過去ログ - 垣根「いい加減返事をきかせろ、原子崩し」麦野「黙れ」
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20:名無しGEPPER[sage]
2010/05/31(月) 21:43:32.23 ID:.CG2gec0

麦野の能力によって出現した白く輝く光線は、浜面の右手、股、足元に触れるか触れないかの位置ですりぬけた。
一瞬のことに身動きが取れなかった浜面だったが、それが九死に一生を得る結果に繋がったのだから皮肉なものだ。
ごくり、と唾を呑んだ浜面は、すっかり腰が抜けてしまい茫然としている。


「………あ、あ、あ」

「滝壺傷つけたんだから、これくらいのお仕置きは当然の報いよ」


アワアワと口は動かすが、上手く言葉を紡げないほどビビっている浜面を、麦野はフンッと鼻で笑った。
先ほど麦野が放った光線−正式名称、粒機波形高速砲−は、最低限までその威力を落とした微弱なものだった。
光線一つの太さは一センチ程。
それでも直撃すれば大けがをするであろう代物に変わりはない。
もしもの時の事を考え、一応、心臓や脳といった命に関わりそうな部位は座標から外していたが――、


(急所にかすりもしなかったことは少し残念ね、再起不能になりゃよかったものを)


世の中の男子諸君が聞いたら真っ青になる台詞を、心の中で堂々と吐く麦野。
女心をもてあそぶ奴は女の敵なのだから、成敗したって誰からも文句を言われる必要はない。
正義の前に、悪は散った。


「ちょろーっと器物破損しちゃってすいません。コレで弁償するんで、警備員には内緒でお願いしまーす♪」

「は、はいぃぃッ……!」


麦野は真っ白になった浜面を置き去りにして席を立つと、手近にいたウエイトレスに声をかけ、財布からだした偉く高級感が漂う黒いカードを手渡す。
ステンレス製のテーブル、安っぽいスチールのイスの背もたれ、コンクリートの床其々に一センチ程の穴が空いてしまった。
浜面をぶちのめしただけなのに、傷害罪、器物破損罪で警備員にしょっぴかれるのは御免だ。
「そのカードで使えるお金は全部使って」と超能力者らしい金の羽振りの良さを見せつけた麦野は、ファミレスのドアに手をかけた。


「あ、ありがとうございましたぁぁッ」


一部始終を見ていたウエイトレスも、いまいち現状が把握できず、ただただ麦野を見送るしかできなかった。
カランカランカラン……、とドアについているチャイムの音が空しく店内に響いた。


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