2: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/05(木) 19:36:19.09 ID:TzvX0Up20
===1.
事のきっかけは数日前。いつも仕事でお世話になっている、とある知り合いに呼び出されたのが始まりだった。
待ち合わせ場所のカフェにつくと、周りは若い女の子だらけ。
それもそのハズ、この店はケーキが旨いと評判で、よく事務所の子達も話題に上げてる人気店。
そんなカフェの平均年齢を一人で上げてるその人は、
店に入って来た俺の姿を見つけるとケーキを食べてた手を止めて、「こっちこっち」と声を上げた。
「呼び出されるのはいいですけど、待ち合わせ場所はもう少し考えて欲しかったなぁ。正直ここ、俺には居心地悪いっス」
相手の姿を見つけるなり、愚痴が飛び出すのは悪い癖だ。
とはいえ直せる物なら直してる、二十年来のつきあいもある悪癖で……っと、それはいいや。
この店を指定した張本人である彼……いや、彼女は俺が席に着くや。
「ちょっとお姉さんすみません、この人にエスプレッソ一つ」
「小窯さん! 自分で注文できますよ」
ガタイが良い、声が太い、口周りには髭の剃り跡も。
しかし着ている服は女物で、仕草も優雅でそつがない。
そんな彼女に声をかけられた店員が、「かしこまりました」と若干引き気味の笑顔で去って行く。
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