高垣楓「君の名は!」P「はい?」
1- 20
2: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/18(水) 18:32:19.27 ID:hD9nuK1M0
「――――を、最近ようやく観まして」
「へえ」

思いついたように楓さんが、そんなことを言った。

「Pさんはご覧になりました?」
「公開初日に行きましたよ」
「あら、さすがですね」
「公開前から話題でしたからね。芸能プロデューサーとしてそういうリサーチの手間は惜しみませんよ」
「後悔しないプロデュースを心掛けたいですものね」
「41点ですね」
「えーっ」

まあ、楓さんの話題が思い付きでないほうが少ないのだけど。
そんな子供みたいに膨れたってダメです。
これでも甘い採点ですよ、貴女は30点や20点出すと本気でヘコみますから。

「ラストシーン、逢えないんじゃないかとやきもきしてしまいました」
「ああー……あの監督ならやりかねませんからね」

前々からのあの監督のファンは、きっとあのシーンをヒヤヒヤして観ていたに違いない。

「Pさんは、遠距離恋愛のご経験は?」
「ありませんね、あいにく」
「実は地元に残してきた生き別れの幼馴染みが」
「無いですって」

なんですか、生き別れの幼馴染みって。
それ単純に疎遠でしょうよ。

「そもそも、ぼくが東京に出てきたのってあんまり前向きな理由じゃないですからね。新卒で入った会社が何年もしないうちに倒産しまして」
「とうさん」
「ド田舎すぎて再就職出来るような先もありませんでしたから、体当たり的に身一つでこっちに出てきたんですよ。言っちまえば、破れかぶれってやつです」
「とうさん……はーさん、ひーさん……いや……」
「無理矢理過ぎませんか?」

他人の苦労話も笑い話に変えようとするポジティブさはすごい。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
163Res/145.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice