高垣楓「君の名は!」P「はい?」
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145: ◆PL.V193blo[sage saga]
2018/04/24(火) 07:36:20.83 ID:TatCKV+t0

息がかかる程の近くで、ノーメイクにも関わらずまるで色褪せない美貌。
触れるところから伝わる体温。なんの香水にも邪魔されない、彼女自身の香り。
浴衣からはだける、ほのかに上気した、彼女の肌。白魚の足に、何も着けていない胸元。

「……その、すいません。身体が、反応してしまうんですが」
「何も問題ありません。すべて差し上げると、言ったじゃないですか」
「やだ、格好いい……」
「……あなたも男らしく、覚悟を決めてくださいな」

態勢を整えるために腰を揺らして、またいつもの、悪戯っぽい顔。
”思わず襲いたくなるシチュエーション”……まさか昼間のアレが、伏線になるとは思いませんでしたよ。

「据え膳の、高垣食わぬは、武士の恥、でございますよ。」
「日本人の先祖は大体、農民か町民だと思うんですがね……」

真っ赤になっているだろう表情が恥ずかしくて、頬を掻きながら下を向いた。
――が、其処にはさらに刺激的な光景が広がっていて、思わず顔を上げた。
そこで、互い違いの瞳と目が合い、ついに観念した。

「僕とあなたは、プロデューサーとアイドルです、ですから今すぐは――――」
「あ、そういうのは今更良いです。やり尽くされていますから、そのくだり。」
「え゛っ」
「シンプルに、貴方の気持ちを私にください。好きか、大好きか、愛してるかのどれかでどうぞ」
「完全なる予定調和じゃん……」
「あ、結婚しよう、でも良いですよ」
「もはやノーガードですね……」
「今夜、婚約した……ふふっ」
「……1.00点」
「え゛ぇーっ!!」

外ではきっと、月が沈み、一日の中で最も濃くなる夜闇がすっぽり、すべてを隠してくれるだろう。
世界に、二人だけになった、この数時間だけは、秘め事は僕と彼女の、大切な秘密である。



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