303: ◆vfNQkIbfW2[saga]
2017/08/14(月) 11:55:25.27 ID:P7jAlVgW0
〜始まりの街・喫茶店〜
底野「……そうして、拙者は霊長の殺戮者を残して逃げてきたわけでござるよ。結局、愛する者を一人も守ることができなかったのでござる」
ターバンの老人「生き残るためとはいえ、辛い選択じゃったろう。無言で相席をしてきた時は『なんだこいつ』と思ったが、そういう事情があるのならば致し方ない。ここはわしの奢りじゃ。なんでも好きなものを頼むといい」
底野「かたじけない。されど、拙者は行かねばならぬ。そろそろ集合の時間であるゆえ」
ターバンの老人「ところで一つ気になったんじゃがの。義経とやらはどうなったのじゃ」
底野「さあ……。妹が『ぷにぷに君』になったのを見届けた時から、拙者の記憶がプツンと途切れてしまっているのでござる。なぜ拙者が大軍から逃げてこれたのかも、弁太郎や義経様がどうなったのかも、まったく分からない……覚えていないのでござる」
ターバンの老人「フム……最後にもう一つ。これは質問でなく忠告じゃ。お前さんが腰に差している刀。ただならぬ妖気を感じる」
底野「悲愴のことでござるか? 確かに、魔力は宿しておるがそこまで危険だろうか」
ターバンの老人「ああ、そうだとも。いずれその刀は、お前さんを喰らうじゃろう。せいぜい、気を付けることだ」
底野「御老人、あなたは一体何者でござるか?」
ターバンの老人「何者でもよかろう。わしに構わず早く行け。集合に遅れたら面倒なことになるんだろう?」
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