フレデリカ「怪談ごっこ、その4」
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21: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/08/26(土) 19:57:41.09 ID:QhrAtV4YO


……アタシが、願っちゃったからかな。
とんでいっちゃいたいなー。
あの蛍光灯みたいに、消えてっちゃいたいなー。
手を洗った時の泡みたいに、弾けてなくなっちゃいたいなー、って。

だから、アタシが居なかった事になっちゃったのかな。
プロデューサーに相談しようにも、そもそも知り合いですら無くなっちゃったんだもん。
心の支えがとんでいっちゃったよ。
……なーんにも楽しくも面白くもないね。

時間を確認しようとスマホをつけると、四人の写真の壁紙。
みんなで大成功させたステージの時の、四人の笑顔。
今はもう、誰も覚えてないのかな……
アタシにとっては、とっても宝物なのに。

……あ、写真!

画像フォルダを開くと、ユニット四人で撮った写真が沢山。
これを見せれば、思い出して貰えるんじゃない?
よーし、ようやく希望が見えてきたね。
四人で仕事した時の台本とか写真とか映像を全部もってけば、それを切っ掛けに!

走って家に返って、部屋の棚を片っ端から開ける。
そして四人で仕事をしてきた証拠になりそうなものをカバンに詰め込んでく。
贈り物でも、サインでも、絵しりとりの紙でも、交換ノートでもなんでもいい。
多ければ多いほど、思い出して貰える可能性は上がると信じて。

物音でようやく気付いたママが物凄く驚いた顔をしたけど、二人で撮った写真とか保険証を見せたら思い出してくれた。
それだけで、もう泣きそうになっちゃって。
ママに忘れられっぱなしなんて、そんなの絶対イヤだから。
それに、こうすれば思い出して貰えるってことが分かったから。

明日、証拠と希望を詰め込んだカバンを持ってけば。
きっとみんな、思い出してくれる。
また、四人で一緒に進む時間を取り戻せる。

そう、信じて……




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