京太郎「アナタが犯人です」咲「ファーストシーズン」【古畑パロ】
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32: ◆fb1bBQYqlo[saga]
2018/10/21(日) 13:41:17.84 ID:Q+hi8JiE0


京太郎「このマグカップ。二つとも、中身がまだ同じくらい温かいんです」

照「そ、そう?」

京太郎「一つは分かります。弘世さんの遺体を発見して、警察に通報した後に照さんが用意したもの」

照「……」ドキドキ

京太郎「それをここで飲んでいた。でも、残るもう片方は一体どこから?」

照「さぁ? なんでかな? 下に降りた時に、もう一度淹れてきちゃったとか?」

京太郎「普通、警察を呼んで自室に篭った後は、無闇に出歩かないものです」

照「そ、そうだよね。じゃあ、淹れたての熱いコーヒーを飲みたくなったのかも」

京太郎「もしそうなら、飲んでいた方のカップは下に持っていくと思いますよ」

 温かいカップが自室に二つある事の不自然
 京太郎の疑惑の目に、照は泣き出してしまいそうだった

 こんな事なら、少しくらい菫の言う事を聞くべきだったのかもしれない
 だけど、今更そんな後悔をしても遅い

 照は必死に脳内を動かして、言い訳を考える

照「た、多分だけど……死体を見て、気が動転しちゃったから」

京太郎「……」

照「もう一度、菫が死んでいないか確認しに降りたのかも、しれない」

 苦しい言い訳だが、ありえない話ではない
 後はそれが、京太郎に通じるかどうか

京太郎「……なるほど。分かりました」

照「あは、あはは。私がだらしないせいで、変に疑わせちゃってごめんね」

京太郎「いえ、こちらこそすみません。それじゃあ、俺は降ります」

 ガチャッ バタン

照「……はぁ」

 京太郎が部屋を出て行った途端、へなへなと力尽きてその場に座り込む照
 危なかった。だけど、なんとか切り抜ける事が出来た
 安堵した照が、顔を下へ向けた――瞬間
 
照「あっ!!!!!」

 先程、京太郎の来訪で荷物を少し片付けたお陰だろう
 彼女が失くしたと思っていた宝物が、机の下に落ちている事に気が付いた

照「……あぁ、よかった」

 素早くそれを拾い上げて、胸に抱く照


照「もう二度と離さない。ずっと」ギュッ


 自分がだらしなかったせいで、失いかけた大切な物
 これから自分は変わる。そして、この宝物を守り続ける

照「また、番組に付けていくからね」

 その為にも、早くこの事件を終わらせなければならない
 輝かしい未来を夢見て、照はその瞳を閉じた



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