高垣楓「君の名は!」P「はい?」
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32: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/18(水) 23:44:22.50 ID:hD9nuK1M0


「……さて。プロデューサーには、どんなことを教えて頂きましょう?」
「う゛っ」

いたずらっぽい楓さんの声で、気持ちよく干していた杯が止まる。
僕と楓さんは、ひたすら飲み続けるだけなのもなんだということで、ちょっとしたゲームをしていた。曰く、「粗相をした方が負け」というもの。
この粗相の範疇が相互ジャッジなのだが、例えば箸を落としたとか、酒を零したとか……
そのうち、負けた方が勝った方の質問になんでも答える、という妙な流れが出来てしまって、それないけない。
それをきっかけに、からかい上手の高垣さんが本気を出してしまったのである、それがために僕のプライベートやら隠しておきたい過去やらが、次々と暴かれていた。
僕の一番最後にしたデートの話なんて、聞いてなんになるっていうんだ。そんな何年も前の、今更掘り返されたくもない恋愛未満で終わった異性交遊の話を、よりにもよって楓さんに聞かれるなんてとんだ罰ゲームだ。
あいや、罰ゲームなんだろうけどもさ!

「では、プロデューサーがこの間、デスクでこっそり見ていたえっちぃ動画の話を」
「ちょっと待て高垣」

そんな事実はないだろ高垣。ほかのお客さんが殆どいないからいいようなものの。

「……では、最近ご連絡した女の子のLINEの履歴を」
「そんなん見てもクソ面白くもないですよ」

ほとんど貴女とのやりとりですからね、悲しいことにな!

「そうですか、いないんですか……じゃあいいです。今日履いてるパンツの色でも教えていただければ」
「そこまでにしておきなさいよ高垣」

駄洒落お姉さんっていうより最近、ただのオッサンになってませんかねえ?
……結局、女性のタイプと「思わず襲いたくなるシチュエーション」とやらを、エチュードを交えて洗いざらい語らされたので、ひとしきり終わった後に楓さんが作ってくれたばかりの常温ハイボールを、やけくそ気味に一気飲みした。
ぐい、とカラのプラスチックカップを差し出すと、楓さんはにこにこしながらお代わりを作ってくれる。
くっそう、女神なんだよなあ、この笑顔だけは。

――――天使の上位互換、女神。

僕と楓さんとでカパカパ空けるものだから、まだ目的地の和歌山まで半分も進んでいないのに、すでに一本目のウィスキーボトルは四分の三を消費していた。

「私、プロデューサーのお酒作るの好きですよ」
「……っはい?」

ぼくが口をぐい、と拭うと、両手でちょこんとカップを持つ楓さん。
楽しそうにしているだけで何も言ってこないので、受け取ってそのまま一口目を頂く。



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