【FGO】サーヴァントトレーニング
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5: ◆BAKEWEHPok[saga]
2017/10/17(火) 15:28:08.40 ID:aFQ70cXAo

数日に渡る訓練の途中、フラフラになっている立香が食堂の机にへばりついた。
時刻は15時頃で、今日はあと一つ訓練が待っている。

「お疲れのようだなマスター。休憩にお茶でもどうだ」
「オッケー……ありがとうエミヤ……」

疲れた顔ながらも、返事をして赤い弓兵の淹れた紅茶のカップを受け取った。
程よい暖かさのアールグレイを唇に含むと、じんわりとした熱が身体に染み渡る。
傍らには乳白色の生地をベースにほのかな焼き色をした綺麗なチーズケーキ。
フォークで切り分けるとこれがまたとても柔らかい。
口に入れればふわりととろけそうな舌触りで、疲れ気味の立香の表情がほころんだ。
紅茶は市販品だが、ケーキはエミヤの手作りである。

「チーズの酸味と甘みに、柑橘の香りの紅茶が凄く合う……エミヤのケーキはいつも美味しいよ。前より腕上がってる?」
「満足できたならなにより」

エミヤも自分の紅茶を入れて椅子へ座る。
そっけないとも取れる返事だが、誰かに食事を食べてもらう時に少しだけ唇の端が上がる癖があるのを立香は知っている。

「……それで、戦闘訓練したいと突如言い始めたマスターの調子はいかがかな?
 料理しか能がないサーヴァントには、力不足で自主退職を迫られないか心配で、この所寝不足気味でね」
「なわけないでしょ。エミヤはずっとウチのエースだよ」
「はてさて、期待が重いのも困りものだ。それが嬉しくもあるが」

いつもの皮肉げな物言いだが、表情は柔らかい。

「訓練はうまく……いってるのかな? シミュレーターのレベル1スケルトンには3回目には勝てた。……2回やられちゃったけど」
「実戦三日目と考えれば十分な戦果じゃないか。君は旅慣れてて体力もある。まだまだ強くなれるだろう」
「うん……もう少し訓練したら戦える。けれど……」
「足りないと?」

立香は苦笑しながら頷いた。

「戦ってるのを見てるだけじゃわからなかったけど、目の前にいると思った以上に速い。例えスケルトンであっても。
 途中でマシュがアドバイスくれなかったら勝てなかったよ。骨だけだから軽いんで、一度止めたら押し込めるって」
「なかなか的確だ。盾持ちの彼女らしい。その助言だけで勝てたのなら君は案外センスがあるかもしれないな」
 
速いが力はそうでもないスケルトンの錆びた剣をなんとか受け止め、引ききる前に身体ごとぶつかりながら押し倒す。
技も力もない立香の戦法は華麗とは言えない。
けれども倒れ込むように体重を込め続け、気づけば骨だけの頭へとお互いの刀身がめり込んで砕けていた。
勝てたとはいえ、下手すれば自分も大怪我を負っていただろう辛勝。


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