フレデリカ「怪談ごっこ、その4」
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20: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/08/26(土) 19:56:45.44 ID:QhrAtV4YO



アタシは一人で、事務所の近くの喫茶店に居た。
結局あの後、直ぐ事務所を出たんだ。
名前を思い出して貰えないだけなら、どれだけ良かったかな。
なかなか気付いて貰えないだけなら、どれだけ良かったかな。

……アタシの事を、忘れちゃってるなんて。

泣きそうな思いを必死にこらえて、あったかいカフェオレを傾ける。
うん、美味しい。
味なんて分かんないけど、多分美味しい。
アタシのお気に入りのお店だもん。

結構通って、店員さんとも知り合いだったのに。
何回かお話して、仲良くなった筈なのに。
アタシを見る目が、完全に知らないお客さんになってた。
間違いなく、忘れられてるんだと思う。

……なんで?
なんで忘れられちゃってるの?
ずっと一緒に頑張ってきたのに。
どうして、みんなの中では無かった事になってるの?

『えっと、うちのユニットのファンの子だったりするのかな?』

『え……冗談でしょー?アタシもユニットのメンバーじゃん!』

『何言ってるのさ、スリーエフなんだから三人に決まってるじゃん』

そんな会話を思い出して、またアタシは天井を見上げた。
おかしいよね、変だよね。
アタシはこれからもみんなと一緒に楽しく過ごしたいのに。
これからどころか、今までが消えてるんだもん。




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