2: ◆BAKEWEHPok[saga]
2017/10/17(火) 15:26:22.96 ID:aFQ70cXAo
プロボクサーが放つストレートは、時速40km前後と言われている。
魔術協会のとある執行者は倍にあたる時速80kmの拳速を持つという。
ならば英霊であるサーヴァントの拳はどれだけの威力があるだろうか?
「まっ…………たく見えなくて……! 当たってないのにふっ飛んだんですけど……!」
轟ッと風切るというにはあまりに重々しい音ともに吹き飛んでからマットの上で起き上がる立香。
当たってないのでダメージはないが、その一瞬に台風に襲われたかのような衝撃があった。
元々乱れ気味の黒髪は風でさらに荒れている。
「本気だったからね。怖い? やめちゃう?」
水着姿のマルタは拳を握らず、掌底の形のまま問う。
立香に当たらないよう30cmほど遠い距離で放たれた掌は、空圧を生み出すほどの速度と威力が込められていた。
英霊ともなれば拳が当たらずとも人間を倒せるのだ。
「……いや、もうちょっと体験したいです。お願いします」
「よろしい。自ら試練を望む姿勢を神は見ておられます。…………いーい、喧嘩ってのはね実力以前に度胸よ。
次はもう少し近づけるから逃げないようにね。ビビったらぶっ飛ばすわよ」
「どっちにしてもぶっ飛ぶんでは?」
「口答えしない! あんたさっき目瞑ったでしょ。5cmに近づいても目を開けれるまでやるわよ」
人選しくじったかなーとか思いつつも、立香は異常な速度の拳を何度も見続けてはふっ飛ばされていた。
今日からサーヴァント達直々の戦闘訓練の日なのだ。
なお常人のマスターが吹っ飛ぶほどの風圧に耐えて目を開け続けるなどできるわけがなかった。
レオニダス+バーサーカーの場合
「聞いたぜマスター。わかってんじゃねーか。そう! 男ならステゴロだよな!
いいか、武器なんて別にいらねぇんだよ。殴り慣れれば勝てるってもんだ。
そのうち剣でも槍でも強くなってるぜ多分な。言うだろ? 物理で殴ればいいってよ」
「君はマスターなれど、苦難苦境を求める心は反抗の兆しである。
ならば我が反逆も輩としてここにあろう。鍛えよ、鍛えよ、鍛えよ!
さすれば肉体は鋼鉄となりて、圧制者を断罪する刃とならん」
「私もお二人に賛成です。まずは戦いに向いた筋肉を作りましょう。
技を培う前に肉の土台を構築する。そのためにはトレーニングです。
この槍と盾をお持ちください。ズシリとくるでしょう? それがいいのです。まずはランニングから!
掛け声はテルモピュライにいっくぞ〜! こいつはどえらいスパルタン〜! です。はい続けて!
……そこ行くと死んじゃうとこですと? 何をいいますそのために私がいるのです。
私の計算力を持って死なない程度の、でもジワジワ効いてくるスパルタントレーニングに励みましょう!
計算が狂ったら……? いえいえ大丈夫です。私はスパルタ一の頭脳ですので。脳筋ではありませんよ」
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