モバP「雪の日に、特別な」
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9:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 06:10:46.43 ID:RpqNEFizo

締まらないものだ、と感じつつ、屋上の扉を開き、ビルの中へと戻る。

特別な舞台での出来事は終わり、後はもう無事に夜を明かすことを考えるだけでいい。

衣服に名残として残っていた雪を、階段の踊場でぱたぱたと払い落としていく。

「あ、Pさん。髪に、雪が残ってますよ」

どうやら、私の見えない場所にも名残はまだ残っていたらしい。

それを指摘した菜々さんは正面から私に向き合うと、躊躇いなくひょこっと手を伸ばしてそれを取り払ってくれた。

その折に、菜々さんの髪にも白いかけらが付着しているのが確認できた。

お返しに、それを私の手で丁寧に払い落とす。

屋上で心弾ませて遊んでいたせいもあったのだろう、あらゆる意味で距離感が狂っていた。

菜々さんの髪にこんな風に触れるなんて初めてだ、と私が実感を得てしまったタイミング。

そこで、見つめ合う形になっていた菜々さんが伏し目がちになった。

「ああ……えっと……これ……そう! 子供の頃! 子供の頃、近所の子と遊んだ後みたいな感じになっちゃいましたね!?」

菜々さんが、リミットオーバーした。

「昔は友達とじゃれあって、おニューの服を汚してお母さんに怒られちゃったりもして! あ、昔って言ってもそんなに昔じゃないですけどね!?」

私も急に恥ずかしさがこみ上げてくる。



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