人によっては嫌味に感じることもあるかもしれない】
【でも、衣織はそんなことは微塵も思わなかった】

【彼女の自信はきっと彼女自身の努力及び実力が裏付けているのであろう、見栄や虚勢ではないことがはっきり分かる】
【だから、彼女のことを煙たがることもなく、高飛車な奴と思うこともなく、ただカッコいいと思うのだった】

…衣織さんって、なんか堂々としててカッコエエなぁ
きっとそんな衣織さんやからそんな妖怪とも渡り合えるんやろな!
ビビっとったらそんな仕事出来へんもんなぁ……

【そう、衣織にとって彼女は強くてカッコよくて、ちょっと素っ気なくてそれでも優しい……そんな人なんだ】

…やっぱり可愛い妖怪はおらんか……
現実は厳しいなあ…

【ちょっぴり残念そうに呟くが、良く考えたら当たり前だ】
【人に取りついたり人を食べたりするようなものが可愛い訳がない……】
【でも、クリオネだってかわいいけど食べ方はグロテスクじゃない!?もしかしたらやることは妖怪と一緒でも見た目ぐらい可愛いのはいるんじゃない!?】
【そんんか期待をちょっぴり抱いていたが、現実は甘くなかったようだ】

【そしてそして…最後に肝心の、一番大事な質問の答えが返ってきた】

紅色ね!よっしゃ、ちょっと待ってて……

【彼女の答えは「紅色」】
【鮮やかで雅やか、そしてどんな色の中にあっても主張をするかのように目立つその色合いはまさに彼女にぴったりだ】

【衣織は彼女の返答を訊くや否や、何かを作り始めた】
【見る見るうちに仕上がるその正体は……紅色の浴衣】
【各所に散りばめられた山紅葉と銀杏の模様が朱色と金色で散りばめられていて、浴衣でありながらまるで振袖のような、そんな一品】

…はい、完成!へへへ……ウチから命の恩人へのささやかなサプライズや!
どや、受け取ってくれへんか?

【出来上がった一着を、是非是非と差し出す これが彼女の、感謝の気持ち…】
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/19(金) 00:22:48.03 ID:q/Hik/4Ho
>>537

「ヘケケケッ、そォーかい!」

【それ以上は何も突っ込まなかった、今この場で重要なのは言葉なんかよりも動きなのだから】
【また、彼は難しい事を考える事があまり得意ではなく、いわゆる言葉より身体が先に出るタイプで――】

【おそらくそちらを掴んでいるのは、彼の右手の方だろうか】
【……人一人を片手で振り回すパワーは脅威としか言い様がない】

【しかし前述通り、今行なっている動きは隙が大きい――膝蹴りを回避するなんてもってのほか】
【振り回しきる速度と、膝蹴りの速度】 【動作的に考えて、速いのは後者だ】

【腹部に命中した膝、その勢いで壁に背中から叩きつけられる】
【息が無理矢理吐き出され、小さく呻く声がした】

【また、膝蹴りによって、振り回す力は弱まり掴んでいた場所も途中で開放されるだろう――が、】
【その慣性がまだ残っていると思われる為、離されたからといって安心は出来ず――ヘタすると最初の目的通り壁に衝突する恐れがある】

【結果がどうであれ――一歩後ろに下がりつつ、ゆっくりと身体をそちらに向ける彼】 【右腕には無数の棘―― 一本5cm程だろうか】
【背中へのダメージからか、まだ行動には移らないが――棘の腕は危険に違いない】

/少々確定気味かもしれません、掴まれていなかった事にしても大丈夫です
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 00:23:50.20 ID:fBcCk9CL0
>>539
/あああ、誤字です!
/そんんかって何だよ、「そんんか」→「そんな」です…失礼しました
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/19(金) 00:24:35.83 ID:y8GN73FI0
>>536

【誘われるままに風を叩く魔力の翼、浮き上がる浮遊感も、最早慣れたもの】
【下を見れば、地面の砂粒が見えなくなって、石ころが見えなくなって、遊具が、桜の木が、どんどんと小さくなっていく】
【上を見れば、お星様がお月様が少しずつ大きくなってくる気がして、雲の水滴の一粒すら数えられるような錯覚】
【後ろを見れば、陽だまり色の羽根と、燦々と輝く光の粒と、交じり合って――飛行機雲のよう、夜空を飾るのだろうか】

【ついと風すら追い抜いたなら、この世界で一番早くなったような、そんな気分】
【あわせた速さ、びうびう鳴いて通り過ぎていく風、誰かと飛ぶのがこんなに楽しいなんて、初めて知った】
【少しだけ変わったお散歩も、ちょっとだけ不思議な関係性から見たなら、ずっと似合っているような気がして】
【「たのしいね」 投げる言葉、風の向こう側まで届かなくっても、きっと、表情から伝わるのだろう】

【半分のお月様のスポットライトを浴びて夜空をステージに踊ったなら、観客は足元の不特定多数】
【見上げさえしたなら、きっと気付くことも難しくないのだろう。不思議な不思議なお散歩の風景】
【翼を生やした女の子が二人、空を飛んで――存外、妖怪の始まりなんて、こんなものだったのかも】

/おつかれさまでした!
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/19(金) 00:38:32.13 ID:aptwhglBo
>>538

【ヒルコの調子に満足したのか、リリアは古龍へと整った爪の美しい左手をかざす】
【すると、断崖を這い登るようにマグマが出現――先ほどのように、岩壁を形成し】
【荒々しい龍の吐息を少しばかり抑えることとなる。そして、改めて向きなおれば】

ベイゼ・ベケンプフェン……そうだねぇ、もう二ヶ月だ
私の見立てじゃ相当お固いタイプだったけど、もしもが無いとは言い切れない、か――

……じゃっ、もしあの娘が裏切るようだったら私が直々に出向こうかな♪
コレでも私は悪魔と淫魔のハーフでねぇ?精神操作なんてお手のものでさ
仮に彼女が情に絆されたとしても、一時間もあれば私に従う忠実な駒≠ノ仕立て上げられる。

フフッ……キミさ、あの纏衣が入ってるだけあって、面白いね?

【『食べちゃいたいくらいだよ』―――唇に指を当てれば、除くのは鋭く尖った白い犬歯】
【ハーフであるなんて言ってはいたが、微笑の姿と言葉の内容はとてもとても、そんな薄いものではない】
【あるいは、ヒルコと同じような薄暗さで。ごく簡単に、返事をした。】
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/19(金) 00:40:02.11 ID:zPraNEe40
>>540
【思い切りとまでは行かなかったが、それでも壁に叩きつけられた事に変わりない】
【左の肩から壁と衝突し、ゴツッと骨と壁が衝突する嫌な音が鳴り響く】

あがっ...クソがっ。タフだなあんた...

【左肩を押さえながら、行動を起こす男を見てポツリと呟く】
【よろよろと何とか立ち上がるが足元がすこしふらついている】
【それでも相変わらず頬は緩み、目から闘争心が消えることはない】

【少し前に投げた針を拾い上げる。今度は刀の形を取って男の手に収まる】
【刀の先を相手の目に向けて身構える。体へのダメージからもう派手な動きは出来ない】
【無駄な動きはできない。まずは体制を立て直す】
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/19(金) 00:47:47.22 ID:+aFbdu8ho
>>539

子供の頃…………"悪"を斬るには、力の強さと、覚悟の強さが必要だと、そう教わったわ。
あなたも、私みたいになれとは言わないけれど…………力を持っているのなら、覚悟を持つことね。

【退魔士という"正義"を名乗ってはいても、妖魔の側から見れば人殺しと何ら変わりない――――】
【彼女が昔教わったのは、そういう当たり前で、しかし忘れてはいけないことだった】
【素っ気なくて人を寄せ付けないのは、気高さと高潔さの裏返しともいえる、そんな彼女は】
【やはり自分が強いという前提を変えない高慢ちきで誇り高い態度で、忠告のようなことを口にする】
【たかだか十五歳の女子の、浅薄な言葉だが…………それは確かに、佳乃が自分で掴んだ真理の一つだった】


色なんて聞いて、何を――――――、

【――――さて。そんな偉そうな口を叩いた直後、彼女の放っていた威厳らしきものは打ち砕かれることになる】
【紅色の衣が舞い、一瞬のうちにくっついては離れて、美しい装飾は煌びやかに光を放つ――――】
【唖然と呆然。まさしくそんな言葉こそが相応しい、佳乃にとってそんな刹那が、その眼前を横切っていく】
【しばらくして、それは一つの形を成して】

………………、………………。
あ、あなた…………すご…………、

【手渡された紅色の浴衣を、佳乃はおそるおそる受け取るだろう】
【黒曜石のような瞳は、ただ驚愕に見開かれたまま、現実を疑うように浴衣の美麗さを受け入れ】
【その衝撃に、一瞬…………ごく普通の少女らしい、素直で率直な感想が飛び出しかける、が】

…………さ、裁縫が得意っていうのは本当みたいね。なかなかやるじゃないの。

【その感情の上を、お得意の無愛想が慌ててコーティングしていく】
【しかし、背けられた頬に浮かぶ、ほんの少しの赤みは――――何物でも覆い隠せはしなかった】
【佳乃はしばらくそうしていた後、浴衣と衣織を何度か交互に見やって、それから】

【「…………ありがとう」と。ただ一言、ぶっきらぼうに付け足した】
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 00:54:49.84 ID:lBQB0QgN0
>>543

【なにか思う所があったのか】
【ヒルコは先ほどの軽い調子に戻る】

「・・・あはっ!」

「そうですね、リリア様がそう言ってくださるなら安心です」

【するとヒルコは何か思う所があったようで】

「まぁ僕も考えようによっては・・・いえ、違いますか」

【半魔なんですけどね、と言いかけて口をつぐむ】
【自分と纏衣の価値比率など半分どころか1:99、いやむしろ-30:130程だと思ったからだ】

「さてそれでは旧遺物の話についてなのですが。
 僕が知ってるのは残光剣位しかありません。他の旧遺物は敵の手に渡ったりしたのですか?」
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/19(金) 00:58:01.63 ID:q/Hik/4Ho
>>544

「ッ――ヘケケケ、脆かったら全然楽しめねェーからな」

【ダメージを引きずって少しの怯みこそは見せたものの、まだまだやる気のようだ】
【全く効いていないというわけでは勿論無いのだが――耐久力は確かに高そうである】
【正しく言えば、身体能力全般が結構な高さを誇っている――の、かもしれない】

『――単純な動きは避けられますよ』 「うるせェー、だったらこォーだッ!」

【ちょうど近くにあったゴミ箱――小さめのポリバケツで、もはやいつ捨てられたのかわからぬゴミの入ったそれ】
【彼はそのゴミ箱に近づき、それを両手で掴めば】 【そちらに向けて、勢い良くぶん投げるッ!】
【狙いは定まっておらず――もし当たっても、軽い打撲で済む程度】
【そして、その勢いによって、中身が散らばり視界や嗅覚に悪影響を齎すかもしれないが――本命はこれではない】

【それを追うようにして、彼はそちらへの再接近を試み――成功すれば】
【そちらの胴体部めがけて振るわれるのは棘の生えた右腕――棘の強度等は前に使った30cmの棘と大差ないそれだ】
【軌道は裏拳、棘の向きは拳を引けば刺さる方向――つまりは拳の軌道とほぼ同一】
【拳による打撃、棘による刺突や削ぎなど――様々な要素を兼ね備えた一撃だ】

【なお、ゴミ箱を投げる際と拳を振るう際――その二回でそれぞれ隙を見せている】
【痛みによって見せた、一秒より少ない程度の停止】 【幾らかは攻撃に備えやすいだろうか】
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 01:13:20.72 ID:fBcCk9CL0
>>545
【何が彼女をあんな台詞を言うまでに成長させたのか…何がこの少女にこんな高飛車とも取れる態度を取らせるのか…】
【そんなことは分からない でも……分かっている 本心であんなこと本当に思ってるわけじゃない】
【だってその証拠に………口では素っ気ないけど、確かに「ありがとう」って、そう言ってくれたんだから】
【さっきは強さとか覚悟とか、十五の少女に似合わぬ言葉ばかりが飛び出したが……たまにはこんな少女らしい表情も隠さないでいいんじゃないかなって、そんな気がした】
【巨悪と戦い、それを打ち破る強さと覚悟……その意気やよし】
【…だけど、例えば今みたいにきれいな服をもらって素直に喜ぶ、そんな人間らしさもなかなか捨てがたい】

えへへ…どういたしまして!喜んでくれてウチも嬉しいよ!

【そして、やっぱり変わらぬ人懐っこい笑みを浮かべてぶっきらぼうな感謝に応える】
【心から感謝している人の言葉は、たとえどんなに素っ気なくても伝わるものだ】
【そのことを分かっているから……どんなに素っ気なくても、どんなに不愛想でも、衣織は笑っている】

…できればその浴衣、着てやってな!服っちゅうのは人に来てもらって初めて輝くもんやから…
佳乃さんみたいな人に着てもろたら、きっとその浴衣も喜ぶと思う!

【……さて、佳乃さんの人となりに触れられた所で…そろそろ帰らねばならない】
【何しろあの男に絡まれた時には、すでに日も暮れていて…こんな少女が外を出歩くには危険な時間になってきた】
【佳乃さんとはもっと話していたかったが……それでも、きっとまたどこかで会えると思う】

……それじゃあ、名残惜しいけど帰るな!
ホンマに今日はありがとう……絶対佳乃さんのことは忘れへんよ!

【今は帰ろう……佳乃さんに手を振り、帰路に就く衣織の顔は……やっぱり微笑んでいた】

/えーっと、それではこの辺で〆と言うことで!
/実質初ロールに長い間付き合ってもらって、本当にありがとうございました!
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/19(金) 01:14:27.31 ID:zPraNEe40
>>547

ハハッ...そうだよな!!

【体のダメージも忘れて笑えるぐらい、この男は戦いを楽しんでいた】
【視界を遮るゴミ箱を、刀の峰を使って弾き返す】
【自身の視界は遮られたままだが、多少は相手の視覚も遮れるだろうか】
【そして接近する相手は迎撃せず、むしろ自分から近づいていく】
【やはり狙うのはカウンター。一瞬の隙。その間にまた空気の壁を作る。ただし今度は先程の強度はない】
【一般人でも本気で殴れば砕けるぐらいの強度だ。しかしそれでもすこしぐらいは防御になる】

楽しかったぜ...でも悪いがこれで最後だッ!

【相手が裏拳を放つと同時に、自分も首めがけて刀を振るう】
【いくら身体能力が高かろうが首にダメージを負えばただではすまないはずである】
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/19(金) 01:15:32.34 ID:aptwhglBo
>>546

旧遺物……そうだねぇ、まず現在確認されているのは全部で5つ。
『纏衣の斬光剣』 を始めとして、恐らくはあのナウファルが持っている『悪の魔書』
このヘルクラネウムに合った『龍牙のルビー』を…ゼンと呼ばれる青年が。
『塗装の禿げた独鈷杵』、これは雷を操るんだけど、朔夜という女剣士が

そして最後に 『綾津妃の木乃伊』 を含めた、計5つなんだけど……
今言ったことで分かるように、半分以上はこちらの手元にない状況だよ
唯一、残光剣と木乃伊については保持している。ただ、他のものも持ち主は知れているし――

【「もしもの時はよろしくね」――と伝えると、リリアは何事かを小さく呟いた】
【それは安易な転移の術式で、抵抗しなければヒルコは普段使っている拠点にまで飛ばされるだろう】

―――古龍退治は、そう遠くないうちに「ガイスト」として募集をかけるよ、ヒルコクン
それまで、旧遺物の探索と収集をよろしくお願いしようかな。それと……
私のことは、もう隠さなくても問題ないからねっ――――♪

【そして、最後にそんな言霊を残してリリアは姿も気配も全てを消した】
【半魔の目的は尚も知れず、ただ――その達成に向けた歯車は着実に回り続けていた。】

/っと少し強引ですが、また眠気が来てしまったのでこれにてっ!
/凍結含めて長い間のお付き合い、ありがとうございましたー!
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 01:22:28.00 ID:lBQB0QgN0
>>550
/乙でした! &ありがとうございました!
 ギャグに走ったりフラフラしたりして申し訳ありません!
 色々策謀できて楽しかったです!
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方)[sage]:2013/04/19(金) 01:29:02.63 ID:+aFbdu8ho
>>548

…………この辺じゃ、あまり和服も売っていないし、何より高いのよ。
だから…………まあ、ちゃんと着てあげる。

【まるで何かに言い訳するような口調で、佳乃はそう言葉を返す】
【元よりすすんで人と仲良くするタイプではなく――――同じぐらいの同性からプレゼントをもらったことなんて、なくて】
【ここまで来たらもう素直に言えばいいものを、どう対応していいのかわからない。そんな風情だ】
【それでもちゃんと、佳乃なりの誠意が伝わっているのなら。きっと佳乃も、嬉しさを感じるはずだった】

ええ…………今度こそ気をつけなさい。
…………もし次に戦いがあって、私がそばにいることがあったら…………また助けてあげるから。

【手を振る衣織に、佳乃はまた念を押して。最後の一言は、目を合わせずに告げる】
【左手は薙刀、右手には浴衣を持った状態では、手を振り返すこともできないのだろう】
【…………もっとも、佳乃の性格では例え両手が空いていてもしなかっただろうが】
【だから代わりに、すっと伏せていた目を上げて、ちゃんと衣織の目を見据えて】

【――――さようなら、と。去っていく溌剌とした後ろ姿を、しばらく眺めていた】

…………不思議な、子だったわね…………。

【きっと相手にも、そう思われていただろうに】
【自分とは正反対の、元気で明るい少女との出会い。佳乃はそれを、しばし思って】
【これから先も、きっと忘れることはないのだろう――――】

/こちらこそありがとうございました!
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/19(金) 01:32:53.40 ID:q/Hik/4Ho
>>549

【弾かれるゴミ箱によって、少し拳の狙いが逸れたようだ――それは防御や回避の材料の一つになるはずである】

【棘の腕――その威力が通常の拳より高いのは明白で】 【おそらくは、空気の壁を砕いてしまうだろうか】
【攻撃時というのは大体防御や回避が行いづらい状態であり】 【しかも身体全体を使った勢いの良い攻撃は途中で止めにくい】
【故に例え相手の反撃が見えていても、対処は難しく――裏拳も刃も止まらなかった】

「〜〜ッ!」

【――そちらの推測はかね正しい】
【幾ら筋肉と言う名の鎧を纏っていても、急所というものは間違いなく存在する】
【その刃は――首の筋肉を断ち斬り、血管をも斬り裂く】
【路地裏が赤く染まり――今までのダメージとは比べ物にもならないような致命傷だろう事が伺える】

【それでも未だ意識を保っている辺りが、流石というべきか化け物と言うべきか】
【暑苦しい魔翌力が漂って―― 一瞬強く血液が噴き出したかと思えば、次の瞬間には出血量が半減する】

「……ヘケケケ、良い狙いだったぞ」

【いわゆる延命行為だが――勿論既に失った血液は戻ってこない、脚がふらつき思わず膝を地面に付いてしまう】
【壁に背を付け、そちらに見せる眼光は……未だ衰えぬ闘争心と被害の重さの二つを兼ね備えていた】
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/19(金) 01:42:40.66 ID:zPraNEe40
>>553
【なんとか狙い通りに首を切れた...が】
【もともとガタの来ていた体を無理矢理動かしていた。そこにまた一撃。しかも棘付きで食らったのだ。正直たっているのがやっとだ】
【はぁはぁと息が荒くなり、足もふらつくし視界もぼやけている】

これでも...決まらねぇか...

【それでも絶望するのでなくて、むしろ喜んだ】
【この楽しい時間が、まだ終わっていないと認識できたから】
【こちらも消えるどころか更に燃える闘争心と共に刀を相手に向ける】
【しかし視界がぼやけているのもあって狙いは定まらず、剣先が激しく震えている】
【今度こそ正真正銘の最後の一撃。刀を相手にめがけて付きだす】
【しかし力も入ってない。避けることは用意であるし、もし当たっても傷ひとつつけられないかもしれない】
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/19(金) 01:57:58.74 ID:q/Hik/4Ho
>>554

【だいぶダメージが堪えているのか、片膝を付いた体勢は変わらない】
【その全身に生えるのは棘――但し、白色のだ】
【この棘は脆く、ちょっとした衝撃ですぐに壊れてしまうような存在で――その魅力は生成の労力の少なさくらいなものである】

【突き出された刃を受け止めるのは、彼の右手――棘は白、元々は緑だった】
【やろうとしていることは単純だ、刃を掴んで引くだけ】 【刃を必ず掴めるとは決まっておらず、掴めたとしても右手に深い傷を覆うということは言うまでもない】
【もし刃を引いた事によりバランスを崩してしまえば、脆い棘がそちらに襲うだろう――もっとも殆ど刺さることは無いため、大したダメージにはならないのだが】

【つまるところ今の彼には反撃の余裕が殆ど無く、闘争心で意識を動かしているに過ぎず――ほぼ戦闘不能状態に近い】

【――ニィッ】 【だが、そんな彼はとてもとても楽しそうな表情だった】


『……そろそろ終わりましたか?』 『傷やダメージの治療くらいはしますよ』

【――さて、時折アドバイスをしつつも静かに見守っていた女性が、事の顛末を見届けた後に近づいてくる】
【もしあなたが傷の治療を望むならば、彼女からそれを受けることが出来るだろう】
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/19(金) 02:07:16.75 ID:zPraNEe40
>>555
【男の力ない動きを見て、決着を悟り刀を手から離す】
【そしてふぅと一息付いた。落ち着いた息でもあるけど、ため息でもある】
【最後に男を見つめて、口を開いた】

...引き分けだな。楽しかったぜ

【近づいてきた女性にも、一言だけ「いい。勝手に治る」とだけ告げて背を向けた】
【足取りもおぼつかず、壁に手をつかないと歩けないが、それでも放っておいても大丈夫そうだ】

//こんな時間までありがとうございました!淡白な文でミスも多かくて申し訳ありません...
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/19(金) 02:13:43.00 ID:q/Hik/4Ho
>>556

『そうですか、無理に治療する気はありませんので――私達はこれで帰らせて頂きます』

【2人に滾っていた闘争心なんてどこ吹く風、淡々と無表情で事務的に話す彼女】
【物理的に首を斬られた男の許に近づけば、それに杖を当てて魔翌力を注ぎ込む】
【――すると、原理はよくわからないものの、男の傷が塞がっていくではないか】

「……ヘケケケ、最近勝敗がわからねェーがっつりバトルばっかりだぜ」

【どことなく満足気な男と、それに付いてゆく女性――2人もまた、夜の闇の中にへと消えていった】

/お疲れ様でしたー
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 19:32:08.78 ID:QzQA1LMDo
【噴水広場】
【少しくらい遠くてもよく響く、高い声で歌が聞こえている】

昨日の貴方、今日の貴方
私には全部違う
全部、愛したい、全部愛しい

【小さなギターの音と共に流れた歌も、そこで終わり】
【周囲にいた十人程度のギャラリーからは十分な拍手が送られる】
【それと同時に、地面に逆さに置いてある帽子へと硬貨が溜まっていく】

【歌っていたのはギターを抱えた少女だ】
【腰まで届くほどの青い髪を後ろで一つにまとめている】
【赤いシャツを着て、その上に白いパーカー、下は赤いミニスカートをはいている】

【今は、立ち上がりギャラリーへと礼をしている】
【まだ拍手は聞こえており、その音ももしかしたら遠くへと響くのだろうか】
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 20:19:25.89 ID:ccjj31ov0
>>558

「・・・」

【パチパチパチと拍手をしながら500硬貨を投げる】
【十人の中の1人に】
【変態または下衆とも言うべき馬鹿が居た】

「いやー素晴らしい歌声でしたね、是非個人的にお近づきになりたいものですグヘヘヘヘ」

【歳は20代前半ほどだろうか】
【街中ではだいぶ浮いた櫻の国の民族衣装に身を包み、一目と見れば穏やかな印象を受ける】
【だが二目と見れば溢れ出る変態オーラ】

「うーむしかし歌声もそうですが"ロリ"という所がまた素晴らしいですグヘヘヘヘ」

【周囲の観客も怪訝な目で見ている】

【あえて言おう】
【カスであると】
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 20:31:43.78 ID:QzQA1LMDo
>>559
……ん、ふむ

【その完璧すぎるオーラまでしっかりと見て、少し考えるように顎に手を当てる】
【時間にして、数秒だろうか】
【手をはずし、足元の帽子を拾い上げる】
【杏色のベレー帽だ】

Yes,ロリータ?

【続きを聞いているのだろうか、途中で区切り、語尾を上げた】
【言う間にも帽子に溜まった硬貨をポケットから取り出したレジ袋へと流し込んでいく】
【全て流し終えると帽子を自らの頭へと載せる】
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)[sage saga]:2013/04/19(金) 20:36:17.87 ID:V08kowol0
【慣れ、とは、何ともまあ恐ろしい物で】
【普段やらない様な事でも、それを何回もしていればその内違和感無く行動出来るのは、人間の面白いところだ】
【だが「公園に来て、罠にかかる」という奇怪なサイクルに慣れてしまっている人は、そうはいないだろう】

何でこうもバラバラなんだろう……
いやそれも含めて面白いけれど…ああも違うと気になるなぁ……

【等と独り言をぼやくのは、そんな奇怪な慣れを体得してしまった一人の青年であった】

【少し痛んだ青色のデニムに、薄く汚れたセーフティブーツ】
【前を開いた茶色のミリタリーコートからは、白のシャツと黒いネクタイが顔を覗かせている】
【あまり特徴的とは言えない服装の中、携えられた二個の剣の鞘と赤色のマフラーが存在を主張する】
【微かに白みがかった緑の髪に鮮やかな蒼眼。そんな容姿の青年が、何やら小難しい顔をしながら考え事をしていた】

【まあ考え事に耽るのは良いだろう。青年期は悩み多き物だ。悩むのが仕事なのだからそれは気にしないでもいい】
【問題はその格好だ。場所は夜間の公園。人気の無いその場所に、大きな木に縄で繋がれ宙ぶらりんなのだから困った物だ】
【真下には重力に従って落ちたであろう鉄の剣が二本転がっていて、そんな光景の奇妙さを更に引き立てている】

【だが青年はそれを意にも介さず腕組みをして、時折風に煽られたりしながら物思いに耽っていた】
【詳しい事を言えば、長くなる。一息で言い切ってしまうならば「罠にかかっている方が落ち着く様になった」という所だ】
【普段からカオス極まりないこの場所に浮かんでいる更なるカオスに、誰かが釣られてくれるのだろうか】
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/19(金) 20:36:57.70 ID:lnoRBiAj0
【雷の国 公園】

くぁ――――ぁっ、やべぇ……昼寝が、過ぎちまったぜ…………
こりゃ……夜になって眠れねぇパターンかも知れねぇな…………

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【ベンチに腰掛けながら、口元を左手で覆い、眠そうな欠伸をしていた】
【うたた寝をしてしまっていたのだろう。その緩慢な所作は寝起きである事を思わせる】

ったく…………夜に寝れないなんて、勘弁だぜ…………?
こりゃ……酒でもかっ喰らって、無理やり眠気を引っ張ってくるしかねぇな…………

【のそりと、ベンチから立ち上がりながら、ぼんやりした表情ながら笑顔を浮かべてみせる】
【別に誰に言い訳する必要もないのだが、酒を飲む口実が出来たと、してやったりの表情が浮かんだのだ】

けどま、そのまま飲みに行っても良くねぇよな……
少しばかり、身体をならしてからにするか…………!

【右手の棍を構えると、少し足幅を広げてスタンスを取る居丈夫】
【運動代わりに、棒の型の演武を始めようとしているのだろう】

【どうやら、運動の疲れと酒の酔いによって眠気を得ようとしているようだが、激しい運動の後の飲酒には、筋肉などを溶かす悪影響がある】
【この居丈夫は果たして、その事を正しく理解しているのだろうか……】
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 20:40:19.46 ID:ccjj31ov0
>>560

「Noタッチ! と見せかけて、どさくさに紛れてゴニョゴニョゴニョ!」

【すっごいいい笑顔だ】

「いやー虎穴に入って虎児を愛でるのが私の信条でして!
 火中の栗に素手で突っ込むくらいの気概が無ければ変態は務まりませんよ!」

【ニコリと笑いかけた】
【これだけ見るとそれなりにいい男なのだが】

「はじめまして、私は真竹 霊亀。ロリコンという名の変態です」

【これだもんなー、あーあ】
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 21:00:48.72 ID:QzQA1LMDo
>>563
そ、じゃあアウト!
前半部分だけなら少しは危ういことしても良かったんだけどなー……

【わざとらしく上目遣いで顔を見る】
【同時に出た言葉も同じくわざとらしいもの】
【作り物の仕草で面白がっているだけ】

それと、名乗られたし私も名前言わないとね
私はシリル・ロウ
それと一応遅れた訂正をすると、私は小柄で童顔なだけであって幼女ではないよ
私を幼女扱いするなんて幼女に失礼だよ

【誘惑への返事がどうあれすぐに姿勢を直し自分の名前を付け加える】
【しかしそんなことはどうでもいいとばかりに勢いよく続けた】
【内容は自分について、自分を卑下する言い方でもあるが顔はいたって真面目】
【本人は真面目なつもりなのだろう、内容はともかくとして】
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 21:11:10.07 ID:OsNi4DJKo
>>562

あ…あの!大丈夫ですかっ?!

【物凄い剣幕で演武を始める青年の元に駆け寄る少女】
【その視線は怪我人や重病人に向けられる哀れみのような物を秘めており】

意識はハッキリしてますか?!えーと…怪我は?
もしかして悪い人に何か変な物でも…

【前半部分を見ていない少女には演武を始めようとした青年の行動がどうにも異様に見えたらしい】

【青年のぼんやりとした表情、それに浮かべられた笑みと謎の棒】
【そしてこの時間帯と町の治安の悪さ】
【その二つを考慮した少女の脳内からは『酔っ払い』と言う線は消え去っており】

こういう時って…えーと……救急車!?それともレスキュー隊!?
と…とにかく!気を…気を確かに持ってくださいっ!

【一人で勝手にパニックを起こしつつも大変な状況に陥っていると思われる青年を助けようとしている】

【もちろん勝手な思い込みで一人突っ走っている事なんかには気が付いていないのだが】

/まだいらっしゃればー
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 21:12:51.94 ID:ccjj31ov0
>>564

「HAHAHA! これは失敗しましたね!
 しかしロリにはロリコンと名乗るのが騎士道的マナーです。
 ロリは一目でロリとわかるのに、ロリコンは外見じゃわかりません。それは不公平でしょう!」

【駄目だコイツ】
【シリルの動作にも一喜一憂しているようだが、本気だかどうだかわからない】

「おやおや、いいのですか? そんなに簡単に名乗ってしまって。
 私が変態だったらどうするつもりですかー?」

【ああー・・・】

「私は疑似ロリもロリババアも全然ストライクゾーンです! というか基本ロリならオールOK!

 ただ一つ・・・ロリ巨乳を除いて!!
 あれは駄目ですよ! ロリの良い所殺してるじゃないですか! 未熟なのが良いのになぜ女性として成熟させる必要があるのかと!!」

【・・・周りの奴等退いてるわ!!】

「ま、御託はこれくらいにして。なぜ路上で弾き語りなどやっているのですか?
 ミュージシャンを目指しているのであれば全力で応援させていただきますが!」
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/19(金) 21:23:10.99 ID:lnoRBiAj0
>>565

ふぅぅぅぅぅ…………っし――――――――っ、あ……!?

【構えを取り、呼吸を整え――――いざ棒を振り始めようとした、正にその瞬間】
【唐突に切羽詰まった声を掛けられて、居丈夫は構えを解きながら、驚いた様子で駆け寄ってくる人物へと視線を向ける】

あ……?
ど、どうしたってんだよアンタ…………?

【更に唐突に、意識状態を確認する様な言葉をぶつけられ、尚更困惑する居丈夫】
【居丈夫としても、この少女が何を考えているのか分かっておらず、どう対応したら良いものか、計りかねたのだ】

――――あ!?
おいおいおいおい、ちょっと待て!! お前こそ気を確かに持てよ!!
なに1人で突っ走ってやがる!!

【計りかねていたのだが――――少女の口から、無駄に事態を混乱させかねない言葉が飛び出してきて、そうも言っていられなくなってきた】
【居丈夫は慌てた様子で少女の肩を左手で捉え、とにかく落ち着けと宥めようとする】
【火の無いところに煙が立っているこの状況、早めに抑えなければ、無駄に混迷を深めていくだけ――――そんな確信が、居丈夫にはあった】
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 21:36:23.46 ID:QzQA1LMDo
>>566
全部行けるって言うのは、雑食が過ぎるね
私は別に良いけど、ロリコンが黙っちゃ居ないんじゃない?
本当に……もっと細かい分け方があれば丁度良いんだけどね

それとロリ巨乳は巨乳からの派生だからロリとは切り離して考えるべき

【真面目な顔をして何を言うのかと思えばこの内容】
【傍観者を気取っているが同じ穴の狢であることは気付いているのかいないのか】

と、冗談はこれくらいにして真面目に答えるよ
理由はよくある小さい頃の思い出からってやつ
まともに音楽とか聴きに行くお金がない人にも色々聞いてもらえたら良いなって

ミュージシャンは……むしろ嫌かな
そこまでなったら自分の自由な時間はあんまり取れないだろうから
そうしたら路地裏住みの子供達に音楽を聞かせたりとかも出来ないだろうし

【明らかにヤバい話から普通の話へ】
【元いた人々や変態を見に新たに周りに集まった野次馬も話を聞いている】
【涙腺の緩いごく一部の人は、目頭を抑えている】
【先ほどまでの危ない話題についていった本人とは別人でないかという位に綺麗なことを言っている】
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 21:41:59.63 ID:OsNi4DJKo
>>567

気を確かにって…確かに私も最近はおかしいですけど、けど今は普通です
この通り意識もピンピンしてます!

【自分の肩に掛かっている腕を両手で掴みながら、自分は正常だとアピールする】

危ないのはそっちじゃないですか!
こんな時間に変な表情を浮かべて……しかも錯乱して棒を振り回そうとしてる…
どんな視点から見ても危険人物です!

【確かに少女が挙げた三つの点だけを見れば青年は大変な人に分類されてしまうかもしれない】
【でも挙げられたそれらはあくまで少女が部分的に見たものを繋ぎ合わせているだけ】
【無論、後の足りない部分は少女の脳内で勝手に補完されて今に至っているのだが】

もしかして今巷で有名な能力者キラーだったり……
それだったら無駄ですよ!私は一般人ですから!

【一応落ち着きを取り戻した少女、だがそれは新たな混迷の始まりでもあり】

救急車かパトカーかどっちか良いですかっ?!選ばせてあげますっ

【混迷の種はどうやら増えてしまったらしく、少女は青年を逃がすまいと掴んだ腕に力を込めたのであった】
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/19(金) 21:42:34.69 ID:jgE7yidv0
【櫻の国】

【かの国を二分する主要な居住区域―――】
【乃ち現代都市と古よりの変わらない街並み、その中間地点に位置するとある深山】
【道こそあれど樹林は深く、差し込む金色の光もどこか朧で】



【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、大きく焼け焦げた濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【滝の傍の桜の木陰に佇むのは、そんな形容の出来る人影だった。】
【右腕では継ぎ目のない漆黒の装甲が前腕部を覆い、手の甲へと達するその先端部が、穏やかな輝きを放っている】

……っ、……はっ……っ―――――

【左手は右の脇腹を軽く押さえて、湧き上がる痛み―――― 内部よりの其れ――――から自らの思考を掬い上げ、】

(    無理、しすぎたのかしらね。想定してた以上に身体が重い………)
(でも、これで――――)

【――――― “傷” を、癒しに変えられる。掴まねばならなかった“それ”を、漸く、届けるべきだった“ひと”に届けられる。】
【休息を拒絶する様に急く弾丸の意識。帰ることを知らないはぐれ鳥のように、ただ翔けるべき現実(やみ)を求め続ける。】
【か細げな少女の表情は、力無く、けれど安堵めいて小さく微笑って――――】


/出来れば戦闘系・悪役系以外でお願いしますっ
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 21:51:15.03 ID:ccjj31ov0
>>568

「ふふふ、分かってるじゃないですか。
 いやーそれでもほら、よく言うじゃないですか。ホモとレズは相手を選べないって。
 ただでさえロリコンに振り向いてくれるロリは稀少なんですから、更に選り好みなんてできませんよ」

【何の話だ】
【しかしシリルの話を聞いていて路地裏というワードが出た時】
【霊亀は一瞬神妙な表情を浮かべた】

「路地裏・・・ですか、それは何とも・・・」

【しばしの沈黙の後、重い口を開く】

「路地裏は・・・凶事が集中します。環境が魔を呼び、魔が悲劇を呼ぶ。
 身勝手な能力者による路地裏の虐殺・・・そんな痛ましいニュースが流れない日はありません・・・。
 薄暗い路地裏は自警団の保護も街の温かな光も及ばず、ただひたすらに冷たく残酷だ」

【先ほどとは打って変わり】
【ポツリポツリと】
【重苦しい言葉を語る霊亀】

「でも、もしアナタがそんな暗い路地裏に光を差すことができたなら」

【霊亀は初めて変態じゃない笑みを浮かべた】

「とても、素敵な事ですね」
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/19(金) 21:55:20.27 ID:lnoRBiAj0
>>569

だったら落ち着けってんだよ!
何をさっきから大げさな事を言ってやがる!!

【気が確かなら、自分のやってる事の奇矯さにも気付いてほしい――――】
【自分の手に、更に手を重ねてくる少女に呆れに似た感情を覚えながらも、居丈夫も引けない態度を見せる】

……ったく、よく見ろ!
どっか人を巻き込む様な要素があるかよ!?
本当に危ない人間だってんなら、こんな人気の無い場所で暴れまわったり、するもんかよ……!

【段々イライラしてきたのか、居丈夫の言葉に刺々しさが表われてくる】
【ちょっと寝起きに運動がてら――――そう思っていたら、変なのに引っ掛かってしまったと、うんざりした表情を見せる】
【そうして弁明するところが、居丈夫が勝機だと言う事の証左であると、少女には気づいてもらえるだろうか?】

あ――――て、てめぇッ…………――――あぁもう糞っ、面倒臭い……!

【挙句の果てに、勝手な邪推で更なる危険人物扱いをされそうになり、居丈夫もとうとうため息を吐く】
【魔力の無駄遣いになる様な事は、なるべくしたくなかったのだが――――――――】

――――――――スー(水)・ログ(浸食)・ラー(心)・ビン(レベル2)……『リラクゼーション』!!
……これでちったぁ頭冷やしやがれ……ッ

【少女の肩を掴んだままの左手に力を込めながら、居丈夫は魔術のスペルを唱え、左手を通じて魔力を少女へと行使する】
【左手から少女の肩へと、じんわりと作用する青い光となった魔力――――心を平静にする効果のあるその魔術で、少女を鎮めようと言うのである】
【これ以上、口語の上でどうこうしていても、どうにもならないと見切りをつけたのだろう】
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 22:12:36.61 ID:OsNi4DJKo
>>572

あ……言われてみれば確かに…

【青年の言うとおりである、確かに今この場所で青年が暴れても誰も被害は被らない】
【本当に危ない人ならもっと繁華街とかで暴れるはずだ】

えっと…それじゃあもしかすると…私の勘違いですか?

【やっと自分のミスに気が付いたらしい少女、心なしか顔が青く染まっているようで】
【頭の中ではもしかしなくても自分の早とちりだという事が理解できているらしく】

そんなはずありませんよ!私を騙そうとしたってそうは行きませんっ、この犯人め!
月にに変わって何とやら――――

【素直に謝る事も考えたが、ここまで来た以上引っ込みが付かなくなって相手を叩こうとする】

【だが、その瞬間少女の肩、正確に言うと肩をつかんでいる腕から不思議な光が溢れ】
【それと同時に体の中にじんわりと何かが流れるような感覚に包まれて】


……――――そのーゴメンなさいっ!!

【折りたたみ携帯の様に綺麗に体を曲げて全力で謝罪する少女】
【落ち着けば落ち着くほど恥ずかしくなってきたらしく、少女は何度も頭を下げるのであった】
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/19(金) 22:18:21.01 ID:ek4UiN1M0
>>570
//まだ大丈夫です?
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/19(金) 22:20:16.50 ID:jgE7yidv0
>>574
/勿論ですっ!
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 22:21:05.23 ID:QzQA1LMDo
>>571
いや、何年かけてでも探すべきでしょ
そんな自分の好みじゃない幼女で満足できるの?
出来ても完全な満足じゃないでしょ?
だったら探すべきだよ、どこかに居るはずのその完璧な幼女を!

【何を熱弁しているのやら】
【変態は自らが変態であるとは気付かず、ただ変態的な言動を繰り返すだけであった】

正直……能力者側としては心無い虐殺とか、能力者至上主義とか、それに反発した人による魔女狩りとか
そっちのほうが余程身近な話題かな
……ニュースに流れないだけで、能力者だって結構殺されてる人はいるんだよ?
能力があることを隠して、一切使わずに、生涯使わないことを誓って、でも、殺された人だって居るんだよ
そんな風に能力者が悪い、なんて言い方はやめてほしいな
私みたいな役立たずの能力者だって居るんだから

【少しだけ暗い顔をして、反論をした】
【子供のように主張するだけで、話に纏まりは無く、ただ言うだけ】
【自分が能力者であることを明かして、でも役立たずとも付け加える】
【保身をしているのか、違うのか】

【と、ここまで真面目な話をした後に突然大きい声で】

……あ、勘違いしないでほしいんだけどそうやって褒めてくれるのが嫌なわけじゃないよ
むしろもっと褒めてくれて良いよ、さあ!

【暗い雰囲気を吹き飛ばすように、無駄に明るく、でも少しから元気気味】
【もうこんな暗い話はおしまいとばかりに笑顔で付け加えたのであった】
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/19(金) 22:24:13.73 ID:lnoRBiAj0
>>573

…………はぁ

【意識せずとも、ため息1つ】
【これ以上、言葉を重ねても逆効果だろうと思ってか、居丈夫はうんざりした様子で首を縦に振る】
【言葉を尽くしても不味いなら、後は態度で示すしかない】

…………犯人って、なんの犯人だよ……
俺が何をしたってんだ……全く…………

【とは言え、やはり呆れは言葉の形で漏れ出るものなのか、そんな言葉が再びため息とともに吐き出される】
【もはや、自分がこうして絡まれているのは、単なる印象によるものなのではないかと言う気さえしてくる】
【しかし、だとすれば最初に自分は如何にも意識混濁の様なものを疑われていたはずだが――――】
【――――それ以上考えようとすると、もう取り留めの無い事になると悟ってか、居丈夫もそこで考える事を止めた】

――――――――あぁ…………全く…………少しは人の話を聞けってんだよ……
それに、俺の事を危険だって思うなら、ましてなんら力に自信がないってんなら、こんな事をするなっての……

【どうやら、自分の行使した魔術が効いてきたようで、少女のリアクションに、どこか疲れ気味な言葉を返しながら、手を引く居丈夫】
【何気にレベル2の、少し強めの効果をかけていたが、それでもしないと状況を打開できない予感が、居丈夫にはあったのだろう】
【とは言え、少女のやった事は褒められる事ではない。全く状況を把握し切れていない暴走と言うだけならともかく】
【本当に危険人物に相対する場合に、今のようなパターンは不味いだろう。飛んで火に入る――――と言う事になりかねない】
【――――かなり強い仮定の話だが、先ほどの状態で居丈夫が少女に害意を持ったとすれば――――殺害する事など、至極簡単な事でもあったのだから】

あぁ……ったく、違う意味で疲れやがった…………

【一連の騒ぎで、精神的に疲れたのか、左手で頭を抱える居丈夫】
【場を弁えたつもりが――――と、やりきれなさを感じているのだろう】
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/19(金) 22:26:45.98 ID:ek4UiN1M0
>>570
おねえさん、大丈夫?
腕痛いの?

【もこもことボリュームのある白髪、雲のように白い肌】
【そして服装は全身を覆えるサイズの白い服】
【そんな白い少年が少女の前に顔を出す。見た目から年齢は十歳ほどだろうか】
【瞳にゆがみや汚れは無い。ガラスのように透き通る目をうるわせて少女を見つめる】

ほ、包帯ぐらいならあるけど・・・

【少し考える間を空けてから口を開いた】
【服にポケットも何も無い。しかも手先も殆ど動かしていなかったのにいつの間にか包帯が手に握られていた】
【自分は子供だ。治療魔術など使えない。この少年の精一杯の思いやりがこれだった】
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/19(金) 22:29:14.42 ID:wluXoISc0
【UTのお店――――その扉の前で、店内をぼーっと見つめるのは一人の少女】
【所々破けた白いワンピースに、白髪の髪。これまた肌も白なのだけれど――――その瞳は、不吉の赤色で】
【攻撃を加える訳でも無く、扉を叩くわけでも無く】
【何のリアクションも起こさないその様が、逆に異質であって通りかかる人々の視線を集めていることだろう】


「ここ、で、合ってる?
……うん、多分、ここで、大丈夫」

【手にしているのは、何か文字が綴られたメモで】
【――――しきりに視線を上下させれば、何の感情も浮かべない表情でこくりと一度頷くのだろう】
【……だけれど、やはりそれ以上のアクションは無くて】


「えっと、誰に、会えば、いいのか、書いて、ない
勝手に、入ったら、悪い、子?」

【許可無く入れば、きっと怒られてしまうから――――だから、入れない】
【何となく、吸血鬼じみた考えであるけれど、背伸びをして店内を伺ってみたり、小首を傾げてメモを見つめ直してみたり】
【――店内から外が覗けるならば、或いは、扉を開ければそんな異端者の姿が目に留まるであろうか】








【辺りを包む炎によって爛々と照らし出された一つの街】
【不思議と住民達の逃げ惑う声が聞こえることも無く、足音が聞こえる訳でも無い】
【――――街のシンボルとも呼べる時計台に立つ人物が一人】
【元は迷彩服であったのだろうが、今はバケツで被せたかのように紅一色に染まっていて】


「参ったねぇ……数が多いだけで遊び相手にもならないなんて
手が無くなっただけで騒ぐし、ちょっと骨が折れただけで呻く
あーあ、僕は何て退屈な場所を選んでしまったんだろう」

【大勢の命をこの青年が奪った事は明白】
【――――何せ、息も絶え絶えの男性の顔を掴んで引き摺り回していたのだから】
【真剣味など無くて、ただの戯れにも思えるその行動。きっと、殺された人々だってそんな戯れの内に死んでいったのだろう】


「君が此処で一番偉い人なんだろう?
僕は最初に言っておいたよねぇ……君が直ぐに自殺するなら、この街の人達には危害を加えないって
はは、まさか冗談で言ってたと思ったのかなぁ?
……ほら、見てごらんよ。君が断ったせいでもう火の海だよ?隠れて生き延びてた人が居たとしても、時間の問題かなぁ?
聞こえてる?……別にいいけどね。君が死ねば、それで解決なんだから」

【男性の命が残り少ない事は、もう誰にでも分かるような状況で】
【――――止めを刺そうと言うのだろうか。無の空間から出現したのは無数の針】
【一本一本が細くて、死に至らしめるには相当な時間が掛かる物】
【――――誰かが訪れたとしたならば、その半数が男性の身体に埋められた頃か】
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 22:37:10.04 ID:ccjj31ov0
>>576

【相手が能力者だと知った途端】
【霊亀はしまった、という顔をした】

「・・・失礼しました。立場上悪い物ばかり見ているもので」

【バツが悪そうにしばし黙った後】
【ふっと笑って言葉を続ける】

「ま、路地裏を目指すのであれば気を付けてくださいね。
 能力者であろうがなかろうが危ない場所であることに変わりはありません。
 アナタに死なれたら私が悲しいです」

【空元気気味に振る舞うシリルの頬をそっと撫でた】

「ええ、そうですね。実をいうと私も・・・役立たず気味の能力者なんですよ?」

(こういう時にタッチするんだよヒャッハーーー―!!)

【本音と建前は別である】
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/19(金) 22:37:48.42 ID:y8GN73FI0
【街中――路地裏の細道、暗がりの中】
【半月を少しだけ通り過ぎた月明かり、注がれたなら地表に積もって、薄汚れた地面が照らされる】
【鼠色に点在する闇色は誰かの命の残滓なのだろうか、経ち過ぎた時間は教えてすらくれなくて】

…………あ、

【月光色の青白さ、押し潰してくるような壁の青黒さ、煌いたのは魔力色と――りぃん、鈴の音】
【黄緑色に溶かしこんだ桜色、染め上げて、染められて、末期の御衣黄桜にも似た色が、溢れて照らす】

【――鴉を水に浸したような髪色はながぁく伸びて、膝裏をそっと撫でるほど】
【長めの前髪越しに窺えるのは赤と黒のオッドアイ、硝子球みたいに艶めいて】
【黒のケープで隠した華奢な肩、ふわりと膨らんで溢れたのは黒紫色、ワンピースの裾。二重のレースが縁取って】
【光の加減でそっと自己主張する金色のラメがさながら夜空を真似たよう、膨らんだスカートいっぱいに散りばめる】
【滑り落ちたみたいな足元を包むのもまた黒地のソックスとブーツなら。色を喪ったような、黒白色彩】
【細こい首や手首に巻いた包帯――ゆったりしたリボン結びで終えたなら、怪我人にしては幾分軽い】

懐かしい音――……。

【煌いて舞うのは桜の花弁を模した魔力片、くるりくる少女の周りを飾るなら、無数の人魂にも似る簡易照明】
【真っ白色の掌で転がされるのは、銀色のちっちゃな鈴――みっつほど、弄ばれてちりちり鳴いていた】

【――ひどく気の抜けた声は鈴の音色によく似て、夜闇にするり蕩けていく】
【警戒も何も見せないなら、ぼうっと紡いでいく声音。餌にも、罠にも、どちらにも見えた】
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 22:39:29.53 ID:OsNi4DJKo
>>577

犯人って言ったら犯人ですよ
況してやこのご時世ですよ?犯人なんてそこら中に居ます!

【結局の所少女は犯人が何の犯人かは言及しなかった】
【きっとその場の雰囲気と勢いで言っただけの虚言なのだろう】
【何らかの罪を犯した人間が犯人と呼ばれるのなら少女の言葉もきっと真実に近いのだろうが】

ご…ごめんなさい…――――その、私って昔っからそう言う所があって
でもでも、その一応強かったりするんですよ?……夢の中では…

【一応自分の非を認めて謝罪をするものの、その次の言葉は只の虚勢】

本当ですから!昨日も路地裏で悪人三人をバサーッて切り倒して倒したんです!

【そしてすぐに自分が見た夢の話に会話を移そうとする少女】
【余程の負けず嫌いかそれとも恥ずかしさを誤魔化すための行動か】

―――――で、最後に止めを刺して、目が覚めたんです

【一通り自分の見たであろう夢の話を続ける、だが少し引っかかる所があるかもしれない】

【一つは内容が詳しすぎる事、二つ目はヤケにリアルである事】
【そして最後、これは知ってるかどうかはわからないが実際に昨日そんな事件があったと言うこと】

―――お詫びです

【頭を抱えている青年に差し出したのはピンクの水筒】
【色々と恥ずかしくて色々と暴走している少女だが、どうやら反省だけはしているらしく―――】
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/19(金) 22:55:16.08 ID:lnoRBiAj0
>>582

そりゃあそうだが……それを言っちゃぁお終いだぜ?
それで話を通せるって言うなら、警察がこの世の権力者になっちわまなぁ……?

【何かは分からないが、何かはしているはずだ――――それで相手をやりこめてしまえるなら、公安は全て特権者と言う事になってしまう】
【それでは、治安が逆に破壊されてしまうだろう。そうした理詰めの言葉は、別に必要ないはずなのだが、居丈夫はそれを言わずにはいられなかった】
【それだけ、少女に対する呆れの度合いが、強かったのかもしれない】
【警察を引き合いに出したのは、居丈夫の警察嫌いが絡んでもいるのだが――――閑話休題】

まぁ、猪突猛進だって言うのはよく分かって……………………っ、おい何だ夢って…………

【今まさに、そうしてペースに巻き込まれた居丈夫には、少女が周りを見えなくなる性質だと言う事は十全に理解した】
【それはそれでしょうがないとしても、そこに続く『夢』と言うワードには、新たに反応せざるを得ない】

(…………こりゃひどい妄想癖だ…………こう言うのはアレだ……確か『黄色い救急車』って奴の、お世話になるべきじゃ無ぇのか……?)

【現実と夢の区別がついていない、精神疾患――――居丈夫の、少女に対して抱いた感想はそれだった】
【だからこそ、周りが見えなくなって猪突猛進に至ってしまうのだろうと、点と点を繋げる解釈も、それを助けて】
【ジョークとしてよく取り沙汰される都市伝説の存在を思い出しながら、居丈夫は心の中でため息を吐いていた】

…………ほぉ、そりゃ確かに大したもんだ…………起きてる時に、本当にそれが出来たんならよ……?
まぁ、それはそれとしてだ…………
(…………こういう時は、あまり深入りしないように……だったな?)

【居丈夫としても、その内容そのものは面白いと思ったが、鵜呑みにするつもりは毛頭なくて】
【何より、少女の精神の疾患を疑っている為、話を早々に切り上げに掛かったのだ】
【――――思い込みの激しい場合は、その内容に意識を向けさせないように、『逸らし』に掛かるのが正しい対処と言う話を、居丈夫は知っていたのだろう】
【無い様については純粋に詳細で面白いとは思ったが、それも妄想の裏返し程度にしか考えておらず】
【事件の存在そのものについては、居丈夫は残念ながら知らなかった為、反応の仕様がなかったのだ】

ん…………あぁ、別にそこまで構わねぇけど…………なんだいこれ?

【そして、差し出された水筒を受け取ると、ふたを開きながら少女に中身を問う】
【右手で杖を保持しているためか、やや開きにくそうにふたを開けて】
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 23:03:51.17 ID:QzQA1LMDo
>>580
まあ、気にしてないよ
虐殺を繰り返す能力者が結構な数居るのは事実だから

【優しく笑い、そこで終わり】
【それ以上この話題を続ける気も無いのか、つぎの話題へ】

んー、ちょっとタイミングが分かりやす過ぎるかな
少し口説くように、それで相手に油断させておいて、までは良いけどもう一アクションほしいかな
まあ、及第点ってところでタッチは許してあげる
実際幼女相手ならこれで十分だろうし

【まるで本音を聞いていたかのようなタイミングでのダメだし】
【しかし手を払いのけることは無く好きに撫でさせる】
【特に悪い人物ではないと判断し、問題は無いだろうと放置】

【そして少し間を空け】

で、今日は幼女三人、その保護者の可愛い女の子二人とお風呂入る予定があるからこの辺りでいい?
そろそろ予定の時間にも近いからもう行きたいんだけど

【そろそろ満足しただろうと、話を切り出す】
【明らかに問題だらけの発言で、でも性別を考えるとギリギリセーフとも言えなくもない程度】
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 23:10:39.91 ID:OsNi4DJKo
>>583

でも悪い人よりかは警察の方がマシです
それでもし警察が悪くなったらその時はきっと誰かが助けに来てくれるんです

【悪に支配される世の中より秩序で雁字搦めにされた方がマシと少女は言う】
【もしその秩序が悪に変わるならきっと誰かが何とかしてくれる】
【非力な少女にとっては誰かに頼るしかない、そんな悲しい現実を受け止めての言葉でもある】

え?夢は夢ですよ?夢の中では願えばお城も建てれるし花も咲かせられる
現実の非力で何も出来ない私とは…違って

【一瞬少女から魔翌力の様な不思議な力が滲み出たのだがそれは一瞬にして消える】
【それはまるで何かに抑圧されているかのように】
【気のせいと言う可能性もあるが、力いっぱい握られた少女の拳がそれを否定していた】

そうなんですよ…それが出来たら私はきっと困ってる人を助けれるし道を見失った人に道を照らせる
そんな風な正義のヒロインになれる……のに
ほーんと、神様って残酷無慈悲ですよねー…

【自分がもしも強かったら、少女はそんな夢物語を意気揚々と口にした】
【だが紡がれる言葉とは裏腹に少女の雰囲気はどこか曇っていて】

これは…私が昨日家で頑張って作ってきた正義の飲み物です!
数日間煮込んだ自信作なので是非是非飲んでみてくださいっ!!

【少女自家製の”自称”正義の飲み物、名前からして物凄くアレな雰囲気を漂わせていた】
【しかも数日間言葉通り煮込んだらしく、蓋を開ければ凝縮された地獄のような物が青年の瞳に映りこむだろう】



586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 23:11:07.71 ID:ccjj31ov0
>>584

「あー、残念。噛みついていただけませんか。元気な方ならここでガブーッといってくださるのですが」

【そっちかい】
【1つ上を行っていた】

【しかし次の発言に目を丸くして】

「な、」


「なんですってーーーーーー!!」


【問題発言を受けて声を上げるが】

「なんてね、どうせ犬とかでしょう。そのオチはついこの間経験しましたので。
 まぁもし本当だったらご一緒していいですかグヘヘヘヘ」

【最後の部分を小声でゴニョゴニョと呟くが】
【少し笑って手を振る】

「ええ、それでは。またいつかどこかで」
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/19(金) 23:14:16.20 ID:ek4UiN1M0
>>570
/落ちました?
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 23:19:53.71 ID:QzQA1LMDo
>>586
うん、じゃあね
また会えたら、そのときはよろしく

【少し控えめに手を振り、歩いていく】
【しかし数歩行ったところで振り返り】

あ、半分くらいは人間だよ
もう半分は吸血鬼とその混血
見た目は人間とほとんど変わんない感じだよ

【完全に問題になる発言を残し、再び歩いていく】
【途中でパーカーによって隠れていた腕時計を確認し、全力疾走に変わったのだが】

/お疲れ様でした、それとありがとうございました
/とても楽しかったです、また機会があったらよろしくお願いします!
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/19(金) 23:21:26.15 ID:jgE7yidv0
>>578

(………?)

【聴いたことのない声が聞こえて……振り向けば其処には白い少年が居た。】
【見知った場所と見知らぬ姿。淡雪を思わせる交じり気のない白。溶けてしまうことはなさそうなのが、不思議と言えば不思議だろうかと思案して】  


………折角だけど遠慮して置く。

痛いのにはもう慣れてしまったし……ほら。この通り腕は平気よ。


【 口を開けば、彼の様子を微笑ましく思ったのか――― 微笑交じりに軽く揚げてみせた右腕の前腕部には漆黒の装甲。傷ひとつなく、誇らしげにも見える其れ。】
【言葉を紡ぎながら少年から移していた橡色の視線は、どこか柔らかに其れを撫でて】


所で貴方は、こんな時間に出歩いていても大丈夫なの?
なんだか無防備に見えるけれど―――

よければ近くの街まで送りましょうか。
確かに今、身体の調子はよくは無いけれど……“やった事” と “やる事”、“出来ること” くらいは分かるつもりよ。

【ふっとまた小さく微笑って。提案と、無垢な子供を無垢のまま、そのままの彼を観ている様な、

【……普段より饒舌になっているのは、彼の善意に警戒を解されてしまったからなのだろうか。】
【或いはこの場所にも別れを告げるために、最後に思い出に刻みでもしたいのか―――。】

【そんな内心の自問自答は兎も角として、彼女の言葉の端々からは幾つかの事実が顔を見せるのだろう】

【―――――“彼女は、この場所との縁がそれなり以上には深い”。】
【そうでなければこんな深山の奥から、街までの誘導など望めないだろう】
【尤も其れも、初めて出会った彼には、疑問ではあるのかも知れないが】

【そして―――― “彼女は、自ら望んで、負傷を要する様な作業を行った”。】
【“やった事”、“出来る事”。それらと、彼の気付いた彼女の負傷から導き出せる答えではあるものの】
【或いは、それがもっとも奇妙な事に思えるだろうか】

【何れにせよ……】
【上記の事実に彼が気付くかどうかに関わらず。彼女は、彼が同意さえすれば、徒歩での誘導を始めるのだろう】
【望む所があるのなら、其れを、彼女に伝えてみるのも良いのかも知れないが――――。】
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/19(金) 23:23:44.65 ID:ccjj31ov0
>>588
/乙でした!
/こんな変態に付き合って下さってありがとうございます!
/日常ロールはやっぱり苦手ですので精進していきたいと思います
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/19(金) 23:26:24.75 ID:jgE7yidv0
>>587
/いえ、気付くの&書くのが遅れてしまってました……すみません、次からはもう少し早く書けるかとっ orz
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/19(金) 23:28:23.03 ID:lnoRBiAj0
>>585

――――――――ハッ、甘ぇよ。警察だからこそ、出来る悪事だってあるんだぜ?
それに、警察の悪事が蔓延るって事は、国そのものがダメになってるって事でもある。そん時に、誰が助けれくれるものかよ……ッ
そんな事をすりゃ、国まで敵に回す事になる…………『永遠に行方不明』になるのがオチだぜ……?

【少女のその言葉を、何故か居丈夫は力強く、それまで以上に辛らつな言葉で否定する】
【――――正に、そうした官憲の腐敗。それによって壮絶な過去を経験してきた、居丈夫の体験から、その言葉は出てきたのであって】
【公権力が悪に墜ちた時――――誰にも、何も出来る事などないと、居丈夫は断言する】
【その為に――――居丈夫自身も、何年も戦い続けてきたのだから】

…………分別がついてるんだか、ついてないんだか…………

【夢は夢――――言いきってしまえば、所詮夢などその程度の物でしかない】
【少女のその言葉は、誤謬などない一片の真実だ。それ故に、居丈夫は尚更混乱する】

(――――――――っ、ぁ……?
なんだ、今のは…………)

【そんな刹那に、少女から感じた何かを居丈夫は敏感に察知して、思わず表情を顰める】
【何もない一般人と、少女自身は言っていた。そして本人もそれを信じているようだが――――果たして、それは本当なのか】
【何とも言えないしこりが、そこに残った】

…………誰も彼もが、そうやって生きていける訳じゃねぇんだよな。残念ながら…………
それに……確かにヒーローって言えそうな人間は、何人かいるだろうけどよ…………そいつらだって、生きてかなきゃいけねぇんだ
全ての人間を、救える訳じゃねぇよ…………

【誰もが力を持てる――――それは、遠い夢物語に過ぎず、ましてそれが実現すれば、今の世界秩序はそれこそ完全に崩壊するだろう】
【だからこそ、自然に力の格差と言うものは生まれてくる。そしてそれを、如何に活用するかはその人間次第。その中には、正義の下に力を行使する人間もいるが】
【彼らだって、いずれは死ぬ事になるし、それでなくても人間として生きていかなければならない】
【本当に世界を救えるヒーローなど、それこそ夢物語だと、居丈夫も多少虚しさを感じた様な表情を見せて】

つ、作ってきた…………!?
(お、おいおい…………洒落になんねぇぞ…………この感じ…………ッ)

【中身を確認し、少女の言葉を聞いて――――居丈夫の身体が総毛立つ】
【言ってしまえば、全くの正体不明。ましてや、どこかずれているところのあるこの少女が自作したと言う事は――――失礼な話ではあるが、信用度0だ】
【他ならともかく――――直接口に入れるもので、正体不明なものをおいそれと受け入れてしまう訳にはいかない】

……………………これ、材料は?

【かろうじて、それだけを聞く。そうすれば、少なくとも毒か否かの判断くらいは出来るだろうと踏んだ】
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/19(金) 23:49:07.77 ID:OsNi4DJKo
>>592

ダメですね、信用しないなんてそんなのダメダメです
警察が悪に染まったとしてもきっと誰かがストップさせてくれます
皆で手を取り合えばどんな事でも出来るんです!

【にこやかに自分の理想を掲げて胸を張って見せる少女】
【世間の厳しさを知っている人が聞けば鼻で笑われるかもしれないが本人は大真面目である】

あ、でもでも能力者は別ですよ?あんな恐ろしい……考えるだけでも嫌です

【自分の輝かしい理想郷を語る中で垣間見せたのは心底冷め切った表情】
【『能力者』と言う人種に何らかのトラウマがあるのは確かなようで】

分別はついてます!私が一族を根絶やしに出来るのはあくまで夢の中です!

【夢の中それは言わば幻の世界なのだ、でも現実に近い幻の中で彼女が行っている非道な事】
【何よりそれが夢なのかどうかと言う本人しか分かっていない真実】

あ…あれあれ?どうかしましたかっ?何にもありませんよ?
もしかして幽霊でも見えちゃったり?

【青年の表情を見て明らかに少女は動揺する、早くなった口調がそれを示していた】
【後半は何とか話を逸らそうと平静を取り繕うが前半の焦り方を見れば滑稽な物で】

そっか…やっぱり特別な力を持った人は”害”にしかならないんだね…―――
――――あ、ごめんねっ…そのー今のは冗談だと思って聞き流して

【青年の言葉を聞いた少女の口から漏れ出た言葉、それは賛辞でも同意でもなかった】
【出てきたのは『害』の一言、軽蔑と怨恨が込められた禍々しい言葉】
【もちろん少女はその言葉を無かった事にしようと今まで以上の笑みを浮かべるが】

三日三晩寝ずに煮込んだ自信作ですよ!

【三日三晩煮込んだものはドリンクではなく薬の一種に分類されるかもしれない】

え?材料は…えーと…―――――-―

――――――――と羽石の豪華二十種類入りだよ!

【少女が並べ立てた材料は次第に植物から生物に変わって行き、最終的には何故か鉱石が使用されていた】
【無論飲めば言わずもがなな地獄絵図が展開されるのだろう】
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/19(金) 23:53:04.35 ID:ek4UiN1M0
>>589
僕は大丈夫だよ。狙われるような物もないから

【そう言って明るく笑って見せる。が、その笑顔はどこぎこちない】
【強がっているのだろうか。どこか寂しさを感じさせる、年不相応の笑顔だ】

それに...帰る場所がないんだもん

【白い肌に影を写して、うつむいて小さく呟いた】
【笑顔が消えて、寂しげな雰囲気がよりいっそう濃くなっていく】
【いつから帰る場所が無いのか、それは定かではないが服に付いた汚れを見ればついさっきのことじゃあないとわかるだろう】
【他人にこんなことを話してしまうのは、表情通り寂しいのだろう】
【この年頃の少年にとって頼れる人物が一人もいないのはどれ程辛いか。それはきっと予想以上の事なのだろう】

案内してくれるの? じゃあお願い!
実はちょっと迷ってたんだ...すごく助かるよ

【流石にこの年では、いくつかの事実にも頭が回らない。】
【ただ、少し違和感を感じただけ。それを問い詰めることは無かったが、少し表情に現れたか】

【迷いこむにしても、普通子供が来る場所じゃないのは明らか】
【何か目的がこの近くにあったのだろうか】

//申し訳ございません私の方こそ遅くなりました...
私も次からはもう少し早くかけますので!
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/20(土) 00:05:31.43 ID:eoqskIrS0
>>593

…………ッ
(――――――――じゃあ聞かせろよ…………故郷丸ごと公権力に焼き払われて、皆殺しにされた俺たちを、誰が救ってくれたんだ……ッ!?)

【――――少女の言葉に、居丈夫の顔が引きつり、棍を握り締めていた右腕に力が籠る】
【膨れ上がる怒り――――だが、それをこの少女にぶつけたところで何にもならない。どうせ、何も分かっていないだけだろう】
【寸でのところで喉から溢れそうになるその言葉達を、居丈夫は飲み込んだ】
【――――私利私欲を肥やす領主たちによって、村を丸ごと殺戮され、彼の両親など、死体を焼かれて木に吊るされたのだ――――】

おいおい、そこでそんなカテゴリーを排除したら意味がねぇだろ? 手を取り合えばって言ったのは、お前だぞ?

【それでも、少女のその言葉が居丈夫には気になった様で、水を向けてみる】
【藪を突いた格好かもしれないが、居丈夫の方も、先ほど抱えた怒りが冷え切っていなかったのか、そうした判断が働かなかったのだ】

――――だったら、さっきの言葉、もう一度繰り返すぜ?
夢でそうした事が出来るからって、現実で無茶をするんじゃねぇ。俺が本当のキチガイなら、お前とっくに死んでるぞ?

【ともあれ、居丈夫にはそれを伝えておかなければならない】
【この調子でいつまでもいては、いずれ悲惨な目を見る事になるのは、少女の方だろうから】
【先ほどの行動は――――邪推によって邪魔されたと言う事は、もう脇に置いておいて――――無謀だろうと】

……いや、なんでもねぇよ

【ほんの一瞬の感覚に、確実な事は言えない。さりとて深く追求するべき事でもないだろうと感じて、居丈夫はお茶を濁した】

――――あ? おいてめぇ何を言って…………ッ、言って良い冗談と、悪い冗談があるぜ…………軽々しく口にするんじゃねぇ

【少女が打ち消した言葉――――それが打ち消される一瞬、居丈夫は思わず激昂しかけるが】
【少女が取り消した以上、それ以上追及は出来ない。ただ、不快なもの言いと感じた事を隠さず、釘を刺す】

…………はぁ、そうか…………
(――――――――万一の時には…………魔術、間に合うかよ……?)

【聞いていて、とりあえず薬効がある事は分かった。鉱石を材料に使う事も、漢方などでは有り得ない事でもない】
【とは言え――――毒だって『薬効』なのだ。それがどう作用するかは分からない】
【居丈夫は、覚悟を決めてその『薬』を、喉へと流し込んだ】
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/20(土) 00:23:29.46 ID:WVhbNElwo
>>595

……どうかしましたか?
その…また私一人で突っ走って変なこと言っちゃったんじゃ

【少女の嫌な予感は珍しく的中していたのだがそれが何かまでは分からない】
【だが一つ言えるのは触れてはいけない部分に触れてしまったという事】
【変に謝っても青年を刺激するかもしれない、そう思いあまりその事には触れない様にした】

んー…じゃあ能力者の腕を削ぎ落としちゃいましょう、それなら繋ぐ手もなくなります

【とんでもない事を笑顔で言い放った少女は相変わらず満面の笑みを浮かべており】
【表情だけを見ていれば、あんな物騒な事を言い放ったなど億尾にも思わないだろう】

お兄さんはキチガイなんかじゃありませんよ? もし仮にそうだとすればそれは"夢”です
でも私は今実際にお兄さんと話して笑ってます、だからコレは現実です

【良く分からない趣旨の言葉を口にしてニカっと微笑を浮かべる少女】
【相手が悪人だったら”夢”そうじゃない今は”現実”】
【一体どんな意図を持ってどんな趣旨でこんな事を口にしたのだろうか】

冗談?私冗談なんか言ってませんよ?
世間の生み出したゴミ…ううん世界のクズの事を悪く言って何がいけないんですか?

【青年に咎められて少女は不思議そうな表情を浮かべて罵倒の言葉を口にする】
【刺された釘を相手に向けて放り投げる、少女はそんな考えられない事をやってのけた】

スゴイです!コレが男の一気飲みって奴ですね!

【相手が自分特性のドリンクを飲んでくれた事に酷く喜ぶ少女】
【だが味は見た目よりも酷い物であり、形容しがたい何かとなっている】
【もちろん死にもしないし害も無い、ただトラウマレベルのマズさと言うだけだ】
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/20(土) 00:42:38.40 ID:eoqskIrS0
>>596

…………自覚があるなら、それをよく考えてみな…………

【かろうじて、居丈夫言えた事はそれだけだった】
【それ以上は、話す気にならない。分からない相手にそれを力んで口にしても、空回りするだけだから――――】

はぁ…………?
(こいつ……ッ)

【聞こえてきたのは、悪意に満ちた言葉。居丈夫は思わず気の抜けた声を漏らす】
【だが、その裏で、確実に理解した――――この少女、間違いなく危険な人間だと】

あぁ、そうかよ…………
(…………間違いねぇな。こいつには、こいつ独自のルールがあるんだ…………
汚い部分を全部、そこに押し込んじまう…………都合の良い『夢』が……こいつには、実際にあるのかもしれねぇ…………
――――それが『さっきの』の何かにからんでやがるのか…………?)

【ただの精神疾患患者と思っていた居丈夫だったが、先ほどの言動と、それまでの情報を繋ぎ合わせて、それがそんな単純に済まないものであると考える様になった】
【そうなれば、先ほど「気のせい」で流してしまった感知も、論拠として活きてくる――――居丈夫は、少女の事をそう分析した】
【――――単なる妄想癖なんかじゃ済まない、悪質な何かを抱えているはずだと、それに確信を抱いて】

――――冗談と言って聞き流せって言ったのは、お前の方だ…………どっちかハッキリしやがれ…………
(……本気、なんだろう…………くそ、性質が悪い…………! ……いずれまた、『夢』でなにかをやらかすだろうぜ…………畜生が)

【少女の、後ろ暗い正体の一端を垣間見た居丈夫は、もう意味なく激昂したりはしない。ただ、不機嫌「そうなポーズ」だけを取って】
【その裏で、少女の振る舞いに焦りを感じ始めていた――――この芽、早いうちに摘み取らなければ、どうなるか分からない】
【だが、独断で何かを起こす訳にもいかない――――今は、手が出せなかった】

――――ん……! ぐぅ…………ぅんッッ!?

【水筒を傾け、中身を飲み下したが――――それが一気に襲ってきた】
【食道が締まる。胃が縮む。血流が絞られる。脳が騒ぐ――――――――】
【簡単に言えば、肉体が全身で危険信号を発していた】

…………っ、悪い…………俺もう行くわ…………そろそろ、宿に戻らねぇと……よ
(やべぇやべぇやべぇ……! 空行って…………保つか、俺の胃の弁よぉ…………吐き気、耐えられるか?)

【水筒だけを少女へと突き返し、居丈夫はふらつきかけた身体を棍で支える】
【だが――――魔術の詠唱が出来ない。胃がひっくりかえるような感覚が収まるまで、口を開けそうになかった】
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/20(土) 00:43:49.05 ID:CAScfkFh0
>>594

(……、っ……?――――――――――)

【若干怪訝な顔……というよりは少年の言葉、そして表情に違和感と抵抗感を覚えたのか。音もなく翳る表情は、なぜ、と問いかける様でもあった】

【なぜ、自分を何も持たない様に語るのか。なぜ、彼をそんな現実が襲うのか。】
【無暗に怖がらせても詮無い事で、けれど、簡単に肯定できる事でもなく――――】
【だからだろうか、直ぐに返る言葉は無い。思案気な、どこか痛々しい沈黙が続いて】

(過去も、私には分からない、か………それでも、……―――――。)

(…………。)
(……それに、今夜は私が気を配っていればいい。)
(この辺りには慣れているし、遅れを取れる筈もない―――――)

【そんな思索を中途で切り終えて、】

【彼の同意の言葉を受ければ、事務的な返答で今宵の旅路の始まりを告げ】
【少女は……道案内を始めるのだろう。彼の伝えた彼の事実には、未だ何を言う事もなかった】

【効率的な/けれども彼に合わせた足取りで歩む少女は、向かう方向にだけ目線を向けながら、】

………さっき、帰る場所がないと言っていたわね。
私には、其れが違うんだと思うのよ。

【口を開き――――― その言葉を紡いだその場所で、足を止めると彼に振り向いて、】


……今からでも遅くはないんじゃないかしら?
誰か、何処か、あるいは “なにか”―――

…………居場所は、誰にでもあっていいものだと私は思う。

失くしても、もしも最初は無かったのだとしても……きっと、何時かは辿り着ける。
………だから諦めて欲しくない。居場所を、どこかで見つけて欲しい。

貴方よりたった何年かだけ長く生きただけではあるけど……私は、出逢うことが出来たから。

【――――― 「だから、手伝いくらいはさせてもらうわ」。】
【あまりに実感の篭もる言葉。そして伝えた過去の経験と、手を伸ばす様なその言葉。】
【本当に幸せそうに……けれどもなぜだか、堪える様に揺れる瞳をして。】

【少女は、そんな答えを彼に紡いで―――――】

/また遅くなってしまいました、申し訳ない…orz
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/20(土) 00:54:08.20 ID:CAScfkFh0
/か、書き忘れてた部分に今気付きました…
/このままじゃ返しにくそうですし、ラストの一文として追記しますが、無視してくださっても結構ですっ

【……“居場所”。彼女にとってのその意味は、彼には、不可思議なものとして映るだろうか】
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/20(土) 01:02:51.45 ID:WVhbNElwo
>>597

はーい…以後気をつけます…

【ふぅと小さく溜息をつき自分の発言を何度も何度も思い返してみる】
【だが悪意の無い物ほど探し出すのは難しく、結局考える事を放棄した】

え?そうなんじゃないですか?みーんな言ってますよ?
殺さない分私はとーっても優しいねって皆から褒めてもらえるし…

【少女の言う”皆”とは多分と言うより絶対この世界には存在していない】
【きっとそれさえも少女が見ている”夢”なのだろう】

だって人間は特別な力を持つからオカシクなるんですよね?
だったらオカシクなった人間なんて人間じゃありません
オカシイ人間が存在する世界なんて現実じゃありえませんよ

【能力を持った悪い人間が存在するなんて現実じゃないと言い張る少女】
【いや、単に特別な力を持った人間を否定しているかのようにも見える】

あ…そー言えばそうでしたね…ごめんなさいっ
でもお兄さんも気をつけてね!変な力が宿ったら大変だからね!

【少女の忠告、それはきっと能力者であれば目の前の青年さえも殺れるという事】
【そしてそれを自分に明かすなと言う精一杯の警告】
【無論その警告を無視すれば、彼女は現実を否定するだろう】

美味しい…ですか?それとも…不味い?

【恥らう乙女の様に顔を赤らめ相手の感想を待っている】
【どうやら手料理ならぬ手薬を振舞うのは青年が始めてらしく――――】
【青年の地獄など完全無視して都合の良い妄想で勝手に補完を始める】

え…あ、もう行っちゃうんですかっ?!今度はもっと美味しいのをご馳走しますから!

――――マリポーサです!私「マリポーサ・リリアン」って言います!

【去りゆく青年に勝手な約束を取り付けながら次会うときを夢見る少女】
【暴走しがちな夢の矛先が青年に向くなんて事はあるのだろうか?―――】


/絡みお疲れ様でした!
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/20(土) 01:10:21.75 ID:cplmdwBz0
>>598
【袖を揺らして少女の背を負う。】
【少女が口を開くまで自分から発する言葉はない。】
【諦めたような表情で星を見上げるだけだった】

【そんな矢先に帰ってきた少女の答え。それは予想とは大きく違うものだった】
【あっけにとられて相づちすら打てなかったけど、とてもあたたかいものが伝わってきた】
【少女の話が終わった頃に少年は顔を見上げて、くしゃくしゃになった顔で少女を見つめる】

...あり...がとう。
そんな優しい言葉をかけられたのは久しぶりで...

【瞳を目で擦りながら、顔と共にくしゃくしゃの声で話した】
【何年も温もりに植えてきて、そんなときにかけられた優しい言葉】
【綺麗事なんかじゃない。とても実感のこもった言葉】
【頬に何かが流れるのを感じた。】

また、出来るかな。僕にも
見つけられるのかな...

【優しい言葉をかけられても、協力してくれると言ってくれても不安は消えなかった】
【それで思わず問いかけてしまう。】

//待ったり待ってるので大丈夫です!
それに私も遅いですし...
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/20(土) 01:18:14.30 ID:eoqskIrS0
>>600

(……これも……無駄かね……?)

【他はともかく――――この一言に関しては、完全に居丈夫の個人的な怒りに端を発している】
【それを考えると――――少女の異常性とはまた違った意味で、居丈夫も手を出しにくかった】
【とは言え――――久々に心の古傷を抉られた居丈夫には、その痛みは耐えがたかったのも、事実――――】

…………さぁ、な…………俺は知らねぇよ…………殺さずにすむ方法の、どれが正解かなんてな……

【お茶を濁すにとどめたが、やはりはぐらかし切れていない居丈夫】
【何を思ってかは知らないが――――少女にとって能力者は殺戮の対象にしかならない。そしてそれは、居丈夫にとっては絶対に認められない、許し難い事だ】
【だが、嵩にきてそれを否定するわけにもいかない。そんな心情が現われた、苦しい言い訳だったのだろう】

変な力、か…………まぁ、今さらそんな事もないだろうがよ……?

【魔術師である居丈夫も、これから能力に目覚めると言う事は恐らくないだろう】
【既に、後天的には十分な力を得ているのだ――――これ以上、何を望むと言うのか】

……………………良いんじゃねぇ、か…………?
(『良薬は口に苦し』……って、意味でな…………ッ、ぐぅ……ッ)

【かろうじて、それだけを口にした居丈夫。敢えて言葉を隠す意図があったと言えばそうなのだが】
【実際には、それ以上声を発するのも苦しかった為、隠す意図がなかったとしても、それを口にするのは難しかっただろう】

――――――――レグルス…………っ
レグルス=バーナルド…………じゃあな

【少女――――マリポーサの名のりに対して、居丈夫――――レグルスも、自分の名前を明かす】
【とりあえず、今のままでは牛歩の如く歩く事しか出来ないだろう。ならば、多少嘔吐の危険があっても、空を行くしかない】
【――――爆撃などと言う、人後にもとる事だけは、やらないように気をつけなければならないだろうが――――】

……………………レル(風)・フェン(飛翔)・ゼル(自身)・ザン(レベル3)……………………『ウィングウィンド』…………

【どうにか魔術のスペルを唱え、空を駆けていくレグルス】
【誰が見ていた訳ではないのだが――――その様は、いつもに比べて苦しそうだったと言う……】

/遅くまで乙でしたー!
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/20(土) 01:46:11.71 ID:CAScfkFh0
>>601

【少年の涙―――― 驚いた様な顔はせず。ただ頷くように、彼を肯定する様に口を開けば】

ええ………きっと、ね。
私に出来ることがあるなら、何時でも言ってくれていいのよ?

【少女は、精一杯の笑顔を浮かべて。出来る限りの優しい手つきで、少年の頭を撫でようともするのだろう】
【柔らかな掌。きっと伝わる、暖かな感触。】
【けれども其れは、“彼女には”、きっと、彼女の信じた意味とは違っているもので、】

(……だからせめて、彼の居場所が壊れないように―――――)

【孤剣(つるぎ)として、在り続けたいと少女は想った。】
【未だ見ぬ彼の大切な世界を、自分にとっても大切な其れを、護り通したいと強く願った。】
【………何時の間にか空虚(からっぽ)になった、“力” を求めた心の刃鉄――――】
【そんな自分にもある “大切なもの”。それを、その証明の様に紡ごうとした。】

………それに、二人も私は出会えたのよ? 貴方が出来ない筈もないわね。

……一人は、同じ夢を見ていた大切な人。
憧れてたし、優しくて本当に強かった―――――

今から行くつもりの街は、その頃に私が暮らしてた場所よ。
もう3、4年も前になるけれど………今でも、昨日のことみたいに思い出せる。

……貴方にも、いい思い出になるといいのだけれど。

【「思い出せる」 と語るその語尾は、小さく微笑った様に柔らかく上がって】
【其れが大切な思い出だと伝えるのには、十分な意味を持つだろうか】

【そして彼が落ち着いたのなら、また少女は歩き出すのだろう】
【彼の様子を確かめる様に、時々後ろを振り返って。彼の無事を確かめたなら、また家族の様に穏やかに微笑って。】
【そうして続く少年と少女の夜。時は……優しく流れ続ける。】

【彼女の言っていた街も……もう、そう遠くはない筈で―――――】
【やがて、街灯りも見えるだろうか。彼には、行くあては有るのだろうか】
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/20(土) 02:14:27.89 ID:cplmdwBz0
>>603

お姉さんは優しいんだね。
いつか、また会ったらお願いするよ

【心からの笑顔を少女に向ける。ついさっき出会った相手だけど、信頼できた。心を許していた】
【頭を撫でられる頃には少年の涙も止まり始めていた】
【きっとそれは優しい感触のおかげ】

あの街がそうなんだ...綺麗な街だね...

【遠くに見えた街明かりに見惚れている】
【恩人の大切な思い出のある街と聞いて余計に綺麗に見えたのかもしれない】

うん。あの街ならきっといい思い出が作れそう!
出来たらその人にもあってみたかったな

【少し残念そうな顔で、足元の小石を蹴った】
【優しい恩人がまた優しいと言うような人なのだから、きっととても素晴らしい人なのだろう】
【でも彼女は「強かった」と言った。その言葉の意味はこの少年にもわかった】
【そして「いい思い出が作れそう」と言った。つまり少年はあの街を訪れるのは初めて】
【「居場所がない」とも行ったのだから行くあてなどあるはずもない】
【それでも少年は楽しそうに街灯りを眺めている】
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/20(土) 03:08:20.72 ID:CAScfkFh0
>>604

……どうだか。
でも……言ったことを貫くくらいは、するつもりだから安心して。

【“優しい” なんて言葉は、はぐらかす様に否定しながら。また小さくクスリと微笑って、今度は安心させる様にそう紡いでいた】
【そして街灯りが拡大されてゆく。幾つもの建造物が、はっきりと形を得て彼らの視界に入り】


【………一歩踏み入れば、其処は一種の新たな世界だった。外側の自然とはまるで違った、“人のいる” 光景が其処にあった。】

【現代都市と櫻の伝統的な街並み、その中間地点――― そうした立地的な理由からか、街にはこの時間でもそれなりに人通りがある】
【観光でも、研究でもあるのだろう “彼ら” の/通行人たちのまちまちな目的、】
【まるで統一感のない彼らの服装からは、其れすらも透けて見える様で】

【奇妙な事に、街全体を見ても路地裏特有の雰囲気がないのだが――― 其れは、今は、彼にはあまり縁のない話か】

【そんな街を歩きながら、少女は、偶に足を停めて色々なものを指し示しただろう】
【どこかの偉人を模ったものであろう石像。現代的な医療施設。何やら歴史のありそうな、けれども質素な造りの神社――――】
【そうした変遷の果てに辿り着くのは、中程度の大きさの、けれども居心地の良さそうな旅館であり】

……今夜はこの宿に泊まって行く?

私は少し予定があって、明日の朝早くには発つけれど――――
………少しだけなら居られるし、その間は邪魔はしないわ。


【少年には温泉に入る様に促して、会計は自分で済ませながら、予想以上の出費に頭を悩ませつつ……】
【彼が寝付くまでの、きっと短いであろうその時間。少女は、案内される部屋のなか、彼に付き添うのだろう】
【焼け焦げたコートと嵌めたままの黒い装甲は、或る意味、場違いにも映るのだろうが――――】

【出会った時から “変わらない” その姿は却って、彼を安心させるものなのかも知れない】
【やがて、彼は眠るのだろうか】
【部屋の入口近くに座って、(部屋を出る様に求めなければ)、彼の領域を侵さないようにそこに留まる、櫻の少女の姿を目にしながら。】
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/20(土) 03:28:04.49 ID:cplmdwBz0
>>605
【他愛もない会話をしながら街へ足を踏み入れた。】
【人も、建物も、雰囲気も少年にとっては見るものすべてが新しい。】
【それらを見るのは年相応の無邪気な瞳。どんな境遇にあっても子供は子供だ】
【所々感想や歓声をあげながら少女のあとを追い、旅館の前に付いた】

え、いいの?
すごい良さそうなところだけど...

【と、申し訳なさそうに話すも強く否定することはなく旅館の中へ入っていく】
【されるがままに温泉に入り、汗と一緒に間だ少し残っていた涙も流した】
【初めて優しい言葉をかけられて、自分を応援してくれる人と出会った】
【それだけのことだが、少年中でそれはとても大きなものだった】

【風呂から上がって布団へ入る】
【入り口近くで座ったままの少女に「寝ないの?」と声を描ける】
【今までの道中で少女への警戒心などは消え去っているらしい】
【その問いに少女がどう答えようと、この少年はすぐに眠ってしまうのだろう】
【幸せそうな寝顔を見せて、ぐっすりと....】

//絡みありがとうございましたー
あなたとの力量差が大きすぎて申し訳なくなってきましたよ...色々と及ばない点があったと思いますがごめんなさい!
また機会があればよろしくです!
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/20(土) 04:28:15.60 ID:CAScfkFh0
>>606
/粘ってみましたが、やっぱり眠気が限界みたいです……orz 返レスは明日、出来るだけ早くやってみます…!
/それでは、遅くまで本当にお疲れ様でしたー!凄い遅レスですみません、絡みありがとうございました……!
/また機会があれば、こちらこそよろしくお願いしますっ
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/20(土) 19:30:50.69 ID:onCItYgL0
>>606

【街の案内をする少女の声は、何処か弾む様にも聞こえて】
【虚無を、感じさせはしないのだろう。   】
【自分の好きだったものを誰かと共有出来るのが、彼女にもやはり嬉しくはあって】
【今だけは別人の様に純粋に、ただ、少年を先導するこの “今” に身を置き――――】


【そうして最後に案内された部屋で、「寝ないの?」 なんて子供らしい年相応の言葉が聞こえた。】

【「私は良いの」。可笑しむ様にそれだけ言って、“そこにいる” だけの暖かな沈黙に戻り、また訪れる静寂で身体を休めながら―――】
【ふとちら、と振り返って彼を見遣れば、穏やかに眠る小さな姿が瞳に映って】

……おやすみなさい。ゆっくり、そしていい夢を……ね。

【思わず、こみ上げてくる様な穏やかな笑みを零した。子供のままでいられる彼を、幸せでいられるべきものだと彼女は思った。】

【彼は……これからどの様な人々に出会い、そして変わってゆくのだろうか】
【今の彼女には分からない。彼にも、きっと其れは同じ事ではあり】

【………けれど、平穏ではあれと少女は想う。】

(……いつかまた会える、か。)
(………随分と時間がかかってしまったけど………、これでやっと届けられる。あの夜私に降るべきだったものの跡を、今度こそ拭い去ってあげられる―――)

【―――― やらねばならない事があった。終えねばならない戦いがあり、大切な誰かに届けたい癒しと意味が彼女にはあった。】

【宿を後にする少女の姿は、直線的な程にも迷いは無くて】
【けれども今宵過ごせた一時を、きっと忘れなどしないのだろう。クスリと、最後に一度だけ微笑った様でもあった。】

/改めて……遅くまでお疲れ様でしたっ!
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/20(土) 20:04:14.78 ID:P7QqEusdo
【───或いは街角、或いは草原、或いは滅んだ国の城跡で、世界の凡ゆる所で、それ≠ヘ突如として生まれた】
【…いや、発生した≠ニ言った方が相応しいのかもしれない】
【ヒビが生まれた───地面や、壁にでは無く、空間そのものが、ガラスのようにヒビ割れた】
【どの方向から見ても同じ形、同じ方向に見える、二次元的な空間のヒビは、いつ誰が作り出したのか、数人を除いて知る者はいない】

【不可思議なエネルギーを放ちつつ、ヒビは自然に拡がり続ける】
【元々の空間を押し退け、自らの存在だけを、歪な枝を伸ばし続ける】
【やはり、というべきか、ただの自然現象とは思えないこの現象に、自警団を始めとした統治組織は調査隊を発足する】
【口をポッカリと開けた、トンネルのような謎のヒビ───続く先は、生か、死か】

/イベント開始でございます、襲撃側の方は投下をお願いします
/VS主催の方は申し訳ありませんがもう少しお待ちください
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/20(土) 20:15:58.08 ID:d1i9OoSh0
【路地裏のヒビの中】

【三角木馬、アイアンメイデン等の拷問器具から狩りなどに使われるネズミ捕り等の罠までありとあらゆる「悪意」が散らばっている】
【そしてその中心に男が一人。この「悪意」を作り出した張本人だ】
【血のように赤黒いジャケット、色落ちしたジーパン。そんな服装をしている】
【見た目は二十代後半ほどか】

【ゴワゴワの髪を軽く掻いて、ポケットからタバコを模した駄菓子を取り出して咥える】
【咥えているものは駄菓子なのに、口から離して息を吐いて、また咥える】
【そんな子供が大人の真似事をするような行動を繰り返しながら、ただまっすぐにこの空間への入り口を見つめる】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/20(土) 20:29:17.48 ID:OXFteVMe0
【路地裏――作りかけのままに放棄された廃ビル】
【打ちっぱなしのコンクリートはキャンパスに、打ち捨てられた資材は玩具に】
【引っくり返したケーキの箱を覗き込んだかのような混沌は、元凶すら飽いたらしい、残滓も古びて】
【手すりも何にもない階段、明かりすらないなら、奈落に引きずりこまれるような、そんな錯覚――】

【――灰色と黒と暗がりの世界、きらり煌いて舞い下りたなら、或いは誰かの気を惹くこともあるだろうか】
【黄緑に染められた桜色の魔力片、末期の御衣黄桜にも似た色合いが、宙を数多に踊っていた】

……、

【辛うじて備え付けられた鉄柵は赤く変わり、所々で途切れたなら、仕事なんて果たせない】
【その向こう側にぽつんと佇むのが少女の影なら、足元から窺うことだって、難しくないから】】

【――鴉を濡らした色合い、風にさらさら揺れるのは、膝丈ほどの髪】
【長めの前髪の向こう側で煌くのは右が血の色、左が深淵の色のオッドアイ――じぃと注ぐ視線は自らの手へ】
【黒基調のワンピース、膝と重なるような長さは、レースとリボンをたっぷり飾られて、仕込まれたパニエにふっくらと】
【こんな場に合わないような高いヒールの編み上げブーツがこんと屋上の床を叩いて鳴らす】
【首元や手元にくるくる巻いた包帯は飾り立てるようにリボン結びで結われて、ゆぅらり揺れていた】

綺麗かなって思ったけど――…… 上からじゃ、分かんないじゃない

……つまんないの。

【瞬いて舞う花弁の源流は、宙に伸ばされた白磁の掌】
【真っ白の上にざわざわと溢れては散っていくのは、本物の御衣黄桜を思うなら、少しの違和感】
【何かに触れたならふつふつとほどけて消え行く桜の模倣、曖昧な月影に良く映えた】
【敵意なんてものは程遠く、戯れにしてもずっと軽い――ただ、人外めいた気配を纏うなら、僅かに不穏にも思われる、だろうか】
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/20(土) 20:30:05.56 ID:ZkPKSIcBo
【魔海近くの泉のほとり――】

……ヒャハハハ、"設計"は終ォわったぞ
次は必要な奴らを"作る"作ァ業だァァアア

【ほとりに立つもの――それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

【さて、この者――各地で様々な悪事を働いている悪魔とよく似た顔をしているが……?】
【あるいは、よく似た半悪魔や……この者その者が悪事を働いていたとの情報も、ちらほら流れていたり――】

しィかし……無ゥ理矢理空間を歪めちゃア、"狭間"が残っちまうぞ? 人間よ
別に俺様は大歓迎なァんだがな

【風によって運ばれる混沌のにおい、それには敏感】
【――この者はほとりに座ると、どこからか出した紙にペンで――何やら蠢いているそれで"異界の文字"を記し始める】
【これから"混沌"を世に運ぶ為に、……新たな"拠点"を作る為に】

/勝手ににおいや周りの様子で現状況を把握しただけであり、イベントとは無関係です
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/20(土) 20:34:49.26 ID:P7QqEusdo
【水の国にある廃墟、かつての繁栄を忘れ去られた寂しい遺物】
【ホテルか何かだったのだろうか───煌びやかな陰だけを残す広いロビーに、それはあった】
【空間に空いた大きなヒビだ、人が通れるくらいに、既に拡がっていた】
【風が吹いている───いや、ヒビの中に空気が緩やかに吸い込まれている】
【奥は見えない、真っ暗だ】

【勇気は必要となる、リスクが無いとも言えない、しかし不思議と、心惹かれる感覚があるだろう】
【『中に入らなくては』そう思わせるような、不思議な魔力がある】

【───そのヒビに入ると、瞬きする暇も無く、一歩踏み出す必要も無く、いつの間にか目の前に広がる向こう≠フ世界】

【───空>氛氛氓ナあった。】
【足元には、水に映るような青空、足をつけば波紋が広がる】
【地平線の向こうまであるような透明な空気に、上の青空に散らばる星々と巨大な天体】
【見惚れてしまいそうな綺麗で壮大な風景───しかし、それを作り出した、そこにいる奴は紛う事無き悪≠ナある】

《───待っていたぞ、もう一冊読み終えて二週目を59ページ読んでしまった》

【探す必要もない、声の主は、目の前にいる】
【それは、読んでいた本から眼を離し、かけていた眼鏡を取り外し、座っている車椅子を反転させて、体を向ける】
【白く長い髪、長い白衣、紅い眼───小さく細く、白い体】
【まるで幼い子供のようなのに、それには悪意と邪気がたっぷりと収まっている】
【彼女こそが、事件の黒幕、彼女こそが、大神研究所のトップ───】

《…自己紹介をしようか、私の名は大神───大神アイ=t
《敬いと畏れを込めて大神社長と呼ぶがいい》

【紡がれる声は、大人を気取る少女のような声───この風景に、その姿は一見素敵でもあるが】
【目の前の相手を見る大神の眼は、それはそれは皮肉っぽいものであって】
【本と眼鏡を膝に置くと、大神は肘掛に両腕を乗せた】

《───さて、私には生憎、語るべき思想も理由もないのでな》
《企みなんてないさ、裏で何かをしていたり、何かを守っていたり───そんな事は無いとも、心配はいらん》
《なに、ただの暇つぶしさ、たまには私も戦争(あそば)ないとな》

【理由はない、目的も無い───所詮遊びだと、大神は語る】
【ただ、戦争を眺めるだけしかない彼女は、思想を語るでもなく、理想を語るでもなく】
【指をパチン、と鳴らすと、虚空から二つの輝きが現れた】

【一つは黄金の輝きを放つ、生物的で機械的な大狼】
【もう一つは、白銀の輝きを放つ、似通った姿の大狼】
【地面に降り立った二匹の大狼は、大神の右手側に黄金が、左手側に白銀が陣取って】

《───機甲召喚獣マーナガルム、中々いい物だと思わないか?》
《たっぷりとセールスしてやろう、精々足掻いてみせろよ》

【二匹の大狼を呼び出した大神は、余裕そうに指を組み、座っている】
【二匹の大狼の、機械が擦れ合う咆哮が、重なった】

/お待たせしました、セリーナさんとシミラーさんはこちらにレスをどうぞ
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/20(土) 20:43:15.25 ID:z8BybI90o
>>610

【その異空間――ヒビの中へ、さも当然のように一人の女性が立ち入った】
【黒いロングスカートにエプロンをかけ、腰元と後頭部には大きなリボン】
【言わずとも分かる、メイド≠セった。が、その手には巨大な剣を持ってもいて】

……不躾に失礼致します。私、エリザベス・カーライルと申します
本日は自警団の方から依頼を受けまして、こちらのヒビ≠修復しに参りました。

そこで、なのですが……貴方様は、その手段をご存知でいらっしゃいますか

【周囲の悪意≠一瞥しながら、小柄な彼女は男へとそんな質問をした】
【その表情はいわゆるポーカーフェイスであって、実に事務的な空気があり】

【また一方、彼女の持つ剣だが―――ーソレには刀身、中心部、或いは腹と呼べる部分が存在せず】
【ただただ黄銅の刃だけが大剣の形状を成すのみであったが、強い威圧感を放っており】
【あまつさえ高い共鳴音のようなものを放つのは、あの「音叉」にも似ているようであった。】

/よろしくお願いしますねー!
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/20(土) 20:48:00.50 ID:P7QqEusdo
【───そこにあるヒビは、ほかになにも無い、広い草原の中に佇む】
【特に被害があるでもない、しかし確かに広がるそれは、静かにそこから悪の枝を伸ばしていた】

【───中にあるのは、外とはまた違う解放的な空間】
【眩い夕暮れに空は染まり、黒々とした影となって立ち上る建物達が見える】
【足場は何かの屋上か───いや、上階ではあるが、壁と屋根が消し飛んだ≠謔、な印象を受ける】
【上を受け止める天井のない太い鉄格子がぐるりと周囲を囲んでいるが、隙間から落下すれば怪我では済まないのは瞭然】

………

【そこに立つのは、一匹の男】
【黒いスーツ、黒い短髪、爪痕模様のネクタイに…右目の眼帯】
【君達は見覚えがよくある筈だ、背中を向けるこの男に】
【タバコを口に、鉄格子の隙間から、夕焼けを眺めるこの男に】

……ったく…どこ行きやがったんだよ…そんなに広いのか…?

【君達が侵入してきた頃、その男は静かに、呆れたように独り言を呟いていた】
【戦闘体制でも何でもない───ここが、彼の世界≠ネのだろうか?】

/お待たせしました、まがわの方はこれにレスをどうぞ
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/20(土) 20:53:24.47 ID:d1i9OoSh0
>>614
・・・ああ、知ってるぜ。メイドさん
お約束どおりだよ。俺を倒せば良い

【にやっと笑って口を開いた】
【名前を名乗られても名前を呼ぶことはせずに、見たまま「メイドさん」、と呼んだ】
【これからはじめるのは殺し合い。お互いの名前など終わってしまえば直ぐに忘れてしまうものだろう】

それ以外に方法は無いぞ。
どうせ戦うしかないんだ。せっかくだから楽しもうぜ

【身構えたりすることは無いが、全身から放たれる殺気で彼が臨戦態勢に入ったのが分かるだろう】
【そしてその殺気に比例するように周りの「悪意」が増幅していく】


617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/20(土) 20:56:23.33 ID:FSPF34u90
>>615

「おら! 死にやがれぇ!!」

【男の後頭部にいきなりドロップキックをかます少女】
【そのドロップキックはまるで鉄球車の一撃の如く重いだろう】
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/20(土) 20:57:37.79 ID:Lgt4gee4o
>>613

【――自警団水の国支部、中央情報局から連絡が入ったのは、少し前のことだった。】
【――"妙な事が起きている"と、一言そう呟いた電話先の男性に対し、深くを追求する事はせずに――】
【"女"は素早く、店先の看板を"Closed<外出中> 御用の方は連絡してね! 000−0000"と書かれた板へと裏返しにし】
【夜の中、蹄の音を響かせ、直ぐに水の国へと向かった。】

【馬の背に乗るのは、なんとも時代錯誤な格好をした一人の女性だ。】
【――土埃で汚れた白いシャツ、首元に赤いスカーフ、褪せた土気色のベストで豊満な肢体を包み】
【長い足をブーツ・カットのダメージジーンズで覆い、その先には年季の入ったウェスタン・ブーツを身に着けて】
【頭部には特徴的な古いテンガロン・ハット、その奥にブルーとも、翡翠とも取れるような神秘的な輝きの瞳を宿し】
【――有体に言えば、西部劇にでも出て来そうな"ガンマン"――カウ・ガールのような風貌の女。】

【素早く馬を疾走させ、水の国へと出向き――そして、件の"廃墟"の前に到着した彼女は、白馬から舞い降りた。】
【蹄が小気味良い音を立てて地面を打ち鳴らし、馬が夜空に響く甲高い声を上げれば――彼女はそれを嗜めるようにし、馬を"廃墟"の前に待機させて】
【手に持っていた地図を足元に置き、ハットの向こう、視界の先に広がる謎の"亀裂"へと、歩を進めていく。】

――ひぇぇ〜・・・なにここ?雰囲気バッチリの廃墟だけど――ありゃりゃ、倒産しちゃったのかね。未だに豪華絢爛、って感じが
これまた物悲しいと言うかなんというか・・・ま、臆病者さんが"悪事"働くには、ピッタリなワケだ。

【どうやら自警団の情報は間違っていなかったらしい。廃墟に突如、謎のヒビが現れた――調査を願いたい、と。】
【辺境の廃れた建物の内部、確かに目の前にあるのは不思議な空間で――なるほど、妙な"力"があった。】
【「中に入ってみたい」、と思わせるような空気――おおよそ魔力や幻術に疎いこの"酔いどれ"にも、それはなんとなく――伝わって。】
【ゆっくりと、腰元のガン・ベルトと――そこに携る"相棒"へと片手をかけつつ、歩み寄り――空間の中へと、脚を踏み入れた次の瞬間】

【――刹那。眼前に広がるパノラマに一瞬、視界を奪われ――ハットを深く被りなおした女が次に認識したのは、あの少女だった。】
【見忘れるはずもあるまい、柊と共に共闘し、大事な"友"であるあの男を鼻先で操った憎き、仇敵――大神。】
【あの時もそう、そして今もまた――ただの"悪戯"だとでも言わんばかりの表情で、世界へと挑戦し続けるその姿勢――】

――自己紹介どうも、でも実はアタシと貴女、初めての出会いってワケじゃあないんだね、これが。
そっちが覚えてくれてるかはわからないけど、アタシは貴女を絶対に忘れないよ――ああ、そうさ"社長"さん。

――セリーナ・ザ・"キッド"。UNITED TRIGGER創立者、そしてメンバーの一人――何かまたしでかそうってんなら、容赦しないよッ!!

【――手をかけていた愛銃――"弾"末魔を素早く引き抜き、現れた二頭の狼の頭部めがけ、腰元で構えた。】
【見たところ機械式の魔獣――だがそういった類に対する有効的な攻略法など、元より見当もつかぬ。ならば――何時もどおりに、倒すまで。】
【抜き去ると同時、左手でファニングしたハンマーが叩き起こされ、攻撃態勢へと入る。】
【女――セリーナ・ザ・"キッド"が戦闘態勢に入る。引き金が引かれるのは時間の問題――まずは狼の動きを見切るつもりだろう。】
【カウンターの一撃を放つべく、セリーナは輝く瞳で狼と、そしてなによりも"司令塔"であろう大神の視界を捉えつつ――時を、待つ。】

/シミラーさん、大神さんよろしくオナシャス!
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/20(土) 21:02:01.81 ID:z8BybI90o
>>616

左様でございますか。かしこまりました、ではそのように
それと……いえ。お名前の方はお聞きせずとも問題はございませんね。

【「では早速」――淡々と、相手の笑みに答えることも、怯えることもなく】
【メイドは相手の言葉を事実として捉えると、未だ距離が有るにもかかわらず大剣を振り上げて】
【激しく共鳴し、実のところ非常に細かく振動するそれを男性へ向かって振りぬいた】

【そうすれば、発生するのはソニックブーム――にも似た、大きな空気の塊である】
【目には見えないが、直撃しても精々数m程度吹っ飛ぶ程度で済むだろう。小手調べに違いない】
【周囲の悪意には気付いていたが、対処などしようもない。だから、先手を取った】
【小柄なメイドの選択肢は実に合理的であって、殺しあうという美学には、些か――鈍い物を、感じるが。】
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/20(土) 21:02:15.35 ID:ct3pwBIQo
>>612

――“魔”の者、ですか

【ふらり揺らぐ背高の影。 相手ならば、容易く「唯の人間」の気配だと察するのだろう】
【問う声は分かりきったものであるけれど一応の確認ということか、別に敵対しようという物でもなく】
【直後に畔に現れる姿が、何処か相手に似通って――穏やかならない姿に思える】

【若い男。紅茶色の腰を過ぎる長髪、瞳孔の大きさが左右で揃わないオリーブ色の目には妙な呪詛が込められ】
【190cm近い背、ローブに似た黒衣を纏う痩躯、下衣は装飾としてのベルトが多く、靴は黒革の踵が高いヒール】

もし、そうであって。 尚且つ“必要な奴ら”が足りないのであれば……

【相手の醸す“混沌”を嗅ぎつけたのか。傾げたままの頸で薄く笑ってみせるが、視線は合わせない筈】
【矢張りその目に何かあるのか――もっとも、魔族の相手にならば魔眼など聞かないのかも知れないが、】

……お力になりたい、と

【くつり。夜の笑う声が、した】

/いらっしゃいますでしょーかっ
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/20(土) 21:16:48.68 ID:sCvZU0YKo
>>613
...空間にヒビ―、なるほど

―これは珍妙だぁ、固有結界などそう使い手などいないからな...

【ヒビを見つめるは、あまりにも『怪しさ』が立ち込める者だった】
【頭と顔があるはずの場所は、牛と山羊のキメラを彷彿とさせるような、精巧なマスクにて覆われ】
【踵少し上まである、フードと襟元に黒に近い灰色の毛皮が特徴的な、漆黒のチェスターコートのボタンをきっちり締めている】
【地肌を一切晒さぬ、謎が固まってできたかのような者】

【半分は、ひきつけられるかのような好奇心、そしてもう半分は、欲。魔眼は、空間の歪みの本質を、彼の脳裏にへと焼き付ける】
【好奇心と、物欲、ある意味、『二大』とも言える欲は、彼を空間の内部にへと誘い、そして彼は、ひびにへと歩き出す】

ワァオ―――

【視界に飛び込む、空、空気、水のように澄み切った地、そして天体】
【まるで、子供の頃に童話で聞かされた、不思議な世界の果て―】
【そして、この世界を支配する、傲慢なる白い女王―】

なるほど、なかなか高貴な暇つぶしのようで―お嬢様

【うやうやしく頭を下げる、謎の者、声からは男のように見えるだろう。だが―】
【そのマスクと、地肌さえ晒さぬ黒衣は、彼を、何を考えているか分からない、そのような印象をもたらすのだろうか】
【現れる、女王の配下である二匹の機械の魔獣。忠実なる僕を見て、クスっと笑う】

金将と銀将、チェスでいう何かはご存知ではないが、なかなか、よいご趣味で―

【構える事もなく、悠長に、黒い者は女王にへと賞賛を贈った―】

/いきなり遅れて申し訳ない、初めてで不慣れのところがありますが、よろしくおねがいします
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/20(土) 21:19:07.97 ID:d1i9OoSh0
>>619
要らないだろ。どうせお互い忘れるんだ

【また、淡々と答える】
【そして、メイドが振り上げるのを見ると、少し身構えて】
【剣のようなものが空を裂く音を聞くとパントマイムをするみたいに、ぴたっと空気に手を貼り付ける】
【彼の異能、形を与える能力。空気に形を与えて生成するは空気の壁】
【空気の塊と塊が衝突する鈍い音が当たりに響いた】

小手調べって所か・・・
案外乗ってるじゃねぇかあんたも

【そう嬉しそうに口を開いて、指を鳴らす】
【すると周りの悪意が三つの銃の形をもって、その悪意をメイドに向ける】

じゃあ、こっちからも小手調べだ

【もう一度指を鳴らすと銃弾がいっせいに発射される】
【しかしあくまで前方からのみの銃撃。避ける余地はいくらでもある】
【言葉通り小手調べって事らしい】
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/20(土) 21:21:47.01 ID:P7QqEusdo
>>617
…どんだけ広いかもわからねぇし、歩いて探すにもなぁ
あの野郎、一体───

【予兆なんて無かった、まさか隕石がいきなり落ちてくるなんて考える人間はいないだろう、それと同じ事】
【振り向く間もなく、後頭部に走る重い重い衝撃、不意を打たれた為に耐える事も出来ず、抵抗のない看板を蹴るように】

へぶぉッッ!!?

【吹っ飛んだ男の体は、目の前の鉄格子の隙間をすり抜け、下の見えない隙間へ落下───】
【こうして、戦いは幕を閉じた】

/お疲れ様でした






───…んなわけあるか!!!

【幕は閉じてなんていなかった、当然である】
【下を除けば、男は紅い魔力光子のブレードを壁に突き刺し、なんとか落下を免れていた】
【素早く腰から武器を抜き、咄嗟の判断を下したようだ】

…こんの…いきなりにも程があんだろーが…!

【衝撃をくらう前に響いた声、聞き覚えのあるそれに姿を想像して、上を見上げる】
【下はまずい、まずいから絶対見ない】
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/20(土) 21:23:37.66 ID:ZkPKSIcBo
>>620

広さ……数……おォっと高さも考慮して…………――

【と、まあ――真面目に紙と相対するこの者の姿は、些か以上に似合わないだろうか】
【とは言え、何者かの気配等を感じ取れば――それが"人間"のにおいであることも容易に認識する】
【蠢くペンを紙の上に置き、自身に声をかける男の方にへと身体を向ける――体勢はあぐらのままで】

――ヒャハハ、正解だ"人間"! そォーよ、俺様は"悪魔"だ、超強ェーな!
確かに"必要な奴ら"は間違いなく足りねェ、が――そォれ以前に必要数もまァだ割ァり出してねェーモォンでな

まァー、数は多けりゃ多い程良ォいッ! 使える"力"は使わなきゃア損だろォ? なァ、人間
テメェーが俺様の力になァりてェっつゥーなら――ヒャハハハ

【そちらに向けられる赤い眼光、悪意の篭った笑み――例え視線が合わなくとも問題はなく気にしもせず】
【ただ、そこにあるのは紛れも無い"邪悪"のみであった】 【あえて続けなかった言葉の先がわかる程の――】

/いらっしゃいません(大嘘)
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/20(土) 21:29:17.71 ID:FSPF34u90
>>623

「あー、やっぱりテメェかぁ!」

【現れた少女には見覚えがあるだろう】
【艶のある長髪、タンクトップの上に長袖のTシャツ、下は黒いタイツの上に半ズボン】
【これで男と会うのは4度目になるか】

【カノッサの少女、真室川まがわだ】

「おら、落ちろ! とっとと死ね!!」

【剣を持つ手をゲシゲシと踏みつける】
【情け容赦は無い】

/真室川まがわです、主催者さん今日はよろしくお願いします
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/20(土) 21:29:41.38 ID:z8BybI90o
>>622

ご冗談を仰らないで下さいませ。私(わたくし)、武力行使は嫌いでございます
なにせ、メイドは本来家事をする職人でございますから、ね―――。

【小手調べとして放った一撃を凌がれれば、僅かに眉をひそめるだけ】
【あの動作、音――察するに自分の繰り出したそれと近しいモノで相殺されたのだろうが】
【やはり空気というものは見えない為に、能力を測りかね――しかし、思考の猶予はない】

【こちらに銃口が向けば、エリザベスは大剣を自らの前へと、壁のように構える】
【しかしソレには刀身がない。防御には余裕が無いように思えるけれども―――】

             ――――《VIBRATION=t

【――全ての銃弾が、剣の周囲で停止した。見れば、その周囲という空間が揺らいでいて】
【更なる共鳴音と大剣の振動が、きっと男性にもよくよく理解できるはず】
【つまり、振動を強化して――その揺らぎを空間にまで及ぼし、衝撃波のようなものとして弾丸を退けた、と】

【この時点では、彼女の反撃はない。ただし、大剣の共鳴音は甲高く。実に警告音めいていた。】
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/20(土) 21:35:44.82 ID:ct3pwBIQo
>>624

――混沌、でしょうか? 或いは、純粋なる“悪”か

【紫色の爪が彩る指を口許に添えて、尚愉しげに笑ってみせる顔は大凡“善”からは程遠い】
【今まで良く人間に収まっていたと不思議に思える程――昏い表情は、印象として相手にどう捉えられるのか】

傅けと仰るならば、今すぐに。
供物をと仰るならば、そちらだって今すぐに。
……ですが、貴方の仰られるように、私は“人間”

【其処で言葉を切って、態とらしいばかりに下がる眉、落ちる視線】
【はぁと溜息まで吐いてみせる。 此方も言わんとしている事が明確な程に、あからさまに】

もし、私が貴方の御力を借りて、無力な人間から魔族への転生を果たせるのならば
相応の見返りで以って、必ずや応えましょう……貴方の眷属として、ね。

【それが可能であるならば力を貸す――早い話が、取引である】

/騙したんですね……ヒドイ!
/それではよろしくお願いしますー!
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/20(土) 21:42:25.55 ID:6rVbx9dqo
【森】

【街から廃村へと続く道は倒木によって途切れ、そこまで辿りつく前哨もまた、今は使われておらず】
【昔々に踏み入る者すら途切れたか、草木が好きに生えて荒れに荒れている】
【葉の揺れる音がかすかにする程度の暗闇の中、混じるのはくぐもった生き物の吐息】
【その出所は、見上げるほど太い“幹”の上に座る人影だ】

【黒紫の襤褸外套を纏い、アイボリーのプルオーバーに白のデニムショートパンツ】
【鈍く光沢を発する黒いニーハイブーツに、統一して黒のマフラーと帽子、ブーツ……】
【頭をすっぽりと覆うフードは辛うじて口元を見せる程度、他はすべて黒に覆われている】
【右の袖は何も通すものが無いようにふらふらと揺れている】

【今や人の通らぬ道、それでも向うの廃村は古い地図にはその名は載っているやもしれぬ】
【下生えの草は、ホタルがとまっているかのようにぼんやりと青い光を土の上に落とす】
【少年の目的は、何れか】
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/20(土) 21:43:42.15 ID:P7QqEusdo
>>618
《…セリーナ・ザ・キッド>氛氛沂M様の顔は一度たりとも忘れた事はなかったぞ》
《あの時はよくも私の犬を、そして私の体を壊してくれたものだ》
《今回は前のようにはいかんぞ、一片のチリも残さず消し去ってやる…》

《───とでも言えば満足か?まぁ、忘れた訳ではないぞ、安心しろ》
《よし、安心した所で死ね》

【臨戦体制に入り、銃を構えて、正義らしい望んだ通りの言葉を吐くセリーナ】
【嗚呼、素晴らしい───こういう輩が、何より大好きだ、こうでなくては我が悪≠ヘ捗らない】
【ニヤリと意地悪な笑みを浮かべた大神は、合図もなく、黄金の大狼が動き出す】

【黄金の大狼の口に、金で縁取られた黒焔が燃え上がる───刹那、それは地面を蹴って】
【セリーナに素早く飛び掛かりながら、黒炎を纏う牙でセリーナに噛み付こうとした】
【動きは直線的で距離もある、回避する隙は十分だ】

>>621
《さて、こっちは───中々いい面構えだ、面白い》
《貴様がその気なら部下に引き入れたい所だが───まあ、今はその時ではないな、わかるだろ?》

【続いて、シミラーの姿を見ると、その異形極まった頭の造形を愉快そうに笑って見て】
【興味がある旨を語ると、白銀の大狼が四肢を踏ん張り、天に向かって吼える】

【すると、シミラーの足元が銀色に輝きだして───】
【間も無く、銀で縁取られた黒雷が輝いたそこ目掛けて落ちてくるだろう】
【落雷が発生してから回避は困難、しかし予兆は確かにある】

【───空間を掌握する主そのものは、未だ動かず】
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/20(土) 21:47:39.86 ID:d1i9OoSh0
>>626

家事ねぇ・・・じゃあそれも家事に使うってのか、ええ?

【返って来た答えに、また意地悪に答える】
【銃弾がはじかれようとも動じる様子はない】
【むしろ、コレぐらいじゃないと面白くないとばかりに頬を吊り上げる】

(恐らくだが、あれは衝撃波か・・・ちょっと厄介だな)
(まあ、それぐらいの方が面白いけどな)
(そして・・・今は一見ガードしてるだけだが、違うな)
(近づかない方がいいが、遠距離からじゃ決定打は与えられない・・・ならッ!)

【脚を思い切り地面に打ち付けて、斜め前に思い切り飛び上がる】
【そして天井に手を着いたならば、天井は一瞬液体のようになる】
【液体のように「形」を持たないのに、天井にとどまっている奇妙な状態だ】

今度はちょっとキツめのいくぜ。耐えろよ?

【つりあがっていた頬がまた大きくつりあがる】
【天井についていた手を少女にめがけて振り下ろす】
【するとその手に釣られていくように、槍の用な形を取った天井が少女めがけて落ちていく】
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/20(土) 21:57:37.85 ID:ZkPKSIcBo
>>627

俺様は今"新たな拠点"の作成を計画しィている――そォう、"混沌"の為になァッ!
人間共が建造物を作るのに必要なモノはなァんだ? ……そォーいう事だ

【昼の国のとある町と周辺の資源を根こそぎ持っていった――その張本人であり】
【それだけ持っていけば、材料には恐らく困らないだろうが……はたして、悪魔の作る拠点が人間に作れるのだろうか?】

――ヒャハハハ、何を言ィい出すかと思えばそォんな事か
一つ教えてやろう、人間よ! 俺様の能力の"一つ"は、"生命を合成する能力"、他にも"生命を変化させる能力"があァる
つゥまり! テメェーを魔ァ族にするのにもなァんも造作ねェ

うゥーん、正義だとか善だとかふゥざけた奴でもねェ顔だ、そォれに"力"も何もねェただの人間じゃあねェだろォ?
ヒャハハ、もォしどっちかなァら俺様の好みで混ァぜたが――良ォいだろう、好ゥきなモン混ァぜてやる、望むなら元の姿との切り替えオプションも付ゥけてな

【今の状態ならば、混ぜられるモノをある程度は選択できそうだが――変化させる能力に頼った場合は、どうなるかは結果を見るまでわからない】

【さて、この悪魔は"生命"を合成して新たなそれを作り出した後は――】
【その生命を"支配"する、その行動をするのだが】 【それは今言わず――つまりは後出し】
【もっとも、過去に一度"支配"の作業を行えずに今に至っている者が居るのだが――】
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/20(土) 21:58:47.57 ID:z8BybI90o
>>630

【振り下ろされる天井――もとい、それを素材とした槍へと向かい】
【エリザベス。カーライルはぐォん≠ニ大剣を振るって、その穂先を『断ち切った』】

  【――その種明かし。この世界には、振動剣とか、高周波ブレードとか呼ばれる武器が有る】
  【高速の微細動によって物質を削り切るというものだが、この大剣の状態も今は同じ】
  【メイドの振動させる≠ニいう能力をして、奇怪な大剣は凄まじい切れ味を誇っているのであった】

【閑話休題。とにかく、彼女はその穂先を切って―――それから、一気に男性へと接近を図り】

申し遅れましたが、私はフリーのメイド……何方様とも金銭如何で契約します
時折、暴力的な方もいらっしゃいますし、こうして危険な目に合うことも。
か弱い女性は、時として身を守る道具を有しているものなのですよ―――。

【再度、大剣を振るう。目的はただひとつ、大味に――彼の胴を、上から下に斬り捨てることであり】
【さらに大剣は、刃周辺の空気をも振動させているからか、見かけよりもキレる部分が長く、広い】
【切れ味自体は先に述べた通り――――メイドだからと、そうそう安心出来る相手では無いらしかった。】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/20(土) 22:07:30.62 ID:iAcH9xXO0
【枝の間を縫って、月の明かりが差し込む幻想的な森の中】
【木々に飛び散った紅の液体は、更なる非日常を生むだろうか】
【――――獣達の死骸。その中心に佇むのは、一人の少女の姿】
【これだけの量の血で染められているというのに、少女の纏う白いドレスには一滴の飛沫も無くて】


「悪い子、だから、もう、悪い事、しちゃ、駄目」

【掌に居るのは、小さなリス】
【哀れにも自らの命に危機が迫っている事が分からないのだろうか――――】
【頬袋に詰めた木の実を頬の上から撫でてみたり、毛繕いをしたりと残り僅かな命を暢気に過ごしていて】
【――――グシャリ】


「これで、此処の、悪い子、達、居なく、なった?」

【指の隙間から溢れ出るのは血みどろの肉と砕かれた木の実】
【一際強く握ればボトボトと落ちていって、初めて少女の足を赤く染めて行くのだろう】
【――――髪も、服も、肌も真っ白な少女】
【そんな中、瞳だけが爛々と紅く耀き】
【さて――――この場を訪れた者はこの惨状に何を思うか】




【まだポツポツと明かりが残る街道。其処に集ったのは、数匹の子犬たちで】
【――――囲まれた様にして立つのは、一人の少女】
【金色の髪を持ち、人目を引くのは狼の耳と尾。それと――――金色の隻眼か】


「だから、今日は何も持ってきてないんだってばー……
ああもう、そんな風に鳴かないの。男の子なんでしょ?
次はちゃんと君達の好きな物持ってきてあげるから……ひゃっ?!
ちょ、ちょっと!足舐めたって何にも出ないってば!」

【同族とはちょっと違うけれど、子犬たちは遠い遠い親戚みたいなものなのだろう】
【クスクスと楽しそうに話しているが――――言葉が通じているのかは、微妙な所である】
【内一匹を抱え上げれば、言い聞かせる様にして視線を交わして】


「ほら、君達のおかーさんもあそこで待ってるから早く帰りなよ
……うん。大丈夫だって。次はちゃんと持ってきてあげるから」

【小さな尻尾をふりふりと振りながら立ち去って行く子犬たち】
【時折名残惜しげに振り向く一匹には苦笑と共にそんな言葉を贈って】

【―――――やがて訪れるのは完全な静寂】
【何時かまではあったのであろう、もう片方の瞳。傷口を撫でるかのように指先が辿れば、今度は自分に向けて苦笑を漏らして】
【さて――――時間も時間故、こんな場所に少女が一人立つのも不審な話】
【果たして、話し掛けようという奇特な者は居るのだろうか】
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/20(土) 22:10:02.46 ID:Lgt4gee4o
>>629

【開いた口から飛び出す言葉、どうやらむこうも忘れてはいないらしい――いや、当然といえば当然か。】
【大神といえばミサイルに始まりパワードスーツ、そしてあのマギタイト変換技術にも一流と言える技能を持ちえる"天才"だ。】
【頭脳のうちに収まらぬ知識などある筈も無いし、一度見たことを忘れるとも思えない――ただ、天才ゆえに周りなどどうでも良い、と】
【そう思っていそうな無頓着さが鼻につく。現に、覚えていたけど、だからなんだ?とでも言わんばかりのその態度――まったく。】

――困ったさんだね、ホントに。そんなアメリカン・コミックスの"ヴィラン"みたいな台詞、わざとらしいったらありゃしないよ!
――もっとも、アタシは"ヒーロー"を意識してるけどね?こういう時代だもん、そういう存在がいたって罰は当たらないって。

――だから、死ぬ気なんてサラッサラ、無いッ!!

【――銃撃。発砲。バレルが唸り、シリンダーが揺れた。回転する弾槽が機械音を響かせ、引き戻された撃鉄が火薬を打ち鳴らした。】
【瞬間、狼の口内、開いた喉元めがけ強烈なカウンター・ブラスト――反撃の一手が穿たれる。】
【放たれた銃弾は銃身の内部を通過する際に魔力塊に変換、空中へと身をせり出したその時には既に、紫色の"魔弾"と化し】
【襲い掛かってきた金色の狼のメイン・ウェポンであろう口――その奥の"喉"めがけ、一直線に飛来するだろう。】
【――しかし恐るべきは精密な射撃よりも、その姿勢、だろうか。】


――――――ッ!!

【射撃の前――彼女は真横へと、身を投げていた。狼の突進が見えた直後、だ。つまり、狼が口を開いて襲ってきたそのときには既に】
【彼女の身体は横、そしてそれも"宙"へと浮いており――不安定すぎる姿勢からの第一射、まさにガンマンとしての曲射に全てを賭けた一撃。】
【故に、精密さには若干の誤差が考えられるか――狼が予想以上の機動力を持ちえたならば、彼女の動きを見て事前に"止まる"ことも可能だろう】
【どんなに素早い抜き撃ちができようと、所詮この女の身体能力は人間、それも女性そのものなのだから。】
【――真横へと身を投げ、回避に走るその行為だけは、如何に射撃が早かろうと人間の速度で行われる部分だ――直前で突進を止められれば】
【弾丸が喉を命中する事もあるまい。若しくは――弾が反れ、もっと別の場所を、抉るか。】


>>621

【――と。滾る狼の口内、キラリと輝く牙に注意を向ける視界の隅――もう一人の"潜入者"を発見し】
【セリーナは気を緩める事こそ無かったものの、恐らくは共闘することになるであろう"男"に、声をかけた。】
【――果たして、男と呼んで良い者かどうかも、いまいち掴めなかったが。ともかく、まずは彼の目的を知るべきだろう。】

―――ヘイ!そこのカッコイイ――ええっと、牛?怪物?のマスク被ったおにーさん!・・・で、良いのかな。
ごめん、いまいち良く分からないけどどうやらこの"お嬢さん"、アタシ"達"とやり合う気らしいッ!
こんな辺境の異空間で殺されるのなんてゴメンだし、ここはひとつ――手を合わせるとしないッ!?

【――セリーナとしては。接近戦を上手くこなすだけの力が無い自分には、後方での援護こそ本文と考える節があった。】
【無論、引き篭もってばかりもいられない。前線に立つことのほうが多いが、それでも役割の分担が出来るのならば其れに越した事は無い。】
【前衛は前衛に、後衛は後衛に――戦略的に考える事は不得意ではない、なにより今は強敵を目の前にしている――まずは、手を組む事が最善。】
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/20(土) 22:18:13.86 ID:d1i9OoSh0
>>632
んなっ・・・

【避けられるか、ガードされるぐらいは予想していたが、まさか断ち切られるなんて想像していなかった】
【そうしてあっけに取られている間に接近されてしまっている】
【なんとか先ほど断ち切られた天井に触れて、また壁を作る】
【しかし先ほど切られたものを壁にしようと気休め程度にしかならない】

か弱い?・・・よく言うよ・・・
すこし笑えなくなってきたな。こりゃあ・・・

【赤いジャケットが腹辺りからさらに赤く染まっていく】
【真っ二つにされることは無かったが、壁ごと腹を切られた。ダメージは小さくない】
【お互い近距離が得意な場合、相手の間合いに入ったということは自分の間合いでもある】
【そして相手は攻撃が終わった後。つまり隙があるということ】
【この瞬間は自分にとっても好機でもあるのだ】

【また壁の破片の形を奪い、そして刀の形を与えてやる】
【そして首めがけて刀を切り上げる】
【並の切れ味しかないし、この男は刀の扱いなど素人だ】
【それでも、目の前のメイドの首の肉を切るぐらいなら十分だ】
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/20(土) 22:18:30.10 ID:P7QqEusdo
>>625
そりゃこっちの台詞だっつーの…!
この野郎…しつこいにも程があんだよ…!

【やっぱりだ───何回も、何回も何回も倒してやったあのガキが───】
【真室川まがわが、目の前にいた───ていうか】

ちょっと待てお前!洒落なんねぇから!それは洒落になってねぇから!
…くっそ…!面倒ばっかり増やしやがって…

【ガンガン手踏まれてる、めちゃくちゃ踏まれてる、戦いのた≠フ字もない、ただの一方的な蹴落としだ】
【早くなんとかしなくてはならない、このまま落ちては奈落の底に───】

───あ″っ

【落ちた───衝撃でブレードの刺さりが緩んでいたのか、スポッと抜け落ちた】
【そしてやはり、ラッシュの姿は奈落の底へ───】



「お疲れ様でしたー…なんて、ならないのでござるよねー」

【ジャラッ───鉄と鉄が擦れ合う音、ラッシュが落ちた先に飛んで行く長い紐状の物体】
【自転車のチェーンのような物が、隙間を挟んだ向こう側の建物屋上から伸び、落ちたラッシュに絡みつき、吊り上げる】
【ぐわんと引き上げられたラッシュの体は、チェーンが伸びてきた建物に落ちて───】

───…テメェ…この…一体何処にいやがった…
「わっちの世界にわっちが何処にいようがいいじゃないかでござる〜」

あ、ついでにメイン交代だから鍵カッコあげる
「おいこら!」

【そこにいたもう一人の影───ラッシュを吊り上げた正体、この世界の掌握者】

【蜘蛛の巣が這い回る黒いパーカーを黄色いノースリーブシャツの上に着て、黄色色チェック柄のミニスカートと黒いスパッツ】
【黒いセミロングの髪の上に被る、白いニット帽に黒いゴーグルを被せた様は髑髏を被ったようにも見えて、オーバーニーソックスと黄色・黒の縞模様スニーカーがいかにも活発だと主張する少女だ】
【また、パーカーは腋の部分が空いた風通しのいい作りで、袖先は指貫手袋と一体化したような閉じた作りとなっている】

さーて、こっからはわっちのターンでござるよ〜
情け無い情け無いラッシュちんの尻拭い、わっちがしてやるでござる〜

【随分と間の抜けた、適当そうな話し言葉】
【そこにいた少女は、吊り上げたラッシュから眼を離しながら、ωみたいな口から毒吐きまがわを見る】
【右掌から伸びたチェーンがラッシュの足に絡み付いており、プチんとそれを千切って】

【お互いの立つ建物の間は5m程、飛び越すか、または攻撃手段があるか】
【こちらの少女は、何かをしている様子は無いが】
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/20(土) 22:19:29.00 ID:sCvZU0YKo
>>629
まさかこのような道化を気に入っていただけるとは、いやはやお眼が高い...

【まさに女王、童話のような傲慢さ。しかし、そこには童話とは違い思慮の浅さはない】
【その人柄に好感を感じたのか、再び恭しく応じる―しかし、そのマスクからは表情はなく、考えを伺い知るのは困難】
【マスクの中に現れる顔は、果たして―、どう考えるかは、白の女王次第―】

ですが......私は生憎、籠の中に入る価値が分からぬ、『道化』、でして―

【白銀の狼の咆哮、輝く地とともに光臨するは、黒と銀であしらわれた雷】
【地面の輝きを察し、すぐさま右方に飛び、雷をかわそうとするが、たとえ前兆があろうと、それは光だ―】

ぐっ...!!!

【足元に熱さが駆け巡る、痛みは口から呻きへと変わる―しかしその表情に変化はない】
【いかなる現象にも無表情を保つそのマスク、まるで呪いによって顔を縛り付けられているかのよう】

なるほど、銀と黒の雷か......本当にお伽の怪物だ―

【痛みを堪えながらも、攻撃に転じようとするが、あの機械の魔獣に武器なしで立ち向かう】
【生憎ながら、彼はそんな勇者ではない―消去法で行けば、自ずと策はひとつに限られる】
【あのカウボーイを思わせる女、恐らく銃器使いだ、戦闘ならば後衛にて銃弾を放つ事が定石のはず】
【ならば、やる事はひとつ】

―暗愚なる炯眼、器なき愚者に、知恵を、そして力なき凡夫に、声を......

【マスクの両目が、炎と揺らぎに満たされる】
【ひとつは、この狼に対する知恵―。】
【その左目は、見通した万物の本質を脳裏にへと映す、理解の魔眼】
【知識、それは彼が手に入れられる、唯一の武器】

【そして、左目は―】

>>634

■■■■■■■――!!

【それは、先ほどの咆哮の再現】
【動物というのは、基本は群れで狩りを行う物。群れで行うがゆえに】
【コミュニケーションの方法は少なからずはある】

【もちろん、咆哮というのは合図、それを聞けば金色の狼、銀色の狼】
【どちらの視線を釘付けにして、隙を作らせるという考えである】
【セリーナが考えを共闘にする前に、彼は常に、共闘でなければ勝てないと考えていた】
【答えは、yesだ―】

/ちょっと夕飯を食べてきます...
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/20(土) 22:21:49.08 ID:ct3pwBIQo
>>631

――成程、魔族の用いる拠点
この魔界で兵を集めようというのも、納得が行きますね。
それならば尚更、今の私では無力……そう、“人間”では……

【一層哀しげに、肩さえ竦めてそう言うのだ。 髪と同色の睫毛が重たく下げられ数度瞬く】
【そして語られた相手の能力を反芻して、決定権が譲られたと知れば、満足気に薄ら笑んだ】
【それは、或いはオプションへの要素も強いか。 この姿はまだ必要とされているのだし、】

混ぜる、非常に興味深い……そして実に、悩ましいものですが
…………では、手頃な夢魔の類があれば、それを迎合したく。
私の操る幻魔術、惑わしの術に適合しやすいのも、きっとそれかと

【「不可能なようならば後者でも――」と添えるのは、何が何でも魔の力を得たい、と言う願望の現れですらある】
【これだけの好条件。 ならば隷属だけに留まらないリスクさえ負うのだろうと感じていても、望むのは唯それ一つだ】

【選んだ対象の異質さは何てことはない。 相手には知られぬ所である、とある女への僅かな敵対心だ】
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/20(土) 22:33:06.63 ID:z8BybI90o
>>635

【こちらに向かって振るわれた刀に対して、特別にメイドが出来る事はない】
【精々が大剣を引き戻し、柄の位置でなんとか刃を受け止め、弾く程度】
【それにしたって首の柔い白肌を浅からぬ程度に着付けられてからのことであり】
【弾いたままにほんのすこしだけ下がれば、首の右側――傷の位置に左手を伸ばす】

【ジワり。肌を伝って落ちていく赤い血液が溢れだし、メイド服を汚しつつある】
【その間もエリザベスは右手だけで大剣を持っていて――見た目以上にそれが軽いのだと理解でき】

……物体の形を変える能力、とでも言ったところでしょうか。
中々に厄介ですね。特にどうやらこの空間……能力だけでは、無いようですし

【ザクリ、大剣を床へと突き刺した。すると共鳴の音が消え去って、それと同時に床が震え】
【ほんの僅かな時間の後――床が爆散して、その細かな破片が男性へ向かって飛んでいくだろう】
【原理は簡単。剣の振動を床に回し、共鳴させて破壊した。それをいとも容易く行なってみせるのだ】

【―――ただ、傷は思わしくない。なおも手は傷を抑えていたが、血の止まる様子はなく】
【小柄であるがゆえに、既にちょっぴりだけ、顔色が優れていないように見えた。】
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/20(土) 22:36:52.63 ID:6rVbx9dqo
>>633

【廻る舞台は、森の中】

……これはなんとも、痛々しい

【この場に溢れ零れた死を悼むような言葉は、ゆっくりと紡がれる】
【声の主は相手より後方、血の跡を辿って本体まで辿りついたのだろうか】
【湿った下生えを踏みつける音は、小動物の潰れた粘質的な音にもやや似ている】

野にある命が悪い子であれば、私もまた悪い子なのでしょうか?

【足の爪が結構鋭いリスを捕まえるのであるなら、相手もまた危険な生物なのだろうか】
【いっそ場にそぐわぬ新たな命の来訪者は、至極穏やかにそっと声をかけた】

【豪奢な長い金髪は高い位置で括られ、聖別銀のロザリオを首に掛け】
【戦いやすいよう両脇を腰近くまでスリット改造した黒いAラインのロングカソック】
【細身のスラックスに内羽式のストレートチップ、いずれも黒で統一され】
【聖職者然とした見た目の中、目元を覆うスポーツタイプのサングラスだけがそれを裏切っていた】
【手には金鎚と鈎爪状の刃が融合したような柄頭の、自身の背と同じほどの長さのウォーハンマーを持っている】
【一見誰も注目しないようなシルバースタッドのピアスには、側面に“No.13”と彫られている】
【嵌められた赤色は、表面の反射を逃れ強く内部を照らすほどの光を当てられた時のみその奥に五芒星を垣間見せた】
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/20(土) 22:37:22.44 ID:FSPF34u90
>>636

「あーーー! クッソがぁ! 余計なことしやがって!!」

【落ちれば良かったのか】
【落ちれば良かったと申すか】

「誰だテメェ・・・見ない顔だな。
 だけどよぉ、そいつ助けたってことはそいつの味方ってことでいいんだな?」

【シルシルシルと、少女の背後に迫る影があった】

「じゃあ敵だ! テメーとその男を叩き潰して大神って奴を引きずり出してやらぁ!!」

【突如!】
【少女の背後から巨大な影が現れる】

【それは女性・・・の上半身を持った大蛇】
【女性は赤眼に金の髪を持って、黒いワンピースを着ていた】

「Go! エウリュアレ!!」

『シャアアアアアアア!!』

【エウリュアレと呼ばれた大蛇は、突如腕に巨大な石の爪を出現させ、少女を薙ぎ払う!】

「ヒヒヒ! この前と同じだと思ったら大違いだぜ!
 野槌が徹底的にチューンアップを重ねて、更に使い勝手の悪いスキルも換装した!」

『敵・・・潰す!!』

【まがわが捲し立てると、エウリュアレも勢い付く】

「おい、エウリュアレ! テメェその女をやれ! 私はこの男を潰す!!」

【まがわの周囲が暗くなっていく】
【まがわの能力三千世界! 周囲の電磁波を吸収し! マイクロ波に変換! 射出する!!】

「食らいやがれ! マイクロ波シェル!!」

【物体を加熱、沸騰させる電磁波の刃がラッシュへ向けて放たれた】
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/20(土) 22:44:03.82 ID:ZkPKSIcBo
>>638

ヒャハハハ、拠点が魔海一つだけだと不便だからなァァアア

――夢魔の類とはまァた妙なところと突ゥいてくるな、人間!
力的には"あの野郎"の血が一番良ォさそうだが持ってねェしな、ちょォーっと待ァってろ、探してやる

【あの野郎、それが指す先はきっと相手も知っているはずだが――まさか関連性があるとは悪魔も思ってはいなかっただろう】
【瞬間、悪魔の右手に現れるのは魔法陣――禍々しく、その先にあるモノが混沌だろうことに疑いがないそれ】
【――はたしてそれは居たのだろうか?】 【色々捕獲していると、少なからず埋もれたモノも出てくるようであって……】
【………………時計の針が一つ進む頃、ようやく魔法陣から闇が現れて何かの形を成す】

……ふゥむ、とォりあえず標準的な奴は見ィつかったぞォォオオ
他に、夢に入り込む"堕天使"の破片もあァったが、まァ良ォい

【――それは紛れも無い純粋な夢魔】 【自称超強いというだけあって、引き出しは豊富のようだ――同族すら捕らえている程に】
【確かに力は上級の悪魔には及ばないだろう、しかし一般人より力があるのは間違いなく】

んで、こォいつで良ォいか? ――あァ、合成は支ィ配もセットだァからな! 忘れるなよ

【悪魔の取引は、今この時始まろうとしていた】 【ほんの少し、うっかりが混じっているようだが……】

/姿等はそちらにお任せしたいと思います!
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/20(土) 22:49:21.29 ID:iAcH9xXO0
>>640
【音を立てて指の隙間から排出されて行く肉塊】
【ボト、ボト――――ボトト。不規則に刻まれる音は、確かについ先程まで命のあった物】
【驚きも悲しみも怒りも、何を浮かべるわけでも無い瞳は、足下で出来上がりつつある肉の山へと落とされて】
【――――掌がからっぽになった頃であろうか。投げられた声。振り向くのは、ただ其処にあるだけの様にも思える双眸】
【全身白い中、唯一の異色。真っ赤で不吉な瞳】


「――――うち、には、分からない
でも、五月蠅い、と、悪い、子、に、なるって、テラス、が、言ってた」

【外見相応の歳ならば、スラスラと言葉を紡げても不思議では無い――――筈なのに】
【少女の語る言葉は辿々しくて、何処か押さない印象を与えてしまうだろうか】
【攻撃する事も無く、ただジッとその紅い瞳を向けるだけ】
【――――何事も無ければ、タップリと時間を掛けた後に再び口を開くはずで】


「自警団、と、UNITEDTRIGGER、は、悪い人、達、の、集まり、って、聞いた
あなた、も、悪い人、なの?」

【カノッサであれば、きっと世間的には悪い人――――なのだろうけど】
【少女曰く、悪い人はもっと別な組織と教えられているようで】
【相手に貴方は悪い人ですかと聞くなんて可笑しな事だけれど、きっと真剣なのであろう】
【――――無表情故、感情の奥底を読み取るのは難しいが】
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/20(土) 22:57:11.19 ID:d1i9OoSh0
>>639

【メイドが少し下がると同時に、自分もバックステップで距離をとる】
【なんとかおあいこまで持ち込めたが、喜ぶ余裕はない】
【お互いに気を抜けば、それがそのまま死に繋がる】
【それを腹部の血の生暖かさを感じる旅に実感する】

両方とも、ご名答だ。
能力についてはその通り、そしてこの空間は、俺の能力じゃない

【なるべく余裕のあるように振る舞う】
【けれども不自然なところで切れる言葉で余裕がないことは伝わるだろう】
【それ以外にも、飛び散る破片にたいして壁を作るも何発か被弾していることからも余裕のなさが伝わるか】

お互い...そろそろヤバイらしいな。
長引かせても辛いだろ。そろそろ終わらせてやるよ!

【その言葉と共に、気付けもかねて地面を叩く】
【そして床をつかんで投げるように、また床に形を与えて槍を作る】
【先ほどやったのと同じ巨大な槍。それを今度は二本だ】
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/20(土) 23:00:14.64 ID:P7QqEusdo
>>634
【───粘膜という部分は得てして生物の弱点である】
【口内などその最たる物、大口を開いた中に銃弾なんて撃たれてただで済む物ではない】

【銃弾を正しく喰らった♂ゥ金の大狼は、その瞬間口内で焔が爆発───一歩間違っていれば、セリーナがこれをくらっていたのだろう】
【飛び掛かった瞬間のそれにより、黄金の大狼は体制を崩し、跳ね返るように後ろに跳ぶ】
【だが、体制を何とか保ち、地面に四肢をついて着地した】

《…うむ、やはりこの程度では、な》

【回避しながらの攻撃───その精度をここまで高くするセリーナの腕前に、大神は感嘆の意を示す】
【あの程度の小手調べでやられるような奴はいらないと、そういった風に】

>>637
《そら、貴様はどうだ?まさか足がやられた程度で終わりはないだろう?》

【落雷をかわし切れなかったシミラーにもまた、期待を込めた言葉を送る】
【その言葉は、まるで自分の優位や勝ちに拘りが無いかのように、静かに冷たく】

《道化だと言うなら踊ってもみろ、なぁ》

【追撃は無い───反応を、対応を見ているのだろうか】
【白銀の大狼は、炎が灯るシミラーの眼を睨み返す】

【情報を読み取る魔眼に映るは、白銀の大狼───】
【電撃を操るのは今見た通り、それにこの巨体に反して素早く、その脚は───空を】

>>all
【刹那、二匹の大狼が再び動き出す】
【白銀の大狼は体に黒雷を纏いながらシミラーに突進を始める】
【黄金の大狼も、セリーナに向かって再び───】

【その瞬間、シミラーの上げた咆哮に黄金の大狼が反応する】
【動き出そうとした瞬間に、ピタリと止まって顔をシミラーに向けた───セリーナからしては、チャンスである】

【だがしかし、白銀の大狼は止まらず、雷撃のようにジグザグに素早く左右しながらシミラーに接近】
【そして最後に飛び掛かった───が】

【空中に飛び上がった白銀の大狼はシミラーの目の前で更に空中を蹴り、高く跳び上がる】
【───彼等は、空中すらも自在に駆けるのだ】

【飛び上がった白銀の大狼は、シミラーの頭上で纏う黒雷を弾けさせ、自身が落雷になるかの如く落下攻撃を仕掛けた】
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/20(土) 23:01:13.84 ID:ct3pwBIQo
>>642

ほら、娘も喜んでくれたら一石二鳥かな、って

【両手をぽんと合わせ紅茶の髪を滑らせて頸を傾げる姿はいっそ気味悪くもあるのだが、】
【あまつさえ口走ったのは何であろうか。 此方は聞き流して一向に構わない】
【“あの野郎”に関しては――知っていても記憶が追いつかない現状、逆方向へ頸を傾けるに留まった】

――ほう、これは……
最良な物件ですね。 ぜひ、そちらでお願いしたく

【現れたのは獏と羊を掛けあわせたような、紫とピンクが混在する躰の魔物】
【虚空にふわと浮かび上がって丸っこい躰を丸め眠る様は、或いは妖精とだって思えるのか】
【けれど――禍々しい灰色の二角、纏うオーラは間違い無く“邪”のもの、迂闊に寄らば呑まれん程のそれ】

【夢魔。 幻惑の力であれば比類なき物を誇るけれど、単純格闘としては不向きであろう】
【その面に関しては自身の能力で補えるから、なのか。 魔となるだけで付随するものも沢山あるのだし、】
【或いは“御しやすさ”も視野に入れていたのかも知れない――そんな理屈を辿って、?起されたそれを受け入れた】

【――の、だが】

……えっ。 ……うん、ええ。 構いませんとも

【「覚えていられたら」の話になるなんて、順調に話の進んだ此処で言う訳にも行くまい】
【それに事実として、前提に協力を出している以上、幾らか相手の支配下に置かれるのは覚悟のうえだった】
【構わない。 結果としてそういう意思を提示すれば、あとは相手に身を委ねるのだろう】

/ありがとう御座いますー、こんな感じで問題がなければ!
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/20(土) 23:04:34.71 ID:6rVbx9dqo
>>643

【散る茶に近い赤の産物は、嗚呼、暖かかった体温を示す湯気すら醜い】
【暗闇の中、唐突な緋色に目が眩むようにぱちぱちと目を瞬かせ、それからそれらを覆うサングラスを取る】
【右手はグラスのブリッジを懐へと差し込むと、そのまま白いハンカチを取り出した】

がみがみ女……口うるさかったり、隣人と諍いばかり起こす女性は一時期刑罰に処されましたね
舌を押さえるヘラのついた仮面や轡を嵌められて、さらし者になるのですよ

【相手の反応を待ちながらも、そっと近づいて小さな体の前に手を伸べる】
【拒絶があるか、時間をおいたり事前の確認を行動で示しながらも相手の両手をそっと取ると】
【べたべたと染みついた血を拭うように、ハンカチを小さな手へと当てるだろう】

ふむ? いいえ、私はカノッサ機関の者です
そうですね、彼らを悪いものだとするのなら、貴方はきっと私の味方でしょう
どうでしょうか、私は貴方にとって悪い人ですか?

【私は貴方の、ではなく、貴方は私の味方。主観に置くのは相手であり観測されるのは男の方だ】
【露わになった紫の虹彩はうすらと目を細めて笑みをかたどり、時々兎にも似た赤の虹彩に焦点を合わせる】
【相手の手がある程度綺麗になったのなら、汚れたハンカチにもいやな顔一つ見せず】
【そのままそっと、懐へと戻すのだろう】
【女の子は、手を大事にしなくてはいけませんよ、なんて言いながら】
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/20(土) 23:13:40.16 ID:z8BybI90o
>>644

……否定はいたしません。私も、狂戦士や騎士ではございませんし
それ故に体力への自信も無い……それは認めざるを得ない所です。
ですが、1つだけお言葉を返すのであれば―――

――――終わらせて差し上げるのは、こちらです。

【――先ず、二本の槍が迫る。コレに対して、エリザベスは剣を振るった】
【甲高い音とともに穂先が切れるが、サイズが違う。残った一部が、メイドの肩を貫いて】

【それでも彼女は止まらなかった。すぐさま大剣に乗る≠ニ、共鳴音が高くなる】
【先ほど、衝撃波で弾丸を止めたが――あの転用だ。地面の少し上で、大剣はメイドを乗せて浮いていて】
【そのまままるでサーフィンのように、彼女は一気に男性の方へと突っ込んで行った】

【目的は、そのまま体当たりをカマすこと。相手の傷だって、浅くはない】
【とすれば―――そこに大きな衝撃を与え、強烈な痛みを加えてやれば勝機が見えるのではないか】
【そも、体当たりだって衝撃波≠まとっているのだから。もし避けられなければ、ダメージは大きくなるだろうか―――。】
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/20(土) 23:17:30.68 ID:ZkPKSIcBo
>>646

ヒャハハハ、こォいつで問題ねェみてェだな!
――じゃアー、その魔法陣の上でじィっとしてろ

【パチン、と指を一つ鳴らせば――そちらの足許周辺に現れるのは魔法陣】
【先程右手に生成していたモノと同一のようだが――大きさや魔翌力は、それよりも増す】
【自身の出した魔物をその魔法陣の上に移動させて】

今から合成してやるぜェェエエッ! 支ィ配はそォの後!
さァー、俺様の力、眼ェん玉かっぽじって見ィてなッ!

【魔法陣から噴き出すのは、"生命と変化の、混沌の魔翌力"――真っ黒な闇のようにも見えて、とても濃厚だ】
【二者の身体の隅々までに入り込もうとするそれは、合成のためのモノであることに間違いない】
【――この状態でも無理矢理途中で抜け出すことも不可能ではないだろう、暫くは魔翌力に蝕まれた状態になるのだが】

【もし、この魔方陣の上でじっとしていれば、その魔物とあなたは混ざり合ってしまうだろう】
【自分とは別の存在が身体に入り込み、そして混ざり合う――普通は味わえないような奇妙な感覚と共に】


【そして、抜けださなければ――やがては一つとなる】


/大丈夫だ問題ない、と言うより元々設定がなかったので任せざるを得ませんでした(白目)
/合成後の姿・能力などもそちらにお任せしたいと思います(二回目)
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/20(土) 23:21:29.61 ID:Lgt4gee4o
>>645>>637

【――着地。先程いた位置からは右側、身を投げた先に足を踏ん張り、草を跳ね上げて地へと、着く。】
【――相手の、狼の様子は、といえば――爆風。起こる筈の無い火薬の発火に、思わず視線を開く――成る程。】
【ヒュー、と口笛を吹きつつ、素早く片手で握った"弾"末魔のハンマーを親指で起こし、次弾を装填。シリンダーが回転し、弾丸がセットされた。】

(――つまり、連中に"生物"としての常識は通用しない、ってことだね。こりゃ、ちょいとばっかし厄介だ――!)
(爆発したのは牙か、それとも顎の内側に火薬でも仕掛けられてるのか・・・どっちにしても。)

オーライ、一発程度の魔弾じゃ、喰らい付かれてどうにも出来ない、ってワケだね。
クールなウルフじゃない、大神社長?けどやっぱり、所詮獣は獣――仮に鋼を纏ったところで、"人"には勝てないってコトを、教えてあげるよッ!

【――となれば、次に狙う弱点は関節だ。機動力だけは、人間のそれでは絶対に埋められない"差"が存在する。】
【脚部、四つのうち一本でも穿てたのならば移動を制限する事も可能かもしれない、と考え――低めに構えた"弾"末魔、その引き金に手をかけ――】

(――ゲッ、マズイ・・・!)

―――っ・・・!ちょこ、まか・・・と・・・ッ!!

【一瞬にして加速を始める狼、せわしなく稼動するその脚部をめがけ弾丸を命中させるのは中々に、困難だ。】
【しかしボディに一撃を命中させたところで効果があるとも思えない、狙うのならば間違いなく脚だが――これでは、命中するかどうか。】
【ダメージを覚悟したその時、直撃すると思えた狼の突進がピタリ、と止む――これは――】


――ナイス、おにーさん♪

【――咆哮。それは合図であり、同時に彼ら狼の攻撃を止めるための"手段"でもあったのだろう。】
【声真似とでも言うべきか、同属のそれに反応した狼の脚部めがけすかさず発砲、前足の一本を弾丸が狙うッ!】
【――と、同時にシミラーの方めがけ落下しようとする狼をどうにかしようと、同時に2発の射撃――否、銃声は一発にしか聞こえないだろう。】
【其れほどまでの超高速射撃、まさに神速の連撃が放たれ――空中ではじけた狼に対しても、"魔弾"が襲い掛かるだろうッ!!】
【しかしそれはボディに対し放たれたもの――2発動時の射撃ともなれば命中率も落ちるし、どこまでの効果があるかは未知数だ。】
【これで使用した弾丸は三発――残る弾丸はシリンダー内に三発。どこまで、出来るか。】
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/20(土) 23:21:57.40 ID:iAcH9xXO0
>>647
【木々に飛沫した血痕。其れだけの得物を殺しながらも、血の付着しない体】
【――――両手は、別としても異常な光景】
【飛び散った肉片と、ただ己の純白を保つ少女】


「なんか、いや、それ、口が、動かなく、なるのは、いや
見られても、いいけど、変な、顔に、なるのは、いや」

【やはり、こんな異常者であっても自分の身なりは気になるのだろうか】
【仮面なんて聞けば小さく頚を横に振って、そんな間抜けな姿は嫌だ何て言って】
【――――きっと、容易に手を取ることは出来る筈で、これまた簡単に血を拭うことが出来る筈】
【綺麗になった掌――――どういう訳か、自分の服で今一度擦って】


「カノッサ……テラス、が、何か、言ってたけど、よく、分からなかった
でも、私達は、唯一、正義だから、味方は、居ない、って、言ってた
だから、多分、違う、と、思う、けど、悪い、人じゃ、無い、と、思う」

【再び白を取り戻した自分の手。じーっと見つめていたが、不意に視線をあげれば今度は男と視線を交わらせて】
【それも数秒の事。飽きたのかは分からないけれど、その場にペタリと座り込むのだろう】
【ただ、疲れたから。顔は気にするのに、出来たばかりの血だまりで汚れる事を厭わないのは、やはりこの少女の何処かが外れているから】
【手を大切にしろとの言葉には、「嫌だ」なんて返しながらも汚すような事は無く】


「……カノッサ、は、いい人、なの?
うち、は、作られた、ばかり、で、よく、分からない、けど
街に、出かけ、たら、みんな、ヒソヒソ、って、話て、五月蠅かった」

【男よりも大きく下にある視線。見上げるようにすれば、小首を傾げて】
【――そんな動作も疲れたのか、「……足、疲れた」なんて言ってしまえばそのまま下へと】
【自分が作り出した肉塊へと視線を注ぐのだけれど】
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/20(土) 23:27:15.04 ID:d1i9OoSh0
>>648

【攻撃ははじかれて、しかも相手の追撃まで来た】
【そして自分には攻撃を避ける体力は無い】
【よくても動けなくなるぐらいにはダメージを喰らうだろう】
【それでも----こんな状況でも、こんな状況だからこそ】
【彼は-----笑った】

うおおおおっっ!!

【大きな叫び声と共にメイドへ向かって飛び掛る】
【やけくそとも取れる行動。いや、本当にやけくそだ】
【それでも、ただ喰らって死ぬのを待つよりはやけくその方が数段マシだ】
【拳を強く握って、振りかぶる】
【妨害が無ければそのまま、顔面めがけて拳を振るだろう】
【もしもそれに失敗すれば・・・言うまでも無い】
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/20(土) 23:30:50.17 ID:P7QqEusdo
>>641
そっちこそ、そんなアホ面見るのは初めてでござる〜
あ、わっちは荒邦黒炉(あらくに くろろ)、クロ≠ナいいでござるよ〜

【ニコニコとした、呑気な表情と声でさらりと毒を吐きながら、バカにした口調と余裕は変わらず】
【背後から迫る気配を感じながら、振り向かずに、まがわに向かって目を向けたまま】

【背後に姿を表した異形の大蛇に、ようやくチラリと目を向ければ、その瞬間岩の剛腕がその場を薙ぎ払う】
【倒れていたラッシュにもまた、電磁波の刃が───いやッ!】
【ラッシュの姿が無い、それどころか、薙ぎ払われたクロの姿すら、その場にいないッ!】

…まったく、わっちの世界で好き勝手してくれるでござるな〜
ふざけてんじゃねぇぞでござるよ

【声がしたのは空中───エウリュアレの巨体よりも遥かに高く、上空ッ!】
【クロの足には、黒と黄色の縞模様のローラースケートが、いつの間にか装備されている】
【おまけに、右手から繋がるチェーンにラッシュを絡ませ、一緒に空中に跳んでいた】

「う、うおおおおおぉぉッ!高ッ!お前さっきから───」
そりゃ!
「───ぬあああああああああぁぁぁッ!!?」

【空中に留まったまま、チェーンに繋げたラッシュを振り回し、遠心力を込めてエウリュアレにぶん投げるッ!】
【チェーンを千切り、ラッシュと別れたクロが降り立つのは、まがわのいる建物の上】

わっち、天邪鬼でござるからして、好きにはさせたくないのでござるよ〜
つーことで、しかたねーけどわっちが遊んでやるでござる〜

【しゃがむように着地した体制のまま、まがわにバカにした視線を向けながら、ゴーグルを引き下げ目にかける】
【黒いレンズに、赤い点が四つずつ、複眼のように浮かび上がった】

【次の瞬間、まがわとクロが立つ建物が揺れ始め───】
【エウリュアレとラッシュのいる建物や、その他の建物を残し、いきなり背を伸ばし高く伸び始めた───空間掌握者にだけ許された、支配能力だ】
【やがて、遥かに高く、全ての建物を下に見下ろすような高さにまで来ると、建物の成長は止まる】

はい、分断完了〜

【一対一の状況を作り出した───こちらの方が得意というのか、それとも】
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/20(土) 23:40:24.33 ID:ct3pwBIQo
>>649

【浮かんだ陣の中心、おねがいしますねと一言残せば其処に茫と佇んで、】
【混じり込んでくる重く濃い魔力――それに蝕まれて初めて、今まで平然としていた表情が歪んだ】
【副作用めいて追随してくる激しい頭痛、側頭部を抑えた両の手を持ち上げようとするのは何か、】

……ッっ、……く、ぅ――!! 

【僅かな呻きを残して闇に呑まれる躰、暫しの間漆黒の魔力はまるで孵化を待つ繭のように浮かんでいたが】
【合成には十分だろう時間の後――びしり、と表面が裂かれ、魔族としての完全体が其処に姿を表す】

――嗚呼、コレは……良い気分、ですね

【腰まで伸びた紅茶色の髪、側頭から生える灰色の二角は羊めいて内巻きに尖り】
【淀みを帯びたオリーブの目が纏っていた呪詛は、奥に睡蓮めいた眠たげな色彩を持ち、】
【その魔眼の与える呪いの性質を、幻惑や催眠、チャームの方向性へと変容していた】

【他に特筆すべきは長く鋭利な紫の爪、魔族らしい尾。 羽がなくともふわと浮上するのは元から持ち得た能力か】
【纏う黒衣は元からではあるのだが――現状に一層良く似合いはしているのだろう】

それで……次は支配、でしたか?

ですがね、誠に遺憾ではありますが、この身は毛髪の一本から爪先に至るまで全て娘のもの。
貴方の意向に従いはしますが、意識までの従属とは行かせませんよ……それで良ければ、になりますが?

【「私はあくまで、父親ですので」――酷い後出しだが、相手は果たしてどう応じるか】
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/20(土) 23:41:07.67 ID:6rVbx9dqo
>>651

【異常など。少女がそれが常であると教えられたのなら何が常と異なる事があろうか!】
【観測する側の立場によって常に“常”は形を変えそれでいて明確な形をもってそこにある】
【誰においても何においても精神や思考や宗教において言ってしまえば“異常”など存在しない!】
【尚――この地の文の特性はナタニエルという人物にのみ適応される型であり】
【観測する側の立場によって見出された説明でしか無く、相手に“此れ”を押し付けたいわけではないし、中の人の思考のそれでもない】

【怖がらせるつもりで相手にそんな豆知識じみた事を披露したわけではないのだろう、それ以上は特に説明も無い】
【ただ、うるさくする人間は悪い子になるという相手の最初の言を肯定するように何度か頷く】
【己のした事は余計であったか。ああ、なんて相槌を打てば一歩退いた】

ふむ、カノッサのどなたかでもないと。まあいいでしょう
そのテラスという方も、我々を味方としないのならば、ひょっとすると詳細に問われるのは好まないかもしれません
……ですので、これより先、貴方のしたい事、答えたい事にのみ応えて頂ければ結構です

【明確に嫌だと否定されてしまえば、やはり男のした事は余計なお世話でしかなかったのだろう】
【相手のパーソナルスペースから退くようにもう半歩下がると、相手に視線を合わせるように膝を曲げた】
【片膝と爪先、もう片方の足は靴底で体重を支える。動物であったものたちが布に染み込んでいるのだろうが、元が黒ではよく分からない】

そうですね、自警団とUTを悪しと定義するのなら、我々はいい人の集まりかもしれません
けれど、それを決めるのは私ではないでしょうから。よかったら、今度件のテラス様に聞いてみてはどうでしょう
ひょっとすると、私達カノッサも悪い人かもしれませんから
もしも悪い人だったなら、リス達のように私を黙らせますか?

【安易に確定するような事は言わない。教育するのは多分己の役目ではない】
【幾分相手との高さの差異も縮まって楽になるだろうか、尤も相手がこちらを見る義務などないのだが】
【男の態度は全体的に一歩退いたもので、積極的に相手を諭したり唆したりする様子はない】
【手にしたウォーハンマーも、今は背負って手ぶらの状態だ】
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/20(土) 23:43:34.37 ID:sCvZU0YKo
>>645
......いかなる万全なる状態でなくとも、愚策―小細工はまだありましてね
生憎、この足が痛む状態で踊るのは流石に酷ですがね、茶番で楽しんでもらいましょ......

【黄金の狼がこちらを反応したのに対し、シミラーはパチンっと指を鳴らし続け―】
【策は隆々、順調である事に対しての喜びか】
【しかし、喜んでいるかは別として、銀色の狼の行動に対し、指を鳴らすのをやめた】

――まさか、跳ぶとは

【けれでも、そんな狼を見たとしても落ち着き払った仕草で、コートを脱ぎ―】

所詮は獣―、四足獣―。

【四足というのは、スピードが出やすく、さらに安定感がある】
【しかし、その横長という特徴では、真横に動くのはさぞかし不便であろう】

【脱いだコートをまるで闘牛士のように両手でもち、狼が間近に迫ったその時―】
【狼をコートに突っ込ませるように手を離す―即ち、視界を塞ぐ目的である】
【そして自身は狼を中心として、セリーナの反対側にへと、すれ違うかのように飛び込む】

>>650
(なるほど、リボルバー銃か―)
【リボルバー銃というのは基本的に弾丸が六発入っているというのが彼の中の知識である】
【そして超高速射撃、常人ならば一発にしか聞こえないが、魔眼によって強化された聴覚は】
【その二発同時射撃を完全に捉えていた】

【と、なるとあのセリーナとやらのシリンダーの中の残弾は後三発】
【弾丸のリロードともなると大きな隙を晒しかねない】

(今のうちに弱点やら特性、そして機動力を削らなければ―)

【そのまま発動した魔眼を金色の狼にへと向ける】
【弱点や特性、特徴―とにかく、ありとあらゆる情報が頼りだ、そして、なにより―】
【あの狼に学習能力があるか、だろう】
【もし、学習能力がなければ、再び先ほどの手段で大きく隙を作れる】
【またもう一回するよりも、魔眼で特性を見抜いたほうが楽なのだ】
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/20(土) 23:47:49.58 ID:FSPF34u90
>>653

「ああ!? んだとこのアマぁ!!」

【クロの挑発にあっさり乗るまがわ】
【忌々しげに地団太を踏む】

【地面は死んだ】

『ふっ!』

【振り込まれたラッシュを突如発生させた岩石の盾で防ぐエウリュアレ】
【このままではラッシュは非常に悲惨なことになるだろう】

【放った電磁波の刃があっさり避けられることに驚愕しながらも】

「ちぃ!」

【こちらへ降り立ち、分断された状況に頭を回転させる】

『? ?』

「おいエウリュアレ! 相手のスイッチだ! お前はその男をやれ!!」

『・・・』

【エウリュアレはコクリと頷くと】
【ラッシュへ向けて巨大な岩の斧を振り下ろす!】

「さーて、舐めんじゃねぇぞクソアマ。
 空間を支配するのはなぁ、テメェだけじゃねぇんだよ! 三千世界!」

【まがわの声と共に能力が発動】
【まがわとクロの立つ建物の屋上の可視光線は速やかに排出され!】
【戦場を暗黒空間へと染め上げた!】

(私はサーマルセンサーとレーダーの併用でテメーの位置ははっきりとわかる! 貰った!!)

【まがわはクロの元へ跳び掛かると】
【クロへ対して足刀を放った!】
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/20(土) 23:47:52.21 ID:z8BybI90o
>>652

【まるでカメラで連写したかのように、世界がコマ送りに進んでゆく】
【互いに迫り、拳が眼前に見(まみ)え、思わず背を屈めて回避――】

【――しきれず額を強かに打ち込まれ、彼を引き離すように大剣を向け】
【その衝撃波を開放することでダメージを与え、距離を離そうと試みる】
【上手くいくかはわからない。ただ、確かに拳を、エリザベスは頭部に受けて】

……それで、終わりです。やけっぱちの一撃が、必ずしも終局をもたらすとは限らない
ですが貴方様の事は忘れずに置きましょう。或いは機会があれば、雇って頂いても構いませんよ

では名も知らぬヒビの主@l―――私はコレにて、失礼致します。

【大剣を手に持ち、一つ必死に取り繕いながらも頭を下げる。――流血がひどい】
【それから意気揚々と歩き出せば、似合わぬ編上げブーツが音を立て。――世界が揺れる】
【―――やがてクタリと倒れ伏し。メイドは軽い身体を床に横たえて、黒い服をしっとりと血液で湿らせながら、意識を失った。】
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/20(土) 23:54:30.40 ID:ZkPKSIcBo
>>654

よォし、合成は成功だッ!

【闇が晴れる頃、そこに佇んでいた相手は先程までの姿とは異なっていて】
【それは合成の成功を意味していた――邪悪な笑みはより一層強まりを見せる】
【しかし魔法陣はまだ消えない、何故ならば――】

――そォだ、支配ッ! 物分かりが良ォい奴は楽で良ォいぜ

全身娘のモォノだから意ィ識までは従わねェってか――ヒャハハハ、幾ら娘の力があァろうと……俺様の前では無ゥ意味だァァアアッ!
テメェーの元の意思も奪わねェし"娘"に会うのも他の行動も制限しねェ、が――俺様の意思でテメェーは動くことになるッ!

【"支配"が残っているからである】

【幾ら自分の意向に従うと言っていても、この悪魔は完全に自分の手足にすることを望む】
【再び噴き出す同一の魔翌力、しかし目的は――"支配"】
【蝕む魔翌力は酷い苦しみを齎すのだが――抵抗は十分にでき、更に抜け出す為の猶予も先程より長い】
【それに一度悪魔の魔翌力で合成された存在ならば――少しくらいなら魔翌力を浴びてもすぐに抜けるだろう】
【そもそも、抵抗されるならば元々ある程度弱らせてからでないと支配が難しい――なんて面もある】

【しかし、もし今、抵抗をしなければ……――?】
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/20(土) 23:58:58.63 ID:d1i9OoSh0
>>658
【衝撃波をまともに受けて数m吹っ飛ぶ】
【なんとか意識は保っているが、動けない】

・・・エリザベスだっけか。俺もあんたのことは覚えておいてやるよ。
お互い生きてればな。

【あの時はどちらかが死ぬと思ったから名前を呼ばなかっただけ】
【生きている可能性があるなら、名前を覚える価値はある】

聞こえてるかどうかは分からないが、名乗らせてもらう
桐田・・・桐田 善二だ。
俺も覚えるんだ。あんたもおぼえろ・・・よ

【そもそも彼の目的から、名乗らないと意味がないのだった】
【今回の彼の目的は一つだけ。名前を売りたかったのだ】
【誰にとは言わない。今回かかわった全ての人間に】
【そのことを思い出して慌てて名前を名乗る】
【きっと聞こえてないのだろうが、仕方ない】
【その言葉を最後に彼の意識も途切れた。それと同時にこの空間を構成する「悪意」が崩れていく】
【そして全ての悪意が消え去ったとき、二人は外の空間へ放り出された】

//ありがとう御座いましたー!
//初イベント参加で色々迷惑をお掛けしてしまいました・・・申し訳御座いません
//また機会があればよろしくお願いします!
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/21(日) 00:00:22.97 ID:KSEHNb+M0
>>655
「うち、も、テラス、の、事は、よく、分からない
偽善者、が、嫌い、って、ずっと、言ってた」

【きっと、白に染みこんで行く朱は見映えるものがあって】
【――――嘘を吐けない性格、というよりも嘘の付き方が分からない様】
【カノッサに対しての純粋な気持ちは、やっぱり“分からない”】
【下がってきた視線へと紅い瞳を向ければ、こくりと一度頷いて】
【答えたいことのみに答えれば良い――――きっと、其れに対する首肯であって】


「分かった、今度、テラスに、聞いてみる
……命令されたら、しなきゃ、いけない。うち、は、その為に、作られた、から」

【邪魔な存在を排除する為に作られた存在。所謂一つの兵器ならば、並の能力者と同程度。或いは其れよりも力を得ているのだろうか】
【先の言葉と合わせてみれば、作られて間も無い存在。ならば辿々しい言葉もまだ納得出来るだろうか】
【見る者によっては、自分という存在を確立していない様にも見えて、使用者からすればそれが最も都合が良いのであろう】
【体を汚した血を気にする事も無く、無機質な瞳。そして言葉は向けられ】


「……あなた、から、見たら、うちは、悪い子?」

【やがて問うのは、客観的に見た己の立場】
【自らを第三者の視点で見るほどの知識なんて物は無いから、相手に頼ることしか出来ず】
【――――悪い子?もう一度言ってみれば、後は答えを待つのみ】
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/21(日) 00:11:48.32 ID:TAy2n2wwo
>>659

【彼を構成する全てに対する優先度は、娘と呼ぶ血縁も何も無いただ一人の少女にあった】
【それ以外の何者にもこの男を御す事は、可能不可能の話ではなく、実現不実現の話に相当するのだ】
【簡単な話。 意識が他の誰かに下ったなら、無意識が舌を噛み切るだけだ】

 【(かつて、彼とはまた違う邪なる女を師と仰ぎ、その許にいたこと)】
 【(抜け落ちた頁めいて欠落する当時の記憶が何かを訴えかけるけれど、意にも介さない)】
 【(師(おんな)の啜り泣く声がする――嗚呼、一生其処で泣いていろ。一生などとうに終えたのだろうが)】

【――とん、と地を蹴る足が陣を抜け出す。 羽根もないのに重力法則を無視して高飛びすれば、】
【その後に残像めいて残されるのは幻覚だろうか、男の姿が5体、本体を含めて其処にあった】

【そしてそれぞれがバラバラの方角に飛び退り、相手から一定の距離を置いて浮遊する】
【幻惑性の魔族と混じっただけはあって、見抜くには魔族といえど力量が試されるが――】

……この恩は何れ返しましょう。 嗚呼でも、それ以上は返しませんよ
貴方の言う“計画”とやら、召?があれば応じますとも。 “一度くらいは”、ちゃんと御力になりましょう

失礼、申し遅れておりました。 私の名はセシル、貴方の“一応の”眷属です

【くつり、嘲笑う気配――それだけ言い残して、5体が全く違う方角へ退避していく】
【そのまま逃れられれば、彼等は魔海の闇に紛れて消え去ってしまうのみだ】
【――深い部分での支配は切れないのだろうし、それに従う意向も、“形だけならば”あるようだった】

/この辺りでしょうか、お疲れ様でしたっ!
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/21(日) 00:14:44.23 ID:JH36ymDUo
>>661

偽善者、ですか。ああ段々分かって来たような気がしましたね
それではカノッサは悪い人の集まりではないでしょうね、いい人かもしれません
ただ私個人においては、もしかするとテラス様は私の事が嫌いかもしれないですね

【偽善の上に行動する者たちが、悪い子であるのなら。自尊の上に正義もどきを振りかざすのが悪い子ならば】
【確かにそれらを行使する自警団らは悪い子であり、それに対するカノッサはいい子なのかもしれない】
【ひどく残酷な光景とひどい血臭の中にある相手を見下ろす表情は、ひどく柔和で】
【首に掛けられた揺れる十字架は、さて、何処に位置するのか】

言いつけを守れるのは、えらいですね
……私には、貴方はとてもいい子に見えますよ

【命令を実行するのが彼女の生まれた意味であるならば。それはきっと否定すべきではない】
【闇の中に滲む赤の虹彩を見つめて、しばし。ふるふるとゆっくりと首を振る】
【一旦手を相手の頭上へとかざして確認を取り、嫌と言われる事がなかったのなら】
【節張った指先は真白い髪の上へと降りてそっと触れるように撫でるだろう】
【左手は、一番最後に殺されたリスを指さして】

苦しめずに殺せて、えらいですね

【もう一度、“偉い”と、立派であると繰り返した】
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/21(日) 00:16:00.14 ID:tEpm+eKTo
>>660

【空間が消えた直後、既にエリザベスの姿はどこにも見当たらなかった】
【そして男性の言葉が届いたかは、返事もないから分からないが――】
【まさか、あっさり死ぬような女性にも思えなかったろうし。そういう面では、期待してもいいだろう】


 【あぁ、それから一つ。彼女は随分と用意が――それから、手癖も良い≠轤オく】
 【善二が目を覚ませば、直ぐ側には一枚の名刺が落ちていることに気付けるだろう】
 【フリーランス メイド エリザベス・カーライル≠ニいう名乗りばかりが目について】
 【或いは彼女もまた、他者に自分を覚えておいてほしいのかも知れなかった】


【勿論、方向性は違ったが。何にしても、闘いは一先ずの終わりを迎えたのだった。】

/お疲れ様でしたー!いえいえ、迷惑だなんてとんでもないです
/自分はとても楽しめましたし、むしろこちらこそ無茶してないかなと心配になったり。
/それでは、ありがとうございましたっ!
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/21(日) 00:19:00.26 ID:lt/PujUco
>>650
【セリーナへと攻撃しようとした黄金の大狼の動きは、シミラーによって阻止された】
【僅かな一瞬の隙、それを狙いセリーナの魔弾が放たれる】
【右の前脚を撃ち抜いた魔弾は、その機能をズタズタに破壊し、貫通───生き物ならば悲鳴でも上げただろうが、機械である彼等は無言だ】

【───機械?】
【そう、彼等は機械である、シミラーの魔眼でも読み取れたであろう、彼等に生物要素は全く無いのだ───あるとすれば、AIが生物を模しているくらいか】
【AIに、咆哮での指示の出し合い≠ネんて、わざわざ搭載する必要が果たしてあったのか?】
【リアルな生物らしさを出すというのならそれらしいが───】

《ほう、中々やるな…いい連携≠セ》

【───大神の台詞が、やけにわざとらしく聞こえる】

>>656
【シミラーに迫っていた白銀の大狼は、空中に跳ぶ瞬間にコートをかおにかけられる】
【コートが対炎に優れていないなら、体に纏う黒雷にコートは燃やされるだろうが、それでも暫く視界が塞がれるのは変わりない】
【白銀の大狼は、その身に迫る魔弾に反応出来ず───】

【空中に弾けた魔弾に吹き飛ばされた白銀の大狼は、体に迸る黒雷を弾けさせながら地面に落下】
【すぐに体制を直すが───】

【黄金の大狼の情報もまた、白銀のそれと似通っている…というか、属性以外ほぼ同じ】
【問題となる学習能力だが───生物を模したAIは確かに学習能力がある、単純な同じ手は食わない筈だ】

【しかし、更にそれよりも、問題は───】

>>ALL
《───どれ、そろそろ私も行くか》

【唐突に口を開いた大神───観客には飽きたのか、ただの気まぐれか】
【次の瞬間、二頭の大狼が体に力を迸らせながら、大きく咆哮する】

【大狼の装甲が開き、スライドし、形を変えて───浮かび上がりながら、それは変形を始めた】
【黄金の大狼は右に、白銀の大狼は左に───変形したそれは、狼の姿など全く無い、巨大な両腕へと形を変える】

《変形合体は浪漫だろ、なぁ?》

【巨大な爪、強靭な掌───二つの巨腕が、大神の座る車椅子にそれぞれ浮遊したまま近付いて】
【まるでそれは玉座の化け物の様な、異形の乗物となり、鎮座する】

《───さて、と》
《少しは悪役らしくしてやるか》

《…貴様らは私を怒らせた、私の発明をこうも簡単に退けるとはな》
《しかし、この姿になった私は最早止められん、死ねー》

【…全くふざけている、無表情棒読みの、小馬鹿にした態度は崩さないままで、巨腕に黒炎と黒雷が溜まる】
【まずは白銀の腕が、地面に爪を立てて黒雷を流す。蛇の様に地を這う五つの黒雷が、セリーナに向かって行くだろう】
【動きは早い、しかし一つ一つの威力は低く、飽く迄地面を這う直線的な攻撃だ】

【同時に黄金の腕が、その掌に黒炎を集めながら、ビンタをシミラーに放つ】
【しかしその巨大さと硬さはビンタというよりも自動車の突撃のような物だ、オマケに衝撃と共に炎が爆発する、非常に強力な物】
【動きは大振りだが、下手に防ごうとするのは愚策】
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/21(日) 00:24:57.50 ID:BFE5qg1Io
>>662

……ちィ、やァはり弱らせねェと駄ァ目か

【容易く抜け出される魔法陣と魔翌力、流石に先走り過ぎたか――なんて思えば】
【ならば話は単純だ、死ぬ寸前まで痛みつければ良い】

【――しかし、単純とは行かなかったか】
【5つに別れる相手、それらの幻影はこの悪魔を惑わすのには十分だった】

……グゥゥウルルル

俺様は超強ェ悪魔、邪禍だ!
今逃ィげ出してもなァ――いィつでも支ィ配が出ェ来るっつゥーのを忘れるんじゃあねェぞ?
――今の拠点の作成は力仕事だァが、他の計画の時はちゃアんと使ってやる
一度なんて勿体ねェからな、恩以上も働いてもォらうぞッ!

【その言葉が負け惜しみに聞こえるのは、きっと気のせいではなく】
【後で冷静になって考えてみれば、相手が5つにわかれているならばその分の魔物を召喚すれば良かったのでは――】
【……なんて後悔があったとかなかったとか】


……こォいつだなッ!

【――そして、飛び立つ悪魔が追った存在は幻影であって、また一つ唸り声が増えたとか】

/お疲れ様でしたー
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽)[saga]:2013/04/21(日) 00:27:48.57 ID:vSOV2wFAO
【今宵の路地裏の様子を、月はそっと天上から見守っていた】
【そこで繰り広げられているのは、黒猫と少女の追いかけっこだ】
【軽やかな足取りで逃げる黒猫を、少女は必死の形相で追い掛ける】
【その様子を見る者があれば、あるいは喜劇的にも思えたことだろう】


――っこら、待て……ったら、……あーもーっ!!

【さて、走りながら、いよいよ泣き声混じりの叫びを上げるのは――】

【腰までの長さの茶髪を一本の三ツ編みに纏めた、あどけない顔立ちに精悍さを帯びる青い瞳の少女】
【ハンチング帽を斜めに被り、黒縁の伊達眼鏡を掛けて、両手にはフィンガーレスタイプの手袋を填め】
【ネルシャツにオーバーオール、ロングカーディガンを重ねて着るなど、活動的な恰好をしている】
【ショルダーポーチに、小洒落た靴と。右目の下の、縦に並ぶ三つの泣きぼくろが特徴的だった】

こんの、一度ならず二度までもーっ……!

【怒れど叫べど黒猫が足を止める気配はなく、まして緑色の瞳が振り返ることすらもない】
【そんな獣が口にくわえているのは一冊の使い古されたメモ帳……ああ、一度ならず二度までも。】

【そうこうしている内に、廃ビルの屋上に向かう金属の階段を駆け上がっていく一匹と一人】
【“カァン”――――なんて間の抜けた甲高い金属音は、夜中の路地裏には、とてもよく響いた】
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/21(日) 00:37:11.71 ID:KSEHNb+M0
>>663
「うちには、難し、かった、けど、大人の、お話?
カノッサ、が、悪く、無い、なら、きっと、殺さなくて、大丈夫
…………テラス、は、沢山の、人が、嫌い、だから」

【だから、大丈夫。――――何を以てして大丈夫なのかは不明だが】
【視線はもう男を見る事が無く、ただ辺りをウロウロとしているだけ】
【木々を見ていたかと思えば、星々へ。そして地面へと落ち着きが無く】
【然れど、心の内で何かを考えて居るのかと問われれば微妙な所】


「本当?うち、良い子?
ちゃんと、テラスの、言う事も、守った、から
これから、も、ちゃんと、してれば、もっと、良い子?」

【頭に触れられても、振り払うことは無く】
【キョトンとした様な様子を見せていたけれど、やがて撫でられれば微かに見える口元の綻び】
【本当に、よく見ていなければ分からない程ではあるのだけれど、存外兵器にも僅かな感情はあるのだろうか】
【血に濡れる事なく、サラサラとした手触りが指に絡んでは解けて行く筈で】


「……そういえば、お名前
うち、は、αって、名前、付けて、貰った」

【暫しその感覚を楽しんでいたが、やがて紡がれた言葉は相手の名を問う為のもの】
【自身の名前――――というよりも、識別として扱われそうな物だけれど】
【其れを伝えれば、次に反応を伺うのであろう】
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/21(日) 00:41:54.25 ID:lt/PujUco
>>657
「───ぬおぉっ!このやろっ!!」

【ぶん投げられた目の前に突如立ち上がる石の壁、歩いてて看板にぶつかるのとは訳が違う】
【体制をなんとか立て直し、壁に両脚を付いて激突を回避───それでも両脚にダメージはくるが】

【地面に降り立った瞬間に、ブレードと銃を抜く】

「…ったく、まともな奴はいねぇのかよ…?」

【振り下ろされる巨大な石の斧、当たれば勿論、防御すらままならないだろう】
【本当なら回避したい所である───が、今の脚のダメージで上手くいかない】
【となれば、石斧にできるかぎり魔力弾を撃ってから、ブレードで対抗する】
【上手く行かなければ怪我では済まない…が、これは賭けだ】


───キャンキャンよく吠えるでござるな〜
これだからバカの相手は疲れるでござるよ〜

【まがわに対峙するクロ、その空間は邪魔する物の無い空間だ】
【赤く夕陽に照らされるのが───いや】
【急激に辺りが暗くなって行く、常に夕暮れの筈のこの世界が】

【電磁波により可視光線が押し出されてしまえば、いかに空間を操れるとも無意味、電気を落とした様に辺りは真っ暗になる】

…こ、これは……!
何も見えないでござる!これじゃ攻撃が───

【いきなり辺りが暗くなり、慌て出すクロ───その隙にまがわの足刀が迫る】
【何処からどんな攻撃がくるかも見えないクロに、回避は───】

───なんちゃって〜

【次の瞬間、上体を逸らし、クロは足刀をすんでの所で回避した】
【更に、その体制から脚を動かす事なく接近───ローラースケートのホイールが駆動したが故の、無挙動接近だ】

X線だかサーモグラフィだか、なんだかよくわからないケド〜
とりあえず、ハイテクなんでござるよ、このゴーグル

【足刀を放ったばかりのまがわに超至近距離に接近しながら、種明かしをするクロ、余裕を表し相手の精神的不利を作り出すつもりだ】
【そして、体を捻り足刀の脚を潜りながら、右脚を振り上げまがわに回し蹴りを放つ】
【ローラースケートの駆動で地面を滑った蹴りには勢いが付き、回るホイールは摩擦で相手に手痛い擦り傷も負わせる】
【だが、身長故かリーチは短い、素早く後方に回避出来るか】
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/21(日) 00:57:25.67 ID:Y+eXMgzuo
>>665>>665

【――穿たれた右脚、どうやら狙いは間違っていなかったらしい。】
【黄金の狼の脚部を撃ち抜き、正確に機構を破壊したのは良かった、が――恐らく此れで終わり、では無い。】
【三発を消耗した"弾"末魔、再びハンマーを起こし臨戦態勢を整える、これで四発目を放つコトも可能だろう。】

――よしっ・・・!どうやら、脚には"効いてる"みたいだねぇ・・・ッ!
(てことは、このまま銃撃を加えれば残る標的は"大神"本人のみ・・・ッ!)
(そうなれば状況は2対1、狼さえ封印すれば今度こそ、あの社長を――倒せる・・・ッ!!)

【シミラーの肉体に迫ったもう一匹にすらも、魔弾は牙をむいて。確かに空中でその肉体を抉り、ダメージを与える事に成功。】
【まだ倒す事は出来ていないが、一匹は脚部に攻撃を通した。再び撹乱すれば、恐らくそう、長くは持つまい――】
【そう、考えていた直後。セリーナの瞳には信じられないものが映る――それはまさに、"機械"だからこそ出来る"アクション"<行動>】
【こんな奥の手があったとは――まさに"両腕"と化した、変形する狼達。これにはセリーナも、息を呑んだ。】

――うっそ・・・!?そんな、アタシの"武器"よりよっぽどロマンに溢れてるじゃん・・・って、言ってる場合か!
悪いけどそんな滅茶苦茶なロボット・アーム、狙いやすくなっただけ――だよッ!!

【的は大きくなった、しかしその攻撃法は単に腕を振るう、というパワーに任せたものでは無い。】
【地面に立てた腕から迸る電撃、五本のそれらが一斉に襲い来る様はまるで、大蛇が這うようにも見えるか――ともかく】
【生身でこんな攻撃を受ければセリーナはひとたまりもない。だからこそ、此処からは"弾"末魔の本領が発揮される――そう】
【射撃だけがこの銃の取り得では無い――もっと大きな、そして特徴的な能力、真骨頂――それは、召還。】


     
                   騎士怪醒――"ティターン・アーマー"!!

【放たれた弾丸――四発目の其れは電撃でも、大神社長でもなく自身の上空へとめがけ、発射された。】
【しかし弾丸は点へと上ることなく、2m程上空で停止し――召還陣が頭上で展開され、そのままセリーナの身体をすり抜けていく。】
【足元まで透過されたそれが消えると――セリーナはセリーナで、なくなっていた。】
【召還された武装は"魔導鎧"――魔力を人造的に生み出す魔道エンジンを背に積んだ、悪魔製の"自動装着アーマー"】
【太古の巨人族、強固な皮膚を持つ「タイタン」をモチーフとして精製された強固な外骨格に全身を包まれたセリーナは】
【見た目には、まさに"人造の悪魔"――機械と、悪魔とを融合させたかのような不気味なシルエットと化す。】
【しかし"ソレ"は紛れもなく、ただの人間であり能力者ではないセリーナを"戦士"の次元へと昇格させる為の"武器"で】
【関節部分に、魔力が流れていく音が木霊する――魔道エンジンの駆動音が全身を駆け巡る。】
【装着された事で使用者のパワー・防御力を大きく上昇させるその鎧――外見こそ生物的なフォルムを持っているものの】
【魔力によって駆動するこの鎧はまさに、特殊な動力を有するとはいえ一種のパワード・スーツと呼べるだろう。】
【――尚、彼女が頭部に被っているテンガロン・ハットの影響で装着後の鎧にもその「形状」がきちんと反映されている辺りが】
【いかにも単純な"メカニック"――機構を有するものでなく、悪魔の技術で造られた"魔導機械"である事を伺わせるだろう。】

―――ふ、くぅぅぅッ・・・!!

【強烈な鎧を纏いながらも、電撃の全てを受けきる事は不可能だ。もとより、対衝撃に対しての防御力こそ高いものの】
【この鎧は属性攻撃に対する防御能力は以外にも低い――電撃はアーマーを通して幾分か軽減されながらもセリーナの身体を迸る。】
【呻き声が口から漏れ、確かにダメージに繋がっている――残る弾丸は二発、その内一発をさらにハンマーを叩き起こしリロード】
【なんとか、自身への攻撃はともかく――シミラーに向かう腕をどうにかしようと、必死に両手で構えた"弾"末魔の、トリガーを引き絞る。】
【腕の付け根、車椅子との連携部分を狙っての攻撃――だがこれにより、セリーナ自身はさらに無防備となる――】

――・・・おにーさんッ!!その攻撃、相当協力だ・・・ッ!!避けてッ!!
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 00:58:19.01 ID:vF+KimLM0
>>669

『・・・っ』

【魔弾の連続した直撃に石の斧は砕かれる】
【エウリュアレは迷わずそれを投げ捨てると】
【今度は両腕に石の爪を装備し】
【倒れるラッシュへ向かって突き立てる!】

【どうやら石の武装は無尽蔵に出現させることができるようだ】



「あああああああああ! ムカつくなこのアマぁああああああああ!!」

【頭から湯気を噴き】
【怒りを込めた足刀を放つが】

「なにぃ!」

【足刀は宙を切る】
【その次の瞬間】

「がっ・・・!」

【ローラースケートの攻撃が腹にヒットする】
【巻き込むローラーに肉が裂かれるのかと思いきや・・・】

「て、めぇ・・・!」

【なんと服が破けた程度だった】
【その下の肌には傷一つない!】

「ちっ! 見えてるんだったら意味がねぇ!」

【まがわは暗黒空間を解除すると】
【今度は手を広げて、次の攻撃を放つ】

「だったらこれはどうだ! マイクロ波レイン!!」

【上空からクロ目がけて幾筋ものマイクロ波の槍が降り注ぐ!】
【見えない、そして光の速度の攻撃!】
【当ればその部分の肉体は焼け爛れるだろう】
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/21(日) 01:00:30.57 ID:JH36ymDUo
>>668

そうですね、大人の話です。子供のうちというのはね、考える力は既に備わっているんです
それに知識と経験が加われば、次第に大体の事は自分で考えて理解るようになります
だから、きっといつか分かりますよ

【大人の話。しかし大抵の場合、子供の思考は一つ一つの物ごとを結び付けるシナプスが繋がっていないだけで】
【案外、子供というものはよくよく物を見ているものだ……主が嫌う者と悪いものは別と分けられているのも、子供は頭がよろしいから、かは分からないが】
【時折相手の視線の方向に目を向けるものの、そのうち視線は相手へと落ち着いた】

ええ、貴方は……αは、とてもいい子です
言いつけをしっかり守ったならば、もっといい子だし、褒めていただけるでしょうね
私は、ナタニエルと申します。カノッサ機関No.13、ナタニエルです

【愛玩でなく、相手を賞賛しての“なでなで”。ほめて伸ばすタイプ、なんて言ってしまえば簡単か】
【相手の名乗りに返すように、己の名前を答え返す】
【一見どこぞの天使じみた響きではあるけれど、ナタニエル/ナサニエルという名前自体は欧米にあるれっきとした男性名だ】

【その時、遠くから夜闇をつんざくような人の悲鳴がここまで聞こえてくる】
【ふむ、とそれに反応を示すと、相手の髪を手櫛で整えてから地面に突いていた膝を起こした】

どうやら、罠に獲物が掛かったようです……時間を割いていただきありがとうございました
一人で帰れますか?

【去りかける仕草をしつつも、一応に気に掛けるのは相手の事】
【多分彼女が通って来たのだろう道筋と、行こうとしていたのだろう道筋を交互に見遣る】
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/21(日) 01:21:43.33 ID:KSEHNb+M0
>>672
「……そう。それじゃあ、うちも、大人に、なれば、テラスの話、とか、吟醸の話、とか、分かるように、なる
何時、大人に、なるか、分からない、けど、多分、分かる、様に、なる」

【元より、そんな機能があるのか何て作った本人にしか分からない事なのかも知れないけれど】
【それでも、何時か自分が話の中身をしっかりと理解出来ることを願って】
【――――開いたり閉じたりする手。何の変哲も無い、ただの掌にしか見えないが】
【其れが今の惨状を作ったのは確かであって――――】


「分かった、ちゃんと、守って、テラスにも、褒めて、貰える様に、する
UNITED、TRIGGERとか、自警団とか、殺せば、多分、もっと、褒めて、貰える?
ナタニエルも、頭、撫でて、くれた、から、テラスも、撫でて、くれる、かな」

【会話に割って入るかのような悲鳴。首を竦める代わりに、ごく自然に視線を向ける動作が成って】
【それが自分に被害を与えるようなもので無いと悟れば、視線すらも元に戻してしまうのだろう】
【――――撫でてくれていた手が離れてしまえば、ポケットから取り出すのは一つの小瓶】
【中に詰まっているのは液体と――――目玉が一つ】


「多分、一人で、帰れる、と、思う
ナタニエル、も、怪我、しちゃ、駄目、だよ?」

【ヒュン――――不意に風を切る音が聞こえたかと思えば、近くを通りかかった鹿の体が斜めに切り落とされて】
【少女の腕がまるで鋭い刃物の様に、それでいて鞭のようにしなって】
【――――身体自体が兵器という訳だろうか。きっと、ナタニエルに一滴の飛沫も付かないのは少女なりの心遣いであろう】
【別れらしい言葉も無かったけれど――――きっと、それが一番この少女らしい別れ方】
【ペタ、ペタ。血でぬかるんだ地をふんで歩く音が、暫くの間響いていただろうか――――】
/こんな感じでありましょうか……?!
/お相手、有り難う御座いました―!
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/21(日) 01:22:34.22 ID:lt/PujUco
>>671
「くそっ、ヒュンヒュンワープされるよりゃマシだが───っ!」

【どうやら、石自体の硬度はそれ程でもないらしい。しかし、いくつも生み出せるのならまた違う問題がある】
【迫る石爪、来たる魔獣───防御でなんとかなるようには見えない】

【地面を転がり、直撃を免れる───が、突き刺さった爪と爪の間に体が挟まってしまい、掠った両わき腹から血が滲む】

「───やっべ…」

【女性に押し倒される───なんて生易しい物じゃない、この状況はピンチでしかないのだ】
【悪足掻きとばかりに銃をエウリュアレに乱射するが───精度はとても低い】

…かったいでござるな〜…でもまぁ、まだやりようはあるでござるよ

【暗黒が晴れ、夕暮れに染まるオレンジの空が眩い】
【しかし、その綺麗な空から降り注ぐものは、全てを滅ぼすような光の雨】

【いや、光といっても不可視である───普通の人間になら、驚異でしかない】
【そう、この場に於いては違うのだ、クロの装備が、偶々異常なだけであって】

めちゃくちゃでござるな〜…まぁいいか
力に溺れる奴はやられるのが定石でござる

【降り注ぐ光の雨───その中を、ローラースケートにより高速で移動しながら、まがわに接近───いや】
【まがわの右手側を回り込む様に、大きく距離を空けて移動する】

【体を焼くマイクロ波を涼しい顔を保って耐えながら、突如として右腕を横に───その瞬間、チェーンが掌から伸びて、向こうの鉄格子に巻き付く】
【鉄格子に巻き付くチェーンと、クロの掌に繋がるチェーン、ピンと伸びた間にいるのは、まがわ】
【後はお分かりだろう、そのままクロは大きくまがわに回り込み、ピンと張ったチェーンで叩き付けようとする】
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/21(日) 01:24:22.71 ID:AqE9KSyCo
>>665>>670
なん...だと...!第二形態というやつか

【突然の変形合体に、表情は動かないものの、その声は驚愕に満ちていた―ただし、驚いているという仕草ではなく】
【マスクの内に秘めた表情は分からなければ、その声は芝居がかっているとも思えるだろう―どう思うかは人次第だが】
【とはいえ、変形合体をすればひきつける負担が減る、という意味では、彼の精神は幾分か楽になっていた】

【問題は―こちら側の火力でこれを倒せるか、ということだ】
【それに、彼女が先ほど言った、"連携"という言葉も引っかかる】


やれやれ―お遊戯が過ぎる―
お嬢様……第二形態をボスというのは負けフラグが立ちますよ...?

【無表情、棒読みという凄まじい大根役者ぶりに、呆れとともに皮肉を言った】
【しかし、呆れているといえど、油断はできない―先ほどの考えは捨てて、あの機体を考察し、策を練らなければなるまい―】

(連携......あの機体は、彼女自身が動かしているのではなく、二つの機械にあるAIが自立して行動をしているのか?)
(恐らく、あの女の発明、というあたり、あの女王は科学者、恐らくこれを操作する技術などもっていると考えにくい)
(そうならば、臨機応変した行動が取りにくい、あくまでも一定のパターンに合った動きをするのか...?)

【思案をしている間でも、振るわれる巨人の鉄腕、防ぐ事は構うまい、当たればシミラーなど肉塊と化すだろう】

【普通ならば、これはバックステップなどで後ろに避けたほうが避ける分には簡単だろう、だが―】

【ふと、セリーナのほうを見れば、鎧を纏った姿】
【セリーナの鎧、恐らく、巨人の名を冠するならばそれなりの火力はあるのだろう、ならば―】

私の事は大丈夫だ!それより、攻撃の事を考えてくれ―!

【セリーナの心配に、声とともに応える。恐らく、攻撃を受けた彼女も体力の消耗は激しい】
【ならば、ここで打って出るしかない、これ以上戦えば勝機はさらに薄くなる―!】
【一か八か、賭ける―!】

踊ってやろう―!見ろ!何も持たぬ道化のおろかなる決死の演技を!芸を見よ!

【彼はあえて、そのまま懐に入る形で、巨人の鉄腕の射程に立ち、そしてビンタが向かう方向にへと走る】
【ビンタに追われる形―彼はそのまま白銀の腕のほうにへと向かう】

(あの図体ならば旋回性も低いはず...!当たりそうで当たらない……!お願いだ、こっちに来い―!)

【わざとロボットを自身に狙いをつけさせ、そして旋回させることによって隙を作りだす】
【運がよければ白銀の腕が反応をして金色の腕とぶつかり合うかもしれない】

【そして、それと同時に魔眼を発動】
【弱点、バリアの有無、そして各関節の稼動範囲を確かめるために、機械に視点を合わせた】
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/21(日) 01:34:56.06 ID:JH36ymDUo
>>673

そうですね、それをテラス様が望むのなら褒めてくれるのでしょう
でも無理はいけませんよ、褒められる前に死んでしまっては褒めてもらえなくなってしまいます

【ものの見事に鮮やかに、疾く命を失って倒れる鹿の身体】
【その手並みにはほうと息をついて、それから、褒めたたえるようにいくらか拍手を送る】
【軽い軽い音をたてて離れていく背中に小さく手を振り、こちらもその場を離れていく】

それでは、お気をつけて。α

【最後に、そっと名前を呼ぶ】
【結局、何かしらの事項においても相手の言葉を否定する事は無かった】
【媚びるでもなく何も考えていないでもなく、否定する意味も必要も、何もないからだ】
【他にとってどうかは分からない。彼女の言う偽善者たちから見れば、そうではないかもしれない】
【これから彼が殺しに行く、罠にかかった獲物というのも。きっと、悪い子なんだろう】


/お疲れさまでしたー
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 01:53:21.62 ID:vF+KimLM0
>>674

『・・・っ!』

【慌てて爪を外し魔法弾を回避する】
【その動きはさながら蛇だったが、流石に弾丸より速く動けるわけではなかったようで】
【幾つか被弾し、服が破ける】

『!!』

【破けた服をしばし眺め】
【ワナワナと震えると】
【先ほどよりも数段大きな岩のハンマーを出現させる】

『こ、のぉ!!』

【エウリュアレは蛇体のバネを生かして宙へ跳び上がると】
【爪の間に挟まれたラッシュへ向けて、ハンマーを大きく振り下ろす】

【やけに恨みの籠った動きだ】


「あん!? ・・・ヘブッ!!」

【チェーンに勢いよく側頭部を殴られぶっ倒れるまがわ】
【コケにされた攻撃に怒り心頭のようで】

「テメェ・・・じゃあこれならどうだぁ!?」

【まがわは屋上の床へ踵落しで叩き割ると】
【下のフロアへ潜り込む】

「んーーーーーー、オラァ!!」

【次の瞬間!】
【屋上の全ての床が崩落した!】

【どうやらまがわが下のフロアから天井へ指を突き刺し、屋上の床を真っ二つに裂いたのだ!】

「ヒヒヒ! これじゃあそのローラースケートも意味ねぇな!!」

【自由落下の中】
【まがわが瓦礫を蹴り】
【クロの元へと迫って手刀を放つ】
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/21(日) 01:59:45.47 ID:lt/PujUco
>>670
《───それだよ、セリーナ・ザ・キッド=t

【不意に、唐突に、口を開いたかと思うと───鎧を着込んだセリーナに、興味の眼差しを向ける】
【それはまるで、持っていないおもちゃに興味を示す子供のように】

《その武器、その技術───是非私も手にしたい所だ》
《…研究資料として少し貸してくれるなら、暫く悪事を働か無くもないぞ?》

【どうやら、興味があるのはセリーナの銃───弾*末bゥ】

【放たれた魔弾を止めるには、左手は間に合わないし、右手はシミラーに向かっている為に、不可能である】
【とはいえ───関節部分とはいえ抜かり無い、ダメージは確かにあるが、球体状の関節に不備は起きないようだ】

【そして、地面から爪を抜いた白銀の腕が、再びセリーナに───】

>>675
【次の瞬間、爪を抜いたばかりの白銀の腕に、黄金の腕が勢いよく衝突する】
【シミラーの狙いが成功したのだ───大きな衝撃と、爆発の衝撃、二つの大きな力が、自滅した両腕にダメージを齎す】

【力が抜けたように、だらりと垂れる両腕。まだ動きはするようだが───?】

【シミラーの魔眼から読み取れる情報は以下の通り】
【・弱点:大神本体】
【・バリア:無し】
【・関節稼働範囲:360°】
【・動作方法:AIシャットアウト、大神本人によるマニュアル操作───?】

【───シミラーは、両腕がAIで動いていると考えた、プログラムに従って動いていると、故に誤認による自滅を狙ったのだ】
【結局その目論見は成功したが───その実、腕はマニュアル操作であった】
【自身で操作しているのに自滅───?例え戦闘だとして、自分で自分の手を叩いてしまう者がいるだろうか?】

【───大神のわざとらしい笑みが、シミラーに向けられた】

>>ALL
【ピシッ>氛氛氓ニいう音が、突如響いた】
【空間にヒビが生まれている───外にあったのと同じような、ガラスみたいなヒビが】

《───潮時≠ゥ…まあ、最後に華々しくやってやるか》

【知っていたかのように呟く大神の前に両腕が引き寄せられ、その掌が向かい合う】
【向かい合った掌の中、黒炎と黒雷が発生し、混ざり合い、強大な力へと変化していく───炎とも、雷ともつかぬ混沌としたエネルギーだ】

《さてさて皆様、御開きの時間でございます》
《最後に大きな花火を上げて終了と致しましょう───》

《耐えて見せろよ?正義の味方ども───私を失望させるな》

【やがて、収まり切らないくらいに巨大化したエネルギーの塊は、空に翳した両掌の上に浮き上がり───】
【巨大なエネルギーの塊を掴んだ巨腕が、ゆっくりと叩き付ける様に、エネルギーの塊を落としていく】
【狙いなんてない、する必要は無い、だって地面に着弾すれば、全てを巻き込み爆発するから───】

【威力と範囲は絶大、しかしその力は無理矢理に纏まった為に不安定だ】
【ありったけの攻撃を叩き込めば───!】
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/21(日) 02:36:11.20 ID:lt/PujUco
>>677
「取り外し可能とか有りかよっ!?」

【素早い追撃はなんとか免れた…ものの、未だに爪に挟まっている状態では自由が効かない】
【あんな巨大なハンマーで、更に落下を込めて振り下ろされては、ぺしゃんこ所ではない】

「くそ…なんで俺までこんな目に…!」

【ブレードの刃をしまい、銃のグリップに取り付けて合体───コ≠フ字型になった銃を両手に構え、寝転がったまま空中のエウリュアレに向ける】
【体に湧き上がる紅い力が銃へと集まり、迸り───赤黒い炎が、眼帯の下から燃え上がる】

「こいつを食らえッ!」

【力を溜めた銃撃、引鉄を引いたその銃口から放たれるのは、渦巻く竜巻の様な紅い力の奔流】
【空中に飛べば回避も困難、一か八かの力比べだ】


怪力でござるな〜。ま、頭が弱い分それくらいないと不公平でござるからな

【踵落としで床を蹴り砕くその所業、少女とは思えない怪力に、呆れような馬鹿にした様な言葉を返し】
【次の瞬間、床が砕けたせいでふわりと浮遊間───落下するのは自分の方】

…成る程、バカなりに考えるでござるよ

【落下するその身に迫る手刀、床を打ち砕くその力による攻撃は生半可ではない】
【ならば、と手刀を一番硬い部分───ローラースケートのホイールで受け止めると、衝撃に吹き飛ばされて】
【壁に激突───いや、着地≠オた───】

───いってぇでござる…つっても、その程度…
力ばっかりのバカは、力すら活かせないでござるよ〜

【ギュルン、とホイールが回転、超摩擦力で壁に張り付きながら、壁を高速で滑っている】
【先程手刀を受けたダメージは当然ある、しかし駆動エネルギーを靴自体が生み出す為に、動けなくなる事は無い】

…よーく思い出してみるでござるよ、わっちが何をしたか

【壁を滑り、下の床に降り立ちながら、空中にいるまがわに語るのは、試す様な質問】
【まがわは気付けるか、クロが先程チェーンを鉄格子に巻き付けて攻撃に利用したのに、まだチェーンが繋がったままなのに、チェーンが段々と弛んで来ているのに───】
【───下にいるクロを目で追うのが、これ以上無いくらいに危険なのに=z

【次の瞬間、まがわの上空から襲い掛かる───いや、落下してくるのは、チェーンが巻き付いた太い鉄格子ッ!】
【クロは落下の時点からこれを狙っていたッ!下に降り立って話し掛けたのも、まがわの気を引く為ッ!】
【引寄せる勢いと重力加速の付いた鉄の塊は、真っ直ぐにまがわへと迫るッ!】


【───ピシッ>氛氛氈z
【ヒビ割れの音は、この世界にも響く───】
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 02:57:46.14 ID:vF+KimLM0
>>679
/ごめんなさい、眠気が限界なので明日返レス書いてもいいですか?
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/21(日) 03:00:28.46 ID:lt/PujUco
>>680
/おっと申し訳ない、構いませんよ
/明日は昼からでも大丈夫ですので舞台裏で呼び掛けてください、それでは
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 03:08:02.16 ID:vF+KimLM0
>>681
/ありがとうございます
 それでは今日はひとまずお疲れ様でした
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/21(日) 03:08:18.85 ID:Y+eXMgzuo
>>675>>678

―――くッ・・・どれの話だい?それこれじゃわかんないよ、社長殿・・・ッ!!けどアンタが言ってるのが
もしこの"弾"末魔のレンタルの話なら――やめといたほうが良いよ、恐らくだけどこいつはどんな発明品よりも"性質"が悪い・・・ッ!
今まで見てきたどの武器よりもじゃじゃ馬で、言う事聞かずの跳ねッ返りで、そんでもって持ってる間は悪い事ばっかり起こる――
こんな"イカレた"相棒、よっぽど拳銃が好きじゃなきゃ、扱えっこないさ・・・!
まあ、勿論考えない事も無いよ?けどそういう交渉なら悪事がどうこうより――

【残った一発、それに全てを賭けるのか―-ガンマンらしい選択とは言えたかも知れないが。】
【此処まで共に拳を振るってくれた"英雄"に対し、自分は敬意を表する必要が在る――つまり、全力で臨まなくてはならない。】
【シミラー、彼に顔向けが出来ないではないか――そんな事は、絶対にあってはならないのだ。だからこそ――】
【ぶつかりあった黄金と白銀、二つのロボットアームが衝突するその瞬間、生まれた隙に対して再びの発砲――否、召還ッ!!】

            ――アタシを相手に交渉がしたかったのなら。

            ――なによりまず、"マネー"つまなきゃ、ね♪



           ―――――竜王咆哮<"ドラグーン・キャノン">!!


/続きます
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/21(日) 03:08:44.65 ID:Y+eXMgzuo

【現れた召還陣、それらはセリーナの纏った鎧の胸元に展開され――同時に巨大な武装を呼び出すッ!】
【現れるのは機械式のドラゴン――魔導システムにより形成される、竜を模した巨大な生首の砲塔――ッ!!】
【丁度セリーナの胸をドラゴンの頭部が食い破るような形で装着され、胸元から首だけが生えるというなんとも、ふざけた構造――】
【しかし見た目こそ歪だがその攻撃力は多種多様な武装を召還可能な"弾"末魔の中でも最高峰、まさに竜王の名に相応しい力を持つ。】
【装着されると同時、歪なドラゴンは急速なエネルギー・チャージを開始する――瞬間、吹き荒れる魔力が周囲を襲い来るッ!!】
【炎の魔力がその他全てを圧倒し、ゆっくりとカウント・ダウンを刻むように開いていくドラゴンの口内、その奥に見える砲塔は余りにも大きい――】
【そしてなにより――今、セリーナの鎧の腰元、強化されたガン・ベルトの中に――仕舞われていたある"武装"が息吹する。】
【それはかつての戦い、永久凍土での六罪王との死闘で手に入れたあの―――"創炎の宝玉"の欠片、そのものッ!!】
【炎を高めていくドラグーン・キャノンに影響されるよう、まるで共鳴するかのようにその欠片は浮かび上がって――】
【――やがて竜の口内へと、吸い込まれるッ!これは――キャノンと、宝玉が一体化した―――ッ!?】

【――瞬間。チャージが急速な形で完了する。まさに、一瞬にして強大な炎が"創造"される――欠片といえど、この馬力。】
【手に入れた力はこんなタイミングで、絶妙な力を発揮した――セリーナ自身も創造していなかった結果に、鎧の奥で苦笑いが零れた。】

――オーケイ、かっこいいおにーさんッ!
それじゃアタシは、その名の通り"フッ飛ばせて"もらうとするよ――攻撃だけに、全力を傾けるッ!!
もし巻き込まれても――後悔だけは、しないでよねッ!!

【臨界点を行くドラグーン・キャノンが唸る。今、まさにドラゴン<竜王>は全ての前動作を完了させ、砲塔をゆっくりと巨大な敵へ向ける――】
【間に合うか、間に合わないか。そんなことはもはや、知った事ではないとでも言うかのよう――】
【喰らわば喰らえ、毒を制するのに毒などいらぬ、ただ全力の炎を以って、全てを焼き尽くす――圧倒的な暴力の渦が、今――――ッ!!】


                     大神。そろそろ決着と、いこうじゃない?

                     ラッシュ君を好き勝手してくれた事―――  
          
                       アタシは絶対に、許さない・・・ッ!! 

                             
                           【 放 た れ た 】 


               竜王咆哮<ドラグーン・キャノン>――――フル・ブラストッ!!



【――刹那、余りにも強烈過ぎる炎の息吹<ブレス>が――まさにキャノン<砲撃>の名に相応しい、極限までの火力と化して襲い掛かる。】
【本物のドラゴンとなんら代わりの無い、巨大な炎の固まりはもはや光線にも等しいだろう――渦は限界まで圧縮され、そして――】
【単なる火炎放射とは異なる、炎の激流となって、一直線に機会の両腕へと向かう――ただ、其処に破壊の結果だけを残すために。】
【全て焼ききる。焦土に返す――セリーナ・ザ・"キッド"が火力型と呼ばれる所以が、そこに――確かに、存在するッ!!】
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/21(日) 03:34:27.40 ID:AqE9KSyCo
>>678
【魔眼によって、得られた性能、そして、大神自身のわざとらしい笑み―】
【マニュアル操作、笑い、目的―そうだ、ここまで来れば、大神の考えは分かる】
【遊び―、愉快犯的犯行。要するに、遊ばれていたのだ】

【この事実に気づいたとしても、やはりマスクの表情は不動】
【認めたくないのだろうか、またはしてやられたと笑っているのか、マスクに覆われたその顔に秘めるものは】

なる、ほど...つまり壮大な暇つぶしです、か

【やがて、向かい合った掌の中から湧き上がった、禍々しいエネルギーの煌】
【シミラーは、黄泉から逃げる亡者の如く、駆ける】
【魔眼などで解析などせずとも分かる、その膨大な破壊の禍塊、しかし、あまりにも不安定であるがゆえに―】
【一撃でしとめれば、恐らく大神とも巻き込めるであろう―だが、そこにひとつの疑問が浮かぶ】

【自分たちを手のひらに置いた、天才が本当に自爆などで死ぬのだろうか―と】
【潮時と言うあたり、もしかしたら時間を分かっていたのか?空間から脱出する装置などを用意していたとしてもおかしくはない】
【本当にこんなところで死ぬ気なのだろうか?私を失望させるな―となると、彼女なりの、考えた解があるのだろうか】

(ここは恐らく、別の空間―となると、この空間から外に出れば、爆発を免れられるのか?)

【しかし、失望させるなというあたり、この方法は恐らく、予想されているものだろう】
【ここまで考えてみれば、やはり攻撃ぐらいしかない―ただ、彼にはそんな攻撃の方法など持ち得ないのだが】
【魔眼から得られた知識のみで戦ってきたのに対し、このような状況ではシミラーなど役立たずも同然である】

>>683-684
【役立たず同然だからこそ、逃げるのだ、後はセリーナに任せればいい、適材適所だ―ただ、今回は運が悪かった】
【なるほど、セリーナが高火力をもっていた、ここまではいい】
【あの龍の頭部を模った砲口、まさにすべてを破壊する龍の息吹を放つのであろう】

【そこにさらに、宝玉の破片らしきものが、加わり、龍の口内に太陽のような輝きを放つ渦―】

【普通、ここまでの火力ならチャージは遅いような気がするのだが、あまりにも早すぎる】
【だいたいああいうのは決まって―】

                巻  き  込  ま  れ  や  す  い

【知っているだろうか?人は、ある程度危機的状況に追い込まれると身体のリミッターが外れるのだ、俗に言う火事場の馬鹿力である】
【そう、今まさに、火事場になる瞬間、伝わる輝きと熱を見れば、どうみてもはずさねば、巻き込まれて見事に灰となるのがオチだ】
【亡者の如く疾走から、まるで超人的なスピードで地面を足でたたきつけながら全力で疾走するシミラー、恐らく、筋肉痛で数週間は呻くことになるだろう―】

【放たれる閃光、セリーナの近くにへと凄まじいスピードで飛び込むシミラー、表情はやっぱり変わっていないが、本人の動きを見れば表情など変わってなくとも分かる】

(―さようなら)

               コート一号、アレ、お気に入りだったんだけどなぁ...

【燃やし尽くされるコートの事を思いながら、シミラーは龍から放たれた灼熱の息吹を見つめた】
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/21(日) 03:52:00.56 ID:lt/PujUco
>>683>>684>>685
《───成る程、それじゃあ金を───と、言いたい所だが》
《やめておくとしよう、その銃は貴様の手にあってこそ》
《精々私は、行く末を眺めてやるとするか》

【割とあっさり、弾*末b諦める大神───無理矢理奪うとか、そんな事は考えないのか】
【ともすれば、本当に興味があるだけなのかもしれない、純粋に知りたいというだけ】

【さて、セリーナがドラグーン・キャノンを召喚し、力を溜める───そのままなら、間に合うかは微妙な所だろう】
【しかし次の瞬間、一つの欠片がドラグーン・キャノンの一体化し、その考えは杞憂となる───そう、それこそが宝玉の力、欠片だが非常に大きな、未知の力】

《…素晴らしい、それが宝玉の力か》
《───だが、違う≠ネ…その宝玉では、私は───》

【まるで灼熱の太陽───全てを焼き尽くし兼ねない力と、全てを砕く混沌の力、二つの大きな力が、今激突する───ッ!】


【───その瞬間、世界から音が吹き飛んだ】


【巨大な力と力、二つがぶつかり合い、巻き込み合い、炸裂し、爆裂し、激烈し───】
【当然、その場にいる全てを巻き込む───巻き込むなんてものじゃない、ぶつかり合いから生ずる力が呑み込む≠フだ】
【回避?無理だ、断言出来る、逃げ場等何処にも───無い】

【当然大神もそれを間近で受けるのだ───普通なら逃げ出すような場所でも、傲慢な座り姿勢は崩さずに】
【その表情は───笑っていた】



《───ああ、楽しかったよ、とてもとても》
《その調子で悪を許さず、いつか私を殺しに来い───正義(バカ)共───》

【そこにあるもの全てが吹き飛ぶ、当然何かを言おうとも、その言葉すら】
【だから、優しい声色で紡がれたそれは、きっと誰にも聞こえない】
【狂っているのに、優しい声は、誰にも届かない】

【巻き込まれる筈のセリーナとシミラーの体は、五体満足弊害も無く───ガラスが砕けた音と共に、いつの間にかヒビのあった廃墟に放り出されているだろう】
【あった筈のヒビはもうない、大神の姿もそこにない】
【ただ、空虚な空間と、夜明けの風がそこにある】

【大神がどうなったか、それは定かではないが───まあ、これしきで終わるには呆気なさ過ぎると考えれば…】

【───力のぶつかり合いに巻き込まれる瞬間、二人を守った障壁に、二人は気付けたか】
【誰が貼った物か、それは想像に任される】
【ただ今は、その場の勝利の余韻に浸るべきである───】

/これにてイベント終了です
/遅くまでお疲れ様でした
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/21(日) 04:21:35.10 ID:Y+eXMgzuo
>>685>>686

【――破裂。凄まじいまでの破壊力と破壊力のぶつかりあい、衝突した二つの攻撃が生み出す圧倒的な"崩壊"の中】
【世界は掻き消えた――いや、爆発に呑まれたのか、自身の肉体も吹き飛んだのか――光の中、何もかもが定かでなくなる】
【衝撃的な結末の後、何もかもが不安定になり、そして――――】


―――、ッ!

くっ―――待てッ!大神、クソ・・・クソッ!!


【――最後の言葉を残し、消え行くシルエット。いや、その言葉は届かなかったが――ただ、今のセリーナにはそれを追うことなど出来ず。】
【悔しそうに、『逃がしちゃった』と――そう、呟いた矢先、光の向こうに見えた光景は――】

【――廃墟。戻ってきていたのだ。皹は消え、空間は閉じられ――広がるのはただ、余りにも平和すぎる夜空。】
【どうしようもなくなったと思っていたのだが、まさか――目立った傷も無く、ここに戻ってこれるとは。】
【ともかく、自警団側に報告する事項は取れたし、問題の根本の解決には至らなかったが――なんとか、治まったようだ。】

――ふぅ。どうやら・・・終わった、みたいだね。

【――瞬間、装着していたドラグーン・キャノン、そしてティターン・アーマーから大きな煙が上がり――限界突破した二つの武装は身体から解き放たれ】
【地面へとドカドカ、落ちていく――露になった何時もどおりのセリーナは、額の汗を拭って――近くにいるであろう、シミラーへと笑いかける】

・・・ありがとね、おにーさん。出来れば顔も見たかったけど――そこまで言うのは流石に欲しがりかな?
でも・・・出来れば、名前くらいは教えて欲しいかな、なんて。

アタシ、セリーナ。セリーナ・ザ・"キッド"。もしかしたら知ってるかもしれないけど――よろしくね。

【そういえば、成り行きで共闘することにもなっていたが――自己紹介もしっかりしていなかった。】
【世間で名の知れたUNITED TRIGGERのリーダー、その名をどこかで聞いたことがあるかもしれない。】
【ほんの少し、顔が見えないシミラーに対しどう接してよいものか困っていたのだが――名刺代わりの"カード"を差し出し】
【そこに書かれているのは"UT"の拠点が記された地図――なるほど、暇が会ったら来てくれ、という意味だろうか。】

――・・・っと、どう、やら・・・!結構、身体に負担もかかってた、みたいだ・・・!
ごめんね、暫く――やす、ませて・・・もらう、・・・よ・・・。

【――しかし、余裕そうに笑っていたのも束の間。あの激流のような攻撃の最中、鎧を纏っていても精神の消耗、体力の消費は激しかったのだろう。】
【ふら、と足元から崩れ――廃墟の壁にもたれかかる。恐らくは怪我も無いので少し休めばどうにかなるだろうか――】
【『大丈夫、ただ――ちょっと、眠るよ。』とだけ、言い残し――彼女はゆっくりと、瞳を閉じるだろう。】
【その際、最期に一言――「ありがとう」とも、呟いて。】

【――異空の事件は幕を閉じた。しかし、静かな狂気を残しつつ――最期、その張本人に助けられたことを知るよしも無く――。】

/と、この辺りで失礼します・・・!お疲れ様でしたー!
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/21(日) 04:54:28.63 ID:AqE9KSyCo
>>686
―ん...?

【あらゆる物を巻き込んだ、それはとある神話の、ふたつの都市を滅ぼした火矢を思わせる、灼色の煌めきに飲み込まれた】
【何も関わらず、まるで夢のように、いや、本当に夢だったのだろうか―】

うっ...

【不意に、いかづちと、そして負荷を掛けすぎた足に痛みが走り、うめき声を漏らす】
【足を捲れば、恐らくは痛々しく膨れ上がっているであろう―見たいものではない】
【あたりは、夜明けの、暁光と風に染まり、そして空虚な空間はただ、そこに何も無かったかのように沈黙をしている】

―本当は、[ピーーー]気ではなかったのだろ?大神

【吹かれる風に、届くはずもない、疑問を乗せた】
【今までの言葉、そして、行動、悪役らしく、腕に対する誤爆】
【間違いなく、彼女にとっての、意図的な物、即ち、『茶番劇』だったのだろう】
【それは果たして、試練だったのであろうか―】

【シミラーは、プっと、小さく噴出した】
(なぜ、嘘をつくのだ―)
【彼女に対する疑問は、深く、大樹が根を張り、広げるかのように、植えつけられた】

>>687
生憎、このマスクははずれないという厄介な仕組みでしてね―
あなたほどの美人なら見せたいのですが―

【彼は小さい笑い声を出しながら、マスクをコンコンッと二回、人差し指で叩いた】
【愛用のコートを無くした彼は、今ではピッチリとした黒尽くめのスーツ、やはり少したりとも地肌の露出はない】

名前、ですか...シミラー、しがない道化師をしております...

【知っている?という事は、かなりの有名人なのだろうか、どこかで見た顔なのだが思い出せない】
【というよりも、彼は見ればたちどころに記憶する魔眼をもっているが、興味のない、必要な物以外はバッサリと切り捨てる実用主義なのだ】

【少し手をあごに置き、何か考えるような仕草をした後、名を名乗る】
【知っているだろうか、名前の意味は、相似。もちろん、偽名。どう捉えるかは、彼女次第だが】
【差し出されたカードを受け取り、改めて見てみると彼はハッと思い出す】

(確か、対カノッサの組織だったような記憶がある)

【記憶が繋がった、そうだ、確か最近有名になってきた組織のリーダー、かなりの大物ではないか】
【どうやらとんでもない人物と共闘をしていたのだろうか―】
【とはいえ、道化師であるシミラーにとって、正義の組織とはいうのは縁が遠いものだ、なにせ天涯孤独を好む彼の性にも合わない】
【そう思うとシミラーはカードを胸ポケットの奥深くにへとしまった】

あなたがいなければ、大神には勝てなかった、改めて礼を、そしてはじめのときの無礼に
謝罪を...

【頭を下げるマスクの男、表情はやはり、見えない、何を考えているのかも、分からない】

【大神、そして、正義組織のリーダー、セリーナ、恐らく想定外要素であろう私、シミラー】
【すべては、大神のシナリオどおりなのだろうか―】
【雑な思案にふけつつ、痛む足を引きずりながら、青い輝きに満たされた、ブルーアワーの廃墟の向こうを歩いていった】


―コート、買わなきゃな...

/初めてのイベントで色々不手際をかけたかもしれませんが、お疲れ様でした
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/21(日) 10:58:02.47 ID:x4ebLWbyO
【路地裏】

【雷光が散り、轟音が猛る。空は晴空。落雷なんて、無かった筈なのに。】
【つまり、能力者の戦闘だ。】

……なんじゃなんじゃ、つまらんのォ〜ッ

【……どうやら、今ので終わったようだが。】
【立って居るのは、白金色の髪に金の瞳、櫻の国の古代神官めいた衣装に身を包む童女。】

【その首には、その内で蒼い雷光をばちばちと暴れ狂わす、勾玉の首飾り。】

有象無象の雑魚どもでは、相手にもならんわ。やはり儂の好敵手に相応しき者は一人しかおらんのか?

【雷そのもののような、鋭い気迫を滾らせ、童女はどか、と座り込む。】
【その肌、髪からは、未だに雷光がぱち、ぱち、と散っていた。】
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 15:00:26.85 ID:ukYuGPSM0
>>679

『!!』

【逆巻く赤い奔流は巨大な岩の凶器と衝突する】
【真紅の稲妻は果たして巨岩を打ち砕いた】

『こ・・・のぉ!!』

【しかし未だに彼女には身体が残っている】
【ハンマーが砕けたままラッシュの眼前に着地はしたが】
【既に次の攻撃の準備は整いつつあった】

『潰れろぉ!!』

【今度は上半身そのものを巨大な岩の殻でコーティングし】
【エウリュアレ自身が巨大な蛇腹槍の様な姿になる】

【蛇腹槍は動けぬラッシュめがけて】
【猛然と突進を行う】

【ハンマーよりもさらに大きい捨て身の攻撃だ】


「ちぃ! ちょこまかと!」

【手刀を防がれたことに苛立ちを見せながら】
【まがわはスタリと着地する】

「バカバカと・・・テメェはよぉおおお!!」

【逆上しクロへと迫るまがわ】
【クロの思惑通り、まがわはその張り巡らされた罠に気付くことができなかった】

「・・・がっ!?」

【崩落する鉄格子】
【押し潰されるまがわ】

【普通ならこれでお終いだろう】


【相手が普通の少女なら】


「・・・ってーーーなぁ、クッソがぁあああああ!!」

【まがわが黙っていたのはほんの少しの間だった】
【砂塵の中から、つい先ほどまでまがわを押し潰していた鉄塊がクロへ向けて投げつけられる】

【砂埃が晴れれば、肩で息をしながら額から血を流すまがわが見えるだろう】
【降り注いだ数多の瓦礫によって床は散らばっている】
【ローラースケートの機動力で回避するのは難儀だろう】
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[!red_res saga]:2013/04/21(日) 15:56:07.97 ID:lt/PujUco
>>690
【───万事休すだ】
【能力で岩槌を砕くのには成功した、しかし届いていない】
【爪に閉じ込められたまま、最早なす術が無い】
【やるとすればアレ≠ュらいだが───リスクが高すぎる】

「───っ!」

【眼前に迫るエウリュアレを睨みながら、ラッシュは覚悟した】
【ここで死ぬくらいなら───】

───やっぱりバカでござるよ

【まんまと鉄格子に潰されたまがわを眺めて、口に手をあてクスクス笑う】
【───刹那、その鉄格子が持ち上げられたのにも、然程驚きはせず】

…まるでゴキブリでござる、うんざりするでござるな
でも、ま───

【それがこちらに投げ付けられたとなれば、両腕にチェーンを巻き付けて簡易鎧を作り出し、それによって鉄格子を防ぐ】
【しかし、防ぐ為に踏ん張る事はしない、逆に地面から足を離し、飛び上がって抵抗を減らし、自ら吹き飛ばされる事によりダメージを軽減した】

【───だが、大ダメージなのには変わりない、それなのにクロは余裕そうに、笑っていて】

───時間切れ≠ナござる

【───ピシッ>氛氛氈I】
【一際大きなヒビ割れの音、それを皮切りに、ドンドンヒビ割れの音が続いて───】

【エウリュアレに潰される瞬間のラッシュが、吹き飛んだクロが、転移陣に包まれ一瞬にして消え去る】
【その次の瞬間には、ガラスが砕けるような音と共に、まがわとエウリュアレはヒビのあった空間に放り出されているだろう】
【広々とした空間に、すでにヒビは無く、相手の姿も無い】
【夜明けの光と、草の匂いを運ぶ風だけが、そこにあった───】

/はい、という事でイベント終了です
/お疲れ様でした
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 16:22:33.26 ID:ukYuGPSM0
>>691

「なっ!!」

『!?』

【何かが割れる音と共に】
【まがわとエウリュアレは草原へ放り出される】

「ちっ、逃げられたか!」

『・・・』

「あーーー、チクショウ! まーた野槌キレるなぁー。
 どうしてオーガミの仲間はこうムカつく奴等ばっかりなんだ?」

【まがわがガシガシと頭を掻くと】
【エウリュアレが心配そうにそれを見つめている】

「まぁいいか、帰るぞ。エウリュアレ、お前ちゃんと戦えた? 見てないからわかんないんだけど」

『・・・』

【まがわが見ていないことにエウリュアレはしょんぼりすると】
【そのまま2人は夜風の中を帰って行った】


/お疲れ様でしたー!
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage]:2013/04/21(日) 19:26:37.58 ID:BFE5qg1Io
【ここはとある岩場――東京ドーム並の広さの平野に、大小様々なゴツゴツとした岩石が大量に溢れかえっている】
【何故この場所に多量の岩石が集まっているのか、それは昔近くに鉱山があった名残だとか色々言われているが】
【正確な資料がなく、その詳細は未だに不明である】
【"岩石"と言うと希少性が低く感じられるだろう】 【しかし、確かにそこら中に溢れている岩石もあるが、稀に希少なそれも見つかったりするそうだ】

「ヘケケケッ!」 「くらえェェーーッ!!」

【ドッゴォッ!】 【頭部大程の大きさの岩に振り下ろされた手刀は、それを真っ二つに叩き割る】
【叩き割った者――それはガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【どうやら、岩を叩き割ったのは今が初めてではないようだ――辺りに散らばっている"岩片"からもそれは伺える】
【そして、破壊方法も"手刀"だけではない――何故ならば、手刀ではまず生まれないような"砕け方"をした岩片も多くあるからだ】

『よく飽きませんね』

【その近くで、男の様子を静かに見守っている存在がいた】
【それは20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

「だってよォー、身体動かさなきゃよォー、――"バトル"しなきゃ身体が落ち着かねェーんだよォーッ!」

【玄武岩や御影石、石灰岩や粘板岩、更に雲母や水晶までも――叩き割られたもの達は数知れず】
【流石に何度も砕いていれば手が痛む、しかし女性が男に"杖"を当てればそれは数十秒で治される】

/明日は来れないため10時頃になったら申し訳ありませんが強制終了させて頂きます(明後日になっても大丈夫でしたら持ち越しもOK)、予めご了承下さい
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 19:43:41.24 ID:ukYuGPSM0
>>693

「俺も人の事は言えんが、ケダモノだな」

【ゆらりと岩陰から現れる黒い影】
【その者は忍装束だった、顔を黒い長布でグルグル巻きにして、虎の様な眼光だけが露出している】
【その手には抜き身の黒い剣を隠しもせず持ち歩いている】

「戦う相手が欲しいか? 人斬りでよければお相手しよう」

【その忍装束は沼の様に粘り気のある殺気を放ち】
【その歩みには隙が無い】

「構えるまで待つと思うなよ」

【忍装束は剣を持っていない手で男へ向けて礫を投げつけると】
【ほぼ同時に剣を構え、男の胴を貫かんと突きを放つ】
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/21(日) 19:55:03.43 ID:QwQq4vaeo
【公園】


ああ……今日もすっかり日が落ちてしまいました……


【人も大分まばらとなったこの場を通るのは、ほんのり鶯色の和服を身に纏い、軽くウェーブのかかった黒い長髪の、身長は160弱くらいと思しき少女だ】
【何より目立つのは、彼女の『両眼』を覆う、目隠しの包帯だろうか】
【或いは、傍らの、高さ2メートルはある「点滴スタンド」だろうか】
【デジタル的な「74」という数字を印された点滴パックから出る点滴チューブは、彼女の左腕に繋がっているようだ】


……お仕事がたくさんあることに不満はありませんけど……ふう……やっぱりこの身には堪えますね……


【少女は点滴スタンドにすがるように、ゆらゆらとぼとぼと、どうにもたどたどしい足取りで道を行き、】
【ふと、横脇に顔を向け、歩みを止めた】


そうだ……ここはお茶でも飲んで……ちょっと休憩しましょう……


【彼女の視線――いや、顔を向けた先≠ノは、自動販売機が一つ】
【そこで茶を買うことに決めたらしい彼女は、自動販売機へゆっくりと歩み寄っていくのであった】

【はたからは盲目≠ノしか見えない彼女が、誰の助けもなくこのように動けるのはどうにも不可思議ではあるが……さて】
【ひょっとすれば、点滴パックに印字されている数字≠焉Aつまりは……「そういうこと」なのかもしれないが――】
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/21(日) 19:58:25.87 ID:BFE5qg1Io
>>694

「ヘケケケ――」

【岩陰から現れる影、向けられる声――また一つ石が握り潰されるのと同時に身体はそちらにへと向けられる】

「なァ、よければお相手って言っておきながらよォー、強制じゃあねェーか?」

【投げつけられた礫に対して、握りつぶした石をぶん投げて相殺すると】
【右半身を後方に捻りつつやや左に移動し、突きの被害を脇をかすめる程度に抑える】
【バトルしないと落ち着かない――そう言うだけあって、反応は良いようである】

「……別に俺は構わねェーけどなッ!」

【――重そうな見た目、否実際に重い身体なのだがそれに反して動きは機敏だ】
【そして右脚で地面を蹴り、そちらの左肩を狙って放たれるのは――左の拳】
【能力を使っている様子はなく、しかし威力や速度はかね見た目通り】
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 20:06:51.01 ID:ukYuGPSM0
>>696

【ギラリと光った眼光が拳の軌跡を捉えると】
【忍装束は素早い動作で剣を引き戻し、剣の腹で拳を受ける】

「ふん、こちらは殺す気だというのに小手調べか。舐められたものだ」

【トントントンと後ろへ飛び退いて勢いを殺すと】
【なんと今度は剣を投げつけた】

「邪剣道、正攻法はどうも合わんのでな」

【剣の柄には伸縮自在のワイヤーが着いていて、忍装束はそれを握っていた】
【剣の投擲が躱されたのなら、今度はワイヤーを引き、横薙ぎに首を狙うだろう】
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/21(日) 20:20:08.03 ID:BFE5qg1Io
>>697

「ヘケケケ、俺に勝ちたかったら殺す気で来いって色んな奴に言ってるしよォ」
「――それによォ、相手が何してくるかとかみてェんだよ」

【ガキィン、拳と剣のかち合う音が岩場に響き渡る】
【男の口が、ニヤリと小さく笑ったような気がした】 【それと同時に感じるだろうモノは、強い闘争心】

「おいおい、武器ぶん投げてどォーすんだよ、って言おうと思ったけれど――なるほどなァ」

【投げられた剣、彼がとる行動は――防御か? 回避か?】 【――あえて言うならば前者だろうか】
【その場から動かずこのまま剣撃に晒されるだけ――かと思えば、なんと、その剣を両手で白刃取りしようとするッ!】
【しかし素早く軌道を変えれば、捕らえられる可能性は大幅に減るはずだ】

【もし白刃取りに成功すれば、剣をそちらに向けておもいっきり投擲するだろう】
【それはまるでナイフを投げるかのようだ――が、ワイヤーはそちらにあるためこちらも防ぎようは幾らでもある】
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 20:29:02.56 ID:ukYuGPSM0
>>698

「ぬ・・・!」

【捉えられた刃】
【投げ返される剣】

【だが】

「馬鹿が、武器を捉えたなら奪えば良いものを」

【まるで止まって見えているかのように剣の柄を容易く受け止める】

「さて、期待している所を悪いが俺は無能力者なのでね。このように芸の無い攻めを繰り返させてもらおう」

【忍装束は剣を不気味な型で構えると、男へ向けて突進する】
【狙いは首】

【と、直前になって立ち止まり】
【草履で礫を蹴り上げて目潰しを仕掛けると】
【首を狙った突きは蛇の様に軌道が変わり】
【男の胴を袈裟懸けに斬りつける】
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/21(日) 20:46:15.82 ID:BFE5qg1Io
>>699

「ヘケケケ、俺は戦うことが好きだからなァーッ」
「――特別な能力が無くても戦えりゃア良いッ」

【戦いたいが故に一般人も襲っている彼、しかしやっぱり相手が強い方が燃えるというもの】
【これだけ身体能力があるのならば、彼もまた能力を持っていない――なんてことは無く】

「う、おおッ!?」 『あっ……』

【蹴り上げられた礫に対して、"過剰"な程の反応を見せる彼】 【闘争心がこの時一時的に絶えたのを感じるだろうか】
【右肩を前方に出し軽く背を向けたと思えば、顔を両手で塞ぎその礫を防ぐ――が、無論その後の結果は見え過ぎていた】
【一体どうして、そんな状態で相手の剣撃が避けられるだろうか?】

【剣により、右肩や胴、背等に結構な斬り傷を負った彼、しかしその後もまた異常で――】
【右肩を斬られれば火力源の一つである右腕を弱める、だが真っ先に気にするのは"眼"の無事】

【――大きく息を吐けば、真っ赤で鋭い眼光がそちらを捉えた】 【確かに笑みは変わらない、しかし雰囲気はどこか違っていて――】
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 20:57:38.62 ID:ukYuGPSM0
>>700

【斬り付けた鮮血をまるで麺でも啜る様に、黒い刀身に吸い込まれていく】
【その過剰な反応をこの眼光が見逃すはずも無く】

「ほう、目は嫌か」

【斬り付けた剣を翻し】
【迷うことなく目を狙う】
【・・・と見せかけ、刃を返して右肩を斬り付ける】

「どうした、その程度か戦闘狂!」

【少しずつ変わっていく男の雰囲気を本気と捉え】
【更にそれを引き出そうと挑発する忍装束】
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/21(日) 21:10:02.11 ID:BFE5qg1Io
>>701

「ヘケケケ、眼を潰せなかったのは"運が良い"ぜあんた――それにな、俺は常に"本気"だぜ?」

【ゆらりと身体をそちらに向ければ、下手な化け物よりもよっぽどそれらしい雰囲気があたりに漂う】
【それをあえて何かに当てはめるとすれば、"怒り"――だろうか】

「そォーいやあんたにはまだ"俺の能力"を見せてなかったなァ〜ッ」

【そう言い、左手に持つのは15cm程の岩――それを盾にして、刃を防ぐ】
【流石に衝撃は来たようで――岩を落としてしまったが、再び拾い直すと】
【――次の瞬間!】 【なんとその岩から緑色で10cm程な無数の棘が生え始めたではないか】
【そしてその岩を、そちらの胴体めがけて思いっきりぶん投げるッ!】 【描く軌道が異常に浅い放物線なのは、元々のパワー所以か】
【岩に生えた棘は、何かしらの攻撃を与えれば折れるだろうが――それは、岩の投擲という"打撃"に、棘という"刺突"などを加えている】

【もし岩を回避したとすれば、それは今現在そちらが居る場所から背後5m程の位置にへと落ちるだろう――棘はそのままに】
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/21(日) 21:23:17.97 ID:X4Bh/p5V0
【水の国 公園】

……………………

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】
【街灯の明かりに照らされて、事更に物憂げな表情を浮かべたまま、静かに空を見上げ、立ち尽くしている】
【周囲に人気は無く、寂しい空気も相まってか、公園そのものが冷え切った様な雰囲気が漂っていた】

…………はぁ…………

【何かを追憶している様な遠い目のまま、青年はため息を一つ零した】
【それに答える様に、寒風が微かに公園を吹き抜け、青年の短い髪がサラッとそよぐ】

……こんな風にぼおっとして、何になるって言うのか……

【やがて上にあげていた視線を戻して、青年は目を伏せる】
【それでも、何か胸の内にこみ上げるものがあるのか、立ち止まったまま静かに瞑目していた】
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/21(日) 21:25:42.55 ID:ukYuGPSM0
>>702

「俺の様な人斬りをやっているとな、主に3つの感情に出くわす」

【投げられた岩】
【その直線的な起動故に悠々と見切って避ける】

「1つは歓喜。これが最も多い、力を持った者は多かれ少なかれ皆が皆戦いに飢えている。貴様の様にな」

【再び剣を構え、刺突する忍装束】
【狙いは首】

「2つは優越感。力を持った者は俺の様な者を見ると自分が勝てると確信するらしい」

【剣が避けられたのなら、今度は刃を翻し】
【今度は首を横一文字に狙う】

「そして3つは怒り。どいつもこいつも自分が死ぬわけはないと、
 自分の大切な物が傷つけられるわけはないと確信している。何の根拠も無くな!
 そしてそれが破られると怒り狂う! 逆上する! その確信は驕り以外の何物でもないというのに!」
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/21(日) 21:38:34.82 ID:BFE5qg1Io
>>704

「ヘケケケ、俺って難しい事考えるのって嫌いなんだよなァ〜ッ」
「――好きなモンは好き、嫌なモンは嫌、それで十分だろォ?」

【ガッ!】 【地面を右脚で思いっきり蹴れば、地面の石が辺りにへと飛び散る】
【よく見れば、先ほど投げた岩と同様の棘が生えていて――飛ぶ高さはそちらの脚くらい】
【範囲が広いとはいえ、狙いはないも同然】

『……後、怒らせると怖いタイプというのは少なからずいますね……例えば……――』

【女性のその呟きは、距離的に殆ど聞こえないだろうか――】
【――男は、相手に対して低い姿勢で接近を試みる】 【それは、回避と攻撃を両立させた行動だ】
【確かに刃は頭部に1cm程の傷を負わせ、本来狙っていた首――ではなく、右腕を斬り裂いた】

【接近に成功すれば、彼は左腕――10cm程の無数の赤い棘の生えたそれを、そちらの胴体に向けて振るうだろう】
【その棘は、今までの緑色の棘よりも強力で――硬さも鋭さも】
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 21:51:14.38 ID:ukYuGPSM0
>>705

「ふぅん。怒ると恐い、か。
 大切な物を守る為なら強くなると思ったか? 怒りで超パワーに目覚めるとでも思ったか?」

【忍装束は呆れたように呟くと】
【悠々と剣を盾に拳をいなそうとする】

「馬鹿が、怒ったら普通弱くなるだ・・・ろっ!?」

【拳を受けた瞬間、思わぬ力の大きさに後ろまで跳ね飛ばされる】
【膝を付いて着地をすれば、剣を持つ手が痺れていた】

「・・・まぁそれでも怒ると強くなるのは、普段は手を抜いている奴だな」

(なんという馬鹿力だ・・・!)

【手を振って痺れを取ろうとしているが】
【それでも剣には傷一つない】

「だが無駄だ、我が魔剣の名はノスフェラトゥ。その名の意味は不死の吸血鬼。
 この剣はその身に戦車砲が直撃しても折れることも曲がることも無い」

「それと」

【男の手を見れば、その棘が砂の様に崩れ、消滅しているだろう】

「我が魔剣は能力者の力を喰らう。まぁ貴様の能力にはあまり意味の無い力だがね」
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 21:51:36.95 ID:ukYuGPSM0
/そろそろ10時ですがどうしましょう?
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/21(日) 22:11:34.56 ID:BFE5qg1Io
>>706-707

「――ヘケケケ、俺の"赤棘"を防ぐとはやるじゃあねェか」
「ところでよォ〜、アウ、作戦ってこれで良いのか?」 『言っては行けません』

【彼の眼のように赤く染まっていた棘が、剣によって消滅しているのを見れば】
【これは面白い――とばかりの表情をし】
【一旦、その腕を引けば――棘は全て消滅する】

「あんたの反射神経……だっけ?」 「なんかそれが結構良い感じだからよォー、アウに相談してたんだ」
「っつゥーわけで、行くぜェッ!」

【――なんて言いながら接近を試みて、それに成功すれば繰り出すのは何の変哲もない左ストレート、狙いは胴】
【これがただのストレートパンチならば、回避も容易かったはずだ】

【しかし、先程ばらまいた石や――かわされた岩、それから一斉に棘が発射されたではないかッ!】
【一本一本の威力はそこまでではなく簡単に破壊できるはずだが、数は多く――】


【――さて、この行動の成功失敗問わず】

『……痛っ、やめてください』

【呑気に夜ご飯を食べていた女性が、複数のトンビに襲われてしまっていて】
【それを見た彼は――戦闘中にもかかわらず、真っ先にそちらに向けて駆けて行った】

「何してんだあんたらッ!」 「ヘケケケ、覚悟しな――おっと、あんたとの決着は次会った時だッ!」
「アウ、翼頼むッ!」 『別に私は大丈夫なのですが……仕方ないですね』 「待ちやがれェェーーッ!!」

【振るわれる拳、慌てて飛び立つトンビ達、――襲われていた女性が光となり、男の背に纏われそして翼となる】
【トンビ相手に大人げない――なんて思うかもしれないが、そもそも大人かすら怪しいので問題はない】
【そして、トンビ達を追う彼ら】 【……その後、トンビがどうなったのかは知る由もない】 【鳥インフルエンザでもないのにトンビの亡骸が近くに落ちていたとの噂も――】

/10時になりましたのでかなり強引ですがこれで退却したいと思います、お疲れ様でしたー
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 22:20:48.32 ID:ukYuGPSM0
>>708

「作戦・・・だと? それに、相談?」

【突然の事に訝しげに目を向けるが】

【直後】

【周囲から放たれる棘の弾幕が忍装束を襲う!】

「これ・・・はっ!」

【忍装束は剣を振い、棘を叩き落していくが】

「・・・くっ、3発被弾か」

【右肩と腹、そして足から血を流していた】

「なんだと・・・?」

【そして突如中断された戦い】
【いきなり翼を生やし逃げていく男を見送ると、ふぅとため息を吐く】

「最近飛んで逃げられることが多いな・・・」

【口惜しそうに、そして少し寂しそうに】
【忍装束はその場を後にしていった】

/お疲れ様でしたー&ありがとうございました
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/21(日) 22:56:41.94 ID:ACnhhN7vo
【裏町】

【路地裏、とまでは行かないが、治安の良くない地域である】
【薄汚れた道の両側に展開する建造物群は、その大半が入り口をシャッターで閉ざされ】
【辺りには、人の気配がかすかに漂ってはいるが、その姿は見えない。まるで互いにけん制し合っているかのように】

【水を打ったように静まり返っている町に響き渡る、重々しい足音】
【その主は、路地裏に通じる道から現れた】

【身長2メートルを超えているであろう、大男だ。角ばった顔つきに、短めに切りそろえられた黒髪】
【裏町の陰惨な空気にも劣らぬ、暗い光を灯した黒い瞳で、油断なく辺りを睥睨している】

【その身を包むのは、薄汚れた灰色の作業着と、その上の黒いラバー地のエプロン。足には黒いゴム長靴】
【見るからに怪しさと異様な雰囲気を漂わせている。路地裏から出てきたのは、むしろ自然な光景か】
【エプロンには、返り血の跡がついていたが、黒いためにあまり目立たない。しかし、血の匂いまでは誤魔化せない】

【大男は、路地裏から出ると一度立ち止まり、周囲を見渡して人影がないのを確認する】

相変わらずだな、ここは……このほうが居心地が良くて助かるが

【ポツリとつぶやくと、街道に沿って歩き出す。再び響き始める、ゴム長靴の足音】
【誰かが、この場に訪れれば、その巨体はいやでも目に入るだろう】
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/21(日) 23:05:36.83 ID:VbWaE3izo
【とある酒場】

【テーブル席とカウンター席のある中規模の酒場】
【壁にはテレビやらダーツの機械などがある。インテリアの雰囲気は静かめだが】
【立地のせいかやたらと元気のある人間が多くて、結果、大衆的になっている】
【それ以外の説明は個人の想像力にお任せする】

【時計の単身が11時をさした。もうすぐ、憂鬱な月曜がやってくる。】
【それも忘れようと躍起になっている客の中で一人の男は時間が止まったように】
【テキーラの瓶とトマトジュース、飲みかけのグラスをテーブルに載せて、新聞を読んでいた】

【フェルトの黒い中折れ帽をかぶって、スリーピースのスーツ、サングラス。】
【ネクタイの代わりに聖母マリアを象ったシルバーネックレスを垂らしている】
【足元は艶のある革のブーツ。 足を組んで、新聞を広げている】

【記事の内容は『―――銀行取締役員更迭。支店長再逮捕』】
【特定の個人に対して秘密裏に不正金利で貸付を行なっていたことが明るみに出たらしい。】
【匿名の人物からその証拠がメディアに送られ、人事異動とその他諸々が起きたそうだ】

【その新聞の内側には『噂の渦中の支店、休日を狙ったさらなる悲劇』】
【その暴露と同日に強盗団に襲われて、色々と持っていかれたらしい】
【8人のうち2人は死亡、3人は逮捕されたみたいだ】
【残りの2人と、リーダーと思われる男は今だ見つかっていない】
【十分に大きな事件だが、先のスキャンダルでろくに書かれていない。】

新聞てのは立派だ、事件に優劣をつけてくださるんだから
テレビをご神体に偶像崇拝でもやってやろうか

【酒で酔った気分だからつい口に出てしまう】
【鼻で笑って、煙草をふかした】
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/21(日) 23:24:24.56 ID:kFwwePJ90
>>710

【ひとのない町並み、灰色に透き通るような命の欠如、いくつも口をあける路地裏の暗がりがよく目立つ】
【明かりのひとつもないならば、行き先に死のたった一文字を掲げる交通手段のよう、まともなひとが近寄るわけもない】
【――だから、きっと。口こそ違えど暗がりの中から姿を現したなら。彼女だって、平常とは違う】

…………お父さん、変、だった

【僅かに俯いた顔、長い前髪がざらと隠す瞳は考え事に揺らいで、変わらぬ鈴の音の声がりんと夜によく響く】
【不安がるような声音でぽつぽつと呟いたなら、恰好の餌にも見えるのは、少女がひとり】

【――路地裏の暗がりよりも冥い色をした髪、膝と重なるほどの長さが、動きを真似るよにふらふら揺れて】
【前髪の向こう側に覗くのは、右が血色と、左が深淵色のオッドアイ。地面を見つめたなら、未だ彼には気付かず】
【白のワイシャツに合わせた黒のジャンパースカート、腰を締めるコルセットはなんら意味もなく】
【ふらり揺れる姫袖にも、スカートの裾にも、レースやフリルが生しては飾って、細い身体を誤魔化すよう】
【こんと地を打つのは底の高いロングブーツ。長たらしい靴下はパニエで膨らんだスカートの中に消えて】
【手や首元には包帯を巻いているくせに、ゆったりしたリボン結びで終わらせたなら、怪我の有無すら嘯くみたいに】

あいつ、じゃないよね? あの半魔――……、?

【気に食わないように顰めた眉根、むぅと唸る声が妙に伸びて持ち上がったなら、そこでようやく彼に気付いたらしい】
【向ける視線は硝子球みたいに艶めいて、まぁるくぱちくり瞬いたなら、見上げる視線に別段の畏怖も抱かない】

……誰も居ないと、血塗れだって、ばれないから?

【百六十センチの身長、ブーツで精一杯に上げ底したとて、百七十にも満たない高さ】
【一度は身長を測るみたいに見上げても、やがて向かうのはしっとり湿っているのだろう黒布――】
【首を傾げて尋ねたなら、その行為を咎めるでもなんでもない。世間話するよな風に、尋ねるのだろう】

【――その細身が羽衣のように纏うもの、人外の気配。敵意なんてものはないようだけれど、さて、どうだろう】
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/21(日) 23:54:56.11 ID:ACnhhN7vo
>>712
【闇の中から出でた少女の姿を黒い瞳が捉えた瞬間、足音がピタリと止んだ】
【こんな場所を平然と歩いている人間は、十中八九、いわゆる“まとも”からはかけ離れている】
【自分が言えた義理ではないが――内心で苦笑しつつ、大男は値踏みするかのような無遠慮な視線を少女へと送る】

【不安げに揺れる鈴の音のごとき声と、暗い前髪、それに覆われた瞳。オッドアイ】
【次いで、首元の包帯、少女が身にまとう服装ワイシャツとジャンパースカート、あしらわれたレースにフリル】
【手の包帯、ロングブーツに長い靴下、という順で。大男の認識が、少女の存在を観察していく】

(……妙だな。見たことのない女だというのに、どうも聞いた覚えがあるような姿だ)

【頭に踊る疑問符。どこかで、その少女の容姿について、聞いていたような覚えがあった】
【それを思い出す前に、少女のつぶやく半魔、という言葉に興味が向く】

(半魔……? まさか、彼奴のことではあるまいな……?)

【自分の所属する組織に存在する、半魔のことが、頭をよぎる。どうにかして、聞き出す手はないか。脳裏を交錯する思考】
【少女がこちらに気付き、硝子玉めいて丸い瞳を見据えながら、まずは最初の言葉に返答する】

……わかるのかね、この血が
そうだな、血濡れでも問題ない、というのもあるが……

私は見ての通りの風体だ。堂々と表通りを歩くのは、はばかられてね
その点、ここなら街中を歩いていても、とがめられることは少ないのだよ

【多くの場合、警戒や嫌悪を持って相対される自身の姿を見ても、平然としている少女】
【自分よりも、はるかに小柄だというのに、ひしひしと感じる異様な気配に、自然と警戒が強くなる】
【今のところ、敵意は感じられないが……と、そのオッドアイの上で、大男の視線が固定された】


(赤と黒のオッドアイ……赤と、黒……)

……No.99が、哲学者の卵を打ちこんだ、と報告していたのはお前か?

【二か月ばかり前に、己の所属組織、カノッサ機関の連絡ツールに流された情報】
【そこにあった情報と、目前の少女の特徴が、合致した。先ほど感じた、既視感の正体】

【半魔、という言葉を探ることも忘れ、思わず口にしてしまった】

(……我ながら、うかつな。もし、あの報告の女だとしたら……まずいな)


【口にしてから、己の不覚を呪った。自分の言葉は、自分が忌まわしき組織、カノッサの構成員であることを自白したようなものだ】
【あの報告の通りなら、機関に敵意を抱いている可能性が高い。次の瞬間には、攻撃されるかもしれない】
【自然と警戒態勢をとる。が、今のところすぐに攻撃に移れる状態でもない】
【少女がどんな行動を起こすにせよ、先手を取れるのは間違いないだろう】
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府)[sage]:2013/04/22(月) 00:12:55.02 ID:LsVk4Ut1o
【街中】

・・・・・・・・・・。
【人気のなくなった街中に金属がぶつかり擦れる音と、何かを引きずる音がする。その音の方へ目を向けると】
【闇夜を閉じ込めたかの様な黒髪を腰の中程まで届かせ、まだ年相応の、少女の幼さを伴う整った顔立ちの少女の瞳が暗闇で微かに光っている】
【半袖の白いブラウスの襟元には紺色のネクタイが緩く巻かれ、膝上丈のプリーツスカートからのびる白磁のような脚の右太腿には不釣合な大振りのナイフがホルダーに収まっていた】

・・・重い。
【その音の発生源。少女が華奢な両手に持つのは大きな布に包まれ纏めて紐で結ばれた様々な種類の剣が見れるだろう】
【おおよそ少女の力では抱えきれない本数の剣を布ごと両手で引っ張り、引きずる形で道を進んでいる】
【時折休んでは息を切らせる吐息が夜の街中に吸い込まれていく】
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県)[sage]:2013/04/22(月) 00:34:50.55 ID:9JRyRg9Vo
>>714
【人気の少ない街中に、重たげに歩を進める一人の少女。】
【運んでいる物は少々物騒ではあるが、然し、それでも尚ある程度に手ごろな獲物であろう。】

【道の脇から飛び出して、その少女の前に立ち塞がったのは、身の丈の低い軍装姿の人間だった。】
【ブカブカの、枯れ草色の軍服に、穴の空いた鉄製のヘルメット、其処から飛び出す一束の黒い髪。】
【そしてその手の中には、長大な木と鉄の小銃、その先には錆塗れの銃剣が備えられてあり。】
【また其の銃口と切っ先は、少女へと突きつけられていた。】


  ―――――― や、やいお前!! それ、置いてけ!!!!


【単刀直入に言ってしまえば、追い剥ぎ、だ。】
【ヘルメットと暗闇が手伝って、その顔を窺い知る事は出来ないだろうが、その声や身のこなしから分かるだろう。】
【それは、何と言う事は無い。その背丈と変わらぬ只の小童だ。】

【ともあれ、それは少女の荷物を狙っているのだ。】
【敵意と殺意は無いが、正当防衛は成立するだろう。さて、どうなるか――――――】
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/22(月) 00:39:00.87 ID:i3J6SaT70
>>713

【元よりひとの居ない街中、足跡すら止まったなら――かき鳴らすような静寂が、場を満たす】
【陽を知らないような白さも、蹴飛ばしただけで折れそうな細さも、裏の世界には似合わないようなのに】
【まして丸腰で通り抜けて来たというなら――何かしらの能力者だと思っておくのがきっと手っ取り早いだろう】

【彼が既視感に襲われようと、こちらから見れば、なんてことのない初対面】
【がちり見据えられる瞳には首を傾げつつ視線を返す、硝子球のオッドアイが瞬いて】

だって、……血の匂いがする、それも、たくさん
――すれ違っただけでみんな分かると思うな、そんなの棄てちゃえばいいのに。

【――黒に滲みこむ赤の色、分かりづらくとも、じぃと見さえすればきっと気付けるのだろう】
【けれど、そんな仕草もなかったなら。先の言葉を次げたときに初めて黒布へと視線を向けたなら】
【それに気付いた原因を辿るのは難しくもなく、あっさりと棄てちゃえばなんて口に乗せるのが、他人事の軽さ】

【(ひとよりちょっとだけ鼻が利く。そんな体質は、別に余談と片付けてしまっていいのだろうけれど)】

【お父さんよりも大きいのかな、なんて。ふらり零した思考は表情にも出ないなら、誰にも分からないまま、流れていく】
【そんな頃合だろうか、尋ねられたこと――突き落としたように温度を喪うなら、向けるのは褪めた色】
【胸元のリボンにそっと触れる右手、軽く握った中に魔力の気配が溢れて示すのは、警戒と威嚇】

……そう、おまえ、カノッサだったの。
なら、そうね――……表通りなんて、歩かないほうが、いいかも

【金属質な声、しんと冷えて落ちたなら、機械めいてひとらしさはどこへやら】
【九十九の数字に反応を示したことからしても、彼女が本人だと思っていいのだろう――少しだけ、差異はあるけれど】
【例えば瞳の色。報告にあったものとは、左右が逆になっている。どんなことがあればそんな風になるのかはさておいて】

……――聞きたいことがあるの、答えてくれたら、痛い目は見ないで済む

【――警戒、威嚇、敵意と紙一重でも、まだ。牙を剥くには、少しだけ早い】
【先手を取らない変わりに投げる問いかけ、断るならば、その先は考えるまでもない】
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府)[sage]:2013/04/22(月) 00:53:13.58 ID:LsVk4Ut1o
>>715

【道の脇から飛び出してきた人間、更には武器を構えた者に対し少女は―――】

・・・こんばんわ。何か御用でしょうか?
【全く意に介する様子もなく。見せつける様に緩慢な動きで荷物から手離すと】
【無表情のまま小首をかしげ問い掛けた】

できれば夜も遅いので、道を譲って頂きたいのですが。
【全くと言っていいほど敵意は見られず、同じく動揺も見られない】
【ただただ立ち止まったその場でそちらを値踏みする様な目付きで赤い瞳が見つめていた】
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/22(月) 01:00:39.17 ID:W7+YlOIzo
>>716
【静寂――物音ひとつしないというのに、チリチリと肌に感じる、威圧感】
【丸腰でこの場に現れたことを考えても、恐らくは能力者。それも、この場に無傷で現れることが出来るだけの、実力者】

【瞬く非対称の瞳の無機質さと、続く言葉を、高まる警戒心とは裏腹に、かえって冴えていく意識の片隅で感じる】

なるほど、匂いか……匂いが強いのは道理だ、返り血を浴びたのはついさっき、それも複数人が相手だったものでな

このエプロンは、お気に入りなのでね。そう簡単に、捨てる気にはならんのだよ

【つい先ほどまで、路地裏のチンピラたちを解体していたせいか、鼻が鈍っていたようだ】
【それとも、彼女の鼻が利く、ということか。そんな思考は、あまり長くは続かず】
【あっさりと棄ててしまえば、と告げる軽い言葉には、同じくたいして気のこもっていない軽口で返す】


……!!

【そして、ただでさえ硝子のごとき様相だった少女の瞳が、そのまとう気配が、一気に冷たくなったと同時】
【大男の瞳がわずかに見開かれる。あふれ出る、魔翌力の気配。自身へ向けられる威嚇。プレッシャー】
【この世界では、見た目など当てにはならない。改めて、それを痛感させられる】

……末端の、一構成員に過ぎんがね

【もはや、人間味の感じられぬ彼女へと、短く肯定の言葉を返す】
【同時に、その反応から報告にあった通りの人物である、と認識する。オッドアイの色が逆になっていることにも気がつくが】
【その場で展開する冷たさを前にしては、それに意識を割く余裕はなかった】

(報告によると、能力は酸性の液体の操作……私の能力では、恐らく分が悪いな)

……私に答えられることなら、答えよう
何が聞きたい?

【大男は、利己的な人間であった。こんな状況でも、思考が向くのは己の損得。明らかに機関の敵であろう少女に、情報を漏らす可能性すらあるというのに】
【自分が無用なダメージを負うくらいなら、多少の情報を売り渡すことも厭わない。そう考えて、彼女の問いを聞く姿勢を見せた】

【しかし、質問の内容によっては、この場での戦闘のリスクを負ってでも、情報を秘匿する必要があるかもしれない】
【ゆえに、警戒は解かず。初手の不覚からも立ち直り、いつでも応戦できるようにしながら】
【大男は、少女の放つ問いをい待った】
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県)[sage]:2013/04/22(月) 01:09:55.86 ID:9JRyRg9Vo
>>717
【はてさて、帰ってきたのは、銃剣先を何の意にも介さず、ただ其処を退けと言う言葉のみ。】
【経験浅い小童といえども、銃口を突きつけられるような状況でこの対応をとる異常さ加減はよく分かる。】
【ならば。向けて分からないならば、引いて放って分からせるのみ。】

  お、お前………人の話を聞けよっ!!!!!!

【引き金を一息に引いたのは、其の言葉を言い切った直後。】
【少女にアクションが無ければ、破裂音と硝煙、それと、鉛玉の形をした"異能"が、右肩辺りを掠めていくことだろう。】
【それは衣服の内側の、紛れも無い少女の身体に痛みを与えるだろうが、然し、外傷は作らず、衣服を焦がす事も無い。】
【殺意の無く放たれた弾丸は、確かに少女を傷つける事は無いだろうが。】
【強烈な炸裂音と、銃口が噴き出した煙、それと痛みは、十分に恐怖を煽る要素にはなる筈だ。】

 
 次は、実弾を、当ててやるからな……!!!!!!


【但し、その威圧が、銃口を向けられ様と怯え一つない少女に対して効果がある物かはわからないが。】

 
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/22(月) 01:22:17.65 ID:i3J6SaT70
>>718

【折れそうな身体、きゅっと握った手もまた例に洩れず、細く白くかすかなもの】
【それでも手のうちで煌く色があったなら、混ざりこむのは少量の違和感、気付けるだろうか】
【黄緑色と桜色を混ぜ込んだグラデーション。末期の御衣黄桜にも似るのは、たったひとりの魔力じゃない】
【どちらかが彼女のものだとして――そう、もうひとり分が、彼女の手の内にある】

末端でもいいの、どうでも。……最低でも餌ぐらいにはなってくれるよね?
それとも、十把一絡げなのかな――味方なんて、関係ないのかな

【指の隙間から零れた魔力は、桜の花弁を真似て、ひぃらりと地面に落ちて――何かに触れれば、そうと毀れゆく】
【そこにはまだ何の意味合いもない。余剰分の発露、今更攻撃に転用することも出来ないなら、この世から消えるだけ】

……リリアって女。お前のところに居るんでしょう?
用事があるの、聞きたいこととか――そう、お礼しに行かなきゃいけないの

――だから、居場所。教えてくれたら嬉しいな、知らないって、言っちゃだめ

【魔力を抱く右手と、空っぽの左手と。唇に添えたのは、左のほう】
【細めた瞳は「教えてくれるよね」と言うかのよう、言葉でも押したなら、正解をくれる以外は認めないとばかり】
【何でも飾らない爪先は素の色で唇を彩って、その向こう側にはほんの少しのちっちゃな笑み】
【(お礼。そのままに取っていいのか、お礼参りを意味するのか、それすら今は分からなくて)】
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府)[sage]:2013/04/22(月) 01:40:53.53 ID:LsVk4Ut1o
>>719
【こちらの反応に対し明らかに動揺を隠さずにいる相手に向かい】
【少女は物思いにでも耽る様にして目を細め】

おかしな人……ですね。
【本当に不思議そうに、ポツリと呟きながらも】
【銃口がどこに向いて引き金にかけられた指の動作だけに視線を注ぎ】
【直後、言葉を耳にしながら】

―――ッ!
【放たれた異能は少女の肩を掠め】
【二歩三歩後ずさりして右肩を抑えるが、全く出血も外傷も衣服の汚れすらなく痛みだけを受けたことに気がつく】
【何かを理解したかのように少女は先ほどと全く変わらない顔色のまま其方へ向き直ると】

聞いていますよ?

【まるで恐怖を感じておらず、どんな状況にいるのかすらわからないと言わんばかりに淡々と告げて】

私を、殺そうとしているんですか?
【右肩を抑えたまま、また小首を傾げてみせた】
【その様子からはどことなく気だるさすら感じさせるほど、それほどまでに敵意は未だに見せていないだろう】


722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage saga]:2013/04/22(月) 01:59:50.62 ID:W7+YlOIzo
>>720
【儚いとすら思える、彼女の細い肢体。にもかかわらず、落ちることのない警戒レベル】
【大男の暗い瞳は、その手で煌めく魔力に見られる異様を確かに捉えた】

(……なんだ、あれは? あのような魔力など見たことがない……)
(二人分、か? どういうことだ……デュアルたちでもあるまいに。“卵”の影響か?)

【またも湧き上がる疑問。しかし、今はそれにばかり気を割いてはいられない】
【見てとった情報は、頭の片隅にとどめ置く】

さて、私が餌になり得るかどうかは、甚だ疑問だね
少なくとも私が見てきた限りでは――危機に陥った味方を、何の利害もなしに救おうとするような人間が
カノッサに所属していたことなど、まずなかった

【脳裏を駆け巡る、機関員たちの記憶。あるいは顔を合わせ、あるいは情報を聞いた者たち】
【いずれ劣らぬ、恐るべき者たち。一筋縄でいかぬ曲者たち】
【自分が窮地に陥ったとして、手を差し伸べる存在が、果たしてどれほどいることやら】

【そして、つむがれる言葉を耳にした途端――ピクリ、と大男の眉が動き、不機嫌そうな表情を形作った】

(やはり、半魔とは、彼奴のことだったか……ずいぶんと、あちこちで恨みを買っているようだな)

……ああ、よーく知っているとも
あの悪魔に用事とはな。私なら、なるべく顔を合わせないようにするがね

【口を開けば、放たれる言葉は、ひどく忌々しそうなもの。リリアを良く思っていないものが、機関内部にもいる、ということが少女にも伝わるだろうか】
【こぼれおちる桜の花弁を瞳に映しつつ、表情を戻して、続ける】

……一か月と少し前、風の国の交易都市レナールが壊滅したのは知っているかね?
あの事件の首謀者が、あの女だ。今現在、魔都と化したレナールを占領している、巨大な逆さの塔……

あれが、彼奴のアジトと見て、まず間違いない

【魔力を抱いたままの右手を見据えつつ、その問いに答える】
【半魔リリアは、この大男にとっても、疎ましい存在だった。彼女にれ期待する相手が増えるなら、むしろ望むところだ】

【答えた後、大男の瞳は蓋t美少女をねめ回す。唇に添えられる左手、わずかな笑み、女性的なしぐさ】
【年頃の少女がこういう行動を取れば、多くの人間はかわいらしい、などど思うのだろうが】
【ただでさえ陰鬱な空気に包まれたこの裏町で、両者の間に飛び交う気配をもってすれば、そこに愛らしさを見出す余裕などなかった】
【もとより、この大男にそんなまともな感性など、期待できないが】

……しかし、あれにお礼とはな。そのままの意味にとっていいのかね? あれが、お礼をされるようなことをするとは思えないのだが
それとも……殴り込みでもかけるつもりか?

【今度は、大男が疑問を投げかける。恐らくは後者であるだろうと考えながら。自身もそれを望みながら】
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/22(月) 02:03:24.50 ID:W7+YlOIzo
>>722
/彼女にれ期待する相手が増えるなら〜
/→彼女に敵対する相手が増えるなら〜

/大男の瞳は蓋t美少女をねめ回す
/→大男の瞳は、再び少女をねめ回す


/に訂正でお願いします。お眼汚し申し訳ありません
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県)[sage]:2013/04/22(月) 02:05:43.10 ID:9JRyRg9Vo
>>721
【槓桿を弾くように上げて、勢いよく引っ張れば、黄金色の異能の残照が小銃から弾き出される。】
【それは地面にぶつかること叶わずに、まるで空気中へと溶ける様に雲散霧消して消える。】
【姿形こそ夢幻の如くだが、痛みは三レス間、変わらずに残留し続ける筈。】
【恐怖を抱かせるには十分、の筈だ、が。】

  ――――――なんで、だよ…!

【確かに痛みは感じている筈。そんな素振りも見せている、後退りまでした、だが、】
【顔色一つ変えずに、小首を傾げて見せるのだ。その様相に、気圧されるのはこちらの方だった。】
【小銃の銃口を一時的に少女からそらして、地面へと目を落とさせ。左手の指を立てて】
【その様々な刀剣類へ向けて指を指して、焦りを多分に含んだ声で、こう叫んだ。】

  だから、俺はそれさえ置いてけば殺さないって言ってんだよ!
  それだよ、その、刃物達さえ置いてけば、それでいいって言ってんだ!!

【そうして再度銃口を少女へと向ける。銃剣先は、よく見れば細やかにフルフルと揺れていた。】
【経験不足と、銃口を向けても、ましてや撃たれようと顔色一つ変え無い様な、意外な物に出くわしたこと。】
【それが、それの身体を小さく震わせる。】

  おかしいのはお前だよ、聞いてるんなら、置いてけ、それ!

【それでも尚、それは逃げる事無く少女へと吠え付いた。それが正しいかどうかは、はてさて。】
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府)[sage]:2013/04/22(月) 02:21:51.11 ID:LsVk4Ut1o
>>724

なんで、と言われましても困りましたね。
【あいも変わらず淡々と無表情で、全く困ってはいない様子で言うと】
【痛みの残る右肩に左の手を添えながらゆっくりと前に歩を進める】

殺さない…ですか。
それは少し言い方が違うかもしれませんよ?
【真っ直ぐに少女は闇の中であって微かな光を集める真紅の瞳で見据え】
【敵意も殺意も好意も―――そう、何もなく】

殺せない。ですよね?
【言葉としては問い掛けていても、疑問ではなかった】
【明らかな確信をもって少女はその言葉を投げかけたのだ】
【しかしそれは挑発とも、馬鹿にしているものでもない。淡々としていてどこか高圧的で】
【対照的に歩みは緩やかに其方へと進んでいくだろう】





726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/22(月) 02:34:01.43 ID:i3J6SaT70
>>722

【初めから気付かれていたこと、ひとのかたちをしておきながら、人間でないこと】
【このいきものは生物が酸素を求めるのと同じぐらい、魔力を必要とする】
【自分で賄うに不安があるならば、やどりぎめいて誰かに貰えばいい。その結果がこれ――なんて、言わないけれど】

……そうなの? つまんない、目の前でお仲間がとろとろに逝っちゃってても何もしないのかな
いろいろしたいことだってあるんだよ、仕返しとか――でも、それなら、お前にはいいや。

【彼は撒餌に成りえない。拗ねた風に紡ぐのはどこか演技めいた色もあって――本当に期待していたわけでもないらしい】
【溜息交じりに紡ぐ言葉の中に混ざりこむのは、九十九番の報告を裏付けるような、異能を示すような節】
【“いろいろ”とひっくるめた中身、怨み言とかをたくさん詰め込んだプレゼントボックス――彼には渡さないと、今は口にして】

【――不機嫌そうな表情。ハズレを引いたかと顰める眉と、傾げる首と。ただ、続く言葉と表情に霧散する】
【変わりに浮かぶのは、ひとつ。自分の思い通りに動いたこと、ちょっぴりでも嬉しそうなら、子どもぽい表情が覗く】

……――知ってるけど、知らない。忙しかったし、興味ないの、ちょっと聞いただけ。
そう、でも、……そう、そこに居るの? わたしのこと、騙してないよね?

【一月と少し前。その頃の記憶を辿ったなら――それ以外のことで、記憶は埋め尽くされている】
【(ひとつの命もなく隔離された世界、動かないお人形と化した最愛、たったひとりの空間、気の狂いそうな静寂――)】
【だから。きっとそれなりに話題になったのだろうことにも、返すのは世間知らずに程近い反応】

【――右手にぎゅっと握られた魔力色、ちりちりと花弁で零れるなら、花嫁の投げるブーケのようにも見えるのに】
【首を傾げて向けたなら、不思議な色合いがずっとずっと綺麗に見えるはず。まかり間違えても頷かないのが吉】

お父さんに怪我させたの、あいつが居なければ、そんな怪我、しなかったはずなのに
わたしだって……、それに、卵なくしたのあいつだって、お父さんが、言ってたから。

【尋ねられる理由――眼を伏せたなら、長めの睫毛が刹那、視線を隠して。逡巡は長引かず、紡ぐのは】
【この場に居ない誰かのこと、それなり以上の気持ちを寄せているのか、ぐぅと露になる不機嫌色が、子どものよう】
【それで居て自分のことなどどうでもいいように千切ったなら、付け足すことだってどうでもよさげに紡がれる】
【(報告どおりなら卵をふたつ抱いているはずの彼女。この言葉を信じるなら、その身に宿した双子はもうない、のだろうか)】
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県)[sage]:2013/04/22(月) 02:34:48.65 ID:9JRyRg9Vo
>>725
【何でこんな事に、とそれは思う。】
【元いた世界では銃や刃何て分かり易いほどの畏怖の対象だったし、この世界でもそれは変わらない筈だ。】
【事実今までこれで脅せば、大抵の人間が金品を置いて逃げていったのに、と。】

【――――――運が良かった。】

【其れは、今の今までこういう人間に遭遇しなかったのだ。目に見える暴力に屈しない。】
【例えば、胸やけをするような悪人に。燃え上がるような正義漢に。何も持っていないような者に。】

  こ、殺せない訳が!お、俺は、陸軍軍曹の……!!!

【撃てない。見透かされたようにそう言われて、引き金に手をかけるも―――次弾は実弾だ。】
【撃てば目の前の何の罪も無い人間を。殺してしまうかもしれない。】
【それが何だ、そんな物戦場でいくらでも見てきただろう、と自分を説得しても、指先は固まった様に動かない。】
【まるで、"人を殺した事が無い健全な一般人"の様に。】

  う、うう、う……!!!!!

【そう呻き声を挙げて、今度はそれが、数歩、後退った。】
【引き金を引けない銃を、銃剣を突き刺しやすい様持ち替えて、しかし振るう事は無く。】
【ヘルメットの下では、想定外の事態に混乱した結果、目尻に涙を浮かべていた。】
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府)[sage]:2013/04/22(月) 02:55:07.06 ID:LsVk4Ut1o
>>727
【その様子を見て何の感情も抱かずにいる少女は】
【まるでこの状況を―――目の前にある暴力をあざ笑う様に、散歩でもしているかのような緩やかな足取りで一歩を踏み出し】

理由があります。
普通、人を銃器で狙うなら『ここ』です。
【少女は今だ痛みがひかない右肩から手を下ろし、自身の胸に手を置き】

武器は人を脅す為に作られた道具ではありません。
武器とは人を殺める為に作られた高尚なものなんですよ?
凶器は…素敵です。
【諭す様な優しい口調】
【凶器を突きつけられながらも、少女は陶酔したように銃口を見つめ】
【さらにそちらに一歩】

わかりますか?
【さらに歩みを妨げなければその距離は接近戦へと変わる距離になるだろう】
【そして―――】

それに私なら…
【ゆっくりと左手をそちらに向け、銃剣の方に手を差し伸べつつ】
【何も感じていないような少女は初めて】

殺してから奪います。
【まるで当然だと言わんばかりにやはり淡々とそう言い切ると】
【ほんの少し微笑んでみせた】
【あまりにも魅惑的に、まるで変わらない敵意のなさで】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage saga]:2013/04/22(月) 03:12:46.33 ID:W7+YlOIzo
>>726
【大男の視線に映る異様な魔力。人間離れしたものすら感じられる】
【残念ながら、見ただけでその正体が魔力を得るために寄生するようなものだとまでは、看破できなかったが】

あくまで、私の知りうる限りでは、だ
中には、仲間意識の強い機関員もいるやもしれん
そういう真似をするときは、用心することだな

【彼女にはいらぬ忠告であろうが、これはただ、適当に言葉を垂れ流したに過ぎず】
【思考は、その言葉から察せられる、彼女の異能のほうへと向いていた】

それはありがたい。とろとろにされて死ぬ、なんて最期は、いくら私でも御免だ

【今度は、素直な言葉である。ろくな死に方が出来ないだろうことは自覚しているが】
【さすがに、生きたまま溶け崩れるなんて最期は、避けたい】
【演技めいてはいるが、そのありがたくない贈り物は確かに彼女の手のうちにある、と考えると】
【それが自分のもとに届かないことは、喜ばしいことだ】

(……不機嫌になったり、嬉しそうにしたり、こうして見ると年相応だな)
(それと同じ身体で、人間を溶かし殺すというのだから、まったく恐ろしい限りだ)

そうかね。ずいぶんと騒がれたはずだから、少し調べれば最低限の情報はすぐ集まるだろう

ウソは吐いていない。私も、あの女は、正直なところ目障りだ。彼奴が損害を被るというなら、ウソなど吐きはしないさ
信じるも信じないもお前次第だがね

よく知らないなら、もうひとつ教えておこう
先ほども言ったが、今のレナールは魔都だ。あの女の手によって街の住人は残らず化け物に変えられた
今でも街は黒い霧に閉ざされ、元住人たちが徘徊しているらしい
あの地に赴くなら、そのことは踏まえておくといい

【彼女の記憶を占領する出来事は、知る由もなく】
【放つ言葉は、リリアを快く思わないということと、レナールの現状に対する忠告】
【リリアの敵を増やさんがため、利己的な目的のもとに行われた忠告ではあったが、事実でもある】


【そして、不可思議なほど美しく見える、魔力の花弁。空中に舞うその色を目にしても、大男は微動だにせず、ただ見つめていた】

……なるほど、お前自身ではなく、親が手を出されたのか。ではやはり、お礼参りをしにゆくつもりなのだな

(“卵”をなくした……そういえば、No.99の報告では、すでに孵化している、と……先ほどの魔力のことを考えると)
(“卵”を、二つも抱えていた、のか? あの悪魔がそれを取り除いたと?)
(どうにも、わからんな……そもそも、この女が何者なのかもわかっていない。それを思えば、わからんのも道理だが)

【伏し目がちにどうでもいいことのように告げられる、理由。そこからくみ取れるのは、彼女に埋め込まれた“卵”のことと】
【彼女が、『お父さん』を強く慕っているのであろうこと。その『お父さん』も、恐らくはリリアに敵対しているということ】
【その程度だった。現状では、不明瞭な点があまりに多い】

(さて、このまま踏み込めば、どうなることか。下手をすれば、また敵意をこちらに向けてくるかもしれんな)
(しかし、虎穴に入らずんばなんとやら、でもある)

……あの女が、お前の中の“卵”を抜いた、ということかね?
ふむ……何の目的があったのやら。彼奴については、どうにもわからぬことが多いな

なぜ、あの女はそんな真似をしたのか、知っているかね?
お前の父親と、何か関係しているのか?

【虎穴に入ることを選んだ。少女にしてみれば、そこまで答える義理はないだろう。何せ、相手はカノッサの構成員。敵対者の一人である】
【次の瞬間には、溶解されているかもしれない。しかし、情報は何にも代えがたい】
【ゆえに、少女の事情に無遠慮に踏み込む。警戒態勢は解かないまま】
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県)[sage]:2013/04/22(月) 03:16:34.26 ID:9JRyRg9Vo
>>728
【一歩、少女が踏み出した。ひっ、と小さく悲鳴を上げて、また一歩後ろへと引き下がった。】
【その拍子に、影と共に目元を隠していた鉄兜が、後方へとズルリとズレて、その顔を月光に晒した。】
【異常だ。漸くそう感じ取った。逃げなければならない、嗚呼、足が動かない。】
【この距離ならば、銃剣を振るえば当たるだろうか。しかし、外見も、それに伴う精神も、年若い少女には無理があった。】

  だ、だって、だって、だって―――――――――

【武器は人殺しの道具。それは素敵なもの。そんな風に語る彼女に、思考は追いつかず。】
【つっかえる様に同じ単語を幾度か吐くだけしか、出来ず。】
【恐怖している。恐怖を持たないような、危険を危険と思わないような、見透かされているような。】
【其の事に少女は、恐怖していた。】

  分かるかよ、そんなの……
  く、来るな、来るなってば………!!

【着実に縮まる距離。銃剣先を突き出すが、今更何の抑止力にもなりはしない。】
【そうして少女は、錆まみれの銃剣へと手を伸ばし―――――――――】


  さ、触るなぁ!!!!!!!!


【声を張り上げて、それを拒否し、小銃を抱きかかえて、また後方へと二、三歩後退った。】
【少女は、この小銃を触られることを嫌う。『殺してから奪う』と言う言葉への、過敏な反応と―――――敵意のない不気味さに。】
【それが、反射的に勇気を振り絞らせた。】
【さて、この人物に最早その無数の刀剣類を奪おうという気は更々無い。危機は、暫定的とはいえ去った訳だが―――】
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/22(月) 03:52:20.71 ID:i3J6SaT70
>>729

【――ふわりと一陣抜けていく風、くるり渦巻いたなら彼の纏う血の香りを僅かに連れ去っていく】
【揺らされた黒髪に浮かぶ天使の輪っかのハイライトがぐちゃぐちゃに乱れる数秒――やがて、乱れは首の動きだけで直されて】

……そう、忠告ご苦労様。じゃあ、毀すときは誰にもばれないようにすればいいのね?
お前だって――誰かのためになんて、動かないんでしょう? だったら、いいよね、それで

【いろいろと痛い目に遭わされたなら、手を出さないという選択肢は見失ったまま、道は歪む】
【それを機関員の目の前で言ってしまうのだから迂闊――それとも、自らの力によほど自信があるのだろうか】
【「そうだよね?」と尋ねるような瞳が見上げる、傾げた首に、さらさらと黒髪が流れて】

名前。教えてくれたら、信じてあげる。
――だいじょうぶよ、他のみんなには黙っててあげるから

【選択肢はふたつ。知りたくて尋ねたのだから、選びたいのは信じる未来】
【それでも僅かに不安を残したなら、払拭するために求めたのは、名の提示】
【裏切りにも近いことをさんざ聞いているのだからと、ひとつ条件付けて――左手、契るかのように小指を示して、伸ばしてみる】
【――別に指切りがしたいわけでもない。約束するという意味合いは、どう受け取ってももらえるのか】

【彼が齎してくれた彼の地の情報。記憶に刻むよう、逸らした視線を伏せたなら、ふつと横たわる沈黙が刹那】
【「知り合いが居ないならいいや」――それを確かめる方法なんてないのに、飽いた玩具を投げるかのよう】
【悲痛さは砂粒のひとつほども抱かない。見知らぬひとなんて、ひとでないと、そんな風で】

【(彼女が意識を向ける先、辿ったならば、そのほぼ総てが父親へと向かうなんて、余談だろうか)】

お父さんがそう言ったから、きっと本当なんだと思うの――だって、ないのは、本当だから

……でも、わたしは、知らない。前は、お父さんを殺す意味はなくなったって、言ってたけど。

【卵を抜かれたことは本当。確実に当事者なのに、何も知らないなら――その現場に、居合わせなかったのだろうか】
【だとしたら。この件に関しては彼女に問うより、父親を探すほうがきっと効率がいい(――教えてくれるのかは、別として)】
【ついと付け足してみるのは最初で最後に会ったときのこと、何かの解を導くためにはあまりにも、足りなくて】
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage saga]:2013/04/22(月) 04:26:46.21 ID:W7+YlOIzo
>>731
【裏町においては、吹きわたる風すら、どこか粘っこく。さらわれていった血の匂いとも、溶けあうかのように】
【乱れを首で直す彼女、対して大男はわずかに肩を動かす。長く警戒していたために、首の動きに過剰反応したのか】

誰にもばれずに、などという芸当が出来る程の実力があれば、な

(……危険人物として、マークしておく必要がありそうだ)

【言ってはみたが、そもそも悪名高きカノッサに積極的に歯向かう時点で、ただものではない】
【彼女なら、本当にやってのけるかもしれない】

……お察しの通りだ。私も、自分のためにならんことを、進んでやるような人間ではないよ

ああ、それで構わないとも

【少しばかり、口元を歪めての返答。ついさっき会ったばかりの少女にも看破されるほど、己の利己心は見抜きやすいのか】
【それとも、彼女が機関員すべてを同列に見ているのか】
【尋ねるように見上げるオッドアイと、流れゆく黒髪を見つめ、敵対者相手に、肯定してみせる】


【続く、彼女の要求。一瞬、固まる。リリアに関することでは、すでに反逆行為に等しい真似をしていた大男だったが】
【あのときは、発覚せずにやりおおせた。今回は、情報が漏れるリスクを確かに孕んでいる】
【彼女の、黙っている、という言葉を頭から信用するはずもなく。しかし、相手は悪魔リリア。打倒の可能性があれば、わずかでも見逃したくはない】

……カニバディール
カノッサ機関一般構成員の、カニバディールだ

……お前の名前も、聞かせてくれないか

【伸ばされる彼女の小指に、投げられる言葉に対して。右手のひらを自分の胸に当て、自らを指して名乗った】
【そのまま右手をわずかに彼女のほうへと伸ばし、相手にも名を尋ねた】
【人の形をした少女のつむぐ、約束の意味に、得体のしれない何かとの契約、といった場面が想起された】
【互いの目的、互いの事情のための、身勝手で小さな約束。そんなイメージ】
【でも、破られた時は――針千本を飲み下す、だけでは済まなそうだ……お互いに】


【ひとかけらの同情も悲痛さも感じられぬ、まさに投げ捨てるかのような言葉】
【彼女の想いが向く先以外は、きっとみんな同じ扱いなのだろう】

(それだけに、愛情は深く重い、のではないか。その父親がどんな人間か、一度見てみたいものだな)

【一人の少女の意識、そのほぼすべてを独占する“父親”。一般的にいう親子の関係、とは違うもののように思えた】
【まさか、その“父親”が、己の知る人物、かつての機関員『心臓』の兄弟とは知らず】
【まだ見ぬ“父親”にも、汚れた好奇心をはせる】


ふむ、そうかね……。答えてくれてありがとう
しかし、お前の父を殺す意味がなくなった……? なんとも不可解だな。そもそもなぜ命を狙っていたのか

何をたくらんでいるのかは知らんが、やはり目的達成の過程で、お前も含めて方々に敵を作っているのは確かなようだな
そういった者たちの手で、あの女が滅ぼされてくれることを願おう

【彼女がこのことについて詳しく知らないらしい、と察するとすぐに追求を止める】
【やはり、尽きぬ疑問を残しつつも……最期に、当たり障りなく、かの悪魔の破滅を願う言葉を添えて】


……さて。そろそろ朝も近いな。日の光のもとを堂々と歩くのは、性に合わない
私はねぐらへ戻るとするよ

……最後に何か、言いたいことがあれば、聞いておこう

【そろそろ白み始めるだろう空を見上げて目を細めると、大男はそう告げた】
【もう、無遠慮に眺めまわすことはせず。彼女のオッドアイを正面から見据えて】
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/22(月) 05:15:50.12 ID:i3J6SaT70
>>732

【カノッサ機関。別に、最愛の父親を、自分を、害さなければどうでもいいとも言い切れたけれど】
【その可能性がちょっとでもあるなら。牙を爪を砥いでおくことは、きっと無駄じゃないから】
【危険物といえば危険物なのだろう。それも、最愛のためなら何でもしでかす、制御の利かないタイプの】
【子どもに凶器を持たせたような危うさは紙一重、上手く扱いこなせるのは、きっと、父親だけ】

【(――骨すら残さないのに)なんて思考は、飲み込んだ喉で鈴を鳴らすよう、くすくすと笑う】
【初めてまともに浮かべた笑顔、それで居て中身が歪みきっているとなれば、やっぱりこの街に似合って、普通じゃない】

だって、仲間を何もなしに助けてあげるおひとよしさん、“知らない”んだもんね

【考えたこと、正解発表は彼女にちょっとしたご機嫌を齎したらしい。ふわり零したのは、先よりいくらか毒も抜けて】
【そのあり方を責めるでもなければ咎めるでもない、どちらかと言えば立ち位置は肯定の側――】

【形だけで差し出した小指、違う形で受け入れられたなら、そうっと引っ込めて】
【ぎしぎし鳴る橋を渡るような名のやり取り――傾げた首は、何の意味も持たない】

鈴音

【唇へ人差し指が添えられたなら、「ないしょ」と落とす声のトーンは、何に憚るでもないけれど】
【どこの国の基準から見たとて苗字の類を含まない名乗りは、そもそも存在しないのか、教えるまでもないということなのか】
【――まあ、それに関しては。お相子といえるのだろうか。夜更けの契り、底に信用を置いてない秘め事】


……もうひとり居たから。捕まえたら、分かるかも――ね

でも、いいや。追いかけるなら、リリアのほうが簡単そうだし――……。

【彼女があの半魔の破滅を願うのは、きっと彼らよりもずっとちいさな理由。とっくに治った傷を追いかけるもの】
【それでも深く傾倒したなら、その命すら奪いたがる――分岐する矛先を今更示したなら、はて、誰を指すのだろう】
【あの場に居た“彼”。名も知らなければ、視界の隅でちらついた容姿すらどこか曖昧で、明確な言葉を持たないまま】
【――違いがあったとしたなら、彼は父親に傷を齎さなかったし、半魔は父親に傷を齎した。それだけで、こんなにも罪が違う】

……、お父さんに怪我させたりしたら、ぜんぶ、バラすからね。裏切り者だって

【視線が追いかけて、認めるのは薄らと白む空の色。気付いた途端に眠たくなったのか、あふと欠伸を噛み殺して】
【ぐしと眼を擦る手元、きらきら零れる魔力色は未だに失せないけれど――牙や爪としては、初めよりもずっと丸みを帯びて】
【そんなことをしていたから少しだけ遅れる言葉、誰がそうなのかも教えないなら、ひどい地雷を埋め込むよう】
【言い終えたならばもう何もないとばかり、ふらとどこかへ踏み出そうとするのだから――気紛れというなら、せめてマシに聞こえるか】
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage saga]:2013/04/22(月) 05:35:40.31 ID:W7+YlOIzo
>>733
【自分と、自分の大切な人間以外は、どうだっていい。そういう人間は見てきた】
【機関が――いや、自分が、無関心の内に入っているうちはいいが、この先もずっとそうだとは限らない】
【その危うさも含めて、彼女の姿かたちを、今一度しっかりと記憶にとどめる】

【自分の言葉に対して、もらす笑い声。普通ではない、とはわかっていたものの】
【やはり、こうしてその異常性をはっきりと目にすれば、多少の悪寒は禁じえなかった】

ククッ……頭が回るじゃあないか。そういうことだ

【ほんの少し、機嫌を良くした彼女の言葉に、大男も、少しばかり愉快そうに笑った】
【自分のあり方を咎めるでもなく、むしろ今までの話からして、この点については、彼女のこの男は、多少に通っているとも言えるか】

【そっと戻される彼女の手に続き、大男も右手を下ろす】
【無意味に傾げられた首とともに、告げられた名前】
【声のトーンを落として、指を添えて見せるそのしぐさは、やはり裏町の中では一見不似合いではあるが】
【互いに、信用などない、闇夜で交わされた約束とともに、やはりどこかこの空間にふさわしくも感じられる】


もう一人……まだ、その場に誰かいたのか
……貴重な情報をありがとう

【彼女の理由は、自分たちからしたら小さくは見えるかもしれないが】
【その底は、どこまでも深く。知りはせずとも、大男はその異様をわずかながら肌身で感じる】
【不明瞭ではあれ、有用な情報ではある。そのことについては、短く礼を述べて】
【現場にいたにも関わらず、彼女が興味を示さなかった、ということは、少なくとも彼女の父親に敵対するものではないのだろう、とそこまで思考を巡らせて】


……肝に銘じておくよ

【空を見上げて、あくびを噛み殺す。と思いきや、放たれる言の葉は、やはり大切な相手への深遠なる愛情と】
【それに由来する、危うさを秘めていた。未だ色あせぬ魔力を横目に、少し遅れたその言葉に】
【踏み出していく彼女の背へと返答して、大男も踵を返す】

(……本当に、何が起きてもおかしくないな……この世界は)

【今までに会ったことのないタイプの存在だった。でありながら、遠回しな縁とはいえ、繋がる部分もあり】
【未知にあふれた世界への、似合わぬ感慨など抱きつつ……降り注ぎ始めた陽光から逃れて】
【大男は、その巨体を、闇の中へと沈めていった】

/こんなところでよろしいでしょうか?
/長時間、ありがとうございました!
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/22(月) 05:57:34.34 ID:i3J6SaT70
>>734

【踏み出した足が鳴らすこつんと軽い足音、ふと。何か思い出したみたいに立ち止まる足、】
【びっくりしたように揺らぐ黒髪が落ちる頃合、再び驚かすように振り返ったなら、改めて彼へと向ける視線】

……そうだ、ほかのひとも。お父さんに傷なんかつけたら、絶対に赦さないから
生きたままジュースみたいにしてあげる。真っ赤な水溜りになりたくないなら、やめてね

お父さんはわたしの所有物(もの)なんだから、だれにも、触らせない

【鈴の音色をした声はしんと静まるよな空気によく映える。彼の元へと、きっと届くはず】
【わざわざ振り返ってまで告げるのは、彼女にとっての禁忌さえ踏まねば敵対はしないような意】
【(自らに傷を負わせることも敵対の要員になるのだが、まあ、そこは当然のように省略していた)】
【触れるな、構うな。縄張りのために威嚇を繰り返す野生動物のよう――】

【――言い終えたなら、今度こそ言いたいこともない。あるかもしれないが、思い出せないならないと同じ、だから】

【もしも言葉に振り返っていたなら、その顛末を追えるだろう。右手から零した魔力の行使】
【空間を絹のように裂く黄緑色、追随を赦さないなら、後に残るのは黄緑色の残滓と、放棄した桜色の散る様だけ】
【それもやがて朝焼けに融けて消えて――残したのは、薄ぺらの紙切れに載せたような秘め事、ひとつ】

/おつかれさまでした!
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府)[sage]:2013/04/22(月) 09:50:32.49 ID:LsVk4Ut1o
>>730

やっぱり、あなたは私を殺せません。
【月光の元晒されたその素顔を見て、少女は確信をもって言葉を紡ぎ】


なにもそんなに怯えなくてもいいのに
私はただのか弱い女の子ですよ?
【残念そうに言っているつもりなのか、少女は少し声のトーンを小さくし】
【ゆっくりと左手を下げると】

貴方には私はおろか、誰かを傷つけるなんてとても無理みたいですね。
良い武器を持っているのに、もったいないです。
【怯える相手に、何なら目前の脅威に対しても興味なさげに】
【この少女はぼーっと小銃を見つめながら】

この世界では強いものは生き残り。
弱いものは淘汰されます。
単純です。

やられる前にやる。

生きるために奪う―――なんら恥ずべきことはない行為ですよ。
【くるりと踵を返し、無防備にも背をむけて】
【元いた方へ歩みを進めようとし】

しかし―――いえ、だからこそというべきでしょうか?
貴方はそのうち死んでしまうかもしれませんね。
【もしも何もせずに少女が元いた場所へといけたのなら】
【独り言の様にそんなことを言い残し、重たい荷物を両手に握り】
【本当に何事も無かったかのように、今までの出来事など目の前事象など無かったかのように】
【その怯える少女の脇を通り、先を行こうとするだろう】

/寝落ちしてしまった…本当に申し訳ないです。
/一応返しておきますので、あれでしたら締めていただいて構わないです!
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/22(月) 19:03:18.31 ID:G77fJdFPo
【水の国――繁華街】

【星雲めいてネオンの瞬く夜景を見下ろすホテルの高層ラウンジ、ワインレッドを基調としたバーはいやに静かだった】
【誰かがからと揺らすグラスの音がする。 けれどそれ以外の音が奇妙な程に欠落していた】
【普段ならばBGMに洒落たジャズでも流れたのだろうがそれもなく、ウェイターなりの最低限の人の気配すらなく】

【――原因は入ればすぐに分かる。 頸を括って天井からぶら下がっていれば、仕事も出来ないのは当然だろう】
【他にも恰幅の良い紳士淑女が数人……否、数柱が、皆ウェイターを真似るようにして揺れていた】

……こないな場所が、人売りの根城かいな。 流石、手足の揃った奴等は考える事が洒落とるなぁ?
井戸端じゃ出来ない飼犬自慢、ついでに次の家畜の交渉……阿呆らし、酒も不味うならへんのやろか

【江戸切子のグラスを傾け、柳眉を不機嫌げに寄せて独りごちる、若い男】
【肩口で切り揃えた白髪に漆黒色の彼岸花を挿し、黒を基調とした古風な立襟の書生姿に身を包む】
【切れ長の葡萄色の目は、夜景を鑑賞というよりも睥睨に近い視線で見据えていた】
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/22(月) 20:57:53.02 ID:TlCQY5mH0
>>737

「飲まなきゃやってらんないわぁ・・・」

【カランカランと扉を開ける音が響く】
【そこに現れたのはスーツの上に白衣を羽織った中年の女性】
【もうだいぶ飲んでいる様で、足取りもふらつき吐く息は酒臭い】

「おじゃましまー・・・うげっ! なにこれ! 首吊りバー!?」

【どうやらその女性は何も知らずに来たようで】
【この異様な光景の庭師はおろか、人買いの交渉場だという事すら分からずに来たようだ】

『真室川博士?』

「あー、なんだか見知った顔が・・・」

【中年の女性を支える様に現れたのは青年】
【腰まで届く青い長髪を茶色の布でポニーテールにし、それを赤黄青の三色の布で三叉に分けて結っている】
【服は上半身は白いYシャツで、下はジーンズだ】

【女性の方は若い男を見て何か迷った風に照準している】


/まだいらっしゃいますかー?
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/22(月) 21:09:48.46 ID:G77fJdFPo
>>738

【見遣った顔に興味の色はない。寧ろ女声の騒がしい声に眉さえ顰めた】
【連絡先を渡したあの紅茶色の男ならば手放しで喜んだのだろうが――とは、余談であって】

……野槌、やったか
そっちのは何や、新しい実験道具かいな?

【相手の表現で完全正解である世界の中で唯一つ罰点のように生者めいて動く男は、】
【現在進行形で機関に身を置いているのだろう相手が迷うに余りある理由を抱えてただ、水面下で薄く嗤った】
【月彗。 かの六罪王からは抹殺指令が出ている相手、相対する彼我にあるのは反発か、或いは――】

/こちらにー!
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/22(月) 21:24:21.07 ID:TlCQY5mH0
>>739

「御機嫌よう月彗さん。そうね、この子はヒルコ。私の部下・・・って言うのが適切かしら?」

【ヒラヒラと手を振ると、気まずそうに目を逸らす野槌】
【隣の青年、ヒルは暗い光を灯した瞳でジッとそちらを見ていた】

「さて、ガイストの爺さんに仕えているアナタとしては全力で倒すべき相手なのでしょうけど。
 どう? ヒルコ。今から戦ったとしてアナタに彼を倒せる?」

『・・・』

【ヒルコは値踏みするように月彗を見据えたが】

『無理ですね。僕にとって最高の条件・環境で五分五分といった所でしょうか?
 それ以前に真室川博士もいらっしゃいますし、死にたくないのであれば交戦はお奨めしません』

「そ、まぁいいわ。そういうわけで月彗さん、アナタと争う気は無いわ」

『あはっ』

【野槌は酒で気が大きくなっているのか1席開けて月彗の隣に座る】

「さておかげでこの店のお酒は全部タダなのかしらね?
 ヒルコ、一番高そうなの持ってきて」

『はい、えーっと・・・このボトルでしょうか』

【ヒルコはカウンターに入り】
【ラベルが茶色く変色した一番古そうなワインを取り出すと、グラスに注ぐ】
【紫玉に輝く血の様なワインが差し出された】

「さて、月彗さん。こんな所で一体何を? それとも煩いおばさんは黙った方がいいかしら?」
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県)[sage]:2013/04/22(月) 21:31:45.19 ID:9JRyRg9Vo
>>736
【少女はまた彼女を殺せない、と。彼女はまた、そう言った。】
【そんな筈はない、だって自分は祖国の御旗の下、幾つもの戦争を潜り抜けてきた兵士、であるはずだ。】
【先程、撃てなかったのも、ただの精神の不具合だ。そうだ、彼女は自分でも言っている通り、ただの少女だ。弱者だ。】

  ち、違う。殺せる、きっと殺せる、殺せる筈だ。生きるために、奪う為に。
  弱い奴から死んでくんだったら、俺は、俺は生き残る側の人間だって……!!

【銃剣を一突きすれば死ぬだろう。銃弾を一発、頭部へと叩き込めば簡単に[ピーーー]ことが出来るだろう。】
【そうだ。生きるためだ。生きるためだから――――――】

  俺が、お前を、殺せない、何て―――――――――
  だったら、今、此処で――――――!!!

【まるで、何事も無かったように。其処には何もなかったように、脇を通って行った少女。】
【抱きかかえていた小銃を構えて銃剣先を、銃口を、照準を向けて、無防備にも背中を晒して去り行こうとする少女へと、】
【引き金に指をかけて、ぐっ、と、指先に力を籠めた―――――――――】


  ―――――――――― 何で、。撃てない、撃てないよ、お父さん……。


【そう言って、長い小銃の銃口を逸らして、少女は膝を落とした。少女の姿が夜闇に消えるまで、呆けた様に見つめ続け。】
【「貴方はそのうち死んでしまうかもしれませんね。」 其の言葉が、意思とは関係なく反芻し、増幅し】
【肥大化する恐怖を抱えながらも、少女は立ち上がり、また夜闇へと消えていった。】

/私の方こそ返信遅れてしまい申し訳ない……!では、こんな感じでどうでしょうっ
/遅くまで付きあわせてしまって申し訳ありません、絡み、ありがとうございました!
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/22(月) 21:41:00.98 ID:G77fJdFPo
>>740

……五分? とんだ見当外れやなぁ

【くつくつ嘲笑う意図はそれ以上だという傲慢さなのか、或いはそんな程にもなれないという自嘲なのか】
【実際はそのどれでもない。普段の彼女らしからぬ、一席空いた謙虚な間の取り方が面白かっただけだ】
【嫌いじゃないかも知れない――ほんの微かにそう思っただけで、すぐに生来の健常者嫌悪が顔を出すのだが】

そッち、黙れゆうて黙れる性質(たち)かいな。 そんな奴やったらまだ聾唖婆のがマシに見える
何ってそうやな、気晴らし? アハハッ、吊るだけ吊ったらスッキリしたわ

【10体と少しのモノ言わぬ躰達は風もないのに時折揺れて、けれど生きている筈もない】
【ぶつ、と唐突に縄が切れて一体がどしゃりと床に落ちたが、月彗は何ら気に止めるでもなく杯を煽った】

――で。 こうやってあッちと仲良く話すゆう事の意味は、分かっとるやろ?

【敵う敵わないでの判断結果が穏便な接触だというなら、纏う物が棘しか無いこの男の前では意味を成さない】
【こんな状況下に引き込んだのは彼女が初めてではないのだがとも余談で――自分に敵対しないという意味を、改めて問う】

【(争わないという選択を選んだとして仲良しごっこを選ぶ必要は無い。ならば相手は何かを企んでいる)】
【(端的に言えばそういう思考回路だ。初めから誰ひとり信用などしないし、絆されなどしない)】
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/22(月) 21:41:21.46 ID:i3J6SaT70
【街中――喧騒から少しだけ離れた位置に立つ図書館】
【広い敷地の真ん中に座り込んだなら、ドレスめいて飾るのはよく手入れされた草木】
【昼間ならばピクニックする親子でも見られたのだろうか、今はひとかげもろくにないけれど】

…………、――

【――未だに煌々と明かりを照らす室内、存在するのは頁を捲る音、足音、――あと、寝息ひとつ】

【夜よりもずっと冥い色をした髪、高いところに結い上げてなお、太ももぐらいまで落ちる長さ】
【ぎゅっと抱き合う目蓋の向こう側、赤と黒のオッドアイは今は窺えないけれど。黒の睫毛が縁取って】
【姫袖のワイシャツとフリルで飾ったミニスカート、両手は机と頭の仲を嫉妬するように潜り込んで、枕のふり】
【黒から紫に向かうグラデーション色のソックスとヒールの高い編み上げブーツは足ごと投げ出されたまま、ぴくりとも】
【首や手元にくるくる巻いた包帯、肌と対して変わらない色合いなら、肌の白さが良く目立つ】

【本棚だらけの部屋、島のように点々と設置された机の隅を占領したなら、この状況に陥ったのも比較的最近のこと】
【新聞のバックナンバーを片っ端から漁っていた――のだが。何日分もが頭の下に敷かれたままなら、迷惑もいいところ】
【(それも、レナールに関した記事のある日ばかり集めているのだから、余計に迷惑を上乗せするかもしれず)】

……――すぅ

【――壁に貼られた注意事項。大声禁止、飲食禁止、本への落書き禁止、睡眠禁止】
【安らかに紡がれていく寝息は健やかなもの、「寝る子は育つ」なんて言っても、図書館は寝るところじゃないから】
【今まで誰も起こそうとしなかったからと言って、このまますやすや眠っていていいかと言えば、きっと、否】
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/22(月) 21:55:46.92 ID:TlCQY5mH0
>>742

「あらぁ、歳は行ってるけどまだババアになったつもりはないわよぉ」

【カラカラカラと笑いながらワインを口に含む】

【・・・一気だ】
【一口で全部飲みやがった】

「ふはーー、ふぅん退屈してるのねぇ。
 意味? 何のことやら。裏切り者のアナタと仲良く話してたら私まで裏切り者になるのかしら?
 小学生の虐めじゃあるまいし」

『まぁ見逃さなかったとしても、僕達ノーナンバーじゃ勝てると思われてないわけですしね』

【ヒルコが開いたグラスにワインを注ぐ】

「それにしてもアナタ一体何やったのよ。
 六罪王と敵対なんて・・・あー、私の馬鹿な娘も同じような事やったから人の事言えないけど」

【どうやらこの中年】
【月彗と話している理由は他でもない】


【 た だ の 絡 み 酒 だ 】
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/22(月) 22:14:42.27 ID:G77fJdFPo
>>744

……ザルかいな、そッち

【気取って呑んでこそいるが、実際は然程強い方でもない。口の端が僅かに引き攣った】
【ちまちまと杯を傾けつ相手の言葉を拾って反芻、嗚呼酔っぱらいだなと判断するのに時間は要らなかった】
【名乗っていた肩書きの威光が未だ影響しているのだと分かれば幾らか悪くもない気分になるのは、酒があるから、なのか】

何って……ガイストと一緒にセシル殺しに行って、そしたらどさくさに紛れてあの“女”に手酷く裏切られて、
せやから頭に来て「出てく」ゆうてスパッと出てきて、気付いたら何や物騒なお尋ね者にされとったゆう話やけど……
カッと来たからしゃあないやろ。 ムカつく思うたら、六罪王だろうが罪神だろうが唾引っ掛けてお仕舞いやわ

【一行目から脈絡もない話になる。かつて彼女に兄弟だと紹介した相手を殺しに行くなど】
【真っ当に考えても意味が分からないだろうし、精々派手な兄弟喧嘩かと思ったとして、六罪王まで引き連れて行くものだろうか】

【―― 一番不可解なワードは、あの“女”という単語か】
【同行したのは六罪王のみ、彼は男性であるのだし、けれどその状況下で月彗を裏切れる立ち位置なんて、】

…………グラトンなり、そっちなり
技術屋に掛けおうてみたいことはまだあったんやけれどな……楽するんはあかんゆうことやろか

【この男もある程度酒が回っているのか、何かの智謀なのかとも思えない程度に暈されきった言葉ばかりが宙を舞う】
【得意げに異国語を話す様に似て馬鹿らしくもあるそれは、男にありがちな若年の癖の妙な達観視でもある】
【もう一度煽れば江戸切子の中身が空になって、それを睥睨すれば無言でヒルコの方へグラスを突き出し――注げ、と言う事か】
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/22(月) 22:22:57.95 ID:nk0E5j5lo
>>743

【少女が眠りに落ちたままなのであれば、そしてそれが比較的浅いものなのであれば】

【―――貴女は夢を見るだろう。それは正しく、枕となっている記事の内容】
【レナール≠フ現状を全て具現化したかのような、廃墟の中に立っている夢だ】
【どこもかしこも破壊の痕しか見えず、霧中で時折動くのは人の形をしていない何か】


  『調査隊の方によれば、街の住人はそのほぼ全てが行方不明となっており―――=x

     『――街の中央――――俗にATLASと呼ばれる巨大な塔が――=x
 
 『一説にはかの六罪王の存在が疑われており、風の国政府は――――。=x


【そんな記事の文言が不意に響き、突如として街に掛かった暗い霧が一部ばかり晴れていく】
【覗くのは巨大な塔。上へ上へと伸びるに連れて直径を増、歪な存在は、空を担ぐ巨人のよう】
【少女はそこで歩くこともできるし、飛ぶことも出来る。夢のナカだから、なんだってオカシクはない】


  【――或いは。少女が目覚めるのであれば、その背後に一つの気配を感じるハズだ。】

/未だ居ますかー?
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/22(月) 22:26:27.79 ID:hMYOFkqz0
【路地裏――――赤く染められた其処を舞台として、クルクルと回る少女が一人】
【金色の髪。白い肌。纏うのはフリルの付いた紅いワンピース。放つのは禍々しい瘴気】
【知識があるならば、魔族と分かろうか。知識が無くとも、“関わらない方が良い人物”と本能が察知するだろうか】
【ピタリ。その動きを止めれば、唇の端を歪めて、誰が居る訳でも無い其処へと一度のお辞儀】


「壊れた世界にこんにちは。狂った常世にこんばんは。ハローワールドグッバイメモリー
今宵私(わたくし)アリスが演じました喜劇喜劇人によっては悲劇で惨劇
拍手喝采ありがとう、悲鳴一杯ご馳走様」

【倒れ伏して、既に事切れた人物達の表情は全てが全て恐怖の色を浮かべて居て】
【継ぎ接ぎだらけのウサギの人形。綿が出る事も気にする事無く、楽しそうにクルクルと踊りを再開するのだろう】
【辺りを真っ赤に染める程の血でありながら、遺体に外傷の一つも見当たらない不可思議な現象】
【――――そして、その血も徐々に虚空へと溶け出して、朱の色合いも薄まっていくのだろう】


「白ウサギを追いかけられないアリスはどうなるの?
意地悪女王様は嫌いよ嫌い
チシャ猫はただ笑うだけ。でも私とお話ししてくれるの
だけど今は居ないから、誰がお話の紡ぎ手になってくれるのかしら」

【再び止まれば、“其処に在れ”とただ呟いて】
【少女の背後に現れるのは巨大な一冊の本。パラパラとページが捲られたかと思えば、ゆっくりとティーセットと小さなテーブルが現れて】
【ちょこんと椅子に座れば、場違いなティータイムを楽しむのであろう】


「公爵夫人も帽子屋も三月うさぎもみんな眠ってる
退屈ね、退屈。白雪姫でも呼んで一緒に遊ぼうかしら?……もぐもぐ」

【本もゆっくりと消えれば、ポットの横に置かれたクッキー皿から一枚其れを取って】
【これまた、場違いながらも暢気に食べ始めるのだろう】
【傷一つ無い遺体。継ぎ接ぎ人形。其処には紅茶を楽しむ少女が一人】
【――――偶然訪れてしまった人は、不幸か否か。少なくとも、いきなり襲いかかってくるなんて事は無さそうだが……】





【まだポツポツと明かりが残る街道。其処に集ったのは、数匹の子犬たちで】
【――――囲まれた様にして立つのは、一人の少女】
【金色の髪を持ち、人目を引くのは狼の耳と尾。それと――――金色の隻眼か】


「だから、今日は何も持ってきてないんだってばー……
ああもう、そんな風に鳴かないの。男の子なんでしょ?
次はちゃんと君達の好きな物持ってきてあげるから……ひゃっ?!
ちょ、ちょっと!足舐めたって何にも出ないってば!」

【同族とはちょっと違うけれど、子犬たちは遠い遠い親戚みたいなものなのだろう】
【クスクスと楽しそうに話しているが――――言葉が通じているのかは、微妙な所である】
【内一匹を抱え上げれば、言い聞かせる様にして視線を交わして】


「ほら、君達のおかーさんもあそこで待ってるから早く帰りなよ
……うん。大丈夫だって。次はちゃんと持ってきてあげるから」

【小さな尻尾をふりふりと振りながら立ち去って行く子犬たち】
【時折名残惜しげに振り向く一匹には苦笑と共にそんな言葉を贈って】

【―――――やがて訪れるのは完全な静寂】
【何時かまではあったのであろう、もう片方の瞳。傷口を撫でるかのように指先が辿れば、今度は自分に向けて苦笑を漏らして】
【さて――――時間も時間故、こんな場所に少女が一人立つのも不審な話】
【果たして、話し掛けようという奇特な者は居るのだろうか】
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/22(月) 22:28:58.46 ID:TlCQY5mH0
>>745

「あはははははは! 兄弟で殺し合いですって! ちょーウケる」

【超ウケるらしい】
【愚かな自分の娘ならともかく、智謀が回りそうなこの元No2がそんなに奇天烈なことを言うとは思わなかったようだ】

「裏切りねぇ。ヒルコ、アナタも気をつけなさいよ。アナタも中々うっかりしてるから」

『あはははは、気を付けます』

【ヒルコは笑いながら月彗の切子硝子の杯へワインを注ぐ】
【年代物の様で、かなり度数がキツめのワインだ】
【名前の通りウワバミの野槌でなければ、とても一気などできないだろう】

「ふぅん。噂にはなっていたけど、ねぇ。そうねぇ、UTの襲撃の件で情報も随分貰ったし。
 私で良ければ何かお手伝いしましょうか?」

【酒の勢いで凄いこと言ってるぞこのおばさん】

「あ、ちなみに脅されてたってことにしてね。バレたら私の首が危ないし」
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/22(月) 22:34:59.84 ID:1gNPHHqB0
【街中】

【昼間の喧騒が嘘の様に静まり返ったこの場所】
【ただ、その静寂は一瞬のものだった】
【何かをあさるようなガサゴソという物音が当たりに放たれる】
【決して大きな物音ではないが、静寂のなかではよく目立つか】
【物音のするほうへ目を向けるならば、そこには一人の少年が居るだろう】
【幽霊のように淡く光を反射する白い肌、もこもことボリュームのある白髪。無邪気さと寂しさを混ぜ合わせたような黒い瞳】
【そんな容姿をした十歳ほどの少年がゴミ箱をあさっている】

はぁ・・・今日もご飯抜きかぁ・・・
もう二日も殆ど食べてない・・・前のお姉さんみたいな人がまたきてくれればなぁ・・・

【よく見れば子供にしては少しやせている。肌が白いのもこういう理由かもしれない】
【服装も薄汚れた大きな白いシャツのみ】
【常人の目に映れば見るに耐えないような光景だが、本人にはそれを恥じる様子はない】
【いや、恥じる理由を知らないから恥じることが出来ないのかもしれない】

【派手にゴミを撒き散らし、大きな物音を立てている。近くを通れば嫌でも目に付くだろう】
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/22(月) 22:46:26.53 ID:G77fJdFPo
>>748

せやかて、良い歳の癖して若い娘を囲ってる話ばっかし自慢げに聞かされてみい。ブッ殺したくもなるわ
事あるごとに娘がどうこう、……まさかそっちにもメールなり行っとらんやろな? 連絡先渡したんやろ?

【「止めとけば良かったんに――」そうごちたこの男は、セシルがあの場面で唐突にそうした理由を知らない】
【もっとも今となっては意味のない事だ。 状況というのは無慈悲な程あっさりと切り替わっていく】
【――メールの件は、たまに「お元気ですか(^_-)-☆」程度の当たり障りない内容が来る位だろうか】

【注がれた酒、相手の飲みっぷりから楽観視してぐいと煽れば何時かのように噴きこそは辛うじてしなかったが、】
【幾らか噎せたのは確かであって、「阿呆やろ……」なんて言いようのない怒りが小声でぶち撒けられたのはどうでも良い話】
【本題はその後にあった。 生命を探求する彼女の技術を無碍にする程には余裕振れない】

…………ふん、面白い事言いはるなぁ?

なら……そうやな、例えばの話や。 生まれついて手も足も無い人間がいたとする
良くある奇形よりこっ酷いザマで、目も見えない、口も聞けない、耳もたいして聞こえない
肌は痘痕だらけで醜いことこの上なく、唯一の救いが、奇形には珍しい先天的な免疫力の強さだけ

そんな人間を健常者へ変えて、尚且つそれ以上の力を持たせる……そんな事は、そッちに出来るか?

【無理だろうということを前提に話しているような口調は、相手を見くびっているようにも聞こえる】
【例えの割に鮮明な話だ――度数の強い葡萄酒を舐めるように口に運んでから、同色の目が相手を睥睨した】
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/22(月) 22:53:17.13 ID:i3J6SaT70
>>746

【少女が新聞の薄ぺらで硬い紙をかしゃらかしゃら言わせていたのは数十分ほど前のこと】
【灰色と黒の誌面を踊り狂う文字の羅列をじぃと読み続けていたのはそれから数分後のことで】
【ただ平坦に真っ直ぐに紡がれるだけの文字に飽いたついでに眠気を誘われたのが――十数分かそこいらの辺り】

【頬杖突いた腕を何度も通り過すぎて揺らす首元、精一杯に頑張ってみたのなんて、ほんの少しの出来事】
【新聞紙を元の位置に戻す、歩いて帰る、そして寝る。その工程すら耐えられないなら、机に突っ伏して――そして、いま】

【ただでさえなだらかな胸元をそっと揺らす吐息は深く遅く、眠っているひと特有のもの】
【そして眠りに堕ちてからろくすっぽ時間も経っていないなら――誰かの意図に惹かれたように、夢を見た】

【(枕の下に好きなひとの写真を入れておくとそのひとの夢を見られると言うけれど――)】

【――黒白の写真をいくらか見たって、行ったことのない場所を夢想するに足りないなら、妙に浮いたリアリティ】
【ぼろぼろに崩れそうな街中、霧に覆われた世界、水中を泳ぐ魚みたい、霧中で踊る無数の影】
【首を傾げて見渡す最中に響いた声にもろくな疑問も抱かないなら、夢の中なんて、そんなものだろうから】

…………、

【わたあめを千切ったように唐突に晴れた霧の向こう側、ぽっかり開けた空に突き刺さるのは、空を抱く巨人の足のよう】
【じぃと見上げる視線――いくつかの特徴が喉にひっかる小骨のように気になって、辿ってみても、ぼやけた思考は形を成さず】

……いいや

【――余談だが、この少女。夢が夢だと気付くことがどちらかと言えば少ないタイプ】
【特に眠気が後引くときなんかには、夢と現の境界が混ざりこんでしまったりして――寝言なのか本気なのか分からないことを言い出すことだって】

【きっと何らかの手の掛かった夢も、同じ夢の区分なら例に洩れず。ふらり踏み出す足は気楽なまま】
【向かう先は巨人の足元――夢の中だと気付けないから、徒歩を選んだ】

【――――ちなみに、現世。これ以上ないほどに夢の世界なら、ちょっとしたことでは目覚めない】
【無理にでも起こそうとすればきっと目覚めてくれるのだろうけれど――寝入ったままだから、当然気配にも気付けなかった】
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府)[sage]:2013/04/22(月) 22:59:19.88 ID:LsVk4Ut1o
【広場】
【日中は人が賑わい交流がもたれるこの場所も、今は周りにある街灯だけがその広場を静かに照らしている】
【月明かりもさしている為か、其処は全体を把握できるほどに明るかった】


――――――――。
【その中心で、闇夜を閉じ込めたかの様な黒髪を腰の中程まで届かせ、まだ年相応の、幼さを伴う整った顔立ちにはあまりにも不釣り合いで妖艶な紅い瞳が月光を時折反射させる】
【半袖の白いブラウスの襟元には紺色のネクタイが緩く巻かれ、膝上丈のプリーツスカートからのびる白磁のような脚の右太腿には大振りのナイフが収められたホルダーが巻かれていた】
【一見してただの学生にしか見えない小柄な少女の身体には、目に見えるほどの紅いオーラの様なものが全身を覆っていて】

………。
【刹那。少女は右太腿に備えられたナイフを右手で引き抜くと緩やかに走りだし、宙に向けて振るい始めた】
【ナイフは闇を裂き、何度も何度も振るわれる刀身が反射して薄暗闇の中でちかちかと光る】
【迷いなく、しなやかに、一切無駄な動作などは無い】
【舞でも踊るように振るう少女の姿は、神事でも行っているかの様な神聖さと美しさを兼ね備えて見えるだろう】
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/22(月) 23:06:38.87 ID:nk0E5j5lo
>>751

【歩いてゆくのなら、必然的に崩壊しきったかつての貿易都市を見ることになるだろう】
【しかし、妙にリアル過ぎる。血痕、砕けた髑髏、少女の歩みによってか崩れる瓦礫】
【一度バッタとも肉食獣ともつかない生き物が彼女の足元に近付いて、複眼をじいぃと向けもしたが】
【しばしその顎をキチキチと鳴らすだけで、首を捻ってから何処かへ飛んでいってしまった】

【本当に、静か。退廃した都市群と、非敵対的で姿を見せたがらない化物以外は何も居ない】
【街の外は霧のせいで全く見えず、空すらも塔のせいで見えることはなかった】


【やがて巨塔の元へたどり着けば、まるで門番のようにケンタウロスが一人居た】
【上半身は鎧を付けた女性であるそれは、来訪者を一瞥しただけで先へ通す】

【その先に存在するのは塔をグルリと回って天へと続く外部階段と、正面玄関らしい2つの扉】
【ところが外部階段の登り口には2mを超す大きさの潜水服≠ェ立っており、どうにも低く唸っている様子】
【となれば2つの扉――左右の内、開け放たれた右側の内部へと、自然自然に進むこととなるハズだ】

【室内に有るのはいくつかのエレベーター。どれに乗っても、ボタンは100以上も付いていて】
【何処に向かうのも自由だが―――もし目的が有るのなら、ご丁寧にロイヤルスイート≠ニ区分けされたボタンを押せば良いだろう】

【現世では、クスリという笑いが耳を擽る。それだけで、気配はそっと離れていった】
【そのまま消えてしまうわけではなく、図書館の方々を彷徨いている様子だったが】
【時折聞こえる装飾品のしゃらん≠ニいう音は、夢のなかでも何処からか響いてくるはずで。】
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/22(月) 23:09:33.41 ID:TlCQY5mH0
>>750

「いやー、それはアナタが悪いわ。
 自分の子の惚気ぐらい聞いてあげなさいな、兄弟ってことはアナタの姪でしょう?」

【とろんとした目付きでそう言うと、またカラカラと笑う】
【そういえばメール結構来てたわねぇ、あんまり返信してなかったわ。などと付け加えて】

「・・・ふぅん、随分なことね」

『・・・』

【奇形の話になると、ヒルコがしんと静まり返って話を聞き入っていた】

「・・・まぁそれで私やグラトンのジジイに、ね。
 グラトンのジジイなら機械漬けにして解決するでしょうけど」

【それだけ聞き入ると、しばし目を閉じて】

「そうねぇ・・・とりあえず時間をかければ半分はできる、と言っておきましょうか。
 ips細胞の発見以降、再生医療の技術は随分進化した。
 しかしカノッサの技術はその範疇には収まらない。ましてや稀代の天才である私に関してはその限りではないわ」

【野槌は顎に手を当て、ふむと考え込む】

「腕や足、皮膚は簡単ね、ちょっと培養すればすぐ出来上がるわ。義手義足の要領で移植も容易。
 問題は目や耳ね。目や耳の部位の故障ならちょっと移植すれば大丈夫だけれど。
 脳の異常で見えないならば脳の神経系全体を弄らなきゃならないからほぼ不可能ね」

【そして「強くなるだけれど」という所で指をピンと立てる】

「強化細胞のおまけも付けましょうか? 量産バージョンだけれど、銃弾も刃物も効かない無敵の身体よ」

【ニタリ、と野槌は笑う】
【それはさながら蛇の様な笑み】

「ま、時間の他にももう1つ条件があるわ。
 移植するだけならプラスチックの義手や義足と変わらない、神経を一本一本繋げなければ身体は馴染まない。
 腕のいい医者か、とんでもない技術師の協力が要るわね」
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/22(月) 23:24:01.85 ID:G77fJdFPo
>>754

【――元来は人形師である】
【相手の話は良く耳にも馴染んで理解は容易く、故に語られるその難易度もはっきりと分かった】

【(まるで自分の事めいて真剣に聞いていた所為もあって、ヒルコの表情の差異には気付き得なかったのだが)】

…………時間、か

技術はあッちが持つとしても、や……
其処をどうにかするとしたら、それこそ癪に触る婆の力を借りなあかん

【どうやら悠長に待てる気長さはないのか、或いは自体が余程切羽詰まっているのか】
【その時間さえもやりようによってはどうにか出来ると言いたげな言葉を連ねたが、結局は諦めた】

【(師範代。 今じゃ泣き叫ぶだけの亡霊と化した女に頼る糸口なんて、ある筈もない)】

……強化細胞のサンプルだけ、寄越しいな
その謳い文句には興味がある……それだけ寄越せば、“見逃してやる”

【形だけとして、無理矢理に強奪しようという風な言葉を並べて、悪戯より昏い笑みが覗く】
【これなら、相手の望む「脅されての接触」という建前にもなるのだろうと】
【ヒルコの方へも視線をやって、それで初めて、彼の妙な静けさに僅か頸を傾げた】
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/22(月) 23:37:13.72 ID:TlCQY5mH0
>>755

「あらまぁ、若いのにせっかちねぇ。短気は損気よ」

【ピンと立てた指を振ると】
【ニヤリと笑って月彗の方を見る】

「・・・」

【急に強気に出た月彗を挑発的に眺めると】
【白衣の下からUSBメモリを取り出して、月彗に投げ渡す】

「どうぞ、お好きなように♪ 私以外に作れるとは思わないけどね」

【強化細胞は遺伝子配列の中に特定の配列を加えて、新種のたんぱく質を細胞質の中に加えるという物】
【このUSBメモリの中にはその配列を文章化した物が入っているのだが】
【それを遺伝子内に書き加えるのは野槌の言う通り至難の業である】

「さてと、もう一軒はしごしようかしら。
 こんな悪趣味な店じゃなくて、もっと雰囲気のいいお店にね」

『まだ飲むんですか?』

「まだまだこれからよ。それじゃあ月彗さん、御機嫌よう」

【野槌は立ち上がる】
【月彗から何もなければこのまま立ち去ろうとするだろう・・・と思われたが】

「あ」

『・・・』

【ヒルコの方を見て声を出す】
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/22(月) 23:42:05.42 ID:i3J6SaT70
>>753

【知らない場所、知らない景色、知らない匂い、知らない風――かつての姿も知らないなら、こういうものと処理される】
【霧で満たした空間が重いような感覚は夢が齎す錯覚なのだろうか、それすらも分からないまま】
【――踏みつけた瓦礫がごしょと鳴いて砕け散る。僅かに崩したバランス、とててと小走りの足音が、街に響いて】

【とつとつと歩む間、通りすがりに見かけたばけものへと寄ってみたりするものだから、無駄に時間が過ぎる】
【逃げるならば追うわけでもないのは散歩中に野草を摘むのにも似て、つまり、暇つぶしだ】
【もしも逃げなかったとしても、「ごきげんよう」なんて軽い挨拶を投げてそのままスルーするのだから、何の意味もない】

【それがひとだと知っていたはずなのに。野良猫以上の関心も持てないなら、こんなもの】

【近づくにつれて圧迫感を釣り上げていく巨塔、ゴールを目前に、視界を総て埋め尽くさんばかり】
【そうしてたどり着いた足元、見上げてみても見上げきれないなら、諦めたように両眼はケンタウロスを捉え、】
【ぺこと下げてみる頭、軽い挨拶。邪魔されないなら、通れる道を選んで――数歩刻んだところで、足が止まる】

お仕事、しなくていいの?

【――立ち位置としては入り口より僅かに潜り込んだところ。門番として居るのなら、職務怠慢だろうと疑問がぽつり】
【それでも連れ戻されるのも癪に障る。返事を待つようなのは一瞬だけ、瞬きひとつ挟む頃には、子猫よりも気紛れに背中を向けている】
【そもそも通してくれたのだからいいのだろうと、そんな思考が根底にあって。だから、既に歩みだす足元に揺らぎはない】

【きちんと覚醒している時よりもいくらか適当さが増しているなら、――緩やかさにも、ほどが、】

【低く低く唸る潜水服には結局コンタクトすら取らなかった。数秒見つめこそすれ、ついと逸れたなら、そのまま】

【そうして潜り込んだのはエレベーターホールだろうか。いくつもあっても分からないから、ふらり向かうのは適当なひとつ】

……――、うわ

【片手でも両手でも足りないボタンの数、眺めて漏らしたのは、どこか失礼にも聞こえる声色】
【首を傾げてみても分からないなら、オススメを示すポップの類もないなら、指先は誘われるように動いて】
【――ぱち、と。押したのは結局、ロイヤルでスイートなボタン】

【さて、ボタンを押してしまったなら、後は出来ることも何もない】
【稼動音の中にそっと混ざりこむしゃららと鳴る音色。意識と無意識で聞いたなら、夢の中でも余計に違和感はない】
【外が見えるようなエレベーターなら、外でも見るのだろうけれど――その場合、高さに煌く瞳が、いやに子どもっぽい】
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/22(月) 23:50:02.10 ID:G77fJdFPo
>>756

……ふん

【気が短いのは百も承知だし、生き急いでいる自覚もある】
【それでも時間が己を悠長に待ってはくれないだろう事が確かである故に、手っ取り早い手段を求めてしまうのだろう】

【ぱしと掴んだそれがデータで、元を得たとしてそこから起こせるか否かは彼女の言う通りであり】
【瞬時に其処まで察すれば舌打ちを一つ零したが、それ以上追い立てようという意思も無く】
【何かしら得られただけマシか、と珍しく納得する方向に意識が向いて、漸く別の事象にも気を遣れた】

…………何や、訳有りそうな顔やな
そッちは風の国の時の、あの纏衣が入っとるんやろ? よっぽど優秀な器やったんやろな?

やっぱり神格化された存在を身に下ろすんが、一番手っ取り早いか……

【相手の琴線に触れうる言葉だなどとは気付かないし、そうだとして気を遣りもしないのだが】
【理由によっては――手酷い怪我をした少女に、生命線である足を痛めたガンマンに、この男は別人めいた態度さえ見せた】
【一方ぶら下がる彼等はそんな不自由な身の者達を弄ぶ立場。 前述した内容の方は相手の知りうる所では無いにせよ】

【現状で、月彗がヒルコに対して“勘違い”をしているのは、間違いない】
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/22(月) 23:58:16.93 ID:TlCQY5mH0
>>758

『いえ、僕は――』

「・・・」

【なにか言いかけたヒルコの肩を叩き】
【野槌は唇に人差し指を当てる】

(まだ教えるわけにはいかないわねぇ・・・。少なくとも纏衣のクローンが出来上がるまでは。
 この様子だとヒルコの纏衣を無理やり強奪しかねないし)

【野槌はクルリと背を向けると】
【月彗に向かって手をひらひら振る】

「それではまた機会があったら」

【そう言ってバーから立ち去って行った】
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/23(火) 00:02:26.11 ID:nBdeNtkXo
>>757

【少し、印象を変えねばならないかも知れない――というのも、少女の行動故である】
【先に述べた通り、化け物たちはどうにも恥ずかしがり屋なのか姿を見せない】

【しかし少女がわざわざ駆け寄って頭を下げるのなら、各々がキチンと返事のような物をしてくれるのだ】
【腕も足も胴も、全身のパーツが2mずつ存在する棒人間のようなスーツの巨人であったり】
【下半身が消え去って、極端に両腕ばかりが太くなった肉ダルマや、先のバッタ――】
【加えて言うなら門番のようなケンタウロスですら、頭を下げたり、儀礼的にお辞儀をしたりもしてくれる】

【―――ただ少しばかり寂しいのは、言葉での返事が一切ないことであろうか】
【決して不快な空気ではないが、何か足りない。そんなぬるま湯にもにた、夢の世界】


 【エレベーターのボタンを押せば、扉は柵のタイプ。籠全体も外がしっかりと見えるようになっており】
 【凄まじい速度で登っていくと、周囲の光景――草原と夜空と雲の海が見えるだろう】
 【廃墟はすぐに点になる。地平線はどんどん広がっていく。空が、星が徐々に近付いて思え】
 【ふと視界を遮るのは大きな大きな――クジラ、だろうか?雲海の切れ目と低空をゆらりと踊っていた】


【まあ、そんな空の旅も数分で―それでも長いが―終わってしまい、たどり着くのは大理石の広間】
【エレベーターが数機と、シャンデリアと、血涙を流す聖母か何かの像――それから噴水】
【他には観葉植物があるくらいの空間であったが、部屋の奥には半開きになった木目の扉が存在した】

【零れ出るのは身体で知っているだろうあの*wwヘ。聞こえるのは、穏やかな古典的音楽である】
【不思議な空間だった。雰囲気を言葉で表すのなら『静かな愉悦』とか、そんなところだろう。】
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/23(火) 00:06:21.94 ID:lEp2xvmgo
>>759

――?

【呼び止めようかとも思って、其処で効き始めた古酒の酔いが脳を叩く】
【BGMまで止めたのは緩い音楽だろうと僅かなりとも頭痛を呼ぶからで、】
【慣れない強さを呑んだなら、結果は知れたものだ。 立ち去る背を無言で見送るに留まって】

……食えない阿婆擦れやわ
それに実際もっとやれるんやろうが――其処までの力を貸す義理も無いっちゅう訳、か?

【もしカノッサに居続けたとして、彼女の力の全てを借り受けられる保証もない】
【脳内のリストに一つ罰点がついて、次に並ぶ名前は―― ≪No.6≫ 】

/お疲れ様でしたー!
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/23(火) 00:08:08.97 ID:5TEPPRcv0
>>761
/お疲れ様でしたー!
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 00:41:56.13 ID:2kU9KOUR0
>>760

【自分の言葉だけが、足音だけが、世界に響いて。それならば、世界中で音を抱くのは自分だけかもなんて、思う】
【脳内で模られる泡沫の世界、やがて弾ける泡から出れば、そんなことなかったとも気付くのだろうけれど――】
【しゃらり、現世から呼ぶような音が混ざりこんでも、沈んだ意識は、なかなか戻らない】

【ひとのかたちをしただけのひと以外と、ばけもののかたちをした元にんげん】
【気紛れに追いかけてみたひとりをとっつかまえて気のないご挨拶、そうして通り過ぎるなら、しんと過ぎるなだらかな時間】


【想定よりもずっと早い速度、籠の中には重力でも降りかかるのだろうか?】
【どちらにせよ、向こう側に透ける世界を見つめるなら、そんなことも気にならないのだけれど】

わぁ、

【瞬きするよりも早く遠ざかっていく様々な景色、ぐんと広がる草むらに、近づいて来る雲の天井】
【雲の海をゆったり泳ぐくじらの身体、通り過ぎれば、視界を占めるのは夜空の色と、雲の色】
【世界の総てを見渡せるような気がした。地平線の向こう側に向けた視線は、世界の終わりでも見えないかと期待するよう】

【そうして過ぎた時間は数分ばかし。短いようでも、初めての景色ばかりなら長くも思えて】
【落ちる危険性がないなら、高所は好きだ。何もかも見渡せる気がして、世界中で一番偉い気がして】

【――だから、開いた扉。ちょっぴり残念そうにするのは、きっとおかしなことでもなんでもない】
【後ろ髪引かれるようにしながら大理石を踏む。白と灰の絵の具を混ぜたような床に影をひとつ落として】

……、……――っ、

【眠っているのだからしょうがないとは言え、ぼうと揺らぐ思考よりも、先に身体が気付く】
【見知ったというべきか、嗅いだことのあるというべきか。記憶を引っくり返すまでもない、鮮明に浮かぶのだから】
【確かにこの場所のことを、彼女のことを、気にかけていた。それでも、夢に見るほどでもないと思い返したなら、】
【――はじめに抱いた違和感がようやく芽を吹く。ここが夢だと気付けたのは、生きた中でも指が余るぐらいの珍事】

…………、

【目覚めてしまったほうがいいのだろうか、考えてもその方法なんて分からない】
【血の色で泣く像の前、ぽつと立ったままに思考を巡らせるのは数分ばかし、(まあ、考え事というにも適当すぎたけれど)】

リリア?

【――結論。夢ならば大丈夫だろうと思ったのは、気楽過ぎるのだろうか?】
【半分開いた扉にそうっと手を伸ばして押すか引くかするのだろう、鈴の音色がそっと声かけて】
【まだ立ち入りはしない。それでも明確に存在を報せたなら、さて、何が起こるのか】

/申し訳無いです、ちょっと眠気が……明日以降に引き継いでいただくことは大丈夫でしょうか
/明日ですと安定して返せるのは9時以降、明後日以降ですと現状予定も無いので安定して返せるかと思われます
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/23(火) 00:44:45.12 ID:nBdeNtkXo
>>763
/引き継ぎオーライですよっ!お断りする理由がないのです
/こちらも大体その時刻でいけるので、舞台裏の方で9時頃、ということでOKですかね?
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 00:52:19.67 ID:2kU9KOUR0
>>764
/ありがとうございます、でしたらそれでお願いします……
/それで大丈夫です、それでは今日のところはひとまずお疲れ様でした、明日またよろしくお願いします
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/23(火) 00:54:28.64 ID:nBdeNtkXo
>>765
/はいです!それでは一旦、お疲れ様でしたー!
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 20:56:58.61 ID:QqjxsYGEo

【路地裏】

【カツン、─────カツン、カツン】
【まるで、亡者を連想する様な不規則な歩みで暗闇を進む者が居た】

【黒髪を野暮ったく肩まで伸ばし、深々とシルクハットを被るサングラスを掛けている男】
【漆黒のスーツを身に纏い、星柄のモノクロマントを羽織る。黒尽くめ、故に両手の手に】
【付けられた白い革手袋は良く映えた。肩には奇妙な鋼色の翼を持つ雀が止まっている】

【目的を持たぬ記憶を無くした亡霊の様に、ふらふらと歩く男だったが、】
【途中、汚れの少ない広い壁の様になっている場所を見つけるや】


…………。


【立ち止まり。見上げ。何か考えると】

【────懐から、1枚のトランプカードを取り出す。ダイヤの6】


…………こんなもんですか。


【投げつける。バシュリ!と何かが弾ける様な音と共にカードは壁に吸い込まれる様に消失し】
【次の瞬間、その壁には、巨大な「形相恐ろしい般若の顔」が浮かび上がっていたという──】

【この般若の顔は路地裏の様々な箇所になっており。突如出現しだした謎の般若と、小さくだが】
【新聞記事にも乗った事もある。他の般若や、その記事を知った者が見たならば、犯行の現場見たり≠ニ言った所だろう】
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/23(火) 21:06:51.20 ID:XUoFYM+Fo
【火の国 街中の屋台】
【4月下旬とは思えぬ寒空の下、それでも活気あふれる人々で集まる街中で】
【香ばしい匂いと湯気を漂わせる一角、ずるずると音を立ててスープをすする音が響いていた】


……プァ――――――ッ!!食った食った!ここのラーメン結構うめえッスね!
おう親父!ごっそさん!代金ココに置いとくッスよ!

「あいよまいどありッ!――しっかしニイちゃん、よー食うねえ……」


【勘定を支払っているその人物、灰の髪がはみ出る頭のタオルは今まさに仕事から帰ってきたかのように薄汚れており】
【その下に雄々しく、鋭さを感じさせる目が覗きこむ・・…首には竜の牙が埋め込まれた赤い宝石のペンダント、腕には紅白のリストバンドを巻いていた】
【鍛え抜かれた上半身を包む、白かったのが同じく泥で汚れたタンクトップの上に、背中に『不退転』と描かれた赤色の真新しいジャンパーを着て】
【膝が白く色あせた青のジーンズ、そして便所サンダルという奇妙なガテン系スタイル、そんな外見の青年だ】

【チャーシューメン大盛り麺増しを汁の一滴残さず食いきった青年はしー、しー、とつまようじで歯の辺りをかきながら言う】


これでも腹八分目ッスよ、食い過ぎて動けなくなっちゃあコトだからよォォォ〜〜、
『ああ、あともうちょっと食いてぇ』って思った辺りでやめてるんだぜこっちはよー

「カーッ、流石に若いねえ!」


【機嫌良さそうに勘定を受け取りながらラーメン屋の親父が素直に賞賛するのを背に受けながら】
【タオルバンダナの青年はぐーっ、と伸びをしながら出発の準備をしようとしている】
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/23(火) 21:07:48.57 ID:Qxh+tMlb0
【――――時は絶えず流れ続け、その流れの中に人間たちは生きている】
【そして、その『物語』もまた、同じ時の中で紡がれてゆく物である――――】



【――――雷の国 市街地】

――――えーと、こんな物で良かったかなぁ?
なんだかんだ買い込んだら、こんな量になっちゃったか……

【白いストレートの長髪に赤く緩やかな光を纏った瞳をしている】
【白いタンクトップの上から白いジャケットを羽織り、白いハンドグローブに白いスカートを履いた】
【肌の色白さも相まって、眩いほどに白さが際立っている、身長160cm前後の少女が】
【両手に提げた買い物袋の中身を覗き込みながら、ゆっくりと歩いている】
【荷物の量を再確認している様だが、その表情はやや苦笑気味だった】

……ま、これくらい食べさせればあいつも元気になるっしょ……
……こんな辛いものが良いなんて、あたしには一生掛かっても理解できないけどなぁ

【買い物袋の中身は、ブレッドや干し肉などに混じって、チリペッパー、ブラックペッパー、ジンジャーエールの瓶など、やたら辛い食材が詰め込まれている】
【そうした品物を入れたビニール袋を手にしている少女自身、その品物を見ては首をかしげていた】



【――――所変わって、風の国 繁華街】

……ったく、ガキが粋がって来る場所じゃねぇってんだ……!
世話焼かすんじゃねぇよ……自分で自分の身も守れないヒヨッ子が……!
「…………!」

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【左手に、ボロボロの状態になって震えている少女を抱えながら、目を怒らせて歩いている】
【居丈夫の背後には、叩きのめされて地面に伏している数人の男たちが、転がっていた】

オラ、とっとと家に帰っちまえ……綺麗な身体の内によ……!
そして親父やお袋に、ちゃんと謝って、ありがとうって言っておくんだな……!
わざわざ俺に金積んで、お前を守ってくれって言って来たんだからよ……!
「…………!」

【居丈夫に凄まれ、少女は恐怖半分申し訳なさ半分と言った表情で、あたふたと走り去っていく】
【それを居丈夫は、白けた表情で見送っていた】

……あーあ、結構実入りは良かったが、なんか後味良くねぇ仕事だったなぁ……
……丁度良い、酒でも飲んで気分転換すっか…………

【ため息1つ吐きながら、居丈夫はゆっくりと歩み始めた】
【打ちのめした連中を顧みる事もなく、夜の街へと消えていこうとする】



【――――同じ時間に、異なる場所で時を過ごしている2人の戦士】
【果たして彼らのうち、どちらの『物語』に変化が訪れるのだろうか?】
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/23(火) 21:12:34.01 ID:ZLE85LHUo
>>763

【たどり着いたそこは最早高さの限度も知れず、風すら心地が変わってくる】
【といってもエレベーター内には一切、不快感を齎す程度の重力はかからず】
【或いはそこらのビルにあるものよりも余程素敵な数分間となるはずだ】

【――こーん、と。大理石の間に踏み込むと、耳に小気味よい音が響くだろう】
【そのまま進んで扉を押せば、さしたる苦もなく向こう側が明らかになって】


    ――――――…………、……‥‥。


【薄い黄銀を基調として織り込まれた特大サイズの絨毯に、やはり大理石の構成】
【奥に見える本棚には大魔術書のようなものから家庭書、聖書に準ずるものまで存在し】
【その好き放題なお硬さの一方で、部屋には興味本位で置いたのだろうビリヤード台】
【中途半端に球を3つにまで減らした状態で放置されたその一角に、彼女は体重を預けていた】

【服装は、足首から胸のやや上辺りまでを黒い布でぐるぐると巻いたようなドレスである】
【腰回りや胸部は身体のラインが際立つ作り、尚且つ肩は露出して、首にはルビーのネックレス】
【それに合わせた両耳の赤いイヤリングに加え――部屋を見れば、宝石類は何れも赤いものが主だった】


【―――さて問題は、彼女が寝ている事だろう。ビリヤードの側に椅子を置き、台の縁に肘を乗せ】
【その腕で頭部を支える彼女を包むように、やや離れた位置の蓄音機からクラシックが流れ出る】

【他に特筆することといえば、彼女の容貌程度――捻くれた双角に、ドレスの隙間から伸びる尻尾】
【翼は何やら見当たらないが紛れもなく彼女はリリアその人であり、そして寝ているのだ】
【穏やかでさえあれば美しいその顔もまた眠りに沈んでおり――夢のなかでと考えると、些か異常に奇妙だったが】

【まあ、とにかく。彼女が足を踏み入れてもそれは変わらないし、絨毯のふんわりとした感覚が足下を擽るだろう。】

/本日もよろしくお願い致しますねー!
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/23(火) 21:23:12.33 ID:u4QwcziMo
>>767


……蛇が出るか、魔が出るか――なんて言葉もございます、が


【凜として、鈴のような声が路地裏に響いた】
【反響に反響を重ねる嬌声は、その出所を曖昧にし、】


どうやら今宵は般若≠ニ……そ、し、て――


【――「カー」――】
【一発で正体を判別できるだろう、特徴的な、鳥類の声が後に続けば、】


ええ、カラス≠ニいうわけです――――なんて、ね…………


【男の後方――ギリギリ顔が判別できるだろうくらいの位置に、一つの人影が佇んでいるのだ】


……さて、『こんばんは』……何やら面白そうな手品ショー≠なさっているようですが……


【正体は、白を基調としたセーラー服と紺色のスカートに身を包んだ、身長160cm程度の少女だ】
【その表情に感動はなく、縁無し眼鏡の奥に湛えられた碧眼は深海のように深く、暗く、かつ冷たい】
【また服装に合わせるように被っているのは、長い青色リボンの巻かれた、白い水兵帽】
【そして真っ直ぐ伸びる彼女の長髪は黄金色に煌めきながら、風と戯れるように虚空に揺れていた】


――このような、日の当たらぬ場所では、観客は集まりませんよ?


【そしてバサバサなる羽音と共に、天より少女の頭上へ舞い降りるは、数枚の黒羽根と、一体の漆黒=\―すなわち、カラス=z
【まるで少女に従うかのように出現したカラスもまた、男を監視するように顔を向けていた】
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 21:43:12.84 ID:2kU9KOUR0
>>770

【指先でそっと押した扉、緩やかに開ける視界の向こう、こそりと覗き込む数秒間】
【耳をすり抜けるぐらいの穏やかさで流れるクラシックが押して作られた空間から大理石の間へと溢れ出して】
【――クラシックになんて興味もないなら、きっと曲目も分からないのだろう。やがて踏み込む音が譜面に音を増やす】

【はむと踏んだ絨毯の音、足音が消えるならば彷徨ついてみたい好奇心がふつふつと湧き上がるけれど】
【足の変わりに散歩するよな視線が揺れたなら、部屋を一通り撫でて――結局、立ち止まったのはビリヤード台の傍だった】

……――、――

【――距離としてはちいさな歩幅でふたつみっつ数えるほど。おおきな歩幅なら、ひとつで足りる】
【どうしたものかと声を掛けるかすらも悩むなら、ふらふら揺れるよな気配が傍にあるのだから、起こしてしまうかもしれず】
【(なお、この少女自体は揺すられても声掛けられても滅多に起きないタイプだとか、余談でしかない)】

【悩んだ指先が手持ち無沙汰にビリヤード台の表面を撫でる。さりさりした触覚に緩やかに触れて、微かに鳴かせて】
【気配やらで起こしてしまったようなら、ひどく驚いた顔でもするのだろうか。そうでないならば、唇を一度噛んで、】

……ねえ、起き、て

【夢の中でそんなことを言うのも少しだけおかしいけれど――結局掛けた声は分かりやすく単純なもの】
【どこだろうと変わらない鈴の音色をした声はクラシックに紛れるようで、どこか浮いて】
【夢中夢に沈む意識を呼び起こそうとしたなら、ビリヤード台を撫でていた手がそうっと伸ばされて、けれど、触れない】

【(角に触ってみたい――なんて思ったこととか、本当にどうでもいいよなお話だから)】

【起こしてしまうことが正解なのか不正解なのかも良く分からないままの行動】
【これでだめならうろうろしてみようかな――とか考えていたなら、地味に天然めいた気があると、思えるのだろうか】
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 21:45:42.15 ID:QqjxsYGEo
>>771


【男は、振り向こと事無く、その星空のマントを向けたまま】


でも、貴方≠ェ見つけてくれた。


【彼の肩で羽を膨らませた雀が『チュン』という鳴き声が路地裏に響くと、】
【まず、足を揃え背筋を伸ばし。かかとを中心に勢い良くグルリを振り返る】


なにせ、私のソレは日の当たる場所を歩まない人たちに見せる手品です故…………。


【バサリ。と大きくはためいたマントが収まると】
【シルクハットを取り。大きな動作で頭を下げて】


常人では、命がいくらあっても足りぬのでね。
とても悲しい事です。────どうも、こんばんは。


【下げた頭を上げつつ、サングラスを取り外して鋭い眼光でニコリを微笑んだ】


ちょっとした、人探しというヤツをしておりまして。
ですが、見ての通り友人も仲間もおりませんので……。この顔見たら、百十番。という感じで、お願いできます?


【──探している側に有名人≠ノなってもらおうという算段】
【日の当たらなさそうな人間は、同類に見つけた貰う他ない。しかし──】
【般若。どう考えても顔じゃない。誤認率なんぱーせんと?全国の般若の人は男の無茶苦茶な作戦の巻き添えである】


774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/23(火) 22:08:41.66 ID:u4QwcziMo
>>773


まあ、わたくし、見つける≠フもお仕事の一つですゆえ……


【なんて、軽く相づちを打って、】


それにしても、『常人では命が足りぬ』ですか……


【少女の視線は、男から、「壁の般若」へと、推移する】
【やや目を細めて、まじまじと、般若を瞳におさめ、】


貴方様は、この「般若の人物」を探していらっしゃる
そこで、あちこちに、この「般若」を刻むことで、相手をいぶりだそう、と……そういった解釈で、よろしいですか?


【再び視線を男へ戻すと、そう言って小首を傾げてみせた】


なるほど、わたくしは人捜しは得意なタチでして……きっと貴方様にとっては僥倖とも言うべき事態でしょう
…………わたくしが、素直に、「はい」と、申せば、ですが


【更に、自身の眼鏡をクイッと挙げたなら、】


……面白くないじゃないですか……不平等じゃないですか
貴方様の事情も知らない、貴方様の素性も知らない――なんて状態で、二つ返事をしてしまうのは、ね


【カツ、と、一歩、前に足を出し】


見せてくださいよ……教えてくださいよ……


【カツ、と、もう一歩、前に進んで、】


一体、いかなる因果にて、わたくしは、貴方様に、このようなお願いを、されているのかを――――ね?


【「カー」――少女に寄り添うカラスが、少女の被る水兵帽の上に、止まった】
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/23(火) 22:13:08.03 ID:ZLE85LHUo
>>772

【ふらふらと室内を歩きまわっても、それだけでは半魔は置きなかった】
【だからどんな調度品に手を触れて調べ回ることも出来るし、曲を止めることも出来る】
【といってもそんな事をする理由も無いだろうし、いじった所で此処は夢だ】

【――そして、リリアはその生命の半分を淫魔、或いは夢魔という存在として受けている】
【だから夢の中など自分の庭だったし――いやそもそも、この世界は少女の物ではない】

【本来ならば、男性の夢に降りる。夢と現の境をあやふやにして、襲うのである】
【それをもう少しマイルドに使うならば、今のような状況になるわけで】
【長くなったが、まあつまりの所――少女が『起きて』と言葉にしたのなら、その瞳はゆっくりと開いていく】



   【――――――――――】

        【―――――――】

              【―――】


【それで、夢は終わり。次の瞬間には、少女は新聞紙を枕に目を覚ますだろう】
【不思議なレナールの旅は現実ではなく、しかししっかりと記憶にこびり付いているはずで】

―――夢の中でまで私のコト考えてると、お父さんに怒られちゃうよぉ?
まあ、私自身は呼ばれ≠トイヤだって思うわけもないんだけどさ。
あぁそうそう、今は大声で叫んでも大丈夫だよ。みぃんな、今頃は夢で『イイコト』の真っ最中だから―――

【『――ねっ。』 少女が陣取っていた図書館の机、そちらに腰を降ろす形で彼女は居た】
【手には歴史書か何かを持っているが、読んでいるのかいないのか、表情は笑顔】
【格好は先程のものと変わらない。パーティーに向かうような出で立ちで、彼女は在った。】
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 22:35:06.05 ID:QqjxsYGEo
>>774


【彼の肩に止まった雀≠ェ彼の頭に乗っかり。『チュン』と鳴く──たいこう?】


ええ、それで、間違い無い、です。──。ヨ。
因果。ですか。……………………………………………………。


【カツ、カツ。ゆるやかに迫ってくる、少女に対し、男は引くこと無く】
【────その不敵な表情を崩さないまま】



ふッ。─────────────── 面白い =B


それを、私に、語らせますか────────……………………。



【などと言いつつ 微妙に目を逸らした =z

【説明を要求され、言い淀んだ、それは──────────】
【突然、目の前に現れた謎の少女に素性を晒すかどうかを悩んでいたり】
【敵かもしれない人間に対して協力を要請するのに躊躇している、なんて】

【──在り来りな、理由では、当然、無く】


……………………………………………………。はあッ!!


【いきなり奇声を上げるや、手に持ったシルクハットを指先で、もはや芸術的とも言える様な高度かつ美しく回転させ】
【ルーレットを静止させるかのように、パシリと回転を止め。手を突っ込むと、】
【中から引きずり出して少女の目の前に投げ捨てたのは────】


【ぱさり。とその目の前に広がったのは純白のテーブルクロスだった、が。一箇所────】
【何故か白い髪で眼帯のあどけない顔立ちの青年、エルフェスの顔が何故か、プリントされている、……何故か】

【テーブルクロスが地面に広がると。その中が盛り上がっていき、小さな机が出現する】
【さらに、男がぱちんと指を鳴らすと。机の足の隙間から椅子が弾き出される様に飛び出し】

【男は、指先で、自分の額をなぞるように押し付け、悩ましい表情の横顔で】



ちょっと、……。まとめる。時間を、下さい…………………………。



【ああ、何か。よくわからない関係性、……と】



777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/23(火) 22:39:14.54 ID:P9QYGnvv0
【路地裏――――赤く染められた其処を舞台として、クルクルと回る少女が一人】
【金色の髪。白い肌。纏うのはフリルの付いた紅いワンピース。放つのは禍々しい瘴気】
【知識があるならば、魔族と分かろうか。知識が無くとも、“関わらない方が良い人物”と本能が察知するだろうか】
【ピタリ。その動きを止めれば、唇の端を歪めて、誰が居る訳でも無い其処へと一度のお辞儀】


「壊れた世界にこんにちは。狂った常世にこんばんは。ハローワールドグッバイメモリー
今宵私(わたくし)アリスが演じました喜劇喜劇人によっては悲劇で惨劇
拍手喝采ありがとう、悲鳴一杯ご馳走様」

【倒れ伏して、既に事切れた人物達の表情は全てが全て恐怖の色を浮かべて居て】
【継ぎ接ぎだらけのウサギの人形。綿が出る事も気にする事無く、楽しそうにクルクルと踊りを再開するのだろう】
【辺りを真っ赤に染める程の血でありながら、遺体に外傷の一つも見当たらない不可思議な現象】
【――――そして、その血も徐々に虚空へと溶け出して、朱の色合いも薄まっていくのだろう】


「白ウサギを追いかけられないアリスはどうなるの?
意地悪女王様は嫌いよ嫌い
チシャ猫はただ笑うだけ。でも私とお話ししてくれるの
だけど今は居ないから、誰がお話の紡ぎ手になってくれるのかしら」

【再び止まれば、“其処に在れ”とただ呟いて】
【少女の背後に現れるのは巨大な一冊の本。パラパラとページが捲られたかと思えば、ゆっくりとティーセットと小さなテーブルが現れて】
【ちょこんと椅子に座れば、場違いなティータイムを楽しむのであろう】


「公爵夫人も帽子屋も三月うさぎもみんな眠ってる
退屈ね、退屈。白雪姫でも呼んで一緒に遊ぼうかしら?……もぐもぐ」

【本もゆっくりと消えれば、ポットの横に置かれたクッキー皿から一枚其れを取って】
【これまた、場違いながらも暢気に食べ始めるのだろう】
【傷一つ無い遺体。継ぎ接ぎ人形。其処には紅茶を楽しむ少女が一人】
【――――偶然訪れてしまった人は、不幸か否か。少なくとも、いきなり襲いかかってくるなんて事は無さそうだが……】





【まだポツポツと明かりが残る街道。其処に集ったのは、数匹の子犬たちで】
【――――囲まれた様にして立つのは、一人の少女】
【金色の髪を持ち、人目を引くのは狼の耳と尾。それと――――金色の隻眼か】


「だから、今日は何も持ってきてないんだってばー……
ああもう、そんな風に鳴かないの。男の子なんでしょ?
次はちゃんと君達の好きな物持ってきてあげるから……ひゃっ?!
ちょ、ちょっと!足舐めたって何にも出ないってば!」

【同族とはちょっと違うけれど、子犬たちは遠い遠い親戚みたいなものなのだろう】
【クスクスと楽しそうに話しているが――――言葉が通じているのかは、微妙な所である】
【内一匹を抱え上げれば、言い聞かせる様にして視線を交わして】


「ほら、君達のおかーさんもあそこで待ってるから早く帰りなよ
……うん。大丈夫だって。次はちゃんと持ってきてあげるから」

【小さな尻尾をふりふりと振りながら立ち去って行く子犬たち】
【時折名残惜しげに振り向く一匹には苦笑と共にそんな言葉を贈って】

【―――――やがて訪れるのは完全な静寂】
【何時かまではあったのであろう、もう片方の瞳。傷口を撫でるかのように指先が辿れば、今度は自分に向けて苦笑を漏らして】
【さて――――時間も時間故、こんな場所に少女が一人立つのも不審な話】
【果たして、話し掛けようという奇特な者は居るのだろうか】
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 22:40:49.56 ID:2kU9KOUR0
>>775

【結局。好奇心は理性に押し潰されて、拉げたままに飲み込まれる】
【だから、室内を彷徨ついてみることもなかったし、何かに触れることも特になかったし――おもしろくないというなら、そうだろう】
【掛けた声の齎した結果、三日月が半月に、半月が満月に、肥えていくように開かれる瞳を追いかけて、】


【――がたん、と。靴のかかとと椅子の脚とか熱烈に抱きしめあった音が、静寂の部屋に響くのだろう】
【意識と無意識の膜を芽吹くように断ったなら、目覚めた視界はあたりを廻って、現在位置を思い出すかのよう】
【そうして認めた光景――誰も彼もが眠っているというならば、或いは夢よりも夢めいておかしくも見えるのだろうか】

…………、

【そこが夢だと理解していた夢だとしても、覚醒と昏睡の狭間で揺れる眠りだったとしても、結局は眠りなら、】
【現状を理解するために空く間は長くもない数秒ばかし。外から見たなら、リリアの言葉を大人しく聞いているように見えた】

……じゃあ、次からはお父さんの夢だけ、見るようにする。

【ここは→図書館 いまは→現実 めのまえにいるのは→   】
【――理解出来たなら、笑顔に対したのは伏せた眼差し、今更ながらに向けた警戒が、色を成してちらつく】

【染められたように黄緑と混ざり合う桜色の魔力。前に会ったときと違う色合い――それに、黄緑色は誰の色だったか】
【少女の周りで踊るようにちりぢり舞う燐光の欠片、ただ、すぐに手を出すわけでないなら、】

……――なにか、よう? わたしは、聞きたいことがあるの

【ひとつ、ふたつ、尋ねたいことがあった。(――だから、新聞なんて読んでいたのだけれど)】
【ほんの僅かに椅子を引く音、こここと響いて、いつでも立ち上がれるような位置に置いて、じ、と見据える瞳】
【首を傾げたなら、尾っぽのように結われた髪先がゆらり揺れた】

【――淫魔たる証明めいた言葉には、対した反応もない。どうせ知り合いですらない他者だし、邪魔が入らないならばいい】
【(血縁のない父親がある日から淫魔に程近い存在になったとか、欠片ほども思っていなかったし)】
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/23(火) 22:58:55.62 ID:ZLE85LHUo
>>778

【先の尖った尻尾がゆらりと動き、少女の意志を茶化すように踊っている】
【あくまでこちらから彼女に対して何かを為そうというわけではないのだろうか】
【その手に持つのはあくまで本一冊だけであり、武器や爪を研ぐわけでもない】

【むしろ向けられた警戒の色がくすぐったいとでも言いたげに、クスリと笑い】
【足を組んで高いヒールを浮かせれば、片手は机に、一方は閉じた本を持ち】

『なにかよう?』……だなんて、随分とご挨拶だね?

なんだか可愛い娘が私のことを考えながら寝ている、なんて気がしたから
まあつまり、呼ばれた気がしたから来てあげた……そういうつもりだったんだけどねぇ

【くるりと少女に多重円の瞳を向ければ、大きな宝石のイヤリングが音を立てた】
【加えて彼女の癖が強く、その上いかにも邪魔そうで野暮ったい髪を払う】
【その色は以前の毒々しい橙ではなく、そこにミルクを足したような穏やかな色彩を誇り――】

……で、なんの御用かな。私はキミのコト、もう飽きちゃったんだよね
だから解放した訳だし……あっ、もしかして感謝のキスでもしたくなっちゃったのかなぁ?
だったら何時でも受け付けてるよ鈴音ちゃん。キミのお父さんがうるさくならない範囲でね―――。

【ふふっ、と笑うその表情に、何かしらの悪巧みやらは見て取れなかった】
【そも悪魔でもあるのだから隠すのは造作も無いだけかもしれないが、取り敢えずは自発的に、と言うつもりは無いらしく。】
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/23(火) 23:01:56.52 ID:u4QwcziMo
>>776


…………えー…………と


【一旦足を止めた少女の無表情の中に、僅かに滲むのは、呆気にとられた色だ】
【目の前の男が披露した、新たな意図不明の手品≠アそ、その理由であることは言うまでもあるまい】

【手品だけなら或いは、面白い≠ニ一笑に付すことも出来たろうが】
【なんだか「見覚えのある顔」……というか「因縁のある顔」が、あの布切れに鎮座ましましているような気がして】
【恐る恐る注視してみれば、やっぱりテーブルクロスにプリントされた「あれ」は、「彼」なわけだ】


…………エル……フェs…………いえ、


【ならば、やることは一つ】
【少女はスカートのポケットから、「黒い携帯端末」を取り出すと、その画面を弄りだした】
【――すると次の瞬間、少女の足下に「黒い水たまり」のようなものが出現したではないか】

【少女はなんてことはないように端末をしまってしゃがみこめば、その水たまりに両腕をずぶずぶと突っ込み――――】
【なんと少女は、水たまりから謎の小包を引っ張り出した】


……お互い、お茶でも飲んで、リラックスいたしましょう


【――――結論:「落ち着こう」】

【彼女がおもむろに小包を開封すれば、中より出でたるは、まさしくティーセット=z
【「ポット」「ティーカップ」「受け皿」「スプーン」「インスタントコーヒーの瓶」「砂糖の瓶」「ミルクの瓶」】
【食器類に至っては、数人分が用意されている始末で――】


…………まとめる時間…………よろしいですよ、差し上げましょう
そして精々、わたくしの満足するお応えをお聞かせ願いたいものです


【小包の箱をひっくり返して台にして、その上でせっせと、しゃがみ込んだままの少女は、カップに黒い液体を満たしていく】
【辺りには、場には似つかわしくない芳醇な香りが漂って、】


なぜ、般若の方を追うのか
なぜ、このような方法で不特定多数へその存在を知らしめようとするのか
なぜ、見ず知らずのわたくしへ、躊躇うことなくお願いするのか、出来たのか
――なぜ、なぜ、なぜ……と、因果を紐解くのは、きっと、そう……貴方様のため≠ナもあるのでしょう


【かちゃり……少女は、湯気のたつカップを、受け皿に乗せた】


…………コーヒー、飲めます?


【かくして彼女は、小首を傾げて、そんなかわいげのある問い掛けを、しかし無感動に、男へ投げ掛けるのであった】
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/23(火) 23:10:48.96 ID:B5MnP0ED0
>>777

【その愛らしくも狂った赤い広間に現れた招かれざる客】
【櫻の国の民族衣装を纏った優男だ】

「ミスコン合コン、僕ロリコン! 真竹霊亀です!」

【変態である】

「あははー! おぜうさん、夜中にこんな所で一人でいたら変質者が寄ってきちゃいますよ!」

【膝ガックガクだ】
【この変態、内心かなりビビッている】
【それはそうだ。この男、ちょっと変わった術が使える程度の一般人なのだから】

(クッ! 私の左目がすっごい警告してる! ここめっちゃくちゃ危険だって言ってる! さっきからハザードアラーム鳴りっぱなし!)

【しかし、と】
【変態はゴクリと喉を鳴らし】
【なけなしの勇気を振り絞る】

(しかし、こんな夜道におんにゃのこが一人ッ!)

(声ッ! かけずにはいられないッ!!)

【変態の思考である】
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 23:29:05.84 ID:QqjxsYGEo
>>780

ありがたい……。

【ありがたく時間を頂いた男は。トントン、と脳みその隙間から】
【記憶の粒を振動で取り出すかのように自分の額を叩き考える】

【唸っていると。次第に、嗅覚を刺激する、芳しい香りに気が付いた】

おや、用意周到ですね……。素晴らしいです。

【ズズ、と自分の椅子は机のしたから手で引きずり出し座った】

ええ、カフェインは私の貴重な動力源の一つ、で────。

【ふと。先ほど、彼女の一言が彼の頭の中で、何度も、何度も響く】
【「何故?」──「因果」──「紐解くのは」──「貴方様のため=v────…………?】

【ガタン!芳しい黒いお湯をすする事無く、座ったばかりの椅子から跳ね上がる様に立ち上がった】

分かりました!!!!!!

【もしかしたら、何気なく言ったかもしれない。彼女の言葉は、彼の中にあった難解なパズルを解く、最後のピース≠セった】


これは──失ったモノを取り戻す、私の物語≠セったんですよ!!


【なるほど!────────────────────意味が分からんッッ!!!】


【男が、飛び上がる様に巨大な「形相恐ろしい般若の顔」の絵をバックに立つと】
【彼の周囲が徐々に薄暗くなっていき。漆黒の闇が彼と般若の顔を覆い隠した】
【次の瞬間。まるでスポットライトが当たったかのように彼の周囲だけが丸く、照らされる】

【光から目を守るかのように右手で右目を隠し、それをゆっくりと外側にずらしていく】
【彼の鋭い両の目が露わになった瞬間、ゆっくりと彼の口が物語を紡ぎ出していく──】


──かつての私は、今とは違い。悠々と日の当たる場所を闊歩していた。そんな夕暮れ時の事だった


【  な  ん  か  始  ま  っ  た  】


私は、そこで一人の女性と出会った。何故か全身大やけどだった事を鮮明に覚えているが、理由は忘れた────
女性の名は雀。対機関を志す。MADな戦士!私たちは意気投合し。コードネームを付け、互いのミッションをこなし合う同士。いや、私は戦友(トモ)と思っていた


【くるり、とターンをして。左手でシルクハットの唾を掴み、大きく弧を描くように取り外すと。そこには鋼色の翼の雀ちゃんが!『ちゅん!』】


この雀ちゃん≪シルバー・ウィング≫は彼女の持つ特殊な刀によって精製された鳩ならぬ、伝書雀────
最初のミッションは、対機関連合を探し出し、彼女を紹介する事!見事、リーダーを探し出した私は、彼女のオマケでその仲間となり

機関との刃と刃のぶつかり合う混沌の世界に足を足を踏み居れた私は、争いの日々に心を踊らせていた
連合に所属してからもミッションは続け、様々な物を互いに提供しあっていった。しかし、そんな日々も永遠に続く事は無かった──

『第一章 戦友(トモ)と仲間』──完


【成る程。男は、友を、仲間を手に入れた。しかし、男は先程、この語りの中に出てきた友人≠熈仲間≠煖盾ネいと言った──】
【失ったモノ。つまり、彼のソレらは─────……。い、一章 完……ツヅクノ?コレ?。……これ、止めるなら、いつ止めるべきか──(振り)】

783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/23(火) 23:30:04.50 ID:RiSLUZ2To
【路地裏】

【振り上げる。振り下ろす。振り上げる。振り下ろす】
【さっきから、ずっとそんな行為が繰り返されている】

【倒れ伏す、三人の男たち。全員が、髪をカラフルに染め上げていたらしい、という以外は、もう何が何だかわからなくなっている】
【幾度も幾度も、執拗に刺され、抉られ、破壊された彼らの身体は、ほぼ隙間なく真紅に染め上げられ】
【地面に広がる血だまりと肉片は、混ざり合ってどれが誰のものかわからなくなっている】


【振り上げる。振り下ろす。振り上げる。振り下ろす】
【とうに息絶えている三人の男たちを刺し続けているのは、大きな肉切り包丁。それを握る太い腕。その先にある巨体】
【惨劇を作り出している張本人は、身長2メートルを超えているであろう大男だった。短めに切りそろえられた黒髪に、黒い瞳】
【角ばった顔つきに張り付いたような無表情。その身を包む灰色の作業着とラバー地の黒いエプロン、黒いゴム長靴。すべてが、返り血を浴び続けている】

【振り上げる。振り下ろす。振り上げる。振り下ろす】
【単調な作業に過ぎない、と言わんばかりに揺らがない瞳は、視線こそ三人の男に向いていたが、見据えているのは虚空だった】

【そこから少し離れた場所、壁際には一人の若い女が地面にへたり込んでいた】
【その衣服は無残に引き裂かれ、整った顔立ちに残る涙の跡。目の前の光景から目をそらすことすらできず、ただ震えるばかり】
【大男は、彼女のことは気にも留めていないらしい。ひたすら、眼前の作業に――いや、己の思考に没頭している】

(……足りないな。あらゆるものが足りない。足りなさすぎるんだ)
(どう行動すべきか。慎重なばかりでは、どうにもならん。わざわざ『スクラップズ』まで招集したのだから)
(だが……行動するためにも、まだ足りない。まだだ。まだまだだ)


【振り上げる。振り下ろす。振り上げる。振り下ろす】
【肉を抉る音。骨を削る音。誰かがこれを耳にしてくるだろうか。誰かがここへ踏みこんでくることがあるだろうか】
【三つの肉塊と、震える女性と、醜悪な大男。いったい、この光景はどう映るのか】

【振り上げる。振り下ろす。振り上げる。振り下ろす】
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 23:36:56.96 ID:P9QYGnvv0
>>781
【――――カチャリ。カップを受け皿に置けば、ただ一瞥するだけ】
【問いかける事も無く、言葉を掛ける事も無く】
【狭められた瞳孔はまるで得物を狩る獣の様であったけれど、其れが何時までも向けられる事も無く】
【常人であれば何処か居座り辛い雰囲気が続くのだけれど、さて、それはこの場に現れた男にとってどの様に感ずるのか】


「寄ってくるのが変質者でも悪魔でも、天使でも神様でも構わないわ、構わない
だけど、五月蠅いのは嫌なの。お話、お伽噺も聞けなくなってしまうでしょう?
折角のお話も、形にならなきゃただの戯れ言。そんなの、つまらないわ、つまんない。……もぐもぐ」

【数十秒か、数分か。どの程度時間が経ったかなんて分からないが、呟いて】
【気配を消すことも無ければ、愛想笑いの一つを見せる事も無い】
【その様だけ見ればただ機嫌が悪い子供にも見えるのだが、放っている気配の質が悪く】
【気ままにクッキーを取れば、そのまま口へと運ぶのであろう】


「それで、あなたは何故此処を訪れたのかしら
気紛れ?お散歩?自殺願望?それとも新しい役者さんかしら
別にどれでもいいし、どれだって構わない。人間の考えなんて、そんなものだもの
でも、偶に楽しい人も居るのよね。人間」

【やっと、初めてまともに視線を向ければ、小首を傾げ】
【何故此処に来たのか問うようで。或いは、目的があるならば話すように促すようでもあって】
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 23:40:08.99 ID:2kU9KOUR0
>>779

【ぴこりぴこりと踊る尾っぽの先、猫ならば喜んで飛びかかりそうでも、視線で撫でるだけに留めて】
【本を持つでもない空っぽの手は机の上に曖昧に載せられたまま――指先が夢中でしたように机を僅か、撫でただけ】
【その終点で一度とんと机を叩くのは音以上に意味もない。手慰みよりも無意識に戯れて】

……じゃあ。考えながら眠ったら、いつでも来てくれるの?

【――なんて、鈴の音は冗談の色合いで紡がれて。傾げてみた首、きちと向けるのはオッドアイ】
【尋ねてみたところでその必要性もないならば。まともに答えてやることも冗談にしかならないような、そんなもの――】

【前の邂逅からろくな時間も経ってないはずなのにいくつかの差異、瞳の色が逆になっているのもそのひとつ】
【相手の容姿にも多少の変化があるなら、追いかけて――ただ、口に乗せるほどでもないだろうと判断を下す】

しない、よ、そんなの。……でも、そう、全部答えてくれたなら、考えるかも。

【その姿を現実で認めて以降浮かび続ける笑顔、こちらはどうも拗ねたような――印象のいいとは言えない表情が続く】
【輪っかを重ねたような瞳、見つめているだけでいやな記憶が思い出されそうで、ぐらぐらするような錯覚】

……どうしてお父さんを殺そうとしたの、あの男は、あの女だってだれ?

【――だから。逸らした視線はちょうど胸元辺りを見つめ……ない。じりじりと落ちた視線が結局捉えるのは胸よりも下の位置】
【表情に不機嫌さがいくらも増す。いやなことを思い出したようにも見えて、その実、この少女は洗濯板程度】

お父さんが変なの、遭ったんでしょう、なにかしたの? あと……お前がしたんだって、お父さん、言ってた。なんで?

