3: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/05(木) 19:38:01.53 ID:TzvX0Up20
「いいじゃない。君の好みは知ってるつもりよ」
手の甲にちょんと顎を乗せて、ニコリと笑う小窯さん。
「居心地悪いって言ったって、アナタ甘い物大好きな人じゃない」
「……そいつは否定しませんけど。アホほど苦いコーヒーと甘いお菓子の組み合わせ。これだけでご飯三杯はいけますし」
「悪食ね」
「例えですよ」
そして俺の好みもそうだけど、小窯さんは女心を分かってる。今までだってそうだった。
彼女のくれた些細な助言が何度仕事で役立ったことか……。
ああそうだ。そう考えるとこの人も、
そんなに悪い人じゃあないけども……どうにも見た目のインパクトがね。
「強すぎるのも考えもんだ」
「なに?」
「いえ何も。……それで、わざわざ電話してきてなんですか? またロコを貸し出す話でも?」
「そうそれ! 彼女にこの前イベントを、色々と手伝ってもらったでしょ。そのお礼と言うのもなんだけど――」
そうして小窯さんは持って来ていたポーチから、ある物を取り出して机の上に置いたんだ。
それはそう、例えるなら小さな宝石箱みたく。
いや、どんな角度から眺めても、紛れも無いそれは宝石箱。
そうだな……ちょうど、指輪を入れるのにいいぐらいの。
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