3: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 20:56:13.70 ID:eT+S8Zf10
「藍子! まだ事務所につかないのか? あと数分のうちにつかないとインタビューに間に合わないぞ!」
「すみませんプロデューサー、もうそんな時間ですか。すぐに着くので急ぎますね」
焦りが見える彼とは対照的に、彼女はひどく落ち着いていた。遅刻をする芸能人はもってのほか。それを理解していないのだろうか。
「なるべく早く頼む! ……ただ着く前に一つだけ聞いておきたい。どうして遅れた?」
叱るのも対処を考えるのも後。まず彼は理由を尋ねた。
仮に事故に遭いそうになっていた場合なら責められない。逆に聞くことはたくさん発生するのだが遅れたことにも納得できる。
「……時計を見ていなかったんです」
返ってきたのはそれだけだった。
事故に遭いそうだとか、交通機関の遅れではなく、ただただ彼女の過失だった。
「そうか。それについては後で詳しく聞くからな。まずはインタビューのことを優先しろ」
「はい」
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