【合間にどうにも嫉妬めいた感情を挟んでも、聞きたいことがあるというのはなんら嘘でもないなら】
【つらつらと並べ立てていく質問たち、一度に訪ねたなら性急にも思われるのだろうか――内容も偏っている】
【意識の真ん中に据えているのは自分のことよりも彼のこと。自分のことなんて一番最後、当事者だと言うなら言葉も省く】
【双子の卵も楔もなくしたなら、残るのは人外めいた気配だけ――父親の願ったとおりのかたちで、そこに居た】
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[ !nasu_res]:2013/04/23(火) 23:44:01.79 ID:fftAexQ60
>>783

【―――闇は闇へと引き寄せられる。】
【―――こつん。―――こつん。男が包丁を振り降ろす音に合わせるように路地裏の奥から足音が響いてくる】
【それ次第に近づいて………どこか蛇が這うような嫌な雰囲気も漂い始める―――そして路地裏の深部の闇から金色の光≠ェ二つ。】

いやぁ………精が出ますねぇ―――あららもう原型留めてないじゃないですか………恐ろしや恐ろしや。
何か物思いに耽っているようですが………どうかいたしましたか…?

【建物の影で良く見えないが、ダークグリーンのスーツを着込んだ長身の青年がいつしか現れていた】
【金色のシャギーのかかった瞳にハーフフレームの眼鏡………そしてその奥には涼やかな糸目があるが―――、】
【ほんの一瞬、そのさらに奥にある蛇のように瞳孔の細い金色の瞳≠ェ妖しく光り、大男へとまるで絡み付くように向けられた。】
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/23(火) 23:44:33.15 ID:fftAexQ60
//oh!色をミスりました!
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/23(火) 23:46:05.75 ID:QqjxsYGEo
>>782
//訂正です、なにをやってるんや!!
女性の名は雀。対機関を志す。MADな戦士!私たちは意気投合し。コードネームを付け、互いのミッションをこなし合う同士。いや、私は戦友(トモ)と思っていた
→女性の名は「寿々」。対機関を志す。MADな戦士!私たちは意気投合し。コードネームを付け、互いのミッションをこなし合う同士。いや、私は戦友(トモ)と思っていた
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/23(火) 23:47:39.91 ID:u4QwcziMo
>>782

【コーヒーを飲めるらしいならば重畳】
【彼女は、カップの一つを男の分として置き、更に自分の分を注ぎだし】


――――…………え、あ、はい


【突然、「分かりました」とか「私の物語」だとか叫び始めた男を前に、生返事を返すしかなかった】
【目をしばたたかせる少女の心境は推して知るべきだろう】

【無論、少女の言葉にはすべて、意図≠ェあった】
【だが「打てば響く」……とでも言おうか、ここまで露骨に反応があるとは、内心驚かざるを得なかった】

【どうやら何かが始まるらしい気配を察知した少女は、ぱちぱちと気のない拍手を送り、】
【注ぎ終えた自身の分のコーヒーを手に、立ち上がる】


………………


【一口、コーヒーを口に運び、一方で耳朶に響くのは素晴らしくも儚い、壮大なる物語≪ストーリィ≫=z
【……と、でも形容しておけば少しは聞けるだろうと己に言い聞かせ、彼女はきっとその『第一章 戦友(トモ)と仲間』を静聴するのだ】
【途中、鋼色の雀の鳴き声に呼応するように、少女の頭に乗ったカラスが「カー!」とか調子よく鳴いたが、それも少女の頭を悩ませる遠因となったりなんだり】


……ええと、その、ありがとうございます
いえ、実に涙を誘う……展開……でした、ね……ええ……
ですが、何と申しましょうか……ちょっと待ってください、全何章の予定ですか
拝聴したくないわけではないのですが、お互い、時間の都合もあるでしょうから、あまり長いと……ね?


【男が語り終えれば、彼女は笑うでも泣くでもなく、「涙を誘う」なんて感想とは乖離した滔々とした口調で、そう告げるだろう】
【要するに、遠回しに落ち着け≠ニ打診しているわけで――】


……とりえあず、ですよ
お仲間との出会いと、別れ……その流れについては理解しました、したということにさせていただきます
それが、どう、あの般若≠ノ繋がるのか……という点に関しては、まだ首を傾げざるを得ませんねえ……


【ふう、とここで一息ついて】
【少女は、再び、コーヒーを啜るのである――――立ち飲みで】
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/23(火) 23:47:44.62 ID:B5MnP0ED0
>>784

【霊亀は瞳を閉じ、少女の流れるような言葉を聞き入っていたが】
【しばしの後、ふっと笑って】


(絡み辛っ!!)


(やばい、何言ってるかさっぱりわからん。マジモンだよ、マジモンの逝ってる子だよ・・・!)

【爪をガジガジ噛みながら呟くが、何も答えねばヤバいと思って口を開く】

「えーっと、はい。うるさいですか、すいません。声ちっちゃくします」

【もごもごと先ほどとは打って変わって小さい声だ】

「えーっとなんで来たかというと」

【キラリと光る笑顔で】

「そこに女の子が居るからです!!」

【うるせぇ】

「そういうアナタこそお話とは? 私が思うにお話とは口を動かせば完結する物ですよ。
 そこで大勢の人が血を流す物ではないと思うのですが・・・?」
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/24(水) 00:03:57.93 ID:LsQaoL2ko
>>786
【振り上げる。振り下ろす。振り上げる。振り下ろされて、止まった】
【ただでさえ、うす暗く、陰鬱なこの空間においてなお、その気配は肌のじっとりとからみつく】

【奥にいた若い女は、その姿を目にし、短く悲鳴を上げた後、ゆっくりと気を失った】
【ただでさえ、張り詰めていたこの場にさらに現れた“異質”に、とうとう耐えきれなくなったらしい】

【そんな女性を、やはり一瞥すらすることもなく。大男はゆっくりと立ち上がって、現れた青年を見た】
【建物の影に、まるで闇の中にどうかしているかのように佇む青年。影のうちにあってなお、妖しげに光る金の瞳】
【輝きに絡みつかれて、大男の背中に悪寒が走る】
【その一瞬から立ち直り、改めてその姿を見れば……一方的に、見知った相手であった】

(……このごろは、思いもかけぬ遭遇が多い。まさかこんなところで……)

……お見苦しいところをお見せいたしました。どうか、ご容赦を
いえ、大したことではないのです。少々、今後の予定について考えていたのですよ

お初にお目にかかります、レギン様。機関一般構成員の、カニバディールと申します
夜の国でのご活躍は、報道にて拝見いたしておりました。ご拝謁の栄に賜り、恐悦至極です

【血塗れの肉切り包丁を素早くぬぐい、エプロンの内側にしまいこむと、大男・カニバディールは眼前の青年へと一礼した】
【立て続けに夜の国に前代未聞の大打撃を与えた人間。元支部長にして、現六罪王。このようなところで、こんな大物と行き合うとは思っていなかった】

……しかし、このようなところでお会いしようとは思っておりませんでした

【やはり、カニバディールとて機関に籍を置くだけの胆力は持ち合わせているようだ】
【その大物を相手に、それも直接の対面は初めてだというのに、この言葉】
【なぜ、彼ほどの人物がこんなところにいるのか。はっきりと言葉に出さずとも、その目と、訝しげな声音。はっきりと疑問を発している】
【蛇のごとき、金色の瞳を、暗い瞳で正面から見つめて】
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/24(水) 00:07:43.46 ID:2pawexu90
>>790
【ぽりぽり。むしゃむしゃ。時にはゴクゴク】
【まぁ、優雅なティータイムというよりは、子供のおやつの時間】
【ふーん、だとか。へーん、だとか。聞いているのか居ないのかよく分からない相槌を返して】


「女の子が居るから?可笑しな理由ね。可笑しな理由
女の子なんて沢山居るわよ。星の数ほどなんてロマンチックな事は言わないけど、少なくとも此処の役者さん達よりは多いはずよ
あ、私が眷属にするなら扱いやすい子の方が良いわ。きっと、その方がお話を作りやすいもの」

【――――返された言葉を聞いてみれば、一応耳は通っていたのだろう】
【どちらにしても、年頃の女の子の見た目とは思えない返し】
【カチャカチャと音を立てれば、空となったカップに再び紅茶を注いで】


「口を動かしただけで終わってしまうお話も偶にはいいわね
だけど、一つ一つの生き物が作るのもお話なのでしょう
あなた達の言葉で……ええっと……歴史。だったかしら
今まで続く歴史のお話の中で沢山の血が流れてるみたいじゃない。それからすれば、こんなのは微々たるお話よ。お話」

【クスクスと笑えば、この場で殺された人々の事なんて歯牙にも掛けた様子は無く】
【ただ、自分の“お話”を作るためだけに行っただけ】
【――――自分勝手な殺戮に巻き込まれた人からすれば、たまったものでは無いけれど】
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/24(水) 00:08:07.37 ID:0D1Pz0gbo
>>785

行ってあげるよ?だって私は、ヒトの夢に住む生き物だからね。

【『半分だけどさ』と言ってから、リリアは瞳を少女のそれと合わせた】
【そも生物としては勿論、偶然にも催眠に特化した歪な両目だが――今日は、静か】
【ただ彼女の不安な気持ちを掻き立てるには十分であるかも知れないが、それは別の話】

【さて、少女がNO≠ニ答えれば、冗談めかして残念そうな顔を作り】
【しかし質問に答えるのならと告げられると、表情の明るさが三段階は上がったように思え】

【―――しかし、が二度ほど重なった。楽しみは増えたが、これまた難解なパズルだ】
【少女の言葉は質問というより単なる羅列に思えなくもない。いや、推測は可能だが】
【取り敢えず明瞭かといえば、リリアはそうは感じられなかったとだけ――それでも、口を開き】

私の計画の邪魔だったからね。それに、月彗に話を持ちかけられたからさ
月彗、知ってる?詳しい事情はしらないけど、キミのオジサンみたいだよ

あの女っていうのは……龍に化けてた、あのオバサン?
だったら知らなぁい。私もアイツ嫌いだし、見つけたら教えてよ鈴音ちゃん
……あぁでも、あの親しさだと前のオンナ≠ゥ死ぬほど親しい間柄≠カゃないかなぁ?

【質問には答えるが、そこに少しばかりの悪意を織り交ぜるのがこの女だ】
【推論だから知らないよ、なんて言われれば何とも返せないが――ふと、視線にも気付いたようで】

可愛いなぁ……、……?会ったし、シェン・ロンドと一緒に居たから殺そうとしたよ?
でも結局キミのお父さんは見逃した上に、卵も呪縛も解いてあげたのは確かだね

……なんで、って?それはやっぱり、機嫌が良かったからじゃないかなぁ
私って、教会とかだめじゃない?でもねっ、最近そんなモノ怖くも何ともなくなっちゃってさ
だから機嫌もいいし、そもそもヒトにそこまでの興味なんて無いんだよ、私は。

【見るものによって多少姿形を変えるリリアの肉体は、少女にも適応される】
【コンプレックスがあるのなら――まあ、それはさておき半魔はある程度誠実に質問へと回答を返した】
【ただ分からないのは『変なの』という事だったが、印象として元よりそうだったからか追求は無くて。】
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/24(水) 00:20:57.64 ID:Y/Xs/98T0
>>792

【眷属、というワードを聞き入り】
【ようやく眼前の少女が魔の者であることを確信する】

「ええ、そうですね。女の子は沢山いる。
 だけど沢山居るからと言って、人は1つ1つを蔑にしてはいけないんです。
 そこに倒れている方たちの様にね」

【少女を見据える瞳にもう怯えの色は無い】
【あるのは怒りを伴わない、純粋な感情】

「・・・お話、歴史。そんなことをしなくても人は一人一人が歴史を紡いでいけます。
 無理にお話などに参加させなくても、無理に配役など決めなくても。
 人は自ずと自分で道を歩み、物語を紡ぎ出していく。ま、何が言いたいかと言いますと」

【霊亀はニッコリと笑い】
【生まれて初めて少女に毒を吐く】


「余計なお世話だクソ悪魔」
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/24(水) 00:23:14.74 ID:5Iqyjjz5o
>>789


【舞台に対して、申し訳ない程度の拍手だったが。大量の爆薬に火花を放り込むように、彼は爆発した】
【──が、その後の落ち着いた彼女の口調と言葉は、そこに水をぶっかける様に沈下する事に成功した】

──はぁっ……………はあ……。

【まさに爆発。一章で完全に力を使い果たしている。フラフラとまた死人の様に机に戻ってガタンと座れば】
【自分に容易されたかと思われる、コーシーをすすり、微妙に落ち着きを取り戻した声色で──】

ゲホッ!グ────………………失礼。しまし、──た……。

【謝罪し。話を続ける。──第二章以降に相当する話を。ある程度、省略して】


何時の出来事かは、覚えていません。彼女は死んだ。戦死です。ふさわしい最後といえるでしょう。
だが、不思議な事に彼女≠ニ私の関係は続き。引き継いだのは、刀≠ナした。この雀ちゃんを生み出した。

擬人化してて、男だか、女だか、分からない容姿ですが、その刀≠ェ私の新たな仲間でした。


【意志のある刀。珍しい存在ではあるが、その事は本筋ではなく。──本筋でもある】


時は流れ。現在。以前と比べ対した目的も持たず、意味もなくとフラフラとして居た私は……
数日前にその刀≠ニ再開しましてね。雀≠ナのやり取りはあっても顔を見合わせるのは二度目でした……。


【ゆっくりと、だが。話を続けていくと。やはり、ぐったりとしていた顔は話が進むに連れ徐々に赤みを取り戻していく】
【だが、先ほどの様な勢いだけの話し方ではなく、ゆっくりしたままで、尚且つ、力強く=B話を進めていき──】


人の形をしていても刀≠ナあるソレは、あろうことか、機関員に保有されていると、刀≠ヘ言い……!
対向できる力が無かった刀≠ヘ私に望みと、最後の力をこの雀ちゃんに託したのです────。

般若の人物は。その機関員、だと思われているものです。そう、この般若の終着点には……。

 かつての戦友(トモ)の武器 ≠ナあり、今の 仲間 >氛氓サして、薄れかけていた 対機関 ≠フ意志──。
そう、まさにかつての私の全てが詰まった───────────────────────────


 失ったモノを取り戻す、私の物語 ≠ナす。



【だが、まさにこれはただの因果、物語であり。明確な彼の意志とは無関係の事実≠ナある】
【言葉を紡ぎだし終え。かちゃり、と飲み干したティーカップを置き、ほんの少し間を置けば】

【物語の最後にあるのは、──作者の、 あとがき =z


何故、貴方にお願いをしたか。どうして、なりふり構わず、般若≠探すか。でしたね────……。


【口元を大きく歪ませ、ニヤリとほほ笑み、その親指の先を自身に突き付けるれば】


それは、─────今の私はこの展開に……  最 高 に 燃 え て い る ≠ゥらですッ!


796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/24(水) 00:28:53.36 ID:S0p+Aa310
>>791

【柔和な笑みを崩さないまま相手を見つめカニバディールが挨拶するとレギンも一度丁寧にお辞儀をしてから頭を上げる】
【カニバディールを値踏みするかのように視線を巡らせながらクツクツと低く喉を鳴らす―――月光で金色の瞳はさらに耀きを増す】
【レギンは一歩さらにカニバディールへと近づくと返答する。】

いえいえ私意外とスプラッターショーは嫌いではありませんので………もしあれでしたら続けて、どうぞ?
今後の予定ですか………最近は機関も複数の国へ手を広げていて忙しいですからねぇ………まぁそれなりの成果はあげていますが

これはこれは―――ええ、どうもよろしくお願いしますねカニバディールさん………フフ。
あーあーそんな堅くならないで下さいよ………別に六罪王だからといってへりくだる必要はありませんよ。
こんなところで会ったのも何かの縁ですし、ここは対等にお話がしたい所ですねぇ。

【口元を三日月のように歪めながらそううっすらと瞳を開いて呟く―――まるで相手の腹を探る様な視線だ】
【そして相手の続く質問に対してその笑みをさらに、もはや口が裂けんとばかりに歪めながら蛇の瞳をぎらつかせる―――。】

フフ………散歩ですよ、少し夜風に当たりたかったので。
それに―――こうやって同僚の方にも遭遇する機会もありますし………色々と現状≠この眼で見ておきたいので。
貴方の名前は時折耳にすることもありますね………一般構成の中でもかなり出来る≠謔、で………フフ。

それで………これからどう動くおつもりで?

【散歩―――確かにこの何の変哲もない路地裏にいきなり現れても何か巨大な作戦には思えない………本当に気の向くままに現れたのか】
【それとも………この目の前にいるカニバディール≠ニいう男と接触する為に現れたのか―――真意は定かではない。】

【そしてレギンも初対面だと言うのに相手の懐へと入らんと言葉を紡ぐ―――さて、この邂逅がどう転がるか。】
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府)[sage]:2013/04/24(水) 00:35:08.68 ID:+77Mh17wo
【公園】
【静まり返った其処に、足音が響く】

……
【闇夜を閉じ込めたかの様な黒髪を腰の中程まで届かせ、まだ年相応の、人形の様に整った顔立ちの少女はふらふらとした足取りで歩いている】

買い替えないと…ダメですね。
【薄暗闇にあっても紅い瞳が光っている。半袖の白いブラウスはところどころ破れ、浅黒い赤色がそれを汚していた】
【襟元には紺色のネクタイが緩く巻かれ、膝上丈のプリーツスカートからのびる白磁のような脚の右太腿を赤い線が伝って】
【その線を追うと不釣合な大振りのナイフが血塗れたままホルダーに収まっている】
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/24(水) 00:43:44.87 ID:2pawexu90
>>794
「死ぬその瞬間までお話は続いているでしょ?
ピリオドが無い本なんて、お話なんて、私は読んだこと無いんだもの。読んだことが無いわ
私は無理に参加させていないわよ。勝手に参加してきたの。今此処に居て、話し掛けてきたあなたみたく
勝手に舞台に上がってきたのなら、配役を決めたって良いでしょう?」

【罪悪感も、喜びも無い。敢えて表すならば無関心】
【倒れ伏している人々に向けられて居たのは、そんな感情】
【壊れた役者なんて使えないのだから、当然と言えば当然――――なのかもしれないが】
【人間がそんな感情を抱くのは、きっととても難しい事】


「フフ……うふふ。そうね。悪魔。悪い魔物ですもの。私だって、人を唆すの
良い悪魔なんて、居るのかしら。居るのかしら
アダムとイヴに林檎を食べさせたのは私じゃ無いけど、ついこの前、何処かの夫婦に殺し合いをさせたのは私
街を疫病で壊したのは私じゃ無いけど、沢山の人に街を襲わせたのは私。いいお話だったわよ。とってもいいお話だったわよ」

【――――にたり。少女は。悪魔は初めて、其処で人外染みた笑みをみせるのだろう】
【再び現れた本。適当なページが開かれると、少女が掛けていた椅子も、カップも全て吸い込まれていって】
【カツカツと響く足音。手首辺りまで本の中へ侵入した頃、振り返り】


「一滴舐めれば蜜の味。二滴舐めれば極上の快楽。三滴舐めれば、死に至る
面白い子が仕える様にするには、どれが適量なのでしょうね?でしょうね
さぁ、早く行かないとお茶会に遅れてしまうわ。アリス、在り来たりな名前だけど私は私だけ
今日は誰が紅茶を淹れてくれるのかしらね」

【――――何処か、不吉な言葉】
【クツリ。最後に一度だけ笑えば、後はそのまま身体が本の中へと入って行き】
【最後まで残った本だって、結局は幻の様に消えてしまうのだから、少女の存在を示す物なんて無くなって】
【面倒事が起こる前に、この場から立ち去るのが良いであろうか――――】

/これにて落ちさせて頂きますー
/お疲れ様でした―!
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/24(水) 00:49:35.92 ID:9yDfyWwco
>>795

【少女は、男の語りに何か野次や相槌などを差し挟むこともなく】
【完全に黙して、ただ静かに、彼の熱≠受け入れた】

【それが彼女にいかなる感想を抱かせたのか】
【男の紡ぎ出した物語が終われば、彼女はゆっくりと口を開いた】


…………んー……なる、ほど、――――


【ぽつり、と】
【短くも、ひょっとすれば具体的な言葉よりも分かりやすい「理解」の句】
【うすーく口角を吊り上げたその表情は、鉄のように冷徹≠ノ固定されながらも、それなりの満足≠示していると見て良いか】

【そして一呼吸置く意味も込めてコーヒーを啜れば、】
【そこへ継がれたのは、男のあとがき≠ナ】


…………あら、中々面白い≠アとを、仰いますね


【少女は、おや、と想いながらも、そんな感想を吐き出した】
【キラリと、街灯の光を反射する眼鏡のレンズが、彼女の妖しさをどこか強調しているようで】


…………「燃えている」…………ああ、実によろしいですよ
人はそういう風に直情的な方が美しく、輝かしいものです
わたくしとはきっと縁がないその熱≠アそが……ええ、わたくしがもっとも羨望し、熱望する要素……


【グイッと、カップ内に残った液体を全て嚥下し、彼女はきっと「男」を、見るだろう】
【レンズの奥の双眸は、深海の如く深く、暗く、そして飲み込むように、彼の「両目」を、捉えてくるだろう】
【全ては、奥を覗く≠スめに】


……是非、「取り戻し」てください
わたくしは、精一杯、それを応援いたしましょう


わたくしは…………水先案内人=\―――…………『ウェル子』…………


それが、わたくしの、名、です


【然して彼女は、ぺこり、と丁寧にお辞儀するだろう】
【男の「般若を探すお願い」を、「承諾」すると思わせる台詞と、共に】
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/24(水) 00:54:40.72 ID:yP9+35gE0
>>793

……そう、じゃあ、気をつける。

【――気をつけると言うからには、逆のこと――出来るだけ考えないようにするのだろうか】
【出来るだけ邂逅を望まないと僅かに遠ざけて告げた。――彼女が望むのは幸せで満たすちいさな世界】
【それを毀す危険性を出来るだけ排除したいと願うのは卵が歪めた純粋の結果。喪っても、戻れなかった】

【残念そうな顔と嬉しそうな顔、考える、善処する、初めっからその気持ちもないような言葉の選択】
【(そんなにしたいの?)なんて思考がどこかで揺れて、分からないという風に眉が顰められた】
【――まあ、前回を思えばノリ気でないことも仕方がないのだろう。頬に、ぐらいならば。可能性は上がるだろうけれど】

【告げられること、白髪の男の正体。あの時が初対面だし、彼の情報はほぼ総てがリリアから齎されている】
【父親から聞いていない。不機嫌な表情は何もかも知っていたいという独占欲の欠片、だが。そんなことよりも、】

…………――ッ、

【ぎり、と。噛み締められる唇の色が失せていくなら、混ぜ込まれた悪意にあっさりと絡め取られたと示す】
【前の女、死ぬほど親しい――どちらでもいい、縁を絶ったのがその女だと言うのならば、元より殺してしまいたい】
【そこに付け足していくオプション、そのふたつのどちらを選んだとて、ごぼごぼ湧いては溢れる嫉妬は止まれないから】
【蛇は嫉妬深いというけれど、ならば、その血を引いた彼女がそうなのは、決まりきっていたことなのか】

【――そこにさらに追い討ちめいてかわいいなんて言われたなら。コンプレックスは嫉妬になって心を焦がす】
【今年で二十歳を刻むにしては幼い身体つき、膨らみもくびれもないなら、幼児体型と言って差し支えない】
【胸元にもしも膨らみがあったとして、正しく表記するならばそれは浮いた骨。寧ろ、へこんだ胸というのが正しいぐらい】

…………、……――教会? なんで、

【お父さんを、見逃した。信じるならば、あの違和感にこの悪魔は絡んでいない、のだろうか?】
【秒速で不機嫌色が濃くなっていく、先に逸らして以来それっきり伏せてじとじとしたままの瞳は特に示して】
【機嫌がいいことはいいことだと思う。思う、が――悪魔が教会に入れるなんて、どこかおかしな気がした】
【尋ねてみる言葉が返す――シェン・ロンドのことはひどく軽くでも聞いたから、対した反応もないままに】

お父さん、変なの、変――……雰囲気、そう、雰囲気、が、――――、

【伏せた瞳がすると横に流れる、流れて落ちて、床の擦り傷を数えるみたいにふらふらと揺れて】
【ぷつぷつと言葉を洩らしていくなら――分からない、分かれない、違和感の残滓を思い返すしか出来なくて】
【――ふと、そんな瞳が瞬いて、持ち上がる。リリアにすれば、急に見つめられることになるだろうか】
【(刹那よりも短い時間に感じた、ような気がした。そう、おんなじような匂いがする気がして、ただ、すぐに分からなくなる)】
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/24(水) 00:59:45.28 ID:Y/Xs/98T0
>>798

「無理に終わらせるものではないでしょう。
 物語はいつだって続いて行く、その人が生きている限り。
 その話が語られるのは、その人が自分から口を開いた時ですよ」

【あくまで冷徹に】
【あくまで怯えを見せない目で】
【霊亀は一言二言語っていく】

「っ!!」

【少女が見せた悪魔らしい笑み】
【それに背筋を震わせて、心のダムが決壊しようとしたその瞬間だった】

【少女が帰っていく】
【少女がどこかへ消えていく】

【霊亀はそれに心底ほっとした】
【自分はここで死ななくてもいいのだと、自分はまだ生きられるのだと】

「あはは、私はそんな物よりアナタの脇を舐めたいですね」

【最後の最期で軽口を叩くと】

【霊亀は急に足が震え立って居られなくなり】
【尻餅をついて身体を抱く】

「・・・ああああああああああああああああああ!! 恐かったぁあああああああああああっ!!」

【ガクガクと震える手で携帯電話を取り出すと】
【震える声で通話する】

「も、もしもし自警団ですか・・・?」

【通話を終えた霊亀が、倒れ伏した人たちにそっと手を合わせたのは数分後の話】


/お疲れ様でしたー&ありがとうございましたー!
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/24(水) 01:06:15.29 ID:LsQaoL2ko
>>796
【相手を値踏みするような無遠慮な視線を、自分が向けることはあっても、向けられることはめったになかった】
【一歩踏み込まれる、ただそれだけのことで心胆寒からしめるほどの輝き。消えることのない悪寒】

それは何よりです……こういった光景は、受け入れられることは少ないものですからな
さすがに、ここから続けることはご容赦いただきたいですが……

ええ、機関そのものとしても、個々人としても、このところは動きが活発なようですな


失礼、どうにも堅苦しい性分なもので……
お会いできた御縁は、喜ばしく思います。対等、とまではさすがにお許し願いたく思いますが……
私としても、ぜひこの機会に、いろいろとお話をさせていただきたいところです

【薄く開かれる瞳、三日月のごとき口元、すべてが己が身の上を這いまわる】
【多くの人間に、自分が味わわせてきた感覚……それを何十倍にもして返されているように思えた】
【自身の質問に対し、さらに深まるその“蛇”の深淵は、どこまでも底が見えず】

御自ら、現状を見て回られるとは、頭が下がる思いです
そのおかげで、この機会を得たことを思えば、なおのこと

私の名をお耳に入れて下さっていたとは、身に余る光栄ですな

【それでも、発する言葉は淀みなく。向ける瞳も、揺らがない】
【口調こそあまり変わりないが、最初の見せかけの堅苦しいまでのへつらいの態度は、いくらか成りをひそめている】
【カニバディールのほうも、少しでもこのレギンという存在がどういうものか、見極めようとでもしているのか】

【そして、向けられる問い。言葉一つが、蛇が絡むような一手】
【脳裏にはいくつもの憶測が飛び交うが、相手の真意など、とても測れるものではない】
【まさか、自分に会うことを狙っていたとでもいうのか。そんなことまで考える】


……まずは、かき集めることから始めるつもりです
戦力。物資。その他あらゆる必要なものを、手段を選ぶことなく

その過程で、カノッサの恐怖を振りまくことも考えています
人の心を恐怖で蝕むことは、混沌の第一歩かと

そして、必要なものがそろえば――次の行動へ
集めたものを使って、さらに大きなものを得る――あるいは、宝玉をはじめとした品々を
あるいは、町を。都市を。国を

スタンスとしては、こんなところでしょうか
一構成員の身で、大げさかとは思っていますが……

実際の行動、アクションとしては――まずは、手駒をそろえているところです

【己の身のうちへ滑り込んでくるかのようなレギンの言葉に、己の考えの一部を明かす】
【夜の国の生物を根絶せしめようなどという、途方もない計画を動かすレギンからすれば、ちっぽけに、あるいは愚かにすら見えるだろうか】
【しかし、カニバディールという男の目的は、ここなのだ】

【得ること。手に入れること。手に入れたもので、さらに大きなものを。さらに多くのものを】
【機関員となる前も、なった後も、そこだけは変わっていなかった】
【レギンに、その姿がどう映るか。この邂逅がどう転がるか。まだわからない】
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/24(水) 01:17:29.92 ID:0D1Pz0gbo
>>800

ふぅん……ツレないなぁ、人間って。遊び心が足りないよねぇ
そこはむしろ、私が睡眠不足になるくらい毎晩呼んじゃうとかさぁ……―――。

【こっそりと、リリアはほくそ笑んだ。それは今までの笑みとは違う、本能的なもの】
【これまでのものが少女の可愛らしさや可笑しさから来るものだとすれば――】
【今のそれは、魔族としての生理的反応に近い。だから、少女が気付けるかは分からない】
【もっとも、気付けた所でそうそう勘が巡るものでもなし。色恋なんて、そんなもので】

【ふと右手に持っていた歴史書をテーブルに放って、僅かばかり浮き上がり】
【そのまま鈴音の方へと、机の上に四足で乗るような形で向き直る】

【先ほど述べたように、今のリリアの服装はドレス。肩の露出は些かばかり、激しく】
【少女の顔を覗き込むような格好は、さぞ相手の嫉妬を誘う光景となるのだろう】
【或いは、男性であれば絶景かもしれないが―――自然とそんな姿勢を取るのも、種族故か】

ふふっ……私はねぇ、自分以外の存在が創りだした魔翌力を吸収して、複製することが出来るんだ
火を吸収すれば髪は赤に。水なら青だし、肉体もソレで構成される事になる。
……もしそこに、宝玉クラスの聖≠チて属性を落としたら、それって素敵なことじゃなぁい?

ま、それはキミは関係無いかなぁ。教会でうたた寝しちゃっても飛んでいけるくらい?
それより……ねぇねぇ鈴音ちゃん?私、ちゃぁんと質問には答えたつもりなんだけどなぁ……、……――――

【静かに、躙り寄る。相手が視線を泳がせる隙へと立ち入るように、前へと進む】
【次第に香るのは男女を問わずに魅了しようとする蠱惑的な甘い香り。それと、あの目と、唇か】
【悪魔というのは元来、何かしら対価を必要とする取引が好きなもので――つまり、そう言いたいらしいが】

――――……、……なぁに?

【急にこちらを向いた瞳に、ほんの少しばかりきょとんとした顔を見せるけれど】
【漏れる吐息が当たるような近さのままで、リリアは少女の視線の意を問いかけた】
【無理矢理に迫るようなことはしない。あくまで、半魔からすれば今の状況は遊びだったからだ。】
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/24(水) 01:20:58.69 ID:5Iqyjjz5o
>>799

『ウェル子』さん。不思議なお名前です。──おっと、失礼。


【相手の名の感想を言う前に名乗り返さないは二重に失礼というもの】
【立ち上がり。背筋を伸ばし両踵を合わせ。シルクハットを取り外し】


────────私は、リロード・ザ・マジシャン。
その右手に魔を宿せし…………そう漆黒の奇術師=I


【片手でマントの先をつまみながら深々とお辞儀を返す】
【(二つ名が無いからってでっち上げなくても良いんやで)】


────ええ、貴女の涼やかな「応援」。確かに受け取りましょう。
ただし、私の熱で溶けてしまわぬよう………………。ご注意下さい。


【ウェル子がリロードの「両目」を除くならば。そこに見えるは愚直なまでに突き進む熱血≠ニはまた別な】
【黒い瞳に燃え上がるは地獄の業火の如く歪んだ黒い炎────。愚直で真っすぐだが進むのは……】
【他者と違う自分を望み、自ら進んで踏み外した道を嬉々として突き進む。狂気の炎>氛氛氈z


……ウェル子さん。貴女の事は中々、好意的に思います。話を聞いてくれましたしね。


【彼の話を聞いていたのなら。この好意は、偶然出会い。気が合い。協力関係となった「寿々」という女性に対して】
【向けていたものに。似ている=Bいや、先ほど語っていたからか。少々、懐かしい気分になった。というべきか】


お互いな名乗ったならば。そろそろお別れの時間かな?


また会う時が、楽しみです


【楽しみ。それは、彼女が運んできた吉報の事であるか。或いは────────……………………】

805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/24(水) 01:38:56.36 ID:S0p+Aa310
>>802

【相手が未だ律儀で丁寧な言葉で返して来るとわざとらしく苦笑をしながら肩を竦める―――。】
【しかしそういった態度をしている間も相手の言葉は一言一句残さないように耳を傾けている………。】
【路地裏に漂う緊張感はより深みを増していき―――。】

そうですかぇ………機関の方々は皆さん喜んで観賞しそうですがね………ああどうです今度人体解体ショーでもしてみては?
まぁ今が好機とも言えますからね、対抗勢力は表だって行動する様子は見えませんし………UTとやらも勢いを失っているようにも感じます。

いえいえお気になさらず………どうぞ私でよろしければお好きなだけ話を聞かせて頂きますよ?

【柔和な笑みを浮かべて相手へとさらに一歩近づく―――言葉の上ではお互い丁重を装っているが………腹の中までは分からない】
【機関は現在二枚岩どころではない様々な思惑が交差している………目の前の同僚≠ェ味方≠ナあるかは、分からないのだ】

ふふ、そうですねぇ………六罪王を始めとする幹部と一般構成員等の間の壁は作りたくないですからねぇ
会いに行ける六罪王=\――なーんてキャッチコピーはどうでしょうか?え?駄目ですか?

【下らない戯言も交えつつ自身を暴こうとして向けられる視線に真っ向から蛇の眼≠ェ見つめ返す………。】
【自身の問いに対する返答を聞くと、さらに一歩………もはや何かアクションを仕掛けようとすれば仕掛けられる位置で相手を見上げる】

成程………どうやら見かけによらず慎重なようですね………ですがそのやり方は嫌いではない。
私自身利用出来るモノは全て利用する≠ニいうスタンスで行動していますからね………どこか近い物を感じます

フフ、手駒を揃えるですか…もしかすれば―――私より強欲≠ゥもしれませんね、貴方は。
やはりこうして面と向かって会うのはいいですね、単純なスペックや地位と言ったラベル≠フ奥の中身≠ェ見えて来る。

そうですね―――ですから貴方も≪利用できる物は全て利用しやがれ=

【最初は小さく水面下で………だがそれをまるで広がる波紋のように広げていく………そこには深い思惑と奥に潜む強さ≠ェ見える】
【レギンはカニバディールの奥の強さ≠フ一端を見たと感じたのか―――口元に再び大きなゆがみを生じさせポンと右手を相手の肩に置く】

【さらに………自身の奥の奥、その本性の一端を………未だ機関員の中でも知るモノの少ない凶悪で粗暴な本性を一瞬であるが曝け出す】
【未だかつてないほどの邪悪さを持った蛇の瞳≠ヘカニバディールをじっとりと見つめ………そして蛇は笑うのだった。】

【果たして最後の言葉は………六罪王である自身をも利用しろと、そういった意味を孕んだものなのだろうか】
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/24(水) 01:46:46.55 ID:9yDfyWwco
>>804


……一応付け加えておきますが……本名、ですからね?


【さらりと、自身の髪を軽く掻き上げながら、ウェル子はそう続け、】
【また相手の名乗りをも、心して聞き届けるだろう】


漆黒の奇術師=c…『リロード・ザ・マジシャン』様……ですね――
……今後、貴方様を思い出せるかどうかは……きっと……眼℃汨謔ナしょう……


【そうしてウェル子の深海≠ヘ、リロードの炎≠許容する】
【その炎がもたらすのは、黒煙か、煤か、それとも燎原か】
【可能ならば世界を焦がす猛火であることをウェル子は願い、そして、火種をくべるためにリロードを応援するのだ】


……お気になさらず
話を聞くというのも……そう、わたくしの務めですから


【……もしもウェル子とリロードの出会いに次≠ェあるとして、】
【リロードが同じ炎を灯し続けていたならば、ウェル子は恐らく彼を思い出せるのだろう】

【それが、この水先案内人≠ニいう人種だ】


お別れ、でしょうかねえ…………と、ああ、すみません、少々、申し忘れておりました


【――――が、ここで、ふと、思い出したように、】


……わたくしの身分は――


【バサッ――、ウェル子頭上のカラスが、羽ばたき、】


――カノッサ機関麾下遊撃軍=wカエルレウム・ナーウィス』所属の……


【ふわりふわりとウェル子の周囲に、湧き出るように「黒い羽根」が何枚も何枚も舞い出でて】


絶望の水先案内人


【びゅう――唐突な旋風が、ウェル子を煽った】
【翻る髪、服、そして羽根――――】


…………そういえば、貴方様の因果にも絡んでいましたっけ? ……『カノッサ機関』
これはこれは……申し訳ありません、いえ、隠していたつもりはなかったのですよ

ただ、尋ねられませんでした≠フで…………『また会う時が、楽しみ』…………です、ね?


【…………ざり、とウェル子は左足を、引く】
【リロードが何もアクションを起こさぬならば、踵を返すつもりで】

【最後に告げられた彼女の正体は、狂気の炎≠ヨ、いかに作用するのだろう、か】
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/24(水) 01:48:36.04 ID:yP9+35gE0
>>801

……別のひとに任せる、よ。

【「夜は寝たいの」なんて、都合いい言葉で飾るなら、返すのは意から外れる言葉】
【用事があったならば思い出すことだってあるのだろう、けれど、――しばらく、用事は出来ない気がして】
【毎夜呼び出しては語らうのもおもしろいのかもしれないが――父親を殺そうとしたことは忘れないし、父も嫌がるだろう】
【(まあ、実際は昼でも夜でも朝でも眠かったら寝るのだから、夜「も」と表記するのが正しいのかもしれない)】

【――そんな視界の前に曝け出されるもの、精一杯に性別をアピールする身体つき、なんだか泣きそうにもなってくる】
【逃れたくってついと逸らした視線が落ちたなら、自分の身体が目にはいって、――――逃げ道がどこにもない】
【平ら。垂直落下。大平原。どうしようもない格差がほんの数十センチの中にあるなら、「くっ」なんて言うことすら――】

――……、魔力を、複製? ……宝玉を、複製したの?
それって……、ああ、だから、大丈夫なの。教会なんて、行かないけど……――、……え?

【魔力を複製できる――それが、眼前の存在の異能なのだろうか】
【疑問系でぶつぶつとなぞってみるなら、真似たという存在の大きさに、声音が驚いたように染まる】
【ぱちぱちと瞬きするのはなるべく早く理解を進めるように見えて。――それなら、今の彼女、宝玉を持っているのと等しい?】
【鬼に金棒というべきか。弱点を明確に補った結果の現状、敵対したくないなんて思考が、今更――――】

【――そんなことだから、しばし押し黙ってしまった空白に特に悪気はなくとも、結果齎すのは空白】
【息も掛かる近さ、目の回りそうな瞳、きっとふにふに柔らかいのだろう唇、甘たるい香り】
【この少女はひとよりほんの少しだけ鼻が利くから。余計に脳髄まで浸すようで、くらりとする】

っ……なんでも、ない、違う

【ふらと揺らしたのか揺れたのか、揺らぐ頭。言葉を詰まらせて無意味に口を開閉すること数度、】
【違うとは何を指すのだろう。眼前の存在と血縁の外の父が似ていると思ってしまったのがどうしてなのか、もう辿れなくて】

【――シャンプーとリンスの甘くて、それでも重くない香り。洋服から昇る柔らかい香り、少女の纏うもの】
【どれもがじわじわ犯す毒めいた甘さを払うに足りないなら、行動はいい終えたのと少しあと】
【瞳を閉じることもなければロマンチックさなど程遠く、その頬に唇を落とそうとするのだろう、子どものするより拙い口付け】
【半分とて淫魔である彼女から見たら笑っちゃうぐらいの――】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/24(水) 02:15:00.47 ID:LsQaoL2ko
>>805
【ピリピリと、肌身に感じるほどに張り詰めた空気】
【レギンの苦笑を受けても、やはり表面的には変わらない辺り、性分というのは事実らしい】

もし、そのような機会がいただけるなら、レギン様にもぜひともご覧いただきたいものですな
その時は、特別席でご招待いたします

確かに、かのUTも、先のNo.3争奪戦以後、組織立っての行動は聞きませんな
それ以外も、勢力としてみるなら動きが鈍い様子。おっしゃるとおり、好機といえましょう

……ありがたき、幸せです

【機関の中に、いくつもの思惑が渦を巻いていることは、周知の事実。自分とて、その一端を目にしてきた】
【まして、対する相手は、魔縁の蛇王=Bその柔和な笑みの裏に、どれほどの“蛇”が潜んでいることか】

コーネリアス様も、組織としての利点は生かすべき、と主張しておられましたな
そういった壁がなるべく取り払われれば、機関には有益でしょう

……いえいえ、覚えやすく、耳触りもいい、実に素晴らしいキャッチコピーですよ

【レギンの戯言に合わせた言葉。当たり障りのないようなものになってしまっているが】
【真正面から自身を射抜く蛇の眼≠フ前では、洒落た言い回しをする余裕はさすがになかった】

【相手が、自身の眼前にまで近づく。仮に、何かの行動を起こすなら、この距離ならその効果は十分に見込める】
【頭で理解しつつも、それを成す気が微塵も起こらないのは、恐怖のためか、畏敬のためか、あるいは両方か】


……こういったやり方で、私はここまでやってきたものでしてね
どんなものでも、自分の糧にすることで。レギン様の手腕には、及びますまいが

……私も、ひしひしと実感していますよ。元支部長、六罪王というレッテルだけでは、あなたの深淵に触れることはかないませんでした

【レギンが、カニバディールの“奥”をかいま見たのなら、カニバディールもまた同様に】
【眼前に立つ青年の、深淵を少しばかり、覗き込んだ、と感じられた。強さ、邪悪、いやそればかりではない】
【この深淵を表現しきれる言葉が、果たしてこの世に存在するのか】

【ややあって、肩に置かれる感触。そして――ほんの一瞬、あふれだす“本性”】
【これほど邪悪で底冷えのする瞳をしたものを、かつて見たことがあったろうか】
【その紡ぐ言葉も含めて。あまりに恐ろしい、しかし同時に――強く惹き付けられる】


ええ、無論のこと――≪そうさせていただこう=

【ギチギチ、と気味の悪い音とともに、カニバディールの口が、耳のあたりまで裂けた】
【そこに広がる笑みのなんと醜悪なことか。この男もまた、わずかながらその本性を晒したのだ】

(月彗さんと会ったとき――底の見えぬあの姿に、強い畏怖を抱いた)
(No.14と会ったとき――這い寄ってくるかのような邪悪の気配に気圧された)
(参謀閣下と会ったとき――その智謀と器に感服させられた)

(しかし、このお方は、彼らとはまた違う……なんだ、この感覚は)
(彼らに劣らず、恐ろしい、がそれと同時に――滾る)

【普段、機関員相手には慇懃に接するこの男が、本来の態度を一瞬でも見せるなど、まずないことだった】
【思わず、それがこぼれおちるほど――レギンの放つ邪悪は強く深く、カニバディールの邪悪に響いた】
【その身の内に流れる、黒い血脈が、ふつふつと煮えたぎる。レギンの蛇の瞳≠ノあてられたかのように】
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/24(水) 02:18:42.06 ID:5Iqyjjz5o
>>806

いや、、失礼……。疑った訳ではありません。
あ、そうそう。私のも、本名≠ナすからね?


【────さらっと嘘を付きました】

【ウェル子がカノッサを名乗った時。意外にも、リロードは一瞬、非常に驚いた様な表情を見せた】
【しかし、すぐに体裁を取り繕った様に。ゴホン。と一度、咳払いをすれば言葉を紡ぎだし始めた】


…………おや、これは。これは。どうやら、一本。
取られてしまましたね。これはとても、悔しい……。悔しいが────。

────やはり、私の手品≠フ観客は闇の住人こそが相応しいという事になるのですね。


【全てを見透かしたかの様な言い草だが。見抜く事の出来なかった。悔しさというものは本当にある】
【勝負事で負けた様なものだ。しかし、その一方で、僅かな笑みと共に震わせるその身は。歓喜に近いものであった】

【結果オーライという言葉が浮かぶ。もともと、般若の顔は、協力してくれる仲間よりも、それとより深い繋がりを持つ敵≠呼び寄せる事に意味がある】


…………ウェル子さん。さようなら。また会う日まで。……楽しみに、期待しておりますよ。


【ウェル子が、協力するしない以前に彼の活動を妨害する様な事があったとしても】
【「形相恐ろしい般若の顔」を探し出す為の彼の物語に、進展があった。という事になる】

【ウェル子という存在は、リロードが思っていた以上に。深く。ずしりと。この物語≠ノ+にも−にも突き刺さる可能性の高い楔であり】
【そして、狂った男にとっては迅速に仲間を助けだすという結果よりも、物語が、いかに盛り上がるか、その過程こそが重要なのである】

        
──貴女の応援≠ね。


【ウェル子と再開する時、自身の物語がいかに狂わされるのか。それが叶うのならば】
【私に絶望≠ニいう物を見せてくれ、と。水先案内人≠フ示す先を覗きこむように】

【彼女の背中を、見送るのであった────】

//お疲れ様でしたっ!

810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/24(水) 02:27:28.00 ID:0D1Pz0gbo
>>807

そっ、残念。じゃあ他の人のところに遊びに行くようにするよ
最近は夜も寂しくてねぇ?みぃんな相手してくれないんだもん
ちょっとお話するだけ……あー、うん。お話したいだけなんだけどねぇ

【――どうだか。本当に寂しげなら、ドレスを来たりヒトを襲ったりしないだろう】
【そもそも他者に依存するタイプには到底思えないし、少女からすれば――】
【もし孤独で辛いならザマを見ろ、という所のハズで。といっても、今の形勢は逆か】

正確には少し違うけど、宝玉の創りだす聖なる炎が今の私の主原料、って所かなぁ
本来は魔族がそんなものを身に宿せば一瞬で燃え尽きちゃうだんだろうけど……

……ふふ。何せ私は、そこらのゴミみたいな連中とは違うからね
賛美歌も聖書も良い教養だよ。何なら十字架のアクセサリーもいいかも知れない
あぁ、神父さんを襲ってみてもいいかもねぇ。ソレこそ、ミサの最中とかにさ―――。

【クスクス――子供が楽しい悪戯を思いついたように笑う姿からは、力が一向に見えてこない】
【しかし言葉のとおりであれば恐ろしいことになる。そも、焔で身体が出来ているとはどういうことか】
【物理的攻撃がマトモに聞かない。魔術は元より強く、聖なるモノにも体勢が出来たという】
【―――或いは。この半魔は、何か一つの枠で収まるつもりなど無いのではないかと思われて】

【さて。少女がなんでもないと答えれば、リリアは小首を傾げるだけで、問い詰めはしない】
【自分にとって然程重要なことでもないように思えたし、『まあいいかなぁ』――と】

んっ……それじゃあ、私はそろそろお家に帰ってゆっくりするよ
もしまた会いたくなったら、何時でも私を夢に招待してね、鈴音ちゃん?
……あぁそうそう。キスはしっかり気持ちを込めてあげないと―――

【『――お父さんに嫌われちゃうよ。』 勿論、そんなのリリアが勝手に言っているだけの戯言で】
【少女のキスを受けた頬にうっとりと手を当てながら、半魔は僅かに背後へと下がり】

【そして、魔法陣の出現と共に姿を消した。それと同時に、周囲ではいくつかの音がする】
【トリップしていた、少女以外の全ての人間が机に倒れ伏す音である。きっとみんな、気絶したのだろう】
【最早夜も更けている。図書館から出て行くのなら、それを咎めるような存在は何一つとて在りはしないはずだった。】

/っと、こんなトコロで如何でしょう…?
/まあともあれ……二日間、ありがとうございました&お疲れ様でしたー!
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/24(水) 02:32:45.08 ID:S0p+Aa310
>>808

【それだけ言えばすぐにまたいつも通りの柔和な笑みを貼り付けポンポンと二度ほど叩いてから肩から手を放す】
【同時にカニバディールの横を通り過ぎるように横を通って路地裏の出口へと向かって行こうとするだろう―――その間際】
【それ違いざまに再び囁く………。】

兵器、兵士、情報………何か欲しい物があればご連絡下さい………六罪王の権限を使ってサポートさせて頂きますよ
なんならナンバーズにでも昇格いたしますか?クク―――どうぞ何なりと………私と貴方は対等≠ナすからね………。

私を喰い[ピーーー]気持ちで………どうぞ懸命に動いて見せて下さいよ………そして私を愉しませて下さい。

【つまりは、愉悦か。】
【相手を自身の寝首をかけるほどまでに膨れ上がらせ………そうした相手を自身が取り込むか、それとも食いつぶされるか】
【そこに愉悦を見出しているのだろうかこの男は―――やはり歪んでいる=c……だがそれは同時にカニバディールを完全に認めた≠ニ言える】
【怪物と怪物………互いが互いを利用し、そして最後まで立っているのはどちらだろうか。】

さて、今すぐに要りような物があれば手配しますが………ないのでしたら私はこれにて失礼しますよ
何か必要なモノはありますか?

【路地裏の入り口付近で立ち止まり、一度振り向いてそう最後に確認を行う………狂気の夜は終わりへと近づこうとしていた】
【さて………強欲な肉屋は蛇へ何かを求めるのだろうか…?】
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/24(水) 02:33:58.80 ID:9yDfyWwco
>>809

「また会いましょう」……なんて、わたくしは申しませんよ
いえ、申せない……が正確ですね

……絶望とはすなわち、先の未来への希望を絶つこと
ゆえにわたくしは……「再会」なんて、未来へなげうつ行為を、信じるわけにはいかないのです

…………ああ、悲しいことです


【くるっと、身軽なターンで、ウェル子は身体の向きを反転させる】
【それに沿うような軌跡を描く金髪は、この暗闇を唯一明るく彩るささやかなアクセントになって】


…………水先案内人と奇術師の化かし合い…………
わたくしが抉る≠ゥ……貴方様が謀る=c…か

はてさて、貴方様は、わたくしに……いえ、この意地悪な世界≠ノ、どこまで抗えるでしょうか


――――――リロード・ザ・マジシャン≠ィ兄様――――――?


【去り際、ウェル子が放つ一言は、あからさまにリロードの名を強調する言い方で】
【……まあ、要するに、「そういうこと」だろう】


『さようなら』


【…………ひゅう、と蕭然たる風が、路地裏に、吹き抜けていった】


/お疲れ様でっす!
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/24(水) 02:48:12.31 ID:LsQaoL2ko
>>811
【レギンが、肩から手を離せば、カニバディールの口も人間の範疇のそれへと戻る】
【そのまま、立ち去るレギンを見送ろうとして……耳に届く、蛇のささやき】

……必要となった折には、ぜひお言葉に甘えさせていただきたく
ナンバーは、非常に魅力的ですが……それはいずれ、自ら立てた功績を持って、推挙いただければ幸いです
自身での功績に、レギン様のお墨付きなら、大手を振ってナンバーズに名乗りを挙げられますよ

遠慮などではありませんよ……対等≠ネのですから

ええ、きっとご期待に沿って御覧にいれます……楽しみですな

【相手の見出すものが愉悦である、と認識し、むしろ楽しそうにしてみせる】
【レギンに、六罪王に認められた、という事実は、やはるいくばくかの高翌揚は抑えきれず】
【同時に、いまだおさまりを見せぬ、邪悪な血の滾り……どちらが、最後まで生き残っているか】
【これほどの男が相手なら、きっと最高に愉しい喰らい合いになるに違いない】

……では、ずうずうしくもお言葉に甘えさせていただきましょう
爆弾がほしい、と思っていたところです。威力以上に、轟音や光、派手さを伴うものを

まずは、第一歩として……カノッサの恐怖を植え付けるために、必要となります
そう遠くないうちに……まずは、景気づけの花火を打ち上げて御覧に入れましょう

【こちらへと振り向くレギンに、発した要求。単純ながらも、多くの破壊と、何よりも混乱と恐慌を招く兵器】
【肉屋の強欲さが求めるもの。まずは恐怖と混乱を】


……今宵は、実に有意義な時間を過ごせました
またお会いできる機会を、楽しみにしております

【要求を発し、答えが返ってきたなら、最初の時同様、見せかけの慇懃さで持って、レギンへと一礼し】
【彼を見送ろうとするだろう】
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/24(水) 03:04:45.10 ID:yP9+35gE0
>>810

――あんな高いところに居るからだと思うの

【――ひとりぼっちの寂しいこと、毀れちゃうぐらいに知っていたなら、ぽそと零したのはそこじゃない】
【空を支える柱みたいに聳えた塔、紙面で見たし、夢とは言え――きっと、あれがそうなのだろうから】
【だったらもっと降りてくればいいのになんて言葉は、けれど、助言というほどの色も持たない】

【(降りてきたところでどうなるかとか、自分たちに関わってこなければどうでもいいわけだし)】

【ただ、その思考もどこか不安になっていく。半分悪魔、半分淫魔、さらに聖を宿した存在、眼前に置いて】
【生命維持装置の式を悪戯半分の軽さで締め上げられた過去もあるのだから、そもそも無警戒というのも無理な話】
【魔術に頼ることでようやく生き長らえている/動くことが出来る存在。勝てる要素が、微塵も浮かばなくて】

…………こんなに悪魔ぽくない悪魔、はじめて見た。

【……――まあ、悪魔の知り合いなんて、彼女が始めてなのだけれど】
【居てはならないものがその場に居る恐怖、ミサに乱入されたなら、その場のひとたちはどんな顔をするのだろう】
【考えてみても分からないなら、呟く傍ら、なるべく敵対しないようにしようなんて、そうっと決めて――】

さあ、……用事があったら考えるけど――ないといいな、あんまり、良くない

【「良くない」、曖昧な言葉。いろんな感情を混ぜて箱に詰めたような――顰めた眉が、大体物語る】
【今度こそきちんと理解したのはこちらが完全に不利なこと、生命の崩落すら目の前にある、恐怖】
【時間と術式。あれば嬉しい魔力さえ揃えば、たとえ毀されても修復される身体。術式を毀されるのは、即ち永劫の死を意味するのだから】

……――お父さんにはちゃんと、するもん

【――ぼそと呟いたなら、その姿が消えるか残るかという狭間。聞こえても聞こえなくてもどうでもいいよな言葉がひとつ】

 【どさ、と。たくさんが倒れこむ音がして、瞳を開けているのは少女ひとり、世界から置き去りにされたみたいに】
 【甘たるい香りが鼻の奥に残っているようで新聞を戻す気力もないなら――まるで描き忘れられたパラパラ漫画】
 【黄緑色の魔力の残滓と、置き去りにされた桜色の魔力と――その姿が、ふつと掻き消える】

【――「抱っこして」と最愛に強請ったのは、その甘さをなるべく早く忘れたかったから、だった】

/おつかれさまでした!
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/24(水) 03:09:13.87 ID:S0p+Aa310
>>813

【相手の要求に対し一度柔和な笑顔を浮かべた後、一度眼鏡を外して………その黄金の瞳を最後に見せつけるように視線を向ける】
【口元には再び邪悪な笑みが………ギラリと除く犬歯が内面の凶暴さを物語ってるかのようである………。】

≪良いだろう………丁度実験してるのがある、後で纏めて回しといてやるからよ………

                            じゃあな人食い肉屋=\――俺を失望させるなよ………?≫

【そういってから再び眼鏡をつけて路地裏から消えていく―――。】

【後日、レギンから送られてくるのは大小様々な青白く光る筒型の爆薬≠セ………型式名は『RB-コバルト・ボマー』と書いてある】
【それは夜の国で取れる資源、ラグレイト≠原料としており爆発時に凄まじい衝撃波と轟音、そして蒼い閃光と爆炎≠発生させる】
【さて、このド派手な花火を………人食い肉屋≠ヘどう扱う…?喰うか食われるかの戦いは始まったばかりだ。】

//お疲れ様でした!!
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/24(水) 03:20:40.63 ID:LsQaoL2ko
>>815
【先程は、一瞬だった本性が、さらにはっきりと浮かび上がる】
【その黄金は、やはり内側に響く冷たさを伴って。恐ろしくも、やはり滾らせられる】

……恩にきるよ、魔縁の蛇王
そちらこそ、どうかしぶとく生き残って、楽しませてくれ
しぶとさでは、私は蛇にだって負けはしない……

【去りゆく彼に、聞こえるかどうかの声量で、同じく別れの言葉を告げる】
【緩む口元を抑え込みつつ、カニバディールも歩き出す】
【ふと、思い出したように、踵を返すと、気絶していた女性のもとへ歩み寄る】

……今日はひどく機嫌がいい
だから、このまま打ち捨てられてもっとひどい目に会う前に
楽にしてあげようじゃあないか

【肉切り包丁を一閃。哀れな女の首は、胴体から離れて転がり落ちた】
【それを見届けて、今度こそ路地裏を後にする】

【のちに遅れらてきた『RB-コバルト・ボマー』を手にし、肉屋は、一人ほくそ笑む】
【夜の国にまで届くくらい、派手にぶちあげて見せる】
【そんな風に思いながら、口をすぼめると、口笛を吹き始める。澄んだ音色。この大男には、合わない】

【口笛の刻む旋律は、来るべき戦いへの――そう、蛇すらもその相手に数えた、愉悦に満ちた戦いへの滾りに満ちていた】

/お疲れさまでしたー
/ありがとうございました!
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/24(水) 20:12:50.94 ID:FQHX1hkNo
【夜の国――廃街】

【曇天を冠する中世の街並み、石造りの路面にがらんどうの屋敷が立ち並ぶ】
【生きている人の気配など無いようなその場所に関して、自警団から正義の志へと】
【とある依頼が出されたのが最近の話――いわく、悪魔を退治して欲しい、との事】

【「旅人を引き込んで帰さない奇妙な屋敷有り、奥に潜んでいると思わしき悪魔の討伐を願う」】

【――張り紙を見るなり、金稼ぎとして引き受けるなりして、そんな依頼に応じたならば】
【この街へ入って暫く歩いた先の焼け落ちた屋敷、其処が今宵の舞台である】

【中庭を抜けた先、荘厳な門扉は開かれている。 中からは毀れたオルゴールの歪な音色が響いており】
【入ろうとするもしないも自由、いずれにせよ何かは起きる――果たして、どのような相手が現れるだろうか】
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/24(水) 20:49:01.10 ID:wf62LPz0P
>>817

…ここが『悪魔の住む屋敷』か…

…めんどくさいなあ…

【焼け落ちた屋敷の中庭にて、そう呟いたのは一人の女性だった】
【茶色のダッフルコートに灰色のロングヘアー、手入れを怠っているようでところどころ毛が跳ねている】
【いかにもやる気のなさそうな淀んだ目をしており、年は20歳そこそこに見える】

依頼があったから来てみたけど、しかし物騒な雰囲気だな…
まさに幽霊屋敷って感じ…まあでも私も幽霊並に人前に出ないからな…似たようなもんか…
私こういうの苦手なんだよなあ… 駄目なんだよホラーは

【中に入ろうともせず辺りをうろうろしている、そんな時間がかれこれ20分くらいは経過していた】

入ろうか…それとも入らない方がいいかな…
あーもう、めんどくさい…大体私こういうの本当向いてないんだって…
でもなあ…もうここまで来ちゃったし交通費も無駄になるしなあ…入ろうか…
いやでもマジで私怖いの無理なんだよなあ…

…いいやもう、考えるのもめんどくさい
何かヤバそうだったら帰りゃあいいのよ そうしよう…

【結局意を決して中に入ることにしたようである、しかし扉の奥は暗く中を見通すことができない】
【すると彼女はコートにたくさん付いているポケットから小さな粒の様な物を取り出した】

よっと…よし、これでスイッチを入れれば… よし、大分明るくなった

【なんとその粒は巨大化し、懐中電灯に姿を変えた】
【触れた物質を縮小する力と、その縮小を解除する力 これが彼女の異能である】

…やばいこれは怖い しかもなんか変な音楽聞こえてくるし…
何なの?これ私を恐がらせるための演出か何か?むしろドッキリ?
もしどっかの子供のイタズラだったらどうしてやろうか…裁判でも起こすか…
いやでも万一負けたら金無駄になるしなあ…誰か私にお金恵んでくれないかな…ビルゲイツ的な人が…

…働きたくないな…

【ぶつくさ言いながら懐中電灯で辺りを照らし中へと入っていく】
【この時点で彼女はまだこれからその身に何が起こるのかを知らない】


819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/24(水) 21:04:42.57 ID:FQHX1hkNo
>>818

【女性が入っていった先。特記するべきは3つ程あり、逆に言えばそれ以外は特筆すべき点もなかった】

【一つは書斎、殆どの蔵書が焼け落ちているのだが、その中に異物めいて数冊の焼け跡一つない本がある】
【内容は全てが全て悪夢に関する物。焼けてしまったものは冒険物であったり推理小説だったりと纏まりがないのだが】
【後から持ち込まれたかのような焼け跡のない本だけが、見事に全て夢に関連した内容を示していた】

【二つ目は応接間のような一室。他にも部屋はあるのだが、損壊が激しく立ち入れる状況ではない】
【焼け焦げたソファには年頃の少女が召すようなフリルの多い可愛らしい服の焼け残りが掛かっていたり、】
【愛らしい縫いぐるみが矢張り焦げた状態で転がっていたり――ただし、焼かれる前に意図的に切り裂いた痕跡がある】
【近くには煤けた銀の鋏が落ちていて、ならば連想しうるのは、玩具を壊して遊ぶ何処か歪んだ深窓の令嬢の図だろうか】

【三つ目。此処が謂わば“本題”であり、前述した二つは見て回ろうと無視しようと構わない】
【それは地下室への階段。オルゴールの掠れたような嫌な音色も、この奥から響いている】
【この先に何かがあるのは間違い無く、降りていけば、辿り着くのは人の気配を漂わす樫の扉】

【開くか否か。開くならば、異能を保持する女性はどんな手段を取るか】
【扉の向こうの気配は、未だ侵入者たる相手に気付いていないようだが――】
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/24(水) 21:23:41.73 ID:wf62LPz0P
>>819
【中へ入った女性はとりあえず探索を始めることにした】
【焼け落ちていない2つの部屋を見て回り、そしてホールへと戻ってきて…】

…マジで帰った方が良かったかな…
何なのよほんとにもおおおおおお!なぜか焼け落ちて無い夢の本?怖いわ!
フリルの服の焼け残り?大惨事じゃん!鋏でぶっ刺されたぬいぐるみぃ!?恐ろしいよ!!
はあ…はあ…速攻で帰りたい…もう寝たい…大好きな布団にくるまって今日を終えたい…

【怖い物が苦手である彼女にとってこの探索は予想以上に苦行なようだった】

はあ…そしてここか…行きたくないなあ…でも行かなきゃいけないんだろうなあ…
マジで面倒くさい…何でここ来たんだっけ私…[ピーーー]よ数十分前の私…滅びろよ…
何で久々にやる気出したらこんな恐怖体験しなきゃいけないんだよ…

【相当怖がりながらも女は不気味な音色を奏でる階段を降りていく】

怪談の舞台になりそうな屋敷だな…階段だけに

【そして女は扉の前に立つ】

音が聞こえてくるはこの中か…
…多分何かあるとしたらこの中なんだろうな

【そう言って扉に手をかけ、中へと入っていった】


821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/24(水) 21:29:46.27 ID:H4VyEXiN0
【街中】

【昼間の喧騒が嘘の様に静まり返ったこの場所】
【ただ、その静寂は一瞬のものだった】
【何かをあさるようなガサゴソという物音が当たりに放たれる】
【決して大きな物音ではないが、静寂のなかではよく目立つか】
【物音のするほうへ目を向けるならば、そこには一人の少年が居るだろう】
【幽霊のように淡く光を反射する白い肌、もこもことボリュームのある白髪。無邪気さと寂しさを混ぜ合わせたような黒い瞳】
【そんな容姿をした十歳ほどの少年がゴミ箱をあさっている】

はぁ・・・今日もご飯抜きかぁ・・・
もう二日も殆ど食べてない・・・前のお姉さんみたいな人がまたきてくれればなぁ・・・

【よく見れば子供にしては少しやせている。肌が白いのもこういう理由かもしれない】
【服装も薄汚れた大きな白いシャツのみ】
【常人の目に映れば見るに耐えないような光景だが、本人にはそれを恥じる様子はない】
【いや、恥じる理由を知らないから恥じることが出来ないのかもしれない】

【派手にゴミを撒き散らし、大きな物音を立てている。近くを通れば嫌でも目に付くだろう】
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/24(水) 21:46:17.42 ID:FQHX1hkNo
>>820

【余談。もしも階段を降りる途中、微かな「かたり」という音を拾ったなら】
【そして振り返ったならば、の話。家具の位置が先程と明らかに違っているのだが、些細な事だろう】

【重たく仰々しい音を立てて開く、樫の扉】
【その先に広がるのは、幾つも吊り下げられた古めかしいランタンに照らされる、幾らか広い空間だ】
【倉庫として使われていたのだろうが、ランタンの他には積まれた空き箱と床に散乱する紙、その他に】
【行方不明者と合致する容姿の旅人達が5人程、壁に寄り掛かり或いは床に横たわって、一様に昏睡しているようだった】

【呪言らしきものの書き連ねられた羊皮紙が散乱する室内――そしてその奥に、ゆらり揺れる人影があった】

……おや。 これは、これは。
お客様のようですね、けれど穏やかでは無いように思えます……いい加減、目立ち過ぎましたか?

【くつり嘲笑う掠れた声は若い男性のもの、黒衣を纏う背高の彼はゆっくりとそちらへ振り返る】
【紅茶色の腰程まで伸びた長い髪、側頭部には羊めいた内巻きの角、白皙の指先を彩るは紫色の長い爪】
【そして両の目は――視線が合う前に、はっきりと気配なりで察し得るほどに、危険な色合いをしていた】

【愉快げに細められた目の奥、瞳孔の開き幅が左右で揃わないオリーブ色の瞳】
【視線があってしまったなら、軽微な幻惑、或いは魅了の術が女性を襲うのだろう】
【――相手が女性であるなら尚の事、余り楽観は出来ないかも知れない】

【彼は、種族で言うならば“夢魔”の類。もっとも精神の強い相手ならばこの瞳術は効かないし、】
【この隙に攻撃をけしかけるならば、旅人達が転がってはいるものの、被害を及ぼすほど狭くはない部屋だが――】
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/24(水) 21:48:25.44 ID:DxthwkAQ0
>>821
【ふわり、と 柔らかい風が吹いたと思えば】
【現れたのは「優しいお姉さん」…そんな印象を受ける女性】

【彼女は今漸く山を越え、煌々と光る街の明かりに辿り着いたところであった】
【中身の詰まったいかにも重そうなリュックサック、少し汚れたトレッキングパンツ、桜色のシャツ…長旅で汚れてはいるが、なぜかくたびれた印象は受けない】
【後ろで括って動きやすくしているらしい鳶色の髪は、夜の涼風に吹かれて靡いている】
【彼女全体から受ける印象―――全体的に、30代半ばという年齢を感じさせない若さを持っているのは、やはり旅のお蔭だろうか】
【旅先で様々なものを見たであろうその澄んだ茶色い瞳は、今は目の前の少年を見据えている】

―――こんばんは、と言って返事ができるほどの余裕もなさそうね……
どうしたの?って理由を聞くのは失礼かしら……?

【たしなめるでもなく、蔑むでもなく、静かに微笑み、目の前の窮する少年に声を掛ける】
【しかしその眼はしっかりと少年を見据え……憐れみによる施しではなく「対話」をしようとしているのは少年にも分るだろう】
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/24(水) 21:55:21.10 ID:9OcDQrTYo
【水の国――フルーソ総合病院】


【この病院は少しばかり、来客が多い】
【特に用事があるわけではない人もなぜか足を運ぶことがある】

【その理由ははっきりとわかってはいない】
【ただ一つ言えることは、厳密には病院に来客が多いのではなくその病室≠ノ来客が多いという事実だ】


【――フルーソ総合病院5階。01−D室】
【壁には弥益 湊≠ニ書かれたネームプレートが貼られている】


【この病室には人を惹きつけるような妙な魔翌力があった】
【無意識のうちに扉に手をかけてしまいそうな、あるいは開けなければという思いに駆られるような――】
【その原因はやはり不明だが、とにかく人を惹き付けるのだった】


【――今日もその病室の主は、誰かの来客を待っているのだろう】
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/24(水) 22:08:46.53 ID:wf62LPz0P
>>822

【中に入ると、そこには一人の男性が居た】
【外見上様々な特徴があるものの、その頭から生えている角は彼が人ならざる者であることを示していた】

…どうも、こんにちは
私は民間の人から頼まれて、この屋敷の調査に来た者なんだ
なんでもこの屋敷に悪魔が住んでいるだとか、入った人間が戻ってこないとか…

【そう言ってちらっと男の後方へと目を向けると、そこには5人の昏睡した人々が】
【『悪魔』、『戻ってこない人々』それらが示すものは事前に手に入れた情報と完全に一致していた】

(デマだと思ったんだけどな…くそ、本物だったのか…)

【ちなみになぜ彼女が男の持つ魔眼の効果にかかっていないかというとそれは単純な話で、】
【単に女は他人の目を見て話すのが苦手だっただけである 今は男の鼻の辺りを見つつ会話をしている】

面倒くさいんだけど…まあ私も仕事だから 一応の調査はしないとね
寝ているんだか死んでいるんだかわからないけど…
そこに倒れている人たち…これは貴方の仕業、なの?

【女は魔の者に向かってそう問いかける】


826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/24(水) 22:20:59.43 ID:H4VyEXiN0
>>823
【すこしゴミ箱から目を放せばそこにいたのは優しそうなお姉さん】
【今の状態から、あまり元気そうには見えないだろうけど精一杯の笑顔を目の前の女性に向ける】

どうしたのって...僕にも分からないんだ
笑っちゃうでしょ。えへへ

【最初からあまり元気そうじゃない笑みに強がりの意味が加わって、更に元気に見えなくなる】
【きっと少年なりの、初対面の女性への気遣いなのだろう。心配をかけたくなかった】
【しかしそんな行動が逆に心配させてしまうだろうか】

こんなのだけど僕は元気だから、心配しないで!

【くるっと一種回って、自分の姿を見せる】
【それでも見えるのはぼろぼろの白い服と、よごれて少し茶色がかった髪】
【そして痩せた体だけ。やっぱり元気そうには見えない】
【相手が憐れみを持っていないのは分かるけれども、それでも癖のように強がってしまった

<すいません気づくのに遅れてしまいました.>.
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/24(水) 22:24:06.68 ID:FQHX1hkNo
>>825

嗚呼、矢張り……失礼、彼等はもう数日借りたらきちんと返そうと、思ってはいたのですけど
生きてはいますよ。 私がこの音を止めればすぐにでも、目覚めるでしょう

何が原因で夢は悪夢に変わるのか、悪夢を永遠に断ち切る術はあるのか、夢魔たる私がその力を持ちえるか。
……それを、確かめてみたくてね。 魔の眷属になってまだ、日が浅いんです

【オルゴールの音は絶え間なく零れて流れて、ノイズ混じりの音は苛立たしくもある】
【追記となるがある程度見て回った相手ならすぐ気付いただろう事、この屋敷は焼け焦げて黒一色になったのとは少し違う】
【壁なり天井なり床なり家具なり、初めから全てが真っ黒色の、呪われたような屋敷】
【――まさに悪夢の中のようであるのに、男はそれを払い除ける術を、此処で探していると言う】

【彼らの拉致監禁はこの男の仕業、それが確定事項であると、彼自らが簡単に白状した】
【交渉の余地はあるのかも知れない。 彼女がどう出るか、其処に懸かっているとも言えるか】

【(悪魔になって日が浅いとさえ言った。 実験内容だってまるで己の力量を試すようなもの)】
【(その力に不慣れ、と言うことは――交渉以外の荒っぽい手が全く通用しないような相手でも無いのだろう)】
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/24(水) 22:24:28.57 ID:/xuCup8d0
【夜の国、路地裏】

【小さな、けれど隠されてなどいない足音が其処にある。】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【冷たい闇を歩みゆくのは、そんな形容の出来る人影だった】
【路上の割れた鏡に目を向けながらも、それも直ぐに進行方向へと向き直る。 】



【見えたのは、少しだけやつれた様に見える顔。整ってはいても瞳はどこか必死な色合いで、けれどそんな事はどうでも良くて。 】

(……私には、今、何がある?)
(今度こそ護りきるために、どうすればこの動きを早められる――――)

【 また刻む “次” の舞台に移るための足取り/鼓動のように、そのリズムが加速した。】

【 そしてコートのポケットのなか、硬質な音をたてたなにかがあった。黒く染め上げられる鐘のように、その品は闇を気配としていた。 】
【 掛け違えたボタン。どこかで爆ぜた火の粉の気配。 】
【 ――― 、心の奥底で眠らせる。】

【 もしも誰かが少女と出会うのなら、それを導くのはその空気だろうか。それとも彼女のたてる幾つかの音色だろうか】
【 柔らかな金色の月明かりは、優しくはあってもどこか遠くて。 】
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/24(水) 22:31:09.86 ID:LYgDPP6Bo
【商店街】

【平素であれば、そこそこに高級且つ多種多様な衣服装具が売り買いされる、そんな場所】
【本来既にどこの店もシャッターを下ろし、合間合間のレストランが繁盛する時間の話】

うーん……これもいいけど、やっぱりこっちかなぁ……
和服を取るか洋服を取るか……どっちも持って帰っちゃう?
それもダメではないよねぇ、どうせ誰も邪魔しないんだしさぁ――

【とある大型衣服店の中からそんな声が響いていた。既に、閉店のはずだったが】

【まず――覗けば、そこに居るのはヒトではない。悪魔かその類であるに違いない】
【底の厚いブーツを履き、ガーターベルトと下着をほぼそのまま露出するような扇情的な格好】
【上を見ればルビーのイヤリングと、頭巾とも帽子とも付かない二股に別れた上等な冠が見える】
【足下まで伸びる癖の強いクリーム色の頭髪の合間からは、先の尖った尻尾も確認できた】

  【――状況を知らせよう。有り体に言えば、繁華街の時は止まっていた】
  【それというのも、店員から客まで全ての人間に何らかの術がかけられて、全く反応がないのである】
  
  【主犯が誰かなどは言うまでもないだろう。誰も邪魔をしないから、好きに服を選べるというわけか】
  【些か、なんてよりも恐ろしく大胆な行動だったが――人払いも施したのか、下手に誰かが立ち入る事もなく】
  【――ただひとつだけ言っておくなら、何かしらの強い意志などを持った人間であれば、その限りではない――】

……ふぅ。これだけあると目移りしちゃうね、ヒトのこーゆートコはキライじゃないかも
でも、ちょぉっとだけサイズがちっちゃいのが玉にキズ、ってねぇ――。

【やがて、その魔族は舗装された路面を歩くこと無く、1m程度の所を浮翌遊しながら外に出た】
【両手には沢山の袋を持っていて、次の獲物は―――とばかりに、周囲を見回て――――。】
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/24(水) 22:39:21.65 ID:wf62LPz0P
>>827

【男の返答を聞き、女は答える】

そう…やっぱりこれは貴方がやったことだったんだ
悪夢を断ち切る術…?貴方の言っていることは良くわからないけれど、
私も依頼されて来たんだ、やるべきことはやらせてもらうね

そこに居る人達を回収させて欲しいんだけど、駄目?
当然その人達にも家族がいるだろうし、ずっとここに閉じ込めておく訳にもいかないでしょう?

【女はそう提案する なるべく穏便な手段でこの場をおさめようとしているようだ】
【その提案が断られれば…無論、戦いが始まるだろう】

(…戦いたく無いなあ)
(嫌なんだよ、頑張るとか努力するとか、そういうの…)

831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/24(水) 22:41:59.35 ID:DxthwkAQ0
>>826
【目の前に見える少年】
【その口から零れる言葉こそ健気で、その表情こそ精一杯明るくて】
【―――でも、その姿は……打ち捨てられた人形のような、破れた服と薄汚れた肌】
【……ああ、解っている この子が今までどんな生活を送ってきたかは容易に想像できる】

【……しかし、だ 先程のゴミ漁りにしろ、この薄汚れた姿にしろ、外面に現れるものこそ汚いが】
【―――どうしてこの少年は、根性まで汚れることは無かったのだろう?】
【彼女は確かに聞いた―――目の前の少年の言葉を】
【強がっていても卑屈にはならなかった それどころか恵んでくれなどとは言わず、「心配しないで」と言った!】
【通りすがりのこの自分がパッと見ただけでも窮地にあるのが分かるくらいなのに、だ!】
【この心意気!ゴミ漁りをしても心まで腐ってはいない!】

心配しないで、か……うふふ
……よし!ついて来なさい!私、あなたのこと気に入ったわ!
これは施しでも憐れみでもないわ、あなたのことを知りたいの!いい?

【どうして?どうしてこの少年の心の芯は汚れていないのだろう?】
【少年の本質を垣間見た彼女は、この少年に俄然惹かれだした】
【しかしどうだろう……彼女の提案は、果たして強がっていた少年にはどう映るのだろう】
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/24(水) 22:57:25.75 ID:H4VyEXiN0
>>831

え、ええ?
ぼ、ぼくはいいけど....

【こんな返答は想像してなかったみたいで】
【すこし戸惑った表情になる。でも、その表情はさっきまでの無理した笑顔よりは元気に見える】
【憐れむ目には慣れていた。気にした事なんて無かったけど】
【それでも、「知りたい」何て言われたのは初めてで。嬉しくなった】
【その事が表情に出たのだろう】

でも、話せることは話すけど、ぼくも僕のことが分からないんだ
お母さんの顔も知らないし、生まれた場所すらわからないんだ...

【自分の生い立ちを知らない。それはきっと誰にとっても重いことだろう】
【自分の生い立ちを知らないと言うことは、自分を知らないと言うことに繋がる】
【その事に対する不安がさっきまでの元気そうな表情を陰らせてしまっていた】
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/24(水) 23:04:52.50 ID:2pawexu90
>>828
【トン、と後ろに降り立ったのは、きっと軽い足音で】
【少女が振り向こうとしても、きっとその動作よりも素早く両の手の平が目を覆うのであろう】
【場所が場所であれば、不意打ちと勘違いされても可笑しくないようなその行動】
【――――けれども、覆う掌は暖かみを持って居て】


「みーつけた。結構探したんだよ?
ボクが起きるまで待っててくれれば良かったのに」

【クスクスと、何処かからかうような笑み】
【きっと、其れは何時もの夜と変わらない雰囲気ではあるけれど】
【――――あの夜の出来事が片隅にでもあれば、振り向かずともその金色の瞳が一つしか無いことが分かるであろうか】
【それども屈託無く振る舞うのは、少女が持つ性格故――なのだろう】


「んんー……あ、そうそう。こうやった時の決まり文句忘れてたね
だーれだ?」

【今一度笑えば、そんな決まり文句】
【手首を掴んで放そうとしても逆らわないだろうし、そのまま振り向こうとするならば抵抗を加える事も無いのであろう】
【何時もと同じ様に、おふざけの延長上。何時もと違うのは――――】
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/24(水) 23:10:05.11 ID:FQHX1hkNo
>>830

……、……家族

【言われて初めて気が付いたように僅か首を傾げる様は、年に合わない幼ささえ覗く】
【自分以外のMOB共にも大切な者がいるなどとは考えたことが無かった。悪魔的だと言えばそうなのだろうが】
【――暫し迷ったようにしてからぽつと零す言葉は、どうやら彼女の望まない方向へは向かないようであった】

……この屋敷はね、私と娘の理想郷だった。 ずっと覚めない夢を見ているようだった
それが突然悪夢に変わって、今もきっと、私の所為で彼女を苦しめ続けている――他の男の悪夢と、共に

【呪われた視線を相手に向けること無く伏せて、そう曖昧に呟けば其処でオルゴールが途切れた】
【同時に、泥のように眠っていた旅人達が次第に目覚め始める。 まだ意識はぼやけているようではあるが】

何にせよ……見つかってしまった以上は、もう引き上げるしか無いでしょうね。
……貴女が勇んだ盲目な悪魔祓いでなくて、安心しました
私の名はセシル、悪魔「邪禍」の眷属……また何れ、お会いするやも知れません

【ほんの微か笑んだと共に黄緑色の燐光が舞い上がって、夢魔の姿が足許からさらさらと消え失せていく】
【最後の一言は本心でもあるのだろう。思い出ばかりが馬鹿みたいに詰まったこの場での戦いを望まなかったのは、真実だ】
【去り際の挨拶程度の自己紹介に添えた名は、各地で暴虐を振るっているという悪魔の名。いつかまた耳にすることもあるだろう】

【そして彼が去った後、意識の回復した旅人達と共に彼女が屋敷を出たなら、遅れて到着した自警団達が彼等の保護に当たる】
【悪魔の打ち取りとはならなかったが、全員の救出という功績は大きく、50万の報償金が支払われるだろう】

【――それと、救出した旅人が気付いたら持っていたという、黒鉄の鈴も彼女へと渡されるだろうか】
【こちらは怪しげでもあるのだし、処分するという手もあるが、鳴らせば存外に澄んだ音色かつ幻術を解く効能を秘めていて】
【金と鈴、それが彼女の収穫となる。 自警団からの感謝の声と、報道機関に名を載せる事も、拒むなりは自由だと添えておく】

/ぐあー最後が駆け足になってしまい申し訳なく
/それではこの辺りで、お疲れ様でしたー!
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/24(水) 23:14:40.11 ID:DxthwkAQ0
>>832
ふふっ、決まりね!…ごめんね?急にこんなこと言っちゃって
やっぱり警戒しちゃうかな…

【戸惑う少年に、彼女は弁解するように笑いかける】
【無理はない、突然現れては自分のことを知りたいなんて言って連れて行こうとしてるのだから】

【それでも……彼女の目を見れば、不審者や危険人物ではないことは分かるはず】

それにしても………何も知らない、か
………あらあら、心配そうな顔しないの!何も分からなくても、今は私が居るじゃない?

【何も知らない、とはどういうことだろう】

【少年が言うには自分の両親も、生い立ちも……過去のことは全く分からないらしい】
【ということはこの少年は………まさか自分の置かれている境遇、自分がなぜこんな状態であるかも分からないのだろうか?】

【とすれば、この少年は……全く拠り所もないまま独りで生きていたのか】
【ならば………私のできることは一つ!ちょっとの間でもいいからこの子にとって頼ることのできる存在になること!】

今まで一人だったんだから、こんな時ぐらいお姉さんに寄りかかりなさい!
心配しなくてもいいのよ 私、あなたぐらいの子がいるんだから!

【優しく微笑み、そっと頭を撫でる―――この行動で、少年の心は幾分か和らぐだろうか?】

【そうであれば嬉しいが………とにかく、彼女は少年を連れて小さな家に向かう】
【話しながら歩いて10分ほどすれば、そのころには到着しているだろう】
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/24(水) 23:29:53.96 ID:/xuCup8d0
>>833
/すみません、気付くのが遅れました…! 急ぎ気味に書き始めますっ
/それでは、よろしくお願いしますー!
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/24(水) 23:31:51.66 ID:H4VyEXiN0
>>835
【こんな状況で何年も生きてきたから、人を見る目はあると思う】
【目を見れば、警戒する必要はないとわかった。言葉を聞けば、いい人だって思った】

【「私が居る」と言ってくれた。それが身寄りのない少年にとってどれ程頼もしい言葉だろうか】
【そっと頭を撫でられて、心の曇りが払われたような気がした】

ありがとう。...なんだか本当にお母さんみたい

【今度は強がりのない、本当の笑顔で女性に笑いかける】
【目の下には少し小さな雫があった。】
【きっとそれほど嬉しったのだろう】

【それから小さな家につくまで、他愛もない会話を交わしながら歩き続ける】
【その間、ずっと笑顔が絶えることはない】
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/24(水) 23:58:28.17 ID:DxthwkAQ0
>>837
【不安そうだった少年の顔が晴れたならば、彼女も同じくニコッと笑う】

【偽りのない、本当の笑みを見れただけでも十分嬉しいのだ】
【たったそれだけのことではあるが、しかし彼女はそのことこそが何よりも大切なんだと考えている】

【金や名声もいいだろう しかし、人は果たして人生のうちに何回心から笑えるだろうか……】
【人生の本質はそういった所にあるんじゃないか】
【目の前にいたのは地位も金も……恐らく、幸せもなかったであろう少年】

【そんな少年が心から笑ってくれたことが―――繰り返すが、彼女にとっては一番嬉しかったりするのだ】
【俄然気分を良くした彼女は、そのまま足取りも軽やかに自分の小さな住居に向かう】

―――さ、着いたわよ
ここが!私のお城よ!

【それは城と呼ぶにはあまりにも小さい、ただの小さな一軒家】
【それでも彼女にとっては望むものが全部ある、立派な住処なのだ】

【中に入れば暖かい空気、落ち着いた木の家具の数々、そして編み物に興じている少女が見えるだろう】

ただいま、衣織!
「あ、おかえり……ってどないしたんその子!?」
えへへ……いい子だったから連れてきた
「……そんな、人攫いみたいな……」

【彼女は、先ほど言っていた彼女の娘と思しき少女と親しげに言葉を交わす】

【……少年は彼女とこの少女が親子にしては決定的にしゃべる言葉が違うことに気付いただろうか?】
【勘のいい人なら気づくだろう……この親子は血がつながっていないことを】

【……と言っても二人はほとんど親子同然で、こうして二人で暮らしているのだが】

「あ、どうぞ上がってください!多分ウチのお母さんが勝手に連れてきたんやと思いますけど、遠慮せんとって下さいな!」

【少女は気さくに少年に声を掛ける】
【なれない敬語はちょっとたどたどしいが、それでも歓迎してることは伝わるだろう】
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/25(木) 00:02:23.86 ID:FaCvKaUOP
…何か、複雑な事情があるみたいだね

【男の語りを聞く女 彼の語る言葉は抽象的だったが、そこに込められていた悲哀は充分に伝わった】

私も、貴方が野蛮な魔人じゃなくて良かったと思う
それだけの人を攫ったのも、何か大切な理由があったからこそなんでしょ?

【そして話もそこそこに彼の姿はその場から消失していく】
【この奇妙な邂逅にも、別れの時間が訪れたようだった】

私の名前は熊出 等比(くまいで とうひ)…
一応「何でも屋」みたいなのをやってる…依頼金はタダだから、気が向いたらいつでも来てよ

(あの人…魔人なのに、まるで邪悪な気配がしなかった)
(だってあの笑顔…完全に人間の表情だったから)

【こうして二人の出会いは終結を迎えた】
【魔人と人間、彼らを取り巻く運命が再び引きあったならば、その時新たな物語が紡がれるのだろう】

「この度はありがとうございます、こちらが報酬金ですが…」

いえ、いいんです 私の活動はボランティアが信条ですから…

【自身の仕事を極端に面倒くさがる怠惰な性格、なるべく楽をして生きたいと考えている彼女だが】
【今回はほんの少し立ち退きの交渉をしただけ、多額の報酬金を貰うには値しないと判断したのだろう、金を受け取りはしなかった】
【それは彼女なりのささやかな美学であるのだろう】

「助けて頂きありがとうございます。あの…ところで熊出さん、これはあの男が持っていた鈴で気がつけば私が持っていたのです」
「どうでしょう、貴方の所で鑑定を行なってもらってはいただけませんか?」

はあ…鈴ですか?わかりました、そういう事でしたら私が預かっておきましょう

【そして等比は黒鉄製の鈴を受け取る この鈴が今後どういった影響を等比に与えるのかはわからない】
【謎のアイテムを手に入れ、怠惰な何でも屋、熊出等比の物語は続いていく…】

/緊張と不安ばかりの初ロールでしたが何とか形にすることができました
/また機会が会ったらよろしくおねがいします あと最後の返信めちゃ遅くなって申し訳無いです…
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/25(木) 00:03:39.03 ID:JfCNSe4q0
>>839
すいませんID変わりましたが>>839の者です
>>839>>834あてです
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/25(木) 00:11:01.97 ID:S0Jk8RXdo
>>840
/了解しましたーです、こちらこそよろしければまた絡んで下さいなー!
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/25(木) 00:14:58.93 ID:zVjhwvux0
>>838
【普通の人には城とは思えないような一軒家でも、この少年には十分立派な城に見えた】
【心から「凄いね!」と声をかけてドアをくぐる】

【出迎えたのは暖かい空気と見たことのない光景。どれも新鮮で、見ていると心が安らぐような気がした】
【そして何より、家に帰ると誰かが居ると言うことが何よりも印象に残った】
【帰りを待つ人が居る。それだけの事なのだけど、そのそれだけを味わったことがない少年には憧れの対象だった】
【そして親しげな二人の様子も、友人と呼べる人がいない少年にはとても羨ましく思えた】

【そんな色々なことを考えていたことと、それ以前にあまり勘は良くない少年には二人の交わす言葉の違いなど些細な事だった】
【ただ、何となく二人の関係は想像できた】

じゃあ、お言葉に甘えて...
暖かい所ですね。僕、すっごい気に入りました!

【最初は緊張した様子もあったが、気さくに話しかけられて緊張も話すうちに溶けていったようだ】
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/25(木) 00:37:52.74 ID:0qWxTyYk0
>>842

「へへへ…そら良かった!ま、ゆっくりして行って下さいな!」

うちにはそんな大した物も無いんだけどね……
ま、何も無くても食べ物ぐらいはあるから食べてって!

【どうやら少年はこの小さな家を気に入ってくれたようだ】
【ならば家の主として歓迎しない道理は無いだろう】

【少年を家の奥に通すと、早速彼女はキッチンに向かいスープを作り出す】

【その場に残った少女は珍しい来客に興味津々なようで、早速少年に話しかけた】
【少女は淡い水色のスカートに純白のトップスを着ている】
【流れるような黒い髪に親と同じような澄んだ目、白い肌……春の小川のような印象を受ける】

「えーっと…ウチは神谷衣織って言います!
あそこにいるお母さんは、神谷皐月って名前なんや、じゃなかった、なんですけど…」

【来客とあってか、必死に丁寧口調で話そうとする衣織】
【奥のキッチンでは、そんな衣織のちょっと滑稽な姿に吹き出しそうになっている皐月の姿】

「せや、名前を聞いてへんかったなぁ……
何ちゅう名前なんですか?よかったら、その、教えてくれへんかな…って」

【そういえば名前を聞いていなかった、と名前を訊く】 
【衣織はこの少年が自分の過去を知らないということを知らない……もしかして名前も知らない、なんてこともあるかもしれないのにこの質問は果たしてしてもよかったのだろうか】
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/25(木) 00:58:07.74 ID:lMFxoUH40
>>833

【闇のなか。予想の外の出来事が、声が、意識に染み渡って。】

(…ぁ、――――――――)

【――――― 思わず、無防備に足を停めていた。目の前に真っ白な光が突然広がったかの様に、その陽だまりの感覚に身を委ねた。】

ヨハ、ン……?

【其の響きに応えて声にするのは、大切な名前。】
【それを間違える筈などなくて。けれどもあの夜の悪夢が、其れを確信に変えることを許さない。】
【……きっと、“失って” しまうのが怖かった。触れて消えてしまわないように、このまま……。】

【それでもその暖かな掌を、重ねた掌でまた確かめて―――― 思い切る様に振り向けば、当然の様にその姿があった。】

……私も…… “見つけた”。

そうね。そうした方が良かったのかもしれない――――
……でも、またこうして会えた。

随分と待たせてしまったけれど……私は、それで十分救われてるの。

【小さく穏やかにくしゃりと歪んで、悪戯っぽく “見つけた” と、微笑む様に浮かべた表情――――】
【伝えたい言葉は幾つもあった。 】
【けれど橡色の瞳は揺れて、安堵と動揺を綯い交ぜにして……。】

【――――ずっと望んでいた事が、もしも不意に訪れてしまったなら。】
【その大好きな感覚が、求めてはいけないと考えた、そうしてでも護りたかった宝物なら。】
【………人は、こんな顔をするのかも知れない。変わらず強い自分でいようとして、けれどもその暖かいものに抗う術も分からずに。】

【そしてもう一度、出来るだけ自然な、彼女と過ごすときの慣れた感覚で口を開いた】
【彼女は、謝られるのはきっと苦手で。だから屈託なく笑ってくれるのだろうけれど……、】

あれからあなたは無事だった?
もう……怪我は、今は痛まない?

