佐久間まゆ「凛ちゃん聞いてください! まゆ、プロデューサーさんとキスしました!」
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7: ◆E055cIpaPs
2017/10/29(日) 13:45:03.46 ID:T3zoKt8I0
 思えば、とても長い時間、まゆはその言葉に支えられてアイドルを続けてきたような気がします。

 プロデューサーさんへの恋心に支えられていたあの日々にはもう、懐かしささえ感じるほどに。

 指を折って数えてみると、プロデューサーさんの結婚席に出席してから、まだ片手で数えられる程度の月日しか経っていないことが分かりました。

 確か、あの日もまゆは、今のような表情をしていました。

 いえ、その前の日も、次の日も、プロデューサーさんが結婚してしまうことをしってからというもの、まゆはずっとこんな調子ですけど。

 それでも、特にあの日は酷かった筈です。

 だってそうじゃないですか、大好きな、今でも諦められないひとの結婚式なんですから。

 「そういえば、まゆってどうしてアイドルになったんだっけ?」

 あの日披露宴の会場で、凛ちゃんとは最初、そんな話をしてました。

 あまりに場にそぐわない話題。

 きっと、凛ちゃんだってもうどうすればいいのか分からなかったんだと思います。

 それに、だいぶ長い友人付き合いをしながらも未だにそんな初歩的な話すらしていなかったなんて。

 そんな自分たちのチグハグな関係がおかしくて、全くそんな気分では全く無いはずなのに、「そうですねぇ」と呟くまゆの口は、何故か笑顔の形を作っていました。

「一言で言うと、運命を感じたからでしょうか?」

「運命?」

「はい、運命です」


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