江ノ島「明日に絶望しろ!未来に絶望しろ!」戦刃「…終わりだよ、ドクターK!」カルテ.8
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29: ◆takaJZRsBc[saga]
2018/08/13(月) 01:26:37.21 ID:2lixqv+p0

「良かったよ。二人が強くなってくれて。弱いものイジメはしたくなかったからね」

「…………」

「…………」


軽口を叩く戦刃に反し、二人は無言だった。会話をする余裕などない。


「でも私もプロだから、あまり時間はかけられない。――だから、さようなら」

「!!」


息もつかせぬ連続攻撃がKAZUYAを襲う。全身を使いまるで踊るような戦刃の動きは、
KAZUYAと大和田の息の合った連携攻撃すらビクともしない。やられるのは時間の問題だろう。


(こちらからも攻撃しなければ……!)


攻撃は最大の防御とも言う。思えば、KAZUYAはこの期に及んで未だに及び腰だった。


(大和田には殺す気で行かなければ駄目だと大口を叩いたくせにな……
 俺自身、まだ覚悟が出来ていなかった。だが)


視界の端には右手を抑えて呻く桑田の姿があった。白い上着が血で染まっていた。
あの時、KAZUYAが覚悟を決めていたら守ってあげられたかもしれない。

――男はとうとう覚悟を決めた。




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