  【………彼女と違って、動揺を隠しきれていない声。】

【……きっと片目は今もなく。本来なら治らないであろう傷かもしれないと、あの夜の出来事と共に胸に刻んでいた。】
【だから、確かめるのは痛みの有無だけで――――】

【“出歩けるくらいには回復した”、其れも分かってはいるのだろう】
【ならば彼女が尋ねているのは、その後の経過のことだろうか】

【……もしかしたら、亜人の少女の物語を聞かせて欲しかったのかもしれない。】
【自分が離れている間も、“無事だった” ことの証の様に。……見た目よりも心配性だと、彼女は笑うのかも知れなかったが。】

/本当に長時間お待たせしました……っ!
/書きすぎて遅く&長くなっちゃいましたが、短め&早めのレスで返して頂けても大丈夫です。こちらも出来るだけ合わせますのでっ……!
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/25(木) 01:01:22.77 ID:zVjhwvux0
>>843
食べ物...あ

【食べ物と聞いてお腹がぐぅぅぅっと鳴ってしまう】
【長い間何も食べて無かったことを今思い出した。照れ臭そうに顔を赤くして、下を向いた】
【でもそんな反応もつかの間、目の前の少女の微笑ましい話し方を見てクスッと笑ってしまう】

神谷さんですね!
えっと...僕はサニィって言います。
何も覚えて無いんですけど誰かがこの名前を着けてくれた事だけは覚えてるんです

【少し考える間を開けて、口を開いた】
【さっき言った通り自分には記憶がない】
【しかし、なぜか自分の名前だけは知っていた】
【この事実は自分の生い立ちへの唯一の鍵】
【話しても大丈夫だろうかと一瞬考えたが、警戒する必要のある人ではないと思ったから話すことにした】

やっぱり変な話ですよね...名前だけ知ってるなんて
でも、本当なんです。
誰かが僕をサニィって呼ぶ記憶だけが僕の頭に残ってるんです

【自分の話をすると少年は不安になるようで。そのたびに少年の表情は暗くなる】
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ sage saga ]:2013/04/25(木) 01:12:50.19 ID:zVjhwvux0
>>843
すみません眠気が限界なのです...宜しければ引き継いでもらって良いでしょうか?
ダメだったら切ってくださっても
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/25(木) 01:25:50.55 ID:uZWeUfBd0
>>844
「ねぇ、それはボクに対する呼びかけなのか、それともこの問題の答えなのか、どっちに取れば良いのかな
――――ふふ、ボクは幽霊じゃ無いし、ゾンビでも無いんだから触ったって大丈夫だよ?
……ん、待つのも暇だから、ボクから探しに来ちゃったけどね」

【振り返られれば、ハッキリと向ける笑み】
【あの夜、血に染まった髪も今は耀きを取り戻していて】
【あの時、貫かれた腹部も、今は血が滴る事は無いけれど】
【――――けれども、癒えない傷も、確かにあって】
【嬉しそうな表情を湛える瞳。それは、ただ一つだけ。片目を隠すのは、白い眼帯】

【既に重傷とは言い難く――――否、寧ろその逆の状態ではあるけれど】
【あの時語ったもしもの話。今、それを行うかのように、尻尾をゆらりと振ればぴったりくっつくのだろう】


「無事も何も、暇だった位だよ?
まぁ、カログリアのお財布は大変な事になってそうだけどさ……
それに、もう治っちゃったボクの事より――も」

【その言葉、言い終えればチョンと優しく額を突っついて】
【――――何処か怒っている様な顔に見えるのは、気のせいではないのだろう】
【大切な友人の顔、僅かに窶れたことに気付かない筈が無く】
【まったく――――そんな呟きを漏らせば、怒気から一転。心配そうな表情へと変わって】


「――柊。キミは大丈夫なの?
ボクからすれば、今のキミの方が心配なんだけど……
って聞いたって、キミは強情だからね。でも、具合悪いならちゃんと言ってよ?」

【昔よりも、ずっと近い距離で問う言葉】
【その本心は、少女が訊ねてきた物と同じ様な物なのだろう】
【大切な友人だからこそ、自分の事以上に心配であって】
【――――その友人に対して心配性になってしまうのは、仕方の無いことだろうか】

/っと、遅れましてこちらこそ宜しくお願い致しまする!
/ですが、本日ちょっと病院に行きますので4時辺りが限度かと思われます……!
/場合によっては凍結等の処置をお願い出来たらなんて……!
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/25(木) 01:29:01.16 ID:0qWxTyYk0
>>845
【少年のことを少しでも知れたのは良かったが、そのたびに表情が暗くなるのは…やはり不安を感じているからだろうか】
【この少年の心の影を、出来ることならば振り払ってあげたいものだが……如何せん、情報が少なすぎる】

【……しかし、何も分からなくても出来ることはある】

「よっしゃ、サニィくんやな!
それだけでええ、それだけで十分や!よし、ほなウチは君の名前を忘れんようにする!
……せやからそんなに心配そうな顔せんでええんやで?」

【…そう、彼の名前を忘れないようにすることだ】
【依るべき過去が無いならば、現在、未来において少年のことを知っていると保証できる人がそばにいればいいのだ】
【そうすれば、少年はきっと孤独な未来に不安を抱くこともないのではないか】
【……彼女なりに彼の孤独を解消する方法を考えた結果がこの結論なのだ】

【……考えすぎるあまり、丁寧語で喋ることを忘れて素で喋っているのは秘密】

「それにしても不思議やなぁ……呼ぶ声だけ覚えとるんか
……何とかしてその声の主、思い出されへん?」



【暫くすると、出来上がった野菜たっぷりのスープを持って皐月がキッチンから帰ってきた】
【ほんのりと温かい手作りのスープは、きっと少年にとってもおいしいと感じるはず】

はい、召し上がれ〜
……どう?衣織と話して少しは楽になったかしら?
確かに何も分からないのは不安でしょうけど、私たちがいるもの
今まで一人だったんだから、こんな時ぐらいお姉さん達に寄りかかりなさい!

【何は無くてもこの二人がいる、そう思って欲しくて】

【過去が不安ならせめてこの先は不安じゃないと思って欲しくて】

【二人は、この少年に暖かく笑う】

【少年が自分たちのことをどう思っているかは分からない、でも、自分たちといる時ぐらいは心から笑って欲しくて…】
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/25(木) 01:31:28.52 ID:0qWxTyYk0
>>846
/了解です、では凍結ということで!
/すみません、レスに時間かかっちゃってこんな遅くになってしまって……金曜日以外なら夜は何時でも空いてますのでお好きなときにどうぞ!
/再開するときは雑談に一声かけてもらえるとうれしいです!
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/25(木) 02:55:32.47 ID:rbTMe6LN0
>>847

【笑顔。尻尾と、声と、言葉とがその意味を伝えて】

……どっちでも、よ。
出来れば私から見つけたかったのだけど……あなたの嗅覚には敵わなかったみたいね。

【触れてくる尻尾を右手が優しく、撫でる程度の強さで触れた。この穏やかな時間の様に、いたわる様に其れは続いて】
【身体の心配はもう無用だと、これでようやく悟ったのだろうか。少女の纏う雰囲気は、少なからず明度を上げた様でもあった】
【………失われてしまった瞳も、きっと、彼女に取り戻せる。その方法までもを含む確信が、思考の端に浮かんでは消えて】


(……っ!?、……―――――)

【――――― そんななか、不意討ちで為される自分への問いかけ。額に触れる指先に、抵抗すらなく視線は上向いて】

【僅かに角度を変えた其れが、星空を見ながらの思索を生んだ】
【彼女は何時であれ優しいから、自分が辛い状況でも、“自分以外” の痛みをきっと拭い去ろうとする――――】

【…… “護りきれなかった” ことの痛みを隠し通すには、きっとお互いに知りすぎている。】
【そう知っていたから “救われてる” と少女は紡いだ、のだが―――】

(………馬鹿か私は。)
(空回りして、勝手に沈んで――――)

(……こんな風に笑える彼女を、勝手に幽霊みたいにしてしまう所だった。)

【自分自身に覚える苦笑。もう、こんな思い込みは必要なかった。】

【問いかけは、身体の調子を訊かれていると考えて。或いはそんな風に自分を誤魔化して。】

“いつも通り” 大丈夫よ。
見た目は少し痩せたけど………私の方は本当にそれだけ。
怪我をしても治りは早いし、身体も見た目より頑丈なまま―――――

………一番の心配ごとだったものも、もう大丈夫だと分かったのだし。

【自らの言葉を肯定するような、穏やかに暖かな微笑を浮かべた。いつも通りの透る声は、何処か柔らかくて】
【其処でも僅かにあったのは、休息の不足を示す疲労の色なのだろう】
【……あの夜以来、余程戦い漬けだったのか。“一番の心配ごと” は、おそらく亜人の少女を沈ませかねなかった恐怖――――】

【今はそれも消えていて。安心したことを示す様に、クスリと本物の笑顔で微笑っていた。】
【やがてこらえ切れない様に、笑う声が弾みだす。いつかの夜は驚かれて、今夜は――――どんな風になるのだろう?】

/了解ですー! ペースアップしてく心算だったのですが、それでもこの遅さなのが申し訳ないです……しかも回線トラブルまで……orz
/今でも大丈夫ですが、中断とかは適当なタイミングで言って頂ければっ……!
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/25(木) 03:34:42.36 ID:uZWeUfBd0
>>850
【尻尾を撫でられれば擽ったそうにするけれど、払うことも無く】
【髪を大切にする事と同じ様に、きっとその尾も丁寧に手入れをして居るのだろう】
【――――そんな大切な尾に触れさせるのは、信頼の証でもあって】


「ボクだって一応狼だから、捜し物は得意なんだよ?
それが大事な友達なら、普通の物よりも早く見つける事くらい出来るさ」

【胸を張りつつ、言葉を返して】
【ふふん、なんて得意げに鼻を鳴らすのは余計にも思えるけれど】
【――――久しぶりに会う友人との交流を心より楽しんでいるのだろう】

【嘘を見抜くかのようにジッと向けられて居た視線】
【少女が一人苦笑を浮かべれば、きょとんとした表情へと変わって】
【けれども問い詰めないのは、その言葉が偽りで無いと判断したから】
【――――きょとんとした其れ。安堵の物へと変わるのはそう遅くなく】


「もう……柊は元々スレンダーなんだからそれ以上痩せちゃったら風が吹いただけで飛ばされちゃうよ?
それに、心配事だってずっと抱えてると――――
な、何が可笑しいの?ボクは本気で柊の心配を――――」

【或いは、心配事が自分の事だったならばそれに気付くとは無く】
【最初こそ笑い出した少女に怪訝な顔を顔を向けるけれど、やがてはそれも無用な心配と悟って】
【結果としては、二人で笑う事になるのだろうか】
【――――互いに互いの心配をしていたからこそ迎えた結末】
【緊張の糸が解れたから、とも考えられるのか】


「――――あ、そうだ。ここで立ち話してるのもアレだから、さ
さっき、あっちでまだ咲いてる綺麗な櫻を見つけたんだよね
もう、次の春まで見れそうに無いし……良かったら、一緒に櫻の見納めでもしよっか
どーせずっと身体動かしてたんでしょ?偶には息抜きも……ね」

【笑顔と共に不意に一つの提案をすれば、少女の手を取って】
【――――自分が見たいから。少女が答えようと答えまいと、グイグイと引っ張っていきそうな気配】
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/25(木) 04:17:57.90 ID:tMKpHLpL0
>>851
/も、もう4時過ぎになっちゃいました…よろしければ持ち越しにさせて頂きたいのですが、いつごろなら大丈夫でしょうか…!?
/こちらは今日の夜は20、21時くらいから大丈夫そうですっ。置きレススレでも大丈夫ですが、其方にお任せします……っ
/本当にいろいろ遅すぎて申し訳ないです…orz
/こちらのレスは明日、ちょっとした時間ができ次第返しておきますっ
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/25(木) 05:06:34.03 ID:uZWeUfBd0
>>852
/どぉあああ!!最後の行までコピペ出来てなかった……申し訳ないデス……orz
/こちらも是非持ち越しの方でお願いしたいと思いまする!
/何事も無ければ9〜10時にはこれると思うので、その辺りを目安に考えて頂ければ幸いであります!
/置きレスの方は……検査で万が一の可能性があった場合に移行できたらなんて思っておりまする!
/いやはや……大事な部分が抜けてしまって改めて申し訳ないです……
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/25(木) 19:16:53.29 ID:kVabPeKpo
【魔海から非常に離れた場所にあるとある土地――】
【近くには街があるがそこまで近くでもない、そんなこの場所】
【一言で言い表せば"不毛"。】 【誰も管理せず、誰も開拓せず、今の今まで放置されてきた荒地である】
【その理由は定かでは無いが、一説によると"この土地に住むものは不可解な病に倒れる"――なんて迷信が広まっていたせいとの事だが……?】

【――さて、そんな荒地だが今は普段とは様子が違う】
【腕が4本ある2m程のゴリラや、背に翼を持った亜人など――異型の者共が多数おり】
【そして、その全てが"街を作る"勢いで建物や施設などを建てているではないか】
【機械がなくとも、その代わりとなる異型の者共が多く居る――故に問題はない】

――んゥ〜、そォろそろ"城壁"を用意しねェとなァァアア
大概、こォーいう時に"糞野郎"共が来ィて街をぶゥっ壊すんだ!
正義の為だ皆の為だ、なァーんて言ィっておきながらやァることは"混沌の側"と変わりねェ……本当にアホだ、人間共は!

【そしてその異型の者共が居る場所の外周に居る影――】
【それは全身真っ黒な毛に覆われている奥二重でコワモテ、エルフ耳で2mの身長の悪魔だ】 【頭部には二本の鋭く禍々しい赤い角を持っている】
【黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、首にはマフラーの様な長い紫色の毛を持ち、他にも所々に紫色や赤の模様や毛を持っている】
【鋭く赤い牙と同じく爪を持ち、手足や尻尾の先の方は紫色で、いかにも悪魔だと思わせる尻尾の先端には赤い棘がある】
【赤い棘は肩や手の甲、アキレス腱の位置にもあり、先端に赤い爪を持ち紫色の翼膜な黒い悪魔の翼を背から生やしていた】

【どうやら、この悪魔が――この異型の者共を使役し、街を建てさせようとしているようだが……?】
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/25(木) 21:44:43.97 ID:NHrZFO7Wo
【夜――尚も賑わいを見せる市場の片隅】

『どぉーです旦那!?極上のピスタチオだ、こんなトコロで……?』

いや、いや……流石にそりゃあダメだな、ボケちまったのか?
こっちは3キロも買ってやってるんだ。もっと安くても良いくらい…。
……あぁそれに何処が極上何だ?この間なんかお前、2割は殻が――

『―――あァーそりゃすんませんねェビスクさん!ねっ!これでいいでしょ!?』

【それは全く普通≠フ取引だった。穀物、ナッツ――それらの商人と、ある男との】
【名は『ビスクさん』と呼ばれていた彼は、50も手前に見える壮年の人物であった】

【服はクリーム色のスーツ。中折れ帽をかぶり、サングラスをかけ、あごひげを蓄えて】
【その手を見れば金の指輪と、銀の腕時計。言うなればそう、まさしくマフィアか】
【ただそれを肯定する光景が一つ。商人がナッツの入った袋に、白い粉の入ったオマケ≠入れたのだ】

【やがて、ビスクはそれを確認すると金を払ってその場を後にしようとするが――】
【今の時間帯、人は少ない。やや目立つやり取りであったから、ともすれば悪行は誰かにバレているかも分からず――。】
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/25(木) 22:30:16.80 ID:XyISHiPmo
【水の国――フルーソ総合病院】


【この病院は少しばかり、来客が多い】
【特に用事があるわけではない人もなぜか足を運ぶことがある】

【その理由ははっきりとわかってはいない】
【ただ一つ言えるのは、厳密には病院に来客が多いのではなくその病室≠ノ来客が多いということだ】


【――フルーソ総合病院5階。01−D室】
【壁には弥益 湊≠ニ書かれたネームプレートが貼られている】


【この病室には人を惹きつけるような妙な魔翌力があった】
【無意識のうちに扉に手をかけてしまいそうな、あるいは開けなければという思いに駆られるような――】
【その原因はやはり不明だが、とにかく人を惹き付けるのだった】


【――今日もその病室の主は、誰かの来客を待っているのだろう】
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/25(木) 22:40:23.44 ID:zVjhwvux0
>>748

【自分の名前を名乗ったのはコレがはじめて。自分の名前を覚えていてくれる人が出来たのも初めて】
【丁寧語じゃない、素の口調がむしろ優しく感じられた】
【少年の表情から影が消えていく】

ありがとう・・・なんだか僕、礼を言ってばかりですね

【一度だけ目を腕でこすって、にこっと笑った】
【影の無い、まっさらな笑顔だ】
【今まで人とめったに会話することなんてなかったから、ありがとう以外の言葉が出てこなかったが、十分感謝の意は伝わるだろうか】

今までも、何度も思い出そうとしたんですけれど、思い出せるのはほんの少しだけで
女性の声だって事しか思い出せないんです。姿かたちはまったく・・・

【今度は不安そうな表情にはならない。きっと、不安は全て衣織が払ってくれたからだろう】
【思い出せる事は相変わらず少ないままだけど、不安が消えただけで少年にとっては十分な事だった】

【そしてしばらくたって出てきたスープを見て、わあ!と歓声を上げる】
【今まで食べたことのある物は食べ残しとか、雑草等。料理など一度も食べたことは無い】
【綺麗に輝く見た目も、食欲を誘う匂いも、口に広がるすばらしい味も初めて感じるもの】
【目を輝かせてゆっくりと味わっている】

【そしてすこし一息ついて、】

はい。すごく・・・すごく楽になりました!
頼れる人が一人いるだけですごく楽になれるんですね・・・

【本当の母親を見るように安心した眼差しで、皐月を見つめる】
【その眼差しからはあった瞬間の不安などはまったく感じさせないもの】
【少年が心を許した証だった】
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/25(木) 22:41:38.38 ID:QIu6FIDmo
>>855


ええと、必要な薬品は買って送った≠オ……あとは帰るだけ……ですね……


【――ふらふらとその付近を通りがかるのは、一人の少女】
【彼女は、その独り言通り、ただ普通≠ノ買い物客としてこのばにいたわけだが――】


…………って、……あ。あれは…………も、もしかして…………


【が、しかし悲しいかな】
【彼も彼女も、それはきっと普通≠装うか、あるいは気取っているに過ぎない】
【そういう者達は、得てして惹かれ合うものだ】

【この取引をやや遠巻きに見つけてしまった少女は、そそくさと、去りゆくビスクへ近付いていくだろう】
【こそこそするでもなく、堂々と真っ直ぐに】

【そんな彼女は、ほんのり鶯色の和服を身に纏い、軽くウェーブのかかった黒い長髪の、身長は160弱くらいと思しき少女だ】
【何より目立つのは、彼女の『両眼』を覆う、目隠しの包帯だろうか】
【或いは、傍らの、高さ2メートルはある「点滴スタンド」だろうか】
【デジタル的な「74」という数字を印された点滴パックから出る点滴チューブは、彼女の左腕に繋がっているようだ】

【――――≪74≫、その数字の意味するところは、恐らくはそういうことなのだろう】


/まだいらっしゃるでしょーかー
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/25(木) 22:58:13.66 ID:NHrZFO7Wo
>>858

【ビスク――マフィアというとやはりD.R.U.G.S.か。その一員である彼も、ムダに歳を重ねてはいない】
【つまり少女の接近にはすぐに気付いたし、相手の身分も恐らくは察したのだろう】
【すぐに立ち止まって問い質すわけではなく、一つ角を折れて――人気の少ない裏通りへ】

【―――追いかけて曲がれば、すぐそこに彼が居る。壁によりかかり、手には袋】

……で、キミは何かね?このご時世に伊達や酔狂で数字≠身にまとう人間は居ない
と、するとだ……思うに機関のナンバーズか、それとも……。

いや失礼、こんなご時世と言ったようにウチも中々に緊迫した毎日でね?
それでうら若いレディーが老骨に何の用事かね。これでもそこそこ忙しいんだ
例えばそう、事務所に戻って今買ったピスタチオを剥くとか、一緒に酒を楽しむとか……で?

【要約すれば何用か、と。まくし立てるように話しかける姿はやや不気味な印象か】
【サングラスの奥は見えないし、そもそも身長も体格も大きな方であるから、尚更で。】

/いましたっー!が、次ちょっと遅れます、申し訳ないっ
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/25(木) 22:59:57.34 ID:w2zwQxxh0
>>851

【柔らかな手触りの見慣れた尻尾。少しだけ擽ったいその感触は、未だ慣れてはいないものであって】
【初めて知ったとばかりのその表情は、年相応に  もあるのだろうか】
【心配されて、弾んで、重なり合って――― 昼日中の様に夜を明らめた声。】

……うんうん、ありがとう。
心配ごとか……訊かれれば私は正直に答えるわよ?
そんなあなたの別の笑顔も、私は見てみたいのだけど―――

【笑い合えた暖かさでまた緩む声。親しみをこめる様に狼耳に触れれば、その反応を楽しむ様にクスリと洩らす。】
【流れる雰囲気はそのままで。時の停まった様なこの世界を、少女は、きっと、春の花盛りみたいに感じていた】

桜が……この辺りに?

珍しいわね。あなたも好きだとは知らなかった――――
………それじゃ急ぎましょうか?
なんだか待ち切れないみたいだし……私も、急ぐかどうかは別として、“好き” だから。

【聞けば、思ってもみなかった提案なのか―――― 目を丸くしたのは一瞬で】
【直ぐに鮮やかなくらいに笑って答えれば、手を引かれるままに駆け出すのだろう】

【―――― 急いでいても、ゆっくりとでも。同じ速さで、隣り合いながら。】
【何が好きなのかは言わなかった。自分が夜桜を待ち切れなかったのかも知れないし、そんな言葉遊びを楽しんでいたのかも知れない】
【何れにしても、少女は、心惹かれる “今” に居て。 】
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/25(木) 23:02:18.02 ID:0qWxTyYk0
>>857
【少年の顔を見れば、一目瞭然。きっと今は憂いる事も無いのだろう、年相応の無邪気な笑みを見せている】
【それでいい。それでいいんだ。まだ一人で生きることすら覚束無いような少年が、独りで全て抱える必要など、本当は無いんだ】
【今は、今ぐらいは、何も心配しなくてもいい…】

…そう、やっぱり人はね、本当なら親とか友達とかいろんな人と出会うはずなのよ
その人達は自分の悩みとか不安を一緒に支えてくれるの…それでね、そのお礼に、もしその人達が困っていたら、今度は自分が手伝ってあげるの!
でもあなたは全部独りで背負ってた。まだ子供なのに、全部。それじゃあ潰れちゃう…。
だから、私たちが背負ってあげる!
不安になったらいつでも来なさい。困ったときはいつでも来なさい。そうすれば、きっと私たちは君を支えてあげるわ!

【今までで一番柔らかい表情をしている少年に、皐月が語り掛ける】
【優しく、諭すように言葉を紡ぐその様子は、母親のよう】
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/25(木) 23:13:13.65 ID:w2zwQxxh0
/またミス…
>>860

【初めて知ったとばかりのその表情は、年相応に  もあるのだろうか】

【初めて知ったとばかりのその表情は、年相応でもあるのだろうか】

…です。雰囲気は伝わる気がしますが、…orz
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/25(木) 23:15:39.23 ID:QIu6FIDmo
>>859

【ご多分に漏れず、この少女はビスクを素直に追い、そして角を曲がる】
【そうすればもちろん、そこにいるのは、ビスクその人で】


…………あ、どうも、こんばんは……ええと、その、……なんかすみません……


【問いただされた彼女が返すのは、意外かもしれないが、怯えた風にも見える言葉である】
【ぺこぺこと頭を下げる仕草もあいまって、威圧感や高圧感とはこれでもかと言うほどに、遠い】


……ただ……あのー……ですね……さっき、そこで見てしまったんですが……あからさまに怪しい℃謌……してましたよね……?
小麦粉か何かならいいんですが…………医者≠ナある私のカンが……どうも騒がしくて……


【恐る恐る、探りを入れる】
【点滴スタンドにすがりつき、萎縮したようになりながらも、だからといって逃げ出すような真似もせず、】


あ……それと……はい……私はナンバーズです……一応、ですけど……
確かに機関内でも最近……マフィアさんに喧嘩を売られたとかでごたごたしてるみたいですけど……
それとは関係なくですね……いけないことはいけないんじゃないかなー……って……す、すみません……


【――敵意や殺意、らしいものは無い】
【単純に、公序良俗に反する行いを咎めようとしているだけの、善意≠ノすら見えるか】
【カノッサに所属する者にしては、異質、と断じる事も出来るだろう】

【……が、だからといって油断すべきではないのも事実で】
【きっとそれは、両目を包帯で覆い隠している事実からすれば有り得ない′セ動を繰り返す彼女の様子からも、察せるはずだ】


/はい、了解ですー。大丈夫ですよー!
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/25(木) 23:21:21.44 ID:zVjhwvux0
>>861

【母親のような女性の言葉をしっかりと頭に刻む】
【「いつでも来なさい」 そういわれたのがすごく嬉しくて】
【帰る場所がはじめて出来た。そんな気がした】
【自覚できないほどに重い荷物が肩から降りた】

じゃあ、また辛くなったときは頼りに来ますね!
皐月さんが辛くなったときも、できることなら何でもしますから!

【輝かしいほどの綺麗な笑顔でそう答える】
【頼るだけじゃ悪いから、頼ってくれとも言ったが正直少年にはあまり出来そうなことはない。が、少年の心遣いは伝わるだろう】
【薄汚れた体だけど、心にはまったく汚れはない。笑顔はそんなことを写していた】

【そして味わっていたスープをぐいっと一気に飲み干すと時計を見て、】

あ・・・もうこんな時間ですね
僕はそろそろ・・・

【スープの皿をキッチンにもっていって、ぺこっとお辞儀をする】
【言葉から、そろそろ帰る気なのだろう】
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/25(木) 23:26:09.91 ID:uZWeUfBd0
>>860
【尻尾でその手を包み込む、なんて器用な真似は出来ないけれど】
【ただ、自らその部分を撫でさせるかのように、或いは甘えるかのように押しつけて】
【頭を撫でられて、嬉しそうにした時と同じ様な反応。ご機嫌な様子はきっと表情から分かるけれど、耳もピコピコと動いていて】


「どうかなー……柊は意地っ張りだから、口では正直に答えるなんて言っても嘘吐きそうだもんねー……
でも、柊の嘘なんて直ぐに見抜いちゃう自信はあるけどさ
ボクの事を騙すのは難しいよー?
それに、ボクだって柊の笑顔を見たいのは同じ事だもんね」

【そんな手も離れれば、自らの耳に触れられた感触】
【やはり、何処かくすぐったいのだけれど、それ以上に安らぎを貰えるのであろう】
【――――表情こそ不満げで、唇を尖らせるが知らず知らずの内に揺れる尾は本当の感情を示していて】

【些細な事で張り合おうとするのは、やはりまだ何処か子供っぽく】
【大好きな友人だから意地を張りたい、というのもあるのだろう】


「桜も好きだけどさ、どうせならキミと一緒に見た方がもっと楽しいと思って
えへへ……前も言ったけど、柊の事も好きだよ?
――――じゃ、いそごっか。ボク達が着く前に全部飛ばされてた、何てなってたら悲しいしさ」

【耳や尾に振れられた、些細な意地悪返し】
【頭の中で赤面する少女を勝手に描けば小さく笑って、その手を握りながら駆け足で向かうのだろう】
【――――きっと、道中でも沢山の事を話したのだろうか】
【些細な冗談。ちょっとした意地悪をされれば、仕返しをしたり、なんて平和な一コマ】


【――――やがて目的地に辿り着いたならば、手を繋いだまま桜が一番綺麗に見える場所を陣取るのだろう】
【時間も時間。夜桜を見に訪れる人なんて、少女二人の他には居らず】
【遅咲きだったのだろうか。丁度満開となっている巨木を見れば、感嘆の吐息を漏らして】
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/25(木) 23:38:06.56 ID:NHrZFO7Wo
>>863

【ふむ、と首を捻る。姿勢は左手を壁にやって、身体は少女に向けるように】
【袋を持っているのは右手であり、その中にはナッツと、確かに白い粉が入っている】
【それを見られたコトに首を傾げたのか――それとも、別のいくつかに、なのかは分からないが】

【どちらにしても唐突な敵対行動、というような事は無いということで安心出来るだろう】
【組織間の対立はあったが、少なくともこの男性は何も聞かずに人を殺しはしないらしい】

……ま、確かにクスリ≠フやり取りはしたがね。無論、キミらの使うモノではない
炙って吸引したり、そうすると天国にたどり着いて幻覚が見えたり
或いはその後になって虫だの脅迫めいた幻聴だのの地獄が垣間見える不思議な方だとも!

だが――それが何なのかね?私は見ての通りマフィアで……あぁ名前はビスク・フランコだ
で、仕事の一つは患者にクスリを売るコトなのだよナンバーズくん。君に咎められる理由は無いと思うが…、……。

【同じ悪党、ならば世間的な善悪に流されて注意されるような理由も無い】
【彼が言いたいのはつまりそういうことだろう。だからこそ、やり取りを下手に隠そうともしなかった】
【むしろ仕事であるからと押し通すような、それくらいの豪胆さは持っているようで】

【―――ただ言葉の切れ目で、彼はグッと身を乗り出して少女の目元をサングラス越しに確かめ】

ところで失礼かもしれないが……私の眼が何色かは分かるかね?

【そんな短い質問をした。ちなみに答えを伝えておくと、『見えない』というのが正解だ】
【それくらいにサングラスの黒は濃かったし、それを外すわけでもないから、常人でも見えるはずはないのだが】
【だが――もし、異能などで見透かせるのなら、そこに在るのは赤と緑のスマイルマーク≠ェ刻まれた眼球であって。】

/お待たせいたしましたー!
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/25(木) 23:48:33.87 ID:0qWxTyYk0
>>864
あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない!
そうね、困ったときはお互い様ね!

【少年からそんあセリフが聞けたなら、もう安心だろう】
【きっとこの少年はもう独りじゃない、皐月はそう確信した】
【何、心配することは無い……自分が出来る精一杯のことをしたなら、してもらった人はきっと分かってくれる】
【その心意気にはきっと答えてくれる】

じゃ、そろそろ帰るのね
衣織!………何か言いたいこと、あるんじゃない?

【皐月にたきつけられて、はにかみながら衣織が出てくる】
【年の近い少年に、何やら言いたいことがあったのだろう】
【――――そろそろ帰るらしい少年に、今度は衣織が話しかける】


「その、上手く言えへんけど…大丈夫!
居場所があらへんなんてことも無いし、アンタの過去がどんなもんなんかは分からんけど…きっとそのうち思い出すよ!
その人の声だけは覚えとるんやろ?アンタがどうして記憶が無いんかは分からん、でもその人はきっとアンタにとって大事な人なんや
だってそうやろ?全部忘れても、それだけは覚えとるんやから…」

【そう、この少年はそれだけしか覚えていないと要ったが、逆に言えばそのことだけは何があっても覚えていたということ】
【そんな人なんだからきっとそのうち見つかると少年を勇気づけるように言葉を返して】
【大丈夫、思い出すなんて励ましているようだけれど】
【――――本当は】

「…でも、その人のことを忘れてもウチのことは忘れんとって欲しいな…
年の近い友達なんて、なかなか出来にくいやん?せやから、アンタが来てくれてた時は友達になるって決めとったんや…」
えへへ…図々しいお願いかな?」

【年の近い友達が出来そうで、嬉しかったようだ】
【衣織とてまだまだ年端もいかない少女、友達だって作りたいのだ】
【少女は一人苦笑を浮かべ、ちょっぴり恥ずかしげに頭を掻く】
【けれどもそれ以上のしつこい要求なんかはしない、さっきの一言でも十分と思ったから】
【そして、友達のしるしとして少年に渡したものは……】

「―――ほな、良かったらこれ貰ってや!
手作りの服なんやけど、どうかな?似合うかな?
ウチはいつでも歓迎する、遠慮せんでいつでも来いな!」

【大きな紙袋…中には丈夫なデニム地の半ズボンに動きやすいTシャツ、そして「Dear my friend」と書かれた紙切れ】
【少年の服がボロボロだったのを見て、帰り際に渡して驚かそうと衣織が密かに作った物だ】
【紙袋を少年に手渡すと、最後に二人は玄関まで出て少年を見送るだろう】
【きっとまた会えるだろうと心の中で想いながら……】

//ではここで〆ということで、長い間私の遅レスに付き合って頂いてありがとうございました!楽しかったです!
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/26(金) 00:04:26.59 ID:8+2asxQDo
>>866

【ちらと、少女は顔をビスクの持つ袋へ向け、それから再び、顔の方向を、ビスクの顔へと戻せば】


……ですから……そういった健康を害するお薬を勝手に氾濫させてもらうのは……ご勘弁願いたいなって……
まだ暴力や恐喝でのお金儲けの方が……いえ、それもどうかとは思いますけど……マシかなぁ……なんて……


【強引に押し通そうとするビスクとは対照的な、諭すような語りかけにて、少女は対抗する】
【その語気こそ弱いとはいえ、すごすごと引き下がるような骨なしというわけでもない様子】


……それに、私はナンバーズとしてではなく、この私……医者≠フ『千日紅ひゆ』として……
……その……僭越ですが……こうしてビスクさんに……対面しているんです……はい……
ビスクさんが仕事だって仰るんでしたら……私だって……すみませんが……仕事……です……


【――詭弁、と言えばそれまでか】
【彼女が数字≠背負っている事実に、違いはないのだから】
【だが、ぎゅっと点滴スタンドを握り締める華奢な手は、或いは固い意志の表れでもあるのかもしれない】

【……と、唐突に、ビスクが投げ掛けた、新たな質問に、ひゆは一旦口を止めた】
【おや、と思うところがあったのだろう、思案するようにしばし黙し、】


…………えと、み、見ちゃっていい≠でしたら…………その……サングラスの奥も見ちゃえるかも知れませんけど……
と、とりえあずは……サングラスで遮られて分かりません……と……


【――――と、ビスク的には煮え切らないかもしれない答えである】
【言葉通りに捉えれば、もちろん、やはりというべきか、異能≠秘めている、となる】

【……ぽたり、点滴袋内で、液が、滴下する】
【その瞬間、もしもビスクが魔力感知≠ノ聡ければ、ひゆの身体に一瞬、魔力が漲り迸ったのが、感じ取れたかもしれない】
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[ saga sage]:2013/04/26(金) 00:07:34.42 ID:TN69WlF30
>>867
うん。絶対忘れない。衣織さんも、あの人も
初めて帰る場所が出来たんだもん。忘れるなんて絶対無いよ!

【自分の手がかりと、初めての友達。忘れるはずなどない】
【誓うように強く話す。表情も普通よりすこしりりしく見えるだろうか】

ずうずうしいなんてそんな・・・僕からもよろしく!
・・・あらためて言うとなんだか恥かしいや。えへへ

【少し照れくさくなったようで、白い顔が少し赤く染まり、目をそらす】
【そして赤く染まった肌が白く物鳥始めたころに紙袋と紙切れを受取る】
【紙切れと衣織のめを交互に見ると、また赤くなって顔をそらす】
【年相応の初々しい反応だ】

すてきなプレゼントありがとう!
ぜっ・・・たいに大事するよ!

【そういうと、ぶんぶんと大げさに手を振って歩き出す】
【石に躓いてこけそうになったり、少年のこれから先が不安になるようなこともあるけど、さっきの表情を思い出せば不安はきっと吹き飛ぶ】
【一人じゃない。それだけで人はきっと強くなれる】

//こちらこそありがとうございましたー。こんなつたない文章ですが付き合ってくれてありがとう御座いましたー!
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/26(金) 00:24:00.36 ID:WWNdQIfro
>>868

ほう!では医者であるひゆ君……今、我々の意見は決定的に違っている。
私は仕事として売らねばならないし、キミも同じ理由でそれを止めたい

……まあ、私も全てを暴力で片付けようとは思わないとも
ただ、そう――どうしても止めたいのなら、相応の代価を払うか、実力を行使せざるを得ないだろう?
キミはどちらを選ぶね?私はどちらでも構わないよ、ただ金でとなれば――

【すぅ――っと、袋の中からパック詰めされた白い粉が浮かび上がり、ビスクの左手に収まった】
【特に種や仕掛けが有るわけではない。実に単純な話、その浮翌遊は彼の能力なのだろう】

【――話を元に戻すと、ビスクはその粉の価格を500万であると告げた】
【無論、末端価格というやつではない。あくまでそのパックの中の原価だろう】
【それを買うのならこの場は好し。否であれば代案を出せ、さもなくば――ビスクの意見はそれである】
【少女が立場を譲らないように、彼にも仕事の責任が有るということか。妥協はしても、折れはせず】

なるほど、成程……結構!キミも種や仕掛けのないマジックの体現者という訳だ!
果たしてそれが能力か機械か或いは……?まあ、そんな事はどうでもいいとも。
中々愉快なお嬢さんだが、私の素敵なお目々を覗くのは止めて頂きたいね。恥ずかしがり屋なんだ、それはもう――!

【『――とっても!』 やはり、変人ではあるのか。魔翌力に関しては、さっぱりだったようだが】
【それでも勘が働いたのだろうか、何処と無くそれらしいことを言って、この興味からは手を引いた】
【一応告げておくと、サングラスの奥を見れば両目とも義眼であるのが分かるだろう。言ってしまえば、それらが機械であることも。】
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/26(金) 00:43:31.29 ID:8+2asxQDo
>>870


…………は、はあ…………もちろん、そう言われれば、私も勝手に覗いたりしませんけど……


【ひゆは、ビスクの妙なテンションに、やや気圧された模様だ】
【また「なんちゃって、こっそり覗いてやろう」――なんて、彼女は考えない】
【ゆえに結局彼女は、ビスクが義眼であることなど知らずに終わる】
【今、彼女に見えているのは、普通≠フ人々が見るのと同じ、闇のように黒く、本質を覆い隠す、サングラスである】

【さて、クスリに関して、ビスクが出した案についてだが……】


……た、高っ……! 私もそんなお金持ちって訳じゃ……あ、いやいや……えー……高いとか以前にですね……


【「この場がお金で収まったとしても、結局また私の与り知らないところで同じことをするでしょう?」】
【――と、ひゆは続けた】

【しかしどうしたものか】
【ひゆには、この問題を解決する手だてが見つからない】
【押し問答しても仕方ないし、かといって、暴力に訴えることもしたくない】
【ああ、困った……と、溜息をつきかけた――その時だ】


【――――「カー、カー、カー」――――】


【場の空気を一旦仕切り直すかのような、「複数のカラス」の声が、どこからともなく、路地裏に響き渡った】
【――――カラスはもう寝床に帰ったはずの時間なのに】
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/26(金) 01:00:19.44 ID:WWNdQIfro
>>871

高いと言われても、この一袋が俺たちファミリー≠フ命につながるんだ
末端のではなく仕入れ値を提示しただけ優しいと言ってほしいね!

……ふむ、さて。キミはお優しいが、残念ながら俺も情に絆される歳じゃない
買うのならこの場限りは収めるよ。あぁ勿論、すぐに次のを仕入れるがね?
どうしてもクスリを消したい?ならD.R.U.G.S.を潰してみるのが早いんじゃないかね、きっと。

【『ま、無理だろうが』―――そう言い残すと、ビスクはひゆの前から立ち去ろうと身を翻した】
【ほんの少しの良心で話には付き合ったが、その後乗るかと言えばNOだっただけ】
【ドラッグの類が人に悪影響を与えるものだということなど百も承知だが、他者を気遣う理由もない】
【何より、大げさに言えばこの仕事はファミリー全員の命がかかっているから――お遊びの暇は無い、と】

【そうしてクスリのパックを袋に戻して数歩ばかり進んだ所で、異変に気付く】
【中折れ帽を手で押さえ、ふと上を見上げる――夜だから、保護色だから。中々、烏の姿は捉えられなかったが】

あぁー……、…その、何だ?キミはこの喧しい害鳥とお友達かね?

【立ち止まり、上を向き、ひゆへ振り向くこともなく――しかし彼女に向けて、ビスクは言葉を発した】
【夜の鳴き声という違和感に、多少なり『偶然ではない』という勘が働いたのかもしれない】

【――で。彼がふと取った行動は、袋の中のアーモンドを二粒ばかり空たかくへ投げ上げる、なんて言う】
【言うなればちょっとした好奇心からのお遊びや餌付けの試みのようなモノであって】
【ただの烏ならば、炒って香ばしいナッツの香りを逃すようなことはないだろう―――が、さて。】
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/26(金) 01:08:38.13 ID:vAepWKxT0
>>865

………ふぅん? それじゃ、これから言おうとする嘘も分かるのかしら?

【つくのはひどい嘘じゃなく。きっと、彼女には簡単にばれてしまう様な其れ。】
【見たい、なんて言われた笑顔もきっとばれていて――――、】

【道程での意趣返しには焦ってみたり、かと思えば自然と笑っていたり。そんな色とりどりの表情の宝石が、続いてはそれぞれ移ろってゆくのだろう】
【流れゆく時は、優しく今と彼女たちを包み込んで――――】
【そうして辿り着けた空間の荘厳さ。儚くも、満開の夢のように輝きを少女には感じさせる光景だった】

【故郷の光景とはまた違った、一本だけの満開の桜の巨木。】
【悠久の時を思わせる其れは幻想的で、初めて見た筈の、なにもかもが無二の、その花をなぜだか誇らしくさえも感じて――――】


………ありがとう、ヨハン。

こんな桜は見たことがないし、本当にこの光景が好きになりそう――――

だけど、それだけという訳じゃないの。
捜してたものがようやく見つかって、失くさずにただ歩き続けて……それで、こうしてまたあなたに会えた。

笑いあえて、こうしていられて――――
………それが、今の私には何よりも幸せなんだと私は思う。

【隣にいる彼女にまた振り向いて。純粋に幸せで、穏やかに透き通る様な、“彼女らしい”、笑顔を浮かべて】

【意地悪のつもりはなく、けれども向ける感謝の言葉。彼女が苦手なのは分かっていても、自分には嘘はつけなかった】
【それも、本気で嫌がられたならやめただろうけれど―――― 】
【真っ直ぐ紡いだその感情は、自分は彼女のことなら分かると、共に笑って信じられたからなのだろうか】

【そして言葉を続けようとした。満開のあの桜の前で、大切な意味を伝えようとする様に微笑って。】


受け取って欲しいものがあるの。
二つ入っているけれど……ふたつとも一緒に使って欲しい。

………なんて言っても言葉足らずね。
入っているのは飲み薬よ―――――
その……目を治すための、私にとっての宝物。

【白に近い薄桃色の小さな包装。取り出せば、若干気まずそうに―――そして気恥ずかしそうに説明してから、彼女に手渡そうとするだろうか】

【“捜してたもの”。大切な友達の癒えない傷を、治して、癒しきるための特殊な薬。】

【ひとつは黒い卵型の錠剤。とある研究所の生み出した、副作用と回復作用を抑えた回復薬だ】
【三日程度の期間を経て、痛みと共に任意の部分を再生させられる筈の其れだったが―――】
【……“もうひとつ” は、それを補う品だった。】

【櫻の地の魔力を汲み上げた様な、三角形をした結晶状の錠剤。】
【生命力と回復力を増進させ、癒しの魔力からあらゆる痛みを抑える品であり】
【一夜程度で、痛みもなく再生は終わるだろうか。痕も残らず/後遺症もなく。】

【其れが宝物である理由といえば――――、“大切な誰か” が、受け取り人だから、なのだろう】
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/26(金) 01:31:19.96 ID:8+2asxQDo
>>872


 …………うぅ…………。


【為す術無し、とひゆはあわやビスクを見逃しかけた】
【そんな折の、カラスの鳴き声は、彼女をハッとさせた】
【なぜならば、心当たりしかないからだ】

【カラスの内、二羽が、投げられたアーモンドを、一粒ずつ、空中でキャッチし、クチバシにくわえた】
【くわえたならば、そのまま軽く飲み込んで、そのままカラス達は自由に飛び回るわけである】

【――かくして、ビスクがひゆへ発した言葉への返答は……】


「――――困りますねえ…………我が家の大切なお医者様を虐めていただいては」


【……ひゆではない、誰か≠ノよって為された】
【凜と、玲瓏なる声が染み渡っていく】
【ビスクが目を凝らせば、丁度彼の前方に、ぼんやりと浮かび上がる、一つの人影】


「……どうも、ビスク・フランコ様……『こんばんは』……わたくし、ひゆ様の監視役を務めさせていただいている……『ウェル子』と申します」


【それは、白を基調としたセーラー服と紺色のスカートに身を包んだ、身長160cm程度の少女だ】
【その表情に感動はなく、縁無し眼鏡の奥に湛えられた碧眼は深海のように深く、暗く、かつ冷たい】
【また服装に合わせるように被っているのは、長い青色リボンの巻かれた、白い水兵帽】
【そして真っ直ぐ伸びる彼女の長髪は黄金色に煌めきながら、風と戯れるように虚空に揺れていた】


「やれやれ、ひゆ様もひゆ様で妙な正義心をむやみに働かせるのは、わたくしの手間が増えるだけなのですが……
 ま、よろしいでしょう。そういうところが、貴方様の良いところ……
 何せ、あのD.R.U.G.S.から、『潰してみろ』などという素敵な宣戦布告を、いただけたのですから」


【丁度、ビスクはひゆとウェル子に挟まれる形になるだろう】
【また淡々と語るウェル子の下には、多数のカラス達が群がっていく】
【見るに、彼女こそがカラスの支配者であると分からせるには十分か】

【ひゆはと言えば、ウェル子が登場してからというもの、やましいことを咎められた子供のように、ただただ縮こまるだけであった】
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/26(金) 01:41:45.36 ID:ze5p2kaP0
>>873
「……どういたしまして。何てね。ボクの方こそ。ありがとうだよ?
こうやってキミを探せたのも、あの時キミが来てくれたから
もし柊が来なければ、こうやって一緒に桜を見る事も、話すことも出来なかったと思うし……キミと話せなくなるのが、ボクにとって一番辛いことだから」

【向けられた感謝の言葉。否定する事無く、同じ様に純粋に受け止めて】
【――――そして返すのも、感謝の言葉。あの夜、もし少女が来てくれなかったら、きっとこうやって笑う事も出来なかったから】
【何度か迷うような素振りを見せたのは、どうやって伝えれば良いのか分からなかったから】
【……結局は、最も自分らしく伝えられる方法。ただ、有り難うの一言】
【素っ気ないような言葉にも思えるけれど、それが今持ちうる言葉の中で、最も素直に表現出来る言葉】

【話せなくなるのが一番辛い、という事は嘘では無くて】
【――――元より嘘を吐く事が得意で無い故、分かりやすいのかも知れないけれど】


「ボクに受け取って欲しい物……?
柊がくれる物なら、何だって喜んで受け取るよ?」

【最初の言葉のみを聞けば、不思議そうな表情を浮かべて】
【けれども嬉しそうに差し出された物を受け取れば、その先の言葉に耳を傾けるのだろう】

【――――片目。見開くのは、無理も無い事】
【もう無いからと諦めていた瞳が戻ることを知れば、仕方の無いことだろうか】
【ポロリと一粒涙が零れるのは嬉しさもあるのだろうけれど、何より友人からのプレゼントが想像を遙かに超えていた物だったから】
【ポロリ、ポロリ。溢れてきそうになる涙を拭い、気恥ずかしそうに笑えば、視線を交わらせて】


「――――うん。ふふ、有り難く貰うよ
これで、今度会うときからちゃんと両方の目で柊の事を見れる事になるのかな
……柊、本当にありがとう、ね」

【赤くなった目。それを隠すことも無く、ただ真っ直ぐな感情】
【手渡された宝物を腕の中でギュッと抱けば、それを今度は自らの宝物へと変えて】
【友人が自分の事を思ってくれた物。腕の中でその重みをしっかりと感じ取っていれば、不意に流した涙を思い出して】

【人の前で泣くなんてあまり無い経験だったから。友人の前では、尚更の事。そして相手が彼女となれば――――】
【羞恥か、其れに近い何か。こんな状況であっても、僅かに頬を朱に染めるのは、らしいと言えばらしいだろうか】

/っと、申し訳ないです!
/今日は早起きの為、これにて落ちさせて頂きたく……!
/もし宜しければ今日に〆の方向に舵切りさせて頂いて宜しいでしょうか!
/無理そうでありましたら適当に締めちゃって頂いても大丈夫であります!
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/26(金) 01:46:27.39 ID:vAepWKxT0
>>875
/っと、了解です…!
/今日に〆、っていうと次の其方のレスで…という感じでしょうか?
/凄まじく遅かったり読解力無かったりで、いろいろ本当に申し訳ないです…orz
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/26(金) 01:58:35.81 ID:ze5p2kaP0
>>876
/おおう、申し訳ないです!自分で読み返してみたら凄まじく誤解を与えてしまいそうな……
/えっと、今では無く、今晩の方向でお願い致したいでありまするー!
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/26(金) 02:00:45.10 ID:vAepWKxT0
>>875
/ほ、本当に読解力ないな自分(>>875)…orz…読み直して改めて了解です、一旦お疲れ様でした……!
/あと数レスで〆、って感じになるかと…!長時間お付き合い頂けて感謝ですっ、それでは今夜はお休みなさい…!
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/26(金) 02:02:30.90 ID:vAepWKxT0
/って凄く失礼なタイプミス!
×自分(>>875
○自分(>>876)でした。

>>877
了解ですー! それでは今夜こそお休みなさいっ、一旦お疲れ様でしたー!
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 18:47:01.37 ID:nkGVByNAP
【水の国、その美しい景観の町中を歩いているのは一人の女だった】

はあ…パトロールかあ… めんどくさいなあ

【茶色のダッフルコートに灰色のロングヘアー、手入れを怠っているようでところどころ毛が跳ねている】
【下は水色のジーパン、やる気の無さそうな落ち窪んだ目が印象的であり年は20歳ほどに見えた】

自警団の仕事って言ってもなあ…面倒くさいんだよなひたすら
第一こうやってひたすら歩き回った所で何か事件に会うかって言ったら別に全然そんな事ないしさあ…
しかも最近あんまし運動してなかったし…足痛ぁ…
…あーあ、愚痴ばっかだな私 こんなんじゃ本当に自警団クビにされちゃうよ…

【何やらぶつくさ言いながら人通りの少ない夜の町を歩いている】
【その様子からして自身の仕事に全く身が入っていないことは明白だった】

…早く家に帰ってゲームでもしたい…
いやでもマジで疲れてるからな…今日は速攻で風呂入って寝よ…

【とても正義の味方、自警団に所属する者の発言とは思えない】
【そんな彼女が今宵どのような出来事に遭遇するのか、あるいはしないのかは不明である】




881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 19:43:57.67 ID:2H3hkaes0
>>880
【ふわり、と。柔らかい風が吹いたなら、目の前に現れたのは鳶色の髪を風になびかせている旅装の女性】
【気怠そうにしつつも自らの仕事に従事している彼女にニコリと微笑み、会釈をする】

見回りご苦労様です
……何も無いってのも幸せなんですよ?

【愚痴を聞いていたのか、ささやかな反論を口にする】
【その声色は、警備の最中に愚痴をこぼす彼女を咎めるようでも無く、ただ彼女の気づいていない小さな幸せを示すだけ】
【ゆえに、彼女がこの言葉をどう取るかは分からない】
【ただ、美しい景観の中でこうやって何もないなんて言いながら見廻るなんてのも、有難い事実なのだ】
【……そのことに気付く人は少ないが】

事件なんて、起こらない方が幸せなんですよ
警備の人が暇だと嘆いている時が、この世界が平和である証拠なんですから
フフフ………それに、見回りより悪人とやり合う方がもっと面倒だと思いません?

【実際、こうやって何もない、何もないなんて愚痴を言っているうちが華なのだ】
【事件なんて後で起こってからこんなこと起こらなければよかったなんて言うもので】
【それは天災でも事件でも事故でも、全てのことに当てはまるものだ】
【人間は目の前の平和に気付かずに、波乱を求めるもの】
【その波乱が、何を引き起こすかも知らずに……】

……それとも、やっぱり刺激的な日々が欲しいですか?
警備をする身として、事件が起こるのと起こらないのと、どっちがいいですか?

【……それでも、自警団に入るぐらいなら腕っぷしに自信があって悪を相手にしたいとか、治安を守るために働きたいと思っていても不思議ではない】
【実際に警備を行っている人はどう思っているのだろうか……本当のところを知りたいと、質問をしてみる】
【面倒なんて言ってる彼女に質問なんかしても、それこそ面倒臭がられるだけかもしれないが…】
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 20:06:22.58 ID:nkGVByNAP
>>881

【そうやって気だるげな徘徊を続けていた彼女の前に一人の女性が現れた】
【年は30くらいだろうか、纏う雰囲気は何処か風を思わせる】

…あ、どうも こんばんは
いえいえそんなねぎらいの言葉を掛けられるような人間じゃないですよ、私は…
あ、私は『自警団』に所属している 熊出 等比と言うものです

【ダッフルコートのポケットから手帳を取り出し女性に見せる、そこには自警団員の証明写真があった】

私は今一応勤務中なんですけど…まあいいや、別にそんな切迫した状況でも無いですしね
何も無いほうが幸せですか…それはそうでしょうね 私も自警団ですから、平和が一番です

ただですね、自警団のお給料って歩合制なんですよ…その日にこなした仕事の貢献度によって決められる
そうなると酔っ払ったおじさんを保護するとか、住民に迷惑行為を行う暴漢を取り締まる、とかしないと
お給料が貰えないんですよね…骨折り損のくたびれ儲けってやつですか
だからその…これだけ歩き回って何にも出会わないと、生活苦の私にはちょっと厳しいものがあるんです…

【等比は自身の仕事の簡単な概要を説明する 眼の前の人物に自身の事を知ってもらおうという考えだ】
【等比と旅装の女性の会話は続く】

悪人との戦い、ですか… そういった事は中々起こりませんねえ
最近の巷では色々物騒な事件が起こってるみたいですけど私はまだそういうのに関わったことはありません

刺激的、ですか!?いやいや、そんな事は考えて無いですよ!
確かに悪を成敗するために始めた仕事ですけど、その悪者がいないならやっぱりそれが何よりなんです
…まあ正直、最近その気持ちもかなり薄れてきちゃってるんですけどね…
なんか最近、どうもやる気がでなくって…

【自嘲気味に引きつった笑みを浮かべながらそう語る】
【本来の公務を投げ出して会話に興じている辺り、彼女はあまり真面目なタイプでは無いのだろう】
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/26(金) 20:08:08.38 ID:HkAfp14go
>>854
/再募集
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/26(金) 20:14:56.22 ID:j4pZkjK1o
>>874

【放ったアーモンドを掻っ攫い、その烏が降り立つ先にはもう一人の少女】
【といっても――その印象は全く異なっていて、見た限りでは数字≠烽ネく】
【かと言って言葉の通りに監視=上の立場というような具合にも思えない】

【――勿論、他所の組織だ。複雑な構成などは分からないが、ビスクは違和感を感じたのである】
【言葉にすることはない。ただ、ウェル子に視線を向けて首をかしげるのみであり】

やあどうも!夜だってのに仕事熱心で素晴らしいものだと感心するよ
その様子だと会話の大体は把握している様子かね?なら話は速い、じつに素晴らしい!

……それで?ウェル子君、キミはこの状況をどう片付けたいのかね
単に私の持つ商品をどうこうというより、言質をとって戦争でも?
いや私としては構わんよ?むしろ市場が確立された今、機関の領分を奪い取る機会は実に貴重だ!
なんならここで戦端を開いたって一向に構わないが……あぁそれと、少し―――

【『言いたいことが』と続けるビスクの表情は、どちらかと言うと朗らかなものだった】
【二対一でも闘いを拒否せず、むしろ求める姿は些か獰猛にも思えたが】
【少なくとも、今は丸腰。武器を隠し持っているだけだろうが、仮に奇襲を掛けるならそれは可能であると記した上で――】

先ずはひゆ君、キミだ。私はこれでもファミリーの教育係なんぞもやっていてね?
監視係が来ようが意見に困ろうが、表面上はもう少しばかり堂々としていたまえ
カノッサのナンバーズともあろうものが萎縮していましたで通用するのかね?
それはそれで我々にとっては朗報だが……いや失礼。これは全く、私の思ったことを黙って置けない性格故の戯言だ。

……次に思うのは、そう――ウェル子君、キミの烏はもう少しマナーなんぞ無いのかね?
夜にやかましく喚き立て、人が餌をやったというのに知らないような顔をするのは実に不快だ。

【『おっと勘違いしないでくれたまえ、これは全く――』 ――その後は、先ほどの繰り返し】
【多弁な人間、というか――喋らないと死ぬ病にでもかかっているかのように回るわ回る、舌が止まらない】
【左手に持っていた薬物のパックを右手の袋に戻しはしたが、何か構えを取るようなことも無く―――。】

/寝落ちしてしまい、おまけにお返事も遅くなって申し訳ないです……っ!
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/26(金) 20:27:29.13 ID:oO+1tYHZo
【廃墟群】

【路地裏を抜けたさらに先、打ち捨てられた建造物が複数】
【それらに囲まれた少し開けた場所。荒れた場所だった】
【散らばるガラス片や木片、朽ちかけた壁に落書き、人気などあろうはずはない】
【だからこそ、表通りを歩けない身分の者には、格好の場所でもある】

【月明かりに照らし出されるその姿。ガレキに腰掛ける人影が一つ。しかし、確かに二人分の頭が見える】
【一つの胴体に、二つの頭と四本の腕。一つの身体に二人の人間が存在しているのだ】

【向かって右側の頭は、病的に青白い肌にほっそりした顔つき。長い白髪を後ろで一つに束ねている】
【向かって左側の頭は、浅黒い肌に顎の突き出たがっしりとした顔つき。短い黒髪をボサボサに乱している】
【その身を包むスーツ、ネクタイ、革靴、すべてが中央から右が白、左が黒に色分けされており】
【両胸のポケットには、白地の側が黒い糸で、黒地の側が白い糸で、それぞれNo.50と刺繍されている】

【本来の腕の位置から伸びる青白く細い腕は右手に】
【脇の下辺りから伸びる浅黒く筋肉質な両腕は左手に】
【それぞれコインを一枚握り、先程からそれを空中に投げては捉え、を繰り返していた】

『しっかしカニバのやつ、あの参謀殿に続いて、例の新しい六罪王にまで……ずいぶんうまいことやってやがるよなぁ』
「昔から抜け目のない男だったからな。スカーベッジを見出してきたのもやつだった」

【夜空を見上げながらコイントスを繰り返す、異様な姿の双子。口から洩れる言葉は、廃墟の壁に反響する】

「……準備が整えば、すぐにでも事を起こすのだ。我らも準備を怠るわけにはいかん」
『わーってるよ、部下どもの選出に、下調べもしとかねえとなんねえしな。……んじゃ、そろそろ戻ろうや』

【その言葉を合図に、ガレキからゆっくりと立ち上がる一つの身体。その異様な姿もさることながら】
【二つの口から洩れる言葉、今も垂れ流されるおぞましい気配、何より胸のナンバー】
【誰かがここを訪れれば、彼らの姿はおそらく真っ先に、認識のうちに入ることだろう】
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 20:35:59.23 ID:2H3hkaes0
>>882
【目の前の女性は熊出等比と名乗った】
【気怠そうにしながらも一応仕事に従事しているあたり、根は真面目なのかもしれないなぁと思いつつ】
【話を聞くと………彼女はなかなか自分に正直なようで、心の内を色々語ってくれた】

あら、お仕事の邪魔でしたか?それは失礼しました
……歩合制ですか、それは大変ですね……
それにしても警備の仕事に歩合制なんて、意地悪な給料体制ですよね
だってそうでしょう?事件なんて毎日均等に起こる確率があるものでもないんですから……
歩合制なんて本当は従事する人が等しく結果を残せる条件で、モチベーションを上げるためにやるものです
それをいつ起こるかわからない事件に適用するなんて、上の人は何考えてるんでしょうね?

【うんうん、と彼女の話に相槌を打つ】
【彼女の言い分は最もだった。歩合制で警備なんてやられたら、警備員はたまったもんじゃない】
【事件なんて本当は起こらない方が良いのに、これでは警備員が何か事件を起こすのを望まなければならない】
【こんな歪んだ話はおかしい】

……でも、上司に給料体制を変えろなんて言えませんよねぇ……
私なんて楽なもんですよ、いろいろ旅して、興味のあったことを論文にすればいいんですから
やっぱりやりたいことをやってお金をもらえるのが一番です!
そうだ、あなたもやりたいことを仕事にすればいいんですよ
今の仕事のやる気が出ないなら、何かやりたいことを見つけましょうよ!
あなたは何に興味を持ってますか?自分の心に聞いてみてはいかがでしょうか?

【やる気が無いと愚痴る彼女に提案したのは、やりたいことを見つけるということ】
【この女性は研究職。研究職とはいいもので、自分のやりたい研究をして、その成果をまとめればいい】
【一応ノルマもあるにはあるが、基本的に自分が好きなことをやっているので苦にもならない】
【彼女はフィールドワークを通して自然を研究している。色々な所を旅しては、その土地の自然を観察しているのだ】

……あ、申し遅れました
私、神谷皐月っていいます!自然学者でいろいろ旅してます

【……忘れていた、自己紹介】
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/26(金) 20:38:05.01 ID:9Ui8D73P0
ええ!コート売り切れぇ!んなバカな、三日前には...

いえ、実はとあるモデルの方が気に入ったそうでそれでブームに...


嗚呼、なんてこった、アレが無いと落ち着かない...

【一つの驚愕の声と、そして店員の無慈悲なる『売り切れの宣告』―】
【まさに高級ブティックと言わんばかりの瀟洒な服屋の入り口の扉が半ば、乱暴に開けられた】

くっ、まさか売り切れ...そんなバカな、あのコートは不人気だったはずだぞ...

【呪詛のような愚痴と、そして悄然とした雰囲気を撒き散らす、男】
【頭から首をすっぽりと覆う牛と山羊を足したかのような奇妙な顔のマスク】
【そのマスクの耳の部分には湾曲したJ型の角が生えていた】
【そして、全身を覆い、肌の一切の露出も許さぬ黒いスーツに、手袋、ローファー】

通販は...いや、あそこは届くのが遅い、別の場所でも...いや、遠すぎる
ああ、どこかにあのコートはないものか...


【人々が行きかう大通りの端で、うろうろと熊のように歩きながら腕を組み、指をわきわきと動かすその姿】
【これでマスクが無ければ哲学者の類だと解釈することもまぁ、できなくはないがこの姿ではどうみても不審である】
【声の深刻さとは裏腹に、マスクには一切の表情が浮かんでおらず、まるでそれは剥製であった】
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 21:00:11.95 ID:nkGVByNAP
>>886
皐月さん…ですか こちらこそ、よろしくお願いします

お給料の体制に関しては…まあ、しょうが無いことですから
あんまり複雑には考えて無いです 何も起こらないならまあそれはそれでいいかな…と

【やはり彼女の考えにはどこか諦めのような物が見える】

はあ、学者さんだったんですか!それはまた… ああ、だから旅人風の格好をしてらっしゃったんですね
論文ですか…憧れるなあ、そういうの… 羨ましい限りです

やりたいことを仕事に、か…

【そう言って目を伏せる その瞳には影が差した】

あのですね、私小さい頃から正義の人になりたかったんです
ほらあるじゃないですか、子供が見るアニメで悪の組織と戦うヒーロー戦隊みたいな…
ああいうのって男の子が見るものだと思うんですけど、私それにすっごい憧れたんですよね

それで、ああ、私も将来はこんな風に人を助けるかっこいい大人になりたいなあ、って思って
そうして自警団に入ったんです だから…まあ一応やりたいことを仕事にした訳なんです

【そこまで語ってから、彼女の顔には一層暗い影が落ちる】

でも…実は私、すっごい駄目人間なんです
大した理由も無いのに、最近どんどんやる気を無くしていってて…
仕事中でもうっかり寝ちゃったり、寝坊して隊長に怒鳴られたりして…
何でしょうね、やりたい仕事に就いたはずなんですけど…今の私はそれより家で遊んでいたいんです
「やりたい事」が、いつしか「やらなきゃいけない事」に変わっちゃってたんですよね…
そんなだから職場でも評価は下がる一方で…ついたあだ名が「怠け熊」、…笑っちゃいますよね

【他人の敷かれたレールの上を行く人生はつまらないだろう】
【しかし仮に自分で敷いたレールでも、途中でそれをつまらないと思ってしまえば同じなのだ】
【後はただレールの上を行くだけの作業の繰り返し、むしろ自分で決めた道な分、余計にタチが悪いのだ】

889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 21:01:59.58 ID:nkGVByNAP
>>888
/すいません ラスト「他人の敷かれた」は「他人に敷かれた」のミスです
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/26(金) 21:10:24.14 ID:8+2asxQDo
>>884


「……お口のよく回る御仁で……ま、お察しの通り、ひゆ様とのやりとりは一通り把握させていただいております。カラス越しに……ね」


【明朗闊達なるビスクを前に、ぴくりとも表情を変えぬのが、このウェル子で】
【また彼女を囲うように飛び回るカラス達は、散らす漆黒の羽根にて暗闇を黒で彩る絶望的従者だ】

【さて、ウェル子とひゆは、ビスクの長口上と、ついでの助言だか挑発だかなんだか分からぬ思ったこと≠、聞き届け、】
【ひゆは相変わらず臆病風を吹かし、一方でウェル子はどこ吹く風と言わんばかりの涼しげな無表情だ】
【そんな中、まず口火を切ったのは、ウェル子であった】


「それはさておき……なるほどなるほど、貴方様のような押しの強い殿方様は、ひゆ様の苦手とするところ……。
 縮こまってしまうのも仕方ないとはいえ……どうせなら、ビスク様の挑発≠ノでも乗って、サングラスの向こう側の眼球でも抉ってしまえばよろしいものを……。
 こういった手合いは、本質を覆うヴェール≠剥ぎ取ってやらねば……増長する一方ですから、ねえ?
 そう……ビスク様も……D.R.U.G.S.様も……いえ、誰も彼も……ね――」


【はらりはらり、舞い落ちていく黒羽根達は、地に着く度に淡く黒い閃光を放ち、空気中へ融けるように消えていく】
【ウェル子は、やや溜息混じりにひゆを一瞥し、それから再びビスクに視線を戻す。その、鋭利極まりない視線を】


 ……ビスクさんも、ウェル子さんも……ご、ごめんなさい……精進しますー……。
 け、けど……やっぱりいきなり実力行使するよりも……話し合いは大事なんじゃないかなーって……。

「話し合いの通じぬ相手もいらっしゃるというわけで……
 流石のわたくしも、カラスにマナーを説こうなどという高次元な世界観をお持ちのマフィア様とは、ちょっとお話が合わないかと存じ上げる次第でして……」


【……なんて、それこそ取るに足らぬお返しは、どことなく冗句にも似た響きを以て路地裏に反響し、】


「……何にしても、折角≠ナす。この辺りで思い知らせて差し上げましょう」


【ひゅう、とウェル子の周囲にだけ、風が吹いたかと思えば、】


「――――カノッサ機関麾下遊撃軍=wカエルレウム・ナーウィス』――――絶望の水先案内人<Eェル子…………」


【言葉が紡がれるとほぼ同時に、一際風が強くなり、黒い羽根≠ェ三枚、射出されたかのようにビスクへ向かって飛んだ】


「――D.R.U.G.S.の、ビスク・フランコ様、どうぞ、お見知りおきを――」


【ウェル子の発生させた風の後押しを受けて飛来するそれら三枚の羽根は、いわば「弾丸」――】
【威力で言えば拳銃の弾丸よりやや劣るが、魔力でコーティングされたそれは、とりわけ「鋭利性・刺突性」に優れており、】
【羽毛部が生身の肌に裂傷を刻むのは用意だし、先端部が命中すれば岩盤だろうとブッスリと突き刺さるであろうこと請け合いだ】

【狙われている箇所は、ビスクの腹部、胸部、そして、右目】
【返事も待たぬ奇襲的攻撃ではあるものの、前兆はあったし、距離があるため見切ることも困難ではないが――さて、どうなる】


/すみませんお待たせしました、よろしくお願いします!
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/26(金) 21:33:59.85 ID:j4pZkjK1o
>>890

いやぁいい趣味だなウェル子君、実戦よりも諜報向きなお嬢さんだ
なんなら人手の足りている機関なんぞ辞めてウチで働くかね?
大手で燻るより、中小で我こそが!……なんて方が、人生は楽しいぞ?どうだね!?

【フフ、と笑いながら、ビスク・フランコは右手の袋を慎重に足下へと置いた】
【これで両手が空く。体操でもするようにその手を合わせて伸びをすれば】

【――次の瞬間には、その右手に古めかしい拳銃が一丁、握られていた】
【ひゆ、ウェル子の両名は目視できただろうか。それは彼の懐から飛び出したものである】
【まるで糸の仕掛けか、或いは念動力か――そんなモノで巻き上げたような、不可解な挙動だった】

【そしてその銃、『モーゼルM1916』≠構えて引き金を二度ばかり引く】
【結果、飛び出した弾丸は同じ数の黒い羽を撃ち落とし、しかし一方でカラン、とサングラスが転がって】

思い知らせる?結構、結構。やってみたらいいと思うよ、私はな。
二人がかりだろうがカラスをけしかけて100匹がかりだろうが、一向に構わないとも

あぁそうそう!私のことはD.R.U.G.S.麾下のキマイラ♂コ部組織スペーツィエ・ファミリー=c…
そこの『狂犬・ビスク』とでも覚えておいてくれたまえ、若き機関のご令嬢方。
呼び名がダサい、所属が分かりづらい……そんな苦情は受け付けてはいないがね?

【顕になるのは右が赤、左が緑――その瞳孔が冗談のようなスマイルマークという、義眼である】
【羽で弾かれたサングラスが引っ掛かりでもしたのか、こめかみから薄っすらと血が滴ったが――】

【第三の笑顔、とでも言おうか。ビスクはにっこりと笑って、『私の射撃は如何かな?』――と】
【実際に言うわけではないがそれらしいジェスチャーまでしてから再度拳銃を構え】
【ウェル子の胸部を狙い、狙いすました一発の鉛球を撃ち放つ】

【――尚、銃弾の威力は一般的なそれよりもやや高いが、触れて爆発するというようなこともなく】
【仮にカラスを一羽犠牲にすればそれで済む。そんな程度の――小手調べとも言うべきもの】
【また彼は今、ウェル子のみに注目している。ひゆを放っておくわけではないが、視線は向いていないことを記しておく。】
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 21:35:54.57 ID:2H3hkaes0
>>888
【ああ、解った】
【この人は、負の連鎖を切れないでいるんだ】
【やりたい仕事につけた時、人は往々にしてその現状に愕然とする】
【これは、自分の思い描いていたものとは違うと感じてしまう】
【この人もそうだ】
【この人は、本当は正義のヒーローみたいに格好良く人助けがしたかったんだ】
【………でも、義務になるとやることが増える】
【やりたいことをやりたい時にできるうちは楽しいが、ノルマに追われると人は圧迫感しか感じない】
【……その結果、やる気が出ないんだ】
【―――きっと、情熱に燃えていた彼女は義務という冷や水を浴びせらえて燃え尽きてしまったんだ】

……あなた、本当はすごく真面目なんですね
最初は確かにやりたいことだったんですよね、それが義務になってしまうと、やる気が起きなくなる……よくあることです
実は、それは本当に自分がやりたいことじゃないからなんですよ
義務になってしまったら、そう……あなたが自分で言ったように、やらなきゃいけないことが増えるんです
でも、その「やらなきゃいけない事」ってのは往々にして自分の理想とはかけ離れている……
やりたいことが「義務」になった瞬間、それは「やりたい事」とは似て非なるものになってしまうんですね
本当はそんなことがしたいんじゃない、って……でもあなたは真面目だからやらなきゃいけない事を嫌々でもやる
そしたら、理想がどんどん曇っていって……結局自分が最初何を理想としていたかすら見失う
自分の理想としていたものすら、実際はつまらないものだと思ってしまう……


【…と、ここまで言ったところでしばらく考え…顔を上げれば、彼女ににこっと笑いながら一つの提案をする】
【義務をこなすのが辛い……ならば、いっそのこと仕事なんかにせず、気が向いたときに人助けをすればいいのだ】

そういう時は、一度そのことから離れてみましょう!義務じゃないようにするんです!
ノルマなんてものは捨ててしまいましょう!評価なんてくそくらえです!
人助けはフリーランスで気が向いたときにすればいいんですよ、義務に追われるなんてまっぴら御免だ、って!
お金のための仕事とやりたい時にやる仕事を思い切って分けちゃいましょう!
……どうでしょう、私なりに考えてみたんですけど、やっぱり今の仕事は続けたいですか?

【皐月は一生懸命考えた挙句、こんな結論を出した】
【レールの上を行くのが嫌なら、脱線してしまえ!】
【義務で緩行線を行くのが辛いなら、走ってる路線を変えてしまえばいいんだ】
【…アドバイスは果たして悩みを解決するカギになっただろうか】
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/26(金) 21:43:00.05 ID:9Ui8D73P0
>>887
/再募集
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/26(金) 22:00:27.46 ID:8+2asxQDo
>>891


「おクスリで人を歪に堕落させるというのは、申し訳ありませんが、わたくしの目指す絶望≠ニは非なるもの……
 残念ですが、まだ機関の目指す混沌≠フ方が、わたくしにとっては有益ですゆえ……
 ま、そんな貴方様方でも、薬物などで天国を演出せず、地道にお花の種を撒いてお花畑を作り上げる方向にでも改心なさったら、ご助力を考えてもよろしいですよ?」


【キラリと光る眼鏡、の奥の双眸は、間違いなく拳銃の妙な挙動を捉えていた】
【何かしらの能力か、仕掛けがあると、一応の警戒心を抱きつつ、】


「命までは取りませんよ。精々、貴方様には、わたくしたちの演出する絶望の生き証人となっていいただきたいところですからね」


【――恐らくはビスクも想定していただろう】
【ウェル子はカラスを一羽、盾にして難なく銃弾をやり過ごす】
【被弾したカラスは、断末魔と共に黒い閃光を放ち、肉も骨も残さず消滅≠オた】


 ……あー……始まってしまいました……気は進みませんが……致し方ないですね……
 ごめんなさいビスクさん――――出来るだけ……血は流さないように…………


【他方、ひゆは小さく独り言を呟きながら、】

【――にゅるっと、ひゆの両腕の袖口から現れ出でる、一本ずつの「点滴チューブ」】
【まるで意志を持つかのように蠢くそれらは、しゅるしゅると地を這うように静かにビスクの足下に伸び】


 …………この憂き世にて……止まって*痰「ます…………


【――ビスクの動きを止めるべく、二本のチューブが、彼の左足に絡み付こうとしてくるだろう】
【耐久性は通常のゴムチューブ程度とはいえ、その力≠ヘ侮れない】
【もしもまんまと絡め取られてしまうと、人が足へがっしりと組み付いたかのような束縛を受ける羽目になってしまう】
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 22:01:09.65 ID:nkGVByNAP
>>892

真面目な人間、ですか…どうなんでしょうね
それでもやっぱり私は、…私の事を怠惰な人間だと思ってしまいます
当然ですよね、そのやるべき事ですらまともにこなせていないんですから

【そう語る彼女は卑屈なのだろうか それとも自身を冷静に判断した結果なのだろうか】
【この場においては、それは悲しい事に後者である様に思えた】

【そして皐月の誠意ある提案を聞き、彼女は答える】

それはつまり転職…という事ですか
…私、それはしたく無いんです
それをしてしまうと…今までの自分の人生を全て、否定してしまう気がして
今、何も持っていない私が過去すら捨ててしまったら…「私」は完全に死んでしまう気がするんです

【無論とても優秀とは思えない彼女が再就職を企てたとして、成功するのかといった現実的な問題もあるだろう】
【だがそれ以上に、彼女は自身の定めたルールに縛られていた】

それに…これはただの願望なんですけど
いつか、こんな私でもこうして自警団の仕事を続けていれば、
いつか頑張れるようになるような…再び勇気を出して、夢を叶えるために努力できるようになるような…
そんな気がするんです…

楽観的、過ぎますかね

【彼女はとても素晴らしい女性に出会った】
【彼女の悩みを聞き、共に悩み、道を示すその姿はまるで母親のよう】
【しかし 彼女を包み込む殻は…もはや手遅れな程に硬く、錆び付いていた】
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/26(金) 22:27:25.96 ID:j4pZkjK1o
>>894

【カラスが壁となって攻撃を防ぐ。それはやはり、想定の内であった】
【――が。やはり銃使いとしては少々手痛い情報であり、いくつかの策が脳内で展開され】

命は取らないとは、天下の機関様は実にお優しいんだな?えぇ?
しかし我々もそれに乗っ取るかと言えばNO≠セ。機会があれば死んで頂くよ
あぁ勿論、どっちも≠セとも!幸いなことに私は腕を二本ばかり使えるのでね!?

【結果。彼は再びその懐から新たな獲物を引っ張り¥oして、左手に握った】
【名は『S&W M500』=\―銃身を長く改造されたそれは、恐ろしい破壊力を誇り】
【それこそヒトには使ってはいけない様な代物である。が、彼はそれをひゆへと向けて――】

【――いや、ひゆの居る手前の地面に向けて。そして、彼は凄まじい衝撃を身に受けながら引き金を引いた】
【それは舗装された路面を吹き飛ばし、尖った無数の破片を少女へと飛ばすこととなるだろう】

【尚、その足には確実にチューブが巻き付いたことは記しておく。少なくとも、引き金を引く直前に、だ】
【だから上手く体勢を崩せれば狙いもそれるだろうし、破片も見当違いな方向に飛ぶこととなる】

さてもう一発だ。どう処理しようか?カラスを皆殺しにするか、奇策を弄するか?
いやいや、私はこう見えて正面から堂々と無駄じゃないかと思われるくらいに突っ込むのも嫌いじゃなくてね
取り敢えずコイツをお送りしよう!お返しは結構だ、日々充実していてね――。

【さて右手。ウェル子へ向いたその銃口からは更に二発の銃弾が放たれ、先ほどと同じ位置を狙う】
【恐らくはカラスに止められるのだろう。或いは、上手く避けられるのかもしれないが――】

【問題は、二発のうち一発。それがカラスにあたったとか、背後遠くの壁に当たったとかで、止まるとする】
【その一発が、まるで再度装填して射撃するように、停止後≠ノもう一度ウェル子を狙うのである】
【先ほどの銃を手元に手繰り寄せる術。そしてこの物体を動かす力―――もう、能力の想像は容易か。】
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 22:40:35.49 ID:2H3hkaes0
>>895
【人生というのは往々にして思う通りには行かないもので】
【理想はいつしか形骸化し、ろくでもない現実ばかりが次々と自分に降りかかる】
【正直者・真面目な者ばかりがバカを見る、狡賢さで世の中を渡る人の方が得をする……】
【彼女もきっとそう】
【真面目すぎる上に不器用なのだ。手を抜くことを知らない、理想と現実を割り切ることができない……その結果やることで手いっぱいになって投げ出したくなる】

……そう、やっぱりあなたはこの仕事がしたいのですね
…どうなんでしょう、あなたは今の「現状の」仕事が好きですか?
そして現状を変える気はありますか?
このどちらも無いならば、仕事を変えたくないというあなたの願望は希望ではなく、単なる怠惰な現状維持です
今を変える努力をしない者には、当然変化は訪れません……変わりたいならば、変わる努力をしなさい
そう………先ほどの私の提案も、「変わる」ことでしたよね?
仕事を変えるのか、現状の貴女を変えるのか、どちらを選ぶかは分かりませんが……変わることは、人生を否定することではないのですよ
今からあなたが変わったとして………例えば困っている人を見つけても、あなたはきっと見過ごさないですよね?
その行動は、あなたの過去があってこそなんじゃないですか?

……やる気を出すいいコツを教えてあげましょう
あなたはでもこうして自警団の仕事を続けていれば、
いつか頑張れるようになるような…再び勇気を出して、夢を叶えるために努力できるようになるような…
そんな気がすると言いましたよね?

大きな夢を叶えるためには、小さな目標を達成するやる気が必要なんです
あなたは大きな目標を叶えたいというやる気はあっても小さな目標を一つずつということを考えてないんです
そんなときは、今やっていることが積み重なると、気が付いたら自分の目標に辿り着いているはずだと思えばいいんです!
自警団の仕事もそうです、小さい人助けを真摯にやれば、そのうち信頼され、やがて頼れる人というあなたの目標も達成できるのです!
絶えずやる気を出し続けるには、「短期のやる気」と「長期のやる気」の両方がバランスよく合わさるのが一番ベストな状態です!
いいですか、あなたが先ほどまでやっていた見廻りだって、真摯に続けて行けば信頼を勝ち取れるための小さくても大事な一歩なのですよ!

【知っているだろうか、ある種の親鳥は、卵の殻がいくら固くても突いてやって出て来れるようにするのだ】
【皐月もそう、どんなに殻が固くても、中から出てこれるように割り続けるだろう】
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/26(金) 22:46:14.88 ID:CsrX7rry0
【夜闇に包まれた街―――その寂れた一角にある駐車場】
【駐車場とはいっても治安が悪くなり人が写っていったせいで車など一台もない】
【ひび割れたアスファルトとひびを埋めるかのように生えた雑草】
【そんな週末的光景をさらす空間で一人の男が立っている】

たくよぉ。まぁた失敗か。

【腹は多少出てるが太い腕や胸板が肥満ではないことを示しており】
【黒く長く延びた髪や髭はぼさぼさで野暮ったい印象を与える半面、目は鋭くギラギラと光っている】
【大型の自動拳銃と弾装を入れたホルスターと多数の装飾品の形を隠れ蓑とした魔具を装備し】
【タトゥーだらけの肌にじかに来た黒革のコートの背には、四つの国の国旗をかかげた塔の絵】
【額には剣でつけられたような痛々しい傷跡がのこっている】

いい加減上手くいかんかねぇ。

【その足元にはいくつもの死体】
【あるもの全身を炭化させ、またあるものは上半身だけだったり】
【おそらくここらにい着いた浮浪者、浮浪児たちだろう】

まぁ加減を間違える俺もいけねぇか。




899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/26(金) 22:55:36.88 ID:8+2asxQDo
>>896

【ひゆは、チューブを、引いた】
【だがそのタイミングはやや遅く、既にビスクが銃弾を放ち、路面を吹き飛ばした後であった】
【それゆえ、ビスクの目論見通り、破片はひゆへと襲いかかり――】


 ――……わわっ……と……!


【刹那、今度はひゆの左腕に点滴液を送っているチューブが動く】
【触手の如く、チューブはなんと点滴スタンド≠持ち上げ、それを大きく振るった】
【そうしてひゆは、飛来する破片をある程度弾き飛ばし、だが弾ききれなかった破片をその身に受けた】


 …………っ…………!!


【両腕で顔だけは守り、その腕や胴体には破片がぶつかり、ないしは突き刺さり、着物には血が滲む】
【鶯色に滲む紅は、どこか暴力的でもある】

【――が、その一方で、】


「――でしょう? カノッサ全体としてはきっと混沌色≠ナすが、少なくとも我々船の碧≠ヘ、とても世界に優しい$Fなのです。
 さて……マフィア様は、一体、どんな色なんでしょうね?」


【恐らくはひゆのチューブ引きで、多少なりとも体勢を崩しただろうビスクを、ウェル子は見逃さない】
【ビスクの新たに撃ち出した二発の弾丸と擦れ違うように、ウェル子は半身になり、パチンッと指を大きく鳴らす】
【かくて次の一手は、その音を合図にして放たれる、カラスの突撃=z

【ウェル子を囲うカラスの内、三羽が、勢いよく飛び出す】
【一匹は上空、残り二匹は左右から、という三方からの挟み撃ち攻撃】
【カラス達の接近を許したならば、カラスのクチバシがビスクの身へ深々と突き刺さるだろう】

【――またウェル子は、弾丸回避の後、ビスクの操作する弾丸≠ヨの対応を、一切行わなかった】
【ゆえに弾丸は、彼女の背後から、左肩を抉ることになる】

【なぜ、彼女はこんなあっさり被弾したのか】
【答えは簡単だ】


「――『Who Dares Wins(危険を冒す者が勝利する)』――」


【――彼女の顔に、一切の逡巡はなかった】
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 23:16:33.30 ID:nkGVByNAP
>>897
【等比の表情は、鈍い痛みを我慢するかの様に歪んでいた】
【自身の一番弱い部分を指摘され、苦痛に喘いでいる…現実と向き合うのが最も苦手である彼女にとって】
【それはこの上無い痛みであった】

現状を変える気…ですか
変わりたい…とは思ってます 
そうですよね…今私がしている事はただの現状維持、それだけでしかありません
そんな心構えで未来が開けるわけが無かった…

【その目に浮かぶのは遅すぎた後悔、耐え難き悲痛、暴かれた恥辱、そして…一筋の涙】
【そして等比は皐月の言葉に答える】

私…やっぱりもう一度頑張ってみようと思います
瑣末な日常に囚われて、怠惰の沼に浸かって、大切な物を見失っていた



現実逃避は、終わりました



…自分を変える事は、やはり難しい事です
でも、少しずつでもいいから私は私の人生をやり直す
色んな事を経験しながら、私は強くなって行きたい
そう…心に決めました

【宣言した等比の瞳は、夜にも関わらず光が射しているように見えた】
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/26(金) 23:24:26.66 ID:j4pZkjK1o
>>899

【――ビスクの姿勢は2つの理由から大きく崩れた。一つ、ひゆのチューブによるもの】
【そしてもう一つはM500≠フ反動だ。恐ろしく威力が高い代わりに、衝撃も半端ではない】

【まあとにかく、姿勢が崩れたのである。そして迫るのは三羽のカラス】
【ビスクが対応できたのは、なんとか右手の引き金を引いて弾丸を操作、撃ち落とした上空の一羽のみ】
【残りの二羽はしっかりとその嘴を尖らせて、クリーム色のスーツを貫き――】

……おやラッキーだ、付いてるとは思わないかね?
いやいや、私も拳銃ばかりを使っているわけではなく、接近戦もするのだが
使うのは主にファルカタ≠ニいう大型のナイフでね―――おや、イメージカラーかね?

はてさて、マフィアとは果たして何色なのか!キミはどう思うか聞いてみても?
常識的に言えばやはり黒か赤、鮮烈若しくは濃厚な色合いじゃあないかと俺は思うが――!

【――スーツに広がる赤は、一つ。二羽のうち一羽は、スーツの奥で硬い金属に嘴を打つだろう】
【ビスクが残弾の減りつつ有る右手の銃を落とし、代わりに三度懐から引き抜くのはその金属】
【名はファルカタ。婉曲した刃はククリナイフにも似るが、それよりも大きな狩りの為の武具である】

【彼はそれを以て、自らの右脇腹に嘴を立てたカラスをなぎ払い、同時に足下のチューブを断とうとする】
【切れ味も重さも十分。となれば、両者の性質がどのようなものかによって結果は変わるのか】

(……さてどうしたもんかね、このまま競り合いを続けても悪くはないが)
(相性があまり良くない。M500で路面を吹き飛ばしても良いかもしれない)
(が、やはりそこには隙が出来る……となれば、いっそ一気に近付いて―――?)

【さて。ビスクの姿勢は、右膝を地に付けた片膝立ちの状態で、右手にナイフ、左手に大型拳銃】
【サングラスが吹き飛びこめかみに血が滲むほか、右脇腹に深く傷を負った状態―――】

【――コツっ≠ニいう軽い音がした。革靴の足音だろうが、些か弱く、歩幅が短いように思える】
【それはウェル子の背後からであって――奇襲などはなかったが、ビスクはそちらを少し驚いたように見ているのだった】
【もし他の二人がそちらを向けば、眼に入るのは10にも達していないような、少年なのだが。】
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/26(金) 23:27:38.06 ID:yML85NH5o
【路地裏】

【繁華街の大通りから外れた細い路地】
【遠くに薄っすらと明かりが灯っているぐらいしか無く足元には暗闇が続く】
【時折吹き抜ける風はどこからか。誰も居ないと特に冷えきっているような気がする】

【その薄明かりに照らされた錆びついたシャッターに映る、伸びた影】
【一歩ずつ近づいてくるその人物、靴音を鳴らしながら歩いている】

【伸びた影と変わらぬ高い背、黒い髪、黒いスーツ、黒いサングラス】
【聖母マリアを模したようなシルバーネックレスを首からぶら下げた、アタッシェケースをもった男だ】
【ケースの中身は煙草2箱、ジッポオイル、代えのシャツと札束が5つほど】
【何食わぬ顔で、火の点いた紙巻の煙草をくわえている】

【男は不意に立ち止まって、壁にある汚れた張り紙を見た】

『情報求む、銀行強盗団主犯。赤い目、二丁拳銃。 以下の電話番号まで……』

【その紙を壁から引っ剥がして男は鼻で笑って呟く】

この会社…半年前に潰れたじゃねーか…懐かしい

【ポケットからジッポを取り出して、その張り紙のカドから火をつけてやる】
【湿気っていたのかゆっくりじわじわと黒く燃えていく】
【暗い路地裏にはソレは、それでも明るすぎるぐらいなんだろう】
【放火魔とでも思われて別件逮捕で罪を増やしても困るがまあいい】

【時間の止まったこの路地裏の、時計の針を少し進めてやったのさ】
【そんな事を思いつきながら、それを地面に落として、燃えカスをブーツの先で蹴散らした】
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/26(金) 23:27:57.85 ID:9Ui8D73Po
>>898
/まだいますか?
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/26(金) 23:32:38.27 ID:CsrX7rry0
>>903 いますよー
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/26(金) 23:44:32.26 ID:8+2asxQDo
>>901


「さあて……どうでしょう。例えば……貴方様が眼≠ノ宿す緑と赤……その二色を混ぜ合わせた、濁った茶色か灰色のような色……なんて、どうです?
 含む本質ははビビッドな赤と緑でありながら……世にまみえているのは、くすんだ色合い――実に、闇に生きる不逞の輩らしい、様相ではありませんか」


【ビスクのカラス薙ぎ払い及び、チューブ断ち切りは、成功することになる】
【カラスは容易に消滅≠オ、チューブも普通のゴムを切るのと相違ない手応えで、もしかすると呆けない結果か】
【或いは僥倖かもしれない事実だが、だからといって、彼女たちの攻撃性が変わることはない】


 ……ううっ……ま、まだまだ…………ですよ…………


【パッパッと、ひゆは破片を払い、やや時間を要しながらも、態勢を整える】


「二人相手でもカラス100羽でもかかってこい……と仰ったのはそちらですから――不満はございませんね?」


【無視できないダメージだとはいえ、覚悟した上での負傷である以上、ウェル子も、次の一手の準備を終えるのは早い】
【渦巻く黒羽根と、鳴きさざめくカラス達――ウェル子は、今にも襲いかかってきそうな気迫と魔力を纏い――――】


【――――コツっ=\―――】


【ウェル子と、ひゆの動きが、止まる】
【ウェル子は即座に振り向き、ひゆもその方向へ意識を注いだ】

【そこにいたのは、少年】
【あからさまに場違いな、年少者】

【が、しかし……ビスクの反応が、彼女たちに不信感≠与え、その結果……この僅かな一瞬、この場から、火花散る音が、消えた】
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/26(金) 23:46:28.60 ID:2H3hkaes0
>>900
【……彼女は変わるだろうか?……それは彼女自身にしか分からない】
【でも、瞳を見れば……確信していいだろう、彼女はきっと自分を変えられる】
【先ほども言ったように、現実は往々にして見たくない、目を逸らしたいもの……】
【しかし、時にはつらい現実に耐え、問題と向き合った時……自分の本質は見えてくるだろう】
【そして……今は見えぬ彼方にある理想も一歩ずつ踏み出せば、少しでも近づく努力をすれば、いつしか目の前に現れるだろう】

………頑張りなさい
あなたは今、大いなる決断を果たしました
自分に向き合う勇気、自分を変えようとする意志……人生において最も誇るべきものをあなたは手にしたのです
ゆめ、その決断を忘れないで下さい……きっと道は見えてくるはずです
大丈夫、あなたは苦しい難関を乗り越えたんですよ……自分の欠点を直視するのは存外難しいのですから
自分を見つめることができる人ならば、これから経験する様々な事は、失敗ですら全てあなたの人生の糧となるでしょう
あなたは恐らくこれから数えきれないぐらい失敗して、数えきれないくらい怒られるでしょう……でも心配しないでください、それは悪い事ではないのです
叱ってくれる人は、皆あなたに期待しているのですよ……言えばこの人はきっと改善できると期待して叱っているんですから
本当にダメな人間は失敗しても「どうせ変えない」と思われて、怒られることすらないんです
そう、「変われる」人だから、叱ってくれるんです
……ならば、あなたのすることは一つですよね?そう、「変わる」んです
失敗したならばなぜ失敗したか自分を分析して、今度は失敗しないようにすればいいんです!
大丈夫、あなたなら出来ます!

【……もう彼女は大丈夫だろう】
【きっとこれから様々な試練を受けるに違いないが、その試練は変わる努力ができる人なら全て乗り越えられるように出来ているのだから】

……ふふっ、では私からあなたへささやかなプレゼントです
はい、これを持って行きなさい!

【手渡したのは、一輪のエーテルワイス】
【花言葉は…「勇気」と「忍耐」】
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/26(金) 23:50:14.91 ID:9Ui8D73Po
>>898
人を焼くとはなかなか悪趣味...
さてはあなた、食人癖がありますかな?

【無断駐車、否、塗装に茶色がこびり付いているそれは乗り捨てられた廃車であろうか】
【廃車の陰から、しわがれた、だいぶ年齢を感じさせる声が聞こえただろうか】
【次第に、廃車の暗い影から、その声の主かと思われる者だろう影が、ぬるりと生えて来た】
【そう、それは、人では決してありえぬ、まるで馬を彷彿とさせるような―】

人の味はさて、どのような味がするのか
噂によれば、石榴の味がするそうですね...

【そして、声の主は、姿を現した】
【そう、昼はまだしも、闇夜に包まれたこの駐車場では、まるで亡霊とでも間違えられそうな服装であろう】
【頭から首をすっぽりと覆う牛と山羊を足したかのような奇妙な顔のマスク―】
【そのマスクの耳の部分には湾曲したJ型の角が生えており】
【マスクの作りは、まるで剥製を思わせるほどにリアル、恐らく、キメラとはこういう生き物なのだろうか】
【そして、全身を覆い、一切の肌の露出も出さぬ黒いスーツに、手袋、ローファー】
【この人型の細い体型もあって、恐らく、顔さえ出していれば貫禄さえ出ていただろう】

【その貫禄は、マスクによって完全にきえているが―】

コツ...コツ...
【左足、右足、歩むその人型の姿は、まるで死人の魂に引き寄せられた悪魔に見えるだろうか】
【慇懃無礼、甘い口のなかに刃を仕込んだ、悪魔―】
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/27(土) 00:00:38.30 ID:fl4QkiSfo
>>905

【少年の容姿。それは決して美しいものでも完成されたものでもなく、不穏な空気もなかった】
【服はチョッキに半ズボン。白い靴下と革靴も、蝶ネクタイも実に礼儀正しい感が強い】

【が――先ず膝。そこには年少にしては不健全なほどに肉が付き、足取りは軽くない】
【また髪はライムグリーンと目に心地よいが、無理にポマードで撫で付けていて、趣味が悪く】
【顔も肥満体らしく膨れており、血色も良くない。甘やかされて育ったお坊ちゃん、といったところか】

―――あー、濁った茶色ね。今ふとそれが丁度いいと思った所だ
ぼっちゃん≠烽サう思うでしょう?ほら、俺達のイメージカラーなんですが―――

『―か、帰りがおそいからと思って、み、見に来れば……なん…何やって、ビスク……っ!』
『こ、抗争か……?でも銃声はき、聞こえて来なかったよ、っ、…な。』
『……、…………。…お、お前らっ!だれにけ、ケンカ売ってるのか、分かって……――!!』

【果たして――スペーツィエ・ファミリー≠ニか言っていたか。そこの人間で有るらしい】
【恐らくは怖いのだろう。僅かに唇を噛んで両手を握り締める姿は、小さく震えていた】

【――が。ビスクの苦戦する姿を見て、彼は彼なりに怒気を発してウェル子とひゆを威嚇≠オた】
【いや、そうらしいというだけ。少年のどもり気味な声など、全く威厳も力もあったものではない】
【ましてやウェル子のように心の強いものなら一笑に付す様なものだったし、実際ビスクですら僅かに表情を歪めていた】


【その上で、小さな異変があった。この路地裏全体、ぼっちゃん≠ゥらひゆの居る位置に至る全ての壁、床――】
【そこいら全てから甘い香りが漂い始めるのである。冗談でもトリックが有るわけでもない、カカオの香り】
【――チョコレート≠セ。それが隙間から染みだして、気味の悪いホラーの血液よろしく二人の機関員へと地を張っていく】

【異変の引き金は。そして種は。これまた単純であろう、鼻孔を突く香りは少年の怒気に端を発する】
【そして濁った茶色であり、液状化したそれはビスクを避けて動いている―――つまり――?】
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/27(土) 00:03:03.74 ID:s9hbo7S20
>>902

【真っ暗闇の中にぼうと浮かぶ焔の赤、遠くから見つめたなら、まるで誘うための目印のよう】
【暗がりで焔を焚いたなら引き寄せられるもの、ちっちゃな羽虫、正義感に満ちたひと、それと、】

……――いけないんだ

【――そんなことどうでも良くて。おもしろそうなことに近寄ってくる類の、いきもの】

【紡ぐ声は水のように透き通って、鈴の音みたいに震えて消えていく。残すのは金属質の余韻、不思議な声音】
【語尾にちいさく混ざりこむのはくすくすと笑う声――手繰るまでもない、その声は彼の歩いてきた道と逆のほうから】
【振り返ったならば、きっと彼からしたらちいさなひとかげが、ひとつ】

【――場を満たす暗黒よりも冥い色をした髪は膝ほどまであって、首を傾げただけで細身のシルエットが歪むほど】
【長めの前髪の向こう側に覗くのは右が赤、左が黒のオッドアイ。まぁるく瞬いたなら、硝子球のようにも見えて】
【全体にレースをあしらったワンピースは鴉羽色、腰を抑えるコルセットは深い深い赤色で】
【つんと伸びる足を包むのは黒から真紅に向かうグラデーション色のタイツ、底の厚いパンプスが爪先を彩って】
【からかうように口元へ添える指から手元、細こい首元、するする巻かれた包帯の白と、肌の白が同じぐらい】
【全体的に色彩をどこかに忘れて来たような少女――まだ距離としては少しあって、ただ、話すには問題もないほど】

放火魔が居るって……叫んだらどうなっちゃうかなぁ

【かこ、こん、くぐもって紡がれる足音のリズムはだんだんと彼へ向かって、次第に大きくなっていく】
【口に添えた左手がそっと笑みのかたちを隠しても、零す笑い声が隠せないなら、なんら意味もない】

……ああ、うん、しないけど、さ。

【――まあ。深層から向かうのだから、元よりまともなタイプのいきものではないのだろうから】
【例えばその足元が浸したみたいに血の色に染まっていたとしても。きっと驚くべきではないのだろう、叫べないのはまず自分都合だ】
【近づくに連れて濃くなる血の香り――それと、ひとから外れたような違和感も大きくなる。人外の気配が、確かにあって】
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/27(土) 00:09:06.38 ID:+sRLYmrT0
>>875

【桜の前で、向けられる言葉が追憶を導いて少女の其れに重なってゆく。】
【幾度も重ねてしまった敗北。護りきれなかったから、自分が弱かったから大切な人達が、彼女が傷ついたのだとばかり思っていた。】
【だから――――「ありがとう」。自分に向けられた、その優しい響きは心を打って】

【 少女は思索。気付き、新たに浮かぶ其れ。 】
【護りきれたならそれでいいと、その意味を為す戦いだけを願い、求め、誓い続けて――――】
【……そのままずっと戦いだけを、彼女の想いに気付かないまま、重ね続けるのを選んでしまっていた。 】
【だからこそ向けられた想いは、同じく真っ直ぐに受け止めて】

……ふふっ……ええ、どういたしまして。
でも感謝するのは私の方よ? 意地を張りたがるのは同じでしょうけど。

………生きててくれたから私は笑えた。
そう言う意味じゃ、私もあなたと同じ気持ちなのかも知れない。

【似ている様で違った言葉。命の有無の齎すものと、“笑えなくなる” 意味の違い。】
【けれどその意味する所は同じなのだろう。絆と、心に占めるその大切な意味。】
【少し気恥ずかしげな微笑を浮かべたのは……自分と彼女の言葉が、やはり擽ったかったから、なのだろうか】

【手渡した宝物が亜人の少女のものになって。零れたその綺麗な雫が、無垢な驚きを別の瞳に浮かべる】
【けれどもそれも移ろうもので。少女は、知らずまた微笑んでいて。】

……うん。やっぱり慣れない……でも、こんな貴女が見られたなら良いか。
いつかまた、生きて会えた時には……あなたのいろんな顔が見たいわね。

【朱くなった頬を見て、想うのはかわいいな、なんて年相応の言葉。】
【口に出さずともそう想っている少女の本心は、きっと一段と優しく見つめる顔が伝えるのだろう】

【こんな風にいさせてくれる、大事な友達を、親しみのように、あやす様に撫でる掌は、軽く、微笑ましげで――――】 
【真っ直ぐ見ていた双眸は、今度も幸せそうな其れだった】

/遅くなって本当にすみません、やっと返せます…! それでは、よろしくお願いしますっ…!
/次あたりで〆て頂いても大丈夫です……! もうお休みになってた場合も、一応それでお願いしますっ
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/27(土) 00:10:40.55 ID:M6UJgnXO0
>>907

いきなり現れて人を食人気呼ばわりか。
まぁ、外れちゃいねぇーがよぉ。

(マスク?いやもしかしてモノホンか?)

【不意に掛けられた声】
【そちらを向けば奇妙な珍客が―――】
【その変わった容貌に眉をしかめる男は】
【正体を考えようとする脳にストップをかけ彼を観察しようとする】

石榴なんざ食ったことがねーからコメントできないが悪かないぜ。
何がいいかって噛み応え≠ウ。
たまんねぇぜ、おい。

【彼の質問に答える男】
【その瞳には先ほど楽しんでいた情事≠思い出したかのように】
【嗜虐心に富んだ光が宿っている】

なぁ、ところでよー、あんた、その格好はコスプレパーティーの帰りかい。
俺の目ん玉か脳みそがイかれてなきゃぁよぉ。
目の前に牛の頭をした変態的にイかした紳士がいるようなんだが。

【男が言葉を紡ぎ終えた瞬間!】
【男の魔具が光る】
【こんな場面で近づくやつ―――まともなわけがない】
【そういった判断からか、男はわずかに殺気と敵意を漏らし彼を睨む】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/27(土) 00:17:53.53 ID:r4cDmj4aP
>>906
【数々の激励の言葉を受け、等比の内に沸き上がってくる感情は勇気、決意】

…ありがとうございます、皐月さん こんな私を変えてくれて こんな私に期待してくれて
ひたすらに怠惰で、どうしようもなく自堕落だった私でも、ようやく…変わり始める事ができそうです
きっと長い道のりになると思いますけど…
いつか貴方の、皐月さんの前に胸を張って現れる事ができるようになりたい
今は、心からそう思います

【そして、彼女から渡された一輪の花を受け取る】
【その花の意味するものは、等比は良く知っていた】

…ふふっ エーデルワイス…
今日という日にまさしく相応しい花ですね…
私の決意の証として、大切にします… これから先、ずっと

【そう言って、等比は笑みを浮かべた】
【彼女の純粋な笑みというのは非常にレアで…故にその表情はとても魅力的に思えた】

そろそろ、お別れの様ですね
貴方には大きな恩があります…この恩は、いつか必ず返させていただきましょう
それが、恩人に対する礼儀というものですから
それではこれで失礼させて頂きます…
 
せんせい
『先生』

【その呼び名は、彼女なりの敬意の表し方】
【そうして等比は水の国の町並みへと消えていった】

【この後に、とある自然学者を『先生』と慕い】
【胸のポケットに一輪の花を挿した一人の自警団が各地で目覚ましい活躍を成す様になるのだが】
【それはもう少し先の話であった…】

/ありがとうございました!
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/27(土) 00:30:30.51 ID:NQ4uSpv+o
>>908


「……D.R.U.G.S.麾下のキマイラ♂コ部組織スペーツィエ・ファミリー=c………ですよね?
 ええ、十分に、十二分に、分かって≠ィりますよ……」


【目を細め、少年へ冷徹極まる視線を送りつけるウェル子は、淡々と言葉を返す】
【彼を蔑ろにするでもなく、かといって持ち上げるでもなく、ただただあるがまま≠、迎え入れる】

【ひゆは、少年の立場について、大方の予想を付けながら、だが特に口出しはしない】
【むしろ、ひゆが注意しているのは、己に近いビスクの方である】

【が、しかし、そんな中、妙≠ネことになっていることは、彼女たちも敏感に察する】
【しみ出す、チョコレート――だと思しき液体】


 …………あ、これって…………

「……へえ……もしかして、これはまた、拾いもの≠ナしょうか」


【一旦、ウェル子とひゆは顔を合わせ、こくり、と互いに小さく頷けば、】


「――失礼します」


【ウェル子は、駆ける――ビスクの方へ】
【片膝を付いた彼へ、ウェル子はカラスを伴って駆け寄ろうとし、そうしてビスクの背後へ回り込もうとするだろう】
【あからさまにビスクを避けるチョコレート……そこでウェル子の考えは、ビスクを安全地帯′島盾≠ニして使うこと】
【もしもビスクが妨害してこようとするならば、それに対抗するのもいいだろう――そんな風に思考しながら】


 …………はっ…………!


【ひゆはと言えば、袖口から新たに二本の点滴チューブを這い出させ、】
【そのチューブを、ビスクを避け、ウェル子を越え――ぼっちゃん≠ヨ、差し向けた】

【その点滴チューブは、ぼっちゃん≠フ両腕に一本ずつ、巻き付こうとしてくるだろう】
【今回、このチューブには微弱な電流≠ェ流れており、通常の人間が触れば、痺れることとなるはずだ】
【ウェル子が目立つ動きをする一方で、不穏分子≠封じようとする作戦だ】

【――迅速な二面行動は、うまくいけば、敵両名へ上手く機能するだろうし、】
【最悪、片方だけへの有効打となっても重畳――という連携プレーだが、果たして】
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/27(土) 00:36:26.96 ID:PsYD63Pao
>>911
ほっほっほ、外れてはいないですとな...
私の眼もまだ衰えてはいないようでして...

【まるで、久しい遊びを見つけた老人のような、愉しそうな声で応えた】
【しゃべるたびに、マスクの口はまるで、本当に『生きている』かのように、咀嚼を思わせるかのように動く】
【しかし、その表情はどうだろうか】
【表情だけは、まるで剥製のように、彫像とでもいえるだろうか】
【それほどまでに、動かないのである―】
【本当に、愉しいそうなのだろうか、この、人型は―】

噛み応えですか
なるほど、あなたはなかなか舌が肥えていらっしゃる
なにせ、人が人肉を忌み嫌うのは、人肉がこの世でもっとも美味だからという
伝説もあるほどですからねぇ...

まぁ、私の場合はどうでしょうか?
もしかしたら、私は人でもあるし....人でもないかもしれない
そして、牛の頭は、もしかしたら―蛇の頭なのかもしれない


【人型の眼は、嗜虐の光を、まるで本当の光源のように捉えていた】
【嗜虐の光に、まるで引き寄せられるかのように、人型は、カツ、カツと歩みを進める】
【そう、先ほどまで人を殺し、喰らっていた人間に対する対応としては、あまりにもその仕草は悠長】
【芝居がかっている、これでステッキを持たせればまるで、喜劇に出てくる狂言回し】
【大げさな、悠長さ】

分かっています―私と戦おうとしているのでしょう―?
その緊張、魔具の反応、敵意、殺気

【一つ一つ、まるで、男を観察して、それを報告する研究者のような】
【マスクの奥の目に炎が灯り、陽炎が揺らぐ】
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/27(土) 00:44:31.58 ID:m5trYBOR0
>>912
ええ、期待していますよ…あなたの行く末に、大いなる成功のあらんことを。
私は見てますよ……あなたの行く道を、あなたの見違えた姿を……

【彼女の決意を見ただろうか 彼女の心意気を見ただろうか】
【自警団の隊長よ、括目せよ 彼女は今、大きな一歩を踏み出した】

【きっともう怠け熊などと蔑むような人はいないだろう】
【……そこにいるのは、自分を変えられる勇気を持った立派な人なのだから】

【彼女の笑顔はもう先程の卑屈な笑みではなく、輝いて見えたのは……きっと、気のせいではないだろう】

恩人、ですか……私はただ、道を示しただけです
その道を行くと決意し、自分の意志で歩み始めたのはあなた自身です
……でも、あなたがそう言うのなら、私はいつでもあなたが私のところに変わった姿を見せてくれるのを待っていますよ
……フフッ   なぜでしょう、あなたが再び私のところに来てくれるのは、そう遠くないことだと予感するのです

【最後に自分のことを「先生」と呼んでくれた、その声を聴けば】
【彼女は微笑み、彼女の未来に期待を寄せつつ……またどこかへと旅を始めるのだった】

//お疲れ様でしたー!長い間お付き合いいただきありがとうございました!
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/27(土) 00:49:15.41 ID:fl4QkiSfo
>>913

『わ、わ、分かってるなら、おまえ……っ!』

――分かってるなら何故わざわざ歯向かおうとするのかってとこですかね
いや全く!マルコ坊ちゃんのおっしゃるとおりなんですが彼女たちもお仕事だそうで。
そうだろうお二人。あぁそれと、何時から俺は戦闘不可になったんだね?

【『まだまだ―』――膝立ちになったのは体勢が崩れていたがため】
【が、反動の大きな銃を撃つには良い姿勢だ。先ずビスクは、左手の大型拳銃を構え、発射】
【こちらへ迫るウェル子の前面に位置する路面を抉る一撃、そしてその破片で攻撃しようとするだろう】
【また、尚も彼女が接近を図るのであれば――ファルカタによる手加減なしの切り込みも付加される】

【それから、マルコ坊ちゃんと言うらしい少年とひゆの攻防。これは実に平和的】
【というのも結果から言えばチューブはマルコに届かないし、それで終わりだからである】

【過程は――地面の隙間から急速に染みだしたチョコレートが、カカシのような形状となって固まって】
【それがマルコの代わりに電流の通ったチューブを受け、それを巻き込みながら溶けてゆくからだ】
【マルコ自身は戦闘慣れしていない様子で、加えて武器も見受けられない――脅威は、無いのか】

……まあ、年少とはいえファミリーの頭。加えて能力も変わり種でこそあるが優れている
先ほど俺はキミらとの相性が悪いと考えたが……今は、どうかね。

【否、有った。ひゆの背後、地面からしみだすチョコレートが形を持ち、膨れ上がって】
【触れれば火傷するほどの熱を保持しながら、ひゆへと液状のまま降りかからんとするのである】
【背後、加えて周囲一面が同じ素材だから察知は難しいが―――ウェル子ならば気付くのも容易であるはず】

【―――気付けば、この路地の壁や床の何処を見ても、薄っすらとチョコレートが染み渡っている】
【靴の裏に張り付くそれは冗談の様な光景でもあったが――紛れもなく、ファミリーのボスとしての能力であった。】
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/27(土) 00:54:50.40 ID:M6UJgnXO0
>>914

牛が蛇ぃ?
おもしれぇこというな、あんた。
おもしろすぎて、笑えてくるぜ。

礼にその首斬り落として、ちゃーんと人間様のにしといてやるぜ。
安心しなく首はそこらじゅうにある!

【近づいてくる彼】
【男の眼にあった嗜虐心の光はすでに赤き大火のように燃え上がり】
【まるで夜闇に赤き光点を二つ浮かべる幻視まで引き起こさんとするレベル!】
【もはや!もはや、後戻りなどできない!】

先に名乗っとくぜ。
俺はラスラドーラ=デ=セルピエンテ。

みなさんご存知。
身近で愉快なテロリスト、カノッサ機関のぉおおおおナンバー16!

【男の魔具の輝きにより、先ほどまで闇に隠れていた男の部分が見える】
【首元のタトゥー、描かれたるは不吉な逆五芒星】

そしてぇえええ!これから行われるのは戦いじゃねぇ捕食≠セ!

【次の瞬間男は彼に向って飛びかかるかのように跳躍】
【同時に魔具が輝きを増し―――】

エル・ナヴァロ!

【呪文とともに放たれるのは一筋の火炎放射】
【レーザービームのように収縮した火炎!その火力の高さはかなりのもの!】
【しかし半面、直線的で避け易そうである】
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/27(土) 01:15:27.68 ID:NQ4uSpv+o
>>916


「そうですねえ……貴方様方に恨みはございませんが……なにぶん障害≠ニ成りうる以上は、除かねばならぬので……
 いかなる手段にて頼み申したところで、貴方様方は大人しくはなってくださらないでしょう?」


【疾駆するウェル子は、襲いかかる破片を、まず魔力の疾風≠ニ黒羽根≠ナ遮る】
【面を穿つ攻撃には、面の防御――というわけで、破片をほぼ無力化】

【かくて、その調子で突っ込むので、つまりファルカタの斬撃も迫り来る】
【――と、彼女はこれを見るや、】


「――ですが、ま、愉快な展開になってきたのも事実………
 余りわたくし自身に手≠煩わせると……従者がうるさいですよ?」


【両掌に、羽根を収束させ、各々の手に一つずつ、黒羽根の円盤≠構築した】
【ぎちぎちと、金属の擦れるような、嫌な音を奏でる「それ」は、金属の円盤にも似た性質を持つ】
【ゆえにウェル子は、ファルカタを両手がかりで受け止め、鍔迫り合い的な状況へ持ち込むだろう】

【だが、その周囲ではカラス達がざわめくのも忘れてはならない】
【ウェル子の言葉通り、彼女で手一杯になると、今度はそちらが厄介か】


 …………あー…………


【チューブを防がれたひゆは、困った風な声を漏らしながら、攻撃失敗したチューブを手元に引き戻す】
【すると、背後から気配がするわけで、】


 …………これは…………!


【降りかかる、危機】
【液体への対処は、ひゆでは難しい】
【しかも機敏な動きも苦手とする彼女は――】


 …………っ…………!!


【――――凄まじい勢いで、彼女の両袖から伸びるチューブが、側方の建造物に向かって伸び、刺さる=z
【そして間を置かずして彼女は、チューブに引っ張られ、ほぼ振り回されるような形で、横っ飛び≠オた】
【そんな極めて強引な手段で、彼女はチョコレートを回避】
【回避に全力を尽くすが故に、攻撃へ転じることは出来なかったが、まずは場をしのぐ】
【或いは、ウェル子側がうまくいけば、時間を稼ぐだけでも意味はある、と信じて】
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/27(土) 01:34:06.12 ID:PsYD63Pao
>>917
ほぉ...テロリストの安定した就職先のカノッサ機関のナンバーズ...
これは、これは...

【煽りを含めた、皮肉か、それとも、事実に基づいた皮肉か】
【少なくとも、『おどけ』が含まれているのは事実であろう】
【余裕があるか、余裕がない、強がりか、それを判断するのは、あまりにも判断の材料が少ない】

私の名前はシミラー...
全ての者の影にして、全ての者の出来損ないの道化師でございます...

【慇懃無礼に、芝居がかった大げさな、まるでテレビの紳士がするかのようなお世辞】
【手を腹の部分にもっていき、きっかり45°、背筋を曲げる】
【その言葉と態度が何を示しているのだろうか】
【恐らく、この男には理解ができる機会は、恐らく少ないだろう】
【少なくとも、今ではない―】

捕食ですか―
こんなに食べてまだ腹が満たされぬとは...

【闇夜を照らす魔具の妖しい輝きとともに現れる灼色の熱線】
【人型は地面に屈みこんで、熱線をやり過ごす】

(―なるほど、炎か)

―暗愚なる炯眼、器なき愚者に、知恵を

【3節にわたる、詠唱だろうか、しかし、魔翌力の類は感じられない】
【その代わり、人型のマスクの奥にある瞳に、強く炎が灯り、陽炎に満ちる】

【この魔眼は言うなれば物の本質を掴む眼、言わばアナライズ能力である】
【戦いにおいて情報というのは力や技術に比べれば優先度は落ちる】
【それでも素早い段階で得ればそのアドバンテージは計り知れない】

【男のもつ魔具の根源を見抜かんと、真実を照らす魔眼が射抜く】
【それと同時に、屈んでいるついでにそこらへんの手ごろの石をとった後】
【スナップを利かせて、相手の胴体目掛けて、その石を投げる】

【もちろん、大した効果は望まないだろう―物理的には】
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2013/04/27(土) 01:41:00.08 ID:fl4QkiSfo
>>918

そりゃあ俺達も遊びでマフィア≠竄チてるわけじゃあないんだ
そこらのチンピラじゃあるまいし、キミの言うようにどんな手段でも大人しくってのは無理な話だとも!
そうでしょうぼっちゃん!あぁ大丈夫、答えなくても分かってますよ、えぇ!

【――チョコレートによる防御、そして攻撃。何れも互いに実を結ぶ事はない】
【が、時間は稼げた。ひゆによる妨害が消えたと見たか、マルコは自らに続く路面のチョコを払いのける】
【それはビスクの足元から少年までへの道のりであり、脱出路でもあって】
【また言うなれば、二人の言葉や視線すら必要としない意思疎通を如実に表してもいた】

【一方のビスク自身。こちらは鍔迫り合いの形となったが――体格を生かし、一瞬力を込めて】
【半ば弾くようにして隙を作ると、その間にマルコが開通させた通路≠ヨと身を躍らせた】

【これによって、今までは敵と味方が挟み合っていたという状況が完全に解消】
【―――いや、最早戦場が消えたと言ってもいいか。ビスクはニヤリと笑って】

さてお嬢様方!大変心苦しいが私はそろそろ失礼させていただくとしよう!
なに、またすぐ会えるとも。嫌でもどっちかが血塗れになってぶっ倒れるんだからな
追ってきても構わんよ?しかし、その時はトンプソンの一斉掃射でお出迎えしないと―――

――――フ、フッ。ではではアディオス、セニョリータ……。

【そう言うと、先ほど地に下ろした拳銃や礼の袋を順々に念動力で回収、手に持って】
【片手は腹部の傷に当てながらも、じりじりとビスクは――マルコをかばうようにしつつ、下がっていき】

【やがて、ある地点を超えると路地を曲がって、姿を消した。逃亡と罵られても気にしない、そんな態度だった】
【その場に残されるのは操作を失い冷えゆく無量のチョコレート。それと、ビスクのサングラス】
【殺し合いと言うよりも抗争、か。ほんの小さな火種ではあったが―――これが如何なる戦端と成り得るかは、まだ分からなかった。】

/時間も時間ですし、ちょいと強引ですがこの辺りで…っ!
/二日間とても楽しかったです!ありがとうございましたー!
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/27(土) 01:45:04.89 ID:NtbAfH9W0
>>910
【頭に感じる感触は、何時かの時と同じ様な優しさを含んでいて】
【異なるのは、其処には生死に関する事が無いという点】
【意識は朦朧としていたけれど、間違いようのない感触。今だけは、其れを素直に受け取って】
【――――ただ、大人しく終わらないと言うのが、この少女の性でもあるのは、きっと彼女も分かっている……であろうか】


「……生きて会えた時。何て事言わないでよ
まだ一緒に何処かに泊まる約束は終わってないし……ボクはもっと、柊と一緒に居たい
……それに、色んな顔を見たいのは、ボクだって同じ事だよ?」

【未だ赤い瞳。小さく笑えば、不意に手を伸ばして少女を優しく抱き留めるのだろうか】
【大好きな香。優しい匂いを一層近くで感ずる為に】
【あの日、自分を守ってくれた温もりをしっかりと手で確かめる様に】


「笑ってる顔だって怒ってる顔だって、何だって見たい
あ、でも、柊は恥ずかしがってるのが一番かな?
だから――――」

【クスリ、血を貰ったあの時と同じ様な、企みを隠せない笑顔】
【ちょっぴりだけ背伸びすれば、片手で頬を優しく押さえて、空いた頬にそっと口付けをしようとするだろうか】
【視線が顔を辿ろうとしたならば唇の付近。そのままであれば頬で、逸らせば避ける事だって出来る筈で。結果がどの様であれ、終わってしまえば離れて】
【――――どちらにしても、赤い頬。成功していたなら、真っ赤、とでも表現出来そうな程で】


「今度も一緒に、こうやってお話したり、散歩したり……ね
指切りげんまんだよ?」

【風が吹いて、桜の花びらが散っていって】
【その中で、一方的な契りを交わして。――――指切りなんて、必要の無いことなのかもしれないけれど】
【友人から貰った宝物。再び胸に抱けば、手の代わりに耳を動かし】


「――――じゃあ、元気でね。絶対、大怪我なんかしちゃ嫌だからね?
ふふ、ボクが言える事じゃないのかもしれないけどさ」

【小さく紡いだ有り難うの言葉。少女の耳に届いたのかは分からないけれど】
【――――上気してる顔を見られたく無いから、ずっと居れば、別れるのが更に名残惜しくなって】
【背を向けて振り返ること無いのは、そんな色々な理由があるのだろう】
【じゃあね。――――何時もの挨拶の代わりに、ゆらりと尾を振れば、亜人の姿はその場から消えて行くのであろう――――】

/発見が遅れて申し訳ないです……!
/そして本日は一日居ない為、これ以上柊ちゃんを引き留めてしまうのも気が引けるのでこれにて〆の方向でお願い致しまする!
/お相手して頂いて本当に感謝感謝なのでありますよ!その上、お薬まで頂いてしまって……!
/最後の方は適当にいなすなり何なりしてやっちゃって下さいませませ!
/改めて、お相手有り難う御座いましたですよー!
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/27(土) 01:53:57.93 ID:NQ4uSpv+o
>>920


「――……っと、そう来ます……か」


【なるほど、時間稼ぎはお互いに、ということか】
【密な意思疎通に、思わずウェル子も感嘆を滲ませる声色を発した】

【力を張るべき相手がいなくなったウェル子は、やや前のめりになるように、】
【しかし身軽に、たん、と身を翻し、脱出しゆくビスクへ、視線を推移させる】


 …………あうぅ…………お力及ばず申し訳ありません…………


【あまりにも強引だった回避を行ったひゆは、点滴スタンドに体重を預け、】
【ふらふらと、ウェル子に近寄りながら、至極無念そうな様子を醸し出していた】


「――ま、今回は、これにて幕引き……です、が、前哨戦≠ニしては、上々ではありませんか。
 我々も、マフィア様も、お互い、これで、存分に、抉りあえる′実が出来たのですから。
 ……ええ、機関≠ニしてではなく、カエルレウム・ナーウィス≠ニして……ね――」


【さらり、とウェル子は髪を掻き上げる】
【涼しい……いや、冷めた空気も、どことなく満足感を含ませており、】


「――では、『さようなら』…………今宵のお相手は、わたくし、絶望の水先案内人<Eェル子と、」

 ……ええと……不凋葭$逑紅ひゆ……

「――で、お送りいたしました」


【特に手を出す出もなく、静かに、彼らを見送るのだ】
【……いずれ、来るかもしれない、戦火を、その瞳に見据えて】


「……さて、貴方様方の業≠ニ、わたくしたちの絶望=c………勝るのは、どちらでしょうか、ね?」


【「カー」と、路地裏のカラスが、閉幕を、告げた】


/お疲れ様です! 長時間のおつきあい、ありがとうございました!
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/27(土) 02:02:02.71 ID:M6UJgnXO0
>>919

石?!

【何気ない投石】
【跳躍中のラスラドーラ!普通ならよけれない、そして当たっても問題ないものだが――】

爆槍!(ヴォル・スピナス)

【ラスラドーラは右手をとっさに横に向けると】
【魔具に魔翌力を込め、呪文を詠唱】
【途端に右手のひらから極限に爆発のエネルギーに指向性を持たせた一撃が放たれる】
【まさしく鋭い槍のような魔法の爆発による反動でラスラドーラは左に飛ぶことで透析を回避】
【直接手で触れたものによる攻撃―――能力者故の警戒が選んだ答え】

【そして彼―――シミラーが今までの行動をその力で見ていたのなら分かるだろう】
【この魔具はまず首のネックレスが本体で指輪やピアスは備品にすぎないこと】
【秘められた火の力はすさまじく、ラスラドーラは十分の一もそれを使えてないこと】


(まだ俺のマインドについては見せないほうがいい!)
(前にあの女にやったように敵が射程に入った瞬間どうどう不意打ちよ)

【着地したラスラドーラ】
【再び嗜虐性に燃える瞳とその魔具が光り始める】

炎葬(エル・フォニカ)

【シミラーに両掌を向け呪文を詠唱】
【不意にシミラーの背後に熱が発生】
【次の瞬間には大火が燃え上がり、シミラーを炎に包まんとする】
【不意の一撃だが背後の熱が感じられたなら回避が難しいレベルの攻撃範囲ではない】
【むしろラスラドーラはシミラーに前に回避させようとしているみたいで―――】
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/27(土) 02:35:27.77 ID:PsYD63Pa0
>>923
/中の人の眠気がそろそろ限界なので
/申し訳ありませんが明日に持ち越していただけないでしょうか?
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県)2013/04/27(土) 02:38:59.52 ID:M6UJgnXO0
>>924
/すいません明日明後日と用事が・・・適当に戦って帰ったということにして下さらないでしょうか。申し訳ない。
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 09:05:25.79 ID:wtHGKgS50
【――――時は絶えず流れ続け、その流れの中に人間たちは生きている】
【そして、その『物語』もまた、同じ時の中で紡がれてゆく物である――――】



【――――水の国 山林】

――――――――っ、……………………!!

【川の流れの源となる、岩場から流れ落ちる滝に、身を任せている人影の姿があった】

【華奢な上半身を晒し、下半身にも下着一枚のみを着用した姿で、落瀑に身を晒している】
【漆黒のボブカットをした、身長160cm前後の中性的な青年】

【岩場に座り込み、頭上からの滝の流れを身体で受け止めながら、瞑目して身じろぎもしない】
【側の、水の掛からない足場に、荷物と思われるコートやハット、杖などが纏めて置いてある】

…………っ、――――、――――っ

【時折、水の勢いが強く身体を打つのか、それとも冷えるのか、上半身をブルッと震わせるが】
【根を詰めると言った様子で、じっと滝に身を打たれるままに、その場に鎮座していた】



【――――所変わって、櫻の国 並木道】

……花の匂いがする……すごいな、桜って……

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【桜並木が続く道を静かに歩きながら、キョロキョロと視線を飛ばしている】
【未だ咲き誇る桜の花は、静かに花弁を散らせながらも、その色合いを褪せさせる事がなく、堂々と咲き誇っている】

でも……私……本当に、どうしよう……?

【顔にピタッと張りついた花びらをつまみながら、少女はそれを見つめて陰のある表情を見せる】
【ふと立ち止まった少女を包み込む様に、風に運ばれた花びらが舞い上がっていた】



【――――同じ時間に、異なる場所で時を過ごしている2人の戦士】
【果たして彼らのうち、どちらの『物語』に変化が訪れるのだろうか?】
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/27(土) 12:37:21.18 ID:wK9BDAt3o
>>909
/>>902ですが、レスつくとは思わず寝落ちしてしまいました申し訳ありません。
/今夜にでもお返ししようと思っていますが、もしよろしければ続けても大丈夫でしょうか?
/予定がある、またはもう気分が変わってやる気しない などがあれば無かったことにしても構いません
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/27(土) 15:14:39.15 ID:PsYD63Pa0
>>925
/返信が遅れてすいません
/では、適当に戦って帰ったという事で終わりでよろしいでしょうか?
/そちらの事情も鑑みず、迷惑をかけて申し訳ないです
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/27(土) 15:48:42.28 ID:s9hbo7S20
>>927
/それで構わないですよう、適当な時間にお呼びくださいな
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/27(土) 18:48:03.32 ID:s9hbo7S20
>>927>>929
/申し訳ないです、呼び出し食らっちゃいました……なかったことにしていただけるとありがたいです
/また機会がありましたらそのときによろしくお願いします……
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 19:34:59.10 ID:SXXL5lMCo
【喫茶店】

【「安心安全の街 暴力団排除運動実施中」】
【そんな看板は、近頃では当たり前のように目にする】

【自営業の店舗であれば、尚の事――】
【不味いところと接点があると噂されれば、真偽に関わらず今後の営業すら難しい】

【――だと言うのに】
【如何にもな見た目の男を裏口から無理やり店に入れて、カウンター席に座らせたのは店の女将だ】

【ヤクザらしい見た目の男の方が、恐縮しきっている始末】
【俺はいい、とか、帰る、なんて言葉ばかりが出てくるのだが】

「いいのいいの」
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 19:35:16.42 ID:SXXL5lMCo
>>931
/途中送信です
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/27(土) 19:37:22.23 ID:wK9BDAt3o
>>930
/いえ、今回は私の不始末ですので
/またの機会に、その時はよろしくお願いします
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 19:45:32.26 ID:SXXL5lMCo
【喫茶店】

【「安心安全の街 暴力団排除運動実施中」】
【そんな看板は、近頃では当たり前のように目にする】

【自営業の店舗であれば、尚の事――】
【不味いところと接点があると噂されれば、真偽に関わらず今後の営業すら難しい】

【――だと言うのに】
【如何にもな見た目の男を裏口から無理やり店に入れて、カウンター席に座らせたのは店の女将だ】

【寧ろ、ヤクザらしい見た目の男の方が恐縮しきっている始末】
【俺はいい、とか、帰る、なんて言葉ばかりが出てくるのだが】

「いいのいいの! それよりアンタ、この辺に来るのはもう5年振りじゃあないかい?
 ずーっと顔が見えないもんだからねぇ、心配してたんだよ、こちとら! ほら、珈琲位おあがりよ!」

……あー、参ったなこりゃ……悪いね、あの時から毎度だが
あの頃は飲み食い出来る金も無かったしな……それに、臭い飯を食う方が多かった

(…………まあ、心配せずとも他に客もいない、か。 此処も随分寂れちまったもんだ)

【店の女将にどんと背中を叩かれて苦笑いを一つ見せたのは、三十路位の血色の悪い男だ】
【よれたスーツ、癖のある黒髪、鋭い灰色の目】
【何よりも目立つのは、右頬の「牛の生首が乗った皿」の刺青である】

【狭い店内、人気の無さ、妙な話のために使われるにはうってつけだが。】
【まして近頃は暗い話も絶えない。 この男の容姿から連想しうるのは、例のマフィア組織辺りだろうか】

【置かれた珈琲に一つケーキのオマケが付けば、男は妙に困った顔をする。 それも、一つの余談だけれど】
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[!red_res]:2013/04/27(土) 20:00:41.34 ID:Ht6X64+Wo

  【――――某月、某日、とある場所に来たれり】

  【カノッサ機関、或いはそれに準ずる悪≠ナある諸君は、そんな言葉に乗ったのである】
  【申し出の主は六罪王・ガイスト。風の国の『ATLAS』を召喚したとされる老人であり】
  【また一部では――些か暗い噂もあるが、それはまた別の話であるから、割愛する】

  【さて、その場所に集まった諸君は指定された時刻になった瞬間、転移の魔法陣に飛ばされた】
 
  【『今宵はようこそお出で下さいました。本来であれば礼を尽くして持て成したい所では有りますが……』】
  【『何分、酔って勝てるほどの相手では有りませんのでまたの機会と致しましょうぞ』】

  【そんな老人の声が、転移の際に響き渡る。しかしどこかくたびれたようなその声は直ぐに途切れ――】


【そして今、10人に満たないダークサイドの勇者が立っているのは果てしなく広い岩盤の上であった】
【均されたそこを簡単に表すのなら一般的な学校の校庭≠セろうか。岩で出来ている以外、特筆することはない】

【――が、周囲は違った。そも、温度からして可笑しかった。肌を焼き、肺を焦がすような灼熱の環境だったのである】
【ヘルクラネウムとか言ったか――火山地帯の地下深くというのは冗談でもなんでもないらしく】

【しかし直ぐに――彼らへ降りかかる魔翌力を拒まなければ――暑苦しさや息苦しさは失せるだろう】
【魔術の元を辿って見れば、居るのは車椅子に腰を下ろした老人。まさにガイストその人であり】
【いやに疲れきった様相であったが笑顔であり、面々へとその力強い視線を向ければ口を開き――】


 ……さて皆様、御機嫌よう。実際に会うのは初めてという方も多いですから、一応は自己紹介と
 それから状況の説明を致しましょうか。先ず、私の名前はガイスト・ウォレン……六罪王の末席を預かる身でございます

 そしてこれより皆様に退治して頂くのは世界有数の力≠誇る名も無き古龍――古には、神として崇められたとか。
 私をしても拘束するのがやっとでして、中々致死には及ばないのが実情でございます
 逆に言えば、それほど強い。とはいえ言葉では伝わるものも伝わりますまい。実際に―――あぁ

 ……その前に、皆様の名をお聞かせ頂けると幸いですな。この場限りは同士なのですから、ね?


【――と、言った。しかし少しでも勘の働くものであればこう思うはずである】
【『何故古龍を討伐するのかは言わないのか』――無論、それを口にするのは自由であるし】
【今、ガイスト・ウォレンは全ての者の発現を求めていた。何を言い、或いは尋ねるかに制限はない】


  【遠く、遥かに高い地底の天井≠ノヒビが入った。果たして、そこからこぼれ落ちるのは溶岩である】
  【この足場はマグマ溜まりの上に存在しているのだろうか?足場の果てからは、そのマグマと同じ赤の光があふれている】
  【熱に対向する術を施されていても―――喉の乾くような感覚は、きっと抑え辛い物があるはずで】
 
  【さらに言ってしまえば、獣的感覚を持つものは更なる警戒を容赦なくされるだろう】
  【目視できる上では敵など居ないのに。ただ岩の壁が存在するだけであるというのに、神経を逆撫でするような敵意が】
  【とても、恐ろしく明確に。この場に居る全てのメンバーに対して向けられていることに、気付くものは在るか―――。】

/このレスをもちまして『“Operation――Hunting the Anciant Dragon”』の開始と致します
/参加者の皆様はこちらにレスをお願いします。また、本日は宜しくお願い致します。
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/27(土) 20:20:17.81 ID:7efwZuxeo
>>935

――ほォ〜、リーネの奴が言ってた"ガイスト"はテメェーか
あァの時は"塔の主"が2人も居ィる――なァんて話になァっちまったが、……おォっと、こォれ以上はやめておくぜ

とォもかく、俺様は超強ェー悪魔、"邪禍"! 悪しき闇の主"ベテアドット"だ

【この討伐に紛れる"人ならざる者"――それは全身真っ黒な毛に覆われている奥二重でコワモテ、エルフ耳で2mの身長の悪魔だ】
【頭部には二本の鋭く禍々しい赤い角を持っている】
【黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、首にはマフラーの様な長い紫色の毛を持ち、他にも所々に紫色や赤の模様や毛を持っている】
【鋭く赤い牙と同じく爪を持ち、手足や尻尾の先の方は紫色で、いかにも悪魔だと思わせる尻尾の先端には赤い棘がある】
【赤い棘は肩や手の甲、アキレス腱の位置にもあり、先端に赤い爪を持ち紫色の翼膜な黒い悪魔の翼を背から生やしていた】
【あぐらをかき、頬杖をつき、態度は悪いなんてものではなく】

で、仮にも"六罪王"なァんて機関の上位に居ィる野郎が、"理由もなく"古龍をぶゥっ倒すわけがねェよなァ?
――ヒャハハハ、まァー良い……しィっかしテメェーの術だか何だかを浴びても暑ィ、奴の生き血を一気飲みしてェぜ

まァー、こォーいう時は……更なる"熱対策"だな

【悪魔の正面に魔法陣が現れ、闇がいずればそれは"朱色の結晶でできた2m程の人型"をなす】
【そして、悪魔はその魔物に触れて魔力を流し込めば――なんとそれを身体に取り込んでしまう】 【見た目の変化は次の通りで】
【結晶の爪や牙、角や棘は、その人型にあった淡く光る山吹色の模様や眼は、悪魔に更なる邪悪さを与えていた――"小さな宝玉"の力と共に】

ヒャハハハ、古龍を"支配"すりゃア俺様は更なる力を得られるッ!
――っつゥーわけで、殺しきらず"瀕死"にしろよテメェーら!

【周りの者にかける声、それは酷く傲慢で――無茶振りでもあって】
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/27(土) 20:22:02.26 ID:QDABA3dvo
>>935

(――あれがカノッサ機関を牛耳る六罪王が一席、ガイスト・ウォレン殿)
(初めて見るが……異様な気配を感じるな)

【老人……ガイストを鋭い目で見つめる視線がある】

【130cm前後の小柄な体躯に、緑の肌】
【ギョロリとした大きな眼と尖った長い耳を持ち】
【羽飾りがついた眩い金色の兜から、亜麻色の長髪を靡かせた女"ゴブリン"】
【背には太く長い突撃槍、腰に二本の長剣、腕に蔦のようなものを巻きつけており】
【全身には黄金の鎧を纏っている】

【此度の任務に召集されたナンバーズの末席――醜き小鬼の戦士ガガルル・レシフィードだ】

【全身を黄金の鎧で纏うという見るだけで汗が吹き出るような格好でありながら】
【息を切らす様子も無く、生真面目に背筋を伸ばし姿勢を正してただ一点、ガイストを見据えていた】

はっ――!お初にお目にかかります、ガイスト・ウォレン様!
私は"81"の番号を頂いております、ガガルル・レシフィードと申します!

今宵は微力ながらカノッサの戦士として、カノッサの剣として力を尽くす所存であります!
龍滅の大任を果たし、必ずやガイスト・ウォレン様に其の首級を捧げます!!

【放たれるは空気を撓ませ震わせる剛声】
【微かに鎧を鳴らしながら片膝を付き、胸に片手を添え頭を垂れ礼の姿勢を取る】

【目的の詮索はしない。言葉の通りガガルルは一人の戦士としてここに立っている】
【遥か上位の存在からの命令に対して"疑問"を抱くことはせず】
【ひしひしと感じる敵意に感情を揺らがせることもなくただ、ガガルルは事の流れに従っていた】

/ガガルルです!今日はよろしくお願いします!
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/27(土) 20:23:27.70 ID:vSzWQxTbo
>>935

【――ザザ、と無線の音が響いた。】
【群青色のマントが熱風に靡き、暖かな――と表現するには聊か熱すぎる、灼熱が頬を貫いた。】
【"彼女"は頭部にとりつけた機械式の戦闘補助・バイザーを起動させ――目元を、つまりは視線を隠したままで】
【目の前の"老人"――たったの一度、あの機関員が集まった"会議"でのみ見かけたガイスト・ウォレンを怪訝な表情で見つめながら】
【コール音が鳴り響いた無線に、出て。】

『―――もう到着したようだね、Nemesis君。作戦の確認だ。』

一々言わなくても分かってるわよ、ていうか今目の前の"六罪王サマ"が丁寧に説明してくれてるわ。

『そうツンツンしないでくれたまえ、君にとっては能力者が相手でなくてはつまらないだろうが――』
『それでも脅威は脅威だ、能力者が死滅すれば次に目を付けられるであろう、人類にとっての"敵"に等しい。』
『君としては――見過ごせない存在だろう?そしてそれは機関にとっても、同じだ。』

・・・フン。別に人間を守る為に戦ってるわけじゃないわ、私はただ――・・・復讐をするために・・・

『ま、息抜きと思いたまえ。インセクト・フュージョンの融合率調整も兼ねて、思い切り暴れるといい。どうやら――そういう相手らしいよ。』

・・・通信終わり、此処からは戦闘モードを起動するわ。またね、"ソーン"。

【バイザーに搭載された無線を無理矢理切ると、彼女――No.7<Nemesis>は灼熱の大地を見下ろし、はぁ、とため息をついた。】
【どうやら、この王の庇護でマグマに身を焼かれる事は無いだろうが――それでも、戦闘の舞台としては中々に、"危険"な場所だった。】
【火薬も多く使うし、下手をすれば噴火に巻き込まれて――なんていうことになっても、この魔法陣ならばどうにかなるだろうか。】
【不安を抱えつつも、兵員用に作られた防護マントに包まれた全身から、シルバーフレームの大型マグナム・リボルバーを握り締めた】
【物騒な腕を覗かせて――周囲からの威圧的な、"殺気"に気付きつつ――ガイストへと、面倒くさそうに返事をした。】

No.7、コードネームは"Nemesis"――確か、あの会議で一度会ったわよね、こんばんわ"ガイスト"さん。
上司がお世話になってるからしっかり挨拶しとけ、なんて言ってたんだけど・・・ああ、上司ってのはソーンのことね。
あの屁理屈大好きなアタマでっかちが迷惑かけてないと良いんだけど――よろしくね。

【年の頃は17、18くらいといったところだろうか――普通の、見た目には本当に普通の、少女。】
【ただ頭部には物騒な機械をとりつけていたし、全身は布で覆われているわ、其れに加えてなんとも、六罪王を前にしてこの態度のでかさ――】
【かつては機関員とも多く衝突し、危険視された事もある正真正銘の問題児だ、ソーンが手綱を握っている今は少し、落ち着いてはいるものの】
【そもそもがただの少女でありながら"志願"して機関員となり、自ら能力者狩りだけをもっぱら趣味として戦闘に明け暮れているこの人物】
【組織としての体裁などどうでも良い――と言わんばかりに、ツン、と言い放った。】
【握り締めたリボルバーを見るに、遠距離型か。報告によれば彼女は生来持ち得た"召還"の力と】
【後天的に機関より与えられた"変身"の二つの力を持つとされるが――その力の代償に、マントから見える腕の内側には、痛々しい注射針の跡。】
【ドラッグか、それともなにか専門的な投薬か――いずれにしろ、結構敵とはいえないような肉体。】
【そのためかどうかはわからないが、身長こそこの年代にしては高いほうだが体は――まだ、あまり育っていない様で。いや、何処とは言わないが。】

【――また、そんなサツバツとした世界を生きている彼女だからこそ、素早く向けられた敵意に気付く――鈍くは無いようだ。】
【バイザーの奥に隠れた視線を尖らせ、辺りを警戒する――気に入らない、出て来いとでも言わんばかりに。】

/ネメシスです!オナシャス!
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/27(土) 20:39:43.43 ID:jpiRmZlLo
>>935
【ふわり、と身体が宙に浮かんだような感覚を覚え、次の瞬間には、三人の男はそこにいた】
【耳に届く老人の言葉、それを聞いた三人は表には出さず、しかし内心ではそれぞれ、唾を吐き捨てたくなるかのような心境を抱いていた】
【ややあって、三人が送られた場所。岩盤。ただ、足元に広がる岩。しかし、それを認識するより先に、その身を襲う高熱】

【さすがの三人も、骨にまで達しようとばかりにわが身を蝕む灼熱に一瞬面食らい――すぐにその感覚から解放された】
【眼前に車椅子、そこに座る疲れた、しかし柔和にすら思える笑顔を浮かべる老人――ガイスト・ウォレン】

(……考えてもみれば、こうして直接対面するのは会合以来だったな)

【そんな思考を巡らせているのは、身長2メートルを超えているであろう大男だった。角ばった顔つきに、短めに切りそろえられた黒髪と黒い瞳】
【身を包むのは灰色の作業着だが、今宵はある程度の耐熱性を持つ特注品。しかし、その上の黒いラバー地のエプロンと、黒いゴム長靴はいつもの通り】
【その大柄な身体に、太いベルトでくくりつけられているのはガトリング砲だ。弾装に連なる形で大量の弾薬が大男の身体に巻きついている】
【かなりの重量を誇るのであろうそれを、能力によって腕から伸びた数本の肉の腕が、太い両腕をサポートする形で支えている】


……会合の折は、ろくにご挨拶も出来ず、大変ご無礼をいたしました、ガイスト様
改めまして、ご挨拶を。一般構成員のカニバディールと申します
このたびは、このような場への参陣をお許しいただき、恐悦至極
微力を尽くして、討伐に当たらせていただきます

【ガトリング砲を抱えたまま、大男・カニバディールが一礼する。もともとの姿にこの武装、いわゆる礼儀とは程遠い有様ではあるが】


【その横に立っている一つの人影。しかし、そこにいるのは二人だった。一つの身体に住み着く二人の男。胴体一つに、頭二つ、腕四本】
【向かって左側の頭は青白い肌にほっそりとした顔つき。後ろで束ねた白い長髪】
【向かって左側の頭は浅黒い肌にがっしりした顔つき。ボサボサに乱した短い黒髪】
【その身を包むスーツは、やはり特注の耐熱仕様。中央から右が白、左が黒で色分けされ、両胸のポケットには、それぞれ逆側の色の糸でNo.50と刺繍されている】

「ご無沙汰しておりました、ガイスト様。No.50デュアル兄弟。オーギュスト、参上いたしました」
『同じく、ギュスターヴっす。今日はよろしく頼みますぜ、ガイスト様』

【カニバディールと同じく、車椅子の老人に一礼。二人揃って、一つの身体で】
【その本来の腕の位置から伸びる白い細腕と、脇の下あたりから伸びる黒い太腕には】
【それぞれ、大口径の拳銃が握られていた。それぞれが握る腕に合わせる形で、白と黒に塗装されている】


(さて、さすがにこの場で尻尾を出すような真似はするまいが……まあ、今は奴のことばかりを気にはしていられんな)
(今回は、龍の討伐と……“こいつ”のテストに注力するとしよう)

【頭を上げつつ、相も変わらず損得勘定。カニバディールは、作業服のうちにひそめた爆弾を】
【ガイストと同じ、六罪王の一人・レギンより賜った兵器……『RB-コバルト・ボマー』をひそかに掌中でもてあそぶ】

【三人の異形は、見せかけの慇懃さと、内に潜む邪悪で持って、ガイストに対峙し、顔には偽りの笑みすら浮かべて、老人の次の言葉を待った】

/大変遅れました、ごめんなさい!!
/カニバディール&デュアル兄弟です。よろしくお願いします!
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/27(土) 20:49:03.09 ID:R/1otuVB0
>>934

【そんな店に入っていくご新規2名】
【見たところ男女だ】
【カップルと言うには、女の方がずいぶん幼い】

【男は青年、服装は白いYシャツを羽織り下はジーンズだ】
【そして目に付くのは青い長髪、茶色の布でポニーテールにして、赤黄青の3色の布で三叉に分けて結んでいる】

【そして女は少女と言うべき容姿、こちらもやはり長髪】
【黒のタンクトップの上に長袖のTシャツを着て、下は黒のレギンスに半ズボンだ】

「なーヒルコ、お前古龍狩りに呼ばれてたけどサボっていいの?」

『いえ・・・、僕が行ってもアレが相手ではぶっちゃけ足手まといですし』

【男の方はヒルコと呼ばれた】
【2人は席に着くと注文を聞かれるが】

「えーーっと、ここからここまで全部。あとケーキはホールで」

『まがわ様、そんなに頼んでお金は大丈夫なんですか?』

「大丈夫大丈夫! 野槌のカード持ってきたし!」

『またですか・・・。あ、僕ですか! 僕はえーっと。水とご飯と塩でお願いします』

「マジかよお前・・・」

【注文を終え、何気なく店を見回す少女だが】
【ふとあまりに特徴的な刺青を持つ男を見て立ち上がる】

「あーーーー! てめぇ! 確かUTの!!」

『まがわ様、厳密にはあの方はスパイで、僕達に情報提供してくださった味方です』

【どうやら2人には面識があるようだが】
【いずれにしても刺青の男にとってはあまりありがたくない偶然だろう】
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 20:51:11.25 ID:SXXL5lMCo
>>940
/すみません、そちらとは直近で言うと熊襲と月彗で絡んで頂いた者です……
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/27(土) 20:53:30.81 ID:R/1otuVB0
>>941
/あーそうでしたか!
 ではすみません、この投下は無かったことに・・・
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 20:54:27.90 ID:SXXL5lMCo
>>942
/こちらも判別の付きづらい落とし方だったので……
/また機会がありましたらお願いしますー!
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[!red_res]:2013/04/27(土) 20:57:36.21 ID:Ht6X64+Wo
>>936

おや、これはこれは……予想外の方でしたが、歓迎いたしますよ邪禍どの。

古龍討伐に関しましては、今後私が取る行動の障害足りうる故。
目の前に摘み取れる反抗の芽が在るのを、黙って見過ごすわけには行きますまい?
ふふっ……何はともあれ、よろしくお願い致しますよ――。

【邪禍へと視線を向けたガイストは、ほんの一瞬ばかり奇妙な魔翌力を放った】
【それは彼も知っているモノだったが――すぐさま収められ、また視線も動いてしまって】

>>937

ガガルル・レシフィード=c…お名前は以前より伺っておりました
なんでもかのD.R.U.G.S.との抗争や、ほかならぬベイゼ殿の奪還でも勇ましく戦ったとか。
貴殿の武勇が老骨の為、存分に奮っていただけることを期待致しますぞ?

【にこ、と笑顔を返す。相手が醜かろうが、その力量が優れていれば構わない】
【そんな事を感じさせる言葉は甘言でもあり――逆に捉えるのなら、力無き者は要らずという思想を表していて】

>>938

おやおや……!ソーン殿には大変助けられておりますよ、Nemesis%a……。
どうぞ彼の事は大事にしてさし上げて下さいませ。実に……実に優れた頭脳をお持ちの方ですからな
加えて本日ですが、その拳銃――些かそれでは、心許ないかと思われますが。

【ふふ、と笑う老人の顔に、問題児たる彼女への憂慮などは見て取れなかった】
【むしろ蛮勇なのであればそれを存分に生かしてほしい――そんな思いから、拳銃に目をつけた】
【別にどうしろというわけではない。ただ単に、リボルバーすら心許ないと言うだけだったが――】

>>939

これはどうも。カニバディール殿、それにオーギュスト、ギュスターヴのご両名。
こうして話すのは確かに初めて……どうぞ、よろしくお願い致します
本日ばかりは私一人では皆様を援護しきれませぬ故、どうぞその力を見せつけて頂ければ、と――。

【さて、さて――このメンバー間での因縁めいた物を知らないのは、他ならぬガイストのみである】
【が、今ばかりはそうそう勘ぐりを続けるワケにも行かない。それは誠に正しい判断で】

【ふとガイスト・ウォレンが指を鳴らす。すると、四方に広がる岩壁の一面がふわりと消えた】
【幻術か何でそうしてたのだろう―――そして壁の向こうには、真っ赤なマグマに身を照らす龍が居た】

/続きます
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[!red_res]:2013/04/27(土) 20:58:13.31 ID:Ht6X64+Wo

【―――それは、確かに龍だった。牙に爪、鱗に翼と、強靭な四股が脈打っている】
【ただ、ただしかし。大きさ≠ヘどうか?先ずは頭部から見るのが良いだろうか】

【いやしかしこれまた否、頭部しか見えないのだ。頭蓋だけで、体育館程の大きさがあった】
【後は全て断崖の下。はるか下方にマグマが見え、古龍はそれに身を浸す形で在った】
【さて、この古龍――頭部は動かせたし、牙を見せて焔をチラつかせるような事もできた】
【が、手足と翼に巨大な鎖が巻き付いており、そもそも周囲が狭いから身動きは出来ないということらしい】

【そも、何故これほどの場所に居るのかは―――ガイストの笑みに隠れて、答えは見いだせそうもなく】


  《人間ン゛如きがァ――………!己が力量も知らずに我が種族を舐めたか――ッ!!》
  《……グ、ァアア―我を殺せると思うか!否だッ!否だッッ!!!》
  《貴様らは驕っていル!!我を、龍を手に掛けようなどといった思いあがりはッ―――》

  ―――さ、戯言に耳を傾ける暇はありますまい。あれが本日の目標ですよ、皆様がた。
  とはいえあちらも動けない様子で、……――――あぁ、具現化した方≠攻撃するのが正解、ですかな


【老人の言った具現化した方、というのは龍の頭部が程近い崖縁に現れた、赤い影のような存在だろう】
【原始的な魔術、生命エネルギー、或いは熱量。構成物質が何かは全く分からないが】
【およそ5メートルの身長を誇るそれは人の形をし、しかし背には翼を、腰元には尻尾を持っていて】

【また全身は鱗に覆われ、目はぎらりと真紅に光り、口元からは熱い蒸気が立ち上っている】
【足は二本。腕は四本。全ての腕に剣や斧が握られている他、大した武装も見えないが】
【古龍の思念の塊なのから―――その力量たるや、容易に想像できるというものであった】
【つまり、動けないから思念でこの竜騎士を創りだした。だから、人もそれを迎え撃つのが良いだろう、と】

【ガイストが提案したのはそういうことであったが――もし、誰かしらが古龍本体を狙うのなら】
【それを邪魔する存在は何もないし、むしろそうするのも間違った選択ではないのだろう】
【――もっとも、それによって何が起こるかはさっぱり想像できなかったが】


【さあ、まず先手は譲ってくれるらしい。身を震わせる方向の下、巨躯の騎士はしっかと地を踏みしめ、構えるのみ―――。】
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/27(土) 21:16:00.47 ID:7efwZuxeo
>>944-945

まァー、なァーんか裏があァりそォーだが、"素材"をよォこすなら見ィ逃してやるよ
――ヒャハハハ、良い匂いの魔力だなァァア

【一瞬とはいえ、その魔力は確かに悪魔の"嗅覚"に訴えかけ――そして悪魔の推測が正しかった事の証明となった】

んゥ〜、素ゥん晴らしい"素材"だ――俺様の世界でもこォの位の存在は珍しい
ヒャハハハ、古の龍! "人間如き"までは同意してやるが――俺様の強さがあればテメェーらなァんぞ軽く一捻りだ!
――出ェてこいッ!

【悪魔の眼の前に現れる魔法陣――先程のものよりかなり大きく、魔力もそれにともなって非常に強く】
【そしていずる闇が成す形は――古龍程ではなくとも、一地方では神として崇められていた存在だった】

【一匹は、翼と羽毛を持った20m程の大蛇――"豊穣と風の翼蛇"】
【一匹は、赤く透き通った角を持った20m程の大蛇――"太陽と光の輝蛇"】
【一匹は、尻尾の断面が鏡のような20m程の大蛇――"宵闇と鏡の豪蛇"】
【一匹は、全身に様々な生物の皮を纏った20m程の大蛇――"剥離と纏の鎧蛇"】

【最後の一匹は、太さが悪魔の背丈以上もあり、4枚の翼を持ち、右が白、左が黒の色をした大蛇――"互立互保の母蛇"】
【先程召喚した4匹の蛇を生み出した存在であり、しかしその知名度は非常に低く――けれど強さは確実なもの】

"テスカトリポカの四蛇"――プゥラス"母"ッ! そォの相乗効果は古龍を超ォえる強さを発揮するッ!!
わァざわざテメェーの出した騎士を狙わずとも問題はねェーッ!!

【古龍より強い――その言葉が本当かどうかはともかく、一度に召喚すれば強い負担がかかるはずで……】
【予め"アビスゲート"の中身をがぶ飲みしていた今回はなんとか成功したが、素の状態でやればぶっ倒れかねない行動だった】
【そして、、今回はガイストが居る、――というわけで、おそらくは魔力の提供を上から目線で求めてくるだろう】

【まず先手をうったのは"鎧蛇"】
【その口部から吐き出される2リットル程の液体は、古龍の額を狙い放たれる】
【一見殺傷能力なんて無さそうなその粘性の有る液体だが――その特殊効果が"非常に厄介"】
【それは"剥離"の名が示していた】 【――そう、骨と肉を、肉と皮を、皮と鱗を、とにかくモノとモノを分離させてしまう効果を持っているのだ】
【といっても相手は巨大な龍だ、2リットルの液体なんて目薬にも及ばぬはず――故に、良くても鱗を1枚から数枚剥がす程度に留まるだろうか】

/なんかもう色々とはっちゃけてますが、問題がありましたら鎧蛇以外の召喚を無しにしたり攻撃方法を変えたりします
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/27(土) 21:27:07.67 ID:QDABA3dvo
>>944

私のような一介の騎士には勿体無いお言葉です!!
卑小の身ながら六罪王様の期待に添えるよう、カノッサの名に恥じぬ武を奮いましょう!!

【姿勢を正し、突撃槍で地面を一度強く叩きながら意志を明らかとする】
【悪意の権化とされるカノッサのナンバーズ、その中には在るには似つかわしくないほどにガガルルは"戦士"であった】

【そして決戦前の挨拶は終わり場面は転換する】
【元より敵地――長々と話を出来る場でもない、ガガルルは兜を微かに下ろし】
【ギョロリと見開いた目をガイストから逸らし、"敵"を正しく視界に収め】

――――

【一瞬だが、古龍の声とその姿に対しガガルルの瞳に微かな感情が過る】
【しかし其れも刹那の時で霧消し、其処にはただ"敵"のみを移すばかりと相成った】

ハッ――!承知しましたガイスト・ウォレン様!!
我らに楯突く蜥蜴風情めが!!
世界に轟くカノッサの武が!驕りであるかどうか貴様の身を以て知るがいい!!

《我が元に参じよ》――"ギーブル"!!

【ガガルルの手に刻まれた大樹を模した紋章が輝くと、足元に複雑な魔法陣が展開され周囲に光が溢れた】
【そして一瞬の間を置いて――その場に巨大な影が君臨する】

【それは漆黒の鱗を持つ巨大な翼竜であった】
【槍のような鋭角なフォルムの頭頂から、蛇のように長く伸びた尾までは10mを優に超え、翼長は推定15mはあろう】
【翼を打ち振るうたびに膨大な黒色魔力が放出され】
【周囲の空間に微かな歪みを生じさせていることから"魔竜"の類であると推測出来るだろうか】
【両の竜眼を覆うようにして革のベルトが巻きつけられており】
【胸部を守るようにして眩い輝きを放つ"黄金の鎧"が装着されている】

「――――――!!」

【盲目の黒竜ギーブル……ガガルルの友であり切り札に数えられる一騎】
【"ギーブル"は金属を叩き合わせたような奇妙な咆哮を上げると、ガガルルは身を翻させその背に飛び乗った】

行くぞ"ギーブル"!!戦の時間だ!!此度も貴殿の"目"となり"脳"となろう!!
我らはカノッサの騎士にして、女王陛下の剣である!!
立ち塞がる全てを兵蹴散らし、我らが主君に今一度の栄光を示さん!!

【黒竜の背で突撃槍を振り回し――その穂先を古龍へと向ける】
【そして、それと同時に"ギーブル"の周囲に無数の黒色の球体が出現した】

【バスケットボール並みの大きさを持つ"魔力"の球体は、その数を10まで増やすと】
【ガガルルがギーブルの鱗を足をなぞるようにして触れ"指示"を送る】

撃(て)――――ッ!!

【ガガルルの剛声と同時に――10個の魔力弾は一斉に"具現化した竜騎士"へと襲いかかる】
【それらは途中で正面・左右・上方に分散し、目標直前で収束――多方向より同時に襲撃する】
【一発一発が膨大な熱力を誇り、接触した場合爆発を引き起こす"魔竜"の技が一つであった】
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/27(土) 21:34:37.09 ID:6PC8R8Kio
>>934

いらないならさァ、貰ってあげるよ。オジサンの口に入るよりいいもんねェ?

【不意に傍から投げかけられるのは、変声期前の少年の声】
【扉から入ってきたのだろうか? 生き物らしき気配は感じられず、漂うのは甘くウッディの混じる香水の香】
【カウンターから上に頭が辛うじて出るかというような小さな体は】
【相手の顔を見上げもせずに、ケーキの皿へ手を伸ばそうとした】

【黒紫の襤褸外套を纏い、アイボリーのプルオーバーに白のデニムショートパンツ】
【鈍く光沢を発する黒いニーハイブーツに、統一して黒のマフラーと帽子、ブーツ……】
【頭をすっぽりと覆うフードは辛うじて口元を見せる程度、他はすべて黒に覆われている】
【右の袖は何も通すものが無いようにふらふらと揺れていた】

【高圧的な態度とは対照に、陰気な姿と隻腕はひどくみすぼらしく】
【それ故に生意気な態度と高級そうな香水が、変に空回りしていた】


/まだいらっしゃいまーしー?
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/27(土) 21:35:00.49 ID:jpiRmZlLo
>>944>>945
ありがたきお言葉です、ガイスト様

「確かに心得ました」
『遠慮なく、暴れさせてもらいますよ』

【ガイストの言葉に、それぞれが簡潔に返答する】
【そして、いまさらながら向けられる敵意をはっきりと感じ取る】
【やはり、ガイストのほうへ意識が向きすぎていたか、不覚にも見逃していたようだ】

【今度こそ、一方的な因縁を胸中奥深くへと押し込んで、ガイストの鳴らす指の導きに従う】
【文字通り、幻のごとく消えうせる岩壁、そしてその向こうには――】

(……なんとも、でたらめな大きさだ。これが……龍か)

【視界の大部分を占領する巨大な頭蓋、マグマに身を浸して平然とそこにある、あまりに大きな存在】
【しかし、見ればその膨大な存在は、鎖とこの場に制限されている】
【瞬間、三人の脳裏をかすめる疑問。語られぬ討伐の目的。これほどの存在がどうしてこのありさまになったのか】
【しかし、それも一瞬のこと。すぐに、腹の底に響く龍の怒声にかき消される】

……まあそう言わずに、少しくらい付き合ってくれてもいいじゃあないか、古龍殿

【龍の言葉に、呟くように言葉を返すカニバディール。相手が古の龍であっても、いつもの通り無遠慮に眺めまわす視線】

「ふむ、これほど巨大なものだとはな」
『いやー、ほんっとでけえな』

【自分たちの姿を棚に上げ、デュアル兄弟もまた、物珍しげに龍を眺める】
【六つの瞳に映る好奇に色。この光景に強く動揺や恐怖を覚えるようなまともな神経は、していないようだ】

具現化……? あれのことですか

『どういうからくりかは知らねえが、器用な真似しやがるなぁ。……おい兄貴、腕の数が俺らとかぶってねえか、あいつ。しかもよぉ……』
「下らんことを言ってる場合か。……と言いたいところだが、あれはどうにも捨て置けんな」

【現れる竜騎士。カニバディールの体躯すらはるかに凌駕する身長】
【全身から発せられる熱気と闘気、まさに騎士の姿にふさわしいもの】
【カニバディールは、その未知なる力量を感じ取り、警戒をあらわにするが、デュアル兄弟は違った】

『せっかく四本腕なのに、剣だの斧だの、バラバラの武器持ちやがって!! どうせなら、同じ武器使えや!!』
「気に入らんぞ、トカゲ」

【一対に変質的に執着する兄弟には、他の者にはどうでもいいだろうところが、気に障ったらしい】
【一斉に、四本の腕で大口径の拳銃を構えると、交互に引き金を引き、連続して八発の大きな鉛玉を、竜騎士に向けて撃ち出した】
【その狙う先は、兄弟の気分を害した四本の腕。二の腕のあたりに四発。武器を握る四つの手に四発】


お前たちは、こんなときまで変わらないのか……
まあいい、先手を譲ってもらえるなら、ありがたくいただこう

【デュアル兄弟の様子にあきれ声を出しつつ、カニバディールも攻撃に移る】
【ガトリング砲の身を起こし、その先端を竜騎士の立つ崖縁に向けると】
【ためらうことなく、ガトリングを作動させる。すさまじい速度で回転し、短時間に数十発の弾丸の嵐を発生させる兵器】
【ガトリング砲のもたらす反動を、巨躯と能力による肉塊で抑え込む

【狙うは、崖縁。竜騎士が踏みしめる足場。蒸気を噴き出すかの騎士が、この程度でどうにかなるとは思えないが】
【まずは足場を崩して様子を見よう。崩れた破片が、下にいる古龍にも多少は影響するかもしれない】
【大げさな武装に似合わぬ、小手先の考えだ】
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 21:48:03.02 ID:SXXL5lMCo
>>948

……そうだな、もう働かねえ胃に収めて腐らせちまうより……って、!?

【どんな口実でケーキを残そうか、そんな事ばかり考えていて、男は少年に気付けなかった】
【生き物らしい息遣いも無いのは此方も同じで、寧ろ死体めいた紫陽花色に近い肌は何よりの証明でもある】
【鈍感ならば気が付かないのだろうか。 例えば5年振りの感慨だけで男を此処に招き入れた、女将にしろ】

…………嗚呼、喰え。 そんでもっとデカくなった方が良い
尤もこんな所で喰うケーキよか上等なものをお家で喰ってそうだが……いでっ!

【冗談めかして二の句を継いだ所で、お玉が奥の方から男目掛けて吹っ飛んでくる】
【飛ばしたのは、先程男を店に入れた中年の女性。ふくよかな躰を揺らしてふんと鼻息を鳴らせば、】
【相手を一度ちらと視界に納めて、すぐに商売上の笑顔を残し、奥へと去っていく】
【今しがた調理していた鍋に入れていたもの、熱々だったりするのだが――その辺の手加減がないのも、親密さの現れか】

【忌々しげに奥の女将の背中を睨めつけてから、男は少年の方へ皿を押しやった】
【「……ついでにコーラでも頼むかい、坊ちゃん?」なんて薄ら笑ってみる顔は、相手を何処までも子供扱いしていて】

/こちらにー!
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/27(土) 22:02:28.95 ID:vSzWQxTbo
>>944-945

【はて――助けられている、とはどういう事か。兵士でしかないNemesisには、その真意は測りかねたが】
【どうやら、双方にとても"深い"関係があるのは確かなようだ――あまり大柄な態度を取るのも良くない、のか。】
【しかし見たところこの老人、そんなことは毛程にも気にしていないように見える・・・大きな器の持ち主なのか】
【それともまるで此方には興味が無いのか――Nemesisは探るのも無駄だと考えたのか、リボルバーへと向けられた注意に応える。】

拳銃、そうね。サミュエル・コルトといえばリボルバーの神様、生みの親として有名らしいじゃない。
でも売り物としてのリボルバーは今じゃ"大口径"とはいえないような357.マグナムがメイン――確か、パイソンとかいったかしら。
けれども私のコレは少し違うわ、44マグナム弾仕様のさらに大型な"コルト・アナコンダ"をベースにカスタムされた特注品。
ま、口径はともかく真価を発揮するのは私が"力"を解放してから――心配せずとも、古臭い竜の一匹や二匹、蜂の巣にしてあげるわ。

【――口調は、といえば――年頃のそれとは思えないほど、少し大人びたもので。】
【ペラペラと知り得る限りの自分の拳銃について語るさまは、多少なりともこの"武器"になんらかの愛情があるのか――】
【ほんの少し、頬を緩ませているようだが――果たして、その真意は見えない。だが、続く言葉はまさに野蛮そのもの。】
【ただの拳銃ではない――見た目には普通のピストルだが、彼女が力を使う事で何らかの変化が訪れるのだろう。】
【だからこそ、現れたエンシェント・ドラゴン――古龍の恐ろしい姿にも、一瞬たじろいだものの――直ぐに戦闘態勢を整えて】

ソーンには助けられてるって?私の聞いた限りじゃ、アンタは"恩人"にも等しい――丁重に扱え、なんて話だったけれど。
ま、なんにしろ私にとってはどっちも上司、少しは良いところを見せないといけない、ってワケよね。
――怪我だけはしないようにね?なんて、私より遥かに強いんでしょうけど――さあ、"暴れる"わよ。


                                <Summon Insects>

                                 <Centipede!!>

【バイザーの奥、出現した"龍人"を視界に捉える――なるほど、獰猛そうじゃないか。】
【見たところ本体の方はどうにかこうにか、動けないようだが――いつ動き出しても可笑しくない。】
【となれば、全力で具現化した"彼"を叩くのが最優先であるのは間違いない――Nemesisはまず、周りを伺う。】
【攻撃に偏ったパーティだ、少なくとも先手を打つ為に全員、攻撃を放っている――自分は少し距離をとって、冷静にいくべきかもしれない。】
【先に先ずは、全員の防御を固めるべく――彼女が打った手は"召還"!】

【――彼女の薄い、セミロングの茶髪からシュルシュルと現れた一匹の"ムカデ"はぐんぐんと巨大化し――そして】
【全長は9m以上あろうかという、まるで小型のドラゴンにも見えよう大きな"怪物"へと姿を変えた。】
【古来から伝わる妖怪にも存在が確認されている、"大百足"――絵巻で姿を見た事がある者にはなんとなく、想像がつくだろうか】
【鎌首をもたげ、大きく唸るセンティピードは全身の"脚部"を一斉に展開、それら一つ一つは"刀"にも近しい硬度と切れ味を誇るかぎ爪となって】
【Nemesis、ひいてはその場に居る味方の少し、手前に陣取った。攻撃が来れば一気に、カウンターを放つつもりだろう。】

(ま――何もなく攻撃が通るならそれで良し、通らなければむこうから反撃が来る筈。少なくとも、全員が全員殴りに行く必要は無い。)
("おじーちゃん"は力であの本体を抑え付けてるし、攻撃されて術が解けたら目も当てられない。心配するだけ無駄かもしれないけど・・・)
(ま、一人くらいは待機班が居てもいいでしょ、見たところみんな――私以上に、血気盛んだし。)

/遅れて申し訳ありません・・・!
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/27(土) 22:05:08.29 ID:6PC8R8Kio
>>950

【“同じ”】
【ふつうワンプッシュ香水を垂らした程度にしては、やや強めの甘い芳香は何かを隠すよう】
【萌え袖だとかいうにはいささか裾の長い外套は、その末から手袋に包まれた指を覗かせる】
【片手だけで器用に皿を支えつつ、フォークを手に持ちケーキをつつきつつ】

残念だけど、もう数年はホームに帰れてないのサ
ボクはbetrayerだからねェ、そりゃア屋敷で食べるコックの手料理と比べるのは気の毒だけど
まァそれでもこういう味はヒトの手の温かみがあるってもんだよ?

【達観というか、やはりクソ生意気というか。物を知ったふうな口をつらつらと利く】
【数年は家に帰らず、隻腕の、言ってしまえば障害のある者が家出なんて理由で早々放っておかれるだろうか】
【そしてbetrayer――裏切り者、背信者、“内通者”だなんて意味の言葉】
【お玉を投げた女将には、それこそ無駄に愛嬌たっぷりにフォークをもった手を振って】

それって、コーラナッツが入ってるヤツゥ?
どうせならワインを頼むよ、おっと、未成年は飲酒禁止だなんてケツの穴の小さい事言いやしないよねェ?

【どうにも人の神経を逆撫でする様な物言い、語尾を伸ばした嘲弄じみた語調】
【そのくせ唯一覗く肌ともいえる口元は、笑う口角に白いクリームをちょっぴり付けて子供らしい】
【屋敷、とは。一体何か】
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[!red_res]:2013/04/27(土) 22:13:47.24 ID:Ht6X64+Wo
>>946

【ひゅン、とガイストが指を動かした。すると、発生するのは魔翌力の糸】
【つながる先は当然ながら邪禍であり、つまるところ『供給は任せろ』ということか】
【送られてくる良質の魔翌力は膨大な量があるため、召喚獣の意地に問題はないだろう】

《kる、ッ――何だ、コレは?オイ其処な蚯蚓≠諱A何をした?》
《分からんな、全く分からんわッ―!!小水でも引っ掛けたか!まァさァかァなァ――!?!》

【そして――液体を受けた古龍が、その身から数枚の鱗を分離させ、小さな出血をきたし】
【ただそれだけに収まったのを捉えて、静かに猛る怒りの瞳を悪魔の操る蛇に向けた】
【瞬間、龍の騎士は全ての腕を一挙に振るって――剣や斧、四本の武具を四匹の蛇へと投擲した】
【母≠ヘ対象外だが、ただ武器を投げるだけという威力は凄まじい。避けねば、身を分断されると思って違いない】

>>947

【ガガルルの、そしてギーブルの撃ち放った10の魔翌力弾が、何をどうするでもなく爆散した】
【僅かに煙る視界――直後、古龍に立ち向かう飛の竜騎士へと、咆哮と共に強烈な魔翌力の放射が飛来する】
【簡単に言えば触れたものを燃やす衝撃波とも言えるそれは、恐るべきことに三連撃】
【空を舞うガガルルを追うようにして撃ち放たれ、当然ながらその目的は殺し≠ナあるらしい】

【――まこと、恐ろしい。この魔翌力の放射によって、ガガルルのはなった魔翌力弾は散ったのだ】
【しかし効果がなかったわけではない。近場で弾けたことにより、騎士は片翼を失った】
【展開が早いと驚くだろうか。守りが薄いと思うだろうか。否――それ程に、攻勢が素晴らしいと言わざるを得ず】

【ただしかし、その傷はじわりじわりと回復しつつある。それもまた、古龍の力によるものか】
【とするとただ攻めるのではダメ――何か一撃で仕留めるか、弱点を突ければ――――?】

>>949

【ガァン!∞ガァン!∞ガァン!=\―何か。銃弾を弾く鱗の音であった】
【別に全てが弾かれたわけではない。数発は二の腕に命中し、だらりと力を抜かせるに十分だ】

【しかし、やはり効果は薄いと見て良いだろう。ガガルル攻勢で与えた傷同様、僅かずつ傷は治癒している】
【オマケに武器はすでに邪禍の召喚獣へと投げた後だったから、そもそも狙った分が損になるという結果にとどまって】
【それでも身に傷を与えたからという理由でだろう。狂犬じみた双眸が双子を捉え―――】


               【――ピシッ=z


【竜騎士が唸り声と共に足下を見た。割れる、落ちる――断崖の脆い岩が、人類の利器によって破壊され、削られて】
【そも既に老朽化というか、朽ちていたのか。幅数十メートルに亘って、絶壁の岩肌が落ちていく】
【竜騎士自身はすぐさま跳躍して――双子の方へとかけてくる。踏みしめた大地を一々踏み壊し、吠えながら】
【口元には焔が見え隠れしていて、胸部は僅かに膨らんでもおり――――】

>>951

【―――双子。オーギュストとギュスターブへと近づく竜騎士の前には、彼女の使役物が立ちはだかるのであろう】
【となれば騎士がすることは一つ。突撃し、触れる距離までいけば殴り、食らい、折り――暴虐の限りを尽くすだけ】
【しかも、だ。その騎士は膨らませた胸部から、大変に強力な火炎までもを放って巨虫を焼き尽くそうとまでするのである】

【その様相は、さながら怪物と格闘する神話の英雄・ヘラクレスか。龍が力の象徴とされるのもわかろうというものだ】
【更に、その身を包む鱗は恐ろしく強固――百足の足が、爪が、どれほどの切れ味を誇るかによってカウンターの意味合いは変わってくるだろう】
【もしその切れ味が非常に素晴らしいと評せるものであるのなら、騎士の腕や翼を断つことだって決して不可能ではないだが――。】


【それから、Nemesisは後方待機というような位置合いになるのだろうから――少し、察せられることが在るだろう】
【というのも老人の劣化≠ナある。ふと振り向けば、元より深かった皺が更に濃く。そして、目元も落ち窪み】
【まるでこのまま死んでしまうのではないか、なんて思わせようなものがあるのだった】
【けれど、もし振り向けばの話。そうでないのなら全く話には関わってこないから、気にすることも無いのだろうか】

/続きますっ!
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[!red_res]:2013/04/27(土) 22:14:15.98 ID:Ht6X64+Wo
>>ALL

【戦端は開かれ、冒頭よりその抗争は苛烈を極めた。元より、この舞台は現世とも思える地】
【まるで地獄でなにか始まったのかと思われるような光景に一つ、酷くイヤな息≠ェ聞こえた】
【吐息――いや、呼吸。大気を吸い込むあまりに巨大な音が響き渡り、それが連想させるのは一つであろう】


《―― 燃 え て 無 く な れ ィ 、 ニン ゲ ン 共 ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ゛オ゛オ゛――!!!! 》


【カニバディールのガトリングガンによって落ちていく岩壁。そして、覗くのは古龍の胴に当たる部位】
【そこはまさに空気を目一杯吸い込んだというように膨れていて――直後、ゆっくりと萎んでいく】
【それと同時に吐き出されるのは業火と表現して差支えのない灼熱。身を焦がし、骨まで灰にせんと迫る火炎である】

【――回避か、者によっては迎撃か?幸い一部の者の前にはNemesisのムカデが壁となっている、が】
【もしもの場合はガイストの側に寄るのが正解だろうか。先程から見学に徹する老人の防御は、ひどく堅牢だから】


  【そういえば、そうだった。老人ガイスト・ウォレンは先程から、全くといっていいほど何もしていなかった】
  【そこに誰かが疑問を持つのは問題がないし、ただ―――自ら討伐しようといって、全てを任せる人物ではなかったはず】
  【だからそれを意識して誰かがハイストの側によれば、小さく詠唱するのが聞こえてくるだろう】
  【予感させるのは強力な一撃。他のものもやがて肌でそれを感じるはずであって――次の一息が、どうにも大事なようだった。】
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 22:22:46.71 ID:SXXL5lMCo
>>952

【大きめのイチゴが載せられた、別段他に飾り立てもないシンプルなショートケーキ】
【無駄な甘さが店売りのそれより控えてあるのは、手作りらしい部分でもあるが、大人を対象にしているのは否めない】
【甘い香りと人の腐臭は、経過日数にこそ依るのだが似通う部分がある。焼けばもっと、とは余談でしか無いが】

コーラナッツ? ……今日日、そんなもんが入ってる奴の方が珍しくないか?
……しかしbetrayer、か……料理に毒でも入れられやしないか、バレていたらの話だが
お前のホームがどんなものかは、俺は知らないし……

俺は毒なんか入れなさそうな場所から、betrayerだとバレる前にバラして逃げて来ちまった
まあ……今となっちゃあ、って話かね。 

【少年の大人びた毒舌よりは、「どうせならボトルで一本」なんて男のオーダーの方に女将は目を丸くする】
【金はあんだろうね、なんて暗に伺うような目――まあ久々に顔が見れたのだし、とその辺は考えないようで】

【その一方で、話の方向が一般人には差し入れない様相になって来ているのも、彼女は目ざとく察する】
【喫茶店経営。 謂わば“話せる”場所を提供する身、気の抜けるような容姿と態度であっても、其処に関してはプロだ】
【二人の目前で見えるように栓を抜いたボトルと、細工の美しいグラスを二つ並べれば、後は彼女は奥へ入ったぎりである】

…………お前、死人か?

【グラスに相手の分と自分の分とワインを注ぎながら、何の毛なしに聞くような問い掛け】
【途端に愚弄されたって可笑しくもない突飛な内容、】
【一言一言熟考しながらゆっくり話す男にしては、相手の知らぬ所で意外でもあったりするのだが】
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 22:27:53.60 ID:SXXL5lMCo
/次スレです
/http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1367069235/
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/27(土) 22:43:54.79 ID:6PC8R8Kio
>>955

【嬉しそうに焼き菓子を平らげる姿を見れば、それだけは年相応の子供の姿だ】
【そも外套に包まれた外見からでは、年齢など判別出来ないが。高い声を考えれば、十を少し超えた程度か】
【甘味を抑えたケーキがさくさくと倒れることなく食べられていくのは、そこだけ見ればほほえましいのだが】

今は入っていないんだったっけェ? 正直屋敷外の世俗の知識なんて、薄いンだよねェ
勝手に家を出たところで、彼女らにとっては「すぐに帰ってくるだろう」程度の事なのさ。それが、十年二十年であっても
故にどれだけボクが足掻こうと、目に見えた弊害がなくっちゃ、なァーんにも構っちゃくれなくってねェ?

ハ、それにしちゃキミこそ随分堂々と喋くるものじゃないサ
毒なんかって事は、まあ想像通りなら、キミを追いかけ始末するなんて発想も無い程お人よしの集まりなんだろうけど

【瞬く間にケーキは皿の上から消え、からりとフォークがその上に置かれる】
【媚びを売って損の無い相手と見たか、女将に対してはごちそうさまとはっきりした声で感謝を伝え】
【相手の質問に、一度だけぴくりとグラスに触れた手が反応を示すも】
【赤い液体を一口嚥下して、薄ら赤の残る口元が、それは嬉しそうに弧を描いた】

――死せる者を定義する法則とは、何を指すと思う?
脳が停止したとき? 呼吸器をつければ生を維持できると定義するか?
心臓が停止したとき? 脳が生きている間はまだ生きていると言えるのではないか?
どちらもが停止した時? その状態で生きる者も“この世界”には存在し得るね?
そも動いていれば生きているのか?
自分の意志で身体を動かす事が出来無くば死体であるか? 逆も真なりか?
キミの質問は何だい? どれを指しての物言いだい? お前の内臓は動いているか、そういう事であるのかい?
キミが知りたい事はなんだい? ボクの事か? キミの事か? それとも今を生きる呪われし者たちの事か?
兄妹人形の話? 己の生まれを忘れた使い魔の話? 黒と白の屍の話? 対立する魔女の話? 薔薇の系譜の話?
花嫁衣装の娼婦の話? 壊れた兎の話? 斜陽の代わりに陽光を指す熱砂の話? 己の狂気も知らず舞台に立つ闘牛士の話?
全ては舞台。全ては戯曲。そこに真っ当な定義など無く、全うされない御伽噺など無い
敢えて聞こう。ボクは死人か?

【答えにならぬ答えは、僅かに答えを内包し】
【答える者のいない答えが、かすかに姿を見せる】
【相手に関しての一筋の糸は、全くのハッタリでしかなく。知ったふうである、そういう話し方であるのかもしれないが】
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/27(土) 22:51:56.22 ID:QDABA3dvo
>>953>>954

――ッ!!"ギーブル"!!

「――――――」

【決して弱くはない魔翌竜の連弾、しかして元より古龍に通じる物とは思っていない】
【だが"上回られている"と想定していて尚、古龍の迎撃はガガルルの予測を上回る】

【騎龍の名を呼ぶと同時に"ギーブル"が低く鳴き瞬時に行動する】
【ガガルルを含む全身を漆黒の魔翌力で覆うと、弾かれたようにその場から飛び去った】

【"魔翌竜"の一角に恥じぬ"魔法"の行使】
【亜音速に達するであろう超加速を瞬く間に実現し】
【風を切り裂き、漆黒の残光を刻みながら破壊的な熱を持つ衝撃波を回避、離脱した】

(っ――翼の端を掠めたか)
(魔翌力防壁を抜き龍鱗をも容易く貫くとは……"彼の者"に匹敵するやもしれん)
(小手先の技では通用せんと考えたほうがいいな)

【しかし高速の移動と瞬時の判断、其れを以てしても完全な回避は出来なかった】
【僅かに翼の端を掠めた衝撃波は魔翌竜のあらゆる防御を貫通し焦がすに至る】
【翼ではなく魔翌力で飛行する"ギーブル"にとって大きなダメージではないが】

【龍としての格が違う――否、そのようなことガガルルも"ギーブル"も最初から認識していた】
【しかしその認識すらも甘かったことを再認識させられることとなった……が、】

ふん――――私を人間と呼ぶか大蜥蜴!!
この身がヒトに見えるならば、貴様はよほどの節穴のようだッ!!

【戦士ガガルルは怯えることもなく、強大な相手に対し吠えかかる】
【突撃槍を脇に挟み構えながら、亜麻色の髪を靡かせ凛とした表情で古龍を見据えるtp】

いざ、いざいざ行くぞ我が友"ギーブル"!!
敵は強大!しかし彼奴は決して越えられぬ壁ではない!!

我らが絆を―――武威を存分に振るう機会ぞ!!

【雄々しく叫びを上げ、"行動"を開始した】
【古龍から放たれる灼熱の火炎――受けてしまえば"ギーブル"の防御など貫き一瞬で灰にされてしまうだろう】
【故に受けるという選択肢は元より存在しない】
【竜騎士の最大の強みは自在な空中戦と――その機動力にあるのだから】

【再び"ギーブル"とガガルルの全身を覆うようにして漆黒の魔翌力が生まれ】
【瞬間――超加速により上方に離脱、高い天井を目指すかのように飛び上がり】
【反転。遥か上方にて羽ばたきながら"ギーブル"は大口を開き魔翌力を凝縮し始めた】

【相手は遥か格上、生半可な攻撃など無駄の一言であろう】
【ならば選択肢は――持ちうる限り至上の手札を切ることであった】

【古龍ならば判るだろう、"ギーブル"の行おうとしていることが】
【膨大な魔翌力を収束した先に行われる攻撃が――】

勿体ぶる必要などない!今こそ放つぞギーブル!!

【――"ドラゴンブレス"。漆黒の魔翌竜はそのチャージに移行した】

【地上との連携など考えていない、元よりまともに取れるとも考えてはいない】
【ガガルルは一人の戦士として武を振るうべく、何かの予備動作か腰の長剣を引き抜いた】
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/27(土) 22:54:06.87 ID:vSzWQxTbo
>>953-954

【―――センティピードは掲げた巨体を嵐のように震わせるだろう。】
【弾幕の中を突っ切り、ガガルルの魔弾すらも弾き飛ばし――突撃してくるであろう"龍人"に対し、迎撃の姿勢をとった。】
【やはり、一筋縄ではいかないようだ、あの猛攻の中でも彼の龍は果てることなく、その蛮勇さを以って攻めに回ってきた。】
【どうやら迎撃に駒を割いたのは間違いでは無いらしい、Nemesisは叫んだ。】

――切り裂けッ!センティピードッ!!多少の被弾なら構わないッ!!
ハリウッド映画か、コミックスの世界ならまだしも――ここまで大きな"虫"に、小柄なニンゲンモドキが、勝てると思わないでよねッ!!

【巨大百足――センティピードは遠距離兵器を持たない。接近し攻撃することは可能だが、それ以上の事は身に余る。】
【つまり、龍人の接近を許さなければ此方も攻撃を出来ないわけで――速度で遥かに上回る龍人の、圧倒的な"攻撃"が襲い掛かった。】
【拳が脚部の付け根を打ち砕き、多量にあるうちの一本が根元から折れ、吹き飛ぶ――関節の硬度は昆虫に準基、か。】
【しかし脚の先端はそれにあてはまらない、一本一本が日本刀にも匹敵しうる切れ味を誇る鋭さだ――最も、名刀のそれには遠く及ばないが。】
【皮膚を傷つけることが敵わないならば、数で攻めるまで―――炎に焼かれ、全身を悶えさせながらも百足は反撃に移った。】
【そう、"プレス"――巨体を用い、踏み潰してしまおうという大胆かつ、単純な一撃――重量比と脚の"刃"を活かせば、ダメージを与えられる、か。】

――・・・っ、うう・・・ッ!!
(くっ・・・!一撃一撃が、重い・・・ッ!なんていうパワーとスピードよ、これが古龍ね・・・ッ!)
(たしかに舐められたもんじゃない、けど・・・?そういえば、ガイストは――)

【無事なのは間違いないが、純粋に術で拘束し続けるという重作業が身に応えるのでは、と――振り返った矢先】
【バイザーに映った彼はまさに、疲労の跡が見えるもので――これでは、あまり長引く戦闘はできないか。】
【自分の能力も攻撃に偏っている、持久タイプではないのは確かだ。最初から本気で行かねば、泥沼と化すだろう。】
【ならば―――】

/うわ、一回で書き込めなかった・・・!続きます!
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/27(土) 22:54:19.57 ID:vSzWQxTbo

(少しだけ、詠唱が聞こえた気がする・・・って事は、本人もでかい一撃を放つつもりでいる、ってわけね。)
(拘束魔術を使いつつ、攻撃にも魔力を割く――なるほど、確かに六罪王を名乗るに相応しい人間じゃない。)
(じゃ、わたしはサポートといきますか、ねっ!)


                                <FUSION INSECTS>

                               <LONG HORN BEETLE!!>

【召還している百足がダメージを受ければ、Nemesisにもそれがリンクし、伝わるが――呻き声を漏らしつつ、冷静に状況を分析。】
【ガイストの攻撃に、自分もあわせてサポートをしなければいけない――そこで彼女は次の能力へと段階を進める。】
【召還、そして融合――マントの奥、少女の肉体がギチギチと不気味な音を立て――次第にその外見に大きな変化が現れる。】
【全身を覆うように肉体の内部から現れるのは甲虫の持つ"外骨格"、装甲――そして関節は節足動物のそれに近しい物へと変化して】
【頭部を覆う黒い複眼と、その天辺から真下へと伸びた二対の触覚は地面に着こうかという長さ、特徴的な其れは"ある昆虫"のシルエットによく似て】
【後部に生えた巨大な牙、少女は全身を"昆虫"――"カミキリムシ"と同化させ】
【人間と虫が融合したような異形の存在へと、瞬時に変身した――と、同時に握り締めていた"リボルバー"も】
【カミキリムシの特徴的なブラックとイエローの交じり合った派手な彩色へと変化し、虫を思わせる歪んだシルエットへ変わり果てる。】
【肥大化――どうやら、リボルバーにも彼女の細胞が埋め込まれていたのだろう、擬似的に彼女の肉体の"一部"と化していたそれは】
【融合時に肉体同様変化をもたらされて――強制的に無機物すら、"変身"させた・・・ッ!】

【後天的に、機関の改造手術により得た融合の力――虫を身体へと取り込み、異形と化し身体能力を向上させる。】
【カミキリムシの長い触角は圧倒的な超高感度センサーの役割を果たし、周囲の状況を人間以上の鋭敏な感覚で伝え】
【なによりも肥大化し、威力を底上げされた強烈なマグナム・リボルバーを狙い打つときに精確に動作する役目を果たすだろう。】

【Nemesisはその怪物じみた動きで炎を見切り、取り入れた情報から最適な回避路を計算――瞬時に反応し、すばやく飛び退けた。】
【その速さたるや、まさに復讐の女神の名に相応しい――そしてさらに、百足の陰に隠れ余波を受け流す――】
【直撃すれば外骨格といえど溶かされていたであろう、その強大な威力に舌を巻く――百足は、もはやグロッキーか。】
【しかし壁となって役に立ったのは確かだ、ここからは――自分が暴れる、番だ。】
【ムカデの陰から飛び出るように銃を構え、勢いよくダブル・アクションのリボルバーをブッ放す――その轟音はもはや、拳銃のそれではない。】
【砲撃か、はたまたアンチ・マテリアルライフルにも等しい爆音が響き――】
【放たれた弾丸は融合で強化された"55口径・A.E(アドバンスド・インセクト)マグナム弾"――強烈な一撃が、龍の腹部めがけ放たれた。】

961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/27(土) 22:58:13.92 ID:7efwZuxeo
>>953

ヒャハハハ、こォんだけありゃア十分だ!
幾ら"濃魔金属"を取り込んだ俺様と言ィえども、準備無しじゃあ5匹召喚自体が無ゥ茶振りだからなァァアア
さァっきは一匹操作で勘弁しィてやったが――ヒャハハハ、俺様の力を眼ェん玉かァっぽじって見ィてなッ!

【魔力を受け取れば、その強さと調子はより勢いを増す】
【巨大で強大な龍に、小手先の術は通用しない――だからこその下準備】
【"鱗"という名の盾を剥がしてしまえば、少しは攻撃の通りが良くなるだろうとの考えである】
【――何故、龍騎士の方を狙わないのかなんて、そんな理由は単純だ】

【"――本体狙う俺様……超かっけェ、超強ェ!"】

《……なにをした?》
《……かんたん、……おまえのよろい、はがした……わたしの"はくりのたいえき"で》

【その蛇の言葉は、少なくとも人間にはわからぬはずだが――もしかすると、古龍には理解できたかもしれない】
【不思議で何を考えているのかわからないその口調は、鎧で己を隠す蛇を端的に表しているようだった】

――ちィ、あァの野ァ郎が武器を……ッ!

