フロック「悪魔の眷属」
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15:名無しNIPPER[saga]
2017/07/01(土) 13:19:31.56 ID:6iX1oIEk0

アルミン 「ねえ、一つだけ……いいかな」

フロック 「なんだよ」

アルミン 「それを受け継いだということは、そういうことだと思ったから言うんだけど……
      これから先、僕たちが壁内人類にとって害だと判断されることがあるとしたら。
      その時は、容赦しないでくれるかい」

フロック 「それがお前でもか?」

アルミン 「なおさらだよ」スッ

立ち上がったアルミンは、ポケットに入れていた貝殻をくれた。

アルミン 「本当に、今日はありがとう。君にも、この景色を見せられてよかった」

エレンたちの所へ帰っていったアルミンは、「なんか変なこと言われなかったか」と
聞かれるのに「ううん」と首を横に振っていた。


フロック 「……俺はそろそろ帰るか」


ヒヒーン…パカラッパカラッパカラッ…


野営地へ向けて馬を走らせる背中に、冷たいものが当たる。
重くなった背中にため息をつく。またこれか。ここ数日ないから完全に油断していた。

フロック 「……アルミンは多分、団長とは違う道を行くと思いますよ」

フロック 「何かを捨てないと変えられないような世界に先があるとも思えませんし」

ペタッ

フロック 「せめてアルミンはこれ以上、あなたの影に苦しまないで欲しいですね」

ペタッ

フロック 「俺じゃアルミンの代わりにはならないでしょうけど。
      一生団長を背負っていく覚悟ぐらいは、してますから」

ズルッ

視界の端に、血のついた金髪がちらつく。

フロック 「せめて俺は雑魚なりに、しぶとく生き延びてやりますから」

フロック 「そろそろ何か言ってくださいよ、団長」

エルヴィン『……』

フロック 「俺はどうすればいいんですか。一生バカか気狂いみたいに独り言してればいいんですか。
      それとも人類最強を夢見て戦えばいいんですか。どうやって死ねばいいんですか」

フロック 「また、あの時みたいに道を示してくださいよ、エルヴィン団長……」

なぜかある質量で、背中がまた重くなる。

俺は空を見上げて、この悪魔の幻がいつか俺に飽いてくれることを願った。


【終】



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