14:名無しNIPPER[saga]
2017/07/01(土) 13:18:54.05 ID:6iX1oIEk0
エルヴィン「……すまない」
初めて、背中から謝られた。
エルヴィン「……たし……を、たすけ、から……こんな……」ゼエッ、ゼエッ
フロック 「……喋らないで。舌を噛みます」パシュッ
なんとか壁の上まで行くと、ずっと遠くに人が集まっているのが見えた。
フロック 「兵長だ。…もうちょっと、こらえてください。必ずあそこまで連れて行きますから」
エルヴィン「……ほん、……に、すまない……」
フロック 「……」
エルヴィン「……あ、ちが、たな……こういう、時は」
エルヴィン「ありがとう……」フッ
その時、団長がそんな表情をしていたのかは知らない。
ただ、それまで背中ごしに伝わるほどこわばっていた体から、
安心したみたいに力が抜けたのが分かった。
エルヴィン「……りが、とう……」
それが、俺と団長の交わした最後の言葉だった。
◆◆◆◆
アルミン 「……」
フロック 「この話は誰にもしないつもりだったんだけどな…」
怖かったんだ。
団長が死んでしまったら、
あそこで死んだ仲間たちの命が、無駄に消費されちまうみたいな気がして。
腹立たしかったんだ。
使い捨てられる命があったことを、あいつはまるで気にしていないように見えて。
アルミン 「……ありがとう。僕に、教えてくれて」
俺が立ち上がると、アルミンも顔を上げて続く。
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