文香「文学少女は純情だと思っていましたか?」
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53:名無しNIPPER[saga]
2017/06/29(木) 16:54:04.18 ID:Q50p+N8IO

 またしても降り出した小雨は、今日を憂鬱な一日に変えた。

 七月も近づき暑さにも拍車がかかり、ジメジメむしむしとした空気は不快感を増幅させる。
 歩いているだけで汗をかき、止まっていても心地悪い。
 冷房の効いた電車と教室が唯一の救いで、後はもう拷問だった。
 ちなみに家ではまだ扇風機で乗り越える予定だ。

 今日も今日とて鷺沢古書店へ向かう僕は、湿ったコンクリートを踏みつけ歩く。
 ふと道の反対側を見れば、何やら屋内の植物に何かを括り付けている人達がいた。
 よくよく見るとそれは笹と色とりどりの短冊で、そう言えばもうすぐ七月になる事を思い出す。
 周りを見れば、割と様々な場所に笹が用意されていた。

 世間一般で七月七日は七夕の日として多くに知られ、子供達は色とりどりの紙へペンを走らせ、笹に括り付ける。
 綴られるは願い、届けるは天へ。
 願い達の向かう遥か先には、年に一度の逢瀬を迎える彼等。
 離れ離れとなり永い時が流れても、尚愛し合い続ける二人。

 今年の七夕、晴れるといいな。




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