文香「文学少女は純情だと思っていましたか?」
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62:名無しNIPPER[saga]
2017/06/30(金) 22:01:25.22 ID:CYBVoiXwO



「ですから……その……」

「大丈夫だって、みんなやってるから」

 店内から鷺沢さんと誰かの話し声が聞こえた。
 どうやら、あまり良い雰囲気とはいえなさそうだ。
 おそらく、鷺沢さんがよからぬ事を考える輩に絡まれているのかもしれない。
 はっきりと自分の意思を伝える事が苦手そうな鷺沢さんは、このままではもしかしたら……

 ……ふぅ。
 僕はこう言うキャラじゃないんだけどな。
 まぁ、鷺沢さんの身に何か起こるよりは僕が恥ずかしい思いをするだけの方が圧倒的にマシだろう。
 心を決めて、僕は鷺沢古書店の扉をくぐった。

「おーい文香ー、何かあったのかー?」

「え……? あ……こ、こんにちは……」

「ん……彼氏か?」

 彼氏ですが何かオーラを出しながら追い払おうとしていた……のだけれど。
 そこに居たのは、スーツ姿の男性で。
 ピシッとしたその姿は、どう見ても怪しい輩には見えない。




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