【ミリマス】令嬢らは媚薬で抑えられない!
1- 20
63: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/08/08(水) 11:35:06.47 ID:4VsaTvqw0
===

【五 遅出の莉緒は後の祭り】

その日、どうしても外せない用事があったために、
遅れて劇場へやって来た百瀬莉緒は奇妙な違和感を感じていた。

ミーティングの為にユニットメンバーが集まる楽屋へ顔を出すと、
その場にいた三人が三人とも普段とは違った様子でいたからだ。

まず、二階堂千鶴の様子が正気ではない。

彼女は差し入れ用に持って来ていたと思わしきコロッケをまじまじ見つめながら、
「はぁ」だとか「ふぅ」だとか心ここにあらずといった溜息をしきりに吐き出し続けている。

そして次に、普段ならば明るく挨拶をしてくる所恵美も上の空。

机の上に置かれている、すっかり氷の溶け切ったジュースグラスの縁を指でなぞり、
時々思い出したように「うああぁぁぁぁ」と腕枕に顔を埋めていた。

最後に天空橋朋花。ワケを知らない莉緒からしてみれば、
彼女こそ最も"ヘン"になっている人物だっただろう。

なにせ普段から浮かべている笑顔とは全く種類の違った微笑みを――口元はふにゃふにゃと緩みきり、

頬には薄い紅をさして、その油断しきった笑みを扇子で隠そうとしているものの、
かえって視線を集める結果となっている事に気づいていない――

一通り部屋の中を見回した莉緒が疑問符を浮かべて口を開ける。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
67Res/45.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice