298: ◆vfNQkIbfW2[saga]
2017/08/07(月) 17:44:42.95 ID:xZVyvk3/0
底野「義経様! 義経様は何処におられる!」
地獄のような目に遭わされても、義経は自分と霊長の殺戮者を救ってくれた命の恩人でござる。牛の突破力を活かして、館のありとあらゆる場所を探し回った。そして、一番奥の部屋で腹を斬ろうとしていた義経様を見つけたのでござるよ。
底野「何をなさる! 戦の場で大将が自害なさるなど、もってのほか。まだ表で必死に闘っている兵に申し訳が立たぬと思いませぬか!」
源義経「底野、今の今までどこに行っていた! 私はお前が……お前が討ち取られたものだと……」ウルッ
底野「ざっと館の中を走ってきたのですが、義経四天王の姿はなく、あるのは屍の山ばかり。一体、どうなされたのですか」
源義経「藤原泰衡。私らを匿っていたはずの泰衡がいきなり攻めてきたのだ。多分、兄上から圧力を受けて保身に走ったんだろう。なんと下らない男よ」
底野「拙者は、泰衡よりも下らぬ男を知っています。彼奴は、我が愛しの妹を見知らぬ男へ売ろうとしました」
源義経「何のことだ」
底野「……あの男を信じた拙者が馬鹿だったのです。逃げましょう、義経殿。どんな形であれ、あなたは命の恩人ですから」
源義経「そ、そうだな。ここから北に衣川と北上川の合流地点がある。そこに私が遊覧用に作った小振りの舟が一艘あるんだ。それで、蝦夷まで行こう」
底野「いえ、それではいけません。頼朝はあなたを殺すため、日本中に早馬を出しているはずです。あなたはどこへ行っても、死ぬ以外に道はないのです」
源義経「では、私はどうしたらいいんだ! やっとお前という良き夫を手に入れたのに、死んでしまっては全てが終わりではないか!」
底野「日本が危険ならば、海を渡り海外へ逃げるまで。しかし、今は目先の問題に集中です。義経様、あなたならどのようにこの局面を切り抜けますか?」
源義経「>>299」
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