10:名無しNIPPER[sage]
2018/03/16(金) 08:55:11.82 ID:13r6ns/50
――プラネタリウムドーム 映像視聴後――
<オツカレサマデシタ、ヒキツヅキプラネタリウムノジョウエイヲオコナイマスノデ、ソノママオマチクダサイ...
千聖「……なかなか面白い映像だったわね」
千聖「何年も前からずっと、宇宙の謎を解き明かそうとする科学者たち……色んなドラマがあったのね」
千聖「あなたはどの話が1番興味深かったかしら?」
千聖「……宇宙の果てを追い求めるロマン?」
千聖「ふふ……やっぱり。あなたならそう言うと思ったわ」
千聖「馬鹿になんてしてないわ。分かりやすくて可愛いと思っただけよ」
千聖「ええ、褒めてるわよ。ふふ」
千聖「……私? 私は……そうね、あなたと少し似てるかもしれないわね」
千聖「ええ、宇宙の果て……宇宙の始まりを垣間見るところ」
千聖「宇宙の誕生に遡っていくと、銀河や星の輝きは1つに収束していく……」
千聖「全てが収束した始まりへ、本当に科学者は自分の意志で辿り着いたのか」
千聖「もしかしたら、私たちの起こす行動やその結果は全部が決められていたことなのかもしれない」
千聖「宇宙が始まった、138憶年前に生まれた光によって……」
千聖「……そういうところに興味があったわ」
千聖「……珍しく私がロマンチストなことを言ってる?」
千聖「私だって女の子だもの、星を見て綺麗だと思うし、それを人生に例えるくらいのロマンチシズムは持ち合わせているわ」
千聖「それがそんなに意外だったかしら?」
千聖「……ああ、それはそうよ。アイドルと女優の仕事にはそんな考えは持ち込まないわ」
千聖「さっきの映像みたいに、例え私の人生が最初から決められていたとしても、そうじゃないとしても、頂いた仕事には全力を尽くす」
千聖「そしてお客さんの期待を裏切らないようにするのは当然の行動よ」
千聖「……まぁ、そうよね。それを言ってしまったら今の私はアイドル失格よね」
千聖「お忍びデートなんてもしもすっぱ抜かれたら……パステルパレットのデビューライブなんて目じゃないくらい、インターネットの各所が燃え上がるかもしれないわね」
千聖「でも……こう言ってはなんだけど、あなたの前だけではロマンチストでいたいの」
千聖「アイドル、または女優の白鷺千聖はリアリストで、ただの白鷺千聖はどこにでもいる普通の女の子」
千聖「そうでありたいと思うのよ」
千聖「あなたは、こんな私をズルくてワガママな人間だと思うかしら……?」
千聖「……なんて、ごめんなさい」
千聖「あなたのことだもの。そんなことは考えたこともないでしょうね」
千聖「あなたにとっての私は『白鷺千聖』であるだけで、アイドルや女優なんて肩書きは見えていないんだから」
千聖「……何を言われてるのかいまいち分からないって顔をしてるわね。ふふ」
千聖「いいのよ、あなたはそれで」
千聖「そんなあなただからこそ……私は、あなたの前でだけは、普通の女の子でいられるんだから」
千聖「……ええ、そうね。とても褒めているわよ」
<マモナクジョウエイカイシデス。クラクナリマスノデ、オセキヲタタナイヨウオネガイシマス...
千聖「あ、暗くなってきたわ……いよいよ本命のプラネタリウムね」
千聖「……ふふ、そうだ」
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