2: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 20:55:39.31 ID:eT+S8Zf10
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ある日の午前、事務所内は軽く慌ただしい雰囲気が流れていた。
この日は雑誌の記者が、当事務所のアイドルにインタビューをする予定が組まれていた。
記者が来訪するまではまだ時間があるのだが、肝心のインタビューを受けるアイドルがまだ到着していない。
デスクで携帯をチラチラ気にしながら仕事をしている職員ープロデューサーーは、彼の担当アイドルの到着を今か今かと待ちわびていた。
流石に到着していないとまずい時間になったころ、ようやく彼は携帯を手にとって発信履歴から素早くコールをする。
プルルルルル プルルルルル
コール音がしばらく鳴り続け、彼の不安を煽る。
―まさか藍子のやつ、寝坊してるんじゃないだろうな。
想定通りの状況だった場合、記者にどう申し開きをしようか。ここまで反応がないとインタビューは記者に謝罪して諦めるしかない。
ちょうどそのとき、ようやく電話が繋がった。
「……もしもし、高森藍子です」
おっとりした声。しっかりと聞き取りやすく、寝起きではないことがよく分かる。
どうやら彼女は寝坊して遅刻ではないとわかり、少しだけ安心できた。
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