18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/01(土) 22:07:54.39 ID:WMIgWMbh0
矢の回収を終えると、少し雉を撃ちに、とプロデューサーは席を外した。
「……はあ」
色んな思いが混じっているため息が出た。
彼の姿が完全に見えなくなってから、スローラインに立って三本立て続けにダーツを放った。……自分なりの、あまり見栄えのよくない投げ方で。
八のシングル。三のトリプル。ダブルブル。
自分で言うのもなんだが、私だって下手なわけじゃない。ただし我流に限る、という注釈をつけさせてもらえるなら。
しかし、綺麗なフォームで投げようとするとノーコンになってしまうのだ。ビギナーにありがちなことらしい。
友人たちには何度からかわれたことか。
できない自分をみっともないとは、もう思っていないけれど。
「……すみません、お待たせしました」
「ううん、大丈夫だよ。……私もう投げたから、次プロデューサーね?」
「あ、早いですね……って。ん? あれは松山さんが投げたんですか?」
「そうよ?」
「絶対嘘です」
「嘘じゃないわよ!」
できる限りは綺麗な、理想的な私を見せたいの。
……とりわけ、貴方の前では、ね。このぐらいの見栄は許してくれるでしょう?
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