【巨体というものは、高い力を手に入れられる代わりに素早い動きを阻害してしまう】
【故に、ただの投擲のようにディレイの少なめな攻撃は少々苦手である】

【だが、今の"膨大な魔力を本体が受け取っている"状況は、使役する蛇達にも恩恵を齎す――本体を媒体にしてそれを受け取れるからだ】
【まず動いたのは"豪蛇"――黒い煙を吐き出せば、自分と"輝蛇"へ向かう武器を"跳ね返す"】
【ガラスが割れるような音とともに煙が砕ければ、二つの武器は明後日の方向にへと飛んでいき、そして落下する】
【次に動いたのは"翼蛇"――羽ばたいて風を生み出すことで、残り二つの武器の勢いを減衰させる】
【結果、翼蛇に対する被害は"1/4程の斬り傷"、鎧蛇に対する被害は……"鎧"を幾らか削いだようだが、まだ本体は見えない】
【風は他者にも影響を齎すかもしれないが――悪魔がそんな事を気にするわけが、ない】


――俺様を人間と同一視するんじゃあねェェエエーーッ! こォの糞ドラゴン風情がッ!


【悪魔の怒号が、響き渡る】
【――とは言え、この灼熱の業火を受ければひとたまりもないのは間違いなく、しかし召喚した蛇達がいる為……ガイストは盾にできず、回避も難しい】

【"母"の身体から、何色かもわからぬ魔力が吹き荒れる】
【"豪蛇"の尻尾から先程と同じ"黒い煙"が――悪魔達の前に撒き散らされる】
【そして"輝蛇"の角から出される"太陽光線"は、その煙を穿つが――それらは相殺しあわず、むしろ混ざり合い更なる力を見せていた】
【"闇の煙"の反射と"光"の熱耐性――"母"の力はそういった複数の異なる力を競合させずに、同時に活かすことができるというものなのだ】

【とは言え、流石に反射には失敗し打ち消す程度で収まったのだが――それでも、防げたことには変わりない】

――ヒャハハハ、テメェーの脳天を貫いてやるッ! 脳汁ぶゥちまけろォォオオッ!

【炎を防げば、攻勢に出る】 【悪魔は数メートルは有ろうかという"深朱色の結晶の槍"を生成すれば】
【"豪蛇"はそれに黒い煙をコーティングし、"翼蛇"はそれに風を与え――古龍の脳天を穿とうと、それは勢い良く放たれたッ!】
【もし攻撃などを与えれば、その衝撃を"一度だけ"反射し煙は消える――もっとも、2撃与えずとも撃ち落せるのだが】
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 23:00:49.19 ID:SXXL5lMCo
>>957

良いんだ。 ……堂々と話せる位じゃないと、引き摺っちまいそうで

【洋菓子を頬張る姿はどれだけ憎らしい口を聞いても少年らしく見えて、微かに口許が緩んだ気がした】
【今となっては口にしなくなったとはいえ、彼の襤褸を纏う所為もあって余計に、かつての弟の姿さえ蘇る】

【(日雇いの仕事を年単位で重ねて、やっと一度きり連れて行ってやったのが最後。 微かな微かな記憶でしか無い)】

【死せる物を定義する法則。明示していないのだから連ねられる言葉も当然か】
【否、きっとそれは少年の歳相応に放たれるべきものでは無い。だからこそ初めから考えもしていない】

【相手が言い終える前から問いかけ一つ一つをマルチタスクで並列思考し、集約――】
【――上弦の弧に対し、浮かべたのは下弦の弧。 面倒臭い、そんな色が無い事だけは明記しておく】

……イデオロギーが死んでるなら、死人だな
生きてるんじゃないか、お前の“意思”は。 生命活動が止まってるだけなら、俺と同じだが

【曖昧でしかない答えに自身の情報をも付与して、ただただ淡白に告げる事のが歳相応か】
【葡萄酒をちびと舌の上で舐るように味わってからもう一言紡ごうとする口、逡巡、迷って閉じて】

…………お前が語りたいのは、どの話なんだ?

【幾つも並べられた“物語”】
【ならばおすすめをオーダーするのは、狡い手法だろうか】
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/27(土) 23:02:35.28 ID:jpiRmZlLo
>>953>>954
『この野郎、一対を崩したばかりか、こっちの攻撃を台無しにしやがった!!』
「いちいち気に食わんやつだ。……どうやら、その点では竜騎士殿と気が合うらしいな」

【放った弾丸は、堅牢な鱗にはじき返され、武器狙いの攻撃は不発同然】
【思い通りにいかない結果にいら立つギュスターヴ。オーギュストも同様らしいが、弟よりは幾分冷静に、戦況を見て取る】
【岩の大地を踏みつけで破壊する、馬鹿げた力。口元に見える火焔――】

『……音に聞こえた、ブレス攻撃ってやつか?』
「直撃は避けるべきだろうな」

【その光景に、さすがに冷静さを取り戻す兄弟。Nemesisの召喚した巨大なムカデ越しに、疾走してくる姿。身を震わせる咆哮】
【そして、解き放たれる火炎。Nemesisがどう対処するか、それを見届ける前に兄弟は後ろへと引っ張られた】

『うおっ!? やるなら、先に言いやがれ、カニバァ!!』
「しかも、よりによって舌など使いおって……」

黙れ、デュアルども。Nemesis様の邪魔にはなるな

【デュアル兄弟の身体に、カニバディールの赤黒く太い舌が巻きついて、その身体を後方へと強制的に退避させたのだ】
【異能によって舌を伸ばしている、にも関わらす、違和感のない発音】
【この行動の間も、竜騎士へと、そして古龍へと固定した暗い視線は離さない】
【自身の放った弾雨の効果を見届け――途方もなく大きな“呼吸音”が響く】


(まずいな……あれを受けきる力は、我らにはない。不本意だが、六罪王様のご威光にすがろうか)

【まだ距離はあるはずなのに、肌に感じる高熱。どれほどの威力を秘めていることか、想像している暇もない】
【自らのもとに引き寄せたデュアル兄弟を、そのまま蛇のような長い舌で掲げるように持ち、その態勢で】
【再び唸りを上げるガトリング。その轟音も、この業火の放つ大音声の前では、虫の羽音か】

【放たれる銃弾の嵐。狙いは、自身がむき出しにした古龍の胴。業火を吐き終えた部位への意趣返し】
【舌で持ちあげているデュアル兄弟は言うに及ばず、眼前にて古龍に立ち向かう仲間たちも、確実に弾雨に巻き込むことのないよう、狙いを定めて】
【が、同志撃ちを避けるほうに意識を割いた攻撃だ。精度はよくない】

【この掃射の目的は、後退であった。ガトリングの反動をそのままに、ガイストのそばへと跳んだのだ】


【妨害がなければ、カニバディールは空中で掃射を停止して、着地する】
【影に隠れるような真似はせず、その少し左前辺りに立つ。デュアル兄弟を素早く地面に下ろし、舌を引き戻す】
【三人で、ガイストの盾となるかのように展開。無論、目的は自己保身。見せかけの忠誠】

【一連の行動ののち、三人の耳に、ガイストの詠唱が届く。想起される、レナールの映像】

(お得意の詠唱か。何を見せてくれるのか……お手並み拝見と行こうか)

【背後は見ず、前方にのみ注意を向けているため、ガイストに現れる“劣化”には気付かない】
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)[saga]:2013/04/27(土) 23:05:29.71 ID:a0L5p1XY0
>>921

そう言えばそんな約束も、っ――――――?

……本当、こういうのが好きなのね。
大丈夫よ? ……何一つ、私は忘れた訳じゃない。

あの泣き顔も、きっと――――

【頬に朱を差して見開いた瞳。跳ね上がってそのままの高い鼓動。】
【それでもまるで慣れたかの如く笑って、またクスリと笑って自分の言葉を続けられた】
【―――― これは成長なのだろうか? それとも、この空間の暖かさに当てられたのか】
【少女には未だ分からなかったが、湧き上がる情動のなかの、穏やかな心地良さがそうさせたのかも知れない】

………忘れは、……!?

【そしてあの笑顔を見つめて。浮かび上がってくる未知の “今” (わるいよかん)。】
【掌で軽く触れる彼女の温もりを、また別の、柔らかな感覚が頬に伝えれば――――】

あ、ああ、……貴女、は……っ―――――
……、………、うう、この金色砂糖大好き狼っ……!

………誰かにここまでやられるなんて、想像してもいなかったわ。

【睨もうとして返せたのは迫力のない、軽く俯く様な気恥ずかしげな視線】
【慌てて表情が崩れそうになる顔を、必死で取り澄まそうとしている様な、真っ赤な顔で―――】
【こんな風に、狙い通りにされてしまってる事も。 崩れる口調も。】
【なぜだか悪い気がしなかった。こんな時間が好きだった。】

【賑やかで、和やかに。日常として、そのままの大事な人達と過ごせる時間――――】
【絡めた小指はやがて離れて。それでもその無二の温もりは、きっと消えずに残っていて】


……ええ、またね。

それじゃ覚悟しておきなさいよ?
どうやるのかは別として……絶対、このままじゃ終わらせないから。

【花弁の舞い散るなか交わした約束―――― 】
【強気な言葉はいつものことか。顔色は……きっともう一人の少女と同じだったのだが】

【心に残るこの甘さは、立ち去った後でも少女を包み込んで】
【櫻の花の香りとともに、闇のなか、大切な想いを抱かせるのだろう】

/こ、こちらが寝てしまってました……
/遅くなりましたがお疲れ様でしたっ、三日間ありがとうございましたー!
/お付き合い頂けて本当感謝です……!
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/27(土) 23:24:33.12 ID:6PC8R8Kio
>>962

見た目に比べて、随分ナイーブだねェ? 最近巷を騒がせてるマフィアどもみたいな見た目のくせに
世界は変わりつつある。そのままで居ては如何なる魔女も少女の手によって駆逐される
けれども悔いや想いは一種の陳腐な原動力、それを捨てれば良いとも限らない……第一、口に出しても引き摺っているように見えるけどさァ?

【立った状態ならば相手より40cm以上差が有るだろう小さな体は、見上げて顎が上がってもその下の顔を覗かせる事は無い】
【見える感情は耳に入る声音の様子と、饒舌な口元だけ】
【相手のかつての仲間、いつかの記憶に馳せる想いを嗤うように、口角は鋭くつり上がる】

ならばそれが全てだよ。お話している相手がそういうものであったとは、とォっても恐縮だけど
そうだね、代謝においては生者だ。けれども誰も僕を見て生者とは判断しないだろう
その為の身隠しなのだからねェ?

【そうして答えを己の口からしっかりと言わないのは、一つの手法なのだろうか】
【グラスを置いた指が、ほんの少しだけフードをもちあげる――腑分け場か死体溜めのような臭いが、鼻をつく】

細かく注文が無いのならば、幾つにも跨る話をしようか
Amor……愛とは、愛憎とはコインの裏表だ。それは対極という意味では無く、同じものだという意味として
共通するのは執着という観点であり、同じくするのは執着という強い想いの意味と実体
けれどもそれらは互いの違いによって全く違うものとなり、見る者に強い錯覚を起こさせる
そしてその錯覚に気付いた時には手遅れ。思わぬ結末を産み、全てはばらばらに崩れ落ちる
……ボクも愛する相手だと思っていた、憎い相手をね? この手で殺しそびれたのが、最大の後悔であるようにサ

【おすすめは、相手が接触する御伽噺は多分少年が最初だから。それは誰をも指し誰も明確に言わぬ話】
【相手にはより知らぬ所であれど、これでも。そう、これでもかなり少年の態度は以前より軟化している】
【そして紡ぐ最後の言葉は、遠くいつかを指す己の事。そして、主題には関係がない】
【はらりと指の離れたフードが顔にかかり、指はワイングラスをくるくると回した】
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[!red_res]:2013/04/27(土) 23:32:00.68 ID:Ht6X64+Wo
   【初めに。古龍が地獄を創りだすような火炎を放つその最中、諸君らは見るだろう】
   【カニバディールの破壊した岩の一部が落下の中途で巨大な鎖の一片に衝突し、そこに傷を付けるのを】
   【そして、龍がそれに気付くのを。其の鎖が留めていたのは、龍の右腕であった】

>>989>>960

【古龍の瞳がギーブルに、ガガルルに向く。しかしすぐさま、ムカデへと移る】
【それというのも興味の対象が一挙に増えたからであり――結局、古龍はガガルルを放置した】
【何故なら相手は何やら煩い羽虫であるらしいという程度の認識しかなかったからだし】
【加えて言えば、そんな存在が我≠ノ何をし得るわけも無いと侮ったからであった】

 【一方、龍人――度重なる日本刀じみた連撃に、その身の鱗を傷つけられ】
 【ついに右上、そして左下の腕が落ちる。血が飛び散るわけでもなかったが、実にグロテスク】

 【また短い時間での攻防が功を奏したのだろう。極度の疲労からか、上手く身動きが取れないらしい】
 【そんな折に放たれたのがとてつもない威力を誇るリボルバーであって――パッ、と何かが飛び散った】
 【穴、大穴――腹部に開いたのが、銃創と言えるのかどうか。大砲で撃ち抜かれたような傷が出来上がり】
 【がくりと一つ、膝をつく、双眸は尚も少女へと向かっていたが流石にコレは大きなダメージか】

【さて結果として、Nemesisの待機という作戦は上手くいった。ほんの少しだが、動きを封じたのだから】
【また焔を回避したガガルルへの警戒もザルといって差し支えなく――チャンスを見極めるのが大事である】

>>961

《 ほ ざ く な よ 青 虫 ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ イ イ イ イ ! ! ! ! 》
《 キ サ マ も ッ ! 全 て 纏 め て 屠 っ て く れ る わ ― ― ― ! ! ! 》

【頭部を狙う――それは良かった。だが問題は拘束が解けたこと。腕は、動いてしまうこと】
【古龍はその拳を固めて結晶の槍を殴った≠フだ――弾き返し、ぶち壊そうと。それがいけなかった】

【恐らくは頭脳戦での勝利か。凄まじい衝撃であったが一撃に変わりのない、古龍のパンチは】
【邪禍の飼いならす者達の力の集合によって衝撃を反射され、オマケにその拳に槍を受けて】
【本日一番大きなうめき声を上げながら、苦しげに頭部を動かして――】

   【それからもう一度殴打を試みた。何処にではなく、蛇達に】
   【最早そのパンチは点ではなく面の攻撃である。威力はトラックの衝突力を何乗したようなモノ】
   【躱すこと自体は不可ではないけれども――――どちらにせよ、その拳はやがて壁にまで到達する】

>>963

【流石の古龍であっても腹部は鱗が薄いと見える。弾丸自体が小さいために、傷は見えなかったが】
【それでも痒い∴ネ上のダメージは与えられたように思え、ルビーの様な瞳がカニバディールを捉えた】

【そして直後、火炎のブレス。ガイストの前方に立った彼らの前に、1つの影が現われる】
【潜水服≠セった――身長はカニバディールほどもあり、全身を金属の古めかしい装具で覆っていて】
【右腕には巨大なドリルを装着し、頭部のヘルメットは奥が見えない――それが、唐突に現れ】

【後は、どうなったのかよくわからない。ただ感じられるだろうものは、強力な水の飛沫といったところか】
【直後にガイストの詠唱が終了、その頭上に3つの黒点が出現し、放たれるのはあまりに直情な闇属性のレーザーである】

【さて、一般的にレーザーというと――特に魔術では、貫通力の強い一撃限りのものであったりするが】
【この三筋の黒い光線は違った。古龍の両翼と頭部を捉えると、やがて三角形を描くように下方へ】
【その間も魔翌力を維持して肉を焼き、焦がし、抉りながら古龍の身を穿ち続けていき―――】

/続きまする
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[!red_res]:2013/04/27(土) 23:32:58.37 ID:Ht6X64+Wo

>>ALL

【――ガイストのレーザーがやがて古龍の胸部を焼き、その肋骨と薄皮と、奥に脈動するものを見せつけた時】

【古龍が邪禍の蛇へと向かって放った拳が壁を捉え――直後、窟内が恐ろしい音を上げて揺れ始め】
【やがて始まるのは岩石の崩落である。簡単な話だ、パンチ1つで火山の内側をぶち壊したのである】
【故に欠片も落ちる。それが攻撃となって、大小の破片が全ての者に襲いかかっていく】

【カニバディール、デュアル兄弟の背後にも巨大な岩石が落ちた。――落ち、た=z
【振り向けば在るのは岩石だった。そして、車椅子の車輪がひとつばかりころころと回って】

【潜水服≠ヘ何も言わない。動かない。僅かに岩の端から、赤いものが―マグマとは違ったものが染みだしていて】


 【事態は、急転する。邪禍の一撃が巨大な古龍に明確なダメージを与え、Nemesisによって龍人は膝をつき】
 【加えてガイストによって龍の左胸の$S臓が骨越しとはいえ明らかになったのである】
 【一方では当のガイストは――――。  しかし明らかにコレはチャンスであった】

 【何故か。龍が呻くこの瞬間、その意識の結晶である龍人を叩けばどうなるのかは想像がつくだろう】
 【第二に言うなら急所が見えているのだから、これはもう攻めない理由など存在しなかったし】
 【落石に寄る攻撃に慌てふためく程度では、やがて回復を終える龍の生命力には太刀打ち出来ないことも予想できたから】


 【ちなみに――カニバディールの位置、つまり元ガイストの居た地点は古龍の真正面】
 【邪禍も同様だが、古龍の心臓はよく見えるだろう。一方で、Nemesisには龍人への位置のアドバンテージが大きい】
 【ガガルルはどちらをも狙うことが出来るが―――チャンスの時間は限られている。兎にも角にも、速度が大事であった。】
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽)[saga]:2013/04/27(土) 23:41:55.11 ID:Cy36285AO
【雲が月を覆い隠して光を遮り、しとしとと春雨を降らせる暗くて静かな夜のこと】
【いつの日からか手入れもされなくなって荒れ果ててしまった墓地の、その傍らで】
【青い燐光――鬼火だとか呼ばれるものが空中で輪を成し、何かを弔うように舞っていた】

【真下に目を遣ればそこに転がっているのは何の変哲もない、薄汚れた『着ぐるみ』だ】
【マゼンタの体。シアンの瞳。腰には、太さの異なる二つのブラックのベルトが重ねて巻いてある】
【少々目に痛い配色ではあったが、それより特徴的なのは体に散りばめられた大きな斑紋だろうか】
【その模様や姿形を見た限りでは、それが『ジャガーの着ぐるみ』であることには恐らく相違ない】

【暫くして、何処からともなく「キィィン……」と、駆動音のような、奇妙な音が響き始める】
【青い鬼火に高い音、視覚的にも聴覚的にも、その異常を見つけやすいし気付きやすい筈だった】
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/27(土) 23:45:39.76 ID:SXXL5lMCo
>>965

嗚呼……D.R.U.G.S.か。 俺が居たのはUTさ今から混ざるってのは無理だろ
それに、何処ぞの誰かの気紛れ次第でいつ壊れるかも知らない身だ……変な繋がりは持たない方が良いだろ
死を隠れ蓑にしてるってのか? ……死神にでも、追っかけられてんのかい

【嘲笑う事には気が付かない。 ただきっぱりと言った言葉に、繋がりへの未練が微かに覗く】
【それだけの話。 実際男が語ったのは本当の事で、】
【いつ消えるとも知れないなら、いっその事、最初からいない方がずっと良い】

……悪いな。 分かれないものを、無理には分かろうとしない方でな
弟が教師なんだが、分ければ分かる、分けれなければ分からないってのが信条で……
…………今となっちゃあ一番分からないのが、アイツだが

【愛憎とか、執着、とか。右か左かと違って複雑怪奇に捻れ合うそれに理解が成せないくせ、】
【その螺旋に誰より巻き込まれている身であるとは、気が付いていない】

【まず、それだけの価値を自分に見出していないのだから】
【感情を叩き付けられたとして、曖昧に笑ってみるだけの軽薄ささえある】
【そういう意味では、死んだものとして思考が隔絶していた】

殺しそびれた事を後悔……って事は、手前で殺る前に先を越されたか?
しかし……「愛する相手だと思っていた」、か。 最近誰かにそんな話をされたな
…………嗚呼、件の弟だ。 愛と恋の違いとか、妙な話だった記憶がある

その時に聞かれて、未だに意図も分かっちゃあいない事だが……
……「黒い長い髪で縛られた時の気持ち」って、何だか分かるか?

【聞き方からして、男自身は分かっていないのだろう】
【恥じらいも無く年下に聞くのは、その達観さを十二分に知った故か】
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/27(土) 23:49:23.37 ID:wK9BDAt3o
【路地裏】

【繁華街の大通りから外れた細い路地】
【遠くに薄っすらと明かりが灯っているぐらいしか無く足元には暗闇が続く】
【時折吹き抜ける風はどこからか。誰も居ないと特に冷えきっているような気がする】

【その薄明かりに照らされた錆びついたシャッターに映る、伸びた影】
【一歩ずつ近づいてくるその人物、靴音を鳴らしながら歩いている】

【伸びた影と変わらぬ高い背、黒い髪、黒いスーツ、黒いサングラス】
【聖母マリアを模したようなシルバーネックレスを首からぶら下げた、アタッシェケースをもった男だ】
【ケースの中身は煙草2箱、ジッポオイル、代えのシャツと札束が5つほど】
【何食わぬ顔で、火の点いた紙巻の煙草をくわえている】

【男は不意に立ち止まって、壁にある汚れた張り紙を見た】

『情報求む、銀行強盗団主犯。赤い目、二丁拳銃。 以下の電話番号まで……』

【その紙を壁から引っ剥がして男は鼻で笑って呟く】

この会社…半年前に潰れたじゃねーか…懐かしい

【ポケットからジッポを取り出して、その張り紙のカドから火をつけてやる】
【湿気っていたのかゆっくりじわじわと黒く燃えていく】
【暗い路地裏にはソレは、それでも明るすぎるぐらいなんだろう】
【放火魔とでも思われて別件逮捕で罪を増やしても困るがまあいい】

【時間の止まったこの路地裏の、時計の針を少し進めてやったのさ】
【そんな事を思いつきながら、それを地面に落として、燃えカスをブーツの先で蹴散らした】

971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/28(日) 00:01:06.08 ID:+9m/I1JD0
【街中――路地裏の迷路のどこか】
【灰色の壁を塗ったくる夜の色と、飾りめいた血色の水玉模様、しんと照らす月は満月よりも年老いて】
【細長い影を生み出したなら、足元できらきらと光るもの――色とりどりは、眺めればすぐに正体を手繰れる】
【まぁるい硝子球を押し潰したかたち、僅かにぎざついた片面が上だったり下だったり――おはじきであることに変わりないけれど】

…………――、

【おかしないきものが歩んだ痕のような色とりどりの煌き、追いかけたなら――ひとかげひとつ、追いつくのは容易い】
【酔っ払った猫よりもふらふらり揺れながら歩いたなら。或いは、追い越すにも些か邪魔が過ぎて】

【――夜空よりも冥い色をした髪、膝元まで滑り落ちる長さはよく手入れされているらしい、艶めいて】
【こちらも長めの前髪の向こう側には足跡よりも色の褪めた赤黒のオッドアイ。見つめるのは足元ばかり】
【腰元を一度コルセットで絞ったワンピースは膝丈よりも僅かに短く、和装を真似たよな柄の黒赤色】
【脚を覆う長いソックスと、ヒールの高いショートブーツと。かつん刻む足音に、ばらりとおはじきの散る音が混ざる】
【首元と手元にはするすると白たい包帯が巻かれた、そんな少女】

【胸の前で大事に大事に結ばれた両手、青い小鳥を閉じ込める代わりに詰め込んだ硝子がかっしょと鳴いて】
【――ふと立ち止まる脚、驚いたような髪先が最後にゆぅらり揺れて、】

――あれ、減ってる……?

【真っ白の両手の中を覗き込んだなら、想定よりもずっとずっとずっと少ない数にそうと首を傾げる】
【きょとんと浮かべたはてな模様は背後を確かめるという行為もまだなく――】
【――手の内を零しても気付かないのだから、誰かが居たとて、きっとまだ気付いてすら居ない】

【ひとのかたちをした身体からひたひた溢れさせるのはひとと違った/ひとから外れたような、そんな気配だった】
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/28(日) 00:01:33.27 ID:py6oQYiro
>>966>>967

ほぅ――我らを驚異とすら認識せぬとはな!
正に傲慢ここに極まれりと言ったところか――!!

【防衛手段として考えていた、長剣の動きを停止】
【チャージを邪魔されることがないならばそれは何よりの僥倖であった】
【それならば心置きなく――"ぶちかます"ことが出来る】

【下方繰り広げられる死闘】
【狙うはNemesisによって大きなダメージを負っている龍人か】
【否、味方が近すぎ其処を正確に"狙撃"することは困難。むしろ味方を撃ち抜く可能性が高いと判断する】

【ならば狙うは一つ。六罪王の圧倒的とも言える火力でこじ開けられた最大の急所だ】
【元より"丸ごと貫く"予定であったが、古龍が相手では"ギーブル"の其れであれ貫ききれる保証がなかっただけに大きな助けであった】

「――――――」

【銀を擦り合わせたような奇妙な音を洩らしながら】
【"ギーブル"は体内の魔力を可能な限り一点に凝縮し】
【ガガルルは"ギーブル"の眼となり座標を指定、魔力操作の任を担う】

【竜種の中では古龍の認識通り――"羽虫"と思われる小さな身体をした盲目の黒龍が】
【縄張りを守るため他の大きな龍を"殺す"目的で練り上げた必殺の一撃】
【龍鱗を突き破り硬い肉を貫き急所を穿つという一心で練り上げられた、"ギーブル"が誇る至極の魔法】
【"竜殺し"の名を冠する"対龍魔法"――】


突き穿て――"Dragon Slayer"ッ!!


【――黒き閃光が、古龍の心臓目掛けて放たれた】
【先ほど古龍の放ったブレスに比べたならば針のように細く見えるであろう一閃】
【しかし極限まで凝縮し引き絞った其れは破壊的な"熱量と""貫通力"を誇る】
【まともな龍種の放つドラゴンブレスが"大砲"ならば"ギーブル"のドラゴンブレスは"スナイパーライフル"】
【漆黒の魔竜より放たれた竜殺しの閃光が、恐ろしい速度で心臓を貫かんと迫る】

(これで殺しきれぬのであれば――少々死を覚悟する必要があるな)
(今更戦場での死など――恐れるに足るものではないが)

【ガガルルは静かに結果を観測する】
【これ以上となればいよいよ以て自分の死を勘定に入れる必要が生じる】
【知らず"歓喜"に吊り上がりそうになる口元に、手を添えて正し場の流れを見やった】
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/28(日) 00:02:15.74 ID:QvNL1xRCo
>>966-967

【――ムカデへのダメージが、連続して"リンク"する。つまりは――Nemesisへと、降りかかる。】
【当然だ、あんな巨大な昆虫を召還しておいて、暴れまわれさせた上に自分にはなんのデメリットもないなど――】
【そんな都合の良い能力を持っていたならば、彼女はとうに自身の目的である復讐を完了させていたかもしれない。】
【獄炎によって焼かれたムカデの肉体は焦げ付き、嫌な匂いを発して――ビタン、ビタンと暴れまわるも――その場で、果てる。】
【ムカデは縮小し、姿を消した。と、同時――フィードバックしたダメージがNemesisを襲い、猛烈な痛みが身体を貫いた。】

――――く、あ・・・ッ!!ああああああぁぁぁッ・・・・!!

(――焼け付ける・・・胸が、うぐうぅぅっ・・・!!呼吸も、ままならな・・・い・・・ッ!!)

【一瞬とはいえ、衝撃的な激痛に見舞われNemesisは膝を突く――丁度、龍人とは重なるようなタイミング。】
【しかし、それでも止まらない。相棒とまでは行かないが――大事な仲間であるムカデをやられ、Nemesisも怒りを露にする】
【いや、正確には彼女は――戦闘開始から今まで、ずっと――怒っていた。そう、怒りこそ彼女を支える強さの根源。】
【今回こそ、敵は能力者ではないが――怒ることが出来なければ、自分などただの兵士同然。】
【ナンバーズを背負うのであれば、それ以上の激流の様な精神が必要になる――つまるところ、それは彼女にとっては、怒りであって。】
【握り締めたリボルバーに、力を込め、彼女は走り出した。】


―――――ううううおおおおおおおおおおおぉぉぉッ!!

【疾風、全速力――昆虫と融合し強化された肉体能力は圧倒的な速度を生み出す。】
【龍人のそれに及ぶ事は無いだろう、それでも正面から打ち合いを出来るほどには、加速された"ハイキック"】
【高速突進からの回転蹴りを放ち、龍人の胸部めがけ脚を鋭く、伸ばす。】
【そして、さらにはその一撃が外れたとしても、成功したとしても――右手に握った"インセクト・マグナム"のハンマーを、素早く起こし】

―――――ブッ飛べェぇぇぇぇぇえぇぇぇええええええッ!!

【キックによって生み出された回転に乗せ――腕を伸ばす。超・至近距離からの射撃を成功させるための、ハイキックは布石。】
【外す事は許されない、ここで仕留めると言う勢いのまさに必殺の射撃――再び、二度目の"轟音"が鳴り響く。】

【Nemesisの精神・生体エネルギーや肉体の一部を消耗しつつ――体内で生み出される強烈なエネルギーを弾丸へと、込めて】
【暴力の局地、放たれた弾丸は"甲虫"のように彼方此方が尖り、そして破壊力に満ちて軽く、光り輝き――ッ!!】
【決まるか、決まらないか――高速戦闘の中でも触覚がゆれ、複眼は龍人の動きを、捉えている。】
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/28(日) 00:06:15.43 ID:9QgRohjNo
>>966>>967
『……!! てんめ、カニバァァァァッ!!! 余計なことしやがって!!』
「むざむざ龍の一部を解放してしまうとは……!!愚か者が!!」

【眼前の光景にはさすがに動揺を隠せず、兄弟が相棒への罵倒を叫ぶ】
【カニバディールも苦々しい表情を隠せない。自身の攻撃で、最悪の事態を招いてしまったのだ】
【さらに、自身の掃射に反応し、こちらを向く古龍の瞳――】

(……!? なんだ、こいつは!?)

【見られた、と次の瞬間には放たれた。地獄の業火。それを前にして、なお三人の目を引いたのは】
【突如出現した、潜水服≠フ人物。大柄、古めかしい装甲、右腕のドリル、顔は見えず、正体はまるでわからない】

【水しぶきを感じた時、後は何が起きたかもわからぬまま、ブレスはこちらには届かず。そのままガイストの放つ闇のレーザーを意識の端で捉える】
【驚異的なレーザーの威力、むき出しになった心臓――それを目にしても、すぐに攻撃に移る余裕はなかった】

【降り注ぐ岩片の雨。途方もない巨大さから放たれる冗談のような威力。すべて、己が招いたこと】

……埋め合わせを、させていただく

【背後に落下音。足元に転がってくる車椅子の車輪。しかし、それにうろたえることはない。これで死んでくれれば、むしろ万々歳だ】
【ゆえに、ガイストのことも、反応を示さぬ潜水服≠フことも、頭から締め出し、カニバディールは頭上を見上げる】

……があああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!

【瞬間、巨躯を震わせてカニバディールが吠えた。と、その頭部がみるみる人間の形を失い――首から伸びる、細長い肉の塔となって空中に向かっていく】
【そのまま、空中のガガルルすら越えて一同の頭上へと達すれば、カニバディールの頭部はすさまじい速度で膨張・展開し、自身の頭部を肉の傘とするだろう】
【能力を最大出力で発動し、作り出した巨大な肉の傘。岩の欠片から全員を防御しようとしたのだ。岩に抉られ、貫かれ、元・頭部がズタズタに破壊されていく】

【と、その状態で肉の傘の一部に眼球が出現した。捉えるは、眼下の竜騎士。Nemesisにより、膝をつく騎士】
【続いて、肉の傘の表面に出現するのは、太い腕。急速に伸びていき、竜騎士の背後へと伸びゆくそれは】
【後ろから竜騎士の身体をわしづかみにしようとするだろう。竜騎士が放つ高熱も意に介さず。騎士の動きをわずかでも制限し、他の者の攻撃を補助するべく】
【しかし、岩石の嵐から全員を防御しつつの、苦し紛れの行動。成功するか、どうか。したとして、役立つかどうか】


【一方、カニバディールの行動を見たデュアル兄弟は黙って駆け出し、カニバディールの作業服から何かを抜き取った】
【小さな、筒型の何か。これこそは、彼らの切り札――六罪王レギンより手に入れた、爆弾。『RB-コバルト・ボマー』】

【オーギュストがこれを右手に握り、一つの身体で兄弟は駆ける。カニバディールが取りこぼした岩石に、身を削られつつ】
【とにかく、速度だ。一刻も早く、あれをつぶさねばならない。兄弟が考えるのは、それだけ。正面に見える、古き龍の、心の臓へと】

『派手なやつを使うぜ!! まあ、こんだけ崩れてりゃ、大差ねえだろ!!』
「遠慮なく食らうといい、古き龍よ!!」

【限界まで接近してから、全力で『RB-コバルト・ボマー』を投擲する。それが、龍の心臓を覆う骨のあたりへと到達したならば】
【兄弟は、容赦なく起爆スイッチを押す。六罪王レギン特製の爆弾。その威力が発動する】

【凄まじい衝撃波と轟音、そして蒼い閃光と爆炎≠ェ龍の心臓付近の空間を、さらにはその前の悪党たちのいる空間さえもかき乱すだろう】
【最も近くにいたデュアル兄弟は、それを受けて後方へと吹き飛び、地面に転がる】

【兄弟の、そして、肉塊の苦し紛れの一撃。龍の届いたか、どうか――?】
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/28(日) 00:07:59.36 ID:ZJLuOUFLo
>>969

やだやだ、最初ッから諦めてる人間ほどみじめったらしいものなんてないよねェ
悟った振りして諦めるのなんて、後々言い訳出来るようにしているみたいじゃない?
死神はむしろボクの方かなァ、こうして人の心に腫瘍を残して、まるでペストのネズミさ

分からないものは、分かろうとしないなら分からないままさ
やる気もないのにそれを懇切丁寧に教える人間なんているものか、おっと、唯一ボク様が居たっけか?

【あからさまに首を振って肩を竦めるのは、明らかな嘲弄であると示すが為か】
【相手の思いや心遣い、そういう人間らしいものも捨て置いて己の物差しに当てはめて一蹴する】
【どれだけ繕おうとどれだけ子供らしかろうと、人の心に土足で入り込んで唾を吐く心象の悪さは確かなものだ】

さて、ね。そんなところかな
……愛と恋、ねェ。ボクとしては、どちらも口実の違いに思えるけど。性欲や執着を、納得できる形で言いくるめただけだろうにサ
真の愛なんて、家族との間にしか無い。それ以外はみんな、何か適当に言い変えた口実だ

黒い長い髪、ってのは、女とかそういうものだろう
精神的なものを指しているならば、追い縋りとか、束縛とか、そういう恨みがましくてしつこいものの事なんじゃないの

【自身の事は、等しく話したがらないように。最低限の代償は返しながらも、やはりそれは最低限だ】
【子供の口から相応しくない単語が飛び出すも、どうせ今さらだろう。けれど、家族について語るときだけは】
【唇は平坦に、抑揚は失せ。絶対の信頼を己の内に置くような、確信めいた語調が混じる】

【相手の質問へ答えるのは、やっぱり明確ではないが正解には限りなく近い“かもしれない”ようなもの】
【一つ言えば、女とか、という言葉には、その正体は知れていないということだ】
【相手がどこまで知っているかはさておき、恐らく知ったふうの少年は、彼の弟に起きた出来事は知らない】
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/28(日) 00:16:29.97 ID:XXjaExoro
>>966

幾らでもほォざけ糞がッ! "未ィ来の"邪神様は心が広いからなァ、青虫呼ォばわりも見ィ逃してやる!

【見逃していないのはともかく、その古龍の拳は非常にまずかった】
【幾ら力が強く体長が20mもあると言えども、その拳を受ければ一瞬で赤い肉片になりかねない】
【そして、唯一耐えられそうな"母"でさえも、重傷は免れなかった】

【"母"と言うのは、どうして"子"を身を挺して護ろうとするのだろうか】
【――その古龍のパンチを真正面から受け、子達の"盾"となる母】
【それにより数刻止まった隙に、四蛇は拳の射程範囲外に逃走】

【直後、"母"が天井に叩きつけられる勢いで吹き飛ばされ拳は壁にへと進む】
【一番脚の遅い"鎧蛇"は逃走しきれず、尾を持っていかれ――赤色の鱗と金色の腹が、その断面から覗く】
【また、身体に傷を負っていた"翼蛇"も同様で、こちらは運悪く片方の翼をもがれてしまって】

【そして――】 【ベチャアッ】 【――その血は、何色とも付かぬ色をしていた】


――ヒャハハハ、テメェーは俺様の部ゥ下になァるんだからな、"寛容"になァらねェーとなァァアアッ

ガイストの野郎のレーザーがテメェーの"コア"を曝け出ァさせてくゥれたからなァ、……どォーだ?
無ゥ料マッサージでもしィてやろうか? ――おォっと、選択肢ははいかYESかの二択しかねェーからなッ!!

【邪禍が駆け寄るのは、"母"の元――魔法陣がそれを回収すれば】
【残された多量の鮮血の上に悪魔は陣取る――それに含まれる多量の魔力、使わざるを得ない】
【一番巨大な蛇が補助しかしなかったというのは少々奇妙だが――攻撃を見せる前に再起不能になったのだ、仕方が無い】

【また、駆け寄りつつ四蛇や自身に降り注ぐ岩の破片に向けて――邪禍は、深朱色の結晶を放つ】
【一部撃ち落としきれず、壊しきれず、邪禍の左腕等に裂傷を負わせたのだが――このチャンス、悪魔は見逃さない】

――ヒャハハハ、四蛇共ッ! チャァージは完了したかァ?


死ィねェェエエーーーッ!!  ……いィや、死ィの一歩手前に行ィきやがれやァァアアーーーーッ!!!


【四方八方に散れた大蛇達、悪魔が岩を撃ち落としている間に魔力を集中させていた】
【翼蛇から放たれるのは、"豊穣を運ぶ銀色の風"】 【鎧蛇から放たれるのは"モノとモノを剥離させる液体"】
【輝蛇から放たれるのは、"光り輝く太陽のレーザー"】 【豪蛇から放たれるのは、"鏡となる黒い煙"】
【最後に、悪魔が放つ"生命と変化の、混沌の魔力"――それに乗せられる"互立互保の魔力"――】

【そしてそれらは一斉に古龍の心臓に向けて放たれ――途中でぶつかり合うが】
【"互立互保の魔力"はそれらを相殺させず、むしろ相乗させて――】 【古龍の心臓を穿とうと迫り来るッ!】

【風は攻撃の勢いを高め、液体は心臓と骨肉等を分離させようとし、太陽光は火力を上げ、煙は一度だけ攻撃を反射し】
【そして、悪魔の放った魔力は泥――否、もはや固体と呼べるほどの密度だった】 【それは、"宝玉"の力も借りているようだ】

【それはまさしく、7つの存在の力を一つに合わせた一撃と呼べるだろう】
【この攻撃がどうなるか――それによらず崩れ落ちる鎧蛇と翼蛇は、悪魔に回収される】
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/28(日) 00:26:33.32 ID:Vv+J47bYo
>>975

……尻蹴って励ましてくれてる、って取っておくさ。 これでも人の良い方でな……

【少年の耳が正常に機能しているなら、正常でないのは男の脳みその方だろうか】
【最後の言葉にしろ冗談ばかりが混ざるような色合いは、或いは初めから本気で接してなどいなかった】

【触らぬ神に祟りはない。 死人に口はない】
【例えるならそんな関係性で、ひたすら温かく冷たく、男は肩を揺らして笑った】

だよな……それが違うって、奴さんが言い張るもんでな
俺も議論となると熱くなる方だが、熱くなった所でぶつけようが無ければ、議論にすらならないんだろうな
最後に天気の話で終わったんだ。 「今日は氷柱が降っているので」って――諦めた方が楽なのかもな、これは

【教師。弟。プラスして、どうやらイカれらしい】
【そんなこの場にいない人間の話も、そろそろつまらなくなって来た頃合いかと見ればボトルに手を伸ばす】
【継いでやるか否かにプライドを感じる旧来の思考回路でもない。 相手のグラスに注ぎながら、一言を添えた】

…………あんたの言う“愛憎”ってのが、男と女の話と仮定して、だ
そういう、「恨みがましくてしつこいもの」を混ぜるのは、やっぱり女の方だと思うか?
もし男同士の愛憎の話だったら、まあ、その……答えにくいし聞きにくいが

【飲むペースはきっと相手の方が早い。 大して酒に強くもない死体は、回し8割飲み2割でグラスを揺らしている】
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[!red_res]:2013/04/28(日) 00:38:18.09 ID:dVorjedAo
>>973>>974

【先ずはカニバディールの肉手が伸びて、動きの取れない竜騎士を拘束した】
【腕の半分を失い、腹部すらも吹き飛ばされたソレに抵抗ができようはずもなく――】


      【ゴッ、っ=\――】
              【―――バシュっ=z


【直後、凄まじい音の連続であった。落石の雨という音、そこに紛れて肉を蹴る音が交じり】
【Nemesisによって体勢を完全に崩され、隙を見せ、且つカニバディールに拘束された龍人は】
【わずかばかり残った健全な部位――つまり胸部だが――そこをしっかりと、跡形も残らず吹き飛ばした】

【残ったのは下半身と、二本の腕、そして首。僅かなうめき声の後に、具現化していたソレは消え去って】
【龍の低く痛烈なうめき声が漏れると同時に、その動きが数秒ばかり完全に硬直して―――】

>>972>>976 >>974

【ガガルルの、ギーブルの放った黒い閃光が硬直したドラゴンの心臓に穴を開けた】
【まるで噴水のように吹き出した多量の血液は熱く、濃密な魔翌力を秘めており】

【次に、そこに出来た傷穴へと邪禍らの放つ固形に近い破壊の一撃が振りかかる】
【心筋を引き剥がし、弁を開き放題にして、それから――運良く、反射≠熏用した】
【それというのも『RB-コバルト・ボマー』による圧倒的な衝撃と火力に寄る燃焼であり】
【そもそも骨を砕き肉を焦がす爆発を、図らずも二度引き起こすこととなるのである】

【結果―――巨大な心臓は、穴の空いた水風船のように萎んで、プール一杯もあろうかという血液をこぼし尽くし】
【かひゅっ≠ニいう―それでも大きな―死の間際の吐息すらも聞こえており】

>>ALL

【筋骨隆々の右腕を足場に投げ出し、頭部もまた同様にして古龍はぐったりと身体を横たえる】
【まだ生きているが―――あぁ、その理由は簡単だ。爆弾ではじけ飛んだ肉のお陰でよく分かる】
【2つ″ンるのだ、心臓が。最大の急所が左右のどちらにも脈打っているのであった】

 
  あーもーヤダヤダ。ちょっと図体が大きな爬虫類如きが何時まで粘るんだろうねぇ?
  とっとと死んじゃえばいいのにさぁ……ねっ?君たちもそう思うでしょお―――。


【そして、窟内に反響するのは甘い声。耳に残るその音色は、紛れもなく女性のものだったが】
【ここに居るのはガガルルとNemesisのみ――その両名のものとも違った人物の声だった】

【声の元を視認しようというのなら、一先ず無理だ。高速で龍へと飛び込んでいったその存在は】
【残って小さく脈動する右胸の心臓を突き破って、古龍の背後へ回り込み】
【同時にその翼の一方をも根本から断ち切るところまでしてから、傲慢にも龍の頭部へと降り立った】


 【捻くれた双角に黒い翼。クリームにも似た色合いの強くカールした髪は野暮ったいほどの量が在り】
 【その肉体は、扇情的――見るものによって、肉欲的な好みを色濃く映しだす鑑のようである】
 【服装はこれまた非常識的であり、下着とガーターベルトにニーソックスを足した程度の装い】
 【幸いにして全てラバーであるからそういう衣装≠ネのだろうが、実に欲情をそそる娼婦じみていた】


【―――何が起こったのか。理解できるのは知り合いである邪禍と、カニバディールらぐらいだろうか】
【Nemesisとガガルルには今になって気づける事実としては、ガイスト老人が岩の下敷きになったらしく】
【そして突如として現れたこの女性――いや、悪魔か淫魔か。それが、同じ岩の下から現れたということくらい】

【古龍は―――名も無き古の存在は、その者のヒールの下で、最後の呼吸をようやっと続けるばかり】
【さて、どうしたものだろう。討伐はほとんど成功したように思えるけども――、―――――?】
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/28(日) 00:44:21.07 ID:ZJLuOUFLo
>>977

【ふ、と言葉が途切れたかと思うと、その体がスツールの上から倒れる】
【地面に激突する音はなく、いつしかその姿は沈むように消えて】
【一つ、床に白い小さないきものが残されていた】


/一応締めだけ置いておきます、今までの事は全部無かった事にしていただいて構いません
/久々で浮かれていたのだと思います、本当にごめんなさい
/きちんとそちらの事を考えるべきでした
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/28(日) 01:00:58.82 ID:XXjaExoro
>>978

【回収される翼蛇と鎧蛇、残る二体は舌をチロチロさせつつその場に留まっていて】
【邪禍だって疲労は溜まっているはずだが――心臓を穿たれ息絶え絶えの古龍、否】
【"未来の部下"(予定)を見て、そのまま帰るなんて事は出来ない】

【――この悪魔の強さの源の一つが"使役"なのだ、それをする存在が強ければ強いほど悪魔もまた強くなる】
【身体の一部でさえも"良質過ぎる素材"になる古龍――捕らえるしか無い!】 【――そう悪魔が考えるのは自然だった】


――ヒャァァハハハハ、リリアァァアアッ!

最ッ高の舞台をありがとうよ、だァがそォの龍は俺様のモノだッ!
――こォれだけ追い詰めりゃア、後は"アビスゲート"の補助を使って支ィ配するだけッ!
別に殺しても良ォいが、――手ェに入れた後、蘇らせるのは面倒だからなァァアアッ! そォのままじっとしてなァッ!

【この悪魔は、ガイストから彼女が現れたと言う場面を見てはおらず――】
【しかし、彼女には以前会ったことがある、故にそれがどのような存在なのかは何となくでもわかっていた】


いィただきィィイイーーーーッ!!


【悪魔の眼の前に現れる、神秘的で禍々しい人の頭部より少し大きい程度の壷――それを抱えて、古龍とリリアの元にへと駆け寄ろうとし】
【もはや形振りなんて構っていられない、古龍の頭部の下に魔法陣を生成すれば――勢い良く噴き出す悪魔の魔力】

【その壷の外壁を構成する物質の一つは、"レヴィアタンの鱗"――そのことが、彼女にはわかるかもしれない】
【その壷の中身は、一言で言い表せば"混沌"――膨大な量の魔力が蓄えられており、また、周りからもそれを集めていて】
【何故それを戦闘中に出さなかったのか?】 【単純だ、幾らレヴィアタンの鱗とは言え、強力な古龍の攻撃によって破壊される……そんな懸念を抱いたからだ】
【つまりは――よほど大事にしているらしい、としか……】

【――幾ら瀕死とはいえこれほどまでに強大な存在を、周りが止める間もなく一瞬で支配できるわけがない、そんなの当たり前だ】
【この"隙の塊"のような存在、――今ならば、"死"すら簡単にくれてやれるような、そんな気がした】
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/28(日) 01:02:38.44 ID:py6oQYiro
>>978

ほう――……二つの心臓とは!
生命力の権化たる龍種であればこそと言うべきか!!

面白い、なればこそ"敵"と呼ぶに相応しい!!
ならばこの次は槍にて雌雄を決すると――――――

【一つの心臓はカノッサの戦士達による一斉攻撃で破壊に成功を確認】
【しかし生命活動を止めず、未だ鼓動を刻む古の龍を見やりその原因を理解すると】
【ならば、と槍に"ギーブル"の黒色魔翌力を纏わせ白兵戦を挑む姿勢を見せたが】

【その時、状況は一変する】
【一瞬何が起こったのか、ガガルルの戦士の眼を以てしても理解することが出来なかった】
【突如として聞こえた覚えのない女の声と、瞬く間に行われた蹂躙とも呼べる破壊活動、そのどちらも想定の範囲を大きく超えていた】

【龍の頭に降り立つ彼女の姿には――やはり覚えはない】
【貧相で醜い自身とは対照的に、扇情的な女性の姿を視界に収めても浮かぶ感情は一つ】
【"困惑"、その一点に尽きるだろう】

敵――いや、敵ならば龍を屠る意味はないな
ならば味方と考えるべきだが……

(一体何処に……まさか、いや……?)

【冷静に周囲を見渡せば、ガイストの姿は見えない】
【岩の下敷きになったのか?いや、六罪王がそんな事で"[ピーーー]る"存在だとはガガルルも思わない】
【数秒の思考、どう動くべきかどう判断すべきかと一度目を閉じ黙考し】

――どなたが存じませぬが、ご助力感謝いたします!!
しかしながら未だその龍はしぶとくも命を繋いでいる様子!!

どのような抵抗があるかわかりませぬ、気を抜かれませんようご留意頂きたい!!

【"ギーブル"の高度を下げ、視線の合うような位置に移動すると】
【頭を下げ、龍に対する攻撃への感謝の一礼】
【そして、始末をつけるとばかり槍の穂先を巨大な龍の額に向け、洞窟中に響き渡るような剛声でそう高らかに言い放った】

【まさか目の前の人物が――であるなどと、ガガルルに認識できるはずもない】
【故に一旦彼女の存在を"謎の戦士"と位置づけ対応した】
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/28(日) 01:09:20.07 ID:QvNL1xRCo
>>978


――ハァ・・・ッ!ハァ・・・ッ!・・・!

(――スゴイ・・・調整が入ったのは知ってたけど、実践でここまで能力を使用しても――・・・ッ!)
(中途で"薬"一本使わずに弾丸を二発・格闘戦までこなせるとはね・・・燃費向上、ってワケか・・・!)
(けど――・・・つ、ううっ・・・!やっぱり、ダメージは重いわね・・・。)

【龍人に極限の一撃を叩き込み、過剰使用した能力から全身に煙が上がる――水蒸気が関節から噴出し、外骨格が揺れる。】
【はぁ、はぁ、と荒く息をしながら、ゆっくりと膝を突き――能力の使用を停止、というのも具現化していたその影が、確かに消えたのを見届けたからだ。】
【外骨格は消え去り、融合していた肉体は少女のモノへと戻っていき、再び群青色のマントを羽織ったNo.7が現れた。】
【とりあえず、前衛<アタッカー>としての役目は果たせたか。連戦、となるとまた体力がキツイだろうが――と、その時。】

――――!?な、なに・・・ッ!?

(女の声・・・?なんていうか、凄く嫌な感じの――それこそ、胸の奥底に響くような、胸糞悪くなる声ね・・・これは――)
(まさか、もう一匹ドラゴンが居て、"番でした"なんてオチだったりは――え!?)

【――雌のドラゴンが現れる代わりに、一陣の風が吹いた。次に、龍の心臓が貫かれ、そうして頭部の先に降り立ったその影はまさしく――】

【――悪魔。と、そう形容するのが正しいのだろう、少なくともNemesisにとっては初邂逅となる存在――リリア。】
【直後、バイザーの無線が再びコール音を発する――戦闘モードだというのに、緊急用回線を使ってまででしゃばってくるとは。】
【目の前で起きていることもよくわからなかったし、Nemesisは無線をオンに切り替え――】

『――梨花君、手は出すな。彼女は――まあ、見ての通りだ。詳しい事はその内私から話そう。』

・・・緊急用回線でしょう?他の人にはあんたの声、聞こえてない筈だけど。

『それでも、だ。後々の方が良い、説明する事も多いからね――いや、しかし。まさか彼女が姿を現すとは・・・ふむ。まあ、そんな事もあるのだろう。』

・・・あっそ、それじゃ切るわよ。

(ともかく、敵じゃあないってわけね。で、なんかしら面倒な事情がある、と。――どうでも良いけど、不愉快な声ね。)
(さて――あとはその、ドラゴンの後片付けだけ、か。)

【Nemesisはソーンからの無線を切り、リボルバーをマントの中へと仕舞った。】
【一応、これで交戦の意思は無いという事だろう――怪しんではいたが、悪魔の娘――リリアの元へとゆっくり、歩み寄っていく。】

―――アンタ、誰?その格好は何?こんなところでドラゴン相手に"売り込み"かけても、夜のお相手にはならないと思うけど。

【――この言い草、悪魔を相手に全くなんの恐れも無い。いや、内心は警戒している――ただ彼女の場合、身長に物を運ぶのが苦手なだけだ。】

殺すなら、さっさと殺さないと後が大変なんじゃないの?また暴れられても困るし――ていうか、トドメは誰が刺すのかしら。
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/28(日) 01:17:23.99 ID:9QgRohjNo
>>978
【竜騎士の拘束、そして消滅。さらに、心臓への集中攻撃。その余波を受けたカニバディールの身体がその場に踏ん張ろうとし。膝をつく】
【どうにか耐え抜けば、肉の傘は伸びた時と同じくらい急速に収縮していき、元の通り、カニバディールの頭部となって、胴に収まった】
【岩片に削り取られたその頭は、あちこちから出血し、顔面にも幾重もの傷がついていた】

……かはっ!! ぐ……

【一度、大きく息を吐き、うけたダメージがらどうにか意識を立ち直らせ、眼前に向ける】


『つうう……さすがは蛇王様特製の爆弾だ……なんつー威力だよ……』
「あれによるものだけでは、ないようだがな……まったく、とんでもない連中だ……」

【うめきつつ、デュアル兄弟もどうにか立ち上がる。自分たちが放った『RB-コバルト・ボマー』】
【もたらされた破壊は、この恐るべき爆弾によるものだけではなく、ガガルルと邪禍らの攻撃との相乗効果がもたらしたものだ】
【もはや、機能を失ったであろう、心臓を前にいまさらながらこの場に集う者たちの力へ戦慄しつつ、カニバディールと同じく、視線を前へ】


(……あのまま、くたばっていればよかったものを)

【三人全員が、そう思った。眼前に展開する光景、その意味するところを彼らは正確に察知したのだ】
【二つの心臓、というデュアル兄弟にとっては最高にそそられるシチュエーションも、この半魔を前にしては台無しだった】
【瀕死の龍に、さらに鞭打つかのような行為、耳をくすぐる甘い声音、そして、龍の頭部に降り立つその傲慢】
【すべてがいちいち癪に障る。しかし、それを悟られてはならない】


(こうして正体を現してきた以上、最優先とすべきは、我らが“知っていた”ことを悟られないことだ)
(幸い、そのために必要な行動は――我らの心境と合致するな)

【三人は一瞬、視線を交わすと、すぐに行動に移った】
【すなわち、まだ装備したままだった武器を、ガトリングと四丁拳銃を、半魔リリアへと向けたのだ】

……いきなり出てきて、なんだお前は

『俺らの手柄だけ横取りする気かよ』
「降りてこい、女狐」

【演技でも何でもない、真なる敵意に満ちた声音】
【“いきなり現れた謎の女に警戒している”。こうすることで、自分たちのレナールでの行動を悟らせぬようにした】
【その扇情的な肢体と服装に、暗い光を灯した四つの瞳が向く】

>>980邪禍の動きを目の当たりにしても、彼らは動かない。これでリリアの思惑が外れれば、それもいい】
【現状自分たちに出来ることは――リリアが龍にとどめを刺そうとした瞬間、彼女に一斉射撃を加えること】
【あくまで、彼女のことを知らないふりをし、“機関員”として、この場に現れた不穏分子を攻撃する。そういう体で】

【引き金にしっかりと指をかけ、微動だにせず、三人の異形は半魔をねめつけていた】

【つい先ほどまで、自分たちが殺そうとしていた古龍、その生還すら、願いつつ】
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/28(日) 01:22:15.23 ID:ZJLuOUFLo
>>977

違うというんだったら、別の解釈なんじゃないの。分かんないけどサ?
あらゆる者を定義するのは、その者自身でしかない。己が是としない限り、それを判別する者は他にいないのさ
……氷柱が? それも何かの暗喩、それともマジで言ってんの?
さっきも言ったじゃん? 諦めたらもう道は閉ざされる。無論行きつく先が天国だなんて誰も教えてくれないし、限らないけどォ

【哲学じみた遠回しな物言いは、そう他者に思いこませるが為の回りくどくて面倒なそれだ】
【三割程度で聞くのが正しいのだろうし、本気で接していないのならばきっとそれが正しい】
【少年は、例えば子供の形を借りた仰々しいものなどではなく、ただ耳年増な子供でしかないのだから】

ヒトの性質にもよるだろうけど、ずるずる引き摺るのを女々しいとか言うし、そうなんじゃないの
けれどどちらが本当に引き摺ってるかなんて、目に見えて声高に言ってなきゃ分からないもんだよねェ
サテね。さっき言ったボクが憎んだ相手も、男だもの。ヒトを縛るものは大概が概念とか思いこみだよ

【ぐるぐるとスツールを揺らしつつ、答える言葉はやはり曖昧ながら】
【言葉の責任を持つのはいやだと言うところと、目の前でない知りもしない人間を悪し様に言うのは】
【彼自身の思う平等では、ないというところだろうか】
【注がれたワインに感謝も伝えず、ぐ、ともう少しばかり水位を下げる】
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[!red_res]:2013/04/28(日) 01:31:02.58 ID:dVorjedAo
>>980

【突如として―――ドジュゥゥゥゥゥ≠ニいう音、凄まじい勢いで蒸気の噴霧するような音が接近する】
【邪禍がそちらを見れば、先ほどガイストやデュアル兄弟の前に現れた潜水服≠ナあり】
【彼の背面から吹き出した多量の水分がジェットの役割を成して、突進しようとするのが分かるだろう】

【そして実際、彼は止まらない。[ピーーー]つもりではないのだろうが――右腕のドリルは回転し】
【その穂先はまさに悪魔の胴へと向かってもいた。また、この状態で突撃となると――】

  フフッ……ハロー邪禍クン、ATLAS以来だけど相変わらず元気一杯な感じ?
  そんなキミのコト、私も嫌いじゃないんだけどねぇ……

  でも少し、力を蓄えすぎなんじゃあ無いかな。私、計画は忠実に進めていくタイプでね?
  自分よりも大きな力を持った……或いは持ちうる存在は、邪魔にしかならない
  だからゴメンねぇ♪リリアちゃんは邪魔する奴には容赦しないしゅぎだからさぁ―――。


【――――あぁそう、突撃をすると何だったか。壺≠燒ウ事では済まないのではないかという話か】
【1つ、話をしておこう。リリアのいうレヴィアタンを飼い慣らした弟くん≠ニはまさに潜水服≠フことである】
【で。その彼が壺の材質を理解せずに突っ込んでいくかと言えばNOであり。知って突っ込むとなると、それは――――?】

>>981-983

【機関員の三名に対して、リリアと名乗った存在はくるりと視線を回した上で】
【その手に真っ黒な岩石に、赤いラインの走る原始的デザインの三叉槍を取り出して】
【それを足下の鱗に立てれば――やがて、耐熱性の塊であるはずの鱗が溶けて、槍が刺さり】


  ――控えろよ有象無象のナンバーズ共。眼前の存在を何だと思っている?
  貴様らの幻覚でも、妄想の産物でもない純然たる魔≠ナあり、そして――

  私こそが『ガイスト・ウォレン』……『化生の求道者』が求めた、まさにその化生であり
  その行動の全てを指揮し、彼を操り、今日まで六罪王として君臨した存在である。
  ……理解しろ。出来ぬのであればかかってきても構わないが、反逆と死は覚悟してもらおうか

  あぁそうだ……何ならNemesis、貴様の上司であるソーンにお伺いでも立ててみるか?
  私も『世話になっている』からな……?参謀の言葉とあれば、信じざるを得まい。違うかな、ソーンクン?


【ぼうっ、と白い炎が龍の頭部に広がっていく。それは聖なる炎、魔族に似つかわしくない正しい力】
【アッと言う間に頭部を飲み込んだ焔は、次第次第に肉を溶かし、あろうことか首から先を白骨へと帰した】
【あっけない。苦痛に呻く古龍は、痛みと苦しみを訴える脳を失って完全に沈黙、巨大な鎖にぶら下がる形となってしまう】

【―――最も、カニバディールたちがそれを阻止しようとすれば槍が突き立つだけで、焔は広がらず】
【虫の息である古龍もまた即死≠ヘしないで済むということだけは、特筆しよう。】
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/28(日) 01:45:43.03 ID:py6oQYiro
>>985

――――!これは失礼を、ガイスト・ウォレン様!!
卑小な我が身の無知故の失言でありました!!

(まさか、とは思ったが……本当にあの女が六罪王だったとは)
(ならば、私が手を下す必要もないだろう)
(……あの様子の龍が何をしようとも、害することなど出来はすまい)

【正面に向けていた穂先を引き戻し】
【姿勢を正し、片手を胸に当てて深々と頭を下げ謝罪する】
【先程の言葉は遥か目上の人間に対する言葉ではなかったと、ガガルル自身が認識したからだ】

【そして同時に、現状龍討伐に対し自身が介入する必要もなくなったと判断する】
【ガガルルはあくまでも一介の兵に過ぎず、現状"物語"に必要なパーツではない】
【また、"敵"と認識した古龍が如何なる存在であれ、助けるなどという考えは存在しない】

【故にガガルルは流れに身を任せる】
【兵である自身の役目は物語を紡ぐことではない】
【必要とされた時に必要な"武"を振るう事であるが故】
【何があろうと即座に動けるよう槍を握る手を緩めず、"ギーブル"を帰還させることもなく】
【ただ真っ直ぐにリリアの方へと視線を送っていた】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/28(日) 01:45:43.34 ID:Vv+J47bYo
>>984

…………そうか。 やっぱり、分からないな
ただ、「好き」って言葉を「死ね」って取る奴なんだろうな、アイツは……どうやらマジらしい
俺は諦めないで藻掻いてみて、それでこの結果さ。 閉じた道がお似合いだろ……
……ハハ、まだ堕ち足りないなんて言わないでくれよ?

【先を丸めた刺を纏っているようなもの。 近づけたものを不幸にすると分かっていればこそ】
【無関心の類であるなら初めから接してなどいないし、早々に切り上げていたのだろう】
【己の関わった相手は多かれ少なかれ己の為に苦しんだ、その事だけは、男の軸として拭い去れない記憶】

【(なら。 こうして酒を飲む相手も、もう一人の飲み仲間も、いずれそうなるのか)】

……さて、そろそろ言葉遊びは止めて、本題だ
気紛れでオジサンと飲んでくれたのか、或いはこのナリを見てキナ臭い話が出来そうだと踏んだのか
後者だとしたら何を狙っているのか……腐った脳みそでも分かるように、教えてくれるか?

【――“触らないでいた神”に、触れる】
【それで相手が引くのも構わない、それならば己に纏わる忌まわしい不幸の因果も適用されないだろうし】
【真っ当な身でないのは右頬の刺青が示している。 古い左翼団体のそれは知名度の高いものでもないが】
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage saga]:2013/04/28(日) 01:51:03.31 ID:+9m/I1JD0
>>970

【満月のマスをひとつだけ通り過ぎたうっかりやさんの夜、落ちる月光が影をつぅと伸ばす】
【湿っぽい紙がそれでも燃え行くならば、暗がりに浮かぶのはひとだまめいた炎色、暖かさが空気を揺らがせて】
【――静かだった。それこそ毀れてしまった時計のようで、冷えていく空気が、炎の熱に比べればきっと心地いい】

【――――だからこそ。暗がりの向こう側に反響する高く硬質な足音と、何かをこつこつ落とす音色は、きっとよく目立った】

……――放火魔さん? いけないんだぁ

【やがて闇の帳の向こう側に見えるもの、きっと彼からすれば小柄なひとのかたち】
【ぽつと零した声は独り言のトーンでも。水よりも透明で鈴よりもよく響くなら、金属質の余韻が夜を抜けていく】
【聞き取ることはなんら難しいことでもない。通る蛇の後を追いかける尾っぽのように追随する笑い声も、或いは】

【――路地裏にじっとり満ちる闇よりも冥い色をした髪は長く、膝の裏を擽るほど。赤い花の髪飾りが彩って】
【長い前髪の向こう側にちらりちら窺えるのは右が赤で左が黒のオッドアイ。硝子球みたいに、まぁるいかたち】
【帯めいて腰を絞るコルセットと、和服の柄を真似たデザインのワンピース。黒色と赤色をぎゅっと詰め込んで、】
【細こい脚を丁寧にラッピングするように包んだ長い靴下と下駄めいた名残がどこかにあるようなヒールの高いパンプス】
【折れそうな首や手元をくるくる包帯で彩った細身、――基本的に黒白赤しかないような、少女】

何してるの? 火って綺麗よね、じっと見てると世界が分からなくなるの

【放火とも取れそうな現場に響かせるにはあまりにも軽い声音、子どもがするように首を傾げたなら髪が揺れる】
【かんこんと一定のリズムで刻む足音は疑う余地なく彼のほうへ向いて、なんにもなければ数歩ほどの位置に立ち止まる】

じりじりって目が焼けて―― 残るのは変な色と模様だけ、不思議でしょ?

【何か大事なものを包むみたいにした両手、太陽を知らないような白いドームが暗闇に浮いて、】
【ここから先は近づくことが許されたなら行うこと。それを拒まれるようなら、その場でぴったり立ち止まるから】
【――どちらにせよじぃと異色の一対を彼へと注ぐことは変わらないけれど】

――だから、これあげる。みんなどこかへ行っちゃった

わたしを置いてく子なんて要らないの

【伸ばす両手、ふわと開かれたなら、雪原みたいな掌に載っているのはちいさな煌きがみっつほど】
【硝子球を潰したかたち、片面にだけ刻まれたぎざぎざ模様、ぐるぐる混ぜたような色合い――何の変哲もない、おはじき】
【いくつかの色を混ぜたそれら、明確に示せる色は見当たらず、不思議な色……というのが、きっと一番近い】
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/28(日) 01:52:28.73 ID:QvNL1xRCo
>>985

【―――上空。高度は何フィートか――細かく記述はしないが、少なくとも、地上からは視認出来ない距離。】

【特殊作戦用兵員輸送機・"レイジングファントム"の機内――ソーンはこつ、こつ、と指を机にぶつけていた。】

『・・・フッ・・・面妖な。矢張りそういう事か、リリア嬢――単なる古龍ではなく、君にとって"いやらしい"存在だった、という事だね。』

『コレで君が姿を現した理由もよーく、わかったよ。しかし・・・なるほど、そうなるとその龍を失うのはあまり面白くないね。』

『活用できるかは分からないが、私の仲間が"あの技術"を用いれば――少なくとも命を繋ぐ事くらいは出来ようか。』

『――さて、面倒だが部下が世話になっているようだ。シックボーイ、降下準備を。急降下だ、ポイントDまで急げ。』


【――さて、場面は戻り。Nemesisはといえば――在り得ないことではあったが、萎縮していた。】
【いや、言葉の節々にやられたわけではない。そもそも機関に忠誠など誓っていなかったし】
【彼女がガイストの正体だと言われた所で頭を下げ「ご無礼をお許しください」などというつもりは毛頭無かったし――】

【だから彼女が萎縮して、何も言えずに棒立ちになっていたのは純粋に――威圧感。】
【圧倒的な魔の波動に、圧されていたからだ。この、獰猛で能力者狩りに命を欠ける少女ですらも――恐れていた。】
【――無線をオンにしようかと、思うが――腕が、上手く動かないのは決して――決して、戦闘の後だからというだけではないハズ。】

(――打って変わって・・・なんていう、威圧感・・・!手が、振るえ・・・くっ!なにやってんのよ、私は・・・!)
(敵対するつもりなんて無いけど、なんなのこの・・・刺すような圧迫感は・・・これが・・・悪魔・・・。)

――・・・うかがい、ね。そうね、それも良いかも、しれないですけど――

『いや、その必要は無いね。だがそう簡単に姿を現して良いのかね?六罪王のお嬢さん。』

【――突如として、声が響く。と、同時に付近に吹き荒れるのは暴風――――ッ!!】

【上空から姿を現す、重装甲に身を固めた兵員輸送機――武装はウェポン・ベイにしまってあったがそのハッチはオープンしており――】
【中からロープ降下で現れるのは、黒いローブに身を固めている老兵――機関の参謀・ソーンだ。】

【意表を突く、派手な登場で槍が突き立てられるのを阻止できるか、わからないが――ソーンは言った。】

『部下が申し訳ないことをした、無礼を許してくれたまえ。』

『少し、商談がしたいのだが――その獰猛な、忌々しい古龍について、私に一つ面白いアイデアがあるのだ。』

『よければ槍を――数秒でいい、降ろしてくれないかね、ミス?』
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/28(日) 01:55:30.54 ID:XXjaExoro
>>985

テンメェェェエエーーッ!
"いィずれ"全てを支配する存在となる俺様の邪魔をすゥるなァァアアッ!!

――俺様はなァ、レナールの件も今回の舞台も凄ェ気ィに入ったぞリリア
だがなァ、力こそ全て! "あァんまり"邪ァ魔をするつもりはねェーが、力だけは別だ……テメェーなんぞ一捻りだって事を忘れるなよォォオオッ!

【"獲物"が眼の前にいる状況下、前なんて見ていなかった】
【――だが、潜水服にとって一つ誤算だっただろう事は"壷"の性質だろう、確かにこの壷の外壁はレヴィアタンの鱗等でできているが……】


            【この壷は"生きている"】


【壷の蓋が開き、様々な魔力が混ざり合った"混沌"そのものであるそれ――それにはあの"黒い霧"のモノも含まれていて】
【その魔力が成す形は"翼"――それで羽ばたき、邪禍の手から離れていったのだ】

――グゥゥアアアアーーーァッ!!

【――さて、一種の"盾"を失った悪魔、なりふり構わず突進していたため今のこれらの出来事に対応が出来ず】
【自ら右腕のドリルに突っ込んでいき、しかも最初の方はそのことを認識できずまだ走る――なんていうアホなことをしでかし、結果としてそれが悪魔の胴体を貫いた】
【そうしている隙に、古龍の頭は見るも無残な姿になっていて――】

【……"主"を見捨てて1人逃げる壷、薄情と言えば薄情】
【しかし、幾らそれを支配していて忠誠心もあるとはいえ、命令がなければ自分の意思で動くのだ――仕方が無い】

【ドリルが胴体に突き刺さったまま、潜水服を睨みつつ唸る邪禍】
【――悪魔がまだ色々と諦め(きれ)ていないことを、その魔力も欲望がまだまだ煮え滾っている事を】
【特に"弟"ならば、そのドリル越しにだろうと感じるかもしれない】
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/28(日) 01:59:29.91 ID:9QgRohjNo
>>985
【カニバディールとデュアル兄弟。彼らは泥の街より身を起こし、機関員となるまで、そしてなってからもそれなりの修羅場は潜ってきていた】
【しかし、そうできたのは、彼らの臆病ともいうべき慎重さあってのことだった。自分たちの力の及ぶ範囲内で事を起こし】
【その範囲を、じわじわと広げていく――そういう姑息なやり口で、ここまでやってきたのだ】

【そう、彼女のような圧倒的存在からすれば、所詮は有象無象に過ぎぬ。わかっていたはずだ】
【だが、こうして直に対面して初めてわかる――絶望的なまでの、“差”】

…………!!!

『な……ん……!!!』
『ぐ……!!!』

【思わず口から洩れる、あるいは冷や汗となって伝う、戦慄。動揺。彼女は、リリアは、まさに人間を超えた、“魔”であることを――】
【愚かにも、彼らは今初めて、はっきりと認識したのだ。恐ろしい。自分たちは、なんという“もの”に、反旗を翻そうとしているのか】

【完全に硬直した彼らの前で、つきたてられる三叉槍。まるで毒に侵されるかのように、溶解していく。あの、古き龍の、鱗が】

(……あの龍が、かわいく見えるな……化け物が)
(しかも、なんだあの白い炎は……やつは、魔族のはずだ。あんな力を扱えば、己が身を滅ぼすはず……)
(まさか、さらに力をつけたと……魔族の弱点すら克服したとでもいうのか? ならば……)

(これ以上、やつの好きにさせるわけにはいかん……!!)

【カニバディールは、利己的な男だ。自分の損得に対する執着が、この場において恐怖すら超越した】
【傍らのデュアル兄弟も、その瞳を横目で見る。このまま、引き下がってしまっては、やつはさらに手のつけられない存在になりかねない】
【ならば――阻止せねばならない。どんな無様を曝しても。かつ、自分たちの保身も成せる方法で】

……う……お……お、おおおおおおおおお!!!

『ひ……ひぃぃぃっ!!!』
「ぐ、ぬあああああああ!!!」

【その身を蝕む恐怖は、何一つ変わらない。眼前の女がその気になれば、次の瞬間には、自分たちは物言わぬ肉塊だ】
【いや、死への恐怖というより――これは、もっと根源的な恐怖だ。あまりに絶対的な存在を前にしたとき、人は死すら上回る恐怖にさらされる】
【だが――三人の有象無象どもの瞳は、まだ死んでいなかった】

【情けない悲鳴とともに、身体を震わせ、その指先が引き金にかかり――ガトリングと四丁拳銃が、“暴発”した】
【そう、暴発だ。あまりに予想外の事態、そして突然、絶対的存在を前にしたことによる、恐怖と動揺――これに、自分たちの叛意をなすりつける】
【あまりに稚拙な、急場しのぎの策。どの道のちの糾弾は免れず、下手をすればこの場で断罪】
【しかし、この場で見過ごせば、どの道最後に待つのはろくな結果ではない】

【なら――ここは賭けに出る】
【情けなくも、六罪王の威圧に恐怖したカニバディールとデュアル兄弟は、“うかつにも”装備していた銃器を“暴発”させ――】
【聖なる炎で古龍を侵さんとする、その槍に弾丸をたたきこんで“しまった”】
【威圧され、震えあがっているのは事実。しかし、暴発にしては、その狙いはやけに正確でもある】

>>989やがて、その場に降り立つ参謀。三人は目もくれなかった。この場でのつながりまで悟られては、まさに最悪】
【暴発を終えれば、結果にかかわらず三人は銃器を取り落とし。その場にへたり込むだろう。大げさな演技、とはいうまい】
【彼らは、その生涯最高の恐怖にさらされたのだから。それでいてなお――目だけは、リリアからそらさなかった】
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[sage]:2013/04/28(日) 02:14:06.53 ID:ZJLuOUFLo
>>987

天邪鬼だなァ、一体どうしたいのだか。もっともそれが分かる人間だけが綴じ蓋になるのだろうけど
じゃあ言ってあげようか、堕ち足りないってねェ? でも見切りがつけられるのが大人ってやつなのかい?
それで消滅してしまったら元も子もないんじゃないの

【肯定などしてはくれない。子供らしさと子供らしからぬ部分が入り混じり、けらけらと笑う声はいっそ無邪気だ】
【清濁併せ呑んだ相手であるからこそ、少年のような手合いを受け流せるのかもしれないが】
【どちらにしろ、そういう節々の配慮など知った事も無く、つらつらと少年は述べ続ける】

そうだね、同じ匂いがしたからかなァ。ああ文字通りの意味では無くってね?
生者の行進にはあまり見えなかったから、尾けただけさ
……それとあと、今の僕の保護者はドワイト・アンドリュー・ホプキンスでね
ほんの少し、君たちの周りを嗅ぎまわっているようだから。後ろ暗いところがあるなら、気をつける事だね

【ぐ、とワイングラスを干して女将にもう一度ごちそうさまと声をかけ】
【当たり前といった様子で、支払いをする気遣いも無くスツールから降りると、くるりと背を向け相手に手を振る】
【扉をくぐった先、酔ってかすかに転んだ音がしたのは余談である――】


/お疲れさまでした
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[!red_res]:2013/04/28(日) 02:17:04.42 ID:dVorjedAo
>>986

  ……フフッ、私はキミのそういう忠実なトコ、高ぁく評価するよ
  ガガルル・レシフィード……美醜と技力は全く関係のないことだしね。

  まあ、取り敢えず降りてきたらいいんじゃない?ほら、参謀サマもお出ましだしね
  なんなら帰っても良い……キミの好きな場所に送り届けてあげても、さ
  あぁ勿論報酬は忘れていないよ?お金も、素材も……欲しいのなら、キミの働きの対価として払うケド?

【クスリと笑うのが見て取れた。少なくとも、ガガルルに対しリリアが求めるのは今の状態】
【崇高なる騎士として六罪王たる自らに仕え、且つ確かな力を持った存在である】
【言い方を変えれば体の良い奴隷が欲しいだけだが――少なくとも今、この魔族は最大の配慮をガガルルへ向けていて】

>>990

  邪魔するよぉ?だって私はこの世界が欲しいんだもん、当然でしょ?
  もっとも、絶対的な世界のオウサマになりたいわけじゃない……なんならさぁ
  キミが私に跪くのなら、事が済んだ後は君に全てをあげたって構わないんだけど――♪

  『……、……妙な気は、起こさないでほしい。今そうすれば、開放する。=x
  『姉さんには、僕が取りなす。だから今は、あまり騒いだりは―――。=x

【後者――静かに語りかけるのは、見た目と違って水分と物腰柔らかな潜水服】
【ドリルをゆっくりと止めて邪禍の身体から引き抜けば――尚も警戒のためか離れないが、追撃は無く】
【また、壺を追うことはない。潜水服にとってその価値は分からなかったし、単に飛べないからという理由も在った】

>>989>>991

【先ず、槍は鱗を貫いた。それは変えられないし止められないが、その後は違う】
【暴発した弾丸が三叉槍を弾く――それによって幸いとでも言うべきか、槍は強引に引きぬかれ】
【あからさまに不愉快そうな瞳が三者に向けられたが、ソーンの登場が殺害≠ニいう選択肢をもみ消した】

【一触即発というやつか――とにかく槍は鱗を溶かすにとどまって、つまり邪禍も古龍が死ぬのを見ることはない】
【状況は、悪くない。なにがどう良くて、悪くてとは表せないが――実に、綱渡り的な状況であって】


  やあ久しぶり、ソーンクン。私ね、最近ちょっとイメージチェンジしたんだよね
  ただのマグマじゃ味気ないから、シェン・ロンドの持ってた『聖焔の宝玉』からちょっと、さ
  あぁ勿論、奪った訳じゃなくて……まあ、詳しい話は面倒だから無しにしようか

  ……それで?ナンバーもないヒト一人、[ピーーー]のを止めろと具申する理由はなぁに?
  私は今、とっても気分が悪いんだよねぇ……良いトコロで、邪魔されたからさ。


【ソーンの言葉に応じながらも、その瞳――何十にも円を重ねた歪な双眼を、リリアはカニバディールに向けた】
【彼、個人に。そこに篭っているのが殺意なのか、興味なのかはわからない。ただ、小さく笑ってみせて】
【最終的には三叉槍を両手に持ち直して、その穂先で古龍の鱗を削る――お遊びにしては趣味の悪い事を始めていた。】
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/04/28(日) 02:31:31.93 ID:u435Ro8+o
【『世界で何万匹ハムスターが飼われて、そのうち何匹が最後まで世話されるか』───そんな事を、一応先輩にあたる人間が話していた】
【成る程つまり奴は私をそう≠セと言いたいのか、自分だって犬の癖して】
【もしかしたら───もしかしなくても、きっと奴は忠告のつもりなのだろう、しかし…】

…例えにハムスターだなんて、見た目に反して可愛らしいでござるな〜

【───そんな呟きが、夜の草原に一人立つ、錆びれた鉄塔に染み込んだ】
【電線も無い、電灯もない、折れて錆びてボロボロの骨組みに座る、小さな影】

【蜘蛛の巣が這い回る黒いパーカーを黄色いノースリーブシャツの上に着て、黄色色チェック柄のミニスカートと黒いスパッツ】
【黒いセミロングの髪の上に被る、白いニット帽に黒いゴーグルを被せた様は髑髏を被ったようにも見えて、オーバーニーソックスと黄色・黒の縞模様スニーカーがいかにも活発だと主張する少女だ】
【また、パーカーは腋の部分が空いた風通しのいい作りで、袖先は指貫手袋と一体化したような閉じた作りとなっている】

───使い捨てられたとしても、つまんねー生き方よりゃいくらかましだろうがよ
つまんねー、つまんねー、つまんねー。世界なんか滅びちまえ

【天に向かって唾を───もとい、悪態を吐けば、にっこりとした笑顔を浮かべて】
【つまらない世界と、つまらない世界に生きる人間共を見下して、脚をぷらぷらしながら紙パックのジュースを飲んだ】
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga sage]:2013/04/28(日) 02:31:59.17 ID:Vv+J47bYo
>>992

……俺達の?

【ドワイト。心中で復唱する名前に覚えは無かった】
【親が嗅ぎ回っていることを子供がわざわざ教えに来る。 つまりは、それだけ、不穏なこと】

【問題は“君たち”の範疇だった。 今はUTでも無くマフィアでも無く、一端の左翼に過ぎない】
【左翼が追われるのは当然の理だが、そんな安易なことで無いなら――“先生”に関係するのか】

【思考ばかりが回りだすと何時に増して言葉が出ないのが悪いところで、】
【二の句を紡ぐ前に、相手は去っていくのだろう。 そも、結局は言わずに終える臆病であったが】
【転んだ音も微かに聞こえた気がしたが、沽券に関わりそうなのでお節介も辞めた】

【悪か善か。生者か死者か。少年か老人か。名前を知らない以上に、まだ相手を何も知らない】
【考える。 そして思う。 今宵の邂逅が何かを齎すとして、それがひたすらに不幸でなければ良いと】
【“平等なる不幸”は、――意味深に流した視線が、仁王立ちする女将にかち合ってしまったのも、この瞬間で】

「――何だい、難しい話は終わったのかい?
 それで、払うものは払えるんだろうね……?」

…………あっ、悪い……いでででっ!!

【翌日、ローカルの新聞の一面を飾るのは、5年もののツケだらけの左翼を店から撃退したという】
【勇者(おばちゃん)の笑顔であったとか、無かったとか――ホシは目下、逃走中である】

/お疲れ様でしたー!
/こちらとても楽しかったです、絡みありがとう御座いました!
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)[sage]:2013/04/28(日) 02:33:43.42 ID:9QgRohjNo
>>993
『ハ……ハァ……』
「ぬ……ぐ……」

【一つの身体でその場にうずくまり、息を震わせるデュアル兄弟】
【“暴発”を終えれば、今度こそ、全身を駆け巡る恐怖】

…………

【無言のまま、地面に手足をつくカニバディールも、また同様】
【そして、三人に向けられる、不快そうな視線――いよいよ、年貢の納め時か。そう覚悟しかけたが】
【カノッサが誇る“参謀閣下”の登場により――ひとまずは、その瞳がそれる】
【ただそれだけで、三人はそろって、露骨なほどの安堵に襲われる。機関員ともあろう者たちが、なんたるざまか】

【だが、とにもかくにも、目論見は通った。槍は引き抜かれ、古龍もまだ息絶えてはいない】
【いまだ予断を許さないのは確かであるのだが。今、自分たちにこれ以上出来ることはない。まずは、ソーンの言葉を待つ】

【そして、ソーンとの会話の最中……とうに眼中にないと思っていた自身へ向けられる、歪な双眼】
【そして、小さな笑み】

……!!

(なん……なんのつもりだ……)

【半魔たる彼女からすれば、自分など這いまわる虫けらだ。だからこそ、裏をかいて、いずれは急所を貫けるチャンスもある】
【そう踏んでいた。それが、たった今、確かに自分に視線を向けた。こもっていたものが、何かはわからない】
【しかし、確かに自分に向いていた。頭上を我が物顔で闊歩する巨人が、いきなり自分のほうを見つめたのだ】
【恐怖以上に、驚き。黒い瞳が見開かれる。目を、そらせない】

【そう感じていながら――リリアの口からもれいづる、甘い声だけは聞き逃さなかった】
【イメージチェンジ。リリアは、確かに新たな力を手にしていたのだ】

(……化け物め。化け物め……)

【自身のうちに、ただその一単語をこだまさせつつ。カニバディールは地面にへたり込んだまま、その場の状況の推移を、交わされる言葉を】
【すべて、記憶にとどめることに集中した】
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2013/04/28(日) 02:35:02.28 ID:K+oooAyNo
>>988

【細かな火の粉のように欠片は散って、一瞬辺りを照らして】
【燃えカスは殆ど舞うこともなく、掻き消えて、湿った路面に黒く濁って張り付いた】
【男は靴の先にあった目線を、目の前の透き通る声に向けた】

まだ、放火で捕まる予定はないよ………放火はね

【やってくる小さな人影は見慣れぬ少女】
【凍りつく寸前の水のような声に対し、ストレートで無難な言葉を返しておく】

【男はその容姿を見て、この路地裏には不釣り合いな気がした】
【それはろくでもないチンピラか不良か、その他 意地汚い野郎ばかり出会う場所であって】
【この男のイメージでは綺麗に着飾った少女なんてのは高級住宅地か開放的な公園なんかだと思う】
【まあ…新しい都市伝説の幕開けという可能性もあるし。第一、目の前のことが事実なら先入観こそ改め無くてはならない】

ちょっと、時計の針を進めてやったのさ…この路地の

【先程、思いついた言葉をそのまま此処で再利用することにする】

そう…だな、虹色がずっと目の中で動いている…そんな感じかな

けど…世界が見えなくても、世界はそこにある…タバコの匂いがするうちはね…俺はそんな気がする

【上手に煙草を歯で挟みながら、口から煙草の煙を上に吐き出した】
【暗いからよく見えないが、そこには確かに存在しているんだろう】

【それから、またサングラス越しに彼女の目を見る】
【子供に対して、優しく…は前提だが自分が子供の目線で話す人間と、相手を大人と思って話す人間】
【多分2パターンの対応の仕方を大抵の人はするが、男はその後者のタイプだ】
【ただ、もしかしたら先程述べたとおりここが昼間の公園だったなら…話は違っていたのかもしれない】

………なんだっけな、コレ………名前が出てこないな

【少女の手の中の、そのマーブルに絡んだ色彩のおはじき(この男はその名前を失念している)を1つ】
【何気なく、開かれた手のひらからつまみ上げて、翳してみる】

【もっと、昼間ならそれはもっと透き通っていて綺麗だったことだろう、今は少し美しさは眠っているようだ】

嬢ちゃんは何処にも行かないのか?おウチが無いなら、俺もおんなじだ
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2013/04/28(日) 02:37:23.21 ID:py6oQYiro
>>993

ハッ――ガイストさ……いえ、リリア様のお言葉とあらば!

【ガガルルは凛とした態度で一礼し、盲目の黒龍の背に槍を預け足を地に付ける】
【万一への備えとはいえ、六罪王に加え、かの高名な"参謀"と】
【カノッサを象徴するような存在が揃う場で騎乗することは無礼であると、ガガルルも今更ながら気付く】

【平静を装っていても内心はかなり動揺していたのだろう】
【場面の転換はそれほどまでに劇的であった】

私への対価は――今のリリア様のお言葉だけで十分です
それこそが戦士にとって百の宝物に勝る何よりもの褒章となりましょう

【報酬に関しては……ガガルルがそういった返答をする】
【遠慮や謙虚さからくるものではない、まともな人間には理解しがたいことだが本気でそう語っている】
【主君や将よりの"己を認める言葉"は、彼女にとってそれだけの価値を持っていた】

帰還は全てが終わった後、私の"足"を使います
リリア様のお手を煩わせるような真似は致しませぬ

では――失礼を。

【ガガルルは片膝を付き、胸に添えるようにして手のひらを当て深々と頭を下げると】
【槍を持ち直し姿勢を正し、黒龍を引き連れ舞台の隅へと移動しようとする】

【これから起きることは恐らく"上"で起こる物語だ】
【この場におけるガガルルの役割は飽くまでも忠実なだけの一兵に過ぎない】
【故に彼女はそれに徹する。】
【恐らく何事もなかった場合は……このままフェードアウトすることになるだろう】
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県)[sage saga]:2013/04/28(日) 02:39:42.67 ID:XXjaExoro
>>993

――ヒャハハハ、世ェ界が欲ォしけりゃくゥれてやる! そォの後の保ォ証はしねェがなァァアア

【直接言いはしなかったものの、つまり言いたいことは"結果が全て"――ということだ】
【"最終的に"自分のモノになれば良い、例えその"過程"がどうであろうとも】

そォしてそォこの糞がッ! テメェーからは人間の臭いがしねェが、……こォのハミモツ以上の胴体どォーしてくれるんだッ!
死にたくなかったら俺様に古龍を寄ォ越せェッ! ――ヒャハハハ、妥協して古龍の"眼"か"心臓"で許してやっても良ォいぞ?

【――……胴体に風穴が空いたというのに、よくもまあ……元気な奴だ】 【無論、魔力を含む血が次々と地面に落ちていて】

俺様はなァ、別に"肉体"に固執するつもりはねェ――が、痛ェモンは痛ェんだよ糞がッ! 身体がぶゥっ倒れちまうだろ! 死ィぬだろ!
そォれに、こォの"超かァっこいいボディ"をそォー簡単に"手放す"かっつゥーんだッ!

【明らかに固執している気がするが――そして、その風穴で揺らぐ魔力――ああ、全くもって諦めるつもりなんてないようだ】
【手負いであり妨害も多いこの状況――やるだけ無駄だというのに、なおも"支配"を試みているのだ】
【――"穏便に済ませる"なんて言葉はこの悪魔には通用しなかった】

【そして悪魔の手が伸びる、潜水服の首根っこを強く掴み、とても鋭い爪を立てようとすべく】
【その爪は微量の熱を帯びた結晶、しかしよく見れば元々の爪と融合しているようで――】
【――とは言え、先程開けられた風穴のダメージもあるはずだ、回避はさほど難しくないだろう】

【……そして、先程飛び立った"壷"は邪禍の許に戻ってくれば、呑気に頭の上に乗っているのであった】
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)[saga]:2013/04/28(日) 02:44:34.84 ID:QvNL1xRCo
>>993>>991

――感謝しよう、私のような下位の者に時間をとってくれて。

(――よくやった、カニバディール君。さて、重要なのは君がこの混乱で"リリア嬢"の口から私の名前が出た事を)
(覚えているのか、それともいないのかという点だが――まあ、どちらでも良い。アリバイは用意してあるから、ね。)

ああ、久しいというほどではない筈だが――そうだね、イメージチェンジしたようだ。
禍々しさが少し抜けて、なんだか優しい雰囲気すら感じ取れるよ。ところで、私は女性を口説くのは苦手だ。
さて――話、だが。

【レイジング・ファントムがゆっくりと背後の大地に脚を下ろす。タラップが降り、中から現れるのは数人の機関兵員、どれもソーンの意思で動く人形だ。】
【彼らはファブリク・ナショナル製ブルパップ・アサルトライフルと光学機器、そしてガスマスクで身を固めた特殊部隊であり】
【一応、武装していないと気がすまないのだろう――そういう一触即発の、火薬庫のような現状が此処には広がっている。】

――私が会議でも話していた死者から"能力"を奪い、それを生者に反映するあの"技術"だが――君たちが進言してくれたおかげで
私の立場も前と同様になったからね、機材も強化されて研究がいい具合に進んでいるのだ。サンプルの死体も各所から集まってきている。
さて――そこで、研究は第二段階へと移る。すなわち、種族のボーダーを越える"実験"だ。

今までは人間の能力者に植えつけるのが精一杯だったこの"技術"だが――・・・人間以外にも植えつけられる可能性が
動物実験で段々と明るくなってきた、これは実に面白い傾向だと思わないかね?リリア嬢。

仮に、という話だが――今あるサンプルには、『身体能力の強化』『属性攻撃の付与』などの能力の存在も見受けられる。
これらを"獰猛"で "強力無慈悲"で "人間以上に元から強い" 生命体の身体に植えつける事に成功したならば――

――理想的な形で"生体兵器"が生み出せる。と、そんなわけだね。

――ところで、植えつける『元』――能力者のほうのサンプルは蓄えがあるのだが。

"弱っている" "それでいて強い" "価値のある" 植え付け先を探すのに苦労していてね。

【――つまるところ、この弱った龍は実験に使えるという、そういう訳だろう。】
【彼の言葉が正しければ、このドラゴンに能力者の力を後天的に付与させ、さらには機械的に脳波でコントロールする"怪物"すら】
【生み出す事が出来るかもしれない、という――なんとも、夢物語じみているが】
【リリアは確かに見ているはずだ――証拠として、人ですら"シェン"と格闘戦を演じられるほどに強化でき得るこの技術の実力を。】

――責任は私が持とう、勿論、指揮下は君の元でよい――その"ドラゴン"、私に預けてくれないかね?

【――槍の先端が、鎧のような鱗を軽々と、削っていく――龍は今、何を思うのだろうか。】

(――さて。人語を解するようではあったが・・・話が通じるものかな、このドラゴンは。)
(なぜリリア嬢に目を付けられたのか、イマイチ分からないが知っておく必要がある――)
(だが、全てはこの説得が上手く行くかどうか、そこに懸かっているね。)

(――なんとか、しなくてはな。)
(でないと――命を張ってくれたカニバディール君に、頭が上がらないから、ね。)
1001 :1001Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
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【No holds barred】安価で聖杯戦争【Colosseum】 @ 2013/04/28(日) 02:38:00.48 ID:7JrLp2eg0
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男「安価で世界めぐろう。」 @ 2013/04/28(日) 02:27:22.45 ID:Gk8hIMna0
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【クリスマス・年末・年始】連休暇ならアニソン聴こうぜ・・・【避難所】 @ 2013/04/28(日) 02:03:02.49 ID:vieCsxLKo
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VIPでEXVS避難所 @ 2013/04/28(日) 00:45:46.27 ID:Acq0Hhh0o
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【咲】京太郎「念願の喫茶店建てたぞやたー!!」咲「いまさら?!」[安価?] @ 2013/04/28(日) 00:33:11.57 ID:cqfLtRtn0
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オレの友達の元カノがマジでヤヴァい @ 2013/04/28(日) 00:25:25.72 ID:SUeO4sV10
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1367076325/

就職するの難しすぎわろたwwwww @ 2013/04/28(日) 00:13:59.79 ID:4MdIMynL0
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安価で史上最強の武器を作ろうぜ @ 2013/04/28(日) 00:10:55.07 ID:fF5S5KYxO
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