モバP「飛鳥との日常」
1- 20
11:名無しNIPPER[sage]
2018/02/14(水) 23:35:32.30 ID:ZHvlmj8j0
 それから材料や包装用紙を買ってきて、今日に至る。時計を確認すると、冷蔵庫にチョコをいれてから一時間半ほど経過していた。

「そろそろかな」

 立ち上がり、冷蔵庫から型を取り出す。逆さにして軽く叩くと、小さなハートの形をしたチョコレートがいくつか落ちてきた。何と言うか、直球すぎるなこれは……。
 味の方はどうだろう。一つ手に取って口へ運ぶ。……うん、チョコの味だ。それはそうだろう。溶かして固めただけ。むしろ変わってもらっては困る。
 別のレシピや、少しアレンジしてみたいが、期日はもう明日に迫っている。仕方ない、チョコ以外の部分で自分を表現しようじゃないか。
 買ってきた包装用紙、箱、リボンを机に並べ、目を閉じた。いろんなパターンを脳内に膨らませ、自分らしい色や形を考える。
 赤に黄色のリボン……ピンクは、いや、それは恥ずかしいな……。ここは奇をてらわずに茶色をベースとして……。

 窓の外が暗くなってきた頃、ある程度満足できるデザインとなった。焦げ茶色の包装用紙に、赤と黄色のリボンというありきたりな組み合わせになってしまったが、それもまた良いだろう。ただ、何かが足りない。これでも悪くないが、何かを……。

「あ、あれだ。フフッ、ボクとしたことが見落としていたよ」

 足りないものに気付いたボクは、小物入れに入っているソレを取り出し、リボンが結ばれているところへ付けた。

「よし、これで完成だ。喜んでくれると良いが……」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
14Res/12.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice